[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る遊技機として、弾球遊技機を例にとり説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下、「遊技機1」と略す)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、押しボタン式の演出ボタン13(第1の操作手段)の他、上方向を指し示すボタン75a、右ボタン75b、下ボタン75c、および左ボタン75dから構成され、上下左右方向に入力操作可能な十字形の方向キー75(第2の操作手段)が設けられている。演出ボタン13や方向キー75は、遊技者が操作可能な操作手段として機能し、特定の予告演出(たとえば、後述の「遊技者参加型演出」など)における所定の操作有効受付期間(ボタン有効期間)中に操作入力の受付が有効化され、この有効期間中に所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされると、その操作の前後で演出に変化をもたらすことが可能となっている。また、これらの操作手段は、客待ち待機中(後述の「客待ち前演出(デモ開始待ち表示)」または「客待ち演出(デモ表示)」)に係る「遊技設定画面(メニュー画面:たとえば、図46〜図48参照)」において、遊技者が好みの遊技設定を行う際にも利用される。この遊技設定では、たとえば、遊技者が所定の範囲内において、好みの音量調整や光量調整などの遊技環境の設定が可能となっている(たとえば、図46参照)。なお、演出ボタン13には、その内部にボタンLED13bが設けられており、このLEDの発光態様の違いにより、操作受付有効期間(所定色で点灯または点滅)と、操作受付無効期間(たとえば、消灯中)とが報知可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。本実施形態に係る発射装置32は、毎分100発程度の発射性能を有する。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46が設けられている。また、遊技機の適所、たとえば、ガラス扉6の前枠周縁の装飾部材やセンター飾り体48(図2参照)の内部には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(演出用LED)が複数設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、所定の表示領域(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の3つの装飾図柄(たとえば、図5A参照))の変動表示動作(変動表示および停止表示)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられている。センター飾り体48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り体48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えており、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間に遊技球が通過可能な遊動領域が形成されており、発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と、下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置:第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置:第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動表示および停止表示)による‘特別図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに‘装飾図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。なお、特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、右打ち有利の状態報知、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知などの遊技状態情報という、複数の表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。本実施形態に係る普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行される。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。
また普通図柄表示装置39aに隣接して、右打ち表示装置39bが設けられている。この右打ち表示装置39bは、LEDの点灯・消灯状態の組合せにより、遊技球が右流下経路3cを通過(流下)するように狙いを定める「右打ち」が有利であるのか、遊技球が左流下経路3bを通過(流下)するように狙いを定める「左打ち」が有利であるのかを報知する。たとえば、LEDの発光状態が、点灯した状態であれば右打ち有利、消灯状態であれば左打ち有利であることが報知される。
また、右打ち表示装置39bに隣接して2個のLED(ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39cが設けられている。このラウンド数表示装置39cは、複数個のLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り体48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口を開放または拡大可能にする‘始動口開閉手段’を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り体48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として左右一対の可動翼片(可動部材)47を備え、この可動翼片47が開閉動作を行うことで、第2の特別図柄始動口である下始動口35を開放または拡大可能となっている。
また、普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に4つ(43a〜43d)、右側に1つ(43e)、計5つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43h(各一般入賞口43a〜43eの個々に対応)が形成されている。
また、普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていないが、これに限らず、両流下経路に形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに不図示のゲージ構成(遊技くぎの配列)により、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうるが、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれるようになっている。
本実施形態の場合、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされる。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の一般入賞口43a〜43dがあり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の一般入賞口43eがある。なお、下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属する入賞手段といえる。また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
(特定条件下における右打ち有利の構成)
本実施形態の遊技機1では、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた「右打ち」をした場合、普通図柄始動口37に遊技球は入賞し易いが、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされる。しかし、この可動翼片47は、後述の「電サポ状態(電サポ状態)」が生起すると、少なくとも通常状態(通常遊技状態)よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。したがって、この電サポ状態下であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」ではなく、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。一方、後述の「電サポ無し状態(非電サポ中)」であれば、その逆に、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」ではなく、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされる。すなわち、遊技状態に応じて、左流下経路3bおよび右流下経路3cのいずれの流下経路に遊技球を流下させるかにより遊技進行が遊技者にとって有利または不利に作用するようになっている。詳細は後述するが、電サポ状態を伴う遊技状態(「入賞容易状態」とも称する)には「時短状態」や「確変状態」があり、電サポ無し状態を伴う遊技状態には「通常状態」や「潜確状態」がある。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43a〜43eなどの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43hなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。なお上記した各入賞手段については、遊技性に応じて、その個数、形状、形成位置などを適宜変更することができる。また、各入賞手段について、左流下経路3bおよび/または右流下経路3cのいずれを流下する遊技球を、入賞困難または入賞不可能、或いは入賞可能とするかについても遊技性に応じて適宜変更することができる。
各入賞口に遊技球が入賞した場合、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数が、遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。たとえば、上始動口34は3個、下始動口35は1個、普通図柄始動口37は0個(賞球なし))、大入賞口50は15個、一般入賞口43a〜eは3個が払い出される。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技領域3a内には、遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本実施形態では、センター飾り体48内の右上側に第1の可動体役物80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物90が配設されている。第1の可動体役物80は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動可能に形成された短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として「掛時計部」を形作る。この意味で、第1の可動体役物80を「時計型役物」とも称する。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、各数字セクターが個々に独立して異なった色で発光可能な構成となっている。
また、第2の可動体役物90は、花心の周りに複数枚の花弁からなる花冠を配し、更にその外側周囲に萼を配して花被を二重にし、以て花の形とした花型部91(第1可動体91)を、スイング動作が可能なアーム92(第2可動体92)の先端に取り付け、全体として花型役物90として構成されている。なお、花型部91は、花心を中心軸として複数枚の花弁が回動可能となっている。この花型役物90は、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図2に実線で示す)で静止しており、所定の動作条件が成立すると、アーム92が傾倒動作して、当該アーム92と共に花型部91が液晶画面を覆う位置(図2に破線で示す)まで移動する。そして、図2に破線で示す演出位置まで移動すると、花型部91がアーム先端部において回転すると共に、半透明の花心および花弁部分が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色しうる。花型役物90は、その動作を終了すると、破線の演出位置から実線の原点位置に戻る。花型部91は、花弁の回動動作として、高速回転、低速回転、逆回転などの複数種類の動作パターンが可能であり、アーム92は、破線部まで傾倒する全開傾動動作の他、所定の傾動角度まで傾動する準傾動動作やアームがガタガタと振動する振動動作、寸動動作など複数種類の動作パターンが可能である。上記の時計型役物80(時計針82)や花型役物90(第1可動体91、第2可動体92)は、その動作態様により、予告演出に利用される他、後述の設定示唆演出を実行(現出)する際にも利用される。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係る遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係る遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下、「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行(現出)制御を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下、「演出制御部24」と称する)と、遊技球払出装置19による賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源から遊技機の各基板に対して必要な電源(バックアップ電源を含む)を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込みなどの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知し、システムリセット信号を出力してCPUをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、あらかじめ設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数(ハード乱数)を生成するためのカウンタ回路なども備えている。なお、少なくとも主制御部(主制御基板)20と払出制御基板29は、不図示の電源基板から電圧降下信号(電源異常信号)を受けることによって、電源遮断に先立ち、バックアップ処理を開始して、電源遮断前の遊技動作を電源復帰後に再開できるようになっている(バックアップ機能)。この遊技機1では少なくとも数日は、RAMの各記憶内容を保持することが可能となっている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ちなどのゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口センサ34a、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43hとが接続され、主制御部20は、これらセンサからの検出信号を受信して、いずれの入賞口に遊技球が入賞(入球)したのかを把握する。
また主制御部20には、アウト口49および各入賞口を通じて遊技機から排出される遊技球(いわゆる、アウト球)を検出する「OUT監視スイッチ49a」が接続され、その検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、OUT監視スイッチ49aからの検出信号に基づき、アウト球数を計数するアウト球計数手段を備える。アウト球数は、特定値で規定される「遊技実績情報」の一つである。たとえば「本日の累計アウト球数が30000発」であれば、遊技機1が本日300分稼働していたという稼動情報(「累計アウト球数(個)/発射性能(毎分100発)=稼働時間」)を得ることができる。また、アウト球数は、後述のベース値(遊技実績情報の一つ)の算出に利用される。
また主制御部20には、遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ(たとえば、振動センサ、電波センサ、磁気センサ:不図示)が接続され、主制御部20は不正検出センサからの検出信号に基づき、遊技機に対する不正行為を監視可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38a、38bが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cと、右打ち表示装置39bと、ラウンド数表示装置39cとが接続され、主制御部20は、これらに表示される各種情報を表示制御可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部端子基板21が接続され、主制御部20は、枠用外部端子基板21を介して、所定の遊技情報(外端信号)を遊技機の外部に設けられた、「データカウンタDT」や「ホールコンピュータHC」などの外部装置に送信可能となっている。所定の遊技情報としては、たとえば、当り遊技開始/終了情報、入賞情報、特別図柄の変動開始/変動停止情報、賞球数情報、各種セキュリティ情報(不正行為検出情報や、RAMクリア、扉開放、設定変更などの発生情報)などがある。上記「データカウンタDT」とは、外端信号に含まれる遊技情報に基づき、大当り回数、図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄変動回数)、大当り間のゲーム実行回数など、遊技機に関する特定情報を報知可能な遊技情報報知装置であり、通常、遊技機の上部に設置される。また、ホールコンピュータHCとは、いわゆる「ホールコン」と称されるものであり、外端信号に含まれる遊技情報に基づき、遊技機の遊技進行状態を監視・収集し、パチンコホールに設置された遊技機の稼働状況を統括的に管理するホール専用の管理コンピュータである。データカウンタDTやホールコンピュータHCは、いずれもその装置自体は、従来から知られている周知の装置である。
また主制御部20は、保安電子通信技術協会(保通協)で実施される型式試験(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく遊技機の型式に関する検定に係る試験)に対応して、遊技動作をリアルタイムに特定する型式試験信号を枠用外部端子基板21から出力可能となっている。なお、型式試験に適合した遊技機をパチンコホールに設置する際には、その適合した制御プログラムの変更は一切認められていない。このため、パチンコホールに設置後も型式試験信号が繰り返し出力処理されることになる。
また主制御部20には、RAM203の所定領域(領域内メモリ)を初期化するためのRAMクリアスイッチ98と、設定鍵を挿入してON/OFF操作をすることにより、設定値の変更操作を許容する設定変更許容状態(ON)と設定変更禁止状態(OFF)とに切り替え可能な設定キースイッチ94と、設定変更許容状態下で設定値(詳細は後述する)を変更するための設定変更スイッチ95と、設定変更スイッチ95により選択された設定値を確定させるための設定変更完了スイッチ96とが接続され、主制御部20は、これらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。RAMクリアスイッチ98、設定変更スイッチ95、および設定変更完了スイッチ96は、いずれも操作者が操作可能な押しボタン式スイッチとなっている。これらスイッチ94、95、96、98は、設定値に対する不正行為防止の観点から、遊技者が視認不可能な遊技機内部の適所に形成され、前枠2を開放しない限り、遊技機外部からのON/OFF操作が不可能となっている。
また主制御部20には、設定値に関する情報を表示する設定表示器97(設定表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態に係る設定表示器97は、1個の7セグメント表示器から構成されており、主制御部(主制御基板)20上に装着されている。なお、設定表示器97は、主制御基板20に限らず、払出制御基板28、発射制御基板29、中継基板(各種表示装置やスイッチ類などと制御基板との接続を中継する中継用基板:図示せず)、または演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24など、遊技機内部の適所に設けることができる。
(設定値について)
主制御部20は、出玉率(所謂、機械割、PAYOUT率)などの遊技者に付与する利益の期待値(利益)を段階別に変更可能な「設定変更機能」が設けられている。上記「設定値」とは、この段階を示す値である。この設定値は、設定表示器97により確認可能となっており、専ら、パチンコホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員により適宜設定される。
「設定値」とは、たとえば、大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を段階別に規定するもので、設定値が高くなるほど、大当りの抽選確率(大当り当選確率)が高く設定され、遊技者に有利に作用するようになっている。このような設定値は、少なくとも2段階(少なくとも第1設定値と第2設定値)を設けることができる。本実施形態では、設定1〜6の6段階の設定値が設けられており、たとえば、低確率時において、設定1で1/200、設定2で1/196、設定3で1/192、設定4で1/188、設定5で1/184、設定6で1/180などである。すなわち、設定値が高くなるほど、大当りに当選し易くなり(機械割が高くなる)、遊技者に有利に作用することになる。このように「設定値」とは、機械割に影響する事象を段階別に規定する値であり、大当りなどの特別な事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味する。つまり、低確率時の大当りの抽選確率および/または低確率時の大当りの抽選確率を設定値に応じて異なるように構成することができる。なお、大当り抽選確率が高確率状態の場合(後述の特別図柄確変機能が作動する場合)、その確率が、10倍を超えない値まで上昇しうる。ただし、その上昇率は、設定値ごとに同一であってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態の場合、上昇率は各設定値で同一としてある。上記の例で言えば、低確率時の大当り抽選確率が設定1〜6=1/200〜1/180、上昇率が4倍とした場合、高確率時の大当り抽選確率は、設定1〜6=1/50〜1/45となる。
また、大当りを複数種類設けている場合には、設定値に応じて、1または複数種類の大当りの当選確率を変化させることができる。たとえば、大当り1〜4という4種類の大当りがある場合、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1〜4のすべての当選確率を高くなるように構成してもよいし、一部の大当りである大当り1〜3の当選確率だけを高くなるように構成してもよいし(この場合、大当り4については全設定値で共通の当選確率となる)、特定の大当りのみ(たとえば、大当り1のみ)の当選確率だけを高くなるように構成してもよい(この場合、大当り2〜4については全設定値で共通の当選確率となる)。また、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1〜4の合算当選確率を高くなるように構成してもよい。また、条件装置の作動契機とならない小当り種別および/または支援時短種別の当選確率を、前述の大当りのケースと同様に、設定値に応じて変化させてもよいし、全設定で同一の当選確率としてもよい。なお、大当り、小当り、支援時短の詳細については後述する。
(設定値の変更操作について)
本実施形態では、電源投入時に、少なくとも設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98とがON状態の場合に設定変更許容状態に制御され、それ以外のスイッチ操作にて、電源を投入した場合には、設定変更禁止状態に制御されるようになっている。この設定変更許容状態中において、設定変更スイッチ95をON操作すると、設定表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように設定1〜6の使用範囲で循環式に切り替え表示される。そして希望する設定値が表示された際に、設定変更完了スイッチ96をON操作すると(設定確定操作)、現在の表示値が今回の設定値として確定され、その設定値データがRAM203の所定領域(設定値格納領域)に記憶される。そして、設定キースイッチ94を現在のON状態からOFF状態に操作すると、設定変更許容状態が終了され、以後、確定された設定値の下で遊技が開始されることになる。主制御部20は、大当り抽選(乱数抽選)により当選確率に関する設定値を設定可能な設定機能(設定手段)を備えている。なお本発明は、設定機能を有しない「設定無し遊技機」にも適用することができる。また、設定値が複数段階に切り替え可能ではなく、設定値を1つだけ設けた「1段階設定機能付き遊技機」であってもよい。「1段階設定機能付き遊技機」とは、設定値の設定操作が可能であるが、その設定値が1つだけしかないタイプを意味し、主に、「設定機能付き遊技機」と「設定無し遊技機」との間で、新機種設計の際に設計上の互換性や汎用性を持たせて、設計を容易化するために利用される。この1段階設定機能付き遊技機は、設定値が1段階しかないという点で、実質的には「設定機能無し遊技機」と同じである。1段階設定遊技機の場合は、設定変更スイッチ95を操作しても、設定表示器97の表示値が、たとえば「1→1→1→1→・・・」のように、或る設定値だけが表示され、設定値の設定操作自体は可能なものとなっている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報や、エラー情報などの各種遊技処理情報を、演出制御コマンドにより、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、外部からのゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(性能表示器99について)
また主制御部20には、所定期間(特定遊技期間)の遊技結果に係る情報(以下、「性能情報」と称する)を報知する性能表示器99(情報表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態の性能表示器99は、複数個の7セグメントLEDからなり、具体的には、表示部と回路部がユニット化された7セグメントLED(7セグ表示器99a〜99d)を4個横に並べ、これをたとえば、主制御基板20上に搭載して、4桁の数字を表示可能な表示器を構成する。また各7セグメントLEDには、7セグメント数字の下にデシマルポイントDP(ドット)を有している。上記「性能情報」は、主に、パチンコホール店や関係各庁が確認・調査等のために利用する情報であり、たとえば、遊技くぎの不正調整やゴト行為などにより出玉性能に異常が生じていないか、遊技機本来の出玉性能(設計上の出玉性能)が正当に発揮されているかなどを調査するための情報、換言すれば「遊技実績に関する情報(遊技実績情報)」である。したがって、性能情報自体については、後述の予告演出や設定示唆演出などとは異なり、遊技者が遊技に興じる際の遊技進行それ自体には直接的に関係の無い情報である。このため性能表示器99は、遊技者に視認可能な箇所に設置するのではなく、遊技機内部の視認し易い箇所、たとえば、制御基板上またはこれを保護する基板ケース上などに搭載される。
本実施形態では、通常状態(大当り抽選確率が低確率(通常確率)、かつ後述の電サポ無し状態)中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の累計アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出されるベース値:通常時ベース値)を、上記「性能情報」として採用し、これを性能表示器99により所定態様にて表示する。なお、ベース値は、小数点第1位を四捨五入した値が性能表示器99に表示されるようになっている。ただし、単に永続的に計測してベース値(性能情報)を表示するのではなく、計測中のアウト球数が所定の規定個数(たとえば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了し、その計測終了時点のベース値を、履歴情報として、RAM203に格納し(今回のベース値を記憶する)、再度、新たなベース値の計測を開始する。なお、計測終了契機となる上述の「規定個数(60000個)」とは、本実施形態の場合、通常時アウト個数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)で計測される累計アウト球数(全状態アウト個数)を採用しており、この「全状態アウト個数」もリアルタイムに計測される。なお、性能表示器99に表示制御およびベース値に関する処理プログラムとそのワーク領域は、CPU201が通常の遊技進行の際にアクセスする領域(領域内メモリ)とは異なる領域(領域外メモリ)に定められている。また、性能情報は、上述した通常状態のベース値に限らず、有用な遊技実績情報であれば、特に制限はない。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。
払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払い出し動作状態に関する情報(状態信号)の送信などである。主制御部20は、球の払い出しの必要がある場合に、払出制御基板29に対して払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する「払出制御コマンド」)を送信可能となっており、他方、払出制御基板29は、主制御部20に対して上記状態信号を送信可能となっている。
払出制御基板29には、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態(上受け皿9が満杯状態であるか否か)を検出する満杯検出センサ60と、前枠2および/または前面操作パネル7の開閉状態を検出する扉開放センサ61(開放時ON/閉鎖時OFF)とが接続され、払出制御基板29はこれらセンサからの検出信号を受信可能となっている。
また払出制御基板29は、遊技球払出装置19に設けられた、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bなどからの検出信号を受信可能となっている。また払出制御基板29は、遊技球払出装置19の払出モータ19c(遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動するモータ)を制御するための制御信号を送信可能となっている。
払出制御基板29は、上記状態信号として、満杯検出センサ60、扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bなどの各種センサからの検出信号に基づいて、満杯状態を示す「球詰り信号」、前枠2・前面操作パネル7が開放されていることを示す「扉開放信号」、遊技球の供給不足を示す「補給切れ信号」、賞球の払出異常(払出不足、払出過剰)を示す「計数エラー信号」、払い出し動作が完了したことを示す「払出完了信号」などの様々な状態信号を、主制御部20に対して送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2・前面操作パネル7が開放状態であるか否か(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(賞球エラー)や、上受け皿9の満杯状態であるか否か(球詰りエラー)などを監視する。
また払出制御基板29には発射制御基板(発射制御部)28が接続され、発射制御基板28に対し発射制御信号ES(発射許可信号ES)を送信可能になっている。発射制御基板28は、払出制御基板29からの発射許可信号ESが出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板29から発射許可信号ESが出力されていること、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること(タッチ状態の検出)、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。したがって、発射許可信号ESが出力されていない場合には、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源LSI)、RTC機能部(Real Time Clock)、一定範囲のハード乱数を生成するためのカウンタ回路(16ビット用カウンタ、8ビット用カウンタ)、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。また、RTC機能部は、時を刻む時計ICであり、現在の時刻(「現在が何時何分何秒である」)という実時間上の時間情報および/または日付(月、日、曜日)に関する暦情報を提供する時計手段として働く。また、主制御部20と同じく、バックアップ機能やソフト乱数生成手段(たとえば、演出用抽選用乱数生成手段)も備えている。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、各種の演出用LED(装飾ランプ45、ボタンLED13b、その他の演出用LED)の発光制御、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90)の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、画像表示演出、光演出、音演出、または可動体演出などを実行させるために、装飾ランプ45、ボタンLED13bなどの各種の演出用LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物(時計型役物80、花型部91、アーム92)を動作させる可動体役物モータ80c、91c、92cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば所定のエラー報知処理を行う。
また演出制御部24には、演出ボタン13の操作を検出する演出ボタンスイッチ13aと、方向キー75(75a〜75d)の操作を検出する方向キースイッチ75a’〜75d’とが接続され、演出制御部24は、これら演出ボタン13や方向キー75からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる情報に基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により或いは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、液晶表示装置36による演出画像の表示(画像表示演出)、スピーカ46からの音の再生(音演出)、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄の変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。また演出制御部24は、所定の操作受付有効期間中において、演出ボタンスイッチ13aや方向キースイッチ75a’〜75d’からの操作検出信号に基づき、演出ボタン13および/または方向キー75に対してどのような操作が行われたか(たとえば、押圧、長押し、連打、方向キー75の上下左右方向の押し順など)を識別可能な構成となっており(操作識別手段)、その操作態様に応じた演出を実行制御可能な構成となっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の大当り図柄態様で、「小当り」の場合には所定の小当り図柄態様で、「支援時短」の場合には所定の支援時短図柄態様で、それ以外の場合には所定のハズレ図柄態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお、本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する場合がある。また、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称する(場合により「特図」と略す)し、「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを区別せずに「特別図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、また液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選の結果)が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(当り図柄:たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示態様など)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bによる大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口50への入賞球数が最大入賞数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、10個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される(ラウンド遊技終了条件(閉鎖条件)の成立)、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定のラウンド数(たとえば、最大10ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、まず開始インターバル時間(開始INT)を利用してオープニング演出(開始INT中演出)が行われ、開始INTが終了すると、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数(最大ラウンド数)を上限として複数回行われる。そして、最大ラウンド数が終了すると、終了インターバル時間(終了INT)を利用してエンディング演出(終了INT中演出)が行われて、一連の大当り遊技が終了する。なお、今回のラウンド遊技が終了すると、所定のインターバル時間(ラウンド間INT)を介して、次回のラウンド遊技が開始される。また、ラウンド遊技中には「ラウンド中演出」が、ラウンド遊技間(ラウンド間INT中)には「ラウンド間INT演出」が現出される。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング期間(開始INT期間)、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技期間、およびエンディング期間(終了INT期間)の各遊技期間を含んで構成される。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い(大当り、小当りまたはハズレが1種類の場合は、図柄抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する(なお、本実施形態では、後述の「支援時短」も当落抽選、図柄抽選の対象となっている。この「支援時短」については追って説明する)。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果や、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を、演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報)を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、大当り抽選結果の他、特定の予告演出(たとえば、後述のリーチ演出や疑似連演出(疑似連回数を含む))の実行を指定する情報なども含むことができる。詳しくは、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出(リーチの種類の指定を含む)の実行を指定する“リーチ変動パターン”、リーチ演出の実行を指定しない“通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との実行を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン”、疑似連演出の実行を指定しリーチ演出の実行は指定しない“疑似連有り通常変動パターン”などの、複数種類の変動パターンが含まれる。また、リーチ変動パターンや疑似連有り変動パターンについては、その予告演出の演出時間を確保する関係上、基本的には、通常変動パターンの変動時間よりも長時間の変動時間が定められている。以下、リーチ変動パターンを「リーチ変動」、通常変動パターンを「通常変動」と略す場合がある。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)などを決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出や装飾図柄の変動表示演出を制御する。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45a或いは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45などの演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて演出的に表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えてもよい。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」または単に「ゲーム」と称する場合がある。また、図柄変動表示ゲーム(特に、特別図柄変動表示ゲーム)の実行回数を、説明の便宜のために、「実行ゲーム数」、「図柄変動回数」、「変動回数」または「*回転(「*」は自然数:たとえば、1回転、10回転、1000回転など)」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動(開動作)して、下始動口35の開放時間(始動口開状態時間)が最大開放時間(たとえば、最大6秒)経過した場合か、または下始動口35への入賞球数が所定個数(たとえば、最大10個)に達するまで、入賞領域が開放または拡大する開放状態に制御され、これらいずれかの条件を満した場合に可動翼片47の開放動作が終了して下始動口35が閉鎖される。なお、最大開放時間以内であれば、下始動口35を1または複数回開放することができる。
(3−1−3.作動保留球)
本実施形態では、図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、小当り遊技中、または普電開放遊技中に、各始動口34、35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中のデータまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また各図柄の最大保留記憶数の全部または一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄の各作動保留球をそれぞれ、「特図1作動保留球」、「特図2作動保留球」、「普図作動保留球」とも称する。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動機能(確変機能)」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率から高確率に変動させて、通常状態よりも有利な「高確率状態(大当り高確率状態)」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。なお、既に説明したように、本実施形態の場合、設定値に応じて低確率時および高確率時の大当り抽選確率が異なる(図4参照)。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率から高確率に変動させて(たとえば、1/256から255/256に変動させる)、通常状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮機能(時短機能)」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。この特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、20秒から0.6秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。この開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間)を通常状態よりも延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。開放延長状態下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.6秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常状態よりも単位時間あたりの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。したがって、開放延長機能が作動すると、下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高まり、開放延長機能が作動しない(非作動)状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この点で、上記開放延長状態は「電チューサポート状態(電サポ状態)」とも称される。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、少なくとも特別図柄確変機能が作動し、開放延長機能が作動しない遊技状態(本実施形態では、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態)を「潜確状態」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態(通常確率)’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常状態と同じ遊技状態下に置かれまた特別図柄の変動表示は中断される。
(高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の3つの機能が同じ契機にて動作する。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくとも1の機能が作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇する(入賞し易くなる)ことから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度または出玉率(ベース)が通常状態よりも高まる「高ベース遊技状態(始動口入球有利状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能(普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能の少なくとも1つの機能)が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間(特別図柄の平均的な変動時間)が通常状態よりも短い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度等が通常状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。この電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り’となる。本明細書中では、「電チューサポート状態無し」を、「電サポ無し状態」または「非電サポ状態」と称し、「電チューサポート状態有り」を、「電サポ状態」または「電サポ状態」と称する。
(3−2−1.内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ):図44)
遊技状態を定める上記各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況については、主制御部20側において、これらの機能に対応したフラグのON/OFF状態により、その作動(5AH)/未作動(00H)が管理される。この各機能の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」とも称する。現在の内部遊技状態が如何なる内部遊技状態であるかについては、「遊技状態判定番号YJ」という識別子を用いて管理される。たとえば、遊技状態判定番号YJが「00H」の場合は‘通常状態(通常)’を指定し、「01H」の場合は‘確変状態(確変)’を指定し、「02H」の場合は‘時短状態(時短)’を指定し、「03H」の場合は‘潜確状態(潜確)’を指定する。
(3−2−2.変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号Tcode):図44)
ここで本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに細かく分類して管理可能な構成となっている。詳細は追って説明するが、たとえば、確変状態には「確変モード1〜3」といった複数種類の確変状態が含まれ、また、時短状態には「時短モード1〜3」といった複数種類の時短状態が含まれ、これらは“変動パターン振分指定番号Tcode”という識別子を用いて、それぞれ異なる遊技状態として管理されている。この「変動パターン振分指定番号Tcode」の実体は、現在の遊技状態に対応する「変動パターン振分テーブル(図32〜図42参照)」を選択する際に利用される識別子(変動パターン選択モードを特定するデータ)である。たとえば、確変状態(遊技状態判定番号YJ=01H)を「確変モード1〜3」に区分する場合、確変状態(YJ=01H)に対応する変動パターン振分指定番号Tcodeとして、それぞれ「01H(確変モード1)」、「02H(確変モード2)」、「03H(確変モード3)と定めれば、確変モード1〜3のそれぞれで異なる変動パターン振分テーブルを選択することが可能となる。
上記「変動パターン振分テーブル」は、図柄変動表示ゲームに係る特別図柄の変動パターンを決定する際に利用されるものであり、1または複数種類の変動パターン(特別図柄の変動パターン)が、少なくとも現在の遊技状態(変動パターン振分指定番号Tcode)と大当り抽選結果とに関連付けて定められている(後述の図12のS413、図32〜図42等参照)。たとえば、変動パターン振分指定番号Tcodeが「01H」である場合は、確変モード1用の変動パターン振分テーブルが指定され、「02H」である場合は、確変モード2用の変動パターン振分テーブルが指定され、「03H」である場合は、確変モード3用の変動パターン振分テーブルが指定される。すなわち、内部遊技状態は同一の「確変状態」であっても、変動パターン振分指定番号Tcodeが「01H」〜「03H」に応じて、異なる変動パターン振分テーブルに係る変動パターンが選択されることになる。
したがって、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)」に着目した場合に、たとえば同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「確変モード1〜3」という異なる遊技状態(変動パターン振分指定番号Tcode))に対応する変動パターンの選択が可能となる。
またこれに起因して、変動パターン振分指定番号Tcodeに関連する複数種類の「演出モード」が設けられており、演出制御部24側において、各演出モード下における演出を現出(実行)させることができるようになっている。なお、演出モードについての詳細は後述する。
このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード)」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態(たとえば、確変状態)でありながらも、異なる変動パターン選択モード(たとえば、確変モード1〜3)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。その結果、同じ内部遊技状態下であっても、図柄変動表示ゲームの消化時間(特別図柄の変動時間)や、これに関連する演出に対して、ダイナミックな変化をもたらすことが可能となる。
本実施形態の場合、図44に示す通り、上記「内部遊技状態」の種類には、通常状態、確変状態、時短状態などが含まれる(図44の「YJ」の欄参照)。他方、特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態、すなわち、変動パターン振分指定番号Tcode(変動パターン選択モード)に関連する遊技状態(遊技モード)の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「通常モード」「確変モード1」「確変モード2」「確変モード3」「時短モード1」「時短モード2」「時短モード3」などが含まれる(図44の「Tcode」の欄参照)。
本明細書中では特に必要のない限り、少なくとも変動パターン振分指定番号Tcodeに関連する遊技状態を「遊技モード」と称する(図44の「遊技モード種別」の欄参照)。この遊技モードは、図44に示す通り、「変動パターン振分指定番号Tcodeと遊技状態判定番号YJ(内部遊技状態)」に関連する遊技状態、換言すれば、“遊技機全体として捉えた遊技状態”としても扱うことができる。なお、説明の便宜上、内部遊技状態と遊技モードとを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。また、変動パターン振分指定番号Tcodeを「変動パターン選択モード」、または単に「Tcode」と称する場合がある。
本明細書中において、特に断りのない限り、「低確率状態を伴う遊技状態」とは、内部遊技状態に着目した場合は「通常状態」または「時短状態」が該当し、遊技モードに着目した場合は「通常モード」または「時短モード」が該当する。また、「高確率状態を伴う遊技状態」とは、内部遊技状態に着目した場合は「確変状態」または「潜確状態」が該当し、遊技モードに着目した場合は「確変モード」または「潜確モード」が該当する。また、「電サポ有り状態(電サポ状態)を伴う遊技状態」とは、時短状態または確変状態が該当し、遊技モードに着目した場合は「時短モード」または「確変モード」が該当する。また、電サポ無し状態を伴う遊技状態」とは、通常状態または潜確状態が該当し、遊技モードに着目した場合は「通常モード」または「潜確モード」が該当する。また、「時短状態」とは、大当りによる時短状態(大当り時短状態)、支援時短当選による時短状態(支援時短状態)、後述の天井機能発動による時短状態(天井時短状態)が含まれ、時短状態と称する場合、特に断りのない限り、これらの時短状態を適宜適用することができる。
<4.当りについて>
次に図4を参照して、本実施形態に係る「当り」について説明する。図4は、当選種別(大当り種別、支援時短種別、ハズレ種別)、当り遊技動作態様、および当り遊技後の移行先遊技状態(移行先遊技モード)の説明に供する説明図である。
(4−1.当り種別について)
本実施形態の遊技機1では、大当り抽選対象の当選種別(当り種別)として、図示のように、「10R確変大当り」、「4R確変大当り」、「4R時短大当り(4R非確変大当り)」などの複数種類の当りが含まれる。これらの当りは、条件装置の作動契機となる「大当り種別」に属する当りであり、条件装置の作動契機とならない所謂「小当り種別」に属する当り(小当り)とは異なる。ここで「条件装置」とは、その作動が、ラウンド遊技を行うための役物連続作動装置(特別電動役物を連続して作動させる装置)作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合(役物連続作動装置が作動中に大入賞口に入賞したものを除く)に作動するものをいう。また、役物連続作動装置の作動は、電サポ状態(開放延長機能作動)や確率変動を生起させる(一の内部遊技状態から他の内部遊技状態に移行させる)ための条件となっている。
したがって、「小当り」に当選した場合には、条件装置が作動せず、役物連続作動装置も作動しないため、内部遊技状態の移行は無い(小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない)。しかし、変動パターン選択モード(Tcode)の移行制御は行うことができる。また、その小当りによる当り遊技(小当り遊技)は、役物連続作動装置が作動しないため、大当りのようなラウンド遊技は実行されないが、大入賞口の開閉パターンの定め方によって、見た目上、ラウンド遊技が実行されているように振る舞う「疑似的なラウンド遊技」を実現可能である。このような移行形態を利用すれば、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と他の大当り遊技後の遊技状態とを同じ変動パターン選択モード(Tcode)に移行させた場合、双方で同じ演出をなす演出モードに滞在させることができる。また、小当り当選に起因して、第1変動パターン選択モードから第2変動パターン選択モードに移行させたり、第2変動パターン選択モードから第1変動パターン選択モードに再移行させたりすることも可能である。
小当り遊技の動作態様は、ラウンド遊技が実行されない点を除き、基本的には、大当り遊技と同じである。具体的には、所定の開始INTの経過後、大入賞口を開放する「開閉動作遊技(疑似的なラウンド遊技)」が実行され、開閉動作遊技が終了すると、所定の終了INTを経て、一連の小当り遊技が終了するようになっている。斯様な小当りは、大当りと同様に大入賞口の開閉動作を伴う当り遊技(特別遊技状態)の移行契機(実行契機)となる当選種別であるという点で、単なる「ハズレ」とは性質を異にする。なお、本実施形態では「小当り」を設けていないが、遊技性などを考慮して、特図1側および/または特図2側の抽選対象に1または複数種類の小当りを設けることができる。
(4−2.当り遊技について)
次に、上記した各当りによる当り遊技の内容について説明する。
「10R確変大当り」は、最大ラウンド数を10ラウンドとし、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が、大入賞口への入賞数が最大入賞数(10個)に達する可能性が十分に見込める「長開放時間(たとえば、29.8秒)」に設定される大当りとなっている。また、「4R確変大当り」と「4R時短大当り」は、最大ラウンド数を4ラウンドとし、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が、10R確変大当りと同様の「長開放時間」に設定される大当りとなっている。大当り遊技中の利益状態(利益度合)については、最大ラウンド数が相対的に多いほど高くなり、また大入賞口の最大開放時間が長時間ほど高くなる。本実施形態の場合、各大当りに係る最大開放時間は同じであるため、最大ラウンド数が多い大当りほど、大当り遊技中の利益状態が高くなる。
なお、ラウンド遊技に係る大入賞口の開放パターンを、どのような開放パターンに定めるかは自由である。たとえば、少なくとも一部のラウンド遊技(特定のラウンド数目のラウンド遊技)に係る大入賞口の開放パターンを、上記長開放時間よりも短時間の「短開放時間(たとえば、1.8秒)」や、さらに短時間の「極短開放時間(たとえば0.2秒)」となるように設定してもよい。また、最大開放時間中は、大入賞口を開放し続けてもよいし、1または複数回の閉鎖を伴う開放パターン(たとえば、「1.3秒開放+0.5秒閉鎖+27秒開放」など)としてもよい。
(4−3.当り遊技後の移行先遊技状態について)
次に図4を用いて、上記した各大当り遊技終了後に移行される遊技状態について説明する。図4に示す「当選時の遊技状態/移行先遊技状態」の欄には、当り種別に応じて、当選時の遊技状態とその当り遊技後に移行される遊技状態(移行先遊技状態)との関係を示してある。なお、図4の「当選時の遊技状態」は、当選時の内部遊技状態種別(括弧内は、対応する遊技モード種別)を示し、「移行先遊技状態」は、移行先の内部遊技状態種別(括弧内は、対応する遊技モード種別)を示す。移行される遊技モードについての詳細は、後述する。
(10R確変大当り、4R確変大当りに当選した場合)
「10R確変大当り」または「4R確変大当り」の場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技後は「確変状態」に移行される。これらの大当りは、確変状態への移行契機となる大当りである点で「確変大当り」と称する。
上記「確変状態」に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄変動回数)が所定の規定回数を終了するまでの間か、または所定の規定回数内で大当りに当選するまで継続可能され、その規定回数内で大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、当該確変状態が終了して、次ゲームから通常状態に移行されるようになっている。なお、規定回数に達したか否かは、特別図柄変動表示ゲーム1および2の実行回数(特図1および特図2の図柄変動回数)をカウントすることにより判断される(後述の時短状態の場合も同様))。つまり、大当りすることなく、特別図柄変動表示ゲーム1、2の合計実行回数(特図1、2の合計図柄変動回数)が規定回数分終了すると確変状態が終了される。
本実施形態では、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態(確変状態または潜確状態)に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率状態に移行させる、といった“有限確変タイプ”の「回数切り確変機(ST機))」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特図の変動回数)の上限回数を「ST回数」と称する。
したがって、確変状態に移行された場合には、本実施形態のように、ST回数が終了した場合に確変状態が終了して通常状態(YJ=00H)に移行されるケース(確変→通常)と、本実施形態とは異なり、ST回数が終了した場合に高確率状態だけが終了するケース、詳しくは「特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能」のうちから「特別図柄確変機能」だけが終了して「時短状態(YJ=02H)」に移行されるケース(確変→時短)とがある。本実施形態の場合、ST回数が65535回に設定され(図4の備考(3)参照)、大当り抽選確率の関係上、実質的に次回の大当りが当選するまで確変状態が保障される“無限確変”の扱いとなるが、実際には、大当りに当選することなくST回数65535回が終了した場合には、通常状態に移行されることになる。
なお、ST回数を無限(実質的に次回大当り当選まで継続しうるST回数を含む)とするか有限とするかは遊技性に応じて適宜定めることができる。ST回数を有限値とする場合には、「次回大当り当選まで継続しうるST回数ではない」という点を考慮し、たとえば、高確率時の大当り当選確率の分母(確率分母の値)を「F1」、ST回数を「F2(自然数)」とした場合、「0<F2<F1(確率分母未満の任意のST回数)」または「F1≦F2≦5×F1(確率分母の1倍〜5倍以内):連荘率約63%〜99%)の任意のST回数)」を満たすST回数とすることが好ましい。
(4R時短大当りに当選した場合)
「4R時短大当り」の場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技後は「時短状態」に移行される。これらの大当りは、時短状態への移行契機となる大当りである点で「時短大当り」と称する。
上記「時短状態」に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が、所定の規定回数を終了するまで継続され、その規定回数内で大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない小当りを除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、当該時短状態が終了して、次ゲームから通常状態に移行されるようになっている。本実施形態の場合、時短状態に係る規定回数(時短回数)には、後述の「支援時短」に係る時短状態を含め、「100回(支援時短A、時短大当り:有限時短)」、「200回(支援時短B:有限時短)」、「65535回(支援時短C:実質次回大当り当選まで継続しうる無限時短)」などがある(図4の備考(2)参照)。ここでは、時短大当りとして、「4R時短大当り」の1種類を設けているが、本発明はこれに限定されず、時短回数が異なる複数種類の時短大当りを設けてもよい。この場合、少なくとも1つの時短大当りは支援時短による時短回数と同じとし、それ以外の時短大当りは支援時短による時短回数と異なる時短回数としてもよい。また、すべての時短大当りが、支援時短による時短回数と異なっていてもよい。
なお、時短大当りに係る時短回数は、無限(実質的に次回大当り当選まで継続しうる時短回数を含む)とするか有限とするかは遊技性に応じて適宜定めることができる。時短回数を有限値とする場合には、「実質的に次回大当り当選まで継続しうる時短回数ではない」という点を考慮し、たとえば、低確率時の大当り当選確率の分母(確率分母の値)をF3、時短回数F4(自然数)とした場合、「0<F3<F4(確率分母未満の任意の時短回数)」または「F3≦F4≦5×F3(確率分母の1倍〜5倍以内:連荘率約63%〜99%)の任意の時短回数)」を満たす時短回数とすることが好ましい。
(ハズレについて)
また図示のように、特図1側には、図柄抽選率がそれぞれ異なるハズレA、B、Cという複数種類のハズレ種別が設けられている。この実施形態の場合、「ハズレA>ハズレB>ハズレC」を満たす関係であり、たとえば、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%となっている。なお、特図2側はハズレAが1種類設けられている例を示しているが本発明はこれに限定されず、複数種類のハズレを設けてもよい。
(支援時短について)
本実施形態では、ハマり救済機能の一態様(サポート的な特典)として、或いは、ゲーム性の自由度を広げて遊技の面白みの向上を目的として、大当り当選(時短大当り当選)を契機とすることなく、「時短状態」を付与する「支援時短」を設けてある。この「支援時短」は、大当り当選(条件装置作動、役物連続作動装置作動)を経由することなく(大当り遊技を経由することなく)、時短状態が付与される点に大きな特徴がある。
(A.特電作動型支援時短)
「支援時短」に当選した場合、条件装置は作動させないが(条件装置が作動しないため、連続役物作動装置も作動しない)、「小当り」が当選した場合と同じように、特別電動役物を作動させて、開閉動作遊技を実行(大入賞口を所定の開放パターンで開閉させる)させ、その後、時短状態を付与してもよい。本明細書中では、特別電動役物を作動させる支援時短を「特電作動型支援時短」と称し、これによる一連の開閉動作遊技を「支援時短開閉遊技」と称する。この支援時短開閉遊技は、小当り遊技と同じく、所定の開始INTと、所定の開閉パターンで大入賞口の開閉動作を行う開閉動作遊技と、所定の終了INTとを含んで構成することができる。したがって、「特電作動型支援時短」に当選した場合は、支援時短開閉遊技を経て時短状態が付与されることになる。
端的に言えば、上記「特電作動型支援時短」には、小当り当選を経由して時短状態を付与する支援時短(小当り当選型支援時短)と、小当り種別とは別の当選種別による当選を経て時短状態を付与する支援時短(時短図柄当選型支援時短)とがある。前者の「小当り当選型支援時短」は、従来の小当り遊技を経由して時短状態を付与する特電作動型支援時短を設けたい場合に好適である。他方、後者の「時短図柄当選型支援時短」は、小当り種別と支援時短種別とを別々に管理したい場合、たとえば、小当りに係る小当り遊技と、特電作動型支援時短に係る支援時短開放遊技とを別々に制御したい場合や、小当り自体を設けない場合などに好適である。なお、時短図柄当選型支援時短の類型には、後述の「特電非作動型支援時短」のように、特別電動役物を作動させることなく(支援時短開閉遊技を行うことなく)、時短状態を付与する支援時短がある。小当り当選型支援時短と時短図柄当選型支援時短のいずれの支援時短を設けるか、また、いずれの支援時短を1または複数設けるかは、遊技性に応じて適宜定めることができる。
(小当りと特電作動型支援時短とを設ける場合)
「小当り(ここでは、時短状態を付与しない“単なる小当り(以下「通常小当り」と称する)”を意味する)」と、「特電作動型支援時短」とを設けた場合、小当り遊技と支援時短開閉遊技の態様(大入賞口の開閉パターンと、遊技中の演出(オープニング演出(開始INT中演出)、エンディング演出(終了INT中演出)、右打ち指示演出(発射誘導報知演出)など))を、同一または類似するものとすれば、どちらに当選したのかを秘匿状態(支援時短当選秘匿状態)とすることができる。これにより、通常小当りに当選したのか、それとも支援時短に当選したのか、という期待感を遊技者に与えることができる。特に、小当りに当選した場合と、特電作動型支援時短に当選した場合とにおける図柄変動中における演出(変動中演出)の少なくとも一部を共通の演出とし、演出上、小当り当選と支援時短当選のいずれが当選したのかを、所定期間、秘匿可能に構成することが好ましい。たとえば、変動中の期間および当り遊技期間(小当り遊技と支援時短開閉遊技)の少なくとも一部の期間において、演出上、どちらに当選したのかを秘匿状態にする。より好ましくは、小当りに当選した場合と支援時短に当選した場合とで、共通の当り変動パターンを選択可能な構成とし、その変動中の演出を共通の演出態様とする。そして、当り変動終了後に実行される当り遊技の期間中において、小当りか支援時短のどちらに当選したのかを報知可能な演出態様とする。なお、ここでいう「共通の演出」には、停止装飾図柄の組合せも含むことができる。たとえば、小当り当選に係る装飾図柄が「123」の場合、支援時短当選に係る装飾図柄も「123」とし、装飾図柄の停止形からも、いずれに当選したかを秘匿することが好ましい。勿論、変動中の演出を異ならせる、大入賞口の開放パターンを異ならせる、または開始INTおよび/または終了INT(オープニング演出および/またはエンディング演出)を異ならせるなどにより、外見的または演出的にどちらに当選したのかを報知可能(遊技者に認識可能)な構成としてもよい。
また、小当り当選型支援時短を含む小当り当選種別を複数種類設ける場合には、下記(小1)〜(小3)の構成とすることができる。
(小1)複数の小当りのうち、少なくとも1つの小当りを「通常小当り」として機能させ、残りの小当りを「小当り当選型支援時短」として機能させることができる。たとえば、複数の小当りA、B、Cを設けた場合、小当りAと小当りBは「小当り当選型支援時短」、小当りCは「通常小当り」として機能させる。この場合、小当り当選型支援時短として機能する「小当りA」と「小当りB」については、双方、同一の時短回数を付与してもよいし、それぞれ異なる時短回数(たとえば、小当りAの場合は時短回数1000回、小当りBの場合は時短回数100回)を付与してもよい。小当りの当選確率については、遊技者に対する有利度合(利益状態)を考慮し、小当りA、Bで同一または略同一の時短回数を付与する場合は「小当りC<小当りB≦小当りA」、小当りBよりも小当りAの方が、付与する時短回数が多い場合には「小当りC<小当りB<小当りA」の関係を満たす当選確率とすることが好ましい。また、通常小当り(小当りC)の当選と、小当り当選型支援時短(本例の場合、小当りAおよび/または小当りB)の当選とにおいて、上記した支援時短当選秘匿状態を実行可能な構成としてもよい。
(小2)図4に示す支援時短A、B、Cのいずれも、小当り当選型支援時短とすることができる(各図において、支援時短A〜Cを小当りA〜Cに読み替えて、適宜適用することができる)。たとえば、小当りAに当選した場合には時短回数100回(小当りA=支援時短Aと同じ時短性能)、小当りBに当選した場合には時短回数200回(小当りB=支援時短Bと同じ時短性能)、小当りCに当選した場合には時短回数65535回(小当りC=支援時短Cと同じ時短性能)を付与することができる。
(小3)複数の小当り当選型支援時短を設けた場合おいて、時短状態中に特定の小当り当選型支援時短が当選した場合、新たな時短回数をセット(更新)することができる(上述の(小1)、(小2)もケースも同様)。たとえば、小当りAが時短回数1000回、小当りBが時短回数100回を付与する小当り当選型支援時短の場合、時短状態中に小当りBが当選した場合には時短回数100回をセットし、小当りBよりも多い時短回数を付与する小当りAが当選した場合には時短回数をセットしないように構成することができる。より詳しくは、たとえば、現在の残余時短回数30回目に小当りB(時短回数100回)が当選した場合は、当該当選ゲームにて新たな時短回数100回がセットされて、残余時短回数が100回に更新される。しかし、小当りA(時短回数1000回)が当選した場合は、新たな時短回数はセットされず、今回の小当りA当選は無効扱いとされ(ハズレとして処理することができる)、残余時短回数から今回のゲーム分が減算(残余時短回数−1)されることになる。
(B.特電非作動型支援時短)
また、上記「特電作動型支援時短」とは異なる支援時短の形態として、特別電動役物を作動させることなく、(1)当選ゲーム終了した後(特別図柄の変動時間終了後、または特別図柄の確定表示時間経過後)、または(2)その次ゲームの開始を契機に時短状態に移行させてもよい。本明細書中では、このような支援時短を「特電非作動型支援時短」と称する。
なお、上記特電作動型支援時短、特電非作動型支援時短のいずれの支援時短を1または複数採用するか、或いは、双方の支援時短を1または複数採用するかは自由である。なお、本実施形態では「特電非作動型支援時短」を採用した例を中心に説明する。
本実施形態に係る「支援時短」は大当り抽選の対象とされ、大当りと同じく、所定の確率(たとえば、約1/500)で当選するようになっている(当落抽選対象形態)。詳述すれば、当落抽選により「大当り」、「支援時短」、または「ハズレ」(小当りを設けている場合は「小当り」を含む)のいずれかを抽選し、「支援時短」当選となったならば、次いで、図柄抽選によりその支援時短種別(たとえば、支援時短A〜Cのいずれか)を抽選により決定する(図4備考欄(4)参照)。なお、支援時短の抽選確率は全設定値共通としているが、各設定値でそれぞれ異なる抽選確率としてもよいし、各設定値の一部で同じ抽選確率としてもよい。
(支援時短性能)
本実施形態では、図4に示す通り、特図1側に、複数種類の支援時短A、B、Cが、特図2側には複数種類の支援時短B、Cが設けられており、当落抽選により支援時短に当選した場合、図柄抽選によりいずれかの支援時短が、所定の図柄抽選率に基づき決定される(図4の図柄抽選率の欄参照)。また、支援時短A〜Cはそれぞれ時短性能が異なる。具体的には下記の通りである。
(A)「支援時短A」に当選した場合、大当り(4R時短大当り)により付与される時短状態と同じ時短回数100回が付与される(小特典)。
(B)「支援時短B」に当選した場合、大当りにより付与される時短状態よりも多い時短回数200回が付与される(中特典)。
(C)「支援時短C」に当選した場合、大当りにより付与される時短状態よりも多い時短回数65535回(実質次回大当りまで継続)が付与される(大特典)。時短回数が65535回に設定された場合、大当り抽選確率の関係上、実質的に次回の大当りが当選するまで時短状態が保障される“無限時短”とされる。
無限時短は、正確には、その時短回数が「回数制限無し(無限)」のものを意味するが、実質的に次回大当りまで時短状態が保障される時短回数(たとえば、10000回や65535回)については、本明細書では“無限時短”に属するものとして扱う。なお、パチンコホールの営業時間内に消化不可能な時短回数(たとえば、5000回程度)を付与する場合も“無限時短”に属するものとして扱うことができる。
(設定段階が複数ある機種における支援時短の当選確率について)
(万石1)設定機能付き遊技機の場合、複数の設定値(本実施形態の場合、設定1〜6)に応じて大当り当選確率が異なるが(図4参照)、支援時短の当選確率は、設定値によらず共通の当選確率とすることができる。本実施形態の場合、設定1で1/200、設定2で1/196、設定3で1/192、設定4で1/188、設定5で1/184、設定6で1/180であるが、支援時短の当選確率は、たとえば、全設定共通の1/300とすることができる。支援時短の当選確率全設定共通確率とした場合、下記(万石2)〜(万石7)の構成とすることができる。
(万石2)支援時短の当選確率について、最低設定1を基準に定めることができる。たとえば、最低設定1の大当り当選確率を1/M、支援時短の当選確率を1/Nとした場合、下記関係式(赤1)を満たすよう定めることができる。
「1/M<1/N」・・・(赤1)
式「赤1」の場合、少なくとも最低設定1の大当り当選確率よりも支援時短の当選確率を高確率とすることができる。なお、「1/M=1/N」としてもよい。
(万石3)また、最低設定1の大当り当選確率を1/M、最高設定6の大当り当選確率を1/L、支援時短の当選確率を1/Nとした場合、下記関係式(赤2)を満たすよう定めることができる。
「1/M<1/N<1/L」・・・(赤2)
式「赤2」の場合、たとえば、最低設定1の大当り当選確率よりも支援時短の当選確率を高確率とし、高設定域の設定4〜6は大当り当選確率よりも支援時短の当選確率を低確率とすることが可能である。この場合、設定値に応じて、支援時短の当選確率と大当りの当選確率との関係性に高低を付けることができる。これにより、設定機能付き遊技機における遊技性のバリエーションが増え、遊技の面白みを向上させることができる。
(万石4)また、支援時短の当選確率(全設定共通確率とする)について、最高設定6を基準に定めることができる。たとえば、最高設定6の大当り当選確率を1/L、支援時短の当選確率を1/Nとした場合、下記関係式(赤3)を満たすよう定めることができる。
「1/L<1/N」・・・(赤3)
式「赤3」の場合、少なくとも最高設定6の大当り当選確率よりも支援時短の当選確率を高確率とすることができる。この場合、設定値が異なる場合であっても、支援時短に当選し易いという遊技性を作り出すことができる。
(万石5)また、支援時短の当選確率(全設定共通確率とする)について、最低設定1および最高設定6以外の設定値を基準に定めることができる。たとえば、中間設定域の設定値3(設定2または設定4でもよい)の大当り当選確率を1/G、支援時短の当選確率を1/Nとした場合、下記の関係式(赤4)または式(赤5)を満たすよう定めることができる。
「1/N<1/G」・・・(赤4)
「1/G<1/N」・・・(赤5)
(万石6)また、最低設定1の大当り当選確率を1/M、中間設定域の設定値3の大当り当選確率を1/G、支援時短の当選確率を1/Nとした場合、下記関係式(赤6)を満たすよう定めることができる。
「1/M<1/N<1/G」・・・(赤6)
(万石7)なお、基準とする設定値(基準設定値)は、適宜定めることができる。また、支援時短の当選確率は、基準設定値の大当り抽選確率よりも高確率または低確率とすることができる。また、支援時短の当選確率と基準設定値の大当り抽選確率とが同一または略同一の確率であってもよい。いずれにしても、基準設定値の大当り抽選確率に基づいて、支援時短の当選確率を定めればよい。
なお、1または複数種類の支援時短を採用するかは自由である。また、いずれの特図側にどのような時短性能を有する支援時短を設けるかも特に制限されない。たとえば、特図1側および/または特図2側に支援時短A〜Cの少なくとも1つを設けてもよいし、一方の特図側のみに支援時短A〜Cの少なくとも1つを設け、他方の特図側には支援時短を一切設けなくてもよい。
本実施形態の場合、図示の通り、特図1側(上始動口34側)よりも特図2側(下始動口35側)の方が、時短性能が相対的に高い支援時短が当選し易く、また、大当り性能が相対的に高い大当り(10R確変大当り)も当選し易くなっている。したがって、特図2側の抽選を受ける方が遊技者にとり有利度合が高くなる。
なお、図示では、当選時の遊技状態によらず、支援時短A、B、Cに当選した場合は、それぞれ時短回数100回(有限時短)、200回(有限時短)、65535回(無限時短)の時短状態に移行されるものとなっているが、“支援時短”という特殊性を生かして下記(構A)〜(構G)のように構成してもよい。
(構A:転落移行回避機能)
利益度合の低い時短状態に移行してしまうといった「転落移行」的な状況が発生してしまうことを防止するために、下記(α1)〜(α4)の構成とすることができる。
(α1)無限時短が付与された後、有限時短(たとえば、100回や200回)を付与する支援時短に当選した場合、無限時短のままとする。たとえば、無限時短中に支援時短A(時短100回)または支援時短B(200回)に当選した場合、時短回数に更新しないように制御する。
(α2)少なくとも電サポを伴う遊技状態(時短状態または確変状態)中は、支援時短を抽選対象から除外する。具体的には、電サポを伴う遊技状態(時短状態、確変状態)中に支援時短が当選した場合、その当選を無効扱いとして支援時短による時短状態(以下、支援時短による時短状態を「支援時短状態」とも称する)を付与しない、または支援時短を抽選対象から除外した大当り抽選を実行することにより支援時短を無効扱いとし、支援時短による時短状態を付与しないように構成することができる。前者の場合、支援時短が当選した場合は、ハズレ当選時と同様の処理を行うことができる(ハズレが複数種類設けられている場合には、いずれかのハズレが当選したときと同様の処理を行うことができる)。後者の場合、支援時短が大当り抽選対象から除外されるため、支援時短の当選自体が無い抽選形態となる。なお、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(確変状態または潜確状態)中は、支援時短を抽選対象から除外してもよい。
(α3)確変状態中に限り、支援時短による時短状態(支援時短状態)を付与しないように構成してもよい。確変状態(高確率状態+電サポ状態)は時短状態(低確率状態+電サポ状態)よりも有利な遊技状態のため、確変状態中に支援時短状態を無闇に付与すると、遊技状態が転落してしまうからである。なお、ST回数が無限回数でなく有限回数(たとえば、ST回数100回やST回数50回などの有限確変)である場合、ST回数によってはST回数中に次回大当りが約束されない、すなわち、ST中の大当りの連荘確率が低確率(たとえば、ST中連荘率が30%〜50%程度)となる場合がある。このような場合には、支援時短による時短回数と、有限確変との利益度合(遊技者に対する有利度(遊技者に付与する利益状態(利益度合))を考慮し、確変状態中であっても、支援時短状態を付与可能に構成してもよい。たとえば、大当り抽選確率を考慮し(いわゆる「TS」値を考慮する)、時短状態となっても、その時短状態中に次回大当りの当選が大きく期待できる時短回数(たとえば、連荘率が95%〜99%程度)を付与しうる支援時短の当選は無効扱いとしなくてもよい。たとえば、本実施形態であれば、低確率時の大当り当選確率が1/180〜1/200(設定6〜設定1)であり、支援時短A(時短回数100回)、支援時短B(時短回数200回)、無限時短(時短回数65535回)が付与された場合における各時短態中の各連荘率は、それぞれ約42.7%〜39.4%(時短回数100回)、約67.2%〜63.3%(時短回数200回)、約100%(時短回数65535回)である。無限時短を付与する支援時短Cは連荘率約100%、すなわち、時短状態中に、実質的に次回大当り当選が約束されうる特典を付与するものであるため、確変状態中であっても、支援時短Cは無効扱いとしなくてもよい。また先述したように、その時短状態中に次回大当りの当選が大きく期待できる時短回数を付与しうる支援時短、たとえば、設定1のTS(1/240)の3倍以上の時短回数(時短回数720回以上)であれば、設定1〜6において約95%以上の連荘率を付与することができる。斯様な有限時短を付与する支援時短は、確変状態中であっても、これを無効扱いとしなくてもよい。
(α4)本実施形態は、電サポ状態になると「右打ち」して特図2側の抽選を受け、大当りの連荘状態が狙える状況が発生しうる。そこで、特図2側の抽選を受ける場合に転落移行が生じないように、特図2側には、(1)支援時短を設けない、(2)無限時短を付与する支援時短を設ける、または(3)時短大当りよりも多い時短回数を付与する支援時短を設ける(本実施形態の場合は100回より多い時短回数)、とすることが好ましい。
(構B:上乗せ機能)
(伊20)時短状態中に、支援時短に当選した場合、現在の残余時短回数に上乗せする(現在の時短回数カウンタに支援時短による時短回数の上乗せ処理を可能な構成とする)。たとえば、残余時短回数が50回のときに支援時短Aに当選した場合、「残余時短回数50回+100回=150回」に更新する。また、上乗せ可能な支援時短と、上乗せしない支援時短とを設けてもよい。たとえば、支援時短Aに当選した場合は上乗せするが、支援時短Bに当選した場合には上乗せしないようにすることができる。上乗せ機能により、遊技性の幅が広がり、遊技の面白みを向上させることができる。また、遊技者の遊技興趣を高めることができる。
(時短回数上乗せ制限手段)
なお、過度な上乗せが生じることを防止するため、所定回数を超える上乗せはしない構成としてもよい(時短回数上乗せ制限手段)。たとえば、上乗せによる時短回数の上限回数を「300回」とすることができる。残余時短回数150回のときに、支援時短B(時短200回)が当選した場合、「残余時短回数150回+200回=350回」とするのではなく、上限回数の「300回」に制限される。なお、上乗せ制限をした場合であっても、無限時短を付与する支援時短Cに当選した場合には、遊技者に引き損感を与えないようにするべく、その制限を解除して、無限時短(65535回)を付与してもよい。また、上乗せがあった場合には、残余時短回数を演出的に報知する後述の「残余時短回数報知演出(たとえば、カウントダウン表示)」による報知(表示)回数に対して、「+50!」「+100!」など、時短回数が上乗せ(増加)されたことを報知する「上乗せ報知演出」を実行することが好ましい。
(構C:無限/有限時短昇格機能)
時短状態中に、支援時短に当選した場合に、無限時短を付与可能に構成する(時短状態昇格手段)。なお、時短状態が無限時短によるものであった場合には、支援時短に当選しても時短回数を更新しなくてもよいし、更新してもよい。また、無限時短を付与するのではなく、所定の時短回数を付与可能に構成してもよい。たとえば、時短状態中に支援時短Bに当選した場合、本来は時短200回が付与されるところであるが、時短状態中に当選した場合には、それよりも多い時短回数、たとえば、時短300回を付与してもよい。また、大当りおよび/または支援時短により付与される最大時短回数を付与してもよい。本実施形態の場合は、無限時短(65535回)が最大時短回数であるため、無限時短が付与されることになる。また、時短状態中に特定の支援時短に当選した場合に限り、無限時短や所定の時短回数を付与するように構成してもよい。たとえば、支援時短A(当選確率高)に当選した場合は時短100回を付与するだけであるが、支援時短B(当選確率低)が当選した場合には無限時短を付与するように構成してもよい。なお、時短回数が増加した場合には、上述の「上乗せ報知演出」を現出させることが好ましい。
(構D:特別図柄に応じた時短大当りと支援時短について)
特図1側の支援時短の種類数を「X」、特図2側の支援時短の種類数を「Y」とした場合、下記関係式(イ)を満たすように構成することができる。
「X」=「Y」、「X」<「Y」、または「X」>「Y」・・(イ)
なお、上記関係式(イ)を満たすものであれば「X=0(特図1側の支援時短を設けない)」または「Y=0(特図1側の支援時短を設けない)」としてもよい。
また、特図1側と特図2側とで、時短性能(時短回数)が同一の支援時短を1または複数種類設けてもよいし(たとえば、特図1、2に支援時短Bを設ける)、時短性能が異なる支援時短を1または複数種類設けてもよい(たとえば、特図1に支援時短C、特図2に支援時短Bを設ける)。また支援時短は、有限時短であってもよいし、無限時短であってもよく、その種類数は特に制限はない。
また、特図1側および/または特図2側に、時短大当りを設ける場合、支援時短と時短性能が同一の時短大当りを設けてもよいし、時短性能が異なる時短大当りを設けてもよいたとえば、一の特図側に「時短大当り」と「支援時短」とを設ける場合、これらが同一の時短性能であってもよいし、異なる時短性能であってもよい。
本実施形態の場合、電サポ中は「右打ち有利」、すなわち特図2側の抽選を受け易くなるため、特図2側に設けられる支援時短は、特図1側よりも時短性能が高い支援時短を定めることが好ましい。なお、実質的に無限時短扱いとする時短状態付与する支援時短および大当りを設ける場合、「無限時短」扱いとして設定される時短回数(たとえば、65535回)を共通化して、制御負担を軽減することが好ましい。
(構E、構F:支援時短の抽選確率について)
(構E)設定値に応じた支援時短の当選確率を定めることができる。たとえば、設定値が相対的に低いほど、支援時短の当選確率を高くすることができる。この場合、低設定になるほど、支援時短の恩恵を受けることができるようになり、ハマり回避に寄与することができる。また、設定値が相対的に高いほど、支援時短の当選確率を高くすることができる。この場合、設定値に応じて大当りの当選確率に差を付けることなく、高設定ほど出玉率を高くすることができる。
(構F)支援時短の当選確率(支援時短が複数有る場合には合算当選確率でもよい)は、低確率時の大当りの当選確率と同一(略同一)、好ましくは、それよりも低確率とすることが好ましい。支援時短は“サポート的な特典”であるため、無闇に高確率で当選させないことが好ましいからである。たとえば、設定1であれば、大当りの当選確率は約1/200であるので(図4参照)、支援時短の当選確率を1/200と同一または略同一に定めるか、それよりも低確率に定めることが好ましい(本実施形態では、約1/500に定めてある)。なお、遊技機で設定可能な設定値の大当り当選確率と同一または略同一、或いはそれよりも低確率であれば、支援時短の当選確率が過度に高確率となることがないため、必ずしも特定の設定値の大当り当選確率、たとえば、最低設定1や最高設定6の大当り当選確率を基準としなくてもよい。
(構G:特電作動型支援時短による支援時短開閉遊技について)
複数の特電作動型支援時短を設けた場合には、各支援時短に対応する支援時短開閉遊技態様を同一としてもよいが、各支援時短のうち、少なくとも1つを異なるものとしてもよい。たとえば、支援時短A〜Cによる支援時短開閉遊技において、大入賞口の開放パターンをそれぞれ異ならせる。具体的には、大入賞口50の開放時間が、支援時短Aは0.4秒、支援時短Bは0.8秒、支援時短Cは1.8秒などである。この場合、支援時短開閉遊技による獲得賞球数を異なるものとすることができる。このように、支援時短の種類に応じて大入賞口の開放パターンが異なる場合は、付与する時短回数が同じであっても、それぞれ有利度合(利益状態)が異なる支援時短とすることができる、という利点がある。
(支援時短による時短回数の付与形態について)
ここで、支援時短による有限時短・無限時短を付与する場合には、下記のような付与形態(Ω1)〜(Ω4)とすることができる。
(有限時短付与形態Ω1)
大当りによる時短回数(大当り当選に起因して付与される時短回数)が複数種類(種類数A)ある場合に、支援時短による時短回数の種類を、それよりも少ない種類(種類数B)に定める。具体的には「種類数B<種類数A」の関係を満たすように構成する。たとえば、大当りによる時短回数として、100回(時短回数A)と50回(時短回数B)の2種類(種類数A)を設けた場合、支援時短による時短回数を1種類(たとえば、時短100回)だけを付与するように構成する。なお、「種類数B<種類数A」の関係を充足すれば、支援時短による時短回数として、大当りによる時短回数とは異なる時短回数を付与してもよい。また、支援時短による時短回数(時短状態)の種類を2種類以上設けてもよい(この場合は「2≦種類数B<種類数A」の関係とする)。
(有限時短付与形態Ω2)
大当りによる平均時短回数Nとし、支援時短による平均時短回数Mとした場合、下記の(式1)〜(式3)の関係を満たすように構成することができる。
(式1)「平均時短回数N<平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。たとえば、時短大当りによる時短回数が100回と75回とが有る場合、平均時短回数Nは75回であるので、支援時短による平均時短回数Mをこれよりも多い時短回数(たとえば、100回)とする。この場合、支援時短による時短状態の方が大当りによる時短状態よりも利益度合が高くなるため、ハマリ中の遊技者にとっては、嬉しいサポート特典になりうる。なお、平均時短回数Mは、無限回数としてもよい。
(式2)「平均時短回数N=平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。この場合は、大当りによる時短状態と、支援時短による時短状態とが同等の利益度合となる。なお、大当りによる時短状態と支援時短による時短状態の双方に「無限時短」が含まれてもよい。この場合も「平均時短回数N(無限回数)=平均時短回数M(無限回数)」となり、当該(式2)満たす。
(式3)「平均時短回数N>平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。この場合は、支援時短による時短状態の方が大当りによる時短状態よりも利益度合が相対的に低くなるため、支援時短が過度な特典付与とならない「サポート特典」としての位置付けを保持することができる。なお、大当りによる時短状態に「無限時短」が含まれてもよく、この場合は、支援時短による時短状態に「無限時短」は含まない。
(有限時短付与形態Ω3)
(4)上記(式3)と同じく、過度な特典付与とならないようにするという点に着目して、下記の(4α)、(4β)の関係を満たす時短回数とすることができる。
(4α)少なくとも「支援時短による時短回数≦大当りによる最大時短回数」の関係を満たすような時短回数を定める。本例であれば、支援時短による時短回数を、時短大当りによる時短回数(たとえば、4R時短大当りの時短回数100回)以下とする。たとえば、支援時短による時短回数が100回、90回、70回などである。
(4β)また、時短回数の異なる複数の時短大当りを設けた場合、時短大当りによる最小時短回数MINと最大時短回数MAXに着目して、「大当りによる最小時短回数MIN≦支援時短による時短回数≦大当りによる最大時短回数MAX」の関係を満たす時短回数であってもよい。たとえば、複数の時短大当り1〜2を設け、時短大当り1による時短回数を100回、時短大当り2による時短回数を50回とした場合、支援時短による時短回数を、時短大当り2による時短回数50回以上、時短大当り1による時短回数100回以下または100回未満を満たす時短回数とすることができる。たとえば、支援時短による時短回数が60回、99回などである。
なお、大当りによる時短状態に「無限時短」が含まれてもよく、この場合、支援時短による時短状態に「無限時短」は含まない。また、大当りによる最小時短回数が100回以上であってもよく、上記(式3)を満たすものであれば、支援時短による時短回数が100回以上のものを採用してもよい。以下、「大当りによる時短状態(大当りに起因して付与される時短状態)」を、「大当り時短状態」とも称する。
(有限時短付与形態Ω4)
大当りまたは支援時短に関し、低確率時の大当り抽選確率の確率分母よりも多い時短回数を付与することができる。また、低確率時の大当り抽選確率の確率分母と同一または略同一の時短回数を付与するように構成してもよい。なお、確率分母が自然数ではない場合は、小数点以下を切り捨てた値を時短回数としてもよい。たとえば、大当り抽選確率が、1/300.15であれば、小数点以下を切り捨てた値である「300回」である。また、確率分母が100未満の場合は「十の位の値×10」、1000未満の場合は「百の位の値×100」により算出した値を時短回数として採用してもよい。
このように、確率分母と同一または略同一或いは近似値を採用することにより、支援時短による時短状態中に、適度な連荘を生起させることができる。具体的には、約63%〜64%程度の連荘率とすることができるため、過度な特典ともならず、遊技者側、ホール側にとって双方の利益バランスを図った時短回数とすることができる。
(有限時短付与形態Ω5)
また、支援時短を過度な特典とならないようにするという点に着目した場合、支援時短による時短回数について、下記の関係を満たす時短回数を定めることが好ましい。
(式4)支援時短による時短回数が複数ある場合、それら時短回数のうち最大時短回数を「S」とし、低確率時の大当り抽選確率(1/T)の分母「T」とした場合、「S≦T」の関係式を満たすことが好ましい。
なお、「S」の値は、設定1〜6のいずれの大当り抽選確率を基準としてもよい。好ましくは中間の設定3、より好ましくは、最低設定1または最高設定6の大当り抽選確率を基準とする。たとえば、図4を参照して、設定1の低確率時の大当り抽選確率を基準とした場合、「M=200(低確率時:1/200)」を上記(式4)であれば、支援時短による時短回数の最大値は、200回以下を採用することが好ましいといえる。
(支援時短状態に係る普電開放遊技と、大当りによる時短状態または大当りによる確変状態に係る普電開放遊技について)
支援時短状態に係る普電開放遊技(以下、「支援時短普電開放遊技」と略す)の動作態様と、大当りによる時短状態または大当りによる確変状態に係る普電開放遊技(以下、「大当り普電開放遊技」と略す)の動作態様との関係を下記の構成とすることができる。普電開放遊技の動作態様とは、主に、補助当りとなった場合の可動翼片47の開閉動作パターンを意味する。
(伊4)少なくとも支援時短普電開放遊技と大当り普電開放遊技とが共通である。普電開放遊技を共通化することにより、普電開放遊技に係るプログラムを削減することができる。また、開発段階において、電サポ状態中の出玉率計算が容易となる。また、演出の見せ方次第では、大当り時短状態中なのか支援時短状態中なのかを遊技者にわかりにくくすることができる。
(伊5)少なくとも支援時短普電開放遊技と大当り普電開放遊技とが異なる。本構成によれば、支援時短状態と大当り時短状態とで入賞率に差を持たせることができるため、遊技性が向上する。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態では、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行(更新)に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。具体的には、内部遊技状態や変動パターン選択モード(Tcode)が更新(変更)されたことを契機に、演出モードが移行されうる。演出モードには、「通常状態」に関連する「通常演出モード」、確変状態に関連する「確変演出モード」、時短状態に関連する「時短演出モード」、当り遊技中に関連する「当り中演出モード」など、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示(背景演出)が、遊技状態に関連する演出態様にそれぞれ変更される。
たとえば「通常演出モード」下では、季節‘春’を連想させる第1の背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出)に、「時短演出モード」下では季節‘夏’を連想させる第2の背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出)に、また「確変演出モード」下では季節‘秋’を連想させる第3の背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出)などにそれぞれ変更され、これにより滞在中の遊技状態を示唆しうる。なお、背景表示が変更されるだけでなく、BGMや装飾図柄(絵柄)や保留表示態様なども、遊技状態に関連する演出態様に変更することができる。なお、詳細は後述するが、大当り連荘回数や残余時短回数に応じて演出モードが移行されうる(たとえば、後述の図7A、図7B参照)。
