以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「1」〜「8」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。複数種類の特別図柄には、それぞれ「0」〜「8」のうちいずれかの図柄番号が予め割り振られていればよい。例えば「−」を示す記号には図柄番号「0」が割り振られ、「1」〜「8」を示す数字にはそれぞれに対応する図柄番号「1」〜「8」のいずれかが割り振られていればよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「1」〜「8」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口といった、パチンコ遊技機1の遊技領域に設けられた始動領域を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。図2に示す主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態とに変化可能にする。特別電動役物用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過しない状態と通過しやすい状態とに変化可能にする。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号の受信に基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。図2に示す演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を、それぞれ制御可能にする。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、乱数回路124などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、RAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM122とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、演出制御用CPU120が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5による表示演出を可能にする画像データ処理などを実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)と、画像データメモリと、VRAM(Video RAM)と、フレームバッファと、LCD駆動回路とを備えていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。画像データメモリは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、特定状態としての大当り遊技状態となり、ラウンド(ラウンド遊技)において大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となる。このように大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなるので、大当り遊技状態では賞球として多数の遊技球が容易に払い出されることにより、遊技者に価値を付与可能となる。
また、パチンコ遊技機1では、時短条件の成立に基づいて時短制御(時間短縮制御)が行われる時短状態となり、確変条件の成立に基づいて確変制御(確率変動制御)が行われる確変状態となる。時短状態や確変状態は、特定状態としての大当り遊技状態とは異なり、遊技者にとって有利な有利状態に含まれる。時短制御が行われることにより、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる。確変制御が行われることにより、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる。確変制御が行われるときには、時短制御も行われるようにすればよい。確変制御を伴わない時短制御は、所定回数の可変表示が実行されたこと、または、次回の大当り遊技状態に制御されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続して行われる。確変制御を伴う時短制御は、次回の大当り遊技状態に制御されたことといった、確変終了条件が成立するまで、継続して行われる。なお、所定回数の可変表示が実行されたときに、確変終了条件が成立して確変制御が終了するものであってもよい。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる高開放制御(高ベース制御)が行われる。例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。このときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御のうち、少なくとも1つの制御、あるいは、一部または全部を組み合わせた制御が、行われるようにすればよい。確変制御や時短制御が行われることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。なお、確変制御が行われるときでも、時短制御や高開放制御が行われない場合があってもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。さらに、パチンコ遊技機1において付与可能となる価値は、遊技の実行そのものに関わる遊技価値に限定されず、例えばスーパーリーチとなるリーチ演出の実行、プレミアキャラクタとなる演出画像の表示、プレミア楽曲となる音声の再生、2次元コードを示す画像の表示といった、特定の演出を実行することの一部または全部が含まれていてもよい。2次元コードを示す画像は、遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより、所定のデジタルコンテンツを取得可能にする情報を含むものであればよい。パチンコ遊技機1において付与可能となる価値には、特定の演出を実行するものとは異なる演出ポイントが含まれていてもよい。
演出ポイントは、予め定められたポイント付与条件が成立したことに基づいて遊技者に付与可能となるものであればよい。ポイント付与条件は、例えば、所定演出が実行されるときや、可変表示の実行回数が所定回数に達したとき、所定のミニゲームが実行されたとき、これらの一部または全部のときに、成立すればよい。また、ミニゲームの実行結果に応じて、所定量の演出ポイントを付与するポイント付与条件が成立してもよい。ポイント付与条件が成立した場合でも、演出ポイントを付与するか否かや、付与する演出ポイントの数量などを、所定割合で決定してもよい。こうして付与された演出ポイント量(演出ポイント獲得数)が所定量に達したことを条件に、プレミアキャラクタとなる演出画像の表示、プレミア楽曲となる音声の再生、2次元コードを示す画像の表示、演出モードの変更、その他、演出装置を用いた各種演出における演出態様の変化により、特定の演出を実行可能にしてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。CPU103は、ROM101に予め記憶されている遊技制御用のコンピュータプログラムを読み出すことにより、遊技の進行を制御するための処理を実行可能となる。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御タイマ割込み処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
CPU103は、スイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。メイン側エラー処理では、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、遊技用乱数更新処理では、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器20における表示(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS91)。一例として、ステップS91では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン、オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号がオンである場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1始動入賞が発生したと判定できる。第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号がオンである場合には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2始動入賞が発生したと判定できる。
ステップS91にて始動入賞が発生した場合には(ステップS91;Yes)、入賞時乱数を取得する(ステップS92)。一例として、ステップS92では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、確定図柄決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。なお、可変表示の保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達している場合には、始動入賞が無効であると判断して、ステップS21に進めばよい。
ステップS92に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンド(始動入賞時コマンド)を送信する(ステップS93)。一例として、ステップS93では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。また、ステップS92により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
特定の変動パターンに決定されるか否かを判定する処理では、まず、可変表示結果決定用の乱数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などには、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して判定値が設定された可変表示結果決定テーブルが予め記憶されており、ステップS92で抽出された可変表示結果決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた決定結果を特定することで、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することができる。続いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果に応じて、複数種類の変動パターンに対して異なる判定値が設定された変動パターン決定テーブルを選択する。この変動パターン決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などに予め記憶されていればよい。
