JP6300098B2 - 親水処理塗料組成物及び親水化処理方法 - Google Patents

親水処理塗料組成物及び親水化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、陶器、ガラス、金属などの無機化合物を含有する表面層の洗浄性を向上させるために、その表面層を親水化する処理を行う組成物及びその方法に関するものである。
従来、便器、洗面台など水回りに設置される陶器類などに対して、表面の汚れを洗浄し易くするために種々の表面処理が行われている。近年における人の食生活の欧米化の影響により汚れには油成分が増加しているため、それら陶器類の表面の汚れを充分に洗浄することが難しくなってきている。
特許文献1には、ガラス板などの基材表面に防汚性、耐摩擦性などに優れた親水性膜を形成するために、エポキシ基又はイソシアネート基を含むシランカップリング剤と、それらエポキシ基又はイソシアネート基と反応させる官能基及びスルホン酸カリウムなどの親水基を有する親水性ポリマーと、テトラアルコキシシランなどのアルコキシド化合物などを含む組成物が開示されている。
特開2007−138104号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物は、ガラス基板などの表面に製膜したときに、親水性ポリマーの重量平均分子量が3000〜9900と主鎖が長いために親水基が表面に集約されにくく、塗膜の親水性が充分ではないことが懸念される。
そこで、本発明は、便器、洗面台など水回りに設置され、酸化ケイ素などの無機化合物が含有される陶器類などに対して、カルシウムなどの沈着を防ぐとともに、菌の繁殖や臭気の原因となる油性の汚れも洗浄しやすくすることによって、清掃回数を低減することができる親水化処理剤及びその親水化処理方法を提供することを課題とする。
〔1〕すなわち、本発明は、無機化合物を含有する表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理した後に、前記シランカップリング剤の反応性官能基に対して反応させる組成物であって、アミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基と、スルホン酸又はスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化合物と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物である。
〔2〕そして、無機化合物を含有する表面層に対して反応させる組成物であって、(a)イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤と、(b)アミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基と、スルホン酸基又はスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化合物と、(c)尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物である。
〔3〕そして、前記シランカップリング剤の反応性官能基と前記親水性化合物の官能基との反応を促進する反応触媒を含有することを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の親水処理塗料組成物である。
〔4〕そして、前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載の親水処理塗料組成物である。
〔5〕そして無機化合物を含有する表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理し、前記シランカップリング剤と結合した前記表面層に、アミノ基、水酸基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基と、スルホン酸又はスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化合物と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を塗布し、熱により前記シランカップリング剤の反応性官能基と前記親水性化合物の官能基を反応させることを特徴とする親水化処理方法である。
〔6〕そして、無機化合物を含有する表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理し、前記シランカップリング剤と結合した前記表面層に、アミノ基、水酸基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基とスルホン酸基を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化合物と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を塗布し、熱により前記シランカップリング剤の反応性官能基と前記親水性化合物の官能基を反応させ、前記親水性化合物のスルホン酸基をアルカリ金属の水酸化物で反応させることによりスルホン酸塩を形成させることを特徴とする親水化処理方法である。
〔7〕そして、前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする前記〔5〕又は前記〔6〕のいずれかに記載の親水化処理方法である。
本発明によれば、便器、洗面台など水回りに設置され、酸化ケイ素などの無機化合物が含有される陶器類などに対して、カルシウムなどの無機化合物の沈着を防ぐとともに、菌の繁殖や臭気の原因となる油性の汚れも洗浄しやすくすることによって、清掃回数を低減することができる。
以下、本発明に係る親水処理塗料組成物及び親水化処理方法に関する実施形態について詳しく説明する。なお、数量の範囲を示す表現は上限と下限を含むものである。
便器、洗面台など水回りに設置される陶器類は、素焼きにした陶器類の表面に灰釉などの釉薬を釉掛けし、焼成することで、陶器類の表面にガラス質の層が形成されるという表面処理が行われている。この釉薬による表面処理が行われることにより、その表面層には無機化合物である酸化ケイ素が多数存在するためシラノール基も多数存在する。
本発明の親水処理塗料組成物を塗布する前段階で、陶器類の表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理されたプライマー層が設けられてもよい。プライマー層は、陶器類の表面層と、本発明の親水処理塗料組成物との間に位置し、本発明の親水処理塗料組成物の一部を陶器類の表面層に結合させるためのバインダーの役割を果たす。