(5−1−1.演出ステージ)
また、少なくとも1つの演出モードには、複数種類の「演出ステージ」が含まれ、これら演出ステージ間を移行可能となっている。この演出ステージは、演出モードと同じく、遊技状態に関連する演出をなす演出モードの一態様である。たとえば、通常状態であれば、通常演出モードに属する演出ステージ(たとえば、季節‘春’を連想させる演出ステージ)として、桜の木の背景画像を表示する「桜ステージ(演出ステージA)」、菜の花の背景画像が表示される「菜の花ステージ(演出ステージB)」、蒲公英の背景画像が表示される「蒲公英ステージ(演出ステージC)」などがあり、各演出ステージ応じた演出が現出される。すなわち、同じ演出モードであっても、各演出ステージに応じた演出が現出可能であるため、演出のバリエーションを多彩なものとすることができる。また、一の演出ステージから他の演出ステージの移行は、たとえば、或る予告演出(たとえば、後述のステージチェンジ演出)の実行を契機に移行される場合があり、また、大当り後の消化ゲーム数に応じて移行される場合がある。なお、一の演出モードに属する複数の演出ステージがある場合、当該複数の演出ステージのそれぞれに関連する変動パターン選択モード(Tcode)自体は同じである。すなわち、当該複数の演出ステージのいずれにおいても、変動パターンを選択する際に用いられる変動パターン振分テーブルは同一である。たとえば、演出ステージA〜Cに関連する変動パターン選択モード(Tcode)は、通常モード(Tcode=00H)に関連する演出ステージであり、演出ステージA〜Cのいずれにおいても、変動パターンを選択する際に用いられる変動パターン振分テーブルは同一となる。
演出制御部24(CPU241)は、遊技状態の移行(更新)に応じて、各演出モード間を移行制御可能に構成され、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24は、主制御部20(CPU201)から送られてくる演出制御コマンドのうち、遊技状態に関する情報を含む演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態を指定したり、遊技状態が移行されることを指定したりする特定の演出制御コマンドに含まれる情報に基づき、遊技状態(内部遊技状態(YJ)および/または変動パターン選択モード(Tcode))を把握し、主制御部20側の遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理し、処理状態に応じて、一の演出モードから他の演出モードへの移行(複数種類の演出モード間の移行)を制御可能に構成されている。上述の特定の演出制御コマンドには、たとえば、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される特定コマンド(大当り開始コマンドや、大当り終了コマンド)などがある。なお、演出制御部24側が独自に遊技状態を判断可能であれば、特定の演出制御コマンドによらず、演出モードまたは演出ステージの移行制御を行うことができる。
(5−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(具体的には、変動パターン指定コマンドおよび/または装飾図柄指定コマンド、後述の入賞時コマンドに含まれる情報など)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な「予告演出」を実行制御可能に構成されている(予告演出実行制御手段)。予告演出の主な役割は、当り種別(支援時短を含む)に当選したか否かの期待度(周知の「当選期待度」)の示唆(予告)や、特定の予告演出の発生期待度(特定予告発生期待度)の示唆などである。具体的には、少なくとも上記演出モードと、大当り抽選結果(少なくとも当落抽選結果)とに関連した演出を実行可能に構成されている。
予告演出の多くは、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」、「疑似連演出」、「遊技者参加型演出」、「ステップアップ演出」、「ステージチェンジ演出」、「先読み予告演出」などがあり、これらの演出に付随して複合的(同時的、重複的)に、または単独的に発生する種々の予告演出(カットイン演出など)がある。
(5−2−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様)をいい、具体的には、リーチ状態を経由してゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、演出的な装飾図柄の変動表示態様を利用して大当り発生を示す表示態様が導出され易いこと(大当りの当選可能性があること)を示唆し、遊技者に大当り当選を期待させうるような変動表示態様をいう。たとえば、大当り当選(大当り発生)を示す装飾図柄の組合せ(大当り図柄)が「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」などの図柄揃いである場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が図柄揃いの一部である左図柄と右図柄とが「7」を表示し(所謂、テンパイ状態)、中図柄(テンパイ状態を構成していない残りの図柄)が、高速変動、コマ送り、揺動、拡大縮小、変形などしながら変動表示を行っている状態である。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(大当り図柄)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、従来から知られている「Nリーチ(ノーマルリーチ)」や、Nリーチが出現した場合よりも当選期待度が相対的に高まる「SPリーチ(スーパーリーチ)」などが含まれ、この「SPリーチ」の多くは、大当りへの当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、SPリーチには、「SPリーチ」、「SPリーチ+SPSPリーチ」、「SPSPリーチ」などの特殊なSPリーチが含まれる。以下に、各リーチの内容を説明する。
(r1)「Nリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するだけで、SPリーチが発生することなくゲーム結果(当りまたはハズレ(大当り抽選結果に関連する情報))を報知して終了する場合の変動態様であり、当選期待度が最も低いリーチ演出となっている。Nリーチには、当選期待度の異なるNリーチ1、Nリーチ2があり、当選期待度の関係は「Nリーチ1<Nリーチ2」となっている。
(r2)「SPリーチ(通常SPリーチ)」は、ノーマルリーチ(Nリーチ1またはNリーチ2)を経由して第1リーチ演出(SPリーチ)が発生し、その後、ゲーム結果を報知して終了する場合のリーチ変動態様である。
(r3)「SPリーチ+SPSPリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチを経由して第1リーチ演出(SPリーチ)が発生し、一旦ハズレが報知された後、上記第1リーチ演出よりも当選期待度の高い第2リーチ演出(SPSPリーチ)が発生し(他のSPリーチ系に発展)、ゲーム結果を報知して終了する場合のリーチ変動態様である(以下「発展型SPSPリーチ」とも称する)。
(r4)「SPSPリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するが、第1リーチ演出(SPリーチ)は経由せずに、つまり省略されて、直ちに第2リーチ演出(SPSPリーチ)が発生し(直接、SPSPリーチに発展)、ゲーム結果を報知して終了する場合のリーチ変動態様である(以下「直撃型SPSPリーチ」とも称する)。
リーチ演出における当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低に応じて変化する。たとえば、通常中のリーチ間では「Nリーチ1<リーチN2<SPリーチ<発展型SPSPリーチ<直撃型SPSPリーチ」の当選期待度の関係となるように、大当り抽選結果に関連してその選択率が定められている。またたとえば、図34や図35に示す確変中のリーチ間では、「直撃リーチ1<直撃リーチ2」、「中連荘中リーチA<中連荘中リーチB」、「大連荘中リーチA<大連荘中リーチB<大連荘中リーチC」の当選期待度の関係、図40や図41に示す時短中のリーチ間では「時短中リーチA<時短中リーチB<時短中リーチC」の当選期待度の関係となるように、大当り抽選結果に関連してその選択率が定められている。
なお、実際の当選期待度は、他の予告演出(たとえば、疑似連演出)が伴うか否かに応じて変化する。たとえば、発展型SPSPリーチが出現した場合であっても、当選期待度の高い予告演出が絡めば、直撃型SPSPリーチと同等もしくはそれ以上の当選期待度となりうる。なお本明細書では、説明の便宜上、中連荘中リーチA、中連荘中リーチB、大連荘中リーチA、大連荘中リーチB、大連荘中リーチC、時短中リーチA、時短中リーチB、時短中リーチCは、「SPリーチ」に属するリーチと同列に扱うが、場合により、当選期待度が低い中連荘中リーチA、時短中リーチAを「Nリーチ」と同列に扱うことができる。
本実施形態では、大当りを示す装飾図柄の組合せが導出表示される過程で上記リーチ演出を経由するようになっている。このため、遊技者にとってリーチ発生の有無が大当りの可能性を知る手がかりとなる。そこで、リーチの発生可能性を予告(示唆)する演出態様、換言すれば、当選期待度をさらに明確に予告しうる演出態様として、複数種類の「期待予告演出」が設けられている。この「期待予告演出」は、当選期待度を予告する煽り演出としての役割を担うものであるが、特定の演出(たとえば、リーチ演出)が発生する可能性があることを予告したり、特定の演出の発生が確定的であることを予告したりする役割も担う。したがって、たとえば、リーチ演出シナリオでは、リーチ演出が発生する前段階で或る予告演出が発生し、リーチ演出の発生可能性を予告するとともに、当選期待度を予告する場合がある。つまり、リーチ演出が単独で発生する場合よりも、1または複数の期待予告演出が伴えば、当選期待度がより明確化され、また当選期待度も高まる場合がある。斯様な期待予告演出には、リーチ演出の前段階で発生しうる「前予告演出」と、リーチ演出中に発生しうる「後予告演出」がある。
(5−2−2.疑似連演出(疑似連))
本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「疑似連演出(以下、「疑似連」と略す)」がある。「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(いわゆる「疑似変動」)を伴う演出態様をいう。この「疑似変動」とは、1回の装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし(通常の装飾図柄ではなく、1または複数の疑似連専用図柄を利用してもよい)、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行されうる後述の「先読み予告演出」とは異なる。
「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるように、その発生率が定められている。たとえば、疑似変動回数1回よりも2回の方が、当選期待度の高い予告演出、たとえば、SPリーチの発生期待度が高まるようになっている。したがって、リーチ演出を含む演出シナリオの場合、主に、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、1または複数回の疑似変動を行った後、本変動であるリーチ演出が実行され、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。本明細書中で、「疑似N」と称する場合、疑似変動M回と本変動とを合わせた回数を意味する。たとえば、「疑似2」と表記する場合は「疑似変動1回+本変動」、「疑似3」と表記する場合は「疑似変動2回+本変動」を意味する(たとえば、図33中の疑似2+SPリーチ、疑似3+SPリーチなど)。また、疑似2〜3が付されていない場合は「疑似連無し」の意であり、疑似連は発生しない(たとえば、図33中のNリーチ2、SPリーチなど)。
(5−2−3.遊技者参加型演出)
また本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「遊技者参加型演出」がある。「遊技者参加型演出」とは、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、操作手段(演出ボタン13および/または方向キー75)に対して所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされた場合、その操作内容に基づき、演出の内容が変化しうる予告演出態様である。遊技者参加型演出では、所定のボタン有効期間中になると、操作手段に対して所定の操作を指示する「操作指示演出」が実行され、そのボタン有効期間中に、遊技者が操作手段を操作すると、その操作内容に基づき、現出中の演出が他の演出(操作時演出)に変化し、操作前後の演出態様(演出内容)に応じて、当選期待度、当落結果、または設定示唆情報などが報知可能となっている。演出制御部24は、所定の設定条件に基づき(たとえば、遊技者参加型演出中の所定のタイミング)、操作手段の操作が有効となる操作有効期間(ボタン有効期間)を設定する操作有効期間設定手段と、ボタン有効期間中に所定の操作前演出を制御する操作前演出制御手段と、当該操作有効期間に演出ボタンが操作されたことに基づき、所定の操作後演出を制御する操作後演出制御手段とを備えている。
(5−2−4.ステップアップ演出)
また本実施形態では、期待予告演出の一つとして、「ステップアップ予告演出」がある。「ステップアップ予告演出」とは、1または複数段階の演出ステップよる演出態様であり、具体的には、1段階目の演出(ステップ1)から複数段階目の演出(ステップN(N≦2)まで段階的に行い、より先の段階に発展した場合、当選期待度が高まる(最終段階目まで発展した場合は当選期待度が最も高い)といった予告演出態様である。たとえば、3段階の演出SU1〜SU3からなるステップアップ演出であれば、「演出SU1(ステップ1):当選期待度低」、「演出SU1→演出SU2(ステップ2):当選期待度中」、「演出SU1→演出SU2→演出SU3(ステップ3):当選期待度高」という具合に、演出ステップ段階が相対的に高いほど当選期待度が高まる。また、ステップアップ演出には、遊技者参加型演出に属するものがあり、たとえば、操作手段(演出ボタン13または方向キー75)の操作を契機に、またはボタン有効期間経過を契機に、先の段階に発展しうる。
(5−2−4.先読み予告演出:図5A、図5B)
「先読み予告演出」(以下「先読み予告」と略す)とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、保留表示態様や、時系列的に先に実行される図柄変動表示ゲーム中の演出を利用して、当該作動保留球に関する当選期待度(大当りに関する当選期待度だけでなく、後述の支援時短の当選期待度を含んでもよい)を事前に報知しうる演出態様である。
図5Aを用いて、上記先読み予告を含め、本実施形態に係る液晶表示装置の画面表示の概要について説明する。図5Aは、本実施形態に係る液晶表示装置36の画面表示の説明に供する説明図である。
液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特図1作動保留球の個数を表示する保留表示領域76と、特図2作動保留球の個数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関して、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特別図柄1側に対応)、a2〜d2(特別図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留球数を表示する保留表示手段として働く。しかし、後述の先読み予告を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうち該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(特別保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告を発生させる手段として働く。
また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
また、図5Aに示す液晶画面内の右下隅には、装飾図柄や予告演出などのメイン演出とは別のサブ的な演出(サブ演出)の表示領域として、特図1、2の作動保留球、普図作動保留球数、特図1、2の変動表示動作に関する情報、普図の変動表示動作に関する情報を表示可能なサブ表示領域79を設けてある。このサブ表示領域79の情報は、予告演出を表示する上で、装飾図柄の表示および/または保留表示部が非表示となった場合でも表示され続ける。したがって、現在、図柄変動表示ゲーム中であるか否か、作動保留球が幾つあるかについては、サブ表示領域79の情報により識別可能となっている。
なお、遊技状態(遊技モードまたは内部遊技状態)に応じて、保留表示領域76を保留表示領域77よりも強調的に表示したり、逆に保留表示領域77を保留表示領域76よりも強調的に表示したりできる。たとえば、第1の遊技状態中(通常状態(通常モードに属する演出モード)中)は、保留表示領域76を強調的に表示することができる。保留表示領域76を強調的に表示する場合には、たとえば、保留表示領域76を優先的に表示する、保留表示領域76を大きく表示する、保留表示領域77側を非表示にするなどがある。保留表示領域77を強調的に表示する場合も同様であり、保留表示領域77を優先的に表示する、保留表示領域77を大きく表示する、保留表示領域76側を非表示にするなどがある。
また、第2の遊技状態中(たとえば、時短状態(時短モードに属する演出モード)または確変状態(確変モードに属する演出モード)中)は、保留表示領域77を強調的に表示できる。また、第1の遊技状態中は保留表示領域76と77の双方を表示し、第2の遊技状態中は保留表示領域77を優先的に表示(たとえば、保留表示領域77だけを表示)することができる。
(先読み予告について)
次に、先読み予告について説明する。この先読み予告に関する現出制御については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動表示動作)の実行に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果(当落抽選結果、図柄抽選結果)を事前に判定する「先読み当り判定(先読み当落判定、先読み図柄判定)」が行われる(後述の図11の乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318〜S319)、図12の「特別電動役物作動判定用乱数判定処理〜特別停止図柄作成処理(ステップS410〜S411)」参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)を事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図11の「始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)」参照)。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由するリーチ変動パターンとなるのか、それともリーチ状態を経由しない通常変動パターンとなるのかなどについて事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、先読み変動パターン情報には、当り当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報(当落抽選結果に関する情報)だけでなく、リーチの有無(リーチ有りの場合はその種別)や疑似連の有無(疑似連有りの場合はその回数)に関する情報など、特定の予告演出が実行情報も含まれうる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターンを判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告に関する演出制御処理が行われる。詳しくは、先読み判定が実行されると、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含む現存の作動保留球数)を特定可能な「保留加算コマンド」と、上記先読み変動パターン情報(少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報)を特定可能な「入賞時コマンド」とが主制御部20から演出制御部24に送信され、演出制御部24がこれらコマンドを受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、保留表示と先読み予告とに関する演出制御処理が行われる。
具体的には、演出制御部24が保留加算コマンドと入賞時コマンドとを受信すると、先読み変動パターン情報に基づき、先読み予告を実行(現出)するか否かに関する「先読み予告抽選」を行う。そして、先読み予告を実行する場合には先読み予告に係る演出シナリオを作成し、その演出シナリオに従い、先読み予告を現出させる(図5A、図5B参照)。先読み予告は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また、当選期待度が相対的に高い先読み変動パターンの方が高確率で実行されるようになっている。よって、先読み予告が発生するか否かにより当選期待度が示される。先読み予告は、作動保留球の発生したタイミング、または時系列的に先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告が現出される場合がある。
上述の保留加算コマンドは、特図種別情報(特図1、2の別)を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定時の作動保留球数情報と特定可能とする下位バイト側データとの2バイトで構成される。また、入賞時コマンドは、当落結果を指定する上位バイト側のデータ(MODE1)と、先読み判定情報として先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データ(EVENT)の2バイトで構成される。なお、保留加算コマンドと入賞時コマンドの2つのコマンドを利用するのではなく、1つのコマンドで送信してもよい。たとえば、特図種別情報および先読み判定時の作動保留球数情報を特定可能なデータを上位バイト側データとし、当落結果情報および先読み変動パターン情報を特定可能なデータを上位バイト側データとする保留加算コマンド(または入賞時コマンド)を送信し、当該コマンドに基づいて先読み予告を実行可能な構成してもよい。
(入賞時系先読み予告:保留変化予告)
この実施形態では、先読み予告を実行する場合(先読み予告抽選に当選した場合)、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の特殊な保留色や色彩を付した保留表示(特別保留表示態様)に変化する保留変化予告が実行されうる。この保留変化予告は、入賞時(保留表示)を契機として現出しされうることから「入賞時系の先読み予告」とも称する。
この保留変化予告として、図5Aでは、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味し、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコン(当確保留予告)となっている。白点滅のアイコン表示は、後述の「ステップアップ保留変化予告」の発生可能性を示唆する保留アイコンであり、最終的な保留色が何色になるかを期待させるものとなっている(保留色が変化せずに白点滅のままの場合もある)。白点滅の場合は保留表示がそのままであれば当選期待度が特別保留表示の中で最も低いが、他の保留色に変化すれば、その保留色による当選期待度まで高まる。
本実施形態では、予告演出に関し、大当り抽選結果がハズレの場合には相対的に低い確率で選択され(低出現率)、大当りの場合には相対的に高い確率で選択(高出現率)される、といった高い当選期待度を持つ予告演出として、当選期待度が所定の期待値以上(本実施形態では、当選期待度20%以上を持つ予告演出)のものを「高期待度(当選期待度高」の予告演出とし、それ以外を低期待度の予告演出として扱う。先述の保留変化予告の場合、白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の当選期待度がそれぞれ、1%、5%、9%、20%、30%、100%であるとすれば、「緑色、赤色、虹色」が高期待度予告演出に属し、それ以外は(白点滅、青色、黄色)、低期待度予告演出に属する。先読み予告が発生した場合、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中に、当選期待度が相対的に高い高期待度予告(高回数疑似連やSPリーチなど)が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、当りへの当選期待感はより一層高まることになる。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行し(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御(シフト表示)が行われるが、上記した特別保留表示は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、先読み予告は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出が現出されうるといった点で、疑似連などのような1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
保留変化予告に係る特別保留表示は、(A)入賞を契機に現出させるケース、換言すれば、保留表示のタイミングで現出させるケース、(B)入賞時は通常保留表示(白色)であるが、通常保留表示から特別保留表示(青色など)に変化させるケース、(C)現在の特別保留表示よりも当選期待度が相対的に高い特別保留表示に変化(たとえば、青色から黄色以上の保留色にステップアップ的に変化)させるケースなどもある。この(B)または(C)のケースでは、シフト表示中の所定のタイミング、先に実行されている図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、特定の予告演出の現出中の所定のタイミング、保留変化予告用の遊技者参加型演出中(たとえば、ボタン操作有効期間中)などにおいて、一の保留表示態様から他の保留表示態様に変化させることができる。なお、上記(B)または(C)のような当選期待度がより高い保留表示に変化する保留変化予告を「ステップアップ保留変化予告」と称する。
また、ゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77における保留表示態様と同じ表示態様が維持されて、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告(特別保留表示)が当該ゲーム中においても遊技者に報知されうるが、当該図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングに、そのゲーム実行中保留Kの保留表示態様が他の保留表示態様に変化する場合もある。このようなゲーム実行中保留Kの表示態様の変化も上記ステップアップ保留変化予告に属するものとして扱う。
なお、原則として、現在の保留色から当選期待度が相対的に低い保留色に変化する「特別保留表示の成り下がり」は無いが、例外的に成り下がりが発生した場合は、その作動保留球が当確である旨が示唆され、当確保留予告と同じプレミアム的な保留変化予告となる。成り下りのケースとしては、たとえば、保留色が「青色→白色」や「赤色→青色」など、現在の保留表示よりも当選期待度が低い保留表示に変化する場合である。また、保留表示態様は、静止画による保留アイコン表示(静的表示態様)に限らず、動画(アニメーション)による保留アイコン表示(動的表示態様:たとえば、保留アイコンを回転、振動、搖動、点滅(高速点滅や低速点滅)をさせて表示する)にしてもよい。
(図柄変動中系先読み予告:変動中先読み予告)
また本実施形態では、上述の「入賞時系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動中先読み予告」を現出可能となっている。この変動中先読み予告は、上述の保留変化予告とは異なり、図柄変動表示中の所定タイミングで現出されうることから「図柄変動中系(変動開始時変化系)」の先読み予告とも称する。
この「変動中先読み予告」とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行(単発的にまたは連続表示させる)といった先読み予告である。すなわち、変動中先読み予告は、或る図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を実行するか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選を実行する場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全てまたは一部の図柄変動表示ゲーム中において、液晶表示装置36の画面に先読み専用予告画像(たとえば、図5Bの稲妻を模した予告画像)を表示させる。この場合、各図柄変動表示ゲームにおいて、その全部または一部が異なる先読み予告を現出させてもよい。たとえば、3回の図柄変動表示ゲームにわたり現出させる場合、1回目の図柄変動表示ゲームは雷雲画像、2回目の図柄変動表示ゲームは雨画像(雷雲から雨が降る様を表現した画像表示)または雷雲画像、3回目の図柄変動表示ゲームは稲妻画像とすることができる。また、予告画像に応じて当選期待度が異なるものとしてもよい。上述の例でいえば、雷雲画像は低期待度、雨画像は中期待度、稲妻画像は高期待度とすることができる。この場合、雷雲画像だけで終了した場合は当選期待感が低いが、稲妻画像が表示されれば、当選期待感が飛躍的に高まるといった演出効果を奏することができる。また、図柄変動表示ゲームの実行ごとに「雷雲画像→雨画像→稲妻画像」と期待度が段階的に発展(期待度が増す)するステップアップ系の先読み予告としてもよい。
本実施形態では、変動中先読み予告と保留変化予告とはそれぞれ独立して現出可能となっている。具体的には、保留変化予告の実行抽選と、変動中先読み予告の実行抽選とはそれぞれ独立した抽選となっている。したがって、保留変化予告が単独で発生ケースと、変動中先読み予告が単独で発生するケースと、保留変化予告と変動中先読み予告とが同時的(重複的)に発生するケースとがある。なお、変動中先読み予告を実行する際に用いる演出手段およびその演出内容については、適宜定めることができる。
(先読み予告演出態様例:図5B)
次に図5Bを参照して、本実施形態の遊技機1が織り成す先読み予告演出の一例ついて説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象であり、ここでは、保留変化予告と変動中先読み予告とが重複発生するケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告非実行(先読み抽選非当選)の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を特別保留表示に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常保留表示(白色)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から特別保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄がハズレ対応の「246」で停止表示されたものを示している。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、変動中先読み予告として、液晶表示装置36の画面内に専用の背景画像(稲妻画像表示による稲妻演出)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄がハズレ対応の「351」で停止表示されたとする。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、保留変化予告の特別保留表示は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了され、その後は、ゲーム実行保留Kとして表示される。また変動中先読み予告(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。なお同図(4)において、変動中先読み予告の稲妻演出(変動中先読み予告)が、今回の図柄変動表示ゲーム(先読み予告対象の作動保留球(第2番目)に係る図柄変動表示ゲーム)の中の発生を最後に終了されると説明したが、これに限らず、前回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了してもよい。この場合、変動中先読み予告は、保留変化予告の「特別保留表示」が図柄変動表示ゲームの実行に供されるとともに終了されることになる。
(5−2−6.設定示唆演出)
また本実施形態では、上記「設定値」に関する情報を示唆する演出態様(設定示唆演出)を現出可能となっている。たとえば下記(ア)〜(シ)のような設定示唆演出である。
(ア)低設定域(設定1〜3、1〜2、2〜3など)を示唆する「低設定示唆演出」。
(サ)高設定域(設定4〜6、4〜5、5〜6など)を示唆する「高設定示唆演出」。
(キ)偶数設定(設定2、4、6)を示唆する「偶数設定示唆演出」。
(ユ)奇数設定(設定1、3、5)を示唆する「奇数設定示唆演出」。
(メ)特定の設定値(設定1〜6のいずれでもよい)を確定的に報知する「特定設定確定演出」。たとえば「設定N」を確定的に報知する「設定N確定演出」。ただし、無闇に内部的な設定値を確定的に報知するのは、好ましくない。その理由は、設定1や設定2確定などのように、低設定領域を確定的に示唆するものは、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうからである。そこで、高設定領域の設定4〜6のいずれかを確定的に報知させることが好ましい。特に、設定5確定や設定6確定などの高設定が確定する設定示唆演出が出現すれば、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
(ミ)特定の設定値(設定1〜6のいずれでもよい)でないことを確定的に報知する「特定設定否定演出」。
(シ)特定範囲の設定値を示唆する「特定範囲示唆演出」。たとえば、設定3〜5(α≦設定値≦β)を示唆、設定4以上(α≦設定値)を示唆、「設定1、3、5、6」の複数の特定値を示唆するなどがある。また、設定値に応じて出現率を異ならせて、たとえば特定の演出が設定1では出にくい、設定4ではそこそこ出る、設定6では出やすいなどのように、或る設定値の可能性が高い/低いを示唆することも可能である。
なお、設定示唆演出の現出率(実行確率)は、設定値に応じて適宜定めることができる。たとえば、設定値が相対的に低いほど設定示唆演出の出現率が低くなるように定めてもよい。また、設定示唆演出の演出態様には特に制限はなく、音演出、光演出、画像表示演出、可動体演出のうち、1または複数の演出を利用することができる。
また、設定示唆演出は、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、たとえば、予告演出と複合的または単独的に現出させることができる。また、図柄変動ゲーム中に限らず、大当り遊技中や、遊技開始待ち中の後述の「客待ち前演出(デモ開始待ち表示)」や「客待ち演出(デモ画面)」などにも現出させることができる。
また、設定値に応じて特定の予告演出の出現率を規定することにより、その予告演出自身を「設定示唆演出」として機能させることもできる。たとえば、特定のリーチ演出、特定の疑似連(特定の疑似連態様や特定の疑似連回数)、特定の遊技者参加型演出、および特定の先読み予告などのうち、少なくとも1つ演出の出現率を設定値に応じて異ならせることにより、その予告演出自体を「設定示唆演出」として機能させることができる。たとえば、ハズレ時に特定のSPリーチが出現し易い場合は“高設定濃厚”、ハズレ時に疑似連3回(疑似変動2回+本変動)が出現し易い場合は“高設定濃厚”、特定のボタン操作演出が出現した場合は“設定6確定”示唆などである。また、先読み予告の演出を利用し、設定示唆演出専用の先読み予告態様を現出させることができる。たとえば、保留アイコンが高速点滅した場合は高設定濃厚、保留アイコンの1または全部が専用の保留アイコン(専用のキャラクタやアイテム画像)に変化した場合は“高設定濃厚”示唆などである。
(支援時短状態中の設定示唆演出について)
(伊6)複数の設定示唆演出を実行可能であり、支援時短状態中は、当該複数の設定示唆演出の一部または全部の実行を禁止(制限)する。あるいは、他の遊技状態と比較し、実行確率を異なるものとすることができる。これには下記(伊6−1)〜(伊6−4)がある。
(伊6−1)支援時短状態中は、通常状態よりも設定示唆演出の実行確率を低くすることができる。この場合、1または複数の特定の設定示唆演出の実行確率を低くすることができる。
(伊6−2)支援時短状態中は、通常状態よりも設定示唆演出の出現率を高くすることができる。この場合、1または複数の特定の設定示唆演出の出現率を高くすることができる。
(伊6−3)支援時短状態中は、1または複数の特定の設定示唆演出の実行を禁止(制限)することができる。特定の設定示唆演出は特に制限はないが、たとえば、上記した(ア)〜(シ)に示したような設定示唆演出を実行可能な場合、その少なくとも1つの設定示唆演出の実行を禁止することができる。具体的には、支援時短状態中は、設定推測要素としての有用度が低い設定示唆演出、たとえば、(キ)の偶数設定示唆演出や(ユ)の奇数設定示唆演出の実行を禁止することが好ましい。
(伊6−4)支援時短状態中に限り、出現する1または複数の設定示唆演出がある。たとえば、支援時短状態中に限り、設定推測要素として有用度の高い(メ)の設定N確定演出を出現させることができる。
本構成によれば、遊技状態に応じて設定示唆予告の出現率を変動させることできる。また、特定の遊技状態(支援時短状態)に限り、特定の設定示唆演出を出現させることができる。これにより、演出が多彩なものとし、遊技の面白みを向上させることができる。
(支援時短状態中の装飾図柄について)
支援時短状態の装飾図柄の表示態様について下記のように構成することができる。
(伊9)少なくとも支援時短状態中の装飾図柄(たとえば、算用数字)と、通常状態中の装飾図柄(たとえば、漢数字)または大当り時短状態中の装飾図柄(たとえば、ローマ数字または漢数字)とを異なる装飾図柄とする。この場合、遊技状態に応じて装飾図柄を異なるため、演出が多彩になる。また、遊技者が支援時短状態中であることを把握しやすくなる。また、客待ち待機中(たとえば、客待ち前演出)は装飾図柄が表示可能なため、遊技者が遊技台を選定する際、表示画面を確認するだけで、支援時短状態中であることを容易に識別することができる。
(伊10)少なくとも支援時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目と、通常状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目または大当り時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目とが異なる停止表示目である。本構成によれば、遊技者やホール関係者が、朝一の遊技台の状態を把握する際に、支援時短状態中であるか否かを把握し易くなる。
(支援時短状態に係る保留表示領域について)
(伊11)支援時短の当選ゲーム終了後(図柄の変動時間終了時(図16参照)、または図柄の確定表示時間中(図16、図17A参照)、或いは図柄の確定表示時間経過時(図17A〜図17B参照))を契機に、保留表示領域77(特図2側の保留表示領域)を上記強調的(優先的)に表示することができる。保留表示領域77を強調的に表示する場合には、既に説明したように、保留表示領域77を優先的に表示する、保留表示領域77を大きく表示する、保留表示領域76側を非表示にするなどがある。
特図1側の図柄変動表示ゲーム1で支援時短に当選した場合、当該当選ゲームが終了したタイミングで、保留表示の優先順位を、特図1側から特図2側に変更することが好ましい(支援時短状態中は、右打ち有利となり特図2側の図柄変動表示ゲームがメインとなるため)。保留表示の優先順位を、特図1側のゲームが終了したタイミングで変更しておくことにより、支援時短状態中における最初の特図2側の図柄変動表示ゲームが開始されるよりも前に、特図2の保留表示を優先表示させることができる。
(支援時短状態と大当り時短状態の管理形態について)
支援時短状態と大当り時短状態とは同じ時短状態であるが、内部遊技状態について下記のように構成することができる。
(伊12)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、少なくとも支援時短状態と大当り時短状態とを、一の入賞容易状態(電サポ状態)として管理可能に構成することができる。この場合、支援時短状態中であることを示すフラグと大当り時短状態中あることを示すフラグとを「共通のフラグ(第1特定時短状態中フラグ)」で管理すればよい。双方で共通のフラグとすることにより、RAM容量の削減に繋がる。また、演出制御部24に対するデータやその送信処理も容易に共通することが可能となり、プログラム容量やデータ容量を削減することができる。
(伊13)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、少なくとも支援時短状態と大当り時短状態とを、異なる入賞容易状態として管理可能に構成することができる。たとえば、支援時短状態に係る遊技状態判定番号YJを05H、大当り時短状態に係る遊技状態判定番号YJを07Hなどとし、それぞれ異なる内部遊技状態として管理することができる。本構成によれば、支援時短状態と大当り時短状態とを個別のフラグで管理することができるため、主制御部20側でそれぞれの遊技状態を容易に把握することができる。また、遊技状況に応じて遊技状態に応じた処理を実行することが容易となる。たとえば、演出制御部24に対して、支援時短状態と大当り時短状態とに関し、それぞれ異なる情報を送信することができる。これにより、演出制御部24側では、支援時短状態中と大当り時短状態中とで異なる演出モードに移行させたり、異なる演出を容易に実行することができるようになる。
(支援時短状態の発動条件について)
(伊14)支援時短状態に移行するには、大当り抽選にて支援時短種別に当選が条件となるが、通常小当りによる特別電動役物の作動回数(小当り遊技の実行回数)が、所定回数(たとえば、3回)に達したことを条件に、支援時短状態に移行させてもよい。この場合、大当り抽選を経ずに支援時短状態に移行させることが可能となるため、遊技性を向上させることができる。また、単なる小当りの存在が重要となり、通常小当りを設ける意義が増し、遊技性の幅が大きく広がる。
(伊15)特定の支援時短が当選した場合、その当選ゲームから所定のゲーム数(たとえば、3ゲーム)が実行された場合に、そのゲーム終了後(3ゲーム目のゲーム終了後)、支援時短状態に移行させることができる。本構成によれば、支援時短に当選したゲームよりも後に実行されるゲームにて、支援時短状態の突入を予定する、という斬新な遊技性を創出でき、遊技性の自由度が広がる。
(支援時短を利用した特殊な遊技性について)
(伊17)通常状態中に支援時短に当選した場合、所定の時短回数を付与する一方、通常状態よりも有利な遊技状態(時短状態、確変状態、または潜確状態など)で支援時短に当選した場合には、時短回数0回を付与する。たとえば、仮想の遊技機として、特図1側に当選種別に、少なくとも支援時短D(1/5000の低確率当選)を設け、特図2側の大当り種別に「時短回数1000回を付与する10R時短大当り(1/100で当選)」と「時短回数0回の特殊支援時短(1/200で当選)」だけを設けるとする。通常状態中は、特図1側の大当り抽選を受けながらゲームを進行させる。そして、極めて低確率の支援時短Dに当選した場合には、時短状態に移行され、特図2側の大当り抽選を受けながらゲームを進行させることになる。特図2側には「10R時短大当り」と「時短回数0の特殊支援時短」が大当り抽選対象であるため、時短回数が0回の特殊支援時短に当選する前に、10R時短大当りが当選すれば、大当り連荘となるが、10R時短大当りが当選する前に特殊支援時短に当選してしまうと、時短回数0回が付与されて時短状態が強制終了する。つまり、特殊支援時短当選により通常状態に転落移行され、連荘チャンスが終了する。したがって、特殊支援時短にさえ当選しなければ、通常状態への転落移行が回避され、大当りの連荘可能性が残る、といった疑似的な「転落抽選タイプ(後述の(機3)を参照)」の遊技機を作り出すことが可能となる。時短回数0回という特殊支援時短を設けることにより、遊技性の幅が広がり、斬新な遊技性が期待できる。
(支援時短状態の終了条件について)
(伊18)本実施形態に係る支援時短状態の終了条件は、時短回数が消化された場合か、大当りに当選した場合に終了されるようになっている。しかし、他の終了条件を採用してもよい。たとえば、補助当当りに所定回数(たとえば、100回)当選した場合(普通開放遊技が所定回数実行された場合)、通常小当りに所定回数(たとえば、5回)当選した場合(通常小当りによる小当り遊技が所定回数実行された場合)、一方の特図(特図1、特図2のいずれか一方)が所定回数変動した場合、後述の「天井特典」が付与された場合(天井機能発動条件が成立した場合)、後述の天井ゲームに到達した場合などを採用することができる。終了条件は、1または複数設けることができる。これにより、支援時短状態を終了させる条件が多彩なものとすることができ、遊技性の幅が広がり、遊技の面白みを向上させることができる。
<6.演出手段>
遊技機1における各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であればよく、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者に振動を与える振動装置(たとえば、発射操作ハンドル15が震えるなど)、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物は、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置(画像表示手段)と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出(画像表示演出)を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<7.遊技モードの遷移形態:図6>
次に図6を参照して、本実施形態に係る、変動パターン選択モード(Tcode)に関連する「遊技モード」の内容と、各遊技モード間(各遊技状態間)の移行制御と、遊技モードに関連する演出モードとについて説明する。図6は、各遊技モードとこれに関連する演出モードの概略を示す遊技フローである。
本実施形態では、図6に示すように、大別して、「通常モード」、「時短モード」、「確変モード」などの複数種類の遊技モードが設けられており、これらの遊技モード下にて遊技の進行が制御される。以下では、遊技者が遊技状態に応じた有利な打ち方に従うものとして説明し、特段断りのない限り、左打ち有利(通常状態)の場合には“特図1側の図柄変動表示ゲーム1”が実行され、右打ち有利(確変状態、時短状態)の場合には“特図2側の図柄変動表示ゲーム2”が実行されるものとして説明する。
(7−1.「通常モード」について)
通常モードは、内部遊技状態が通常状態(YJ=00H)に関連する遊技モードであり、この通常モードは、初期の遊技モードとなっており、たとえば、遊技進行による遊技モード間の移行制御とは別に、RAMクリア操作や設定変更操作により、領域内RAMがクリアされた場合にも移行される。
この通常モードには、変動パターン選択モード(Tcode)が「00H」の「通常モード」が含まれる。この「通常モード」は、遊技進行中、最も長く滞在しうる遊技モードであり、基本的には、通常モードから大当りまたは支援時短に当選し、他の遊技モード(後述の確変モードや時短モード)に移行される。
(7−1.通常モードについて)
上記「通常モード」中は、通常モードに関連した演出をなす「通常演出モード」に滞在する。通常演出モードは、背景演出として、たとえば、図7B(ロ)(ハ)に示すように、戦闘機が飛び交う空戦を表現した演出が現出され、「空戦モード」とも称される。
(7−2.「確変モード」について)
次に、「確変モード」について説明する。確変モードは、図示のように、内部遊技状態が確変状態(YJ=01H)に関連する遊技モードであり、確変モードには、変動パターン選択モードが異なる「確変モード1〜3(Tcode=「01H」〜「03H」)」が含まれる。この確変モードには、10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合に移行されうる(図4参照)。
本実施形態の場合、初当り(通常モード中の当選)のときは、確変モードに属する「確変モード1」に移行され、この確変モード1から通常モードに転落することなく大当りに連続的に当選(連荘)すると、その当選回数(連荘回数)に応じて、「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」と段階的に移行されるようになっている。すなわち、連荘回数が遊技モードの変更条件(移行条件)として定められており、たとえば、連荘回数が3回目まで確変モード1に移行され、連荘回数が4回目〜6回目までは確変モード2に移行され、連荘回数が7回目以降は確変モード3に移行される(図7A参照)。確変モードを連荘数に応じて変化させることにより、連荘中の演出や遊技性を多彩なものとし、遊技者の遊技興趣を大いに盛り上げるようになっている。なお、本実施形態の場合は、確変状態が無限確変(ST回数が65535回の実質無限回数)とされるため、実際には確変状態から通常状態(確変モードから通常モード)に転落することはない。しかし、確変状態として有限確変(たとえば、ST回数が50回、100回など)を採用した場合には、確変状態(確変モード)中に大当りに当選せずに全ST回数が消化され、通常状態(通常モード)に転落の可能性がある。
ここで本発明の理解を容易なものとするため、先ず、遊技モードの移行契機に利用される上述の「連荘回数」のカウント方法について説明する。
上記「連荘回数」について、図7A(イ)に示す「連荘回数カウント例」を参照しながら説明する。連荘回数のカウントは、基本的には同図(A)に示すように、「確変大当り(初当り)⇒確変状態中に確変大当り(2連荘)⇒確変状態中に確変大当り(3連荘)⇒確変状態中に確変大当り(4連荘)⇒確変状態中に確変大当り(5連荘)⇒確変状態中に確変大当り(6連荘)⇒確変状態中に確変大当り(7連荘)・・・」のように、通常モード(通常状態)に移行するまでの確変大当りの連続当選回数(連荘回数)をカウントする。なお、図示の「確変1」「確変2」「確変3」は、それぞれ確変モード1、確変モード2、確変モード3を示す。
ここで本実施形態では、時短大当り(4R時短大当り)が設けられているため、時短大当りを、連荘回数のカウント対象とするか否かが問題となる。
<(A−1)時短大当りをカウント対象外(ノーカウント)とするケース>
同図(A−1)に示すように、時短大当りは、連荘回数のカウント対象外としてもよい。図示のケースでは、2連荘目の確変モード1中に当選した時短大当り、3連荘目の確変モード1中に当選した時短大当りは、カウント対象外(ノーカウント)としている。本ケースの場合、実際の大当りの連荘回数は7回であるが、連荘回数としては「5連荘」とカウントされることになる。
<(A−2)時短大当りに当選した場合に連荘回数のカウントをクリアするケース>
同図(A−2)に示すように、時短大当りに当選した場合、連荘回数のカウントをゼロクリアしてもよい。図示のケースでは、2連荘目の確変モード1中に当選した時短大当りにより連荘回数が「ゼロ」となり、その後の時短状態で当選した確変大当りが1連荘目の大当り、つまり、初当り時と同じカウントの扱いとなっている。
確変大当りをカウント対象とする場合、上述した(A−1)と(A−2)のいずれのカウント方法を採用するかは自由である。
また、同図(B)に示すように、すべての大当りをカウント対象としてもよい。この場合、図示の通り、初当りが時短大当りであってもこれを1連荘目としてカウントし、以後、通常状態(通常モード)に転落するまで、大当りに当選する毎に、連荘回数を+1して行く。図示のケースでは、時短大当りに3回(初当り、3連荘目、4連荘目)、確変大当りに4回(2連荘目、5連荘目、6連荘目、7連荘目)の計7回の大当りに当選したケースであるので、連荘回数は7回となる。
なお「連荘回数」は、主制御部20がその機能部を担う「連荘回数カウント手段」によりカウントされる。連荘回数カウント手段は、当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする機能部として働く。なお、「連荘回数」のカウントは、たとえば、カウント対象となる大当りの当選回数(大当りの当選ごとに+1)、またはその大当り遊技の実行回数(たとえば、大当り遊技の実行ごとに+1)、或いは、カウント対象となる大当りに係る条件装置または連続役物作動装置の作動回数(たとえば、条件装置または連続役物作動装置のON(作動)/OFF(非作動)を監視し、ONされるごとに+1)とすることができる。本実施形態の場合、大当りの当選回数をカウントするようになっており、たとえば、後述の図17A中の大当り図柄停止時の各種設定処理(ステップS475)において、カウント対象となる大当りである場合、現在の連荘回数(初当り時は連荘回数ゼロ)に+1するようになっている。
また、支援時短は大当りに属するものではないためカウント対象外としているが、支援時短もカウント対象としてもよい。ただし、支援時短をカウント対象とする場合は、特別電動役物が作動して賞球を得られる「特電作動型支援時短」をカウント対象とし、特別電動役物が作動せずに賞球を得られない「特電非作動型支援時短」はカウント対象外とすることが好ましい。また、特別電動役物が作動する「小当り」もカウント対象としてもよい。特電作動型支援時短や小当りは条件装置および連続役物作動装置が作動しないため、これらをカウントする場合には、支援時短の当選回数、小当りの当選回数、支援時短開閉遊技、小当り遊技の実行回数(特別電動役物の作動回数)などをカウントすればよい。
(7−2−1.確変モードの特徴点)
次に、本実施形態に係る確変モード(確変モード1〜3)の特徴点について説明する。既に説明したように、確変モード1〜3は、変動パターン選択モード(Tcode)がそれぞれ異なる遊技モードであり(図44参照)、確変モード1〜3に対応した変動パターン振分テーブル(図34、図35参照)が選択される。これを利用して、確変モード1〜3がそれぞれ特徴有る確変モードを作り出すことができる。
たとえば、確変モード1用の変動パターン振分テーブルでは、変動時間が2秒の変動パターン(たとえば、通常変動)が高確率で選択されるようにし、確変モード2用の変動パターン振分テーブルでは、変動時間が3秒の変動パターンが高確率で選択されるようにし、確変モード3用の変動パターン振分テーブルでは、変動時間が4秒の変動パターンが高確率で選択されるようにする(図35のFH11、FH15、FH19参照)。このようにすれば、各確変モードに係る特別図柄の平均的な変動時間、換言すれば、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間(1ゲームあたりの図柄変動表示ゲームの平均実行時間または単位時間あたりの図柄変動表示ゲームの実行回数:以下、「平均消化時間」とも称する)に緩急を付けることができる。なお、上述の図柄変動表示ゲームの平均消化時間とは、少なくともハズレ時における平均消化時間、つまり、各確変モードにおける「ハズレ変動パターンの平均変動時間」である。
本実施形態の場合、確変モードに係る平均消化時間の関係が「確変モード3<確変モード2<確変モード1」を満たすように定められている。すなわち、確変モード間における変動状態の関係では、確変モード1は「高速変動状態」、確変モード2は「中速変動状態」、確変モード3は「低速変動状態」下に制御される。つまり、連荘回数が多くなるほど、平均消化時間が長時間となるように制御される。なお、各モードにおける平均消化時間が上記「確変モード3<確変モード2<確変モード1」の関係を満たすものであれば、その時間は特に制限はないが、確変モードは確変状態に関連する遊技モードであり、確変モード中は「特別図柄時短機能」が作用するため、いずれの変動状態も、少なくとも通常モード(通常状態)の平均消化時間よりも短時間となる。
上述したように、確変モードに係る平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係を、「確変モード3<確変モード2<確変モード1」に定める理由は、次の通りである。
近年では、射幸心を煽ることを適度に抑制するため、法的要請により、遊技機の出玉性能について規制が設けられている。たとえば、上記型式試験に係る短期試験(1時間)による出玉率(セーフ球/アウト球)が、上限出玉率「300%(旧基準)」から「220%(新基準)」に制限される(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則 別表第4 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格 ロ(ハ)など)。この規制は出玉性能、特に連荘時の出玉性能に大きく影響し、これを遵守すると出玉の「時速」が従来の2/3程度の出玉性能までダウンしうる。詳しくは、発射時間が1時間であれば、アウト球は6000発(発射装置32の発射性能100発/分×60分=6000発)であり、旧基準であれば、上限出玉率「300%」であるからセーフ球は1時間あたり18000発(6000発×300%=18000発/h)まで許容されることになる。ところが、新基準では上限出玉率が「220%」に制限されるため、セーフ球の上限が1時間あたり13200発(6000発×220%=13200発/h)までダウンする。特に時短状態中や確変状態中では、高ベース状態下(電サポ状態下)となるため、大当りが過度に連荘してしまうと、上限出玉率220%(13200発)を簡単に超えてしまい、型式試験で不適合となってしまう。たとえば、電サポ状態下のベース値が70(BA70)である場合、普電開放遊技によるセーフ球は、1時間で4200発(BA70×100発/分×60分=4200発)となる。したがって、旧基準であれば、「18000発−4200発」の“13800発分”を大当り遊技により払い出すことが可能であるが、新基準では「13200発−4200発」の“9000発分”しか払い出すことができなくなる。そこで上記規制の下で、出玉感をなるべく損なうことなく、型式試験を通過(適合)し易くしうるように、出玉性能をコントロールする工夫が求められる。
そこで本実施形態では、連荘回数が相対的に多くなるほど、図柄変動表示ゲームの平均消化時間を長時間となるようにして、大当りが連荘した場合の出玉スピードが極端に上昇してしまうことを抑える工夫をしている。
一方、各遊技モード(ここでは、各確変モード1〜3)に応じて、図柄変動表示ゲームの平均消化時間の緩急を付けることにより、遊技性や演出の自由度が増し、遊技に深みを持たせることもできる。詳しくは、上記「高速変動状態」は、主として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技モード(遊技状態)で有用である。確変モード(確変状態)中は、「電サポ状態+高確率状態(特別図柄確変機能作動)+特図時短状態(特別図柄時短機能作動)」となり、少なくとも通常モードと比べて図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が相対的に短くなり、また大当り当選が容易となるように工夫された遊技状態となるが、このような遊技状態になると、遊技者の中には、演出を楽しむよりも早く大当りを得たいと欲する遊技者も多い。そこで本実施形態では、確変モード1の場合には、変動時間が相対的に短時間の変動パターンが選択され易いようにし、「高速変動状態」を発生させるようになっている。他方、「中速変動状態」または「低速変動状態」下では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が「高速変動状態」よりも長くなるが、その代わりに演出時間を長めにとることができるため、「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技モードに有用である。
上記のように、図柄変動表示ゲームの平均消化時間に関し、「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係性を持たせるために、特に、遊技進行上、最も多く遭遇しうるハズレ時に参照される「ハズレ変動パターン振分テーブル(図35)」に関し、下記(T1)〜(T19)のような構成とすることが好ましい。なお本発明は、必ずしも、3つの確変モード1〜3の関係性に限定されるものではない。すなわち本発明は、連荘回数が所定回数未満に係る確変モード(以下「確変モードA」と称する)と、連荘回数が当該所定回数以上に係る確変モード(以下「確変モードB」と称する)とを少なくとも設け、確変モードAと確変モードBとの平均消化時間を比較した場合に、「確変モードA<確変モードB」の関係を満たす構成であればよい(後述の変形例Aおよび変形例Bも同様)。以下、“「確変モードA⇒確変モードB」の順に”と称する場合は、“「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に”の意味も含まれる。
(T1)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、通常変動の平均変動時間を長くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(T2)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の平均変動時間を長くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(T3)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、選択率が最も高い通常変動の変動時間を長くする。
(T4)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、選択率が最も高いリーチ変動の変動時間を長くする。
(T5)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、通常変動の選択率を低くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(T6)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の選択率を高くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(T7)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、各モードにおける最短の通常変動の変動時間を長くする。
(T8)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、各モードにおける最短のリーチ変動の変動時間を長くする。
(T9)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、通常変動の種類を少なくする。
(T10)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の種類を多くする。
(T11)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、第2変動時間以上の変動パターンの種類を多くする。「第2変動時間以上の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(T12)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、第1変動時間以下の変動パターンの種類を少なくする。「第1変動時間以下の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(T13)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モードAには第2変動時間以上の変動パターンが無く、確変モードBには第2変動時間以上の変動パターンがある。
(T14)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モードAには第1変動時間以下の変動パターンがあり、確変モードBには第1変動時間以下の変動パターンが無い。
(T15)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モード1および確変モード2には、第2変動時間以上の変動パターンが無く、確変モード3には第2変動時間以上の変動パターンがある。
(T16)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、確変モード1および確変モード2には、第1変動時間以下の変動パターンがあり、確変モード3には第1変動時間以下の変動パターンが無い。
(T17)確変モードAと確変モードBにおいて、変動開始時における作動保留球(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数)が0ときに選択される変動パターンの変動時間を共通(同一または略同一でもよい)の変動時間とし、作動保留球が0以外の場合には変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。たとえば、確変モード1〜3において、作動保留球数が0の場合には、通常変動8s種別(本例の場合、小連荘中通常変動8s、中連荘中通常変動8s、大連荘中通常変動8s)のみが選択されるようにし、作動保留球が0以外の場合には、変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。この場合において、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、作動保留球が0以外の場合に選択され易い変動パターンの変動時間を長くする。
(T18))確変モードAと確変モードBにおいて通常変動は共通とし、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、リーチ変動の選択率を高確率とする。たとえば、確変モード1〜3において通常変動は共通とし、「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に、リーチ変動の選択率を高確率とする。
(T19)確変モードAと確変モードBとにおいて通常変動は共通とし、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を高確率とする。たとえば、確変モード1〜3において通常変動は共通とし、「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を高確率とする。
なお、電サポ状態中は作動保留球が貯まり易い状態であるため、作動保留球が相対的に多い場合に選択され易い変動パターンに着目して、上述の(T1)〜(T6)の構成を持つハズレ変動パターン振分テーブルを採用することが重要であるといえる。一方、潜確状態のように電サポ無し状態中は作動保留球が貯まりにくい状態であるため、仮に、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」を実現するためには、作動保留球が相対的に少ない場合に選択され易い変動パターンに着目して、(T1)〜(T19)の構成を持つハズレ変動パターン振分テーブルとすることが重要である。
また、図34に示す当選系の変動パターン振分テーブルについて、下記(T20)〜(T27)のように構成することができる。
(T20)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、当選した場合に選択され易いリーチ変動の変動時間を長くする。
(T21)有利度合(利益度合)が「第1当選種別<第2当選種別」である場合、第1当選種別に当選した場合よりも第2当選種別に当選した方が、相対的に変動時間が長いリーチ変動が選択され易い。この場合において、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、当該リーチ変動の変動時間を長くすることができる。
(T22)有利度合(利益度合)が「第1当選種別<第2当選種別」である場合、第1当選種別が当選した場合のリーチ変動が共通(リーチ変動の変動時間が同じ)であり、第2当選種別が当選した場合に選択され易いリーチ変動が異なる(リーチ変動の変動時間が異なる)。この場合において、「確変モードA⇒確変モードB」の順に、当該リーチ変動の変動時間を長くすることができる。
(T23)確変モードAにおける当選時に選択されうる最長のリーチ変動(第1当選最長リーチ変動)の変動時間を「R秒」とし、確変モードBにおける当選時に選択されうる最長のリーチ変動(第2当選最長リーチ変動)の変動時間を「S秒」とした場合、
R/Sの値(当選時変動時間延長率)と、
確変モードAにおけるハズレ時に選択されうる最長のリーチ変動(第1ハズレ最長リーチ変動)の変動時間を「T秒」とし、確変モードBにおけるハズレ時に選択されうる最長のリーチ変動(第2ハズレ最長リーチ変動)の変動時間を「U秒」とした場合、
T/Uの値(ハズレ時変動時間延長率)と、が異なる。この場合、“「T/U」<「R/S」”とすることができる。また、有利度合(利益度合)が「第1当選種別<第2当選種別」である場合、第1当選種別よりも第2当選種別の方が、「R/S」の値が大である。
(T24)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、最高利益度の当選種別(本実施形態では、10R確変大当り)に当選時に選択されうるリーチ変動の変動時間を少なくとも長くする。
(T25)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、最高利益度の当選種別(本実施形態では、10R確変大当り)に当選時に選択されうるリーチ変動のうち、最長のリーチ変動の変動時間を少なくとも長くする。
(T26)確変モードAと確変モードBとを比較した場合、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる。図示はしていないが、たとえば、ハズレ時に各確変モード1〜3で参照される変動パターン振分テーブルを図35の確変モード2対応の「ハズレ変動パターン振分テーブル(中連荘用)」とし、当りの場合には、連荘回数に応じて図34に示す「確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」を用いる。なお「当選」とは、ここでは「大当り当選」および/または「支援時短当選」を意味する(次に述べる(T27)も同様)。
(T27)確変モードAと確変モードBとを比較した場合、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる。図示はしていないが、たとえば、当選時に各確変モード1〜3で参照される変動パターン振分テーブルを図33の確変モード2対応の「確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(中連荘用)」とし、ハズレの場合には、連荘回数に応じて図35に示す「確変中ハズレ変動パターン振分テーブル」を用いる。
なお、本実施形態の場合、確変モード3に移行された後は、大当りに当選またはST回数を消化するまで、確変モード3から他の遊技モードに移行されない。しかし、本発明はこれに限らず、確変モード3中に所定のゲーム回数(変動回数)が実行された場合、他の遊技モード(確変モード1または確変モード2)に移行させてもよい。低速変動状態の確変モード3が長期間にわたり継続してしまうと、遊技者に倦怠感を与えてしまったり、遊技が単調化したりしてしまうからである。遊技モードの移行は、「確変モード3⇒確変モード2または確変モード1」という移行形態に限らず、「確変モード3(第1変動回数消化)⇒確変モード2(第2変動回数消化)⇒確変モード1」や、「確変モード3(第1変動回数消化)⇒確変モード1(第2変動回数消化)⇒確変モード2」としてもよい。なお、第1変動回数K回とし、第2変動回数L回とした場合、「K回」=「L回」、「K回<L回」、または「K回>L回」とすることができる。
(変形例A)
本実施形態では、上記したように、確変モード1〜3のそれぞれに対応したハズレ変動パターン振分テーブル(図35)を利用して、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係を実現しているが、本発明はこれに限られない。たとえば、図36および図37に示すように、一の確変モード(一のTcode)に対応する変動パターン振分テーブルを利用して、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係と同事象の変動状態を実現することができる。図36は、変形例Aに係る確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(当選系の変動パターン振分テーブル)の一例を示したものであり、図37は、変形例Aに係るハズレ変動パターン振分テーブルの一例を示したものである。
先ず、図37に示すハズレ変動パターン振分テーブルを参照して本例の概要を説明しておく。本例では、小連荘(連荘回数1〜3回目)のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを基準テーブルとし(図37(イ)参照)、中連荘(連荘回数4〜6回目)のときには、この基準テーブルに定められた変動パターンの変動時間に対して、第1加算時間(たとえば、5秒)を加えたものを今回の変動開始時の変動パターンを取得する(図37(ロ)参照)。また、大連荘(連荘回数7回目以降)のときには、上記基準テーブルに定められた変動パターンの変動時間に対して、第2加算時間(たとえば、10秒)を加えたものを今回の変動開始時の変動パターンとして取得する(図37(ハ)参照)。すなわち、1つの遊技モードに対応する変動パターン振分テーブルを利用して、複数の遊技モードに対応する変動パターンを取得する、という変動パターン選択技術である。本例の場合、所定時間を加算したものを取得するため、図37(イ)〜(ロ)に示す通り、変動パターンの選択率は変化しない。なお、図36(イ)〜(ロ)に示す「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」も同様である。
図37(イ)は、連荘回数1〜3回目のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを示したものである。ここでは、説明の便宜上、選択対象となる変動パターン種別として、確変中通常変動1〜4(変動時間1秒、2秒、3秒、3秒)、確変中Nリーチ、確変中SPリーチA(当選期待度低)、確変中SPリーチB(当選期待度高)を設けたものを代表例として示してある。
図37(イ)〜(ハ)から分かる通り、各変動パターンの選択率は同一でありながらも、連荘回数が多くなるほど、変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されるようになっている(図36(イ)〜(ハ)も同様)。これにより、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係と同事象の変動状態、つまり「小連荘(高速変動状態)<中連荘(中速変動状態)<大連荘(低速変動状態)」となる変動状態を実現することができる。
なお、図37(ロ)は、基準テーブルの各変動パターンにそれぞれ5秒(第1加算時間)加算したもの、図37(ハ)は、基準テーブルの各変動パターンにそれぞれ10秒(第2加算時間)加算したものが取得されるように構成している。しかし本発明はこれに限らず、下記(S1)〜(S7)のように構成することができる。
(S1)通常変動(確変中通常変動1〜4)に対して、所定時間を加算すること(以下、単に「加算」と略す)は行わず、少なくとも1つのリーチ変動(確変中Nリーチ、確変中SPリーチA、確変中SPリーチB)に対して加算していく。たとえば、中連荘のときは基準テーブル(図37(イ))の確変中Nリーチに対して5秒(第1加算時間)加算、大連荘のときは確変中Nリーチに対し10秒(第2加算時間)加算する。なお、相対的に選択され易いリーチ変動(ここでは、リーチ変動中、最も選択率の高い確変中Nリーチ)を加算対象とすることが好ましい。また、第1加算時間と第2加算時間は、「第1加算時間<第2加算時間」の関係を満たすものであればよい(後述の(S2)〜(S5)も同様)。
(S2)少なくとも1つの通常変動(確変中通常変動1〜4)に対して加算を行い、リーチ変動(確変中Nリーチ、確変中SPリーチA、確変中SPリーチB)に対して加算は行わない。たとえば、中連荘のときは基準テーブル(図37(イ))の確変中通常変動1に対して5秒(第1加算時間)加算、大連荘のときは確変中通常変動1に対し10秒(第2加算時間)加算する。なお、相対的に選択され易い通常変動(ここでは、通常変動中、最も選択率の高い確変中通常変動1)を加算対象とすることが好ましい。
(S3)ハズレの場合は加算せず、当選の場合は加算する。たとえば、当選の場合は、図37(ロ)、(ハ)のように、5秒(第1加算時間)加算、10秒(第2加算時間)加算するが、ハズレの場合には加算はしない(ハズレの場合は基準テーブル:図37(イ)を利用する)。つまり、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、当選の場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。なお「当選」とは、ここでは「大当り当選」および/または「支援時短当選」を意味する(後述の(S4)も同様)。
(S4)ハズレの場合は加算し、当選の場合は加算しない。たとえば、ハズレの場合は図37(ロ)、(ハ)のように、5秒(第1加算時間)加算、10秒(第2加算時間)加算するが、当選の場合には加算しない(当選の場合は基準テーブル:図36(イ)を利用する)。つまり、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、ハズレの場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。
(S5)少なくとも最長の変動パターンは加算しない。たとえば、確変中SPリーチBを加算対象外とし、これよりも変動時間が短い変動パターンのうち、少なくとも1つの変動パターンは加算対象とする(加算内容は、上記(T7)または(T8)とすることができる)。最長の変動パターンは、もともとの変動時間が長いためである。「最長の変動パターン」は、ハズレ変動(図37)うちで最長のもの(本例の場合は確変中SPリーチB)であってもよいし、当選変動(図36)のうちテーブルのうちで最長のもの(本例の場合は確変中SPリーチB)であってもよい。
(S6)第1加算時間中または第2加算時間中において、共通の演出を行うことができる。たとえば、加算5秒間(第1加算時間中)は「演出A」を実行し、加算10秒間(第2加算時間中)は「演出B」を実行することができる。また、加算10秒間(第2加算時間中)において、前半の5秒間は「演出A(第1加算時間中と同様の演出)」を実行し、後半の5秒間は「演出C(第1加算時間中とは異なる演出)」を実行することができる。なお、「演出A」は疑似連が好ましい。また「演出B」は遊技者参加型演出が好ましい。
(S7)変動開始時における作動保留球数(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数)が0の場合は加算せず、作動保留球数が0以外は加算する。作動保留球数が0の場合は、変動時間が比較的長い変動パターンが選択されるため(本例では、リーチ変動のみが選択される)、無闇に加算することは好ましくないからである。なお、通常変動種別のうち最長の変動パターン(本例の場合は、確変中通常変動3または確変中通常変動4)が選択され易い構成としてもよい。
(変形例B)
また、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係は、上記変形例Aに限らず、たとえば、図38および図39に示すように、連荘回数に応じて、変動パターンの選択率(振分値)を変化させる変動パターン振分テーブルを利用して実現することもできる。
先ず、図39を参照して本例の概要を説明しておく。本例では、小連荘(連荘回数1〜3回目)のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを基準テーブルとし(図39(イ)参照)、中連荘(連荘回数4〜6回目)のときには、この基準テーブルに定められた変動パターンの選択率を変化させた「第1選択率変動テーブル(図39(ロ)」を参照する。
また、大連荘(連荘回数7回目以降)のときには、上記基準テーブルに定められた変動パターンの選択率を変化させたものであるが、「第1選択率変動テーブル(図39(ロ)」とは異なる選択率の「第2選択率変動テーブル(図39(ハ)」を参照する。
ここで、小連荘(連荘回数1〜3回目)のときに用いられる基準テーブル(図39(イ))と、
中連荘(連荘回数4〜6回目)のときに用いられる上記「第1選択率変動テーブル(図39(ロ))」と、
大連荘(連荘回数7回目以降)のときには用いられる上記「第2選択率変動テーブル(図39(ハ))」の平均変動時間の関係が、
少なくとも「第2選択率変動テーブル(低速)<第1選択率変動テーブル(中速)<基準テーブル(高速)」の関係を満たすように選択率を変化させる。これにより、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係を実現することができる。
本例の場合、基準テーブルの変動パターンの選択率を変化させたものを取得するため、図39(イ)〜(ロ)に示す通り、各変動パターン振分テーブルに係る変動パターンの変動時間は変化しない(変動パターン指定コマンド(MODE2+EVENT1)も変化しない)(図38の「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」も同様)。この点、各変動パターン振分テーブルに係る変動パターンの変動時間が変化するが選択率は変化しない上記変形例Aとは大きく異なる。
図39(イ)は、連荘回数1〜3回目のときに用いられるハズレ変動パターン振分テーブルを示したものである。ここでは、説明の便宜上、上記変形例Aと同じく、選択対象となる変動パターン種別として、確変中通常変動1〜4(変動時間1秒、2秒、3秒、3秒)、確変中Nリーチ、確変中SPリーチA(当選期待度低)、確変中SPリーチB(当選期待度高)を設けたものを代表例として示してある。
図39(イ)〜(ハ)から分かる通り、各変動パターンの変動時間は同一でありながらも、連荘回数に応じて変動パターンの選択率が変化し、連荘回数が多くなるに従い、変動時間が相対的に長い変動パターンが選択さ易いようになっている(図39(イ)〜(ハ)も同様)。これにより、上記「確変モード3(低速変動状態)<確変モード2(中速変動状態)<確変モード1(高速変動状態)」の関係と同事象の変動状態、つまり「小連荘(高速変動状態)<中連荘(中速変動状態)<大連荘(低速変動状態)」となる変動状態を実現することができる。
なお、本変形例は下記(P1)〜(P15)のように構成することができる。
(P1)「基準テーブル」の平均変動時間を「X秒」、「第1選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Y秒」、および「第2選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Z秒」とした場合、下記関係式(α)を満たす。
「Y/X」<「Z/Y」・・(α)
「確変モード1⇒確変モード2」の平均変動時間の延長率よりも「確変モード2⇒確変モード3」の平均変動時間の延長率の方が大きい。
(P2)「基準テーブル」の最長変動パターンの変動時間を「X秒」、「第1選択率変動テーブル」の最長変動パターンの変動時間を「Y秒」、および「第2選択率変動テーブル」の最長変動パターンの変動時間を「Z秒」とした場合、下記関係式(β)を満たす。
「Y/X」<「Z/Y」・・(β)
「確変モード1⇒確変モード2」の最長変動パターンの変動時間の延長率よりも「確変モード2⇒確変モード3」の最長変動パターンの変動時間の延長率の方が大きい。
(P3)「基準テーブル」、「第1選択率変動テーブル」および「第2選択率変動テーブル」の通常変動の合算選択率を「X1」、「Y1」、「Z1」とし、
「基準テーブル」、「第1選択率変動テーブル」および「第2選択率変動テーブル」のリーチ変動の合算選択率を「X2」、「Y2」、「Z2」とした場合、下記関係式(γ)を満たす。
「X2」<「X1」、「Y2」<「Y1」、および「Z2」<「Z1」・・(γ)
この場合、ゲーム時間が無闇長くなってしまうことを防止することができる。ただし、基準テーブルを除くテーブルで、逆の合算選択率としてもよい(「Y2」>「Y1」または「Z2」>「Z1」としてもよい)。
(P4)「基準テーブル」、「第1選択率変動テーブル」および「第2選択率変動テーブル」のリーチ変動の合算選択率を「X2」、「Y2」、「Z2」とした場合、下記関係式(ε)を満たす。
「X2」<「Y2」<Z2」・・(γ)
(P5)「第1選択率変動テーブル」、「第2選択率変動テーブル」のNリーチ変動の合算選択率を「Y3」、「Z3」、SPリーチの合算選択率を「Y4」、「Z4」、とした場合、「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」において、下記関係式(ε)を満たす。
「Y4」≦「Y3」、「Z4」≦「Z3」・・(γ)
(P6)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」において、1または複数種類の特定の変動パターンが選択されない(選択率0:抽選対象であるが、選択率が0のために選択されない)。
(P7)「基準テーブル」における最短の通常変動が、「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では選択されない(選択率0)。
(P7)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」における最長のリーチ変動が、「基準テーブル」では選択されない(選択率が0)。
(P8)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では、最長の通常変動の選択率が一番高い。或る変動パターンの「選択率」と称する場合、当該変動パターンが複数ある場合には、これらの合算選択率の意を含む(以下同様)。
(P9)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では、Nリーチ変動の選択率が一番高い。
(P10)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」では、SPリーチ変動の選択率が一番高い。
(P11)「第1選択率変動テーブル」および/または「第2選択率変動テーブル」は「基準テーブル」における通常変動の選択率が低く、「基準テーブル」における通常変動の選択率を下げた分が、少なくとも1つのリーチ変動の選択率を高確率にするために振り分けられる。この場合、「第1変動時間<第2変動時間<第3変動時間」の複数種類のリーチ変動が少なくともある場合、第3変動時間のリーチ変動を高確率に変動させ、第1変動時間および第2変動時間のリーチ変動の選択率は変動させない。または、第1変動時間のリーチ変動の選択率は変動させず、第2変動時間および第3変動時間のリーチ変動の選択率を変動させる(この場合、「第2変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅≦第3変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅」または「第3変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅≦第2変動時間のリーチ変動の選択率の上昇幅」とすることができる)。
(P12)基準テーブル」の平均変動時間を「X秒」、「第1選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Y秒」、および「第2選択率変動テーブル」の平均変動時間を「Z秒」とした場合、最長の変動パターン以外の変動パターンの選択率を変化させて、
「X秒」<「Y秒」<「Z秒」を満たすように構成する。
この場合、選択率を変化させる変動パターン(最長の変動パターン以外の変動パターン)を、「通常変動」であってもよいし、リーチ変動であってもよい。
(P13)「第1選択率変動テーブル」は、基準テーブルにおける1または複数の変動パターンの選択率を変化させたものとし、「第2選択率変動テーブル」は、基準テーブルとは別のテーブルを利用する。
この場合、下記(P13−1)〜(P13−7)の構成とすることができる。
(P13−1)「第2選択率変動テーブル」は、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)よりも、変動パターン(通常変動および/またはリーチ変動)の種類が多い。
(P13−2)「第2選択率変動テーブル」は、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)よりも、変動パターン(通常変動および/またはリーチ変動)の種類が少ないが、平均変動時間が長い。
(P13−3)「第2選択率変動テーブル」の最長の変動パターンは、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)の最長の変動パターンよりも長い。
(P13−4)「第2選択率変動テーブル」の最短の変動パターンは、基準テーブル(第1選択率変動テーブル)の最短の変動パターンよりも長い。
(P13−5)「第2選択率変動テーブル」は、通常変動よりもリーチ変動が選択され易い。
(P13−6)「第2選択率変動テーブル」と「基準テーブル(第1選択率変動テーブル)」とは、作動保留球数が0の場合に選択対象となる変動パターンが共通である(作動保留球数が0以外の場合に選択対象となる変動パターンが異なる)。
(P13−7)「第2選択率変動テーブル」と「基準テーブル(第1選択率変動テーブル)」とは、作動保留球数が0〜2個の場合に選択対象となる変動パターンが共通である(作動保留球数が3個の場合に選択対象となる変動パターンが異なる)。
(P14)ハズレ時は、基準テーブルの選択率を変化させたテーブルを用いるが、当選時(大当りおよび/または支援時短当選時)は、共通のテーブルを用いる。
(P15)当選時(大当りおよび/または支援時短当選時)は、基準テーブルの選択率を変化させたテーブルを用いるが、ハズレ時は、共通のテーブルを用いる。
(7−2−2.確変モード中の演出について:図7A)
次に、確変モード中の演出について説明する。本実施形態では、確変演出モードとして、確変モード1〜3に対応する確変演出モード1〜3が設けられている。図7A(ハ)に、確変演出モード1〜3中の演出例を示す。
図7Aを参照して、確変演出モード1は、敵機を迎撃する様を表現した演出をなす“迎撃モード”、確変演出モード2は、敵艦隊や敵基地を急降下爆撃により空襲する様を表現した演出をなす“降爆モード”、確変演出モード3は、戦略爆撃機が敵都市を空襲する様を表現した演出をなす“戦爆モード”となっている。換言すれば、確変モード期間は、連荘回数に応じて、小連荘用演出モード、中連荘用演出モード、大連荘用演出モードの3つに区分され、この3つの区分のいずれに滞在しているかは連荘区分演出として、主に、変動パターンのダイナミックな変化(高速、中速、低速という変動状態の変化)、これに伴う演出(背景演出の切り替わり、予告演出など)とにより遊技者に報知される。なお、図示の「右打ち⇒」の表示は、遊技者に右打ちを促す「右打ち指示演出(発射誘導報知演出)」である。また、保留アイコンについては、図示を省略してあるが、確変演出モード1〜3に対応する保留アイコンが表示される。また図示では、装飾図柄が変動表示中の状態、つまり、今回のゲームが実行中であることを示しており、今回のゲームの終了後に作動保留球があれば、現在の演出モード下において装飾図柄変動表示ゲームが順次実行されていく。
なお、時短大当りに当選した場合は、後述の図7Bに示す「時短演出モード」に移行されるが、連荘中に時短大当りに当選した場合には、連荘中専用の時短モード(たとえば、図44に示す時短モード4(Tcode=「07H」))に移行させ、これに対応する演出モードとして、図7A(ロ)に示すような「連荘中専用の時短演出モード(特殊時短演出モード:雷撃モード)」に移行可能に構成してもよい。
この特殊時短演出モードは、連荘中専用という点で、たとえば、初当り以外に時短大当りに当選した場合、または所定の連荘回数(たとえば、4連荘(中連荘))以上のときに当選した場合に、移行させることが好ましい。具体的には、図7A(A−1)の「時短大当りはカウント対象外」とするケースの時短大当り後の時短状態や、図7A(B)の「全大当りをカウント」するケースの3連荘目乃至4連荘目の時短大当り後の時短状態に関連する演出モードとして利用可能である。なお、図7A(B)のケースでは時短大当りがカウント対象となるため、「〇連荘中!」など、現在の連荘回数を報知する演出画像761を表示することが好ましく、図7A(A−1)のケースでは、時短大当りがカウント対象外(ノーカウント)であるため、連荘回数を報知するのではなく、「連荘チャレンジ中」などの演出画像761を表示することが好ましい。図7A(A−2)の「時短大当りの当選で連荘回数をクリア」するケースの場合は、通常通り、時短演出モードに移行させることが好ましい。
(リザルト演出)
なお、連荘中に時短大当り(4R時短大当り)に当選して、その時短回数が終了する最終変動(100回転目)において、リザルト演出を現出させることができる。この「リザルト演出」とは、時短状態が終了となる図柄変動時に所定の遊技情報として、たとえば、それまで獲得した大当りの連荘回数や当り遊技で獲得した総獲得球数(総賞球数)などの最終結果を報知する演出である(たとえば、特開2017−086102号公報、同公報の図50、図54〜図56等)。ここで、初当りを経由することなく、支援時短が当選して時短状態(支援時短状態)に突入(移行)した場合、具体的には、有限時短を付与する支援時短Aまたは支援時短Bによる時短状態に突入した場合には、その時短回数が終了する最終変動において(支援時短Cは無限時短のため、最終変動には実質的に到達し得ないため、ここでは除外する)、リザルト演出を実行してもよいが、実行しないことが好ましいといえる。その理由は、大当りに1度も当選することなく時短状態に突入し、かつ大当りに当選することなくその時短状態が終了してしまう場合は、総賞球数も非常に少なく、リザルト演出を現出する必要性に乏しいためである。また、後述の天井特典による天井時短(有限時短)が発動して時短状態に突入した場合も同様である。なお、一般的な遊技機では、電サポ無し状態(通常状態または潜確状態)中の出玉率(低ベース時出玉率)は概ね30%〜40%、電サポ状態(時短状態または確変状態)中の出玉率(高ベース時出玉率)は概ね80%〜95%で、いずれも出玉率が100%未満であるため(打ちっぱなしにしていた場合)、この点から、初当りを経由することなく支援時短状態に突入した場合や、後述の天井特典による天井時短(有限時短)が発動して時短状態に突入した場合において、大当りに当選することなくその時短状態が終了してしまう場合には、リザルト演出を現出する必要性に乏しい。
しかし、初当りを経由する場合には、連荘回数や獲得した総獲得球数(総賞球数)を報知する意義が高まる。よって、初当り以降において、支援時短Aまたは支援時短Bに当選した場合は、その最終変動において、リザルト演出を実行することが好ましいといえる。たとえば、図41の備考欄(3)(4)に示すように、最終変動をリザルト演出用の変動パターンとして、時短モード1の場合は、時短モード1中で最長の通常変動(たとえば、通常変動40s)、時短モード2の場合は、時短モード2中で最長の通常変動(たとえば、通常変動45s)を選択可能に構成し、その演出時間幅(変動時間)を利用してリザルト演出を現出させることができる。この場合、時短モード1と時短モード2とで、異なるリザルト演出(たとえば、遊技情報の表示態様や背景画像などが異なる)を現出することができる。勿論、当該最長の通常変動は、時短モード1および時短モード2で、同一の変動時間または同一の変動パターンとして、同一のリザルト演出(たとえば、遊技情報の表示態様や背景画像などが同一)を現出させてもよい。
(その他の演出について)
また、確変モードに係る演出について、下記(確演1)〜(確演5)に構成することができる。
(確演1)「確変モード1⇒確変モード2⇒確変モード3」の順に、遊技者参加型演出の出現率を高確率とする。
(確演2)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、先読み予告の出現率を低確率または高確率とする。
(確演3)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、疑似連の出現率を高確率とする(疑似連有り指定の変動パターンの選択率が高くなる)。
(確演4)「確変モードA⇒確変モードB」の順に、疑似連回数を多くする。たとえば、確変モード1は「疑似2」まで、確変モード2は「疑似3」まで、確変モード3は「疑似4」までなどである。
(確演5)リーチ変動(リーチ演出)に関し、確変モード3は、第1変動時間の第1変動パターンを少なくとも含み、
確変モード2は、第2変動時間の第2変動パターンを少なくとも含むが、当該第1変動パターンは含まず、
確変モード1は、第3変動時間の第3変動パターンを少なくとも含むが、当該第1変動パターンおよび当該第2変動パターンは含まない。
この場合、「第3変動時間<第2変動時間<第1変動時間」の関係を満たすように構成することが好ましい。たとえば、確変モード3は、発展型SPSPリーチ(SPリーチ+SPSPリーチ)の後、全回転演出を行う「発展型特殊リーチ変動」を少なくとも含み、確変モード2は「発展型SPSPリーチ」を少なくとも含むが「発展型特殊リーチ変動」は含まず、確変モード1は少なくともSPリーチを含むが、は「発展型SPSPリーチ」および「発展型特殊リーチ変動」を含まない。この場合、前半区間にて実行されるSPリーチ演出が共通化されたものとなり、SPリーチ演出が現出された際、確変モードの違いによりリーチ演出がどこまで発展するかを楽しむことができるようになる。
またたとえば、確変モード3は、直撃型SPSPリーチ(SPSPリーチ)の後、全回転演出を行う「直撃型特殊リーチ変動」を少なくとも含み、確変モード2は「特定の予告演出の実行を含むSPリーチ」を少なくとも含むが「直撃型特殊リーチ変動」は含まず、確変モード1は少なくともSPリーチを含むが、「特定の予告演出の実行を含むSPリーチ」および「直撃型特殊リーチ変動」を含まない。この場合も同様に、確変モードの違いによりどこまでリーチ演出が発展するかを楽しむことができる。
(7−3.時短モードについて)
次に、「時短モード」について説明する。時短モードは、図示のように、内部遊技状態が確変状態(YJ=01H)に関連する遊技モードであり、変動パターン選択モードが異なる時短モード1〜3(Tcode=「04H」〜「06H」)が含まれる。なお、上述した「特殊時短演出モード」を設ける場合には、時短モード4(Tcode=「07H」)を設けることができる(図7A(ロ)、図42備考欄、図43参照)。この時短モードには、4R時短大当りまたは支援時短A〜Cに当選した場合に移行される(図4参照)。
本実施形態では、4R時短大当り、支援時短A〜Cのいずれかに当選した場合、まず時短モード1に移行されるようになっており、付与される時短回数に応じて時短モード2、時短モード3に移行されうる。すなわち、時短状態における実行ゲーム数に応じて、一の時短モードから他の時短モードに移行される。換言すれば、残余時短回数に応じて、一の時短モードから他の時短モードに移行される。具体的には、図6の「時短モード」のブロック枠および図7Bを参照して、時短回数が100回までは時短モード1に滞在し、時短回数が101回〜200回までは時短モード2に滞在し、時短回数251回以上は時短モード3に滞在するようになっている。
