JP6300097B2 - 親水処理塗料組成物及び親水化処理方法 - Google Patents

親水処理塗料組成物及び親水化処理方法 Download PDF

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本発明は、陶器、ガラス、金属などの無機化合物を含有する表面層の洗浄性を向上させるために、その表面層を親水化する処理を行う組成物及びその方法に関するものである。
従来、便器、洗面台など水回りに設置される陶器類などに対して、表面の汚れを洗浄し易くするために種々の表面処理が行われている。近年における人の食生活の欧米化の影響により汚れには油成分が増加しているため、それら陶器類の表面の汚れを充分に洗浄することが難しくなってきている。
表面を洗浄することを目的としたものではないが、ガラス製品に対し、防曇性、防汚性などを付与するために、酸化ケイ素を主として含む物質の表面にシランカップリング剤で処理した後に、側鎖又は疎水性基の中間にアクリロイル基又はビニル基などの反応性基を有する反応性界面活性剤を表面に反応させる方法及び具体的な化合物が開示されている。
特開平8−259270号公報
しかしながら、特許文献1に記載の化合物を用いた方法では、当該化合物が炭素数9から12の分岐鎖構造を有するため親水部が表面に集約されにくく、便器、洗面台など水による洗浄が頻繁になされる陶器類に用いても十分な洗浄性を有さないことが懸念される。
また、一方で分岐構造を有さない化合物を用いると、親水基の親水性が高いために結晶化しやすく陶器類などの表面を均一に親水化処理することが困難であった。
そこで、本発明は、便器、洗面台など水回りに設置され、酸化ケイ素などの無機化合物が含有される陶器類などに対して、カルシウムなどの沈着を防ぐとともに、菌の繁殖や臭気の原因となる油性の汚れも洗浄しやすくすることによって、清掃回数を低減することができる親水化処理剤及びその親水化処理方法を提供することを課題とする。
〔1〕すなわち、本発明は、無機化合物を含有する表面層を、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理した後に、前記シランカップリング剤のラジカル反応性官能基に対して反応させる組成物であって、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を含有しない親水性化合物と、ラジカル重合開始剤と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物である。
〔2〕そして、無機化合物を含有する表面層に対して反応させる組成物であって、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤と、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を含有しない親水性化合物と、ラジカル重合開始剤と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物である。
〔3〕そして、前記親水性化合物のラジカル反応性官能基が、アクリルアミド基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、スチリル基、メルカプト基から選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の親水処理塗料組成物である。
〔4〕そして、前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載の親水処理塗料組成物である。
〔5〕そして、前記親水性化合物が、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナ トリウム、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウム、ビニルスルホン酸ナ トリウム、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸ナトリウ ム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸及び2−イソシア ナトエチルアクリレートより得られるスルホン酸含有ウレタンアクリレートから選択 される少なくとも一種であることを特徴とする前記〔1〕から前記〔4〕のいずれか に記載の親水処理塗料組成物である。
〔6〕そして、無機化合物を含有する表面層を、ラジカル反応性官能基を含有する シランカップリング剤によって処理し、前記シランカップリング剤と結合した前記表 面層に、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、炭素数3 以上の分岐鎖を含有しない親水性化合物と、ラジカル重合開始剤と、尿素、メラミン 、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアク リルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエ チルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホ ルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメ チロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロ ース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スク ロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シク ロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム 、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナ トリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性 を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を塗布し、
光又は熱によりラジカル重合開始剤から発生したラジカルによって前記シランカップ リング剤のラジカル反応性官能基と前記親水性化合物のラジカル反応性官能基を反応 させることを特徴とする親水化処理方法である。
〔7〕そして、無機化合物を含有する表面層を、ラジカル反応性官能基を含有す るシランカップリング剤によって処理し、前記シランカップリング剤と結合した前記 表面層に、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を 含有しない化合物と、ラジカル重合開始剤と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホ リン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロ ピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、 ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレン グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エ リスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘ キソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、 セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキ ストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリド ン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナ トリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含 有する親水処理塗料組成物を塗布し、光又は熱によりラジカル重合開始剤から発生し たラジカルによって前記シランカップリング剤のラジカル反応性官能基と前記化合物 のラジカル反応性官能基を反応させ、前記化合物のスルホン酸基をアルカリ金属の水 酸化物で反応させることによりスルホン酸塩を形成させることを特徴とする親水化処 理方法である。