こうして選択した変動パターン決定テーブルを参照することで、ステップS92により抽出された変動パターン決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた変動パターンを特定する。これにより、スーパーリーチのリーチ演出といった特定のリーチ演出を行う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。このように、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)を遊技球が通過して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応する可変表示ゲームの実行が開始されるより前に、変動パターンが特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
ステップS91にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS91;No)、ステップS93により始動入賞時コマンドを送信した後には、特図プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
ステップS21にて特図プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。図3のステップS101では、第1特図を用いた特図ゲームよりも、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行されるように、可変表示が開始可能であるか否かを判定してもよい。例えば第2特図保留記憶数が「0」以外である場合には、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図を用いた特図ゲームが開始可能であると判定する。これに対し、第2特図保留記憶数が「0」であって、第1特図保留記憶数が「0」以外である場合に、第1特図を用いた特図ゲームが開始可能であると判定する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行されるものに限定されず、例えば始動入賞が発生した順番に特図ゲームが実行されるように、可変表示が開始可能であるか否かを判定してもよい。
ステップS101にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄などを決定する(ステップS102)。確定図柄などを決定するときには、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、確定図柄決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定する。また、確定図柄決定用の乱数値と確定図柄決定テーブルとを用いて、特別図柄の可変表示における確定図柄を決定する。特別図柄の可変表示結果は特図表示結果とも称し、特別図柄の可変表示における確定図柄(最終停止図柄)は確定特別図柄とも称する。
図4は、ステップS102の実行例を示している。この実行例において、特図表示結果は図4(A)に示す決定割合で決定され、確定特別図柄は図4(B)に示す決定割合で決定される。特図表示結果は、確変状態における確変制御の有無に応じて異なる割合で、「大当り」または「ハズレ」に決定される。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。確定特別図柄は、可変表示の対象となる特別図柄(変動特図)が「第1特図」であるか「第2特図」であるかや、特図表示結果に応じて異なる割合で、複数種類の特別図柄のいずれかに決定される。複数種類の特別図柄には、それぞれ「0」〜「8」の図柄番号のうちいずれかが予め割り振られていればよい。特図表示結果が「ハズレ」の場合に決定される図柄番号「0」の特別図柄は、ハズレ図柄ともいう。特図表示結果が「大当り」の場合に決定可能な図柄番号「1」〜「8」の特別図柄は、大当り図柄ともいう。
特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、特別図柄の可変表示を行った後に、大当り遊技状態に制御される。ステップS102では、特図表示結果を「大当り」とするか「ハズレ」とするかを決定することにより、大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。図4(A)に示すように、確変制御が行われている確変制御ありの場合には、確変制御が行われていない確変制御なしの場合に比べて、高い割合で特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われている確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」に決定されやすく、大当り遊技状態に制御されやすい。
特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合には、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、ハズレ図柄となる図柄番号「0」の特別図柄に決定される。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なる割合で、大当り図柄となる図柄番号「1」〜「8」の特別図柄のいずれかに決定される。なお、大当り図柄の決定割合は、変動特図に応じて異なる割合となるものに限定されず、変動特図にかかわらず共通の割合となるものであってもよい。
図5は、大当り図柄となる特別図柄の設定例を示している。この設定例では、特別図柄の図柄番号「1」〜「8」のそれぞれに対応して、ラウンド設定、確変制御有無、時短制御設定が示されている。ラウンド設定は、大当り遊技状態においてラウンド(ラウンド遊技)を実行可能な回数(上限回数)の設定を示している。確変制御有無は、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態に制御するか否かを示している。時短制御設定は、大当り遊技状態が終了した後の確変状態または時短状態における時短制御の設定を示している。
図5に示す設定例では、大当り図柄となる特別図柄の図柄番号が奇数であるか偶数であるかに応じて、確変制御有無の設定が異なっている。例えば、大当り図柄となる特別図柄の図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかである場合には、確変制御ありとなって、次回の大当り遊技状態に制御されるまで、時短制御とともに確変制御が行われる確変状態となる。これに対し、大当り図柄となる特別図柄の図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」のいずれかである場合には、確変制御なしとなって、所定回(50回または100回)の可変表示が実行されるまでを上限に、確変制御を伴わない時短制御が行われる時短状態となる。なお、可変表示の実行回数が上限に達する前であっても、可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御された場合には、その場合の大当り図柄に応じた設定により、大当り遊技状態の終了後には確変状態や時短状態に制御されることになる。
特別図柄の可変表示において、大当り図柄となる特別図柄のうちで図柄番号が奇数である特別図柄が導出表示されたことに基づいて、確変状態に制御するための確変条件が成立する。特別図柄の可変表示において、大当り図柄となる特別図柄のうちで図柄番号が偶数である特別図柄が導出表示されたことに基づいて、時短状態に制御するための時短条件が成立する。大当り図柄となる特別図柄のうち、図柄番号が奇数である特別図柄は確変図柄とも称し、図柄番号が偶数である特別図柄は非確変図柄とも称する。時短制御とともに確変制御が行われる確変状態となる場合は単に「確変」とも称し、確変制御を伴わない時短制御が行われる時短状態となる場合は「非確変時短」または単に「非確変」とも称する。
大当り図柄となる特別図柄の図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」のいずれであるかに応じて、ラウンド設定が異なっている。より具体的に、図柄番号「1」の場合はラウンド設定が「4R」となり、ラウンドの実行回数(上限回数)が「4」に設定される。図柄番号「3」の場合はラウンド設定が「6R」となり、ラウンドの実行回数(上限回数)が「6」に設定される。図柄番号「5」の場合はラウンド設定が「8R」となり、ラウンドの実行回数(上限回数)が「8」に設定される。図柄番号「7」の場合はラウンド設定が「16R」となり、ラウンドの実行回数(上限回数)が「16」に設定される。
大当り図柄となる特別図柄の図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」のいずれであるかに応じて、ラウンド設定や時短制御設定が異なっている。例えば図柄番号「2」の場合と、図柄番号「4」の場合と、図柄番号「6」または「8」の場合とでは、時短制御が行われる可変表示の上限回数や上乗せの有無が異なっている。上乗せありの場合には、時短制御が行われる可変表示の残り回数として、内部設定よりも少ない回数を報知しておき、上乗せ条件が成立したときに、残り回数を増加させて内部設定に応じた回数が報知される。図5に示す設定例では、図柄番号「2」の場合に、50回の可変表示が実行されるまでを上限に時短制御が行われる。図柄番号「4」の場合に、上乗せありとなって、100回の可変表示が実行されるまでを上限に時短制御が行われる。図柄番号「6」または「8」の場合に、上乗せなしとなって、100回の可変表示が実行されるまでを上限に時短制御が行われる。また、図柄番号「2」、「4」、「6」のいずれかである場合には、ラウンド設定が「4R」となり、ラウンドの実行回数(上限回数)が「4」に設定される。図柄番号「8」である場合には、ラウンド設定が「16R」となり、ラウンドの実行回数(上限回数)が「16」に設定される。
