以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。またさらに上受け皿ユニット8には、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この枠演出ボタン13は、遊技者が操作可能な手操作手段として働く。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分部材(流路振分手段)として働く。本実施形態では、センター飾り48が遊技領域3aのほぼ中央部に配置されており、これにより、遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるようになっている。ただし、この実施形態の場合、センター飾り48は少し右側に膨出した形となっている。
センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、かつ固定ねじなどにより遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。このようなセンター飾り48は、遊技球の落下方向を変換する遊技球落下方向変換部材(落下方向変換手段)として働く。
なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、演出画像とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作(たとえば、シーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで当否が判明する)により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、大当り(「大当り」の詳細は後述する)に係る規定ラウンド数を報知するラウンド表示手段として機能し、たとえば、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、その規定ラウンド数が報知されるようになっている。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37が設けられている。この普通図柄始動口37(第3の始動手段)は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない形態となっているが、本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属するといえる。
また上始動口34については、概ね左流下経路3bまたは左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞が困難または不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センター飾り48のステージを経た遊技球を含む)について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
(可動体役物)
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンターケース48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物80)が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物90)が配設されている。また押しボタン式の枠演出ボタン13が第3の可動体役物(回転灯62)によって構成されている。
第1の可動体役物は、ローマ文字「I」から「XII」(何故かI〜XIIとすると何故か出願ソフトがエラーを吐き出すんです)の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所(ローマ文字「I」から「XII」の数字セクター)毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、それらのローマ文字・〜XIIを付した数字セクターが個々に独立して異なった色で発光できる構成となっている。
この時計型役物80は、大当り入賞球またはハズレ入賞球が発生したとき、所定の条件下で作動する「主役物」として働くものである。時計型役物80の時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当り期待度を示す働きをする。たとえば数字セクターのLEDの発光色が、白色(通常色)、青色、黄色、赤色、虹色の順に遊技者に対する当り期待度が高まるように構成し、虹色に発光した場合は大当りが確定するように構成する。なお、ここでは、図柄変動表示動作が停止するまでの間、時計型役物80の時計針82が回り続ける構成としているが、図柄変動表示動作の途中で時計針82が停止するように構成して、その停止した時計針82の短針が指す数字セクターの数字で、または当該数字と発色する数字セクターの色とで当り期待度を示すようにしてもよい。
第2の可動体役物は、花心の周りに複数枚の花弁からなる花冠を配し、更にその外側周囲に萼を配して花被を二重にし、以て花の形とした花型部91を、スイング動作が可能なアーム92の先端に取り付けた花型役物90として構成されている。この花型役物90は、大当り入賞球またはハズレ入賞球が発生したとき、所定の条件下で作動する「副役物」として働くものである。通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図2に実線で示す)で静止しており、大当り入賞球またはハズレ入賞球が発生し、上記所定の条件が成立すると、アーム92が傾倒動作して、当該アーム92と共に花型部91が液晶画面を覆う位置(図2に破線で示す)まで移動する。そして、図2に破線で示す演出位置まで移動すると、花型部91がアーム先端部において回転すると共に、半透明の花心および花弁部分が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。これらの作用により。遊技者に対する当り期待度を高める。なお、図柄変動表示動作が停止すると、花型役物90は破線の演出位置から実線の原点位置に戻る。
第3の可動体役物は、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物は、大当たり変動中に大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、特別図柄変動表示動作が開始されると同時に告知音(確定音)が発生されるとともに、特別図柄変動表示動作の変動開始から変動停止までの長い変動期間中にわたって回転灯63が作動される。すなわち、回転灯62のランプ62aが点灯され続けると共に、ステッピングモータ63により反射鏡62bが回転され続ける。これにより遊技者は、特別図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、確変大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20:主制御手段)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また図示はしていないが、主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに係る抽選用乱数を生成するための乱数生成回路、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路なども備えている。
ここでCPU201は、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。またCPU201は、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタを備えている。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。上記のホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御部20側では、この払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、具体的には、賞球の払い出しに不具合(たとえば、玉詰まりや賞球の払い出し不足など)が発生したか否かを監視している。
また主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報を乗せた演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、およびタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、光演出や音演出を行うため、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部81やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、各種の役物(時計型役物80、花型役物90、回転灯62など)を動作させるための可動体役物モータ61に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御部24は、これら制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。なお、図示では、一つの可動体役物モータ61と表記しているが、可動体役物モータは、各役物に対応した可動体役物モータが複数配設されている。
また演出制御部24には、図示はしていないが、各種役物に対応して、その動作位置を検出するための位置検出スイッチが接続されており、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、上記位置検出スイッチからの検出信号に基づき、各可動体役物の原点位置(初期位置)から現在の位置を把握しながら可動体役物の動作を実行制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示、予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
たとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、つまり、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当り(当選)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信している。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(後述のリーチ状態を経由するリーチ演出や、疑似変動表示動作を伴う疑似連演出など)の発生を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果情報に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえばリーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する疑似連演出指定用のリーチ変動パターン(疑似連有りリーチ変動パターン、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない疑似連演出指定用の通常変動パターン(疑似連有り通常変動パターン)などがある。なお、疑似連有り変動パターンの場合、疑似連回数を指定する情報も含むことができる。また各変動パターンに関する変動時間については、基本的には、リーチ変動パターンや疑似連有りリーチ変動パターンは、大当り当選期待感を煽るような演出を指定する変動パターンであるため、その演出時間との関係上、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていても良い(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)。また特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる図柄側の最大保留記憶数を多く設定しても良い。本実施形態では、特別図柄2に係る大当り抽選が、遊技者とり利益が高い大当り種が得られることから、たとえば特別図柄1側の最大保留記憶数を1個、特別図柄2側の最大保留記憶数をそれよりも多い4個に設定しても良い。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態(通常状態)」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。
なお本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば「特別図柄確変遊技状態(高確・電サポ有り)」には、「確変A遊技状態」、「確変B遊技状態」および「確変C遊技状態」といった複数種類の特別図柄確変遊技状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。すなわち、同じ確変遊技状態であっても特別図柄の変動パターンを選択する際の条件(変動パターン選択モード(遊技モード):後述の変動パターン振分指定番号(Tcode)。図35参照)が異なるようになっている。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、内部遊技状態は同じ「確変状態(ST遊技期間)」でありながらも、演出の発生に関連した遊技状態については、「確変A状態(ST前半)」、「確変B状態(ST中盤)」または「確変C状態(ST後半)」の各遊技モードとして管理し、それぞれの遊技モードに対応した演出を発生させるこができるようなっている。各遊技モードの移行条件や、演出内容を指定する特別図柄の変動パターンに関する詳細については後述する。
本実施形態において、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」の種類は、通常遊技状態と確変状態の2つだけであるが、潜確状態、時短状態を含ませることもできる。いずれにしても、このように大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード)」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態下であっても、変動パターン選択モードに対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるので、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出に大きな変化をもたらすことができる。これにより、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード)とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」が含まれる。
この「16R長開放確変大当り」や「4R長開放確変大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置(手段)で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りは、大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態への移行契機となる当りである。
上記の「16R長開放確変大当り」や「4R長開放確変大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りとなっている。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を16ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の4R長開放確変大当りについても同様)。
なお、ラウンド遊技間における上記「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間」とからなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間(たとえば、1980ms)を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでの時間幅(たとえば、20ms)を指す。この開放前インターバル時間中に大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は不正行為による不正入賞とみなし、無効なものとして扱われるようになっている。
(4−2−2.4R長開放確変大当りによる当り遊技)
4R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「4R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を4ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この4R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、12ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。
(4−3−1.16R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R確変大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が所定回数(本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)):たとえば77回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで(「大当りが確定」するまでとは、特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示され、大当り遊技の発生が確定した場合や、大当りに当選した場合であっても良い。以下同様)当該確変状態が継続され、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。なお本発明は「ST機」に限らず、次回大当りが確定するまで確変状態を継続させる構成としても良い。
(4−3−2.4R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
4R確変大当り遊技後は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行され、この確変状態となってからの遊技状態遷移は、上述した16R長開放確変大当りの場合と同じである。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、各遊技状態下に対応する演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、現在の遊技状態に関連した演出をなす演出モードを設け、その演出モード間を行き来可能に構成している。具体的には、「通常状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常演出モード」、「確変A状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変A演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変B演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変C演出モード」などを含む各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド(たとえば、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を知らせたりする、といった主制御部側で管理される遊技状態を特定可能とする演出制御コマンド)に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。また演出制御部24は、遊技状態を指定するコマンド(たとえば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信されるコマンド(「大当り開始コマンド」や「大当り終了コマンド」など))により、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号を把握し、これを管理可能に構成されている。
各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、たとえば「通常演出モード」下では季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出:第1の背景演出)、「確変A演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出:第2の背景演出)、「確変B演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出:第3の背景演出)、「確変C演出モード」下では季節‘冬’を連想させる背景演出(たとえば、雪山の背景画像を表示する背景演出:第4の背景演出)にそれぞれ切り替え制御される。
(5−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、図柄変動表示ゲーム中において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な予告演出を、上述した演出モード下で現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。斯様な演出態様には、「リーチ演出(リーチ変動パターンに係る演出態様)」に代表される予告演出の他、これらの演出に付随して、または単独的に発生するものが含まれる。これらの演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として機能する。上記当り当選期待度は、演出の出現率(選択率)の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の出現率(選択率)の高低に応じて変化する。具体的には、一のリーチ演出(たとえば、強SPリーチ)が出現する場合の当り当選期待度は、大当り時およびハズレ時を含めた当該リーチ演出が実行される割合(当該リーチ演出の全出現率)のうち、大当りの場合に当該リーチ演出が実行される割合(当選時の当該リーチ演出の出現率)で示される。つまり、リーチ演出に対する当り当選期待度は、「当選時の当該リーチ演出の出現率/当該リーチ演出の全出現率」で示され、この期待度が異なるように、大当り抽選結果に関連して各リーチ演出の選択率が定められている。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(5−2−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終結果を表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いことを遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示しているといった、いわゆる「聴牌状態(リーチ図柄)」を呈している。但し、最終的に導出される結果が必ずしも大当り発生を示す表示態様、たとえば「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」が導出されるとは限らない)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、大当りに当選したか否かの期待度を示す大当り当選期待度(大当りである可能性がある旨(大当りとなる旨を含む))を予告(示唆)するものであり、大当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ状態を伴うリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ状態(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’)を伴うリーチ演出が出現した場合に比べて、大当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ状態を伴うリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。このSPリーチの多くは、大当り期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。
本実施形態のリーチ演出には、各遊技状態および当り種別に応じて、複数種類のリーチ演出が設けられている(図32、図33参照)。リーチ演出における大当り当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、通常状態(非ST状態)中のハズレリーチ変動に係るNリーチ、SPリーチ1、SPリーチ3、SPリーチ5)については、「Nリーチ<SPリーチ1<SPリーチ3<SPリーチ5」の関係で、番号が大きくなるほど大当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(発生率)が定められている(他の遊技状態についても同様の関係)。なお、実際の大当り当選期待度は、他の予告演出が伴うか否かに応じて変化する。このため、たとえば、上記SPリーチ3が出現した場合であっても、大当り当選期待度の高い予告演出が絡めば、上記SPリーチ5と同等もしくはそれ以上の大当り当選期待度となりうる。
(5−2−2.疑似連演出(疑似連))
「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態(見た目上、停止表示したかのように装う変動停止動作)とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、見た目上、一セットとする変動表示動作が複数回実行されているかのように表現する変動表示態様をいう。この点、複数回の変動表示動作に跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。
この疑似変動を行う場合には、たとえば、仮リーチ状態(仮停止状態前にリーチ状態の可能性がある旨を示唆したり、リーチ図柄が停止するかの如く装ったりする変動表示状態)を形成しながら、一旦ハズレとなる図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を行ったり、あるいは、通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄(疑似連の発生可能性がある旨を示唆する特殊な装飾図柄(疑似連発動チャンス図柄))を含ませた図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を行ったりすることができる。斯様な「疑似連」は、主として、疑似連回数が多くなるほど大当り当選期待度が高まるようにその発生率(疑似連回数に応じた疑似連の発生確率)が定められており、特に、リーチ演出を期待させる予告演出として利用され、疑似連回数が多くなるほど当り当選期待度が高い、つまり、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別の発生が期待できるようになっている。
したがって上記「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(疑似連有りリーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、たとえばリーチ演出の発生可能性がある旨の予告として、仮停止状態時の停止図柄の組合せを構成する一部または全部の停止図柄が、リーチ状態を形成するときの図柄の組合せ(リーチ図柄)を構成する可能性がある旨を示唆する疑似変動表示動作を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態を経由して、最終的なゲーム結果が導出されることになる。なお、リーチ演出を含まない演出シナリオの場合(疑似連有り通常変動パターンに基づく演出態様の場合)、疑似変動が終了した後、リーチ状態を経由せずに最終的なゲーム結果が導出されることになる。ここで、上記疑似変動が終了した後に展開される変動表示動作を「本変動」とも称し、たとえばリーチ状態を経由する場合には、この本変動にてリーチ状態が形成されてリーチ演出が現出されて、最終的なゲーム結果が導出表示される。
本実施形態では、「疑似N回(N=2、3、4)」と表記する場合、疑似連と本変動を含めた一連の変動表示回数N回を意味する。たとえば、「疑似2」と表記する場合は、疑似変動1回+本変動、つまり疑似連1回後、本変動を実行するといった、見かけ上、計2回の疑似的な変動表示動作が行われることを意味し、また「疑似3(または疑似4)」と表記する場合は、疑似連2回(または疑似連3回)後、本変動を実行とするといった、見かけ上、計3回(または計4回)の疑似的な変動表示動作が行われることを意味する。なお、上記疑似連と上記リーチ演出とが伴う演出態様の場合、それぞれ別の演出態様である‘疑似連’と‘リーチ演出’とが複合したものとなっているが、説明の便宜上、本明細書では特に必要のない限り、疑似連有りリーチ演出を「リーチ演出」と同列に扱う。
(5−2−3.ボタン予告演出)
上記「ボタン予告演出」とは、遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る演出態様をいい、いわゆる、「遊技者参加型」の演出態様をいう。この「ボタン予告演出」では、所定の操作受付期間中、遊技者に対して枠演出ボタン13の操作を促す情報が報知され、この報知期間中に枠演出ボタン13が操作されたか否かに応じてその後の演出が変化するようになっており、たとえば現出中のキャラクター表示が変化したり、特殊な効果音が発生したりすることにより、大当り当選期待度を示唆することができるようになっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
(5−3.先読み予告演出)
また演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、大当りの当選可能性がある旨(大当り当選期待度)を事前に報知する先読み予告演出がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる(図10のステップS317〜S318、図11のステップS337〜S338(乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理)参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターンを事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由するリーチ演出指定用のリーチ変動パターン(リーチ変動パターン)となるのか、それともリーチ状態を経由しない非リーチ演出指定用の通常変動パターン(通常変動パターン)となるのかについて事前に判定される。なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、リーチの有無や疑似連の有無・その回数などの情報だけでなく、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターン判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
詳しくは、上記先読み判定結果の情報を含む「保留加算コマンド」が主制御部20から演出制御部24に送信され、当該保留加算コマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる先読み判定結果の内容に基づく先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。この保留加算コマンドは2バイトで構成され、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト側のデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データとから構成される(図5参照)。したがって、保留加算コマンドには、作動保留球情報(特図1、2の別と作動保留球数情報)と、先読み変動パターン情報とが含まれる。作動保留球情報と先読み変動パターン情報とが含まれる。ただし演出制御部24は、保留加算コマンドを受信した場合に必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行を抽選により決定し、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させることができる。