〔8〕そして、前記親水性化合物のラジカル反応性官能基が、アクリルアミド基 、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、スチリル基、メルカプ ト基から選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記〔6〕又は前記〔7 に記載の親水化処理方法である。
〔9〕そして、前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを 特徴とする前記〔6〕から前記〔8〕のいずれかに記載の親水化処理方法である。
〔10〕そして、前記親水性化合物が、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸 ナトリウム、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウム、ビニルスルホン酸 ナトリウム、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸ナトリ ウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸及び2−イソシ アナトエチルアクリレートより得られるスルホン酸含有ウレタンアクリレートから選 択される少なくとも一種であることを特徴とする前記〔6〕から前記〔9〕のいずれ かに記載の親水化処理方法である。
本発明によれば、便器、洗面台など水回りに設置され、酸化ケイ素などの無機化合物が含有される陶器類などに対して、カルシウムなどの沈着を防ぐとともに、菌の繁殖や臭気の原因となる油性の汚れも洗浄しやすくすることによって、清掃回数を低減することができる。
以下、本発明に係る親水処理塗料組成物及び親水化処理方法に関する実施形態について詳しく説明する。なお、数量の範囲を示す表現は上限と下限を含むものである。
便器、洗面台など水回りに設置される陶器類は、素焼きにした陶器類の表面に灰釉などの釉薬を釉掛けし、焼成することで、陶器類の表面にガラス質の層が形成されるという表面処理が行われている。この釉薬による表面処理が行われることにより、その表面層には無機化合物である酸化ケイ素が多数存在するためシラノール基も多数存在する。
本発明の親水処理塗料組成物を塗布する前段階で、陶器類の表面層を、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理されたプライマー層が設けられてもよい。プライマー層は、陶器類の表面層と、本発明の親水処理塗料組成物との間に位置し、本発明の親水処理塗料組成物の一部を陶器類の表面層に結合させるためのバインダーの役割を果たす。
上記ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤におけるラジカル反応性官能基は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、メルカプト基などが好ましい。具体的には、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが好ましい。また、ケイ素原子に結合する加水分解基として、上記メトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基の他に、2−メトキシエトキシル基(CHOCHCH−O−)を有していてもよい。これらの市販品として、信越化学工業株式会社のKBM−5103、KBM−1003、KBE−1003、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−802、KBM−803などを使用することができる。
上記のラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤のアルコキシシランを加水分解して、生じたシラノール基を、陶器類の表面層に存在するシラノール基と脱水縮合反応させる。このとき、アルコキシシランを加水分解する触媒としては、酸性触媒;塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、リン酸水溶液、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸を有する化合物の水溶液、塩基性触媒;アンモニア水溶液、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、トランス2,5−ジメチルピペラジン、シス2,6−ジメチルピペラジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−(β―アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−(β―アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが好ましい。
また、プライマー層を作成する組成物の溶剤として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類などの有機溶媒、及び水が好ましい。
プライマー層を作成する組成物において、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤の配合量は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがさらに好ましく、0.1〜2重量%であることがもっとも好ましい。ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤の配合量が0.01重量%未満であるとプライマー層が十分に形成されず、後に結合される親水性化合物が少なくなるため親水性が低下する。また、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤の配合量が10重量%を超えると前記カップリング剤同士が縮合反応してゲル化が生じたり、形成されたプライマー層に凹凸が生じたりする。
プライマー層は、具体的に下記に示すように作成される。
(プライマー層1)
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともに3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
(プライマー層2)
ビニルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともにビニルメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
(プライマー層3)
