JP2021066261A - 車両の前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】後側衝撃吸収部材の低剛性性能を確保しつつバンパーフェースアッパの垂れ下がりを防止すること。【解決手段】バンパーフェースアッパ14の内部に配設され前方斜め上方からの荷重を吸収する衝撃吸収部材15,16として、前側に配設され剛性の高い前側衝撃吸収部材15と、後側に配設され剛性の低い後側衝撃吸収部材16とが形成され、前側衝撃吸収部材15は、後側衝撃吸収部材16の下方を通ってシュラウド1に取り付けられる取付部15cが設けられた。【選択図】図4

Description

車体前面の上部にて車体外表面を成すように配設されたバンパーフェースアッパと、該バンパーフェースアッパの内部に配設され前方斜め上方からの荷重を吸収する衝撃吸収部材と、衝撃吸収部材に対して後下方に配設されたシュラウドと、を備えた車両の前部構造に関する。
車両には一般に、前面上端位置(車両のノーズ位置)の周辺部位に、該部位の外表面を形成するバンパーフェースアッパが配設される。このような車両の歩行者保護構造として特許文献1のように、バンパーフェースアッパの前部から後方にかけての全領域に衝撃吸収部材を配置する構造が知られている。
さらにこのような車両の中には特許文献1のように、衝撃吸収部材(補強部材)を、前部が高剛性となると共に後部が低剛性となるように形成したものも知られている。
ところで、特許文献1の衝撃吸収部材は、バンパーフェースアッパに対して前方からの衝突時における衝撃緩和のため後部を低剛性に形成したものである。
しかし一般に衝撃吸収部材の剛性は、バンパーフェースアッパの垂れ下がり防止にも貢献しており、特許文献1のように、衝撃吸収部材の低剛性に形成した後部を、該衝撃吸収部材の後側下方に備えたシュラウドパネル等に片持ち状に締結した際には、該後部の剛性不足による前部の垂れ下がりが懸念される。
特開2019−38497号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、後側衝撃吸収部材の低剛性性能を確保しつつバンパーフェースアッパの垂れ下がりを防止できる車両の前部構造の提供を目的とする。
この発明は、車体前面の上部にて車体外表面を成すように配設されたバンパーフェースアッパと、該バンパーフェースアッパの内部に配設され前方斜め上方からの荷重を吸収する衝撃吸収部材と、上記衝撃吸収部材に対して後下方に配設されたシュラウドと、を備えた車両の前部構造であって、上記衝撃吸収部材は、前側に配設され剛性の高い前側衝撃吸収部材と、後側に配設され剛性の低い後側衝撃吸収部材とで形成され、上記前側衝撃吸収部材は、上記後側衝撃吸収部材の下方を通って上記シュラウドに取り付けられる取付部が設けられたものである。
上記構成によれば、後側衝撃吸収部材の低剛性性能を確保しつつバンパーフェースアッパの垂れ下がりを防止できる。
この発明の態様として、上記前側衝撃吸収部材の後部には、該後部を上記後側衝撃吸収部材の下に潜り込ませて該後側衝撃吸収部材に対して上下方向で連結する連結部が設けられており、上記後部の車幅方向の少なくとも一部分から上記取付部がさらに上記シュラウドに向けて延びる構成としたものである。
上記構成によれば、上記前側衝撃吸収部材と上記後側衝撃吸収部材との組付け性、および衝撃吸収部材によるバンパーフェースアッパの支持剛性を向上させることができる。
この発明の態様として、上記取付部は、上記前側衝撃吸収部材の上記後部から後方下方に傾斜して延びる構成としたものである。
上記構成によれば、上記取付部を、後方下方に傾斜して延びる構成としたため、鉛直下方に段落ちさせてから後方へ延びる構成と比して上下方向の剛性を低下させることができる。
この発明の態様として、上記前側衝撃吸収部材の上記後部における、車幅方向で隣接する上記連結部の間には、上下方向に貫通する貫通穴が形成されたものである。
上記構成によれば、上記前側衝撃吸収部材における、後側衝撃吸収部材が上方に配置される上記後部(後側衝撃吸収部材配置部)の上下方向の剛性が上がることを、貫通穴によって抑制できる。
この発明の態様として、上記前側衝撃吸収部材の上記前部は、上記バンパーフェースアッパに沿って車幅方向に延びており、上記前部には、上記バンパーフェースアッパに対して凹状となる凹部が形成され、上記凹部には上下方向に延びる縦面部を備え、上記縦面部には、下方に配置されるフロントグリルの上部に設けられた爪が係合する係合穴が形成されたものである。
上記構成によれば、フロントグリルの上部に設けられた爪を係合穴に係合することで、フロントグリルの上部を前側衝撃吸収部材に取付けながら、凹部に備えた上下方向に延びる縦面部により、前側衝撃吸収部材の前部の上下方向の剛性を高めることができる。
この発明によれば、後側衝撃吸収部材の低剛性性能を確保しつつバンパーフェースアッパの垂れ下がりを防止できる。
本実施形態の車両の前部構造の正面図。 フロントグリルと衝撃吸収部材と下側グリルを示す正面図。 本実施形態の車両の前部構造の要部拡大平面図。 図3中のA−A線に沿った要部矢視断面図。 本実施形態の上部前側および上部後側の衝撃吸収部材の平面図。 本実施形態の上部前側衝撃吸収部材の平面図。 図3中のB−B線に沿った要部矢視断面図。 図3中のC−C線に沿った要部矢視断面図。 図3中のD−D線に沿った要部矢視断面図。 図3中のE−E線に沿った要部矢視断面図。 図3中のF−F線に沿った要部矢視断面図。
