以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30(特別入賞事象発生手段)は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象(特別入賞事象)を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、アウト通路アセンブリ(図1には示されていない)を通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。なお、アウト通路アセンブリについてはさらに後述する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。いずれにしても、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ、確率変動状態表示ランプ、時短状態表示ランプ(いずれも参照符号なし)にそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板(図示していない)に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。ただし、ここでも遊技球がそのまま上始動入賞口26に流入するかどうかは無作為であり、偶発的に接近してきた他の遊技球と衝突したり、周辺の障害釘に弾かれたりすることで、球放出路40fから流下した遊技球が上始動入賞口26に流入しないこともある。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、複合サブ制御基板ユニット171、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。このうち主制御基板ユニット170及び複合サブ制御基板ユニット171は、上記の遊技盤8の裏側に設置されており、複合サブ制御基板ユニット171は、裏側からみて裏カバーユニット178に覆われている。また複合サブ制御基板ユニット171には、演出調整スイッチ125(調整手段)が設けられており、この演出調整スイッチ125は、例えば上記のようにプラ枠アセンブリ7を前面側へ開放した状態で操作可能である。
この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160,161、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図6)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
〔演出調整スイッチ〕
図3は、複合サブ制御基板ユニット171の部分的な拡大図である。上記のように複合サブ制御基板ユニット171には演出調整スイッチ125が設けられている。演出調整スイッチ125は、例えば横方向(図中の矢印方向)にスライドさせるようにして操作することができる。また演出調整スイッチ125はそのスライドに伴い、例えば両端位置とその中間位置の合計3位置に切り替え可能である。
複合サブ制御基板ユニット171(基板面又は樹脂カバー表面)には、例えば3つの切り替え位置に対応してそれぞれ「1」、「2」、「3」の調整値が付されており、演出調整スイッチ125を対応する位置にスライドさせることで、「1」〜「3」のいずれかの調整値を選択することができる。ここで選択された調整値は、パチンコ機1における演出制御上の1つのパラメータとして用いられる。なお図3に示される例では、調整値として「3」が選択されていることを表している。また、調整値を用いた演出制御例についてはさらに後述する。
〔アウト通路アセンブリ〕
図4は、アウト通路アセンブリ180の配置を示す部分的な分解斜視図である。アウト通路アセンブリ180は払出制御基板ユニット176に重なるようにしてプラ枠アセンブリ7の下縁部(裏側)に設置されている。アウト通路アセンブリ180には、例えば幅方向の両端位置にそれぞれスナップラッチ181が設けられている。一方、プラ枠アセンブリ7には、これらスナップラッチ181に対応して2つの取付孔7aが形成されている。アウト通路アセンブリ180は、例えば2つのスナップラッチ181をそれぞれ対応する取付孔7aに押し込むことでプラ枠アセンブリ7に取り付けられる。
また図5は、アウト通路アセンブリ180の内部構造を示す図(内部裏面図)である。なお、アウト通路アセンブリ180には外装板180d(図4参照)が設けられているが、図5には、この外装板180dを取り外した状態で内部の構造を示している。
アウト通路アセンブリ180には、その上端面に回収樋180aが形成されており、この回収樋180aはアウト通路アセンブリ180の幅方向(図5中の左右方向)へ拡がっている。
またアウト通路アセンブリ180の内部にはアウト通路180bが形成されており、このアウト通路180bはヘアピン形状(横向きU字形状)を描くようにして湾曲している。アウト通路180bは、回収樋180aに連なる位置で上端が幅広に開口しており、そこから下方に向かって急激に幅が窄まっている。さらにアウト通路180bは、回収樋180aの下方位置で幅方向(図5中の左方向)に大きく屈曲した後、下方へ折れ曲がってさらに逆方向(図5中の右方向)へ折り返すようにして延びている。そしてアウト通路180bは、その終端の手前で下方へ屈曲して延び、アウト通路アセンブリ180の下端にて開放されている。
〔アウト球カウントスイッチ〕
遊技盤8の裏側へ回収された遊技球(図5中参照符号B)は回収樋180aを介してアウト通路180b内に落下し、さらにアウト通路180b内を流下しながら整列され、最終的にアウト通路180bの終端から1個ずつパチンコ機1の外部(島設備)へ排出される。アウト通路アセンブリ180には、アウト通路180bの終端位置にアウト球カウントスイッチ182が設置されており、排出された遊技球はアウト球カウントスイッチ182により検出される。
またアウト通路アセンブリ180には、アウト通路180bの他に球抜き通路180cが形成されている。球抜き通路180cは、アウト通路アセンブリ180の側面に開口し、そこから内部を一側縁部に沿って縦方向に延びている。球抜き通路180cは上記の流路ユニット173につながっており、払出装置ユニット172(賞球タンク172a及び賞球ケース)からの球抜きを行う場合、遊技球が流路ユニット173から球抜き通路180c内に排出されるものとなっている。球抜き通路180cはアウト通路アセンブリ180の下端にて開放しており、そこから放出された遊技球は、図示しない島設備にて回収される。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。
また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力ドライバ(I/O)79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、例えば1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる(特別入賞特典付与手段)。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(ステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には受皿中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、受皿中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、受皿中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6にはCR基板122が内蔵されており、このCR基板122には上記の球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号がCR基板122から受皿中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120から受皿中継端子板118を経由してCR基板122に送信される。CR基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、上記の複合サブ制御基板ユニット171に内蔵されている。演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行うものである。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。上記の演出調整スイッチ125は回路基板上に実装されており、そのスイッチ信号は図示しない配線パターンを通じて演出制御装置124に入力されている。図2に示されるように演出調整スイッチ125は、操作を容易にするため裏カバーユニット178に覆われない位置にある。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライトに印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
また、遊技盤8の裏側には盤用外部端子板160が設置されており、そしてプラ枠アセンブリ7の裏側には枠用外部端子板161が設置されている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、それぞれ盤用外部端子板160、枠用外部端子板161を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力することができる。盤用外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで集計される。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図7及び図8は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、マスクレジスタの初期設定を行う。
ステップS104:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS105を実行する。
ステップS105:主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS106を実行する。
ステップS106:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。チェック結果が正常であれば(Yes)、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)し、次に主制御CPU72はステップS107を実行する。
ステップS107:主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンドを送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、演出図柄の表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させる。
ステップS108:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元に、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。そして、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧し、そのプログラムアドレスから処理を続行する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS104:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS105:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS106:No)、主制御CPU72はステップS109に移行する。
ステップS109:主制御CPU72は、RAM76の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76にバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS110:また主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に確保されているコマンド送信要求バッファをクリアする。
ステップS111:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72がリセット後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS112:主制御CPU72は、CTC初期化処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期化を行う。そして主制御CPU72は、図8に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS113,ステップS114:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される信号を参照し、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。なお、電源遮断が発生すると、主制御CPU72はレジスタを退避し、RAM76全体の内容をバックアップして処理を停止(NOP)する。電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS115を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS115:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数以外に各種の乱数をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS115では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS113で割込を禁止した後にステップS115を実行しているのは、別の割込処理(図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。
ステップS116,ステップS117:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容についは後述する。
ステップS118:次に主制御CPU72は、割込回数カウンタの値を参照し、ここまでに実行した割込処理が所定回数(例えば2回)を超えたか否かを判断する。割込回数カウンタの値が所定値を超えていなければ(No)、主制御CPU72はステップS113に戻る。一方、割込回数カウンタの値が所定値を超えていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS119を実行する。これにより、メインループの実行中に少なくとも2回のタイマ割込が発生して別の割込管理処理が実行されるとともに、さらに主制御CPU72は、タイマ割込が発生する残り時間で電源断発生チェック処理(ステップS114)及び初期値更新乱数更新処理(ステップS115)を実行する。
