JP2011166002A - ウエーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 個々のチップに分割された後のチップ同士が擦れることなく、容易に次工程へ搬送可能なウエーハの加工方法を提供することである。
【解決手段】 ウエーハの加工方法であって、ウエーハの直径に対して十分大きな開口を有する第1の環状フレームで粘着テープを介してウエーハを支持し、この状態でウエーハ内部に改質層を形成する改質層形成工程、粘着テープを拡張してウエーハを改質層に沿って個々のチップに分割する粘着テープ拡張工程、更にバー形状の分割治具を使用して粘着テープ拡張工程で破断されない部分を割断する割断工程を実施する。その後、小さな開口を有する第2の環状フレームを粘着テープに貼着し、粘着テープを第1の開口と第2の開口との間で円周状に切断してウエーハを粘着テープを介して第2の環状フレームに移し替える。
【選択図】図9
【解決手段】 ウエーハの加工方法であって、ウエーハの直径に対して十分大きな開口を有する第1の環状フレームで粘着テープを介してウエーハを支持し、この状態でウエーハ内部に改質層を形成する改質層形成工程、粘着テープを拡張してウエーハを改質層に沿って個々のチップに分割する粘着テープ拡張工程、更にバー形状の分割治具を使用して粘着テープ拡張工程で破断されない部分を割断する割断工程を実施する。その後、小さな開口を有する第2の環状フレームを粘着テープに貼着し、粘着テープを第1の開口と第2の開口との間で円周状に切断してウエーハを粘着テープを介して第2の環状フレームに移し替える。
【選択図】図9
Description
本発明は、半導体ウエーハ等のウエーハを分割加工するウエーハの加工方法に関する。
半導体デバイス製造プロセスでは、半導体ウエーハの表面にストリートと呼ばれる分割予定ラインによって格子状に区画された各領域に半導体デバイスが形成され、半導体ウエーハを個々のデバイスに分割することで、IC、LSI等の半導体デバイスを製造している。
また、ウエーハ状のサファイア基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハも、格子状に形成された分割予定ラインに沿って切断することにより個々の発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)等の光デバイスに分割され、これらの光デバイスは電気機器に広く利用されている。
半導体ウエーハや光デバイスウエーハの切削加工には、従来ダイシング装置と呼ばれる切削装置が使用されてきたが、切削装置では必ず発生する切りしろの縮小や省略化、チッピングと呼ばれる欠けの低減、水を用いた加工が不向きな製品(例えばMEMSなど)の加工など、ダイシング装置での加工が困難な加工を可能にするレーザ加工装置が台頭してきた。
このレーザ加工装置では、ウエーハの内部にレーザで脆弱な層(改質層)を形成し、強度が低下した改質層に沿って拡張装置等で外力を付与することにより、ウエーハを個々のチップへと分割する(例えば、特許第3408805号公報参照)。レーザ加工装置によるウエーハの加工は、切削装置では必ず発生する切削屑がなく、切りしろもほとんどないという特徴を有している。
しかしながら、拡張装置で拡張された粘着テープ、特にウエーハの外周部分では粘着テープは引き延ばされるためテンションを解除すると大きな弛みが発生し、拡張前の環状フレームにテンションをもって固定されていた状態とは異なって、ウエーハの環状フレームへの固定状態が不安定となり、延いてはチップ同士の擦れによる損傷を引き起こしかねない状態になってしまう。
また、粘着テープの拡張だけではウエーハを完全に個々のチップに分割できないことが多いため、粘着テープ越しにウエーハの改質層へ外力を付与する分割治具を用いて不完全分割部分を分割することが行われている。このような分割治具は拡張装置内に内蔵されることが多く、その利便性から分割治具の長さはウエーハの直径と同等以上の長さにするのが好ましい。
このように分割治具の長さをウエーハの直径と同等以上の長さに形成すると、ウエーハの端部に分割治具を作用させる場合は、環状フレームの開口サイズが小さいと環状フレームと分割治具が干渉してしまうという問題が発生する。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、個々のチップに分割後のチップ同士が擦れることなく、容易に次工程へ搬送可能なウエーハの加工方法を提供することである。
