以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔遊技機外観〕
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)12によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)12aを備えたガラス枠12が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠12は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠12のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠12が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置(遊技制御手段)100(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠12のカバーガラス12aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材18が備えられている。装飾部材18の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置43(図4参照)が備えられている。枠装飾装置43を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材18が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠12の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカ19aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置45)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカ19が備えられる。スピーカ19には、上スピーカ19a及び下スピーカ19bが含まれる。上スピーカ19aはガラス枠12の上方に配置され、下スピーカ19bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカ19から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や、遊技機1を振動させて入賞を狙う行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)61(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)62(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ63、ガラス枠開放検出スイッチ64、図3参照)によって前面枠3やガラス枠12の開閉枠が開放されたことが検出され、営業時間中であればスピーカ19より報知音が報知される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカ19などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠12のカバーガラス12aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン25を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠12の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠12を施錠するための鍵26が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン(操作手段)25が備えられている。遊技者は、演出ボタン25を操作することによって、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない客待ち中又は通常状態に遊技者が演出ボタン25を操作することによっても演出パターンを変更可能である。なお、通常状態(通常遊技状態)とは、例えば、特定遊技状態(大当り終了後のST状態)、確変状態、時短状態、又は、大当り状態(特別遊技状態)が発生していない遊技状態である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン25の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン25を操作することによって、始動記憶(保留記憶)に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン27、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン28が設けられている。
〔盤面図〕
図2は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、多数の障害釘(遊技釘、流下経路変換部材、図示略)が配設されており、発射された遊技球は障害釘などにより転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。長期間の使用による障害釘の変形や、障害釘の角度変化により、または、人為的に障害釘の調整具合が変更されたりすることにより、各入賞口への入賞率が変化してしまう場合がある。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41において画像を表示可能な表示画面(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。また、一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動領域)36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動領域)37が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口37の一対の開閉部材37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37の上方には、第1始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
第2始動入賞口37の開閉部材37bの動作態様(普電サポート)には、入賞非容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態)とが含まれる。
入賞非容易状態は、第2始動入賞口37の開閉部材37bが開放状態になりにくく、第2始動入賞口37に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、入賞非容易状態と比較して第2始動入賞口37の開閉部材37bが開放状態になりやすい状態である。例えば、入賞非容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が1/251、開放時間が0.1秒であり、入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が250/251、開放時間が1.7秒、さらに開放回数が3回である。
さらに、第2始動入賞口37の下方の遊技領域10aには、大入賞口ソレノイド38b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置38が設けられている。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、及び特別変動入賞装置38の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置41における特図変動表示ゲーム、及び、普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口36に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間毎に切り替える変動表示を行う。特図1表示器51又は特図2表示器52において特図変動表示ゲームが行われている間、それに対応して表示装置41においても飾り特図変動表示ゲームが行われる。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えば、ランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37の始動記憶数(保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(保留数)を表示する。例えば、保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が通常確率(低確率)状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が確率変動(高確率)状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本実施形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本実施形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37の一対の開閉部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口37に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37bが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口36への入賞球及び第2始動入賞口37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36a(図3参照)と始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37への入賞、もしくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、変動している図柄を所定時間後に順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の大当り乱数の値が当り値であるとき)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置38は、大入賞口ソレノイド38b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置38に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36(第2始動入賞口37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36(第2始動入賞口37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前枠開放検出スイッチ63やガラス枠12に設けられたガラス枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔ブロック図(遊技制御装置)〕
図3は、本発明の実施の形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
図3では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、電源装置400もしくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM111cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置100は、停電復旧後、RAM111cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部420は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)111a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)111b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROM(登録商標)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数(振り分け乱数)をCPU111aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるハズレ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)3リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
ここで、ROM111bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め設定された特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態、特別結果態様となる過程の表示態様)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置41の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置41における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(リーチA)、スペシャル1リーチ(リーチB)、スペシャル2リーチ(リーチC)、スペシャル3リーチ(リーチD)、プレミアムリーチ(リーチE)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置(演出制御手段)300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの普図当り乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理や特図普段処理にて、ROM111bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口37の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート123に入力される。
近接I/F121に入力された信号の出力はすべて入力ポート122に供給され、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに遊技用マイコン111に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を遊技用マイコン111に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び近接I/F121により変換された第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する入力ポート122が設けられている。入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル(CE)信号1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機1の前面枠3に設けられた前枠開放検出スイッチ63及びガラス枠12に設けられたガラス枠開放検出スイッチ64からの信号、及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに中継基板70に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板70を介してリセット信号RSTを試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各入力ポート(122、123)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各入力ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132と、を備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号もしくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル(CE)信号も供給され、該CE信号により選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド38b)や第2始動入賞口37の開閉部材37bを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド37c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末(図示省略)や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第1ドライバ(駆動回路)138a、第2ドライバ138b、第3ドライバ138c、及び第4ドライバ138dが設けられている。第1ドライバ138aは、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ138bは、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ138cは、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ138dは、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122のようなポートは設けられていない。
〔ブロック図(演出制御装置)〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態の演出制御装置300の構成を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップからなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で専ら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該映像制御用マイコン312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSI314と、を備えている。
主制御用マイコン311と映像制御用マイコン312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容の指示、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン311と映像制御用マイコン312の作業領域を提供するRAM(311a、312a)は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311と映像制御用マイコン312との間、主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン312との間、主制御用マイコン311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン312には、主制御用マイコン311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン311とは別に映像制御用マイコン312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合と比較してコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、外部からの検出信号を主制御用マイコン311に受け渡すSW入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠3に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。SW入力回路336の入力側は、演出ボタン25が操作されたときに検出信号を発する操作手段SW25a、及び盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータSW10hと接続されている。
また、演出制御装置300には、盤装飾LED制御回路332、枠装飾LED制御回路333、盤演出モータ/SOL制御回路334、枠演出モータ制御回路335が設けられている。
盤装飾LED制御回路332は、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を制御する。盤装飾装置42には、特別変動入賞装置38(大入賞口、アタッカ)や第2始動入賞口37を装飾するLEDが含まれる。これらのLEDは、特別変動入賞装置38や第2始動入賞口37に備えられていてもよいし、特別変動入賞装置38や第2始動入賞口37が配置された領域付近の遊技盤10に配置されてもよい。また、遊技盤10が透明部材で構成されている場合には、遊技盤10の裏面側に配置するようにしてもよい。
枠装飾LED制御回路333は、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置43を制御する。盤演出モータ/SOL制御回路334は、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する。枠演出モータ制御回路335は、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)45を駆動制御する。
なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(332、333、334、335)は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカ19を駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準として電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン311や映像制御用マイコン312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(332〜335)、スピーカ19を駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、制御信号生成部430は、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本実施形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図当り乱数を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、第2始動入賞口37の開閉部材37bを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU111aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100のCPU111aは、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り乱数を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置100のCPU111aは、第2始動入賞口37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り乱数を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19(19a、19b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