ステップS119,ステップS120:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。また主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に確保されているポート出力要求バッファをクリアする。
ステップS121:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、別の割込処理(図9中のステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS122,ステップS123:主制御CPU72は、メインループ中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。
また普通図柄遊技処理では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は別の割込管理処理の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄大当り決定乱数)を記憶しておく。そして主制御CPU72は、この普通図柄遊技処理の中で乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS124:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は盤用外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報を出力する。
ステップS125:また主制御CPU72は、メインループにおいて試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中、エラー発生中)を表す試験信号を生成し、これを主制御装置70の外部に出力する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS126:次に主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、RAM76のバッファ領域に確保されているポート出力要求バッファを参照し、各種ソレノイド(普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド90)の励磁状態(ON又はOFF)を出力ポートに出力する。
なお本実施形態では、ステップS119〜ステップS126の処理をメインループ中に組み込んだ例を挙げているが、これら処理をCPUがタイマ割込処理として実行している公知のプログラミング例もある。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄大当り決定乱数等が含まれる。このうち大当り図柄乱数及び小大当り図柄乱数は、例えば0〜99の範囲で順番に更新される。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力ドライバ(I/O)79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、各LEDに対して印加する駆動信号(バイトデータ)を生成し、出力ポートから出力する。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS206:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込回数カウンタを更新する。このカウンタは、先に述べたメインループ中のステップS118で参照されるものである。
ステップS207,ステップS208:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔始動口入賞時処理〕
次に、上記のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)中でさらに実行される処理について説明する。図10は、始動口入賞時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12を実行する。
ステップS12:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数のセットの記憶数が4個に達していなければ、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値は4未満であり(Yes)、この場合、主制御CPU72は次のステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の計数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS205)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS16:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS17:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この場合の乱数値の取得は、RAM76のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを転送先のアドレスに第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数としてセーブする。
ステップS18:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。
ステップS20:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS16,S17でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に演出内容の判定を行うためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS22:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS20)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS24:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS22で生成した特図先判定演出コマンドや、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力がなかった場合(ステップS10:No)、あるいは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS12:No)、主制御CPU72は次にステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、ここで主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。一方、入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28を実行する。
ステップS28:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4に達していれば(No)、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS30に進む。
ステップS30:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS14と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS205)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS16と同様である。
ステップS34:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS17と同様である。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これらを領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS18と同様である。
ステップS38:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32,S34でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に演出内容の判定を行うためのものである。具体的な処理の内容は後述する。
ステップS40:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS38)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図11は、上記の取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、上記の始動口入賞時処理の中(図10中のステップS20,ステップS38)においてこの取得時演出判定処理を実行する。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の始動口入賞時処理(図10のステップS18,ステップS36)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はここで始動口入賞時処理(図10)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS58:次に主制御CPU72は、特別図柄確率状態フラグをロードする。この状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS60:そして主制御CPU72は、ロードした特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS62を実行する。
ステップS62:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS58でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、内部状態が高確率の場合は比較値を書き換えた上で次のステップS64を実行することになる。これに対し、先のステップS60で状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS62をスキップして次のステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はここで始動口入賞時処理(図10)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS66に進む。
ステップS66:主制御CPU72は、大当り種別判定処理を実行する。この処理は、さらに大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の始動口入賞時処理(図10のステップS18,ステップS36)で記憶した大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「2ラウンド図柄」又は「15ラウンド図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄判定値として記憶し、次のステップS68に進む。
ステップS68:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS66で記憶した特別図柄判定値をセットする。特別図柄判定値は、例えば「2ラウンド図柄」に該当する場合は「0AH」がセットされ、「15ラウンド図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。以上の手順を終えると、主制御CPU72は始動口入賞時処理に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、メインループ中に実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図12は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。当りの態様の中でも、第1特別図柄又は第2特別図柄が特別の態様(例えば15ラウンド大当りの態様)で停止すると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば30秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回)だけ励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」になると確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高く(10倍程度に)なる(特定遊技状態移行手段)。また「時間短縮状態」になると時間短縮機能が作動し、非当選時の特別図柄の変動時間が通常の状態に比較して全体的に短縮される(時間短縮状態移行手段)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。このような「高確率状態」又は「時間短縮状態」への移行についてはさらに後述する。
〔複数の当選種類〕
上記の15ラウンド大当り(第1当選種類)以外に、本実施形態では複数の当選種類として、2ラウンド大当り(第2当選種類)が設けられている。先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄が2ラウンド大当りの態様で停止すると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。その代わり、大当り遊技の終了後に例えば「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される(特定遊技状態移行手段)。
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当り(特例当選)が設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が小当りの態様で停止すると、通常状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が特例の回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図13は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS119)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、いずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は割込を禁止した上で、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。シフトされた乱数は、RAM76の乱数記憶領域から消去される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合のみ、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して別の共通記憶領域に保存する。共通記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。
