以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図51を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。枠ボタン22は、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受け付けるボタンである。枠ボタン22の操作指示があった場合、パチンコ機10は、後述する第3図柄表示装置81の画面表示を変化させたり、出力音やランプ表示を変更したりすることによって、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5,14参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示される変動表示(変動演出)が行われるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、実際の表示画面を例示した図である。また、図4には、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とが、あわせて模式的に示してある。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
第3図柄表示装置81の表示画面は、大きく3つの領域に分割されている。1つは、変動表示領域Dmであり、1つは、演出表示領域Dbであり、もう1つは、保留表示領域Dsである。
変動表示領域Dmは、第3図柄が可変表示される変動演出が表示される領域である。変動表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、変動表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、変動表示領域Dmには、3列×3段の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、各図柄列Z1〜Z3の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技(変動演出)に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとなって、大当たり演出が行われる。
演出表示領域Dbは、第3図柄の背面側にキャラクタや文字情報等を表示して、変動表示領域Dmにて変動演出が行われている途中に予告演出を表示したり、大当たり時に大当たり演出を表示したりして、各種の演出画像を表示する領域である。
ここで、予告演出は、現在行われている変動演出において大当たりとなる期待度を示唆する演出であり、予告演出で表示される画像の内容によって、その大当たりとなる期待度が遊技者に分かるようになっている。遊技者は、変動演出中に表示される予告演出を見ることによって、大当たりとなる期待感を高めることができる。
パチンコ機10では、変動時間の短い変動演出から変動時間の長い変動演出まで用意されており、予告演出は、変動演出の変動時間が長いものほど多く実行されるように構成されている。それは、変動演出の変動時間が長いと、停止表示されるまで遊技者が退屈してしまうおそれがあるからであり、予告演出を数多く実行することで、予告演出が表示される度に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、遊技への興趣を高めることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、本パチンコ機10では、一部の予告演出について、遊技者が変動演出の所定期間中に枠ボタン22を操作した場合に限り、演出表示領域Dbに予告演出を表示し、大当たりとなる期待度を表示するようにしている。これにより、変動演出中に遊技者に枠ボタン22を操作するように仕向けることができ、遊技者が遊技機に積極的に参加できるようになっている。
なお、演出表示領域Dbに表示される予告演出の詳細については、図9〜図12を参照して、後述する。
演出表示領域Dbには、また、演出のステージに合わせた背面画像が、キャラクタや文字情報の背面側に表示される。ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出(第3図柄の変動表示(動的表示)を行う変出)やリーチ演出、予告演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
保留表示領域Dsは、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。詳細については後述するが、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、保留表示領域Dsにおいても示される。
保留表示領域Dsには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Dsに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、保留表示領域Dsに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。遊技者は、保留表示領域Dsに表示された保留球数から、その時点で保留されている保留球の数を把握することができる。
尚、保留表示領域Dsにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は前面枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動演出が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動演出が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81(変動表示領域Dm)の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球は最大4回まで保留される。そして、保留された球(保留球)に対応する変動演出は、その前に保留されていた保留球に対応する変動演出の終了後に行われるようになっている。上述した通り、保留された保留球の数(保留球数)は第1図柄表示装置37により示されると共に、保留表示領域Dsにおいても示される。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dが少なくとも格納されている。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6及び図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dについて説明する。まず、図6は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図28参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図28参照)の中でも不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。カウンタ用バッファ203bは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203bに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203cが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203bから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203bの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203bから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203cに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図28参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203cに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリア203c(保留球格納エリア203cの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図7(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図7(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル203aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル203aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図6に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図7(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図7(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図7(a)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図22参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図28参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動種別カウンタCS1変動演出で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。即ち、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図7(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図7(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bとがある。これら変動A,Bと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜39、変動Bが40〜198となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われる。
ノールリーチは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。また、スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スーパーリーチが選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行されるノーマルリーチやスーパーリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタや文字情報を1回又は複数回表示して、予告演出を行うリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。尚、1の変動演出中に予告演出が複数回行われるリーチについては、図9〜図12を参照して詳細に説明する。
次いで、2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が31秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(31秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(31秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動時間となるがリーチが成立しない変動Eとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜149、変動E(10秒)が150〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)および変動B(60秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜197、変動B(60秒)が198となっている。
図7(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図7(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンは、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動D(7秒)および変動E(10秒)である。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンも、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)及び変動B(60秒)である。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜197、変動Bが198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、変動時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図7(d)及び図7(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
再び、図6に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図22参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図19参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図25参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203b及び保留球格納エリア203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図28参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図27参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aを少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図25のS1403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS1205参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS1406参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに保留球数図柄を表示する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222は、詳細変動パターンテーブル222a及び判定上限値ポインタ222bを少なくとも有し、RAM223は、保留球数カウンタ223a、詳細変動パターンカウンタ223b、予告演出フラグ223c、予告演出カウンタ223d、判定ランクカウンタ223e、第2ポインタ223f及びわくボタン操作フラグ223gを少なくとも有している。ここでは、まず、保留球数カウンタ223aについて説明し、次いで、詳細変動パターンカウンタ223b、詳細変動パターンテーブル222a及び予告演出フラグ223cについて説明する。その後、予告演出カウンタ223d、判定上限値ポインタ222b、判定ランクカウンタ223e、第2ポインタ223f、枠ボタン操作フラグ223gの順に説明する。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図32のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図33のS2107参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する(図46(a)のS2751参照)。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
詳細変動パターンカウンタ223b及び詳細変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに基づき、これから開始する変動演出の変動態様(詳細な変動パターン)を決定するためのカウンタ及びテーブルである。
本実施形態では、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A(変動時間30秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチに加え、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチが複数用意されている。このノーマルリーチの中には、1の変動演出中に予告演出を複数回行う変動パターンが含まれている。
また、変動B(変動時間60秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとして、60秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスーパーリーチが用意されている。このスーパーリーチの中には、1の変動演出中に予告演出をノーマルリーチの場合よりも多く行う変動パターンが含まれている。
また、2R変動(変動時間31秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、変動時間が31秒の2R確変大当たり専用の変動態様が複数用意されている。
詳細変動パターンカウンタ223b及び詳細変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信した場合に、その変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに対して用意された複数の詳細な変動パターンの中から、その変動パターンコマンドに対してこれから実行する変動演出の詳細な変動パターンを1つ決定するために用いられる。
詳細変動パターンカウンタ223bは、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図30参照)の中で1ms毎に実行されるS1913の処理にて)更新される。詳細変動パターンカウンタ223bはループカウンタにて構成され、その更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算し、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図29参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
詳細変動パターンテーブル222aには、主制御装置110より通知される変動パターン(変動A,変動B,2R変動)毎に、それぞれの変動パターンに対して用意されている各種の詳細な変動パターンに対応づけて、詳細変動パターンカウンタ223bの値が定められている。また、詳細な変動パターンと、詳細変動パターンカウンタ223bの値との対応付けは、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かによって、変動パターン(変動A,変動B,2R変動)毎に別々に対応付けされている。
MPU221は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信すると、そのときの詳細変動パターンカウンタ223bの値をRAM223から読み出す。そして、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から大当たりと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「大当たり」において、RAM223より読み出した詳細変動パターンカウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターンテーブル222aから特定する。また、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から外れと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「外れ」において、RAM223より読み出した詳細変動パターンカウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターンテーブル222aから特定する。
MPU221は、この決定した詳細な変動パターンに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114に対して、決定した詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドにより通知する。そして、表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドにより通知された詳細な変動パターンに基づいて、第3図柄表示装置81の変動表示を制御する。これにより、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81によって、その決定された詳細な変動パターンによる変動演出が行われる。
尚、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動D(変動時間7秒)が指示された場合は、7秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細な変動パターンが1つ用意されている。変動E(変動時間10秒)が指示された場合は、10秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細は変動パターンが1つ用意されている。
よって、主制御装置110から変動D又は変動Eが指示された場合は、MPU221は、詳細変動パターンカウンタ223aの値に関わらず、それぞれに対応して用意された詳細な変動パターンを決定し、それに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御したり、その詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114へ通知したりする。
予告演出フラグ223cは、実行中の変動演出が、該変動演出中に予告演出を複数回行う変動パターンによって行われていることを示すフラグである。予行演出フラグ223cがオンの場合に、実行中の変動演出が該変動パターンによって行われていることを示し、オフの場合に、実行中の変動演出がその他の変動パターンによって行われていることを示す。
この予告演出フラグ223cは、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したことを契機として詳細変動パターンカウンタ223bと詳細変動パターンテーブル222aとに基づいて詳細な変動パターンが決定された場合に、その決定された詳細な変動パターンに応じて、MPU221によって設定される。即ち、決定された詳細な変動パターンが、変動演出中に予告演出を複数回行う変動パターンであった場合に、予告演出フラグ223cはオンに設定され、決定された詳細な変動パターンがその他の変動パターンであった場合に予告演出フラグ223cはオフに設定される。
MPU221は、この予告演出フラグ223cがオンに設定された場合に、実行中の変動演出において予告演出を実行する制御を行う。その制御の詳細については、後述する。
ここで、図8〜図13を参照して、変動Aに対して用意された変動パターンであって、予告演出が複数回行わるノーマルリーチ、及び、変動Bに対して用意された変動パターンであって、予告演出が複数回行われるスーパーリーチについて説明する。
尚、説明を単純化するために、本実施形態では、予告演出が複数回行われるノーマルリーチ及びスーパーリーチが1つずつ用意されているものとし、それぞれノーマルリーチA及びスーパーリーチAと称す。但し、本発明は、このようなノーマルリーチやスペシャルリーチが複数用意されているものであっても適用可能であることはいうまでもない。
まず、図8は、スーパーリーチAによって実行される変動演出の時間的経過を示すタイミングチャートである。なお、図8のタイミングチャートにおいて、括弧内に記載した秒数は、変動開始を0秒としたときの経過時間を示している。
スーパーリーチAによる変動演出では、変動が開始されると、まず、第3図柄表示装置81の図柄列Z1〜Z3(図4参照)をそれぞれ停止(停留)状態から高速でスクロールさせる状態に加速させ、所定秒間、全図柄列Z1〜Z3が遊技者に視認不能な高速でスクロールする高速変動を第3図柄表示装置81に表示する。そして、変動開始から10秒後に左図柄列Z1及び右図柄列Z3を順次停止し、リーチを成立させて、20秒間、中図柄列Z2を遊技者に視認可能な中速または低速でスクロールするノーマルリーチ変動を第3図柄表示装置81に表示する。
尚、ノーマルリーチAによる変動演出では、スーパーリーチAによる変動演出と同様の
高速変動(10秒間)およびノーマルリーチ変動(20秒間)が行われる。そして、変動開始から30秒後に中図柄列Z2を停止して、第3図柄を停止表示(確定表示)させる。
これに対し、スーパーリーチAによる変動演出では、ノーマルリーチ変動を20秒間表示させた後(変動開始から30秒後)に、スーパーリーチ変動へ発展することを遊技者に通知するための画像(発展画像)を、10秒間、第3図柄表示装置81に表示する。
このように、ノーマルリーチ変動が終わるまで、スーパーリーチAによる変動演出とノーマルリーチAによる変動演出とでは、同じ内容で変動演出が行われる。これにより、遊技者は、それがノーマルリーチAによるものなのか、スーパーリーチAによるものなのかを把握できない。上述した通り、スーパーリーチによって変動演出が行われた場合は、ノーマルリーチの場合よりも、その変動演出の結果として大当たりとなる期待度が高い。よって、遊技者は、ノーマルリーチ変動の終了が近づくにつれて、そのまま第3図柄の確定表示が行われてノーマルリーチとして変動演出が終了するのか、それとも、発展画像が表示されてスーパーリーチ変動へ発展してスーパーリーチとして変動演出が終了するのか、を期待しながら変動演出を見守ることになる。よって、大当たりとなる期待度の低いノーマルリーチによって変動演出が行われる場合であっても、遊技者を飽きさせることなく、最後まで変動演出に注目させることができる。
スーパーリーチAによる変動演出で表示される発展画像では、演出表示領域Dbに表示される背面画像を、それまで表示されていたものから変更することで、遊技者に、スーパーリーチへ発展したことを通知している。
また、このスーパーリーチAにおける発展画像では、変動表示領域Dmに表示させていた第3図柄の変動表示を、第3図柄表示装置81の画面左上隅(図10参照)に移動させて小さく表示する。この第3図柄の変動表示は、変動演出が停止表示される直前まで、その小さく表示された状態で行われる。これにより、続くスーパーリーチ変動において、種々のキャラクタや文字情報を、第3図柄の変動表示に影響されることなく演出表示領域Dbに表示させることができるので、スーパーリーチ変動において凝った演出を行った場合に、その演出に遊技者を注目させることができる。よって、遊技者に注目させた凝った演出によって、遊技者の興趣を高めることができる。
10秒間の発展画像を表示した後、即ち、変動開始から40秒後、スーパーリーチAによる変動演出では、スーパーリーチ変動を20秒間行う。このスーパーリーチAにおけるスーパーリーチ変動では、第3図柄表示装置81の画面左上隅において第3図柄のリーチ表示を行いつつ、変動表示領域Dbにキャラクタや文字情報を表示することで、大当たりへの期待度を高めて、遊技者の遊技への興趣を高めている。そして、変動開始から60秒後に、全図柄列Z1〜Z3を図4に示す変動表示領域Dmに再び大きく表示しつつ、中図柄列Z2を停止表示して、第3図柄を確定表示させる。この第3図柄の確定表示において、有効ラインL1(図4参照)上に大当たり図柄の組み合わせ(同一の主図柄の組み合わせ)で揃った場合に大当たりとなる。また、有効ラインL1上に大当たり図柄の組み合わせが揃わなかった場合に外れとなる。
さて、このスーパーリーチAによる変動演出およびノーマルリーチAによる変動演出では、上述した通り、種々のタイミングで予告演出が行われ、一部の予告演出においては、遊技者による枠ボタン22の操作指示があった場合に行われる。次に、このスーパーリーチAによる変動演出およびノーマルリーチAによる変動演出において行われる予告演出について説明する。
スーパーリーチAによる変動演出およびノーマルリーチAによる変動演出では、図8に示した通り、まず、高速変動中に予告演出としてコメント表示151を行う。このコメント表示151は、遊技者による枠ボタン22の操作指示があったこと(即ち、枠ボタンがON操作されたこと)をトリガとして第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbに表示される。
このコメント表示151による予告演出は、以下の手順に従って表示される。まず、スーパーリーチAによる変動演出およびノーマルリーチAによる変動演出において高速変動が開始されると、その開始から2秒後に、少年161(図9(a)参照)が第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbに表示される。少年161が表示されると、枠ボタン22の操作を受け付ける枠ボタン操作受付期間が開始され、演出表示領域Dbには少年161と共に枠ボタン22の操作を促す画像(図示せず)が表示される。枠ボタン操作受付期間は、最大で5秒間継続され、枠ボタン操作受付期間が継続されている間、枠ボタン22の操作を促す画像が演出表示領域Dbに表示され続ける。
そして、5秒間の枠ボタン操作受付期間中に遊技者により枠ボタン22が操作されなければ、少年161が第3図柄表示装置81の画面上から消え、コメント表示151による予告演出を行わずに、変動演出を継続する。一方、枠ボタン操作受付期間中に枠ボタン22が遊技者によって操作された場合は、その時点で枠ボタン操作受付期間を終了し、コメント表示151による予告演出を行う。
ここで、図9(a)を参照して、コメント表示151による予告演出の詳細について説明する。図9(a)は、コメント表示151による予告演出において第3図柄表示装置81に表示される画像を模式的に示した模式図である。
コメント表示151による予告演出では、予め演出表示領域Dbに表示されていた少年161の画像から吹き出し162を演出表示領域Dbに表示し、その吹き出し162の中に「大当たりの予感・・・?!」、「リーチかも!」といった文字情報を表示する。
尚、このコメント表示151による予告演出が行われる時点では、第3図柄の変動表示が演出表示領域Dbを覆い被すように行われているが、この時点における第3図柄の変動表示は、遊技者に視認不能な高速変動であり、演出表示領域Dbに表示される画像が遊技者に十分視認できるようになっている。
コメント表示151では、吹き出し161に表示される文字情報により、遊技者に当たるかもしれない、という期待感を持たせることができる。但し、この文字情報は、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点でランダムに選択するように構成している。即ち、吹き出し161の文字情報自体は、大当たりとなる期待度を表すものではなく、遊技者の遊技に対する興趣を高めるためのものである。
一方、吹き出し162の周囲には、フレーム(枠)163が設けられており、このフレーム163の表示色で大当たりとなる期待度を表している。ここで、図13を参照して、フレーム163の表示色と大当たりとなる期待度との関係を説明する。図13は、各予告演出において、大当たりの期待度を示す態様を説明する図である。尚、図13には、判定上限値ポインタ222bについても示しているが、この判定上限値ポインタ222bについては後述する。
この図13では、大当たりとなる期待度を示したランクが「1」〜「5」で示されている。そして、ランク「1」が、大当たりとなる期待度が最も低いランクであり、ランク「2」が、大当たりとなる期待度が2番目に低いランクである。そして、ランク「3」、「4」と上がるにつれて、大当たりとなる期待度が高くなり、ランク「5」が、大当たりとなる期待度が100%、即ち、必ず大当たりとなるランクである。
スーパーリーチAによる変動演出およびノーマルリーチAによる変動演出において実行される各予告演出は、それぞれ5つのパターンを有しており、各パターンに対してそれぞれ異なるランクが対応付けられている。各予告演出において、5つのパターンの中から選択された1のパターンに従って演出を実行することにより、その予告演出で実行された演出の内容から、大当たりとなる期待度を5つのランクで遊技者に示すことができる。なお、各ランクにおける大当たりの期待度は、どの予告演出であってもそれぞれ同一に設定される。即ち、1の予告演出と別の予告演出とにおいて同一ランクの期待度が示された場合は、それぞれの予告演出において示される期待度は同じ期待度となる。
図13に示す通り、コメント表示151による予告演出では、吹き出し162のフレーム163の表示色が白である場合に、期待度としてランク「1」を示す。フレーム163の表示色が青の場合に、期待度としてランク「2」を示す。フレーム163の表示色が赤の場合に、期待度としてランク「3」を示す。フレーム163の表示色がトラ柄の場合に、期待度としてランク「4」を示す。そして、フレーム163の表示色が虹色(レインボー)の場合に、期待度としてランク「5」(つまり、100%大当たり)を示す。
吹き出し162のフレーム163の表示色をどうするかは、その予告演出が行われる変動演出の結果(大当たりとなるか、外れとなるか)と、その変動演出の変動パターン(ノーマルリーチAか、スーパーリーチAか)とに基づいて、枠ボタン22が遊技者により操作されたことを受け付けた時点でランダムに決定する。その決定方法については、後述する。
図8に戻り、予告演出の説明を続ける。スーパーリーチAによる変動演出およびノーマルリーチAによる変動演出では、ノーマルリーチ変動中にも予告演出を行う。具体的には、ノーマルリーチ変動中に子供のキャラクタが登場する子供キャラクタ登場152による予告演出が行われる。この子供キャラクタ登場152による予告演出は、遊技者による枠ボタン22の操作指示に因らずに自動で第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbに表示されるものである。
ここで、図9(b)を参照して、子供キャラクタ登場152による予告演出の詳細について説明する。図9(b)は、子供キャラクタ登場152による予告演出において第3図柄表示装置81に表示される画像を模式的に示した模式図である。
子供キャラクタ登場152による予告演出では、ノーマルリーチ変動が開始されてから5秒後(変動開始から15秒後)に、自動で、第3図柄表示装置8の演出表示領域Dbの略中央部、即ち、中図柄列Z2の後方側に、子供164を表示する。そして、ノーマルリーチ変動が行われている間、遊技者に視認可能な中速または低速でスクロールされる中図柄列Z2の第3図柄の動きに合わせて子供164を動かし、子供164が、まるで中図柄列Z2のスクロールを行っているかのように遊技者に見せている。これにより、遊技者は、子供164の動きを見ながら、大当たり図柄で確定表示されることを期待して、変動演出を見守ることになるので、変動演出を行っている間、その変動演出に遊技者を集中させることができる。
ここで、子供キャラクタ登場152による予告演出では、子供164が着ている服164aの色によって、大当たりとなる期待度を示している。ここで、再び図13を参照して、服164aの色と大当たりとなる期待度との関係を説明する。
図13に示す通り、子供キャラクタ登場152による予告演出では、子供164が着ている服164aの色が白である場合に、期待度としてランク「1」を示す。服164aの色が青の場合に、期待度としてランク「2」を示す。服164aの色が赤の場合に、期待度としてランク「3」を示す。服164aの色がトラ柄の場合に、期待度としてランク「4」を示す。そして、服164aの色が虹色(レインボー)の場合に、期待度としてランク「5」(つまり、100%大当たり)を示す。このように、服164aの色と期待度との関係は、コメント表示151による予告演出におけるフレーム163の表示色と期待度との関係と同じである。
子供164の服164aの色をどうするかは、予告演出が行われる変動演出の結果(大当たりとなるか、外れとなるか)と、その変動演出の変動パターン(ノーマルリーチAか、スーパーリーチAか)とに基づいて、子供キャラクタ登場152による予告演出を行う時点でランダムに決定する。その決定方法については、後述する。
図8に戻り、予告演出の説明を続ける。スーパーリーチAによる変動演出では、発展画像を表示中にも予告演出を行う。具体的には、発展画像を表示中にスーパーリーチの種類を選択するスーパーリーチ選択153による予告演出が行われる。このスーパーリーチ選択153では、発展画像に続いて表示されるスーパーリーチ変動の種別(リーチ種)を、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに応じて5つのリーチ種の中から選択する演出であり、選択されたリーチ種によって、大当たりとなる期待度を示す。
ここで、図10を参照して、スーパーリーチ選択153による予告演出の詳細について説明する。図10は、スーパーリーチ選択153による予告演出において第3図柄表示装置81に表示される画像を模式的に示した模式図である。尚、図10に示す通り、スーパーリーチ選択153による予告演出が行われる発展画像では、第3図柄の変動表示が第3図柄表示装置81の左上隅に小さく表示される。よって、スーパーリーチ選択153による予告演出は、演出表示領域Db一杯に大きく表示される。
このスーパーリーチ選択153による予告演出は、発展画像が表示されてから2秒後、即ち、変動開始から32秒後に開始され、図10に示す画像を表示する。この画像では、演出表示領域Dbの中央部に宝箱165を表示し、上部に「宝箱を破壊せよ!」との文字情報を表示する。これにより、宝箱を破壊できれば大当たりとなる演出がスーパーリーチ変動中に行われることを、遊技者に対して通知する。また、演出表示領域Dbの左部に少年166を表示し、その少年166から吹き出しを表示して、その吹き出し中に「破壊者を決めるぞ!ボタンを押せ!」との文字情報を表示する。加えて、演出表示領域Dbの右部には、破壊者の候補として、子供167の画像と、男性168の画像と、魔女169の画像と、雷神170の画像とを表示する。そして、子供167、男性168、魔女169、雷神170のうちいずれか一つの画像をハイライト表示し(図10では、子供167がハイライト表示)、そのハイライト表示される画像を高速で順次入れ替える。これにより、遊技者に対して、枠ボタン操作22を操作することにより、破壊者が選択されることを認識させる。
スーパーリーチ選択153による予告演出では、ここで選択される各破壊者に対して、その後に行われるスーパーリーチ変動のリーチ種がそれぞれ対応付けられている。即ち、子供167に対しては、スーパーリーチ変動中に子供167が一発だけ宝箱をたたいて破壊しようとする演出を表示する「一発リーチ」が対応付けられ、男性168に対しては、スーパーリーチ変動中に男性168が宝箱を連打して破壊しようとする演出を表示する「連打リーチ」が対応付けられ、魔女169に対しては、スーパーリーチ変動中に魔女169が宝箱に魔法をかけて破壊しようとする「魔法リーチ」が対応付けられ、雷神170に対しては、スーパーリーチ変動中に雷神170が宝箱に雷を落として破壊しようとする「雷リーチ」が対応付けられている。更に、スーパーリーチ選択153による予告演出画面には表示されていないものの、ここで選択されるリーチ種として、更に、仏様172(図11(b)参照)がお経を唱えて宝箱を開放する「仏様リーチ」がある。
上述した通り、これらのリーチ種によって、変動演出後に大当たりとなる期待度が表される。ここで、再び図13を参照して、スーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されるリーチ種と大当たりとなる期待度との関係を説明する。
図13に示す通り、スーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されたリーチ種が「一発リーチ」であれば、期待度としてランク「1」を示し、「連打リーチ」であれば、期待度としてランク「2」を示し、「魔法リーチ」であれば、期待度としてランク「3」を示し、「雷リーチ」であれば、期待度としてランク「4」を示し、「仏様リーチ」であれば、期待度としてランク「5」を示す。即ち、「仏様リーチ」は、大当たりとなる期待度が100%のリーチ種である。スーパーリーチ選択153による予告演出において仏様172の画像は表示されていないが、この表示されていない仏様172をスーパーリーチ開始時に表示し、その仏様172をモチーフとしてスーパーリーチ変動を行う事で、遊技者に特別なリーチ、即ち、大当たりへの期待度が100%である所謂プレミアムリーチへ発展したことを強く印象づけることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を大いに高めることができる。
図8に戻り、スーパーリーチ選択153による予告演出についての説明を続ける。本パチンコ機10の内部処理的には、スーパーリーチ選択153による予告演出において、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに基づいて、スーパーリーチ変動のリーチ種を上記「一発リーチ」、「連打リーチ」、「魔法リーチ」、「雷リーチ」、「仏様リーチ」の中から選択する。そして、その選択結果を、スーパーリーチ変動の開始時に行われる後述のキャラクタ登場154による予告演出にて、選択されたリーチ種に対応するキャラクタ画像を表示することによって、遊技者に通知する。これにより、遊技者に対して、スーパーリーチ選択153による予告演出中に枠ボタン22を操作したタイミングに基づいて宝箱を破壊する破壊者が選択されたように見せることができる。
スーパーリーチ選択153による予告演出時において、遊技者による枠ボタン22の操作指示は、スーパーリーチ選択153による予告演出が開始された時点(即ち、第3図柄表示装置81に図10で示した画像が表示された時点)で始まる枠ボタン操作受付期間中に受け付けられる。枠ボタン操作受付期間は、最大で5秒間継続され、枠ボタン操作受付期間が継続している間、図10の画像が演出表示領域Dbに表示され続ける。
そして、枠ボタン操作受付期間中に枠ボタン22が遊技者によって操作された場合は、その時点で枠ボタン操作受付期間を終了し、また、リーチ種を「一発リーチ」、「連打リーチ」、「魔法リーチ」、「雷リーチ」、「仏様リーチ」の中から選択する。一方、5秒間の枠ボタン操作受付期間中に遊技者により枠ボタン22が操作されなかった場合は、そのまま枠ボタン操作受付期間を終了し、その時点で、リーチ種を「一発リーチ」、「連打リーチ」、「魔法リーチ」、「雷リーチ」、「仏様リーチ」の中から選択する。
どのリーチ種を選択するかは、予告演出が行われる変動演出の結果(大当たりとなるか、外れとなるか)と、その変動演出の変動パターン(ノーマルリーチAか、スーパーリーチAか)とに基づいて、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点、または、枠ボタン22が操作されずに枠ボタン操作受付期間が終了した時点でランダムに決定する。その決定方法については、後述する。
スーパーリーチ選択153による予告演出では、選択されたリーチ種に対応する破壊者の画像は、上述した通り、即座に表示せず、スーパーリーチ変動の開始時に行われるキャラクタ登場154による予告演出にて表示する。枠ボタン操作受付期間を終了してから、キャラクタ登場154による予告演出が行われるまでの間は、図10に示す少年166の吹き出しの内容を「破壊者は誰だ?」という文字情報に変えた上で、引き続き、子供167、男性168、魔女169、雷神170に対して行われているハイライト表示を行う。これにより、キャラクタ登場154による予告演出が表示されるまで、遊技者にどの破壊者が選択されたかという期待感を持たせながら、スーパーリーチ選択153による予告演出に注目させることができる。
次いで、スーパーリーチAによる変動演出で行われるキャラクタ登場154による予告演出について説明する。キャラクタ登場154による予告演出は、スーパーリーチ変動が開始(スーパーリーチへ発展)するのと同時に行われる予告演出で、先に行われたスーパーリーチ選択153による予告演出において選択された本スーパーリーチ変動のリーチ種を、そのリーチ種に対応付けられたキャラクタの画像を第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbに表示することで、遊技者に通知するものである。つまり、キャラクタ登場154による予告演出は、その予告演出時に改めて大当たりの期待度を示すランクを決定してそのランクに応じたパターンで予告演出を行うのではなく、スーパーリーチ選択153による予告選出時に選択されたリーチ種に応じて予告演出を行うものである。キャラクタ登場154による予告演出は、スーパーリーチ変動が開始される場合に自動で行われる。
ここで、再び図13を参照して、キャラクタ登場154による予告演出によって演出表示領域Dbに表示されるキャラクタと、スーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されるリーチ種と、大当たりとなる期待度との関係を説明する。
図13に示す通り、期待度のランクが「1」である「一発リーチ」がスーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されていた場合、キャラクタ登場154による予告演出では子供のキャラクタが対応付けらており、スーパーリーチ変動の開始時に、子供の画像を演出表示領域Dbに表示する。これにより、遊技者に「一発リーチ」によるスーパーリーチ変動が開始することを認識させ、また、大当たりとなる期待度が最も低いランク「1」であることを把握させることができる。
期待度のランクが「2」である「連打リーチ」がスーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されていた場合、キャラクタ登場154による予告演出では男性のキャラクタが対応付けらており、スーパーリーチ変動の開始時に、男性の画像を演出表示領域Dbに表示する。これにより、遊技者に「連打リーチ」によるスーパーリーチ変動が開始することを認識させ、また、大当たりとなる期待度が2番目に低いランク「2」であることを把握させることができる。
期待度のランクが「3」である「魔法リーチ」がスーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されていた場合、キャラクタ登場154による予告演出では魔女のキャラクタが対応付けらており、スーパーリーチ変動の開始時に、魔女の画像を演出表示領域Dbに表示する。これにより、遊技者に「魔法リーチ」によるスーパーリーチ変動が開始することを認識させ、また、大当たりとなる期待度が3番目に高いランク「3」であることを把握させることができる。
期待度のランクが「4」である「雷リーチ」がスーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されていた場合、キャラクタ登場154による予告演出では雷神のキャラクタが対応付けらており、スーパーリーチ変動の開始時に、雷神の画像を演出表示領域Dbに表示する。これにより、遊技者に「雷リーチ」によるスーパーリーチ変動が開始することを認識させ、また、大当たりとなる期待度が2番目に高いランク「4」であることを把握させることができる。
