JP2014086611A - 板状物の分割方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 環状フレームを使用せずに板状物に外力を付与して分割起点に沿って板状物を分割可能な板状物の分割方法を提供することである。
【解決手段】 分割予定ラインを有する板状物の分割方法であって、板状物の該分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップと、該分割起点形成ステップを実施する前又は後に、板状物より熱膨張率の大きい物質の上に板状物を固定する固定ステップと、該固定ステップと該分割起点形成ステップとを実施した後、板状物より熱膨張率の大きい前記物質を加熱して膨張させることで板状物に外力を付与し、板状物を該分割起点に沿って分割する分割ステップと、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】 分割予定ラインを有する板状物の分割方法であって、板状物の該分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップと、該分割起点形成ステップを実施する前又は後に、板状物より熱膨張率の大きい物質の上に板状物を固定する固定ステップと、該固定ステップと該分割起点形成ステップとを実施した後、板状物より熱膨張率の大きい前記物質を加熱して膨張させることで板状物に外力を付与し、板状物を該分割起点に沿って分割する分割ステップと、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、半導体ウエーハ、光デバイスウエーハ等の板状物の分割方法に関する。
半導体ウエーハや光デバイスウエーハ、セラミックスやガラス、樹脂等からなる各種の板状物は、特許第3408805号公報や特開2004−188475号公報に開示されるように、レーザービームの照射によって改質層やレーザー加工溝からなる分割起点が形成あれる。或いは、特開平3−83613号公報に開示される切削ブレードによる切削によって切削溝からなる分割起点が形成される。
分割起点が形成された板状物は、例えば特開2002−334853号公報や特開2010−34250号公報に開示されるような分割装置によって分割起点に沿って個々のチップに分割される。
特開2002−334853号公報や特開2010−34250号公報に開示されている分割装置では、分割起点が形成された板状物をエキスパンド性を有する粘着テープに貼着するとともに粘着テープの外周部をSUS等の金属からなる環状フレームに装着し、環状フレームを固定した状態で粘着テープを拡張することで板状物に外力を付与して板状物を分割起点に沿って分割している。
板状物は粘着テープの粘着面上に貼着され、粘着テープの外周部が環状フレームの裏面側に貼着されることで板状物が粘着テープを介して環状フレームに装着される。板状物の収容時や搬送時には、この環状フレームを支持したり保持したりすることで板状物をハンドリングしている。
近年、板状物毎のチップの取り個数を上げるため、板状物は大口径化の傾向にあり、そのため、板状物の重量も重くなる傾向にある。しかし、重量の重い板状物では、粘着テープが環状フレームから剥がれおちてしまうという問題がある。
また、板状物を環状フレームの開口内に収容するため、板状物のサイズに応じた環状フレームを選択する必要があり、板状物の大口径化に伴って、環状フレームも大型となり、高価となるため、板状物を分割するために環状フレームを使用するのは非経済的であるという問題もある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、環状フレームを使用せずに板状物に外力を付与して分割起点に沿って板状物を分割可能な板状物の分割方法を提供することである。
本発明によると、分割予定ラインを有する板状物の分割方法であって、板状物の該分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップと、該分割起点形成ステップを実施する前又は後に、板状物より熱膨張率の大きい物質の上に板状物を固定する固定ステップと、該固定ステップと該分割起点形成ステップとを実施した後、板状物より熱膨張率の大きい前記物質を加熱して膨張させることで板状物に外力を付与し、板状物を該分割起点に沿って分割する分割ステップと、を備えたことを特徴とする板状物の分割方法が提供される。
本発明の板状物の分割方法では、板状物に分割起点を形成する前又は後に、板状物は板状物より熱膨張率の大きい物質上に固定される。その後、その物質が加熱されて膨張することで、板状物に外力を付与し、板状物が分割起点に沿って分割される。従って、環状フレームを使用することなく板状物の分割が可能となり、環状フレームを使用する上述した問題が解消される。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、板状物の一種である半導体ウエーハ11の斜視図が示されている。半導体ウエーハ(以下、単にウエーハと略称することがある)11は、例えば厚さが700μmのシリコンウエーハからなっており、表面11aに複数の分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されているとともに、分割予定ライン13によって区画された各領域にデバイス15が形成されている。
本発明の分割方法の加工対象となる板状物は、半導体ウエーハ11に限定されるものではなく、光デバイスウエーハ、セラミック基板やガラス基板、樹脂等からなる各種の板状物にも本発明の分割方法は適用可能である。以下の説明では、各種の板状物を代表して半導体ウエーハ11の分割方法について説明する。
図2を参照すると、第1実施形態の固定ステップを示す断面図が示されている。第1実施形態の固定ステップでは、ガラス又はシリコンウエーハ等から形成されたハードプレート17上に熱膨張性樹脂19を使用してウエーハ11の表面11a側を固定する。熱膨張性樹脂は加熱により熱膨張するが、加熱される温度まで接着力を有している樹脂が好ましい。
ハードプレート17に替えて、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)シート等の樹脂シート上に熱膨張性樹脂19によりウエーハ11を固定するようにしてもよい。更には、熱膨張性樹脂単体上にウエーハ11を固定してもよい。
図2に示した実施形態では、分割起点を形成する前にウエーハ11を熱膨張性樹脂19上に固定しているが、分割起点を形成した後にウエーハ11を熱膨張性樹脂19上に固定するようにしてもよい。