ステップS2250:次に主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかに対応する方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。このとき減算対象となる作動記憶数カウンタは、先のステップS2200で記憶した乱数のシフトを行った方に対応するものである。これにより、上記の表示出力管理処理(図9中のステップS205)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は割込を許可して次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動状態)とで異なり、高確率状態では通常状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。なお、ここでは大当り判定処理のより詳細な手順として、例えば先の取得時演出判定処理に挙げた手順(図11中のステップS52〜ステップS64)を適用してもよい。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動状態)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ここで、上記のように大当り決定乱数値は、第1特別図柄又は第2特別図柄で別々に読み出されるため、大当り判定処理(内部抽選)は図柄別に行われることになる。例えば、先のステップS2200で第1特別図柄に対応する方の乱数値を読み出していれば、大当り判定は第1特別図柄に対応して行われることになる。一方、第2特別図柄に対応する方の乱数値を読み出していれば、大当り判定は第2特別図柄に対応して行われることになる。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。具体的には、先の特別図柄記憶シフト処理で第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の記憶を優先してシフトしていた場合、ここで主制御CPU72は第2特別図柄表示装置36による停止図柄番号データをセットする。一方、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数の記憶をシフトしていれば、ここで主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34による停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35にそれぞれ7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄又は第2特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなければ、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、今回の内部抽選で当選が得られた第1特別図柄又は第2特別図柄について当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と各図柄別の当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において特別図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて図柄別に当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では、大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて例えば「15ラウンド図柄」と「2ラウンド図柄」とが予め規定されている。より詳細には、大きな分類として主に2種類の当選図柄があるが、同じ「15ラウンド図柄」であっても、例えば「15ラウンド図柄A」,「15ラウンド図柄B」,「15ラウンド図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されており、また「2ラウンド図柄」についても、例えば「2ラウンド図柄A」,「2ラウンド図柄B」,「2ラウンド図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。このような細分類は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による当選図柄の停止表示を多様化させるためのものである。例えば、同じ「15ラウンド図柄」であっても、細分類として「15ラウンド図柄A」の場合は第1又は第2特別図柄表示装置34,35において7つのセグメントが全て点灯(例えば「日」字形の態様)し、「15ラウンド図柄B」の場合は5つのセグメントが点灯(例えば「己」字形の態様)するといった具合である。ただし、大分類として同じ「15ラウンド図柄」であれば、細分類の中でどの図柄が選択されたとしても、その後の遊技を進行させる上で結果(効果)は同じである。なお、これらラウンド数別に設けられている複数種類の当選図柄は、予め上記の特別図柄判定テーブルにより規定されている。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド図柄」又は「2ラウンド図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。さらに、現在の遊技状態が既に確率変動状態(高確率時)である場合、合わせて主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。なお、このような処理の意義については、パチンコ機1におけるゲームシステムの説明と合わせてさらに後述する。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄判定データテーブルで規定されている。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、また停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択せず、はずれ通常変動時と同等の変動時間が決定される。これは、小当り時にも通常変動を発生させることにより、その変動で小当りになったことを遊技者に気付かせにくくするためである。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(図12中のステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図12中のステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図13中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置94に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置94に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
そして主制御CPU72は、大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。その結果、いずれのフラグにも値がセットされていなければ(非当選時)、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図12中のステップS2000)を次のジャンプ先に設定して特別図柄遊技処理に復帰する。これに対していずれかのフラグに値がセットされている場合(大当り又は小当り時)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図12中のステップS5000)を次のジャンプ先に設定して特別図柄遊技処理に復帰する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図14は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図15は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数やその開放時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5210に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、今回の大当り図柄(当選種類)が「2ラウンド図柄」であるか否かを確認する。このとき、先の大当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS2410)で「2ラウンド図柄」が選択されていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5206を実行する。
ステップS5206:この場合、主制御CPU72は、短縮した2回の開放パターンを設定する。ここで設定される短縮2回開放パターンでは、ラウンド数を「2ラウンド」とし、その1ラウンドあたりの開放時間を入賞が困難な短時間(例えば300ms)とする。またラウンド間のインターバルは、例えば10ms程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は15ラウンド図柄と同じ(例えば9個)であるが、このような短時間の開放動作中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
これに対し、「15ラウンド図柄」が選択されていれば(ステップS5204:No)、主制御CPU72はステップS5208を実行する。
ステップS5208:この場合、主制御CPU72は15回(15ラウンド)の開放パターンを設定する。15回開放パターンは、例えば1ラウンド内の可変入賞装置30の開放時間を例えば30秒とし、その間の最大入賞回数(個数)を例えば9個として設定される。またラウンド間のインターバルは、例えば数秒程度に設定される。
ステップS5212:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、5回なら「4」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5214:次に主制御CPU72は、先のステップS5206又はステップS5208で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。具体的には、15回開放パターンを設定していれば、主制御CPU72は大当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは30秒程度)を設定する。一方、短縮2回開放パターンを設定していれば、主制御CPU72は大当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)を設定する。
ステップS5216:そして主制御CPU72は、先のステップS5206又はステップS5208で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5224:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5210:小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、先のステップS5206で挙げた「短縮2回開放パターン」と同じであるが、別の開放パターンを設定してもよい。
ステップS5218:主制御CPU72は、先のステップS5210で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5220:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)が設定されている。
ステップS5222:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値もまた「短縮2回開放パターン」の設定と同じである。
ステップS5224:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図16は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図15中のステップS5214又はステップS5220)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(例えば9個程度)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時や2ラウンド又は5ラウンドの大当り時は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図15中のステップS5216又はステップS5222)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図17は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理(図8中のステップS119)において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図14中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図15中のステップS5218)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図14中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図18は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図13中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納される。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で第1特別図柄又は第2特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、10000回程度の多い回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば30分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図13中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経るか、もしくは小当り遊技の場合(ステップS5502:No)、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図12中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
