<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、パチンコホール島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成され、その操作の前後で特定の演出(たとえば、遊技者参加型演出)に変化をもたらす際に利用される「枠演出用ボタン13(演出用操作手段)」が設けられている。この枠演出用ボタン13は、たとえば、特定の演出が発生したときに、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時(入力受付期間中)に押下することにより演出に変化をもたらすための演出用操作手段として働く。
なお、上記演出用操作手段としては、たとえば、ボタン式、ジョグダイヤル式、非接触型センサを利用したタッチセンサ式、液晶表示装置を利用したタッチパネル式などが挙げられるが、いずれの場合にも遊技者による操作が行われた場合に演出に何らかの変化を与える(操作の前後で演出に変化をもたらす)ために利用できるものであれば特に制限されない。また、上記演出用操作手段について、その種類や設置個数も特に制限されない。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする部材(流路振分手段)として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。ただし、この実施形態の場合、センター飾り48は少し右側に膨出した形となっている。
センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、かつ固定ネジなどにより遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。このようなセンター飾り48は、遊技球の落下方向を変換する遊技球落下方向変換部材(落下方向変換手段)として働く。
なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。またセンター飾り48には、適所に、その動作態様により視覚的演出効果を奏する可動体役物(後述の時計盤部81、花型役物90など)が設けられている。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、予告演出(たとえば、演出画像表示)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作(たとえば、シーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで当否が判明する)により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、大当り(「大当り」の詳細は後述する)に係る規定ラウンド数を報知する「規定ラウンド報知手段」として機能し、たとえば、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、その規定ラウンド数が報知されるようになっている。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37が設けられている。この普通図柄始動口37(第3の始動手段)は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成しても良いし、両流下経路のそれぞれに形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうる。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属するといえる。
また上始動口34については、概ね左流下経路3bまたは左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞が困難または不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センター飾り48のステージを経た遊技球を含む)について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお、各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンターケース48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物90)が配設されている。また押しボタン式の枠演出ボタン13が第3の可動体役物(回転灯62)によって構成されている。斯様な可動体役物の動作パターンにより、視覚的演出効果を発揮しうる「可動体演出」が現出される。
(第1の可動体役物80)
第1の可動体役物は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部(数字表示部)81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所(ローマ文字「I」から「XII」の数字セクター)毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、それらのローマ文字「I」から「XII」を付した数字セクターが個々に独立して異なった色で発光できる構成となっている。
この時計型役物80は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「主役物」として働くものである。この時計型役物80は、時計型役物80の時計針82の動作態様および/または時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色することにより、遊技者に対し当り当選期待度を示す働きをする。たとえば、時計針82に関しては、その回転スピード、たとえば「不回転、低速回転、高速回転」の順に当り当選期待度が高まるように構成したり、時計盤部(数字表示部)81に関しては、その数字セクターのLEDの発光色が白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、デンジャー柄(D柄)の順に当り当選期待度が高まるように構成することができる。また、時計針82の回転スピードと、時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色との組合せにより当り当選期待度を報知することができる。たとえば、数字セクターのLEDの発光色が、白色、青色、黄色、緑色、赤色、デンジャー柄(D柄)の順に当り当選期待度が高まるが、このとき、同色間であれば、時計針82の回転スピードの順に(たとえば、不回転・青色、低速回転・青色、高速回転・青色の順に)当り当選期待度が高まるように構成されている。
なお本実施形態では、図柄変動表示ゲーム中の所定の期間、時計型役物80の時計針82が低速回転または高速回転し続ける構成としているが、当該期間の途中で時計針82が停止するように構成して、その停止した時計針82の短針が指す数字セクターの数字で、または当該数字と発色する数字セクターの色とで当り当選期待度を示すようにしても良い。また時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色が、虹色(プレミアム色)に発光した場合は大当り確定を報知可能に構成することができる。
(第2の可動体役物90)
第2の可動体役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向に移動(落下移動)可能に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置する萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1および茎部B2を左右方向に移動(突出移動)可能に構成した第2可動体92とから構成される。この実施形態の場合、第1可動体91と第2可動体92は、液晶画面の片側近く(右側方)に位置し、互いに独立に動作可能である。
動作態様に関して記述すると、第1可動体91は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置(後述する合体位置)よりも上方のホームポジション(原位置)に位置し、また第2可動体92は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置よりも右方のホームポジション(原位置)に位置する。そして、第1可動体91は単独に上方の原位置から液晶画面右上の図2の実線位置に花冠A2が来るように移動でき、また、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から液晶画面右上の図2の実線位置に萼B1が来るように移動できる。第1可動体91と第2可動体92は、両者が同時に作動して図2の実線位置(合体位置)まで移動した場合、ここで花冠A2と萼B1が重なり合って合体し、花心A1の周りに花冠A2を配し、更にその外側周囲に萼B1を配して花被を二重にした「花型部」を形作る。この意味で、第2の可動体役物90は「花型役物」とも称される。
この花型役物90は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「副役物」として働くものである。第1可動体91と第2可動体92が合体した場合、第1可動体91(花心A1および花冠A2)が第2可動体92の茎部B2の先端部において回転すると共に、半透明の花心A1、花冠A2および萼B1が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。これらの作用により遊技者に対する当り当選期待度を高める。なお、図柄変動表示動作が停止(図柄変動表示ゲームが終了)すると、花型役物90は図2に実線で示す演出位置(合体位置)から原点位置に戻る。
この実施形態の場合、第1可動体91は単独に上方の原位置から図2の実線位置(合体位置)に移動でき、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から図2の実線位置(合体位置)に移動できるとした。しかし第1可動体91と第2可動体92は液晶画面領域に出現または突出し、そこで合体するように構成してもよい。このように構成した場合、第1可動体91と第2可動体92は、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図示せず)で静止している。しかし、大当り入賞球またはハズレ入賞球が発生し、上記所定の条件が成立すると、第1可動体91は上方から下方に、また第2可動体92は右方向から液晶画面に近寄った位置または液晶画面の一部を覆う演出位置(図2に実線で示す位置)まで移動して来て、両者が合体する。斯様な可動体役物の動作態様により、インパクトのある演出効果が発揮される。なお第2の可動体役物90の動作態様種別(可動体組合せ動作態様種別)についての詳細は、図41〜図42にて後述する。
(第3の可動体役物)
第3の可動体役物は、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物は、大当り確定予告(当確を報知するいわゆる「一発告知演出」が該当する)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、たとえば、図柄変動表示ゲームが開始されると同時にまたは所定時間経過後に告知音(確定音)が発生されるとともに、所定時間、回転灯63が作動される。すなわち、回転灯62のランプ62aが点灯され続けると共に、ステッピングモータ63により反射鏡62bが回転され続ける。これにより遊技者は、図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出手段に対する演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またRAM203は、特定の抽選(たとえば、特別図柄に係る変動パターン抽選)に利用される乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路、カウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、パチンコ遊技機1に対する不正行為(ゴト行為)を検出する不正検出センサ99とが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
不正検出センサ99は、パチンコ遊技機1に対する不正行為(ゴト行為)を検出する不正行為検出手段として機能し、図示はしていないが、振動センサ(振動検出手段)、磁気センサ(磁気検出手段)、電波センサ(電波検出手段)などの各種センサを含むことができる。主制御部20は、斯様な不正検出センサ99からの検出情報に基づき、遊技機に異常が生じたか否かを判定する異常判定手段を備えている。
これらの不正検出センサは、一般的には、パチンコ遊技機に係るゲーム性や遊技盤面の役物の設置位置などを考慮し、不正行為を効果的に検出できるように、遊技機の適所に配置される。主制御部20は、不正検出センサ99からの検出信号に基づいて、不正行為があった否かを監視し、不正行為があったと判断した場合には、所定のエラー処理を実行するようになっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。上記のホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる上述の情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。この払出状態信号は、たとえば遊技球払出装置19に形成された各種検出センサ(遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサや、遊技球払出装置19から払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサなど)からによる払出不足信号、賞球計数信号などの状態信号である。主制御部20は、上記払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、たとえば、遊技球払出装置19の玉詰まりの発生の有無や、賞球が正しく払い出されたか否かなどを監視している。
また払出制御基板29は発射制御基板28に対して発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路、ハードウェア的に乱数を生成するためのカウンタ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またRAM203は、演出の抽選に利用される演出抽選用乱数の乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45や各種LED(演出用LED:図示せず)の発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、主に、液晶表示装置36による演出(画像表示演出)を制御し、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、上記画像表示演出の他、光演出、音演出、可動体による可動体演出などを現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90、回転灯62など)を動作させるための可動体役物モータ61、61a、61b、63に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御部24は、これら制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出スイッチ97と、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出スイッチ97a、97bとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出スイッチ97、97a、97bからの検出信号に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な枠演出ボタン13が接続され、演出制御部24は、枠演出ボタン13からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターンが時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いたパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出表示されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了し、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了して、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定の動作パターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大15ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当り(当選)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果情報、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信している。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(後述のリーチ演出や疑似連演出など)の発生を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、当落抽選結果、または大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する疑似連演出指定用の変動パターン(疑似連有りリーチ変動パターン、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない疑似連演出指定用の変動パターン(疑似連有り通常変動パターン)など、複数種類の変動パターンが含まれる。また各変動パターンに関する変動時間については、基本的には、リーチ変動パターン種別は、大当り当選期待感を煽るリーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンであることから、その演出時間との関係上、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下始動口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下始動口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
また本実施形態では、普電開放遊技の内容が異なる複数種類の「補助当り(補助当り1〜3)」が設けられている。具体的には、「補助当り1」に当選すると(2個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間(可動翼片47により下始動口35が開状態となる作動時間)が長く設定され(たとえば、開放時間が通じて5.8秒:長開放(ロング開放))、「補助当り2」に当選すると(左側の1個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間が補助当り3よりも短く設定され(たとえば、開放時間が通じて1.0秒:中開放(ミドル開放))、「補助当り3」に当選すると(右側の1個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間が補助当り2よりも短く設定されるようになっている(たとえば、開放時間が通じて0.2秒:短開放(ショート開放))。換言すれば、補助当り1〜3は、下始動口35の開放時間の長短により、遊技者に与える利益状態(下始動口35への入賞率)が異なるようになっている。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていても良い(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)。また特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる図柄側の最大保留記憶数を多く設定しても良い。本実施形態では、特別図柄2に係る大当り抽選が、遊技者とり相対的に利益が高い大当り種別が得られるように構成されていることから、たとえば特別図柄1側の最大保留記憶数を2個、特別図柄2側の最大保留記憶数をそれよりも多い4個に設定しても良い。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の2)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。
ここで本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば、上記確変状態には、「ST前半」と「ST後半」といった複数種類の確変状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。詳細は後述するが、本実施形態では、確変状態は、大当りに当選することなく図柄変動表示ゲームの実行回数が84回転終了した場合に終了されるようになっており、その確変状態における「ST前半」とは、確変状態開始から図柄変動表示ゲームが77回転終了するまで、「ST後半」とは、ST前半の77回転終了後、図柄変動表示ゲームが確変状態の残余回数である7回転が終了するまでの遊技期間を指す。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「ST前半」と「ST後半」という各遊技状態(変動パターン選択モード(後述の変動パターン振分指定番号(Tcode)):図27参照)に対応した変動パターン種別(1または複数種類の変動パターン)のうちから目的の変動パターンを選択することができるようになっている。
またこれに起因して、演出制御部24側においては、「ST前半(変動パターン振分指定番号(Tcode)「01H」)」や「ST後半(変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」)」に対応した演出モードを設け、これら演出モード下における演出を実行させることができるようになっている。なお演出モード、各遊技状態の移行条件、演出内容を指定する特別図柄の変動パターンなどの詳細については後述する。
本実施形態の場合、上記「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態(通常状態)と確変状態とが含まれ、特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態(変動パターン選択モード)、換言すれば、演出の決定に着目した場合の「変動パターン選択モード」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「通常状態」、「ST前半」、および「ST後半」が含まれる。このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態下であっても(たとえば、確変状態)、変動パターン振分指定番号(たとえば、ST前半とST後半)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。この結果、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出に大きな変化をもたらすことができ、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富化することができる。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。この当り種別には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「4R確変大当り」などの複数種類の当りが含まれる。なお図示はしていないが、少なくとも1種の「小当り」を含むことができる。
これら当りのうち、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「4R確変大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「4R確変大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りとなっている。また「小当り」は、当選時の遊技状態を継続させる当り種別となっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、説明の便宜上、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.15R確変大当りによる当り遊技)
15R確変大当りによる当り遊技(以下、「15R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を15ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の15ラウンドに達していなければ、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の10R確変大当りによる当り遊技(10R確変大当り遊技)、4R確変大当りによる当り遊技(4R確変大当り遊技)についても同様)。
なお、ラウンド遊技間における上記「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間」とからなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間(たとえば、1980ms)を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでのインターバル区間を定めた時間幅(たとえば、20ms)を指す。この開放前インターバル時間中に大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は不正行為による不正入賞とみなし、無効なものとして扱われるようになっている。
(4−2−2.10R確変大当りによる当り遊技)
10R確変大当りによる当り遊技(以下、「10R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を10ラウンドとする以外は、上述した15R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この10R確変大当り遊技は、上記15R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、5ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.4R確変大当りによる当り遊技)
4R確変大当りによる当り遊技(以下、「4R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を4ラウンドとする以外は、上述した15R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この4R確変大当り遊技は、上記15R確変大当り遊技または10R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる。
上記したように本実施形態では、規定ラウンド数が異なる大当りを複数種類設け、これにより利益状態(たとえば、大当り遊技中に、遊技者が獲得しうる賞球数)が異なるように構成されている。しかし本発明はこれに限らず、大当りの種類に応じて、大入賞口の最大開放時間を異なる開放時間に設定することにより、または大当りの種類に応じて、上記最大入賞数をそれぞれ異なる個数に設定することにより、大当り遊技による利益状態を異ならせても良い。たとえば、同じ規定ラウンド数の複数種類の大当りを設け、大入賞口の最大開放時間を、一の大当り遊技では長開放時間に設定し、他の大当り遊技ではそれよりも短時間とする「短開放時間(たとえば、10秒)」に設定することができる。また大入賞口への最大入賞数を、一の大当り遊技では第1の最大入賞数(たとえば、9個)に設定し、他の大当り遊技ではそれよりも少ない第2の最大入賞数(たとえば、4個)に設定することができる。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。
(4−3−1.15R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
15R確変大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が所定回数(本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)):たとえば84回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで(「大当りが確定するまで」とは、特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示された場合(または確定表示された後)であっても良いし、大当り抽選により大当りに当選した場合であっても良い。以下同様)当該確変状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常(内部遊技状態は通常遊技状態)」に移行されるようになっている。
本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。
(4−3−2.10R、4R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
10R確変大当り遊技後または4R確変大当り遊技後は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行され、この確変状態となってからの遊技状態遷移は、上述した15R確変大当りの場合と同じものとなっている。
なお「小当り」を設けた場合、その小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続されるようになっている。つまり、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。このため、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。また小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))’の移行制御を行うように構成することができる。このような移行形態を利用すれば、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と他の大当り遊技後の遊技状態とを同じ遊技状態(変動パターン選択モード)に移行させた場合、双方で同じ演出をなす演出モードに滞在させることができるようになっている。
また本実施形態では、どの大当りに当選しても「時短状態」が発生しない構成となっているが本発明はこれに限られない。たとえば、大当り遊技終了後に「時短状態」を発生させる他の大当り(非確変大当り:時短大当り)を設けても良い。この場合、時短状態の終了条件としては、たとえば、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば、確変状態の継続回数と同一(たとえば、84回)または異なる回数(たとえば、100回))終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定または当選するまでを条件とすることができる。また上記の「時短大当り」の規定ラウンド数は特に制限されず、適宜定めることができる。
また大当り遊技終了後に潜確状態を発生させる他の大当り(潜確大当り)を設けても良い。この場合、潜確状態の終了条件としては、たとえば、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば、確変状態の継続回数と同じ84回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定または当選するまでを条件とすることができる。また上記の「潜確大当り」の規定ラウンド数は特に制限されず、適宜定めることができる。
また本実施形態では、少なくとも高確率状態に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(規定ST回数)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定または当選するまで当該高確率状態が継続するものとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次回の大当りが確定または当選するまで高確率状態を継続させる他の大当り(非ST確変大当り)を設けても良い。また、当り遊技後に何ら特典を付与しない、通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」を設けても良い
また本実施形態の確変大当りのような「回数切り確変状態」への移行契機となる「ST確変大当り」、上記小当り、潜確状態に移行契機となる「潜確大当り」、時短状態への移行契機となる「時短大当り」、上記非STの確変状態に移行契機となる「非ST確変大当り」、通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」については、それぞれ1または複数種類含むことができるし、いずれの当りを設けるかは、遊技性に応じて自由に定めることができる(たとえば、複数種類の確変大当り、1種類の潜確大当り、1種類の時短大当りなど)。また、どのような遊技状態、内部遊技状態において、どのような大当りが当選した場合に、どのような遊技状態、内部遊技状態に移行させるかについては、ゲーム性に応じて適宜定めることができる。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。上記演出モードには、具体的には、「通常状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」といった、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。本実施形態の場合、「確変演出モード」には、「ST前半」に関連する演出が現出される「ST前半演出モード(第1の確変演出モード)」、「ST後半」に関連する演出が現出される「ST後半演出モード(第2の確変演出モード)」とが含まれる。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド(たとえば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、時短終了コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始インターバルコマンド(大当り開始コマンド)」、「大当り終了インターバルコマンド(大当り終了コマンド)」)など)」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。演出制御部24(演出状態管理手段)は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号(Tcode)を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、上記「通常演出モード」、「ST前半演出モード」、および「ST後半演出モード」のそれぞれにおいて、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示(背景演出)が、異なる背景演出に切り替え制御される。たとえば「通常演出モード」下では、季節‘冬’を連想させる背景演出(たとえば、雪山の背景画像を表示する背景演出:第4の背景演出)または季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出:第1の背景演出)に切り替え制御され、「ST前半演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出:第2の背景演出)に、また「ST後半演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出:第3の背景演出)にそれぞれ切り替え制御され、これにより滞在中の技状態を示唆される。
また上記した「背景演出」を変化させて遊技状態を示唆するものに限らず、各演出モードに対応した異なる絵柄の装飾図柄(たとえば、通常演出モードは漢数字、ST前半演出モードはローマ数字、ST後半演出モードはギリシャ数字を表示した装飾図柄)を利用したり、音演出や光演出などを変化させることにより遊技状態を示唆することもできる。
なお上記時短大当りや潜確大当りなどを設けて、時短状態や潜確状態などの他の遊技状態に移行可能に構成した場合には、これら遊技状態に関連した演出をなす演出モードを設けることができる(たとえば、時短演出モード、潜確演出モードなど)。また上記時短大当りや潜確大当りや小当りなどを設けた場合、大当り抽選確率の高低などの内部遊技状態を秘匿するために、たとえば、時短大当り後と他の確変大当り後との演出モードを同じ演出モード(秘匿演出モード)に移行制御可能に構成することができる。
具体的には、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に‘時短大当り’に当選した場合、その時短大当り遊技終了後を「ST前半演出モード」に移行させ、内部遊技状態を秘匿することができる。この場合、図柄変動表示ゲームが所定回数終了した後(たとえば、ST後半に移行されることとなる77回が終了した後)、時短状態に関連する演出をなす「時短演出モード」に移行させ、時短状態であった旨を遊技者に報知することができる。また、時短大当り終了後を「ST前半演出モード」の実体は、確変大当り後の本物の「ST前半演出モード」ではなく、ガセの「ST前半演出モード」であるので、確変大当り後の本物の「ST前半演出モード」となる。この点に着目し、上記「本物のST前半演出モード(高確)」と上記「ガセのST前半演出モード(低確)」とで、特定の演出(期待演出)の発生確率を異ならせるようにし、高確率状態であるか否かの推測要素を遊技者に与えるように構成しても良い。
(5−2.演出手段)
なお、パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段、スピーカ46などの音響発生装置、液晶表示装置36などの演出表示装置、第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、および第3の可動体役物(回転灯62)などの可動体役物、操作者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。また、枠演出ボタン13(手操作手段)の操作を、特定の期間(たとえば、大当りへの当選期待度が相対的に高い予告演出中の所定の操作有効期間)操作不能状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下できないようにする)、または操作困難状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下し難くする)に置く特殊演出手段を設けても良いし、手操作手段に対して振動を与える加振装置を設けても良い。
<6.予告演出>
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、上述した演出モード下において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、上記演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な予告演出を現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。本実施形態の予告演出現出制御手段は、「変動パターン指定コマンド」および/または「装飾図柄指定コマンド」に含まれる情報(たとえば当落抽選結果情報、リーチ演出の有無、特別停止図柄種別情報(当り種別情報)、特別図柄の変動時間情報など)に基づき、様々な予告演出を現出制御可能に構成されている。
斯様な予告演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものは、「リーチ演出」の他、たとえば「疑似連演出」、「先読み予告演出」、「色要素を用いた予告演出(キャラクタ予告演出、カットイン予告演出)」、「色要素と関連付けた音演出」などがある。
上記「当り当選期待度」は、演出の出現率(選択率)の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、後述のリーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の出現率(選択率)の高低に応じて変化する。具体的には、一のリーチ演出(たとえば、SPリーチ)が出現する場合の当り当選期待度は、大当り時およびハズレ時を含めた当該リーチ演出が実行される割合(当該リーチ演出の全出現率)のうち、大当りの場合に当該リーチ演出が実行される割合(当選時の当該リーチ演出の出現率)で示される。つまり、リーチ演出に対する当り当選期待度は、「当選時の当該リーチ演出の出現率/当該リーチ演出の全出現率」で示され、この期待度が異なるように、大当り抽選結果に関連して各リーチ演出の選択率が定められている。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(6−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いこと(大当りの当選可能性がある旨)を遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示している、といったいわゆる「聴牌状態(リーチ図柄)」)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、当り当選期待度(大当りである可能性がある旨(大当りとなる旨を含む))を予告(示唆)するものであり、当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ演出(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’演出)が出現した場合に比べて、当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。この「SPリーチ」の多くは、大当りへの当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。
斯様な「リーチ演出」には、上述のようにリーチ状態を経由するNリーチやSPリーチの他、Nリーチを経由してからSPリーチへ、または一のSPリーチから他のSPリーチ(一のSPリーチよりも当選期待度が相対的に高いSPリーチ)へと段階的に発展するステップアップ的なリーチ演出(発展型リーチ演出)を含むことができる。また「リーチ演出」には、リーチ状態を経由しない非リーチ演出(いわゆる「通常変動」)の如く装い、ハズレ変動のような印象を遊技者に与えるが、最終的に導出された結果(装飾図柄の組合せ)が大当りを示す停止表示態様となる、といった遊技者の意表を突くリーチ演出(突然当りリーチ演出)や、リーチ状態を経由し、またはこれを経由せずに、所定の変動時間、大当りを示す表示態様(当り表示態様)を保持したままで変動表示を行い、その変動表示を以って、大当り当選確定(当確)を予告してしまう、といったプレミアム的なリーチ演出(全回転リーチ演出)を含むことができる。
本実施形態のリーチ演出には、次のような複数種類のリーチ演出が設けられている。まずリーチ演出を大別すると、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に応じて、通常中専用の「Nリーチ種別(Nリーチ1〜2)、SPリーチ種別(SPリーチA、SPリーチB、SPリーチC、特殊リーチ(全回転リーチ))」や、ST中専用の「ST中リーチD、E、F、G」などが設けられている(図30、図31参照)。
リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、通常中のリーチ種別間では「Nリーチ1<リーチN2<SPリーチA<SPリーチB<SPリーチC<特殊リーチ」の関係で当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(現出率)が定められている。またたとえば、ST後半におけるリーチ種別間では「ST中リーチE<ST中リーチF<ST中リーチG」の関係で当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(発生率)が定められている。なおST前半では、単一のリーチ演出「ST中リーチD」が選択されるようになっている(図36、図37参照)。
実際の当り当選期待度は、他の予告演出(たとえば、後述の前予告演出、後予告演出、疑似連演出など)が伴うか否かに応じて変化しうる。このため、たとえば、上記SPリーチAが出現した場合であっても、当り当選期待度の高い予告演出が絡めば、上記SPリーチBと同等もしくはそれ以上の当り当選期待度となりうる。
また本実施形態では、リーチ演出が現出される場合、具体的には、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(リーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記リーチ状態形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル(リーチタイトル演出)中」と、そのリーチタイトル演出後に所定の演出時間幅で発生する「リーチ演出中」とを介して、リーチ演出の終了後に所定の演出時間幅で発生する装飾図柄の「図柄仮停止状態」が終了した後、ゲーム結果が導出表示され、これを以って、図柄変動表示ゲームが終了されるようになっている。
上記「リーチタイトル中」とは、リーチ状態形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル演出」の演出時間幅(たとえば、4秒)を指し、「リーチ演出中」とは上記リーチタイトル演出後に開始される「リーチ演出」の演出時間幅を指す。このリーチ演出の演出期間は、リーチ種別に応じた演出時間幅が設けられている。上記「リーチタイトル中」では、たとえば、今回発生するリーチ演出がどのようなリーチ演出であるかを予告するタイトル画面が表示され、そのタイトル画面が所定時間表示された後、対応するリーチ演出が実行(現出)される。
また上記「図柄仮停止状態」とは、リーチ演出が終了した後、今回の装飾図柄変動表示ゲームが終了される前段階(特別図柄が特別図柄表示装置に確定表示される前:後述の図15のステップS451における特別図柄役物動作タイマ経過前)において、所定時間(たとえば、3秒)、装飾図柄が仮停止している状態(図柄仮停止状態)を指す。演出上は、この図柄仮停止状態において、今回の図柄変動表示ゲームのゲーム結果が導出表示され、図柄仮停止状態の終了後に図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)が終了されることになる。ただし「図柄仮停止状態」において、必ずしも今回の図柄変動表示ゲームの結果が導出表示されるわけではない。たとえば、大当り抽選結果が当りの場合の「SPリーチ種別」または「ST中リーチ種別」を現出する場合、図柄仮停止状態において、ハズレを示す装飾図柄の組合せ(ハズレ停止表示態様)を一旦表示するが、最終的に大当りを示す装飾図柄の組合せ(当り停止表示態様)がゲーム結果として導出表示される場合がある(いわゆる「復活演出」)。このような演出態様を利用し、「図柄仮停止状態」中の予告演出として、後述する図41に示すような可動体演出「両方」を現出可能に構成することで、最終的なゲーム結果が導出表示されるまで(図柄変動表示ゲームが終了するまで)、当り当選期待感を遊技者に与えることができるようにしている。これにより、リーチ演出が発生した際には、最終的なゲーム結果が導出表示されるまで、遊技者が当り当選期待感を抱くことができるようにし、遊技の面白みを向上させている。なお、上述した「図柄仮停止状態」は、後述の「疑似連演出」に係る装飾図柄の仮停止状態(装飾図柄の再変動表示動作前の図柄仮停止中)とは異なる。
上記リーチ演出が現出されるときの今回の図柄変動表示ゲームに係る演出シナリオ(演出態様)として、Nリーチ種別が現出される場合には、少なくとも「リーチタイトル中」と「Nリーチ中(Nリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成され、SPリーチ種別が現出される場合には、少なくとも「リーチタイトル中」と「SPリーチ中(SPリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成される。またST中リーチ種別が現出される場合は、上述のSPリーチ種別と同じように、少なくとも「リーチタイトル中」と「STリーチ中(STリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成される。
なお本明細書では、説明の便宜上、ST中リーチ種別の「STリーチ中(STリーチ演出中)」については、SPリーチ種別の「SPリーチ中(SPリーチ演出中)」と同列に扱うものとする。したがってたとえば、後述すする図38〜図40に示す「SPリーチ中」の欄は(役物動作タイミング種別)、ST中リーチ種別については上記「STリーチ中」の演出期間が対応する。
以上では本実施形態に係るリーチ演出は、上記「リーチタイトル中」が発生するものと説明したが、本発明はこれに限らず「リーチタイトル中」が発生しないリーチ演出を含むことができる。たとえば、Nリーチ種別のうち、当選期待度が相対的に低い「Nリーチ1」の場合、「リーチタイトル中」を発生させなくても良い。「リーチタイトル中」が発生しないリーチ演出については、後述の図38〜図40に示す「リーチタイトル中」において、役物移動演出は発生しない。
<6−2.期待予告演出>
本実施形態では、大当りである旨を示す装飾図柄の組合せが導出表示される過程で上記リーチ演出を経由するようになっている。このため、遊技者にとって、リーチ演出の発生の有無が大当りの可能性を知る手がかりとなる。そこで、リーチ演出の発生可能性を予告(示唆)する演出態様、換言すれば、当選期待度をさらに明確に予告しうる演出態様として、複数種類の「期待予告演出」が設けられている。
この「期待予告演出」は、当選期待度を予告する煽り演出としての役割を担うものであるが、特定の演出(たとえば、リーチ演出)が発生する可能性がある旨を予告したり、特定の演出の発生が確定する旨を予告したりする役割も担うことができる。したがって、リーチ演出のような特定の演出が発生する演出シナリオでは、期待予告演出が当該特定の演出が発生する前段階で発生し、リーチ演出の発生可能性を予告するとともに、当り当選期待度を予告する場合がある。つまり、単にリーチ演出が単独で発生する場合よりも、期待予告演出が伴えば、当り当選期待度がより明確化され、遊技者の当り当選期待感を煽ることができるようになっている。
また期待予告演出は、大当り抽選結果に関連して、1の図柄変動表示ゲーム中(1変動動作中)に、1または複数種類の期待予告演出が複合して発生する場合があり、複数種類の期待予告演出が複合することで、より明確な当り当選期待度が示されるようになっている。たとえば、当り当選期待度が高い期待予告演出が複数種類発生すれば、当り当選期待度がより高まることになる。
次に、本実施形態の「期待予告演出」について説明する。なお本実施形態では、大当りである旨を示す装飾図柄の組合せが導出表示される過程で上記リーチ演出を経由する関係上、本明細書中では、上記「期待予告演出」の発生タイミングに着目し、リーチ演出前に発生しうる予告演出を「前予告演出」と、リーチ演出中に発生しうる予告演出を「後予告演出」と称して説明する。
(6−3.疑似連演出(疑似連))
本実施形態では、上記「期待予告演出」の一態様として、疑似連演出(以下、「疑似連」と略す)が設けられている。
「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態(見た目上、停止表示したかのように装う変動停止動作)とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、見た目上、1回の図柄変動表示ゲーム中に、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているように表現する変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。
この疑似変動を行う場合には、たとえば、仮リーチ状態(リーチ状態の可能性がある旨を示唆したり、リーチ図柄が形成されるかの如く装ったりする変動表示態様)を形成しながら、一旦ハズレとなる図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を実行したり、あるいは、通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄(疑似連の発生可能性がある旨を示唆する特殊な装飾図柄(疑似連発動チャンス図柄))を含ませた図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を実行したりすることができる。したがって、疑似連演出には、見た目上、1回の図柄変動表示ゲーム中に、見た目上、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているかのように表現する演出態様の他、上述の「疑似連発動チャンス図柄」を利用して、疑似変動の発生可能性を遊技者に示唆しながら、1または複数回の疑似変動が実行される演出態様を含むことができる。
斯様な「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当り当選期待度が高まるようにその発生率が定められており、たとえば、疑似変動回数に応じて、当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別(SPリーチ)の発生期待感を煽るための予告演出として利用される。
