JP2021016639A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の面白みを向上しうる遊技機を提供する。【解決手段】当りに関する抽選を実行する抽選手段と、図柄の変動表示可能な図柄表示手段と、時短状態に制御可能な遊技状態制御手段とを備え、図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで時短状態に制御可能な遊技機であって、抽選結果が当り(4R時短大当り)である場合に時短状態に制御される上限回数(時短100回)と、抽選結果がハズレ(支援時短Bまたは支援時短C)である場合に時短状態に制御される上限回数(時短200回または無限回数(65535回))とが異なる回数とした。【選択図】図29

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機、たとえば、弾球遊技機は、始動口への入球を契機に、大当り抽選を行うとともに、図柄変動表示ゲームを行い、その図柄変動表示ゲーム中において、抽選結果を反映させた種々の予告演出を表示させて遊技を楽しませる構成となっている。この種の遊技機では、大当りに当選すると、その大当り遊技が終了した後に、たとえば、時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行させるものが知られている(たとえば、下記特許文献1)
特開2010−239986号公報
しかし上記従来の遊技機においては、大当りを経由しなければ時短状態に移行せず、遊技性や演出性の自由度が狭く、遊技の面白みに欠けるものであった。
そこで本発明の目的は、大当りを経由せずに時短状態に移行可能な新たな当選種別を設け、遊技の面白みを向上させうる遊技機を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御可能な遊技機であって、
前記抽選結果が当りである場合に前記時短状態に制御される上限回数(時短大当りにより付与される時短回数)と、前記抽選結果がハズレである場合に前記時短状態に制御される上限回数(支援時短により付与される時短回数)とが異なる回数である(4R時短大当りの時短性能(時短回数100回)≠支援時短の時短性能(支援時短Bによる時短回数200回または支援時短Cによる無限時短(時短回数65535回))、
ことを特徴とする遊技機。
本発明によれば、遊技の面白みを向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る遊技機の外観図である。 遊技盤と演出ボタンを示す図である。 制御装置を示すブロック図である。 当選種別、遊技状態遷移の説明に供する説明図である。 液晶表示装置の画面表示の説明に供する説明図である。 先読み予告演出の説明に供する説明図である。 遊技内容(通常、時短、確変モード)の説明に供する遊技フローである。 連荘回数に応じた確変モードの演出例を示す図である。 残り時短回数に応じた時短モードの演出例を示す図である。 主制御側メイン処理を示すフローチャートである。 主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図9中の特別図柄管理処理を示すフローチャートである。 図10中の特図1始動口チェック処理を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄確認時間中処理の前半部を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄確認時間中処理の後半部を示すフローチャートである。 図10中の特別電動役物管理処理を示すフローチャートである。 演出制御側メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図16中のコマンド解析処理における保留加算コマンド受信処理を示すフローチャートである。 図16中のコマンド解析処理における装飾図柄指定コマンド受信処理を示すフローチャートである。 当り乱数判定テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 図柄テーブル選択テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 大当り図柄テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 支援時短図柄テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 ハズレ図柄テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 当り種別対象抽選形態(抽選形態の変形例1)に係る当選種別、遊技状態遷移の説明に供する説明図である。 当り乱数判定テーブル(当り種別対象抽選形態)を示す図である。 図柄テーブル選択テーブル(当り種別対象抽選形態、ハズレ種別対象抽選形態)を示す図である。 大当り図柄テーブル(当り種別対象抽選形態)を示す図である。 ハズレ種別対象抽選形態(抽選形態の変形例2)に係る当選種別、遊技状態遷移の説明に供する説明図である。 ハズレ図柄テーブル(ハズレ種別対象抽選形態)を示す図である。 通常中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 通常中ハズレ変動パターン振分テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 確変中ハズレ変動パターン振分テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 図33の確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブルの変形例(変形例A)を示す図である。 図34の確変中ハズレ変動パターン振分テーブルの変形例(変形例A)を示す図である。 図33の確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブルの変形例(変形例B)を示す図である。 図34の確変中ハズレ変動パターン振分テーブルの変形例(変形例B)を示す図である。 時短中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 時短中ハズレ変動パターン振分テーブル(当落抽選対象抽選形態)を示す図である。 通常中ハズレ変動パターン振分テーブル(ハズレ種別対象抽選形態)を示す図である。 遊技状態移行テーブルを示す図である。 変動パターン振分指定番号表を示す図である。 通常変動13sに係る装飾図柄演出を示すタイミングチャートである。 装飾図柄の停止動作パターンに注目したタイミングチャートである。 実行される演出に応じて、装飾図柄演出の停止動作パターンが異なる例を示す図である 変動時間が異なる変動パターンで同じ演出を実行する場合に、装飾図柄演出の停止動作パターンが異なる例を示す図である。 変動時間が異なる変動パターンで同じ演出を実行する場合に、装飾図柄演出の停止動作パターンが異なる例を示す図である。 図31および図32に示す装飾図柄演出を比較するための参考図である。 実行する演出種別やその有無に応じて、停止動作パターンが異なる例を示す図である。 演出ステージに応じて、停止動作パターンが異なる例を示す図である。 実行する演出種別やその有無に応じて、リーチ停止動作パターンが異なる例を示す図である。 演出ステージに応じて、リーチ停止動作パターンが異なる例を示す図である。 停止動作パターンの変形例を示す図である。 停止動作パターンの変形例を示す図である。 停止動作パターンの変形例を示す図である。 停止動作パターンの変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る遊技機として、弾球遊技機を例にとり説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下、「遊技機1」と略す)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、押しボタン式の演出ボタン13(第1の操作手段)の他、上方向を指し示すボタン75a、右ボタン75b、下ボタン75c、および左ボタン75dから構成され、上下左右方向に入力操作可能な十字形の方向キー75(第2の操作手段)とが設けられている。演出ボタン13や方向キー75は、遊技者が操作可能な操作手段として機能し、特定の予告演出(たとえば、後述の「遊技者参加型演出」など)における所定の操作有効受付期間(ボタン有効期間)中に操作入力の受付が有効化され、この有効期間中に所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされると、その操作の前後で演出に変化をもたらすことが可能となっている。また、これらの操作手段は、客待ち待機中(後述の「デモ開始待ち演出」または「客待ち演出(デモ表示)」中)に係る「遊技設定画面」において、遊技者が好みの遊技設定を行う際にも利用される。この遊技設定画面とは、たとえば、遊技者が好みの音量や光量などの遊技設定が可能なメニュー画面である。なお、演出ボタン13には、その内部に内蔵ランプ(ボタンLED13b)が設けられており、ボタンLED13bの発光態様の違いにより、操作受付有効期間(たとえば、所定色で点灯または点滅中)と、操作受付無効期間(たとえば、消灯中)とが報知可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。この発射装置32は、毎分100発程度の発射性能を有するものを採用している。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46が設けられている。また、遊技機の適所、たとえば、ガラス扉6の前枠周縁の装飾部材やセンター飾り体48(図2参照)の内部には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(演出用LED)が複数設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、所定の表示領域(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の3つの装飾図柄(たとえば、図5A参照))の変動表示動作(変動表示および停止表示)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられている。センター飾り体48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り体48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えており、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間に遊技球が通過可能な遊動領域が形成されており、発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と、下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置:第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置:第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動表示および停止表示)による‘特別図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに‘装飾図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。なお、特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。本実施形態に係る普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行される。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。
また普通図柄表示装置39aに隣接して、右打ち表示装置39bが設けられている。この右打ち表示装置39bは、LEDの点灯・消灯状態の組合せにより、遊技球が右流下経路3cを通過(流下)するように狙いを定める「右打ち」が有利であるのか、遊技球が左流下経路3bを通過(流下)するように狙いを定める「左打ち」が有利であるのかを報知する。たとえば、LEDの発光状態が、点灯した状態であれば右打ち有利、消灯状態であれば左打ち有利であることが報知される。
また、右打ち表示装置39bに隣接して2個のLED(ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39cが設けられている。このラウンド数表示装置39cは、複数個のLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り体48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口を開放または拡大可能にする‘始動口開閉手段’を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り体48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として左右一対の可動翼片(可動部材)47を備え、この可動翼片47が開閉動作を行うことで、第2の特別図柄始動口である下始動口35を開放または拡大可能となっている。
また、普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に4つ(43a〜43d)、右側に1つ(43e)、計5つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43h(各一般入賞口43a〜43eの個々に対応)が形成されている。
また、普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていないが、これに限らず、両流下経路に形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに不図示のゲージ構成(遊技くぎの配列)により、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうるが、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれるようになっている。
本実施形態の場合、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされる。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の一般入賞口43a〜43dがあり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の一般入賞口43eがある。なお、下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属する入賞手段といえる。また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
(特定条件下における右打ち有利の構成)
本実施形態の遊技機1では、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた「右打ち」をした場合、普通図柄始動口37に遊技球は入賞し易いが、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされる。しかし、この可動翼片47は、後述の「電サポ有り状態(電サポ状態)」が生起すると、少なくとも通常状態(通常遊技状態)よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。したがって、この電サポ状態下であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」ではなく、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。一方、後述の「電サポ無し状態(非電サポ中)」であれば、その逆に、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」ではなく、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされる。すなわち、遊技状態に応じて、左流下経路3bおよび右流下経路3cのいずれの流下経路に遊技球を流下させるかにより遊技進行が遊技者にとって有利または不利に作用するようになっている。詳細は後述するが、電サポ有り状態を伴う遊技状態には「時短状態」や「確変状態」があり、電サポ無し状態を伴う遊技状態には「通常状態」や「潜確状態」がある。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43a〜43eなどの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43h(各一般入賞口43a〜43eの個々に対応)などの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。なお上記した各入賞手段については、遊技性に応じて、その個数、形状、形成位置などを適宜変更することができる。また、各入賞手段について、左流下経路3bおよび/または右流下経路3cのいずれを流下する遊技球を、入賞困難または入賞不可能、或いは入賞可能とするかについても遊技性に応じて適宜変更することができる。
各入賞口に遊技球が入賞した場合、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数が、遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。たとえば、上始動口34は3個、下始動口35は1個、普通図柄始動口37は0個(賞球なし))、大入賞口50は15個、一般入賞口43a〜eは3個が払い出される。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技領域3a内には、遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本実施形態では、センター飾り体48内の右上側に第1の可動体役物80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物90が配設されている。第1の可動体役物80は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動可能に形成された短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として「掛時計部」を形作る。この意味で、第1の可動体役物80を「時計型役物」とも称する。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、各数字セクターが個々に独立して異なった色で発光可能な構成となっている。
また、第2の可動体役物90は、花心の周りに複数枚の花弁からなる花冠を配し、更にその外側周囲に萼を配して花被を二重にし、以て花の形とした花型部91(第1可動体91)を、スイング動作が可能なアーム92(第2可動体92)の先端に取り付け、全体として花型役物90として構成されている。なお、花型部91は、花心を中心軸として複数枚の花弁が回動可能となっている。この花型役物90は、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図2に実線で示す)で静止しており、所定の動作条件が成立すると、アーム92が傾倒動作して、当該アーム92と共に花型部91が液晶画面を覆う位置(図2に破線で示す)まで移動する。そして、図2に破線で示す演出位置まで移動すると、花型部91がアーム先端部において回転すると共に、半透明の花心および花弁部分が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色しうる。花型役物90は、その動作を終了すると、破線の演出位置から実線の原点位置に戻る。花型部91は、花弁の回動動作として、高速回転、低速回転、逆回転などの複数種類の動作パターンが可能であり、アーム92は、破線部まで傾倒する全開傾動動作の他、所定の傾動角度まで傾動する準傾動動作やアームがガタガタと振動する振動動作、寸動動作など複数種類の動作パターンが可能である。上記の時計型役物80(時計針82)や花型役物90(第1可動体91、第2可動体92)は、その動作態様により、予告演出に利用される他、後述の設定示唆演出を実行(現出)する際にも利用される。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係る遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係る遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下、「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行(現出)制御を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下、「演出制御部24」と称する)と、遊技球払出装置19による賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源から遊技機の各基板に対して必要な電源(バックアップ電源を含む)を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込みなどの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知し、システムリセット信号を出力してCPUをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、あらかじめ設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数(ハード乱数)を生成するためのカウンタ回路なども備えている。なお、少なくとも主制御部(主制御基板)20と払出制御基板29は、不図示の電源基板から電圧降下信号(電源異常信号)を受けることによって、電源遮断に先立ち、バックアップ処理を開始して、電源遮断前の遊技動作を電源復帰後に再開できるようになっている(バックアップ機能)。この遊技機1では少なくとも数日は、RAMの各記憶内容を保持することが可能となっている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ちなどのゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口センサ34a、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43hとが接続され、主制御部20は、これらセンサからの検出信号を受信して、いずれの入賞口に遊技球が入賞(入球)したのかを把握する。
また主制御部20には、アウト口49および各入賞口を通じて遊技機から排出される遊技球(いわゆる、アウト球)を検出する「OUT監視スイッチ49a」が接続され、その検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、OUT監視スイッチ49aからの検出信号に基づき、アウト球数を計数するアウト球計数手段を備える。アウト球数は、特定値で規定される「遊技実績情報」の一つである。たとえば「本日の累計アウト球数が30000発」であれば、遊技機1が本日300分稼働していたという稼動情報(「累計アウト球数(個)/発射性能(毎分100発)=稼働時間」)を得ることができる。また、アウト球数は、後述のベース値(遊技実績情報の一つ)の算出に利用される。
また主制御部20には、遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ(たとえば、振動センサ、電波センサ、磁気センサ:不図示)が接続され、主制御部20は不正検出センサからの検出信号に基づき、遊技機に対する不正行為を監視可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38a、38bが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cと、右打ち表示装置39bと、ラウンド数表示装置39cとが接続され、主制御部20は、これらに表示される各種情報を表示制御可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部端子基板21が接続され、主制御部20は、枠用外部端子基板21を介して、所定の遊技情報(外端信号)を遊技機の外部に設けられた、「データカウンタDT」や「ホールコンピュータHC」などの外部装置に送信可能となっている。所定の遊技情報としては、たとえば、当り遊技開始/終了情報、入賞情報、特別図柄の変動開始/変動停止情報、賞球数情報、各種セキュリティ情報(不正行為検出情報や、RAMクリア、扉開放、設定変更などの発生情報)などがある。上記「データカウンタDT」とは、外端信号に含まれる遊技情報に基づき、大当り回数、図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄変動回数)、大当り間のゲーム実行回数など、遊技機に関する特定情報を報知可能な遊技情報報知装置であり、通常、遊技機の上部に設置される。また、ホールコンピュータHCとは、外端信号に含まれる遊技情報に基づき、遊技機の遊技進行状態を監視・収集し、パチンコホールに設置された遊技機の稼働状況を統括的に管理するパチンコホール(遊技店)専用の管理コンピュータである。
また主制御部20は、保安電子通信技術協会(保通協)で実施される型式試験(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく遊技機の型式に関する検定に係る試験)に対応して、遊技動作をリアルタイムに特定する型式試験信号を枠用外部端子基板21から出力可能となっている。なお、型式試験に適合した遊技機をパチンコホールに設置する際には、その適合した制御プログラムの変更は一切認められていない。このため、パチンコホールに設置後も型式試験信号が繰り返し出力処理されることになる。
また主制御部20には、RAM203の所定領域(領域内メモリ)を初期化するためのRAMクリアスイッチ98と、設定鍵を挿入してON/OFF操作をすることにより、設定値の変更操作を許容する設定変更許容状態(ON)と設定変更禁止状態(OFF)とに切り替え可能な設定キースイッチ94と、設定変更許容状態下で設定値(詳細は後述する)を変更するための設定変更スイッチ95と、設定変更スイッチ95により選択された設定値を確定させるための設定変更完了スイッチ96とが接続され、主制御部20は、これらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。RAMクリアスイッチ98、設定変更スイッチ95、および設定変更完了スイッチ96は、いずれも操作者が操作可能な押しボタン式スイッチとなっている。これらスイッチ94、95、96、98は、設定値に対する不正行為防止の観点から、遊技者が視認不可能な遊技機内部の適所に形成され、前枠2を開放しない限り、遊技機外部からのON/OFF操作が不可能となっている。
また主制御部20には、設定値に関する情報を表示する設定表示器97(設定表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態に係る設定表示器97は、1個の7セグメント表示器から構成されており、主制御部(主制御基板)20上に装着されている。なお、設定表示器97は、主制御基板20に限らず、払出制御基板28、発射制御基板29、中継基板(各種表示装置やスイッチ類などと制御基板との接続を中継する中継用基板:図示せず)、または演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24など、遊技機内部の適所に設けることができる。
(設定値について)
主制御部20は、出玉率(所謂、機械割、PAYOUT率)などの遊技者に付与する利益の期待値(利益)を段階別に変更可能な「設定変更機能」が設けられている。上記「設定値」とは、この段階を示す値である。この設定値は、設定表示器97により確認可能となっており、専ら、パチンコホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員により適宜設定される。
「設定値」は、たとえば、大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を段階別に規定するもので、設定値が高くなるほど、大当りの抽選確率(大当り当選確率)が高く設定され、遊技者に有利に作用するようになっている。このような設定値は、少なくとも2段階(少なくとも第1設定値と第2設定値)を設けることができる。本実施形態では、設定1〜6の6段階の設定値が設けられており、たとえば、低確率時において、設定1で1/200、設定2で1/196、設定3で1/192、設定4で1/188、設定5で1/184、設定6で1/180などである。すなわち、設定値が高くなるほど、大当りに当選し易くなり(機械割が高くなる)、遊技者に有利に作用することになる。このように「設定値」とは、機械割に影響する事象を段階別に規定する値であり、大当りなどの特別な事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味する。つまり、低確率時の大当りの抽選確率および/または低確率時の大当りの抽選確率を設定値に応じて異なるように構成することができる。なお、大当り抽選確率が高確率状態の場合(後述の特別図柄確変機能が作動する場合)、その確率が、10倍を超えない値まで上昇しうる。ただし、その上昇率は、設定値ごとに同一であってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態の場合、上昇率は各設定値で同一としてある。上記の例で言えば、低確率時の大当り抽選確率が設定1〜6=1/200〜1/180、上昇率が4倍とした場合、高確率時の大当り抽選確率は、設定1〜6=1/50〜1/44となる。
また、大当りを複数種類設けている場合には、設定値に応じて、1または複数種類の大当りの当選確率を変化させることができる。たとえば、大当り1〜4という4種類の大当りがある場合、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1〜4のすべての当選確率を高くなるように構成してもよいし、一部の大当りである大当り1〜3の当選確率だけを高くなるように構成してもよいし(この場合、大当り4については全設定値で共通の当選確率となる)、特定の大当りのみ(たとえば、大当り1のみ)の当選確率だけを高くなるように構成してもよい(この場合、大当り2〜4については全設定値で共通の当選確率となる)。また、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1〜4の合算当選確率を高くなるように構成してもよい。また、条件装置の作動契機とならない小当り種別や支援時短の当選確率を、前述の大当りのケースと同様に、設定値に応じて変化させてもよい。なお、大当り、小当り、支援時短の詳細については後述する。
(設定値の変更操作について)
本実施形態では、電源投入時に、少なくとも設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98とがON状態の場合に設定変更許容状態に制御され、それ以外のスイッチ操作にて、電源を投入した場合には、設定変更禁止状態に制御されるようになっている。この設定変更許容状態中において、設定変更スイッチ95をON操作すると、設定表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように設定1〜6の使用範囲で循環式に切り替え表示される。そして希望する設定値が表示された際に、設定変更完了スイッチ96をON操作すると(設定確定操作)、現在の表示値が今回の設定値として確定され、その設定値データがRAM203の所定領域(設定値格納領域)に記憶される。そして、設定キースイッチ94を現在のON状態からOFF状態に操作すると、設定変更許容状態が終了され、以後、確定された設定値の下で遊技が開始されることになる。本実施形態の主制御部20は、大当り抽選(乱数抽選)で、当選する確率に関する設定値を設定可能な設定手段を備えている。なお、上記のような設定機能を有しない「設定無し遊技機」であってもよい。また、設定値が複数段階に切り替え可能ではなく、設定値を1つだけ設けた「1段階設定機能付き遊技機」であってもよい。「1段階設定機能付き遊技機」とは、設定値の設定操作が可能であるが、その設定値が1つだけしかないタイプを意味し、主に、「設定機能付き遊技機」と「設定無し遊技機」との間で、新機種設計の際に設計上の互換性や汎用性を持たせて、設計を容易化するために利用される。この1段階設定機能付き遊技機は、設定値が1段階しかないという点で、実質的には「設定無し遊技機」と同じである。1段階設定遊技機の場合は、設定変更スイッチ95を操作しても、設定表示器97の表示値が、たとえば「1→1→1→1→・・・」のように、或る設定値だけが表示され、設定値の設定操作自体は可能なものとなっている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報や、エラー情報などの各種遊技処理情報を、演出制御コマンドにより、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、外部からのゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(性能表示器99について)
また主制御部20には、所定期間(特定遊技期間)の遊技結果に係る情報(以下、「性能情報」と称する)を報知する性能表示器99(情報表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態の性能表示器99は、複数個の7セグメントLEDからなり、具体的には、表示部と回路部がユニット化された7セグメントLED(7セグ表示器99a〜99d)を4個横に並べ、これをたとえば、主制御基板20上に搭載して、4桁の数字を表示可能な表示器を構成する。また各7セグメントLEDには、7セグメント数字の下にデシマルポイントDP(ドット)を有している。上記「性能情報」は、主に、パチンコホール店や関係各庁が確認・調査等のために利用する情報であり、たとえば、遊技くぎの不正調整やゴト行為などにより出玉性能に異常が生じていないか、遊技機本来の出玉性能(設計上の出玉性能)が正当に発揮されているかなどを調査するための情報、換言すれば「遊技実績に関する情報(遊技実績情報)」である。したがって、性能情報自体については、後述の予告演出や設定示唆演出などとは異なり、遊技者が遊技に興じる際の遊技進行それ自体には直接的に関係の無い情報である。このため性能表示器99は、遊技者に視認可能な箇所に設置するのではなく、遊技機内部の視認し易い箇所、たとえば、制御基板上またはこれを保護する基板ケース上などに搭載される。
本実施形態では、通常状態(大当り抽選確率が低確率(通常確率)、かつ後述の電サポ無し状態)中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の累計アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出されるベース値:通常時ベース値)を、上記「性能情報」として採用し、これを性能表示器99により所定態様にて表示する。なお、ベース値は、小数点第1位を四捨五入した値が性能表示器99に表示されるようになっている。ただし、単に永続的に計測してベース値(性能情報)を表示するのではなく、計測中のアウト球数が所定の規定個数(たとえば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了し、その計測終了時点のベース値を、履歴情報として、RAM203に格納し(今回のベース値を記憶する)、再度、新たなベース値の計測を開始する。なお、計測終了契機となる上述の「規定個数(60000個)」とは、本実施形態の場合、通常時アウト個数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)で計測される累計アウト球数(全状態アウト個数)を採用しており、この「全状態アウト個数」もリアルタイムに計測される。なお、性能表示器99に表示制御およびベース値に関する処理プログラムとそのワーク領域は、CPU201が通常の遊技進行の際にアクセスする領域(領域内メモリ)とは異なる領域(領域外メモリ)に定められている。また、性能情報は、上述した通常状態のベース値に限らず、有用な遊技実績情報であれば、特に制限はない。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。
払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払い出し動作状態に関する情報(状態信号)の送信などである。主制御部20は、球の払い出しの必要がある場合に、払出制御基板29に対して払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する「払出制御コマンド」)を送信可能となっており、他方、払出制御基板29は、主制御部20に対して上記状態信号を送信可能となっている。
払出制御基板29には、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態(上受け皿9が満杯状態であるか否か)を検出する満杯検出センサ60と、前枠2および/または前面操作パネル7の開閉状態を検出する扉開放センサ61(開放時ON/閉鎖時OFF)とが接続され、払出制御基板29はこれらセンサからの検出信号を受信可能となっている。
また払出制御基板29は、遊技球払出装置19に設けられた、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bなどからの検出信号を受信可能となっている。また払出制御基板29は、遊技球払出装置19の払出モータ19c(遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動するモータ)を制御するための制御信号を送信可能となっている。
払出制御基板29は、上記状態信号として、満杯検出センサ60、扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bなどの各種センサからの検出信号に基づいて、満杯状態を示す「球詰り信号」、前枠2・前面操作パネル7が開放されていることを示す「扉開放信号」、遊技球の供給不足を示す「補給切れ信号」、賞球の払出異常(払出不足、払出過剰)を示す「計数エラー信号」、払い出し動作が完了したことを示す「払出完了信号」などの様々な状態信号を、主制御部20に対して送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2・前面操作パネル7が開放状態であるか否か(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(賞球エラー)や、上受け皿9の満杯状態であるか否か(球詰りエラー)などを監視する。
また払出制御基板29には発射制御基板(発射制御部)28が接続され、発射制御基板28に対し発射制御信号ES(発射許可信号ES)を送信可能になっている。発射制御基板28は、払出制御基板29からの発射許可信号ESが出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板29から発射許可信号ESが出力されていること、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること(タッチ状態の検出)、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。したがって、発射許可信号ESが出力されていない場合には、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源LSI)、RTC機能部(Real Time Clock)、一定範囲のハード乱数を生成するためのカウンタ回路(16ビット用カウンタ、8ビット用カウンタ)、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。また、RTC機能部は、時を刻む時計ICであり、現在の時刻(「現在が何時何分何秒である」)という実時間上の時間情報および/または日付(月、日、曜日)に関する暦情報を提供する時計手段として働く。また、主制御部20と同じく、バックアップ機能やソフト乱数生成手段(たとえば、演出用抽選用乱数生成手段)も備えている。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、各種の演出用LED(装飾ランプ45、ボタンLED13b、その他の演出用LED)の発光制御、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90)の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、画像表示演出、光演出、音演出、または可動体演出などを実行させるために、装飾ランプ45、ボタンLED13bなどの各種の演出用LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物(時計型役物80、花型部91、アーム92)を動作させる可動体役物モータ80c、91c、92cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば所定のエラー報知処理を行う。
また演出制御部24には、演出ボタン13の操作を検出する演出ボタンスイッチ13aと、方向キー75(75a〜75d)の操作を検出する方向キースイッチ75a’〜75d’とが接続され、演出制御部24は、これら演出ボタン13や方向キー75からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる情報に基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により或いは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、液晶表示装置36による演出画像の表示(画像表示演出)、スピーカ46からの音の再生(音演出)、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄の変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。また演出制御部24は、所定の操作受付有効期間中において、演出ボタンスイッチ13aや方向キースイッチ75a’〜75d’からの操作検出信号に基づき、演出ボタン13および/または方向キー75に対してどのような操作が行われたか(たとえば、押圧、長押し、連打、方向キー75の上下左右方向の押し順など)を識別可能な構成となっており(操作識別手段)、その操作態様に応じた演出を実行制御可能な構成となっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、大当り抽選結果が「小当り」の場合には所定の「小当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお、本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する場合がある。また、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称する(場合により「特図」と略す)し、「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを区別せずに「特別図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、また液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選の結果)が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(当り図柄:たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示態様)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bによる大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口50への入賞球数が最大入賞数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、10個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される(ラウンド遊技終了条件(閉鎖条件)の成立)、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定のラウンド数(たとえば、最大10ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、まず開始インターバル時間(開始INT)を利用してオープニング演出(開始INT中演出)が行われ、開始INTが終了すると、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数(最大ラウンド数)を上限として複数回行われる。そして、最大ラウンド数が終了すると、終了インターバル時間(終了INT)を利用してエンディング演出(終了INT中演出)が行われて、一連の大当り遊技が終了する。なお、今回のラウンド遊技が終了すると、所定のインターバル時間(ラウンド間INT)を介して、次回のラウンド遊技が開始される。また、ラウンド遊技中には「ラウンド中演出」が、ラウンド遊技間(ラウンド間INT中)には「ラウンド間INT演出」が現出される。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング期間(開始INT期間)、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技期間、およびエンディング期間(終了INT期間)の各遊技期間を含んで構成される。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い(大当り、小当りまたはハズレが1種類の場合は、図柄抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果や、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を、演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報)を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、大当り抽選結果の他、特定の予告演出(たとえば、後述のリーチ演出や疑似連演出(疑似連回数を含む))の実行を指定する情報なども含むことができる。詳しくは、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出(リーチの種類の指定を含む)の実行を指定する“リーチ変動パターン”、リーチ演出の実行を指定しない“通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との実行を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン”、疑似連演出の実行を指定しリーチ演出の実行は指定しない“疑似連有り通常変動パターン”などの、複数種類の変動パターンが含まれる。また、リーチ変動パターンや疑似連有り変動パターンについては、その予告演出の演出時間を確保する関係上、基本的には、通常変動パターンの変動時間よりも長時間の変動時間が定められている。以下、リーチ変動パターンを「リーチ変動」、通常変動パターンを「通常変動」と略す場合がある。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)などを決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出や装飾図柄の変動表示演出を制御する。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45a或いは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45などの演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えてもよい。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。また、図柄変動表示ゲーム(特に、特別図柄変動表示ゲーム)の実行回数(ゲーム数)を、説明の便宜のために「図柄変動回数」または「変動回数」或いは「*回転(「*」は自然数)」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動(開動作)して、下始動口35の開放時間(始動口開状態時間)が最大開放時間(たとえば、最大6秒)経過した場合か、または下始動口35への入賞球数が所定個数(たとえば、最大10個)に達するまで、入賞領域が開放または拡大する開放状態に制御され、これらいずれかの条件を満した場合に可動翼片47の開放動作が終了して下始動口35が閉鎖される。なお、最大開放時間以内であれば、下始動口35を1または複数回開放することができる。
(3−1−3.作動保留球)
本実施形態では、図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、小当り遊技中、または普電開放遊技中に、各始動口34、35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中のデータまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また各図柄の最大保留記憶数の全部または一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄の各作動保留球をそれぞれ、「特図1作動保留球」、「特図2作動保留球」、「普図作動保留球」とも称する。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動機能(確変機能)」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率から高確率に変動させて、通常状態よりも有利な「高確率状態(大当り高確率状態)」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。なお、既に説明したように、本実施形態の場合、設定値に応じて低確率時および高確率時の大当り抽選確率が異なる(図4参照)。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率から高確率に変動させて(たとえば、1/256から255/256に変動させる)、通常状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮機能(時短機能)」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。この特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、20秒から0.6秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。この開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間)を通常状態よりも延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。開放延長状態下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.6秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常状態よりも単位時間あたりの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。したがって、開放延長機能が作動すると、下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高まり、開放延長機能が作動しない(非作動)状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この点で、上記開放延長状態は「電チューサポート状態(電サポ状態)」とも称される。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、少なくとも特別図柄確変機能が作動し、開放延長機能が作動しない遊技状態(本実施形態では、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態)を「潜確状態」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態(通常確率)’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常状態と同じ遊技状態下に置かれまた特別図柄の変動表示は中断される。
(高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の3つの機能が同じ契機にて動作する。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくとも1の機能が作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇する(入賞し易くなる)ことから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度または出玉率(ベース)が通常状態よりも高まる「高ベース遊技状態(始動口入球有利状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能(普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能の少なくとも1つの機能)が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間(特別図柄の平均的な変動時間)が通常状態よりも短い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度等が通常状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。この電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り’となる。本明細書中では、「電チューサポート状態無し」を、「電サポ無し状態」または「非電サポ状態」と称し、「電チューサポート状態有り」を、「電サポ有り状態」または「電サポ状態」と称する。
(3−2−1.内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ):図43)
遊技状態を定める上記各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況については、主制御部20側において、これらの機能に対応したフラグのON/OFF状態により、その作動(5AH)/未作動(00H)が管理される。この各機能の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」とも称する。現在の内部遊技状態が如何なる内部遊技状態であるかについては、「遊技状態判定番号YJ」という識別子を用いて管理される。たとえば、遊技状態判定番号YJが「00H」の場合は‘通常状態(通常)’を指定し、「01H」の場合は‘確変状態(確変)’を指定し、「02H」の場合は‘時短状態(時短)’を指定し、「03H」の場合は‘潜確状態(潜確)’を指定する。
(3−2−2.変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号Tcode):図43)
ここで本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに細かく分類して管理可能な構成となっている。詳細は追って説明するが、たとえば、確変状態には「確変モード1〜3」といった複数種類の確変状態が含まれ、また、時短状態には「時短モード1〜3」といった複数種類の時短状態が含まれ、これらは“変動パターン振分指定番号Tcode”という識別子を用いて、それぞれ異なる遊技状態として管理される。この「変動パターン振分指定番号Tcode」の実体は、現在の遊技状態に対応する「変動パターン振分テーブル(図31〜図41参照)」を選択する際に利用される識別子(変動パターン選択モードを特定するデータ)である。たとえば、確変状態(遊技状態判定番号YJ=01H)を「確変モード1〜3」に区分する場合には、確変状態(YJ=01H)に対応する変動パターン振分指定番号Tcodeとして、それぞれ「01H(確変モード1)」、「02H(確変モード2)」、「03H(確変モード3)と定める。これにより、確変モード1〜3のそれぞれで異なる変動パターン振分テーブルを選択することが可能となる。
上記「変動パターン振分テーブル」は、図柄変動表示ゲームに係る特別図柄の変動パターンを決定する際に利用されるものであり、1または複数種類の変動パターン(特別図柄の変動パターン)が、少なくとも現在の遊技状態(変動パターン振分指定番号Tcode)と大当り抽選結果とに関連付けて定められている(後述の図12のS413、図31〜図41等参照)。