以上が主制御CPU72による制御処理の内容であり、パチンコ機1における遊技は上述した制御処理を通じて円滑に進行する。特にこの間、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28への入賞(遊技球の流入)が発生すると、これらを契機として主制御CPU72により大当りの内部抽選が行われる。そして内部抽選で当選すると、そのとき変動表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が当選時の態様(特別態様)で停止表示された後、特別遊技の機会として大当り遊技が実行される。大当り遊技(特に15ラウンド大当り)中は可変入賞装置30が最大回数まで連続作動して大入賞口への入賞が可能となるので、この間に遊技者が得られる利益(主に賞球の払い出し)は通常よりも大きくなる。ただし、遊技を通して大当り遊技の機会にどれだけ恵まれるかは内部抽選の結果次第である。このため遊技者にとっては、通常時になるべく数多くの内部抽選を消化し、できるだけ短時間内に次々と当選を得ることが遊技を行う上での基本的な戦略となる。
一方、通常の遊技中にどの程度の頻度で内部抽選を消化できるかは、遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球がどの程度の頻度で上始動入賞口26や可変始動入賞装置28に流入するかにかかっている。このうち可変始動入賞装置28については、普通図柄に対応した作動抽選に当選することが入賞を発生させるための前提条件となることを考慮すると、その中心となるのは、作動抽選の結果に影響されない上始動入賞口26への入賞である。
上始動入賞口26への入賞は、基本的に遊技球が無作為に流入することで発生するが、入賞が発生する頻度は、パチンコ機1における障害釘の調整具合や遊技者自身による発射操作を用いた技術介入度に少なからず影響される。一般的に障害釘の調整具合を読み取ったり、発射操作の技術を習得したりするには相応の経験が必要であり、熟練しなければ入賞の発生頻度を予想することは困難であるが、本実施形態では入賞の発生頻度に応じて演出の態様を変化させることにより、客観的に入賞の発生頻度についての判断を容易にしている。そこで以下に、入賞の発生頻度に応じて演出の態様を変化させる手法について説明する。
〔演出図柄による演出態様〕
上記のように内部抽選が行われると、その抽選結果に基づき変動パターン(変動時間)を決定した上で、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示と抽選結果に応じた態様での停止表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは、いずれも7セグメントLED(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35)による点灯・点滅表示であるため、それだけでは見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出と停止表示演出が行われている。
図19は、演出図柄と背景画像を用いた演出例を示す連続図である。この演出例は、演出図柄を用いた変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示したことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともに、女性キャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄と中演出図柄については、いずれも数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、右演出図柄については、数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、例えば画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。これとは別に、図柄列が表示画面を横方向にスクロールして変動表示される態様であってもよい。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示演出開始〕
図19中(i):特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。
〔ステージ演出〕
また、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)を表示することで、いわゆる「ステージ演出」が行われている。図19中(i)に示される例は、「海辺の風景」を表した背景画像であり、本実施形態ではこれを例えば演出上の「通常ステージ」とする。このような「ステージ演出」は、遊技を続けていく中で現在滞在しているステージやモードの概念を遊技者に想起させるものである。また「ステージ演出」には、例えば何らかの契機で背景画像の変更(いわゆるステージチェンジ演出)を行うことにより、遊技者の目先を変えさせる効果がある。ステージチェンジ演出についてはさらに後述する。
〔左図柄停止〕
図19中(ii):例えば、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止〕
図19中(iii):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動(内部抽選の結果)は非当選であったことがほとんど明らかとなっている。
〔停止表示演出〕
図19中(iv):特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この場合、演出図柄の組み合わせは「6−3−7」のはずれ目であるため、今回の変動は「はずれ」になったことが演出的に表現されている。なお、ここでは非当選の場合を例に挙げているが、内部抽選の結果が上記の「15ラウンド大当り」であれば、リーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「7」−「7」−「7」)で構成される大当りの態様で停止表示される。
以上の演出例は、非当選時に行われる変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れを示したものである。ここでは図示していないが、非当選時に特別図柄の変動パターンとして「はずれリーチ変動」が指定されていた場合、以下のように変動表示演出の中ではずれリーチ演出が実行される。
〔リーチ演出,予告演出〕
図20は、はずれリーチ演出とその前後で実行される予告演出の例を示す連続図である。
図20中(A):ここでも同様に、例えば第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでは図示を省略しているが、「ステージ演出」による背景画像として例えば「通常ステージ」が選択されているものとする。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図20中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出が行われる。このときキャラクターの絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図20中(C):さらにリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われる。具体的には、画面の左端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像が右側に位置をずらすことで、2つの絵柄画像が画面上に並んで表示されるといった演出の態様である。このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出は、先の図20中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように段階的に発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2つ目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3つ目、4つ目、5つ目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。
〔左演出図柄の停止〕
図20中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止している。そして左中段位置には、数字を持たないブランク図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図20中(E):左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の上段位置(上ライン)で数字の「7」−「変動中」−「7」の組み合わせが部分的に表示されたことになる。一般に、演出上で同種の演出図柄が3つ揃って停止すると「大当り」であり、ここでは「大当り」まで残りあと中演出図柄の1つだけである。このように、同種の演出図柄を2つまで揃って停止させることで、変動表示演出中に「リーチ状態」を発生させることができる(リーチ状態発生手段)。また、「リーチ状態」が発生して2つの数字が揃うことを「テンパイ(聴牌)」と称する。このとき「リーチ状態」が発生したことを遊技者に教示するため、画面上に「リーチ!」等の文字情報を表示し、合わせて音声を出力する演出が行われる。
「リーチ状態」の発生後、さらに何らかのリーチ演出パターンに発展すると、テンパイした数字(ここでは「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の隅に縮小された状態で表示される場合もある。これに対し、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)の場合、テンパイした数字に対応する左・右の演出図柄は図20中(E)に示される状態のままで、例えば中演出図柄だけがゆっくりスクロールするように変動表示されるリーチ演出が行われる。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図20中(F):「リーチ状態」が発生して暫くすると、例えば画面上に「チャンス!?」等の文字を大きく表示するリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。それまで中演出図柄が単純にスクロールされていた場合、突然、画面にメッセージが大写しになるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このようなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対して「この予告は大当りに期待できる」という期待感を抱かせる効果が得られる。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56から「チャンス」等の音声を出力させる演出が行われてもよい。
〔リーチ演出の進行〕
図20中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「7」を表す画像が画面上で円を描くようにして移動しつつ、「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出は、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近づくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると「大当り」であるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図20中(H):リーチ演出が大詰めに近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が割って入る(カットインする)ようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる(リーチ発生後予告演出実行手段)。この時点で、演出の内容は「数字の「6」が消去されれば「7」−「7」−「7」の大当り」という大詰めの展開である。したがって、このタイミングでキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「いよいよ大当りかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。なお本実施形態では、このときのキャラクター画像の大きさ(カットインの大小)によって大当りの期待度が異なり、特に大きな画像でカットイン予告が発生すると、比較的大当りの期待度が高くなるものとしている。
〔停止表示演出〕
図20中(I):第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、第1特別図柄又は第2特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。図示の例では、画面上に数字の「6」が消去されずに残ってしまったため、今回の変動では残念ながら「大当り」にならなかったことが演出的に表現されている。なお、ここでは非当選の場合を例に挙げているが、内部抽選の結果が当選であれば、そのときの当選種類(当選図柄)に応じた態様で演出図柄が停止表示される。すなわち、当選図柄が「確変図柄」に該当していれば、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の奇数を表す演出図柄を3つ揃って停止表示させることで、例えば「確変大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる。逆に、当選図柄が「非確変図柄」であれば、偶数の演出図柄を3つ揃って停止表示させることで、「通常(非確変)大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる。この他に、「確変大当り」であっても偶数の演出図柄を停止表示させておき、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させる演出が行われる場合もある。また、「2ラウンド確変大当り」の場合は奇数の3つ揃いではなく、例えば「1」−「3」−「5」のような奇数の組み合わせの演出図柄が表示される。
〔ステージ演出の例〕
図21は、ステージ演出で用いられる背景画像の例を示した図である。本実施形態では、ステージ演出として上記の「通常ステージ」(図21中(A))の他に、例えば以下の背景画像が用意されている。