この発明の車両の前部構造の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は本実施形態の車両の前部構造の正面図、図2はフロントグリルと中間衝撃吸収部材と下側グリルを示す正面図、図3は本実施形態の車両の前部構造の車幅方向中央および左側の拡大平面図、図4は図3中のA−A線に沿った要部矢視断面図であって、図5および図6中のA−A線に対応して示した車両の前部構造の矢視断面図、図5は本実施形態の上部前側および上部後側の衝撃吸収部材の平面図、図6は本実施形態の上部前側衝撃吸収部材の平面図、図7は図3中のB−B線に沿った要部矢視断面図であって、図5および図6中のB−B線に対応して示した車両の前部構造の矢視断面図、図8は図3中のC−C線に沿った要部矢視断面図であって、図5および図6中のC−C線に対応して示した車両の前部構造の矢視断図、図9は図3中のD−D線に沿った要部矢視断面図であって、図5および図6中のD−D線に対応して示した車両の前部構造の矢視断面図、図10は図3中のE−E線に沿った要部矢視断面図であって、図5および図6中のE−E線に対応して示した車両の前部構造の矢視断面図、図11は図3中のF−F線に沿った要部矢視断面図であって、図5および図6中のF−F線に対応して示した車両の前部構造の矢視断面図である。
なお、図1、図2はバンパーフェースアッパ14の図示を、図1〜図3においてはボンネット3の図示を、夫々省略している。また、図中において、矢印Fは車両前方向、矢印Rは車両右方向、矢印Lは車両左方向、矢印Uは車両上方向を示している。さらにまた、図3、図5、図6においては、リベットR、クリップC並びにボルトBおよびナットNの図示は省略している。
図1〜図4に示すように、車両の前部構造は、バンパーフェース7(図1、図3、図4参照)とバンパーフェースアッパ14(図3、図4参照)とフロントグリル8(図1、図2、図4参照)とバンパービーム4(図1、図4参照)とボンネット3(図4参照)とヘッドランプ22(図1参照)と衝撃吸収部材15,6,30,16(図1、図3参照)を備えている。
バンパーフェース7、バンパーフェースアッパ14およびフロントグリル8によって、車両前面におけるバンパーフェース7よりも下部を除く外表面が構成される。
図1、図3に示すように、バンパーフェース7の上部かつ車幅方向中央にはグリル開口11が形成されている。グリル開口11は、バンパーフェース7の後方のエンジンルームの前側に配設されるラジエータ(図示省略)を放熱するために該エンジンルーム内に冷却用の外気を導入する外気導入口である。
フロントグリル8は、グリル開口11を覆っており、図1、図2に示すように、バンパーフェース7の車幅方向中央部に設けたグリル開口11に正面視で対応する部位に対して車幅方向の両外側まで延びている。具体的には図1に示すように、フロントグリル8は、車両前面の両サイドに設けたヘッドランプ22の間に備え、左右各側において車幅方向外端が該ヘッドランプ22の車幅方向内側に至るまで延びており、バンパーフェース7およびバンパーフェースアッパ14に取付けられている。
図1、図4に示すように、フロントグリル8は、全面に車両正面視で六角枠状のセル8aを縦横に配設することで、セル8aごとに対応する多数の貫通孔8bが形成されている。これら貫通孔8bのうち、グリル開口11と対向する貫通孔8bはグリル開口11と連通する(図4参照)。
なお、同図に示すように、バンパーフェース7の下部かつ車幅方向中央には、グリル開口11と同様に外気導入用の下部グリル開口(図示省略)が形成され、その直後に下部フロントグリル9が配置されている(図1、図2参照)。
図1、図2に示すように、下部フロントグリル9は、車幅方向に長い環状の外枠9aに対して、間隔を隔てて横桟9bおよび複数の縦桟9cを設けることで、外気導入用の開口部9dが形成され、該開口部9dは、バンパーフェース7側の下部グリル開口と連通する。
図4に示すように、上述したバンパーフェース7は、フロントグリル8の後方に位置する後退部7a(図8参照)と、後退部7aの上側に位置する上端部7bと、フロントグリル8の下方かつ前側に位置する中間部7cと、当該中間部7cの下方に位置し、下部グリル開口12,13が正面視中央部から幅広形状で貫通形成された下片部7dと、を一体形成したものである。
図1、図2に示すように、フロントグリル8の車幅方向中央の直前にはエンブレム10が設けられている。
図3、図4に示すように、バンパーフェース7の上部、すなわちフロントグリル8よりも上方には、バンパーフェースアッパ14が庇状に設けられている。バンパーフェースアッパ14は、車両の前面上端(ノーズ)の位置において車幅方向に延びており、該前面上端周辺の外表面を形成している。
具体的に図3、図4に示すように、バンパーフェースアッパ14は、車両の前面上端(車両のノーズ位置)から後方に延びる上面部14aと、この上面部14aの前端からフロントグリル8の上部前側に向けて略水平に折返し形成された下面部14b(図4参照)と、上面部14aの後端からさらに後方に延びる後方延出部14cと、を備えている。
上面部14aは、車両の前面上端とボンネット3の前端との間に備え、前面上端から閉時におけるボンネット3(後述するボンネットアウタパネル3a)の上面と前後方向に連続するように前低後高状に傾斜して形成されている。上面部14aの後端(上端)はボンネット3の前端と若干の隙間を有して対向する。