上記イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤は、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトシキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、3−アミノプロピルトリメトシキシシラン、3−アミノプロピルトリエトシキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが好ましい。また、ケイ素原子に結合する加水分解基として、上記メトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基の他に、2−メトキシエトキシル基(CHOCHCH−O−)を有していてもよい。これらの市販品として、信越化学工業株式会社のKBE−9007、KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−573、KBM−575、KBM−802、KBM−803、モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社のY−5187などを使用することができる。
上記シランカップリング剤のアルコキシシランを加水分解して、生じたシラノール基を、陶器類の表面層に存在するシラノール基と脱水縮合反応させる。このとき、アルコキシシランを加水分解する触媒としては、酸性触媒;塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、リン酸水溶液、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸を有する化合物の水溶液、塩基性触媒;アンモニア水溶液、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、トランス2,5−ジメチルピペラジン、シス2,6−ジメチルピペラジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−(β―アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−(β―アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが好ましい。
また、プライマー層を作成する組成物の溶剤として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類などの有機溶媒、及び水が好ましい。
プライマー層を作成する組成物において、上記シランカップリング剤の配合量は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがさらに好ましく、0.1〜2重量%であることがもっとも好ましい。上記シランカップリング剤の配合量が0.01重量%未満であるとプライマー層が十分に形成されず、後に結合される親水性化合物が少なくなるため親水性が低下する。また、上記シランカップリング剤の配合量が10重量%を超えると前記カップリング剤同士が縮合反応してゲル化が生じたり、形成されたプライマー層に凹凸が生じたりする。
プライマー層は、具体的に下記に示すように作成される。
(プライマー層1)
3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を、予めメタノールで脱脂した陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともに3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
(プライマー層2)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともにビニルメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
こうして得られたプライマー層に対して、本発明の親水処理塗料組成物を反応させる表面処理を行う。当該親水処理塗料組成物としては、アミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化合物と、極性を有する相溶化剤を含有する。
上記親水性化合物は、一端にシランカップリング剤のイソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基と反応するアミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有しており、他端にスルホン酸又はスルホン酸基のアルカリ金属塩を有しており、分子鎖の端部以外に親水基を有していない。このような構造を有することにより、親水性化合物の親水基を塗膜表面に集約し、便器、洗面台など水による洗浄が頻繁になされる陶器類に用いても十分な洗浄性を持たせることができる。また、親水基を特定の方向に配向させるために、親水性化合物には分岐鎖を有していないことがさらに好ましい。
上記親水性化合物の他端にあるスルホン酸基のアルカリ金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。上記親水性化合物としては、具体的には、2−アミノエチルスルホン酸ナトリウム、2−アミノエチルスルホン酸カリウム、4−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシエチルスルホン酸ナトリウム、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、2−グリシジルエチルスルホン酸ナトリウム、アミノスルホン酸ナトリウム、アミノスルホン酸カリウム、アミノメタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、6−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホサン酸ナトリウム、4−ヒドロキシ−1−ブタンスルホン酸などが好ましい。性状としては、固形物、水溶液などのものを使用することができる。上記の各種スルホン酸を水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどにより中和反応を行って合成するなどして使用することができる。
例えば、上記2−アミノエチルスルホン酸ナトリウムは、以下のように合成することができる。
(合成例)
2−アミノエチルスルホン酸37.9重量部、水酸化ナトリウム12.1重量部、イオン交換水50.2重量部を20〜25℃の室温で1時間程度攪拌して合成した。pHが中性領域に達したことで反応が終了したことを確認した。
また、上記2−アミノエチルスルホン酸カリウム、4−アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシエチルスルホン酸ナトリウム、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、2−グリシジルエチルスルホン酸ナトリウムなどにおいても、上記合成例と同様に合成することができる。
