JP6301658B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、半導体ウェーハを個々のチップに分割するウェーハの加工方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスでは、ウェーハの表面がストリートと呼ばれる分割予定ラインで格子状の領域に区画されており、各領域にIC、LSI等の半導体デバイスが形成されている。ウェーハを個々のチップに分割する方法として、ウェーハに対してレーザー光線を照射してウェーハ内部に脆弱な層(改質層)を形成し、この強度が低下した改質層を分割起点とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の加工方法では、ストリートに沿って形成された脆弱な改質層に外力が加わることで、改質層を起点としてウェーハが個々のチップに分割される。
この場合、環状フレームに貼られた粘着テープが拡張装置等で拡張されることで、ウェーハに外力が加えられる。粘着テープの拡張時には、特にウェーハの周囲の粘着テープが引き伸ばされるため、テンションが解除されるとウェーハの周囲に大きな弛みが生じる。このため、粘着テープに張りがなくなり、粘着テープに固定されたウェーハ分割後のチップ同士が擦れて損傷する可能性がある。そこで、ウェーハサイズよりも一回り大きな環状フレームを使用してテープ拡張した後、粘着テープにテンションをかけた状態でウェーハサイズに応じた環状フレームに移し替えて弛みを解消する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3408805号公報 特開2011−166002号公報
特許文献2に記載の方法では、粘着テープにテンションをかけた状態で一回り大きな環状フレームの内側に適正サイズの環状フレームを貼着した後、この適正サイズの環状フレームに周囲に沿ってテープカットすることで一回り大きな環状フレームを切り離している。粘着テープがカットされると、粘着テープのテンションが解放されたときの収縮力によって、適正サイズの環状フレームから粘着テープが剥離する。このため、分割後のウェーハを安定して搬送することができなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、分割後のウェーハをチップの間隙を広げた状態で搬送することができるウェーハの加工方法を提供することを目的とする。
本発明のウェーハの加工方法は、表面に複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたウェーハの加工方法であって、第一の環状フレームの開口中央にウェーハを位置付け、延性を持つ粘着テープを介して該第一の環状フレームにウェーハを貼着する粘着テープ貼着工程と、複数の分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成工程と、該粘着テープ貼着工程及び該分割起点形成工程を実施した後に、該第一の環状フレームの開口より小さくウェーハの外径より大きい径を持つ筒状の押圧部材と、該第一の環状フレームを保持する保持手段とを備える拡張装置に該第一の環状フレームに固定されたウェーハを載置する拡張準備工程と、該拡張準備工程を実施した後に、該押圧部材と該保持手段を軸方向に相対移動させてウェーハが貼着された該粘着テープを拡張し、ウェーハを該分割起点が形成された該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するとともに、各チップ間に間隙を形成する粘着テープ拡張工程と、第一の環状フレームの開口に収容可能な外径と、各チップ間に間隙が形成されたウェーハを収容可能な開口とを備えた第二の環状フレームを、フレーム搬送手段によって該押圧部材の上方に搬送して準備する第二の環状フレーム準備工程と、該粘着テープ拡張工程を実施した後に、該第一の環状フレームに粘着されたウェーハが該第二の環状フレームの開口中央となる位置で該第二の環状フレームを該粘着テープ上に載置し貼付して、該粘着テープを第二の環状フレームに沿って切断してウェーハを該粘着テープを介して第二の環状フレームに移し替える環状フレーム移し替え工程と、を含み、該環状フレーム移し替え工程において、該フレーム搬送手段で加熱された該第二の環状フレーム及び該押圧部材の少なくとも一方によって、該粘着テープの粘着層が流動する温度に該粘着テープを加熱しながら該粘着テープ上に該第二の環状フレームを貼着することを特徴とする。