p−スチリルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともにp−スチリルメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
(プライマー層4)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともに3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
(プライマー層5)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール99重量部を室温で攪拌混合した後に、3%塩酸水溶液0.5重量部を加えて、さらに30分間攪拌し、加水分解を行う。そして得られた溶液を陶器類の表面層に塗布した後に、電気オーブンを用いて60℃下で30分静置し、熱により溶媒などを揮発させるとともに3−メルカプトプロピルトリメトキシシランから生じたシラノール基と陶器類の表面層のシラノール基を脱水縮合反応させてプライマー層を得た。
こうして得られたプライマー層に対して、本発明の親水処理塗料組成物を紫外線又は熱により反応させる表面処理を行う。当該親水処理塗料組成物としては、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、分子鎖の端部以外の親水部及び分岐鎖を含有しない親水性化合物と、ラジカル重合開始剤と、極性を有する相溶化剤を含有する。ただし、ここで、分岐鎖を含有しないとは、炭素数5以上、好ましくは炭素数3以上の分岐鎖を有さないことであり、炭素数2以下であれば分岐鎖を有することもできる。炭素数が5以上の分岐鎖を有すると、親水部が表面に集約されにくくなり、十分な洗浄性を発現できなくなる。
上記親水性化合物は、一端にシランカップリング剤のラジカル反応性官能基と反応するラジカル反応性官能基を有しており、他端にスルホン酸基のアルカリ金属塩を有しており、分子鎖の端部以外の親水基及び分岐鎖を有していない。このような構造を有することにより、親水性化合物の親水基を塗膜表面に集約し、便器、洗面台など水による洗浄が頻繁になされる陶器類に用いても十分な洗浄性を持たせることができる。
上記親水性化合物の一端におけるラジカル反応性官能基は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、メルカプト基などが好ましく、他端におけるスルホン酸基のアルカリ金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。具体的には、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウムなどが好ましい。性状としては、固形物、水溶液などのものを使用することができる。これらの市販品として、東亜合成株式会社のATBS(登録商標)−Na、旭化成ファインケム株式会社のN−SVS−25、日本乳化剤株式会社のアントックスMS−2N、東ソー有機化学株式会社のスピノマー(登録商標)NaSSなどを使用することができる。また、市販品以外にも、上記親水性化合物を合成することもできる。例えば、スルホン酸ナトリウム含有ウレタンアクリレート、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウムなどを合成して使用することができる。
上記スルホン酸ナトリウム含有ウレタンアクリレートは、以下のように合成することができる。
(合成例1)
アミノエチルスルホン酸45.2重量部、水酸化ナトリウム14.8重量部、イオン交換水40重量部を20〜25℃の室温で反応させた溶液42.5重量部を5〜10℃の温度に保ち、1−メトキシ−2−プロパノール33重量部に2−イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工株式会社製カレンズAOI(登録商標))24.5重量部を混合溶解した溶液を5分かけて滴下し、さらに4時間攪拌して合成した。赤外吸収スペクトルにて、イソシアナート基に由来する吸収が認められず反応が終了したことを確認した。
また、上記N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウムは、以下のように合成することができる。
(合成例2)
イオン交換水49.1重量部、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸(東亜合成株式会社製、ATBS(登録商標))40.0重量部、水酸化カリウム10.9重量部を混合し、20〜25℃の室温で1時間攪拌して合成した。pHが中性領域に達したことで反応が終了したことを確認した。
上記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることが好ましく、130〜400であることがさらに好ましい。上記親水性化合物の数平均分子量が、70未満であると、現存する原料ではラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有することが困難であり、親水性の塗膜を形成することができない。上記親水性化合物の数平均分子量が、500を超えると塗膜中のスルホン酸金属塩の量が低下するために親水性に乏しい。
さらに、上記プライマー層のラジカル反応性官能基に対して、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸など一端にラジカル反応性官能基を有し、他端にスルホン酸を有し、分子鎖の端部以外の親水部及び分岐鎖を有していない化合物を反応させて炭素−炭素結合を形成した後に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物水溶液で中和させて、スルホン酸塩を形成する処理を行うこともできる。
上記親水性化合物を溶解、又は分散させるために、溶媒を加えることができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールなどが好ましい。溶媒を添加することにより、上記親水性化合物の固形分濃度を、0.1〜60重量%と調節することが好ましい。上記親水性化合物の固形分濃度が0.1重量%未満であると、形成された塗膜に親水基が少なく親水性が低くなる。また、上記親水性化合物の固形分濃度が60重量%を超えると、上記親水性化合物を溶解、又は分散させる溶媒、ラジカル重合開始剤、極性を有する相溶化剤を均一に混合することが困難になり、一定の親水性を有さなくなる。
ラジカル重合開始剤は、光又は熱により分解し、ラジカルを発生させる化合物である。ラジカル重合開始剤には、光により分解する光ラジカル重合開始剤と、熱により分解する熱ラジカル重合開始剤に分類される。ラジカル重合開始剤は、水溶性であることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル}フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。また、必要に応じて、上記光ラジカル重合開始剤に、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬株式会社製カヤキュアEPA)等の増感剤などを添加することもできる。