上記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることが好ましく、100〜400であることがさらに好ましい。上記親水性化合物の数平均分子量が、70未満であるとアミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つの官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有することが困難であり、親水性の塗膜を形成することができない。上記親水性化合物の数平均分子量が、500を超えると立体障害のために反応率が低下し、ひいては親水基の量が低下するために塗膜の親水性が低下する。
さらに、上記プライマー層のイソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基に対して、2−アミノエチルスルホン酸など一端にアミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有し、他端にスルホン酸を有し、分子鎖の端部以外に親水部を有していない化合物を反応させた後に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物水溶液で中和させて、スルホン酸塩を形成する処理を行うこともできる。
上記親水性化合物を溶解、又は分散させるために、溶媒を加えることができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールなどが好ましい。溶媒を添加することにより、上記親水性化合物の固形分濃度を、0.1〜60重量%と調節することが好ましい。上記親水性化合物の固形分濃度が0.1重量%未満であると、形成された塗膜に親水基が数なく親水性が低くなる。また、上記親水性化合物の固形分濃度が60重量%を超えると、上記親水性化合物を溶解、又は分散させる溶媒、極性を有する相溶化剤を均一に混合することが困難になり、一定の親水性を有さなくなる。
極性を有する相溶化剤は、上記親水性化合物を結晶化させずに均一に溶解させ得る材料である。通常、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない上記親水性化合物を用いて組成物を作成すると結晶化してしまい組成物が均一にならないため、形成される塗膜の親水性が不十分であったり、ムラが生じたりするところ、上記相溶化剤を配合することにより、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない上記親水性化合物を用いてもその結晶化を抑制し、得られる組成物を均一に溶解させることができる。
上記相溶化剤としては、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのアミド化合物、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリトリトール、エリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース(ショ糖)、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプンなどの糖類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、変性ウレアなどの極性を有する樹脂、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩類等が好ましい。これらの市販品として、各社の試薬を使用することでき、樹脂については、第一工業製薬株式会社のセロゲンWS−C、ピッツコールK−30L、シャロール、ビックケミー・ジャパン株式会社のBYKETOl−PCなどを使用することができる。また、上記相溶化剤は1種、又は2種以上混合して使用することもできる。
上記相溶化剤の配合量は、上記親水性化合物の固形分重量に対して10〜200重量%が好ましく、30〜120重量%がさらに好ましい。上記相溶化剤の配合量が10重量%未満であると上記親水性化合物が結晶化、粉体化して反応率が低下して形成される塗膜の親水性が低くなる。上記相溶化剤の配合量が200重量%を超えると上記親水性化合物の濃度が相対的に低くなり反応率が低下して形成される塗膜の親水性が低くなる。
さらに、上記シランカップリング剤と上記親水性化合物の反応を促進するために反応触媒を、本発明の親水処理塗料組成物に配合することができる。例えば、イソシアネート基を有するシランカップリング剤と水酸基を有する親水性化合物と反応させるときに、ジラウリン酸ジブチルすずなどの有機すず触媒を用いることが好ましい。さらに、グリシジル基を有するシランカップリング剤と水酸基又はメルカプト基を有する親水性化合物と反応させるときに、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7、2−ヘプタデシルイミダゾールなどの化合物を用いることが好ましい。
本発明の親水処理塗料組成物は、上述した成分以外にも他の添加剤を含むことができる。他の添加剤として、表面調整剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘性制御剤などを使用することができる。また、添加剤を2種以上組み合わせて使用することもできる。
こうして得られた本発明の親水処理塗料組成物をプライマー層と反応させるために、熱を使用する。熱を発生させる装置として、電気オーブン、熱風乾燥機、赤外線照射装置などを使用することができる。これらの市販品として、TRP商事株式会社のUWL−300Nなどを使用することができる。
そして、本発明の親水処理塗料組成物をプライマー層と反応させて形成された塗膜を、プライマー層と反応しない成分を水などで洗い流して、所望の親水処理化処理を終了する。
また、上記プライマー層を設けることなく、陶器など無機化合物を含有する表面層に対して反応させる組成物として、上記シランカップリング剤と、上記親水性化合物と、上記相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を用いることもできる。上記シランカップリング剤によるプライマー処理の工程と、上記シランカップリング剤に対して上記親水性化合物を反応させることによる親水性処理の工程を一度に行うことができるので、例えば、家屋やオフィスなどのすでに設置されている便器、洗面台などの陶器類に対して用いると、その設置場所で作業する時間を短縮することができる。
さらに、上記シランカップリング剤などを含有する第一の液と、上記親水性化合物及び上記相溶化剤などを含有する第二の液とを分けておき、上記表面層に対して作業を行う直前に、第一の液と第二の液を混合して用いることもできる。予め第一の液と第二の液として分液しておくと、上記親水性化合物の官能基などの触媒作用による上記シランカップリング剤の加水分解を抑制することができる。そのため、生成したシラノール基同士が脱水縮合して上記表面層との反応性を低下させることがないばかりか、粒状物の生成を防ぐことができる。また、第二の液には、上記シランカップリング剤のアルコキシシランにおける加水分解を促進させる触媒を含有させることもできる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
