次に、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されることに基づいて、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる表示手段(演出表示手段)としての画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ例えば「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4を参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果および第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄のことを「第1識別情報」、第2特別図柄のことを「第2識別情報」、演出図柄のことを「演出識別情報」ということもある。また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して、単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4を参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って可動装飾部材14が下方に落下することで、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20(「非可変始動口」ともいう)を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21(「可変始動口」ともいう)を備える可変入賞装置22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の左側領域および右側領域には、それぞれ遊技球が通過可能な左ゲート28Lおよび右ゲート28Rが設けられている。これら2個のゲートを総称して単に「ゲート28」(遊技球通過口)ともいう。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21は開状態となる。尚、普通図柄のことを「普通識別情報」ともいい、当り普通図柄のことを「普通特定表示結果」ともいう。
さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「4」、第2始動口21の賞球数は「2」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20、左ゲート28Lおよび3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、右ゲート28R、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。また、第2始動口21は、左遊技領域3Aを流下する遊技球と、右遊技領域3Bを流下する遊技球の双方が入球可能となるように設けてある。但し、本実施例では、左遊技領域3Aを流下する遊技球よりも右遊技領域3Bを流下する遊技球の方が、開状態にある第2始動口21に入球しやすいゲージ構成(盤面構成)としている。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにて右ゲート28R、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様が大当り図柄や小当り図柄等の当り態様である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた第1特別図柄(第1識別情報)を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(15R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第2大当り図柄)。さらに、第3大当り(15R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第3大当り図柄)。また、第4大当り(2R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第4大当り図柄)。さらに、第1小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(第1小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた第2特別図柄(第2識別情報)を表示する。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が第5大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第5大当り図柄)。また、第2小当りとなった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(第2小当り図柄)。さらに、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。尚、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合における特別図柄の変動表示の表示結果のことを「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れである場合における特別図柄の変動表示の表示結果のことを「非特定表示結果」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果が小当りである場合における特別図柄の変動表示の表示結果のことを「所定表示結果」ともいう。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留(第1取得情報)として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留(第2取得情報)として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本例では「4」)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。尚、特図保留記憶部に記憶された特図保留の数(特図保留の記憶数)が、上限である所定数(上限数、本例では「4」。)となっている状況のことを「保留満タン状態」や「所定記憶状況」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28(左ゲート28Lまたは右ゲート28R)への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42(普通識別情報表示手段)では、普通図柄を所定時間にわたって変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が短開放当りである場合には、「s■t□」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように「s」のLEDのみが点灯した態様の第1当り普通図柄(短開放図柄)を停止表示する。また、判定結果が長開放当りである場合には、「s■t■」というように両LEDが点灯した態様の第2当り普通図柄(長開放図柄)を停止表示する。また、判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28(左ゲート28Lまたは右ゲート28R)への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。さらに、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイド等が接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、左ゲート28Lと右ゲート28Rのそれぞれに対して1つずつ設けられるもので、ゲート28(左ゲート28Lまたは右ゲート28R)を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域(図示せず)に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域を通過した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1を参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出等の各種演出を実行する演出実行手段として機能するものである。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて又は加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動装飾部材14は複数の装飾LED14cを含んで構成されており(図5、図48bを参照)、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動装飾部材14の動作パターンデータに含まれている。このため、可動装飾部材14の動作には、可動装飾部材14の上下動だけでなく、装飾LED14cの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。特別図柄当否判定の結果が「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。
当りには複数の種別がある。図6に示すように当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「15R第3大当り」、「2R第4大当り」および「15R第5大当り」がある。「15R第1大当り」および「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過(V通過)が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過(V通過)を狙うラウンドは「Vラウンド」ということができる。「15R第2大当り」および「15R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のVラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、この「15R第2大当り」は、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。「2R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、Vラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域39への遊技球の通過可能性(V通過可能性)が低いものとなっている。尚、Vラウンドにて開放する第2大入賞口35(第2大入賞装置36)のことを「Vアタッカー」または「特別入球口」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過(V通過)に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りまたは15R第5大当りとなった場合には、V通過可能性が極めて高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。また、特別図柄当否判定の結果が2R第4大当りとなった場合には、15R第1大当りや15R第5大当りほどではないもののV通過可能性がある態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができれば、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。これに対して、特別図柄当否判定の結果が15R第2大当りまたは15R第3大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドの開放時間が各0.1秒であることから、第2大入賞口35に遊技球を入球させるのは非常に困難となる。このため、当該大当り遊技中のV通過可能性は極めて低いことから(実質的にV通過不可能)、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、小当りは、見かけ上2R第4大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったとしても、小当り遊技の実行後の遊技状態は小当り遊技の実行前から変化しないものとなっている。つまり、小当り(小当り遊技)は、遊技状態の変化を伴わないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第4大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が「2R第4大当り」になったのか「小当り」になったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第4大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合および2R第4大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数をラウンド数とはいわず、単に開放回数という。
本実施例のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)および15R第5大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第5大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rの各ラウンド(Vラウンド)で第2大入賞口35を最大28秒開放させ、3R〜15Rの各ラウンドで第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、Vラウンド(1R目と2R目)における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなっている。
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)および15R第3大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第3大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rの各ラウンド(Vラウンド)で第2大入賞口35を最大0.1秒開放させ、3R〜15Rの各ラウンドで第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、Vラウンド(1R目と2R目)における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中に遊技球が特定領域39を通過することはほぼ不可能となっている。すなわち、15R第2,第3大当り用の開放パターンは、15R第1,第5大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンドおよび第2ラウンド(つまり、Vラウンド)の開放態様が異なる。15R第1,第5大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、第2大入賞口35に遊技球が容易に入球する。そして、第2大入賞口35へ入球した遊技球は、高い可能性で特定領域39を通過する。これに対して、15R第2,第3大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35に遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2,第3大当りに係る大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は、15R第1,第5大当りと比してかなり低くなっており、実質的には通過不可能といってもよい。