なお作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「通常中SPリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「SPリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「SPリーチ」種別、または大当り当選期待度が相対的に低い「弱SPリーチ種別(たとえば、通常状態であれば、通常中SPリーチ1、3)」、あるいは、大当り当選期待度が相対的に高い「強SPリーチ種別(たとえば、通常状態であれば、通常中SPリーチ5)」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチ種別」、または「弱SPリーチ種別」、あるいは「強SPリーチ種別」である旨を指定することができる。このケースに係る先読み予告演出では、先読みされた「リーチ種別」に関連した演出態様が現出されることになる。したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、大当り当選期待度が高い煽り演出(本ケースでは、SPリーチ種)が発生する可能性が高いか低いかといった情報、換言すれば、大当りの当選可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(5−3−1.先読み予告演出態様:図5、図6)
次に図5および図6を参照しながら、先読み予告演出態様について説明する。図5および図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図5を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される(図5(イ)参照)。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている(図5(ロ)参照)。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特図図柄1側に対応)、a2〜d2(特図図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記保留加算コマンドを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選に係る作動保留球が先読み予告演出の対象となった作動保留球となる(たとえば、図5のハッチングを施した保留表示部b2が該当する)。なお本実施形態では、先読み予告抽選実行条件として、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ変動パターン種別がないことを条件とする。これは、連続的に発生している先読み予告演出の途中に他のリーチ演出が介在して、本来の先読み予告演出が寸断され、その演出効果が希薄になってしまうのを回避するためである。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示の青色から、予告表示の黄色、緑色、赤色、または虹色などの特殊な保留色に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、大当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。この保留色は、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。具体的には、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が大当り当選期待度が高い保留色が高確率で選択されるようになっている。なお「保留表示変化系」の先読み予告演出態様としては、上述のように保留色を変化させることに限らず、特殊なキャラクタを模したアイコンなどに変化するようにしても良い。このような「保留表示変化系」の先読み予告演出は、作動保留球発生時に現出されることから「入賞時変化系」の先読み予告演出と称される。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御が行われるが、上記した通常と異なる保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、上記の保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能となっている。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行し連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する全ての保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にする。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全ての図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出も「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。なお、上記先読み予告演出を他の演出手段により現出させても良く、たとえば、可動体役物(図示せず)を先読み専用の動作パターンで動作させて、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って先読み演出として現出可能に構成しても良い。
次に図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下、「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(たとえば、稲妻を模した稲妻画像表示による稲妻演出:専用予告画像)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。なお同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を示したものである。このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。その後、今回の図柄変動表示ゲーム中に、大当り当選期待度が相対的に高まる煽り演出(疑似連やリーチ演出(SPリーチ))が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
(5−4.演出手段)
パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であれば、いずれも本発明における演出手段として採用することができる。装飾ランプ45やLED装置、スピーカ46、液晶表示装置36などの光発生手段、音響発生装置、演出表示装置、操作者の体に直接にまたは空気などの媒体を介して振動を伝える加振装置、あるいは視覚的演出効果がある可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
また、枠演出ボタン13(手操作手段)の操作を、特定の期間(たとえば、大当りへの当選期待度が相対的に高い煽り演出が発生中の一部または全部の期間)操作不能状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下できないようにする)、または操作困難状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下し難くする)に置く特殊演出手段を設けても良いし、手操作手段に対して振動を与える加振装置を設けても良い。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出手段として、上記の第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、第3の可動体役物(回転灯62)を搭載している。
<主制御部側の処理:図7〜図21>
次に図7〜図21を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図7)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図8)とを含んで構成される。
<6.主制御側メイン処理:図7>
図7は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、CPU201は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(ステップS012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、ステップS012の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(ステップS016)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次に、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」が初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS017)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(ステップS018)。
次に、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS019)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。この各種乱数更新処理(ステップS021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ、などが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS021の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
ステップS012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、初期化スイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS012:YES)。そこで、このような場合、ステップS012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS013)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘XXH’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理の処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS013:NO)、ステップS016の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(ステップS013:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(ステップS014)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、ステップS014の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS014:NO)、ステップS016の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(ステップS014:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行する。
ステップS015の遊技復旧処理を終えると、ステップS019の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。
<7.主制御側タイマ割込処理:図8>
次に図8を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図8は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。以下では説明の便宜上、CPU201がRAMやROMなどのメインメモリを読み書きする際のアドレス値(そのアドレスに記述されているデータ類を含む)やプログラム上の演算処理により得られた結果情報などを、CPU内蔵のレジスタ内に読み込んだり取り込んだりするなどの処理を「取得」と称し、またCPU201がRAMのワーク領域にアクセスして、所定のデータを記憶させることを「格納」と称する場合がある。
図8において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において入賞を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。また上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS054)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(ステップS055)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常を監視し、異常(エラー)が発生した場合には、所定のエラー処理を行う。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS056)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)29に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板29は、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS058)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS057)の補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド41aに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド41aに対して出力され、これにより可動翼片47の動作が制御される。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS059)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図9にて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を行う(ステップS060)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図17にて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS061)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、右打ち指示情報(右流下経路3cを狙う旨を指示する情報(普通図柄始動口37に入賞を促す指示情報))を報せる「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。この右打ち情報が報知されるケースとしては、電サポ有り状態下において遊技者が誤って発射位置を左流下経路3b側に狙いを定めていると推定されるケースで、電サポ有り状態下において、上始動口34に入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口37へ入賞が発生しない場合などが挙げられる。このような場合、右打ち報知情報管理処理において、上記発射位置誘導演出の開始を指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が上記発射位置誘導演出を現出制御する構成となっている。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39aや特別図柄表示装置38a,38bに対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおステップS057の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、ステップS059の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図9のステップS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS063)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報(当り遊技開始情報、図柄変動表示ゲーム開始・終了情報、入賞発生情報、賞球払い出し情報など)をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS064)。このソレノイド管理処理では、ステップS058の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド41cに対する励磁信号の出力処理、ステップS060の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、可動翼片47や開放扉52bが所定のパターンで動作し、下始動口35や大入賞口50が開閉される。
以上のステップS051〜ステップS064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<8.特別図柄管理処理:図9>
次に、図8中の特別図柄管理処理(ステップS059)について説明する。図9は、ステップS059の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、CPU201は、まず特別図柄1側(上始動口34側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(ステップS301)、次いで、特別図柄2側(下始動口35側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(ステップS302)。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、大当り遊技中でない場合、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00Hまたは01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を実行し、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作が実現されることになる。なお上記の特別図柄変動開始処理(ステップS306)、特別図柄変動中処理(ステップS307)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細は、後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS062)で出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(8−1.特図1始動口チェック処理:図10)
まず、特図1始動口チェック処理(図9のステップS301)について説明する。図10は、上記のステップS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特図1側の入賞時処理)として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などが行われる。なお後述の特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)も特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、および保留加算コマンドの作成処理などが行われ、次に述べる特図1始動口チェック処理と同じ処理手順を踏む。
図10において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合(ステップS312:YES)、後述のステップS325の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリア(第1の保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する特図2保留記憶エリア(第2の保留記憶エリア))とが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数および変動パターン用乱数は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。
他方、大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数値をカウントするための大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から抽出される。この乱数生成回路は、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ34aから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。このカウント値は、大当り判定用乱数値として、RAM203の保留記憶エリアと別個に設けられたRAM203の大当り判定用乱数値用の記憶領域(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納され、CPU201は、必要なタイミングで、その特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファに格納された大当り判定用乱数値を読み出し利用する。
次いで、保留加算コマンド(詳細は後述する)を作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得し(ステップS315)、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。上記「特図1先読み禁止条件」とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず(ステップS315の処理により保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなる)、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS316:YESの処理ルート参照)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合に、特別図柄1側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ有り状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄1側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
第1の理由としては、‘電サポ有り状態’下に置かれた場合は、下始動口35への入賞率が通常遊技状態よりも著しく向上し得る「高ベース遊技状態(可動翼片47の作動率向上状態:補助当りの当選確率が256分の255となり、開放延長機能が作動する)」となるため、遊技者が普通図柄始動口37へ入賞させるように発射位置を狙い定めた場合(本実施形態では、右流下経路3cを遊技球が通過するように狙いを定めた場合)、特別図柄2に係る作動保留球数(以下、「特図2作動保留球」と称する)が頻繁に発生するものと推定される。これに対し、電サポ無し状態下に置かれた場合は、可動翼片47の作動率が低い「低ベース遊技状態(補助当りの当選確率が256分の1となり、開放延長機能が未作動となる)」となり、また本実施形態では、遊技くぎなどの落下方向変換部材に起因して、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっており、遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合には、特に不利益をもたらす、という遊技性となっている。このため、電サポ有り状態中に遊技者が左流下経路3b側を遊技球が通過するように発射位置を定めることはないものと推定され、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特図1作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
また第2の理由としては、技術介入性の問題がある。技術介入性の問題が生じる例としては、現在、特図1作動保留球を対象とした何らかの先読み予告演出(特に、大当り当選期待度が高い先読み予告演出)だけが発生した場合、遊技者がこれを認識すれば、特図2作動保留球を途切れないようにして優先変動側である特別図柄変動表示ゲーム2を継続的に実行させることで、特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選の恩恵を最大限受けながらゲームを進行させていくことができてしまう。本実施形態では、特別図柄1側の図柄抽選を受けるよりも特別図柄2側の図柄抽選を受けた方が、「4R長開放確変大当り」に比べ利益の高い「16R長開放確変大当り」が高確率で当選するようになっている(詳細は後述する)。このため、特別図柄1側(特別図柄変動表示ゲーム1側)の大当り抽選を受けるよりも特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選を受ける方が、遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。これを利用し、特図1作動保留球の大当り当確が判明している場合には、電サポ有り状態が終了するまで特別図柄2側の大当り抽選の恩恵を最大限受けた後、その当選に係る特図1作動保留球を消化させて容易に大当りを得る、といった技術介入性の問題が生じ、遊技者間の不平等を招来する。
そこで本実施形態では、上記のような問題点に鑑み、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を設け、遊技状態に応じて、これらの区間を切り替え制御可能に構成されている。
再びステップS316の説明に戻り、特図1先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS316:YES)、先読み判定に関する処理(ステップS317〜S319)は行わずに、ステップS320の処理に進む。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS316:NO)、次いで、乱数判定処理を行う(ステップS317)。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「当落抽選」を事前に判定する‘先読み当落判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(後述の図12のS409参照)」の抽選結果(変動開始時の当落抽選結果)を先読み判定する。
ステップS317の乱数判定処理に入ると、まずRAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、次いで、後述の特図1用当り乱数判定テーブルを取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落判定(大当りとハズレの別の判定)を行う。
(T−1.当り乱数判定テーブル)
上記当り乱数判定テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る「特図1用当り乱数判定テーブル(図示せず)」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「特図2用当り乱数判定テーブル(図示せず)」とが含まれる。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)と低確率状態(低確))別に、当落種別(大当りか、小当りか、ハズレかの別)を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当り、小当り、またはハズレのいずれかが決定される。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」といったように当落種別が異なる場合がある。本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態ではそれよりも10倍程度上昇した約1/39.7で大当りに当選するようになっており、小当りの当選確率は、大当り抽選確率状態にかかわらず、約1/200となっている。つまり、小当りの当選確率は大当り抽選確率状態にかかわらず一定であり、この点、大当り抽選確率状態により当選確率が変動する上記の大当りと性格を異にする。
この当落抽選(先読み当落判定)により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH(大当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「大当り非当選(大当り判定フラグがOFF状態)」となる。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグが「5AH(小当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「小当り非当選(小当り判定フラグがOFF状態)」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ(大当り判定フラグおよび小当り判定フラグがOFF状態)’となる。
なお特別図柄変動表示ゲーム2による当落抽選(特図2始動口チェック処理中のステップS337(図11参照))では、別途設けた上記「特図2用当り乱数判定テーブル」を利用した抽選が行われる。本実施形態の特図2用当り乱数判定テーブルにおいては、大当り当選の判定領域は同じ(大当りの当選確率は同じ)であるが、小当り当選となる判定値自体を定めていない。すなわち、特別図柄変動表示ゲーム1では、大当り、小当り、およびハズレが当落抽選対象とされるが、特別図柄変動表示ゲーム2では、大当りとハズレだけが当落抽選対象とされる。勿論、特図2用当り乱数判定テーブルについても、小当りを当落抽選対象として定めても良い。
上記したステップS317の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS318)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「図柄抽選」を事前に判定する‘先読み図柄判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別停止図柄作成処理(後述の図12のS410参照)」の抽選結果(変動開始時の図柄抽選結果)を先読み判定する。なお上記乱数判定処理(ステップS317)〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)が‘先読み当り判定’に係る処理となる。
ステップS318の特別停止図柄データ作成処理に入ると、まずステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果を取得し、この当落抽選結果(大当り、小当り、ハズレの別)に応じて、大当り図柄テーブル、小当り図柄テーブル、またはハズレ図柄テーブルのいずれかを選択する。そして、ステップS314で取得した特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした先読み図柄判定(当り(当選)種別の先読み判定)を行う。
(T−2.図柄テーブル)
上記の各図柄テーブルには、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、当選種別を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、当選種別を識別するための特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