図21中(B):例えば、別の背景画像として表示画面の中央に浴衣を着こなした別の女性キャラクターの画像が表示される。本実施形態ではこのような背景画像を用いたステージ演出を「浴衣ステージ」とする。
図21中(C):また、別の背景画像として例えば「花火を打ち上げる夜空」とともに、表示画面の左側に夜空を見上げる別の女性キャラクターの画像が表示される。本実施形態では、このような背景画像を用いたステージ演出を「花火ステージ」とする。
図21中(D):さらに別の背景画像として、表示画面内に例えば祭りに関係する背景画像(太鼓、提灯、団扇、花火等の画像を並べたもの)が表示される。本実施形態では、このような背景画像を用いたステージ演出を「お祭りステージ」とする。
〔ステージチェンジ演出〕
また本実施形態では、何らかの契機に背景画像の内容を変化させることにより、ステージチェンジ演出を行うことができる。背景画像の内容を変化させる契機としては、例えば変動表示演出の開始時(開始初期)を挙げることができる。
図22は、ステージチェンジ演出の一例を示す連続図である。以下、ステージチェンジ演出の流れについて概略的に説明する。
〔扉閉演出〕
図22中(E):例えば、それまでの背景画像が図21中(A)に示される「通常ステージ」であったとすると、図柄変動演出の開始時に表示画の両側から扉(襖)が出現し、中央でぴしゃりと閉じる演出が行われる。このような扉閉演出は、それまでの表示画面を一旦覆い隠すことで、遊技者の目を惹き付ける目的で行われる。
〔扉開演出〕
図22中(F):次に、閉じていた扉が表示画面の左右に素早く移動して、扉が大きく開かれる動作を表す演出(扉開演出)が行われる。このような扉開演出は、例えば遊技者に対して、扉が開いた先の結果に興味を抱かせる意味で行われる。
〔ステージチェンジ演出〕
図22中(G):扉が開かれた段階で、例えば「浴衣ステージ!!」の文字情報とともに、背景画像が上記の「浴衣ステージ」に変化する。このようなステージチェンジ演出を実行することにより、演出上で異なるステージ(又はモード)に変化したことを遊技者に対して視覚的に訴求させることができる。
〔浴衣ステージ演出〕
図22中(H):ステージチェンジ演出に続いて、特別図柄の変動表示に略同期して上記の変動表示演出が実行される。このときの背景画像は既に「浴衣ステージ」に切り替わっている。これにより扉の開閉動作を経て、演出上で「通常ステージ」から「浴衣ステージ」に移行したことが遊技者に知らされる。
以上は演出図柄を用いた演出(変動表示演出、リーチ演出、リーチ発生後予告演出、停止表示演出)や背景画像を用いた演出(ステージ演出、ステージチェンジ演出)の標準的な態様(以下、「第1態様」と称する。)の例である。
次に図23は、第1態様とは異なる態様で行われる変動演出の流れを示す連続図である。すなわち図23に示される各種演出の態様は、図20に示される各種演出の第1態様と異なっている。
〔変動表示演出〕
図23中(A):ここでも第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、この段階では特に第1態様との違いはない。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図23中(B):第1態様と同様に、変動表示演出の比較的初期(リーチ状態の発生前)において1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。なお、ここでは絵札に表示されているキャラクターが第1態様と異なる程度であり、特に目立った違いはない。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図23中(C):次に、第1態様とは異なる態様(以下、「第2態様」と称する。)で2回目のリーチ発生前予告演出が行われる。具体的には、この第2態様では画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。ここでは2段階目の絵柄画像が出現するまでの例を挙げているが、リーチ発生前予告演出の第2態様では、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。
〔左演出図柄の停止〕
図23中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止している。そして左中段位置には、数字を持たないブランク図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図23中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「7」−「変動中」−「7」と「8」−「変動中」−「8」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「7」と「8」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、この場合は数字の「7」が揃えば確率変動大当りであり、数字の「8」が揃えば非確変大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、非確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、さらに何らかのリーチ演出パターンに発展すると、テンパイした数字(ここでは「7」と「8」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図23中(F):上述した第1態様では、画面上に「チャンス!?」等の文字が表示されるだけであったが、この第2態様では、リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「花柄」を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「花柄群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対して「この予告は大当りに期待できる」というより大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図23中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「7」又は「8」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であるが、数字の「7」も消去されて「8」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であり、そして数字の「8」も消去されて「9」が最終的に残ると「はずれ」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、今度は「確変大当り」又は「通常(非確変)大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図23中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる(予告演出実行手段)。上述した第1態様と比較すると、この第2態様ではカットインするキャラクター画像が全体的に拡大されている(カットイン大)点で異なっている。またこの時点で、例えばリーチ演出の内容は「数字の「6」が消去されれば、次に「7」−「7」−「7」の大当りの可能性が高まる」という展開である。また、これに続くリーチ演出で数字の「7」が消去されても、まだ「8」−「8」−「8」の非確変大当りの可能性が残っている。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「いよいよ大当りかもしれない」という大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「7」までが消去されてしまい、最後に残った数字の「8」が消去されずに残れば、「8」−「8」−「8」の非確変大当りの可能性がある」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「確変大当りは逃しても、何とか非確変大当りになるかもしれない」という望みを抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図23中(I):第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がそのときの当選種類に対応した当選図柄で停止表示されるため、その当選種類(当選図柄)に応じた態様で演出図柄が停止表示される。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われている。一方、当選図柄が「非確変図柄」であれば、偶数の「8」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「通常(非確変)大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる。この他に、「確変大当り」であっても偶数の演出図柄を停止表示させておき、再度の変動によって奇数の演出図柄を停止表示させて「確変」に昇格させたり、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させたりする演出が行われる場合もある。また、「2ラウンド確変大当り」の場合は奇数の3つ揃いではなく、例えば「1」−「3」−「5」のような奇数の組み合わせの演出図柄が表示される。これに対し、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「7」や「8」以外の数字「6」や「9」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。
〔各種の予告演出〕
また特に図示していないが、変動表示演出の中で実行される予告演出に関して、本実施形態では、図23中(B),(C)のキャラクター予告演出や、図23中(F)の花柄群予告演出、図23中(H)のキャラクタカットイン予告演出を含めて、例えば以下に挙げる複数種類の予告演出が用意されている。
(1)字幕予告演出:この予告演出は、上記の「リーチ発生前予告演出」の一環として行われるものである。例えば、変動表示演出の開始初期に画面が暗転(ブラックアウト)し、画面上に「予告!この変動はリーチである!」や「予告!夜空に花火を打ち上げろ!」といった字幕を大きく表示する演出が行われる。
(2)押しボタン予告演出:この予告演出もまた、「リーチ発生前予告演出」の一環として行われるものである。例えば、変動表示演出の開始初期に、画面上に「ボタンを押してください」といったメッセージが表示され、これに応じて遊技者が上記の演出切替ボタン45を押下すると、「リーチ発生前予告演出」として特殊な画像やメッセージ(「リーチに期待してね!」等)を表示する演出が行われる。
(3)図柄アニメーション予告演出:この予告演出は、上記の「リーチ発生後予告演出」の一環として行われるものである。例えば、リーチ状態が発生すると、そのときテンパイした数字に対応する演出図柄のキャラクターが動いたり、何らかの台詞を発したりする演出が行われる。あるいは、テンパイした数字に対応する演出図柄(絵札)が画面上で立体的(どんでん返し)に回転したりする演出が行われる。
(4)可動体予告演出:この予告演出は、「リーチ発生前予告演出」、「リーチ発生後予告演出」のどちらにも対応することができる。例えば、上記の遊技領域8a内に演出用の可動体(キャラクターのフィギュアや小道具等の装飾物)が設けられている場合、この可動体をモータやソレノイド等で動作させる演出が行われる。可動体を用いた演出は、存在感のある物体の動作を伴うため、平面的な画像よりも遊技者に対する視覚的な訴求力を高める効果がある。
(5)発光体予告演出:この予告演出もまた、「リーチ発生前予告演出」、「リーチ発生後予告演出」のどちらにも対応することができる。例えば、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50、受皿ランプ52等について、これらを特殊なパターンで発光させる演出が行われる。発光体を用いた演出は、遊技領域8aの外側に及ぶ広い範囲で演出が繰り広げられるため、それだけ遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。
上記以外にも「リーチ発生前予告演出」や「リーチ発生後予告演出」の内容に関して複数の種類が規定されている。また個々の演出の内容には、予め大当りの可能性の度合を示す期待値が設定されており、本実施形態では期待値として「高」又は「低」いずれかの分類がある。ここでいう「期待値」は、内部抽選で当選した場合にその演出が選択される比率で表される。
例えば、内部抽選の当選時に60%の割合で選択される「リーチ発生後予告演出A」があったとすると、遊技者からみると、「リーチ発生後予告演出A」の期待値は「はずれの場合が40%であるが、60%で大当りの可能性あり」となるため、これは「期待値の高い予告演出」ということになる。逆に、内部抽選の非当選時に80%の割合で選択される「リーチ発生前予告演出B」があったとすると、遊技者からみて「リーチ発生前予告演出B」の期待値は「大当りの可能性は20%だけ」となるため、これは「期待値の低い予告演出」ということになる。
上記の第1態様で挙げた2回目のリーチ発生後予告演出(図20中(H))は、「カットイン小」のパターンであり、これは期待度の低い分類に属している。一方、第2態様で挙げた2回目のリーチ発生後予告演出(図23中(H))は「カットイン大」のパターンであり、これは期待度の高い分類に属している。この他にも、例えばリーチ発生後予告演出には「カットイン中」のパターンがあり、これは期待度が中程度の分類に属する。なお、どの期待度(高・中・低)の予告演出を発生させるかは、基本的にそのときの内部抽選の結果に基づき、演出制御装置124(演出制御CPU126)による抽選で決定されている。その上で本実施形態では、例えば内部抽選の結果が非当選であっても、それまでに発生した入賞の頻度に応じて演出の態様に変化を持たせている。
〔入賞発生頻度による演出態様の変化〕
例えば、内部抽選の結果が同じ非当選であったとしても、それまでにパチンコ機1による遊技において発生した入賞(例えば上始動入賞口26への入賞)の頻度に基づき、例えば以下のように各種演出の態様を変化させることができる。
〔予告演出の態様の変化〕
(1)例えば、非当選時に実行されるリーチ発生前予告演出において、表示されるキャラクターの画像を変化させることができる。この場合、入賞の発生頻度が比較的低い場合と高い場合とでは、後者の場合に特定のキャラクター画像が選択される比率を高く設定することで、「入賞の発生頻度が高い」という情報を遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
(2)あるいは、非当選時に実行されるリーチ発生前予告演出において、キャラクターが発する台詞(図23中(C))の内容を変化させることができる。この場合、入賞の発生頻度が比較的低い場合と高い場合とでは、後者の場合に特定の台詞(例えば「なかなかいい感じだね!」等)が選択される比率を高く設定することで、同じく「入賞の発生頻度が高い」という情報を遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