上記プライマー層1に対して反応させるために、イオン交換水30.0重量部、尿素10重量部を混合して尿素が溶解するまで攪拌した後、2−アミノエチルスルホン酸ナトリウム(50重量%水溶液,数平均分子量147.2)50.0重量部、イソプロピルアルコール10.0重量部を加え、透明な均一溶液となるまで攪拌し、実施例1の組成物を100重量部得た。
(実施例2)
親水性化合物として、2−アミノエチルスルホン酸カリウム(50重量%水溶液,数平均分子量163.3)50.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の組成物を100重量部得た。
(実施例3、4)
親水性化合物として、2−アミノエチルスルホン酸(50重量%水溶液,数平均分子 量125.2)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3、 4の組成物を100重量部得た。
(実施例5〜10)
上記相溶化剤として、ジメチルスルホキシド25.0重量部、グリセリン25.0重量部、スクロース(ショ糖)10.0重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム30%水溶液33.3重量部、ポリビニルピロリドン30%水溶液33.3重量部、炭酸水素ナトリウム10.0重量部それぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5〜10の組成物を100重量部得た。
(実施例11)
親水性化合物として、アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム(40重量%水溶液,数 平均分子量195.1)62.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実 施例11の組成物を100重量部得た。
(実施例12)
親水性化合物として、2−ヒドロキシエチルスルホン酸ナトリウム(60重量%水溶 液,数平均分子量148.1)41.7重量部、反応触媒としてジラウリン酸ジブチ ルすず0.1重合部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例12の組成物を 100重量部得た。
(実施例13)
上記プライマー層2に対して反応させるために、実施例1と全く同様に、実施例13の組成物を100重量部得た。
(実施例14)
上記プライマー層2に対して反応させるために、親水性化合物として、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(50重量%水溶液,数平均分子量178.2)50.0重量部、反応触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン1.0重合部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例14の組成物を100重量部得た。
(実施例15)
上記プライマー層1〜2を設けることなく、上記シランカップリング剤として3−イ ソシアネートプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、溶剤としてメタノール19 .5重量部を均一混合したA液20部を予め用意する。そして、メタノール19.2 重量部、尿素10重量部を混合して尿素が溶解するまで攪拌した後、2−アミノエチ ルスルホン酸ナトリウム(50重量%水溶液,数平均分子量147.2)50.0重 量部、前記シランカップリング剤を加水分解するN−メチルモルホリン0.8重量部 を加え、透明な均一溶液となるまで攪拌したB液80部を別途用意する。被塗布物に 塗布する直前に前記A液と前記B液を均一に混合して、実施例15の組成物を100 重量部得た。
(比較例1)
上記プライマー層1に対して反応させるために、親水性化合物として、2−アミノエ チルスルホン酸カルシウム(40重量%水溶液)62.5重量部を用いた以外は、実 施例1と同様にして、比較例1の組成物を100重量部得た。
(比較例2)
上記相溶化剤として尿素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の組成物を100重量部得た。
(比較例3)
親水性化合物として、グリシンナトリウム(40重量%水溶液)62.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の組成物を100重量部得た。
(比較例4)
親水性化合物として、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(90重量%水溶液,ダウケミカル社製AMP−90)27.8重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4の組成物を100重量部得た。
(比較例5)
親水性化合物として、リン酸二水素−2−アミノエチルジナトリウム(40重量%水 溶液)62.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の組成物を 100重量部得た。
(比較例6)
親水性化合物として、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(40重量%水溶液)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の組成物を100重量部得た。
(比較例7)
親水性化合物として、テトラヒドロフルフリルアルコール(100重量%液体)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例7の組成物を100重量部得た。
(比較例8)
親水性化合物として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(40重量%水溶液,第一工業製薬製セロゲンWS−C)62.5重量部、反応触媒としてジラウリン酸ジブチルすず0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例8の組成物を100重量部得た。
(比較例9)
上記プライマー層2に対して反応させるために、親水性化合物として、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム(25重量%水溶液,第一工業製薬製ネオハイテノールS−70)89.0重量部、反応触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン1.0重量部を用い、尿素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例9の組成物を100重量部得た。