ここで「特別図柄判定データ」とは当選種別(当選の種類:大当り種別およびハズレ種別)を識別するデータであり、つまり4R長開放確変大当りと16R長開放確変大当りのいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12のステップS411の遊技状態移行準備処理、ステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、大当り遊技の実行制御に関する処理(図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)など)において利用されるデータである。
また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄種別を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。本実施形態では、たとえば、同じ16R大当りの場合であっても、判定値によっては特別図柄表示装置38a、38bに表示される特別停止図柄の表示態様(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)が異なる場合がある。このように、当選種別が同じであっても、特別図柄判定用乱数値に応じた複数種類の特別停止図柄番号を定めることにより、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄を見ても、遊技者がどのような種類の大当りやハズレに当選したかの見分けがつき難いようにすることができる。
(T−2−1.大当り図柄テーブル)
本実施形態の大当り図柄テーブル(図示せず)には、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「大当り図柄テーブル1」と特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「大当り図柄テーブル2」とが含まれる。各大当り図柄テーブルには、特別図柄判定用乱数値と、大当り種別を決定するための判定値とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが決定されるようになっている。
たとえば、大当り図柄テーブル1では、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜159の範囲に属する場合には「4R確変大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):160/200)、判定値160〜199の範囲に属する場合には「16R確変大当り」当選となり(図柄選択率:40/200)、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが、所定の図柄選択率で決定されることになる。
また上記大当り図柄テーブル2は、上述の大当り図柄テーブル1と基本的な構成は同じであるが、大当り図柄テーブル1と次の点が異なる。大当り図柄テーブル2では、大当り図柄テーブル1と比較し、特定の大当りの図柄選択率(図柄抽選確率)が異なる。たとえば、判定値0〜79の範囲に属する場合には「4R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):80/200)、判定値80〜199の範囲に属する場合には「16R長開放確変大当り」当選となっており(図柄選択率:120/200)、16R確変大当りの選択率が相対的に高い。つまり、大当り図柄テーブル1による図柄抽選よりも大当り図柄テーブル2による図柄抽選の方が相対的に高い利益の大当りが選択される確率が高く、遊技者にとって有利な図柄抽選となっている。これにより、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の抽選を受ける方が遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。
(T−2−2.ハズレ図柄テーブル)
本実施形態のハズレ図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「ハズレ図柄テーブル1」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「ハズレ図柄テーブル2」とが含まれる。
上記ハズレ図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルや小当りテーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、ハズレ種別(ハズレAまたはハズレBのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データが決定されるようになっている。なお、ハズレ図柄テーブル1とハズレ図柄テーブル2とは、ハズレA〜Bの当選に係る判定値が異なっており、したがって特別図柄判定用乱数値が同じ値であっても、ハズレ図柄テーブル1が参照される場合と、ハズレ図柄テーブル2が参照される場合とでは、当選となるハズレ種別が異なる場合がある。本実施形態では、ハズレAの当選確率よりもハズレBの当選確率の方が低く定められている。
上記したステップS318の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理も、上記乱数判定処理(ステップS317)や特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)と同じく、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る変動開始時の変動パターンを先読みする‘先読み変動パターン判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別図柄変動パターン作成処理(後述の図12のS412参照)」の結果(変動開始時の変動パターン内容)を先読み判定する。
上記始動口入賞時乱数判定処理に入ると、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた図柄抽選結果と、変動パターン用乱数とを利用し変動開始時の変動パターンの先読み判定を行い、その判定結果に基づいて、後述の「保留加算コマンド」の作成に利用される入賞コマンドデータ(2バイト目(EVENT):下位バイト)の作成処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理において決定される入賞コマンドデータ(EVENT)により、先読み変動パターン(作動保留球数情報は除く)の内容が指定される。
ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト(MODE)側の入賞コマンドデータと、先読み変動パターンを指定する下位バイト(EVENT)側の入賞コマンドデータとから構成される「保留加算コマンド」を作成し(ステップS320)、演出制御部24に送信する(ステップS321)。これにより、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて、図11の特図2始動口チェック処理(ステップS302)を行う。なお上記保留加算コマンドは、具体的には、作動保留球数と特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)とに応じて作成され、先読み判定時の作動保留球数およびその特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)側の入賞コマンドデータと、先読み変動パターン種別を指定する下位バイト(EVENT)側の入賞コマンドデータとから構成される。
上記「保留加算コマンド」には、主として、作動保留球数に関する情報と、先読み変動パターン種別に関する情報とが含まれる。また本実施形態では、特別図柄種が複数種類(特別図柄1と特別図柄2)あるので、この特別図柄種別に関する情報も含まれる。斯様な保留加算コマンドにより、今回の保留記憶ついて、いずれの特別図柄側であるのか、何個目の作動保留球であるのか、先読み判定結果はどのような変動パターンであるのか等について演出制御部24側において特定可能となる。なお、先読み変動パターン種別に関する情報は、演出制御部24側において先読み演出抽選をする契機に利用され、作動保留球数に関する情報と特別図柄種別に関する情報は、図5に保留表示領域76、77として示すように、特別図柄1側と特別図柄2側に区別して作動保留球数を表示するのに利用される。
(保留加算コマンドの変形例)
上記したように、保留加算コマンドには複数種類の情報が含まれている。本実施形態では、単一の保留加算コマンドを作成してこれを演出制御部24側に送信する形態としているが、これに限らず、次のような形態の保留加算コマンドとすることができる。
保留加算コマンドを複数種類の制御コマンドに分け、これらを順次送信可能な構成とすることができる。複数種類の制御コマンドとしては、たとえば、作動保留球数に関する情報を含む制御コマンド(保留記憶された保留球数に関する情報を含む第2の制御コマンド)と、先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンド(先読み判定結果に関する情報を含む第1の制御コマンド)とすることができる。
また、特別図柄種別情報を含ませる場合には、作動保留球数に関する情報および特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に関する情報を含む制御コマンドと、先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンドとするか、または、作動保留球数に関する情報を含む制御コマンドと、特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に関する情報および先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンドとすることができる。
また作動保留球数に関する情報を含む制御コマンドと、特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に関する情報を含む制御コマンドと、先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンドとすることができる。
本実施形態では、演出制御コマンドに複数種類の情報を含ませて演出制御部24に送信する場合、それら情報を単一の演出制御コマンドに含ませて演出制御部24に送信する構成としているがこれに限らず、一の情報を含む演出制御コマンドと、他の情報を含む演出制御コマンドとに分けて、単一の演出制御コマンドが有する情報を、上述のように、複数の演出制御コマンドに分担させる形態で演出制御部24に送信する構成としても良い。
(8−2.特図2始動口チェック処理:図11)
次に、特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)について説明する。図11は、特図2始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
上記特図2始動口チェック処理は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、先に述べた特図1始動口チェック処理の流れと同じように、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などの処理が行われる。以下、上記特図1始動口チェック処理(ステップS301)と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図11において、CPU201は、まず下始動口35において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS331)。
下始動口35の入賞検出がなかった場合は(ステップS331:NO)、何もしないで特図2始動口チェック処理を抜ける。しかし下始動口35の入賞を検出した場合は(ステップS331:YES)、特別図柄2の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS332)。
特図2作動保留球数が4以上である場合(ステップS332:YES)、ステップS345に進む。一方、特図2作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図2作動保留球数を1加算(+1)し(ステップS333)、ステップS334の処理に進む。
ステップS334の処理に進むと、今回発生した特図2作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム2に利用される各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)の乱数カウンタの現在値を取得し、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS334)。この処理は、図10のステップS314の処理の仕方と同じである。この特図2作動保留球は、特別図柄2の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶数を所定の上限値として、始動条件の成立順に保留記憶される。
次いで、入賞コマンドデータとして、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(下位バイト「01H」)を取得し(ステップS335)、「特図2先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS336)。上記「特図2先読み禁止条件」とは、特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図2先読み禁止条件が成立している場合(ステップS336:YES)、今回の特図2作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS336:YESの処理ルート)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ無し状態を伴う遊技状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が、通常遊技状態中である場合は、特別図柄2側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ無し状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄2側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
「通常遊技状態」であるならば、‘電サポ無し状態’下に置かれ、下始動口35の入賞率が著しく低下する。また既に説明したように、本実施形態では、上記電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合、左流下経路3bを遊技球が通過するように狙いを定めた場合よりも上始動口34の入賞率が著しく低下してしまう、といった遊技者にとって不利益をもたらす遊技性となっている。このため、電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めることはないものと推定される。したがって、電サポ無し状態中においては、特図2作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、また発生率の低い特図2作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
なお本実施形態では、遊技状態に応じて、特別図柄1側の先読み禁止区間(先読み禁止状態の期間)と特別図柄2側の先読み禁止区間とを切り替え可能に構成されているが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技状態に応じて、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれか一方の先読み判定は一切実施しないという構成としても良い。
再びステップS336の説明に戻り、特図2先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS336:YES)、ステップS340の処理に進む。しかし特図2先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS336:NO)、ステップS337の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS337)。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み当落判定」が行われる。また基本的な処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS317の乱数判定処理と同じである。
ステップS337の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS338)。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み図柄判定」が行われる。また基本的な処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS318の特別停止図柄データ作成処理と同じである。
次いで、特図1始動口チェック処理中と同様の始動口入賞時乱数判定処理を行い(ステップS339)、入賞コマンドデータと作動保留球数に基づき、保留加算コマンドを作成し(ステップS340)、作成した保留加算コマンドを演出制御部24に送信して(ステップS341)、特図2始動口チェック処理を抜ける。
(8−3.特別図柄変動開始処理:図12)
次に、特別図柄変動開始処理(ステップS305)について説明する。図12は、図9中の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を行う。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S416)を行う。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。ステップS401とS402の処理は、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる「優先変動手段」として機能する。
本実施形態では、上記優先変動手段により、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている。より詳しくは、特別図柄1または特別図柄2が停止表示されたことを条件に、上記第1の保留記憶エリア(第1の保留記憶手段(特別図柄1側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄1に関する保留データ(第1の保留記憶:特図1作動保留球)が記憶されており上記第2の保留記憶エリア(第2の保留記憶手段(特別図柄2側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄2に関する第2の保留データ(第2の保留記憶:特図2作動保留球)が記憶されていない場合には、当該第1の保留データのうちの最も先に記憶された保留データに基づく第1の特別図柄の変動表示を開始させる一方、当該第2の保留記憶エリアに当該第2の保留データが記憶されている場合には、その第1の保留記憶エリアに上記第1の保留データが記憶されているか否かにかかわらず、当該第2の保留データのうち最も先に記憶された保留データに基づく当該第2の特別図柄の変動表示を開始させるようになっている。
なお特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、デモ画面表示に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H)」であるか否かを判定する。この「待機中(00H)」は、上記「作動保留球なし」の状態を示す動作ステータスである。初めてステップ417の判定処理を通過する場合には、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」となっている(後述の図16Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)。この「待機中(01H)」の場合には、ステップ418の処理に進み、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:ステップS418)、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなし、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS401:NOまたはS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S417)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S417の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別をせずに説明していく。
ステップS403に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む制御コマンドを「保留減算コマンド」として作成し、これを演出制御部24に送信する(ステップS404)。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアする(ステップS407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、ステップS407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(ステップS408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS408)。この「残り時短回数コマンド」は、演出制御部24側において、残りの時短回数情報を報知する際に利用される。
次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う(ステップS409)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。なお特別電動役物作動判定用乱数判定処理は、「当落抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「当落抽選」を行う。特別電動役物作動判定用乱数判定処理の処理手順は、乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)と実施的に同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データに基づき、今回の変動表示側に対応する当り乱数判定テーブルを取得する。この当り乱数判定テーブルは、乱数判定処理(図10のステップS317、図11のステップS337)で利用した当り乱数判定テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づく、大当りおよびハズレの別の当落抽選を行う。
この当落抽選により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「大当り非当選」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」に当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ’となる。
ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(ステップS410)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。なお特別停止図柄作成処理は、「図柄抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「図柄抽選」を行う。特別停止図柄作成処理の基本的な処理手順は、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)と同じであるので、重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データとステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果(上記大当り判定フラグと小当り判定フラグ)と、を取得し、これらに基づき、今回の変動表示側に対応する図柄テーブルとして、大当り図柄テーブル1、2、ハズレ図柄テーブル1、2のいずれかを選択する。この図柄テーブルは、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)で利用した図柄テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、上記選択した図柄テーブルと、特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行い、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別を決定する。
ステップS410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(ステップS411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。なお、この遊技状態移行準備処理の詳細は図13にて後述する。
ステップS411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(ステップS412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、特別電動役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、および変動パターン用乱数などを利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを決定する。そして、その変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターンの内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。なお、特別図柄変動パターン作成処理は、特別図柄の変動パターンを決定するといった点において‘先読み判定’処理の一つである始動口入賞時乱数判定処理および保留加算コマンドに関する作成処理(図10のステップS319〜S320、図11のステップS339〜S340)と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターン、つまり変動開始時の変動パターンが決定される。
ここではまず、変動パターン用乱数値を取得し、次いで、大当り抽選結果(当落抽選、図柄抽選)に基づき、下記の当り変動パターン振分テーブル(図32、図33の当り区分)またはハズレ変動パターン振分テーブル(図32、図33のハズレ区分)を取得する。そして、非ST中の場合には、図32の変動パターン振分テーブルと変動パターン用乱数値と基づき、特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。また、ST中の場合には、図33の変動パターン振分テーブルと変動パターン用乱数値と基づき、詳しくはST遊技中の遊技モード(ST前半、ST中盤、ST後半)の別と、当り種別(16R大当り、4R大当り)の別を加味して、特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。
(T−3.変動パターン振分テーブル:図32、図33)
図32に非ST中変動パターン振分テーブルを、図33にST中変動パターン振分テーブルを示す。これらの変動パターン振分テーブルには、変動パターン振分指定番号(現在の遊技状態)、作動保留球数(ハズレ変動パターン振分テーブルの場合の図中の「保0」〜「保3」の表記は、今回変動表示動作に供される作動保留球を除く、残りの作動保留球数「0個」〜「3個」を示す)、大当り抽選結果(特別停止図柄作成処理(ステップS410)の図柄抽選結果)、および変動パターン用乱数値(乱数値の大きさ:200)などが関連付けて定められており、変動パターン用乱数による抽選により複数種類の変動パターンのうちからいずれかの変動パターンが選択されるようになっている。なお図32および図33では、説明の便宜上、変動パターンの「選択率(抽選確率)」を表記しているが、実際には、変動パターンを決定するための判定領域(判定値)が定められており、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するのか否かにより、目的とする変動パターンが決定されるようになっている。
このとき、変動時間決定テーブルも決定される。この「変動時間テーブル」には、各変動パターンに対応した変動時間(変動表示動作時間)が定められており、これにより、選択した変動パターンの変動時間が決定される。なお、この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、主に、当り・ハズレの別の当落抽選結果、図柄抽選結果情報、現在の遊技状態種別、変動時間、特定の予告演出の実行指定情報(たとえば、リーチ演出種(Nリーチ、通常中のSPリーチ1〜7、確変中のSPリーチ1〜8など)の指定情報、疑似連回数の指定情報など)が含まれる。CPU201は、その内容を特定可能とする「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信し、演出制御部24は、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の演出を現出制御するようになっている。なお、本実施形態の場合、変動パターンに関する情報に図柄抽選結果情報(大当り種別情報:特別停止図柄番号または特別図柄判定データに関する情報)を含ませているが、図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含ませても良い。この場合、変動パターン指定コマンドには、主に、当り・ハズレの別の当落抽選結果、現在の遊技状態種別、変動時間、特定の予告演出の実行指定情報などが含まれ、装飾図柄指定コマンドには、大当り種別情報が含まれる。
(T−3−1.非ST中変動パターン振分テーブル:図32)
図32の非ST中変動パターン振分テーブルおよび図33のST中変動パターン振分テーブルにおいて、変動パターン振分指定番号「00H」、「01H」、「02H」および「03H」により、通常中(非ST中)の遊技状態、確変状態中(ST中)のST中前半区間(確変A)、ST中盤区間(確変B)およびST中後半区間(確変C)という4つの遊技状態(現在の遊技状態)が区分されている。
図32の非ST中変動パターン振分テーブルは、このうちの変動パターン振分指定番号「00H」で特定される遊技状態(非ST中:通常遊技モード中)にて参照される変動パターン振分テーブルとなっており、通常遊技モード中に大当りに当選した場合に選択される当り用変動パターン振分テーブル部分と、ハズレに当選した場合に選択されるハズレ用変動パターン振分テーブル部分とを含み、それぞれ変動パターンの種類とその選択割合とが定められている。
変動パターンの種類としては、変動時間が1秒、2秒、5秒、8秒、10秒、12秒の「通常変動(リーチなしハズレ変動)」の変動パターンと、リーチハズレ変動(Nリーチ種別)の「リーチ1、2」、リーチハズレ変動(SPリーチ種別)の「SPリーチ1、3、5(SPリーチ変動A1、A3、A5)」と、リーチ当り変動(SPリーチ種別)の「SPリーチ1〜8(SPリーチ変動A1〜A8)」の変動パターンとが設けられている。なお、図32〜図33に示す変動パターンは、説明の便宜上、代表的な変動パターンを例示したものであり、本発明の目的を達成できるものであれば、種々の変動パターンを設けることができる。
各変動パターンの選択割合は、全体を200(抽選領域の大きさ)としたときの数値(当選領域の大きさ:図示のアラビア数字)により示されており、数値が書き込まれていないセルは選択されない変動パターンであることを示している。たとえば、リーチなしハズレ変動パターンについて代表的に説明すれば、通常変動12sは、保留0個(保留無し)または1個のときは、172/200で、保留2個のときは、3/200の割合で選択されることを示している。
通常変動1秒の変動パターンは確変A専用であり、通常変動2秒の変動パターンは確変B専用、通常変動10秒の変動パターンは確変C専用であり、非ST中では選択されない。またSリーチ8(SPリーチ変動A8)はST中における特殊の条件下でのみ最高の祝福演出(図33)を現出させる専用のものであるため、非ST中では選択されない。またリーチ当り変動のうちSPリーチ1、3、5(SPリーチ変動A1、A3、A5)は、非ST中およびST中のいずれの遊技モード中においても選択されることのある変動パターンであり、大当りとハズレのいずれに当選した場合でも選択される可能性がある。