これらの市販品として、BASF社のIRGACURE(登録商標)184、IRGACURE(登録商標)500、IRGACURE(登録商標)2959、DAROCURE(登録商標)1173、IRGACURE(登録商標)127、IRGACURE(登録商標)754、IRGACURE(登録商標)819DWなどを使用することができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(プロパン−2−カルボアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n−ハイドレート、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)などのアゾ系化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、クミルパーネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデノエート、t−ブチルパーオキシネオデノエート、t−ヘキシルパーオキシピヴァレート、t−ブチルパーオキシピヴァレートなどの過酸化物などが好ましい。また、必要に応じて、上記熱ラジカル重合開始剤に、水などを添加することもできる。これらの市販品として、和光純薬工業株式会社のVA−044、VA−046B、VA−061、V−50、VA−057、VA−086、V−501、日油株式会社のパークミルND−50E、パーオクタND−50E、パーヘキシルND−50E、パーブチルND−50E、パーヘキシルPV−50E、パーブチルPV−40E、各社試薬を使用することができる。
ラジカル重合開始剤の配合量は、上記親水性化合物の固形分重量に対して0.1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。ラジカル重合開始剤の配合量が、0.1重量%未満であると発生するラジカルが少なく上記親水性化合物のラジカル反応性官能基を充分に反応させることができないため、形成された塗膜に親水基が少なく親水性が低くなる。また、ラジカル重合開始剤の配合量が、50重量%を超えると発生るラジカルが過剰になり分子量が低下して形成された塗膜の親水性が低くなる。
極性を有する相溶化剤は、上記親水性化合物とラジカル重合開始剤を均一に溶解させ得る材料である。通常、分子鎖の端部以外の親水部及び分岐鎖を含有しない上記親水性化合物を用いて組成物を作成すると結晶化してしまい組成物が均一にならないため、形成される塗膜の親水性が不十分であったり、ムラが生じたりするところ、上記相溶化剤を配合することにより、分子鎖の端部以外の親水部及び分岐鎖を含有しない上記親水性化合物を用いてもその結晶化を抑制し、得られる組成物を均一に溶解させることができる。
上記相溶化剤としては、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのアミド化合物、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリトリトール、エリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース(ショ糖)、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプンなどの糖類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、変性ウレアなどの極性を有する樹脂、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩類等が好ましい。これらの市販品として、各社の試薬を使用することでき、樹脂については、第一工業製薬株式会社のセロゲンWS−C、ピッツコールK−30L、シャロールDC−902P、シャロールDC−303Pシャロール、ビックケミー・ジャパン株式会社のBYKETOL−PCなどを使用することができる。また、上記相溶化剤は1種、又は2種以上混合して使用することもできる。
上記カルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液は、以下のように調整することができる。
(調整例1)
イオン交換水70重量部にカルボキシメチルセルロースナトリウム(100重量%固形分の第一工業製薬株式会社のセロゲンWS−C)30.0重量部を20〜25℃の液温で24時間攪拌溶解させる。
上記相溶化剤の配合量は、上記親水性化合物の固形分重量に対して10〜200重量%が好ましく、30〜120重量%がさらに好ましい。上記相溶化剤の配合量が10重量%未満であると上記親水性化合物が結晶化、粉体化して反応率が低下し、形成される塗膜の親水性が低くなる。上記相溶化剤の配合量が200重量%を超えると上記親水性化合物の濃度が相対的に低くなり反応率が低下して形成される塗膜の親水性が低くなる。
本発明の親水処理塗料組成物は、上述した成分以外にも他の添加剤を含むことができる。他の添加剤として、表面調整剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘性制御剤などを使用することができる。また、添加剤を2種以上組み合わせて使用することもできる。
こうして得られた本発明の親水処理塗料組成物をプライマー層と反応させるために、紫外線、熱を使用する。紫外線を照射する装置として、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ピーク波長405nm以下の発光波長を有する紫外線LED(UV−LED)ランプなどを単体もしくは複数組み合わせて使用することができる。紫外線によるラジカル重合に必要な紫外線量は、積算光量計にて計測した。また、熱を発生させる装置として、電気オーブン、熱風乾燥機、赤外線照射装置などを使用することができる。
そして、本発明の親水処理塗料組成物をプライマー層と反応させて形成された塗膜を、プライマー層と反応しない成分を水などで洗い流して、所望の親水処理化処理を終了する。
また、上記プライマー層を設けることなく、陶器などの無機化合物を含有する表面層に対して反応させる組成物として、上記シランカップリング剤と、上記親水性化合物と、上記相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を用いることもできる。上記シランカップリング剤によるプライマー処理の工程と、上記シランカップリング剤に対して上記親水性化合物を反応させることによる親水性処理の工程を一度に行うことができるので、例えば、家屋やオフィスなどのすでに設置されている便器、洗面台などの陶器類に対して用いると、その設置場所で作業する時間を短縮することができる。
さらに、上記シランカップリング剤などを含有する第一の液と、上記親水性化合物及び上記相溶化剤などを含有する第二の液とを分けておき、上記表面層に対して作業を行う直前に、第一の液と第二の液を混合して用いることもできる。予め第一の液と第二の液として分液しておくと、上記親水性化合物の官能基などの触媒作用による上記シランカップリング剤の加水分解を抑制することができる。そのため、生成したシラノール基同士が脱水縮合して上記表面層との反応性を低下させることがないばかりか、粒状物の生成を防ぐことができる。また、第二の液には、上記シランカップリング剤のアルコキシシランにおける加水分解を促進させる触媒を含有させることもできる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、2、3)
上記プライマー層1に対して反応させるために、イオン交換水27.5重量部、尿素10重量部を混合して尿素が溶解するまで攪拌した後、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム(50重量%水溶液,数平均分子量229)50.0重量部、BASF社製IRGACURE(登録商標)500(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)2.5重量部、イソプロピルアルコール10.0重量部を加え、透明な均一溶液となるまで攪拌し、実施例1、2、3の組成物を100重量部得た。
