JP2021120421A - プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法 - Google Patents

プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021120421A
JP2021120421A JP2018065924A JP2018065924A JP2021120421A JP 2021120421 A JP2021120421 A JP 2021120421A JP 2018065924 A JP2018065924 A JP 2018065924A JP 2018065924 A JP2018065924 A JP 2018065924A JP 2021120421 A JP2021120421 A JP 2021120421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primer composition
layer
formula
functional member
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018065924A
Other languages
English (en)
Inventor
憲一 足立
Kenichi Adachi
憲一 足立
承士 奥村
Yoshihito OKUMURA
承士 奥村
陽一 渡辺
Yoichi Watanabe
陽一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lixil Corp
Original Assignee
Lixil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lixil Corp filed Critical Lixil Corp
Priority to JP2018065924A priority Critical patent/JP2021120421A/ja
Priority to PCT/JP2019/010836 priority patent/WO2019188412A1/ja
Publication of JP2021120421A publication Critical patent/JP2021120421A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials
    • B05D1/36Successively applying liquids or other fluent materials, e.g. without intermediate treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/02Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials to macromolecular substances, e.g. rubber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/24Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials for applying particular liquids or other fluent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes
    • C09D183/08Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen, and oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】機能性部材の機能層に、より多くのシランカップリング剤を導入できるプライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法。【解決手段】特定の構造を有するアルコキシシラン(A)と、下記一般式(II−1)及び下記一般式(II−2)で表される化合物から選ばれる1種以上のアミノアルキルアルコキシシラン(B)と、有機溶媒(C)と、を含有するプライマー組成物。[化1](式(II−1)、式(II−2)中、R3、R4は、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。xは1〜6の整数、yは1〜10の整数、nは0〜10の整数、zは1〜10の整数、wは1〜10の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法に関する。
便器、洗面台等水回りに設置される樹脂製品に対して、樹脂製品の表面に親水性、抗菌性等の様々な機能性を付与するための表面改質処理が行われている。このような表面改質処理の一つに、樹脂製品の表面に機能性を付与する機能層を設ける処理がある。機能層の原料として、様々な機能性を有する官能基が導入されたシランカップリング剤が用いられる。機能層を設ける処理においては、樹脂製品と機能層との密着性を高めるために、樹脂製品の表面と機能層との間にプライマー層を設ける処理が行われることがある。プライマー層は、プライマー組成物から形成される。
例えば、特許文献1には、基材上に、親水性を有するシランカップリング剤から形成される上塗層(機能層)と、特定の構造を有するアルコキシシランを含有するプライマー組成物から形成される下塗層(プライマー層)とを有する親水性部材が提案されている。特許文献1の親水性部材では、基材の表面にプライマー層が設けられることにより、基材と機能層との密着性が高められている。
特許第5124496号公報
特許文献1の親水性部材の親水性をより高めるためには、親水性を有するシランカップリング剤をより多く導入する必要がある。