本発明によると、表面に複数のデバイスが格子状に形成された分割予定ラインによって区画されて形成されたウエーハの加工方法であって、ウエーハの直径以上の長さを一辺とした正方形が収容可能な大きさの第1の開口を有する第1の環状フレームを準備する第1の環状フレーム準備工程と、該第1の環状フレームの開口中央にウエーハを位置付け、延性を有する粘着テープをウエーハ及び該第1の環状フレームに貼着して、ウエーハを該第1の環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザビームを該分割予定ラインに沿って照射して、ウエーハの内部に該分割予定ラインに沿った改質層を形成する改質層形成工程と、該第1の環状フレームの開口より小さくウエーハの外径より大きい直径を有する円筒状押圧部材と、該第1の環状フレームを保持する保持手段とを有する拡張装置に該改質層形成工程が実施されたウエーハを載置する拡張準備工程と、該円筒状押圧部材と該保持手段を軸方向に相対移動させて該粘着テープを半径方向に拡張し、ウエーハを該改質層が形成された該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するとともに、各チップ間に間隙を形成する粘着テープ拡張工程と、ウエーハの直径以上で前記正方形の一辺以下の長さを有し、且つ該円筒状押圧部材内に配設されたバー形状の分割治具を、ウエーハの該分割予定ラインに該粘着テープを介して接触させて該分割予定ラインに曲げ応力を作用させることで、該粘着テープ拡張工程で割れ残った部分を個々のチップに割断する割断工程と、該第1の環状フレームの前記第1の開口に収容可能な外径と、ウエーハを収容可能な第2の開口とを有する第2の環状フレームを準備する第2の環状フレーム準備工程と、該割断工程実施後の該第1の環状フレームに貼着されたウエーハが該第2の環状フレームの該第2の開口中央となる位置で該第2の環状フレームを該粘着テープに貼着するとともに、該粘着テープを該第1の開口のエッジと該第2の開口のエッジとの間で円周状に切断してウエーハを該粘着テープを介して該第2の環状フレームに移し替える環状フレーム移し替え工程と、を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
本発明のウエーハの加工方法によれば、改質層形成工程及び拡張工程ではウエーハの直径以上の辺を一辺とする正方形が収容可能な開口を有する第1の環状フレームを使用するため、割れ残ったチップ部分を割断するバー形状の分割治具にウエーハの直径程度の長さのものを使用して、ウエーハの隅々まで分割治具を接触させることができるという効果を奏する。
また、ウエーハのサイズと見合った規格通りの第2の環状フレームは、第1の環状フレームとある程度のサイズの差があるため、第1の環状フレームに固定された粘着テープ上に載置して容易に貼り替えることができ、次工程への搬送等でチップ同士が擦れて損傷するという問題を解消しつつ、拡張工程後の各工程には規格通りのウエーハのサイズと環状フレームのサイズの組み合わせで流すことができるという効果を奏する。
更に、既に開発されているテープを拡張して発生した弛み部分を加熱して収縮させ、チップ間の間隔を維持する方法(特許文献2参照)では、使用できるテープが拡張性と熱による収縮性によって限定されていたが、本発明では拡張性のみが限定要因となるため、幅広いテープ選定が可能になり、且つ拡張装置に加熱手段を備える必要もないという効果も奏する。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、半導体ウエーハWの表面側斜視図が示されている。半導体ウエーハWの表面においては、第1分割予定ライン(ストリート)S1と第2分割予定ラインS2が直交して形成されており、第1分割予定ラインS1と第2分割予定ラインS2によって区画された複数の領域にそれぞれLSI等のデバイスDが形成されている。
レーザ加工装置による加工に先立って、ウエーハWの裏面は研削装置によって所定の厚みに研削加工される。更に、ウエーハWのハンドリングを容易にするために、図2に示すようにウエーハWの裏面が延性を有する粘着テープTに貼着され、粘着テープTの外周部は第1の環状フレームFに貼着される。これにより、ウエーハWは粘着テープTを介して第1の環状フレームFに支持された状態となる(ウエーハ支持工程)。
本実施形態のウエーハの加工方法では、第1の環状フレームFとウエーハWのサイズの関係が重要である。即ち、このウエーハ支持工程では、ウエーハWの直径以上の長さを一辺とした正方形11が収容可能な大きさの開口13を備える環状フレームFを使用する。例えば、8インチのウエーハWに対しては、12インチ用の第1の環状フレームFを使用する。
図3を参照すると、レーザ加工装置10のレーザビーム照射ユニット14のブロック図が示されている。レーザビーム照射ユニット14は、YAGレーザ又はYVO4レーザを発振するレーザ発振器18と、繰り返し周波数設定手段20と、パルス幅調整手段22と、パワー調整手段24を含んでいる。