したがって、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、たとえば同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「確変モード1〜3」という異なる遊技状態(異なる変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号Tcode))に対応する変動パターンの選択が可能となり、変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号Tcode)に関連する演出を実行することができる。
このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号Tcode))」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態(たとえば、確変状態)でありながらも、異なる変動パターン選択モード(たとえば、確変モード1〜3)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。その結果、同じ内部遊技状態下であっても、図柄変動表示ゲームの消化時間(特別図柄の変動時間)や、これに関連する演出に大きな変化をもたらすことが可能となり、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富なものすることができる。
本実施形態の場合、図43に示す通り、上記「内部遊技状態」の種類には、通常状態、時短状態、確変状態などが含まれる(図43の「YJ」の欄参照)。一方、特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態、すなわち、変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号Tcode)に関連する遊技状態(遊技モード)の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「通常モード」「確変モード1」「確変モード2」「確変モード3」「時短モード1」「時短モード2」「時短モード3」などが含まれる(図43の「Tcode」の欄参照)。
本明細書中では特に必要のない限り、少なくとも変動パターン振分指定番号Tcodeに関連する遊技状態を「遊技モード」と称する(図43の「遊技モード種別」の欄参照)。この遊技モードは、図43に示す通り、「変動パターン振分指定番号Tcodeと遊技状態判定番号YJ(内部遊技状態)」とに関連する遊技状態、換言すれば、“遊技機全体として捉えた遊技状態”としても扱うことができる。なお、説明の便宜上、内部遊技状態と遊技モードとを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。また、変動パターン振分指定番号Tcodeを「変動パターン選択モード」、または単に「Tcode」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に図4を参照して、本実施形態に係る「当り」について説明する。図4は、当選種別(大当り種別、支援時短種別、ハズレ種別)、当り遊技動作態様、当り遊技後の移行先遊技状態(移行先遊技モード)の説明に供する説明図である。
(4−1.当り種別について)
本実施形態の遊技機1では、大当り抽選対象の当選種別(当り種別)として、図示のように、「10R確変大当り」、「4R確変大当り」、「4R時短大当り(4R非確変大当り)」などの複数種類の当りが含まれる。これらの当りは、条件装置の作動契機となる「大当り種別」に属する当りであり、条件装置の作動契機とならない所謂「小当り種別」に属する当り(小当り)とは異なる。ここで「条件装置」とは、その作動が、ラウンド遊技を行うための役物連続作動装置(特別電動役物を連続して作動させる装置)作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合(役物連続作動装置が作動中に大入賞口に入賞したものを除く)に作動するものをいう。また、役物連続作動装置の作動は、電サポ有り状態(開放延長機能作動)や確率変動を生起させる(一の内部遊技状態から他の内部遊技状態に移行させる)ための条件となっている。
したがって、「小当り」に当選した場合には、条件装置が作動せず、役物連続作動装置も作動しないため、内部遊技状態の移行は無い(小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない)。しかし、変動パターン選択モード(Tcode)の移行制御は行うことができる。また、その小当りによる当り遊技(小当り遊技)は、役物連続作動装置が作動しないため、大当りのようなラウンド遊技は実行されないが、大入賞口の開閉パターンの定め方によって、見た目上、ラウンド遊技が実行されているように振る舞う「疑似的なラウンド遊技」を実現可能である。
小当り遊技の動作態様は、ラウンド遊技が実行されない点を除き、基本的には、大当り遊技と同じである。具体的には、所定の開始INTの経過後、大入賞口を開放する「開閉動作遊技(疑似的なラウンド遊技)」が実行され、開閉動作遊技が終了すると、所定の終了INTを経て、一連の小当り遊技が終了するようになっている。斯様な小当りは、大当りと同様に大入賞口の開閉動作を伴う当り遊技(特別遊技状態)の移行契機(実行契機)となる当選種別であるという点で、単なる「ハズレ」とは性質を異にする。なお、本実施形態では「小当り」を設けていないが、遊技性などを考慮して、特図1側および/または特図2側の抽選対象に1または複数種類の小当りを設けることができる。
(4−2.当り遊技について)
次に、上記した各当りによる当り遊技の内容について説明する。
「10R確変大当り」は、最大ラウンド数を10ラウンドとし、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が、大入賞口への入賞数が最大入賞数(10個)に達する可能性が十分に見込める「長開放時間(たとえば、29.8秒)」に設定される大当りとなっている。また、「4R確変大当り」と「4R時短大当り」は、最大ラウンド数を4ラウンドとし、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が、10R確変大当りと同様の「長開放時間」に設定される大当りとなっている。大当り遊技中の利益状態(利益度合)については、最大ラウンド数が相対的に多いほど高くなり、また大入賞口の最大開放時間が長時間ほど高くなる。本実施形態の場合、各大当りに係る最大開放時間は同じであるため、最大ラウンド数が多い大当りほど、大当り遊技中の利益状態が高くなる。
なお、ラウンド遊技に係る大入賞口の開放パターンを、どのような開放パターンに定めるかは自由である。たとえば、少なくとも一部のラウンド遊技(特定のラウンド数目のラウンド遊技)に係る大入賞口の開放パターンを、上記長開放時間よりも短時間の「短開放時間(たとえば、1.8秒)」や、さらに短時間の「極短開放時間(たとえば0.2秒)」となるように設定してもよい。また、最大開放時間中は、大入賞口を開放し続けてもよいし、1または複数回の閉鎖を伴う開放パターン(たとえば、「1.3秒開放+0.5秒閉鎖+27秒開放」など)としてもよい。
(4−3.当り遊技後の移行先遊技状態について)
次に図4を用いて、上記した各大当り遊技終了後に移行される遊技状態について説明する。図4に示す「当選時の遊技状態/移行先遊技状態」の欄には、当り種別に応じて、当選時の遊技状態とその当り遊技後に移行される遊技状態(移行先遊技状態)との関係を示してある。なお、図4の「当選時の遊技状態」は、当選時の内部遊技状態種別(括弧内は、対応する遊技モード種別)を示し、「移行先遊技状態」は、移行先の内部遊技状態種別(括弧内は、対応する遊技モード種別)を示す。移行される遊技モードについての詳細は、後述する。
(10R確変大当り、4R確変大当りに当選した場合)
「10R確変大当り」または「4R確変大当り」の場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技後は「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄変動回数)が所定の規定回数を終了するまでの間か、または所定の規定回数内で大当りに当選するまで継続可能され、その規定回数内で大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、当該確変状態が終了して、次ゲームから通常状態に移行されるようになっている。なお、規定回数に達したか否かは、特別図柄変動表示ゲーム1および2の実行回数(特図1および2の変動回数)をカウントすることにより判断される(後述の時短状態の場合も同様))。つまり、大当りすることなく、特別図柄変動表示ゲーム1、2の合計実行回数(特図1、2の合計変動回数)が規定回数分終了すると確変状態が終了される。
本実施形態では、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる、といった“有限確変タイプ”の「回数切り確変機(ST機))」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「ST回数」と称する。本実施形態の場合、ST回数が65536回に設定され(図4の備考(3)参照)、大当り抽選確率の関係上、実質的に次回の大当りが当選するまで確変状態が保障される“無限確変”となる。なお、ST回数を無限とするか有限(たとえば、ST回数100回やST回数50回など)とするかは遊技性に応じて適宜定めることができる。
(4R時短大当りに当選した場合)
「4R時短大当り」の場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技後は「時短状態」に移行される。時短状態に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が、所定の規定回数を終了するまで継続され、その規定回数内で大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない小当りを除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、当該時短状態が終了して、次ゲームから通常状態に移行されるようになっている。本実施形態の場合、時短状態に係る規定回数には、後述の「支援時短」に係る時短状態を含め、「100回」、「200回」、「65535回(実質次回大当り当選まで継続)」などがある(図4の備考(2)参照)。なお、時短大当りに係る時短回数は、100回や200回などの有限時短であってもよいし、10000回や65535回などのように、実質的に次回大当り当選まで継続しうる無限時短であってもよく、その回数は遊技性に応じて適宜定めることができる
(ハズレについて)
また図示のように、特図1側には、図柄抽選率がそれぞれ異なるハズレA、B、Cという複数種類のハズレ種別が設けられている。この実施形態の場合、「ハズレA>ハズレB>ハズレC」を満たす関係であり、たとえば、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%となっている。なお、特図2側はハズレAが1種類設けられている例を示しているが本発明はこれに限定されず、複数種類のハズレを設けてもよい。
(支援時短について)
本実施形態では、ハマり救済機能の一態様(サポート的な特典)として、或いは、ゲーム性の自由度を広げて遊技の面白みの向上を目的として、大当り当選(時短大当り当選)を契機とすることなく、「時短状態」を付与する「支援時短」を設けてある。この「支援時短」は、大当り当選(条件装置作動、役物連続作動装置作動)を経由することなく、時短状態が付与される点に大きな特徴がある。
(A.特電作動型支援時短)
「支援時短」に当選した場合、条件装置は作動させないが(連続役物作動装置も作動しない)、「小当り」が当選した場合と同じように、特別電動役物を作動させて、開閉動作遊技を実行(大入賞口を所定の開放パターンで開閉させる)させてもよい。本明細書中では、特別電動役物を作動させる支援時短を「特電作動型支援時短」と称し、これによる一連の開閉動作遊技を「支援時短開閉遊技」と称する。支援時短開閉遊技は、小当り遊技と同じく、所定の開始INTと、大入賞口の開閉動作を行う開閉動作遊技と、所定の終了INTとを含んで構成することができる。したがって、特電作動型支援時短に当選した場合は、支援時短開閉遊技を経て時短状態が付与されることになる。
なお、「小当り」と「特電作動型支援時短」とを設けた場合、小当り遊技と支援時短開閉遊技の態様(大入賞口の開閉パターンと遊技中の演出(オープニング演出(開始INT中演出)、エンディング演出(終了INT中演出)など)を、同一または類似するものとすれば、どちらに当選したのかを秘匿することができる。これにより、単なる小当り当選なのか、それとも支援時短当選なのか、という期待感を遊技者に与えることができる。勿論、大入賞口の開放パターンを異ならせたり、開始INTおよび終了INT(オープニング演出および/またはエンディング演出)を異ならせたりして、外見的または演出的にどちらに当選したのかを報知してもよい。
(B.特電非作動型支援時短)
また、特別電動役物を作動させることなく、当選ゲーム終了した後(特別図柄の確定表示時間経過後に付与)、またはその次ゲームの開始を契機に時短状態に移行させてもよい。本明細書中では、このような支援時短を「特電非作動型支援時短」と称する。
上記特電作動型支援時短、特電非作動型支援時短のいずれの支援時短を1または複数採用するか、或いは、双方の支援時短を1または複数採用するかは自由である。なお、本実施形態では「特電作動型支援時短」を採用した例について説明する。
本実施形態に係る「支援時短」は大当り抽選の対象とされ、大当りと同じく、所定の確率(たとえば、約1/500)で当選するようになっている(当落抽選対象形態)。詳述すれば、当落抽選により「大当り」、「支援時短」、または「ハズレ」(小当りを設けている場合は「小当り」を含む)のいずれかを抽選し、「支援時短」当選となったならば、次いで、図柄抽選によりその支援時短種別(たとえば、支援時短A〜Cのいずれか)を抽選により決定する(図4備考欄(4)参照)。なお、支援時短の抽選確率は全設定値共通としているが、各設定値でそれぞれ異なる抽選確率としてもよいし、各設定値の一部で同じ抽選確率としてもよい。
本実施形態では、図4に示す通り、特図1側に、複数種類の支援時短A、B、Cが、特図2側には複数種類の支援時短B、Cが設けられており、図柄抽選によりいずれかの支援時短が、所定の図柄抽選率に基づき決定される(図4の図柄抽選率の欄参照)。また、支援時短A〜Cはそれぞれ時短性能が異なる。具体的には下記の通りである。
(A)「支援時短A」に当選した場合、大当り(4R時短大当り)により付与される時短状態と同じ時短回数100回が付与される(小特典)。
(B)「支援時短B」に当選した場合、大当りにより付与される時短状態よりも多い時短回数200回が付与される(中特典)。
(C)「支援時短C」に当選した場合、大当りにより付与される時短状態よりも多い時短回数65535回(実質次回大当りまで継続)が付与される(大特典)。時短回数が65535回に設定された場合、大当り抽選確率の関係上、実質的に次回の大当りが当選するまで時短状態が保障される“無限時短”とされる。
無限時短は、正確には、その時短回数が「回数制限無し(無限)」のものを意味するが、実質的に次回大当りまで時短状態が保障される時短回数(たとえば、10000回)については、本明細書では“無限時短”に属するものとして扱う。なお、パチンコホールの営業時間内に消化不可能な時短回数(たとえば、5000回程度)を付与する場合も“無限時短”に属するものとして扱うことができる。
なお、支援時短A〜Cのうち、1または複数種類の支援時短を採用するかは自由である。また、いずれの特図側にどのような支援時短を設けるかも特に制限されない。たとえば、特図1側および/または特図2側に支援時短A〜Cの少なくとも1つを設けてもよいし、一方の特図側のみに支援時短A〜Cの少なくとも1つを設けてもよい。
本実施形態の場合、図示の通り、特図1側(上始動口34側)よりも特図2側(下始動口35側)の方が、時短性能が高い支援時短が当選し易く、また、10R確変大当りも当選し易くとなっている。したがって、特図2側の抽選を受ける方が遊技者にとり有利度合が高くなる。
なお、図示では、当選時の遊技状態によらず、支援時短A、B、Cに当選した場合は、それぞれ時短回数100回、200回、65535回(無限時短)の時短状態に移行されるものとなっているが、支援時短という特殊性を生かして下記(構A)〜(構G)のように構成してもよい。
(構A:転落移行回避機能)
利益度合の低い時短状態に移行してしてしまうといった「転落移行」的な状況が発生してしまうことを防止するために、下記(α1)〜(α3)の構成とすることができる。
(α1)無限時短が付与された後、有限時短(たとえば、100回や200回)を付与する支援時短に当選した場合、無限時短のままとする。たとえば、無限時短中に支援時短A(時短100回)に当選した場合、時短回数を100回に更新しないように制御する。
(α2)確変状態中に支援時短に当選した場合、その当選を無効扱いとすることができる。なお、無限時短を付与する支援時短の当選は無効扱いとしなくてもよい。
(α3)本実施形態は、電サポ状態になると「右打ち」して特図2側の抽選を受け、大当りの連荘状態が狙える状況が発生しうる。そこで、特図2側の抽選を受ける場合に転落移行が生じないように、特図2側には、(1)支援時短を設けない、(2)無限時短を付与する支援時短を設ける、または(3)時短大当りよりも多い時短回数を付与する支援時短を設ける(本実施形態の場合は100回より多い時短回数)、とすることが好ましい。
(構B:上乗せ機能)
時短状態中に、支援時短に当選した場合、現在の残余時短回数に上乗せする。たとえば、残余時短回数が50回のときに、支援時短Aに当選した場合、「残余時短回数50回+100回=150回」に更新する。ただし、所定回数を超える上乗せはしないように構成することができる(時短回数上乗せ制限手段)。たとえば、上乗せによる時短回数の上限回数を「300回」とすることができる。残余時短回数150回のときに、支援時短B(時短200回)が当選した場合、「残余時短回数150回+200回=350回」とするのではなく、上限回数の「300回」に制限される。なお、上乗せ制限をした場合であっても、無限時短を付与する支援時短Cに当選した場合には、遊技者に引き損感を与えないようにするべく、その制限を解除して、無限時短(65535回)を付与してもよい。また、上乗せがあった場合には、残余時短回数を演出的に報知する後述の「残余時短回数報知演出(たとえば、カウントダウン表示)」による報知(表示)回数に対して、「+50!」「+100!」など、時短回数が上乗せ(増加)されたことを報知する「上乗せ報知演出」を実行することが好ましい。
(構C:無限/有限時短昇格機能)
時短状態中に、支援時短に当選した場合に、無限時短を付与可能に構成する(時短状態昇格手段)。なお、時短状態が無限時短によるものであった場合には、支援時短に当選しても時短回数を更新しなくてもよいし、更新してもよい。また、無限時短を付与するのではなく、所定の時短回数を付与可能に構成してもよい。たとえば、時短状態中に支援時短Bに当選した場合、本来は時短200回が付与されるところであるが、時短状態中に当選した場合には、それよりも多い時短回数、たとえば、時短300回を付与してもよい。また、大当りおよび/または支援時短により付与される最大時短回数を付与してもよい。本実施形態の場合は、無限時短(65535回)が最大時短回数であるため、無限時短が付与されることになる。また、時短状態中に特定の支援時短に当選した場合に限り、無限時短や所定の時短回数を付与するように構成してもよい。たとえば、支援時短A(当選確率高)に当選した場合は時短100回を付与するだけであるが、支援時短B(当選確率低)が当選した場合には無限時短を付与するように構成してもよい。なお、時短回数が増加した場合には、上述の「上乗せ報知演出」を現出させることが好ましい。
(構D:特別図柄に応じた時短大当りと支援時短について)
特図1側の支援時短の種類数を「X」、特図2側の支援時短の種類数を「Y」とした場合、下記関係式(イ)を満たす。
「X」=「Y」、「X」<「Y」、または「X」>「Y」・・(イ)
なお、上記関係式(イ)を満たすものであれば「X=0(特図1側の支援時短を設けない)」または「Y=0(特図1側の支援時短を設けない)」としてもよい。
また、特図1側と特図2側とで、時短性能(時短回数)が同一の支援時短を1または複数種類設けてもよいし(たとえば、特図1、2に支援時短Bを設ける)、時短性能が異なる支援時短(たとえば、特図1に支援時短C、特図2に支援時短Bを設ける)を1または複数種類設けてもよい。また支援時短は、有限時短であってもよいし、無限時短であってもよく、その種類数は特に制限はない。また、特図1側および/または特図2側に、時短大当りを設ける場合、支援時短と時短性能が同一の時短大当りを設けてもよいし、時短性能が異なる時短大当りを設けてもよい(たとえば、一の特図側の時短大当りと支援時短とを設ける場合、これらが同一の時短性能であってもよいし、異なる時短性能であってもよい)。なお本実施形態の場合、電サポ中は「右打ち有利」、すなわち特図2側の抽選を受け易くなるため、特図2側に設けられる支援時短は、特図1側よりも時短性能が高い支援時短を定めることが好ましい。なお、無限時短を付与する支援時短と無限時短大当りとを設ける場合、無限時短として設定される時短回数(たとえば、65535回)を共通化して、制御負担を軽減することが好ましい。
(構E、構F:支援時短の抽選確率について)
(構E)設定値に応じた支援時短の当選確率を定めることができる。たとえば、設定値が相対的に低いほど、支援時短の当選確率を高くすることができる。この場合、低設定になるほど、支援時短の恩恵を受けることができるようになり、ハマり回避に寄与することができる。また、設定値が相対的に高いほど、支援時短の当選確率を高くすることができる。この場合、設定値に応じて大当りの当選確率に差を付けることなく、高設定ほど出玉率を高くすることができる。
(構F)支援時短の当選確率(支援時短が複数有る場合には合算当選確率でもよい)は、低確率時の大当りの当選確率と同一(略同一)、好ましくは、それよりも低確率とすることが好ましい。支援時短は“サポート的な特典”であるため、無闇に高確率で当選させないことが好ましいからである。たとえば、設定1であれば、大当りの当選確率は約1/200であるので(図4参照)、支援時短の当選確率を1/200と同一または略同一に定めるか、それよりも低確率に定めることが好ましい(本実施形態では、約1/500に定めてある)。なお、遊技機で設定可能な設定値の大当り当選確率と同一または略同一、或いはそれよりも低確率であれば、支援時短の当選確率が過度に高確率となることがないため、必ずしも特定の設定値の大当り当選確率、たとえば、最低設定1や最高設定6の大当り当選確率を基準としなくてもよい。
(構G:特電作動型支援時短について)
複数の特電作動型支援時短を設けた場合には、各支援時短に対応する支援時短開閉遊技態様を同一としてもよいが、異なるものとしてもよい。たとえば、支援時短A〜Cによる支援時短開閉遊技において、大入賞口の開放パターンをそれぞれ異ならせる。具体的には、大入賞口50の開放時間が、支援時短Aは0.4秒、支援時短Bは0.8秒、支援時短Cは1.8秒などである。また、大入賞口の開放パターンが異なる場合は、付与する時短回数が同じであっても、それぞれ有利度合(利益状態)が異なる支援時短とすることができるという利点がある。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態では、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行(更新)に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。具体的には、内部遊技状態や変動パターン選択モード(Tcode)が更新(変更)されたことを契機に、演出モードが移行されうる。演出モードには、「通常状態」に関連する「通常演出モード」、確変状態に関連する「確変演出モード」、時短状態に関連する「時短演出モード」、当り遊技中に関連する「当り中演出モード」など、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示(背景演出)が、遊技状態に関連する演出態様にそれぞれ変更される。
たとえば「通常演出モード」下では、季節‘春’を連想させる第1の背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出)に、「時短演出モード」下では季節‘夏’を連想させる第2の背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出)に、また「確変演出モード」下では季節‘秋’を連想させる第3の背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出)などにそれぞれ変更され、これにより滞在中の遊技状態を示唆しうる。なお、背景表示が変更されるだけでなく、BGMや装飾図柄(絵柄)や保留表示態様なども、遊技状態に関連する演出態様に変更することができる。なお、詳細は後述するが、大当り連荘回数や残余時短回数に応じて演出モードが移行されうる(たとえば、後述の図7A、図7B参照)。
(5−1−1.演出ステージ)
また、少なくとも1つの演出モードには、複数種類の「演出ステージ」が含まれ、これら演出ステージ間を移行可能となっている。この演出ステージは、演出モードと同じく、遊技状態に関連する演出をなす演出モードの一態様である。たとえば、通常状態であれば、通常演出モードに属する演出ステージとして、桜の木の背景画像を表示する「桜ステージ(演出ステージA)」、菜の花の背景画像が表示される「菜の花ステージ(演出ステージB)」、蒲公英の背景画像が表示される「蒲公英ステージ(演出ステージC)」などがあり、各演出ステージ応じた演出が現出される。これら演出ステージA〜Cは、たとえば、或る予告演出(たとえば、後述のステージチェンジ演出)の実行を契機に移行される場合がある。なお、上述した演出ステージA〜Cは通常演出モードに属するものであり、各演出ステージの変動パターン選択モード(Tcode)自体は同じである。したがって、演出ステージA〜Cのいずれにおいても、変動パターンを選択する際に用いられる変動パターン振分テーブルは同一である。
演出制御部24(CPU241)は、遊技状態の移行(更新)に応じて、各演出モード間を移行制御可能に構成され、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24は、主制御部20(CPU201)から送られてくる演出制御コマンドのうち、遊技状態に関する情報を含む演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態を指定したり、遊技状態が移行されることを指定したりする特定の演出制御コマンドに含まれる情報に基づき、遊技状態(内部遊技状態(YJ)および/または変動パターン選択モード(Tcode))を把握し、主制御部20側の遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理し、処理状態に応じて、一の演出モードから他の演出モードへの移行(複数種類の演出モード間の移行)を制御可能に構成されている。上述の特定の演出制御コマンドには、たとえば、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される特定コマンド(大当り開始コマンドや、大当り終了コマンド)などがある。なお、演出制御部24側が独自に遊技状態を判断可能であれば、特定の演出制御コマンドによらず、演出モードまたは演出ステージの移行制御を行うことができる。
(5−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(具体的には、変動パターン指定コマンドおよび/または装飾図柄指定コマンド、後述の入賞時コマンドに含まれる情報など)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な「予告演出」を実行制御可能に構成されている(予告演出実行制御手段)。予告演出の主な役割は、当り種別(支援時短を含む)に当選したか否かの期待度(周知の「当選期待度」)の示唆(予告)や、特定の予告演出の発生期待度(特定予告発生期待度)の示唆などである。具体的には、少なくとも上記演出モード(後述の演出ステージを含む)と、大当り抽選結果(少なくとも当落抽選結果)とに関連した演出を実行可能に構成されている。予告演出の多くは、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」、「疑似連演出」、「遊技者参加型演出」、「ステップアップ演出」、「ステージチェンジ演出」、「先読み予告演出」などがあり、これらの演出に付随して複合的(同時的、重複的)に、または単独的に発生する種々の予告演出(カットイン演出など)がある。
(5−2−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様)をいい、具体的には、リーチ状態を経由してゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、演出的な装飾図柄の変動表示態様を利用して大当り発生を示す表示態様が導出され易いこと(大当りの当選可能性があること)を示唆し、遊技者に大当り当選を期待させうるような変動表示態様をいう。たとえば、大当り当選(大当り発生)を示す装飾図柄の組合せ(大当り図柄)が「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」などの図柄揃いである場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が図柄揃いの一部である左図柄と右図柄とが「7」を表示し(所謂、テンパイ状態)、中図柄(テンパイ状態を構成していない残りの図柄)が、高速変動、コマ送り、揺動、拡大縮小、変形などしながら変動表示を行っている状態である。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(大当り図柄)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。なお、上述の例で、テンパイ状態(リーチ図柄)を構成している左図柄と右図柄は、リーチ状態を構成する図柄であり「リーチ構成図柄」とも称する。また、リーチ状態となるタイミングを「リーチタイミング」または「テンパイタイミング」とも称する。
上記の「リーチ演出」は、当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、従来から知られている「Nリーチ(ノーマルリーチ)」や、Nリーチが出現した場合よりも当選期待度が相対的に高まる「SPリーチ(スーパーリーチ)」などが含まれ、この「SPリーチ」の多くは、大当りへの当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、SPリーチには、「SPリーチ」、「SPリーチ+SPSPリーチ」、「SPSPリーチ」などの特殊なSPリーチが含まれる。以下に、各リーチの内容を説明する。
(r1)「Nリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するだけで、SPリーチが発生することなくゲーム結果(当りまたはハズレ(大当り抽選結果に関連する情報))を報知して終了する場合の変動態様であり、当選期待度が最も低いリーチ演出となっている。Nリーチには、当選期待度の異なるNリーチ1、Nリーチ2があり、当選期待度の関係は「Nリーチ1<Nリーチ2」となっている。
(r2)「SPリーチ(通常SPリーチ)」は、ノーマルリーチ(Nリーチ1またはNリーチ2)を経由して第1リーチ演出(SPリーチ)が発生し、その後、ゲーム結果を報知して終了する場合のリーチ変動態様である。
(r3)「SPリーチ+SPSPリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチを経由して第1リーチ演出(SPリーチ)が発生し、一旦ハズレが報知された後、上記第1リーチ演出よりも当選期待度の高い第2リーチ演出(SPSPリーチ)が発生し(他のSPリーチ系に発展)、ゲーム結果を報知して終了する場合のリーチ変動態様である(以下「発展型SPSPリーチ」とも称する)。
(r4)「SPSPリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するが、第1リーチ演出(SPリーチ)は経由せずに、つまり省略されて、直ちに第2リーチ演出(SPSPリーチ)が発生し(直接、SPSPリーチに発展)、ゲーム結果を報知して終了する場合のリーチ変動態様である(以下「直撃型SPSPリーチ」とも称する)。
リーチ演出における当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低に応じて変化する。たとえば、通常中のリーチ間では「Nリーチ1<リーチN2<SPリーチ<発展型SPSPリーチ<直撃型SPSPリーチ」の当選期待度の関係となるように、大当り抽選結果に関連してその選択率が定められている。またたとえば、図33や図34に示す確変中のリーチ間では「中連荘中リーチA<中連荘中リーチB」、「大連荘中リーチA<大連荘中リーチB<大連荘中リーチC」の当選期待度の関係、図39や図40に示す時短中のリーチ間では「時短中リーチA<時短中リーチB<時短中リーチC」の当選期待度の関係となるように、大当り抽選結果に関連してその選択率が定められている。
なお、実際の当選期待度は、他の予告演出(たとえば、疑似連演出)が伴うか否かに応じて変化する。たとえば、発展型SPSPリーチが出現した場合であっても、当選期待度の高い予告演出が絡めば、直撃型SPSPリーチと同等もしくはそれ以上の当選期待度となりうる。なお本明細書では、説明の便宜上、中連荘中リーチA、中連荘中リーチB、大連荘中リーチA、大連荘中リーチB、大連荘中リーチC、時短中リーチA、時短中リーチB、時短中リーチCは、「SPリーチ」に属するリーチと同列に扱うが、場合により、当選期待度が低い中連荘中リーチA、時短中リーチAを「Nリーチ」と同列に扱うことができる。
本実施形態では、大当りを示す装飾図柄の組合せが導出表示される過程で上記リーチ演出を経由するようになっている。このため、遊技者にとってリーチ発生の有無が大当りの可能性を知る手がかりとなる。そこで、リーチの発生可能性を予告(示唆)する演出態様、換言すれば、当選期待度をさらに明確に予告しうる演出態様として、複数種類の「期待予告演出」が設けられている。この「期待予告演出」は、当選期待度を予告する煽り演出としての役割を担うものであるが、特定の演出(たとえば、リーチ演出)が発生する可能性があることを予告したり、特定の演出の発生が確定的であることを予告したりする役割も担う。したがって、たとえば、リーチ演出シナリオでは、リーチ演出が発生する前段階で或る予告演出が発生し、リーチ演出の発生可能性を予告するとともに、当選期待度を予告する場合がある。つまり、リーチ演出が単独で発生する場合よりも、1または複数の期待予告演出が伴えば、当選期待度がより明確化され、また当選期待度も高まる場合がある。斯様な期待予告演出には、リーチ演出の前段階で発生しうる「前予告演出」と、リーチ演出中に発生しうる「後予告演出」がある。
(5−2−2.疑似連演出(疑似連))
本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「疑似連演出(以下、「疑似連」と略す)」がある。「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(いわゆる「疑似変動」)を伴う演出態様をいう。この「疑似変動」とは、1回の装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし(通常の装飾図柄ではなく、1または複数の疑似連専用図柄を利用してもよい)、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行されうる後述の「先読み予告演出」とは異なる。
「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるように、その発生率が定められている。たとえば、疑似変動回数1回よりも2回の方が、当選期待度の高い予告演出、たとえば、SPリーチの発生期待度が高まるようになっている。したがって、リーチ演出を含む演出シナリオの場合、主に、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、1または複数回の疑似変動を行った後、本変動であるリーチ演出が実行され、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。本明細書中で、「疑似N」と称する場合、疑似変動M回と本変動とを合わせた回数を意味する。たとえば、「疑似2」と表記する場合は「疑似変動1回+本変動」、「疑似3」と表記する場合は「疑似変動2回+本変動」を意味する(たとえば、図32中の疑似2+SPリーチ、疑似3+SPリーチなど)。また、疑似2〜3が付されていない場合は「疑似連無し」の意であり、疑似連は発生しない(たとえば、図32中のNリーチ2、SPリーチなど)。
(5−2−3.遊技者参加型演出)
また本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「遊技者参加型演出」がある。「遊技者参加型演出」とは、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、操作手段(演出ボタン13および/または方向キー75)に対して所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされた場合、その操作内容に基づき、演出の内容が変化しうる予告演出態様である。遊技者参加型演出では、所定のボタン有効期間中になると、操作手段に対して所定の操作を指示する「操作指示演出」が実行され、そのボタン有効期間中に、遊技者が操作手段を操作すると、その操作内容に基づき、現出中の演出が他の演出(操作時演出)に変化し、操作前後の演出態様(演出内容)に応じて、当選期待度、当落結果、または設定示唆情報などが報知可能となっている。演出制御部24は、所定の設定条件に基づき(たとえば、遊技者参加型演出中の所定のタイミング)、操作手段の操作が有効となる操作有効期間(ボタン有効期間)を設定する操作有効期間設定手段と、ボタン有効期間中に所定の操作前演出を制御する操作前演出制御手段と、当該操作有効期間に演出ボタンが操作されたことに基づき、所定の操作後演出を制御する操作後演出制御手段とを備えている。
(5−2−4.ステップアップ演出)
また本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「ステップアップ予告演出」がある。「ステップアップ予告演出」とは、1または複数段階の演出ステップよる演出態様であり、具体的には、1段階目の演出(ステップ1)から複数段階目の演出(ステップN(N≦2)まで段階的に行い、より先の段階に発展した場合、当選期待度が高まる(最終段階目まで発展した場合は当選期待度が最も高い)といった予告演出態様である。たとえば、3段階の演出SU1〜SU3からなるステップアップ演出であれば、「演出SU1(ステップ1):当選期待度低」、「演出SU1→演出SU2(ステップ2):当選期待度中」、「演出SU1→演出SU2→演出SU3(ステップ3):当選期待度高」という具合に、演出ステップ段階が相対的に高いほど当選期待度が高まる。また、ステップアップ演出には、遊技者参加型演出に属するものもあり、たとえば、操作手段(演出ボタン13または方向キー75)の操作を契機に、またはボタン有効期間経過を契機に、先の段階に発展しうる。
(5−2−5.ステージチェンジ演出)
また本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「ステージチェンジ演出」が発生する場合がある。「ステージチェンジ演出」とは、図柄変動表示ゲーム中(たとえば、図柄変動表示ゲームの開始を契機に、または図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングなど)において、現在の演出ステージを他の演出ステージに移行させることにより、当選期待度を示唆する予告演出態様である。「ステージチェンジ演出」では、現在の演出ステージがいずれの演出ステージに移行するかに応じて当選期待度を示唆する演出態様や、演出ステージ移行時に発生するカットイン演出の種別(たとえば、青色背景後に演出ステージ移行は当選期待度低、赤色背景後に演出ステージ移行は当選期待度高など)により当選期待度を示唆するといった予告演出態様である。ただし、このステージチェンジ演出は、予告演出として「演出ステージ」が変化するという演出態様であり、ステージチェンジ演出が発生しても、遊技状態(YJ、Tcode)の移行(変更)が生じて背景表示などが変化している訳ではない。また、ステージチェンジ演出には、予告演出としてではなく、同じ演出モードが続いてしまうことによる演出の単調化を防止するために、一の演出ステージから他の演出ステージに移行させる場合もある(たとえば、後述の図51の演出ステージ参照)。
(5−2−4.先読み予告演出:図5A、図5B)
「先読み予告演出」(以下「先読み予告」と略す)とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、保留表示態様や、時系列的に先に実行される図柄変動表示ゲーム中の演出を利用して、当該作動保留球に関する当選期待度(大当りに関する当選期待度だけでなく、後述の支援時短の当選期待度を含んでもよい)を事前に報知しうる演出態様である。
図5Aを用いて、上記先読み予告を含め、本実施形態に係る液晶表示装置の画面表示の概要について説明する。図5Aは、本実施形態に係る液晶表示装置36の画面表示の説明に供する説明図である。
液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特図1作動保留球の個数を表示する保留表示領域76と、特図2作動保留球の個数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関して、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特別図柄1側に対応)、a2〜d2(特別図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留球数を表示する保留表示手段として働く。しかし、後述の先読み予告を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうち該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(特別保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告を発生させる手段として働く。
また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
また、図5Aに示す液晶画面内の右下隅には、装飾図柄や予告演出などのメイン演出とは別のサブ的な演出(サブ演出)の表示領域として、特図1、2の作動保留球、普図作動保留球数、特図1、2の変動表示動作に関する情報、普図の変動表示動作に関する情報を表示可能なサブ表示領域79を設けてある。このサブ表示領域79の情報は、予告演出を表示する上で、装飾図柄の表示および/または保留表示部が非表示となった場合でも表示され続ける。したがって、現在、図柄変動表示ゲーム中であるか否か、作動保留球が幾つあるかについては、サブ表示領域79の情報により識別可能となっている。
なお、遊技状態(遊技モードまたは内部遊技状態)に応じて、保留表示領域76の表示領域を保留表示領域77よりも強調的に表示し(たとえば、優先的に表示または大きく表示するなど)、逆に保留表示領域77の表示領域を保留表示領域76よりも強調的に表示しすることができる。たとえば、第1の遊技状態中(通常状態(通常モード)中)は、保留表示領域76を強調表示する、第2の遊技状態中(たとえば、時短状態(時短モード)または確変状態(確変モード)中)は保留表示領域76を強調表示することができる。また、第1の遊技状態中は保留表示領域76と77の双方を表示し、第2の遊技状態中は保留表示領域77を優先的に表示(たとえば、保留表示領域77だけを表示)することができる。
(先読み予告について)
次に、先読み予告について説明する。この先読み予告に関する現出制御については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動表示動作)の実行に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果(当落抽選結果、図柄抽選結果)を事前に判定する「先読み当り判定(先読み当落判定、先読み図柄判定)」が行われる(後述の図11の乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318〜S319)、図12の「特別電動役物作動判定用乱数判定処理〜特別停止図柄作成処理(ステップS410〜S411)」参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)を事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図11の「始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)」参照)。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由するリーチ変動パターンとなるのか、それともリーチ状態を経由しない通常変動パターンとなるのかなどについて事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、先読み変動パターン情報には、当り当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報(当落抽選結果に関する情報)だけでなく、リーチの有無(リーチ有りの場合はその種別)や疑似連の有無(疑似連有りの場合はその回数)に関する情報など、特定の予告演出が実行情報も含まれうる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターンを判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告に関する演出制御処理が行われる。詳しくは、先読み判定が実行されると、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含む現存の作動保留球数)を特定可能な「保留加算コマンド」と、上記先読み変動パターン情報(少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報)を特定可能な「入賞時コマンド」とが主制御部20から演出制御部24に送信され、演出制御部24がこれらコマンドを受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、保留表示と先読み予告とに関する演出制御処理が行われる。
具体的には、演出制御部24が保留加算コマンドと入賞時コマンドとを受信すると、先読み変動パターン情報に基づき、先読み予告を実行(現出)するか否かに関する「先読み予告抽選」を行う。そして、先読み予告を実行する場合には先読み予告に係る演出シナリオを作成し、その演出シナリオに従い、先読み予告を現出させる(後述の図5A、図5B参照)。先読み予告は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また、当選期待度が相対的に高い先読み変動パターンの方が高確率で実行されるようになっている。よって、先読み予告が発生するか否かにより当選期待度が示される。先読み予告は、作動保留球の発生したタイミング、または時系列的に先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告が現出される場合がある。
上述の保留加算コマンドは、特図種別情報(特図1、2の別)を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定時の作動保留球数情報と特定可能とする下位バイト側データとの2バイトで構成される。また、入賞時コマンドは、当落結果を指定する上位バイト側のデータ(MODE1)と、先読み判定情報として先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データ(EVENT)の2バイトで構成される。なお、保留加算コマンドと入賞時コマンドの2つのコマンドを利用するのではなく、1つのコマンドで送信してもよい。たとえば、特図種別情報および先読み判定時の作動保留球数情報を特定可能なデータを上位バイト側データとし、当落結果情報および先読み変動パターン情報を特定可能なデータを上位バイト側データとする保留加算コマンド(または入賞時コマンド)を送信し、当該コマンドに基づいて先読み予告を実行可能な構成してもよい。
(入賞時系先読み予告:保留変化予告)
この実施形態では、先読み予告を実行する場合(先読み予告抽選に当選した場合)、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の特殊な保留色や色彩を付した保留表示(特別保留表示態様)に変化する保留変化予告が実行されうる。この保留変化予告は、入賞時(保留表示)を契機として現出しされうることから「入賞時系の先読み予告」とも称する。
この保留変化予告として、図5Aでは、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味し、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコン(当確保留予告)となっている。白点滅のアイコン表示は、後述の「ステップアップ保留変化予告」の発生可能性を示唆する保留アイコンであり、最終的な保留色が何色になるかを期待させるものとなっている(保留色が変化せずに白点滅のままの場合もある)。白点滅の場合は保留表示がそのままであれば当選期待度が特別保留表示の中で最も低いが、他の保留色に変化すれば、その保留色による当選期待度まで高まる。
本実施形態では、予告演出に関し、大当り抽選結果がハズレの場合には相対的に低い確率で選択され(低出現率)、大当りの場合には相対的に高い確率で選択(高出現率)される、といった高い当選期待度を持つ予告演出として、当選期待度が所定の期待値以上(本実施形態では、当選期待度20%以上を持つ予告演出)のものを「高期待度(当選期待度高」の予告演出とし、それ以外を低期待度の予告演出として扱う。先述の保留変化予告の場合、白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の当選期待度がそれぞれ、1%、5%、9%、20%、30%、100%であるとすれば、「緑色、赤色、虹色」が高期待度予告演出に属し、それ以外は(白点滅、青色、黄色)、低期待度予告演出に属する。先読み予告が発生した場合、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中に、当選期待度が相対的に高い高期待度予告(高回数疑似連やSPリーチなど)が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、当りへの当選期待感はより一層高まることになる。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行し(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御(シフト表示)が行われるが、上記した特別保留表示は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、先読み予告は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出が現出されうるといった点で、疑似連などのような1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
保留変化予告に係る特別保留表示は、(A)入賞を契機に現出させるケース、換言すれば、保留表示のタイミングで現出させるケース、(B)入賞時は通常保留表示(白色)であるが、通常保留表示から特別保留表示(青色など)に変化させるケース、(C)現在の特別保留表示よりも当選期待度が相対的に高い特別保留表示に変化(たとえば、青色から黄色以上の保留色にステップアップ的に変化)させるケースなどもある。この(B)または(C)のケースでは、シフト表示中の所定のタイミング、先に実行されている図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、特定の予告演出の現出中の所定のタイミング、保留変化予告用の遊技者参加型演出中(たとえば、ボタン操作有効期間中)などにおいて、一の保留表示態様から他の保留表示態様に変化させることができる。なお、上記(B)または(C)のような当選期待度がより高い保留表示に変化する保留変化予告を「ステップアップ保留変化予告」と称する。
また、ゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77における保留表示態様と同じ表示態様が維持されて、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告(特別保留表示)が当該ゲーム中においても遊技者に報知されうるが、当該図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングに、そのゲーム実行中保留Kの保留表示態様が他の保留表示態様に変化する場合もある。このようなゲーム実行中保留Kの表示態様の変化も上記ステップアップ保留変化予告に属するものとして扱う。
なお、原則として、現在の保留色から当選期待度が相対的に低い保留色に変化する「特別保留表示の成り下がり」は無いが、例外的に成り下がりが発生した場合は、その作動保留球が当確である旨が示唆され、当確保留予告と同じプレミアム的な保留変化予告となる。成り下りのケースとしては、たとえば、保留色が「青色→白色」や「赤色→青色」など、現在の保留表示よりも当選期待度が低い保留表示に変化する場合である。また、保留表示態様は、静止画による保留アイコン表示(静的表示態様)に限らず、動画(アニメーション)による保留アイコン表示(動的表示態様:たとえば、保留アイコンを回転、振動、搖動、点滅(高速点滅や低速点滅)をさせて表示する)にしてもよい。
(図柄変動中系先読み予告:変動中先読み予告)
また本実施形態では、上述の「入賞時系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動中先読み予告」を現出可能となっている。この変動中先読み予告は、上述の保留変化予告とは異なり、図柄変動表示中の所定タイミングで現出されうることから「図柄変動中系(変動開始時変化系)」の先読み予告とも称する。
この「変動中先読み予告」とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行(単発的にまたは連続表示させる)といった先読み予告である。すなわち、変動中先読み予告は、或る図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を実行するか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選を実行する場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全てまたは一部の図柄変動表示ゲーム中において、液晶表示装置36の画面に先読み専用予告画像(たとえば、図5Bの稲妻を模した予告画像)を表示させる。この場合、各図柄変動表示ゲームにおいて、その全部または一部が異なる先読み予告を現出させてもよい。たとえば、3回の図柄変動表示ゲームにわたり現出させる場合、1回目の図柄変動表示ゲームは雷雲画像、2回目の図柄変動表示ゲームは雨画像(雷雲から雨が降る様を表現した画像表示)または雷雲画像、3回目の図柄変動表示ゲームは稲妻画像とすることができる。また、予告画像に応じて当選期待度が異なるものとしてもよい。上述の例でいえば、雷雲画像は低期待度、雨画像は中期待度、稲妻画像は高期待度とすることができる。この場合、雷雲画像だけで終了した場合は当選期待感が低いが、稲妻画像が表示されれば、当選期待感が飛躍的に高まるといった演出効果を奏することができる。また、図柄変動表示ゲームの実行ごとに「雷雲画像→雨画像→稲妻画像」と期待度が段階的に発展(期待度が増す)するステップアップ系の先読み予告としてもよい。
本実施形態では、変動中先読み予告と保留変化予告とはそれぞれ独立して現出可能となっている。具体的には、保留変化予告の実行抽選と、変動中先読み予告の実行抽選とはそれぞれ独立した抽選となっている。したがって、保留変化予告が単独で発生ケースと、変動中先読み予告が単独で発生するケースと、保留変化予告と変動中先読み予告とが同時的(重複的)に発生するケースとがある。なお、変動中先読み予告を実行する際に用いる演出手段およびその演出内容については、適宜定めることができる。
(先読み予告演出態様例:図5B)