(3)また、非当選時に実行されるリーチ発生後予告演出において、表示される文字や群予告用の画像を変化させることができる。例えば、上記の第1態様(図20中(F))ではリーチ発生後予告演出として「チャンス!?」の文字が表示されていたが、これを特定の文字「絶好機!!」等に変化させることができる。この場合、入賞の発生頻度が比較的低い場合と高い場合とでは、後者の場合に特定の文字が選択される比率を高く設定することで、「入賞の発生頻度が高い」という情報を遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
(4)また、非当選時に実行されるリーチ発生後予告演出(カットイン予告)において、カットインするキャラクター(図20中(H),図23中(H))の種類を変化させることができる。この場合、入賞の発生頻度が比較的低い場合と高い場合とでは、後者の場合に特定のキャラクターが選択される比率を高く設定することで、同じく「入賞の発生頻度が高い」という情報を遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
(5)あるいは、上記のリーチ発生後予告演出(カットイン予告)において、カットインの大・中・小によって期待度が異なる場合、内部抽選の結果が非当選であっても、入賞の発生頻度が低い場合ほどカットイン大のリーチ発生後予告演出が選択される比率を高く設定することもできる。これは、入賞の発生頻度が低い場合ほど、遊技中の変動回数が少ないと考えられるため、逆に期待度の高い予告演出の出現率を高くすることで、なるべく遊技者の間を持たせようとするものである。なお、このような演出態様の変化については後に例を挙げて説明する。
〔ステージチェンジ演出の態様の変化〕
(6)また、上記のステージチェンジ演出(図22)において、選択される背景画像の内容を変化させることができる。この場合、入賞の発生頻度が比較的低い場合と高い場合とでは、後者の場合に特定の背景画像(例えば「お祭りステージ」)が選択される比率を高く設定することで、同じく「入賞の発生頻度が高い」という情報を遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
(7)あるいは、ステージチェンジ演出において、非当選時のステージチェンジ確率を変化させることができる。すなわち、内部抽選の結果が非当選であっても、入賞の発生頻度が低い場合ほどステージチェンジ演出が実行される確率を高く設定することもできる。これは、入賞の発生頻度が低い場合ほど、やはり遊技中の変動回数が少ないと考えられるため、逆にステージチェンジ演出の発生率を高くすることで、なるべく遊技者の間を持たせようとするものである。なお、このような演出態様の変化についても後に例を挙げて説明する。
〔演出制御処理〕
次に、以上の演出例を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。
図24は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、入賞発生頻度演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS401:入賞発生頻度演出管理処理では、演出制御CPU126は入賞の発生頻度を算出する。また演出制御CPU126は、算出した入賞の発生頻度に基づき、各種演出の態様を変化させるための条件を設定する。なお、具体的な処理の内容については、さらに別のフローチャートを参照しながら後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出の内容を制御したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数やステージチェンジ演出抽選に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図6中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。また、合わせて演出制御CPU126は、入賞の発生頻度に応じて各種演出の態様を変化させることができる。ここでは先ず、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図25は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図12中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は抽選結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、少なくとも通常中からの2ラウンド当選時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することは既に述べたとおりである。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。例えば15ラウンドの大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として15ラウンド大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また演出制御CPU126は、15ラウンド大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では15ラウンド大当り中に専用の演出画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
あるいは、「2ラウンド大当り」に該当していた場合、演出制御CPU126は上記の通常変動演出(例えば図19の演出例)を実行させる制御を行う。この場合、可変入賞装置30の作動回数が最小であり、その間の連続作動も短時間内(例えば1秒程度)で終了するため、特に大当り中の演出は実行されない。また「小当り」の場合、同じく演出制御CPU126は通常変動演出(図19の演出例)と同様の演出を実行させる制御を行う。この場合も同様に、短時間内で可変入賞装置30が複数回にわたり作動するが、その間に特段の演出は実行されない。なお、これとは別に「2ラウンド大当り」と「小当り」については、可変入賞装置30の作動に合わせて表示画面内で扉が開閉動作する演出(例えば図22中(E)→(F))を実行してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
図26は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。なお、本実施形態ではデモ演出のパターンも入賞の発生頻度に基づいて変化させることができる。このためデモ選択処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述するものとする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図24中のステップS404)、ランプ駆動処理(図24中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる(ただし、2ラウンド大当り時の非リーチ変動パターンは除く。)。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動(2ラウンド大当り時の非リーチ変動パターンを含む)に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の通常はずれ目」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の通常はずれ目は、例えば「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)としてもよい。また、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時には以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「8」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。ここでいう予告演出は、上述したリーチ発生前予告演出やリーチ発生後予告演出に該当するものである。これら予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。
〔入賞の発生頻度に基づく制御手法〕
次に、入賞の発生頻度に応じて演出態様を変化させる制御手法の例について説明する。
図27は、上記の入賞発生頻度演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、現在の内部状態(遊技状態)が時間短縮機能作動中であるか否かを判断する。この判断は、主制御CPU72から送信される状態指定コマンドに基づいて行うことができる。そして、現在の内部状態が時間短縮機能非作動時であれば(No)、演出制御CPU126は次のステップS702を実行する。
ステップS702:演出制御CPU126は、ここで入賞の発生頻度に関するパラメータを記憶(蓄積)する。具体的には、演出制御CPU126は上記のアウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントし、そのカウンタ値を更新する。このカウント値は、遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数(アウト球数)を表している。また演出制御CPU126は、先のコマンド受信処理(ステップS400)で受信した特図先判定演出コマンド又は変動パターンコマンド(第1特別図柄に対応するコマンド)に基づき、上始動入賞口26への入賞が発生した回数(入賞球数)をカウントし、そのカウント値を更新する。なお、ここでは可変始動入賞装置28への入賞が発生した回数(第2特別図柄の変動に係る回数)を特にカウントしないが、上始動入賞口26と可変始動入賞装置28の両方への入賞回数をカウントしてもよい。
ステップS704:次に演出制御CPU126は、入賞の発生頻度を算出するタイミング(計算時期)に達したか否かを確認する。このタイミングは、例えば前回の発生頻度を算出してから一定時間(例えば1時間)が経過した時点とすることができる。
未だタイミングに達していなければ(ステップS704:No)、演出制御CPU126はここで演出制御処理(図24)に復帰する。この場合、演出制御CPU126は次回のステップS702においてパラメータの記憶を更新する。
この後、算出のタイミングに達したと判断すると(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS706を実行する。
なお、ここでは入賞の発生頻度を算出するタイミングの一例として、前回の算出から一定時間を経過した時点を挙げているが、これ以外にも例えば、以下に挙げる複数通りの算出タイミングを設定することができる。
(1)演出制御CPU126は、ステップS702でカウントしたアウト球数が所定個数(例えば6000個程度)に達するタイミングごとに入賞の発生頻度を算出することができる。この場合、演出制御CPU126は発生頻度を算出するごとにアウト球数のカウント値をリセットし、その後、カウント値が所定個数に達すると算出タイミングに達したと判断する(ステップS704:Yes)。
この場合、単純に時間の経過だけでなく、実際に遊技に使用された遊技球の個数をカウントしつつ、その中で入賞の発生頻度を算出することができるため、遊技者ごとに遊技のテンポや進行速度が違っていても、共通の条件(使用した遊技球の個数)を基準として入賞の発生頻度を算出することができる。
(2)あるいは、上記の一例のように前回の算出タイミングから一定時間が経過した後であっても、この一定時間内でカウントされた累計のアウト球数が規定個数に満たない場合(例えば、数百個未満である場合等)、演出制御CPU126がステップS704で算出タイミングに達したと判断しても、次のステップS706では改めて計算を行うことなく、前回の算出結果を維持することとしてもよい。例えば、パチンコ機1においてしばらくの間は遊技が行われていなかった場合(空き台の状態)、たとえ前回の算出タイミングから一定時間が経過していても、その間に使用された遊技球の数が少なく、それに伴って一時的に入賞が発生した回数も極端に少なくなっていると考えられる。したがって、この場合は敢えて入賞の発生頻度を算出せず、前回の算出結果をそのまま引き継ぐことで、不自然な入賞の発生頻度(例えば極端に高い値又は極端に低い値)が算出されてしまうのを防止することができる。
さらに上記(1)のタイミングの判断において所定個数の値を適宜に変更してもよいし(例えば数百個等)、上記(2)のタイミングの判断において規定個数の値を適宜に変更してもよい(例えば数十個等)。また、ステップS704で判断する一定時間は、適宜に変更してもよい(例えば数十分間や数時間等)。
ステップS706:演出制御CPU126は、ここで入賞の発生頻度を算出する。発生頻度は、例えば前回の算出後から記憶(蓄積)しておいたアウト球数及び入賞球数に基づいて算出することができる。具体的には、以下の計算式(1)を用いるものとする。
発生頻度=入賞回数/アウト球数/100・・・(1)
上式(1)は、例えば1分間に100個の遊技球が使用されることを想定して入賞の発生頻度を算出するものであり、一般的に「分間始動数」とも称されるデータである。なお、上式(1)中、入賞回数及びアウト球数はいずれも大当り遊技中の値を除くものとする。また演出制御CPU126は、ここで算出した結果を例えばRAM130に保存する。
ステップS708:次に演出制御CPU126は、入賞発生頻度演出条件設定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は算出した発生頻度(分間始動数)に基づいて、各種演出の態様を変化させるための条件を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は演出制御処理(図24)に復帰する。なおステップS700において、現在の内部状態が時間短縮機能作動中であれば(Yes)、演出制御CPU126はそれ以降のステップを実行することなく、入賞発生頻度演出管理処理から演出制御処理(図24)に復帰する。これは、時間短縮機能作動中は可変始動入賞装置28が高確率(高頻度)で作動状態になるため、時間短縮機能の非作動時と比較して極端に入賞が発生しやすくなることを考慮し、その間のデータを計算対象から除外するためである。
図28は、入賞発生頻度演出条件設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理において、以下のように演出制御CPU126は入賞の発生頻度に応じた各種条件の設定を行う。
ステップS800:先ず演出制御CPU126は、現在の発生頻度(例えば分間始動数)をロードする。具体的には、先の入賞発生頻度演出管理処理(図27中のステップS706)で算出及び保存された結果をロードする。