しかしながら、特許文献1の親水性部材に形成された機能層に導入されるシランカップリング剤の導入量は、充分ではなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、機能性部材の機能層に、より多くのシランカップリング剤を導入できるプライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様は、下記一般式(I−1)で表される化合物及び下記一般式(I−2)で表される化合物から選ばれる1種以上のアルコキシシラン(A)と、下記一般式(II−1)で表される化合物及び下記一般式(II−2)で表される化合物から選ばれる1種以上のアミノアルキルアルコキシシラン(B)と、有機溶媒(C)と、を含有するプライマー組成物である。
Figure 2021120421
式(I−1)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。式(I−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜1000である。
Figure 2021120421
式(II−1)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。xは、1〜6の整数、yは、1〜10の整数、nは、0〜10の整数である。式(II−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。zは、1〜10の整数、wは、1〜10の整数である。
このような構成によれば、プライマー組成物の硬化物であるプライマー層の表面に、より多くのシラノール基を形成できる。その結果、より多くのシランカップリング剤との結合が可能となる。
本発明の一態様は、樹脂基材と、前記樹脂基材の一方の面に位置するプライマー層と、前記プライマー層の表面に位置する機能層と、を備える機能性部材であって、前記プライマー層は、前記プライマー組成物の硬化物である、機能性部材である。
このような構成によれば、より多くのシランカップリング剤を機能層に導入でき、より機能性に優れる機能性部材とすることができる。
本発明の一態様は、前記機能層が、親水性を備える親水層である、機能性部材である。
このような構成によれば、より多くの親水性を備えるシランカップリング剤を機能層に導入でき、より親水性に優れる親水層を備える機能性部材(親水性部材)とすることができる。
本発明の一態様は、樹脂基材の一方の面に、前記プライマー組成物を塗布し、硬化させる工程を有する、機能性部材の製造方法である。
このような構成によれば、より多くのシランカップリング剤を機能層に導入できるプライマー層を形成できる。その結果、より機能性に優れる機能性部材を製造できる。
本発明のプライマー組成物によれば、機能性部材の機能層に、より多くのシランカップリング剤を導入できる。
本発明の実施形態による機能性部材の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1に示す機能性部材100は、樹脂基材10の一方の面に、プライマー層20と、機能層30とを備える。すなわち、機能性部材100は、樹脂基材10と、プライマー層20と、機能層30とをこの順で備える。
機能性部材100の厚さT100は、特に限定されないが、例えば、0.001〜500mmが好ましく、0.001〜300mmがより好ましく、0.001〜200mmがさらに好ましい。厚さT100が上記下限値以上であると、機能性部材100の強度が高められやすくなる。厚さT100が上記上限値以下であると、機能性部材100を軽量にでき、取り扱いが容易になる。
機能性部材100の厚さT100は、例えば、ノギスを用いて測定できる。
樹脂基材10としては、一般的なプラスチック材料を用いることができる。樹脂基材10の素材としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、不飽和ポリエステル(UP)樹脂等が挙げられる。樹脂基材10の素材としては、耐熱性に優れる観点から、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、PET、PC、UP樹脂が好ましい。
樹脂基材10の素材としては、ガラス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ等の充填剤を配合した樹脂を用いてもよい。
樹脂基材10の厚さT10は、特に限定されないが、例えば、0.001〜500mmが好ましく、0.001〜300mmがより好ましく、0.001〜200mmがさらに好ましい。厚さT10が上記下限値以上であると、機能性部材100の強度が高められやすくなる。厚さT10が上記上限値以下であると、機能性部材100を軽量にでき、取り扱いが容易になる。
樹脂基材10の厚さT10は、例えば、ノギスを用いて測定できる。
プライマー層20は、本発明のプライマー組成物の硬化物である。本明細書において、硬化物とは、加水分解性アルコキシシラン及びその加水分解縮重合物から選ばれる1種以上が熱、触媒等によって縮重合又は架橋して不溶不融となったものをいう。
本発明のプライマー組成物は、アルコキシシラン(A)と、アミノアルキルアルコキシシラン(B)と、有機溶媒(C)とを含有する。
アルコキシシラン(A)は、下記一般式(I−1)で表される化合物及び下記一般式(I−2)で表される化合物から選ばれる1種以上である。
Figure 2021120421
式(I−1)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。式(I−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜1000である。
式(I−1)で表される化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。式(I−1)で表される化合物のうち、脱水縮合しやすい観点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
式(I−2)で表される化合物としては、例えば、Rがメチル基でmが0〜1000の化合物、Rがエチル基でmが0〜1000の化合物、Rがブチル基でmが0〜1000の化合物が挙げられる。