図4に示すように、後方延出部14cは、ボンネット3に対して、その前端から下方へ潜り込むように該ボンネット3の前部においてボンネットインナパネル3bの前後方向の形状に略沿うように後方かつ下方へ延びている。
具体的には後方延出部14cは、上面部14aの後端から段落ちする前側段部14caと、前側段部14caの下端から略水平に後方に延びる前側水平部14cbと、前側水平部14cbの後端から段落ちする後側傾斜部14cdと、後側傾斜部14cdの下端から略水平に後方に延びる後側水平部14ceとで一体形成されている。
図1、図3、図4に示すように、バンパーフェースアッパ14の内部、すなわち、上面部14aの下方には、前方斜め上方からの衝突荷重を吸収する上部前側衝撃吸収部材15(第一衝撃吸収部材)を設けている。この上部前側衝撃吸収部材15は繊維強化プラスチックにより形成されている。
図1、図3〜図5に示すように、バンパーフェースアッパ14の内部、すなわち、上面部14aの下方で、上部前側衝撃吸収部材15よりも後部上側には、前方斜め上方からの衝突荷重を吸収する上部後側衝撃吸収部材16(第四衝撃吸収部材)を設けている。この上部後側衝撃吸収部材16はポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。
このようにバンパーフェースアッパ14の内部には、上部衝撃吸収部材15,16(上部前側衝撃吸収部材15および上部後側衝撃吸収部材16)が設けられており、前側に相対的に剛性が高い上部前側衝撃吸収部材15を配置し、後側に剛性が低い上部後側衝撃吸収部材16を配置している。
また図1に示すように、上部前側衝撃吸収部材15は、両サイドのヘッドランプ22間に配設されている。そして上部前側衝撃吸収部材15は、両サイドのヘッドランプ22の車幅方向内端側同士、詳しくは、後述するモール22a取付用の取付けブラケット22b同士を繋ぐように車幅方向に連続して延びている。
すなわち、上部前側衝撃吸収部材15は、車幅方向における、左右のヘッドランプ22に相当する部位には形成されていない(図1参照)。一方、上部後側衝撃吸収部材16は、車幅方向の中央部が、上部前側衝撃吸収部材15の直後かつ直上側に配置されるとともに車幅方向においては両サイドが、左右夫々に対応するヘッドランプ22に相当する位置の上方まで連続して延びている。
これら上部前側衝撃吸収部材15および上部後側衝撃吸収部材16については後述する。
図4に示すように、エンジンルームの上方はボンネット3により開閉可能に覆われている。当例では、ボンネット3はその後端をヒンジ(図示省略)を介して車体に軸支され、上下に開閉するように構成している。
ボンネット3は、ボンネットアウタパネル3aとボンネットインナパネル3bとをヘミング加工により接合して一体化して構成されており、ボンネットアウタパネル3aの下面側には、ボンネットレインフォースメント3cが接着固定されている。
ボンネット3の周縁のうち少なくとも前縁下部には、パーティングシール3dを備えている。パーティングシール3dがボンネット3閉時にバンパーフェースアッパ14の前側水平部14cbの上面に当接することで、ボンネット3の前縁とバンパーフェースアッパ14の前側水平部14cbとの間の止水性を確保している。
エンジンルームの左右両サイドには、車両の前後方向に延びるフロントサイドフレーム(図示省略)が設けられている。フロントサイドフレームの前端にはセットプレートを介してクラッシュカンが取り付けられている(図示省略)。
そして、バンパーフェース7の下部後方かつエンジンルームの前側の位置には、左右一対のクラッシュカンの前端同士を繋ぐように車幅方向に延びるバンパービーム4が設けられている(図1、図4参照)。このバンパービーム4は図4に示すように、バンパービーム本体4aと、クロージングプレート4bとを接合固定して車幅方向に延びるバンパービーム閉断面5を備えている(図4参照)。
バンパービーム4の直後かつエンジンルームの前側には、ラジエータシュラウド1が配設され(図4参照)、ラジエータシュラウド1(以下、「シュラウド1」と略記する。)はバンパービーム4に支持されている。
シュラウド1は、エンジンルーム前側のフロントサイドフレーム間において正面視矩形枠状に形成され、ラジエータ(図示省略)等を支持する。
図3に示すようにシュラウド1の上面部1aは、上部前側衝撃吸収部材15の後側の部位(後述する後方延出部15c)よりも若干下方、当例ではグリル開口11の上部に相当する高さに配置されており、図3に示すように車幅方向に延びるシュラウドアッパ2を介してエプロンレインフォースメント(図示省略)に取付けられている。
またバンパービーム4の前面部、すなわちクロージングプレート4bの前面には、図に示すように、ポリエチレン、ポリスチレン等から成る発泡スチロール製の下部衝撃吸収部材6(第二衝撃吸収部材)が配置されている。この下部衝撃吸収部材6は、左右のクラッシュカン相互間の範囲内において車幅方向に連続して延びる所謂EAフォーム材であり、主に前方からの衝突荷重を吸収する。
なお、図1中の符号21はヘッドランプ22を支持するランプブラケットであり、符号22aは、ヘッドランプ22の上縁に沿って備えた装飾部材としてのモールであり、符号22bは、モール22aをヘッドランプ22の上縁に取付けるための取付けブラケットである。また図1に示すように、バンパーフェース7における中間部の車幅方向中央には、ベース部材を介してライセンスプレート20が設けられている。