また図6に示すように、2R第4大当りに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに2R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rの各ラウンド(Vラウンド)で第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、Vラウンド(1R目と2R目)の第2大入賞口35の開放時間の合計が最大で1.8秒となるため、そのラウンド中に遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。本実施例の本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で1個の遊技球が発射されるようになっているので、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させて特定領域39への遊技球の通過を狙うことは十分に可能である。但し、2R第4大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)および第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35の最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第4大当りと同じ開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。しかし前述の通り、特定領域39への通過があっても小当り遊技の前後で遊技状態の変化は生じない。また、小当りは、第2大入賞口35の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第4大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼないもの(入球による賞球のみ)となっている。すなわち、本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第5大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り、15R第3大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第4大当り)、を有するものとなっている。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過したとしても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとなっている。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている(図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、全て15R第5大当りとなっている(図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。この振分確率は、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性、すなわち高確率状態となる確率を表しているものといえ、また、後述の開放延長機能が作動する高ベース状態となる確率を表しているものともいえる。
すなわち、高確率状態となる確率については、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は少なくとも40%となっており、2R第4大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する場合を含めると、その確率は50%となっている。一方、第2始動口21への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は100%となっている。
また、高ベース状態となる確率については、開放延長機能が作動していない遊技状態(低ベース状態)において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は60%となっており、高ベース状態において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合の2R第4大当りを含めると、その確率は70%となっている。一方、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は100%となっている。そして、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合には、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に発生し得る2R第4大当りが発生することはなく、必ず15R第5大当りとなる。
このように本実施例のパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、高確率状態になる確率や高ベース状態になる確率、さらには15R分の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。つまり、第2特別図柄当否判定で大当りとなる場合の方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されており、第2特別図柄を変動表示させた方が、第1特別図柄を変動表示させるよりも遊技者にとって有利に働く可能性が高いものとなっている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行うこととなる。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(高ベース状態)においては顕著である。
また、本実施例では、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位にしていることから、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示が共に実行可能な場合、すなわち、第1特図保留と第2特図保留が共に「1」以上存在する場合には、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行うものとしている。これにより、第2始動口21への入球頻度が高まる高ベース状態は、第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まるので、遊技者にとって有利に遊技を進めることが可能な状態といえる。にもかかわらず、高ベース状態で第1特別図柄の変動表示が行われることは、遊技者にとっては、せっかくの有利な状態(高ベース状態)での遊技に水を差されることとなり、第1特別図柄の変動表示は第2特別図柄の変動表示に比べ不利に働く可能性もあることから、高ベース状態での第1特別図柄の変動表示は、遊技者にとって望ましいことではないといえる。
ここで、特別図柄の停止表示の態様として、大当り図柄のことを「特定態様」ともいい、小当り図柄のことを「所定態様」ともいい、外れ図柄のことを「非特定態様」ともいう。また、高ベース状態の設定契機とならない大当り図柄(15R第3大当り図柄、低ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第1特定態様」ともいい、高ベース状態の設定契機となる大当り図柄(15R第1,第2,第5大当り図柄、高ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第2特定態様」ともいう。また、特別図柄が変動表示する際の遊技状態として、開放延長機能が作動しない遊技状態(低ベース状態、非時短状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、開放延長機能が作動する遊技状態(高ベース状態、時短状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28(左ゲート28Lまたは右ゲート28R)の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。普通図柄抽選に当選すると「普図当り」となり、補助遊技を行うこととなるが、本実施例では、普図当りの種類(種別)として「短開放当り」と「長開放当り」とを定めている(図8(C)を参照)。当該普図当り種別の「短開放」および「長開放」は、第2始動口21の開放パターン(可動部材23の動作パターン)を示すもので、「短開放当り」の場合は第2始動口21が短開放パターンで開放し、「長開放当り」の場合は第2始動口21が長開放パターンで開放する。つまり、「短開放当り」の場合は可動部材23が短開放動作パターンで動作し、「長開放当り」の場合は可動部材23が長開放動作パターンで動作する。ここで、短開放動作パターンは、遊技球を普通(正常)に発射している状況下で、その動作を終えるまでに、第2始動口21に遊技球が1個入球するかしないかといった程度の比較的入球し難い態様の動作パターンである。一方、長開放動作パターンは、遊技球を普通(正常)に発射している状況下で、その動作を終えるまでに、第2始動口21に2個以上(複数個)の遊技球が入球可能となるように定められた態様の動作パターンである。尚、可動部材23の短開放動作パターンのことを「第1動作パターン」や「通常動作パターン」ともいい、可動部材23の長開放動作パターンのことを「第2動作パターン」や「特定動作パターン」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄に対する確率変動機能、普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態(低確率状態)では通常状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値(大当り乱数値)が通常状態よりも多い高確率状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。尚、小当りとなる確率(小当り確率)については、特別図柄の確率変動機能が作動している場合と、作動していない場合とで、同じとしている。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなる。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能は同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数の値(当り乱数値)が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。つまり、普通図柄についての確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放パターンが一律に長開放パターンとなっており、第2始動口21の開放時間が非時短状態での短開放当りに係る短開放パターンよりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。
具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が短開放当りになると、可変入賞装置22の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行う(第1動作パターン)。この場合、可動部材23の動作時間は0.2秒であり、第2始動口21は0.2秒開放するだけなので(短開放パターン)、遊技球が入球する可能性は低い。また、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が長開放当りになると、可変入賞装置22の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行う(第2動作パターン)。この場合、可動部材23の動作時間は合計6.0秒(2.0秒×3回)であり、第2始動口21は通じて6.0開放することとなるので(長開放パターン)、短開放当りに比べ遊技球が入球する可能性は高くなる。一方、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当り(長開放当り)になると、可変入賞装置22の可動部材23が3.0秒の開放動作を2回行う(第2動作パターン)。この場合、可動部材23の動作時間は合計6.0秒(3.0秒×2回)であり、第2始動口21は通じて6.0開放することとなるので(長開放パターン)、非時短状態での短開放当りに比べ遊技球が入球する可能性は高いものとなる。尚、本実施例では、非時短状態での長開放当りに基づく可動部材23の動作パターン(第2始動口21の開放パターン)と、時短状態での当り(長開放当り)に基づく可動部材23の動作パターン(第2始動口21の開放パターン)とで、開放動作の合計時間(可動部材23の動作時間)は同じ6.0秒であるものの開放回数が異なるものとなっている。これは、非時短状態での長開放当りと、時短状態での長開放当りとの差別化を図るためで、非時短状態でより多くの開放が行われる方が、非時短状態での長開放当り(第2始動口21の長開放)を遊技者により強く印象付けることが可能と考えられるからである。但し、非時短状態での長開放当りと、時短状態での当り(長開放当り)とで、可動部材23の動作パターン(第2始動口21の開放パターン)を同じとしてもよい。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下(つまり、時短状態)では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。低ベース状態では、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表示を主として遊技を進めて、第1特別図柄に係る大当りを狙う。一方、高ベース状態(高頻度状態)では、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の変動表示を主として遊技を進めることで、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく第2特別図柄に係る大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
また、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動していない状況下(つまり、非時短状態)であっても、前述のように普通図柄当否判定の結果が長開放当りとなった場合には、第2始動口21へ遊技球の入球頻度(入球可能性)が一時的に高くなる。つまり、高ベース発生機能が作動していない非時短状態であっても、高ベース状態のように、第2始動口21へ遊技球の入球頻度(入球可能性)が一時的(単発的)に高くなる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、15R第1,第5大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