したがって上記「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合には(疑似連有りリーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、たとえば、リーチ演出の発生可能性がある旨や、特定のリーチ種別の発生可能性がある旨の予告として、1または複数回の疑似変動を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由して、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。またリーチ演出を含まない演出シナリオの場合には(疑似連有り通常変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由せずに、つまり通常変動が実行されて最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。ここで、上記疑似変動が終了した後に実行される変動表示動作を「本変動」とも称し、たとえば、リーチ状態を経由する場合には、この本変動にてリーチ演出が実行されて、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。またリーチ状態を経由しない場合には、この本変動にて通常変動が実行されて、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。
本実施形態では、「疑似N回(N=2、3、4)」と表記する場合、疑似連と本変動を含めた一連の変動表示動作回数N回(疑似連回数)を意味する。たとえば、「疑似2+SPリーチ」と表記する場合は、「疑似変動1回+本変動のSPリーチ」、つまり疑似変動1回後、SPリーチを実行する、といった変動表示動作態様(疑似連2回)を意味する。したがって「疑似2」と表記する場合は「疑似変動1回+本変動(たとえば、SPリーチやNリーチや通常変動)」といった変動表示動作態様を意味する。同様に、「疑似3」または「疑似4」と表記する場合は、「疑似変動2回+本変動」または「疑似変動3回+本変動」といった変動表示動作態様を意味する。また、疑似連に関し何も表記がないものは「疑似連無し」の変動表示動作態様を意味する。本明細書中では、説明の便宜上、疑似変動と本変動を含めた一連の変動表示動作回数を「疑似連回数」と称する場合がある。
(6−3−1.疑似連回数と当選期待度との関係について:図34、図35)
ここで本実施形態では、疑似連回数と当選期待度(当り当選期待度)とに次のような特徴的な関係を持たせて、遊技の面白みを向上させている。これについて、以下に詳述する。
従来の遊技機は、疑似連回数が多くなるほど、当選期待度が高まるように構成されている。たとえば、疑似連回数が多くなるほど、より当り当選期待度が高まるSPリーチ種別が発生されることを予告する。したがって、疑似連回数が少ない図柄変動表示ゲーム(たとえば、疑似2(疑似変動1+本変動))、特に、疑似連が発生しない(疑似連を伴わない(疑似ゼロ))図柄変動表示ゲームにおいては、当り当選期待度が低い、つまり「ハズレ」である可能性が極めて高くなる。また、疑似連が発生しない図柄変動表示ゲームの場合、当り当選期待度が高い予告演出(高期待度演出)が発生しても「ハズレ」である可能性が高く、折角の高期待度の予告演出が出現しても、遊技者の多くは、今回のゲームが「ハズレ」であると早々に諦めてしまい、当該ゲームに何ら当選期待感を抱かずに冷めた感覚で次回ゲームの開始を待つ、といった遊技状況となっていた。
したがって従来のように、疑似連回数が多くなるほど、当選期待度が高まるように構成してしまうと、複数回の疑似連を伴う図柄変動表示ゲームを待つだけ、といった遊技性に支配されてしまい、疑似連が発生しない(疑似ゼロ)または疑似連が1回程度(疑似2)の図柄変動表示ゲームは、遊技者が当選期待感を抱くことができず、単に消化遊技の様相を呈してしまい、遊技の面白みに欠け、予告演出の醍醐味を十分に発揮できずに、結果的に、演出の自由度を狭める結果となっていた。また疑似連回数が比較的多く発生した場合、遊技者は「大当りになる可能性が極めて高い」と推測し、過度な当り当選期待感を抱くことになる。ところが、当選期待感が非常に高まっていたにもかかわらず、遊技結果として「ハズレ」が導出されてしまうと、過度な当り当選期待感を抱いていた反動により失望落胆してしまい、かえって遊技機に対する不信感を与えてしまう。また、このようなケースを複数回経験してしまうと、予告演出に対する信頼感を失なったり、疑似連回数が多く発生しても「恐らくハズレであろう」という先入観にとらわれてしまい、大当りへの当選期待感がそがれ、元来、予告演出が有する醍醐味が十分に発揮できない恐れがある。
そこで本実施形態では、特に疑似連が発生しない「疑似連ゼロ」のリーチ変動パターンに着目し、疑似連を伴わない図柄変動表示ゲームであっても、遊技者に当り当選期待感を与えるべく、疑似連回数と、リーチ演出種別(当り当選期待度)とに、以下のような関係を持たせることにより、上記従来の問題点を解決している。これについて図34〜図35を参照しながら詳細に説明する。図34は、通常中において当り変動パターンを選択する際に利用される変動パターン振分テーブル、図35は通常中においてハズレ変動パターン(変動開始時)を選択する際に利用される変動パターン振分テーブルである。なお、変動パターン(変動開始時)を選択する処理内容については、図12(特別図柄変動開始処理)にて後述する。
(6−3−1A.当り変動パターン(通常中)について:図34)
本実施形態では、図34に示すように、当選期待度が高まるSPリーチ種別(SPリーチ演出指定用の当りリーチ変動パターン)に関し、「疑似連無し」および「疑似2」の当り変動パターンの選択率に着目すれば、「疑似2<疑似連無し(疑似ゼロ)」の関係を満たすように定められている。具体的には、「通常中SPリーチA(疑似連無し)」と「疑似2+通常中SPリーチA(疑似変動1回+本変動の通常中SPリーチA)」、「通常中SPリーチB(疑似連無し)」と「疑似2+通常中SPリーチB(疑似変動1回+本変動の通常中SPリーチB)」、「通常中SPリーチC(疑似連無し)」と「疑似2+通常中SPリーチC(疑似変動1回+本変動の通常中SPリーチB)」とについては、それぞれ「疑似2」の選択率よりも「疑似連無し」の選択率の方が相対的に高く定められている。
また「疑似連無し」、「疑似2」、および「疑似3」の当り変動パターンの選択率に着目すれば、図示のように、「疑似2<疑似連無し(疑似連ゼロ)<疑似3」の関係となっている(「疑似2<疑似連無し(疑似連ゼロ)≦疑似3」の関係でも良い)。また「疑似連無し」、「疑似2」、「疑似3」、および「疑似4」の当り変動パターンの選択率に着目すれば、「疑似2<疑似連無し(疑似連ゼロ)<疑似4<疑似3」の関係となっている。したがって本実施形態では、当りの場合におけるリーチ変動パターンの選択率が、少なくとも「疑似2<疑似連無し(疑似ゼロ)」の関係を満たすように定められている。
なお、当選期待度がSPリーチ種別よりも低い「Nリーチ種別」の場合には、例外的に「疑似2≧疑似連無し(疑似ゼロ)」の関係、つまり、疑似連回数が多いほど当選期待度が高くなるように定められているが、Nリーチについても「疑似2<疑似連無し(疑似ゼロ)」の関係を満たすように定めることができる。
ここで、Nリーチ種別(通常中Nリーチ1、2)について説明する。本実施形態では、「Nリーチ1」は疑似連無し、「Nリーチ2」は疑似連有り(疑似2+Nリーチ2)と無し(Nリーチ2)の双方のケースが存在するリーチ演出種別として定められている(図34、図35参照)。また既に説明したように、Nリーチ種別間の当り当選期待度は、「Nリーチ1<Nリーチ2」となっている。これは、当りの場合には、Nリーチ1は選択されないことに起因する。
ハズレの場合において、Nリーチ1は、リーチ図柄に対して、その図柄より2コマ以上ずれた図柄で停止、たとえば、装飾図柄が1〜9とすれば、リーチ図柄が「7」の場合、最終的に停止表示される装飾図柄の組合せは、「757」や「797」で停止する。他方、Nリーチ2は、リーチ図柄に対して、その図柄より1コマずれの図柄で停止、たとえば、装飾図柄が1〜9とすれば、リーチ図柄が「7」の場合、最終的に停止表示される装飾図柄の組合せは、「767」や「787」のハズレ表示態様で停止する。これにより、Nリーチ1が出現した場合よりもNリーチ2が出現した場合の方が、大当りを報知しうる装飾図柄の組合せ(当り表示態様)が停止する期待感を遊技者に対して与えることができるようになっている。
一方、当りの場合において、「Nリーチ2」は、図柄仮停止状態においてハズレ停止表示態様を導出表示し、一旦、ゲーム結果がハズレのように見せかけるが、最終的には、当り表示態様が導出表示されるケースと(復活演出)、図柄仮停止状態において、そのまま当り表示態様が導出表示されるケースが存在する。前者は、疑似連有りの場合、後者は疑似連無しの場合となっている。したがって、遊技者は、疑似連有りのNリーチ2(疑似2+Nリーチ2)が発生した場合、復活演出に期待を寄せることになる。
(6−3−1B.ハズレ変動パターン(通常中)について:図35)
一方、ハズレ変動パターン(リーチ演出指定用のハズレリーチ変動パターン)の選択率については、図35に示すように、疑似連回数(疑似変動回数)が多いほど当選期待度が高くなるように、その選択率が定められている。具体的には、少なくとも「疑似2<疑似連無し(疑似ゼロ)」の関係を満たすように定められている。本実施形態の場合、当選期待度の関係は「疑似連無し(疑似ゼロ)<疑似2<疑似3<疑似4」となっている。この点、上述した当り変動パターンが選択されるケースと異なる。
また、当りの当選確率よりも高確率で当選しうるハズレの場合において、「疑似連無しのリーチ変動パターン」の選択率を「疑似連有り変動パターン」の選択率よりも高確率とすることで、ゲーム進行上は、「疑似連無しのリーチ演出」の出現頻度が高くなるようになっている。そこで本実施形態では、当りの場合には、少なくとも「疑似2<疑似連無し(疑似ゼロ)」の関係を満たすように当りリーチ変動パターンの選択率を定め、これにより、ゲーム進行上、出現頻度が多い「疑似連無しのリーチ演出」が現出した場合であっても、遊技者が当り当選期待感を抱くことができるようにし、「疑似連無しのリーチ演出」が消化遊技の様相を呈してしまうことを極力防止できるようになっている。
また疑似連回数(疑似変動回数)が所定回数以上の場合(たとえば、疑似3や疑似4)、当選期待度が相対的に高まるようになっており、従来の遊技性である‘疑似連回数が多いほど当選期待度が高い’という遊技性も発揮することができるようになっている。これにより、疑似連が発生しない場合であっても遊技者が当選期待感を抱くことができ、さらに疑似連回数による当選期待度を大きく変化させることができる。その結果、演出のバリエーションが多彩なものとなり、遊技の面白みを向上させることができる。
(6−3−1C.疑似連回数リーチ種別規制)
また本実施形態では、上記従来の問題点に鑑み、疑似連有りリーチ変動パターンに関して、次のような特徴を持たせている。これについて以下に詳述する。
本実施形態では、疑似連を1または複数回実行させる複数種類の疑似連有りリーチ変動パターンが設けられており、これにより、演出上は、複数種類のリーチ演出が現出可能に構成されている。そして特徴的な構成として、図34、図35の変動パターン振分テーブルに着目すれば、複数種類の疑似連有りリーチ変動パターンのうち、疑似連回数が所定回数(たとえば、疑似3)を超える疑似連(本実施形態では、疑似4:N>3(N=4))に関連する疑似連有りリーチ変動パターン(以下「高疑似連リーチ変動パターン」と称する)の種別数(種類数)は、当該所定回数以下(たとえば、疑似3以下:N≦3(N=2〜3))の疑似連に関連する疑似連有りリーチ変動パターン(以下「低疑似連リーチ変動パターン」と称する)種別数よりも少なく、低疑似連リーチ変動パターン種別よりも、当り当選期待度が相対的に高いリーチ変動パターン種別で構成されている。たとえば、図34を参照すれば、疑似3以下の低疑似連リーチ変動パターン(ここでは、ハズレ変動パターン)種別に属するものは、「疑似2+通常中Nリーチ2」「疑似2+通常中SPリーチA」「疑似2+通常中SPリーチB」「疑似2+通常中SPリーチC」「疑似3+通常中SPリーチA」「疑似3+通常中SPリーチB」「疑似3+通常中SPリーチC」の計7種類が含まれ、高疑似連リーチ変動パターン種別に属するものは、「疑似4+通常中SPリーチC」の計1種類となっている。
このことは、高疑似連リーチ変動パターン種別が選択される場合、低疑似連リーチ変動パターン種別のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ変動パターン種別に絞られたものから選択されることを意味する。上記ハズレの例では、高疑似連リーチ変動パターン種別は、低疑似連リーチ変動パターン種別のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ変動パターン種別で構成される、といった関係(疑似連回数リーチ種別規制)が成り立つことを意味する。
また現出されうるリーチ演出に着目すれば、低疑似連リーチ変動パターン種別に関連して実行されうるリーチ演出種別は「Nリーチ」「SPリーチA〜C」の計4種類となっており、高疑似連リーチ変動パターンに関連して実行されうるリーチ演出種別は「SPリーチC」の1種類となっている。したがって、高疑似連リーチ変動パターンに関連して実行されるリーチ演出種別(SPリーチC)は、低疑似連リーチ変動パターン種別に関連して実行されるリーチ演出種別(Nリーチ、SPリーチA〜C)のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別で構成される、といった関係となっている。これにより、演出上は、所定の疑似連回数(ここでは「疑似3」)を超える疑似連(疑似4)が発生すれば、現出されるリーチ演出が高期待度のリーチ演出種別(低疑似連リーチ変動パターン種別に関連するリーチ種別のうち当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別)しか現出されないようになっている。
なお当りの場合には、図35に示すように、高疑似連リーチ変動パターンとして「特殊リーチ」を指定する変動パターンが含まれている。この場合、高疑似連リーチ変動パターン種別に属するものは、「疑似4+通常中SPリーチC」と「特殊リーチ」の計2種類となる。この特殊リーチは、大当り当選の場合に限り現出されるプレミアム的なリーチ演出種別であり、低疑似連リーチ変動パターン種別のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ変動パターン種別に含まれるものではなく、「疑似4専用のリーチ変動パターン」となっている。しかしこの場合においても、上述したハズレの場合と同事象のように、高疑似連リーチ変動パターンに関連して実行されるリーチ演出として、少なくとも‘SPリーチC’が含まれている。つまり当りの場合には、高疑似連リーチ変動パターンに関連して実行されるリーチ演出種別が、低疑似連リーチ変動パターン種別に関連して実行されるリーチ演出種別よりも当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別で構成され、その一部には、低疑似連リーチ変動パターン種別に関連して実行されるリーチ演出種別が含まれる、といった関係となっている。したがって当りの場合も、ハズレの場合と同事象のように、所定回数を超える疑似連が発生した場合には、現出されるリーチ演出が高期待度のリーチ演出種別しか現出されないようになっている。
本実施形態では、疑似連回数が所定回数を超える場合に現出されうる「第1のリーチ演出種別」の種別数が、疑似連回数が当該所定回数以下において現出されうる「第2のリーチ演出種別」の種別数よりも少なく、第1のリーチ演出種別は、第2のリーチ演出種別よりも当り当選期待度が高いリーチ種別として定めてある。また、第1のリーチ演出種別は、必ずしも第2のリーチ演出種別に含まれるリーチ演出種別でなくても良い。また上記第1のリーチ演出種別は、第2のリーチ演出種別のうちの当り当選期待度が高いリーチ種別として定めることができる。この場合は、第1のリーチ演出種別は、第2のリーチ演出種別に含まれるリーチ演出種別となる。なお遊技性や演出態様を考慮し、所定の疑似連回数以下である場合に低疑似連リーチ変動パターンとするか、また所定の疑似連回数を超える場合に高疑似連リーチ変動パターンとするかは、適宜定めることができる。またこれら変動パターンの種別数(種類数)や、これに関連して実行されるリーチ演出種別数(種類数)も適宜定めることができる。
以上のように本実施形態では、疑似連回数に応じて、当り当選期待度が相対的に低いリーチ演出種別(低期待度リーチ演出種別)の現出を排除することができるようになっている。これにより、疑似連回数が多く発生したにもかかわらず、低期待度のリーチ演出が発生してしまい、当りへの当選期待感がそがれ、遊技者が冷めた感覚に陥ることを防止することができる。また、疑似連回数に応じてリーチ演出種別が変化するので、疑似連が何回発生したかにより、リーチ演出種別を明確に予告することができる。
<疑似連回数についての変形例>
上記実施形態(第1の実施形態)では、「疑似4回(疑似変動3回)」が最多の疑似連回数となっているため、実際には、上述の「疑似連回数が所定回数を超える場合」とは「疑似連回数が所定回数(疑似4(疑似変動3回))の場合」となる(図34、図35参照)。しかし本発明はこれに限らず、「疑似連回数が所定回数(疑似4)以上の場合」に現出されうるリーチ演出種別、換言すれば、「疑似4以上」を伴う高疑似連リーチ変動パターン種別として、「疑似4+SPリーチD」、「疑似5+SPリーチD」を指定する疑似連リーチ変動パターンを設けることができる。ここでは説明の便宜上、最大疑似連回数を「疑似5」までとし、上述の「SPリーチD」と「特殊リーチ(当りの場合に限り発生)」を、たとえば、疑似4〜疑似5(疑似変動3〜4回+本変動)を伴うリーチ演出種別(疑似4〜5を伴う疑似連有りリーチ変動パターン種別)とした例(変形例)について説明する。
本変形例の場合、ハズレの場合については、疑似連回数が「疑似3以下」の場合には‘NリーチおよびSPリーチA〜C’の計4種類のうちのいずれかのリーチ演出が、「疑似4」の場合には‘SPリーチC〜D’の計2種類のうちのいずれかのリーチ演出が、「疑似5」の場合には‘SPリーチD’が現出可能とされる。また当りの場合については、疑似連回数が「疑似3以下」の場合には‘NリーチおよびSPリーチA〜C’の計4種類のうちのいずれかのリーチ演出を、「疑似4」の場合には‘SPリーチC〜Dおよび特殊リーチ’の計3種類のうちのいずれかのリーチ演出が、「疑似5」の場合には‘SPリーチDおよび特殊リーチ’計2種類のうちのいずれかのリーチ演出が現出可能とされる。
本変形例では、上記「SPリーチD」や「特殊リーチ」は、疑似3以下に関連するリーチ演出種別(疑似3以下に関連する低疑似連リーチ変動パターン)では選択されることのないリーチ演出種別となっているが、疑似連回数が多くなるに従い、リーチ演出の種別数が減少し、現出されうるリーチ演出種別が、当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別に絞られていく、といった関係となっている。なお上記では、リーチ種別数が「疑似2〜3(第1の所定回数)>疑似4(第2の所定回数)>疑似5(第3の所定回数)」の関係となっている。本変形例では、リーチ演出が高期待度側に絞られる境界となる疑似連回数は1箇所(第1の実施形態では、疑似3が境界)ではなく、第1の所定回数(疑似3)、第2の所定回数(疑似4)、および第3の所定回数(疑似5)といったように複数段階にて、当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別が現出されるように絞られていく構成となっている。
また「SPリーチD」を疑似2〜5を伴うリーチ演出種別としたケースでは、たとえば、ハズレの場合については、疑似連回数が「疑似3以下」の場合には‘NリーチおよびSPリーチA〜D’の計5種類のうちのいずれかのリーチ演出が、「疑似4」の場合には‘SPリーチC〜D’の計2種類のうちのいずれかのリーチ演出が、「疑似5」の場合には‘SPリーチD’が現出可能とされる。この場合は、第1の実施形態と同じく、高疑似連リーチ変動パターンに関連して実行されるリーチ演出種別が、低疑似連リーチ変動パターン(疑似連回数が所定回数以下に関連する疑似連有りリーチ変動パターン)に関連して実行されるリーチ演出種別のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別に絞られていく、といった関係となる。具体的には、疑似4の場合に現出されうるリーチ演出種別「SPリーチC〜D」は、疑似3以下の場合に現出されうるリーチ演出種別「NリーチおよびSPリーチA〜D」のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別で構成され、疑似5の場合に現出されうるリーチ演出種別「SPリーチD」は、疑似4の場合に現出されうるリーチ演出種別「SPリーチC〜D」のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別で構成されている。また疑似4〜5について着目すれば、疑似4〜5の場合に現出されうるリーチ演出種別「SPリーチC〜D」は、疑似3以下の場合に現出されうるリーチ演出種別「NリーチおよびSPリーチA〜D」のうちの当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出種別で構成されている。
なお「特殊リーチ」は、疑似連回数が所定回数である場合に限り、たとえば「疑似5」の場合に限り現出されるように構成することが好ましい。疑似5の場合に限り特殊リーチが発生されうる構成とすれば、たとえば、疑似5に発展した時点で、「SPリーチD」または「特殊リーチ」のうち、いずれかのリーチ演出が現出されるので、特殊リーチ発生への期待感が大いに高まる。そして、特殊リーチが発生すれば、これを以って、当確を報知することができる。また疑似連回数が所定回数を超えた場合に限り「特殊リーチ」の現出が確定する、といった構成としても良い(疑似5を伴うリーチ変動パターンを「特殊リーチ」のみが選択されるようにする)。この場合、疑似5が発生した時点で、特殊リーチの現出が確定され、遊技者は、疑似連が疑似4まで発展した場合、疑似5に発展するか否かに緊張感・高揚感を抱くことができ、疑似連演出を楽しく鑑賞することができる。なお上記「特殊リーチ」は、1または複数種類設けることができる。
本実施形態は下記のように構成することができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
所定の始動条件が成立したことを契機として、当りとするか否かに関する抽選を実行する抽選手段(図10のS311〜S314、図11のS331〜334、図12のS409、S410)と、
複数種類の遊技図柄の変動動作を演出的に表示可能に構成され、当該変動動作が終了したときの停止図柄の組合せにより表示結果を導出表示可能な表示手段(液晶表示装置36)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、前記表示手段における前記変動動作に関する変動パターンについて、リーチ状態を経由する複数種類のリーチ変動パターンを含む複数種類の変動パターンのうちから決定する変動パターン決定手段(図12のS412、その詳細を示す図14、図33〜図37)と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて、前記表示手段における遊技図柄の前記変動動作を制御する変動表示動作制御手段(図8のS059、図12のS412、図14、演出制御部24、図25)と、を備え、
前記変動パターン決定手段により前記リーチ変動パターンが決定された場合、前記リーチ状態を経由させた後、前記抽選手段による抽選結果を示す停止図柄の組合せを前記表示手段に導出表示可能に構成された遊技機において、
前記複数種類のリーチ変動パターンには、前記変動動作において少なくとも1つの前記遊技図柄を仮停止状態(たとえば右仮停止、中図柄・左図柄変動中)とし、その仮停止状態から遊技図柄の再変動動作を実行する疑似変動動作を1または複数回実行させるための複数種類の特定リーチ変動パターン(疑似連有り変動パターン:図34〜図37)が含まれ、
前記変動表示動作制御手段は、
前記変動パターン決定手段により複数種類のリーチ変動パターンのうちいずれかのリーチ変動パターンが決定された場合、その決定されたリーチ変動パターンに関連するリーチ演出を実行制御可能に構成されたリーチ演出制御手段(主制御部20、図12のS412、図14、演出制御部24、図25)を含み、
前記リーチ演出制御手段は、
前記複数種類の特定リーチ変動パターンのうち、所定回数以下(疑似連回数N≦3:疑似連回数N=2〜3)の前記疑似変動動作を伴う第1の特定リーチ変動パターン種別(たとえば、疑似連回数2〜3の実行を指定する1または複数種類のリーチ変動パターン:図34〜図35に示す「疑似2+通常中Nリーチ2」、「疑似2〜3+通常中SPリーチA」、「疑似2〜3+通常中SPリーチB」、および「疑似2〜3+通常中SPリーチC」など)の場合には、複数種類のリーチ演出種別(たとえば、通常中Nリーチ、通常中SPリーチA〜C)のうちからリーチ演出を実行制御するように構成され、当該所定回数を超える(N=4回以上:疑似連回数N>3)前記疑似変動動作を伴う第2の特定リーチ変動パターン種別(たとえば、疑似連回数4の実行を指定する1または複数種類のリーチ変動パターン:図34〜図35に示す「疑似4+通常中SPリーチC」、「特殊リーチ」など)の場合には、前記第1の特定リーチ変動パターン種別に関連して実行されるリーチ演出の種類よりも少ない種類のリーチ演出種別(たとえば、SPリーチC、特殊リーチ(当りの場合)、SPリーチD(変形例)など)のうちからリーチ演出を実行制御するように構成され、
前記第2の特定リーチ変動パターンに関連するリーチ演出種別は、前記抽選手段による前記当りが抽選される期待度について、前記第1の特定リーチ変動パターンに関連するリーチ演出種別のうち当該期待度が相対的に高いリーチ演出種別で構成されている(たとえば、通常中のリーチ種別間では「Nリーチ1<リーチN2<SPリーチA<SPリーチB<SPリーチC<特殊リーチ」の関係で当り当選期待度が高い)、
ことを特徴とする遊技機。
また前記第2の特定リーチ変動パターンに関連するリーチ演出種別は、前記期待度について、前記第1の特定リーチ変動パターンに関連するリーチ演出種別のうち当該期待度が相対的に高いリーチ演出種別と、前記第1の特定リーチ変動パターンに関連するリーチ演出種別に含まれない特定リーチ演出種別(たとえば、特殊リーチ)とを含むことができる。この特定リーチ演出種別は、前記第1の特定リーチ変動パターンに関連するリーチ演出種別よりも前記期待度が相対的に高いリーチ演出種別とすることができる。また前記特定リーチ演出種別は、前記当りが抽選された場合に限り実行されるリーチ演出とすることができる。
(6−4.他の期待予告演出:図44、図45)
上述した「疑似連」は、主として、装飾図柄の変動表示および停止表示状態に関する演出態様である。本実施形態では、上記疑似連のような装飾図柄の変動表示態様を利用した予告演出態様とは別の予告演出態様として、複数種類の前予告演出および後予告演出が設けられている。これらの予告演出は、装飾図柄の変動表示態様を利用しない演出態様であり、上記疑似連とは区別され、疑似連中においても複合発生しうる予告演出態様となっている。なお以下に説明する予告演出は、疑似連が発生する演出シナリオの場合には当該疑似連と重複して発生しうる予告演出であり、疑似連回数と当該予告演出とにより当り当選期待度が示唆されるようになっている。
(6−4−1.前予告演出:図44)
先ず図44を参照して前予告演出1〜5について説明する。図44は、本実施形態に係る前予告演出の一例を示したものである。
図44を参照して、前予告演出1〜5は、図示のように当り当選期待度がそれぞれ異なる複数種類の予告演出を含み、演出制御部24は、変動パターンの内容(変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報)に基づいて、いずれの前予告演出種別を発生させるかを決定し、その決定された前予告演出種別に属する複数種類の予告演出のうちからいずれかの予告演出を選択する。
なお説明の便宜上、本明細書中では、前予告演出1〜5および後述の後予告演出1〜2は、この番号順に、時系列的に開始タイミングの優先順位が定められているものとする。ただし前予告演出5については、例外的に、構成される演出シナリオに応じて開始タイミングが定められ、前予告演出1〜4のいずれかの開始前後または同時に開始される場合があるものとする。また本実施形態では、演出態様の性格上、一の期待予告演出と他の期待予告演出とが複合して発生しない場合がある。本実施形態では、前予告演出1と前予告演出2(時系列的に同一の開始タイミングで現出させる)、前予告演出3と前予告演出4とが同じ特性(時系列的に同一の開始タイミングで現出させ、かつ後述のステップアップ予告演出態様に属する予告演出)演出シナリオ上、これらが複合して発生しないように当該演出の選択が行われるようになっている。
上記前予告演出1〜5および後述の後予告演出1〜2の開始タイミングについて、仮に、これらすべての予告演出を発生させる演出シナリオの場合(ただし前予告演出1と前予告演出2、または前予告演出3と前予告演出4についてはいずれか一方が選択される)、「前予告演出1(または前予告演出2)(図柄変動表示開始とともに発生)→前予告演出3(または前予告演出4)→前予告演出5→リーチ演出→後予告演出1(リーチ状態形成とともに発生)→後予告演出2(リーチ状態形成後、所定時間経過後に発生)」という順序で開始される。また図示はしていないが、各期待予告演出は、その演出時間幅があらかじめ定められており、演出時間幅によっては、一の前予告演出が終了する前に他の予告演出が開始される場合がある。したがって、複数種類の期待予告演出が重複発生可能な構成となっている。また、必ずしもすべての期待予告演出が現出されるわけではなく、変動パターン種別と現在の演出モードとに基づいて、現出すべき期待予告演出を抽選により決定するようになっている(図43参照)。
(前予告演出1)
図44を参照して、前予告演出1について説明する。本実施形態の前予告演出1は、大当り抽選結果に関連した演出として、色要素に係る特定画像(予告画像)が表示されるといった、所謂「画像表示予告演出」に属するもので、その色要素に係る予告画像として表示する対象物として、本実施形態では、着物を着用したキャラクタを表現したキャラクタ画像が表示され(キャラ出現予告)、そのキャラクタの種類に応じて当り当選期待度が予告されるといった予告演出態様である。この前予告演出1に属する各演出(演出番号1〜5)は、特定画像の表示に伴い、所定の音演出または/および光演出が発生するという狭義の演出シナリオとなっている。また、それらの演出シナリオにおける音演出と光演出は、演出番号5における音演出を除き、各演出同士で同じものとなっている。なお他の期待予告演出種別に属する演出同士でも、所定の音演出、光演出、画像表示演出、または可動体役物による可動体演出などが共通した演出を含んだ狭義の演出シナリオで構成される。
具体的には、上記前予告演出1には、キャラクタが着用する着物に付された花柄(本実施形態では、花(花冠(corolla))を模した図柄または模様)およびその花に因んで付された花弁色(本実施形態では、花弁に付された色彩)の組合せがそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの色要素を持つキャラクタが出現するかにより、当り当選期待度が予告されるようになっている。遊技者は、液晶表示装置36の画面上に出現したキャラクタが着用する着物の色の種類により、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出1に属する各予告演出(演出番号1〜5)に係る模様(または図柄)と色彩との組合せ(結合)は、キャラクタが着用する着物に付された柄が、白色の花弁を持つ「百合」の花(花冠)柄(百合模様キャラ出現予告)、黄色の花弁を持つ「菊」の花柄(菊花模様キャラ出現予告)、緑色の花弁を持つ「蕗の花」の花柄(蕗の花模様キャラ予告演出)、赤色の花弁を持つ「牡丹」の花柄(牡丹模様キャラ出現予告)、およびデンジャー柄(以下、D柄と略す)の花弁を持つ「藤」の花柄(D柄藤模様キャラ出現予告)となっており、この花柄(模様および色彩の組合せ)の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図44参照)。
上記の「デンジャー柄(D柄)」は、地の黄色に黒のストライプ模様を施したもの、または、更にその黒のストライプ帯内にDANGERの文字を配してなるものの総称である。したがって「D柄」は色分け模様に属し、色要素と模様のどちらにも分類し得るが、本明細書では説明の便宜上、単に「D柄」といった場合、白、黄、緑、赤などと比肩し得る色要素「D柄の色(以下、必要に応じて「D柄色」と称する。)」を持つものとして取り扱う。なお、図面上ではD柄色を、単に「D柄」と略記している。また色要素について白、青、黄、緑、赤、D柄色などといった場合、これを地色とし当該地色上に同色または異色で模様が描かれている形態を含む。したがって、色要素には、(i)白、黒、青、黄、緑、赤、D柄色のみからなり模様がない場合つまり「無地」の形態と、(ii)白、黒、青、黄、緑、赤、D柄色の地の上に同色または異色で模様が描かれている「柄付き」の形態とが含まれる。以下では、この関係を踏まえて単に「色要素」という。また上記の関係は「色彩または模様または双方」という表現もなし得るものである。
詳しくは後述するが、前予告演出1〜2については、色要素の選択肢の数が「白色、黄色、緑色、赤色、D柄色」の5種類であるが、前予告演出2〜3では「黄色、緑色、赤色、D柄色」の4種類、後予告演出1では「緑色、赤色、D柄色」の3種類、後予告演出2では「赤色、D柄色」の2種類、というように、予告演出の出現タイミングが後になるほど、色要素の選択肢の数が少なくなる、という関係(色要素規制)が定められている。
また上記のD柄を扱った予告演出(D柄に係る予告演出)である場合、たとえば、前予告演出1では演出番号5の「D柄藤模様キャラ出現予告」である場合、その音演出だけは、当り当選期待度が高い熱い演出(ここでは、高信頼度予告演出の中でも特に当り当選期待度が高い演出)が発生したということを知らしめる「独自の音響(D柄専用音)」を発生(現出)させるように構成されている。一方、D柄に係る予告演出よりも当り当選期待度が低い予告演出(ここでは、演出番号1〜4の予告演出)の場合には、これに関連した音演出(効果音)として、それぞれ共通の音演出(同一の音演出)である「通常音(通常効果音)」が発生させるように構成されている(後述の図50参照)。
このようにD柄専用の音響を発生させる構成にすることは、D図柄を付したキャラクタが現出したことを、他の予告演出発生時と区別して、遊技者に判りやすく知らしめることになる。したがって、遊技者が脇見などをしていて、視覚の上からD図藤模様キャラクタの出現を見落した場合でも、聴覚の上から、音響により確実に認識できるようにする効果がある。このD柄に係る予告演出発生時に独自の音演出を発生させる構成は、前予告演出1中のD柄演出予告(演出番号5)だけでなく、他の前予告演出2〜5中のD柄に係る予告演出(演出番号10、15、20)および後予告演出1〜2中のD柄に係る予告演出(演出番号30、35)においても、同様に採用される。
本実施形態では、各期待予告演出に属する演出群のうち、大当り抽選結果がハズレの場合には相対的に低い確率で選択され(低出現率)、大当りの場合には相対的に高い確率で選択(高出現率)される、といった高い当り当選期待度を持つ予告演出として、当り当選期待度が所定の期待値以上(本実施形態では、当り当選期待度20%以上を持つ予告演出)のものを高信頼度予告演出と称し、それ以外を低信頼度予告演出と称する。またリーチ予告演出以上に発展することが確定する予告演出(ここでは当り当選期待度5%以上を持つ予告演出)のものを「有信頼度予告演出」と称して説明する。したがって、「有信頼度予告演出」といった場合、高信頼度予告演出をも含むことになる。
上記前予告演出1の場合、演出番号2の「黄色の菊花模様キャラ出現予告(当り当選期待度5%)」と、演出番号3の「緑色の蕗の花キャラ出現予告(当り当選期待度10%)」と、演出番号4の「赤色の牡丹模様キャラ出現予告(当り当選期待度27.5%)」と、演出番号5の「D柄の藤模様キャラ出現予告(当り当選期待度42%)」の計4種類が、「有信頼度予告演出」に属する。また、この有信頼度予告演出のうちで、演出番号4の「赤色の牡丹模様キャラ出現予告(当り当選期待度27.5%)」と、演出番号5の「D柄の藤模様キャラ出現予告(当り当選期待度42%)」が、上述の「高信頼度予告演出」に属し、その他の予告演出は「低信頼度予告演出」に属する。つまり、「白、黄、緑、赤、D柄色」の計5種類の色要素のうちで、「黄、緑、赤、D柄色」の計4種類の色要素が「有信頼度予告演出」に係るものであり、「赤、D柄色」の計2種類の色要素が「高信頼度予告演出」に係るものであり、「白」の1種類の色要素が「低信頼度予告演出」に係るものである。遊技者は、上記のような高信頼度予告演出が発生すると、大当り当選に大きな期待を寄せることになる。
(前予告演出2)
次に、前予告演出2について説明する。本実施形態の前予告演出2は、上述した前予告演出1と同じ「画像表示予告演出」に属するもので、色要素に係る特定画像(予告画像)として、夜空に開く打上花火を表現した画像が表示され、その花火の種類に応じて当り当選期待度が予告されるといった予告演出態様である。
具体的には、この前予告演出2には、その色要素に係る予告画像として表示する対象物として、上記花火(本実施形態では、花火として、花冠を模した図柄または模様)およびその花火の色(本実施形態では、花火に付された色彩)の組合せがそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの種類の花火が出現するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。遊技者は、液晶表示装置36の画面上に出現した花火の種類により、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出2に属する各予告演出(演出番号6〜10)に係る模様と色彩との組合せは、花火に色彩が付されておらず(すべて同一色が付されている)ものであって、「百合」の花(花冠)を表現した花火(百合模様打上花火予告演出)、「菊」の花を表現した花火(菊花模様打上花火予告演出)、「蕗」の花を表現した花火(蕗の花模様打上花火予告演出)、「牡丹」の花を表現した花火(牡丹模様打上花火予告演出)、およびD柄(白黒のストライプ模様のみ)を持つ「藤」の花を表現した花火(D柄藤模様打上花火予告演出)となっており、この花火種の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図44参照)。
ここで扱っているD柄(白黒のストライプ模様のみ)は、前予告演出1、前予告演出3〜5、後予告演出1〜2におけるD柄から色相を取り去った「色相のない表示形態のD柄」である。つまり地の白色に黒のストライプを施したもの、または、更にその黒のストライプ帯内にDANGERの文字を配してなるものを指している。以下、必要に応じ、これを「白黒D柄」と称して通常の色要素を持つ「D柄」と区別する。
本実施形態では、前予告演出2に属する打上花火予告演出のうち、「有信頼度予告演出」に属するものは、演出番号7の「菊花模様打上花火予告演出(当り当選期待度7%)」と、演出番号8の「蕗の花模様打上花火予告演出(当り当選期待度15%)」と、演出番号9の「牡丹模様打上花火予告演出(当り当選期待度33.3%)」と、演出番号10の「D柄の藤模様キャラ出現予告(当り当選期待度47.5%)」の計4種類である。また、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号14の「牡丹模様打上花火予告演出(当り当選期待度33.3%)」と、演出番号15のD柄藤模様打上花火予告演出(当り当選期待度47.5%)となっている。
なお前予告演出2に属する予告演出は、模様と色彩を組合せた予告演出態様としても良く、たとえば、花火に色彩を付し、白色の花弁を持つ「百合」の花(花冠)を表現した花火(百合模様打上花火予告演出)、黄色の「菊」の花を表現した花火(菊花模様打上花火予告演出)、緑色の「蕗」の花を表現した花火(蕗の花模様打上花火予告演出)、赤色の「牡丹」の花を表現した花火(牡丹模様打上花火予告演出)、およびD柄色の「藤」の花を表現した花火(D柄色の藤の花模様:D柄色藤模様キャラ予告演出)とし、前予告演出1、2と共通する模様と色彩の組合せに関連する当り当選期待度としても良い。
(前予告演出3)
次に、前予告演出3について説明する。本実施形態の前予告演出3は、特定の演出が段階的に発展しうるといった、所謂「ステップアップ予告演出」に属するもので、あらかじめ定められた順番に1段階目の演出から複数段階目の演出まで段階的に行い、より先の段階に発展した場合、当り当選期待度が高まる(最終段階目まで発展した場合は当り当選期待度が最も高い)といった予告演出態様である。換言すれば、図柄変動表示ゲーム結果を大当りとする場合はハズレの場合よりも高確率で、より先の段階目の演出まで発展していくといった予告演出態様である。前予告演出3は、1段階目(当り当選期待度最低)〜5段階目(最終段階目:当り当選期待度最高)まで発展しうるステップアップ予告演出であって、その色要素に係る予告画像として表示する対象物として、花瓶(模様、図柄)に付された色(色彩)がそれぞれ異なる複数種類のステップアップ予告演出用の画像表示演出が用意されており、どの色の花瓶の演出まで発展するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。なお、前予告演出3における花瓶の図柄または模様は、各ステップ予告演出において同一のものとなっている。したがって前予告演出3では、遊技者は、主として、最終的に発展したときの花瓶に付された色(色彩)の違いにより、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出3に属する各演出(演出番号12〜15)は、特定画像の表示に伴い、所定の音演出または/および光演出が発生するという狭義の演出シナリオとなっている(演出番号11は不使用で空きとなっている)。前予告演出3は、前予告演出1〜2に比べ選択肢となる色要素の種別が1つ少ない4種類(青色、黄色、赤色、D柄色)になっている点に、大きな特徴がある。また、それらの演出シナリオにおける当該音演出と光演出は、演出番号15(D柄花瓶予告)における音演出を除き、各演出同士で同じものとなっている。演出番号15のD柄花瓶予告の音演出だけは、当り当選期待度が高い熱い演出が発生したということを知らしめるべく、独自の音響を発生させるように構成されている。
上記前予告演出3に属する各予告演出(演出番号12〜15)に係る模様(または図柄)と色彩との組合せは、花瓶に付された模様がそれぞれ同じものであって、花瓶色が、「黄色」の花瓶(黄色花瓶予告演出:1段階目(SU1))、「緑色」の花瓶(緑色花瓶予告演出:2段階目(SU2))、「赤色」の花瓶(赤色花瓶予告演出:3段階目(SU3))、および「D柄」の花瓶(D柄花瓶予告演出:4段階目(SU4))となっており、この花瓶種の順により先の段階目の演出に発展するごとに、当り当選期待度が高くなるように定められている(図44参照)。この前予告演出3に属する各演出は、それぞれ花瓶の図柄が同一であるが、花瓶に付された色彩を異ならせることにより、上記した前予告演出1、2などと共通する(同一または酷似する)色彩に関連した当り当選期待度となっている。
本実施形態では、前予告演出3に属する予告演出のうち、上記有信頼度予告演出に属するものは、1段階目に対応する演出番号12の黄色花瓶予告演出(当り当選期待度5%))、2段階目に対応する演出番号13の緑色花瓶予告演出(当り当選期待度12.5%))、3段階目に対応する演出番号19の赤色花瓶予告演出(当り当選期待度25%)と、最終段階目(4段階目)に対応する演出番号20のD柄花瓶予告演出(当り当選期待度50%)の計4種類となっている。また、上記高信頼度予告演出に属するものは、4段階目に対応する演出番号19の赤色花瓶予告演出(当り当選期待度25%)と、最終段階目(5段階目)に対応する演出番号20のD柄花瓶予告演出(当り当選期待度50%)となっている。
なお上記前予告演出3が「疑似連」中に発生する場合には、複数回の疑似変動に亘り、疑似連回数ごとに予告演出を段階的に発展させることができる。たとえば、疑似連が2回(疑似変動1回+本変動)の場合、初回の変動動作(疑似連1回目)では1段階目の黄色花瓶予告演出が、2回目の変動動作(本変動)では、2段階目の緑色花瓶予告演出に発展する、といった演出態様とすることができる。また初回の変動動作(疑似連1回目)では1段階目から複数段階目の演出(たとえば、2段階目の緑色花瓶予告演出)に発展させることもできる。この場合、2回目の変動動作(本変動)では、前回の変動表示動作において発展したその段階目以降の演出に発展させることができる。たとえば、初回の変動動作(疑似連1回目)で2段階目の緑色花瓶予告演出に発展した場合、2回目の変動動作(疑似連2回目)では、その2段階目の緑色花瓶予告演出と同じか、またはそれより上の段階目である赤色花瓶予告演出以上の演出まで順次発展させることができる。演出制御部24は、前予告演出3を選択した場合、変動パターンの内容に基づいて、第1段階目から複数段階目のうちのいずれの段階目のステップアップ予告演出まで発展させるかを、変動パターン指定コマンドに含まれる「変動パターン情報」に基づいて抽選により選択(抽選により決定)することができる。
(前予告演出4)
次に、前予告演出4について説明する。本実施形態の前予告演出4は、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る予告演出態様をいい、「遊技者参加型」の予告演出態様である。この「ボタン予告演出」では、所定の操作受付期間中に枠演出ボタン13が操作された場合、現在の現出中の演出態様が他の演出態様に変化(たとえば現出中のキャラクター表示が変化したり、特殊な効果音が発生したりする)し、当該変化した演出態様の種類に応じて当り当選期待度を予告する予告演出態様となっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
上記前予告演出4は、前予告演出3と同じ「ステップアップ予告演出」に属するものであるが、次の点が異なる。前予告演出4では、必ずしも1段階目に対応した演出から開始されるわけではなく、途中の段階目に対応する演出(たとえば、2段階目の演出)から開始される場合がある。また初回の演出の発生中における所定の期間(ボタン操作許容期間)中に、枠演出ボタン13の操作された場合、現段階目の演出が維持されるか(たとえば、初回が1段階目の演出の場合、枠演出ボタン13の操作後も当該1段階目の演出が維持される)、または次の段階目の演出に発展するか(たとえば、初回が1段階目の演出の場合、枠演出ボタン13の操作後、当該2段階目の演出に発展)、もしくは次の段階目の演出を経由せずに複数段回目の演出まで一気に発展しうる(たとえば、初回が1段階目の演出の場合、枠演出ボタン13の操作後、最終段階目の演出に発展)、といったステップアップ予告演出態様となっている。演出制御部24は、上記予告演出態様として、ステップアップ予告演出(本実施形態では、前予告演出4)を選択した場合、変動パターンの内容に基づいて、当該ステップアップ予告演出として、第1段階目から複数段階目のうちのいずれの段階目のステップアップ予告演出まで発展させるかを選択(変動パターンに基づいて、抽選により選択)する。
当り当選期待度については、上記前予告演出3のステップアップ予告演出と同じく、より先の段階目の演出に発展した場合、当り当選期待度が高まる。この前予告演出4は、画面上に表示されるキャラクタの台詞の文字色がそれぞれ異なる複数種類のボタン予告演出用の画像表示演出が用意されており、枠演出ボタン13の操作後にどの色の文字に発展するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。遊技者は、最終的に発展したときの台詞の文字色の違いにより、当り当選期待度を推測できるようになっている。
上記前予告演出4に属する各演出(演出番号17〜20)は、特定画像の表示に伴い、所定の音演出または/および光演出が発生するという狭義の演出シナリオとなっている(演出番号16は不使用で空きとなっている)。また、それらの演出シナリオにおける当該音演出と光演出は、演出番号20(D柄台詞文字予告)における音演出を除き、各演出同士で同じものとなっている。演出番号20のD柄台詞文字予告の音演出だけは、当り当選期待度が高い熱い演出が発生したということを知らしめるべく、独自の音響(D柄専用音)を発生させるように構成されている。
上記前予告演出4に属する各予告演出(演出番号16〜20)に係る模様(ここでは、文字の画像)と色彩との組合せは、上記台詞の文字色が、黄色の文字(台詞文字黄色予告演出:SU1)、緑色の文字(台詞文字緑色予告演出:SU2)、赤色の文字(台詞文字赤色予告演出:SU3)、およびD柄の文字(台詞文字D柄予告演出:SU4)となっており、この文字色種の順に当り当選期待度が高くなるように定められている(図44参照)。この前予告演出4に属する各演出は、それぞれ台詞は同一であるが、文字色を異ならせることにより、前予告演出3と同じく、上記した前予告演出1〜3と共通する(同一または酷似する)色彩に関連した当り当選期待度となっている。本実施形態では、前予告演出4に属する予告演出のうち、上記有信頼度予告演出に属するものは、1段階目に対応する演出番号17の台詞文字黄色予告演出(当り当選期待度5%)と、2段階目に対応する演出番号18の台詞文字緑色予告演出(当り当選期待度12.5%)、3段階目に対応する演出番号19の台詞文字赤色予告演出(当り当選期待度25%)と、4段階目に対応する演出番号20の台詞文字D柄予告演出(当り当選期待度50%)の計4種類となっている。また、上記高信頼度予告演出に属するものは、3段階目に対応する演出番号19の台詞文字赤色予告演出(当り当選期待度25%)と、4段階目に対応する演出番号20の台詞文字D柄予告演出(当り当選期待度50%)となっている。
前予告演出4は、前予告演出3と同じく、前予告演出1、2に比べ選択肢となる色要素の種別が1つ少ない4種類(黄色、緑色、赤色、D柄色)になっている点(色要素規制1)に、大きな特徴がある。つまり、演出番号16に白色台詞文字予告演出が存在しない。このため、色要素が「白色」を含む5種類から「白色」を除いた4種類に狭められていることを予め知っている遊技者には、前予告演出1または前予告演出2のいずれかが発生した後に前予告演出4が発生した場合、その事実のみで、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。たとえば、前予告演出2として色要素が「赤色」の牡丹模様花火予告(演出番号9)が現出した後、前予告演出4として色要素が「緑色」の緑色台詞文字予告(演出番号18)が現出した場合、これ迄のように、色要素が「赤色」から「緑色」に変化したので当選期待度が下がったと考えるのではなく、そのような色要素の格下げに気を取られることなく、単純に「前予告演出2に加えて前予告演出4が発生した」という事実を以て、当選期待度が上がったと判断し、自己の緊張感を持続させることができる。
(前予告演出5)
次に、前予告演出5について説明する。本実施形態の前予告演出5は、可動体役物(時計型役物80、花型役物90)の動作パターンおよび/または遊技機に配設された特定の装飾ランプ45による光演出により、当り当選期待度を示唆する予告演出態様であり、後述の色要素規制1の例外に位置するものとして掲げてある。ここでは、時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色(白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄)や、装飾ランプ45の発光色の違いにより当り当選期待度を示唆するようになっている。
上記前予告演出5の光演出は、発光色が、白色(役物演出白色予告演出)、黄色(役物演出黄色予告演出)、緑色(役物演出緑色予告演出)、赤色(役物演出赤色予告演出)、およびD柄(役物演出D柄予告演出)の計5種類となっており、この発光色種の順に当り当選期待度が高くなるように定められている(図44参照)。この前予告演出5に属する各演出は、上記した前予告演出1〜4と共通する(同一または酷似する)色彩に対応した当り当選期待度となっている。ただし、演出番号25のD柄役物演出予告(D柄に係る可動体役物演出)の音演出だけは、当り当選期待度が高い熱い演出(高信頼度予告演出の中でも特に当り当選期待度が高い演出)が発生したことを知らしめる「独自の音響」を発生させるように構成されている。
本実施形態では、前予告演出5に属する予告演出のうち、上記有信頼度予告演出に属するものは、演出番号22の役物演出黄色予告演出(当り当選期待度5%)と、演出番号23の役物演出緑色予告演出(当り当選期待度10%)と、演出番号24の役物演出赤色予告演出(当り当選期待度22.5%)と、演出番号25の役物演出D柄予告演出(当り当選期待度37.5%)の計4種類となっている。また上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号24の役物演出赤色予告演出(当り当選期待度22.5%)と、演出番号25の役物演出D柄予告演出(当り当選期待度37.5%)となっている。
なお、上記の前予告演出1〜5の少なくともいずれか1つの前予告演出種別には、当り当選期待度が100%(当選確定)となるプレミアム的な演出(プレミアム演出)を、追加的に設けておくこともできる。たとえば、ハズレ時には選択されることのないプレミアム用の予告演出(プレミアム演出)として、特別な色要素種(たとえば、虹色)を持つプレミアム画像が出現する予告演出を追加的に設けることができる。なお、その選択率は適宜定めることができるが、予告演出がプレミアム的な位置付けである関係上、大当り当選時に係る他の予告演出よりも低確率で出現させることが好ましい。
(6−4−2.後予告演出:図45)
次に図45を参照して、後予告演出1および後予告演出2について説明する。図45に、本発明の一実施形態に係る遊技機における「後予告演出」を例示する。なお上記前予告演出で説明した内容と同じ点は、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
本実施形態の後予告演出1〜2は、リーチ変動パターンに基づく演出シナリオ(リーチ演出が含まれる演出シナリオ)に限り発生する予告演出態様である。後予告演出1は、前予告演出3〜4に比べ選択肢となる色要素の種別が1つ少ない3種類(緑色、赤色、D柄色)になっている。また後予告演出2は、この後予告演出1に比べ、選択肢となる色要素の種別がさらに1つ少ない3種類(赤色、D柄色)になっている。
(後予告演出1)
本実施形態の後予告演出1は、前予告演出1〜3と同じ所謂「画像出現予告演出」に属するもので、色要素に係る特定画像(予告画像)として、複数の花弁が舞い落ちる様を表現した画像が表示され、この舞い落ちる花弁の種類に応じて当り当選期待度が示唆されるといった予告演出態様である。この後予告演出1には、その色要素に係る予告画像として表示する対象物として、花弁(模様、図柄)およびその花に因んで付された花弁色(色彩)がそれぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの種類の花弁が出現するかにより、当り当選期待度が示唆されるようになっている。