ステップS801:次に演出制御CPU126は、演出調整スイッチ125による調整値をロードする。演出調整スイッチ125による調整値は、上記のように遊技場の管理者において「1」〜「3」のいずれかに設定可能である(図3参照)。
ステップS802:以上のロードを完了すると、演出制御CPU126は先ず、現在の発生頻度及び調整値に基づき、ステージチェンジ振分ランクを設定する。この設定は、例えばROM128に記憶されているステージチェンジ振分ランク設定テーブルに基づいて行うことができる。ここでいう「ステージチェンジ振分ランク」とは、上述したステージチェンジ演出の発生確率が異なる複数のランクを意味している。例えば、予めA〜Dまでの振分ランクを定めておき、そのとき設定したランクごとにステージチェンジ演出の発生確率が異なるというものである。なお、ステージチェンジ振分ランク設定テーブルを用いた設定手法の例については、さらに後述する。
ステップS804:次に演出制御CPU126は、現在の発生頻度及び調整値に基づいて予告選択テーブルを設定する。この設定は、例えばROM128に記憶されている複数の予告選択テーブルの中から、現在の発生頻度及び調整値に応じていずれかのテーブル番号を指定することで行われる。なお、予告選択テーブルの設定については、予告選択処理に関する別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS806:また演出制御CPU126は、現在の発生頻度及び調整値に基づいてリーチ振分ランクを設定する。この設定は、例えばROM128に記憶されているリーチ振分ランク設定テーブルに基づいて行うことができる。ここでいう「リーチ振分ランク」とは、例えば上述したリーチ発生後予告演出の実行において、期待度が高い分類(又は低い分類)に属する予告演出の発生確率が異なる複数のランクを意味する。具体的には、予めA〜Dまでの振分ランクを定めておき、そのとき設定したランクごとに期待度の高い予告演出の発生確率が異なるというものである。なお、リーチ振分ランク設定テーブルを用いた設定手法の例についてもさらに後述する。
ステップS808:さらに演出制御CPU126は、現在の発生頻度及び調整値に基づいて大当り時演出選択テーブルを設定する。この設定は、例えばROM128に記憶されている複数の大当り時演出選択テーブルの中から、現在の発生頻度及び調整値に応じていずれかのテーブル番号を指定することで行われる。
ステップS810:そして演出制御CPU126は、現在の発生頻度及び調整値に基づいてデモ演出選択テーブルを設定する。この設定もまた、例えばROM128に記憶されている複数のデモ演出選択テーブルの中から、現在の発生頻度及び調整値に応じていずれかのテーブル番号を指定することで行われる。なお、デモ演出選択テーブルの設定については、デモ選択処理に関する別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は入賞発生頻度演出管理処理(図27)に復帰し、さらに演出制御処理(図24)に復帰する。
〔ステージチェンジ振分ランク設定テーブル〕
図29は、ステージチェンジ振分ランク設定テーブルの構成例を示す図である。この設定テーブルは、図中の左カラムに発生頻度の範囲(基準値)を定め、そのとき対応する振分ランクを中央カラムに規定するとともに、右カラムにステージチェンジ演出の発生確率を規定したものである。
例えば、現在の入賞発生頻度が6.70以上であれば、演出制御CPU126は図29の設定テーブルから対応するステージチェンジ振分ランクとして「Aランク」を設定する。そして、このときのステージチェンジ演出の発生確率は例えば「1%」に設定される。
また、現在の入賞発生頻度が6.30以上かつ6.70未満であれば、演出制御CPU126はステージチェンジ振分ランクとして「Bランク」を設定する。そして、このときのステージチェンジ演出の発生確率は例えば「5%」に設定される。
以下、入賞発生頻度が6.00以上かつ6.30未満であれば「Cランク」が設定されるとともに、ステージチェンジ演出の発生確率は例えば「10%」に設定される。そして、入賞発生頻度が6.00未満であれば「Dランク」が設定されるとともに、ステージチェンジ演出の発生確率は例えば「20%」に設定される。
このように、図29の設定テーブルは、入賞の発生頻度が比較的高い場合ほど、ステージチェンジ演出の発生確率を低く設定するものである。これは、通常時に上始動入賞口26への入賞があまり発生しない場合、特別図柄の変動回数そのものが比較的少ないと考えられるため、演出上でステージチェンジの確率を高くすることにより、見た目上の変化を強調して遊技の間を持たせようとするものである。これにより、あまり入賞の発生頻度が高くない台で遊技を継続していたとしても、遊技者の意欲が大きく減退してしまうのを抑えることができる。
一方、入賞の発生頻度が高い場合は特別図柄の変動回数そのものが多くなることから、特にステージチェンジ演出の発生確率を高くしなくても遊技中の停滞感が起こりにくい。その代わり、上記のようにステージ演出において特定の背景画像が選択される比率を高く設定することにより、「入賞の発生頻度が高い」という情報を確実に遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
上記とは逆に、入賞の発生頻度が比較的高い場合ほど、ステージチェンジ演出の発生確率を高く設定するテーブルを用いてもよい。この場合、入賞の発生頻度が高い台で遊技を行っていると、それだけ高頻度に特別図柄の変動(内部抽選)が行われることに加えて、演出上でも頻繁にステージチェンジ演出が発生するため、全体として遊技のテンポを向上することができる。また、ステージチェンジ演出を頻繁に発生させることで、「入賞の発生頻度が高い台である」ということを外部に表出させやすくすることができる。
〔調整値による変更(調整手段)〕
なお、図29に示される設定テーブルは、例えば演出調整スイッチ125による調整値が「2」である場合に適用されるものとする。ここから調整値を「1」に下げると、設定テーブル中で左カラムの範囲が全体的に低くなり、逆に調整値を「3」に上げると、設定テーブル中で左カラムの範囲が全体的に高くなる。この場合、入賞の発生頻度が同じ値であっても、遊技場運営主体の判断によって演出の態様を変化させる度合を選択することができるというメリットがある。例えば、入賞の発生頻度が比較的高いことを大々的にアピールしたい場合、予め調整値を「1」にすることで、演出の態様を変化させやすくすることができる。逆に、あまりアピールしたくない場合は調整値を「3」にすることで、演出の態様をあまり変化させなくすることもできる。
〔リーチ振分ランク設定テーブル〕
図30は、リーチ振分ランク設定テーブルの構成例を示す図である。この設定テーブルは、図中の左カラムに発生頻度の範囲を定め、そのとき対応する振分ランクを右カラムに規定したものである。
例えば、現在の入賞発生頻度が6.70以上であれば、演出制御CPU126は図30の設定テーブルから対応するリーチ振分ランクとして「Aランク」を設定する。また、現在の入賞発生頻度が6.30以上かつ6.70未満であれば、演出制御CPU126はステージチェンジ振分ランクとして「Bランク」を設定する。
以下、入賞発生頻度が6.00以上かつ6.30未満であれば「Cランク」が設定され、そして、入賞発生頻度が6.00未満であれば「Dランク」が設定される。
上記のように、A〜Dのリーチ振分ランクは、リーチ演出中におけるリーチ発生後予告演出(例えば図20及び図23中(H)に示すカットイン予告)の発生確率を高低に異ならせるものであるが、このとき設定したリーチ振分ランクによって、カットイン予告によるリーチ演出そのものの当選期待度に変化を持たせることができる。なお、カットイン予告には例えば「大」・「中」・「小」のパターンがあり、ここではカットインするキャラクター画像が大きいほど当選の期待度が高い(内部抽選の当選時にカットイン大予告の選択比率が高く、非当選時は選択比率が低い)ということを前提としている。
すなわち、A〜Dの各リーチ振分ランクの特性は、例えば以下の通りである。
Aランク:非当選時にカットイン予告(全て)の選択比率を初期設定とする。
Bランク:非当選時のカットイン小予告の選択比率を初期の設定より高くする。
Cランク:非当選時のカットイン中予告の選択比率を初期の設定より高くする。
Dランク:非当選時のカットイン大予告の選択比率を初期の設定より高くする。
このように、図30の設定テーブルは、入賞の発生頻度が比較的高い場合は非当選時に予告演出(カットイン大・中・小)の発生確率を特に変更せず、発生頻度が低くなるに連れて、次第に期待度の高い予告演出(カットイン大)の発生確率を高く設定するものである。これは、通常時に上始動入賞口26への入賞があまり発生しない場合、特別図柄の変動回数そのものが比較的少ないと考えられるため、リーチ演出中に期待度の高い予告演出の発生確率を高くすることにより、非当選時でも遊技者にある程度の期待感を抱かせる機会を付与しようとするものである。これにより、あまり入賞の発生頻度が高くない台で遊技を継続していたとしても、遊技者の意欲が大きく減退してしまうのを抑えることができる。
一方、入賞の発生頻度が高い場合は特別図柄の変動回数そのものが多くなることから、特に振分ランクを変更しなくても期待度の高い予告演出を発生させる機会は多くあるといえる。その代わり、上記のようにカットイン予告において特定のキャラクターが選択される比率を高く設定することにより、「入賞の発生頻度が高い」という情報を確実に遊技者に対して示唆(教示、暗示)することができる。
なお上記とは逆に、入賞の発生頻度が比較的高い場合ほど振分ランクを「A」に設定し、期待度の高い予告演出の選択比率を高くするテーブルを用いてもよい。この場合、入賞の発生頻度が高い台で遊技を行っていると、それだけ高頻度に特別図柄の変動(内部抽選)が行われることに加えて、リーチ演出が実行された場合に期待度の高い予告演出が発生しやすくなるため、全体として遊技の停滞感を抑えることができる。また、リーチ演出の実行時に期待度の高い予告演出を頻繁に発生させることで、「入賞の発生頻度が高い台である」ということを外部に表出させやすくすることができる。
図30の設定テーブルにおいても、上記のように演出調整スイッチ125による調整値を反映させることができるものとする。すなわち、図30に示される設定テーブルは、例えば演出調整スイッチ125による調整値が「2」である場合に適用される。ここから調整値を「1」に下げると、設定テーブル中で左カラムの範囲が全体的に低くなり、逆に調整値を「3」に上げると、設定テーブル中で左カラムの範囲が全体的に高くなる。この場合も同様に、入賞の発生頻度が同じ値であっても、遊技場運営主体の判断によって演出の態様を変化させる度合を切り替えることができるというメリットがある。
いずれにしても、上記の設定テーブルを参照して演出制御CPU126が各種の条件を設定すると、その後の予告選択処理(図26中のステップS614)において設定した条件が反映されることになる。以下、この点について説明する。
〔予告選択処理〕
図31は、予告選択処理の手順例を示すフローチャートである。演出制御CPU126は、この処理の中で設定した条件を反映した制御を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS820:予告選択処理において、先ず演出制御CPU126は現在の内部状態が高確率中(確率変動機能作動中)であるか否かを確認する。内部状態の確認は、上記のステージ演出で用いる背景画像を選択するために行うものである。このとき、主制御CPU72から受信した状態指定コマンドが「高確率中」を示すものであれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS822を実行する。
ステップS822:演出制御CPU126は、現在の内部状態に合わせて高確率ステージを選択する。特に図示していないが、ここでは「高確率ステージ画像」がステージ演出用の背景画像として選択される。なお「高確率ステージ画像」は、現在の内部状態が高確率であることを遊技者に対して明確に教示(報知)することができる内容(例えば、文字情報として「高確率」を表示する等)に設定されている。
一方、現在の内部状態が高確率でなければ(ステップS820:No)、演出制御CPU126は次にステップS824を実行する。
ステップS824:演出制御CPU126は、現在の内部状態が時短中(時間短縮機能作動中)であるか否かを確認する。この確認もまた、ステージ演出で用いる背景画像を選択するために行うものである。このとき、主制御CPU72から受信した状態指定コマンドが「時間短縮中」を示すものであれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS826を実行する。
ステップS826:演出制御CPU126は、現在の内部状態に合わせて時短中ステージを選択する。ここでも特に図示していないが、この場合は「時短中ステージ画像」がステージ演出用の背景画像として選択される。なお「時短中ステージ画像」もまた、現在の内部状態が時間短縮中であることを遊技者に対して明確に教示(報知)することができる内容(例えば、文字情報として「時短中」を表示する等)に設定されている。
一方、現在の内部状態が時間短縮中でなければ(ステップS824:No)、演出制御CPU126は次にステップS828を実行する。
ステップS828:ここで演出制御CPU126は、設定された振分ランク「A」〜「D」別のステージチェンジ演出抽選を実行する。例えば、現在のステージチェンジ振分ランクが「A」に設定されていれば、上記のように演出制御CPU126は1%の確率でステージチェンジ演出抽選を実行する。逆に、現在のステージチェンジ振分ランクが「D」に設定されていれば、上記のように演出制御CPU126は20%の確率でステージチェンジ演出抽選を実行する。なお演出抽選は、例えばRAM130のカウンタ領域から演出乱数を取得し、この乱数値を判定値と比較することで行われる。また、このとき演出制御CPU126は、演出抽選の確率(1%〜20%)に応じて判定値の異なる抽選テーブルを使用することができる。
ステップS830:次に演出制御CPU126は、ステージチェンジ演出抽選を行った結果、ステージチェンジ演出を実行する(演出当選した)か否かを確認する。ステージチェンジ演出を実行しない場合(No)、演出制御CPU126はステップS832をスキップしてステップS834に進む。これに対し、ステージチェンジ演出を実行する場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS832を実行する。
ステップS832:演出制御CPU126は、ステージチェンジ演出パターンを選択する。具体的には、ステージチェンジ演出で変化させるステージ演出の種類として、上記の「通常ステージ」、「浴衣ステージ」、「花火ステージ」、「お祭りステージ」のいずれかを選択する。いずれを選択するかは、先のステップS828で取得した演出乱数で決定することができる。なお、このとき入賞の発生頻度だ比較的高い場合ほど、「花火ステージ」が選択される比率を高く設定するものとする(演出態様変化手段)。
ステップS834:次に演出制御CPU126は、今回の変動がリーチ変動であるか否かを確認する。この確認は、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて行うことができる。その結果、今回の変動がリーチ変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS836を実行する。