図1、図2に示すように、上部前側衝撃吸収部材15よりも下方かつ下部衝撃吸収部材6よりも上方であって、図4に示すように、バンパーフェース7とバンパービーム4との間、すなわち、バンパーフェース7の上部寄りの後方には、前方斜め上方からの衝突荷重を吸収する中間衝撃吸収部材30(第三衝撃吸収部材)が配置されている。
図4に示すように、中間衝撃吸収部材30は、車幅方向全体に亘って下端30dが下部衝撃吸収部材6の上端よりも上方に位置するように、すなわち、下部衝撃吸収部材6と上下方向においてラップしないように配設されている。
この中間衝撃吸収部材30は、フロントグリル8および両サイドのヘッドランプ22の下方に配置され(図1、図2参照)、両サイドが左右夫々のヘッドランプ22の車幅方向内側の直下に至るまで車幅方向外側へ連続して延びている。すなわち、中間衝撃吸収部材30は、両サイドが共に上部前側衝撃吸収部材15よりも車幅方向外側へ延びている。
さらに図1、図2に示すように、中間衝撃吸収部材30は、少なくともヘッドランプ22の直下に位置する車幅方向外側部30aが、上部前側衝撃吸収部材15の下方に位置する車幅方向中央部30bに対して一段高くなるように形成されている。
すなわち、中間衝撃吸収部材30は、車幅方向中央部30bよりも車幅方向外側部30aが前方斜め上方からの衝突荷重を受けるに際して有利な形状としている。
これにより、中間衝撃吸収部材30の車幅方向外側部30aの上方に上部前側衝撃吸収部材15を配設していないことによる、前方斜め上方からの衝突荷重の吸収量が車幅方向中央部30bよりも低下することを補っている。
ここで中間衝撃吸収部材30は、上部後側衝撃吸収部材16と同様にポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。また上述したように、上部前側衝撃吸収部材15は、繊維強化プラスチックにより形成されているとともに、下部衝撃吸収部材6は、所謂EAフォーム材により形成されている。
すなわち、前方斜め上方からの衝突荷重を吸収する中間衝撃吸収部材30および上部前側衝撃吸収部材15については、前方からの衝突荷重を吸収する下部衝撃吸収部材6よりも高剛性に設定されている。
続いて上述した上部衝撃吸収部材15,16のうち、上部前側衝撃吸収部材15について詳述する。
上部前側衝撃吸収部材15は図4、図6〜図8の特に図6に示すように、前部15aと後部15bと後方延出部15cとで一体形成されている。
これらのうち、後部15bと後方延出部15cは特に図5、図6に示すように、上部前側衝撃吸収部材15と上部後側衝撃吸収部材16との組み付け状態において上部後側衝撃吸収部材16が上方から配置される領域(以下、「上部後側衝撃吸収部材配置領域Z」と称する。)に相当する。
図4、図6〜図8に示すように前部15aは、車幅方向の略全体がバンパーフェースアッパ14の略前端から上面部14aに沿って前下後上状に傾斜して延びており、車幅方向の略全体が上面部14aの下面に当接している。前部15aの後端は、上面部14aの前後方向の途中部(略中間部)まで、すなわち上部後側衝撃吸収部材16の前端手前まで後方に延びている(図4参照)。
図1、図5、図6に示すように上部前側衝撃吸収部材15の前部15aには、バンパーフェースアッパ14の上面部14aに対して凹状となる複数(当例では4つ)の凹部150が車幅方向に互いに離間して配設されている。これら凹部150は、図6に示すように前部15aの車幅方向の中央部と、左側部位と、右側の車幅方向内外各側の2つの部位とに夫々配設されている。
そして図10に示すように、4つの凹部150は、何れも該凹部150の後面を形成するように上下方向に延びる縦面部151と、下面(底面)を形成するように前後方向に略水平に延びる水平面部152とで車幅方向の直交断面が略L字形状に形成されている。
これら4つの凹部150のうち、上部前側衝撃吸収部材15の車幅方向中央部に配設された凹部150以外の3つの凹部150は、何れも縦面部151の上下方向の中間部に係合穴153が、前後方向(縦面部151の板厚方向)に貫通形成されている。
一方、上述したフロントグリル8は上部は、上部前側衝撃吸収部材15の縦面部151の直後方に配置され、該上部の車幅方向における、各係合穴153に対応する部位には前方へ突出する係合突起80が形成されている。そして各係合穴153には、夫々に対応する係合突起80の先端に設けた爪80aが係合されている(図6、図10参照)。
図4、図5に示すように、後部15bは、前部15aの後端から上部後側衝撃吸収部材16の下に潜り込むように略水平に後方に延びている。なお図4、図7〜図9に示すように、後部15bの前側部位15baと後側部位15bbとは共に略水平に形成されているが、後部15bの後側部位15bbは、前側部位15baに対して、これらの間に位置する段部15bcを介して若干高い位置に配置されている(図4参照)。
図6に示すように、後部15bの後側部位15bbには、上部後側衝撃吸収部材16に対して上下方向に連結する複数(当例では2つ)の連結部72が車幅方向に沿って配設されている。
具体的には連結部72は、後部15bの後側部位15bbの左右各側に座面状に形成され、図6、図7に示すように、何れも平面視で該連結部72の中央部に連結穴72aが上下方向に貫通形成されている。
さらに図6、図11に示すように、後部15bの後側部位15bbには、上部後側衝撃吸収部材16に対して上下方向に係合する複数(当例では3つ)の係合突起71が、配設されている。