上記後予告演出1に属する各予告演出のうち演出番号26と演出番号27は空きとなっている。演出番号28〜30に係る模様(または図柄)と色彩との組合せは、黄色の「菊」の花弁(菊花弁落下予告演出)、緑色の「蕗の花」の花弁(蕗花弁落下予告演出)、赤色の「牡丹」の花弁(牡丹花弁落下予告演出)、およびD柄の「藤」の花弁(藤花弁落下予告演出)となっており、この花弁種の順に、当り当選期待度が高くなるように定められている(図45参照)。後予告演出1は、上記前予告演出1〜5の種別と共通する模様と色彩との組合せに関連した当り当選期待度となっている。本実施形態では、後予告演出1に属する予告演出のうち、上記有信頼度予告演出に属するものは、演出番号28の蕗花弁落下予告演出(当り当選期待度10%)と、演出番号29の牡丹花弁落下予告演出(当り当選期待度35%)と、演出番号30のD柄藤花弁落下予告演出(当り当選期待度55%)となっている。また、上記高信頼度予告演出に属するものは、演出番号29の牡丹花弁落下予告演出(当り当選期待度35%)と、演出番号30のD柄藤花弁落下予告演出(当り当選期待度55%)となっている。
後予告演出1は、前予告演出3〜4に比べ、選択肢となる色要素の種別が1つ少ない3種類(黄色、緑色、赤色、D柄色)になっている(色要素規制1)。つまり、演出番号26、27が空であり、ここに百合花弁落下予告演出や菊花弁落下予告演出が存在しない。このため、色要素が「黄色」を含む4種類から「黄色」を除いた3種類に狭められていることを予め知っている遊技者には、前予告演出3、4のいずれかが発生し、その後に後予告演出1が発生した場合、その事実のみで、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。
たとえば、前予告演出4として赤色台詞文字予告(演出番号19)が現出した後、後予告演出1として蕗の花弁落下予告演出(演出番号28)が現出した場合、これ迄のように、色要素が「赤色」から「緑色」に変化したので当選期待度が下がったと考えるのではなく、そのような色要素の格下げに気を取られることなく、単純に「前予告演出4に加えて後予告演出1が発生した」という事実を以て、当選期待度が上がったと判断し、自己の緊張感を持続させることができる。
(後予告演出2)
次に、後予告演出2について説明する。本実施形態の後予告演出2は、上記前予告演出4と同じ、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、上記前予告演出遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る予告演出態様である。後予告演出2は、後予告演出1の所定時間経過後に現出される。
上記後予告演出2には、予告演出態様として、キャラクタがそれぞれ異なる複数種類のボタン予告演出用の画像表示演出が用意されており、所定の操作受付期間中に枠演出ボタン13の操作された場合、キャラクタがカットインする様を表現した画像表示演出が現出され、どの種類のキャラクタがカットイン表示されるかにより、当り当選期待度が予告されるといった予告演出態様である。なお、ここで出現するキャラクタに関しては、前予告演出1と同一または類似するものであり、キャラクタの一部が拡大カットイン表示される点と、当り当選期待度とが異なる点以外は、実質的に同じものである。しかし、キャラカットイン画像として、キャラクタの全体画像を扱うことができる。たとえば、花柄の着物を着用したキャラクタがカットイン表示されるようにしても良い。また、キャラクタに与える色要素の表示態様には特に制限はなく、たとえば、キャラクタの周囲に後光のようなオーラを発する様を表現した画像として、キャラクタが色付オーラを纏う画像(オーラ画像)を表示させるようにしても良い。
本実施形態の後予告演出2では、その色要素に係る予告画像として表示する対象物として、キャラクタの目線を強調した顔拡大部分の画像がその周囲領域画像(たとえばキャラクタの背景画像および/またはキャラクタが発するオーラ画像)と共に液晶領域の一部を占める表示画像(「目線カットイン画像」と称する)を扱い、これをキャラクタカットイン画像として液晶画面内にカットイン表示する構成になっている。そして、この目線カットイン画像に付された色要素(色彩)によって、それぞれ異なる複数種類の画像表示演出が用意されており、どの色要素を持つキャラクタカットイン画像が出現するかにより、当り当選期待度が予告される。遊技者は、この液晶表示装置36の画面内に出現したキャラカットイン画像の色の種類により、当り当選期待度を推測できるようになっている。
本実施形態では、後予告演出2に属する予告演出のうち、上記有信頼度予告演出に属するものは、演出番号34の赤色キャラカットイン(赤色)予告演出(当り当選期待度36%)と、D柄キャラカットイン(D柄)予告演出(当り当選期待度62.5%)の2種類であり、この2種類は高信頼度予告演出に属するものとなっている。
また、後予告演出2は、後予告演出1に比べ選択肢となる色要素の種別が1つ少ない3種類(赤色、D柄色)になっている(色要素規制1)。つまり、演出番号31、32、33が空きとなっており、演出番号33に、後予告演出1の「蕗の花弁落下出現予告(演出番号28)」に対応する「蕗の花模様キャラ出現予告(緑色)予告」なるものが存在しない。このため、後予告演出2では、後予告演出1に比べ、選択肢の色要素が「緑色」を含む3種類(緑色、赤色、D柄色)から、「緑色」を除いた2種類(赤色、D柄色)に減じられていること、つまり緑色よりも期待度の高い色要素(赤色、D柄色)の側に選択範囲が狭められていることを予め知っている遊技者にとっては、「前予告演出1が発生した後に後予告演出2が発生した」という事実のみで、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。
たとえば、後予告演出1が発生し次いで後予告演出2が発生する場合において、先にD柄藤花弁落下予告(後予告演出1の演出番号30)が現出し、その後、牡丹模様キャラク出現予告(後予告演出2の演出番号34)が現出した場合、これ迄のように、色要素が「D柄色」から「赤色」に変化したので当選期待度が下がったと考えるのではなく、そのような色要素の格下げに気を取られることなく、単純に「後予告演出1に加えて後予告演出2が発生した」という事実を以て、当選期待度が上がったと判断し、自己の緊張感を持続させることができる。
なお、上記の後予告演出1または後予告演出2においては、当り当選期待度が100%(当選確定)となるプレミアム演出を追加的に設けておくこともできる。たとえば、ハズレ時には選択されることのないプレミアム用の予告演出(プレミアム演出)として、特別な色要素(たとえば、虹色)を持つプレミアム画像が出現する予告演出(たとえば、虹色花弁が舞い落ちる様を表現したプレミアム画像が出現する「全種花弁群落下予告演出」)を追加的に設けることができる。
以上のように本実施形態では、予告演出として、色要素に係る特定画像(予告画像)が表示される場合、その色要素に係る予告画像として表示する対象物が互いに異なる色彩および/または模様による予告画像を表示し、その表示態様種別により当り当選期待度の違いを報知可能となっている。
なお以上に説明した各期待予告演出は、本発明に係る演出態様の一例を示したものであり、これら期待予告演出とは何ら関係性のない模様(または図柄)および/または色彩による他の演出態様を含むことができる。
<7.先読み予告演出>
また予告演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、大当りの当選可能性がある旨(当り当選期待度)を事前に報知する先読み予告演出がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる(図10のステップS317、図11のS337(乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理)、図12のステップS409(特別電動役物作動判定用乱数判定処理)〜S410(特別停止図柄作成処理)参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)を事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図10のS319、図11のS339(始動口入賞時乱数判定処理)参照)。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由するリーチ変動パターンとなるのか、それともリーチ状態を経由しない通常変動パターンとなるのかについて事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、リーチの有無や疑似連の有無・その回数などの情報だけでなく、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターンを判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
詳しくは、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」と、上記先読み判定結果の情報(少なくとも当落結果を先読み判定した情報)を含む「入賞時コマンド」とが主制御部20から演出制御部24に送信され、これらコマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。
上記保留加算コマンドと入賞時コマンドとは、それぞれ2バイトで構成される。本実施形態の場合、保留加算コマンドは、特図種別情報(特図1、2の別)を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定時の作動保留球数情報と特定可能とする下位バイト側データとから構成され、入賞時コマンドは、当落結果を指定する上位バイト側のデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データとから構成される(図30、図31参照)。
ただし演出制御部24は、必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行可否を抽選により決定し、先読み予告演出実行可と決定した場合には、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させるようになっている。
なお作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。これについて、たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「疑似2+SPリーチA」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。
このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「疑似2+SPリーチA」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「SPリーチA」種別である旨、具体的には、「SPリーチA」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチA種別」である旨を指定することができる。本実施形態の場合、「SPリーチA」という同系統の変動パターンとは、SPリーチA(疑似無し)、疑似2+SPリーチA、疑似3+SPリーチAなどを指す。このケースに係る先読み予告演出では、「SPリーチA」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチA種別」に関連した演出態様が現出されることになる。
したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、当り当選期待度が高い煽り演出(本ケースでは、SPリーチA種別)が発生する可能性が高いか低いかといった情報、換言すれば、大当りの当選可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(7−1.先読み予告演出態様:図5、図6)
次に図5および図6を参照しながら、先読み予告演出態様について説明する。図5および図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図5を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特図図柄1側に対応)、a2〜d2(特図図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球(以下「ゲーム実行中保留」と称する。)を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。このゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77での保留表示態様と同じ表示態様が維持され、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告表示態様(専用保留表示態様)が当該ゲーム中においても遊技者に報知される。これにより、遊技者に対し、当り当選期待感を煽ることができるようになっている。
しかし本実施形態では、保留表示領域76、77での保留表示態様とは異なる保留表示態様を現出可能となっている。たとえば、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで、アイコンの表示色が変化したり(たとえば、保留表示領域76、77に表示されていた保留表示態様よりも当り当選期待度が相対的に高い保留表示態様に変化する)、別の形状(たとえば、当り当選期待度を示唆、または疑似連発生(疑似連回数)を示唆するキャラクタ画像やアイテム画像など)に変化したりするようになっている。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに関する当り当選期待度がより明確に報知される。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記保留加算コマンドを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選に係る作動保留球が先読み予告演出の対象となった作動保留球となる(たとえば、図5のハッチングを施した保留表示部b2が該当する)。なお本実施形態では、先読み予告抽選実行条件として、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ変動パターン種別がないことを条件とする。これは、連続的に発生している先読み予告演出の途中に他のリーチ演出が介在して、本来の先読み予告演出が寸断され、その演出効果が希薄になってしまうのを回避するためである。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示の青色から、予告表示の黄色、緑色、赤色、D柄または虹色などの特殊な保留色に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の表示は、この色の順に、当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。この保留色は、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。具体的には、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、当り当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。なお「保留表示変化系」の先読み予告演出態様としては、上述のように保留色を変化させることに限らず、特殊なキャラクタを模したアイコンなどに変化するようにしても良い。このような「保留表示変化系」の先読み予告演出は、作動保留球発生時に現出されることから「入賞時変化系」の先読み予告演出と称される。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御が行われるが、上記した通常と異なる保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、上記の保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能となっている。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行し、単発的にまたは連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全てまたは一部の図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像(図示の稲妻を模した予告画像)を表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出も「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。なお、各図柄変動表示ゲームにおいて、異なる先読み予告画像であっても良い。
先読み予告演出の実行形態を次のような形態とすることができる。たとえば(イ)入賞時変化系(保留表示変化系)だけを実行する、(ロ)変動開始時変化系(画像表示変化系)だけを実行する、(ハ)入賞時変化系と変動開始時変化系の双方を実行する、といった種々の実行形態とすることができる。本実施形態では、この(イ)〜(ハ)の形態を実行可能に構成されている。具体的には、先読み予告抽選により、入賞時変化系の先読み予告演出と、変動開始時変化系の先読み予告演出とが、それぞれ独立して抽選され、上記(イ)〜(ハ)のいずれの先読み予告演出を実行するか、それとも先読み予告演出自体を実行しないかが決定されるようになっている。つまり、入賞時変化系および変動開始時変化系の少なくともいずれか一方の先読み予告演出が現出可能(入賞時変化系と変動開始時変化系とがそれぞれ独立して現出可能)に構成されている(後述の図22のS714)。
したがって、「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らず、またその逆に、「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らない。また、入賞時変化系(保留表示変化系)」の先読み予告演出と「変動開始時変化系(画像表示変化系)」の先読み予告演出とが重複的に(同時)に発生することもある。
なお本実施形態では、「入賞時変化系」と「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能に構成しているが本発明はこれに限らず、「入賞時変化系」と「変動開始時変化系」のいずれかの先読み予告演出だけを現出可能に構成することができる。また先読み予告演出は、液晶表示装置36に限らず、それぞれ異なる演出手段により現出させても良く、たとえば、「入賞時変化系」を液晶表示装置36により、「変動開始時変化系」を1または複数種類の可動体役物により現出させることができる。
ここで上記したように入賞時変化系の先読み予告演出と変動開始時変化系の先読み予告演出とがそれぞれ独立して現出可能に構成されている関係上、時系列的に先後する異なる作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に実行される場合がありうる。しかし、先読み予告演出中に新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に発生すると、現在発生中の先読み予告演出が、時系列的に先に発生した作動保留球(古い作動保留球)を対象とした先読み予告演出であるのか、それとも新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出であるのかが不明確になり、遊技者の混乱を招いたり、予告演出に係る期待度が不明確になる、といった問題を招く。
そこで本実施形態では、先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出を実行させない(制限する)構成となっている(図22のS714を迂回する処理ルート)。具体的には、(A)入賞時変化系(保留表示変化系)および/または変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出(入賞時変化系(保留表示変化系)および/または変動開始時変化系(画像表示変化系)が現出(実行)されることを制限するようになっている。たとえば、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出に関する抽選自体を実行しないようになっている。好ましくは、入賞時変化系(保留表示変化系)および/または変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした一切の先読み予告演出を制限する。
また同一系統の先読み予告演出同士が現出されるのは好ましくない点を考慮し、同一系統の先読み予告演出同士の重複的発生を制限する構成としても良い。たとえば、(B)入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告中は、新たな作動保留球を対象とした入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告演出が現出されることを制限する。この場合、変動開始時系は制限しないようにすることができる。また(C)変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告中は、新たな作動保留球を対象とした変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出が現出されることを制限する。この場合、入賞時変化系は制限しないようにすることができる。
(7−2.先読み予告演出態様例:図6)
次に図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下、「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(たとえば、稲妻を模した稲妻画像表示による稲妻演出:専用予告画像)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。
このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。その後、今回の図柄変動表示ゲーム中に、当り当選期待度が相対的に高まる煽り演出(疑似連やリーチ演出(SPリーチ))が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。なお、同図(4)において、変動開始時変化系の稲妻演出が、今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了されると説明したが、当該ゲームは、先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームであることから、当該ゲームで稲妻演出を発生させる必要性に乏しい。したがって、先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームにおいて変動開始時変化系の稲妻演出を現出させない構成としても良い。この場合、変動開始時変化系の先読み予告演出は、入賞時変化系の「専用保留表示」の終了とともに終了される。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
<主制御部側の処理:図7〜図18>
次に図7〜図18を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図7)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図8)とを含んで構成される。
<8.主制御側メイン処理:図7>
図7は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ:図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、CPU201は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次いで、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(ステップ012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、ステップS012の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(ステップS016)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次いで、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS017)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(ステップS018)。なおRAMクリア時は、遊技状態が「通常」となり、また演出制御部24が上記RAMクリア表示コマンドを受けると、RAMクリアされた旨を報知する初期化報知演出をRAMクリア報知タイマ(30秒)が経過するまで実行し、初期状態の演出モードとして、演出モードを「通常演出モード」に設定するようになっている。
次いで、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS019)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。この各種乱数更新処理(ステップS021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタなどが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS021の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であればゼロを元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
ステップS012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、RAMクリアスイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS012:YES)。そこで、このような場合、ステップS012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS013)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘**H’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理の処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS013:NO)、ステップS016の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(ステップS013:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(ステップS014)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、ステップS014の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS014:NO)、ステップS016の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(ステップS014:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を行う(ステップS015)。また遊技復旧処理では、バックアップ情報から遊技復旧のための所定の情報を取得し(電源遮断時における、特図1・特図2作動保留球数情報や変動パターン振分指定番号(Tcode)情報や内部遊技状態情報など)、その情報を含ませた各種の演出制御コマンド(電源復帰用コマンド)を演出制御部24に送信する。これにより演出制御部24に電源遮断時の遊技進行状態を知らせて、遊技復旧時には、電源遮断時の演出状態に復帰させる。
ステップS015の遊技復旧処理を終えると、ステップS019の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。
<9.主制御側タイマ割込処理:図8>
次に図8を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図8は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図8において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において遊技球を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。なお上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。本実施形態では、RAM203の所定領域に、上始動口34用の上始動口入賞カウンタ、下始動口35用の下始動口入賞カウンタ、普通図柄始動口37用の普通図柄始動口入賞カウンタ、大入賞口50大入賞口50用の大入賞口入賞カウンタ、一般入賞口43用の一般入賞口用の入賞カウンタなどが設けられている。
またこの入力管理処理では、入賞検出スイッチからの検出情報が入賞を許容すべき期間中に入賞したか否かに基づいて、不正入賞があったか否かも監視される。たとえば、可動翼片47が作動中でないにもかかわらず下始動口センサ35aが遊技球を検出したり、大当り遊技中でないにもかかわらず(大入賞口有効入賞期間内でないにもかかわらず)、大入賞口センサ52aが遊技球を検出したりした場合は、これを不正入賞とみなし、その旨を外部に報知するべく、後述のエラー管理処理(ステップS055)において所定のエラー処理が行われるようになっている。なお不正入賞を検出した場合には、その検出情報を無効とし、賞球の払い出しを無効化とすることができる。これにより、不正入賞による賞球を防止することができる。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS054)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(ステップS055)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常を監視し、動作異常(エラー)が発生した場合には、エラー種別に応じたエラー処理を行う。エラー処理としては、たとえば、所定の遊技動作(たとえば、遊技球の払い出し動作や遊技球の発射動作など)を停止させたり、エラー種別に応じたエラー報知用コマンド(エラーコマンド)を演出制御部24に送信して、演出手段に対しエラーが発生した旨を報知させたりする。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS056)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)29に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板29は、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS058)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS057)の補助当りに関する補助当り抽選として、補助当りに当選か否かを抽選する「補助当り当落抽選」、その当落抽選に当選した場合には、補助当り1〜3のいずれの補助当りであるかを抽選する「補助当り図柄抽選」を行う。また補助当り抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド41aに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド41aに対して出力され、これにより可動翼片47の動作が制御される。なお普通電動役物管理処理は、1または複数種類の補助当りを対象に抽選を実行する補助当り抽選手段、補助当り抽選手段に抽選結果に基づき、普電開放遊技を実行制御する補助当り制御手段として機能する。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS059)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図9にて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を行う(ステップS060)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果に基づき、当選となった当りに応じた当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図17にて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS061)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、右打ち指示情報(右流下経路3cを狙う旨を指示する情報(普通図柄始動口37に入賞を促す指示情報))を報せる「右打ち報知演出(第1発射位置誘導演出)」を現出させるための処理を行う。ここでの右打ち指示情報は、たとえば、液晶表示装置36に「右打ち」を遊技者に促す画像を表示したり(たとえば、「右打ちせよ」の警告表示)、スピーカ46から右打ちを促す効果音(たとえば、「右打ちしてね」の音声)を発生させたりする。この右打ち情報が報知されるケースとしては、電サポ有り状態下において遊技者が誤って発射位置を左流下経路3b側に狙いを定めていると推定されるケースで、電サポ有り状態下において、上始動口34に入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口37へ入賞が発生しない場合などが挙げられる。このような場合、この右打ち報知情報管理処理において、上記右打ち報知演出の実行を指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が右打ち報知演出を現出制御する構成となっている。
またここでは、「電サポ無し状態」下において普通図柄始動口37に遊技球が入賞(通過)した場合、左打ち指示情報(左流下経路3bを狙う旨を指示する情報(上始動口34に入賞を促す指示情報))を報せる「左打ち報知演出(第2発射位置誘導演出)」を現出させるための処理も行われる。ここでの左打ち指示情報は、上述した右打ち指示情報と同じく、たとえば、液晶表示装置36に「左打ち」を遊技者に促す画像を表示したり(たとえば、「左打ちせよ」の警告表示)、スピーカ46から右打ちを促す効果音(たとえば、「左打ちしてね」の音声)を発生させたりする。この場合、この右打ち報知情報管理処理において、上記左打ち報知演出の実行を指示する「左打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が左打ち報知演出を現出制御する構成となっている。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39aや特別図柄表示装置38a,38bに対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおステップS057の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、ステップS059の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図9のステップS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS063)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。上記動作状態情報には、大当り遊技が発生した旨(条件装置が作動した旨)、小当り遊技が発生した旨、図柄変動表示ゲームが実行された旨(特別図柄変動表示ゲームの開始または終了した旨)、入賞情報(始動口や大入賞口に入賞した旨や賞球数情報)、エラー発生情報などの各種情報が含まれる。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS064)。このソレノイド管理処理では、ステップS058の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド41cに対する励磁信号の出力処理、ステップS060の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、可動翼片47や開放扉52bが所定のパターンで動作し、下始動口35や大入賞口50が開閉される。
以上のステップS051〜ステップS064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<10.特別図柄管理処理:図9>
次に、図8中の特別図柄管理処理(ステップS059)について説明する。図9は、ステップS059の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、CPU201は、まず特別図柄1側(上始動口34側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(ステップS301)、次いで、特別図柄2側(下始動口35側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(ステップS302)。なお、特図1始動口チェック処理と、特図2始動口チェック処理の詳細は図10〜図11で後述する。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、大当り遊技中でない場合(ステップS303:≠5AH、かつステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、小当り遊技中(ステップS303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作が実現されることになる。なお上記の特別図柄変動開始処理(ステップS306)、特別図柄変動中処理(ステップS307)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS308:)の詳細は、それぞれ、図12、図15、図16A〜図16Bにて後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS62)で出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(10−1.特図1始動口チェック処理:図10)
まず、特図1始動口チェック処理(図9のステップS301)について説明する。図10は、上記のステップS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、入賞時コマンド、保留加算コマンドの作成・送信処理などが行われる。なお後述の特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)も特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、および保留加算コマンドの作成処理などが行われ、次に述べる特図1始動口チェック処理と同じ処理手順を踏む。
図10において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合(ステップS312:YES)、後述のステップS325の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、各種の乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリア(第1の保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する特図2保留記憶エリア(第2の保留記憶エリア))とが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。
他方、大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から抽出される。この乱数生成回路は、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ34aから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。CPU201は、このカウント値を大当り判定用乱数値として、RAM203の保留記憶エリアと別個に設けられたRAM203の大当り判定用乱数値用の記憶領域(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納し、必要なタイミングで、その特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファに格納された大当り判定用乱数値を読み出し利用する。なお本実施形態では、入賞時における大当り判定用乱数値を特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファと保留記憶エリアとに格納するようになっているが、特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファを設けない場合は、保留記憶エリアにそのまま格納し、必要なタイミングで、該当保留記憶エリアの大当り判定用乱数値を読み出すように構成しても良い。
次いで、入賞時コマンド(詳細は後述する)を作成するための入賞コマンドデータ(入賞時コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「FFH」)を取得し(ステップS315)、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。上記「特図1先読み禁止条件」とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず(ステップS315の処理により、先読み禁止データ(EVENT:「FFH」)を持つ入賞時コマンドが先読み禁止を指定するものとなる)、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS316:YESの処理ルート参照)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が確変状態中である場合に、特別図柄1側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ有り状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄1側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
第1の理由としては、「確変状態(本実施形態では、ST中)」のような‘電サポ有り状態’下に置かれた場合は、下始動口35への入賞率が通常遊技状態よりも著しく向上し得る「高ベース遊技状態(可動翼片47の作動率向上状態:たとえば、補助当りの当選確率が256分の255となり、開放延長機能が作動する)」となるため、遊技者が普通図柄始動口37へ入賞させるように発射位置を狙い定めた場合(右流下経路3cを遊技球が通過するように狙いを定めた場合)、特別図柄2に係る作動保留球数(以下、「特図2作動保留球」と称する)が頻繁に発生するものと推定される。これに対し、電サポ無し状態下に置かれた場合は、可動翼片47の作動率が低い「低ベース遊技状態(補助当りの当選確率が256分の1となり、開放延長機能が未作動となる)」となり、また本実施形態では、遊技くぎなどの落下方向変換部材に起因して、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっており、遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合には、特に不利益をもたらす、という遊技性となっている。このため、電サポ有り状態中に遊技者が左流下経路3b側を遊技球が通過するように発射位置を定めることはないものと推定され、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特図1作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
また第2の理由としては、技術介入性の問題がある。たとえば、現在、特図1作動保留球を対象とした何らかの先読み予告演出(特に、当り当選期待度が高い先読み予告演出)だけが発生した場合、遊技者がこれを認識すれば、特図2作動保留球を途切れないようにして優先変動側である特別図柄変動表示ゲーム2を継続的に実行させることで、特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選の恩恵を最大限受けながらゲームを進行させていくことができてしまう。本実施形態では、特別図柄1側の図柄抽選を受けるよりも特別図柄2側の図柄抽選を受けた方が、利益の高い「10R確変大当り」や「15R確変大当り」が高確率で当選するようになっている(詳細は後述する)。このため、特別図柄1側(特別図柄変動表示ゲーム1側)の大当り抽選を受けるよりも特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選を受ける方が、遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。これを利用し、特図1作動保留球の大当り当選期待度が高いことが判明している場合には、電サポ有り状態が終了するまで特別図柄2側の大当り抽選の恩恵を最大限受けた後、その当選に係る特図1作動保留球を消化させ大当りを獲得しうる、といった技術介入性の問題が生じ、遊技者間の不平等を招来する。
そこで本実施形態では、上記のような問題点に鑑み、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を、遊技状態に応じて切り替え制御可能に構成されている。詳しくは、主制御部20は、第1の先読み判定手段(たとえば、特図1側の先読み判定処理:後述の図10のS317〜S323に相当する)による先読み判定を禁止して第2の先読み判定手段(たとえば、特図2側の先読み判定処理:後述の図11のS337〜S343に相当する)による先読み判定を許容する「第1の先読み禁止状態(たとえば、電サポ有り状態を伴う遊技状態の場合)」と、第2の先読み判定手段による先読み判定を禁止して第1の先読み判定手段による先読み判定を許容する「第2の先読み禁止状態(たとえば、電サポ無し状態を伴う遊技状態の場合)」とを、所定の条件(たとえば、現在の内部遊技状態、または電サポ状態の有無)に基づき切替制御する‘先読み禁止状態制御手段’としての機能部を備えている。
また、この先読み禁止状態制御手段は、所定の条件に基づき、上記第1の先読み判定手段と上記第2の先読み判定手段とによる先読み判定を全面的に禁止する第3の先読み禁止状態に切り替える「先読み全面禁止手段」を設けることができる。上述の「所定の条件」とは、たとえば、大当り遊技中の場合が挙げられる。これは、大当り遊技中の場合は、作動保留球が発生しても特別図柄の変動表示動作が行われないことから、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出を行う必要性に乏しいからである。
また、大当り遊技の前後で大当り抽選確率が変動する場合がある。そして、本実施形態の大当り遊技中においては、一旦低確率状態に移行するようになっており(後述の図20AのS475参照)、大当り遊技中に作動保留球が生じて、これを対象とした先読み判定を行うと、先読み判定時には低確率状態で当落抽選をし、変動開始時には高確率状態で当落抽選をしてしまうといった不具合が生じ、先読み判定結果が矛盾してしまう恐れがあるからである。ただし、今回当選した大当り種別により、大当り遊技終了後の抽選確率状態が高確率であるか低確率であるかが判断できるので、先読み判定の際、大当り終了後の抽選確率状態で当落抽選を行い、大当り遊技中に発生した作動保留球を対象に先読み判定を実行可能に構成しても良い。なお本実施形態のように、大当りに当選すれば、大当り遊技終了後は必ず高確率状態に移行する遊技機においては、先読み判定の際に高確率状態と仮定して当落判定を行い、大当り遊技中に発生した作動保留球を対象に先読み判定を実行可能に構成し、当該大当り遊技中に先読み予告演出を実行可能に構成しても良い。
再びステップS316の説明に戻り、特図1先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS316:YES)、先読み判定に関する処理(ステップS317〜S319)は行わずに、ステップS320Aの処理に進む。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS316:NO)、ステップS317の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS317)。この乱数判定処理は、この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球(ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1(特図1)側)に係る「当落抽選」を事前に判定する‘先読み判定(先読み当落判定)’を行う。
具体的には、まずRAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、次いで、当り乱数判定テーブルを取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(大当り、ハズレの別の判定)、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(後述の図12のS409参照)」の抽選結果(変動開始時の当落抽選結果)を先読み判定し、その結果を取得する。
ここで本実施形態では、このステップS317の乱数判定処理で取得した大当り判定フラグの状態(5AHまたは00H)をCPU内蔵の汎用レジスタ(たとえば、Aレジスタ)に取り込む。そして、大当り判定フラグをレジスタに保持した状態で、この乱数判定処理を抜けて、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理をに進むようになっている。つまりCPU201は、レジスタに取り込んだ当落抽選結果をRAM203には格納せずに、これを保持したまま、この乱数判定処理を抜けるようになっている。
本実施形態では、今回の乱数判定処理で得られた判定結果、すなわち先読み判定における当落抽選結果のデータは、続く「特別停止図柄データ作成処理」で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることがない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずにレジスタに保持した状態のままで乱数判定処理を抜けても問題はない。これにより、乱数判定処理の判定結果(入賞時処理における当落判定処理の判定結果(先読み判定に係る当落結果))を格納するためのプログラムを必要とせず、またその判定結果を格納するための専用の格納領域を別途設ける必要はないことから、ROMやRAMのメモリ容量を削減し、制御負担を軽減することができるようになっている。
(T−1.当り乱数判定テーブル)
上記当り乱数判定テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る「特図1用当り乱数判定テーブル(図示せず)」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「特図2用当り乱数判定テーブル(図示せず)」とが含まれ、図10の特図1始動口チェック処理中においては「特図1用当り乱数判定テーブル」、図11の特図2始動口チェック処理中においては「特図2用当り乱数判定テーブル」が参照される。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)と低確率状態(低確))別に、当落種別(大当りか、小当りか、ハズレかの別)を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当りまたはハズレのいずれかが決定されるようになっている。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」といったように当落種別が異なる場合がある。本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態ではそれよりも10倍程度上昇した約1/39.7で大当りに当選するようになっている。なお本実施形態の場合、特図1用当り乱数判定テーブルと特図2用当り乱数判定テーブルとで大当り当選の判定領域は同じ(大当りの当選確率は同じ)である。
上記したステップS317の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS318)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「図柄抽選」を事前に判定する‘先読み判定(先読み図柄判定:(当り(当選)種別の先読み判定))’を行う。なお上記乱数判定処理(ステップS317)〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)が大当り抽選結果を先読み判定する‘先読み当り判定’に係る処理となる。
ステップS318の特別停止図柄データ作成処理では、まずステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果を取得し、この当落抽選結果(大当り、ハズレの別)に応じた図柄テーブル(後述の大当り図柄テーブル、またはハズレ図柄テーブル:図示せず)を選択する。そして、ステップS314で取得した特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別停止図柄作成処理(後述の図12のS410参照)」の抽選結果(変動開始時の図柄抽選結果)を先読み判定する。
(T−2.図柄テーブル)
