JP2017148617A - 遊技機 - Google Patents

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Takehiro Yamamoto
健弘 山本
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Abstract

【課題】遊技の進行過程において遊技球の入球状況にバラツキが生じたとしても、遊技者に苛立ちや不快感を与えることなく、遊技興趣の向上を図れるようにする。【解決手段】低ベース状態では第1始動口20への遊技球の入球率、高ベース状態では第2始動口21への遊技球の入球率に基づいて、複数ある予告決定テーブルのうちの何れかを使用することとし、使用する予告決定テーブルによって予告演出の実行確率や大当り信頼度の高い予告演出の実行態様が変化し得る構成とする。これにより、低ベース状態での第1始動口20への遊技球の入球状況や、高ベース状態での第2始動口21への遊技球の入球状況にバラツキが生じたとしても、予告演出の実行割合や大当り信頼度の高い予告演出の実行態様が変化し得るので、低ベース状態および高ベース状態の何れにおいても遊技興趣の向上を図ることが可能となる。【選択図】図48

Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技盤に形成された遊技領域に複数の入球口が設けられており、それら入球口への遊技球の入球に基づいて、当り外れの判定(当否判定)を行ったり賞球を払い出したりする。この種の遊技機において、液晶表示器等からなる演出表示装置を備えている場合、当該演出表示装置を用いて、当否判定の実行契機となる入球口(始動口)への遊技球の入球に基づく図柄変動演出や当否判定の結果を事前に示す予告演出など様々な演出が実行可能となっている(特許文献1)。また、この種の遊技機においては、遊技領域に設けられる複数の入球口として、当否判定の実行契機となる入球口(始動口)の他、特別遊技中に入球可能となる可変入球口(大入賞口)や、賞球の払い出し契機にしかならない一般入賞口などを備えており、それらの入球口への入球によっても、演出表示装置を用いた演出が実行可能である。
特開2011−234759号公報
遊技者が遊技の進行過程において各種の演出を体感するには、演出の実行契機となる入球口への遊技球の入球が必要となる。遊技盤には、遊技領域を流下する遊技球を誘導する多数の遊技釘が設けられているが、遊技釘の配置構成(ゲージ構成)や遊技球の発射位置・強度(発射ストローク)、遊技機の傾き(ねかせ)等の影響によっては、遊技の進行過程において遊技球の入球頻度にバラツキが生じ、その結果、演出の発生頻度にもバラツキが生じることがある。演出の発生頻度にバラツキが生じると、見たい演出がなかなか発生しなかったり、同類の演出が頻繁に発生したりするなどして遊技者に苛立ちや不快感を与えてしまい、遊技興趣の低下を招く虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の進行過程において遊技球の入球状況にバラツキが生じることがあるとしても、遊技興趣の向上を図ることが可能な遊技機の提供を目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の遊技機は、
遊技盤に形成された遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な判定入球口と、
前記判定入球口への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報の判定を行う取得情報判定手段と、
を有し、
前記取得情報が所定の情報である旨の判定結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技の状況に応じて所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出として特定演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記特定演出決定手段により前記特定演出を実行する旨の特定結果が導出されることに基づいて前記特定演出を実行可能であり、
当該遊技機への電源供給開始からの前記特定結果の導出可能性を、遊技機外部からの入力に基づいて設定可能な設定手段を備える
ことを特徴としている。
また、他の発明の遊技機は、
遊技盤に形成された遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な複数の入球口と、
前記複数の入球口のうち判定入球口への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報の判定を行う取得情報判定手段と、
を有し、
前記取得情報が所定の情報である旨の判定結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技の状況に応じて所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出として特定演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、
前記複数の入球口のうち少なくとも一の入球口への遊技球の入球状況を監視する入球状況監視手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記特定演出決定手段により前記特定演出を実行する旨の特定結果が導出されることに基づいて前記特定演出を実行可能であり、
前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果に基づいて前記特定結果の導出可能性を変更可能であり、
前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果は、所定の監視結果導出条件の成立に基づいて導出されるものであり、
当該遊技機への電源供給開始から前記監視結果導出条件が成立するまでの前記特定結果の導出可能性を、遊技機外部からの入力に基づいて設定可能な設定手段を備える
ことを特徴としている。
他の発明の遊技機によれば、複数の入球口のうち少なくとも一の入球口への遊技球の入球状況によって、特定演出を実行する旨の特定結果が導出される可能性を変化させることが可能となる。つまり、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況によって特定演出の実行可能性を変化させることが可能となる。これにより、例えば、監視対象の入球口への遊技球の入球頻度や入球率等にバラツキが生じたとしても、その入球状況に応じた特定結果の導出可能性(特定演出の実行可能性)とすることが可能となる。この結果、遊技の進行過程において遊技球の入球状況にバラツキが生じることがあるとしても、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。また、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況の監視結果が所定の監視結果導出条件の成立によらなければ得られないところ、遊技機への電源供給開始(電源投入)から監視条件が成立するまでは、入球状況の監視結果が得られていない状況となる。このような状況下で遊技を進行させた場合には、特定演出の実行可能性を変化させることはできない。そこで、本発明の遊技機では、遊技機への電源供給開始後(電源投入後)、最初の入球状況の監視結果が得られるまでの間における特定結果の導出可能性を遊技機外部からの入力に基づいて設定可能とすることで、例えば、遊技ホール店員等の外部入力者が、これにより、遊技機の稼働開始当初から特定演出の実行可能性を高くしたり低くしたりすることが可能となるので、遊技興趣の向上とともに遊技機の稼働率向上を図ることが可能となる。
尚、「特別遊技」とは、遊技者に所定の遊技利益を付与可能な遊技のことを指し、例えば、普段は入球不能となっている入球口が入球可能となって当該入球口への入球に基づいて所定量の遊技利益(例えば賞球)が遊技者に付与される当り遊技や、取得情報が所定の情報である旨の判定結果が導出される確率が通常よりも高くなる高確率遊技(確変遊技)、取得情報の判定の実行契機となる判定入球口への遊技球の入球頻度が通常よりも高くなる高頻度遊技等が挙げられる。また、「入球口」とは、遊技球が通過可能な開口を有するものであって、当該開口を通過した遊技球を遊技盤の裏側(遊技機外)に排出する形態のものや、当該開口を通過した遊技球をそのまま遊技領域に戻す形態のもの(通過口、ゲート等)が含まれる。
本発明の遊技機によれば、遊技の進行過程において遊技球の入球状況にバラツキが生じることがあるとしても、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当り判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 特定領域センサ検知処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 発射球計数処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 始動入球時監視処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 予告演出処理のフローチャートである。 特図1予告決定テーブルを示す表である。 特図2予告決定テーブルを示す表である。 始動口入球率と予告決定テーブルとの関係を示す表である。 予告演出の例を示す図である。 予告演出の他の例を示す図である。 実施例2の一般入球監視処理のフローチャートである。 実施例2の一般入賞口入球率と予告決定テーブルとの関係を示す表である。 (a)は実施例3の第1大入賞口監視処理のフローチャート、(b)は第1大入賞口入球率とラウンド演出・エンディング演出との関係を示す表である。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。
すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例1では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「3」、第2始動口21の賞球数は「1」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。また、左打ちを行っているときには、左一般入賞口27にも遊技球が入球することがあり、右打ちを行っているときには、右一般入賞口27にも遊技球が入球することがある。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。第1始動口20及び第2始動口21は本発明の「判定入球口」に一態様に相当するものである。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する。また第2大当り(2R大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、残りを消灯する。また小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し、残りを消灯することができる。また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められている。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例1では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動装飾部材14は複数の装飾LED14cを含んで構成されており(図5、図48b参照)、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動装飾部材14の動作パターンデータに含まれている。このため、可動装飾部材14の動作には、可動装飾部材14の上下動だけでなく、装飾LED14cの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
さらにサブ制御基板90には、遊技者によるハンドル60(図1参照)の操作に基づいて発射装置112により発射された遊技球(発射球)を検知する発射球センサ112aと、発射装置112により発射されたものの遊技領域3に到達することなく戻り球として回収されることとなる遊技球(ファール球)を検知するファール球センサ112bとが接続されている。発射球センサ112aは、発射装置112における遊技球の発射位置から遊技領域3に向かう経路上の図示しない所定部位に設けられ、ファール球センサ112bは、ファール球を回収して遊技機外に排出するための図示しないファール球回収口に設けられる。発射球センサ112aが遊技球を検知すると発射球センサ112aからサブ制御基板90に対して発射球検知信号が出力され、ファール球センサ112bがファール球を検知するとファール球センサ112bからサブ制御基板90に対してファール球検知信号が出力される。演出制御用マイコン91は、ROMに記憶された発射球計数プログラムを実行し、発射球検知信号の出力毎に発射球カウンタの値(カウント値)を1ずつインクリメントし、ファール球検知信号の出力毎に発射球カウンタの値(カウント値)を1ずつデクリメントする(発射球計数手段)。これにより、遊技領域3に到達して遊技に使用された遊技球(有効発射球)の数(以下、単に「発射球数」ともいう)を計数可能となる。発射球の計数処理についての詳細は後述する。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(取得情報判定手段)について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
当りには複数の種別がある。図6に示すように当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「2R第3大当り」、及び「15R第4大当り」がある。「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを、チャンスラウンドやチャレンジラウンドということができる。「15R第2大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のチャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、この「15R第2大当り」は、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。「2R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、チャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が前述の15R第1大当り、2R第3大当り、又は15R第4大当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過可能性が比較的高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。これに対して、15R第2大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、小当りは、見かけ上2R第3大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に、特定領域39への遊技球の通過があっても小当り遊技の実行後の遊技状態を小当り遊技の実行前から変化させないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第3大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が、2R第3大当りになったのか小当りになったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第3大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合、及び2R第3大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数を、ラウンド数とは言わず、単に開放回数という。
より具体的には、本実施例1のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)、及び15R第4大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大28秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが容易となっている。
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることはほぼ不可能となっている。すなわち、15R第2大当り用の開放パターンは、15R第1大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンド及び第2ラウンドの開放態様が異なる。つまり、15R第1大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、第2大入賞口35へ遊技球が容易に入球する。そして、第2大入賞口35へ入球した遊技球は、高い可能性で特定領域39を通過する。これに対して、15R第2大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35へ遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2大当りの実行中に、遊技球が特定領域39を通過する可能性は15R第1大当りと比してかなり低くなっている。また、遊技球が特定領域39を通過する可能性は限りなく0に近いため、通過しないといってもよい。