次に図5Bを参照して、本実施形態の遊技機1が織り成す先読み予告演出の一例ついて説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象であり、ここでは、保留変化予告と変動中先読み予告とが重複発生するケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告非実行(先読み抽選非当選)の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を特別保留表示に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常保留表示(白色)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から特別保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄がハズレ対応の「246」で停止表示されたものを示している。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、変動中先読み予告として、液晶表示装置36の画面内に専用の背景画像(稲妻画像表示による稲妻演出)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄がハズレ対応の「351」で停止表示されたとする。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、保留変化予告の特別保留表示は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了され、その後は、ゲーム実行保留Kとして表示される。また変動中先読み予告(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。なお同図(4)において、変動中先読み予告の稲妻演出(変動中先読み予告)が、今回の図柄変動表示ゲーム(先読み予告対象の作動保留球(第2番目)に係る図柄変動表示ゲーム)の中の発生を最後に終了されると説明したが、これに限らず、前回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了してもよい。この場合、変動中先読み予告は、保留変化予告の「特別保留表示」が図柄変動表示ゲームの実行に供されるとともに終了されることになる。
(5−2−6.設定示唆演出)
また本実施形態では、上記「設定値」に関する情報を示唆する演出態様(設定示唆演出)を現出可能となっている。たとえば下記(ア)〜(シ)のような設定示唆演出である。
(ア)低設定域(設定1〜3、1〜2、2〜3など)を示唆する「低設定示唆演出」。
(サ)高設定域(設定4〜6、4〜5、5〜6など)を示唆する「高設定示唆演出」。
(キ)偶数設定(設定2、4、6)を示唆する「偶数設定示唆演出」。
(ユ)奇数設定(設定1、3、5)を示唆する「奇数設定示唆演出」。
(メ)特定の設定値(設定1〜6のいずれでもよい)を確定的に報知する「特定設定確定演出」。たとえば「設定N」を確定的に報知する「設定N確定演出」。ただし、無闇に内部的な設定値を確定的に報知するのは、好ましくない。その理由は、設定1や設定2確定などのように、低設定領域を確定的に示唆するものは、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうからである。そこで、高設定領域の設定4〜6のいずれかを確定的に報知させることが好ましい。特に、設定5確定や設定6確定などの高設定が確定する特定設定確定演出が出現すれば、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
(ミ)特定の設定値(設定1〜6のいずれでもよい)でないことを確定的に報知する「特定設定否定演出」。
(シ)特定範囲の設定値を示唆する「特定範囲示唆演出」。たとえば、設定3〜5(α≦設定値≦β)を示唆、設定4以上(α≦設定値)を示唆、「設定1、3、5、6」の複数の特定値を示唆するなどがある。また、設定値に応じて出現率を異ならせて、たとえば設定1では出にくい、設定4ではそこそこ出る、設定6では出やすいなどのように、或る設定値の可能性が高い/低いを示唆することも可能である。
なお、設定示唆演出の現出率(実行確率)は、設定値に応じて適宜定めることができる。たとえば、設定値が相対的に低いほど設定示唆演出の出現率が低くなるように定めてもよい。また、設定示唆演出の演出態様には特に制限はなく、音演出、光演出、画像表示演出、可動体演出のうち、1または複数の演出を利用することができる。
また、設定示唆演出は、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、たとえば、予告演出と複合的または単独的に現出させることができる。また、図柄変動ゲーム中に限らず、大当り遊技中や、遊技開始待ち中の後述の「デモ開始待ち演出」や「客待ち演出(デモ画面)」などにも現出させることができる。
また、設定値に応じて特定の予告演出の出現率を規定することにより、その予告演出自身を「設定示唆演出」として機能させることもできる。たとえば、特定のリーチ演出、特定の疑似連(特定の疑似連態様や特定の疑似連回数)、特定の遊技者参加型演出、および特定の先読み予告などのうち、少なくとも1つ演出の出現率を設定値に応じて異ならせることにより、その予告演出自体を「設定示唆演出」として機能させることができる。たとえば、ハズレ時に特定のSPリーチが出現し易い場合は“高設定濃厚”、ハズレ時に疑似連3回(疑似変動2回+本変動)が出現し易い場合は“高設定濃厚”、特定のボタン操作演出が出現した場合は“設定6確定”示唆などである。また、先読み予告の演出を利用し、設定示唆演出専用の先読み予告態様を現出させることができる。たとえば、保留アイコンが高速点滅した場合は高設定濃厚、保留アイコンの1または全部が専用の保留アイコン(専用のキャラクタやアイテム画像)に変化した場合は“高設定濃厚”示唆などである。
<6.演出手段>
遊技機1における各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であればよく、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者に振動を与える振動装置(たとえば、発射操作ハンドル15が震えるなど)、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物は、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置(画像表示手段)と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出(画像表示演出)を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<7.遊技モードの遷移形態:図6>
次に図6を参照して、変動パターン選択モード(Tcode)に関連する「遊技モード」の内容と、各遊技モード間(各遊技状態間)の移行制御について説明する。図6は、遊技モードとこれに関連する演出モードの概略を示す遊技フローである。
本実施形態では、図6に示すように、大別して、「通常モード」、「時短モード」、「確変モード」などの複数種類の遊技モードが設けられており、これらの遊技モード下にて遊技の進行が制御される。以下では、遊技者が遊技状態に応じた有利な打ち方に従うものとして説明し、特段断りのない限り、左打ち有利(通常状態)の場合には“特図1側の図柄変動表示ゲーム1”が実行され、右打ち有利(確変状態、時短状態)の場合には“特図2側の図柄変動表示ゲーム2”が実行されるものとして説明する。
(7−1.「通常モード」について)
通常モードは、内部遊技状態が通常状態(YJ=00H)に関連する遊技モードであり、この通常モードは、RAMクリア操作や設定変更操作により領域内RAMがクリアされた場合に開始される初期の遊技モードとなっている。
この通常モードは、内部遊技状態が確変状態(YJ=00H)に関連する遊技モードであり、遊技進行中、最も長く滞在しうる遊技モードである。基本的には、この通常モードから大当りまたは支援時短に当選し、他の遊技モード(後述の確変モードや時短モード)に移行される。
通常モード中は、通常モードに関連した演出をなす「通常演出モード」に滞在する。通常演出モードは、背景演出として、たとえば、図7B(ロ)(ハ)に示すように、戦闘機が飛び交う空戦を表現した演出が現出される。
(7−2.「確変モード」について)
次に、「確変モード」について説明する。確変モードは、図示のように、内部遊技状態が確変状態(YJ=01H)に関連する遊技モードであり、変動パターン選択モードが異なる確変モード1〜3(Tcode=「01H」〜「03H」)が含まれる。この確変モードには、10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合に移行される(図4参照)。
本実施形態の場合、初当り(通常モード中の当選)のときは「確変モード1」に移行され、この確変モード1から通常モードに転落することなく大当りに連続的に当選(連荘)すると、その当選回数(連荘回数)に応じて、「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」と段階的に移行されるようになっている。すなわち、連荘回数が遊技モードの変更条件(移行条件)として定められており、たとえば、連荘回数が3回目まで確変モード1に移行され、連荘回数が4回目〜6回目までは確変モード2に移行され、連荘回数が7回目以降は確変モード3に移行される(図7A参照)。ここで本発明の理解を容易なものとするため、先ず、遊技モードの移行契機に利用される上述の「連荘回数」のカウント方法について説明する。
上記「連荘回数」について、図7A(イ)に示す「連荘回数カウント例」を参照しながら説明する。連荘回数のカウントは、基本的には同図(A)に示すように、「確変大当り(初当り)⇒確変状態中に確変大当り(2連荘)⇒確変状態中に確変大当り(3連荘)⇒確変状態中に確変大当り(4連荘)⇒確変状態中に確変大当り(5連荘)⇒確変状態中に確変大当り(6連荘)⇒確変状態中に確変大当り(7連荘)・・・」のように、通常モード(通常状態)に移行するまでの確変大当りの連続当選回数(連荘回数)をカウントする。なお、図示の「確変1」「確変2」「確変3」は、それぞれ確変モード1、確変モード2、確変モード3を示す。
ここで本実施形態では、時短大当り(4R時短大当り)が設けられているため、時短大当りを、連荘回数のカウント対象とするか否かが問題となる。
<(A−1)時短大当りをカウント対象外(ノーカウント)とするケース>
同図(A−1)に示すように、時短大当りは、連荘回数のカウント対象外としてもよい。図示のケースでは、2連荘目の確変モード1中に当選した時短大当り、3連荘目の確変モード1中に当選した時短大当りは、カウント対象外(ノーカウント)としている。本ケースの場合、実際の大当りの連荘回数は7回であるが、連荘回数としては「5連荘」とカウントされることになる。
<(A−2)時短大当りに当選した場合に連荘回数のカウントをクリアするケース>
同図(A−2)に示すように、時短大当りに当選した場合、連荘回数のカウントをゼロクリアしてもよい。図示のケースでは、2連荘目の確変モード1中に当選した時短大当りにより連荘回数が「ゼロ」となり、その後の時短状態で当選した確変大当りが1連荘目の大当り、つまり、初当り時と同じカウントの扱いとなっている。
確変大当りをカウント対象とする場合、上述した(A−1)と(A−2)のいずれのカウント方法を採用するかは自由である。
また、同図(B)に示すように、すべての大当りをカウント対象としてもよい。この場合、図示の通り、初当りが時短大当りであってもこれを1連荘目としてカウントし、以後、通常状態(通常モード)に転落するまで、大当りに当選する毎に、連荘回数を+1して行く。図示のケースでは、時短大当りに3回(初当り、3連荘目、4連荘目)、確変大当りに4回(2連荘目、5連荘目、6連荘目、7連荘目)の計7回の大当りに当選したケースであるので、連荘回数は7回となる。
なお「連荘回数」は、主制御部20がその機能部を担う「連荘回数カウント手段」によりカウントされる。連荘回数カウント手段は、当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする機能部として働く。なお「連荘回数」は、カウント対象となる大当りによる大当りの当選回数、またはその大当り遊技の実行回数としてもよい。また、カウント対象となる大当りに係る条件装置または連続役物作動装置の作動回数としてもよい。なお、本実施形態の場合、大当りの当選ゲームにて、大当り遊技後の遊技状態を指定する処理が行われるため(後述の図12の「特別図柄変動開始処理中の遊技状態移行準備処理(ステップS412)」参照)、連荘回数は大当りの当選回数をカウントするようになっている。
また、支援時短は大当りに属するものではないためカウント対象外としているが、支援時短もカウント対象としてもよい。ただし、支援時短をカウント対象とする場合は、特別電動役物が作動して賞球を得られる「特電作動型支援時短」をカウント対象とし、特別電動役物が作動せずに賞球を得られない「特電非作動型支援時短」はカウント対象外とすることが好ましい。また、特別電動役物が作動する「小当り」もカウント対象としてもよい。特電作動型支援時短や小当りは条件装置および連続役物作動装置が作動しないため、これらをカウントする場合には、支援時短開閉遊技や小当り遊技の実行回数(特別電動役物の作動回数)をカウントすればよい。
(7−2−1.確変モードの特徴点)
次に、本実施形態に係る確変モード(確変モード1〜3)の特徴点について説明する。既に説明したように、確変モード1〜3は、変動パターン選択モード(Tcode)がそれぞれ異なる遊技モードであり(図43参照)、確変モード1〜3に対応した変動パターン振分テーブル(図33、図34参照)が選択される。これを利用して、確変モード1〜3がそれぞれ特徴有る確変モードを作り出すことができる。
たとえば、確変モード1用の変動パターン振分テーブルでは、変動時間が2秒の変動パターン(たとえば、通常変動)が高確率で選択されるようにし、確変モード2用の変動パターン振分テーブルでは、変動時間が3秒の変動パターンが高確率で選択されるようにし、確変モード3用の変動パターン振分テーブルでは、変動時間が4秒の変動パターンが高確率で選択されるようにする(図34のFH11、FH15、FH19参照)。このようにすれば、各確変モードに係る特別図柄の平均的な変動時間、換言すれば、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間(1ゲームあたりの図柄変動表示ゲームの平均実行時間または単位時間あたりの図柄変動表示ゲームの実行回数:以下、「平均消化時間」とも称する)に緩急を付けることができる。なお、上述の図柄変動表示ゲームの平均消化時間とは、少なくともハズレ時における平均消化時間、つまり、各確変モードにおける「ハズレ変動パターンの平均変動時間」である。
本実施形態の場合、確変モードに係る平均消化時間の関係が「確変モード3<確変モード2<確変モード1」を満たすように定められている。すなわち、確変モード間における変動状態の関係では、確変モード1は「高速変動状態」、確変モード2は「中速変動状態」、確変モード3は「低速変動状態」下に制御される。つまり、連荘回数が多くなるほど、平均消化時間が長時間となるように制御される。なお、各モードにおける平均消化時間が上記「確変モード3<確変モード2<確変モード1」の関係を満たすものであれば、その時間は特に制限はないが、確変モードは確変状態に関連する遊技モードであり、確変モード中は「特別図柄時短機能」が作用するため、いずれの変動状態も、少なくとも通常モード(通常状態)の平均消化時間よりも短時間となる。
上述したように、確変モードに係る平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係を、「確変モード3<確変モード2<確変モード1」に定める理由は、次の通りである。
近年では、射幸心を煽ることを適度に抑制するため、法的要請により、遊技機の出玉性能について規制が設けられている。たとえば、上記型式試験に係る短期試験(1時間)による出玉率(セーフ球/アウト球)が、上限出玉率「300%(旧基準)」から「220%(新基準)」に制限される(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則 別表第4 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格 ロ(ハ)など)。この規制は出玉性能、特に連荘時の出玉性能に大きく影響し、これを遵守すると出玉の「時速」が従来の2/3程度の出玉性能までダウンしうる。詳しくは、発射時間が1時間であれば、アウト球は6000発(発射装置32の発射性能100発/分×60分=6000発)であり、旧基準であれば、上限出玉率「300%」であるからセーフ球は1時間あたり18000発(6000発×300%=18000発/h)まで許容されることになる。ところが、新基準では上限出玉率が「220%」に制限されるため、セーフ球の上限が1時間あたり13200発(6000発×220%=13200発/h)までダウンする。特に時短状態中や確変状態中では、高ベース状態下(電サポ有り状態下)となるため、大当りが過度に連荘してしまうと、上限出玉率220%(13200発)を簡単に超えてしまい、型式試験で不適合となってしまう。たとえば、電サポ有り状態下のベース値が70(BA70)である場合、普電開放遊技によるセーフ球は、1時間で4200発(BA70×100発/分×60分=4200発)となる。したがって、旧基準であれば、「18000発−4200発」の“13800発分”を大当り遊技により払い出すことが可能であるが、新基準では「13200発−4200発」の“9000発分”しか払い出すことができなくなる。そこで上記規制の下で、出玉感をなるべく損なうことなく、型式試験を通過(適合)し易くしうるように、出玉性能をコントロールする工夫が求められる。
そこで本実施形態では、連荘回数が相対的に多くなるほど、図柄変動表示ゲームの平均消化時間を長時間となるようにして、大当りが連荘した場合の出玉スピードが極端に上昇してしまうことを抑える工夫をしている。
一方、各遊技モード(ここでは、各確変モード1〜3)に応じて、図柄変動表示ゲームの平均消化時間の緩急を付けることにより、遊技性や演出の自由度が増し、遊技に深みを持たせることもできる。詳しくは、上記「高速変動状態」は、主として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技モード(遊技状態)で有用である。確変モード(確変状態)中は、「電サポ有り状態+高確率状態(特別図柄確変機能作動)+特図時短状態(特別図柄時短機能作動)」となり、少なくとも通常モードと比べて図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が相対的に短くなり、また大当り当選が容易となるように工夫された遊技状態となるが、このような遊技状態になると、遊技者の中には、演出を楽しむよりも早く大当りを得たいと欲する遊技者も多い。そこで本実施形態では、確変モード1の場合には、変動時間が相対的に短時間の変動パターンが選択され易いようにし、「高速変動状態」を発生させるようになっている。他方、「中速変動状態」または「低速変動状態」下では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が「高速変動状態」よりも長くなるが、その代わりに演出時間を長めにとることができるため、「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技モードに有用である。
上記のように、図柄変動表示ゲームの平均消化時間に関し、「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係性を持たせるために、特に、遊技進行上、最も多く遭遇しうるハズレ時に参照される「ハズレ変動パターン振分テーブル(図34)」に関し、下記(T1)〜(T19)のような構成とすることが好ましい。なお本発明は、必ずしも、3つの確変モード1〜3の関係性に限定されるものではない。すなわち本発明は、連荘回数が所定回数未満に係る確変モード(以下「確変モードA」と称する)と、連荘回数が当該所定回数以上に係る確変モード(以下「確変モードB」と称する)とを少なくとも設け、確変モードAと確変モードBとの平均消化時間を比較した場合に、「確変モードA<確変モードB」の関係を満たす構成であればよい(後述の変形例Aおよび変形例Bも同様)。以下、“「確変モードA⇒確変モードB」の順に”と称する場合は、“「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に”の意味も含まれる。
(T1)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、通常変動の平均変動時間を長くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(T2)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の平均変動時間を長くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(T3)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、選択率が最も高い通常変動の変動時間を長くする。
(T4)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、選択率が最も高いリーチ変動の変動時間を長くする。
(T5)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、通常変動の選択率を低くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(T6)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の選択率を高くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(T7)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、各モードにおける最短の通常変動の変動時間を長くする。
(T8)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、各モードにおける最短のリーチ変動の変動時間を長くする。
(T9)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、通常変動の種類を少なくする。
(T10)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の種類を多くする。
(T11)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、第2変動時間以上の変動パターンの種類を多くする。「第2変動時間以上の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(T12)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、第1変動時間以下の変動パターンの種類を少なくする。「第1変動時間以下の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(T13)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モードAには第2変動時間以上の変動パターンが無く、確変モードBには第2変動時間以上の変動パターンがある。
(T14)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モードAには第1変動時間以下の変動パターンがあり、確変モードBには第1変動時間以下の変動パターンが無い。
(T15)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モード1および確変モード2には、第2変動時間以上の変動パターンが無く、確変モード3には第2変動時間以上の変動パターンがある。
(T16)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モード1および確変モード2には、第1変動時間以下の変動パターンがあり、確変モード3には第1変動時間以下の変動パターンが無い。
(T17)確変モードAと確変モードBにおいて、変動開始時における作動保留球(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数)が0ときに選択される変動パターンの変動時間を共通(同一または略同一でもよい)の変動時間とし、作動保留球が0以外の場合には変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。たとえば、確変モード1〜3において、作動保留球数が0の場合には、通常変動8s種別(本例の場合、小連荘中通常変動8s、中連荘中通常変動8s、大連荘中通常変動8s)のみが選択されるようにし、作動保留球が0以外の場合には、変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。この場合において、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、作動保留球が0以外の場合に選択され易い変動パターンの変動時間を長くする。
(T18))確変モードAと確変モードBにおいて通常変動は共通とし、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の選択率を高確率とする。たとえば、確変モード1〜3において通常変動は共通とし、「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に、リーチ変動の選択率を高確率とする。
(T19)確変モードAと確変モードBとにおいて通常変動は共通とし、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を高確率とする。たとえば、確変モード1〜3において通常変動は共通とし、「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を高確率とする。
なお、電サポ状態中は作動保留球が貯まり易い状態であるため、作動保留球が相対的に多い場合に選択され易い変動パターンに着目して、上述の(T1)〜(T6)の構成を持つハズレ変動パターン振分テーブルを採用することが重要であるといえる。一方、潜確状態のように電サポ無し状態中は作動保留球が貯まりにくい状態であるため、仮に、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」を実現するためには、作動保留球が相対的に少ない場合に選択され易い変動パターンに着目して、(T1)〜(T19)の構成を持つハズレ変動パターン振分テーブルとすることが重要である。
また、図33に示す当選系の変動パターン振分テーブルについて、下記(T20)〜(T27)のように構成することができる。
(T20)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、当選した場合に選択され易いリーチ変動の変動時間を長くする。
(T21)有利度合(利益度合)が「第1当選種別<第2当選種別」である場合、第1当選種別に当選した場合よりも第2当選種別に当選した方が、相対的に変動時間が長いリーチ変動が選択され易い。この場合において、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、当該リーチ変動の変動時間を長くすることができる。
(T22)有利度合(利益度合)が「第1当選種別<第2当選種別」である場合、第1当選種別が当選した場合のリーチ変動が共通(リーチ変動の変動時間が同じ)であり、第2当選種別が当選した場合に選択され易いリーチ変動が異なる(リーチ変動の変動時間が異なる)。この場合において、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、当該リーチ変動の変動時間を長くすることができる。
(T23)確変モードAにおける当選時に選択されうる最長のリーチ変動(第1当選最長リーチ変動)の変動時間を「R秒」とし、確変モードBにおける当選時に選択されうる最長のリーチ変動(第2当選最長リーチ変動)の変動時間を「S秒」とした場合、
R/Sの値(当選時変動時間延長率)と、
確変モードAにおけるハズレ時に選択されうる最長のリーチ変動(第1ハズレ最長リーチ変動)の変動時間を「T秒」とし、確変モードBにおけるハズレ時に選択されうる最長のリーチ変動(第2ハズレ最長リーチ変動)の変動時間を「U秒」とした場合、
T/Uの値(ハズレ時変動時間延長率)と、が異なる。この場合、“「T/U」<「R/S」”とすることができる。また、有利度合(利益度合)が「第1当選種別<第2当選種別」である場合、第1当選種別よりも第2当選種別の方が、「R/S」の値が大である。
(T24)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、最高利益度の当選種別(本実施形態では、10R確変大当り)に当選時に選択されうるリーチ変動の変動時間を少なくとも長くする。
(T25)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、最高利益度の当選種別(本実施形態では、10R確変大当り)に当選時に選択されうるリーチ変動のうち、最長のリーチ変動の変動時間を少なくとも長くする。
(T26)確変モードAと確変モードBとを比較した場合、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる。図示はしていないが、たとえば、ハズレ時に各確変モード1〜3で参照される変動パターン振分テーブルを図34の確変モード2対応の「ハズレ変動パターン振分テーブル(中連荘用)」とし、当りの場合には、連荘回数に応じて図33に示す「確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」を用いる。なお「当選」とは、「当り当選」および/または「支援時短当選」を意味する(次に述べる(T27)も同様)。
(T27)確変モードAと確変モードBとを比較した場合、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる。図示はしていないが、たとえば、当選時に各確変モード1〜3で参照される変動パターン振分テーブルを図32の確変モード2対応の「確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(中連荘用)」とし、ハズレの場合には、連荘回数に応じて図34に示す「確変中ハズレ変動パターン振分テーブル」を用いる。
なお、本実施形態の場合、確変モード3に移行された後は、大当りに当選またはST回数を消化するまで、確変モード3から他の遊技モードに移行されない。しかし、本発明はこれに限らず、確変モード3中に所定のゲーム回数(変動回数)が実行された場合、他の遊技モード(確変モード1または確変モード2)に移行させてもよい。低速変動状態の確変モード3が長期間にわたり継続してしまうと、遊技者に倦怠感を与えてしまったり、遊技が単調化したりしてしまうからである。遊技モードの移行は、「確変モード3⇒確変モード2または確変モード1」という移行形態に限らず、「確変モード3(第1変動回数消化)⇒確変モード2(第2変動回数消化)⇒確変モード1」や、「確変モード3(第1変動回数消化)⇒確変モード1(第2変動回数消化)⇒確変モード2」としてもよい。なお、第1変動回数K回とし、第2変動回数L回とした場合、「K回」=「L回」、「K回<L回」、または「K回>L回」とすることができる。
(変形例A)
本実施形態では、上記したように、確変モード1〜3のそれぞれに対応したハズレ変動パターン振分テーブル(図34)を利用して、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係を実現しているが、本発明はこれに限られない。たとえば、図35および図36に示すように、一の確変モード(一のTcode)に対応する変動パターン振分テーブルを利用して、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係と同事象の変動状態を実現することができる。図35は、変形例Aに係る確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(当選系の変動パターン振分テーブル)の一例を示したものであり、図36は、変形例Aに係るハズレ変動パターン振分テーブルの一例を示したものである。
先ず、図36に示すハズレ変動パターン振分テーブルを参照して本例の概要を説明しておく。本例では、小連荘(連荘回数1〜3回目)のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを基準テーブルとし(図36(イ)参照)、中連荘(連荘回数4〜6回目)のときには、この基準テーブルに定められた変動パターンの変動時間に対して、第1加算時間(たとえば、5秒)を加えたものを今回の変動開始時の変動パターンを取得する(図36(ロ)参照)。また、大連荘(連荘回数7回目以降)のときには、上記基準テーブルに定められた変動パターンの変動時間に対して、第2加算時間(たとえば、10秒)を加えたものを今回の変動開始時の変動パターンとして取得する(図36(ハ)参照)。すなわち、1つの遊技モードに対応する変動パターン振分テーブルを利用して、複数の遊技モードに対応する変動パターンを取得する、という変動パターン選択技術である。本例の場合、所定時間を加算したものを取得するため、図36(イ)〜(ロ)に示す通り、変動パターンの選択率は変化しない。なお、図35(イ)〜(ロ)に示す「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」も同様である。
図36(イ)は、連荘回数1〜3回目のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを示したものである。ここでは、説明の便宜上、選択対象となる変動パターン種別として、確変中通常変動1〜4(変動時間1秒、2秒、3秒、3秒)、確変中Nリーチ、確変中SPリーチA(当選期待度低)、確変中SPリーチB(当選期待度高)を設けたものを代表例として示してある。
図36(イ)〜(ハ)から分かる通り、各変動パターンの選択率は同一でありながらも、連荘回数が多くなるほど、変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されるようになっている(図35(イ)〜(ハ)も同様)。これにより、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係と同事象の変動状態、つまり「小連荘(高速変動状態)<中連荘(中速変動状態)<大連荘(低速変動状態)」となる変動状態を実現することができる。
なお、図36(ロ)は、基準テーブルの各変動パターンにそれぞれ5秒(第1加算時間)加算したもの、図36(ハ)は、基準テーブルの各変動パターンにそれぞれ10秒(第2加算時間)加算したものが取得されるように構成している。しかし本発明はこれに限らず、下記(S1)〜(S7)のように構成することができる。
(S1)通常変動(確変中通常変動1〜4)に対して、所定時間を加算すること(以下、単に「加算」と略す)は行わず、少なくとも1つのリーチ変動(確変中Nリーチ、確変中SPリーチA、確変中SPリーチB)に対して加算していく。たとえば、中連荘のときは基準テーブル(図36(イ))の確変中Nリーチに対して5秒(第1加算時間)加算、大連荘のときは確変中Nリーチに対し10秒(第2加算時間)加算する。なお、相対的に選択され易いリーチ変動(ここでは、リーチ変動中、最も選択率の高い確変中Nリーチ)を加算対象とすることが好ましい。また、第1加算時間と第2加算時間は、「第1加算時間<第2加算時間」の関係を満たすものであればよい(後述の(S2)〜(S5)も同様)。
(S2)少なくとも1つの通常変動(確変中通常変動1〜4)に対して加算を行い、リーチ変動(確変中Nリーチ、確変中SPリーチA、確変中SPリーチB)に対して加算は行わない。たとえば、中連荘のときは基準テーブル(図36(イ))の確変中通常変動1に対して5秒(第1加算時間)加算、大連荘のときは確変中通常変動1に対し10秒(第2加算時間)加算する。なお、相対的に選択され易い通常変動(ここでは、通常変動中、最も選択率の高い確変中通常変動1)を加算対象とすることが好ましい。
(S3)ハズレの場合は加算せず、当選の場合は加算する。たとえば、当選の場合は、図36(ロ)、(ハ)のように、5秒(第1加算時間)加算、10秒(第2加算時間)加算するが、ハズレの場合には加算はしない(ハズレの場合は基準テーブル:図36(イ)を利用する)。つまり、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、当選の場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。なお「当選」とは、「当り当選」および/または「支援時短当選」を意味する(後述の(S4)も同様)。
(S4)ハズレの場合は加算し、当選の場合は加算しない。たとえば、ハズレの場合は図36(ロ)、(ハ)のように、5秒(第1加算時間)加算、10秒(第2加算時間)加算するが、当選の場合には加算しない(当選の場合は基準テーブル:図35(イ)を利用する)。つまり、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、ハズレの場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。
(S5)少なくとも最長の変動パターンは加算しない。たとえば、確変中SPリーチBを加算対象外とし、これよりも変動時間が短い変動パターンのうち、少なくとも1つの変動パターンは加算対象とする(加算内容は、上記(T7)または(T8)とすることができる)。最長の変動パターンは、もともとの変動時間が長いためである。「最長の変動パターン」は、ハズレ変動(図36)うちで最長のもの(本例の場合は確変中SPリーチB)であってもよいし、当選変動(図35)のうちテーブルのうちで最長のもの(本例の場合は確変中SPリーチB)であってもよい。
(S6)第1加算時間中または第2加算時間中において、共通の演出を行うことができる。たとえば、加算5秒間(第1加算時間中)は「演出A」を実行し、加算10秒間(第2加算時間中)は「演出B」を実行することができる。また、加算10秒間(第2加算時間中)において、前半の5秒間は「演出A(第1加算時間中と同様の演出)」を実行し、後半の5秒間は「演出C(第1加算時間中とは異なる演出)」を実行することができる。なお、「演出A」は疑似連が好ましい。また「演出B」は遊技者参加型演出が好ましい。
(S7)変動開始時における作動保留球数(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数)が0の場合は加算せず、作動保留球数が0以外は加算する。作動保留球数が0の場合は、変動時間が比較的長い変動パターンが選択されるため(本例では、リーチ変動のみが選択される)、無闇に加算することは好ましくないからである。なお、通常変動種別のうち最長の変動パターン(本例の場合は、確変中通常変動3または確変中通常変動4)が選択され易い構成としてもよい。
(変形例B)
また、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係は、上記変形例Aに限らず、たとえば、図37および図38に示すように、連荘回数に応じて、変動パターンの選択率(振分値)を変化させる変動パターン振分テーブルを利用して実現することもできる。
先ず、図38を参照して本例の概要を説明しておく。本例では、小連荘(連荘回数1〜3回目)のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを基準テーブルとし(図38(イ)参照)、中連荘(連荘回数4〜6回目)のときには、この基準テーブルに定められた変動パターンの選択率を変化させた「第1選択率変動テーブル(図38(ロ)」を参照する。
また、大連荘(連荘回数7回目以降)のときには、上記基準テーブルに定められた変動パターンの選択率を変化させたものであるが、「第1選択率変動テーブル(図38(ロ)」とは異なる選択率の「第2選択率変動テーブル(図38(ハ)」を参照する。
ここで、小連荘(連荘回数1〜3回目)のときに用いられる基準テーブル(図38(イ))と、
中連荘(連荘回数4〜6回目)のときに用いられる上記「第1選択率変動テーブル(図38(ロ))」と、
大連荘(連荘回数7回目以降)のときには用いられる上記「第2選択率変動テーブル(図38(ハ))」の平均変動時間の関係が、
少なくとも「第2選択率変動テーブル(低速)<第1選択率変動テーブル(中速)<基準テーブル(高速)」の関係を満たすように選択率を変化させる。これにより、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係を実現することができる。
本例の場合、基準テーブルの変動パターンの選択率を変化させたものを取得するため、図38(イ)〜(ロ)に示す通り、各変動パターン振分テーブルに係る変動パターンの変動時間は変化しない(変動パターン指定コマンド(MODE2+EVENT1)も変化しない)(図37の「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」も同様)。この点、各変動パターン振分テーブルに係る変動パターンの変動時間が変化するが選択率は変化しない上記変形例Aとは大きく異なる。
図38(イ)は、連荘回数1〜3回目のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを示したものである。ここでは、説明の便宜上、上記変形例Aと同じく、選択対象となる変動パターン種別として、確変中通常変動1〜4(変動時間1秒、2秒、3秒、3秒)、確変中Nリーチ、確変中SPリーチA(当選期待度低)、確変中SPリーチB(当選期待度高)を設けたものを代表例として示してある。
図38(イ)〜(ハ)から分かる通り、各変動パターンの変動時間は同一でありながらも、連荘回数に応じて変動パターンの選択率が変化し、連荘回数が多くなるに従い、変動時間が相対的に長い変動パターンが選択さ易いようになっている(図38(イ)〜(ハ)も同様)。これにより、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係と同事象の変動状態、つまり「小連荘(高速変動状態)<中連荘(中速変動状態)<大連荘(低速変動状態)」となる変動状態を実現することができる。
なお、本変形例は下記(P1)〜(P15)のように構成することができる。
(P1)「基準テーブル」の平均変動時間を「X秒」、「第1選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Y秒」、および「第2選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Z秒」とした場合、下記関係式(α)を満たす。
「Y/X」<「Z/Y」・・(α)
「確変モード1⇒確変モード2」の平均変動時間の延長率よりも「確変モード2⇒確変モード3」の平均変動時間の延長率の方が大きい。
(P2)「基準テーブル」の最長変動パターンの変動時間を「X秒」、「第1選択率変動テーブル」の最長変動パターンの変動時間をを「Y秒」、および「第2選択率変動テーブル」の最長変動パターンの変動時間を「Z秒」とした場合、下記関係式(β)を満たす。
「Y/X」<「Z/Y」・・(β)
「確変モード1⇒確変モード2」の最長変動パターンの変動時間の延長率よりも「確変モード2⇒確変モード3」の最長変動パターンの変動時間の延長率の方が大きい。
(P3)「基準テーブル」、「第1選択率変動テーブル」および「第2選択率変動テーブル」の通常変動の合算選択率を「X1」、「Y1」、「Z1」とし、
「基準テーブル」、「第1選択率変動テーブル」および「第2選択率変動テーブル」のリーチ変動の合算選択率を「X2」、「Y2」、「Z2」とした場合、下記関係式(γ)を満たす。
「X2」<「X1」、「Y2」<「Y1」、および「Z2」<「Z1」・・(γ)
この場合、ゲーム時間が無闇長くなってしまうことを防止することができる。ただし、基準テーブルを除くテーブルで、逆の合算選択率としてもよい(「Y2」>「Y1」または「Z2」>「Z1」としてもよい)。
(P4)「基準テーブル」、「第1選択率変動テーブル」および「第2選択率変動テーブル」のリーチ変動の合算選択率を「X2」、「Y2」、「Z2」とした場合、下記関係式(ε)を満たす。
「X2」<「Y2」<Z2」・・(γ)
(P5)「第1選択率変動テーブル」、「第2選択率変動テーブル」のNリーチ変動の合算選択率を「Y3」、「Z3」、SPリーチの合算選択率を「Y4」、「Z4」、とした場合、「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」において、下記関係式(ε)を満たす。
「Y4」≦「Y3」、「Z4」≦「Z3」・・(γ)
(P6)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」において、1または複数種類の特定の変動パターンが選択されない(選択率0:抽選対象であるが、選択率が0のために選択されない)。
(P7)「基準テーブル」における最短の通常変動が、「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では選択されない(選択率0)。
(P7)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」における最長のリーチ変動が、「基準テーブル」では選択されない(選択率が0)。
(P8)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では、最長の通常変動の選択率が一番高い。或る変動パターンの「選択率」と称する場合、当該変動パターンが複数ある場合には、これらの合算選択率の意を含む(以下同様)。
(P9)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では、Nリーチ変動の選択率が一番高い。
(P10)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では、SPリーチ変動の選択率が一番高い。
(P11)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」は「基準テーブル」における通常変動の選択率が低く、「基準テーブル」における通常変動の選択率を下げた分が、少なくとも1つのリーチ変動の選択率を高確率にするために振り分けられる。この場合、「第1変動時間<第2変動時間<第3変動時間」の複数種類のリーチ変動が少なくともある場合、第3変動時間のリーチ変動を高確率に変動させ、第1変動時間および第2変動時間のリーチ変動の選択率は変動させない。または、第1変動時間のリーチ変動の選択率は変動させず、第2変動時間および第3変動時間のリーチ変動の選択率を変動させる(この場合、「第2変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅≦第3変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅」または「第3変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅≦第2変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅」とすることができる)。
(P12)基準テーブル」の平均変動時間を「X秒」、「第1選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Y秒」、および「第2選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Z秒」とした場合、最長の変動パターン以外の変動パターンの選択率を変化させて、
「X秒」<「Y秒」<「Z秒」を満たすように構成する。
この場合、選択率を変化させる変動パターン(最長の変動パターン以外の変動パターン)を、「通常変動」であってもよいし、リーチ変動であってもよい。
(P13)「第1選択率変動テーブル」は、基準テーブルにおける1または複数の変動パターンの選択率を変化させたものとし、「第2選択率変動テーブル」は、基準テーブルとは別のテーブルを利用する。
この場合、下記(P13−1)〜(P13−7)の構成とすることができる。
(P13−1)「第2選択率変動テーブル」は、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)よりも、変動パターン(通常変動および/またはリーチ変動)の種類が多い。
(P13−2)「第2選択率変動テーブル」は、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)よりも、変動パターン(通常変動および/またはリーチ変動)の種類が少ないが、平均変動時間が長い。
(P13−3)「第2選択率変動テーブル」の最長の変動パターンは、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)の最長の変動パターンよりも長い。
(P13−4)「第2選択率変動テーブル」の最短の変動パターンは、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)の最短の変動パターンよりも長い。
(P13−5)「第2選択率変動テーブル」は、通常変動よりもリーチ変動が選択され易い。
(P13−6)「第2選択率変動テーブル」と「基準テーブル(第1選択率変動テーブル)」とは、作動保留球数が0の場合に選択対象となる変動パターンが共通である(作動保留球数が0以外の場合に選択対象となる変動パターンが異なる)。
(P13−7)「第2選択率変動テーブル」と「基準テーブル(第1選択率変動テーブル)」とは、作動保留球数が0〜2個の場合に選択対象となる変動パターンが共通である(作動保留球数が3個の場合に選択対象となる変動パターンが異なる)。
(P14)ハズレ時は、基準テーブルの選択率を変化させたテーブルを用いるが、当選時(大当りおよび/または支援時短当選時)は、共通のテーブルを用いる。
(P15)当選時(大当りおよび/または支援時短当選時)は、基準テーブルの選択率を変化させたテーブルを用いるが、ハズレ時は、共通のテーブルを用いる。
(7−2−2.確変モード中の演出について)
次に、確変モード中の演出について説明する。本実施形態では、確変演出モードとして、確変モード1〜3に対応する確変演出モード1〜3が設けられている。図7A(ハ)に、確変演出モード1〜3中の演出例を示す。
図7を参照して、確変演出モード1は、敵機を迎撃する様を表現した演出をなす“迎撃モード”、確変演出モード2は、敵艦隊や敵基地を急降下爆撃により空襲する様を表現した演出をなす“降爆モード”、確変演出モード3は、戦略爆撃機が敵都市を空襲する様を表現した演出をなす“戦爆モード”となっている。換言すれば、確変モード期間は、連荘回数に応じて、小連荘用演出モード、中連荘用演出モード、大連荘用演出モードの3つに区分され、この3つの区分のいずれに滞在しているかは連荘区分演出として、主に、変動パターンのダイナミックな変化(高速、中速、低速という変動状態の変化)、これに伴う演出(背景演出の切り替わり、予告演出など)とにより遊技者に報知される。なお、図示の「右打ち⇒」の表示は、遊技者に右打ちを促す発射誘導報知演出(右打ち指示演出)である。また、保留アイコンについては、図示を省略してあるが、確変演出モード1〜3に対応する保留アイコンが表示される。また図示では、装飾図柄が変動表示中の状態を示しており、作動保留球があれば、現在の演出モード下において装飾図柄変動表示ゲームが順次実行されるものである。
なお、時短大当りに当選した場合は、時短モードに関連する、後述の図7Bに示す「時短演出モード」に移行されるが、連荘中に時短大当りに当選した場合には、連荘中専用の時短モード(たとえば、図43に示す時短モード4(Tcode=「07H」))に移行させ、これに対応する演出モードとして、図7A(ロ)に示すような「連荘中専用の時短演出モード(特殊時短演出モード)」に移行させるように構成してもよい。この特殊時短演出モードは、連荘中専用という点で、たとえば、初当り以外に時短大当りに当選した場合、または所定の連荘回数(たとえば、4連荘(中連荘))以上のときに当選した場合に、移行させることが好ましい。具体的には、図7A(A−1)の「時短大当りはカウント対象外」とするのケースの時短大当り後の時短状態や、図7A(B)の「全大当りをカウント」するケースの3連荘目乃至4連荘目の時短大当り後の時短状態に関連する演出モードとして利用することができる。なお、図7A(B)のケースでは時短大当りがカウント対象となるため、「〇連荘中!」など、現在の連荘回数を報知する演出画像761を表示することが好ましく、図7A(A−1)のケースでは、時短大当りがカウント対象外(ノーカウント)であるため、連荘回数を報知するのではなく、「連荘チャレンジ中」などの演出画像761を表示することが好ましい。図7A(A−2)の「時短大当りの当選で連荘回数をクリア」するケースの場合は、通常通り、時短演出モードに移行させることが好ましい。
(リザルト演出)
なお、連荘中に時短大当り(4R時短大当り)に当選して、その時短回数が終了する最終変動(100回転目)において、リザルト演出を現出させることができる。この「リザルト演出」とは、時短状態が終了となる図柄変動時に所定の遊技情報として、たとえば、それまで獲得した大当りの連荘回数や当り遊技で獲得した総獲得球数(総賞球数)などの最終結果を報知する演出である(たとえば、特開2017−086102号公報:図50図54〜図56等)。ここで、初当りを経由することなく、支援時短が当選して時短状態に突入(移行)した場合、具体的には、有限時短を付与する支援時短Aまたは支援時短Bによる時短状態に突入した場合には、その時短回数が終了する最終変動において、リザルト演出を実行してもよいが、実行しないことが好ましいといえる。その理由は、大当りに1度も当選することなく時短状態に突入し、かつ大当りに当選することなくその時短状態が終了してしまう場合は、総賞球数も非常に少なく、リザルト演出を現出する必要性に乏しいためである。
しかし、初当りを経由する場合には、連荘回数や獲得した総獲得球数(総賞球数)を報知する意義が高まる。よって、初当り以降において、支援時短Aまたは支援時短Bに当選した場合は、その最終変動において、リザルト演出を実行することが好ましいといえる。たとえば、図40の備考欄(3)(4)に示すように、最終変動をリザルト演出用の変動パターンとして、時短モード1の場合は、時短モード1中で最長の通常変動(たとえば、通常変動40s)、時短モード2の場合は、時短モード2中で最長の通常変動(たとえば、通常変動45s)を選択可能に構成し、その演出時間幅(変動時間)を利用してリザルト演出を現出させることができる。この場合、時短モード1と時短モード2とで、異なるリザルト演出(たとえば、遊技情報の表示態様や背景画像などが異なる)を現出することができる。勿論、当該最長の通常変動は、時短モード1および時短モード2で、同一の変動時間または同一の変動パターンとして、同一のリザルト演出(たとえば、遊技情報の表示態様や背景画像などが同一)を現出させてもよい。
(その他の演出について)
また、確変モードに係る演出について、下記(確演1)〜(確演5)に構成することができる。
(確演1)「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に、遊技者参加型演出の出現率を高確率とする。
(確演2)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、先読み予告の出現率を低確率または高確率とする。
(確演3)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、疑似連の出現率を高確率とする(疑似連有り指定の変動パターンの選択率が高くなる)。
(確演4)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、疑似連回数を多くする。たとえば、確変モード1は「疑似2」まで、確変モード2は「疑似3」まで、確変モード3は「疑似4」までなどである。
(確演5)リーチ変動(リーチ演出)に関し、確変モード3は、第1変動時間の第1変動パターンを少なくとも含み、
確変モード2は、第2変動時間の第2変動パターンを少なくとも含むが、当該第1変動パターンは含まず、
確変モード1は、第3変動時間の第3変動パターンを少なくとも含むが、当該第1変動パターンおよび当該第2変動パターンは含まない。
この場合、「第3変動時間<第2変動時間<第1変動時間」の関係を満たすように構成することが好ましい。たとえば、確変モード3は、発展型SPSPリーチ(SPリーチ+SPSPリーチ)の後、全回転演出を行う「発展型特殊リーチ変動」を少なくとも含み、確変モード2は「発展型SPSPリーチ」を少なくとも含むが「発展型特殊リーチ変動」は含まず、確変モード1は少なくともSPリーチを含むが、は「発展型SPSPリーチ」および「発展型特殊リーチ変動」を含まない。この場合、前半区間にて実行されるSPリーチ演出が共通化されたものとなり、SPリーチ演出が現出された際、確変モードの違いによりリーチ演出がどこまで発展するかを楽しむことができるようになる。
またたとえば、確変モード3は、直撃型SPSPリーチ(SPSPリーチ)の後、全回転演出を行う「直撃型特殊リーチ変動」を少なくとも含み、確変モード2は「特定の予告演出の実行を含むSPリーチ」を少なくとも含むが「直撃型特殊リーチ変動」は含まず、確変モード1は少なくともSPリーチを含むが、「特定の予告演出の実行を含むSPリーチ」および「直撃型特殊リーチ変動」を含まない。この場合も同様に、確変モードの違いによりどこまでリーチ演出が発展するかを楽しむことができる。
(7−3.時短モードについて)
次に、「時短モード」について説明する。時短モードは、図示のように、内部遊技状態が確変状態(YJ=01H)に関連する遊技モードであり、変動パターン選択モードが異なる時短モード1〜3(Tcode=「04H」〜「06H」)が含まれる。なお、上述した「特殊時短演出モード」を設ける場合には、時短モード4(Tcode=「07H」)を設けることができる(図7A(ロ)、図42備考欄、図43参照)。この時短モードには、4R時短大当りまたは支援時短A〜Cに当選した場合に移行される(図4参照)。