続いて、遊技制御装置100による制御について具体的に説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態のメイン処理の前半手順を示すフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態のメイン処理の後半手順を示すフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置100は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に遊技制御装置100が先に起動してしまい、払出制御装置200の起動が完了する前にコマンドを当該払出制御装置200に送信し、払出制御装置200が送信されたコマンドを取りこぼしてしまうことを回避できる。
続いて、遊技制御装置100は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン111に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本発明の実施の形態では、遊技制御装置100は払出制御装置200及び演出制御装置300とパラレル通信を行うことから、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置100は、電源装置400内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否かを判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」:NO)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」:YES)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
そして、遊技制御装置100は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
一方、遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図6のS539〜S543の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図5のS517〜S523)。
遊技制御装置100は、まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S517)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S518)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S519)。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S520)。高確率状態でないと判定された場合には(S520の結果が「N」)、S523以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S520の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブする(S521)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器)をオン(点灯)に設定してセグメント領域にセーブする(S522)。
さらに、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信する(S523)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置100は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S539)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S540)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブする(S541)。
続いて、遊技制御装置100は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S542)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置300に送信し(S543)、S524以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、S523又はS543の処理が終了すると、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S524)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU111aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置100は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S525)。具体的には、CPU111aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S526)。その後、遊技制御装置100は、割込みを許可する(S527)。
なお、本実施形態のCPU111a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S528)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
次に、遊技制御装置100は、電源装置400から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S529)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。
次に、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S530の結果が「N」)、S528の初期値乱数更新処理を再び実行し、S528からS530までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S528)の前に割り込みを許可(S527)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S528)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S530の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS529の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S531)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S531の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S531の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S532〜S538)。
停電発生時の処理では、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(S532)、全出力ポートをオフに設定する(S533)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S534)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S535)。
さらに、遊技制御装置100は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S536)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブする(S537)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S538)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることによって開始される。
遊技制御装置100は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置100は、入力部120を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置300及び払出制御装置200に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)38b、普電ソレノイド(SOL)37cが含まれる。また、出力処理では、遊技機1の各種遊技データを収集する情報収集端末装置(図示略)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200、演出制御装置300等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。
次に、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、普図当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
次に、遊技制御装置100は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠12が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
次に、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ19から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置100は、外部情報端子71から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(S712)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。
最後に、遊技制御装置100は、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、本処理を終了する。本処理の終了後はメイン処理に復帰する。
〔コマンド送信処理〕
次に、上述したタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態のコマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
コマンド送信処理は、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンド、を演出制御装置300に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置200に送信する処理である。
遊技制御装置100は、まず、演出制御装置300に対して各種の演出制御コマンドを送信するための演出制御コマンド送信処理を実行する(S801)。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置200に対して賞球の払出指令などの払出コマンドを送信するための払出コマンド送信処理を実行し(S802)、タイマ割込み処理に復帰する。
演出制御装置300へのコマンド送信も払出制御装置200へのコマンド送信もパラレル通信で送信される。払出制御装置200への通信は、不正信号を受け付けない様に暗号化してもよい。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、上述したコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態の演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックし(S901)、未送信コマンドの有無を判定する(S902)。ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一である場合には(S902の結果が「N」)、未送信のコマンドがないため、本処理を終了する。
一方、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には(S902の結果が「Y」)、未送信のコマンドがあるため、遊技制御装置100は、リードカウンタを「+1」更新し(S903)、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))から未送信のコマンドをロードする(S904)。
次に、遊技制御装置100は、取得したコマンドが格納されていた領域(MODE(上位バイト))をリセットし(S905)、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(S906)。
最後に、遊技制御装置100は、取得したコマンドが格納されていた領域(ACTION(下位バイト))をリセットし(S907)、演出制御コマンドを演出制御装置300へ送信し(S908)、本処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理の詳細について説明する。図10は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理は、遊技制御装置100が、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し遊技結果を事前に判定する始動口スイッチ監視処理を実行する(S1001)。
次に、遊技制御装置100は、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aによって当該特別変動入賞装置38に入賞した遊技球を検出し、アタッカに入賞した遊技球の数を監視する(S1002)。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを−1更新した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされる。
ここで、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1004の結果が「N」)、S1020以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1005)。
次に、遊技制御装置100は、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(S1006)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させて(S1007)、ゲーム処理番号に応じて分岐処理を実行する(S1009〜S1019)。
ゲーム処理番号が「0」の場合には、遊技制御装置100は、特図普段処理を実行する(S1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「1」の場合には、遊技制御装置100は、特図変動中処理を実行する(S1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合には、遊技制御装置100は、特図表示中処理を実行する(S1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口の開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合には、遊技制御装置100は、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合には、遊技制御装置100は、大入賞口開放中処理を実行する(S1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
ゲーム処理番号が「5」の場合には、遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理を実行する(S1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉を閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
ゲーム処理番号が「6」の場合には、遊技制御装置100は、大当り終了処理を実行する(S1015)。大当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。さらに、大当り終了後に特定遊技状態に移行するための設定を行う。具体的には、特図変動表示ゲームの当選確率を高確率状態に設定し、さらに、普通電動役物(第2始動入賞口37)の一対の開閉部材37bが閉状態(第1状態)から開状態(第2状態)に移行しやすい時短遊技状態に設定する。また、特定遊技状態が継続する期間(例えば、変動表示ゲームを170回実行するまでの期間)を設定する。
ゲーム処理番号が「7」の場合には、遊技制御装置100は、小当りファンファーレ中処理を実行する(S1016)。小当りファンファーレ中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「8」の場合には、遊技制御装置100は、小当り中処理を実行する(S1017)。小当り中処理は、小当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で、最終ラウンドであれば小当り終了画面のコマンドを設定したり、小当り残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、小当り中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に、大当りの場合と比較して短い時間ではあるが、大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置38の開閉扉を開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置100が特別遊技状態制御手段をなす。
ゲーム処理番号が「9」の場合には、遊技制御装置100は、小当り残存球処理を実行する(S1018)。小当り残存球処理は、小当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
小当り残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ中処理、又は小当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の開放時間が経過した場合に開閉扉を閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を10に設定する。
ゲーム処理番号が「10」の場合には、遊技制御装置100は、小当り終了処理を実行する(S1019)。小当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける図柄の変動、具体的には、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1020)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1021)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームにおける図柄の変動、具体的には、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1022)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(S1023)、本処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図11は、本発明の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、遊技制御装置100が各種乱数を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1101)。さらに、第1始動入賞口36(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1102)。
次に、遊技制御装置100は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37の開閉部材37b)が作動中であるか否かを判定し(S1103)、普通電動役物が作動中である場合には(S1103の結果が「Y」)、S1106以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中ではない場合には(S1103の結果が「N」)、遊技制御装置100は、第2始動入賞口37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1104)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1105)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生している可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1104及びS1105の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
ここで、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1105の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、第2始動入賞口37への遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、本処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1105の結果が「N」)、遊技制御装置100は、第2始動入賞口37による保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1106)。このとき、第2始動入賞口37による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルも準備しておく。
最後に、遊技制御装置100は、後述する特図始動口スイッチ共通処理を実行し(S1107)、本処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理の詳細について説明する。図12は、本発明の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1201、S1202)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1202の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1202の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、当該監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ37aであるか否かを判定する(S1203A)。始動口2スイッチ37aの場合には(S1203Aの結果が「Y」)、第2始動入賞口37に遊技球が入賞したことを演出制御装置300に通知するための普電入賞検出コマンドを準備する(S1203B)。