また図6に示すように、2R第3大当りに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに2R第3大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。尚、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。よって、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させることは十分に可能である。またこの2R第3大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)、及び、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35において最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第3大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。しかし前述の通り、特定領域39への通過があっても小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。またこの小当りは、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第3大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼないもの(入球による賞球のみ)となっている。すなわち、本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第4大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第3大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、全て15R第4大当りとなっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、必ず15R第4大当りとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」の範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は「0〜99」の範囲で値をとる。尚、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「リーチ乱数(「リーチ情報」ともいう)」及び「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
リーチ乱数は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合に、演出図柄を用いてその結果を示す遊技演出(演出図柄遊技演出)においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の2個の演出図柄8R、8Lが同じ図柄で停止(仮停止)され、残り1個の中演出図柄8Cが変動中の状態をいう(「7↓7」の状態)。そして、変動中の中演出図柄8Cが停止中の演出図柄8R、8Lと同じ図柄で停止すれば、3つの演出図柄が同一の図柄で停止することとなり、当りとなる。尚、この場合の演出図柄の停止(仮停止)には、演出図柄表示領域7b内で多少揺れているような表示(揺れ変動)も含まれる。このリーチ乱数は「0〜126」の範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」の範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」の範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
また、15R第2大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、「高確高ベース状態」となる。
また、通常状態(低確低ベース状態)において、2R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
また、高ベース状態において、2R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。すなわち、特別図柄の時短機能及びベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
以上のように、本実施例1のパチンコ遊技機1においては、小当り遊技や大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、高確低ベース状態は、低確低ベース状態と比較すると、ともに低ベース状態である点では一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、高確低ベース状態も「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技も「特別遊技」として捉えることができる。
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
また、小当り遊技は、大当り遊技ほどではないものの、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により賞球を得ることは可能なので、一応は、通常遊技に比べ遊技者に有利な遊技といえる。よって、小当り遊技も「特別遊技」として捉えることができ、当該小当り遊技が行われる遊技状態も「特別遊技状態」として捉えることができる。
また、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる状態であることから、低ベース状態を「左打ち状態」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態および第1大入賞口30や第2大入賞口35への遊技球の入球を狙う当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる状態(当り遊技状態、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる状態であることから、高ベース状態や当り遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態)を「右打ち状態」として捉えることができる。そして、前述のように、高ベース状態(右打ち状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このことから、低ベース状態(左打ち状態)を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。また、高ベース状態(右打ち状態)を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
[主制御メイン処理]
次に、遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21aが遊技球を検知した場合、後述の始動入球時処理(S2041)により、各始動口に対応する始動入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S2041)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、保留球数処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。この他、遊技を進行させる上で必要な「その他の処理」を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12Aに示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
遊技制御用マイコン81は、図12Aに示した始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図12Bに示す始動入球時処理(S2041)を行う。始動入球時処理(S2041)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算している場合、特図2保留球数が「1」増加したと判定して(S315でYES)、S316に移行し、増加してなければS319に移行する。S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S316)、読み出した取得乱数値の判定を行う(S317)。読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態に応じた大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定する。S317の処理は、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
次いでS318では、S317の事前判定の結果を示す情報、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、リーチ乱数カウンタの値(リーチ乱数値)を示す情報および変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報を含むコマンドデータを、始動入球コマンド(特図2始動入球コマンド)として生成し、この始動入球コマンドを主制御基板80のRAMに設けられたサブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S318)。
次いでS319では、前述の特図2と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算している場合、特図1保留球数が「1」増加したと判定して(S319でYES)、S320に移行し、増加してなければ、そのまま処理を終える。S320では、現在、低ベース状態であるか否かを判定し(S320)、低ベース状態でなければ(S320でNO)、そのまま処理を終え、低ベース状態であれば(S320でYES)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値の事前判定を行い(S322)、この事前判定の結果を示す情報(当否情報、大当り種別決定用乱数値を示す情報、リーチ乱数値を示す情報、変動パターン乱数値を示す情報)を含むコマンドデータを、始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド)として生成し、この始動入球コマンドを出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S2041)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1デクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
当否判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」と判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り及び2R第3大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、全て15R第4大当りとされる(図8(B))。
また、大当りフラグには、大当りの種別が15R第1大当り、15R第2大当り又は15R第4大当りであった場合にONする長当りフラグと、2R第3大当りであった場合にONする短当りフラグとがある。ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと15R用ランプとの2個のLEDで構成されており、2R第3大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第3大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り、15R第2大当り、及び15R第4大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
一方、当否判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否かを判定する(図8(A))。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また本実施例1では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている。しかし本処理は、特図2についての変動パターン選択処理なので、特図2の抽選にて当選する大当りには15R第4大当り(長当り)しかない。従って本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1または変動パターンP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも外れ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ演出無し外れがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有外れの場合には、非時短状態中リーチ有外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例1では、変動パターンP5又はP6が選択される。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無外れの場合には、非時短状態中リーチ無外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本実施例1では、変動パターンP7又はP8が選択される。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1402〜S1409と同様の流れで処理(S1410〜S1416)を行う。すなわち、大当りであれば図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば図9の時短状態中且つ小当りに該当する部分を参照し、リーチ有外れであれば図9の時短状態中且つリーチ有外れに該当する部分を参照し、リーチ無外れであれば図9の時短状態中且つリーチ無外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
尚、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図2対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1デクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、及び2R第3大当りのいずれとも判定される可能性がある(図8(B))。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り又は15R第2大当りと判定した場合には、ステップS1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第3大当りと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701〜S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702(図27)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして15R大当りである場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1または変動パターンP2が選択される。
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第3大当りである場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、S1712(図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当りである場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP9〜P11のいずれかが選択される。
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第3大当りである場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP12が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択(S1704、S1706、S1709、S1710、S1711、S1714、S1715、S1718、S1719、S1720)を行った後は、その他の処理(S1705、図27)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図1対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1デクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、又は15R第4大当りのいずれか)か否かを判定する(S2002)。そして、15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン(図6参照)をセットし、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン(図6参照)をセットし、15R第4大当りであれば15R第4大当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2003)。
S2002において15R大当りでなければ(すなわち短当りフラグがONであれば)、大当り種別は2R第3大当りであるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、2R第3大当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2004)。