上記図柄テーブルには、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、当選種別を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記「特別図柄判定データ」とは、当選種別(当選の種類)を識別するデータであり、具体的には、4R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当り、ハズレA〜Cのいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12のステップS411の遊技状態移行準備処理、ステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、大当り遊技の実行制御に関する処理(図6の特別電動役物管理処理(ステップS060)など)において利用されるデータである。
また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。本実施形態では、たとえば、同じ15R確変大当りの場合であっても、判定値によっては特別図柄表示装置38a、38bに表示される特別停止図柄の表示態様(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)が異なる場合がある。このように、当選種別が同じであっても、特別図柄判定用乱数値に応じた複数種類の特別停止図柄番号を定めることにより、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄を見ても、遊技者がどのような種類の大当りやハズレに当選したかの見分けがつき難いようにすることができる。
(T−2−1.大当り図柄テーブル)
本実施形態の大当り図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「大当り図柄テーブル1」と特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「大当り図柄テーブル2」とが含まれ、図10の特図1始動口チェック処理中においては「大当り図柄テーブル1」、図11の特図2始動口チェック処理中においては「大当り図柄テーブル2」が参照される。
これら大当り図柄テーブルには、特別図柄判定用乱数値と、大当り種別を決定するための判定値とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが決定されるようになっている。
上記大当り図柄テーブル1では、たとえば、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜139の範囲に属する場合には「4R確変大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):140/200)、判定値140〜189の範囲に属する場合は「10R確変大当り」当選となり(図柄選択率:50/200)、判定値190〜199の範囲に属する場合には「15R確変大当り」当選となり(図柄選択率:10/200)、大当り種別が所定の図柄選択率で決定され、これに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記大当り図柄テーブル2は、上述の大当り図柄テーブル1と基本的な構成は同じであるが、大当り図柄テーブル1と次の点が異なる。大当り図柄テーブル2では、大当り図柄テーブル1と比較し、特定の大当りの図柄選択率(図柄抽選確率)が異なる。具体的には、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜39の範囲に属する場合には「4R確変大当り」当選となり(図柄選択率:40/200)、判定値40〜99の範囲に属する場合には「10R確変大当り」当選となり(図柄選択率:60/200)、判定値100〜199の範囲に属する場合には「15R確変大当り」当選(図柄選択率:100/200)となっている。つまり、大当り図柄テーブル1による図柄抽選よりも大当り図柄テーブル2による図柄抽選の方が相対的に高い利益の大当りの種類が選択される確率が高く、遊技者にとって有利な図柄抽選となっている。これにより、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の抽選を受ける方が遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。特に、電サポ有り状態下では、下始動口35側の入賞確率が飛躍的に向上して特別図柄変動表示ゲーム2の実行機会も増えるため、電サポ有り状態中は、高ベース遊技状態であるだけでなく、図柄抽選の観点からも遊技者にとって有利な遊技状態とされる。
(T−2−2.ハズレ図柄テーブル)
本実施形態のハズレ図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「ハズレ図柄テーブル1」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「ハズレ図柄テーブル2」とが含まれる。
上記ハズレ図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、ハズレ種別(たとえば、ハズレA〜Cのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお、ハズレ図柄テーブル1とハズレ図柄テーブル2とは、ハズレA〜Cの当選に係る判定値が異なっており、したがって特別図柄判定用乱数値が同じ値であっても、ハズレ図柄テーブル1が参照される場合と、ハズレ図柄テーブル2が参照される場合とでは、当選となるハズレ種別が異なる場合がある。
本実施形態では、少なくともハズレAの当選確率よりもハズレBまたはハズレCの当選確率の方が低く定められており、具体的には、「ハズレA<ハズレB<ハズレC」の関係を満たすようにその当選確率が定めらている。このような関係を利用し、ハズレAが当選した場合よりもハズレBまたはハズレCに当選した場合の方がリーチ変動パターンの選択率を高めることで、適切な頻度で、リーチ演出を現出させることができるようになっている。
これについて遊技進行上、滞在期間が比較的長期間となる「通常」中を代表的に説明する。なお通常中の場合、電サポ無し状態であるので下始動口35への入賞はほぼ無く、上始動口34への入賞が頻発するため、ここでは、今回抽選対象となる作動保留球として、特別図柄変動表示ゲーム1に係る作動保留球に着目して説明する。図33、図35の「特図1のハズレA、B、C」の欄を参照して、今回の特別図柄変動表示ゲーム1に係る作動保留球が「ハズレA」に当選した場合には、‘通常変動パターン’種別だけが選択されるようになっている。また「ハズレB」が当選した場合には、‘Nリーチ’種別や、それよりも当選期待度が相対的に高い‘SPリーチA’種別が選択されうるようになっている。また「ハズレC(ハズレ種別中、最も低確率で当選)」が当選した場合には、‘SPリーチA’種別よりも当選期待度が相対的に高い‘SPリーチB’種別や‘SPリーチC’種別が選択されうるようになっている。これにより、ハズレ時の多くは、通常変動に係る演出が現出され、適切な頻度で、リーチ演出を現出させることができるようになっている。特にハズレ時は、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別の選択率を低確率とすることで、遊技者に対して大当りへの当選期待感を過度に煽ってしまうことを防止している。なお本実施形態では、通常中において今回の特別図柄変動表示ゲーム1に係る作動保留球が「ハズレA」に当選した場合に‘通常変動パターン’種別だけが選択されると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、リーチ変動パターンも選択可能に構成しても良い。ただし「ハズレA」は、ハズレ種別中、最も高確率で当選しうるので、遊技者に対して大当りへの当選期待感を過度に煽ってしまうことを防止するために、ハズレA当選時に選択されうるリーチ種別については、当り当選期待度が相対的に低いNリーチ種別とすることが好ましい。
ステップS318の処理において、上記した図柄テーブルから得られた各種データ(先読み判定における図柄抽選結果:特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)に関しては、CPU201が備えるレジスタに取り込まれ(たとえば、特別図柄判定データはAレジスタに、特別停止図柄番号はBレジスタ)、この状態で、この特別停止図柄データ作成処理を抜けて、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理に進む。すなわちCPU201は、自身が備えるレジスに取り込んだデータをRAM203に格納せずに、これを保持したまま、特別停止図柄データ作成処理を抜ける。
本実施形態では、今回の特別停止図柄データ作成処理で得られた判定結果(先読み判定における図柄抽選結果)の各種データは、続く「始動口入賞時乱数判定処理」で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずにレジスタに保持した状態のままで特別停止図柄データ作成処理を抜けても特に問題はない。これにより、特別停止図柄データ作成処理の判定結果をRAMに格納するためのプログラムを必要とせず、またその判定結果を格納するための専用の格納領域を設ける必要がない。その結果、メモリ容量を削減し、制御負担の軽減することができるようになっている。
上記したステップS318の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理も、上記乱数判定処理(ステップS317)や特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)と同じく、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「変動開始時の変動パターン」を事前に判定する‘先読み判定(先読み変動パターン判定’を行う。
上記始動口入賞時乱数判定処理では、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた‘図柄抽選’結果と、ステップS314の処理で得られた‘変動パターン用乱数’とを利用し、今回の作動保留球に係る変動開始時の変動パターン、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別図柄変動パターン作成処理(後述の図12のS412参照)」の結果(変動開始時の変動パターン内容)を先読み判定する。そして、その先読み判定結果に基づいて、後述の「入賞時コマンド」の作成に利用される入賞コマンドデータの作成処理を行う。ここでは、入賞コマンドデータとして、当り・ハズレの別を特定可能な「MODE_1(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする「EVENT(2バイト目(下位バイト))側のコマンドデータとを取得する。この始動口入賞時乱数判定処理において決定される入賞コマンドデータにより、先読み変動パターン(保留球数情報は除く)の内容が指定される。
詳述するに、始動口入賞時乱数判定処理では、先読み変動パターンを指定するための上述の「入賞コマンドデータ」を決定する処理として、以下の(a)および(b)の処理を含んで構成されている。
(a)図33に示す「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を参照し、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた‘図柄抽選’結果と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、「変動パターン振分テーブル(図34〜図37)」を決定する‘入賞時変動パターン振分テーブル決定処理’と、
(b)上記(a)で決定された「変動パターン振分テーブル」を参照し、ステップS314の処理で取得された‘変動パターン用乱数値’に基づき、先読み変動パターンに対応する入賞コマンドデータを決定する‘入賞コマンドデータ決定処理’と、を含んで構成される。
ここで上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、‘変動パターン選択モード’として機能するものであり、現在の遊技状態を識別するデータである。図27の変動パターン振分指定番号表を参照して説明すれば、変動パターン振分指定番号(Tcode)が「00H」の場合は「通常」を示し、「01H」の場合は「ST前半」を示し、「02H」の場合は「ST後半」を示す。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、遊技状態に変化があった場合に変更されるようになっている。したがって、変動パターン振分指定番号(Tcode)は上記のような遊技状態を識別する点で、後述の遊技状態判定番号(YJ)のように内部遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
(T−3.変動パターン振分テーブル選択テーブル(入賞時):図33)
図33に、変動パターン振分テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の変動パターン振分テーブル選択テーブルには、特別図柄種別、当選種別、および作動保留球数と、変動パターン振分指定番号(Tcode)とに関連付けられた複数種類の「変動パターン振分テーブル」が定められている。具体的には、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、複数種類の変動パターン振分テーブル(FH1〜11、FB1〜6)のうちからいずれか一つの「変動パターン振分テーブル」が決定されるようになっている。この変動パターン振分テーブル選択テーブルは、先読み判定時の「入賞コマンドデータ」を決定する際に利用されるだけでなく、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」の決定に関する処理の際においても利用され(後述の図12のステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、その詳細を示す図14参照)、入賞時・変動開始時における兼用(共通)の変動パターン振分テーブル選択テーブルとなっている。
なお本実施形態の「変動パターン振分テーブル選択テーブル」は、先読み判定時・変動開始時兼用のテーブルとして設けられているが、先読み判定時の作動保留球数が変動開始時の作動保留数と必ずしも一致しないため、正確な変動開始時の変動パターンの内容を先読み判定することができない。したがって、入賞時変動パターン振分テーブル決定処理においては、作動保留球を無視して(作動保留球をゼロとして)、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルから、目的の変動パターン振分テーブルを選択するようになっている。
たとえば、通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、ハズレAである場合、入賞時の作動保留球数によらず、変動パターン振分テーブル「FH1」が選択される。しかし変動開始時には、作動保留球数が考慮されるので、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のいずれかが選択されるが(図35の特図1、ハズレAの欄参照)、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」は、すべて通常変動パターン種別が選択されるようになっているため(図35参照)、先読み判定時においては、変動開始時の変動パターンが通常変動パターン種別であると先読み判定されることになる。したがって、変動パターン種別の先読み判定自体には矛盾はなく、特に問題は生じない。本実施形態の場合、基本的には、先読み判定時においては、特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)の骨子(ベース)となる「基本パターン」が判定される。
ただし選択条件によっては、先読み判定時において、変動開始時の変動パターンそのものを判定することができる。たとえば、通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、ハズレBまたはハズレCの場合には、作動保留球数によらず、「FH5」または「FH6」が選択されるので、先読み判定時には、変動開始時の変動パターンそのものを判定することができるよう(図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「特図1、ハズレB」、「特図1、ハズレC」の欄、図35の「ハズレB」「ハズレC」の欄参照)。このように、変動パターン振分テーブル選択テーブルの構成により、先読み判定時において、変動開始時の変動パターンそのものを判定するように構成することができる。この場合は、入賞時コマンドにより指定される先読み変動パターンと、変動パターン指定コマンドにより指定される変動開始時の変動パターンとを一致させることができる。このようにすれば、先読み変動パターンとして、変動開始時の変動パターンの基本パターンではなく、変動開始時の変動パターンそのものを指定する入賞時コマンドを演出制御部24側に送信することができるので、先読み予告演出を現出する際、より正確な先読み予告演出を現出させることができるようになる。また、先読み予告演出の自由度が増し、先読み予告演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
なお、重複記載を避けるために詳細な説明は省略するが、他の選択条件の場合(たとえば、ST前半中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図2側であり、ハズレAである場合など)においても同様に、先読み判定時の変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容とに矛盾が生じないようになっている(図33、図34〜図37参照)。
(T−4.変動パターン振分テーブル(入賞時):図34〜図37)
次に、上記の変動パターン振分テーブルについて説明する。図34および図36に当り時に選択される変動パターン振分テーブルを、図35および図37にハズレ時に選択される変動パターン振分テーブルを示す。
図34〜図37を参照して、上記「変動パターン振分テーブル」には、当り時に選択され得る複数種類の当り用変動パターン振分テーブル「FB1〜6」と、ハズレ時に選択され得る複数種類のハズレ用変動パターン振分テーブル「FH1〜H11」とが含まれる。これら変動パターン振分テーブルは、先読み判定時・変動開始時兼用のテーブルとして設けられている。したがって、変動パターン振分テーブルには、次のようなデータ群が定められている。
(イ)図34〜図37に示すように、上記変動パターン振分テーブルには、変動パターン用乱数値(変動パターン用乱数値の大きさ:10000)と、先読み変動パターンの内容に対応した入賞コマンドデータを構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE_1」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)のコマンドデータとが関連付けて定められている。具体的には、先読み判定時において、変動パターン用乱数値がいずれの判定値(図示の振分値)に属するか否かにより(変動パターン用乱数値を利用した抽選により)、入賞時コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、先読み変動パターンの内容が指定されることになる。
(ロ)また変動パターン振分テーブルには、変動開始時処理に係る「変動パターン指定コマンド」の決定に関する処理の際に利用されるデータをも定められている(この処理の詳細については、図14の特別図柄変動パターン作成処理にて後述する)。具体的には、変動パターン振分テーブルには、変動パターン用乱数値と、変動パターン指定コマンドを構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE_2」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)とが関連付けて定められている。具体的には、変動開始時において、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより(変動パターン用乱数値を利用した抽選により)、上記変動パターン指定コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、変動開始時の変動パターンの内容が指定されることになる。
ここで変動開始時に係る上記「MODE_2(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータとは、当り・ハズレの別を特定可能なデータであり、「EVENT(2バイト目(下位バイト)」のコマンドデータとは、変動開始時の変動パターンを特定可能なデータとなっている。したがって変動開始時の変動パターンを指定する上記「変動パターン指定コマンド」は、入賞時コマンドと同じように、「MODE_2」と「EVENT」とからなる2バイトの制御データで構成され、この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側は、変動開始時の変動パターン(特別図柄の変動パターン)を把握する。
ここで図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、変動パターン用乱数値に応じて、入賞コマンドデータまたは変動パターン指定コマンドを決定するための判定領域(判定値)が定められており、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するのか否かにより、コマンドデータが決定されるようになっている。図示の振分値と判定値との関係は次のようになっている。たとえば、図35の通常中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH4」を代表例にとって説明すれば、図面正面上から下の列方向に見て振分値が最初に記載されている箇所から参照すると、振分値が「8500」、「1000」、「500」の順に記載されているが、この内容は、変動パターン用乱数値が、判定値0〜8499の範囲(上記振分値「8500」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動5s(‘s’はsecond(秒)の略)」を指定するコマンドデータ(MODE_1「B0H」、MODE_2「A0H」、EVENT「01H」)が選択され、判定値8500〜9499の範囲(上記振分値「1000」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動8s」を指定するコマンドデータ(MODE_1「B0H」、MODE_2「A0H」、EVENT「02H」)が選択され、判定値9500〜9999の範囲(上記振分値「500」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動12s」を指定するコマンドデータ(MODE_1「B0H」、MODE_2「A0H」、EVENT「03H」)が選択される、といった内容を意味している。なお図34、図36〜図37についても同様の「選択率」の表記となっている。
ただし、既に説明したように、たとえば、通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、ハズレAである場合、入賞時の作動保留球数によらず、変動パターン振分テーブル「FH1」が選択されることになり、先読み判定時には、変動パターン振分テーブル「FH4」は選択されない(図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「特図1、ハズレA」の欄、図35の「ハズレA」欄参照)。したがって、実際には、上述した変動パターン振分テーブル「FH4」は、変動パターン指定コマンドを決定する際に利用されるテーブルとなっている(たとえば、変動パターン振分テーブル「FH2」または「FH3」も同様)。
以上のように、変動パターン振分テーブルにおいて、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するのか否かにより、入賞時処理においては入賞時コマンドを構成するコマンドデータが、変動開始時処理においては変動パターン指定コマンドを構成するコマンドデータが決定されるようになっている。
(C−1.入賞時コマンド一覧:図30、図31)
図30〜図31に、上記入賞時コマンドの一覧を示す。図30は、当り時の入賞時コマンドを、図31は、ハズレ時の入賞時コマンドを示す。
入賞時コマンドは、先読み判定に関する一連の処理(ステップS317〜S318)において得られた先読み判定結果情報、具体的には、少なくとも、当落抽選結果情報と先読み変動パターン情報とが含まれる。本実施形態では、入賞時コマンドにより、当落情報、先読み変動パターンの内容(図示の変動パターン指定内容の欄に対応)、遊技状態情報などが含まれる。なお図示では、説明の便宜上、入賞時コマンドが、変動開始時の変動パターンのすべてに対応するかのように表記しているが、実際には、入賞時コマンドは図示の一部のものが作成される(図33、図34〜図37参照)。既に説明したように、入賞コマンドデータを決定する際には、先読み判定時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とが必ずしも一致しないため、入賞時に変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照する際は、作動保留球数を考慮せずに(作動保留球をゼロとして)、目的の変動パターン振分テーブルが選択され、変動開始時に変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照する際は、作動保留球数を考慮して、目的の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっているからである。
なお入賞時コマンドとして、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた‘図柄抽選’結果(先読み図柄判定結果)情報(当選種別情報(特別停止図柄番号または特別図柄判定データであっても良い)と先読み変動パターン情報とを含む入賞時コマンドを作成し、これを演出制御部24に送信する構成としても良い。
ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、始動口入賞時乱数判定処理において決定されたコマンドデータに基づき「入賞時コマンド」を作成し(ステップS320A)、続いて、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」を作成する(ステップS320)。この「保留加算コマンド」は2バイトで構成され、今回先読み対象となった作動保留球が特図1側であるか特図2側であるかを指定する上位バイト(MODE)側と、入賞時の作動保留球数を指定する下位バイト(EVENT)側とで構成される。保留加算コマンドは、演出制御部24側において、作動保留球発生の際、保留表示領域76、77に対し、現在の作動保留球数に関する情報を報知したり、先読み予告演出が実行される場合には、その予告対象保留についての先読み予告演出(保留表示変化系の先読み予告演出)を現出する際に利用される。
次いで、作成した入賞時コマンドと保留加算コマンドをそれぞれ演出制御部24に送信する(ステップS321)。
上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、これらコマンドに含まれる情報に基づき先読み予告演出の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、その抽選結果により実行可と決定された場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球を対象とする先読み予告演出を現出させる。また演出制御部24は、入賞時コマンドおよび/または保留加算コマンドを受けた場合、先読み予告演出を現出させるか否かにかかわらず、始動口に入賞があった旨を報知する「入賞演出」を現出させることができる。
なお、作動保留球数が4以上の場合に新たな入賞があった場合にもオーバーフロー(overflow)を指定する入賞時コマンドと保留加算コマンド(以下、これらを「OFコマンド」と略す)とが作成され、演出制御部24に送信されるようになっている(ステップS312:YES→ステップS320A)。
上記「OFコマンド」は、オーバーフローであることを指定するため、先読み予告演出には利用されずに、専ら上述の「入賞演出」に利用されるが、以下のような演出を現出させるように構成することができる。
たとえば、演出制御部24が上記OFコマンドを受信した場合において、現在の作動保留球の中に「大当り」となるものが存在している場合、その旨を報知する予告演出(OF入賞時保留内予告演出)を現出可能に構成しても良い(所定の報知抽選により報知するか否かを決定しても良い)。また、現在実行中の図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合、その旨を報知する予告演出(OF入賞時変動中予告演出)を現出可能に構成しても良い。
斯様なOFコマンドによる予告演出は、オーバーフロー入賞の発生を契機に現出される入賞演出に準ずるものであるが、未だ最終結果が導出されていない図柄変動表示ゲームの結果を先読み的に報知するという点で、先読み予告演出と同じ役割を果たす。
これにより、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて図11のステップS302の特図2始動口チェック処理を行う。
(10−2.特図2始動口チェック処理:図11)
次、特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)について説明する。図11は、特図2始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
上記特図2始動口チェック処理は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、先に述べた特図1始動口チェック処理の流れと同じように、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、入賞時コマンド、保留加算コマンドの作成・送信処理などが行われる。以下、上記特図1始動口チェック処理(ステップS301、図10)と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図11において、CPU201は、まず下始動口35において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS331)。
下始動口35の入賞検出がなかった場合は(ステップS331:NO)、何もしないで特図2始動口チェック処理を抜ける。しかし下始動口35の入賞を検出した場合は(ステップS331:YES)、特別図柄2の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS332)。
特図2作動保留球数が4以上である場合(ステップS332:YES)、ステップS345に進む。一方、特図2作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図2作動保留球数を1加算(+1)し(ステップS333)、ステップS334の処理に進む。
ステップS334の処理に進むと、今回発生した特図2作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム2に利用される各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)の乱数カウンタの現在値を取得し、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS334)。この処理は、図10のステップS314の処理の仕方と同じである。この特図2作動保留球は、特別図柄2の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶数を所定の上限値として、始動条件の成立順に保留記憶される。
次いで、入賞コマンドデータとして、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(下位バイト「FFH」)を取得し(ステップS335)、「特図2先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS336)。上記「特図2先読み禁止条件」とは、特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図2先読み禁止条件が成立している場合(ステップS336:YES)、今回の特図2作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS336:YESの処理ルート)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ無し状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が、通常遊技状態中(潜確状態を発生可能に構成した場合は「潜確中」を含む)である場合は、特別図柄2側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ無し状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄2側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
上記「通常遊技状態」であるならば、‘電サポ無し状態’下に置かれ、下始動口35の入賞率が著しく低下する。また既に説明したように、本実施形態では、上記電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合、左流下経路3bを遊技球が通過するように狙いを定めた場合よりも上始動口34の入賞率が著しく低下してしまう、といった遊技者にとって不利益をもたらす遊技性となっている。このため、電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めることはないものと推定される。したがって、電サポ無し状態中においては、特図2作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、また発生率の低い特図2作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
再びステップS336の説明に戻り、特図2先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS336:YES)、ステップS340の処理に進む。しかし特図2先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS336:NO)、ステップS337の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS337)。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み当落判定」が行われる。また処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS317の乱数判定処理と実質的に同じである。
ステップS337の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS338)。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み図柄判定」が行われる。また処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS318の特別停止図柄データ作成処理と実質的に同じである。
次いで、特図1始動口チェック処理中と同様の始動口入賞時乱数判定処理を行い(ステップS339)、入賞時コマンドと保留加算コマンドとを作成し(ステップS340A、S340)、これらコマンドを演出制御部24に送信して(ステップS341)、特図2始動口チェック処理を抜ける。
(10−3.特別図柄変動開始処理:図12)
次に、特別図柄変動開始処理(ステップS306)について説明する。図12は、図9の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を行う。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S416)を行う。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。ステップS401とS402の処理は、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる「優先変動手段」として機能する。
本実施形態では、上記優先変動手段により、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている。より詳しくは、特別図柄1または特別図柄2が停止表示されたことを条件に、上記第1の保留記憶エリア(第1の保留記憶手段(特別図柄1側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄1に関する保留データ(第1の保留記憶:特図1作動保留球)が記憶されており上記第2の保留記憶エリア(第2の保留記憶手段(特別図柄2側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄2に関する第2の保留データ(第2の保留記憶:特図2作動保留球)が記憶されていない場合には、当該第1の保留データのうちの最も先に記憶された保留データに基づく第1の特別図柄の変動表示を開始させる一方、当該第2の保留記憶エリアに当該第2の保留データが記憶されている場合には、その第1の保留記憶エリアに上記第1の保留データが記憶されているか否かにかかわらず、当該第2の保留データのうち最も先に記憶された保留データに基づく当該第2の特別図柄の変動表示を開始させるようになっている。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、液晶表示装置36に対し、客待ち待機用のデモ画面表示に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
ステップS417の判定処理を通過したとき、つまり上記「作動保留球なし」の状態となったとき、このときの特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には(ステップS417:NO:後述の図21Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:ステップS418)。そして、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。このように、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替えて、演出制御コマンドを送信して特別図柄変動開始処理を抜ける理由は、次の通りである。
作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信すると、特図作動保留球数がゼロである間は4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで、上記「作動保留球なし」の状態となった場合に、デモ表示コマンドを1回送信して、これにより、既にデモ表示コマンドが送信済みである場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を抜けるようになっている。
演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても、何ら図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、入賞時コマンド、保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなして、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図2作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:NO)、または特図2作動保留球数がゼロであるが、特図1作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:YES→ステップS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS403〜S417)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S417の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別はせずに説明していく。
ステップS403の処理に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。この保留減算コマンドにより、演出制御部24側は、今回の作動保留球数消化後の残余作動保留球数を把握する。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアする(ステップS407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、ステップS407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(ステップS408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部24に送信する。この「残り時短回数コマンド」により、演出制御部24側は、残りの時短回数を把握することができ、たとえば、演出手段を利用し、残り時短回数情報を報知させることができる。
次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う(ステップS409)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。なお特別電動役物作動判定用乱数判定処理は、「当落抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「当落抽選」を行う。特別電動役物作動判定用乱数判定処理の処理手順は、乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)と実施的に同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データに基づき、今回の変動表示側に対応する当り乱数判定テーブルを取得する。この当り乱数判定テーブルは、乱数判定処理(図10のステップS317、図11のステップS337)で利用した当り乱数判定テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づく当落抽選を行い、その結果をRAM203の当り判定フラグ領域に格納する。具体的には、この当落抽選により「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグに「5AH」が設定され、それ以外の判定値に属する場合には「大当り非当選」、つまり「ハズレ」として、大当り判定フラグに「00H」が設定される。
ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(ステップS410)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。なお特別停止図柄作成処理は、「図柄抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「図柄抽選」が行われる。なお特別停止図柄作成処理の基本的な処理手順は、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)と同じであるので、重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データと、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果(上記大当り判定フラグ)を取得し、これらに基づき、今回の変動表示側に対応する図柄テーブルとして、大当り図柄テーブル1〜2、ハズレ図柄テーブル1〜2のいずれかを選択する。この図柄テーブルは、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)で利用した図柄テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、上記選択した図柄テーブルと、特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行い、図柄抽選結果(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)をRAM203の所定領域(特別図柄判定データ記憶領域、特別図柄停止図柄番号記憶領域)に格納する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別(当りの種類)が決定される。
ここで、ステップS410の特別停止図柄作成処理により得られたデータをRAM203に格納する理由は次の通りである。特別停止図柄作成処理において得られたデータ(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)は、先読み判定時における「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」で得られたデータのように後続処理で直ちに利用されてその後に不必要となるといったデータではなく、後々の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)や、特別電動役物処理(ステップS60)において必要となるデータだからである。
ステップS410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(ステップS411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。この遊技状態移行準備処理の詳細は図13にて後述する。
ステップS411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(ステップS412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、変動パターン用乱数、変動パターン振分指定番号(Tcode)(現在の遊技状態)、および作動保留球数を利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを決定する。そして、その変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターン内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。なお、特別図柄変動パターン作成処理は、特別図柄の変動パターンを決定するといった点において‘先読み判定’処理の一つである始動口入賞時乱数判定処理に関する作成処理(図10のステップS319、図11のステップS339参照)と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターン、つまり変動開始時の変動パターンが決定される。この特別図柄変動パターン作成処理の詳細は図14にて後述する。
次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(ステップS413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、ステップS410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(ステップS414)、演出制御部24に送信する(ステップS415)。
装飾図柄指定コマンドは、図32に示すように、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、当選種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。具体的には、上位バイト(MODE)側については、変動側の特別図柄が特別図柄1の場合には「B5H」、特別図柄2の場合には「B6H」が設定され、下位バイト(EVENT)側については、当選種別がハズレA〜Cの場合には「01H」〜「03H」が、15R確変大当りの場合には「04H」、10R確変大当りの場合には「05H」、4R確変大当りの場合には「06H」が設定される。なお、本実施形態では、下位バイト(EVNET)には当選種別を特定可能とするデータが設定されるが、特別停止図柄番号または特別図柄判定データを特定可能とするデータであっても良い。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別に関する情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成するための図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアをゼロクリア(00Hを格納する)する(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図9の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS059)を抜けて、図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)に進む。
(10−3−1.遊技状態移行準備処理:図13)
次に、上記の遊技状態移行準備処理(ステップS411)について説明する。図13は、図12の遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである
図13において、CPU201は、まず大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS431)。大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS431:≠5AH)、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。
大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS431:=5AH)、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図28)を取得する(ステップS432)。
次いで、取得した大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、遊技状態判定番号(YJ)と大当り種別(特別図柄判定データ)とに応じた大当り用遊技状態移行テーブル(図29)を取得し(ステップS433)、この遊技状態移行テーブルに定められたデータを後述の各種バッファに格納する(ステップS434:状態バッファ設定処理)。これらバッファに格納された値は、後述の図18の大当り終了処理中(ステップS509、その詳細を示す図18のステップS592)の処理で読み出され、RAM203の所定の記憶領域(各々のバッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。これにより、遊技状態移行準備処理を抜けて、図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)に進む。
(T−5.大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図28)
図29に、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに関連付けられた大当り用遊技状態移行テーブルが定められている。具体的には、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに基づき、目的の大当り用遊技状態移行テーブル(図29)が決定されるようになっている。
ここで「遊技状態判定番号(YJ)」とは、内部遊技状態を識別するためのデータである。図60の変動パターン振分指定番号表を参照して説明すれば、遊技状態判定番号(YJ)が「00H」の場合は「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」を、「01H」の場合は「確変状態(電サポ有り状態、高確)」を示す。したがって、遊技状態判定番号(YJ)は上記のような内部遊技状態を識別する点で、変動パターン振分指定番号(Tcode)のように遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
(T−6.大当り用遊技状態移行テーブル:図29)
図29に、上述の大当り用遊技状態移行テーブルを示す。この大当り用遊技状態移行テーブルには、大当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するための複数種類データ群が定められている。具体的には、普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短回数カウンタバッファ、特別図柄確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号1バッファ、変動パターン振分指定番号2バッファ、特別図柄変動回数1カウンタバッファ、および特別図柄変動回数2カウンタバッファに格納するための各種のデータが定められている。これら各バッファに各遊技状態移行テーブルが指定する各種データが格納されると、大当り遊技終了後の遊技状態が指定される。また、これらのバッファに格納された値は、必要なタイミングで読み出され(たとえば、図18の大当り終了処理(S592)参照)、RAM203に設けられた所定のフラグ記憶領域や所定のカウンタ記憶領域などに設定される。この各バッファの各種データが上記各記憶領域に格納されると、大当り遊技終了後の遊技状態が定まることになる。なお本実施形態では、「確変大当り」だけを設けているため、図29に示す「JTTBL−B1」は‘確変状態’に移行させるための遊技状態移行テーブルである。勿論、他の大当りを設けた場合、たとえば、大当り遊技終了後に時短状態に移行させる「時短大当り」や、潜確状態に移行させる「潜確大当り」などを設けた場合には、時短状態や潜確状態に移行させるための大当り用遊技状態移行テーブルを別途設ければ良い。この場合、遊技状態判定番号(YJ)についても、時短状態や潜確状態を指定する値(たとえば、時短状態は「02H」、潜確状態は「03H」など)を追加的に設ければ良い。また、如何なる遊技状態や内部遊技状態において、如何なる大当りが当選した場合に、如何なる遊技状態や内部遊技状態に移行させるかについては、ゲーム性に応じて適宜定めることができる。