本実施形態では、4R時短大当り、支援時短A〜Cのいずれかに当選した場合、まず時短モード1に移行されるようになっており、付与される時短回数に応じて時短モード2、時短モード3に移行されうる。すなわち、時短状態における実行ゲーム数に応じて、一の時短モードから他の時短モードに移行される。換言すれば、残余時短回数に応じて、一の時短モードから他の時短モードに移行される。具体的には、図6の「時短モード」のブロック枠および図7Bを参照して、時短回数が100回までは時短モード1に滞在し、時短回数が101回〜200回までは時短モード2に滞在し、時短回数251回以上は時短モード3に滞在するようになっている。
したがって、時短回数100回が付与される4R時短大当りまたは支援時短Aに当選した場合は、時短モード1にのみ滞在し、時短回数200回が付与される支援時短Bに当選した場合には時短モード1および時短モード2に滞在し、無限時短(時短回数65535回)が付与される支援時短Cに当選した場合には、時短モード1〜3に滞在することになる。なお、上記した「上乗せ機能」などにより時短回数が増加しうる場合には、支援時短Aや支援時短Bなどに当選した場合であっても、時短モード2や時短モード3に滞在するケースがあるが、ここでは特に必要のない限り、上乗せ等が無い構成を中心に説明する。
(7−3−1.時短モードの特徴点)
次に、本実施形態に係る時短モード(確変モード1〜3)の特徴点について説明する。既に説明したように、時短モード1〜3は、変動パターン選択モード(Tcode)がそれぞれ異なる遊技モードであり(図39〜図40、図43参照)、時短モード1〜3に対応した変動パターン振分テーブル(図39、図40参照)が選択される。これを利用して、時短モード1〜3がそれぞれ特徴有る時短モードを作り出すことができる。この点は、既に説明した確変モードと同様の手法による。
本実施形態の時短モードは、平均消化時間の関係が、「時短モード1<時短モード2<時短モード3」を満たすように定められている(図7Bの備考2を参照)。つまり、時短回数が相対的に多くなるほど、換言すれば、遊技モードがステップアップするごとに、平均消化時間が短時間に制御されるようになっている。この点、遊技モードがステップアップするごとに平均消化時間が長時間に制御される確変モードとは異なる。時短モードに係る平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係を、「時短モード1<時短モード2<時短モード3」に定める理由は、次の通りである。
時短モード(時短状態)中は、確変モード(確変状態)中とは異なり、大当り抽選確率が低確率の電サポ状態であるため、確変モード下よりも大当りに当選しにくい遊技状態である。そこで本実施形態では、図柄変動表示ゲームの平均消化時間の緩急を付け、時短モード下における遊技が単調化してしまうことを防止している。具体的には、時短モード1、2の場合には、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が長い「低速変動状態」または「中速変動状態」として「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技モードとし、時短モード3の場合には「高速変動状態」として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技モードとしている。特に、平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係を「時短モード1<時短モード2<時短モード3」とした場合には、下記のような利点がある。
本実施形態では、従来の時短回数100回よりも多い時短回数が付与されうる。特に時短回数が200回や無限時短などのように、時短回数を消化するまでに長時間となりうる回数が付与された場合、ゲーム消化スピードが遅く、ダラダラと時短回数を消化していくのでは、遊技者にストレスや不満感を与えてしまう。そこで、時短状態中のゲーム実行回数が増加していくに従い、ゲーム消化スピードを上昇させ、出来るだけ短期間のうちに、次の大当りの当選を狙うことができるようにしている。具体的には、図40の「時短中ハズレ変動パターン振分テーブル」を参照し、時短モード1では、通常変動4sが選択され易いようにし、時短モード2では、通常変動2sが選択され易いようにし、時短モード3では、通常変動1s(最短通常変動)が選択され易いようにし、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に、ゲーム消化スピードを上昇させることを実現している。
上記のように、図柄変動表示ゲームの平均消化時間に関し、「時短モード1(低速変動状態)<時短モード2(中速変動状態)<時短モード3(高速変動状態)」の関係性を持たせるために、本実施形態の時短モード1、2、3では、特に、遊技進行上、最も多く遭遇しうるハズレ時に参照される「ハズレ変動パターン振分テーブル(図40)」に関し、下記(J1)〜(J20)のような構成とすることが好ましい。なお本発明は、必ずしも、3つの時短モード1〜3の関係性に限定されるものではない。すなわち本発明は、時短状態のゲーム実行回数(変動回数)が所定回数未満に係る時短モード(以下「時短モードA」と称する)と、当該所定回数以上に係る時短モード(以下「時短モードB」と称する)とを少なくとも設け、時短モードAと時短モードBとの平均消化時間を比較した場合に、「時短モードA<時短モードB」の関係を満たす構成であればよい。以下、“「時短モードA⇒時短モードB」の順に”と称する場合は、“「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に”の意味も含まれる。
(J1)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、通常変動の平均変動時間を短くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(J2)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の平均変動時間を短くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(J3)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、選択率が最も高い通常変動の変動時間を短くする。
(J4)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、選択率が最も高いリーチ変動の変動時間を短くする。
(J5)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、通常変動の選択率を高くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(J6)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の選択率を低くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(J7)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、各モードにおける最短の通常変動の変動時間を短くする。
(J8)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、各モードにおける最短のリーチ変動の変動時間を短くする。
(J9)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、通常変動の種類を多くする。
(J10)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の種類を少なくする。
(J11)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、第2変動時間以上の変動パターンの種類を少なくする。「第2変動時間以上の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(J12)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、第1変動時間以下の変動パターンの種類を多くする。「第1変動時間以下の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(J13)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モードAには第2変動時間以上の変動パターンがあり、時短モードBには第2変動時間以上の変動パターンが無い。
(J14)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モードAには第1変動時間以下の変動パターンが無く、時短モードBには第1変動時間以下の変動パターンがある。
(J15)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モード1および時短モード2には、第2変動時間以上の変動パターンがあり、時短モード3には第2変動時間以上の変動パターンが無い。
(J16)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モード1および時短モード2には、第1変動時間以下の変動パターンが無く、時短モード3には第1変動時間以下の変動パターンがある。
(J17)時短モードAと時短モードBにおいて、変動開始時における作動保留球が0ときに選択される変動パターンの変動時間を共通(同一または略同一でもよい)の変動時間とし、作動保留球が0以外の場合には変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。たとえば、時短モード1〜3において、作動保留球数が0の場合には、通常変動8s種別(本例の場合、時短中通常変動8s、時短中通常変動8s、時短中通常変動8s)のみが選択されるようにし、作動保留球が0以外の場合には、変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。この場合において、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、作動保留球が0以外の場合に選択され易い変動パターンの変動時間を長くする。
(J18))時短モードAと時短モードBにおいて通常変動は共通とし、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の選択率を低確率とする。たとえば、時短モード1〜3において通常変動は共通とし、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に、リーチ変動の選択率を低確率とする。
(J19)時短モードAと時短モードBとにおいて通常変動は共通とし、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を低確率とする。たとえば、時短モード1〜3において通常変動は共通とし、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を低確率とする。
(J20)時短モードAと時短モードBとを比較した場合、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、当選の場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。また、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、ハズレの場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。なお「当選」とは、「当り当選」および/または「支援時短当選」を意味する。
なお、本実施形態では、時短モード1〜3で共通の時短中リーチA、時短モード1と時短モード2で、共通の時短中リーチA、Bが選択可能となっているが、本発明はこれに限らず、図柄変動表示ゲームの平均消化時間に関して「時短モード1(低速変動状態)<時短モード2(中速変動状態)<時短モード3(高速変動状態)」の関係性があれば、時短モード1〜3の少なくとも1つの時短モードにおいて、他の時短モードとは異なるリーチ変動が選択されるように構成してもよい。
なお、本実施形態の場合、時短モード3に移行された後は、大当りに当選または時短回数を消化するまで、時短モード3から他の遊技モードに移行されない。しかし、本発明はこれに限らず、時短モード3中に所定のゲーム回数(変動回数)が実行された場合、他の遊技モード(時短モード1または時短モード2)に移行させてもよい。時短モード3は「高速変動状態」であるためゲーム消化スピードがテンポよく進むが、同じ遊技モードが長期間にわたり継続してしまうと、遊技者に倦怠感を与えてしまったり、遊技が単調化したりしてしまう。したがって、時短モード3中に所定のゲーム回数が実行された場合、他の時短モードに移行させることが好ましいといえる。遊技モードの移行は、「時短モード3⇒時短モード2または時短モード1」という移行形態に限らず、「時短モード3(第1変動回数消化)⇒時短モード2(第2変動回数消化)⇒時短モード1」や、「時短モード3(第1変動回数消化)⇒時短モード1(第2変動回数消化)⇒時短モード2」としてもよい。なお、第1変動回数G回とし、第2変動回数H回とした場合、「G回」=「H回」、「G回<H回」、または「G回>H回」とすることができる。
(7−3−2.時短モード中の演出について)
本実施形態では、時短演出モードとして、時短モード1〜3に対応する時短演出モード1〜3が設けられている。図7Bに、時短演出モード1〜3中の演出例を示す。
図7Bを参照して、時短演出モード1は、潜水艦同士が戦う様を表現した演出をなす“水中音響戦モード”、時短演出モード2は、艦隊同士の戦う様を表現した演出をなす“水上戦モード”、時短演出モード3は、戦車同士が戦う様を表現した演出をなす“陸戦モード”となっている。換言すれば、時短モード期間は、時短状態中のゲーム実行回数に応じて、時短モード1〜3の3つに区分され、この3つの区分のいずれに滞在しているかは、上記した確変モードと同じく、主に、変動パターンのダイナミックな変化(高速、中速、低速という変動状態の変化)、これに伴う演出(背景演出の切り替わり、予告演出など)とにより遊技者に報知される。
また、時短大当りにより時短モードに移行した場合と、支援時短により時短モードに移行した場合とで、演出ステージを異なるものとしてもよい。この場合、時短大当りと支援時短とで同じ時短モード(Tcodeが同一)でありながら、それぞれの演出ステージに応じた背景演出、装飾図柄、保留アイコン、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)、各種の予告演出、および先読み予告(変動中先読み予告および/または保留変化予告)などの演出の少なくとも1つの演出を異なる演出態様とすることができる。これにより、時短大当りと支援時短とで同一の時短モードに移行させながらも、大当りによる時短状態なのか支援時短による時短状態なのかを演出的に区別して報知することができる。
(支援時短当選に係る予告演出について)
支援時短には、既に説明したように、「特電作動型支援時短」と「特電非作動型支援時短」とがあるが、いずれにしても、大当り遊技のようなラウンド遊技が実行されず、無限時短のような高時短回数を付与する支援時短などの例外はあるが、基本的には、大当りよりも利益度合が低いものである。このため、支援時短の当選した図柄変動表示ゲーム中の予告演出などで、大当り当選時のような派手な煽り演出を現出させてしまうと、遊技者の期待感を過度に煽ってしまう。そこで、支援時短が当選した場合には、予告演出として、大当り当選を確定的に報知する「当確演出」は現出させないことが好ましい。たとえば、保留変化予告であれば、プレミアム保留の虹色保留は現出させない(プレミアム保留を実行しない遊技機の場合は、大当り当選時における最高当選期待度の保留変化予告を現出させない)、変動中の予告演出であれば、当確を示す特定のキャラクタやアイテムを表示しない、などである。換言すれば、支援時短が当選した場合、少なくとも大当り当選時における最高期待度を示す高期待度予告演出を除く、高期待度予告演出を現出させることができる。ただし、支援時短の中でも最高利益を持つ無限時短を付与する支援時短(本実施形態では、支援時短C)に限り、大当りと同じ当確演出を実行可能に構成してもよい。また、支援時短が当選した場合に、大当りと同じ当確演出は現出しないが、支援時短用の当確演出を実行してもよい。
また、先読み予告において、支援時短当選の作動保留球保が発生した場合は、所定のゲーム数(たとえば、最大保留記憶数分(本実施形態の場合は4回))、先読み予告を禁止してもよい。また、支援時短による時短状態の開始後、所定のゲーム数(たとえば、最大保留記憶数分)、先読み予告を禁止してもよい。
(始動口に係る入賞演出について)
上始動口34および/または下始動口35への入賞があった場合に「入賞演出」を実行可能に構成した場合において、大当りによる時短状態と支援時短による時短状態とで異なる入賞演出を実行可能に構成することができる。なお、大当りによる時短状態の場合は入賞演出を実行せず、支援時短による時短状態の場合は入賞演出を実行するように構成してもよい(その逆でもよい)。
(残余時短回数報知演出について)
また、時短モード(時短状態)中は、残余時短回数を演出的に報知する「残余時短回数報知演出(たとえば、カウントダウン表示)」を現出可能に構成されている。残余時短回数報知演出は、少なくとも支援時短Aと支援時短B(有限時短付与の支援時短)とで同じ演出態様(カウントダウン表示態様が同じ)としてもよいし、時短大当りと支援時短(支援時短Aおよび/または支援時短B)とで同じ演出態様としてもよい。また、支援時短の種類に応じて異なる演出態様としてもよいし、時短大当りと支援時短とで異なる演出態様としてもよい。前者の同じ演出態様とする場合は、同じ区切り、時短残余回数が所定回数に達した場合に、カウントダウン表示を開始することが好ましい。たとえば、残り10回から最終変動までカウントダウン表示を行う。後者の異なる演出態様とする場合は、異なる区切りで、カウントダウン表示を開始することができる。たとえば、4R時短大当りの場合は、残り50回からカウントダウン表示を開始し、支援時短A(または支援時短B)の場合は、残り10回からカウントダウン表示を開始することができる。
なお、有限時短の場合は、残余時短回数報知演出を実行するが、無限時短の場合には残余時短回数報知演出を現出させなくともよい。また、無限時短の場合は「残り∞回」や「次回大当りまで継続」などのように、残りの時短回数が無限回数であることを報せる演出を現出させることが好ましい。
(秘匿型残余時短回数報知演出について)
また、いずれの支援時短が当選したことを演出的に秘匿状態としてもよい。たとえば、各支援時短で当選したゲーム中の演出(予告演出等)を共通の演出を現出させ、残余時短回数報知演出の演出も共通の演出態様、たとえば、「残り回数???回」や「残り回数〇〇回(いずれの支援時短が当選しても同じ初期値を表示し、カウントダウン表示をする)」や「0回(初期値をゼロからスタートさせ、カウントアップ表示する)」とすることができる。これにより、時短回数が秘匿され、何回続くか分からない(いつ終了するのか分からない)という緊張感を与えることができる。
なお、上記「残り回数〇〇回」などと表示をし、カウントダウン表示を実行する場合には、次に述べるような残余時短回数報知演出とすることが好ましい。たとえば、支援時短A〜Cのいずれが当選した場合も、時短回数が最も少ない「100回」を表示する。そのカウントがゼロになったときに、100回よりも多い時短回数が付与される支援時短Bまたは支援時短Cに当選していた場合は「+50回!」「+100!」などの上乗せ表示演出を行い、さらに時短状態が続くことを報知する。一方、カウントアップ表示の場合は、いずれの支援時短が当選した場合も、ゼロ表示からカウントアップ表示をしていき、所定回数に到達した場合、または所定回数に到達する毎に「まだまだ続くよ!」「あと残り50!」「無限時短確定!」などの上乗せ表示演出を行い、さらに時短状態が続くことを報知する。いずれのも場合も、時短終了か否かを煽る演出を行った後、上乗せ表示演出を行うことが、遊技者の緊張感を煽る上で好ましい。
なお、支援時短による時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出」を実行せず、大当りによる時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出を実行してもよい。また、大当りによる時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出を実行せず、支援時短による時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出」してもよい。
(支援時短の当選ゲーム(当り変動パターン)に係る演出について)
また、通常モード(通常状態)において、今回のゲームで支援時短に当選した場合、当該ゲーム中で支援時短当選を報知する当選演出、次ゲームから「電サポ有り状態」が生起する点を考慮し、たとえば、図6(イ)に示す「時短突入報知演出779」を現出させることができる。図示の例では、「時短に突入するよ」をいう文字画像による時短突入報知演出779を表示し、さらに、装飾図柄(通常は、たとえば、数字図柄)が、支援時短当選専用図柄“「時」「☆」「短」”で停止表示している状態を示している。これにより、時短状態に突入する旨が事前報知されるようになっている。
斯様な「時短突入報知演出」を現出する理由は、次の通りである。支援時短が「特電非作動型支援時短」である場合、今回のゲームが終了(変動時間が終了)すると、極短時間の確定表示時間(500ms)の経過後に時短状態に突入してしまう(図10の特別図柄変動中処理(ステップS307)、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)参照)。このため、右打ちが有利になることを早めに報知し、時短状態中に遊技者が「左打ち」を続行してしまう(不利益を被る)ことを防止するためである。なお、支援時短の当選ゲーム中に、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)を現出してもよい。ただし、この段階では時短状態ではなく通常状態であるため、遊技者が先走って右打ちをしてしまった場合には、左打ちを促す発射誘導報知演出(左打ち指示演出(警告報知))を行ってもよい。この場合、右打ち指示演出よりも左打ち指示演出の方を優先表示(表示優先度が高い)することが好ましい。なお、通常状態中に右打ちしているか否かの判断は、普通図柄始動口37に遊技球の入球(通過)を検出した否かにより判断することができる。一方、「特電作動型支援時短」の場合は、支援時短開閉遊技が実行された後に時短状態に突入するため、その支援時短開閉遊技中(たとえば、開始INT中)に、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)を現出すればよく、特に問題は生じない。
また、支援時短の当選ゲームでは、通常の確定表示時間(500ms)とは異なる確定表示時間とすることができる。たとえば、通常の確定表示時間(500ms)よりも長時間(たとえば、1秒〜数秒程度)とすることが好ましい。この場合、長時間の確定表示時間を利用して、上記「時短突入報知演出」を実行するための余裕演出時間幅を十分確保できるという利点がある。また、当選ゲームの実行時間(当り変動時間)が終了した後、通常よりも長い確定表示時間が介在するため、遊技者が有る程度の余裕を持って、「左打ち」から「右打ち」へと発射操作ハンドル15の操作することができるという利点もある。なお、支援時短の当選ゲームに限り、当選ゲーム中の所定期間、或いは、少なくとも確定表示時間を利用して「右打ち報知」(たとえば、右打ち報知画像779などの右打ち指示画像)を事前に実行してもよい。
(時短モード移行の変形例)
また本実施形態では、時短大当りと支援時短とで、先ず共通の「時短モード1」に移行させるようにしているが(制御負担軽減に寄与)、遊技性や演出の多彩化を目的として、異なる時短モードに移行させてもよい。たとえば、時短大当りの場合は時短モード1、支援時短の場合は時短モード2に移行させる、などである。この場合、同じ時短回数を付与する4R時短大当りと支援時短Aとで、異なる時短モード(変動状態)に移行させることができる。この場合、時短大当りの最終変動と支援時短の最終変動の変動パターン(変動時間)を異なるものとしてもよい。たとえば、4R時短大当りよりも支援時短の方が、最終変動の変動時間を短時間とすることができる。また、時短大当りと支援時短とで、異なる時短モードに移行させることにより、たとえば、4R時短大当りによる時短状態は、低速変動状態下で遊技を進行させ、支援時短Aの場合は中速または高速変動状態下で遊技を進行させることができ(通常変動の変動時間または平均変動時間が異なる)、遊技性や演出を多彩なものとすることができる。この場合、後述の装飾図柄の停止動作パターンを同じとしてもよいが、異なるものとすることが好ましい。
また、複数種類の支援時短のうち、特定の支援時短に当選した場合には、他の支援時短が当選した場合とは異なる時短モードに移行させてもよい。たとえば、有限時短を付与する支援時短Aと支援時短Bの場合は、時短モード1(低速変動状態)または時短モード2(中速変動状態)に移行させ、無限時短を付与する支援時短Cは時短モード3(高速変動状態)に移行させる、などである。すなわち、複数種類の支援時短の一部または全部で、異なる時短モードに移行させてもよい。なおこの場合、支援時短Cの場合は、低速変動状態の時短モード1以外に移行させることが好ましい。
(有限時短について)
ここで、支援時短による有限時短を付与する場合には、下記のような付与形態(Ω1)〜(Ω4)とすることができる。
(有限時短付与形態Ω1)
大当りによる時短回数が複数種類(種類数A)ある場合、支援時短による時短回数(時短状態)の種類は、それよりも少ない種類(種類数B)に定める。具体的には「種類数B<種類数A」の関係を満たすように構成する。本実施形態の場合、図4に示す通り、大当りによる時短回数は、100回(時短A)と50回(時短B)の2種類(種類数A)存在するが、支援時短による時短回数を1種類(たとえば、時短100回)だけを付与するように構成する。なお、「種類数B<種類数A」の関係を満たすのであれば、支援時短は、大当りによる時短回数とは異なる時短回数(たとえば、150回)を付与してもよい。また、支援時短による時短回数(時短状態)の種類を2種類以上設けてもよい(この場合は「2≦種類数B<種類数A」の関係とする)。
(有限時短付与形態Ω2)
時短大当りによる平均時短回数Nとし、支援時短による平均時短回数Mとした場合、下記(式1)〜(式3)の関係を満たすように構成することができる。
(式1)「平均時短回数N<平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。本実施形態の場合、大当りによる平均時短回数Nは75回であるので、支援時短による平均時短回数Mをこれよりも多い時短回数(たとえば、100回以上)とする。この場合、支援時短による時短状態の方が大当りによる時短状態よりも利益度合が高くなるため、ハマリ中の遊技者にとっては、嬉しいサポート特典になりうる。なお、平均時短回数Mは、無限回数としてもよい。
(式2)「平均時短回数N=平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。この場合は、大当りによる時短状態と、支援時短による時短状態とが同等の利益度合となる。なお、時短大当りによる時短状態と支援時短による時短状態の双方に「無限時短」が含まれてもよい。この場合も「平均時短回数N(無限回数)=平均時短回数M(無限回数)」となり、当該(式2)満たす。
(式3)「平均時短回数N>平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。この場合は、支援時短による時短状態の方が大当りによる時短状態よりも利益度合が相対的に低くなるため、支援時短が過度な特典付与とならない「サポート特典」としての位置付けを保持することができる。なお、時短大当りによる時短状態に「無限時短」が含まれてもよく、この場合は、支援時短による時短状態に「無限時短」は含まない。
(有限時短付与形態Ω3)
(4)上記(式3)と同じく、過度な特典付与とならないようにするという点に着目して、少なくとも「支援時短による時短回数≦大当りによる最大時短回数」の関係を満たすような時短回数を定める。本例であれば、支援時短による時短回数を、時短大当り1による「時短A」の時短回数(100回)以下、たとえば、100回、90回などである。また、複数の支援時短を設けた場合、大当りによる最小時短回数に着目して、「大当りによる最小時短回数≦支援時短による時短回数<大当りによる最大時短回数」の関係を満たす時短回数であってもよい。本実施形態であれば、支援時短による時短回数を、時短大当り2による「時短B」の時短回数(50回)以上、時短大当り1による「時短A」の時短回数(100回)未満、たとえば、50回、60回などである。なお、時短大当りによる時短状態に「無限時短」が含まれてもよく、この場合、支援時短による時短状態に「無限時短」は含まない。また、大当りによる最小時短回数が100回以上であってもよく、上記(式3)を満たすものであれば、支援時短による時短回数が100回以上のものであってもよい。
(有限時短付与形態Ω4)
時短大当りまたは支援時短に関し、低確率時の大当り抽選確率の確率分母よりも多い時短回数を付与することができる。また、低確率時の大当り抽選確率の確率分母と同一または略同一の時短回数を付与することができる。なお、確率分母が自然数ではない場合は、小数点以下を切り捨てた値を時短回数としてもよい。また、確率分母が100未満の場合は「十の位の値×10」、1000未満の場合は「百の位の値×100」を時短回数として採用してもよい。確率分母と同一または略同一或いは近似値を採用することにより、支援時短による時短状態中に、適度な連荘を生起させることができる(64%程度の連荘率とすることができる)。
(潜確状態に係る遊技モード)
なお、潜確状態を設ける場合は、他の遊技状態に対応するTcode、YJ(図43参照)とは異なるデータ値を定めればよい。これにより、遊技モードや演出モードとして、「潜確モード」や「潜確演出モード」を設ければよい。なお、本実施形態に係る確変モードは、「確変状態」に対応する遊技モードであるとして説明したが、これに限らず、確変モードの全部または一部を潜確状態」に対応する遊技モードとして扱うこともできる。また、潜確モード(潜確状態)下の変動状態は、通常モードと同一または略同一の変動状態か、または、少なくとも時短モードよりも遅い変動状態(平均消化時間が相対的に長い変動状態)とすることが好ましい。
<主制御部側の処理:図8〜図15>
次に図8〜図15を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、無限ループ状のメイン処理(主制御側メイン処理:図8)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図9)とを中心的に構成される。
<12.主制御側メイン処理:図8>
図8を参照して、主制御部20側のメイン処理(主制御側メイン処理)について説明する。図8は、主制御側メイン処理の詳細を示すフローチャートである。
主制御側メイン処理の開始契機には、停電状態や電源異常などからの復旧時におけるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことにより、ウォッチドッグタイマ(WDT)機能が発揮されてCPUが強制的にリセット(WDTリセット)された場合などがある。いずれの場合でも、主制御側メイン処理が開始されると、主制御部20(CPU201)は、まず、電源投入時処理の一環として、遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。
ステップS011の初期設定処理を終えると、次いで、設定値を変更可能な設定変更モード移行状態であるか否かを判定する(ステップS014)。本実施形態では、遊技機1への電源オフおよび扉開放(扉開放センサ61がON(開放検出))の状態において、設定キースイッチ94(設定変更モード側に操作)およびRAMクリアスイッチ98をON操作したまま(設定キースイッチ信号と、RAMクリア信号とが共にON)、遊技機1の電源を投入すると、設定変更モード移行条件を満たしたとして、設定値の変更操作が可能な設定変更許容状態(設定変更モード移行状態)に制御される。
設定変更モード移行状態の場合(ステップS014:YES)、設定値(1〜6段階)の変更操作を管理する設定変更処理を実行する(ステップS023)。この設定変更処理では、まず、領域内RAMの設定値格納領域に格納されている設定値Nc(設定値データ)が異常値(設定1〜6に対応する00H〜05H以外の値)であるか否かを判定する。正常な遊技動作であれば、設定値格納領域には、設定1〜6に対応して‘00H〜05H(正常値)’のいずれかの設定値データ(設定値Nc)が格納されている。しかし、何らかの不具合により設定値データが破損して、設定1〜6のいずれにも対応しない値が設定されている場合もありうる(設定異常エラー)。そこで、設定値Ncが正常値でない場合には、設定値格納領域をゼロクリアして、初期値の00H(ここでは、設定1)に戻す。
初期値に戻した場合か正常値である場合は、現在の設定値を設定表示器97に表示する。その後、設定変更スイッチ95のON/OFF操作を監視し、設定変更スイッチ95のON操作がある毎に、現在の設定値Ncを変更(更新)する。設定変更中(設定変更操作中)の設定値については、既に説明したように、設定変更スイッチ95を操作するごとに、設定1〜6の範囲で循環式に切り替わり、設定表示器97に設定変更中における現在の設定値が表示されるようになっている。そして、設定変更完了スイッチ96のON操作を確認した場合、設定値が確定されたとして、現在の設定値Nc(設定作業値)をRAM203の設定値格納領域に格納する。これにより、設定変更処理を抜ける。そして、処理状態を後述の領域内RAMクリア処理(ステップS031)に移行させる。
なお、設定変更スイッチ95を設けずに、RAMクリアスイッチ98を設定変更スイッチ95として機能させる構成としてもよい。RAMクリアスイッチ98を押下するごとに、設定1〜6のいずれかの設定値を選択可能に構成することができる。また、設定変更完了スイッチ96を設けずに、設定キースイッチ94を設定変更完了スイッチ96として機能させる構成としてもよい。この場合、設定キースイッチ94をOFFにすることにより、設定変更操作を終了させることができる。
一方、設定変更モード移行状態でない場合(ステップS014:NO)、RAMの内容をチェックして、その異常の有無を判定する(ステップS015)。具体的には、設定値格納領域における設定値データ(設定値Nc)が正常値であるか否か、バックアップ時のチェックサム値が正常値であるか否かなどをチェックする。RAMの内容に異常がある場合(ステップS015:YES)、後述のRAM異常時に係る電源再投入待ち処理(ステップS020)を実行する。
RAMの内容に異常がない、つまり正常である場合(ステップS015:NO)、次いで、バックアップフラグBFがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS016)。このバックアップフラグBFは、後述する電源異常チェック処理(図9のステップS081)の処理にて、正常にバックアップ処理が実行された場合に「5AH(正常値)」が領域内RAMのBFフラグ格納領域に設定される。したがって、正常時であれば、バックアップフラグBFが5AHのはずである。しかし何らかの不具合が生じてバックアップフラグBFが正常値(≠5AH)でない場合もありうる。そこで、バックアップフラグBFがON状態でない場合(ステップS016:NO)、電源再投入待ち処理を実行する(ステップS020)。
ステップS020の電源再投入待ち処理では、遊技処理の進行を強制的に停止させる遊技停止状態に制御する。具体的には、電源再投入コマンドを送信し、バックアップフラグBFをクリアした後、電断が発生するまで、WDTをクリアするWDTクリア処理と電源異常信号のON状態の確認(電断の確認)処理(電源異常チェック処理)を繰り返すようになっている。なお、RAMエラーが発生した場合には、電断が確認されるまでWDTクリア処理を実行し、無限ループ処理を繰返しているタイミングで、WDTリセットが生起しないようになっている。また、電源再投入コマンドを演出制御部24が受けると、RAMエラー報知(電源再投入指示演出)として、液晶表示装置36に「RAMエラー 電源を再投入して設定値を1に決定してください」等の演出画像を表示し、装飾ランプ45等の演出用LEDを全消灯し、スピーカ46を消音状態にする。
電源再投入待ち処理が実行されて遊技停止状態となった場合には、遊技機1の電源を再投入し、その再投入時に上記設定変更モード移行状態に設定されるように操作して、設定変更処理(ステップS023)が実行されない限り、現在発生中のRAMエラー状態が解消できないようになっている。本実施形態では、設定変更処理(ステップS023)が実行された後(設定異常エラーの場合には設定値格納領域がクリアされた後)、後述のステップS031の領域内RAMクリア処理が実行されることで、実質的にRAM203の全領域(ただし、性能表示に関するRAM領域(領域外RAM領域)は除く)がクリアされ、これにより、RAM203が初期状態に戻り、RAMエラーが解消されるようになっている。
バックアップフラグBFがON状態である場合(ステップS016:YES)、RAMクリアモード移行状態であるか否かを判定する(ステップS025)。本実施形態では、遊技機1への電源オフの状態において、設定キースイッチ94をOFF操作し(設定変更モード側に操作しない)、RAMクリアスイッチ98をON操作した状態で(設定キースイッチ信号OFF、RAMクリア信号ON)遊技機1への電源を投入すると、RAMクリア移行条件を満たしたとして、RAMクリアモード移行状態に制御される。
RAMクリアモード移行状態である場合(ステップS025:YES)、領域内RAMクリア処理を実行する(ステップS031)。この領域内RAMクリア処理では、RAM203の記憶領域のうち、少なくとも性能表示に係る領域外RAM領域と、領域内RAM領域のうち上記設定値格納領域とを除く記憶領域がクリアされる。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグBFの値やチェックサム値などは、本処理において、共にゼロクリアされる。またここでは、RAMクリア時に必要な各種のコマンド(たとえば、RAMクリアされた旨を示す「RAMクリアコマンド」、「客待ち中コマンド」など)を演出制御部24に送信する。演出制御部24がRAMクリアコマンドを受けると、RAMクリアを報知する初期化報知演出を実行し、初期状態の演出モードとして、演出モードを「通常演出モード」に設定する。すなわち、領域内RAMクリア処理が実行されると、遊技モードが初期モードの通常モードに設定され、演出モードも通常モードに関連する通常演出モード(たとえば、ノーマル(通常A演出モード)、シンプル(通常B演出モード)、プレミアムモード(通常C演出モード)のいずれか)に設定されることになる。
ステップS031の領域内RAMクリア処理を終えると、次いで、RAMクリア時の初期設定処理(電源投入時初期データ設定処理)を実行する(ステップS032)。電源投入時初期データ設定処理では、たとえば、RAMクリア信号(セキュリティ信号の一つ)の送信用タイマに30000msをセットし、特別図柄表示装置38a、38bに表示する特別図柄(特図1停止図柄、特図2停止図柄)データとして、ハズレ図柄データを設定する。そして、後述のCTCの設定処理(ステップS036)を実行する。
ステップS025の説明に戻り、RAMクリアモード移行状態でない場合(ステップS025:NO)、次いで、現在の設定値を確認可能な設定確認モード移行状態(設定確認許容状態)であるか否かを判定する(ステップS026)。本実施形態の場合、遊技機1への電源オフの状態において、設定キースイッチ94をON操作し、RAMクリアスイッチ98をOFF操作した状態で(設定キースイッチ信号ON、RAMクリア信号OFF)、遊技機1への電源を投入すると、設定確認モード移行条件を満たしたとして、設定確認モード移行状態に制御される(ステップS014〜S026参照)。
設定確認モード移行状態である場合(ステップS026:YES)、現在の設定値を確認可能な設定確認状態に制御するための設定確認処理(ステップS027)が実行され、設定確認処理を終えると、続いて、電断時にバックアップされたバックアップデータから遊技処理を復帰させるバックアップ復帰処理(ステップS028)を実行する。ステップS027の設定確認処理では、設定表示器97に、現在の設定値を表示(設定確認表示)させるための表示処理を行う。設定値の表示は、設定キースイッチがOFF操作されることで終了されるようになっている。そして、設定キースイッチ94がOFF操作された後は、上記バックアップ復帰処理を行い、後述のCTCの設定処理(ステップS036)を実行する。
一方、設定確認モード移行状態でない場合(ステップS026:NO)、つまり、単に遊技機1に電源を投入した場合は、上記バックアップ復帰処理(ステップS028)を行い、バックアップデータに基づき、バックアップ時の遊技処理を復帰させる。
上記した設定変更処理(ステップS023)、領域内RAMクリア処理(ステップS031)、設定確認処理(ステップS027)、およびバックアップ復帰処理(ステップS028)のいずれかの処理を実行した後は、CTCの設定処理を実行する(ステップS036)。ここでは、4ms毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定処理を実行する。これにより、以後、割込コントローラへの割込要求信号が定期的に出力され、図9に示す主制御側タイマ割込処理(4ms割込み処理)が実行される。
そして、遊技開始可能状態が整ったとして、発射装置32の発射動作を許可する発射制御信号(発射許可信号ES)をOFF状態(発射禁止状態)からON状態(発射許可状態)に設定し、遊技開始コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS037)。これにより、発射装置32からの遊技球の発射動作が許容される。また、演出制御部24が上記遊技開始コマンドを受けると、可動体役物に関する初期動作(イニシャライズ動作)を実行する。ただしイニシャライズ動作中は、液晶表示装置36の画像表示態様、装飾ランプ45の発光態様、スピーカ46からの音出力については変化しない。ここでのイニシャライズ動作は、専ら、可動体役物に関する電源投入時の動作チェックである。
なお、上記ステップS028のバックアップ復帰処理の実行後、ステップS036のCTCの設定処理を実行する前段階において、性能表示器99が正常に動作しているか否かの確認動作を実行するために必要な「動作確認設定処理」を実行可能に構成してもよい。この性能表示器99の確認動作では、たとえば、4個の7セグ表示器99a〜99dの表示態様を、所定時間(たとえば、5秒間)、全点灯と全消灯とを周期的に繰り返す「全点滅表示(動作確認表示)」態様に制御する(動作確認表示処理)。これにより、セグメント欠け等の不具合をチェックすることが可能になる。この場合、動作確認に関する表示処理は、後述の主制御側タイマ割込処理中の性能表示モニタ処理(ステップS102:領域外プログラム)で行う。性能表示器99によるベース値の表示は、ステップS036のCTCの設定処理後、主制御側タイマ割込処理中の性能表示モニタ処理(ステップS102)にて実行されるため、設定変更処理(ステップS023)や設定確認処理(ステップS027)中は、性能表示器99によるベース値の表示はこの段階では実行されない。この点を利用して、性能表示器99の4つのセグ99a〜99dのうち、少なくとも1つのセグを設定表示器97として利用可能に構成し、性能表示器99を一時的に設定表示器97として機能させる構成としてもよい。この場合、設定表示器97を性能表示器99で代用できるため、制御負担の軽減やコスト削減に寄与することができる。
上記一連の電源投入時処理を終えると、通常の遊技進行に係るステップS040〜S045の無限ループ処理を実行する。これにより、遊技の進行が可能な遊技開始可能状態下に制御される。ループ処理に入ると、まずCPUを割込み禁止状態に設定した状態で(ステップS040)、各種乱数更新処理を実行する(ステップS041)。この各種乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種のソフトウェア乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している乱数)を更新する。たとえば、図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数、補助当りの図柄抽選に利用される普通図柄判定用乱数)の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数など)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数などを更新する。
上記各種乱数更新処理(ステップS041)を終えると、次いで、領域外プログラムの性能表示モニタ集計除算処理を実行する(ステップS043)。この性能表示モニタ集計除算処理では、性能表示器99に表示するベース値の算出に必要な処理を実行する。
上記ステップS043の性能表示モニタ集計除算処理を終えると、割込み許可状態に設定して(ステップS045)、ステップS040の処理に戻り、以後、ステップS040〜S045の処理を繰り返し実行する(メインループ処理)。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理と性能表示モニタ集計除算処理とを繰り返し実行するようになっている。
<13.主制御側タイマ割込処理:図9>
次に図9を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図9は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図9において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容を保存することなく、直ちに電源異常チェック処理を実行する(ステップS081)。この電源異常チェック処理では、不図示の電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断などの電源異常が生じた場合には、バックアップフラグBFの設定(BF←5AH)、チェックサム値を算出するチェックサム演算(ここでは、領域内RAMを対象とする8ビット加算演算処理)、その演算結果の記憶などを含むバックアップ処理を行う。電源異常チェック処理は、電源遮断後もRAMの所定領域のデータを保持するバックアップ手段として働く。
次いで、タイマ管理処理を実行する(ステップS082)。遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(時間)のタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS083)。入力管理処理では、遊技機1に設けられた各種のセンサやスイッチ類の入力情報(検出情報)に基づき、各種カウンタ(たとえば、各入賞口別に設けられた入賞球カウント用の入賞カウンタ)を更新する(入力データ作成処理)。またここでは、払出制御基板29からの状態信号の入力情報に基づき、入力データの作成も行う。状態信号が異常を示すものある場合は、後述のエラー管理処理(ステップS089)にて、状態異常に応じた所定のエラー処理を行う。
次いで、設定異常チェック処理を実行する(ステップS084)。設定異常チェック処理では、設定値データが正常値(設定1〜6を示す値)であるかを判定し、正常範囲内の値でない場合には、設定値データに異常が発生したとして、設定エラーフラグをON状態(5AH)に設定する。そして、設定値異常コマンドを演出制御部24に送信して、設定異常チェック処理を抜ける。演出制御部24が設定値異常コマンドを受けると、演出手段を利用して、設定異常エラー報知(RAMエラー報知)を実行する。なお、再度、この設定異常チェック処理が実行される際に、設定エラーフラグがON状態であれば、何もせずに、そのまま本処理を抜ける。
次いで、タイマ割込内乱数管理処理を実行する(ステップS085)。タイマ割込内乱数管理処理では、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する。具体的には、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値の変更処理を行う。なお、内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)は、上記乱数生成回路で生成されるので、ここでは更新されない。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS089)。このエラー管理処理では、各種のスイッチやセンサ類に係る検出情報や、払出制御基板29からの状態信号などに基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたか否かを監視し、エラーが生じた場合には、そのエラー種別を特定可能なエラーコマンドを演出制御部24に送信し、エラー種別に応じたエラー処理を実行する。またエラーが解除された場合には、エラー解除コマンドを演出制御部24に対して送信して、エラー解除処理を実行する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS090)。この賞球管理処理では、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を実行させる。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS091)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲーム(普通図柄の変動表示動作)に必要な処理を実行する。ここでは、普通図柄始動口センサ37aに遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数など)を取得し(普図乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普図作動保留球)として、最大保留記憶数(ここでは、4個)まで保留記憶する(普図保留記憶処理)。そして、所定の開始条件が成立した場合、普図作動保留球に基づく補助当り抽選を行い、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の変動パターンの選択および普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄)を決定する。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する(普通図柄表示データ更新処理)。
次いで、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS092)。この普通電動役物管理処理では、上記補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技の実行に必要な処理を実行する。具体的には、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの生成および設定処理を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のステップS100のソレノイド管理処理にて、ソレノイド制御用データに基づく励磁信号が普通電動役物ソレノイド41cに対して出力され、可動翼片47の動作パターンが制御される。
次いで、特別図柄管理処理を実行する(ステップS093)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームに必要な処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特図作動保留球に関する保留記憶、先読み判定、先読み判定結果に基づく先読み変動パターンの決定、大当り抽選、大当り抽選に基づく変動開始時の変動パターンの決定、特別停止図柄の決定、特別図柄の変動表示動作の制御、遊技状態の移行設定などに関する処理を行う。なお、特別図柄管理処理の詳細は図10を用いて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS095)。この特別電動役物管理処理では、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に必要な処理を実行する。特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果に基づく当り遊技の実行制御、大当り遊技後の移行先遊技状態の設定などに関する処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図15を用いて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を実行する(ステップS097)。この右打ち報知情報管理処理では、「右打ち有利」な遊技状態(当り遊技中、電サポ有り状態中(時短状態または確変状態))下である場合に、右打ち表示装置39bを点灯させるためのLEDデータを作成し、「左打ち有利」な遊技状態下(通常状態)である場合には、右打ち表示装置39bを消灯させるためのLEDデータを作成する。
次いで、LED管理処理を実行する(ステップS098)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38b、右打ち表示装置39bなどの各種LED表示装置に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を実行する。上記普通図柄管理処理(ステップS091)、特別図柄管理処理(ステップS093)、右打ち報知情報管理処理(ステップS097)などで作成されたLED表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を実行する(ステップS099)。この外部端子管理処理では、各種の外端信号を作成し、枠用外部端子基板21を通して、外部装置に対して出力制御を実行する。
次いで、ソレノイド管理処理を実行する(ステップS100)。このソレノイド管理処理では、普通電動役物管理処理(ステップS092)や特別電動役物管理処理(ステップS094)で設定されたソレノイド制御データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cや大入賞口ソレノイド52cに対して励磁信号の出力制御を実行する。これにより、可動翼片47や開放扉52bを駆動制御し、下始動口35や大入賞口50の開閉動作を実現する。
次いで、全レジスタを退避して(ステップS101)、領域外プログラムに属する性能表示モニタ処理を実行し(ステップS102)、その後、全レジスタを復帰する(S103)。性能表示モニタ処理では、性能表示器99に表示するベース値の算出や表示制御に関しての必要な処理を実行する。またここでは、型式試験信号の作成、出力処理も行う。
次いで、WDTのカウント値をクリアする(ステップS104)。これにより、割込みごとにWDTがリセットされ、カウント値が初期値に戻される。
以上のステップS081〜ステップS104の処理を終えると、タイマ割込処理を終了して、次のタイマ割込みが発生するまで、主制御側メイン処理を実行する。
<8.特別図柄管理処理:図10>
次に、図9中の特別図柄管理処理(ステップS093)について説明する。図10は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図10において、CPU201は、まず特図1側(上始動口34側)に関する「特図1始動口チェック処理」を行い(ステップS301)、続いて、特図2側(下始動口35側)に関する「特図2始動口チェック処理」を実行する(ステップS302)。この特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理の詳細は図11を用いて後述する。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがON状態、つまり大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、大当り遊技中は特別図柄の変動表示動作は行われない。換言すれば、当り遊技中は、その当りに対応する特別図柄が特別図柄表示装置に停止表示(確定表示)されたまま保持される。
一方、ステップS304において、上記条件装置作動フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、大当り遊技中でない場合(ステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じた処理を行う。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、上記特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じてステップS306〜S308のいずれかの処理を実行する。具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする表示動作)が実現されることになる。なお、本発明と関連の深い、ステップS306〜S308についての詳細は、それぞれ図12、図13、図14A〜図14Bを用いて後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図9のLED管理処理(ステップS098)でLEDデータとなって出力され、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図9のステップS095の特別電動役物管理処理を実行する。