(T−3−2.ST中変動パターン振分テーブル:図33〜図34)
図33のST中変動パターン振分テーブルは、変動パターン振分指定番号「01H」、「02H」および「03H」で特定されるST中前半区間(確変A)、ST中盤区間(確変B)およびST中後半区間(確変C)の各遊技モード中で参照される変動パターン振分テーブルとなっており、各遊技モード中において大当りに当選した場合に、その当り種別(16R大当り、4R大当り)に応じて選択される当り用変動パターン振分テーブル部分(図34で16R大当りの場合はα1、α21、α22、α23、α31、α32のテーブル、4R大当りの場合はβ1、β21、β22、β23、β31、β32のテーブル)と、ハズレに当選した場合に選択されるハズレ用変動パターン振分テーブル部分(図34のγ1、γ2、γ3)とを含み、それぞれ変動パターンの種類とその選択割合とが定められている。
大当りした場合に選択される変動パターンの種別としてSPリーチ変動A1〜A8が用意されており、この変動パターン指定コマンドを受信した場合、演出制御部24側が現出させる演出との対応関係は次のようになっている。
「SPリーチ変動A1」は、主役物(第1の可動体役物)である時計型役物80の作動を伴う演出(「演出A」)の現出(実行)に関連する変動パターンである。
「SPリーチ変動A2」は、第3の可動体役物である回転灯62を作動させて、16ラウンドの大当りに当選したことを報知する16R確定音の発生を伴う演出(「演出B(16R確定報知)」)の現出に関連する変動パターンである。
「SPリーチ変動A3」は、副役物(第2の可動体役物)である花型役物90の作動を伴う演出(「演出C」)の現出に関連する変動パターンである。また本実施形態では「演出C」が現出される場合に、これに付随して、大当り種別および/またはST期間に応じて、所定確率で「激光(光演出)と騒音(爆発音)(音演出)」を伴う「爆轟演出(特殊演出)」が現出される。つまり、演出Cが現出される場合、花型役物90の作動を伴う「演出C」だけが現出されるケースと、花型役物90の作動を伴う「演出C」と、光・音演出とによる爆轟演出とが伴う「演出C+特殊演出」という‘複合系演出’が現出されるケースとが存在する(後述のSPリーチ変動A5、A6についても同様)。演出Cが現出された場合において、この爆轟演出が付随して現出される割合は、たとえば、非ST中において「16R大当りの場合には15%、4R大当りの場合には10%」、ST前半において「16R大当りの場合には40%、4R大当りの場合には30%」、ST中盤において「16R大当りの場合には25%、4R大当りの場合には25%(異なる割合でも良い。たとえば、16R大当りの場合には25%、4R大当りの場合には15%:16R大当りの方が出現しやすい)」、ハズレの場合には「非ST中5%、ST中5%(異なる割合でも良い。たとえば、非ST中5%、ST中10%:ST中の方が出現しやすい)」となっており、爆轟演出が現出されるか否かにより、大当りやいずれの大当り種別に当選したかの期待度が変化しうるようになっている。たとえば、16R大当り時に演出Cが現出された場合に、爆轟演出の現出率を、ST中盤よりもST前半の方が高くなるように定めれば、ST前半において爆轟演出が現出された場合には、ST中盤よりも16R大当りの当選期待度が高まることになる。なお、爆轟演出の現出率は、本発明の目的を達成できるものであれば、適宜変更することができる。
「SPリーチ変動A4」は、時計型役物80による「演出A」と回転灯62による「演出B」とを同時に伴う複合系演出(「演出A+B(16R確定報知)」)を現出させる。なお、SPリーチ変動A4による複合系演出の「演出B」は、必ず現出させても良いが(現出率100%)、好ましくは、現出率を100%未満にする(たとえば、70%)。現出率が100%未満の場合、演出Bが現出されないケースを作り出すことができるので、演出Aを現出させるSPリーチ変動A1との区別が付きにくくなる。これにより、いずれの変動パターンが選択されたのかを遊技者側に秘匿し、演出展開をじっくり鑑賞させることができるようになる。
「SPリーチ変動A5」は、時計型役物80による「演出A」と花型役物90による「演出C」とを同時に伴う複合系演出(「演出A+C」)の現出に関連する変動パターンである。このSPリーチ変動A5は、大当りとハズレのいずれに当選した場合でも選択される可能性がある変動パターンのうち、複合系演出の実行に関連する変動パターンであることから、変動時間が相対的に長い変動パターンとすることができる。なお、このSPリーチ変動A5は、演出Cの実行に関連する大当りの当選期待度を高めるべく、大当り当選時において、上述のSPリーチ変動A3よりも相対的に高い確率で上記の爆轟演出(特殊演出)を現出させうる変動パターンとして定めても良い。
「SPリーチ変動A6」は、回転灯62による「演出B」と花型役物90による「演出C」とを同時に伴う複合系演出(「演出B(16R確定報知)+C」)の現出に関連する変動パターンである。なお、SPリーチ変動A4による「演出B」は、上記SPリーチ変動A4で説明したものと同じく、現出率を100%未満にすることが好ましい(たとえば、SPリーチ変動A6と異なる出現率であっても良いし、同一であっても良い)。これにより、SPリーチ変動A6が選択された場合に演出Bが現出されないケースを作り出すことができるので、演出Cを現出させるSPリーチ変動A3との区別が付きにくくなる。
「SPリーチ変動A7」は、時計型役物80による「演出A」と、回転灯62による「演出B」と、花型役物90による「演出C」とを同時に伴う複合系演出(「演出A+B(16R確定報知)+C」)、つまり3つの可動体役物がすべて出現する度派手な演出の現出に関連する変動パターンである。なお、演出Cが現出する際、爆轟演出(特殊演出)を必ず現出させても良い。
「SPリーチ変動A8」は、最高の祝福演出として。いわゆるプレミアム演出の現出に関連する変動パターンである。このプレミアム演出用の変動パターンはリーチを伴わない即当り(たとえば、リーチを経由せずに装飾図柄が大当り図柄で揃いながら変動するいわゆる「全回転」変動)の変動パターンとして用意することもできる。
なお、各可動体役物の作動を伴う演出では、その作動に伴い所定の光演出および/または音演出が現出される。ただし、この光演出・音演出は、原則として、それ自体が単独で発生することのない演出態様であり、可動体役物の作動と密接に関連して現出される演出態様である。たとえば、演出Aや演出Cの場合は、「可動体役物の作動」だけでなく、これと密接に関連した「音演出・光演出」とが複合して現出される演出態様であるが、これら演出は、異なる種類の演出が複合して現出されるような「複合系演出(たとえば、「演出A+演出C」、「演出C+爆轟演出(特殊演出)」、「演出A+‘演出C+爆轟演出(特殊演出)’」のような複合系演出)」として扱わない。
以上から判るように、演出A、C(+特殊演出)、A+C(+特殊演出)は、演出B(16R確定報知)を伴わない演出である。したがってSPリーチ変動A1、A3、A5の変動パターンにより演出A、C(+特殊演出)、A+C(+特殊演出)が現出した場合、16R大当りか4R大当りのいずれに当選したのか迄は判明しないが、1または複数の可動体役物が単独または複合的に作動する、または特殊演出を伴うことによって、大当りや特定の大当り種別への当り期待度(当選期待度)が煽られることになる。これに対し、他のSPリーチ変動A2、A4、A6、A7の変動パターンにより現出する演出は、確定音を発する「演出B(16R確定報知)」を伴なう演出であり、演出Bが現出された時点で、4R大当りではなく16R大当りに当選したことが、遊技者に確定的に報知されることになる。
大当りに当選した場合に上記変動パターン「SPリーチ変動A1〜A8」のいずれが選択されるかは、「ST期間の進行度合」を定める遊技モードの種別(確変A、B、C)と、「遊技者が受ける利益度合」を定める大当りの種別(16R大当り、4R大当り)の双方に基づいて定まる。つまり、「ST期間の進行度合」を定める第1の選択因子として、ST前半(確変A)、ST中盤(確変B)およびST後半(確変C)という遊技モードの種別によって、図34の行列表記された変動パターン振分テーブルの各大区分列(添字に一桁数字の付いた第1列目α1、β1、第2列目α2、β2、第3列目α3、β3)のいずれの列に属する変動パターン振分テーブルであるかが特定され、また「遊技者が受ける利益度合」を定める第2の選択因子として、大当りの種別(16R大当り、4R大当り)によって、上記行列表記された変動パターン振分テーブルの各行(添字に同じ記号αの付いた第1行目α1、α2、α3、または記号βの付いた第2行目β1、β2、β3)のいずれの行に属する変動パターン振分テーブルであるかが特定される。
たとえば、図34の変動パターン振分テーブルの行列表記において、ST前半(確変A)中での大当りであれば、その確変Aの遊技状態(遊技モード)を指す大区分列として第1列目(α1、β1)が特定され、その当り種別が16R大当りであればα系の行として第1行目中のα1が特定され、当り種別が4R大当りであればβ系の行として第2行目中のβ1が特定される。同様に、ST中盤(確変B)中での大当りであれば、その確変Bの遊技状態(遊技モード)を指す大区分列として第2列目(α2、β2)が特定され、その当り種別が16R大当りであればα系の行として第1行目中のα2が特定され、当り種別が4R大当りであればβ系の行として第2行目中のβ2が特定される。同様に、ST後半(確変C)中での大当りであれば、その確変Cの遊技状態(遊技モード)を指す大区分列として第3列(α3、β3群)が特定され、その当り種別が16R大当りであればα系の行として第1行目中のα3が特定され、当り種別が4R大当りであればβ系の行として第2行目中のβ3が特定される。このようにして、行列表記された変動パターン振分テーブル群(α1、α2、α3、β1、β2、β3)のうちから一の変動パターン振分テーブルが選択されるように構成されている。
このように変動パターン振分テーブルを切り替えるための選択因子として、「ST期間の進行度合」を定める遊技モードの種別(ST前半、ST中盤、およびST後半の別)だけでなく、「遊技者が受ける利益度合」を定める当り種別(16R大当り、4R大当りの別)も扱っている理由は、2つある。
第1は、相対的に遊技者の受ける利益が多い16R大当りに当選した場合と、相対的に遊技者の受ける利益が少ない4R大当りに当選した場合とで、現出する演出の種類または現出割合に差を付けて、遊技者が演出上から当り種別を推測する場合の正解率を高めためである。このため本実施形態では、16R大当り用と4R大当り用の専用の変動パターン振分テーブルが用いられ、両者の振分テーブルに共通に同じ変動パターンが存在し、その同じ変動パターンの振り分け率に差異が設けられ(振分け率0%で存在する場合を含む)、またSTの進行度合いに応じて、変動パターンの種別と選択率を変更して、現出する予告演出の種類と現出率を変更している。このようにすることで、従来、派手な予告演出で長時間リーチがかかったにも拘わらず、最終的には4R当りであったという状況が改善される。
本例の場合、16R大当りの確定音が発せられる「演出B」を含む演出を現出させる変動パターン(SPリーチ変動A2、A4、A6、A7)が存在し、16R大当りに当選した場合(α列の変動パターン振分テーブル群)でのみ選択され得る。また、2以上の可動体役物が複合的に作動する派手な演出(A+C(+爆轟演出))を現出させる変動パターン(SPリーチ変動A5)は、16R大当りに当選した場合(α列の変動パターン振分テーブル群)の方が4R大当りに当選した場合(β列の変動パターン振分テーブル群)よりも発生し易く、また可動体役物が1つしか作動しない演出A、C(+爆轟演出)のような相対的にあっさりした演出は、4R大当りに当選した場合(β列の変動パターン振分テーブル群)の方が16R大当りに当選した場合(α列の変動パターン振分テーブル群)よりも現出しやすくなっている。
第2は、「ST期間の進行度合」と「遊技者が受ける利益度合」とに、次の(a)〜(d)のような相関関係を持たせるためである。
(a)ST前半(第1の進行度合)において16R大当り(第1の利益度合)が付与される場合は、複数の可動体役物が作動することが多くなり、予告演出の演出量が多くなる。ここで「予告演出の演出量」とは、当該予告演出が遊技者に与える当り期待(当選期待感)への煽り度合(予告の激しさ)、または当選期待度に関連した予告演出の出現度合い(予告演出の出現率、または予告演出の種類数など)などをいう(以下同じ)。本例の場合、ST前半(第1の進行度合)で16R大当り(第1の利益度合)に当選した場合、複数の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A4、A5、A6)が選択されることの方が、単一の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A1、A2、A3)が選択されることよりも多い。このため予告演出の演出量が比較的多くなる。
ここで、16R大当り時と4R大当り時とで選択されうる変動パターン(SPリーチ変動A1、A3、A5)のうち「SPリーチ変動A5(複数の可動体役物が作動する「演出A+演出C」に着目する。本実施形態では、SPリーチ変動A5に関し、ST前半で16R大当りに当選した場合の選択率は、4R大当りに当選した場合よりも相対的に高くなっており(本例では、16R大当り時は80/200、4R大当り時は60/200:図33の16R大当りと4R大当りとにおけるSPリーチ変動A5の欄参照)、また、16R大当り当選時に選択されうる他の変動パターン(SPリーチ変動A1〜A4、A6)よりも相対的に高くなっている(図33の16R大当りのSPリーチ変動A5の欄参照)。さらに既に説明したように、ST前半においては、演出Cに付随して現出しうる「爆轟演出(特殊演出)」の現出率も、4R大当りに当選した場合よりも16R大当りに当選した場合の方が相対的に高くなるようになっている。つまりST前半で16R大当りに当選した場合には、4R大当りに当選した場合よりも予告演出の演出量が相対的に多くなる。したがって、ST前半においては、予告演出の演出量が多いほど、16R大当りへの当選期待度が高まる、換言すれば、遊技者の16R大当り当選期待感が大いに煽られるようになっている。
(b)ST前半(第1の進行度合)において4R大当り(第2の利益度合)が付与される場合は、単一の可動体役物が作動することが多くなり、予告演出の演出量が少なくなる。本例の場合、ST前半(第1の進行度合)において4R大当り(第2の利益度合)に当選した場合、単一の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A1、A3)が選択されることの方が、複数の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A5)が選択されることよりも多い。このため予告演出の演出量が比較的少なくなる。
また、上述の(a)で述べたように、16R大当り時と4R大当り時とで選択されうる変動パターン(SPリーチ変動A1、A3、A5)のうち「SPリーチ変動A5(複数の可動体役物が作動する「演出A+演出C」)」に着目する。本実施形態では、SPリーチ変動A5に関し、ST前半で4R大当りに当選した場合の選択率は、16R大当りに当選した場合よりも相対的に低くなっており(図33の16R大当りと4R大当りとにおけるSPリーチ変動A5の欄参照)、また、4R大当り当選時に選択されうる他の変動パターン(SPリーチ変動A1、A3)よりも相対的に低くなっている(図33の4R大当りのSPリーチ変動A5の欄参照)。さらに既に説明したように、ST前半においては、演出Cに付随して現出しうる「爆轟演出(特殊演出)」の現出率も、4R大当りに当選した場合よりも16R大当りに当選した場合の方が相対的に高くなるようになっている。つまりST前半で4R大当りに当選した場合には、16R大当りに当選した場合よりも予告演出の演出量が相対的に少なくなる。したがって、ST前半においては、予告演出の演出量が少ないほど、4R大当りへの当選期待度が高まる、換言すれば、ST前半に4R大当りに当選した場合は予告演出の演出量を少なくなるようにして、16R大当りへの当選期待感を過度に煽ることを防止している。
(c)ST中盤(第2の進行度合)において16R大当り(第1の利益度合)が付与される場合、複数の可動体役物が作動する演出を、ST前半よりも相対的に少なくしている(ST前半よりも予告演出の演出量を相対的に少なくしている)。本例の場合、ST中盤(第2の進行度合)において16R大当り(第1の利益度合)に当選した場合、複数の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A4、A5、A6)が選択されることの方が、単一の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A1、A2、A3)が選択されることよりも少ない。このため予告演出の演出量が比較的少なくなる。これは、ST中盤では、ST中がある程度進行し、「そろそろ当りを獲得できれば、御の字である」という遊技者の心境を踏まえ、ST前半のように「16R大当りへの期待感を煽る」というよりは、「大当り種別を問わず、専ら大当りへの当選期待感を煽る」ことが適切である、といった点に着目して、予告演出の演出量を適切量に抑えるためである。なお、演出Cが現出されるSPリーチ変動A3、A5について、爆轟演出(特殊演出)が現出する割合もST前半よりも相対的に低くすることにより、予告演出の演出量を適切量に抑えている。ただし、演出Cに付随して爆轟演出が現出された場合は、16R大当りへの当選期待度が高まるようにし、16R大当りへの当選期待感も、適切に煽ることができるようになっている。
(d)ST中盤(第2の進行度合)において4R大当り(第2の利益度合)が付与される場合、ST前半と比較し、複数の可動体役物が作動することが多くなり、予告演出の演出量が多くなる。本例の場合、ST中盤(第2の進行度合)において4R大当り(第2の利益度合)に当選した場合、単一の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A1、A3)が選択されることの方が、複数の可動体役物が作動する変動パターン(SPリーチ変動A5)が選択されることよりも多いが、ST前半と比較し、大幅に予告演出の演出量を増加させている。これは、上述の(c)と同じ理由であり、ST中盤では、ST中がある程度進行し、「そろそろ当りを獲得できれば、御の字である」という遊技者の心境を踏まえ、ST前半のように「16R大当りへの当選期待感を煽る」というよりは、「大当り種別を問わず、専ら大当りへの当選期待感を煽る」ことが適切である、といった点に着目し、4R大当りの場合には、ST前半よりも予告演出の演出量を増やしつつ、過度に16R大当り当選期待感を煽ることなく、4R大当りの場合にも予告演出量を適切量に抑えるためである。
上記(a)〜(d)のような関係とすることで、STが始まって早い段階(たとえば、数回転〜9回転程度)で大当りに当選してしまい、もっと楽しみたいのに期間が短く「なんとなくもったいない」という状況や、ST期間が始まって数回転で派手な予告演出で長時間リーチがかかり、16R大当りを期待させておきながら、実際は4R大当りの方に当選してしまった、という「なんとなく嬉しくない」という状況について、それらの発生が少なくなるように改善される。またSTがある程度進行した場合には、「そろそろ当りを獲得できれば、御の字である」という状況について、予告演出の演出量を適切に抑えることにより、闇雲に16R大当りへの当選期待感を煽ることを防止している。よって、ST進行度合いおよび/または付与される利益状態(当選大当り種別)に応じて、演出上の当り種別への期待感と実際の当り種別との乖離を埋めて、遊技者が落胆するケースを少なくし、遊技者の心情に沿った演出を現出可能とする遊技機を提供することができる。
さらに本実施形態では、ST中盤(確変B)とST後半(確変C)に係る遊技モードが、次のように小さく区分されている。すなわち、ST前半(確変A)からST中盤(確変B)に切り替わる遊技モードの境目として、この例ではST中盤(確変B)の初回(ST回数のカウント31回目)が着目され、これに対する専用の変動パターン振分テーブルの小区分列(添字に二桁数字21を含むα21、β21群)が用意されている。またST中盤(確変B)からST後半(確変C)に切り替わる遊技モードの境目として、この例ではST中盤(確変B)の終了回(ST回数のカウント70回目)が着目され、これに対する専用の変動パターン振分テーブルの小区分列(添字に二桁数字23を含むα23、β23群)が用意されている。また、ST後半(確変C)から通常(非確変)状態に切り替わる遊技モードの境目として、この例ではST後半(確変C)の終了回(ST回数のカウント77回目)が着目され、これに対する専用の変動パターン振分テーブル小区分列(添字に二桁数字32を含むα32、β32群)が用意されている。
このため変動パターン振分テーブルは、ST中の遊技モード全体を小区分列の単位まで細かく考えた行列表記にて表すことにした場合、遊技モードが「第1列目のST前半(確変A)」に係る変動パターン振分テーブル列(α1、β1群)と、遊技モードが「第2列目のST中盤(確変B)遊技の1回目」に係る変動パターン振分テーブル列(α21、β21群)と、遊技モードが「第3列目のST中盤(確変B)遊技の2回目〜39回目」に係る変動パターン振分テーブル列(α22、β22群)と、遊技モードが「第4列目のST中盤(確変B)遊技の40回目」に係る変動パターン振分テーブル列(α23、β23群)と、遊技モードが「第5列目のST後半(確変C)遊技の1回目〜6回目」に係る変動パターン振分テーブル列(α31、β31群)と、遊技モードが「第6列目のST後半(確変C)遊技の7回目」に係る変動パターン振分テーブル列(α32、β32群)とに分けられる。そして、これらの変動パターン振分テーブルの各列内において、いずれの変動パターン振分テーブルの行(α系またはβ系)のものが選択されるかが、大当りが16R大当りまたは4R大当りのいずれの当り種別であったかによって定まる。当り種別が16R大当りであったときは、行としてα系に属する変動パターン振分テーブルが選択され、また当り種別が4R大当りであったときは、行としてβ系に属する変動パターン振分テーブルが選択される。
上記実施形態(図35)においては、確変状態を、確変A状態、確変B状態、確変C状態に分け、これらを変動パターン振分指定番号01H、02H、03Hの選択データで指定できる構成とした。しかし、図36に示すように、小区分変動パターン振分テーブルの区分けに対応させて、確変状態を、確変A状態、確変B1状態、確変B2状態、確変B3状態、確変C1状態、確変C2状態に分け、これらを変動パターン振分指定番号01H、21H、22H、23H、31H、32Hの選択データで指定できる構成とすることもできる。
(T−3−3.遊技モード切替り目に専用の変動パターン振分テーブルを用意した理由)
ST前半、ST中盤およびST後半の遊技モードの各境目で専用の変動パターン振分テーブルに切り替えている理由は、下記による。
ST前半(確変A)は、ハズレの場合にほとんどが前半専用の1秒の通常変動パターンが選択されて高速に消化されて行き、もしもリーチがかかれば殆ど大当りが確定するという「高速変動動作期間」になっている(図33のテーブルγ1参照)。
また、ST中盤(確変B)は、ハズレの場合に、ST前半より変動動作時間が長い中盤専用の通常変動パターン(2秒)かそれより長い通常変動パターン(5秒)が選択されて消化されて行くという「中速変動動作期間」になっている(図33のテーブルγ2参照)。また、ハズレ時のハズレリーチ変動(変動パターンA1、A3、A5)が選択率も高まり、ST前半と比較して、「もしもリーチがかかれば殆ど大当りが確定する」といった遊技期間とはならないようにしてある。つまり、ST前半では、リーチがかかれば殆ど大当りが確定しうるので、リーチ演出が現出された際には、遊技者は「当選した大当り種別は何か」ということに関心を寄せることになる。一方、ST中盤では、リーチがかかってもハズレの可能性が高まるので、「大当りとなるか、ハズレとなるか」という‘当落’に関心を寄せることになる。本実施形態では、ST前半とST中盤とで、リーチ変動を伴う変動パターンの選択率を変化させて、ST前半では、大当り種別に対して、ST中盤では、当落に対して、高揚感や緊張感を煽る、といった別々の面白みのある遊技期間を作り出すことができる。これにより、ST中の遊技が単調化してしまうことを防止し、ST中の面白みを向上させている。
また、ST後半(確変C)は、ハズレの場合に、ST前半およびST中盤よりもさらに変動動作時間が長い後半専用の通常変動パターン(10秒)が選択され、1ゲーム毎にゆっくりと時間をかけて消化されて行くという「低速変動動作期間」になっている(図33のテーブルγ2参照)。
(2)上記のように段階的に遊技モードが進むことから、ST前半(確変A)が終了してST中盤(確変B)に入れば、「リーチがかかれば殆ど大当りが確定する」という機会が過ぎ去ったことを意味し、遊技者の中には「毎回のSTにおいて、高速変動動作期間であるST前半(確変A)で大当りを引き当てて、短時間のうちに多量の出玉を得る」という高速猛爆出玉の機会を失ったことに落胆する者も多い。
そこで、このST前半(確変A)からST中盤(確変B)へ移る境目において大当りした場合、本例では遊技者が落胆した直後の31回転目(遊技者が落胆した時点の30回転目でもよい)において、「確変遊技モードの移行境界での大当りである」という当該条件が満たされた場合に現出することが確定する「特別な演出」(当該条件が満たされた場合にのみ現出することが許される演出としてもよい)を発生させてやり、これによりST前半からST中盤への遊技モードの切り替わり目で生起した大当りを祝福してやるものである。本例の場合、STカウント31回目に16R大当りに当選した場合は、変動パターン振分テーブルα21(SPリーチ変動A4)が選択され、特別な演出として「演出A+演出B(16R確定報知)」が必ず現出する。また、STカウント31回目に4R大当りに当選した場合は、変動パターン振分テーブルβ21(SPリーチ変動A5)が選択され、特別な演出として「演出A+演出C(+爆轟演出)」が必ず現出する。
(3)同様に、ST中盤(確変B)が終了してST後半(確変C)に入れば、中速変動動作期間(残りST回数が47〜8回のST中盤)で当選しなかったことが確定し、残りST回数が7回しか残っていない低速変動動作期間(残りST回数が70〜77回のST後半)に移ることになる。この期間は継続回数が全7回と短いため、遊技者は「このST後半(確変C)中では大当りする可能性がもうほとんどない」と諦めの境地になる。
そこで、このST中盤(確変B)からST後半(確変C)へ移る境目において大当りした場合、本例では遊技者が落胆した時点の70回転目(遊技者が落胆した直後の71回転目でもよい)において、「確変遊技モードの移行境界での大当りである」という当該条件が満たされた場合にのみ現出することが許される「特別な演出」を発生させてやり、これによりST中盤からST後半への遊技モードの切り替わり目で生起した大当りを祝福してやるものである。本例の場合、STカウント70回目に16R大当りに当選した場合は、変動パターン振分テーブルα23(SPリーチ変動A4)が選択され、特別な演出として「演出A+演出B(16R確定報知)」が現出する。また、STカウント70回目に4R大当りに当選した場合は、変動パターン振分テーブルβ23(SPリーチ変動A5)が選択され、特別な演出として「演出A+演出C(+爆轟演出)」が現出する。
この実施形態では、STカウント31回目に16R大当りに当選した場合とSTカウント70回目に16R大当りに当選した場合とで、同じSPリーチ変動(A4)の変動パターンが選択されるように構成したが、異なるSPリーチ変動の変動パターンが選択されるように構成しても良い。またこの実施形態では、STカウント31回目に4R大当りに当選した場合とSTカウント70回目に4R大当りに当選した場合とで、同じSPリーチ変動(A5)の変動パターンが選択されるように構成したが、異なるSPリーチ変動の変動パターンが選択されるように構成しても良い。そうすることで、STカウント31回目とSTカウント70回目とに演出上の違いを付けられるからである。
(4)ST後半(確変C)は7ゲームの低速変動動作期間であり、1ゲーム毎にゆっくりと図柄変動表示動作が時間をかけて消化されて行き、当該7ゲームの終了にて全ST期間が終了し、確変状態から通常遊技状態に戻る。この低速変動動作期間では変動時間が長い変動パターン(ハズレの場合、後半専用の10秒の通常変動)が選択されているため、77回転目(ST最終回)も遊技球が入賞して作動保留記憶数が上限の4個にまで達し易い状況となっている。そして、77回転目(ST最終回)で当りに当選した場合は、超長時間変動パターン(SPリーチ変動A8)で必ずリーチがかかり、その時点で大当りが確定するが、リーチがかからない限りはハズレが確定する。このため、ST後半(確変C)の最終回目(STカウント77回目)に至ると、遊技者は全ST期間が終了してしまったと観念し、遊技に対する緊張が一気に解ける。ところが、全ST期間が終了したと遊技者が観念するそのST最終回目の変動表示ゲームで大当りした場合、これは「逆転大当り」という遊技者には非常に嬉しい事象の発生であって、遊技者の緊張が一旦解けた状態から再び緊張状態に入ることになる。
そこで、このST後半(確変C)が終了するST最終回目で大当りした場合、「ST最終回目での大当りである」という当該条件が満たされた場合にのみ現出することが許される「特別な演出」を発生させてやり、ST後半7ゲームの終了回目で生起した大当りを祝福してやるものである。本例の場合、ST後半後段回目(STカウント77回目)で16R大当りに当選した場合は、変動パターン振分テーブルα32(SPリーチ変動A8)が選択され、特別な演出として「最高の祝福演出(プレミアム演出)」が現出する。また、STカウント77回目に4R大当りに当選した場合も、変動パターン振分テーブルβ32(SPリーチ変動A8)が選択され、特別な演出として「最高の祝福演出(プレミアム演出)」が現出する。このプレミアム演出に加えて、可動体役物演出が現出する構成、たとえば複合系演出(たとえば演出A+C)が現出する構成としても良い。
この実施形態では、STカウント77回目に16R大当りに当選した場合と4R大当りに当選した場合とで、同じSPリーチ変動(A8)の変動パターンが選択されるように構成したが、異なるSPリーチ変動の変動パターンが選択されるように構成しても良い。16R大当りに当選した場合と4R大当りに当選した場合とで、現出する特別な演出に差を付けるためである。また16R大当りに当選した場合と4R大当りに当選した場合とで差を付けるため、4R大当りに当選した場合には特別な演出は発生しないように構成し、替わりに可動体役物演出(たとえば演出A+Cの複合演出)が発生するように構成しても良い。
また、この実施形態では、SPリーチ変動A8が選択される場合を、STカウント77回目での大当りに限っているが、複数回の変動表示ゲームにわたって、SPリーチ変動A8が選択されるように構成することもできる。たとえば、STカウント76〜77回目のいずれかで16R大当りまたは4R大当りに当選した場合には、変動パターンとしてSPリーチ変動A8が選択されるように構成しても良い。
また、ST最終回目(STカウント77回目)で、大当りであるかハズレであるかにかかわらず、必ずリーチ演出を現出させる構成としても良い。たとえば、ST最終回目において、図33のハズレの欄「保0〜3」の場合にSPリーチA1〜A3の少なくともいずれかの1つのリーチ変動パターンを選択可能な構成とすることができる。
この場合、大当り時に選択される「SPリーチ変動A8」によるプレミアム演出態様を次のようにすることが好ましい。たとえば、SPリーチ変動A8に係る演出シナリオのうち前半部を、ハズレ時に選択されるSPリーチA1に係るリーチ演出と同じ演出態様か、または酷似する(実質的同一)の演出態様を現出させる。そして、リーチ演出が終了したとみせかけて(一旦ハズレとなったかのように見せかけて)、その後、遊技者を祝福するプレミアム演出を現出させる。このような演出シナリオを現出することにより、ST最終回目(STカウント77回目)では、遊技者は緊張感を抱きながら演出の行方を見守りつつ、ST最後の1回転に一縷の望みをかけながら遊技に興じるようになる。これにより、ST最終回目が終了する直前まで、大当り当選期待感を遊技者に対して与えることができる。なお、ST最終回目でハズレの場合は、SPリーチA1〜A3とは異なる最終回転目専用のハズレリーチ変動パターンを選択させるように構成しても良い。
またST後半(最終回転目を除く)において、16R大当りの場合と4R大当りの場合とで、選択されるSPリーチ変動パターンの選択率を、同一または近似値としても良い。たとえば、ST後半の71〜76回転目までは、16R大当りの場合と4R大当りの場合とで、たとえば「SPリーチ変動A5(少なくとも1種の特定の変動パターン)」だけを選択するように構成する。この場合、SPリーチ5に係る演出Cに付随しうる爆轟演出を、100%現出させるように構成しても良く、または、16R大当りの場合と4R大当りの場合とで、その現出率に微妙な差を付けても良い(たとえば、16R大当りの場合は50%、4R大当りの場合は40%など)。このように、16R大当りの場合と4R大当りの場合とで、現出される演出、換言すれれば、予告演出の演出量に差を付けないようにする理由は次の通りである。