また、15R第2大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過するのは極めて困難であることから特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合、その大当り遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。また、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第1,第5大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合、その大当り遊技終了後の遊技状態は「低確高ベース状態」となる。
また、15R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過するのは極めて困難であることから特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態は、本パチンコ遊技機1において基本となる遊技状態、すなわち初期の遊技状態である。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第3大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合、その大当り遊技終了後の遊技状態は、後述の「高確低ベース状態」となる。
また、低確低ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
また、高ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば「高確高ベース状態」となる(図6を参照)。すなわち、特別図柄の時短機能およびベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1は、非時短状態(低ベース状態)にて所定の遊技条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄の変動時間が相対的に短くなる「特定状態」を発生可能(設定可能)に構成されている。特定状態では、第2特別図柄の変動表示の実行に際し、時短状態よりも変動時間の短い変動パターンが選択されるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。具体的には、特定状態では、第2特別図柄の変動表示の実行に際し、変動時間が「1000ms(1秒)」の変動パターン(P25乃至P27)を選択するように定められた変動パターンテーブルを用いる(図9を参照)。このため、特定状態にて、普通図柄当否判定の結果が普図当りとなって第2始動口21が開状態となり、当該第2始動口21に遊技球が入球して第2特図保留が記憶されると(発生すると)、その第2特図保留が高速で消化され、第1特別図柄の変動表示が主として行われる非時短状態(低ベース状態)であるにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示を効率的に行うことが可能となる。特に、普通図柄当否判定の結果が長開放当りとなった場合には、可動部材23が長開放動作パターンで動作して第2始動口21が長開放するので、第2始動口21が開放している間、より多くの遊技球を第2始動口21に入球させることで、より多くの回数の第2特別図柄の変動表示が行われることとなる。
ここで、特別図柄が変動表示するとき(特別図柄の変動表示が可能なとき)の遊技状態を変動モードとして捉えた場合、本実施例では複数の変動モードが存在することとなる。具体的には、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない非時短状態を基準にすると、この非時短状態は「通常変動モード」となり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する時短状態は「短縮変動モード」となる。また、前述の特定状態は、第2特別図柄の変動時間が、非時短状態は勿論のこと時短状態よりも短くなることから、第2特別図柄についての「超短縮変動モード」となる。尚、図9に示す変動パターンテーブルのうち、非時短状態で選択され得る変動パターンのことを「第1変動パターン」ともいい、特定状態で選択され得る変動パターンのことを「第2変動パターン」ともいう。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより遊技球を右遊技領域3Bに進入させた方が、遊技を有利に進行させることができる。高ベース状態(時短状態)では、低ベース状態(非時短状態)に比べて普通図柄抽選の当選確率(普図当り確率)が高いことから第2始動口21は開放しやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、高ベース状態では、普通図柄当否判定の契機となる右ゲート28Rへ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行うことで、左打ちを行うよりも多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより遊技球を左遊技領域3Aに進入させた方が、遊技を有利に進行させることができる。低ベース状態(非時短状態)では、高ベース状態(時短状態)と比べて普図当り確率が低いことから第2始動口21は開放しにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行うことで、右打ちを行うよりも多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とすることで、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様とすることで、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射すべきことを報知することができる。
尚、本実施例では、普通図柄当否判定の契機となるゲートとして、左遊技領域3Aに進入した遊技球(左遊技領域3Aを流下する遊技球)が通過可能な左ゲート28Lも備えているので、左打ちを行う低ベース状態(非時短状態)でも、普通図柄当否判定が行われて第2始動口21が開放することがある。第2始動口21には、右遊技領域3Bを流下する遊技球だけでなく左遊技領域3Aを流下する遊技球も入球し得るので、例えば、低ベース状態(非時短状態)にて普通図柄当否判定の結果が「長開放当り」となった場合、これに基づき長開放する第2始動口21には、左打ちにより発射される遊技球が入球し得る。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、小当り遊技や大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。
そして、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
また、小当り遊技は、大当り遊技ほどではないものの、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により賞球を得ることは可能なので、一応は、通常遊技に比べ遊技者に有利な遊技といえる。よって、小当り遊技も「特別遊技」として捉えることができ、当該小当り遊技が行われる遊技状態も「特別遊技状態」として捉えることができる。尚、大当り遊技としての特別遊技と、小当り遊技としての特別遊技を区別するため、小当り遊技としての特別遊技を「小利益特別遊技」として捉えることもできる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例および図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21aが遊技球を検知した場合、後述の始動入球時処理(S205)により、各始動口に対応する始動入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、保留球数処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。この他、遊技を進行させる上で必要なその他の処理を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、遊技球がゲート28(左ゲート28Lまたは右ゲート28R)を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否かを判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない(4以上である)場合(S306でNO)には、S309に進むが、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に「1」を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり、図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否かを判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり、図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す始動入球時処理(S205)を行う。始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算している場合、特図2保留球数が「1」増加したと判定して(S315でYES)、S316に移行し、増加してなければ(S315でNO)、S319に移行する。S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S316)、読み出した取得乱数値の判定を行う(S317)。読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態に応じた当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の当り判定テーブルに基づいて、当り判定値と一致するか否かを判定する。S317の処理は、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
ここで、特図保留記憶部(第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部)に記憶される取得乱数値(取得情報)のうち、大当り判定値と一致する特別図柄当否判定用乱数値のことを「特定取得情報」もしくは「大当り保留」ともいい、大当り判定値および小当り判定値と一致しない特別図柄当否判定用乱数値、すなわち外れ判定値のことを「非特定取得情報」もしくは「外れ保留」ともいう。また、小当り判定値と一致する特別図柄当否判定用乱数値のことを「所定取得情報」もしくは「小当り保留」ともいう。
尚、他の事前判定態様として、例えば、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルとに基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317の事前判定の結果を示す情報、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報および変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、始動入球コマンド(特図2始動入球コマンド)として生成し、この始動入球コマンドを主制御基板80のRAMに設けられたサブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S318)。この始動入球コマンドをサブ制御基板90側で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90において識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、始動入球コマンドを解析することで、取得した乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、例えば、受信した始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
次いでS319では、前述の特図2と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算している場合、特図1保留球数が「1」増加したと判定して(S319でYES)、S320に移行し、増加してなければ(S319でNO)、処理を終える。S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終え、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値の事前判定を行い(S322)、この事前判定の結果を示す情報(当否情報、大当り種別決定用乱数値を示す情報、変動パターン乱数値を示す情報)等を含むコマンドデータを、始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド)として生成し、この始動入球コマンドを出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このことから、本実施例では、特図1保留に係る事前判定(特図1事前判定)を、第1特別図柄の変動表示が主として行われる低ベース状態(非時短状態)にて行うこととし、特図2保留に係る事前判定(特図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特図1保留球数が「1」増加したとしても、S321〜S323の処理(特図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、主に普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401,S403,S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行った後、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした普通図柄変動開始コマンドは、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。尚、普通図柄変動開始コマンドには、S503で選択した普通図柄変動パターンを示す情報や、後述の普通図柄当否判定処理(S502)における普通図柄当否判定(S603,S604)の結果を示す情報、同じく後述の普通図柄当否判定処理(S502)のS607で決定される当り普通図柄の種類(短開放図柄または長開放図柄)を示す情報等が含まれる。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りであるか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0〜2」、「5〜7」)に基づく低確率普図当否判定により、当りであるか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603,S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。尚、前述のように、当り普通図柄には、短開放当りに対応する第1当り普通図柄(短開放図柄)と、長開放当りに対応する第2当り普通図柄(長開放図柄)とがあるため、S607では、普図当否判定(S603,S604)の結果が当りである場合の当該普図当りの種類(短開放当り又は長開放当り)に応じた停止図柄が決定(選択)される。また、本実施例では、S608でONにする普図当りフラグとして、短開放当りに対応するフラグと長開放当りに対応するフラグとを設けているので、S608では、普図当否判定(S603,S604)の結果が当りである場合の当該普図当りの種類(短開放当り又は長開放当り)に応じたフラグがONとされる。このように普図当りフラグがONになること、すなわち、普図当否判定の結果が当りになることで、可動部材23の動作条件が成立したこととなり、これを契機に可動部材23が動作して、第2始動口21が開放する。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すに示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1デクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S802)、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定の結果に応じた表示結果(第1当り普通図柄(短開放図柄)、第2当り普通図柄(長開放図柄)または外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S908)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中であるか否かを判定する(S902)。そして時短フラグがON(時短状態中)であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、3.0秒の開放を2回繰り返す長開放パターン(可動部材23が3.0秒の開放動作を2回行う第2動作パターン)である。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「2」をセットする。