この構成によれば、第一の環状フレームの内側でウェーハの周囲の粘着テープの領域が、保持手段と押圧手段との相対移動によって拡張される。粘着テープの拡張によってウェーハの分割起点に外力が加わり、分割予定ラインに沿ってウェーハが個々のチップに分割される。そして、第一の環状フレームの内側でウェーハの周囲の粘着テープの領域に第二の環状フレームが貼着され、ウェーハが第二の環状フレームに移し替えられる。このときに、粘着テープが加熱されているため、粘着テープの保持力が増加して第二の環状フレームに良好に貼り付けられる。よって、粘着テープから第一の環状フレームが切り離され、粘着テープのテンションが解除されて強い収縮力が生じても、第二の環状フレームから粘着テープが剥離することが防止される。そして、第一の環状フレームから第二の環状フレームにチップの間隙を確保した状態で粘着テープが移し替えられ、その後、第二の環状フレームに支持されたウェーハを安定して搬送することが可能である。
また上記ウェーハの加工方法において、該粘着テープ拡張工程は、ウェーハの直径以上で且つ該筒状の押圧部材内に配設されたバー形状の分割治具を、ウェーハの該分割予定ラインに該粘着テープを介して接触させて該分割予定ラインに曲げ応力を作用させて、個々のチップに分割する。
本発明によれば、粘着テープを加熱しながら、粘着テープに第二の環状フレームが貼り付けられるため、環状フレームに対する粘着テープの保持力を高めて、粘着テープから第一の環状フレームが切り離された場合でも、第二の環状フレームから粘着テープが剥離することが防止される。よって、チップの間隙を確保した状態でウェーハを搬送することができる。
本実施の形態に係る加工方法の各工程を示す図である。 本実施の形態に係る加工方法の各工程を示す図である。 本実施の形態に係る加工方法の環状フレーム移し替え工程を示す図である。 本実施の形態に係る環状フレーム移し替え後のウェーハを示す図である。 本実施の形態に係る粘着テープに対する第二の環状フレームの貼着状態の説明図である。 変形例に係るウェーハの粘着テープ拡張工程の一例を示す図である。
以下、本実施の形態に係るウェーハの加工方法について説明する。本実施の形態に係るウェーハの加工方法では、ウェーハに対して粘着テープ貼着工程、分割起点形成工程、拡張準備工程、粘着テープ拡張工程、第二の環状フレーム準備工程、環状フレーム移し替え工程が実施される。粘着テープ貼着工程では、ウェーハサイズに対して一回り大きな第一の環状フレームF1に粘着テープTを介してウェーハWが貼着される(図1A参照)。分割起点形成工程では、レーザー加工によってウェーハWの内部に分割予定ライン45に沿った改質層43が分割起点として形成される(図1B参照)。
拡張準備工程では、第一の環状フレームF1が保持手段22に保持され、第一の環状フレームF1の内側でウェーハWの周囲の粘着テープTの領域に筒状の押圧部材23が位置付けられる(図2A参照)。粘着テープ拡張工程では、保持手段22と押圧部材23の相対移動によって粘着テープTが拡張されて、改質層43を分割起点としてウェーハWが個々のチップCに分割される(図2B参照)。第二の環状フレーム準備工程では、第一の環状フレームF1よりも小さく、ウェーハWに対する適正サイズの第二の環状フレームF2が準備される(図2C参照)。
環状フレーム移し替え工程では、第一の環状フレームF1の内側でウェーハWの周囲の粘着テープTの領域が加熱されながら、この粘着テープTの領域に第二の環状フレームF2が貼着される(図3参照)。これにより、粘着テープTの保持力が増加して第二の環状フレームF2に対して粘着テープTが強く貼り付けられる。そして、粘着テープTから第一の環状フレームF1が切り離されても、粘着テープTの収縮力によって第二の環状フレームF2から粘着テープTが剥がれることがなく、第一の環状フレームF1から第二の環状フレームF2にウェーハWが良好に移し替えられる。