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2009)。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低確低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。1ラウンド目及び2ラウンド目のいずれのラウンドでもない(すなわち、3〜15ラウンドの何れか)場合(S2108でNO)、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、1ラウンド目又は2ラウンド目であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。
V有効期間設定処理(S2109)では、1ラウンド又は2ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚本実施例1ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理(図35)のステップS2401〜S2403参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図35)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図33))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
また、15R第1大当りや2R第3大当りにおいて、1R目又は2R目のV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方で、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
尚、本実施例1では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目において第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目を第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグをONにしてしまうことがない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンド又は2ラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、ラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1デクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、「0」と判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
またS2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]
図33に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(図35)にてONするフラグである。そしてVフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONするとともに(S2202)、確変カウンタに「140」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにし(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数が100回になること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りか否かを判定する。そして、15R大当りでない、すなわち、2R第3大当りであると判定した場合(S2205でNO)、次いで、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第3大当りとなった際の遊技状態が、時短状態か否かを判定する(S2208)。時短状態でなかったと判定した場合(S2208でNO)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、及び、S2208で、2R第3大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2208でYES)、時短フラグをONにし(S2206)、時短カウンタに「140」をセットし(S2207)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
また、2R第3大当りであり、且つ当該大当り遊技中にVフラグがONにされた場合において、大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2208)を行うのは、大当り遊技前後の時短機能の作動状態、及び高ベース機能の作動状態を小当りと同じにするためである。これらの作動状態が小当りと2R第3大当りとで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識困難にしたとしても、その後の作動状態によって、何れの当りかが判別されてしまうからである。これにより、小当りと2R第3大当りとを大入賞口の開放パターンでの判別を困難にすると共に、その後発生する時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別困難としている。尚、時短状態かを確認しないで単にVフラグONであれば時短フラグをONにする構成でもよい。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図34に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
S2302において第2大入賞口35の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1デクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
一方、S2310で「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図34)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図32)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第3大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S207)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで保留球数処理(S208)を行う。保留球数処理(S208)では図36に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。尚、保留球数のデータについては、前述の始動入球時処理(S2041)で生成する始動入球コマンドに含めるものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図37に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図38に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図39に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14(電気的駆動源14a)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する発射球計数処理(S4300)と受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[発射球計数処理]
図42に示すように、発射球計数処理(S4300)では、発射球センサ112aにより遊技球(発射球)が検知されたか否かを判定し(S4311)、検知されていない場合(S4311でNO)、S4312の処理を行うことなくS4313の処理に移行し、検知された場合(S4311でYES)、S4312の処理に移行し、発射球カウンタの値を「1」加算する(S4312)。続いて、ファール球センサ112bにより遊技球(ファール球)が検知されたか否かを判定し(S4313)、検知されていない場合(S4313でNO)、S4314の処理を行うことなくS4315の処理に移行し、検知された場合(S4313でYES)、S4312の処理に移行し、発射球カウンタの値を「1」減算する(S4314)。このようにファール球が検知された場合、その分を発射球カウンタの値(カウント値)から差し引くことで、発射球数を正確に計数することが可能となる。
次いで、S4315では、発射球カウンタの値が規定値Mとなったか否かを判定し(S4315)、規定値Mとなっていなければ(S4315でNO)、S4316およびS4317の処理を行うことなくそのまま本処理を終え、規定値Mとなっていれば(S4315でYES)、入球率算出フラグをONにして(S4316)、発射球カウンタの値を初期化(ゼロクリア)し(S4317)、本処理を終える。ここで「規定値」とは、後述する始動入球監視処理(S4400)において第1始動口20または第2始動口21の遊技球の入球率を算出するに際しての算出実行条件(監視条件)を成立させる基準として定められる値のことで、例えば、貸球としての遊技球1個あたりの金額(貸球料金)や、発射装置112の発射性能(1分間での連続発射可能数)などを基に定めることができる。本実施例1では「規定値M=500」としている。このため、本実施例1のパチンコ遊技機1では、例えば、貸球料金が1球4円であれば、遊技者が2,000円分の遊技球を遊技に使用(投資)する毎に、第1始動口20または第2始動口21の遊技球の入球率が算出されることとなる。また、本実施例1では発射装置112の発射性能を1分間に約100個の遊技球を連続発射可能なものとしているので、遊技球を発射し続けていれば、約5分毎に、第1始動口20または第2始動口21の遊技球の入球率が算出されることにもなる。尚、始動口入球率の算出実行条件となる規定値Mは、パチンコ遊技機の性能や仕様、遊技性等を考慮して任意に設定可能である。
本実施例1では、発射球計数処理(S4300)による発射球の計数を、当り遊技中(大当り遊技中および小当り遊技中)は行わず、特別図柄の変動表示が実行可能な遊技状態(特図変動遊技状態)において行うものとしている。このため、本実施例1では、当り遊技の開始から終了まで、具体的には、主制御基板80から送信されるオープニングコマンドの受信後(後述のS4408)、主制御基板80から送信されるエンディングコマンドの受信に基づいて行うエンディング演出が終了するまで、演出制御用マイコン91は発射球計数処理(S4300)を行わないものとしている。また、本実施例1では、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の開始に伴い発射球カウンタの値を初期化するものとしている。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、後述する始動入球監視処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、始動入球監視処理(S4400)を行うことなくS4401の処理に移行する。S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の際に実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(S4409)。特別遊技演出には、少なくとも、特別遊技開始に伴う大入賞口開放前のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中に実行するラウンド演出および開放と開放との間(ラウンド間)のインターバル中に実行するインターバル演出と、が含まれる。次いで、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(図44のS4410)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4410でYES)、特別遊技終了時演出のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種類等を選択するエンディング演出選択処理を行う(S4411)。一方、S4408で、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4408でNO)、特別遊技演出選択処理を行うことなく、S4410の処理に移行する。また、S4410で、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4410でNO)、エンディング演出選択処理を行うことなく、S4412の処理に移行する。
続いて、主制御基板80から第1V通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、第1V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4412でYES)、V通過報知コマンドをセットし(4413)、S4414の処理に移行する。尚、第1V通過コマンドは、15R第1大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態になることが遊技者に報知される。一方、S4412で、第1V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4412でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4414の処理に移行する。
尚、「V通過!」の文字を表示することは、V通過報知態様の一つであり、他の表示内容(例えば「V」の文字を模したオブジェクト画像を表示したり、「確変GET」の文字を表示したりする等)で、V通過を報知してもよい。これにより、実行中の大当り遊技(特別遊技)後の遊技状態が、高確率状態となることを遊技者に対して報知することが可能となる。
続いてS4414では、演出制御用マイコン91で、主制御基板80から第2V通過コマンド(S2406でセット)を受信したか否かを判定し(S4413)、第2V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4414でNO)、S4415の処理に移行して第3V通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4415)。そして、S4414で第2V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4414でYES)と、S4415で第3V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4415でYES)との何れの場合もV通過非報知コマンドをセットし(S4416)、S4417の処理に移行する。一方、S4415で、第3V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4415でNO)、V通過非報知コマンドをセットすることなく、S4417の処理に移行する。S4417では、その他の処理として、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行い、処理を終える。ここで、第2V通過コマンドは、2R第3大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。また第3V通過コマンドは、小当り中などのV無効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。
V通過非報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、画像表示装置7の表示画面7aにおいて、「V通過!」等のVを通過したことを示す文字の表示がない画面(すなわちV通過の報知が何もない画面)に、表示制御する。言い換えれば、V通過非報知態様とするのである。従って、本実施例1のパチンコ遊技機1では、2R第3大当りや小当りにおいて遊技球が特定領域39を通過しても、そのことは遊技者に報知されないものとされる。
尚、前述の特定領域センサ検知処理(図35)にてセットするコマンドを第1V通過コマンドのみとし、第2V通過コマンドや第3V通過コマンドをセットしないこととしてもよい。この場合、受信コマンド解析処理(S4301)では、前述のS4414〜S4416を実行しないこととする。このように構成しても、15R第1大当りにおけるV有効期間中にV通過があったときのみ、その旨が遊技者に報知されるパチンコ遊技機とすることができる。すなわち、V通過の報知のための演出をしない場合にはあえてコマンド(V通過非報知コマンド)をセットしなくてもよい。但し、本実施例1のようにコマンドをセットしてそれに基づいて画像制御基板100を制御した方が、画像制御の安定性を増すことが可能となる。
[始動入球監視処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて実行される始動入球監視処理(S4400)について説明する。図45に示すように、始動入球監視処理(S4400)では、まず、当り遊技の実行中(大当り遊技中または小当り遊技中)であるか否かを判定し(S4450)、当り遊技中であれば(S4450でYES)、S4451以降の処理を行うことなくそのまま本処理を終え、当り遊技中でなければ(S4450でNO)、S4451以降の処理に移行する。本実施例1では、特別図柄の変動表示が実行可能な遊技状態(特図変動遊技状態)における第1始動口20や第2始動口21への遊技球の入球状況を監視するものとし、始動入球監視処理(S4400)を特図変動遊技状態中に行うものとしている。尚、前述したように、大当り遊技や小当り遊技では、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能な第1大入賞口30や第2大入賞口35への遊技球の入球を狙って右打ちが行われるので、このような状況下で遊技球が第1始動口20に入球することは原則起こり得ない。また、少なくとも大当り遊技中は低ベース状態になることから遊技球が第2始動口21に入球する可能性は極めて低い。