期待度のランクが「5」である「仏様リーチ」がスーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されていた場合、キャラクタ登場154による予告演出では仏様のキャラクタが対応付けらており、スーパーリーチ変動の開始時に、仏様の画像を演出表示領域Dbに表示する。これにより、遊技者に「仏様リーチ」によるスーパーリーチ変動が開始することを認識させ、また、大当たりとなる期待度が100%であるランク「5」であることを把握させることができる。
キャラクタ登場154による予告演出に所定のキャラクタが表示される場合に、そのキャラクタには特有の色が付されている。例えば、期待度のランクが「1」である「一発リーチ」に対応した子供については、その子供の服を「白」で表示し、期待度のランクが「2」である「連打リーチ」に対応した男性については、その男性の服を「青」で表示し、期待度のランクが「3」である「魔法リーチ」に対応した魔女については、その魔女の服装を「赤」で表示し、期待度のランクが「4」である「雷リーチ」に対応した雷神については、その雷神がまとう布を「トラ柄」で表示し、期待度のランクが「5」である「仏様リーチ」に対応した仏様については、仏様に指す後光を「レインボー」で表示する。
即ち、キャラクタに合わせて表示される色と期待度との関係は、コメント表示151による予告演出におけるフレーム163の表示色と期待度との関係や、子供キャラクタ登場152による予告演出における服164aの色と期待度との関係と同一である。よって、それぞれの予告演出において表示される色を見ただけでも、その予告演出が行われている変動演出において大当たりとなる期待感を把握することができるので、遊技者に期待度を分かりやすく伝えることができる。よって、親しみやすい遊技機を提供できる。
図11は、キャラクタ登場154による予告演出において第3図柄表示装置81に表示される画像を模式的に示した模式図であり、(a)は、男性171の画像を表示した場合の例を、(b)は、仏様172の画像を表示した場合の例を示している。
図11に示される通り、キャラクタ登場154による予告演出においても、第3図柄の変動表示を、第3図柄表示装置81の画面左上隅(図10参照)に小さく表示している。これにより、キャラクタ登場154による予告演出を、第3図柄の変動表示に影響されることなく演出表示領域Dbに表示させることができるので、その演出に遊技者を注目させることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、キャラクタ登場154による予告演出では、演出表示領域Dbの上部に「破壊者は・・・」という文字情報を表示し、演出表示領域Dbの左部に宝箱165を表示して、更に、演出表示領域Dbの右部に、スーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されたリーチ種に対応するキャラクタの画像を表示する。
例えば、スーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されたリーチ種が「連打リーチ」であった場合、図11(a)に示す通り、その連打リーチに対応する男性171の画像を演出表示領域Dbの右部に表示する。これにより、遊技者には男性が宝箱を連打して破壊しようとするリーチ演出が行われることを把握させることができ、この遊技者に把握させたリーチ種から大当たりとなる期待度がランク「2」であることを遊技者に通知できる。また、このとき、男性171が着る服171aの服装は「青」で表示されるので、リーチ種と大当たり期待度の関係を理解しづらい遊技者にとっても、この色から大当たりとなる期待度がランク「2」であることを容易に理解できる。
スーパーリーチ変動では、その後、男性171が宝箱165を連打する演出を演出表示領域Dbに表示し、大当たりの場合は、男性171によって宝箱165が破壊されて、右図柄列Z1及び左図柄列Z2において停止表示中の第3図柄と同じ第3図柄(図11(a)の例では「7」)が、宝箱165の中から飛び出して、それが中図柄列Z2の第3図柄として停止表示される演出を第3図柄表示装置81に表示する。また、外れの場合は、男性171が宝箱165を破壊できず、中図柄列Z2には、右図柄列Z1及び左図柄列Z2において停止表示中の第3図柄とは別の第3図柄が停止表示される演出を第3図柄表示装置81に表示する。
また、スーパーリーチ選択153による予告演出によって選択されたリーチ種が「仏様リーチ」であった場合、図11(b)に示す通り、その仏様リーチに対応する仏様172の画像を演出表示領域Dbの右部に表示する。これにより、遊技者には仏様がお経を唱えて宝箱を開放するリーチ演出が行われることを把握させることができ、この遊技者に把握させたリーチ種から大当たりとなる期待度がランク「5」であること、即ち、100%大当たりとなることを遊技者に通知できる。また、このとき、仏様172の後光172aが「レインボー」で表示されるので、リーチ種と大当たり期待度の関係を理解しづらい遊技者にとっても、この色から大当たりとなる期待度がランク「5」であることを容易に理解できる。また、スーパーリーチ選択153による予告演出において表示されていない仏様172の画像を、キャラクタ登場154による予告演出において表示することによって、上述した通り、遊技者に特別なリーチ、即ち、大当たりへの期待度が100%である所謂プレミアムリーチへ発展したことを強く印象づけることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を大いに高めることができる。
スーパーリーチ変動では、その後、仏様172がお経を唱える演出を演出表示領域Dbに表示し、最終的に宝箱165が開放されて、右図柄列Z1及び左図柄列Z2において停止表示中の第3図柄と同じ第3図柄(図11(a)の例では「7」)が、宝箱165の中から飛び出して、それが中図柄列Z2の第3図柄として停止表示される演出を第3図柄表示装置81に表示する。
図8に戻り、予告演出の説明を続ける。スーパーリーチAによる変動演出では、スーパーリーチ変動中に、予告演出として更にカットイン155を行う。このカットイン155は、遊技者による枠ボタン22の操作指示があったこと(即ち、枠ボタンがON操作されたこと)をトリガとして第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbに表示される。
このカットイン155による予告演出は、以下の手順に従って表示される。まず、スーパーリーチ変動の開始から5秒後(変動開始から45秒後)に、枠ボタン22の操作を受け付ける枠ボタン操作受付期間が開始され、演出表示領域Dbに枠ボタン22の操作を促す画像(図示せず)が表示される。枠ボタン操作受付期間は、10秒間継続され、枠ボタン操作受付期間が継続されている間、後述するカットイン画像が表示されている間を除き、枠ボタン22の操作を促す画像が演出表示領域Dbに表示され続ける。
そして、10秒間の枠ボタン操作受付期間中に遊技者により枠ボタン22が操作されなければ、枠ボタン22の操作を促す画像が演出表示領域Dbから消去され、カットイン155による予告演出を行わずに変動演出を継続する。一方、枠ボタン操作受付期間中に枠ボタン22が遊技者によって操作された場合は、その時点で後述のカットイン画像を1秒間、演出表示領域Dbに表示する。カットイン155による予告演出では、枠ボタン操作受付期間であれば、何度も枠ボタン22の操作を受付可能に構成されており、枠ボタン22の操作を受け付ける毎に、カットイン画像を表示する。
ここで、図12を参照して、カットイン155による予告演出の詳細について説明する。図12は、カットイン155による予告演出において第3図柄表示装置81に表示されるカットイン画像を模式的に示した模式図である。
図12に示される通り、カットイン155による予告演出においても、第3図柄の変動表示を、第3図柄表示装置81の画面左上隅(図10参照)に小さく表示している。これにより、カットイン155による予告演出を、第3図柄の変動表示に影響されることなく演出表示領域Dbに表示させることができるので、その演出に遊技者を注目させることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
カットイン155による予告演出では、キャラクタ登場154による予告演出で表示したキャラクタの右目173をズームアップして予告演出領域Dbに表示し、そのズームアップした右目を囲うようにしてカットインフレーム174を演出表示領域Dbに表示する。カットイン155による予告演出では、このカットインフレーム174の表示色で大当たりとなる期待度を表している。
ここで、再び図13を参照して、カットインフレーム174の表示色と大当たりとなる期待度との関係を説明する。図13に示す通り、カットイン155による予告演出では、カットインフレーム174の表示色が白である場合に、期待度としてランク「1」を示す。カットインフレーム174の表示色が青の場合に、期待度としてランク「2」を示す。カットインフレーム174の表示色が赤の場合に、期待度としてランク「3」を示す。カットインフレーム174の表示色がトラ柄の場合に、期待度としてランク「4」を示す。そして、カットインフレーム174の表示色が虹色(レインボー)の場合に、期待度としてランク「5」(つまり、100%大当たり)を示す。
このように、カットインフレーム174の表示色と大当たりとなる期待度との関係は、コメント表示151による予告演出におけるフレーム163の表示色と期待度との関係、子供キャラクタ登場152による予告演出における服164aの色と期待度との関係や、キャラクタ登場154による予告演出においてキャラクタと合わせて表示される色と期待度との関係と同一である。よって、それぞれの予告演出において表示される色を見ただけでも、その予告演出が行われている変動演出において大当たりとなる期待感を把握することができるので、遊技者に期待度を分かりやすく伝えることができる。よって、親しみやすい遊技機を提供できる。
カットインフレーム174の表示色は、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付ける度に1回1回決定され、その決定した表示色で表示されたカットインフレーム174を含むカットイン画像を演出表示領域Dbに表示する。即ち、枠ボタン22の操作指示が行われる度に、その操作に応じて表示されるカットイン画像のカットインフレーム174の表示色が決定される。これにより、遊技者に対し、大当たりとなる期待度が高くなることを期待させながら、何度も枠ボタン22を操作させることができる。よって、変動演出が行われている間も、遊技者に積極的に遊技に参加させることができ、遊技への興趣を高めることができる。
尚、カットインフレーム174の表示色をどうするかは、その予告演出が行われる変動演出の結果(大当たりとなるか、外れとなるか)と、その変動演出の変動パターン(ノーマルリーチAか、スーパーリーチAか)とに基づいて、枠ボタン22の操作指示を受け付けた各々のタイミングでランダムに決定する。その決定方法については、後述する。
以上説明したように、スーパーリーチAによる変動演出や、ノーマルリーチAによる変動演出では、該変動演出中に予告演出を複数回行うように構成されている。また、ノーマルリーチAよりも変動時間の長いスーパーリーチAによる変動演出において、より多くの予告演出を行う。変動演出の変動時間が長いと、停止表示されるまで遊技者が退屈してしまうおそれがあるが、予告演出を数多く実行することで、予告演出が表示される度に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、遊技への興趣を高めることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、各予告演出はそれぞれ5つのパターンを有しており、各パターンに対してそれぞれ異なる期待度が対応付けられている。そして、どのパターンで予告演出を行うかは、コメント表示151による予告演出、カットイン155による予告演出においては、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点で、子供キャラクタ登場152による予告演出においては、その予告演出を開始する時点で、スーパーリーチ選択153による予告演出においては、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点または枠ボタン22の操作指示を受け付ける枠ボタン操作受付期間の終了時点で、ランダムに決定する。
ここで、各予告演出のパターンを一括に決定するのではなく、それぞれで別個に決定するのは、次の理由による。即ち、パターンを一括に決定する場合、それぞれの予告演出に対して設定するパターンの組み合わせを予めROM222に格納しておく必要がある。各予告演出に対して設定するパターンの組み合わせを多くROM222に格納すれば、その分だけより多彩なパターンの組み合わせで、一の変動演出中に複数の予告演出を実行することができる。しかしながら、あまりに多くのパターンの組み合わせをROM222へ格納しようとすると、大きな記憶容量が必要となり、大容量のROM222が必要となってくる。これに対し、各予告演出で別個にパターンを決定すれば、ROM222に予告演出に対して設定するパターンの組み合わせを記憶させなくても、多彩なパターンの組み合わせで一の変動演出中に複数の予告演出を実行することができる。
また、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、及び、カットイン155による各予告演出において、枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点で5つのパターンの中からどのパターンとするかをランダムに決定するのは、次の理由もある。仮に、予告演出のパターンを枠ボタン操作受付期間となる前に予め決定していた場合、どのタイミングで枠ボタン22を操作しても、予告演出で示される大当たりとなる期待度は同じとなる。よって、遊技者にとっては、枠ボタン22を操作するタイミングにあまり重要性を感じないため、漫然と枠ボタン22を操作させてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点で5つのパターンの中からどのパターンとするかをランダムに決定するので、枠ボタン22の操作指示の受付タイミングに応じて選択されるパターンが変わることになり、遊技者には、枠ボタン22を操作したタイミングで、その予告演出で示される大当たりとなる期待度が変化する印象を与えることができる。これにより、枠ボタン22を操作するタイミングも考慮させながら、遊技者に枠ボタン22を操作するよう仕向けることができる。
また、コメント表示151及びカットイン155による予告演出では、枠ボタン操作受付期間中に枠ボタン22が操作されなければ、大当たりとなる期待度を遊技者に通知しない。よって、大当たりとなる期待度を通知しない場合が生じるコメント表示151及びカットイン155による予告演出において、枠ボタン22が操作されていない段階でパターンを決定していても、その決定が無駄になるおそれがある。これに対し、本実施形態では、枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点で5つのパターンの中からどのパターンとするかをランダムに決定するので、大当たりとなる期待度を遊技者に通知する場合にだけ、パターンの決定を行う。よって、無駄な処理が行われることを抑制することができる。
さて、このように一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、各予告演出のパターンを一括して予め決めておくのではなく、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、次のような問題が生じる。
即ち、各予告演出のパターンをそれぞれで別個に決定してしまうと、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。遊技者にそのような考えを持たせてしまうと、遊技への参加意欲を増大させるために、予告演出において、枠ボタン22の操作指示が合ったことを契機として大当たりとなる期待度を示すようにしても、遊技者は枠ボタン22を操作しなくなり、遊技への参加意欲を却って低下させるおそれもある。
本パチンコ機10は、このような問題点を解決するために、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択としている。また、本パチンコ機10では、カットイン155による予告演出において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示しているが、そのカットイン155による予告演出の中でも、あるカットイン画像にて一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、その後のカットイン画像では、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択としている。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出にわたって、大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、予告演出に注目することができる。また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出に対しては、その成り上がりを期待して遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
以下、図5に戻って、第1実施形態に係るパチンコ機10において、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とする具体的構成について説明する。
上述した通り、音声ランプ制御装置113は、RAM223に、予告演出カウンタ223d、判定ランクカウンタ223e、第2ポインタ223f、枠ボタン操作フラグ223gを有し、ROM222に判定上限値ポインタ222bを有している。
予告演出カウンタ223dは、変動演出中に予告演出を行う場合に、その予告演出に対して用意された5つのパターンの中から、その予告演出で行うべきパターンを1つ決定するためのカウンタである。この予告演出カウンタ223dは、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図30参照)の中で1ms毎に実行されるS1913の処理にて)更新される。予告演出カウンタ223dはループカウンタにて構成され、その更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算し、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図29参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
5つのパターンの中からどのパターンで予告演出を行うかの決定は、上述の通り、コメント表示151による予告演出、カットイン155による予告演出においては、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点で、子供キャラクタ登場152による予告演出においては、その予告演出を開始する時点で、スーパーリーチ選択153による予告演出においては、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点または枠ボタン22の操作指示を受け付ける枠ボタン操作受付期間の終了時点で行われる。予告演出カウンタ223dは、予告演出毎に、予告演出を行うパターンの決定タイミングでMPU221によって参照され、そのタイミングにおける予告演出カウンタ223dの値と、予告演出が行われる変動演出の結果(大当たりとなるか、外れとなるか)及びその変動演出の変動パターン(ノーマルリーチAか、スーパーリーチAか)から定まる判定上限値ポインタ222bの値とから、予告演出のパターンを決定する。
尚、子供キャラクタ登場152による予告演出は、自動でおこなわれる演出であるので、本来であれば、その予告演出が実行されるまでにパターンが決定されればよく、例えば、変動演出の開始時点で予告演出のパターンを決定してもよいと思われる。しかしながら、本実施形態では、子供キャラクタ登場152による予告演出のパターンを決定する場合、それよりも前に行われるコメント表示151による予告演出で選択されたパターンよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とする必要がある。よって、本実施形態では、コメント表示151による予告演出が行われた後の、子供キャラクタ登場152による予告演出を開始時点で、該予告演出のパターンを決定する。ただし、コメント表示151による予告演出が行われた後で且つ子供キャラクタ登場152による予告演出が開始される時点の間に、子供キャラクタ登場152による予告演出のパターンを決定すれば、その決定タイミングは任意であってもよい。
ここで、予告演出カウンタ223dの値は「0」から第1所定数の値が、大当たりとなる期待度が最も高いランクに割り振られ、その次の値から第2所定数の値が、大当たりとなる期待度が2番目に高いランクに割り振られる。そして、予告演出カウンタ223dの値「99」は大当たりとなる期待度が最も低いランク「1」に割り振られている。
判定上限値ポインタ222bは、予告演出カウンタ223dの値に基づいて、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、各パターン毎に予告演出カウンタ223dの値に対する判定の上限値を与えるポインタである。
MPU221は、予告演出のパターンを決定する場合に、大当たりとなる期待度の高いランクに対応するパターンから順に、そのパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値とその時点における予告演出カウンタ223dの値とを比較する。そして、予告演出カウンタ223dの値が、あるランクのパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値以下となった場合に、そのランクのパターンを予告演出のパターンとして選択する。
例えば、大当たりとなる期待度が最も高いランク「5」に対応するパターンに対して、判定上限値ポインタ222bの値が「9」の場合、ランク「5」に対応するパターンの判定の上限値を「9」として、予告演出カウンタ223dの値が9以下であれば、そのランク「5」に対応するパターンを予告演出のパターンとして選択する。一方、予告演出カウンタ223dの値が10以上である場合、次に大当たりとなる期待度が高いランク「4」に対応するパターンの判定上限値ポインタ222bの値と予告演出カウンタ223dの値とを比較する。
ここで、大当たりとなる期待度がランク「4」に対応するパターンに対して、判定上限値ポインタ222bの値が「49」の場合、ランク「4」に対応するパターンの判定の上限値を「49」として、予告演出カウンタ223dの値が49以下であるときにそのランク「4」に対応するパターンを予告演出のパターンとして選択する。なお、予告演出カウンタ223dの値が9以下の場合は、すでにランク「5」に対応するパターンが予告演出のパターンとして選択されているので、実際には予告演出カウンタ223dの値が10以上〜49以下であるときにそのランク「4」に対応するパターンが予告演出のパターンとして選択される。
一方、予告演出カウンタ223dの値が50以上である場合は、以後、大当たりとなる期待度のランクが「3」、「2」、「1」の順に、そのランクに対応する判定上限値ポインタ222bの値と予告演出カウンタ223dの値とを比較して、予告演出カウンタ223dの値が、あるランクのパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値以下となった場合に、そのランクのパターンを予告演出のパターンとして選択する。
ここで、再び図13を参照し、本パチンコ機10において、各予告演出に対して用意された5つのパターンのそれぞれに対して与えられる判定上限値ポインタ223dの値について説明する。図13に示す通り、コメント表示151、子供キャラクタ登場152,スーパーリーチ選択153、キャラクタ登場154、及び、カットイン155の各予告演出において、各パターンに与えられる判定上限値ポインタ223dの値は、いずれも同じである。これにより、どの予告演出においても、各パターンが示す大当たりとなる期待度は同じとなる。このように、どの予告演出においても、各パターンが示す大当たりとなる期待度が同じとすることで、一の変動演出中に行われた各予告演出が、大当たりとなる期待度のランクが同一のパターンで行われた場合は、それぞれの予告演出で大当たりとなる期待度が変わっていないことを遊技者に印象付けることができ、また、一の変動演出中に行われる一の予告演出が、その前の予告演出よりも大当たりとなる期待度のランクが上のパターンで行われた場合は、大当たりとなる期待度が上昇したことを遊技者に印象付けることができる。
一方、各パターンに与えられる判定上限値ポインタ223dの値は、判定上限値ポインタ223dは、予告演出が行われる変動演出の結果(大当たりとなるか、外れとなるか)及びその変動演出の変動パターン(ノーマルリーチAか、スーパーリーチAか)によって異なる。
予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、その変動演出の変動パターンにかかわらず、各予告演出において、大当たりとなる期待度がランク「5」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「9」を与え、大当たりとなる期待度がランク「4」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「49」を与え、大当たりとなる期待度がランク「3」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「69」を与え、大当たりとなる期待度がランク「4」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「49」を与え、大当たりとなる期待度がランク「1」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「99」を与える。
予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、各予告演出において、大当たりとなる期待度がランク「4」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「19」を与え、大当たりとなる期待度がランク「3」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「29」を与え、大当たりとなる期待度がランク「2」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「49」を与え、大当たりとなる期待度がランク「1」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「99」を与える。但し、この場合、大当たりとなる期待度がランク「5」を示すパターンに対しては、判定上限値ポインタ223dの値が与えられず、そのランク「5」のパターンが選択されないようになっている。
また、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、各予告演出において、大当たりとなる期待度がランク「3」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「1」を与え、大当たりとなる期待度がランク「2」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「9」を与え、大当たりとなる期待度がランク「1」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「99」を与える。但し、この場合、大当たりとなる期待度がランク「5」、「4」を示すパターンに対しては、判定上限値ポインタ223dの値が与えられず、そのランク「5」、「4」のパターンが選択されないようになっている。
このように、判定上限値ポインタ223dの値を予告演出の各パターンに与えることによって、予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合、予告演出カウンタ223dの値が0〜9の範囲にあれば、ランク「5」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が10〜49の範囲にあれば、ランク「4」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が50〜69の範囲にあれば、ランク「3」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が70〜84の範囲にあれば、ランク「2」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が85〜99の範囲にあれば、ランク「1」のパターンが予告演出のパターンとして選択さる。
また、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合、予告演出カウンタ223dの値が0〜19の範囲にあれば、ランク「4」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が20〜29の範囲にあれば、ランク「3」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が30〜49の範囲にあれば、ランク「2」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が50〜99の範囲にあれば、ランク「1」のパターンが予告演出のパターンとして選択さる。
また、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合、予告演出カウンタ223dの値が0又は1であれば、ランク「3」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が2〜9の範囲にあれば、ランク「2」のパターンが予告演出のパターンとして選択され、予告演出カウンタ223dの値が10〜99の範囲にあれば、ランク「1」のパターンが予告演出のパターンとして選択さる。
これにより、ランクの低いパターンほど、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」の場合に選択されやすくなっており、ランクの高いパターンほど、予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」の場合に選択されやすくなっている。特に、ランク「5」のパターンについては、予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」の場合にのみ選択されるようになっている。よって、ランクの低いパターンほど、大当たりとなる期待度が低くなり、ランクの高いパターンほど、大当たりとなる期待度が高くなる。そして、ランク「5」のパターンについていは、大当たりとなる期待度が100%となる。
また、図13に示すように、判定上限値ポインタ223dの値を予告演出の各パターンに与えることによって、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」である場合に、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」であれば、よりランクの高いパターン、即ち、大当たりとなる期待度が高いパターンが予告演出のパターンとして選択されやすくなっており、さらに、大当たりとなる期待度の高いレベル「4」のパターンは、変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」のときのみ選択されるようになっている。
これにより、高速変動またはノーマルリーチ変動の段階で行われるコメント表示151による予告演出または子供キャラクタ登場152による予告演出において、ランク「4」で予告演出が行われると、遊技者はスーパーリーチへ発展することを確信でき、また、ランク「4」で予告演出が行われなくても、よりランクの高いパターンで予告演出が行われれば、遊技者はスーパーリーチへ発展する期待感を大きくすることができる。よって、変動演出の開始後に行われるコメント表示151による予告演出または子供キャラクタ登場152による予告演出については、大当たりへの期待度だけでなく、スーパーリーチへの期待度をも表すことができるので、変動演出が開始されてから初めの方に行われる予告演出についても、遊技者の興味を引くことができる。
判定ランクカウンタ223eは、予告演出をパターンの決定する過程で用いられるカウンタであり、予告演出のパターンを決定する際、予告演出カウンタ223dの値との比較を行う判定上限値ポインタ222bの値を大当たりとなる期待度のランクが高いパターンから順に与えるため、その判定上限値ポインタ222bの値を与えるパターンのランクを高いランクから順にカウントする。
この判定ランクカウンタ223eは、予告演出のパターンを決定する処理である予告演出ランク決定処理(図36)の開始時に初期値に設定される(S2140)。その初期値は、その決定の中で判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較が行われる大当たりとなる期待度のランクのうち、最も期待度の高いランクである。
例えば、予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、大当たりとなる期待度のランク「5」に対応するパターンから、判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較を行うので、判定ランクカウンタ223eの初期値として「5」が設定される。予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度のランク「4」に対応するパターンから、判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較を行うので、判定ランクカウンタ223eの初期値として「4」が設定される。予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度のランク「3」に対応するパターンから、判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較を行うので、判定ランクカウンタ223eの初期値として「3」が設定される。
予告演出ランク決定処理では、判定ランクカウンタ223eで示されるランクに対応するパターンの判定上限値ポインタ222bの値(図13参照)と、予告演出カウンタ223dの値とを比較する(図36のS2141,S2142)。そして、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bの値以下でない、即ち、判定上限値ポインタ222bの値よりも大きい場合は、判定ランクカウンタ223eの値が1減算されて、再度、その減算された判定ランクカウンタ223eで示されるランクに対応するパターンの判定上限値ポインタ222bの値(図13参照)と、予告演出カウンタ223dの値とを比較する。
一方、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bの値以下であった場合に、その時の判定ランクカウンタ223eで示されるランクのパターンを予告演出のパターンとして決定する。予告演出のパターンが決定されると、この判定ランクカウンタ223eの値、つまり、決定したパターンが示す期待値のランクを示す情報と、予告演出のパターンを決定した予告演出の種別(コメント表示151、子供キャラクタ登場152、スーパーリーチ選択153、キャラクタ登場154、カットイン155のいずれか)を示す情報とを含んだ予告演出コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、第3図柄表示装置81にて表示中の変動演出中に、予告演出コマンドに含まれる情報によって示された種別の予告演出を、その予告演出コマンドに含まれる情報によって示されたランクのパターンによって、第3図柄表示装置81の予告演出領域Dbに表示することができる。
また、予告演出のパターンが決定された後は、次に予告演出のパターンの決定が行われるまで、即ち、次に予告演出ランク決定処理が実行されるまで、判定ランクカウンタ223eの値は維持される。これにより、音声ランプ制御装置113では、その判定ランクカウンタ223eで示されるランクに対応するパターンの予告演出に応じて音声出力を行い、また、ランプ表示を制御する。
また、キャラクタ登場154による予告演出では、上述した通り、その予告演出自体で予告演出のパターンを決定するのではなく、直前に行われたスーパーリーチ選択153による予告演出の中で決定されたパターンと同一ランクのパターンで予告演出を行う。ここで、予告演出のパターンが決定された後は、次に予告演出のパターンの決定が行われるまで、判定ランクカウンタ223eの値は維持されることから、キャラクタ登場154による予告演出を行うとき、判定ランクカウンタ223eの値は、スーパーリーチ選択153による予告演出の中でその予告演出のパターンを決定したときの判定ランクカウンタ223eの値が維持されている。よって、キャラクタ登場154による予告演出を行うときは、そのときの判定ランクカウンタ223eで示されるランクのパターンで予告演出を行うだけで、スーパーリーチ選択153による予告演出の中で決定されたパターンと同一ランクのパターンで予告演出を行うことができる。
第2ポインタ223fは、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とするためのポインタである。
この第2ポインタ223fには、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出が開始される場合に、初期値として予告演出カウンタ223eがとり得る最大値である「99」が設定される(図33のS2113)。そして、一の変動演出の中で、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値が第2ポインタ223fに設定される(図36のS2144)。
上述した通り、予告演出のパターンの決定を行う場合に、判定ランクカウンタ223eで示されるランクに対応するパターンの判定上限値ポインタ222bの値(図13参照)と、予告演出カウンタ223dの値との比較を行うが、(図36のS2141,S2142)、その比較において、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bの値よりも大きいと判断された場合は、判定ランクカウンタ223eの値を1減算する前に(図36のS2147)、そのときの判定ランクカウンタ223eで示されるランクに対応するパターンの判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とを比較する(図36のS2145、S2146)。その結果、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、そのときの判定ランクカウンタ223eの値(1減算される前の判定ランクカウンタ223eの値)で示されるランクのパターンを予告演出のパターンとして決定する。
判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合、その判定ランクカウンタ223eで示されるランクと同一ランクのパターンが、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたことを意味する。本実施形態のように、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、その判定ランクカウンタ223eの値で示されるランクのパターンを予告演出のパターンとして決定するように構成することにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。遊技者にそのような考えを持たせてしまうと、遊技への参加意欲を増大させるために、予告演出において、枠ボタン22の操作指示が合ったことを契機として大当たりとなる期待度を示すようにしても、遊技者は枠ボタン22を操作しなくなり、遊技への参加意欲を却って低下させるおそれもある。
これに対し、本実施形態では、この第2ポインタ223fを上述のように使用することで、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。また、カットイン155による予告演出において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示しているが、そのカットイン155による予告演出の中でも、あるカットイン画像にて一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、その後のカットイン画像では、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出にわたって、大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、予告演出に注目することができる。また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出に対しては、その成り上がりを期待して遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し、新たに予告演出のパターンを決定する際に、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、その判定ランクカウンタ223eの値で示されるランクのパターンを予告演出のパターンとして決定するように構成することで、あるランクのパターンが決定される度に、そのランクよりも低いランクのパターンが予告演出のパターンとして決定されるように判定上限値ポインタ222bの値を変更しなくても、同一の判定上限値ポインタ222bの値を用いて、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。よって、判定上限値ポインタ222bの値を、非選択されるランクの種類別に分けてROM222に記憶させておく必要がないため、判定上限値ポインタ222bの値を記憶させるために必要な記憶容量を抑制しつつ、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。
枠ボタン操作フラグ223gは、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けたことを示すフラグであり、オンの場合に、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けたことを示し、オフの場合に、それ以外を示す。
この枠ボタン操作フラグ223gは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図29参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出において、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155による各予告演出に設けられた枠ボタン操作受付期間中に、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた場合に、枠ボタン操作フラグ223gはオンに設定される(図34のS2123)。MPU221では、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155それぞれの予告演出において、この枠ボタン操作フラグ223gがオンとなったことを契機として予告演出ランク決定処理を実行し、予告演出のパターンを決定する(図35のS2135)。また、予告演出ランク決定処理を実行するのに合わせて、枠ボタン操作フラグ223gをオフに設定する(図35のS2134)。これにより、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155による各予告演出では、遊技者により枠ボタン22の操作指示があった場合に、予告演出のパターンを決定し、その決定したパターンによって予告演出を行うことができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図32参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図32のS2004参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図33のS2102参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付ける。上述した通り、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出において、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155による各予告演出に設けられた枠ボタン操作受付期間中に、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた場合は、その予告演出のパターンを決定し、その決定したパターンによって予告演出を行う。また、変動演出が実行されていない期間に、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更するように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
振動センサ228は、パチンコ機10に加えられた振動を検出するためのセンサであり、遊技盤13の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入球口への入球が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図14を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図26参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図14を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図14は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、特開2006−223598号公報に記載のROM22)を設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM187に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、キャラクタROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、特開2006−223598号公報に記載のROM22)を設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換(例えば、特開2006−223598号公報を参照)を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ187aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233cに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図37(a)のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図37(a)のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア187a2に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図21参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称する)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図38(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM435の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまでその処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235には、電源投入時主画像エリア235a、電源投入時変動画像エリア235b、背面画像エリア235c、第3図柄エリア235d、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、第1実施形態の電源投入時主画像エリア189aと同様に、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口164への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図37(a)のS2203,S2204参照)。