式(I−2)で表される化合物のmは、重合度を表し、0〜1000であり、10〜80が好ましく、30〜50がより好ましい。重合度mが上記下限値以上であると、プライマー層20の表面に、より多くのシラノール基を形成しやすい。重合度mが上記上限値以下であると、有機溶媒(C)に溶解しやすい。式(I−2)で表される化合物は、2分子以上のテトラアルコキシシランが分子間で脱水縮合した重合体である。なお、重合度mが0の場合、式(I−2)で表される化合物は、テトラアルコキシシラン2分子が脱水縮合したテトラアルコキシシランの2量体である。
重合度mは、テトラアルコキシシランの濃度、脱水縮合するときの温度等により制御できる。
式(I−2)で表される化合物としては、式(I−1)で表されるテトラアルコキシシランを脱水縮合して重合してもよいし、市販のものを用いてもよい。式(I−2)で表される化合物の市販のものとしては、例えば、三菱ケミカル(株)製のメチルシリケートオリゴマーMS51、MS56等が挙げられる。
アルコキシシラン(A)の含有量は、プライマー組成物の総質量に対して、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.02〜0.5質量%がより好ましく、0.03〜0.3質量%がさらに好ましい。アルコキシシラン(A)の含有量が上記下限値以上であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。アルコキシシラン(A)の含有量が上記上限値以下であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。
アルコキシシラン(A)に由来するケイ素原子の物質量は、プライマー組成物1gに対して、1.0〜60μmol/gが好ましく、1.9〜30μmol/gがより好ましく、2.8〜20μmol/gがさらに好ましい。アルコキシシラン(A)に由来するケイ素原子の物質量が上記下限値以上であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。アルコキシシラン(A)に由来するケイ素原子の物質量が上記上限値以下であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。
アルコキシシラン(A)に由来するケイ素原子の物質量は、アルコキシシラン(A)の元素分析によって求めることができる。
アミノアルキルアルコキシシラン(B)は、下記一般式(II−1)で表される化合物及び下記一般式(II−2)で表される化合物から選ばれる1種以上である。
Figure 2021120421
式(II−1)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。xは、1〜6の整数、yは、1〜10の整数、nは、0〜10の整数である。式(II−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。zは、1〜10の整数、wは、1〜10の整数である。
式(II−1)中、xは、1〜6の整数であり、2〜6が好ましい。xが上記数値範囲内であると、アルコキシシラン(A)の加水分解と加水分解に続く縮重合反応を促進しやすい。
式(II−1)中、yは、1〜10の整数であり、2〜3が好ましい。yが上記数値範囲内であると、アルコキシシラン(A)の脱水縮合反応を促進しやすい。
式(II−1)中、nは、0〜10の整数であり、1〜2が好ましい。nが上記数値範囲内であると、アルコキシシラン(A)の脱水縮合反応を促進しやすい。
式(II−1)で表される化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン等が挙げられる。式(II−1)で表される化合物としては、シランカップリング剤との密着性がより発揮されやすい観点から、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
式(II−2)中、zは、1〜10の整数であり、2〜4が好ましい。zが上記数値範囲内であると、アルコキシシラン(A)の脱水縮合反応を促進しやすい。
式(II−2)中、wは、1〜10の整数であり、2〜4が好ましい。wが上記数値範囲内であると、アルコキシシラン(A)の脱水縮合反応を促進しやすい。
式(II−2)で表される化合物としては、例えば、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)アミン、ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミン等が挙げられる。式(II−2)で表される化合物としては、加水分解しやすい観点から、ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミンが好ましい。
アミノアルキルアルコキシシラン(B)の含有量は、プライマー組成物の総質量に対して、0.0002〜1質量%が好ましく、0.002〜0.6質量%がより好ましく、0.01〜0.3質量%がさらに好ましい。アミノアルキルアルコキシシラン(B)の含有量が上記下限値以上であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。アミノアルキルアルコキシシラン(B)の含有量が上記上限値以下であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。
アミノアルキルアルコキシシラン(B)に由来するケイ素原子の物質量は、プライマー組成物1gに対して、0.01〜60μmol/gが好ましく、0.1〜30μmol/gがより好ましく、0.5〜15μmol/gがさらに好ましい。アミノアルキルアルコキシシラン(B)に由来するケイ素原子の物質量が上記下限値以上であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。アミノアルキルアルコキシシラン(B)に由来するケイ素原子の物質量が上記上限値以下であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。
アミノアルキルアルコキシシラン(B)に由来するケイ素原子の物質量は、アルコキシシラン(A)に由来するケイ素原子の物質量と同様の方法で求めることができる。