これに対し、時短フラグがOFF(非時短状態中)であれば(S902でNO)、今回の普図当りが短開放当りであるか否かを判定する(S904)。この判定は、前述した普図当りフラグを参照することにより行う。その結果、短開放当りであれば(S904でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の短開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の短開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターン(可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行う第1動作パターン)である。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。一方、短開放当りでない、すなわち長開放当りであれば(S904でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の長開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の長開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回行う開放パターン(可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行う第2動作パターン)である。従って、第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。こうして可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンのセット(S903,S905,S906)を行ったら、普図動作ステータスを「4」にセットし(S907)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、普図当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放動作が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、前述のS903、S905またはS906でセットされる可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンに準じてセットされるもので、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が2回なされると「0」になり、非時短状態中であって短開放パターンであれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になり、非時短状態中であって長開放パターンであれば第2始動口21の開放が3回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903、S905又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101,S1103,S1105,S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図6、図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す当り判定テーブルのうち通常状態用の当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、図8(A)に示す当り判定テーブルのうち高確率状態用の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」と判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、全て15R第5大当りとされる(図8(B)を参照)。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
また、大当りフラグには、大当りの種別が15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り又は15R第5大当りであった場合にONする長当りフラグと、2R第4大当りであった場合にONする短当りフラグとがある。ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと15R用ランプとの2個のLEDで構成されており、2R第4大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第4大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り〜第3大当り及び15R第5大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
一方、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りであるか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否かを判定する(図8(A)を参照)。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、特別図柄当否判定用乱数とは別に、小当りであるか否かを決める乱数(小当り判定用乱数)を設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、特定フラグまたは時短フラグがONであるか否かを判定する(S1401)。つまり、現在の遊技状態が「非時短状態(低ベース状態)かつ特定状態」(以下、単に「特定状態」ともいう)または「時短状態(高ベース状態)」の何れであるかを判定する。そして、「特定状態」または「時短状態(高ベース状態)」の何れでもない場合(S1401でNO)、すなわち、単なる非時短状態である場合、大当りフラグがONであるか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。具体的には、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まることとなる。
一方、大当りフラグがONでない場合(S1402でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。具体的には、変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでない場合(S1405でNO)、すなわち外れの場合、非時短状態外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。ここで、外れ変動パターンの選択に際しては、そのときの第2特別図柄の保留数を参照して、その保留数に応じたテーブルを用いる。尚、ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。
このため、S1407では、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」である場合、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、変動パターンP5乃至P8の何れかが選択される。また、第2特別図柄の保留数が「3」又は「4」である場合、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、変動パターンP9乃至P12の何れかが選択される。図9に示すように、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。つまり、非時短状態外れ用テーブルを用いて変動パターンを選択するに際し、保留球数が「3」又は「4」の場合には変動時間短縮の機能が働くものとなっている。
一方、S1401において特定フラグまたは時短フラグがONであると判定した場合(S1401でYES)、すなわち、現在の遊技状態が「非時短状態(低ベース状態)かつ特定状態」または「時短状態(高ベース状態)」である場合、大当りフラグがONであるか否かを判定し(図25のS1408)、ONであれば(S1408でYES)、さらに時短フラグがONであるか否かを判定する(S1409)。そして、時短フラグがONであると判定した場合(S1409でYES)、現在の遊技状態は「時短状態(高ベース状態)」であることから、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。具体的には、変動パターンP13乃至P15の何れかが選択される。これに対し、S1409で時短フラグがONでないと判定した場合(S1409でNO)、現在の遊技状態は「非時短状態(低ベース状態)かつ特定状態」であることから、特定状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち特定状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。具体的には、変動パターンP25が選択される。
また、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定し(S1412)、ONであれば(S1412でYES)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S1413)。そして、時短フラグがONであると判定した場合(S1413でYES)、現在の遊技状態は「時短状態(高ベース状態)」であることから、時短状態小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。具体的には、変動パターンP16が選択される。これに対し、S1413で時短フラグがONでないと判定した場合(S1413でNO)、現在の遊技状態は「非時短状態(低ベース状態)かつ特定状態」であることから、特定状態小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち特定状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。具体的には、変動パターンP26が選択される。
さらに、S1412で小当りフラグがONでないと判定した場合(S1412でNO)、すなわち外れの場合、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1416)、ONであれば(S1416でYES)、現在の遊技状態は「時短状態(高ベース状態)」であることから、時短状態外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1417)。ここで、時短状態外れ用テーブルを用いて変動パターンを選択する場合、非時短状態の外れの場合と同様に、保留球数に応じて変動時間短縮の機能が働くことがある。但し、非時短状態での外れ変動パターンの選択に際しては、保留球数が「3」又は「4」の場合に変動時間短縮の機能が働くものとなっていたのに対し、時短状態での外れ変動パターンの選択に際しては、保留球数が「2」〜「4」の場合に変動時間短縮の機能が働くものとなっている(図9を参照)。すなわち、非時短状態よりも短縮変動が選択され易くなっている。具体的には、第2特別図柄の保留数が「1」である場合、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて、変動パターンP17乃至P20の何れかが選択される。また、第2特別図柄の保留数が「2」〜「4」である場合、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて、変動パターンP21乃至P24の何れかが選択される。
これに対し、S1416で時短フラグがONでないと判定した場合(S1416でNO)、現在の遊技状態は「非時短状態(低ベース状態)かつ特定状態」であることから、特定状態外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち特定状態かつ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1418)。具体的には、変動パターンP27が選択される。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図2対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1デクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのいずれにも判定される可能性がある(図8(B)を参照)。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り、15R第2大当り及び15R第3大当りの何れかと判定した場合には、ステップS1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第4大当りと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