(実施例4)
ラジカル重合開始剤として、BASF社製IRGACURE(登録商標)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)2.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の組成物を100重量部得た。
(実施例5)
ラジカル重合開始剤として、BASF社製DAROCURE(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)2.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の組成物を100重量部得た。
(実施例6)
親水性化合物として、ビニルスルホン酸ナトリウム(35重量%水溶液,数平均分子量130.1)71.6重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の組成物を100重量部得た。
(実施例7)
親水性化合物として、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート(100重量%固形分,数平均分子量216)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の組成物を100重量部得た。
(実施例8)
親水性化合物として、アリルスルホン酸ナトリウム(100重量%固形分,数平均分子量144.1)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の組成物を100重量部得た。
(実施例9)
親水性化合物として、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(100重量%固形分,数平均分子量206)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例9の組成物を100重量部得た。
(実施例10)
親水性化合物として、合成例1で得られたスルホン酸ナトリウム含有ウレタンアクリレート(50.0重量%溶液,数平均分子量288)50.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の組成物を100重量部得た。
(実施例11)
親水性化合物として、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(100重量%固形分,数平均分子量178.2)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例11の組成物を100重量部得た。
(実施例12)
親水性化合物として、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸(100重量%固形分,数平均分子量207)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例12の組成物を100重量部得た。
(実施例13〜18)
上記相溶化剤として、ジメチルスルホキシド25.0重量部、グリセリン25.0重量部、スクロース(ショ糖)25.0重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(上記調整例1、第一工業製薬株式会社のセロゲンWS−Cの30.0重量%水溶液)35.0重量部、ポリビニルピロリドン(30.0重量%溶液、第一工業製薬株式会社のピッツコールK−30L)35.0重量部、炭酸水素ナトリウム25.0重量部それぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例13〜18の組成物を100重量部得た。
(実施例19)
親水性化合物として、合成例2で得られたN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウム(50重量%水溶液,数平均分子量245.1)50.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例19の組成物を100重量部得た。
(実施例20〜23)
上記プライマー層2〜5対して反応させるために、実施例1と全く同様に、実施例20〜23の組成物を100重量部得た。
(実施例24)
上記プライマー層1〜5を設けることなく、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、溶剤として1−メトシキ−2−プロパノール19.5重量部を均一混合したA液20部を予め用意する。そして、イオン交換水14.4重量部、尿素10重量部を混合して尿素が溶解するまで攪拌した後、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム(50重量%水溶液,数平均分子量229)50.0重量部、BASF社製IRGACURE(登録商標)500(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)5.0重量部、前記シランカップリング剤を加水分解する3%塩酸水溶液0.6重量部を加え、透明な均一溶液となるまで攪拌したB液80部を別途用意する。被塗布物に塗布する直前に前記A液と前記B液を均一に混合して、実施例24の組成物を100重量部得た。
(比較例1)
上記相溶化剤の尿素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の組成物を100重量部得た。
(比較例2)
上記ラジカル重合開始剤のIRGACURE(登録商標)500を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の組成物を100重量部得た。
(比較例3)
親水性化合物として、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(100重量%液体,東亜合成株式会社製M−5300)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の組成物を100重量部得た。
(比較例4)
親水性化合物として、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート(100重量%液体,共栄社化学株式会社製ライトエステルP−1M)25.0重量部を用い、実施例1と同様にして、比較例4の組成物を100重量部得た。
(比較例5)
親水性化合物として、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩(100重量%液体,KJケミルカルズ株式会社製DMAPAA−Q(登録商標))25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の組成物を100重量部得た。
(比較例6)
親水性化合物として、アルコキシポリエチレングリコールメタクリレート(100重量%液体,日本乳化剤株式会社製アントックスLMA−27)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の組成物を100重量部得た。
(比較例7)
親水性化合物として、ヒドロキシエチルアクリレート(100重量%液体,共栄社化学株式会社製ライトエステルHOA(N))25.0重量部を用い、実施例1と同様にして、比較例7の組成物を100重量部得た。
(比較例8)
親水性化合物として、テトラヒドロフルフリルアクリレート(100重量%液体,共栄社化学株式会社製ライトアクリレートTHF−A)25.0重量部を用い、実施例1と同様にして、比較例8の組成物を100重量部得た。