ここで、図15を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図15は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図15(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図15(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図15(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「大当たり」である場合は図15(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「外れ」である場合は図15(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いた電源投入時主画像の描画を指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球264に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図15(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球264に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図14に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第1実施形態の背面画像エリア189bと同様に、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図16及び図17を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図16及び図17は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図16(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図16(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図17は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図16に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称する。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図17に示すように、時間の経過とともに、図17の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3表示装置281に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図17(a)に示す背面画像が表示される。この図17(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図17(b)に示す背面画像が表示される。図17(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図17(c)に示す背面画像が表示される。図17(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図17(a)に示す背面画像に戻って、再び図17(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図16(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図16(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図17(a)を含み、図17(b)を除く図17(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながる恐れがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図17(a)〜(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図17(a)〜(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図17(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図17(b)〜(c)および図17(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図17(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図17(a)〜(b)の画像を表示させる間に図17(b)〜(c)および図17(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図17(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図17(b)〜(c)および図17(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図14参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図14に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235には、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM187から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM187にNAND型フラッシュメモリ187aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、第1実施形態のエラーメッセージ画像エリア189eと同様に、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ228の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM435から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、上述したように、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233e、転送データテーブルバッファ233f、ポインタ233g、描画リストエリア233h、計時カウンタ233i、格納画像判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
また、確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、デモ演出、確定表示演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
更に、変動表示データテーブルには、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、例えば、変動演出パターンが当たり用の変動演出パターンであった場合に外れの停止図柄が主制御装置110より指示された場合に用いられる、特殊変動用の表示パターンテーブルも用意されている。この特殊変動は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させ、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄として外れを示す特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を確定させるものである。
音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
ここで、図18を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図18は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図18の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233gを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233gを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図21参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示281に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図19を参照して、追加データテーブルの詳細について説明する。図19は、追加データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブルは、上述したように、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。ここで、「一の演出に追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出に別の画像を追加または削除して表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、新たな画像を追加または削除して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
なお、本実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される予告演出を表示するための表示内容が、追加データテーブルによって規定される場合について説明する。
即ち、追加データテーブルは、例えば、変動演出に対して追加表示される予告演出に対応して用意されており、具体的にはコメント表示151による予告演出に対して用意された5つのパターンと、子供キャラクタ登場152による予告演出に対して用意された5つのパターンと、スーパーリーチ選択153による予告演出と、キャラクタ登場154による予告演出に対して用意された5つのパターンと、カットイン155による予告演出に対して用意された5つのパターンとにそれぞれ対応した追加データテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されている。
この追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図19の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、2つのエフェクト(エフェクト1,エフェクト2)及び2つのキャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2)に対して、それぞれのスプライト種別(エフェクト種別,キャラクタ種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。
また、追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、表示データテーブルによってそのアドレスで示される時間に表示されることとなっている画像から削除して表示すべき画像の内容も規定されている。この場合、つい羽化データテーブルの当該アドレスには、削除して表示すべきスプライトの種別と、そのスプライトを削除することを示した情報とが規定されている。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加または削除して表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図19のアドレス「0001H」が該当)。
尚、追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図19の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と、「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から予告演出コマンドを受信すると、その予告演出コマンドにより示される予告演出の種別およびパターンに対応した追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233gの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図21参照)を作成する。なお、ポインタ233gが示すアドレスに、削除対象のスプライトが規定されていた場合は、そのスプライトを含めずに描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。
例えば、図19の例では、ポインタ233gが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたエフェクト1,エフェクト2,キャラクタ1,キャラクタ2の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233gが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。また、追加データテーブルにおいてポインタ233gが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233gが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図19の例では、ポインタ233gが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加または削除されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の画像(例えば、予告演出画像)を表示させたり、表示すべき演出画像から特定の画像を削除して表示したりする場合に、その追加または削除して表示させる画像を期待した追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定することで、容易に追加画像をベースの演出画像に追加して表示させたり、ベースの画像から削除画像を削除させたりすることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+5)=192種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+5=37種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア233bに用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233gを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
次いで、図20を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図20は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称する)の転送データ情報が記載されている(図20のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
例えば、スーパーリーチAによる変動演出やノーマルリーチAによる変動演出では、変動演出の途中でコメント表示151、子供キャラクタ152、スーパーリーチ選択153、キャラクタ登場154、カットイン155による各予告演出が行われる。そこで、スーパーリーチAによる変動演出やノーマルリーチAによる変動演出の表示を規定した表示データテーブルに対応する転送データテーブルでは、それぞれの予告演出において表示され得る画像の画像データを、その予告演出の表示が開始されるまでに画像格納エリア236aに格納するように、その画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図20のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233fに格納する。そして、ポインタ233gの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図20の例では、ポインタ233gが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルおよび追加データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233gが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233fに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図14に戻り、説明を続ける。簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図15(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図37(a)参照)の中でオンに設定される(図37(a)のS2205参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図49(b)のS3105参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図38のS2401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図38(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図38(b)のS2409参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図39〜図43参照)および表示設定処理(図44〜図48参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図49(a)のS3001参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図49(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図50参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ233eは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(予告演出など)に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233eに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233eに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233eにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
転送データテーブルバッファ233fは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233gは、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233gを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図38のS2403参照)の中で、ポインタ更新処理(図44のS2711参照)が実行され、ポインタ233gの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233gの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233eに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示されることができる。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233eに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図21を参照して、描画リストの詳細について説明する。図21は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図21に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233iは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図38参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233iが1ずつ減算される(図44のS2713参照)。その結果、計時カウンタ233iの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図37(a)のS2202参照)によって生成される。ここで生成される格納画像判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図50参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図50のS3216参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図50のS3217参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称する)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図51のS3302参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図38参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図51のS3302参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図22から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。なお、変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図23および図25を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1106)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図23は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1204の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S1204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S1204:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S1205)、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S1207)。なお、変動開始処理については、図24を参照して後述する。
S1204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S1204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1208:No)、デモコマンドを設定して(S1209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S1208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S1209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図28参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S1202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図24を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図24は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図22参照)の変動処理(図23参照)の中で実行され、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202cとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図28)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図25は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S1401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S1403)、更に、前記ステップS1103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nの値を含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図28)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
図26は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図27を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図27は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図28のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図28を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図22参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図25参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図26のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図29から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1919の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS1916参照)、S1919の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1919の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1919の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1803:Yes)、S1804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1919の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1803:No)、S1808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1919の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1919の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1918参照)。つまり、電源断フラグは、S1919の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1919の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S1901の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1m秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1912の処理を行わずにS1914の処理へ移行する。尚、S1901の処理が初めておこなれた場合は、S1902の処理へ移行する。
S1901の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S1913が表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1914の変動設定処理やS1915のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1915の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1914の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1901の処理で1m秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1915の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1910の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
S1905の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1906)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この枠ボタン入力監視処理の詳細については、図34を参照して後述する。
枠ボタン入力監視処理が終わると、振動センサ入力監視処理が行われる(S1908)。この振動センサ入力監視処理は、振動センサ228からの入力信号を監視し、パチンコ機10に振動が与えられたか否かを検出する処理である。
ここで、図31を参照して、振動センサ入力監視処理(S1908)の詳細について説明する。図31は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される振動センサ入力監視処理(S1908)を示したフローチャートである。
振動センサ入力監視処理(S1908)では、まず、振動センサ228から振動センサ228の出力値(振動レベル)を読み込み(S1951)、その読み込んだ出力値から振動レベルが所定レベル以上か否かを判別する(S1952)。その結果、振動レベルが所定レベル未満であれば(S1952:No)、振動センサ入力監視処理を終了し、メイン処理(図30)に戻る。
一方、振動レベルが所定レベル以上であれば(S1952:Yes)、パチンコ機10に振動が与えられたと判断し、音声出力装置226から警報音が出力されるように設定する(S1953)と共に、表示制御装置114に対して振動エラーの発生を通知するエラーコマンドを設定して(S1954)、メイン処理(図30)に戻る。これにより、表示制御装置31では、振動エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理が行われる。
図30に戻って、メイン処理の説明を続ける。振動センサ入力監視処理(S1908)を終了すると、次いで、予告演出処理を実行する(S1909)。この予告演出処理は、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出を行っている場合に、その変動演出中に予告演出を実行するための処理である。予告演出処理の詳細については、図35を参照して後述する。
予告演出処理(S1909)を終了すると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1910)、その後音編集・出力処理を実行する(S1911)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。また、振動センサ入力監視処理(図31参照)により、警報音の出力が設定された場合は(S1953参照)、この音編集・出力処理によって、警報音の出力パターンが設定され、警報音が音声出力装置226から出力される。
S1911の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1912)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1913)、S1914の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1910のランプ編集処理が実行される。なお、S1911の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
また、カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。例えば、詳細変動パターンカウンタ223bの更新、及び、予告演出カウンタ223dの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。詳細変動パターンカウンタ223bの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、予告演出カウンタ223dの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。
S1914の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動設定処理を実行する。この変動設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。そして、変動設定処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1915)。このコマンド判定処理の詳細については、図32を参照して後述する。
S1915の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1916)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1916の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1916:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1918)、電源断処理を実行する(S1919)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1920)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1916の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1916:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1917)、RAM223が破壊されていなければ(S1917:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1917:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1915)について説明する。図32は、このコマンド判定処理(S1915)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1915)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動A〜E、2R変動のいずれか)を抽出して(S2002)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動設定処理(図33参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S2004)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出してRAM233に記憶して(S2005)、メイン処理に戻る。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2007の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S2007の処理の後、S2007の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定して(S2008)、メイン処理に戻る。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S2006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2010)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドや確定コマンドは、このS2010の処理によって、表示用デモコマンドおよび表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)について説明する。図33は、この変動設定処理(S1914)を示したフローチャートである。この変動設定処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて詳細な変動パターンを決定し、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知する表示用変動パターンコマンドを生成し、また、停止種別コマンドから抽出した停止種別を表示制御装置114へ通知する表示用停止種別コマンドを生成して、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。また、変動演出の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する。更に、決定した詳細な変動パターンが予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであった場合、その予告演出の制御に関する処理も行う。
変動設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、この変動設定処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図32参照)のS2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動A〜E、2R変動のいずれか)と、S2005の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、詳細変動パターンカウンタ223bの値を読み出し、その詳細変動パターンカウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、詳細変動パターンテーブル222aとに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S2104)。
主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
例えば、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動A(変動時間30秒)であった場合、変動時間30秒に対して用意された詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択される。ノーマルリーチAは、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動A(変動時間30秒)であった場合に選択される詳細な変動パターンである。また、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動B(変動時間60秒)であった場合、変動時間60秒に対して用意された詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択される。スーパーリーチAは、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動B(変動時間60秒)であった場合に選択される詳細な変動パターンである。
S2104の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2105)。
また、S2103の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2106)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S2107)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2108)。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次いで、S2104にて決定した詳細な変動パターンが、予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであるか否かを判別し(S2109)、予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであった場合は(S2109:Yes)、予告演出フラグ223cをオンに設定する(S2110)。これにより、音声ランプ制御装置113では、変動演出中に予告演出を行うよう制御が行われる。
そして、今回設定された変動演出の停止種別が外れか大当たりか、及び、変動パターンがノーマルリーチAかスーパーリーチAかに基づいて、予告演出のパターンを決定する判定上限値ポインタ223gを、大当たりとなる期待値の各ランク毎に設定し(S2111)、また、今回設定された変動演出の停止種別が外れか大当たりか、及び、変動パターンがノーマルリーチAかスーパーリーチAかに基づいて、予告演出のパターンとして決定可能な大当たりとなる期待値の最大ランクを設定する(S2112)。
具体的には、停止種別が大当たりの場合は、変動パターンに関わらず、S2111の処理として、大当たりとなる期待度がランク「5」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「9」を与え、大当たりとなる期待度がランク「4」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「49」を与え、大当たりとなる期待度がランク「3」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「69」を与え、大当たりとなる期待度がランク「4」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「49」を与え、大当たりとなる期待度がランク「1」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「99」を与える。また、S2112の処理として、予告演出のパターンとして決定可能な大当たりとなる期待値の最大ランクを「5」に設定する。
また、停止種別が外れであり、変動パターンがスーパーリーチAの場合は、S2111の処理として、大当たりとなる期待度がランク「4」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「19」を与え、大当たりとなる期待度がランク「3」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「29」を与え、大当たりとなる期待度がランク「2」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「49」を与え、大当たりとなる期待度がランク「1」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「99」を与える。また、S2112の処理として、予告演出のパターンとして決定可能な大当たりとなる期待値の最大ランクを「4」に設定する。
また、停止種別が外れであり、変動パターンがノーマルリーチAの場合は、S2111の処理として、大当たりとなる期待度がランク「3」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「1」を与え、大当たりとなる期待度がランク「2」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「9」を与え、大当たりとなる期待度がランク「1」を示すパターンに対して判定上限値ポインタ223dとして「99」を与える。また、S2112の処理として、予告演出のパターンとして決定可能な大当たりとなる期待値の最大ランクを「3」に設定する。
そして、第2ポインタ223fを初期値「99」に設定して(S2113)、変動設定処理を終了する。このS2111〜S2113の設定に基づいて、予告演出のパターンが決定される。
次いで、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視処理(S1907)について説明する。図34は、この枠ボタン入力監視処理(S1907)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視処理(S1907)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、遊技者による枠ボタン22の操作指示を監視して受け付ける処理を行う。
この枠ボタン入力監視処理では、まず、変動演出実行中か否かを判別し(S2121)、変動演出実行中であれば(S2121:Yes)、次いで、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、又は、カットイン155による予告演出に設けられた枠ボタン操作受付期間中であるか否かを判別する(S2122)。そして、その枠ボタン操作受付期間中であれば(S2122:Yes)、枠ボタン操作フラグ223gをオンに設定して(S2123)、枠ボタン入力監視処理を終了する。これにより、各予告演出では、予告演出のパターンが決定され、その決定されたパターンに基づいて予告演出が実行される。