図3に示す特別図柄プロセス処理では、ステップS102に続いて内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS102にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、ステップS103では遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特別図柄プロセス処理のステップS21にて特図プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。変動パターンは可変表示時間や演出態様の概略を特定可能に示し、予め複数の変動パターンが用意されている。可変表示時間は、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間である。複数の変動パターンには、可変表示結果や飾り図柄の可変表示態様に応じて異なる変動パターンが含まれている。例えば、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが用意されている。飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)とも称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうちで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってから確定飾り図柄が導出表示される可変表示態様を「リーチ」と称し、飾り図柄の可変表示態様がリーチ状態とならずに確定飾り図柄が導出表示される可変表示態様を「非リーチ」と称する。
飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材の動作などを、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(リーチパターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(信頼度あるいは大当り信頼度ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて異なる割合で、可変表示結果が「大当り」となることを示唆できる。一例として、ノーマルのリーチ演出(ノーマルリーチ)とスーパーのリーチ演出(スーパーリーチ)が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)すなわち大当り遊技状態に制御される割合が高くなる。なお、スーパーリーチのリーチ演出には、他のスーパーリーチに比べて大当り期待度が高くなる特定のリーチ演出を実行するスーパーリーチを含む複数種類のリーチ演出があってもよい。このように、スーパーリーチのリーチ演出は、特定状態としての大当り遊技状態に制御されることを示唆する示唆演出に含めることができる。より一般的に、スーパーリーチのリーチ演出は、その他の可変表示中における演出とは異なる演出として、特定することができればよい。
変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、図3のステップS111にて変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。ステップS111では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
時短制御が行われている時短中には、時短制御が行われていない通常時に比べて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を短くすることができるように、変動パターンを決定すればよい。例えば、時短中に用いられる変動パターン決定テーブルでは、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときに、第2特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるとともに、時短制御が行われていない通常時よりも、平均的な可変表示時間を大幅に短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短中には高開放制御が行われるので、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高い。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、時短中であれば第2特図を用いた特図ゲームが繰り返し実行される可能性が高く、第1特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そして、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立するときには、第2特図保留記憶数が「0」になっている。そのため、時短中に第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、時短中の第1特図保留記憶数に応じて決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
ステップS111により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。
ステップS111による決定に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112では、特図ゲームが開始されることを通知する変動開始コマンドや、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンド、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、可変表示開始時コマンドとして送信するための設定を行えばよい。変動開始コマンドは、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドとを含んでいればよい。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。また、可変表示の開始により保留記憶数が減少することに対応して、減少後の保留記憶数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定を行ってもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特別図柄プロセス処理のステップS21にて特図プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、特別図柄プロセス処理を終了する。可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS123)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特別図柄プロセス処理のステップS21にて特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、特別図柄停止処理を実行する(ステップS131)。特別図柄停止処理は、特別図柄の可変表示となる特図ゲームでの可変表示時間が経過したことに対応して、可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示させるときに実行される処理である。
図6は、ステップS131にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄停止処理では、確定特別図柄を停止表示中であるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた停止表示中フラグがオンである場合に、確定特別図柄を停止表示中であると判定すればよい。停止表示中フラグは、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されるときに、クリアされてオフ状態となればよい。ステップS201にて停止表示中ではないと判定した場合には(ステップS201;No)、確定特別図柄を停止表示する(ステップS202)。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の制御信号を伝送することにより、確定特別図柄に応じた表示を行えばよい。確定特別図柄を停止表示したときには、停止表示中フラグをオン状態にセットすればよい。
ステップS202による停止表示に続いて、停止表示時間を設定する(ステップS203)。また、停止表示指定コマンドを送信してから(ステップS204)、特別図柄停止処理を終了する。停止表示時間は、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示する場合の下限時間である。そのため、たとえ可変表示の保留記憶数が「0」以外である場合でも、少なくとも停止表示時間が経過するまでは、次回の特図ゲームにおける特別図柄の可変表示は開始されない。停止表示指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を終了して可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される演出制御コマンドである。
図7は、停止表示時間や停止表示指定コマンドの設定例を示している。図6に示す特別図柄停止処理のステップS203、S204では、図7(A)に示す実行例のように、停止表示時間の設定や停止表示指定コマンドの送信が行われる。複数種類の停止表示指定コマンドとして、図7(B)に示すような第1停止表示指定コマンドと第2停止表示指定コマンドとが、予め用意されている。停止表示時間は、特図表示結果が「ハズレ」で上乗せ条件または時短終了条件が成立した場合に、他の場合とは異なる時間が設定される。図7(A)に示す設定例では、特図表示結果が「ハズレ」で上乗せ条件または時短終了条件が成立した場合に停止表示時間が7秒に設定され、その他の場合に停止表示時間が1秒に設定される。図6に示すステップS203により停止表示時間が1秒に設定された場合はステップS204により第1停止表示指定コマンドが送信され、停止表示時間が7秒に設定された場合は第2停止表示指定コマンドが送信される。このように、第1停止表示指定コマンドは停止表示時間が第1停止時間の1秒となることを指定する一方、第2停止表示指定コマンドは停止表示時間が第1停止時間とは異なる第2停止時間の7秒となることを指定する。
パチンコ遊技機1では、遊技の進行を制御するためのシナリオとして、特図表示結果が「ハズレ」である場合のうち、上乗せ条件の成立時と時短終了条件の成立時には、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を停止表示する停止表示時間が、通常(条件非成立時)の停止表示時間である第1停止時間の1秒よりも長い第2停止時間の7秒に設定される。上乗せ条件は、時短制御が行われる時短状態において、50回の可変表示が実行されたときに成立する場合がある。時短終了条件は、時短制御が行われる時短状態において、50回または100回の可変表示が実行されたときに成立する場合がある。