以下、図1から図4を参照して、本実施の形態に係るウェーハの加工方法の詳細について説明する。図1Aは、本実施の形態に係る粘着テープ貼着工程の一例を示す図である。図1Bは、本実施の形態に係る分割起点形成工程の一例を示す図である。図2Aは、本実施の形態に係る拡張準備工程の一例を示す図である。図2Bは、本実施の形態に係る粘着テープ拡張工程の一例を示す図である。図2Cは、本実施の形態に係る第二の環状フレーム準備工程の一例を示す図である。図3A及び図3Bは、本実施の形態に係る環状フレーム移し替え工程の一例を示す図である。図4は、本実施の形態に係る環状フレーム移し替え後のウェーハを示す図である。
図1Aに示すように、粘着テープ貼着工程では、粘着テープTを介して第一の環状フレームF1にウェーハWが貼着される。ウェーハWは、シリコン、ガリウム砒素等により略円板状に形成されている。ウェーハWの表面41には格子状の分割予定ライン45が設けられており、分割予定ライン45によって区画された各領域にIC、LSI等のデバイスDが形成されている。ウェーハWの外縁には、結晶方位を示すノッチ46が形成されている。なお、ウェーハWは半導体ウェーハに限られず、セラミック、ガラス、サファイア系の無機材料基板にLED等の光デバイスが形成された光デバイスウェーハでもよい。
第一の環状フレームF1としては、ウェーハサイズよりも一回り大径の環状フレームが使用される。例えば、8インチウェーハの場合には、12インチウェーハ用の環状フレームが使用される。第一の環状フレームF1には、延性を有する円形の粘着テープTが貼着され、第一の環状フレームF1の中央開口から粘着テープTの粘着面が露出される。そして、第一の環状フレームF1の開口中央にウェーハWを位置付けた状態で、粘着テープTの粘着面にウェーハWが貼着される。ウェーハWは、粘着テープTを介して第一の環状フレームF1の内側に支持された状態でレーザー加工装置11(図1B参照)に搬入される。
なお、粘着テープ貼着工程は、オペレータによる手作業で実施されてもよいし、不図示の貼着装置によって実施されてもよい。粘着テープTは、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)を基材として、60度以上に加熱されることで粘着層の流動性が向上して環状フレーム(第2の環状フレームF2(図3参照))に対する保持力が高まるように構成されている。なお、粘着テープTは、延性を有する材料で形成され、所定温度に加熱されることで、環状フレームに対する保持力が高まる程度に粘着層の流動性が向上するように構成されていればよい。
図1Bに示すように、粘着テープ貼着工程の後には分割起点形成工程が実施される。分割起点形成工程では、レーザー加工装置11のチャックテーブル12上に粘着テープTを介してウェーハWが保持され、ウェーハWの周囲の第一の環状フレームF1がクランプ部13に保持される。また、レーザー照射手段14の射出口がウェーハWの分割予定ライン45に位置付けられ、レーザー照射手段14によってウェーハWに対してレーザー光線が照射される。レーザー光線は、ウェーハWに対して透過性を有する波長であり、ウェーハWの内部に集光するように調整されている。
そして、レーザー光線の集光点が調整されながら、ウェーハWに対してレーザー照射手段14が相対移動されることで、ウェーハWの内部に分割予定ライン45に沿った改質層43が形成される。この場合、先ずウェーハWの裏面42付近に集光点が調整され、全ての分割予定ライン45に沿って改質層43の下端部が形成されるようにレーザー加工される。そして、集光点の高さを上動させる度に分割予定ラインに沿ってレーザー加工が繰り返されることで、ウェーハWの内部に所定の厚さの改質層43が形成される。このようにして、ウェーハWの内部に分割予定ライン45に沿った分割起点が形成される。