続いて、遊技制御装置100は、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1203C)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1204)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報をロードし(S1205)、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を+1更新する(S1206)。
次に、遊技制御装置100は、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(S1207)。始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1207の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1208)。
次に、遊技制御装置100は、S1208の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数の値がオーバーフローする場合には(S1207の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する始動記憶数が上限値未満か否かを判定する(S1209、S1210)。
ここで、特図保留数が上限値未満ではない場合には(S1210の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S1211〜S1214の処理を実行する。
遊技制御装置100は、始動口信号が始動口2スイッチ37aで検出された入力信号か否かを判定し(S1211、S1212)、始動口信号が始動口2スイッチ37aからの信号ではない場合には(S1212の結果が「N」)、本処理を終了する。
始動口信号が始動口2スイッチ37aからの信号である場合には(S1212の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備して(S1213)、コマンド設定処理を実行し(S1214)、本処理を終了する。
一方、特図保留数が上限値未満の場合には(S1210の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S1215〜S1224の処理を実行する。
遊技制御装置100は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を+1更新する(S1215)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1217)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1218)。
次に、遊技制御装置100は、更新された特図保留数に対応するRWMの乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1219)。
次に、遊技制御装置100は、S1204の処理で準備された大当り乱数を乱数セーブ領域(特図1始動記憶領域、特図2始動記憶領域)にセーブする(S1220)。大当り乱数は、特図1か特図2かによらずに共通に生成される乱数である。さらに、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を準備(大当り図柄乱数を抽出)し、乱数セーブ領域にセーブする(S1221、S1222)。
大当り乱数は、例えば、65535を上限値として、0〜65535までの65536の値を循環する乱数である。高確率用の判定値を用いる場合には、そのうち、例えば、値が0から32767が「はずれ」と判定される値であり、32768から32976までの208個の値が「通常確率(低確率)時においても確率変動(高確率)時においても大当り」と判定される値である。また、32977から34768までの1792個の値が「高確率時においてのみ大当り」と判定される値であり、36561から36864までの値が「小当り」と判定される値である(いずれも図18参照)。
このように、大当り乱数には、低確率時においても高確率時においても大当りと判定される値と、高確率時においてのみ大当りと判定される値とが含まれる。
大当り図柄乱数(大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2)は、例えば、0から99までの100の値を循環する乱数であり、識別情報の停止態様、特別遊技状態における大入賞口の開放時間、ラウンド数及び特別遊技状態終了後に付与される時短回数、確率変動状態の決定に関する乱数である。つまり、特別遊技状態の種類を決定するための種類決定乱数としての機能も有し、大当り乱数と同様に入賞時に取得される乱数である。
次に、遊技制御装置100は、対応する変動パターン乱数を抽出し、抽出した値を乱数セーブ領域にセーブする(S1223)。変動パターン乱数は、各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む変動パターンを決定するための乱数である。
ここで、変動パターン乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置100は、特図保留情報判定処理を実行し(S1224)、本処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理の詳細について説明する。図13は、本発明の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各保留記憶(始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該保留記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置100は、まず、先読み演出(先読み予告)を実行するか否かの対象となる保留記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かをチェックする(S1301、S1302)。例えば、特別遊技状態では、特図1及び特図2の先読み演出を実行しない。また、例えば、特図2の変動表示ゲームを特図1の変動表示ゲームよりも優先して実行する遊技機では、時短遊技状態において、特図1の保留記憶の先読み演出を実行しない。そして、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1302の結果が「N」)、以降の先読み処理を行わずに本処理を終了する。
対象となる保留記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1302の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、保留記憶が大当り、小当り、はずれのいずれであるかを判定する事前判定処理を実行する(S1303)。事前判定処理は、特図始動記憶領域に記憶する大当り乱数の値が、はずれ、低確率時・高確率時共通の大当り(共通大当り)、高確率時のみの大当り(特定大当り)、小当り、の各判定値としてそれぞれ設定されている所定の範囲の数値であるかを判定することによって、先読み予告の対象となる保留記憶の抽選結果を事前に判定する処理である。
例えば、大当り判定値として「1」を低確率時の判定値、「1〜10」を高確率時の判定値とした場合、大当り乱数値が1であれば低確率時・高確率時共に大当りとなる共通大当り、大当り乱数値が2〜9であれば高確率時の場合のみ大当りとなる特定大当りと判定される。
S1304〜S1310では、事前判定処理の判定結果に基づいて、対応する情報テーブルを設定する。具体的には、遊技制御装置100は、まず、事前判定処理の判定結果が高確率時のみの特定大当りであるか否かを判定する(S1304)。判定結果が特定大当りである場合には(S1304の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(S1306)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振分率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。続けて、当該大当り図柄乱数に対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S1307)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
一方、判定結果が高確率時のみの特定大当りではない場合には(S1304の結果が「N」)、次に、遊技制御装置100は、事前判定処理の判定結果が低確率時・高確率時共通の共通大当りであるか否かを判定する(S1305)。判定結果が共通大当りである場合には(S1305の結果が「Y」)、S1306以降の処理を実行する。
判定結果が共通大当りではない場合には(S1305の結果が「N」)、次に、遊技制御装置100は、事前判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(S1308)。判定結果が小当りである場合には(S1308の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定する(S1309)。一方、判定結果が小当りではない場合には(S1308の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1310)。
このように保留中の保留記憶に基づく変動表示ゲームの結果に応じて演出内容が設定されるので、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの結果に対応するテーブルを設定する(S1304〜S1310)。
次に、遊技制御装置100は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1311)。続いて、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1312)。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1313)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1314)。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行し(S1315)、特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1316)。
変動パターン設定処理(S1316)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターン(変動パターン番号)を選択する処理である。変動パターン設定処理の詳細は、図21にて後述する。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)及び始動口入賞演出コマンド(ACTION)を準備し(S1317)、準備したコマンドの設定処理を実行する(S1318)。
次に、遊技制御装置100は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして(S1319)、コマンド設定処理を実行する(S1320)。
次に、遊技制御装置100は、一定の条件下において先読み演出実行コマンドを設定する事前報知設定処理を実行する(S1321)。事前報知設定処理は、事前判定処理の判定結果が特定大当りである場合であって、当該判定対象の保留記憶よりも先に確率状態を低確率に設定する通常大当りがある場合(当該判定対象の保留記憶を記憶する特図1/特図2始動記憶領域よりも前の特図1/特図2始動記憶領域に通常大当りがある場合)には、先読み演出を実行しない。その後、本処理を終了する。
本処理中、変動パターン設定処理(S1316)後の処理では、取得した変動パターン番号に基づいて始動口入賞演出コマンドを準備し(S1317)、さらに、始動口入賞演出図柄コマンドを準備する(S1319)。そのため、保留記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して通知することが可能になっている。演出制御装置300は、表示装置41に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出を行う。
〔事前判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理における大当り事前判定処理の詳細について説明する。図14は、本発明の実施の形態の大当り事前判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技球の入賞による抽選結果には、はずれ、小当り、大当りの3種類があるが、大当りには低確率時・高確率時共通に設定される大当り判定値(通常時判定値)による大当り(共通大当り)と、高確率時にのみ設定される大当り判定値(高確率時判定値)による大当り(特定大当り)と、があり、特定大当りに対応する乱数値では、確率状態が低確率時の場合には大当りに当選しない。このように、導出される判定結果が確率状態ごとに異なる場合があるので、事前判定に基づいて行なわれる予告演出と実際の変動内容とに矛盾を生じさせないためには、同じ大当りであっても共通大当りであるか、特定大当りであるかを事前判定において区別する必要がある。この判定は、0から65535の値を循環する大当り乱数の値がどの範囲の値であるかを判定することによって行う。事前判定処理は、先読み演出の対象となる保留記憶について、はずれ、低確率時・高確率時共通の大当り(共通大当り)、高確率時のみの大当り(特定大当り)、特図1の小当りを判定する処理である。特に、判定テーブルから取得するフラグデータにマスク処理を行うため、共通大当りに限定した判定や特図1の入賞に限定した小当り判定が可能である。
遊技制御装置100は、まず、図20Aで説明する事前判定テーブルを準備する(S1401)。次に、圧縮振分コードに基づいて事前判定結果のフラグデータを取得する圧縮値振分処理を実行する(S1402)。圧縮値振分処理は、事前判定テーブルを用いる振り分け処理でも変動パターン選択テーブルを用いる振り分け処理でも同一のモジュールを使用するため、本発明では、ROM容量の増加を抑制する効果を有する。
次に、遊技制御装置100は、圧縮値振分処理で取得したフラグデータをチェックし(S1403)、状態フラグと変動フラグとによりマスクデータを算出する(S1404)。状態フラグは、現在の遊技機1の遊技状態に合わせて設定されるフラグである。変動フラグには、特図1変動フラグ、特図2変動フラグがあり、特図1の入賞に基づいて実行される変動表示ゲームであるか、特図2の入賞に基づいて実行される変動表示ゲームであるかを判別するために用いられる。マスクデータは、マスクデータテーブル(図20B参照)に1バイト(8ビット)のビットデータとして設定されている。
次に、遊技制御装置100は、算出したマスクデータを用いてフラグデータにマスク処理を実行する(S1405)。
次に、遊技制御装置100は、マスク処理によって得られたマスク結果(図20C参照)から遊技結果を判定する(S1406)。その後、本処理を終了する。
このように、事前判定処理では、はずれ、低確率時・高確率時共通の大当り、高確率時のみの大当り、小当り、の判定を同一モジュール内で実行するため、プログラムの容量が削減され、RAM容量を削減する効果を有する。
〔圧縮値振分処理〕
次に、上述した事前判定処理における圧縮値振分処理の詳細について説明する。図15は、本発明の実施の形態の圧縮値振分処理の手順を示すフローチャートである。
圧縮値振分処理は、1バイトに圧縮された圧縮振分コード(第1判定値)から振分値を算出し、算出された振分値(第2判定値)及び取得した大当り乱数に基づいて、事前判定テーブル(図20A参照)よりフラグデータを取得する処理である。
本処理は、後述する変動パターン設定処理(図21参照)においても実行されるモジュールであり、変動パターン設定処理内において実行される場合には、算出された振分値及び取得した変動パターン乱数に基づいて、対象となる当り/はずれの変動パターン選択テーブル(図36参照)より変動パターン番号を取得する処理となる。
フラグデータの取得にあたって、従来は、圧縮されていない2バイトの振分値を事前判定テーブルより読み込み、大当り乱数の値(選択値)がマイナスになるまで、選択値から順に振分値を減算し、選択値がマイナスになる場合の振分値に対応付けられたフラグデータを事前判定テーブルより取得していた。
これに対し、本実施形態では、2バイトの振分値の代わりに1バイトに圧縮された圧縮振分コードfを所定の変換式にて変換し、振分値Fとして利用する。
大当り乱数は、上述のとおり、例えば、65535を上限値として、0から65535までの値を循環する乱数である。これに対し振分値は、大当り乱数にフラグデータがそれぞれ振り分けられる(割り振られる)乱数値の幅を表す数値であり、大当り乱数の値の区切り値としての役割を有する。
図20Aを参照して説明すると、1段目の「はずれ」には、値が0〜32768の32768個の大当り乱数が振り分けられており、振分値は「32768」である。取得した大当り乱数が、はずれ、共通大当り、特定大当り、小当り、のいずれの判定結果に該当するかは、大当り乱数の値から1段目の「はずれ」の振分値「32768」、2段目の「共通大当り」の振分値「208」、と順次減算処理して求める。減算処理の結果、大当り乱数の値がマイナスになるところが大当り乱数に振り分けられた(大当り乱数の属する)判定結果である。このように、遊技制御装置100は、大当り乱数の値から1段目の「はずれ」の振分値、「共通大当り」の振分値、と順次減算することで、値がマイナスになる振分値に対応付けられたフラグデータを取得する。
本処理では、以上の処理を実行して、入賞時に取得した大当り乱数からフラグデータを取得する。
遊技制御装置100は、まず、選択したテーブル(事前判定処理内では事前判定テーブル、変動パターン設定処理内では当り/はずれ変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(例えば、「0」)であるか否かをチェックし、判定する(S1501、S1502)。例えば、変動パターン乱数を判定する場合であって、はずれ変動においてリーチなしの場合には、振り分けの必要がないため、振り分けなしのコードが先頭に定義されている。選択したテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合には(S1502の結果が「Y」)、振り分けなしに該当するフラグデータ(変動パターン乱数の判定にあっては変動パターン番号)を取得し(S1509)、本処理を終了する。
一方、選択したテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない場合には(S1502の結果が「N」)、遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値を一時記憶領域にロードし、選択値Sとしてセットする(S1503)。
次に、遊技制御装置100は、選択したテーブルの1段目(最上段)の圧縮振分コード(振分値f)を取得して準備する(S1504)。例えば、事前判定テーブルを用いる場合には、図20Aの1行目の圧縮振分コード「11001000」を取得して準備する。なお、本願において、振分値(圧縮振分コード)fの書き込まれた行と、フラグデータの書き込まれた次の行との2行分を合わせて「1段」と呼ぶ。
次に、遊技制御装置100は、圧縮振分コードfに基づいて振分値Fを算出する圧縮振分コード変換処理を実行する(S1505)。圧縮振分コード変換処理の詳細は図16において説明するが、8ビットのバイナリデータから所定の変換式に上位2ビットと下位6ビットの数値を代入して振分値Fを算出する。具体的には、圧縮振分コード「11001000」からは、振分値「32768」を得ることができる。
次に、遊技制御装置100は、選択値SからS1505で算出した振分値Fを減算し(S1506)、減算後の選択値sがマイナスになるか否かを判定する(S1507)。ここでは、選択値sがマイナスになる振分値Fと対応付けられたフラグデータを取得するので、選択値Sの取り得る最大値よりも各振り分けの振分値を合計した値のほうが大きくなるように設定されていれば、選択値と選択したテーブルの最下段の行の振分値とが一致しなくてもよい。
減算後の選択値sがマイナスになる場合には(S1507結果が「Y」)、大当り乱数に振り分けられた判定結果が特定されたため、遊技制御装置100は、振り分け結果により得られたフラグデータを取得し(S1509)、本処理を終了する。
一方、減算後の選択値sがマイナスにならない場合には(S1507結果が「N」)、遊技制御装置100は、事前判定テーブルの次の行の圧縮振分コードを取得し(S1508)、選択値がマイナスになるまでS1505からS1508までの処理を繰り返し実行する。ここで、選択値sは、繰り返し実行される処理(S1506)では選択値Sとして使用され、前回の減算結果から引き続いて次の振分値を減算する。
〔圧縮振分コード変換処理〕
次に、前述した圧縮値振分処理における圧縮振分コード変換処理の詳細について説明する。図16は、本発明の実施の形態の圧縮振分コード変換処理の手順を示すフローチャートである。圧縮振分コード変換処理は遊技制御装置によって実行されるため、遊技制御装置は判定値変換手段をなすことになる。
圧縮振分コード変換処理は、8ビットに圧縮して判定値記憶手段に記憶されている圧縮振分コードのうち、上位2ビットをn、下位6ビットをaとし、所定の変換式「F=bn×a」に各値を代入して振分値「F」を算出する処理である。なお、bは、任意の正の値をとり、必ずしも整数である必要はないが、好適な値として4の倍数が挙げられる。なお、本実施形態においては、事前判定テーブルに保持する圧縮振分コードの変換には、b=16が設定され、当り/はずれ変動パターン選択テーブルに保持する圧縮振分コードの変換には、b=4が設定される。
遊技制御装置100は、まず、S1504又はS1508で取得した圧縮振分コードの上位2ビットをチェックし(S1601)、上位2ビットによる値をnにセットする(S1602)。
次に、遊技制御装置100は、圧縮振分コードの下位6ビットをチェックし(S1603)、下位6ビットによる値をaにセットする(S1604)。
次に、遊技制御装置100は、変換式「F=bn×a」を計算する(S1605)。具体的には、圧縮振分コードを上述の「11001000」とすると、nは上位2ビットの値「11」、つまり10進数での「3」を、aは下位6ビットの値「001000」、つまり10進数での「8」をとる。n及びaの値を変換式に代入すると、「F=163×8」であり、Fは「32768」が算出される。
最後に、遊技制御装置100は、得られた値「F」を振分値にセットし(S1606)、本処理を終了する。
〔圧縮振分コード及び変換式〕
図17は、本発明の実施の形態の圧縮振分コードの構成を説明する図である。圧縮振分コードは、前述のように、上位nビットに対応する第1ビット、及び、下位aビットに対応する第2ビットで構成されている。本実施形態では、圧縮振分コードfは8ビットとなっており、さらに、第1ビット(n)は上位2ビット、第2ビット(a)は下位6ビットとなっている。
第1ビット(n)は、2ビットで構成されるためビットデータとして00〜11、つまり10進数の0〜3の値が設定される。同様に、第2ビット(a)は、6ビットで構成されるためビットデータとして000000〜111111、つまり10進数の0〜63の値が設定される。しかし、aの値が0の場合には変換式の結果がnの値にかかわらず0になってしまうため、ここでは10進数の1〜63の値を設定することとする。
したがって、b=16の変換式(F=bn×a)において、Fの範囲は、1(=160×1)〜258048(=163×63)となる。
〔変換式及び振分値の特性〕
次に、変換式及び振分値「F」の特性について説明する。図18は、本発明の実施の形態の変換式においてbを4とした場合の圧縮振分コードが表現可能な最小値と最大値を表す図であり、(A)は振分値の最小値、(B)は振分値の最大値を表す。