したがって、時短回数100回が付与される4R時短大当りまたは支援時短Aに当選した場合は、時短モード1にのみ滞在し、時短回数200回が付与される支援時短Bに当選した場合には時短モード1および時短モード2に滞在し、無限時短(時短回数65535回)が付与される支援時短Cに当選した場合には、時短モード1〜3に滞在することになる。なお、上記した「上乗せ機能」などにより時短回数が増加しうる場合には、支援時短Aや支援時短Bなどに当選した場合であっても、時短モード2や時短モード3に滞在するケースがあるが、ここでは特に必要のない限り、上乗せ等が無い構成を中心に説明する。
(7−3−1.時短モードの特徴点)
次に、本実施形態に係る時短モード(確変モード1〜3)の特徴点について説明する。既に説明したように、時短モード1〜3は、変動パターン選択モード(Tcode)がそれぞれ異なる遊技モードであり(図40〜図41、図44参照)、時短モード1〜3に対応した変動パターン振分テーブル(図40、図41参照)が選択される。これを利用して、時短モード1〜3がそれぞれ特徴有る時短モードを作り出すことができる。この点は、既に説明した確変モードと同様の手法による。
本実施形態の時短モードは、平均消化時間の関係が、「時短モード1<時短モード2<時短モード3」を満たすように定められている(図7Bの備考2を参照)。つまり、時短回数が相対的に多くなるほど、換言すれば、遊技モードがステップアップするごとに、平均消化時間が短時間に制御されるようになっている。この点、遊技モードがステップアップするごとに平均消化時間が長時間に制御される確変モードとは異なる。時短モードに係る平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係を、「時短モード1<時短モード2<時短モード3」に定める理由は、次の通りである。
時短モード(時短状態)中は、確変モード(確変状態)中とは異なり、大当り抽選確率が低確率の電サポ状態であるため、確変モード下よりも大当りに当選しにくい遊技状態である。そこで本実施形態では、図柄変動表示ゲームの平均消化時間の緩急を付け、時短モード下における遊技が単調化してしまうことを防止している。具体的には、時短モード1、2の場合には、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が長い「低速変動状態」または「中速変動状態」として「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技モードとし、時短モード3の場合には「高速変動状態」として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技モードとしている。特に、平均消化時間(ゲーム消化スピード)の関係を「時短モード1<時短モード2<時短モード3」とした場合には、下記のような利点がある。
本実施形態では、従来の時短回数100回よりも多い時短回数が付与されうる。特に時短回数が200回や無限時短などのように、時短回数を消化するまでに長時間となりうる回数が付与された場合、ゲーム消化スピードが遅く、ダラダラと時短回数を消化していくのでは、遊技者にストレスや不満感を与えてしまう。そこで、時短状態中のゲーム実行回数が増加していくに従い、ゲーム消化スピードを上昇させ、出来るだけ短期間のうちに、次の大当りの当選を狙うことができるようにしている。
具体的には、図41の「時短中ハズレ変動パターン振分テーブル」を参照して、時短モード1では通常変動4sが選択され易いようにし、時短モード2では、通常変動2sが選択され易いようにし、時短モード3では、通常変動1s(最短通常変動)が選択され易いようにする。これにより、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に、ゲーム消化スピードを上昇させることを実現している。
上記のように、図柄変動表示ゲームの平均消化時間に関し、「時短モード1(低速変動状態)<時短モード2(中速変動状態)<時短モード3(高速変動状態)」の関係性を持たせるために、本実施形態の時短モード1、2、3では、特に、遊技進行上、最も多く遭遇しうるハズレ時に参照される「ハズレ変動パターン振分テーブル(図41)」に関し、下記(J1)〜(J20)のような構成とすることが好ましい。なお本発明は、必ずしも、3つの時短モード1〜3の関係性に限定されるものではない。すなわち本発明は、時短状態のゲーム実行回数(変動回数)が所定回数未満に係る時短モード(以下「時短モードA」と称する)と、当該所定回数以上に係る時短モード(以下「時短モードB」と称する)とを少なくとも設け、時短モードAと時短モードBとの平均消化時間を比較した場合に、「時短モードA<時短モードB」の関係を満たす構成であればよい。以下、“「時短モードA⇒時短モードB」の順に”と称する場合は、“「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に”の意味も含まれる。
(J1)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、通常変動の平均変動時間を短くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(J2)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の平均変動時間を短くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(J3)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、選択率が最も高い通常変動の変動時間を短くする。
(J4)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、選択率が最も高いリーチ変動の変動時間を短くする。
(J5)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、通常変動の選択率を高くする。なお、通常変動は、1または複数設けることができる。
(J6)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の選択率を低くする。なお、リーチ変動は、1または複数設けることができる。
(J7)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、各モードにおける最短の通常変動の変動時間を短くする。
(J8)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、各モードにおける最短のリーチ変動の変動時間を短くする。
(J9)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、通常変動の種類を多くする。
(J10)「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の種類を少なくする。
(J11)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、第2変動時間以上の変動パターンの種類を少なくする。「第2変動時間以上の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(J12)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、第1変動時間以下の変動パターンの種類を多くする。「第1変動時間以下の変動パターン」は、通常変動であってもよいし、リーチ変動であってもよい(以下同様)。
(J13)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モードAには第2変動時間以上の変動パターンがあり、時短モードBには第2変動時間以上の変動パターンが無い。
(J14)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モードAには第1変動時間以下の変動パターンが無く、時短モードBには第1変動時間以下の変動パターンがある。
(J15)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モード1および時短モード2には、第2変動時間以上の変動パターンがあり、時短モード3には第2変動時間以上の変動パターンが無い。
(J16)「第1変動時間<第2変動時間」とした場合、時短モード1および時短モード2には、第1変動時間以下の変動パターンが無く、時短モード3には第1変動時間以下の変動パターンがある。
(J17)時短モードAと時短モードBにおいて、変動開始時における作動保留球が0ときに選択される変動パターンの変動時間を共通(同一または略同一でもよい)の変動時間とし、作動保留球が0以外の場合には変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。たとえば、時短モード1〜3において、作動保留球数が0の場合には、通常変動8s種別(本例の場合、時短中通常変動8s、時短中通常変動8s、時短中通常変動8s)のみが選択されるようにし、作動保留球が0以外の場合には、変動時間が異なる変動パターンを選択可能に構成する。この場合において、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、作動保留球が0以外の場合に選択され易い変動パターンの変動時間を長くする。
(J18))時短モードAと時短モードBにおいて通常変動は共通とし、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、リーチ変動の選択率を低確率とする。たとえば、時短モード1〜3において通常変動は共通とし、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に、リーチ変動の選択率を低確率とする。
(J19)時短モードAと時短モードBとにおいて通常変動は共通とし、「時短モードA⇒時短モードB」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を低確率とする。たとえば、時短モード1〜3において通常変動は共通とし、「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」の順に、変動時間が相対的に長いリーチ変動の選択率を低確率とする。
(J20)時短モードAと時短モードBとを比較した場合、ハズレの場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、当選の場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。また、当選の場合に選択されうる変動パターンの変動時間は変化しないが、ハズレの場合に選択されうる変動時間が相対的に長くなる。なお「当選」とは、ここでは「大当り当選」および/または「支援時短当選」を意味する。
なお、本実施形態では、時短モード1〜3で共通の時短中リーチA、時短モード1と時短モード2で、共通の時短中リーチA、Bが選択可能となっているが、本発明はこれに限らず、図柄変動表示ゲームの平均消化時間に関して「時短モード1(低速変動状態)<時短モード2(中速変動状態)<時短モード3(高速変動状態)」の関係性があれば、時短モード1〜3の少なくとも1つの時短モードにおいて、他の時短モードとは異なるリーチ変動が選択されるように構成してもよい。
なお、本実施形態の場合、時短モード3に移行された後は、大当りに当選または時短回数を消化するまで、時短モード3から他の遊技モードに移行されない。しかし、本発明はこれに限らず、時短モード3中に所定のゲーム回数(変動回数)が実行された場合、他の遊技モード(時短モード1または時短モード2)に移行させてもよい。時短モード3は「高速変動状態」であるためゲーム消化スピードがテンポよく進むが、同じ遊技モードが長期間にわたり継続してしまうと、遊技者に倦怠感を与えてしまったり、遊技が単調化したりしてしまう。したがって、時短モード3中に所定のゲーム回数が実行された場合、他の時短モードに移行させることが好ましいといえる。遊技モードの移行は、「時短モード3⇒時短モード2または時短モード1」という移行形態に限らず、「時短モード3(第1変動回数消化)⇒時短モード2(第2変動回数消化)⇒時短モード1」や、「時短モード3(第1変動回数消化)⇒時短モード1(第2変動回数消化)⇒時短モード2」としてもよい。なお、第1変動回数G回とし、第2変動回数H回とした場合、「G回」=「H回」、「G回<H回」、または「G回>H回」とすることができる。
(7−3−2.時短モード中の演出について)
本実施形態では、時短演出モードとして、時短モード1〜3に対応する時短演出モード1〜3が設けられている。図7Bに、時短演出モード1〜3中の演出例を示す。
図7Bを参照して、時短演出モード1は、潜水艦同士が戦う様を表現した演出をなす“水中音響戦モード”、時短演出モード2は、艦隊同士の戦う様を表現した演出をなす“水上戦モード”、時短演出モード3は、戦車同士が戦う様を表現した演出をなす“陸戦モード”となっている。換言すれば、時短モード期間は、時短状態中のゲーム実行回数に応じて、時短モード1〜3の3つに区分され、この3つの区分のいずれに滞在しているかは、上記した確変モードと同じく、主に、変動パターンのダイナミックな変化(高速、中速、低速という変動状態の変化)、これに伴う演出(背景演出の切り替わり、予告演出など)とにより遊技者に報知される。
また、大当り時短状態に移行した場合と、支援時短状態に移行した場合とで、同じ時短モードに移行させるが、それぞれ異なる演出ステージに移行させてもよい。この場合、同じ時短モード(Tcodeが同一)でありながら、それぞれの演出ステージに応じた背景演出、装飾図柄、保留アイコン、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)、各種の予告演出、および先読み予告(変動中先読み予告および/または保留変化予告)のうち、少なくとも1つの演出を異なる演出態様とすることができる。これにより、時短大当りと支援時短とで同一の時短モードに移行させながらも、大当り時短状態なのか、支援時短状態なのかを演出的に区別して報知することができる。
(支援時短当選に係る予告演出について)
支援時短には、既に説明したように、「特電作動型支援時短」と「特電非作動型支援時短」とがあるが、いずれにしても、大当り遊技のようなラウンド遊技が実行されず、無限時短のような高時短回数を付与する支援時短などの例外はあるが、基本的には、大当りよりも利益度合が低いものである。このため、支援時短の当選した図柄変動表示ゲーム中の予告演出などで、大当り当選時のような派手な煽り演出を現出させてしまうと、遊技者の期待感を過度に煽ってしまう。そこで、支援時短が当選した場合には、予告演出として、大当り当選を確定的に報知する「当確演出」は現出させないことが好ましい。たとえば、保留変化予告であれば、プレミアム保留の虹色保留は現出させない(プレミアム保留を実行しない遊技機の場合は、大当り当選時における最高当選期待度の保留変化予告を現出させない)、変動中の予告演出であれば、当確を示す特定のキャラクタやアイテムを表示しない、などである。換言すれば、支援時短が当選した場合、少なくとも大当り当選時における最高期待度を示す高期待度予告演出を除く、高期待度予告演出を現出させることができる。ただし、支援時短の中でも最高利益を持つ無限時短を付与する支援時短(本実施形態では、支援時短C)に限り、大当りと同じ当確演出を実行可能に構成してもよい。また、支援時短が当選した場合に、大当りと同じ当確演出は現出しないが、支援時短用の当確演出を実行してもよい。
また、先読み予告において、支援時短当選の作動保留球保が発生した場合は、所定のゲーム数(たとえば、最大保留記憶数分(本実施形態の場合は4回))、先読み予告を禁止してもよい。また、支援時短による時短状態の開始後、所定のゲーム数(たとえば、最大保留記憶数分)、先読み予告を禁止してもよい。
(始動口に係る入賞演出について)
上始動口34および/または下始動口35への入賞があった場合に「入賞演出」を実行可能に構成した場合において、大当り時短状態と支援時短状態とで、それぞれ異なる入賞演出を実行してもよい。なお、大当り時短状態中は入賞演出を実行せず、支援時短状態中は入賞演出を実行してもよい(その逆でもよい)。
(残余時短回数報知演出)
また、時短モード(時短状態)中は、残りの時短回数を演出的に報知する「残余時短回数報知演出(たとえば、カウントダウン表示)」を現出可能に構成されている。残余時短回数報知演出は、少なくとも支援時短Aと支援時短B(有限時短付与の支援時短)とで同じ演出態様(カウントダウン表示態様が同じ)としてもよいし、時短大当りと支援時短(支援時短Aおよび/または支援時短B)とで同じ演出態様としてもよい。また、支援時短の種類に応じて異なる演出態様としてもよいし、時短大当りと支援時短とで異なる演出態様としてもよい。前者の同じ演出態様とする場合は、同じ区切り、時短残余回数が所定回数に達した場合に、カウントダウン表示を開始することが好ましい。たとえば、残り10回から最終変動までカウントダウン表示を行う。後者の異なる演出態様とする場合は、異なる区切りで、カウントダウン表示を開始することができる。たとえば、4R時短大当りの場合は、残り50回からカウントダウン表示を開始し、支援時短A(または支援時短B)の場合は、残り10回からカウントダウン表示を開始することができる。
なお、有限時短の場合は、残余時短回数報知演出を実行可能に構成することが好ましい。一方、無限時短の場合は、残り回数が無限であるため、残余時短回数報知演出が実行する必要性に乏しく、残余時短回数報知演出を実行しなくてもよい。しかし、残り回数が無限であること報知することが適切なケースもある。そこで、無限時短に係る残余回数表示演出を実行する場合には、たとえば、画像表示演出であれば「残り∞回」や「次回大当りまで継続」などのように、残り回数が無限であることを遊技者が把握可能な演出態様を表示することができる。
(秘匿型残余時短回数報知演出)
また、いずれの支援時短が当選したことを演出的に秘匿状態としてもよい。たとえば、各支援時短で当選したゲーム中の演出(予告演出等)を共通の演出を現出させ、残余時短回数報知演出の演出も共通の演出態様、たとえば、「残り回数???回」や「残り回数〇〇回(いずれの支援時短が当選しても同じ初期値を表示し、カウントダウン表示をする)」や「0回(初期値をゼロからスタートさせ、カウントアップ表示する)」とすることができる。これにより、時短回数が秘匿され、何回続くか分からない(いつ終了するのか分からない)という緊張感を与えることができる。
なお、上記「残り回数〇〇回」などと表示をし、カウントダウン表示を実行する場合には、次に述べるような残余時短回数報知演出とすることが好ましい。たとえば、支援時短A〜Cのいずれが当選した場合も、時短回数が最も少ない「100回」を表示する。そのカウントがゼロになったときに、100回よりも多い時短回数が付与される支援時短Bまたは支援時短Cに当選していた場合は「+50回!」「+100!」などの上乗せ表示演出を行い、さらに時短状態が続くことを報知する。一方、カウントアップ表示の場合は、いずれの支援時短が当選した場合も、ゼロ表示からカウントアップ表示をしていき、所定回数に到達した場合、または所定回数に到達する毎に「まだまだ続くよ!」「あと残り50!」「無限時短確定!」などの上乗せ表示演出を行い、さらに時短状態が続くことを報知する。いずれの場合も、時短終了か否かを煽る演出を行った後、上乗せ表示演出を行うことが、遊技者の緊張感を煽る上で好ましい。
なお、支援時短による時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出」を実行せず、大当り時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出を実行してもよい。また、大当り時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出を実行せず、支援時短状態の場合には上記「残余時短回数報知演出」してもよい。
(支援時短の当選ゲーム(当り変動パターン)に係る演出について)
また、通常モード(通常状態)において、今回のゲームで支援時短に当選した場合、今回のゲーム終了後に「電サポ状態」が生起する点を考慮し、当該ゲーム中で支援時短当選を報知する当選演出として、たとえば、図6(イ)に示すような「時短突入報知演出780」を現出させる。この時短突入報知演出は、現在の遊技状態(通常状態)よりも有利な遊技状態(時短状態)へと移行することを報知(示唆)する遊技状態移行報知演出の一態様である。図示の演出例では、時短突入報知演出780として、「時短に突入するよ」をいう文字画像778を表示し、装飾図柄775の背景表示として、専用のキャラクタ画像777を表示し、装飾図柄775が、支援時短当選専用図柄“「時」「☆」「短」”で停止表示している状態(通常は、たとえば、数字図柄)を示している。これにより、今回のゲーム終了後、時短状態に突入する旨が事前報知される。
斯様な「時短突入報知演出」を現出する理由は、次の通りである。特に、当選した支援時短が「特電非作動型支援時短」である場合、今回のゲームが終了(変動時間が終了)すると、極短時間の確定表示時間(500ms)の経過後に時短状態に突入してしまう(図10の特別図柄変動中処理(ステップS307)、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)参照)。なお、正確には、今回のゲームは、この確定表示時間(500ms)の経過を以て終了される。このため、右打ちが有利な状態が生起することを早めに報知し、時短状態中に遊技者が「左打ち」を続行してしまうこと(不利益を被る)を防止するためである。なお、支援時短の当選ゲーム中に、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)を現出してもよい。ただし、実際には、確定表示時間が経過するまでは、「時短状態」ではなく「通常状態」中となっている。そのため、遊技者が先走って右打ちをしてしまった場合は、左打ちを促す発射誘導報知演出(左打ち指示演出(警告報知))を行ってもよい。この場合、右打ち指示演出よりも左打ち指示演出の方を優先表示(表示優先度が高い)することが好ましい。なお、通常状態中に右打ちしているか否かの判断は、普通図柄始動口37に遊技球の入球(通過)を検出した否かにより判断する。
一方、「特電作動型支援時短」の場合は、支援時短開閉遊技(小当り当選型支援時短の場合は、小当り遊技)が実行された後に時短状態に突入するため、その支援時短開閉遊技中(たとえば、開始INT中)に、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)を現出すればよく、特に問題は生じない。特電作動型支援時短の場合は、支援時短開閉遊技の期間として、概ね数秒以上とすることが好ましい。
(支援時短の当選ゲームに係る確定表示時間について)
また、支援時短の当選ゲームでは、通常の確定表示時間(500ms)とは異なる確定表示時間とすることができる。具体的には、通常の確定表示時間(500ms)よりも長時間(たとえば、1秒〜10秒程度)とすることができる。この長時間の確定表示時間を利用することにより、上記「時短突入報知演出」を実行するための余裕演出時間幅を十分確保できるという利点がある。また、当選ゲームの実行時間(当り変動時間)が終了した後、通常よりも長い確定表示時間が介在するため、遊技者が有る程度の余裕を持って、「左打ち」から「右打ち」へと発射操作ハンドル15の操作することができるという利点もある。なお、支援時短の当選ゲームに限り、当選ゲーム中の所定期間、或いは、少なくとも確定表示時間を利用して「右打ち報知」(たとえば、右打ち報知画像779などの右打ち指示画像)を事前に実行してもよい。
<時短突入報知演出の演出例:図47、図48>
次に、支援時短が「特電非作動型支援時短」である場合の時短突入報知演出の演出例について説明する。先ず、本演出例の理解を容易なものとするために、図46を用いて、ゲーム終了後に作動保留球がゼロであった場合における演出の推移について説明しておく。
図46のタイムチャートは、今回のゲームが「ハズレ(大当り、小当り、および支援時短に非当選)」で終了後、しばらくの間、作動保留球がゼロ(特図1作動保留球および特図2作動保留球がゼロ)の状態が継続したケースを示したものである。
図46のタイムチャートを参照して、今回の特図の変動表示が終了すると(時刻T2)、大当り抽選結果に応じた表示態様で特別図柄が停止表示され(ここでは、ハズレ対応の特別図柄が停止表示)、今回のゲームが終了される(時刻T3)。このとき、作動保留球があれば、直ちに次ゲーム(特図の変動表示)が開始されるが、作動保留球がゼロ(作動保留球なし)の場合には、確定表示時間Tbの経過後、次ゲームが開始されるまで(新たな作動保留球が発生するまで)、演出状態が「客待ち中(客待ち待機中)」に移行されるようになっている(時刻T3〜T5)。
具体的には、確定表示時間Tbの経過後に作動保留球がゼロの場合には、主制御部20が演出制御部24に対して「客待ちコマンド」を送信する(後述の図12のS419参照)。演出制御部24がこの客待ちコマンドを受信すると、演出状態として「客待ち中(客待ち待機中)」に係る演出処理を行う。
詳しくは、演出制御部24が客待ちコマンドを受信すると、遊技停止中の「客待ち中(客待ち待機中)」であることを把握して、客待ちコマンドの受信から新たな作動保留球が発生することなく(本実施形態では、作動保留球の発生時に送信される入賞時コマンドおよび/または保留加算コマンドを受信することなく)、所定の待機時間(たとえば、120秒)が経過した場合(図示の時刻T4が到来した場合)、つまり、作動保留球がゼロになって遊技が開始されることなく所定時間が経過した場合(客待ち演出開始条件を満たした場合)、遊技機1に係る遊技の説明や遊技機の紹介(デモンストレーション)のためのデモムービーが流れる「客待ち演出(デモ表示)」を現出させるようになっている。なお、後述のメニュー画面表示操作などの遊技者による遊技設定に関する操作を検出した場合、上記待機時間(120秒)の計測はクリアされ、再度、120秒がセットされる。なお、遊技設定が終了され、後述の「客待ち前演出」に戻ってから待機時間(120秒)の計測を開始してもよい。
図(C)に、客待ち演出の一例を示す。図(C)の例は、客待ち演出として、デモムービーの一部を示したものであり、ここでは、画面中央に遊技機の名称(「CR 藤丸くん戦記」)が大きく表示され、画面右上隅部に特定キャラクタ(藤丸くん)が表示されている。客待ち演出期間中は、所定のデモムービーが繰り返し再生表示され、遊技台の魅力を効果的にアピールするようになっている。
ただし、客待ち演出が開始するまでの期間(所定時間Tdが経過するまで)は、「客待ち前演出(デモ開始待ち表示)」を現出させるようになっている(時刻T3〜T4)。たとえば、液晶表示装置36に、遊技状態に応じた背景演出(背景画像)と、今回のゲームにて停止された装飾図柄(装飾停止図柄)とを含む表示状態とし、客待ち演出の開始(デモムービー開始)までこの表示状態を維持する。
図(A)に、客待ち前演出の一例を示す。図(A)の例では、通常演出モード(空戦モード)中に、直近のゲーム結果であるハズレ対応の装飾図柄(ハズレ対応装飾停止図柄)が停止した表示状態を示している。本実施形態では、客待ち前演出の開始後(客待ちコマンド受信後)、所定時間(たとえば、10秒)が経過すると(時刻Tmが到来した場合)、画面下に「メニュー画面表示→」の文字表示とボタン画像(ここでは、演出ボタン13を模した画像)を含む「メニュー表示可能報知演出811」が現出される。このメニュー表示可能報知演出811の役割は、演出ボタン13を操作すると、メニュー画面(遊技設定画面)を開くことができる旨の報知、換言すれば、メニュー操作可能期間中である旨の報知である。メニュー操作可能期間中に演出ボタン13が押下されると、図示のような「メニュー画面」が表示され、音量や光量などの各種の遊技環境の設定が可能となっている。
図(B)に、メニュー画面の一例を示す。ここでは、メニュー画面811aの上部に遊技機の名称「CR藤丸くん戦記」の文字画像、画面の右側中央部に特定キャラクタ813などが表示され、メニュー項目の一例として、「キャラクタ選択」、「音量調整」、「光量調整」、「BGM選択」、「戻る」などのメニュー項目が表示されている。このメニュー画面811aにおいて、遊技者が方向キー75によりカーソル812を操作して所望のメニュー項目を選択し、カーソル812がメニュー項目を指し示した状態で演出ボタン13を押下すると、そのメニュー項目に対応する遊技設定ができるようになっている。
たとえば、メニュー項目として「音量調整」を選択決定した場合、図(D)に示すような音量調整画面811bが表示される。この音量調整画面では、十字キー75により、所望する音量レベルを選択し、演出ボタン13により決定可能となっている。音量レベルを決定すると、図(A)の客待ち前演出の画面に戻る。図(D)の例は、基準音量値(MIN)から所定の最大音量値(MAX)まで、5段階の調整が可能となっている。
なお、図示はしていないが、「光量調整」を選択決定した場合も、音量調整画面と類似する光量調整画面が表示され、この光量調整についても複数段階(たとえば、4段階)の調整が可能となっている。また、「キャラクタ選択」を選択決定した場合、現在の演出モード中に関連する味方キャラクタまたは敵キャラクタを選択することができるようになっている。これにより、好みのキャラクタを予告演出(特定のリーチなど)や当り中演出で登場させることができる。また、「BGM選択」を選択決定した場合、現在の演出モードに関連するBGMを、複数種類のBGMから選択することができるようになっている。
本例では「キャラクタ選択」、「音量調整」、「光量調整」および「BGM選択」の4つの遊技設定が可能となっているが、少なくとも音量調整が可能な音量調整手段を有する遊技機としてもよい。たとえば、音量調整だけが可能な遊技機とした場合には、図(B)のようなメニュー画面(メニュー項目)811aを表示する必要がないため、直接、図(D)の音量調整画面(図示の調整画面811b)を表示することができる。調整画面811bを表示する場合には、たとえば、図(E)に示す調整画面811cのように、背景演出に、現在の演出モードに関連する背景画像を含む調整画面811cを表示することができる。図示の例では、通常演出モードに関連する背景画像を表示し、5段階の音量調整画面が、背景画像よりも優先表示される例を示してある。この調整画面811cの場合は、現在の演出モードを報知可能な遊技設定画面であるため、音量調節や光量調整の際に、現在の遊技状態(遊技モード)を報知することができるという利点がある。以下、メニュー画面811aを表示せずに、調整画面811bまたは調整画面811cを表示する形態を「調整画面直接表示形態」と称する。
上記「メニュー操作可能期間」は、客待ちコマンドの受信した場合に直ちに開始してもよい。たとえば、確定表示時間経過後(時刻T3経過後)、メニュー操作可能期間を開始することができる。この場合のメニュー操作可能期間は、具体的には、図示の“メニュー操作可能期間A”である。
また、上記「メニュー操作可能期間」は、客待ちコマンドを受信してから所定時間経過後に開始してもよい。たとえば、確定表示時間経過後、所定時間経過した場合(たとえば、メニュー表示可能報知演出811が開始される時刻Tmが到来した場合)、メニュー操作可能期間を開始することができる。この場合のメニュー操作可能期間は、具体的には、図示の“メニュー操作可能期間B”である。
なお、メニュー表示可能報知演出811は、メニュー操作可能期間の開始とともに現出させてもよいし(メニュー操作可能期間の開始を報知するケース)、メニュー操作可能期間の所定のタイミングから現出させてもよい。
<演出例:図47、図48>
次に、図47〜図48を参照して、今回のゲームが「特電非作動型支援時短」の当選ゲームである場合の演出例について説明する。図47〜図48は、今回のゲーム終了後、しばらくの間、作動保留球がゼロである場合の演出の推移を説明するための説明図であり、演出の推移がそれぞれ異なる演出例1と演出例2を示したものである。また以下では、説明の便宜のために、適宜、前述した図46も用いて説明する。
(演出例1:図47)
まず、図47を参照しながら、演出例1について説明する。
(1−1.時短突入報知演出の実行開始タイミング)
図47に示す演出例1の場合、図柄変動中の所定のタイミングまたは図柄変動終了時に(符号801は装飾図柄(左図柄、中図柄、右図柄を示す)、たとえば、図(β)に示すような時短突入報知演出871を現出させる。具体的には、図柄変動中の所定のタイミング(たとえば、図46の時刻T1)の到来を契機に、または確定表示期間(図46の時刻T2)の到来を契機に、時短突入報知演出871を現出させる。本演出例の時短突入報知演出871は、時短モード(時短状態)の移行することを報知(示唆)する「音響戦モード突入」という文字画像802と、キャラクタ画像803などを含んだ演出画像となっている。また、図(β)では、3つの装飾図柄が液晶画面右隅部に小さく退避表示され(図示の装飾図柄801a)、今回のゲーム結果を示す装飾停止図柄(支援時短当選対応図柄)が表示されている例を示してある。ここでは、装飾図柄801aが「5」「7」「9」で停止表示している例を示してあるが、これは、変動中は仮停止用の装飾図柄として図6(イ)に示す“「時」「☆」「短」を表示して、遊技者が支援時短当選を把握し易くする一方、確定表示中は、特にその必要がないため、支援時短当選用の装飾停止図柄として、通常時に用いられる数字系の装飾停止図柄(ここでは、「5」「7」「9」)で停止表示するようにしたものである。勿論、装飾図柄801aとして、図6(イ)に示す“「時」「☆」「短」”を停止表示させてもよい。なお、確定表示時間経過後は、装飾図柄801aを表示しなくてもよい。
(1−2.時短突入報知演出の表示期間)
上記時短突入報知演出871は、図柄変動が終了し確定表示時間が経過した後も(図46の時刻T3以降)、所定期間(所定時間)、継続して現出される(図(γ))。ただし、確定表示時間が経過した後は「時短状態」に突入するため、時短突入報知演出871は、図(γ)に示すように、発射誘導報知演出(右打ち指示演出)851が追加表示された時短突入報知演出872となる。これにより、時短状態に突入した旨および右打ち有利な状況下に突入した旨が報知される。なお、ここでの時短突入報知演出872は、客待ち前演出の一環として表示されることになる。
そして、図(γ)に示す時短突入報知演出872を所定時間(たとえば、10秒)表示した後(たとえば、時刻Tmが到来した場合)、当該時短突入報知演出872を終了させ、通常の客待ち前演出890を現出させる(図(δ))。ここでの通常の客待ち前演出890は、時短モード(時短状態)に関連する演出態様であり、図(δ)に示すように、遊技状態に応じた背景画像として、時短演出モードに関連する背景画像(たとえば、水中音響戦モード:図7B参照)を表示し(支援時短専用の演出モードを設けた場合には、当該演出モードに関連する背景画像を表示してもよい)、また装飾停止図柄として、直近のゲーム結果(本演出例の場合は「579」:支援時短対応装飾停止図柄)が表示される。また、右打ち指示演出については、通常の客待ち前演出に切り替わったことに伴い、“時短突入報知演出に係る右打ち指示演出851(第1右打ち報知:支援時短当選ゲームにおける確定表示時間経過後、所定時間だけ実行される右打ち指示演出)”が終了され、右打ち指示演出851とは異なる表示態様(演出態様)の“電サポ中に係る右打ち指示演出852(第2右打ち報知:電サポ用の右打ち指示演出)”が現出される。
なお、上記「電サポ用の右打ち指示演出(第2右打ち報知)」を、下記(指示演出1)〜(指示演出7)とすることができる。
(指示演出1)電サポ中、すなわち、時短状態中(大当りによる時短状態)、確変状態中および支援時短状態中において共通の右打ち指示演出(第2右打ち報知)とする。
(指示演出2)支援時短状態以外の遊技状態(本実施形態では、時短状態および確変状態)中は「共通の右打ち指示演出(第2右打ち報知)」とし、支援時短状態中はそれとは異なる右打ち指示演出(支援時短状態専用の右打ち指示演出:第3右打ち報知)とする。
(指示演出3)少なくとも時短状態中と支援時短状態中とにおいて、共通の右打ち指示演出(第2右打ち報知)とする。
(指示演出4)時短状態中および支援時短状態中は共通の右打ち指示演出(時短用右打ち報知:たとえば、電サポ用第1右打ち報知(第2右打ち報知))とし、確変状態はそれとは異なる右打ち指示演出(確変用右打ち報知:たとえば、電サポ用第2右打ち報知(第3右打ち報知))とする。
(指示演出5)時短状態中、確変状態中、支援時短状態中において、それぞれ異なる右打ち指示演出とする。
(指示演出6)支援時短当選ゲームにおける確定表示時間経過後、所定時間だけ実行される第1右打ち指示演出(上記第1右打ち報知)と、支援時短中における第2右打ち指示演出と、少なくとも時短大当りによる大当り遊技中における当り中右打ち指示演出(大当り遊技中の少なくとも一部の期間で実行される右打ち指示演出)を実行可能であり、当該第1右打ち指示演出と、当該当り中右打ち指示演出とを異なる演出態様とする。この場合、当該大当り遊技後の時短状態中における右打ち指示演出と、当該第2右打ち指示演出とが共通の右打ち指示演出とする。
(指示演出7)支援時短当選ゲームにおける確定表示時間経過後、所定時間だけ実行される第1右打ち指示演出(上記第1右打ち報知)と、支援時短中における第2右打ち指示演出と、少なくとも時短大当りによる大当り遊技中における当り中右打ち指示演出(大当り遊技中の少なくとも一部の期間で実行される右打ち指示演出)を実行可能であり、当該第1右打ち指示演出と、当該当り中右打ち指示演出とを同じ演出態様とする。この場合、大当り遊技後の時短状態中における右打ち指示演出と、当該第2右打ち指示演出とを異なる右打ち指示演出とする。
なお、小当り(小当り当選型支援時短を含む)を設けた場合については、下記(指示演出8)とすることができる。
(指示演出8)支援時短当選ゲームにおける確定表示時間経過後、所定時間だけ実行される第1右打ち指示演出(上記第1右打ち報知)と、支援時短中における第2右打ち指示演出と、小当り遊技中における当り中右打ち指示演出(小当り遊技中の少なくとも一部の期間で実行される右打ち指示演出)とを実行可能であり、少なくとも当該第1右打ち指示演出と、当該当り中右打ち指示演出とを同じ演出態様とする。
なお、上記では、特電非作動型支援時短ついて説明したが、支援時短が「特電作動型支援時短」である場合、その支援時短開閉遊技中(小当り当選型支援時短の場合は、その小当りに係る小当り遊技中)における右打ち指示演出(支援時短開閉遊技中の少なくとも一部の期間で実行される右打ち指示演出)と、小当り遊技中(ここでは、通常小当りによる小当り遊技)における当り中右打ち指示演出(小当り遊技中の少なくとも一部の期間で実行される右打ち指示演出)とは、同じ演出態様とすることが好ましいが、異なる演出態様であってもよい。
図47(δ)の説明に戻り、またここでは、メニュー操作可能期間中である旨の報知するためのメニュー表示可能報知演出811も現出される。なお、メニュー操作可能期間中にメニュー表示操作をした場合には、図(η)に示すメニュー画面や、図(η−1)に示す調整画面811c(ここでは、時短演出モードに関連する背景画像(たとえば、水中音響戦モード:図7B参照)を含む調整画面)または図(η−2)に示す調整画面811bを表示することができる。
(1−3.右打ち指示演出851(第1右打ち報知)の終了タイミングについて)
なお、本演出例では、右打ち指示演出851(第1右打ち報知)の終了タイミングを、通常の客待ち前演出に切り替わったタイミングであると説明した。しかし本発明はこれに限らず、下記(Tim1)〜(Tim4)としてもよい。
(Tim1)第1右打ち報知を、メニュー表示可能報知演出811が実行(現出)されるよりも前に終了させてもよい。
(Tim2)第1右打ち報知を、メニュー操作可能期間が開始されるよりも前に終了させてもよい。具体的には、メニュー操作可能期間Bを採用したケースにおいて、たとえば、時刻Tm(図46)の到来よりも前に終了させる。
(Tim3)第1右打ち報知を、メニュー表示可能報知演出811が実行(現出)されるよりも前であって、メニュー操作可能期間中に終了させることができる。たとえば、メニュー操作可能期間の開始よりも所定時間遅延して、メニュー表示可能報知演出811が開始されるケースにおいて、メニュー表示可能報知演出811が実行される前に終了させることができる。
(Tim4)第1右打ち報知を、メニュー操作(遊技設定操作)がされた場合に終了させてもよい。たとえば、メニュー操作のために操作手段が操作されたことを契機に終了させることができる。たとえば、図(η)に示すメニュー画面811a、図(η−1)に示す調整画面811b、または図(η−2)に示す調整画面811cが表示させる場合に、第1右打ち報知を終了させることができる。また、調整画面811bまたは調整画面811cが表示された後、調整操作(遊技設定操作:たとえば、音量のレベルを変更または決定する操作)をした場合に第1右打ち報知を終了させてもよい。つまり、調整画面811bまたは調整画面811cが表示された段階では第1右打ち報知を終了させずに、調整操作がなされた場合に第1右打ち報知を終了させることができる。
なお、第1右打ち報知が終了した場合(第1右打ち報知が終了したことを契機に)、第2右打ち報知を開始させる。
(1−4.客待ち演出(デモ表示))
そして、客待ち演出開始条件を満たした場合、つまり、メニュー表示操作がされることなく、時短突入報知演出872が開始されてから(客待ちコマンドを受信してから)所定の待機時間(120秒)経過した場合、または、遊技者による遊技設定に関する操作を検出した場合には、その検出後に待機時間(120秒)経過した場合(遊技設定が終了され、客待ち前演出に戻ってから待機時間(120秒)が経過した場合でもよい)、客待ち演出を現出させる(図(ε))。客待ち前演出中または客待ち演出中(客待ち待機中(遊技設定画面表示中を含む))に、作動保留球が発生した場合は、時短モード(時短演出モード)における図柄変動表示ゲームが実行されることになる(図(ζ))。
(1−5.作動保留球がある場合の右打ち指示演出851(第1右打ち報知)の終了タイミングについて)
上記では、支援時短の当選ゲーム後、しばらくの間、作動保留球がゼロである場合の右打ち指示演出851(第1右打ち報知)の終了タイミングについて説明した。以下では、支援時短の当選ゲーム中に作動保留球が存在する場合、または支援時短の当選ゲーム後、短時間(たとえば、通常の客待ち演出890が表示される前)の間に作動保留球が発生した場合の右打ち指示演出851(第1右打ち報知)の終了タイミングについて説明する。この場合の右打ち指示演出851(第1右打ち報知)は、下記(Tim5)〜(Tim12)とすることができる。
(Tim5)第1右打ち報知を、次ゲームの図柄変動が開始するまで、または次ゲームの図柄変動開始時に終了させることができる。たとえば、“図(β)または図(γ)→図(ζ)”という演出推移である。なお、支援時短の当選ゲーム中に作動保留球が存在する場合は、直ぐに次ゲームが開始されるが、時短突入報知演出871は、次ゲームに跨って表示してもよい。たとえば、次ゲーム開始から所定時間表示してもよいし、次ゲームの装飾図柄の高速変動(高速変動については後述の図44等参照)が開始されるまで表示してもよい。この場合、時短突入報知演出871をそのまま表示しておくのではなく、表示の一部、たとえば、文字画像802またはキャラクタ画像803だけを表示してもよい。
(Tim6)第1右打ち報知を、次ゲームにおける各装飾図柄の少なくとも1つの装飾図柄の高速変動(後述の図44等参照)が開始するまでに終了させることができる。
(Tim7)第1右打ち報知を、次ゲームにおける各装飾図柄の少なくとも1つの装飾図柄の停止動作(後述の図44〜図45等を参照)が開始するまでに終了させることができる。
(Tim8)第1右打ち報知を、次ゲームにおける各装飾図柄の少なくとも1つの装飾図柄が停止表示するまでに終了させることができる。
(Tim9)第1右打ち報知を、次ゲームにおける各装飾図柄の少なくとも1つの装飾図柄の停止表示後に終了させることができる。
(Tim10)第1右打ち報知を、次ゲームにおける特別図柄(または装飾図柄)の変動時間が終了(変動時間経過)するまでに終了させることができる。
(Tim11)第1右打ち報知を、少なくとも次ゲームにおける特別図柄(または装飾図柄)の変動時間終了後(変動時間経過後)に終了させることができる。
(Tim12)第1右打ち報知を、次ゲームにおける確定表示時間中に終了させることができる。第1右打ち報知を、たとえば、確定表示時間の開始、途中または終了を契機に終了させることができる。
なお、第1右打ち報知が終了した場合(第1右打ち報知が終了したことを契機に)、第2右打ち報知を開始させる。
(演出例2:図48)
次に、図48を参照して、上記演出例1の変形例(演出例2)について説明する。図47の演出例1と、図48の演出例2とが異なる点は、主に、時短突入報知演出の表示期間が異なる点、それに伴う演出態様が異なる点である。
図48に示す演出例2の場合、時短突入報知演出871が、次ゲームが開始されるまで、または客待ち演出が開始されるまで表示されるようになっている。具体的には、次ゲームが開始されずに所定時間経過した場合、客待ち前演出が現出されることなく客待ち演出が現出される。
本演出例の時短突入報知演出871は、図柄変動が終了し確定表示時間が経過した後も(図46の時刻T3以降)、所定期間(所定時間)継続して現出される点、および確定表示時間が経過した後に発射誘導報知演出(右打ち指示演出)851が追加表示された時短突入報知演出872が現出される点は、上記した演出例1(図47)と実質的に同じである。しかし本演出例の場合、所定時間(たとえば、10秒)経過しても通常の客待ち前演出890が現出されず、時短突入報知演出872がそのまま継続して表示される。この点、演出例1と決定的に異なる。また、本演出例では、時短突入報知演出872が所定時間現出された後、右打ち指示演出については、図(δ)に示すように、右打ち指示演出851(第1右打ち報知)から、右打ち指示演出852(第2右打ち報知)に切り替え表示される(図(δ)の時短突入報知演出873)。
また本演出例では、図(δ)に示すように、時短突入報知演出873の現出中に、メニュー表示可能報知演出811が表示される。このとき、時短突入報知演出873の少なくとも一部の演出表示(ここでは、文字画像802、キャラクタ画像803、右打ち指示演出852および装飾図柄801aの少なくともいずれか1つの演出表示)の透過率を、メニュー表示可能報知演出811よりも高くする(メニュー表示可能報知演出811を、時短突入報知演出873よりも優先表示する)ことが好ましい(図(δ)参照)。特に、メニュー表示可能報知演出811と重畳する演出表示(ここでは、キャラクタ画像803)の透過率を高くして、メニュー表示可能報知演出811を目立たせることが好ましい。また、右打ち有利状態を強調するために、少なくとも右打ち指示演出852の透過率は高くしない(メニュー表示可能報知演出811と同じ透過率とする)ことが好ましい。
また、メニュー操作可能期間中にメニュー表示操作をした場合には、図(η)に示すメニュー画面や、図(η−1)に示す調整画面811cまたは図(η−2)に示す調整画面811bを表示される。なお、図(η−1)に示すように時短演出モードに関連する背景画像を含む調整画面811cとしてもよいが、本演出例の場合、時短突入報知演出が継続的に現出され、客待ち前演出が現出されないという関係上、時短突入報知演出に関連する背景画像を含む調整画面811cとしてもよい。たとえば、潜水艦画像に替えて、時短突入報知演出に関連する画像(たとえば、キャラクタ画像803)または支援時短状態用の特定画像を表示してもよい。また、図(η)に示すメニュー画面における特定キャラクタ813に替えて、時短突入報知演出に関連する画像(たとえば、キャラクタ画像803)または支援時短状態用の特定画像を表示してもよい。これにより、遊技設定に関する画面表示中であっても、支援時短状態中であることを報知できる。
本演出例の利点は、次ゲームが開始されるまで、または客待ち演出が開始されるまで、「時短突入報知演出」が現出されるため、比較的長時間にわたり、支援時短状態であることを明確に報知することができる点にある。
(支援時短状態中の客待ち演出)
なお、演出例1および演出例2において、支援時短による時短状態(支援時短状態)における客待ち演出(デモ画面)を、通常の客待ち演出(支援時短状態以外の他の遊技状態における客待ち演出)とは異なる客待ち演出(支援状態用の客待ち演出)を現出させてもよい。好ましくは、少なくとも通常状態における客待ち演出とは異なる客待ち演出を現出させる。たとえば、客待ち演出に用いる1または複数の演出手段による演出態様の少なくとも一部を異なる演出態様とすることができる。その一例としては、たとえば、図(ε)に示す「CR 藤丸くん戦記」の表示色が異なる(デモ画面(デモムービー)の少なくとも一部の表示内容が異なる:画像表示演出の一部が異なる)、光演出が異なる(光演出の一部が異なるなどである。この場合、通常とは異なる客待ち演出(デモ画面)を現出させることにより、客待ち演出中も支援時短状態であることを報知することができる。
また上記演出例2では、客待ち演出を現出可能な構成について説明したが、客待ち演出自体を現出させない構成としてもよい。具体的には、時短突入報知演出を次ゲームが開始させるまで継続させる。この場合の演出推移は、図48に示す(α)〜(ζ)のうち、(ε)の客待ち演出(デモ表示)を除外したものとなる。
(2.イレギュラーパターンについて)
(A)支援時短当選ゲームに係る変動時間が終了した場合、主制御部20は、演出制御コマンドとして「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信して、これを受けた演出制御部24は変動時間が終了したことを把握し、変動表示中の装飾図柄を停止表示する(図16のステップS452参照)。しかし、何らかの不具合(ノイズ等)で、この変動停止コマンドが演出制御部24に正しく送信されなかった場合(演出制御部24が変動停止コマンドを正しく受信できなかった場合)、装飾図柄をエラー用の特殊変動状態(たとえば、いわゆる「揺れ変動」など)のまま、支援時短状態に突入させる。つまり、装飾図柄は揺れ変動のままであるが、支援時短による電サポ状態は生起させる(普通図柄変動表示ゲームは、通常通り実行する)。なお、揺れ変動のまま、客待ち待機中となった場合(演出制御部24が客待ちコマンドを受信した場合)、揺れ変動を終了させ、装飾図柄を停止表示(確定停止表示)させるようになっている。具体的には、客待ち前演出が現出されるとともに、装飾図柄が停止表示されることになる。
(時短モード移行の変形例)
また本実施形態では、時短大当りと支援時短とで、先ず共通の「時短モード1」に移行させるようにしているが(制御負担軽減に寄与)、遊技性や演出の多彩化を目的として、異なる時短モードに移行させてもよい。たとえば、時短大当りの場合は時短モード1、支援時短の場合は時短モード2に移行させる、などである。この場合、同じ時短回数を付与する4R時短大当りと支援時短Aとで、異なる時短モード(変動状態)に移行させることができる。この場合、時短大当りの最終変動と支援時短の最終変動の変動パターン(変動時間)を異なるものとしてもよい。たとえば、4R時短大当りよりも支援時短の方が、最終変動の変動時間を短時間とすることができる。
また、時短大当りと支援時短とで、異なる時短モードに移行させてもよい。たとえば、4R時短大当りによる時短状態は、低速変動状態下(たとえば、時短モード1)で遊技を進行させ、支援時短Aの場合は中速または高速変動状態下(たとえば、時短モード2または時短モード3)で遊技を進行させる。この場合、大当り時短状態(通常の時短状態)と、支援時短による時短状態(支援時短状態)とで、時短モードに係る平均消化時間(ゲーム消化スピード)を異なるものとすることができる(通常変動の変動時間または平均変動時間が異なる)。その結果、遊技性や演出の自由度が広がり、これらを多彩なものとすることができる。この場合、後述の装飾図柄の停止動作パターンを同じとしてもよいが、異なるものとすることが好ましい。
また、複数種類の支援時短のうち、特定の支援時短に当選した場合には、他の支援時短が当選した場合とは異なる時短モードに移行させてもよい。たとえば、有限時短を付与する支援時短Aと支援時短Bの場合は、時短モード1(低速変動状態)または時短モード2(中速変動状態)に移行させ、無限時短を付与する支援時短Cは時短モード3(高速変動状態)に移行させる、などである。すなわち、複数種類の支援時短の一部または全部で、異なる時短モードに移行させることができる。この場合、付与する時短回数が相対的に多い支援時短に当選するほど、平均消化時間(ゲーム消化スピード)が相対的に短い変動状態に移行させることが好ましい。たとえば、支援時短A、B、C(時短回数100回、200回、65535回)であれば、支援時短Aに当選した場合には時短モード1(低速変動状態)、支援時短Bに当選した場合には時短モード2(中速変動状態)、支援時短Cに当選した場合には時短モード3(高速変動状態)に移行させる。
(潜確状態に係る遊技モード)
なお、潜確状態を設ける場合は、他の遊技状態に対応するTcode、YJ(図44参照)とは異なるデータ値を定めればよい。これにより、遊技モードや演出モードとして、「潜確モード」や「潜確演出モード」を設ければよい。なお、本実施形態に係る確変モードは、「確変状態」に対応する遊技モードであるとして説明したが、これに限らず、確変モードの全部または一部を潜確状態」に対応する遊技モードとして扱うこともできる。また、潜確モード(潜確状態)下の変動状態は、通常モードと同一または略同一の変動状態か、または、少なくとも時短モードよりも遅い変動状態(平均消化時間が相対的に長い変動状態)とすることが好ましい。
<主制御部側の処理:図8〜図21>
次に図8〜図21を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、無限ループ状のメイン処理(主制御側メイン処理:図8)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図9)とを中心的に構成される。
<12.主制御側メイン処理:図8>
図8を参照して、主制御部20側のメイン処理(主制御側メイン処理)について説明する。図8は、主制御側メイン処理の詳細を示すフローチャートである。
主制御側メイン処理の開始契機には、停電状態や電源異常などからの復旧時におけるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことにより、ウォッチドッグタイマ(WDT)機能が発揮されてCPUが強制的にリセット(WDTリセット)された場合などがある。いずれの場合でも、主制御側メイン処理が開始されると、主制御部20(CPU201)は、まず、電源投入時処理の一環として、遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。
ステップS011の初期設定処理を終えると、次いで、設定値を変更可能な設定変更モード移行状態であるか否かを判定する(ステップS014)。本実施形態では、遊技機1への電源オフおよび扉開放(扉開放センサ61がON(開放検出))の状態において、設定キースイッチ94(設定変更モード側に操作)およびRAMクリアスイッチ98をON操作したまま(設定キースイッチ信号と、RAMクリア信号とが共にON)、遊技機1の電源を投入すると、設定変更モード移行条件を満たしたとして、設定値の変更操作が可能な設定変更許容状態(設定変更モード移行状態)に制御される。
設定変更モード移行状態の場合(ステップS014:YES)、設定値(1〜6段階)の変更操作を管理する設定変更処理を実行する(ステップS023)。この設定変更処理では、まず、領域内RAMの設定値格納領域に格納されている設定値Nc(設定値データ)が異常値(設定1〜6に対応する00H〜05H以外の値)であるか否かを判定する。正常な遊技動作であれば、設定値格納領域には、設定1〜6に対応して‘00H〜05H(正常値)’のいずれかの設定値データ(設定値Nc)が格納されている。しかし、何らかの不具合により設定値データが破損して、設定1〜6のいずれにも対応しない値が設定されている場合もありうる(設定異常エラー)。そこで、設定値Ncが正常値でない場合には、設定値格納領域をゼロクリアして、初期値の00H(ここでは、設定1)に戻す。
初期値に戻した場合か正常値である場合は、現在の設定値を設定表示器97に表示する。その後、設定変更スイッチ95のON/OFF操作を監視し、設定変更スイッチ95のON操作がある毎に、現在の設定値Ncを変更(更新)する。設定変更中(設定変更操作中)の設定値については、既に説明したように、設定変更スイッチ95を操作するごとに、設定1〜6の範囲で循環式に切り替わり、設定表示器97に設定変更中における現在の設定値が表示されるようになっている。そして、設定変更完了スイッチ96のON操作を確認した場合、設定値が確定されたとして、現在の設定値Nc(設定作業値)をRAM203の設定値格納領域に格納する。これにより、設定変更処理を抜ける。そして、処理状態を後述の領域内RAMクリア処理(ステップS031)に移行させる。
なお、設定変更スイッチ95を設けずに、RAMクリアスイッチ98を設定変更スイッチ95として機能させる構成としてもよい。RAMクリアスイッチ98を押下するごとに、設定1〜6のいずれかの設定値を選択可能に構成することができる。また、設定変更完了スイッチ96を設けずに、設定キースイッチ94を設定変更完了スイッチ96として機能させる構成としてもよい。この場合、設定キースイッチ94をOFFにすることにより、設定変更操作を終了させることができる。
一方、設定変更モード移行状態でない場合(ステップS014:NO)、RAMの内容をチェックして、その異常の有無を判定する(ステップS015)。具体的には、設定値格納領域における設定値データ(設定値Nc)が正常値であるか否か、バックアップ時のチェックサム値が正常値であるか否かなどをチェックする。RAMの内容に異常がある場合(ステップS015:YES)、後述のRAM異常時に係る電源再投入待ち処理(ステップS020)を実行する。
RAMの内容に異常がない、つまり正常である場合(ステップS015:NO)、次いで、バックアップフラグBFがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS016)。このバックアップフラグBFは、後述する電源異常チェック処理(図9のステップS081)の処理にて、正常にバックアップ処理が実行された場合に「5AH(正常値)」が領域内RAMのBFフラグ格納領域に設定される。したがって、正常時であれば、バックアップフラグBFが5AHのはずである。しかし何らかの不具合が生じてバックアップフラグBFが正常値(≠5AH)でない場合もありうる。そこで、バックアップフラグBFがON状態でない場合(ステップS016:NO)、電源再投入待ち処理を実行する(ステップS020)。
ステップS020の電源再投入待ち処理では、遊技処理の進行を強制的に停止させる遊技停止状態に制御する。具体的には、電源再投入コマンドを送信し、バックアップフラグBFをクリアした後、電断が発生するまで、WDTをクリアするWDTクリア処理と電源異常信号のON状態の確認(電断の確認)処理(電源異常チェック処理)を繰り返すようになっている。なお、RAMエラーが発生した場合には、電断が確認されるまでWDTクリア処理を実行し、無限ループ処理を繰返しているタイミングで、WDTリセットが生起しないようになっている。また、電源再投入コマンドを演出制御部24が受けると、RAMエラー報知(電源再投入指示演出)として、液晶表示装置36に「RAMエラー 電源を再投入して設定値を1に決定してください」等の演出画像を表示し、装飾ランプ45等の演出用LEDを全消灯し、スピーカ46を消音状態にする。
電源再投入待ち処理が実行されて遊技停止状態となった場合には、遊技機1の電源を再投入し、その再投入時に上記設定変更モード移行状態に設定されるように操作して、設定変更処理(ステップS023)が実行されない限り、現在発生中のRAMエラー状態が解消できないようになっている。本実施形態では、設定変更処理(ステップS023)が実行された後(設定異常エラーの場合には設定値格納領域がクリアされた後)、後述のステップS031の領域内RAMクリア処理が実行されることで、実質的にRAM203の全領域(ただし、性能表示に関するRAM領域(領域外RAM領域)は除く)がクリアされ、これにより、RAM203が初期状態に戻り、RAMエラーが解消されるようになっている。
バックアップフラグBFがON状態である場合(ステップS016:YES)、RAMクリアモード移行状態であるか否かを判定する(ステップS025)。本実施形態では、遊技機1への電源オフの状態において、設定キースイッチ94をOFF操作し(設定変更モード側に操作しない)、RAMクリアスイッチ98をON操作した状態で(設定キースイッチ信号OFF、RAMクリア信号ON)遊技機1への電源を投入すると、RAMクリア移行条件を満たしたとして、RAMクリアモード移行状態に制御される。
RAMクリアモード移行状態である場合(ステップS025:YES)、領域内RAMクリア処理を実行する(ステップS031)。この領域内RAMクリア処理では、RAM203の記憶領域のうち、少なくとも性能表示に係る領域外RAM領域と、領域内RAM領域のうち上記設定値格納領域とを除く記憶領域がクリアされる。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグBFの値やチェックサム値などは、本処理において、共にゼロクリアされる。またここでは、RAMクリア時に必要な各種のコマンド(たとえば、RAMクリアされた旨を示す「RAMクリアコマンド」、「客待ちコマンド」など)を演出制御部24に送信する。演出制御部24がRAMクリアコマンドを受けると、RAMクリアを報知する初期化報知演出を実行し、初期状態の演出モードとして、演出モードを「通常演出モード」に設定する。すなわち、領域内RAMクリア処理が実行されると、遊技モードが初期モードの通常モードに設定され、演出モードも通常モードに関連する通常演出モードに設定されることになる。
ステップS031の領域内RAMクリア処理を終えると、次いで、RAMクリア時の初期設定処理(電源投入時初期データ設定処理)を実行する(ステップS032)。電源投入時初期データ設定処理では、たとえば、RAMクリア信号(セキュリティ信号の一つ)の送信用タイマに30000msをセットし、特別図柄表示装置38a、38bに表示する特別図柄(特図1停止図柄、特図2停止図柄)データとして、ハズレ図柄データを設定する。そして、後述のCTCの設定処理(ステップS036)を実行する。
ステップS025の説明に戻り、RAMクリアモード移行状態でない場合(ステップS025:NO)、次いで、現在の設定値を確認可能な設定確認モード移行状態(設定確認許容状態)であるか否かを判定する(ステップS026)。本実施形態の場合、遊技機1への電源オフの状態において、設定キースイッチ94をON操作し、RAMクリアスイッチ98をOFF操作した状態で(設定キースイッチ信号ON、RAMクリア信号OFF)、遊技機1への電源を投入すると、設定確認モード移行条件を満たしたとして、設定確認モード移行状態に制御される(ステップS014〜S026参照)。
設定確認モード移行状態である場合(ステップS026:YES)、現在の設定値を確認可能な設定確認状態に制御するための設定確認処理(ステップS027)が実行され、設定確認処理を終えると、続いて、電断時にバックアップされたバックアップデータから遊技処理を復帰させるバックアップ復帰処理(ステップS028)を実行する。ステップS027の設定確認処理では、設定表示器97に、現在の設定値を表示(設定確認表示)させるための表示処理を行う。設定値の表示は、設定キースイッチがOFF操作されることで終了されるようになっている。そして、設定キースイッチ94がOFF操作された後は、上記バックアップ復帰処理を行い、後述のCTCの設定処理(ステップS036)を実行する。
一方、設定確認モード移行状態でない場合(ステップS026:NO)、つまり、単に遊技機1に電源を投入した場合は、上記バックアップ復帰処理(ステップS028)を行い、バックアップデータに基づき、バックアップ時の遊技処理を復帰させる。
上記した設定変更処理(ステップS023)、領域内RAMクリア処理(ステップS031)、設定確認処理(ステップS027)、およびバックアップ復帰処理(ステップS028)のいずれかの処理を実行した後は、CTCの設定処理を実行する(ステップS036)。ここでは、4ms毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定処理を実行する。これにより、以後、割込コントローラへの割込要求信号が定期的に出力され、図9に示す主制御側タイマ割込処理(4ms割込み処理)が実行される。
そして、遊技開始可能状態が整ったとして、発射装置32の発射動作を許可する発射制御信号(発射許可信号ES)をOFF状態(発射禁止状態)からON状態(発射許可状態)に設定し、遊技開始コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS037)。これにより、発射装置32からの遊技球の発射動作が許容される。また、演出制御部24が上記遊技開始コマンドを受けると、可動体役物に関する初期動作(イニシャライズ動作)を実行する。ただしイニシャライズ動作中は、液晶表示装置36の画像表示態様、装飾ランプ45の発光態様、スピーカ46からの音出力については変化しない。ここでのイニシャライズ動作は、専ら、可動体役物に関する電源投入時の動作チェックである。
なお、上記ステップS028のバックアップ復帰処理の実行後、ステップS036のCTCの設定処理を実行する前段階において、性能表示器99が正常に動作しているか否かの確認動作を実行するために必要な「動作確認設定処理」を実行可能に構成してもよい。この性能表示器99の確認動作では、たとえば、4個の7セグ表示器99a〜99dの表示態様を、所定時間(たとえば、5秒間)、全点灯と全消灯とを周期的に繰り返す「全点滅表示(動作確認表示)」態様に制御する(動作確認表示処理)。これにより、セグメント欠け等の不具合をチェックすることが可能になる。この場合、動作確認に関する表示処理は、後述の主制御側タイマ割込処理中の性能表示モニタ処理(ステップS102:領域外プログラム)で行う。性能表示器99によるベース値の表示は、ステップS036のCTCの設定処理後、主制御側タイマ割込処理中の性能表示モニタ処理(ステップS102)にて実行されるため、設定変更処理(ステップS023)や設定確認処理(ステップS027)中は、性能表示器99によるベース値の表示はこの段階では実行されない。この点を利用して、性能表示器99の4つのセグ99a〜99dのうち、少なくとも1つのセグを設定表示器97として利用可能に構成し、性能表示器99を一時的に設定表示器97として機能させる構成としてもよい。この場合、設定表示器97を性能表示器99で代用できるため、制御負担の軽減やコスト削減に寄与することができる。
上記一連の電源投入時処理を終えると、通常の遊技進行に係るステップS040〜S045の無限ループ処理を実行する。これにより、遊技の進行が可能な遊技開始可能状態下に制御される。ループ処理に入ると、まずCPUを割込み禁止状態に設定した状態で(ステップS040)、各種乱数更新処理を実行する(ステップS041)。この各種乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種のソフトウェア乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している乱数)を更新する。たとえば、図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数、補助当りの図柄抽選に利用される普通図柄判定用乱数)の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数など)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数などを更新する。
上記各種乱数更新処理(ステップS041)を終えると、次いで、領域外プログラムの性能表示モニタ集計除算処理を実行する(ステップS043)。この性能表示モニタ集計除算処理では、性能表示器99に表示するベース値の算出に必要な処理を実行する。
上記ステップS043の性能表示モニタ集計除算処理を終えると、割込み許可状態に設定して(ステップS045)、ステップS040の処理に戻り、以後、ステップS040〜S045の処理を繰り返し実行する(メインループ処理)。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理と性能表示モニタ集計除算処理とを繰り返し実行するようになっている。
<13.主制御側タイマ割込処理:図9>
次に図9を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図9は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図9において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容を保存することなく、直ちに電源異常チェック処理を実行する(ステップS081)。この電源異常チェック処理では、不図示の電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断などの電源異常が生じた場合には、バックアップフラグBFの設定(BF←5AH)、チェックサム値を算出するチェックサム演算(ここでは、領域内RAMを対象とする8ビット加算演算処理)、その演算結果の記憶などを含むバックアップ処理を行う。電源異常チェック処理は、電源遮断後もRAMの所定領域のデータを保持するバックアップ手段として働く。
次いで、タイマ管理処理を実行する(ステップS082)。遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(時間)のタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS083)。入力管理処理では、遊技機1に設けられた各種のセンサやスイッチ類の入力情報(検出情報)に基づき、各種カウンタ(たとえば、各入賞口別に設けられた入賞球カウント用の入賞カウンタ)を更新する(入力データ作成処理)。またここでは、払出制御基板29からの状態信号の入力情報に基づき、入力データの作成も行う。状態信号が異常を示すものある場合は、後述のエラー管理処理(ステップS089)にて、状態異常に応じた所定のエラー処理を行う。
次いで、設定異常チェック処理を実行する(ステップS084)。設定異常チェック処理では、設定値データが正常値(設定1〜6を示す値)であるかを判定し、正常範囲内の値でない場合には、設定値データに異常が発生したとして、設定エラーフラグをON状態(5AH)に設定する。そして、設定値異常コマンドを演出制御部24に送信して、設定異常チェック処理を抜ける。演出制御部24が設定値異常コマンドを受けると、演出手段を利用して、設定異常エラー報知(RAMエラー報知)を実行する。なお、再度、この設定異常チェック処理が実行される際に、設定エラーフラグがON状態であれば、何もせずに、そのまま本処理を抜ける。
次いで、タイマ割込内乱数管理処理を実行する(ステップS085)。タイマ割込内乱数管理処理では、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する。具体的には、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値の変更処理を行う。なお、内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)は、上記乱数生成回路で生成されるので、ここでは更新されない。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS089)。このエラー管理処理では、各種のスイッチやセンサ類に係る検出情報や、払出制御基板29からの状態信号などに基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたか否かを監視し、エラーが生じた場合には、そのエラー種別を特定可能なエラーコマンドを演出制御部24に送信し、エラー種別に応じたエラー処理を実行する。またエラーが解除された場合には、エラー解除コマンドを演出制御部24に対して送信して、エラー解除処理を実行する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS090)。この賞球管理処理では、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を実行させる。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS091)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲーム(普通図柄の変動表示動作)に必要な処理を実行する。ここでは、普通図柄始動口センサ37aに遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数など)を取得し(普図乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普図作動保留球)として、最大保留記憶数(ここでは、4個)まで保留記憶する(普図保留記憶処理)。そして、所定の開始条件が成立した場合、普図作動保留球に基づく補助当り抽選を行い、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の変動パターンの選択および普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄)を決定する。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する(普通図柄表示データ更新処理)。
次いで、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS092)。この普通電動役物管理処理では、上記補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技の実行に必要な処理を実行する。具体的には、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの生成および設定処理を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のステップS100のソレノイド管理処理にて、ソレノイド制御用データに基づく励磁信号が普通電動役物ソレノイド41cに対して出力され、可動翼片47の動作パターンが制御される。
次いで、特別図柄管理処理を実行する(ステップS093)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームに必要な処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特図作動保留球に関する保留記憶、先読み判定、先読み判定結果に基づく先読み変動パターンの決定、大当り抽選、大当り抽選に基づく変動開始時の変動パターンの決定、特別停止図柄の決定、特別図柄の変動表示動作の制御、遊技状態の移行設定などに関する処理を行う。なお、特別図柄管理処理の詳細は図10を用いて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS095)。この特別電動役物管理処理では、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に必要な処理を実行する。特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果に基づく当り遊技の実行制御、大当り遊技後の移行先遊技状態の設定などに関する処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図21を用いて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を実行する(ステップS097)。この右打ち報知情報管理処理では、「右打ち有利」な遊技状態(当り遊技中、電サポ状態中(時短状態または確変状態))下である場合に、右打ち表示装置39bを点灯させるためのLEDデータを作成し、「左打ち有利」な遊技状態下(通常状態)である場合には、右打ち表示装置39bを消灯させるためのLEDデータを作成する。
次いで、LED管理処理を実行する(ステップS098)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38b、右打ち表示装置39bなどの各種LED表示装置に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を実行する。上記普通図柄管理処理(ステップS091)、特別図柄管理処理(ステップS093)、右打ち報知情報管理処理(ステップS097)などで作成されたLED表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を実行する(ステップS099)。この外部端子管理処理では、各種の外端信号を作成し、枠用外部端子基板21を通して、外部装置に対して出力制御を実行する。
次いで、ソレノイド管理処理を実行する(ステップS100)。このソレノイド管理処理では、普通電動役物管理処理(ステップS092)や特別電動役物管理処理(ステップS094)で設定されたソレノイド制御データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cや大入賞口ソレノイド52cに対して励磁信号の出力制御を実行する。これにより、可動翼片47や開放扉52bを駆動制御し、下始動口35や大入賞口50の開閉動作を実現する。
次いで、全レジスタを退避して(ステップS101)、領域外プログラムに属する性能表示モニタ処理を実行し(ステップS102)、その後、全レジスタを復帰する(S103)。性能表示モニタ処理では、性能表示器99に表示するベース値の算出や表示制御に関しての必要な処理を実行する。またここでは、型式試験信号の作成、出力処理も行う。
次いで、WDTのカウント値をクリアする(ステップS104)。これにより、割込みごとにWDTがリセットされ、カウント値が初期値に戻される。
以上のステップS081〜ステップS104の処理を終えると、タイマ割込処理を終了して、次のタイマ割込みが発生するまで、主制御側メイン処理を実行する。
<10.特別図柄管理処理:図10>
次に、図9中の特別図柄管理処理(ステップS093)について説明する。図10は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、支援時短として、特電非作動型支援時短を採用したケースを中心に説明する。
図10において、CPU201は、まず特図1側(上始動口34側)に関する「特図1始動口チェック処理」を行い(ステップS301)、続いて、特図2側(下始動口35側)に関する「特図2始動口チェック処理」を実行する(ステップS302)。この特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理の詳細は、図11を用いて後述する。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
条件装置作動フラグがON状態、つまり大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない。つまり、大当り遊技中は、特別図柄の停止表示態様が、支援時短図柄または大当り図柄で確定表示されたまま保持される。なお、特電作動型支援時短や小当り遊技を設けたケースにおいて、その支援時短開閉遊技中や小当り遊技中である場合も上述の大当り遊技中の場合と同様に、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。
一方、ステップS304において、上記条件装置作動フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じた処理を行う。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、上記特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じてステップS306〜S308のいずれかの処理を実行する。具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする表示動作)が実現されることになる。なお、本発明と関連の深い、ステップS306〜S308についての詳細は、それぞれ図12、図16、図17A〜図17Bを用いて後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図9のLED管理処理(ステップS098)でLEDデータとなって出力され、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図9のステップS095の特別電動役物管理処理を実行する。
<9.特図1始動口チェック処理:図11>
図11を参照して、特図1始動口チェック処理(図10のステップS301)について説明する。図11は、特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、主に、上始動口34に遊技球が入賞したときの保留記憶に関する処理や、先読み判定に関する処理を中心に構成される。なお、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは、その処理内容が、特図1側に関するものであるか、それとも特図2側に関するものであるかの違いだけで、実質的には、同じ処理内容である。したがって、ここでは、重複記載を避けるために、特図1始動口チェック処理に着目して説明する。
図11において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34(特図1側始動口)の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特図1作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特図1作動保留球数が最大保留記憶数(ここでは、4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合、つまり、最大保留記憶数を超えるオーバー入賞が発生した場合(ステップS312:YES)、オーバー入賞を指定するオーバー入賞コマンド(たとえば、特図1の場合はB406H、特図2の場合はB506H)を演出制御部24に送信する(ステップS324)。一方、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、各種の乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値を領域内RAMの保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特図1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお、上記保留記憶エリアには、特図1側と特図2側とに対応した保留記憶エリア(特図1に対応する特図1保留記憶エリアと、特図2に対応する特図2保留記憶エリア)とが設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている。
次いで、入賞時コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するコマンドデータ(入賞コマンド1)に、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を取得し(ステップS315)、続いて、「先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。この「先読み禁止条件」とは、先読み判定を禁止する条件、具体的には、先読み予告を禁止する条件である。特図1始動口チェック処理中の場合は、特図1作動保留球を対象とした先読み禁止条件が、特図2始動口チェック処理中の場合は、特図2作動保留球を対象とした先読み禁止条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、現在の遊技状態が「電サポ状態を伴う遊技状態」、つまり特図2作動保留球が発生し易い遊技状態(入賞容易状態)である場合には‘特図1先読み禁止’とし、「電サポ無し状態を伴う遊技状態」の場合、つまり特図1作動保留球が発生し易い遊技状態である場合には‘特図2先読み禁止中’としている。したがって、ステップS316の判定処理では、現在の遊技状態が、時短状態または確変状態である場合、特図1先読み禁止条件成立中として、その判定結果が‘YES’となる。なお、特図1と特図2のいずれを先読み禁止とするかについては、内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)および/または変動パターン選択モード(Tcode)に応じて定めることができる。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、設定エラーフラグ判定処理(ステップS317)と先読み判定に関する処理(ステップS318〜S320)をスキップし、後述のステップS321の処理に進む。この場合、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成されることになる(後述の始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)参照)。これにより、今回の作動保留球の先読み予告の実行が禁止状態に制御される(今回の作動保留球を対象とする先読み予告は実行されない)。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合(ステップS316:NO)、次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS317)。設定エラーフラグがON状態である場合(ステップS317:=5AH)、すなわちRAMエラー(設定異常エラー)が生じている場合、先読み判定に関する処理(ステップS318〜S320)をスキップし、後述のステップS321の処理に進む。この場合も今回の作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成されて、これにより先読み予告は実行されない。換言すれば、上記先読み禁止データ(9FH)は、先読み判定に関する処理(ステップS318〜S320)が未実行であることを指定するデータである。
設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS317:≠5AH)、設定値コマンドを送信して、乱数判定処理を実行する(ステップS318)。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際に実行される「変動開始時の当落抽選(後述の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(図12のステップS410))」の結果を事前に判定する‘先読み当落判定’を行う。
(設定値コマンド)
上記「設定値コマンド」は、現在の設定値を特定可能な情報が含まれ演出制御部24側にて、当該設定値に基づく予告演出(後述の設定示唆演出)を現出制御する際に利用される。この設定値コマンドは、始動口チェック処理にて、作動保留球が発生するごとに送信されるようになっている。これにより、演出制御部24側では、正しい設定値情報に基づき、作動保留球に係る予告演出(たとえば、先読み予告演出に関連する設定示唆演出)を現出制御可能となっている。なお、「設定機能無し遊技機」または「1段階設定遊技機」の場合は、設定値コマンドを送信する必要はない(設定値コマンド送信に関する処理は設けなくてもよい)。
上記ステップS318の乱数判定処理では、まず「当り乱数判定テーブル」を取得し、次いで、大当り判定用乱数値を取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(先読み当落判定)を実行し、その抽選結果(先読み当落結果)を取得する。
(T−1.当り乱数判定テーブル:図26)
図26に、本実施形態に係る当り乱数判定テーブルの一例を示す。図26(A)は、特図2側に支援時短を設けた場合、図26(B)は、特図2側に支援時短を設けていない場合(抽選確率(当選領域)が0のため、実質的に設けられていないものと等価的なケースを含む)の当り乱数判定テーブルを示したものである。実施形態の「支援時短」は当落抽選の対象として定められている。この点から、支援時短に係る抽選形態を「当落抽選対象抽選形態」と称している。なお、特定の遊技状態に応じて図26(B)または後述の図27のような当り乱数判定テーブル(支援時短の当選領域が無いまたは当選領域がゼロの当り乱数判定テーブル)を利用すれば、特定の遊技状態中は、支援時短を発動させないという形態とすることが可能である。
上記当り乱数判定テーブルには、特図1作動保留球(特別図柄変動表示ゲーム1)を対象とする当り乱数判定テーブル(特図1用当り乱数判定テーブル:図(A)(イ)または図(B)(ハ))と、特図2作動保留球(特別図柄変動表示ゲーム2)に対応した当り乱数判定テーブル(特図2用当り乱数判定テーブル:図(A)(ロ)または図(B)(ニ))とが設けられている。すなわち、特図1始動口チェック処理中においては「特図1用当り乱数判定テーブル」が参照され、特図2始動口チェック処理中においては「特図2用当り乱数判定テーブル」が参照される。この当り乱数判定テーブルは、後述の「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(図12のステップS410)」において、当落抽選を行う際にも利用される。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率と低確率)別に、当落種別(大当りか、支援時短か、ハズレかの別(小当りを含んでもよい))を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、当落種別が決定されるようになっている。
本実施形態の場合、上記当り乱数判定テーブルには、設定値(設定1〜6)ごとに対応した当り乱数判定テーブル(設定1〜6に応じて、少なくとも大当りの抽選確率が異なるテーブル(たとえば、6種類の上記当り乱数判定テーブル))が設けられている(図示では、設定1、3、6の判定値を代表的に示してある)。また本実施形態の場合、低確率時の大当り抽選確率に対する高確率時の大当り抽選確率の割合は(確率上昇割合:高確率/低確率)、各設定値において同一であり、その割合は10を超えない値に設定されている。たとえば、設定6「低確率時1/180、高確率時1/45」、設定5「低確率時1/184、高確率時1/46」、・・・、設定2「低確率時1/196、高確率時1/49」、設定1「低確率時1/200、高確率1/50」で、大当りに当選するようになっている。なお、確率上昇割合は、各設定値で異なっていてもよい。また、「設定機能無し遊技機」または「1段階設定遊技機」の場合は、設定が1種類のため、上記当り乱数判定テーブルも1種類となる。
図26(B)は、特図2側に支援時短を設けていない場合の特図2用当り乱数判定テーブルであるが、本実施形態では、支援時短当選の判定値(65405〜65535)に対応する部分のデータだけでなく、すべての判定値が「00H」となっている。つまり、大当り判定用乱数値がいかなる値であっても、当落結果は支援時短非当選(本例では、大当り当選でも支援時短当選でもない「ハズレ」)とされるようになっている。このように、支援時短を設けない場合において、支援時短を対象とする抽選を実行しないという抽選形態ではなく、支援時短を対象とする抽選を実行するが、全判定値(ここでは、0〜65535)を支援時短に非当選となる判定値としておけば、仮に後から特図2側に支援時短を設けたい場合に、支援時短当選としたい判定値に対応するデータを「5AH」に変更するだけで済み、再度、データ構造を全体的に変更する必要が無くなる。これにより、新機種開発の際や設計開発段階における調整を容易なものとすることができる。
上記したステップS318の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を実行する(ステップS319)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際に実行される「変動開始時の図柄抽選(後述の図12の特別停止図柄作成処理(ステップS411))」の結果を事前に判定する‘先読み図柄判定’を行う。
上記特別停止図柄データ作成処理では、ステップS318で得られた先読み当落結果と、今回の処理対象の特別図柄種別(特図1、特図2の別)とに応じた「図柄テーブル」を選択する。
(T−2.図柄テーブル選択テーブル:図28)
この図柄テーブルの選択は、図28に示す「図柄テーブル選択テーブル」に基づき決定される。図柄テーブル選択テーブルには、図示の通り、特別図柄変動表示ゲーム1と特別図柄変動表示ゲーム2のそれぞれに対応した図柄テーブル選択テーブル(特図1用図柄テーブル選択テーブル、特図2用図柄テーブル選択テーブル)が設けられている。たとえば、今回の変動が特図1側であり、当落抽選の結果が「支援時短」である場合は、「支援時短図柄テーブル1」が選択される。なお、これらの図柄テーブル選択テーブルは、後述の特別停止図柄作成処理(図12のステップS411)において、変動開始時の図柄テーブルを選択する際にも利用される。
上記「図柄テーブル」には、図28に示すように、大当り種別、支援時短種別、ハズレ種別を決定するための「大当り図柄テーブル」、「支援時短図柄テーブル」、「ハズレ図柄テーブル」が含まれ、各図柄テーブルが特別図柄種別に対応して設けられている。これらの図柄テーブルは、後述の特別停止図柄作成処理(図12のステップS411)において、変動開始時の図柄抽選を行う際にも利用される。なお、図28(イ)(ロ)は特図2側の当落抽選対象に支援時短ある場合、図28(ロ)(ハ)は、特図2側の当落抽選対象に「支援時短」が無い場合の図柄テーブル選択テーブルを示したものである。また、本実施形態では、小当りを設けていないため「小当り図柄テーブル」は設けられていない。
そして、ステップS314で得られた特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと、取得した特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選(先読み図柄判定)を実行し、その抽選結果(先読み図柄結果)を取得する。
(T−3.図柄テーブル:図29〜図31)
図29〜図31に、上記「大当り図柄テーブル」、「支援時短図柄テーブル」、「ハズレ図柄テーブル」を示す。図柄テーブルには、図29〜図31に示すように、当選種別(図柄種別)を決定するための判定領域(判定値)と、特別図柄判定用乱数値(たとえば、特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)とが関連付けて定められている。具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、所定の図柄抽選率に従い当選種別が決定され、その抽選結果を示すデータとして、特別図柄判定データ特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット値(図示のオフセット値)が取得されるようになっている。本実施形態では、所定の図柄抽選率(たとえば、図4の「図柄抽選率」の欄参照)に従い、当選種別(当選の種類:大当り種別(10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当りの別)、支援時短種別(支援時短A、支援時短B、支援時短Cの別)およびハズレ種別(ハズレA、ハズレB、ハズレCの別))が決定されるようになっている。
なお、上記「特別図柄判定データ」とは、上記当選種別を識別するデータであり、具体的には、当り種別(10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り)と、支援時短種別(支援時短A、支援時短B、支援時短C)と、ハズレ種別(ハズレA、ハズレB、ハズレC)のいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12に示す遊技状態移行準備処理(ステップS412)、特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)、および大当り遊技の実行制御に関する処理(図21の特別電動役物管理処理)などにおいて利用される。
また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)を特定する際に利用される。なお、当選種別が同じ場合であっても、判定値によっては特別図柄表示装置38a、38bに表示される特別停止図柄の表示態様(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)が異なる場合がある。また、普通図柄についても特別図柄と同じように、普通図柄判定データや普通停止図柄番号が設けられている。
また上記の「変動パターン選択用オフセット値」とは、目的とする変動パターン振分テーブルを選択するために用いられるデータである。
なお図示では、説明の便宜上、特別図柄判定データ特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット値の値を「**H」と表記しているが、ここには各当選種別に対応した適宜な値が定められている。
(他の大当り抽選形態について)
本実施形態では、大当り判定用乱数を利用する「当落抽選」の対象に、時短状態を付与する1または複数種類の「支援時短(時短付与図柄)」を設け、当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値とを利用する「図柄抽選」により一の「支援時短」を抽選する抽選形態としている(当落抽選対象抽選形態)。具体的には、当り乱数判定テーブルに支援時短に係る所定の判定領域(当選領域)を設け、上記図柄テーブルとして、図30に示す「支援時短図柄テーブル」を設けたケースである。当落抽選対象抽選形態の場合、大当りと支援時短とは独立して抽選されるため、大当りの抽選確率が変動しても支援時短の抽選確率は変動しないという特徴がある(図26参照)。
しかし本発明はこれに限らず、大当り判定用乱数だけを利用して、つまり、特別図柄判定用乱数値を利用しないで、当選種別(図4の「当選種別」の欄参照)を決定可能に構成(図柄抽選処理を実行しない構成)してもよい。たとえば、特図2側の当選種別を代表例(図4参照)にとり説明すれば、大当り判定用乱数値の範囲が「0≦A≦B(B>0)」であればハズレA、「B<C≦D」であれば10R確変大当り、「D<E≦F」であれば4R確変大当り、「F<G≦H」であれば4R時短大当り、「H<I≦J」であれば支援時短B、「J<K≦L(L=65535)」であれば支援時短Cに当選という具合である。各当選種別の当選領域(当選確率)は、適宜定めることができる。また、少なくとも支援時短の種別(本例では、特図1側は支援時短A、B、Cの別、特図2側は支援時短B、Cの別)を大当り判定用乱数だけを利用して決定可能に構成してもよい。
図11の説明に戻る。上記したステップS319の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、始動口入賞時乱数判定処理を実行する(ステップS320)。この始動口入賞時乱数判定処理も‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際の「変動開始時の変動パターン」を事前に判定する‘先読み変動パターン判定’を行う。具体的には、後述の図12に示す「特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)」の結果を先読み判定する。
詳しくは、上記特別停止図柄データ作成処理(ステップS319)で得られた先読み図柄判定の結果(少なくとも乱数判定処理(ステップS318)で得られた当落抽選結果)と、ステップS314で取得した変動パターン用乱数(乱数値の大きさ:10000)とを利用し、今回の作動保留球に係る「変動開始時の変動パターン」を先読み判定する。なお、先読みパターン判定は、変動開始時の変動パターンを事前に判定するものであるため、変動開始時に利用される変動パターン振分テーブルと基本的構成を同じにする別途設けた「先読み判定テーブル」を参照して行う。ただし本実施形態の場合は、プログラム容量の軽減を図るべく、変動パターン振分テーブルが「入賞時(先読み判定時)・変動開始時兼用」として設けられており(図32、図33等のMODE1、MODE2、EVENT参照)、入賞時および変動開始時の双方において、この変動パターン振分テーブルと、ステップS314の処理で取得された変動パターン用乱数値とに基づき、変動開始時の変動パターンを先読み判定する。
そして、先読み判定結果として「入賞時コマンドデータ」を取得する。ここでは、入賞時コマンドを構成するコマンドデータとして、当り・ハズレの別を特定可能な「MODE1(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする「EVENT(2バイト目(下位バイト))側のコマンドデータとが取得される。すなわち、この始動口入賞時乱数判定処理において決定されるコマンドデータにより、先読み変動パターン(作動保留球数情報は除く)の内容が指定されることになる。