一方、S2122の処理において、枠ボタン操作受付期間中でなければ(S2122:No)、そのまま枠ボタン入力監視処理を終了する。これにより、変動演出実行中において枠ボタン操作受付期間中でないときに枠ボタン操作22が操作されても、その操作は無効とされる。
また、S2121の処理によって、変動演出実行中でないと判別された場合は(S2121:No)、遊技状態に応じた処理を実行して(S2124)、枠ボタン入力監視処理を終了する。S2124の処理では、例えば、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
次いで、図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(S1909)について説明する。図35は、この予告演出処理(S1909)を示したフローチャートである。この予告演出処理(S1909)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出を行っている場合に、その変動演出中に予告演出を実行するための処理である。
この予告演出処理では、まず、予告演出フラグ223cがオンか否かを判別する(S2131)。そして、予告演出フラグ223cがオンではなくオフであれば(S2131:No)、予告演出が含まれていない変動演出が選択されていることを意味するので、そのまま本予告演出処理を終了する。
一方、予告演出フラグ223cがオンの場合(S2131:Yes)、次いで、現在、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155の各予告演出に設けられたいずれかの枠ボタン操作受付期間中であるか否かを判別する(S2132)。そして、該枠ボタン操作受付期間中である場合は(S2132:Yes)、枠ボタン操作フラグ223gがオンか否かを判別し(S2133)、枠ボタン操作フラグ222gがオンではなくオフの場合は(S2133:No)、そのまま予告演出処理を終了する。
一方、枠ボタン操作フラグ223gがオンである場合は(S2133:Yes)、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けたことを意味するので、枠ボタン操作フラグ223gをオフに設定(S2134)した後、予告演出のパターンを決定する予告演出ランク決定処理を実行し(S2135)、更に、予告演出ランク決定処理にて決定したパターンが示す期待値のランクを示す情報と、予告演出のパターンを決定した予告演出の種別(コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155のいずれか)を示す情報とを含んだ予告演出コマンドを設定して(S2136)、予告演出処理を終了する。ここで設定された予告演出コマンドは、メイン処理(図30)のS1902の処理によって、表示制御装置114へ送信される。尚、予告演出ランク決定処理の詳細については、図36を参照して後述する。
これにより、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155の各予告演出では、遊技者による枠ボタン22の操作指示があった場合に、その予告演出のパターンが決定され、また、操作指示に応じて、予告演出の画像を第3図柄表示装置に表示することができる。
具体的には、コメント表示151による予告演出では、枠ボタン操作受付期間中に表示されていた枠ボタンの操作を促す画像を消去して、図9(a)に示す画像を第3図柄表示装置81に表示する。このとき、吹き出し162のフレーム163(図9(a)参照)の色が、予告演出ランク決定処理(S2135)によって決定されたパターンに従って表示される。
また、スーパーリーチ選択153では、枠ボタン操作受付期間中に表示されていた枠ボタンの操作を促す少年166の吹き出し内の文字情報である「破壊者を決めるぞ!!ボタンを押せ!」)に代えて、枠ボタン22の操作により選択された破壊者は誰かという期待感を遊技者に持たせる「破壊者は誰だ?」という文字情報を第3図柄表示装置81に表示する。
なお、上述した通り、スーパーリーチ選択153による予告演出そのものでは、決定されたパターン(大当たりとなる期待値のランク)は遊技者に通知されず、その次に行われるキャラクタ登場154による予告演出において、スーパーリーチ選択153による予告演出の中で決定されたパターン(大当たりとなる期待値のランク)が遊技者に通知されることになる。本実施形態では、他の予告演出と同様、予告演出のパターンが決定された場合に、予告演出ランク決定処理にて決定したパターンが示す期待値のランクを示す情報を含めて予告演出コマンドを表示制御装置114へ送信するが、上記の理由により、スーパーリーチ選択153による予告演出では、予告演出のパターンが決定された場合に、予告演出ランク決定処理にて決定したパターンが示す期待値のランクを示す情報を含めずに、単に予告演出のパターンが決定されたことを通知するだけの予告演出コマンドを表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。表示制御装置114では、スーパーリーチ選択153による予告演出において、予告演出のパターンが決定されたことを通知する予告演出コマンドを受信することによって、枠ボタン操作受付期間中に表示されていた枠ボタンの操作を促す少年166の吹き出し内の文字情報である「破壊者を決めるぞ!!ボタンを押せ!」)に代えて、枠ボタン22の操作により選択された破壊者は誰かという期待感を遊技者に持たせる「破壊者は誰だ?」という文字情報を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、カットイン155による予告演出では、枠ボタン操作受付期間中に表示されていた枠ボタンの操作を促す画像を一旦消去して、図12に示すカットイン画像を第3図柄表示装置81に1秒間表示する。このとき、カットインフレーム174(図12参照)の色が、予告演出ランク決定処理(S2135)によって決定されたパターンに従って表示される。
S2132の処理において、コメント表示151、スーパーリーチ選択153、カットイン155の各予告演出に設けられたいずれかの枠ボタン操作受付期間中ではないと判別された場合は(S2132:No)、次いで、現在、子供キャラクタ登場152による予告演出の実行タイミングであるか、又は、スーパーリーチ選択153による予告演出に設けられた枠ボタン操作受付期間の終了タイミングであるかを判別する(S2137)。その結果、子供キャラクタ登場152による予告演出の実行タイミングである、又は、スーパーリーチ選択153による予告演出に設けられた枠ボタン操作受付期間の終了タイミングである場合は(S2137:Yes)、S2135の処理へ移行し、予告演出のパターンを決定する予告演出ランク決定処理(S2135)を実行した後、予告演出ランク決定処理にて決定したパターンが示す期待値のランクを示す情報と、予告演出のパターンを決定した予告演出の種別(子供キャラクタ登場152、スーパーリーチ選択153のいずれか)を示す情報とを含んだ予告演出コマンドを設定して(S2136)、予告演出処理を終了する。上述した通り、ここで設定された予告演出コマンドは、メイン処理(図30)のS1902の処理によって、表示制御装置114へ送信される。
これにより、子供キャラクタ登場152による予告演出では、その予告演出の実行タイミングとなった場合に、予告演出のパターンが決定され、予告演出の画像、具体的には、図9(b)に示す画像を第3図柄表示装置に表示することができる。子供164の服164a(図9(b)参照)の色が、予告演出ランク決定処理(S2135)によって決定されたパターンに従って表示される。
また、スーパーリーチ選択153による予告演出では、枠ボタン操作受付期間中に遊技者による枠ボタン22の操作指示がなかった場合、その枠ボタン操作受付期間の終了時点で予告演出のパターンが決定され、また、その時点で、表示されていた枠ボタンの操作を促す少年166の吹き出し内の文字情報である「破壊者を決めるぞ!!ボタンを押せ!」)に代えて、枠ボタン22の操作により選択された破壊者は誰かという期待感を遊技者に持たせる「破壊者は誰だ?」という文字情報を第3図柄表示装置81に表示する。
尚、この場合も、スーパーリーチ選択153による予告演出において、予告演出ランク決定処理にて決定したパターンが示す期待値のランクを示す情報を含めずに、単に予告演出のパターンが決定されたことを通知するだけの予告演出コマンドを表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。表示制御装置114では、スーパーリーチ選択153による予告演出において、予告演出のパターンが決定されたことを通知する予告演出コマンドを受信することによって、枠ボタン操作受付期間中に表示されていた枠ボタンの操作を促す少年166の吹き出し内の文字情報である「破壊者を決めるぞ!!ボタンを押せ!」)に代えて、枠ボタン22の操作により選択された破壊者は誰かという期待感を遊技者に持たせる「破壊者は誰だ?」という文字情報を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
S2137の処理において、子供キャラクタ登場152による予告演出の実行タイミングではなく、且つ、スーパーリーチ選択153による予告演出に設けられた枠ボタン操作受付期間の終了タイミングでもないと判別された場合は(S2137:No)、次いで、現在、キャラクタ登場154による予告演出の実行タイミングか否かを判別する(S2138)。その結果、キャラクタ登場154による予告演出の実行タイミングであると判別される場合は、S2136の処理へ移行し、一つ前のスーパーリーチ選択153による予告演出において決定した予告演出のパターンが示す期待値のランクを示す情報と、予告演出の種別としてキャラクタ登場154を示す情報とを含んだ予告演出コマンドを設定して(S2136)、予告演出処理を終了する。なお、判定ランクカウンタ223eは、次に予告演出ランク決定処理により予告演出のパターンが決定されるまで保持されるので、S2136の処理が行われている時点で判定ランクカウンタ223eで示されるランクが、一つ前のスーパーリーチ選択153による予告演出において決定した予告演出のパターンが示す期待値のランクとなる。上述した通り、ここで設定された予告演出コマンドは、メイン処理(図30)のS1902の処理によって、表示制御装置114へ送信される。
これにより、キャラクタ登場154による予告演出では、その予告演出の実行タイミングとなった場合に、一つ前のスーパーリーチ選択153による予告演出で決定されたパターンによって示される大当たりとなる期待度のランクと同一ランクのパターンによって、予告演出の画像、具体的には、図11に示す画像を第3図柄表示装置に表示することができる。このとき、キャラクタの種類と、キャラクタに付される色とが、一つ前のスーパーリーチ選択153による予告演出にて決定されたパターンに従って表示される。
一方、S2138の処理において、キャラクタ登場154による予告演出の実行タイミングではないと判別される場合は(S2138:No)、そのまま、予告演出処理を終了する。
次いで、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出ランク決定処理(S2135)について説明する。図36は、この予告演出ランク決定処理(S2135)を示したフローチャートである。この予告演出ランク決定処理(S2135)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、予告演出のパターンを実行する処理である。
この予告演出ランク決定処理では、まず、判定ランクカウンタ223eを変動設定処理(図33)のS2112の処理にて設定された判定ランクの最大ランクに設定する(S2140)。即ち、予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、判定ランクの最大ランク「5」が設定される。予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、判定ランクの最大ランク「4」が設定される。予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、判定ランクの最大ランク「3」が設定される。
これにより、以後の処理では、予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、大当たりとなる期待度のランク「5」に対応するパターンから、判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較が行われ、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度のランク「4」に対応するパターンから、判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較が行れ、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度のランク「3」に対応するパターンから、判定上限値ポインタ222bと予告演出カウンタ223dとの比較が行われる。よって、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」の場合は、少なくともランク「5」に対応するパターンは選択されず、更に、予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり、予告演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」の場合は、ランク「4」に対応するパターンも選択されないようにすることができる。
次いで、変動設定処理(図33)のS2111の処理にて設定された判定上限値ポインタ222bの中から、判定ランクカウンタ223eで示される大当たりとなる期待度のランクの判定上限値ポインタ222bの値Uを抽出し、その値Uと、予告演出カウンタ223dの値Aとを比較し(S2141)、値Aが値U以下であるか否かを判別する(S2142)。
その結果、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値U以下である場合は(S2142:Yes)、予告演出を行うパターンのランクを判定ランクカウンタ223eで示されるランクに決定する(S2143)。ここで決定されたランクが予告演出コマンドによって表示制御装置114に通知され、表示制御装置114では、このランクに対応するパターンで予告演出の画像を第3図柄表示装置81に表示する。遊技者は、この第3図柄表示装置81に表示されたパターンを見て、大当たりとなる期待度のランクを認識することができる。
その後、S2143の処理によって決定したランクの判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し(S2144)、予告演出ランク決定処理を終了する。
また、S2142の処理により、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uよりも大きい場合は(S2142:No)、次いで、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uと、第2ポインタ223fの値Sとを比較し(S2145)、値Uが値Sと等しいか否かを判別する(S2146)。その結果、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uが、第2ポインタ223fの値Sと等しくない場合は(S2147)、判定ランクカウンタ223eの値を1減算して(S2147)、S2141の処理へ回帰する。これにより、次に、ランクが1つ低い大当たりとなる期待度のランクについて、判定上限値ポインタ222bの値Uと、予告演出カウンタ223dの値Aとを比較し、そのランクを予告演出を行うパターンのランクとするか否かを判断する。
一方、S2146の処理において、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uが、第2ポインタ223fの値Sと等しい場合は(S2146:Yes)、その判定ランクカウンタ223eで示されるランクと同一ランクのパターンが、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたことを意味する。そこで、この場合は、上述したS2143の処理へ移行し、予告演出を行うパターンのランクを判定ランクカウンタ223eで示されるランクに決定する(S2143)。そして、S2143の処理によって決定したランクの判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し(S2144)、予告演出ランク決定処理を終了する。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。遊技者にそのような考えを持たせてしまうと、遊技への参加意欲を増大させるために、予告演出において、枠ボタン22の操作指示が合ったことを契機として大当たりとなる期待度を示すようにしても、遊技者は枠ボタン22を操作しなくなり、遊技への参加意欲を却って低下させるおそれもある。
これに対し、本実施形態では、この第2ポインタ223fを上述のように使用することで、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。また、カットイン155による予告演出において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示しているが、そのカットイン155による予告演出の中でも、あるカットイン画像にて一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、その後のカットイン画像では、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出にわたって、大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、予告演出に注目することができる。また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出に対しては、その成り上がりを期待して遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し、新たに予告演出のパターンを決定する際に、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、その判定ランクカウンタ223eの値で示されるランクのパターンを予告演出のパターンとして決定するように構成することで、あるランクのパターンが決定される度に、そのランクよりも低いランクのパターンが予告演出のパターンとして決定されるように判定上限値ポインタ222bの値を変更しなくても、同一の判定上限値ポインタ222bの値を用いて、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。よって、判定上限値ポインタ222bの値を、非選択されるランクの種類別に分けてROM222に記憶させておく必要がないため、判定上限値ポインタ222bの値を記憶させるために必要な記憶容量を抑制しつつ、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。
次に、図37から図51を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図37(a)を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図37(a)は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路315から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2201)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。ここで、図37(b)を参照して、ブート処理(S2201)について説明する。図37(b)は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2201)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、特開2006−223598号公報に記載のROM22)を設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2211)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2212)。これにより、MPU231は、S2211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2212の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に制御プログラムを記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2212の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2213)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データをプログラム格納エリア233aに転送し、また、上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2214)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図37のS2201参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図37(a)のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2215)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置81において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a2に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図37(b)に示すブート処理では、S2211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2212の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、この転送によってプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2213〜S2215の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2211の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、この転送によってプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2211及びS2212の処理を含めて複数回繰り返した後、S2213〜S2215の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2211及びS2212の処理を行わずに、S2213〜S2215の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
図37(a)に戻って説明を続ける。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2202)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2203)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2203の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2204)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2204の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2205)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図49(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ434へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図49(a)のS3002参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ434への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図38(b)参照)において、図15に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図38(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図38(b)のS2409参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図15(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2205の処理の後、割込許可を設定し(S2206)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2206の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図38(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図38(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2301)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図38(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図38(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図21参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図38(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2401)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図15に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2402)を実行し、次いで、表示設定処理(S2403)を実行する。
コマンド判定処理(S2402)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに設定する。また、予告演出コマンドが格納されていた場合は、予告演出の種別とパターンとに応じた予告演出用追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図39〜図43を参照して後述する。
表示設定処理(S2403)では、コマンド判定処理(S2402)などによって表示データテーブルバッファ233dおよび追加データテーブルバッファ233eに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図44〜図48を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2404)。このタスク処理では、表示設定処理(S2403)もしくは簡易表示設定処理(S2409)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった、描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2405)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233bがオフである間は、転送データテーブルバッファ233fに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図49,図50を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2406)。この描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示とから、図21に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図51を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2407)。そして、V割込処理を終了する。S2407の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2401の処理において、簡易画像表示フラグがオンであると判別されると(S2401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図15に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2408)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2409)を実行して、S2404の処理へ移行する。
次いで、図39〜図43を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2402)の詳細について説明する。まず、図39は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図39に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2501)、未処理の新規コマンドがなければ(S2501:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2403)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2502)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2503)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2504)、表示用保留球数コマンドがあれば(S2504:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2505)、S2501の処理に戻る。
ここで、図40(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2505)の詳細について説明する。図40(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S2403)に通知する新規保留球数コマンドフラグをオンし(S2601)、次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S2602)。尚、S2602の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2602の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S2603)、コマンド判定処理に戻る。
これにより、表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示されるように保留画像データを展開する。
図39に戻り、S2504の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S2504:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2506)、表示用確定コマンドがあれば(S2506:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2507)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図40(b)を参照して、確定コマンド処理(S2507)の詳細について説明する。図40(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S2507)では、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S2403)に通知する確定コマンドフラグをオンに設定して(S2611)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した場合に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図39に戻り、S2506の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S2506:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S2508)、表示用デモコマンドがあれば(S2508:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S2509)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図40(c)を参照して、デモコマンド処理(S2509)の詳細について説明する。図40(c)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S2509)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2621)。次いで、追加データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことでその内容をクリアし、また、デモ用表示データテーブルでは、描画に必要な画像データを新たにキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送する必要がないように画像の描画が規定されているため、対応する転送データテーブルがデータテーブル格納エリア233bに用意されていないので、転送データテーブルバッファ233fにもNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2622)。
次いで、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2623)、ポインタ233gを0に初期化する(S2624)。そして、第3図柄表示装置81にオン状態でデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグをオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定表示フラグをオフに設定し、更にオン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオフに設定して(S2625)、デモコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2624の処理によって初期化されたポインタ233gを更新しながら、S2621の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S2623の処理によってデモ演出に対応する時間データの設定された計時カウンタ233iを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S2625の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定制御計時カウンタ233iの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
図39に戻り、S2508の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S2508:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2510)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2510:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2511)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図41(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2511)の詳細について説明する。図41(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブルを決定し、その決定した変動用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2631)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2631の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が急に停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2631で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233fに設定する(S2632)。そして、追加データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2633)。
その後、各変動パターンに対応する変動用表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2631の処理によって設定された変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2634)。表示設定処理では、S2634の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。そして、表示設定処理では、設定された変動用表示データテーブルの変動パターンと、後に受信する表示用停止種別コマンドによって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようになっている。
次いで、S2631の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2635)、ポインタ233gを0に初期化する(S2636)。そして、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2637)、更に、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S2638)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2636の処理によって初期化されたポインタ233gを更新しながら、S2631の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2632の処理によって転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動用表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2635の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233iを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2637の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2631の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233dに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図39に戻り、S2510の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2510:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2512)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2511:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2513)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図41(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2513)の詳細について説明する。図41(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
変動種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2641)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図38(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2642)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2642の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S2643)。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2642の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2643によって設定された停止図柄判別フラグからS2642の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
S2643の処理の後、次いで、比較フラグをオンして(S2644)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。この比較フラグをオンすることによって、表示設定処理では、上述の変動パターンコマンド設定処理により設定された変動用表示テーブルの変動パターンと、S2642の処理によって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2641の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2642の処理によって設定される。
仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図39に戻り、S2512の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2512:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、予告演出コマンドがあるか否かを判別し(S2514)、予告演出コマンドがあれば(S2514:Yes)、予告演出コマンド処理を実行して(S2515)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図42(a)を参照して、予告演出コマンド処理(S2515)の詳細について説明する。図42(a)は、予告演出コマンド処理を示すフローチャートである。この予告演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した予告演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
予告演出コマンド処理では、予告演出コマンドに含まれる情報によって示された予告演出の種別(コメント表示151、子供キャラクタ登場152、スーパーリーチ選択153、キャラクタ登場154、カットイン155のいずれか)、及び、その予告演出を実行するパターン(音声ランプ制御装置113にて設定された大当たりとなる期待値のランクを示すパターン)に対応した予告演出用追加データテーブルを決定して、その決定した予告演出用追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを追加データテーブルバッファ233eに設定する(S2651)。そして、この予告演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する変動演出に対し、S2651の処理によって追加データテーブルバッファ233eに格納された予告演出用追加データテーブルに対応する予行演出が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。これにより、予行演出コマンドにて指定された予告演出種別の予告演出が指定されたパターンで、第3図柄表示装置81に表示されるので、その予告演出のパターンから、遊技者に大当たりとなる期待度のランクを示すことができる。なお、この予告演出の表示で使用される画像データは、予告演出が行われるスーパーリーチA又はノーマルリーチAが表示用変動パターンコマンドによって指定された場合に、変動パターンコマンド処理のS2632の処理によって予め設定された、スーパーリーチA又はノーマルリーチAに対応する転送データテーブルによって、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ予め転送される。
図39に戻り、S2514の処理において、予告演出コマンドがないと判別されると(S2514:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2516)、背面画像変更コマンドがあれば(S2516:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2517)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図42(b)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2517)の詳細について説明する。図42(b)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を転送設定処理(S2405)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2661)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2662)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