<9.特図1始動口チェック処理:図11>
図11を参照して、特図1始動口チェック処理(図10のステップS301)について説明する。図11は、特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、主に、上始動口34に遊技球が入賞したときの保留記憶に関する処理や、先読み判定に関する処理を中心に構成される。なお、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは、その処理内容が、特図1側に関するものであるか、それとも特図2側に関するものであるかの違いだけで、実質的には、同じ処理内容である。したがって、ここでは、重複記載を避けるために、特図1始動口チェック処理に着目して説明する。
図11において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34(特図1側始動口)の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特図1作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特図1作動保留球数が最大保留記憶数(ここでは、4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合、つまり、最大保留記憶数を超えるオーバー入賞が発生した場合(ステップS312:YES)、オーバー入賞を指定するオーバー入賞コマンド(たとえば、特図1の場合はB406H、特図2の場合はB506H)を演出制御部24に送信する(ステップS324)。一方、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、各種の乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値を領域内RAMの保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特図1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお、上記保留記憶エリアには、特図1側と特図2側とに対応した保留記憶エリア(特図1に対応する特図1保留記憶エリアと、特図2に対応する特図2保留記憶エリア)とが設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている。
次いで、入賞時コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するコマンドデータ(入賞コマンド1)に、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を取得し(ステップS315)、続いて、「先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。この「先読み禁止条件」とは、先読み判定を禁止する条件、具体的には、先読み予告を禁止する条件である。特図1始動口チェック処理中の場合は、特図1作動保留球を対象とした先読み禁止条件が、特図2始動口チェック処理中の場合は、特図2作動保留球を対象とした先読み禁止条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、現在の遊技状態が電サポ有り状態を伴う遊技状態(時短状態や確変状態)、つまり特図2作動保留球が発生し易い遊技状態である場合には‘特図1先読み禁止’とし、「電サポ無し状態を伴う遊技状態(通常状態や潜確状態)」の場合、つまり特図1作動保留球が発生し易い遊技状態である場合には‘特図2先読み禁止中’としている。したがって、ステップS316の判定処理では、現在の遊技状態が、時短状態または確変状態である場合、特図1先読み禁止条件成立中として、その判定結果が‘YES’となる。なお、特図1と特図2のいずれを先読み禁止とするかについては、内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)および/または変動パターン選択モード(Tcode)に応じて定めることができる。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、設定エラーフラグ判定処理(ステップS317)と先読み判定に関する処理(ステップS318〜S320)をスキップし、後述のステップS321の処理に進む。この場合、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成されることになる(後述の始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)参照)。これにより、今回の作動保留球の先読み予告の実行が禁止状態に制御される(今回の作動保留球を対象とする先読み予告は実行されない)。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合(ステップS316:NO)、次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS317)。設定エラーフラグがON状態である場合(ステップS317:=5AH)、すなわちRAMエラー(設定異常エラー)が生じている場合、先読み判定に関する処理(ステップS318〜S320)をスキップし、後述のステップS321の処理に進む。この場合も今回の作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成されて、これにより先読み予告は実行されない。換言すれば、上記先読み禁止データ(9FH)は、先読み判定に関する処理(ステップS318〜S320)が未実行であることを指定するデータである。
設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS317:≠5AH)、設定値コマンドを送信して、乱数判定処理を実行する(ステップS318)。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際に実行される「変動開始時の当落抽選(後述の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(図12のステップS410)」を事前に判定する‘先読み当落判定’を行う。
(設定値コマンド)
上記「設定値コマンド」は、現在の設定値を特定可能な情報が含まれ演出制御部24側にて、当該設定値に基づく予告演出(後述の設定示唆演出)を現出制御する際に利用される。この設定値コマンドは、始動口チェック処理にて、作動保留球が発生するごとに送信されるようになっている。これにより、演出制御部24側では、正しい設定値情報に基づき、作動保留球に係る予告演出(たとえば、先読み予告演出に関連する設定示唆演出)を現出制御可能となっている。
ステップS318の乱数判定処理では、まず「当り乱数判定テーブル」を取得し、次いで、大当り判定用乱数値を取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(先読み当落判定)を実行し、その抽選結果(先読み当落結果)を取得する。
(T−1.当り乱数判定テーブル:図20)
図20に、本実施形態に係る当り乱数判定テーブルの一例を示す。図20(A)は、特図2側に支援時短を設けた場合、図20(B)は、特図2側に支援時短を設けていない場合(抽選確率が0のため、実質的に設けられていないものと等価的なケースを含む)の当り乱数判定テーブルを示したものである。なお、本実施形態の「支援時短」は当落抽選の対象として定められている。この点から、支援時短に係る抽選形態を「当落抽選対象抽選形態」と称している。
上記当り乱数判定テーブルには、特図1作動保留球(特別図柄変動表示ゲーム1)を対象とする当り乱数判定テーブル(特図1用当り乱数判定テーブル)と、特図2作動保留球(特別図柄変動表示ゲーム2)に対応した当り乱数判定テーブル(特図2用当り乱数判定テーブル)とが設けられている。すなわち、特図1始動口チェック処理中においては「特図1用当り乱数判定テーブル」が、特図2始動口チェック処理中においては「特図2用当り乱数判定テーブル」が参照される。この当り乱数判定テーブルは、後述の「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(図12のステップS410)」において、当落抽選を行う際にも利用される。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率と低確率)別に、当落種別(大当りか、支援時短か、ハズレかの別(小当りを含んでもよい))を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、当落種別が決定されるようになっている。
本実施形態の場合、上記当り乱数判定テーブルには、設定値(設定1〜6)ごとに対応した当り判定テーブル(設定1〜6に応じて、少なくとも大当りの抽選確率が異なるテーブル)が設けられている(図示では、設定1、3、6の判定値を代表的に示してある)。また本実施形態の場合、低確率時の大当り抽選確率に対する高確率時の大当り抽選確率の割合は(確率上昇割合:高確率/低確率)、各設定値において同一であり、その割合は10を超えない値に設定されている。たとえば、設定6「低確率時1/180、高確率時1/45」、設定5「低確率時1/184、高確率時1/46」、・・・、設定2「低確率時1/196、高確率時1/49」、設定1「低確率時1/200、高確率1/50」で、大当りに当選するようになっている。なお、確率上昇割合は、各設定値で異なっていてもよい。
図20(B)は、特図2側に支援時短を設けていない場合の特図2用当り乱数判定テーブルであるが、本実施形態では、支援時短当選の判定値(65405〜65535)に対応する部分のデータが、すべて「00H」となっている。つまり、大当り判定用乱数値が「65405〜65535」に属するものであっても、当落結果は強制的に「ハズレ」となるようにしている。このようにすれば、仮に後から特図2側に支援時短を設けたい場合に、当該判定値に対応するデータを「5AH」に変更するだけで済み、再度、データ構造を全体的に変更する必要が生じず、新機種開発の際や設計開発段階における調整を容易化することができる。
上記したステップS318の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を実行する(ステップS319)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際に実行される「変動開始時の図柄抽選(後述の図10のステップS411)」を事前に判定する‘先読み図柄判定’を行う。
上記特別停止図柄データ作成処理では、ステップS318で得られた先読み当落結果と、今回の処理対象の特別図柄種別(特図1、特図2の別)とに応じた「図柄テーブル」を選択する。
(T−2.図柄テーブル選択テーブル:図21)
この図柄テーブルの選択は、図21に示す「図柄テーブル選択テーブル」に基づき決定される。図柄テーブル選択テーブルには、図示の通り、特別図柄変動表示ゲーム1と特別図柄変動表示ゲーム2のそれぞれに対応した図柄テーブル選択テーブル(特図1用図柄テーブル選択テーブル、特図2用図柄テーブル選択テーブル)が設けられている。たとえば、今回の変動が特図1側であり、当落抽選の結果が「支援時短」である場合は、「支援時短図柄テーブル1」が選択される。なお、これらの図柄テーブル選択テーブルは、後述の特別停止図柄作成処理(図12のステップS411)において、変動開始時の図柄テーブルを選択する際にも利用される。
上記「図柄テーブル」には、図21に示すように、大当り種別、支援時短種別、ハズレ種別を決定するための「大当り図柄テーブル」、「支援時短図柄テーブル」、「ハズレ図柄テーブル」が含まれ、各図柄テーブルが特別図柄種別に対応して設けられている。これらの図柄テーブルは、後述の特別停止図柄作成処理(図12のステップS411)において、変動開始時の図柄抽選を行う際にも利用される。なお、図21(イ)(ロ)は特図2側の当落抽選対象に支援時短ある場合、図21(ロ)(ハ)は、特図2側の当落抽選対象に「支援時短」が無い場合の図柄テーブル選択テーブルを示したものである。また、本実施形態では、小当りを設けていないため「小当り図柄テーブル」は設けられていない。
そして、ステップS314で得られた特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと、取得した特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選(先読み図柄判定)を実行し、その抽選結果(先読み図柄結果)を取得する。
(T−3.図柄テーブル:図22〜図24)
図22〜図24に、上記「大当り図柄テーブル」、「支援時短図柄テーブル」、「ハズレ図柄テーブル」を示す。図柄テーブルには、図22〜図24に示すように、当選種別(図柄種別)を決定するための判定領域(判定値)と、特別図柄判定用乱数値(たとえば、特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)とが関連付けて定められている。具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、所定の図柄抽選率に従い当選種別が決定され、その抽選結果を示すデータとして、特別図柄判定データ特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット値(図示のオフセット値)が取得されるようになっている。本実施形態では、所定の図柄抽選率(たとえば、図4の「図柄抽選率」の欄参照)に従い、当選種別(当選の種類:大当り種別(10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当りの別)、支援時短種別(支援時短A、支援時短B、支援時短Cの別)およびハズレ種別(ハズレA、ハズレB、ハズレCの別))が決定されるようになっている。
なお、上記「特別図柄判定データ」とは、上記当選種別を識別するデータであり、具体的には、当り種別(10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り)と、支援時短種別(支援時短A、支援時短B、支援時短C)と、ハズレ種別(ハズレA、ハズレB、ハズレC)のいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12の遊技状態移行準備処理(ステップS412)、特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)、および大当り遊技の実行制御に関する処理(図15の特別電動役物管理処理)などにおいて利用される。
また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)を特定する際に利用される。本実施形態では、たとえば、当選種別が同じ場合であっても、判定値によっては特別図柄表示装置38a、38bに表示される特別停止図柄の表示態様(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)が異なる場合がある。このように、当選種別が同じであっても、特別図柄判定用乱数値に応じた複数種類の特別停止図柄番号を定めることにより、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄を見ても、遊技者がどのような種類の大当りや支援時短などに当選したかの見分けがつき難いようにすることができる。なお、普通図柄についても特別図柄と同じように、普通図柄判定データや普通停止図柄番号が設けられている。
また上記の「変動パターン選択用オフセット値」とは、目的とする変動パターン振分テーブルを選択するために用いられるデータである。
なお図示では、説明の便宜上、特別図柄判定データ特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット値の値を「**H」と表記しているが、ここには各当選種別に対応した適宜な値が定められている。
(他の大当り抽選形態について)
本実施形態では、大当り判定用乱数を利用する「当落抽選」の対象に、時短状態を付与する1または複数種類の「支援時短(時短付与図柄)」を設け、当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値とを利用する「図柄抽選」により一の「支援時短」を抽選する抽選形態としている(当落抽選対象抽選形態)。具体的には、当り乱数判定テーブルに支援時短に係る所定の判定領域(当選領域)を設け、上記図柄テーブルとして、図23に示す「支援時短図柄テーブル」を設けたケースである。当落抽選対象抽選形態の場合、大当りと支援時短とは独立して抽選されるため、大当りの抽選確率が変動しても支援時短の抽選確率は変動しないという特徴がある(図20参照)。
しかし本発明はこれに限らず、他の抽選形態とすることができる。具体的には、下記の「当り種別対象抽選形態(図25)」、「ハズレ種別対象抽選形態(図29)」としてもよい。
(「当り種別対象抽選形態」:図25)
「当り種別対象抽選形態」とは、図25に示すように、当り種別(大当りまたは小当りに属する当選種別)に支援時短を設け、支援時短を“当り”に属する当選種別として扱う抽選形態である。具体的には、大当り図柄テーブルまたは小当り図柄テーブルに、1または複数種類の支援時短に係る判定領域を設けたケースである(図28参照)。支援時短は、特図1側および/または特図2側の当り種別に1または複数種類設けることができる。なお、ここでは、重複記載を避けるために、特図1側に着目して説明し、特図2側については説明を省略する。また、当落抽選および図柄抽選の詳細について、既に説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
この当り種別対象抽選形態では、まず、当落抽選により「大当り」と「ハズレ」のいずれかを決定する。この当落抽選は、図26に示す当り乱数判定テーブルと大当り判定用乱数とに基づき行う。本例の当り乱数判定テーブルには、図示の通り、支援時短の当選領域は設けられていない。
次いで、当落抽選の結果に基づき、図柄テーブルを選択する。本例では、図27に示す図柄テーブル選択テーブルが参照され、当落抽選の結果に対応した図柄テーブルが選択される。本例は、当り種別に支援時短が含まれるため、上記実施形態のような「支援時短図柄テーブル」は設けられておらず、大当り当選時用の「大当り図柄テーブル1、2」と、ハズレ当選時用の「ハズレ図柄テーブル1、2」が設けられている。
次いで、図柄抽選により、大当りに属する当選種別、たとえば特図1側であれば「10確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り、支援時短A〜C」のうちからいずれかの当選種別(図柄種別)を決定する。この図柄抽選は、図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づき行う。図28に、本例に係る大当り図柄テーブルを示す(ハズレ図柄テーブルについては、図24と同様であるため、図示を省略してある)。いずれの当選種別が決定されるかは、図28に示す「図柄抽選率」に従い決定されるようになっている。
当り種別対象抽選形態の場合、支援時短が大当り種別に属するため、その当選確率が大当り抽選確率に依存することになる。すなわち、高確率時(たとえば、確変状態)になると支援時短の抽選確率も上昇(支援時短確率変動状態)することになる。たとえば、大当りの当選確率状態が低確率時(通常状態、時短状態)であれば、支援時短の抽選確率(設定1〜6)が約1/1333〜1/1200であるが、高確率時(確変状態、潜確状態)になると支援時短の抽選確率も上昇し、約1/333〜1/300(大当り抽選確率と同じ上昇幅)となる。
(「ハズレ種別対象抽選形態」(抽選形態の変形例2):図29)
次に「ハズレ種別対象抽選形態」について説明する。
「ハズレ種別対象抽選形態」とは、図29に示すように、ハズレ種別に支援時短を設け、支援時短を“ハズレ”に属する当選種別として扱う抽選形態である。具体的には、ハズレ図柄テーブルに、1または複数種類の支援時短に係る判定領域を設けたケースである(図30参照)。支援時短は、特図1側および/または特図2側の当り種別に1または複数種類設けることができる。
このハズレ種別対象抽選形態は、支援時短を“ハズレ”の一態様として扱う点で、上述した「当り種別対象抽選形態」のように、支援時短を“当り”の一態様として扱うケースとは大きく異なる。しかし、抽選処理手順の内容自体は実質的に同じである。
このハズレ種別対象抽選形態では、まず、当落抽選により「大当り」および「ハズレ」のいずれかを決定する。この当落抽選は、図26に示す当り乱数判定テーブルと大当り判定用乱数とに基づき行う。
当落抽選により「ハズレ」が抽選された場合、図柄抽選により、ハズレに属する当選種別、たとえば特図1側であれば「ハズレA〜Cおよび支援時短A〜C」のうちからいずれかの当選種別(図柄種別)を決定する。いずれかの当選種別が決定されるかは、図29に示す「図柄抽選率」に従い決定される。図30に、本例に係るハズレ図柄テーブルを示す(大当り図柄テーブルについては、上記実施形態(当落抽選対象抽選形態)の図22と同様であるため、図示を省略してある)。いずれの当選種別が決定されるかは、図29に示す「図柄抽選率」に従い決定されるようになっている。
ただし、ハズレ種別対象抽選形態の場合には、特別図柄判定用乱数の大きさ(乱数が取りうる数値範囲)が小さい場合、たとえば、特別図柄判定用乱数の大きさが200(0〜199)の場合には、支援時短の当選確率が、ハズレ当選時の1/200までしか下げることができず、支援時短の当選確率の調整幅の自由度に欠ける。
そこで本例では、図示のように、特別図柄判定用乱数の大きさを16384(0〜16383)として、支援時短の当選確率の調整幅に自由度を持たせている。ここでは、「大当りの図柄抽選に用いる特別図柄判定用乱数の大きさ(200)<ハズレの図柄抽選に用いる特別図柄判定用乱数の大きさ(5000)」の関係としている。勿論、遊技性に応じて、大当りの図柄抽選に用いる特別図柄判定用乱数を、ハズレの図柄抽選に兼用してもよい。
上記ハズレ種別対象抽選形態の場合、支援時短がハズレ種別に属するため、その当選確率がハズレ抽選確率に依存することになる。したがって、大当り抽選確率が高確率時になると、その分、ハズレの抽選確率が低下するため、前述の当り種別対象抽選形態の場合とは逆に、支援時短の抽選確率が低下することになる。たとえば、大当りの当選確率状態が低確率時であれば、支援時短の抽選確率(設定1〜6)が約1/500程度であるが、高確率時になると、支援時短の抽選確率が下がり、約1/500よりも低確率となる。
ハズレ種別対象抽選形態の場合の特徴点は、「ハズレ」であるにもかかわらず、特典が得られるという点である。たとえば、図41に示すように、ハズレ変動パターン振分テーブルに支援時短当選に係る変動パターン振分テーブルが含まれる構成(支援時短当選に係る変動パターンを選択可能な構成)とすることができる。なお、「・・・」で省略してある部分は、本実施形態に係る図32の通常中ハズレ変動パターン振分テーブルと同じ内容であり、説明の便宜のために、図示を省略してある。また、他のハズレ変動パターン振分テーブル(図34、図36、図38、図40など)についても同様に、支援時短当選に係る変動パターンを選択可能な構成とすることができる。
図41に示す例では、支援時短当選時は、当り当選時と同じく、リーチ変動を選択されるようになっている。しかし、変動パターン指定コマンドについては、ハズレに属するコマンドデータが選択されるようにしている。これは、支援時短がハズレに属するためである。これにより、演出面においては、図柄変動表示ゲーム中に、ハズレ時と同じ予告演出(ハズレ演出シナリオに従う演出)を現出させつつも、最終的には「支援時短に当選」という意表を突く演出を現出させることができる。なお、リーチ演出の最終段階で、当りか否かを報知する当落演出において、ハズレであるにもかかわらず、大当り当選時と同じ当落演出(成功演出)を現出させてもよい。また、大当り当選時とは異なる演出態様としてもよい。
上記した変形例に係る「当り種別対象抽選形態(図25)」と「ハズレ種別対象抽選形態(図29)」、および本実施形態の「当落抽選対象抽選形態(図4)」のうち、いずれの抽選形態を採用するか自由であるが、好ましくは「当落抽選対象抽選形態(図4)」を採用することが好ましく、より好ましくは「ハズレ種別対象抽選形態(図29)」である。その理由は、「当り種別対象抽選形態(図25)」の場合、支援時短が当り種別に属するものとして扱われるため、特に大当り種別に属するものとした場合には「当落抽選により大当り当選する」ことが支援時短当選の条件となってしまい、遊技者に引き損感(たとえば「大当りを引いているのに利益度合の低い支援時短に当選してしまった」というガッカリ感)を与えてしまうからである。
なお、いずれの抽選形態も支援時短が1種類の場合は、図柄抽選を実行しなくてもよい。また、複数の特別図柄(特図1、2)に係る大当り抽選のうち、特定の特別図柄(特図1、特図2のいずれでもよい)に係る大当り抽選に基づき、時短状態を付与するように構成してもよい。たとえば、特図1、2のうち、特図1側の大当り抽選の抽選対象だけに「支援時短」を設けることができる。
また、全設定で共通の図柄テーブルを設けてもよいが、設定値に応じた図柄テーブルを設けてもよい。たとえば、下記(A)、(B)のように構成することができる。
(A)各設定値の一部または全部において、1または複数の当選種別の図柄選択率が異なる。たとえば、特定の確変大当り(たとえば、10R確変大当り)の図柄抽選率を、設定値が高いほど相対的に高確率となるように定めることができる。
(B)各設定値の全部または一部において、確変突入率(少なくとも高確率状態を伴う大当り(確変大当りおよび/または潜確大当り)の合算図柄抽選率)が異なる。本実施形態の場合、確変突入率が全設定共通の65%(図4の10R確変大当りと4R確変大当りの図柄抽選確率参照)に定めているが、設定1〜6の確変突入率を、たとえば「60%、61%、62%、63%、64%、65%」という具合に、設定値が高いほど相対的に高確率(確変に突入し易い)となるように定めることができる。また、時短突入率(時短大当りの合算図柄選択率)についても同様である。
いずれにしても、設定値が高くなるに従い、出玉性能(機械割)が遊技者にとって有利となるように定めればよい。
図11の説明に戻る。上記したステップS319の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、始動口入賞時乱数判定処理を実行する(ステップS320)。この始動口入賞時乱数判定処理も‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際の「変動開始時の変動パターン」を事前に判定する‘先読み変動パターン判定’を行う。具体的には、後述の図12に示す「特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)」の結果を先読み判定する。
詳しくは、上記特別停止図柄データ作成処理(ステップS319)で得られた先読み図柄判定の結果(少なくとも乱数判定処理(ステップS318)で得られた当落抽選結果)と、ステップS314で取得した変動パターン用乱数(乱数値の大きさ:10000)とを利用し、今回の作動保留球に係る「変動開始時の変動パターン」を先読み判定する。なお、先読みパターン判定は、変動開始時の変動パターンを事前に判定するものであるため、変動開始時に利用される変動パターン振分テーブルと基本的構成を同じにする別途設けた「先読み判定テーブル」を参照して行う。ただし本実施形態の場合は、プログラム容量の軽減を図るべく、変動パターン振分テーブルが「入賞時(先読み判定時)・変動開始時兼用」として設けられており(図31、図32等のMODE1、MODE2、EVENT参照)、入賞時および変動開始時の双方において、この変動パターン振分テーブルと、ステップS314の処理で取得された変動パターン用乱数値とに基づき、変動開始時の変動パターンを先読み判定する。
そして、先読み判定結果として「入賞時コマンドデータ」を取得する。ここでは、入賞時コマンドを構成するコマンドデータとして、当り・ハズレの別を特定可能な「MODE1(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする「EVENT(2バイト目(下位バイト))側のコマンドデータとが取得される。すなわち、この始動口入賞時乱数判定処理において決定されるコマンドデータにより、先読み変動パターン(作動保留球数情報は除く)の内容が指定されることになる。
上述した「始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)」について、本発明の理解を容易なものとするために、図32に示す変動パターン振分テーブルを代表的に用いて、入賞時(先読み判定時)だけでなく、変動開始時の内容(図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413))にも触れながら説明する。
始動口入賞時乱数判定処理は、先読み変動パターンを指定するための「入賞時コマンド」を決定する処理として、下記(a)および(b)の処理を含んで構成されている。
(a)変動パターン振分テーブルを選択するための「変動パターン振分テーブル選択テーブル(不図示)」を参照し、今回の参照される「変動パターン振分テーブル」を決定する“入賞時変動パターン振分テーブル決定処理”と、
(b)上記(a)で決定された「変動パターン振分テーブル」を参照し、ステップS314の処理で取得された変動パターン用乱数値に基づき、先読み変動パターンに対応する入賞時コマンドデータを決定する“入賞時コマンドデータ決定処理(先読み変動パターン決定処理)”と、を含んで構成される。
(変動パターン振分テーブル選択テーブル(入賞時):不図示)
上記「変動パターン振分テーブル選択テーブル」には、特別図柄種別、当選種別、および作動保留球数と、変動パターン選択モード(Tcode)とに関連付けられた複数種類の「変動パターン振分テーブル」が定められている。変動パターン振分テーブル選択テーブルには、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン選択モード(Tcode)とに基づいて、複数種類の変動パターン振分テーブル(FH1〜7)のうちからいずれか一つの「変動パターン振分テーブル」が決定可能な構成となっている。
この変動パターン振分テーブル選択テーブルは、入賞時(先読み判定時)の「入賞時コマンド」を決定する際に利用されるだけでなく、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」の決定に関する処理(後述の図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413))の際においても利用され、入賞時・変動開始時における兼用(共通)の変動パターン振分テーブル選択テーブルとなっている。ただし、先読み判定時(上記「入賞時変動パターン振分テーブル決定処理」)においては、作動保留球数を無視して(作動保留球をゼロとして)、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルから、目的の変動パターン振分テーブルを選択するようになっている(これについては後述する)。一方、変動開始時には、現存する作動保留球から今回の変動表示動作に供する作動保留球数分を減算した値(作動保留球数−1)が作動保留球数の情報として参照される(図32の「作動保留球数」の欄、後述の図12の特別図柄変動開始処理のステップS403、S413参照)。
(変動パターン振分テーブル(入賞時))
次に、変動パターン振分テーブルの内容について説明する。ここでは、説明の便宜上、図31および図32の通常中に係る変動パターン振分テーブルを代表例にとり説明する。図31に、通常モード(通常状態)において、大当りまたは支援時短当選時に参照される「通常中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」を示し、図32に、通常モードにおいて、ハズレ時に参照される「通常中ハズレ変動パターン振分テーブル」を示す。
図31および図32を参照して、通常モードに係る変動パターン振分テーブルには、当選用の変動パターン振分テーブル「FB1〜FB6」と、ハズレ用の変動パターン振分テーブル「FH1〜FH7」とが含まれる。これら変動パターン振分テーブルは、先読み判定時・変動開始時兼用のテーブルとして設けられている。したがって、変動パターン振分テーブルには、次のようなデータ群が定められている。
(イ)変動パターン振分テーブルには、先読み変動パターンを指定する「入賞時コマンド」を構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE1」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)と、変動パターン用乱数値(変動パターン用乱数値の大きさ:10000)とが関連付けて定められている。上記の「MODE1」とは、当り・ハズレの別を特定可能なコマンドデータであり、「EVENT」とは、先読み変動パターンの内容を特定可能なコマンドデータである。先読み判定時には、この変動パターン振分テーブルが参照され、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するか否か(変動パターン用乱数値を利用した抽選)により、入賞時コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、入賞時コマンドが作成され、先読み変動パターンの内容が指定される。この入賞時コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側で先読み変動パターンの内容が把握され、先読み予告に関する演出処理に利用される。
(ロ)また変動パターン振分テーブルには、変動開始時の変動パターンを指定する「変動パターン指定コマンド」に関するデータも定められている。具体的には、変動パターン振分テーブルには、変動パターン指定コマンドを構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE2」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)と、変動パターン用乱数値とが関連付けて定められている。上記の「MODE2」とは、当り・ハズレの別を特定可能なコマンドデータであり、「EVENT」とは、変動パターンの内容を特定可能なコマンドデータである。変動開始時(後述の図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)参照)にもこの変動パターン振分テーブルが参照され、変動パターン用乱数値を利用した抽選により、変動パターン指定コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、変動パターン指定コマンド(上位バイトMODE2+下位バイトEVENT)が作成され、変動開始時の変動パターンの内容が指定される。「変動パターン指定コマンド」は、入賞時コマンドと同じように、「MODE2」と「EVENT」とからなる2バイトの制御データで構成され、この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側で、変動開始時の変動パターンが把握され、図柄変動中に係る演出に関する演出処理に利用される。
ここで図示では「選択率」を表記しているが、実際には、変動パターン用乱数値に応じて、入賞時コマンドデータまたは変動パターン指定コマンドを決定するための判定領域(判定値:0〜9999の範囲)が定められており、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するものであるか否かにより、これらコマンドデータが決定されるようになっている。
変動パターン用乱数値と判定値との関係は次のようになっている。たとえば、図32に示すハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」を代表例にとって説明すれば、図面正面上から下の列方向に見て判定値が最初に記載されている箇所から参照すると、判定値「10」、「8990」、「1000」の順に記載されているが、この内容は、変動パターン用乱数値(BRND=0〜9999)が、判定値0〜9の範囲(上記「10」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動13s」を指定するコマンドデータが選択され、判定値10〜8999の範囲(上記「8990」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動16s」を指定するコマンドデータが選択され、判定値9000〜9999の範囲(上記「1000」の記載欄に対応)に属する場合は「Nリーチ1」を指定するコマンドデータが選択されるようになっている。本実施形態の場合、図中の空欄の部分、つまり判定値の記憶先のアドレスには、判定値データが記憶されていないわけではなく、判定値として「0」が記憶されている。これは、新機種開発の際や設計開発段階における選択率の調整を容易化するためである。
これについて簡単な例をとり説明すれば、たとえば、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」は、通常変動13s、通常変動16s、およびNリーチ1に判定値が振り分けられているが、仮に、通常変動8sを追加的に選択対象としたい場合には、再度、そのデータ構造を全体的に変更する必要が生じて、設計をゼロからやり直す事態になりかねない。また、図示はしていないが、設定値ごとの変動パターン振分テーブルを設けている場合には、これらのすべてのテーブルのデータ構造を変更する必要が生じうる。一般に、新機種開発の際には、種々の判定値を設定して、変動時間のバランス(変動スランプの抑制)やリーチ演出などの演出のバランスを考慮し判定値を調整しながら設計を行っていく。したがって、初期に設定した判定値で想定した設計になる場合もあるし、変更を要する場合もある。
そこで、設計段階において選択対象外と考える変動パターンの判定値の記憶先のアドレスには、判定値データとして暫定的に「0(ゼロ)」を設定しておき、変更が生じれば適宜その値を変更して、選択対象の変動パターンに、容易にふくませることができるようにしている。たとえば、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」の判定値データには、実際には、通常変動4s「0」、通常変動8s「0」、通常変動13s「10」、通常変動16s「8990」、先読み予告用通常変動16s「0」、先読み予告用Nリーチ1「0」、Nリーチ1「1000」というゼロ(図示の空欄の部分)を含めたデータが記憶されている。
本実施形態の場合、ハズレA当選時は、図示のように、Nリーチ2以降は選択対象外の変動パターンとして定めているため、「FH1」〜「FH4」のそれぞれにおいて、通常変動4s〜Nリーチ1に係るアドレス範囲内(ここでは連続したアドレス)で「0」を含めた判定値データが記憶されている(勿論、選択対象をNリーチ2以降の変動パターンとしてもよい)。判定値が「0」の場合にも、抽選処理(先読み変動パターンの決定処理や、変動開始時の変動パターンの決定処理)は実行されるが、判定値がゼロの変動パターンは実際には選択されることはないため、実質的には「使用しない変動パターン」として登録しておくことができる。この「判定値ゼロ」の部分は、設計段階等で調整の必要が生じた場合には、適宜、ゼロ以外の値を設定することにより「使用しない変動パターン」から「選択対象の変動パターン」として、容易に変更できる。このように、使用しない変動パターンについては、その判定値をゼロのままとし、また、新機種開発の際には、開発段階でのアドレス割当てと同じアドレスの割当てとしておけば、テーブルデータ構造を一々変更する必要がなく、設計変更が極めて容易になる。なお、他の変動パターン振分テーブルについても同様である。
以上のように、変動パターン振分テーブルにおいて、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するのか否かにより、入賞時においては「入賞時コマンド」を構成するコマンドデータが決定され、変動開始時においては「変動パターン指定コマンド」を構成するコマンドデータが決定される。
ここで本実施形態では、先読み判定時においては、作動保留球数を無視して(作動保留球をゼロとして)、目的の変動パターン振分テーブルを選択すると説明したが、その理由は次に述べる通りである。
図32に示す変動パターン振分テーブルは、入賞時・変動開始時兼用のテーブルであるが(他の変動パターン振分テーブルも同様)、実際には、入賞時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とは必ずしも一致しない。そこで、先読み判定時(入賞時)においては、作動保留球をゼロとして、目的の変動パターン振分テーブルを選択する。たとえば、図32を参照して、現在の遊技状態が通常中(Tcode=00H)において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、当選種別がハズレAである場合(特図1側ハズレA当選)、入賞時の作動保留球数によらず、変動パターン振分テーブル「FH1」が選択されることになる。
しかし、先読み判定時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とが一致しないからといって、闇雲に、作動保留球数を無視して先読み変動パターンを判定するのでは、先読み変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容とに大きな違いが生じてしまう可能性がある。詳述するに、入賞時においては、主制御部20から先読み変動パターン情報を含む「入賞時コマンド」を演出制御部24に送り、これを受けた演出制御部24は、その保留加算コマンドに基づき、先読み予告演出に関する演出制御を行う。一方、変動開始時においては、主制御部20から変動開始時の変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」演出制御部24に送り、これを受けた演出制御部24は、その変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中における装飾図柄の変動表示動作演出(装飾図柄変動表示演出(後述の装飾図柄演出))と予告演出(変動中予告演出)とを含む演出制御を行う。このような関係から、先読み変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容との相違が大きいと、先読み予告の内容と変動中予告の内容との関連性が崩れ、予告演出の信頼性や面白みが低下し、遊技者の遊技意欲を減退させてしまう恐れがある。そこで本実施形態では、先読み判定について、次に述べる特徴的要素(第1の特徴的要素)を持たせてある。
(第1の特徴的要素)
たとえば、現在の遊技状態が通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、当選種別がハズレA(特図1側ハズレA)である場合、前述したように、先読み判定時は作動保留球数によらず、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」が選択される。一方、変動開始時には、作動保留球数に応じて、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のいずれかが選択される(図32の「00H(通常)、特図1、ハズレA」の欄参照)。
ここで、図32を参照して、変動パターン振分テーブル「FH3〜FH4」は、通常変動(通常変動パターン)種別に属する“通常変動4s、通常変動8s、通常変動13s”などが選択可能(決定可能)となっているが、これらは、先読み予告が実行されない「非先読み予告用変動パターン種別」として定められている。この非先読み予告用変動パターンとは、具体的には「先読み予告抽選の対象外」または「先読み予告抽選の対象ではあるが、その当選確率がゼロ(先読み予告非実行)」という先読み変動パターンである。この実施形態の場合、通常変動種別のうちで先読み予告の対象となるものは、ハズレBの場合に選択されうる「先読み予告用通常変動16s」だけとなっている(FH5参照)。
また変動パターン振分テーブル「FH1」「FH2」は、通常変動種別に属する“通常変動13sと通常変動16s”の他、Nリーチ種別に属するNリーチ1が選択可能となっている。ここで、単なる「Nリーチ1」は、先読み予告用Nリーチ1とは異なり、上記非先読み予告用変動パターンに属する。したがって、通常中の特図1側ハズレAに当選した場合には、入賞時(先読み判定時は「FH1」が選択される)に、先読み予告の対象とされる変動パターン(先読み変動パターン)が選択されることがない。すなわち、入賞時と変動開始時とで異系統の変動パターンが決定されるケース、たとえば、先読み判定時にNリーチ1であると判定され、変動開始時には、通常変動であると判定されるケースであっても、通常中の特図1側ハズレAの場合は先読み予告が現出されないため、特に問題は生じない。なお、必ずしも先読み予告を一切現出しない構成としなくてもよく、通常変動13s、通常変動16sまたはNリーチ1が選択された場合に、先読み予告が稀に出現するケースであれば特に問題は生じないと考えられる。たとえば、通常変動13s、通常変動16sおよびNリーチ1の少なくともいずれか1つの変動パターンを先読み予告用変動パターンとすることができる。好ましくは、選択率が相対的に低確率の「通常変動13s」および/または「Nリーチ」であり、より好ましくは、選択率が最も低い「通常変動13s」である。ただしこの場合は、先読み予告が過度に現出させないために、「先読み予告用通常変動16s」および/または「先読み予告用Nリーチ1」よりも、先読み予告の出現率(先読み抽選の当選確率)を低確率に定めることが好ましい。
また、図32に示す通り、通常中において、特図1側ハズレB(通常中特図1側ハズレB)に当選した場合か、特図1側のハズレC(通常中特図1側ハズレC)に当選した場合か、または特図2側でハズレAに当選した場合(通常中特図2側ハズレ)には、入賞時および変動開始時のいずれも作動保留球数によらず、それぞれ共通のハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」、「FH6」、「FH7(全ハズレ共通)」が選択される。すなわち、通常中特図1側ハズレB、通常中特図1側ハズレC、特図2側のハズレA当選時の先読み判定の際は、入賞時および変動開始時のいずれも各作動保留球数で共通の変動パターン振分テーブルが参照されるため、変動開始時の変動パターンを正確に先読み判定できることになる。
(第2の特徴的要素について)
一般的に電サポ無し状態であっても、作動保留球数は比較的短時間で1乃至2個程度変化しうる。これを利用して作動保留球数に応じた変動パターンを選択可能に構成すれば、毎回の図柄変動表示ゲームごとに、演出時間(図柄変動表示ゲームの実行時間)に変化をもたらし、多彩な演出を発生させることが可能である。特に、ハズレ時における1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間(図柄変動時間)を短時間(たとえば、数秒程度)としてしまうと、いわゆる「変動スランプ(図柄変動表示ゲームが実行されていない期間)」の発生率が高まり、遊技者が「回らない、面白くない」と感じ易くなり、遊技興趣が減退して、遊技のリピート率が低下してしまう。そこで、1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間を長くすれば、作動保留球も貯まり易くなり、変動スランプの発生率を少なくすることができるとも考えられる。
しかし、図柄変動表示ゲームの実行時間を無闇に長時間としてしまうと、ゲームの進行スピードが緩慢化し、折角の変動中演出が気疎い演出となったり、予告演出による大当り当選への緊張感が途切れたりして、遊技者に退屈感や不満感を与えてしまう。また、図柄変動表示ゲームの実行時間を無闇に長時間にしてしまうと、作動保留球のオーバーフロー(最大保留記憶数(4個)を超える始動入賞)が生じ易くなる、つまり、ゲームの実行権利の多くを喪失してしまい、遊技者の遊技意欲が減退してしまう恐れがある。したがって、バランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させる工夫が必要である。たとえば、変動開始時における作動保留球数や遊技状態などを考慮した変動パターン選択技術が重要となる。特に、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ時に着目した変動パターン選択技術が重要である。
このような課題に鑑み、本実施形態では、図32の「ハズレ変動パターン振分テーブル」に特徴ある構成を持たせてある。以下、ハズレに当選した場合に選択される“ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH7」”に着目して詳細に説明する。
<A.通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブルの特徴>
本実施形態では、ハズレ種別にはハズレA〜Cの複数種類のハズレが含まれ、これらの図柄抽選率は、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%となっている(図4備考欄参照)。ここで図32に示す通り、特図1側ハズレAに当選した場合、作動保留球数に応じて、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のいずれかが選択される。しかし、特図1側ハズレBに当選した場合、作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH5」が選択され、特図1側ハズレCに当選した場合も作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH6」が選択される。また、特図2側のハズレ当選時も作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH7」が選択される。
これら通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブル(FH1〜FH7)は、下記(α)〜(Δ)の特徴を持つ。以下では説明の便宜のために、作動保留球数によらずに選択される変動パターン振分テーブルを「共通変動パターン振分テーブル」とも称する。
(A−1.特図1側通常中ハズレA当選時に係る変動パターン振分テーブル(保留数別変動パターン振分テーブル)「FH1〜FH4」)
(α)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のそれぞれは、少なくとも“複数種類の通常変動が選択可能”となっている。具体的には、「FH1」が選択された場合には、通常変動13s、通常変動16s、またはNリーチ1(変動時間26s)が選択される可能性があり、「FH2」が選択された場合は、通常変動13s、通常変動16s、またはNリーチ1が選択される可能性がある。また、「FH3」が選択された場合には、通常変動8sまたは通常変動13sが選択される可能性があり、「FH4」が選択された場合には、通常変動4sまたは通常変動8sが選択される可能性がある。通常変動16sは、通常変動種別のうち最も変動時間が長い“最長通常変動(最長通常変動パターン)種別”に属し、通常変動4sは通常変動種別のうち最も変動時間が短い“最短通常変動(最短通常変動パターン)種別”に属するものとなっている。本実施形態は、作動保留球数(保留記憶数)に応じて、少なくとも「先読み予告用通常変動16s」の変動時間と略同一の変動時間を定めた「通常変動16s」が、異なる選択率で選択(決定)可能な構成となっている。
なお、(Z1)本発明は、作動保留球数に応じて、最長通常変動および/または最短通常変動が異なる選択率で選択可能なハズレ変動パターン振分テーブルを含むことができる。(Z2)また本発明は、作動保留球数に応じて、第1特定変動パターン(たとえば、通常変動16s)と、第1特定変動パターンよりも変動時間が短い短縮変動パターン(たとえば、通常変動4s、通常変動8sまたは通常変動13s)とのいずれかを選択可能な第1ハズレ変動パターン振分テーブルと、作動保留球数によらずに当該第1特定変動パターンの変動時間と略同一の変動時間である第2特定変動パターン(たとえば、先読み予告用通常変動16s)を決定可能な第2ハズレ変動パターン振分テーブルとを含むことができる。(Z3)また本発明は、作動保留球数に応じて、第1特定変動パターン(たとえば、通常変動16s)を異なる選択率で決定可能な第1ハズレ変動パターン振分テーブルと、作動保留球数によらずに当該第1特定変動パターンの変動時間と略同一の変動時間である第2特定変動パターン(たとえば、先読み予告用通常変動16s)を決定可能な第2ハズレ変動パターン振分テーブルとを含むことができる。この場合、作動保留球数毎に、第1特定変動パターン(通常変動16s)の選択率を異なるように構成することができる。
よって、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」の全体像に着目すれば、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ(本実施形態では、ハズレA)当選時に、作動保留球が比較的多い場合には(保留数2〜3の場合)変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易くなり、作動保留球が比較的少ない場合には(保留数0〜1の場合)変動時間が相対的に長い変動パターンが選択され易くなる。これにより、変動時間に適度な緩急が発揮され、変動スランプの発生率の低下に寄与することができ、遊技者は作動保留球が貯まっていて回っているような感じを受けるようになる。また、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」では、通常変動が高確率で選択され、作動保留球数が少なくなるほど、リーチ変動の選択率が高確率となる。そして、選択対象のリーチ変動は、低期待度リーチに属する「Nリーチ(変動時間が相対的に短いリーチ変動)」となっている。これにより、ハズレ時に当選期待感を無闇に煽ることがない。本実施形態に係るハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」によれば、変動スランプの発生率の低下に寄与するとともに、ハズレ時に当選期待感を無闇に煽ることがない、というバランスの取れた図柄変動表示ゲームを生起させることができるようになる。
なお、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」と「FH2」とにおいて「リーチ変動(リーチ変動)」が選択可能な構成、換言すれば、作動保留球数が相対的に少ない場合にリーチ変動が選択可能な構成となっているが、本発明はこれに限られない。たとえば、変動パターン振分テーブル「FH1」に限りリーチ変動が選択可能な構成、つまり、作動保留球数が最も少ない場合に限りリーチ変動が選択される構成としてもよい。また、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」において、通常変動だけが選択される構成としてもよい。
本実施形態では、通常変動種別を変動時間の長短で区別した場合、通常変動16s種別、通常変動13s種別などの10秒以上の変動パターンを変動時間が相対的に長い“長変動パターン”として扱う。一方、通常変動4s種別、通常変動8s種別などの10秒未満の変動パターンを変動時間が相対的に短い“短変動パターン”として扱う。このように区別する理由は、一般的な弾球遊技機では、遊技球を10秒程度発射し続ければ、作動保留球が高確率で発生しうると考えられるからである。本実施形態の場合、短変動パターンに属するものには、通常中に選択されうる通常変動4sや通常変動8sの他、確変中に選択されうる通常変動(小連荘中通常変動2s、小連荘中通常変動8sなど:図34参照)、時短中に選択されうる通常変動(時短中通常変動4s、時短中通常変動8sなど:図40参照)などがあるが、このような短変動パターンは、現存の作動保留球数が多い場合、或いは、作動保留球が発生し易い「電サポ有り状態」を伴う遊技状態下にて選択され易くなっている。
(β)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」は、各々が定める変動パターンのうち最も選択率の高い変動パターン(高頻度変動パターン)の変動時間が、それぞれ異なるように定められている(作動保留球数に応じて、高頻度変動パターンの変動時間が異なる)。具体的には、高頻度変動パターンの変動時間に関し、“FH4(保留3)、FH3(保留2)、FH2(保留1)、FH1(保留0)”のこの順で、変動時間が長時間となるように定められている。つまり、作動保留球数が少なくなるほど、高頻度変動パターンの変動時間が相対的に長時間となるように定められている。本実施形態の場合、上記高頻度変動パターンは“通常変動(通常変動パターン)”であり(高頻度通常変動パターン)、具体的には、図32に示す通り、変動パターン振分テーブル「FH1」の場合は“通常変動16s”、「FH2」の場合は“通常変動13s”、「FH3」の場合は“通常変動8s”、「FH4」の場合は“通常変動4s”となっている。また、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」が選択された際の平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均実行時間)は、“FH4(保留3)、FH3(保留2)、FH2(保留1)、FH1(保留0)”のこの順で、当該平均変動時間が長時間となるように定められている。換言すれば、作動保留球数が少なくなるほど、平均変動時間が長時間となるように定められている。
(A−2.通常中特図1側ハズレB当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH5」)