上述した「始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)」について、本発明の理解を容易なものとするために、図33に示す変動パターン振分テーブルを代表的に用いて、入賞時(先読み判定時)だけでなく、変動開始時の内容(図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413))にも触れながら説明する。
始動口入賞時乱数判定処理は、先読み変動パターンを指定するための「入賞時コマンド」を決定する処理として、下記(a)および(b)の処理を含んで構成されている。
(a)変動パターン振分テーブルを選択するための「変動パターン振分テーブル選択テーブル(不図示)」を参照し、今回の参照される「変動パターン振分テーブル」を決定する“入賞時変動パターン振分テーブル決定処理”と、
(b)上記(a)で決定された「変動パターン振分テーブル」を参照し、ステップS314の処理で取得された変動パターン用乱数値に基づき、先読み変動パターンに対応する入賞時コマンドデータを決定する“入賞時コマンドデータ決定処理(先読み変動パターン決定処理)”と、を含んで構成される。
(変動パターン振分テーブル選択テーブル(入賞時):不図示)
上記「変動パターン振分テーブル選択テーブル」には、特別図柄種別、当選種別、および作動保留球数と、変動パターン選択モード(Tcode)とに関連付けられた複数種類の「変動パターン振分テーブル」が定められている。変動パターン振分テーブル選択テーブルには、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン選択モード(Tcode)とに基づいて、複数種類の変動パターン振分テーブル(FH1〜7)のうちからいずれか一つの「変動パターン振分テーブル」が決定可能な構成となっている。
この変動パターン振分テーブル選択テーブルは、入賞時(先読み判定時)の「入賞時コマンド」を決定する際に利用されるだけでなく、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」の決定に関する処理(後述の図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413))の際においても利用され、入賞時・変動開始時における兼用(共通)の変動パターン振分テーブル選択テーブルとなっている。ただし、先読み判定時(上記「入賞時変動パターン振分テーブル決定処理」)においては、作動保留球数を無視して(作動保留球をゼロとして)、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルから、目的の変動パターン振分テーブルを選択するようになっている(これについては後述する)。一方、変動開始時には、現存する作動保留球から今回の変動表示動作に供する作動保留球数分を減算した値(作動保留球数−1)が作動保留球数の情報として参照される(図33の「作動保留球数」の欄、後述の図12の特別図柄変動開始処理のステップS403、S413参照)。
(変動パターン振分テーブル(入賞時))
次に、変動パターン振分テーブルの内容について説明する。ここでは、説明の便宜上、図32および図33の通常中に係る変動パターン振分テーブルを代表例にとり説明する。図32に、通常モード(通常状態)において、大当りまたは支援時短当選時に参照される「通常中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」を示し、図33に、通常モードにおいて、ハズレ時に参照される「通常中ハズレ変動パターン振分テーブル」を示す。
図32および図33を参照して、通常モードに係る変動パターン振分テーブルには、当選用の変動パターン振分テーブル「FB1〜FB6」と、ハズレ用の変動パターン振分テーブル「FH1〜FH7」とが含まれる。これら変動パターン振分テーブルは、先読み判定時・変動開始時兼用のテーブルとして設けられている。したがって、変動パターン振分テーブルには、次のようなデータ群が定められている。
(イ)変動パターン振分テーブルには、先読み変動パターンを指定する「入賞時コマンド」を構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE1」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)と、変動パターン用乱数値(変動パターン用乱数値の大きさ:10000)とが関連付けて定められている。上記の「MODE1」とは、当り・ハズレの別を特定可能なコマンドデータであり、「EVENT」とは、先読み変動パターンの内容を特定可能なコマンドデータである。先読み判定時には、この変動パターン振分テーブルが参照され、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するか否か(変動パターン用乱数値を利用した抽選)により、入賞時コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、入賞時コマンドが作成され、先読み変動パターンの内容が指定される。この入賞時コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側で先読み変動パターンの内容が把握され、先読み予告に関する演出処理に利用される。
(ロ)また変動パターン振分テーブルには、変動開始時の変動パターンを指定する「変動パターン指定コマンド」に関するデータも定められている。具体的には、変動パターン振分テーブルには、変動パターン指定コマンドを構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE2」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)と、変動パターン用乱数値とが関連付けて定められている。上記の「MODE2」とは、当り・ハズレの別を特定可能なコマンドデータであり、「EVENT」とは、変動パターンの内容を特定可能なコマンドデータである。変動開始時(後述の図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)参照)にもこの変動パターン振分テーブルが参照され、変動パターン用乱数値を利用した抽選により、変動パターン指定コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、変動パターン指定コマンド(上位バイトMODE2+下位バイトEVENT)が作成され、変動開始時の変動パターンの内容が指定される。「変動パターン指定コマンド」は、入賞時コマンドと同じように、「MODE2」と「EVENT」とからなる2バイトの制御データで構成され、この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側で、変動開始時の変動パターンが把握され、図柄変動中に係る演出に関する演出処理に利用される。
ここで図示では「選択率」を表記しているが、実際には、変動パターン用乱数値に応じて、入賞時コマンドデータまたは変動パターン指定コマンドを決定するための判定領域(判定値:0〜9999の範囲)が定められており、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するものであるか否かにより、これらコマンドデータが決定されるようになっている。
変動パターン用乱数値と判定値との関係は次のようになっている。たとえば、図33に示すハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」を代表例にとって説明すれば、図面正面上から下の列方向に見て判定値が最初に記載されている箇所から参照すると、判定値「10」、「8990」、「1000」の順に記載されているが、この内容は、変動パターン用乱数値(BRND=0〜9999)が、判定値0〜9の範囲(上記「10」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動13s」を指定するコマンドデータが選択され、判定値10〜8999の範囲(上記「8990」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動16s」を指定するコマンドデータが選択され、判定値9000〜9999の範囲(上記「1000」の記載欄に対応)に属する場合は「Nリーチ1」を指定するコマンドデータが選択されるようになっている。本実施形態の場合、図中の空欄の部分、つまり判定値の記憶先のアドレスには、判定値データが記憶されていないわけではなく、判定値として「0」が記憶されている。これは、新機種開発の際や設計開発段階における選択率の調整を容易化するためである。
これについて簡単な例をとり説明すれば、たとえば、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」は、通常変動13s、通常変動16s、およびNリーチ1に判定値が振り分けられているが、仮に、通常変動8sを追加的に選択対象としたい場合には、再度、そのデータ構造を全体的に変更する必要が生じて、設計をゼロからやり直す事態になりかねない。また、図示はしていないが、設定値ごとの変動パターン振分テーブルを設けている場合には、これらのすべてのテーブルのデータ構造を変更する必要が生じうる。一般に、新機種開発の際には、種々の判定値を設定して、変動時間のバランス(変動スランプの抑制)やリーチ演出などの演出のバランスを考慮し判定値を調整しながら設計を行っていく。したがって、初期に設定した判定値で想定した設計になる場合もあるし、変更を要する場合もある。
そこで、設計段階において選択対象外と考える変動パターンの判定値の記憶先のアドレスには、判定値データとして暫定的に「0(ゼロ)」を設定しておき、変更が生じれば適宜その値を変更して、選択対象の変動パターンに、容易にふくませることができるようにしている。たとえば、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」の判定値データには、実際には、通常変動4s「0」、通常変動8s「0」、通常変動13s「10」、通常変動16s「8990」、先読み予告用通常変動16s「0」、先読み予告用Nリーチ1「0」、Nリーチ1「1000」というゼロ(図示の空欄の部分)を含めたデータが記憶されている。
本実施形態の場合、ハズレA当選時は、図示のように、Nリーチ2以降は選択対象外の変動パターンとして定めているため、「FH1」〜「FH4」のそれぞれにおいて、通常変動4s〜Nリーチ1に係るアドレス範囲内(ここでは連続したアドレス)で「0」を含めた判定値データが記憶されている(勿論、選択対象をNリーチ2以降の変動パターンとしてもよい)。判定値が「0」の場合にも、抽選処理(先読み変動パターンの決定処理や、変動開始時の変動パターンの決定処理)は実行されるが、判定値がゼロの変動パターンは実際には選択されることはないため、実質的には「使用しない変動パターン」として登録しておくことができる。この「判定値ゼロ」の部分は、設計段階等で調整の必要が生じた場合には、適宜、ゼロ以外の値を設定することにより「使用しない変動パターン」から「選択対象の変動パターン」として、容易に変更できる。このように、使用しない変動パターンについては、その判定値をゼロのままとし、また、新機種開発の際には、開発段階でのアドレス割当てと同じアドレスの割当てとしておけば、テーブルデータ構造を一々変更する必要がなく、設計変更が極めて容易になる。なお、他の変動パターン振分テーブルについても同様である。
以上のように、変動パターン振分テーブルにおいて、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するのか否かにより、入賞時においては「入賞時コマンド」を構成するコマンドデータが決定され、変動開始時においては「変動パターン指定コマンド」を構成するコマンドデータが決定される。
ここで本実施形態では、先読み判定時においては、作動保留球数を無視して(作動保留球をゼロとして)、目的の変動パターン振分テーブルを選択すると説明したが、その理由は次に述べる通りである。
図33に示す変動パターン振分テーブルは、入賞時・変動開始時兼用のテーブルであるが(他の変動パターン振分テーブルも同様)、実際には、入賞時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とは必ずしも一致しない。そこで、先読み判定時(入賞時)においては、作動保留球をゼロとして、目的の変動パターン振分テーブルを選択する。たとえば、図33を参照して、現在の遊技状態が通常中(Tcode=00H)において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、当選種別がハズレAである場合(特図1側ハズレA当選)、入賞時の作動保留球数によらず、変動パターン振分テーブル「FH1」が選択されることになる。
しかし、先読み判定時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とが一致しないからといって、闇雲に、作動保留球数を無視して先読み変動パターンを判定するのでは、先読み変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容とに大きな違いが生じてしまう可能性がある。詳述するに、入賞時においては、主制御部20から先読み変動パターン情報を含む「入賞時コマンド」を演出制御部24に送り、これを受けた演出制御部24は、その保留加算コマンドに基づき、先読み予告演出に関する演出制御を行う。一方、変動開始時においては、主制御部20から変動開始時の変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」演出制御部24に送り、これを受けた演出制御部24は、その変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中における装飾図柄の変動表示動作演出(装飾図柄変動表示演出(後述の装飾図柄演出))と予告演出(変動中予告演出)とを含む演出制御を行う。このような関係から、先読み変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容との相違が大きいと、先読み予告の内容と変動中予告の内容との関連性が崩れ、予告演出の信頼性や面白みが低下し、遊技者の遊技意欲を減退させてしまう恐れがある。そこで本実施形態では、先読み判定について、次に述べる特徴的要素(第1の特徴的要素)を持たせてある。
(第1の特徴的要素)
たとえば、現在の遊技状態が通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、当選種別がハズレA(特図1側ハズレA)である場合、前述したように、先読み判定時は作動保留球数によらず、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」が選択される。一方、変動開始時には、作動保留球数に応じて、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のいずれかが選択される(図33の「00H(通常)、特図1、ハズレA」の欄参照)。
ここで、図33を参照して、変動パターン振分テーブル「FH3〜FH4」は、通常変動(通常変動パターン)種別に属する“通常変動4s、通常変動8s、通常変動13s”などが選択可能(決定可能)となっているが、これらは、先読み予告が実行されない「非先読み予告用変動パターン種別」として定められている。この非先読み予告用変動パターンとは、具体的には「先読み予告抽選の対象外」または「先読み予告抽選の対象ではあるが、その当選確率がゼロ(先読み予告非実行)」という先読み変動パターンである。この実施形態の場合、通常変動種別のうちで先読み予告の対象となるものは、ハズレBの場合に選択されうる「先読み予告用通常変動16s」だけとなっている(FH5参照)。
また変動パターン振分テーブル「FH1」「FH2」は、通常変動種別に属する“通常変動13sと通常変動16s”の他、Nリーチ種別に属するNリーチ1が選択可能となっている。ここで、単なる「Nリーチ1」は、先読み予告用Nリーチ1とは異なり、上記非先読み予告用変動パターンに属する。したがって、通常中の特図1側ハズレAに当選した場合には、入賞時(先読み判定時は「FH1」が選択される)に、先読み予告の対象とされる変動パターン(先読み変動パターン)が選択されることがない。すなわち、入賞時と変動開始時とで異系統の変動パターンが決定されるケース、たとえば、先読み判定時にNリーチ1であると判定され、変動開始時には、通常変動であると判定されるケースであっても、通常中の特図1側ハズレAの場合は先読み予告が現出されないため、特に問題は生じない。なお、必ずしも先読み予告を一切現出しない構成としなくてもよく、通常変動13s、通常変動16sまたはNリーチ1が選択された場合に、先読み予告が稀に出現するケースであれば特に問題は生じないと考えられる。たとえば、通常変動13s、通常変動16sおよびNリーチ1の少なくともいずれか1つの変動パターンを先読み予告用変動パターンとすることができる。好ましくは、選択率が相対的に低確率の「通常変動13s」および/または「Nリーチ」であり、より好ましくは、選択率が最も低い「通常変動13s」である。ただしこの場合は、先読み予告が過度に現出させないために、「先読み予告用通常変動16s」および/または「先読み予告用Nリーチ1」よりも、先読み予告の出現率(先読み抽選の当選確率)を低確率に定めることが好ましい。
また、図33に示す通り、通常中において、特図1側ハズレB(通常中特図1側ハズレB)に当選した場合か、特図1側のハズレC(通常中特図1側ハズレC)に当選した場合か、または特図2側でハズレAに当選した場合(通常中特図2側ハズレ)には、入賞時および変動開始時のいずれも作動保留球数によらず、それぞれ共通のハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」、「FH6」、「FH7(全ハズレ共通)」が選択される。すなわち、通常中特図1側ハズレB、通常中特図1側ハズレC、特図2側のハズレA当選時の先読み判定の際は、入賞時および変動開始時のいずれも各作動保留球数で共通の変動パターン振分テーブルが参照されるため、変動開始時の変動パターンを正確に先読み判定できることになる。
(第2の特徴的要素について)
一般的に電サポ無し状態であっても、作動保留球数は比較的短時間で1乃至2個程度変化しうる。これを利用して作動保留球数に応じた変動パターンを選択可能に構成すれば、毎回の図柄変動表示ゲームごとに、演出時間(図柄変動表示ゲームの実行時間)に変化をもたらし、多彩な演出を発生させることが可能である。特に、ハズレ時における1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間(図柄変動時間)を短時間(たとえば、数秒程度)としてしまうと、いわゆる「変動スランプ(図柄変動表示ゲームが実行されていない期間)」の発生率が高まり、遊技者が「回らない、面白くない」と感じ易くなり、遊技興趣が減退して、遊技のリピート率が低下してしまう。そこで、1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間を長くすれば、作動保留球も貯まり易くなり、変動スランプの発生率を少なくすることができるとも考えられる。
しかし、図柄変動表示ゲームの実行時間を無闇に長時間としてしまうと、ゲームの進行スピードが緩慢化し、折角の変動中演出が気疎い演出となったり、予告演出による大当り当選への緊張感が途切れたりして、遊技者に退屈感や不満感を与えてしまう。また、図柄変動表示ゲームの実行時間を無闇に長時間にしてしまうと、作動保留球のオーバーフロー(最大保留記憶数(4個)を超える始動入賞)が生じ易くなる、つまり、ゲームの実行権利の多くを喪失してしまい、遊技者の遊技意欲が減退してしまう恐れがある。したがって、バランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させる工夫が必要である。たとえば、変動開始時における作動保留球数や遊技状態などを考慮した変動パターン選択技術が重要となる。特に、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ時に着目した変動パターン選択技術が重要である。
このような課題に鑑み、本実施形態では、図33の「ハズレ変動パターン振分テーブル」に特徴ある構成を持たせてある。以下、ハズレに当選した場合に選択される“ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH7」”に着目して詳細に説明する。
<A.通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブルの特徴>
本実施形態では、ハズレ種別にはハズレA〜Cの複数種類のハズレが含まれ、これらの図柄抽選率は、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%となっている(図4備考欄参照)。ここで図33に示す通り、特図1側ハズレAに当選した場合、作動保留球数に応じて、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のいずれかが選択される。しかし、特図1側ハズレBに当選した場合、作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH5」が選択され、特図1側ハズレCに当選した場合も作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH6」が選択される。また、特図2側のハズレ当選時も作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH7」が選択される。
これら通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブル(FH1〜FH7)は、下記(α)〜(Δ)の特徴を持つ。以下では説明の便宜のために、作動保留球数によらずに選択される変動パターン振分テーブルを「共通変動パターン振分テーブル」とも称する。
(A−1.特図1側通常中ハズレA当選時に係る変動パターン振分テーブル(保留数別変動パターン振分テーブル)「FH1〜FH4」)
(α)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のそれぞれは、少なくとも“複数種類の通常変動が選択可能”となっている。具体的には、「FH1」が選択された場合には、通常変動13s、通常変動16s、またはNリーチ1(変動時間26s)が選択される可能性があり、「FH2」が選択された場合は、通常変動13s、通常変動16s、またはNリーチ1が選択される可能性がある。また、「FH3」が選択された場合には、通常変動8sまたは通常変動13sが選択される可能性があり、「FH4」が選択された場合には、通常変動4sまたは通常変動8sが選択される可能性がある。通常変動16sは、通常変動種別のうち最も変動時間が長い“最長通常変動(最長通常変動パターン)種別”に属し、通常変動4sは通常変動種別のうち最も変動時間が短い“最短通常変動(最短通常変動パターン)種別”に属するものとなっている。本実施形態は、作動保留球数(保留記憶数)に応じて、少なくとも「先読み予告用通常変動16s」の変動時間と略同一の変動時間を定めた「通常変動16s」が、異なる選択率で選択(決定)可能な構成となっている。
なお、(Z1)本発明は、作動保留球数に応じて、最長通常変動および/または最短通常変動が異なる選択率で選択可能なハズレ変動パターン振分テーブルを含むことができる。(Z2)また本発明は、作動保留球数に応じて、第1特定変動パターン(たとえば、通常変動16s)と、第1特定変動パターンよりも変動時間が短い短縮変動パターン(たとえば、通常変動4s、通常変動8sまたは通常変動13s)とのいずれかを選択可能な第1ハズレ変動パターン振分テーブルと、作動保留球数によらずに当該第1特定変動パターンの変動時間と略同一の変動時間である第2特定変動パターン(たとえば、先読み予告用通常変動16s)を決定可能な第2ハズレ変動パターン振分テーブルとを含むことができる。(Z3)また本発明は、作動保留球数に応じて、第1特定変動パターン(たとえば、通常変動16s)を異なる選択率で決定可能な第1ハズレ変動パターン振分テーブルと、作動保留球数によらずに当該第1特定変動パターンの変動時間と略同一の変動時間である第2特定変動パターン(たとえば、先読み予告用通常変動16s)を決定可能な第2ハズレ変動パターン振分テーブルとを含むことができる。この場合、作動保留球数毎に、第1特定変動パターン(通常変動16s)の選択率を異なるように構成することができる。
よって、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」の全体像に着目すれば、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ(本実施形態では、ハズレA)当選時に、作動保留球が比較的多い場合には(保留数2〜3の場合)変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易くなり、作動保留球が比較的少ない場合には(保留数0〜1の場合)変動時間が相対的に長い変動パターンが選択され易くなる。これにより、変動時間に適度な緩急が発揮され、変動スランプの発生率の低下に寄与することができ、遊技者は作動保留球が貯まっていて回っているような感じを受けるようになる。また、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」では、通常変動が高確率で選択され、作動保留球数が少なくなるほど、リーチ変動の選択率が高確率となる。そして、選択対象のリーチ変動は、低期待度リーチに属する「Nリーチ(変動時間が相対的に短いリーチ変動)」となっている。これにより、ハズレ時に当選期待感を無闇に煽ることがない。本実施形態に係るハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」によれば、変動スランプの発生率の低下に寄与するとともに、ハズレ時に当選期待感を無闇に煽ることがない、というバランスの取れた図柄変動表示ゲームを生起させることができるようになる。
なお、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」と「FH2」とにおいて「リーチ変動(リーチ変動)」が選択可能な構成、換言すれば、作動保留球数が相対的に少ない場合にリーチ変動が選択可能な構成となっているが、本発明はこれに限られない。たとえば、変動パターン振分テーブル「FH1」に限りリーチ変動が選択可能な構成、つまり、作動保留球数が最も少ない場合に限りリーチ変動が選択される構成としてもよい。また、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」において、通常変動だけが選択される構成としてもよい。
本実施形態では、通常変動種別を変動時間の長短で区別した場合、通常変動16s種別、通常変動13s種別などの10秒以上の変動パターンを変動時間が相対的に長い“長変動パターン”として扱う。一方、通常変動4s種別、通常変動8s種別などの10秒未満の変動パターンを変動時間が相対的に短い“短変動パターン”として扱う。このように区別する理由は、一般的な弾球遊技機では、遊技球を10秒程度発射し続ければ、作動保留球が高確率で発生しうると考えられるからである。本実施形態の場合、短変動パターンに属するものには、通常中に選択されうる通常変動4sや通常変動8sの他、確変中に選択されうる通常変動(小連荘中通常変動2s、小連荘中通常変動8sなど:図35参照)、時短中に選択されうる通常変動(時短中通常変動4s、時短中通常変動8sなど:図41参照)などがあるが、このような短変動パターンは、現存の作動保留球数が多い場合、或いは、作動保留球が発生し易い「電サポ状態」を伴う遊技状態下にて選択され易くなっている。
(β)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」は、各々が定める変動パターンのうち最も選択率の高い変動パターン(高頻度変動パターン)の変動時間が、それぞれ異なるように定められている(作動保留球数に応じて、高頻度変動パターンの変動時間が異なる)。具体的には、高頻度変動パターンの変動時間に関し、“FH4(保留3)、FH3(保留2)、FH2(保留1)、FH1(保留0)”のこの順で、変動時間が長時間となるように定められている。つまり、作動保留球数が少なくなるほど、高頻度変動パターンの変動時間が相対的に長時間となるように定められている。本実施形態の場合、上記高頻度変動パターンは“通常変動(通常変動パターン)”であり(高頻度通常変動パターン)、具体的には、図33に示す通り、変動パターン振分テーブル「FH1」の場合は“通常変動16s”、「FH2」の場合は“通常変動13s”、「FH3」の場合は“通常変動8s”、「FH4」の場合は“通常変動4s”となっている。また、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」が選択された際の平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均実行時間)は、“FH4(保留3)、FH3(保留2)、FH2(保留1)、FH1(保留0)”のこの順で、当該平均変動時間が長時間となるように定められている。換言すれば、作動保留球数が少なくなるほど、平均変動時間が長時間となるように定められている。
(A−2.通常中特図1側ハズレB当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH5」)
(γ)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」は、“SPSPリーチ種別(最高期待度リーチ種別)未満”の当選期待度を持つ変動パターン種別が選択可能となっている。本実施形態では、図示のように、Nリーチ種別、SPリーチ種別の他、通常変動種別のうち最も変動時間が長い“最長通常変動種別”が選択可能となっている。具体的には、「SPリーチ種別」よりも当選期待度が高い(SPリーチ種別よりも変動時間が長い)「SPSPリーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)」については選択されない。このハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」が選択された際の平均変動時間は、先述したハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」よりも相対的に長時間となっている。
(A−3.通常中特図1側ハズレC当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH6」)
(δ)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH6」は、少なくとも“SPSPリーチ種別”が選択可能、すなわち最高期待度リーチ変動種別が選択可能となっている。換言すれば、リーチ変動のうちで変動時間が最長のリーチ変動が選択されるテーブル構成といえる。本実施形態の場合は、図示のように、SPSPリーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)だけが選択可能となっている。したがって、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH6」が選択された際の平均変動時間は、他の通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブル「FH1〜FH5」よりも長時間(最長の平均変動時間)とされる。
(特図2側通常中ハズレ当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH7」)
(ε)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」は、特図2側ハズレ当選時の変動パターン振分テーブルである。本実施形態では、図示の通り、通常変動種別(ここでは、通常変動16s)だけが選択される。すなわち、通常中の特別図柄変動表示ゲーム2中(特図2変動中)にリーチが発生すれば、その時点で当選確定が報知される。特図1側よりも特図2側のハズレ当選時の変動パターンの種類を少なくしている理由は、次に述べる通りである。通常中は電サポ無し状態であり、下始動口35への入賞はほぼ無く、特図2作動保留球が発生するのは稀である。したがって、多種多様な変動パターンが選択可能とする必要性に欠け、また、多種多様な変動パターンを無闇に設けることは、制御負担の増大に繋がってしまうからである。
上記した「ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブル」により、下記のような作用効果を奏することができる。
(Α)ハズレ種別にはハズレA〜Cの複数種類のハズレが含まれ、これらの図柄抽選率は、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%(抽選確率の高低が「ハズレA>ハズレB>ハズレC」の関係)となっている(図4備考欄参照)。本実施形態では、このような図柄抽選率の関係を利用し、通常中において、ハズレAに当選した場合、作動保留球が比較的多い場合には変動時間が異なる複数の短変動パターンが選択され易くなり、作動保留球が比較的少ない場合には変動時間が異なる複数の長変動パターンが選択され易くなる。また、ハズレAに当選した場合、ハズレBまたはハズレCが当選した場合よりもリーチ変動が低確率で選択されるようになっている。これにより、変動時間が長い図柄変動が無闇に頻発しない構成、すなわち、変動時間に適度な緩急が発揮され、変動スランプの発生率の低下に寄与するだけでなく、作動保留球が貯まっていて回っているように遊技者が感じる、といったバランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させることができる(たとえば、上記(α)〜(δ)参照)。
(Β)また通常中にハズレAに当選した場合には、作動保留球数が少なくなるほど、平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間)が長時間となる。換言すれば、作動保留球数が多くなるほど、平均変動時間が短縮される(たとえば、上記(α)、(β)参照)。これにより、図柄変動表示ゲームの実行時間が無闇に長期化せず、変動スランプの発生率を抑えるとともに、作動保留球のオーバーフローの発生率も抑えることができる、といったバランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させることができる。特に、遊技進行上、滞在期間が長期間となりうる「通常中」において好適である。
(Γ)また、通常中にハズレAに当選した場合はリーチ変動よりも通常変動が高確率で選択され、ハズレBに当選した場合は低期待度リーチ種別(NリーチやSPリーチ)が高確率で選択され、ハズレCに当選した場合は高期待度リーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)が高確率で選択される(たとえば、上記(α)〜(δ)参照)。つまり、ハズレ時の多くは通常変動に係る演出(通常変動演出)が現出され、リーチ演出を適切な頻度で現出させることができる。これにより、遊技者に対して当選期待感を過度に煽ってしまうことがない。また、稀に出現する高期待度リーチ演出により遊技興趣(当選期待感)を大いに盛り上げることができる。
(Δ)確変中または時短中は、ハズレ種別および作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブルが選択される(上記(ζ)参照)。これにより、プログラム容量が少なくなり、制御負担の大幅な軽減を図ることができる。
(第3の特徴的要素)
また本実施形態では、既に説明したように、「先読み予告用通常変動16s」と「先読み予告用Nリーチ1」とを設けてある。これら変動パターンは、先読み予告用変動パターンとして定められている他、次のような特徴を有する。
(A)図33に示す通り、「先読み予告用通常変動16s」の変動時間は、非先読み予告用変動パターン種別に属する「通常変動16s」の変動時間と略同一であり、「先読み予告用Nリーチ1」の変動時間は、非先読み予告用変動パターン種別に属する「Nリーチ1」の変動時間と略同一である。これら変動パターンは、長変動パターンに属する。本実施形態の場合、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは、通常変動種別の中で最長の変動時間として定めてある(最長通常変動種別に属する)。
(B)また図33に示す通り、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは同系統の変動パターンであるが、それぞれ入賞時コマンドの値が異なる。また、先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」も同系統の変動パターンであるが、それぞれ入賞時コマンドの値が異なる。
(C)「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは、低期待度変動パターン(通常変動種別、Nリーチ種別)に属する変動パターンであり、その当選期待度は、略同一である。また「先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」も同様に、低期待度変動パターンに属する変動パターンであり、その当選期待度も略同一である。
上記のような「先読み予告用通常変動16s」「先読み予告用Nリーチ1」の働きについて、図33のハズレ変動パターン振分テーブルを用いて、先読み予告の現出制御との関係に触れながら説明する。
図33を参照して、通常中にハズレAが当選した場合、変動開始時には、作動保留球数に応じて、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」(保留数別変動パターン振分テーブル)のいずれかが選択され、通常変動16sまたはNリーチ1が選択されうる。また、稀にハズレB(図柄抽選率4%)が当選するが、このときは、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」(共通変動パターン振分テーブル)に選択され、先読み予告用通常変動16s」または「先読み予告用Nリーチ1」が選択されうる。ここで、遊技を進行する上で滞在期間が長期間となりうる「通常中」において、遊技者が最も遭遇確率が高い遊技状況は、ハズレAの当選(図柄抽選率95%)である。
よって、第1の効果として、低期待度の変動パターンが選択された際に、先読み予告が過度に現出されず、遊技者の当選期待感を無闇に煽ることがない。
また第2の効果として、先読み予告に係る作動保留球が図柄変動表示ゲームに供された際に、先読み予告による当選期待感を長く持続させることができる。詳述すれば、通常変動4sや通常変動8sなどの短変動パターンに係る先読み予告を発生させる場合、その先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームの実行時間が短いため、大した予告演出も現出されずにあっさり終了してしまう。また、図柄変動表示ゲームの実行時間が短いと、白点滅の保留アイコン(ステップアップ保留変化予告を示唆)が表示された場合やゲーム実行中保留Kを利用したステップアップ保留変化予告を示唆する発生期待感を煽ることなく、あっさり終了してしまう。このようなケースは「一体、あの先読み予告は何の意味があったのだろう?」という具合に、遊技者を白けさせてしまう。しかし本実施形態の場合、「先読み予告用通常変動16s」や「先読み予告用Nリーチ1」は、長変動パターン(本実施形態の場合は、最長通常変動)に属するものであるため、このような問題が生じることを防止しうる。
なお、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」は、先読み予告対象か否かという違いはあるが、双方の図柄変動表示ゲーム中において同一の演出を実行可能な構成とすることが好ましい(「先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」の関係についても同様)。すなわち、非先読み予告用の「通常変動16s」と、これと略同一(同一を含む)の変動時間を定めた先読み予告用の「通常変動16s」とで、図柄変動中の演出を同じ演出態様とし、いずれの変動パターンが選択された場合であっても、演出上、遊技者が同じ変動パターンが選択されたと認識させる。このように、内容的に同じであるが選択率が異なる変動パターン同士を、非先読み予告用と先読み予告用とに区別することにより、ハズレ時において、先読み予告を適度に出現させて過度な先読み予告が実行されてしまうことを防止して、遊技者の当選期待感を適度に煽ることができるようになっている(過剰な先読み予告の出現により、遊技者がストレスを感じないようにすることができる)。なおここでいう「同一の演出」とは、少なくとも装飾図柄の変動表示(後述の装飾図柄演出)と予告演出とを含む演出態様を同一とすることが好ましいが、「装飾図柄の変動表示」および/または「予告演出」を同一としてもよい。ただし、演出上、同じような演出と見せるためには、装飾図柄の変動表示態様は異なるがそれ以外の演出は同一とすることが好ましい。また、「先読み予告用通常変動16s」と同じ機能を有する先読み用通常変動種別だけを1または複数設けてもよいし、「先読み予告用Nリーチ1」と同じ機能を有する先読み用Nリーチ種別だけを1または複数設けてもよい。
また既に説明したが、「通常変動16s」および/または「Nリーチ1」を先読み予告用変動パターンとして定めてもよい。この場合は「先読み予告用通常変動16s」および/または「先読み予告用Nリーチ1」よりも先読み予告の出現率を低確率に定める。たとえば、先読み予告の出現率(実行率)に関して「通常変動16s<先読み予告用通常変動16s」を満たす関係、「Nリーチ1<先読み予告用Nリーチ1」を満たす関係とする。
なお、図示はしていないが、変動パターン振分テーブルは、設定値(設定1〜6)に対応する変動パターン振分テーブルが設けられている。すなわち、設定値に応じて、1または複数の特定の変動パターンが抽選される確率が異なる場合があり、たとえば、その特定の変動パターンに係る演出の出現率の違いにより、設定推測要素を与えることができるようになっている。
再び図11の説明に戻り、ステップS320の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、始動口入賞時乱数判定処理において決定されたコマンドデータに基づき「入賞時コマンド」を作成し、これを演出制御部24に送信する(ステップS321)。なお、先読み禁止中である場合や設定値データに異常が発生した場合は、先読み禁止データ「9FH」がそのまま維持され、「先読み禁止データ」を持つ入賞時コマンドが演出制御部24に送信されることになる。この場合、上位バイト(MODE1)側の値は、適宜な値、たとえば、「B3H」が取得され、先読み禁止の入賞時コマンド(B39FH)を送信する。
次いで、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」を作成し(ステップS322)、これを演出制御部24に送信する(ステップS323)。この「保留加算コマンド」は2バイトで構成され、今回先読み対象となった作動保留球が特図1側であるか特図2側であるかを指定する上位バイト(MODE)側と、入賞時の作動保留球数を指定する下位バイト(EVENT)側とで構成される。保留加算コマンドは、演出制御部24側において、作動保留球発生の際、保留表示領域76、77に対し、現在の作動保留球数に関する情報を報知したり、先読み予告演出が実行される場合には、その予告対象保留についての先読み予告を現出する際にも利用される。
上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、コマンドに含まれる情報が、「先読み禁止指定以外」であれば、先読み予告の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、これに当選した場合には、先読み予告の演出シナリオを作成し、そのシナリオに基づいて、今回の作動保留球を対象とする先読み予告を実行制御する。一方、「先読み禁止指定」であれば、先読み予告抽選を実行せずに、或いは、先読み予告抽選を実行するがその抽選結果を強制的にハズレ(予告演出実行せず)として処理し、先読み予告の発生を禁止する。この実施形態では、先読み禁止中の場合か、または設定異常エラーが生じている場合のいずれも、先読み禁止指定の入賞時コマンドを送信する構成となっているが、その理由は下記の通りである。
本実施形態の場合、設定異常エラーが生じても遊技動作を強制的に停止制御することはしない。その理由は第1に、設定異常エラーの解消は、既に説明したように、設定変更操作を行うことにより解消されるが、営業中の設定変更操作は、法的要請の観点から射幸心煽る事項として禁止事項に該当する可能性が高い。第2に、設定異常エラーが生じた際、直ちに遊技動作処理を強制的に停止させてしまうと、突然の遊技停止に、遊技者が不信感を抱いてしまう。たとえば、仕掛り中の図柄変動表示ゲームが正常動作時に実行されたものである場合や、大当り遊技中の場合などに、偶々、設定異常エラーが発生して、直ちに遊技ができない状態に制御してしまうと、遊技者が本来得られるべき利益が消失してしまい、遊技者の不信感を招く。このような事情を考慮し、設定異常エラーが発生した場合はエラー報知を行うに止めて、遊技進行自体は条件付きであるが、そのまま進行させる。「条件付きであるが」と表現したのは、設定異常エラーが発生した場合には、先読み予告を禁止したり、図柄変動表示ゲームの結果を強制的にハズレとするからである(図11のステップS317(=5AH)、後述の図12のステップS409(=5AH)の処理ルートを参照)。
以上により、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて、特図2始動口チェック処理(ステップS302)を実行する。
<12.特別図柄変動開始処理:図12>
次に、図10中の特別図柄変動開始処理(ステップS306)について説明する。図12は、特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、特図2作動保留球数対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を実行する。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、特図1作動保留球数を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を実行する。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合である。そこで「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
上記「作動保留球なし」の状態となったときの特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には(ステップS417:NO)(後述の図17Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(ステップS418)。そして、演出制御コマンドとして、客待ちコマンド(BA04H)を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。演出制御部24が上記客待ちコマンドを受信した場合、上記客待ち前演出を現出させ、その後、「客待ち演出(デモ表示)」を現出させる。
また、演出制御部24は、客待ち演出(デモ表示)の開始後に、所定の移行条件(節電モード移行条件)を満たした場合に、客待ち演出を終了して「節電モード」に移行させる。この実施形態の場合、客待ち演出(デモ画面)の開始後、作動保留球が発生せず、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定時間(たとえば、120秒)が経過した場合、演出モードを節電モードに移行させ、液晶表示装置36に節電用画面(たとえば、液晶画面に「節電中です」の文字表示)を表示させ、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの一部またはすべてを消灯させるように制御する(節電制御)。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:NOまたはS402:NO)、ステップS403〜S416を順次実行していく。なお、以下に説明するステップS403〜S416の処理の仕方については、特図1作動保留球を対象とするか、特図2作動保留球を対象とするかの違いだけで、その内容は実質的には同じである。したがって重複記載を避けるため、特に必要が無い限り、どちらの作動保留球を対象とした処理であるかを区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、今回の変動表示動作に供する特図側の作動保留球数を1減算し(ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。この保留減算コマンドを演出制御部24が受けると、保留表示部における上記シフト表示に関する演出処理を行う。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を特定するためのデータであり、特図1が変動開始側であるならば「01H」を、特図2が変動開始側であるならば「02H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データを読み出し、領域内RAMの判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリアに格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS407)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能となっている。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS408)。遊技状態情報送信処理では、「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する。ここでの遊技状態指定コマンドには、ゲーム開始時の遊技状態を特定可能な遊技状態情報が含まれる。演出制御部24がこの遊技状態指定コマンドを受けると、これに含まれる情報に基づき、現在の遊技状態を把握し、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理する。遊技状態指定コマンドに含ませる遊技状態情報は、目的の遊技処理を行う際に最低限必要な情報であればよく、たとえば、「内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)」および/または「変動パターン選択モード(Tcode)」を含む情報とすることができる。また、遊技状態指定コマンドとして、遊技状態判定番号YJを特定可能な「内部遊技情報コマンド」および/または変動パターン選択モード(Tcode)を特定可能な「振分モード指定コマンド」を送信可能な構成としてもよい。斯様な遊技状態指定コマンドを送信する遊技状態情報送信処理には、後述の図17Bの特別図柄確認時間中処理中のS477B、ステップS482、ステップS487、ステップS492などがある。
またここでは、必要に応じて、時短状態中であれば残り時短回数を特定可能な「時短回数コマンド(特別図柄時短回数カウンタに関する情報)」を送信し、確変状態中であれば残りST回数を特定可能な「ST回数コマンド(特別図柄確変回数カウンタに関する情報)」を送信する。演出制御部24は、これらのコマンドに含まれる情報に基づいて、残り時短回数や残りST回数を把握し、その残り時短回数または残りST回数を演出的に報知する「残余回数表示演出」を現出させる(本実施形態の場合、上記残余時短回数報知演出を現出させる)。大当りまたは支援時短により無限系の特典が付与される場合、具体的には、時短回数の制限が無い「無限時短」、ST回数の制限が無い「無限確変」「無限潜確」、あるいは、実質的に無限回数とみなせる無限時短、無限確変、または無限潜確が付与される場合、その特典中に係る遊技状態においては、制御負担軽減のために、時短回数コマンドやST回数コマンドは送信しないように構成することができる。
(設定値が正常時の処理ルート:S410を辿る処理ルート)
次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS409)。設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS409:≠5AH)、設定値コマンドを演出制御部24に送信し、次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を実行する(ステップS410)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした「変動開始時の当落抽選」を実行する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11のステップS318の乱数判定処理と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(13.特別電動役物作動判定用乱数判定処理:図13)
図13に、特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)の詳細を示す。
図13において、CPU201は、まず、特別図柄作動確認データ(今回変動開始側の特別図柄種別情報)に基づき、今回の処理対象側に対応する「当り乱数判定テーブル(図26)」を取得する(ステップS941)。たとえば、今回の変動が特図1側であれば「特図1用当り乱数判定テーブル」を取得し、特図2側であれば「特図2用当り乱数判定テーブル」を取得する。次いで、上記判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し(ステップS942)、大当り判定用乱数値と、取得した当り乱数判定テーブルとに基づく乱数判定処理(変動開始時の当落抽選)を行う(ステップS943)。このステップS943の乱数判定処理は、図11中のステップS318の乱数判定処理と同じ処理内容である。
そして、乱数判定処理結果(当落判定結果)に応じて、判定フラグをRAMの所定領域に格納する(ステップS944)。当落抽選結果が「大当り」当選であれば大当り判定フラグを「5AH」に設定し、大当り当選でない、つまり‘ハズレ’であれば、大当り判定フラグに「00H」を設定する。また本実施形態では、支援時短も当落抽選対象となるため、当落抽選結果が「支援時短」当選であれば、支援時短判定フラグに「5AH」を設定する(図26参照)。したがって、今回の乱数判定処理結果(当落抽選結果)が、大当り当選であれば“大当り判定フラグ=「5AH」、支援時短判定フラグ=「00H」”が、支援時短当選であれば“大当り判定フラグ=「00H」、支援時短判定フラグ=「5AH」”が、ハズレであれば“大当り判定フラグ=「00H」、支援時短判定フラグ=「00H」”が記憶される。
次いで、特別停止図柄作成処理を実行する(ステップS411)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS410の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値とを利用し、「変動開始時の図柄抽選」を実行する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11に示す特別停止図柄データ作成処理(ステップS319)と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
このステップS411の特別停止図柄作成処理では、まず、図28に示す図柄テーブル選択テーブルを参照して、特別図柄作動確認データ(今回変動側の特別図柄種別情報)と、ステップS410の当落抽選結果とに基づき、図柄テーブル(大当り図柄テーブル、ハズレ図柄テーブル、支援時短図柄テーブル:図29〜図31参照)を取得する。たとえば、特別図柄作動確認データが00H、大当り判定フラグが5AHである場合、すなわち、今回の変動開始側が‘特図1側’であり、当落抽選結果が‘大当り’である場合は、「特図1用大当り図柄テーブル」が選択される。そして、上記判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づく図柄抽選を実行し、その抽選結果である特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号を、領域内RAMの対応領域にそれぞれ格納する。
(連荘回数カウンタ(連荘回数カウント手段))
また、特別停止図柄作成処理では、図柄抽選の結果に基づき、上記した確変モードに関する連荘回数のカウント処理も行う。ここは、連荘回数のカウント対象となる当選種別(たとえば、確変大当り:図5E(イ)参照)に当選した場合は、連荘回数カウンタに+1する。これにより、今回の当選ゲーム後に実行される大当り遊技が何連荘目となるかを管理可能となっている。ただし、全大当りを連荘回数のカウント対象とする場合には、当落抽選の結果に基づいて、カウント処理も行うことができる。この場合は、たとえば、ステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(当落抽選処理)で行うことができる。具体的には、特別電動役物作動判定用乱数判定処理、つまり当落抽選で、カウント対象となる当選種別に当選した場合に、連荘回数カウンタに+1すればよい。
なお、連荘回数カウンタに+1するというカウントアップ方式で、今回の連荘回数をカウントするのではなく、初期値からデクリメントして連荘回数を把握するカウントダウン方式としてもよい。具体的には、通常状態移行時やRAMクリア時に連荘回数カウンタに初期値として「07H」をセットする。そして、カウント対象となる当選種別が当選する毎に、連荘回数カウンタがゼロになるまで1ずつ減算して行く。この場合、連荘回数カウンタの値が「06H」であれば初当り時(1連荘目)を示し、「05H」〜「00H」であれば2連荘目〜7連荘目であることを示す。したがって、カウントダウン方式の場合、後述のステップS412の遊技状態移行準備処理にて、連荘回数カウンタの値が「06H」〜「04H」(1〜3連荘目)であれば、確変モード1に移行するためのデータがバッファセットされ、「03H」〜「01H」(4〜6連荘目)であれば、確変モード2に移行するためのデータがバッファセットされ、「00H」であれば、確変モード3に移行するためのデータがバッファセットされる(図42備考欄参照)。
なお、本発明は、図7Aに示す確変モードのように、連荘回数に応じて遊技モードを移行可能な構成としなくてもよく、この場合は、連荘回数カウンタ(連荘回数カウント手段)は必要ない。たとえば、特定の遊技モード中は、1つの遊技モードとする場合や、図7Aに示すよう実行ゲーム数に応じて遊技モードを移行可能な構成とする場合などである。
ステップS411の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を実行する(ステップS412)。この遊技状態移行準備処理では、大当りや支援時短に当選した場合に、移行先の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う。
(14.遊技状態移行準備処理:図14)
図14に、遊技状態移行準備処理(ステップS412)の詳細を示す。
図14において、CPU201は、まず、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS911)。大当り判定フラグがON状態(5AH)である場合(ステップS911:=5AH)、後述のステップS915の遊技状態移行テーブル取得処理に進む。一方、大当り判定フラグがOFF状態(00H)である場合(ステップS911:≠5AH)、次いで、支援時短判定フラグの状態を判定する(ステップS912)。
支援時短判定フラグがON状態(00H)である場合(ステップS912:≠5AH)、つまり、大当りに当選せず、支援時短にも当選していない「ハズレ」である場合、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。支援時短判定フラグがON状態(5AH)である場合(ステップS912:=5AH)、次いで、支援時短発動禁止状態中であるか否か(支援時短発動禁止条件が成立中であるか否か)を判定する(ステップS914)。
(支援時短発動禁止状態について)
上述の「支援時短発動禁止状態」とは、支援時短状態が生起することを禁止する禁止状態を指す。具体的には、主制御部20側で管理される処理状態が特定の状態下である場合を意味し、たとえば、1または複数の「特定の内部遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態、潜確状態の少なくとも1つの内部遊技状態)」、遊技状態に関する1または複数の「特定の機能(特別図柄確変機能、普通図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、開放延長機能の少なくとも1つの機能)」の作動状態または非作動状態(たとえば、電サポ状態、電サポ状態のうち普通図柄確変機能が非作動である準電サポ状態など)、1または複数の「特定の遊技モード(通常モード、時短モード、確変モード、および潜確モードの少なくとも1つの遊技モード」、1または複数の「特定の変動パターン選択モード」、特定のゲーム中(たとえば、後述の天井ゲーム)などである。どのような状態を支援時短発動禁止状態として採用するかは、遊技性に応じて適宜定めることができる。
本実施形態では、通常状態中でない場合を上記「支援時短発動禁止状態」として定め、通常状態中である場合、支援時短発動が許容される「支援時短発動許容状態」として定めている(ステップS914参照)。具体的には、確変状態、時短状態(大当り後の時短状態、支援時短状態、後述の天井時短状態)、および潜確状態中(潜確状態を設けた場合)を「支援時短発動禁止状態」として定めてあり、これら内部遊技状態中に支援時短に当選しても、その支援時短状態の生起が禁止(制限)される(支援時短状態が発動しない)。しかし、通常状態中に当選すれば、支援時短状態の生起が許容されるようになっている。以下、特に断りのない限り、通常状態でない場合を「支援時短発動禁止状態」、換言すれば、少なくとも通常状態の場合は「支援時短発動許容状態」であるとして説明する。よって本発明に係る遊技機の制御技術には、たとえば、時短状態中(大当り時短状態、支援時短状態、後述の天井時短状態を含む)および/または確変状態中において、支援時短が当選した場合、その支援時短状態の生起(発動)を許容する構成例が含まれる。
図14中では、支援時短判定フラグがON状態(5AH)である場合において(ステップS912:=5AH)、現在の遊技状態が通常状態でない場合(ステップS914:NO)、後述のステップS915〜S916の処理(大当り当選または支援時短当選の場合に、移行先の遊技状態を指定するための処理)をスキップし、遊技状態移行準備処理を抜けるようになっている。これにより、通常状態中でない場合(支援時短発動禁止状態中である場合)に支援時短に当選しても、その時短状態の生起が禁止されることになる。
一方、通常状態中(支援時短発動許容状態中)である場合には(ステップS914:YES)、支援時短発動禁止状態でないとして、ステップS915の遊技状態移行テーブル取得処理およびステップS916の状態バッファ設定処理を順次実行する。
上記遊技状態移行テーブル取得処理(ステップS915)では、図柄抽選により決定された当選種別(特別図柄判定データ)と、遊技状態判定番号(YJ)とに応じて、移行先の遊技状態を指定するデータ群を定めた、図42に示す「遊技状態移行テーブル」を取得する。そして、取得した遊技状態移行テーブルを参照して、各種データを、対応する状態バッファに格納する(ステップS916)。
図42に示す遊技状態移行テーブルには、各遊技状態(遊技モード)を指定するためJTTBL−1、JTTBL−4〜JTTBL−6が設けられている。JTTBL−1、JTTBL−4〜JTTBL−6には、図示の通り、内部遊技状態を指定するデータや、確変モード1〜3、時短モード1〜3に移行させるための各種のデータが定められている。本実施形態では、10R、4R確変大当りの場合には「JTTBL1」、4R時短大当りの場合には「JTTBL−4」、支援時短Aの場合には「JTTBL−4」、支援時短Cの場合には「JTTBL−5」、支援時短Cの場合には「JTTBL−6」が参照される。これにより、大当りした場合の遊技状態(大当り遊技後の遊技状態)や、支援時短に当選した場合の遊技状態が指定される。なお、特電非作動型支援時短の場合は、今回のゲーム(支援時短当選ゲーム)の終了後の遊技状態、特電作動型支援時短の場合は支援時短開閉遊技後の遊技状態が指定されることになる(たとえば、図4、図42参照)。
なお、JTTBL−1は確変状態(確変モード1)に移行させるためのデータであるが、図中の備考欄に示す通り、連荘回数(連荘回数カウンタの値)に応じて、変動パターン振分指定番号バッファには、「01H」〜「03H」が、適宜設定されるようになっている。
上記状態バッファに格納された値は、大当りの場合には後述の図21に示す大当り終了処理(ステップS509)で読み出され、特電非作動型支援時短の場合には後述の図17Aの支援時短当選時状態フラグ設定処理(ステップS477A)で読みだされ、RAM203の所定の記憶領域(各々の状態バッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。これにより、大当りや支援時短に当選した際の移行先の遊技状態が指定される。なお、特電作動型支援時短の場合には、支援時短開閉遊技後の遊技状態が指定される。
なお、上記各種の状態バッファの役割は、下記の通りである。
(α)「普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ」
内部遊技状態を指定するための各機能のON(作動中)/OFF(非作動中)の指定データが設定される。具体的には、開放延長機能の作動状態を指定する普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短機能の作動状態を指定する普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変機能の作動状態を指定する普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短機能の作動状態を指定する特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変機能の作動状態を指定する特別図柄確変状態フラグ用のデータが設定される。
(β)「特別図柄時短回数カウンタバッファ」
時短回数(電サポ回数)を指定するためのデータ(特別図柄時短回数カウンタ用のデータ)が設定される(図17A〜図17BのステップS478〜S481参照)。特別図柄時短回数カウンタは、残り時短回数をカウントする残余時短回数カウント手段として働く。
(γ)「特別図柄確変回数カウンタバッファ」
ST回数を指定するためのデータ(特別図柄確変回数カウンタ用のデータ)が設定される(図17BのステップS483〜S486参照)。特別図柄確変回数カウンタは、残りST回数をカウントする残余ST回数カウント手段として働く。
(δ)「特別図柄変動回数カウンタ1〜3バッファ」
特定の変動パターン選択モード(Tcode)の継続回数を指定するためのデータ(特別図柄変動回数カウンタ用のデータ)が設定される。
(ε)「変動パターン振分指定番号1〜3バッファ」
所定の更新条件が成立した場合に、更新先となる変動パターン選択モード(Tcode)を指定するデータ(変動パターン選択モード(Tcode)用のデータ)が設定される。更新条件には、たとえば、大当り当選時(図17AのステップS475)、時短終了時(図17BのステップS481)、確変終了時(図17BのステップS486)、特別図柄変動回数カウンタがゼロになったとき(図17BのステップS490、S491)、大当り遊技終了時(図21のS509)、支援時短当選時(図17BのステップS477A)などがある。
次いで、特別図柄変動パターン作成処理を実行する(ステップS413)。特別図柄変動パターン作成処理では、図柄抽選結果(ステップS411の特別停止図柄作成処理の結果)、変動パターン振分指定番号(Tcode)、設定値情報(必要に応じて取得する)、および作動保留球数(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数0〜3個(ステップS403参照))に対応する変動パターン振分テーブルを取得する。
そして、変動パターン振分テーブルを参照して、変動パターン用乱数(図10のステップS314の処理で取得)による変動パターン抽選に基づき、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを決定する。次いで、決定された変動パターン内容を特定可能な「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。なお、本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11のステップS320の始動口入賞時乱数判定処理と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
上記ステップS413の特別図柄変動パターン作成処理は、下記(A)〜(F)の処理を含んで構成される。
(A)今回参照すべき「変動パターン振分テーブル」を選択(決定)する“変動開始時変動パターン振分テーブル決定処理”と、
(B)上記(A)で決定された「変動パターン振分テーブル」を参照し、変動パターン用乱数値に応じた変動パターンを決定する“変動パターン決定処理”と、
(C)変動パターン決定処理で決定された変動パターンに対応する変動時間(疑似連に必要な加算時間を含む)を決定して、領域内RAMのタイマ管理領域である「特別図柄役物動作タイマ」に設定する“変動時間設定処理”と、
(D)上記(B)で取得した変動パターンの内容を特定可能な「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24に送信する“コマンド送信処理”と、を含んで構成される。なお(B)の変動パターン決定処理は、変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドのコマンドデータを取得する処理となっている。
変動開始時においては、入賞時(先読み判定時)とは異なり、作動保留球数(ステップS403の変動開始時の作動保留球数)を考慮して、変動パターン振分テーブルが選択されうる。変動パターンが決定されると、「変動パターン指定コマンド」を構成するための上位バイト側(MODE2:当りハズレの別を指定)と下位バイト側(EVENT:変動パターン情報)のコマンドデータが決定される。これにより、変動パターン指定コマンドが決定され、変動開始時の変動パターンの内容が指定されることになる。
変動パターンの決定に伴い、その変動パターンに対応した変動時間が決定される。なお、この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、少なくとも当落抽選結果(本実施形態の場合、詳細な図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含まれる)や、現在の遊技状態、変動時間情報、特定の予告演出の実行指定情報(リーチ演出の有無およびその種別や、疑似連指定情報)などが含まれる。主制御部20は、その内容を特定可能な「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24に送信し、この変動パターン指定コマンドに含まれる情報は、演出制御部24側にて、今回のゲームに係る演出シナリオ(装飾図柄の変動表示や各種予告演出など)を決定する際に利用される。
(支援時短発動禁止状態中の支援時短当選に係る変動パターンについて)
ところで本実施形態では、支援時短発動禁止状態中(本実施形態の場合、時短状態中または確変状態中)に支援時短が当選しても、その当選フラグ(支援時短判定フラグ=5AH)は特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)を終えるまでクリアされることなく維持され、当該当選フラグは、後述のステップS422の支援時短フラグ管理処理にて、クリアされるようになっている。すなわち、支援時短発動禁止状態中に支援時短が当選した場合には、単に当選自体を無効扱い(ハズレ扱い)としてハズレに係る変動パターンを選択するのではなく、支援時短当選に係る変動パターンを選択可能とし、これにより、演出面の自由度を広げ、ゲーム中の演出(変動中演出)のバリエーションを豊富なものとすることができるようになっている。しかし、何の対策もせずに、支援時短当選に係る変動パターンを選択してしまうと、支援時短状態が発動しないにもかかわらず、今回のゲーム結果が支援時短当選であると報知されてしまう、といった問題が生じうる。
そこで本実施形態では、支援時短発動禁止状態中に支援時短が当選した場合には、最終的なゲーム結果がハズレである旨を報知する演出を現出させるようになっている。たとえば、確変状態中の確変モード1(小連荘用)において特図2側の支援時短Bに当選した場合、支援時短発動禁止状態中であるか否かによらず、図34の「確変中当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル」が参照され、直撃リーチ1または直撃リーチ2が選択されることになるが、支援時短当選の場合は、当該リーチの演出結果として、支援時短当選を報知せずに、ハズレである旨を報知する。
端的に言えば、支援時短発動禁止中の支援時短当選時に選択されうる変動パターン(以下「発動禁止中支援当選変動パターン」とも称する)に係る変動中演出と、支援時短発動禁止中で無い場合に選択されうるに変動パターン(以下「通常支援当選変動パターン」とも称する)に係る変動中演出とは、異なる演出である。たとえば、異なるリーチ演出を実行する、リーチ演出の出現率が異なる、一方の変動パターンは特定のリーチ演出を実行するが、他方の変動パターンは特定のリーチ演出を実行しない、一方の変動パターンは特定の通常変動を選択するが、他方の変動パターンは特定の通常変動を選択しない、などである。またたとえば、発動禁止中支援当選変動パターンは、現在の遊技状態に係るハズレ変動パターンを選択可能に構成してもよい(時短状態中であれば、時短状態に係るハズレ変動パターンを選択する)。
特に、大当り当選時にも選択される直撃リーチ1が選択された場合は、大当り当選を煽る演出内容を実行した上で、最終的にハズレを報知する、といった緊張感のあるリーチ演出が現出可能となる。また、大当り当選時には選択されない直撃リーチ2は、リーチ演出の多様化を図るためのリーチ演出として機能させることができる。また図40に示す時短状態中の支援時短当選に係る変動パターンを選択する場合おいても、上述の図34のケースと同事象となるように構成すればよい。すなわち、支援時短発動禁止状態であるか否かによらず、現在の遊技状態における支援時短当選に係る変動パターンを選択可能とした上で、支援時短発動禁止状態であるか否かに応じて、演出内容を変更する、といった変動パターン選択技術である。現在の遊技状態については、遊技状態指定コマンド等により演出制御部24側が把握しているため、支援時短発動禁止状態中の場合とそうでない場合とで同じ変動パターン指定コマンドが送られて来ても、異なる演出内容を現出させることは可能である。または、主制御部20側から演出制御部24側に対して、支援時短発動禁止状態中であるか否かを特定可能な情報(支援時短発動禁止状態を指定するコマンド)を送信可能に構成してもよい。
しかし、本発明は上述の変動パターン選択技術に限らず、次に述べるものであってもよい。
たとえば、発動禁止中支援当選変動パターンを選択可能とすべく、専用の変動パターン振分テーブル(特殊変動パターン振分テーブル)を別途設け、支援時短発動禁止状態中の場合に、当該変動パターン振分テーブルを参照し、1または複数の変動パターンを選択可能な構成することができる。発動禁止中支援当選変動パターンが選択された場合は、これに対応する演出を現出すればよいが、いずれにしても、支援時短発動禁止状態下のため、支援時短当選であっても、最終的(ゲーム結果)には、支援時短非当選を報知する演出内容(矛盾の無い演出)を現出させる。
また、発動禁止中支援当選変動パターンは、たとえば、確変状態(確変モード)または時短状態(時短モード)に係るハズレ変動パターン振分テーブル(図35、図37、図39、図41)に属する変動パターンの1または複数と同一の変動パターンとすることができる。この場合、発動禁止中支援当選変動パターンは、リーチ変動パターンまたは通常変動(リーチ無しハズレ変動パターン)のいずれであってもよいが、支援時短に当選しても支援時短状態が発動しないという点から、好ましくは、通常変動である。なお、どのような変動時間を持つ通常変動であるかは特に制限はないが、ハズレと同様の変動パターンという点を考慮すれば、最短の変動時間であることが好ましい。
また、発動禁止中支援当選変動パターンを選択する際、現在の遊技状態が確変状態中の場合には確変状態に係るハズレ変動パターンを、現在の遊技状態が時短状態中の場合には時短状態に係るハズレ変動パターンを選択してもよい。また、支援時短発動禁止状態中(確変状態中および時短状態中)の場合、特定の遊技状態に係るハズレ変動パターンを対象に選択する構成としてもよい。「特定の遊技状態」としては、たとえば、時短状態、確変状態および通常状態の少なくともいずれか1つ遊技状態を定めることができる。
また、発動禁止中支援当選変動パターンとして、時短状態や確変状態に係るハズレ変動パターンと同一の変動パターンを選択可能に構成した場合、その変動パターン指定コマンドは、当該ハズレ変動パターンと異なるものとすることができる。これにより、同じ内容の変動パターンが選択されても、発動禁止中支援当選変動パターンであるか、通常のハズレ変動パターンであるかを演出制御部24側が把握することができるため、それぞれの変動パターンに対応した演出(異なる演出)を現出させることができる。
なお、支援時短発動禁止状態でない場合に、支援時短当選を煽るような予告演出(たとえば、支援時短当選予告演出)を現出可能に構成している場合、発動禁止中支援当選変動パターンに係る演出(以下「特定支援当選演出」とも称する)には、支援時短当選予告演出が含まれないことが好ましい。支援時短当選予告演出としては、複数の選択肢画像を表示し(たとえば、「支援時短確定(当選期待度高)」「支援時短?!(当選期待度中)」「ハズレ(当選期待度低)」など、支援時短の当選期待度を示唆する複数の選択肢画像が画面に表示される)、その中から最終的に選択される画像の内容により、支援時短の当選期待度や支援時短の当選内容を示唆する演出などが挙げられる。特定支援当選演出には、斯様な支援時短当選予告演出が含まれないことが好ましい。当然のことながら、特定支援当選演出の演出結果は、支援時短の当選を報知するものではない。
また、支援時短発動禁止状態中に支援時短当選に係る作動保留球が発生した場合、少なくとも当該作動保留球を対象とした先読み予告は実行しないことが好ましい。すなわち、支援時短発動禁止状態中であっても、大当り当選に係る作動保留球および/またはハズレの作動保留球を対象とした先読み予告は禁止しないように構成することができる。
なお、図34、図36、図38は確変状態中を、図40は時短状態中を、支援時短発動禁止状態中としないケースの変動パターン振分テーブルを例示したものであるが、確変状態中や時短状態中を支援時短発動禁止状態としない構成であれば、支援時短当選時の演出結果は、支援時短当選が報知するものとして定めることができる。
図12の説明戻り、上記ステップS413の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、今回の変動開始側に対応する変動中フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS414)。上記「変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらが変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。本実施形態では、特図1対応の「特別図柄1変動中フラグ」と、特図2対応の「特別図柄2変動中フラグ」を扱う。たとえば、特図1側が今回の処理対象(変動開始側)であれば、特別図柄1変動中フラグをON、特別図柄2変動中フラグをOFFに設定する。
次いで、ステップS411の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果情報を特定可能な装飾図柄指定コマンドを取得し、これを演出制御部24に送信する(ステップS415)。装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素となる図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドを受信すると、これらのコマンドに含まれる情報に基づいて、図柄変動表示ゲーム中に実行すべき演出(変動中演出)を決定し、今回の装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。
次いで、支援時短フラグ管理処理を実行する(ステップS422)。この支援時短フラグ管理処理では、上記特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)において支援時短に当選と判定された場合、その当選が支援時短発動禁止状態中であるか否かに応じて、支援時短判定フラグをクリアする処理を行う。
(15.支援時短フラグ管理処理:図15)
図15に、支援時短フラグ管理処理(ステップS422)の詳細を示す。この支援時短フラグ管理処理には、図15(イ)(ロ)に示す2つの処理形態があるが、いずれの処理形態としてもよい。
図(イ)に示す支援時短フラグ管理処理では、CPU201は、まず、通常状態であるか否か(支援時短発動禁止状態中であるか否か)を判定する(ステップS962)。通常状態中でない場合には(ステップS962:NO)、支援時短発動禁止状態中の当選であるとして支援時短判定フラグをクリアし(ステップS963)、通常状態中である場合には(ステップS962;YES)、支援時短発動禁止状態中の当選でないとして、何もせずに処理を抜ける。
他方、図(ロ)に示す支援時短フラグ管理処理では、まず。支援時短判定フラグの状態を判定する(ステップS960)。支援時短判定フラグがOFF状態(00H)であれば(ステップS960:≠5AH)、何もせずに処理を抜ける。一方、支援時短判定フラグがOFF状態(5AH)であれば(ステップS960:=5AH)、図(イ)と同じく、通常状態であるか否かを判定し(ステップS962)、通常状態中でない場合には(ステップS962:NO)、支援時短判定フラグをクリアし(ステップS963)、通常状態中である場合には(ステップS962;YES)、何もせずに処理を抜ける。
(支援時短発動禁止状態中の支援時短当選に係る特別停止図柄について)
(万石11)本実施形態では、支援時短状態の生起が禁止されても、支援時短当選情報(支援時短判定フラグ)は、上記支援時短フラグ管理処理が実行されるまで維持されるため、支援時短当選に対応した上記特別停止図柄番号がステップS411で取得される。したがって、支援時短発動禁止状態中であっても、特別図柄表示装置38a、38b(7セグ)には、ハズレ対応の特別図柄ではなく、当選した支援時短種別(支援時短A〜C)に対応した特別図柄が停止表示される。ただしこの場合には、支援時短当選を明確に報知することができるが、その反面、支援時短に当選したが支援時短が発動しない、ということを報知してしまうことになるため、特別停止図柄種別を知る遊技者に対しては、引く損感を与えてしまう。そこで、支援時短発動禁止状態中の特別停止図柄には、ハズレ対応の特別図柄(本実施形態の場合、ハズレA〜Cのいずれかに対応する特別停止図柄)が停止するように構成してもよい。なお、本実施形態では、特図1側にハズレA〜Cが、特図2側にハズレAが定められているため、特図1側の支援時短当選の場合はハズレA〜Cのいずれかに対応する特別停止図柄を停止表示させ、特図2側の支援時短当選の場合はハズレAに対応する特別停止図柄を停止表示させることが好ましい。
なお、支援時短発動禁止状態中に支援時短に当選した場合と、支援時短発動禁止状態中でない場合(支援時短発動許容状態中)に当該支援時短に当選した場合とで、特別停止図柄は共通(同一)とし、装飾停止図柄は異なるものとしてもよい。たとえば、支援時短発動禁止状態中および支援時短発動許容状態中は、特別図柄表示装置の特別停止図柄(7セグ)を共に「1.」で停止表示する。一方、装飾図柄については、支援時短発動禁止状態中は、「ハズレ対応の装飾停止図柄」を停止表示してもよいし、「支援時短発動禁止状態中当選用の装飾停止図柄」を停止表示してもよい。また、支援時短発動許容状態中は、支援時短当選対応の装飾停止図柄(たとえば、「時☆短」や「579」など)で停止表示することができる(図6、図77参照))。
図12の説明戻り、上記ステップS422の支援時短フラグ管理処理を終えると、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
(設定異常エラーが生じたケースについて:S409→S411の処理ルート)
ステップS409の判定処理の説明に戻り、ステップS409において、設定エラーフラグがON状態(5AH)である場合、つまり設定異常エラーが発生中の場合(ステップS409:=5AH)、ステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(当落抽選)をスキップし、ステップS411の特別停止図柄作成処理を実行する。すなわち、設定異常エラーが発生した場合には、変動開始時の当落抽選を実行せず、今回の当落抽選結果は、常に「ハズレ」として処理される(強制ハズレ制御)。設定異常エラーの場合は、エラー専用の変動パターンを設け、これを選択することが好ましいが、既存の特定の変動パターンが選択されるように構成してもよい。既存の変動パターンを選択する場合は、「設定異常エラー」という深刻なエラーが生じていることを考慮し、当選期待感を煽るようなリーチ変動種別は選択せずに、通常変動パターン種別のみを選択することが好ましい。なお、強制ハズレという状況下では、最早、遊技の意味を成さないため、長変動パターン種別を選択することが好ましく、より好ましくは、最長の通常変動パターン(本実施形態では、通常変動16s)だけを選択する。また、設定異常エラーの場合には、「遊技続行不可」として、図柄変動表示ゲーム自体を開始させない(図柄変動を開始させな)構成としてもよい。この場合には、遊技機の電源がOFFになるまでエラー報知を継続する。なお本実施形態では、図8に示す設定変更処理(ステップS023)が実行されて設定異常エラーが解除されるまでは、電源を再投入してもエラー報知が継続される。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図9の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
<13.特別図柄変動中処理:図16>
次に、図10に示す特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図16は、図10の特別図柄変動中処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームが終了されるとともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS454)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。この確定表示時間中は、装飾図柄も確定表示(本停止)される(たとえば、図44の確定表示期間CT)。
以上の特別図柄変動中処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理を抜けて、図9のステップS095の特別電動役物管理処理に進む。
<17.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図17Aおよび図17B>
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図17Aおよび図17Bは、図10の特別図柄確認時間中処理の詳細を示すフローチャートである。
図17Aおよび図17Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図16のステップS454参照)。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、遊技状態番号YJを格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、図示の通り、大当り判定フラグをOFF状態(00H)に設定し、条件装置作動フラグをON状態(5AH)に設定し、「低確率+電サポ無し状態」に設定し(普電役物開放延長フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変上値フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、特別図柄変動回数カウンタをOFF状態(00H)に設定)、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に所定値(たとえば、00H)を設定し、後述の支援時短中フラグをOFF状態(00H))に設定して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。
なお上記「遊技状態報知LED」とは、遊技機の適所に設けられ(たとえば、複合表示装置38cの表示機能の一つとして設けてもよいし、別途、専用のLEDを設けてもよい)、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LEDは複数のLEDから構成され、時短状態(特別図柄時短状態)であるか否か、支援時短状態中であるか否か、後述の天井特典中(たとえば、天井時短による時短状態(以下、「天井時短状態」とも称する))中であるか否かなどを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LEDの報知態様を変化させ、現在の遊技状態情報を報知可能となっている。遊技状態報知LEDによる報知態様を、下記のように定めることができる。
(伊8)支援時短状態中は、支援時短用の遊技状態報知LEDを点灯させ、大当り時短状態中に点灯させる右打ち報知LED(右打ち表示装置39b)は、点灯または消灯とすることができる。
(伊93)天井時短状態中と支援時短状態中は、天井/支援時短用LED(兼用LED)を点灯させる。この場合、大当り時短状態中に点灯させる右打ち報知LED(右打ち表示装置39b)は、点灯または消灯とすることができる。現在の遊技状態が天井時短状態中・支援時短状態中なのか、大当り時短状態なのかを識別することが容易となる。特に電断復帰時の遊技状態が、支援時短状態中、大当り時短状態、後述の天井時短状態中のいずれであるのかをホール側がすぐに把握することができる。
(伊94)天井時短状態中は天井時短用LEDを点灯し、支援時短状態中は支援時短用のLEDを点灯する。この場合、大当り時短状態中に点灯させる右打ち報知LEDは点灯または消灯とすることができる。現在の遊技状態が天井時短状態中、支援時短状態中、大当り時短状態のいずれであるのかを識別することが容易となる。特に電断復帰時の遊技状態が、支援時短状態中、大当り時短状態、後述の天井時短状態中のいずれなのかをホール側がすぐに把握することができる。
(伊95)天井時短状態中に支援時短に当選した場合において、天井時短状態を終了させて新たに支援時短状態に制御する場合は、天井時短用LEDを消灯させて、支援時短用LEDを点灯させる。天井時短状態中に支援時短に当選した場合であっても、現在の遊技状態が天井時短状態中であるのか、支援時短状態中であるのかを識別容易となる。
(伊96)天井時短状態中に支援時短状態に当選した場合には、支援時短用LEDを点灯させる。天井時短状態中に支援時短に当選した場合であっても、現在の遊技状態が天井時短状態中であるのか、支援時短状態中であるのかの識別が容易となる。
(伊28)天井時短状態中は天井時短用LEDを点灯させる。この場合、大当り時短状態中に点灯させる右打ち報知LEDは点灯または消灯とすることができる。現在の遊技状態が天井時短状態中であるか否かの識別が容易となる。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、支援時短判定フラグの状態を判定する(ステップS476)。支援時短判定フラグがON状態(5AH)の場合(ステップS476:=5AH)、支援時短当選時状態フラグ設定処理を実行する(ステップS477A)。ここでは、支援時短状態への移行処理として、遊技状態移行準備処理(ステップS412)中の状態バッファ設定処理(図14中のS916)で設定された各状態バッファの値(図42参照)を、各状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタに設定する。これにより、今回のゲームで当選した支援時短種別に対応する時短状態(時短回数など)が指定され、確定表示時間経過後に、その支援時短状態が生起することになる。
次いで、支援時短図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS477B)。ここでは、支援時短判定フラグをOFF状態(00H)に設定し、支援時短状態中である旨を指定する「支援時短中フラグ」をON状態(5AH)に設定し、遊技状態報知LED出力番号に所定値(支援時短状態中報知番号)を設定し、各状態バッファをクリア(00Hを設定)する。上記支援時短中フラグは、支援時短状態中である否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(5AH)の場合には支援時短状態中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)の場合には支援時短状態中でない旨を示す。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS447C)。ここでは、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信する。ここで送信される遊技状態指定コマンドには、支援時短状態の開始を指定する情報が含まれる。演出制御部24がこの遊技状態指定コマンドを受けると、今回のゲーム終了後に支援時短状態に移行することを把握し、演出モードを支援時短状態に対応する演出モード(本例では、時短演出モード(たとえば、時短演出モード1〜4のいずれか、または不図示の支援時短状態専用の演出モード)に移行させる。これにより、これにより特別図柄確認時間中処理を抜けて、図10のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を実行する。
なお、変動時間終了後、直ちに支援時短状態を生起させる構成とする場合は、図16の特別図柄変動中処理のS451の判定処理(ただし、判定結果がYESの場合)の後に(たとえば、ステップS452の処理とステップS454の間)、ステップS476の判定処理を実行し、支援時短判定フラグが「00H」(≠5AH)」の場合にはステップS454の処理を実行し、支援時短判定フラグが「=5AH」の場合には、ステップS477A〜S477Cの処理(少なくともステップS447AおよびS447B)を実行した後、ステップS454の処理を実行すればよい。
上記ステップS476の説明に戻り、支援時短判定フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS476:≠5AH)、特別図柄時短回数カウンタ(残り時短回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回のゲーム(今回の特図の変動表示)消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数(規定の時短回数)に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄の変動回数(ゲーム実行回数)が特別図柄時短状態の終了回数に達したとして(規定の時短回数消化)、時短終了時の設定処理を実行する(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、図示の通り、時短状態に関する機能をOFF状態(電サポ無し状態)に設定し、Tcodeを「00H(通常中)」に設定し、遊技状態報知LED出力番号に所定値(00H)を設定して、通常状態への移行設定処理を実行する。なお、支援時短状態中が終了する場合は、支援時短中フラグをOFF状態(00H)に設定する。また、連荘回数に応じた複数の遊技モードを採用した構成(図7A参照)において、時短状態終了を契機に連荘回数をゼロに戻す場合には、連荘回数カウンタをクリアする。これにより、遊技状態が通常モード(通常状態)に移行され、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、通常モードに関連する特別図柄の変動パターンが選択されることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS482)。ここで送信される遊技状態指定コマンドには、時短状態の終了を指定する情報が含まれ、その他、終了した時短状態種別(大当り時短状態や支援時短状態など)を特定可能な情報も含ませることができる。演出制御部24がこの遊技状態指定コマンドを受けると、今回のゲームで時短状態が終了した旨を把握し、演出モードを通常演出モードに移行させる。このとき、発射位置として左流下経路3bを狙う旨を指示する「発射位置誘導演出(左打ち報知演出)」を現出させるための演出制御処理を行うことができる(後述の確変状態が終了する場合(ステップS487)も同様)。
ステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS488の処理に進む。一方、特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回のゲーム消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、ST回数が終了していないので、何もせずにステップS488の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数が規定のST回数を消化したとして、確変終了時の設定処理を実行する(ステップS486)。ここでは、確変終了時の設定処理として、図示の通り、確変状態に関する機能をOFF状態に設定し、Tcodeを「00H(通常中)」に設定し、連荘回数カウンタをクリア(00H)にするなど、通常状態への移行設定処理を実行する。これにより、遊技状態が通常モード(通常状態)に移行され、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、通常モードに関連する特別図柄の変動パターンが選択される。なお、潜確状態を設けた場合は、確変状態の処理と同様に、ステップS483〜S485にてST回数が監視され、この確変終了時の設定処理において潜確状態の終了設定処理が実行される。
また、大当りとして、確変状態を終えた後、つまり、ST回数を終了した後に時短状態に移行させるといった「確変時短大当り」を設けることができる。なお、時短回数は、有限回数(たとえば、100回以下であってもよいし、100回を超える時短回数(150回、200回など)や、無限回数であってもよく、遊技性に応じて適宜定めることができる。このような「確変時短大当り」を設ける場合には、ST回数を有限確変タイプ(ST回数100回や50回など)とすることが好ましい。上記確変時短大当りは、「所定のST回数の確変状態+所定の時短回数の時短状態」を付与する大当りである点で“純粋な確変大当り(確変だけを付与する大当り:10R確変大当りや4R確変大当り)”ではないが、本明細書中では、先ず確変状態に移行させる点で「確変大当り」に属するものとして扱う。確変大当りには、時短状態を付与しない「確変大当り」および/または時短状態を付与しうる「確変時短大当り」を、1または複数含むことができる。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS487)。ここでは、上記ステップS482と同じく、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信するが、ここでの遊技状態指定コマンドには、高確率状態(確変状態または潜確状態)の終了を指定する情報が含まれる。演出制御部24がこの遊技状態指定コマンドを受けると、今回のゲームで確変状態(または潜確状態)が終了した旨を把握し、演出モードを通常演出モードに移行させる。