転送設定処理では、S2661の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2662の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2662によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2662の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図39に戻り、S2516の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2516:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2520)、エラーコマンドがあれば(S2520:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2521)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図43を参照して、エラーコマンド処理(S2521)の詳細について説明する。図43は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2681)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2682)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2681の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2682の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2682に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
図39に戻り、S2520の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2520:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2522)、S2501の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2501の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、再びS2502〜S2522の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2501〜S2522の処理が繰り返し実行され、S2501の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図38(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2408)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図15に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示表確定コマンド、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、確定コマンド処理(図40(b)参照)、変動パターンコマンド処理(図41(a)参照)および停止種別コマンド処理(図41(c)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図41(a)参照)では、S2631の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2632の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図44〜図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2403)の詳細について説明する。まず、図44及び図45は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図44に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2701)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2701:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2702〜S2710の処理をスキップし、S2711の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S2701:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2702)、S2703〜S2710の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2703の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2703)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2703:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断し、保留画像設定処理を実行する(S2704)。
ここで、図46(a)を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図46(a)は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応した保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Ds(図4参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2751)。タスク処理では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S2751の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S2752)、表示設定処理に戻る。
図44に戻り、保留画像設定処理(S3104)の後、又は、S2703の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2703:No)、次いで、エラー発生フラグはオンであるか否かを判別する(S2705)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S2705:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S2706)。
ここで、図46(b)を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図46(b)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S2761)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S2761の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S2762)、表示設定処理に戻る。
図44に戻り、警告画像設定処理(S2706)の後、又は、S2705の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2705:No)、次いで、比較フラグはオンであるか否かを判別する(S2709)。そして、比較フラグがオンであれば(S2709:Yes)比較処理を実行する(S2710)。
ここで、図47を参照して、比較処理の詳細について説明する。図47は、比較処理を示すフローチャートである。この処理は、表示用変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合に、変動演出を、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させる特殊変動演出に変更するための処理である。
比較処理では、まず、データテーブル判別フラグのうち、オン状態に設定されているデータテーブル判別フラグを特定し、その特定されたデータテーブル判別フラグから、表示データテーブルバッファ233bに格納されている変動用表示データテーブルの種別を特定する(S2781)。次に、停止図柄判別フラグのうち、オン状態に設定されている停止図柄判別フラグを特定し、その特定された停止図柄判別フラグから、設定された停止図柄を特定する(S2782)。
そして、S2781の処理によって特定された変動用表示データテーブルの種別と、S2782の処理によって特定された停止図柄とがマッチするか否かを判別する(S2783)。上述したように、変動用表示データテーブルは、変動パターン毎に用意されているもので、各変動パターンには、外れ用、15R確定大当たり・時短大当たり共用、15R確変大当たり用、2R確変大当たり用・・・などがある。そこで、S2783の処理は、例えば、変動用表示データテーブルが外れ用の変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、停止図柄が大当たり図柄に設定された場合は、これらはマッチしないと判断する。
S2783の処理において、マッチすると判断される場合は(S2783:Yes)、S2788の処理へ移行し、比較フラグをオフに設定後(S2788)、表示設定処理に戻る。一方、マッチしないと判断される場合は(S2783:No)、まず、特殊変動が規定された特殊変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2784)。
次いで、特殊停止図柄(例えば、左列から「3」「4」「1」と表示される図柄)に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2785)、さらに、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定する(S2786)。尚、特殊変動演出は、上述したように、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させるものであるので、その演出時間は長時間(例えば、3分間)に設定されている。従って、計時カウンタ233iには、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データとして、3分(180000ミリ秒)÷20ミリ秒=9000が設定される。
そして、ポインタ233gを0に初期化し(S2787)、比較フラグをオフに設定して(S2788)、表示設定処理に戻る。
このように、表示用変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合は、特殊変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるので、第3図柄表示装置81には、第3図柄が高速に変動し続ける特殊変動演出が表示される。そして、停止時柄として、特殊停止図柄が設定されるので、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合に、その特殊停止図柄を第3図柄表示281上に確定表示させることができる。
ここで、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
図44に戻り、比較処理(S2710)の後、又は、S2709の処理において、比較フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2709:No)、次いで、S2711の処理へ移行する。
S2711では、ポインタ更新処理を実行する(S2711)。ここで、図48を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図48は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233gの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233gに1を加算する(S2791)。即ち、ポインタ233gは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233eに格納されるのに合わせてポインタ233gの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S2791の処理によって、ポインタ233gの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233gで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2792)。その結果、End情報であれば(S2792:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233gが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S2793)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S2793:Yes)、ポインタ233gを1に設定し(S2794)、更に、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定して(S2795)、S2797の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2793の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S2793:No)、ポインタ233gの値を1だけ減算して(S2796)、S2797の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S2792の処理の結果、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、S2791の処理による更新後のポインタ233gで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は、S2793〜S2795の処理をスキップして、S2797の処理へ移行する。
S2797の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2797)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2797:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2797:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233gの値を設定し(S2798)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S2799)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図44に戻り、ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233d及び追加データテーブルバッファ233eに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233gで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2712)。タスク処理では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S2712の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。また、追加データテーブルバッファ233eがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233eから展開されることになる。
次いで、計時カウンタgの値を1だけ減算し(S2713)、減算後の計時カウンタ233iの値が0以下であるか否かを判別する(S2714)。そして、計時カウンタ233iの値が1以上である場合は(S2714:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233iの値が0以下である場合は(S2714:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2715の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2715)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2715:Yes)、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2716)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2717)、更に、ポインタ233gの値を0に初期化する(S2718)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2719)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S2720)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2721)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示281に表示させることができる。
尚、S2721の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2721によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2715の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2715:No)、図45に示すS2722の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2722)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2722:Yes)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S2723)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S2724)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定する(S2725)。そして、ポインタ233gを0に初期化し(S2726)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2727)、V割込処理を終了する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
尚、S2722:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2716の処理によって、追加データテーブルバッファ233e及び転送データテーブルバッファ233fはいずれもその内容がクリアされている。よって、S2724の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
S2722の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2722:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2728)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2728:Yes)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2728の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2728:No)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2729)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S2730)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S2730:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2730:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2731)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2732)、更に、ポインタ233gの値を0に初期化して(S2733)、V割込処理に戻る。
これにより、表示制御装置では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図47に示すS2716の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示が第3図柄表示装置81に表示される。
また、始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図41(a)のS2631の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。また、始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用デモコマンドを受信した場合は、図40(c)のS2621の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには、デモ用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドや表示用デモコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
尚、V割込処理(図38(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2409)も、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了後、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図15(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233iに設定する処理が行われる。また、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了後、本来、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信すべき確定コマンド(表示用確定コマンド)の受信が認められない場合は、そのまま電源投入時変動画像の変動演出を再始動させることを規定した表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
また、比較処理では、表示用変動パターンコマンドによって指示された変動パターンと、表示用停止種別によって指示された停止種別とを比較し、これらが一致しない場合は、停止図柄として外れ図柄(図15(c)参照)を設定する。
次いで、図49及び図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2405)の詳細について説明する。まず、図49(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3001)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3001:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3002)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図49(b)を参照して後述する。
一方、S3001の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3001:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S2603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図50を参照して後述する。
次いで、図49(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3002)について説明する。図49(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3002)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3101)、転送指示を送信していれば(S3101:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3102)。このS3102の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3102の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3102:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3102:Yes)、S3103の処理へ移行する。また、S3101の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3101:No)、S3103の処理へ移行する。
S3103の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3103)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3103:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3104)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3103の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3103:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3105)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図39(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図39(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図39(b)のS2409参照)ではなく、コマンド判定処理(図39〜図43参照)および表示設定処理(図44〜図48参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図50参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図49(a)のS3001:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置282に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である通常画像転送設定処理(S3003)について説明する。図50は、この通常画像転送設定処理(S3003)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233fに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2403)のポインタ更新処理(S2711)によって更新されたポインタ233gで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3201)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3202)、転送データ情報であれば(S3202:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3203)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3204)、S3205の処理へ移行する。
また、S3202の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3202:No)、S3203及びS3204の処理をスキップして、S3205の処理へ移行する。S3205の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3205)、転送指示を設定していれば(S3205:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3206)。
このS3206の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3206の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3206:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3206:Yes)、S3207の処理へ移行する。また、S3205の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3205:No)、S3207の処理へ移行する。
S3207の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3207)、転送開始フラグがオンであれば(S3207:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3208)、S3203の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S3216の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3207:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3212)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3212:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3212:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3213)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S3214)、この特定した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S3216の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3214の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3216の処理では、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3216)。このS3216の処理における判別では、格納画像判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像とされたスプライトに対応する格納状態を格納画像判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3216の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3216:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3216の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3216:Yes)、その転送対象画像の転送指示を設定する(S3217)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像の転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3217の処理の後、格納画像判別フラグ233jを更新し(S3218)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像となったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233fに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルのポインタ233gで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対する転送対象画像の転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図51を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2406)の詳細について説明する。図51は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示から、図21に示す描画リストを生成する(S3301)。即ち、S3301の処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2405)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3302)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示281に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3302の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3303)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図38参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、一の変動演出において複数の予告演出が行われる。各予告演出では、その予告演出のパターンによって、大当たりとなる期待値のランクが遊技者に通知される。本第1実施形態では、どのパターンで予告演出を行うかを、予め一括して決定するのではなく、各予告演出毎に決定している。それぞれの予告演出において、予告演出のパターンを決定する場合、予告演出カウンタ223dの値と、パターン(大当たりとなる期待度を示すランク)毎に設けられた判定上限値ポインタ222bの値とを、期待度の高いランクから順に比較し、予告演出カウンタ223dの値が、一のランクに対応する判定上限値ポインタ222bの値以下であると判定された場合、その一のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定する。
ここで、一の変動演出の中で、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターン(ランク)に与えられた判定上限値ポインタ222bの値が第2ポインタ223fに設定される。そして、予告演出のパターンの決定を行う場合に、あるパターン(ランク)の判定上限値ポインタ222bの値と予告演出カウンタ223dの値との比較において、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bの値よりも大きいと判断された場合は、そのパターン(ランク)の判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とを比較する。その結果、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、そのときのパターンを予告演出のパターンとして決定する。
あるパターン(ランク)の判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合、そのランクと同一ランクのパターンが、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたことを意味する。本実施形態のように、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、その判定上限値ポインタ222bを与えたランクのパターンを予告演出のパターンとして決定するように構成することにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。遊技者にそのような考えを持たせてしまうと、遊技への参加意欲を増大させるために、予告演出において、枠ボタン22の操作指示が合ったことを契機として大当たりとなる期待度を示すようにしても、遊技者は枠ボタン22を操作しなくなり、遊技への参加意欲を却って低下させるおそれもある。
これに対し、本実施形態では、この第2ポインタ223fを上述のように使用することで、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。また、カットイン155による予告演出において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示しているが、そのカットイン155による予告演出の中でも、あるカットイン画像にて一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、その後のカットイン画像では、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出にわたって、大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、予告演出に注目することができる。また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出に対しては、その成り上がりを期待して遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し、新たに予告演出のパターンを決定する際に、判定上限値ポインタ222bの値と第2ポインタ223fの値とが等しい場合は、その判定上限値ポインタ222bの値を与えたランクのパターンを予告演出のパターンとして決定するように構成することで、あるランクのパターンが決定される度に、そのランクよりも低いランクのパターンが予告演出のパターンとして非選択とされるように判定上限値ポインタ222bの値を変更しなくても、同一の判定上限値ポインタ222bの値を用いて、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。よって、判定上限値ポインタ222bの値を、非選択されるランクの種類別に分けてROM222に記憶させておく必要がないため、判定上限値ポインタ222bの値を記憶させるために必要な記憶容量を抑制しつつ、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。
次いで、図52〜図53を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223fを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成について説明した。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223fに代えて予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設け、その予告演出カウンタ最大値メモリ223hにより予告演出カウンタ223dの更新範囲を変更することで、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とされるように構成している。
尚、第2実施形態において、上記以外の構成、及び、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される予告演出ランク決定処理(S2135)、カウンタ更新処理(S1913)及びコマンド判定処理(S1915)以外の各制御装置で実行される各種処理については、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
予告演出カウンタ最大値メモリ223hは、ループカウンタである予告演出カウンタ223dが取り得る最大値を決めるカウンタである。予告演出カウンタ223dは、0からこの予告演出カウンタ最大値メモリ223hで示される値の範囲をループしながら更新が行われる。即ち、予告演出カウンタ223dの更新は、メイン処理(図30)のカウンタ更新処理(S1913)によって行われるが、このカウンタ更新処理では、カウンタ更新処理が実行される度に予告演出カウンタ223dを1ずつ加算し、加算後の予告演出カウンタ223dが予告演出カウンタ最大値メモリ223hに格納された値より大きい値となった場合に、予告演出カウンタ223dの値を0に戻すことによって、予告演出カウンタ223dを更新する。
ここで、加算後の予告演出カウンタ223dが予告演出カウンタ最大値メモリ223hに格納された値より大きい値となった場合、予告演出カウンタ223dの値を0に戻すので、ある時点で、予告演出カウンタ最大値メモリ223hの値が、予告演出カウンタ223dよりも小さい値に設定された場合であっても、次の更新で予告演出カウンタ223dの値を0にすることができる。よって、予告演出カウンタ223dが、予告演出カウンタ最大値メモリ223hによって規定される範囲外の値となることを防止できる。
なお、予告演出カウンタ最大値メモリ223hに新たな値を設定する場合、特に、その新たに設定する予告演出カウンタ最大値メモリ223hの値が、その時点において予告演出カウンタ223dの値よりも小さい値となっている場合は、予告演出カウンタ223dの値を、新たに設定する予告演出カウンタ最大値メモリ223hの値で除算し、その剰余を新たに予告演出カウンタ223dに設定してもよい。これによっても、予告演出カウンタ223dが、予告演出カウンタ最大値メモリ223hによって規定される範囲外の値となることを防止できる。また、その場合に予告演出カウンタ223dに設定される値は0に固定されないので、予告演出のパターンを決定するランダム性を向上させることができる。
予告演出カウンタ最大値メモリ223hは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図29参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「99」が設定される。また、図示は省略するが、コマンド判定処理(図32)において、主制御装置110から確定コマンドを受信した場合、即ち、変動演出が確定表示される段階で、予告演出カウンタ最大値メモリ223hには初期値「99」が設定される。これにより、通常は、予告演出カウンタ223dは「0」〜「99」の範囲で更新が行われる。なお、コマンド判定処理では、確定コマンド以外のコマンドを主制御装置110から受信した場合、第1実施形態と同一の処理が行われるので、ここでは説明を省略する。
一方、予告演出が複数回行われる一の変動演出の中で、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値が予告演出カウンタ最大値メモリ223hに設定される(図53のS2151)。これにより、その後、予告演出カウンタ223dの更新は、その決定されたパターン(ランク)に与えられた判定上限値ポインタ222bの値を最大値として行われる。つまり、決定されたパターン(ランク)よりも大当たりとなる期待度の低いランクのパターンが選択される範囲に、予告演出カウンタ223dが更新されないようにすることができる。よって、その後の予告演出では、一度決定されたパターンのランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
次いで、図53を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出ランク決定処理(S2135)の詳細について説明する。図53は、この予告演出ランク決定処理(S2135)を示したフローチャートである。この予告演出ランク決定処理(S2135)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(図35参照)の中で実行され、予告演出のパターンを実行する処理である。
この予告演出ランク決定処理のうち、S2140〜S2142、S2143、S2147の処理は、第1実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。ただし、S2142の処理において、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uよりも大きい場合は(S2142:No)、そのままS2147の処理へ移行し、判定ランクカウンタ223eの値を1減算して(S2147)、S2141の処理へ回帰する。これにより、次に、ランクが1つ低い大当たりとなる期待度のランクについて、判定上限値ポインタ222bの値Uと、予告演出カウンタ223dの値Aとを比較し、そのランクを予告演出を行うパターンのランクとするか否かを判断する。
一方、S2142の処理において、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値U以下である場合は(S2142:Yes)、第1実施形態と同様に、予告演出を行うパターンのランクを判定ランクカウンタ223eで示されるランクに決定した後(S2143)、第1実施形態とは異なる処理として、S2143の処理によって決定したランクの判定上限値ポインタ222bの値を予告演出カウンタ最大値メモリ223hに設定し(S2151)、予告演出ランク決定処理を終了する。
これにより、その後、予告演出カウンタ223dの更新は、その決定されたパターン(ランク)に与えられた判定上限値ポインタ222bの値を最大値として行われる。つまり、決定されたパターン(ランク)よりも大当たりとなる期待度の低いランクのパターンが選択される範囲に、予告演出カウンタ223dが更新されないようにすることができる。よって、その後の予告演出では、一度決定されたパターンのランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設けており、予告演出カウンタ223dは、0から予告演出カウンタ最大値メモリ223hの値の範囲内で更新が行われるループカウンタとして構成されている。予告演出カウンタ最大値メモリ223hは、通常「99」に設定され、予告演出カウンタ223dは0〜99の範囲で更新されるが、予告演出が複数回行われる一の変動演出の中で、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値が予告演出カウンタ最大値メモリ223hに設定される。これにより、その後、予告演出カウンタ223dの更新は、その決定されたパターン(ランク)に与えられた判定上限値ポインタ222bの値を最大値として行われるので、その後の予告演出では、一度決定されたパターンのランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。遊技者にそのような考えを持たせてしまうと、遊技への参加意欲を増大させるために、予告演出において、枠ボタン22の操作指示が合ったことを契機として大当たりとなる期待度を示すようにしても、遊技者は枠ボタン22を操作しなくなり、遊技への参加意欲を却って低下させるおそれもある。