次いでS4451では、現在の遊技状態が低ベース状態であるか否かを判定し(S4451)、低ベース状態であると判定した場合(S4451でYES)、S4452の処理に移行し、低ベース状態でないと判定した場合(S4451でNO)、S4459の処理に移行する。S4451では、現在の遊技状態が「低確低ベース状態」または「高確低ベース状態」であれば低ベース状態であると判定し(S4451でYES)、「低確高ベース状態」または「高確高ベース状態」であれば低ベース状態でない(高ベース状態である)と判定する(S4451でNO)。以下、低ベース状態であると判定した場合(S4451でYES)と、低ベース状態でないと判定した場合(S4451でNO)とについて、この順で説明する。
説明し、
S4452では、前述のS4395で受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドであるか否かを判定し、特図1始動入球コマンドでない場合(S4452でNO)、S4453〜S4458の処理を行うことなく、そのまま本処理を終え、特図1始動入球コマンドである場合(S4452でYES)、受信した特図1始動入球コマンドに基づく特図1保留情報を記憶して(S4453)、特図1始動入球カウンタの値(カウント値)を「1」加算し(S4454)、S4455の処理に移行する。尚、特図1始動入球カウンタは、第1始動口20への遊技球の入球数を計数する手段(第1始動口計数手段)である。特図1始動入球カウンタの値は、前述の発射球計数処理(S4300)と同様、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の開始に伴い初期化するものとしている。また、S4453で記憶する特図1保留情報は、受信した特図1始動入球コマンドに含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値等)を、当該特図1始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図1保留球数と対応付けてシフトメモリ形式で、サブ制御基板90のRAMの所定の特図1保留情報記憶領域に記憶する。特図1保留情報は、後述する特図1予告演出(所謂「保留先読み演出」)を実行する際に用いられる。
ここで、低ベース状態は、左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる状態(左打ち状態、通常遊技状態)であることから、低ベース状態では、第1始動口20への遊技球の入球(特図1の変動表示)が遊技の主体となるのが原則である。このため、低ベース状態であるにもかかわらず、受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドでない場合(S4452でNO)、すなわち特図2始動入球コマンドである場合、S4453〜S4458の処理を行うことなく、そのまま本処理を終えるものとしている。
続いてS4455では、入球率算出フラグがONであるか否かを判定し(S4455)、入球率算出フラグがONでないと判定した場合(S4455でNO)、S4456〜S4458の処理を行うことなく本処理を終え、入球率算出フラグがONであると判定した場合(S4455でYES)、第1始動口20への遊技球の入球率(第1始動口入球率P1)を算出し(S4456)、入球率算出フラグをOFFにし(S4457)、S4458の処理に移行する。入球率算出フラグは、前述したように、発射球数を計数する発射球カウンタの値が所定の規定値Mになった場合、すなわち、規定値Mとして定められた数(本実施例1では500)の遊技球が発射された場合にONになるもので、S4456で算出する第1始動口入球率P1は「第1始動口20への入球数S1/規定値M」によって求められる。そして、第1始動口入球率P1を算出した後、入球率算出フラグをOFFにするので、以後、低ベース状態にて遊技球を発射し続ける限り、前述の発射球計数処理(S4300)によって発射球数が規定値M(本実施例1ではM=500)になる毎に入球率算出フラグがONとなり(S4315でYES,S4316)、その都度、第1始動口入球率P1が算出されることとなる(S4456)。
続いてS4458では、S4456で算出した第1始動口入球率P1に基づいて特図1予告決定フラグをセットする(S4458)。ここでセットするフラグは、後述する変動演出開始処理(S4402)で予告演出パターンを決定すべくセットする予告決定テーブルとして、複数存在する特図1予告決定テーブルのうち何れを用いる(セットする)のかを特定するためのもので、各特図1予告決定テーブルに応じたフラグを設けている。本実施例1では、図48に示すように特図1予告決定テーブルA〜Cの3つのテーブルを用意しており、それに対応させて、特図1予告決定フラグA〜Cの3つのフラグを設けている。そして、S4456で算出した第1始動口入球率P1に応じて、特図1予告決定テーブルA〜Cの何れかを使用することとしているので、S4458では、S4456で算出した第1始動口入球率P1に応じて使用することとなった特図1予告決定テーブルに対応する特図1予告決定フラグをONにし、それ以外の残りの特図1予告決定フラグをOFFにする(S4458)。尚、第1始動口入球率P1と、使用する特図1予告決定テーブルとの関係および予告演出パターンについては後述する。
一方、前述のS4451で低ベース状態でないと判定した場合(S4451でNO)、S4452〜S4458と同様の流れで、第2始動口21への遊技球入球に係る処理としてS4459〜S4465の処理を行う。S4459では、前述のS4395で受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドであるか否かを判定し、特図2始動入球コマンドでない場合(S4459でNO)、S4460〜S4465の処理を行うことなく、そのまま本処理を終え、特図2始動入球コマンドである場合(S4459でYES)、受信した特図2始動入球コマンドに基づく特図2保留情報を記憶して(S4460)、特図2始動入球カウンタの値(カウント値)を「1」加算し(S4461)、S4462の処理に移行する。ここで、高ベース状態は、右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる状態(右打ち状態、特別遊技状態)であることから、高ベース状態では、第2始動口21への遊技球の入球(特図2の変動表示)が遊技の主体となるのが原則である。このため、高ベース状態であるにもかかわらず、受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドでない場合(S4459でNO)、すなわち特図1始動入球コマンドである場合、S4460〜S4465の処理を行うことなく、そのまま本処理を終えるものとしている。尚、特図2始動入球カウンタは、第2始動口21への遊技球の入球数を計数する手段(第2始動口計数手段)であり、特図2始動入球カウンタの値も、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の開始に伴い初期化するものとしている。また、S4460で記憶する特図2保留情報は、前述した特図1保留情報と同様であり、記憶の形式も同様であるので、説明は割愛する。
続いてS4462では、入球率算出フラグがONであるか否かを判定し(S4462)、入球率算出フラグがONでないと判定した場合(S4462でNO)、S4463〜S4465の処理を行うことなく本処理を終え、入球率算出フラグがONであると判定した場合(S4462でYES)、第2始動口21への遊技球の入球率(第2始動口入球率P2)を算出し(S4463)、入球率算出フラグをOFFにし(S4464)、S4465の処理に移行する。入球率算出フラグについては前述の通りである。また、第2始動口入球率P2の算出条件は前述の第1始動口入球率P1と同様であり、「第2始動口21への入球数S2/規定値M」によって求められ、第2始動口入球率P2ついても、発射球数が規定値M(本実施例1ではM=500)になると算出される。そして、高ベース状態での発射球数が規定値Mになる都度、入球率算出フラグがONとなって(S4315でYES,S4316)、第2始動口入球率P2が算出されることとなる(S4463)。
尚、入球率算出フラグのON/OFFを判定し、入球率算出フラグがONとなった場合に第1始動口入球率P1または第2始動口入球率P2を算出する処理を行う演出制御用マイコン91は、低ベース状態において第1始動口20の入球状況を監視するとともに監視結果導出条件の成立(発射球数=規定値M)に基づいて監視結果(第1始動口入球率P1)を導出し、高ベース状態において第2始動口21の遊技球の入球状況を監視するとともに監視結果導出条件の成立(発射球数=規定値M)に基づいて監視結果(第2始動口入球率P2)を導出する「入球状況監視手段」として機能するものである。
続いてS4465では、S4463で算出した第2始動口入球率P2に基づいて特図2予告決定フラグをセットする(S4465)。ここでセットするフラグは、前述の特図1予告決定フラグと同様である。また、図49に示すように、前述の特図1予告決定テーブルと同様、特図2予告決定テーブルについてもA〜Cの3つのテーブルを用意しており、それに対応させて、特図2予告決定フラグA〜Cの3つのフラグを設けている。そして、S4463で算出した第2始動口入球率P2に応じて、特図2予告決定テーブルA〜Cの何れかを使用することとしているので、S4465では、S4463で算出した第2始動口入球率P2に応じて使用することとなった特図2予告決定テーブルに対応する特図2予告決定フラグをONにし、それ以外の残りの特図2予告決定フラグをOFFにする(S4465)。
ここで、第1始動口入球率P1と使用する特図1予告決定テーブルとの関係および第2始動口入球率P2と使用する特図2予告決定テーブルとの関係について説明する。図50(A)に示すように、本実施例1のパチンコ遊技機1では、低ベース状態における第1始動口入球率P1として「28/500(5.6%)≦36/500(7.2%)」を標準的な入球率として定めており、これを基準に、第1始動口入球率P1が「36/500(7.2%)」を上回る場合と、第1始動口入球率P1が「28/500(5.6%)」を下回る場合との計3つのパターンを、使用する特図1予告決定テーブルを決定するための決定条件として定めている。そして、第1始動口入球率P1が「28/500≦36/500」である場合は特図1予告決定テーブルBを使用し、第1始動口入球率P1が「36/500」を上回る場合は特図1予告決定テーブルAを使用し、第1始動口入球率P1が「28/500」を下回る場合は特図1予告決定テーブルCを使用することとしている。これに応じて、S4458では、S4456で算出された第1始動口入球率P1に基づいて、使用する特図1予告決定テーブルに対応する特図1予告決定フラグA〜Cの何れかをONにする。
同様に、図50(B)に示すように、本実施例1のパチンコ遊技機1では、高ベース状態における第2始動口入球率P2として「400/500(80%)≦45/500(90%)」を標準的な入球率として定めており、これを基準に、第2始動口入球率P2が「450/500(90%)」を上回る場合と、第2始動口入球率P2が「400/500(80%)」を下回る場合との計3つのパターンを、使用する特図2予告決定テーブルを決定するための決定条件として定めている。そして、第2始動口入球率P2が「400/500(80%)≦450/500(90%)」である場合は特図2予告決定テーブルBを使用し、第2始動口入球率P2が「450/500(90%)」を上回る場合は特図2予告決定テーブルAを使用し、第2始動口入球率P2が「400/500(80%)」を下回る場合は特図2予告決定テーブルCを使用することとしている。これに応じて、S4465では、S4463で算出された第2始動口入球率P2に基づいて、使用する特図2予告決定テーブルに対応する特図2予告決定フラグA〜Cの何れかをONにする。
尚、予告決定テーブル(特図1予告決定テーブル、特図2予告決定テーブル)を決定するための決定条件として定められる上記の始動口入球率は一例であり、パチンコ遊技機の性能や仕様、遊技性等を考慮して任意に設定可能である。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図46に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P17)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
また、演出モードD又は演出モードEは、高確低ベース状態又は低確低ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがD又はEであるときには、遊技者は演出モードを確認しても、特別図柄当否判定の確率状態が、高確率状態にあるのか低確率状態(通常状態)にあるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD及びEは、確率非報知モードと言える。
次に、S4504で、演出制御用マイコン91が制御する画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の変動演出パターン(「演出パターン」ともいう)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例1では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
次いでS4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、15R第2大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、2R第3大当り及び小当りのときは「135」等予め定めたチャンス目や「3☆3」等の2R第3大当り及び小当りの専用図柄を停止表示してもよい。すなわち、2R第3大当りのときと小当りのときとで、同じ演出図柄を停止表示するようになっている。このため、遊技者は、停止表示された演出図柄を確認しただけでは、2R第3特定大当りとなったのか、小当りとなったのかを判別することはできない。尚、前述の演出図柄の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
また、本実施例1のパチンコ遊技機1には、演出図柄の変動態様として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。
次いでS4506で、後述する予告演出処理を行う。予告演出処理(S4506)では、主に、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、前述した始動入球監視処理(S4400)におけるS4453またはS4460で記憶した特図保留情報と、S4458またはS4465でセットした予告決定フラグに対応する予告決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無および予告演出を実行する場合の実行パターン(予告演出パターン)を決定する。
次いでS4507で、S4505及びS4506において選択、設定した変動演出パターン及び予告演出を行う場合の予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄遊技演出を行う。
[予告演出処理]
次に、変動演出開始処理(S4402)にて実行される予告演出処理(S4506)について説明する。尚、以下では、現在の遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)であって、左打ちにより遊技球を第1始動口20に入球させて第1特別図柄(特図1)を変動表示させることを主目的に遊技を進行させる場合を例に説明する。
図47に示すように、予告演出処理(S4506)では、まず予告演出カウンタが「0」であるか否かを判定する(S4601)。ここで、予告演出カウンタとは、予告演出の実行回数を計数するためのカウンタであり、予告演出の実行を決定した際に後述のS4605でセットされるものである。本実施例1では、低ベース状態において特図1保留球数が1以上存在する場合、特図1の変動表示の開始に合わせて、画像表示装置7の表示画面7aに所定の予告画像7cを表示する予告演出を実行可能としている。具体的には、図51(a)に示すように、特図1の変動表示の開始に同期して演出図柄の変動表示が開始されたときに、雷が発生した様子を示す画像を表示するとともに雷音を出力する予告演出(以下「雷予告」ともいう。)を実行可能としている。そして、特図1保留球数が複数存在する場合、それらの保留消化に基づいて予告演出を連続して実行可能としている(所謂「連続予告」)。例えば、特図1保留球数が「4」のとき、当該保留球数「4」に対応する特図1保留と、それより前の特図1保留球数「1」〜「3」の対応する特図1保留の消化により、最大で4回連続して雷予告を実行可能としている。予告演出カウンタはこの予告演出の実行回数を計数するためのものである。よって、S4601で予告演出カウンタが「0」でないと判定した場合(S4601でNO)、既に予告演出を行っており未だ予告演出の実行期間中(連続予告期間中)であるということとなるので、この場合はS4606の処理に移行し、予告演出カウンタの値を「1」減算し(S4606)、本処理を終える。S4606で予告演出カウンタの値を「1」減算した結果、予告演出カウンタの値が「0」になれば、今回の変動演出(演出図柄の変動表示)の開始により予告演出の実行期間は終了したこととなるので、次回の演出図柄の変動表示の開始に際しては、特別図柄の保留球数が1以上存在していることを少なくとも条件に、予告演出が実行可能となる。当該予告演出は本発明の「特定演出」の一態様に相当するものである。