なお、改質層43は、レーザー光線の照射によってウェーハWの内部の密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲と異なる状態となり、周囲よりも強度が低下する領域のことをいう。改質層43は、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域であり、これらが混在した領域でもよい。
また、本実施の形態では、分割起点として改質層43が形成されたが、この構成に限定されない。切削ブレードやアブレーション加工により、分割起点として加工溝が形成されてもよい。なお、アブレーションとは、レーザビームの照射強度が所定の加工閾値以上になると、固体表面で電子、熱的、光科学的及び力学的エネルギーに変換され、その結果、中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスタ、電子、光が爆発的に放出され、固体表面がエッチングされる現象をいう。分割起点が形成されたウェーハWは拡張装置21(図2参照)に搬入される。
図2Aに示すように、分割起点形成工程の後には拡張準備工程が実施される。拡張準備工程では、拡張装置21にウェーハWが載置されてウェーハWの拡張が準備される。拡張装置21には、環状テーブル25とクランプ部26とからなる保持手段22が設けられており、環状テーブル25上の第一の環状フレームF1がクランプ部26によって保持される。環状テーブル25の内側には、第一の環状フレームF1の開口よりも小さくウェーハWの外径よりも大きな径を持つ筒状の押圧部材23が配置されている。筒状の押圧部材23の上端部には、粘着テープTに下側から当接する当接部27が設けられ、この当接部27の外周側には周方向に亘って複数のローラ部28が設けられている。
図2Bに示すように、拡張準備工程の後には粘着テープ拡張工程が実施される。粘着テープ拡張工程では、環状テーブル25と共に第一の環状フレームF1が下降することで、筒状の押圧部材23が保持手段22に対して相対的に上昇される。この結果、ウェーハWが貼着された粘着テープTが放射方向に拡張されて、粘着テープTを介してウェーハWの改質層43(図2A参照)に外力が付与される。ウェーハWは、強度が低下した改質層43を分割起点として、分割予定ライン45(図2A参照)に沿って個々のチップCに分割される。粘着テープTは、隣り合うチップCが完全に離間するまで拡張され、隣り合うチップC間に間隙が形成される。
このとき、筒状の押圧部材23(当接部27)の外周エッジで複数のローラ部28に粘着テープTが転接しているため、粘着テープTの拡張時の摩擦等が抑えられている。なお、粘着テープ拡張工程では、筒状の押圧部材23に対して保持手段22が下降することで粘着テープTが拡張されたが、この構成に限定されない。筒状の押圧部材23と保持手段22とが軸方向に相対移動されることで粘着テープTが拡張されればよい。例えば、筒状の押圧部材23が保持手段22に対して上昇して粘着テープTを拡張してもよいし、筒状の押圧部材23が上昇して、保持手段22が下降して粘着テープTを拡張してもよい。
図2Cに示すように、粘着テープ拡張工程の後には第二の環状フレーム準備工程が実施される。第二の環状フレーム準備工程では、フレーム搬送手段31によって筒状の押圧部材23の上方に第二の環状フレームF2が搬送されて、第二の環状フレームF2が準備される。第二の環状フレームF2は、ウェーハWに対する適正サイズに形成されており、第一の環状フレームF1の開口に収容可能な外径であり、チップC間に間隙を設けたウェーハWを収容可能な開口を有している。また、フレーム搬送手段31は、ヒータ33を内蔵したフレーム保持部32で第二の環状フレームF2を保持しており、加熱しながら第二の環状フレームF2を搬送している。