プライマー組成物中のアミノアルキルアルコキシシラン(B)に由来するケイ素原子の物質量と、アルコキシシラン(A)に由来するケイ素原子の物質量との比(以下、B/A比ともいう。)は、0.005〜1が好ましく、0.015〜0.5がより好ましく、0.05〜0.2がさらに好ましい。B/A比が上記下限値以上であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。B/A比が上記上限値以下であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。
アルコキシシラン(A)の含有量と、アミノアルキルアルコキシシラン(B)の含有量との合計(以下、A+B量ともいう。)は、プライマー組成物の総質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜3質量%がより好ましく、0.04〜1.2質量%がさらに好ましい。A+B量が上記下限値以上であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。A+B量が上記上限値以下であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。
有機溶媒(C)は、アルコキシシラン(A)と、アミノアルキルアルコキシシラン(B)とを溶解又は分散し、プライマー組成物とするものであれば、特に限定されない。有機溶媒(C)としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(IPA)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒、ジクロロメタン、トリクロロメタン等の塩素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、アルコキシシラン(A)及びアミノアルキルアルコキシシラン(B)を溶解しやすいアルコール系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、アルコール系溶媒がより好ましく、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールがさらに好ましい。
有機溶媒(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒(C)の含有量は、プライマー組成物の総質量に対して、95〜99.99質量%が好ましく、97〜99.98質量%がより好ましく、98.8〜99.96質量%がさらに好ましい。有機溶媒(C)の含有量が上記下限値以上であると、プライマー組成物を樹脂基材10に塗布した際の外観変化を抑制しやすい。有機溶媒(C)の含有量が上記上限値以下であると、機能層30により多くのシランカップリング剤を導入しやすい。
本発明のプライマー組成物は、必要に応じて、アルコキシシラン(A)、アミノアルキルアルコキシシラン(B)及び有機溶媒(C)を除く任意成分を含有してもよい。任意成分としては、例えば、表面調整剤、水等が挙げられる。
本発明のプライマー組成物が任意成分を含有する場合、任意成分の含有量は、プライマー組成物の総質量に対して、0.00001〜1質量%が好ましい。
プライマー層20の厚さT20は、特に限定されないが、例えば、0.001〜2μmが好ましく、0.002〜0.6μmがより好ましく、0.005〜0.2μmがさらに好ましい。厚さT20が上記下限値以上であると、プライマー層20の表面に機能層30を均一に形成しやすい。厚さT20が上記上限値以下であると、樹脂基材10の一方の面と、プライマー層20との密着性を向上しやすい。
プライマー層20の厚さT20は、X線電子分光装置等を用いて測定できる。
機能層30は、樹脂基材10に様々な機能性を付与できる層である。
機能層30としては、親水性を備える親水層、撥水性を備える撥水層、抗菌性を備える抗菌層等が挙げられる。機能層30としては、水回りに用いる観点から、親水性を備える親水層が好ましい。
機能層30は、シランカップリング剤を含有する。本明細書において、シランカップリング剤とは、有機物とケイ素から構成される化合物で、分子中に2個以上の異なる反応基を有する化合物をいう。反応基のうちの一つは、無機質材料と化学結合する反応基で、もう一つは、有機質材料と化学結合する反応基である。シランカップリング剤を用いることで、通常では非常に結びつきにくい有機質材料と無機質材料とを結びつけることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、3−(4−ビニルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルメチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、及びこれらの部分加水分解物等が挙げられる。シランカップリング剤としては、操作性、副生物の留去のしやすさから、メトキシシラン又はエトキシシランが好ましい。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
機能層30は、シランカップリング剤以外に、樹脂基材10に様々な機能性を付与できる化合物を含有してもよい。様々な機能性とは、親水性、撥水性、抗菌性等が挙げられる。
親水性を付与できる化合物としては、特開2016−020461号公報に記載の親水性化合物が挙げられる。前記親水性化合物としては、例えば、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
撥水性を付与できる化合物としては、KBM−1703(信越化学工業(株)製)等のシランカップリング剤が挙げられる。
抗菌性を付与できる化合物としては、AEM―5700(AEGIS ENVIRONMENTS社製)等のシランカップリング剤が挙げられる。
機能層30の厚さT30は、特に限定されないが、例えば、0.0004〜1μmが好ましく、0.0008〜0.5μmがより好ましく、0.001〜0.3μmがさらに好ましい。厚さT30が上記下限値以上であると、樹脂基材10に充分な機能性を付与しやすい。厚さT30が上記上限値以下であると、プライマー層20との密着性を向上しやすい。