ステップS487の遊技状態情報送信処理を終えると、次いで、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS488)。ここでは、特別図柄の変動回数(ゲーム実行回数)に基づく変動パターン選択モード(Tcode)の変更タイミングを監視する。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS488:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。一方、特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS488:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS489)、減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS490)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS490:NO)、変動パターン選択モード(Tcode)の更新タイミング(更新ゲーム)でないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、変動パターン選択モード(Tcode)の更新タイミングが到来したとして、遊技状態更新処理(Tcode更新処理)を実行する(ステップS491)。
たとえば、無限時短が付与され、図7B(イ)に示すように「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」と遊技モードを移行させていく場合、まず現在の時短モードが「時短モード1(Tcode=04H(変動パターン振分指定番号1の値))」であり、かつ特別図柄変動回数カウンタがゼロになった場合には、Tcodeの値を、現在の時短モード1を指定する「04H」から、時短モード2を指定する「05H(変動パターン振分指定番号2の値)」に更新し、特別図柄変動回数カウンタに100回(図42の更新1時の設定回数)を設定する。そして遊技が進行し、現在の時短モードが「時短モード2」であり、かつ特別図柄変動回数カウンタがゼロになった場合には、Tcodeの値を、現在の時短モード2を指定する「05H」から時短モード3を指定する「06H(変動パターン振分指定番号3の値)」に更新し、特別図柄変動回数カウンタに65335回(図42の更新2時の設定回数)を設定する。これにより、時短モード中のゲーム実行回数(図柄変動回数)に応じて「時短モード1⇒時短モード2⇒時短モード3」という遊技モードの移行を実現する。なお、他の遊技モードについても同じように、変動パターン選択モード(Tcode)の更新タイミングが到来した場合には、目的の遊技モードに移行させるための遊技状態更新処理を行い、これにより図6や図7Bや、後述の図49A〜図49Bなどに示す遊技モードの移行を実現する。このステップS491の処理は、所定の変更条件の成立に基づき、特別図柄の変動パターンの選択条件を更新(変更)する変動パターンモード更新手段として働く。
ステップS491の遊技状態更新処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS492)。ここでは、上記ステップS482と同じく、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信するが、ここでの遊技状態指定コマンドに含まれる情報は、更新後の変動パターン選択モード(Tcode)を特定可能な情報が含まれる。演出制御部24がこの遊技状態指定コマンドを受けると、現在の演出モードを、更新後の変動パターン選択モード(Tcode)に対応した演出モードに移行させる。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図8の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図21の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
[第2実施形態]
『第1実施形態(第1支援時短搭載型)の変形例:図18〜図20』
次に図18〜図20を参照して、上記した第1実施形態(第1支援時短搭載型)に係る特別図柄変動開始処理の変形例(以下「第2支援時短搭載型」とも称する)について説明する。
上記第1実施形態(第1支援時短搭載型)では、支援時短発動禁止状態中に支援時短が当選しても、その当選フラグは特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)を終えるまでクリアされることなく維持され、当該当選フラグは、支援時短フラグ管理処理(ステップS422)にて、クリアされるものとして説明した。これに対し本変形例では、支援時短発動禁止状態中に支援時短が当選した場合、その当選フラグを特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)が実行される前にクリアする、という形態となっている。なお、本変形例について上記第1実施形態で既に説明した内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。また、実質的に同じ処理内容については同じステップ番号を付してある。
(18.第2支援時短搭載型に係る特別図柄変動開始処理:図18)
図18は、本変形例に係る特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、図12の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)と遊技状態移行準備処理の内容(ステップS411)の処理内容が異なり、支援時短フラグ管理処理(ステップS422)が設けられていない点である。なお、本変形例に係る特別電動役物作動判定用乱数判定処理には、図19Aと図19Bに示す2つの判定処理1、2がある。
(19A.特別電動役物作動判定用乱数判定処理1:図19A)
まず、図19Aを参照して、本変形例に係る特別電動役物作動判定用乱数判定処理1について説明する。
図19Aにおいて、CPU201は、まず図13のS941〜S943同様に、当り乱数判定テーブルを取得し(ステップS941)、大当り判定用乱数を取得し(ステップS942)、乱数判定処理を行う(ステップS943)。そして、通常状態中であるか否か(支援時短発動禁止状態であるか否か)を判定する(ステップS945)。通常状態中(支援時短発動許容状態)である場合には(ステップS945:YES)、乱数判定処理(ステップS943)の判定結果に応じた判定フラグを設定する(ステップS944)。一方、通常状態中でない場合(支援時短発動禁止状態)である場合には(ステップS953:YES)、次いで、支援時短に当選したか否かを判定する(ステップS946)。
支援時短に当選してない場合には(ステップS946:YES)、何もせずに、そのままステップS944に進み、乱数判定処理(ステップS943)の判定結果に応じた判定フラグを設定する。しかし、支援時短に当選している場合には(ステップS946:YES)、支援時短判定フラグを当選(5AH)から非当選(00H)に更新し(強制ハズレ処理:ステップS947)、その更新結果を乱数判定処理(ステップS943)の判定結果として、判定フラグを設定する。すなわち、ステップS947の処理が行われる場合は、大当り当選でもなく、支援時短当選でもない、ハズレとして処理される、すなわち、支援時短発動禁止状態であれば、支援時短の発動が禁止されることになる。
(19B.特別電動役物作動判定用乱数判定処理2:図19B)
次に図19Bを参照して、本変形例に係る特別電動役物作動判定用乱数判定処理2について説明する。
図19Bにおいて、CPU201は、まず通常状態中であるか否か(支援時短発動禁止状態であるか否か)を判定する(ステップS951)。
通常状態中(支援時短発動許容状態)である場合には(ステップS953:YES)、特別図柄作動確認データに基づき、今回の処理対象側に対応する「通常抽選用の当り乱数判定テーブル」を取得する(ステップS952)。一方、通常状態中でない場合(支援時短発動禁止状態)である場合には(ステップS953:YES)、特別図柄作動確認データに基づき、今回の処理対象側に対応する「特殊抽選用の当り乱数判定テーブル」を取得する(ステップS953)。そして、図13のS942〜S944同様に、大当り判定用乱数を取得し(ステップS942)、乱数判定処理を行い(ステップS943)、その判定結果に応じた判定フラグを設定する(ステップS944)。
図27に、上記「通常抽選用の当り乱数判定テーブル」と「特殊抽選用の当り乱数判定テーブルを示す。上記「通常抽選用の当り乱数判定テーブル」とは、たとえば、同図に示す当り乱数判定テーブルの「通常用」の欄に係る乱数判定テーブルであり、上記「特殊抽選用の当り乱数判定テーブル」とは、同図に示す「特殊用」の欄に係る乱数判定テーブルである。なお、図示の「許容」の表記は“支援時短発動許容状態”、「禁止」の表記は“支援時短発動禁止状態”を意味する。
図示から分かるように、通常抽選用の当り乱数判定テーブル(「通常用」の欄参照)では、大当り判定用乱数値が「65405〜65535」の範囲の場合に支援時短の当選となるが(ただし、図(ニ)は「特図2側支援時短当選無し」のテーブルであり、当該範囲であっても支援時短に非当選となる)、特殊抽選用の当り乱数判定テーブル(「特殊用」の欄参照)では、大当り判定用乱数値がいずれの値であっても支援時短に非当選となる。つまり、支援時短発動禁止状態の場合は、大当り抽選(ここでは、当落抽選)の段階で、必ず、支援時短非当選となる。この判定処理2では、支援時短発動禁止状態であるか否かに応じて、異なる当り乱数判定テーブル(支援時短発動許容状態、禁止状態の別の専用の当り乱数判定テーブル)を用い、支援時短の当選/非当選が決定されるようになっている。これにより、支援時短発動禁止状態であれば、支援時短判定フラグが必ずOFF状態(00H)となり、支援時短の発動が禁止されることになる。
図19A、図19Bに示す判定処理1、2のいずれも、支援時短発動禁止状態中は大当り抽選(ここでは、当落抽選)により、支援時短が強制的に非当選とされるようになっている。したがって、支援時短発動禁止状態中である場合、大当り当選(小当りを設けている場合には、大当りおよび小当り当選)でなければ、大当り抽選の結果は、常に「ハズレ」として処理される。この点、上記第1実施形態では、支援時短発動禁止状態中に支援時短が当選しても、その当選フラグが特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)を終えるまでクリアされることなく維持されるといった上記第1実施形態とは大きく異なる。
(図20.遊技状態移行準備処理:図20)
次に、第2支援時短搭載型に係る遊技状態移行準備処理(ステップS412A)について説明する。図20は、第2支援時短搭載型に係る遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
図20において、CPU201は、まず、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS911)。大当り判定フラグがON状態(5AH)である場合(ステップS911:=5AH)、ステップS915遊技状態移行テーブル取得処理に進む。一方、大当り判定フラグがOFF状態(00H)である場合(ステップS911:≠5AH)、次いで、支援時短判定フラグの状態を判定する(ステップS912)。
支援時短判定フラグがON状態(00H)である場合(ステップS912:≠5AH)、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。支援時短判定フラグがON状態(5AH)である場合(ステップS912:=5AH)、ステップS915の遊技状態移行テーブル取得処理およびステップS916の状態バッファ設定処理を順次実行する。
図20に示す遊技状態移行準備処理は、図14に示す遊技状態移行準備処理とは異なり、支援時短発動禁止状態中であるか否かの判定処理(図14中のステップS914)は必要ない。本変形例では、前処理の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A)中において支援時短発動禁止状態であるか否かが判定され、これに応じて支援時短判定フラグがON状態(当選(5AH))であるかOFF状態(非当選(00H))であるかが決定され、支援時短発動禁止状態中の当選であれば、支援時短判定フラグが常にOFF状態(00H)となっているからである。
判定処理1、2を採用した場合、支援時短発動禁止状態中(本例では、通常状態中でない場合)に支援時短に当選してもハズレとして処理されることから、特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)において選択される変動開始時の変動パターンは、ハズレ時の変動パターン(ハズレ変動パターン:図35、図37、図39、図41等参照)が選択されることになる。なお、ハズレとして処理される場合、図柄抽選処理(ステップS411の特別停止図柄作成処理)において、ハズレ図柄テーブルが参照され、ハズレA〜Cのいずれかが決定されることになる。したがって、本変形例の場合、上記第1実施形態のような複雑な処理を経ることなく(支援時短発動禁止状態であるか否かによらず、支援時短当選時の変動パターンを選択するが演出内容は異なるものとしたり、支援時短発動禁止状態中の支援時短当選時専用の変動パターン選択処理を実行する必要がない)、単にハズレと同様の処理とするといった簡易な処理で済み、第1実施形態のように演出の多様化を犠牲としてしまうが、制御負担を軽減できる点に大きな利点があるといえる。
(万石30)ここで、今回のゲームで支援時短に当選した場合、ゲーム終了時に遊技状態を判定して(たとえば、確定表示時間経過後の特別図柄確認時間中処理中(図17A〜図17Bに当該判定処理を設ける)、支援時短状態を生起させるか否かを決定可能な構成とすることができる。たとえば、支援状態発動禁止状態が時短状態と定めた場合、ゲーム終了時に現在の遊戯状態が時短状態であるか否かを判定して、その判定結果に基づき、支援時短状態を生起させるか否かを決定することができる。
(万石31)ただし、時短回数の最終回目に支援時短に当選した場合、残余時短回数のカウント処理を図柄変動開始時(ゲーム開始時)に実行する処理形態(以下「ゲーム開始時カウント形態」と称する)と、残余時短回数のカウント処理を図柄変動終了時(ゲーム終了時)に実行する処理形態(以下「ゲーム終了時カウント形態」と称する)とで、支援時短状態が生起するか否かが異なる。これについて、以下、詳述する。なお、ここでの上記「残余時短回数のカウント処理」には、残余時短回数がゼロになった場合に時短状態を終了させる処理(本実施形態の時短終了時の設定処理(ステップS481)に相当する処理)を含むものとする。
(万石32)上記ゲーム開始時カウント形態の場合、ゲーム終了時は通常状態であるので、時短回数の最終回目に支援時短に当選した場合には支援時短状態が必ず生起することになる。
(万石33)しかし、ゲーム終了時カウント形態の場合には、処理内容の手順応じて、支援時短状態が生起する場合と生起しない場合とがある。
詳述するに、支援時短対応図柄が停止表示した後、現在の遊技状態に基づき支援時短状態を生起させるか否かを判定し(以下「支援時短発動判定」と称する)、次いで、残余時短回数のカウント処理を行う(処理手順1)といった処理手順の場合、支援時短発動判定時の遊技状態は「時短状態」であるため(支援状態発動禁止状態)、支援時短状態は生起しない。つまり、支援時短対応図柄が停止表示時には、遊技状態が「時短状態」であるため、支援時短状態は生起させないようになっている。
(万石34)一方、支援時短対応図柄が停止表示し、残余時短回数のカウント処理を行った後に支援時短発動判定を行うといった処理手順(処理手順2)の場合、支援時短発動判定時の遊技状態は「通常状態」であるため(支援状態発動許容状態)、支援時短状態が生起することになる。つまり、支援時短対応図柄が停止表示時には、遊技状態が「通常状態」であるため、支援時短状態を生起させるようになっている。この処理手順2の場合(上記ゲーム開始時カウント形態の場合も同様に)、時短回数の最終回目にのみ、支援時短当選時に係る変動中演出や装飾停止図柄を現出されうる。また、演出上、時短状態中に新たな時短状態が発生したように見せることができる。たとえば、「時短継続!」、「時短回数追加!」などの演出を現出させることができる。
(万石35)なお、上記では、時短回数の最終回目に着目して説明したが、ST回数の最終回目においても同事象である。具体的には、ゲーム開始時カウント形態は、ゲーム開始時にST回数のカウント処理を行う処理形態、ゲーム終了時カウント形態は、ゲーム終了時にST回数のカウント処理を行う処理形態とし、ST回数のカウント処理には、残余ST回数がゼロになった場合に確変状態を終了させる処理(本実施形態の確変終了時の設定処理(ステップS486)に相当する処理)を含むものとする。この場合、上記時短状態で説明した事象と同じく、ゲーム開始時カウント形態では、ST回数の最終回目に支援時短に当選した場合には支援時短状態が必ず生起し、ゲーム終了時カウント形態では、支援時短発動判定の処理を、ST回数のカウント処理よりも前に行う場合は支援時短状態が生起しないが(支援時短対応図柄が停止表示時には、遊技状態が「各状態状態」のため)、支援時短発動判定の処理を、ST回数のカウント処理よりも後に行う場合は支援時短状態が生起することになる(支援時短対応図柄が停止表示時には、遊技状態が「通常状態」のため)。
<18.特別電動役物管理処理:図21>
次に、図9中の特別電動役物管理処理(ステップS095)について説明する。図21は、ステップS095の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、特電非作動型支援時短を設けた場合の特別電動役物管理処理について説明する。
図21において、CPU201は、まず、条件装置作動フラグのON/OFF状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態(ステップS502:≠5AH)、つまり、大当り遊技中でもない場合には、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態の場合(ステップS502:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、領域内RAMの特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。特別電動役物動作ステータスには、大当り遊技開始前の待機状態である旨を指定する「開始処理中(00H)」、ラウンド遊技開始前の待機状態である旨を指定する「作動開始処理中(01H)」、ラウンド遊技が実行中である旨を指定する「作動中(02H)」、次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を指定する「継続判定中(03H)」、大当り遊技終了時の終了処理中である旨を指定する「大当り終了処理中(04H)」が含まれる。
ステップS503の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値が「開始処理中(00H)」「作動開始処理中(01H)」「作動中(02H)」「継続判定中(03H)」「大当り終了処理中(04H)」のいずれかのステータス値であるかに応じてステップS505〜S509のいずれかの処理を実行する。これらの処理は大当り遊技を実行制御する処理であり、ステップS505〜S509の処理を経て、各種当りに対応する当り遊技が実現される。以下に、ステップS505〜S509の処理内容について説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
(9−1.大当り開始処理)
ステップS505の「大当り開始処理」について説明する。大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが、初期値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって「大当り」となった場合は、まずこの「大当り開始処理」が実行される。
大当り開始処理に入ると、CPU201は、まず、大当り遊技を開始する際に必要な設定処理(開始時の設定処理)として、役物連続作動装置作動フラグにON状態に設定する。これにより、特別電動役物の連続作動(ラウンド遊技)が許容状態となる。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に更新し、ラウンド数をカウントする「連続回数カウンタ」に初回の1R目を指定する01Hを設定する。次いで、今回当選した当り種別(特別図柄判定データ)に応じて、領域内RAMの該当領域に、今回の大当りに対応する「最大ラウンド数」、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を設定する。「開始インターバル時間(開始INT)」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して(図17AのステップS471参照)大当りが確定した後、特別変動入賞装置52が作動するまで(1R目のラウンド遊技が開始されるまで)のインターバル区間であって、オープニング演出区間を定めた時間幅を指す。
次いで、「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜ける。なお「大当り開始コマンド」には、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれる。この大当り開始コマンドを演出制御部24が受信すると、今回の大当り遊技中(開始INT中、ラウンド遊技間、ラウンド遊技中、終了INT中など)に展開される一連の当り演出(オープニング演出、ラウンド中演出、ラウンド間インターバル演出、ラウンド終了演出、エンディング演出など)を決定し、オープニング演出を開始する。かくして、大当り遊技と大当り中演出が開始される。
(9−2.特別電動役物作動開始処理)
次に、ステップS506の「特別電動役物作動開始処理」について説明する。
特別電動役物作動開始処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、ラウンド開始前インターバル時間が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記「大当り開始処理(ステップS505)」で設定された「開始インターバル時間(開始INT)」が監視されるが、2R目以降で本処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間」、具体的には、今回のラウンド遊技が終了して次回ラウンド遊技が開始されるまでのラウンド間のインターバル時間(R間INT)が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、今回のラウンド遊技が終了していないので、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(1R目の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、大当り種別(特別図柄判定データ)と現在のラウンド数(連続回数カウンタ値)とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。ここでは、大入賞口開閉動作時間(最大開放時間)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データ(ラウンド数に対応して実行される大入賞口開閉動作パターン用データ)を設定する。
また大入賞口開放開始動作に伴い、大入賞口開放コマンドを演出制御部24に送信する。この「大入賞口開放コマンド」には、現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド数に対応するラウンド中演出を現出させる際に利用される。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替えて、この特別電動役物管理処理を抜ける。これにより、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放され、今回のラウンド遊技が開始される。
(9−3.特別電動役物作動中処理)
次に、ステップS507の「特別電動役物作動中処理」について説明する。
特別電動役物作動中処理に入ると、CPU201は、まず大入賞口50への入賞球数が最大入賞数に達したか否かを監視し、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをゼロクリアする。これにより、上記「特別電動役物作動開始処理(ステップS506)」で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことを以って、開放中の大入賞口50が閉鎖されることになる。また、ここでは、大入賞口50に入賞があるごとに「大入賞口入賞コマンド」を演出制御部24に送信する。この大入賞口入賞コマンドには、大入賞口への入賞発生情報と賞球数情報とが含まれ(設定値情報も含ませてもよい)、大入賞口50に入賞した旨を報知する入賞演出に利用される他、入賞演出を利用した設定示唆演出の現出制御にも利用される。たとえば、最大入賞数を超えるオーバー入賞があった場合、設定値に応じて定められた出現率に従い、通常のオーバー入賞演出に替えて、特別なオーバー入賞演出を現出させる。
なお、特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間、つまり、大入賞口開放動作時間(最大開放時間)が経過するか、または最大入賞数に達するまでの間は、何もしないで、そのまま特別電動役物作動中処理を抜ける。
最大入賞数に達するか、または最大開放時間が経過して、特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(1980ms)を格納する。この「残存球排出時間」とは、大入賞口が閉鎖された後、大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間を指す。また大入賞口閉鎖(ラウンド遊技終了)に伴い、ラウンド間インターバルコマンドを演出制御部24に送信する。この「ラウンド間インターバルコマンド」は、ラウンド遊技終了情報や現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド間INT中のラウンド間INT演出を現出させる際に利用される。以上により、この特別電動役物作動中処理を抜ける。
(9−4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、ステップS508の「特別電動役物作動継続判定処理」について説明する。
特別電動役物作動継続判定処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の残存球排出時間(1980ms)が設定されているので(ステップS507参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタの値を取得して、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える。
一方、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合、最終ラウンド終了時の設定処理として、「終了INT(終了インターバル時間)」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える。上記「終了INT」とは、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了して残存球排出時間経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信して、特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。これにより、最大ラウンド数目のラウンド遊技が終了される。なお、大当り終了コマンドには、今回の大当り種別とその当選時の遊技状態とに関する情報、つまり大当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。
(9−5.大当り終了処理)
次に、ステップS509の「大当り終了処理」について説明する。
大当り終了処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間(終了INT)が設定されているので、ここでは、この終了インターバル時間が経過したか否かが判定される。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば、遊技状態移行準備処理(図10のステップS412)」において設定された状態バッファの各々の値を、状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタにそれぞれ設定する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が指定される。なお、後述の天井機能を設ける場合には、本処理にて、後述の天井カウンタに初期値(たとえば、天井ゲーム数(1000ゲーム))を設定する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が指定される。
次いで、大当り終了時の各種設定処理として、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータ(たとえば、ステップS505〜S509で利用したフラグやカウンタ値)をクリアし、遊技状態報知LED出力番号を更新し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了して、今回の大当り遊技が終了されることになる。
(特電作動型支援時短を設けた場合について)
上記実施形態では、「特電非作動型支援時短」を設けた場合に着目して説明した。特電作動型支援時短を設ける場合には、下記のように構成して、特電作動型支援時短による支援時短状態を制御すればよい。
図17A中のS476の判定処理において、支援時短判定フラグがON状態(5AH)の場合、ステップS477A〜S447Cの処理に替えて、支援時短図柄停止時の各種設定処理として、支援時短判定フラグをOFF状態(00H)に設定し、支援時短開閉遊技の実行を指定する支援時短開始前フラグをON状態(5AH)に設定する。
そして図21の特別電動役物管理処理において、まず、ステップS502の判定処理の前に、支援時短開始前フラグの状態を判定する処理を行う。支援時短開始前フラグがOFF状態である場合にはステップS502以降の処理を実行し、支援時短開始前フラグがON状態である場合には、支援時短開閉遊技の実行させるための処理(支援時短特別電動役物作動処理)を行い、リターンする。支援時短特別電動役物作動処理では、まず、支援時短開閉遊技の開始時に「支援時短開閉遊技中フラグ」をON状態(5AH)に設定し、支援時短開閉遊技を実行するために必要な設定処理を行う。そして、支援時短開閉遊技が終了した場合に、上記「遊技状態移行準備処理(図12のステップS412)」において設定された状態バッファの各々の値を、状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタにそれぞれ設定し、支援時短状態中である旨を指定する「支援時短中フラグ」をON状態(5AH)に設定し、支援時短開始前フラグと支援時短開閉遊技中フラグをOFF状態(00H)に設定する。なお、特電非作動型支援時短の場合は、支援時短開閉遊技を経由しないため、支援時短に当選したゲーム終了後に(確定表示時間経過後を契機に、または変動時間終了後を契機に)支援時短中フラグがON状態に設定される(図17AのステップS477B参照)。これにより、支援時短開閉遊技後の遊技状態(時短状態への移行、時短回数)が指定される。なお、支援時短開閉遊技開始時には「支援時短開閉遊技開始コマンド」が、支援時短開閉遊技終了時には「支援時短開閉遊技終了コマンド」が演出制御部24に送信される。これらのコマンドは、演出制御部24側にて、支援時短開閉遊技中の演出(オープニング演出(開始INT中演出)、開閉動作遊技中の演出、エンディング演出(終了INT中演出など)を現出する際に利用される。ここで、特電作動型支援時短の場合は、支援時短開閉遊技(小当り当選型支援時短の場合は小当り遊技)が先ず実行され、その後、時短状態が付与されるため、支援時短状態中が支援時短開閉遊技を含む期間であるのか否かが問題となる。この場合、遊技性にもよるが、支援時短開閉遊技を含む期間を支援時短状態中として扱う場合には、支援時短開閉遊技の開始時に上記支援時短中フラグをON状態としてもよいし、支援時短開閉遊技を除く期間を支援時短状態中として扱う場合には、支援時短開閉遊技の終了時に、上記支援時短中フラグをON状態としてもよい。
以上、第1実施形態について好ましい実施形態についてまとめると、下記の構成例1A〜9Aとすることができる。
[構成例1A]
始動条件の成立に基づき、少なくとも第1の乱数値と第2の乱数値とを含む複数種類の乱数値を取得する取得手段(図11のS314)と、
前記第1の乱数値に基づいて、所定の当選に関する当落判定を実行する当落判定手段(主制御部20、図12のS410)と、
前記当落判定の結果と第2の乱数値とに基づいて、当選の種別を判定する図柄判定手段(主制御部20、図12のS411)と、
図柄の変動表示動作を行い、前記図柄判定手段の判定結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b、液晶表示装置36)と、
大入賞口の入口を開きまたは拡大可能に構成された特別電動役物(特別変動入賞装置52)と、
特別電動役物を連続作動させることが可能な役物連続作動手段(主制御部20(役物連続作動装置)、図21)と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段(主制御部20、図4、図12のS412、図21のS509、図42、図43)と、を備える遊技機であって、
前記当落判定手段による当落判定の対象には、
前記役物連続作動手段の作動契機となる大当り(たとえば、10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り:図4)と、前記役物連続作動手段の作動契機とならない特別時短(支援時短A、支援時短B、支援時短C:図4)とが少なくとも含まれ、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別時短が当選した場合、前記時短状態に制御する(図4、図42)ことを特徴とする遊技機。
[構成例2A]
始動条件の成立に基づき、少なくとも第1の乱数値と第2の乱数値とを含む複数種類の乱数値を取得する取得手段(主制御部20、図11のS314)と、
前記第1の乱数値に基づいて、所定の当選に関する当落判定を実行する当落判定手段(主制御部20、図12のS410)と、
前記当落判定の結果と第2の乱数値とに基づいて、当選の種別を判定する図柄判定手段主制御部20、図12のS411)と、
図柄の変動表示動作を行い、前記図柄判定手段の判定結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b、液晶表示装置36)と、
大入賞口の入口を開きまたは拡大可能に構成された特別電動役物(特別変動入賞装置52)と、
特別電動役物を連続作動させることが可能な役物連続作動手段(主制御部20(役物連続作動装置)、図21)と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段(主制御部20、図4、図12のS412、図21のS509、図42、図43)と、を備える遊技機であって、
前記当落判定手段による当落判定の対象には、
前記役物連続作動手段の作動契機となる大当り(たとえば、10R確変大当り、4R確変大当り、4R時短大当り:図4)と、前記役物連続作動手段の作動契機とならない特別時短(支援時短A、支援時短B、支援時短C:図4)とが少なくとも含まれ、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別時短が当選した場合、前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御し、
前記特別時短には、前記上限回数が異なる複数種類の特別時短(支援時短A、支援時短B、支援時短C:図4)を含み、
前記図柄判定手段は、
前記当落判定の結果が前記特別時短の当選である場合、前記当選の種別として、前記複数種類の特別時短のいずれかを判定する(図4、図30)、ことを特徴する遊技機。
[構成例3A]
始動条件の成立に基づき、第1の乱数値と第2の乱数値とを含む複数種類の乱数値を取得する取得手段(主制御部20、図11のS314)と、
前記第1の乱数値に基づいて、当りに関する当落判定を実行する当落判定手段(主制御部20、図12のS410)と、
前記当否判定の結果が当りである場合、前記第2の乱数値に基づいて当該当りの種別を判定可能な図柄判定手段(主制御部20、図12のS411)と、
図柄の変動表示動作を行い、前記図柄判定手段の判定結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備える遊技機であって、
前記図柄判定手段は、
前記当落判定手段による当落判定の結果が当りでない場合、前記第2の乱数値を用いて前記時短状態を付与するか否かに関する抽選を実行するように構成された(図26〜図31)、ことを特徴とする遊技機。
なお、「抽選結果が当りでない」の場合とは、当落抽選(図26または図27)で「少なくとも大当り(通常小当りを設けた場合は、大当りおよび通常小当りとしてもよいし、通常小当りを除いた大当りのみとしてもよい)」に当選しなかったことを意味し、ここでは、支援時短が当選したケースを意味する(後述の構成例4Aおよび5Aについても同様)。
[構成例4A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御可能な遊技機であって、
前記抽選結果が当りである場合に前記時短状態に制御される上限回数(時短大当りにより付与される時短回数)と、前記抽選結果が当りでない場合に前記時短状態に制御される上限回数(支援時短により付与される時短回数)とが異なる回数である(4R時短大当りの時短性能(時短回数100回)≠支援時短の時短性能(支援時短Bによる時短回数200回または支援時短Cによる無限時短(時短回数65535回))、ことを特徴とする遊技機。
[構成例5A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
通常状態よりも短い変動時間にて前記図柄の変動表示動作を実行する割合が高い時短状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記図柄の変動表示回数が所定の上限回数に達するまで前記時短状態に制御可能な遊技機であって、
前記抽選結果が当りである場合と当りでない場合とで前記前記時短状態に制御可能に構成され、
前記抽選結果が当りである場合に前記時短状態に制御される上限回数(時短大当りにより付与される時短回数)と、前記抽選結果が当りでない場合に前記時短状態に制御される上限回数(支援時短により付与される時短回数)とが同じである(4R時短大当りの時短性能(時短回数100回)=支援時短の時短性能(支援時短Aによる時短回数100回))、ことを特徴とする遊技機。
[構成例6A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、リーチ変動パターンを含む複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記リーチ変動パターンは、変動時間が異なる複数のリーチ変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が、変動時間が相対的に長いリーチ変動パターンの選択率が高い(図35)、ことを特徴とする遊技機。
[構成例7A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記複数種類の変動パターンは、変動時間が異なる複数の通常変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が、変動時間が相対的に長い通常変動パターンの選択率が高い(図35)、ことを特徴とする遊技機。
[構成例8A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記複数種類の変動パターンは、変動時間が異なる複数の通常変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が前記抽選結果が当りでない場合に選択対象となる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる一方、前記抽選結果が当りの場合に選択対象となる変動パターンの変動時間は変化しない(上記(T27)の構成、図34の変形例)、ことを特徴とする遊技機。
なお、本構成例8A、9Aにおいて「抽選結果が当りでない」の場合とは、「大当り(通常小当りを設けた場合は、大当りおよび通常小当りとしてもよいし、通常小当りを除いた大当りのみとしてもよい)および支援時短」のいずれにも当選しなかった「ハズレ」であることを意味する(図19Aまたは図19Bにより支援時短の当選が強制的にハズレとされる場合を含む)。
[構成例9A]
当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
図柄の変動表示動作を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた表示態様で当該図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、
前記当りに当選したことを条件に、特定の遊技期間における連荘回数をカウントする連荘回数カウント手段と、を備える遊技機であって、
前記複数種類の変動パターンは、変動時間が異なる複数の通常変動パターンを含み、
前記連荘回数が所定回数を超える前よりも超えた後の方が前記抽選結果が当りの場合に選択対象となる変動パターンの変動時間が相対的に長くなる一方、前記抽選結果が当りでない場合に選択対象となる変動パターンの変動時間は変化しない(上記(T26)の構成、図35の変形例)、ことを特徴とする遊技機。
<装飾図柄の変動表示動作演出:図44〜図45>
次に図44〜図45を参照して、装飾図柄の変動表示演出について説明する。装飾図柄の変動表示演出とは、装飾図柄の変動開始から停止表示(特に、確定表示)までの一連の図柄変動表示動作態様(装飾図柄の変動パターン)であり、ここでは図4に示す左図柄、中図柄および右図柄の3つの装飾図柄の図柄変動表示態様を扱う。装飾図柄の変動表示演出は、図柄変動表示ゲーム中の演出の一部として利用される。なお、特段の必要ない限り、装飾図柄の変動表示演出を「装飾図柄演出」と略す。
装飾図柄演出は、リーチ状態(リーチ演出)や疑似連の発生や最終的なゲーム結果(大当り抽選結果)を報知したり、予告演出(変動中予告)を盛り上げる際に利用される他、ゲームの開始および終了を報知する重要な識別情報として機能するものであり、装飾図柄変動表示ゲームの中核を成すものといえる。すなわち、装飾図柄演出は、その表示動作により演出のバリエーションを豊富化するだけでなく、ゲーム結果がハズレで終了したときにストレスを感じにくくしたり、変動スランプの発生を感じにくくしたりする上で重要な演出であると考えられる。そこで本実施形態では、装飾図柄演出の演出的効果を向上しうる遊技機を提供することを目的とする。
本実施形態では、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ時に着目し、図柄変動中における演出バリエーションの豊富化や遊技者の打ち心地を向上させるべく、ゲーム終盤に実行される「装飾図柄の停止動作パターン(装飾図柄の停止動作態様)」に関して工夫を凝らしてある。
(装飾図柄演出の概要)
装飾図柄演出の概要について説明しておく。ここでは、まず図44を用いて、装飾図柄の一連の変動表示動作の概要について説明する。なお、「装飾図柄の停止動作パターン」の詳細については、図45を用いて後述する。
図44は、或る通常変動(たとえば、通常変動13s)に関連する装飾図柄演出(装飾図柄の変動パターン)を例示すタイミングチャートである。
装飾図柄演出では、たとえば図44(a)の「停止動作ロング」に示すように、まず、3つの装飾図柄が停止表示状態(確定表示状態)から一斉に或いは別々に変動表示を開始し、各装飾図柄が「高速変動状態(以下「高速変動」と称する)」を開始する(0.5秒の時点)。この高速変動中は、各装飾図柄が識別困難または識別不可能な表示状態とされ、停止表示時よりも装飾図柄の透過率が高くなり、たとえば、現在の演出モードに対応する背景画像が、高速変動中の装飾図柄を介して識別可能な状態になる。なお、図44では、3つの装飾図柄が停止表示状態から一斉に変動表示が開始される状態を示しているが、上述したように、3つの装飾図柄が別々に変動表示を開始して高速変動を開始するようにしてもよい。たとえば、左図柄が0.5秒、中図柄が0.7秒、右図柄が0.9秒後に高速変動とするように表示してもよい。この場合は、全図柄が0.9秒後に全図柄が高速変動状態に入る。
上記「透過率」とは、透過率が設定される画像に対して、その画像の背面に存在する他の画像が透けて見える度合またはその割合を意味する。具体的には、或る画像の透過率が0%に設定される場合には、その画像の背面に重畳する他の画像は全く見えなくなるが(識別不能状態)、透過率が100%に設定される場合には完全に透明となり、当該他の画像のみが見える状態となる。よって、透過率を適宜な値に定めれば、その透過率に応じて(0%<透過率A<99%)、半透明の画像として表示される。上記の高速変動中の装飾図柄の透過率は、少なくとも後述の低速変動中の透過率よりも高い透過率であればよく(低速変動中の透過率α%<高速変動中の透過率β%)、装飾図柄の後ろ側に重畳する他の画像(背景画像)が十分識別可能な透明度を有する表示状態であることが好ましい。なお、装飾図柄の変動開始を契機に、種々の予告演出も実行される。
再び図44の説明に戻り、変動開始から所定時間が経過すると、「左図柄→右図柄→中図柄」の順に、それぞれ変動開始から9秒、10.5秒、12秒の時点で停止動作を開始し、各図柄が順次、高速変動から減速を開始して「低速変動状態(以下「低速変動」と称する)」の期間に入る。この低速変動の期間は、図柄が徐々にスピードを落としながら停止する「スローダウン表示期間(減速期間)」となっており、停止動作開始直後(停止動作開始のタイミング)に透過率を確定表示と略同一(同一を含む意。以下同様)まで低下して、装飾図柄が識別可能な状態で再表示される。よって、低速変動期間中は、装飾図柄の透過率が高速変動中よりも常に低い状態となっている(低速変動中の透過率α%<高速変動中の透過率β%)なお、停止動作時間の経過に従い透過率が徐々に低くなるように構成してもよい。
上記「低速変動(スローダウン表示)」の期間が経過すると、「仮停止状態(以下「仮停止」と称する)」の期間に入る。本例では、各図柄がそれぞれ10.5秒、11.5秒、12.5秒の時点に、順次、この仮停止期間に入る。この仮停止期間中では、図柄が「揺れ変動」を行うようになっている。ここでの「仮停止状態」は、「疑似連」に係る装飾図柄の仮停止状態(装飾図柄の再変動表示動作前の仮停止状態)とは異なる。なお、仮停止中の透過率は、確定表示中の透過率と略同一であり(確定表示中の透過率γ%=仮停止期間中の透過率δ%=略0%)、図柄が十分に識別可能な状態で表示される。したがって、遊技者が如何なる図柄が停止したのかを明確に把握することができる。
そして、仮停止期間が経過すると(13秒の時点)、変動時間(特別図柄の変動時間)が終了し、装飾図柄が確定表示されて(確定表示期間)、これにより、一連の装飾図柄演出が終了、つまり、今回の装飾図柄変動表示ゲームが終了される。なお、この確定表示の期間は、特別図柄が変動時間を終えた際に設定される「確定表示時間(図16のステップS454参照)」に対応して設けられた時間幅であり、最終的に停止表示された装飾図柄の組合せを確定的に報知するための確定表示時間として利用される。次回の装飾図柄変動表示ゲームは、この確定表示期間を経てから開始されることになる。
なお、図示はしていないが、正確には、低速変動の終了時には装飾図柄のスピードがゼロとなり、装飾図柄が一時的に停止表示された後(たとえば、0.3秒間停止表示:一時停止期間)、仮停止が開始される。すなわち、1回の図柄変動表示ゲームにおける装飾図柄の基本的な変動表示動作の流れは、正確には「高速変動→低速変動→一時停止→仮停止→全図柄確定表示」となっている。したがって、「最初に停止する図柄」と称する場合は、最初に低速変動を終了する図柄か、または最初に仮停止する図柄を意味する。本明細書中では、説明を簡易なものとするため、「最初に停止する図柄」、「2番目に停止する図柄」、「最後に停止する図柄」をそれぞれ、「最初に仮停止する図柄」、「2番目に仮停止する図柄」、「最後に仮停止する図柄」として扱う。
また以下では説明の便宜のために、上記「低速変動期間(スローダウン表示期間)」が「停止動作の開始から仮停止まで期間」である点に着目し、当該低速変動期間を“停止動作中期間”と称する場合がある。また、この停止動作期間中の演出を“停止動作中演出”と称する場合がある。
(装飾図柄の停止動作パターンについて:図45)
以上、装飾図柄の一連の変動表示動作の概要について説明した。次に、図45を参照して、本実施形態に係る装飾図柄の停止動作パターンについて説明する。
図45は、装飾図柄の停止動作パターン(停止動作期間中に係る表示態様)に注目したタイミングチャートである。詳細は追って説明するが、本実施形態では、図45(a)〜(c)に示す「停止動作ショート」、「停止動作ミドル」、「停止動作ロング」という3つの停止動作パターンを扱う。なお、図45では、最初に停止(仮停止)する図柄が停止動作を開始する時点tを0秒として、各図柄の停止動作パターンにおける各図柄の時間的推移を示してある(なお、等号で結ばれる関係式は、略同一の意を含む)。また、説明の便宜のために、図45の装飾図柄演出(装飾図柄の変動表示動作)に関する各期間を、以下のよう表記している。
(イ)左図柄の停止動作中期間を「左停止動作中期間LMT」
(ロ)右図柄の停止動作中期間を「右停止動作中期間RMT」
(ハ)中図柄の停止動作中期間を「中停止動作中期間CMT」
(ニ)左図柄の仮停止期間を「左仮停止期間LPT」
(ホ)右図柄の仮停止期間を「右仮停止期間RPT」
(ヘ)中図柄の仮停止期間を「左仮停止期間CPT」
(ト)確定表示期間(各装飾図柄共通)を「確定表示期間CT」
(チ)左図柄の停止動作期間(LMT+LPT)を「左停止動作期間LST」
(リ)右図柄の停止動作期間(RMT+RPT)を「右停止動作期間RST」
(ヌ)中図柄の停止動作期間(CMT+CPT)を「中停止動作期間CST」
本実施形態では、停止動作パターンに関し、少なくとも一つの図柄が最初に停止動作を開始したときから全図柄が停止(確定表示)するまでの停止動作期間(ここでは、「左停止動作期間LST」に相当する)が異なる複数の停止動作パターンを設けてある。複数の停止動作パターンには、停止動作期間(停止動作時間)がそれぞれ異なる第1期間、第2期間、および第3期間の停止動作パターンが少なくとも設けてあり、第1期間、第2期間、第3期間のこの順で停止動作期間が長くなる。これらのうち、第1期間の停止動作パターンを「停止動作ショート」と称し、停止動作期間が第1期間よりも長い第2期間の停止動作パターンを「停止動作ミドル」と称し、停止動作期間が第2期間よりも長い第3期間の停止動作パターンを「停止動作ロング」と称する。たとえば、図45に示す(a)〜(c)の停止動作パターンの関係でいえば、停止動作期間が最短期間(最短時間)の停止動作パターンが「停止動作ショート」となり、停止動作期間が最長期間(最長時間)の停止動作パターンが「停止動作ロング」となり、停止動作ショートよりも長く、停止動作ロングよりも短い停止動作期間の停止動作パターンが「停止動作ミドル」となる。
(停止動作ショートの具体例:図45(a))
図45(a)参照して、「停止動作ショート」について説明する。
本実施形態に係る「停止動作ショート」は、図示の通り、左図柄・右図柄・中図柄の全図柄が略同一のタイミングで、停止動作(スローダウン表示)を開始し(0秒の時点)、0.5秒の低速変動期間(停止動作中期間)を経て、全図柄が略同一のタイミングで仮停止(一時停止)する。その後、0.5秒間の仮停止(揺れ変動)を経て、全図柄が確定表示される(1秒の時点)。この停止動作ショートの場合、全図柄が一斉に停止動作を行い、僅か1秒後に確定表示されることから、素早く停止しているように見える。
(停止動作ミドルの具体例:図45(b))
次に、図45(b)を参照して、「停止動作ミドル」について説明する。
本実施形態に係る「停止動作ミドル」は、上記停止動作ショートとは異なり、各図柄の停止動作順序が異なっている。具体的には、図示のように、「左図柄→右図柄→中図柄」の順に、それぞれ、停止動作(スローダウン表示)を開始する。本実施形態の場合、最初に停止(仮停止)する左図柄が停止動作に入った後、左図柄の停止動作の途中で、右図柄と中図柄とが順次停止動作に入り(0.5秒、1秒の時点)、停止動作を開始した順に、各図柄が順次、仮停止に入る(図示の1.5秒、2秒、2.5秒の時点を参照)。そして、最後に仮停止した中図柄から0.5秒を経過すると、全図柄が確定表示される(3秒の時点)。したがって、停止動作ミドルの場合は、停止動作ショート(1秒)よりも長い停止動作期間(3秒)、つまり、各図柄が停止動作ショートよりもゆっくり停止していくように見える。しかし、停止動作ミドルの場合は「最初に停止する図柄の停止動作の途中で、他の図柄が順次停止動作して行く」という停止動作のため、演出的には、各図柄がテンポ良く停止していくような感じを受け易い。
(停止動作ロングの具体例:図45(c))
次に、図45(c)を参照して、上記「停止動作ロング」について説明する。
本実施形態に係る「停止動作ロング」は、停止動作ミドルと同様に、各図柄の停止動作順序が「左図柄→右図柄→中図柄」の順に、それぞれ、停止動作(スローダウン表示)を開始する点で同じである。しかし、次の点で異なる。停止動作ロングの場合には、まず、左図柄が停止動作に入り、その後1.5秒の時点で仮停止に入る。一方、右図柄は、左図柄が仮停止に入る1.5秒の時点で停止動作に入り、その後、3秒の時点で仮停止に入る。また、中図柄は、右図柄が仮停止に入る3秒の時点で停止動作に入り、3.5秒の時点で仮停止に入る。すなわち、時系列的に先に停止動作を開始した図柄が仮停止に入るごとに、順次、残りの図柄が仮停止に入り、最後に仮停止した図柄の0.5秒後、つまり、左図柄の停止動作開始から4秒後に全図柄が確定表示されるようになっている。したがって、停止動作ロングが適用される場合、各図柄が停止動作ミドルよりもゆっくり停止していくように見える。なお、停止動作ロングの場合、最後に停止(仮停止)される図柄が、他の図柄よりも短時間で停止するようになっている点に特徴がある。
上記した各停止動作パターン(停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロング)について、各期間に着目した場合の関係(期間LMT、RMT、CMT、LPT、RPT、CPT、LST、RST、CSTなど)は、図45に示す通りであり、ここから導出可能な事項(たとえば、高速変動期間の長短の関係、停止動作中期間の長短の関係、透過率の高低の関係、停止動作期間の長短の関係など)は自明な事項であり、本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
以上のように、停止動作ショート、停止動作ミドル、停止動作ロングは、装飾図柄の停止動作態様(停止動作中演出態様)がそれぞれ異なるため、演出的に異なる印象を与えうる。
<演出制御部側の処理:図22〜図25>
次に、図22〜図25を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図22)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図23)とを中心に構成される(後述の第3実施形態についても同様)。
<16.演出制御側メイン処理:図22>
図22は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図22に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部24(CPU241)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS1001)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
上記初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごと(16ms)にステップS1003〜S1012のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS1013の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS1002の処理において、CPU241は、メインループ更新カウンタを参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期(カウンタ値>15)が到来したか否かを判定する(ステップS1002)。上記メインループ更新カウンタは、1ms毎に実行される後述の演出制御側タイマ割込処理中でインクリメントされるカウンタである(図17のステップS1057参照)。本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっており、ステップS1002の判定処理にて、メインループ更新カウンタ値を判定し、その値が「15」より大きい場合には(ステップS1002:YES)、メインループ処理の実行タイミングが到来したとして、ステップS1003〜S1011の処理を実行し、それ以外の場合には、メインループ更新周期が到来するまで(ステップS1002:NO)、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出などの抽選に利用する各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS1012)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS1002:YES)、メインループ更新カウンタをゼロクリアし(ステップS1003)、次いで、エラー処理を実行する(ステップS1004)。ここでは、エラー中におけるエラー報知用の演出シナリオの設定やエラーが解除された際のエラー解除処理などを実行する。なお、演出手段に関するエラー(可動体役物エラー、音声ICエラーなど)は、ここで監視される。
次いで、デモ・節電モード処理を実行する(ステップS1005)。このデモ・節電モード処理では、客待ち前演出(デモ開始待ち表示)、客待ち演出(デモ表示)、および節電モードに必要な設定処理を実行する。
次いで、演出スイッチ入力処理を実行する(ステップS1006)。この演出スイッチ入力処理では、操作手段(演出ボタン13、方向キー75)の操作状態を監視し、操作を検出した場合には、その操作に応じた演出制御処理を実行する。操作手段の入力状態は、後述の図23中のボタン入力状態更新処理(ステップS1052)にて監視される。
次いで、コマンド解析処理を行う(ステップS1007)。このコマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出処理を実行する。なお、主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じた際、図示しないコマンド受信割込処理が実行される。このコマンド受信割込処理により、演出制御コマンドが取得され、そのデータは、RAM243のコマンド受信バッファに格納される。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合(本実施形態では、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドとが受信され、それらが受信バッファに格納されている場合)、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選情報(または当選種別情報))に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
上記コマンド解析処理を終えると、次いで、シナリオ更新処理を実行する(ステップS1008)。このシナリオ更新処理では、演出シナリオの実行に必要なタイマの内容を更新、当該タイマ値に基づいて演出シナリオを進行する処理を実行する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、どのような演出手段で現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLED駆動データ更新処理(ステップS1010)や演出役物動作更新処理(ステップS1053)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、或る演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLED駆動データ更新処理(ステップS1010)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物動作更新処理(ステップS1053)で作成される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS1009)。このサウンド出力処理では、ステップS1009のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音チャネル毎に設定されている音データに基づき、フレーズやボリュームなどのデータを音響制御部(音源LSI)に出力し、音響制御部を通じてスピーカ46から音演出を現出させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、LED駆動データ更新処理を実行する(ステップS1010)。このLED駆動データ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ13や各種演出用LEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成する。
次いで、LED出力処理を実行する(ステップS1011)。このLED出力処理では、LED駆動データ更新処理で作成されたLEDデータを光表示制御部に出力し、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45や演出用LEDなどの発光手段を点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
以上により、メインループ処理を終了すると、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS1013の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
<17.演出制御側タイマ割込処理:図23>
次に図23を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図23は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図23において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS1051)、ボタン入力状態更新処理を実行する(ステップS1052)。このボタン入力状態更新処理では、操作手段(演出ボタン13、方向キー75)からの操作検出信号の入力状態を監視し、操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この操作検出情報は、図22のシナリオ更新処理(ステップS1008)にて、遊技者参加型演出やメニュー画面やメニュー項目に係る情報などを表示する際に利用される。本実施形態では、1回押し、長押し、連打などの検出も可能となっている。
次いで、演出役物動作更新処理を実行する(ステップS1053)。この演出役物動作更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物用のモータ制御データを作成する処理を行う。
次いで、SOL・MOT出力処理を行う(ステップS1054)。このSOL・MOT出力処理では、上記演出役物動作更新処理で作成された可動体役物用の制御データを駆動制御部に出力する。駆動制御部は、制御データに基づく制御信号を、動作対象とする可動体役物の可動体役物モータに出力しその動作を制御する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物(時計型役物80、花型役物90など)による可動体演出が実現される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS1055)。この液晶コマンド送信処理では、図22のシナリオ更新処理(ステップS1008)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信し、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、RTC情報取得処理を実行する(ステップS1056)。このRTC情報取得処理では、RTCにより計時される日時情報(RTC情報)を取得する。このRTC情報は、RTC情報に基づく演出を現出する際に利用される。
次いで、メインループ更新カウンタをインクリメントする(ステップS1057)。このメインループ更新カウンタは、上述の演出制御側のメイン処理中のステップS1003でリセットされ、本処理でインクリメントされる。したがって、ステップS1057が実行される際には、メインループ更新カウンタ値は0〜15のいずれかとなっている。
上記ステップS1057の処理を終えると、退避していたレジスタの内容を復帰し(ステップS1058)、タイマ割込処理を終了して、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を実行する。
<18.受信コマンド解析処理の内容:図24、図25>
図24と図25は受信コマンド解析処理(図22のステップS1007)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深い処理を示したものである。以下、「保留加算コマンド」、「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
(保留加算コマンド受信処理:図24)
図24において、演出制御部24(CPU241)は、まず入賞時コマンド受信確認処理を実行する(ステップS2201)。演出制御部24は、入賞時コマンドを受信した場合、まずその入賞時コマンドの内容を解析して、先読み判定結果情報(先読み変動パターン情報を取得し、取得した情報をRAM243の先読み情報記憶エリアに格納する入賞時コマンド受信処理(不図示)を行うが、ここでは、その入賞時コマンドを正しく受信し、その情報を取得したことを確認するための受信確認処理を行う。先読み情報記憶エリアには、主制御側のRAM203の保留記憶エリアと同じように、特図1側と特図2側のそれぞれに対応する先読み情報記憶エリアが設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。
次いで、先読み判定結果情報が先読み禁止であるか否かを判定する(ステップS2203)。先読み禁止期間である場合(ステップS2203:YES)、何もしないで、保留加算コマンド受信処理を抜ける。
先読み禁止でない場合(ステップS2203:NO)、ステップS2204の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(ステップS2204)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるステップS2205の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合、今回の作動保留球が図柄変動表示ゲームに供されるまでの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数Nの値が格納されるようになっている(後述のステップS2208参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS2204:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないで保留加算コマンド受信処理を抜ける。連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップ2204:YES)、先読み予告抽選許容状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(ステップS2205)。先読み演出抽選処理では、変動開始時の変動パターンを先読みした結果として、先読み変動パターン情報に基づき、先読み予告を行うか否かの抽選を行うものである。「入賞時コマンド」には先読み変動パターン情報が含まれ、「保留加算コマンド」には特別図柄種別に関する情報が含まれ、これらの情報が先読み予告抽選に利用される。
本実施形態に係る先読み予告には2種類ある。一つは、主に、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時系の先読み予告(保留変化予告)である。他の一つは、時系列的に先に実行される図柄変動表示ゲーム中に生起させる図柄変動中系の先読み予告(変動中先読み予告)である。したがって、先読み予告抽選としては、保留変化予告を行うか否かについての抽選と、変動中先読み予告を行うか否かについての抽選とがあり、ここでは両者を独立に行う。
上記先読み演出抽選処理では、入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン情報と、先読み演出抽選テーブル(図示せず)とを用いて先読み予告を抽選し(ステップS2205)、その先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み演出抽選結果に関する情報)をセットする(ステップ2206)。この演出情報は先読み予告を現出する際に利用される。ここでセットされる演出情報には、(i)保留変化予告を指定する情報、たとえば、保留色や保留変化のタイミング指定情報などの保留変化予告に係る演出シナリオ、(ii)変動中先読み予告を指定する情報、たとえば、予告画像種別(雷雲画像、雨画像、稲妻画像)や実行回数情報などの変動中先読み予告に係る演出シナリオ、(iii)先読み演出抽選非当選(ハズレ)情報(先読み予告を実行しない情報)などが含まれる。本例の場合、保留変化予告を行うか否かについての抽選と、変動中先読み予告を行うか否かについての抽選とを独立して抽選を行うため、保留変化予告だけが実行される場合と、変動中先読み予告だけが実行される場合と、保留変化予告と変動中先読み予告の両方の先読み予告を実行される場合とがあり、保留変化予告と変動中先読み予告の両方が実行される場合は、先読み予告が単独で実行されるよりも当選期待度が高まる。
演出制御部24は、上記(i)(ii)の先読み予告を実行する場合には、上記先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み予告に関する演出シナリオ)に基づき、保留変化予告および/または変動中予告に必要な演出制御処理を行い、これにより、たとえば図5Bに示す先読み予告を実現する。一方、上記(iii)の先読み演出抽選非当選の場合、先読み予告は実行されず、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色保留が、該当保留表示部(図4のa1〜d1、a2〜d2)に表示されることになる。
上記先読み演出抽選処理の結果、先読み予告を実行する場合には現在の作動保留球数の値を連続予告カウンタに格納する(ステップS2208)。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図25の装飾図柄指定コマンド受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1ずつ減算されていくようになっている(後述のステップS2306参照)。上記のように先読み演出抽選に当選した際に現存する作動保留球数の値を「連続予告カウンタ」にセットすることで、当該作動保留球数に対応する図柄変動回数の間、新たな作動保留球が発生しても、それについて先読み予告演出の抽選が禁止される(ステップS2204:NOのルート)。たとえば現在の保留球数が3個の場合、当該保留球数に対応する3回の図柄変動の間、先読み予告抽選が禁止され、これにより先読み予告の発生が阻止される。なお上述の「連続予告カウンタ」は、先読み予告当選に関する情報としても利用することができる。つまり、「連続予告カウンタ」がゼロであれば、先読み予告非当選中(先読み予告非実行状態)であり、ゼロ以外の値であれば先読み予告当選中(先読み予告実行状態)と判断することができる。
(装飾図柄指定コマンド受信処理:図25)
図25を参照して、演出制御部24(CPU241)は、まず、変動パターン指定コマンド受信確認処理を実行する(ステップS2301)。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し、変動パターン情報(変動開始時の変動パターン情報)を取得し、取得した情報をRAM243の先読み情報記憶エリアに格納する変動パターン指定コマンド受信処理(不図示)を行うが。ここでは、変動パターン指定コマンドを正しく受信し、その情報を取得したことを確認する。
次いで、装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する図柄情報を取得する(ステップS2302)。
次いで、演出シナリオ種別抽選を実行する(ステップS2303)。ここでは、現在の演出モード(演出ステージを設けた場合は、現在の演出ステージ)と変動パターン情報に基づき、今回の図柄変動中の演出シナリオを、複数種類の演出シナリオのうちからいずれかを抽選により決定する。演出シナリオには、今回の図柄変動中に実行する予告演出に関する各種の演出シナリオが含まれる。演出シナリオが決定されると、さらに、決定された予告演出種別に属する具体的な予告演出の種類を決定する。たとえば、演出シナリオA〜Cがあり、演出シナリオAは、ステップアップ演出種別に関する演出シナリオであり、演出シナリオBは、遊技者参加型演出種別に関する演出シナリオであり、演出シナリオCは背景変化予告に関する演出シナリオである場合に、演出シナリオ種別抽選で演出シナリオAが決定されたとする。この演出シナリオAには、ステップアップ演出種別(たとえば、1段階で終了するステップアップ演出C、2段階まで発展するステップアップ演出B、最終段階まで発展するステップアップ演出A)に関する演出シナリオであるので、当該ステップアップ演出種別に属するステップアップ演出A〜Cのうちいずれを実行するかについて、所定の予告演出種別抽選により決定する。このステップアップ演出A〜Cは、変動パターンに応じた抽選確率が定められており、当選期待度が高い変動パターンほど、当選期待度が相対的に高いステップアップ演出Cが抽選され易いようになっている。またここでは、ステップアップ演出の実行に付随して実行される他の演出(設定示唆演出や非予告演出)も決定される。
そして、具体的な予告演出(ここでは、ステップアップ演出A〜Cのいずれか)が決定されると、今回の演出シナリオに関連する装飾図柄の変動パターンが決定される。ステップアップ演出A〜Cは、その演出内容に応じて演出実行時間があらかじめ定められており、たとえば、1段階用のステップアップ演出Cは9秒、2段階用のステップアップ演出Bは10秒、最終段階(3段階)まで発展するステップアップ演出Aは12秒という様に定められている。そこで、今回の予告種別抽選により、たとえば、ステップアップ演出C(演出実行時間が9秒)が決定された場合は、装飾図柄演出として、停止動作ロングを伴う装飾図柄演出が決定され、ステップアップ演出B(演出実行時間が10秒)が決定された場合は、装飾図柄演出として、停止動作ミドルを伴う装飾図柄演出が決定され、ステップアップ演出A(演出実行時間が12秒)が決定された場合は、装飾図柄演出として、停止動作ショートを伴う装飾図柄演出が決定される。これにより、図45〜図46に示す装飾図柄演出が実現される。たとえば今回の変動パターンが通常変動13sであった場合には、図45に示すような装飾図柄演出が実現されることになる。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS2304)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、演出シナリオと図柄情報とに基づき、仮停止図柄や最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンあり、かつ当選種別情報が10R確変大当りであれば、その大当りに関連した装飾図柄の組み合せを決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定し、決定された左図柄と右図柄とに基づき、10R確変大当りに関連した装飾図柄列が最終的に停止されるように中図柄を決定する。また、変動パターンが通常変動パターン(たとえば、通常変動13s)であれば、ハズレ目が停止表示されるように、最終的に停止される装飾図柄の組み合せを決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まり、今回の図柄変動中に実行する一連の変動中演出(予告演出シナリオ、装飾図柄演出シナリオ(装飾図柄の変動パターンに関する演出シナリオ))が決定される。そして、決定された変動中演出に関するシナリオデータを設定する(ステップS2305)。
次いで、連続予告演出管理処理を実行する(ステップS2306)。ここでは、変動中先読み予告に関する演出処理を行う。たとえば、今回のゲームが実行されることによる連続予告カウンタの減算、変動中先読み予告に係る予告画像の表示処理など、変動中先読み予告の実行に要する演出処理を行う。
そして、ステップS2306の連続予告演出管理処理を終えると、装飾図柄変動開始時の各種設定処理(ステップS2307)を行って、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜ける。以後、上記演出シナリオに基づく装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
[第3実施形態]
上記第1、第2実施形態では、「支援時短」を設けた実施形態を中心に説明した。次に説明する第3実施形態では、大ハマりしたときの救済機能として、所定の利益状態を付与する「天井機能」を設けた実施形態について説明する。なお、第1実施形態または第2実施形態と実質的に同じ構成要素(処理を含む)には同じ符号を付す。また第1実施形態または第2実施形態と実質的に同じ構成要素についての説明は、重複記載を避けるために適宜省略する。
(天井機能について)
本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、上記「天井機能」について説明しておく。
従来の遊技機においては、時短状態や確変状態への移行は、大当りが当選した場合に限られており、遊技が単調になりがちであった。特に、大当り当選までに大きなハマリ(たとえば、大当り確率分母の2倍以上の遊技回数を行っても大当りに当選しないなど)に遭遇してしまうと、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう。そこで、大当り当選契機とは異なる契機から遊技者に有利な遊技状態に移行可能な遊技機が望まれる。そこで本実施形態では、大ハマりしたときの救済機能として、所定の利益状態を付与する「天井機能」を有する遊技機を提供する。これにより、大当り当選契機とは異なる契機から遊技者に有利な遊技状態に移行させることができ、大ハマりしても遊技者の遊技意欲が著しく減退してしまうことを防止しうる。
上記「天井機能」は、少なくとも大当りに当選することなく、所定の変動回数(所定のゲーム数。以下「天井ゲーム数」とも称する)に到達した場合、換言すれば、少なくとも大当りに当選することなく所定のゲーム数が実行された場合、遊技者を救済するべく、所定の利益状態(天井特典)を付与するというハマり救済機能である。この点、抽選を経て利益が付与される支援時短とは性質を異にする。天井特典は、ハマリ救済機能という観点から、当然ながら、少なくとも通常状態よりも有利な利益状態となっている。
上記のように、天井機能は、ハマリ救済機能という意味合いが強いため、基本的には、確変状態や潜確状態のように、大当り抽選確率が高確率状態の遊技状態ではなく、大当り抽選確率が低確率状態の遊技状態(時短状態(時短モード)および通常状態(通常モード)、好ましくは、通常状態(通常モード)中に、大当りに当選することなく所定のゲーム数が実行された場合(天井ゲーム数に到達した場合)に発動(生起)させることが好適である。
(天井特典について)
上記「天井特典」の種類について説明する。天井特典の種類としては、図49Bの備考2の「天井特典の例」の一覧表に示すように、たとえば、「無限時短」、「有限時短」、「無限確変」、「有限確変」、「無限潜確」、「有限潜確」、「強制当り」などがある。これらの特典を大別すれば、「無限時短」と「有限時短」は“天井時短種別”、「無限確変」と「有限確変」は“天井確変種別”、「無限潜確」と「有限潜確」は“天井潜確種別”、「強制当り」は“天井当り種別”に属する天井特典である。以下、これら天井特典種について、順次説明していく。
(無限時短)
(A)「無限時短」とは、次回大当りまで時短状態を付与する特典である。なお、無限時短の場合、その時短回数は「回数制限無し(無限)」であるが、時短回数は有限であるが、実質的に次回大当りまでとなる時短回数、たとえば、大当り抽選確率の関係上、10000回や65535回などのように、時短回数到達による時短状態の終了可能性は皆無となる場合(0%と考えても差し支えがない場合)や、パチンコホールの営業時間内に消化不可能な時短回数を付与する場合(たとえば、5000回など)も、本発明では無限時短に属するものとして扱うことができる。なお、支援時短に係る「無限時短(時短回数無限)」についても同様である。
(有限時短)
(B)「有限時短」とは、適切な大当り当選率となるように、所定の時短回数を限度に時短状態を付与するものである。この点、制限回数の無い前述の無限時短とは異なる。付与される時短回数としては、たとえば、時短大当り(4R時短大当り)と同じ時短回数100回などがその代表例であるが、時短大当りと同じ時短回数を付与するに限らず、異なる時短回数であってもよい。たとえば、時短大当りによる時短回数をM回(たとえば、4R時短大当りの100回)、天井特典による有限時短回数をN回とした場合、「時短回数N<時短回数M」(M=100回、N=50回や75回など)または「時短回数N>時短回数M」を満たす回数(M=100回、N=200回、400回など)を付与することができる。なお、支援時短に係る時短回数についても同様なものとすることができる。また、上記「無限時短」における「実質的に次回大当りまで」となる時短回数を付与する場合も、回数制限がある点で、この有限時短に属するものと言えるが、先述したように、本発明では無限時短に属するものとして扱うことができる。
(有限時短を付与する場合の具体例)
ここで、天井特典による有限時短を付与する場合には、下記のような付与形態(1)〜(5)とすることができる。なお、ここでは、有限時短の付与形態を中心に説明するが、無限時短の付与を完全排除する概念ではない。
(有限時短付与形態1)
(1)大当りによる時短回数(大当り当選に起因して付与される時短回数(大当り時短状態))が複数種類(種類数A)ある場合、天井特典(有限時短)による時短回数(天井時短状態)の種類はそれよりも少ない種類(種類数B)に定める。具体的には「種類数B<種類数A」の関係を満たすように構成する。たとえば、大当りによる時短回数として、100回(時短回数A)と50回(時短回数B)の2種類(種類数A)を設けた場合、天井特典による時短回数を1種類(たとえば、時短回数100回(時短回数A))だけを付与するように構成する。なお、「種類数B<種類数A」の関係を満たすのであれば、大当りによる時短回数とは異なる時短回数(たとえば、150回)を付与してもよい。また、天井特典による時短回数(時短状態)の種類を2種類以上設ける場合には(「2≦種類数B<種類数A」の場合)、所定の抽選により、いずれかの時短回数(時短状態)を決定可能に構成することができる。また、上記「種類数A」を、支援時短による時短回数(有限時短)の種類数としてもよい。なお、本付与形態の例外として「種類数B<種類数A」の関係を満たすものであれば、無限時短を含んでもよい。また、本付与形態における大当りによる時短回数と天井特典による時短回数との関係は、「天井特典による時短回数」の部分を「支援時短による時短回数」と適宜読み替え、大当りによる時短回数と支援時短による時短回数との関係として適用することができる(後述の有限時短付与形態3〜5についても同様)。
(有限時短付与形態2)
(2)天井特典による時短回数(天井時短状態)の種類が複数ある場合、所定の抽選(天井特典抽選)により、いずれかの時短回数(天井時短状態)を決定することができる。
大当りによる時短回数が複数種類ある場合、たとえば、時短回数50回と時短回数100回とがある場合、天井特典抽選において、大当りによる時短回数と同じ時短回数(50回と100回)を抽選対象とすることができる。この場合は、天井特典として、大当りと同等の時短回数を付与することができる。勿論、大当りによる時短回数とは異なる時短回数を含む複数の時短回数(たとえば、100回と75回と25回)を、天井特典抽選の対象としてもよい。この場合は、大当りと異なる時短回数が付与されるため、過度な天井特典とならない。
勿論、抽選対象となる時短回数は、遊技性に応じて適宜決定することができるものであり、(伊49)たとえば、時短回数100回、200回、無限時短など、既存の時短大当りよりも多い時短回数や、例外的に無限時短も含めることができる。また、天井特典抽選には、天井特典を付与しない「ハズレ」を設けることができる。ハズレを設ける場合は、無限時短や高時短回数(たとえば、1000回)などを含む天井特典の場合に、天井特典付与率を低下させて過度な天井特典を付与しないようにする際に好適である。
斯様な天井特典抽選機能は、天井到達毎に固定的な天井特典を付与しない、という点で、遊技性を向上させることができる。
なお、上記天井特典抽選の対象となる天井特典種(ここでは、複数の時短回数)の抽選確率(選択率)は、同一または略同一であってもよいし、全部または一部が異なっていてもよい。また、抽選対象に、天井特典を付与しない「天井特典ハズレ」を含んでもよい。天井特典ハズレを含む場合、天井ゲームに到達しても必ずしも天井特典が付与されるわけではないが、この場合は「天井特典抽選の実行(実行権利)」がハマリ救済機能としての役割を果たす。
また、「設定値」に応じた抽選確率を定めて、所定の抽選(設定値に応じた天井特典抽選)により時短回数(時短状態)を決定してもよい。たとえば、設定値が高くなるに従い、相対的に多い時短回数(時短状態)が選択され易いように構成する。つまり、設定値が高くなるに従い、利益度合が相対的に高い特典が付与され易い構成である(後述の他の天井特典についても同様)。具体的には、時短回数の種類として「100回、75回、50回」を設けた場合、これらの抽選確率が“設定1”の場合は「25%、35%、40%」、“設定6”の場合は、「45%、30%、25%」などである。しかしこれとは逆に、設定値が低いほど大ハマリし易いことを考慮して、設定値が低くなるに従い、相対的に多い時短回数が選択され易いように構成してもよい。つまり、設定値が低くなるに従い、利益度合が相対的に高い特典が付与され易い構成である(後述の他の天井特典についても同様)。また、「特定の天井特典が付与される場合には、特定の設定値が確定する」という構成としてもよい。たとえば、時短回数25回が付与された場合は「設定6確定」、75回が付与された場合は「設定4以上確定」などである。このように、設定値に関連した天井特典決定方法は、設定推測要素という有益な情報を遊技者に与えることができるため、ハマリに遭遇した遊技者の遊技意欲を向上させる上で有用である。
(有限時短付与形態3)
(3)大当りによる平均時短回数Nとし、天井特典による平均時短回数Mとした場合、下記(式1)〜(式3)の関係を満たすように構成することができる。
(式1)「平均時短回数N<平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。たとえば、大当りによる時短回数が100回と75回とが有る場合、平均時短回数Nは75回であるので、天井特典による平均時短回数Mは、これよりも多い時短回数とする。本例の場合、通常の大当り当選よりも利益度合が相対的に高い天井特典となるため、大ハマリをして遊技意欲が著しく減退している遊技者にとっては、嬉しい特典になる。なお、平均時短回数Mは、無限回数としてもよい。平均時短回数Mを無限回数とする場合は上記「無限時短」を付与する場合と等価となる。
(式2)「平均時短回数N=平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。この場合は、大当りによる利益度合(時短回数)と、天井特典による利益度合が同等となる。
(式3)「平均時短回数N>平均時短回数M」の関係を満たすように構成する。この場合は、天井特典による利益度合よりも大当りによる利益度合の方が相対的に低くなり、過度な特典付与とならないようにすることができる。なお、天井特典による平均時短回数Mを支援時短による平均時短回数Mと読み替えて、大当りによる平均時短回数Nと、支援時短による平均時短回数Mとの関係について適用することができる。
(有限時短付与形態4)
(4)上記(式3)と同じく、過度な特典付与とならないようにするという点に着目して、下記(式4)を満たすように構成することができる。
(式4)少なくとも「天井特典による時短回数≦大当りによる最大時短回数」の関係を満たすように構成する。たとえば、大当りによる時短回数が100回と75回とが有る場合、最大時短回数は100回であるため、天井特典による時短回数を、たとえば、100回、90回などに定める。また、大当りによる最小時短回数に着目して、「大当りによる最小時短回数≦天井特典による時短回数<大当りによる最大時短回数」の関係を満たす時短回数であってもよい。たとえば、大当りによる時短回数が100回と75回とが有る場合、「75回≦天井特典による時短回数<100回」の関係を満たす時短回数に定めることができる。
(有限時短付与形態5)
なお、有限時短の時短回数については特に制限はないが、下記の関係を満たす時短回数に定めることが好ましい。
(万石9)有限時短の時短回数を「Z」とし、低確率時の大当り抽選確率(1/M)の分母「M」とした場合、下記関係式(赤7)を満たすよう定める。
「0.4M≦Z≦3.8M(3.8M〜4.0Mとすることができる)」・・(赤7)
式(赤7)の場合、たとえば、最大時短回数として、確率分母Mの4倍程度の時短回数が付与されれば、その時短回数以内での大当り当選可能性が非常に高く(非当選の発生率約2%)、天井ゲーム数まで遊技をし続けた遊技者に対する特典として適切であるといえる。なお、Mの値は、設定1〜6のいずれの大当り抽選確率を基準としてもよい。好ましくは中間の設定3、より好ましくは、最低設定1または最高設定6の大当り抽選確率を基準とする。たとえば、図4を参照して、設定1の低確率時の大当り抽選確率を基準とした場合、「M=200(低確率時:1/200)」を上記(式5)に代入して、「80回≦Z≦760回」の関係を満たす時短回数を採用することが好ましいといえる。またたとえば、設定6の低確率時の大当り抽選確率を基準とした場合、「M=180(低確率時:1/180)」を上記(式10)に代入して、「72回≦Z≦684回」の関係を満たす時短回数を採用することが好ましいといえる。なお、上記(式5)の関係は、支援時短に係る時短回数にも適用することができる。
(無限確変)
(C)「無限確変」とは、次回大当りまで確変状態を付与する特典である。なお、無限確変の場合、そのST回数は「回数制限無し(無限)」であるが、上記「無限時短」と同事象のように、実質的に次回大当りまでとなるST回数(たとえば、10000回や65536回)を付与してもよい。
(有限確変)
(D)「有限確変」とは、前述の無限確変とは異なり、適切な大当り当選率となるように、所定のST回数を限度に確変状態を付与するものである。なお、上記「無限確変」における「実質的に次回大当りまで」となるST回数を付与する場合も、回数制限がある点で、この有限確変に属するものと言えるが、上記「無限時短」と同事象のように、無限確変に属するものとして扱ってもよいし、有限確変に属するものとして扱ってもよい(後述の無限潜確についても同様)。
(有限確変を付与する場合の具体例)
ここで、有限確変を付与する場合、上記「有限時短」の有限時短付与形態1〜5で説明した内容と同事象のように、下記のような天井特典付与形態(有限確変付与形態)1〜4とすることができる。なお、下記の有限確変付与形態1〜5は、上記「有限時短付与形態1〜4」で説明した「時短回数」を「ST回数」、「時短状態」を「確変状態」などに適宜読み替えた内容(概念)と実質的に同じであるため、説明の便宜上、重複記載を避けるために、その内容については適宜省略しながら説明する。
(有限確変付与形態1)
(1)大当りによるST回数(大当り当選に起因して付与されるST回数(確変状態)は複数種類(種類数A)あるが、天井特典によるST回数(確変状態)はそれよりも少ない種類(種類数B)とする。つまり「種類数B<種類数A」の関係を満たすように構成する。
本実施形態の場合、確変大当りの当選に起因して付与されるST回数(確変状態)が無限回数(65535回)の1種類であるため、ここでは、説明の便宜上、ST回数として、100回(確変A)、75回(確変B)、25回(確変C)の3種類(種類数B)を付与する確変大当りが存在するとして説明する。この場合、たとえば天井特典では、ST回数100回(確変A)の1種類だけを付与するように構成する。
(有限確変付与形態2)
(2)天井特典によるST回数(確変状態)の種類が複数ある場合、所定の抽選(天井特典抽選)により、いずれかのST回数(確変状態)を決定する。この点ついては、上記有限時短における「(有限時短付与形態2)」で説明した「時短回数」を「ST回数」、「時短状態」を「確変状態」などに適宜読み替えた内容と実質的に同じである。
(有限確変付与形態3)
(3)確変大当りによるST回数の平均ST回数Nとし、天井特典による平均ST回数Mとした場合、下記(式4)〜(式6)の関係を満たすように構成することができる。この(式4)〜(式6)に関しても、上記有限時短における「(有限時短付与形態3)」で説明した(式1)〜(式3)の「時短回数」の文言等を「ST回数」の文言等に読み替えた内容と実質的に同じである。
(式4)「平均ST回数N<平均ST回数M」の関係を満たすように構成する。なお、平均ST回数Mは、無限回数としてもよい。平均ST回数Mを無限回数とする場合は、上記「無限確変」を付与する場合と等価となる。
(式5)「平均ST回数N=平均ST回数M」の関係を満たすように構成する。
(式6)「平均ST回数N>平均ST回数M」の関係を満たすように構成する。
(有限確変付与形態4)
(4)過度な特典付与とならないようにするという点に着目して、少なくとも「天井特典によるST回数≦大当りによる最大ST回数」の関係を満たすST回数に定める。たとえば、大当りによるST回数が、100回(確変A)、75回(確変B)、25回(確変C)の3種類有る場合、最大ST回数100回(確変A)以下、たとえば、100回、90回などに定めることができる。また、最小ST回数に着目して、「大当りによる最小ST回数≦天井特典によるST回数<大当りによる最大ST回数」の関係を満たすST回数であってもよい。たとえば、「25回≦天井特典によるST回数<100回」の関係を満たす時短回数に定める。
(有限確変付与形態5)
有限確変のST回数については特に制限はないが、下記の関係を満たす時短回数を定めることが好ましい。
(5)有限確変のST回数を「Y」とし、高確率時の大当り抽選確率(1/N)の分母「N」とした場合、「0.4N≦Y≦3.8N(3.8N〜4.0Nとすることができる)」の関係式を満たすことが好ましい。なお、Nの値は、設定1〜6のいずれの大当り抽選確率を基準としてもよい。好ましくは中間の設定3、より好ましくは、最低設定1または最高設定6の大当り抽選確率を基準とする。
(無限潜確)
(E)「無限潜確」とは、次回大当りまで潜確状態を付与する特典である。なお、無限潜確の場合、そのST回数は「回数制限無し(無限)」であるが、上記無限時短や無限確変と同じように、実質的に次回大当りまでとなるST回数を付与してもよい。
(有限潜確)
(F)「有限潜確」とは、上述の無限潜確とは異なり、適切な当選率となるように、所定のST回数を限度に潜確状態を付与するものである。本実施形態では、潜確状態への移行契機となる潜確大当りは設けられていないが、仮に、確変大当りの一部が潜確大当りの場合には、有限確変で説明した有限確変付与形態1〜4と同様の構成(ST回数の付与に関する構成)とすることができる。この点については、有限確変(「確変状態」の文言を「潜確状態」の文言に適宜読み替えた内容)と実質的に同じ内容であるため、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。
(強制当り)
(G)「強制当り」とは、大当り抽選とは無関係に、強制的に大当り当選を付与するものである。「大当り抽選とは無関係」とは、大当り抽選自体を実行しないか、または、大当り抽選を実行してもその結果を無効扱いとして処理をする、という意味であり、大当り抽選が一切無関係であるという意味に限定されない。なお、大当りは確変大当りであってもよいし、時短大当りであってもよい。
以上に説明した天井特典は、大当り抽選結果により付与される利益度合と同等または異なる利益を付与することができるため、ハマリ救済機能として有用である。
天井特典が付与された後は、その天井特典が消化されるまで、または、少なくとも大当りに当選するまで天井特典に係る遊技状態(天井特典に係る遊技モード)に制御される。具体的には、有限時短、有限確変、または有限潜確などの“有限系特典”であれば、少なくとも大当りに当選することなく、規定の時短回数やST回数が終了した場合か、または少なくとも大当りに当選した場合に当該特典状態が終了され、再度、天井発動契機(天井ゲーム)が到来するまで、天井特典は付与されない。一方、無限時短、無限確変、または無限潜確などの“無限系特典”であれば、次回大当りまでその特典状態が継続され、少なくとも大当りの当選を以て、当該特典状態が終了される。
(931.天井機能を有する遊技機の種類について)
なお、詳細は追って説明するが、天井機能を有する遊技機(天井機能搭載型)としては、大別して、「天井機能を有し、支援時短を有しない“サラブレッド型(下記の天機A、天機Bに属するタイプ)”」と、「天井機能と支援時短とを有する“ハイブリッド型(下記の天機C、天機Dに属するタイプ)”」とがある。
(天機A)天井ゲーム開始(図柄変動表示開始)を契機に天井機能が発動する「ゲーム開始時発動型」のタイプ(ゲーム開始時天井発動+支援非搭載型)。
(天機B)天井ゲーム終了(変動時間経過、または確定表示時間経過、或いは確定表示時間終了期間の所定のタイミング)を契機に天井機能が発動する「ゲーム終了時発動型」のタイプ(ゲーム終了時天井発動+支援非搭載型)。
(天機C)天機Aに支援時短を有するタイプ(ゲーム開始時天井発動+支援時短搭載型)。
(天機D)天機Bに支援時短を有するタイプ(ゲーム終了時天井発動+支援時短搭載型)。
上記「天機C」と「天機D」のタイプは、天井ゲームで支援時短が当選した場合、つまり、天井機能発動条件と支援時短状態発動条件が重複成立状態となった場合に、「天井機能(天井特典の付与)を優先するタイプ(天機C1、天機D1:天井優先発動型)」と、「支援時短状態(支援時短当選による支援時短状態の付与)を優先するタイプ(天機C2、天機D2:支援時短優先発動型)」とがある。