レーザビーム照射ユニット14のパワー調整手段24により所定パワーに調整されたパルスレーザビームは、集光器16のミラー26で反射され、更に集光用対物レンズ28によって集光されてチャックテーブル12に吸引保持されている半導体ウエーハWに照射される。
図4を参照すると、改質層形成工程の斜視図が示されており、図5は改質層形成工程の断面図である。図4に示すように、粘着テープTを介して第1の環状フレームFで支持されたウエーハWをレーザ加工装置のチャックテーブル12で吸引保持する。
そして、図4及び図5に示すように、ウエーハWに対して透過性を有する波長のパルスレーザビーム17の集光点をウエーハWの内部に合わせてパルスレーザビーム17を照射しつつ、チャックテーブル12を図4で矢印X1方向に所定の加工送り速度で移動することにより、ウエーハWの内部に改質層30が形成される。
この改質層30は溶融再硬化層として形成され、脆弱な層である。図5に示すように、ウエーハWの内部に改質層30を複数層(図5では3層)形成するのが好ましい。
この改質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4パルスレーザ
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
改質層形成工程実施後、図6(A)に示すように、第1の環状フレームFを保持する保持手段(クランプ)36を備えた外筒32と、第1の環状フレームFの開口13より小さくウエーハWの外径より大きい直径を有する円筒状押圧部材34とから構成される拡張装置35を使用して、改質層形成工程が実施されたウエーハWを支持した第1の環状フレームFを外筒32上に載置して保持手段36で保持する拡張準備工程を実施する。
次いで、図6(B)に示すように、円筒状押圧部材34を矢印A方向に突き上げて、ウエーハWが貼着された粘着テープTを半径方向に拡張し、ウエーハWを改質層30が形成された分割予定ラインS1,S2に沿って個々のチップDに分割するとともに、各チップ間に間隙を形成する(粘着テープ拡張工程)。
この粘着テープ拡張工程では、円筒状押圧部材34を突き上げるかわりに、円筒状押圧部材34に対して外筒32を引き落とすようにしてもよい。即ち、粘着テープ拡張工程は、円筒状押圧部材34と外筒32を軸方向に相対移動させることにより実施する。
このテープ拡張工程を実施すると、殆どの分割予定ラインS1,S2は破断されて個々のチップDに分割されるが、符号38に示すように改質層30部分で破断されない部分が残ることがある。よって、本発明のウエーハの加工方法では、次工程として破断されていない部分(非破断部分)38を強制的に割断する割断工程を実施する。
この割断工程の第1実施形態は、図7(A)に示すような分割治具40を使用して実施する。分割治具40は、拡張装置35の円筒状押圧部材34内に配設され、ウエーハWの直径以上で図2に示した正方形11の一辺以下の長さを有するバー形状をしている。
分割治具40は上段保持面42aと下段保持面42bとを有しており、下段保持面42bに開口する真空吸引路44が形成されている。分割治具40の詳細構造は、特許第4361516号公報に開示されている。
分割治具40による割断工程を実施するには、分割治具40の真空吸引路44を矢印46で示すように真空吸引しながら、分割治具40の上段保持面42a及び下段保持面42bを下側から粘着テープTに接触させて、分割治具40を矢印A方向に移動する。即ち、分割治具40を分割しようとする分割予定ラインS1又はS2と直交方向に移動する。
これにより、非破断部分38が分割治具40の上段保持面42aの内側エッジの真上に移動すると、非破断部分38を有する分割予定ラインS1又はS2の部分に曲げ応力が集中して発生し、この曲げ応力でウエーハWが分割予定ラインに沿って割断される。
図8(A)を参照すると、分割治具40の長さとウエーハWの直径及び第1の環状フレームFの開口13の直径との関係が示されている。図8(B)は図8(A)の8B−8B線断面図である。
図8から明らかなように、分割治具40はウエーハWの直径以上で第1の環状フレームFの開口13の直径以下の長さを有していることが好ましい。分割治具40をこのような長さに設定することにより、分割治具40を図8(A)で矢印A方向に移動することにより、第1分割予定ラインS1に沿って形成された全ての非破断部分38を割断することができる。
次いで、分割治具40を90度回転して、第1分割予定ラインS1と直交する方向に移動することにより、第2分割予定ラインS2に沿って形成された全ての非破断部分38を割断することができる。
図7(B)を参照すると、本発明第2実施形態の割断工程を説明する断面図が示されている。この第2実施形態では、楔状先端部50を有する分割治具48を使用して、分割治具48を矢印B方向に突き上げることにより、非破断部分38を割断する。この第2実施形態では、目視により分割治具48を非破断部分38の直下に移動して、非破断部分38のみを分割治具48の突き上げで割断するのが好ましい。