(比較例10)
プライマー層を設けずに、実施例1と同様に、比較例10の組成物を100重量部得た。
実施例1〜15、比較例1〜10の組成物を、表1〜2に示す。
Figure 0006300098
Figure 0006300098
そして、酸化ケイ素を表面に含有する陶器に対して作成された表1〜表2に記載された上記プライマー層1〜2に対して、各組成物を塗布し、電気オーブンを用いて60℃下で30分乾燥し、30分室温にて静置した後、電気オーブンを用いて120℃で30分間加熱を行い、塗膜を形成した。実施例3の組成物については、加熱を行った後に、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を浸漬した綿布を塗膜に塗布し、5分後に水洗し、親水基であるスルホン酸基を中和してスルホン酸ナトリウムとした。また、実施例15においては、上記プライマー層1〜2を設けることなく、上記A液及びB液を配合させて塗布した後に、上記方法と同様にして乾燥、加熱を行って塗膜を形成した。
便器、洗面台など水回りに設置される陶器類などに対して上記塗膜を作成したときを想定し、洗浄剤等により洗浄したときの塗膜の耐久性、及び、汚れである油脂などの有機物や無機物に対する塗膜の洗浄性について、以下の方法により評価した。
まず、形成された塗膜の耐久性を評価する基準として、JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」(試験方法の種類として、静滴法を採用)に準じて、塗膜表面の水滴の接触角を用いた。具体的には、水滴の接触角の測定について、KRUSS社製のDSA20Eを用い、蒸留水4μLを塗膜に滴下して60秒後の接触角を測定した。形成された塗膜に物理的又は化学的処理を行い、塗膜に物理的又は化学的変化が起こった場合、水滴の接触角が変化することを利用したものである。塗膜に対して何も処理を行わないものを「初期」とし、40℃のイオン交換水に240時間浸漬処理を行ったものを「耐水性」として、20〜25℃の水中においてジョンソン株式会社製の流せるトイレブラシを用い500gfの荷重を掛けて1000往復したものを「耐摩耗性」として、40℃のサンポール(登録商標,大日本除虫菊株式会社製)に24時間浸漬処理を行ったものを「耐洗浄性(酸性)」として、40℃のトイレマジックリン(登録商標,花王株式会社製)に24時間浸漬処理を行ったものを「耐洗浄性(中性)」として、40℃のカビキラー(登録商標,ジョンソン株式会社製)に24時間浸漬処理を行ったものを「耐洗浄性(アルカリ性)」として、それぞれ水滴の接触角を測定し評価を行った。いずれも水滴の接触角が10°以下のものは◎、10°より大きく20°以下のものは○、20°より大きく40°以下のものは△、40°より大きいものは×として評価し、◎、○、△を良好、×を不良と判断した。
そして、形成された塗膜の洗浄性を評価する基準として、油脂など有機物と無機物に対する洗浄性をそれぞれ評価した。油脂などの有機物については、食品において汎用に使用されるオレイン酸を用いて「オレイン酸除去性」として、塗膜に対して300μLのオレイン酸を滴下した後に静かに水に浸漬し、オレイン酸が塗膜表面から浮き上がるまでの時間を測定した。オレイン酸が塗膜表面から浮き上がるまでの時間が30秒以下のものは◎、30秒より長く60秒以下のものは○、60秒より長く120秒以下のものは△、120秒より長いものは×として評価し、◎、○、△を良好、×を不良と判断した。
また、無機物については、カルシウム及びマグネシウムを所定量以上含有する硬水であるevian(登録商標)を用いて「ミネラル除去性」として、塗膜に対して500μLの硬水を滴下し40℃で24時間乾燥させて白色の水滴斑を作成した後に、20〜25℃の水中においてジョンソン株式会社製の流せるトイレブラシを用い500gfの荷重を掛けて10又は20往復し残存する水滴斑を目視にて観察した。ブラシによる洗浄において、10往復で水滴斑が見られないものは◎、20往復で水滴斑が見られないものは○、20往復で水滴斑が若干見られるものは△、20往復で水滴斑がはっきり見られるものは×として評価し、◎、○、△を良好、×を不良と判断した。
上述したように耐久性と洗浄性を測定し、実施例及び比較例ごとにまとめたものを表3〜表4に示す。いずれの評価でも不良である×を有さないものを市場性があるとして「良」と判断し、いずれかの評価で不良である×を有するものを市場性がないとして「不可」と判断した。
Figure 0006300098
Figure 0006300098

Claims (7)

  1. 無機化合物を含有する表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプ ト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によ って処理した後に、前記シランカップリング剤の反応性官能基に対して反応させる組成 物であって、
    アミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つであって、 前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基と、スルホン酸基又はスル ホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化 合物と、
    尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノ プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒ ドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジ メチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジ トリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テ トロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、ス クロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シク ロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、 ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ ウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有す る相溶化剤を
    含有する親水処理塗料組成物。
  2. 無機化合物を含有する表面層に対して反応させる組成物であって、
    イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる少なくとも一つ の反応性官能基を含有するシランカップリング剤と、
    アミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一つであって、 前記シランカップリング剤の反応性官能基と反応する官能基と、スルホン酸基又はスル ホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性化 合物と、
    尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノ プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒ ドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジ メチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジ トリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テ トロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、ス クロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シク ロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、 ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ ウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有す る相溶化剤を
    含有する親水処理塗料組成物。
  3. 前記シランカップリング剤の反応性官能基と前記親水性化合物の官能基との反応を促進 する反応触媒を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の親水処理塗料 組成物。
  4. 前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする請求項1か ら請求項3のいずれかに記載の親水処理塗料組成物。
  5. 無機化合物を含有する表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプ ト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によ って処理し、
    前記シランカップリング剤と結合した前記表面層に、アミノ基、水酸基、メルカプト基 から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反 応する官能基と、スルホン酸又はスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端 部以外に親水部を含有しない親水性化合物と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリ ン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピル アクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチ ルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコー ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトー 、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セ ドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、 ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプ ン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸 ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリ ウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成 物を塗布し、
    熱により前記シランカップリング剤の反応性官能基と前記親水性化合物の官能基を反応 させることを特徴とする親水化処理方法。
  6. 無機化合物を含有する表面層を、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプ ト基から選ばれる少なくとも一つの反応性官能基を含有するシランカップリング剤によ って処理し、
    前記シランカップリング剤と結合した前記表面層に、アミノ基、水酸基、メルカプト基 から選ばれる少なくとも一つであって、前記シランカップリング剤の反応性官能基と反 応する官能基とスルホン酸を含有し、分子鎖の端部以外に親水部を含有しない親水性 化合物と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメ チルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリル アミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、 N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ ロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリ オース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マル トース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリ ゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナ トリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、 炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の 極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を塗布し、
    熱により前記シランカップリング剤の反応性官能基と前記親水性化合物の官能基を反応 させ、
    前記親水性化合物のスルホン酸基をアルカリ金属の水酸化物で反応させることによりス ルホン酸塩を形成させることを特徴とする親水化処理方法。
  7. 前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする請求項5又 は請求項6のいずれかに記載の親水化処理方法。
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