ステップS836:そして演出制御CPU126は、設定されたリーチ振分ランク「A」〜「D」別の予告演出抽選を実行する。この予告演出抽選は、例えばリーチ発生前予告演出及びリーチ発生後予告演出をそれぞれ実行するか否かを決定するとともに、実行するとした場合に予告演出のパターンを決定する目的で行われる。
このとき、例えば現在のリーチ振分ランクが「A」に設定されていれば、上記のように演出制御CPU126は特に非当選時のカットイン予告の選択比率を変更しない抽選テーブルを適用して演出抽選を実行する。逆に、現在のリーチ振分ランクが「D」に設定されていれば、上記のように演出制御CPU126はカットイン大予告の選択比率を初期設定より高く変更した抽選テーブルを適用して演出抽選を実行する。ここでも演出抽選は、例えばRAM130のカウンタ領域から演出乱数を取得し、この乱数値を判定値と比較することで行われる。また、このとき演出制御CPU126は、内部抽選の結果(抽選結果コマンド)や、当選の場合はそのときの当選種類(停止図柄コマンド)に応じて、使用するべき抽選テーブルの種類を選択する。
今回の変動がリーチ変動である場合は以上の処理が行われるが、今回の変動がリーチ変動でなかった場合(ステップS834:No)、演出制御CPU126はステップS838を実行する。
ステップS838:この場合、演出制御CPU126は非リーチ時予告演出抽選を実行する。この予告演出抽選は、主にリーチ発生前予告演出を実行するか否かを決定するとともに、実行するとした場合に予告演出のパターンを決定する目的で行われる。
なお、特に図示していないが、この予告演出抽選において演出制御CPU126は、現在の入賞の発生頻度に基づいて抽選テーブルを変更することができる。例えば、入賞の発生頻度が比較的高い場合、リーチ発生前予告演出の発生確率(演出抽選の当選確率)を高く設定した抽選テーブルを用いたり、その際、特定のキャラクターや特定の台詞を用いた予告演出パターンの選択比率を高く設定した抽選テーブルを用いたりすることができる(演出態様変化手段)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図26)に復帰する。そしてこの後、演出制御CPU126が演出図柄管理処理(図25)に復帰し、その中で演出図柄変動中処理(図25中のステップS504)を実行すると、上記の選択したステージチェンジ演出や各種の予告演出が実行されることになる。
〔デモ選択処理〕
次に図32は、デモ選択処理の手順例を示すフローチャートである。ここでは、入賞の発生頻度に基づいてデモンストレーション演出の態様を変化させることができる。デモンストレーション演出は、パチンコ機1において遊技者による遊技が行われておらず、入賞の発生が起こらない期間内(いわゆる客待ち中)に実行される演出である。またデモ選択処理は、上記の演出図柄変動前処理(図26)において、演出制御CPU126が主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信した場合に実行されるものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS300:演出制御CPU126は、現時点でデモ状態フラグがONであるか否かを確認する。デモ状態フラグは、実際にデモンストレーション演出を開始した段階で演出制御CPU126によりセット(ON)されるものである。既にデモンストレーション演出が実行中であれば、デモ状態フラグがONになっているので(Yes)、この場合、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図26)に復帰する。これに対し、この時点で未だデモンストレーション演出が実行されていなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS302に進む。
ステップS302:次に演出制御CPU126は、デモ切替タイマが既にカウント中であるか否かを確認する。デモ切替タイマは、例えば主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信するとスタートするタイマであり、このタイマが規定時間に達すると、そこからデモンストレーション演出が開始される。この時点で未だタイマカウント中でなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS304に進む。一方、既にタイマカウント中であれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS304をスキップする。
ステップS304:ここでは、演出制御CPU126はデモ切替タイマのカウントを開始する。
ステップS306:そして演出制御CPU126は、デモ切替タイマのカウント時間が規定時間(例えば10秒〜30秒程度)に達しているか否かを確認する。未だ規定時間に達していなければ(No)、演出制御CPU126はここでデモ選択処理から演出図柄変動前処理(図26)に復帰する。
この後、デモ切替タイマのカウント時間が規定時間に達したことを確認すると(ステップS306:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS308を実行する。
ステップS308:ここで演出制御CPU126は、デモ状態フラグをONにする。これ以降、実際に液晶表示器42の画面上や盤面ランプ53、ガラス枠ユニット4の各種ランプ46,48,50,52を用いたデモンストレーション演出が開始されることになる。
ステップS310:そして演出制御CPU126は、ここで現在の入賞発生頻度に応じたデモンストレーション演出のパターンを選択する。この選択は、図28の入賞発生頻度演出条件設定処理(ステップS810)で設定した演出選択テーブルを用いて行われる。これにより、例えば入賞発生頻度が比較的高い場合に以下のデモ演出パターンが選択される。
(1)液晶表示器42の画面上にメーカーロゴを表示する画像において、特定のキャラクターが表示される。特定のキャラクターは、例えば過去数十年間の様々な機種において用いられていた歴代のキャラクターとする。
(2)デモ演出画像を予め複数通りに用意しておき、それまでの入賞の発生頻度に応じてデモ演出画像の種類を変化させるものとする。その中でも、入賞の発生頻度が高い場合は特定のデモ演出画像が高確率で選択されるものとする。
(3)デモンストレーション演出の実行中に遊技者によって演出切替ボタン45が押下されると、表示されているデモ演出画像を変化させたり、特定の音声を出力させたりすることで、それまでの入賞の発生頻度が高いことを教示する。
(4)あるいは、デモンストレーション演出中に出力されるBGM(音楽)を入賞の発生頻度に応じて変化させる。特に、それまでの入賞の発生頻度が高い場合は特定のBGMが出力されやすい設定とする。
(5)デモンストレーション演出の実行中、ガラス枠ユニット4の各種ランプ46,48,50,52の発光色を入賞の発生頻度に応じて変化させる。特に、入賞の発生頻度が高い場合、特定の色彩やパターン(例えば七色に変化するパターン)での発光が行われやすい設定とする。
(6)デモンストレーション演出の実行中に演出切替ボタン45を利用してコマンド入力を受け付け、それまでの入賞の発生頻度を開示する。例えば、演出切替ボタン45が押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらに演出切替ボタン45の押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とする。そして、遊技者が当該コマンドを選択して演出切替ボタン45を押下すると、それまでに算出した発生頻度(高・中・低)が表示されるものとする。
(7)あるいは、デモンストレーション演出の実行中、入賞の発生頻度に応じて可動体の動作確率を変化させることができる。特に、入賞の発生頻度が高い場合ほど、可動体の動作確率を高く設定することができる。この場合、デモンストレーション演出中に可動体が動作していれば、その台は入賞の発生頻度が高いということが客観的に分かりやすくなる。
以上のように、入賞の発生頻度に応じてデモンストレーション演出の態様を変化させることにより、周囲の遊技者に対して調整具合の良さを積極的にアピールすることができる。これにより、新規の遊技者による遊技の開始を促進し、パチンコ機1の稼働を維持することに寄与することができる。
〔その他の演出態様の変化〕
また本実施形態では、さらに以下の演出態様を変化させることもできる。
(1)例えば、ステージ演出において、入賞の発生頻度を開示するための専用ステージ演出(特定モード)を実行することができる。すなわち、入賞の発生頻度がある程度の基準値を超えた場合(例えば分間始動数が6.70以上)、「入賞の発生頻度が基準値より高い台」であることを遊技者に教示する内容の専用ステージ演出を実行する。またこの場合、専用ステージ演出(特定モード)にステージチェンジしたときだけ入賞の発生頻度に基づいて演出態様を変化させることとし、それ以外では演出態様を変化させないこととしてもよい。
(2)また、入賞の発生頻度が上記の基準値を超えている場合、例えばリーチ演出の実行中に現在の発生頻度を報知することで、期待度の低いリーチ演出であっても、期待度が向上したかのように見せることができる。例として、期待度の低いリーチ演出パターンが選択された場合であっても、上記のカットイン予告を強制的に実行し、現在の発生頻度に応じてカットイン画像のキャラクターを変化させるものとする。この場合、特定のキャラクターが多く出現するほど入賞の発生頻度が高いことを外部に表出させることができる。
(3)あるいは、いわゆる「先読み演出」と複合させるものとする。「先読み演出」は、特別図柄の変動表示中に上始動入賞口26又は可変始動入賞装置28への入賞が発生した場合、その記憶(保留)に関する抽選結果を実際の変動前に演出上で表出させるものである。このような「先読み演出」は、主制御CPU72から送信される特図先判定演出コマンド(図11)に基づいて実行することができる。したがって、例えば入賞の発生頻度が上記の基準値を超えている場合に「先読み演出」の発生頻度を高くすれば、それによって入賞の発生頻度が高いことを外部に表出させることができる。
(4)また、入賞の発生頻度に応じて特定演出(変動時間に影響しないもの)の発生比率を変化させてもよい。特定演出としては、例えばリーチ発生前予告演出について特定のパターンを用意しておき、入賞の発生頻度が高い場合は特定パターンのリーチ発生前予告演出が選択されやすくするものとする。
(5)また遊技盤8において、例えば可変始動入賞装置28に発光装飾用のフルカラー対応LEDを内蔵しておき、入賞の発生頻度が上記の基準値を超える場合、これを特定色で発光させたり、特定のパターン(七色に変化する等)で発光させたりしてもよい。
(6)あるいは、遊技中に入賞の発生頻度を開示するタイミング(開示ポイント数)を設定しておき、そのタイミングが到来する(開示ポイント数に達する)と演出によって入賞の発生頻度の度合(高・中・低)を開示するものとする。開示するタイミングは、例えば演出制御CPU126において抽選により決定することができる。すなわち、アウト球の検出時や抽選結果コマンドの受信時に演出乱数を取得し、この演出乱数から別のテーブルを参照してランダムにポイントを付与していく。この付与したポイントをRAM130に記憶しておき、その値が開示ポイント数に達した時点で入賞の発生頻度を演出上で開示する。
(7)さらに、入賞の発生頻度を開示するための専用演出パターンを予め用意しておき、演出制御CPU126によるランダムな抽選で決定した場合、専用演出パターンを実行するものとする。専用演出パターンは、例えば液晶表示器42の表示画面内に特定のアイコンを表示したり、あるいは特定の可動体を動かしたりするものとする。
〔大当り中の演出態様の変化〕
さらに本実施形態では、大当り中の演出態様についても、入賞の発生頻度に応じて変化させることができる。大当り中の演出は、間接的に内部抽選の実行(上始動入賞口26又は可変始動入賞装置28への入賞の発生)を契機として行われるものであるが、直接的には内部抽選の「当選」を契機として行われるものである。入賞の発生頻度に基づいて大当り中の演出態様を変化させる例として、例えば以下の内容を挙げることができる。
(1)例えば、同じ15ラウンド大当り中の演出であっても、予め複数種類の演出が用意されているものとする。その上で、入賞の発生頻度が高い場合、特定種類の大当り演出が選択される比率を高くすることができる。これにより、大当り遊技中に特定種類の演出が発生した場合、その台の入賞の発生頻度が比較的高いことを外部に表出することができる。
(2)また、大当り遊技の開始時や終了時において、オープニング画像やエンディング画像のパターンを入賞の発生頻度に応じて変化させることができる。特に入賞の発生頻度が高い場合、特定のオープニング画像やエンディング画像が選択される比率を高くすることができる。
(3)あるいは、大当り遊技中にミニゲーム演出を実行し、その種類と結果によって入賞の発生頻度を開示することができる。なおミニゲーム演出は、例えば大当り遊技中に遊技者対して演出切替ボタン45の操作を要求し、液晶表示器42の画面上でパチンコ遊技とは別のゲームを提供するものである。このような態様において、入賞の発生頻度が高い場合は特定種類のミニゲーム(例えば、ポーカーゲーム、ルーレットゲーム、スロットマシンゲーム等を模したもの)が提供される確率を高くするとともに、それらのゲームにおける勝率を高くするものとする。そして、ミニゲームで遊技者が勝利(制御上で勝敗は決定済み)した場合、入賞の発生頻度を開示する演出を実行するものとする。
(4)大当り演出中に出力される音響(サウンド)の種類を入賞の発生頻度に応じて変化させる。特に入賞の発生頻度が比較的高い場合、特定種類の音響(効果音等)が出力される確率を高くすることができる。
(5)あるいは大当りに関連して、大当り遊技の終了後、次回の大当りまで全体的に演出態様を変化させることもできる。例えば、1度大当り遊技を終了すると、次回まで特定種類の予告演出が選択される確率を高くすることができる。
なお、これら大当り中の演出態様を変化させるための設定は、先に述べた大当り時演出選択テーブルの設定(図28中のステップS808)により行うことができる。
〔演出態様の変化のまとめ〕
いずれにしても、本実施形態における各種の例によれば、パチンコ機1において入賞の発生頻度が比較的高い場合、台に固有の特性を演出上で客観的に表出することができる。したがって、それほど遊技に慣れていない遊技者であっても、演出態様から障害釘の調整具合の善し悪しを判断したり、自己の技術介入度を判断したりすることができる。また、遊技場の運営主体にとっては、台ごとの調整具合の良さを客観的に分かりやすくアピールすることができるため、このようなパチンコ機1の機能が営業上のセールスポイントにもなる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。例えば、各種の演出態様として挙げた画像や動作はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。