ST後半に入りST終了が間近になると、遊技者の多くは「大当り種別は何でも良いから、兎に角当選して欲しい・・」という心理状況に陥る。このため、あえて16R大当りの場合と4R大当りの場合とで選択される変動パターンを同一のものとし、特に大当り種別が何であるかについて演出の軽重を付けなくとも良いと考えられるからである。この場合には、制御負担の軽減にも繋がる。なお、複数の変動パターンを選択可能に構成した場合も、同様に、16R大当りの場合と4R大当りの場合とで、各変動パターンの選択率を同一または近似値(略同一)にし、各変動パターンに関連して実行される演出の現出率に差を設けなくても良い(予告演出の現出率を同一または近似値(略同一)にする)。
また本実施形態では、ST後半の71〜76回転目においては、リーチがかかれば必ず大当りが確定すると説明したが、本発明はこれに限られない。ハズレ時もリーチ変動が選択されるように構成することができる(たとえば、図33のハズレの欄のST後半において、通常変動10s(後半専用)の値を「190」、SPリーチ変動A5の値を「10」にするなど)。この場合、ハズレリーチ変動が選択される確率を、通常変動が選択される確率よりも低く定める事が好ましい。この場合、ST終了間近の遊技期間において、リーチかかった時点で当選期待度を相対的に高めることができるので、ST終了の緊張感と大当りの期待感とを遊技者に与える上で効果的である。
またST後半の71〜76回転目において、ハズレの場合に選択されることが無い特定のリーチ変動パターンを設けても良い。たとえば、ハズレの場合には、SPリーチ変動A1だけが選択され、SPリーチ変動A5は選択されないようにする。一方、当りの場合には、SPリーチ変動A1、A5の双方が選択されるように構成する。つまり、変動パターンA1は、当りの場合とハズレの場合とで選択される可能性がある変動パターンであり、Pリーチ変動A5は当り時のみ選択される変動パターンとする。この場合、ハズレの場合に現出されることが無い「変動パターンA5のSPリーチ5に係る演出態様(演出A+演出C)」が現出された時点で、大当り確定を報知することができることになる。この場合、ST終了間近の遊技期間において、図柄変動表示ゲーム終了前段階で大当り確定を報知することができるので、遊技者のST終了に対する緊張感を早めに解き、遊技者に安心感を与える上で好ましいといえる。
またさらに発展させた形態として、大当り時は、ハズレ変動(ここでは、通常変動10s)と同じく、リーチ演出を伴わない演出態様、たとえば、リーチ演出を経由しない「即当り」的な演出の実行に関連する「特殊な当り変動パターン(以下、「変動パターンF1」と称する)」を設けても良い。この場合、変動パターンF1を含む複数種類の変動パターンからいずれかを選択する構成としても良いし、大当り時には変動パターンF1だけを選択する構成としても良い。この変動パターンF1(リーチ無し当り変動パターン)の演出態様は次のようにすることが好ましい。ここでは、ハズレ変動の「通常変動10s」の演出内容(演出シナリオ)を「装飾図柄の変動7秒間→装飾図柄仮停止状態3秒(→確定表示時間500ms)」であるものとして説明する。なお、説明を簡単にするために、便宜上、装飾図柄仮停止状態前は予告演出が現出しないものとして説明する。
上記「通常変動10s」のハズレ演出内容を上述のように定めた場合、当り変動に係る演出内容については、その演出の途中までは、ハズレ演出の内容と同じ演出態様を現出ささせ、所定のタイミングで当り専用の特殊演出(たとえば、3つの可動体役物が動作する)を現出させることが好ましい。具体的には、「装飾図柄の変動7秒間→装飾図柄仮停止状態3秒→特殊演出現出2秒(→確定表示時間500ms)(ここでは、変動時間12s)」のようにすることが好ましい。このようにすれば、当りの場合とハズレの場合とで、演出の前半は同じ演出態様が現出され、演出の後半の装飾図柄仮停止状態後において、ハズレの場合にはそのまま今回の図柄変動表示ゲームが終了されるが、当りの場合には、その後に当り専用の予告演出(特殊演出)が現出される。したがって、装飾図柄仮停止状態となった数秒間が、遊技者にとって、最も緊張感が走る最高潮の演出期間することができ、ST終了に対する緊張感と大当りに対する緊張感の双方を高めることができるので効果的である。
勿論、上記の変動パターンF1は、ハズレ変動パターンと同一の変動時間であっても良いし、異なる変動時間であっても良い。しかし遊技者をさらに驚嘆させるには、ハズレ変動パターン(本例では、通常変動10s)よりも短い変動時間とする「リーチ無し当り変動パターン」とすることが好ましい。たとえば、変動時間を数秒程度とし、変動開始とともに、3つの可動体役物を動作させたり、爆轟演出のように、激しい光・音演出を現出させたりして、大当り当選を報知する。このようなインパクトのある演出態様は、遊技者の不意を突く形で現出されるので、ST終了間近の緊張感が漂う遊技区間であるほど、遊技者を驚嘆させる上で効果的な演出であるといえる。なお、斯様な演出は、ST区間の境目である31回転目および/または70回転目に現出させるように構成しても良い。
なお以下では、説明の便宜上のために「演出C」について、単に「演出C」と称する場合、特に断りのない限り、爆轟演出(特殊演出)が付随して現出されうる場合があるものとして説明する。
(ST前半(確変A)の場合:ST回数1〜30回)
ST回数が1〜30回の期間は、ST中の遊技モードが振分け指定番号01Hで指定される「ST前半(確変A)」に滞在している。このST前半(確変A)遊技モード中において、16R大当りに当選した場合には、図34の変動パターン振分テーブルα1が選択され、図33のSPリーチ変動A1〜A6のいずれか1の変動パターンが同図の振分け率に従って選択される。これらのSPリーチ変動A1〜A6の変動パターンには、回転灯62が作動して16R確定音の鳴る「演出B」を現出させるSPリーチ変動A2、A4、A6が含まれている。回転灯62が作動して16R確定音が鳴った場合、4R大当りではなく16R大当りに当選したことが確定するため、遊技者に大きな喜びを与えることになる。
しかし、同じくST前半(確変A)遊技モード中に滞在している場合でも、4R大当りに当選した場合には、図34の変動パターン振分テーブルβ1が選択され、図33のSPリーチ変動A1、A3、A5のいずれか1の変動パターンが、同図の振分け率に従って選択される。この中には、回転灯62が作動して16R確定音の鳴る「演出B」を現出させる変動パターンは含まれていない。したがって、4R大当りに当選した場合には、回転灯62が作動して確定音が鳴ることはなく、時計型役物80による演出A、花型役物90による演出Cまたはその両者の組合せによる演出が発生するだけである。このように演出上から遊技者が享受する利益(4R大当りと16R大当りの出玉)の大小を察知できるようにすべく、当り種別に応じて選択される2種類の変動パターン振分テーブル(α1、β1)が用意されていて、その一方の変動パターン振分テーブルα1にのみ、16R大当りの場合に現出する演出(16R確定音報知)を関連させてあることから、「回転灯62が作動して確定音も鳴ったので16R大当りであると確信したのに、利益の小さい方の4R大当りであった」という、遊技者が落胆する事態の発生を回避することができる。なお、本実施形態の場合、4R大当りの場合の変動パターン振分テーブルβ1は、非ST中に大当りに当選した場合のものと同じになっている。
ST前半(確変A)遊技モード中に滞在している場合に、ハズレに当選したときは、図34の変動パターン振分テーブルγ1が選択され、図33のSPリーチ変動A1〜A6のいずれか1の変動パターンが同図の振分け率に従って選択される。ST前半専用(確変A専用)の通常変動パターン(1秒)が選択され、ST前半(確変A)遊技モードの図柄変動表示動作(図柄ゲーム)が高速に消化されて行く。なお、リーチ当り変動のうちSPリーチ変動A1、A3、A5は、非ST中およびST中のいずれの遊技モード中においても選択される可能性のある変動パターンであり、また大当りとハズレのいずれに当選した場合でも選択される可能性のある変動パターンである。
上記の「ST前半(確変A)」以外に滞在しているケースについては、図19〜図22において説明する。
再び図12の説明に戻り、ステップ412の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(ステップS413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、ステップS410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(ステップS414)、演出制御部24に送信する(ステップS415)。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、大当り種別、ハズレ種別を指定する下位バイト(EVNET)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。たとえば、上位バイト(MODE)側には、変動側の特別図柄が特図1の場合は「BBH」、特図2の場合は「BCH」が設定され、下位バイト(EVENT)側には、当選種別がハズレA〜Bの場合は「01H」〜「02H」、4R長開放確変大当りが「08H」、16R長開放確変大当りが「09H」が設定される。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せを決定する際に利用される。なお、本実施形態では、下位バイト(EVNET)には当選種別を特定可能とするデータが設定されるが、特別停止図柄番号または特別図柄判定データを特定可能とするデータであっても良いし、特定の当選種別を特定可能とするデータであっても良い。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図9の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行う。かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS059)を抜けて、図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)に進む。
(8−3−1.遊技状態移行準備処理:図13)
次に、上記の遊技状態移行準備処理(ステップS411)について説明する。図13は、図12の遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
図13において、CPU201は、まず大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS431)。大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS431:≠5AH)、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。
大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS431:=5AH)、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図示せず)を取得する(ステップS432)。
次いで、取得した遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、遊技状態判定番号(YJ)と大当り種別(特別図柄判定データ)とに応じた遊技状態移行テーブル(図示せず)を取得し(ステップS433)、この遊技状態移行テーブルに定められたデータを後述の各種バッファに格納する(ステップS434:状態バッファ設定処理)。これらバッファに格納された値は、後述する特別電動役物管理処理中の大当り終了処理(図17のステップS509)で読み出され、RAM203の所定の記憶領域(各々のバッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。ステップS434の処理を終えると、遊技状態移行準備処理を抜けて、図15の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)に進む。
大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、遊技状態判定番号(YJ)と当選種別(特別図柄判定データ:ここでは大当り種別)とに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブルが定められており、具体的には、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに基づき、複数種類の遊技状態移行テーブルのうちからいずれかの遊技状態移行テーブル((大当り用の遊技状態移行テーブル)が選択されるようになっている。
ここで「遊技状態判定番号(YJ)」とは、内部遊技状態を識別するためのデータである。図35の変動パターン振分指定番号表を参照して説明すれば、遊技状態判定番号(YJ)が「00H」の場合は「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」を、「01H」の場合は「確変状態(電サポ有り状態、高確率)」をそれぞれ示す。したがって、遊技状態判定番号(YJ)は上記のような内部遊技状態を識別する点で、変動パターン振分指定番号(Tcode)のように遊技状態(遊技モード:非確変、確変A、B、C)そのものを識別するデータとは異なる。
(普電役物開放延長移行状態バッファ)
「普電役物開放延長移行状態バッファ」は、普電役物開放延長状態フラグの設定を行うために利用される。「普電役物開放延長状態フラグ」とは、開放延長機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には開放延長機能作動中の「電サポ有り状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には開放延長機能非作動の「電サポ無し状態」である旨を示す。
(普通図柄時短移行状態バッファ)
「普通図柄時短移行状態バッファ」は、普通図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄時短状態フラグ」とは、普通図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄時短機能作動中の「普通図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄短機能非作動の「普通図柄非時短状態」である旨を示す。
(普通図柄確変移行状態バッファ)
「普通図柄確変移行状態バッファ」は、普通図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄確変状態フラグ」とは、補助当り抽選確率状態、つまり普通図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄確変機能作動中の「補助当り確変状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄確変機能非作動の「補助当り低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短状態移行状態バッファ)
「特別図柄時短状態移行状態バッファ」は、特別図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄時短状態フラグ」とは、特別図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄時短機能作動中の「特別図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄時短機能非作動の「特別図柄非時短状態」である旨を示す。
(特別図柄確変移行状態バッファ)
「特別図柄確変移行状態バッファ」は、特別図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄確変状態フラグ」とは、特別図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄確変機能作動中の「高確率状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄確変機能非作動の「低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短回数カウンタバッファ)
「特別図柄時短回数カウンタバッファ」は、特別図柄時短回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄時短回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄時短機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「特別図柄時短状態」が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタである。なお本実施形態では、特別図柄時短状態の終了に伴い、電サポ有り状態である高ベース遊技状態も終了されるようになっている(図16BのステップS481参照)。
(特別図柄確変回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄確変回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄確変機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「高確率状態」が終了するまでの残り回数(残りST回数)を計数するためのカウンタである。
(変動パターン振分指定番号バッファ)
「変動パターン振分指定番号バッファ」は、変動パターン振分指定番号(Tcode)の設定を行うために利用される。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、遊技状態を特定するための遊技状態データである(図35の参照)。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、RAM203の変動パターン振分指定番号格納領域に設定され、所定の遊技状態移行条件を満たすと、その値が変更されるようになっている(特別図柄確認時間中処理(図16B)のステップS481、S486、S530、S534、遊技状態移行準備処理(図12のS411、図13のS434、特別電動役物管理処理(図17)など)。
(特別図柄確変A回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変A回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変A回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄確変A回数カウンタ」とは、ST前半(確変A)からST中盤(確変B)への遊技状態移行条件となるST前半(確変A)での特別図柄の変動回数(以下、「確変A遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。本実施形態の特別図柄確変A回数カウンタには、遊技状態移行規定回数として継続回数「30回」が設定され(図22のステップS614)、このカウンタはST前半(確変A)の継続回数を管理する管理手段として機能する。
(特別図柄確変B回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変B回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変B回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄確変B回数カウンタ」とは、ST中盤(確変B)からST後半(確変C)への遊技状態移行条件となるST中盤(確変B)での特別図柄の変動回数(以下、「確変B遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。本実施形態の特別図柄確変B回数カウンタには、遊技状態移行規定回数として継続回数「40回」が設定され(図22のステップS614)、このカウンタはST中盤(確変B)の継続回数を管理する管理手段として機能する。
なお、T後半(確変C)から通常状態への遊技状態移行条件となるST後半(確変C)での特別図柄の変動回数(以下、「確変C遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタ(特別図柄確変C回数カウンタ)は、設けられていない。その理由として、特別図柄確変B回数カウンタが管理するST中盤(確変B)の終了点によってST後半(確変C)開始点が特定され、また上記の特別図柄確変回数カウンタによりST後半(確変C)の終了時点が規定されるため、両カウンタの作用を以て、ST後半(確変C)の継続回数を管理する管理手段とすることができるからである。しかし、確変C遊技状態移行規定回数を計数するための特別図柄確変C回数カウンタを設けることもできる。
(8−3−2.特別図柄変動パターン作成処理:図14)
図14は特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)の詳細を示したものである。この特別図柄変動パターン作成処理では、まず特別図柄変動パターン設定処理(ステップS441)に入る。ここで図32または図33の変動パターン振分テーブルを参照し、変動パターン振分指定番号00H、01H、02H、03H、当否種別(当り、ハズレ)、当り種別(16R大当り、4R大当り)および保留球数(保留0〜保留3)に応じて、抽選により1つの特別図柄変動パターンを選択的に決定する(ステップS441)。これにより当該特別図柄変動パターンに属する図柄変動時間も決定される。その後、変動パターン指定コマンドを演出制御部24に送信した後(ステップS442)、この特別図柄の変動時間を特別図柄変動用タイマにセットし(ステップS443)、特別図柄変動パターン作成処理を終了する。なお、この特別図柄変動パターン作成処理は特別変動表示ゲームの度に実行される。
(8−4.特別図柄変動中処理:図15)
次に、特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図15は、図9の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図15において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより、演出制御部24側では、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
ステップS453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(8−5.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図16Aおよび図16B)
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図16Aおよび図16Bは、図9の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
図16Aおよび図16Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図15のステップS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(8−5−1.大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、特別図柄確変A回数カウンタ、および特別図柄確変B回数カウンタ、の各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常状態指定)を格納し、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
(8−5−2.大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、ステップS478の処理に進み、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数(77回)に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了した旨を示す(電サポ無し状態移行情報)「時短終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS482)。演出制御部24は、この時短終了コマンドを受信することで、次ゲームから電サポ無し状態となる旨を把握する。なお本実施形態では、電サポ有り状態から電サポ無し状態に移行する場合は、確変状態から通常状態に移行することと同じであるので、演出制御部24がこの「時短終了コマンド」を受けると、たとえば、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替えて当該演出モード下に係る演出制御処理を行う。
次いでステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)の値がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。
特別図柄確変回数カウンタの値がゼロである場合(ステップS483:YES)、非ST中であるので、何もせずに、この処理を抜ける。
ステップS483の判断において、特別図柄確変回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタの値がゼロでなければ(ステップS485:NO)、まだST状態中であってST規定回数(77回)に達していないのでステップS487〜S494(ST中の状態移行処理)に進む。なお、前提として、大当り終了時の大当り終了処理(図18のステップS514)において、変動パターン振分指定番号が01Hに設定されており、遊技モードはST前半(確変A)状態にある。
(ST中の確変A→確変B状態移行)
まず、図16Bにおいて、ST前半(確変A)状態の経過を管理するステップS487の処理に進み、特別図柄確変A回数カウンタの値がゼロであるか否かを判定する(ステップS487)。特別図柄確変A回数カウンタの値がゼロの場合(ステップS487:YES)、既にST前半(確変A)状態を終了しているので、次のST中盤(確変B)状態の経過を判断すべくステップS491の処理に進む。
ステップS487における判断として、特別図柄確変A回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS487:NO)、ST前半(確変A)中であるので、ST前半(確変A)における今回の変動回数の消化分として、特別図柄確変A回数カウンタを1減算し(ステップS488)、その減算後の特別図柄確変A回数カウンタの値がゼロであるか否かを判定する(ステップS489)。
減算後の特別図柄確変A回数カウンタがゼロでない場合は(ステップS489:NO)、ST前半(確変A)状態がさらに継続する確認ができたことになるので、この場合はステップS491を経て一旦から本処理を抜ける。
減算後の特別図柄確変A回数カウンタの値がゼロである場合は(ステップS489:YES)、ST前半(確変A)における特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数(30回)に達したとして、遊技状態の移行設定処理を行う(ステップS490:変動パターン振分指定番号設定処理)。ここでは、変動パターン振分指定番号(Tcode)をST中盤(確変B)を指定する「02H」に設定する(ステップS490)。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「ST中盤(確変B)状態」の遊技モードにおける特別図柄の変動パターンが選択される。
(ST中の確変B→確変C状態移行)
ステップS491の処理では、特別図柄確変B回数カウンタの値がゼロであるか否かを判定する(ステップS491)。特別図柄確変B回数カウンタの値がゼロである場合(ステップS491:YES)、既にST中盤(確変B)状態も終了しているので、次のST後半(確変C)状態の経過を判断すべく、一旦この特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄確変B回数カウンタがゼロでない場合(ステップS491:NO)、ST中盤(確変B)における今回の変動回数の消化分として、特別図柄確変B回数カウンタを1減算し(ステップS492)、その減算後の特別図柄確変B回数カウンタの値がゼロであるか否かを判定する(ステップS493)。
減算後の特別図柄確変B回数カウンタの値がゼロの場合(ステップS493:YES)、ST中盤(確変B)における特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数(40回)に達したとして、遊技状態の移行設定処理を行う(ステップS494:変動パターン振分指定番号設定処理)。ここでは、変動パターン振分指定番号(Tcode)をST中盤(確変B)を指定する「03H」に設定する(ステップS494)。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「ST後半(確変C)状態」の遊技モードにおける特別図柄の変動パターンが選択される。
ステップS493の判断として、減算後の特別図柄確変B回数カウンタがゼロでない場合(ステップS493:NO)は、ST中盤(確変B)の遊技モードがさらに継続することが確認できたことになるので、まだST中盤(確変B)の遊技状態移行規定回数(40回)に達していないとして、一旦、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。
(ST中の確変C→通常状態移行)
上記の特別図柄確変A回数カウンタおよび特別図柄確変B回数カウンタの値が共にゼロになった後は、ST後半(確変C)状態の遊技モードに入る。プログラムは1ゲーム毎に再び図16Bのフローに戻ってくる。このST後半(確変C)状態の遊技モードにおいて、図柄遊技が1回実行される度に、ステップS484において特別図柄確変回数カウンタの値が1減算される。このST後半(確変C)状態の期間においては、特別図柄確変回数カウンタが特別図柄確変C回数カウンタとして働く。そして、ST後半(確変C)状態における規定変動回数「7回」が全て消化されると、特別図柄確変回数カウンタの値がゼロとなる(ステップS485=YES)。
ステップS485において、減算後の特別図柄確変回数カウンタの値がゼロと判断された場合(ステップS485:YES)、ST後半(確変C)状態が終了して、特別図柄の変動回数がST規定回数(本実施形態では77回)に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(ステップS486)。ここでは、潜確状態終了または確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。
上記のステップS490およびステップS494の処理は、所定の条件の成立に基づき、確変状態中における変動パターンの選択条件(変動パターン選択モード)を切替制御するための変動パターン選択条件切替手段として働く。また、減算後の特別図柄確変A回数カウンタの値および減算後の特別図柄確変B回数カウンタの値がゼロとなった後の特別図柄確変回数カウンタの作用も、確変状態中における変動パターンの選択条件(変動パターン選択モード)を切替制御するための変動パターン選択条件切替手段として働く。この実施形態では、特別図柄確変回数カウンタをST後半状態を管理に利用しているが、専用の特別図柄確変C回数カウンタを設けることもできる。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(9.特別電動役物管理処理:図17)