また、熱膨張性樹脂19上にウエーハ11を固定した後、ウエーハ11の裏面11bを研削してウエーハ11を所定厚みへと薄化してもよいし、研削により薄化した後ウエーハ11を熱膨張性樹脂19上に固定するようにしてもよい。
図3を参照すると、本発明第2実施形態の固定ステップを示す断面図が示されている。本実施形態では、熱膨張率の大きい例えばアルミニウムプレート21上に接着剤23によりウエーハ11の表面11a側を接着して固定する。
接着剤23は加熱によって接着力が低下しない接着剤を使用するのが好ましい。アルミニウムプレート21に替えて、熱膨張率の大きい銅、黄銅、ステンレス鋼、又はゴム等からなるプレート上に接着剤23でウエーハ11を接着するようにしてもよい。
固定ステップを実施した後、例えば図4及び図5に示す分割起点形成ステップを実施する。図4は分割起点形成ステップの斜視図、図5は一部断面側面図である。本実施形態の分割起点形成ステップでは、ウエーハ11内部に分割起点としての改質層25を形成する。
図4に示すように、レーザー加工装置10のチャックテーブル12でハードプレート17を介してウエーハ11を吸引保持する。図4において、14はレーザービーム照射ユニットであり、ハウジング16中に従来よく知られたレーザー発振器、繰り返し周波数設定手段等が収容されている。
レーザービーム照射ユニット14のレーザー発振器から発振されたレーザービームは、集光器(レーザーヘッド)18によりウエーハ11の裏面11b側から照射されて図5のPに示すようにウエーハ内部に集光される。チャックテーブル12を矢印X1で示す方向に加工送りすることにより、ウエーハ11の内部に分割予定ライン13に沿った改質層25が形成される。
20は集光器18でレーザービームを集光するためのアライメントを実施する顕微鏡及び赤外線撮像素子を有する撮像ユニットであり、集光器18とX軸方向に整列するようにレーザービーム照射ユニット14のハウジング16に取り付けられている。撮像ユニット20が赤外線撮像素子を有するため、ウエーハ11の裏面11b側から分割予定ライン13を検出してアライメントを実施することができる。
この分割起点形成ステップでは、ウエーハ11をY軸方向に割出送りしながら第1の方向に伸長する分割予定ライン13に沿ってウエーハ11の内部に改質層25を次々と形成する。次いで、チャックテーブル12を90度回転してから、第1の方向に直交する第2の方向に伸長する分割予定ライン13に沿ってもウエーハ内部に同様な改質層25を形成する。
改質層を形成する分割起点形成ステップにおける加工条件は、例えば以下のように設定されている。
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4パルスレーザ
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
パルス幅 :40ns
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
波長 :1064nm
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パルス幅 :40ns
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
分割起点形成ステップは、上述した改質層25の形成に限定されるものではなく、ウエーハ11に対して吸収性を有する波長(例えば355nm)のレーザービームをウエーハ11の表面11a側に照射し、分割予定ライン13に沿ってアブレーション加工によりレーザー加工溝を形成し、このレーザー加工溝を分割起点にするようにしてもよい。或いは、切削ブレードによるハーフカットにより分割予定ライン13に沿って切削溝を形成し、この切削溝を分割起点にするようにしてもよい。
尚、本実施形態では、ウエーハ11をハードプレート17上に熱膨張性樹脂19により固定する固定ステップを実施した後、分割起点形成ステップを実施しているが、分割起点形成ステップを最初に実施した後、固定ステップを実施するようにしてもよい。
固定ステップ及び分割起点形成ステップ実施後、ウエーハ11に外力を付与してウエーハ11を分割起点である改質層25に沿って分割する分割ステップを実施する。この分割ステップでは、図6に示すように、ハードプレート17上に熱膨張性樹脂19で固定されたウエーハ11をハードプレート17を下にしてホットプレート22上に載置する。
ホットプレート22によりハードプレート17を介して熱膨張性樹脂19を加熱すると、熱膨張性樹脂19が矢印A方向に熱膨張しウエーハ11に外力が付与される。その結果、ウエーハ11は分割起点としての改質層25に沿って個々のチップ27に分割される。
本実施形態では、ホットプレート22により熱膨張性樹脂19を加熱しているが、ホットプレート22に代わってヒーターやランプ、マイクロ波照射等により熱膨張性樹脂19を加熱してウエーハ11に外力を付与するようにしてもよい。
図3に示した第2実施形態の固定ステップでは、ホットプレート等による加熱によりアルミニウムプレート21を熱膨張させてウエーハ11に外力を付与し、ウエーハ11を改質層25に沿って個々のチップ27に分割する。
分割ステップ実施後、図7に示すように、外的刺激により熱膨張性樹脂19の接着力を弱めてから、ピックアップコレット24により矢印Bに示すようにチップ27をピックアップして、チップケース等に収容する。
熱膨張性樹脂19として紫外線硬化型樹脂を採用した場合には、外的刺激を紫外線照射により行い、熱膨張性樹脂19の接着力を低下させてから、ピックアップステップを実施する。
10 レーザー加工装置
11 半導体ウエーハ
12 チャックテーブル
14 レーザービーム照射ユニット
15 デバイス
17 ハードプレート
18 集光器
19 熱膨張性樹脂
22 ホットプレート
25 改質層
27 チップ
11 半導体ウエーハ
12 チャックテーブル
14 レーザービーム照射ユニット
15 デバイス
17 ハードプレート
18 集光器
19 熱膨張性樹脂
22 ホットプレート
25 改質層
27 チップ
Claims (1)
- 分割予定ラインを有する板状物の分割方法であって、
板状物の該分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップと、
該分割起点形成ステップを実施する前又は後に、板状物より熱膨張率の大きい物質の上に板状物を固定する固定ステップと、
該固定ステップと該分割起点形成ステップとを実施した後、板状物より熱膨張率の大きい前記物質を加熱して膨張させることで板状物に外力を付与し、板状物を該分割起点に沿って分割する分割ステップと、
を備えたことを特徴とする板状物の分割方法。
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