一方、S4601で予告演出カウンタが「0」であると判定した場合(S4601でYES)、現在、予告演出の実行期間中でないということになるので、予告演出に係る決定を行うための予告決定テーブル(ここでは特図1予告決定テーブル)をセットし(S4602)、当該セットした予告決定テーブルを用いて、予告演出を実行するか否か(S4603)および実行する場合の予告演出の実行パターンを決定する(S4604)。すなわち、S4602でセットした予告決定テーブルを用いて、予告演出を実行するか否かの決定および実行する場合の予告演出の実行パターンの決定に係る予告演出抽選を行う(特定演出決定手段)。
S4602でセットする予告決定テーブルは、前述の始動入球監視処理(S4400)におけるS4458(特図2の場合はS4465)でセットされた予告決定フラグに対応するテーブルである。例えば、S4458で特図1予告決定フラグBをONにした場合、S4602では図48(B)に示す特図1予告決定テーブルBをセットする。ここで、本実施例1における予告演出決定用乱数は「0〜99」の範囲で値を取るもので、S4501で取得した予告演出決定用乱数の値が、図48に示す各テーブルにおける「予告演出決定用乱数値」の欄のうち「なし」の列の値の範囲に含まれる(当該範囲の値と一致する)と、予告演出なし、すなわち予告演出を実行しない旨の結果(非特定結果)が導出されることとなり(S4603でNO)、「なし」の列の値の範囲に含まれない(当該範囲の値と一致しない)と、予告演出あり、すなわち予告演出を実行する旨の結果(特定結果)が導出されることとなる(S4603でYES)。
S4602でセットした特図1予告決定テーブルと、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、S4453で記憶した特図1保留情報とに基づく予告演出抽選により、予告演出を実行しない旨の結果(非特定結果)が導出された場合(S4603でNO)、そのまま本処理を終え、予告演出を実行する旨の結果(特定結果)が導出された場合(S4603でYES)、S4602でセットした特図1予告決定テーブルに基づいて予告演出の実行回数(予告演出決定用乱数値に対応する実行回数)を決定し、これを設定する(S4604)。そして、S4604で設定した実行回数を予告演出カウンタにセットし(S4605)、本処理を終える。これにより、特図1保留情報に基づく予告演出(保留先読み演出としての連続予告)の実行パターンが設定される。この後、当該設定された予告演出の実行を指定するコマンド(予告演出コマンド)を含む変動演出開始コマンドが、予告演出カウンタの値が「0」になるまでS4507でセットされ、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されることで、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄遊技演出の一環として予告演出(雷予告)が行われることとなる。
以上が、低ベース状態での特図1に係る予告演出処理(S4506)である。尚、高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)にて第2特別図柄(特図2)の変動表示に合わせて変動演出(演出図柄遊技演出)が行われる場合にも、予告演出処理(S4506)を行うことで、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、始動入球監視処理(S4400)のS4460で記憶した特図2保留情報と、S4465でセットした特図2予告決定フラグに対応する特図2予告決定テーブル(図49を参照)とに基づいて、予告演出の実行有無および予告演出を実行する場合の実行パターン(予告演出の実行回数)を決定することができる(特定演出決定手段)。これにより、特図2の変動表示の開始に同期して演出図柄の変動表示が開始された際に予告演出が実行可能となる。尚、本実施例1では、前述の特図1に係る予告演出と同様に、特図2に係る予告演出も雷予告としている。
ここで、本実施例1の予告決定テーブルについて詳しく説明する。図48に示すように、本実施例1では特図1に対応する予告決定テーブルとして、特図1予告決定テーブルA〜Cの3つのテーブルを有している。これらの特図1予告決定テーブルのうち、特図1予告決定テーブルAは、第1始動口入球率P1が「36/500(7.2%)」を上回る場合に用いられ、特図1予告決定テーブルBは、第1始動口入球率P1が「28/500(5.6%)≦36/500(7.2%)」(標準入球率)の場合に用いられ、特図1予告決定テーブルCは、第1始動口入球率P1が「28/500(5.6%)」を下回る場合に用いられるものである。各テーブルのうち「特図1保留情報」は、前述の始動入球監視処理(S4400)におけるS4453で記憶した特図1保留情報の内容(種別)を示すもので、ここでは「リーチ無外れ」「リーチ有外れ」「大当り」の3種としている。また「特図1保留球数」は、S4453で記憶した特図1保留情報を記憶したことによる最新の特図1保留球数、つまり、S4453で記憶した特図1保留情報に対応する特図1保留球数を示すものである。前述のように、本実施例1では、予告演出決定用乱数は「0〜99」の範囲で値を取るものとしていることから、各テーブルの「予告演出決定用乱数値」の欄では、「特図1保留情報」の種別に応じて、「特図1保留球数」毎に、「0〜99」の値を、「予告演出なし(予告演出未実行)」と、予告演出を行う場合の「予告演出の実行回数(1回〜4回)」とに割り当てている。
例えば、S4453で記憶した特図1保留情報が「リーチ有外れ」で、当該情報に対応する特図1保留が保留球数「4」で、特図1予告決定テーブルBを使用して予告演出に係る決定を行う場合、前述のS4501で取得した予告決定用乱数値が、図48(B)に示す特図1予告決定テーブルBの特図1保留情報「リーチ有外れ」、特図1保留球数「4」の列に振り分けられている「0〜99」の予告演出決定用乱数値の何れに該当するかを判定することで、予告演出を行うか否か及び行う場合の予告演出の実行回数(予告演出の実行パターン)が決定されることとなる。具体的に、例えば、S4501で取得した予告決定用乱数値が「30」であれば「予告演出なし」となって予告演出を実行しないこと(非特定結果)とり、予告決定用乱数値が「96」であれば「予告演出あり」となって予告演出を実行すること(特定結果)となり、その予告演出の実行回数は「4回」となる。
そして、図48に示す特図1予告決定テーブルA〜Cでは、保留情報が大当りの場合には、予告演出の実行回数が多くなるほど振り分けられた予告決定用乱数値の個数、すなわち選択割合(選択確率)が高くなっており、外れの場合には、実行回数の多い予告演出(例えば3回以上)の選択割合が低くなっている。このため、本実施例1の予告演出(雷予告)は、原則、連続実行回数(連続予告の実行回数)が多い程、大当り信頼度が高いといえる。
また、図48に示す特図1予告決定テーブルA〜Cのうち、第1始動口入球率P1が標準入球率にあるときに用いる特図1予告決定テーブルBを基準として、特図1予告決定テーブルA〜Cを比較すると、第1始動口入球率P1が標準入球率よりも高い場合(第1始動口入球率P1>36/500)に用いる特図1予告決定テーブルAでは、「予告演出なし」の選択割合が特図1予告決定テーブルBに比べ低いものとなっており、その低くなった分が「予告演出の実行回数(1回〜4回)」に振り分けられている。このため、低ベース状態で遊技を進行させている(遊技球を発射している)ときに、第1始動口入球率P1が標準入球率よりも高い状況になり、使用する特図1予告決定テーブルが始動入球監視処理(S4400)によって特図1予告決定テーブルAに切り換わると、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が、第1始動口入球率P1が標準入球率にある状況下(特図1予告決定テーブルBを使用する場合)に比べ高くなり、予告演出(本実施例1では雷予告)が出現し易くなる。
一方、第1始動口入球率P1が標準入球率よりも低い場合(第1始動口入球率P1<28/500)に用いる特図1予告決定テーブルCでは、「予告演出なし」の選択割合が特図1予告決定テーブルBに比べ高いものとなっている。このため、低ベース状態で遊技を進行させている(左打ちで遊技球を発射している)ときに、第1始動口入球率P1が標準入球率よりも低い状況になり、使用する特図1予告決定テーブルが始動入球監視処理(S4400)によって特図1予告決定テーブルCに切り換わると、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が、第1始動口入球率P1が標準入球率にある状況下(特図1予告決定テーブルBを使用する場合)に比べて低くなり、予告演出(本実施例1では雷予告)が出現し難くなる。
しかし、特図1予告決定テーブルCでは、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が低いものの、予告演出を実行する大当り信頼度が高い予告演出態様、すなわち、予告演出の実行回数が3回以上の選択割合(選択確率)が、特図1予告決定テーブルA,Bにおける3回以上の選択割合(選択確率)によりも高くなっている。このため、特図1予告決定テーブルCを使用する状況下では、第1始動口20への遊技球の入球率が標準より低く、予告演出が出現し難いものの、特図1保留球数が「3」以上となって予告演出が行われる場合には、実行回数(連続予告回数)が3回以上の予告演出の出現可能性が、特図1予告決定テーブルA,Bを使用する状況下(第1始動口入球率P1≧28/500)に比べ高くなる。これにより、予告演出が出現し難い状況下でも、大当り信頼度の高い予告演出の出現に対する期待感を遊技者に与えることが可能となる。
以上のように、第1始動口入球率P1に応じて使用する特図1予告決定テーブルを切り換えることで、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が変化したり、大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(実行確率、出現態様等)が変化したりするものとなっている。このような予告演出の実行割合や大当り信頼度の高い予告演出の実行態様の変化に繋がる処理(S4456〜S4458,S4602,S4603等)を行う演出制御用マイコン91は「実行確率変更手段」および「実行態様変更手段」として機能するものである。
尚、本実施例1の特図2予告決定テーブルA〜Cは、図49に示すように、保留球数が「1」のときには予告演出を実行しないものとなっているが、その他は特図1予告決定テーブルA〜Cと同一である。このため、高ベース状態においても、始動入球監視処理(S4400)や予告演出処理(S4506)により、第2始動口入球率P2に応じて使用する特図2予告決定テーブル(図49(A)〜(C)を参照)を切り換えることで、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が変化したり、大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(出現可能性、出現態様)が変化したりすることとなる。
以上のように、実施例1のパチンコ遊技機1は、低ベース状態では第1始動口20への遊技球の入球率(第1始動口入球率P1)、高ベース状態では第2始動口21への遊技球の入球率(第2始動口入球率P2)に基づいて、複数ある予告決定テーブルのうちの何れかを使用することとし、使用する予告決定テーブルによって予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が変化したり、大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(出現可能性、出現態様)が変化したりする構成となっている。これにより、低ベース状態での第1始動口20への遊技球の入球率(入球状況)や、高ベース状態での第2始動口21への遊技球の入球率(入球状況)にバラツキが生じたとしても、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(出現可能性、出現態様)が変化し得るので、低ベース状態および高ベース状態の何れにおいても遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、第1始動口20や第2始動口21への遊技球の入球状況(入球率)に応じて、予告演出の実行可能性が高くなったり低くなったりする遊技性を得ることができるとともに、予告演出の実行可能性が低い状況下では、予告演出全体として実行可能性は低いものの大当り信頼度の高い予告演出の実行可能性は高くなるといった異質な遊技性も得ることができる。これにより、遊技興趣を一層高めることが可能となる。
また、予告演出が出現する割合や頻度等、予告演出の実行状況(出現状況)を通じて、低ベース状態では第1始動口20への遊技球の入球状況、高ベース状態では第2始動口への遊技球の入球状況を遊技者に感覚的に把握させることが可能なので、予告演出に対する遊技者の関心度を高めることが可能となる。
尚、実施例1では、予告演出として雷予告を行うものとし、実行回数に関係なく1回〜4回まですべて同じ内容の雷予告を行うものとしている。これに代えて、実行回数によって予告演出の内容を異ならせてもよく、例えば、実行回数が1回と2回の場合には図51(b)に示す稲妻が2本の雷予告を行い、実行回数が3回と4回の場合には図51(a)に示す稲妻が4本の雷予告を行うこととしてもよい。これにより、予告演出の実行回数(連続予告回数)が増えて大当り信頼度が高くなるにつれ予告演出の実行態様が変化するといった遊技性とすることが可能となる。
また、実施例1では、予告決定テーブルA〜C(図48、図49を参照)の何れを使用する場合においても、同様の予告演出(雷予告)を行うものとしている。これに代えて、予告決定テーブルA〜Cの各々について予告演出の実行態様を異ならせてもよい。このような実施例1の変形例として、例えば、標準入球率の場合に対応する特図1予告決定テーブルBを使用するときは、図52(a)〜(d)のうち、(a)「小雨が降っている様子を示す予告演出」を1回目、(b)「小雨が降って雷が発生した様子を示す予告演出」を2回目、(c)「大雨が降っている様子を示す予告演出」を3回目、(d)「大雨が降って雷が発生した様子を示す予告演出」を4回目、というように、予告演出の実行回数が1回ずつ増える毎に、その回数に応じた態様の予告演出を行うものとする。そして、入球率が標準入球率を上回る場合に対応する特図1予告決定テーブルAを使用するときは、実行回数に関係なく1回〜4回まですべて図52(b)の「小雨が降って雷が発生した様子を示す予告演出」を行うこととし、入球率が標準入球率を下回る場合に対応する特図1予告決定テーブルCを使用するときは、実行回数に関係なく1回〜4回まですべて図52(d)の「大雨が降って雷が発生した様子を示す予告演出」を行うこととしてもよい。
変形例のように、使用する予告決定テーブルによって予告演出の実行態様(内容)を異ならせることで、入球率の変化に応じて予告演出の実行割合が変化するだけでなく、予告演出の内容(実行態様)も変化する遊技性とすることが可能となる。特に、前述の例では、特図1予告決定テーブルAを使用する場合(入球率が標準入球率を上回る場合)、特図1予告決定テーブルBを使用しているとき(標準入球率のとき)に出現し得る1〜4回目の予告演出のうち2回目の予告演出(図52(b)を参照)を実行回数に関係なく行うので、予告演出の内容は大当り信頼度が然程高くないものの、予告演出の実行可能性が高くなることで、予告演出を楽しむ機会が増えることとなる。また、特図1予告決定テーブルCを使用する場合(入球率が標準入球率を下回る場合)、特図1予告決定テーブルBを使用しているとき(標準入球率のとき)に出現し得る1〜4回目の予告演出のうち4回目の予告演出(図52(d)を参照)を実行回数に関係なく行うので、予告演出の実行可能性が低くなることで、予告演出が出現し難くなるものの、出現したときの予告演出の内容は大当り信頼度の高いものとなることから、予告演出の出現に対する期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
また、変形例では、当否判定の実行契機である始動口(第1始動口20、第2始動口21)が、予告演出の実行契機になるとともに入球状況の監視対象にもなっているが、その始動口への遊技球の入球状況と予告演出の実行態様とに関連性を持たせることが可能となる。ここで、始動口(第1始動口20、第2始動口21)は、大当り遊技の実行可否に繋がる入球口であることから、遊技者にとっては、始動口への遊技球の入球状況は大きな関心事となる。このような遊技者にとって重要な始動口への入球状況と、予告演出の実行態様とに関連性を持たせることで、予告演出に対する遊技者の関心度を高めることが可能となる。
また、変形例では、入球状況の監視対象となる始動口(第1始動口20、第2始動口21)への遊技球の入球状況に応じて、特図1予告決定テーブルAまたは特図1予告決定テーブルCを使用する状況となる場合があり、予告演出が行われる場合の当該予告演出が、図52(b)に示す大当り信頼度が比較的低めの「小雨が降って雷が発生した様子を示す予告演出(第1実行態様の予告演出)」または図52(d)に示す大当り信頼度が比較的高めの「大雨が降って雷が発生した様子を示す予告演出(第2実行態様の予告演出)」となる場合がある。これにより、監視対象となる始動口(第1始動口20、第2始動口21)への遊技球の入球状況に応じて、予告演出が行われる場合の当該予告演出で示される大当り信頼度に変化をもたらすことが可能となる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、前述した実施例1と共通する部分と異なる部分とが存在するので、以下では実施例1と異なる部分について説明する。