機能層30の厚さT30は、X線電子分光装置等を用いて測定できる。
シランカップリング剤の導入量は、プライマー層20のシラノール基の量に比例する。プライマー層20のシラノール基の量は、赤外分光法のシロキサン結合のピークにより確認できる。シロキサン結合のピークが大きいほど、プライマー層20のシラノール基の量が多い。赤外分光法のシロキサン結合のピークは、1050cm−1付近に見られる。
プライマー層20のシラノール基の量は、赤外分光法のメチレン基のピークによっても確認できる。メチレン基のピークが小さいほど、プライマー層20に残存するアルコキシ基が少なく、その分シラノール基が多い。赤外分光法のメチレン基のピークは、2950cm−1付近に見られる。
機能性部材100としては、水回りに用いる観点から、親水性を備える親水性部材が好ましい。
機能性部材100が親水性部材である場合、機能性部材100の親水性を評価する指標として、機能性部材100の表面に水滴を滴下し、水の接触角を測定する方法が挙げられる。水の接触角を測定する装置は、例えば、接触角計(協和界面科学(株)製)が用いられる。滴下液は蒸留水、滴下量は1.0μLとし、接触角の計算は、θ/2法により算出できる。
水の接触角は0°から180°で規定され、角度が小さいほど親水性である。機能性部材100が親水性部材である場合、水の接触角は0〜60°が好ましく、0〜40°がより好ましく、0〜30°がさらに好ましい。水の接触角が上記上限値以下であると、機能性部材100は親水性に優れる。水の接触角の下限値は小さいほど好ましいが、実質的には5°程度である。
親水性部材が適用可能な用途としては、例えば、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、台所用品、窓、扉、床、机、車両のボディ、ソーラーパネル、壁、ディスプレイ、看板、タッチパネル等が挙げられる。
機能性部材100が撥水性部材である場合、機能性部材100の撥水性を評価する指標としては、機能性部材100の親水性を評価する指標と同様、水の接触角を測定する方法が挙げられる。
機能性部材100が撥水性部材である場合、水の接触角は60〜180°が好ましく、70〜180°がより好ましく、80〜180°がさらに好ましい。水の接触角が上記下限値以上であると、機能性部材100は撥水性に優れる。水の接触角の上限値は大きいほど好ましいが、実質的には150°程度である。
撥水性部材が適用可能な用途としては、例えば、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、台所用品、窓、扉、床、机、車両のボディ、ソーラーパネル、壁、ディスプレイ、看板、タッチパネル等が挙げられる。
機能性部材100が抗菌性部材である場合、機能性部材100の抗菌性の評価は、JIS Z2801に記載の抗菌性試験方法に準じて行われる。機能性部材100の抗菌性は、JIS Z2801に規定する抗菌活性値に基づいて判断される。抗菌活性値が2.0以上であると、機能性部材100は、抗菌性に優れる。
抗菌性部材が適用可能な用途としては、例えば、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、台所用品、窓、扉、床、机、壁、ハンドル、タッチパネル、玩具、医療機器等が挙げられる。
機能性部材100の形状は特に限定されず、例えば、平面視矩形であってもよく、平面視楕円形であってもよい。
本発明の機能性部材の製造方法は、プライマー層を形成する工程と、機能層を形成する工程とを含む。本発明の機能性部材の製造方法により、樹脂基材の一方の面に位置するプライマー層と、前記プライマー層の表面に位置する機能層と、を備える機能性部材が得られる。
プライマー層を形成する工程は、樹脂基材の一方の面に、本発明のプライマー組成物を塗布し、硬化させる工程である。
本発明のプライマー組成物は、アルコキシシラン(A)及びアミノアルキルアルコキシシラン(B)と、必要に応じて表面調整剤(任意成分)とを有機溶媒(C)に溶解後、攪拌することで得られる。プライマー組成物を攪拌する方法は特に限定されず、常法により攪拌することができる。
プライマー組成物を樹脂基材10の一方の面に塗布する方法は特に限定されず、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、フィルムアプリケーター法、スクリーン印刷法、バーコーター法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法が適用できる。
プライマー組成物の塗布量は特に限定されず、例えば、100cm×100cmの大きさの樹脂基材10に対し、1〜50gが好ましく、5〜20gがより好ましい。プライマー組成物の塗布量が上記数値範囲内であると、プライマー層20の厚さT20を0.001〜2μmにしやすい。
プライマー組成物を塗布する前に、樹脂基材10の一方の面をあらかじめ脱脂しておくことが好ましい。樹脂基材10の一方の面をあらかじめ脱脂しておくことで、樹脂基材10とプライマー層20との密着性をより高めることができる。脱脂には、アセトン、エタノール、2−プロパノール等の有機溶媒を用いることができる。
プライマー組成物を硬化させる方法は特に限定されず、任意の温度で加熱して硬化させる方法が挙げられる。プライマー組成物を硬化させる温度は、プライマー組成物の組成、塗布量、硬化時間を勘案して適宜決定できる。プライマー組成物を硬化させる温度は、例えば、15〜120℃が好ましく、30〜100℃がより好ましい。プライマー組成物を硬化させる温度が上記下限値以上であると、アルコキシシラン(A)及びアミノアルキルアルコキシシラン(B)の脱水縮合反応が進行しやすい。プライマー組成物を硬化させる温度が上記上限値以下であると、樹脂基材10の変質を抑制しやすい。
機能層を形成する工程は、プライマー層の表面にシランカップリング剤を含む機能性を付与できる化合物(以下、「機能性付与化合物」ともいう。)を塗布し、硬化させる工程である。
機能性付与化合物をプライマー層20の表面に塗布する方法は特に限定されず、プライマー組成物を樹脂基材10の一方の面に塗布する方法と同様の方法が適用できる。