図3Aに示すように、第二の環状フレーム準備工程の後には環状フレーム移し替え工程が実施される。環状フレーム移し替え工程では、第一の環状フレームF1に支持されたウェーハWが第二の環状フレームF2の開口中央となる位置で、第二の環状フレームF2が粘着テープT上に載置されて貼付される。この場合、フレーム搬送手段31で加熱された第二の環状フレームF2が粘着テープTに貼着されることで、粘着テープTが所定温度(本実施の形態では60度)以上に加熱される。これにより、粘着テープTの保持力が増加して第二の環状フレームF2に良好に貼り付けられる。粘着テープTに第二の環状フレームF2が貼着されると、拡張装置21の上方からフレーム搬送手段31が退避する。第2の環状フレームF2からフレーム保持部32が離間することで粘着テープTが冷却される。
図3Bに示すように、環状フレーム移し替え工程では、フレーム搬送手段31と入れ替わりにウェーハ搬送手段35が拡張装置21の上方に移動される。ウェーハ搬送手段35には、第二の環状フレームF2に対応してフレーム保持部36が設けられ、このフレーム保持部36の外周側にはカッター部37が設けられている。フレーム保持部36で第二の環状フレームF2が保持されて、カッター部37によって第二の環状フレームF2の外形に沿って粘着テープTが切断される。このとき、粘着テープTにはテープ拡張によってテンションがかけられているため、粘着テープTの切断によって強い収縮力が発生する。しかしながら、第二の環状フレームF2に対して粘着テープTが強く貼着されているため、第二の環状フレームF2から粘着テープTが剥離することが防止される。以上のような構成により、図4に示すように、チップCの間隙を維持した状態で、粘着テープTと共に個々のチップCが第一の環状フレームF1から第二の環状フレームF2に移し替えられる。
なお、ヒータ33は、環状フレーム移し替え工程において、粘着テープTを加熱可能な構成であればよく、取り付け位置や形状等は特に限定されない。例えば、押圧部材23の当接部27にヒータ33が設けられてもよいし、フレーム搬送手段31及び押圧部材23の当接部27の両方にヒータ33が設けられてもよい。また、カッター部37は、環状フレーム移し替え工程において、第二の環状フレームF2の外形に沿って粘着テープTを切断可能であればよく、取り付け位置や形状等は特に限定されない。例えば、押圧部材23の当接部27にカッター部37が設けられてもよいし、ウェーハ搬送手段35と別のカット専用の装置にカッター部37が設けられてもよい。
ここで、図5を参照して、粘着テープに対する第二の環状フレームの貼着状態について詳細に説明する。図5は、本実施の形態に係る粘着テープに対する第二の環状フレームの貼着状態の説明図である。図5Aは、粘着テープに対する第二の環状フレームの貼着状態、図5Bは、粘着テープから第一の環状フレームが切り離された状態をそれぞれ示している。
図5Aに示すように、上記したように粘着テープTが拡張された状態で、筒状の押圧部材23の当接部27によって粘着テープTが支持されている。そして、フレーム搬送手段31のヒータ33によって第二の環状フレームF2が加熱されながら搬送され、第二の環状フレームF2が当接部27に向かって粘着テープTの粘着層47に押し付けられる。これにより、高温の第二の環状フレームF2によって粘着テープTが加熱される。粘着テープTが所定温度(本実施の形態では60度)以上に加熱されると、粘着テープTの粘着層47が流動して第二の環状フレームF2の下面48の微細な凹凸面に入り込む。
この結果、粘着テープTと第二の環状フレームF2との接触面積が増加し、第二の環状フレームF2に対する粘着テープTの保持力が強くなる。特に、第二の環状フレームF2の微細な凹凸面に粘着テープTの粘着層47が入り込むことで、第二の環状フレームF2に対する粘着テープTの引っ掛かりが多くなり、粘着テープTの径方向の変形が強く抑えられる。
図5Bに示すように、テンションがかけられた粘着テープTが切断されると、粘着テープTのテンションが解放されて粘着テープTに強い収縮力61が発生する。このとき、粘着テープTの収縮力61とは逆向きに、第二の環状フレームF2に対する粘着テープTの保持力62が発生する。この第二の環状フレームF2に対する粘着テープTの保持力62が、粘着テープTの径方向の変形を抑える方向で強化されているため、粘着テープTの収縮力61によって第二の環状フレームF2から粘着テープTが剥離することがない。よって、第一の環状フレームF1(図3A参照)から第二の環状フレームF2に粘着テープTが移し替えられる際に、個々のチップCの間隙が確保される。