図18(A)(B)に示すように、振分値Fの最小値は「1」であり、最大値は「4032」である。1バイトでは通常は255までの値が表現可能であるが、本実施形態のb=4の変換式では、1バイトで最大4032まで表現可能となる。このように、2バイトでなければ表現できない255以上の値も圧縮振分コードであれば、1バイトで表現可能であり、記憶容量を削減する効果を有する。
図19は、本発明の実施の形態における圧縮振分コードが表現可能な値を説明する図である。帯の右側の縦の破線は、4032の中央値を示す。
図19に示すように、本実施形態では、圧縮振分コードは、値の範囲全体を均一に圧縮するのではなく、小さな値の方が細かく設定可能となるように圧縮している。具体的には、1008よりも大きな値では64刻みの値しか設定できないが、1〜63の範囲では1刻みの値、64〜252の範囲では4刻みの値、252〜1008の範囲では16刻みの値が設定可能となっており、値の小さな範囲ではより細かな振り分け設定が可能となっている。
ここで、本変換式を用いて変動パターンを選択する例について説明する。nの値が0であって、振分値Fが1の場合(F=40×1)と2の場合(F=40×2)とを比較すると、振分率がそれぞれ1/2000又は2/2000となり、振分値Fの値の差が1であっても該当する変動パターンの出現率が2倍となってしまう。
一方、nの値が3であって、振分値Fが1472の場合(F=43×23)と1536の場合(F=43×24)とを比較すると、振分率がそれぞれ1472/2000と1536/2000となり、nの値が0の場合と比較して変動パターンの出現率の差は小さくなる。
以上のように、本実施形態の圧縮振分コードは必要な精度に応じた設定を可能としている。例えば、遊技機における遊技では、超プレミアムリーチとして稀にしか実行されない変動パターン(例えば、稀にしか登場しないレアキャラ)や、はずれ変動のように高頻度で実行される変動パターンなどに基づいて変動表示ゲームが実行される。本実施形態では、振分値を1バイトに圧縮しながら、実行頻度の低い変動パターンについては、nに小さい値(例えば、0)を設定することによって細かく振り分け可能とする一方、実行頻度の高い変動パターンについてはnに大きい値(例えば、3)を設定することによって、精度を大きく低下させることなく振り分け可能としている。
〔事前判定テーブル〕
次に、事前判定テーブルの詳細について説明する。図20Aは、本発明の実施の形態の事前判定テーブルを説明する図であり、(A)は本実施形態における事前判定テーブル、(B)は従来の事前判定テーブルである。
事前判定テーブルは、はずれ、低確率時・高確率時ともに大当りと判定される共通大当り、高確率時のみ大当りと判定される特定大当り、小当りの判定結果に対応するフラグデータ及び振分値を定義するテーブルである。振分値は、0〜65535の値を循環する変動パターン乱数の区切りを示す値であるため、各振分値と各変動パターン番号とは、1対1の関係で1行毎に定義される。
振分値fは圧縮振分コードとして1バイトで表現され、(A)では、説明のため「;(セミコロン)」右側に、計算された振分値Fを示している。なお、1列目の「DB(Define Byte)」は、1バイトの定数が定義されていることを示す。テーブル中の「;(セミコロン)」の右側に記された変換式の計算と判定結果は、プログラムリストのコメントに相当する部分なので、実際には遊技制御装置100が読み込まないようにするか、テーブルに書き込まないようにする。
(B)を参照すると、従来の変動パターン選択テーブルに書き込まれる振分値は、バイナリデータとしてそのまま値を取得できるが、本実施形態の振分値(圧縮振分コード)でも63よりも小さい値は、bn=1(n=0)であるため、そのまま値を取得することができる。例えば、振分値が1及び19の場合には、従来の振分値の上位8ビットはすべて「0」であり、従来の振分値の下位8ビットと、本願の圧縮振分コードは同じビットデータである。なお、1列目の「DW(Define Word)」は、2バイトの定数が定義されていることを示す。
〔マスクデータテーブル〕
次に、マスクデータテーブルの詳細について説明する。図20Bは、本発明の実施の形態のマスクデータテーブルを説明する図である。また、図20Cは、本発明の実施の形態のマスク結果を説明する図である。
図20Bに示すとおり、マスクデータテーブルには、遊技状態が低確率時であるか、高確率時であるか、及び当該変動表示ゲームが特図1であるか、特図2であるかの組み合わせにより4通りのマスクデータが設定されている。マスクデータは、S1404の処理で状態フラグ及び変動フラグに基づいて選択される。
マスク処理はフラグデータをビット単位で、or演算又はand演算を実行する。具体的には、フラグデータの各ビットに、マスクデータの対応ビットが「1」である場合にはor演算、「0」である場合にはand演算し、確率状態又は変動する特別図柄の別によって注目するべき判定結果のみを読み出す。遊技制御装置100は、マスク処理によるマスク結果として、図20Cに示すように、はずれ、小当り、共通大当り、特定大当りのいずれかを得る。
このように、確率状態にかかわらず大当りと判定される共通大当りと、低確率時には大当りと判定されなくなってしまう特定大当りとを分けて判定できるため、演出制御装置300に送信する制御コマンドを分けて送信することが可能となる。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理における変動パターン設定処理の詳細について説明する。図21は、本発明の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、変動表示ゲームの結果に対応する変動パターン選択テーブルに基づいて、変動パターンを選択する処理である。変動パターン選択テーブルには、図22から図24に示すように通常時(通常状態)及びST状態(特定遊技状態)における大当り用とはずれ用の変動パターン選択テーブルが定義されている。
遊技制御装置100は、まず、RWMの図柄情報領域に格納された作業用の図柄情報がはずれ図柄情報であるかをチェックし、判定する(S2101、S2102)。
作業用の図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(S2102の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、特定遊技状態中か否かをチェックし、判定する(S2103、S2104)。そして、特定遊技状態中の場合には(S2104の結果が「Y」)、処理対象の始動記憶に対応する変動表示ゲームが、特定遊技状態に移行してから何回目に実行される変動表示ゲームであるかに対応して変動パターン選択テーブルを設定する。
具体的には、遊技制御装置100は、まず、対象となる変動表示ゲームが特定遊技状態に移行してから1回目から70回目まで(前半)の実行であるか否かを判定する(S2105)。対象となる変動表示ゲームが1回目から70回目までの実行である場合には(S2105の結果が「Y」)、はずれ変動パターン選択テーブル2(図23(B))のアドレスを取得して準備する(S2106)。
また、対象となる変動表示ゲームが1回目から70回目までの実行でない場合には(S2105の結果が「N」)、遊技制御装置100は、対象となる変動表示ゲームが特定遊技状態に移行してから71回目から140回目(中盤)までの実行であるか否かを判定する(S2107)。対象となる変動表示ゲームが71回目から140回目までの実行である場合には(S2107の結果が「Y」)、はずれ変動パターン選択テーブル3(図24(A))のアドレスを取得して準備する(S2108)。
さらに、対象となる変動表示ゲームが71回目から140回目までの実行でない場合には(S2107の結果が「N」)、特定遊技状態の後半であるため、遊技制御装置100は、はずれ変動パターン選択テーブル4(図24(B))のアドレスを取得して準備する(S2109)。
一方、特定遊技状態中でない場合には(S2104の結果が「N」)、遊技制御装置100は、はずれ変動パターン選択テーブル1(図22(B))のアドレスを取得して準備する(S2110)。
また、作業用の図柄情報がはずれ図柄情報でない場合(S2102の結果が「N」)、すなわち、当り図柄情報の場合には、遊技制御装置100は、特定遊技状態中か否かをチェックし、判定する(S2111)。そして、特定遊技状態中でない場合には(S2111の結果が「N」)、当り変動パターン選択テーブル1(図22(A))のアドレスを取得して準備する(S2112)。一方、特定遊技状態中の場合には(S2111の結果が「N」)、当り変動パターン選択テーブル2(図23(A))のアドレスを取得して準備する(S2113)。
変動パターン選択テーブルが設定されると、遊技制御装置100は、RWMの乱数記憶領域から変動パターン乱数をロードし(S2114)、圧縮振分コードに基づいて変動パターン番号を取得する圧縮値振分処理を実行する(S2115)。圧縮値振分処理は、図15で説明したサブモジュールにおいて実行する。
最後に、遊技制御装置100は、取得した変動パターン番号を対象の変動パターン番号領域にセーブし(S2116)、本処理を終了する。
〔変動パターン選択テーブル〕
次に、図22から図24を参照しながら、変動パターン選択テーブルの詳細について説明する。図22から図24に示す各変動パターン選択テーブルの構造は共通である。
図22は、本発明の実施の形態の通常時における変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は抽選結果が大当りの場合に選択される当り変動パターン選択テーブル1、(B)は抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル1である。
図23は、本発明の実施の形態の特定遊技状態(ST状態)における変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)はST状態であって抽選結果が大当りの場合に選択される当り変動パターン選択テーブル2、(B)はST状態の前半(変動表示ゲームの実行回数が1回から70回)であって、抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル2である。
図24は、本発明の実施の形態の特定遊技状態(ST状態)における変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)はST状態の中盤(変動表示ゲームの実行回数が71回から140回)であって、抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル3、(B)はST状態の後半(変動表示ゲームの実行回数が140回目以降)であって、抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル4である。
変動パターン選択テーブルは、通常変動、ノーマルリーチ、スペシャル(SP)リーチ等の各種変動に対応する変動パターン番号及び振分値を定義するテーブルである。振分値fは、0〜1999の値を循環する変動パターン乱数の区切りを示す値であり、各振分値と各変動パターン番号とは、1対1の関係で1行毎に定義される。
振分値fは圧縮振分コードとして1バイトで表現され、図30では、説明のため「;(セミコロン)」右側に、計算された実際に利用される振分値Fを示している。実際の振分値Fは、図17に示したように、振分値fから抽出されたn及びaに基づいてF=4n×aとなっている。
なお、1列目の「DB(Define Byte)」は、1バイトの定数が定義されていることを示す。テーブル中の「;(セミコロン)」の右側に記された変換式の計算と変動パターン名(通常変動及びリーチA〜E)は、プログラムリストのコメントに相当する部分なので、実際には遊技制御装置100が読み込まないようにするか、テーブルに書き込まないようにする。
また、図22(B)に示した通常時において変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合に対応するはずれ変動パターン選択テーブル1には、変動パターン番号を“8”とするスペシャルリーチ5(未確定スペシャルリーチ)が選択可能となっている。スペシャルリーチ5は、変動表示ゲーム開始時には、実行されるリーチの種類が未確定であり、変動表示ゲーム実行時又は実行中(前半変動中)の状態に応じて実行されるリーチが選択される。具体的には、前半変動中のボタン演出における遊技者の操作に基づいて選択される。
また、スペシャルリーチ5が選択された場合に先読み演出が実行されると、実際に実行されたリーチと先読み演出の期待度と間に齟齬が生じるおそれがあるため、変動パターン番号を“8”が選択された場合には、演出制御装置300は先読み演出を実行しないように制御する。制御の詳細については、図67の先読み予告設定処理にて説明する。
〔変動パターン選択率・変動時間〕
続いて、各変動パターンにおける選択確率及び変動時間について説明する。図25Aは、本発明の実施の形態における変動パターン選択テーブル毎の各変動パターンの選択率を示す図であり、(A)は変動表示ゲームの結果が大当りの場合、(B)は変動表示ゲームの結果がはずれの場合を示す。図25Bは、本発明の実施の形態における各変動パターンに対応する変動時間を示す図である。
図25A(A)を参照すると、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、通常時であっても特定遊技状態(ST中、ST状態)であっても、ノーマルリーチ2、スペシャルリーチ1、スペシャルリーチ2、スペシャルリーチ3、スペシャルリーチ4のいずれかが選択されるように設定されている。また、特定遊技状態に対応する当り変動パターン選択テーブル2に基づいて変動パターンを選択する場合のほうが、信頼度の高いリーチ(スペシャルリーチ3、スペシャルリーチ4)が選択されやすくなっている。
図25A(B)を参照すると、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、通常変動及び変動時間の短いノーマルリーチ1が選択されやすくなっている。また、通常時には、スペシャルリーチ5(未確定スペシャルリーチ)が1.3%の確率で選択される。スペシャルリーチ5が選択された場合、前半変動中のボタン演出における遊技者の操作に基づいて、スペシャルリーチ1、スペシャルリーチ2、スペシャルリーチ3のいずれかが選択される。このため、図25Bに示すように、スペシャルリーチ1、スペシャルリーチ2、スペシャルリーチ3の変動時間はすべて同じとなっており、遊技制御装置100ではなく、演出制御装置300が変動パターンを選択することが可能となっている。
また、図25A(B)及ぶ図25Bに示すように、特定遊技状態における変動表示ゲームの実行回数が少ないほど、変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなるように設定されている。一方、特定遊技状態における変動表示ゲームの実行回数が多くなるほど、期待度の高い変動パターンが実行されやすくなるように設定されている。
以上のように、本実施形態では、特定遊技状態における変動表示ゲームの実行回数に基づいて変動パターンを選択するテーブルを変更するため、特定遊技状態の間の演出が一定となることを防止し、遊技者の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。特に、特定遊技状態が長く継続する場合に有効となる。
前述のように、特定遊技状態の前半においては、テンポよく変動表示ゲームを実行することができる。変動時間の短い変動パターンは期待度が低いと遊技者に認識されるため、先読み予告の実行頻度を高くすることによって遊技者の興趣(期待感)を維持するようにしている。
特に、第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合の賞球が1個の場合には、普電サポート中に保持している遊技球数が減少しやすいので、第2始動入賞口37への入賞率(入賞時速)とゲームの回転率(ゲーム実行時速)を高めても、遊技店に不利な遊技内容とはならない。さらに、後述するように、入賞時速やゲーム実行時速を表示することで、遊技者に始動記憶の消化の早さや入賞の多さをアピールすることができる。
一方、大当りが発生せずに特定遊技状態の後半になった場合には、遊技者は特に大当りの発生を期待するため、期待度の高い演出が実行されやすくなっており、遊技者の心理に沿った演出を実行することが可能となっている。
〔事前報知設定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理における事前報知設定処理の詳細について説明する。図26は、本発明の実施の形態の事前報知設定処理の手順を示すフローチャートである。
事前報知設定処理は、一定の条件をみたす保留記憶について先読み演出の実行コマンドを設定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、S1318の処理で設定された始動口入賞演出コマンドをチェックし、対象となる保留記憶が先読み演出を実行する保留記憶であるか否かを判定する(S2601、S2602)。対象となる保留記憶が先読み演出を実行しない保留記憶である場合には(S2602の結果が「N」)、本処理を終了する。
対象となる保留記憶が先読み演出を実行する保留記憶である場合には(S2602の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S1406の処理で取得するマスク後の判定結果が高確率時のみ大当りとなる特定大当りであるか否かを判定する(S2603)。判定結果が特定大当りである場合には(S2603の結果が「Y」)、次に、当該対象となる保留記憶よりも前の特図始動記憶領域に通常大当りの保留記憶があるか否かを判定する(S2604)。
当該対象となる保留記憶よりも前の特図始動記憶領域に通常大当りの保留記憶がない場合には(S2604の結果が「N」)、遊技制御装置100は、演出制御装置300における先読み予告設定に必要な先読み演出実行コマンドを設定する(S2605)。また、判定結果が特定大当りではない場合にも(S2603の結果が「N」)、先読み演出実行コマンドを設定する(S2605)。その後、本処理を終了する。
一方、当該対象となる保留記憶よりも前の特図始動記憶領域に通常大当りの保留記憶がある場合には(S2604の結果が「Y」)、先読み演出を実行しないため、遊技制御装置100は、先読み演出実行コマンドを設定せずに、本処理を終了する。
このように、事前判定の結果が高確率時のみの大当りである特定大当りの場合であって、判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りとなる保留記憶がある場合には、先読み演出を実行しない。確率状態が高確率時であれば大当りとなる特定大当りは、低確率時には大当りとならないため、従来の遊技機では、事前判定時と実際の変動開始時との確率状態との違いによる判定の食い違いが生じる可能性があったが、本実施形態の遊技機ではこのような食い違いを防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、事前判定の結果が特定大当りであって、判定対象の保留記憶よりも先に通常大当りとなる保留記憶がある場合には先読み演出実行コマンドを設定しないことによって先読み演出と実際の変動表示ゲームの結果が矛盾することを回避したが、先読み禁止のコマンドを設定し、演出制御装置が先読み禁止コマンドを受信した場合には先読み演出を実行しないようにしてもよい。
以上のように構成することによって、事前判定の結果に基づく先読み演出と、実際の変動表示ゲームの結果との間で矛盾を生じさせないようにすることが可能となる。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理の詳細について説明する。図27は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックし、判定する(S2701、S2702)。
特図2保留数が0の場合には(S2702の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックし、判定する(S2703、S2704)。このように、特図2保留数のチェック(S2701)を、特図1保留数のチェック(S2703)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行している。
特図1保留数が0の場合には(S2704の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックし、判定する(S2705、S2706)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みではない場合には(S2706の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S2707)。次に、客待ちデモコマンドを準備し(S2708)、コマンド設定処理を実行する(S2709)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S2706の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置300に送信済みであるため、遊技制御装置100は、S2710以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S2710)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、本処理を終了する。
一方、特図2保留数が0でない場合(S2702の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置100は、特図2変動開始処理を実行する(S2711)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S2712)。
具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、本処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(S2704の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口36に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理を実行する(S2713)。
そして、遊技制御装置100は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S2714)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、本処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、上述した特図普段処理における特図1変動開始処理の詳細について説明する。図28Aは、本発明の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S2801a)。すなわち、大当りフラグ1設定処理において特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定している。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S2802a)。