以下に、上述の各種バッファの役割について説明する。
(普電役物開放延長移行状態バッファ)
「普電役物開放延長移行状態バッファ」は、普電役物開放延長状態フラグの設定を行うために利用される。「普電役物開放延長状態フラグ」とは、開放延長機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には開放延長機能作動中の「電サポ有り状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には開放延長機能非作動の「電サポ無し状態」である旨を示す。
(普通図柄時短移行状態バッファ)
「普通図柄時短移行状態バッファ」は、普通図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄時短状態フラグ」とは、普通図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄時短機能作動中の「普通図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄短機能非作動の「普通図柄非時短状態」である旨を示す。
(普通図柄確変移行状態バッファ)
「普通図柄確変移行状態バッファ」は、普通図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄確変状態フラグ」とは、補助当り抽選確率状態、つまり普通図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄確変機能作動中の「補助当り確変状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄確変機能非作動の「補助当り低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短移行状態バッファ)
「特別図柄時短移行状態バッファ」は、特別図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄時短状態フラグ」とは、特別図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄時短機能作動中の「特別図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄時短機能非作動の「特別図柄非時短状態」である旨を示す。
(特別図柄確変移行状態バッファ)
「特別図柄確変移行状態バッファ」は、特別図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄確変状態フラグ」とは、特別図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄確変機能作動中の「高確率状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄確変機能非作動の「低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短回数カウンタバッファ)
「特別図柄時短回数カウンタバッファ」は、特別図柄時短回数カウンタの設定を行うために利用される。「特別図柄時短回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄時短機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「特別図柄時短状態」が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタである。なお本実施形態では、特別図柄時短状態の終了に伴い、電サポ有り状態である高ベース遊技状態も終了されるようになっている(図16BのステップS481参照)。
(特別図柄確変回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変回数カウンタの設定を行うために利用される。「特別図柄確変回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄確変機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「高確率状態」が終了するまでの残り回数(残りST回数)を計数するためのカウンタである。
(変動パターン振分指定番号バッファ)
「変動パターン振分指定番号バッファ」は、変動パターン振分指定番号(Tcode)の設定を行うために利用される。この「変動パターン振分指定番号(Tcode)」は、遊技状態を特定するための遊技状態データである。上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」は、RAM203の変動パターン振分指定番号格納領域に設定され、所定の遊技状態移行条件を満たすと、その値が変更され、一の遊技状態から他の遊技状態に変更される(変動パターン選択モードが変更される)。つまり、特別図柄の変動パターンの決定条件(演出の決定条件)が変更されるようになっている。本実施形態では、変動パターン振分指定番号バッファとして、変動パターン振分指定番号1バッファと変動パターン振分指定番号2バッファとが設けられており、変動パターン振分指定番号(Tcode)には、変動パターン振分指定番号(Tcode)と、変動パターン振分指定番号2とが設けられている。
なお本実施形態では、変動パターン振分指定番号バッファとして、大当り遊技終了後に変動パターン振分指定番号(Tcode)への設定値を記憶する「変動パターン振分指定番号1バッファ」と、上記変動パターン振分指定番号2への設定値を記憶する「変動パターン振分指定番号2バッファ」とが設けられている、また所定の遊技状態移行条件を満たすまで設定値を記憶する「変動パターン振分指定番号(Tcode)」と、所定の遊技状態移行条件を満たした場合に更新すべき値を記憶しておく「変動パターン振分指定番号2」が設けられている。本実施形態の場合、大当り遊技終了後に「変動パターン振分指定番号(Tcode)」に対して「変動パターン振分指定番号1バッファ」の値をそのまま設定するようにし(後述の図18の大当り終了処理(ステップS592)参照)、所定の遊技状態移行条件を満たした場合には、「変動パターン振分指定番号2」の値を「変動パターン振分指定番号(Tcode)」に対して設定するようになっている(後述の図16BのステップS490参照)。これにより、たとえば、「変動パターン振分指定番号1バッファ」に対応する「変動パターン振分指定番号1」という余分な格納領域(RAM203の所定領域)を確保する必要がない。具体的には、大当り遊技終了後に上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」に対して「変動パターン振分指定番号1バッファ」の値をそのまま設定するようにすることで「変動パターン振分指定番号(Tcode)」、「変動パターン振分指定番号1」、および「変動パターン振分指定番号2」という3つのカウンタ格納領域を設ける必要がなく、「変動パターン振分指定番号(Tcode)」および「変動パターン振分指定番号2」という2つのカウンタ格納領域で済むことになる。その結果、RAM203記憶容量・使用領域を削減し、遊技機の制御負担を軽減することができるようになっている。
特に本実施形態のような、パチンコ店に設置するような遊技機、具体的には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部20が該当する)に装着されるROMやRAMに対する制限があるため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラム容量の削減やRAMの記憶容量・使用領域の削減などは重要な意義を有する。
(特別図柄変動回数カウンタバッファ)
「特別図柄変動回数カウンタバッファ」は、特別図柄変動回数カウンタの設定を行うために利用される。「特別図柄変動回数カウンタ」とは、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる特別図柄の変動規定回数(遊技状態移行条件となる特別図柄の変動回数:以下、「遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。たとえば、大当り終了後の「ST前半」から「ST後半」に移行される遊技状態移行規定回数として、特別図柄変動回数カウンタには77回が設定される(後述の図18の大当り終了処理(ステップS592)参照)。これにより、「ST前半」に移行してから特別変動表示ゲームの実行回数が77回消化されると、当該「ST前半」から「ST後半」に移行されることになる。また「ST後半」に移行した場合、「ST後半」から「通常」に移行される遊技状態移行規定回数として、特別図柄変動回数カウンタには7回が設定される(後述の図16BのステップS491参照)。これにより、ST後半に移行してから特別変動表示ゲームの実行回数が7回消化されると、当該「ST後半」から「通常」に移行されることになる。
本実施形態では、特別図柄変動回数カウンタバッファとして、大当り遊技終了後に特別図柄変動回数カウンタへの設定値を記憶する「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」と、上記特別図柄変動回数2カウンタへの設定値を記憶する「特別図柄変動回数2カウンタバッファ」とが設けられている。また特別図柄変動回数カウンタには、遊技状態移行規定回数までの図柄変動表示ゲームの実行回数(本実施形態では、特別図柄の変動表示回数)をダイレクトにカウントする「特別図柄変動回数カウンタ」と、遊技状態移行規定回数に達した場合に更新すべき値を記憶しておく「特別図柄変動回数2カウンタ」が設けられている。本実施形態の場合、大当り遊技終了後に「特別図柄変動回数カウンタ」に対して「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」の値をそのまま設定するようにし(後述の図18の大当り終了処理(ステップS592)参照)、遊技状態移行規定回数に達した場合には、「特別図柄変動回数2カウンタ」の値を「特別図柄変動回数カウンタ」に対して設定するようになっている(後述の図16BのステップS491参照)。これにより、たとえば、「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」に対応する「特別図柄変動回数1カウンタ」という余分なカウンタ格納領域(RAM203の所定領域)を確保する必要がない。具体的には、大当り遊技終了後に上記「特別図柄変動回数カウンタ」に対して「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」の値をそのまま設定するようにすることで「特別図柄変動回数カウンタ」、「特別図柄変動回数1カウンタ」、および「特別図柄変動回数2カウンタ」という3つのカウンタ格納領域を設ける必要がなく、「特別図柄変動回数カウンタ」および「特別図柄変動回数2カウンタ」という2つのカウンタ格納領域で済むことになる。その結果、RAM203記憶容量・使用領域を削減し、遊技機の制御負担を軽減することができるようになっている。
なお本実施形態では、確変状態が継続する回数(規定ST回数)を84回とし、ST前半の遊技期間(図柄変動表示ゲームの実行回数)とST後半の遊技期間の関係が、「ST前半(77回)>ST後半(7回)」となっているが本発明はこれに限られない。ST前半の遊技期間とST後半の遊技期間を同一期間(ST前半(42回)=ST後半(42回))としても良いし、「ST前半(30回)<ST後半(54回)」としても良い。
(10−3−2.特別図柄変動パターン作成処理(変動開始時の変動パターン作成処理):図14)
次に、上記の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)について説明する。図14は、図12の特別図柄変動パターン作成処理の詳細を示すフローチャートである。
図14において、CPU201は、まず図33に示す「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を取得する(ステップS441)。
次いで、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照して、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、変動パターン振分指定番号(Tcode)(現在の遊技状態)、および作動保留球数(変動開始時の作動保留球数:保留0〜3個(ステップS403参照))に基づき、目的の変動パターン振分テーブル(図34〜図37)を取得する。
次いで、変動パターン用乱数を取得し(ステップS443)、ステップS442で取得した変動パターン振分テーブルを参照して、変動パターン用乱数値に応じた(変動パターン用乱数値を利用した抽選により)、変動パターン指定コマンドを構成するコマンドデータ(MODE_2とEVENT)、疑似連に必要な加算時間、「変動時間テーブル(図示せず)」を取得する(ステップS444)。
(T−3.変動パターン振分テーブル選択テーブル(変動開始時):図33)
変動開始時に利用される場合の図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルについて説明する。なお変動パターン振分テーブル選択テーブルの詳細は既に説明したので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
変動開始時においては、入賞時とは異なり、作動保留球数(ステップS403の変動開始時の作動保留球数)を考慮して、変動パターン振分テーブルが選択される。具体的には、特別図柄種別と当選種別(特別停止図柄作成処理(ステップS410)の図柄抽選結果)と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、複数種類の入変動パターン振分テーブル(FH1〜11、FB1〜6)のうちからいずれか一つの「変動パターン振分テーブル」が決定される。ここでは、この変動パターン振分テーブル選択テーブルを利用し、変動開始時の変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブル(図34〜図37)を選択する。
(T−4.変動パターン振分テーブル(変動開始時):図34〜図37)
次に、変動開始時に利用される場合の変動パターン振分テーブルについて説明する。なお変動パターン振分テーブルの詳細は既に説明したので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
各変動パターン振分テーブルには、特別図柄に関する複数種類の変動パターンが、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)、および変動パターン用乱数値(乱数値の大きさ:10000)などに関連付けて定められており、変動パターン用乱数による抽選により、複数種類の変動パターンのうちからいずれかの変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」を構成するための上位バイト側(「MODE_2」と下位バイト側(EVENT)のコマンドデータが決定される。これにより、変動パターン指定コマンドが決定され、今回の図柄変動表示ゲームに係る変動開始時の変動パターンが指定されることになる。変動パターン指定コマンド自体は、後続のステップS447の処理で作成される。
また図示はしていないが、変動パターンの決定に伴い、その変動パターンに対応した「変動時間決定テーブル」も決定される。この「変動時間決定テーブル」には、変動時間(図柄変動表示動作時間)が定められており、上記決定された変動パターンに対応した変動時間決定テーブルを参照することにより、今回の変動パターンの変動時間が定まることになる。なお、この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
<S−1.当り変動パターン(変動開始時)の選択処理について>
本実施形態では、当り変動パターンについて、次のような特徴を持つ。これについて、図33の変動パターン振分テーブル選択テーブル、図34の通常中当り変動パターン振分テーブル、図36のST中当り変動パターン振分テーブルを参照しながら説明する。
まず「通常」中に大当りに当選した場合について説明する。本実施形態では、通常中に大当りに当選した場合、その当選種別に応じて、変動パターン振分テーブル「FB1」または「FB2」が選択されるようになっている。具体的には、当選した大当りが15R確変大当りの場合には変動パターン振分テーブル「FB1」が、10R確変大当りの場合と4R確変大当りの場合には変動パターン振分テーブル「FB2」が選択されるようになっている。つまり、変動パターン振分テーブル「FB2」は、10R確変大当りの場合と4R確変大当りの場合とで兼用(共通)の変動パターン振分テーブルとなっている。
本実施形態では、複数種類の大当りにおいて共通の変動パターン振分テーブルを選択するようにして、変動パターン振分テーブルに要するデータ容量を削減することができるようになっている。特に本実施形態のような、パチンコ店に設置するような遊技機、具体的には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部20が該当する)に装着されるROMやRAMの容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラム容量の削減やRAMの記憶容量・使用領域の削減などは重要な意義を有する。
しかし単に、複数種類の大当りについて、その一部同士、またはすべてが共通の変動パターン振分テーブルを選択するようにするだけでは、図34に示すように、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで、共通の変動パターン群のうちからいずれかの変動パターンが選択されることになる。また各変動パターン選択率も同一となる。つまり、変動パターンに対応した演出(予告演出)を現出させるだけの構成では、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで、共通した変動パターンが選択されることになるので、図柄変動表示ゲームにおいて共通した演出が現出されることになってしまう。このことは、主制御部20側におけるプログラム容量の削減を達成する代償として、種々の大当り当選に関連した演出が現出できずに、演出のバリエーションが乏しくなってしまう、といった問題が生じることを意味する。そこで本実施形態では、次のようにしてこの問題を解決している。
本実施形態では、変動パターンを特定可能な「変動パターン指定コマンド」が送信され、続いて当選種別を指定する「装飾図柄指定コマンド」が演出制御部24側に送信される(図12のステップS412、S415、図14、図32参照)。したがって演出制御部24側は、装飾図柄指定コマンドにより、当り種別(大当りの種類)を把握することができる。そこで演出制御部24側において、たとえば、後述する図38〜図40に示す当り種別に対応した演出抽選テーブル(本例では、予告演出として、リーチ演出に関連した可動体演出の現出する際に参照される「役物移動演出抽選テーブル」を代表的に例示している)を設けることにより、同じ変動パターンであっても、当り種別に応じて、演出パターンに変化をもたらすことができるようになっている。
これについて具体例を挙げて説明すれば次のようになる。ここでは、一例として、今回の図柄変動表示ゲームが特図1側であり、当り種別が「4R確変大当り」であって、変動パターンが「通常中SPリーチA」が選択された場合(以下、「ケース1」と称する)と、今回の図柄変動表示ゲームが特図1側であり、当り種別が「10R確変大当り」であって、変動パターンが「通常中SPリーチA」が選択された場合(以下、「ケース2」と称する)を代表例にとり説明する。
上記ケース1の場合とケース2の場合とでは、主制御部20側からは、同じ変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド「A103H」が送信され、装飾図柄指定コマンドは、ケース1の場合は4R確変大当りを指定する「B506H」が、ケース2の場合は、10R確変大当りを指定する「B505H」が送信される。
演出制御部24側では、変動パターン指定コマンド「A103H」を受信したが、装飾図柄指定コマンドが「B506H」の場合には、今回の大当りが「4R確変大当り」であるとして、図40の役物移動演出抽選テーブルCを参照し、また「B505H」の場合には「10R確変大当り」であるとして、図39の役物移動演出抽選テーブルBを参照し、各大当りに対応した抽選テーブルにより現出すべき演出パターンを抽選により決定する。
なお、詳細は後述するが、図38〜図40で決定される演出パターンは基本演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの大区分)であり、詳細な演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの詳細区分、つまり役物移動演出の演出態様(役物移動演出に係る可動体役物の動作態様)と具体的な発生タイミング)は図41〜図42の演出抽選テーブルを経て決定されるようになっている。
ここで図39の役物移動演出抽選テーブルBと、図40の役物移動演出抽選テーブルCとにおける「通常中SPリーチA」の欄を参照すれば、基本演出パターンである役物移動演出の発生タイミング(大区分)の選択率が異なるようになっている。具体的には、図39の役物移動演出抽選テーブルBにおける役物移動演出の発生タイミング(大区分)は、SPリーチ中に発生させる場合(本実施形態では、SPリーチ演出実行期間中に発生させる場合)が選択率「30/100」で、図柄仮停止後に発生させる場合(本実施形態では、リーチ演出終了後、装飾図柄が確定表示されるまでの仮停止表示期間中において発生させる場合)が選択率「70/100」で選択されるようになっている。一方、図40の役物移動演出抽選テーブルCにおける役物移動演出の発生タイミング(大区分)は、SPリーチ中に発生させる場合が選択率「20/100」で、図柄仮停止後に発生させる場合が選択率「80/100」で選択されるようになっている。
上記ケース1(4R確変大当り)の場合とケース2の場合(10R確変大当り)とでは役物移動演出の発生タイミングの選択率が異なるので、役物移動演出の発生タイミングの違いにより、今回の大当りの種類を推測する推測要素を遊技者に与えることができる。これは、各大当り当選に関連した演出(予告演出)を現出させることができることを意味する。
したがって、主制御部20側で決定された変動パターンが同じ変動パターンであっても、大当り種別に応じて選択される演出態様が異なるようにすることができる。換言すれば、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで、共通した変動パターンが選択されたとしても、図柄変動表示ゲームにおいては、種々の大当り当選に関連した演出(予告演出)を現出させることができるようになる。これにより、主制御部20側におけるプログラム容量を削減するとともに、演出のバリエーションを多彩なものにすることができるようにしている。
次に「ST前半」中に大当りに当選した場合について説明する。本実施形態では、ST前半中に大当りに当選した場合、当選種別によらず、変動パターン振分テーブル「FB3」が選択されるようになっている。つまり、すべての大当り(ここでは、15R、10R、および4R確変大当り)について、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。換言すれば、すべての大当りに兼用される変動パターン振分テーブルが定められている。
このケースの場合も上述したケース1・2の場合と同様に、後述する図38〜図40に示す演出選択テーブルが当り種別に対応して選択されるので、ケース1・2の場合と同様の効果を奏することができるようになっている。
なお、「ST後半」中においては、それぞれの当りに対応した変動パターン振分テーブル「FB4〜FB6」が選択されるようになっている。本実施形態では、「通常」中の場合には、複数種類の大当りのうち一部の大当りについて共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっており、ST中において「ST前半」中の場合には、すべての大当りについて、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっており、「ST後半」中においては、それぞれの当りに対応した変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。これにより、遊技状態に応じて、現出される予告演出のバリエーションが豊富化され、また遊技機の制御負担を軽減することができるようになっている。
以上のように本実施形態では、主制御部20側における変動パターン選択処理において、複数種類の当り(当り種別)うちいずれかの当りに係る当り変動パターンを選択する際、「複数種類の当りのすべて」および/または「その一部の当り同士間(たとえば、10R確変大当りと4R確変大当り)」で共通の特定の変動パターン振分テーブルを選択可能に構成する一方、演出制御部24側における演出制御処理において、当該複数種類の当りのそれぞれに対応した演出抽選テーブルを利用して目的の演出パターンを決定するようにしている。これにより、主制御部20側における制御負担を軽減(プログラム容量の削減)するとともに、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで共通した変動パターンが選択されたとしても、図柄変動表示ゲームにおいては、それぞれの大当り当選に関連した演出(予告演出)を現出させることができるので、演出の自由度が阻害されることがない。
なお本実施形態では、遊技状態種別(通常、ST前半、ST後半など)に応じて、複数種類の当りのすべてに共通する特定の変動パターン振分テーブルか、またはその一部の当り種別同士間で共通の特定の変動パターン振分テーブルを選択可能に構成しているが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技状態によらず、複数種類の当りのすべてに共通する変動パターン振分テーブルが選択されるように構成しても良いし、各遊技状態において、複数種類の当りのうち少なくもと2種類の当り同士間で、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるように構成しても良い。またいずれの遊技状態下において、複数種類の当りのすべて、または一部の当り同士間で、どのような変動パターン振分テーブルを共通化するか(兼用させるか)については、適宜定めることができる。
またハズレ時の予告演出を決定する場合も、上記した当りの場合と同様の処理内容を行うように構成することができる。これについて、たとえば、図33に示す「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を参照しながら説明する。
図33に示すように、主制御部20側における変動パターン選択処理においてハズレ変動パターンを選択する際、特図1側に関し、「通常」中においては、ハズレAの場合には作動保留球数に応じて変動パターン振分テーブル「FH1〜4」が選択されるようになっており、ハズレBの場合には作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH5」が選択されるようになっており、ハズレBの場合には作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH6」が選択されるようになっている。また「ST前半」中および「ST後半中」においては、ハズレA〜ハズレCのすべてにおいて作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH7」が選択されるようになっている。
他方、特図2側に関し、「通常」中においては、ハズレA〜ハズレCのすべてにおいて、作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH12」が選択されるようになっている。また「ST前半」中においては、ハズレAの場合には、作動保留球数に応じて変動パターン振分テーブル「FH7(作動保留球数ゼロの場合)」、変動パターン振分テーブル「FH8((作動保留球数1〜3の場合)」が選択されるようになっており、ハズレBおよびハズレCの場合には、作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH9」が選択されるようになっている。また「ST後半」中においては、ハズレAの場合には上述した「ST前半」中と同じであり、ハズレB場合には、作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH10」が選択されるようになっており、ハズレC場合には、作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH11」が選択されるようになっている。
上記したうち、たとえば、特図1側の「ST前半」中または「ST後半」中のハズレのケースや、特図2側の「通常」中や「ST前半」中のハズレのケースについて、上記した当りの場合と共通性を有する関係として、「通常」中の当り変動パターン振分テーブルの選択処理の場合と同様に(「通常」中の場合には、15R確変大当りの場合に変動パターン振分テーブル「FB1」が、10R確変大当りの場合と4R確変大当りの場合では共通の変動パターン振分テーブル「FB2」が選択される構成)、「複数種類のハズレのすべて」および/または「その一部のハズレ種別同士間」で共通の変動パターン振分テーブル「FH9」が選択されうるが、この場合も演出制御部24側における演出制御処理において、ハズレ種別に対応した演出抽選テーブルを設け、これを利用して目的の演出パターンを決定することができる。
具体的には、各ハズレごとに対応した「ハズレ用の役物移動演出抽選テーブル」を設けることができる。たとえば、図40Aに示すような「役物移動演出抽選テーブルD」を設けることができる。図40Aは、ハズレBに対応する役物移動演出抽選テーブルを代表的に示したものであり、ハズレCに対応した「役物移動演出抽選テーブル」は、重複記載を避けるために図示を省略する。また本実施形態では、ハズレAの場合はリーチ演出が選択されないので(図35、図37参照)、ハズレA対応の役物移動演出抽選テーブルは必要がなく、本例では設けられていない。
またハズレの場合は当りの場合よりも、可動体演出の発生率が相対的に低確率となるように定められている(図38〜図40、図40A参照)。またハズレの場合は、上記復活演出を発生させることがないため、図示のように「図柄仮停止後」に可動体演出が現出されないようになっている。
ハズレBおよびハズレCのそれぞれに対応する役物移動演出抽選テーブルを設けた場合には、各変動パターンに関連付けられた可動体演出の発生率(図40Aの発生タイミング「無し」の欄参照)や、可動体演出の発生させる場合のSPリーチ中の発生確率(同図の発生タイミング「SPリーチ中」の欄参照)を、当りの場合と同様に、ハズレ種別に応じて異なる確率に定めることができる。たとえば、図40Aに示すように、ハズレBの「通常中SPリーチA」の場合には、可動体演出の発生が選択率「90/100」で、SPリーチ中に発生させる場合が選択率「10/100」とし、ハズレCの「通常中SPリーチA」の場合には、可動体演出の発生が選択率「80/100」で、SPリーチ中に発生させる場合が選択率「20/100」とすることができる。これにより、ハズレ時の場合も当り時の場合と同じ作用効果、つまり主制御部20側における制御負担を軽減するとともに、ハズレの場合における演出のバリエーションを多彩なものにすることができる。
またハズレについては、上述したようにハズレ種別に対応した演出抽選テーブルを設けない構成とすることができる。たとえば、図40Aに示す役物移動演出抽選テーブルを、すべてのハズレ種別(ここでは、ハズレBおよびハズレC)に共通して利用することができる。特にハズレの場合は、当りの場合とは異なり、遊技者が演出からハズレ種別を推測して楽しむ、ということは考え難いからである。
なお遊技状態によらず、または遊技状態に応じて、ハズレA〜Cのすべてに共通の特定の変動パターン振分テーブル、またはその一部のハズレ種別同士間(たとえば、ハズレBとハズレC)で共通の特定の変動パターン振分テーブルが選択されるように構成することもできる。この場合には、既に説明した当り時の場合と同じように、演出制御部24側における演出制御処理において、ハズレA〜ハズレCのそれぞれに対応した演出抽選テーブル(図示せず)を設け、これを利用して目的の演出パターンを決定する構成とすれば良い。この場合も上記した当りの場合と同様の作用効果を奏することができる。
また図示はしていないが、上記ハズレの場合に対応した演出抽選テーブルには、当り時に係る演出抽選テーブルのように、ハズレ時に係る変動パターン指定コマンドに関連した1または複数種類の演出態様を定めた1または複数種類の演出抽選テーブルが設けられている。これにより、ハズレ時の変動パターンに関連した演出選択処理により、図柄変動表示ゲーム中の演出の現出を実現している。
<S−2.ST中のリーチ変動パターンについて>
また本実施形態では、ST前半とST後半とで、異なる種類のリーチ演出を現出可能に構成されている。図36および図37参照すれば、ST前半では、リーチ変動パターンとして、単一の「ST中リーチD」が選択され、ST後半では、ST中リーチE、ST中リーチF、ST中リーチGのいずれかのリーチ変動パターンが選択されうるようになっている。つまり、ST前半よりもST後半の方が、多くのリーチ演出が出現しうる。このように、ST前半の遊技期間とST後半の遊技期間とで異なる種類のリーチ演出が現出されるように構成することで、内部遊技状態が同じ確変状態であっても、図柄変動表示ゲームの実行回数に応じて、ダイナミックに予告演出の種類を切り替えることができるようになっている。これにより、同一の内部遊技状態が所定のゲーム数間継続する場合であっても、予告演出を多彩なものとすることができ、楽しくゲームを消化していくことができる。
<S−3.ハズレ変動パターンについて>
また本実施形態では、ハズレ変動パターンについて、次のような特徴的要素を備える。これについて、図33の変動パターン振分テーブル選択テーブル、図35の通常中ハズレ変動パターン振分テーブル、図37のST中ハズレ変動パターン振分テーブルを参照しながら説明する。
まず、通常中のハズレ変動パターンについて説明する。図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照すれば、通常中(変動パターン振分指定番号(Tcode)=00H)において、特図2側は、ハズレ種別によらず、変動パターン振分テーブル「FH12」が選択されるようになっている。
このハズレ変動パターン振分テーブル「FH12」について、図35の通常中ハズレ変動パターン振分テーブルを参照すれば、「通常変動12s(変動時間12秒)」のみが選択されるようになっている。詳述するに、「通常」の場合は‘電サポ無し状態’であり、この電サポ無し状態中のハズレ当選の場合は、特図2側はハズレ種別および作動保留球によらず、リーチ状態を経由しない非リーチ演出用の「通常変動パターン」種別のみが指定されるようになっている。
ここで本実施形態では、「通常中」のように‘電サポ無し状態’を伴う遊技状態の場合には「特図2先読み禁止条件」を成立させているので、特図2作動保留球を対象とした先読み判定が禁止されるようになっている。この‘電サポ無し状態中’において、特図2側の変動パターンを決定する際には、通常変動パターンだけが選択される変動パターン振分テーブル「FH12」が選択されるようにし、かつ特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するといった特徴を有するが、そのように定めた理由は次の通りである。
たとえば、通常変動パターン指定の特図1作動保留球が3個だけ保留され、この状態で、さらに上始動口34に入賞があり、4個目の特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出が開始されたケースを代表例にとって説明する(なお本実施形態では、古い作動保留球にリーチ有り変動パターンが存在しないことを条件に先読み予告演出の実行可否が抽選される、または古い作動保留球にリーチ有り変動パターンが存在する場合は、先読み予告演出の実行可否が抽選されるが、当該先読み予告演出の実行可とされる確率がゼロと定めてある)。ここでは、先読み予告演出の対象となった上述の「4個目の特図1作動保留球」を「予告対象保留球」と称して説明する。
上記予告対象保留球が未だ消化されていない状態において、下始動口35に入賞があり、特図2作動保留球が発生すると、優先変動機能により、後から発生した特図2作動保留球が優先的に消化される。このとき、その特図2作動保留球に係る変動パターンが‘リーチ有りハズレ変動パターン’と決定されてしまうと、上記予告対象保留球を対象とした先読み予告演出とは何ら関連性の無い、ハズレの「リーチ演出」が介在し、先読み予告演出が途中で寸断されてしまう。その結果、先読み予告演出の機能が十分に発揮されず、その演出効果を十分に活かすことができないといった恐れがある。
そこで上記の問題に鑑み、まず‘電サポ無し状態’中における当落結果が「ハズレ」であった場合、特図2側の変動パターンを「通常変動パターン」だけが指定されるようにしている。これにより、上記問題を解決することができる。しかしこれだけでは、後から発生した特図2作動保留球を対象に、入賞時処理に係る一連の‘先読み判定’処理が実行されてしまい、先読み予告演出の制御負担が増大するといった問題は依然として残ってしまう。
そこで本実施形態では、さらに発展的な実施形態として、既に説明したように、電サポ無し状態中は「特図2先読み禁止条件」を成立させ、電サポ有り状態中は「特図1先読み禁止条件」を成立させ、遊技状態に応じて、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を切り替えている。これにより、先読み予告演出に関する制御負担を軽減することができる。なお、後から発生した特図2作動保留球が、たまたま大当り(小当りを含む)当選であった場合、特図2側の変動パターンとして‘リーチ有り当り変動パターン’が選択され、上記予告対象保留球を対象とした先読み予告演出中に「リーチ演出」が介在することになるが、この場合は、そのまま大当りとなるので遊技者にとって不利益をもらたらすものではなく、また先読み予告演出が寸断された場合には大当り当選確定となるといった意外性のある演出を加えることができるため、特に問題はないと考えられる。
また電サポ無し状態であっても、普電開放遊技のロング開放に当選した場合、下始動口35の入賞が複数発生する可能性があり、優先変動機能により、特図1作動保留球が存在する場合であっても特図1側の図柄変動表示ゲームよりも先に特図2側の図柄変動表示ゲームが複数回実行されうる。この場合、特図2側の変動パターンを「通常変動パターン」、特に単一の通常変動パターンだけが選択されるようにすると次のような利点がある。
作動保留球数やハズレ種別に応じて特図2側の図柄変動表示ゲームの演出時間が異なるようにした場合、特図2側の図柄変動表示ゲームの消化中、図柄変動表示ゲームの演出時間が変化しうるので、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って、密接な関連性を持つ演出(たとえば、ストーリー仕立ての物語風の演出)を連続的に展開させていくのが困難になることが考えられる。
また電サポ無し状態であれば、今回の特図2側の図柄変動表示ゲームが開始したとき作動保留球数と、当該ゲームが終了したときの作動保留球数とが異なる可能性が極めて高く(普電開放遊技の発生率の関係上、下始動口35の入賞が困難なため)、作動保留球数に応じて特別図柄の変動パターンが変化する場合は、次回の図柄変動表示ゲームの演出時間を予測することはできない。
そこで本実施形態では、演出時間の長短が発生してしまうことを極力抑えるべく、電サポ無し状態下において、特図2側の図柄変動表示ゲームについては、作動保留球数およびハズレ種別に関係なく単一の「通常変動12s」が選択されるようにし、上記のような物語風演出を容易に展開させることができるようにしている。このようにすれば、ハズレに当選した場合は、作動保留球数およびハズレの種類に関係なく、毎回、同じ変動パターンの「通常変動12s」だけが選択されうることになる。これにより、ハズレに当選し続ける限り、1回毎の図柄変動表示ゲームの実行時間、すなわち演出時間が同じ時間幅を持ちながら遊技が進行していくので、物語風演出を展開する上で、極めて好適である。また大当り当選の場合は、当り変動パターンにより指定される特定の演出(図34参照)を発生させることができるので、たとえば、物語風演出の一環として、ストーリー展開に終止符を打つようなエピローグ演出などの特別な演出が発生した時点で、大当り当選確定を報知することができるようになる。なお上記の「物語風演出」は、たとえば、敵と対峙しながら戦いを繰り広げるような「戦闘演出(大当り当選時は、敵が倒れる勝利演出。ハズレ当選時は、敵から攻撃を受ける敗北演出)」や、昔話しや童話の内容を展開していくような「筋書き演出(大当り当選時は、ストーリーの最終話の最終話演出、ハズレ当選時は、ストーリーが続く継続演出)」、図柄変動表示ゲームの実行ごとに遊技者に所定の指令を与える「指令演出(たとえば、ボタン予告演出を交え、「枠演出ボタン13を押して、敵を倒せ!」といった指令を与える演出(大当り当選時は、指令達成演出。ハズレ当選時は、敵が残存する指令未達成演出)」など、何らかのストーリー展開がなされるものであれば特に限定されない。
次にST中のハズレ変動パターンについて説明する。図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照すれば、ST中は通常中の場合とは逆に、ST前半およびST後半(変動パターン振分指定番号(Tcode)=01H、02H)ともに、特図1側は、ハズレ種別によらず、変動パターン振分テーブル「FH7」が選択されるようになっている。
このハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」について、図37のST中ハズレ変動パターン振分テーブルを参照すれば、「通常変動8s(変動時間8秒)」のみが選択されるようになっている。詳述するに、「ST」中の場合は‘電サポ有り状態’であり、この電サポ有り状態中のハズレ当選の場合は、特図1側はハズレ種別および作動保留球によらず「通常変動パターン」種別のみが指定されるようになっている。
ここで本実施形態では、「ST中」のように‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態の場合には「特図1先読み禁止条件」を成立させているので、特図1作動保留球を対象とした先読み判定が禁止されるようになっている。本実施形態では、この‘電サポ有り状態中’においては「右打ち」が推奨されるため、上始動口34への入賞はほぼない。このため、特図1側の変動パターンを決定する際には、ハズレ種別および作動保留球数によらず、単一の変動パターン振分テーブル「FH7」が選択されるようにし、かつ特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止することで、制御負担の軽減を大きく実現している。
再び図14の説明に戻り、ステップS444の処理を終えると、次いで、上記変動時間テーブルを参照し、特別図柄の変動時間(疑似連を伴う場合は、加算時間を含む)をRAM203のタイマ管理領域である「特別図柄役物動作タイマ」に設定する(ステップS445)。この「変動時間テーブル」には、選択される変動パターンに対応した特別図柄の変動時間として、疑似連無しの場合の特別図柄の変動時間(基本変動時間)が定められている。したがって疑似連を伴う変動パターンの場合には、基本変動時間に、図示の加算時間を加算した変動時間が特別図柄役物動作タイマに設定される。これにより、変動パターンに対応した特別図柄の変動時間が決定され、今回の図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)の遊技時間が指定される。
なお、上記特別図柄役物動作タイマには、特別図柄の変動時間の他、パチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る複数種類の動作時間が処理状態に応じて設定される。つまり、1つのタイマにより複数種類の動作時間が管理可能となっており、各々の動作時間が当該タイマに重複設定されないように遊技動作処理手順が組まれている。これにより、RAM203において、各々のタイマに対応した複数種類のタイマ管理領域を設けるよりも、プログラム領域やワーク領域を削減することができるようになっている。
次いで、ステップS444で取得したコマンドデータに基づき、変動パターン指定コマンドを作成し(ステップS447)、これをRAM203に格納することなく、演出制御部24に送信する(ステップS448)。これにより、今回の図柄変動表示ゲームの変動パターンが指定され、演出制御部24側では、変動パターン指定コマンドを受けて、これに含まれる情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲームに必要な演出を現出するための演出制御処理を行う。
以上により特別図柄変動パターン作成処理を抜けて、図12のステップS413の処理に進む。
(C−2:変動パターン指定コマンド一覧:図30、図31)
図30〜図31に、上記変動パターン指定コマンドの一覧を示す。図30は当り時の変動パターン指定コマンドの一覧を、図31はハズレ時の変動パターン指定コマンドの一覧を示す。
本実施形態の変動パターン指定コマンドには、変動パターンA1〜A17に対応する当り変動パターン指定コマンドと、変動パターンH1〜H22に対応するハズレ変動パターン指定コマンドの複数種類のコマンドが含まれる。この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信され、これに続き、装飾図柄指定コマンドが送信される。これらのコマンドを受けた演出制御部24は、各コマンドに含まれる情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の現出するための予告演出や、最終的に停止させる装飾図柄態様(停止装飾図柄)やリーチ状態を形成するリーチ図柄などを決定して、演出シナリオを構築し、その演出シナリオに基づいて、今回の図柄変動表示ゲームの演出を現出させる。なお、上記変動パターン指定コマンドには、少なくとも当落結果情報と変動パターン情報とが含まれるので、演出制御部24は、この変動パターン指定コマンドに基づいて、今回の図柄変動表示ゲームに係る演出態様や停止装飾図柄を決定し、図柄変動表示ゲームを実行させることもできる。
ここで図31のハズレ変動パターン指定コマンドの一覧を参照しながら、各種の変動パターンに規定された変動時間に着目した遊技状態の特徴について説明する。
本実施形態の通常変動パターンには、通常中において選択されうる「通常変動5s(変動時間5秒)」(変動パターンH1)、「通常変動8s(変動時間8秒)」(変動パターンH2)、および「通常変動12s(変動時間12秒)」(変動パターンH3)と、ST中において選択されうる「ST中通常変動2s(変動時間2秒)」(変動パターンH17)、および「ST中通常変動8s(変動時間8秒)」(変動パターンH18)とが含まれる。
(D−1:高速変動状態)
これら通常変動パターンのうち、「ST中通常変動2s」に着目する。この「ST中通常変動2s」は、相対的に短い変動時間が規定された変動パターンであり、本実施形態では、全変動パターンのうち、最短の変動時間が規定された変動パターンとなっている。ここで「ST」中は電サポ有り状態であるので、作動保留球が毎ゲーム中、複数個保留されていると考えられる。そして、「ST中通常変動2s」は、ハズレ種別のうちでも当選確率がが最も高い「ハズレA」の場合に選択される通常変動パターンとなっている。したがって、「ST」中のハズレ当選の場合、特別図柄の変動時間幅を「2秒」とする高速変動パターンが高確率で選択されることになる。すなわち、ST中は、他の確変状態と比べて図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間(1ゲームあたりの図柄変動表示ゲームの平均時間、または単位時間あたりの図柄変動表示ゲームの時間)が相対的に短くなる「高速変動状態」下に置かれる。
このような「高速変動状態」は、主として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技状態で有用である。特に、確変状態中は、「電サポ有り状態+高確率状態+特別図柄時短状態」となり、単位時間あたりのゲーム消化スピードが向上し、かつ大当り当選が容易となるように工夫された遊技状態となる。このような遊技状態下に置かれた場合、遊技者の中には、演出を楽しむよりも早く大当りを得たいと欲する遊技者も多い。そこで本実施形態では、ST中の場合、上記「高速変動状態」を発生させるようになっている。なお「時短状態」を発生可能に構成した場合には、大当り抽選確率は低確率状態ではあるが「電サポ有り状態+特別図柄時短状態」とする抽選回数向上状態となる。この場合も、上述の「ST中」と同じく、上記「高速変動状態」を発生させても良い。
(D−2:低速変動状態)
上記「高速変動状態」に対し、「通常変動12s(変動時間12秒)」や「通常変動8s(変動時間8秒)」などの比較的長い変動時間が規定された複数種類の変動パターンが選択され易い遊技状態では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が相対的に長くなる「低速変動状態」下に置かれる。このような「低速変動状態」下では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が「高速変動状態」よりも長くなるが、その代わりに演出時間を長めにとることができるので、「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技状態で有用である。大当り抽選確率が低確率、あるいはその可能性が高いといった遊技状態の場合、上述の確変状態のときとは反対に、「演出を楽しみながら遊技に興じたい」という遊技者も多い。そこで本実施形態では、「通常」中の場合には、上記「低速変動状態」を発生させるようにしている。
なお本実施形態では、ST前半とST後半とで、上記「高速変動状態」を発生させるようにしているが本発明はこれに限らず、ST前半を「高速変動状態」とし、ST後半を「低速変動状態」となるように構成しても良い。またその逆に、ST前半を「低速変動状態」とし、ST後半を「高速変動状態」となるように構成しても良い。特にST中は確変状態下であるため、ST中は大当り当選を待ちつつ、じっくり演出も楽しみたいと欲する遊技者も多い。またST中は、大当りの連荘が期待できる遊技状態下となるため、連荘スピードを欲する遊技者も多い。このような幅広い遊技者層の欲求を満たすため、ST前半とST後半とで、ゲーム消化速度に変化を与えることは好適である。なお、ST前半またはST後半を「低速変動状態」とするためには、通常中と同じように、たとえば、変動パターン振分テーブルにおいて「通常変動12s(変動時間12秒)」や「通常変動8s(変動時間8秒)」などの比較的変動時間が長い通常変動パターンが高確率で選択されるように構成すれば良い。
(10−4.特別図柄変動中処理:図15)
次に、特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図15は、図9の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図15において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
ステップS453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(10−6.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図16Aおよび図16B)
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図16Aおよび図16Bは、図9の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートであり、図16Aはその前半部、図16Bは後半部を示す。
図16Aおよび図16Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図20のステップS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、および特別図柄変動回数カウンタの各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常A指定)を格納し、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。
なお上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数(本実施形態では、84回)に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了した旨を示す(電サポ無し状態移行情報)「時短終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS482)。この時短終了コマンドは、今回の図柄変動表示ゲーム終了時に送信されるので、演出制御部24は、次ゲームから‘電サポ無し状態’となる旨を次ゲームが開始される前に把握することができる。
なお本実施形態の場合、電サポ有り状態から電サポ無し状態に移行する場合は、確変状態(ST中)から通常状態(通常中)に移行することと同じであるので、演出制御部24が上記「時短終了コマンド」を受けると、たとえば、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、ST後半演出モード用の背景画像(背景演出)から通常演出モード用の背景画像(背景演出)に切り替えて当該演出モード下での演出制御処理を行うことができる。また発射位置として左流下経路3bを狙う旨を指示する「発射位置誘導演出(左打ち報知演出)」を現出させるための演出制御処理を行うことができる。また上述したように、上記時短終了コマンドは、今回の図柄変動表示ゲーム終了時に送信されるので、演出制御部24は、次ゲームから通常状態(通常中)に移行することを把握し、次ゲーム開始前に、通常演出モード用の背景画像(背景演出)に切り替えることができる。
ステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。
特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS487の処理に進む。しかし特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、規定ST回数(84回)に達していないので、何もせずにステップS487の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数が規定ST回数(ST終了回数)の84回に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(ステップS486)。ここでは、確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。
本実施形態の場合、特別図柄の変動回数が規定ST回数の84回に達した場合、ステップS481の時短終了時の設定処理とステップS486の確変終了時の設定処理とを辿ることになる。これにより、内部遊技状態が「通常状態」に移行され、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))が通常中を指定する「00H」に設定される。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、ステップS487の処理に進み、ここでは、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否か、つまり遊技状態移行規定回数(「ST前半」から「ST後半」移行時:遊技状態移行規定回数77回、「ST後半」から「通常」移行時:遊技状態移行規定回数7回)がゼロであるか否かを判定する(ステップS487)。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS487:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS487:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS488)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS489)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS489:NO)、遊技状態移行規定回数に達していないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数に達したとして、変動パターン振分指定番号更新処理を行う(ステップS490)。
この変動パターン振分指定番号更新処理では、上記遊技状態移行規定回数に達した場合に必要な変動パターン振分指定番号(Tcode)の更新処理を行う。本実施形態の場合、変動パターン振分指定番号更新処理が行われるのは、(I)大当り終了後、ST前半の継続期間として設定される遊技状態移行規定回数の77回分消化された場合、(II)ST前半終了後、ST後半の継続期間として設定される遊技状態移行規定回数の7回分消化された場合である。
前者の場合には(上述の(I))、現在の変動パターン振分指定番号(Tcode)、つまりST前半を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「01H」から、ST後半を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」に、変動パターン振分指定番号(Tcode)を更新する。この「02H」については、後述の大当り終了処理(図18)中のステップS592の処理において、RAM203の「変動パターン振分指定番号2」に設定される値であり(当該処理中の‘変動パターン振分指定番号2←02H’の記載参照)、ここでは、この値を取得して、変動パターン振分指定番号(Tcode)に「02H」を設定(更新)する。
なお上記遊技状態移行規定回数の「77回」は、後述の大当り終了処理(図18)中のステップS592の処理(当該処理中の‘特別図柄変動回数カウンタ←77回’の記載参照)で設定される値である。これにより、特別図柄の変動パターンの選択条件が変更されることになる。具体的には、上記遊技状態移行規定回数77回に達する前の場合には、ST前半に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、変動パターンの選択条件が指定されているが、当該遊技状態移行規定回数に達した場合には、ST後半に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、その選択条件が変更される。
また後者の場合には(上述の(II))、現在の変動パターン振分指定番号(Tcode)、つまりST後半を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」から、通常を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「00H」に、変動パターン振分指定番号(Tcode)を更新する。なお上記遊技状態移行規定回数の7回は、後述のステップS491(特図変動回数カウンタ更新処理)で設定される値である。ここでは、上記遊技状態移行規定回数7回に達する前の場合には、ST後半に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、変動パターンの選択条件が指定されているが、当該遊技状態移行規定回数に達した場合には、通常に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、その選択条件が変更される。
上記したステップS490処理は、所定の選択変更条件の成立に基づき、特別図柄の変動パターンの選択条件を変更するための選択条件変更制御手段として働く。
次いで、ステップS490の変動パターン振分指定番号更新処理を終えると、次いで、特図変動回数カウンタ更新処理を行う(ステップS491)。ここでは、ST前半の遊技状態移行規定回数77回が消化された後、ST後半の継続期間として、特別図柄変動回数カウンタに「7回」を設定する。この「7回」については、後述の大当り終了処理(図18)中のステップS592の処理において、RAM203の「特別図柄変動回数2カウンタ」に設定される値であり(当該処理中の‘特別図柄変動回数2カウンタ←77回’の記載参照)、ここでは、この値を取得して、特別図柄変動回数カウンタに「7回」を設定(更新)する。本実施形態では、ステップS487〜S491の処理により、ST前半、ST後半が管理されるようになっている。
次いで、演出制御コマンドとして、移行先の遊技状態情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS492)、特別図柄確認時間中処理を抜ける。この「遊技状態指定コマンド」により演出制御部24は、今回のゲームで「ST前半中」が終了し、次ゲームから「ST後半中」となる旨を、または「ST後半中」が終了し、次ゲームから「通常中」となる旨を把握する。これにより、演出制御部24は、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、移行先となる遊技状態に対応した演出モード用の背景画像(背景演出)に切り替え、当該演出モード下での演出制御処理を行う。
なお本実施形態では、次に行われる図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送信される前に、上述の遊技状態指定コマンドが送信されるようになっている。このため演出制御部24は、この遊技状態指定コマンドを受信した場合、次に行われる図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送られてくる前段階で、現在の演出モード用の演出(たとえば、背景演出)から、他の演出モード用の演出に切り替えることができる。つまり、次回の図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送られてくる前に、他の演出モードに関連する演出を現出させる、換言すれば、次回の図柄変動表示ゲームに先立って、他の演出モードに関連する演出を現出させることができるようになっている。これにより遊技者は、今回の図柄変動表示ゲームが終了したときに作動保留球が存在しない場合(次回の図柄変動表示ゲームが開始されない場合)であっても、次回の図柄変動表示ゲームに係る演出モードを前もって把握することができることになる。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
<11.特別電動役物管理処理:図17>
次に、図8中の特別電動役物管理処理(ステップS060)について説明する。図17は、ステップS060の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、CPU201は、まず条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS501)。条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS501:≠5AH)、この場合は、小当り遊技中ではなく(ステップS501:≠5AH)、大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS501:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS502:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS502の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値に応じた処理を呼び出して実行させる。具体的には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」の場合には、大当り開始処理(ステップS505)を、「作動開始処理中(01H)」の場合には、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を、作動中(02H)」の場合には、特別電動役物作動中処理(ステップS507)を、「継続判定中(03H)」の場合には、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)を、「終了処理中(04H)」の場合には、大当り終了処理(ステップS509)を呼び出して実行させる。これらの処理により大当り遊技に係る特別変動入賞装置52の動作が制御される。ここで、上述の「開始処理中(00H)」とは、大当り遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動開始処理中(01H)」とはラウンド遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動中(02H)」とはラウンド遊技が実行中である旨を示し、「継続判定中(03H)」とは次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を示し、「大当り終了処理中(04H)」とは大当り遊技終了時の終了処理中である旨を示す。上記ステップS505〜S509のいずれかの処理を終えると、特別電動役物管理処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
以下に、大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)について説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
先ず、大当り開始処理(ステップS505)について説明する。
(11−1.大当り開始処理)
大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、大当りとなった場合には、まず最初に、この大当り開始処理が行われるようになっている。
ここでは、まず大当り遊技を開始する際に必要な大当り遊技開始時の設定処理として、役物連続作動装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、連続回数カウンタに01Hを格納する。上記「役物連続作動装置作動フラグ」とは、役物連続作動装置の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には役物連続作動装置作動中(ラウンド遊技継続可)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には役物連続作動装置非作動(ラウンド遊技継続不可)である旨を示す。また「連続回数カウンタ」とは、ラウンド遊技の連続実行回数を管理するためのカウンタであり、現在のラウンド数はここに記憶される。ここでの連続回数カウンタは「01H」が設定されるので、現在のラウンド数は1R目を示している。
次いで、特別図柄判定データ(大当り種別)に応じた最大ラウンド数(規定ラウンド数)とラウンド表示LED番号とが定められた「大当り開始設定テーブル(図示せず)」を取得する。この大当り開始設定テーブルを参照して、今回の特別図柄判定データに対応した各データを、それぞれに対応するRAM203の記憶領域に格納し、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を格納する。なお上記「開始インターバル時間」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して大当りが確定した後(図14のステップS453の、図15AのステップS471参照)、特別変動入賞装置52が作動するまでのインターバル区間であって、オープニング演出が行われる区間を定めた時間幅(1回目のラウンド遊技が行われる前の初回演出時間)を指す。また「ラウンド表示LED番号」とは、ラウンド数表示装置39b(ラウンド数表示手段)の報知態様を指定するデータで、今回の大当り遊技の最大ラウンド数(規定ラウンド数)を示す。
次いで、オープニング演出の開始を指示する「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。なお「大当り開始コマンド」には、オープニング演出の開始を指示する役割の他、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技中に展開される一連の当り演出(大当り種別ごとに対応するオープニング演出、ラウンド演出、ラウンド終了演出、およびエンディング演出など)を決定する際にも利用される。
(11−2.特別電動役物作動開始処理)
次に、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「ラウンド遊技開始前のインターバル時間」が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記大当り開始処理(ステップS505)で設定された「開始インターバル時間」が監視されるが、2R目以降でこの特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間(後述の特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)で設定されるインターバル時間)」が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(初回のラウンド(1R目)の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、特別図柄判定データ(大当り種別)と現在のラウンド数とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。具体的には、大入賞口50を開放させるための大入賞口開閉動作時間(たとえば、長開放時間であれば29.8秒、短開放時間であれば0.1秒)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口ソレノイド52cを動作させ、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放される。また大入賞口開放開始動作に伴い、「大入賞口開放コマンド」を演出制御部24を送信する。この「大入賞口開放コマンド」は、ラウンド遊技開始情報(ラウンド演出の開始指示情報)や現在のラウンド数情報を含み、演出制御部24側において、ラウンド数に対応するラウンド演出を現出させる際に利用される。上記大入賞口開閉動作設定処理を終えると、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)、特別電動役物管理処理を抜け、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(11−3.特別電動役物作動中処理)
次に、特別電動役物作動中処理(ステップS507)について説明する。
ここではまず、大入賞口50への入賞球数をカウントし、その入賞球数が最大入賞数に達したか否かを確認し(大入賞口最大入賞数確認処理)、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをクリアする。これにより、上記特別電動役物作動開始処理(ステップS506)で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことをもって開放中の大入賞口50が閉鎖されるようになっている。なお特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(大入賞口開放動作時間経過するか、または最大入賞数に達するまでの間)、何もしないでこの特別電動役物作動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(最大入賞数に達したか、または大入賞口開放動作時間経過した場合)、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(たとえば、1980ms)を格納し、特別電動役物作動中処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(11−4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の上記残存球排出時間が設定されているので(特別電動役物作動中処理(ステップS507)参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタを取得して現在のラウンド数が規定ラウンド数(最大ラウンド数)に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)。これにより、特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合、「終了インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、次いで、ラウンド遊技終了時の各種設定処理として、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに04Hを格納)。なお上記「終了インターバル時間」とは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了して残存球排出時間が経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信し、この特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。この「大当り終了コマンド」には、大当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報(たとえば、今回の大当り種別と、その大当り当選時の遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode)および/または内部遊技状態情報)とに関する情報)が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この「大当り終了コマンド」は、エンディング演出の開始を指示する役割の他、大当り遊技終了後の遊技状態を特定しうることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担っている。演出制御部24は、上記大当り終了コマンドに含まれる情報に基づき、演出モードを決定することで、大当り終了後の遊技状態と、その遊技状態に係る演出モードとの整合性を取ることができるようになっている。
なお上記大当り終了コマンドは、単一のコマンドであっても良いし、複数のコマンドであっても良い。複数のコマンドとする場合には、たとえば、一の大当り終了コマンドに今回の大当り種別を特定可能とする情報を含ませ、他の大当り終了コマンドに今回の大当り当選時の遊技状態を特定可能とする情報を含ませ、これらのコマンドを演出制御部24に対して送信するように構成することができる。また上述の大当り終了コマンドに限らず、演出制御コマンドに複数種類の情報を含ませて演出制御部24に送信する場合には、それら情報を単一の演出制御コマンドに含ませて演出制御部24に送信する構成としても良いし、複数種類の情報のうち、一の情報を含む演出制御コマンドと、他の情報を含む演出制御コマンドとに分けて、上述の単一の演出制御コマンドが有する役割を、複数の演出制御コマンドに分担させるコマンド形態としても良い。
(11−5.大当り終了処理:図18)
次に、大当り終了処理(S509)について説明する。図18は、大当り終了処理の詳細を示すフローチャートである。
図18において、CPU201は、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS591)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間が設定されているので、ステップS591の判定処理では、終了インターバル時間が経過したか否かが判定されることになる。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS591:NO)、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば(ステップS591:YES)、大当り終了時の各種設定の一環として、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する(ステップS592)。具体的には、特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理(図12のステップS411、その詳細を示す図14参照)で設定した移行状態バッファの各々の値を、遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、変動パターン振分指定番号2、特別図柄変動回数カウンタ、特別図柄変動回数2カウンタ、特別図柄変動回数2カウンタにそれぞれ格納する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が指定される。
続いて、大当り終了時の各種設定処理を行う(ステップS593)。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータとして、条件装置作動フラグ、役物連続作動装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大ラウンド数(規定ラウンド数)、普通電役物開放延長状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特図確変移行状態バッファ、特図時短回数カウンタバッファ、特図確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号1バッファ、変動パターン振分指定番号2バッファ、特図変動回数1カウンタバッファ、特図変動回数2カウンタバッファ、ラウンド表示LED番号、および遊技状態判定番号(YJ)をそれぞれクリアし(00Hを格納)、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)。
なお特別図柄判定データについては、大当り遊技後、図柄変動表示ゲームが開始されるまで特別図柄表示装置に確定表示させておくために利用されるので、ステップS593の処理ではクリア対象とはなっていない。この特別図柄判定データは、今回の大当り遊技が終了した後に特別図柄変動開始処理中の特別図柄作成処理(図15のステップS410)が行われた際、新たな特別図柄判定データがRAM203(特別図柄判定データ記憶領域)に上書きされるようになっているため問題はない。このようにすることで、大当り遊技終了時に特別図柄判定データをクリアするために要するプログラム量を削減することができる。勿論、処理の関係上、必要であるならば、ステップS593の処理において、特別図柄判定データをクリアし、新たな特別図柄判定データが作成されたときに、その作成された特別図柄判定データをRAM203(特別図柄判定データ記憶領域)に格納しても良い。
また各移行状態バッファについては、ステップS593の処理において各移行状態バッファの値をクリアしない構成とすることができる。この場合、今回の大当り遊技が終了した後、図15の特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理が行われた際、新たな移行状態バッファの値を上書きする処理でも良い。各移行状態バッファは、ステップS592の処理で利用されるだけであるからである。このようにすることで、大当り遊技終了時に各移行状態バッファをクリアするために要するプログラム量を削減することができる。
次いで、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行い(ステップS594)。本実施形態では、遊技状態報知LEDにより特図時短状態であるか否かを報知させるため、遊技状態報知情報更新処理において、特別図柄時短状態フラグがON状態(=5AH)であるか、OFF状態(≠5AH)かを確認し、ON状態の場合には、遊技状態報知LEDを点灯させるデータとして、特図時短状態を指定する遊技状態報知LED出力番号に01Hを格納する。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了したことになる。この大当り終了処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<12:演出制御部側の処理:図19〜図26>
次に、図19〜図26を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図19)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図21)とを含んで構成される。
<13.演出制御側メイン処理:図19>
図19は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図19に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS71の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図21のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS72:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンドが受信され、受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選種別情報)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部45やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図21のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物モータ61の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図21のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
<14.コマンド受信割込処理:図20>
次に図20を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図20は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図21)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図19に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
<15.演出制御側タイマ割込処理:図21>
次に図21を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図21は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図21において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、枠演出ボタン13からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図19の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ61に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図22〜図26>
図22〜図26は受信コマンド解析処理(図19のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。以下、「入賞時コマンド」、「変動パターン指定コマンド」、「大当り終了コマンド」および「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
<16.入賞時コマンドの受信処理:図22>
図22は、入賞時コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。ここで扱う入賞時コマンドは、図10の特図1始動口チェック処理のステップS321や、図11の特図2始動口チェック処理のステップS341で送信される演出制御コマンドである。
図22において、演出制御部24(CPU241)は、入賞時コマンドを受信した場合、まずその入賞時コマンドの内容を解析し、先読み判定結果情報を取得する(ステップS710)。ここでは取得した情報を、RAM203の先読み情報記憶エリアに格納する。先読み情報記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した先読み情報記憶エリア(特別図柄1側に対応する先読み情報記憶エリアと、特別図柄2側に対応する先読み情報記憶エリア)が設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。
また、図示していないが、ステップS321、S341(図10、図11)で送信された保留加算コマンドについて既に受信し記憶しているので、その保留加算コマンドの内容を解析し保留球数情報も取得する(ステップS711)。
次いで、先読み禁止期間であるか否かを判定する(ステップ712)。先読み禁止とすべき期間には、ST前半残り回数が4回未満(ST71〜77回転目)、ST後半残り回数が7〜1回(ST81〜84回転目)がある。これらの区間に係る特定の演出モード中に先読み予告演出が発生すると、当該特定の演出モードの演出と先読み予告演出との間で相互に矛盾や違和感をもたらす可能性がある。そこで、遊技状態がこれらの区間に滞在している間は、先読み予告抽選処理を迂回する構成にして、当該特定の演出モード下でなす演出と先読み演出予告との間に矛盾や違和感が発生しないようにする。すなわち、先読み禁止期間である場合(ステップS712:YES)、何もしないで、後述のステップS719の処理に進む。
先読み禁止期間でない場合(ステップS712:NO)、ステップS713の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(ステップS713)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるステップS714の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球が消化される(変動表示動作に供される)までの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数Nの値が格納されるようになっている(後述のステップS717参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS713:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないでステップS718の処理に進む。
(16−1.先読み演出抽選処理:S714〜S715)
連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップS713:YES)、先読み予告抽選許可状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(ステップS714)。この先読み演出抽選処理は、変動開始時に決定されることとなる変動パターン種別を先読みした結果として入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行うものである。本実施形態における「入賞時コマンド」は、先読み変動パターン種別、特別図柄種別のそれぞれに関する情報を含んだ形態のものである。したがって、これらの情報のうちの先読み変動パターン種別に関する情報が、先読み演出抽選の抽選契機に利用される。しかし、作動保留球数、先読み変動パターン種別、特別図柄種別に関する情報を、保留加算コマンドに担持させる形態とした場合には、その形態における先読み変動パターン種別に関する情報を含んだ制御コマンドを受信した場合に、先読み演出抽選を行うことになる。
ここで「先読み予告演出」には二種類がある。一つは、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時変化系ないし始動時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)において実行することによる先読み予告演出(連続予告演出)であり、本実施形態では保留表示変化系の予告演出(色変化保留の出現)を連続させる、つまり表示位置シフトさせることにより行う先読み予告演出である。他の一つは、図柄変動表示ゲームを実行する際(つまり変動開始時)に生起させる変動開始時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って表示させることによる先読み予告演出(連続予告演出)であり、本実施形態では画像表示変化系の予告演出(稲妻出現)を連続させることにより行う連続予告演出である。したがって、先読み予告演出の抽選としては、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かについての抽選と、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かについての抽選とがあり、両者を独立に行う。しかし、両者をまとめて一緒に抽選する形態(先読み予告演出と変動開始時変化系の予告演出を一の抽選結果に係らしめて実行する形態)にして、先読み予告演出の抽選に当選するときは同時に変動開始時変化系の予告演出の抽選にも当選するように構成してもよい。
上記先読み演出抽選処理では、入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、図示してない先読み演出抽選テーブルを参照して先読み予告演出を決定し(ステップS714)、その先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み演出抽選結果に関する情報)をセットする(先読み予告動作ステータス設定処理:ステップS715)。この演出情報は先読み予告演出を現出する際に利用される。ここでセットされる演出情報には、(i)入賞時変化系の先読み予告演出を指定する情報、たとえば、保留表示に関する情報(保留色やアイコン画像による保留表示態様を指定する)の他、(ii)上記(i)の入賞時変化系の予告演出と下記(iii)の変動開始時変化系の予告演出の両方を指定する情報や、(iii)変動開始時変化系の予告演出を指定する情報(たとえば、稲妻演出の種別(強稲妻演出(当選期待度高)、中稲妻演出(当選期待度中)、弱稲妻演出(当選期待度低)の別))や、(iv)先読み演出抽選非当選情報(入賞時変化系の先読み予告演出を実行しない旨の情報)などが含まれる。
本例の場合、上記(i)の入賞時変化系の先読み予告演出だけを行わせる場合は先読み動作ステータスに「01H」を、上記(ii)の入賞時変化系と変動開始時変化系の両方の先読み予告演出を行わせる場合は先読み動作ステータスに「02H」を、上記(iii)の変動開始時変化系の先読み予告演出だけを行わせる場合は先読み動作ステータスに「03H」を、上記(iv)のいずれの先読み予告演出も実行しない場合は先読み動作ステータスに「00H」を、RAM243の所定領域に格納する(ステップS715)。
上記先読み演出抽選処理を終了するとステップS716に進み、先読み判定動作ステータスを判定する。先読み動作ステータスが「00H」の場合(ステップS716:=00H)、先読み予告演出は行われないので、何もせずにステップS718の処理に進む。
一方、先読み動作ステータスが「00H」以外である場合(ステップS716:≠00H)、現在の保留球数の値(1〜4個または1〜8個)を連続予告カウンタに格納する(ステップS717)。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図25の装飾図柄指定コマンド受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1づつ減算されていくようになっている。
上記のように先読み演出抽選に当選した際に現存する保留球数の値を「連続予告カウンタ」にセットすることで(ステップS717)、当該保留球数の値に対応する図柄変動回数の間、新たな入賞球が発生しても、それについて先読み予告演出の抽選が禁止される(ステップS713:NOのルート)。たとえば現在の保留球数が3個の場合、当該保留球数に対応する3回の図柄変動の間、先読み予告演出の抽選が禁止され、これにより先読み予告演出の発生が阻止される。なお上述の「連続予告カウンタ」は、先読み予告当選に関する情報としても利用することができる。つまり、「連続予告カウンタ」がゼロであれば、先読み予告非当選中(先読み予告非実行状態)であり、ゼロ以外の値であれば先読み予告当選中(先読み予告実行状態)と判断することができる。
ステップS718の処理に進むと、上記先読み予告抽選処理、先読み予告動作ステータス設定処理および連続予告カウンタの設定処理の結果を盛り込んだないようの連続予告演出シナリオを設定する処理を行う(ステップS718)。
ステップS719の処理に進むと、保留加算表示処理を行う(ステップS719)。この保留加算表示処理では、液晶制御部側に、作動保留球数情報を含む液晶制御コマンド(液晶側保留球数情報コマンド)を送信する。これにより、液晶表示画面に保留球数に対応する数のアイコン画像が点灯表示される。なお、この保留球数情報のコマンド送信は、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数のすべてについて送信する。
またステップS719の処理では、上記液晶側保留球数情報コマンドの他、演出情報を確認し、先読み予告演出に関する情報として、たとえば、保留表示に関する情報(保留表示態様を指定する情報)を含む液晶制御コマンド(液晶側先読み情報コマンド)も送信される。したがって、入賞時変化系の先読み予告演出(保留表示変化系の先読み予告演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選に当選している場合には、ステップS718で液晶制御部側に送信される液晶側先読み情報コマンドに基づき、液晶制御部側が保留表示変化系の先読み予告演出として、今回入賞した保留記憶に係る保留表示態様(保留アイコン:当りの当選期待度が低い通常時は「白色」)を、専用の保留色(たとえば、「青色」、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「D柄」または「虹色」のいずれかの色)の保留表示態様(専用保留表示)としたり、または通常とは異なる特殊なアイコンを利用した特別な保留表示態様となるように液晶画面に表示させる。
これにより、たとえば、今回入賞した保留記憶が3個目であれば、この3個目の保留記憶、つまりゲーム実行中保留Kのアイコンが、図5のように受座Mのアイコン上に載って図柄変動表示ゲーム(図柄変動表示動作)に供されるまでの間、その特別な保留表示態様を連続的に出現させることができる。つまり、ここでの処理では、先読み予告抽選に当選している場合には、入賞時コマンドを受信した際、「入賞時変化系」の先読み予告演出として、「専用保留表示(たとえば、白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、または虹色の保留表示)」を現出制御するための演出制御処理(専用保留表示処理)が行われ、また先読み予告抽選に当選していない場合には通常保留表示を現出制御するための演出制御処理(通常保留表示処理)が行われるようになっている(図5、図6参照)。なお本実施形態では、液晶側保留球数情報コマンドと、液晶側先読み情報コマンドとを送信する(複数のコマンドを送信する)と説明したがこれに限らず、制御負担の軽減のために、保留球数情報および保留表示に関する情報を含ませた液晶制御コマンドを送信しても良い。
またステップS719の処理では、先読み予告演出の一環として、つまり保留色変化予告演出に付随する演出として、たとえば、通常とは異なる特殊音による音演出(特殊音演出)および/または特殊な光による光演出(特殊光演出)を含む演出を現出制御するための演出シナリオ(特殊保留演出シナリオ)がセットされる。これにより、たとえば、今回の保留記憶が3個目であれば、この3個目のゲーム実行中保留Kが受座Mのアイコン上に載って図柄変動表示ゲームに供されるまでの間、特殊音演出および特殊光演出にて、先読み予告演出を現出させることができるようになっている。また当該保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において(たとえば、保留表示がシフト表示時(保留シフト時)や新たな保留記憶の発生時など)、通常とは異なる特殊音演出や特殊光演出を現出させることができる。
またまた当該保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において、保留色や保留表示のアイコン画像を変化(保留表示変化演出)させることができる。具体的には、保留シフトの途中で、保留色(保留表示の色要素表示態様)が当り当選期待度が高い側の保留色に変化させることができる。たとえば、入賞時の保留色が通常の「白色」で表示されたが、保留表示がシフト表示されたときに、それよりも当り当選期待度の高い保留色(たとえば、青色、黄色、緑色、赤色、D柄など)に変化させることができる。このような構成は、入賞時には保留色が白色、つまり入賞時変化系の先読み予告演出が現出されなかった場合であっても、その保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において、保留色が変化する、つまり入賞時変化系の先読み予告演出を現出させることができる、または保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において、当り当選期待度がより明確に報知することができることを意味する。このように保留色が途中で変化する入賞時変化系の先読み予告演出態様(演出シナリオ)は、その保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間中、入賞時の保留色がそのまま表示され続けるといった先読み予告演出よりも、演出態様が多彩なものとなり、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。また遊技者に対して、入賞時の保留色がより当り当選期待度の高い保留色に変化するかもしれない、といった期待感を与えることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
またステップS719の処理では、図示してないが、保留特殊演出の演出情報が含まれていないか、つまり上記保留特殊演出が実行中であるか否かを確認し、保留特殊演出が実行中でなければ、通常保留入賞音のシナリオをセットする。これにより、新たな保留記憶が発生し、このとき保留特殊演出が実行中でない場合には、特殊入賞音の替わりに、通常の保留入賞音が発生することになる。その後、入賞時コマンド受信処理を抜ける。一方、保留特殊演出の演出情報が含まれている場合には、保留特殊演出が実行中であり、この場合は、上記特殊保留演出のシナリオに基づいて先読み予告演出に係る音演出を発生させることとしているので、ここでは何もせず、そのまま入賞時コマンド受信処理を抜ける。
(16−2.保留音演出)
本実施形態においては、保留記憶発生時(入賞時)において先読み予告抽選に当選した場合、通常(先読み予告非当選時)とは異なる音演出(効果音)態様、たとえば入賞音(特殊入賞音)を発生させて先読み予告抽選に当選したことを報知する。ここで通常時(先読み予告非当選時)の入賞音を「通常入賞音」とし、先読み予告抽選に当選した場合の入賞音を「第1特殊入賞音」とすると、保留表示の色表示態様(保留表示変化系の先読み予告演出)として、入賞時の保留色が「白色」であった場合は「通常入賞音(通常音演出)」が発生し、「青色、黄色、緑色、赤色」のいずれかであった場合は、通常入賞音と異なる「第1特殊入賞音(第1特殊音演出)」を発生させる。さらに、入賞時の保留色が「D柄色」の場合には、この第1特殊入賞音とも異なる「第2特殊入賞音(第2特殊音演出)」として独自の音響つまりD柄専用の特殊音(D柄専用音)を発生させる(図51の保留変化予告演出aを参照)。
さらに上記D柄専用音演出に関しては、保留表示の色要素表示態様が、保留シフトの途中で白色、青色、黄色、緑色、赤色のいずれかから「D柄色」に変化した際には、この場合も、「青色、黄色、緑色、赤色のいずれかに保留色変化が生じた際の音演出態様(第1特殊入賞音)と異なる音演出態様(第2特殊入賞音)として、D柄専用の特殊音(D柄専用音)を発生させる。これにより遊技者は、先読み予告演出の表示領域を見ていなかったとしても、聴覚的にD図柄(D柄保留表示)の発生を知ることができる。
また、変動開始時変化系の先読み予告演出(稲妻演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選に当選している場合には、保留記憶が順次消化される際、図柄変動表示ゲームの実行時の後述の連続予告演出処理(後述の図25のステップS743、図26のステップS753)において、稲妻演出有り演出処理が実行され、これにより、稲妻画像による稲妻演出(図5、図6参照)が現出されることになる。
またステップS719の処理では、図示してないが、保留特殊演出の演出情報が含まれていないか、つまり上記保留特殊演出が実行中であるか否かを確認し、保留特殊演出が実行中でなければ、通常保留入賞音のシナリオをセットする。これにより、新たな保留記憶が発生し、このとき保留特殊演出が実行中でない場合には、特殊入賞音の替わりに、通常の保留入賞音が発生することになる。その後、入賞時コマンド受信処理を抜ける。一方、保留特殊演出の演出情報が含まれている場合には、保留特殊演出が実行中であり、この場合は、上記特殊保留演出のシナリオに基づいて先読み予告演出に係る音演出を発生させることとしているので、ここでは何もせず、そのまま入賞時コマンド受信処理を抜ける。
なお、先読み予告演出が実行中である場合には、新たな保留を対象とした先読み予告演出が禁止されることとしているので、「先読み禁止カウンタ」がゼロであれば保留特殊演出が実行中でないと判定してゼロでないならば保留特殊演出が実行中であると判定しても良い。また、先読み予告演出実行期間中(保留特殊演出が実行中)である場合、上記通常の保留入賞音を発生させるのではなく、保留記憶発生時による入賞音自体を発生させない、または、保留発生時による入賞音は発生させずに保留発生時による入賞光演出(通常の入賞光演出であっても良いし、特殊光演出であっても良い)だけを発生させるようにすることができる。
(17.当り終了時演出モード設定処理:図23)
図23は、当り終了コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。上記大当り終了コマンドは、特別電動役物管理処理中の大当り終了処理で送信される演出制御コマンドである。
図23において、演出制御部24(CPU241)は、当り終了コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS721)、その内容である今回の当り情報とその当選時の遊技状態情報とに基づき、その当り遊技後に移行すべき演出モードを設定する(ステップS722:当り終了時演出モード設定処理)。
(18.変動パターン指定コマンドの受信処理:図24)
図24は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図12の特別図柄変動パターン作成処理のステップS412で送信される演出制御コマンドである。
図24において、演出制御部24(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の所定領域に格納する(ステップS732)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)中の演出シナリオが決定されるようになっている。
<19.装飾図柄指定コマンドの受信処理:図25>
図25は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図12の特別図柄変動開始処理のステップS415で送信される演出制御コマンドである。ここでは、図24の変動パターン指定コマンド受信処理で得られた変動パターン情報と、装飾図柄指定コマンドにより得られる情報とに基づいて、図柄変動表示ゲーム中の演出(各種の予告演出)、装飾図柄の表示態様(疑似連中の仮停止図柄、リーチ図柄、停止装飾図柄など)、可動体役物による予告演出などが決定され、今回の変動表示ゲームに係る演出シナリオが構成される。本実施形態では、主制御部20側が保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、および装飾図柄指定コマンドを、この順に演出制御部24に対して送信し(図12の特別図柄変動開始処理のステップS404、S412、S415参照)、演出制御部24側では、この最後の装飾図柄指定コマンドを受信した際に、図25の装飾図柄指定コマンドの受信処理を行う。
図25において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS740)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS741)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンであり、かつ当選種別情報が15R長開放確変大当りである場合、当該15R長開放確変大当りに関連した装飾図柄の停止表示態様を決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定(リーチ図柄の決定)して、その決定された左図柄と右図柄とに基づき、15R長開放確変大当りに関連した装飾図柄列(大当り図柄)が最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。この決定された装飾図柄データは、RAM243の装飾図柄データ格納領域に格納され利用される。
次いで、ステップS742に進み、図22のステップS715で設定した先読み動作ステータスが「00H:先読み予告演出実行せず」であるか否かを判断する(ステップS742)。先読み動作ステータスが「00H」でない場合、つまり「01H:保留先読み予告のみ実行」、「02H:保留先読み予告および背景(稲妻)先読み予告の両方実行」、「03H:背景(稲妻)先読み予告のみ実行」のいずれかである場合、ステップS743に進み、連続予告演出処理を行う(ステップS743)。
この先読み予告演出処理(ステップS743)では、今回の図柄変動表示ゲーム中における「変動開始時変化系」の連続予告演出を現出させるための演出処理を行う。ここでは、ステップS714(図22)の先読み演出抽選処理において「変動開始時変化系」の先読み予告演出に当選していた場合(先読み動作ステータスが「02H」または「003」)、専用予告画像(稲妻を模した稲妻画像)表示による稲妻演出用演出データを作成し、これをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。これにより、液晶表示装置36の画面に稲妻画像表示による稲妻演出が現出される(図6(2)参照)。
(19−1.連続予告演出処理:図26)
図26は連続予告演出処理の詳細を示したものである。図26を参照して、この連続予告演出処理では、まず先読み動作ステータスを取得し、その内容を判定する(ステップS751)。先読み動作ステータスが「02H」または「03H」のいずれでもない場合(ステップS751:≠02H、03H)、何もしないで連続予告演出処理を抜ける。
先読み動作ステータスが「02H」または「03H」のいずれかであった場合(ステップS751:=02H、03H)、連続予告カウンタの値がゼロか否かを判断する(ステップS752)。連続予告カウンタの値がゼロの場合は(ステップS752=YES)、何もしないで連続予告演出処理を抜ける。
一方、連続予告カウンタの値がゼロでない場合は(ステップS752=NO)、稲妻連続予告演出実行となるので、ステップS753に進み、稲妻演出有り演出処理を実行する(ステップS753)。この稲妻演出有り演出処理では、ステップS718の処理で設定された連続予告演出シナリオに従い稲妻連続予告演出を実行する。たとえば連続予告演出シナリオが、落雷の強さレベルを表現した、強落雷の稲妻演出、中落雷の稲妻演出、弱落雷の稲妻演出を含む複数種類の稲妻演出のうちから、いずれか1つの稲妻演出を抽選により決定している連続予告演出シナリオの場合は、その連続予告演出シナリオにしたがって上記の決定した稲妻演出を現出させる。