次に、図8中の特別電動役物管理処理(ステップS060)について説明する。図17は、ステップS060の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、CPU201は、まず条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS502:≠5AH)、大当り遊技中でないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS502:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS503の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値に応じた処理を呼び出して実行させる。具体的には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」の場合には、大当り開始処理(ステップS505)を、「作動開始処理中(01H)」の場合には、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を、作動中(02H)」の場合には、特別電動役物作動中処理(ステップS507)を、「継続判定中(03H)」の場合には、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)を、「終了処理中(04H)」の場合には、大当り終了処理(ステップS509)を呼び出して実行させる。これらの処理により大当り遊技に係る特別変動入賞装置52の動作が制御される。ここで、上述の「開始処理中(00H)」とは、大当り遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動開始処理中(01H)」とはラウンド遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動中(02H)」とはラウンド遊技が実行中である旨を示し、「継続判定中(03H)」とは次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を示し、「大当り終了処理中(04H)」とは大当り遊技終了時の終了処理中である旨を示す。上記ステップS505〜S509のいずれかの処理を終えると、特別電動役物管理処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
以下に、大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)について説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
先ず、大当り開始処理(ステップS505)について説明する。
(9−1.大当り開始処理)
大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、大当りとなった場合には、まず最初に、この大当り開始処理が行われるようになっている。
ここでは、まず大当り遊技を開始する際に必要な大当り遊技開始時の設定処理として、役物連続作動装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、連続回数カウンタに01Hを格納する。上記「役物連続作動装置作動フラグ」とは、役物連続作動装置の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には役物連続作動装置作動中(ラウンド遊技継続可)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には役物連続作動装置非作動(ラウンド遊技継続不可)である旨を示す。また「連続回数カウンタ」とは、ラウンド遊技の連続実行回数を管理するためのカウンタであり、現在のラウンド数はここに記憶される。ここでの連続回数カウンタは「01H」が設定されるので、現在のラウンド数は1R目を示している。
次いで、特別図柄判定データ(大当り種別)に応じた最大ラウンド数(規定ラウンド数)とラウンド表示LED番号とが定められた「大当り開始設定テーブル(図示せず)」を取得する。この大当り開始設定テーブルを参照して、今回の特別図柄判定データに対応した各データを、それぞれに対応するRAM203の記憶領域に格納し、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を格納する。なお上記「開始インターバル時間」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して大当りが確定した後(図15のステップS453、図16AのステップS471参照)、特別変動入賞装置52が作動するまでのインターバル区間であって、オープニング演出が行われる区間を定めた時間幅(1回目のラウンド遊技が行われる前の初回演出時間)を指す。また「ラウンド表示LED番号」とは、ラウンド数表示装置39b(ラウンド数表示手段)の報知態様を指定するデータで、今回の大当り遊技の最大ラウンド数(規定ラウンド数)を示す。
次いで、オープニング演出の開始を指示する「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。なお「大当り開始コマンド」には、オープニング演出の開始を指示する役割の他、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技中に展開される一連の当り演出(大当り種別ごとに対応するオープニング演出、ラウンド演出、ラウンド終了演出、およびエンディング演出など)を決定する際にも利用される。
(9−2.特別電動役物作動開始処理)
次に、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「ラウンド遊技開始前のインターバル時間」が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記大当り開始処理(ステップS505)で設定された「開始インターバル時間」が監視されるが、2R目以降でこの特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間(後述の特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)で設定されるインターバル時間)」が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(初回のラウンド(1R目)の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、特別図柄判定データ(大当り種別)と現在のラウンド数とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。具体的には、大入賞口50を開放させるための大入賞口開閉動作時間(たとえば、29.8秒)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口ソレノイド52cを動作させ、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放される。上記大入賞口開閉動作設定処理を終えると、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)、特別電動役物管理処理を抜け、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−3.特別電動役物作動中処理)
次に、特別電動役物作動中処理(ステップS507)について説明する。
ここではまず、大入賞口50への入賞球数をカウントし、その入賞球数が最大入賞数に達したか否かを確認し(大入賞口最大入賞数確認処理)、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをクリアする。これにより、上記特別電動役物作動開始処理(ステップS506)で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことをもって開放中の大入賞口50が閉鎖されるようになっている。なお特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(大入賞口開放動作時間経過するか、または最大入賞数に達するまでの間)、何もしないでこの特別電動役物作動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(最大入賞数に達したか、または大入賞口開放動作時間経過した場合)、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(たとえば、1980ms)を格納し、特別電動役物作動中処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の上記残存球排出時間が設定されているので(特別電動役物作動中処理(ステップS507)参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタを取得して現在のラウンド数が規定ラウンド数(最大ラウンド数)に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)。これにより、特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図9のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合、「終了インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、次いで、ラウンド遊技終了時の各種設定処理として、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに04Hを格納)。なお上記「終了インターバル時間」とは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了して残存球排出時間が経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。なお「大当り終了コマンド」には、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。なお、上述の大当り当選時の遊技状態を特定可能な情報には、変動パターン振分指定番号に関する情報、または変動パターン振分指定番号と内部遊技状態とに関する情報を含むことができる。また、大当り終了コマンドは、単一のコマンドであっても良いし、複数のコマンドであっても良い。複数のコマンドとする場合、たとえば、一の大当り終了コマンドに今回の大当り種別を特定可能とする情報を含ませ、他の大当り終了コマンドにその大当り当選時の遊技状態を特定可能とする情報が含ませて、これらのコマンドを同時あるいは順次に必要なタイミングで演出制御部24に送信することができる。本実施形態では、複数種類の情報を演出制御コマンドに含ませる場合、その特定の演出制御コマンドが有する役割を複数の演出制御コマンドに分担させ、一の情報を含む特定の演出制御コマンドと、他の情報を含む特定の演出制御コマンドとに分けて、演出制御部24に送信する構成としても良い。このような上記特定の演出制御コマンドとしては、大当り終了コマンドの他、たとえば、作動保留球数と先読み変動パターン内容とに関する情報を含む「保留加算コマンド」や、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる「装飾図柄指定コマンド」などがある。
このように上記の大当り終了コマンドは、エンディング演出の開始を指示する役割の他に、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担う。これにより、大当り遊技後に移行される遊技状態と、その遊技状態に係る演出モードとの整合性を取ることができるようになっている。
(9−5.大当り終了処理)
次に、大当り終了処理(ステップS509)について説明する。図18に大当り終了処理の詳細を示す。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS511)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間が設定されているので、この終了インターバル時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの大当り終了処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば(ステップS511:YES)、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納し、大当り遊技後の遊技状態を指定する。具体的には、図12の特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理(図12のステップS411、その詳細を示す図13参照)で設定した移行状態バッファの各々の値を、遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、特別図柄確変A回数カウンタ、特別図柄確変B回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、および特別図柄変動回数カウンタにそれぞれ格納する(ステップS512:YES)。これにより、大当り遊技後の遊技状態が特定される。
たとえば、特別図柄確変状態フラグON、特別図柄確変回数カウンタに「77」が、特別図柄時短回数カウンタに「77」が、特別図柄確変A回数カウンタに「30」が、特別図柄確変B回数カウンタに「40」が、変動パターン振分け指定番号に01Hがセットされる(ステップS513)。
次いで、大当り終了時の各種設定処理を行う。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータとして、条件装置作動フラグ、役物連続作動装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号、各種バッファなどをそれぞれクリアし、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)(ステップS513)。また大当り終了時のその他の設定が行われる(ステップS514)。
次いで、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う(ステップS515)。ここでは、特別図柄時短状態フラグがON状態(=5AH)かOFF状態(≠5AH)かを確認し、ON状態の場合、遊技状態報知LEDを点灯させるデータ、具体的には、遊技状態報知LED出力番号に01Hを格納する。そして大当り終了コマンドを送信する(ステップS516)。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了したことになる。この大当り終了処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<10.特別図柄変動パターン設定処理:図19>
図19は、特別図柄変動パターン作成処理(図14)中に含まれる特別図柄変動パターン設定処理(ステップS441)の詳細を示したものである。
この図19の特別図柄変動パターン設定処理では、変動パターン振分指定番号が「00H」またはそれ以外「01H、02H、03H」の別に基づいて、現在の遊技状態が確変(ST)中であるか否かを判断する(ステップS601)。
図19のステップS601の判断において、現在の遊技状態が「非確変中(変動パターン振分指定番号00H)」である場合は、ステップS605に進み、図32の非ST中変動パターン振分テーブルを参照して変動パターンを決定する。大当り抽選にハズレのときには、保留球数が「保留0または1」、「保留2」、「保留3」であればそれぞれ変動時間が「12秒」、「8秒」、「5秒」の変動パターンが主として選択され、リーチハズレのケースとして、NリーチまたはSPリーチ1、3、5(SPリーチ変動A1、A3、A5)の変動パターンが選択される。また大当り抽選に当選したときには、「リーチ当り1〜リーチ当り8(SPリーチ変動A1〜A8)」の変動パターンが選択される。
図19のステップS601の判断において、現在の遊技状態が「確変(ST)中(変動パターン振分指定番号00H以外)」である場合はステップS602に進み、当り種別(16R大当り、4R大当り、ハズレの別)を判断すべく、まず図12のステップS409で得られた当落抽選結果である当否種別(大当り判定フラグの値)が判断される。
ステップS602の判断として当り種別が「ハズレ」であれば(ステップS602:ハズレ)、ステップS606に進み、図33のST中変動パターン振分テーブル中、当り種別がハズレの変動パターン振分テーブルγ1、γ2、γ3がセットされる。これらのハズレの変動パターン振分テーブルγ1、γ2、γ3において、計77回継続するST期間中のST前半(1〜30回転目)については、ST中盤(31〜70回転目)やST後半(71〜77回転目)よりも、図柄の変動時間が相対的に短い特別図柄変動パターンが選択される。また、ST中盤(31〜70回転目)については、ST後半(71〜77回転目)よりも図柄の変動時間が相対的に短い特別図柄変動パターンが選択される。したがって、ST前半(1〜30回転目)は高速変動動作期間、ST中盤(31〜70回転目)は速中速変動動作期間、ST後半(71〜77回転目)は低速変動動作期間としての性格を持つ。
具体的には、ST前半の確変A状態(変動パターン振分指定番号01H)において、当り種別が「ハズレ」である場合は、変動パターン振分テーブルγ1が参照され、変動時間が最も短い「1秒の通常変動」のST前半専用の変動パターンが選択がされる。またST中盤の確変B状態(変動パターン振分指定番号02H)でのハズレ時には、保留球数が保留0ならば「12秒の通常変動」の変動パターンが選択され、保留1〜3ならば主として「2秒の通常変動」のST中盤専用の変動パターンが選択され、これよりも選択率の低い割合で「5秒の通常変動」が選択され、まれに「SPリーチ変動A1、A3、A5」が選択される。またST後半である確変C状態(変動パターン振分指定番号03H)でのハズレ時には、保留球数の値に係わらず、ST後半専用の変動パターンである「10秒の通常変動」が選択される。
一方、ステップS602の判断として当り種別が「当り(16R大当りまたは4R大当り)」である場合は(ステップS602:当り)、ステップS603に進み、現在の遊技モード(変動パターン振分指定番号)を取得し(ステップS603)、その値(01H、02H、03H)に応じて次のように分岐する(ステップS604)。変動パターン振分指定番号が「01H」であるときはST前半(確変A)変動パターン設定処理(ステップS607)に進み、「02H」であるときはST中盤(確変B)変動パターン設定処理(ステップS608)に進み、「03H」であるときはST後半(確変C)変動パターン設定処理(ステップS609)に進む。つまりST前半(確変A)、ST中盤(確変B)およびST後半(確変C)のいずれの遊技モード(変動パターン振分指定番号01H、02H、03H)に滞在しているかに応じ、図34の行列表記における変動パターン振分テーブルの大区分第1列目〜第3列目の一つが特定される。この列中から、大当りの種別が16R大当り(α系)であるか4R大当り(β系)であるかによって特定される第1行目または第2行目の変動パターンが選択されることになる。以下に場合を分けて詳述する。
(10−1.ST前半(確変A)変動パターン設定処理:図20)
図20にST前半(確変A)変動パターン設定処理(ステップS607)の詳細を示す。
ST前半(確変A)中に大当した場合は、既に変動パターン振分指定番号01Hによって、図34の行列表記における大区分第1列目(:変動パターン振分テーブル群α1、β1)が振分け指定されているので、この群中から大当りの種別(16R大当り、4R大当り)によって特定される第1行目または第2行目の変動パターン振分テーブルα1またはβ1を選択することになる。このST前半(確変A)での処理は、変動パターン振分指定番号が01Hである間、つまり変動パターン振分指定番号01Hが02Hに切り替わるまで、または特別図柄確変A回数カウンタ(または特別図柄確変回数カウンタ)から取得したST前半(確変A)の残り変動回数がゼロになるまで行われる。
具体的には、図20のステップS611で、ステップS410の図柄抽選結果に係る当選種別(16R大当り、4R大当りの別)を判断する。図19のステップS602と図20のステップS611とで、ST前半遊技における当り種別(16R大当り、4R大当り、ハズレ)がすべて判明することになる。ステップS611の判断において、16R大当りであれば、図34中のα系の変動パターン振分テーブルα1(図33の変動パターンA1〜A6)をセットし(ステップS612)、また4R大当りであれば、図34中のβ系の変動パターン振分テーブルβ1(図33の変動パターンA1、A3、A5)をセットする(ステップS613)。したがって、ST前半(確変A)かつ16R大当りの区分に属する変動パターン振分テーブルとして変動パターン振分テーブルα1がセットされ、また、ST前半(確変A)かつ4R大当りの区分に属する変動パターン振分テーブルとして変動パターン振分テーブルβ1がセットされる。
ST前半(確変A)中の変動パターンは、この図33のST中変動パターン振分テーブルに基づいて選択されることから、次のことが言える。
(i)当り種別が16R大当りであれば、SPリーチ変動A1〜A6が選択対象となり、4R大当りであればSPリーチ変動A1、A3、A5が選択対象となる。つまりSPリーチ変動A2、A4、A6は、16R大当りの場合にのみ選択対象となる。したがって、4R大当りの場合には演出B(16R確定報知)を伴う演出(回転灯62の作動)を現出させるSPリーチ変動A2、A4、A6が選択されることはなく、ST前半(確変A)中に当り確定音が発生した場合は、16R大当りに当選したことが確定する。
(ii)SPリーチ変動A1(演出A:時計型役物80の作動)、SPリーチ変動A3(演出C:花型役物90の作動)、SPリーチ変動A5(演出A+C)は、16R大当りおよび4R大当りのいずれの場合も選択されうるが、その選択割合は16R大当りの場合よりも4R大当りの場合の方が多い。したがって、演出A、演出C、演出A+Cが発生した場合は、16R大当りではなく4R大当りに当選した可能性が高くなる。
(iii)また、16R大当りと4R大当りのいずれの当り種別に当選した場合であっても、SPリーチ変動A7(オール出現で度派手な演出が対応)については選択対象から除外される。したがって16R大当りの場合であっても、ST前半(確変A)中での当選であれば、SPリーチ変動A7を選択対象としない。その理由は、SPリーチ変動A7に基づくオール出現で度派手な演出「第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、第3の可動体役物(回転灯62)が全て作動」については、「ST後半の7回転の間に16R大当りした場合にのみ出現する演出」として特徴付けたいからである。「ST後半の7回転の間」かつ「16R大当りした場合」という2条件を満たす必要があるので、たとえば16R大当りではなく「4R大当り」のときは、ST前半(確変A)、ST中盤(確変B)およびST後半(確変C)のいずれの遊技モード中であっても、このSPリーチ変動A7に基づく演出は現出しない。
(iv)またSPリーチ変動A8(最高の祝福演出が対応)については、ST前半(確変A)中において16R大当りと4R大当りのいずれに当選した場合であっても選択対象としない。この最高の祝福演出は、「ST後半の最終回目においてのみ出現する演出」として特徴付けたいからである。なお、図33では、この最高の祝福演出を16R大当りと4R大当りのいずれの場合でも現出するようにしているが、16R大当りに当選した場合にのみ現出するように構成してもよい。
(10−2.ST中盤(確変B)変動パターン設定処理:図21)
図21にST中盤(確変B)変動パターン設定処理(ステップS608)の詳細を示す。
ST中盤(確変B)中に大当した場合は、既に変動パターン振分指定番号02Hによって、図34の行列表記における大区分第2列目(α2、β2)が振分け指定されているので、大当りの種別(16R大当り、4R大当り)が判明すれば、このうちの第1行目(α系)に属する変動パターン振分テーブルα2であるか、第2行目(β系)に属する変動パターン振分テーブルβ2であるかが特定される。さらに、この大区分第2列目に属する変動パターン振分テーブル(α2、β2)の領域内を、ST中盤初回(確変Bの1回転目:ST31回転目)の図柄変動に対応する「小区分変動パターン振分テーブル列(α21、β21)」と、ST中盤途中回(確変Bの2〜39回転目:ST32〜69回転目)の図柄変動に対応する「小区分変動パターン振分テーブル列(α22、β22)」と、ST中盤終了回(確変Bの40回転目:ST70回転目)の図柄変動に対応する「小区分変動パターン振分テーブル列(α23、β23)」とに分けた場合の、いずれの小区分変動パターン振分テーブル列に属するものであるかを、「ST中盤(確変B)の残り回数」またはST期間全体についての「残りST回数」から特定する。
この例では「ST中盤(確変B)の残り回数」により管理しており、ST中盤の残り回数を管理する特別図柄確変B回数カウンタの値が残り「40」ならばST中盤初回(ST31回転目)、「39」〜「2」ならばST中盤途中回(ST32〜69回転目)、「1」ならばST中盤終了回(ST70回転目)と判断する。しかし、ST期間全体の「残りST回数」を管理している特別図柄確変回数カウンタの値を利用し、その値が「46」ならばST中盤初回(ST31回目)、「45」〜「6」ならばST中盤途中回(ST32〜69回転目)、「7」ならばST中盤終了回(ST70回転目)と判断することもできる。ST前半(確変A)の残り回数や、ST後半(確変C)の残り回数も、同様にして知ることができる。
なお、ST中盤初回(小区分変動パターン振分テーブル列(α21、β21))の遊技モードへ入ったことは、変動パターン振分指定番号の01Hから02Hへの切り替わにより、知ることもできる。同様に、ST後半初回(小区分変動パターン振分テーブル列(α23、β23))の遊技モードへ入ったことは、変動パターン振分指定番号の02Hから03Hへの切り替わにより知ることもできる。
具体的には、まず、図21のステップS621で大当りの当選種別(16R大当り、4R大当り)を判断する。図19のステップS602と図20のステップS621とで、ST中盤遊技における当り種別(16R大当り、4R大当り、ハズレ)がすべて判明することになる。ステップS621の判断において「16R大当り」であれば(ステップS621:YES)、特別図柄確変B回数カウンタからST中盤(確変B)の残り変動回数を取得して(ステップS622)、次のように分岐する(ステップS623)。
現在の特別図柄確変B回数カウンタの値から判断して、ST中盤残り回数40回目(ST31回転目)つまりST中盤初回遊技であれば、図34中の変動パターン振分テーブルα21(図33の変動パターンA4)をセットし(ステップS624)、ST中盤残り回数39〜2回(ST32〜69回転目)であれば、図34中の変動パターン振分テーブルα22(図33の変動パターンA1〜A6)をセットし(ステップS625)、そしてST中盤残り回数1回(ST70回転目)つまりST中盤終了回遊技であれば、図34中の変動パターン振分テーブルα23(図33の変動パターンA4)をセットする(ステップS626)。したがって、ST中盤(確変B)かつ16R大当りの区分に属する変動パターン振分テーブルとして、小区分変動パターン振分テーブルα21、α22、α23のうちの一つがセットされる。
ステップS621の判断において「4R大当り」であれば(ステップS621:NO)、特別図柄確変B回数カウンタからST中盤(確変B)の残り変動回数を取得して(ステップS627)、次のように分岐する(ステップS628)。
ST中盤(確変B)における現在の特別図柄確変B回数カウンタの値から判断して、残り回数40回(ST31回転目)つまりST中盤初回遊技であれば、図34中の変動パターン振分テーブルβ21(図33のSPリーチ変動A5)をセットし(ステップS629)、残り回数39〜2回(ST32〜69回転目)つまりST中盤途中回遊技であれば、図34中の変動パターン振分テーブルβ22(図33の変動パターンA1、A3、A5)をセットし(ステップS630)、そして残り回数1回(ST70回転目)つまりST中盤終了回遊技であれば、図34中の変動パターン振分テーブルβ23(図33のSPリーチ変動A5)をセットする(ステップS631)。したがって、ST中盤(確変B)かつ4R大当りの区分に属する変動パターン振分テーブルとして、小区分変動パターン振分テーブルβ21、β22、β23がセットされる。
(10−2−1.ST中盤の初回遊技(ST31回転目:テーブルα21、β21)
ST中盤初回遊技(ST31回転目)で大当りした当選種別が「16R大当り」であった場合(ステップS624)、α系の小区分変動パターン振分テーブルα21が指定される。このテーブルα21上では、選択率100%にて「SPリーチ変動A4」だけが選択対象となり、ST前半遊技からST中盤遊技への遊技モードの切り替わり目での当選を祝福する特別な演出として「演出A+B(16R確定報知)」が必ず発生する。本例の場合、「演出A」として第1の回動体役物(時計型役物80)が作動し、「演出B」として第3の可動体役物(回転灯62)が作動しかつ16R確定音が発生する。
この「演出B」を現出させる場合、第3の可動体役物(回転灯62)の作動タイミングと16R確定音の発生タイミングはどちらが先であってもよいし同じタイミングであってもよい。16R確定音の発生タイミングの方が早い例として、たとえば枠演出ボタンの操作により第3の可動体役物(回転灯62)が作動する構成であって、この枠演出ボタンの操作が可能となるタイミングよりも16R確定音の発生タイミングの方が早期に到来する構成とすることができる。そこで、たとえば図柄変動表示動作の開始と同時に16R確定音が発生する構成であれば、第3の可動体役物(回転灯62)が未だ作動する前に16R確定音の発生するため、この16R確定音の発生があったことにより「16R大当り」であることを知ることができる。また、16R確定音の発生タイミングの方が遅い例として、たとえば枠演出ボタンの操作により第3の可動体役物(回転灯62)が作動する構成であって、この枠演出ボタンの操作が可能となるタイミングよりも16R確定音の発生タイミングの方が遅れて到来する構成の場合、第3の可動体役物(回転灯62)が作動しても未だ16R確定音が発生せず、これから少し遅れて16R確定音が発生する。このため、第3の可動体役物(回転灯62)が作動したことで16R大当りを予感し、その後の16R確定音の発生により「16R大当り」であることを確信することになる。
本実施形態の場合、上記SPリーチ変動A4は、ST中盤初回遊技(ST31回転目)で「16R大当り」した場合(テーブルα21)だけでなく、ST中盤終了回遊技(ST70回転目)で16R大当りした場合(テーブルα23)においても100%の割合で選択され、遊技モード切り替わり目で当選したことを祝福する特別な演出として、同じく「演出A+B(16R確定報知)」が発生する。しかし、ST中盤の初回遊技で16R大当りした場合と最終回遊技で16R大当りした場合とでは、選択される変動パターンが異なり、互いに別の演出が発生するように構成することもできる。
またSPリーチ変動A4は、上記100%の割合で選択される場合(テーブルα21、α23)の他、これよりも選択割合は少ないが、ST中盤途中回遊技(ST32〜69回転目)で16R大当りした場合(テーブルα22)にも選択率30/200で、またST前半遊技(ST1〜30回転目)で16R大当りした場合(テーブルα1)にも選択率60/200で選択されることがあり、上記特別な演出「演出A+B(16R確定報知)」と同じ演出が発生する。しかし、このST中盤途中回遊技やST前半遊技で16R大当りした場合は、SPリーチ変動A4が選択されない構成にして、特別な演出「演出A+B」と同じ演出は発生しないようにすることもできる。
次に、ST中盤初回遊技(ST31回転目)で大当りした当選種別が「4R大当り」であった場合は(ステップS629)、β系の小区分変動パターン振分テーブルβ21が指定され、選択率100%にて「SPリーチ変動A5」が選択対象となり、特別な演出として「演出A+C」が現出する。本例の場合、「演出A」として第1の回動体役物(時計型役物80)が作動し、「演出C」として第2の回動体役物(花型役物90)が作動する。この「演出A+C」には演出B(16R確定報知)が含まれていれない。したがって、ST中盤初回遊技(ST31回転目)で大当りしても、当り確定音が発生しなかった場合となり、これにより「4R大当り」であることが確定し、たとえ第1の回動体役物(時計型役物80)および第2の回動体役物(花型役物90)の作動を伴う熱い演出が発生したとしても「16R大当り」とはならない。
本実施形態の場合、SPリーチ変動A5は、ST中盤の初回遊技(ST31回転目)で4R大当りした場合(テーブルβ21)だけでなく、ST中盤の最終回遊技(ST70回転目)で4R大当りした場合(テーブルβ23)においても、100%の割合で選択され、遊技モード切り替わり目で当選したことを祝福する特別な演出として、同じく「演出(演出A+C)」が発生する。しかし、ST中盤の初回遊技で4R大当りした場合と最終回遊技で4R大当りした場合とでは、選択される変動パターンが異なるように構成し、別の演出を発生させることもできる。
また、SPリーチ変動A5は、上記100%の割合で選択される場合(テーブルβ21、β23)の他、これよりも選択割合は少ないが、ST中盤の途中回遊技(ST32〜69回転目)で4R大当りした場合(テーブルβ22)やST前半遊技(ST1〜30回転目)で4R大当りした場合(テーブルβ1)にも選択されることがあり、上記特別な演出「演出A+C」と同じ演出が発生する。しかしST中盤の途中回遊技やST前半遊技で4R大当りした場合には、SPリーチ変動A5が選択されない構成にして、特別な演出「演出A+C」と同じ演出が発生しないように構成することもできる。