割断工程実施後、図9に示すように第1の環状フレームFの開口13に収容可能な外径と、ウエーハWを収容可能な開口53を有する第2の環状フレーム52を準備する第2の環状フレーム準備工程を実施する。
そして、割断工程実施後の第1の環状フレームFに貼着されたウエーハWが第2の環状フレーム52の開口53の中央となる位置で、第2の環状フレーム52を粘着テープTに貼着し、粘着テープTを第2の環状フレーム52の矢印54で示す外周に沿って切断して、ウエーハWを粘着テープTを介して第2の環状フレーム52に移し替える(環状フレーム移し替え工程)。
しかし、切断箇所は第2の環状フレーム52の外周に限定されるものではなく、第1の環状フレームFの開口13のエッジと第2の環状フレーム52の開口53のエッジとの間を円周状に切断すればよい。
例えば、第1の環状フレームF及び第2の環状フレーム52を拡張装置35から取り外した後、粘着テープTを第2の環状フレーム52の下側から環状フレーム52部分で円周状に切断する。
これにより、図10に示すように、粘着テープTを介して第2の環状フレーム52に支持されたウエーハWを得ることができる。ウエーハWは、粘着テープ拡張工程及び割断工程を実施したことにより、非破断部分を残すことなく個々のチップDに完全に分割されている。
よって、次工程への搬送等でチップ同士が擦れて損傷するという問題を解決できるとともに、環状フレーム移し替え工程後の各工程には規格通りのウエーハWと環状フレーム52の組み合わせで流すことができる。
W ウエーハ
D デバイス(チップ)
F 第1の環状フレーム
T 粘着テープ
10 レーザビーム照射ユニット
16 集光器
30 改質層
32 外筒
34 円筒状押圧部材
35 拡張装置
38 非破断部分
40,48 分割治具
52 第2の環状フレーム
D デバイス(チップ)
F 第1の環状フレーム
T 粘着テープ
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32 外筒
34 円筒状押圧部材
35 拡張装置
38 非破断部分
40,48 分割治具
52 第2の環状フレーム
Claims (1)
- 表面に複数のデバイスが格子状に形成された分割予定ラインによって区画されて形成されたウエーハの加工方法であって、
ウエーハの直径以上の長さを一辺とした正方形が収容可能な大きさの第1の開口を有する第1の環状フレームを準備する第1の環状フレーム準備工程と、
該第1の環状フレームの開口中央にウエーハを位置付け、延性を有する粘着テープをウエーハ及び該第1の環状フレームに貼着して、ウエーハを該第1の環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、
ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザビームを該分割予定ラインに沿って照射して、ウエーハの内部に該分割予定ラインに沿った改質層を形成する改質層形成工程と、
該第1の環状フレームの開口より小さくウエーハの外径より大きい直径を有する円筒状押圧部材と、該第1の環状フレームを保持する保持手段とを有する拡張装置に該改質層形成工程が実施されたウエーハを載置する拡張準備工程と、
該円筒状押圧部材と該保持手段を軸方向に相対移動させて該粘着テープを半径方向に拡張し、ウエーハを該改質層が形成された該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するとともに、各チップ間に間隙を形成する粘着テープ拡張工程と、
ウエーハの直径以上で前記正方形の一辺以下の長さを有し、且つ該円筒状押圧部材内に配設されたバー形状の分割治具を、ウエーハの該分割予定ラインに該粘着テープを介して接触させて該分割予定ラインに曲げ応力を作用させることで、該粘着テープ拡張工程で割れ残った部分を個々のチップに割断する割断工程と、
該第1の環状フレームの前記第1の開口に収容可能な外径と、ウエーハを収容可能な第2の開口とを有する第2の環状フレームを準備する第2の環状フレーム準備工程と、
該割断工程実施後の該第1の環状フレームに貼着されたウエーハが該第2の環状フレームの該第2の開口中央となる位置で該第2の環状フレームを該粘着テープに貼着するとともに、該粘着テープを該第1の開口のエッジと該第2の開口のエッジとの間で円周状に切断してウエーハを該粘着テープを介して該第2の環状フレームに移し替える環状フレーム移し替え工程と、
を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法。
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