したがって、天井優先発動型では、天井ゲームにおいて支援時短に当選・非当選のいずれの場合であっても天井時短状態に制御される。支援時短優先発動型では、支援時短に当選した場合には支援時短状態に制御され、ハズレである場合に天井時短状態に制御される。なお、天井優先発動型と支援時短優先発動型のいずれも、天井ゲームで大当りに当選した場合には、天井ゲーム終了後、大当り遊技を経由して、当該大当りに基づく有利状態(本実施形態では、時短状態、確変状態)に制御される。なお本実施形態では、特に断りのない限り、天井優先発動型のタイプとして説明する。
以下、説明の便宜のために、上記天機A〜天機D2を下記のように称する場合がある。
(1)天機Aのタイプを「ゲーム開始時天井発動支援非搭載型」
(2)天機Bのタイプを「ゲーム終了時天井発動支援非搭載型」
(3)天機Cのタイプを「ゲーム開始時天井発動支援搭載型」
(3α)天機C1のタイプを「ゲーム開始時天井優先発動支援搭載型」
(3β)天機C2のタイプを「ゲーム開始時天井非優先発動支援搭載型」
(4)天機Dのタイプを「ゲーム終了時天井発動支援搭載型」
(4α)天機D1のタイプを「ゲーム終了時天井優先発動支援搭載型」
(4β)天機D2のタイプを「ゲーム終了時天井非優先発動支援搭載型」
(5)天井ゲーム開始を契機に天井機能を発動させる上記の「天機A、天機C、天機C1、天機C2」のタイプを纏めて「ゲーム開始時天井発動型」
(6)天井ゲーム終了を契機に天井機能を発動させる「上記の天機B、天機D、天機D1、天機D2」のタイプを纏めて「ゲーム終了時天井発動型」
(天井ゲーム数について)
次に、天井ゲーム数(天井発動契機ゲーム数)について説明する。本実施形態に係る天井ゲーム数は、少なくとも低確率状態伴う遊技状態中のハマリ1000ゲームとしている。「低確率状態伴う遊技状態中のハマリ1000ゲーム」には、たとえば、(1)通常状態(通常モードに属する遊技モードでもよい)中に大当りに当選することなく天井ゲーム(1000ゲーム目)に到達した場合と、(2)通常状態中および時短状態中を通じて大当りに当選することなく天井ゲーム(1000ゲーム目)に到達した場合の2つのケースが含まれるが、いずれのケースを採用してもよい。前者の(1)の場合は、「通常状態中に実行されたゲーム数」を天井ゲーム数のカウント対象とする形態であり、後者(2)の場合は、通常状態および時短状態を天井ゲーム数のカウント対象とする形態となる。本実施形態では、本発明の理解を容易なものとするために、前者の(1)を採用した例を中心に説明する。なお、後者の(2)についてはについては後述する(後述の低確遊技カウント形態(付与形態(β))参照)。
なお、天井ゲーム数をどのような値に定めるかは適宜決定することができるが、下記のような関係を満たすようなゲーム数を定めることが好ましい。
(万石8)天井ゲーム数を「H」とし、低確率時の大当り抽選確率(1/M)の分母「M」とした場合、下記(式10)関係式を満たすことが好ましい。
「2.5M≦H≦3.0M」・・・(式10)
このようにする理由は、確率分母2.5倍〜3倍以内の天井ゲーム数であれば、そのハマり確率は約8%〜5%程度となり、第1に、多くの遊技者が天井ゲーム数到達までに大当りの当選を獲得できる点、第2に、遊技者が闇雲に天井ゲーム数を目指して遊技に興じることを抑制する(射幸心を抑制する)点などのためである。なお、Mの値は、設定1〜6のいずれの大当り抽選確率を基準としてもよい。好ましくは中間の設定3、より好ましくは、最低設定1または最高設定6の大当り抽選確率を基準とする(伊45)。たとえば、図4を参照して、設定1の低確率時の大当り抽選確率を基準とした場合、「M=200(低確率時:1/200)」を上記(式10)に代入して、「500回≦H≦600回」の関係を満たす天井ゲーム数を採用することが好ましいといえる。またたとえば、設定6の低確率時の大当り抽選確率を基準とした場合、「M=180(低確率時:1/180)」を上記(式10)に代入して、「450回≦H≦540回」の関係を満たす天井ゲーム数を採用することが好ましいといえる。
(遊技モード、変動パターン振分指定番号Tcode(変動パターン選択モード)について:図76)
本実施形態の場合、天井機能を設けている関係上、第1実施形態とは異なり、図76に示すような遊技モードや変動パターン選択モード(Tcode)を設けることができる。なお、天井機能を有するタイプには、上記した天機A、天機B、天機C(天機C1、C2)、天機D(天機D1、D2)などがあるが、各タイプに応じた遊技モードや変動パターン選択モード(Tcode)など適宜設ければよい。
なお、詳細は図49Aや図49Bを用いて後述するが、「一般モード」と「前兆モード」は、通常モードに属する遊技モードであり、「一般モード」については、上記第1実施形態における「通常モード」に相当する遊技モード、「前兆モード」については、天井機能を有する場合の特別な遊技モードとしての位置付けとなっている。また天井機能を有する場合の特別な遊技モードとして、「天井モード」や「天国モード」がある。「天井モード」は天井ゲーム(1000回転目)に生起する遊技モードであり、天井モードα、天井モードβが含まれる。天井モードαは、天井ゲーム開始を契機に生起する遊技モード、天井モードβは、天井ゲーム開始を契機に生起する遊技モードとなっている。「天国モード」は、主に、天井特典に係る遊技モードとなっている。なお、「確変モード1〜3」や「時短モード1〜3」については、第1実施形態と実質的に同じ遊技モードを採用することができる。
上記各遊技モードに係る変動パターン振分テーブルについては、図72に、一般モード、前兆モード中の大当りまたは支援時短当選時に参照される「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(一般、前兆用)」を示し、図73に天井モード、天国モード(天国時短)中の大当りまたは支援時短当選時に参照される「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(天井、天国用)」を示す。また図74に、一般モード中のハズレ時に参照される「ハズレ変動パターン振分テーブル(一般用)」を示す。この図74に示す「ハズレ変動パターン振分テーブル(一般用)」は、第1実施形態の図33に示す「通常中ハズレ変動パターン振分テーブル」と実質的に同一のテーブル構成である。また図75に、前兆モード、天井モード、天国モード中のハズレ時に参照される「ハズレ変動パターン振分テーブル(前兆、天井、天国時短用)」を示す。
<30.遊技モードの遷移形態:図49A、図49B>
次に図49Aおよび図49Bを参照して、天井機能を設けた遊技機に関する変動パターン選択モード(Tcode)に関連する「遊技モード」の内容と、各遊技モード間(各遊技状態間)の移行制御と、遊技モードに関連する演出モードとについて説明する。図49Aおよび図49Bは、各遊技モードとこれに関連する演出モードの概略を示す遊技フローである。
図49Aおよび図49Bでは、種々の遊技モードに関する説明の便宜のために、本実施形態に係る遊技機1として、上記「ハイブリッド型(上記天機Cまたは天機Dに属するタイプ)」の遊技機に関する遊技フローを示してある。なお、確変モードと時短モードについては、上記第1実施形態と同じ内容であるため、これらの詳細については、重複記載を避けるために省略する。
図示のように、遊技モードには大別して、「通常モード」、「天井モード」、「天国モード」「時短モード」、「確変モード」などが設けられており、これらの遊技モード下にて遊技の進行が制御される。以下では、遊技者が遊技状態に応じた有利な打ち方に従うものとして説明し、特段断りのない限り、左打ち有利(通常状態)の場合には「特図1側の図柄変動表示ゲーム1」が実行され、右打ち有利(確変状態、時短状態)の場合には「特図2側の図柄変動表示ゲーム2」が実行されるものとして説明する。
(30−1.「通常モード」について)
通常モードは、内部遊技状態が通常状態(YJ=00H)に関連する遊技モードであり、この通常モードは、初期の遊技モードとなっており、たとえば、RAMクリア操作や設定変更操作により、領域内RAMがクリアされた場合に移行される。
本実施形態の通常モードには、変動パターン選択モード(Tcode)が「00H」の“一般モード”と、「08H」の“前兆モード”とが含まれる。基本的には、通常モードから大当り当選または支援時短当選を契機に、或いは、天井到達による天井特典付与を契機に、他の遊技モード(確変モードや時短モード)に移行されうる。
(30−1A.一般モードについて)
上記「一般モード」中は、通常モード(一般モード)に関連した演出をなす「通常演出モード(空戦モード:図7B(ロ)(ハ))」に滞在する。この点については、第1実施形態と同じである。
(30−1A−1.一般モード中の特殊演出)
(伊51)通常モード中、特に一般モード中において、「天井機能」の存在に関するインフォメーション予告を実行可能となっている。この「インフォメーション予告」は、当選期待度を報知する予告演出や、設定示唆演出のいずれにも属さない特殊演出であり、端的に言えば、遊技機のスペック説明に関する情報を報せる演出態様となっている。そのため、インフォメーション予告による演出内容は、遊技初心者や初見の遊技者などに対し、天井機能(救済機能)が搭載された遊技機であることを遊技者に知らせる内容となっており、たとえば、天井機能が搭載されていること、天井到達までのゲーム数(天井ゲーム数)に関する情報、天井到達までの残りゲーム数(残余天井ゲーム数)に関する情報などが、このインフォメーション予告により報知される。なお、インフォメーション予告は、大当り遊技に係る当り演出中の一部として現出させたり、客待ち待機中(客待ち前演出および客待ち演出の少なくとも一部の期間)に現出させたり、遊技設定画面に現出させたり、図柄変動表示ゲーム中の演出として現出させたりすることができる。いずれにしても、インフォメーション予告は、適宜なタイミングで現出させればよいが、当選期待度や設定示唆をする演出ではないため、ゲーム中以外の期間中(客待ち待機中、遊技設定画面表示中の期間など)に現出させることが好ましい。
(30−1B.前兆モードについて)
上記「前兆モード」は、天井ゲームの到達間近に移行される遊技モードである。具体的には、天井到達が間近であることを報知する「前兆演出」を実行させるための遊技モードとして設けられている。本実施形態では、一般モード中において、少なくとも大当りに当選せずに、所定のゲーム数(所定の変動回数)に到達した場合に移行されるようになっている。具体的には、一般モード中に989ゲームハマると、990ゲーム目から前兆モードに移行される(図49Aの「通常モード」のブロック枠および図49Bの「前兆モード」のブロック枠(α)参照)。
(30−1B−1.前兆モード中の演出について)
前兆モード中は、前兆モードに関連した演出(前兆用演出)をなす「前兆演出モード」に移行される。前兆演出モード中は、一般モードに係る通常演出モードとは異なる背景画像(たとえば、通常演出モードの太陽が輝く“昼背景画像(一般モード用背景画像)”から、星が輝く“夜背景画像(前兆モード用背景画像)”)に切り替え表示され、前兆モード中であることが報知されるようになっている。本実施形態の場合、通常演出モードと、前兆演出モードとは、背景画像色が異なるだけで、基本的には、図7B(ロ)(ハ)に示す「空戦モード」に係る演出が現出されるようになっている。
また、前兆演出モード中は、天井到達までの残余ゲーム数(残り天井回数)を識別可能な演出(残余天井回数表示演出)として、たとえば、「カウントダウン表示」が実行される(図49Bの前兆モードのブロック枠(δ)参照)。なお、残余天井回数表示演出は、天井到達までの残余ゲーム数を表示するのではなく、たとえば、「天井準備中・・」などのように、天井到達間際に関する情報を報知可能な演出態様としてもよい。この残余天井回数表示演出は、前兆モード中の一部の期間で現出させてもよく、たとえば、天井間近の996ゲーム目から残余天井回数表示演出を開始(カウントダウン表示開始)してもよい。具体的には、最大保留記憶数4個を考慮して、996ゲーム〜999ゲーム間または天井ゲームを含む995〜1000ゲーム間でカウントダウン表示(たとえば、天井ゲームでカウントゼロを示唆)を行うことができる。天井までのゲーム数が分かれば、作動保留球が有る場合に、遊技者が天井到来まで無駄打ちを防止することができる、という演出的メリットがある。
また、前兆演出モード中は、少なくとも一般モードとは異なる保留表示態様(保留アイコン)が現出されるようになっている。たとえば、通常演出モード中では、図5に示す単純な「丸型アイコン」をベースとする保留表示態様であるが、前兆演出モード中では「キャラクタアイコン」をベースとする専用の保留表示態様を現出する(図49Bの前兆モードのブロック枠(ε)、後述の図50参照)。なお、一般モード中において、前兆モード移行直前(989ゲーム目)に現存する1または複数の保留表示については、前兆モード移行後(990ゲーム目)に専用の保留表示(キャラクタアイコン)に一斉に変化させてもよいし、前兆モード中に消化対象となる保留表示だけを専用の保留表示に変化させてもよい。後者の構成を具体的に説明すれば、たとえば、988ゲーム実行中に作動保留球が3個存在するケースの場合、989ゲーム〜991ゲーム目に係る保留表示を 「‘丸型アイコン(一般モード中消化対象保留:989ゲーム目)’ ‘キャラアイコン(前兆モード中消化対象保留:990ゲーム目)’ ‘キャラアイコン(前兆モード中消化対象保留:991ゲーム目)’」とすることができる。また、前兆演出モード中の開始から所定のゲーム数を消化するまでは通常演出モードと同じ保留表示(丸型アイコン)とし、天井到達間近(たとえば、最大保留記憶数4個を考慮して、996ゲーム〜999ゲーム間)になると、前兆専用の保留表示(キャラクタアイコン)に切り替えてもよい。また、前兆演出モード中は、上記「残余天井回数表示演出」および/または「前兆専用の保留表示」を現出させてもよい。
(前兆モードに係る変動パターンついて)
図75に示すハズレ変動パターン振分テーブルの「前兆モード(「前兆」の欄)」に着目すれば、この実施形態の場合、前兆モード中は、通常モードのうちで、変動状態が最も速い高速変動状態(通常モード中、平均消化時間が最速の遊技モード)とされるようになっている。これは、遊技者の心境を考慮したものである。遊技者の多くは、天井間近になると「ここまで来たら、さっさと天井に到達したい」、「早く、天井特典を得たい」という気持ちが強くなると考えられる。そこで本実施形態では、前兆モード中の平均消化時間を高速化してある。また、この実施形態の場合、前兆モード中の大当り当選時は、図72に示すように、一般モードと共通の当り変動パターン振分テーブルFB1〜FB6を採用している。しかし本発明はこれに限らず、前兆モード専用の当り変動パターン振分テーブルを設けてもよい。たとえば、前兆モード中専用の当り変動として「前兆当り変動」を設けることができる(図72の備考4「前兆当り変動」参照)。
なお、天井ゲーム数(残余天井ゲーム数)は、主制御部20がその機能部を担う「天井カウンタ」により監視される。この天井カウンタの値に基づいて、前兆モードと、これに対応する演出モードへの移行制御が可能な構成となっている。
(前兆モードを設けないケース:前兆モードを一般モードに属する遊技モードと扱うケース)
(望1)なお、本実施形態の前兆モードと一般モードとは、変動パターン選択モード(Tcode)が異なる遊技モードであるとして説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、前兆モードを一般モードに属する遊技モードとして定めてもよい。具体的には、前兆モードも一般モードと同じ変動パターン選択モード(Tcode=00H)を採るが、演出については、前兆モードと一般モードとで異なる演出(たとえば、背景演出が異なる)を現出させるように構成する。この場合、上記前兆モード中専用の変動パターンを選択することができないが、一般モード中と異なる背景演出や残余天井回数表示演出を実行可能であり(残余天井ゲーム数は、天井カウンタにより把握可能である)、特に問題はないと考えられる。また、前兆モード専用の変動パターン振分テーブルを設けなくてもよいため、制御負担が軽減できるという利点がある。
(30−2.天井モードについて)
次に図49Bを参照して、「天井モード」について説明する。本実施形態では、既に説明したように、大ハマリした場合の救済機能として「天井機能」が設けられている。本実施形態の天井ゲーム数は、通常モード(通常状態)中のハマリ1000ゲーム目としてあり、天井モードは、この1000ゲーム目(1000回転目)に生起する遊技モードとなっており、1ゲーム限り(1回転限り)の遊技モードとなっている。
なお、天井モードは、天井特典に応じて、内部遊技状態が時短状態や確変状態などに関連した遊技モードとなるが、ここでは、天井特典として、代表的に、所定の時短回数を付与する時短状態(時短回数1000回の有限時短)を付与するものとして説明する。以下、本実施形態に係る天井特典を「天井時短」とも称する。
(天井特典の発動タイミングについて)
『“ゲーム開始時天井発動型”と“ゲーム終了時天井発動型”』
ここで、天井機能搭載型には、天井ゲームに到達した際の天井特典(天井時短)の発動タイミングが異なる2つのタイプがある。
1つ目は、天井ゲーム開始を契機に天井機能を発動させる「ゲーム開始時天井発動型(上記の天機A、天機C、天機C1、天機C2)」と、
2つ目は、天井ゲーム終了を契機に天井機能を発動させる「ゲーム終了時天井発動型(上記の天機B、天機D、天機D1、天機D2)」がある。いずれのタイプを採用するかは、遊技性に応じて適宜決定することができる。
前者の「ゲーム開始時天井発動型」を採用した場合には、天井ゲーム開始時に天井時短が付与されるため、天井モード(天井ゲーム中)は、時短状態(YJ=02H)に関連する遊技モード(天井モードα)となる。一方、後者のゲーム終了時天井発動型の場合は、天井ゲーム終了時に天井時短が付与されるため、天井モード(天井ゲーム中)は、通常状態(YJ=00H)に関連する遊技モード(天井モードβ)となる。
いずれを採用した場合も、天井ゲームに到達したときは、天井専用の変動パターンを選択させるべく、変動パターン選択モード(Tcode)が、専用の「09H」に更新され、遊技モード自体は「天井モード」に移行される(図49Bの備考3、図76のTcodeの欄の天井モードα、天井モードβ参照)。ただし、ゲーム終了時天井発動型に関し、少なくとも通常状態(通常モード)中に天井ゲームに到達した場合には、天井ゲーム終了時に天井時短状態が生起する点、実践上は天井ゲーム中に作動保留球が存在することが多い点などを考慮し、天井ゲームの次ゲームを上記「天井モード」として機能させてもよい。この場合、天井ゲーム(天井機能発動契機ゲーム)は1000ゲーム目と変わりはないが、遊技モードについては、天井ゲーム(1000ゲーム目)中は「通常モード(通常モードに属する一般モードまたは前兆モードのいずれでもよい)」とし、天井ゲームの次ゲーム(1001ゲーム目)を、「疑似的な天井モード」として機能させることができる。換言すれば、天井ゲームの次ゲームを、天井発動報知用の遊技モードまたは演出モードとして機能させることができる(特殊天井モード形態)。ただしこの場合は、1001ゲーム目を「天井モード」とするのではなく、制御負担の軽減の観点から、そのまま、天井時短状態に係る遊技モード、本実施形態の場合は「天国モード」に移行させる。つまり、天井モードを設けることのない形態である。またこの場合、天井モード(1001ゲーム目)の変動中演出にて、天井突入(天井発動)を報知する演出(たとえば、天井突入報知演出)など実行することができる(たとえば、後述の図91〜図92参照)。この点で、天井ゲームの次ゲームを「疑似的な天井モード」と称している。
斯様な特殊天井モード形態は、実際の1000ゲーム目が天井ゲームであるにもかかわらず、1001回転目が疑似的な天井モードや天井演出モードとして機能させることができる。特に、ゲーム終了時天井発動型の場合は、天井時短状態が天井ゲーム終了時に生起するため、演出的な面から、1001回転目を疑似的な天井ゲームの位置付けとすることが好ましいと考えられる。
特殊天井モード形態は、下記(鳥1)または(鳥2)の遊技モード移行形態であってもよい。
(鳥1)「一般モード(通常状態)→前兆モード(通常状態)→天国モード(天井時短状態)」。
(鳥2)「通常モード(一般モード(通常状態))→天国モード(天井時短状態)」
なお、ゲーム終了時天井発動型において、確定表示時間経過後ではなく、変動時間経過を契機に天井機能を発動させる場合は、確定表示時間の経過前に時短状態が生起することになる。したがって、厳密には、確定表示時間が経過して天井ゲームが完結する前(天井ゲームの途中)に時短状態が生起することになるが、本実施形態では、上記「ゲーム終了時天井発動型」に属するものとして扱う。
(伊87)上記「ゲーム終了時天井発動型」は、今回のゲーム(天井ゲーム)の終了を契機に時短状態(天井時短)が生起する点で、時短状態の発生タイミングが「特電非作動型支援時短」と同じである。特電非作動型支援時短は、既に説明したように、今回のゲーム(支援時短当選ゲーム)の終了を契機に時短状態が生起するものである(たとえば、図17AのステップS476〜S477B参照)。一方、ゲーム開始時天井発動型は、今回のゲーム(天井ゲーム)の開始を契機に時短状態が生起する点で、特電非作動型支援時短とは大きく異なる。したがって、時短状態に突入したことを報知する時短突入報知演出の適切な実行タイミングは、下記のようになる。
(1)「特電非作動型支援時短」は、ゲーム終了タイミングで実行(図柄停止表示タイミングで実行)。
(2)「特電作動型支援時短」は、ゲーム終了タイミングで実行(図柄停止表示タイミングで実行、または支援時短開閉遊技開始〜終了の期間の所定のタイミングで実行。好ましくは、支援時短開閉遊技開始時に実行)。
(3)「ゲーム終了時天井発動型」は、ゲーム終了タイミングで実行(図柄停止表示タイミングで実行)。
(4)「ゲーム開始時天井発動型」は、ゲーム開始タイミングで実行。
となる。
(伊89)また、右打ち指示演出の適切な実行タイミングは下記のようになる。
(1)「特電非作動型支援時短」は、ゲーム終了タイミングで実行(図柄停止表示タイミングで実行)。
(2)「特電作動型支援時短」は、ゲーム終了タイミング(図柄停止表示タイミング、または支援時短開閉遊技開始〜終了の期間の所定のタイミングで実行。好ましくは、支援時短開閉遊技開始時に実行)。
(3)「ゲーム終了時天井発動型」は、ゲーム終了タイミングで実行(図柄停止表示タイミングで実行)。
(4)「ゲーム開始時天井発動型」は、ゲーム開始タイミングで実行。
となる。
(伊90−1)纏めると「ゲーム終了時天井発動型」と「支援時短」とは、右打ち指示演出の実行タイミングを共通のタイミングとすることができる。なお、右打ち指示演出は同じ演出態様であってもよいし、異なる演出態様であってもよい。
(伊90−2)「ゲーム開始時天井発動型」と「支援時短」とは、右打ち指示演出の実行タイミングが異なるタイミングとすることができる。なお、右打ち指示演出は同じ演出態様であってもよいし、異なる演出態様であってもよい。
(性能情報について)
(伊46)上記「ゲーム開始時天井発動型」と「ゲーム終了時天井発動型」とでは、上述したように、天井ゲーム中の内部遊技状態が異なる。したがって、性能情報に関しては、ゲーム開始時天井発動型の場合は、天井ゲームにおける図柄変動表示ゲームが開始されるまでは、通常状態として計測する。他方、ゲーム終了時天井発動型の場合は、天井ゲームにおける図柄変動表示ゲームが終了した場合に天井時短状態が生起するため、変動時間経過または確定表示時間経過したタイミングで計測を中断する。
(天井ゲームにおける大当り抽選について)
天井ゲーム(1000ゲーム目)も通常通り、大当り抽選は実行される。このため、特に、本実施形態の「ハイブリッド型」の場合には、天井ゲームにおいて、大当りまたは支援時短に当選した場合に、天井特典(本例は、天井時短)を優先するのか、当選結果を優先するのかが問題となる。なお、大当りと支援時短とが同時当選することはないため、問題となるのは、天井ゲームにおいて、「大当り当選と天井機能発動(天井特典付与)とが重複するケース」と、「支援時短当選と天井機能発動とが重複するケース」である。
そこで本実施形態では、天井ゲームの大当り抽選に関し、次のように定めている。
(伊73−1)大当りに当選した場合には、天井機能の発動を禁止(制限)し(天井発動禁止条件の成立)、大当り当選の処理を優先する(天井特典を付与せずに、天井ゲームの終了後、大当り遊技を実行する)。なお、大当り当選の処理を優先する点は、サラブレッド型であっても同じである。
(伊73−2)支援時短に当選しても、天井機能の発動を禁止せず(天井機能の発動を許容する)、天井機能を優先して発動させる(支援時短の処理よりも天井特典付与の処理を優先する)。たとえば、天井ゲームで支援時短が当選してもこれを無効扱いとし、天井機能の発動を許容して、天井特典(天井時短)を付与する。本実施形態では、上記「天機C1」または「天機D1」の天井機能を優先発動するタイプ(天井優先発動型)を採用している。
(伊73−3)なお、ハイブリッド型の場合に、支援時短と天井特典のどちらを優先して発動させるかは特に制限はないが、遊技者にとって有利度が高い方を優先することが好ましい。たとえば、天井特典が支援時短よりも利益度合が高い場合は、天井特典の付与を優先するように定める。本実施形態では、支援時短A〜Cが設けられているが、仮に、支援時短D(時短回数50回)だけが設けられている場合、天井時短(時短回数1000回)の方が、遊技者にとって利益度合が高い。このような場合、支援時短当選を優先してしまうと、折角の天井特典を設けた意義が没却されてしまう。そこで、救済機能の役割を十分に発揮させるべく、天井ゲームで支援時短Dが当選しても、その当選を無効扱いとして天井機能の発動を許容し、天井時短(時短回数1000回)を優先して付与する。利益度の比較は、時短回数の多寡で行ってもよいが、その他の比較要素として、時短状態に係る普電開放遊技態様を考慮してもよい(後述の(伊74も同様)。たとえば、支援時短状態中の普電開放遊技態様と、天井時短状態(天井時短による時短状態)の普電開放遊技態様とが異なる場合(たとえば、下始動口35の開閉動作パターンが異なる場合)、時短回数のみで比較するのではなく、普電開放遊技態様も考慮して、天井機能の発動の禁止/許容を定めることが好ましい。なお、支援時短と天井特典の利益度が同一または略同一である場合は、どちらを優先しても遊技者に不利益とはならないため、いずれの利益を優先かは自由である。
また、ハイブリッド型の場合には、下記(伊74)または(伊75)のように構成することができる。
(伊74)天井ゲームで支援時短に当選した場合、天井機能の発動を禁止し、支援時短当選の処理を優先する(天井特典を付与せずに、支援時短状態を付与する)。この形態は、上記(天機C2)または(天機D2)の支援時短当選による支援時短状態を優先発動するタイプ(支援時短優先発動型)である。この形態において天井特典が付与されるケースは、大当りにも支援時短にも当選しない「ハズレ」の場合となる。なお、当選した支援時短が「特電作動型支援時短」の場合は、天井ゲーム終了後に支援時短開閉遊技を実行し、当該支援時短開閉遊技が終了した後に支援時短状態に制御する。当選した支援時短が「特電非作動型支援時短」の場合は、天井ゲーム終了後、支援時短状態に制御する。
(伊75)特図1側と特図2側とで支援時短に係る利益度合が異なる場合、遊技者にとって有利度合が高い特図側は、天井特典付与の処理よりも支援時短当選の処理を優先する一方、遊技者にとって利益度合の低い特図側は支援時短当選の処理よりも天井特典付与の処理を優先することができる。本実施形態の支援時短に係る利益度合は、特図1側よりも特図2側の方が高い(図4の支援時短当選種別、その図柄抽選率を参照)。したがって、特図2側における支援時短(支援時短Bまたは支援時短C:図4参照)に当選した場合には、天井機能の発動を禁止して支援時短当選の処理を優先する一方、特図1側における支援時短(支援時短A〜C:図4参照)に当選した場合には、天井機能の発動を許容して天井時短付与の処理を優先することができる。なお、一の特図側は天井機能の発動を禁止し、他の特図側は天井機能の発動を許容してもよい。たとえば、特図1側に支援時短が設けられており、特図2側に支援時短が設けられていない場合(たとえば、図26(B)の特参照)、特図1側は天井機能の発動を禁止して支援時短当選の処理を優先し、特図2側は支援時短の当選が無いため、天井機能を発動させて、天井特典を付与するように構成することができる。
なお、通常小当りを設けている場合は、天井ゲームで通常小当りに当選しても天井機能を禁止せず、天井特典を付与することが好ましい。通常小当りは、内部遊技状態の移行制御を行われず、利益度合いも低いからである。
(天井時短状態の終了条件について)
(伊52)本実施形態に係る天井時短状態の終了条件は、時短回数が消化された場合か(特図1および特図2の合計変動回数が規定の時短回数に達した場合)、または大当りに当選した場合に終了されるようになっている。なお本実施形態では、支援時短発動禁止条件として、通常状態以外の遊技状態中は支援時短に当選しても支援時短状態の発動が禁止されるため(図14、図19A、図19B参照)、天井時短状態中は、支援時短状態が生起することはない。しかし、時短状態中が支援時短発動禁止ではない場合は、支援時短に当選した場合に天井時短状態を終了させてもよい。
また、他の終了条件を採用してもよい。たとえば、下記(終1)〜(終5)などが挙げられる。
(終1)普通図柄の変動表示が所定回数(たとえば、200回)実行された場合、
(終2)普通開放遊技が所定回数(たとえば、100回)実行された場合、
(終3)通常小当りに所定回数(たとえば、5回)当選した場合(通常小当りによる小当り遊技が所定回数実行された場合)、
(終4)一方の特図(特図1および特図2のいずれか一方)の変動表示が所定回数(たとえば、1000回)実行された場合、
(終5)複数の支援時短のうち特定の支援時短に当選した場合。
(伊55)なお、終了条件は、1または複数設けることができる。これにより、天井時短状態を終了させる条件が多彩なものとすることができ、遊技性の幅が広がり、遊技の面白みを向上させることができる。
(天井時短の終了条件の設定タイミング)
(伊53−1)大当り遊技の終了後に、天井時短の終了条件を設定することができる(図21の大当り終了処理(ステップS509)中で設定することができる)。この場合、次に述べるような遊技性を創出することができる。たとえば、複数の大当り1〜4が設けられている場合において、大当り1に当選した場合は、時短回数100回の天井時短、大当り2に当選した場合は時短回数200回の天井時短、大当り3に当選した場合は時短回数1200回の天井時短、大当り4に当選した場合は時短回数0回の天井時短(実質、天井特典なし)、などを定めることができる。本構成の特徴点は、大当り種別に応じて、天井時短の終了条件を変化させる点、天井特典の有利度合(天井到達時の救済内容)を変化させることができる点に在る。これにより、天井機能による遊技性の幅が大きく広がり、遊技の面白みを向上させることができる。
(伊53−2)天井時短の発動時に天井時短の終了条件を設定することができる。たとえば、天井時短が「ゲーム開始時天井発動型」の場合には、天井ゲームの開始を契機に、天井時短の終了条件を設定することができる。天井時短が「ゲーム終了時天井発動型」の場合には、天井ゲームの終了を契機に、天井時短の終了条件を設定することができる。この場合、天井時短の終了条件を設定する際に、どのような終了条件を定めた天井時短を付与するかについて上記「天井特典抽選」により決定可能に構成することができる。たとえば、時短回数100回の天井時短、時短回数200回の天井時短、時短回数1200回の天井時短、および時短回数0回の天井時短のうち、いずれかの天井時短を抽選により決定することができる。本構成の特徴点は、天井機能発動時を契機(換言すれば、天井特典付与時を契機)に天井時短の終了条件を変化させる点であり、また、天井特典の有利度合を変化させることができる点にある。これにより、天井機能による遊技性の幅が大きく広がり、遊技の面白みを向上させることができる。
(伊53−3)RAMクリア時に天井時短の終了条件を設定することができる。この場合も上述の(伊53−2)と同じく、RAMクリアを契機に、複数の天井時短(少なくとも1つは、時短性能が異なるものが含まれるものとする)のうちからいずれかの天井時短を抽選により決定することができる。本構成の特徴点は、RAMクリア時を契機に天井時短の終了条件を変化させる点であり、また、天井特典の有利度合を変化させることができる点にある。これにより、天井機能による遊技性の幅が大きく広がり、遊技の面白みを向上させることができる。
(天井モードに係る変動パターンついて:図73、図75)
天井モード(1000回転目)のハズレ時には、後述の「天井演出」の演出時間幅を確保するため、比較的変動時間が長い特定の変動パターン(天井用変動パターン:図75の「天井変動」)が選択されるようになっている。この天井用変動パターンは、少なくともNリーチよりも長い変動時間を定めた変動パターンが選択されるが、「天井演出」の演出時間幅を確保できれば特に制限はない。たとえば、通常モード中のSPリーチ以上(少なくとも疑似連無しSPリーチ以上)の変動時間を有する変動パターンであってもよい。
また、天井モードでは、ハズレの場合、少なくとも「特図種別および作動保留球数」によらず、共通の天井用変動パターン(天井変動)が選択されるようになっている(図75の「天井」の欄参照)。本実施形態の場合、ハズレ種別が複数種類あるため、「特図種別、作動保留球数、およびハズレ種別」によらず“天井変動”が選択されるようになっている。このようにする理由は、次に述べる通りである。第1に、天井特典付与時には、これを報知することが重要となるため、特別図柄種別や作動保留球によらず、共通の天井演出を実行することが好ましい点、第2に、天井ゲーム1ゲーム限り(1回転限り)のために、態々、特別図柄種別や作動保留球に応じた複数の変動パターン振分テーブルを用意し、これに基づく種々の演出を実行することは、無闇に制御負担を増してしまい、制御負担の軽減の観点から好ましくない点からである。また、当りの場合も、上述の「ハズレ」の場合と同様に、演出面と制御負担軽減の観点から、共通の「天井中当選変動」が選択されるようになっている(図73の「天井」の欄参照)。
(伊103)なお、支援時短が当選した場合、その当選変動に係る変動中演出(ゲーム中に現出されうる演出)として、リーチを経由して一旦ハズレを報知した後に(リーチハズレ)、支援時短の当選を報知するといった「支援時短当選演出」を実行可能に構成することができる。しかし、天井特典を付与する際の天井変動に係る変動中演出では、リーチハズレ後に、天井特典を付与する(天井時短に突入する)といった演出は実行しない、またはリーチ演出自体を実行しないことが好ましい。その理由は、天井特典は大当り抽選による「当選」という概念ではなく、ゲーム数により特典が付与される、というものだからである。ただし、上記「天井特典抽選」を実行する場合には、「抽選」が介在するため、天井変動に係る演出として、リーチ演出を実行し、そのリーチハズレ後に、天井特典抽選に当選したことを報知するといった「天井特典当選演出」を実行可能に構成することが好ましい。
(変動パターン選択処理に係る変形例:変動パターン強制上書き処理)
(伊42)なお、天井ゲームにおいても、一般モードまたは前兆モードに係る変動パターン振分テーブル(図72、図74〜図75)を参照して、通常通りの処理により、変動パターンを選択し、当選種別に応じて強制的に変動パターン指定コマンドを上書きする構成としてもよい。たとえば、天井ゲームにおける大当り抽選結果がハズレであった場合、図75に示す前兆モード(一般モードでもよい)に係る変動パターン振分テーブルを参照して(天井ゲーム直前のゲームが前兆モード中のゲームであるので、ここでは、天井ゲームにおいてもそのまま前兆モードに係る変動パターン振分テーブル参照する:抽選結果、作動保留球数等に応じてFH70〜FH73のいずれかを参照)、一の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択するが、天井ゲームのときは、その変動パターンを強制的に特定の変動パターン、たとえば、変動パターン指定コマンド「A014H」(天井変動)に更新し、これに対応した変動時間を設定するようにする。このようにしても、天井ゲームにおいて、特定の変動パターンを決定可能である。この場合、プログラムを極力変更することなく、天井変動を選択し、これに係る演出を実行することができる。なお上記では、天井ゲームにおいて前兆モードに係る変動パターン振分テーブルを参照すると説明したが、前兆モードを設けない構成の場合には、たとえば、通常モード(通常モードに属する遊技モード(たとえば、一般モード))に係る変動パターン振分テーブルを参照してもよい。また、通常モードに限らず、時短モードや確変モードなど、特定の遊技モードに係る変動パターン振分テーブルを参照してもよい。
(伊43)なお、大当りや支援時短(通常小当りを設けている場合は、通常小当りを含む)の場合も同様に、通常通りの変動パターン選択処理を行った後、強制的に特定の当り変動パターン(特定の変動パターン指定コマンド)を上書きしてもよい。
(30−2−1.天井モード中の演出について)
天井モード中は、天井到達を報知するための演出をなす「天井演出モード」に移行される。この天井演出モードは、天井(1000ゲーム目)専用の演出モードであり、本実施形態の場合、1ゲーム限り(1回転限り)の演出モードである。天井演出モードにおける演出例としては、たとえば、図49Bの備考1に示す「天井突入報知演出(天井発動報知演出)781」である。この天井突入演出781としては、たとえば、天井時の装飾図柄(天井用装飾図柄)が、少なくとも通常モード(1〜9の数字図柄)とは異なる装飾図柄を含む形で表示されるようになっている。「少なくとも通常モードとは異なる装飾図柄」とした理由は、天井到達となるのは、通常モード(通常状態)で大ハマリに遭遇した場合であり、長らく通常モードで現出されていた装飾図柄とは異なる装飾図柄を現出させ、天井到達を報知することが適切だからである。
天井用装飾図柄は、具体的には、特別なキャラクタやアイテムや文字を表示した専用図柄(天井用装飾図柄)であり、演出的に、インパクトの強い図柄であることが好ましく、たとえば、図49Bの備考1に示す装飾図柄785(「天」「☆」「井」の装飾図柄)である。通常の装飾図柄列は、右図柄、中図柄、左図柄の3つであるが(図49B参照)、天井用装飾図柄列は、必ずしも3つの図柄列でなくてもよい。たとえば、「天」「井」「到」「達」の4つの図柄列や、「天」「井」の2つの図柄列とすることができる。また、天井到達であることを強調するために、通常の装飾図柄より表示面積の大きい巨大装飾図柄、あるいは、所定のエフェクト画像を付したものを用いてもよい。また、天井ゲームに係る装飾図柄について、変動表示時は通常の装飾図柄を用い(全部または一部が同じ装飾図柄)、最終的に停止させる装飾図柄(装飾停止図柄)だけを天井用装飾図柄としてもよい。また、装飾図柄の背景表示として、専用のキャラクタ画像777が現出される。このキャラクタ画像777は、支援時短が当選したものと同じキャラクタ画像(図6(イ)参照)を示しているが、天井ゲームに限り現出される専用のキャラクタ画像(特別演出)であってもよい。
また、図示では、支援時短が当選したときと同じ「時短に突入するよ」をいう文字画像778が表示されているが、これは、天井時短による時短状態が生起することを、天井ゲーム中に報知することが好ましいからである(天井特典として、無限時短、有限確変、または無限確変が付与される場合も同様)。天井突入演出781は、天井時短に突入することを報知する点で、上記「時短突入報知演出」の一態様であると言える。
一方、天井時短が上記「ゲーム開始時天井発動型」の場合には、天井ゲーム(1000ゲーム目)の開始を契機に時短状態が生起されるため、遊技者に不利益を与えないようにするべく、当該ゲームの開始を契機に、右打ちを促す「右打ち指示演出(発射誘導報知演出)」を現出させる(ゲーム開始時に右打ち有利である旨を直ちに報知する)ことが好ましい(天井特典として、無限時短、有限確変、または無限確変が付与される場合も同様)。
なお、天井特典として、電サポ状態を伴う遊技状態を付与する場合(特に、ゲーム開始時天井発動型を採用している場合)、前兆モード中の少なくとも一部の期間(たとえば、天井ゲーム直前のゲーム(前兆モード最終回目(999回転目))において、まもなく「右打ち有利な遊技状態」に移行されることを事前に報知する「事前発射誘導報知演出」を現出させることが好ましい。この「事前発射誘導報知演出」を現出させるために、前兆モード中の最終ゲーム目が「ハズレ」の場合、特定の変動パターン(前兆最終変動)を選択可能な構成とすることができる(図75の備考1「前兆最終変動」参照)。
上述の「事前発射誘導報知演出」は、電サポ状態が生起する当該ゲームが到来するよりも前のゲームで「打ち方」を指示する演出である。この点で、電サポ状態が生起したことを契機に「右打ち」を指示したり、電サポ無し状態となったことを契機に「左打ち」を指示したりするといった従来の発射誘導報知演出、つまり、実際に電サポの有り無しが生じるときに打ち方を指示する報知演出とは性格を異にする。この点で、事前発射誘導報知演出は、天井機能を搭載する遊技機特有の演出である。
上記「事前発射誘導報知演出」は、天井機能を搭載する遊技機特有の演出として特異性が有するものであるが、その他、次のような特異な演出を現出させることができる。
(伊35)天井機能が発動する場合(本例では、天井時短が付与される場合)において、天井変動(図75の「天井」の欄参照)の終了後(図柄確定表示後)、作動保留球が無い場合には、客待ち前演出として、「天井到達後待機演出」を現出させることができる。この「天井到達後待機演出」とは、天井に到達して、天井特典中(天国時短状態中)である旨を報せる演出であり、客待ち前演出に属する演出態様である。また、天井到達後待機演出は、客待ち演出(デモ表示)中にも、重複して現出させることができる。
(伊36)また、天井機能が発動する場合において、天井変動の終了後(図柄確定表示後)、作動保留球が無い場合には、右打ち指示演出を現出させることができる。この場合、当該右打ち指示演出は少なくとも客待ち前演出の現出期間中に現出させ続けることができるが、客待ち前演出〜客待ち演出の間で現出させ続けてもよい。当該右打ち指示演出は、他の右打ち指示演出とは異なる専用の右打ち指示演出(客待ち待機中右打ち指示演出)としてもよい。
また、天井ゲーム(1000ゲーム目)の図柄変動表示ゲームで天井機能を発動させる場合には、特定の予告演出を現出させないこと好ましい。たとえば、少なくとも高期待度予告演出は現出しない、または、疑似連、リーチ演出、および遊技者参加型演出のうちの少なくとも1つは現出しない。その理由は、天井機能発動時に、大当りの当選期待感を煽るような仰々しい予告演出は不要だからである。ただし、天井モード(天井ゲーム)専用の予告演出として、疑似連、リーチ演出、または遊技者参加型演出などを設ける場合は、この限りではない。しかしいずれにしても、天井機能発動時において、無闇に当選期待感を煽るような予告演出は現出させないことが好ましく、疑似連、リーチ演出、または遊技者参加型演出などの予告演出を現出させる場合は、他の演出モードで現出される演出態様とは異なる、天井専用の演出態様とすることが好ましい。
また、天井到達の特典として、設定示唆演出を現出させてもよい。たとえば、天井専用の設定示唆演出を現出させることができる。設定推測要素という有益な情報を遊技者に与えることは、ハマリに遭遇した遊技者の遊技意欲を向上させる上で有用だからである。なお、天井時に設定示唆演出を現出させる場合、その出現率を100%としてもよいし、所定の抽選確率により現出させてもよい。また、どのような設定示唆演出を現出させるかは、適宜決定することができるが、少なくとも通常モード(一般モード、前兆モード)中よりも出現率を高くすることが好ましい。また、設定推測要素の高い設定示唆演出(たとえば、設定4以上確定、設定6確定、設定1否定などの設定示唆演出など)を現出することが好ましい。
(伊44)一方、天井ゲーム(1000ゲーム目)で、偶々、大当りに当選となった場合、天井演出モードに係る演出を現出するのではなく、大当り当選時に係る演出として、通常演出モード中(一般演出モード中または前兆演出モード中)、時短演出モード中、または確変演出モード中と同じ演出を現出させるように構成してもよい。たとえば、通常演出モード中と同じ演出を現出させる場合には、図72に示す「当り・支援時短当選変動パターン振分テーブル(一般、前兆用)」を参照し、通常モード(一般モード、前兆モード)中と同じ当り変動パターンを選択可能に構成する(図73の備考欄5のなお書き参照)。天井ゲームで大当りとなった場合にも、天井用の演出を現出させてしまうと、大当りなのか、それとも天井特典付与なのかが不明瞭になり、遊技者が混乱してしまうからである。
(伊63)また、天井ゲーム(1000ゲーム目)で、偶々、大当りに当選となった場合、天井突入演出781(図49Bの備考1)は現出せずに、大当り当選用の当選演出を行うことが好ましい。大当りであるのに時短突入を報知するという矛盾が生じるためである。ただし、一旦ハズレを装い、その後、当選を報知するような、いわゆる「復活演出」系の演出を現出させる場合は、天井発動時と共通の天井突入演出781を現出した後、当選演出を現出させてもよい。この場合、天井ゲームの途中まで、天井機能発動か大当り当選かを演出的に秘匿状態として遊技者の緊張感を煽るといった演出を採用する場合に好適である。
なお、本実施形態の場合には、当選専用の変動パターン(天井中当選変動)を選択可能に構成し(図73の「天井」の欄参照)、当該変動パターンに係る天井時当り専用の演出を現出できるようになっている。支援時短を設けている場合には、大当り当選時と支援時短当選時とで、異なる変動パターンを選択可能に構成してもよい(図73の備考5の「天井支援時短当選変動」参照)。また、大当り当選時と支援時短当選時とで、制御負担軽減のため、共通の変動パターン(天井中当選変動)を選択可能に構成してもよい。この場合、支援時短発動優先型であれば、当選種別を報知するために、それぞれ異なる演出内容を現出させることが好ましい。当選種別については、装飾図柄指定コマンドで把握可能であり、共通の変動パターンを選択するように構成しても、異なる演出を実行することができる。
(30−3.天国モードについて)
天国モードは、天井ゲーム終了後(1000回転目終了後)または天井ゲームの次ゲーム(1001ゲーム目)にて移行される遊技モードであり、天井特典に応じて、内部遊技状態が時短状態や確変状態などに関連した遊技モードとなる。本実施形態では、天井特典として「天井時短(時短回数1000回)」が付与される例について説明しているので、本実施形態に係る天井モードは、時短状態(YJ=01H)に関連する遊技モードとなる。なお、この天国モードに移行する場合は、「強制当り」以外の天井特典(有限時短、無限時短、無限確変、有限確変、無限潜確、または有限潜確など)の場合となる。
また、天国モード中は、天国専用の変動パターンを選択させるべく、変動パターン選択モード(Tcode)が、専用の「0AH」に更新される(ここでは、天井時短による時短状態専用の変動パターン選択モード(Tcode)に更新される)。
天国モードは、少なくとも大当りに当選した場合か、上記有限系の天井特典であれば大当りに当選することなく、規定の時短回数やST回数が終了した場合に終了される。ここでは、天井特典が「有限時短(時短回数1000回)」として説明しているので、天国モードは、時短回数1000回が終了した場合か、またはその時短回数消化中に大当りが当選した場合に終了されることになる。そして、天国モードが終了した場合は、通常モードに移行される(時短状態から通常状態に移行される)。なお、天井特典が、有限確変または有限潜確の場合は、ST回数が終了した場合かまたはそのST回数以内に大当りに当選した場合に終了され、また、無限時短、無限確変および無限潜確の場合には、大当り当選した場合に終了されることになる。
(7−5−2.天国モード中の演出について)
天国モード中は、天国モードに関連する演出(天国用演出)をなす「天国演出モード」に移行される。この天国演出モードは、天井ゲームの終了後に移行されるか、または次ゲーム以降(1001ゲーム目以降)の専用の演出モードであり、天国モードの終了とともに終了される。この天国演出モード中は、背景表示を他の遊技モードとは異なる特殊な背景表示に切り替え表示され(たとえば、宇宙空間を表現した“宇宙背景画像”)、天国モード中であることを報知する。また、天国モード中も残余時短回数報知演出を実行可能に構成することができる。
なお、天井特典として、有限時短または無限時短を付与する場合は、天国専用の時短演出モードとしてもよいし、時短演出モード(たとえば、時短演出モード1〜4のいずれか)としてもよい。いずれにしても遊技モードに対応した演出モードとすればよい。
(天国モード抜け演出)
(伊64)本実施形態では、天井特典として、時短回数1000回の時短状態が付与されるが、仮に、時短回数100回など、時短回数が比較的少ない時短状態が付与される場合には、大当りに当選することなく、天井時短による時短回数を消化してしまう可能性が高い(たとえば、設定1で、時短回数100回以内に大当りに当選する確率は、約39%)。一方、時短回数が1000回としても、その回数以内に必ずしも大当りに当選するわけではない(時短回数1000回以内に大当りに当選する確率は、約99%)。いずれにしても、天井時短状態を抜けてしまうと、遊技者は、大ハマりした上、天井時短を生かすことができなかったと、落胆感が強くなる。したがって、天井時短状態に係る最終変動については、派手な演出を現出させず、さらに、天井時短状態に係る最終変動は、無闇に長変動パターンとはずに、たとえば、ハズレ時の最短変動時間の通常変動を選択可能とする(選択率100%でもよい)などにより、何事も無かったかのように、しれっと抜けてしまうように振る舞うことが好ましい。
(時短状態中における支援時短の制御形態(抽選処理方法)について)
ここで、時短状態中(天井時短状態中および/または大当り時短状態中)に支援時短状態に移行させるか否か(天井時短状態中に支援時短状態の発動を禁止するか否か)が問題となる。たとえば、時短状態中の大当り抽選において、支援時短を大当り抽選対象とするか否か、支援時短を大当り抽選対象とした場合、そのその当選を有効扱いとするか無効扱いとするかなどが問題となる。そこで、遊技性に応じて、下記(伊76)〜(伊80)の抽選形態を採用することができる。
(伊76)少なくとも天井時短状態中は、支援時短を抽選対象から除外する(たとえば図19B、図27参照)。具体的には、図19Bの抽選形態のように、支援時短を抽選対象から除外した大当り抽選を行うことにより支援時短を無効扱いとし、天井時短状態中は支援時短状態を付与しない(支援時短状態に制御されない)ようにする。本構成の場合、支援時短が天井時短よりも利益状態(有利度合)が低い場合において、「天井時短状態→支援時短状態に移行」という転落移行を回避したい場合に好適である(後述の(伊77)も同様)。
(伊77)少なくとも天井時短状態中は、支援時短を抽選対象に含む大当り抽選を行うが、支援時短が当選してもその当選を無効扱いとし、支援時短状態を付与しないようにする。たとえば、第1実施形態で述べた図12の支援時短フラグ管理処理(ステップS422)を設け、支援時短の当選を無効扱いとし支援時短状態を付与しない、または図19Aの抽選形態を採用して支援時短が当選してもその当選を無効扱いとし、支援時短状態を付与しないようにすることができる。
(伊78)上述の(伊77)・(伊78)とは逆に、少なくとも天井時短状態中は、支援時短を抽選対象に含む大当り抽選を行い、支援時短に当選した場合には、これを有効扱いとし、当該支援時短による時短状態に移行させる。この場合、天井時短状態中に支援時短状態の付与が可能であり、たとえば、支援時短が天井時短よりも利益状態(有利度合)が高い場合において、「天井時短状態→支援時短状態に移行」という昇格移行をさせたい場合に好適となる。
(伊79)天井時短状態中に支援時短を抽選対象に含む大当り抽選を行い、当選した支援時短により付与される時短回数が、天井時短により付与される時短回数または天井時短状態の残余時短回数よりも多い場合、その当選した支援時短による時短状態に移行させる。この場合、「天井時短状態中の残余時短回数<支援時短による時短回数」である状況に限り、当選した支援時短の時短回数が、現在の天井時短状態の残余時短回数に更新(上書き)され、遊技者に有利な時短回数を付与することができる。
(伊80)特図1側の大当り抽選対象には支援時短が1または複数種類あるが、特図2側の大当り抽選対象に支援時短種別が無い構成とし、天井時短状態中も支援時短の当選は有効扱いとする。本実施形態のように、電サポ無し状態下の場合は左打ち有利(特図1側の抽選を受けることが遊技者に有利)、電サポ状態下の場合は右打ち有利(特図2側の抽選を受けることが遊技者に有利)となる遊技機において、右打ち有利となる天井時短状態中に、支援時短に当選し難くすることができる。天井時短除隊中は、支援時短が抽選対象とならない特図2側の大当り抽選を受けることがメインの遊技となるため、イレギュラーな入賞等により特図1作動保留球の発生がない限り、支援時短に当選しない。この場合、特図1側は支援時短を対象とする大当り抽選およびその当選処理(支援時短状態の付与)を行い、通常状態中(左打ち有利)においては、支援時短をハマり救済機能として作用させる一方、天井時短状態中(右打ち有利)においては、支援時短当選により時短状態が実質的に延長されたり、天井時短が支援時短の当選により終了したりすることを回避したい場合に好適である。
また、天井時短状態中に支援時短の当選を有効扱いとする場合、つまり、天井時短状態中に、支援時短状態の付与を可能とする場合には、下記(伊81)〜(伊83)の構成とすることができる。
(伊81−1)天井時短状態中に支援時短に当選した場合には、上記「特別図柄時短回数カウンタ(残余時短回数カウント手段)」に支援時短の時短回数の上乗せ処理を行う。この場合、時短状態が延長されうるため、遊技性の自由度が広がり、また遊技者にとり有利な状況を発生させることができる。
(伊81−2)天井時短状態中に支援時短に当選した場合には、天井時短状態の残余時短回数のカウント(減算)を中断し、支援時短による時短回数を優先的に消化する。支援時短による時短回数が消化された場合(時短回数消化により支援時短状態が終了した場合)、中断していた天井時短状態の残余時短回数のカウントを再開可能な構成とする。この場合、天井時短状態における残余時短回数をカウントする第1カウント手段(天井時短残余回数カウンタ)と、支援時短状態における残余時短回数をカウントする第2カウント手段(支援時短残余回数カウンタ)を設ければい。また、他のカウント方法として、天井時短状態中の残余時短回数を一旦RAM203の所定領域に退避(格納)し、特別図柄時短回数カウンタに、当選した支援時短による時短回数をセットする。そして、その支援時短による時短回数が消化された後で、退避していた天井時短状態中の時短回数を特別図柄時短回数カウンタにセットし、再度、カウントを開始すればよい(この場合、特別図柄時短回数カウンタは、天井時短残余回数カウンタと支援時短残余回数カウンタとを兼用する形態となる)。本構成によれば、支援時短の時短回数を優先的に消化させることで、実質的に時短状態を延長することができる。また、天井時短状態の残余時短回数が、支援時短による時短回数に更新されてしまうことがないため、天井時短の恩恵および支援時短当選の恩恵の双方を遊技者に与えることができる。
(伊82)天井時短状態中に支援時短に当選した場合、その当選した支援時短による時短回数の消化(支援時短状態の実行)を保留状態(ストック状態)とし、先ず、天井時短による時短回数を優先的に消化する。そして、天井時短による時短回数が消化された場合(時短回数消化により天井時短状態が終了した場合)、ストック状態としていた支援時短による時短回数を消化する(ストック放出)。本構成によれば、何ら大当りに当選せずに、天井時短状態を抜けてしまっても、天井時短状態中に支援時短に当選していれば、天井時短状態の終了後に、その支援時短による時短状態がスタートするため、実質的に時短状態を延長することができる。また、支援時短当選により天井時短状態の残余時短回数が、支援時短による時短回数に更新されてしまうことがないため、天井時短の恩恵および支援時短当選の恩恵の双方を遊技者に与えることができる。また、天井時短状態と支援時短状態とが交互に実行されることがない、すなわち、実行中の天井時短状態が中断し、支援時短状態が開始され、当該支援時短状態が終了後に、中断していた天井時短状態を再開する、ということがないため、制御処理が複雑化しないとともに、現在の時短状態が天井時短で付与されたものなのか、支援時短で付与されたものなのかを判別することが容易なものとすることができる。
(伊83)天井時短残余回数カウンタと、支援時短残余回数カウンタとを有する場合において、天井時短状態中に支援時短に当選した場合、天井時短残余回数カウンタと並行して、支援時短残余回数カウンタも消化させることができる。この場合、支援時短残余回数カウンタの値が天井時短残余回数カウンタの値よりも多ければ、時短状態が実質的に延長され、支援時短残余回数カウンタの値が天井時短残余回数カウンタの値よりも少なければ、通常通りに、天井時短状態を終了させることができる。本構成によれば、天井時短の恩恵を損なうことなく、タイミングよく支援時短に当選すれば、実質的に時短状態が延長されるため、遊技の面白みを向上させることができる。
(万石10)なお、上記した(伊76)〜(伊80)、(伊81)〜(伊83)において、「天井時短状態中」を「大当り時短状態中」と置き換えてもよい。また「天井時短状態中に支援時短に当選した場合」について、「大当り時短状態中に支援時短に当選した場合」または「天井時短状態および大当り時短状態に支援時短に当選した場合」としてもよい。この場合、大当り時短状態の残余回数をカウント可能な手段を設ければよい。
なお、上記(伊82)では、天井時短状態中に支援時短に当選した場合、その当選した支援時短による時短回数の消化をストック状態とし、天井時短による時短回数を優先消化後(天井時短状態終了後)、支援時短による時短回数を消化する(支援時短状態を開始する:ストック放出)例を説明した。しかし本発明はこれに限らず、下記(万石20)〜(万石23)のストック放出形態とすることができる。
(万石20)大当り時短状態中に支援時短が当選した場合、その当選した支援時短による時短回数の消化をストック状態とし、大当りによる時短回数を優先消化後(大当り時短状態終了後)、ストック状態としていた支援時短による時短回数を消化する。
(万石21)支援時短状態中に支援時短が当選した場合、その当選した支援時短による時短回数の消化をストック状態とし、実行中の支援時短状態に係る時短回数を優先消化後(実行中の支援時短状態終了後)、ストック状態としていた支援時短による時短回数を消化する。
(万石22)確変状態中に支援時短が当選した場合、その当選した支援時短による時短回数の消化をストック状態とし、当該確変状態よるST回数を優先消化後(確変状態終了後)、ストック状態としていた支援時短による時短回数を消化する。
(万石23)潜確状態中に支援時短が当選した場合、その当選した支援時短による時短回数の消化をストック状態とし、当該潜確状態よるST回数を優先消化後(潜確状態終了後)、ストック状態としていた支援時短による時短回数を消化する。
上記(万石20)〜(万石23)によれば、特定の有利状態(ここでは、時短状態、確変状態、潜確状態など)中に支援時短が当選した場合、その有利状態が終了した後に、当選に係る支援時短による時短状態をスタートさせるため、有利状態の恩恵および支援時短当選の恩恵の双方を遊技者に与えることができる。また、有利状態と支援時短状態とが交互に実行されることがない、すなわち、実行中の有利状態が中断し、支援時短状態が開始され、当該支援時短状態が終了後に、中断していた有利状態を再開する、ということが無く、制御処理が複雑化しない。
(万石24)なお、上述したストック状態としない構成の場合には、支援時短状態の発動を有効扱いとし、支援時短の当選ゲーム終了後に実行中の有利状態を終了させて、支援時短状態を生起させてもよいし、支援時短状態の発動を無効扱いとして支援時短状態は生起させず、実行中の有利状態をそのまま継続してもよい。
(万石25)また、上記(伊82)、(万石20)〜(万石23)の1または複数の構成を採用することができる。どのような構成を採用するかは遊技性に応じて適宜決定することができる。たとえば(伊82)、(万石20)〜(万石23)のすべての構成を採用した場合には、時短状態中、確変状態中、または潜確状態中(本実施形態では、潜確状態を設けた場合)のいずれの有利状態中において支援時短が当選した場合であっても、その支援時短状態の実行がストック状態とされ、当該有利状態終了後に、支援時短状態を生起(ストック放出)させることができる。またたとえば、高確状態中だけをストック状態としたくない場合には、(伊82)、(万石20)および(万石21)の構成を採用し、確変状態中または潜確状態中に支援時短に当選した場合にはストック状態とせずにその当選を無効扱いとするが、時短状態中に支援時短に当選した場合にはストック状態とし、当該時短状態終了後に支援時短状態を生起させることができる。
上記(伊82)、(万石20)〜(万石23)では、有利状態中に支援時短に当選した構成例を説明したが、有利状態中に天井ゲームに到達した場合には下記(万石40)〜(万石44)のように構成してもよい。
(万石40)大当り時短状態中に天井ゲームに到達した場合(天井発動契機が到来した場合)、天井時短による時短回数の消化(天井時短状態の実行)をストック状態とし、大当りによる時短回数を優先消化後(大当り時短状態終了後)、ストック状態としていた天井時短による時短回数を消化する。
(万石41)支援時短状態中に天井ゲームに到達した場合、天井時短による時短回数の消化をストック状態とし、支援時短状態による時短回数を優先消化後(支援時短状態終了後)、ストック状態としていた天井時短による時短回数を消化する。
(万石42)確変状態中に天井ゲームに到達した場合、天井時短による時短回数の消化をストック状態とし、当該確変状態よるST回数を優先消化後(確変状態終了後)、ストック状態としていた天井時短による時短回数を消化する
(万石43)潜確状態中に天井ゲームに到達した場合、天井時短による時短回数の消化をストック状態とし、当該潜確状態よるST回数を優先消化後(潜確状態終了後)、ストック状態としていた天井時短による時短回数を消化する
(万石44)天井時短状態中に天井ゲームに到達した場合(2回目以降の天井到達)、天井時短による時短回数の消化をストック状態とし、実行中の天井時短状態に係る時短回を優先消化後(先に実行されていた天井時短状態終了後)、ストック状態としていた天井時短による時短回数を消化する。
上記(万石41)〜(万石44)によれば、特定の有利状態中に天井ゲームに到達した場合、その有利状態が終了した後に、天井時短状態をスタートさせるため、有利状態の恩恵および支援時短当選の恩恵の双方を遊技者に与えることができる。また、有利状態と支援時短状態とが交互に実行されることがない、すなわち、実行中の有利状態が中断し、支援時短状態が開始され、当該支援時短状態が終了後に、中断していた有利状態を再開する、ということが無く、制御処理が複雑化しない。
(万石45)なお、上述したストック状態としない構成の場合には、天井時短状態の発動を有効扱いとし、天井ゲーム終了後に実行中の有利状態を終了させて、天井時短状態を生起させてもよいし、天井時短状態の発動を無効扱いとして天井時短状態は生起させず、実行中の有利状態をそのまま継続してもよい。
(万石46)また、上記(万石41)〜(万石44)の1または複数の構成を採用することができる。どのような構成を採用するかは遊技性に応じて適宜決定することができる。たとえば、(万石41)〜(万石44)のすべての構成を採用した場合には、時短状態中、確変状態中、または潜確状態中(本実施形態では、潜確状態を設けた場合)のいずれの有利状態中に天井ゲームに到達した場合であっても、天井時短状態の発動がストック状態とされ、当該有利状態終了後に、天井時短状態を生起(ストック放出)させることができる。またたとえば、、高確状態中だけをストック状態としたくない場合には、(万石42)および(万石43)の構成を採用し、確変状態中または潜確状態中に天井ゲームに到達した場合にはストック状態とせずに天井時短状態の発動を無効(禁止)とするが、時短状態中に天井ゲームに到達した場合にはストック状態とし、その時短状態終了後に天井時短状態を生起させることができる。
(天井時短普電開放遊技と、大当り普電開放遊技について)
天井時短状態と大当り時短状態とは同じ時短状態であるが、天井時短状態に係る普電開放遊技の動作態様(以下、「天井時短普電開放遊技」と略す)と、大当り普電開放遊技との関係を下記の構成とすることができる。
(伊24)少なくとも天井時短普電開放遊技と大当り普電開放遊技とが共通である。なお、天井時短普電開放遊技および大当り普電開放遊技と、支援時短普電開放遊技とは、共通であってもよいし、異なっていてもよい。天井時短普電開放遊技と大当り普電開放遊技を共通化することにより、普電開放遊技に係るプログラムを削減することができる。また、開発段階において、電サポ状態中の出玉率計算が容易となる。また、演出の見せ方次第では、天井時短状態中なのか大当り時短状態中なのかを遊技者にわかりにくくすることができる。
(伊25)少なくとも天井時短普電開放遊技と大当り普電開放遊技とが異なる。この場合、天井時短普電開放遊技よりも大当り普電開放遊技の方が、有利度合(利益状態)が低くてもよいし、高くてもよい。大ハマり救済機能という観点からは、大当り普電開放遊技よりも天井時短普電開放遊技の方が、有利度合が高い(出玉率が高い)ことが好ましい。本構成の場合、同じ時短状態であっても、天井時短状態中と大当り時短状態中とで入賞率に差を持たせることができるため、遊技性が向上する。なお、大当り普電開放遊技、天井時短普電開放遊技、および支援時短普電開放遊技がそれぞれ異なっていてもよい。また、大当り普電開放遊技と、天井時短普電開放遊技および支援時短普電開放遊技のいずれか一方は、共通であってもよい。
(天井時短普電開放遊技と、支援時短普電開放遊技について)
天井時短状態と支援時短状態とは同じ時短状態であるが、天井時短普電開放遊技と、支援時短普電開放遊技の関係を下記の構成とすることができる。
(伊91)少なくとも天井時短普電開放遊技と支援時短普電開放遊技とが共通である。なお、天井時短普電開放遊技および支援時短普電開放遊技と、大当り普電開放遊技とは、共通であってもよいし、異なっていてもよい。天井時短普電開放遊技と支援時短普電開放遊技を共通化することにより、普電開放遊技に係るプログラムを削減することができる。また、開発段階において、電サポ状態中の出玉率計算が容易となる。また、演出の見せ方次第では、天井時短状態中なのか支援時短状態中なのかを遊技者にわかりにくくすることができる。
(伊92)少なくとも天井時短普電開放遊技と支援時短普電開放遊技とが異なる。この場合、天井時短普電開放遊技よりも支援時短普電開放遊技の方が、有利度合(利益状態)が低くてもよいし、高くてもよい。大ハマり救済機能という観点からは、支援時短普電開放遊技よりも天井時短普電開放遊技の方が、有利度合が高いことが好ましい。本構成の場合、同じ時短状態であっても、天井時短状態中と支援時短状態中とで入賞率に差を持たせることができるため、遊技性が向上する。なお、大当り普電開放遊技、天井時短普電開放遊技、および支援時短普電開放遊技がそれぞれ異なっていてもよい。また、大当り普電開放遊技と、天井時短普電開放遊技および支援時短普電開放遊技のいずれか一方は、共通であってもよい。
(天井時短状態中の装飾図柄について)
支援時短状態の装飾図柄の表示態様について下記のように構成することができる。
(伊28)少なくとも天井時短状態中の装飾図柄(たとえば、算用数字)と、通常状態中の装飾図柄(たとえば、漢数字)または大当り時短状態中の装飾図柄(たとえば、ローマ数字または漢数字)とを異なる装飾図柄とする。この場合、遊技状態に応じて装飾図柄を異なるため、演出が多彩になる。また、遊技者が天井時短状態中であることを把握しやすくなる。また、客待ち待機中(たとえば、客待ち前演出)は装飾図柄が表示可能なため、遊技者が遊技台を選定する際、表示画面を確認するだけで、天井時短状態中であることを容易に識別することができる。
(伊29)少なくとも天井時短状態中の装飾図柄(たとえば、算用数字)と、通常状態中の装飾図柄(たとえば、漢数字)とが異なる。なお、大当り時短状態中の装飾図柄と、天井時短状態中の装飾図柄および通常状態中の装飾図柄のいずれか一方とが共通であってもよいし、それぞれ異なる装飾図柄(たとえば、大当り時短状態中の装飾図柄はローマ数字)であってもよい。この場合、遊技状態に応じて装飾図柄を異なるため、演出が多彩になる。また、客待ち待機中(たとえば、客待ち前演出)は装飾図柄が表示可能なため、遊技者が遊技台を選定する際、表示画面を確認するだけで、天井時短状態中であるか否かを容易に識別することができる。
(伊30)少なくとも天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目と、通常状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目とが異なる停止表示目である。遊技者やホール関係者が、朝一の遊技台の状態を把握する際に、天井時短状態中であるか通常状態中であるかを把握し易くすることができる。なお、天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目および通常状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目のいずれか一方は、支援時短状態中の電断復帰後の停止表示目および/または大当り時短状態中の電断復帰後の停止表示目と共通の停止表示目であってもよいし、異なる停止表示目であってもよい。本構成によれば、遊技者やホール関係者が、朝一の遊技台の状態を把握する際に、天井時短状態中であるか通常状態中であるかを把握し易くすることができる。なお、天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目および通常状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目のいずれか一方は、支援時短状態中の電断復帰後の停止表示目および/または大当り時短状態中の電断復帰後の停止表示目と共通の停止表示目であってもよいし、異なる停止表示目であってもよい。
(天井時短状態中の装飾図柄と、支援時短状態中の装飾図柄について)
天井時短状態と支援時短状態とは同じ時短状態であるが、装飾図柄の表示態様について下記のように構成することができる。
(伊97)天井時短状態中の装飾図柄(たとえば、算用数字)と、支援時短状態中の装飾図柄とを共通の装飾図柄とする。なお、大当り時短状態中の装飾図柄とは、共通の装飾図柄であってもよいし、異なる装飾図柄(たとえば、ローマ数字)であってもよい。この場合、天井時短状態中に支援時短に当選した場合であっても、その都度、装飾図柄を変更する必要がなく、共通の装飾図柄を使用できるので、遊技者に対して見た目の違和感や不快感を与えにくくすることができる。また、制御負担の軽減に寄与する。
(伊98)少なくとも天井時短状態中の装飾図柄(たとえば、算用数字)と、支援時短状態中の装飾図柄(たとえば、漢数字)とが異なる。なお、大当り時短状態中の装飾図柄と、天井時短状態中の装飾図柄および支援時短状態中の装飾図柄のいずれか一方とが共通であってもよいし、それぞれ異なる装飾図柄(たとえば、大当り時短状態中の装飾図柄はローマ数字)であってもよい。この場合、遊技状態に応じて装飾図柄を異なるため、演出が多彩になる。また、客待ち待機中(たとえば、客待ち前演出)は装飾図柄が表示可能なため、遊技者が遊技台を選定する際、表示画面を確認するだけで、時短状態種別(少なくとも天井時短状態中および支援時短状態中のいずれであるのか)を容易に識別することができる。
(伊99)少なくとも天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目と、支援時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目とが共通の停止表示目である。この場合、天井時短状態と支援時短状態とが同じ演出モードである場合には、朝一に遊技者が遊技台を選定する際、表示画面を確認するだけでは天井時短状態中であるか支援時短状態中である識別できないので、実際に遊技をする必要があり、ホールの稼働率に貢献することができる。なお、天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目は、電断復帰後の通常状態の停止表示目および/または電断復帰後の大当り時短状態中の停止表示目と同じ停止表示目であってもよいし、異なる停止表示目であってもよい。
(伊100)少なくとも天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目と、支援時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目とが異なる停止表示目である。本構成によれば、遊技者やホール関係者が、朝一の遊技台の状態を把握する際に、天井時短状態中であるか支援時短状態中であるかを把握し易くすることができる。なお、天井時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目および支援時短状態中の電断復帰後の装飾図柄の停止表示目のいずれか一方は、通常状態中の電断復帰後の停止表示目および/または大当り時短状態中の電断復帰後の停止表示目と共通の停止表示目であってもよいし、異なる停止表示目であってもよい。
また本構成において、大当り時短状態中と天井時短状態中とが共通の停止表示目であり、かつ共通の時短演出モードであるケースでは、少なくとも支援時短状態中であるか否かについては識別可能である。また、大当り時短状態中と支援時短状態中とが共通の停止表示目、かつ共通の演出モードである場合、少なくとも天井時短状態中であるか否かについては識別可能である。
なお、通常状態は「通常演出モード」であるため、背景画像等を見れば、停止表示目が同じであっても、通常状態中であることが識別可能である。勿論、各時短状態がそれぞれ異なる時短演出モードある場合には、演出モードに係る背景画像等により、いずれの時短状態であるかを把握可能である。
(天井時短状態中の保留表示態様と、支援時短状態中の保留表示態様について)
天井時短状態と支援時短状態とは同じ時短状態であるが、保留表示態様(保留アイコン)について下記のように構成することができる。
(伊101)少なくとも天井時短状態中の保留表示態様と、支援時短状態中の保留表示態様とが異なる。この場合、天井時短中と支援時短中とで遊技状態に応じて保留表示を異ならせることができるので、演出のバリエーションが多彩になる。また、天井時短状態中と支援時短状態中とで、保留表示が変化するので、いずれの時短状態であることを遊技者が識別し易くなる。
(伊102)少なくとも天井時短状態中の保留表示態様と、支援時短状態中の保留表示態様とが共通である。天井時短状態中に支援時短に当選して支援状態中に移行した場合であっても、その都度、保留表示を変更する必要がなく、制御負担の軽減に繋がる。
(天井時短状態中の先読み予告と、支援時短状態中の先読み予告について)
天井時短状態と支援時短状態とは同じ時短状態であるが、先読み予告について下記のように構成することができる。
(伊66)支援時短の当選期待度を示唆する先読み予告と、天井ゲーム数目の作動保留球に対して天井特典(本実施形態では、天井時短)が付与されることを事前報知する先読み予告演出とは異なる演出態様である。異なる演出態様とする理由は、天井特典については予め決まったゲーム数で付与されることが判明しているのに対し、支援時短は大当り抽選を経て当選が決定されるもので、予め決まったゲーム数で付与されるというものではないからである。なお、支援時短の当選期待度を示唆する先読み予告と、大当りの当選期待度を示唆する先読み予告とは共通の演出態様であってもよいし、異なる演出態様であってもよい。
(伊104)天井時短状態中と支援時短状態中とで、共通の先読み予告を実行可能に構成する。天井時短状態中と支援時短状態中とで共通の先読み予告を実行できるため、制御負担の軽減に繋がる。演出の多様化・多彩化を重視する場合には、天井時短状態中と支援時短状態中とで、異なる先読み予告を実行可能に構成してもよい。なお、天井時短状態中および/または支援時短状態中の先読み予告と、大当り時短状態中の先読み予告とは、共通であってもよいし、異なっていてもよい。
(伊105)天井モード突入前(天井ゲーム到達前:1000ゲームより前)の第1所定ゲーム数(前兆モードの一部の期間における先読み予告に相当)と、支援時短の当選作動保留球が発生した後の第2所定ゲーム数とを、先読み予告の実行を禁止する先読み予告禁止区間とすることができる。この場合、「第1所定ゲーム数=第2所定ゲーム数」(たとえば、最大保留記憶数と同じ4回)であってもよいし、異なるゲーム数(たとえば、第1所定ゲーム数は1回、第2所定ゲーム数は4回など)であってもよい。
(伊106)天井モード突入前の第1所定ゲーム数(前兆モードの一部の期間における先読み予告に相当)は先読み予告の実行を禁止し(たとえば、後述の図50参照)、支援時短当選に係る作動保留球は先読み予告を禁止しない。
(伊107)天井変動に係る作動保留球は先読み予告の実行を禁止し(後述の図50参照)、支援時短当選に係る作動保留球は先読み予告を禁止しない。
(天井時短状態中の設定示唆演出について)
(伊26)複数の設定示唆演出を実行可能であり、天井時短状態中は、当該複数の設定示唆演出の一部または全部の実行を禁止(制限)する。あるいは、他の遊技状態と比較し、実行確率を異なるものとすることができる。これには下記(伊26−1)〜(伊26−4)がある。
(伊26−1)天井時短状態中は、通常状態よりも設定示唆演出の実行確率を低くすることができる。この場合、1または複数の特定の設定示唆演出の実行確率を低くすることができる。
(伊26−2)天井時短状態中は、通常状態よりも設定示唆演出の出現率を高くすることができる。この場合、1または複数の特定の設定示唆演出の出現率を高くすることができる。
(伊26−2)天井時短状態中は、1または複数の特定の設定示唆演出の実行を禁止(制限)することができる。特定の設定示唆演出は特に制限はないが、たとえば、上記(ア)〜(シ)に示したような設定示唆演出を実行可能な場合、その少なくとも1つの設定示唆演出の実行を禁止することができる。具体的には、天井時短状態中は、設定推測要素としての有用度が低い設定示唆演出、たとえば、上記(キ)の偶数設定示唆演出や上記(ユ)の奇数設定示唆演出の実行を禁止することが好ましい。
(伊26−3)天井時短状態中に限り、出現する1または複数の設定示唆演出がある。たとえば、天井時短状態中に限り、設定推測要素として有用度の高い上記(メ)の設定N確定演出を出現させることができる。
本構成によれば、遊技状態に応じて設定示唆予告の出現率を変動させることできる。また、特定の遊技状態(天井時短状態)に限り、特定の設定示唆演出を出現させることができる。これにより、演出が多彩なものとし、遊技の面白みを向上させることができる。
(天井時短状態に係る保留表示領域について)
(伊31)天井ゲーム終了(ここでは、(天井変動に係る図柄の変動時間終了時(図67参照)、または図柄の確定表示時間中、或いは図柄の確定表示時間経過時(図68A〜図68B参照))を契機に、保留表示領域77(特図2側の保留表示領域)を上記強調的(優先的)に表示することができる。保留表示領域77を強調的に表示する場合には、既に説明したように、保留表示領域77を優先的に表示する、保留表示領域77を大きく表示する、保留表示領域76側を非表示にするなどがある。
特図1側の図柄変動表示ゲーム1で支援時短に当選した場合、当該当選ゲームが終了したタイミングで、保留表示の優先順位を、特図1側から特図2側に変更することが好ましい(支援時短状態中は、右打ち有利となり特図2側の図柄変動表示ゲームがメインとなるため)。保留表示の優先順位を、特図1側のゲームが終了したタイミングで変更しておくことにより、支援時短状態中における最初の特図2側の図柄変動表示ゲームが開始されるよりも前に、特図2の保留表示を優先表示させることができる。
(天井時短状態中の演出モードと、支援時短状態中の演出モードについて)
天井時短状態と支援時短状態とは同じ時短状態であるが、演出モードについて下記のように構成することができる。
(伊108)天井時短状態に係る演出モードと、支援時短状態に係る演出モードとを、共通の演出モードとすることができる。たとえば、双方を天国演出モードとしたり、双方を時短演出モードとすることができる。時短演出モードとする場合には、時短演出モード1〜4のいずれであってもよいし、また、時短演出モード1から開始し、ゲーム数に従い、“時短演出モード1⇒時短演出モード2⇒時短演出モード3”と移行させてもよい(図7B参照)。天井時短状態と支援時短状態とを同じ演出モードとすることにより、制御負担の軽減に繋がる。
(伊109)天井時短状態に係る演出モードと、支援時短状態に係る演出モードとを、異なる演出モードとすることができる。たとえば、図49A〜図49Bに示す通り、天井時短状態に係る演出モードは「天国演出モード」とし、支援時短状態に係る演出モードは「時短演出モード」とすることができる。時短演出モードは、時短演出モード1〜4のいずれであってもよいし、また、時短演出モード1から開始し、ゲーム数に従い、“時短演出モード1⇒時短演出モード2⇒時短演出モード3”と移行させてもよい(図7B参照)。異なる演出モードとすることにより、演出を多彩なものとすることができる。
(天井時短状態と大当り時短状態の管理形態について)
天井時短状態と大当り時短状態とは同じ時短状態であるが、内部遊技状態について下記のように構成することができる。
(伊32)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、少なくとも天井時短状態と大当り時短状態とを、一の入賞容易状態(電サポ状態)として管理可能に構成することができる。この場合、天井時短状態中であることを示すフラグと大当り時短状態中あることを示すフラグとを「共通のフラグ(第2特定時短状態中フラグ)」で管理すればよい。双方で共通のフラグとすることにより、RAM容量の削減に繋がる。また、演出制御部24に対するデータやその送信処理も容易に共通化することが可能となり、プログラム容量やデータ容量を削減することができる。
(伊33)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、少なくとも天井時短状態と大当り時短状態とを、異なる入賞容易状態として管理可能に構成することができる。たとえば、天井時短状態に係る遊技状態判定番号YJを04H、大当り時短状態に係る遊技状態判定番号YJを07Hなどとし、それぞれ異なる内部遊技状態として管理することができる。本構成によれば、天井時短状態と大当り時短状態とを個別のフラグで管理することができるため、主制御部20側でそれぞれの遊技状態を容易に把握することができる。また、遊技状況に応じて遊技状態に応じた処理を実行することが容易となる。たとえば、演出制御部24に対して、天井時短状態と大当り時短状態とに関し、それぞれ異なる情報を送信することができる。これにより、演出制御部24側では、天井時短状態中と大当り時短状態中とで異なる演出モードに移行させたり、異なる演出を容易に実行することができるようになる。
(伊61)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、天井時短状態を他の内部遊技状態とは異なるものとして管理可能に構成する。具体的には、遊技機1が、天井時短状態以外の内部遊技状態として、確変状態、潜確状態、時短状態、および通常状態(4状態)を実行可能である場合、この4状態のいずれとも異なる内部遊技状態として天井時短状態を管理する。すなわち、天井時短状態を5状態目の内部遊技状態として管理する。つまり遊技機1が、天井時短状態以外に1または複数の内部遊技状を実行可能である場合、そのいずれとも異なる内部遊技状態として、天井時短状態を管理可能に構成する。この場合、次のような利点がある。
(A)天井時短状態中に大当りに当選したことに基づいて、たとえば、その大当り遊技中の開始INTおよび/または終了INTを、他の時短状態(たとえば、大当り時短状態や支援時短状態)とは異なる時間幅の大当り遊技を実行することができる。特に、天井時短状態中に大当りは、通常状態中に大当りに当選した場合と同様に、「初当り」として扱う関係上、天井時短状態が他の内部遊技状態と別の内部遊遊技状態として管理できることが好ましいからである。その理由として、たとえば、天井時短状態を他の時短状態(たとえば、大当り時短状態)と同列に扱ってしまうと、時短状態中の大当りとして判断してしまい、実際は「初当り」であるのに、連荘扱いとなってしまうという問題が生じるからである。また、連荘回数をカウントする場合やリザルト演出を現出させる上で、天井時短状態の大当りを、大当り時短状態とは区別する必要が生じるためである。なお、時短状態には、時短大当りによる大当り時短状態、確変時短大当りによる確変状態抜け後の時短状態(ST回数が消化後の時短状態)、支援時短状態などがあり、本構成は、天井時短状態をこれらの時短状態とは別の時短状態として扱いたい場合に、大きな利点がある。
(天井時短状態と支援時短状態の管理形態について)
天井時短状態と支援時短状態とは同じ時短状態であるが、内部遊技状態について下記のように構成することができる。
(伊110)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、少なくとも天井時短状態と支援時短状態とを、一の入賞容易状態(電サポ状態)として管理可能に構成することができる。この場合、天井時短状態中であることを示すフラグと支援時短状態中あることを示すフラグとを「共通のフラグ(第3特定時短状態中フラグ)」で管理すればよい。双方で共通のフラグとすることにより、RAM容量の削減に繋がる。また、演出制御部24に対するデータやその送信処理も容易に共通化することが可能となり、プログラム容量やデータ容量を削減することができる。
(伊111)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、少なくとも天井時短状態と支援時短状態とを、異なる入賞容易状態として管理可能に構成することができる。たとえば、天井時短状態に係る遊技状態判定番号YJを「04H」、支援時短状態に係る遊技状態判定番号YJを「05H」などとし、それぞれ異なる内部遊技状態として管理することができる。本構成によれば、天井時短状態と支援時短状態とを個別のフラグで管理することができるため、主制御部20側でそれぞれの遊技状態を容易に把握することができる。また、遊技状況に応じて遊技状態に応じた処理を実行することが容易となる。たとえば、演出制御部24に対して、天井時短状態と支援時短状態とに関し、それぞれ異なる情報を送信することができる。これにより、演出制御部24側では、天井時短状態中と支援時短状態中とで異なる演出モードに移行させたり、異なる演出を容易に実行することができるようになる。
(伊112)主制御部20側で管理する内部遊技状態として、天井時短状態および支援時短状態のいずれか一方を、大当り時短状態と共通の入賞容易状態として管理可能に構成することができる。この場合、上記(伊111)同じく、天井時短状態と支援時短状態とは、異なる入賞容易状態(内部遊技状態)として管理されるため、上記(伊111)と同じ利点がある。
(電断復帰後に係る演出について)
(他1)天井ゲーム到達前に(天国モード突入前)、遊技機が電断し復帰した場合(残余天井ゲーム数は、単なる電断ではクリアされず、RAMクリア処理によりクリアされるものとする)、残余天井ゲーム数に応じた演出(電断復帰時報知演出)を実行することができる。たとえば、電断時と電断復帰時とで同じ演出モードであった場合であっても、残余天井ゲーム数に応じた電断復帰時報知演出(たとえば、背景演出が異なる演出)を実行可能に構成することができる。具体的には、残余天井ゲーム数が1〜300(第1残余天井ゲーム数区間)、301〜600(第2残余天井ゲーム数区間)、601〜999(第3残余天井ゲーム数区間)に応じた電断復帰時報知演出を実行させる。なお、残余天井ゲーム数区間は、適宜定めることができる。本構成によれば、朝一に遊技者が遊技台を選定する際、天井ゲームが近い台を選定することができる、という遊技者側に有利な状況を提供することができる。一方、ホール側も天井ゲームに近い台が容易に分かるため、天井に近い遊技台をRAMクリアしたり(残余天井ゲーム数をクリアする)、そのまま残したりするなどし、ホールの利益の調整を図ることが可能になる。
(他2)なお、電断復帰時報知演出は、電源復帰後の所定期間だけ(たとえば、客待ち演出(デモ表示)が実行されるまで、所定時間が経過するまで)実行させてもよい。また、残余天井ゲーム数に応じて上記「遊技状態報知LED」を異ならせてもよい(残余天井ゲーム数報知専用の遊技状態報知LEDを設けてもよい)。
(他3)また、少なくとも電源復帰後の最初の1ゲーム目(1回転目)に、残余天井ゲーム数に応じた電断復帰時報知演出を実行してもよい。この場合、その遊技台で最初にゲームを開始した遊技者に対して、残余天井ゲーム数の推測要素を与えることができる。なお、無闇に残余天井ゲーム数の推測要素を与えることは好ましくないため、電源復帰後の最初の1ゲーム目に限り、電断復帰時報知演出を実行することが適切である。
(7−5−1.天国モードに係る変動状態)
ここで、天国モード中は、上記した高速変動状態、中速変動状態、低速変動状態など、いずれの変動状態を採用することができる。ただし、天井特典種別に応じて、天国モード中の変動状態を定めることが好ましい。たとえば、天井特典が有限時短または無限時短の場合は、時短モード中と同じく、「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技モードとしての位置付けとすることが好ましい。ただし、無限時短付与時の場合は時短回数に制限が無い点を考慮し、専用の高速変動状態(たとえば、時短モード3または確変モード1と同等あるいはそれよりもゲーム消化スピードが速い変動状態)としてもよい。なお、本実施形態では、天国時短が有限時短である点を考慮し、時短モード2と同じ変動パターンを選択可能とし、略同一の変動状態となるように定めてある(図75の「天国(時短)」の欄の変動パターンの振分率を参照)。しかし本発明はこれに限定されず、全遊技モード中、最速の変動状態であってもよい。また、時短モード1〜4のいずれかの時短モードと同一としてもよい。
他方、有限確変または無限確変付与時の場合は、電サポ状態に加えて大当り抽選確率が高確率となることから、全遊技モード中で最速の変動状態、または確変モード1の高速変動状態と同一または略同一の変動状態とすることが好ましい。一方、無限潜確または有限潜確付与時の場合は、大当り抽選確率は高確率となるが電サポ無し状態下に制御されるため、通常状態と同じく、作動保留球が発生し難い状態となる。この点を考慮し、無限潜確または有限潜確付与時の場合は、通常モードと同一または略同一の変動状態か、少なくとも時短モード3(時短中高速変動状態)よりも遅い変動状態(平均消化時間が相対的に長い変動状態)とすることが好ましい。
(天国モードの特典)
天国モード中は、大ハマりした遊技者の遊技意欲を向上させるために、天国モード中は、他の遊技モードよりも設定示唆演出の出現率を高確率としてもよい。つまり、天国モードを、設定示唆演出の出現率を高確率に変動させた「設定示唆出現チャンスゾーン」として機能させてもよい。たとえば、天国モードは、少なくとも通常モード(一般モードおよび/または前兆モード)よりも、設定示唆演出(特に、図柄変動表示ゲーム中に出現しうる設定示唆演出)の出現率を高確率に変動させる。
(天国モードの変形例)
(他4)なお、天国モード中の最初の1回転目のゲームにおいて、特定のハズレ変動パターン(天国突入時変動:図75の備考2参照)を選択可能に構成することができる。この天国突入時変動は、比較的変動時間が長時間となる変動パターンとして定めてあり(たとえば、少なくとも最長のハズレ変動パターンよりも長時間の変動パターン:ここでは、36s)、この変動時間を利用して、天国モード突入後の1回転目に(好ましくは、1回転目のゲーム開始(図柄変動表示開始)を契機に)、少なくとも右打ち指示演出、または少なくとも右打ち演出を含む時短突入報知演出を実行させることができる。また、多くの遊技者は、この演出を見てから右打ちを開始すると考えられるため、天国突入時変動の長い変動時間を利用して、特図2側の作動保留球を貯めることができるようになる(有利度合が低い特図1側の抽選を回避することができる)。なお、本例は、ゲーム終了時天井発動型の天井時短を採用した場合に好適である。
(他5)また、偶々、天国モード中の最初の1回転目のゲームに大当りに当選した場合(支援時短を大当り抽選対象として含む場合には、支援時短が当選した場合を含む)、特定の当り変動パターン(天国突入時当選変動:図73の備考6参照)を選択可能に構成することができる。その天国突入時当選変動に係る演出として、たとえば、時短突入報知演出の一部と共通の演出(時短突入報知演出と大当りに係る演出とが一部共通する演出)を実行させた後、大当りに当選に係る演出(たとえば、大当りであることを報知する演出)を実行させることができる。これにより、天国モード中の最初の1回転目のゲームに大当りに当選しても、大当りの場合とハズレの場合とで、ゲームの途中までは共通の演出が実行され、その後、大当りとハズレとで異なる演出が実行されるため、当該ゲーム中に(たとえば、ゲーム開始直後など)、容易に当りかハズレかを遊技者に悟られてしてしまうことを防止することができる。なお、少なくとも天国突入時当選変動が選択された場合、ゲーム開始を契機に右打ち指示演出(発射誘導報知演出)を実行してもよい。勿論、当りかハズレかを即座に判明するような演出を行ってもよい。たとえば、大当りの場合には、時短突入報知演出を実行せずに、大当り用の演出を行うなどである。
<9.前兆モード中の特定予告演出禁止機能について:図50>
ここで本実施形態では、前兆モード中に、特定予告演出禁止機能(特定予告演出禁止手段)が働く。詳しくは、前兆モードが天井間近の報知に係る遊技モードである点や、天井モードが天井特典付与に係る遊技モードである点に着目して、前兆モード(前兆演出モード)や天井モード(天井演出モード)では、特定の予告演出の現出を禁止する。本実施形態の場合、その禁止機能として、先読み予告の実行を禁止する「前兆中先読み予告禁止手段(特定先読み予告禁止手段)」を設けてある。以下、図50を用いて、「前兆中先読み予告禁止手段」について詳細に説明する。
図50は、前兆中先読み予告禁止手段により先読み予告が禁止される場合の説明に供する説明図である。図50では、前兆中先読み予告禁止手段による禁止対象として「保留変化予告」を扱った形態について説明するが、本発明はこれに限らず、当該禁止対象として「保留変化予告」および/または「変動中先読み予告」とすることができる。
(A.前兆中先読み予告禁止手段を設けない構成(通常のケース):図50(イ))
図50(イ)を参照して、「通常のケース」について説明する。この「通常のケース」とは、前兆中先読み予告禁止手段を設けない構成を示すものであり、後述の前兆中先読み予告禁止手段を設けた構成(同図(ハ−1)(ハ−2))との比較例として示したものである。なお、図示の保留アイコン770は「通常保留表示(白色保留)」であり、保留アイコン771は特別保留表示(通常の保留変化予告)のうちの「高期待度保留表示」であり、保留アイコン772は「天井用保留表示(天井用保留変化予告)」を示す。また、保留アイコン771は、ここでは、特別保留表示のうち、大当り当選時に現出されうる「虹色保留(当確保留表示)」を示してある。
また図(イ)は、説明の便宜上、997〜999ゲーム目の3個の作動保留球が現存する場合に、4個目の作動保留球として、1000ゲーム目(天井ゲーム)に係る作動保留球(以下、「天井ゲーム保留球」と称する)が発生したケースを代表的に示したものである。
図(イ)に示す比較例の場合は「前兆中先読み予告禁止手段」を設けていない構成のため、天井ゲーム到達前の特別保留表示(以下「通常の保留変化予告」と称する)の有無にかかわらず、1000ゲーム目の保留表示が天井用保留表示(天井用保留変化予告)の実行が許容されることになる。ここで、天井用保留表示を“許容する”とは、必ず現出される場合と、所定の抽選に当選した場合に現出される場合のいずれでもよい、という意である(後述の(ロ)(ハ−1)(ハ−2)についても同様)。したがって、この比較例の場合は、3個目の虹色保留(当確保留)の保留変化予告があっても、4個目の天井ゲーム保留球の保留表示が藤丸くんの保留アイコン772(天井用保留表示)に変更されうる。
しかし、天井到達前に大当りに当選した場合には天井機能が発動しないため(天井ゲーム数がリセットされる)、天井用保留表示を実行する必要性に乏しいといえる。また、当選期待度を予告する保留変化予告(特別保留表示)と、天井ゲームであることを予告する天井用保留変化予告(天井用保留表示)とが同時に表示されてしまうと、性格の異なる予告表示が同時に出現することになり、かえって遊技者を混乱させてしまう恐れもある。そこで本実施形態では、前兆中先読み予告禁止手段を設けて、これらの問題点を解決している。
(B.前兆中先読み予告禁止手段を設けた構成例:図50(ロ)、(ハ−1)、(ハ−2))
以下、上記「前兆中先読み予告禁止手段」を設けた構成例について説明する。これには、図(ロ)に示す「通常の先読み予告を優先実行するケース」と、図(ハ−1)(ハ−2)に示す「天井用先読み予告を優先実行するケース」の形態がある。
(通常の先読み予告を優先実行するケース:図50(ロ))
図50(ロ)は、「通常の先読み予告を優先実行するケース」、具体的には、「天井ゲーム到達前に当確保留が存在する場合、天井用先読み予告を禁止するケース(天井ゲーム保留球を対象とした先読み予告禁止するケース)」を示したものである。ここでは上記図(イ)のケースと同様に、3個目の作動保留球が「当確保留」である場合を示してある。
本例の場合、天井ゲーム到達前に当確保留が存在するときは、1000ゲーム目(天井ゲーム)の保留表示が天井用保留表示(天井用保留変化予告)に変更されずに「通常保留表示」が現出される。つまり、前兆中先読み予告禁止手段による「先読み禁止対象保留」を“天井ゲーム保留球”とする構成である。
先読み禁止対象保留を“天井ゲーム保留球”とする理由は、次の通りである。天井ゲーム前に当確保留が存在する場合は、天井機能が発動される前に(天井特典付与前)大当りに当選となってしまうため、天井用保留表示を現出する必要性に乏しい。また、当確保留が存在する場合に天井用保留表示を禁止する構成とした場合、1000ゲーム目の保留表示が通常保留表示のままであれば「天井ゲーム到達前に当確保留がある」という推測要素を与えることができ、これを知る遊技者は、天井到来まで無駄打ちを防止することができる、という演出的メリットもある。ただし、当確保留が存在する場合に天井用保留表示を一切禁止するのではなく、当確保留に係る保留変化予告(虹色保留)が現出されていない場合、つまり、当確保留を対象とした先読み予告抽選が「ハズレ」となった場合には、天井用保留表示を現出(許容)してもよい。当確保留に係る保留変化予告が現出されていない場合には、遊技者は天井ゲーム到達前に当確保留が存在することを知ることができないが、たとえ、天井用保留表示が現出されていたとしても、天井ゲーム到達前に大当りに当選した場合には、遊技者にとって特に不利益とはならならないからである。なお、当確保留に係る保留変化予告(虹色保留)が現出されている場合に天井用保留表示の現出を禁止するのではなく、高期待度保留変化予告以上(たとえば、緑色保留以上)の保留変化予告が現出されている場合に天井用保留表示の現出を禁止する構成としてもよい。
(天井用先読み予告を優先実行するケース:図50(ハ−1)(ハ−2))
次に、「天井用先読み予告を優先実行するケース」について説明する。
図50(ハ−1)は「天井用先読み予告を優先実行するケース」の例として、
(α)“前兆モード中において、通常の先読み予告の一部を禁止する一方、天井用保留変化予告(天井用保留表示)は許容する”という構成例と、
(β)“前兆モード中において、通常の先読み予告を全面的に禁止する一方、天井用保留変化予告(天井用保留表示)は許容する”という構成例とを示したものである。
この図(ハ−1)に示す構成例は、上記図(ロ)のように、先読み禁止対象保留を「天井ゲーム保留球」とするのではなく、先読み禁止対象保留を「前兆ゲーム中に消化される作動保留球」だけとし、天井ゲーム保留球を禁止対象から除外する構成例である。
上記(α)における「通常の先読み予告の一部を禁止する」とは、たとえば、通常の保留変化予告(特別保留表示)のうち、低期待度保留変化予告の現出は許容する一方、高期待度保留変化予告の現出は禁止する、という構成である。具体的には、下記の構成1、2などである。
(構成1)黄色保留以下の保留変化予告(青色保留と黄色保留)の現出は許容し、当該黄色保留よりも当選期待度が高い緑色以上の保留変化予告(緑色保留、赤色保留および虹色保留)の現出は禁止する構成。
(構成2)当確以外を示す保留変化予告(虹色保留以外の保留表示)の現出は許容し、当確を示す保留変化予告保留の現出は禁止する構成。
上記「構成1」は、当確保留の場合に緑色や赤色や虹色などの高期待度保留変化予告だけを禁止対象とするものである。他方、上記「構成2」は、高期待度保留変化予告のうち、当確保留表示の「虹色保留」だけを禁止対象とするものである。したがって、構成2の場合は、当確を示す「虹色保留」以外の保留変化予告の生起は許容される。
上記(β)における「先読み予告を全面的に禁止する」とは、通常の先読み予告(ここでは、保留変化予告)は一切禁止し、天井用保留変化予告(天井用保留表示)の現出は許容する、という構成である。したがって、上記(β)の構成の場合は、前兆モード中において通常の先読み予告は一切現出されず、天井用保留変化予告(天井用保留表示)の現出だけが許容されることになる。