(10−2−2.ST中盤の途中回遊技(ST32〜69回転目:テーブルα22、β22)
ST中盤途中回遊技(ST中盤残り回数39〜2回、ST32〜69回転目)において、「16R大当り」したときは(ステップS625)、α系の小区分変動パターン振分テーブルα22が指定され、SPリーチ変動A1〜A6が選択対象となり、「4R大当り」したときは(ステップS630)、β系の小区分変動パターン振分テーブルβ22が指定され、SPリーチ変動A1、A3、A5だけが選択対象となる。4R大当りの場合には演出B(16R確定報知)を伴う演出を現出させるSPリーチ変動A2、A4、A6が選択されることはない。したがって、ST中盤途中回遊技において当り確定音が発生した場合は、16R大当りに当選したことが確定する。
このST中盤途中回遊技(テーブルα22とβ22)で選択対象となる変動パターンは、ST前半遊技(テーブルα1とβ1)で選択対象となる変動パターンと種類が同じであり、どちらの遊技モードでも、「16R大当りの場合(α系)」であればSPリーチ変動A1〜A6が選択対象となり、また「4R大当りの場合(β系)」であればSPリーチ変動A1、A3、A5が選択対象となる。しかし、同じ「16R大当りの場合(α系)」に係る変動パターン振分テーブルα1、α22同士であっても、また同じ「4R大当りの場合(β系)」に係る変動パターン振分テーブルβ1、β22同士であっても、ST中盤途中回遊技とST前半遊技のいずれの遊技モードにあるかによって、選択される変動パターンの選択率に違いがある。
16R大当り(α系)の変動パターン振分テーブルα22、α1同士を比較すると、「SPリーチ変動A1〜A6」のうちで「SPリーチ変動A2(演出B)」が選択される割合は、ST中盤途中回遊技(テーブルα22)で選択される割合の方が、ST前半遊技(テーブルα1)で選択される割合よりも多い。逆に、SPリーチ変動A4(演出A+B)やSPリーチ変動A6(演出B+C)が選択される割合は、ST中盤途中回遊技(テーブルα22)で選択される割合の方が、ST前半遊技(テーブルα1)で選択される割合よりも少ない。したがって、ST中盤途中回遊技で16R大当りした場合、「SPリーチ変動A4、A6」が選択されて複数の可動体役物の作動を伴う複合系演出(「演出A+B」や「演出B+C」)が現出することに比べ、「SPリーチ変動A2」が選択されて、確定音を伴って1の可動体役物が作動する単独系演出(演出B)が現出することの方が多い。逆に、ST前半遊技で16R大当りした場合、「SPリーチ変動A2」が選択されて、確定音を伴って1の可動体役物だけが作動する単独系演出(演出B)が現出することに比べ、「SPリーチ変動A4、A6」が選択されて複数の可動体役物の作動を伴う複合系演出(「演出A+B」や「演出B+C」)が発生することの方が多い。
4R大当り(β系)の変動パターン振分テーブルβ1、β22同士を比較すると、「SPリーチ変動A1、A3、A5」のうちで、「SPリーチ変動A1、A3」の選択割合は、ST前半遊技(テーブルβ1)におけるよりも、ST中盤途中回遊技(テーブルβ22)における方が少ない。逆に、「SPリーチ変動A5」の選択割合は、ST前半遊技(テーブルβ1)よりも、ST中盤途中回遊技(テーブルβ22)における方が多い。したがって、両テーブルβ22とβ1の対比において、ST中盤途中回遊技で4R大当りした場合は、ST前半遊技で4R大当りした場合よりも、「SPリーチ変動A5」が選択されて、第1および第2の可動体役物が共に作動するという複合系演出(演出A+C)が現出しやすい傾向にある。逆に、「SPリーチ変動A1、A3」が選択されて、第1または第2の可動体役物が単独で作動する単独系演出(演出A、演出C)が現出する傾向については、ST前半遊技で4R大当りした場合よりも、ST中盤途中回遊技で4R大当りした場合の方が弱く現れる。
(10−2−3.ST中盤の終了回遊技(ST70回転目:テーブルα23、β23)
ST中盤終了回遊技(ST70回転目)で大当りした当選種別が「16R大当り」であった場合(ステップS626)、α系の小区分変動パターン振分テーブルα23が指定され、「SPリーチ変動A4」だけが選択対象となる。SPリーチ変動A4が選択された場合、ST中盤遊技からST後半遊技への遊技モードの切り替わり目で、16R大当りに当選したことを祝福する特別な演出として、「演出A+B(16R確定報知)」が発生する。ここで「演出A」は第1の可動体役物(時計型役物80)の作動を伴う演出であり、「演出B(16R確定報知)」は、第3の可動体役物(回転灯62)の作動および16R確定音の発生を伴う演出である。「演出B」は16R確定音の発生を伴うため、確定音の有無により、16R大当りであるか4R大当りであるかを判別することができる。ST中盤終了回遊技(ST70回転目)で大当りして、当り確定音が発生した場合は、「16R大当り」であることが確定する。
本実施形態の場合、SPリーチ変動A4は、ST中盤終了回で16R大当りした場合(テーブルα23)だけでなく、ST中盤初回遊技で「16R大当り」した場合(テーブルα21)にも選択されるが、最終回遊技で16R大当りした場合は、ST中盤の初回遊技で16R大当りした場合とは異なる変動パターンが選択されるように構成することもできる。また、SPリーチ変動A4は、ST中盤途中回遊技で16R大当りした場合(テーブルα22)にも選択され得るが、ST中盤途中回遊技で16R大当りした場合は、ST中盤終了回遊技で16R大当りした場合とは異なる変動パターンが選択されるように構成することもできる。
ST中盤終了回遊技(ST70回転目)で大当りした当選種別が「4R大当り」であった場合(ステップS631)、β系の小区分変動パターン振分テーブルβ23が指定され、SPリーチ変動A5だけが選択対象となり、特別な演出として「演出A+C」が現出する。これには演出B(16R確定報知)が含まれていれない。したがって、ST中盤終了回遊技(ST70回転目)で大当りしても、当り確定音が発生しなかった場合は、「4R大当り」であることが確定する。
本実施形態の場合、SPリーチ変動A5は、ST中盤終了回遊技で4R大当りした場合(テーブルβ23)だけでなく、ST中盤初回遊技で4R大当りした場合(テーブルβ21)においても選択され、必ず「演出A+C」が必ず発生する。しかし、ST中盤の初回遊技で4R大当りした場合と最終回遊技で4R大当りした場合とでは、選択される変動パターンが異なるように構成することもできる。
また、SPリーチ変動A5は、ST中盤途中回遊技で4R大当りした場合(テーブルβ22)やST前半遊技で4R大当りした場合(テーブルβ1)にも選択されることがあり、上記特別な演出と同じ演出「演出A+C」が発生する。しかしST中盤途中回遊技やST前半遊技で4R大当りした場合には、SPリーチ変動A5が選択されない構成にして、特別な演出「演出A+C」と同じ演出は発生しないように構成することもできる。
(10−3.ST後半(確変C)変動パターン設定処理:図22)
図22にST後半(確変C)変動パターン設定処理(ステップS609)の詳細を示す。
STST後半(確変C)中に大当した場合は、既に変動パターン振分指定番号03Hによって、図34の行列表記における大区分第3列目(:変動パターン振分テーブル群α3、β3)が振分け指定されているので、大当りの種別(16R大当り、4R大当り)が判明すれば、このうちの第1行目に属する変動パターン振分テーブルα3であるか、または第2行目に属する変動パターン振分テーブルβ3であるかが特定される。さらに、この大区分第3列目に属する変動パターン振分テーブル(α3、β3)の領域内を、ST後半前段回遊技の1〜6回目(ST71〜76回転目)の図柄変動に対応する「小区分変動パターン振分テーブル列(α31、β31)」と、ST後半後段回遊技であるST後半後段回(ST77回転目)の図柄変動に対応する「小区分変動パターン振分テーブル列(α32、β32)」とに分けた場合、そのいずれの小区分変動パターン振分テーブル列であるかを、「ST後半(確変C)の残り回数」から特定する。「ST後半(確変C)の残り回数」は、特別図柄確変B回数カウンタの値がゼロとなった後の特別図柄確変回数カウンタの値が対応している。したがって、ST後半後段回遊技(ST77回転目)であることも、この特別図柄確変回数カウンタの値から知ることができる。しかし、ST後半遊技の残り回数または継続回数を管理する特別図柄確変C回数カウンタを設け、その値を利用して、ST後半前段回遊技中の何回目であるかおよびST後半後段回遊技であるかを知ることもできる。
具体的には、図22のステップS641で、大当りの当選種別(16R大当り、4R大当りの別)を判断する。図19のステップS602と図22のステップS641とで、ST後半遊技における当り種別(16R大当り、4R大当り、ハズレ)がすべて判明することになる。ステップS641の判断において「16R大当り」であれば(ステップS641:YES)、特別図柄確変回数カウンタからST後半(確変C)の残り変動回数を取得して(ステップS642)、次のように分岐する(ステップS643)。
ST後半(確変C)における特別図柄確変回数カウンタが残り回数7〜2回(ST71〜76回転目)であれば、図34中の変動パターン振分テーブルα31(図33の変動パターンA2、A6、A7)をセットし(ステップS644)、そしてST後半残り回数1回(ST77回転目)つまりST後半後段回遊技(ST最終回変動)であれば、図34中の変動パターン振分テーブルα32(図33の変動パターンA8)をセットする(ステップS645)。したがって、ST後半(確変C)かつ16R大当りの区分に属する変動パターン振分テーブルとして、α系の小区分変動パターン振分テーブルα31、α32のうちの一つがセットされる。
ステップS641の判断において「4R大当り」であれば(ステップS641:NO)、特別図柄確変回数カウンタからST後半(確変C)の残り変動回数を取得して(ステップS646)、次のように分岐する(ステップS647)。
ST後半(確変C)における現在の特別図柄確変回数カウンタの値から判断して、残り回数7〜2回(ST71〜76回転目)つまりST後半前段回遊技であれば、図34中の変動パターン振分テーブルβ31(図33の変動パターンA1、A5)をセットし(ステップS648)、そしてST後半残り回数1回(ST77回転目)つまりST後半後段回遊技(ST最終回変動)であれば、図34中の変動パターン振分テーブルβ32(図33の変動パターンA8)をセットする(ステップS649)。したがって、ST後半(確変C)かつ4R大当りの区分に属する変動パターン振分テーブルとして小区分変動パターン振分テーブルβ31、β32のうちの一つがセットされる。
(10−3−1.ST後半前段回遊技(ST71〜76回転目:テーブルα31、β31)
ST後半前段回である1〜6回目遊技(ST71〜76回転目)において「16R大当り」に当選したときは、α系の小区分変動パターン振分テーブルα31が指定され、SPリーチ変動A2、A6、A7が選択対象となり、「4R大当り」したときはβ系の小区分変動パターン振分テーブルβ31が指定され、SPリーチ変動A1、A5だけが選択対象となる。4R大当りの場合には演出B(16R確定報知)を伴う演出を現出させるSPリーチ変動A2、A6、A7が選択されることはなく、したがって、当り確定音が発生した場合は、16R大当りに当選したことが確定する。
このST後半1〜6回目遊技で16R大当りに当選した場合(α系のテーブルα31)、選択対象となる変動パターンは、SPリーチ変動A2、A6、A7であり、したがってST前半遊技やST中盤途中回遊技で選択対象となる変動パターン(テーブルα1、α22)とは、SPリーチ変動A1、A3〜A5を含まない点、およびSPリーチ変動A7を含むという点で、異なっている。ST後半1〜6回目遊技でSPリーチ変動A7が選択される確率は、SPリーチ変動A2、A6が選択される確率よりも高く、SPリーチ変動A2、A6が選択される確率との間には約3倍の設定差がある。ST前半遊技で16R大当りした場合、「SPリーチ変動A2、A6」が選択されて、確定音を伴って1つの可動体役物だけが作動する単独系演出(演出B)が現出する場合に比べ、「SPリーチ変動A7」が選択される場合の方が多く、これが選択された場合、全ての可動体役物の作動を伴う複合系演出(演出A+B+C)が発生する。このため、ST後半1〜6回目遊技で大当りした場合、確定音が発生するケースであっても、確定音が発生するタイミングよりも第1〜第3の可動体役物のすべてが作動開始するタイミングの方が先(時系列的に前)であれば、第1〜第3の可動体役物がすべて作動した時点で、16R大当りが確定する。
このST後半1〜6回目遊技で4R大当りに当選した場合(β系のテーブルβ31)、選択対象となる変動パターンはSPリーチ変動A1、A5であり、したがってSPリーチ変動A3を含まないという点で、ST前半遊技およびST中盤途中回遊技の場合(テーブルβ1、β22)と異なっている。ST後半1〜6回目遊技でSPリーチ変動A1またはA5が選択される確率は半々であり、SPリーチ変動A7(演出A+B+C)が選択されることはない。このため、ST後半1〜6回目遊技で大当りした場合、確定音が発生する前のタイミングであっても、確定音が発生しない場合、4R大当りであることが確定する。
(10−3−2.ST後半後段回遊技(ST77回転目:テーブルα32、β32)
ST後半後段回遊技(ST77回転目)において、「16R大当り」に当選したときはα系の小区分変動パターン振分テーブルα32が指定され、100%の選択率で、変動時間が非常に長いSPリーチ変動A8(最高の祝福演出:プレミアム演出)が選択対象となる。本例では「4R大当り」したときも、β系の小区分変動パターン振分テーブルβ32が指定され、100%の選択率で、SPリーチ変動A8(最高の祝福演出:プレミアム演出)が選択対象となる。しかし、最高の祝福演出(プレミアム演出)は、16R大当りに当選したときにのみ発生するようにしてもよい。最高の祝福演出(プレミアム演出)が発生したのに、16R大当りではなく4R大当りであったというのでは、遊技者ががっかりするからである。
<演出制御部側の処理:図23〜図28>
次に、図23〜図28を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図23)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図25)とを含んで構成される。
<11.演出制御側メイン処理:図23>
図23は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図23に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS71の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図25のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS72:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンドが受信され、受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選種別情報)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部45やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図25のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物モータ61の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図25のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(12.コマンド受信割込処理:図24)
次に図24を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図24は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図25)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図23に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(13.演出制御側タイマ割込処理:図25)
次に図25を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図25は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図25において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、枠演出ボタン13からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図23の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ61に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図26〜図28>
図26〜図28は受信コマンド解析処理(図23のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。以下、「保留加算コマンド」、「変動パターン指定コマンド」、「大当り終了コマンド」および「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
<14.保留加算コマンドの受信処理:図26>
図26は、保留加算コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。ここで扱う保留加算コマンドは、図10の特図1始動口チェック処理のステップS321や、図11の特図2始動口チェック処理のステップS341で送信される演出制御コマンドである。
図26において、演出制御部24(CPU241)は、保留加算コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し、先読み判定結果情報を取得する(ステップS711)。ここでは取得した情報を、RAM203の先読み情報記憶エリアに格納する。先読み情報記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した先読み情報記憶エリア(特別図柄1側に対応する先読み情報記憶エリアと、特別図柄2側に対応する先読み情報記憶エリア)が設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。
次いで、先読み禁止期間であるか否かを判定する(ステップ712)。先読み禁止とすべき期間には、ST前半(確変A)残り回数が4回未満(ST27〜30回転目)、ST中盤(確変B)残り回数が70回(ST31回転目)、残り4回未満(ST67〜70回転目)、ST後半(確変C)の残り回数が7〜1回(ST71〜77回転目)がある。これらの区間に係る特定の演出モード中に先読み予告演出が発生すると、当該特定の演出モードの演出と先読み予告演出との間で相互に矛盾や違和感をもたらす可能性がある。そこで、遊技状態がこれらの区間に滞在している間は、先読み予告抽選処理を迂回する構成にして、当該特定の演出モード下でなす演出と先読み演出予告との間に矛盾や違和感が発生しないようにする。すなわち、先読み禁止期間である場合(ステップS712:YES)、何もしないで、後述のステップS718の処理に進む。
先読み禁止期間でない場合(ステップS712:NO)、ステップS713の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(ステップS713)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるステップS714の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球が消化される(変動表示動作に供される)までの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数の値が格納されるようになっている(後述のステップS717参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS713:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないでステップS718の処理に進む。
(先読み演出抽選処理:S714〜S715)
連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップS713:YES)、先読み予告抽選許可状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(ステップS714)。この先読み演出抽選処理は、変動開始時に決定されることとなる変動パターン種別を先読みした結果として保留加算コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行うものである。本実施形態における「保留加算コマンド」は、作動保留球数、先読み変動パターン種別、特別図柄種別のそれぞれに関する情報を含んだ形態のものであり、したがって、これらの情報のうちの先読み変動パターン種別に関する情報が、先読み演出抽選の抽選契機に利用される。しかし、作動保留球数、先読み変動パターン種別、特別図柄種別に関する情報を、複数の演出制御コマンドに分担させる形態とした場合には、それらの形態における先読み変動パターン種別に関する情報を含んだ制御コマンドを受信した場合に、先読み演出抽選を行うことになる。
ここで「先読み予告演出」には二種類がある。一つは、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時変化系ないし始動時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示動作において実行することによる先読み予告演出(連続予告演出)であり、本実施形態では保留表示変化系の予告演出(色変化保留の出現)を連続させる、つまり表示位置シフトさせることにより行う先読み予告演出である。他の一つは、図柄遊技の図柄変動表示動作を実行する際(つまり変動開始時)に生起させる変動開始時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示動作に跨って表示させることによる先読み予告演出(連続予告演出)であり、本実施形態では画像表示変化系の予告演出(稲妻出現)を連続させることにより行う連続予告演出である。したがって、先読み予告演出の抽選としては、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かについての抽選と、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かについての抽選とがあり、両者を独立に行う。しかし、両者をまとめて一緒に抽選する形態(先読み予告演出と変動開始時変化系の予告演出を一の抽選結果に係らしめて実行する形態)にして、先読み予告演出の抽選に当選するときは同時に変動開始時変化系の予告演出の抽選にも当選するように構成してもよい。
上記先読み演出抽選処理では、保留加算コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、図示してない先読み演出抽選テーブルを参照して先読み予告演出を決定し(ステップS714)、その先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み演出抽選結果に関する情報)をセットする(先読み予告動作ステータス設定処理:ステップS715)。この演出情報は先読み予告演出を現出する際に利用される。ここでセットされる演出情報には、(i)入賞時変化系の先読み予告演出を指定する情報、たとえば、保留表示に関する情報(保留色やアイコン画像による保留表示態様を指定する)の他、(ii)変動開始時変化系の予告演出を指定する情報、たとえば、稲妻演出の種別(強稲妻演出(当選期待度高)、中稲妻演出(当選期待度中)、弱稲妻演出(当選期待度低)の別)や、(iii)先読み演出抽選非当選情報(入賞時変化系の先読み予告演出を実行しない旨の情報)などが含まれる。本例の場合、上記(i)の入賞時変化系の先読み予告演出を行わせる場合は先読み動作ステータスに「01H」を、上記(i)の入賞時変化系と(ii)の変動開始時変化系の先読み予告を行わせる場合は先読み動作ステータスに「02H」を、上記(iii)のいずれの先読み予告も実行しない場合、先読み動作ステータスに「00H」を、RAM243の所定領域に格納する(ステップS715)。
上記先読み演出抽選処理を終了するとステップS716に進み、先読み判定動作ステータスを判定する。先読み動作ステータスが「00H」の場合(ステップS716:=00H)、先読み予告演出は行われないので、何もせずにステップS718の処理に進む。
一方、先読み動作ステータスが「00H」以外である場合(ステップS716:≠00H)、現在の保留球数の値(1〜4個または1〜8個)を連続予告カウンタに格納する(ステップS717)。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図28の装飾図柄指定コマンドを受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1づつ減算されていくようになっている。
上記のように先読み演出抽選に当選した際に現存する保留球数の値を「連続予告カウンタ」にセットすることで(ステップS717)、当該保留球数の値に対応する図柄変動回数の間、新たな入賞球が発生しても、それについて先読み予告演出の抽選が禁止される(ステップS713:NOのルート)。たとえば現在の保留球数が3個の場合、当該保留球数に対応する3回の図柄変動の間、先読み予告演出の抽選が禁止され、これにより先読み予告演出の発生が阻止される。なお上述の「連続予告カウンタ」は、先読み予告当選に関する情報としても利用することができる。つまり、「連続予告カウンタ」がゼロであれば、先読み予告非当選中(先読み予告非実行状態)であり、ゼロ以外の値であれば先読み予告当選中(先読み予告実行状態)と判断することができる。
ステップS718の処理に進むと、保留加算表示処理を行う(ステップS718)。この保留加算表示処理では、液晶制御部側に、作動保留球数情報を含む液晶制御コマンド(液晶側保留球数情報コマンド)を送信する。これにより、液晶表示画面に保留球数に対応する数のアイコン画像が点灯表示される。なお、この保留球数情報のコマンド送信は、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数のすべてについて送信する。
またここでは、上記液晶側保留球数情報コマンドの他、演出情報を確認し、先読み予告演出に関する情報として、たとえば、保留表示に関する情報(保留表示態様を指定する情報)を含む液晶制御コマンド(液晶側先読み情報コマンド)も送信される。したがって、入賞時変化系の先読み予告演出(保留表示変化系の先読み予告演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選に当選している場合には、ステップS718の液晶制御部側に送信される液晶側先読み情報コマンドに基づき、液晶制御部側が保留表示変化系の先読み予告演出として、今回入賞した保留記憶に係る保留表示態様(保留アイコン)を、専用の保留色(たとえば、青色、黄色、緑色、赤色または虹色のいずれかの色)の保留表示態様(専用保留表示)としたり、または通常とは異なる特殊なアイコンを利用した特別な保留表示態様となるように液晶画面に表示させる。これにより、たとえば、今回入賞した保留記憶が3個目であれば、この3個目の保留記憶が図柄変動表示ゲーム(図柄変動表示動作)に供されるまでの間、その特別な保留表示を連続的に出現させることができる。つまり、ここでの処理では、先読み予告抽選に当選している場合には、保留加算コマンドを受信した際、「入賞時変化系」の先読み予告演出として、「専用保留表示(たとえば、青色、黄色、緑色、赤色または虹色の保留表示)」を現出制御するための演出制御処理(専用保留表示処理)が行われ、また先読み予告抽選に当選していない場合には通常保留表示を現出制御するための演出制御処理(通常保留表示処理)が行われるようになっている(図5、図6参照)。なお本実施形態では、液晶側保留球数情報コマンドと、液晶側先読み情報コマンドとを送信する(複数のコマンドを送信する)と説明したがこれに限らず、制御負担の軽減のために、保留球数情報および保留表示に関する情報を含ませた液晶制御コマンドを送信しても良い。
またここでは、先読み予告演出の一環として、たとえば、通常とは異なる音演出(特殊音演出)や特殊な光演出(特殊光演出)を現出制御するための演出(特殊保留演出)シナリオがセットされる。これにより、たとえば、今回の保留記憶が3個目であれば、この3個目の保留記憶が図柄変動表示ゲーム(図柄変動表示動作)に供されるまでの間、先読み予告演出を現出させることができるようになっている。たとえば、保留記憶発生時(入賞時)において、通常とは異なる入賞音(特殊入賞音)を発生させて先読み予告抽選に当選したことを報知したり、また当該保留記憶が図柄変動表示ゲーム(図柄変動表示動作)に供されるまでの期間において(たとえば、保留表示がシフト表示時や新たな保留記憶の発生時など)、特殊音演出や特殊光演出を現出させたり、保留表示のアイコン画像を変化(保留アイコン画像変化演出)させたりすることができる。
また、変動開始時変化系の先読み予告演出(稲妻演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選に当選している場合には、保留記憶が順次消化される際、図柄変動表示動作が実行時の後述の先読み予告演出処理(後述の図28のステップS743)において、変動開始時変化系の予告演出として稲妻演出の演出シナリオがセットされ、これにより、稲妻画像による稲妻演出(図5、図6参照)が現出されることになる。
次いで、図示してないが、保留特殊演出の演出情報が含まれていないか、つまり上記保留特殊演出が実行中であるか否かを確認し、保留特殊演出が実行中でなければ、通常保留入賞音のシナリオをセットする。これにより、新たな保留記憶が発生し、このとき保留特殊演出が実行中でない場合には、特殊入賞音の替わりに、通常の保留入賞音が発生することになる。その後、保留加算コマンド受信処理を抜ける。一方、保留特殊演出の演出情報が含まれている場合には(ステップS722:YES)、保留特殊演出が実行中であり、この場合は、上記特殊保留演出のシナリオに基づいて先読み予告演出に係る音演出を発生させることとしているので、ここでは何もせず、そのまま保留加算コマンド受信処理を抜ける。なお、先読み予告演出が実行中である場合には、新たな保留を対象とした先読み予告演出が禁止されることとしているので、「先読み禁止カウンタ」がゼロであれば保留特殊演出が実行中でないと判定してゼロでないならば保留特殊演出が実行中であると判定しても良い。また、先読み予告演出実行期間中(保留特殊演出が実行中)である場合、上記通常の保留入賞音を発生させるのではなく、保留記憶発生時による入賞音自体を発生させない、または、保留発生時による入賞音は発生させずに保留発生時による入賞光演出(通常の入賞光演出であっても良いし、特殊光演出であっても良い)だけを発生させるようにすることができる。
(15.当り終了時演出モード設定処理:図27)
図27は、当り終了コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。上記大当り終了コマンドは、図21の特別電動役物管理処理中の大当り終了処理(ステップS609)で送信される演出制御コマンドである。
図27において、演出制御部24(CPU241)は、当り終了コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS721)、その内容である今回の当り情報とその当選時の遊技状態情報とに基づき、その当り遊技後に移行すべき演出モードを設定する(ステップS722:当り終了時演出モード設定処理)。
(16.変動パターン指定コマンドの受信処理:図28)
図28は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図12の特別図柄変動パターン作成処理のステップS412で送信される演出制御コマンドである。
図28において、演出制御部24(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の所定領域に格納する(ステップS732)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)中の演出シナリオが決定されるようになっている。
(17.装飾図柄指定コマンドの受信処理:図29)