図7(A)に示す設定例では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、上乗せ条件と時短終了条件のいずれが成立した場合でも、停止表示時間が同一の7秒に設定される。これに対し、上乗せ条件と時短終了条件のいずれが成立したかに応じて、異なる停止表示時間が設定されてもよい。例えば上乗せ条件が成立した場合に停止表示時間が6秒に設定され、時短終了条件が成立した場合に停止表示時間が8秒に設定されてもよい。この場合には、上乗せ条件と時短終了条件のいずれが成立したかに応じて、異なる停止表示時間を特定可能な停止表示指定コマンドが送信されるようにすればよい。上乗せ条件の成立時と時短終了条件の成立時に同一の停止表示時間が設定される場合であっても、上乗せ条件の成立時であるか時短終了条件の成立時であるかに応じて、異なる停止表示指定コマンドが送信されるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12の側では、いずれの停止表示指定コマンドを受信したかに応じて、上乗せ条件と時短終了条件のいずれが成立したかを判定可能にしてもよい。
図6に示す特別図柄停止処理のステップS201にて停止表示中であると判定された場合には(ステップS201;Yes)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS205)。停止表示時間が経過していない場合には(ステップS205;No)、特別図柄停止処理を終了する。停止表示時間が経過した場合には(ステップS205;Yes)、特別図柄の可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS206)。可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS206;Yes)、確変状態における確変制御を終了させる設定を行う(ステップS207)。次に、確変状態や時短状態における時短制御を終了させる設定を行う(ステップS208)。続いて、大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS209)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS210)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS207では、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態にすればよい。ステップS208では、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグをクリアしてオフ状態にする。また、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた時短中可変表示カウンタの格納値が「0」以外である場合には、時短中可変表示カウンタをクリアして格納値を「0」にする。ステップS209により送信される大当り開始指定コマンドは、大当り遊技状態に制御される場合に対応した大当り用コマンドに含まれている。大当り用コマンドは、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される場合に対応して、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドである。
図8(A)は、大当り用コマンドの設定例を示している。大当り用コマンドには、大当り開始指定コマンドの他に、大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、大当り終了指定コマンドが含まれている。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技状態の開始を指定する。大入賞口開放中指定コマンドは、大入賞口開放中の表示を指定する。大入賞口開放後指定コマンドは、大入賞口閉鎖時の表示を指定する。なお、大入賞口開放中指定コマンドと大入賞口開放後指定コマンドは、各ラウンドの実行回数を指定する値がEXTデータに設定される。大当り終了指定コマンドは、大当り遊技状態の終了を指定する。
図8(B)は、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドによる指定内容を示している。大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドは、図5に示すような大当り図柄に応じたラウンド設定や確変制御有無、時短制御設定に基づく指定内容を示す値がEXTデータに設定される。例えば、大当り図柄として図柄番号「2」の特別図柄が導出表示された場合に、ラウンド設定が「4R」となり、確変制御なしとなり、時短制御設定が可変表示50回となることに対応して、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「4R非確変時短(可変表示50回)」を指定する値「00(H)」に設定される。なお、(H)の表記は、16進数であることを示している。同様にして、大当り図柄として図柄番号「4」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「4R非確変時短(可変表示100回上乗せあり)」を指定する値「01(H)」に設定される。大当り図柄として図柄番号「6」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「4R非確変時短(可変表示100回上乗せなし)」を指定する値「02(H)」に設定される。大当り図柄として図柄番号「8」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「16R非確変時短(可変表示100回上乗せなし)」を指定する値「03(H)」に設定される。大当り図柄として図柄番号「1」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「4R確変」を指定する値「04(H)」に設定される。大当り図柄として図柄番号「3」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「6R確変」を指定する値「05(H)」に設定される。大当り図柄として図柄番号「5」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「8R確変」を指定する値「06(H)」に設定される。大当り図柄として図柄番号「7」の特別図柄が導出表示された場合に、大当り開始指定コマンドと大当り終了指定コマンドのEXTデータは、「16R確変」を指定する値「07(H)」に設定される。
図6に示す特別図柄停止処理のステップS206にて可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS206;No)、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS211)。ステップS211では、例えば時短フラグがオンである場合に時短制御中であると判定し、時短フラグがオフである場合に時短制御中ではないと判定すればよい。時短制御中である場合には(ステップS211;Yes)、確変制御中であるか否かを判定する(ステップS212)。ステップS212では、例えば確変フラグがオンである場合に確変制御中であると判定し、確変フラグがオフである場合に確変制御中ではないと判定すればよい。確変制御中ではない場合には(ステップS212;No)、時短中可変表示回数を更新する(ステップS213)。ステップS213では、例えば時短中可変表示カウンタの格納値を1減算するように更新すればよい。
ステップS213による更新に続いて、時短状態を終了させる時短終了であるか否かを判定する(ステップS214)。ステップS214では、例えばステップS213による更新後の時短中可変表示カウンタにおける格納値が「0」である場合に時短終了であると判定し、格納値が「0」以外である場合に時短終了ではないと判定すればよい。時短終了と判定された場合には(ステップS214;Yes)、時短状態における時短制御を終了させる設定を行う(ステップS215)。
ステップS211にて時短制御中ではない場合や(ステップS211;No)、ステップS212にて確変制御中である場合(ステップS212;Yes)、ステップS214にて時短終了ではない場合(ステップS214;No)、あるいは、ステップS215による設定が行われた後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS216)、特別図柄停止処理を終了する。
図3に示す特別図柄プロセス処理のステップS21にて特図プロセスフラグの値が“4”であるときには、大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させる大当り終了であるか否かを判定する(ステップS141)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したときに、成立すればよい。大当り終了ではない場合には(ステップS141;No)、大当り時における遊技の制御を行ってから(ステップS142)、特別図柄プロセス処理を終了する。