ここで、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合には大当りフラグをONにし(S1312,S1612)、小当りである場合には小当りフラグをONにするが(S1307,S1607)、本実施例では、大当りフラグや小当りフラグをONにする際、当該フラグをONにする契機となった特別図柄の種類を示す情報、すなわち第1特別図柄と第2特別図柄の何れであるのかを判別可能とする情報(例えば第1特図フラグ、第2特図フラグ等)を併せて記憶するものとしている。これは、大当りや小当りの発生契機となった特別図柄の種類(第1特別図柄または第2特別図柄)に応じた遊技制御や演出制御等を実行可能とするためである。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1203)と比較して、特定状態用の変動パターンを選択しない点が異なり、その他は、基本的に特図2変動パターン選択処理と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。すなわち、図28に示すように、S1701では、時短フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が「非時短状態(低ベース状態)」または「時短状態(高ベース状態)」の何れであるかを判定するものとなっている。このため、特図1の変動パターンに関しては、非時短状態(低ベース状態)の場合(S1701でNO)、特定状態であるか否かに関係なく、非時短状態のテーブルを参照して変動パターンを選択することとなる(S1703,S1706,S1707)。一方、時短状態(高ベース状態)の場合は(S1701でYES)、特図2変動パターン選択処理(S1203)と同様に、時短状態のテーブルを参照して変動パターンを選択する(S1709,S1711,S1712)。
また、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702とS1708で大当りフラグがONであると判定し(S1702でYES、S1708でYES)、各遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じた大当り用テーブル(図9を参照)を参照して変動パターンを選択する場合(S1703,S1709)、大当りの種別によって、選択し得る変動パターンが異なるものとなっている。具体的には、大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)である場合、非時短状態では変動パターンP1乃至P3、時短状態ではP13乃至P15がそれぞれ選択される。これに対し、大当りの種別が2R大当りである場合、非時短状態では変動パターンP3、時短状態ではP15がそれぞれ選択される。つまり、2R大当りの場合は、変動時間が30000msの変動パターンが必ず選択される。これは、小当りの変動パターン(P4,P16)と同じ変動時間とすることで、2R大当りと小当りの何れが発生したのかを判別し難くするためである。
この特図1変動パターン選択処理(S1208)において、特図1の変動パターンの選択(S1703,S1706,S1707,S1709,S1711,S1712)を行った後は、その他の処理(S1704、図28を参照)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1704)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図1対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1デクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)または確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)または時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15第3大当り及び15R第5大当りのいずれか)か否かを判定する(S2002)。そして、15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉鎖まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターン(図6を参照)として、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターンをセットし、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターンをセットし、15R第3大当りであれば15R第3大当り用の開放パターンをセットし、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターンをセットする(S2003)。
S2002において15R大当りでなければ(すなわち短当りフラグがONであれば)、大当り種別は2R第4大当りであるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターン(図6を参照)として、2R第4大当り用の開放パターンをセットする(S2004)。
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(図6を参照)をセットする(S2009)。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグ、時短フラグ及び特定フラグのうちONとなっているフラグがあるか否かを判定し(S2101)、ONとなっているフラグがある場合(S2101でYES)、そのONとなっているフラグをOFFにする(S2102)。これにより、大当り遊技の実行中は、確変フラグ、時短フラグ及び特定フラグはすべてOFFになり、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低確低ベース状態に制御されることになる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否か、すなわち、Vラウンドであるか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。実行されるラウンドがVラウンドでない場合(S2108でNO)、すなわち、3〜15ラウンドの何れかである場合、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6を参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、実行されるラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6を参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放する際、すなわちラウンドを開始する際には、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットしたラウンド開始コマンドは、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
V有効期間設定処理(S2109)では、Vラウンド(1ラウンド又は2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、「特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する」というのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONにする(後述の特定領域センサ検知処理のS2401〜S2403を参照)ということであり、「特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する」というのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(S208)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONとされ、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
また、大当り遊技のVラウンド(1R目または2R目)でV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
尚、本実施例では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2,第3大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2,第3大当りの場合はVラウンドにおいて第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2,第3大当りの場合はVラウンドを第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2,第3大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグがONになることはない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンドと2ラウンドをVラウンドとし、当該Vラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、Vラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
S2106において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放中(つまり、ラウンド中)であると判定した場合(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、開放中の大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1デクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する際、すなわちラウンドを終了する際には、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドをセットする。このセットしたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。尚、ラウンド終了コマンドは、大当り遊技の最終ラウンドを除くラウンドの終了の際、すなわち、S2115でラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合に送信される。例えば、実行する大当り遊技のラウンド数が15R大当り遊技であれば、14Rの終了まではラウンド終了コマンドが送信されるが、15Rの終了に際しては送信されない。最終ラウンドの終了に際しては、後述するS2116の処理でセットするエンディングコマンドが送信されるからである。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
また、S2105において大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。以上の特別電動役物処理1(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(S208)にてONされるフラグである。そして、VフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「100」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであるか否かを判定する。そして、15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、その15R大当りが15R第3大当りであるか否かを判定し(S2206)、15R第3大当りであれば(S2206でYES)、そのまま処理を終え、15R第3大当りでない、すなわち、15R第1,第2,第5大当りの何れかであれば(S2206でNO)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。ここで、今回の大当り遊技が15R第1大当り又は15R第5大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過(V通過)してVフラグがONになっている筈なので(S2201でYES)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第2大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第3大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態になる。
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りでない、すなわち、2R第4大当りであると判定した場合(S2205でNO)、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったか否かを判定し(S2209)、時短状態でなかったと判定した場合(S2209でNO)、時短フラグをONにすることなく、そのまま処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確低ベース状態となる。
一方、S2209で、2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2209でYES)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態となる。
尚、高確高ベース状態、低確高ベース状態および高確低ベース状態は、いずれも、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。この終了条件に係る特別図柄の変動回数は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示の合計である。
また、2R第4大当りに係る大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2209)を行うのは、当該大当り遊技前後の時短機能および高ベース機能の作動状態を、小当りが発生した場合の状態(条件)と同じにするためである。これらの作動状態が2R第4大当りの場合と小当りの場合とで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識し難くしたとしても、その後の遊技状態(時短機能および高ベース機能の作動状態)によって、何れの当りかが容易に判別可能となってしまうからである。これにより、2R第4大当りと小当りとを大入賞口の開放パターンによって判別し難くすると共に、その後の時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別し難くするものとしている。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(本例では第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(図6を参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚、Vタイマが「0」であるか否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットすることで、有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