この稲妻演出には、複数種の稲妻演出を区別して発生させることを可能にする上で使用される属性がある。稲妻の発生パターン、稲妻の強弱、稲妻の色要素(白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄色)などの稲妻表示態様は、稲妻画像を特徴付けるものであり、それぞれ稲妻を区別する上での特徴ある属性の一つとなる。どのような属性を持つ稲妻演出種を発生させるかは、ステップS718の処理で連続予告演出シナリオを設定するに際し、たとえば先読み変動パターンに関連付けられた「稲妻演出選択テーブル(図示せず)」を参照することで決定される。この稲妻演出選択テーブルには、「弱落雷<中落雷<強落雷」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その稲妻演出種の選択率が定められている。
また背景先読み予告設定処理では、背景先読み予告演出の実行回数に連続カウンタの値と同数値を設定し(背景予告実行カウンタに連続カウンタの値を格納)、先読み動作ステータスを「00H」に切り替える。これにより、一の保留加算コマンドが受信されて背景先読み予告演出を実行すると決定された場合、先に生じた最も古い作動保留球が変動開始時において上記背景先読み予告設定処理が行われるが、次回以降の他の保留加算コマンドが受信されたときに、連続予告カウンタがゼロで、かつ先読み動作ステータスが「02H」になっていない限り、この背景先読み予告設定処理は行われない。すなわち、本実施形態では、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化しない限り新たな先読み予告演出は発生せず、重複した先読み予告演出の発生が禁止されるようになっている。
次いで、ステップS754に進み、今回の作動保留球の消化分として、連続予告カウンタから1減算し(ステップS754)、減算後の連続予告カウンタの値をチェックする(ステップS755)。連続予告カウンタの値がゼロでない場合(ステップS755:NO)は、連続予告が終了していないので、ステップS756の処理を行うことなく、この連続予告演出処理を抜ける。その後、所定個数の保留球が消化され、連続予告カウンタの値がゼロに至った場合は(ステップS755:YES)、ステップS756に進み、先読み動作ステータスを先読み予告演出が行われない「00H」に戻し(ステップS756)、この連続予告演出処理を抜ける。
この「変動開始時変化系」の連続予告演出は「連続予告カウンタ」のカウンタがゼロになるまで実行され、この「連続予告カウンタ」の値は図柄変動表示ゲームが1回行われる度に図26のS754の処理において1減算される。たとえば、先読み予告抽選当選保留が3個目の保留であった場合、図26の処理に入るときには、連続予告カウンタのカウンタ値が保留球数N=3個でセットされ、「N=3」となっている。この3個の保留記憶がすべて消化されるまで、連続予告が行われることになる。
(変形例)
しかし、連続予告演出が発生する契機となった保留記憶が、ゲーム実行中保留Kとして受座Mに載った当該図柄変動表示ゲームは、先読み予告演出の結果が現れるゲームであり、当該図柄変動表示ゲームにおいては、もはや先読み予告演出を現出する必要性に乏しい。したがって、次のような形態としてもよい。連続予告カウンタの値がN=3に至る1つ手前の「N−1目」まで、つまり保留3個目発生時における1個目と2個目の保留記憶までの図柄変動表示ゲームを、連続予告演出を行う対象とし、その保留1個目〜2個目の図柄変動表示ゲームにおいて稲妻演出を展開させる。そして、N個目の保留が消化される際(図5でゲーム実行中保留Kが受座Mに載ってた状態)には、連続予告演出処理(図26)を抜けてステップS743からステップS744、S745の処理に移行させ、先読み連続予告が発生しない通常の図柄変動表示ゲームの場合と同じ演出予告処理にて、変動パターンに対応する演出を発生させるようにする形態である。この形態の下では、保留1個目〜2個目が予告的な図柄変動表示ゲームとなり、保留3個目の図柄変動表示ゲームが保留色変化をもたらした保留記憶についての図柄変動表示ゲーム(本変動)となる。なお、この形態とする場合には、ステップS753の連続予告演出処理を終えた段階で、連続予告カウンタを1減算し(ステップS754)、その結果連続予告カウンタの値がNー1であった場合には(ステップS755=YES)、先読み動作ステータスを「00H」に戻すように構成する(ステップS756)。
(19−2.期待予告抽選処理:図25のステップS744〜S745)
図25に戻り、次いで、期待予告抽選処理を行う(ステップS744〜S745)。この抽選処理では、現在の演出モードと変動パターンの内容とに基づき、現出すべき予告演出(期待予告演出)を抽選により決定する。
まずステップS744の処理では、演出モード別分岐抽選テーブル(図示せず)を参照し、現在の演出モードと変動パターンとに基づき、予告演出抽選テーブル指定テーブル(後述の図43参照)を決定する(演出モード分岐抽選処理:ステップS744)。
(T−5:予告演出抽選テーブル指定テーブル:図43)
図43に、演出モード別分岐抽選テーブルにより選択される予告演出抽選テーブル指定テーブル(G_TBLA〜G_TBLE)を示す。
本実施形態の予告演出抽選テーブル指定テーブルには、抽選対象となる期待予告演出種別が定められている。詳しくは、たとえば、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」には、前予告演出1に属する予告演出(演出番号1〜5:図44参照)を決定するための予告演出抽選テーブル(前予告演出1_TBL)と、前予告演出5に属する予告演出(演出番号21〜25:図44参照)を決定するための予告演出抽選テーブル(前予告演出5_TBL)とが定められている。なお予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLC」〜「G_TBLF」は、リーチ変動パターン種別の場合に選択されうるものであり、これら予告演出抽選テーブル指定テーブルには、リーチ演出中に現出される後予告演出種別が抽選対象として含まれる(図43のG_TBLC〜G_TBLFの欄参照)。一方、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」、「G_TBLB」は、通常変動パターン種別の場合に選択されうるものであり、これら予告演出抽選テーブル指定テーブルには、リーチ演出中に現出される後予告演出種別が抽選対象として除外されている(図43のG_TBLA、G_TBLBの欄参照)。
(T−6:予告演出抽選テーブル)
上記予告演出抽選テーブル(前予告演出1_TBL〜前予告演出5_TBL、後予告演出1_TBL〜後予告演出2_TBL:図示せず)には、変動パターンの内容と予告演出とが関連付けて定められており、具体的には、変動パターンの内容と所定の演出用乱数(予告演出決定用乱数)とに基づき、1または複数種類の期待予告演出種別(図44、図45参照)に属する複数種類の予告演出のうちからいずれかの一つの予告演出が抽選により決定されるようになっている。なお図示はしていないが、予告演出抽選テーブルには、各期待予告演出種別(前予告演出1〜5、後予告演出1〜2)に属する予告演出(演出番号1〜35)が図44〜図45に示す当り当選期待度となるように、各変動パターンに応じてその選択率(出現率)が定められている。なお演出モードに応じて、図44〜図45に示す各期待予告演出種別に属する予告演出の当り当選期待度の順位を変更しない範囲(各予告演出間の当り当選期待度の対応関係を変更しない範囲)で、各予告演出の選択率を異ならせ、その当選期待度を変更しても良い。
(予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合)
再びステップS745の処理の説明に戻り、CPU241は、上記予告演出抽選テーブル指定テーブルにより指定される予告演出抽選テーブルを参照して、今回の図柄変動表示ゲーム中に現出すべき予告演出を抽選により決定していく。詳しくは、たとえば、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合、これにより指定される予告演出抽選テーブルは、「前予告演出1_TBL」および「前予告演出5_TBL」である。CPU241は、まず最初に「前予告演出1_TBL」を参照して、前予告演出1に属する複数種類の予告演出(演出番号1〜5)のうちからいずれかを抽選により決定する。そして、上記「前予告演出1_TBL」に基づく抽選を終えると、直ちに「前予告演出5_TBL」に基づく抽選は行わずに、ステップS746の高信頼度予告演出抑制処理〜S747の演出情報設定処理を実行して、今回の上記予告演出抽選テーブル指定テーブルにより指定される予告抽選処理がすべて終了した否かを判定する(ステップS748)。ここでは、未だ「前予告演出5_TBL」に基づく抽選処理が実行されていないので、ステップS748の判定結果は‘NO’となり、再びステップS745の予告演出抽選処理を実行する。
再度、ステップS745の予告演出抽選処理に入ると、CPU241は、次いで「前予告演出5_TBL」に基づく抽選処理を実行し、前予告演出2に属する複数種類の予告演出(演出番号1〜10)のうちからいずれかを決定する。これにより、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合の予告抽選が終了したことになる。次いで、再度、ステップS746(高信頼度予告演出抑制処理)〜S747の処理(演出情報設定処理)を実行し、予告抽選がすべて終了した否かを判定する(ステップS748)。今回、ステップS748の判定処理を通過するときは、予告演出に係る抽選がすべて終了しているので、その判定結果は‘YES’となり、後述のステップS749の演出シナリオ設定処理が実行される。
上述の予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択されたケースでは、計2種類の予告演出抽選テーブルによる抽選が順次行われ、予告演出として、前予告演出1に属する演出番号1〜5のいずれかと、前予告演出5に属する演出番号21〜25のいずれかとが、図柄変動表示ゲーム中に現出されることになる。ただし、変動パターン種別によっては、予告演出の抽選対象となるがその選択率が0%、つまり選択されないものも含まれる。たとえば、上記「前予告演出1_TBL」に、大当り当選確定を予告する予告演出(プレミアム演出)として、虹色の色要素を持つ特定画像が表示される「背景虹色藤模様キャラ(虹色)予告演出」を選択肢として追加している場合、この「前予告演出1_TBL」では、変動パターンが通常変動パターンである場合、その背景虹色藤模様キャラ(虹色)予告演出の選択率を‘0%’と定めることができる(前予告演出2〜4、後予告演出1〜2についても同様)。
他の予告演出抽選テーブル指定テーブルが選択された場合も同様の処理手順である。たとえば予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLE」が選択された場合、これにより指定される予告演出抽選テーブルは、「前予告演出2_TBL、前予告演出3_TBL、前予告演出5_TBL、および後予告演出1_TBL、および後予告演出2」であり、これら計5種の予告演出抽選テーブルに基づく抽選が順次行われることになる。
また本実施形態では、予告演出抽選テーブル指定テーブルに基づく抽選順序は、図の上から下への順番となっている。たとえば予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLA」が選択された場合は「前予告演出1_TBL→前予告演出5_TBL」の順に、予告演出抽選テーブル指定テーブル「G_TBLD」が選択された場合には、「前予告演出1_TBL→前予告演出4_TBL→前予告演出5_TBL→後予告演出1_TBL→後予告演出2_TBL」の順に、予告演出に係る抽選処理が行われるようになっている(他の予告演出抽選テーブル指定テーブルに関しても同様)。
上述の抽選順序は、各期待予告演出が開始タイミングの順序と同じとなっているが本発明はこれに限らず、色要素の選択肢の数を発生タイミングが後になるほど当選期待度の高い色要素の側に絞る関係を構築されるように維持しつつ、一の予告演出抽選テーブル指定テーブルと他の一の予告演出抽選テーブル指定テーブルとで抽選順番が異なるようにしても良く、その順番は適宜変更することができる。
(19−3.高信頼度予告演出抑制処理)
図25においてステップS745の予告演出抽選処理を終えると、次いで、高信頼度予告演出抑制処理を行う(ステップS746)。この高信頼度予告演出抑制処理では、上記ステップS745の予告演出抽選処理で高信頼度予告演出(たとえば、D図柄に係る予告演出)が決定された場合、当該D図柄の高信頼度予告演出の現出回数を所定回数以下(ここでは2回以下)に制限するもので、当該高信頼度予告演出を現出させるか否かを決定する。そのために、ステップS745の処理で抽選された予告演出が、高信頼度予告演出に該当する場合、その高信頼度予告演出数を「抑制カウンタ」にて計数する。
ステップS747の演出情報設定処理を終えると、上記予告演出抽選テーブル指定テーブルで指定された、予告演出抽選テーブルに基づく抽選処理がすべて終了したか否かを判定する(ステップS748)。予告演出抽選処理がすべて終了していない場合(ステップS748:NO)、ステップS745の処理に戻り、残りの予告演出抽選テーブルに基づく抽選処理を行う。
(19−4.演出情報設定処理)
ステップS746の高信頼度予告演出抑制処理を終えると、次いで、演出情報設定処理を行う(ステップS747)。この演出情報設定処理では、抑制カウンタをクリアし、ステップS744〜S746を経て決定された予告演出に関する演出情報を設定する。ここでは、後述のステップS749の演出シナリオ設定処理で演出シナリオを構築する際に必要となる演出情報(たとえば決定された予告演出の種類を特定可能とする情報)が設定される。
(19−5.演出シナリオ設定処理)
一方、予告演出抽選処理がすべて終了した場合(ステップS748:YES)、次いで、演出シナリオ設定処理を行う(ステップS749)。
ステップS749の演出シナリオ設定処理では、上記演出情報に基づいて、今回の装飾図柄変動表示ゲームにおいて現出させる演出の演出シナリオを構築する。各予告演出は、図柄変動表示ゲーム中における開始タイミングや、演出が現出される期間(演出時間幅)があらかじめ定められており、ステップS744〜S746を経て決定された予告演出と、今回の変動パターンの内容(変動時間、リーチ演出の有無、リーチ演出有りの場合はその種別、疑似連の有無、疑似連有りの場合はその疑似連回数など)とに基づいて、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に展開させる各種演出の演出シナリオが構築される。この演出シナリオのデータは、RAM243のシナリオ設定領域に格納される。
なお疑似連を伴う場合、本変動に係る予告演出を決定し、その予告演出に基づいて疑似変動に係る予告演出を決定する。つまり、疑似変動を行う場合には、本変動での予告演出に関連した演出態様を、疑似変動の際の予告演出として決定する。そして、これらの決定された予告演出を現出することにより、図柄変動表示ゲームの疑似変動中および本変動中において対応する予告演出を実現する。
また上記演出シナリオ設定処理では、作動保留球の保留表示に関する保留表示制御処理を含め、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理も行う。上記保留表示制御処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用演出データが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出データを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。
ステップS749の演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、上記演出シナリオに基づく装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
(19−6.可動体役物による予告演出:図38〜図40、図40A)
図38〜図40、図40Aを参照して、本実施形態に係る予告演出を決定するための演出処理の一態様について説明する。ここでは、予告演出の一つとして、当りに当選した場合の可動体役物による特定の予告演出(第2の可動体役物90による「役物移動演出」)を現出する際の演出処理について代表的に説明する。なお、ハズレの場合の予告演出を含む他の予告演出の決定する演出処理については、重複記載を避けるためにその詳細な説明は適宜省略する。
図38に「15R確変大当り」における役物移動演出抽選テーブルAを、図39に「10R確変大当り」における役物移動演出抽選テーブルBを、図40に「4R確変大当り」における役物移動演出抽選テーブルCを示す。また図40Aに「ハズレ」における役物移動演出抽選テーブルDを示す。これら役物移動演出抽選テーブルA〜Cは、当り変動パターン指定コマンドに関連した1または複数種類の演出態様を定めた演出抽選テーブル、役物移動演出抽選テーブルDはハズレ変動パターン指定コマンドに関連した1または複数種類の演出態様を定めた演出抽選テーブルとなっている。なお本実施形態の場合、これらの役物移動演出抽選テーブルA〜Dのいずれか1つのテーブルが選択されることで、役物移動演出の「基本演出パターン」が決定され、これに基づいて、後述する図41〜図42の階層的処理からなる役物動作態様抽選テーブルにおいて「詳細な演出パターン(今回の図柄変動表示ゲームにて現出させる演出パターン)」が決定される。ここで「基本演出パターン」と称したのは、後述する図41〜図42の階層的処理からなる役物動作態様抽選テーブルにおいて「詳細な演出パターン(今回の図柄変動表示ゲームにて現出させる演出パターン)」が決定されるためである。
図38〜図40に示す「役物移動演出抽選テーブルA〜C」では、各変動パターン指定コマンド(変動パターン種別)に関連して、どのような演出区間で役物移動演出(詳細は後述するが、本実施形態では、第2の可動体役物による役物移動演出)を現出させるか否かが抽選により決定されるようになっている。具体的には、演出進行度合(役物動作タイミング種別)である「リーチタイトル中」、「SPリーチ中」、および「図柄仮停止後(図柄仮停止状態中)」のいずれかの演出区間で役物移動演出を現出させるか否かが抽選により決定される。また図中の「無し」が選択された場合は役物移動演出が現出されないことが決定される(図40Aのハズレ時の役物移動演出抽選テーブルについても同様)。また図示のように、同じ変動パターン種別であっても、当選種別(当り種別)に応じて、役物動作タイミング種別の選択率が異なるように定められている。
本実施形態では、図38〜図40に示すように、変動パターン種別が同じであれば、抽選対象とされる演出態様(ここでは、第2の可動体役物による役物移動演出の役物動作タイミング種別)が各当り種別において共通となっているが、当り種別に応じて、その演出態様の選択率が異なるものとなっている。その結果、一の当りが当選した場合と他の当りが当選した場合とで、演出の現出率に変化をもたらすことができるようになっている。このことは、結果的に、現出される演出態様を、当り種別に応じて異ならことができることを意味する。
この役物移動演出抽選テーブルにおいて役物移動演出を発生させることが決定された場合には、後述の図41〜図42の演出抽選テーブルにて‘詳細な演出パターン’である「役物移動演出に係る可動体役物の動作態様」と「具体的な発生タイミング」とが決定され、今回の図柄変動表示ゲームにおいて現出すべき役物移動演出態様が定まるようになっている。
ここで本実施形態では、図38〜図40、図40Aの演出抽選テーブルに示されるように、役物動作タイミング種別として「SPリーチ中」のタイミングが存在する特定のリーチ種別の場合(SPリーチ種別および/またはST中リーチ種別)、出現タイミングが時系列的に先行する「リーチタイトル中」における役物移動演出の現出率が低確率(本実施形態では、ゼロ(選択されない))に設定されており、それよりも出現タイミングが後行する「SPリーチ中」や「図柄仮停止後」の役物移動演出の現出率がそれよりも高確率に設定されている。このようにする理由は、次の通りである。
たとえば、SPリーチが現出される場合、時系列的に「リーチタイトル」→「SPリーチ(STリーチ中)」→「図柄仮停止」という演出が発生する演出内容となるが、「リーチタイトル」後に発生する「SPリーチ」、つまりリーチ演出は、通常、遊技者の当選期待感を煽るべく、比較的長時間の演出幅(たとえば、60秒〜180秒程度)が設けられており、またその内容は、遊技者の当り当選期待感を大きく煽ることを目的とした演出内容となっている。しかし「リーチタイトル中」の役物移動演出の現出率を高確率に割り振り、「SPリーチ中」や「図柄仮停止後」における役物移動演出の現出率をそれよりも低確率に割り振ってしまうと、「リーチタイトル中」に役物移動演出の発生しなければ、それだけで当り当選期待感が低下してしまい、「リーチタイトル中」の後に展開される「SPリーチ中」の演出内容を見ても、遊技者の当り当選期待感を大きく煽ることができない恐れがある。またリーチ演出終了後の「図柄仮停止状態中」は、ゲーム結果が導出表示される演出区間である。したがって、「図柄仮停止状態」においてハズレ表示態様が導出されれば、遊技者は、今回の図柄変動表示ゲーム結果がハズレであったと認識し、落胆することになる。
そこで本実施形態では、「リーチタイトル中」よりも出現タイミングが後行する「SPリーチ中」や「図柄仮停止後」における役物移動演出の現出率を高確率に設定している。また「SPリーチ中」と「図柄仮停止後」との関係では、当りの場合に限り、後行する「図柄仮停止後」において、可動体役物の動作態様種別の中でもインパクトのある役物移動演出が現出されるようにしている(後述するの第2の可動体役物90の可動体組合せ動作態様種別のうち「両方」を現出させる)。これにより、リーチ演出が現出された際には、ゲーム結果が導出表示されうる「図柄仮停止状態中」においても役物移動演出が現出される可能性を残し、図柄変動表示ゲームが終了するまで、遊技者の当り当選期待感を持続させることができるようになっている。特に当りの場合には、図柄仮停止状態中に、一旦「ハズレ表示態様」を導出表示した後、装飾図柄の表示態様を当該ハズレ表示態様から当り表示態様に変化させるとともに、インパクトのある役物移動演出を現出させ、以って、最終的なゲーム結果を導出表示するようになっている。このような演出態様(復活演出)は、遊技者の意表を突く高い演出効果を期待することができる。なお「特殊リーチ」については、現出された時点で大当り当確を報知しうるリーチ演出であることから、役物移動演出を現出させる必要性に乏しい。このため、「無し」の選択率が100%となっている。
また本実施形態の場合、図38〜図40に示すように、通常中においては、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別ほど「SPリーチ中」よりも「図柄仮停止後」に役物移動演出の現出率が高く定められている。これは、当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出ほど、煽りが高い演出態様が現出され、遊技者を多いに煽った後に、一旦ハズレ表示態様を導出表示して遊技者を大きく落胆させた後、上記復活演出を現出させた方が、遊技者が驚嘆する度合いが高く、遊技者の意表を突く高い演出効果を期待することができるからである。一方、ST中においては、通常中とは反対に、当り当選期待度が相対的に高いST中リーチ種別ほど「SPリーチ中」よりも「図柄仮停止後」に役物移動演出が発生される確率が低く定められている。これは、ST中は当り当選確率が高確率状態となっているため、ST中はリーチ演出が発生した時点で通常中のリーチ演出よりも遊技者の当選期待感が高まる点に着目し、当り当選期待度が相対的に低いST中リーチ種別の場合には、出現タイミングが後行する「図柄仮停止後」において上記復活演出を現出させた方が、遊技者が驚嘆する度合いが高いと考えられるからである。
なお本実施形態では、図示のように、変動パターン種別がSPリーチ種別の場合(変動パターンA3〜A12、A14〜A17の場合)、「無し」と「リーチタイトル中」の選択率がゼロ(選択されない)となっているが、本発明はこれに限らず、SPリーチ種別のすべて、または特定のSPリーチ種別において、「無し」および/または「リーチタイトル中」が所定確率で選択されるように定めることができる。
上記役物移動演出抽選テーブルA〜Cのいずれかが選択されるケースとしては、通常中に大当りに当選した結果、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルが参照されて決定されるルートと、ST前半またはST後半のST遊技モード中に大当りに当選した結果、図36のST中当り変動パターン振分テーブルが参照されて決定されるルートとがある。いずれのルートの場合も、少なくとも変動パターン指定コマンドで得られた変動パターン情報(本実施形態の場合、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)で得られる情報に基づいて選択される。
(19−6−1.通常中に大当りした場合)
通常中に大当りに当選した場合には、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルが参照されて目的の変動パターンが決定される。この場合、通常中に当選した大当りが、最も利益が高い15R確変大当りであったときは、図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルに基づき変動パターン振分テーブル「FB1」が選択され、この「FB1」に基づいて、目的の変動パターンが選択される。また10R確変大当りまたは4R確変大当りであったときは両者に共通の変動パターンテーブル「FB2」が選択され、この「FB2」に基づいて、目的の変動パターンが選択される(図33の変動パターン指定振分番号「00H」(通常中)の欄参照、図34参照)。つまり相対的に少ない利益の大当りである場合は、共通の変動パターンテーブル「FB2」が選択されるようになっている。このことは、相対的に利益が少ない10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合、「全く同じ」当り変動パターン種別のうちから、いずれか1つの当り変動パターンが選択されることを意味する。したがって、もし何も処理を施さないのであれば、10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合、「全く同じ」当り変動パターン種別のうちからいずれか1つの当り変動パターンを選択することから、予告演出の内容を決定する上で、当選種別(ここでは、当選した大当り種別)を推測することが不可能になる。
ここでは説明の便宜上、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルにおいて選択された当り変動パターンが「通常中SPリーチA(変動パターン指定コマンド:A103H)」であるとすると、主制御部20側からは、この変動パターン指定コマンド「A103H」と、装飾図柄指定コマンドによる当選種別情報とが送信される。演出制御部24側では、この変動パターン指定コマンド「A103H」と、当選種別を指定する装飾図柄指定コマンドとにより、今回の変動パターンと当選種別を把握することになる。
ここで、今回の装飾図柄指定コマンドが「10R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B505HまたはB605H」であったとすると(図32参照)、演出制御部24側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ10R確変大当りである旨」を把握し、図39の役物移動演出抽選テーブルB(10R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。同様に、今回の装飾図柄指定コマンドが「4R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B506HまたはB606H」であったとすると(図32参照)、演出制御部24側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ4R確変大当りである旨」を把握し、図40の役物移動演出抽選テーブルC(4R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。このようにして、10R確変大当りと4R確変大当りとに共通の変動パターン振分テーブル「FB2」を利用して変動パターンを選択する場合であっても、「10R確変大当り」または「4R確変大当り」のいずれであるかによって、対応する別の役物移動演出抽選テーブルBまたはCに振り分けられる。
つまり、主制御部20側では当選種別が異なる場合であっても「共通の変動パターン振分テーブル(本例では、「FB2」)を利用して変動パターンを選択し、演出制御部24側では、装飾図柄指定コマンドから把握される当選種別を含めて演出を選択するという構成になっている。このため、共通の変動パターン振分テーブル(本例では、「FB2」)を参照して変動パターンを選択するが、演出については、当選種別に応じた演出を現出することができる。たとえば、図38〜図40に示すように、大当り種別のうち、相対的に利益が高い大当り種別であるほど、「SPリーチ中」において役物移動演出が現出される割合が高く、それよりも出現タイミングが後行する「図柄仮停止後」において役物移動演出が現出される割合が低く定められている。したがって、当選種別に応じて、役物移動演出の発生タイミング種別の選択率が異なるため、遊技者に対して、演出上から当選種別を推測する推測要素を与えて遊技の面白みを向上させることができる、といった効果を奏することができる。よって本実施形態によれば、主制御部20側では、変動パターンを選択する際の制御負担が軽減しうるといった作用効果、具体的には、変動パターン振分テーブルが「10R確変大当り」と「4R確変大当り」とで兼用されることで、その分だけROMの容量を削減しうるといった作用効果が得られ、さらに、共通の変動パターン振分テーブルを使用しながらも、10R確変大当りと4R確変大当りとで異なる演出を出現しうるので、演出のバリエーションを豊富にする途を阻害せずに、演出種別の豊富化を実現することができる、という作用効果も得られる。
(19−6−2.ST中に大当りした場合)
ST中に大当りに当選した場合には、図36のST中当り変動パターン振分テーブルを参照して目的の変動パターンが決定される。ここで図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「ST前半(変動パターン指定振分番号「01H」の欄参照)」に着目すると、ST前半では15R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当りの全ての大当りについて、変動パターン振分テーブル「FB3」が選択され、この「FB3」に基づいて、目的の変動パターンが選択されるようになっている(図33の変動パターン指定振分番号「01H」(ST前半)の欄、図36参照)。また、図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「ST後半(変動パターン指定振分番号「02H」の欄参照)」に着目すると、ST後半では、15R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当りの各大当りについて、それぞれ別の変動パターン振分テーブル「FB4」、「FB5」、「FB6」が選択され、「FB4」〜「FB6」のいずれかの変動パターン振分テーブルに基づき、目的の変動パターンが選択される(図33の変動パターン指定振分番号「02H」(ST後半)の欄、図36参照)。
したがって、ST前半では、15R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当りの大当りである場合は、共通の変動パターンテーブル「FB3」が選択される。このST後半における関係は、通常中に相対的に利益が少ない10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合と同じであり、「全く同じ」当り変動パターン種別のうちから一の当り変動パターンが選択されることになる。もし何も処理を施さないのであれば、ST後半において大当りに当選した場合、当選した大当り種別を推測することが不可能になる。
しかし、このST前半における不都合も、上記の通常中に10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合と同様にして解消される。すなわち、全ての大当りにおいて共通の変動パターン種別「FB3」を利用して変動パターンを選択するが、演出制御部24側では、装飾図柄指定コマンドが特別図柄1の場合の「B504H、B505HまたはB605H」のいずれかであるか、特別図柄2の場合の「B604H、B605HまたはB606H」のいずれであるか(図32参照)に基づき当選種別が把握されて、当選した大当りに応じて、図38〜図40の演出抽選テーブルが選択され、当該当選した大当りに応じた演出が現出される。
このため、共通の変動パターン振分テーブル(本例では、「FB3」)を利用してST前半の変動パターンを選択しながらも、演出については、当選種別に応じた演出を現出することができる。また当選種別に応じた演出が現出されることから、遊技者に対して、演出から当選種別を推測する推測要素を与えて遊技の面白みを向上させることができる。よって主制御部20側では、変動パターン振分テーブルが15R確変大当りと10R確変大当りと4R確変大当りとで兼用され、その分だけROMの容量を削減し得るという作用効果が得られる。さらに演出に関しては、共通の変動パターン振分テーブルを使用しながらも、15R確変大当りと10R確変大当りと4R確変大当りとで異なる演出を出現しうるので、演出のバリエーションを豊富にする途を阻害せずに、演出種別の豊富化を実現することができる、という作用効果も得られる。
<変形例1>
本実施形態では、変動パターン種別(変動パターン指定コマンド)に関連して実行される演出について、同じ変動パターン種別である場合には、各当り種別において共通の演出態様を抽選対象とする一方、各当り種別に応じてその選択率が異なる形態となっているが、本発明はこれに限らず、次のように構成することができる(変形例1)。
変動パターン種別(変動パターン指定コマンド)に関連して実行される演出について、同じ変動パターン種別である場合には、一の当りと他の当り(すべての当り種別であっても良い)とで、抽選対象となる演出態様の少なくとも一部(全部または一部)を異なる演出態様となるように定めることができる。
具体的には、当り変動パターン種別のすべて、または当り時に選択されうる複数種類の当り変動パターン種別のうちの1または複数種類の変動パターン種別に関連して実行される演出について、一の当りの場合と他の当りの場合とで、異なる演出態様を抽選対象とするように構成することができる。これについて、説明の便宜上、代表的に、15R確変大当りの場合に参照される図38の「役物移動演出抽選テーブルA」と10R確変大当りの場合に参照される図39の「役物移動演出抽選テーブルB」とを参照しながら説明する。
上記実施形態(第1の実施形態)では、図示のように、役物移動演出抽選テーブルAと役物移動演出抽選テーブルBとにおいて、「SPリーチ中」および「図柄仮停止後(図柄仮停止状態中)」のいずれかの演出区間で、同じ役物移動演出(上記実施形態では、第2の可動体役物90による可動体演出)を現出させるか否かが抽選により決定されるようになっているが、この変形例では、役物移動演出抽選テーブルAと役物移動演出抽選テーブルBとで、異なる役物移動演出を現出させるか否かを抽選により決定するように構成することができる。つまり、同じ変動パターン種別であっても、当り種別に応じて、異なる演出態様を現出可能な構成とすることができる。
具体的には、役物移動演出抽選テーブルAの場合には、たとえば「SPリーチ中」および/または「図柄仮停止後」において、役物移動演出として、第2の可動体役物90と第3の可動体役物(回転灯62)とによる‘複合動作による可動体演出’を現出させるか否かについて抽選するように構成することができる。たとえば、役物移動演出抽選テーブルAについては、変動パターンA1〜A17のすべて、またはその一部(たとえば、変動パターンA9〜A12など)に関連して実行される演出態様として、「SPリーチ中」および/または「図柄仮停止後」の演出区間で‘複合動作による可動体演出’を現出させるか否かについて抽選するように構成することができる。
また役物移動演出抽選テーブルAの場合には、たとえば、抽選対象である役物動作タイミング種別に「SPリーチ中1」と「SPリーチ中2」とを設け、「SPリーチ中1」が選択された場合には、役物移動演出として、上記実施形態と同じ第2の可動体役物90による可動体演出を現出させ、「SPリーチ中2」が選択された場合には、上記複合動作による可動体演出を現出させるように構成することができる。この場合、「SPリーチ中2」は、役物移動演出抽選テーブルBには存在しない役物動作タイミング種別が抽選対象となる。この本変形例では、同じ変動パターン種別であっても、当選種別(当り種別)に応じて、抽選対象となる演出態様自体そのものを異なるものとすることができる。これにより、一の当り種別の場合には現出されうるが、他の当り種別の場合に現出されない演出態様を定めることができる。
上記ケースでは役物移動演出抽選テーブルAにおいて、役物移動演出抽選テーブルBに存在しない「複合動作による可動体演出(特定の演出態様)」を定めることができる。これにより、たとえば「複合動作による可動体演出」が現出された場合、換言すれば、10R確変大当りのときには現出されない役物移動演出が現出された場合には、その演出態様の発生を以って、15R確変大当りに当選したことを報知することができるようになり、演出のバリエーションが豊富化され、遊技の面白みを向上させることができる。なお上記では、役物移動演出抽選テーブルAについて説明したが、他の役物移動演出抽選テーブルについても同様の構成とすることができる。
<変形例2>
また他の変形例(変形例2)として、一の当り種別に対応した複数種類の役物移動演出抽選テーブルを設けることができる。具体的には、上記変形例1中で説明した役物移動演出抽選テーブル(上記では、役物移動演出抽選テーブルAの変形例)と、上記第1の実施形態の役物移動演出抽選テーブル(図38の役物移動演出抽選テーブルA)とを設け、所定の抽選(演出抽選テーブル選択抽選)により、いずれかの役物移動演出抽選テーブルを選択可能に構成することができる。たとえば、15R確変大当りに当選したときには、上記変形例で説明した役物移動演出抽選テーブルAと、図38に示す役物移動演出抽選テーブルAの2種類の演出抽選テーブルのうちから、抽選によりいずれかの演出抽選テーブルを選択可能な構成とすることができる。なお、抽選確率は適宜定めることができる。
この変形例2の構成では、図38の役物移動演出抽選テーブルAが選択された場合には、上記複合動作による可動体演出(特定の演出態様)が現出されることがなく、役物移動演出の現出率から当り種別を推測する推測要素を遊技者に与えることができ、他方、上記変形例の役物移動演出抽選テーブルAが選択された場合には、上記複合動作による可動体演出が現出される場合があり、この複合動作による可動体演出が現出される場合、15R確変大当りに当選確定を報知することができる、といったように、選択された演出抽選テーブルに応じて異なる作用効果を奏することができる。また同じ変動パターン種別であっても、選択される演出抽選テーブルに応じて異なる演出態様が現出されるので、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
なお変形例1および2では、可動体演出について説明したが、音演出や光演出や画像表示演出の演出制御についても適用することができる。
本実施形態は下記のように構成することができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
遊技の進行に係る遊技動作処理を統括的に制御する遊技制御手段(主制御部20)と、
遊技図柄の変動表示動作を伴う演出的な図柄変動表示遊技を実行し、表示結果を導出表示する図柄表示手段(液晶表示装置36)と、
前記図柄表示手段に対する前記遊技図柄の変動表示動作を含む演出に関する演出動作処理を統括的に制御する演出制御手段(演出制御部24)と、を備え、
前記図柄表示手段に特定の表示結果が導出表示された後、遊技者に有利な当りに制御可能な遊技機において、
前記遊技制御手段は、
所定の実行条件に基づき、複数種類の当りを対象に抽選を実行する抽選手段(図10のS311〜S314、図11のS331〜334、図12のS409、S410)と、
前記抽選手段による抽選結果に関連して実行される前記遊技図柄の変動表示動作に係る変動パターンについて、前記抽選手段により前記当りが抽選された場合に対応する1または複数種類の当り変動パターンを定めた当り変動パターン振分テーブル(図34、図36)と、前記抽選手段により前記当りが抽選されない場合に対応する1または複数種類のハズレ変動パターンを定めたハズレ変動パターン振分テーブル(図35、図37)と、を含む複数種類の変動パターン振分テーブルと、
前記複数種類の変動パターン振分テーブルのうちからいずれかの変動パターン振分テーブルを決定し、その決定された変動パターン振分テーブルに基づき、前記変動パターンを決定する変動パターン決定手段(図12のS412、図14、図33、図34〜図37)と、を含み、
前記演出制御手段は、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに関連して実行される演出(演出態様)について、前記当り変動パターンに関連する1または複数種類の演出を定めた当り演出選択テーブル(図38〜図40)と、前記ハズレ変動パターンに関連する1または複数種類の演出を定めたハズレ演出選択テーブル(図40A)と、を含む複数種類の演出選択テーブルと、
前記複数種類の演出選択テーブルのうちからいずれかの演出選択テーブルを決定して、その決定された演出選択テーブルに基づき、演出を決定する演出態様決定手段(図25)と、
前記演出態様決定手段により決定された演出を実行制御する演出実行制御手段(図19、図21、図25)と、を含み、
前記変動パターン決定手段は、
前記抽選手段による抽選により前記複数種類の当りのうちの少なくとも第1の当り(たとえば、10R確変大当り)が抽選された場合と第2の当りが抽選された場合(たとえば、4R確変大当り)とで共通の前記当り変動パターン振分テーブルを決定するように構成されており(たとえば、図33の変動パターン振分指定番号(Tcode)=00H(通常)、01H(ST前半)の欄))、
前記演出態様決定手段は、
前記抽選手段による抽選により前記第1の当りまたは前記第2の当りが抽選された場合、当該第1の当りと当該第2の当りとにそれぞれに対応する前記当り演出選択テーブルのうちから、その抽選された当りに対応する演出選択テーブルを決定するように構成されている(図39〜図40)、ことを特徴とする遊技機A。
上記遊技機Aにおいて、前記第1の当りに対応する前記当り演出選択テーブル(たとえば、図39)と前記第2の当りに対応する前記当り演出選択テーブル(たとえば、図40)とが、前記演出態様決定手段により同一の当り変動パターンについて共通の演出を決定可能(選択対象)とし、その演出の決定(選択)される割合(選択率)が異なるように定めることができる(たとえば、図39および図40の変動パターンA3(通常中SPリーチA)の欄参照)。この構成では、同一の当り変動パターンについて共通の演出を決定可能(選択対象)であり、その演出の決定(選択)される割合(選択率)が異なるだけであるので、新機種開発の際の設計が容易になり、また演出のバリエーションの自由度が阻害されることなく、演出制御処理負担を軽減することができる。
(19−6−3.可動体役物の動作態様抽選(第1層):図41)
上記図38〜図40で決定される演出パターンは、基本演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの大区分)であり、その詳細な演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの詳細区分)は、図41〜図42の演出抽選テーブルを経て決定される。ここでは、図41〜図42の演出抽選テーブルにより、役物移動演出態様として、役物移動演出の具体的な発生タイミングだけでなく、役物移動演出に係る可動体役物の動作態様と、その具体的な発生タイミングとが決定されるようになっている。
具体的には、図38〜図40で決定される演出パターンは、基本演出パターンを決定するための処理(第1階層処理)、図41〜図42は、その詳細な演出パターンを決定するための処理(本実施形態では、詳細な演出パターンを決定する第2階層処理(図41)と第3階層処理(図42)の2層)といった階層構造を有して第1階層から順番に実行される階層的な処理を利用し、1または複数種類の演出用乱数値(たとえば、第1階層用の第1の演出用乱数、第2階層用の第2の演出用乱数、第3階層用の第3の演出用乱数など)利用して、役物移動演出に係る可動体役物の動作態様(図41)と具体的な発生タイミング(図42)とを判定することにより、最終的な演出パターン(今回の図柄変動表示ゲームにて現出すべき可動体役物の演出パターン)が決定されるようになっている。
図41は第2の可動体役物90の動作態様種別(可動体組合せ動作態様種別)の抽選テーブルを示したものである。この第2の可動体役物90の可動体組合せ動作態様種別には、上方に位置する第1可動体91の落下移動と、右方に位置する第2可動体92の突出移動との組合せとして、「上」「右」「上→右」「右→上」「両方」の5種類がある。先ず、この第2の可動体役物90の動作態様種別について説明する。
図41は、第2の可動体役物(花型役物)90を構成する2つの可動体の動作、つまり第1可動体91(花心A1の周りに花冠A2を配したもの)と第2可動体92(萼B1および茎部B2を左右方向に移動可能にしたもの)の動作の組合せ(可動体組合せ動作態様)について示したものである(図2参照)。
図41の可動体組合せ動作態様種別において、図示の「上」は、液晶画面を臨み上方に位置する第1可動体91(花心A1と花冠A2)が単独で動作(落下移動)する動作態様を示す。
また図示の「右」は液晶画面を臨み右側に位置する第2可動体92(萼B1と茎部B2)が単独で動作(液晶画面中央に近寄る方向に突出移動)するという動作態様を示す。
また「上→右」は第1可動体91(花心A1と花冠A2)が先に動作(茎部B2に沿って落下移動)し、次いで第2可動体92(萼B1と茎部B2)が動作(第1可動体91の花心A1と花冠A2と一体的に液晶画面中央側に突出移動)するという動作態様を示す。
また「右→上」は第2可動体92(萼B1と茎部B2)が先に動作(液晶画面中央側に突出移動)し、次いで第1可動体91(花心A1と花冠A2)が動作(茎部B2に沿って落下移動)するという動作態様を示す。
そして「両方」は第1可動体91(花心A1と花冠A2)の動作(茎部B2に沿って落下移動)と第2可動体92(萼B1と茎部B2)の動作(液晶画面中央側に突出移動)する動作とが同時に起きるという動作態様を示す。この「両方」の動作態様は、上記した「上」「右」「上→右」「右→上」の動作態様よりもインパクトのある可動体演出となっている。
上記の第1可動体91と第2可動体92との可動体組合せ態様種別のうち、「上」「右」「上→右」「右→上」は演出タイミング種別である「リーチタイトル中」と「SPリーチ中(STリーチ中)」のいずれにおいても抽選対象とされ、図41のテーブルに示す所定の当選割合で生起するようになっている。
本実施形態の場合、図41に示すように、上記「リーチタイトル中」では、「上」の可動体単独動作の選択率(発生率)が50%で最も高く、次いで「右」の可動体単独動作の選択率が40%、「上→右」と「右→上」の可動体複合動作の選択率が5%と順に少なくなっている。すなわち、「上」、「右」、「上→右」または「右→上」の順に発生割合が少なくなる。また可動体の単独動作と複合動作との比較では、「上」「右」の可動体単独動作よりも「上→右」「右→上」の可動体複合動作の方が選択率が少なくなっている。また、「右」と「上」の可動体が単独動作する場合の比較では、「右」の可動体が単独動作する場合よりも「上」の可動体が単独動作する場合の方が、選択率が高くなっている。
これに対し「SPリーチ中」の場合、つまりSPリーチまたはSTリーチが出現した際に役物移動演出が現出する割合としては、「右→上」の可動体複合動作の選択率が50%で最も高く、次いで「上→右」の可動体複合動作の選択率が30%、「上」「右」の可動体単独動作の選択率が10%となっている。すなわち、「右→上」、「上→右」、「右」(または「上」)の順に選択率が少なくなっている。また可動体の単独動作と複合動作との比較では、「上」「右」の可動体単独動作の選択率よりも「上→右」「右→上」の可動体複合動作の方が選択率が高くなっている。また「上→右」と「右→上」の可動体が複合動作する場合の比較では、「上→右」の可動体単独動作よりも「右→上」の可動体単独動作の方が発生割合が高くなっている。
したがって、出現タイミングとして先行するリーチタイトル中よりも、出現タイミングとして後行するSPリーチ中において可動体役物が作動することの方が、より当選期待度を高めるものとすると、図41の例では、「上→右」と「右→上」の可動体複合動作の選択率については、リーチタイトル中よりもSPリーチ中において発生する可能性の方が高いので、時期的に遅いタイミングで「上→右」または「右→上」の可動体複合動作が現出した場合、これによって当り当選期待度が高まることになる。
一方、可動体組合せ動作態様種別の「両方」の可動体複合動作については、「図柄仮停止後」における選択率が100%となっていることから分かるように、「図柄仮停止後」においてのみ抽選対象とされて生起するようになっている。このように図41の役物動作態様抽選テーブルが参照されて、第1可動体91と第2可動体92との可動体組合せ態様種別(図38〜図40で決定された基本演出パターンに係る可動体演出の発生タイミングの詳細区分)を定める。
(19−6−4.可動体役物の動作タイミング(第2層):図42)
図42は、第2の可動体役物90を構成する第1可動体91および第2可動体92の可動体組合せ動作態様種別が図41で定まったとき、リーチタイトル発生後、SPリーチ発生後、図柄仮停止状態発生後のそれぞれの時点から経過した如何なるタイミング時点で動作させるか、つまり何秒後に動作させるのかについて、その抽選テーブルを示したものである。
ここで図示の動作タイミング種別の欄における「リーチタイトル中」は、リーチタイトル演出開始後、何秒後に第2の可動体役物90を動作させるかの欄であり、「SPリーチ中」は、リーチ演出開始後、何秒後に第2の可動体役物90を動作させるかの欄であり、「図柄仮停止後」は、装飾図柄の仮停止状態開始後、何秒後に第2の可動体役物90を動作させるかの欄である。具体的には、「リーチタイトル中」は、リーチタイトル演出開始を基点(トリガー)として何秒後に第2の可動体役物90を動作させるかの欄であり、「SPリーチ中」は、リーチタイトル演出期間終了を基点として、またはリーチ演出開始タイミング(リーチタイトル演出終了後に展開されるリーチ演出の開始タイミング(たとえば、リーチ演出に係る画像表示演出の開始))を基点として何秒後に第2の可動体役物90を動作させるかの欄であり、「図柄仮停止後」は、リーチ演出終了後の装飾図柄の仮停止状態開始を基点として何秒後に第2の可動体役物90を動作させるかの欄である。
この動作タイミング種別として、この例では、図42に示すように、1秒後〜10秒後まで、1秒ごとに区分けした計10種類の動作態様種別が定められている。これらの1秒後〜10秒後までの区分のうち、いずれかの一の区分が選択され、選択された動作タイミングにて可動体1および/または可動体2が作動する。いかなる区分が抽選対象とされるかは、演出進行度合(役物動作タイミング種別)が、「リーチタイトル中」「SPリーチ中」「図柄仮停止後」のいずれにあるかによって異なる。「リーチタイトル中」では1秒後〜4秒後の各段階(経過時間区分)が抽選対象とされ、これらの動作タイミングにおいて、第2の可動体役物90の可動体1および/または可動体2が、図41の動作態様にて作動する可能性がある。また「SPリーチ中」では2秒後〜10秒後の各段階(経過時間区分)が抽選対象とされ、これらの動作タイミングにおいて第2の可動体役物90の可動体1および/または可動体2が、図41の動作態様にて作動する可能性がある。また、「図柄仮停止後」では1秒後〜3秒後の各段階(経過時間区分)が抽選対象とされ、これらの1秒後〜3秒後という図柄仮停止後の短時間の動作タイミングにおいて、第2の可動体役物90の可動体1および/または可動体2が、図41の動作態様にて作動する可能性がある。なお本実施形態の場合、「図柄仮停止後」は、SPリーチ種別またはSTリーチ種別に係る当りの場合に限り抽選対象とされる(図38〜図40参照)。これは既に説明したように、当りの場合には、図柄仮停止状態中に、一旦「ハズレ表示態様」を導出表示した後、装飾図柄の表示態様を当該ハズレ表示態様から当り表示態様に変化させるとともに、インパクトのある役物移動演出を現出させ、以って、最終的なゲーム結果を導出表示して、遊技者の意表を突く高い演出効果を発揮させるためである。
上記のように本実施形態では、複数の可動体を扱う場合、
(α)その複数の可動体のうち、いずれの側が単独動作する形態、
(β)複数の可動体が複合動作する場合に、そのどちらか一方が先に動作して他方が後から動作する形態、
(γ)複数の可動体が同時に動作する形態、といった可動体動作の組合せについて「動作態様種別」を定める(第1階層処理:図41)。
そして、それらの動作態様種別と図柄変動表示ゲーム中の発生タイミングとの関係においては、図柄変動表示ゲーム中におけるリーチ演出開始前段階のリーチタイトル演出、リーチタイトル後のリーチ演出、リーチ演出終了後、確定表示前段階の図柄仮停止後などの所定のタイミングから、いかなる経過時点で可動体役物を作動させるのかの動作タイミングを定める(第2階層処理:図42)。このため、一の動作態様種別に対し可動体役物の動作タイミングが定まっている場合に比べ、演出種別や演出の出現率のバリエーションを豊富にして、演出の自由度が増して奥深い演出を行わせることができるようになる。