(γ)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」は、“SPSPリーチ種別(最高期待度リーチ種別)未満”の当選期待度を持つ変動パターン種別が選択可能となっている。本実施形態では、図示のように、Nリーチ種別、SPリーチ種別の他、通常変動種別のうち最も変動時間が長い“最長通常変動種別”が選択可能となっている。具体的には、「SPリーチ種別」よりも当選期待度が高い(SPリーチ種別よりも変動時間が長い)「SPSPリーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)」については選択されない。このハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」が選択された際の平均変動時間は、先述したハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」よりも相対的に長時間となっている。
(A−3.通常中特図1側ハズレC当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH6」)
(δ)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH6」は、少なくとも“SPSPリーチ種別”が選択可能、すなわち最高期待度リーチ変動種別が選択可能となっている。換言すれば、リーチ変動のうちで変動時間が最長のリーチ変動が選択されるテーブル構成といえる。本実施形態の場合は、図示のように、SPSPリーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)だけが選択可能となっている。したがって、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH6」が選択された際の平均変動時間は、他の通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブル「FH1〜FH5」よりも長時間(最長の平均変動時間)とされる。
(特図2側通常中ハズレ当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH7」)
(ε)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」は、特図2側ハズレ当選時の変動パターン振分テーブルである。本実施形態では、図示の通り、通常変動種別(ここでは、通常変動16s)だけが選択される。すなわち、通常中の特別図柄変動表示ゲーム2中(特図2変動中)にリーチが発生すれば、その時点で当選確定が報知される。特図1側よりも特図2側のハズレ当選時の変動パターンの種類を少なくしている理由は、次に述べる通りである。通常中は電サポ無し状態であり、下始動口35への入賞はほぼ無く、特図2作動保留球が発生するのは稀である。したがって、多種多様な変動パターンが選択可能とする必要性に欠け、また、多種多様な変動パターンを無闇に設けることは、制御負担の増大に繋がってしまうからである。
上記した「ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブル」により、下記のような作用効果を奏することができる。
(Α)ハズレ種別にはハズレA〜Cの複数種類のハズレが含まれ、これらの図柄抽選率は、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%(抽選確率の高低が「ハズレA>ハズレB>ハズレC」の関係)となっている(図4備考欄参照)。本実施形態では、このような図柄抽選率の関係を利用し、通常中において、ハズレAに当選した場合、作動保留球が比較的多い場合には変動時間が異なる複数の短変動パターンが選択され易くなり、作動保留球が比較的少ない場合には変動時間が異なる複数の長変動パターンが選択され易くなる。また、ハズレAに当選した場合、ハズレBまたはハズレCが当選した場合よりもリーチ変動が低確率で選択されるようになっている。これにより、変動時間が長い図柄変動が無闇に頻発しない構成、すなわち、変動時間に適度な緩急が発揮され、変動スランプの発生率の低下に寄与するだけでなく、作動保留球が貯まっていて回っているように遊技者が感じる、といったバランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させることができる(たとえば、上記(α)〜(δ)参照)。
(Β)また通常中にハズレAに当選した場合には、作動保留球数が少なくなるほど、平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間)が長時間となる。換言すれば、作動保留球数が多くなるほど、平均変動時間が短縮される(たとえば、上記(α)、(β)参照)。これにより、図柄変動表示ゲームの実行時間が無闇に長期化せず、変動スランプの発生率を抑えるとともに、作動保留球のオーバーフローの発生率も抑えることができる、といったバランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させることができる。特に、遊技進行上、滞在期間が長期間となりうる「通常中」において好適である。
(Γ)また、通常中にハズレAに当選した場合はリーチ変動よりも通常変動が高確率で選択され、ハズレBに当選した場合は低期待度リーチ種別(NリーチやSPリーチ)が高確率で選択され、ハズレCに当選した場合は高期待度リーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)が高確率で選択される(たとえば、上記(α)〜(δ)参照)。つまり、ハズレ時の多くは通常変動に係る演出(通常変動演出)が現出され、リーチ演出を適切な頻度で現出させることができる。これにより、遊技者に対して当選期待感を過度に煽ってしまうことがない。また、稀に出現する高期待度リーチ演出により遊技興趣(当選期待感)を大いに盛り上げることができる。
(Δ)確変中または時短中は、ハズレ種別および作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブルが選択される(上記(ζ)参照)。これにより、プログラム容量が少なくなり、制御負担の大幅な軽減を図ることができる。
(第3の特徴的要素)
また本実施形態では、既に説明したように、「先読み予告用通常変動16s」と「先読み予告用Nリーチ1」とを設けてある。これら変動パターンは、先読み予告用変動パターンとして定められている他、次のような特徴を有する。
(A)図32に示す通り、「先読み予告用通常変動16s」の変動時間は、非先読み予告用変動パターン種別に属する「通常変動16s」の変動時間と略同一であり、「先読み予告用Nリーチ1」の変動時間は、非先読み予告用変動パターン種別に属する「Nリーチ1」の変動時間と略同一である。これら変動パターンは、長変動パターンに属する。本実施形態の場合、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは、通常変動種別の中で最長の変動時間として定めてある(最長通常変動種別に属する)。
(B)また図32に示す通り、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは同系統の変動パターンであるが、それぞれ入賞時コマンドの値が異なる。また、先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」も同系統の変動パターンであるが、それぞれ入賞時コマンドの値が異なる。
(C)「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは、低期待度変動パターン(通常変動種別、Nリーチ種別)に属する変動パターンであり、その当選期待度は、略同一である。また「先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」も同様に、低期待度変動パターンに属する変動パターンであり、その当選期待度も略同一である。
上記のような「先読み予告用通常変動16s」「先読み予告用Nリーチ1」の働きについて、図32のハズレ変動パターン振分テーブルを用いて、先読み予告の現出制御との関係に触れながら説明する。
図32を参照して、通常中にハズレAが当選した場合、変動開始時には、作動保留球数に応じて、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」(保留数別変動パターン振分テーブル)のいずれかが選択され、通常変動16sまたはNリーチ1が選択されうる。また、稀にハズレB(図柄抽選率4%)が当選するが、このときは、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」(共通変動パターン振分テーブル)に選択され、先読み予告用通常変動16s」または「先読み予告用Nリーチ1」が選択されうる。ここで、遊技を進行する上で滞在期間が長期間となりうる「通常中」において、遊技者が最も遭遇確率が高い遊技状況は、ハズレAの当選(図柄抽選率95%)である。
よって、第1の効果として、低期待度の変動パターンが選択された際に、先読み予告が過度に現出されず、遊技者の当選期待感を無闇に煽ることがない。
また第2の効果として、先読み予告に係る作動保留球が図柄変動表示ゲームに供された際に、先読み予告による当選期待感を長く持続させることができる。詳述すれば、通常変動4sや通常変動8sなどの短変動パターンに係る先読み予告を発生させる場合、その先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームの実行時間が短いため、大した予告演出も現出されずにあっさり終了してしまう。また、図柄変動表示ゲームの実行時間が短いと、白点滅の保留アイコン(ステップアップ保留変化予告を示唆)が表示された場合やゲーム実行中保留Kを利用したステップアップ保留変化予告を示唆する発生期待感を煽ることなく、あっさり終了してしまう。このようなケースは「一体、あの先読み予告は何の意味があったのだろう?」という具合に、遊技者を白けさせてしまう。しかし本実施形態の場合、「先読み予告用通常変動16s」や「先読み予告用Nリーチ1」は、長変動パターン(本実施形態の場合は、最長通常変動)に属するものであるため、このような問題が生じることを防止しうる。
なお、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」は、先読み予告対象か否かという違いはあるが、双方の図柄変動表示ゲーム中において同一の演出を実行可能な構成とすることが好ましい(「先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」の関係についても同様)。すなわち、非先読み予告用の「通常変動16s」と、これと略同一(同一を含む)の変動時間を定めた先読み予告用の「通常変動16s」とで、図柄変動中の演出を同じ演出態様とし、いずれの変動パターンが選択された場合であっても、演出上、遊技者が同じ変動パターンが選択されたと認識させる。このように、内容的に同じであるが選択率が異なる変動パターン同士を、非先読み予告用と先読み予告用とに区別することにより、ハズレ時において、先読み予告を適度に出現させて過度な先読み予告が実行されてしまうことを防止して、遊技者の当選期待感を適度に煽ることができるようになっている(過剰な先読み予告の出現により、遊技者がストレスを感じないようにすることができる)。なおここでいう「同一の演出」とは、少なくとも装飾図柄の変動表示(後述の装飾図柄演出)と予告演出とを含む演出態様を同一とすることが好ましいが、「装飾図柄の変動表示」および/または「予告演出」を同一としてもよい。ただし、演出上、同じような演出と見せるためには、装飾図柄の変動表示態様は異なるがそれ以外の演出は同一とすることが好ましい。また、「先読み予告用通常変動16s」と同じ機能を有する先読み用通常変動種別だけを1または複数設けてもよいし、「先読み予告用Nリーチ1」と同じ機能を有する先読み用Nリーチ種別だけを1または複数設けてもよい。
また既に説明したが、「通常変動16s」および/または「Nリーチ1」を先読み予告用変動パターンとして定めてもよい。この場合は「先読み予告用通常変動16s」および/または「先読み予告用Nリーチ1」よりも先読み予告の出現率を低確率に定める。たとえば、先読み予告の出現率(実行率)に関して「通常変動16s<先読み予告用通常変動16s」を満たす関係、「Nリーチ1<先読み予告用Nリーチ1」を満たす関係とする。
再び図11の説明に戻り、ステップS320の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、始動口入賞時乱数判定処理において決定されたコマンドデータに基づき「入賞時コマンド」を作成し、これを演出制御部24に送信する(ステップS321)。なお、先読み禁止中である場合や設定値データに異常が発生した場合は、先読み禁止データ「9FH」がそのまま維持され、「先読み禁止データ」を持つ入賞時コマンドが演出制御部24に送信されることになる。この場合、上位バイト(MODE1)側の値は、適宜な値、たとえば、「B3H」が取得され、先読み禁止の入賞時コマンド(B39FH)を送信する。
次いで、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」を作成し(ステップS322)、これを演出制御部24に送信する(ステップS323)。この「保留加算コマンド」は2バイトで構成され、今回先読み対象となった作動保留球が特図1側であるか特図2側であるかを指定する上位バイト(MODE)側と、入賞時の作動保留球数を指定する下位バイト(EVENT)側とで構成される。保留加算コマンドは、演出制御部24側において、作動保留球発生の際、保留表示領域76、77に対し、現在の作動保留球数に関する情報を報知したり、先読み予告演出が実行される場合には、その予告対象保留についての先読み予告を現出する際にも利用される。
上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、コマンドに含まれる情報が、「先読み禁止指定以外」であれば、先読み予告の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、これに当選した場合には、先読み予告の演出シナリオを作成し、そのシナリオに基づいて、今回の作動保留球を対象とする先読み予告を実行制御する。一方、「先読み禁止指定」であれば、先読み予告抽選を実行せずに、或いは、先読み予告抽選を実行するがその抽選結果を強制的にハズレ(予告演出実行せず)として処理し、先読み予告の発生を禁止する。この実施形態では、先読み禁止中の場合か、または設定異常エラーが生じている場合のいずれも、先読み禁止指定の入賞時コマンドを送信する構成となっているが、その理由は下記の通りである。
本実施形態の場合、設定異常エラーが生じても遊技動作を強制的に停止制御することはしない。その理由は第1に、設定異常エラーの解消は、既に説明したように、設定変更操作を行うことにより解消されるが、営業中の設定変更操作は、法的要請の観点から射幸心煽る事項として禁止事項に該当する可能性が高い。第2に、設定異常エラーが生じた際、直ちに遊技動作処理を強制的に停止させてしまうと、突然の遊技停止に、遊技者が不信感を抱いてしまう。たとえば、仕掛り中の図柄変動表示ゲームが正常動作時に実行されたものである場合や、大当り遊技中の場合などに、偶々、設定異常エラーが発生して、直ちに遊技ができない状態に制御してしまうと、遊技者が本来得られるべき利益が消失してしまい、遊技者の不信感を招く。このような事情を考慮し、設定異常エラーが発生した場合はエラー報知を行うに止めて、遊技進行自体は条件付きであるが、そのまま進行させる。「条件付きであるが」と表現したのは、設定異常エラーが発生した場合には、先読み予告を禁止したり、図柄変動表示ゲームの結果を強制的にハズレとするからである(図11のステップS317(=5AH)、後述の図12のステップS409(=5AH)の処理ルートを参照)。
以上により、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて、特図2始動口チェック処理(ステップS302)を実行する。
<12.特別図柄変動開始処理:図12>
次に、図10中の特別図柄変動開始処理(ステップS306)について説明する。図12は、特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、特図2作動保留球数対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を実行する。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、特図1作動保留球数を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を実行する。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合である。そこで「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
上記「作動保留球なし」の状態となったときの特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には(ステップS417:NO)(後述の図14Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(ステップS418)。そして、演出制御コマンドとして、客待ち中コマンド(BA04H)を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。演出制御部24が上記客待ち中コマンドを受信した場合、所定の実行条件に基づき、遊技機1に係る遊技の説明やその紹介(デモンストレーション)のためのデモムービーが流れる「客待ち演出(デモ画面)」を現出させる。具体的には、客待ち中コマンドを受信した後、遊技が開始されずに、つまり作動保留球が発生せずに(保留加算コマンドを受信することなく)、所定時間(たとえば、180秒)が経過した場合、客待ち演出を現出させる。客待ち演出開始までの待機時間(180秒)が経過するまでは、今回の図柄変動表示ゲームの終了後に停止した装飾停止図柄の表示状態が引き続き表示され、装飾ランプ45は所定の発光パターンで発光し、スピーカ43は、消音状態(所定の音演出を実行していてもよい)とする「デモ開始待ち演出」が現出され、客待ち演出開始までこの状態が維持される。また、演出制御部24は、客待ち演出(デモ画面)の開始後、所定の移行条件(節電モード移行条件)を満たした場合に、客待ち演出を終了して「節電モード」に移行させる。この実施形態の場合、客待ち演出(デモ画面)の開始後、作動保留球が発生せず、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定時間(たとえば、120秒)が経過した場合、演出モードを節電モードに移行させ、液晶表示装置36に節電用画面(たとえば、液晶画面に「節電中です」の文字表示)を表示させ、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの一部またはすべてを消灯させるように制御する(節電制御)。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:NOまたはS402:NO)、ステップS403〜S416を順次実行していく。なお、以下に説明するステップS403〜S416の処理の仕方については、特図1作動保留球を対象とするか、特図2作動保留球を対象とするかの違いだけで、その内容は実質的には同じである。したがって重複記載を避けるため、特に必要が無い限り、どちらの作動保留球を対象とした処理であるかを区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、今回の変動表示動作に供する特図側の作動保留球数を1減算し(ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を特定するためのデータであり、特図1が変動開始側であるならば「01H」を、特図2が変動開始側であるならば「02H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データを読み出し、領域内RAMの判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリアに格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS407)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能となっている。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS408)。遊技状態情報送信処理では、「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する。ここでの遊技状態指定コマンドには、ゲーム開始時の遊技状態を特定可能な遊技状態情報が含まれる。演出制御部24は、遊技状態指定コマンドを受信すると、これに含まれる情報に基づき、遊技状態を把握し、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理する。遊技状態指定コマンドに含ませる遊技状態情報は、目的の遊技処理を行う際に最低限必要な情報であればよく、たとえば、「内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)」および/または「変動パターン選択モード(Tcode)」を含む情報とすることができる。
またここでは、必要に応じて、時短状態中であれば残り時短回数を特定可能な「時短回数コマンド」を送信し、確変状態中であれば残りST回数を特定可能な「ST回数指定コマンド」を送信する。演出制御部24は、これらのコマンドに含まれる情報に基づいて、残り時短回数や残りST回数を把握し、その残り時短回数または残りST回数を演出的に報知する「残余回数表示演出」を現出させる(本実施形態の場合、上記残余時短回数報知演出を現出させる)。なお、時短状態または確変状態が次回大当りまで継続する場合(実質的に次回大当りまで継続する場合(無限系)を含む)には、時短回数コマンド、ST回数指定コマンドは送信しなくてもよい。
(設定値が正常時の処理ルート:S410を辿る処理ルート)
次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS409)。設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS409:≠5AH)、設定値コマンドを演出制御部24に送信し、次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を実行する(ステップS410)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした「変動開始時の当落抽選」を実行する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11のステップS318の乱数判定処理と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
このステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、まず。特別図柄作動確認データ(今回変動開始側の特別図柄種別情報)に基づき、今回の処理対象側に対応する「当り乱数判定テーブル(図20)」を取得する。たとえば、今回の変動が特図1側であれば「特図1用当り乱数テーブル」を取得し、特図2側であれば「特図2用当り乱数テーブル」を取得する。次いで、上記判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と、取得した当り乱数判定テーブルとに基づく「当落抽選」を行う。そして、当落抽選結果が「大当り」当選であれば大当り判定フラグを「5AH」に設定し、大当り当選でない、つまり‘ハズレ’であれば、大当り判定フラグに「00H」を設定する。また本実施形態では、支援時短も当落抽選対象となるため(当落抽選対象抽選形態)、当落抽選結果が「支援時短」当選であれば、支援時短判定フラグに「5AH」を設定する(図20参照)。
次いで、特別停止図柄作成処理を実行する(ステップS411)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS410の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値とを利用し、「変動開始時の図柄抽選」を実行する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11に示す特別停止図柄データ作成処理(ステップS319)と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
このステップS411の特別停止図柄作成処理では、まず、特別図柄作動確認データ(今回変動側の特別図柄種別情報)と、ステップS410の当落抽選結果とに基づき、図柄テーブル(大当り図柄テーブル、ハズレ図柄テーブル、支援時短図柄テーブル:図21、図22〜図24参照)を取得する。たとえば、特別図柄作動確認データが00H、大当り判定フラグが5AHである場合、すなわち、今回の変動開始側が‘特図1側’であり、当落抽選結果が‘大当り’である場合には、「特図1用大当り図柄テーブル」が選択される。そして、上記判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づく図柄抽選を実行し、その抽選結果である特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号を、領域内RAMの対応領域にそれぞれ格納する。
(連荘回数カウンタ)
また、特別停止図柄作成処理では、図柄抽選の結果に基づき、上記した確変モードに関する連荘回数のカウント処理も行う。ここは、連荘回数のカウント対象となる当選種別(たとえば、確変大当り:図5E(イ)参照)に当選した場合は、連荘回数カウンタに+1する。これにより、今回の当選ゲーム後に実行される大当り遊技が何連荘目となるかを管理可能となっている。ただし、全大当りを連荘回数のカウント対象とする場合には、当落抽選の結果に基づいて、カウント処理も行うことができる。この場合は、ステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理で行うことができる。
なお、連荘回数カウンタに+1するというカウントアップ方式で、今回の連荘回数をカウントするのではなく、初期値からデクリメントして連荘回数を把握するカウントダウン方式としてもよい。具体的には、通常状態移行時やRAMクリア時に連荘回数カウンタに初期値として「07H」をセットする。そして、カウント対象となる当選種別が当選する毎に、連荘回数カウンタがゼロになるまで1ずつ減算して行く。この場合、連荘回数カウンタの値が「06H」であれば初当り時(1連荘目)を示し、「05H」〜「00H」であれば2連荘目〜7連荘目であることを示す。したがって、カウントダウン方式の場合、後述のステップS412の遊技状態移行準備処理にて、連荘回数カウンタの値が「06H」〜「04H」(1〜3連荘目)であれば、確変モード1に移行するためのデータがバッファセットされ、「03H」〜「01H」(4〜6連荘目)であれば、確変モード2に移行するためのデータがバッファセットされ、「00H」であれば、確変モード3に移行するためのデータがバッファセットされる(図42備考欄参照)。
ステップS411の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を実行する(ステップS412)。この遊技状態移行準備処理では、大当りや支援時短に当選した場合に、移行先の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う。
具体的には、図柄抽選により決定された当選種別(特別図柄判定データ)と、遊技状態判定番号(YJ)とに応じて、移行先の遊技状態を指定するデータ群を定めた図42に示す「遊技状態移行テーブル」を参照し、各種データを、対応する状態バッファに格納する。
図42に示す遊技状態移行テーブルには、各遊技状態(遊技モード)を指定するためJTTBL−1〜JTTBL−6が設けられている。JTTBL−1〜〜JTTBL−6には、図示の通り、内部遊技状態を指定するデータや、確変モード1〜3、時短モード1〜3に移行させるためのデータが定められている。なお、JTTBL−1は確変状態(確変モード1)に移行させるためのデータであるが、図中の備考欄に示す通り、連荘回数に応じて(上記連荘回数カウンタの値に応じて)、変動パターン振分指定番号バッファには、「01H」〜「03H」が設定されるようになっている。
上記状態バッファに格納された値は、大当りの場合には後述の図15に示す大当り終了処理(ステップS509)で読み出され、支援時短の場合には後述の図15に示す支援時短特別電動役物作動処理(ステップS504)で読みだされ、RAM203の所定の記憶領域(各々の状態バッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。これにより、大当り遊技後や支援時短開閉遊技後の遊技状態(図4、図29、図42の移行先遊技状態)が指定される。
なお、上記各種の状態バッファの役割は、下記の通りである。
(α)「普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ」
内部遊技状態を指定するための各機能のON(作動中)/OFF(非作動中)の指定データが設定される。具体的には、開放延長機能の作動状態を指定する普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短機能の作動状態を指定する普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変機能の作動状態を指定する普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短機能の作動状態を指定する特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変機能の作動状態を指定する特別図柄確変状態フラグ用のデータが設定される。
(β)「特別図柄時短回数カウンタバッファ」
時短回数(電サポ回数)を指定するためのデータ(特別図柄時短回数カウンタ用のデータ)が設定される(図14A〜図14BのステップS478〜S481参照)。
(γ)「特別図柄確変回数カウンタバッファ」
ST回数を指定するためのデータ(特別図柄確変回数カウンタ用のデータ)が設定される(図14BのステップS483〜S486参照)。
(δ)「特別図柄変動回数カウンタ1〜3バッファ」
特定の変動パターン選択モード(Tcode)の継続回数を指定するためのデータ(特別図柄変動回数カウンタ用のデータ)が設定される。
(ε)「変動パターン振分指定番号1〜3バッファ」
所定の更新条件が成立した場合に、更新先となる変動パターン選択モード(Tcode)を指定するデータ(変動パターン選択モード(Tcode)用のデータ)が設定される。更新条件には、たとえば、大当り当選時(図14AのステップS475)、時短終了時(図14BのステップS481)、確変終了時(図14BのステップS486)、特別図柄変動回数カウンタがゼロになったとき(図14BのステップS490)、大当り遊技終了時(図15のS509)、支援時短当選時(図14BのステップS476、図15のステップS504)などがある。
次いで、特別図柄変動パターン作成処理を実行する(ステップS413)。特別図柄変動パターン作成処理では、ステップS411の特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、変動パターン振分指定番号(Tcode)(現在の遊技状態)、設定値情報(必要に応じて取得する)および作動保留球数(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数0〜3個:ステップS403参照)などに対応する変動パターン振分テーブルを取得し、変動パターン振分テーブルを参照して、変動パターン用乱数(図10のステップS314の処理で取得)による変動パターン抽選に基づき、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された変動パターン内容を特定可能な「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11のステップS320の始動口入賞時乱数判定処理と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
特別図柄変動パターン作成処理では、下記(A)〜(F)の処理を含んで構成されている。
(A)今回参照すべき「変動パターン振分テーブル」を選択(決定)する“変動開始時変動パターン振分テーブル決定処理”と、
(B)上記(A)で決定された「変動パターン振分テーブル」を参照し、変動パターン用乱数値に応じた変動パターンを決定する“変動パターン決定処理”と、
(C)変動パターン決定処理で決定された変動パターンに対応する変動時間(疑似連に必要な加算時間を含む)を決定して、領域内RAMのタイマ管理領域である「特別図柄役物動作タイマ」に設定する“変動時間設定処理”と、
(D)上記(B)で取得した変動パターンの内容を特定可能な「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24に送信する“コマンド送信処理”と、を含んで構成される。なお(B)の変動パターン決定処理は、変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドのコマンドデータを取得する処理となっている。
変動開始時においては、入賞時(先読み判定時)とは異なり、作動保留球数(ステップS403の変動開始時の作動保留球数)を考慮して、変動パターン振分テーブルが選択されうる。変動パターンが決定されると、「変動パターン指定コマンド」を構成するための上位バイト側(MODE2:当りハズレの別を指定)と下位バイト側(EVENT:変動パターン情報)のコマンドデータが決定される。これにより、変動パターン指定コマンドが決定され、変動開始時の変動パターンの内容が指定されることになる。
変動パターンの決定に伴い、その変動パターンに対応した変動時間が決定される。なお、この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、少なくとも当落抽選結果(本実施形態の場合、詳細な図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含まれる)や、現在の遊技状態、変動時間情報、特定の予告演出の実行指定情報(リーチ演出の有無およびその種別や、疑似連指定情報)などが含まれる。主制御部20は、その内容を特定可能な「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24に送信し、この変動パターン指定コマンドに含まれる情報は、演出制御部24側にて、今回の図柄変動表示ゲームに係る演出シナリオ(装飾図柄の変動表示や各種予告演出など)を決定する際に利用される。
上記ステップS413の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、今回の変動開始側に対応する変動中フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS414)。上記「変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらが変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。本実施形態では、特図1対応の「特別図柄1変動中フラグ」と、特図2対応の「特別図柄2変動中フラグ」を扱う。たとえば、特図1側が今回の処理対象(変動開始側)であれば、特別図柄1変動中フラグをON、特別図柄2変動中フラグをOFFに設定する。
次いで、ステップS411の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果情報を特定可能な装飾図柄指定コマンドを取得し、これを演出制御部24に送信する(ステップS415)。装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素となる図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドを受信すると、これらのコマンドに含まれる情報に基づいて、図柄変動表示ゲーム中に実行すべき演出を決定し、今回の装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図9の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
(設定異常エラーが生じたケースについて:S409→S411の処理ルート)
ステップS409の判定処理の説明に戻り、ステップS409において、設定エラーフラグがON状態(5AH)である場合、つまり設定異常エラーが発生中の場合(ステップS409:=5AH)、ステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(当落抽選)をスキップし、ステップS411の特別停止図柄作成処理を実行する。すなわち、設定異常エラーが発生した場合には、変動開始時の当落抽選を実行せず、今回の当落抽選結果は、常に「ハズレ」として処理される(強制ハズレ制御)。設定異常エラーの場合は、エラー専用の変動パターンを設け、これを選択することが好ましいが、既存の特定の変動パターンが選択されるように構成してもよい。既存の変動パターンを選択する場合は、「設定異常エラー」という深刻なエラーが生じていることを考慮し、当選期待感を煽るようなリーチ変動種別は選択せずに、通常変動パターン種別のみを選択することが好ましい。なお、強制ハズレという状況下では、最早、遊技の意味を成さないため、長変動パターン種別を選択することが好ましく、より好ましくは、最長の通常変動パターン(本実施形態では、通常変動16s)だけを選択する。また、設定異常エラーの場合には、「遊技続行不可」として、図柄変動表示ゲーム自体を開始させない(図柄変動を開始させな)構成としてもよい。この場合には、遊技機の電源がOFFになるまでエラー報知を継続する。なお本実施形態では、図8に示す設定変更処理(ステップS023)が実行されて設定異常エラーが解除されるまでは、電源を再投入してもエラー報知が継続される。
<13.特別図柄変動中処理:図13>
次に、図10に示す特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図13は、図10の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図13において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームが終了されるとともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。この確定表示時間中は、装飾図柄も確定表示(本停止)される(たとえば、図29の確定表示期間CT)。
以上の特別図柄変動中処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理を抜けて、図9のステップS095の特別電動役物管理処理に進む。
<13.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図14Aおよび図14B>
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図14Aおよび図14Bは、図10の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
図14Aおよび図14Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図13のステップS453参照)。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、遊技状態番号YJを格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、図示の通り、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグをONにし、その他、低確率、電サポ状態無しの状態に設定し、連荘カウンタをクリアする。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、支援時短判定フラグの状態を判定する(ステップS476)。支援時短判定フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS476:≠5AH)、ステップS478の処理に進む。支援時短判定フラグがON状態(5AH)の場合(ステップS476:=5AH)、支援時短図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS477)。ここでは、支援時短図柄停止時の各種設定処理(支援時短開始前処理)として、支援時短判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、支援時短開始前フラグに5AH(ON状態)を格納する。支援時短図柄停止時の各種設定処理を終えると、ステップS478の処理に進む。
ステップS478の処理に進むと、特別図柄時短回数カウンタ(残り時短回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
一方、特別図柄時短回数カウンタ(時短回数)がゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。一方、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、図示の通り、電チューサポート機能をOFF状態に設定し、Tcodeを00H(通常中)に設定するなど、時短状態から通常状態への移行設定処理を行う。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常状態」に基づく特別図柄の変動パターンが選択されることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS482)。ここでは、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信する。ここでの遊技状態指定コマンドには、時短状態終了を指定する情報が含まれる。この遊技状態指定コマンドにより演出制御部24は、今回のゲームで時短状態が終了した旨を把握し、次回のゲームから通常状態に移行される旨を把握する。
次いで、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS488の処理に進む。一方、特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、ST回数が終了していないので、何もせずにステップS488の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数が規定のST回数(本実施形態では、65536回)に達したとして、確変終了時の設定処理を実行する(ステップS486)。ここでは、確変終了時の設定処理として、図示の通り、確変状態に関する機能をOFF状態に設定し、確変状態から通常状態への移行設定処理を実行する。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常状態」に基づく特別図柄の変動パターンが選択される。なお、潜確状態を設けた場合、潜確状態についても確変状態の処理と同様に、ステップS483〜S485にてST回数が監視され、この確変終了時の設定処理において潜確状態の終了タイミングが管理されている。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS487)。ここでは、上記ステップS482と同じく、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信するが、ここでの遊技状態指定コマンドに含まれる情報には、高確率状態(確変状態または潜確状態)終了を指定する情報が含まれる。この遊技状態指定コマンドにより演出制御部24は、今回のゲームで確変状態または潜確状態が終了した旨を把握し、次回のゲームから通常状態に移行される旨を把握する。
ステップS487の遊技状態情報送信処理を終えると、次いで、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS488)。ここでは、ゲーム実行回数(変動回数)に基づく変動パターン選択モード(Tcode)の変更タイミングを監視する。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS488:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。一方、特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS488:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS489)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS490)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS490:NO)、変動パターン選択モード(Tcode)の更新タイミングでないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、変動パターン選択モード(Tcode)の更新タイミングが到来したとして、遊技状態更新処理(変動パターン振分指定番号更新処理)を実行する(ステップS491)。たとえば、無限時短が付与されている場合、つまり、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」に移行させる場合には、まず現在の時短モードが「時短モード1」であり、かつ特別図柄変動回数カウンタがゼロになった場合、現在の時短モード1を指定する「Tcode=04H(変動パターン振分指定番号1)」から時短モード2を指定する「Tcode=05H(変動パターン振分指定番号2)」に更新し、特別図柄変動回数カウンタに100回をセットする。そして、現在の時短モードが「時短モード2」であり、かつ特別図柄変動回数カウンタがゼロになった場合、現在の時短モード2を指定する「Tcode=05H(変動パターン振分指定番号2)」から時短モード3を指定する「Tcode=06H(変動パターン振分指定番号2)」に更新し、特別図柄変動回数カウンタに65335回をセットする。
ステップS491の遊技状態更新処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS492)。ここでは、上記ステップS482と同じく、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信するが、ここでの遊技状態指定コマンドに含まれる情報は、更新後の変動パターン選択モード(Tcode)を特定可能な情報が含まれる。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図8の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図15の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
<14.特別電動役物管理処理:図15>
次に、図9中の特別電動役物管理処理(ステップS095)について説明する。図15は、ステップS095の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図15において、CPU201は、まず、支援時短開始前フラグのON/OFF状態を判定する(ステップS501)。支援時短開始前フラグがON状態である場合(ステップS501:=5AH)、つまり、支援時短に当選した場合には、支援時短特別電動役物作動処理を実行する(ステップS504)。ここでは、支援時短開閉遊技を実行するために必要な設定処理や、支援時短開閉遊技が終了した場合に、上記「遊技状態移行準備処理(図12のステップS412)」において設定された状態バッファの各々の値を、状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタにそれぞれ設定し、支援時短開始前フラグをクリアする。これにより、支援時短開閉遊技後の遊技状態が指定される。なお、支援時短開閉遊技開始時には「支援時短開閉遊技開始コマンド」が、支援時短開閉遊技終了時には「支援時短開閉遊技終了コマンド」が演出制御部24に送信される。これらのコマンドは、演出制御部24側にて、支援時短開閉遊技中の演出(オープニング演出(開始INT中演出)、開閉動作遊技中の演出、エンディング演出(終了INT中演出など)を現出する際に利用される。
支援時短開始前フラグがOFF状態である場合(ステップS501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグのON/OFF状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態(ステップS502:≠5AH)、つまり、支援時短開閉遊技中でも大当り遊技中でもない場合には、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態の場合(ステップS501:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS502:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、領域内RAMの特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。特別電動役物動作ステータスには、大当り遊技開始前の待機状態である旨を指定する「開始処理中(00H)」、ラウンド遊技開始前の待機状態である旨を指定する「作動開始処理中(01H)」、ラウンド遊技が実行中である旨を指定する「作動中(02H)」、次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を指定する「継続判定中(03H)」、大当り遊技終了時の終了処理中である旨を指定する「大当り終了処理中(04H)」が含まれる。
ステップS502の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値が「開始処理中(00H)」「作動開始処理中(01H)」「作動中(02H)」「継続判定中(03H)」「大当り終了処理中(04H)」のいずれかのステータス値であるかに応じてステップS505〜S509のいずれかの処理を実行する。これらの処理は大当り遊技を実行制御する処理であり、ステップS505〜S509の処理を経て、各種当りに対応する当り遊技が実現される。以下に、ステップS505〜S509の処理内容について説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
(9−1.大当り開始処理)
ステップS505の「大当り開始処理」について説明する。大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが、初期値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって「大当り」となった場合は、まずこの「大当り開始処理」が実行される。
大当り開始処理に入ると、CPU201は、まず、大当り遊技を開始する際に必要な設定処理(開始時の設定処理)として、役物連続作動装置作動フラグにON状態に設定する。これにより、特別電動役物の連続作動(ラウンド遊技)が許容状態となる。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に更新し、ラウンド数をカウントする「連続回数カウンタ」に初回の1R目を指定する01Hを設定する。次いで、今回当選した当り種別(特別図柄判定データ)に応じて、領域内RAMの該当領域に、今回の大当りに対応する「最大ラウンド数」、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を設定する。「開始インターバル時間(開始INT)」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して(図14AのステップS471参照)大当りが確定した後、特別変動入賞装置52が作動するまで(1R目のラウンド遊技が開始されるまで)のインターバル区間であって、オープニング演出区間を定めた時間幅を指す。
次いで、「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜ける。なお「大当り開始コマンド」には、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれる。この大当り開始コマンドを演出制御部24が受信すると、今回の大当り遊技中(開始INT中、ラウンド遊技間、ラウンド遊技中、終了INT中など)に展開される一連の当り演出(オープニング演出、ラウンド中演出、ラウンド間インターバル演出、ラウンド終了演出、エンディング演出など)を決定し、オープニング演出を開始する。かくして、大当り遊技が開始される。
(9−2.特別電動役物作動開始処理)
次に、ステップS506の「特別電動役物作動開始処理」について説明する。
特別電動役物作動開始処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、ラウンド開始前インターバル時間が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記「大当り開始処理(ステップS505)」で設定された「開始インターバル時間(開始INT)」が監視されるが、2R目以降で本処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間」、具体的には、今回のラウンド遊技が終了して次回ラウンド遊技が開始されるまでのラウンド間のインターバル時間(R間INT)が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、今回のラウンド遊技が終了していないので、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(1R目の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、大当り種別(特別図柄判定データ)と現在のラウンド数(連続回数カウンタ値)とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。ここでは、大入賞口開閉動作時間(最大開放時間)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データ(ラウンド数に対応して実行される大入賞口開閉動作パターン用データ)を設定する。
また大入賞口開放開始動作に伴い、大入賞口開放コマンドを演出制御部24に送信する。この「大入賞口開放コマンド」には、現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド数に対応するラウンド中演出を現出させる際に利用される。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替えて、この特別電動役物管理処理を抜ける。これにより、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放され、今回のラウンド遊技が開始される。
(9−3.特別電動役物作動中処理)
次に、ステップS507の「特別電動役物作動中処理」について説明する。
特別電動役物作動中処理に入ると、CPU201は、まず大入賞口50への入賞球数が最大入賞数に達したか否かを監視し、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをゼロクリアする。これにより、上記「特別電動役物作動開始処理(ステップS506)」で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことを以って、開放中の大入賞口50が閉鎖されることになる。また、ここでは、大入賞口50に入賞があるごとに「大入賞口入賞コマンド」を演出制御部24に送信する。この大入賞口入賞コマンドには、大入賞口への入賞発生情報と賞球数情報とが含まれ(設定値情報も含ませてもよい)、大入賞口50に入賞した旨を報知する入賞演出に利用される他、入賞演出を利用した設定示唆演出の現出制御にも利用される。たとえば、最大入賞数を超えるオーバー入賞があった場合、設定値に応じて定められた出現率に従い、通常のオーバー入賞演出に替えて、特別なオーバー入賞演出を現出させる。
なお、特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間、つまり、大入賞口開放動作時間(最大開放時間)が経過するか、または最大入賞数に達するまでの間は、何もしないで、そのまま特別電動役物作動中処理を抜ける。
最大入賞数に達するか、または最大開放時間が経過して、特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(1980ms)を格納する。この「残存球排出時間」とは、大入賞口が閉鎖された後、大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間を指す。また大入賞口閉鎖(ラウンド遊技終了)に伴い、ラウンド間インターバルコマンドを演出制御部24に送信する。この「ラウンド間インターバルコマンド」は、ラウンド遊技終了情報や現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド間INT中のラウンド間INT演出を現出させる際に利用される。以上により、この特別電動役物作動中処理を抜ける。