具体的には係合突起71は、後部15bの後側部位15bbにおける、左右両外側(左右夫々に対応する連結部72よりも車幅方向外側)および車幅方向中央において、上方に向けて突出形成され、何れも上部(先端部)に後方へ向けて突出する爪71aを備えている(図11参照)。
図6に示すように後方延出部15cは、後部15bの後端の車幅方向の一部分から後方へ突出するように複数(当例では3つ)備え、車幅方向に互いに離間して配設されている。
具体的に後方延出部15cは、上部前側衝撃吸収部材15における、左側の車幅方向外側に配設された左外側後方延出部15caと、左側の車幅方向内側に配設された左内側後方延出部15cbと、右側に配設された右側後方延出部15ccと、を備えている。
これら後方延出部15cのうち、左内側後方延出部15cbと右側後方延出部15ccとは、上部前側衝撃吸収部材15の車幅方向の中央部を隔てて左右各側に離間して配設されている。これにより、上部前側衝撃吸収部材15の後側且つ車幅中央部には、平面視で前方へ凹状を成すとともに上下方向に貫通する凹状の空間156を有している(図6参照)。
これら後方延出部15cは、何れも後方への延出方向の基部側の傾斜部15csと、先端側の水平面部15cfとで一体形成されている。
図4、図8に示すように傾斜部15csは、後部15bの後端からボンネット3の下方へも潜り込むように後方かつ下方へ傾斜して延びている。なお、後部15bの後端は、バンパーフェースアッパ14の上面部14aの前後方向の後端相当位置に位置する。また当例において、左外側後方延出部15caと左内側後方延出部15cbとの各傾斜部15csは、これらの間を繋ぐように車幅方向に連続して形成している(図6参照)。
水平面部15cfは、ボンネットインナパネル3bよりも下方において略水平に後方へ延びている(図4、図8参照)。
図4、図6、図8に示すように、3つの後方延出部15cの夫々の水平面部15cfには、後述するが上部後側衝撃吸収部材16およびシュラウド1の上面部1a(シュラウドアッパ2)への取付け用の取付穴154が上下方向に貫通形成されている。
図6に示すように、左外側後方延出部15caと左内側後方延出部15cbの各水平面部15cfには、何れも1つの取付穴154が形成される一方で右側後方延出部15ccの水平面部15cfには、複数(当例では3つ)の取付穴154が形成されている。
具体的に右側後方延出部15ccの水平面部15cfには、取付穴154が、車幅方向の内外各端側の2つの部位と、中央に対して左側寄りの部位とに形成されている。
また、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bおよび後方延出部15cは、上述したように上部後側衝撃吸収部材配置領域Zに相当する。このため、上部前側衝撃吸収部材15と上部後側衝撃吸収部材16とを組み付け時において、これら後部15bと後方延出部15cとは、前部15aと比して高剛性となる。
よって、これら後部15bと後方延出部15cとの後述する所定箇所に、上下方向に貫通する貫通穴155,157を形成することで(図6参照)、上下方向の剛性が高くなりすぎることを抑制している。
図6に示すように、貫通穴155は、後部15bにおける、車幅方向で隣接する連結部72および係合突起71の間に配設されている。これら貫通穴155は、何れも平面視で車幅方向に延びる略矩形状に開口されている。
このように上部前側衝撃吸収部材15の後部15bには、複数(当例では4つ)の貫通穴155が車幅方向に略一列に並ぶように配設されており、これら貫通穴155によって貫通穴形成ライン155Lが形成されている。これにより図6に示すように、後部15bは、前方または前方斜め上方から入力される衝突荷重に対して前部15aが例えば下方に屈曲する(すなわち、突張ることなく前後方向に折り畳まれる際の折れ起点となる(図4中の仮想線で示した前部15a参照))。
すなわち、上部前側衝撃吸収部材15は、前方斜め上方(水平面に対して20度程度斜め上方)から入力される衝突荷重に対して、上部後側衝撃吸収部材16よりも高剛性に形成したが、後部15bに上述した貫通穴155を配設することで、衝突初期に上部前側衝撃吸収部材15が吸収する荷重の立ち上がりが高くなりすぎることを抑制できる。
なお図6に示すように、上部前側衝撃吸収部材15は、貫通穴155以外にも貫通穴157が例えば、右側後方延出部15ccの水平面部15cfと傾斜部15csとを跨ぐように形成されている。このように、上部前側衝撃吸収部材15には、後方延出部15cにも貫通穴157を形成することで、上部後側衝撃吸収部材配置領域Zの上下方向の剛性を低下させている。
続いて上述した上部衝撃吸収部材15,16のうち、上部後側衝撃吸収部材16について詳述する。
図4、図5、図7〜図9に示すように、上部後側衝撃吸収部材16は平面視で左右略対称形状で形成されるとともに(図5参照)、ボンネット3の前方から該ボンネット3の下方に潜り込むように後方に延びる前部40と、ボンネット3の下方に配設される後部50とで一体形成されている。
前部40は、前側傾斜部41と受け部42と後側傾斜部43と水平面部44とを前方から後方へこの順に備えている。
ここで図3に示すように、シュラウド1の上部の車幅方向中央部には、ラッチ機構(図示省略)を収容するラッチ収容部1cが配設される。ラッチ機構は、ボンネットインナパネル3bの前縁下部の車幅方向中央部に設けられたストライカ(図示省略)とアンロック可能に係合される。