ステップS141にて大当り終了である場合には(ステップS141;Yes)、大当り終了後における状態設定を行う(ステップS143)。ステップS143では、例えば大当り図柄として導出表示された特別図柄の図柄番号などに対応して、確変状態における確変制御および時短制御や、時短状態における時短制御を、開始させるための設定を行えばよい。確変状態に制御される場合には、確変フラグをオン状態にセットする。時短状態に制御される場合には、時短フラグをオン状態にセットして、時短中可変表示カウンタのカウント初期値を、大当り図柄の図柄番号などに応じた「50」または「100」に設定する。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS144)、特別図柄プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時処理を実行する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、演出用可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図9は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S176の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれも受信しないときには、デモンストレーション演出(デモ演出)を実行するための制御を行うようにしてもよい。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される停止表示指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄である確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止時処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、大当り報知演出となるファンファーレ演出を開始するための制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。これに対し、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、受信した停止表示指定コマンドなどに応じて、結果報知や上乗せ報知などを実行可能にする。その後、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
結果報知では、確変制御や時短制御が行われていない通常時に可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されてから、時短制御が行われる時短状態が終了して通常状態に戻るまでの有利状態において、遊技者に付与された価値に関する報知が行われる。例えば、結果報知として、連荘回数や獲得出玉数が報知される。連荘回数は、通常時に大当り遊技状態となる制御が行われた場合を「1」として、時短制御が終了する以前の有利状態において大当り遊技状態となる制御が繰り返し行われた回数を示す。獲得出玉数は、例えば大入賞口といった、所定の入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、遊技者に賞球として払い出された遊技球の合計数を示す。上乗せ報知では、時短制御が行われる時短状態において実行可能な可変表示の残り回数として内部設定よりも少ない回数が報知されている場合に、その残り回数を増加させて内部設定に応じた回数を特定可能にする報知が行われる。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯または消灯あるいは点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯または消灯あるいは点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図10は、可変表示開始設定処理として、図9のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す可変表示開始設定処理では、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などが決定される(ステップS321)。最終停止図柄は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて決定される。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。非リーチ組合せの確定飾り図柄やリーチハズレ組合せの確定飾り図柄は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ組合せの確定飾り図柄に含まれる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄となるように決定される。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、最終停止図柄は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。さらに、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。
ステップS321における最終停止図柄などの決定に続いて、可変表示中演出の決定が行われる(ステップS322)。可変表示中演出には、予告演出が含まれていればよい。予告演出は、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、所定割合で飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるか否かや、所定割合でスーパーリーチによるリーチ演出が実行されるか否か、所定割合で可変表示結果が「大当り」となるか否かなどを、遊技者が認識可能に示唆する。このように、予告演出は、特定状態としての大当り遊技状態に制御されることを示唆する示唆演出に含めることができる。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出表示されるまでの所定タイミングにて、演出態様に応じて異なる割合で大当り遊技状態となることを予告できるものであればよい。予告演出の演出態様に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、ステップアップ予告演出やボタン操作予告演出などが含まれていてもよい。ステップアップ予告演出は、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる最終停止図柄が導出表示されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化(ステップアップ)することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。ステップアップ予告演出では、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り信頼度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り信頼度が高いことを示唆できればよい。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。ステップアップ予告演出における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、可動部材が繰返し動作する回数や同時に動作する部材数、動作する部材の種類などを異ならせることにより、大当り信頼度を異ならせてもよい。
ボタン操作予告演出が実行される場合には、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する遊技者による所定操作(押下操作など)を促す促進演出が実行され、所定操作のような遊技者の動作が検出されたことに基づいて、所定のメッセージを報知するなどの演出動作が実行されればよい。ボタン操作予告演出が実行される場合には、飾り図柄の可変表示中における所定期間にてプッシュボタン31Bなどの操作といった遊技者による動作を有効に検出し、その操作が検出されたタイミングにて、操作時演出となる所定の演出動作が行われる。操作時演出は、例えば画像表示装置5の画面上における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告できればよい。
ステップS322にて可変表示中演出を決定した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS323)。ステップS323にて決定される演出制御パターンには、少なくとも特図変動時演出制御パターンが含まれていればよい。特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出態様を示すデータなどから構成されている。ステップS323にて決定される演出制御パターンには、予告演出制御パターンが含まれていてもよい。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出の演出態様を示すデータなどから構成されている。
ステップS323にて演出制御パターンを決定した後には、演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS324)。演出制御プロセスタイマは、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられていればよい。演出制御プロセスタイマの初期値は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して決定されるものであればよい。その後、画像表示装置5の表示画面において、飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS325)。飾り図柄の変動は、例えばステップS323にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を演出制御用CPU120から表示制御部123のVDPなどに対して伝送することにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて開始させることができればよい。
ステップS325に続き、可変表示の開始時における保留表示の更新設定が行われる(ステップS326)。そして、時短残回数カウント中であるか否かを判定する(ステップS327)。時短残回数カウント中である場合には(ステップS327;Yes)、報知用残回数を更新するための設定を行う(ステップS328)。ステップS327にて時短残回数カウント中ではない場合や(ステップS327;No)、ステップS328による設定の後には、演出プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS329)、可変表示開始設定処理を終了する。
時短残回数は、時短制御が行われる時短状態において実行可能な可変表示の残り回数であり、主基板11とは異なる演出制御基板12の側では、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)などに設けられた時短残回数カウンタを用いて、時短残回数がカウントされるようにすればよい。ステップS327では、時短残回数カウンタの格納値が「0」である場合に時短残回数カウント中ではないと判定し、格納値が「0」以外である場合に時短残回数カウント中であると判定すればよい。ステップS328では、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)などに設けられた報知用残回数カウンタの格納値を1減算するように更新すればよい。時短制御が行われる時短状態(非確変時短の場合)では、ステップS328による報知用残回数の更新に応じて、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示などで報知される可変表示の残り回数を、更新して報知すればよい。