以上のように、本実施の形態に係るウェーハWの加工方法は、第一の環状フレームF1の内側でウェーハWの周囲の粘着テープTの領域が、保持手段22と押圧部材23との相対移動によって拡張される。粘着テープTの拡張によってウェーハWの改質層43に外力が加わり、分割予定ライン45に沿ってウェーハWが個々のチップCに分割される。そして、第一の環状フレームF1の内側でウェーハWの周囲の粘着テープTの領域に第二の環状フレームF2が貼着され、ウェーハWが第二の環状フレームF2に移し替えられる。このときに、粘着テープTが加熱されているため、粘着テープTの保持力が増加して第二の環状フレームF2に良好に貼り付けられる。よって、粘着テープTから第一の環状フレームF1が切り離され、粘着テープTのテンションが解除されて強い収縮力が生じても、第二の環状フレームF2から粘着テープTが剥離することが防止される。そして、第一の環状フレームF1から第二の環状フレームF2にチップCの間隙を確保した状態で粘着テープTが移し替えられ、その後、第二の環状フレームF2に支持されたウェーハWを安定して搬送することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態に係るウェーハWの加工方法では、拡張装置21で粘着テープTを拡張することでウェーハWを個々のチップCに分割して、隣り合うチップCの間隔を広げる構成としたが、この構成に限定されない。図6の変形例に示すように、ブレーキング加工でウェーハWを個々のチップCに分割した後に、テープ拡張加工で隣り合うチップCの間隔を広げる構成にしてもよい。
以下、図6を参照して、変形例に係るウェーハWの加工方法について説明する。図6は、変形例に係るウェーハの粘着テープ拡張工程の一例を示す図である。なお、変形例に係るウェーハWの加工方法においては、粘着テープ拡張工程以外の各工程については上記実施の形態と同様であるため、主に粘着テープ拡張工程について説明する。
図6Aに示すように、粘着テープ貼着工程、分割起点形成工程、拡張準備工程の後に、粘着テープ拡張工程が実施される。変形例に係る粘着テープ拡張工程では、先ず拡張装置21の筒状の押圧部材23の内側に配設された分割治具51によってブレーキング加工が実施される。分割治具51は、ウェーハWの直径以上のバー形状に形成されており、粘着テープTを介してウェーハWに当接するように構成されている。分割治具51の上面は、延在方向に沿う上段支持面52と下段支持面53とによって段差が設けられており、段差の境界部分に直線状の吸引口54が形成されている。
ブレーキング加工では、吸引口54によって粘着テープTを吸引した状態で、分割治具51が分割予定ライン45に直交する方向に動かされる。上段支持面52のエッジ55上にウェーハWの分割予定ライン45が位置付けられると、吸引口54からの吸引力によってウェーハWの分割予定ライン45に沿って曲げ応力が作用する。これにより、ウェーハWの改質層43が分割起点となってウェーハWが分割される。ウェーハWは、全ての分割予定ライン45に分割治具51が位置付けられることで個々のチップCに分割される。
図6Bに示すように、変形例に係る粘着テープ拡張工程では、ブレーキング加工の後にテープ拡張加工が実施される。粘着テープ拡張工程では、筒状の押圧部材23が保持手段22に対して相対的に上昇されることで粘着テープTが放射方向に拡張され、個々のチップC間に間隙が形成される。粘着テープ拡張工程の後には、上記実施の形態と同様に第二の環状フレーム準備工程、環状フレーム移し替え工程が実施される。
なお、変形例に係る粘着テープ拡張工程においては、段差を設けた分割治具51によりウェーハWが分割される構成としたが、この構成に限定されない。分割治具51は、筒状の押圧部材23の内側に配設されて、分割予定ライン45に沿ってウェーハWを分割可能な構成であれば、どのように構成されてもよい。例えば、分割治具51の上面を楔状に形成して、分割治具51で粘着テープT側からウェーハWを突き上げることで分割してもよい。