これに対し、本実施形態では、この予告演出カウンタ最大値メモリ223hを上述のように使用することで、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、次の予告演出(その後の予告演出)では、その予告演出のパターンを決定する場合に、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。また、カットイン155による予告演出において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示しているが、そのカットイン155による予告演出の中でも、あるカットイン画像にて一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、その後のカットイン画像では、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出にわたって、大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、予告演出に注目することができる。また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出に対しては、その成り上がりを期待して遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンに与えられた判定上限値ポインタ222bの値を予告演出カウンタ最大値メモリ223hに設定することで、予告演出カウンタ223hの更新範囲を、一度決定されたパターンのランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンが非選択とされる範囲とすることができるので、あるランクのパターンが決定される度に、そのランクよりも低いランクのパターンが予告演出のパターンとして決定されるように判定上限値ポインタ222bの値を変更しなくても、同一の判定上限値ポインタ222bの値を用いて、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。よって、判定上限値ポインタ222bの値を、非選択されるランクの種類別に分けてROM222に記憶させておく必要がないため、判定上限値ポインタ222bの値を記憶させるために必要な記憶容量を抑制しつつ、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。
また、第1実施形態では、相対的に、それまで選択されたパターン(ランク)と同一ランクのパターンが予告演出として選択される可能性が高くなるが、本第2実施形態では、相対的に、それまで選択されたパターン(ランク)よりも高いランクのパターンが予告演出として選択される可能性が高くなる。よって、一の変動演出中に行われる複数の予告演出にわたって、遊技者に、より大当たりとなる期待度が高まっていくような印象を与える機会をより多く生み出すことができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図54〜図58を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1又は第2実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223f又は予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成について説明した。
これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のROM222に、判定上限値ポインタ222bに代えてランク判定テーブル222cを設け、また、RAM223に、判定ランクカウンタ223eや第2ポインタ223f、予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設けずに、判定ランクメモリ223iを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とされるように構成している。
尚、第3実施形態において、上記以外の構成、及び、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)及び予告演出ランク決定処理(S2135)以外の各制御装置で実行される各種処理については、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態又は第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
ランク判定テーブル222cは、大当たりとなる期待値を示す5つのランク(即ち、予告演出毎に用意された5つのパターン)に対して、それぞれ異なる予告演出カウンタ223dの値を対応付けたテーブルである。予告演出のパターンを決定する場合に、その時点の予告演出カウンタ223dの値が対応付けられたランクに対応するパターンをランク判定テーブル222cから抽出して、その抽出したパターンを予告演出のパターンとして決定する。このランク判定テーブル222cは、更に、5つのテーブルに分けられている。
ここで、図55〜図56を参照して、ランク判定テーブル222cに用意された5つのテーブルの詳細について説明する。まず、図55(a)は、第1ランク判定テーブル222c1を模式的に示した模式図である。この第1ランク判定テーブル222c1は、予告演出のパターンを決定する場合において、変動演出が開始されてから一番最初に予告演出のパターンを決定する場合、または、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「1」に対応するパターンのみ決定されている場合に参照されるテーブルである。
第1ランク判定テーブル222c1では、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が大当たりであるか外れであるか、および、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」であるか「ノーマルリーチA」であるかによって、異なる予告演出カウンタ223dの値が、各ランク(パターン)に対して対応付けられている。また、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、その変動演出の変動パターンにかかわらず、大当たりとなる期待度がランク「1」〜「5」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり且つその変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「1」〜「4」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」であり且つその変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「1」〜「3」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられている。
これにより、変動演出が開始されてから一番最初に予告演出のパターンを決定する場合、または、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「1」に対応するパターンのみ決定されている場合は、ランク「1」に対応するパターンを含めて、予告演出のパターンが選択される。
次いで、図55(b)は、第2ランク判定テーブル222c2を模式的に示した模式図である。この第2ランク判定テーブル222c2は、予告演出のパターンを決定する場合において、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「2」に対応するパターンが決定されている場合に参照されるテーブルである。
第2ランク判定テーブル222c2においても、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が大当たりであるか外れであるか、および、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」であるか「ノーマルリーチA」であるかによって、異なる予告演出カウンタ223dの値が、各ランク(パターン)に対して対応付けられている。また、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、その変動演出の変動パターンにかかわらず、大当たりとなる期待度がランク「2」〜「5」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり且つその変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「2」〜「4」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」であり且つその変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「2」〜「3」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられている。
これにより、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「2」に対応するパターンが決定されている場合は、ランク「2」より期待度の低いランク「1」に対応するパターンが、予告演出のパターンとして非選択とされるようになっている。
次いで、図56(a)は、第3ランク判定テーブル222c3を模式的に示した模式図である。この第3ランク判定テーブル222c3は、予告演出のパターンを決定する場合において、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「3」に対応するパターンが決定されている場合に参照されるテーブルである。
第3ランク判定テーブル222c3においても、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が大当たりであるか外れであるか、および、その変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」であるか「ノーマルリーチA」であるかによって、異なる予告演出カウンタ223dの値が、各ランク(パターン)に対して対応付けられている。また、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、その変動演出の変動パターンにかかわらず、大当たりとなる期待度がランク「3」〜「5」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり且つその変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「3」〜「4」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」であり且つその変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「3」に対して、予告演出カウンタ223dのすべての値が対応付けられている。
これにより、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「3」に対応するパターンが決定されている場合は、ランク「3」より期待度の低いランク「1」、「2」に対応するパターンが、予告演出のパターンとして非選択とされるようになっている。また、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」であり且つその変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、一旦、ランク「3」のパターンが選択されると、それ以降の予告演出ではランク「3」のパターンのみ選択されるようになっている。
次いで、図56(b)は、第4ランク判定テーブル222c4を模式的に示した模式図である。この第4ランク判定テーブル222c4は、予告演出のパターンを決定する場合において、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「4」に対応するパターンが決定されている場合に参照されるテーブルである。
第4ランク判定テーブル222c4においても、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が大当たりであるか外れ(変動パターンは「スーパーリーチA」のみ)であるかによって、異なる予告演出カウンタ223dの値が、各ランク(パターン)に対して対応付けられている。なお、変動演出の結果が外れである場合であって、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合は、予告演出カウンタ223dの値がどのランク(パターン)にも対応付けられていない。これは、変動演出の結果が外れである場合であって、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」である場合、ランク「3」までのパターンのみ、予告演出のパターンとして選択可能としているためである。
第4ランク判定テーブル222c4は、また、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」である場合は、その変動演出の変動パターンにかかわらず、大当たりとなる期待度がランク「4」〜「5」に対して、異なる予告演出カウンタ223dの値が対応付けられ、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「外れ」であり且つその変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、大当たりとなる期待度がランク「4」に対してのみ、予告演出カウンタ223dのすべての値が対応付けられている。
これにより、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「4」に対応するパターンが決定されている場合は、ランク「4」より期待度の低いランク「1」〜「3」に対応するパターンが、予告演出のパターンとして非選択とされるようになっている。また、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が「大当たり」であり且つその変動演出の変動パターンが「スーパーリーチA」である場合は、一旦、ランク「4」のパターンが選択されると、それ以降の予告演出ではランク「4」のパターンのみ選択されるようになっている。
次いで、図56(c)は、第5ランク判定テーブル222c5を模式的に示した模式図である。この第5ランク判定テーブル222c5は、予告演出のパターンを決定する場合において、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「5」に対応するパターンが決定されている場合に参照されるテーブルである。
第5ランク判定テーブル222c5においては、パターンを決定する予告演出が行われる変動演出の結果が大当たりである場合に、大当たりとなる期待度がランク「5」に対応するパターンにのみ、予告演出カウンタ223dのすべての値が対応付けられている。これにより、これまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「5」に対応するパターンが決定されている場合は、ランク「5」より期待度の低いランク「1」〜「4」に対応するパターンが予告演出のパターンとして非選択とされるようになっている。
なお、変動演出の結果が外れである場合は、その変動演出の変動パターンが「ノーマルリーチA」及び「スーパーリーチA」のいずれの場合も、予告演出カウンタ223dの値がどのランク(パターン)にも対応付けられていない。これは、変動演出の結果が外れである場合、変動パターンに応じて、ランク「3」又は「4」までのパターンのみ、予告演出のパターンとして選択可能としているためである。
判定ランクメモリ223iは、一の変動演出において、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクを記憶するメモリである。MPU221は、予告演出のパターンを決定する場合、この判定ランクメモリ223iの値から、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクを把握し、その把握したランクから、使用するランク判定テーブル222cを第1ランク判定テーブル222c1〜第5ランク判定テーブル222c5の中から選択する。
例えば、判定ランクメモリ223iが「1」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第1ランク判定テーブル222c1を選択する。判定ランクメモリ223iが「2」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第2ランク判定テーブル222c2を選択する。判定ランクメモリ223iが「3」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第3ランク判定テーブル222c3を選択する。判定ランクメモリ223iが「4」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第4ランク判定テーブル222c4を選択する。判定ランクメモリ223iが「5」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第5ランク判定テーブル222c5を選択する。
上述した通り、使用するランク判定テーブル222cとして第1ランク判定テーブル222c1が選択された場合、大当たりとなる期待度のランク「1」に対応するパターンを含めて予告演出のパターンが選択されるが、使用するランク判定テーブル222cとしてその他のランク判定テーブル、即ち、第nランク判定テーブル(nは2〜5)が選択された場合は、ランク「n」よりも大当たりとなる期待度の低いランクに対応するパターンが、予告演出のパターンとして非選択とされる。よって、それまでの予告演出で決定されたパターンが示すランクよりも低い大当たりとなる期待度のランクに対応したパターンが、予告演出のパターンとして選択されることを防止できる。
尚、判定ランクメモリ223iは、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出が開始される場合に、初期値として「1」が設定される。これにより、変動演出が開始されてから初めて予告演出のパターンを決定する場合は、第1ランク判定テーブル222c1を使用して予告演出のパターンを決定するので、大当たりとなる期待度のランクが最も低い「1」に対応するパターンを含めて、予告演出のパターンを決定することができる。
また、判定ランクメモリ223iは、一の変動演出の中で、予告演出のパターンが決定される度に、その決定されたパターンが示す大当たりとなる期待度のランクが設定される。これにより、判定ランクメモリ223iによって、一の変動演出においてそれまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクを記憶することができる。
次いで、図57を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)の詳細について説明する。図57は、この変動設定処理(S1914)を示したフローチャートである。この変動設定処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第1実施形態と同様に、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成して表示制御装置114に送信するために設定する処理、保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する処理、及び、決定した詳細な変動パターンが予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであった場合、その予告演出の制御に関する処理を行う。
この変動設定処理では、S2101〜S2110と、S2114の処理において、第1実施形態と同一の処理を実行する。ただし、S2109の処理において、S2104にて決定した詳細な変動パターンが、予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであると判別した場合は(S2109:Yes)、予告演出フラグ223cをオンに設定した後(S2110)、第3実施形態では、判定ランクメモリ223iに「1」を設定して(S2171)、変動設定処理を終了し、メイン処理へ戻る。これにより、その後、初めて予告演出のパターンを決定する場合は、第1ランク判定テーブル222c1を使用して予告演出のパターンを決定するので、大当たりとなる期待度のランクが最も低い「1」に対応するパターンを含めて、予告演出のパターンを決定することができる。
次いで、図58を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出ランク決定処理(S2135)の詳細について説明する。図58は、この予告演出ランク決定処理(S2135)を示したフローチャートである。この予告演出ランク決定処理(S2135)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(図35参照)の中で実行され、予告演出のパターンを実行する処理である。
この予告演出ランク決定処理では、まず、判定ランクメモリ223iで示されるランクに対応するランク判定テーブル222cを第1〜第5ランク判定テーブル222c1〜c5から設定し(S2181)、設定したランク判定テーブル222cから、予告演出カウンタ223dの値が対応付けられた大当たりとなる期待度のランクに対応するパターンを、予告演出のパターンとして決定する(S2182)。そして、決定したパターンのランクを判定ランクメモリ223iに設定して(S2183)、この予告演出ランク決定処理を終了する。
以上説明した通り、本第3実施形態におけるパチンコ機10によれば、判定ランクメモリ223iを設け、その判定ランクメモリ223iに、一の変動演出において、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクを記憶する。予告演出のパターンを決定する場合、この判定ランクメモリ223iの値から、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクを把握し、その把握したランクから、使用するランク判定テーブル222cを第1ランク判定テーブル222c1〜第5ランク判定テーブル222c5の中から選択する。即ち、判定ランクメモリ223iが「1」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第1ランク判定テーブル222c1を選択する。判定ランクメモリ223iが「2」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第2ランク判定テーブル222c2を選択する。判定ランクメモリ223iが「3」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第3ランク判定テーブル222c3を選択する。判定ランクメモリ223iが「4」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第4ランク判定テーブル222c4を選択する。判定ランクメモリ223iが「5」の場合、使用するランク判定テーブル222cとして第5ランク判定テーブル222c5を選択する。
ここで、使用するランク判定テーブル222cとして第1ランク判定テーブル222c1が選択された場合、大当たりとなる期待度のランク「1」に対応するパターンを含めて予告演出のパターンが選択されるが、使用するランク判定テーブル222cとしてその他のランク判定テーブル、即ち、第nランク判定テーブル(nは2〜5)が選択された場合は、ランク「n」よりも大当たりとなる期待度の低いランクに対応するパターンが、予告演出のパターンとして非選択とされる。よって、それまでの予告演出で決定されたパターンが示すランクよりも低い大当たりとなる期待度のランクに対応したパターンが、予告演出のパターンとして選択されることを防止できる。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。遊技者にそのような考えを持たせてしまうと、遊技への参加意欲を増大させるために、予告演出において、枠ボタン22の操作指示が合ったことを契機として大当たりとなる期待度を示すようにしても、遊技者は枠ボタン22を操作しなくなり、遊技への参加意欲を却って低下させるおそれもある。
これに対し、本実施形態では、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクを把握し、その把握したランクから、使用するランク判定テーブル222cを第1ランク判定テーブル222c1〜第5ランク判定テーブル222c5の中から選択することによって、それまでの予告演出で決定されたパターンが示すランクよりも低い大当たりとなる期待度のランクに対応したパターンが、予告演出のパターンとして選択されることを防止できる。また、カットイン155による予告演出において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示しているが、そのカットイン155による予告演出の中でも、あるカットイン画像にて一のランクの大当たりとなる期待度が示されると、その後のカットイン画像では、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が低いランクに対応するパターンを非選択とすることができる。
これにより、変動演出中のある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、一の変動演出の中で行われる複数の予告演出にわたって、大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、予告演出に注目することができる。また、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出に対しては、その成り上がりを期待して遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、第3実施形態では、一の変動演出において、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクに応じたランク判定テーブルを用意しなければならないため、ROM222の記憶容量を大きく消費することになるが、それまでの予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度のランクに応じて、期待度の高いランクのパターンが選択される確率を、細かく設定することができる。よって、遊技者の興趣がより興趣が高まるように、期待度の高いランクのパターンが選択される確率を設定することができるので、予告演出によって遊技者をより楽しませることができるパチンコ機10を設計することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1〜第2実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1〜第2実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図59〜図61を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、ある予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、その一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止する構成について説明した。
これに対し、第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、ある予告演出で大当たりとなる期待度が所定ランク以上となった場合に限り、その後の予告演出のパターンとして、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度として所定ランク以上の期待度が示された後に、大当たりとなる期待度が所定ランクよりも低くなることを防止するように構成している。
尚、第4実施形態において、音声ランプ制御装置113のRAM223以外の構成、並びに、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)及び予告演出ランク決定処理(S2135)以外の各制御装置で実行される各種処理については、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態〜第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図59を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図59は、本第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
図59に示す通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223において、第1実施形態のRAM223と比して、更に、高ランク判定済フラグ223jが設けられている。
高ランク判定済フラグ223jは、大当たりとなる期待度を示す予告演出が複数行われる変動演出において、ある予告演出にて大当たりとなる期待度が所定ランク以上(本第4実施形態ではランク「4」又は「5」)を示すパターンが選択されたことを示すフラグである。高ランク判定済フラグ223jがオンの場合、大当たりとなる期待度を示す予告演出が複数行われる変動演出において、それまでの予告演出にて大当たりとなる期待度が所定ランク以上(ランク「4」又は「5」)を示すパターンが選択されたことを示す。また、高ランク判定済フラグ223jがオフの場合、大当たりとなる期待度を示す予告演出が複数行われる変動演出において、それまでの予告演出にて大当たりとなる期待度が所定ランク以上(ランク「4」又は「5」)を示すパターンが選択されていないこと、即ち、所定ランク未満(ランク「1」〜「3」のいずれか)のパターンが選択されたことを示す。
この高ランク判定済フラグ223jは、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したことを契機として詳細変動パターンカウンタ223bと詳細変動パターンテーブル222aとに基づいて詳細な変動パターンが決定された場合に、その決定された詳細な変動パターンに応じて予告演出フラグ223cがオンに設定されるのにあわせて、MPU221によって一旦オフに設定される。具体的には、決定された詳細な変動パターンが、変動演出中に予告演出を複数回行う変動パターンであった場合に、予告演出フラグ223cがオンに設定されるのにあわせて、高ランク判定済フラグ223jは一旦オフに設定される。
そして、一の予告演出におけるパターンを選択する場合に、高ランク判定済フラグ223jがオフであれば、その予告演出のパターンは、同じ変動演出中に実行されるそれまでの予告演出のパターンを考慮することなく、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択される。つまり、同じ変動演出中に実行されるそれまでの予告演出のパターンが、大当たりとなる期待度の低いランク「1」〜「3」のいずれかのランクに対応するパターンである場合は、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択されることになる。よって、この場合は、一の予告演出において、大当たりとなる期待度として所定ランク以上の期待度が示された後に、大当たりとなる期待度が所定ランクよりも低くなることが許容されている。
一の予告演出におけるパターンを選択する場合に、大当たりとなる期待度のランクが「4」又は「5」に対応するパターンが選択されると、高ランク判定済フラグ223jはオンに設定される。そして、その後に行われる予告演出に対してパターンを選択する場合、高ランク判定済フラグ223jがオンになっていれば、その予告演出のパターンは、第1〜第3実施形態と同様に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出に対して決定されたパターンが示す大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする。
これにより、一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度として所定ランク以上(ランク「4」又は「5」)の期待度が示されると、その後は、大当たりとなる期待度が所定ランク(ランク「4」)よりも低くなることを防止できる。よって、ある変動演出中に、大当たりとなる期待度が高い所定ランク以上の期待度が予告演出において示された後、その変動演出においてその後に行われる予告演出によって、所定ランクよりも低い期待度が示されることを防止できる。従って、ある変動演出中に大当たりとなる期待度が高い所定ランク以上の期待度が予告演出において示された後、その変動演出においてその後に行われる予告演出によって、所定ランクよりも低い期待度が示されることによって、遊技者の興趣が失われることを抑制できる。
次いで、図60を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)の詳細について説明する。図60は、この変動設定処理(S1914)を示したフローチャートである。この変動設定処理(S1914)は、第1実施形態と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第1実施形態の変動設定処理(図33参照)と同様の処理を実行する。
具体的には、変動設定処理のうち、S2101〜S2113の処理は、第1実施形態と同一である。よって、これらの処理についての具体的な説明は省略する。第4実施形態における変動設定処理では、S2109の処理によって、S2104にて決定した詳細な変動パターンが予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであると判定された場合(S2109:Yes)、第1実施形態と同一のS2110〜S2113の処理が行われた後、高ランク判定済フラグ223jをオフに設定して(S4001)、変動設定処理を終了する。
S2110〜S2113及びS4001の処理は、この変動設定処理において、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして、複数の予告演出を実行する変動パターンであるノーマルリーチA又はスーパーリーチAが決定された場合に、このノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出において実行される各予告演出のパターンを決定するためのパラメータを初期化するための処理である。この初期化処理において、高ランク判定済フラグ223jをオフに設定することにより、変動演出が開始されてから少なくとも最初に実行される予告演出のパターンを決定するに際し、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンを選択させることができる。
次いで、図61を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出ランク決定処理(S2135)の詳細について説明する。図61は、この予告演出ランク決定処理(S2135)を示したフローチャートである。この予告演出ランク決定処理(S2135)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(図35参照)の中で実行され、予告演出のパターンを実行する処理である。
この予告演出ランク決定処理のうち、S2140〜2147の処理は、第1実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。ただし、S2142の処理において、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uよりも大きい場合は(S2142:No)、高ランク判定済フラグ223jがオンか否かを判定する(S4101)。そして、高ランク判定済フラグ223jがオンであれば(S4101:Yes)、第1実施形態と同様にS2145〜S2147の処理が実行され、S2147の処理の後にS2141の処理へ回帰する。
また、S2142の処理において、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値U以下であると判定された場合(S2142:Yes)、又は、S2146の処理において、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uが、第2ポインタ223fの値Sと等しいと判定された場合は(S2146:Yes)、第1実施形態と同様に、予告演出を行うパターンのランクを判定ランクカウンタ223eで示されるランクに決定した後(S2143)、高ランク判定済フラグ223jがオンか否かを判定する(S4102)。そして、高ランク判定済フラグ223jがオンであれば(S4102:Yes)、第1実施形態と同じS2144の処理が実行される。
これにより、高ランク判定済フラグ223jがオンの場合、即ち、それまでの予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「4」又は「5」に対応するパターンが選択されていた場合は、第1実施形態と同様に、その後の予告演出では、その予告演出におけるパターンを選択する場合に、それまでに行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。
一方、S4101の処理において、高ランク判定済フラグ223jがオンではなく、オフであれば(S4101:No)、S2145及びS2146の処理をスキップしてS2147の処理へ移行する。これにより、それまでに行われた予告演出のランクに関係なく、次に、ランクが1つ低い大当たりとなる期待度のランクについて、判定上限値ポインタ222bの値Uと、予告演出カウンタ223dの値Aとを比較し、そのランクを、予告演出を行うパターンのランクとするか否かが判断される。よって、高ランク判定済フラグ223jがオフである間、即ち、変動演出中にそれまで実行された予告演出が、大当たりとなる期待度として低いランクを示しているか、若しくは、予告演出が一度も行われていない場合は、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択されることになる。
また、S4102の処理において、高ランク判定済フラグ223jがオンではなく、オフである場合は(S4102:No)、S2143の処理で決定した予告演出のランクが「4」又は「5」であるか否かを判定し(S4103)、その決定したランクが「4」又は「5」ではなく、「1」〜「3」であった場合は(S4103:No)、そのまま予告演出ランク決定処理を終了する。これにより、後述するS4104の処理がスキップされるので、高ランク判定済フラグ223jがオフのまま維持されることになり、次に行われる予告演出もまた、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択される。
これに対し、S4103の処理の結果、S2143の処理で決定した予告演出のランクが「4」又は「5」であると判定された場合は(S4103:Yes)、高ランク判定済フラグ223jをオンに設定する(S4104)。そして、第1実施形態と同じS2144の処理を実行して、S2143の処理によって決定したランクの判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し、予告演出ランク決定処理を終了する。これにより、予告演出において、大当たりとなる期待度のランクが「4」以上(「4」又は「5」)のパターンが選択されると、その後の予告演出において、その予告演出におけるパターンを選択する場合に、それまでに行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。
以上説明した通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、複数の予告演出が行われる変動演出において、一の予告演出のパターンとして大当たりとなる期待度のランクが所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択されると、その後に行われる予告演出に対してパターンを選択する場合は、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出に対して決定されたパターンが示す大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、それまでの予告演出において大当たりとなる期待度が高く示されていたにも関わらず、変動演出の最後に行われる予告演出において低い期待度が示され、その変動演出において最終的に外れとなってしまうと、遊技者の落胆は非常に大きなものとなり、遊技を継続する意欲をなくしてしまうおそれがある。
これに対し、本第4実施形態では、複数の予告演出が行われる変動演出において、一の予告演出のパターンとして大当たりとなる期待度のランクが所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択されると、その後に行われる予告演出に対してパターンを選択する場合は、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とするので、一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度として所定ランク以上(ランク「4」又は「5」)の期待度が示されると、その後は、大当たりとなる期待度が所定ランク(ランク「4」)よりも低くなることを防止できる。よって、ある変動演出中に、大当たりとなる期待度が高い所定ランク以上の期待度が予告演出において示された後、その変動演出においてその後に行われる予告演出によって、所定ランクよりも低い期待度が示されることを防止できる。従って、ある変動演出中に大当たりとなる期待度が高い所定ランク以上の期待度が予告演出において示された後、その変動演出においてその後に行われる予告演出によって、所定ランクよりも低い期待度が示されることによって、遊技者の興趣が失われることを抑制できる。
また、この第4実施形態では、スーパーリーチ変動(図8参照)となる前に行われるコメント表示151による予告演出や子供キャラクタ登場152による予告演出において、所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択された場合は、スーパーリーチ変動のリーチ種として、所定ランク以上のリーチ種(雷リーチ又は仏様リーチ)だけを選択できる。つまり、この場合は、所定ランク以上のリーチ種となることを保証することができる。一般的に遊技者は、数ある予告演出の中でも、スーパーリーチ変動のリーチ種が大当たりとなる期待度を示すものとして最も重要視する傾向にある。即ち、遊技者は、スーパーリーチ変動のリーチ種によって、大きく一喜一憂することになる。そこで、スーパーリーチ変動となる前に行われるコメント表示151による予告演出や子供キャラクタ登場152による予告演出において、所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択された場合、スーパーリーチ変動のリーチ種として、所定ランク以上のリーチ種(雷リーチ又は仏様リーチ)が表れることを遊技者に保証することにより、遊技者はある種の安心感を持って、スーパーリーチ変動の開始を見守ることができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
尚、複数の予告演出が行われる変動演出において、一の予告演出のパターンとして大当たりとなる期待度のランクが所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択された場合、第4実施形態に加えて、更に、その後は、枠ボタン22が操作されることによって行われる予告演出(例えばカットイン155による予告演出)の一部または全部を非実行としてもよい。また、一の予告演出のパターンとして大当たりとなる期待度のランクが所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択された後は、枠ボタン22が操作されることによって行われる予告演出の一部または全部に対して、枠ボタン22が操作されればその予告演出は行うものの、枠ボタン22の操作を促す画像を第3図柄表示装置81に非表示としてもよい。これにより、大当たりとなる期待度の高い予告演出が行われている間、例えば、大当たりとなる期待度の高いリーチ種によってスーパーリーチ変動が行われている間は、その予告演出やスーパーリーチ変動に遊技者を集中させることができ、遊技者の大当たりとなる期待感をより高めることができる。
また、一の予告演出のパターンとして大当たりとなる期待度のランクが所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択された後、枠ボタン22が操作されることによって行われる予告演出の一部または全部に対して、枠ボタン22が操作されればその予告演出は行うものの、枠ボタン22の操作を促す画像を第3図柄表示装置81に非表示とする場合において、枠ボタン22が操作された場合に行う予告演出のパターンを決定するときは、それよりも前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択としてもよい。
上述した通り、枠ボタン22を操作することによって大当たりの期待度を示す画像を表示する予告演出において、その前の予告演出で示された大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示された場合、遊技者は、枠ボタン22を操作したばっかりに大当たりとなる期待度が低下した、と考えるおそれがある。これに対し、枠ボタン22が操作された場合に行う予告演出のパターンを決定するときは、それよりも前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることによって、その予告演出では、それまでの予告演出で示された大当たりとなる期待度が維持されるか高くなるので、遊技者は、大当たりとなる期待度が高まっていくことを期待して、つまり、いわゆる成り上がりを期待しながら、枠ボタン22を操作できる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、複数の予告演出が行われる変動演出において、一の予告演出のパターンとして大当たりとなる期待度のランクが所定ランク以上(「4」又は「5」)に対応するパターンが選択されたときに、その後は、枠ボタン22が操作されることによって行われる予告演出(例えばカットイン155による予告演出)の一部または全部を非実行とする場合や、枠ボタン22が操作されることによって行われる予告演出の一部または全部に対して、枠ボタン22が操作されればその予告演出は行うものの、枠ボタン22の操作を促す画像を第3図柄表示装置81に非表示とする場合において、枠ボタン22の操作による予告演出の実行に代えて、又は、その実行に加えて、所定の時間の到来を契機として自動で予告演出を行うようにしてもよい。そして、この自動で行われる予告演出のパターンを決定する場合に、それよりも前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択としてもよい。これにより、大当たりとなる期待度の高い予告演出が行われている間、例えば、大当たりとなる期待度の高いリーチ種によってスーパーリーチ変動が行われている間は、その予告演出やスーパーリーチ変動に遊技者を集中させつつ、自動で行われる予告演出によって、大当たりとなる期待度が下がることなく更に高まっていくかもしれない、という期待感を持たせることができる。よって、遊技者は、更に大当たりとなる期待感をより高めることができ、遊技への興趣を高めることができる。