S2302において第2大入賞口35の開放中であると判定した場合(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1デクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
一方、S2310で「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにする(S2317)。次いで、今回終了した小当りが、非時短状態(低ベース状態)での特図1の小当り図柄(第1小当り図柄)の停止表示を契機とするものであるか否か、つまり、第1小当り(特図1小当り)であるか否かを判定し(S2318)、非時短状態(低ベース状態)での第1小当りでなければ(S2318でNO)、特定フラグをONにすることなくS2321の処理に移行し、非時短状態(低ベース状態)での第1小当りであれば(S2318でYES)、特定フラグをONにするとともに(S2319)、特定カウンタに「50」をセットして(S2320)、S2321の処理に移行する。特定フラグをONにすることで、第1小当り(特図1小当り)に係る小当り遊技の終了後は「非時短状態(低ベース状態)かつ特定状態」となり、当該特定状態中に第2特別図柄が変動表示する場合には、前述の特図2変動パターン選択処理(S1203)で選択される変動パターンがP25乃至P27(図9を参照)の何れかに限定される(S1411,S1415,S1418)。つまり、特定状態では、第2特別図柄が変動表示する場合、その変動時間は1000ms(1秒)に固定される。特定状態は、特別図柄が50回変動表示すること(第1特別図柄と第2特別図柄の合計)および次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。このように特定状態が設定される期間のことを「特定期間」ともいう。尚、特定状態(特定期間)の終了条件はこれに限られるものではなく、終了条件となる特別図柄の変動表示回数(つまり、特定期間の長さ)も任意に定めることが可能である。
そして、S2321で特図動作ステータスを「1」にセットし(S2321)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。さらに、特定状態中に第1小当り(特図1小当り)となった場合、小当り遊技の終了に際し、改めて特定カウンタに「50」をセットする。以上の特別電動役物処理2(S1109)を実行する遊技制御用マイコン81は「小利益特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。特定領域センサ検知処理(S208)では、図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し(S2401)、検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(S1108)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第4大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S208)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。保留球数処理(S209)では図37に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。尚、保留球数のデータについては、前述の始動入球時処理(S2041)で生成する始動入球コマンドに含めるものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。電源断監視処理(S210)では図38に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図45に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化し(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003の処理は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S210)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONであるか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いることが可能である。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4408では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、本実施例では、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンドが該当する。S4408では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していれば(S4408でYES)、大当り遊技関連演出処理(S4409)を行って、S4412の処理に移行し、受信していなければ(S4408でNO)、大当り遊技関連演出処理(S4409)を行うことなくS4412の処理に移行する。
大当り遊技関連演出処理(S4409)では、例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したコマンドに基づいて、大当り遊技の進行状況に即したオープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
続いて、図44に示すように、S4412では、主制御基板80から第1V通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、第1V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4412でYES)、V通過報知コマンドをサブ出力バッファにセットし(4413)、S4414の処理に移行する。尚、第1V通過コマンドは、15R第1,第5大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御用マイコン101は、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態になることが遊技者に報知される。一方、S4412で、第1V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4412でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4414の処理に移行する。
尚、「V通過!」の文字を表示することは、V通過報知態様の一つであり、他の表示内容(例えば「V」の文字を模したオブジェクト画像を表示したり、「確変GET」の文字を表示したりする等)で、V通過を報知してもよい。これにより、実行中の大当り遊技(特別遊技)後の遊技状態が、高確率状態となることを遊技者に対して報知することが可能となる。
続いてS4414では、演出制御用マイコン91で、主制御基板80から第2V通過コマンド(S2406でセット)を受信したか否かを判定し(S4413)、第2V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4414でNO)、S4415の処理に移行して第3V通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4415)。そして、S4414で第2V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4414でYES)と、S4415で第3V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4415でYES)との何れの場合もV通過非報知コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4416)、S4417の処理に移行する。一方、S4415で、第3V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4415でNO)、V通過非報知コマンドをセットすることなく、S4417の処理に移行する。
ここで、第2V通過コマンドは、2R第4大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。また第3V通過コマンドは、小当り中などのV無効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。
V通過非報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7aにおいて、「V通過!」等のVを通過したことを示す文字の表示がない画面(すなわちV通過の報知が何もない画面)に、表示制御する。換言すれば、V通過非報知態様とするのである。従って、本実施例のパチンコ遊技機1では、2R第4大当りや小当りにおいて遊技球が特定領域39を通過しても、そのことは遊技者に報知されないものとされる。
尚、前述の特定領域センサ検知処理(図36)にてセットするコマンドを第1V通過コマンドのみとし、第2V通過コマンドや第3V通過コマンドをセットしないこととしてもよい。この場合、受信コマンド解析処理(S4302)では、前述のS4414〜S4416を実行しないこととする。このように構成しても、15R第1,第5大当りにおけるV有効期間中にV通過があったときのみ、その旨が遊技者に報知されるパチンコ遊技機とすることができる。すなわち、V通過の報知のための演出をしない場合にはあえてコマンド(V通過非報知コマンド)をセットしなくてもよい。但し、本実施例のようにコマンドをセットしてそれに基づいて画像制御基板100を制御した方が、画像制御の安定性を増すことが可能となる。
最後にS4417の処理を行い、本処理を終える。S4417では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド、例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等に基づく処理を行う(S4417)。ここで、普通図柄変動開始コマンドには、前述したように、普通図柄変動パターンを示す情報や、普通図柄当否判定(S603,S604)の結果を示す情報、当り普通図柄の種類(短開放図柄または長開放図柄)を示す情報等が含まれることから、演出制御用マイコン91は、受信した普通図柄変動開始コマンドを解析することで、今回の普通図柄の変動表示が普図当りに該当するか否かや、長開放当りであるのか短開放当りであるのか等を判別することが可能となっている。そこで、S4417では、特定状態中(特定フラグがONであるとき)に主制御基板80から受信した普通図柄変動開始コマンドが、長開放当りに係るコマンドである場合、長開放報知コマンドをサブ出力バッファにセットする。この長開放報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100(画像制御部)に送信されると、画像制御用マイコン101は、所定の長開放報知画像を画像制御基板100のROMから読み出し、画像表示装置7の表示画面7aにて長開放報知演出を行う(図46(b)を参照)。本実施例では、特定状態中(特定フラグがONであるとき)に普通図柄の当否判定結果が長開放当りとなった場合、第2始動口21への遊技球の入球を遊技者に促すために、長開放報知演出を行うこととしている。この長開放報知演出の詳細については後述する。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
続いてS4502では、演出制御用マイコン91が変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P27)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
続いてS4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。
本実施例では、演出モードA(モードステータス1)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードB(モードステータス2)は低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードC(モードステータス3)は高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。また、演出モードD(モードステータス4)および演出モードE(モードステータス5)は、高確低ベース状態または低確低ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがDまたはEであるときには、遊技者は演出モードを確認しても、特別図柄当否判定の確率状態が、高確率状態にあるのか低確率状態(通常状態)にあるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。
また、本実施例では、低ベース状態に制御されているときであって特図1小当り(第1小当り)を契機として特定状態となった場合、特定状態が終了するまで、特定状態中(特定期間中)である旨を報知する演出を行う。具体的には、図46に示すように、画像表示装置7の表示画面7aの右上に、チャンスゾーンの文字を表示するチャンスゾーン演出を行う。つまり、本実施例では、特定状態をチャンスゾーンとして捉えるものとしている。
続いてS4504では、演出制御用マイコン91が制御する画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の変動演出パターン(「演出パターン」ともいう)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
続いてS4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、特別図柄当否判定の結果が15R第1,第5大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、15R第2,第3大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。さらに、2R第4大当りや小当りのときは「135」等の予め定めたチャンス目や「3☆3」等の専用図柄を停止表示してもよい。すなわち、2R第4大当りのときと小当りのときとで、同じ演出図柄を停止表示するようになっている。このため、遊技者は、停止表示された演出図柄を確認しただけでは、2R第4大当りとなったのか、小当りとなったのかを判別することはできない。但し、本実施例では、特図1小当り(第1小当り)を契機として特定状態となった場合、前述のようにチャンスゾーン演出が行われるので、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の開閉動作終了後(つまり、特別遊技後)にチャンスゾーン演出が実行されれば、遊技者は、第1小当りであったことを判別することができる。尚、前述の演出図柄の停止表示態様は一例であり、大当りや小当りとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
また、本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄の変動態様として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。