前述の実施例1では、第1始動口20および第2始動口21への遊技球の入球状況を監視し、その結果に応じて使用する予告決定テーブル(特図1予告決定テーブルA〜C、特図2予告決定テーブルA〜C)を変更するものとしていた。これに対して、本実施例2では、遊技球の入球状況の監視対象を始動口(第1始動口20、第2始動口21)ではなく、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能な左一般入賞口27および右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能な右一般入賞口27としている。尚、図3に示すように左一般入賞口27は3つ設けられているが、本実施例2では、3つの左一般入賞口27への遊技球の入球状況を監視するものとしている。そして、これら一般入賞口27への遊技球の入球状況(入球率)に応じて、図48および図49に示す予告決定テーブル(特図1予告決定テーブルA〜C、特図2予告決定テーブルA〜C)を設定可能としている。
また、本第2実施例では、図45に示した実施例1の始動入球監視処理(S4400)のうち、S4451〜S4453およびS4459,S4460の処理を行い、S4454〜S4458およびS4461〜S4465の処理を行わないこととしている。つまり、始動入球コマンドに含まれる事前判定の結果を示す情報や、大当り種別決定用乱数値、リーチ乱数値および変動パターン乱数値を示す情報等を保留情報として記憶しておき、この保留情報に基づく予告演出を実行可能としている。
実施例2のパチンコ遊技機1では、一般入賞口センサ27a(図5を参照)が遊技球を検知する毎に、主制御基板80の遊技制御用マイコン81が、各一般入賞口(左一般入賞口、右一般入賞口)27に対応する一般入球コマンド、具体的には、左一般入賞口27に対応する左一般入球コマンドと、右一般入賞口27に対応する右一般入球コマンドと、をRAMの出力バッファに記憶する処理を行い、この出力バッファに記憶した一般入球コマンドを、出力処理(S201)によってサブ制御基板90に出力(送信)するものとしている。そして、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80からの一般入球コマンドを受信した場合の処理として、図53に示す一般入球監視処理(S4700)を行う。この一般入球監視処理(S4700)は、図41および図43に示す受信コマンド解析処理(S4301)にて行われる処理である。
図53に示すように、一般入球監視処理(S4700)では、まず、当り遊技の実行中(大当り遊技中または小当り遊技中)であるか否かを判定し(S4801)、当り遊技中であれば(S4801でYES)、S4802以降の処理を行うことなくそのまま本処理を終え、当り遊技中でなければ(S4801でNO)、S4802以降の処理に移行する。本実施例2では、特別図柄の変動表示が実行可能な遊技状態(特図変動遊技状態)における一般入賞口27への遊技球の入球状況を監視するものとし、一般入球監視処理(S4700)を特図変動遊技状態中に行うものとしている。尚、左一般入賞口27は、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能であることから、左打ちが行われる遊技状態、すなわち低ベース状態中に遊技球が入球することがあり、右一般入賞口27は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能であることから、右打ちが行われる遊技状態、すなわち高ベース状態中または当り遊技中(大当り遊技中または小当り遊技中)に遊技球が入球することがある。
次いでS4802では、現在の遊技状態が低ベース状態であるか否かを判定し(S4802)、低ベース状態であると判定した場合(S4802でYES)、S4803の処理に移行し、低ベース状態でないと判定した場合(S4802でNO)、S4809の処理に移行する。S4802では、現在の遊技状態が「低確低ベース状態」または「高確低ベース状態」であれば低ベース状態であると判定し(S4802でYES)、「低確高ベース状態」または「高確高ベース状態」であれば低ベース状態でない(高ベース状態である)と判定する(S4802でNO)。以下、低ベース状態であると判定した場合(S4802でYES)と、低ベース状態でないと判定した場合(S4802でNO)とについて、この順で説明する。
S4803では、受信した一般入球コマンドが左一般入球コマンドであるか否かを判定し(S4803)、左一般入球コマンドでない場合(S4803でNO)、S4804〜S4808の処理を行うことなく、そのまま本処理を終え、左一般入球コマンドである場合(S4803でYES)、左一般入球カウンタの値(カウント値)を「1」加算し(S4804)、S4805の処理に移行する。尚、左一般入球カウンタは、左一般入賞口27への遊技球の入球数を計数する手段(第1一般入賞口計数手段)であり、本実施例2では、3つの左一般入賞口27への遊技球の入球数をまとめて(合計して)計数するものとしている。左一般入球カウンタの値は、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の開始に伴い初期化するものとしている。また、低ベース状態では、原則、右一般入賞口27に遊技球が入球することはないので、低ベース状態であるにもかかわらず(S4802でYES)、右一般入球コマンドを受信した場合には(S4803でNO)、そのまま本処理を終えるものとしている。
続いてS4805では、入球率算出フラグがONであるか否かを判定し(S4805)、入球率算出フラグがONでないと判定した場合(S4805でNO)、S4806〜S4808の処理を行うことなく本処理を終え、入球率算出フラグがONであると判定した場合(S4805でYES)、左一般入賞口27への遊技球の入球率(左一般入賞口入球率Y1)を算出し(S4806)、入球率算出フラグをOFFにし(S4807)、S4808の処理に移行する。入球率算出フラグがONとなる、すなわち、入球率の算出条件が成立するのは、前述の発射球計数処理(S4300)にて発射球カウンタの値が所定の規定値Mになった場合で、本実施例2においても、前述の実施例1と同様、規定値Mを「500」としている。よって、S4805で算出する左一般入賞口入球率Y1は「左一般入賞口27への入球数U1/規定値M」によって求められる。そして、左一般入賞口入球率Y1を算出した後、入球率算出フラグをOFFにするので、以後、低ベース状態にて遊技球を発射し続ける限り、前述の発射球計数処理(S4300)によって発射球数が規定値M(本実施例2ではM=500)になる毎に入球率算出フラグがONとなり(S4315でYES,S4316)、その都度、左一般入賞口入球率Y1が算出されることとなる(S4806)。
続いてS4808では、S4806で算出した左一般入賞口入球率Y1に基づいて特図1予告決定フラグをセットする(S4458)。特図1予告決定フラグについては前述の実施例1と同様で、S4806で算出した左一般入賞口入球率Y1に応じて、特図1予告決定テーブルA〜Cの何れかを使用することとしている。このため、S4808では、S4806で算出した左一般入賞口入球率Y1に応じて使用することとなった特図1予告決定テーブルに対応する特図1予告決定フラグをONにし、それ以外の残りの特図1予告決定フラグをOFFにする(S4458)。尚、左一般入賞口入球率Y1と、使用する特図1予告決定テーブルとの関係については後述する。
一方、前述のS4802で低ベース状態でないと判定した場合(S4802でNO)、S4803〜S4808と同様の流れで、右一般入賞口27への遊技球入球に係る処理としてS4809〜S4814の処理を行う。S4809では、受信した一般入球コマンドが右一般入球コマンドであるか否かを判定し、右一般入球コマンドでない場合(S4809でNO)、S4810〜S4814の処理を行うことなく、そのまま本処理を終え、右一般入球コマンドである場合(S4809でYES)、右一般入球カウンタの値(カウント値)を「1」加算し(S4810)、S4811の処理に移行する。尚、右一般入球カウンタは、右一般入賞口27への遊技球の入球数を計数する手段(第2一般入賞口計数手段)であり、右一般入球カウンタの値は、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の開始に伴い初期化するものとしている。また、高ベース状態では、原則、左一般入賞口27に遊技球が入球することはないので、高ベース状態であるにもかかわらず(S4802でNO)、左一般入球コマンドを受信した場合には(S4809でNO)、そのまま本処理を終えるものとしている。
続いてS4811では、入球率算出フラグがONであるか否かを判定し(S4811)、入球率算出フラグがONでないと判定した場合(S4811でNO)、S4812〜S4814の処理を行うことなく本処理を終え、入球率算出フラグがONであると判定した場合(S4811でYES)、右一般入賞口27への遊技球の入球率(右一般入賞口入球率U2)を算出し(S4812)、入球率算出フラグをOFFにし(S4813)、S4814の処理に移行する。入球率算出フラグについては前述の通りである。また、右一般入賞口入球率Y2の算出条件は左一般入賞口入球率Y1と同様であり、「右一般入賞口27への入球数R1/規定値M」によって求められ、右一般入賞口入球率Y2ついても、発射球数が規定値M(本実施例2ではM=500)になると算出される。そして、高ベース状態での発射球数が規定値Mになる都度、入球率算出フラグがONとなって(S4315でYES,S4316)、右一般入賞口入球率Y2が算出されることとなる(S812)。尚、一般入賞口入球率の算出実行条件となる規定値Mは、パチンコ遊技機の性能や仕様、遊技性等を考慮して任意に設定可能である。
本実施例2において、入球率算出フラグのON/OFFを判定し、入球率算出フラグがONとなった場合に左一般入賞口入球率Y1または右一般入賞口入球率Y2を算出する処理を行う演出制御用マイコン91は、低ベース状態において左一般入賞口27の入球状況を監視するとともに監視結果導出条件の成立(発射球数=規定値M)に基づいて監視結果(左一般入賞口入球率Y1)を導出し、高ベース状態において右一般入賞口27の遊技球の入球状況を監視するとともに監視結果導出条件の成立(発射球数=規定値M)に基づいて監視結果(右一般入賞口入球率Y2)を導出する「入球状況監視手段」として機能するものである。
続いてS4814では、S4812で算出した右一般入賞口入球率Y2に基づいて特図2予告決定フラグをセットする(S4814)。特図2予告決定フラグについても前述の実施例1と同様で、図49に示すように、前述の特図1予告決定テーブルと同様、特図2予告決定テーブルについてもA〜Cの3つのテーブルを用意しており、それに対応させて、特図2予告決定フラグA〜Cの3つのフラグを設けている。そして、S4812で算出した右一般入賞口入球率Y2に応じて、特図2予告決定テーブルA〜Cの何れかを使用することとしている。このため、S4814では、S4812で算出した右一般入賞口入球率Y2に応じて使用することとなった特図2予告決定テーブルに対応する特図2予告決定フラグをONにし、それ以外の残りの特図2予告決定フラグをOFFにする(S4814)。
ここで、左一般入賞口入球率Y1と使用する特図1予告決定テーブルとの関係および右一般入賞口入球率Y2と使用する特図2予告決定テーブルとの関係について説明する。図54(A)に示すように、本実施例2のパチンコ遊技機1では、左一般入賞口入球率Y1として「5/500(1%)≦10/500(2%)」を標準的な入球率として定めており、これを基準に、左一般入賞口入球率Y1が「10/500(2%)」を上回る場合と、左一般入賞口入球率Y1が「5/500(1%)」を下回る場合との計3つのパターンを、使用する特図1予告決定テーブルを決定するための決定条件として定めている。そして、左一般入賞口入球率Y1が「5/500(1%)≦10/500(2%)」である場合は特図1予告決定テーブルBを使用し、左一般入賞口入球率Y1が「10/500(2%)」を上回る場合は特図1予告決定テーブルAを使用し、左一般入賞口入球率Y1が「5/500(1%)」を下回る場合は特図1予告決定テーブルCを使用することとしている。これに応じて、S4808では、S4806で算出された左一般入賞口入球率Y1に基づいて、使用する特図1予告決定テーブルに対応する特図1予告決定フラグA〜Cの何れかをONにする。
また、本実施例2では、使用する特図2予告決定テーブルを決定するための決定条件となる右一般入賞口入球率Y2を、左一般入賞口入球率Y1と同一条件として3つのパターンを設けている。すなわち、図54(B)に示すように、右一般入賞口入球率Y2として「5/500(1%)≦10/500(2%)」を標準的な入球率とし、これを基準に、左右一般入賞口入球率Y2が「10/500(2%)」を上回る場合と、右一般入賞口入球率Y2が「5/500(1%)」を下回る場合との計3つのパターンを、使用する特図2予告決定テーブルを決定するための決定条件として定めている。そして、右一般入賞口入球率Y2が「5/500(1%)≦10/500(2%)」である場合は特図2予告決定テーブルBを使用し、右一般入賞口入球率Y2が「10/500(2%)」を上回る場合は特図2予告決定テーブルAを使用し、右一般入賞口入球率Y2が「5/500(1%)」を下回る場合は特図2予告決定テーブルCを使用することとしている。これに応じて、S4814では、S4812で算出された右一般入賞口入球率Y2に基づいて、使用する特図2予告決定テーブルに対応する特図2予告決定フラグA〜Cの何れかをONにする。
尚、予告決定テーブル(特図1予告決定テーブル、特図2予告決定テーブル)を決定するための決定条件として定められる上記の一般入賞口入球率は一例であり、パチンコ遊技機の性能や仕様、遊技性等を考慮して任意に設定可能である。
このような構成を備える実施例2のパチンコ遊技機1においても、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(出現可能性、出現態様)の変化に関し、前述の実施例1と同様の作用効果を奏するものとなる。すなわち、本実施例2の場合、低ベース状態では左一般入賞口27への遊技球の入球率(左一般入賞口入球率Y1)、高ベース状態では右一般入賞口27への遊技球の入球率(右一般入賞口入球率Y2)に基づいて、複数ある予告決定テーブルのうちの何れかを使用することとし、使用する予告決定テーブルによって予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)が変化したり、大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(出現可能性、出現態様)が変化したりする。これにより、低ベース状態での左一般入賞口27への遊技球の入球率(入球状況)や、高ベース状態での右一般入賞口27への遊技球の入球率(入球状況)に応じて、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や大当り信頼度の高い予告演出の実行態様(出現可能性、出現態様)が変化し得るので、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
特に、予告演出の実行契機となる入球口は第1始動口20または第2始動口21であり、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や実行態様(出現可能性、出現態様)の変更契機となる入球口は一般入賞口27(左一般入賞口27、右一般入賞口27)であることから、遊技者にとっては、第1始動口20や第2始動口21への遊技球の入球状況だけでなく、一般入賞口27への遊技球の入球状況についても関心事となる。この結果、第1始動口20や第2始動口21に加え、一般入賞口27の存在価値も高めることも可能となり、特図変動遊技状態における遊技興趣の更なる向上を図ることが可能となる。
尚、実施例2についても、実施例1の変形例として例示した予告演出の実行態様(図52)を採用することが可能であり、一般入賞口27(左一般入賞口27、右一般入賞口27)への遊技球の入球状況(入球率)に応じて、予告演出の実行態様(演出内容)や、予告演出が行われる場合の当該予告演出で示される大当り信頼度に変化をもたらすことが可能となる。
次に、本発明の実施例3について説明する。前述の実施例1,2は、いずれも特図変動遊技状態において監視対象の入球口の入球状況、すなわち、実施例1では第1始動口20および第2始動口21、実施例2では一般入賞口27の入球状況(入球率)を予告演出の実行割合や実行態様等の変更に反映させるものとしていた。これに対し、実施例3では、監視対象の入球口を第1大入賞口30とし、15R大当りに係る大当り遊技のうち3ラウンド以降の第1大入賞口30への遊技球の入球状況(入球率)を、15ラウンド目のラウンド演出や15ラウンド終了後のエンディング演出の実行に反映させるものとしている。このため、前述の実施例1,2のパチンコ遊技機1では当り遊技中に実行しないものとした発射球計数処理(S4300)を、実施例3のパチンコ遊技機1の大当り遊技中に実行するものとしている。具体的には、15R大当りに係る大当り遊技のうち3ラウンドの開始に伴い発射球の計数を開始するものとしている。そして、実施例3のパチンコ遊技機1では、15R大当りのうち第1大入賞口30が開放する3ラウンド〜15ラウンドにおいて、1ラウンドあたりの遊技球の発射数が約20個となるように設計し、発射球計数処理(S4300)で入球率算出フラグをONにする条件となる規定値M(S4315)を「200」としている。
また、実施例3のパチンコ遊技機1では、第1大入賞口センサ30a(図5を参照)が遊技球を検知する毎に、主制御基板80の遊技制御用マイコン81が、第1大入賞口入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する処理を行い、この出力バッファに記憶した一般入球コマンドを、出力処理(S201)によってサブ制御基板90に出力(送信)するものとしている。そして、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80からの第1大入賞口入球コマンドを受信した場合の処理として、図55(a)に示す第1大入賞口入球監視処理(S4900)を行う。この第1大入賞口入球監視処理(S4900)は、図41および図43に示す受信コマンド解析処理(S4301)にて行われる処理である。