(比較例9)
親水性化合物として、N−ビニル−2−ピロリドン(100重量%液体,株式会社日本触媒製N−ビニルピロリドン)25.0重量部を用い、実施例1と同様にして、比較例9の組成物を100重量部得た。
(比較例10)
親水性化合物として、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(100重量%液体,第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10)25.0重量部を用い、尿素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例10の組成物を100重量部得た。
(比較例11)
親水性化合物として、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(100重量%液体,新中村化学株式会社製NKエステルATM−35E)25.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例11の組成物を100重量部得た。
(比較例12)
親水性化合物として、合成例2と同様にN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸に水酸化カルシウムを反応させて得たN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カルシウム(50重量%水溶液)50.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例12の組成物を100重量部得た。
実施例1〜24、比較例1〜12の組成物を、表1〜3に示す。
Figure 0006300097
Figure 0006300097
Figure 0006300097
そして、酸化ケイ素を表面に含有する陶器に対して作成された表1〜表3に記載さ れた上記プライマー層1〜5に対して、各組成物を塗布し、電気オーブンを用いて6 0℃下で30分乾燥し、30分室温にて静置した後、実施例2及び実施例3以外では 高圧水銀ランプを用いて積算光量が1000mJ/cm2のエネルギーとなる紫外線 照射を行い、塗膜を形成した。実施例12の組成物については、紫外線照射を行った 後に、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を浸漬した綿布を塗膜に塗布し、5分後に水 洗し、親水基であるスルホン酸基を中和してスルホン酸ナトリウムとした。実施例2 についてはメタルハライドランプ、実施例3についてはピーク発光波長365nmの 紫外線LEDランプを用いて塗膜を形成した。また、実施例24においては、上記プ ライマー層1〜5を設けることなく、上記A液及びB液を配合させて塗布した後に、 上記方法と同様にして乾燥し、高圧水銀ランプにて紫外線照射を行って塗膜を形成し た。
便器、洗面台など水回りに設置される陶器類などに対して上記塗膜を作成したときを想定し、洗浄剤等により洗浄したときの塗膜の耐久性、及び、汚れである油脂などの有機物や無機物に対する塗膜の洗浄性について、以下の方法により評価した。
まず、形成された塗膜の耐久性を評価する基準として、JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」(試験方法の種類として、静滴法を採用)に準じて、塗膜表面の水滴の接触角を用いた。具体的には、水滴の接触角の測定について、KRUSS社製のDSA20Eを用い、蒸留水4μLを塗膜に滴下して60秒後の接触角を測定した。形成された塗膜に物理的又は化学的処理を行い、塗膜に物理的又は化学的変化が起こった場合、水滴の接触角が変化することを利用したものである。塗膜に対して何も処理を行わないものを「初期」とし、40℃のイオン交換水に240時間浸漬処理を行ったものを「耐水性」として、20〜25℃の水中においてジョンソン株式会社製の流せるトイレブラシを用い500gfの荷重を掛けて1000往復したものを「耐摩耗性」として、40℃のサンポール(登録商標,大日本除虫菊株式会社製)に24時間浸漬処理を行ったものを「耐洗浄性(酸性)」として、40℃のトイレマジックリン(登録商標,花王株式会社製)に24時間浸漬処理を行ったものを「耐洗浄性(中性)」として、40℃のカビキラー(登録商標,ジョンソン株式会社製)に24時間浸漬処理を行ったものを「耐洗浄性(アルカリ性)」として、それぞれ水滴の接触角を測定し評価を行った。いずれも水滴の接触角が10°以下のものは◎、10°より大きく20°以下のものは○、20°より大きく40°以下のものは△、40°より大きいものは×として評価し、◎、○、△を良好、×を不良と判断した。
そして、形成された塗膜の洗浄性を評価する基準として、油脂など有機物と無機物に対する洗浄性をそれぞれ評価した。油脂などの有機物については、食品において汎用に使用されるオレイン酸を用いて「オレイン酸除去性」として、塗膜に対して300μLのオレイン酸を滴下した後に静かに水に浸漬し、オレイン酸が塗膜表面から浮き上がるまでの時間を測定した。オレイン酸が塗膜表面から浮き上がるまでの時間が30秒以下のものは◎、30秒より長く60秒以下のものは○、60秒より長く120秒以下のものは△、120秒より長いものは×として評価し、◎、○、△を良好、×を不良と判断した。
また、無機物については、カルシウム及びマグネシウムを所定量以上含有する硬水であるevian(登録商標)を用いて「ミネラル除去性」として、塗膜に対して500μLの硬水を滴下し40℃で24時間乾燥させて白色の水滴斑を作成した後に、20〜25℃の水中においてジョンソン株式会社製の流せるトイレブラシを用い500gfの荷重を掛けて10又は20往復し残存する水滴斑を目視にて観察した。ブラシによる洗浄において、10往復で水滴斑が見られないものは◎、20往復で水滴斑が見られないものは○、20往復で水滴斑が若干見られるものは△、20往復で水滴斑がはっきり見られるものは×として評価し、◎、○、△を良好、×を不良と判断した。
上述したように耐久性と洗浄性を測定し、実施例及び比較例ごとにまとめたものを表4〜表6に示す。いずれの評価でも不良である×を有さないものを市場性があるとして「良」と判断し、いずれかの評価で不良である×を有するものを市場性がないとして「不可」と判断した。
Figure 0006300097
Figure 0006300097
Figure 0006300097
(実施例25、26)
上記プライマー層1に対して反応させるために、イオン交換水27.5重量部、尿素 10重量部を混合して尿素が溶解するまで攪拌した後、N−t−ブチルアクリルアミ ドスルホン酸ナトリウム(50重量%水溶液,数平均分子量229)50.0重量部 、過硫酸ナトリウム2.5重量部、イソプロピルアルコール10.0重量部を加え、 透明な均一溶液となるまで攪拌し、実施例2526の組成物を100重量部得た。
(実施例27)
ラジカル重合開始剤として、和光純薬工業株式会社製V−50(2,2’−アゾビス (プロパン−2−カルボアミジン)二塩酸塩)2.5重量部を用いた以外は、実施例 25と同様にして、実施例27の組成物を100重量部得た。
(実施例28)
ラジカル重合開始剤として、日油株式会社製パーヘキシルPV−50E(t−ヘキシ ルパーオキシピヴァレートのエマルジョン,有効成分50重量%)5.0重量部を用 いた以外は、実施例25と同様にして、実施例28の組成物を100重量部得た。
(実施例29)
親水性化合物として、ビニルスルホン酸ナトリウム(35重量%水溶液,数平均分子 量130.1)71.6重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして、実施例 の組成物を100重量部得た。