機能性付与化合物の塗布量は、例えば、プライマー層20の面積100cm×100cmに対し、2〜50gが好ましく、5〜20gがより好ましい。機能性付与化合物の塗布量が上記数値範囲内であると、機能層30の厚さT30を0.0004〜1μmにしやすい。
機能性付与化合物を硬化させる方法は特に限定されず、任意の温度で加熱して硬化させる方法が挙げられる。機能性付与化合物を硬化させる温度は、機能性付与化合物の組成、塗布量、硬化時間を勘案して適宜決定できる。機能性付与化合物を硬化させる温度は、例えば、15〜120℃が好ましく、30〜100℃がより好ましい。機能性付与化合物を硬化させる温度が上記下限値以上であると、シランカップリング剤の脱水縮合反応が進行しやすい。機能性付与化合物を硬化させる温度が上記上限値以下であると、樹脂基材10の変質を抑制しやすい。
機能性付与化合物としては、親水性付与化合物、撥水性付与化合物、抗菌性付与化合物等が挙げられる。機能性付与化合物は、シランカップリング剤を含有していればよく、シランカップリング剤そのものでもよい。親水性付与化合物としては、上述した親水性化合物とシランカップリング剤との混合物が挙げられる。撥水性付与化合物としては、上述したKBM−1703(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。抗菌性付与化合物としては、上述したAEM−5700(AEGIS ENVIRONMENTS社製)等が挙げられる。
プライマー層を形成する工程により、樹脂基材10の一方の面にプライマー層20が形成される。機能層を形成する工程により、プライマー層20の表面に機能層30が形成された機能性部材100が得られる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記の実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
上述の実施形態では、樹脂基材10の一方の面にプライマー層20が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、樹脂基材10の両方の面にプライマー層20が設けられていてもよい。
また、上述の実施形態では、樹脂基材10の一方の面に機能層30が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、樹脂基材10の両方の面に機能層30が設けられていてもよい。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用したアルコキシシラン(A)、アミノアルキルアルコキシシラン(B)は、下記の[使用原料]に示す通りである。
[使用原料]
≪アルコキシシラン(A)≫
MS56:メチルシリケートオリゴマーMS56、式(I−2)におけるRがメチル基、mが0〜98、三菱ケミカル(株)製。
MS51:メチルシリケートオリゴマーMS51、式(I−2)におけるRがメチル基、mが0〜98、三菱ケミカル(株)製。
TEOS:テトラエトキシシラン、式(I−1)におけるRがエチル基、東京化成工業(株)製。
TBOS:テトラブトキシシラン、式(I−1)におけるRがn−ブトキシ基、東京化成工業(株)社製。
≪アミノアルキルアルコキシシラン(B)≫
KBM603:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、式(II−1)におけるRがメチル基、xが2、yが3、nが1、信越化学工業(株)製。
KBE603:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、式(II−1)におけるRがエチル基、xが2、yが3、nが1、信越化学工業(株)製。
KBM903:3−アミノプロピルトリメトキシシラン、式(II−1)におけるRがメチル基、yが3、nが0、信越化学工業(株)製。
KBE903:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、式(II−1)におけるRがエチル基、yが3、nが0、信越化学工業(株)製。
ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)アミン:式(II−2)におけるRがエチル基、zが3、wが3、Fluorochem Ltd.製。
[実施例1]
≪プライマー組成物の調液≫
アルコキシシラン(A)としてMS56をケイ素原子の物質量に換算して5.6μmol/g、アミノアルキルアルコキシシラン(B)としてKBM−603をケイ素原子の物質量に換算して1.0μmol/g、1−ブタノール20gに混合し、5分攪拌して溶解させ、1−ブタノールを99.5質量%含有するプライマー組成物を得た。表1〜4中、「−」は、該当する成分が添加されていないことを示す。
≪プライマー層の形成≫
樹脂基材としてUPを用い、UPの表面をアセトンで拭いた後、2−プロパノール(IPA)で拭いて脱脂した。
続いて、プライマー組成物0.1gを、脱脂した大きさ5cm×10cmの樹脂基材の一方の面にバーコーター法で塗布した。その後、電気オーブンを用いて温度60℃で30分間静置してプライマー組成物を硬化し、厚さ0.1μmのプライマー層を形成した。
≪親水層の形成≫
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、1−メトキシ−2−プロパノール98質量部を室温で攪拌混合した後に、70質量%イセチオン酸水溶液1質量部を加えて、さらに5分間攪拌し、加水分解を行った(溶液1の調製)。得られた溶液1をプライマー層の表面にウエスで塗布した後に、100℃で10秒間加熱し、溶媒等を揮発させるとともに3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランから生じたシラノール基とプライマー層の表面のシラノール基を脱水縮合反応させて親水層の元となる層が形成された基材を得た。