図29は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図12の特別図柄変動開始処理のステップS415で送信される演出制御コマンドである。ここでは、図27の変動パターン指定コマンド受信処理で得られた変動パターン情報と、装飾図柄指定コマンドにより得られる情報とに基づいて、図柄変動表示ゲーム中の演出(各種の予告演出)、装飾図柄の表示態様(疑似連中の仮停止図柄、リーチ図柄、停止装飾図柄など)が決定され、今回の変動表示ゲームに係る演出シナリオが構成される。本実施形態では、図柄変動表示ゲームを実行する際、主制御部20側が保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、および装飾図柄指定コマンドを、この順に演出制御部24に対し送信して(図12の特別図柄変動開始処理のステップS404、S412、S415参照)、演出制御部24側では、最後の装飾図柄指定コマンドを受信した際に、図柄変動表示ゲームの開始条件が整ったとして、図柄変動表示ゲームの開始処理として、図28の装飾図柄指定コマンドの受信処理を行うようになっている。
図29において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS741)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS742)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンあり、かつ当選種別情報が16R長開放確変大当りである場合、当該16R長開放確変大当りに関連した装飾図柄の停止表示態様を決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定(リーチ図柄の決定)して、その決定された左図柄と右図柄とに基づき、16R長開放確変大当りに関連した装飾図柄列(大当り図柄)が最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。この決定された装飾図柄データは、RAM243の装飾図柄データ格納領域に格納され利用される。
次いで、先読み予告演出処理を行う(ステップS743)。ここでは、今回の図柄変動表示ゲーム中における「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出させるための演出処理を行う。ここでは、ステップS714(図26)の先読み演出抽選処理において「変動開始時変化系」の先読み予告演出に当選していた場合、専用予告画像(稲妻を模した稲妻画像)表示による稲妻演出用演出データを作成し、これをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。これにより、液晶表示装置36の画面に稲妻画像表示による稲妻演出が現出される(図6(2)参照)。
(17−1.先読み予告演出処理:図30)
図30は先読み予告演出処理の詳細を示したものである。図30を参照して、この先読み予告演出処理では、連続予告カウンタのカウンタ値を確認し(ステップS751)、その値がゼロでない場合、ステップS715の処理でセットされた変動開始時変化系の予告演出に係る演出情報を確認し、先読み予告演出として、稲妻演出(強稲妻演出(当選期待度高)、中稲妻演出(当選期待度中)、または弱稲妻演出(当選期待度低)のいずれかを現出させるための演出制御処理を行う。
この「変動開始時変化系」の先読み予告演出は「連続予告カウンタ」のカウンタがゼロになるまで実行されるようになっている。なお本実施形態では、図30のS754の処理において、「連続予告カウンタ」の値があらかじめ1減算されるようになっており、たとえば、先読み予告抽選当選保留が3個目の保留であった場合、ステップS743の処理に入るときには、連続予告カウンタのカウンタ値が「2」となっている。したがって、先の保留1個目〜2個目の図柄変動表示ゲームにおいて稲妻演出が展開されるようになっている。これは、保留3個目の図柄変動表示ゲームは、先読み予告演出対象保留に係る図柄変動表示ゲームとなるので、変動開始時に先読み予告演出を現出する必要性が乏しいからである。勿論、先読み予告演出対象保留に係る図柄変動表示ゲームにおいても先読み演出を現出しても良く、この場合には、この先読み予告演出処理を終えた後段階で、連続予告カウンタを1減算する処理を行うように構成すれば良い。
具体的には、まず連続予告カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS751)。連続予告カウンタがゼロである場合(ステップS751:YES)、何もしないでステップS755の処理に進む。
連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS751:NO)、次いで、先読み動作ステータスを取得し判定する(ステップS752)。先読み動作ステータスが「02H」以外であった場合(ステップS752:≠02H)、何もしないでステップS757の処理に進む。
先読み動作ステータスが「02H」であった場合(ステップS752:=02H)、この場合は背景先読み予告演出実行となるので、ステップS753の処理に進み、背景先読み予告設定処理を行う(ステップS753)。この背景先読み予告設定処理では、まず、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報に基づき、複数種類の背景先読み予告演出のうちからいずれか1つの背景先読み予告演出を抽選により決定する。たとえば、落雷の強さレベルを表現した、強落雷の稲妻演出、中落雷の稲妻演出、弱落雷の稲妻演出を含む複数種類の稲妻演出のうちからいずれかを1つ稲妻演出を抽選により決定する。いずれの稲妻演出を発生させるかは、変動パターンに関連付けられた「稲妻演出選択テーブル(図示せず)」により決定される。この稲妻演出選択テーブルには、「弱落雷<中落雷<強落雷」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その稲妻演出種の選択率が定められている。
また背景先読み予告設定処理では、背景先読み予告演出の実行回数に連続カウンタの値と同数値を設定し(背景予告実行カウンタに連続カウンタの値を格納)、先読み動作ステータスを「00H」に切り替える。これにより、一の保留加算コマンドが受信されて背景先読み予告演出を実行すると決定された場合、先に生じた最も古い作動保留球が変動開始時において上記背景先読み予告設定処理が行われるが、次回以降の他の保留加算コマンドが受信されたときに、連続予告カウンタがゼロで、かつ先読み動作ステータスが「02H」になっていない限り、この背景先読み予告設定処理は行われない。すなわち、本実施形態では、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化しない限り新たな先読み予告演出は発生せず、重複した先読み予告演出の発生が禁止されるようになっている。
次いで、ステップS754に進むと、今回の作動保留球の消化分として、連続予告カウンタから1減算する(ステップS754)。
次いで、背景予告実行カウンタがゼロあるか否かを判定する(ステップS755)。背景予告実行カウンタがゼロでなければ(ステップS755:NO)、今回の作動保留球の消化分として、背景予告実行カウンタから1減算し(ステップS756)、背景先読み予告演出実行であるとして、ステップS757の稲妻演出有りの演出シナリオ設定処理に進む。一方、背景予告実行カウンタがゼロであれば(ステップS755:YES)、背景先読み予告演出は実行されないとして、ステップS758の稲妻演出無しの演出シナリオ設定処理に進む。
上記ステップS757の稲妻演出有り演出シナリオ設定処理では、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に現出させる予告演出として、背景先読み予告である稲妻演出を含めた演出シナリオを決定する。これにより、背景先読み予告演出として稲妻演出の一つが選択された場合には、変動開始時に液晶表示装置36の画面内に稲妻画像が出現することになる(図6(2)参照)。他方、ステップS758の稲妻演出無し演出シナリオ設定処理では、背景先読み予告である稲妻演出を除いた演出シナリオを決定する。なお演出シナリオは、変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(変動パターン情報や当選種別など)と、現在の演出モードとに基づき、パーツ演出としての複数種類の予告演出を決定して演出シナリオを構築し、このデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。
なお、連続予告カウンタの値がゼロである場合は(ステップS751:YES)、ステップS752〜S753の処理を迂回して、ステップS755に進み、当該ステップでの判断として、背景予告実行カウンタの値がゼロである場合は(ステップS755:YES)、ステップS756〜S757の処理を迂回してステップS758に進む。このステップS758で、稲妻演出無し演出シナリオ設定処理を行って、先読み予告演出処理を抜ける。したがって、連続予告カウンタと背景予告実行カウンタの値が共にゼロである場合、つまり連続予告の最終回目の変動表示ゲームにおいては、稲妻演出が発生せず、これに替わる背景予告演出が発生する。
上述の演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理を行う(ステップS759)。ここでは、保留表示シフト処理を含めた装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定を行う。上記保留表示シフト処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用の演出シナリオデータが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出シナリオが参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。なお、RAM203の先読み情報記憶エリアに関しても、上述の保留表示データ記憶エリアのシフト処理と同様にして、保留n先読み情報記憶エリア(n=2、3、4)に対応する先読み情報記憶エリアに格納されている先読み判定結果情報を、それぞれ‘n−1’に対応する先読み情報記憶エリアに上書きし、保留4先読み情報記憶エリアに空き領域を設け、次の保留加算コマンドを受信した場合の先読み判定結果情報を格納する領域を確保するようになっている。
図29に戻り、次いで、演出モードに応じた演出処理を行う(ステップS744:演出モード分岐処理)。ステップS744の演出モード分岐処理では、現在の演出モードに応じた演出シナリオ設定処理(ステップS745〜S746)を呼び出して実行させる。この演出シナリオ設定処理には、通常演出モードの場合に行われる通常中演出シナリオ設定処理(ステップS745)と、確変演出モードの場合に行われるST中演出シナリオ設定処理(ステップS746)とが含まれる。これらの演出シナリオ設定処理では、各演出モード下における演出パターン(パーツ演出)を決定する。そして決定された演出パターンに基づき、今回の図柄変動表示ゲームで現出する演出シナリオを構成し、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。
上述の演出モードに対応した演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理を行う(ステップS747)。
ステップS747の処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、演出シナリオに沿った装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
(17−2.ST中演出シナリオ設定処理:図31)
次に、上記のST中演出シナリオ設定処理(ステップS746)について説明する。図31は、図29のST中演出シナリオ設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図31において、演出制御部24(CPU241)は、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報に基づき、変動パターン種別を判定する(ステップS461:変動パターン種別分岐処理)。
ハズレ変動パターンである場合(ステップS461:ハズレ変動)、ST中のハズレ変動演出処理を行う(ステップS462)。本実施形態では、ST中のハズレ当選の場合、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と、ステップS741の処理で得られた装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報(大当り種別)とに基づき、ST前半、ST中盤、ST後半それぞれの専用通常変動(1秒、2秒、10秒)パターンが選択され、リーチ変動パターンが選択されることは極めてまれである構成となっている(図33のST中変動パターン振分テーブルγ1〜γ3参照)。
当り変動パターンである場合(ステップS461:当り変動)、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と、ステップS741の処理で得られた装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報(大当り種別)とに基づき、ST中における「ST前半」、「ST中盤初回」、「ST中盤途中回」、「ST中盤終了回」、「ST後半前段回」、「ST後半後段回」の各演出モードについて、当り変動パターンである場合の演出シナリオを決定し、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。ハズレの場合は、リーチ変動パターンが選択されることは極めてまれであるのに対し(図33のST中変動パターン振分テーブルγ1〜γ3参照)、当りの場合は、リーチ変動パターンが選択されることから(図33のST中変動パターン振分テーブルα1〜α32、β1〜β32参照)、ST演出モード中にリーチ演出(リーチ状態)が発生した時点で、ほぼ大当り当選が確定することになる。
(ST中当り変動演出処理(ステップS461〜SS476)について)
図31において、当り変動パターンである場合(ステップS461:当り変動)、ST残り継続回数(以下、「ST残余回数」と称する)を取得し(ステップS463)、このST残余回数と当り種別とに応じて、ステップS465〜S476の演出処理を行う(ステップS464:ST残余回数分岐処理)。本実施形態では、ST演出モード中における演出を決定する際、「ST残余回数」と「当り種別」とで、選択対象とされる演出が決定されるようになっている。演出の内容については、既に図19〜図22の特別図柄変動パターン設定処理のところで述べているので、以下では簡単に説明する。
(1)ST前半(確変A)は、ハズレの場合にほとんどが前半専用の1秒の通常変動パターンが選択されて高速に消化されて行き、もしもリーチがかかれば殆ど大当りが確定するという「高速変動動作期間」になっている(図33のテーブルγ1参照)。この高速変動動作期間で大当りした場合、その大当り種別が16R確変大当り(利益量高の当り)の場合は、SPリーチ変動A5に基づく「演出A+演出C(+爆轟演出)」を現出しやすくし、派手な演出を出やすくして、当り時の利益量の高い大当り種別の期待感を煽っている。また、なお、上述の高速変動動作期間では、リーチがかかれば、その時点で100%大当り確定(当確)となる、つまり、ハズレ時は通常変動(通常変動パターン)しか選択されないようにしても良い。
ST前半(確変A)からST中盤(確変B)への境目である31回転目(30回転目でもよい)で大当りした場合は、それが16R大当りであればSPリーチ変動A4に基づく「16R確定音」を出して、16R大当り確定を報知する。これに対し、4R大当りであればSPリーチ変動A5に基づく「演出A(時計型役物作動)+C」を現出させる。つまり、この両者の対比として、大当りの種別(16R大当りまたは4R大当り)を確定を報知してしまう。ST中盤(確変B)からST後半(確変C)への境目である70回転目(71回転目でもよい)で大当りした場合や、ST後半(確変C)から通常状態への境目である77回転目で大当りした場合も、同様に構成することができる。
(2)また、ST中盤(確変B)は、ハズレの場合に、ST前半より変動動作時間が長い中盤専用の通常変動パターン(2秒)かそれより長い通常変動パターン(5秒)が選択されて消化されて行くという「中速変動動作期間」になっている(図33のテーブルγ2参照)。この中速変動動作期間で大当りした場合、「演出A(時計型役物作動)」が出やすくなる。このST中盤(確変B)では、ST前半(確変A)におけるよりも大当り種別は不明確となる。正確には、4R大当りの場合よりも16R大当りの場合の方が「演出A(時計型役物作動)」が選択されやすく、16R大当りであっても、確定音を伴う回転灯や花型役物が作動する演出は出にくくなる。最終的に16R大当りに昇格するかは、図柄揃い後の昇格演出で16R大当りを報知し、それ以外なら、大当り中で報知するように構成しても良い。
演出選択率としては、たとえば概略、下記のように定められることができる。なお、本発明の目的を達成できるものであれば、下記の選択率に限られない。
(i)ST前半(確変A)における当りが、
16R大当りの場合:演出A(時計型役物)が「10%」、演出B(回転灯+16R確定音)が「60%」、演出C(花型可動体役物)が「40%」、
4R大当りの場合:演出A(時計型役物)が「30%」、演出B(回転灯+16R確定音)が「0%」、演出C(花型可動体役物)が「40%」、
(ii)ST中盤(確変B)における当りが、
16R大当りの場合:演出A(時計型役物)が「50%」、演出B(回転灯+16R確定音)が「20%」、演出C(花型可動体役物)が「30%」、
4R大当りの場合:演出A(時計型役物)が「70%」、演出B(回転灯+16R確定音)が「0%」、演出C(花型可動体役物)が「30%」。
(3)また、ST後半(確変C)は、ハズレの場合に、ST前半およびST中盤よりもさらに変動動作時間が長い後半専用の通常変動パターン(10秒)が選択され、1ゲーム毎にゆっくりと時間をかけて消化されて行くという「低速変動動作期間」になっている(図33のテーブルγ2参照)。このST後半(確変C)で大当りした場合、この期間でかつ16R大当りに当選した場合にのみ現出する特殊な演出として、SPリーチ変動A7に基づく「演出A(時計型役物作動)+演出B(回転灯作動)+C(花型役物作動)(爆轟演出を現出させても良い)」が現出し得る。低速変動動作期間で16R大当りした場合は、必ず演出B(回転灯作動+確定音)を伴う演出が発生し、もし4R大当りの場合は、この当り確定音が発生しないため、演出上から16R大当りであるか4R大当りであるかが確定報知される。しかし、これとは別の構成として、16R大当りと4R大当りに共通で、演出A(時計型役物作動)しか現出せず、昇格演出も発生させない構成とし、これにより大当り中における16R大当り報知演出に期待を持たせて、大当り遊技を消化中において遊技者に緊張感を与える構成とすることもできる。
具体的には、ST中に当りに当選した場合、上記ST残余回数よる区分けと当選種別に応じて、下記(i)〜(vi)のような演出の選択状況(特定遊技状態下演出選択状況)が発生する。なお以下では、演出Cには、爆轟演出が付随して現出される場合があるものとする。
(i)ST前半のST1〜30回目(ST残余回数77〜47)においては、16R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A1、A2、A3、A4、A5、A6に対応する演出として、「演出A」、「演出B」、「演出C」、「演出A+B」、「演出A+C」、「演出B+C」が選択される(ステップS465)。また、4R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A1、A3、A5に対応する演出として、「演出A」、「演出C」、「演出A+C」が選択される(ステップS466)。
(ii)ST中盤初回のST31回転目(ST残余回数46)においては、16R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A4に対応する演出として「演出A+B」が選択される状況(ステップS467)。また、4R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A5に対応する演出として、「演出A+C」が選択される状況(ステップS468)。
(iii)ST中盤途中回のST32〜69回転目(ST残余回数45〜8)においては、16R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A1,A2、A3、A4、A5、A6に対応する演出として、「演出A」、「演出B」、「演出C」、「演出A+B」、「演出A+C」、「演出B+C」が選択される状況(ステップS469)。また、4R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A1、A3、A5に対応する演出として、「演出A」、「演出C」、「演出A+C」)が選択される状況(ステップS470)。
(iv)ST中盤終了回のST70回転目(ST残余回数7)においては、16R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A4に対応する演出として「演出A+B」が選択される状況(ステップS471)。また、4R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A5に対応する演出として、「演出A+C」が選択される状況(ステップS472)。
(v)ST後半前段回のST71〜76回転目(ST残余回数7〜2)においては、16R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A2、A6、A7に対応する演出として、「演出B」、「演出B+C」、「演出A+B+C」が選択される状況(ステップS73)。また、4R大当りに当選したのであれば、SPリーチ変動A1、A5に対応する演出として、「演出A」、「演出A+C」が選択される状況(ステップS474)。
(vi)ST後半後段回のST77回転目(ST残余回数1)においては、16R大当りに当選したのであれば、超長い変動時間を持つSPリーチ変動A8に対応する演出として、「最高の祝福演出(プレミアム演出)」が選択される状況(ステップS475)。また、4R大当りに当選したのであれば、同じく超長い変動時間を持つSPリーチ変動A8に対応する演出として、「最高の祝福演出(プレミアム演出)」が選択される状況(ステップS476)。
上記のST前半、ST中盤初回、ST中盤途中回、ST中盤終了回、ST後半前段回、ST後半後段回のいずれの遊技モードに滞在している場合であっても、演出B(16R確定報知+回転灯62の作動)は、4R大当りに当選したときには現出しない。したがって、当り確定音が発生した場合または回転灯62が作動した場合は、「16R大当り」に当選したことが確定する。これは、ST前半、ST中盤初回、ST中盤途中回、ST中盤終了回、ST後半前段回、ST後半後段回のいずれの遊技モードに滞在している場合であっても、また当り確定音の発生タイミングと回転灯62の作動タイミングが同時的である場合の他、または当り確定音の発生タイミングと回転灯62の作動タイミングのどちらかが先の場合であっても、当て嵌まる事柄である。
またST前半、ST中盤途中回において、SPリーチ変動A1に基づく「演出A(時計型役物80の作動)」や、SPリーチ変動A3に基づく「演出C(花型役物90の作動)」や、SPリーチ変動A5に基づく「演出A+C」が発生した場合には、16R大当りではなく4R大当りに当選した可能性の方が高くなる。
ST中盤初回遊技(ST31回転目)またはST中盤終了回(ST70回転目)において大当りした場合に、SPリーチ変動A4に基づく「演出A+B」が発生したときは、「16R大当り」に当選したことが確定し、SPリーチ変動A5に基づく「演出A+C」が発生した場合には、16R大当りではなく4R大当りに当選したことが確定する。
ST後半前段回において大当りした場合に、SPリーチ変動A1、A5に基づく「演出B」、「演出B+C」、「演出A+B+C」が発生したときは、「16R大当り」に当選したことが確定し、SPリーチ変動A4に基づく「演出A」、「演出A+C」が発生したときは、4R大当りに当選したことが確定する。
ST後半前段回(ST32〜69回転目)の変動において大当りした場合、現出した演出が、SPリーチ変動A7に基づく「オール出現で度派手な演出」つまり「第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、第3の可動体役物(回転灯62)が全て作動する演出であったときは、「16R大当り」に当選したことが確定する。
またST後半終了回遊技(ST最終回目)においては、SPリーチ変動A8に基づく超長時間変動に係るプレミアム演出が発生する可能性があり、発生した場合は最高の祝福演出となる。このプレミアム演出は、ST後半後段回(77回転目)で当選した、という条件を満たした場合に、SPリーチ変動A8に基づく特殊な演出(最高の祝福演出)として現出する。しかしプレミアム演出の替わりに、「16R大当り」の場合は、全ての役物(本例では「演出A(時計型役物)+演出B(回転灯)+C(花型役物)+爆轟演出」)が作動する派手な演出が現出し、これに対し、「4R大当り」の場合は、当り確定音を除く全ての演出手段(「演出A(時計型役物)+演出B(回転灯)+C(花型役物)++爆轟演出」)が作動する「派手な演出」が現出するように構成することもできる。
本実施形態では、先読み演出抽選に当選した時点で存在する保留球数に対応する図柄変動表示ゲームの回数について先読み予告を禁止している(ステップS717、S724)。しかし、先読み演出抽選に当選した時点で存在する保留球数は、最大でも、その上限である4個までに定まっている。そこで、最大保留記憶数と同じ値の4回を「連続予告カウンタ」にセットして、確定的に4回だけ、新たな保留記憶について先読み予告を禁止する構成としてもよい。
また特別図柄1に係る保留球数と特別図柄2に係る保留球数の合計値(最大で8個)を管理している構成の場合には、「連続予告カウンタ」に上記合計の最大値である8個をセットして、確定的に8回だけ、新たな保留記憶について先読み予告を禁止する構成としてもよい。
〔変形例〕
なおST前半とST中盤とに着目して、次のような実施形態(変形例)とすることができる。
この変形例では、ST前半とST中盤とで選択されうるSPリーチ1〜6のうち、SPリーチ1、2、4(SPリーチ変動A1、A2、A4)は、当選期待度が相対的に低い「弱SPリーチ種別」、SPリーチ3、5、6(SPリーチ変動A3、A5、A6)は、それよりも当選期待度が相対的に高い「強SPリーチ種別」と区分し、複数種類のSPリーチ同士で、基本となるリーチ演出態様が同じ演出態様となるように定めることができる。換言すれば、「弱SPリーチ種別」は、予告演出の演出量が相対的に少ないリーチ演出種別であり、「強SPリーチ種別」は、予告演出の演出量が相対的に多いリーチ演出種別となっており、「強SPリーチ種別」の方が「弱SPリーチ種別」よりも、予告演出が遊技者に与える当選期待感への煽り度合(予告の激しさ)が激しいようになっている。
具体的には、SPリーチ1、2、4は、リーチ演出の内容として、たとえば、ストーリー仕立ての物語風演出の「物語A」という内容を表現したリーチ演出(弱SPリーチ種別)が現出され、SPリーチ3、5、6は「物語B」という内容を表現したリーチ演出が現出され(強SPリーチ種別)、同じSPリーチ演出種別に属するSPリーチ同士(たとえば、SPリーチ1とSPリーチ2)では、そのリーチ演出中に付随して現出される予告演出パターンの違いにより、当選期待度を変化させることができる。したがって、大当りとハズレのいずれに当選した場合でも選択される可能性があるSPリーチ1、3、5が選択された場合(SPリーチ変動A1、A3、A5が選択された場合)、物語風演出「物語A」または「物語B」が現出されることになるが、SPリーチ中の特定の予告演出(たとえば、16R大当り確定を報知する演出B(16R確定音)など)が現出されるまでは、当選確定が報知されないので、これらSPリーチが現出されたときは、遊技者は、その当選期待度に応じた当選期待感を抱きながら、演出の行く末を見守ることができる。
本例の場合、SPリーチ変動A1、A2、A4は、上記各予告演出(演出A、演出B、演出A+B)が必ず現出されるとは限らないようにすることが好ましい。その理由は、SPリーチ変動A1、A2、A4が対応する予告演出を必ず現出させるものであるとすれば、物語Aの演出中に「演出A」が出現した場合には、その時点でSPリーチ変動A1が選択されたことが遊技者に悟られてしまい、また物語Aの演出中に「演出A」が出現しなかった場合には、その時点で、SPリーチ変動A1以外の変動パターンA2、A4が選択されたこと、つまり「16R大当り」が当選確定であることが遊技者に悟られてしまい、当選期待感を煽るという本来のリーチ演出の意義が失われてしまうからである。したがって、本変形例の場合、上記SPリーチ変動A1は、時計型役物80の作動による「演出A」を現出させるものであるが、この「演出A」は、所定の確率(たとえば、50%)で現出されるようになっており、またSPリーチ変動A2は、回転灯62による「演出B」を現出させるものであるが、この「演出B」は、当確(16R大当り当選確定)を報知することになるため、比較的低確率(たとえば、20%)で現出されるようになっている。また、SPリーチ変動A4も同様に、時計型役物80による「演出A」と、回転灯62による「演出B」との「演出A+B(16R確定報知)」を現出させるものであるが、この演出も所定の確率(「演出A」は、たとえば50%、「演出B」は、たとえば20%)で現出させることができる。これにより、SPリーチ変動A1、A2、A4のいずれにおいても、対応する予告演出が現出されない場合があり、いずれの変動パターンが選択されたのかを遊技者側に秘匿し、演出展開をじっくり鑑賞させることができる。
本例のように、当選期待度に応じてSPリーチ変動パターンを区分する場合、ST前半とST中盤とでは次のような関係になる。
(イ)ST前半において、16R大当りの場合は、弱SPリーチ種別よりも強SPリーチ種別が選択され易くなっている。具体的には、16R大当りの場合、図33に示すように、弱SPリーチ種別の「SPリーチ変動A1、A2、A4」の合算選択率は39/200、強SPリーチ種別の「SPリーチ変動A3、A5、A6」の合算選択率は161/200となっている。一方、4R大当りの場合は、これとは逆に、弱SPリーチ種別の「SPリーチ変動A1、A2、A4」の合算選択率は71/200、強SPリーチ種別の「SPリーチ変動A3、A5、A6」の合算選択率は129/200となっている。つまり、ST前半においては、16R大当りの場合には「強リーチ種別」の選択率を「弱リーチ種別」よりも相対的に高くなるようにして予告演出の演出量を多くし、4R大当りの場合には、その逆に「強リーチ種別」の選択率を「弱リーチ種別」よりも相対的に低くなるようにして予告演出の演出量を少なくする。
(ロ)ST中盤において、16R大当りの場合は、強SPリーチ種別よりも弱SPリーチ種別が選択され易くなっている。具体的には、16R大当りの場合、図33に示すように、弱SPリーチ種別の「SPリーチ変動A1、A2、A4」の合算選択率は71/200、強SPリーチ種別の「SPリーチ変動A3、A5、A6」の合算選択率は129/200となっている。一方、4R大当りの場合は、これとは逆に、弱SPリーチ種別の「SPリーチ変動A1、A2、A4」の合算選択率は55/200、強SPリーチ種別の「SPリーチ変動A3、A5、A6」の合算選択率は145/200となっている。つまり、ST中盤においては、16R大当りの場合には「強リーチ種別」の選択率を「弱リーチ種別」よりも相対的に低くなるようにして予告演出の演出量を少なくし、4R大当りの場合には、その逆に「強リーチ種別」の選択率を「弱リーチ種別」よりも相対的に高くなるようにして予告演出の演出量を多くする。
したがって本変形例の場合も上記実施形態と同様に、ST前半においては、予告演出の演出量が多いほど16R大当りへの当選期待度を高まり遊技者の16R大当り当選期待感が大いに煽るようにすることができ、予告演出の演出量が少ないほど、4R大当りへの当選期待度が高めて、16R大当り当選期待感を過度に煽ることを防止することができる。
またST中盤においても上記実施形態と同様に、16大当りの場合には、予告演出の演出量がST前半よりも相対的に少なくなるようにし、4R大当りの場合には、予告演出の演出量がST前半よりも相対的に多くなるようにして、双方の大当り時において予告演出の演出量を適切量に抑えることにより、ST前半のように「16R大当りへの期待感を煽る」というのではなく「大当り種別を問わず、専ら大当りへの当選期待感を煽る」といった演出現出状態を作り出すことができる。
上記(イ)および(ハ)のような関係とすることで、STが始まって早い段階(たとえば、数回転〜9回転程度)で大当りに当選当してしまい、もっと楽しみたいのに期間が短く「なんとなくもったいない」という状況や、ST期間が始まって早い段階で派手な予告演出で長時間リーチがかかり、16R大当りを期待させておきながらも、実際は4R大当りの方に当選してしまった、という「なんとなく嬉しくない」という状況について、それらの発生が少なくなるように改善される。つまり、本変形例の構成としても、上記実施形態で述べた作用効果と同様の作用効果を奏することができる。