図(ハ−1)(上記(α)または(β))のようにするのは次の理由による。通常の保留変化予告(特別保留表示)の現出を無闇に許容してしまうと、通常の保留変化予告と、天井用保留表示とが同時に表示されてしまい、保留表示に関して、遊技者(特に、遊技初心者)の混乱を招来してしまう。特に、高期待度保留変化予告と天井用保留変化予告とが混在してしまうと、遊技者の混乱度合が増してしまう。したがって、先読み予告自体を禁止するか、少なくとも高期待度保留変化予告を禁止することが好ましい。また、前兆モード中に先読み予告を一部または全部を禁止する場合には、遊技者は、天井ゲーム到達前に当確保留の存在または存在する可能性が高いことが分からないが、たとえ、そのようことを示す高期待度保留変化予告が現出されていないとしても、天井ゲーム到達前に大当りに当選した場合には、遊技者にとって特に不利益とはならならないからである。また、前兆モード中の先読み予告自体を全面的に禁止する場合は、演出制御負担の軽減にも繋がる。
図(ハ−2)は、上記図(ハ−1)とは異なり、前兆モード中の一部の期間を先読み禁止区間として定めることにより、天井用保留変化予告を優先実行する構成例である。図(ハ−2)は、代表例として、天井ゲーム前の最大保留球数分(996〜999ゲーム目の区間)を、先読み禁止区間に定めた例を示してある。本例の場合は、996〜999ゲーム目の区間は、先読み予告が一切禁止される。ただし、当該区間において先読み予告を一切禁止するのではなく、上記図(ハ−1)の(α)のように、「先読み予告の一部を禁止する」構成としてもよい。
なお、図50の(イ)、(ロ)、(ハ−1)および(ハ−2)のいずれも、上記「カウントダウン表示(残余天井回数表示演出)」などの特定報知演出により、天井ゲーム数までの残余ゲーム数を報知可能に構成することができる。ここで、カウントダウン表示自体は、当選期待度を予告するものではなく、単に、残り天井ゲームを報知するだけであり、先読み予告のような予告機能を果たすものではない。しかし、カウントダウン表示の演出態様を利用して当選期待度を予告する、つまり、当確保留の存在可能性を報知してもよい。たとえば、図(ハ−1)または(ハ−2)の天井用先読み予告を優先実行するケースにおいて、当確保留(3個目)よりも時系列的に先に発生した作動保留球(1〜2個目)が消化されるごとに、通常のカウントダウン表示(当確保留が存在しない場合の表示態様)とは異なる特別なカウントダウン表示(たとえば、表示色の違いや表示の大小の違い)を行い、当確保留の存在を示唆してもよい。たとえば、通常のカウントダウン表示が白色の数字画像を用いたものである場合、特別なカウントダウン表示は、その数字画像が白色以外の色(赤色)に変化する、あるいは、数字画像が巨大化するなどである。
(望2)なお、上記では、前兆モードにおける特定予告演出禁止機能(特定予告演出禁止手段)について説明したが、上記「前兆モードを設けないケース(前兆モードを一般モードに属する遊技モードと扱うケース)」の場合、一般モード中に残余天井ゲーム数が所定ゲーム数に達した場合に、特定予告演出禁止機能(特定予告演出禁止手段)が働くように構成してもよい(残余天井ゲーム数は、天井カウンタにより把握可能である)。
本実施形態は、先読み予告に関して、たとえば下記の構成を含むことができる。
始動条件が成立したことに基づいて(始動手段が遊技球を検出したことを契機に)、所定の遊技情報を取得する取得手段(図10のS301、S302、図11のS314)と、
上記取得手段により取得された遊技情報に基づき、当りに関する抽選を実行する抽選手段(図12のS410)と、
図柄の変動表示動作を行い、図柄の停止表示態様により上記抽選手段による抽選結果を表示する図柄表示手段(特別図柄表示装置38、図10のS309)と、
上記取得手段により取得された遊技情報を、上記図柄表示手段における遊技図柄の変動表示動作に供されるまで、あらかじめ定めた最大保留記憶個数を上限として保留記憶する保留記憶手段(RAM203の保留記憶エリア、図10のS311〜S314)と、
上記保留記憶に基づく上記遊技図柄の変動表示動作が実行される前に、少なくとも上記抽選手段による抽選結果を先読み判定する先読み判定手段(図11のS320)と、
上記先読み判定手段による先読み判定結果に関連する情報を報知する先読み予告を実行制御可能に構成された先読み予告演出制御手段(演出制御部24、図24)と、
所定の禁止条件に基づき、上記先読み予告の実行(表示)を禁止する先読み予告禁止制御手段(図50)と、
所定の付与条件に基づき、通常状態よりも有利な天井特典を付与する(天井特典を実行制御する)天井特典制御手段(図49B、図63のS420、S421、S412、図64〜図66など)と、
上記天井特典が付与されること(たとえば、天井ゲームが間近であること、または現存する作動保留球数内で天井特典が付与されること、あるいは、対象の作動保留球に係る図柄変動表示ゲームが実行された場合に天井特典が付与されることなど)を事前報知する天井前報知演出(たとえば、図50の天井保留変化予告(天井用保留表示))を実行制御する天井特典事前報知制御手段と、を備え、複数種類の遊技状態(遊技モード)を制御可能に構成することができる。上記先読み予告禁止手段は、特定の遊技モード中の全期間または一部の期間で上記先読み予告の実行を禁止する(図50(ロ)(ハ−1)(ハ−2))。特定の遊技モードは、たとえば、天井ゲーム到達前(天井モード移行前)の遊技モードであり、具体的には、天井ゲーム到達直前(天井モード移行直前の遊技モード)の前兆モードが該当する。また、上記天井特典制御手段は、具体的には、所定の開始条件が成立した後(たとえば、電サポが終了した場合、または「大当り遊技が終了した場合、或いは低確率状態を伴う遊技状態に移行した場合など)、当り遊技が発生されずに(大当りに当選することなく)、低確率状態を伴う遊技状態中(少なくとも通常状態中)で実行された図柄の変動回数(ゲーム数)が所定の上限回数(天井ゲーム数)に達した場合に通常遊技状態よりも遊技者に有利な天井特典(特典遊技状態)に制御する機能部として働く。なお、「低確率状態を伴う遊技状態中」は、通常状態中のみ、または通常状態および時短状態中のいずれでもよい。
(潜確状態に係る遊技モード)
なお、潜確状態を設ける場合は、たとえば、図76に示すように、潜確用の変動パターン選択モード(Tcode)と遊技状態判定番号YJを定めればよく、潜確状態に対応した遊技モードとして「潜確モード」、潜確モードに関連する演出モードとして「潜確演出モード」を設ければよい。
なお、図49Aおよび図49Bでは、本実施形態に係る遊技機1として、上記「ハイブリッド型(上記天機Cまたは天機Dに属するタイプ)」の遊技機を中心に説明したが、上記「サラブレッド型(上記天機Aまたは天機Bに属するタイプ)」関する遊技フローついては、図49Bに示す内容と基本的には同じである。また、図32〜図40に示す変動パターン振分テーブルについては、支援時短に関する変動パターン振分テーブルを除外したものが、上記サラブレッド型(天井機能のみ搭載)の遊技機に関する変動パターン振分テーブルの内容と実質的に同じとなる。また、天井機能と支援時短機能とは、基本的には、それぞれ独立した働きを果たすものであるため、上記で説明した各構成例(実施例)については、特段の事情がない限り(たとえば、上記「ハイブリッド型」でなければ成立しない構成例などの事情)、「サラブレッド型」にも適用することができる。
<主制御部側の処理(天井機能搭載型):図51〜図70>
次に図51〜図70を参照して、本実施形態(天井機能搭載型)の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。なお、上記第1実施形態(第1支援時短搭載型)または第2実施形態(第2支援時短搭載型)と実質的に同じ構成要素(処理内容)については、同じ符号(ステップ番号)を付し、その詳細な説明は重複記載を避けるために適宜省略する。
なお、既に説明したように、本実施形態では、天井機能搭載型として上記天機A、B、C1、C2、D1、D2のタイプ(上記「931.天井機能を有する遊技機の種類について」参照)がある。以下では、主制御部20側における遊技動作処理の説明として、上記天機A、B、C1、C2、D1、D2のタイプについて、逐次説明していく。なお、図51〜図70において、処理内容が実質的に同じものである場合には、同じステップ番号を付し、その処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
[構成例A]
『天機A:ゲーム開始時天井発動支援非搭載型』
まず、天機Aのタイプ、すなわち「ゲーム開始時天井発動支援非搭載型」に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。
天機Aのタイプに係る主制御部20側の遊技処理に関し、上記第1実施形態で説明した図8の「主制御側メイン処理」、図9の「主制御側タイマ割込処理」、図10の「特別図柄管理処理」の基本的な処理内容、図11の「特図1始動口チェック処理」、および図21の「特別電動役物管理処理」などについては、実質的に同一の処理内容である。したがって、これらの処理内容についての詳細な説明は省略する。ここでは、上記第1実施形態と異なる点、具体的には、図10に示す特別図柄管理処理中の「特別図柄変動開始処理(ステップS306)」と、「特別図柄確認時間中処理(ステップS308)」とを中心に説明する。
<21A.天機Aに係る特別図柄変動開始処理:図51>
図51を参照して、天機Aに係る特別図柄変動開始処理(図10中のステップS306)について説明する。図51は、特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図51において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、特図2作動保留球数対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を実行する。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、特図1作動保留球数を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を実行する。
特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には(ステップS417:NO)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替え(ステップS418)、上記「客待ち中コマンド(BA04H)」を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:NOまたはS402:NO)、ステップS403〜S416を順次実行していく。なお、上記第1実施形態と同様に、特に必要が無い限り、どちらの作動保留球を対象とした処理であるかを区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、今回の変動表示動作に供する特図側の作動保留球数を1減算し(ステップS403)、上記「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS408)。遊技状態情報送信処理では、「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する。ここでの遊技状態指定コマンドには、ゲーム開始時の遊技状態を特定可能な遊技状態情報が含まれる。演出制御部24は、遊技状態指定コマンドを受信すると、これに含まれる情報に基づき、遊技状態を把握し、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理する。またここでは、必要に応じて、特別図柄時短回数カウンタに関する情報(時短回数情報)を含む「時短回数コマンド」と、特別図柄確変回数カウンタに関する情報(ST回数情報)を含む「ST回数コマンド」が送信され、演出制御部24側で残余時短回数報知演出を現出する際に利用される。なお、無限系の天井特典が付与される場合、具体的には、時短回数の制限が無い「無限時短」、ST回数の制限が無い「無限確変」「無限潜確」、あるいは、実質的に無限回数とみなせる無限時短、無限確変、または無限潜確が付与される場合、その特典中に係る遊技状態(天国モード)においては、制御負担軽減のために、時短回数コマンドやST回数コマンドは送信しないように構成することができる。
また、上記「残余回数表示演出」は、時短モード、確変モード、天国モードのいずれの遊技モードにおいても現出可能に構成することができる。なお、無限系に係る残余回数表示演出については、既に説明したように、残り回数が無限であること報知可能な演出態様であることが好ましい。たとえば、画像表示演出であれば、「残り∞回」や「次回大当りまで継続」などである。
(残余天井回数表示演出について)
また、ステップS408の遊技状態情報送信処理では、残り天井ゲーム数に関する情報(後述の天井カウンタに関する情報)を含む「天井回数コマンド」も送信される。演出制御部24は、天井回数コマンドに含まれる情報に基づいて、天井到達までの残りゲーム数を把握し、上記「残余天井回数表示演出」を現出制御する。本実施形態の場合、この残余天井回数表示演出は、前兆モード(前兆演出モード)中にカウントダウン表示という形で現出される。
上記「残余天井回数表示演出」は、天井ゲームの監視対象(カウント対象)期間の全部または一部の期間において現出可能である。本実施形態であれば、通常モード中(「一般モード中」および/または「前兆モード中」)で現出可能である。また、通常モードで残余天井回数表示演出を現出させる場合、一般モードと前兆モードとで、異なる演出態様とすることができる。たとえば、一般モード中は、液晶画面の隅部に小さな表示領域に残り天井回数を報知し(カウントダウン表示を小さく表示)、前兆モード中は、液晶画面の中央部の広い表示領域に残り天井回数を報知(カウントダウン表示を大きく表示)することができる。
(設定値が正常時の処理ルート:S420を辿る処理ルート)
次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS409)。設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS409:≠5AH)、上記「設定値コマンド」を演出制御部24に送信し、次いで、天井機能管理処理を実行する(ステップS420)。
(13A.天井機能管理処理:図52)
上記天井機能管理処理(ステップS420)について説明する。図52は、天井機能管理処理の詳細を示すフローチャートである。この天井機能管理処理は、主に、天井ゲーム数までの残りゲーム数を管理する処理となっている。
図52において、CPU201は、まず、天井カウント禁止状態であるか否か(天井カウント禁止条件が成立中であるか否か)を判定する(ステップS900)。「天井カウント禁止状態」とは、天井ゲーム数のカウント(後述の天井カウンタの更新)を中断(停止または禁止するとも称する)する特定の遊技区間(特定の制御状態中)を意味する。たとえば、特定の内部遊技状態、特定の遊技モード、特定の変動パターン選択モードなどである。
本実施形態の場合、既に説明したように、天井ゲーム数のカウント対象は、低確率状態伴う遊技状態中の実行ゲーム数である。したがって、通常状態以外の遊技状態中を天井カウント禁止状態とするケースと、通常状態および時短状態以外の遊技状態中を天井カウント禁止状態とするケースとがあるが、本実施形態では、主に前者を扱う。なお、大当り遊技中は図柄変動表示が中断され、ゲーム数自体のカウントを行わないため、ここでいう天井カウント禁止状態に該当しない。
天井カウント禁止状態である場合(ステップS900;YES)、そのまま何もせずに、天井機能管理処理を抜ける。一方、天井カウント禁止状態でない場合(ステップS900;NO)、次いで、「天井カウンタ」がゼロか否かを判定する(ステップS901)。ここで上記「天井カウンタ」について説明しておく。
(天井カウンタ)
天井ゲームに到達したか否かは、主制御部20その機能部を担う「天井カウンタ(特定ゲーム数カウント手段)」により監視される。この天井カウンタは、天井ゲームに到達したか否かを管理(監視)するためのカウンタとして機能し、換言すれば、残余天井ゲーム数(天井特典付与に関するデータの設定契機となるゲーム数)を管理するためのカウンタとして機能する(後述のステップS903〜S904(天井フラグをON)、図51中のゲーム開始時天井発動管理処理(ステップS421)、その詳細を示す図53等参照)。
(伊40−1)本実施形態の場合、天井カウンタに初期値がセットされるタイミングは、RAMクリア時(ステップS031)、大当り遊技終了時(図21のステップS509)、天井到達時(後述の図53のステップS923)などである。なお、RAMクリアがされた場合に天井カウンタに初期値がセットされる場合は、たとえば、パチンコホール側が前日の営業終了時の残余天井ゲーム数を本日もそのまま継続するか、それとも天井カウンタをクリアして残余天井ゲーム数を初期値(1000ゲーム)とするかを選択することができる。なお、天井カウンタだけをクリアする天井カウンタクリア用のスイッチを設けてもよい。
(伊40−2)しかし、天井カウンタに初期値をセットするタイミングは、前述のタイミングに限らず、どのような遊技期間を天井ゲーム数のカウント対象とするか否かに基づき、初期値をセットする条件(タイミング)を定めることができる。たとえば、少なくとも時短状態中をカウント対象から除外する場合には時短状態終了時(図53BのステップS481)に初期値をセットすることができる。また、特定の時短状態中をカウント対象から除外する場合には、その特定の時短状態時に初期値をセットすることができる。なお「特定の時短状態中」は、大当り時短状態、支援時短状態、および天井時短状態の少なくとも1つの時短状態とすることができる。また、少なくとも確変状態中をカウント対象から除外する場合には確変状態終了時(図53BのステップS486)に初期値をセットすることができる。その他、支援時短開閉遊技終了時、他の遊技モードから通常モードに移行する場合、他の内部遊技状態から通常状態に移行する場合など、天井ゲーム数のカウント対象を如何なる期間とするかに応じて、適宜、初期値をセットするタイミングを定めることができる。なお、本実施形態の場合、天井カウンタをカウントダウン形式で残余天井ゲーム数をカウントしているため、セットされる初期値は1000回がセットされる。しかし、カウントアップ形式で残余天井ゲーム数をカウントする場合は、初期値として、「0(ゼロ回)」をセットすればよい。
上記「天井カウンタ」は、特定事象の実行回数または成立回数あるいは発生回数などをカウントするカウント手段として機能し、天井発動契機(天井特典付与契機)の到来を監視するための機能部として働く。ここでいう「特定事象」とは、たとえば、図柄変動表示ゲームの実行(図柄変動の実行)、大当り当選、小当り当選、ハズレの当選、支援時短の当選、特定の遊技状態への移行(特定の遊技モードへの移行、特定の変動パターン選択モードへの移行、特定の内部遊技状態への移行など)、大当り遊技の実行、小当り遊技、支援時短開閉遊技の実行、遊技に関する特定条件の成立(たとえば、特定のフラグのON状態の回数など)、などの特定の事象である。なお、「図柄変動表示ゲームの実行」は、特図1および/または特図2のゲームの実行、特図1および特図2の少なくとも一方の当り変動および/またはハズレ変動の実行などをカウント対象としてもよい。
本実施形態では、天井カウンタの値を監視して、天井機能発動契機の到来を判定するようになっている。なお、天井カウンタは必要に応じて、複数設けることができる。これにより、監視対象となる特定の事象が複数ある場合にも対応することができる。たとえば、図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達した場合および小当り当選回数が所定回数に達した場合のいずれか一方を満たした場合に天井機能が発動するなど、監視対象を複数種類設けた場合にも対応することができる。
ステップS901の説明に戻る。天井カウンタがゼロである場合(ステップS901:YES)、何もせずにそのまま天井機能管理処理を抜ける。
一方、天井カウンタがゼロでない場合(ステップS901:NO)、今回のカウント対象ゲーム消化分として、天井カウンタを1減算し(ステップS902)、減算後の天井カウンタを判定する(ステップS903)。
減算後の天井カウンタがゼロでない場合(ステップS903:NO)、天井ゲームに未到達であるとして、そのまま天井機能管理処理を抜ける。
減算後の天井カウンタがゼロである場合(ステップS903:YES)、天井ゲームに到達したとして、天井フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS904)。この「天井フラグ」とは、天井ゲームに到達したか否か(天井発動契機が到来したか否か)を指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(5AH)の場合には天井発動契機が到来した旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)の場合には天井発動契機が到来していない旨を示す。以上により、天井機能管理処理を抜ける。
(赤1.天井発動禁止状態の判定処理を含む構成例)
なお、ステップS901を設けない構成において、上記ステップ903の判定処理において、減算後の天井カウンタがゼロである場合に(ステップS903:YES)、天井機能の発動(天井特典の付与)を禁止する「天井発動禁止状態」中であるか否か(天井発動禁止条件が成立しているか否か)を判定する判定処理を設け、天井発動禁止状態である場合には、何もせずに天井発動管理処理を抜け、天井発動禁止状態でない場合には、ステップS904の処理を実行するように構成してもよい。天井発動禁止状態としては、たとえば、特定の遊技状態や特定の遊技期間など、適宜な禁止条件を定めることができる。この場合、天井到達となっても天井フラグがON状態にセットされないようにすることができる。すなわち、天井特典の付与を禁止することができる(図53のステップS920参照)。この場合、たとえば、或る有利状態を天井発動禁止状態とした場合、天井カウンタの値はゼロを維持したまま、当該有利状態が継続する。
なお、天井発動禁止状態である場合に、天井カウンタに初期値(1000ゲーム)をセットし、天井フラグをON状態としない、という構成としてもよい。この場合、次に述べる遊技性を作り出すことができる。たとえば、大当り時短状態(ここでは、仮に時短回数を1100回とする)を天井発動禁止状態に定めた例を代表例にとり説明すれば、大当り時短状態の残り時短回数が101回のときに天井ゲームとなった場合、当該天井ゲームにおいて天井時短状態は発動しないが、天井カウンタに初期値の「1000ゲーム」がセットされる。その後、残り時短回数100回を消化して、さらに大当り当選することなく、天井ゲームに到達した場合(天井カウンタがゼロになった場合)、このときの天井ゲームは「時短状態100ゲーム+通常状態900ゲーム」消化したときとなる。すなわち、遊技者は時短状態の恩恵を100ゲーム分受けた上で、天井ゲームを目指すことが可能となる。
再び図51の説明に戻り、ステップS420の天井機能管理処理を終えると、次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を実行する(ステップS410)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理の内容は、図13で説明した通りである。
次いで、ゲーム開始時天井発動管理処理を実行する(ステップS421)。この天井発動管理処理では、天井機能を発動させるか否かを監視し、天井機能発動時には、天井特典の付与に関する処理を行う。
(14A.ゲーム開始時天井発動管理処理:図53)
上記ゲーム開始時天井発動管理処理(ステップS421)について説明する。図53は、ゲーム開始時天井発動管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図53において、CPU201は、まず、天井フラグの状態を判定する(ステップS920)。天井フラグがOFF状態(00H)である場合には(ステップS921:≠5AH)、天井発動契機が到来していないとして、何もせずに天井発動管理処理を抜ける。
一方、天井フラグがON状態である場合(ステップS921:=5AH)、次いで、図71に示す「天井用遊技状態移行テーブル」を取得する(ステップS921)。図71には、各種天井特典に対応する天井用遊技状態移行テーブルとして、JTTBL−10〜JTTBL−15(有限時短、無限時短、有限確変、無限確変、有限潜確、無限潜確の付与用のテーブル)を例示してある。実際には、天井特典種に応じて、必要な天井用遊技状態移行テーブルを用意すればよい。なお、図71中の「*(回)」「*(H)」の表記は任意のデータ値であり、遊技性や設計値に応じた適宜な値を設定可能であることを意味する。
(伊39−1)また、無限時短や無限確変や無限潜確における「無限(回)」には、実質的に無限回数と扱うことが可能な回数(たとえば、65535回、5000回)などを設定し、無限系の特典としてもよい。
(伊39−2)また、後述の図204A〜図204Bに示す本実施形態の制御処理においては「0(回)」を設定し、次回大当りに当選するまで特典状態(時短状態、確変状態、潜確状態)が終了しない無限系の特典とすることができる。この「0(回)」を設定した場合に「無限(回)」となる点について詳述すれば、図204A〜図204Bを参照して、たとえば、無限時短の場合、特図時短回数カウンタに「0(回)」を設定しておくと、図204AのステップS478の判定処理を実行した際には、その判定結果が必ず「YES」となり、図204Bの時短終了時の設定処理(ステップS481)がスキップされるため、大当りに当選しない限り時短状態が終了することがない(図204AのS474〜ステップS475A参照)。すなわち、次回大当りまで時短状態が終了することのない無限時短の制御が実現される。また、変動パターン選択モード(Tcode)も変更されないようにしてもよい(特別図柄変動回数カウンタ1〜3バッファに0をセットし、ステップS488の判定結果がYESの処理ルートを辿るようにする)。無限確変、無限潜確も同事象であり、特図時短確変カウンタに「0(回)」を設定しておくと、図204BのステップS483の判定処理を実行した際には、その判定結果が必ず「YES」となり、図204Bの確変終了時の設定処理(ステップS486)がスキップされるため、大当りに当選しない限り確変状態または潜確状態が終了することがない(図204AのS474〜ステップS475A参照)。すなわち、次回大当りまで確変状態または潜確状態が終了することのない無限確変の制御が実現される。なお、大当りによる確変状態、支援時短による時短回数の設定(図42)についても同様に、無限確変や無限時短を実現する際には、図42に示すJTTBL1の特別図柄確変回数カウンタバッファや、JTTBL4〜6の特別図柄時短回数カウンタバッファに「0(回)」を設定すればよい)(図17A〜図17BのステップS478〜S490などを参照)。
本実施形態の場合、天井特典として、天井時短(有限時短:時短回数1000)を代表例にとり説明しているので、ステップS921の処理では、天井時短(時短回数1000回)を実現するためのデータが定められた「JTTBL−10(有限時短用)」が取得される。
次いで、取得した天井用遊技状態移行テーブル(ここでは、JTTBL−10)に定められたデータを、各状態フラグおよびカウンタに設定する(ステップS922)。これにより、ゲーム開始時に天井特典に係る遊技状態が生起することになる。本実施形態では、天井特典として「天井時短状態(時短回数1000回)」が生起する。
次いで、天井発動時の各種設定処理を実行する(ステップS923)。ここでは、天井フラグをOFF状態(00H)に設定し、天井発動中フラグをON状態(5AH)に設定し、天井カウンタに、次回の天井ゲーム数である「1000ゲーム」を設定し、遊技状態報知LED番号に天井時短状態を示すLED出力番号を設定する。上記「天井発動中フラグ」とは、天井特典中(本実施形態では、天井時短状態中)であるか否かを指定するフラグであり、当該フラグがON状態(5AH)の場合には天井特典中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)の場合には天井特典中でない旨を示す。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS924)。ここでの遊技状態情報送信処理では、天井時短状態が開始することを指定する遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこの遊技状態指定コマンドを受けると、演出モードを天井モードに移行させる。これにより、今回のゲーム(天井ゲーム)の開始とともに天井時短状態に制御され、特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)において天井モードに基づく特別図柄の変動パターンが選択され、天井演出モード下における演出が現出されることになる。以上により、ゲーム開始時天井発動管理処理を抜ける。
(赤2.天井発動禁止状態の判定処理を含む構成例)
なお、ゲーム開始時天井発動管理処理中のステップS920の判定処理の前段階に、天井発動禁止状態であるか否か(天井発動禁止条件が成立しているか否か)を判定する判定処理を実行し、天井発動禁止状態である場合には、何もせずに天井発動管理処理を抜けて、天井発動禁止状態でない場合にはステップS920の判定処理に進むように構成してもよい。ここでの「天井発動禁止状態」とは、ステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理の結果が大当り当選である場合(大当り判定フラグ=5AH)である。本構成例では、大当り当選の場合に天井発動禁止状態中である判定され、天井時短状態(天井特典)は付与されない。ただしこの場合、ゲーム開始時に天井時短状態が生起しないため、今回のゲームが大当り当選である、ということが早々にバレてしまう(先バレする)恐れがある。そのため、ゲーム開始時天井発動型の場合は、図53に示すように、大当り当選であっても、天井時短状態を生起させることが好ましい。ただし大当り当選の場合は、天井ゲーム終了後に大当り遊技が開始されるため、今回のゲームに限り(1ゲーム限り)の天井時短状態となる。しかし、1ゲーム限りの天井時短状態であっても、今回の図柄変動表示ゲームが終了するまでの間は電サポの恩恵を受けることができる。具体的には、下始動口35への入賞が容易になり、特図2側の作動保留球が発生し易くなり、遊技者にとって有利な特図2側の抽選権利のチャンスを与えることができる、という利点がある。なお、天井特典として、時短状態や確変状態などの電サポ状態を伴う遊技状態を付与する場合には、天井ゲーム中に右打ち指示演出を現出させることが好ましい。
再び図51の説明に戻り、ステップS421の天井発動管理処理を終えると、特別停止図柄作成処理を実行し(ステップS411)、次いで、遊技状態移行準備処理を実行する(ステップS412C)。
(15A.天機Aに係る遊技状態移行準備処理:図54)
上記遊技状態移行準備処理(ステップS412C)について説明する。図54は、遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
このステップS412Cの遊技状態移行準備処理は、図示の通り、大当りに当選した場合に、その大当り遊技後の移行先遊技状態(図4参照)を指定するためのデータを所定のバッファ(状態バッファ)に格納するための処理(ステップS915〜S916)となっており、その処理内容は、上記図14のステップS915〜S916と同じ処理内容である。ここで扱う「ゲーム開始時天井発動支援非搭載型」の場合は支援時短を有しない構成であるため、上記図14に示す処理内容から、支援時短に関するステップS912とS914を除去した処理内容となっている。
上記ステップS412の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を実行する(ステップS413)。ここでは、変動パターン選択モード(Tcode)、大当り抽選結果、特図種別、作動保留球数などに基づき、目的の変動パターン振分テーブル(図72〜図75参照)を取得し、取得した変動パターン振分テーブルと変動パターン用乱数とに基づき、変動パターンを決定する。
次いで、今回の変動開始側に対応する変動中フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS414)。
次いで、ステップS411の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果情報を特定可能な装飾図柄指定コマンドを作成し、これを演出制御部24に送信する(ステップS415)。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図9の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
<26A.天機Aに係る特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図55Aおよび図55B>
次に、特別図柄確認時間中処理(図10中のステップS308)について説明する。図55Aおよび図55Bは、天機Aに係る特別図柄確認時間中処理の詳細を示すフローチャートである。
図55Aおよび図55Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマ(確定表示時間)がゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(確定表示時間経過)になったならば(ステップS471:YES)、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態情報をRAMの遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、図示の通り、大当り判定フラグをOFF状態(00H)に設定し、条件装置作動フラグをON状態(5AH)に設定し、「低確率+電サポ無し状態」に設定し(普電役物開放延長フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変上値フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、特別図柄変動回数カウンタをOFF状態(00H)に設定)、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に所定値(00H)を設定する。また、天井機能に関する天井カウンタ、天井フラグ、および天井発動中フラグをそれぞれOFF状態(00H)に設定する。これにより、特別図柄確認時間中処理を抜ける。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、処理状態に応じて、ステップS478〜S492の処理を実行していく。図55Bに示すステップS478〜S492の処理内容については、図示の通り、図17BのステップS478〜S492の処理と実質的に同じ処理内容であるため、その説明は省略する。ただし、本例の時短終了時の設定処理(ステップS481A)では、天井時短状態が終了した場合に、天井発動中フラグがOFF状態(00H)に設定される。
(特定モード移行管理処理:ステップS494)
また、本例では、図17Bには設けられていないステップS494の「特定モード移行管理処理」が設けられている。について説明する。
特定モード移行管理処理では、天井カウンタの値に基づき、「前兆モード⇒天井モード」の移行制御を行う。ここでは、まず、天井カウンタNの値が前兆モード移行契機ゲーム数である否かを判定する。本実施形態の場合、一般モード中の990ゲーム目から前兆モードに突入させるべく(図49A、図49B参照)、今回のゲームの天井カウンタNが989ゲーム目(前兆モード直前のゲーム数)を示す値であれば(天井カウンタN=11)、現在のTcodeを、前兆モードを指定する「08H」に更新する(前兆モード移行設定処理)。これにより、前兆モードに移行される。正確には、今回のゲーム(989ゲーム目)の終了を契機に前兆モードに移行され、次ゲーム(990ゲーム目)から前兆モード下の変動パターンが選択されることになる。なお、989ゲーム目終了時には、既に前兆モードへの移行が完了しているため、次ゲームの990ゲーム目が実行されなくとも、演出上は、先ず前兆演出モードとし、背景画像を前兆モード用背景画像(空戦モード夜背景画像)に切り替えてもよい。
なお、天井ゲーム数のカウント対象が、通常状態(通常モード)および時短状態(時短モード)中の実行ゲームである場合、天井カウンタNの値が989ゲーム目(前兆モード移行契機ゲーム数)を示す値の遊技モードが時短モードの場合がありうる。たとえば、時短回数999回とする時短大当りを設けた場合(大当り時短状態の時短回数が999回である場合)、その大当り時短状態中の989ゲーム目が時短モードとなるケースである。この場合、時短モードから前兆モードに移行する場合がある。
ここで前兆モードの移行に関し、前兆モードへの移行を一般モードからの移行しか許さない構成とする場合には、天井カウンタの値が前兆モード移行契機ゲーム数である否かと、現在の遊技モードが一般モードであるか否かを判定可能な構成とする。具体的には、天井カウンタNの値が989ゲーム目(前兆モード移行契機ゲーム数)を示す値であり、かつ、現在の遊技モードが一般モードの場合に限り、前兆モードに移行させる。
また、図50(ハ−2)に示すように、996ゲーム目〜999ゲーム目を先読み禁止区間とする場合には、天井カウンタ値が996ゲーム〜999ゲーム目を示す値であれば、今回のゲームが先読み区間であると判断することができる。この場合は、図11に示すステップS316(特図1先読み禁止中であるか否かの判定処理)の判定処理結果が“YES”となり、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成され、先読み予告が禁止されることになる。
また、特定モード移行管理処理では、天井カウンタNの値が天井モード移行契機ゲーム数(本例では、天井カウンタの値がゼロ)である否かを判定し、天井カウンタが天井モード移行契機ゲーム数を示す値である場合には、天井モードを指定する「09H」に更新する(天井モード移行設定処理)。これにより、天井モードに移行される。正確には、今回のゲーム(999ゲーム目)の終了を契機に天井モードに移行され、次ゲーム(1000ゲーム目)に天井モード下の変動パターンが選択されることになる。なお、999ゲーム目終了時には、既に天井モードへの移行が完了しているため、次ゲームの天井ゲーム(1000ゲーム目)が実行されなくとも、演出上は、先ず天井演出モードとし、背景画像が天井モード用背景画像に切り替えてもよい。ただし、実際に天井機能が発動するのは、次ゲームの1000ゲーム目であるため、遊技者に誤解を与えるような演出表示は好ましくない。そこで、999ゲーム目の終了時は前兆演出モードのまま待機させ、次ゲーム開始を契機に、天井演出モードに移行させることが好ましい。
また、特定モード移行管理処理は、遊技状態情報送信処理を含み、遊技モードの移行に伴い、演出制御部24に対して遊技状態指定コマンドを送信する。ここでの遊技状態情報送信処理では、前兆モードに移行する場合には前兆モード移行を指定する情報を含む遊技状態指定コマンドを送信し、天井モードに移行する場合には、天井モード移行を指定する遊技状態指定コマンドを送信する。演出制御部24は、これらの遊技状態指定コマンドを受けて、前兆モードに移行された旨や天井モードに移行された旨を把握し、遊技モードに対応する演出モードに移行させる。
以上のステップS494の特定モード移行管理処理を終えると、特別図柄確認時間中処理を抜けて、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図9の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
なお本例は、天井ゲームの開始時に「天井時短状態」が生起することになるが、天井ゲーム中の遊技モードは、時短モード(Tcode=04H〜07H)ではなく、天井モード(Tcode=09H)とされる。そして、天井ゲーム終了後は、天国モード(Tcode=0AH)、天国演出モードに移行される。図53のステップS921で取得する天井用遊技状態移行テーブル「JTTBL−10(図71参照)」のデータとしては、たとえば、変動パターン振分指定番号1に「09H(天井モード指定)」、特別図柄変動回数カウンタ1に「1回(1ゲーム限りの天井モード指定)」、変動パターン振分指定番号2に「0AH(天国モード指定)」、特別図柄変動回数カウンタ2に「1000回(時短回数終了まで天国モード指定)」、変動パターン振分指定番号3に「00H」、特別図柄変動回数カウンタ3に「0回」を定めればよい。なお、時短回数1000回が終了するまで天国モード指定せず、他の遊技モードに移行指定する場合には、特別図柄変動回数カウンタ2〜3、変動パターン振分指定番号2〜3にそれぞれ目的とする適宜な値を定めておけばよい。
[構成例B]
『天機B:ゲーム終了時天井発動支援非搭載型:図56〜図58』
次に図56〜図58を参照して、天機Bのタイプ、すなわち「ゲーム終了時天井発動支援非搭載型」に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。
上記天機Aのタイプでは、天井ゲーム開始時に天井機能が発動する形態について説明した。これに対し、天機Bのタイプは、天井ゲーム終了時に天井機能が発動する形態となっている。そのため、天機Bと上記した天機Aとが大きく異なる点は、図10に示す「特別図柄管理処理」と、「特別図柄確認時間中処理」の処理内容となっている。したがって、これら異なる処理内容を中心に説明し、その他の処理についての説明は、重複記載を避けるために省略する。
<21B.天機Bに係る特別図柄変動開始処理:図56>
まず図56を参照して、天機Bに係る特別図柄変動開始処理(図10中のステップS306)について説明する。図56は、天機Bに係る特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図56に示すように、天機Bのタイプは、ゲーム終了時に天井機能を発動させるタイプのため、特別図柄変動開始処理中にはゲーム開始時に天井機能を発動させるための「ゲーム開始時天井発動管理処理(ステップS421)」が存在せず、ステップS401〜S420の処理については、図51と同じ処理内容となっている。天機Bでは、特別図柄確認時間中処理中において、ゲーム終了時に天井機能を発動させるための「ゲーム終了時天井発動管理処理(後述の図57AのステップS496参照)」が設けられている。
<26B.天機Bに係る特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図57Aおよび図57B>
次に図57Aおよび図57Bを参照して、天機Bに係る特別図柄確認時間中処理について説明する。図57Aおよび図57Bは、図10の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
天機Bに係る特別図柄確認時間中処理は、図57Aおよび図57Bに示す通り、ステップS495の判定処理、ステップS496のゲーム終了時天井発動管理処理が設けられている点以外は、図55Aおよび図55Bの天機Aに係る特別図柄確認時間中処理と同じ処理内容となっている。
具体的には、ステップS474にて、大当り判定フラグがOFF状態である場合(ステップ474:≠5AH)、次いで、天井フラグの状態を判定する(ステップS495)。天井フラグがOFF状態である場合(ステップS495:≠5AH)、天井発動契機が到来していないとして、ステップS478以降の処理を実行する。しかし、天井フラグがON状態(5AH)の場合(ステップS495:=5AH)、天井発動契機が到来したとして、ゲーム終了時天井発動管理処理を実行し(ステップS496)、特別図柄確認時間中処理を抜ける。
(13B.ゲーム終了時天井発動管理処理:図58)
上記ゲーム終了時天井発動管理処理(ステップS496)について説明する。図58は、ゲーム終了時天井発動管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図58に示すステップS921〜S924は、図53のステップS921〜S924の処理内容と同じである。しかし本例の場合は、特別図柄確認時間中処理中に、ゲーム終了時天井発動管理処理のステップS921〜S924が実行した後、そのまま、特別図柄確認時間中処理を抜ける。これにより、今回のゲーム(天井ゲーム)の終了とともに天井時短状態中に制御され、遊技モードは天国モード(Tcode=0AH)、演出モードは天国演出モードに移行される。図58のステップS922で取得される天井用遊技状態移行テーブル「JTTBL−10(図71参照)」のデータとしては、たとえば、変動パターン振分指定番号1には「0AH(天国モード指定)」、特別図柄変動回数カウンタ1に「1000回(時短回数1000回が終了するまで天国モード指定)」、特別図柄変動回数カウンタ2〜3には「0(回)」、変動パターン振分指定番号2〜3には「00H」を定めればよい。なお、時短回数1000回が終了するまで天国モード指定せず、他の遊技モードに移行指定する場合には、特別図柄変動回数カウンタ2〜3、変動パターン振分指定番号2〜3にそれぞれ目的とする適宜な値を定めておけばよい。
[構成例C1]
『天機C1:ゲーム開始時天井優先発動支援搭載型:図59〜図63B』
次に図59〜図63Bを参照して、天機C1のタイプ、すなわち「ゲーム開始時天井優先発動支援搭載型」に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。
この天機C1のタイプは、既に説明したように、天井機能と支援時短とを有する“ハイブリッド型”であって、天井ゲームで支援時短が当選した場合であっても「天井機能(天井特典の付与)」を優先して発動させるタイプであり、その天井機能が“天井ゲーム開始時に発動する”、といった構成となっている。したがって、基本的には、支援時短機能を有する上記「第1支援時短搭載型(図8〜図17B、特に図12〜図17B参照)」と、天井機能を有する上記天機Aの「ゲーム開始時天井発動支援非搭載型(図51〜図55B参照)」と、を組合せた構成となっている。これに対応して、主に、図10中の特別図柄変動開始処理(ステップS306)と特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の処理内容が、上記天機Aや上記第1支援時短搭載型の処理内容と異なるものとなっている。以下、詳述する。
<21C.天機C1に係る特別図柄変動開始処理:図59>
まず図59を参照して、天機C1に係る特別図柄変動開始処理(図10中のステップS306)について説明する。図59は、天機C1に係る特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
ここで、図59に示す各処理のうち、ステップS401〜S410、S420(天井機能管理処理)、S411(特別停止図柄作成処理)、S413(特別図柄変動パターン作成処理)〜S415(装飾図柄指定コマンド送信処理)、S416(変動開始時設定処理)は、図51と実質的に同じ処理内容となる。
ただし、本構成例(天機C1)は支援時短を有する点で、ステップS421Aの「ゲーム開始時天井発動管理処理」と、ステップS412Dの「遊技状態移行準備処理」の内容が、図51に示すステップS421の「ゲーム開始時天井発動管理処理」と、ステップS412Cの「遊技状態移行準備処理」と若干異なるものとなっている。
また、本構成例(天機C1)は天井機能を有する点で、図59に示すステップS422Aの「支援時短フラグ管理処理」が、第1実施形態(第1支援時短搭載型)において図12を用いて説明したステップS422の「支援時短フラグ管理処理」と若干異なる。
以下、重複記載を避けるために、図59が図51および図12に示す特別図柄変動開始処理の内容と異なる点である、上述のステップS421Aの「ゲーム開始時天井発動管理処理」と、ステップS412Cの「遊技状態移行準備処理」と、ステップS422Aの「支援時短フラグ管理処理」とを中心に説明する。
(14C1.ゲーム開始時天井発動管理処理:図60)
図60を参照して、天機C1にゲーム開始時天井発動管理処理(図59中のステップS421A)について説明する。図60は、天機C1に係るゲーム開始時天井発動管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図60に示す通り、ステップS920〜S922およびS924は、既に説明した図53と実質的に同じ処理内容となっており、図60に示すステップS923Aの「天井発動時の各種設定処理」の処理内容だけが異なる。具体的には、天井機能発動時には、支援時短中フラグをOFF状態(00H)に設定する処理が新たに追加されている点である。本構成例では、天井ゲームにおいて支援時短が当選した場合には天井時短状態を優先して発動させ、支援時短状態中に天井ゲームに到達した場合には天井時短状態を優先して発動させるようになっている。このため、ステップS923Aの「天井発動時の各種設定処理」にて、天井発動中フラグをON状態(5AH)に設定するとともに、支援時短中フラグをOFF状態(00H)に設定するという処理を行い、支援時短状態中に天井ゲームに到達した場合に、現在生起中の時短状態が、支援時短状態では無く、天井時短状態である旨を指定するようになっている。
(15C1.遊技状態移行準備処理:図61)
次に図61を参照して、天機C1に係る遊技状態移行準備処理(図59中のステップS412D)について説明する。図61は、天機C1に係る遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
本構成例では、天井ゲームで支援時短が当選した場合、天井機能を優先して発動させる、つまり、天井時短状態を優先して付与する関係上、天井ゲームで支援時短が当選した場合には支援時短状態の発動を禁止する。そのため、天機C1に係る遊技状態移行準備処理では、図61に示す通り、第1実施形態(第1支援時短搭載型)において説明した図14に示す遊技状態移行準備処理に、図示のステップS913の判定処理が追加されたものとなっている。
詳しくは、図61に示すように、大当り判定フラグがON状態(5AH)でなく(ステップS911:≠5AH)、支援時短判定フラグがON状態(5AH)である場合(ステップS912:=5AH)、すなわち、支援時短に当選した場合、天井発動中フラグがON状態であれば(ステップS913:=5AH)、支援時短状態に生起させるためのステップS915〜S916の処理がスキップされる(支援時短状態の準備処理自体が禁止される)。これにより、天井ゲームにおいて、支援時短状態の発動を禁止する。なお、天井発動中フラグは、上述のゲーム開始時天井発動管理処理(ステップS421A)中の「天井発動時の各種設定処理(ステップS923A)」にてON状態に設定される(図59、図60参照)。
ところで、本構成例(天機C1)のように、ゲーム開始時に天井時短状態が生起する構成では、上記ゲーム開始時天井発動管理処理(ステップS421A)で、天井時短状態の移行処理が実行される(ステップS915〜S916)。そのため、特図の変動開始前、すなわち、特別図柄変動開始処理を終える前段階において、遊技状態を「時短状態中」と扱うのか、それとも変動が開始されていないために「通常状態中」と扱うかが問題となる。仮に、上述したステップS913の判定処理が存在しない構成において、通常状態中と扱うケースでは、支援時短に当選した場合に、ステップS912およびステップS914の判定処理結果が「YES」となり、ステップS915〜S916の支援時短状態の移行準備処理が実行され、不具合が生じうる。しかし本構成例では、ステップS913の判定処理を設け、天井発動中であると判定されれば(ステップS913:=5AH)、特別図柄変動開始処理を終える前段階で「時短状態中」と扱うのか、それとも「通常状態中」と扱うのかによらず、ステップS915〜S916の移行処理がスキップされるため、特に問題が生じないようになっている。なお、後述の図62に示す支援時短フラグ管理処理(ステップS422A)中のステップS961の判定処理を設けている理由も、上述のステップS913の判定処理を設けている理由と同様である。
(15C1.天機C1に係る支援時短フラグ管理処理:図62)
次に図62を参照して、天機C1に係る支援時短フラグ管理処理(ステップS422A)について説明する。図62は、支援時短フラグ管理処理の詳細を示すフローチャートである。
本構成例では、上記第1実施形態(第1支援搭載型)と同様に、支援時短状態の生起が禁止されても、支援時短当選情報(支援時短判定フラグ)が特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)を終えるまでクリアされることなく維持されるようになっているため(図59参照)、その後の段階で実行される「支援時短フラグ管理処理(ステップS422A)」にて、当該支援時短当選情報をクリアするようになっている。
本構成例では、天井ゲームで支援時短が当選しても天井時短状態を優先付与する関係上、天井ゲームである場合、換言すれば、天井時短状態が付与される場合には、その支援時短の当選情報をクリア(支援時短判定フラグ←00H)する必要がある。そこで本構成例では、図62に示すように、図15(イ)(ロ)の処理内容(図12中のステップS422の支援時短フラグ管理処理)に、ステップS961の判定処理を追加した形となっている。具体的には、天井発動中フラグがON状態である場合には(ステップS961:=5AH)、支援時短判定フラグをOFF状態(00H)に設定する。
<26C1.天機C1に係る特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図63Aおよび図63B>
次に図63Aおよび図63Bを参照して、天機C1に係る特別図柄確認時間中処理について説明する。図63Aおよび図63Bは、図10の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
天機C1に係る特別図柄確認時間中処理は、図63Aおよび図63Bに示す通り、上記第1実施形態(第1支援搭載型)で説明した図17Aおよび図17Bと比し、ステップS475Bの「大当り図柄停止時の各種設定処理」と、ステップS481Bの「時短終了時の設定処理」の処理内容が異なり、その他の処理は実質的に同じ処理内容となっている。
本構成例では天井機能を有する関係上、「大当り図柄停止時の各種設定処理(ステップS475B)」では、図17AのステップS475の処理内容に、天井機能に関する天井カウンタ、天井フラグ、天井発動中フラグをそれぞれクリアする処理が追加されたものとなっている。また、「時短終了時の設定処理(ステップS481B)」では、図17BのステップS481の処理内容に、天井発動中フラグをクリアする処理が追加されたものとなっている。
[構成例C1変形例:図64]
上記した天機C1は、天井機能を有する上記天機Aと、支援時短機能を有する上記「第1支援時短搭載型(図8〜図17B、特に図12〜図17B)」とを組合せた構成として説明した。しかし本発明はこれに限らず、上記「第1支援時短搭載型」に替えて、上記「第2支援時短搭載型(図18、図19A、図19B参照)」と組合せた構成(天機C1変形例)としてもよい。本変形例と上記天機C1とは、特別図柄変動開始処理(図10中のステップS306)が異なり、他の処理は実質的に同じ処理内容となっている。
図64に、本変形例(天機C1変形例)の特別図柄変動開始処理の詳細を示す。本変形例の特別図柄変動開始処理は、図64に示す通り、上記図59に示す特別図柄変動開始処理中の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)が、図19Aまたは図19Bに示す特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A)に置き換わっている点(図18中のS410Aと同様の処理内容)と、遊技状態移行準備処理(ステップS412D、図61参照)が、上記図20に示す遊技状態移行準備処理(ステップS412A)に置き換わっている点、上記図59に示すステップS422Aの「支援時短フラグ管理処理」が除去されている点が異なる。
なお、本変形例に係る特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A)について、図19Aに示すステップS945の判定処理と図19Bに示すステップS951判定処理の「支援時短発動禁止状態中」とは、通常状態中以外の遊技状態と、天井発動中フラグがON状態(5AH)である場合となっている。本変形例では、上記第2実施形態で既に説明した事象と同じく、前処理の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A、図19A、図19B参照)中において、支援時短発動禁止状態の当選であれば、支援時短判定フラグが常にOFF状態(00H)となるため、図20に示す遊技状態移行準備処理(ステップS412A)中のステップS915〜S916の処理(大当り当選または支援時短当選の場合に、移行先の遊技状態を指定するための処理)がスキップされ(ステップS912:≠5AH)、遊技状態移行準備処理を抜けるようになっている。これにより、支援時短発動禁止状態中である場合に支援時短に当選しても、その時短状態の生起が禁止されることになる(支援時短状態の準備処理自体が禁止される)。
[構成例C2]
『天機C2:ゲーム開始時天井非優先発動支援搭載型(不図示)』
次に、天機C2のタイプ、すなわち「ゲーム開始時天井非優先発動支援搭載型」に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。
この天機C2のタイプは、既に説明したように、天井機能と支援時短とを有する“ハイブリッド型”であって、天井ゲームで支援時短が当選した場合には「天井機能(天井特典の付与)」でなく支援時短を優先して発動させるタイプであり、支援時短に当選しなかった場合には天井機能が“天井ゲーム開始時に発動する”、といった構成となっている。
天機C2に係る処理フローについて図示はしていないが、天井ゲームで支援時短が当選した場合に支援時短を優先して発動させる点以外は、上記した天機C1と実質的に同じ処理内容である。なお、特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)については、図13に示す処理内容(第1実施形態)を採用してもよいし、図19Aまたは図19Bに示す処理内容(第2実施形態)を採用してもよい。
(天機C2における問題点)
ここで、天機C2には次のような問題が生じうる。天井ゲームにおいて支援時短に当選した場合、ゲーム開始時における天井時短状態の生起を一切禁止してしまうと、ゲーム開始時に天井時短状態が生起しないため、今回のゲームが支援時短当選である、ということが早々にバレてしまう(先バレする)恐れがある(上記「赤1.天井発動禁止状態の判定処理を含む構成例」で説明した大当り当選時と同じ問題が生じうる)。そこで、支援時短に当選した場合であっても、天井ゲーム中は天井時短状態に制御し(天井時短状態の生起(発動)を許容する)、天井ゲーム終了後に支援時短状態に制御する(天井時短状態を終了させ、支援時短状態を生起(発動)させる)ことが好ましい。この場合、天井時短状態は「天井ゲーム1ゲーム限りの時短状態」として機能することになる。
[構成例D1]
『天機D1:ゲーム終了時天井優先発動支援搭載型:図65〜図69』
次に図65〜図69を参照して、天機D1のタイプ、すなわち「ゲーム終了時天井優先発動支援搭載型」に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。
この天機D1のタイプは、既に説明したように、天井機能と支援時短とを有する“ハイブリッド型”であって、天井ゲームで支援時短が当選した場合であっても「天井機能(天井特典の付与)」を優先して発動させるタイプであり、その天井機能が“天井ゲーム終了時に発動する”、といった構成となっている。この点、上記天機C1の「ゲーム開始時天井優先発動支援搭載型」とは大きく異なる。
したがって、基本的には、支援時短機能を有する上記「第1支援時短搭載型(図8〜図17B、特に図12〜図17B参照)」と、天井機能を有する上記天機Bの「ゲーム終了時天井発動支援非搭載型(図56〜図58参照)」と、を組合せた構成となっている。これに対応して、主に、図10中の特別図柄変動開始処理(ステップS306)と特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の処理内容が、上記天機Bや上記第1支援時短搭載型の処理内容と異なるものとなっている。以下、詳述する。
<21D.天機D1に係る特別図柄変動開始処理:図65>
まず図65を参照して、天機D1に係る特別図柄変動開始処理(図10中のステップS306)について説明する。図65は、天機D1に係る特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
ここで、図65に示す各処理のうち、ステップS401〜S410、S420(天井機能管理処理)、S411(特別停止図柄作成処理)、S413(特別図柄変動パターン作成処理)〜S415(装飾図柄指定コマンド送信処理)、S416(変動開始時設定処理)は、図56と実質的に同じ処理内容となっている。
ただし、本構成例(天機D1)は支援時短を有する点で、ステップS412Fの「遊技状態移行準備処理」の内容が、図56に示すステップS412Cの「遊技状態移行準備処理」と若干異なる。
また、本構成例(天機D1)は天井機能を有する点で、図65に示すステップS422Bの「支援時短フラグ管理処理」が、第1実施形態(第1支援時短搭載型)において図12を用いて説明したステップS422の「支援時短フラグ管理処理」と若干異なる。
以下、重複記載を避けるために、図65が図56および図12に示す特別図柄変動開始処理の内容と異なる点である、上述のステップS412Fの「遊技状態移行準備処理」と、ステップS422Bの「支援時短フラグ管理処理」とを中心に説明する。
(15D1.遊技状態移行準備処理:図66)
次に図66を参照して、天機D1に係る遊技状態移行準備処理(図59中のステップS412D)について説明する。図66は、天機D1に係る遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
本構成例(天機D1)では、上記天機C1と同じく、天井ゲームで支援時短が当選した場合、天井機能を優先して発動させる関係上、天井ゲームで支援時短が当選した場合には支援時短状態の発動を禁止する。そのため、天機D1に係る遊技状態移行準備処理では、図66に示す通り、第1実施形態(第1支援時短搭載型)において説明した図14に示す遊技状態移行準備処理(に、図示のステップS917の判定処理が追加されたものとなっている。
詳しくは、図66に示すように、大当り判定フラグがON状態(5AH)でなく(ステップS911:≠5AH)、支援時短判定フラグがON状態(5AH)である場合(ステップS912:=5AH)に、すなわち、支援時短に当選した場合において、天井フラグがON状態であれば(ステップS913:=5AH)、支援時短状態に生起させるためのステップS915〜S916の処理をスキップする。これにより、天井ゲームにおいて、支援時短状態の発動を禁止する。なお、天井フラグは、天井機能管理処理(ステップS420)中において、天井ゲームに到達した場合にON状態(5AH)に設定される(図65のステップS420、その詳細を示す図52参照)。本構成例(天機D1)の場合、この段階では、天井発動中フラグはOFF状態であるため、天機C1の場合(天井発動中フラグを判定)とは異なり、天井フラグの状態を判定している。
(15D1.天機D1に係る支援時短フラグ管理処理:図67)
次に図67を参照して、天機D1に係る支援時短フラグ管理処理(ステップS422B)について説明する。図67は、支援時短フラグ管理処理の詳細を示すフローチャートである。
本構成例では、上記第1実施形態(第1支援搭載型)と同様に、支援時短状態の生起が禁止されても、支援時短当選情報(支援時短判定フラグ)が特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)を終えるまでクリアされることなく維持されるようになっているため(図65のステップS410、その詳細を示す図13参照)、その後の段階で実行される「支援時短フラグ管理処理(ステップS422B)」にて、当該支援時短当選情報をクリアするようになっている。
本構成例では、天井ゲームで支援時短が当選しても天井時短状態を優先付与する関係上、天井ゲームである場合、換言すれば、天井時短状態が付与される場合には、その支援時短の当選情報をクリア(支援時短判定フラグ←00H)する必要がある。そこで本構成例では、図67に示すように、図15(イ)(ロ)に示す処理内容に、ステップS961Aの判定処理を追加した形となっている。具体的には、天井フラグがON状態である場合には(ステップS961A:=5AH)、支援時短判定フラグをOFF状態(00H)に設定する。
<26D1.天機D1に係る特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図68Aおよび図68B>
次に図68Aおよび図68Bを参照して、天機D1に係る特別図柄確認時間中処理について説明する。図68Aおよび図68Bは、図10の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
天機D1に係る特別図柄確認時間中処理は、図68Aおよび図68Bに示す通り、同タイプ(ゲーム終了時発動型)の上記天機Bで説明した図57Aおよび図57Bと比し、ステップS475Bの「大当り図柄停止時の各種設定処理」、ステップS481Bの「時短終了時の設定処理」、ステップS496Aの「ゲーム終了時天井発動管理処理」の処理内容が異なり、また、支援時短に関するステップS476、S477A〜S477Cが設けられている点が異なる。その他の処理は実質的に同じ処理内容となっている。
本構成例(天機D1)では支援時短を有する関係上、「大当り図柄停止時の各種設定処理(ステップS475B)」では、図57AのステップS475Aの処理内容に、支援時短中フラグをクリアする処理が追加されたものとなっている。また、「時短終了時の設定処理(ステップS481B)」では、図57AのステップS481Aの処理内容に、支援時短中フラグをクリアする処理が追加されたものとなっている。
また、ステップS496Aの「ゲーム終了時天井発動管理処理」については、図69を参照して、図示の通り、上記天機Bで説明した図58のステップS923の「天井発動時の各種設定処理」の内容に、支援時短中フラグをクリアする処理が追加されたものとなっている。その他の処理内容(ステップS921〜S922、S924)は、図58と実質的に同じ処理内容である。
また、支援時短に関するステップS476、S477A〜S477Cの処理内容は、上記第1実施形態(第1支援搭載型)で説明した図17AのステップS476、S477A〜S477Cと同じである。
本構成例(天機D1)に係る特別図柄確認時間中処理では、ステップS495にて、天井フラグがOFF状態である場合(ステップS495:≠5AH)、天井発動契機が到来していないとして、続いて、支援時短判定フラグがON状態(5AH)であるか否か、つまり、支援時短当選であるか否かを判定する(ステップS476)。支援時短判定フラグがON状態であれば(ステップS476:=5AH)、S477A〜S477Cの処理を実行して、特別図柄確認時間中処理を抜ける。支援時短判定フラグがOFF状態であれば(ステップS476:≠5AH)、ステップS478以降の処理を実行し、ステップS949の特定モード移行管理処理を実行した後、特別図柄確認時間中処理を抜ける。
[構成例D1変形例:図70]
上記した天機D1は、天井機能を有する上記天機Bと、支援時短機能を有する上記「第1支援時短搭載型(図8〜図17B、特に図12〜図17B)」とを組合せた構成として説明した。しかし本発明はこれに限らず、上記「第1支援時短搭載型」に替えて、上記「第2支援時短搭載型(図18、図19A、図19B参照)」と組合せた構成(天機D1変形例)としてもよい。本変形例と上記天機D1とは、特別図柄変動開始処理(図10中のステップS306)が異なり、他の処理は実質的に同じ処理内容となっている。
図70に、本変形例(天機D1変形例)の特別図柄変動開始処理の詳細を示す。本変形例の特別図柄変動開始処理は、図70に示す通り、上記図65に示す特別図柄変動開始処理中の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)が、上記図19Aまたは図19Bに示す特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A)に置き換わっている点(図18中のS410Aと同様の処理内容)と、遊技状態移行準備処理(ステップS412F、図66参照)が、上記図20に示す遊技状態移行準備処理(ステップS412A)に置き換わっている点、上記図65に示すステップS422Bの「支援時短フラグ管理処理」が除去されている点が異なる。
なお、本変形例に係る特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A)について、図19Aに示すステップS945の判定処理と図19Bに示すステップS951判定処理の「支援時短発動禁止状態中」とは、通常状態中以外の遊技状態と、天井フラグがON状態(5AH)である場合となっている。本変形例では、上記第2実施形態で既に説明した事象と同じく、前処理の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A、図19A、図19B参照)中において、支援時短発動禁止状態の当選であれば、支援時短判定フラグが常にOFF状態(00H)となるため、図20に示す遊技状態移行準備処理(ステップS412A)中のステップS915〜S916の処理がスキップされ(ステップS912:≠5AH)、遊技状態移行準備処理を抜けるようになっている。これにより、支援時短発動禁止状態中である場合に支援時短に当選しても、その時短状態の生起が禁止されることになる(支援時短状態の準備処理自体が禁止される)。
[構成例D2]
『天機D2:ゲーム終了時天井非優先発動支援搭載型(不図示)』
次に、天機D2のタイプ、すなわち「ゲーム終了時天井非優先発動支援搭載型」に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。
この天機D2のタイプは、既に説明したように、天井機能と支援時短とを有する“ハイブリッド型”であって、天井ゲームで支援時短が当選した場合には「天井機能(天井特典の付与)」でなく支援時短を優先して発動させるタイプであり、支援時短に当選しなかった場合には天井機能が“天井ゲーム終了時に発動する”、といった構成となっている。
天機D2に係る処理フローについて図示はしていないが、天井ゲームで支援時短が当選した場合に支援時短を優先して発動させる点以外は、上記した天機D1と実質的に同じである。なお、特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)については、図13に示す処理内容(第1実施形態)を採用してもよいし、図19Aまたは図19Bに示す処理内容(第2実施形態)を採用してもよい。
(天井ゲーム数のカウント形態)
なお、上記天井カウンタは、下記(伊38)、(伊71)、(伊72)のように機能させることができる。いずれのカウント形態を採用するかは、遊技性に応じて、適宜決定することができる。
(伊38)RAMクリア時(図8のステップS031参照)において、天井カウンタに初期値をセットするタイミングは、図9に示す「主制御部側タイマ割込み処理」の起動処理(図8のステップS036:CTCの設定)よりも前段階でセットすることが好ましい。具体的には、遊技進行に関する処理を含む主制御部側割込み処理が起動されるよりも前(図8のステップS036よりも前)に、初期値を設定する。主制御部側タイマ割込み処理が起動した後に初期値を設定するようにしてしまうと、初期値設定前にゲームが開始されてしまう恐れがあり、正しい天井ゲーム数がカウントできなくなり、制御上も煩雑な処理となりうる。したがって、主制御部側割込み処理が起動されるよりも前に初期値を設定することが好適である。
また、本実施形態に係る天井カウンタは、遊技状態に応じて下記(伊71)、(伊72)のように機能させてもよい。
(伊71)少なくとも支援時短状態中は、天井カウンタの値は更新(カウント)しない(天井カウンタの値を保持する)。この場合、支援時短状態中は、天井カウンタの値が更新されないため、支援時短状態中に天井機能が発動してしまうことを防止することができる。本構成例は、たとえば、次のようなケースに好適である。支援時短の時短回数が天井時短の時短回数よりも多い場合(たとえば、支援時短回数=200回、天井時短回数=100回などの場合)、天井時短付与時に、支援時短の残り時短回数が天井時短の時短回数よりも多いケースがありうる。この場合に、天井時短が付与されると遊技者が思わぬ不利益を被る可能性がある。そこで、このようなケースが生じる恐れがある遊技性の場合には、支援時短状態中の天井カウンタの値は更新しないようにし、支援時短が終了した後、天井カウンタの更新を再開する。これにより、天井特典が救済機能としての役割を十分に発揮することができる。
(伊72−1)しかし、少なくとも支援時短状態中は、天井カウンタの値を更新する構成としてもよい。この場合、支援時短状態中の実行ゲーム数が天井ゲーム数のカウント対象となる。すなわち、遊技者は支援時短状態中における電サポ状態の恩恵を受けながら、天井到達を目指すことができる。ただし、支援時短状態中に天井機能が発動してしまう可能性があり、支援時短状態中に天井ゲーム数が到来した際に、現在の支援時短状態を優先するのか、それとも支援時短状態を終了させ天井機能を発動させるのかなどに応じた制御処理が必要となる。たとえば、支援時短状態中に天井に到達した場合、天井時短を優先するのか(現在の残り支援時短回数を、天井時短回数1000回に更新(セット)する)、天井機能の発動を禁止するのか(支援時短状態中は天井特典の付与を禁止する)を定める必要がある。また、支援時短状態中に天井特典付与を許容する場合、現在の残り時短回数を天井時短による時短回数1000回に更新するのか、それとも、現在の時短回数に対して上乗せする(+1000回する)のかについては、適宜決定することができる。
(確定表示時間の変形例)
ここで、本実施形態に係る確定表示時間については、500ms(通常の確定表示時間:図16参照)を設定すると説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、変動パターンに応じて、異なる確定表示時間を設定することができる。具体的には下記(伊84−1)〜(伊86)のような関係を満たす確定表示時間が設定することができる。
(伊84−1)少なくとも通常モード(特に、一般モード)に係るハズレ変動の場合は、通常の500msが確定表示時間として設定するが、他の遊技モードに係るハズレ変動の場合は、通常の確定表示時間とは異なる確定表示時間を設定することができる。他の遊技モードは、1または複数の特定の遊技モードとすることができる。たとえば、天井変動(図75の天井の欄参照:特に、ゲーム終了時天井発動型に係る天井変動(後述の(伊84−2)〜(伊86)も同様)、支援時短当選変動(たとえば、図72の備考3参照)、前兆最終変動、天井突入時変動(天国モード1回転目)のうち、1または複数の変動パターンについては、通常の確定表示時間とは異なる確定表示時間(たとえば、500msよりも長時間の確定表示時間)を設定することができる。
ここで、天井時短と支援時短とは同じ時短状態を付与するものであるが、天井時短は、天井ゲーム数到達で発動する利益状態であり、支援時短は大当り抽選を経て発動する利益状態であるという点で大きく異なり、そのため、天井変動、支援時短当選変動に係る演出内容も異なる。また、支援時短状態はゲーム終了時を契機に生起するが、天井時短状態はゲーム開始時またはゲーム終了時に生起するケースがあり、時短状態の発生タイミングに応じて適切な演出を現出することが望まれる。そこで、確定表示時間を演出の実行期間として有効利用することが適切なケースもある。
この点に着目して、天井変動に係る確定表示時間と支援時短当選変動に係る確定表示時間とを、下記(伊84−2)〜(伊86)のような関係に定めることができる。
(伊84−2)少なくとも天井変動の確定表示時間Vと、支援時短当選変動の確定表示時間Wとが異なる(確定表示時間V≠確定表示時間W)。
(伊85)少なくとも支援時短当選変動の確定表示時間Wよりも天井変動の確定表示時間Vの方が長時間である(確定表示時間W<確定表示時間V)。
(伊86)少なくとも天井変動の確定表示時間Vよりも支援時短当選変動の確定表示時間Wよりも長時間である(確定表示時間V<確定表示時間W)。
上記(伊84)〜(伊86)によれば、それぞれの図柄停止期間(確定表示時間)を利用した適切な時短突入報知演出を現出させる、すなわち、時短状態の種類に応じて、適切な時短突入報知演出を実行することができる。
(天井時短状態の制御例について)
本実施形態では、天井到達毎に天井時短状態に制御するが、本発明はこれに限らず、下記(羽1)〜(羽3)のような制御形態を採用することができる
(羽1)1回目の天井到達で天井時短状態(1回目の天井時短状態)に制御した後、少なくとも大当りに当選することなく、次回の天井到達(2回目の天井到達)した場合、天井時短状態(2回目の天井時短状態)には制御しない。つまり、天井ゲーム(1000ゲーム目)に到達して天井時短状態に突入した後、大当りに当選することなく、再度、天井ゲーム(2000ゲーム目)に到達した場合は、1回目の天井時短状態が終了される。また1回目の天井時短終了時は、通常状態に移行する。
(羽2)上述の(羽1)の場合において、2回目以降の天井到達時に天井カウンタに1000回をセットし、天井カウンタによるカウントは行うが、少なくとも大当りに当選することなく天井カウンタがゼロになった場合であっても、天井時短状態に制御しない。また1回目の天井時短終了時は、通常状態に移行する。
(羽3)上述の(羽1)、(羽2)における「少なくとも大当りに当選することなく」は、「大当りまたは支援時短のいずれにも当選することなく」としてもよい。
(支援時短状態の制御例1)
(羽4)支援時短状態の制御について、大当り抽選確率が高確率中に(潜確状態および/または確変状態)、支援時短に当選した場合には支援時短状態に制御せず、大当り抽選確率が低確率中に(時短状態および/または通常状態)、支援時短に当選した場合には支援時短状態に制御することができる。
(支援時短状態の制御例2)
本実施形態では、潜確状態は設けていないが、潜確状態(高確率+電サポ無し状態)を設けた場合には、下記(羽5)、(羽6)のように構成してもよい。
(羽5)潜確状態中に支援時短に当選した場合、支援時短状態に制御する。つまり、支援時短の当選により、潜確状態から時短状態に移行する。
(羽6)潜確状態中に支援時短に当選した場合、確変状態に制御する。つまり、支援時短の当選により「高確率+電サポ無し状態」から「高確率+電サポ状態」に遊技状態を昇格させる。
(時短状態の終了条件について)
大当り時短状態、天井時短状態、支援時短状態については、下記(羽7)〜(羽9)の時短終了条件を定めることができる。
(羽7)大当り時短状態は、大当りによる時短回数が終了した場合、大当りに当選した場合、天井ゲーム到達した場合(天井時短状態が発動した場合:ただし、天井機能を有する場合に限る)を、その時短終了条件として定めることができる。
(羽8)天井時短状態は、天井時短による時短回数が終了した場合、大当りに当選した場合を、その時短終了条件として定めることができる。
(羽9)支援時短状態は、支援時短による時短回数が終了した場合、大当りに当選した場合、天井ゲーム到達した場合天井時短状態が発動した場合:ただし、天井機能を有する場合に限る))を、その時短終了条件として定めることができる。なお、支援時短状態については、普通図柄変動表示ゲームで補助当りに所定回数(たとえば、100回)当選した場合を時短終了条件として追加してもよい。この場合、支援時短状態と、大当り時短状態、天井時短状態または大当り時短状態の有利度を異なるものとすることができる。
(時短状態の性能について)
上記した各実施形態において、「時短状態」は、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を扱った例を説明した。しかし本発明はこれに限らず、大当り時短状態、天井時短状態、支援時短状態の各時短状態について、下記(羽10)〜(羽12)のような時短状態とすることができる。
(羽10)大当り時短状態は、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動するが、天井時短状態または支援時短状態は、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能のみが作動する。各機能の作動状態に着目した時短状態の有利度は「天井時短状態または支援時短状態(有利度低)<大当り時短状態(有利度高)」の関係となる。
(羽11)ハイブリッド型において、大当り時短状態および支援時短状態は、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動するが、天井時短状態は、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能のみが作動する。各機能の作動状態に着目した時短状態の有利度は「天井時短状態(有利度低)<大当り時短状態および支援時短状態(有利度高)」の関係となる。
(羽12)ハイブリッド型において、大当り時短状態および天井時短状態は、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動するが、支援時短状態は、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能のみが作動する。各機能の作動状態に着目した時短状態の有利度は「支援時短状態(有利度低)<大当り時短状態および天井時短状態(有利度高)」の関係となる。
〔特典付与形態の変形例1:図84〕
上記実施形態では、通常モード中(少なくとも内部遊技状態が通常状態中)に、大当りに当選することなく、所定のゲーム数が実行された場合、天井特典を付与する構成を中心について説明した。しかし本発明はこれに限らず、たとえば、下記付与形態(α)〜付与形態(ζ)とすることができる。
<付与形態(α):図84(イ)>
(α)遊技モードまたは内部遊技状態とは無関係に、実行ゲーム数をカウントし、少なくとも大当りに当選することなく、当該カウントされたゲーム数が所定のゲーム数(たとえば、1000ゲーム目)に達した場合に天井特典を付与する(図84(イ)参照)。この場合、天井カウンタに初期値を設定するタイミングは、大当りに当選した場合となる。具体的には、大当り遊技終了を契機に設定する(図21の大当り終了処理(ステップS509)中で設定)。
本構成の場合、通常状態(通常モード)のみならず、時短状態(時短モード)中および確変状態(確変モード)中に実行されたゲーム数もカウント対象とされる。したがって、純粋に、今回の大当りから何ゲームハマったのかに応じて、天井特典を付与することができる。
<付与形態(β):図84(ロ)>
(β)「低確率状態を伴う遊技状態(以下、「低確遊技状態」とも称する)」中に実行さえrたゲーム数を、天井ゲーム数のカウント対象とする形態を「低確遊技カウント形態」とも称する。ここで、「低確率状態を伴う遊技状態」とは、内部遊技状態に着目した場合は「通常状態」または「時短状態」が該当し、遊技モードに着目した場合は「通常モード」または「時短モード」が該当する。
したがって「低確遊技カウント形態」には、「天井時短状態中に天井カウンタが所定値に達したことに基づき天井特典を付与可能」なカウント形態、「大当り時短状態中に天井カウンタが所定値に達したことに基づき天井特典を付与可能」カウント形態、および「支援時短状態中に天井カウンタが所定値に達したことに基づき天井特典を付与可能」なカウント形態の少なくとも1つのカウント形態が含まれる。
したがって、本例では、高確率状態を伴う遊技状態(高確遊技状態)中に実行されたゲーム数はカウント対象から除外される。
図84(ロ)は、代表的に、4R時短大当り(支援時短あってもよい)(時短回数100回の時短状態:以下、「時短A」と称する)と、不図示のST回数100回の確変大当り1と、不図示の「ST回数25回+時短回数75回」の確変時短大当り2と、不図示の「ST回数25回+時短回数75回」の確変時短大当り3というST回数が異なる大当りに対して、本例(付与形態(β))に適用したケースを示したものである。図示では、三者を比較し易いように、いずれも「電サポ100回を付与する大当り」を示してある。各大当りについて、電サポ終了後(101ゲーム目)から天井ゲーム(1000ゲーム目)までに必要なゲーム数(本例において「必要ゲーム数X」と称する)は次の通りとなる。
図84(ロ)を参照して、時短Aを付与する大当りの場合、大当り遊技終了後から時短回数100回の時短状態に移行され、この時短回数100回分がカウント対象とされる。したがって、必要ゲーム数Xは「900ゲーム」となる(図84(ロ)の「時短A」参照)。
一方、時短確変大当りの場合には、ST回数に応じて、電サポ終了後から天井到達までのゲーム数が異なる。
図84(ロ)の「ST25」、「ST75」、「ST100」は、それぞれ、上記した確変時短大当り3、確変時短大当り2、確変時短大当り1が当選したケースを示す。
(A)ST25(ST回数25回+時短回数75回)の場合、ST25回終了後の時短回数75回分がカウント対象とされるため、必要ゲーム数Xは「925ゲーム」となる。
(B)ST75(ST回数75回+時短回数25回)の場合、ST75回終了後の時短回数25回分がカウント対象とされるため、必要ゲーム数Xは「975ゲーム」となる。
(C)ST100(ST回数100回)の場合、電サポ終了までの100ゲーム間は確変状態中となるため、この100ゲーム分はカウント対象から除外される。したがって、必要ゲーム数Xは1000ゲームとなる。つまり、相対的に利益度合が低い時短確変大当りほど、電サポ終了後から天井ゲーム数までの必要ゲーム数が少なくなる。
図示の関係を纏めれば、上記「必要ゲーム数X」に関し、「時短A(時短回数100回)<ST25<ST75<ST100」の関係となる。すなわち、利益度合が相対的に低い遊技モード(内部遊技遊技状態)に移行されるほど、電サポ終了後からの天井到達までの必要ゲーム数(通常モード(通常状態)中における必要ゲーム数)が減少する、という特異な関係となる。この「通常モード(通常状態)で実行すべき必要ゲーム数が減少する」という点は、天井特典とは別の性格の救済機能であるともいえる。
(RAMクリアした場合)
(伊48)本例(付与形態(β))は、低確率状態を伴う遊技状態(通常状態および時短状態)中のゲーム数を、天井ゲーム数をカウント対象とするものであるが、ここで、RAMクリアが実行されたケースについて説明する。RAMクリアが実行された場合、現在の天井カウンタの値(現在の残余天井ゲーム数)がクリアされ、天井ゲーム数の初期値(1000ゲーム)が、天井カウンタに再設定される。また、RAMクリア後は、内部遊技状態が初期状態の「通常状態」、遊技モードが「通常モード(一般モード)」に設定される。したがって、RAMクリア後は、通常状態で1000ゲーム消化した場合に天井到達となる。一方、時短大当り(たとえば、時短回数100回の4R時短大当り)を経由する場合、大当り遊技に天井ゲーム数が1000ゲームに設定されるが、この場合は「時短状態が100ゲーム+通常状態900ゲーム」消化した場合に天井到達となる。
すなわち、RAMクリアした場合と、4R時短大当りを経由する場合とで、通常状態における天井到達までのゲーム数が異なることになる(時短回数分、通常状態において消化すべきゲーム数が短縮され、実質的な天井ゲーム数が変動する)。この場合、次に述べる問題が生じる。RAMクリア時は、天井ゲーム数が初期値にセットされるため、朝一に遊技する場合は、必ず不利な天井到達条件の下で遊技することになり、朝一の集客率に影響を及ぼす可能性がある。もっとも設定変更によるRAMクリアの可能性もあるため、設定変更による高設定の期待感は増すが、設定機能を有しない遊技機の場合は、依然として、上記問題が残る。したがって、本実施形態のように、通常状態のゲーム数を天井ゲーム数のカウント対象とすることが好ましいといえる。
また上記問題を解決する手段として、RAMクリア時に有利な天井ゲーム数を設定可能な構成としてもよい。たとえば、RAMクリア時には、第1初期値として800ゲームを設定し、他の条件で初期値を設定する場合、本実施形態であれば、時短状態終了後、確変状態終了後、大当り遊技終了後、支援時短終了後などがあるが、これらの設定契機により天井ゲームを設定する場合には第2初期値として1000ゲームを設定する。つまり、「第1初期値(RAMクリア時に設定)<第2初期値(RAMクリア時以外のタイミングで設定する場合)」の関係を満たす天井ゲーム数を設定するようにする。このようにすれば、RAMクリア後の最初に遊技する際も、不利な天井到達条件の下で遊技する訳ではなく、朝一の集客率がむしろ向上しうると考えられる。なお、上記(伊53−3)のように、RAMクリア時に、複数の天井時短のうちからいずれかの天井時短を抽選により決定することができる。
(伊54)RAMクリア後に天井に到達した場合と、大当りした後に天井に到達した場合とで、下記のようにすることができる。
(伊54−1)参照する変動パターン振分テーブルが共通である(選択可能な変動パターンが共通)。
(伊54−2)確定表示時間が同じである。
(伊54−3)天井ゲーム(天井モード)または天国モードの1回転目に行う際の時短突入報知演出が共通である。
(付与形態(β)における天井カウントの変形例)
(伊113)本例(付与形態(β))は、低確率状態を伴う遊技状態中のゲーム数を、天井ゲーム数をカウント対象とするものであるが(低確遊技カウント形態)、時短状態中に天井カウンタがゼロとなった場合には、図64に示す「天井機能管理処理」にて、天井フラグをON状態(5AH)の処理(ステップS904)は実行せずに、天井フラグをOFF状態のまま維持するとともに天井カウンタをゼロのままとし、天井発動準備処理(図66に示す遊技状態移行処理中のステップS915〜S917、S914の処理ルート)を実行しないように制御することができる。この場合、支援時短状態中などの時短状態中に天井到達となった場合であっても、天井専用の変動パターン選択モード(Tcode)に変更されず、また、天井機能が発動(天井特典の付与)してしまうことを防止することができる。
(伊114)上記低確遊技カウント形態(上述の(伊113)の構成を含んでもよい)において、時短状態中に天井カウンタがゼロなった後、初期値を再設定するのは、通常状態に移行した場合とする。
(伊115)低確遊技カウント形態(上述の(伊113)または(伊114)の構成を含んでもよい)において、時短状態中に天井カウンタが所定値になっても、先読み予告が禁止区間として判断されないように構成する。たとえば、本実施形態の場合は、既に説明したように、前兆モード中の996ゲーム目〜999ゲーム目を先読み禁止区間とするが、この際、天井カウンタの値をチェックして、996ゲーム目〜999ゲーム目であるか否かを判断している。したがって、前兆モードでないにもかかわらず、先読み予告が禁止区間として判断されないように構成し、時短状態中(たとえば、支援時短状態中など)において先読み予告が禁止されないようにする。
(伊117)低確遊技カウント形態(上述の(伊113)、(伊114)または(伊115)の構成を含んでもよい)において、時短状態中に天井カウンタがゼロになっても変動パターン選択モード(Tcode)は更新しない(変動パターンテーブルを変更しない)ように構成する。たとえば、支援時短状態中に天井カウンタを更新されていく場合に、天井カウンタが所定値(ゼロ)になった場合には、天井専用の変動パターン(天井変動)を選択させないことにより、支援時短状態中に、天井モードや天井発動準備処理や天井機能の発動(天井特典の付与)に関する処理が実行されないようにすることができる。
(伊65)低確遊技カウント形態(上述の(伊113)、(伊114)または(伊115)、(伊117)の構成を含んでもよい)において、大当り時短状態中は天井カウンタの更新処理を行うが、天井時短状態中は天井カウンタの更新処理を行わないように構成することができる。大当り時短状態中は未だ天井時短は発動していないため、天井カウンタを更新する。一方、天井時短状態中は、既に天井時短発動中のため、天井カウンタの更新を中断し、天井カウンタがゼロになる度に、天井機能が発動(天井特典の付与)して天井時短がループしてしまうことを防止することができる。
(伊118)低確遊技カウント形態(上述の(伊113)、(伊114)、(伊115)、(伊65)または(伊117)の構成を含んでもよい)において、支援時短状態中は天井カウンタの更新処理を行うが、天井時短状態中は天井カウンタの更新処理を行わないように構成することができる。支援時短状態中は未だ天井時短は発動していないため、天井カウンタを更新する。一方、天井時短状態中は、既に天井時短発動中のため、天井カウンタの更新を中断し、天井カウンタがゼロになる度に、天井機能が発動(天井特典の付与)して天井時短がループしてしまうことを防止することができる。
<付与形態(δ)>
また、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)をカウント対象とするのではなく、(δ)「普図変動表示ゲームの実行回数(普図の変動回数)」をカウント対象としてもよい。この場合、低確率状態(通常状態および/または時短状態)を伴う遊技状態中の「普通図柄の変動回数」をカウントすることが好ましい。たとえば、通常モード(通常状態)中の普図変動表示ゲームの実行回数をカウントして、所定のゲーム数(たとえば、2000ゲーム目)に達した場合、天井特典を付与することができる。
<付与形態(ε)>
(ε)また条件装置が作動しない「小当り」の当選回数をカウントし、大当りに当選することなく、その当選回数が所定回数に達した場合に天井特典を付与することができる。たとえば、小当りの当選確率を1/100とし、小当りの当選が10回に達した場合に、天井特典を付与する。なお、「小当り」の当選回数に替えて、小当りに当選した場合の特別電動役物の作動回数(小当り遊技の実行回数)をカウントしてもよい。なお、本例は小当り当選型支援時短にも適用可能である。
また、複数種類の上記当選回数を設け(たとえば、7回、8回、9回、10回)、抽選(天井移行当選回数抽選)によりいずれかの回数を決定可能に構成してもよい。この場合、設定値が高いほど相対的に少ない当選回数(たとえば、7回)が選択され易く、設定値が低いほど相対的に多い当選回数(たとえば、10回)が選択され易いという様に、各当選回数の抽選確率を設定値に応じて定めれば、高設定ほど天井特典の恩恵を付与し易くしたり、逆に低設定ほど天井特典の恩恵を付与し易くしたりすることができる。また、天井到達ゲーム数の違いにより、設定推測要素を遊技者に与えることもできる(次に述べる「付与形態ζ」も同様)。
<付与形態(ζ)>
(ζ)また「補助当り」の当選回数をカウントして、所定の当選回数に達した場合に、天井特典を付与することができる。この場合、少なくとも補助当り抽選確率が低確率状態(普通図柄確変機能非作動)を伴う遊技状態(通常状態および/または潜確状態)における当選回数をカウントすることが好ましい。なお、「補助当り」の当選回数に替えて、普電開放遊技の実行回数をカウントしてもよい。
上記付与形態(ε)および(ζ)の付与形態は、天井特典を付与する条件が、図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄の変動回数)に依存しない点に特徴がある。
<特殊付与形態1>
(伊50)天井時短による時短回数N、天井ゲーム数(天井カウンタの初期値)Mとした場合、「M<N」の関係を満たす構成とすることができる。
天井時短状態中のゲームも天井ゲーム数のカウント対象とした場合(天井時短状態中に天井カウンタを更新するケース)、上述の「M<N」の関係を満たす場合、有限時短であっても、実質的に無限時短と同じ天井時短(永久時短)を発生させることが可能になる。詳述すれば、天井ゲーム数を1000回(M=1000)、天井時短による時短回数を1200回(N=1200)とした場合、初回の天井到達により、天井時短1200回が付与されることになる。そして、初回の天井ゲーム数(1000ゲーム目)から再度、天井ゲーム数がカウントされていくため、天井時短状態の終了である1200ゲーム目が到来する前に、再度、天井に到達し(2回目の天井到達)、2回目の天井時短1200回が付与される、といった具合に、天井時短の終了条件が成立しない限り、時短状態が繰り返し付与される。本構成によれば、有限時短の天井時短を付与される場合であっても、永久的に時短状態が続くため、大当りに当選できずに天井時短状態が終了してしまうことが無い。本構成によれば、天井時短が1度でも付与されれば、大当りが当選するまで、時短状態を維持することができるため、遊技者は安心して遊技に興じることができる。
<特殊付与形態2>
(伊58)本実施形態では、天井ゲームが1つのものについて説明したが、天井ゲームを複数定めてもよい。
詳しくは、大当りに当選することなく第1天井ゲーム数に到達した場合に第1天井時短を付与し(第1天井機能の発動)、第1天井時短状態中に大当りに当選することなく抜けた後、さらに大当りに当選することなく第2天井ゲーム数に到達した場合に第2天井時短を付与する(第2天井機能の発動)。本構成によれば、天井発動契機となる天井ゲームが複数設けられているため、段階的に、天井特典を付与できる点に大きな特徴がある。
なお、第1天井ゲーム数と第2天井ゲーム数とが、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、第1天井時短に係る第1時短回数と、第2天井時短に係る第2時短回数とが、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、第1天井時短の性能と第2天井時短の性能とが、同一であってもよいし、異なっていてもよい。ここでの「天井時短の性能」とは、普電開放遊技の動作態様(可動翼片47の開閉動作パターン)による利益度合(出玉性能)を意味する。
本構成の場合、天井特典を段階的に付与して遊技者をハマりから救済するという観点から、好ましくは、「第2天井ゲーム数<第1天井ゲーム数」とする。大ハマりに遭遇した場合は、前回よりも早めに天井特典を付与することにより、遊技者の遊技意欲を著しく低下させないようにすることができる。また、天井時短の有利度合は「第1天井時短<第2天井時短」とすることが好ましい。大ハマりに遭遇した場合は、前回よりも利益状態の高い天井特典を付与することにより、遊技者の遊技意欲を著しく低下させないようにするためである。
(天井ゲームにおける演出例:図77〜図83)
次に図79〜図83を参照して、天井ゲームにおける演出例について説明する。
図77〜図78は、天井ゲーム中における変動中演出を例示したものである。図77は、天機C2(ゲーム開始時天井非優先発動支援搭載型)または天機D2(ゲーム終了時天井非優先発動支援搭載型)に属するタイプの遊技機に係る演出例A(支援時短優先発動型に係る演出例A)を示し、図78は、天機C1(ゲーム開始時天井優先発動支援搭載型)または天機D1(ゲーム終了時天井優先発動支援搭載型)に属するタイプの遊技機に係る演出例B(天井優先発動型に係る演出例B)を示したものである。
(支援時短優先発動型に係る天井ゲーム中の演出例A:図77)
まず図77を参照して、支援時短優先発動型に係る演出例Aについて説明する。なお、演出例Aにおける図示の(A)〜(F1)、(F2)または(F3)は、時系列的な演出の推移を示したものである。以下、図77を参照しながら、本演出例について時系列に沿って説明していく。
図77(A)は、図柄の変動表示が開始された状態を示している。そして、演出シナリオが進行してリーチタイミングが到来すると、特定のリーチ演出(たとえば、天井ゲーム用のリーチ演出)が開始されるとともに、装飾図柄801が画面左隅部の退避領域に装飾図柄801aとして小さく表示(退避表示)される(図77(B)、(C))。ここでのリーチ演出は、物語性を有した遊技者参加型演出を含むリーチ演出を例示している。
この遊技者参加型演出は、遊技者にミッション(作戦)を提示するといった、所謂「指令型演出」となっており、その演出結果として、今回のゲームの結果(大当り抽選結果)を報せる結果演出が現出される、という演出内容となっている。
リーチ演出が開始されると、図77(C)に示すように、所定のミッション(作戦)を提示するタイトル演出が現出される。ここでは、遊技者に対して「円盤を撃墜せよ!」という文字画像912が表示され、超電磁誘導砲913(自機キャラ)と、攻撃対象の円盤(敵キャラ)911とが対峙する様が表示されている。その後、図示はしていないが、超電磁誘導砲913と円盤911とが攻撃態勢に入りながら対峙する様を表現した「攻撃準備演出」が現出されるとともに、演出ボタン13の押下操作を促すボタン操作演出(操作前演出)が現出されるようになっている。
そして、遊技者がボタン操作演出に応えて演出ボタン13を操作またはボタン有効期間が経過すると、図77(D)に示すように、敵キャラの円盤911に対して電磁誘導波915を発射する攻撃演出(操作後演出)が現出される。
攻撃演出において、発射された電磁誘導波915は、演出時間の経過と共に円盤911に近づいていき、円盤に命中する直前で終了する演出内容となっている。したがって、この演出中は、今回のゲームの結果が、大当り当選、天井発動(天井時短状態発動(ハズレ当選))、支援時短当選(支援時短状態発動)であるかについて、未だ不明な状態にある。つまり、攻撃演出は、今回のゲームの結果が導出される前段階の結果前演出として、遊技者の緊張感を高めるための煽り演出として働く。換言すれば、変動中演出の一部が共通の演出が現出可能となっており、本演出例の場合、変動開始から攻撃演出まで(図77(A)〜(D)参照)、共通の演出が現出可能となっている。