(実施例30)
親水性化合物として、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート(100重量%固 形分,数平均分子量216)25.0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にし て、実施例30の組成物を100重量部得た。
(実施例31)
親水性化合物として、アリルスルホン酸ナトリウム(100重量%固形分,数平均分 子量144.1)25.0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして、実施例 31の組成物を100重量部得た。
(実施例32)
親水性化合物として、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(100重量%固形分,数 平均分子量206)25.0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして、実施 例32の組成物を100重量部得た。
(実施例33)
親水性化合物として、合成例1で得られたスルホン酸ナトリウム含有ウレタンアクリ レート(50.0重量%溶液,数平均分子量288)50.0重量部を用いた以外は 、実施例25と同様にして、実施例33の組成物を100重量部得た。
(実施例34)
親水性化合物として、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(100 重量%固形分,数平均分子量178.2)25.0重量部を用いた以外は、実施例 と同様にして、実施例34の組成物を100重量部得た。
(実施例35)
親水性化合物として、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸(100重量%固形 分,数平均分子量207)25.0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして 、実施例35の組成物を100重量部得た。
(実施例36〜41)
上記相溶化剤として、ジメチルスルホキシド25.0重量部、グリセリン25.0重 量部、スクロース(ショ糖)25.0重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウ ム水溶液(上記調整例1、第一工業製薬株式会社のセロゲンWS−Cの30.0重量 %水溶液)35.0重量部、ポリビニルピロリドン水溶液(30.0重量%溶液、第 一工業製薬株式会社のピッツコールK−30L)35.0重量部、炭酸水素ナトリウ ム25.0重量部それぞれ用いた以外は、実施例25と同様にして、実施例36 の組成物を100重量部得た。
(実施例42)
親水性化合物として、合成例2で得られたN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸 カリウム(50重量%水溶液,数平均分子量245.1)50.0重量部を用いた以 外は、実施例25と同様にして、実施例42の組成物を100重量部得た。
(実施例43〜46)
上記プライマー層2〜5に対して反応させるために、実施例25と全く同様に、実施 例4346の組成物を100重量部得た
(実施例47)
上記プライマー層1〜5を設けることなく、ラジカル反応性官能基を含有するシラン カップリング剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、 溶剤として1−メトシキ−2−プロパノール19.5重量部を均一混合したA液20 部を予め用意する。そして、イオン交換水14.4重量部、尿素10重量部を混合し て尿素が溶解するまで攪拌した後、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリ ウム(50重量%水溶液,数平均分子量229)50.0重量部、過硫酸ナトリウム 5.0重量部、前記シランカップリング剤を加水分解する3%塩酸水溶液0.6重量 部を加え、透明な均一溶液となるまで攪拌したC液80部を別途用意する。被塗布物 に塗布する直前に前記A液と前記C液を均一に混合して、実施例47の組成物を10 0重量部得た。
(比較例13)
上記相溶化剤の尿素を添加しなかった以外は、実施例25と同様にして、比較例13 の組成物を100重量部得た。
(比較例14)
上記ラジカル重合開始剤の過硫酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例25と 同様にして、比較例14の組成物を100重量部得た。
(比較例15)
親水性化合物として、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレ ート(100重量%液体,東亜合成株式会社製M−5300)25.0重量部を用い た以外は、実施例25と同様にして、比較例15の組成物を100重量部得た。
(比較例16)
親水性化合物として、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート(100重 量%液体,共栄社化学株式会社製ライトエステルP−1M)25.0重量部を用い、 実施例25と同様にして、比較例16の組成物を100重量部得た。
(比較例17)
親水性化合物として、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩(1 00重量%液体,KJケミカルズ株式会社製DMAPAA−Q(登録商標))25. 0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして、比較例17の組成物を100重 量部得た。
(比較例18)
親水性化合物として、アルコキシポリエチレングリコールメタクリレート(100重 量%液体,日本乳化剤株式会社製アントックスLMA−27)25.0重量部を用い た以外は、実施例25と同様にして、比較例18の組成物を100重量部得た。
(比較例19)
親水性化合物として、ヒドロキシエチルアクリレート(100重量%液体,共栄社株 式会社製ライトエステルHOA(N))25.0重量部を用い、実施例25と同様に して、比較例19の組成物を100重量部得た。
(比較例20)
親水性化合物として、テトラヒドロフルフリルアクリレート(100重量%液体,共 栄社株式会社製ライトアクリレートTHF−A)25.0重量部を用い、実施例25 と同様にして、比較例20の組成物を100重量部得た。
(比較例21)
親水性化合物として、N−ビニル−2−ピロリドン(100重量%液体,株式会社日 本触媒製N−ビニルピロリドン)25.0重量部を用い、実施例25と同様にして、 比較例21の組成物を100重量部得た。
(比較例22)
親水性化合物として、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸ア ンモニウム(100重量%液体,第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10)2 5.0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして、比較例22の組成物を10 0重量部得た。
(比較例23)
親水性化合物として、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(100 重量%液体,新中村化学株式会社製NKエステルATM−35E)25.0重量部を 用いた以外は、実施例25と同様にして、比較例23の組成物を100重量部得た。
(比較例24)