次に、遊技制御装置100は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S2803a)。その後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブし(S2804a)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S2805a)。すなわち、特図変動表示ゲームが大当りであれば大当り図柄情報が設定され、特図変動表示ゲームがはずれであれば、はずれ図柄情報が設定される。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S2806a)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S2807a)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備し(S2808a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S2809a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S2810a)。特図変動表示ゲームは、これらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
最後に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S2811a)、本処理を終了する。
また、図28Bは、本発明の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図1変動開始処理と同様の手順である。相違点は、S2803bの処理で特図2停止図柄設定処理が実行される点、S2804bの処理で特図1停止図柄番号に変わって特図2停止図柄番号に対応する信号をセーブする点、S2806b及びS2807bの処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる点である。
〔大当りフラグ設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理の詳細について説明する。図29Aは、本発明の実施の形態の大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして、前回のセーブ内容をはずれ情報にてクリアする(S2901a)。
次に、遊技制御装置100は、RWMの特図1用の大当り乱数セーブ領域(特図1始動記憶領域、特図2始動記憶領域)から判定対象となる特図1用の大当り乱数をロードして準備した後(S2902a)、前述した大当り判定処理を実行し(S2903a)、判定対象の大当り乱数が大当りか否かを判定する(S2904a)。
次に、遊技制御装置100は、大当り判定処理の判定結果が大当りである場合には(S2904aの結果が「Y」)、大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブする(S2905a)。大当り判定処理の判定結果が大当りではない場合には(S2904aの結果が「N」)、S2905aの処理は実行しない。
最後に、遊技制御装置100は、大当り乱数を読み出したRWMの特図1始動記憶領域を0クリアして(S2906a)、本処理を終了する。
また、図29Bは、本発明の実施の形態の大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。大当りフラグ2設定処理は、大当りフラグ1設定処理と同様の手順であり、処理に用いるRWMの領域が異なる。
〔小当りフラグ設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理の詳細について説明する。図30Aは、本発明の実施の形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。小当りフラグ1設定処理は、特図1変動表示ゲームにおいて、小当りが発生する場合に必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置100は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(S3001a)。さらに、大当りフラグ1設定処理でセーブされた大当りフラグ1が大当りか否かをチェックし(S3002a)、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S3003a)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(S3003aの結果が「N」)、特図1始動記憶領域から大当り乱数をロードし、準備する(S3004a)。さらに、特図1変動表示ゲームの結果を判定するための特図1判定データを準備する(S3005a)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S3006a)。そして、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定し(S3007a)、判定結果が小当りの場合には(S3007aの結果が「Y」)、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブする(S3008a)。
遊技制御装置100は、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブした後、大当りフラグ1が大当りの場合(S3003aの結果が「Y」)、又は、小当り判定処理の判定結果が小当りでない場合には(S3007aの結果が「N」)、大当り乱数を読み出した特図1始動記憶領域を0クリアし(S3009a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
また、図30Bは、本発明の実施の形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。小当りフラグ2設定処理は、小当りフラグ1設定処理と同様の手順であり、処理に用いるRWMの領域が異なる。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した大当りフラグ設定処理における大当り判定の詳細について説明する。図31は、本発明の実施の形態の大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
大当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数が、大当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。具体的には、判定時の遊技状態(確率状態)に応じて判定値の上限値と下限値とを大当り乱数値と比較して判定する。そのため、乱数値を演算(例えば、加算、減算)することなく判定するため、誤差が生じにくい。なお、先読みのための事前判定処理と同様に、圧縮データを用いた減算による判定手法を用いてもよい。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り乱数(例えば、0〜65535の間で循環する乱数)の取り得る数値の中で設定されている。大当り判定値は、遊技状態が通常遊技状態(低確率状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値(通常時判定値)と、遊技状態が確変状態(高確率状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値(高確率時判定値)とがあり、高確率時判定値の数は、通常時判定値の数よりも多く設定されている。例えば、通常時判定値として32768から32975までの「208」個の数値が、高確率時判定値として32768から34767までの「2000」個の数値が設定されているとすると、大当りに当選する確率は、通常遊技状態時が「208/65536(≒1/315)」となり、確変状態時が「2000/65536(≒1/32.8)」となる。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定する(S3101)。下限判定値は、低確率用の判定値も高確率用の判定値も同一の数値である。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS3101でセットした下限判定値よりも小さい値であるかをチェックし、判定する(S3102、S3103)。判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合には(S3103の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S3109)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満ではない場合には(S3103の結果が「N」)、遊技制御装置100は、現時点が高確率時であるか否か、すなわち、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する(S3104)。高確率時である場合には(S3104の結果が「Y」)、高確率時の上限判定値を設定し(S3105)、高確率時ではない場合には(S3104の結果が「N」)、低確率時の上限判定値を設定する(S3106)。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS3105又はS3106でセットした上限判定値よりも大きい値であるかをチェックし、判定する(S3107、S3108)。判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超える場合には(S3108の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S3109)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超えない場合には(S3108の結果が「N」)、大当り乱数の値が大当り判定値に該当する値であるため、遊技制御装置100は、判定結果として大当りを設定し(S3110)、本処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、前述した小当りフラグ設定処理における小当り判定の詳細について説明する。図32は、本発明の実施の形態の小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
小当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数が、小当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する。本実施形態では、大当り乱数値を用いて小当り判定処理を行っているが、大当り乱数値とは別に小当り乱数値を設けてもよい。
小当り判定値には、入賞口が特図1の場合の小当り抽選で用いる特図1用の小当り判定値と、入賞口が特図2の場合の小当り抽選で用いる特図2用の小当り判定値とがあり、特図2用の小当り判定値の数は、特図1用の小当り判定値の数よりも多く設定されている。
遊技制御装置100は、まず、小当り判定値の下限判定値を設定する(S3201)。下限判定値は、特図1用の判定値も特図2用の判定値も同一の数値である。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS3201でセットした下限判定値よりも小さい値であるかをチェックし、判定する(S3202、S3203)。判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合には(S3203の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S3210)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満ではない場合には(S3203の結果が「N」)、遊技制御装置100は、準備された判定データが特図1判定データであるか否かをチェックし、判定する(S3204、S3205)。準備された判定データが特図1判定データである場合には(S3205の結果が「Y」)、特図1小当り上限演判定値を設定し(S3206)、準備された判定データが特図2判定データである場合には(S3205の結果が「N」)、特図2小当り上限判定値を設定する(S3207)。
次に、遊技制御装置100は、判定対象の大当り乱数の値がS3206又はS3207でセットした上限判定値よりも大きい値であるかをチェックし、判定する(S3208、S3209)。判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超える場合には(S3209の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(S3210)、本処理を終了する。
判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超えない場合には(S3208の結果が「N」)、遊技制御装置100は、判定結果として小当りを設定し(S3211)、本処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理の詳細について説明する。図33は、本発明の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動開始情報設定処理は、特図変動表示ゲームを開始するために必要な処理を含み、例えば、変動時間を算出したり、変動コマンドを生成したりする。
遊技制御装置100は、まず、実行対象の特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)に対応する変動パターン乱数のセーブ領域を0クリアする(S3301)。
次に、遊技制御装置100は、変動時間値テーブルのアドレスを取得して、作業用の一時領域にセットする(S3302)。
次に、遊技制御装置100は、変動時間値テーブルからS1509の処理で取得した変動パターン番号に対応する変動時間の値を取得し(S3303)、当該変動時間の値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3304)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する変動コマンドを生成して準備し(S3305)、コマンド設定処理を実行することによって変動コマンド(MODE及びACTION)を演出制御装置300に送信する(S3306)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図コマンド領域にセーブされた飾り特図コマンドを、演出制御装置300に送信するためにロードして準備し(S3307)、コマンド設定処理を実行する(S3308)。
次に、遊技制御装置100は、S2806a又はS2806bの処理でセーブした変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S3309)、特図1又は特図2始動記憶領域のアドレスをセットする(S3310)。
次に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(S3311)。続いて、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(S3312)、コマンド設定処理を実行する(S3313)。
最後に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグに対応する特図1又は特図2始動記憶領域をシフトし(S3314)、シフト後の空き領域を0クリア(S3315)した後に、本処理を終了する。
〔本実施形態における圧縮振分コードの効果〕
本発明の実施の形態の圧縮振分コードによれば、従来は256以上の値の振分値を設定するために2バイト以上を要していた振分値を圧縮振分コードとして圧縮することで、1バイトの容量でも2バイトの値に近似して表現することができる。そのため、振分値を記憶するROMの容量を削減することが可能である。特に、乱数の振り分けに用いる振分値に、1バイトで表現できる値(0〜255)と2バイトで表現する値(256〜65535)が混在している場合であっても、データ処理のフォーマットを合わせるためにすべての振分値を2バイトで格納しなければならず、結果として記憶容量を削減することができなかった点を解決することができる。
また、圧縮された振分値を算出する式は、算出値が小さいほど小さな間隔で算出できるため、値の小さい振分値を詳細に設定可能である。一方、圧縮された振分値に圧縮しない場合よりも大きな値を設定することも可能となっている。そのため、出現率の極めて低い演出も出現率の高い演出も同一の圧縮コードで効果的に設定することができる。上述のとおり、算出値が小さい場合には振分値がひとつ異なるだけでも振分率に大きな影響が生じさせてしまうが、算出値が大きな値の場合には振分値の誤差が振分率に大きな影響を与えない。具体的には、1/2000が2/2000となると振分率が2倍となるが、1472/2000が1536/2000となっても振分率は1.04倍程度と大差はない。
(圧縮振分コード変換の変形例1)
本実施形態における圧縮振分コードでは、1バイトの圧縮振分コードを第1ビット(上位2ビット)及び第2ビット(下位6ビット)に分けて変換式に代入し、振分値を算出した。これに対して、変形例1では、圧縮振分コードの各ビットを分けずに振分値を算出する。
以下、圧縮振分コード変換の変形例1について図34から図37を参照して説明する。なお、既に説明した内容については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔圧縮振分コード変換処理2〕
図34は、本発明の実施の形態の変形例1の圧縮振分コード変換処理2の手順を示すフローチャートである。
圧縮振分コード変換処理2は、圧縮振分コードの値「f」が所定の範囲の値である場合には、fから200を減算し、所定の範囲の値ではない場合には、fに10を積算して振替値「F」を算出する処理である。なお、減算する値及び積算する値は、それぞれ任意の値を設定可能である。
遊技制御装置100は、まず、S1504又はS1508の処理で取得した圧縮振分コードの値「f」をチェックし(S3401)、fが201から255の範囲の値であるかを判定する(S3402)。値「f」は圧縮振分コードのビットデータをバイナリデータとしてそのまま値を取得する。
fが201から255ではない場合には(S3402の結果が「N」)、遊技制御装置100は、fに10を積算した値を振分値「F」として算出する(S3403)。一方、fが201から255である場合には(S3402の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、fから200を減算した値を振分値「F」として算出する(S3404)。
次に、遊技制御装置100は、算出したFを振分値に設定し(S1606)、本処理を終了する。なお、S3401、S3402及びS3403の処理に代えて、fが所定の範囲の値の場合には、F=fとし、fが所定の範囲の値ではない場合には、fに任意の数値を演算してFを算出するようにしてもよい。
図35は、本発明の実施の形態の変形例1の圧縮振分コードの値「f」と振分値算出法及び振分値「F」の対応をまとめた図である。
圧縮振分コードの値「f」は、1から255の値をとる。fが1から200である場合には、fに10を積算するため、振分値「F」は10から2000の範囲において10刻みで算出される。また、fが201から255である場合には、fから200を減算するため、振分値「F」は1から55の範囲において1刻みで算出される。
図36は、本発明の実施の形態の変形例1の変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は抽選結果が大当りの場合に選択される当り変動パターン選択テーブル、(B)は抽選結果がはずれの場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブルである。
本変形例の振分値「F」の算出法は、テーブル中の「;(セミコロン)」の右側に記された変換式の計算に示すように、遊技機の開発者は圧縮振分コードから振分値「F」を容易に算出することができる。
図37は、本発明の実施の形態の変形例1の圧縮振分コードが表現可能な値を説明する図である。
図37に示すように、振分値「F」は1から55まで1刻みで設定可能であり、実行頻度の低い変動パターンについては細かく振り分け可能である。また60から2000までは10刻みで設定可能であるため、本実施形態の圧縮振分コードと比較して、小さい間隔で振分値の設定が可能である。
〔圧縮振分コードの変形例1の効果〕
以上のように、本実施形態の圧縮振分コードの変形例1によれば、圧縮状態のコード(圧縮振分コード)から振分値「F」を容易に算出することができ、また、振分値「F」を1/10に圧縮して記憶容量を削減しつつ、Fが小さな値(1〜55)である場合には、振分値を細かく設定することが可能となっている。
(圧縮振分コード変換の変形例2)
本実施形態では、変動パターン選択テーブルに、変動パターン番号を重複せずに配置した。これに対して、圧縮振分コード変換の変形例2では、変動パターン選択テーブルに同一番号の変動パターン番号を複数の振分値に設定可能とすることによって、きめ細かな振分値の設定を可能とする。
以下、圧縮振分コード変換の変形例2について図38から図40を参照して説明する。なお、既に説明した事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図38は、本発明の実施の形態の変形例2のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。本変形例では、振分値の算出は、変換式「F=bn×a」を用いる。また、圧縮値振分処理は、図15を参照し、圧縮振分コード変換処理は、図16を参照する。
図38のテーブルの1段目及び2段目を参照すると、ともに「01」の変動パターン番号が配置されている。このように、同一の変動パターン番号の複数段にわたる配置が本変形例の特徴である。
1段目の振分値は1472であるため、例えば、変動パターン乱数の値が1471の場合には、1段目での計算(1471−1472=−1)がマイナスとなり(S1507)、遊技制御装置100は、当該変動パターン乱数から「01」の変動パターン番号を取得する。
また、例えば、変動パターン乱数の値が1473の場合には、選択値は1段目での計算(1473−1472=1)ではマイナスにならないが、2段目での計算(1−28=−27)においてマイナスになるため(S1504〜S1508)、遊技制御装置100は、2段目の変動パターン番号「01」を取得する。
このように、値が0〜1499の変動パターン乱数に対して、変動パターン番号「01」を振り分けることができる。つまり、変換式では1500を算出できないが、変換式の算出可能な値である1472と28とを合計することで、1500の振分値を設定可能とする。下位6ビットは1〜63の範囲の値をとるため、1〜63の任意の値を2段目に配置することができる。そのため、変換式の算出値が64間隔であっても、1〜63の任意の値を2段目に配置することによって、算出不可能な範囲(例えば、1473から1535の範囲)に、1刻みで振分値の設定が可能となる。
図39は、本発明の実施の形態の変形例2の振分値の設定可能な値を説明する図として、1472を起点として振分値の設定可能な値を示す図である。
図39に示す、1472から1536へと向かう上側の矢印は、本発明の実施の形態における振分値の設定可能な値が64刻みであり、1473〜1535の範囲の値を設定することができないことを示す。これに対して図39の下側の3本の矢印は、本変形例において、1472から1刻みで任意の値を設定可能であることを示す。
このように、振分値として、1472から1536までの値のみならず、1から最大値までの値において、1刻みで任意の値を設定可能である。そのため、任意の振分率を正確に実現できる。
図40は、本発明の実施の形態の変形例2の圧縮振分コードの構成例を表す図であり、(A)は第1ビット(n)が上位2ビット、第2ビット(a)が下位6ビットで構成される図、(B)は第1ビット(n)が上位1ビット、第2ビット(a)が下位7ビットで構成される図である。