図11は、可変表示中演出処理として、図9のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す可変表示中演出処理では、可変表示時間を経過したか否かが判定される(ステップS341)。ステップS341では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などを用いた計測時間について、変動パターンに対応した可変表示時間を経過したか否かが判定される。演出制御プロセス処理では、可変表示中演出処理が実行されるごとに演出制御プロセスタイマのタイマ値が更新(例えば1減算)される。更新後の演出制御プロセスタイマのタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどには、可変表示時間を経過したと判定すればよい。
ステップS341にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS341;No)、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS342)。予告演出期間は、例えば予告パターンに対応して決定された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。予告演出期間であると判定された場合には(ステップS342;Yes)、予告演出を実行するための制御が行われる(ステップS343)。例えば、予告演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の表示画面に演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体を点灯または点滅または消灯させること、その他、演出用可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、各種の演出装置を用いて予告演出を実行できればよい。
ステップS342にて予告演出期間ではないと判定された場合や(ステップS342;No)、ステップS343での制御を行った後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS344)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに対応して決定された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定された場合には(ステップS344;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップS345)。この制御には、例えば画像表示装置5の表示画面において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合にあわせて飾り図柄の表示態様を変更(例えば縮小表示や拡大表示)する制御、表示画面における演出画像の表示をリーチ演出の進行にあわせて変更する制御、スピーカ8L、8Rによる音声出力をリーチ演出の進行にあわせて変更する制御、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体をリーチ演出の進行にあわせて点灯または点滅または消灯させる制御のうち、少なくとも一部が含まれていればよい。また、リーチ演出に対応して、例えば背景画像の表示制御やBGMの出力制御などが行われてもよい。
ステップS344にてリーチ演出期間ではないと判定された場合や(ステップS344;No)、ステップS345での制御を行った後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するために必要とされる他の制御を行ってから(ステップS346)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS341にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS341;Yes)、主基板11から伝送される停止表示指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS347)。停止表示指定コマンドの受信がない場合には(ステップS347;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、停止表示指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、停止表示指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS347にて停止表示指定コマンドの受信があった場合には(ステップS347;Yes)、例えば表示制御部123のVDPなどに対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄である確定飾り図柄を、導出表示させる制御を行う(ステップS348)。続いて、受信した停止表示指定コマンドが第1停止表示指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS349)。特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了するときに、主基板11からは、図7(B)に示す第1停止表示指定コマンドまたは第2停止表示指定コマンドが伝送される。
ステップS349にて第1停止表示指定コマンドであると判定された場合には(ステップS349;Yes)、第1停止時間の1秒を確定表示時間に設定する(ステップS350)。これに対し、ステップS349にて第1停止表示指定コマンドではなく第2停止表示指定コマンドであると判定された場合には(ステップS349;No)、第2停止時間の7秒を確定表示時間に設定する(ステップS351)。その後、演出プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS352)、可変表示中演出処理を終了する。
図12は、可変表示停止時処理として、図9のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す可変表示停止時処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果について、「大当り」であるか否かが判定される(ステップS361)。ステップS361では、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定すればよい。可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS361;Yes)、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS362)。大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS362;No)、可変表示停止時処理を終了して待機する。なお、可変表示結果が「大当り」であるときに、大当り開始指定コマンドを受信することなく確定表示時間を含めた所定時間が経過した場合には、大当り開始指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS362にて大当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS362;Yes)、ファンファーレ演出の実行を開始するための制御を行う(ステップS363)。続いて、大当り回数を更新する(ステップS364)。次に、大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われない非確変の場合であるか否かを判定する(ステップS365)。非確変の場合には(ステップS365;Yes)、時短残回数を設定する(ステップS366)。非確変ではなく確変である場合や(ステップS365;No)、ステップS366にて設定が行われた後には、演出プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS367)、可変表示停止時処理を終了する。
大当り回数は、確変制御や時短制御が行われていない通常時に大当り遊技状態となる制御が行われた場合を「1」として、時短制御が終了する以前の有利状態において大当り遊技状態となる制御が繰り返し行われた回数を示し、連荘回数に対応している。RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)などに設けられた大当り回数カウンタを用いて、大当り回数がカウントされるようにすればよい。ステップS364では、大当り回数カウンタの格納値を1加算するように更新すればよい。ステップS366では、大当り開始指定コマンドで示された時短制御設定に応じた時短残回数の初期値(「50」または「100」)を、時短残回数カウンタに設定すればよい。このときには、上乗せ報知の有無を特定可能に記憶させてもよい。一例として、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた上乗せ設定フラグを、上乗せありの場合にはオン状態に設定し、上乗せなしの場合にはオフ状態に設定すればよい。また、報知用残回数カウンタの初期値が設定されてもよい。報知用残回数カウンタの初期値は、上乗せなしの場合に時短残回数カウンタの初期値と同一の値が設定され、上乗せありの場合に上乗せ前の初期値「50」が設定されるようにすればよい。なお、報知用残回数カウンタの初期値は、例えば図9に示すステップS176の大当り終了演出処理が実行されたときに、時短残回数や上乗せの有無に応じた値(「50」または「100」)が設定されてもよい。ステップS364〜S366による大当り回数の更新や時短残回数の設定は、図9に示すステップS176の大当り終了演出処理が実行されたときに、行われてもよい。ステップS362にて大当り開始指定コマンドの受信があった場合には、特定状態としての大当り遊技状態に制御されることに対応して、時短残回数や報知用残回数のカウントをリセット(初期化)することで、その大当り遊技状態が終了して時短状態になったときには、大当り図柄などに対応する初期値から、改めて時短残回数や報知用残回数のカウントを開始できればよい。
ステップS361にて可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS361;No)、ハズレ停止時処理を実行する(ステップS368)。ハズレ停止時処理は、可変表示結果が「ハズレ」である場合に対応してハズレ組合せの確定飾り図柄が導出表示された場合に、確定表示時間が経過するまでの特定期間にて、結果報知や上乗せ報知を実行可能にするための処理を含んでいる。また、ハズレ停止時処理では、時短状態の終了に対応する演出制御なども行われる。