続いてS4506では、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
[チャンスゾーン演出(長開放報知演出)]
次に、非時短状態(低ベース状態)での特図1小当り(第1小当り)を契機とする特定状態の発生に伴って行われるチャンスゾーン演出について説明する。前述したように、非時短状態にて第1特別図柄当否判定の結果が小当り(第1小当り)となった場合、当該小当りに係る小当り遊技に伴い特定フラグがONとなり(S2319)、小当り遊技後の遊技状態が特定状態となる。これに伴い、画像表示装置7の表示画面7a上では、現在、特定状態(チャンスゾーン)であることを遊技者に認識させるべく、チャンスゾーン演出が行われる。本実施例では、特定状態の実行期間(特定期間)を、原則、特別図柄の変動表示が第1特別図柄と第2特別図柄を通じて50回行われるまでとしており、この間に大当りが発生した場合にも、特定状態が終了するものとなっている。チャンスゾーン演出は、その特定期間中に行われるものであって、特定期間中である旨を遊技者に報知するための報知演出であり、特定期間(特定状態)専用の演出である。
本実施例のチャンスゾーン演出は、図46に示すように、表示画面7aの右上に「チャンスゾーン」の文字を表示するものとしている。尚、チャンスゾーン演出の態様は本実施例に限られず、例えば、背景画像や背景色、演出図柄8のデザイン等を通常(特定状態でないとき)と異ならせたり、演出図柄8が変動表示する際の変動音を通常(特定状態でないとき)と異ならせたりする等、チャンスゾーン(特定状態、特定期間)であることを遊技者に認識させることが可能な演出であれば、その態様は問わない。
非時短状態(低ベース状態)では、第2始動口21が長開放パターンで開放しない限り、第2始動口21に遊技球が入球することは殆どないことから、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の変動表示を主として遊技が進められる。これに鑑み、図46(a)では、チャンスゾーン中、すなわち、特定状態中(特定期間中)に第1特別図柄の変動表示に伴う演出図柄8の変動表示が行われている様子を示している。尚、図46(a)では、説明の便宜上、特図保留が記憶されていない場合(特図1保留球数=「0」、特図2保留球数=「0」)を示している。
図46(a)に示す状況で、普通図柄の当否判定結果が長開放当りになると、図46(b)に示すように、表示画面7aの中央下部(演出保留表示領域の近傍)に長開放報知画像Gを表示する長開放報知演出が行われる。本実施例の長開放報知画像Gは、可変入賞装置22(第2始動口21)を模した画像と、第2始動口21への入球を遊技者に促す「狙え!」の文字とからなるものとしている。尚、長開放報知演出の態様は本実施例に限られず、例えば、第2始動口21への入球を遊技者に促す文字だけを表示したり、普通図柄が第2当り普通図柄(長開放図柄)で停止表示した際にその旨を示す普通演出図柄を表示したり、第2当り普通図柄(長開放図柄)の停止表示に基づき第2始動口21が開放する際にその旨を示す文字や画像等を表示したりする等、第2始動口21が長開放することを遊技者に認識させることが可能な演出であれば、その態様は問わない。また、長開放報知演出は、長開放当りに係る普通図柄の変動表示中からその後の長開放パターンに基づく第2始動口21の開放(補助遊技)が終了するまでの所定時期に行うことができる。本実施例では、長開放当りに係る普通図柄の変動表示が終了する約2秒前から長開放報知演出を開始し、第2始動口21の開放終了(補助遊技終了)に伴い長開放報知演出を終了するものとしている。
次に、図46(b)に示す状況で、第2始動口21が長開放パターンで開放し、当該開放中の第2始動口21に遊技球が入球するとともに、当該入球の発生から間もなく第1特別図柄の変動表示が終了したとする。この場合、これに続く変動表示として、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示が行われる。ここで、特定状態(非時短状態)での長開放パターンに基づく第2始動口21の開放は、2秒の開放を3回繰り返すもので、通じて6秒開放する。また、特定状態での第2特別図柄の変動表示は変動時間が1秒となる(図9を参照)。このため、特定状態にて第2始動口21が長開放パターンで開放し、当該第2始動口21に遊技球が入球すると、当該入球に基づく第2特別図柄の変動表示は1秒という極めて短い時間で終了するので、第2特図保留は高速で消化されることとなり、第2特図保留が記憶されるとしても、その記憶数が2以上(複数)になる可能性は低く、これに伴い、その記憶数が上限値(本例では「4」)となる可能性(所定記憶状況の発生可能性)も低い。この結果、特定状態(特定期間)では、長開放パターンで開放する第2始動口21に入球した遊技球数分の第2特別図柄の変動表示が行われ易くなり、第2特図保留の上限数(本例では「4」)を超える数の入球があった場合、その入球分についても第2特別図柄の変動表示の実行契機となり得る。尚、図46(c)は、第2特別図柄の変動表示(1秒変動)に伴う演出図柄8の変動表示が行われるとともに、第2特図保留が1個記憶されている状況を示している。
ここで、非時短状態(低ベース状態)であって特定状態(特定期間)でないとき(非特定状態、非特定期間)に、第2始動口21が長開放パターンで開放し、当該第2始動口21に遊技球が入球したとする。このとき、特図1保留球数および特図2保留球数がともに「0」であり、第1特別図柄が変動表示していないとすると、当該第2始動口21への最初の入球に基づく第2特別図柄の変動表示が直ちに開始される。この場合の第2特別図柄の変動時間は、当該変動開始時の特図2保留球数が「1」であることから、最短で12000ms(12秒)となる(図9の非時短状態を参照)。このため、長開放パターン(通じて6秒の開放時間)で開放した第2始動口21は、当該最初の入球に基づく変動表示中に閉鎖することとなり、長開放パターンで開放した第2始動口21に、最初の入球の後、さらに第2特図保留の上限数を超える数の数が入球したとしても、その超えた分の入球は保留満タン状態(所定記憶状況)での入球となるため、第2特別図柄の変動表示の実行契機とならない(所謂「オーバー入賞」となる)。
つまり、非時短状態(低ベース状態)にて第2始動口21が長開放パターンで開放し、当該第2始動口21への入球に基づき第2特別図柄の変動表示が直ちに行われる場合、このときの遊技状態が特定状態(特定期間)でなければ(非特定状態であれば)、当該第2始動口21の長開放を契機として実行され得る第2特別図柄の変動表示の回数は、最大でも、第2始動口21への1個目の入球に基づく変動表示(1回)と、これに続く第2特図保留の上限数分(本例では「4」)の入球に基づく変動表示(4回)との計5回となる。一方、特定状態(特定期間)であれば、当該第2始動口21の長開放を契機として実行され得る第2特別図柄の変動表示の回数は、前述した非特定状態での最大の変動可能回数である5回(第2特図保留の上限数+1)を超える可能性があり、第2始動口21への入球がコンスタントに見込めるのであれば、その可能性は高いものとなる。
このように、特定状態(特定期間)では、非時短状態(低ベース状態)であるにもかかわらず、普図長開放当りとなって第2始動口21が長開放することで、第1特別図柄よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄を高頻度で変動表示させる機会を得られるようになる。このことがチャンスゾーンの所以である。
以上の説明では、特定状態にて特図保留が記憶されていない状況で普通図柄の長開放当りとなり、これに伴い第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示が直ぐに行われる例を示したが、本実施例では、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行う特図2優先変動機能(第2特図保留優先消化機能)を備えているため、第1特図保留が記憶されている状況であっても、第2特別図柄の変動表示が繰り返し行われる状況を生じさせることが可能であり、第2特図保留の上限数を超える回数の第2特別図柄の変動表示が実行され得るものとなる。また、第1特別図柄が変動表示しているときに第2始動口21が長開放して遊技球が第2始動口21に入球した場合であっても、その第1特別図柄の変動表示の終了タイミング、すなわち、第1特別図柄の変動表示終了に続いて行われる第2特別図柄の変動表示の開始タイミングによっては、第2特図保留の上限数を超える回数の第2特別図柄の変動表示が実行され得るものとなる。
[実施例の作用効果]
以上に説明した実施例のパチンコ遊技機1では、非時短状態(低ベース状態)にて特図1小当り(第1小当り)となったことに基づいて特定状態(特定期間)が発生する。この特定状態中(特定期間中)に普通図柄当否判定で長開放当りとなり、可変入賞装置22の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うことで(特定動作パターン)、第2始動口21が長開放パターンで開放すると、第2始動口21への遊技球の入球可能性が高まる。これに伴い、第2始動口21に遊技球が入球し、当該入球に基づいて第2特別図柄が変動表示する場合、当該変動表示に係る変動パターンはP25乃至P27の何れかとなり(選択率100%)、非特定状態中(非特定期間中)に比べ変動時間は短くなる(本例では1000ms)。このため、第1特別図柄の変動表示が主として行われる非時短状態(低ベース状態)において特定状態(特定期間)が発生し、当該特定状態中に可動部材23が長開放動作パターンで動作して第2始動口21が長開放すれば、非特定状態中に第2始動口21が長開放する場合に比べ、第2特別図柄の変動表示回数(第2特図保留の消化数)が多くなる可能性が高まる。これにより、非時短状態(低ベース状態)であるにもかかわらず、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示を、高頻度で実行し得る遊技性を実現することが可能となる。また、特定状態において、第2始動口21が長開放するか否かや、長開放した場合に第2特別図柄を何回変動表示させることができるかに注目させる遊技性を実現することも可能となる。
特に、本実施例では、大当り遊技のラウンド数やVラウンドでのV通過可能性の点で、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位にしている。このため、非時短状態(低ベース)では、原則、第2特別図柄に比べ優位性の低い第1特別図柄の変動表示が主として行われるが、特定状態(特定期間)が発生することで、遊技者は、非時短状態であるにもかかわらず、第1特別図柄に比べ優位性の高い第2特別図柄の変動表示の実行に期待を寄せることが可能となる。これにより、特定状態(特定期間)が発生することで、まずは、第2始動口21が長開放すること(普通図柄の長開放当りの発生)に期待し、第2始動口21が長開放した場合には、第2始動口21により多くの遊技球を入球させて、第2特別図柄に係る大当り(15R第5大当り)の発生に期待する遊技性を得ることが可能となる。
また、実施例のパチンコ遊技機1では、特定状態にて第2特別図柄が変動表示する際の変動時間(変動パターンP25乃至P27の変動時間)が、長開放パターンに基づく第2始動口21の開放時間(つまり、長開放動作パターンに基づく可動部材23の動作時間)よりも短いため、長開放する第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示を効率よく行うことが可能となる。これにより、非時短状態(低ベース状態)にて特定状態(特定期間)が発生し、当該特定状態中に第2始動口21が長開放した場合(可動部材23が長開放動作パターンで動作した場合)、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示に関し、その変動回数の増加に貢献することが可能となる。
また、実施例のパチンコ遊技機1では、特定状態(特定期間)において、第2始動口21が長開放パターンで開放し、当該第2始動口21に遊技球が入球すると、当該入球に基づく第2特別図柄の変動表示は1秒という極めて短い時間で終了するので、第2特図保留は高速で消化されることとなる。このため、特定状態(特定期間)にて、長開放パターンで開放する第2始動口21に遊技球が連続的に(次々と)入球し、その入球数が第2特図保留の上限数を超えたとしても、第2特別図柄の変動表示が次々と実行されるので、第2特図保留の保留満タン状態(所定記憶状況)が発生する可能性は低くなり、上限数を超えた分の入球も含めて、第2始動口21への入球は有効なもの(特図保留として記憶され得る入球)として処理される可能性が高くなる。つまり、特別図柄(第2特図)の変動表示の実行契機とならない第2始動口21への無効な入球(無効球)が生じる可能性は低くなる。これにより、特定状態(特定期間)では、第2始動口21が長開放パターンで開放することで、第2特図保留の上限数を超える回数の第2特別図柄の変動表示の実行可能性が高くなり、この結果、第2特別図柄の変動表示回数に遊技者の興味を惹きつけ、遊技興趣を向上させることが可能となる。特に、特定状態(特定期間)では、第2始動口21の長開放を契機として実行され得る第2特別図柄の変動表示の回数が、非特定状態での最大の変動可能回数である5回(第2特図保留の上限数+1)を超える可能性があるため、非時短状態(低ベース状態)であるにもかかわらず、より多くの第2特別図柄の変動表示が望めるといった遊技性の効果は顕著となる。
以上、本発明の実施の形態として実施例を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述した実施例では、特定状態における第2特別図柄の変動パターン(P25乃至P27)に係る変動時間を一律1000msとしていたが、変動時間が異なる複数種の変動パターンを設けてもよい。例えば、500ms〜2000msの範囲で変動時間の異なる複数の変動パターンを設け、特別図柄当否判定の結果に応じて変動パターンの選択率を定めてもよい。この場合、例えば、特定状態で選択され得る複数の変動パターン(第2変動パターン)の各々の選択率を、非時短状態で選択され得る変動パターン(第1変動パターン)の何れの選択率よりも高くすればよい。これによっても、前述した実施例と同様に作用効果を奏することが可能である。また、特定状態で選択され得る変動パターンを複数設けることで、特定状態にて第2特別図柄が変動表示する場合の変動表示の消化スピード(第2特図保留消化のスピード)を多様にしたり、当該変動表示に伴う変動演出を多様にしたりすることが可能となる。
また、前述した実施例では、特定状態での変動時間を「1000ms」としていたが、これに限定されるものではなく、特定状態にて第2特別図柄が変動表示する場合の変動表示の消化スピード(第2特図保留消化のスピード)を高めることが可能な時間であれば、1000msよりも短い時間であっても長い時間であってもよい。さらに、実施例では、特定状態での変動時間を、時短状態で選択される変動パターンのうち最短の変動時間(2000ms)よりも短い時間(1000ms)としていたが、時短状態での最短の変動時間と同じ時間としてもよい。
また、前述した実施例では、非時短状態での特図1小当り(第1小当り)を契機として特定状態を発生させるものとしていたが、特図1小当り(第1小当り)に加え、特図2小当り(第2小当り)を契機として特定状態を発生させるようにしてもよい。前述の実施例では、非時短状態においても、普通図柄当否判定の結果が長開放当りとなった場合には、第2始動口21への入球の入球可能性が高まり、一時的に第2特別図柄の変動表示の実行機会が得られるので、この際に特図2小当り(第2小当り)が発生し、これを契機に特定状態を発生させるものとすることで、特定状態の発生機会を増すことが可能となり、興趣を向上させることが可能となる。