図40(A)に示すように、2ビット+6ビットの圧縮振分コードでは、第1ビット(a)は0〜63の範囲の値を設定可能とするため、図39の下側の矢印に示したように、n=0としてaに任意の値(1〜63)を設定することによって1間隔の値を設定することが可能となる。
次に、図40(B)に示す、1ビット+7ビットの圧縮振分コードでは、第1ビット(a)は0〜127の範囲の値を設定可能とするため、n=0としてaに任意の値(1〜127)を設定することによって1間隔の値を設定することが可能となる。このように構成することによって、1から16256まで全て1刻みで振分値の設定が可能となる。
「bnの最大値」(例えば、43=64)は、変換式における算出値の最大間隔(1刻み、4刻み、16刻み、64刻みのうちの最大値である64刻み)である。「aの最大値+1」が「bnの最大値」と等しいか大きい場合には、1からbnの最大値まで1刻みで振分値の設定が可能である。
すなわち、1ビット+7ビットでは、1<b≦128と設定することで、1から最大値である16256まで1刻みで振分値の設定が可能であり、2ビット+6ビットでは、1<b≦4と設定することで、1から最大値である4032まで1刻みで振分値の設定が可能となる。特に、「bnの最大値=aの最大値+1」の場合には、変換式で算出可能な最大値までを、最大でも2段配置すれば、1刻みで設定可能である。
このように、2段配置においては、「bnの最大値≦aの最大値+1」となるように第1ビットと第2ビットとを分け、bに任意の値を設定することで、1からbnの最大値まで1刻みで振分値の設定が可能である。
さらに、同一の変動パターン番号の振分値を2段配置に限定せずに、多段配置としてもよい。例えば、2ビット+6ビットでのb=64とした場合には、変換式「64n×a」の643×aの間隔において、642×aが4096刻みで、641×aが64刻みで、640×aが1刻みで、当該間隔を補うことができる。そのため、同一の変動パターン番号の振分値を2段、3段、4段と配置することで、1から16515072(643×63)までの値を1刻みに設定可能である。なお、16515072をバイナリデータとして表すと3バイトが必要である。
〔圧縮振分コードの変形例2の効果〕
以上のように、本実施形態の圧縮振分コードの変形例2によれば、変換式が算出できない値でもテーブル内に同一の変動パターン番号の振分値を複数段に配置することで、精度の高い振り分けを実現することができる。特に、「bnの最大値=aの最大値+1」となるように設定することによって、振分け値の最大値まで1刻みの値を指定することが可能となる。
したがって、本変形例では、必要な箇所のみ複数段(複数バイト)とすることによって、消費する記憶容量を抑えつつ、詳細な振分を実現することが可能となる。
(圧縮振分コード変換の変形例3)
ここまで説明した本実施形態及び変形例では、圧縮振分けコードで表現可能な値の範囲内で振分値を利用していたが、変形例3では、圧縮振分けコードで表現可能な範囲を超えた振分値に設定する場合にについて説明する。
圧縮振分コード変換の変形例3では、圧縮振分コードで表現可能な範囲を超えた振分値に対応する圧縮振分コードをテーブルの最下段に配置する。以下、変形例3について図41及び図42を参照して説明する。なお、共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図41は、本発明の実施の形態の変形例3のはずれ変動パターン選択テーブルである。最初の振り分けに用いられる最上段の変動パターン番号が「01」ではなく「02」であり、「01」は最下段に配置されている。
本変形例における変動パターン番号「01」の振分値は1500であるが、圧縮振分コードで1500を算出することはできない。そのため、変動パターン番号「02」から「05」を「01」よりも先に振り分け、その後、「01」を振り分ける。
図41に示すように、変動パターン番号「02」から「05」の振分値の合計は500である。圧縮振分処理のループ処理(図15参照)において、変動パターン乱数の値が500未満の場合には、「02」から「05」のいずれかに振り分けられ、変動パターン乱数の値が500を超える場合には、「01」に振り分けられる。
図42は、本発明の実施の形態の変形例3の変動パターン番号と変動パターン乱数の値との対応を表す図である。
ここまで説明した本実施形態及び変形例までと異なり、変動パターン番号「01」に対応する変動パターン乱数の値は、500〜1999の範囲に設定される。ここで、実際の振り分け数は1500であるが、振分値Fは1536となっている。しかし、振分値Fが振り分け数よりも大きくても、S1507の処理で変動パターン番号「01」に該当する選択値をマイナスにできればよいため、振分値と実際の振り分け数とは必ずしも同じ値である必要はない。
このように、変動パターン番号「02」、「03」、「04」、「05」には変換式で算出可能な振分値を設定し、「01」の振分値には実際の振り分け数よりも大きい値を設定してテーブルの最下段に配置することで、遊技制御装置100は、取得した変動パターン乱数に基づいて各変動パターン番号に的確に振り分けることが可能となる。
〔圧縮振分コードの変形例3の効果〕
以上のように、本実施形態の圧縮振分コードの変形例3によれば、変換式では算出できない振分値であっても、変動パターン選択テーブルの最下段に実際の振分値(変動パターン乱数の上限値)よりも大きな振分値として配置することで、記憶容量を削減しつつ、正確な振り分けが可能である。
〔演出制御装置〕
以上、本実施形態における遊技制御装置100の制御について、変動パターンを選択する手順を中心に説明した。続いて、本実施形態における演出制御装置300の処理について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置300によって実行される1stCPUメイン処理の詳細を説明する。図43は、本発明の実施の形態の演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される1stCPUメイン処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
演出制御装置300は、まず、割込みを禁止する(S4301)。次に、作業領域であるRAM311aを0クリアする(S4302)。次に、CPU初期化処理を実行する(S4303)。次に、各種処理の実行に必要な初期値をRAM311aに設定し(S4304)、乱数初期化処理を実行する(S4305)。
次に、演出制御装置300は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S4306)。そして、割込みを許可する(S4307)。割込みの発生タイミングではコマンド受信割込み処理が実行される。
ここで、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S4308)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S4303)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S4309)。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作によって実行される演出を設定するボタン演出設定処理を実行する(S4310)。次に、遊技制御装置100から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S4311)。
次に、演出制御装置300は、テストモード処理を実行する(S4312)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
次に、演出制御装置300は、遊技制御コマンド解析処理(S4311)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置41に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S4313)。
次に、演出制御装置300は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S4314)。演出制御装置300に関わる異常の他に、遊技制御装置100からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。さらに、演出制御装置300は、映像制御用マイコン312に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S4315)。
次に、演出制御装置300は、大入賞口や普通電動役物の入賞率によって、LEDの発光態様や音の出力態様を設定する入賞報知演出設定処理を実行する(S4316)。なお、入賞報知演出における表示装置41の表示は、図45にて後述する2ndメイン処理で制御される。入賞報知演出設定処理の詳細については、図47にて後述する。
次に、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S4317)。また、サウンド制御処理において、大入賞口や普通電動役物のオーバーフロー発生時に所定の音を出力するようにしてもよい。
次に、演出制御装置300は、LED等の装飾装置(盤装飾装置42、枠装飾装置43)を制御する装飾制御処理を実行し(S4318)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置44、枠演出装置45)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S4319)。また、装飾制御処理又はモータ/SOL制御処理において、大入賞口や普通電動役物のオーバーフロー発生時に、所定の発光態様でLEDを発光させたり、可動役物を動作させたりしてもよい。
次に、演出制御装置300は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S4320)、S4308の処理に戻る。以降、S4308からS4320までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、上述した1stメイン処理における1stシーン制御処理の詳細について説明する。図44は、本発明の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(S4401)。テスト中モードの場合には(S4401の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、本処理を終了する。
遊技機1がテスト中モードでない場合には(S4401の結果が「N」)、演出制御装置300は、遊技制御装置100から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(S4402)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(S4402の結果が「N」)、S4407以降の処理を実行する。
シーン変更コマンドを受信している場合には(S4402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、更新する(現在の)遊技状態を取得し(S4403)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(S4404)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。有効なコマンドを受信していない場合には(S4404の結果が「N」)、S4407以降の処理を実行する。
有効なコマンドを受信した場合には(S4404の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブし(S4405)、演出リクエストフラグをセットする(S4406)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(S4411)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、演出制御装置300は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(S4407)。
受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、演出制御装置300は、電源投入処理を実行する(S4408)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、演出制御装置300は、停電復旧処理を実行する(S4409)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、演出制御装置300は、客待ち処理を実行する(S4410)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、演出制御装置300は、変動中処理を実行する(S4411)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、演出制御装置300は、図柄停止処理を実行する(S4412)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、演出制御装置300は、ファンファーレ処理を実行する(S4413)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレオンをスピーカ19から出力する。
受信したコマンドが「大入開放m回目コマンド」の場合には、演出制御装置300は、ラウンド中処理を実行する(S4414)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、演出制御装置300は、インターバル処理を実行する(S4415)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、演出制御装置300は、エンディング処理を実行する(S4416)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
次に、演出制御装置300は、図柄コマンド受信処理を実行する(S4417)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
次に、演出制御装置300は、保留数コマンド受信処理を実行する(S4418)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、演出制御装置300は、先読み予告設定処理を実行する(S4419)。先読み予告設定処理は、始動記憶先読み演出コマンドに基づいて先読み演出を実行する処理である。
次に、演出制御装置300は、確率情報コマンド受信処理を実行し(S4420)、本処理を終了する。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔2ndCPUメイン処理〕
続いて、演出制御装置300によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図45は、本発明の実施の形態の演出制御装置300の映像制御用マイコン(2ndCPU)312によって実行される2ndメイン処理の手順を示すフローチャートである。2ndメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
演出制御装置300は、まず、CPU初期化処理を実行する(S4501)。そして、作業領域であるRAM312aを0クリアして(S4502)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM312aに設定する(S4503)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S4504)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S4505)。
さらに、演出制御装置300は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S4506)。各種制御処理の初期化処理では、後述する各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置41に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置41の画面描画を許可する(S4507)。
その後、演出制御装置300は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S4508)、システム周期待ちフラグが1に設定されるまで待機する(S4509)。
演出制御装置300は、システム周期待ちフラグが1に設定された場合には(S4509の結果が「Y」)、映像制御用マイコン312が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S4510)。なお、WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン312がリセットされる。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S4511)、S4508の処理に戻る。以降、S4508からS4511までの処理を繰り返す。
次に、前述した2ndメイン処理(図45)における通常ゲーム処理(S4511)の詳細について説明する。図46は、本発明の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)から受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S4601)。
次に、演出制御装置300は、入賞状況によって表示内容を変更する入賞表示演出処理を実行する(S4602)。そして、表示装置41に表示される画像のうち、演出時に静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S4603)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S4604)。さらに、表示装置41に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S4605)。
また、始動記憶が無い場合など、変動表示ゲームが所定時間実行されない場合には、演出制御装置300は、表示装置41に客待ちデモ画面を表示する客待ちデモ処理を実行する(S4606)。
続いて、演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)で実行されるメイン処理のシーン制御処理(S4513)におけるシーンの描画を準備するシーン制御/表示処理を実行する(S4607)。ここでシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。
最後に、演出制御装置300は、画像ROM323の内容をRAM312aに転送し、表示装置41に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S4608)。その後、本処理を終了し、2ndメイン処理のS4508の処理に戻る。
〔入賞報知演出設定処理〕
次に、上述した1stメイン処理における入賞報知演出設定処理の詳細について説明する。図47は、本発明の実施の形態の入賞報知演出設定処理を説明する図であり、(A)は入賞報知演出設定処理の手順を示すフローチャート、(B)は入賞報知の対象となる構成を説明する図である。入賞報知演出設定処理は、入賞報知演出におけるLEDの発光態様や音の出力態様を設定するための処理である。なお、大当りラウンドや普電サポートが終了しても、入賞報知演出は所定のタイミングまで継続する。
演出制御装置300は、まず、大当り中か否かを判定する(S4701)。大当り中でない場合には(S4701の結果が「N」)、第2始動入賞口37に備えられた開閉部材37bの開放頻度が大きくなる普電サポート中であるか否かを判定する(S4702)。普電サポート中でない場合には(S4702の結果が「N」)、入賞報知演出を実行しないため、本処理を終了する。
普電サポート中の場合には(S4702の結果が「Y」)、演出制御装置300は、普通電動役物(第2始動入賞口37)に対する入賞報知演出を設定するための普電入賞報知演出設定処理を実行する(S4704)。普電口入賞報知演出設定処理の詳細については、図48にて後述する。
一方、大当り中の場合には(S4701の結果が「Y」)、大入賞口が開放されるため、演出制御装置300は、大入賞口(特別変動入賞装置38)に対する入賞報知演出を設定するための大入賞口入賞報知演出設定処理を実行する(S4704)。大入賞口入賞報知演出設定処理の詳細については、図52にて後述する。
〔普電入賞報知演出設定処理〕
図48は、本発明の実施の形態の普電入賞報知演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を受信したか否かを判定する(S4801)。飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)は、遊技制御装置100によって実行される特図始動口スイッチ共通処理のS1213の処理で準備されるコマンドであり、保留数が上限数に到達している状態で、始動入賞口に遊技球がさらに入賞した場合に送信されるコマンドである。
演出制御装置300は、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を受信した場合には(S4801の結果が「Y」)、オーバーフロー報知演出設定を行う(S4802)。オーバーフロー報知演出が設定されると、1stメイン処理の装飾制御処理(S4318)によってLEDを発光させたり、サウンド制御処理(S4317)によって報知音を出力させたりする。
図49は、本発明の実施の形態の普電入賞報知演出の一例を説明する図であり、(A)は第2始動入賞口37に備えられたLEDを発光させる態様を示し、(B)は報知音を出力する態様を示す。
(B)に示すように、普電入賞報知演出(入賞率の報知)に報知音の出力を含ませることによって、遊技者の注意を向けることが可能となり、遊技者にわかりやすくすることが可能となる。なお、LEDを発光させながら、報知音を出力するようにしてもよい。
図49に示した態様では、飾り特図保留数コマンドを受信したタイミングで普電入賞報知演出を実行していたが、オーバーフロー数に応じて報知態様を変化させるようにしてもよい。図50及び図51を参照しながらオーバーフロー数に応じて報知態様を変化させる例について説明する。
図50は、本発明の実施の形態の変形例の普電入賞報知演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を受信したか否かを判定する(S5001)。飾り特図保留数コマンドを受信した場合には(S5001の結果が「Y」)、入賞率判定値に1加算する(S5002)。
一方、演出制御装置300は、飾り特図保留数コマンドを受信していない場合には(S5001の結果が「N」)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(S5003)。特図2保留数が0である場合には(S5003の結果が「N」)、演出態様を変化させずに本処理を終了する。
演出制御装置300は、所定期間、特図2保留数が0である場合には(S5003の結果が「Y」)、入賞率判定値を1減算する(S5004)。
一方、演出制御装置300は、所定期間、特図2保留数が0でない場合には(S5003の結果が「N」)、さらに、所定期間、特図2保留数があるか否かを判定する(S5005)。すなわち、所定期間、特図2保留数が1以上の状態が継続していれば、第2始動入賞口37に継続して遊技球が入賞していると判定できる。そこで、演出制御装置300は、入賞率判定値がマイナスであるか否かを判定し(S5006)、マイナスであれば(S5006の結果が「Y」)、入賞率判定値を+1更新する(S5007)。このとき、入賞率判定値が所定値(例えば、−10)未満の場合には、所定の初期値(例えば、−2)に再設定するようにしてもよい。