図13は、ハズレ停止時処理として、図12のステップS368にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すハズレ停止時処理では、確定飾り図柄の停止表示を開始する停止表示開始時であるか否かを判定する(ステップS501)。ステップS501では、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた停止表示中フラグがオフである場合に停止表示開始時であると判定し、停止表示中フラグがオンである場合に停止表示開始時ではないと判定すればよい。停止表示開始時である場合には(ステップS501;Yes)、時短残回数があるか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502では、時短残回数カウンタのカウント値が「0」以外である場合に時短残回数があると判定し、時短残回数カウンタのカウント値が「0」である場合に時短残回数がないと判定すればよい。なお、ステップS501にて停止表示開始時であると判定されたことに対応して、停止表示中フラグをオン状態にセットすればよい。
ステップS502にて時短残回数がある場合には(ステップS502;Yes)、時短残回数カウンタの格納値を1減算して、時短残回数を更新する(ステップS503)。ステップS502にて時短残回数がない場合や(ステップS502;No)、ステップS503にて更新を行った後には、第2停止表示指定コマンドの受信時であるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504では、例えば図11に示す可変表示中演出処理のステップS347にて受信したと判定された停止表示指定コマンドが、第2停止表示指定コマンドであるか否かを判定すればよい。第2停止表示指定コマンドではなく第1停止表示指定コマンドの受信時である場合には(ステップS504;No)、ハズレ停止時処理を終了する。
ステップS504にて第2停止表示指定コマンドの受信時である場合には(ステップS504;Yes)、時短状態を終了させる時短終了であるか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505では、ステップS503にて更新した後の時短残回数カウンタの格納値が「0」である場合に時短終了であると判定し、その格納値が「0」以外である場合に時短終了ではないと判定すればよい。時短終了である場合には(ステップS505;Yes)、結果報知を開始するための制御を行う(ステップS506)。これに対し、時短終了ではない場合には(ステップS505;No)、上乗せ報知が行われる上乗せ時であることに対応して、上乗せ報知を開始するための制御を行う(ステップS507)。
ステップS506では、結果報知を実行するために予め用意された演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の表示画面に演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体を点灯または点滅または消灯させること、その他、演出用可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、各種の演出装置を用いて結果報知を実行できればよい。ステップS507では、上乗せ報知を実行するために予め用意された演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の表示画面に演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体を点灯または点滅または消灯させること、その他、演出用可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、各種の演出装置を用いて上乗せ報知を実行できればよい。ステップS506、S507のいずれかにて制御が行われた場合には、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた報知中フラグをオン状態にセットして、結果報知や上乗せ報知といった報知を実行中であることを特定可能にしてもよい。
ステップS501にて停止表示開始時ではない場合には(ステップS501;No)、確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS508)。確定表示時間が経過していない場合には(ステップS508;No)、結果報知や上乗せ報知といった報知ありか否かを判定する(ステップS509)。ステップS509では、報知中フラグがオンの場合に報知ありと判定し、報知中フラグがオフの場合に報知なしと判定すればよい。報知なしの場合には(ステップS509;No)、ハズレ停止時処理を終了する。これに対し、報知ありの場合には(ステップS509;Yes)、結果報知または上乗せ報知の報知中における制御を行ってから(ステップS510)、ハズレ停止時処理を終了する。
ステップS508にて確定表示時間が経過した場合には(ステップS508;Yes)、結果報知や上乗せ報知といった報知ありか否かを判定する(ステップS511)。この判定は、ステップS509での判定と同様の判定であればよい。なお、ステップS508にて確定表示時間が経過したと判定されたことに対応して、停止表示中フラグをクリアしてオフ状態としてもよい。
ステップS511にて報知ありの場合には(ステップS511;Yes)、結果報知や上乗せ報知といった報知を終了するための制御を行う(ステップS512)。なお、ステップS511にて報知ありと判定されたことに対応して、報知中フラグをクリアしてオフ状態としてもよい。続いて、時短終了であるか否かを判定する(ステップS513)。時短終了である場合には(ステップS513;Yes)、時短終了時に対応する演出の制御を行う(ステップS514)。ステップS514では、時短状態が終了して通常状態となることに対応して、例えば報知用残回数に対応した可変表示の残り回数につき、報知を終了する制御が行われる。また、背景画像の表示を変更する制御やBGMの出力を変更する制御などが行われてもよい。さらに、時短状態が終了して通常状態となることに対応して、大当り回数カウンタをクリアして、その格納値を「0」に更新(初期化)する。
ステップS513にて時短終了ではない場合には(ステップS513;No)、上乗せ報知が行われる上乗せ時であることに対応して、報知用残回数を上乗せするための設定を行う(ステップS515)。ステップS515では、例えば報知用残回数カウンタの格納値に「50」を加算して更新し、その更新に伴い、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示などで報知される可変表示の残り回数を、更新して報知すればよい。ステップS511にて報知なしの場合や(ステップS511;No)、ステップS514にて制御を行った後、あるいは、ステップS515にて設定を行った後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS516)、ハズレ停止時処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の表示画面では、特別図柄の可変表示に同期して、飾り図柄の可変表示が行われる。
図3に示す特別図柄プロセス処理では、ステップS102にて特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)や確定特別図柄が決定される。その後、ステップS111にて変動パターンが決定され、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。ステップS121にて可変表示時間が経過したと判定されたことに基づいて、ステップS131の特別図柄停止処理が実行される。このとき、可変表示結果が「大当り」である場合には、ステップS142での制御などが実行可能となり、特定状態としての大当り遊技状態に制御される。演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が図12に示す可変表示停止時処理のステップS361にて可変表示結果が「大当り」であると判定したことに基づいて、ステップS364にて大当り回数が更新される。
大当り遊技状態が終了するときに、図3に示す特別図柄プロセス処理のステップS143における制御により、確変制御とともに時短制御が行われる確変状態になる場合と、確変制御は行われないが時短制御は行われる時短状態になる場合とがある。これらの確変状態や時短状態であるときに可変表示結果が再び「大当り」となった場合には、図12に示す可変表示停止時処理のステップS364にて大当り回数を1加算するように更新される。こうして、時短状態が終了して通常状態に戻るまでの有利状態では、大当り遊技状態に繰り返し制御された回数が、大当り回数(連荘回数)としてカウントされる。また、時短状態が終了して通常状態に戻るまでの期間では、大当り遊技状態において賞球として払い出された遊技球の個数が、獲得出玉数としてカウントされる。
時短状態に制御されている場合には、可変表示の実行回数が特定回数に達したときに、図6に示す特別図柄停止処理のステップS214にて、時短終了であると判定される。このときには、ステップS215での設定により、時短状態が終了して通常状態に戻る。したがって、時短状態は、可変表示の実行回数が特定回数となるまで制御可能である。
時短状態が終了するときには、図6に示すステップS203にて、時短終了条件の成立に対応する停止表示時間として、第1停止時間の1秒よりも長い第2停止時間の7秒が設定される。ステップS204では、第2停止時間を指定する第2停止表示指定コマンドが演出制御基板12に対して送信される。演出制御用CPU120は、図13に示すハズレ停止時処理のステップS504にて第2停止表示指定コマンドの受信時であると判定し、ステップS505にて時短終了であると判定したときに、ステップS506での制御により、結果報知の実行を開始させる。結果報知では、連荘回数や獲得出玉数といった、遊技者に付与された価値に関する報知が実行可能となる。したがって、有利状態としての時短状態が終了することに対応して、遊技者に付与された価値に関する結果報知を実行可能である。また、結果報知は、時短状態が終了する特定回数目(時短状態における最終回)の可変表示が実行されている期間内ではなく、特定回数の可変表示が終了した後の特定期間において実行される。