図55(a)に示すように、第1大入賞口入球監視処理(S4900)では、まず、第1大入賞口入球コマンドの受信に基づき第1大入賞口入球カウンタの値(カウント値)を「1」加算し(S5001)、S5002の処理に移行する。第1大入賞口入球カウンタは、第1大入賞口30への遊技球の入球数を計数する手段(第1大入賞口計数手段)であり、大当り遊技の終了に伴い初期化するものとしている。次いでS5802では、入球率算出フラグがONであるか否かを判定し(S5002)、入球率算出フラグがONでないと判定した場合(S5002でNO)、S5003〜S5005の処理を行うことなく本処理を終え、入球率算出フラグがONであると判定した場合(S5002でYES)、第1大入賞口30への遊技球の入球率(第1大入賞口入球率X)を算出し(S5003)、入球率算出フラグをOFFにし(S5004)、S5005の処理に移行する。入球率算出フラグがONとなる、すなわち、入球率の算出条件が成立するのは、発射球計数処理(S4300)にて発射球カウンタの値が所定の規定値Mになった場合で、前述のとおり本実施例3では規定値Mを「200」としている。よって、S5003で算出する左一般入賞口入球率Y1は「第1大入賞口30への入球数T/規定値M(200)」によって求められる。ここで、前述のように、実施例3のパチンコ遊技機1は、15R大当りに係る大当り遊技の3ラウンド〜15ラウンドにおける1ラウンドあたりの遊技球の発射数が約20個となるように設計しているので、発射球カウンタの値が規定値M(200)になるのは、3ラウンドから数えて概ね12ラウンド目が終了したタイミング(10ラウンド消化したタイミング)である。
続いてS5005では、S5003で算出した第1大入賞口入球率Xに基づいて演出決定フラグをセットする(S5005)。ここでセットするフラグは、15ラウンド目のラウンド演出の演出パターン(本実施例3ではキャラクタ)およびエンディング演出の演出パターンを決定する際に参照されるものである。本実施例3では、3R〜14Rまでのラウンド演出として、画像表示装置7の表示画面7aにキャラクタAを表示するものとし、15ラウンド目のラウンド演出として、それ以前の第1大入賞口30への遊技球の入球状況に応じてキャラクタAまたは第1大入賞口入球率Xが基準を上回った場合のキャラクタBを表示するものとしている。また、エンディング演出として、通常パターンのエンディング演出Aと、第1大入賞口入球率Xが基準を上回った場合の特別パターンのエンディング演出Bを行うものとしている。よって、本実施例3では、演出決定フラグとして、ラウンド演出のキャラクタAおよびエンディング演出Aに対応する演出決定フラグAと、ラウンド演出のキャラクタBおよびエンディング演出Bに対応する演出決定フラグBと、の2つのフラグを設けており、S5003で算出した第1大入賞口入球率Xに基づいて、2つのフラグの何れかをONにし、他方をOFFにする。
図55(b)に、第1大入賞口30の遊技球の入球率(第1大入賞口入球率X)と、15ラウンド目のラウンド演出およびエンディング演出との関係を示す。本実施例3のパチンコ遊技機1では、第1大入賞口入球率Xとして「100/200」を標準的な入球率として定めており、これを基準に、第1大入賞口入球率Xが「100/200」以上の場合と、第1大入賞口入球率Xが「100/200」を下回る場合との2つのパターンを、15ラウンド目のラウンド演出およびエンディング演出を決定するための決定条件として定めている。そして、「第1大入賞口入球率X<100/200」である場合は、15ラウンド目に行うラウンド演出で表示するキャラクタを「キャラクタA」、エンディング演出を通常パターンの「エンディング演出A」とし、「100/200≦第1大入賞口入球率X」である場合は、15ラウンド目に行うラウンド演出で表示するキャラクタを「キャラクタB」、エンディング演出を特別パターンの「エンディング演出B」としている。これに応じて、S5005では、S5003で算出された第1大入賞口入球率Xに基づいて、対応する演出決定フラグA,Bの何れかをONにする。この後、演出制御用マイコン91は、15R大当りに係る大当り遊技での15ラウンド目のラウンド演出の実行およびエンディング演出の実行に際し、S5005でセットした演出決定フラグを参照して、ラウンド演出で表示するキャラクタおよびエンディング演出の演出パターンを決定する。
尚、第1大入賞口30の入球率の算出実行条件となる上記の規定値Mと、ラウンド演出やエンディング演出等を決定するための決定条件として定められる上記の第1大入賞口入球率は一例であり、パチンコ遊技機の性能や仕様、遊技性等を考慮して任意に設定可能である。
本実施例3において、入球率算出フラグのON/OFFを判定し、入球率算出フラグがONとなった場合に第1大入賞口入球率Xを算出する処理を行う演出制御用マイコン91は、大当り遊技において第1大入賞口30の入球状況を監視するとともに監視結果導出条件の成立(発射球数=規定値M)に基づいて監視結果(第1大入賞口入球率X)を導出する「入球状況監視手段」として機能するものである。
以上の実施例3のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中に第1大入賞口30への遊技球の入球状況を監視し、当該入球状況に応じて、残りのラウンド演出やエンディング演出の実行態様が変化し得る遊技性を実現可能となる。これにより、大当り遊技中における第1大入賞口30への遊技球の入球状況に対する遊技者の関心を高めることが可能となり、大当り遊技中の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
尚、実施例3において、前述の実施例2における右一般入賞口27への遊技球の入球状況を、ラウンド演出やエンディング演出の実行に反映させることも可能である。大当り遊技中は、高ベース状態と同様に右打ちを行い、遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進めることから、大当り遊技中は第1大入賞口30だけでなく右一般入賞口27にも遊技球が入球し得る。このことから、実施例3に実施例2の構成を適用し、大当り遊技中の右一般入賞口27への遊技球の入球状況(右一般入賞口入球率Y2)を、大当り遊技に係る演出(ラウンド演出、エンディング演出等)の実行に反映させることも可能である。また、実施例3と前述の実施例1とを組み合わせることで、特図変動遊技状態と大当り遊技状態との双方で、監視対象となる入球口への遊技球の入球状況に基づく演出の実行も可能となる。
[他の実施形態]
前述の実施例1では、低ベース状態と高ベース状態とで始動口(第1始動口20、第2始動口21)の入球率を算出(監視)し、その算出結果(監視結果)を予告演出の実行に反映させるものとしていたが、低ベース状態(左打ち状態)のときだけ第1始動口20の入球率(第1始動口入球率P1)を算出して当該算出結果を特図1に係る予告演出の実行に反映させたり、高ベース状態(右打ち状態)のときだけ第2始動口21の入球率(第2始動口入球率P2)を算出して当該算出結果を特図2の予告演出の実行に反映させたりするものとしてもよい。これによっても、低ベース状態における第1始動口20への遊技球の入球状況にバラツキが生じたり、高ベース状態における第2始動口21への遊技球の入球状況にバラツキが生じたりしたとしても、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や実行態様(出現可能性、出現態様)が変化し得るので、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、前述の実施例2では、低ベース状態と高ベース状態とで一般入賞口27(左一般入賞口27、右一般入賞口27)の入球率を算出(監視)し、その算出結果(監視結果)を予告演出の実行に反映させるものとしていたが、低ベース状態(左打ち状態)のときにだけ左一般入賞口27の入球率(左一般入賞口入球率Y1)を算出して当該算出結果を特図1に係る予告演出の実行に反映させたり、高ベース状態(右打ち状態)のときにだけ右一般入賞口27の入球率(右一般入賞口入球率Y2)を算出して当該算出結果を特図2の予告演出の実行に反映させたりするものとしてもよい。これによっても、低ベース状態における左一般入賞口27への遊技球の入球状況にバラツキが生じたり、高ベース状態における右一般入賞口27への遊技球の入球状況にバラツキが生じたりしたとしても、予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や実行態様(出現可能性、出現態様)が変化し得るので、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、前述の実施例1,2では、特図変動遊技状態での始動口(第1始動口20、第2始動口21)や一般入賞口27への遊技球の入球状況を、同じく特図変動遊技状態において実行可能な予告演出の実行に反映させるものとしていたが、特図変動遊技状態での始動口や一般入賞口への遊技球の入球状況(第1始動口入球率P1または第2始動口入球率P2)を、オープニング演出やラウンド演出、エンディング演出等、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)にて実行可能な演出(当り遊技演出)に反映させるものとしてもよい。これによっても、特図変動遊技状態での始動口や一般入賞口への遊技球の入球状況にバラツキが生じたとしても、その後の当り遊技(特別遊技)に係る演出(特別遊技演出)が変化し得るので、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。また、それとは逆に、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)での大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)や右一般入賞口27への遊技球の入球状況を特図変動遊技状態にて行われる予告演出やリーチ演出、演出モード等の選択、実行に反映させるものとしてもよい。これによっても、当り遊技中(大当り遊技中または小当り遊技中)における大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球状況にバラツキが生じたとしても、その後の特図変動遊技状態に係る演出(演出図柄遊技演出)が変化し得るので、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、前述の実施例1,2では、特図変動遊技状態での始動口(第1始動口20、第2始動口21)や一般入賞口27への遊技球の入球状況を予告演出の実行に反映させるものとしていたが、予告演出に限らず、演出図柄遊技演出として実行される他の演出(リーチ演出、キャラクタ演出等)に反映させるものとしてもよい。
また、始動口(第1始動口20、第2始動口21)や一般入賞口27への遊技球の入球状況に基づいて所定の演出画像を画像表示装置7の表示画面7aに表示する所定の演出(特定演出)を別途設け、当該演出の実行態様によって、始動口(第1始動口20、第2始動口21)や一般入賞口27等への遊技球の入球状況(入球率)を示唆するようにしてもよい。具体的には、例えば、低ベース状態における第1始動口入球率P1として「標準入球率」と、標準入球率を上回る「高入球率」と、標準入球率を下回る「低入球率」との3つを予め定めておき、低ベース状態で遊技を進行させている(左打ちで遊技球を発射している)ときに、第1始動口入球率P1が標準入球率にある状況では、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて所定の演出を所定の確率(標準確率)で出現させ、第1始動口入球率P1が高入球率にある状況では、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて所定の演出を標準確率よりも高い確率で出現させ、第1始動口入球率P1が低入球率にある状況では、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて所定の演出を標準確率よりも低い確率で出現させることとしてもよい。また、第2始動口21についても同様に、高ベース状態にて第2始動口入球率P2に応じて所定の演出を出現させることが可能である。
あるいは、左一般入賞口27への遊技球の入球に基づいて所定の演出(特定演出)を実行可能とし、低ベース状態における左一般入賞口入球率Y1として「標準入球率」と、標準入球率を上回る「高入球率」と、標準入球率を下回る「低入球率」との3つを予め定めておく。そして、低ベース状態で遊技を進行させている(左打ちで遊技球を発射している)ときに、左一般入賞口入球率Y1が標準入球率にある状況では、左一般入賞口27への遊技球の入球に基づいて専用演出を所定の確率(標準確率)で出現させ、左一般入賞口入球率Y1が高入球率にある状況では、左一般入賞口27への遊技球の入球に基づいて所定の演出を標準確率よりも高い確率で出現させ、左一般入賞口入球率Y1が低入球率にある状況では、左一般入賞口27への遊技球の入球に基づいて所定の演出を標準確率よりも低い確率で出現させることとしてもよい。また、右一般入賞口27についても同様に、高ベース状態にて右一般入賞口入球率Y2に応じて所定の演出を出現させることが可能である。
このような構成においても、所定の演出(特定演出)が出現する割合や頻度等、所定の演出(特定演出)の実行状況(出現状況)を通じて、始動口(第1始動口20、第2始動口21)や一般入賞口27等への遊技球の入球状況を遊技者に感覚的に把握させることが可能となり、所定の演出(特定演出)に対する遊技者の関心度を高めることが可能となる。
また、前述の実施例1〜3では、サブ制御基板80に発射球センサ112aおよびファール球センサ112bを接続し、これらセンサの検知信号に基づいて、演出制御用マイコン91が発射球計数処理(S4300)により発射球の計数を行うものとしていたが、発射球の計数方法はこれに限定されるものではない。例えば、主制御基板80に発射球センサ112aおよびファール球センサ112bを接続し、これらセンサの検知信号に基づいて、遊技制御用マイコン81が発射球の計数を行うとともに、その計数値が所定数(例えば10)になる毎に当該値を示すコマンド等の制御信号をサブ制御基板90に対して送信することとしてもよい。これによっても、サブ制御基板90側において演出制御用マイコン91は発射球の数を把握することが可能となるので、当該発射球数を基に各種入球口(始動口、一般入賞口、大入賞口)への遊技球の入球率を算出することが可能となる。
また、前述の実施例1〜3では、遊技球が所定数発射される毎に各種入球口(始動口、一般入賞口、大入賞口)への遊技球の入球率を算出する構成となっているが、このような構成の場合、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定数の遊技球が発射されるまでは、監視対象となる入球口への遊技球の入球状況(入球率)を予告演出等の実行に反映させることができない。そこで、前述の実施例1,2で説明した予告決定フラグA〜C(S4458,S4465,S4807,S4814参照)のON/OFFや、前述の実施例3で説明した演出決定フラグA,BのON/OFFを、遊技ホール店員が任意に設定可能とすることで、パチンコ遊技機1の電源投入当初から、監視対象となる入球口への遊技球の入球状況(入球率)を予告演出等の実行に反映させることが可能となる。例えば、パチンコ遊技機の裏側からの操作が可能な設定スイッチをサブ制御基板90に設け当該スイッチ操作することで予告決定フラグや演出決定フラグ等のON/OFF設定を可能としたり、パチンコ遊技機1の電源投入から所定の初期設定期間内に画像表示装置7の表示画面7aに初期設定画面を表示し当該初期設定画面で演出ボタン63の操作により予告決定フラグや演出決定フラグ等のON/OFF設定を可能としたりすればよい。これにより、パチンコ遊技機1の電源投入当初(稼働開始当初)から予告演出等の実行割合(実行確率、実行可能性)や実行態様(出現可能性、出現態様、演出内容等)に変化をもたらすことが可能となる。この結果、遊技興趣の向上とともに遊技機の稼働率向上を図ることが可能となる。尚、サブ制御基板90の設定スイッチや、初期設定画面表示中に操作する演出ボタン63は、本発明の「設定手段」の一態様に相当するものである。
また、前述の実施例1〜3では、発射球計数処理(S4300)により計数される発射球の数(発射球カウンタのカウント値)が規定値Mになる毎に、入球状況の監視対象となっている入球口(始動口、一般入賞口、大入賞口など)への遊技球の入球率を算出するものとしていたが、入球状況の監視態様はこれに限定されるものではない。例えば、監視対象となる入球口(例えば第1始動口)について、所定の単位時間(例えば5分)あたりの入球数を計数(監視)し、単位時間の経過ごとに、その計数値と、予め定められた標準入球数(例えば30〜40)とを比較して、計数値(単位時間あたりの入球数)が標準入球数に合致しているか、あるいは合致してないのか(上回っているか下回っているか)を判定し、その判定結果(監視結果)を予告演出等の実行に反映させるものとしてもよい。これによっても、前述の実施例1〜3と同様の作用効果を奏することが可能となる。
また、前述の実施例1,2では、予告演出として、特別図柄(および演出図柄)の変動表示の開始に際して行う予告演出(変動開始予告演出)や、予告演出の実行回数によって変動開始予告演出の内容(態様)が段階的に変化していく予告演出(ステップアップ予告演出)を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、第1演出保留表示領域9cや第2演出保留表示領域9dに表示される保留図柄の表示態様を始動入球監視処理(S4400)のS4453やS4460で記憶する保留情報に基づいて変化させる保留変化予告演出や、当該保留情報に基づいて演出モードを変化させるモード変化予告演出等としてもよい。これらの予告演出の実行割合(実行確率、実行可能性)や実行態様(出現可能性、出現態様、演出内容等)についても、図48,49で示したように入球率に応じて複数設けることで、前述の実施例1,2と同様に、始動口や一般入賞口への遊技球の入球状況(入球率)に基づいて変化させることが可能となる。