演出制御装置300は、入賞率判定値を更新すると、更新された入賞率判定値に対応する演出態様を設定する(S5005)。1stメイン処理の装飾制御処理(S4318)及びサウンド制御処理(S4317)によって演出態様が更新される。
なお、電源投入時に0に入賞率判定値を設定し、オーバーフローコマンドを受信するたびに入賞率判定値を加算し、入賞率判定値を減算せずに一日のオーバーフロー数の累積値を計測するようにしてもよい。この場合には、特定遊技状態だけでなく、常時、オーバーフロー数の累積状況を遊技者が把握できるようにしてもよい。
また、普電サポート状態(特定遊技状態)終了時に入賞率判定値を0に設定するようにしてもよい。この場合、遊技者は、特定遊技状態ごとの入賞状況を把握することが可能となる。さらに、特定遊技状態ごとの入賞率判定値を累積し、通常状態では、累積された入賞率判定値に対応する演出態様で普電入賞報知演出を実行するようにしてもよい。
図51は、本発明の実施の形態の普電入賞報知演出の一例を説明する図である。図51に示す普電入賞報知演出は、第2始動入賞口37に備えられたLEDを発光させる態様となっている。例えば、入賞率判定値の値が大きいほど、すなわち、オーバーフロー数が大きいほど、遊技者が認識しやすい態様(例えば、派手な態様)で発光させるようにしてもよい。なお、報知音を出力する態様の場合では、入賞率判定値に応じた報知音を出力するようにしてもよい。
〔大入賞口入賞演出設定処理〕
続いて、大入賞口に入賞した遊技球の数に応じた演出を行う大入賞口入賞演出設定処理について説明する。図52は、本発明の実施の形態の大入賞口入賞演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、大入賞口の入賞数を判定するタイミングであるか否かを判定する(S5201)。大入賞口の入賞数を判定するタイミングでない場合には(S5201の結果が「N」)、本処理を終了する。大入賞口の入賞数を判定するタイミングについては、図54にて後述する。
演出制御装置300は、大入賞口の入賞数を判定するタイミングである場合には(S5201の結果が「Y」)、大入賞口カウント数をチェックする(S5202)。大入賞口カウント数は、遊技制御装置100から送信されたコマンドに基づいて取得する。
そして、演出制御装置300は、大入賞口カウント数から規定入賞数を検出したか否かを判定する(S5203)。大入賞口カウント数が規定入賞数を検出できなかった場合(S5203の結果が「N」)、すなわち、大入賞口カウント数が規定入賞数未満の場合には、入賞演出態様Cを選択する(S5204)。
一方、演出制御装置300は、大入賞口カウント数が規定入賞数を検出した場合(S5203の結果が「Y」)、すなわち、大入賞口カウント数が規定入賞数以上の場合には、オーバーカウントがあるか、すなわち、大入賞口カウント数が規定入賞数を超えたか否かを判定する(S5205)。
演出制御装置300は、オーバーカウントがない場合(S5205の結果が「N」)、すなわち、大入賞口カウント数が規定入賞数と一致するには、入賞演出態様Bを選択する(S5206)。また、オーバーカウントがある場合には(S5205の結果が「Y」)、入賞演出態様Aを選択する(S5207)。
入賞演出態様が選択されると、演出制御装置300は、選択された入賞演出態様に大入賞口演出態様を変更する(S5208)。その後、普電入賞報知演出と同様に、1stメイン処理の装飾制御処理(S4318)によってLEDを発光させたり、サウンド制御処理(S4317)によって報知音を出力させたりする。最後に、演出制御装置300は、大入賞口カウント数をクリアし(S5209)、本処理を終了する。
図53は、本発明の実施の形態の大入賞口入賞演出の一例を説明する図である。大入賞口入賞演出は、大入賞口を装飾するLEDを大入賞口カウント数に応じた態様で発光させる演出である。本実施形態では、大入賞口カウント数と規定入賞数との比較結果に応じて入賞演出態様が異なるようになっている。
大入賞口を装飾するLEDは、例えば、大入賞口の開閉扉に備えられてもよい。また、大入賞口の開閉扉を透明部材によって形成し、大入賞口内部にLEDを備えるようにしてもよい。
大入賞口カウント数が規定数と異なる場合には、効果音を出力したり、BGMを変更するようにしてもよい。また、大入賞口カウント数が規定数より大きい場合と、大入賞口カウント数が規定数より小さい場合とで出力される効果音や変更されるBGMを異ならせるようにしてもよい。
図54は、本発明の実施の形態の大入賞口カウント数を判定するタイミング及び入賞演出態様の実行タイミングを説明する図である。
図54に示すように、大入賞口カウント数を判定するタイミングは、各ラウンドが終了した後のインターバル中となっている。ラウンド終了直後の場合には大入賞口内で残存している遊技球が存在する可能性があるため、ラウンド終了から所定の期間待機してから、大入賞口カウント数を判定する。
大入賞口入賞演出設定処理で設定された入賞演出態様は、入賞数が判定された後、次のラウンドが開始されるまでの間実行される。遊技者は、インターバル中に前回ラウンドの入賞結果を把握することができる。また、最終ラウンドの場合には、第1ラウンドから最終ラウンドまでの大当り全体での入賞数を判定し、結果を報知する。
なお、ラウンド中は、入賞演出態様Bを実行するようにしてもよい。入賞演出態様Bを実行することによって、大入賞口カウント数が規定数と異なる場合のみ報知され、遊技者が認識しやすくなる。
図53に示した態様では、大入賞口カウント数と規定数との比較結果に応じて入賞演出態様を決定していたが、大入賞口カウント数と規定数との差を累積し、所定期間のオーバーカウントを計数して入賞演出態様を決定するようにしてもよい。図55及び図56を参照しながら、大入賞口カウント数と規定数との差を累積して入賞演出態様を決定する変形例について説明する。
図55は、本発明の実施の形態の大入賞口入賞演出設定処理の変形例の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、大入賞口の入賞数を判定するタイミングであるか否かを判定する(S5501)。大入賞口の入賞数を判定するタイミングでない場合には(S5201の結果が「N」)、本処理を終了する。大入賞口の入賞数を判定するタイミングについては、図54にて説明した通りである。
大入賞口の入賞数を判定するタイミングである場合には(S5501の結果が「Y」)、演出制御装置300は、大入賞口カウント数をチェックする(S5502)。さらに、大入賞口カウント数から入賞率判定値を算出する(S5503)。具体的には、大入賞口カウント数と規定入賞数との差を入賞率判定値に加算する。大入賞口カウント数と規定入賞数との差がマイナスの場合には、入賞率判定値から減算される。大入賞口カウント数と規定入賞数との差に基づいて演出態様を選択すれば、ラウンド毎の報知が可能となる。
入賞率判定値の初期値は、電源投入時に0に設定することによって、一日単位の入賞状況に基づく入賞演出態様を設定することができる。また、大当り発生時に初期化することによって、大当り毎の入賞状況に基づく入賞演出態様を設定することも可能となる。また、累積せずに、大入賞口カウント数と規定入賞数との差に基づいて、ラウンド毎の詳細な入賞状況に基づく入賞演出態様を設定することも可能となる。
その後、演出制御装置300は、入賞率判定値に対応する入賞演出態様を選択する(S5504)。最後に、大入賞口カウント数をクリアし(S5505)、本処理を終了する。
図56は、本発明の実施の形態の大入賞口入賞演出の変形例を説明する図である。本変形例では、大入賞口カウント数と規定入賞数との差に応じて入賞演出態様が異なっており、大入賞口カウント数と規定入賞数との差が1の場合と、2以上の場合とを区別することができる。すなわち、各ラウンドで規定の賞球よりも多い(少ない)賞球を得たかを遊技者が容易に認識することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、入賞装置(普通電動役物(第2始動入賞口37)、大入賞口(特別変動入賞装置38))に備えられた発光部(LED)によって入賞状況を報知しているため、遊技者が入賞状況を把握しやすくすることが可能となっている。
〔入賞表示演出処理〕
続いて、普通電動役物(第2始動入賞口37)に対する入賞表示演出と、大入賞口(特別変動入賞装置38)に対する入賞表示演出を設定するための処理について説明する。前述した入賞報知演出は、LEDなどを備える装飾部材や音出力による演出であったが、入賞表示演出は、表示装置41に画像を出力する演出である。
まず、前述した通常ゲーム処理における入賞表示演出処理の詳細について説明する。入賞表示演出処理は、映像制御用マイコン(2ndCPU)312によって実行される。図57は、本発明の実施の形態の入賞表示演出処理を説明する図である。
演出制御装置300は、まず、大当り中か否かを判定する(S5701)。大当り中でない場合には(S5701の結果が「N」)、普電サポート中であるか否かを判定する(S5702)。普電サポート中でない場合には(S5702の結果が「N」)、入賞表示演出を実行しないため、本処理を終了する。
演出制御装置300は、普電サポート中の場合には(S5702の結果が「Y」)、普通電動役物(第2始動入賞口37)に関連する入賞表示演出を設定するための普電入賞表示演出処理を実行する(S5703)。普電入賞表示演出処理の詳細については、図58にて後述する。
一方、演出制御装置300は、大当り中の場合には(S5701の結果が「Y」)、大入賞口(特別変動入賞装置38)に関連する入賞表示演出を設定するための大入賞口入賞表示演出処理を実行する(S5704)。大入賞口入賞表示演出処理の詳細については、図62にて後述する。
〔普電入賞表示演出処理〕
図58は、本発明の実施の形態のオーバーフロー数に基づく普電入賞表示演出処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、普電サポート中であるか否かを判定する(S5801)。普電サポート中でない場合には(S5801の結果が「N」)、オーバーフロー数をクリアし(S5805)、本処理を終了する。
演出制御装置300は、普電サポート中の場合には(S5801の結果が「Y」)、遊技制御装置100から飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を受信したか否かを判定する(S5802)。飾り特図保留数コマンドを受信していない場合には(S5802の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置300は、飾り特図保留数コマンドを受信した場合には(S5802の結果が「Y」)、オーバーフロー数に1加算し(S5803)、オーバーフロー数に対応する表示態様を設定する(S5804)。
図59は、本発明の実施の形態のオーバーフロー数に基づく普電入賞報知演出の一例を説明する図である。普電入賞報知演出は、前述のように、大当り状態(特別遊技状態)終了後、普電サポートが開始されてから実行される。
(A)は、普電サポート(チャンスタイム)の開始直後の表示装置41の出力を示す画面である。画面下部には、始動記憶が表示され、左側には特図1始動記憶(第1始動記憶)、右側には特図2始動記憶(第2始動記憶)が配置される。また、画面右側には、オーバーフロー数を示すゲージが配置されている。ゲージの内容は、普電入賞表示演出処理のS5804の処理で設定された表示態様に基づいて更新される。なお、ゲージは、普電サポート(チャンスタイム)の開始後に表示されるようにしてもよい。
(B)は、普電サポート(チャンスタイム)が開始され、第2始動入賞口37に遊技球が入賞可能となり、特図2始動記憶が保留されている状態を示している。このとき、変動表示ゲームが開始され、識別情報が変動表示されている。
(C)は、(B)の状態で遊技を継続し、オーバーフロー数が加算された結果、ゲージが上昇した状態を示している。例えば、オーバーフローが検出されるたびにゲージが1目盛り分上昇するようにしてもよいし、オーバーフロー数が所定数に到達するたびに上昇するようにしてもよい。さらに、ケージの前半、中盤、後半で目盛り毎に上昇するために必要なオーバーフロー数を変更してもよく、例えば、1〜3目盛りはオーバーフローが1検出されるたびに、4〜6目盛りではオーバーフローが3個検出されるたびに、7〜9目盛りではオーバーフローが5個検出されるたびにゲージが上昇するようにしてもよい。
また、(D)に示すように、ゲージが最大まで上昇すると、それ以上は変化しないようにする。このとき、入賞又はオーバーフロー発生時の効果音を特別な効果音に変えたり、普電入賞報知演出の態様を特別な態様に変えてもよい。
図58及び図59に示した普電入賞報知演出は、普電サポート(チャンスタイム)が1回開始されるたびに実行されるように構成されていたが、所定期間の遊技情報を報知するようにしてもよい。また、オーバーフロー数だけでなく、例えば、所定期間の第2始動入賞口37に入賞した遊技球の入賞数(入賞率)などの遊技情報を報知するようにしてもよい。図60及び図61を参照しながら入賞率を報知する態様の一例について説明する。
図60は、本発明の実施の形態の入賞率に基づく普電入賞表示演出処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、普電サポート中であるか否かを判定する(S6001)。普電サポート中の場合には(S6001の結果が「Y」)、さらに、遊技制御装置100から普電入賞検出コマンドを受信したか否かを判定する(S6002)。普電サポート中でない場合(S6001の結果が「N」)、又は、普電入賞検出コマンドを受信していない場合には(S6002の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、普電サポート中であって(S6001の結果が「Y」)、又は、普電入賞検出コマンドを受信済みの場合には(S6002の結果が「Y」)、普電入賞率演出設定処理を実行する(S6003)。普電入賞率演出設定処理は、第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に遊技情報を更新して対応する演出態様を設定するための処理である。
図61は、本発明の実施の形態の入賞率に基づく普電入賞報知演出の一例を説明する図であり、(A)は普電サポート(チャンスタイム)中の入賞率を表示する例、(B)は普電サポート中に実行された変動表示ゲーム数を表示する例、(C)は普電サポート中の所定期間内に遊技球が第2始動入賞口37に入賞できた回数を表示する例を示す。
画面(A)では、普電サポート(チャンスタイム)中に所定期間(例えば、20秒)に第2始動入賞口37に遊技球が入賞した入賞数を計数し、一時間当たりの入賞数に換算した入賞時速を表示する。このとき、所定時間間隔で入賞時速を更新する。このとき、右側のゲージは入賞時速に対応して表示するようにしてもよいし、前述のように、オーバーフロー数に対応して表示するようにしてもよい。
なお、遊技機1の発射装置が1分間に60発の遊技球を発射できる場合、最大で時速3600入賞となる。
画面(B)では、普電サポート(チャンスタイム)中に所定期間(例えば、20秒)の変動表示ゲームの実行数を計数し、一時間当たりの実行数に換算したゲーム実行時速を表示する。なお、この場合には、普電入賞検出コマンドを受信しなくてもよい。
第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合の賞球が1個の場合には、普電サポート中に保持している遊技球数が減少しやすいので、第2始動入賞口37への入賞率(入賞時速)とゲームの回転率(ゲーム実行時速)を高めることが多くなっている。そこで、画面(A)及び画面(B)に示すように、入賞時速やゲーム実行時速を表示することで、遊技者に始動記憶の消化の早さや入賞の多さをアピールすることができる。
画面(C)では、普電サポート(チャンスタイム)中に所定期間(例えば、20秒)内に遊技球が第2始動入賞口37に入賞できた回数を表示する。例えば、変動表示ゲームが連続して実行されるために必要な間隔で遊技球が入賞している場合にはコンボ数として計数する。なお、オーバーフローが発生した場合には、当該遊技球に基づく変動表示ゲームは実行されないため、除外するようにしてもよい。また、(C)に示すように、コンボ数を示すゲージを識別図柄の下方に表示するようにしてもよい。
さらに、普電サポート(チャンスタイム)中だけでなく、通常状態でコンボ数を表示するようにしてもよい。このように構成することによって、普電サポート中以外でも入賞状況を確認可能となるので、遊技機を選択する際の目安とすることができる。
〔大入賞口入賞表示演出処理〕
続いて、大入賞口に入賞した遊技球の数に応じた演出を表示装置41で行う大入賞口入賞表示演出処理について説明する。図62は、本発明の実施の形態の大入賞口入賞表示演出処理の手順を示すフローチャートである。大入賞口入賞表示演出処理は、1回の大当り状態(特別遊技状態)におけるオーバーカウント数の累積を表示する。
演出制御装置300は、まず、大入賞口の入賞数を判定するタイミングであるか否かを判定する(S6200)。大入賞口の入賞数を判定するタイミングでない場合には(S5201の結果が「N」)、本処理を終了する。大入賞口の入賞数を判定するタイミングについては、図54にて説明した通りである。
大入賞口の入賞数を判定するタイミングである場合には(S6200の結果が「Y」)、演出制御装置300は、大入賞口カウント数をチェックする(S6201)。そして、大入賞口カウント数から規定入賞数を検出したか否かを判定する(S6202)。大入賞口カウント数が規定入賞数を検出した場合には(6202の結果が「Y」)、オーバーカウントがあるか否かを判定する(S6203)。
演出制御装置300は、オーバーカウントがない場合には(S6203の結果が「N」)、本処理を終了する。一方、オーバーカウントがある場合には(S6203の結果が「Y」)、入賞率判定値に1を加算する(S6204)。
さらに、演出制御装置300は、大入賞口カウント数が規定入賞数を検出していない場合には(S6202の結果が「N」)、入賞率判定値が0か否かを判定する(S6205)。入賞率判定値が0の場合には(S6205の結果が「Y」)、本処理を終了する。一方、入賞率判定値が0でない場合には(S6205の結果が「N」)、入賞率判定値から1を減算する(S6206)。
演出制御装置300は、入賞率判定値が変化すると、入賞率判定値に対応する入賞演出態様を選択し(S6207)、さらに、大入賞口カウント数をクリアし(S6208)、本処理を終了する。
以上のように、図62で示した大入賞口入賞表示演出処理では、オーバーカウント数の累積を表示しているため、大当り中以外にも、常時、対応する入賞演出態様を実行することが可能となる。また、図62では、1ラウンド間で規定数の入賞を検出したか否かによって入賞率判定値から1を加算又は減算するようにしたが、ほかに、規定数以上入賞したオーバーカウント数や、規定数からの不足入賞数に対応した値を、入賞率判定値から加算又は減算するようにしてもよい。
図63は、本発明の実施の形態の大入賞口表示入賞演出の一例を説明する図であり、(A)は大当り状態(特別遊技状態)開始時を示す画面、(B)は大当り状態の中盤を示す画面、(C)は最終ラウンドを示す画面である。
本実施形態では、入賞率判定値に対応して画面右側のゲージが上昇又は下降する。具体的には、入賞率判定値が1増加すると、ゲージを一目盛り上昇させるようにしてもよいし、入賞率判定値が所定値増加した場合にゲージが増加するようにしてもよい。また、入賞率判定値が上限値の半分以下の場合には入賞率判定値の増減と同じくゲージを増減させ、入賞率判定値が上限値の半分よりも大きい場合には、入賞率判定値が所定値分増加するたびにゲージを1増加させるようにしてもよい。
さらに、入賞率判定値に基づいて表示装置41の表示内容(例えば、キャラクタの表情)を更新するようにしてもよい。
以上示したように、本実施形態では、普通電動役物(第2始動入賞口37)及び大入賞口(特別変動入賞装置38)の入賞率に関連する情報を表示することが可能となる。特に、遊技者が遊技中に注目しやすい表示装置41で入賞率に関連する報知演出を行うことが可能となっているので、報知内容の確認を目視しやすくすることができる。
また、入賞率の表示演出の実行可否を設定できるようにしてもよい。図64は、本発明の実施の形態の入賞率の報知を設定する画面の一例を示す図である。
図64に示す設定画面では、入賞率報知の有無と、入賞率報知を行わない場合のLEDの発光態様を選択することが可能となっている。LEDの発光態様は、「自動」が設定された場合には演出に合わせて発光させる。また、遊技場の従業員が遊技場のイベントに合わせて発光態様を設定するようにしてもよい。
なお、入賞率報知の設定は、遊技者が行えるようにしてもよいし、遊技場の従業員のみが設定できるようにしてもよい。また、遊技者の設定画面と、遊技場の従業員の設定画面とが異なるようにしてもよい。
例えば、遊技者は、客待ちデモ演出が実行されている間に入賞率報知を設定できるようにする。また、遊技者が入賞率報知を設定する場合には、デフォルト値を「自動」とし、任意の色を設定できるようにしてもよい。一方、遊技場の従業員のみが設定する場合には、前面枠(遊技枠)3又はガラス枠(前枠)12を開放させてから所定の操作を行うことによって、入賞率報知の設定画面が表示されるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、遊技者は、入賞装置(普通電動役物(第2始動入賞口37)、大入賞口(特別変動入賞装置38))への入賞率が遊技者に有利な状態なのか、不利な状態なのかを容易に判断することができるので、遊技に不慣れな遊技者でも状態のよい台を選択することが可能となる。
また、入賞率の状態が報知されることによって、遊技店は遊技機の状態の良さを遊技者にアピールすることが可能となり、さらに、遊技店が状態の悪い遊技機を使用することを抑制することが可能となる。
〔先読み予告設定処理〕
続いて、上述した1stシーン制御処理における先読み予告設定処理の詳細について説明する。図65は、本発明の実施の形態の先読み予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、事前判定コマンドの受信待ちの保留記憶があるか否かをチェックし、判定する(S6501、S6502)。事前判定コマンドは、遊技球が始動入賞口に入賞した場合に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドを含む。始動口入賞演出コマンドは対応する保留記憶がはずれの場合を表し、実行されるリーチが特定される。始動口入賞演出図柄コマンドは、対応する保留記憶が当りの場合を表し、大当り図柄の種類を特定する。リーチの種類などは、演出制御装置300側で決定してもよい。
事前判定コマンドの受信待ちの保留記憶がある場合には(S6502の結果が「Y」)、演出制御装置300は、事前判定コマンド(始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンド)を受信したか否かを判定する(S6503)。
事前判定コマンドを受信した場合には(S6503の結果が「Y」)、演出制御装置300は、コマンド受信待ちの保留記憶の始動記憶領域に事前判定コマンドの内容をセーブし(S6504)、先読み演出実行コマンドを受信したか否かを判定する(S6505)。先読み演出実行コマンドは、事前報知設定処理において設定されるコマンドであり(S2105)、先読み演出の対象となる保留記憶の事前判定の結果内容を含む。
先読み演出実行コマンドを受信した場合には(S6505の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み演出を実行中であるか否かを判定する(S6506)。先読み演出を実行中である場合には(S6506の結果が「Y」)、本処理を終了する。
また、事前判定コマンドの受信待ちの保留記憶がない場合(S6502の結果が「N」)、事前判定コマンドを受信していない場合(S6503の結果が「N」)、又は、先読み演出実行コマンドを受信していない場合には(S6505の結果が「N」)、演出制御装置300は、その後の処理を実行せずに、本処理を終了する。