また、本実施の形態に係るウェーハWの加工方法では、粘着テープ貼着工程の後に、分割起点形成工程が実施される構成としたが、この構成に限定されない。分割起点形成工程の後に粘着テープ貼着工程が実施されてもよい。
また、本実施の形態に係るウェーハWの加工方法では、第一の環状フレームF1として、ウェーハサイズに対して一回り大きなフレームが使用され、第二の環状フレームF2として、ウェーハWの適正サイズのフレームが使用されたが、この構成に限定されない。第一の環状フレームF1は内側に第二の環状フレームF2を配置可能な大きさであればよく、さらに第二の環状フレームF2は内側にウェーハWを配置可能な大きさであればよい。
以上説明したように、本発明は、ウェーハの分割後のチップの間隙を確保した状態で搬送することができるという効果を有し、特に半導体ウェーハを個々のチップに分割するウェーハの加工方法に有用である。
11 レーザー加工装置
12 チャックテーブル
14 レーザー照射手段
21 拡張装置
22 保持手段
23 押圧部材
27 当接部
31 フレーム搬送手段
33 ヒータ
35 ウェーハ搬送手段
37 カッター部
41 ウェーハの表面
42 ウェーハの裏面
43 改質層(分割起点)
45 分割予定ライン
47 粘着層
51 分割治具
C チップ
D デバイス
F1 第一の環状フレーム
F2 第二の環状フレーム
T 粘着テープ
W ウェーハ

Claims (2)

  1. 表面に複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたウェーハの加工方法であって、
    第一の環状フレームの開口中央にウェーハを位置付け、延性を持つ粘着テープを介して該第一の環状フレームにウェーハを貼着する粘着テープ貼着工程と、
    複数の分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成工程と、
    該粘着テープ貼着工程及び該分割起点形成工程を実施した後に、該第一の環状フレームの開口より小さくウェーハの外径より大きい径を持つ筒状の押圧部材と、該第一の環状フレームを保持する保持手段とを備える拡張装置に該第一の環状フレームに固定されたウェーハを載置する拡張準備工程と、
    該拡張準備工程を実施した後に、該押圧部材と該保持手段を軸方向に相対移動させてウェーハが貼着された該粘着テープを拡張し、ウェーハを該分割起点が形成された該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するとともに、各チップ間に間隙を形成する粘着テープ拡張工程と、
    該第一の環状フレームの開口に収容可能な外径と、各チップ間に間隙が形成されたウェーハを収容可能な開口とを備えた第二の環状フレームを、フレーム搬送手段によって該押圧部材の上方に搬送して準備する第二の環状フレーム準備工程と、
    該粘着テープ拡張工程を実施した後に、該第一の環状フレームに粘着されたウェーハが該第二の環状フレームの開口中央となる位置で該第二の環状フレームを該粘着テープ上に載置し貼付して、該粘着テープを第二の環状フレームに沿って切断してウェーハを該粘着テープを介して該第二の環状フレームに移し替える環状フレーム移し替え工程と、を含み、
    該環状フレーム移し替え工程において、該フレーム搬送手段で加熱された該第二の環状フレーム及び該押圧部材の少なくとも一方によって該粘着テープを、該粘着テープの粘着層が流動する温度に加熱しながら該粘着テープ上に該第二の環状フレームを貼着することを特徴とするウェーハの加工方法。
  2. 該粘着テープ拡張工程は、ウェーハの直径以上で且つ該筒状の押圧部材内に配設されたバー形状の分割治具を、ウェーハの該分割予定ラインに該粘着テープを介して接触させて該分割予定ラインに曲げ応力を作用させて、個々のチップに分割すること、を特徴とする請求項1に記載のウェーハの加工方法。
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