一方図5に示すように、上部後側衝撃吸収部材16の後側且つ車幅方向中央部には、上部前側衝撃吸収部材15に有する上述した凹状の空間156(図6参照)と同様に、前方へ凹状を成すとともに上下方向に貫通する凹状の空間166を有している。
具体的には、上部後側衝撃吸収部材16の凹状の空間166は、上部後側衝撃吸収部材16の後端の車幅方向中央から後部50と、前部40の水平面部44および後側傾斜部43に相当する部位まで前方へ凹状に形成されている。
そして、これら上部前側衝撃吸収部材15と上部後側衝撃吸収部材16との組み付け時において夫々に形成した凹状の空間156,166は、共に平面視で略一致し、ボンネット3閉時にストライカとの干渉を回避するための逃げ部としての貫通穴である。なお、シュラウド1の上面部1aに備えたシュラウドアッパ2のストライカに対応する部位にもストライカに対する逃げ部としての貫通穴2bが形成されている(図3参照)。
前側傾斜部41は、バンパーフェースアッパ14の上面部14aに沿って車幅方向に延びるとともに図4、図7〜図9に示すように、上部前側衝撃吸収部材15の前部15aの後端よりも若干後方位置から前下後上状に傾斜して延びている。
同図に示すように受け部42は、ボンネット3よりも前方に位置する前側傾斜部41の後端からボンネット3の下方に至るまで該ボンネット3の前縁を跨ぐように後方に延びている。
受け部42は、ボンネット3閉時に該ボンネット3の前縁下部に備えたパーティングシール3dを、バンパーフェースアッパ14を介して受け止め可能にバンパーフェースアッパ14の前側水平部14cbに対して下側から沿うように略水平に延びている。
ここで図5、図7に示すように、前側傾斜部41と受け部42との境界部には、上部前側衝撃吸収部材15に対して連結具を介して上下方向に連結する複数(当例では2つ)の連結部162が車幅方向に沿って配設されている。
具体的には連結部162は、上部前側衝撃吸収部材15に形成した連結部72(図6参照)の夫々と平面視で対応する部位に略水平な座面状に形成され、何れも平面視で中央部に連結穴162aが上下方向に貫通形成されている。
そして図7に示すように、各連結穴72a,161aにおいて上部前側衝撃吸収部材15と上部後側衝撃吸収部材16とを上下方向で連結具としてのリベットRを介して締結固定している。
さらに図5、図11に示すように、受け部42には、上部前側衝撃吸収部材15側に設けた係合突起71(図6、図11参照)に対して上下方向に係合する複数(当例では3つ)の係合穴163が、配設されている。
具体的には係合穴163は、受け部42における、上部前側衝撃吸収部材15に形成した各係合突起71と平面視で対応する部位に配設されており、何れも例えば図11に示すように、係合突起71に備えた爪71aと係合されている。
図4、図7〜図9に示すように、後側傾斜部43は、受け部42の後端からバンパーフェースアッパ14の後側傾斜部14cdと共に後方下方に向かって傾斜する。
水平面部44は、後側傾斜部43の後端(下端)からバンパーフェースアッパ14の後側水平部14ceと共に略水平に延びる。
図5、図9に示すように、水平面部44には、バンパーフェースアッパ14を連結具を用いて連結可能に上下方向に貫通する連結穴161が車幅方向に沿って複数配設されている。
ここで、水平面部44には、バンパーフェースアッパ14の後側水平部14ceが上方から配置された状態において、水平面部44に形成した複数の連結穴161は、後側水平部14ceに形成した連結穴14d(図3参照)の夫々と平面視で一致(すなわち上下方向に連通)する。
そして図9に示すように、各連結穴14d,161において、バンパーフェースアッパ14の後側水平部14ceと、水平面部44とを上下方向で連結具としてのリベットRを介して締結固定している。
また図5に示すように、水平面部44および上述した受け部42には、上下方向に貫通する貫通穴164a,164b,165が夫々形成されている。水平面部44に形成した貫通穴164a,164bは、水平面部44の左右各側において、車幅方向内側から3つ目と4つ目の連結穴161の間、および4つ目と5つ目の連結穴161の間に、夫々車幅方向に沿って長い平面視矩形状に形成されている。
一方、受け部42に形成した貫通穴165は、受け部42の左右各側において、係合穴163に対して車幅方向の内外各側の2つの部位と、連結部72よりも車幅方向内側部位とに、夫々車幅方向に沿って水平面部44に形成した貫通穴164a,164bよりも幅小に形成されている。
図4、図5、図7〜図9に示すように、後部50は、ボンネット3の下方において水平面部44の後端、すなわち前部40の後端から後方に段落ちする段落ち部51と、段落ち部51の下端から後方へ延びる取付部52とで一体形成されている。
段落ち部51は、上部後側衝撃吸収部材16の前部40の後端から後方へ階段状に段落ちする階段状段落ち部51aと(図4、図5、図9参照)、直線状に段落ちする直線状段落ち部51bと(図5、図8参照)、さらに、上下方向に直線状に段落ちするが、直線状段落ち部51bよりも上下方向の段差が小さな段落ち部51cと(図5、図7、図8参照)、を備えている。
図5に示すように、取付部52は、上部後側衝撃吸収部材16の左右各側に備えており、これら左右の取付部52は、互いに車幅方向の中央部を隔てて両サイドに離間して配設されるとともに、略左右対称形状に形成されている。
取付部52は、シュラウド1への取り付け用の複数(当例では8つ)の取付穴53が上下方向に貫通形成されている。