次に、イオン交換水27.5質量部、尿素10質量部を混合して尿素が溶解するまで攪拌した後、親水性化合物としてN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム(50質量%水溶液、数平均分子量229)50.0質量部、BASF社製IRGACURE(登録商標)500(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンとの混合物)2.5質量部、イソプロピルアルコール10.0質量部を加え、透明な均一溶液となるまで攪拌した(溶液2の調製)。えられた溶液2を前記基材にウエスで20g塗付し、メタルハライドランプにより1cm当たり30mWの強度で10秒間照射した後、前記基材を水洗し、厚さ3nmの親水層を備えた厚さ5mmの親水性部材を作製した。なお、溶液1と溶液2とを合わせたものを親水性付与化合物とする。表中の数値は、親水性化合物(N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム)の質量である。
<接触角の測定>
得られた親水性部材の表面に水滴を滴下し、その接触角を測定した。接触角を測定する装置として、接触角計(協和界面科学(株)製)を用いた。滴下液は蒸留水、滴下量は1.0μLとし、接触角の計算は、θ/2法により算出した。接触角が小さいほど親水性に優れると評価した。
[実施例2〜7]
表1に示す樹脂基材を用いた以外は、実施例1と同様にして親水性部材を作製し、接触角の測定をした。
[実施例8〜20]
表2〜3に示すプライマー組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして親水性部材を作製し、接触角の測定をした。
[実施例21]
≪プライマー層の形成≫
実施例1と同様に、プライマー層を形成した。
≪撥水層の形成≫
KBM−1703(信越化学工業(株)製)1質量部、1−メトキシ−2−プロパノール98質量部を室温で攪拌混合した後に、70質量%イセチオン酸水溶液1質量部を加えて、さらに5分間攪拌し、加水分解を行った(溶液3(撥水性付与化合物)の調製)。溶液3をプライマー層の表面にウエスで10g塗布し、室温(25℃)で乾燥させて、厚さ1nmの撥水層を備えた厚さ5mmの撥水性部材を作製した。撥水性の評価は、親水性の評価と同様に接触角の測定を行った。
[実施例22]
≪抗菌層の形成≫
イオン交換水230mLにトリメシン酸0.75gを60℃で加熱しながら撹拌し溶解させて、室温(25℃)まで放冷し、溶液4を作製した。イオン交換水76.6mLにAEM5700(AEGIS ENVIRONMENTS社製)12gを混合し、7分間撹拌し溶液5とした。これら溶液4と溶液5を混合し、溶液6(抗菌性付与化合物)とした。溶液6にプライマー層を形成した樹脂基材を30分間浸漬した後に取出し、電気オーブンを用いて温度90℃で60分間養生し、厚さ3nmの抗菌層を備えた厚さ5mmの抗菌性部材を作製した。
抗菌性の評価は、JIS Z2801に記載の抗菌性試験方法に準じて行った。
[参考例1〜3]
表4に示す樹脂基材を用いた以外は、実施例1と同様にして親水性部材を作製し、接触角の測定をした。
[比較例1〜2]
樹脂基材としてUPを用い、アミノアルキルアルコキシシラン(B)を含有しないプライマー組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして親水性部材を作製し、接触角の測定をした。
[比較例3〜8]
表4〜5に示す樹脂基材を用い、実施例1と同様にして、接触角の測定をした。
Figure 2021120421
Figure 2021120421
Figure 2021120421
Figure 2021120421
Figure 2021120421
表1〜5に示すように、本発明を適用した実施例1〜20は、親水性に優れることが分かった。本発明を適用した実施例21は、撥水性に優れることが分かった。本発明を適用した実施例22は、抗菌性に優れることが分かった。
このように、本発明のプライマー組成物を用いることで、樹脂基材に様々な機能性を付与できることが分かった。
一方、アミノアルキルアルコキシシラン(B)を含有しない比較例1〜2は、アミノアルキルアルコキシシラン(B)を含有する実施例1、9と比べて接触角が大きく、充分な親水性を付与できていないことが分かった。親水性を付与しなかった比較例3〜8は、接触角が大きいことが分かった。
本発明のプライマー組成物によれば、樹脂基材に様々な機能性を付与できることが分かった。これは、本発明のプライマー組成物によれば、機能性部材の機能層に、より多くのシランカップリング剤を導入できるためであると考えられる。
10 樹脂基材
20 プライマー層
30 機能層
100 機能性部材

Claims (4)

  1. 下記一般式(I−1)で表される化合物及び下記一般式(I−2)で表される化合物から選ばれる1種以上のアルコキシシラン(A)と、
    下記一般式(II−1)で表される化合物及び下記一般式(II−2)で表される化合物から選ばれる1種以上のアミノアルキルアルコキシシラン(B)と、
    有機溶媒(C)と、を含有するプライマー組成物。
    Figure 2021120421
    (式(I−1)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。式(I−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜1000である。)
    Figure 2021120421
    (式(II−1)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。xは、1〜6の整数、yは、1〜10の整数、nは、0〜10の整数である。式(II−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基を表す。zは、1〜10の整数、wは、1〜10の整数である。)
  2. 樹脂基材と、前記樹脂基材の一方の面に位置するプライマー層と、前記プライマー層の表面に位置する機能層と、を備える機能性部材であって、
    前記プライマー層は、請求項1に記載のプライマー組成物の硬化物である、機能性部材。
  3. 前記機能層が、親水性を備える親水層である、請求項2に記載の機能性部材。
  4. 樹脂基材の一方の面に、請求項1に記載のプライマー組成物を塗布し、硬化させる工程を有する、機能性部材の製造方法。