また、前述の実施例1では、特図保留球数が「4」の状態で遊技球が始動口(第1始動口20、第2始動口21)に入球した場合、すなわちオーバー入球した場合、始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド、特図2始動入球コマンド)は生成されず、サブ制御基板90に対して送信されないものとしていた(図12A、図12Bを参照)。つまり、遊技制御用マイコン81は、始動入球に基づく乱数取得が行われる場合に始動入球コマンドを生成し、当該始動コマンドをサブ制御基板90に対して送信するものとした。このため、演出制御用マイコン91が計数する始動入球数(始動入球カウンタ)はオーバー入球分を含まず、乱数取得契機となる始動入球数(有効始動入球数)となっていた。これに代えて、遊技制御用マイコン81がオーバー入球分についても始動入球コマンドを生成してサブ制御基板90に対して送信し、演出制御用マイコン91がオーバー入球分を含む始動入球数を計数し、この計数値を始動口入球率に算出に利用するものとしてもよい。これにより、始動口へのオーバー入球分も予告演出の実行に反映させることが可能となり、図柄変動回数にとらわれることなく予告演出の実行可能性や実行態様等に変化をもたらすことが可能となり、演出の幅を広げることも可能となる。
また、前述の実施例1〜3において、予告決定フラグや演出決定フラグの設定状況に応じた実行割合(実行確率、実行可能性)や実行態様(出現可能性、出現態様、演出内容等)で、予告演出や当り遊技演出等を実行するものとしていた。これに加えて、予告決定フラグや演出決定フラグの設定状況に応じて行った予告演出や当り遊技演出等の実行回数や実行態様等を、演出の種類ごとにサブ制御基板90のRAMに履歴として記憶しておき、その記憶内容を、例えば、特図の変動表示が行われておらず当り遊技も行われていない待機状態(客待ち状態)にて画像表示装置7の表示画面7aに表示させて閲覧可能としてもよい。履歴の閲覧は、例えば、演出ボタン63の操作により閲覧指示入力を行うことで可能とすることができる。これにより、遊技者が遊技するパチンコ遊技機1を選択する際、予告演出や当り遊技演出等の過去の実行状況を閲覧することで、始動口や一般入賞口、大入賞口等への遊技球の入球状況を推測することが可能となり、遊技する台選びの指標を遊技者に提供することが可能となる。
また、入球状況の監視対象(入球率の算出対象)となる入球口を、前述の実施例1では始動口(第1始動口20、第2始動口21)、実施例2では一般入賞口27(左一般入賞口、右一般入賞口)、実施例3では第1大入賞口30としていたが、これ以外を対象としてもよく、例えば、ゲート28(遊技球通過口)を監視対象として遊技球の通過率を算出し、当該算出結果を、例えば普通図柄の変動表示に伴う演出表示の実行に反映させたり、前述の実施例1,2の予告演出に反映させたりすることも可能である。
[その他]
前述の実施例1〜3の構成において、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口(大入賞口)を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとすることができる。また、「始動口」を、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口としてもよいし、「始動口」とは別途、当該可変式始動口を設けてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとすることができる。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
また、前述の実施例1〜3では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。
また、前述の実施例1〜3では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、前述の実施例1〜3では特定領域39を有するパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)のみによって、大当り遊技終了後に高確率状態が付与されるかどうかが決定されるタイプの遊技機においても適用可能であることはいうまでもなく、「特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること)に基づいて」には、このタイプの遊技機も、前述の実施例1〜3のパチンコ遊技機も、他のタイプの遊技機も含まれる。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用可能である。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。また、特典としては、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態を発生することが挙げられる。また、第1始動口と第2始動口とを有し、第2始動口への入球頻度を高める高ベース状態を発生するものとすることも可能である。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用可能である。
[参考発明]
(1)また、前述の課題を解決するための参考発明1の遊技機は、
遊技盤に形成された遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な複数の入球口と、
前記複数の入球口のうち判定入球口への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報の判定を行う取得情報判定手段と、
を有し、
前記取得情報が所定の情報である旨の判定結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技の状況に応じて所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出として特定演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、
前記複数の入球口のうち少なくとも一の入球口への遊技球の入球状況を監視する入球状況監視手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記特定演出決定手段により前記特定演出を実行する旨の特定結果が導出されることに基づいて前記特定演出を実行可能であり、
前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果に基づいて前記特定結果の導出可能性を変更可能とした
ことを特徴としている。
参考発明1の遊技機によれば、複数の入球口のうち少なくとも一の入球口への遊技球の入球状況によって、特定演出を実行する旨の特定結果が導出される可能性を変化させることが可能となる。つまり、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況によって特定演出の実行可能性を変化させることが可能となる。これにより、例えば、監視対象の入球口への遊技球の入球頻度や入球率等にバラツキが生じたとしても、その入球状況に応じた特定結果の導出可能性(特定演出の実行可能性)とすることが可能となる。この結果、遊技の進行過程において遊技球の入球状況にバラツキが生じることがあるとしても、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
尚、「特別遊技」とは、遊技者に所定の遊技利益を付与可能な遊技のことを指し、例えば、普段は入球不能となっている入球口が入球可能となって当該入球口への入球に基づいて所定量の遊技利益(例えば賞球)が遊技者に付与される当り遊技や、取得情報が所定の情報である旨の判定結果が導出される確率が通常よりも高くなる高確率遊技(確変遊技)、取得情報の判定の実行契機となる判定入球口への遊技球の入球頻度が通常よりも高くなる高頻度遊技等が挙げられる。また、「入球口」とは、遊技球が通過可能な開口を有するものであって、当該開口を通過した遊技球を遊技盤の裏側(遊技機外)に排出する形態のものや、当該開口を通過した遊技球をそのまま遊技領域に戻す形態のもの(通過口、ゲート等)が含まれる。
(2)次に、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
前記特定結果の導出可能性が異なる複数の決定条件を記憶する決定条件記憶手段を有し、
前記特定演出決定手段は、前記複数の決定条件のうちの何れかを使用して前記特定演出を実行するか否かを決定可能であり、
前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果に基づいて使用する前記決定条件を変更可能とした
ことを特徴としている。
参考発明2の遊技機では、特定結果の導出可能性が異なる複数の決定条件のうちの何れかを使用して特定演出を実行するか否かを決定するものなっており、その決定に際して使用する決定条件を、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況に応じて変更可能となっている。つまり、監視対象の入球口への遊技球の入球状況に応じて、特定演出の実行可能性が変化し得るものとなっている。これにより、監視対象となる入球口への遊技球の入球状況に応じて、特定演出の実行可能性が高くなったり低くなったりするといった遊技性を得ることが可能となる。
(3)また、参考発明3の遊技機は、参考発明1又は参考発明2の遊技機において、
前記入球状況監視手段は、少なくとも前記判定入球口への遊技球の入球状況を監視する
ことを特徴としている。
参考発明3の遊技機では、取得情報の判定の実行契機である判定入球口が入球状況の監視対象となる。ここで、判定入球口は、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否に繋がる入球口であることから、遊技者にとっては、判定入球口への遊技球の入球状況は大きな関心事となる。このような判定入球口への入球状況に基づいて、特定演出決定手段による特定結果の導出可能性、換言すると、特定演出の実行可能性を変更可能とすることで、遊技者にとって重要な判定入球口への遊技球の入球状況を、特定演出の実行状況(例えば、実行回数や実行頻度等)を通じて遊技者に把握させることが可能となる。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
(4)また、参考発明4の遊技機は、参考発明1乃至参考発明3の何れか一つの遊技機において、
前記複数の入球口として、前記遊技領域のうち第1領域を流下する遊技球が入球可能な第1領域入球口と、前記遊技領域のうち第2領域を流下する遊技球が入球可能な第2領域入球口と、を有し、
前記入球状況監視手段は、前記第1領域入球口と前記第2領域入球口の何れか一方または両方への遊技球の入球状況を監視する
ことを特徴としている。
参考発明4の遊技機では、遊技領域のうち第1領域を流下する遊技球が入球可能な第1領域入球口と、遊技領域のうち第2領域を流下する遊技球が入球可能な第2領域入球口との何れか一方または両方が、遊技球の入球状況の監視対象となる。このため、例えば、遊技を進行させる際の遊技状態として、遊技球を第1領域に流下させる遊技状態と、遊技球を第2領域に流下させる遊技態様とがある場合、何れか一方または両方の遊技状態で、監視対象の入球口への遊技球の入球状況に応じて特定演出の実行可能性が変化し得る遊技性を採用することが可能となる。これにより、遊技性の幅が広がり、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(5)また、参考発明5の遊技機は、参考発明4の遊技機において、
少なくとも前記第1領域入球口として前記判定入球口が設けられる
ことを特徴としている。
参考発明5の遊技機では、少なくとも第1領域入球口として判定入球口が設けられるので、遊技球を第1領域に流下させる遊技状態を、取得情報の判定が実行され得る遊技状態とすることが可能となる。
(6)また、参考発明6の遊技機は、参考発明1乃至参考発明5の何れか一つの遊技機において、
前記入球状況監視手段は、前記特別遊技が行われていない非特別遊技中に前記入球状況を監視し、
前記非特別遊技中における前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果に基づいて、前記特定結果の導出可能性を変更可能とした
ことを特徴としている。
参考発明6の遊技機では、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況の監視を非特別遊技中に行い、当該入球状況に応じて、特定結果の導出可能性、すなわち特定演出の実行可能性が変化し得るものとなっている。これにより、非特別遊技中における監視対象の入球口への入球状況に対する遊技者の関心を高めることが可能となり、非特別遊技中の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(7)また、参考発明7の遊技機は、参考発明1乃至参考発明6の何れか一つの遊技機において、
前記入球状況監視手段は、前記特別遊技中に前記入球状況を監視し、
前記特別遊技中における前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果に基づいて、前記特定結果の導出可能性を変更可能とした
ことを特徴としている。
参考発明7の遊技機では、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況の監視を特別遊技中に行い、当該入球状況に応じて、特定結果の導出可能性、すなわち特定演出の実行可能性が変化し得るものとなっている。これにより、特別遊技中における監視対象の入球口への入球状況に対する遊技者の関心を高めることが可能となり、特別遊技中の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(8)また、参考発明8の遊技機は、参考発明1乃至参考発明7の何れか一つの遊技機において、
前記取得情報判定手段による判定の実行前に、前記取得情報記憶手段に記憶されている取得情報の判定を行う事前判定手段を有し、
前記演出実行手段は、前記特定演出として、前記事前判定手段による判定の結果に基づく事前判定演出を実行可能である
ことを特徴としている。
参考発明8の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている取得情報の事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づく事前判定演出を特定演出として実行可能としているので、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況に応じて、事前判定演出の実行可能性を変化させることが可能となる。これにより、事前判定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
(9)また、参考発明9の遊技機は、参考発明1乃至参考発明8の何れか一つの遊技機において、
前記入球状況監視手段による前記入球状況の監視結果は、所定の監視結果導出条件の成立に基づいて導出されるものであり、
当該遊技機への電源供給開始から前記監視条件が成立するまでの前記特定結果の導出可能性を、遊技機外部からの入力に基づいて設定可能な設定手段を備える
ことを特徴としている。
参考発明9の遊技機では、入球状況の監視対象となる入球口への遊技球の入球状況の監視結果が所定の監視条件の成立によらなければ得られないところ、遊技機への電源供給開始(電源投入)から監視条件が成立するまでは、入球状況の監視結果が得られていない状況となる。このような状況下で遊技を進行させた場合には、特定演出の実行可能性を変化させることはできない。そこで、参考発明9の遊技機では、遊技機への電源供給開始後(電源投入後)、最初の入球状況の監視結果が得られるまでの間における特定結果の導出可能性を遊技機外部からの入力に基づいて設定可能とすることで、例えば、遊技ホール店員等の外部入力者が、これにより、遊技機の稼働開始当初から特定演出の実行可能性を高くしたり低くしたりすることが可能となるので、遊技興趣の向上とともに遊技機の稼働率向上を図ることが可能となる。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、7 画像表示装置、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、20 第1始動口、20a 第1始動口センサ、21 第2始動口、21a 第2始動口センサ、27 一般入賞口(左一般入賞口、右一般入賞口)、27a 一般入賞口センサ、30 第1大入賞口、30a 第1大入賞口センサ、35 第2大入賞口、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、81 遊技制御用マイコン、90 サブ制御基板(サブ制御部)、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板(画像制御部)、112 発射装置、112a 発射球センサ、112b ファール球センサ。

Claims (1)

  1. 遊技盤に形成された遊技領域と、
    前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な判定入球口と、
    前記判定入球口への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報の判定を行う取得情報判定手段と、
    を有し、
    前記取得情報が所定の情報である旨の判定結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
    遊技の状況に応じて所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
    前記演出として特定演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、
    を備え、
    前記演出実行手段は、前記特定演出決定手段により前記特定演出を実行する旨の特定結果が導出されることに基づいて前記特定演出を実行可能であり、
    当該遊技機への電源供給開始からの前記特定結果の導出可能性を、遊技機外部からの入力に基づいて設定可能な設定手段を備える
    ことを特徴とする遊技機。
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