具体的に図5に示すように、取付部52に形成した複数の取付穴53は、左右の取付部52ごとに4つずつ配設されている。これら取付穴53のうち、左右夫々において車幅方向内側に位置する2つの取付穴53を、車幅方向内側から外側へ順に第1取付穴53a、第2取付穴53bに設定する。
また図3、図4、図8に示すように、取付部52の下方には、シュラウド1が配設されており、特に車幅方向において第1取付穴53aおよび第2取付穴53bが形成された部位においては、シュラウド1の上面部1aに対して、シュラウドアッパ2を介して互いに上下方向に略隙間なく対向した状態で配置されている(図4、図8参照)。
そして上部後側衝撃吸収部材16は、左右各側の第1、第2の取付穴53a,53bと、これらに対応して形成された、シュラウド1の上面部1aの取付穴1bおよびシュラウドアッパ2の取付穴2aにおいて取付け具を用いてシュラウド1の上面部1aに取付けられる。
但し、上部後側衝撃吸収部材16を、シュラウド1の上面部1aおよびシュラウドアッパ2に取り付けるに際して上部前側衝撃吸収部材15を共締めしている。
具体的には、上部後側衝撃吸収部材16とシュラウド1の上面部1aとで上部前側衝撃吸収部材15とシュラウドアッパ2とを上下方向に挟み込むようにして配置した状態において、上部後側衝撃吸収部材16と上部前側衝撃吸収部材15と上部後側衝撃吸収部材16とシュラウドアッパ2とシュラウド1の上面部1aとの夫々に形成した取付穴(53a又は53b),154,2a,1bは、上下方向に連通するため、取付け具を用いてこれら4枚が共締めされる。なお当例では、取付け具としては、上部後側衝撃吸収部材16の左右各側の第1取付穴53aにおいては、ボルトBおよびナットNを採用し(図4参照)、それ以外の取付穴53においては、クリップCを採用している(図8参照)。
また、上部後側衝撃吸収部材16は、シュラウド1に取り付けるに際して予め上部前側衝撃吸収部材15に対して上述したように連結穴162a,72a同士をリベットRを用いて連結するとともに(図7参照)、係合突起71と係合穴163とを係合する(図11参照)。このように上部後側衝撃吸収部材16と上部前側衝撃吸収部材15とは、サブアッシーした状態でシュラウド1に対して取り付けられる。
また図9に示すように、ボンネット3の前縁の車幅方向中央部30bに対して左右各側には、ストップラバー60を備えている。
ストップラバー60は、ボンネット3を閉じる際にシュラウドアッパ2の上面部に当接して衝撃を緩和するための緩衝部材であり、ボンネットインナパネル3bに対して下方へ向けて突状に嵌合保持されている。
図5、図9に示すように、上部後側衝撃吸収部材16の取付部52の左右各側には、ボンネット3閉時にストップラバー60との干渉を回避するための逃げ穴としての貫通穴61が上下方向に貫通形成されている。
また図5、図10に示すように、上部後側衝撃吸収部材16の取付部52の車幅方向における、ヘッドランプ22に相当する部位には、該部位の下方に配設されたヘッドランプ22との干渉を回避するために周辺に対して上方に隆起させた凸状の隆起部54が形成されている。
本実施形態の車両の前部構造は、図1〜図4に示すように、車体前面の上部にて車体外表面を成すように配設されたバンパーフェースアッパ14と、該バンパーフェースアッパ14の内部に配設され前方斜め上方からの荷重を吸収する上部衝撃吸収部材15,16(衝撃吸収部材)と、上部衝撃吸収部材15,16に対して後下方に配設されたシュラウド1と、を備えた車両の前部構造であって、上部衝撃吸収部材15,16は、前側に配設され剛性の高い上部前側衝撃吸収部材15(前側衝撃吸収部材)と、後側に配設され剛性の低い上部後側衝撃吸収部材16(後側衝撃吸収部材)とで形成され、図4、図6〜図8に示すように、上部前側衝撃吸収部材15は、上部後側衝撃吸収部材16の下方を通ってシュラウド1に取り付けられる後方延出部15c(取付部)が設けられたものである。
上記構成によれば、バンパーフェースアッパ14の支持剛性を、上部後側衝撃吸収部材16よりも前側かつ高剛性に形成した上部前側衝撃吸収部材15によって保つことができる。これにより、バンパーフェースアッパ14を、垂れ下がることによりボンネット3との間隔が開きすぎないように保つことができる。
この発明の態様として、図5〜図7に示すように、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bには、該後部15bを上部後側衝撃吸収部材16の下に潜り込ませて該上部後側衝撃吸収部材16に対して上下方向で連結する連結部72が設けられており、図4、図6、図8に示すように、後部15bの車幅方向の少なくとも一部分から後方延出部15cがさらにシュラウド1に向けて延びる構成としたものである。
上記構成によれば、上部衝撃吸収部材15,16は、上部前側衝撃吸収部材15と上部後側衝撃吸収部材16とを連結部72によってサブアッシーした状態で、シュラウド1に対してまとめて取り付けることでシュラウド1に対する組み付け性を向上できる。
さらに、剛性の高い上部前側衝撃吸収部材15の後部15bを、上部後側衝撃吸収部材16の下方に潜り込ませた状態でシュラウド1に取り付けることで、上部衝撃吸収部材15,16によるバンパーフェースアッパ14の支持剛性を向上させることができる。