次いで、図62〜図65を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、ある予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、その一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止する構成について説明した。
これに対し、第5実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、スーパーリーチ変動中に限り、ある予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出において、スーパーリーチ変動のリーチ種が示す期待度よりも大当たりとなる期待度が低くなることを防止するように構成されている。
尚、第5実施形態において、音声ランプ制御装置113のRAM223以外の構成、並びに、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)、予告演出処理(S1909)、及び、予告演出ランク決定処理(S2135)以外の各制御装置で実行される各種処理については、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態〜第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図62を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図62は、本第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
図62に示す通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223において、第1実施形態のRAM223と比して、更に、スーパーリーチ変動フラグ223kが設けられている。
スーパーリーチ変動フラグ223kは、大当たりとなる期待度を示す予告演出が複数行われる変動演出の実行中に、その変動演出の一部分であるスーパーリーチ変動が開始されること、及び、スーパーリーチ変動が行われていることを示すフラグである。大当たりとなる期待度を示す予告演出が複数行われる変動演出の実行中において、このスーパーリーチ変動フラグ223kがオンの場合、その変動演出の一部分であるスーパーリーチ変動が開始されること、及び、スーパーリーチ変動が行われていることを示す。また、大当たりとなる期待度を示す予告演出が複数行われる変動演出の実行中において、スーパーリーチ変動フラグ223kがオフの場合は、その変動演出の一部分であるスーパーリーチ変動が開始されず、また、スーパーリーチ変動が行われていないことを示す。
このスーパーリーチ変動フラグ223kは、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したことを契機として詳細変動パターンカウンタ223bと詳細変動パターンテーブル222aとに基づいて詳細な変動パターンが決定された場合に、その決定された詳細な変動パターンに応じて予告演出フラグ223cがオンに設定されるのにあわせて、MPU221によって一旦オフに設定される。具体的には、決定された詳細な変動パターンが、変動演出中に予告演出を複数回行う変動パターンであった場合に、予告演出フラグ223cがオンに設定されるのにあわせて、スーパーリーチ変動フラグ223kは一旦オフに設定される。
そして、スーパーリーチ変動の開始と共に行われるキャラクタ登場154による予告演出が行われるタイミングで、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンに設定される。また、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンされるのにあわせて、スーパーリーチ選択153による予告演出に対して選択されたパターンのランク、即ち、キャラクタ登場154による予告演出が行われるタイミングにおいて、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定する。
一の予告演出におけるパターンを選択する場合に、スーパーリーチ変動フラグ223kがオフであれば、その予告演出のパターンは、同じ変動演出中に実行されるそれまでの予告演出のパターンを考慮することなく、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択される。つまり、スーパーリーチ変動が開始されるまでに実行される予告演出(コメント表示151、子供キャラクタ登場152、スーパーリーチ選択153の各予告演出)については、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択されることになる。よって、これらに予告演出においては、大当たりとなる期待度として所定ランク以上の期待度が示された後に、大当たりとなる期待度が所定ランクよりも低くなることが許容されている。
一方、一の予告演出におけるパターンを選択する場合に、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンであれば、その後に行われる予告演出に対してパターンを選択する場合、その予告演出のパターンは、第1〜第3実施形態と同様に、スーパーリーチ選択153による予告演出を含めてスーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出に対して決定されたパターンが示す大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする。
これにより、一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、スーパーリーチ変動が開始されると、大当たりとなる期待度が少なくともスーパーリーチ変動のリーチ種によって示される期待度よりも低くなることを防止できる。よって、スーパーリーチ変動のリーチ種によって示される期待度を最低限維持して遊技者に期待度を示すことができるので、遊技者は、スーパーリーチ変動中に、そのリーチ種によって示される期待度よりも低い期待度が予告演出によって示されることにより、遊技者の興趣が失われることを抑制できる。
次いで、図63を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動設定処理(S1914)の詳細について説明する。図63は、この変動設定処理(S1914)を示したフローチャートである。この変動設定処理(S1914)は、第1実施形態と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第1実施形態の変動設定処理(図33参照)と同様の処理を実行する。
具体的には、変動設定処理のうち、S2101〜S2113の処理は、第1実施形態と同一である。よって、これらの処理についての具体的な説明は省略する。第5実施形態における変動設定処理では、S2109の処理によって、S2104にて決定した詳細な変動パターンが予告演出を行うノーマルリーチA又はスーパーリーチAであると判定された場合(S2109:Yes)、第1実施形態と同一のS2110〜S2113の処理が行われた後、スーパーリーチ変動フラグ223kをオフに設定して(S4201)、変動設定処理を終了する。
S2110〜S2113及びS4201の処理は、この変動設定処理において、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして、複数の予告演出を実行する変動パターンであるノーマルリーチA又はスーパーリーチAが決定された場合に、このノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出において実行される各予告演出のパターンを決定するためのパラメータを初期化するための処理である。この初期化処理において、スーパーリーチ変動フラグ223kをオフに設定することにより、変動演出が開始されてからスーパーリーチ変動が実行されるまでの予告演出のパターンを決定するに際し、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンを選択させることができる。
次いで、図64を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(S1909)の詳細について説明する。図64は、この予告演出処理(S1909)を示したフローチャートである。この予告演出処理(S1909)は、メイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、ノーマルリーチA又はスーパーリーチAによる変動演出を行っている場合に、その変動演出中に予告演出を実行するための処理である。
この予告演出処理のうち、S2131〜S2138の処理は、第1実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。ただし、S2138の処理において、現在、キャラクタ登場154による予告演出の実行タイミングであると判定された場合は(S2138:Yes)、スーパーリーチ変動フラグ223kをオンに設定し(S4301)、更に、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定し(S4302)、S2136の処理へ移行する。
S4302の処理において、第2ポインタ223fに対して設定される判定上限値ポインタ222bの値、即ち、キャラクタ登場154による予告演出の実行タイミングにおいて判定ランクカウンタ223eで示されるランクに対応する判定上限値ポインタ222bの値は、スーパーリーチ選択153による予告演出において決定されたリーチ種のランクに対応する判定上限値ポインタ222bの値である。
よって、S4301の処理によって、スーパーリーチ変動フラグ223kをオンに設定し、更に、S4302の処理によって、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fに設定することによって、予告演出ランク決定処理(図65参照)では、キャラクタ登場154による予告演出以後に行われる予告演出(カットイン155による予告演出)に対し、少なくとも、スーパーリーチ変動のリーチ種で示される大当たりとなる期待度よりも低い期待度を示すランクのパターンを非選択とすることができる。
次いで、図65を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出ランク決定処理(S2135)の詳細について説明する。図65は、この予告演出ランク決定処理(S2135)を示したフローチャートである。この予告演出ランク決定処理(S2135)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出処理(図35参照)の中で実行され、予告演出のパターンを実行する処理である。
この予告演出ランク決定処理のうち、S2140〜2147の処理は、第1実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。ただし、S2142の処理において、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uよりも大きい場合は(S2142:No)スーパーリーチ変動フラグ223kがオンか否かを判定する(S4401)。そして、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンであれば(S4401:Yes)、第1実施形態と同様にS2145〜S2147の処理が実行され、S2147の処理の後にS2141の処理へ回帰する。
また、S2142の処理において、予告演出カウンタ223dの値Aが、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値U以下であると判定された場合(S2142:Yes)、又は、S2146の処理において、判定ランクカウンタ223eで示されるランクの判定上限値ポインタ222bの値Uが、第2ポインタ223fの値Sと等しいと判定された場合は(S2146:Yes)、第1実施形態と同様に、予告演出を行うパターンのランクを判定ランクカウンタ223eで示されるランクに決定した後(S2143)、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンか否かを判定する(S4402)。そして、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンであれば(S4402:Yes)、第1実施形態と同じS2144の処理が実行される。
これにより、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンの場合、即ち、スーパーリーチ変動中である場合は、第1実施形態と同様に、その予告演出におけるパターンを選択するときに、スーパーリーチ変動中においてそれまでに行われた予告演出に対し決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることができる。また、図64の予告演出処理のS4302の処理によって、第2ポインタ223fに対し、スーパーリーチ選択153による予告演出において決定されたリーチ種のランクに対応する判定上限値ポインタ222bの値が設定されるので、S2145及びS2146の処理によって、スーパーリーチ変動中に実行される予告演出(カットイン155による予告演出)に対し、スーパーリーチ選択153による予告演出において決定されたリーチ種のランクよりも大当たりとなる期待度の低いランクのパターンが少なくとも非選択とされる。
一方、S4401の処理において、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンではなく、オフであれば(S4401:No)、S2145及びS2146の処理をスキップしてS2147の処理へ移行する。これにより、それまでに行われた予告演出のランクに関係なく、次に、ランクが1つ低い大当たりとなる期待度のランクについて、判定上限値ポインタ222bの値Uと、予告演出カウンタ223dの値Aとを比較し、そのランクを、予告演出を行うパターンのランクとするか否かが判断される。よって、スーパーリーチ変動フラグ223kがオフである間、即ち、スーパーリーチ変動前に行われる予告演出(コメント表示151、子供キャラクタ登場152、及び、スーパーリーチ選択153による予告演出)は、ランク「1」〜「5」に対応するパターンの中から1のパターンが選択されることになる。
また、S4402の処理において、スーパーリーチ変動フラグ223kがオンではなく、オフである場合は(S4402:No)、S2144の処理をスキップして、そのまま予告演出ランク決定処理を終了する。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、スーパーリーチ変動中に限り、ある予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする。
上述した通り、一の変動演出中に実行する複数の予告演出について、遊技者によって枠ボタン22の操作指示を受け付けた時点やその予告演出を開始する時点など、各々の予告演出のパターンをそれぞれ別個に決定すると、ある予告演出において高いランクの大当たりとなる期待度が示された後、同じ変動演出の中の別の予告演出において低いランクの大当たりとなる期待度が示される場合が生じる。このような場合が生じると、遊技者は、一旦大当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は大当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。特に、遊技者は、数ある予告演出の中でも、一般的に、スーパーリーチ変動のリーチ種が大当たりとなる期待度を示すものとして最も重要視する傾向にある。即ち、遊技者は、スーパーリーチ変動のリーチ種によって、大きく一喜一憂することになる。このスーパーリーチ変動中に行われる予告演出において、そのスーパーリーチ変動のリーチ種によって示される大当たりとなる期待度よりも低い期待度が示されると、遊技者の落胆は大きなものとなる。
これに対し、本第5実施形態では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、スーパーリーチ変動中に限り、ある予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とするので、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出において、スーパーリーチ変動のリーチ種が示す期待度よりも大当たりとなる期待度が低くなることを防止することができる。よって、スーパーリーチ変動のリーチ種によって示される大当たりとなる期待度よりも低い期待度が、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出によって示されることにより、遊技者の興趣が失われることを抑制できる。
また、本第5実施形態では、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出のパターンを決定する場合に、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とするので、その予告演出のパターンで示される期待度はそれまでの予告演出で示された期待度を維持するか高くなる。よって、遊技者は、大当たりとなる期待度が高くなることを期待して予告演出を見守ることになるので、変動演出が進むにつれて大当たりとなる期待感を向上させていくことができる。更に、本実施形態では、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出(カットイン155による予告演出)において、枠ボタン操作受付期間中、枠ボタン22の操作指示を何回でも受け付け、操作指示を受け付ける毎にカットイン画像を表示し、カットイン画像を表示する度にカットインフレーム174の表示色を決定して、大当たりの期待度を遊技者に示している。そして、このカットイン155による予告演出において、前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択としているので、遊技者に対して、大当たりとなる期待度が高くなることを期待させて枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技への参加意欲をかき立てることができ、遊技を継続して行わせることができる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1〜第4実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1〜第4実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
尚、第5実施形態では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、スーパーリーチ変動中に限り、ある予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とするように構成したが、スーパーリーチ変動のリーチ種が、所定ランク以上(例えば、ランク「4」又は「5」)の期待度を示すリーチ種であった場合に限り、そのスーパーリーチ変動中に行われる予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とするように構成してもよい。これにより、所定ランク以上のリーチ種でスーパーリーチに発展した場合は、少なくともそのスーパーリーチ変動中において、所定ランク以上のパターンが予告演出で選定される。よって、少なくとも所定ランク以上のランクよるリーチ種でスーパーリーチ変動が行われ、大当たりとなる期待度が高く示された後に、その後の予告演出で大当たりとなる期待度が低くなることを防止でき、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態において、コメント表示151や子供キャラクタ登場152といったスーパーリーチ変動へ発展する前に行われる予告演出において、特定ランク(例えば、大当たりとなる期待度のランクが「4」)に対応するパターンが現出した場合、その後のスーパーリーチ選択153では、スーパーリーチ変動のリーチ種としてその特定ランクに対応するリーチ種(上記の例では「雷リーチ」)を選択し、キャラクタ登場154による予告演出では、その特定ランクに対応するキャラクタ(上記の例では「雷様」)が登場するパターンを選択してもよい。また、スーパーリーチ変動から、さらに大当たり確率が高いことを示すスペシャルリーチ変動へ発展する変動演出のパターンが存在する場合、そのスペシャルリーチ変動へ発展する前に行われる予告演出において、特定ランク(例えば、大当たりとなる期待度のランクが「4」)に対応するパターンが現出した場合、スペシャルリーチ変動のリーチ種としてその特定ランクに対応するリーチ種を選択し、若しくは、スペシャルリーチ変動中に表示するキャラクタとして特定ランクに対応するキャラクタを選択してもよい。また、ノーマルリーチ変動の前に行われる予告演出(本実施形態ではコメント表示151による予告演出)において、特定ランク(例えば、大当たりとなる期待度のランクが「4」)に対応するパターンが現出した場合、ノーマルリーチ中に行われる予告演出(子供キャラクタ登場152による予告演出)では、その特定ランクに対応するパターンを選択してもよい。これにより、予告演出によって、早い段階で特定ランク(大当たりとなる期待度の高いランク)の期待度が示された場合は、スーパーリーチ変動(又はスペシャルリーチ変動)のリーチ種や、スーパーリーチ変動(又は、ノーマルリーチ変動もしくはスペシャルリーチ変動)に行われる予告演出(スーパーリーチ変動中、ノーマルリーチ変動中またはスペシャルリーチ変動中に登場するキャラクタ)において、少なくとも特定ランクの期待度を確保して示すことができる。また、この場合、更に、スーパーリーチ変動中(又は、ノーマルリーチ変動中もしくはスペシャルリーチ変動中)は、遊技者による枠ボタン22の操作指示に基づいて行われるような予告演出(例えば、カットイン155による予告演出)を行わないように構成してもよい。これにより、予告演出によって、早い段階で特定ランク(大当たりとなる期待度の高いランク)の期待度が示された場合は、その特定ランクに対応したスーパーリーチ変動(又は、ノーマルリーチ変動もしくはスペシャルリーチ変動)を行うと共に、その特定ランクに対応したスーパーリーチ(又は、ノーマルリーチもしくはスペシャルリーチ)が行われる間は、遊技者による枠ボタン22の操作指示に基づいて行われる予告演出を非実行とすることで、その特定ランクに対応したスーパーリーチ変動(又は、ノーマルリーチ変動もしくはスペシャルリーチ変動)に遊技者の興味を集中させることができる。よって、遊技者は大当たりへの期待感をより高めることができる。なお、この場合、スーパーリーチ変動中(又は、ノーマルリーチ変動中もしくはスペシャルリーチ変動中)に自動で予告演出を1以上行い、その予告演出において、大当たりとなる期待度が成り下がらないように構成することで、大当たりとなる期待度のランクが維持されるか、高まっていくようにパターンを決定してもよい。これにより、スーパーリーチ変動中(又は、ノーマルリーチ変動中もしくはスペシャルリーチ変動中)に自動で大当たりとなる期待度が成り上がって行く様子を遊技者に見せることができるので、遊技者の興趣を更に高めることができる。
上記各実施形態では、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成について説明したが、これに代えて、ある予告演出以後に行われる予告演出に対して、前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。例えば、コメント表示151や子供キャラクタ登場152による予告演出を除き、スーパーリーチ選択153による予告演出以後に実行される予告演出(上記各実施形態では、スーパーリーチ選択153による予告演出と、カットイン155による予告演出(複数回行われる場合は、その全ての予告演出))とにおいて、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。また、スーパーリーチ変動から、さらに大当たり確率が高いことを示すスペシャルリーチ変動へ発展する変動演出のパターンが存在する場合、そのスペシャルリーチのリーチ種を選択する予告演出以後に行われる予告演出において、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。また、また、ノーマルリーチ変動以後に行われる予告演出において、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。これにより、スーパーリーチに発展した場合(又は、スペシャルリーチに発展した場合、若しくは、ノーマルリーチとなった場合)は、少なくともそのスーパーリーチ変動中(又は、スペシャルリーチ変動中、若しくは、ノーマルリーチ変動中)において、ある予告演出において一のランクの大当たりとなる期待度が示された後、その後の予告演出では、その一のランクと同じランクに対応するパターンか、その一のランクよりも大当たりとなる期待度が高いランクに対応するパターンが選定される。よって、大当たりとなる期待感が高まるスーパーリーチ変動中(又は、スペシャルリーチ変動中、若しくは、ノーマルリーチ変動中)に行われる予告演出において、大当たりとなる期待度が高く示された後に、大当たりとなる期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
また、これに代えて、スーパーリーチ選択153による予告演出において、特定ランク(例えば、大当たりとなる期待度のランクが「4」)に対応するリーチ種(「雷リーチ」)が選択された場合に限り、以後に実行される予告演出、即ち、カットイン155による予告演出(複数回行われる場合は、その全ての予告演出)において、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。また、スペシャルリーチのリーチ種を選択する予告演出において、特定ランク(例えば、大当たりとなる期待度のランクが「4」)に対応するリーチ種が選択された場合に限り、以後に実行される予告演出において、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。また、ノーマルリーチ中に行われる最初の予告演出において、特定ランク(例えば、大当たりとなる期待度のランクが「4」)に対応するパターンが選択された場合に限り、以後に実行される予告演出において、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成としてもよい。これにより、特定ランクのリーチ種でスーパーリーチ又はスペシャルリーチに発展した場合や、ノーマルリーチにおいて特定ランクのパターンの予告演出が行われた場合は、少なくともそのスーパーリーチ変動中やスペシャルリーチ変動中、又は、ノーマルリーチ変動中において、特定ランク以上のパターンが予告演出で選定される。よって、少なくとも特定ランクによるリーチ種でスーパーリーチ変動が行われ、大当たりとなる期待度が高く示された後に、その後の予告演出で大当たりとなる期待度が低くなることを防止でき、遊技者が興趣をそがれることを抑止できる。
上記第1実施形態では、予告演出カウンタ223dの値は「0」から第1所定数の値が、大当たりとなる期待度が最も高いランクに割り振られ、その次の値から第2所定数の値が、大当たりとなる期待度が2番目に高いランクに割り振られ、予告演出カウンタ223dの値「99」は大当たりとなる期待度が最も低いランク「1」に割り振られており、そのような予告演出カウンタ223dの値に基づいて、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、各パターン毎に予告演出カウンタ223dの値に対する判定の上限値を与えるポインタとして、判定上限値ポインタ222bを用意して、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であるか否かを判定し、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、その判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fへ設定し、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bより大きい場合に、判定したランクの判定上限値ポインタ222bが第2ポインタ223fと一致したときは、それより下のランクの判定は行わずに、その時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定した。これに対し、予告演出カウンタ223dの値は「99」から第1所定数の値が、大当たりとなる期待度が最も高いランクに割り振られ、その次の値から第2所定数の値が、大当たりとなる期待度が2番目に高いランクに割り振られ、予告演出カウンタ223dの値「0」は大当たりとなる期待度が最も低いランク「1」に割り振られており、そのような予告演出カウンタ223dの値に基づいて、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、各パターン毎に予告演出カウンタ223dの値に対する判定の下限値を与えるポインタとして、判定下限値ポインタを用意して、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定下限値ポインタ以上であるか否かを判定し、予告演出カウンタ223dの値が判定下限値ポインタ以上であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、その判定下限値ポインタの値を第2ポインタ223fへ設定し、予告演出カウンタ223dの値が判定下限値ポインタより小さい場合に、判定したランクの判定下限値ポインタが第2ポインタ223fと一致したときは、それより下のランクの判定は行わずに、その時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定してもよい。これによっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
上記第2実施形態では、予告演出カウンタ223dの値は「0」から第1所定数の値が、大当たりとなる期待度が最も高いランクに割り振られ、その次の値から第2所定数の値が、大当たりとなる期待度が2番目に高いランクに割り振られ、予告演出カウンタ223dの値「99」は大当たりとなる期待度が最も低いランク「1」に割り振られており、そのような予告演出カウンタ223dの値に基づいて、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、各パターン毎に予告演出カウンタ223dの値に対する判定の上限値を与えるポインタとして、判定上限値ポインタ222bを用意して、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であるか否かを判定し、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、その判定上限値ポインタ222bの値を予告演出カウンタ最大値メモリ223hへ設定し、その後、予告演出カウンタ223dを0から予告演出カウンタ最大値メモリ223hの値までの範囲で更新する場合について説明した。これに代えて、予告演出カウンタ223dの値は「99」から第1所定数の値が、大当たりとなる期待度が最も高いランクに割り振られ、その次の値から第2所定数の値が、大当たりとなる期待度が2番目に高いランクに割り振られ、予告演出カウンタ223dの値「0」は大当たりとなる期待度が最も低いランク「1」に割り振られており、そのような予告演出カウンタ223dの値に基づいて、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、各パターン毎に予告演出カウンタ223dの値に対する判定の下限値を与えるポインタとして、判定下限値ポインタを用意して、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定下限値ポインタ以上であるか否かを判定し、予告演出カウンタ223dの値が判定下限値ポインタ以上であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、その判定下限値ポインタの値を予告演出カウンタ最小値メモリへ設定し、その後、予告演出カウンタ223dを予告演出カウンタ最小値メモリの値から99までの範囲で更新してもよい。これによっても、第2実施形態と同様の効果を奏する。
上記第1実施形態では、第2ポインタ223fを設け、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、その判定上限値ポインタ222bの値を第2ポインタ223fへ設定し、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bより大きい場合に、判定したランクの判定上限値ポインタ222bが第2ポインタ223fと一致したときは、それより下のランクの判定は行わずに、その時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定した。これに対し、判定ランクメモリを設け、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、その時点のランクを判定ランクメモリへ設定し、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bより大きい場合に、判定したランクが判定ランクメモリに格納されたランクと一致したときは、それより下のランクの判定は行わずに、その時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定してもよい。また、第2ポインタ223fや判定ランクメモリに代えて、各ランクに対応した判定上限ポインタ222bに対応してそれぞれ別個のフラグを設け、各フラグは通常オフに設定しておき、予告演出に対して用意された5つのパターンの中からパターンを1つ選択することに際し、大当たりとなる期待値の高いランクから順に、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222b以下であればその時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定すると共に、そのランクの判定上限値ポインタ222bに対応したフラグをオンに設定し、予告演出カウンタ223dの値が判定上限値ポインタ222bより大きい場合に、判定したランクの判定上限値ポインタ222bに対応するフラグがオンのときは、それより下のランクの判定は行わずに、その時点のランクに対応するパターンを予告演出のパターンとして決定してもよい。これらによっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
上記第4実施形態では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、ある予告演出で大当たりとなる期待度が所定ランク以上となった場合に限り、その後の予告演出のパターンとして、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度として所定ランク以上の期待度が示された後に、大当たりとなる期待度が所定ランクよりも低くなることを防止する構成を、第1実施形態の構成、即ち、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223fを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成に対して適用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、ある予告演出で大当たりとなる期待度が所定ランク以上となった場合に限り、その後の予告演出のパターンとして、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、一の変動演出中に行われる複数の予告演出において、大当たりとなる期待度として所定ランク以上の期待度が示された後に、大当たりとなる期待度が所定ランクよりも低くなることを防止する構成を、第2実施形態の構成、即ち、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223fに代えて予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設け、その予告演出カウンタ最大値メモリ223hにより予告演出カウンタ223dの更新範囲を変更することで、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とされる構成に対して適応することも可能であるし、第3実施形態の構成、即ち、音声ランプ制御装置113のROM222に、判定上限値ポインタ222bに代えてランク判定テーブル222cを設け、また、RAM223に、判定ランクカウンタ223eや第2ポインタ223f、予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設けずに、判定ランクメモリ223iを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とされる構成に対しても当然適用可能である。
上記第5実施形態では、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、スーパーリーチ変動中に限り、ある予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出において、スーパーリーチ変動のリーチ種が示す期待度よりも大当たりとなる期待度が低くなることを防止する構成を、第1実施形態の構成、即ち、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223fを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成に対して適用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たりの期待度を示す予告演出を一の変動演出の中で複数行う場合において、スーパーリーチ変動中に限り、ある予告演出のパターンとして、スーパーリーチ変動の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とすることで、スーパーリーチ変動中に行われる予告演出において、スーパーリーチ変動のリーチ種が示す期待度よりも大当たりとなる期待度が低くなることを防止する構成を、第2実施形態の構成、即ち、音声ランプ制御装置113のRAM223に、第2ポインタ223fに代えて予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設け、その予告演出カウンタ最大値メモリ223hにより予告演出カウンタ223dの更新範囲を変更することで、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とされる構成に対して適応することも可能であるし、第3実施形態の構成、即ち、音声ランプ制御装置113のROM222に、判定上限値ポインタ222bに代えてランク判定テーブル222cを設け、また、RAM223に、判定ランクカウンタ223eや第2ポインタ223f、予告演出カウンタ最大値メモリ223hを設けずに、判定ランクメモリ223iを設けて、予告演出のパターンを決定する場合に、同一の変動演出の中で前に行われた予告演出において決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とされる構成に対しても当然適用可能である。
上記各実施形態では、枠ボタン22の操作があった場合に実行される予告演出と、所定のタイミングで自動で実行される予告演出とを含む変動態様で変動演出が実行される場合に、各予告演出に対して、別個にパターン(即ち、その予告演出において示される大当たりとなる期待度のランク)を決定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、枠ボタン22の操作があった場合に実行される予告演出のみが複数回実行される変動態様で変動演出が実行される場合や、所定のタイミングで自動で実行される予告演出のみが複数回実行される変動態様で変動演出が実行される場合についても、各予告演出に対して別個にパターン(即ち、その予告演出において示される大当たりとなる期待度のランク)を決定するようにしてもい。
上記各実施形態では、変動演出中にコメント表示151、子供キャラクタ登場152、スーパーリーチ選択153、キャラクタ登場154、カットイン155による各種予告演出が行われる場合に、それぞれの予告演出において、前に行われた予告演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成について説明した。これに対し、現出する画像が変化(ステップアップ)していく毎に、期待度が高まっていくステップアップ予告において、枠ボタン22の操作がなされた場合にその画像のステップアップ変化がなされるか否かを決定するよう構成した場合に、上記各実施形態と同様に、それぞれのステップにおいて、ステップアップされるときは、前に行われたステップで決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成を適用してもよい。また、枠ボタン22が遊技者により操作指示される度に、大当たりとなる期待度を星図柄の数や、パーセンテージ等の数字で表示する演出についても、上記各実施形態と同様に、それぞれの演出において、前に行われた演出で決定されたパターンの大当たりとなる期待度よりも低いランクのパターンを非選択とする構成を適用してもよい。これにより、上記各実施形態と同様の効果を、ステップアップ予告や、枠ボタン22が遊技者により操作指示される度に、大当たりとなる期待度を数字で表示する演出についても、奏することができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237の第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルにおいて、ポインタ233gで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記各実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記各実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記各実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記各実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記各実施形態では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231はアドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM634cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延する恐れを抑制することができる。
また、上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記各実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置101または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御手段101または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記各実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、補助表示部65や第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記各実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記各実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記各実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記各実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記各実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM434から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記各実施形態では、変動演出が非実行中である場合に、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、パチンコ機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチのリーチ種を変更することができる。また、表示制御装置114が直接パチンコ機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチのリーチ種を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後のリーチ種のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブル等の規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブルに従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブルによって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
上記各実施形態では、振動センサ228の出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサ228の出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、振動センサ228の出力信号を表示制御装置114に入力し、表示制御装置114にて振動エラーの有無を検出するように構成してもよい。そして、振動エラーが検出された場合、エラー発生フラグをオンにし、更に、振動エラーに対応するエラー判別フラグをオンすることによって、表示設定処理(図44参照)においてエラー発生フラグがオンであることを判別した場合に警告画像設定処理(図46(b)参照)を実行することで、第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させてもよい。この場合、これにより、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へのエラーコマンドの送受信が不要となるため、より早く警告画像を第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