親水性化合物として、合成例2と同様にN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸に 水酸化カルシウムを反応させて得たN−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カルシ ウム(50重量%水溶液)50.0重量部を用いた以外は、実施例25と同様にして 、比較例24の組成物を100重量部得た。
実施例25〜47、比較例13〜24の組成物を、表7〜9に示す。
Figure 0006300097
Figure 0006300097
Figure 0006300097
そして、酸化ケイ素を表面に含有する陶器に対して作成された表7〜表9に記載さ れた上記プライマー層1〜5に対して、各組成物を塗布し、実施例26以外では電気 オーブンを用いて120℃下で30分乾燥を行い、塗膜を形成した。実施例35の組 成物については、電気オーブンを用いて120℃下で30分乾燥を行った後に、5重 量%水酸化ナトリウム水溶液を浸漬した綿布を塗膜に塗布し、5分後に水洗し、親水 基であるスルホン酸基を中和してスルホン酸ナトリウムとした。実施例25は、赤外 線照射を行って、素材温度が120℃で30分乾燥を行った。また、実施例47にお いては、上記プライマー層1〜5を設けることなく、上記A液及びC液を配合させて 塗布した後に、上記方法と同様にして加熱を行って塗膜を形成した。


形成された塗膜に対して、紫外線硬化により作成された塗膜と同様に、耐久性と洗浄性を評価した。実施例及び比較例ごとにまとめたものを表10〜表12に示す。いずれの評価でも不良である×を有さないものを市場性があるとして「良」と判断し、いずれかの評価で不良である×を有するものを市場性がないとして「不可」と判断した。
Figure 0006300097
Figure 0006300097
Figure 0006300097

Claims (10)

  1. 無機化合物を含有する表面層を、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理した後に、前記シランカップリング剤のラジカル反応性官能基に対して反応させる組成物であって、
    ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を含有しない親水性化合物と、
    ラジカル重合開始剤と、
    尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を
    含有する親水処理塗料組成物。
  2. 無機化合物を含有する表面層に対して反応させる組成物であって、
    ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤と、
    ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を含有しない親水性化合物と、
    ラジカル重合開始剤と、
    尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を
    含有する親水処理塗料組成物。
  3. 前記親水性化合物のラジカル反応性官能基が、アクリルアミド基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、スチリル基、メルカプト基から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の親水処理塗料組成物。
  4. 前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の親水処理塗料組成物。
  5. 前記親水性化合物が、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸及び2−イソシアナトエチルアクリレートより得られるスルホン酸含有ウレタンアクリレートから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の親水処理塗料組成物。
  6. 無機化合物を含有する表面層を、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理し、
    前記シランカップリング剤と結合した前記表面層に、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基のアルカリ金属塩を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を含有しない親水性化合物と、ラジカル重合開始剤と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を塗布し、
    光又は熱によりラジカル重合開始剤から発生したラジカルによって前記シランカップリング剤のラジカル反応性官能基と前記親水性化合物のラジカル反応性官能基を反応させることを特徴とする親水化処理方法。
  7. 無機化合物を含有する表面層を、ラジカル反応性官能基を含有するシランカップリング剤によって処理し、
    前記シランカップリング剤と結合した前記表面層に、ラジカル反応性官能基とスルホン酸基を含有し、炭素数3以上の分岐鎖を含有しない化合物と、ラジカル重合開始剤と、尿素、メラミン、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、セドヘプルロース、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、ラフィノース、アカルボース、オリゴ糖、シクロデキストリン、デキストリン、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の極性を有する相溶化剤を含有する親水処理塗料組成物を塗布し、
    光又は熱によりラジカル重合開始剤から発生したラジカルによって前記シランカップリング剤のラジカル反応性官能基と前記化合物のラジカル反応性官能基を反応させ、
    前記化合物のスルホン酸基をアルカリ金属の水酸化物で反応させることによりスルホン酸塩を形成させることを特徴とする親水化処理方法。
  8. 前記親水性化合物のラジカル反応性官能基が、アクリルアミド基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、スチリル基、メルカプト基から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の親水化処理方法。
  9. 前記親水性化合物の数平均分子量が、70〜500であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の親水化処理方法。
  10. 前記親水性化合物が、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸ナトリウム、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸カリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、2−ナトリウムスルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸及び2−イソシアナトエチルアクリレートより得られるスルホン酸含有ウレタンアクリレートから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の親水化処理方法。
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