本実施形態では、第1階層において「基本演出パターン」が決定され、第2階層以降において、その具体的内容である「詳細な演出パターン」が決定されるといった「複数階層的な処理」であるが、次のような構成とすることもできる。たとえば、第1階層において大区分としての「基本演出パターン」を決定し、第2階層において、図41の可動体役物の動作態様種別の上位的な演出パターン種別(たとえば、図41の「左」と「右」とを同系統の演出パターン種別として纏めた‘第1基礎演出パターン’種別や、「左→右」種別と「右→左」種別とを同系統の変動パターン種別として纏めた‘第2基礎演出パターン’種別などが該当する)を決定し、第3階層においては、その上位的な演出パターン種別に含まれる演出パターン種別(たとえば、「第1基礎演出パターン」種別であれば「右」と「左」の別)を決定し、第4階層において、上記第3階層で決定された演出種別に係る可動体役物の動作タイミングである‘詳細な演出パターン’を決定するといった階層処理を採用することができる。このような階層的な処理は、演出パターンの種類を豊富なものとする場合において、1種類の変動パターン用乱数だけで決定すると演出処理が複雑化してしまう場合など演出処理の制御負担が増す場合に有効である。また、一の動作態様種別に対し可動体役物の動作タイミングが定まる場合に比べ、演出の種類やそれら演出の出現率のバリエーションを豊富にして、演出の自由度が増し、奥深い演出を行わせることができる点でも好適である。
以上では、当り時の予告演出の一つとして、当りの場合について、可動体役物による予告演出(役物移動演出)を決定する演出処理について代表的に説明したが、他の可動体演出についても勿論のこと、他の演出手段による予告演出(たとえば、光演出、音演出、および画像表示演出など)についても同様の演出処理を行うように構成することができる。また以上では当り時に係る演出抽選テーブルについて説明したが、ハズレの場合も同じく、ハズレ時に係る演出抽選テーブル(たとえば、図40A)により、ハズレの場合に対応した演出動作が実現できるようになっている。
<第2実施形態:図46〜図47A、図47B>
上記した第1実施形態では、1の図柄変動表示ゲーム中において複数の予告演出が発生する場合について、予告演出の色要素規制(第1の色要素規制)を設けた。すなわち、前予告演出3が用いられる場合は演出番号12〜15(黄色、緑色、赤色、D柄)の4種類のうちから、また、前予告演出4が用いられる場合は演出番号17〜20(黄色、緑色、赤色、D柄)の4種類のうちから一つの予告演出種が選択されて用いられる。この4種類という予告演出種の数(選択肢の範囲)は、それより現タイミングが前である前予告演出1〜2が被選択肢として5種類の予告演出種(白色、黄色、緑色、赤色、D柄)を持つのに対し、1つ少ない関係になっている。このため、上記の色要素が「白色」を含む5種類から「白色」を含まない4種類に狭められていることを予め知っている遊技者には、前予告演出1に次いで前予告演出1が発生したという事実の存在のみで、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。また同様に、前予告演出3、4と後予告演出1との間、および後予告演出1と後予告演出2との間においても同様の関係が規律されている。したがって、出現タイミングが後になるほど予告演出種の数(選択肢の範囲)が減少しかつ予告演出種が高期待度側に片寄ったものになることが規律されている(第1の色要素規制)。このことを予め知っている遊技者には、前予告演出3または前予告演出4に次いで、後予告演出1が発生した、または後予告演出1および後予告演出2が順次発生した、という事実の存在のみで、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。
しかし本発明は、1の図柄変動表示ゲーム中において複数の予告演出が発生する場合に限られない。保留表示変化系の先読み予告演出と図柄変動表示ゲーム中の予告演出との間において、予告演出の色要素規制(第2の色要素規制)を設けることもできる。
図46〜図47Aは、第2の色要素規制を設けた実施形態を示したものである。図46中の保留変化予告演出の演出番号a〜eは、時系列的に出現タイミングが先行する「保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出」を扱っており、「白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄」の6種類の色要素種別のものを扱っている。すなわち、大当りが確定する虹色の場合を除けば、入賞時変化系の先読み予告では、保留色変化として「白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄」の6色を選択対象としている。これに対し、図46の前予告演出1、2は、このうちの最も当選期待度の低い「白色」を除外して、それよりも期待度の高い「黄色、緑色、赤色、D柄」の4種類だけを選択可能範囲として定めている。これは保留表示変化系の先読み予告演出と図柄変動表示ゲーム中の予告演出との間に色要素規制を設けるもので、第2の色要素規制に該当する。
この第2の色要素規制によって、色要素が「白色」を含む5種類から「白色」を含まない4種類に狭められていることを予め知っている遊技者には、保留表示変化系の先読み予告演出が発生したことに加え、上記前予告演出1または2が発生したという事実の存在のみで、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。すなわち、先読み予告演出での保留色が「赤色」であり、前予告演出1または2が「黄色キャラ予告」であった場合、これ迄のように、色要素が「赤色」から「黄色」に変化したので当選期待度が下がったと考えるのではなく、そのような色要素の格下げに気を取られることなく、単純に「保留色変化に加えて前予告演出1または2が発生した」という事実を以て、当選期待度が上がったと判断し、自己の緊張感を持続させることができる。
図46においては、前予告演出1、2と前予告演出3、4との間においても、前予告演出1、2の4種類(黄色、緑色、赤色、D柄)から前予告演出3、4では3種類(緑色、赤色、D柄)に、予告演出の色要素種が減じられており、上述の第1の色要素規制が設けられている。また、図47Aに例示したは後予告演出1と後予告演出2においては、後予告演出1の色要素が2種類(赤色、D柄)に、後予告演出2の色要素が1種類(D柄)に減少している。したがって、前予告演出3、4(図46)とこの後予告演出1(図47A)との間、および後予告演出1(図47A)と後予告演出2(図47A)との間においても、同一変動表示ゲーム内の予告色要素規制である第1の色要素規制が設けられ、順次に色要素の数が減じられ予告演出種が高期待度側のものに片寄らされている、という関係が構築されている。したがって、この関係(第1の色要素規制)の存在を予め知っている遊技者には、前予告演出3または前予告演出4に次いで後予告演出1が発生した事実、または前予告演出3または前予告演出4が発生した後で順次に後予告演出1および後予告演出2が発生したという事実の存在のみを目安として、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。
上記図47Aでは、後予告演出1と後予告演出2との間に、順次に色要素の数が減じられ予告演出種が高期待度側のものに片寄らされている関係を構築した。しかし、図47Bに示すように、後予告演出1と後予告演出2を同じ数の色要素種別(ここでは赤色、D柄の2種類)を持つものとし、後予告演出1と後予告演出2のいずれか一方が二者択一的に選択されるように構成してもよい。このような構成の下でも、図46と図47Bとの関係において、第2の色要素規制および第1の色要素規制が構築されていることになり、この関係(第2の色要素規制および第1の色要素規制)の存在を予め知っている遊技者には、保留表示変化系の先読み予告演出(演出番号a〜e)に次いで前予告演出1または2が発生したという事実や、前予告演出1または前予告演出2に次いで前予告演出3または前予告演出4が発生した事実や、前予告演出3または前予告演出4に次いで後予告演出1または後予告演出2が発生した事実があった場合、その事実の存在のみを目安として、より当選期待度が高まったと推測することが可能となる。
<20.予告演出間の色要素規制の説明>
図48〜図49を用いて、予告演出間の色要素規制を簡便に説明する。ここでは、図48が予告演出間の第1の色要素規制を簡略化して新たに例示したもの、また図49が予告演出間の第2の色要素規制を簡略化して新たに例示したものとなっている。なお、例示内容の詳細は、図44〜図45の第1の実施形態や図46〜図47A、図47Bの第2の実施形態と異なっている。
(20−1.第1の色要素規制:図48)
本実施形態では、図44〜図48の場合を含め、予告画像として表示する対象物(たとえば、前予告演出1の場合はキャラクタ)を、当り当選期待度に対応させた色要素または特殊柄を持つ表示態様で表示する。ここで「色要素または特殊柄を持つ表示態様」とは、次の(a)〜(d)の4態様を含む概念である。
(a)画像として表示する対象物の「一部」を色要素または特殊柄で表示する場合(たとえばキャラクタ画像の着物だけに赤色またはD柄(デンジャー柄)を施す)。本実施形態では、D柄を、白色、青色、黄色、緑色、赤色などと比肩し得る色要素の一つとして取り扱うこととし、この色要素の一つであることを強調する場合は「D柄色」と称している。しかしD柄は、地の黄色に黒のストライプを施し、その黒のストライプ帯内にDANGERの文字を配してなり、厳密には色により区分けされた模様を持つ色模様である。D柄色という色が付与されていることに着目すれば、D柄は「色要素」の側に属し、また、D柄という柄(色により区分けされた模様)を持つことに着目すれば「特殊柄」側に属する。したがって、「色要素または特殊柄」といった場合、D柄を含む場合と含まない場合とがあり、D柄を含まない場合の「特殊柄」は図柄を指し、D柄を含む場合、そのD柄は、「色要素」または「特殊柄」のどちらかの側に含まれるものと解される。
(b)画像として表示する対象物の「全部」を色要素または特殊柄で表示する場合(たとえばキャラクタ画像の全体に赤色またはD柄を施す)。
(c)画像として表示する対象物の「全部または一部とその周囲領域または液晶画面全体」の画像を、色要素または特殊柄で表示する場合(たとえばキャラクタ画像およびその周囲領域または背景画像を含む全体、または液晶画面全体を赤色またはD柄で表示する)。
(d)画像として表示する対象物の「全部または一部とその周囲画像または液晶画面全体」と「液晶画面外の関連表示装置(台枠ランプ等)」とを含めた「液晶画面および関連表示装置の全体」を、色要素または特殊柄で表示する場合(たとえばキャラクタ画像およびその背景画像を含む液晶画面全体を、遊技機の台枠ランプをも含めて、赤色またはD柄で表示する)。
画像として表示する対象物を、当り当選期待度に対応させた色要素または特殊柄を持つ表示態様で表示する際、一の図柄変動表示ゲーム中(1変動表示動作中(1変動中))において時期的に先行する出現タイミングでは、通常よりも期待度の高い所定数の色要素または特殊柄の表示態様種別の中から選択した一の表示態様で表示し、それよりも時期的に後行の出現タイミングでは、上記先行出現タイミング時における色要素または特殊柄の表示態様種別と二以上または大部分または殆どが共通するが、上記先行する出現タイミング時の表示態様種別のうちで少なくとも当り当選期待度が最も低いものを含まないように、つまり高信頼度側に片寄らせる形で、表示態様種別数が少なく定められた色要素または特殊柄の表示態様種別の中から、選択した一の表示態様で表示する。本明細書では、この一の図柄変動表示ゲーム中(1変動中)におけるものを「第1の色要素規制」と称している。
ここで当り当選期待度に対応させた「色要素または特殊柄」を持つ表示態様種別として、黄色、緑色、赤色、D柄色の色要素の種別があり、この順に、つまり黄色<緑色<赤色<D柄色の順に当選期待度が高くなるものとする。ただし、遊技機全体としては、当り当選期待度に対応させた「色要素または特殊柄」を持つ表示態様種別として、白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄色、虹色の色要素の種別があり、この順に、つまり「白色<青色<黄色<緑色<赤色<D柄色<虹色」の順に当選期待度が高くなるものとする。かかる前提において、先行する出現タイミングが「変動開始時」つまりリーチ演出前であり、後行の出現タイミングが「リーチ終盤」つまりリーチ演出中であるものとする。そして、変動開始時(リーチ演出前)には「前予告演出1」のキャラクタ画像が現出し、またリーチ終盤(リーチ演出中)においては「後予告演出2」の目元拡大キャラクタカットイン画像が現出するものとする。なお、前予告演出1のキャラクタ画像および後予告演出2の目元拡大キャラクタカットイン画像は、それぞれ予告画像として表示する対象物であり、その表示画像の全部または一部が上記色要素または特殊柄の表示態様で表示されているものとする。
図48は、この変動開始時(リーチ演出前)とリーチ終盤(リーチ演出中)の各出現タイミングにて選択しうる上記色要素または特殊柄の表示態様種別の範囲(種別数)を例示したものである。リーチ演出前のタイミングで「前予告演出A」として忍者姿のキャラクタ画像を表示させる(図48の「変動開始時のカットイン」参照)。この場合は、その忍者姿のキャラクタ画像の全部または一部を上記色要素または特殊柄で表示させるものとし、その表示態様種別として、通常の「白色」よりも期待度の高い「黄色・緑色・赤色・D柄」の4種類を選択可能な色要素種別として設定する。この例の場合、「黄色・緑色・赤色・D柄」は有信頼度予告演出に属し、「黄色・緑色・赤色・D柄」の順で当り当選期待度が高まる。ここでは「赤色・D柄」は高信頼度予告演出に属し、「黄色・緑色」は低信頼度予告演出に属するものとなっているが、通常より期待度の高い色要素種別として「黄色」以上を考慮しているのは、「黄色」の予告演出が発生した場合、リーチ演出以上に発展することが確定するからである。
また、上記より後の出現タイミングであるリーチ演出中に、「後予告演出B」として、上記忍者の目線カットイン画像(キャラ目元拡大画像)をカットイン表示させる(図48の「リーチ終盤のカットイン」参照)。そして、この目線カットイン画像の表示態様種別として、「緑色・赤色・D柄」の3種類を選択可能な色要素種別として設定する。つまり、「後予告演出B」の場合は、その選択肢の範囲から「黄色」の表示態様を除外し、目線カットイン画像の色要素表示態様種別としての選択肢の範囲を「緑色・赤色・D柄」の3種類に狭め、より期待度の高い側に片寄った「緑色・赤色・D柄」の3種類の表示態様の中から選択される、という関係に設定する。
上記構成では、前予告演出Aと後予告演出Bの予告画像表示で選択しうるキャラクタの色要素または特殊柄での表示態様が、「黄色・緑色・赤色・D柄」の4種類と「緑色・赤色・D柄」の3種類になっており、いずれにおいても通常時の「白色」の表示態様を除き、リーチ演出以上が確定する「黄色」以上の有信頼度のものに片寄らせている。したがって、前予告演出Aと後予告演出Bのいずれも、色要素(正確には色要素または特殊柄)に関し、リーチ演出以上が確定する有信頼度の側に片寄った表示態様のものに絞られることから、この関係を知っている遊技者には、前予告演出Aまたは後予告演出Bが発生したことだけで、通常時よりも当り当選期待度が高い熱い予告演出態様が出現したとして受け止められる。
なお有信頼度の側に片寄った表示態様のものに絞られる関係であれば、たとえば、前予告演出Aと後予告演出Bの予告画像表示で選択しうるキャラクタの色要素または特殊柄での表示態様が、「黄色・緑色・赤色・D柄」の4種類と「緑色・D柄」の2種類とした関係や「黄色・赤色・D柄」の3種類と「緑色・D柄」の2種類とした関係としても良い。具体的には、後予告演出Bにおける表示態様の選択対象が後予告演出Aのものと比較して、黄色以上の「緑色・赤色・D柄」という当選期待度順に沿った色要素表示態様種別を選択対象としているが、必ずしも当選期待度順を選択対象とするのではなく、「緑色・D柄」といった赤色が選択対象とはなっていない、いわゆる‘歯抜け状態(特定色が欠落状態)’的な色要素表示態様種別を選択対象としても良い。
上記‘歯抜け状態(特定色が欠落状態)’的な構成は、リーチ前発生種別(前予告演出1〜4)相互間や、リーチ後発生種別(後予告演出1〜2)相互間でも成立しうる。たとえば、図45の「後予告演出1」と「後予告演出2」とについて説明すれば、選択対象としての表示態様種別が、後予告演出1では「緑色(花弁緑色予告)・赤色(花弁赤色予告)・D柄(花弁D柄予告)」の3種類、後予告演出2では「赤色(花弁赤色予告)」が歯抜け状態的な「緑色(花弁緑色予告)・D柄(花弁D柄予告)」の2種類とすることができる。この場合、「緑色(花弁緑色予告)」については、後予告演出1と後予告演出2とで共通して選択される色要素であり、選択対象が後予告演出2は後予告演出1よりも当選期待度が相対的に高い側に片寄った色要素種別のものではないが、後予告演出2における選択対象全体としてみれば、D柄(花弁D柄予告)が選択対象となっている点で、後予告演出2は後予告演出1よりも有信頼度の側に片寄った表示態様のものに絞られる関係であると言える。これについては、他の予告演出群、たとえば、前予告演出1と前予告演出3や、前予告演出2と前予告演出4の相互間でも成立しうる。また後述の第2の色要素規制に関する予告演出種別相互間(たとえば、保留変化予告演出aと前予告演出Aや、保留変化予告演出a、前予告演出A、および後予告演出Bの三者間)でも成立しうる。
また、前予告演出Aと後予告演出Bの相互間では、その選択対象予告種別の数を、前予告演出Aでは「黄色・緑色・赤色・D柄」の4種類とし、後予告演出Bでは「緑色・赤色・D柄」の3種類としている(第1の色要素規制)。これは後行する出現タイミング時の後予告演出Bでは、キャラクタの色要素または特殊柄の表示態様についての選択種別が、先行する出現タイミング時の前予告演出Aにおける4種類「黄色・緑色・赤色・D柄」のうちから当り当選期待度が最も低い「黄色」のキャラクタを除いたもの、つまり当り当選期待度がさらに高い側に片寄ったものが残るように選択種別数を少なくした3種類の表示態様「緑色・赤色・D柄」とし、その中から選択した一の表示態様でキャラクタ画像が表示される設定である。
前予告演出Aよりも後予告演出Bの方が選択対象種別の数が少なくなると共に、前予告演出Aの予告画像では現出する可能性があった「黄色」のキャラクタ画像が、後予告演出Bの予告画像では現出しない関係(第1の色要素規制)が担保されることから、一の図柄変動表示ゲーム中において、より後のタイミングで出現するキャラクタの予告演出は、より前のタイミングで出現するキャラクタの予告演出よりも、予告画像の対象物が、期待度の高い色要素または特殊図柄の表示態様で出現することになる。よって、前予告演出Aと後予告演出Bの二段階の予告が発生した場合、前予告演出Aだけまたは後予告演出Bだけの1段階が出現した場合に比べ、当り当選期待度が高まっているとして受け止められるようになる。
この第1の色要素規制の関係は、本実施形態では、前予告演出Aと後予告演出Bの予告画像相互間に対して適用しているだけであるが、図43の予告演出抽選テーブル指定テーブルにて選択されるテーブル中において現出することとされている前予告演出1〜5の相互間や、前予告演出1〜5と後予告演出1〜2の相互間においても適用することができる。したがって、1の図柄変動中において、より後で出現する予告演出ほど、当り当選期待度の高い側に片寄った色要素または特殊図柄の表示態様で発生するという関係が成立する。
上記と対比する構成として、上記と異なり、前予告演出Aでも後予告演出Bでも、予告画像表示する対象物が、同じ「白色・黄色・緑色・赤色・D柄」の5種類のキャラクタの中から択一的に選択される構成、または「白色・青色・黄色・緑色・赤色・D柄」の6種類のキャラクタの中から択一的に選択される構成であるとすると、これらの場合は、当りの当選期待度が通常時と同程度に低い「白色」も選択範囲に含めた選択対象種別の中から選択された一の表示態様で表示されることになる。加えて、最近の弾球遊技機では、ハズレの場合でも当りの場合と遜色のない派手な予告演出が実行されることが多く、そのような場合でも、当り当選期待度の低い「白色」のキャラクタも出現することがあるとした構成の下では、たとえば前予告演出で「緑色」のキャラクタが出現したが後予告演出で「白色」のキャラクタが出現するなど、当り当選期待度の低下するケースが現れて落胆する機会が多くなることから、「キャラクタ出現予告演出が先後して発生したが、どうせ当たらないだろう。」という、冷めた感覚ないし感性を遊技者に与えてしまう傾向がある。
しかし上記のように、前予告演出Aでは4種類「黄色・緑色・赤色・特殊柄(D柄)」を、後予告演出Bでは3種類「緑色・赤色・特殊柄(D柄)」を選択可能範囲として定めておけば、「1の図柄変動表示ゲーム中(1変動中)において、より後で出現する予告演出ほど、当り当選期待度の高い色要素または特殊図柄の表示態様で発生する」という関係を知っている遊技者にとっては、前予告演出Aに次いで後予告演出Bが発生しただけで、当り当選期待度が高まったと推測できる。前予告演出Aではたとえば「忍者姿」の赤色キャラクタが現れ、後予告演出Bでは「目元拡大アップ」の緑色キャラクタカットイン画像が予告表示されて、色要素的には当りの当選期待度が下がる場合であっても、前予告演出Aに次いで後予告演出Bが発生しただけで、当り当選期待度が高まったと推測できる。このため、色要素的に当り当選期待度のランクが落ちても、遊技に対する緊張を維持することができ、上記の冷めた感覚ないし感性を遊技者に与えてしまう傾向を絶つことが可能になる。
上記では一の図柄変動表示ゲーム中の先行出現タイミングと後行出現タイミングで画像表示する対象物とを、どちらも同じキャラクタ出現予告演出とし、前予告演出Aではたとえば「忍者姿」の緑色キャラクタが現れ、後予告演出Bでは「目元拡大アップ」の赤色キャラクタカットイン画像が予告表示されるとした。しかし、予告画像として表示する対象物は、その形状および大きさを同じとすることができ、たとえば先行の緑色キャラクタカットイン予告演出と後行の赤色キャラクタカットイン予告演出とが同じ顔アップの形で現出する構成とすることもできる。しかし、先行出現タイミングと後行出現タイミングで予告画像表示する対象物は、上記の前予告演出Aと後予告演出Bとの関係で説明したように、その形状および大きさが異なっていてもよい。たとえば前予告演出Aでは「忍者姿」の緑色キャラクタが現れ、後予告演出Bでは「顔アップ」の赤色キャラクタがカットイン予告表示されるようにしてもよい。
上述した実施形態においては、出現するキャラクタ画像の所定部位(たとえば、キャラクタ画像の全部または一部)を色要素または特殊柄で表示する例について説明した。しかし、色要素または特殊柄で表示する部分は、キャラクタ画像の全部または一部に限らず、キャラクタ画像の全部(空全体、地面全体など)あるいはバトル演出が行なわれる矩形領域全面(たとえば、キャラクタが含まれる長方形や円形などの画像領域)を特殊態様で表示するように構成しても良い。
本実施形態は下記のように構成することができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
所定のスイッチ信号(上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aによる検出信号)に起因して所定の遊技情報を取得する取得手段(図10のS311〜S314、図11のS331〜334)と、
前記取得手段により取得された前記遊技情報に基づき、当り遊技を発生させるか否かの当り抽選を実行する抽選手段(図12のS409、S410)と、
遊技図柄の変動表示動作を行い、前記抽選結果を反映表示するための図柄変動表示ゲームを表示可能な図柄表示手段(液晶表示装置36)と、
前記当り遊技が発生する期待度を予告する予告演出(たとえば、図44〜図45に示す予告演出)を現出制御可能に構成された演出制御手段(演出制御部24)と、を備え、
前記図柄変動表示ゲームの結果として、前記図柄表示手段に特定の図柄表示態様が停止表示された後、前記当り遊技を発生可能に構成された遊技機において、
前記予告演出は、その演出内容がそれぞれ異なる複数種類の予告演出種別(たとえば図44の前予告演出1〜4、図45の後予告演出1〜2)に属する複数種類の予告演出(たとえば、図44の前予告演出1〜4、図45の後予告演出1〜2に属する予告演出)を含み、同種の予告演出種別に属する一の予告演出と他の予告演出とで、前記期待度がそれぞれ異なるように定められており、
また前記複数種類の予告演出は、互いに異なる色彩および/または模様による表示態様種別により、前記期待度の違いを報知可能な予告演出画像を含む予告画像表示演出として構成されており、
前記演出制御手段は、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、現出させるべき前記予告画像表示演出を、複数種類の前記予告演出種別を対象に決定する予告画像演出決定手段(図25のS744〜S749)と、
前記予告画像演出決定手段により決定された前記予告画像表示演出について、所定タイミング時に現出される第1の予告演出種別に属する所定タイミング時予告画像表示演出と、当該所定タイミング時よりも遅い特定タイミング時に現出される第2の予告演出種別に属する特定タイミング時予告画像表示演出とを含む複数種類の予告演出を、画像表示手段に対して現出制御可能に構成された予告演出制御手段(表示制御部(液晶制御部))とを備え、
前記特定タイミング時予告画像表示演出の種別数は、前記所定タイミング時予告画像表示演出の種別数よりも少なく定められており(図48)、
前記特定タイミング時予告画像表示演出に係る予告演出画像の表示態様種別は、前記所定タイミング時予告画像表示演出に係る予告演出画像の表示態様種別と、前記期待度の高低について共通性を有する表示態様種別とを含み、前記所定タイミング時予告画像表示演出に係る予告演出画像の表示態様種別のうちで前記期待度が相対的に高い表示態様種別で構成されている(図48)、
ことを特徴とする遊技機。
上記「所定タイミング時予告画像表示演出」は、たとえば、図44の前予告演出1〜2と3〜4との関係では「前予告演出1〜2」、図44の前予告演出1〜4と図45の後予告演出1〜2との関係では「前予告演出1〜4」、図45の後予告演出1と2の関係では「後予告演出1」、図48の前予告演出Aと後予告演出Bとの関係では「前予告演出A」などに相当する。また「特定タイミング時予告画像表示演出」は、たとえば、図44の前予告演出1〜2と3〜4との関係では「前予告演出3〜4」、図44の前予告演出1〜4と図45の後予告演出1〜2との関係では「後予告演出1〜2」、図45の後予告演出1と2の関係では「後予告演出2」、図48の後予告演出AとBの関係では「後予告演出B」などに相当する。
(20−2.第2の色要素規制)
上記の図柄変動表示ゲーム中(1変動中)の先行出現タイミングと後行出現タイミングで予告演出として画像表示される対象物間について定めた色要素または特殊柄の表示態様種別数の関係(第1の色要素規制)は、これらの図柄変動表示動作中に生起する「予告演出」と、これに関連して入賞時に生起する保留表示変化系の「先読み予告演出」との間においても「第2の色要素規制」として規定することができ、これにより同様の作用効果を得ることができる。
この「第2の色要素規制」には、図柄変動表示ゲーム中(1変動中)に予告画像として表示される対象物が、それより先に発生した保留記憶(保留記憶に係る先読み予告演出))と無関係に表示されるのか、または当該保留記憶が発生したことに基づいて表示されるのかの違いにより、次の(イ)、(ロ)の2つの形態がある。
(イ)保留表示変化系の先読み予告演出で行われる保留表示変化の表示態様と、当該保留表示変化が行われている期間中(保留表示変化した保留記憶が消化されないで残っている間)に、当該保留記憶が発生したことと「無関係に」実行される図柄変動表示ゲーム中の予告演出で画像表示される対象物の表示態様との相互間において、両者の色要素または特殊柄の表示態様種別数の関係(第2の色要素規制)を規定する。
(ロ)保留表示変化系の先読み予告演出で行われる保留表示変化の表示態様と、当該保留記憶表示が行われている期間中(保留表示変化した保留記憶が消化されないで残っている間)に、当該保留記憶が発生したことに「基づき」実行される図柄変動表示ゲーム中の予告演出で画像表示される対象物の表示態様との相互間において、両者の色要素または特殊柄の表示態様種別数の関係(第2の色要素規制)を規定する。
具体的に説明する。現在消化中の保留記憶0と未消化の保留記憶1と保留記憶2がある状態下で、新たな入賞があり、保留記憶3が発生して、当該保留記憶3の表示態様が先読み予告により「赤色」に表示変化した場合を考える(たとえば、保留表示態様として、保留色が「白色(通常色) 白色 赤色(専用保留表示)」で表示されるケース)。この場合、上記(イ)は、この保留記憶3の赤色変化とは無関係に生起する図柄変動表示ゲーム中の予告演出について考えるものである。つまり、新たな保留記憶3が生まれた際に当選した「入賞時変化系」と「変動開始時変化系」の先読み予告のうち、保留表示変化を生じさせる「入賞時変化系」の先読み予告演出の抽選には当選したが、連続予告(稲妻予告)を生じさせる「変動開始時変化系」の先読み予告演出の抽選には当選しなかったケースである。先読み連続予告(稲妻予告)とは別の予告演出が、図柄変動表示ゲーム中に画像表示される対象物(たとえば顔のカットイン画像)についての色要素または特殊柄の表示態様と、「保留先読み予告」における色要素または特殊柄の表示態様との相互間において、上記の表示態様種別数の関係(第2の色要素規制)を規定するものである。
また上記(ロ)は、上記の保留記憶3が「入賞時変化系」の先読み予告演出抽選に当選して赤色変化しただけでなく、同時にまた「変動開始時変化系」の先読み予告抽選にも当選して、保留記憶1、2に跨る連続予告として「稲妻画像」を生起させるケースを考えたものである。すなわち、新たな保留記憶3が生まれた際に当選した「入賞時変化系」と「変動開始時変化系」の先読み予告のうち、「入賞時変化系」の先読み予告抽選に当選したことで発生する「保留表示変化」の色要素または特殊柄の表示態様と、「変動開始時変化系」の先読み予告抽選に当選したことで、保留記憶1、2が順次に図柄変動表示ゲームに供される度に発生する連続予告の「稲妻画像」についての色要素または特殊柄の表示態様との相互間において、上記の表示態様種別数の関係(第2の色要素規制)を規定するものである。
上記の第2の色要素規制をする場合、(a)図柄変動表示ゲーム中(1変動中)に現出する予告演出の表示態様種別に関する第1の色要素規制を行いつつ、これに保留表示変化系先読み予告演出の表示態様種別との関係を考慮した(イ)および(ロ)またはその一方の形態を組み合わせる形を採用してもよく、また(b)第1の色要素規制を行わずに(イ)または(ロ)の形態の第2の色要素規制だけを単独に実施する形を採用してもよい。上記組合せの形(a)(b)のいずれをも採用し得る。
(20−2−1.保留予告との関係:図49)
ここでは例として、第1の色要素規制を行いつつ、これに(イ)の形態の第2の色要素規制を組み合わせる場合(上記組合せの形(a))について、つまり図柄変動表示ゲーム中(1変動中)に現出する予告演出が稲妻予告ではない場合について説明する。
この例の場合は、図柄変動表示ゲーム中(1変動中)において画像として表示する対象物を、当り当選期待度に対応させた「色要素または特殊柄」を持つ表示態様で表示するに先立ち、つまり当該図柄変動表示ゲームよりも時期的に先行するタイミングにおいて、保留予告が生起し、保留記憶の表示態様が通常よりも期待度の高い「色要素または特殊柄」のものに変化することとなる。この先行する出現タイミングで生起する「保留表示変化」では、所定数の「色要素または特殊柄」の表示態様種別中から選択した「色要素または特殊柄」を持つ表示態様で表示をする。この「保留表示変化」よりも時期的に後である図柄変動表示ゲームにおいて1の予告演出を発生させ場合または複数の予告演出を異なるタイミングで発生させる場合、その後行する予告演出画像として表示する対象物は、上記第2の色要素規制の下に行う。すなわち、予告演出画像として表示する対象物の表示態様種別は、上記「保留表示変化」における色要素または特殊柄の表示態様種別と二以上または大部分または殆どが共通するが、上記「保留表示変化」の色要素選択種別のうちで少なくとも当り当選期待度の最も低いものを含まないように、予告演出画像表示対象物の選択対象種別数を高信頼度側に片寄らせて少なく定めた「色要素または特殊柄」の表示態様の中から選択する、という制約的関係に定める。
図49はこの第2の色要素規制の例を示すものであり、当該変動より前に発生する「保留変化予告演出a」(保留表示変化系の先読み予告演出)においては、通常の「白色」から変化する色要素または特殊柄の選択対象色要素種別として「青色・黄色・緑色・赤色・D柄」の5種類が選択可能に設定されている。色要素として、リーチ演出が発生するか否かが不明な「青色」をも含む点で、図48の第1の色規制の場合と異なる。また、図柄変動表示ゲーム中(1変動中)において画像として表示する対象物の色要素または特殊柄の表示態様について、リーチ演出前に発生しうる「前予告演出A(変動開始時のカットイン予告演出)」においては、「黄色・緑色・赤色・D柄」の4種類を選択可能な色要素種別とする。つまりリーチ演出以上が確定する有信頼度予告演出の「黄色・緑色・赤色・D柄」とし、「黄色・緑色・赤色・D柄」の順で当り当選期待度が高い。また図49では、リーチ演出中に発生しうる「後予告演出B(リーチ終盤のカットイン予告演出)」においては、「緑色・赤色・D柄」の3種類を選択可能な色要素種別とする。
このようにすると、保留変化予告演出a、前予告演出Aおよび後予告演出Bのいずれにおいても、それらの色要素または特殊柄の表示態様が演出表示手段において変化する場合には、通常時の「白色」を除いたもの、つまりリーチ演出以上が発生する可能性のある色要素または特殊柄の表示態様だけが選択対象となるので、通常時よりも当り当選期待度が高い予告演出態様が出現したとして受け止められる。
また、保留変化予告演出aと前予告演出Aの相互間では、その選択対象種別の数を、保留変化予告演出aでは5種類「青色・黄色・緑色・赤色・D柄」とし、前予告演出Aでは4種類「黄色・緑色・赤色・D柄」としている。つまり、色要素または特殊柄の表示態様についての選択種別が、先に現出する保留変化予告演出aでは「青色・黄色・緑色・赤色・D柄」の5種類であるが、前予告演出Aでは、これと共通する選択種別から構成されているが、その5種類の選択種別のうちから最も当り当選期待度が低い色要素の「青色」を削除し、それより当り当選期待度が高い側に片寄らせるように色要素の選択種別数を減少させた「黄色・緑色・赤色・D柄」の4種類となっており、この中から選択した一の表示態様でキャラクタがカットイン表示される。保留変化予告演出aよりも後の前予告演出Aの方が選択対象種別の数が少なくなり、保留変化予告演出aで現出する可能性があった「青色」については、その後の前予告演出Aでは現出しないという関係(第2の色要素規制)が担保される。
また、図柄変動表示ゲーム中における前予告演出Aと後予告演出Bの相互間においては、図48で説明した色要素規制と同様の関係が成立し、後予告演出Bは、前予告演出Aと共通する色要素の選択種別を有して構成されるが、当り当選期待度が最も低い「黄色」を除いた残りの色要素種別からなるように、つまり当選期待度の高い側に色要素種別が片寄るように、選択種別の数を少なく定めた「緑色・赤色・D柄」の3種類からなる。これにより、前予告演出Aで現れる可能性があった「黄色」のキャラクタが後予告演出Bでは現れないという関係(第1の色要素規制)が構築されることを意味する。
この結果、保留変化予告演出a、前予告演出Aおよび後予告演出Bの三者間では、より後で出現する予告演出ほど、期待度の高い色要素または特殊図柄の表示態様で発生する、という関係(第2の色要素規制+第1の色要素規制)が成り立つ。よって、予告演出が、保留変化予告演出a、前予告演出Aおよび後予告演出Bという多段階にわたって発生した場合、保留変化予告演出aから前予告演出Aへ、また前予告演出Aから後予告演出Bへと段階が進む度に、遊技者には、予告演出が前回よりも当り当選期待度が高い演出態様で出現したとして受け止められるようになる。
(色要素規制の変形例)
上記の図柄変動表示ゲーム中の先行出現タイミングと後行出現タイミングで表示される対象物間に定めた色要素または特殊柄の表示態様の関係は、異なる図柄変動表示ゲームの連続予告相互間においても規定することができ、これにより同様の作用効果を得ることができる。たとえば「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、複数回の図柄変動表示ゲームに跨り予告演出画像として稲妻画像を連続表示させる場合、その稲妻画像を表示する色要素または特殊柄の表示態様についての選択対象種別は、連続予告回数が1回目から4回目まで増えるにつれて徐々に当選期待度の最も低いものが除かれて、当り当選期待度の高いものが残って行くように定めること、つまり選択対象種別数が高い信頼度側に片寄るように減少させることができる。たとえば、稲妻画像の表示態様として選択され得る色要素または特殊柄の表示態様種別を、連続予告1回目については「青色、黄色、緑色、赤色、D柄」の5種類中から選択し、連続予告2回目については「黄色、緑色、赤色、D柄」の4種類中から選択し、連続予告3回目については「緑色、赤色、D柄」の3種類中から選択し、連続予告2回目については「赤色、D柄」の2種類中から選択するように定めることができる。
また上記図44〜図45(第1の実施形態)、図46〜図47B(第2の実施形態)、図48〜図49(第1の実施形態のまとめ)、図50〜図51(後述する音演出との関係)では、予告画像が図柄表示手段(液晶表示装置36)に表示(現出)される場合を例として示したが、液晶表示装置36とは別に設けた他の1以上の画像表示手段(たとえば液晶表示装置36と類似のもの)に予告画像を表示させても良い。すなわち、1つ複数の画像表示手段を利用し、これに保留表示画像(保留表示態様による先読み予告演出を含む)や前予告演出や後予告演出の画像を表示させ、これらの表示の少なくともいずれか1つと、液晶表示装置36における装飾図柄変動表示ゲームの表示とを、別々に表示する構成としても良い。たとえば、今回の図柄変動表示ゲームにおいて、一の予告演出(たとえば、前予告演出、後予告演出、および保留表示画像の少なくともいずれか1つ)を液晶表示装置36に表示し、他の予告演出(たとえば、前予告演出、後予告演出、および保留表示画像の少なくともいずれか1つ)を別に設けた他の1以上の画像表示手段に表示し、これら画像表示手段により当該ゲーム中の演出を現出させることができる。また、1の予告画像を2以上の画像表示手段の画面に跨って表示させる、たとえば1の画像表示手段に表示させた画像と他の1または2以上の画像表示手段に表示させた画像とが合わさって、1つの画像が形成されるように表示する(全体として纏まりのある1つの画像表示演出を現出する)こともできる。また保留表示は、画像表示手段による画像として表示できる他、フルカラーLEDなどの光演出手段を用いて表示させることもできる。
なお本実施形態は、前予告演出1〜5、後予告演出1〜2、および保留変化予告演出(入賞時変化系の先読み予告演出)の予告演出種別に属する予告演出にD柄に係る予告演出が含まれるものとして説明したが次のような構成とすることができる。たとえば、複数種類の予告演出種別のうちの少なくもと2つに、各予告演出種別に属する複数種類の予告演出中に、当り当選期待度が相対的に高い特定の予告演出画像(D柄に係る予告画像)に関連する予告演出を含むように構成しても本発明の目的を達成することができる。つまり、少なくとも2つの予告演出種別がD柄に係る予告画像を現出させる予告演出を含むように構成する。具体的には下記のように構成することができる。
(イ)図44の「前予告演出1〜5、図45の後予告演出1〜2」を扱った実施形態であれば「前予告演出1〜5と後予告演出1、2」の全体のうちの少なくとも2つ、
(ロ)図46の「保留変化予告、前予告演出1〜4、図47Aの後予告演出1〜2」を扱った実施形態であれば「保留変化予告、前予告演出1〜4、図47Aの後予告演出1〜2」の全体のうちの少なくとも2つ、
(ハ)図46の「保留変化予告、前予告演出1〜4、図47Bの後予告演出1〜2」を扱った実施形態であれば「保留変化予告、前予告演出1〜4、図47Bの後予告演出1〜2」の全体のうちのどれか少なくとも2つ、
(ニ)図48の「前予告演出A、後予告演出B」を扱った実施形態であれば「前予告演出Aと後予告演出B」の2つ、
(ホ)図49の「保留変化予告a、前予告演出A、後予告演出B」を扱った実施形態であれば「保留変化予告a、前予告演出A、後予告演出B」の全体のうちのどれか少なくとも2つ、
(ヘ)図50の「前予告演出A、後予告演出B」を扱った実施形態であれば「前予告演出Aと後予告演出B」の2つ(上記(ニ)の場合と同様)、
(ト)図51の「保留変化予告a、前予告演出A、後予告演出B」を扱った実施形態であれば「保留変化予告a、前予告演出A、後予告演出B」の全体のうちのどれか少なくとも2つ(上記(ホ)の場合と同様)、といった構成とすることができる。
<21.デンジャー柄専用音の説明:図50〜図51>
図50〜図51は、本実施形態に係る予告演出に関連して現出される音演出態様種別(効果音種別)の例を示したものである。
(21−1.デンジャー柄専用音1:図50)
図50は、図柄変動表示ゲーム中(1変動中)に生起する予告演出についての音演出態様(図示の「効果音種別」)を示しており、色要素種別の例示は、虹色が付加されている点を除き、上記図48で説明した第1の色要素規制と同じになっている。したがって、ここでの音演出の効果音種別は、一の図柄変動表示ゲーム(一の図柄変動表示動作)中において、色要素に係る予告画像が、当り当選期待度に対応させた色要素または特殊柄を持つ表示態様で表示されることを前提とし、その予告画像に関連して現出される効果音種別を示している。
具体的には、予告画像の表示態様種別として、前予告演出Aでは、黄色、緑色、赤色、D柄があり、当選期待度100%の虹色も含み、この順に、つまり「黄色<緑色<赤色<D柄<虹色」の順に当選期待度が高くなっている。また後予告演出Bでは、緑色、赤色、D柄があり、当選期待度100%の虹色も含み、この順に、つまり「緑色<赤色<D柄<虹色」の順に当選期待度が高くなっている。ここで虹色をも考慮に入れているのは、遊技機全体としては、白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の色要素の種別があり、第1の色要素規制の制約は受けないが、虹色は図柄変動表示ゲーム中に生起する予告演出の一つとして現出される場合があるからである。この虹色をも加味している点で、図48の場合と異なっている。
前予告演出Aに属する各色要素の予告画像演出では、色要素に係る特定画像(対象物の特定画像表示)に伴い、所定の音演出または/および光演出が発生する。この音演出と光演出について、音演出を代表的に説明すれば、前予告演出Aに属する各色要素の予告画像について、色要素が黄色、緑色、赤色、D柄、または虹色の予告画像に関連して現出される音演出は、色要素が「虹色」および「D柄」の場合を除き、各予告演出同士で同じものとなっている。そして各色要素の予告画像に関連して発生される「音演出」は、その効果音種別として、予告画像の色要素が「黄色、緑色、または赤色」のいずれかであるときは「通常音」を発生させる。つまり、「黄色、緑色、または赤色」の予告画像に関連する音演出は、共通の音演出(効果音)となるように定められている。本実施形態の場合、前予告演出Aに属する複数種類の予告演出に係る予告画像のうち、当り当選期待度が相対的に高い特定の予告画像(ここでは、高信頼度予告演出の中でも特に当り当選期待度が高い演出である「D柄」または「虹色」に係る予告画像)が現出される場合、当り当選期待度がその特定の予告画像よりも低い複数種類の他の予告画像(ここでは、「D柄」よりも当り当選期待度の低い「黄色」「緑色」または「赤色」に係る予告画像)に関連した音演出(ここでは、通常音)とは異なる音演出(独自の音響:D柄専用音、プレミアム音)を発生させるように構成され、その複数種類の他の予告画像に関連した音演出は、それぞれ共通の音演出(通常音)となっている。
また同様に後予告演出Bでも、色要素が黄色、緑色、赤色、D柄、または虹色の予告画像に関連して現出される音演出は、色要素が「虹色」および「D柄」の場合を除き、各予告演出同士で同じものとなっている。そして各色要素の予告画像に関連して発生される「音演出」は、その効果音種別として、予告画像の色要素が「緑色」または「赤色」のいずれかである場合には、共通の効果音である「通常音」が発生され、予告画像の色要素が「虹色」および「D柄」の場合には、それとは異なる「プレミアム音」または「D柄専用音」を発生させる。この「通常音」は前予告演出Aにおけるものと同じである。
上記効果音種別が「通常音」でない第1の場合として、前予告演出Aまたは後予告演出Bの予告画像の色要素が「虹色」であるときは、効果音種別として、上記の通常音とは異なる特別の音である「プレミアム音」を発生させる。なお、色要素が「虹色」の予告画像演出である場合は、色要素演出として、たとえば液晶画面内の特定画像のみならず、特別な背景演出や装飾ランプ45・LEDなどを虹色に発色させる光演出などにより、プレミアム演出を現出させることができる。たとえば、液晶画面全体および遊技機の枠全体が虹色に発色する表示態様にすることができる。
また上記効果音種別が「通常音」でない第2の場合として、前予告演出Aまたは後予告演出Bの予告画像の色要素が「D柄」であるときは、音演出の効果音種別として、上記の通常音およびプレミアム音とは異なる特殊音である「独自の音響(D柄専用音)」を発生させる。なお、色要素が「D柄」の予告画像演出である場合は、色要素演出として、たとえば液晶画面内のキャラクタ画像およびキャラクタ周囲領域画像のみならず、D柄の背景演出や装飾ランプ45・LEDなどをD柄に発色させる光演出などによるD柄専用演出を現出させることができる。たとえば、液晶画面全体および遊技機の枠全体がD柄に発色する表示態様にすることができる。この「遊技機の枠全体がD柄に発色する表示態様」としては、たとえば遊技機の枠が黄色地に黒のストライプの柄が枠に沿って所定の方向に移動する形態を採用し得る。
このように前予告演出Aおよび後予告演出Bの予告画像演出において、色要素が「D柄」の予告画像演出であるときは通常音やプレミアム音と異なる「D柄専用音」が発生する構成であるため、予告対象画像としてD図柄の色要素を持つキャラクタ画像やカットイン画像が現出したことを、他の色要素の予告演出が発生した時と区別して、遊技者に判りやすく知らしめることになる。したがって遊技者は、脇見などをしていて視覚の上からD図の予告画像の出現を見落した場合でも、音響(D柄専用音)により、聴覚の上からD図の予告画像が出現したことを認識することが可能になる。
(21−2.デンジャー柄専用音2:図51)
図51は上記第2の色要素規制(図49)における音演出の効果音種別を示している。したがって、図50の場合とは、前予告演出Aおよび後予告演出Bに保留変化予告演出aが加わっている点で相違している。保留変化予告演出aは、当り当選期待度に対応させた色要素または特殊柄を持つ表示態様種別として、白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色があり、この順に、つまり「白色<青色<黄色<緑色<赤色<D柄<虹色」の順に当選期待度が高くなっている。そして、このうちで「青色、黄色、緑色、赤色、D柄」の色要素の5種類については、前予告演出Aの「黄色、緑色、赤色、D柄」の4種類との間に第2の色要素規制が設けられている。なお、前予告演出Aの「黄色、緑色、赤色、D柄」の4種類と後予告演出Bの「緑色、赤色、D柄」の3種類の間には第1の色要素規制が設けられている。
保留変化予告演出aの各色要素の予告演出に係る「音演出」については、効果音種別として、色要素が「黄色、緑色、赤色」のいずれかであるときは、この白色、青色、黄色、緑色、赤色の予告画像演出に共通の音である「通常音」を発生させる。前予告演出Aの各色要素の予告演出に係る「音演出」については、効果音種別として、色要素が「黄色、緑色、赤色」のいずれかであるときは、それらの色要素の予告画像演出に共通の音である「通常音」を発生させる。また同様に後予告演出Bの各色要素の予告演出に係る「音演出」については、色要素が「緑色、赤色」のいずれかであるときは、それらの色要素の予告画像演出に共通の音である「通常音」を発生させる。
上記効果音種別が「通常音」でない第1の場合として、保留変化予告演出a、前予告演出Aおよび後予告演出Bの予告演出において、その色要素が「虹色」であるときは、効果音種別として、上記の通常音とは異なる特別の音である「プレミアム音」を発生させる。また上記効果音種別が「通常音」でない第2の場合として、保留変化予告演出a、前予告演出Aおよび後予告演出Bの予告演出において、その色要素が「D柄」であるときは、効果音種別として、上記の通常音およびプレミアム音とは異なる特殊音である「独自の音響(D柄専用音)」を発生させる。
上記前予告演出Aおよび後予告演出Bにおいて、「通常音」は当該遊技機における予告演出において普通に採用される音演出の種類(効果音種別)を意味し、発生態様が一種類のみである場合と複数種類がある場合とを含む。また「通常音」は前予告演出Aと後予告演出Bにおいて、すべて同じ効果音種別であってもよいし、異なった効果音種別であっても良い。また、色要素が「虹色」であるときのプレミアム音も、保留変化予告演出a、前予告演出A、後予告演出Bにおいて、すべて同じ効果音種別であっても良いし、異なった効果音種別であっても良い。しかし色要素が「D柄」であるときD柄専用音は、保留変化予告演出a、前予告演出A、後予告演出Bに共通の効果音種別であり、D柄専用音として同じ特殊音が採用される。
このように保留変化予告演出a、前予告演出Aおよび後予告演出Bの予告演出において、色要素が「D柄」に係る予告演出(アイコン画像や保留記憶表示ランプ)であるときは通常音やプレミアム音と異なる「D柄専用音」が発生する構成であるため、保留アイコン画像としてD柄色が出現したり、予告対象画像としてD図柄の色要素を持つキャラクタ画像やカットイン画像が現出したことを、他の色要素の予告演出が発生した時と区別して、遊技者に判りやすく知らしめることができる。したがって遊技者は、脇見などをしていて視覚の上からD柄の保留アイコン画像やキャラクタ予告画像が出現したことを見落した場合でも、音響(D柄専用音)により、聴覚の上からD図の予告画像が出現したことを認識することが可能になる。
(21−3.変形例)
上記図50、図51の実施形態では、保留変化予告演出a、前予告演出A、後予告演出Bにおいて、色要素が「虹色」の予告演出が発生した場合、他の演出と異なるプレミアム音が発生するものとして説明した。しかし、保留変化予告演出aにおいては、色要素が「虹色」の予告演出が発生した場合、青色、黄色、緑色、赤色のいずれかの色要素を持つ保留変化予告が発生した場合と同じく、通常の先読み予告音である「第1特殊音」を発生させるように構成しても良い。また同様に、前予告演出Aや後予告演出Bにおいても、色要素が「虹色」の予告演出が発生した場合、青色、黄色、緑色、赤色のいずれかの色要素を持つ予告演出が発生した場合と同じ「通常音」、つまり通常の予告演出音を発生させるように構成しても良い。
本実施形態は下記のように構成することができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
所定のスイッチ信号(上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aによる検出信号)に起因して、所定の遊技情報を取得する取得手段(図10のS311〜S314、図11のS331〜334)と、
前記取得手段により取得された前記遊技情報に基づき、当り遊技を発生させるか否かの当り抽選を実行する抽選手段(図12のS409、S410)と、
前記当り遊技が発生する期待度を予告する予告演出を現出制御可能に構成された演出制御手段(演出制御部24)と、を備えた遊技機Bにおいて、
前記予告演出は、その演出内容がそれぞれ異なる複数種類の予告演出種別(たとえば図44の前予告演出1〜4、図45の後予告演出1〜2)に属する複数種類の予告演出(たとえば、図44の前予告演出1〜4、図45の後予告演出1〜2に属する予告演出)を含み、同種の予告演出種別に属する一の予告演出と他の予告演出とで、前記期待度がそれぞれ異なるように定められており、
また前記複数種類の予告演出は、互いに異なる色彩および/または模様による表示態様種別により、前記期待度の違いを報知可能な予告演出画像を含む予告画像表示演出として構成されており、
前記演出制御手段は、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、現出させるべき前記予告画像表示演出を、1または複数種類の前記予告演出種別を対象に決定する予告画像演出決定手段(図25のS744〜S749)と、
前記予告演出画像決定手段により決定された予告画像表示演出に係る予告画像を、画像表示手段に対して実行制御する画像表示制御手段(表示制御部(液晶制御部))と、
前記予告画像演出決定手段により決定された予告画像表示演出に関連した音演出を、音演出手段に対して実行制御する音演出制御手段(図25のS744〜S749、図50))と、を備え、
前記音演出制御手段は、
前記複数種類の予告演出のうち、前記期待度が相対的に高い特定の予告演出画像に係る予告画像表示演出が実行される場合、当該特定の予告演出画像に係る予告画像表示演出よりも前記期待度が低い複数種類の他の予告画像表示演出に関連した音演出とは異なる音演出(独自の音響:D柄専用音)を実行制御するように構成され(図50)、
前記複数種類の他の予告画像表示演出に関連した音演出は、それぞれ共通の音演出が定められている(図50)、
ことを特徴とする遊技機B。
また遊技機Bは、次のような構成とすることもできる。
前記抽選手段と、前記演出制御手段とを備えた遊技機Bにおいて、
前記予告演出は、その演出内容がそれぞれ異なる複数種類の予告演出種別に属する複数種類の予告演出を含み、同種の予告演出種別に属する一の予告演出と他の予告演出とで、前記期待度がそれぞれ異なるように定められており、
また前記複数種類の予告演出は、互いに異なる色彩および/または模様による表示態様種別により、前記期待度の違いを報知可能な予告演出画像を含む予告画像表示演出として構成されており、
前記演出制御手段は、前記予告画像演出決定手段、前記画像表示制御手段、および前記音演出制御手段を備え、
前記複数種類の予告演出種別のうちの少なくもと2つは、その予告演出種別に属する前記予告演出に、色彩および/または模様が互いに共通性を有する予告演出として、前記期待度が相対的に高い特定の予告演出画像(D柄予告画像)に係る特定予告画像表示演出(D柄に係る予告演出)を含んでおり、
前記音演出制御手段は、
前記特定予告画像表示演出が実行される場合、当該特定予告画像表示演出よりも前記期待度が低い複数種類の他の予告画像表示演出に関連した音演出とは異なる音演出(独自の音響:D柄専用音)を実行制御可能な構成とすることができる(図50)。この場合、前記特定予告画像表示演出よりも前記期待度が低い複数種類の他の予告画像表示演出に関連した音演出は、それぞれ共通の音演出に定めることが好ましい。
以上に説明した各実施形態では、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。たとえば、遊技メダルまたは遊技球を利用可能な回胴式遊技機であっても良いし、電磁気的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)を利用した遊技媒体を利用した遊技機であっても良い。また実物の遊技メダルや実物の遊技球ではなく、電磁気的記録を利用した遊技媒体を用いる遊技機として、たとえば、所謂「封入式遊技機」の構成とすることも可能である。また以上に説明した各実施形態では、その構成により、遊技動作制御負担を軽減しうる、制御負担を軽減しつつ演出の自由度を阻害せずに演出のバリエーションを豊富化しうる、演出を多彩なものとしうる、といった効果を奏することができる。