また、上記各実施形態では、振動センサ228が遊技盤13の裏面に取り付けられている場合について説明したが、振動センサ228に代えて、若しくは、振動センサ228と共に、磁石センサが遊技盤13の裏面に取り付けられてもよい。この磁石センサは、磁石などの磁界によって球の流れが変えられ、意図的に入球口への入球が行われることを抑制するために、遊技板に加えられた磁界を検出するためのセンサであり、磁石センサの出力信号は、主制御装置110,音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかに入力されるようにしてもよい。そして、磁石センサの出力信号が主制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき主制御装置110によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113経由で、または、直接、表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が音声ランプ制御装置113に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき音声ランプ制御装置113によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。そして、表示制御装置313の常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fには、磁界エラーを第3図柄表示装置218の表示によって報知するためのエラーメッセージ画像に対応する画像データが常駐されるように構成し、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113から磁界エラーを伝えるエラーコマンドを受信すると、表示制御装置313は、第3図柄表示装置218にその警告画像を表示するようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が表示制御装置310に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき表示制御装置114によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、表示制御装置313は、エラー発生フラグをオンすると共に、磁界エラーに対応するエラー種別フラグをオンに設定することで、第3図柄表示装置218にその警告画像を表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113からのエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成した場合であっても、常駐用ビデオRAM425のエラーメッセージ画像エリア235fに常駐されているエラーメッセージ画像を用いて、遅滞なく磁界エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者により遊技板に対して磁界が加えられると、第3図柄表示装置81によるエラーメッセージ画像の表示によって、その磁界エラーが即座に報知されるので、遊技者に対して不正な行動を抑止させることができる。
上記各実施形態では、追加データテーブルとして、変動演出において予告演出を第3図柄表示装置81に追加して表示させるための描画内容が既定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示すべき種々の演出を描画するための描画内容が規定されたものであってもよい。また、追加データテーブルでは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常では表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容を規定するのに代えて、または、そのような描画内容を規定するのに加えて、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容や、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものであってもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233gにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233gにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、追加データテーブルにより規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が追加データテーブルによって規定される場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233gにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233gにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
上記各実施形態では、転送データテーブルを各表示データテーブルに対応させて用意する場合について説明したが、それに加えて、各追加データテーブルに対応させた転送データテーブルである追加用転送データテーブルを用意してもよい。この追加用転送データテーブルでは、追加データテーブル(または表示データテーブル)において規定されるアドレスに対応させて、対応する追加データテーブルで用いられ、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データの転送データ情報が記載されていてもよい。
この場合、例えば、上記各実施形態においては、表示制御装置281のワークRAM233に追加用転送データテーブルバッファを設け、一の追加データテーブルが追加データテーブルバッファ233eに設定された場合、表示データテーブルに対応した転送データテーブルとは別に、その一の追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルを追加用転送データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。そして、MPU231は、追加用転送データテーブルバッファに設定された追加用転送データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されていれば、その転送データ情報を描画リストに追加するようにしてもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加データテーブルによって用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加データテーブルにより規定された演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルを用いることによって、追加データテーブルに基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加データテーブルによって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ変動」、「スーパーリーチ変動」といった要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ変動」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233gを用いて、そのポインタ233gによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記各実施形態では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態では、表示制御手段314において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段314において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記各実施形態において、表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルや追加データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像判別フラグ233jを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像判別フラグ233jに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像判別フラグ233jと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記各実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記各実施形態では、転送データテーブルによって、ポインタ233gで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記各実施形態では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図33のS2107参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図23参照)において、変動開始処理(S1207)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図23のS1205参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。尚、この場合、図33のS2107は省略される。尚、減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を送信する場合、保留球数コマンドには、減算後の保留球数であることを意味する情報(即ち、始動入賞に伴って加算された保留球数ではないことを意味する情報)を含め、始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値を含めずに、保留球数コマンドを生成してもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、予告演出コマンドやエラー発生コマンドといった音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、予告演出実行フラグやエラー発生フラグといった各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルを表示データテーブルバッファ233d,転送データテーブルバッファ233f,追加データテーブルバッファ233eに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したり、必要な画像データの転送指示を設定したりしてもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
所定の始動条件の成立を契機としてランダムな情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて識別情報の動的表示である第1の演出の態様を選定する選定手段とを有する主制御手段と、その主制御手段からの指示に応じて、前記選定手段により選定された前記第1の演出の態様に基づき前記第1の演出を実行する第1演出実行手段を有する副制御手段とを備え、前記第1演出実行手段により実行される前記第1の演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記副制御手段は、前記第1演出実行手段による前記第1の演出を実行中に、その第1の演出において前記所定の識別情報が現出される期待度を示す第2の演出を複数回実行する第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2の演出で示す期待度を、第2の演出毎に選択する選択手段と、を備え、該選択手段は、一の第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択する場合に、該第2の演出よりも前に同一の第1の演出中に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度を非選択とすることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段において、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により取得された情報に基づいて、識別情報の動的表示である第1の演出の態様が選定手段により選定される。そして、副制御手段において、その選定された態様で識別情報の動的表示が第1の演出として第1演出実行手段により実行される。この第1演出実行手段により実行される第1の演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、副制御手段において、第1演出実行手段による第1の演出を実行中に、その第1の演出において所定の識別情報が現出される期待度を示す第2の演出が第2演出実行手段によって複数回実行される。ここで、その第2演出実行手段により実行される前記第2の演出で示す期待度は、選択手段によって、各第2の演出毎に選択される。そして、この選択手段では、一の第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択する場合に、該第2の演出よりも前に同一の第1の演出中に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度を非選択としている。これにより、一の第1の演出中に、ある第2の演出において所定の期待度が示された後、その後の第2の演出では、その所定の期待度と同じ期待度か、より高い期待度を示すことができる。よって、一の第1の演出の中で行われる複数の第2の演出において、所定の識別情報が現出される期待度が高く示された後に、該期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止しつつ、一の第1の演出中に実行される各第2の演出単位で当たりとなる期待度を決定できるという効果がある。
遊技機A1において、遊技者により操作される操作手段を備え、前記第2演出実行手段は、前記複数の第2の演出のうち1以上の第2の演出については、それぞれ第3の演出として、前記操作手段が遊技者により操作されたことを契機として実行するものであり、前記選択手段は、前記第3の演出について、その第3の演出で示す期待度を、それぞれ、前記操作手段が遊技者により操作されたことを契機として選択することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が遊技者により操作されたことを契機として第2演出実行手段により実行される第3の演出については、その第3の演出で示す期待度が、それぞれ、操作手段が遊技者により操作されたことを契機として、選択手段により選択される。このように構成した場合であっても、一の第1の演出中に、ある第2の演出(第3の演出を含む)において所定の期待度が示された後、その後の第2の演出(第3の演出を含む)では、その所定の期待度と同じ期待度か、より高い期待度を示すことができる。これにより、所定の識別情報が現出される期待度が高くなっていくことを期待させながら、遊技者に対して、積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者に対して、遊技への参加意欲をかき立てることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第2演出実行手段は、前記複数の第2の演出のうち、前記第3の演出以外の第4の演出を、それぞれ、予め定めたタイミングで実行するものであり、前記選択手段は、一の前記第4の演出において、該第4の演出よりも前に前記第3の演出が前記第2演出実行手段により実行される場合は、その第3の演出に対して期待度を選択した後に、前記一の第4の演出に対して、その第4の演出が示す期待度を選択することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の第2の演出のうち、遊技者による操作手段の操作タイミングで実行される第3の演出以外の第4の演出が、予め定めたタイミングで第2演出実行手段により実行される。そして、一の前記第4の演出において、該第4の演出よりも前に第3の演出が第2演出実行手段により実行される場合は、その第3の演出に対して期待度を選択した後に、その一の第4の演出に対して、その第4の演出が示す期待度が選択手段により選択される。これにより、第4の演出の前に、遊技者による操作手段の操作タイミングで実行される第3の演出が実行されるような場合であっても、その第3の演出において所定の期待度が選択された後に、その後の第4の演出において、容易に且つ確実に、第3の演出で選択した所定の期待度よりも低い期待度を非選択とすることができる。よって、一の第1の演出中に、遊技者による操作手段の操作タイミングで実行された第3の演出において所定の期待度が示された後、その後の第4の演出では、その所定の期待度と同じ期待度か、より高い期待度を、容易に且つ確実に、選択して示すことができるという効果がある。
遊技機A3において、前記選択手段は、一の前記第4の演出について、予め定めたタイミングで前記第2演出実行手段により前記第4の演出を実行するときに、その第4の演出が示す期待度を選択することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一の第4の演出について、予め定めたタイミングで第2演出実行手段により該第4の演出を実行するときに、その第4の演出が示す期待度が選択手段により選択される。これにより、第4の演出の前に、遊技者による操作手段の操作タイミングで実行される第3の演出が実行されるような場合であっても、その第3の演出に対していつ期待度が選択されたか否かを把握しなくても、その第3の演出において所定の期待度が選択された後に、その後の第4の演出において、より容易に且つ確実に、第3の演出で選択した所定の期待度よりも低い期待度を非選択とすることができる。よって、一の第1の演出中に、遊技者による操作手段の操作タイミングで実行された第3の演出において所定の期待度が示された後、その後の第4の演出では、その所定の期待度と同じ期待度か、より高い期待度を、より容易に且つ確実に、選択して示すことができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記第2演出実行手段により実行される複数の前記第2の演出で示す期待度を、その第2の演出が実行される順に、第2の演出毎に選択することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出実行手段により実行される複数の前記第2の演出で示す期待度が、選択手段によって、第2の演出の実行される順に、第2の演出毎に選択される。これにより、一の第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択する場合に、該第2の演出よりも前に同一の第1の演出中に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度を容易に非選択とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の第2の演出は、それぞれ、複数のランクで前記所定の識別情報が現出される期待度を示すものであり、前記選択手段は、所定時間毎に所定範囲内で更新されるカウンタと、前記第2の演出が示す複数の期待度のランクに対応付けて前記カウンタが更新される所定範囲を分割した場合の、その境界値をランク毎に規定する境界値規定手段と、期待度が高いランクから順に、そのランクに対応付けられて前記境界値規定手段により規定された境界値と、前記カウンタの値とに基づいて、一の第2の演出が示す期待度として、該ランクを選択するか否かを判断する判断手段と、その判断手段により、一の第2の演出が示す期待度として所定ランクを選択すると判断された場合は、その所定ランクに関する情報をランク情報記憶手段に記憶するランク情報記憶制御手段と、前記判断手段により、期待度が高いランクから順に、そのランクに対応付けられて前記境界値規定手段により規定された境界値と前記カウンタの値とに基づいて一の第2の演出が示す期待度として該ランクを選択するか否かを判断する過程で、その判断対象のランクが前記ランク記憶手段に記憶された所定ランクであった場合に、前記判断手段による判断を打ち切り、一の第2の演出が示す期待度として所定ランクを選択する打切手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段には、所定時間毎に所定範囲内で更新されるカウンタと、第2の演出が示す複数の期待度のランクに対応付けて前記カウンタが更新される所定範囲を分割した場合の、その境界値をランク毎に規定する境界値規定手段とが設けられている。そして、期待度が高いランクから順に、そのランクに対応付けられて前記境界値規定手段により規定された境界値と、前記カウンタの値とに基づいて、一の第2の演出が示す期待度として、該ランクを選択するか否かが判断手段により判断され、その判断手段により、一の第2の演出が示す期待度として所定ランクを選択すると判断された場合は、その所定ランクに関する情報がランク情報記憶制御手段によってランク情報記憶手段に記憶される。一方、判断手段により、期待度が高いランクから順に、そのランクに対応付けられて境界値規定手段により規定された境界値と、前記カウンタの値とに基づいて、一の第2の演出が示す期待度として、該ランクを選択するか否かを判断する過程で、その判断対象のランクがランク記憶手段に記憶された所定ランクであった場合に、打切手段によって判断手段による判断が打ち切られ、一の第2の演出が示す期待度として所定ランクが選択される。これにより、第2の演出が示す期待度としてあるランクが決定されると、同一の第1の演出内でその後に実行される第2の演出に対して、そのランクよりも低いランクを非選択とすることができる。また、この非選択を、判断手段で用いる境界値を変更しなくても、同一の境界値を用いたまま実現できる。よって、境界値を多く記憶させておく必要がないので、その境界値を記憶するために必要な容量を抑制しつつ、第2の演出が示す期待度としてあるランクが決定されると、同一の第1の演出内でその後に実行される第2の演出に対して、そのランクよりも低いランクを非選択とすることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記ランク情報記憶制御手段は、前記第1演出実行手段により前記第1の演出が開始されることを契機として、所定の識別情報が現出される期待度が最も低いランクに関する情報を前記ランク情報記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出実行手段により第1の演出が開始されることを契機として、ランク情報記憶手段には、所定の識別情報が現出される期待度が最も低いランクに関する情報がランク情報記憶制御手段により記憶される。これにより、第1の演出が開始されてから最初に実行される第2の演出に対して選択される期待度は、最も低いランクの期待度をも含めて選択することができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の第2の演出は、それぞれ、複数のランクで前記所定の識別情報が現出される期待度を示すものであり、前記選択手段は、カウンタと、そのカウンタを所定時間毎に所定範囲内で更新する更新手段と、前記第2の演出が示す複数の期待度のランクに対応付けて、そのランクにおける期待度が高い又は低い順に、前記カウンタが更新される所定範囲を分割した場合の、その境界値をランク毎に規定する境界値規定手段と、期待度が高いランクから順に、そのランクに対応付けられて前記境界値規定手段により規定された境界値と、前記カウンタの値とに基づいて、一の第2の演出が示す期待度として、該ランクを選択するか否かを判断する判断手段と、その判断手段により、一の第2の演出が示す期待度として所定ランクを選択すると判断された場合は、その所定ランクに対応付けられて前記境界値規定手段により規定された境界値に関する情報を境界値記憶手段に記憶する境界値記憶制御手段と、を備え、前記更新手段は、前記境界値記憶手段に記憶された前記所定ランクに対応する境界値に基づき、前記所定のランクよりも期待度の低いランクが対応付けられた範囲を除く所定範囲内で前記カウンタを更新することを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段には、カウンタと、そのカウンタを所定時間毎に所定範囲内で更新する更新手段と、第2の演出が示す複数の期待度のランクに対応付けて、そのランクにおける期待度が高い又は低い順に、前記カウンタが更新される所定範囲を分割した場合の、その境界値をランク毎に規定する境界値規定手段とが設けられている。そして、期待度が高いランクから順に、そのランクに対応付けられて境界値規定手段により規定された境界値と、前記カウンタの値とに基づいて、一の第2の演出が示す期待度として、該ランクを選択するか否かが判断手段により判断され、その判断手段により、一の第2の演出が示す期待度として所定ランクを選択すると判断された場合は、その所定ランクに対応付けられて境界値規定手段により規定された境界値に関する情報が境界値記憶制御手段によって、境界値記憶手段に記憶される。そして、その境界値記憶手段に記憶された所定ランクに対応する境界値に基づき、前記カウンタは、更新手段によって、所定のランクよりも期待度の低いランクが対応付けられた範囲を除く所定範囲内で更新される。このようにカウンタの更新範囲が変更されるので、判断手段で用いる境界値を変更しなくても、同一の境界値を用いたまま、第2の演出が示す期待度として、あるランクが決定される度に、同一の第1の演出の中でその後に実行される第2の演出において、そのランクよりも低いランクが非選択とすることができる。よって、境界値を多く記憶させておく必要がないので、その境界値を記憶するために必要な容量を抑制しつつ、第2の演出が示す期待度としてあるランクが決定されると、同一の第1の演出内でその後に実行される第2の演出に対して、そのランクよりも低いランクを非選択とすることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記境界値記憶制御手段は、前記第1演出実行手段により前記第1の演出が開始されることを契機として、所定の識別情報が現出される期待度が最も低いランクに対応付けられて前記境界値規定手段により規定された境界値に関する情報を境界値記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出実行手段により第1の演出が開始されることを契機として、境界値記憶制御手段によって、所定の識別情報が現出される期待度が最も低いランクに対応付けられて境界値規定手段により規定された境界値に関する情報が境界値記憶手段に記憶される。これにより、第1の演出が開始されてから少なくとも最初の第2の演出に対してその第2の演出で示す期待度が選択されるまでの間、カウンタを所定範囲全体にわたって更新することができる。よって、第1の演出が開始されてから最初に実行される第2の演出に対して選択される期待度は、最も低いランクの期待度をも含めて選択することができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記選択手段は、所定時間毎に所定範囲内で更新されるカウンタと、前記第2の演出が示し得る複数の期待度のランクと前記カウンタの値との関係を示す情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記カウンタの値から一の第2の演出が示す期待度のランクを決定する決定手段と、その決定手段により決定されたランクに関する情報をランク記憶手段に記憶するランク記憶制御手段と、を備え、前記記憶手段は、前記第2の演出が示し得る期待度のランクのうち、所定ランクよりも期待度の低いランクを除くランクに対して、前記カウンタの値との関係を示す情報を記憶する第1記憶手段を含み、前記決定手段は、前記ランク記憶手段にて前記所定ランクに関する情報が記憶されている場合は、前記第1記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記カウンタの値から一の第2の演出が示す期待度のランクを決定することを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段には、所定時間毎に所定範囲内で更新されるカウンタと、第2の演出が示し得る複数の期待度のランクと前記カウンタの値との関係を示す情報を記憶する記憶手段とが設けられている。そして、その記憶手段に記憶された情報に基づいて、カウンタの値から一の第2の演出が示す期待度のランクが決定手段により決定される。そして、その決定手段により決定されたランクに関する情報は、ランク記憶制御手段により、ランク記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段には、第2の演出が示し得る期待度のランクのうち、所定ランクよりも期待度の低いランクを除くランクに対して、前記カウンタの値との関係を示す情報を記憶する第1記憶手段が含まれており、ランク記憶手段にて所定ランクに関する情報が記憶されている場合は、第1記憶手段に記憶された情報に基づいて、カウンタの値から一の第2の演出が示す期待度のランクが決定手段により決定される。これにより、第2の演出が示す期待度として所定ランクが決定されると、同一の第1の演出の中でその後に実行される第2の演出おいて、その所定ランクよりも低いランクを非選択とすることができるという効果がある。また、第1記憶手段を設けることで、所定ランクよりも期待度の低いランクを非選択としながら、所定ランク以上の期待度の各ランクに対して、選択される確率を細かく設定することできるという効果がある。
遊技機D1において、前記記憶手段は、前記第2の演出が示し得る全ての期待度のランクに対して、前記カウンタの値との関係を示す情報を記憶する第2記憶手段を含み、前記ランク記憶制御手段は、前記第1演出実行手段により前記第1の演出が開始されることを契機として、所定の識別情報が現出される期待度が最も低いランクに関する情報を前記ランク情報記憶手段に記憶し、前記決定手段は、前記ランク記憶手段にて前記期待度が最も低いランクに関する情報が記憶されている場合は、前記第2記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記カウンタの値から一の第2の演出が示す期待度のランクを決定することを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には、第2の演出が示し得る全ての期待度のランクに対して、カウンタの値との関係を示す情報を記憶する第2記憶手段が含まれている。また、第1演出実行手段により第1の演出が開始されることを契機として、所定の識別情報が現出される期待度が最も低いランクに関する情報が、ランク情報記憶制御手段によりランク情報記憶手段に記憶される。そして、ランク記憶手段にて期待度が最も低いランクに関する情報が記憶されている場合は、第2記憶手段に記憶された情報に基づいて、カウンタの値から一の第2の演出が示す期待度のランクが、決定手段により決定される。これにより、第1の演出が開始されてから最初に実行される第2の演出に対して選択される期待度は、最も低いランクの期待度をも含めて選択することができるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2のいずれかにおいて、前記遊技機は、遊技者により操作される操作手段と、遊技者による前記操作手段の操作を受け付ける操作受付手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、前記複数の第2の演出のうち少なくとも1つの第2の演出については、所定期間中に前記操作受付手段により前記操作手段の操作が受け付けられる度に、第5の演出として繰り返し実行するものであり、前記選択手段は、前記第5の演出で示す期待度を、第5の演出毎に選択し、一の第5の演出に対して該第5の演出で示す期待度を選択する場合に、該第5の演出よりも前に前記所定期間中に実行された第5の演出で示した期待度よりも低い期待度を非選択とすることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出実行手段によって実行される複数の第2の演出のうち少なくとも1つの第2の演出については、所定期間中に操作受付手段により操作手段の操作が受け付けられる度に、第5の演出として繰り返し実行される。この第5の演出で示す期待度は、第5の演出毎に選択手段により選択される。また、一の第5の演出に対して該第5の演出で示す期待度を選択する場合に、該第5の演出よりも前に所定期間中に実行された第5の演出で示した期待度よりも低い期待度が非選択、選択手段によって非選択とされる。これにより、所定期間中に操作手段が操作され、第5の演出が繰り返し実行される場合に、一の第5の演出において示される期待度が、それより前に実行された第5の演出において示された期待度よりも低い期待度となることを抑制できるという効果がある。また、これにより、遊技者に対して、第5の演出によって示される期待度が高くなっていくことを期待させて、繰り返し操作手段を操作するように仕向けることができ、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機としてランダムな情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて識別情報の動的表示である第1の演出の態様を選定する選定手段とを有する主制御手段と、その主制御手段からの指示に応じて、前記選定手段により選定された前記第1の演出の態様に基づき前記第1の演出を実行する第1演出実行手段を有する副制御手段とを備え、前記第1演出実行手段により実行される前記第1の演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技者により操作される操作手段と、前記副制御手段は、前記第1演出実行手段による前記第1の演出を実行中の所定期間中に、前記操作受付手段により前記操作手段の操作が受け付けられる度に、前記第1の演出において前記所定の識別情報が現出される期待度を示す第2の演出を繰り返し実行する第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2の演出で示す期待度を、その第2の演出が実行される毎に選択する選択手段と、を備え、該選択手段は、前記第2の演出で示す期待度を選択する場合に、該第2の演出よりも前に前記所定期間中に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度を非選択とすることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、主制御手段において、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により取得された情報に基づいて、識別情報の動的表示である第1の演出の態様が選定手段により選定される。そして、副制御手段において、その選定された態様で識別情報の動的表示が第1の演出として第1演出実行手段により実行される。この第1演出実行手段により実行される第1の演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、副制御手段において、第1演出実行手段による第1の演出を実行中の所定期間中に、操作受付手段により操作手段の操作が受け付けられる度に、第1の演出において所定の識別情報が現出される期待度を示す第2の演出が第2演出実行手段によって繰り返し実行される。ここで、その第2演出実行手段により実行される第2の演出で示す期待度は、選択手段によって、各第2の演出が実行される毎に選択される。そして、この選択手段では、一の第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択する場合に、該第2の演出よりも前に所定期間中に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度を非選択としている。これにより、一の第1の演出中に、ある第2の演出において所定の期待度が示された後、その後の第2の演出では、その所定の期待度と同じ期待度か、より高い期待度を示すことができる。よって、一の第1の演出の中で行われる複数の第2の演出において、所定の識別情報が現出される期待度が高く示された後に、該期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止しつつ、一の第1の演出中に繰り返し実行される各第2の演出単位で当たりとなる期待度を決定できるという効果がある。また、これにより、遊技者に対して、第2の演出によって示される期待度が高くなっていくことを期待させて、繰り返し操作手段を操作するように仕向けることができ、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2のいずれかにおいて、遊技者により操作される操作手段を備え、前記第1の演出は、前記所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間を有して構成され、前記第2の演出は、前記第1期間に合わせて実行される第6の演出と、前記第1期間中に遊技者による前記操作手段の操作があった場合に実行される第7の演出とを含み、前記選択手段は、前記第1期間より前に実行される第2の演出において、前記選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合は、前記第6の演出において示す期待度として、前記特定のランクを選択するものであり、前記副制御手段は、前記第1期間より前に実行される第2の演出において、前記選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合は、前記第7の演出を非実行とすることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の演出において所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間より前に実行される第2の演出において、選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合は、第1期間に合わせて実行される第2の演出である第6の演出において示す期待度として、特定のランクが選択手段により選択される。また、この場合、第1期間中に遊技者による操作手段の操作があっても、その操作によって実行されるべき第7の演出が非実行とされる。これにより、第1期間となる前の早い段階で、所定の識別情報が現出される期待度として特定ランクの期待度が第2の演出によって示された場合、第1期間中は、その特定ランクの期待度を示す第6の演出に遊技者を集中させることができる。よって、遊技者に所定の遊技価値が付与される期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記第2の演出は、前記第1期間中に自動で実行される第8の演出を含み、前記選択手段は、前記第1期間より前に実行される第2の演出において、前記選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合、前記第8の演出において示す期待度として、前記第6の演出において選択されたランクよりも期待度の低いランクを非選択とすることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1期間より前に実行される第2の演出において、選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合は、第1期間中に自動で実行される第8の演出において示す期待度として、第6の演出において選択されたランクよりも期待度の低いランクが、選択手段によって非選択とされる。これにより、第8の演出において、所定の識別情報の現出される期待度が特定のランクよりも低く示されることがなく、その期待度は維持されて示されるか、高く示される。よって、第1期間中に、この第8の演出によって、所定の識別情報の現出される期待度が成り上がって行く様子を遊技者に見せることができるので、遊技者の興趣を更に高めることができるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2のいずれかにおいて、前記選択手段は、一の第2の演出において所定の期待度以上の期待度を選択した場合に、その一の第2の演出の後に実行される第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択するときに前記一の第2の演出で示された期待度よりも低い期待度を非選択とすることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一の第2の演出において所定の期待度以上の期待度を選択した場合に、その一の第2の演出の後に実行される第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択するときに一の第2の演出で示された期待度よりも低い期待度が非選択とされる。これにより、第1の演出中に複数回実行される第2の演出において、所定の識別情報が現出される期待度として所定の期待度以上の期待度が示されると、その後に行われる第2の演出で示される期待度が、所定の期待度よりも低くなることを防止できる。よって、第1の演出中に複数回実行される第2の演出のうち一の第2の演出において所定の期待度以上の期待度が示された後に、別の第2の演出において所定の期待度よりも低い期待度が示されることによって、遊技者の興趣が失われることを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3のいずれかにおいて、前記第1の演出は、前記所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間を有して構成され、該選択手段は、前記第1期間中に実行される一の第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択する場合において、少なくとも前記第1期間中に前記第2の演出よりも前に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度を非選択とすることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1の演出は、所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間を有して構成されており、その第1期間中に実行される一の第2の演出に対して該第2の演出で示す期待度を選択する場合において、少なくとも第1期間中に前記第2の演出よりも前に実行された第2の演出で示した期待度よりも低い期待度が、選択手段によって非選択とされる。これにより、第1の演出において第1期間となった場合には、少なくとも、その第1期間中に、ある第2の演出において所定の期待度が示された後、その後の第2の演出では、その所定の期待度と同じ期待度か、より高い期待度を示すことができる。よって、所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間中に行われる複数の第2の演出において、所定の識別情報が現出される期待度が高く示された後に、該期待度が低くなることを防止できるので、遊技者が興趣をそがれることを抑止しつつ、一の第1の演出中に実行される各第2の演出単位で当たりとなる期待度を決定できるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3のいずれかにおいて、前記第1の演出は、前記所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間を有して構成され、前記第2の演出は、前記第1期間に合わせて実行される第6の演出と、前記第1期間中に遊技者による前記操作手段の操作があった場合に実行される第7の演出とを含み、前記選択手段は、前記第6の演出において、前記選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合は、一の第7の演出において示す期待度として、前記第6の演出において選択されたランクよりも期待度の低いランクを非選択とすることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の演出は、所定の識別情報が現出されることを示唆する第1期間を有して構成されており、その第1期間に合わせて実行される第2の演出である第6の演出において、選択手段により特定のランクの期待度が選択された場合は、第1期間中に遊技者による操作手段の操作があった場合に実行される第2の演出である第7の演出において示す期待度として、第6の演出において選択されたランクよりも期待度の低いランクが、選択手段によって非選択とされる。これにより、特定のランクの期待度を示す第6の演出が第1期間に合わせて実行される場合は、遊技者によって操作手段が操作された場合に実行される第7の演出において、必ず、特定のランク以上の期待度が示される。よって、第1期間中は、第2の演出(第6の演出および第7の演出)において示される期待度を最低限特定のランクに確保でき、後は、操作手段を操作することで、第7の演出において期待度が更に高くなっていくことを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3,G1,G2のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機H1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3,G1,G2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機H2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A5,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1〜F3,G1,G2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機H3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示手段に変動演出(識別情報の動的表示)を表示して遊技の興趣向上を図っている。変動演出は、入球口(始動口)に球が入球(始動入賞)することで開始される演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に合計9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて表示される図柄等をスクロールさせ、そのスクロールが停止した際に、所定の停止位置において停止図柄が予め定められたものとなっている場合に当たりを発生させるものである。
また、単に変動演出を表示手段に表示するだけでなく、当たりとなる期待度を遊技者に示す演出を変動演出中に実行する遊技機がある。そのような遊技機では、当たりとなる期待度を遊技者に示す演出を、一の変動演出中に複数回実行するものが多い。これにより、たとえ変動時間の長い変動演出が行われても、変動演出中に当たりとなる期待度を遊技者に示す演出を複数回実行することで、遊技者は退屈することなく、当たりとなる期待感を高めながら遊技を行うことができる(例えば、特許文献1:特開2007−312981号公報)。
従来の遊技機では、当たりとなる期待度を遊技者に示す演出を変動演出中に複数回実行する場合、その複数回実行される演出のパターンを変動開始時に一括して決定していた。これに対し、各演出単位で当たりとなる期待度を決定する方法が考えられる。
しかしながら、一の変動演出中の各演出単位で当たりとなる期待度を決定する場合、一度高い期待度を示す演出が行われた後に、期待度の低い演出が行われる場合が生じ得る。これにより、遊技者は、一旦当たりとなることへの期待感を高めたにも関わらず、実は当たりとなる可能性が低いかもしれないことを認識することになり、がっかりして遊技への興趣がそがれてしまうおそれがある。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技への興趣がそがれることを抑止しつつ、一の変動演出中の各演出単位で当たりとなる期待度を決定できる遊技機を提供することを目的としている。