(9−4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、ステップS508の「特別電動役物作動継続判定処理」について説明する。
特別電動役物作動継続判定処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の残存球排出時間(1980ms)が設定されているので(ステップS507参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタの値を取得して、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える。
一方、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合、最終ラウンド終了時の設定処理として、「終了INT(終了インターバル時間)」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える。上記「終了INT」とは、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了して残存球排出時間経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信して、特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。これにより、最大ラウンド数目のラウンド遊技が終了される。なお、大当り終了コマンドには、今回の大当り種別とその当選時の遊技状態とに関する情報、つまり大当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。
(9−5.大当り終了処理)
次に、ステップS509の「大当り終了処理」について説明する。
大当り終了処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間(終了INT)が設定されているので、ここでは、この終了インターバル時間が経過したか否かが判定される。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば、遊技状態移行準備処理(図10のステップS412)」において設定された状態バッファの各々の値を、状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタにそれぞれ設定する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が指定される。
次いで、大当り終了時の各種設定処理として、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータ(たとえば、ステップS505〜S509で利用したフラグやカウンタ値)をクリアし、遊技状態報知LED出力番号を更新し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了して、今回の大当り遊技が終了されることになる。
以上、第1実施形態について好ましい実施形態についてまとめると、下記の構成例1A〜9Aとすることができる。
[構成例1A]
始動条件の成立に基づき、少なくとも第1の乱数値と第2の乱数値とを含む複数種類の乱数値を取得する取得手段(図11のS314)と、
前記第1の乱数値に基づいて、所定の当選に関する当落判定を実行する当落判定手段(主制御部20、図12のS410)と、
前記当落判定の結果と第2の乱数値とに基づいて、当選の種別を判定する図柄判定手段(主制御部20、図12のS411)と、
図柄の変動表示動作を行い、前記図柄判定手段の判定結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b、液晶表示装置36)と、
大入賞口の入口を開きまたは拡大可能に構成された特別電動役物(特別変動入賞装置52)と、
特別電動役物を連続作動させることが可能な役物連続作動手段(主制御部20(役物連続作動装置)、図15)と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段(主制御部20、図4、図12のS412、図15のS509、図42、図43)と、を備える遊技機であって、
前記当落判定手段による当落判定の対象には、
前記役物連続作動手段の作動契機となる大当り(たとえば、10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り:図4)と、前記役物連続作動手段の作動契機とならない特別時短(支援時短A、支援時短B、支援時短C:図4、図25、図29)とが少なくとも含まれ、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別時短が当選した場合、前記時短状態に制御する(図4、図25、図29、図42)ことを特徴とする遊技機。
[構成例2A]
始動条件の成立に基づき、少なくとも第1の乱数値と第2の乱数値とを含む複数種類の乱数値を取得する取得手段(主制御部20、図11のS314)と、
前記第1の乱数値に基づいて、所定の当選に関する当落判定を実行する当落判定手段(主制御部20、図12のS410)と、
前記当落判定の結果と第2の乱数値とに基づいて、当選の種別を判定する図柄判定手段主制御部20、図12のS411)と、
図柄の変動表示動作を行い、前記図柄判定手段の判定結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b、液晶表示装置36)と、
大入賞口の入口を開きまたは拡大可能に構成された特別電動役物(特別変動入賞装置52)と、
特別電動役物を連続作動させることが可能な役物連続作動手段(主制御部20(役物連続作動装置)、図15)と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段(主制御部20、図4、図12のS412、図15のS509、図42、図43)と、を備える遊技機であって、
前記当落判定手段による当落判定の対象には、
前記役物連続作動手段の作動契機となる大当り(たとえば、10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り:図4)と、前記役物連続作動手段の作動契機とならない特別時短(支援時短A、支援時短B、支援時短C:図4、図25、図29)とが少なくとも含まれ、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別時短が当選した場合、前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御し、
前記特別時短には、前記上限回数が異なる複数種類の特別時短(支援時短A、支援時短B、支援時短C:図4、図25、図29)を含み、
前記図柄判定手段は、
前記当落判定の結果が前記特別時短の当選である場合、前記当選の種別として、前記複数種類の特別時短のいずれかを判定する(図4、図23)、ことを特徴する遊技機。
[構成例3A]
始動条件の成立に基づき、第1の乱数値と第2の乱数値とを含む複数種類の乱数値を取得する取得手段(主制御部20、図11のS314)と、
前記第1の乱数値に基づいて、当りに関する当落判定を実行する当落判定手段(主制御部20、図12のS410)と、
前記当否判定の結果が当りである場合、前記第2の乱数値に基づいて当該当りの種別を判定可能な図柄判定手段(主制御部20、図12のS411)と、
図柄の変動表示動作を行い、前記図柄判定手段の判定結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備える遊技機であって、
前記図柄判定手段は、
前記当落判定手段による当落判定の結果がハズレである場合、前記第2の乱数値を用いて前記時短状態を付与するか否かに関する抽選を実行するように構成された(図25〜図28)、ことを特徴とする遊技機。
[構成例4A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御可能な遊技機であって、
前記抽選結果が当りである場合に前記時短状態に制御される上限回数(時短大当りにより付与される時短回数)と、前記抽選結果がハズレである場合に前記時短状態に制御される上限回数(支援時短により付与される時短回数)とが異なる回数である(4R時短大当りの時短性能(時短回数100回)≠支援時短の時短性能(支援時短Bによる時短回数200回または支援時短Cによる無限時短(時短回数65535回))、ことを特徴とする遊技機。
なお、「抽選結果がハズレ」の場合とは、当落抽選対象抽選形態(図4、図20)の場合には、当落抽選で「大当り」に当選しなかったことを意味し、ここでは、支援時短が当選したケースを含むことができる。また、ハズレ種別対象抽選形態(図29、図30)の場合には、当落抽選で「ハズレ」に当選したケースとなる。
[構成例5A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御可能な遊技機であって、
前記抽選結果が当りである場合とハズレである場合とで前記前記時短状態に制御可能に構成され、
前記抽選結果が当りである場合に前記時短状態に制御される上限回数(時短大当りにより付与される時短回数)と、前記抽選結果がハズレである場合に前記時短状態に制御される上限回数(支援時短により付与される時短回数)とが同じである(4R時短大当りの時短性能(時短回数100回)=支援時短の時短性能(支援時短Aによる時短回数100回))、ことを特徴とする遊技機。
なお、「抽選結果がハズレ」の場合とは、当落抽選対象抽選形態(図4、図20)の場合には、当落抽選で「大当り」に当選しなかったことを意味し、ここでは、支援時短が当選したケースを含むことができる。また、ハズレ種別対象抽選形態(図29、図30)の場合には、当落抽選で「ハズレ」に当選したケースとなる。
[構成例6A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、リーチ変動パターンを含む複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記リーチ変動パターンは、変動時間が異なる複数のリーチ変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が、変動時間が相対的に長いリーチ変動パターンの選択率が高い(図34)、ことを特徴とする遊技機。
[構成例7A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記複数種類の変動パターンは、変動時間が異なる複数の通常変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が、変動時間が相対的に長い通常変動パターンの選択率が高い(図34)、ことを特徴とする遊技機。
[構成例8A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記複数種類の変動パターンは、変動時間が異なる複数の通常変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が前記抽選結果がハズレの場合に選択対象となる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる一方、前記抽選結果が当りの場合に選択対象となる変動パターンの変動時間は変化しない(上記(T27)の構成、図33の変形例)、ことを特徴とする遊技機。
[構成例9A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記複数種類の変動パターンは、変動時間が異なる複数の通常変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が前記抽選結果が当りの場合に選択対象となる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる一方、前記抽選結果がハズレの場合に選択対象となる変動パターンの変動時間は変化しない(上記(T26)の構成、図34の変形例)、ことを特徴とする遊技機。
[第2実施形態]
<装飾図柄の変動表示動作演出:図44〜図57>
次に図44〜図57を参照して、装飾図柄の変動表示演出について説明する。装飾図柄の変動表示演出とは、装飾図柄の変動開始から停止表示(特に、確定表示)までの一連の図柄変動表示動作態様(装飾図柄の変動パターン)であり、ここでは図4に示す左図柄、中図柄および右図柄の3つの装飾図柄の図柄変動表示態様を扱う。装飾図柄の変動表示演出は、図柄変動表示ゲーム中の演出の一部として利用される。なお、特段の必要ない限り、装飾図柄の変動表示演出を「装飾図柄演出」と略す。
装飾図柄演出は、リーチ状態(リーチ演出)や疑似連の発生や最終的なゲーム結果(大当り抽選結果)を報知したり、予告演出(変動中予告)を盛り上げる際に利用される他、ゲームの開始および終了を報知する重要な識別情報として機能するものであり、装飾図柄変動表示ゲームの中核を成すものといえる。すなわち、装飾図柄演出は、その表示動作により演出のバリエーションを豊富化するだけでなく、ゲーム結果がハズレで終了したときにストレスを感じにくくしたり、変動スランプの発生を感じにくくしたりする上で重要な演出であると考えられる。そこで本実施形態では、装飾図柄演出の演出的効果を向上しうる遊技機を提供することを目的とする。
本実施形態では、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ時に着目し、図柄変動中における演出バリエーションの豊富化や遊技者の打ち心地を向上させるべく、ゲーム終盤に実行される「装飾図柄の停止動作パターン(装飾図柄の停止動作態様)」に関して工夫を凝らしてある。
(装飾図柄演出の概要)
本発明の理解を容易なものとするために、先ず、装飾図柄演出の概要について説明しておく。ここでは、まず図44を用いて、装飾図柄の一連の変動表示動作の概要について説明する。なお、本発明と関係の深い「装飾図柄の停止動作パターン」については、図45を用いて後述する。
図44は、通常変動13sに関連する装飾図柄演出(装飾図柄の変動パターン)を例示すタイミングチャートである。
装飾図柄演出では、たとえば図44(a)の「停止動作ロング」に示すように、まず、3つの装飾図柄が停止表示状態(確定表示状態)から一斉に或いは別々に変動表示を開始し、各装飾図柄が「高速変動状態(以下「高速変動」と称する)」を開始する(0.5秒の時点)。この高速変動中は、各装飾図柄が識別困難または識別不可能な表示状態とされ、停止表示時よりも装飾図柄の透過率が高くなり、たとえば、現在の演出モードに対応する背景画像が、高速変動中の装飾図柄を介して識別可能な状態になる。
上記「透過率」とは、透過率が設定される画像に対して、その画像の背面に存在する他の画像が透けて見える度合またはその割合を意味する。具体的には、或る画像の透過率が0%に設定される場合には、その画像の背面に重畳する他の画像は全く見えなくなるが(識別不能状態)、透過率が100%に設定される場合には完全に透明となり、当該他の画像のみが見える状態となる。よって、透過率を適宜な値に定めれば、その透過率に応じて(0%<透過率A<99%)、半透明の画像として表示される。上記の高速変動中の装飾図柄の透過率は、少なくとも後述の低速変動中の透過率よりも高い透過率であればよく(低速変動中の透過率α%<高速変動中の透過率β%)、装飾図柄の後ろ側に重畳する他の画像(背景画像)が十分識別可能な透明度を有する表示状態であることが好ましい。なお、装飾図柄の変動開始を契機に、種々の予告演出も実行される。
再び図44の説明に戻り、変動開始から所定時間が経過すると、「左図柄→右図柄→中図柄」の順に、それぞれ変動開始から9秒、10.5秒、12秒の時点で停止動作を開始し、各図柄が順次、高速変動から減速を開始して「低速変動状態(以下「低速変動」と称する)」の期間に入る。この低速変動の期間は、図柄が徐々にスピードを落としながら停止する「スローダウン表示期間(減速期間)」となっており、停止動作開始直後(停止動作開始のタイミング)に透過率を確定表示と略同一(同一を含む意。以下同様)まで低下して、装飾図柄が識別可能な状態で再表示される。よって、低速変動期間中は、装飾図柄の透過率が高速変動中よりも常に低い状態となっている(低速変動中の透過率α%<高速変動中の透過率β%)なお、停止動作時間の経過に従い透過率が徐々に低くなるように構成してもよい。
上記「低速変動(スローダウン表示)」の期間が経過すると、「仮停止状態(以下「仮停止」と称する)」の期間に入る。本例では、各図柄がそれぞれ10.5秒、11.5秒、12.5秒の時点に、順次、この仮停止期間に入る。この仮停止期間中では、図柄が「揺れ変動」を行うようになっている。ここでの「仮停止状態」は、「疑似連」に係る装飾図柄の仮停止状態(装飾図柄の再変動表示動作前の仮停止状態)とは異なる。なお、仮停止中の透過率は、確定表示中の透過率と略同一であり(確定表示中の透過率γ%=仮停止期間中の透過率δ%=略0%)、図柄が十分に識別可能な状態で表示される。したがって、遊技者が如何なる図柄が停止したのかを明確に把握することができる。
そして、仮停止期間が経過すると(13秒の時点)、変動時間(特別図柄の変動時間)が終了し、装飾図柄が確定表示されて(確定表示期間)、これにより、一連の装飾図柄演出が終了、つまり、今回の装飾図柄変動表示ゲームが終了される。なお、この確定表示の期間は、特別図柄が変動時間を終えた際に設定される「確定表示時間(500ms:図13のステップS453参照)」に対応して設けられた時間幅であり、最終的に停止表示された装飾図柄の組合せを確定的に報知するための確定表示時間として利用される。次回の装飾図柄変動表示ゲームは、この確定表示期間を経てから開始されることになる。
なお、図示はしていないが、正確には、低速変動の終了時には装飾図柄のスピードがゼロとなり、装飾図柄が一時的に停止表示された後(たとえば、0.3秒間停止表示:一時停止期間)、仮停止が開始される。すなわち、1回の図柄変動表示ゲームにおける装飾図柄の基本的な変動表示動作の流れは、正確には「高速変動→低速変動→一時停止→仮停止→全図柄確定表示」となっている。したがって、「最初に停止する図柄」と称する場合は、最初に低速変動を終了する図柄か、または最初に仮停止する図柄を意味する。本明細書中では、説明を簡易なものとするため、「最初に停止する図柄」、「2番目に停止する図柄」、「最後に停止する図柄」をそれぞれ、「最初に仮停止する図柄」、「2番目に仮停止する図柄」、「最後に仮停止する図柄」として扱う。
また以下では説明の便宜のために、上記「低速変動期間(スローダウン表示期間)」が「停止動作の開始から仮停止まで期間」である点に着目し、当該低速変動期間を“停止動作中期間”と称する場合がある。また、この停止動作期間中の演出を“停止動作中演出”と称する場合がある。
(装飾図柄の停止動作パターンについて:図45)
以上、装飾図柄の一連の変動表示動作の概要について説明した。次に、図45を参照して、本実施形態に係る装飾図柄の停止動作パターンについて説明する。
図45は、装飾図柄の停止動作パターン(停止動作期間中に係る表示態様)に注目したタイミングチャートである。詳細は追って説明するが、本実施形態では、図45(a)〜(c)に示す「停止動作ショート」、「停止動作ミドル」、「停止動作ロング」という3つの停止動作パターンを扱う。なお、図45では、最初に停止(仮停止)する図柄が停止動作を開始する時点tを0秒として、各図柄の停止動作パターンにおける各図柄の時間的推移を示してある(なお、等号で結ばれる関係式は、略同一の意を含む)。また、説明の便宜のために、図45の装飾図柄演出(装飾図柄の変動表示動作)に関する各期間を、以下のよう表記している。
(イ)左図柄の停止動作中期間を「左停止動作中期間LMT」
(ロ)右図柄の停止動作中期間を「右停止動作中期間RMT」
(ハ)中図柄の停止動作中期間を「中停止動作中期間CMT」
(ニ)左図柄の仮停止期間を「左仮停止期間LPT」
(ホ)右図柄の仮停止期間を「右仮停止期間RPT」
(ヘ)中図柄の仮停止期間を「左仮停止期間CPT」
(ト)確定表示期間(各装飾図柄共通)を「確定表示期間CT」
(チ)左図柄の停止動作期間(LMT+LPT)を「左停止動作期間LST」
(リ)右図柄の停止動作期間(RMT+RPT)を「右停止動作期間RST」
(ヌ)中図柄の停止動作期間(CMT+CPT)を「中停止動作期間CST」
本実施形態では、停止動作パターンに関し、少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始したときから全図柄が停止(確定表示)するまでの停止動作期間(ここでは、「左停止動作期間LST」に相当する)が異なる複数の停止動作パターンを設けてある。複数の停止動作パターンには、停止動作期間(停止動作時間)がそれぞれ異なる第1期間、第2期間、および第3期間の停止動作パターンが少なくとも設けてあり、第1期間、第2期間、第3期間のこの順で停止動作期間が長くなる。これらのうち、第1期間の停止動作パターンを「停止動作ショート」と称し、停止動作期間が第1期間よりも長い第2期間の停止動作パターンを「停止動作ミドル」と称し、停止動作期間が第2期間よりも長い第3期間の停止動作パターンを「停止動作ロング」と称する。たとえば、図45に示す(a)〜(c)の停止動作パターンの関係でいえば、停止動作期間が最短期間(最短時間)の停止動作パターンが「停止動作ショート」となり、停止動作期間が最長期間(最長時間)の停止動作パターンが「停止動作ロング」となり、停止動作ショートよりも長く、停止動作ロングよりも短い停止動作期間の停止動作パターンが「停止動作ミドル」となる。
(停止動作ショートの具体例:図45(a))
図45(a)参照して、「停止動作ショート」について説明する。
本実施形態に係る「停止動作ショート」は、図示の通り、左図柄・右図柄・中図柄の全図柄が略同一のタイミングで、停止動作(スローダウン表示)を開始し(0秒の時点)、0.5秒の低速変動期間(停止動作中期間)を経て、全図柄が略同一のタイミングで仮停止(一時停止)する。その後、0.5秒間の仮停止(揺れ変動)を経て、全図柄が確定表示される(1秒の時点)。この停止動作ショートの場合、全図柄が一斉に停止動作を行い、僅か1秒後に確定表示されることから、素早く停止しているように見える。
(停止動作ミドルの具体例:図45(b))
次に、図45(b)を参照して、「停止動作ミドル」について説明する。
本実施形態に係る「停止動作ミドル」は、上記停止動作ショートとは異なり、各図柄の停止動作順序が異なっている。具体的には、図示のように、「左図柄→右図柄→中図柄」の順に、それぞれ、停止動作(スローダウン表示)を開始する。本実施形態の場合、最初に停止(仮停止)する左図柄が停止動作に入った後、左図柄の停止動作の途中で、右図柄と中図柄とが順次停止動作に入り(0.5秒、1秒の時点)、停止動作を開始した順に、各図柄が順次、仮停止に入る(図示の1.5秒、2秒、2.5秒の時点を参照)。そして、最後に仮停止した中図柄から0.5秒を経過すると、全図柄が確定表示される(3秒の時点)。したがって、停止動作ミドルの場合は、停止動作ショート(1秒)よりも長い停止動作期間(3秒)、つまり、各図柄が停止動作ショートよりもゆっくり停止していくように見える。しかし、停止動作ミドルの場合は「最初に停止する図柄の停止動作の途中で、他の図柄が順次停止動作して行く」という停止動作のため、演出的には、各図柄がテンポ良く停止していくような感じを受け易い。なお、後述の図56(停止動作パターンの変形例)に示すように、左図柄と右図柄が同時に仮停止し(左右同時停止)、その後、中図柄が停止するといった停止動作態様も、各図柄がテンポ良く停止していくような感じを受け易い。
(停止動作ロングの具体例:図45(c))
次に、図45(c)を参照して、上記「停止動作ロング」について説明する。
本実施形態に係る「停止動作ロング」は、停止動作ミドルと同様に、各図柄の停止動作順序が「左図柄→右図柄→中図柄」の順に、それぞれ、停止動作(スローダウン表示)を開始する点で同じである。しかし、次の点で異なる。停止動作ロングの場合には、まず、左図柄が停止動作に入り、その後1.5秒の時点で仮停止に入る。一方、右図柄は、左図柄が仮停止に入る1.5秒の時点で停止動作に入り、その後、3秒の時点で仮停止に入る。また、中図柄は、右図柄が仮停止に入る3秒の時点で停止動作に入り、3.5秒の時点で仮停止に入る。すなわち、時系列的に先に停止動作を開始した図柄が仮停止に入るごとに、順次、残りの図柄が仮停止に入り、最後に仮停止した図柄の0.5秒後、つまり、左図柄の停止動作開始から4秒後に全図柄が確定表示されるようになっている。したがって、停止動作ロングが適用される場合、各図柄が停止動作ミドルよりもゆっくり停止していくように見える。なお、詳細は後述するが、停止動作ロングの場合、最後に停止(仮停止)される図柄が、他の図柄よりも短時間で停止するようになっている点に特徴がある。
上記した各停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)について、各期間に着目した場合の関係(期間LMT、RMT、CMT、LPT、RPT、CPT、LST、RST、CSTなど)は、図45に示す通りであり、ここから導出可能な事項(たとえば、高速変動期間の長短の関係、停止動作中期間の長短の関係、透過率の高低の関係、停止動作期間の長短の関係など)は自明な事項であり、本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
以上のように、停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロングは、装飾図柄の停止動作態様(停止動作中演出態様)がそれぞれ異なるため、演出的に異なる印象を与えうるものである。
(停止動作パターンの適用例1:図44)
次に、図44を参照して、各停止動作パターンの適用例について説明する。図44は、所定変動時間の所定変動表示にて、各停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)が実行される例を示したものである。具体的には、特定の通常変動パターンにおける装飾図柄演出に対して各停止動作パターンを適用した例であり、ここでは、代表的に「通常変動13s」に係る装飾図柄演出を示してある。
停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロングは、この順に停止動作期間が長くなるため、同じ変動時間の変動パターンに適用した場合には、図示の通り、高速変動期間は、停止動作ロング、停止動作ミドル、停止動作ショートの順に長くなる。また、本例の停止ショートの場合は、各図柄が略同一のタイミングで停止動作を開始し、それぞれ、略同一のタイミングで仮停止し、その後、確定表示するため、各図柄ともに、高速変動期間、停止動作中期間MT(低速変動期間:LMT、RMT、CMT)、仮停止期間(LPT、RPT、CPT)は、略同一期間となっている。
一方、停止動作ミドルの場合は、最初に停止する左図柄の停止動作の途中で右図柄が停止動作を開始し、また左図柄と右図柄との停止動作の途中で、最後に停止する中図柄が停止動作を開始するため、左停止動作中期間LMT中の一部の期間では、中図柄は高速変動中であるが(透過率高の半透明を維持)、左図柄と右図柄だけがスローダウン表示(透過率低の半透明を維持)を呈する重複期間が発生したり、全図柄がスローダウン表示を呈する重複期間が発生したりする。
また、停止動作ロングの場合は、左図柄が仮停止したタイミング(略同一のタイミング)で右図柄が停止動作を開始し、右図柄が仮停止したタイミング(略同一のタイミング)で中図柄が停止動作を開始するため、左停止動作中期間LMT中は、中図柄と右図柄とともに高速変動中であり(透過率高の半透明を維持)、右停止動作中期間RMT中は、中図柄だけが高速変動中(透過率高の半透明維持)となる(同図(b)参照)。また、停止動作ロングの場合は、最後に停止する中図柄の減速度合が左図柄または右図柄よりも強く、中図柄が最も素早く停止するようになっており、また、左図柄と右図柄とは減速度合が略同一であり、中図柄よりもゆっくり停止するようになっている。したがって、演出的には、左図柄と右図柄とが仮停止中に、最後に仮停止される中図柄が素早く仮停止するように見える。たとえば「タ〜〜ン♪(左図柄仮停止)→タ〜〜ン♪(右図柄仮停止)→タン!(中図柄仮停止)」という具合である。このような「最終停止図柄のショート停止動作(短時間停止動作)」は、たとえば「非テンパイ時(非リーチ時)」のように、ハズレが判明している状況下で好適である。その理由は、次の通りである。リーチ状態でない場合に、最後に停止する図柄をゆっくりと停止させてしまうと、仮停止中が無闇に長期間となり、遊技者にイライラ感を与えてしまう恐れがあり、このような停止動作が頻発すると、遊技興趣が低下してしまうからである。そこで、リーチ状態でない場合には、最終停止図柄のショート停止動作を実行するようにして、テンポよくゲームが進行している感じを遊技者に与えるようにしている。これにより、遊技者がその停止動作を見ても、過大なストレスを感じにくく、遊技者に対して打ち心地のよい装飾図柄演出とすることができる。
なお、図44では、特定の通常変動パターンとして、代表的に「通常変動13s」に係る装飾図柄演出について説明したが、特定の通常変動パターンは、1または複数種類であってもよい。また、各停止動作パターンのうち1または複数の停止動作パターンを適用するかは適宜定めることができる。たとえば、短変動パターン(たとえば、通常変動4s)の場合には、1つの停止動作パターン(たとえば、停止動作ショート)のみを適用し、長変動パターンには複数の停止動作パターン(たとえば、停止動作ショート、停止動作ミドルおよび停止動作ロングのうち少なくとも2つ)を適用することができる。
以上のように、同一の変動パターンに対して、各停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)を適用した場合に、停止動作パターンに応じて高速変動期間を異ならせたり、停止動作期間を異ならせたりすることができる。すなわち、同一の変動パターンであっても、装飾図柄の停止動作態様(停止動作中演出)をそれぞれ異なるものとすることが可能になり、演出的に異なる印象を与えることができる。このような演出的メリットを利用して、同じ変動パターンであっても、図柄変動表示ゲーム中に実行(現出)される演出に応じて、停止動作パターンを異なるものとすれば、演出の自由度や演出のバリエーションの向上を図ることができる。これについて、図46を参照して説明する。
(実行される演出に応じた停止動作パターンの適用例(停止動作中演出):図46)
図46は、上記図44と同様に、代表的に、通常変動13sに係る装飾図柄演出を例示したタイミングチャートであるが、ここでは、実行される演出(たとえば、予告演出など)に応じて、装飾図柄演出の停止動作パターンが異なるケースを例示したタイミングチャートである。図46(a)は「演出A」が実行される場合を示し、同図(b)は「演出B」が実行される場合を示し、同図(c)は、演出Aおよび演出Bのいずれも実行されない場合(他の演出が実行される場合)を示した図である。
図中の「演出A」、「演出B」および「演出C」は、それぞれ演出内容が異なるものとなっており、また、演出の実行時間(演出時間)もそれぞれ異なるものとなっている。演出時間の長短の関係は、「演出A>演出B>演出C」となっている。
図46(a)〜(c)に示すように、装飾図柄演出について、演出Aが実行される場合には「停止動作ショート」が実行され、演出Bが実行される場合には「停止動作ミドル」が実行され、演出Aおよび演出Bが実行されない場合(本例では、演出Cが実行される場合としている)には「停止動作ロング」が実行されるようになっている。このように、演出時間(演出の実行時間)に応じて、停止動作パターンを異ならせる理由は、下記の通りである。
装飾図柄変動表示ゲームの実行時間は特別図柄の変動時間に実質的に対応しており、当該変動時間を利用して、たとえば、当選期待度を示唆する予告演出や設定示唆演出の他、単なる遊技説明や版権などのモチーフ(キャラクタ紹介)などの当選期待度を示唆しない演出(非予告演出)など、多種多様な演出を実行させている。しかし、実行する演出の演出時間の関係上、必ずしも変動時間を上手く利用できない場合もある。また、すべての演出に合わせて変動パターンを設けるのでは、変動パターンの種類が膨大になってしまい、制御負担の増大を招く。そこで本発明では、一の変動パターンで複数の停止動作パターン(停止動作中演出)を実行可能に構成し、以て、演出の自由度を向上させて多彩な演出を実現するとともに、制御負担の軽減にも貢献しうるものとなっている。特に、比較的短い変動パターンであっても停止動作パターンを利用して多彩な演出が可能になる点が大きな特徴点である。これについて、以下詳述する。
図46(a)に示すように、相対的に演出時間が長い「演出A」が実行される場合、変動時間が終了する直前に演出Aが終了するケースがある。本例では、12秒の時点で演出Aが終了するケースを例示している。この例の場合、演出Aの終了と略同一のタイミングで遊技結果(装飾停止図柄)を報知すれば、演出Aの終了に違和感がなく、また今回のゲーム終了時の違和感も少なくなる。しかし、演出Aの実行途中で、装飾図柄の停止動作が開始されてしまうと、実行中の演出Aと図柄の停止動作(停止動作中演出)とが混在してその演出効果が薄れたり、遊技者の混乱を招いたりする恐れがある。演出Aに対して、停止動作ミドルまたは停止動作ロングを適用した場合、図46(b)、(c)から分かるように、演出Aの実行期間と図柄の停止動作期間とが重畳してしまい、上述の問題を招来する。そこで、演出A(演出時間長)が実行される場合には、各停止動作パターンのうち、停止動作期間の一番短い「停止動作ショート」を用いている。
一方、図46(b)に示すように、相対的に実行時間の短い演出Bが実行される場合は、変動時間が終了よりもある程度(数秒程度)余裕時間を有して終了するケースがある。本例では、10秒の時点で演出Bが終了するケースを例示している。
図46(b)のケースでは、演出Bの終了タイミングが変動時間終了よりも3秒程度手前で終了しており、その3秒間が予告演出等の実行されない「演出空き時間」、つまり「演出スランプ」が存在してしまうことになる(図示の時間幅SRTが、この演出スランプの時間幅に相当する)。仮に、停止動作ショートを用いるとすれば、全図柄の仮停止状態がしばらく続くだけの状態、つまり演出スランプが生起して、遊技者がストレスを感じてしまう(イライラ感が増すなど)恐れがある。
そこで、上記のような問題が生じる場合には、停止動作中演出を利用して、上記演出スランプ時間SRTを埋めることが好ましい。本例の場合、停止動作中期間が比較的長い「停止動作ミドル」または「停止動作ロング」を用いることが好ましい。しかし、演出Bの実行期間と図柄の停止動作期間との重畳を回避するために、図示のように、停止動作ミドルを用いることが、より好ましいといえる。本例の場合、演出Bの終了と略同一のタイミングで、装飾図柄の停止動作が開始され、演出スランプ時間SRT中に、各図柄が順次テンポ良く停止するという停止動作中演出(停止動作ミドル)が実行されるため、演出Bの終了に違和感がなく、また演出スランプを感じにくくなり、遊技者がストレスを感じにくくなる。
図46(c)のケースは、演出Aおよび演出Bが実行されないケースとして、演出Aおよび演出Bよりも演出時間が短時間の演出Cが実行されるケースを例示している。この場合は、図46(a)(b)で説明した問題(演出の実行期間と図柄の停止動作期間とが重畳する問題や、演出スランプの問題など)を考慮し、「停止動作ロング」を用いることが好ましい。停止動作ロングは、停止動作ミドルよりも停止動作期間(左停止動作期間LST:図45(c)参照)が長時間となるため、高速変動期間が短くなる。よって、停止動作ロングを、演出Bの実行時間未満の「演出C」を実行するケース(「演出Cの実行時間<演出Bの実行時間<演出Aの実行時間」のケース)に用いることが好適である。
上記のように本例の特徴は、同じ変動パターンであっても、実行される演出の種類(演出時間)や実行される演出の有無に応じて停止動作パターンを異ならせる点にあるが、特に、演出が終了するタイミングに応じて停止動作パターンを異ならせる点に特徴があるともいえる。たとえば、図46(a)(b)であれば、所定変動時間中の第1終了タイミングで終了する演出B(第1演出)と、当該第1終了タイミングよりも遅い第2終了タイミングで終了する演出A(第2演出)とがあり、演出Aの場合は停止動作ショート、演出Bの場合は停止動作ミドルを実行することが好適である。
(変形例1)
なお、図46例では、演出時間が異なる演出が実行される場合に停止動作パターンを異ならせる例について説明したが、同じ演出が実行される場合であっても、当該演出が終了するタイミングに応じて、停止動作パターンを異ならせることができる。たとえば、或る演出時間(たとえば、6秒)の所定演出(ここでは「演出K」と称する)を実行する場合において、所定変動パターンの所定変動時間(ここでは、通常時間13sを例にする)中における演出Kの開始タイミングが異なれば、その終了タイミングも異なることになる。これについて図46を用いて説明すれば、たとえば、下記(I)〜(III)のケースが生起しうる。
(I)演出Kが変動開始から6秒の時点から開始された場合には、その終了タイミングが12秒の時点となり(図46(a)の演出Aの終了タイミングと同じタイミングで終了するケース)、
(II)演出Kが変動開始から4秒の時点から開始された場合には、その終了タイミングが10秒の時点となり(図46(b)の演出Bの終了タイミングと同じタイミングで終了するケース)、
(III)演出Kが変動開始から3秒の時点から開始された場合には、その終了タイミングが9秒の時点となる(図46(c)の演出Cの終了タイミングと同じタイミングで終了するケース)。
このような場合、図46と同じく、演出Kの終了タイミングに応じて、停止動作パターンを異ならせることが好ましい。具体的には、上記(I)のケースでは停止動作ショート、上記(II)のケースでは停止動作ミドル、上記(III)のケースでは停止動作ロングを適用する。このように、同じ演出を実行する場合であっても、その演出の終了タイミングが異なる場合には、その終了タイミングに応じて、停止動作パターンを異ならせることができる。
(変形例2)
また図46の例では、演出時間が異なる演出が実行される場合、演出時間の相対的に長い演出の場合ほど、停止動作期間が短い停止動作パターンを適用する例について説明した。しかし、相対的に短い演出時間を持つ演出を実行する場合であっても、その終了タイミングが、長い演出時間を持つ演出よりも遅い場合がある。たとえば、所定変動パターンの所定変動時間中(ここでは、通常時間13sを例にする)に、演出時間が6秒の「演出K」と演出時間7秒の「演出M」とが実行されうる構成の場合、たとえば、下記(IV)、(V)のケースが生起しうる。
(IV)演出Kが変動開始から6秒の時点から開始された場合には、その終了タイミングが12秒の時点となり(図46(a)の演出Aの終了タイミングと同じタイミングで終了するケース)、
(V)演出Mが変動開始から3秒の時点から開始された場合には、その終了タイミングが10秒の時点となる(図46(b)の演出Bの終了タイミングと同じタイミングで終了するケース)。この場合、上記(IV)のケースでは停止動作ショート、上記(V)のケースでは停止動作ミドルを適用する、すなわち、終了タイミングが早い演出Mが実行される場合には停止動作ミドルを適用し、終了タイミングが遅い演出Kが実行される場合には停止動作ミドルを適用することができる。したがって、演出時間が相対的に短い演出Kであっても停止動作ショートを適用し、演出時間が相対的に長い演出Mであっても停止動作ミドルを適用することができる。このように、異なる演出を実行する場合に、其々の演出が終了するタイミングに応じて、停止動作パターンを異ならせることができる。
なお、図46、変形例1、変形例2などで述べた「演出が終了するタイミングに応じて停止動作パターンを異ならせる点」については、後述のリーチ停止動作パターン(たとえば、図52参照)についても同様のことがいえる。つまり、演出が終了するタイミングに応じて、リーチ停止動作パターンを異ならせることができる。
上記のように本実施形態では、同じ変動パターンであっても、実行される演出の種類(演出時間)に応じて、停止動作パターンを異ならせるようになっている。これにより、1つの変動パターン(変動時間)で、多くの演出(演出シナリオ)に対応することが可能になる。その結果、演出の自由度の向上、演出バリエーションの向上、制御負担の軽減に大きく寄与することができる。なお、下記(δ1)〜(δ4)の構成とすることができる。
(δ1)演出A、演出Bおよび演出Cは、1または複数種類の演出を含む演出シナリオと捉えてもよい。また、演出A、演出Bおよび演出Cのいずれも、図柄変動中に実行される演出であればよく、たとえば、予告演出、非予告演出、変動中先読み予告、設定示唆演出など、いずれの演出も採用することができる。
(δ2)演出A、演出Bおよび演出Cのいずれも、1または複数種類の演出とすることができる。たとえば、“演出Aが「演出α+演出β」、演出Bが「演出γ+演出δ」、演出Cが「演出ε+演出ζ」(演出α〜演出ζはそれぞれ異なる演出、演出の種類数が同じ関係)”や、“演出Aが「演出α+演出β+演出γ」、演出Bが「演出δ+演出ε」、演出Cが「演出ζ」”(演出α〜演出ζはそれぞれ異なる演出、演出の種類数がそれぞれ異なる関係)とすることができる。またたとえば、演出Aが「演出α+演出β」、演出Bが「演出α+演出γ」、演出Cが「演出α+演出δ」とすることもできる(各演出A〜Cにおいて、少なくとも1つの演出が同一演出であるが、全体としてはそれぞれ異なる演出となる関係)。たとえば、演出αが疑似連であり、演出β〜演出δがそれぞれ異なる演出である場合などが挙げられる。またたとえば、演出A、演出Bおよび演出Cを、複数段階の演出ステップ(たとえば、演出SU1〜SU3)からなる「ステップアップ演出」とすることができる。具体的には、演出Aが「演出SU1+演出SU2+演出SU3」(最終段階まで発展)、演出Bが「演出SU1+演出SU2」(2段階まで発展)、演出Cが「演出SU1」(1段階目で終了)とすることができる。
(δ3)演出A、演出Bおよび演出Cは、「演出Cの実行時間<演出Bの実行時間<演出Aの実行時間」を満たす関係を前提として説明したが、単に、演出種別に応じて停止動作パターンを異ならせてもよい。いずれにしても演出の自由度、バリエーションを向上させることができるからである。
(δ4)演出時間が相対的に短い「演出B」または「演出C」は、「遊技者参加型演出」とすることが好ましい。遊技者参加型演出は、操作手段(演出ボタン13や十字キー75)を利用するものであり、操作時演出の余韻を残しやすく、演出スランプの存在を感じさせにくくすることができる点、演出スランプが生じても、これを停止動作ミドルまたは停止動作ロングで対応することができる点などがその理由である。
なお、上記(δ1)〜(δ5)は、後述する図47〜図57においても同様である。
(変動時間が異なる変動パターンで同じ演出を実行する場合:図47、図48)
また、図47または32に示すように、変動時間が異なる変動パターンで同じ演出を実行する場合には、当該各変動パターンに応じた停止動作パターンとすることができる。
本例は、変動時間が異なる複数の変動パターンで同じ演出(1または複数の演出が同じ)を実行する場合において、変動時間が相対的に長い変動パターン(たとえば、変動時間16s)の場合には、停止動作中期間が相対的に長い停止動作パターン(たとえば、停止動作ロング)を伴う装飾図柄演出を実行し、変動時間が相対的に短い変動パターン(たとえば、変動時間13s)の場合には、停止動作中期間が相対的に短い停止動作パターン(たとえば、停止動作ショートまたは停止動作ミドル)伴う装飾図柄演出を実行する構成とすることができる。本例の具体例を図47および図48に示す。
図47は、演出Aを実行する場合に、最長通常変動の“通常変動16s”の場合は「停止動作ロング」とし、当該最長通常変動よりも変動時間が短く、かつ最短通常変動の通常変動4sよりも変動時間が長い“通常変動13s”は「停止動作ミドル」または「停止動作ショート」とするケースを示している。
すなわち、変動時間が異なる複数の変動パターンで同じ演出を実行する場合において、変動時間が相対的に長い変動パターン(ここでは、変動時間16s)の場合には、停止動作中期間が最長の停止動作パターン(停止動作ロング)を伴う装飾図柄演出が実行可能であり、変動時間が相対的に短い変動パターン(ここでは、変動時間13s)の場合には、停止動作中期間が相対的に短い停止動作パターン(たとえば、停止動作ショートおよび/または停止動作ミドル)を伴う装飾図柄演出が実行可能な構成である。
また、図48は、演出Aを実行する場合に、最長通常変動の“通常変動16s”の場合は「停止動作ロング」または「停止動作ミドル」とし、当該最長通常変動よりも変動時間が短く、かつ最短通常変動の通常変動4sよりも変動時間が長い“通常変動13s”の場合は「停止動作ショート」とするケースを示している。
すなわち、変動時間が異なる複数の変動パターンで同じ演出を実行する場合において、変動時間が相対的に長い変動パターン(ここでは、変動時間16s)の場合には、停止動作中期間が相対的に長い停止動作パターン(たとえば、停止動作ロングおよび/または停止動作ミドル)を伴う装飾図柄演出が実行可能であり、変動時間が相対的に短い変動パターン(ここでは、変動時間13s)の場合には、停止動作中期間が最短の停止動作パターン(停止動作ショート)伴う装飾図柄演出を実行可能な構成である。
なお、図47および図48の例には、演出Aを実行させた場合、変動時間の長い通常変動16s側に演出スランプ時間(図示の時間幅SRT)が生じるケースを示してある。このようなケースでは、上記図46(a)(b)で説明した問題(演出の実行期間と図柄の停止動作期間とが重畳する問題や、演出スランプの問題など)に鑑みれば、図47(a)(c)または図48(a)(c)に示す通り、通常変動16sの場合に「停止動作ロング」を用い、通常変動13sの場合に「停止動作ショート」を用いることが好適であるといえる。このように、異なる変動時間の変動パターンに対して同一の演出を実行させても、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。また、演出の自由度を増すことができる。なお、図46、図47および図48に示す装飾図柄演出を比較しやすいように纏めたものを、参考図として図49に示す。
(他の適用例A:図50)
上記した図46では、実行する演出種別やその有無に応じて、異なる停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)を実行可能な構成について説明した。この図46の構成を前提に、実行する演出種別やその有無に応じて、図50に示す構成とすることが好ましい。
図50を参照して、本例は、変動時間が相対的に長い第1変動パターン(たとえば、変動時間13s)の場合には“種類数Aの停止動作パターン(たとえば、「停止動作ショート」「停止動作ミドル」および「停止動作ロング」の3種類)”を伴う装飾図柄演出のうち、いずれかの装飾図柄演出を実行可能であり(図50(a)〜(c)、図46参照)、
変動時間が相対的に短い第2変動パターン(たとえば、変動時間4s)の場合には、“種類数Aよりも少ない種類数Bの停止動作パターン(たとえば、「停止動作ショート」および「停止動作ミドル」の2種類)”を伴う装飾図柄演出のうち、いずれかの装飾図柄演出を実行可能な実施形態を示したものである(図50(d)(e)参照)。
なお、種類数Bは「種類数B<種類数A」の関係を満たせばよく、停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロングのうち、いずれの停止動作を採用するかは自由である。ただし、第2変動パターンの場合、第1変動パターンで実行される装飾図柄演出のうち、停止動作中期間が最長の停止動作パターンを除いた装飾図柄演出を実行する構成であることが好ましい。たとえば、通常変動13sの場合に「停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング」のいずれかが実行される場合、通常変動4sの場合は「停止動作ロングを除いた停止動作ショート、停止動作ミドル」のいずれかを実行可能な構成である。なお、第2変動パターンが「通常変動4s」のような“極短変動パターン”である場合には、テンポよくゲームが進行している感じを遊技者に与えるために、停止動作中期間が最短の停止動作ショートだけを実行することが好ましい。
(演出ステージに応じて停止動作パターンが異なる例:図51)
また、上記した図46では、同一の変動パターンであっても、図柄変動中に実行される演出の種類や演出の実行の有無に応じて、異なる停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)を実行可能な構成について説明した。しかし本発明はこれに限らず、演出ステージに応じて、異なる停止動作パターンを実行可能な構成にすることができる。これについて、図51を用いて説明する。
図51は、同じ変動パターンであっても、演出ステージに応じて、異なる停止動作パターンが実行されるケースを示したものである。
図51は、代表的に、通常変動13sに係る装飾図柄演出を示すタイミングチャートであり、演出ステージに応じて、異なる停止動作パターンが実行されるケースを示したものである。図51は、演出ステージA〜Cで実行される停止動作パターンを示したものである。具体的には、図51(a)は演出ステージAである場合に「停止動作ショート」を伴う装飾図柄演出、図51(b)は演出ステージBである場合に「停止動作ミドル」伴う装飾図柄演出、図51(c)は演出ステージCである場合に「停止動作ロング」を伴う装飾図柄演出が実行されるケースを示している。
先ず、本例の理解を容易なものとするために、「演出ステージ」の概要について説明しておく。「演出ステージ」とは、主制御部20側で管理される遊技状態の移行に伴いその移行が行われる演出状態(「通常演出モード」「確変演出モード」「時短演出モード」など)とは異なり、演出制御部24側の演出処理によりその移行が制御される演出状態であり、1または複数ゲームにわたり継続する場合がある。したがって、演出ステージに変更があっても、主制御部20側で管理される遊技状態自体に変更があったわけではなく、変動パターンの選択対象は同じである。すなわち、変動パターン選択モード(Tcode)が更新されるわけでなく、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される「変動パターン振分テーブル」が変更されるわけではない。たとえば、現在の遊技状態が「通常モード(通常状態)」である場合、異なる演出ステージ(本例の場合は演出ステージA〜C)であっても、変動パターン振分テーブルとしては、図31または図32の通常中に係る変動パターン振分テーブルが参照されて、変動パターンが決定される。
しかし、演出制御部24側の演出制御により、各演出ステージA〜Cに関連する演出を現出することが可能である。たとえば、「演出ステージA→演出ステージB」に変更されても、変動パターンの選択対象は同じであり全く同一の変動パターンが選択されうるが、演出ステージに応じて異なる演出を実行することも可能である。たとえば、通常変動13sが選択された場合、演出ステージAでは「演出A」を実行するが、演出ステージBでは「演出A」を実行せずに他の演出(たとえば、演出B)を実行するなどである。本例では、演出ステージA〜Cのいずれも選択対象となる変動パターンが同一である点(全く同一の変動パターンが選択されうる点)、各演出ステージに応じた演出を実行可能である点に着目し、演出ステージに応じて、装飾図柄の停止動作パターンを異なるようにし、演出の自由度やバリエーションの豊富化を図っている。
演出ステージの代表的なものには、たとえば、客待ち待機中に遊技者が操作手段(演出ボタン13や方向キー75)を操作することにより、好みの演出ステージに切り替え可能な「カスタマイズ機能」である。たとえば、現在の遊技状態が「通常状態」である場合、通常演出モードとして、「ノーマルモード(演出ステージA)」、「シンプルモード(演出ステージB)」、「プレミアムモード(演出ステージC)」の3種類の演出ステージ(遊技者選択可能演出ステージ)のいずれかを選択可能な機能である。混同してはならないのは、これらの演出ステージは、同一の変動パターン選択モード(Tcode)下の演出状態であり、遊技者側が変動パターン選択モード(Tcode)自体を自由に切り替えられることを意味するものではない。したがって、ノーマル、シンプル、プレミアムモードの違いにより、出現する演出の一部またはすべてが異なる場合があるが、内部的に特別図柄の変動パターンの選択対象は変化しない。
たとえば「ノーマルモード」とはデフォルトの演出状態であり、「シンプルモード」とは、ノーマルモードと比べて特定の予告演出の出現率が低確率または一切出現しないなどの演出状態(特定予告演出出現率変更モード)である。「シンプルモード」では、たとえば、当選期待度が相対的に高い特定の高期待度予告演出(たとえば、ノーマルモード時の当選期待度30%)のハズレ時の出現率がノーマルモードよりも低確率となり、当該特定の高期待度予告の出現時は当選期待度が大幅にアップする、遊技者参加型演出の出現率がノーマルモードよりも低確率となる。また「プレミアムモード」では、当確系演出(たとえば、当選期待度90%または大当り当選確定となる演出)の出現率が、ノーマルモードおよびシンプルモードよりも高確率となり、1または複数種類の特定の低期待度予告の出現率が低確率(0%を含む)となる。したがって、同一の変動パターンであっても、演出ステージに応じて、図柄変動中に実行される演出(予告演出、非予告演出、変動中先読み予告、設定示唆演出など)の種類やその実行の有無、保留変化予告の種類やその実行の有無を異なるものとすることが可能である。
また、ノーマル、シンプル、プレミアムの各演出ステージでは、いずれのステージ中であるかを識別可能とするため、演出ステージ別に対応した固有の背景表示が現出される。たとえば、「ノーマルモード(演出ステージA)」は‘朝’を連想させる背景画像、「シンプルモード」では‘昼’を連想させる背景画像、「プレミアムモード」では‘夜’を連想させる背景画像などである。たとえば、現在が通常状態であれば、ベースの背景表示を通常演出モードの季節“春”背景表示とし、ノーマル、シンプル、プレミアムの各演出ステージに応じて「春の朝方背景」、「春の昼間背景」、「春の夜背景」を表現した背景表示に変更される。
また、演出ステージは、上記したカスタマイズ機能により移行(変更)制御可能に構成してもよいし、他の移行契機(変更契機)により、複数種類の演出ステージを移行制御可能に構成してもよい。たとえば、特定の図柄変動表示ゲームが実行される場合がある。具体的には、所定の開始条件の成立後(たとえば、大当り遊技後、電源投入後、またはRAMクリア後(設定変更を含む)など)、所定回数目の図柄変動表示ゲームや、所定回数の図柄変動表示ゲームが実行される毎などである。この場合、所定の抽選により演出ステージ移行の可否を決定してもよい。また、図柄変動表示ゲーム毎に所定の移行抽選を実行し、当選した場合に演出ステージを移行させてもよい。また、特定の演出が実行された場合に演出ステージを移行させてもよい。たとえば、ステージチェンジ演出の実行された場合、特定のリーチ演出(たとえば、高期待度リーチ演出(発展型SPSPリーチまたは直撃型SPSPリーチなど))で、ハズレとなった場合などである。なお、移行先の演出ステージは、所定の順序に従い移行させてもよいし、所定の抽選により決定してもよい。なお、演出ステージの移行契機については、1または複数の条件を採用し、その移行契機が到来した場合に(演出ステージ移行条件を満たした場合)、一の演出ステージから他の演出ステージへと移行(変更)させることができる。このような演出ステージの移行制御は、演出制御部24側が独自に行う演出処理(演出ステージ移行手段)により行う。
図51には、同じ変動パターンであっても、演出ステージに応じて停止動作パターンが異なる例を示しているが、演出ステージに応じて停止動作パターンを定める場合には、演出ステージに応じて異なる演出が実行されうる点に着目して停止動作パターンを定めることが好ましい。ここでは、説明を簡便なものとするために、代表的に、図46で説明した「演出A、演出B、演出C(演出時間の関係=「演出C<演出B<演出A」)」の3種類の演出を用いて説明する。たとえば、演出ステージAでは「演出A(演出時間が長い)」が実行されやすく、演出ステージBでは「演出B(演出時間が中)」が実行されやすく、演出ステージCでは「演出C(演出時間が短い)」が実行されやすい(演出Aおよび演出Bのいずれも実行されない)という演出ステージ間の関係がある場合、端的に言えば、演出ステージに応じて、演出A、演出Bおよび演出Cの実行確率(ゼロを含む)がそれぞれ異なり、たとえば、演出ステージA、B、Cの順に、演出時間が相対的に長い1または複数の演出が実行され易いケースがある。このようなケースでは、各演出ステージ下で実行され易い演出態様(実行され易い演出の演出時間)に応じて停止動作パターンを定めることが好ましい。このケースでは、演出ステージAの場合には停止動作ショートとし、演出ステージBの場合には停止動作ミドルとし、演出ステージCの場合には停止動作ロングとすることが好適である(後述の図53のリーチ停止動作についても同様)。
なお、演出ステージに応じて停止動作パターンを固定的なものとしてもよいが、演出ステージに応じて、停止動作パターンを変動的なものとしてもよい。たとえば、演出ステージに応じて、各停止動作パターンの実行確率が異なるように構成してもよい。具体的には、装飾図柄演出(装飾図柄の変動パターン)を決定する際に、現在の演出ステージに応じて停止動作ショート、停止動作ミドルおよび停止動作ロングのいずれかを、所定の選択率に従って決定する。たとえば、「停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング」の選択率が、演出ステージAの場合は「60%、30%、10%」、演出ステージBの場合は「20%、50%、30%」、演出ステージCの場合は「10%、30%、60%」などである。