先読み演出を実行中ではない場合には(S6506の結果が「N」)、演出制御装置300は、変動パターン番号が“08”であるか否かを判定する(S6507)。変動パターン番号が“08”の場合には(S6507の結果が「Y」)、実際に実行される変動パターンが未確定であるため、先読み演出を実行せずに本処理を終了する。
一方、変動パターン番号が“08”でない場合には(S6507の結果が「N」)、演出制御装置300は、始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて対象となる保留記憶の図柄情報を取得する(S6508)。さらに、現在の遊技状態に合わせて先読み予告を実行するために、先読み予告振分テーブル設定処理を実行する(S6509)。先読み予告振分テーブル設定処理の詳細については、図66にて後述する。なお、遊技状態が特定遊技状態である場合には、特定遊技状態に移行してから実行された変動表示ゲームの実行回数に基づいて先読み予告が設定される。
その後、先読み予告振分テーブルが設定されると、演出制御装置300は、受信した始動口入賞演出コマンドに基づいて対象となる保留記憶のリーチ系統情報を取得する(S6510)。
次に、演出制御装置300は、S6509の処理で設定された先読み予告振分テーブル及びS6510の処理で取得されたリーチ系統情報に基づいて先読み予告態様を選択する(S6511)。
最後に、演出制御装置300は、対象となる保留記憶の表示態様にS6511の処理で選択された先読み予告態様を設定し(S6512)、本処理を終了する。
〔先読み予告振分テーブル設定処理〕
続いて、上述した先読み予告設定処理における先読み予告振分テーブル設定処理の詳細について説明する。図66は、本発明の実施の形態の先読み予告振分テーブル設定処理の手順を示すフローチャートである。図67は、本発明の実施の形態の先読み予告振分テーブルの内容を説明するための図である。
演出制御装置300は、まず、対象の始動記憶の事前判定の結果がはずれであるか否かを判定する(S6601)。結果がはずれでない場合(S6601の結果が「N」)、すなわち、当りの場合には、先読み予告振分テーブル1を先読み予告振分テーブルとしてセットする(S6602)。先読み予告振分テーブル1は、図67を参照すると、先読み演出の実行確率が35%、リーチ煽り演出の実行確率が同じく35%に設定されている。
先読み演出は、例えば、始動記憶の表示態様を変動表示ゲームの期待度に応じた態様で表示する。具体的には、色を変更したり、形状を変更したりする。リーチ煽り演出は、例えば、変動開始時又は変動開始後に、リーチとなるか否かを示唆するような演出である。具体的には、識別図柄が変動する順序を通常の順序とは異ならせたり、特別なエフェクトを発生させたりする。また、特別なキャラクタを表示させたり、BGMを変更したり、特別な報知音を出力したりしてもよい。
演出制御装置300は、対象の始動記憶の事前判定の結果がはずれの場合には(S6601の結果が「Y」)、現在の遊技状態が特定遊技状態(ST状態)であるか否かをチェックし、判定する(S6603、S6604)。現在の遊技状態が特定遊技状態でない場合には(S6604の結果が「N」)、先読み予告振分テーブル2を先読み予告振分テーブルとしてセットする(S6605)。先読み予告振分テーブル2は、通常状態の場合に設定される先読み予告振分テーブルであり、図67を参照すると、先読み演出の実行確率が2%、リーチ煽り演出の実行確率が同じく2%に設定され、先読み予告そのものが実行されにくく設定されている。
演出制御装置300は、現在の遊技状態が特定遊技状態の場合には(S6604の結果が「Y」)、特定遊技状態の前半であるか否かを判定する(S6606)。特定遊技状態の前半である場合には(S6606の結果が「Y」)、先読み予告振分テーブル3を先読み予告振分テーブルとしてセットする(S6607)。先読み予告振分テーブル3は、図67を参照すると、先読み演出の実行確率が40%、リーチ煽り演出の実行確率が5%に設定されている。特定遊技状態の前半では、変動表示ゲームがテンポよく進むように制御されるため、変動時間が短い変動パターンが選択されるようになっている。そこで、遊技が単調になってしまうことを防ぐため、変動時間に関連しない先読み演出の実行頻度が高くなるようにすることによって、遊技の興趣が損なわれないようにしている。
演出制御装置300は、特定遊技状態の前半でない場合には(S6606の結果が「N」)、特定遊技状態の中盤であるか否かを判定する(S6608)。特定遊技状態の中盤である場合には(S6608の結果が「Y」)、先読み予告振分テーブル4を先読み予告振分テーブルとしてセットする(S6609)。先読み予告振分テーブル4は、図67を参照すると、先読み演出の実行確率が20%、リーチ煽り演出の実行確率が同じく20%に設定されている。特定遊技状態の中盤に差し掛かると、遊技者は大当りをより期待するようになるため、変動時間が短い変動パターンと大当りの期待の高い変動時間の長い変動パターンとがバランスよく選択されるようになっている。そこで、先読み演出の実行頻度とリーチ煽り演出の実行頻度が同程度になるように設定されている。
演出制御装置300は、特定遊技状態の中盤でない場合(S6608の結果が「N」)、すなわち、特定遊技状態の後半の場合には、先読み予告振分テーブル5を先読み予告振分テーブルとしてセットする(S6610)。先読み予告振分テーブル5は、図67を参照すると、先読み演出の実行確率が10%、リーチ煽り演出の実行確率が40%に設定されている。特定遊技状態が後半になると、遊技者は大当りをさらに期待するようになるため、大当りの期待の高い変動時間の長い変動パターンが実行されやすくなるようになっており、リーチ煽り演出の実行頻度が高くなるように設定されている。
〔ボタン演出処理〕
以上、先読み予告について説明したが、続いて、演出ボタン25に備えられたLEDの発光による演出(ボタン演出)について説明する。本実施形態におけるボタン演出では、例えば、実行が開始された変動表示ゲームの期待度を報知する。
まず、図43に示した1stメイン処理におけるボタン演出設定処理(S4310)について説明する。図68は、本発明の実施の形態のボタン演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S6801)。変動開始コマンドを受信していない場合には(S6801の結果が「N」)、後述するボタン演出実行処理を実行し(S6811)、本処理を終了する。
演出制御装置300は、変動開始コマンドを受信した場合には(S6801の結果が「Y」)、変動パターン番号が“08"、すなわち、実行される変動パターンが確定していない未確定SPリーチであるか否かを判定する(S6802)。
演出制御装置300は、変動パターン番号が“08"の場合には(S6802の結果が「Y」)、後半変動パターンを選択するために、後半変動パターン選択テーブルをセットし(S6803)、後半変動パターン選択テーブルは、演出ボタン25の操作タイミングに応じた後半変動パターンを設定するためのテーブルである。後半変動パターン選択テーブルの詳細については、図76にて後述する。
さらに、演出制御装置300は、後半変動パターン選択フラグをオンに設定する(S6804)。そして、変動パターン番号が“08"は変動表示ゲームの結果がはずれの場合にのみ選択されるため、はずれ用のボタン演出態様選択テーブルBをセットする(S6805)。ボタン演出態様選択テーブルは、演出ボタン25の発光態様を定義するテーブルである。ボタン演出態様選択テーブルBの詳細については、図75にて後述する。
一方、演出制御装置300は、変動パターン番号が“08"でない場合には(S6802の結果が「N」)、ボタン演出を実行するか否かを判定する(S6806)。ボタン演出を実行しない場合には(S6806の結果が「N」)、本処理を終了する。本実施形態では、変動パターン番号が“08"以外の場合、例えば、変動パターン番号が“04"〜“06"の場合であっても所定の割合でボタン演出を実行可能に構成される。このとき、ボタン演出の内容にかかわらず、選択された変動パターンに基づく演出を実行する。演出ボタン25の発光態様は、点灯色が変化する場合もあるし、同じ点灯色が継続する場合もある。
また、演出制御装置300は、ボタン演出を実行する場合には(S6806の結果が「Y」)、実行される変動表示ゲームが当り変動であるか否かを判定する(S6807)。当り変動の場合には(S6807の結果が「Y」)、当り用のボタン演出態様選択テーブルAをセットする(S6808)。一方、当り変動でない場合には(S6807の結果が「N」)、はずれ用のボタン演出態様選択テーブルBをセットする(S6805)。
その後、演出制御装置300は、セットされたボタン演出態様選択テーブルに基づいて、ボタン発光態様を選択し(S6809)、さらに、ボタン演出実行フラグをオンに設定する(S6810)。
最後に、演出制御装置300は、選択されたボタン発光態様に基づいてボタン演出を実行するボタン演出実行処理を実行する(S6811)。ボタン演出実行処理の詳細について、図69にて後述する。
図69は、本発明の実施の形態のボタン演出実行処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、ボタン演出開始処理を実行する(S6901)。ボタン演出開始処理は、初期設定など、ボタン演出の開始時に必要な処理を行う。演出開始処理の詳細については、図70にて後述する。
次に、演出制御装置300は、ボタン演出中フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S6902)。ボタン演出中フラグがオンに設定されていない場合には(S6902の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置300は、ボタン演出中フラグがオンに設定されている場合には(S6902の結果が「Y」)、ボタン演出中処理を実行する(S6903)。ボタン演出中処理は、実行中のボタン演出の制御を行う。ボタン演出中処理の詳細については、図71にて後述する。
さらに、演出制御装置300は、ボタン演出実行タイマが0になったか否かを判定する(S6904)。ボタン演出実行タイマが0になった場合には(S6904の結果が「Y」)、ボタン演出を終了するためのボタン演出終了処理を実行する(S6905)。ボタン演出終了処理の詳細については、図72にて後述する。一方、演出制御装置300は、ボタン演出実行タイマが0になっていない場合には(S6904の結果が「N」)、本処理を終了する。
続いて、ボタン演出開始処理について説明する。図70は、本発明の実施の形態のボタン演出開始処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、ボタン演出実行フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S7001)。ボタン演出実行フラグがオンに設定されていない場合には(S7001の結果が「N」)、本処理を終了する。したがって、演出開始処理は、ボタン演出実行処理が実行されるたびに実行されるが、最初にボタン演出が実行される場合タイミングで必要な初期設定が実行され、2回目以降は実質的に処理が実行されずに終了する。
演出制御装置300は、ボタン演出実行フラグがオンに設定されている場合には(S7001の結果が「Y」)、ボタン演出の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S7002)。ボタン演出の実行開始タイミングでない場合には(S7002の結果が「N」)、ボタン演出を適切なタイミングで実行するために、本処理を終了する。
演出制御装置300は、ボタン演出の実行開始タイミングの場合には(S7002の結果が「Y」)、ボタン演出設定処理のS6809の処理で選択されたボタン発光態様を設定する(S7003)。設定されたボタン発光態様は、1stメイン処理の装飾制御処理(S4318)によって反映される。
次に、演出制御装置300は、ボタン演出を実行する期間を設定するボタン演出実行タイマをセットする(S7004)。さらに、演出ボタン25の操作の検出を有効に設定する(S7005)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41でボタン演出の開始を報知するボタン演出表示開始処理を実行する(S7006)。さらに、次回以降、ボタン演出開始処理を実行しないように設定するために、ボタン演出実行フラグをオフに設定する(S7007)。また、ボタン演出中処理を実行するためのボタン演出中フラグをオンに設定する(S7008)。その後、本処理を終了する。
続いて、ボタン演出中処理について説明する。図71は、本発明の実施の形態のボタン演出中処理の手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御装置300は、演出ボタン25の操作検出が有効であるか否かを判定する(S7101)。演出ボタン25の操作検出が有効でない場合には(S7101の結果が「N」)、本処理を終了する。なお、演出ボタン25の操作を検出すると、後述するように、次のボタン演出が開始されるまで演出ボタン25の操作検出を無効に設定する。
一方、演出制御装置300は、演出ボタン25の操作検出が有効の場合には(S7101の結果が「Y」)、演出ボタン25の発光態様(ボタン発光態様)の変更タイミングであるか否かを判定する(S7102)。ボタン発光態様の変更タイミングである場合には(S7102の結果が「Y」)、演出ボタン25の発光態様を変更する(S7103)。ボタン発光態様の変更タイミングは、例えば、所定の時間ごとである。
続いて、演出制御装置300は、演出ボタン25の操作を検出したか否かを判定する(S7104)。ボタン操作を検出していない場合には(S7104の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置300は、ボタン操作を検出した場合には(S7104の結果が「Y」)、ボタン演出表示態様を変更し(S7105)、ボタン検出を無効に設定する(S7106)。そして、後半変動パターン選択フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S7107)。後半変動パターン選択フラグがオンに設定されていない場合には(S7107の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、後半変動パターン選択フラグがオンに設定されている場合には(S7107の結果が「Y」)、操作タイミングに対応した後半変動パターンを設定する(S7108)。さらに、後半変動パターン選択フラグをオフに設定し(S7109)、本処理を終了する。
続いて、ボタン演出終了処理について説明する。図72は、本発明の実施の形態のボタン演出終了処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、演出ボタン25の操作検出を無効に設定し(S7201)、表示装置41でボタン演出の終了を報知するボタン演出表示終了処理を実行する(S7202)。さらに、ボタン演出実行フラグをオフに設定する(S7203)。
最後に、演出制御装置300は、後半変動パターン選択フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S7204)。後半変動パターン選択フラグがオンに設定されている場合には(S7204の結果が「Y」)、後半変動パターンが選択されていないことになるため、所定の後半変動パターンを設定し(S7205)、本処理を終了する。
〔ボタン演出における発光態様〕
以上、ボタン演出を実行するための処理について説明した。続いて、ボタン演出の態様について説明する。図73は、本発明の実施の形態の演出ボタン25に備えられたLEDの発光態様を示す図である。
ボタン演出を実行しない場合には、演出ボタン25は発光しないようになっている。ボタン演出を実行する場合、発光態様A→発光態様B→発光態様C→発光態様Dの順に期待度が高くなるように発光態様が定義されている。
また、本実施形態では、ボタン演出の実行中に演出ボタン25の発光態様が予め定義された発光パターンに基づいて変化することが可能となっている。図74及び図75は、本発明の実施の形態のボタン演出の発光パターンの一例を示す図であり、図74は変動表示ゲームの結果が大当りの場合、図75は変動表示ゲームの結果がはずれの場合を示している。図74及び図75の横軸は時間軸を示しており、左から右に時間が経過するようになっている。
本実施形態の発光パターンでは、図74及び図75に示すように、期待度が変わらずに一定の報知を継続する場合、所定のタイミングで発光態様が変化する場合が含まれる。また、ボタン演出態様選択テーブルBは、はずれの場合に選択されるので、大当り確定となる発光態様Dは発光パターンに含まれず、ボタン演出態様選択テーブルAの場合にのみ発光態様Dが含まれるようになっている(発光パターンA8〜A12)。
また、発光態様が変化する場合、期待度が徐々に高くなるように変化させてもよいし、低くなるように変化させてもよい。ただし、大当り確定の発光態様Dに変化した場合には期待度が下がらないようにする。また、ボタン演出の終了直前に発光態様を変化させるようにしてもよい。
また、ボタン演出が開始されてから、遊技者が演出ボタン25を操作しない場合には時間経過とともに期待度が下がるようにしてもよい。さらに、演出ボタン25の操作後、期待度が高くなるように発光態様が変化した後、操作しない場合には、時間経過とともに期待度の低い発光態様に変化するようにしてもよい。また、演出ボタン25の操作回数に応じて発光態様が変化するようにしてもよい。
以上のように、ボタン演出が開始されてから発光態様を変化させることによって、ボタン演出の開始後すぐに期待度を遊技者が認識してしまうことがなく、遊技者の興趣を継続させることができる。また、ボタン演出の開始後、所定時間の経過に伴って発光態様が変化可能となっているので、ボタン演出が単調にならずに興趣を高めることができる。
〔ボタン演出における後半変動〕
続いて、未確定SPリーチ(変動パターン番号“08”)が選択された場合に、後半変動パターンを選択する構成について説明する。本実施形態では、前述のように、後半変動が未確定の変動パターンが選択された場合、ボタン演出実行時における演出ボタン25の操作タイミングに応じて後半変動パターンが選択される。以下、図76及び図77を参照しながら、後半変動パターンを選択するための構成について説明する。
図76は、本発明の実施の形態の後半変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。後半変動パターン選択テーブルは、演出ボタン25の発光態様に対応するリーチ及び操作なし時に選択されるリーチが定義されている。
変動選択パターンA〜Cでは、予め実行されるリーチが決定されており、操作の有無にかかわらずあらかじめ設定されたSPリーチが発生する。これに対し、変動選択パターンD〜Hでは、発光態様にSPリーチが対応している。具体的には、変動選択パターンDでは、発光態様Aで演出ボタン25が操作されると、SP1リーチが選択され、発光態様B又は発光態様Cで演出ボタン25が操作されると、SP2リーチが選択される。なお、操作なしの場合には、選択可能なSPリーチのうち、最も期待度の低いリーチが選択されるようになっている。このとき、ボタン演出において最後の発光態様に対応したリーチが発生するようにしてもよい。
図77は、本発明の実施の形態の後半変動パターンを選択する手順を説明する図である。ボタン演出は、後半変動パターンを選択するための操作を含むため、後半変動開始前に終了する。また、変動開始から所定時間が経過するまでは、通常変動を行う。
通常変動が開始され、所定時間が経過すると、リーチ前予告演出が開始される。図77では、リーチ前予告演出の実行期間とボタン演出の実行期間とが一致しているが、必ずしも一致していなくてもよい。ボタン演出が開始されると、所定のタイミングで演出ボタン25の発光態様が変化し、遊技者がボタン演出実行中に演出ボタン25を操作すると、発光態様に対応するSPリーチが選択される。
そして、ボタン演出の実行中に演出ボタン25が操作されると、実行されている演出がボタン演出からリーチ前予告演出に切り替えられる。このとき、演出ボタン25がボタン演出の前半で操作された場合にはSPリーチ1、中盤の場合にはSPリーチ2、後半の場合にはSPリーチ3が選択される。そして選択されたSPリーチが実行されるまでの間、リーチ前予告演出が継続される。リーチ前予告演出は、例えば、キャラクタが登場して所定の台詞を出力したり、所定の動作を行ったりする。前述のように、ボタン演出の実行中に演出ボタン25が操作されなかった場合には、SPリーチ1が選択される。
このように、演出ボタン25の操作態様に応じてボタン演出後の表示内容(変動パターン)を決定するので、遊技内容が単調にならず、遊技の興趣を高めることができる。
〔ボタン演出における画面表示〕
最後に、ボタン演出実行時の画面表示について説明する。図78は、本発明の実施の形態のボタン演出実行時の画面遷移の一例を示す図である。
変動表示ゲームが開始された後(画面(A))、所定時間が経過すると、ボタン演出を含むリーチ前予告演出が実行される(画面(B))。このとき、演出ボタン25の操作を受け付け可能となり、画面には、演出ボタン25の操作を促すために、発光態様に合わせた演出ボタンの画像と、操作有効時間を示すゲージが表示される。遊技者は、操作有効時間を容易に把握することができるので、余裕を持って演出ボタン25を操作することが可能となる。
また、識別図柄は画面右上部に変動表示されている。さらに、本実施形態では、キャラクタが表示装置41上に表示され、リーチ前予告演出の進行に合わせてメッセージを出力したり、キャラクタが動作したりする。
その後、時間が経過すると、画面(C)及び(D)に示すように、演出ボタン25の発光態様が変化し、各タイミング(発光態様)で演出ボタン25を操作することによって、表示装置41表示されたキャラクタから対応するメッセージが出力される(画面(E)〜(G))。
そして、演出ボタン25が操作されたタイミングで対応するリーチが実行される(画面(H)〜(J))。なお、演出ボタン25が操作されなかった場合には、選択された後半変動選択パターンにおいて最も期待度の低いSPリーチが実行される(画面(K))。
図78では、演出ボタン25を1回操作することで後半変動パターンを決定していたが、ここでは演出ボタン25の操作(連打)回数(操作態様)に応じて選択される後半変動パターンが変化する変形例について説明する。図79は、本発明の実施の形態の変形例のボタン演出実行時の画面遷移の一例を示す図である。
変動表示ゲームが開始された後(画面(A))、所定時間が経過すると、ボタン演出を含むリーチ前予告演出が実行される(画面(B))。このとき、図78と同様に、演出ボタン25の操作を促す画像が表示される。演出ボタン25の操作を促す画像には、操作有効時間の残り回数が含まれている。さらに、図79では、画面左部に演出ボタン25の操作回数を示すゲージが表示される。
その後、演出ボタン25を操作しない場合には、期待度の低いSPリーチ1が実行される(画面(C1)〜(E1))。また、演出ボタン25の操作量が少ない場合には、期待度が中程度のSPリーチ2が実行される(画面(C2)〜(E2))。さらに、演出ボタン25を連打するなど操作量が多い場合には、期待度の高いSPリーチ3が実行される(画面(C3)〜(E3))。
また、演出ボタン25を操作している時間が長い場合(いわゆる、長押し)を検出した場合には、連打の回数の代わりに、演出ボタン25を長押ししている時間に応じて実行されるリーチを変更するようにしてもよい。このとき、演出ボタン25を長押ししている時間に対応して、画面左部のゲージを更新するようにしてもよい。
さらに、演出ボタン25の操作タイミングと、操作態様を組み合わせてもよい。例えば、所定のタイミングで操作し、その後、連打した場合にのみ、期待度の高いSPリーチ3が実行されるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、遊技者の操作態様に応じて発光態様が変化するので、ボタン演出への遊技者の参加意欲をかきたて、遊技の興趣を高めることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。