攻撃演出が終了すると、電磁誘導波915を発射した後の結果演出(第1結果演出)として、大当り抽選結果に応じて、図77(E1)〜(E3)に示す「成否演出」が現出されうる。図77(D)の後の演出が分岐しているところは、このリーチ演出シナリオが複数種類のシナリオが存在することを示している。いずれのシナリオが実行されるかは、変動パターン情報(変動パターン指定コマンドの情報)や装飾停止図柄情報(装飾図柄指定コマンドの情報)に基づく所定の演出抽選により決定される。
上記成否演出において、電磁誘導波915が円盤911に命中し撃破する様を表現した図77(E1)に示す「撃破演出(成功演出」が発生すれば、その後の結果演出(第2結果演出)として、今回のゲームの結果が「大当り」であること確定的に報せる祝福演出751が現出される(図77(F1))。この祝福演出751では、図77(F1)に示すように、「Mission Complete」という文字情報画像173が表示され、これに伴い、大当り当選対応の装飾停止図柄801d(たとえば、「777」)が停止表示される。これにより、今回のゲームの結果が「大当り」であることが報知されることになる。
しかし成否演出において、電磁誘導波158を円盤911が回避する様を表現した図77(E2)または(E3)に示す「回避演出(失敗演出)」が発生すれば、その後の結果演出(第2結果演出)として、今回のゲームの結果が「天井発動」または「支援時短当選」である旨が報知されるようになっている。本演出例の場合、回避演出として、円盤911の回避運動態様が異なる「回避A演出(図77(E2))」と、「回避B演出(図77(E3))」とが用意されており、「回避A演出」の場合には、結果演出として、時短突入報知演出780が現出されて、「支援時短当選」である旨が報知されるようになっている(図77(F2))。また、「回避B演出」の場合には、結果演出として、天井突入報知演出781が現出されて、「天井発動」であることが報知されるようになっている(図(F3))。また、支援時短当選時には、図77(F2)に示すように、支援時短当選対応の第1装飾停止図柄801eと第2装飾停止図柄802aが停止表示され、天井発動時には、図(F3)に示すように、天井発動対応の第1装飾停止図柄801fと第2装飾停止図柄802bが停止表示されるようになっている。なお、第1装飾停止図柄801eと、第1装飾停止図柄801fは、通常時に用いられる数字系の装飾図柄(メイン装飾図柄)の組合せであり、第2装飾停止図柄802aと第2装飾停止図柄802bは、サブ的な装飾停止図柄として用いられ、通常の装飾図柄には用いられない特別な装飾図柄(サブ装飾図柄)の組合せとなっている。本演出例では、サブ装飾図柄を利用することにより、支援時短当選または天井発動であることを、遊技者が分かり易い表示態様としてある。
なお、上記回避演出が完結するまでは、必ずしも、天井発動または支援時短当選であることが確定的に報知されるわけではなく、「大当り」であった場合には所定の出現率で、図79(H)に示すような所謂「復活演出」が現出されるようになっている。この復活演出では、一旦回避演出(図79(X))が現出された後、円盤911を追撃する様を表現した図79(Y)に示す「追撃演出」が現出され、最終的に、図79(E1)と同様の「撃破演出(図79(Z))」が現出され、以て、大当り当選であることが確定的に報知される、といった演出内容となっている。
(演出例Aにおける演出シナリオ種別:図81)
図81に、演出例Aに係る演出シナリオ種別を示す。図81(A)は「大当り」の場合、図81(B)は「支援時短当選」の場合、図81(C)は「天井発動」である場合に、演出シナリオ抽選により選択対象となる演出シナリオを示したものである。なお、図77(A)変動開始〜図77(C)タイトル演出までは、「大当り」、「支援時短当選」および「天井発動」で、同一または略同一の演出であるのでここでは省略してある。
図81に示す通り、攻撃演出については、大当り抽選結果が「大当り」、「支援時短当選」および「天井発動」のいずれの場合においても共通の演出(共通の演出シナリオ)を選択可能となっている。なお、攻撃演出の欄に示す「弱攻撃」、「中攻撃」、「強攻撃」の演出は、それぞれ演出態様が異なり、たとえば、図79(D1)〜(D3)に示すように、電磁誘導波915の発射ビームの太さが異なる演出態様となっている。いずれの攻撃演出が出現するかは、所定の演出抽選により決定することができる(図81の備考欄参照)。
また、演出種別には、「大当り」、「支援時短当選」および「天井発動」のそれぞれに対応した固有の演出(他のゲーム結果では選択されない演出シナリオ)も含むことができる。具体的には、図示の大当り当選時共通演出A、支援時短当選時共通演出A、天井発動時共通演出Aである。これら攻撃演出は、それぞれ演出態様が異なる。たとえば、図79(D4)〜(D6)を参照して、図79(D4)に示す攻撃演出は、大当り当選時のみ選択される「大当り確定攻撃演出」、図79(D5)に示す攻撃演出は、支援時短当選のみ選択される「支援時短確定攻撃演出」、図79(D6)に示す攻撃演出は、天井発動時のみ選択される「天井発動確定攻撃演出」となっている。
また、大当り当選時で選択対象となっている“大当り当選時共通演出C、D、F、G、I、J”は、上記「復活演出」を含む演出シナリオである。具体的には、図81(A)の成否演出の欄の「回避A→追撃撃破」や「回避B→追撃撃破」は、図80(H)に示す「復活演出」に該当する。
なお、図81(A)〜(C)に示す各種の演出種別のうち、いずれを選択対象と定めるかは自由である。たとえば、図81(D)に示す演出種別を選択対象として定めれば、図77に示す演出例Aと同様の演出が現出されることになる。
図77の説明に戻り、上記結果演出が終了すると、今回のゲームに係る変動中演出が終了される。その後は、今回のゲーム結果が大当りであれば、当選した大当り種別に対応した大当り遊技が開始され、支援時短当選であれば、支援時短種別に応じた支援時短状態が生起する。なお、天井発動の場合は、天機C2の「ゲーム開始時天井非優先発動支援搭載型」であれば、ゲーム開始時に天井時短状態が発動した状態で今回のゲームが終了され、天機D2の「ゲーム終了時天井非優先発動支援搭載型」であれば、今回のゲーム終了を契機に天井時短状態が生起することになる。
なお、上記では、天井ゲームにおける「大当り当選時」、「支援時短当選時」および「天井発動時」に係る変動中演出の少なくとも一部が共通の演出である演出例を説明したが、本発明はこれに限られない。図80(イ)〜(ロ)に示すように、「大当り当選時」、「支援時短当選時」、「天井発動時」のそれぞれにおいて、全く異なる変動中演出(専用の変動中演出)を現出可能に構成してもよい(後述の演出例Bについても同様)。また、図81の演出シナリオ種別を用いずに、これら専用の演出だけを現出可能に構成してもよいし、図81の演出シナリオ種別ととともに、これらの専用の演出シナリオを選択可能に構成してもよい。なお、「大当り」や「支援時短」は、大当り抽選を経て決定されるため、図示の「大当り当選時専用演出」および/または「支援時短当選時専用演出」は、リーチ演出を含むことが好ましい(必ずしもリーチ演出でなくてもよい)。一方、天井特典は、実行ゲーム数(図柄変動回数)に基づき付与されるため、「天井発動時専用演出」は、リーチ演出を含まないことが好ましい(図80(ハ)の(B)(C)参照)。
(天井優先発動型に係る天井ゲーム中の演出例B:図78)
次に図78を参照して、天井優先発動型に係る演出例Bについて説明する。なお、上記図77に示す支援時短優先発動型に係る演出例Aと同じ要素については同じ符号を付す。また、上記図79〜図81を用いて説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために、適宜説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図78に示す演出例Bは、天井優先発動型の演出例であるという点で、上記した支援時短優先発動型の演出例A(図77)と下記の点が異なる。
天井優先発動型は、天井ゲームで支援時短が当選しても支援時短状態が発動しないため、「支援時短当選」である旨が報知する演出を現出する必要ない。したがって、演出例Bでは、支援時短当選を報知する演出は存在しない。具体的には、図78に示す通り、演出例Bには、図77中の結果演出(F2)を含む演出シナリオが設けられていない。なお、その他の演出については、実質的に同じ内容である。
ここで、天井優先発動型において、天機C1または天機D1のように、支援時短に当選してもその当選情報を特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)の実行を終えるまでクリアしないタイプと(たとえば、図59、図61参照)、天機C1の変形例(図64参照)または天機D1の変形例(図70参照)、のように、特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410A、図19A、図19B)で支援時短の当選情報を生成しない処理を行うタイプとで、天井ゲーム中の変動中演出が異なるものとすることができる。
既に説明したように、前者のタイプは、支援時短当選情報が特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)を終えるまでクリアされないため、支援時短状態が発動しなくても、支援時短当選に係る変動パターンが選択可能であり、当該変動パターンに係る演出を現出することができる。たとえば、演出例Bに係る演出シナリオ種別を例示した図82を参照して、同図(B)に示すように、支援時短当選時のみに選択される演出I、Hなども選択対象とすることができる。ただし、結果演出は、支援時短状態が発動しない関係上、図77(F3)と同じく、天井突入報知演出781が現出されて、「天井発動」であることが報知されることになる(図78(D)(E2)および(F3)の破線部の演出ルート、図78(D)(E3)(F3)の実線部の演出ルート参照)。なお、図82(A)〜(C)に示す各種の演出種別のうち、いずれを選択対象と定めるかは自由である。たとえば、図82(D)に示す演出種別を選択対象として定めれば、図78に示す演出例Aと同様の演出が現出されることになる。
一方、後者の変形例のタイプは、支援時短当選情報が特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)の実行前にクリアされてしまうため、支援時短当選に係る変動パターンは選択することができない。たとえば、図83に示すように、大当り当選時または天井発動時に対応した演出を選択対象とすることができるだけとなり、演出の種類数に関しては、図82の場合よりも少なくなるが、その分、制御負担を軽減することができるという利点がある。なお、図83では、図81や図82に示す支援時短当選時用の回避A演出を選択対象としていないが、本ケースでは、回避A演出を選択可能とする必要性に乏しく、天井発動時専用の回避B演出だけを選択対象としている。なお、図83(A)(B)に示す各種の演出種別のうち、いずれを選択対象と定めるかは自由である。たとえば、図83(D)に示す演出種別を選択対象として定めれば、図77に示す演出例B(実線部の演出ルート)と同様の演出が現出されることになる(図78(D)(E1)(F1)と、図78(D)(E3)(F3)の実線部の演出ルート参照)。
上記した実施形態は、下記の構成(1)〜構成(6)とすることができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)遊技領域(図2の遊技領域3a)に遊技球を発射可能な発射手段(発射装置13、図3)と、
始動手段(始動口34、35)が遊技球を検出したことを契機に、複数種類の当りを対象に抽選を行う抽選手段(図66のS410)と、
上記抽選手段による抽選結果が当りである場合、当り遊技を実行制御する当り遊技実行制御手段(図21)と、
図柄の変動表示を行い、当該図柄の停止表示態様により上記抽選手段による抽選結果を表示する図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b)と、を備える遊技機であって、
上記当りとなる抽選確率が所定の通常確率の低確率状態を伴う低確遊技状態と、当該通常確率よりも高確率となる高確率状態を伴う高確遊技状態とを制御可能な遊技状態制御手段(図4、図7A、図7Bなど)と、
所定の開始条件が成立した後、上記当り遊技実行制御手段により上記当り遊技が発生されずに、上記低確遊技状態で実行された図柄の変動回数が所定の上限回数(たとえば、1000回)に達した場合に通常状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態(天井特典)に制御する特典遊技状態制御手段(図61B(天井モード、天国モードの欄))と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
(2)始動手段への入球状態が通常遊技状態よりも有利な入球有利状態(たとえば、電サポ状態)を伴う有利遊技状態(たとえば、時短状態)に制御する有利遊技状態制御手段(図6(時短モードの欄))をさらに備え、
上記有利遊技状態制御手段は、上記当り遊技後に上記有利遊技状態を制御可能に構成された、
ことを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
(3)上記特典遊技状態と上記有利遊技状態とは、遊技者に対する有利度が異なる(たとえば、天井時短による時短回数と、大当りまたは支援時短による時短回数とが異なるケース)、
ことを特徴とする上記(2)に記載の遊技機。
(4)上記有利遊技状態制御手段は、
上記抽選手段により当選した当り種別に応じて、少なくとも第1有利遊技状態(たとえば、時短100回)と、当該第1有利遊技状態よりも有利度が高い第2有利遊技状態(たとえば、時短200回)とを少なくとも制御可能に構成された、
ことを特徴とする上記(2)に記載の遊技機。
(5)上記特典遊技状態制御手段は、
上記特典遊技状態として上記第1有利遊技状態に制御する(たとえば、天国時短が時短回数100回ケース)、
ことを特徴とする上記(4)に記載の遊技機。
(6)上記特典遊技状態制御手段は、
上記特典遊技状態として上記第2有利遊技状態に制御する(たとえば、国時短が時短回数200回ケース)、
ことを特徴とする上記(4)に記載の遊技機。
(7)遊技状態に関連する複数種類の演出モードを制御可能な演出制御手段をさらに備え(演出制御部24)、上記特典遊技状態に係る演出モードと上記有利遊技状態に係る演出モードとは異なる演出モードである(たとえば、時短演出モード(図61A)、天国演出モード(図63B))、
ことを特徴とする上記(2)〜(6)のいずれかに記載の遊技機。
(機種タイプに関する変形例)
本発明に係る遊技機は、遊技状態の移行形態を下記のように定めた機種、たとえば、下記同時変動タイプの機種としてもよい。
(機1)『同時変動タイプ』
特図1の変動表示と特図2の変動表示とを並行して実行可能に構成された、いわゆる「同時変動タイプ」としてもよい。たとえば、特開2015−171527号公報に開示される、いわゆる「同時変動機」である。同時変動機において、天井ゲーム数の監視対象を、特図1の変動表示回数(実行ゲーム数)および特図2の変動表示回数(実行ゲーム数)の合計変動回数(合計実行ゲーム数)とする場合、一方の特図で通常小当りに当選し、他方の特図を強制ハズレ停止させるとき、当該強制ハズレ停止される特図も1回の変動表示がなされたものとしてカウントする。
<外端信号について>
次に、枠用外部端子基板21から出力する外端信号について説明する。上記枠用外部端子基板21には、外部出力用の複数のチャネルが設けられている。各チャネルに対応するコネクタと、データカウンタDTまたはホールコンピュータHC側のコネクタとはケーブルによって接続されている。そして、各コネクタ(情報端子)からはそれぞれ一つの信号が外部に出力されるようになっている。
本実施形態に係る枠用外部端子基板21の情報端子を通じて遊技機外部に出力される外端信号には、たとえば、特開2019−058433に開示されるような下記(1)〜(10)の信号がある。
(1)特別図柄1および特別図柄2の変動表示が停止したときに出力される「特別図柄確定信号(情報端子1)」。変動停止から100ms間出力。
(2)始動口センサ34a、35aが遊技球の通過を検出したときに出力される「始動口信号(情報端子2)」。遊技球の通過を検出したときから100ms間出力。
(3)特別図柄時短機能(特別図柄時短状態フラグ)が作動中(電サポ状態中)および大当り遊技中のときに出力される「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」。本実施形態では、特別図柄時短機能が作動中の場合は、電サポ状態中と同義であるため、電サポ有無を指定する普電役物開放延長状態フラグや特別図柄時短状態フラグ、その他、電サポ状態が特定可能であれば他のフラグを設けて、そのフラグのON/OFF状態に基づき、電サポ状態中であるか判断してもよい。また、大当り遊技中であるか否かの判断は、条件装置作動フラグや役物連続作動装置作動フラグのON/OFF状態により判断することができる。
(4)役物連続作動装置が作動中に出力される「大当り中信号(情報端子4)」。役物連続作動装置作動フラグがON状態のときに出力する。
(5)上始動口センサ34aが遊技球を検出したときに出力される「特別図柄1始動口信号(情報端子5)」。上始動口センサ34a遊技球検出時から100ms間出力。
(6)下始動口センサ35aが遊技球を検出したときに出力される「特別図柄2始動口信号(情報端子6)」。下始動口センサ35a遊技球検出時から100ms間出力。
(7)特別図柄1の変動表示が停止したときに出力される「特別図柄1確定信号(情報端子7)」。特別図柄1変動停止から100ms間出力。
(8)普通図柄始動口センサ37aが遊技球を検出したときに出力される「普通図柄始動口信号(情報端子8)」。普通図柄始動口センサ37a遊技球検出時から100ms間出力。
(9)入賞口に入賞があった場合、その賞球数を加算し、合計値が10個以上となる毎にその合計値から10を減算するとともに出力する「メイン賞球信号(情報端子9)」。
(10)RAMクリア時(RAMクリア時から30000ms間出力)、大入賞口50または下始動口35に対する不正入賞検出時(不正入賞検出時から解除後30000ms間出力)、磁気センサによる不正磁気検出時(磁気検出から解除後30000ms間出力)、電波センサによる不正電波検出時(電波検出から解除後30000ms間出力)、普通図柄始動口センサ37aに対する不正入賞検出時(普通図柄始動口センサ37aの不正入賞検出(200ms連続ON検出)から解除後30000ms間出力)、振動センサによる不正振動検出時(不正振動検出から解除後30000ms間出力)などの不正等に関する事象の発生時に出力する「セキュリティ信号(情報端子10)」
なお主制御部20は、各信号の出力契機が到来したタイミングで、情報端子1〜10から対応する外端信号を所定時間(たとえば、100ms間、30000ms間)出力するが、出力信号が連続しないように所定時間(たとえば、100ms)空けて出力する。また、情報端子1〜8の外端信号は、外部端子ポート1(8ビットの出力ポート(不図示)))から出力され(情報端子1〜8は、外部端子ポート1のビット0〜ビット7にそれぞれ対応)、情報端子9〜10の外端信号は、外部端子ポート2(8ビットの出力ポート(不図示)))から出力される(外部端子ポート2のビット0は情報端子9、ビット1は情報端子10に対応し、ビット2〜7は未使用)にそれぞれ対応)。
上記したデータカウンタDTは、現在、殆どのパチンコホールにおいて、遊技台ごとに設置されており、またホールコンピュータHCは、パチンコホールの遊技台の稼働状況等を管理するホール必須のコンピュータである。データカウンタDTは、たとえば、大当り中に出力される上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」を受信すると、大当りが発生した旨を報知したり、大当り回数を更新したりする。これにより、遊技者に対して大当り発生を知らせるだけでなく、周囲の遊技者やホール店員にも大当り発生中の遊技台であることが報知され、大当り発生を容易に識別できるようになっている。ホールコンピュータHCは、各種の外端信号に基づき、個々の遊技台の出玉状況(差玉情報や遊技状態に応じたベース、大当り中のベース(特賞数)などの算出)や稼働状況(図柄変動表示ゲームの実行およびその回数、大当り回数などの管理)をリアルタイムに監視したり、遊技台が正常に稼働しているか否かを監視(ゴト行為・エラーの監視)し、必要な情報を専用モニタに表示する。データカウンタDTやホールコンピュータHCは、一般的には、外端信号の非受信(入力無し)から受信(入力有り)や受信(入力有り)から非受信(入力無し)などの信号入力状態を監視して(信号のON/OFFエッジの監視)遊技状況を把握し、必要な情報を報知可能に構成されている。
(天井時短状態中の初当り、連荘の判断について:図94)
ここで、上記「天井時短」を設けた場合に、従来と同じ出力の仕方で外端信号を出力すると、外部装置(データカウンタDT、ホールコンピュータHC)が「初当り」を判断できないという問題が生じうる。たとえば、データカウンタDTにより連荘回数を報知する場合、現在の大当りが連荘状態にあるのか否かを判断できない。図94で扱う「初当り」とは、通常状態中の大当りの当選、または天井時短状態中の大当り当選をいう。上記問題について、図94を用いて説明する。
<従来のケース:通常状態中に大当りとなったケース>
図94(A)を参照して、従来の場合、外部装置が「初当り」、「連荘(電サポ状態中における大当りの当選)」であると判断する仕方は、次に述べる通りである。
(波1−1)通常状態から大当り中(大当り遊技中)に遷移した場合、上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」の2つの信号が出力される。したがって、外部装置側では、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信無しの状態(入力無し)から受信有りの状態(入力有り)の遷移したときに、通常状態中の大当り当選、すなわち「初当り」であると判断する。
(波1−2)また「大当り中信号(情報端子4)」が受信無し、かつ上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が受信有りの状態から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移したときは、電サポ状態中に当選した大当り、すなわち、今回の大当りは「連荘」中の大当りであると判断する。なお、図示の「時短抜け」の表記は、大当り時短状態による時短回数が消化され、通常状態に移行したことを意味する。
<従来のケース:天井時短状態中に大当りとなったケース>
(波2)しかし、従来の判断の仕方では、天井時短状態中から大当りした場合に問題が生じうる。天井時短状態中は特図時短状態(電サポ状態中)であるため、図示の通り、上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力され、「大当り中信号(情報端子4)」は出力されていない(大当り時短状態中と同じ信号出力状態となる)。この状態で、大当りが当選すると、上記(波1−2)と同じく、「大当り中信号(情報端子4)」が受信無し、かつ上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が受信有りの状態から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移するため、今回の大当りが「初当り」であるにもかかわらず、「連荘」中の大当りであると判断してしまう。そうすると、たとえば、データカウンタDTが正しく機能しない恐れがある(たとえば、連荘中である旨や連荘回数を正しく報知できないなど)。
<本実施形態のケース:天井時短状態中に大当りとなったケース>
(波3)そこで本実施形態では、新たな情報端子Xを設け(たとえば、外部端子ポート2の未使用のビット3を情報端子X(情報端子11)に割り当てる)、天井時短状態中ある旨を特定可能な信号(天井中信号)を出力可能に構成する。これにより、天井時短状態中であるか否かを特定可能とし、天井時短状態中の大当りであるか否かを判定することができるようになっている。
具体的には、“少なくとも「天井中信号(情報端子X)」が受信有りの状態”から、“「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態”に遷移した場合には、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「初当り(天井時短状態中の大当り)」によるものであると判別することができる。これにより、上記問題(初当りを連荘中の大当りとして判断してしまう問題)を解決することができる。天井中信号を出力するか否かについては、上記「天井発動中フラグ」のON/OFF状態を確認し、当該フラグがON状態であれば、天井中信号を出力すればよい。
(伊21、伊22)なお、外部装置側が天井時短状態に関する情報(たとえば、現在の遊技状態が天井時短状態中であるか否か、天井時短状態中のベース、天井時短状態中のゲーム実行回数、天井時短の実行回数(天井機能の発動回数)など)を特に必要としない場合、天井時短状態が生起しても(天井発動中フラグがONであっても)、外端信号は出力しないように構成してもよい。また、上記(波2)のように、大当り後の時短状態に係る信号(大当り・変動短縮信号(情報端子3))と共通としてもよい。
(伊57)また図94(C)では、天井時短状態中は天井中信号を出力しているが、外部装置側にて、天井時短状態中に関する必要な情報が限られている場合(たとえば、データカウンタDTに天井機能発動を報知するだけの場合や、大当り時短状態と天井時短状態とを区別する必要がない場合など)、天井時短状態が生起したときだけ、天井中信号を所定時間出力してもよい。たとえば、天井発動中フラグがONになったとき、100ms間出力する。
(支援時短状態中の初当り、連荘の判断について:図95)
上記「支援時短」を設けた場合において、従来と同じ出力の仕方で外端信号を出力する場合も、先述した天井時短状態と同様に、支援時短状態中の大当りが「初当り」であるか否かを、外部装置(データカウンタDT、ホールコンピュータHC)が判断できないという問題がある。図95で扱う「初当り」とは、通常状態中の大当りの当選、または支援時短状態中の大当り当選をいう。
上記問題について、図95を用いて説明する。図95(A)〜(C)は、上記図94(A)〜(C)の天井時短(天井時短状態)の表記を支援時短(支援時短状態)に置き換えたものと同じである。そのため、図95(A)〜(C)において、図94と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために省略する。ここでは、図95(A)についての説明は省略し、図95(B)(C)については、図94(B)(C)と異なる点を中心に説明する。
<従来のケース:支援時短状態中に大当りとなったケース>
(似1)支援時短状態中から大当りした場合、従来の判断の仕方(図95(B))では問題が生じうる。詳述するに、支援時短状態中は特図時短状態(電サポ状態)中であり、図(B)に示す通り、上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力され、「大当り中信号(情報端子4)」は出力されていない。この状態で、大当りが当選すると、「大当り中信号(情報端子4)」が受信無し、かつ上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が受信有りの状態から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移するため、図94で説明した天井時短状態と同様に、今回の大当りが「初当り」であるにもかかわらず、「連荘」中の大当りであると判断してしまう。
<本実施形態のケース:支援時短状態中に大当りとなったケース>
(似2)そこで本実施形態では、図94において説明した天井時短状態と同様に、新たな情報端子Yを設け(たとえば、外部端子ポート2の未使用のビット3を情報端子Y(情報端子11)に割り当てる)、支援時短状態中ある旨を特定可能な信号(支援時短中信号)を出力可能に構成する。これにより、支援時短状態中の大当りであるか否かを判定することができるようになっている。
具体的には、“少なくとも「支援時短中信号(情報端子Y)」が受信有りの状態”から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移した場合には、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「初当り(支援時短状態中の大当り当選)」によるものであると判別することができる。これにより、上記問題(初当りを連荘中の大当りとして判断してしまう問題)を解決することができる。なお、支援時短中信号を出力するか否かについては、上記「支援時短中フラグ」のON/OFF状態を確認し、当該フラグがON状態であれば、支援時短中信号を出力すればよい。
(伊1、伊2)なお、外部装置側が支援時短状態に関する情報(たとえば、現在の遊技状態が支援時短状態中であるか否か、支援時短状態中のベース、支援時短状態中のゲーム実行回数、支援時短の実行回数(支援時短の当選回数)など)を特に必要としない場合、支援時短状態が生起しても(支援時短中フラグがONであっても)、外端信号は出力しないように構成してもよい。また、上記(似1)のように、大当り後の時短状態に係る信号(大当り・変動短縮信号(情報端子3))と共通としてもよい。
(伊16)また、図95(C)では、支援時短状態中は支援時短中信号を出力しているが、外部装置側にて、支援時短状態中に関する必要な情報が限られている場合(たとえば、データカウンタDTに支援時短当選を報知するだけの場合や、大当り時短状態と支援時短状態とを区別する必要がない場合など)、支援時短状態が生起したときに、または支援時短の当選ゲームが終了したとき(変動時間が経過したとき)、支援時短中信号を所定時間出力してもよい。たとえば、支援時短中フラグがONになったとき、または支援時短当選ゲームの変動時間が経過したとき(図16のS454参照)、100ms間出力する。
(支援時短状態中に天井時短が生起した場合の初当り、連荘の判断について:図96)
次に図96を用いて、当選種別に「大当り」と「支援時短」とを少なくとも設け、かつ天井特典に「天井時短」を設けた場合において、支援時短状態中に天井時短が生起した場合の初当り、連荘の判断の仕方について説明する。図96で扱う「初当り」とは、通常状態中の大当りの当選、支援時短状態中の大当り当選、または天井時短状態中の大当り当選をいう。
支援時短および天井時短を設けた場合は、時短状態に属する内部遊技状態が、支援時短状態、天井時短状態、および大当り時短状態という「3状態」が少なくとも生じうる。この3状態を区別するために、支援時短中信号(第1時短対応信号)と天井中信号(第2時短対応信号)とを少なくとも出力可能に構成することが好ましい。図示の例では、時短状態に属する複数の内部遊技状態を判別可能な外端信号として、支援時短中信号(情報端子Y;第1時短対応信号)と、天井中信号(情報端子X:第2時短対応信号)と、大当り時短状態中を特定可能な外端信号(情報端子3:第3時短対応信号)を出力可能に構成した例を示してある。
本例に係る情報端子については、たとえば、外部端子ポート2の未使用のビット3、4を、それぞれ情報端子X(情報端子11)と情報端子Y(情報端子12)とに割り当てればよい。この場合、図94および図95で説明した技術事項を適用すれば、「支援時短中信号」、「天井中信号」、および「大当り・変短信号」に基づき、現在の遊技状態が、支援時短状態中、天井時短状態中、および大当り時短状態中のいずれであるかを判別可能となる。たとえば、支援時短状態中に天井時短状態が生起し、その天井時短状態中の大当りが「初当り」とする判別の仕方としては、図96(A)を参照して、“少なくとも「天井中信号(情報端子X)」が受信有りの状態(図示では「天井中信号(情報端子X)」および「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力されている状態)”から、“「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態”に遷移した場合には、これを天井時短状態中の当選と判別し「初当り」として処理することができる。また、図示はしていないが、天井時短状態中に支援時短が生起し、その支援時短状態中の大当りが「初当り」とする判別の仕方としては、“少なくとも「支援時短中信号(情報端子Y)」が受信有りの状態(「支援時短中信号(情報端子X)」および「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力されている状態)”から、“「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態”に遷移した場合には、これを支援時短状態中の当選と判別し「初当り」として処理することができる。
(伊67、伊68)なお、外部装置側が天井時短状態中に関する情報を特に必要としない場合には「天井中信号」を出力しない構成としてもよく、また、支援時短状態中に関する情報を特に必要としない場合には「支援時短中信号」を出力しない構成としてもよい。すなわち、外部装置側の性能(外部装置側が如何なる情報を必要とするか)に応じて、「天井中信号」および「支援時短中信号」の少なくとも1つの外端信号を出力可能に構成することができる。また、「天井中信号」および「支援時短中信号」の少なくとも1つを「大当り・変動短縮信号」と共通の外端信号としてもよい。
(外端信号出力形態の変形例:図96(B))
次に図96(B)を用いて、図96(A)の変形例について説明する。
図96(B)に示す変形例の特徴点は、図(B)からも分かる通り、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」を、“支援時短状態中”と“天井時短状態中”には出力せず、“大当り中および大当り時短状態中”に出力する、という点である(図(B)の情報端子3(大当り・変動短縮信号α)参照)。
本変形例の場合、時短状態に関連する信号に関し、支援時短状態中は専用の「支援時短中信号(情報端子Y)」だけが出力され、天井時短状態中は専用の「天井中信号(情報端子X)」が出力され、大当り中および大当り時短状態中は専用の「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力される。したがって、外部装置側が「初当り」を判別する際には、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信無しの状態から受信有りの状態に遷移した場合には、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「初当り」によるものであると判別することができる。また「大当り中信号(情報端子4)」が受信無し、かつ上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が受信有りの状態から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移したときは、今回の大当りは「連荘」中の大当りであるとして、容易に処理することができるようになる。
なお、上記変形例(図96(B))は、図94(C)に示す「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」、図95(C)に示す「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」のいずれにも適用することができる。詳しくは、図94(C)の場合には、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が、天井時短状態中には出力されず、大当り中および大当り時短状態中には出力される構成である。また、図95(C)の場合には、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が、支援時短状態中には出力されず、大当り中および大当り時短状態中には出力される構成である。
(石1)本変形例(図96(B))を図94(C)のケースに適用した場合、天井時短状態中に「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力されないため、図94(A)と同じ手法により、「初当り」、「連荘」中の大当りと判別することができる。具体的には、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が、受信無しの状態から受信有りの状態に遷移した場合、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「初当り(天井時短状態中の大当り当選)」によるものであると判別することができる。また「大当り中信号(情報端子4)」が受信無し、かつ上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が受信有りの状態から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移したときは、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「連荘中の大当り」によるものであると判別することができる。
(石2)また、本変形例を図94(C)のケースに適用した場合、支援時短状態中に「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が出力されないため、図95(A)と同じ手法により、「初当り」、「連荘」中の大当りと判別することができる。具体的には、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が、受信無しの状態から受信有りの状態に遷移した場合、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「初当り(支援時短状態中の大当り当選)」によるものであると判別することができる。また「大当り中信号(情報端子4)」が受信無し、かつ上記「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」が受信有りの状態から、「大当り・変動短縮信号(情報端子3)」および「大当り中信号(情報端子4)」が受信有りの状態に遷移したときは、当該「大当り中信号(情報端子4)」が「連荘中の大当り」によるものであると判別することができる。
以上で説明した図96(B)の構成は、時短状態が複数ある場合であっても、その時短状態の別を外部装置側の制御負担を増すことなく、判別可能になる。その結果、時短状態が複数ある場合であっても、初当りおよび連荘中の大当りの判別処理や、初当りを含む連荘中の大当り回数のカウント処理、その他、各時短状態におけるベースの算出処理などが複雑化せず、外部装置側の制御負担の軽減に寄与することができる。
[或る遊技状態から天井時短状態に突入した場合の演出例:図85〜図90]
次に、図85〜図90を参照して、或る遊技状態から天井到達による天井機能が発動し、天井特典状態に突入した場合の演出例について説明する。ここでは、天井機能を有するタイプとして、ゲーム開始時天井発動型(図85〜図87)と、ゲーム終了時天井発動型(図88〜図90)とを採用したケースについて説明する。なお、ここでは、カウント形態として上記「低確遊技カウント形態」とし、天井ゲーム数を1000回、天井特典として天井時短(時短回数を1000回)としたもの代表例にとり説明する(後述の図86〜図90も同様)
<天井時短状態中に天井機能が発動するケース(ゲーム開始時天井発動型の場合)>
(伊119−120)図85は、ゲーム開始時天井発動型において、連続して天井に到達したケースにおける演出例を示したものである。
図85を参照して、ここでは、初回(1回目)は通常状態から天井に到達したケースを、2回目は天井時短状態から天井に到達したケースを示してある。連続して天井に到達した場合には、以下に述べる演出内容とすることが好ましい。
(初回の天井到達時)
ゲーム開始時天井発動型の場合、既に説明した通り、天井ゲーム(1000回転目)の図柄変動開始(ゲーム開始)を契機に天井機能が発動し、天井時短状態が生起する(たとえば、図51〜図55(天機A)、図59〜図63B(天機C1)、図64(天機C1の変形例)参照)。そこで、1000回転目のゲーム開始を契機に、「演出画面移行演出」を現出するようになっている。この演出画面移行演出は、遊技モード移行時に現出される演出であり、たとえば、ブラックアウト演出や、シャッター表示の前後で背景画像等を変化させ、遊技モード移行を報せるといった、所謂「シャッター演出」などが該当する。また、天井機能の発動に伴い、天井発動中フラグがON状態に設定される(図53のステップS923、図60のステップS923A)。CPU201は、天井発動中フラグがON状態になったことを確認すると、外端信号として、天井中信号を出力する(図9のステップS099)。これにより、天井時短状態中である旨が外部装置(ホールコンピュータHCやデータカウンタDT)に送られる。
そして、演出画面移行演出を終えると、天井演出モード用の演出画面が表示され、天井到達が報知される(図示の天井突入報知)。このとき、所定の変動中演出(たとえば、図49Bの備考1の天井突入演出781を含む演出)とともに、第1右打ち指示演出として、液晶画面上に大きく「⇒右打てぇ!」や「おぉもぉかぁぁぁじぃ!」の演出画像や文字画像が大々的に表示され(図示の右打ち報知(大))、第2右打ち指示演出として、液晶画面の右隅部に、小さく「⇒」の画像が表示され(図示の右打ち報知(小))、右打ち報知LED(右打ち表示装置39b)が点灯する。これにより、遊技者は「右打ち有利」な状態に突入したことを把握し、右打ちを開始する。なお、第1右打ち指示演出(右打ち報知(大))は、いつまでも大々的に表示しておく必要がないため、ゲームの途中で終了され、第2右打ち指示演出(右打ち報知(小))が継続報知されるようになっている。また、右打ち報知LED(右打ち表示装置39b)は電サポ状態が終了するまで点灯を維持する。
天井ゲームが終了すると、遊技モードが「天国モード」に移行され、天国演出モード下での演出が現出される。なお、次回天井ゲーム数までの残余天井ゲーム数を演出的に報知する「残余天井回数表示演出(図示の残余天井ゲーム数報知)」および/または残りの時短回数を演出的に報知する「残余時短回数報知演出(不図示)」は、実行してもよいし、実行しなくてもよい(後述の図86〜図90も同様)。また本例において、天井ゲームにおいて現出される一連の演出は、たとえば「天井変動(図75の「天井」の欄参照)」に基づく演出である(後述の図86〜図90も同様)。
(2回目回の天井到達時)
遊技が進行して、大当りに当選することなく、2000回転目、つまり、2回目の天井ゲームに到達し、再度、天井機能が発動して天井時短が付与される。この2回目の天井ゲームでは、初回の天井ゲームにて現出された「演出画面移行演出」や大きく「右打ち→」の画像を表示する第1右打ち指示演出など、天井時短突入に関する演出は既に行っているため、再度現出しないようになっている。その替わりに、天井時短状態が継続であることを報知する「天井継続報知演出(図示の天井継続報知)」を現出させてもよい。また、上記残余天井回数表示演出により新たに更新された時短回数を報知してもよい(図示の残余天井ゲーム数報知)。なお、上記天井継続報知演出および残余天井回数表示演出は、いずれも実行しなくてもよいし、少なくとも一方を実行してもよい。
このように、2回目以降の天井ゲーム中の演出は、初回の天井ゲーム中の演出とは異なるが、本構成によれば、遊技進行状況に応じた演出を行うことにより、遊技者に違和感を与えないようにすることができる点に特徴がある。なお、天井機能発動(天井到達)の連荘回数は、主制御部20側で管理し、その情報を演出制御部24側に送信して、演出制御部24側においても連荘回数を管理可能に構成すればよい(後述の図88に示す演出例についても同様)。
(変形例:伊121)
上記では、2回目以降の天井ゲーム中の演出は、初回の天井ゲーム中の演出とは異なる演出を実行すると説明した。しかし本発明はこれに限らず、初回の天井ゲーム(通常状態から天井に到達した場合)中に実行される演出と、連続2回目以降の天井ゲーム中(天井時短状態中から天井に到達した場合)に実行される演出とで共通(同一)の演出を実行してもよい。本構成によれば、再度天井回数がリセットされたこと、つまり、再度、天井機能が発動して天井特典が付与されたことを遊技者が把握し易いようにするためである。初回と2回目以降とで、同じ天井変動が選択され、これに基づく演出も共通のため、制御負担の軽減に繋がる。さらに、本実施形態では、大当り抽選確率上、2回目以降の天井到達は、非常に稀なケースと考えられる。このようなケースでは、天井到達が連荘して際に、毎回同じ演出を実行しても特に問題はないと考えられる。なお、この(伊121)の例は、後述の図88についても同様である。
<大当り時短状態中に天井機能が発動するケース(ゲーム開始時天井発動型の場合)>
(伊122)図86の演出例は、大当り時短状態中に天井に到達し、天井特典として、ゲーム開始時天井発動型の天井時短状態が発動したケースを示したものである。なお、図85で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
図86を参照して、1000回転目の天井ゲームが開始されると、ゲーム開始を契機に上記「演出画面移行演出(シャッター演出)」が現出される。また、天井機能が発動に伴い、天井発動中フラグがON状態に設定される。CPU201は、天井発動中フラグがON状態になったことを確認すると、外端信号として、天井中信号を出力する(図9のステップS099)。この点は、図85のケースと同様である。
しかし本例の場合、天井時短が生起する前は、電サポ状態中であることを指定する「入賞容易フラグ」がON状態となっており、このフラグに基づいて、外端信号として、大当り時短状態を示す「大当り時短信号」が出力されている(ON状態=出力、OFF状態=出力停止)。入賞容易フラグは、電サポ状態の有無を指定する普電役物開放延長状態フラグや特別図柄時短状態フラグであってもよいし、電サポ状態中の有無を指定するために別途設けたフラグであってもよい。これにより、大当り時短状態中である旨が外部装置(ホールコンピュータHCやデータカウンタDT)に送られる。なお、天井機能の発動タイミング(たとえば、天井発動中フラグがONのタイミング)にて、大当り時短信号と入賞容易フラグとをOFF状態にしているが、入賞容易フラグはON状態を維持し、大当り時短信号だけを出力しないように構成してもよい。また、入賞容易フラグをON状態としたままであっても、天井発動中フラグがON状態であることを条件として、大当り時短信号を出力しないようにしてもよい。
大当り時短状態中に天井に到達して天井時短状態が生起する場合は、天井到達前から既に「右打ち有利」の電サポ状態であるため、「右打ち報知(小)+右打ちLED」が継続しており、「右打ち有利である」という状況を、改めて大々的に報知する必要が無い(図示の「右打ち報知(小)+右打ちLED」参照)。したがって本例では、上記「第1右打ち指示演出(右打ち報知(大))」は実行していない。
(伊123)大当り時短状態と天井時短状態とが共通の演出モードではなく、個別の演出モードで構成されているような場合(たとえば、時短演出モードと天井演出モード)、天井に到達したことを遊技者が認識し易いようにするために、演出画面移行演出、天井突入演出などは行うようにする。また、天井到達時は専用の変動パターンテーブル(図75に示す「FH90」:同図「天井」の欄参照)を利用し、大当り時短状態中に利用される時短用変動パターンテーブル(図40、図41)は利用しないようになっている。大当り時短状態と天井時短状態とが共通の演出モードの場合は、当該演出モードを継続させればよい。なお、図示では、大当り時短状態中の演出モードが「時短演出モード」である例を示しているが、本発明はこれに限らず、大当り時短状態中専用の時短演出モード(大当り時短演出モード)を設けてもよい。
<支援時短状態中に天井機能が発動するケース(ゲーム開始時天井発動型の場合)>
(伊124)図87の演出例は、支援時短状態中に天井に到達し、天井特典として、ゲーム開始時天井発動型の天井時短状態が発動したケースを示したものである。なお、図85、図86で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
図87を参照して、図示の内容からも分かる通り、1000回転目の天井ゲーム中の演出については、図86に示す大当り時短状態が支援時短状態に置き換わっただけで、支援時短状態中から天井に到達した場合も、実質的に図86で説明した内容と同じである。また、天井直前の999回転目についても同様に、図86に示す大当り時短状態が支援時短状態に置き換わっただけで、実質的に図86で説明した内容と同じである。したがってここでは、重複記載を避けるために、図示の外端信号を中心に説明する。
本例の場合、天井時短状態が生起する前は、支援時短中フラグがON状態となっており、このフラグに基づいて、外端信号として、支援時短状態を示す「支援時短中信号」が出力されている。これにより、支援時短状態中である旨が外部装置(ホールコンピュータHCやデータカウンタDT)に送られる。なお、天井機能の発動タイミングにて、支援時短中信号と支援時短中フラグとをOFF状態にしているが、支援時短中フラグはON状態を維持し、支援時短中信号だけを出力しないように構成してもよい。また、支援時短中フラグをON状態としたままであっても、天井発動中フラグがON状態であることを条件として、支援時短中信号を出力しないようにしてもよい。
(伊124)なお、支援時短状態と天井時短状態とが共通の演出モードではなく、個別の演出モードで構成されているような場合(たとえば、時短演出モードと天井演出モード)、天井に到達したことを遊技者が認識し易いようにするために、演出画面移行演出、天井突入演出などは行うようにする。また、天井到達時は専用の変動パターンテーブル(図75に示す「FH90」:同図「天井」の欄参照)を利用し、支援時短状態中に利用される時短用変動パターンテーブル(図40、図41)は利用しないようになっている。支援時短状態と天井時短状態とが共通の演出モードの場合は、当該演出モードを継続させればよい。なお、図示では、支援時短状態中の演出モードが「時短演出モード」である例を示しているが、本発明はこれに限らず、支援時短状態中専用の時短演出モード(支援時短演出モード)を設けてもよい。この(伊124)は、後述の図90も同様である。
<天井時短状態中に天井機能が発動するケース(ゲーム終了時天井発動型の場合)>
図88は、ゲーム終了時天井発動型において、上記した図86と同様に、連続して天井に到達したケースにおける演出例を示したものである。なお、図85〜図87で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
(初回の天井到達時)
ゲーム終了時天井発動型の場合、既に説明した通り、天井ゲーム(1000回転目)の確定表示時間終了(ゲーム終了)を契機に天井機能が発動し、天井時短状態が生起する(たとえば、図56〜図58(天機B)、図65〜図69(天機D1)、図70(天機D1の変形例)参照)。したがって、次のゲームが開始されるか否かによらず、天井ゲーム終了後(所定の図柄確定表示時間経過後)、天井時短状態に突入する(図示の図柄停止期間経過後参照)。そこで本例では、ゲーム開始時天井発動型には無い、特異な演出系を実行するようになっている。なお、本演出例では、上記「特殊天井モード形態」を採用した例を示してある。
ゲーム終了時天井発動型の場合には、天井ゲーム終了時に天井時短状態に突入する点に着目し、天井ゲーム(1000回転目)の図柄の変動時間が経過した場合(たとえば、図柄の変動時間経過時〜確定表示時間経過前の所定のタイミング)、天井機能が発動する旨(将来的に天井機能が発動する旨(天井発動事前報知))、または天井機能発動中である旨(天井時短状態中である旨)を報知可能な「天井発動演出(天井突入報知演出781であってもよい)」を実行する。
上記天井発動演出は、図示のように、次ゲームが開始されるまで実行可能となっている。これにより、天井ゲーム終了時に作動保留球がゼロとなり、客待ち待機中の期間に入っても、天井発動演出が実行されているため、今回のゲーム終了時に天井時短状態に突入することを遊技者に対して報知することができる。天井発動演出は、右打ち指示演出が現出されていない場合であっても、実質的に右打ち有利な状況であることを報知できる点で、ゲーム終了時天井発動型の場合に好適である。本例では、図示のように、天井機能が発動しても、作動保留球がゼロであれば次ゲームが開始されるまで、通常モード下の演出画面のまま客待ち待機中に入るようになっている。このような場合に、天井発動演出を現出させれば、遊技者は客待ち待機中であっても天井時短状態中であることを容易に把握することができる。
なお、天井ゲーム終了を契機に、右打ち指示演出を開始することもできる(上記天井発動演出と同時的(重複的)に実行してもよい)。本例では、図示のように、天井ゲームの図柄停止期間経過後、つまり確定表示時間の経過後、上記「第1右打ち指示演出(右打ち報知(大))」を現出させ、右打ち有利な状況であることを遊技者に報知する例を示してある。第1右打ち指示演出は、客待ち演出(デモ表示)中にも表示可能とすることが好ましい。また、第1右打ち指示演出を実行する場合は、上記天井発動演出は実行しなくてもよい。
また、天井ゲーム終了に伴い、天井機能が発動して、天井発動中フラグがON状態に設定される(図58のステップS923、図69のステップS923A)。CPU201は、天井発動中フラグがON状態になったことを確認すると、外端信号として、天井中信号を出力する(図9のステップS099)。これにより、天井時短状態中である旨が外部装置(ホールコンピュータHCやデータカウンタDT)に送られる。
作動保留球が発生した場合には、1001回転目のゲームが開始される。図示から分かる通り、1001回転目のゲーム中の演出については、図86に示す1000回転目の演出内容(演出画面移行演出、天井突入報知など)と実質的に同じである。したがって、ここでは重複記載を避けるために説明を省略する。
天井ゲームが終了すると、遊技モードが天井モードから「天国モード」に移行され、天国演出モード下での演出が現出される(図86の演出例と同様)。
(2回目回の天井到達時)
遊技が進行して、大当りに当選することなく、2000回転目、つまり、2回目の天井ゲームに到達し、再度、天井機能が発動し、天井時短が付与される。この2回目の天井ゲームでは、図86で説明した演出内容と同じく、初回の天井ゲームにて現出された「演出画面移行演出」や大きく「右打ち→」の画像を表示する第1右打ち指示演出などは、再度現出しない。その替わりに、天井継続であることを報知する「天井継続報知演出(図示の天井継続報知)」を現出させてもよい。
<大当り時短状態中に天井機能が発動するケース(ゲーム終了時天井発動型の場合)>
図89の演出例は、大当り時短状態中に天井に到達し、天井特典として、ゲーム終了時天井発動型の天井時短が発動したケースを示したものである。本例は、1000回転目の天井ゲームにおいて作動保留球が存在するケースを示してある。なお、図86と図88で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
図89を参照して、1000回転目の天井ゲームの図柄停止表示期間の終了時(変動時間終了時または図柄確定表示時間経過時)に、天井機能が発動し、天井時短状態が生起する。本例の場合、1000回転目終了時に作動保留球が存在するケースについて説明しているので、次ゲーム開始時には既に、天井時短状態中となっている。ここで混同してはならないのは、ゲーム終了時天井発動型の場合は、天井ゲーム時に作動保留球が有るからといって、次ゲームに天井時短状態が生起する(天井機能が発動する)訳ではない。あくまでも、天井ゲームの終了時に、天井時短状態が生起する。処理上は、天井ゲームにおける確定表示時間経過後、たとえば、図68A〜図68Bの特別図柄確認時間中処理中において図69のゲーム終了時天井発動管理処理が実行されて、天井機能が発動する。したがって、天井ゲーム終了時に作動保留球が有る場合は、正確には、天井ゲーム終了時に天井時短状態が生起した後、次の4ms後の割込処理にて、時系列的に最も古い作動保留球を対象とした特別図柄管理処理(図9のS092)が実行されて、図柄変動表示が開始、つまり次ゲームが開始されることになる。したがって、次ゲームの開始時に天井時短状態が生起する訳ではなく、たとえば、今回のゲーム終了時に作動保留球がなく、しばらくの間、作動保留球の発生が無ければ、天井時短状態が生起したまま、客待ち待機中(客待ち前演出)に突入するか、或いは、時短突入報知演出を実行可能である場合には、天井時短状態が生起したまま、特電非作動型支援時短における図47や図48の時短突入報知演出で述べたのと同様の演出推移を辿るように構成することができる。
なお、1001回転目のゲーム中の演出内容については、図86の演出例と実質的に同じである。また、外端信号についても図86と実質的に同じである。したがって、ここでは重複記載を避けるためにこれらの説明は省略する。
<支援時短状態中に天井機能が発動するケース(ゲーム終了時天井発動型の場合)>
図90の演出例は、支援時短状態中に天井に到達し、天井特典として、ゲーム終了時天井発動型の天井時短が発動したケースを示したものである。なお、図87〜図89で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
図90を参照して、図示から分かる通り、1001回転目の演出については、図89に示す大当り時短状態が支援時短状態に置き換わっただけで、支援時短状態中から天井に到達した場合も、実質的に図89の内容と同じである。また、天井直前の1000回転目についても同様に、図89に示す大当り時短状態が支援時短状態に置き換わっただけで、実質的に図89に示す内容と同じである。したがってここでは、重複記載を避けるために、図示の外端信号を中心に説明する。
本例の場合、天井時短状態が生起する前は、支援時短中フラグがON状態となっており、このフラグに基づいて、外端信号として、支援時短状態を示す「支援時短中信号」が出力されている。これにより、支援時短状態中である旨が外部装置(ホールコンピュータHCやデータカウンタDT)に送られる。ここで混同してはならないのは、図87のゲーム開始時天井発動型の場合、天井機能の発動タイミングが1000回転目のゲーム“開始時”であり、天井発動中フラグのONタイミングも1000回転目のゲーム“開始時”であるのに対し、本例のゲーム終了時天井発動型の場合、天井機能の発動タイミングが1000回転目のゲーム“終了時”であり、天井発動中フラグのONタイミングも1000回転目のゲーム“終了時”の点である。なお、本例も図87のゲーム開始時天井発動型と同じく、天井機能の発動タイミングにて、支援時短中信号と支援時短中フラグとをOFF状態にしているが、支援時短中フラグはON状態を維持し、支援時短中信号だけを出力しないように構成してもよい。また、支援時短中フラグをON状態としたままであっても、天井発動中フラグがON状態であることを条件として、支援時短中信号を出力しないようにしてもよい。
また、本例も図87のゲーム開始時天井発動型と同じく、支援時短状態と天井時短状態とが共通の演出モードではなく、個別の演出モードで構成されているような場合(たとえば、時短演出モードと天井演出モード)、天井に到達したことを遊技者が認識し易いようにするために、演出画面移行演出、天井突入演出などは行うようにする。また、天井到達時は専用の変動パターンテーブル(図75に示す「FH90」:同図「天井」の欄参照)を利用し、支援時短状態中に利用される時短用変動パターンテーブル(図40、図41)は利用しないようになっている。支援時短状態と天井時短状態とが共通の演出モードの場合は、当該演出モードを継続させればよい。なお、図示では、支援時短状態中の演出モードが「時短演出モード」である例を示しているが、本発明はこれに限らず、支援時短状態中専用の時短演出モード(支援時短演出モード)を設けてもよい。
(変形例1:図91)
図91の演出例は、通常状態中に天井に到達し、天井特典として、ゲーム終了時天井発動型の天井時短が発動したケースを示したものである。なお、図88〜図90で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。
図91の演出例は、図88の初回の天井到達時と同じく、通常状態中に天井に到達したケースを示してあるが、1000回転目の天井ゲームにおいて作動保留球が存在するケースを示してある。しかし本例の大きな特徴点は、通常状態(通常モード)中に天井時短が発動する場合に、天井モードを経由することなく、そのまま天井時短状態に移行し、その天井時短状態に係る遊技モード(本例は天国モード)に移行され、天井ゲームにて、専用の変動パターンや専用の変動パターン振分テーブルを用いず、上記天井発動演出が実行される点にある。詳しくは、1000回転目までは通常モードであり、通常モードに係る変動パターン振分テーブル(たとえば、図72、図74)が参照される。しかし1001回転目は既に天井時短状態中であるため、ここでは天国モードに係る変動パターン振分テーブル(たとえば、図73、図75)が参照される。
本例は、上述したように、天井モードを経由しない関係上、下記(特1)〜(特4)の特徴を有する。
(特1)天井発動演出の演出時間幅は、天国モードに係る変動パターン振分テーブルに定められた全変動パターンのうち、最短の変動時間以下に定められている。本例の場合、図73および図75を参照して、通常変動3sの3秒以下である。
このように定める理由は、次に述べる通りである。第1に、1001回転目で選択される変動パターンは、そのときの作動保留球数に応じて異なる。第2に、1001回転目の変動開始時において特図2作動保留球が存在すれば、特図2側の図柄変動表示ゲームが優先して開始され、必ずしも特図1側の図柄変動表示ゲームが開始されるとは限らない。これらの事情に鑑みて、少なくとも今回のゲームが終了するまでに、上記天井発動演出が終了するようにし、以て、天井時短が発動したことを遊技者に明確に報知させるべく、参照される変動パターン振分テーブル(ここでは、天国モード)に定められた変動パターンのうち最短の変動時間の変動パターンが選択された場合であっても、天井発動演出が、その変動時間内で終了させるようにするためである。なお、1001回転目の変動開始時は、特図1側の図柄変動表示ゲームが開始される可能性が高いため、特図1に係る全変動パターンのうち最短の変動時間のものを基準に定めてもよいし、特図1および特図2に係る全変動パターンのうち最短の変動時間のものを基準に定めてもよい。なお、基準とする変動パターンは、ハズレ変動パターンであることが好ましい。偶々、1001回転目が大当り当選となった場合は、天井発動演出を実行する必要性に乏しく、通常通り、大当り当選に係る変動中演出を実行すればよいからである。
(特2)天井ゲームの終了を契機に(確定表示時間経過を契機に)、主制御部20から演出制御部24に対して、天井発動演出の実行開始を指定する専用の演出制御コマンド(以下「天井発動演出実行契機コマンド」とも称する)が送信される。これは、既に説明したように、1001回転目の変動パターンが不定であるため、変動パターンの内容に依存した天井発動演出を現出することはせず、これとは別に、天井発動演出実行契機コマンドを送信し、演出制御部24が天井発動演出実行契機コマンドを受けた場合、天井発動演出を実行するようになっている。これにより、選択される変動パターン(変動パターン指定コマンド種別)によらず、毎回同じタイミング(天井発動タイミング(天井時短状態発生タイミング))にて、同じ天井発動演出を現出させることができる。なお、当り変動パターンの場合は、天井発動演出を現出させなくてよい。
(特3)天井発動演出中は、装飾図柄を退避表示して(たとえば、図77(F2)(F3の801e、801fの表示位置等を参照)、その退避表示領域において装飾図柄を変動表示させるようにし、これにより、天井発動演出を目立つように表示(強調表示)する(図示の装飾図柄退避表示(ミニ図柄変動))。なお、天井発動演出中は、常に、装飾図柄を退避表示しておくことが好ましい。そして、天井発動演出終了後は、装飾図柄の退避表示を解除して通常通りに変動表示させ(たとえば、図7B、図77(A)(B)等参照)、所定の変動中演出を開始する(図示の通常装飾図柄変動)。このとき、天井時短状態中に係る所定の背景演出や装飾図柄演出(天井演出モード用であってもよいし、天国モード用であってもよい)を表示する(図示の天井モード演出画面)。
(特4)また天井発動演出中は、残余天井回数表示演出は実行せず、天井発動演出終了後に実行するようになっている(図示の残余天井ゲーム数報知)。ただし、残余天井回数表示演出は、少なくとも今回のゲームにおいて実行しなくてもよい。
なお、天井時短状態中は、図示のように「右打ち報知(小)+右打ちLED」を実行する。また、上記では、天井発動演出の演出時間幅を最短の変動時間以内としたが、これに限らず、複数回のゲームに跨って実行される演出態様としてもよい。
また本例において、CPU201は、天井発動中フラグがON状態になったことを確認すると、外端信号として、「天井発動信号」を出力する。また、天井発動中フラグがON状態になるとともに、特殊遊技フラグがON状態に設定される。上記「天井発動信号」とは、短時間(100ms間)だけ出力される信号であり、天井機能が発動したことを示す信号である。この天井発動信号により、天井が発動したことを外部装置が把握できるようになる。また「特殊遊技フラグ」とは、天井時短状態の開始から大当りが当選)するまでの遊技期間(大当り遊技が開始されるまででもよい)を監視するフラグである。CPU201は、大当りの当選を確認すると、特殊遊技フラグをOFF状態に設定する。なお、「大当りの当選」は、たとえば、条件装置作動フラグのON/OFF状態を監視することにより把握可能となっている。なお、天井発動信号は、天井発動中フラグまたは特殊遊技フラグのいずれかがON状態になった場合に出力することができる。
(変形例2:図92)
図92の演出例は、図91と同じく、通常状態中に天井に到達したケースを示してあるが、天井ゲームにおいて作動保留球が存在しないケースを示してある。図92の演出例は、本例の特徴点は、先述した図91と同じであるが、ここでは、作動保留球が存在しないケースである。
ゲーム終了時天井発動型の場合には、天井ゲーム終了時に天井時短状態に突入する点に着目し、図示のように、天井ゲーム(1000回転目)の確定表示時間が経過し、客待ち待機中となった場合、天井発動演出を実行するようになっている。
天井発動演出は、図91のケースと同じく、上記「天井発動演出実行契機コマンド」を演出制御部24が受けた場合に実行されるようになっている。また、天井発動演出の演出時間幅は、図91で説明したものと同じである。すなわち、天井ゲーム終了時に作動保留球が存在するか否かによらず、演出時間が同一の天井発動演出が実行されるようになっている。
また、天井発動演出中は、図91とケースと同じく、装飾図柄が退避表示される。ここでは、作動保留球が無いケースを扱っているので、その退避表示領域には、天井発動時対応の装飾図柄の組合せ(たとえば、図77(F3)示す「931」)が停止表示されることになる。この装飾図柄の組合せは、天井ゲーム終了時に確定表示されたものであってもよいし、異なるものであってもよいが、いずれにしても天井発動時対応の装飾停止図である。なお、装飾図柄の退避表示は、少なくとも天井発動演出が終了するまで継続される。天井発動演出終了後は、装飾図柄の退避表示を解除して通常の表示領域にて、天井発動時対応の装飾図柄の組合せを停止表示してもよいし、退避表示したままであってもよい。
天井発動演出終了後、天井時短状態中に係る所定の背景演出(図示の天井モード演出画面)に切替表示される。その後、作動保留球が発生することなく所定時間(たとえば、5秒)経過した場合、メニュー表示可能報知演出811(たとえば、図47(δ)参照)が表示され、音量調整などの遊技環境の設定が可能である旨が報知されるようになっている(所定時間(5秒)を待たずに、背景演出の切替表示タイミングと同一または略同一のタイミングで、メニュー表示可能報知演出811を実行してもよい)。なお、天井発動演出終了後の表示画面は、右打ち報知(小)の表示を含め、たとえば、図47(δ)示すような表示状態となる。なお、天井発動演出終了後の演出表示は、たとえば、図47(δ)と同様に、通常の客待ち前演出(時短モード用)890としてもよい。その後、待機状態のまま所定時間が経過すると、客待ち演出(たとえば、図47(ε)参照)が実行され、デモムービーが表示される。本例によれば、天井ゲーム終了時に作動保留球がゼロとなり、客待ち待機中の期間に入っても、天井発動演出が実行され、天井時短状態中であることを遊技者に報知することができる。また、天井発動演出中は、装飾図柄が退避表示され、さらにメニュー表示可能報知演出811も表示されないので、天井発動演出の視認性が阻害されず、天井発動中である旨が明確に報知することができるようになっている。
また、天井ゲーム終了に伴い、天井機能が発動して、天井発動中フラグがON状態に設定され(図58のステップS923、図69のステップS923A)、特殊遊技フラグがON状態に設定される。CPU201は、天井発動中フラグまたは特殊遊技フラグがON状態になったことを確認すると、外端信号として、上記天井発動信号を出力する。
作動保留球が発生した場合には、1001回転目のゲームが開始されるが、1001回転目のゲーム中の演出については、図91のケースとは異なり、天井発動演出は実行されない。天井発動演出は、上記天井発動演出実行契機コマンドに基づいて実行されるものであり、天井発動演出実行契機コマンドは再度、天井発動契機が到来するまで送信されないためである。したがってこの場合は、天井発動演出は実行されず、1001回転目のゲーム中の演出は、通常通り、変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドの内容に基づく演出が実行されることになる。
(変形例3:図93)
図93の演出例は、ゲーム終了時天井発動型において、連続して天井に到達したケースにおける演出例を示したものである。ただし本例の場合、天井時短による時短回数が997回であり、天井ゲーム数は1000ゲームとなっている。すなわち、天井時短状態を抜けても、天井ゲーム数には到達しない、換言すれば、天井時短状態中に、再度、天井時短状態に到達するといった「天井の連荘発動」ということが存在しない仕様となっている。なお、図91〜図92で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略する。本例の大きな特徴点は、外端信号の出力形態にある。以下、図93を用いて説明する。
本例の場合は、時短回数が997回であるため、1998回転目〜2000回転目は、天井時短状態を抜けた状態であり、図示の通り、天井発動中フラグはOFF状態となっている。しかし、図91や図92とは異なり、本例では、天井発動信号がON状態を維持している。本例に係る天井発動信号は、特殊遊技フラグのON状態が維持されている限り、出力され続ける。このように、天井時短状態を抜けて通常状態に転落してにもかかわらず、天井発動信号を出力し続ける理由は次に述べる通りである。
天井時短状態を抜けた後、比較的短い遊技期間で、再度天井到達となる場合には、一々、天井発動信号をOFFとせず、次回大当りが当選したときにOFFとする方が、制御負担の増加にならないためである。特に本例では、1997回転目で天井時短状態を抜けた後に、最大保留球数未満の3回転目には、再度、天井ゲーム(2000回転目)に到達する。天井時短状態中は、入賞容易状態であり、遊技者が故意に入賞させないなどのイレギュラーな事象が発生しなければ、天井時短状態を抜けた時点の特図2側には、作動保留球が、概ね3個〜4個(最大作動保留球数)が存在する状態であり、天井時短状態を抜けた後、現存する作動保留球の消化を待てば、再度、天井到達となる。したがって、「天井時短による時短回数+最大保留記憶数」が「天井ゲーム数」以上であれば、短期間で再度天井到達となるため、特殊遊技フラグがON状態である限り、つまり大当り当選とならない限り、天井発動信号を出力し続けることが好ましい。なお、「天井時短による時短回数+最大保留記憶数≧天井ゲーム数」とする場合、最大保留記憶数は、一方の特図を優先変動するタイプであれば、当該一方の特図の最大保留記憶数(本例では、4個)とすることが好ましく、入賞順に作動保留球を消化していく非優先変動タイプであれば、特図1および特図2の最大保留記憶数の合計(本例では、8個)であることが好ましい。
なお、天井到達間際の1998回転目〜2000回転目には、上記残余天井回数表示演出を実行してもよい。また、2回目以降の天井到達では、天井発動演出実行契機コマンドを送信しなくてもよい。この場合、天井発動演出は実行されないため、2001回転目のゲーム中の演出は、通常通り、変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドの内容に基づく演出が実行される。
(めり込み防止報知演出とカード取り忘れ報知演出)
本実施形態では、遊技者に対して或る行為を注意喚起する報知演出として、のめりこみ防止に関する注意喚起の報知演出(以下、「のめり込み防止注意喚起」と称する)と、プリペイドカード取り忘れ防止に関する注意喚起の報知演出(以下、「カード取り忘れ注意喚起」と称する)の少なくともいずれか一方を実行可能に構成することができる。
天井時短突入時または支援時短突入時に、「のめり込み防止注意喚起」および/または「カード取り忘れ注意喚起」を実行することができる。「天井時短突入時」に実行する場合としては、たとえば、天井ゲームに係る変動中演出中の所定のタイミングで実行される場合、天井突入報知演出中の所定のタイミングで実行される場合、天井発動演出中の所定のタイミングで実行される場合、天井ゲーム終了時(変動時間終了〜確定表示時間終了までの期間中)に実行される場合、天井ゲームの確定表示時間終了を契機に実行される場合(特に、作動保留球が無い場合の客待ち待機中に実行する場合)、天井ゲームの次ゲーム中の所定のタイミングで実行される場合(特に、次ゲーム開始を契機に実行)、天井突入報知演出終了後に実行される場合、天井発動演出後に実行される場合などがある。
また「支援時短突入時」に実行する場合としては、たとえば、支援時短当選ゲーム中の変動中演出中の所定のタイミングで実行される場合、時短突入報知演出中の所定のタイミングで実行される場合、支援時短当選ゲーム終了(変動時間終了〜確定表示時間終了までの期間中)に実行される場合、支援時短当選ゲームの確定表示時間終了を契機に実行される場合(特に、作動保留球が無い場合の客待ち待機中に実行する場合)、時短突入報知演出終了後に実行される場合などがある。
いずれにしても、注意喚起は、天井発動が確定している場合や支援時短状態に制御することが確定している場合において、適宜なタイミングで実行することができる。なお、大当り時短状態突入時に実行する場合は、大当り遊技中(たとえば、終了INT中(エンディング演出中))に実行すればよい。
また、大当り時短終了時(大当り時短抜け時)、天井時短状態終了時(天井時短抜け時)、または支援時短状態終了時(支援時短抜け時)において、「のめり込み防止注意喚起」および/または「カード取り忘れ注意喚起」を実行することができる。各時短状態終了時に実行する場合としては、たとえば、時短回数の最終回目(時短最終ゲーム)に係る変動中演出中に実行される場合、時短最終ゲーム終了を契機に実行される場合(変動時間終了〜確定表示時間終了までの期間中に実行)などがある。また、大当り時短状態については、1または複数の特定の大当りに係る大当り時短状態とすることができる。たとえば、有利度が相対的に高い大当り(たとえば、10R確変大当り)としてもよいし、有利度が相対的に低い大当り(たとえば、4R時短大当り)としてもよい。
上記「のめり込み防止注意喚起」または「カード取り忘れ注意喚起」を実行する場合、下記(万石50)〜(万石71)の構成とすることができる。
(万石50)天井時短突入時には、のめり込み防止注意喚起および/またはカード取り忘れ注意喚起を実行し、支援時短突入時には、のめり込み防止注意喚起およびカード取り忘れ注意喚起は実行しない。
(万石51)天井時短突入時には、のめり込み防止注意喚起および/またはカード取り忘れ注意喚起を実行し、支援時短突入時には、のめり込み防止注意喚起およびカード取り忘れ注意喚起の少なくとも一方を実行する。
(万石53)支援時短突入時には、のめり込み防止注意喚起および/またはカード取り忘れ注意喚起を実行し、天井時短突入時には、のめり込み防止注意喚起およびカード取り忘れ注意喚起は実行しない。
(万石54)支援時短突入時には、のめり込み防止注意喚起および/またはカード取り忘れ注意喚起を実行し、天井時短突入時には、のめり込み防止注意喚起およびカード取り忘れ注意喚起の少なくとも一方を実行する。
(万石55)ゲーム終了時天井発動型の場合、天井ゲームにおける変動時間経過を契機に、のめり込み防止注意喚起および/またはカード取り忘れ注意喚起を実行することが好ましい。
(万石56)「のめり込み防止注意喚起」または「カード取り忘れ注意喚起」の演出時間(報知時間)は、適宜定めることができる。
たとえば、天井ゲーム終了時または支援時短当選ゲーム終了時に作動保留球が無く、客待ち待機中に突入する場合には、客待ち待機中の所定のタイミングで終了させることができる。具体的には、客待ち前演出開始から所定時間経過を契機、客待ち演出(デモ表示)の開始を契機に、次ゲームの開始を契機に終了させることができる。
天井ゲーム終了時または支援時短当選ゲーム終了時に作動保留球が有る場合には、次ゲームの開始後、所定時間実行することができる。この場合、注意喚起による演出表示が、次ゲームの変動中演出(右打ち報知(右打ち指示演出)を含む)を邪魔しない表示位置、たとえば、少なくとも装飾図柄と重畳しない位置、少なくとも装飾図柄および保留表示と重畳しない位置、または少なくとも装飾図柄、保留表示、および右打ち報知と重畳しない位置に表示することが好ましい。しかし、演出表示上、重畳しない位置に表示することが困難な場合には、注意喚起の表示優先度を下げて表示することが好ましい。たとえば、注意喚起の透過率を、装飾図柄、保留表示、右打ち報知よりも高くして、次ゲーム中に表示される演出を目立たせることが好ましい。
(万石57)天井時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、当該天井時短状態中に大当りに当選した場合、その大当り遊技中には、当該実行済みの注意喚起は実行しない。
(万石58)支援時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、当該支援時短状態中に大当りに当選した場合、その大当り遊技中には、当該実行済みの注意喚起は実行しない。
(万石59)天井時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、その天井時短状態が終了して通常状態に移行された後に大当りに当選した場合には、当該天井時短突入時に当該注意喚起が実行されたか否かによらず、その大当り遊技中(たとえば、終了INT中)に、再度、注意喚起を実行可能に構成する。
(万石60)支援時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、その支援時短状態が終了して通常状態に移行された後に大当りに当選した場合には、当該支援時短突入時に当該注意喚起が実行されたか否かによらず、その大当り遊技中(たとえば、終了INT中)に、再度、注意喚起を実行可能に構成する。
(万石61)天井時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、当該天井時短状態中に大当りに当選した場合、その大当り遊技中(たとえば、終了INT中)に当該実行済みの注意喚起を実行可能に構成する。
(万石62)支援時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、当該支援時短状態中に大当りに当選した場合、その大当り遊技中(たとえば、終了INT中)に当該実行済みの注意喚起を実行可能に構成する。
(万石63)上記(万石61)の構成例の場合、注意喚起の内容(演出態様、報知時間など)に関し、天井時短突入時に係る注意喚起と、大当り遊技中に係る注意喚起とを異なる内容とすることが好ましい。
(万石64)上記(万石62)の構成例の場合、注意喚起の内容(演出態様、報知時間など)に関し、支援時短突入時に係る注意喚起と、大当り遊技中に係る注意喚起とを異なる内容とすることが好ましい。
(万石65)天井時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、注意喚起が他の特定演出中に同時並行的に実行される場合、たとえば、上記天井ゲームに係る変動中演出中に同時並行的に実行される場合、上記天井突入報知演出中に時並行的に実行される場合、または上記天井発動演出中に同時並行的に実行される場合などは、天井時短突入時に行う演出の演出時間を短縮することができる。
(万石66)支援時短突入時にのめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合において、注意喚起が他の特定演出中に同時並行的に実行される場合、たとえば、支援時短当選ゲーム中の変動中演出中に同時並行的に実行される場合、時短突入報知演出中に時並行的に実行される場合などは、支援時短突入時に行う演出の演出時間を短縮することができる。
(万石67)支援時短状態中に天井時短状態が発動する場合において、当該天井時短突入時に、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行可能に構成することができる。この場合、支援時短突入時において、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行しているか否かにかかわらず、天井時短突入時において、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行することができる。
(万石68)天井時短状態中に支援時短状態が発動する場合において、当該支援時短突入時に、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行可能に構成することができる。この場合、天井時短突入時において、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行しているか否かにかかわらず、支援時短突入時において、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行することができる。
(万石69)支援時短状態中に天井時短状態が発動する場合において、当該天井時短突入時に、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合、当該支援時短突入時に実行済みの注意喚起については実行しない。
(万石70)天井時短状態中に支援時短状態が発動する場合において、当該支援時短突入時に、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行する場合、当該天井時短突入時に実行済みの注意喚起については実行しない。
(万石71)天井時短状態が終了した後、大当りに当選することなく、再度、天井ゲーム到達した場合、2回目以降の天井時短状態突入時には、のめり込み防止注意喚起またはカード取り忘れ注意喚起のいずれか、または双方を実行しなくてもよい。遊技性(遊技仕様)によっては、天井ゲーム数が少ないゲーム数(たとえば、大当り抽選確率の確率分母未満、半分、1/3程度のゲーム数)に定めることもある。このような場合、頻繁に注意喚起をすると、遊技者が鬱陶しく感じてしまうからである。
[第4実施形態]
<出玉性能に関する制限>
ところで近年では、射幸心を煽ることを適度に抑制するため、法的要請により、遊技機の出玉性能について規制が設けられている。たとえば、上記型式試験に係る短期試験(1時間)による出玉率(セーフ球/アウト球)が、上限出玉率「300%(旧基準)」から「220%(新基準)」に制限される(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則 別表第4 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格 ロ(ハ)など)。この規制は出玉性能、特に連荘時の出玉性能に大きく影響し、これを遵守すると出玉の「時速」が従来の2/3程度の出玉性能までダウンしうる。詳しくは、発射時間が1時間であれば、アウト球は6000発(発射装置32の発射性能100発/分×60分=6000発)であり、旧基準であれば、上限出玉率「300%」であるからセーフ球は1時間あたり18000発(6000発×300%=18000発/h)まで許容されることになる。ところが、新基準では上限出玉率が「220%」に制限されるため、セーフ球の上限が1時間あたり13200発(6000発×220%=13200発/h)までダウンする。特に時短状態中や確変状態中では、高ベース状態下(電サポ有り状態下)となるため、大当りが過度に連荘してしまうと、上限出玉率220%(13200発)を簡単に超えてしまい、型式試験で不適合となってしまう。たとえば、電サポ有り状態下のベース値が70(BA70)である場合、普電開放遊技によるセーフ球は、1時間で4200発(BA70×100発/分×60分=4200発)となる。したがって、旧基準であれば、「18000発−4200発」の“13800発分”を大当り遊技により払い出すことが可能であるが、新基準では「13200発−4200発」の“9000発分”しか払い出すことができなくなる。そこで上記規制の下で、出玉感をなるべく損なうことなく、型式試験を通過(適合)し易くしうるように、大当りに係る出玉性能をコントロールする工夫が求められる。
出玉が短期間で大きく増加するのは大当り中である。よって、型式試験に通過させるためには、大当り中の無駄球を多くして出玉速度を低下させる、具体的には、大入賞口閉鎖期間(開始INT、R間INT、および終了INTの少なくとも1つのINT)を従来よりも長期間すれば、大当りが連荘しても、ベース値の上昇幅を抑えられ法的規制値を超え難くなり、型式試験の適合率が高まる。しかし、闇雲にINTの期間を長期間、たとえば、開始INTなどのインターバル時間を従来よりも何倍もの時間尺としてしまうと、折角の大当りであるにもかかわらず、遊技者が間延び感(たとえば、退屈感や倦怠感や不快感)を受け、ストレスを感じたり、遊技そのものに対する不信感を与えてしまう。したがって、下記(1)(2)のような点を考慮する必要がある。
(1)大当り遊技期間を闇雲に長時間とするのではなく、出玉性能への影響や出玉速度による出玉感への影響を考慮して、大当り遊技中のインターバル時間(開始INT、ラウンド間INT、終了INT)を工夫する。
(2)また大当り遊技期間を従来よりも延長する場合、遊技者の間延び感が生起しないように、大当り遊技中に係る演出に工夫を凝らすことが重要である。
このような課題に鑑みて、本実施形態では、型式試験に適合し易くすることを目的とする。
本実施形態では、出玉性能に影響が大である、大当り遊技の遊技期間の長短や、大当り連荘間のゲーム数の多寡など着目し、特に、大当り遊技中に設定されるインターバル時間(開始INT、ラウンド間INT、終了INT)と、これに関する演出について工夫を凝らした特徴的構成となっている。なお、ここでは説明の便宜のために、「大当り抽選確率が高確率状態を伴う遊技状態」および/または「電サポ状態を伴う遊技状態」を「連荘容易状態」と略称する。また、遊技状況として、大当りに当選してその大当り遊技終了後(役物連続作動装置の作動終了後)を契機に連荘容易状態に制御され、当該連荘容易状態中に、再度、大当りに当選する場合、すなわち、連荘状態が発生する遊技状況を想定している。本実施形態には、下記のように構成することができる。
(鳥10)今回の大当り遊技終了後に実行されるゲーム数(以下「連荘中ハマりゲーム数」と称する)に応じて、次に当選した大当りによる大当り遊技の開始INT、ラウンド間INT、および終了INTの少なくとも1つのINT(インターバル時間)を延長または短縮するように構成してもよい。たとえば、通常状態中の当選による大当りAによる大当り遊技(以下「通常時大当り遊技」と称する)に係る開始INTが、たとえば、10秒である場合(基準INT)、連荘中ハマりゲーム数10回で同じ大当りAに当選した場合は、開始INTを11秒(基準INT<延長INT)としたり、連荘中ハマりゲーム数20回で大当りAに当選した場合は、開始INTを9秒(基準INT>短縮INT)としたりすることができる。
(鳥11)延長しない場合のINT中の演出と、延長した場合の当該INT中の演出とが異なる。たとえば、延長した場合の開始INT中は演出Aが実行され、延長した場合の開始INT中は、当該演出Aと異なる演出Bを実行する。
(鳥12)また、延長しない場合の演出Aを実行した後、延長部分の演出Cを実行するようにしてもよい。たとえば、延長した場合の開始INT中は、「演出A+演出C(=演出B)」を実行する。この場合、演出Aの部分は共通の演出とすることができる(延長しない場合と延長した場合とで、略同一の演出を実行することができる)。
(鳥13)延長した場合の演出Bは、少なくとも可動体を利用した可動体演出を実行することが好ましい。その理由は、人間は二次元よりも三次元的なものに注意が惹かれることが多いからである。より好ましくは、操作手段(たとえば、演出ボタン13)を用いた遊技者参加型演出とする。遊技者参加演出は、遊技者に間延び感を与えてしまうことを防止する上で好適だからである(たとえば、特願2018−178205の図14のアンケート調査結果参照)。
(鳥14)延長する場合と延長しない場合とで、大当り中演出の少なくとも一部は異なるが、開始INT中に行う右打ち指示演出については、共通の演出とすることができる。また、大当り遊技の内容を報知する演出、たとえば、ビックボーナス(10R確変大当り)、レギュラーボーナス(4R時短大当り)などのように、大当り遊技の有利度合いを報知する演出または大当り遊技の種別を報知する演出についても、共通の演出とすることができる。
(鳥15)開始INT、ラウンド間INT、および終了INTの少なくとも2つのINTを延長する場合、それぞれの延長幅を共通の延長時間(同一または略同一の延長時間)とすることができる。
(鳥16)開始INT、ラウンド間INT、および終了INTの少なくとも2つのINTを延長する場合、それぞれの延長幅を異なる延長時間とすることができる。たとえば、開始INTは5秒延長し、ラウンド間INTは延長せず、終了INTは2秒延長する、などである。
(鳥17)所定の時間が延長された大当り遊技が実行される条件として、所定の連荘中ハマりゲーム数以内(たとえば、10ゲーム以内)で大当りに当選したことを条件とする場合、その所定のゲーム数を報知する特定演出を実行可能な構成としてもよい。
(鳥18)所定の時間が延長された大当り遊技が実行される条件として、所定の連荘中ハマりゲーム数以内(たとえば、10ゲーム以内)で大当りに当選したことを条件とする場合、当該連荘中ハマりゲーム数中は、専用の遊技モード(特別モード)中とし、当該連荘中ハマりゲーム数を実行した後は、特別モードとは異なる遊技モードに移行可能に構成してもよい。たとえば、時短状態中において、10ゲーム以内は特別モード、11ゲーム以降は、時短モード1に移行させる。この場合、特別モードは、専用の変動パターン選択モード(Tcode)とし、特別モード用の変動パターン振分テーブルを設けてもよい。これにより、特別モード中は、他の遊技モードとは異なる変動パターンが選択可能となる。また、特別モードに対応する特別演出モードを設けることができる。この場合、連荘中ハマりゲーム数中は特別演出モード、当該連荘中ハマりゲーム数を実行した後は、特別モードとは異なる演出モードとすることができる。また、遊技性に応じて、特別モードを他の遊技モードと共通の変動パターン選択モード(Tcode)とし、当該他の遊技モードに係る変動パターン振分テーブルを兼用可能に構成してもよい。
また、連荘中ハマりゲーム数以内で選択される当り変動パターンに対応して実行される演出(以下「特定期間中当り変動演出」と称する)には、所定時間延長された大当り遊技中に実行される大当り中演出(開始INT、ラウンド間INT、終了INTを含む)の内容と関連性を有する演出(リーチ演出)とすることができる。ここで「関連性を有する」とは、物語的な関連性や、特定期間中当り変動演出を見れば、或る物事や事象を想起したり、連想したり、観念を生じさせるような関係を有するものが該当する。また、特定期間中当り変動演出におけるリーチ前演出、リーチ演出、リーチ後演出、リーチ演出終了後の当落報知中、およびリーチ演出終了後から大当り遊技開始までの演出(繋ぎ演出など)の1または複数の演出において、当該関連性を有する演出を現出させることができる。
(鳥19)所定の時間が延長された大当り遊技が実行される条件として、所定の連荘中ハマりゲーム数以内で大当りに当選したことを条件とする場合、当該連荘中ハマりゲーム数に関して、時短状態中と確変状態中とで、同一または異なるように定めることができる。たとえば、時短状態中の連荘中ハマりゲーム数をX、確変状態中の連荘中ハマりゲーム数をYとした場合、「X=Y」、「X<Y」、または「X>Y」の関係を満たすように定めることができる。ただし、時短状態中は低確率状態下であるため、「X<Y」を採用することが好適である。また、「X=Y」とする場合、時短大当りによる時短回数が複数ある場合には(たとえば、時短回数100回、時短回数150回、および時短回数200)、その複数の時短回数のうち最少の時短回数(ここでは、100回)よりも少ない回数を、連荘中ハマりゲーム数(たとえば、99回)として採用することが好ましい。
(鳥20)所定の時間が延長された大当り遊技が実行される条件として、所定の連荘中ハマりゲーム数(たとえば、10ゲーム)以内で大当りに当選したことを条件とする場合、延長される大当りと、延長されない大当りとを設けることができる。たとえば、大当り遊技後、10ゲーム以内で大当りに当選した場合であっても、最大ラウンド数が相対的に多い「10R確変大当り」の場合には所定のINTが延長された大当り遊技(延長大当り遊技)が実行され、最大ラウンド数が相対的に少ない「4R時短大当り」の場合には延長されない大当り遊技(通常時大当り遊技)が実行される。また、大当りの種類によらず、一律にすべての大当り遊技が延長されるように構成してもよい。また、最大ラウンド数が相対的に少ない大当り遊技は延長し、最大ラウンド数が相対的に多い大当り遊技は延長しない構成としてもよい。また、最大ラウンド数が相対的に少ない大当り遊技の延長時間MA、最大ラウンド数が相対的に多い大当り遊技の延長時間GKとした場合、「延長時間MA<延長時間GK」または「延長時間MA>延長時間GK」の関係を満たすように構成することができる。
(鳥21)ラウンド間INTを延長する場合、すべてのラウンド間INTを延長してもよいし、一部のラウンド間INT(たとえば、10R確変大当りの場合、「1R目と2R目」および「6R目と7R目」におけるラウンド間INT)を延長してもよい。また、複数のラウンド間INTを延長する場合は、各ラウンド間INTの延長時間が共通の延長時間(同一または略同一の延長時間)であってもよいし、それぞれ異なる延長時間としてもよいし、複数のラウンド間INTのうち少なくとも1つが異なる延長時間であってもよい。
(鳥22)開始INT中の演出(オープニング演出)において、右打ち指示演出(ここでは、大入賞口を狙う旨を指示する演出)よりも前に実行される所定の開始前演出(たとえば、ビックボーナス(10R確変大当り)、レギュラーボーナス(4R時短大当り)などのように、大当り遊技の有利度合いを報知する演出または大当り遊技の種別を報知する演出、或いは大当り中に流れるBGM選択演出など)の演出時間が延長されるように構成してもよい。この開始前演出の内容としては、遊技者に緊張感や高揚感を与えうる演出、たとえば、今回の大当りが10R確変大当りである場合、開始前演出の開始後の所定時間は「レギュラーボーナス(4R時短大当り)!」である旨を表示するが、所定時間経過後に「ビックボーナス(10R確変大当り)!おめでとう!」のように、大当りの内容がステップアップ(ランクアップ)するような特別演出を実行し、遊技者を楽しませることが好ましい。また、当該特別演出は、演出ボタンを押下する、長押しする、連打するなどを含む遊技者参加型演出とすることが好ましい。また、当該特別演出に要する演出時間幅を、延長しない場合よりも長時間とするように構成してもよい。斯様な特別演出の演出時間幅を延長しても、遊技者が緊張感や高揚感を与えうる演出内容であるため、遊技者が間延び感を受けにくいと考えられる。斯様な特別演出を遊技者参加型演出とすれば、その効果は絶大であると考えられる。また、当該特別演出は、延長しない場合には実行せず、延長する場合に限り実行してもよい。
(鳥23)また、延長する際に実行する演出を、延長しない場合と略同一の演出とする場合(演出時間が略同一の意ではなく、演出態様が略同一の意)、演出内容は共通するが、一部のアニメーション表示の実行時間(たとえば、大当り遊技の有利度合いを報知または大当り遊技の種別を報知の表示時間や、各種エフェクトの表示時間など)が、延長された演出を現出して、一見して同じような演出に見えるが、その実行時間を長くすることにより、延長された大当り遊技が実行されるように構成してもよい。
(鳥24)上記した「連荘中ハマりゲーム数」のカウント対象は、特図1および特図2の最大保留記憶数(本例では、8個)と同数、または、特図1および特図2のいずれか一方の最大保留記憶数(本例では、4個)と同数に定めることができる。この場合、所謂「保留内連荘」が生じた場合、その連荘時に係る大当り遊技について、延長した大当り遊技を実行するように構成してもよい。これにより、連荘時の出玉スピードを低下させることができる。
(鳥25)所定の時間が延長された大当り遊技が実行される条件として、所定の連荘中ハマりゲーム数以内で大当りに当選したことを条件とする場合、初当り後の連荘容易状態中に連荘中ハマりゲーム数以内で大当りに当選した場合には延長された大当り遊技を実行しないが、2連荘目以降における連荘容易状態中に連荘中ハマりゲーム数以内で大当りに当選した場合には延長された大当り遊技を実行するように構成してもよい。この場合、初当り後の連荘容易状態中に当選した大当りについては、連荘中ハマりゲーム数によらず、通常時大当り遊技を実行する。
(鳥26)上記連荘中ハマりゲーム数を複数種類設けてもよい。たとえば、連荘容易状態中において、第1条件を満たすまでに大当りに当選した場合(たとえば、10ゲーム以内に大当りした場合)と、第1条件を満たした後、第2条件を満たすまでに大当りに当選した場合(たとえば、11〜50ゲーム以内で大当りした場合)とで、異なる延長時間の大当り遊技が実行されるように構成してもよい。またこの場合は、10ゲーム以内に大当りに当選した場合の方が、11〜50ゲーム以内に大当りに当選した場合よりも延長時間が長い大当り遊技が実行されるように構成してもよい。しかしこれに限らず、10ゲーム以内に大当りに当選した場合の方が、11〜50ゲーム以内に大当りに当選した場合よりも延長時間が短い大当り遊技が実行されるように構成してもよい。また、10ゲーム以内と、11〜50ゲーム以内とで、変動パターン選択モード(Tcode)を異ならせてもよい。すなわち、第1条件を満たすまでに参照される変動パターン振分テーブルと、第2条件を満たすまでに参照される変動パターン振分テーブルとが異なる構成である。
(鳥27)所定の時間が延長された大当り遊技を実行する所定の条件が複数または単数にかかわらず、
所定の条件を満たすまでに参照される第1変動パターン振分テーブルに定められた変動パターンの平均変動時間Tと、
所定の条件を満たした後に参照される第2変動パターン振分テーブルに定められた変動パターンの平均変動時間Sと、が異なるようにすることができる。
この場合、「平均変動時間T<平均変動時間S」としてもよいし、「平均変動時間T>平均変動時間S」としてもよい。
また、第1変動パターン振分テーブルの方が、第2変動パターン振分テーブルよりも短い変動時間の変動パターンが選択されやすいように構成としてもよい。しかしこれに限らず、第1変動パターン振分テーブル方が、第2変動パターン振分テーブルよりも長い変動時間の変動パターンが選択されやすいように構成としてもよい。
また、ハズレ変動パターンに関しては、「平均変動時間T<平均変動時間S」であるが、当り変動パターンに関しては、「平均変動時間T>平均変動時間S」とすることができる。このように、所定の条件を満たすまでに選択される当り変動パターンを、所定の条件を満たした後に選択される当り変動パターンよりも長くすることで、大当り遊技後、短い変動回数で次の大当りに当選した場合に、次回の大当り遊技が開始されるまでの時間を長く設定することができ、連荘時の出玉スピードを低下させることができる。
しかしこれに限らず、ハズレ変動パターンに関しては、「平均変動時間T>平均変動時間S」であるが、当り変動パターンに関しては、「平均変動時間T<平均変動時間S」としてもよい。
以上に説明した全ての実施形態(各実施形態で説明した種々の構成および変形例のすべてを含む)の1または複数を組合せた構成としてもよく、各実施形態において記載した内容は個別の実施形態のみに限定されるものではない。
また以上に説明した実施形態では、遊技媒体として、遊技球を利用する弾球遊技機について説明したが、本発明は弾球遊技機に限られない。たとえば、アレンジボール機、雀球遊技機であってもよく、他の遊技媒体として、遊技メダルを利用する遊技機(回胴式遊技機)や、電磁気的な記録手段を利用して遊技媒体を管理する管理式遊技機などであってもよい。