なお、上部前側衝撃吸収部材15を、上部後側衝撃吸収部材16と比して前方斜め上方からの衝突荷重に対して高剛性に形成することで、前突時のF−S特性(衝突荷重の吸収量と車両への侵入量との関係を示す特性)において衝突初期の荷重の吸収量の立ち上がりをしっかりと確保して衝突物の車両への侵入量を抑えることで最終的に上部衝撃吸収部材15,16の衝撃吸収量が底つきすることを防ぐことができる。
一方、上部後側衝撃吸収部材16を、前方に位置する上部前側衝撃吸収部材15よりも低剛性に設定することで、上部衝撃吸収部材15,16の衝撃吸収量が底つきしない範囲の長いストロークで衝撃をしっかりと吸収できる。
この発明の態様として、図4、図6、図8に示すように、後方延出部15cは、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bから後方下方に傾斜して延びる構成としたものである。
上記構成によれば、後方延出部15cを、後方下方に傾斜して延びる構成としたため、鉛直下方に段落ちさせてから後方へ延びる構成と比して上下方向の剛性を低下させることができる。
なお、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bの上下方向の剛性を低下させることで、上部後側衝撃吸収部材16を上部前側衝撃吸収部材15よりも低剛性にすることによる、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
この発明の態様として、図4、図6に示すように、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bにおける、車幅方向で隣接する連結部72の間には、上下方向に貫通する貫通穴155が形成されたものである。
上記構成によれば、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bは上述したように、上部後側衝撃吸収部材16の下方に潜り込ませることで、上部後側衝撃吸収部材16が上方に配置される。これにより、上部前側衝撃吸収部材15の後部15bの上下方向の剛性が上がることを、該後部15bに貫通穴155を形成することによって抑制できる。
この発明の態様として、図1〜図8に示すように、上部前側衝撃吸収部材15の前部15aは、バンパーフェースアッパ14に沿って車幅方向に延びており、図1、図5、図6、図10に示すように、前部40には、バンパーフェースアッパ14に対して凹状となる凹部150が形成され、図10に示すように、凹部150には上下方向に延びる縦面部151を備え、縦面部151には、下方に配置されるフロントグリル8の上部に設けられた爪80aが係合する係合穴153が形成されたものである。
上記構成によれば、フロントグリル8の上部に設けられた爪80aを係合穴153に係合することで、フロントグリル8の上部を上部前側衝撃吸収部材15に取付けながら、凹部150に備えた上下方向に延びる縦面部151により、上部前側衝撃吸収部材15の前部40の上下方向の剛性を高めることができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
1…シュラウド
8…フロントグリル
14…バンパーフェースアッパ
15,16…上部衝撃吸収部材(衝撃吸収部材)
15…上部前側衝撃吸収部材(前側衝撃吸収部材)
15b…上部前側衝撃吸収部材の後部(前側衝撃吸収部材の後部)
15c…後方延出部(取付部)
16…上部後側衝撃吸収部材(後側衝撃吸収部材)
72…連結部
80a…爪
150…凹部
151…縦面部
153…係合穴
155…貫通穴

Claims (5)

  1. 車体前面の上部にて車体外表面を成すように配設されたバンパーフェースアッパと、該バンパーフェースアッパの内部に配設され前方斜め上方からの荷重を吸収する衝撃吸収部材と、上記衝撃吸収部材に対して後下方に配設されたシュラウドと、を備えた車両の前部構造であって、
    上記衝撃吸収部材は、前側に配設され剛性の高い前側衝撃吸収部材と、後側に配設され剛性の低い後側衝撃吸収部材とで形成され、
    上記前側衝撃吸収部材は、上記後側衝撃吸収部材の下方を通って上記シュラウドに取り付けられる取付部が設けられた
    車両の前部構造。
  2. 上記前側衝撃吸収部材の後部には、該後部を上記後側衝撃吸収部材の下に潜り込ませて該後側衝撃吸収部材に対して上下方向で連結する連結部が設けられており、
    上記後部の車幅方向の少なくとも一部分から上記取付部がさらに上記シュラウドに向けて延びる構成とした
    請求項1に記載の車両の前部構造。
  3. 上記取付部は、上記前側衝撃吸収部材の上記後部から後方下方に傾斜して延びる構成とした
    請求項2に記載の車両の前部構造。
  4. 上記前側衝撃吸収部材の上記後部における、車幅方向で隣接する上記連結部の間には、上下方向に貫通する貫通穴が形成された
    請求項2または3に記載の車両の前部構造。
  5. 上記前側衝撃吸収部材の上記前部は、上記バンパーフェースアッパに沿って車幅方向に延びており、上記前部には、上記バンパーフェースアッパに対して凹状となる凹部が形成され、
    上記凹部には上下方向に延びる縦面部を備え、
    上記縦面部には、
    下方に配置されるフロントグリルの上部に設けられた爪が係合する係合穴が形成された
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の前部構造。
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