また、前述した実施例では、第1特別図柄が小当り図柄(第1小当り図柄)で停止表示されたこと(つまり、第1小当りが発生したこと)を契機に特定状態(特定期間)を発生させるものとしていたが、これに加え、またはこれに代えて、第1特別図柄が2R第4大当り図柄で停止表示されたこと(つまり、2R第4大当りが発生したこと)を契機に特定状態(特定期間)を発生させるものとしてもよい。これによっても、前述した実施例と同様の遊技性や作用効果を奏することが可能である。
また、前述した実施例では、特定状態における特別図柄の短変動(変動パターンP25乃至P27の何れかに基づく変動表示)を第2特別図柄についてのみ行うものとしていたが、第1特別図柄についても行うようにしてもよい。こうすれば、特定状態のときに存在する第1特図保留を素早く消化することができ、普通図柄当否判定の結果が長開放当りとなって第2始動口21への入球が発生した場合、すぐに第2特別図柄の変動表示を実行することが可能となるからである。特に、特図2優先変動機能を備える場合、その効果は顕著である。
また、前述した実施例では、特定状態になると必ずチャンスゾーン演出を行うものとしていたが、チャンスゾーン演出の実行を所定の条件を満たした場合に行うようにしてもよい。このようなチャンスゾーン演出の実行形態に係る別例として、例えば、特図1小当り(第1小当り)となったときに普通図柄の保留を参照し、その保留記憶のなかに長開放当りに該当するもの(長開放当り保留)が含まれている場合に、チャンスゾーン演出を行う構成が挙げられる。すなわち、普通図柄に係る判定乱数(普通図柄当否判定用乱数など)の事前判定機能(普図保留先読み)を利用して、チャンスゾーン演出を行うか否かを決定することも可能である。
具体的には、図11に示した主制御基板80(遊技制御用マイコン81)による割り込み処理(S105)において、図47に示すゲート通過時処理(S2051)を行うものとする。ゲート通過時処理(S2051)は、図13に示した始動入球時処理(S205)と同じ要領で行う普図事前判定に係る処理である。ゲート通過時処理(S2051)では、まずS2055にて、時短フラグがOFFであるか否か、すなわち、現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)であるか否かを判定し(S2055)、時短フラグがON(時短状態)である場合(S2055でNO)、処理を終え、時短フラグがOFF(非時短状態)である場合(S2055でYES)、普図保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2056)。S2056の処理は、図12に示した始動口センサ検知処理(S204)のS303で普図保留球数に「1」を加算している場合、普図保留球数が「1」増加したと判定して(S2056でYES)、S2057に移行し、増加してなければ(S2056でNO)、処理を終える。S2057では、始動口センサ検知処理(S204)における普通図柄乱数取得処理(S304)で取得して普図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し、続くS2058では、当該読み出した取得乱数値の判定を行う(S2058)。当該判定は、現在の遊技状態である非時短状態に応じた普通図柄当り判定テーブル(図8(C)を参照)して、当り判定値と一致するか否かを判定する。このS2058の処理が、普通図柄当否判定(S603)に先立って行う普図事前判定(所謂「普図保留先読み」)に相当するものである。
次いでS2059では、S2058の事前判定の結果を示す情報、具体的には、普通図柄当否判定用乱数値が当り判定値と一致するか否かを示す情報(普図当否情報)や普図保留球数を示す情報等を含むコマンドデータを、普図ゲート通過入球コマンドとして生成し、このコマンドを主制御基板80のRAMの出力バッファにセットする(S2059)。この普図ゲート通過入球コマンドをサブ制御基板90側(演出制御用マイコン91)で解析することで、普図当りに係る情報であるかどうか、普通図柄の保留球数はいくつか、普図当り種別は何れか(短開放当り又は長開放当り)等を、サブ制御基板90側(演出制御用マイコン91)において判別可能となる。この普図ゲート通過入球コマンドに基づく情報を普図演出保留情報としてサブ制御基板のRAM(演出保留情報記憶領域)に記憶しておくことで、演出制御用マイコン91は、普図演出保留情報に基づく演出制御を行うことが可能となる。
そして、第1特別図柄が小当り図柄(第1小当り図柄)で停止表示されたときや当該小当り遊技が終了したとき等に、演出制御用マイコン91が普図演出保留情報を参照して、普図保留記憶のなかに長開放当りに該当するもの(長開放当り保留)が記憶されているか否かを判定するものとし、記憶されている場合に、チャンスゾーン演出の実行制御を行うようにしてもよい(チャンスゾーン突入)。
このようにすれば、チャンスゾーン演出が行われた場合(チャンスゾーンに突入した場合)には、そのチャンスゾーン中(特定期間中)に普通図柄の長開放当りが発生して第2始動口21が長開放することが確定している(約束されている)こととなるので、チャンスゾーン演出の開始(チャンスゾーン突入)に伴い、第2始動口21の長開放や第2特別図柄の変動表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
また、普図事前判定を利用したチャンスゾーン演出の実行制御に係る他の態様として、例えば、特定状態中(特定期間中)に普図保留として長開放当り保留が記憶されたことに基づいて、チャンスゾーン演出を開始(チャンスゾーンに突入)するようにしてもよい。このように、特定状態の開始タイミングとチャンスゾーン演出の開始タイミングを異ならせてもよく、こうすることで、特図1小当り(第1小当り)終了後のチャンスゾーン突入に対する遊技者の期待感を煽ることが可能となる。
また、非時短状態(低ベース状態)にて第1小当りに当選するなど特定状態(特定期間)の発生条件が成立したときや、小当り遊技が終了したとき、特定状態(特定期間)が開始されるとき、または特定状態(特定期間)中の所定時期等において、チャンスゾーン演出を実行するか否か(開始させるか否か)の抽選(チャンスゾーン突入抽選)をサブ制御側(演出制御用マイコン91)で行い、当該抽選に当選した場合に、チャンスゾーン演出を実行(開始)することとしてもよく、これに前述の普図事前判定の結果を組み合わせてもよい。これによっても、チャンスゾーン突入に対する遊技者の期待感を煽ることが可能となる。尚、チャンスゾーン突入抽選と普図事前判定との組み合わせの例としては、例えば、普図事前判定の結果として長開放当りが得られた場合にチャンスゾーン突入抽選を行うといった構成が考えられる。
また、特定状態(特定期間)が発生したとしても、その期間中に第2始動口21が長開放しなければ、第2特別図柄を繰り返し変動表示させることができないことから、特定状態中(特定期間中)は、普通図柄の変動表示の表示結果(普通図柄当否判定の結果)が重要となる。そこで、特定状態中(特定期間中)であって普通図柄の長開放当りが発生するまで、または、第2特別図柄の変動表示が開始されるまでは、画像表示装置7(表示画面7a)にて行う演出を、特別図柄の変動表示に伴う変動演出(演出図柄8の変動表示)に換えて、普通図柄の変動表示に伴う普図変動演出(普通変動演出)とするようにしてもよい。普図変動演出としては、例えば、表示画面7aの略全域(演出図柄表示領域7b)にて、普通図柄当否判定の結果を示すための演出表示を所定の演出用図柄やキャラクタ等により行うものが例示できる。
このように特定状態(特定期間)専用の演出として普図変動演出を行うことで、普通図柄の変動表示(長開放当り)に遊技者の興味を惹きつけ、特定状態(特定期間)の遊技興趣を向上させることが可能となる。特に、特定状態中(特定期間中)、普通図柄の長開放当りとなるまでは、特定状態でないとき(非特定状態)と同様、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の変動表示が主として行われるが、上述したように、特定状態での特別図柄の短時間変動(実施例では1秒変動)を第2特別図柄だけでなく第1特別図柄の変動表示でも行う場合、表示画面7a上で行われる第1特別図柄の変動表示に対応する変動演出も短時間となるため、演出が単調(淡泊)になって遊技興趣の低下を招く虞がある。この点、上述のように普図変動演出を行うことで、遊技興趣を低下させないようにすることが可能である。尚、特定状態中(特定期間中)、表示画面7aの略全域(演出図柄表示領域7b)で普図変動演出を行っている間は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出(演出図柄8の変動表示)を、表示画面7aの隅に小さく表示(縮小表示)して行うことも可能である。こうすれば、特別図柄の変動表示の状況を把握することも可能となる。
また、前述した実施例では、非時短状態(低ベース状態)における可動部材23の動作パターンとして短開放動作パターン(第1動作パターン)と長開放動作パターン(第2動作パターン)の2種類を備えるものとしていた。換言すると、第2始動口21の開放パターンとして短開放パターンと長開放パターンの2種類を備えるものとしていた。これに限らず、低ベース状態における可動部材23の動作パターン(第2始動口21の開放パターン)をより多くしたり、あるいは、1種類としたりしてもよい。可動部材23の動作パターン(第2始動口21の開放パターン)を増やす場合には、1回の普図当りに応じて動作する可動部材23の動作回数や動作時間(第2始動口21の開放回数や開放時間)をより細分化することにより、パターン数を増やすことが可能である。また、低ベース状態での可動部材23の動作パターン(第2始動口21の開放パターン)を1種類とする場合には、特定状態(特定期間)が発生したときの第2始動口21への入球機会が得られるようにすべく、少なくとも、前述した実施例の短開放動作パターン(短開放パターン)よりも第2始動口21への入球可能性が高くなる動作パターン(例えば長開放パターン)とするのが望ましい。具体的には、例えば、2個以上の遊技球が第2始動口21に入球可能となるようにすべく、第2始動口21第2始動口21の開放時間を2秒〜5秒程度とするのが望ましい。勿論、高ベース状態での第2始動口21の開放時間と同様に6秒としてもよい。
また、前述した実施例では、大当り遊技のラウンド数として「2R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類を3種類以上としてもよく、あるいは1種類だけとしてもよい。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数等は、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述した実施例では、大当り遊技中(特別遊技中)のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
また、前述した実施例では、遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて確変カウンタに「100」をセットし、高確率状態での特別図柄当否判定の実行回数が「100」になると、次回以降の特別図柄当否判定が低確率状態で行われることとなる仕様、すなわち、次回大当り発生まで高確率状態が保証されるとは限らない仕様の遊技機(所謂「V確ST機」)としていたが、確変カウンタにセットする値は、遊技機の仕様(スペック)に応じて適宜設定することが可能である。例えば、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるにあたり、確変カウンタに「10000」をセットして、特別図柄当否判定の実行回数が10,000回になるまで、換言すると、実質的に次回の大当りが発生するまで、高確率状態が保証される仕様(所謂「V確ループ機」)に本発明を適用することも可能である。あるいは、確変カウンタの他に、例えば、高確率状態での大当りの発生回数を計数するカウンタ(大当りカウンタ)を設け、大当り発生回数(大当りカウンタのカウント値)が所定回数(例えば「5」)になると、その所定回数目(例えば「5回目」)の大当りに係る大当り遊技の終了後は必ず(強制的に)低確率状態になる仕様の遊技機(所謂「V確セット機」)に本発明を適用することも可能である。
あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。当該1種2種タイプのパチンコ遊技機の構成としては、例えば、低ベース状態では第1特別図柄(非可変始動口対応)の変動表示を行い、高ベース状態では第2特別図柄(可変始動口対応)の変動表示を主として行うもので、小当りの当選確率(小当り確率)が第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が高くなっている構成が挙げられる。このような1種2種タイプにおいて、例えば、前述した実施例と同様に特定状態(特定期間)を発生可能とした場合、低ベース状態であるにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が繰り返し(高頻度で)実行可能となって、小当り遊技でのV通過に基づく大当りを繰り返し狙えるといった遊技性を得ることが可能となる。尚、このような1種2種タイプのパチンコ遊技機において、記憶可能な第2特図保留の数(上限数)は、第1特図保留と同じであっても異なるものであってもどちらでもよい。異なるものとする場合、第1特図保留の上限数よりも第2特図保留の上限数を少なくするのが望ましい。高ベース状態から低ベース状態への移行時に残っている第2特図保留に係る特図2小当りを契機とするV通過大当り(所謂「引き戻し」)の発生可能性を低くして、射幸性が著しく高くなるのを抑制するためである。また、第2特図保留を設けない構成とすることも可能であり、このような構成においても、低ベース状態であるにもかかわらず、可変始動口への入球に基づく第2特別図柄の変動表示を高頻度で実行し得る遊技性を実現することは可能である。
また、前述した実施例では、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行う特図2優先変動機能(第2特図保留優先消化機能)を備えるものとしていたが、これに限定されるものではない。例えば、第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)と第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を始動入球順に行う構成や、第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)と第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)とを並行して行う構成(いわゆる「同時変動」、「同時消化」)としてもよい。また、第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)を第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)に優先して行う構成としたり、第1始動口20への入球に基づいて第2特別図柄を変動表示させ第2始動口21への入球に基づいて第1特別図柄を変動表示させる構成としたりしてもよい。さらに、前述した実施例では、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位としていたが、第1特別図柄を第2特別図柄に比して優位としてもよく、また、第1特別図柄と第2特別図柄とで優劣を設けないようにしてもよい。