JP2018065924A 2018-03-29 2018-03-29 プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法 Pending JP2021120421A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018065924A JP2021120421A (ja) 2018-03-29 2018-03-29 プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法
PCT/JP2019/010836 WO2019188412A1 (ja) 2018-03-29 2019-03-15 プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018065924A JP2021120421A (ja) 2018-03-29 2018-03-29 プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021120421A true JP2021120421A (ja) 2021-08-19

Family

ID=68061546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018065924A Pending JP2021120421A (ja) 2018-03-29 2018-03-29 プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2021120421A (ja)
WO (1) WO2019188412A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022097998A (ja) * 2020-12-21 2022-07-01 株式会社Lixil 表面処理剤、親水化無機基材およびその製造方法
JP2023133156A (ja) * 2022-03-09 2023-09-22 住友化学株式会社 混合組成物及び積層体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1150006A (ja) * 1997-06-04 1999-02-23 Toto Ltd 光触媒性親水性被膜形成前の表面の前処理法並びにそれに用いられる洗浄剤およびアンダーコート組成物
JP5124496B2 (ja) * 2008-02-01 2013-01-23 富士フイルム株式会社 親水性部材
JP2014054734A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Asahi Glass Co Ltd 防曇性物品および下地層形成用組成物ならびに輸送機器用物品
BR112015025893A2 (pt) * 2013-04-12 2017-07-25 Mitsui Chemicals Inc filme que compreende copolímero ou composição
JP6300098B2 (ja) * 2014-07-16 2018-03-28 株式会社Lixil 親水処理塗料組成物及び親水化処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019188412A1 (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101679598B (zh) 制备涂层材料的方法
JP6625987B2 (ja) ポリフッ素含有シロキサン被覆
EP2256153B1 (en) Hydrophilic film
JP2877616B2 (ja) 親水撥油処理剤
US20070009657A1 (en) Durable superhydrophobic coating
JP2017508013A (ja) 硬化性シルセスキオキサンポリマー、組成物、物品、及び方法
JP6236676B2 (ja) フッ素含有ナノコンポジット粒子及びその製造方法、並びにこれを含むコーティング剤、油水分離膜、樹脂組成物
MXPA06013794A (es) Composiciones hidrofilicas, metodos para su produccion y substratos revestidos con dichas composiciones.
JP2010100066A (ja) 多層コーティングおよび関連する方法
MXPA06013796A (es) Revestimientos de multiples capas con una capa que contiene red de oxido inorganico y metodos para su aplicacion.
JP2006524277A (ja) 疎水及び疎油変性された表面を形成するためにポリシラザンを使用する方法
CN104245865A (zh) 疏油性涂料
CN111542550B (zh) 聚合物刷形成用基体和该基体的制造方法以及该方法中使用的前体液
CN111918926B (zh) 混合组合物
WO2019188412A1 (ja) プライマー組成物、機能性部材及び機能性部材の製造方法
US20100136237A1 (en) Solvent for cleaning of organic thin film
JP6735380B2 (ja) 混合組成物
JP2001207162A (ja) 撥水撥油防汚処理液、および撥水撥油防汚処理方法
JP2019183110A (ja) 撥水性被膜形成用組成物及び撥水性被膜
JP7169933B2 (ja) 皮膜及びその製造方法
JP5478856B2 (ja) 光触媒性塗膜形成用塗料、光触媒性塗膜及び該光触媒性塗膜を備える積層体
KR20190042033A (ko) 조성물
JPH1192251A (ja) 人工大理石
JP2016050276A (ja) 塗装鋼板用表面処理剤
JP4145034B2 (ja) 高滑水性被膜およびその被覆方法