また、上記では、演出ステージに関する停止動作パターンについて説明したが、演出モードに応じて異なる停止動作パターンを実行してもよい。たとえば、確変モードに関し、確変モードに係る平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係は「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」である。そこで、確変モード1(高速変動状態)は「停止動作ショート」、確変モード2(中速変動状態)は「停止動作ミドル」、確変モード3(低速変動状態)は「停止動作ロング」とすることができる。また、時短モードについても同様である。時短モードに係る図柄変動表示ゲームの平均消化時間の関係は「時短モード1(低速変動状態)<時短モード2(中速変動状態)<時短モード3(高速変動状態)」である。そこで、時短モード3(高速変動状態)は停止動作ショート、時短モード2(中速変動状態)は停止動作ミドル、時短モード1(低速変動状態)は「停止動作ロング」とすることができる。また、演出モードも上記した演出ステージのケースと同様に、演出モードに応じて停止動作パターンを固定的なものとしてもよいし、演出モードに応じて、停止動作パターンを変動的なものとしてもよい(演出モードに応じて、各停止動作パターンの実行確率が異なるように構成してもよい)。この場合も上記した演出ステージの場合と同様に、装飾図柄演出(装飾図柄の変動パターン)を決定する際に、現在の演出モードに応じて停止動作ショート、停止動作ミドルおよび停止動作ロングのいずれかを、所定の選択率に従って決定することができる。たとえば、「停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング」の選択率が、確変モード3または時短モード1の場合は「60%、30%、10%」、確変モード2または時短モード2の場合は「20%、50%、30%」、確変モード1または時短モード3の場合は「10%、30%、60%」などである。
(リーチ変動における停止動作パターンについて:図52)
上記図44〜図51では、主に、通常変動パターンに着目して、装飾図柄の停止動作パターンについて説明した。以下では、リーチ変動における装飾図柄の停止動作パターンについて説明する。
図52は、同一のリーチ変動において、図柄変動中に実行される演出の種類や演出の実行の有無に応じて、リーチ状態が形成される前の装飾図柄の停止動作パターンが異なる例を示したタイミングチャートである。だたし、ここで扱う停止動作パターンは、リーチ変動に係る停止動作パターンであるため、「最後に停止する図柄以外の図柄の停止動作パターン」に着目した停止動作パターンである。すなわち、リーチ状態(テンパイ状態)を形成する左図柄と右図柄(リーチ構成図柄)の停止動作パターンを扱っている。以下、特段必要の無い限り、リーチ状態を形成する際に利用される図柄の停止動作パターンを「リーチ停止動作パターン」と称する。また、リーチ停止動作パターンについて、停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロングに対応するリーチ停止動作パターンをそれぞれ「リーチ停止動作ショート」、「リーチ停止動作ミドル」、「リーチ停止動作ロング」と称する。
図52は、所定変動時間の所定変動表示にて(特定のリーチ変動に係る装飾図柄の変動表示)、各リーチ停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)が実行される例を示したものである。具体的には、特定のリーチ変動に係る装飾図柄演出の一部を示すタイミングチャートであり、図柄変動中に実行される演出の種類に応じて、異なるリーチ停止動作パターンが実行されるケースを示したものである。図52(a)は「演出D」が実行されるケースを示し、同図(b)は「演出E」が実行されるケースを示し、同図(c)は、演出Dおよび演出Eのいずれも実行されないケース(他の演出が実行される場合)を示す。
なお、図中の「演出D」、「演出E」および「演出F」は、それぞれ演出内容が異なるものとなっており、また、演出の実行時間(演出時間)もそれぞれ異なるものとなっている。演出時間の長短の関係は、「演出D>演出E>演出F」となっている。演出D〜演出Fの関係を端的に言えば、図46における演出A〜演出Cの関係に相当するものとなっている。また、特定のリーチ変動の一例として、代表的に「SPリーチ指定のリーチ変動」に属する変動パターン(図示では、説明を簡便なものとするために「リーチ変動A」と表記)を示してある。特定のリーチ変動は、他のリーチ変動(Nリーチ、発展型SPSPリーチ、直接型SPSPリーチなど)でもよいし、1または複数種類のリーチ変動であってもよい。
先ず、図52に示すリーチ変動Aによる一連の変動中演出(装飾図柄の変動パターン+予告演出シナリオ)の概要を説明しておく。高速変動期間中に所定の演出(図52の演出D〜演出E)が実行され、左図柄と右図柄とが所定の停止動作を実行した後、リーチ(テンパイ)状態を成す(時刻t(変動開始からの経過時間)=15秒の時点)。このとき、リーチを報知する「テンパイ演出」が実行される(t=15秒〜16.5秒)。このテンパイ演出は、その内容や演出時間がリーチ種別によって異なり、ここではSPリーチ系リーチの例を説明しているので、たとえば、今回のSPリーチに関連するタイトル予告や、SPリーチ発展を煽るSP煽り演出などが実行される。そして、テンパイ演出を終えた後は、リーチ変動Aに対応する所定のSPリーチ演出(16.5秒以降(図示略))が実行され、変動時間が終了すると、遊技結果に応じた所定の停止表示態様で全装飾図柄が確定表示される。
図52(a)〜(c)に示すように、演出Dが実行される場合には“リーチ停止動作ショート”、演出Eが実行される場合には“リーチ停止動作ミドル”、演出Dおよび演出Eが実行されない場合(本例では、演出Fが実行される場合としている)には“リーチ停止動作ロング”が実行されるようになっている。このように、実行される演出の種類に応じて、異なるリーチ停止動作パターンを実行する理由は、図46で既に説明した内容と基本的に同じ理由である。
すなわち、図52(a)に示すように、相対的に実行時間の長い演出Dが実行される場合、リーチ直前に演出Dが終了するケースがある。本例では、14.5秒の時点で演出Dが終了するケースを例示している。この場合、演出Dの終了と略同一のタイミングでリーチ状態を報知すれば、遊技者が演出スランプを感じることなく、SPリーチなどの高期待度リーチに期待を寄せながら、遊技に興じることができる。特に、リーチ停止動作ショートは、リーチ状態を形成する際に、左図柄と右図柄とが略同一のタイミングで停止(仮停止)する「左右同時テンパイ」が実行される。この左右同時テンパイは、左図柄と右図柄が順次停止してリーチ状態を形成する「左右異時テンパイ」よりもインパクトが強く、当選期待度が高いことを示唆する予告演出としても利用される。
一方、図52(b)に示すように、相対的に実行時間の短い演出Eが実行される場合は、リーチのタイミング(テンパイタイミング)よりもある程度(1秒〜2秒程度)余裕時間を有して終了するケースがある。本例では、13秒の時点で演出Eが終了するケースを例示している。この場合、演出Eの終了タイミングがテンパイタイミングよりも2秒程度手前で終了しており、2秒間の「演出スランプ」が生起しうる(図示の時間幅SRT)。特に、SPリーチ系の高期待度リーチ演出では、テンパイタイミングまでに、通常変動のときよりも当選期待度の高い予告演出が高確率で実行され、それ故、「リーチが掛かるだろう」と遊技者の当選期待感が煽られていることが多い。このような状況下で、仮に図52(a)に示す「リーチ停止動作ショート」を用いるとすれば、全図柄の仮停止状態が続くだけの期間(演出スランプ時間)が長くなってしまう。その結果、遊技者にとっては、テンパイ演出開始までの待ち時間が生じているような感じを受けてしまい、ストレスを感じてしまう恐れがある。
そこで、停止動作中期間が比較的長い「リーチ停止動作ミドル」または「リーチ停止動作ロング」の停止動作態様(停止動作中演出)を利用して、演出スランプ時間を埋めることが好ましい。本実施形態では、演出Eの実行期間と図柄の停止動作期間との重畳を回避するために、図示のように「リーチ停止動作ミドル」を用いている。本例の場合、演出Eの終了と略同一のタイミングで、装飾図柄の停止動作が開始され、演出スランプ時間SRT中に、各図柄が順次テンポ良く停止しながらリーチ状態を形成するため、全図柄の仮停止状態がしばらく続くだけの状態が少なくなり、遊技者がストレスを感じにくくなる。
図52(c)のケースは、演出Dおよび演出Eが実行されないケースとして、演出Dおよび演出Eよりも演出時間が短時間の演出Fが実行されるケースを例示している。この場合は、図52(a)(b)で説明した問題(演出の実行期間と図柄の停止動作期間とが重畳する問題や、演出スランプの問題など)を考慮し、「停止動作ロング」を用いることが好ましい。リーチ停止動作ロングは、リーチ停止動作ミドルよりも停止動作中期間が長時間となるため、高速変動期間が短くなる。よって、リーチ停止動作ロングを、演出Eの実行時間未満の「演出F」を実行するケースに用いることが好適である。
また、本例の特徴的な点は、図示からも分かる通り、リーチ停止動作ショート、リーチ停止動作ミドル、およびリーチ停止動作ロングのそれぞれのテンパイタイミングが、同じ(略同一)タイミングとなっている点である(後述の図53も同様)。ここでは、2番目に停止する図柄(右図柄)の停止動作中期間の終了時(スローダウン表示終了時)をテンパイタイミング(t=15秒)としている(図(a)では、左右同時テンパイであるので、最初に停止する左図柄および右図柄)。しかし本発明はこれに限らず、上記「一時停止期間(不図示)」中の任意のタイミングをテンパイタイミングとしてもよい。たとえば、停止動作中期間の終了時(一時停止期間開始時)、「一時停止期間終了時(2番目に停止する図柄(右図柄)の仮停止時)」などである(後述の図53も同様)。
本例では、同じリーチ変動であっても、リーチ前に実行される演出の種類(演出時間)に応じて、リーチ停止動作パターンを異ならせることができる。また、リーチ前に実行される演出の実行時間が異なる場合であっても、各リーチ停止動作パターンでテンパイタイミングを同じタイミングとすることができる。これにより、1つのリーチ変動で多くのリーチ前演出に対応することが可能になる、リーチ後の演出(テンパイ演出、リーチ演出など)の演出幅の調整も容易になる、旧機種と新機種との間で設計的な互換性が高まり利便性に優れる、制御負担の軽減、演出の自由度の向上、または演出バリエーションの向上などに大きく寄与することができる。
なお、リーチ演出が実行される場合には、当選期待度に応じて、高期待度の予告演出(先読み予告を含む)や低期待度の予告演出(先読み予告を含む)が実行されうる。そこで、高期待度の予告演出を実行する場合と低期待度の予告演出を実行する場合とで、リーチ停止動作パターンを異なるものとすることができる。高期待度の予告演出が実行される場合は、演出の賑やかしや煽り度合が強くなる点(たとえば、複数の予告演出が複合的に発生して、予告演出の実行時間が長くなることが多い点)に着目し、たとえば、少なくともリーチ停止動作ロング以外のリーチ停止動作パターンを伴う装飾図柄演出を実行する(たとえば、リーチ停止動作ミドルまたはリーチ停止動作ショートを適用する)。一方、低期待度の予告演出が実行される場合は、上述の高期待度の予告演出が実行される場合よりも演出の賑やかしや煽り度合が相対的に弱くなる点に着目し、少なくともリーチ停止動作ショート以外の停止動作パターンを伴う装飾図柄演出(たとえば、リーチ停止動作ミドルまたはリーチ停止動作ロングを適用する)を実行する。勿論、予告演出の当選期待度に応じて、どのようなリーチ停止動作パターンを適用するかは自由である。いずれにしても、実行される予告演出の当選期待度に応じて、リーチ停止動作パターンを異ならせることができる。
(演出ステージに応じて、リーチ停止動作パターンが異なる例:図53)
上記した図52では、同じリーチ変動であっても、図柄変動中に実行される演出の種類や演出の実行の有無に応じて、異なるリーチ停止動作パターンを実行可能な構成について説明した。ここでは、演出ステージに応じて、異なるリーチ停止動作パターンを実行可能な構成例について説明する。
図53は、同一のリーチ変動であっても、演出ステージに応じて、異なるリーチ停止動作パターンが実行されるケースを示したものである。図53(a)は演出ステージAである場合に「リーチ停止動作ショート」を伴う装飾図柄演出、図53(b)は演出ステージBである場合に「リーチ停止動作ミドル」伴う装飾図柄演出、図53(c)は演出ステージCである場合に「リーチ停止動作ロング」を伴う装飾図柄演出が実行されるケースを示している。なお、図53における演出ステージA〜Cについては、図51における演出ステージA〜Cと同じものを扱っている。
本例の特徴的な点は、図示の通り、同じリーチ変動であっても、演出ステージに応じてリーチ停止動作パターンが異なるが、各停止動作パターンのテンパイタイミングが、同じ(略同一)タイミングとなっている点である(変動開始からの経過時間=15秒の時点を参照)。この“リーチ停止動作パターンによらずテンパイタイミングが同じ”という点は、図52で述べた例と同じである。
なお、図53が図52と異なる点は、「演出ステージに応じてリーチ停止動作パターンが異なる」という点にあり、その他の内容(テンパイ演出に関する事項など)については実質的に同じである。本例では、同じリーチ変動であっても、演出ステージに応じてリーチ停止動作パターンを異ならせることができる。また、演出ステージによらず、各リーチ停止動作パターンのテンパイタイミングを同じタイミングとすることができる。これにより、演出ステージに係る演出の自由度の向上や演出バリエーションの向上などに大きく寄与することができる。
(停止動作パターンの変形例:図54〜図57)
上記実施形態では、図45に示す停止動作パターンについて説明した。しかし本発明はこれに限らず、図54〜図57に示す停止動作パターンを採用してもよい。なお、図54〜図57においては、停止動作パターンの最大停止動作期間(最初に停止する図柄が停止動作を開始してから最後に停止する図柄が停止して確定表示されるまで期間)、つまり、左停止動作期間LSTの時間幅に応じて、下記のように区分している。
(τ1)停止動作ショート:0≦LST<2秒
(τ2)停止動作ミドル :2秒≦LST<4秒
(τ3)停止動作ロング :4秒≦LST
なお、本実施形態では、上記(τ1)〜(τ3)のように停止動作パターン種別を区分しているが、同一の停止動作パターン種別に属するものが複数ある場合、たとえば、停止動作ミドル種別に属する第1停止動作ミドルと第2停止動作ミドルとがある場合、これらのうち、左停止動作期間LSTが相対的に短い方を「停止動作ショート」として扱い、左停止動作期間LSTが相対的に長い方を「停止動作ミドル」と扱うことができる。具体的には、図54の停止動作ミドルB(LST=3.0s)、図55の停止動作ミドルD(LST=3.5s)、図56の停止動作ミドルE(LST=2.5s)であれば、停止動作ミドルEを「停止動作ショート」、停止動作ミドルDを「停止動作ミドル」、停止動作ミドルBを「停止動作ロング」として扱うことができる。
以下、図54〜図57に示す各停止動作パターンについて説明する。
図54(a)に示す停止動作ショートBは、各図柄の停止動作中期間がゼロ(LMT=RMT=CMT=0(略ゼロ))となっており、低速変動期間が無く、高速変動期間終了後、直ちに、各図柄が仮停止される。したがって、演出的には、3つの装飾図柄がしばらく高速変動した後に、突発的に3つの図柄が略同時に停止表示されるように見える。たとえば、「ドン!(全図柄仮停止)」という具合である。特に、この停止動作ショートBは、他の停止動作パターン(図45、後述の図54(b)(c)、図55〜41に示す停止動作パターン)よりも、停止動作期間が短時間(本例では、LST=0.5秒)で終えるものであり、同一の変動パターン(変動時間)に適用した場合には、全動作パターン中、最長の高速変動期間を創出できる点が最大の特徴である。このような停止動作パターンは、演出時間が相対的に長い演出(たとえば、図46の演出Aや図52の演出Dよりも演出時間が長い演出)に用いるのが好適である。また、停止動作期間が極短時間であるため、短時間でテンポよく次ゲームを開始させていく場合、たとえば、作動保留球が短時間で発生し易い電サポ有り状態を伴う遊技状態(時短状態、確変状態)の通常変動パターンに用いるのが好適である。
図54(b)(c)に示す停止動作ミドルBと停止動作ミドルCは、図45に示す停止動作ミドルにおける中図柄の停止動作が異なり、中図柄が素早く停止する(最終停止図柄のショート停止動作を行う)点に特徴がある。中図柄が、この「最終停止図柄のショート停止動作」を行う点は、図45に示す停止動作ロングと同じである。したがって、たとえば「非テンパイ時(非リーチ時)」のように、ハズレが判明している状況下で、テンポよく次ゲームを開始させる場合(作動保留球が少なくとも1個の場合)などに好適である。
図55(a)に示す停止動作ミドルDと、図55(b)に示す停止動作ロングBは、各図柄の停止動作中期間がそれぞれ異なる点に特徴がある(本例の場合、「左停止動作中期間LMT>右停止動作中期間RMT>中停止動作中期間CMT」)。これらの停止動作パターンは、演出的には、左図柄が停止動作に入った後、右図柄と中図柄とが順次、リズムよく停止するように見える。たとえば「タ〜〜ン♪(左図柄仮停止)→タ〜ン♪(右図柄仮停止)→タン!(中図柄仮停止)」という具合である。また、停止動作ミドルDまたは停止動作ロングBは、図45の停止動作ロングと同じく、「非テンパイ時(非リーチ時)」などのハズレが判明している状況下で、テンポよく次ゲームを開始させる場合に好適である。
図56(a)(b)に示す停止動作ミドルEと、停止動作ミドルFは、図示の通り、「左右同時停止」を可能にする点に特徴がある。停止動作ミドルEの場合は、左右の図柄が停止動作中に、中図柄が停止動作を開始する。したがって、演出的には、左図柄と右図柄とが同時に画面に現れ、その途中で中図柄が停止するように見える。一方、停止動作ミドルFの場合は、左図柄と右図柄とが同時に仮停止したタイミングで、中図柄がゆっくり停止するように見える。たとえば「タン♪(左右同時仮停止)→タ〜〜ン♪(右図柄仮停止)」という具合である。停止動作ミドルEと停止動作ミドルFは、左右同時仮停止を成すことから、ハズレ目(たとえば、バラケ目)を停止させる場合の他、図52(a)や図53(a)のリーチ停止動作ショートのように、リーチ停止動作パターンに利用して、リーチ状態を形成する際に好適である。
図56(a)(b)に示す停止動作ミドルEと、停止動作ミドルFは、図示の通り、「左右同時停止」を可能にする点に特徴がある。停止動作ミドルEの場合は、左右の図柄が停止動作中に、中図柄が停止動作を開始する。したがって、演出的には、左図柄と右図柄とが同時に画面に現れ、その途中で中図柄が停止するように見える。一方、停止動作ミドルFの場合は、左図柄と右図柄とが同時に仮停止したタイミングと略同一のタイミングで、中図柄が停止動作を開始する。したがって、演出的には、左図柄と右図柄とが同時に仮停止したタイミングで中図柄がゆっくり停止するように見える。たとえば「タン♪(左右同時仮停止)→タ〜〜ン♪(右図柄仮停止)」という具合である。停止動作ミドルEと停止動作ミドルFは、左右同時仮停止を成すことから、ハズレ目(たとえば、バラケ目)を停止させる場合の他、図52(a)や図53(a)のリーチ停止動作ショートのように、リーチ停止動作パターンに利用して、リーチ状態を形成する際に好適である。
上記した各停止動作パターンについて、各期間に着目した場合の関係(期間LMT、RMT、CMT、LPT、RPT、CPT、LST、RST、CSTなど)は、図54〜図57に示す通りであり、ここから導出可能な事項(たとえば、高速変動期間の長短の関係、停止動作中期間の長短の関係、透過率の高低の関係、停止動作期間の長短の関係など)は自明な事項であり、本発明の技術的思想の範囲に含まれる。また、図54〜図57に示すいずれの停止動作パターンも、リーチ停止動作パターンとして用いることができるのは勿論のことである。
<16.演出制御部側の処理:図16〜図19>
次に、図16〜図19を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図16)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図17)とを中心に構成される。
<16.演出制御側メイン処理:図16>
図16は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図16に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部24(CPU241)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS1001)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
上記初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごと(16ms)にステップS1003〜S1012のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS1013の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS1002の処理において、CPU241は、メインループ更新カウンタを参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期(カウンタ値>15)が到来したか否かを判定する(ステップS1002)。上記メインループ更新カウンタは、1ms毎に実行される後述の演出制御側タイマ割込処理中でインクリメントされるカウンタである(図17のステップS1057参照)。本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっており、ステップS1002の判定処理にて、メインループ更新カウンタ値を判定し、その値が「15」より大きい場合には(ステップS1002:YES)、メインループ処理の実行タイミングが到来したとして、ステップS1003〜S1011の処理を実行し、それ以外の場合には、メインループ更新周期が到来するまで(ステップS1002:NO)、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出などの抽選に利用する各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS1012)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS1002:YES)、メインループ更新カウンタをゼロクリアし(ステップS1003)、次いで、エラー処理を実行する(ステップS1004)。ここでは、エラー中におけるエラー報知用の演出シナリオの設定やエラーが解除された際のエラー解除処理などを実行する。なお、演出手段に関するエラー(可動体役物エラー、音声ICエラーなど)は、ここで監視される。
次いで、デモ・節電モード処理を実行する(ステップS1005)。このデモ・節電モード処理では、デモ開始待ち演出、客待ち演出、および節電モードに必要な設定処理を実行する。
次いで、演出スイッチ入力処理を実行する(ステップS1006)。この演出スイッチ入力処理では、操作手段(演出ボタン13、方向キー75)の操作状態を監視し、操作を検出した場合には、その操作に応じた演出制御処理を実行する。操作手段の入力状態は、後述の図17中のボタン入力状態更新処理(ステップS1052)にて監視される。
次いで、コマンド解析処理を行う(ステップS1007)。このコマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出処理を実行する。なお、主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じた際、図示しないコマンド受信割込処理が実行される。このコマンド受信割込処理により、演出制御コマンドが取得され、そのデータは、RAM243のコマンド受信バッファに格納される。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合(本実施形態では、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドとが受信され、それらが受信バッファに格納されている場合)、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選情報(または当選種別情報))に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
上記コマンド解析処理を終えると、次いで、シナリオ更新処理を実行する(ステップS1008)。このシナリオ更新処理では、演出シナリオの実行に必要なタイマの内容を更新、当該タイマ値に基づいて演出シナリオを進行する処理を実行する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、どのような演出手段で現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLED駆動データ更新処理(ステップS1010)や演出役物動作更新処理(ステップS1053)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、或る演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLED駆動データ更新処理(ステップS1010)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物動作更新処理(ステップS1053)で作成される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS1009)。このサウンド出力処理では、ステップS1009のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音チャネル毎に設定されている音データに基づき、フレーズやボリュームなどのデータを音響制御部(音源LSI)に出力し、音響制御部を通じてスピーカ46から音演出を現出させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、LED駆動データ更新処理を実行する(ステップS1010)。このLED駆動データ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ13や各種演出用LEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成する。
次いで、LED出力処理を実行する(ステップS1011)。このLED出力処理では、LED駆動データ更新処理で作成されたLEDデータを光表示制御部に出力し、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45や演出用LEDなどの発光手段を点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
以上により、メインループ処理を終了すると、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS1013の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
<17.演出制御側タイマ割込処理:図17>
次に図17を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図17は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図17において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS1051)、ボタン入力状態更新処理を実行する(ステップS1052)。このボタン入力状態更新処理では、操作手段(演出ボタン13、方向キー75)からの操作検出信号の入力状態を監視し、操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この操作検出情報は、図16シナリオ更新処理(ステップS1009)にて、遊技者参加型演出やメニュー画面やメニュー項目に係る情報などを表示する際に利用される。本実施形態では、1回押し、長押し、連打などの検出も可能となっている。
次いで、演出役物動作更新処理を実行する(ステップS1053)。この演出役物動作更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物用のモータ制御データを作成する処理を行う。
次いで、SOL・MOT出力処理を行う(ステップS1054)。このSOL・MOT出力処理では、上記演出役物動作更新処理で作成された可動体役物用の制御データを駆動制御部に出力する。駆動制御部は、制御データに基づく制御信号を、動作対象とする可動体役物の可動体役物モータに出力しその動作を制御する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物(時計型役物80、花型役物90など)による可動体演出が実現される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS1055)。この液晶コマンド送信処理では、図16のシナリオ更新処理(ステップS1009)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信し、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、RTC情報取得処理を実行する(ステップS1056)。このRTC情報取得処理では、RTCにより計時される日時情報(RTC情報)を取得する。このRTC情報は、RTC情報に基づく演出を現出する際に利用される。
次いで、メインループ更新カウンタをインクリメントする(ステップS1057)。このメインループ更新カウンタは、上述の演出制御側のメイン処理中のステップS1003でリセットされ、本処理でインクリメントされる。したがって、ステップS1057が実行される際には、メインループ更新カウンタ値は0〜15のいずれかとなっている。
上記ステップS1057の処理を終えると、退避していたレジスタの内容を復帰し(ステップS1058)、タイマ割込処理を終了して、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を実行する。
<18.受信コマンド解析処理の内容:図18、図19>
図18と図19は受信コマンド解析処理(図16のステップS1007)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深い処理を示したものである。以下、「保留加算コマンド」、「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
(保留加算コマンド受信処理:図18)
図18において、演出制御部24(CPU241)は、まず入賞時コマンド受信確認処理を実行する(ステップS2201)。演出制御部24は、入賞時コマンドを受信した場合、まずその入賞時コマンドの内容を解析して、先読み判定結果情報(先読み変動パターン情報を取得し、取得した情報をRAM243の先読み情報記憶エリアに格納する入賞時コマンド受信処理(不図示)を行うが、。ここでは、入賞時コマンドを正しく受信し、その情報を取得したことを確認するための受信確認処理を行う。先読み情報記憶エリアには、主制御側のRAM203の保留記憶エリアと同じように、特図1側と特図2側のそれぞれに対応する先読み情報記憶エリアが設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。
次いで、先読み判定結果情報が先読み禁止であるか否かを判定する(ステップS2203)。先読み禁止期間である場合(ステップS2203:YES)、何もしないで、保留加算コマンド受信処理を抜ける。
先読み禁止でない場合(ステップS2203:NO)、ステップS2204の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(ステップS2204)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるステップS2205の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合、今回の作動保留球が図柄変動表示ゲームに供されるまでの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数Nの値が格納されるようになっている(後述のステップS2208参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS2204:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないで保留加算コマンド受信処理を抜ける。連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップ2204:YES)、先読み予告抽選許可状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(ステップS2205)。この先読み演出抽選処理は、変動開始時に決定されることとなる変動パターンを先読みした結果として、入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン情報に基づき、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行うものである。本実施形態における「入賞時コマンド」と「保留加算コマンド」は、先読み変動パターン、特別図柄種別のそれぞれに関する情報を含んだ形態のものである。したがって、これらの情報が、先読み予告抽選に利用される。
本実施形態に係る先読み予告には2種類ある。一つは、主に、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時系の先読み予告(保留変化予告)である。他の一つは、時系列的に先に実行される図柄変動表示ゲーム中に生起させる図柄変動中系の先読み予告(変動中先読み予告)である。したがって、先読み予告抽選としては、保留変化予告を行うか否かについての抽選と、変動中先読み予告を行うか否かについての抽選とがあり、ここでは両者を独立に行う。
上記先読み演出抽選処理では、入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン情報と、先読み演出抽選テーブル(図示せず)とを用いて先読み予告を抽選し(ステップS2205)、その先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み演出抽選結果に関する情報)をセットする(ステップ2206)。この演出情報は先読み予告を現出する際に利用される。ここでセットされる演出情報には、(i)保留変化予告を指定する情報、たとえば、保留色や保留変化のタイミング指定情報などの保留変化予告に係る演出シナリオ、(ii)変動中先読み予告を指定する情報、たとえば、予告画像種別(雷雲画像、雨画像、稲妻画像)や実行回数情報などの変動中先読み予告に係る演出シナリオ、(iii)先読み演出抽選非当選(ハズレ)情報(先読み予告を実行しない情報)などが含まれる。本例の場合、保留変化予告を行うか否かについての抽選と、変動中先読み予告を行うか否かについての抽選とを独立して抽選を行うため、保留変化予告だけが実行される場合と、変動中先読み予告だけが実行される場合と、保留変化予告と変動中先読み予告の両方の先読み予告を実行される場合とがあり、保留変化予告と変動中先読み予告の両方が実行される場合は、先読み予告が単独で実行されるよりも当選期待度が高まる。
演出制御部24は、上記(i)(ii)の先読み予告を実行する場合には、上記先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み予告に関する演出シナリオ)に基づき、保留変化予告および/または変動中予告に必要な演出制御処理を行い、これにより、たとえば図5Bに示す先読み予告を実現する。一方、上記(iii)の先読み演出抽選非当選の場合、先読み予告は実行されず、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色保留が、該当保留表示部(図4のa1〜d1、a2〜d2)に表示されることになる。
上記先読み演出抽選処理の結果、先読み予告を実行する場合には現在の作動保留球数の値を連続予告カウンタに格納する(ステップS2208)。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図19の装飾図柄指定コマンド受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1ずつ減算されていくようになっている(後述のステップS2306参照)。上記のように先読み演出抽選に当選した際に現存する作動保留球数の値を「連続予告カウンタ」にセットすることで、当該作動保留球数に対応する図柄変動回数の間、新たな作動保留球が発生しても、それについて先読み予告演出の抽選が禁止される(ステップS2204:NOのルート)。たとえば現在の保留球数が3個の場合、当該保留球数に対応する3回の図柄変動の間、先読み予告抽選が禁止され、これにより先読み予告の発生が阻止される。なお上述の「連続予告カウンタ」は、先読み予告当選に関する情報としても利用することができる。つまり、「連続予告カウンタ」がゼロであれば、先読み予告非当選中(先読み予告非実行状態)であり、ゼロ以外の値であれば先読み予告当選中(先読み予告実行状態)と判断することができる。
(装飾図柄指定コマンド受信処理:図19)
図19を参照して、演出制御部24(CPU241)は、まず、変動パターン指定コマンド受信確認処理を実行する(ステップS2301)。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し、変動パターン情報(変動開始時の変動パターン情報)を取得し、取得した情報をRAM243の先読み情報記憶エリアに格納する変動パターン指定コマンド受信処理(不図示)を行うが。ここでは、変動パターン指定コマンドを正しく受信し、その情報を取得したことを確認する。
次いで、装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する図柄情報を取得する(ステップS2302)。
次いで、演出シナリオ種別抽選を実行する(ステップS2303)。ここでは、現在の演出モード(演出ステージを設けた場合は、現在の演出ステージ)と変動パターン情報に基づき、今回の図柄変動中の演出シナリオを、複数種類の演出シナリオのうちからいずれかを抽選により決定する。演出シナリオには、今回の図柄変動中に実行する予告演出に関する各種の演出シナリオが含まれる。演出シナリオが決定されると、さらに、決定された予告演出種別に属する具体的な予告演出の種類を決定する。たとえば、演出シナリオA〜Cがあり、演出シナリオAは、ステップアップ演出種別に関する演出シナリオであり、演出シナリオBは、遊技者参加型演出種別に関する演出シナリオであり、演出シナリオCは背景変化予告に関する演出シナリオである場合に、演出シナリオ種別抽選で演出シナリオAが決定されたとする。この演出シナリオAには、ステップアップ演出種別(たとえば、1段階で終了するステップアップ演出C、2段階まで発展するステップアップ演出B、最終段階まで発展するステップアップ演出A)に関する演出シナリオであるので、当該ステップアップ演出種別に属するステップアップ演出A〜Cのうちいずれを実行するかについてを、所定の予告演出種別抽選により決定する。このステップアップ演出A〜Cは、変動パターンに応じた抽選確率が定められており、当選期待度が高い変動パターンほど、当選期待度が相対的に高いステップアップ演出Cが抽選され易いようになっている。またここでは、ステップアップ演出の実行に付随して実行される他の演出(設定示唆演出や非予告演出)も決定される。
そして、具体的な予告演出(ここでは、ステップアップ演出A〜Cのいずれか)が決定されると、今回の演出シナリオに関連する装飾図柄の変動パターンが決定される。ステップアップ演出A〜Cは、その演出内容に応じて演出実行時間があらかじめ定められており、たとえば、1段階用のステップアップ演出Cは9秒、2段階用のステップアップ演出Bは10秒、最終段階(3段階)まで発展するステップアップ演出Aは12秒という様に定められている。そこで、今回の予告種別抽選により、ステップアップ演出C(演出実行時間が9秒)が決定された場合は、装飾図柄演出として、停止動作ロングを伴う装飾図柄演出が決定され、ステップアップ演出B(演出実行時間が10秒)が決定された場合は、装飾図柄演出として、停止動作ミドルを伴う装飾図柄演出が決定され、ステップアップ演出A(演出実行時間が12秒)が決定された場合は、装飾図柄演出として、停止動作ショートを伴う装飾図柄演出が決定されるようになっている。これにより、図46〜図53に示す装飾図柄演出が実現される。詳述すれば、今回の変動パターンが通常変動13sであった場合には、図46に示すような装飾図柄演出が実現されることになる。
また他の例(図47〜図53)について、今回の変動パターンが通常変動16sであり、ステップアップ演出Aが決定された場合には停止動作ロングが決定される場合には、図47に示すような装飾図柄演出を実現することができる。また、今回の変動パターンが通常変動16sであり、ステップアップ演出Aが決定された場合に停止動作ロングまたは停止動作ミドルを選択可能とし、通常変動13sの場合には停止動作ショートを選択可能とすれば、図48に示すような装飾図柄演出を実現することができる。また、通常変動16sや通常変動13sや通常変動4sについて、ステップアップ演出A〜Cに応じて停止動作パターンを選択可能とすれば、図49〜図50に示すようなような装飾図柄演出を実現することができる。また、演出ステージA〜Cに応じて、停止動作パターンを選択可能とすれば、図51に示すような装飾図柄演出を実現することができる。また、今回の変動パターンがリーチ変動である場合には、実行される演出の種類や現在の演出ステージに応じて、図52〜図53に示すような装飾図柄演出を実現することができる。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS2304)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、演出シナリオと図柄情報とに基づき、仮停止図柄や最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンあり、かつ当選種別情報が10R確変大当りであれば、その大当りに関連した装飾図柄の組み合せを決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定し、決定された左図柄と右図柄とに基づき、10R確変大当りに関連した装飾図柄列が最終的に停止されるように中図柄を決定する。また、変動パターンが通常変動パターン(たとえば、通常変動13s)であれば、ハズレ目が停止表示されるように、最終的に停止される装飾図柄の組み合せを決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まり、今回の図柄変動中に実行する一連の変動中演出(予告演出シナリオ、装飾図柄演出シナリオ(装飾図柄の変動パターンに関する演出シナリオ))が決定される。そして、決定された変動中演出に関するシナリオデータを設定する(ステップS2305)。
次いで、連続予告演出管理処理を実行する(ステップS2306)。ここでは、変動中先読み予告に関する演出処理を行う。たとえば、今回のゲームが実行されることによる連続予告カウンタの減算、変動中先読み予告に係る予告画像の表示処理など、変動中先読み予告の実行に要する演出処理を行う。
そして、ステップS2306の連続予告演出管理処理を終えると、装飾図柄変動開始時の各種設定処理(ステップS2307)を行って、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜ける。以後、上記演出シナリオに基づく装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
以上に説明した装飾図柄演出(装飾図柄の停止動作パターン)について好ましい実施形態についてまとめると、下記の構成例1B〜8Bとすることができる。
[構成例1B]
(1)利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄などの複数の装飾図柄:図5A、図5B)を変動表示する図柄表示手段(液晶表示装置36)と、
前記図柄表示手段による図柄変動中に、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御部24)とを備えた遊技機において、
所定変動時間の所定変動表示では(たとえば、図46の通常変動13sに係る装飾図柄の変動表示)、
少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始したときから全図柄が停止するまでの停止動作期間が第1期間である第1変動表示(たとえば、停止動作ショートを実行する変動表示:図45(a)、図46(a))、または当該停止動作期間が当該第1期間よりも長い第2期間である第2変動表示(たとえば、停止動作ミドルを実行する変動表示:図45(b)、図46(b))が実行される場合があり、
前記演出には、前記所定変動時間中の第1終了タイミングで終了する第1演出と、当該第1終了タイミングよりも遅い第2終了タイミングで終了する第2演出とがあり(たとえば、図46の演出Aの終了タイミングと演出Bの終了タイミングが異なる点)、
前記第1演出を実行する場合は前記第1変動表示を実行し(図46(a))、
前記第2演出を実行する場合は前記第2変動表示を実行する(図46(b))、
ことを特徴とする遊技機。
(2)この構成例1において、前記第1演出は、前記第1変動表示において少なくとも最初に停止する図柄が停止動作を開始する以前に終了され(たとえば、図46(a)に示す演出A)、
前記第2演出は、前記第2変動表示において少なくとも最初に停止する図柄が停止動作を開始する以前に終了される(たとえば、図46(b)に示す演出B)、ことを特徴とする。
(3)また、構成例1の上記(1)または(2)において、前記所定変動時間の変動表示では、前記停止動作期間が前記第2期間よりも長い第3期間である第3変動表示(たとえば、停止動作ロングを実行する変動表示:図45(c)、図46(c))が実行される場合があり、前記第1演出および前記第2演出のいずれも実行しない場合(たとえば、図46の演出Cが実行される場合)は前記第3変動表示を実行することができる。
[構成例2B]
利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段による図柄変動中に、所定演出を実行可能な演出実行手段とを備えた遊技機において、
図柄変動表示には、
少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始したときから全図柄が停止するまでの停止動作期間が第1期間である第1変動表示(たとえば、停止動作ショートを実行する変動表示:図47(c))と、
前記停止動作期間が前記第1期間よりも長い第2期間である第2変動表示(たとえば、停止動作ミドルを実行する変動表示:図47(b))と、
前記停止動作期間が前記第2期間よりも長い第3期間である第3変動表示(たとえば、停止動作ロングを実行する変動表示:図47(a))とがあり、
変動時間が第1変動時間である場合に前記所定演出を実行するときは前記第1変動表示を実行し(たとえば、通常変動13sのときは停止動作ショート:図47(c))、
変動時間が前記第1変動時間より長い第2変動時間である場合に前記所定演出を実行するときは前記第3変動表示を実行する(たとえば、通常変動16sのときは停止動作ロング:図47(a))、ことを特徴とする遊技機。
[構成例3B]
(1)利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段による図柄変動中に、複数種類の演出を実行可能な演出実行手段と、
を備えた遊技機において、
図柄変動表示には、
第1変動時間の第1所定変動表示(たとえば、通常変動13s)と、当該第1変動時間よりも変動時間が短い第2所定変動表示(たとえば、通常変動4s)とがあり、
前記第1所定変動表示では、実行される演出に応じて、少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始したときから全図柄が停止するまでの停止動作期間がそれぞれ異なる複数種類の変動表示のうちのいずれかの変動表示を実行し(たとえば、図50(a)〜(c))、
前記第2所定変動表示では、前記複数種類の変動表示のうち前記第1所定変動表示が実行可能な変動表示の種類数よりも少ない種類数の変動表示を実行する(たとえば、図50(d)(e))、ことを特徴する遊技機。
(2)この構成例3において、前記第2所定変動表示では、前記第1所定変動表示が実行可能な前記複数種類の変動表示のうち、特定の1つの変動表示を実行することができる(たとえば、停止動作ショートを伴う変動表示だけを実行する:図50(d):)。
[構成例4B]
利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段による図柄変動中に、複数種類の演出を実行可能な演出実行手段とを備えた遊技機において、
図柄変動表示には、
第1変動時間の第1所定変動表示と、当該第1変動時間よりも変動時間が短い第2所定変動表示とがあり、
前記第1所定変動表示では、実行される演出に応じて、少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始したときから全図柄が停止するまでの停止動作期間がそれぞれ異なる複数種類の変動表示のうちいずれかの変動表示を実行し(たとえば、図50(a)〜(c))、
前記第2所定変動表示では、
前記第1所定変動表示が実行可能な変動表示のうち最長の停止動作期間の変動表示以外の他の変動表示(たとえば、停止動作ロング以外の停止動作(停止動作ミドルまたは停止動作ショート)の変動表示:図50(d)(e))を実行する、ことを特徴する遊技機。
[構成例5B]
(1)利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段による図柄変動中に、複数種類の演出を実行可能な演出実行手段とを備えた遊技機において、
所定変動時間の所定変動表示では、
前記演出実行手段により実行される演出に応じて、リーチ状態を構成する複数の図柄(たとえば、左図柄と右図柄)の少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始してから当該複数の図柄によるリーチ状態が構成されるまでのリーチ構成動作期間がそれぞれ異なる複数種類のリーチ変動表示のうちいずれかのリーチ変動表示を実行し(たとえば、図52(a)〜(c))、
いずれのリーチ変動表示を実行する場合であっても前記リーチ状態となるタイミング(たとえば、左図柄と右図柄との双方が停止(仮停止)して、リーチ状態を形成したタイミング:図52(a)〜(c))が略同一である、ことを特徴とする遊技機。
(2)また構成例5において、前記演出実行手段は、前記リーチ状態となった場合に特定演出(テンパイ演出)を実行可能であり、前記複数種類のリーチ変動表示のいずれが実行される場合であっても、当該特定演出を実行することができる(たとえば、図52のリーチ後のテンパイ演出)。
[構成例6B]
(1)利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段による図柄変動中に、演出を実行可能な演出実行手段と、
を備えた遊技機において、
前記演出実行手段は、複数種類の演出ステージのうちから設定された演出ステージに対応した演出を実行可能であり(たとえば、演出ステージA〜C:図51、図53)、
所定変動時間の所定変動表示では、
前記演出ステージに応じて、リーチ状態を構成する複数の図柄の少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始してから当該複数の図柄によるリーチ状態が構成されるまでのリーチ構成動作期間がそれぞれ異なる複数種類のリーチ変動表示のうちいずれかのリーチ変動表示を実行し、
いずれのリーチ変動表示を実行する場合であっても前記リーチ状態となるタイミング(たとえば、左図柄と右図柄との双方が停止(仮停止)して、リーチ状態を形成したタイミング:図53(a)〜(c))が略同一である、ことを特徴とする遊技機。
(2)この構成例6において、前記演出実行手段は、前記リーチ状態となった場合に特定演出(テンパイ演出)を実行可能であり、前記複数種類のリーチ変動表示のいずれが実行される場合であっても、当該特定演出を実行することができる(たとえば、図53のリーチ後のテンパイ演出)。
[構成例7B]
(1)利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示させ、前記抽選結果に応じた図柄の組合せを仮停止表示した後に確定停止表示する図柄表示手段と、
を備えた遊技機において、
所定変動時間の所定変動表示は、
最初に仮停止する図柄が停止動作を開始したときから当該図柄が仮停止するまでの第1停止動作中の時間をLMT(秒)とし、
最後に仮停止する図柄が停止動作を開始したときから当該図柄が仮停止するまでの第2停止動作中の時間をCMT(秒)とした場合に下記関係式(1)を満たす(たとえば、図44(a)、図45の(c):停止動作ロングの左停止動作中期間LMTと、中停止動作中期間CMTの関係の記載)、ことを特徴する遊技機。
LMT>CMT (1)
(2)また構成例7において、前記図柄表示手段は、前記図柄の変動表示として、前記図柄が第1透過率で表示される高速変動表示と、当該第1透過率よりも低い第2透過率で表示される低速変動表示とを実行可能であり、
前記所定変動時間の所定変動表示では、前記第1停止動作中は、2番目以降に仮停止する図柄が前記高速変動表示中である(たとえば、図44(a)、図45の(c):左図柄の停止動作中は、右図柄と中図柄は高速変動中の記載)、ことを特徴とする。
[構成例8B]
(1)利益状態を発生させるか否かの抽選結果に応じて複数の図柄を変動表示させ、前記抽選結果に応じた図柄の組合せを仮停止表示した後に確定停止表示する図柄表示手段と、
を備えた遊技機において、
所定変動時間の所定変動表示は、
2番目に仮停止する図柄が停止動作を開始したときから当該図柄が仮停止するまでの第1停止動作中の時間をRMT(秒)とし、
最後に仮停止する図柄が停止動作を開始したときから当該図柄が仮停止するまでの第2停止動作中の時間をCMT(秒)とした場合に、下記関係式(1)を満たす(たとえば、図44(a)、図45の(c):停止動作ロングの右停止動作中期間RMTと、中停止動作中期間CMTの関係の記載)、ことを特徴する遊技機。
RMT>CMT (1)
(2)また構成例8において、前記図柄表示手段は、前記図柄の変動表示として、前記図柄が第1透過率で表示される高速変動表示と、当該第1透過率よりも低い第2透過率で表示される低速変動表示とを実行可能であり、
前記所定変動時間の所定変動表示では、前記第2停止動作中は、最後に仮停止する図柄が前記高速変動表示中である(たとえば、図44(a)、図45の(c):右図柄の停止動作中は、中図柄は高速変動中の記載)、ことを特徴とする。
以上に説明した全ての実施形態(各実施形態で説明した種々の構成および変形例のすべてを含む)の1または複数を組合せた構成としてもよく、各実施形態において記載した内容は個別の実施形態のみに限定されるものではない。たとえば、第1実施形態に係る変動パターンの選択技術に関する構成と、第2実施形態に係る停止動作パターンの技術に関する構成とを、適宜組合せた構成とすることができる。
また以上に説明した実施形態では、遊技媒体として、遊技球を利用する弾球遊技機について説明したが、本発明は弾球遊技機に限られない。たとえば、アレンジボール機、雀球遊技機であってもよく、他の遊技媒体として、遊技メダルを利用する遊技機(回胴式遊技機)や、電磁気的な記録手段を利用して遊技媒体を管理する管理式遊技機などであってもよい。
本発明は、遊技機に有用である。
1 遊技機、
2 前枠(扉)、
3、3a 遊技盤、遊技領域、
19 遊技球払出装置、
20 主制御部(主制御基板)、
24 演出制御部(演出制御基板、液晶制御基板)
28 発射制御基板、
29 払出制御基板、
34、34a 上始動口、上始動口センサ
35、35a 下始動口、下始動口センサ、
37、37a 普通図柄始動口、普通図柄始動口センサ、
38a、38b 特別図柄表示装置、
39a 普通図柄表示装置、
50、52a 大入賞口、大入賞口センサ
41、41c 普通変動入賞装置、普通電動役物ソレノイド、
52、52c 特別変動入賞装置、大入賞口ソレノイド、
36、45、46 液晶表示装置、装飾ランプ、スピーカ、
49 アウト口、
94 設定キースイッチ、
95 設定変更スイッチ、
96 設定変更完了スイッチ、
97 設定表示器、
98 RAMクリアスイッチ、
201、202、203 主制御CPU、主制御ROM、主制御RAM、
241、242、243 演出制御CPU、演出制御ROM、演出制御RAM。

Claims (1)

  1. 当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
    図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
    通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
    前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御可能な遊技機であって、
    前記抽選結果が当りである場合に前記時短状態に制御される上限回数と、前記抽選結果がハズレである場合に前記時短状態に制御される上限回数とが異なる回数である、
    ことを特徴とする遊技機。
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