図14は、結果報知が実行される特定期間などを示している。大当り遊技状態の終了に対応するタイミングT01では、図14(B)に示すような時短状態における時短制御が開始され、図14(A)に示すような特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行可能となる。その後、時短状態における可変表示の実行回数が特定回数(「50」または「100」)となる前には、図6に示すステップS203にて、特図表示結果が「大当り」であることに対応して、または特図表示結果が「ハズレ」で上乗せ条件も時短終了条件も成立していないことに対応して、停止表示時間が第1停止時間の1秒に設定される。ステップS204では、第1停止時間を指定する第1停止表示指定コマンドが演出制御基板12に対して送信される。
時短状態における可変表示の実行回数が特定回数となる場合には、その可変表示の表示結果が導出表示されるタイミングT10となるときに、図6に示すステップS203にて、特図表示結果が「ハズレ」で時短終了条件が成立したことに対応して、停止表示時間が第1停止時間の1秒とは異なる第2停止時間の7秒に設定される。ステップS204では、第2停止時間を指定する第2停止表示指定コマンドが演出制御基板12に対して送信される。こうして、特定回数の可変表示が終了した後に第2停止時間の7秒が経過するタイミングT02までの停止表示期間D02にて、結果報知を実行することができる。これに対し、特定回数目の可変表示が実行される期間D01では、結果報知が行われないので、特定回数目以外の可変表示と共通の変動パターンを決定して、リーチ演出や予告演出などの可変表示中演出を実行することができる。
このように、時短状態に制御された場合には、特定回数の可変表示が実行されたことにより、報知条件の1つとなる時短終了条件が成立したことに基づいて、報知条件が成立していない場合の第1停止時間とは異なる第2停止時間が経過するまでの停止表示期間D02を特定期間とし、特定回数の可変表示が終了した後の特定期間において、結果報知を実行する。特定回数の可変表示が終了した後に結果報知を実行するので、可変表示の実行中に報知を行うための特殊な変動パターンは不要であり、リーチ演出や予告演出などの示唆演出を、時短終了条件が成立しない可変表示を実行中の場合と同様に実行することができる。
特定回数目の可変表示を実行中に結果報知を実行するものでは、可変表示結果が「大当り」となる場合に結果報知を実行しないようにすると、結果報知が実行されないことにより、可変表示結果が「大当り」となることを遊技者が予め認識できてしまうおそれがある。そのため、可変表示結果が「大当り」となる場合でも、一旦は結果報知と同様の報知を行い、続いて可変表示結果が「大当り」に対応した大当り遊技状態となることなどを報知することが考えられる。しかしながら、一旦は結果報知と同様の報知を行った後に大当り遊技状態となるので、遊技者は有利状態が継続するか否かを認識しにくくなり、報知に対する不信感を抱くおそれもある。これに対し、特定回数の可変表示が終了した後の特定期間において結果報知を行うことにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に結果報知を行う必要はなくなり、遊技者は有利状態が継続するか否かを明確に認識することができる。また、可変表示の実行中に報知を実行する期間を設ける必要がないので、演出の制約が低減され、リーチ演出や予告演出などの示唆演出を適切に実行して演出効果の低下を防止できる。
図5に示す大当り図柄の設定例において、大当り図柄として図柄番号「4」の特別図柄が導出表示された場合には、図8(B)に示す大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドにより「4R非確変時短(可変表示100回上乗せあり)」が指定される。この場合には、例えば時短状態において50回の可変表示が実行されたときに、上乗せ条件が成立する。図6に示すステップS203では、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「ハズレ」で上乗せ条件の成立に対応する停止表示時間として、第1停止時間の1秒よりも長い第2停止時間の7秒が設定される。ステップS204では、第2停止時間を指定する第2停止表示指定コマンドが演出制御基板12に対して送信される。演出制御用CPU120は、図13に示すハズレ停止時処理のステップS504にて第2停止表示指定コマンドの受信時であると判定し、ステップS505にて時短終了ではないと判定したときに、ステップS507での制御により、上乗せ報知の実行を開始させる。上乗せ報知では、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数が増加したかのような報知が行われる。なお、上乗せ報知が行われる場合には、その上乗せ報知が行われるより前に、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数として、内部設定よりも少ない回数が報知される。上乗せ報知により、見かけ上、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数が増加するように報知される。上乗せ報知は、結果報知と同様に、可変表示が実行されている期間内ではなく、可変表示が終了した後の報知期間において実行される。
図15は、結果報知の他に上乗せ報知が実行される期間などを示している。図15(B)に示すような時短状態において時短制御が行われている場合に、図15(A)に示すような特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行され、図6に示すステップS203では、特図表示結果が「ハズレ」で上乗せ条件が成立するより前であれば、停止表示時間が第1停止時間の1秒に設定される。その後、例えば時短状態において50回目の可変表示が実行された場合には、その可変表示の表示結果が導出表示されるタイミングT11となるときに、図6に示すステップS203にて、特図表示結果が「ハズレ」で上乗せ条件が成立したことに対応して、停止表示時間が第1停止時間の1秒とは異なる第2停止時間の7秒に設定される。ステップS204では、第2停止時間を指定する第2停止表示指定コマンドが演出制御基板12に対して送信される。こうして、上乗せ条件の成立に対応する可変表示が終了した後に第2停止時間の7秒が経過するまでの停止表示期間D11にて、上乗せ報知を実行することができる。これに対し、上乗せ条件の成立に対応する可変表示が実行される期間では、上乗せ報知が行われないので、上乗せ条件の非成立に対応する可変表示と共通の変動パターンを決定して、リーチ演出や予告演出などの可変表示中演出を実行することができる。
このように、時短状態に制御された場合には、所定回数の可変表示が実行されたことにより、時短終了条件とは異なる報知条件の1つとなる上乗せ条件が成立したことに基づいて、報知条件が成立していない場合の第1停止時間とは異なる第2停止時間が経過するまでの停止表示期間D11において、上乗せ報知を実行する。上乗せ条件の成立に対応する可変表示が終了した後に上乗せ報知を実行するので、可変表示の実行中に報知を行うための特殊な変動パターンは不要であり、リーチ演出や予告演出などの示唆演出を、上乗せ条件が成立しない可変表示を実行中の場合と同様に実行することができる。上乗せ報知を実行した後、例えば時短状態において100回目の可変表示が実行されたときに、時短終了条件が成立する。このときには、図14の場合と同様に、特定回数の可変表示が終了した後に第2停止時間の7秒が経過するタイミングT02までの停止表示期間D12にて、結果報知を実行することができる。
図16は、結果報知の実行例を示している。この実行例において、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図16(A)に示すように、時短状態における飾り図柄の可変表示が行われ、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数(報知用残回数)が「1」となっている。図16(A)に示す表示画面の右上部には、残り回数が「1」であることに対応して、「あと1回」を示す演出画像が表示されている。その後、図16(B)では、飾り図柄の最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。これに続いて図16(C)では飾り図柄の可変表示が開始されている。図10に示す可変表示開始設定処理のステップS328では、報知用残回数が更新されて「0」となる。図16(C)に示す表示画面の右上部には、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数が「0」であることに対応して、「ラスト」を示す演出画像が表示されている。そして、図16(D)では、確定飾り図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。
図16(D)に示す可変表示の終了に対応して、時短終了条件が成立した場合には、停止表示時間が第1停止時間の1秒よりも長い第2停止時間の7秒に設定される。この場合、まずは、例えば図16(E)に示す表示により時短状態が終了することを報知する。その後、図16(F)に示す表示により結果報知が行われ、連荘回数や獲得出玉数が報知される。図16(E)および図16(F)では、停止表示時間が経過するまでの特定期間であることに対応して、確定飾り図柄として導出表示された飾り図柄が停止表示されている。こうして、結果報知を実行中であるときに、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。
図17は、上乗せ報知の実行例を示している。この実行例において、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図17(A)〜(E)に示すように、図16(A)〜(E)と同様(共通態様)の表示が行われている。ただし、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数は、内部設定よりも少ない回数が報知されている。例えば図17(C)に示す可変表示が開始される場合に、報知用残回数が更新されて「0」となる一方で、時短残回数カウンタによってカウントされる時短残回数は「50」となっている。図17(D)に示す可変表示の終了に対応して、上乗せ条件が成立した場合には、停止表示時間が第1停止時間の1秒よりも長い第2停止時間の7秒に設定される。この場合、例えば図17(E)に示す表示に続いて、図17(F)に示す表示により上乗せ報知が行われ、時短状態の継続などが報知される。図17(E)および図17(F)では、停止表示時間が経過するまでの報知期間であることに対応して、確定飾り図柄として導出表示された飾り図柄が停止表示されている。こうして、上乗せ報知を実行中であるときに、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。図17(E)に示す表示による時短状態の終了報知は、図16(E)に示す表示による時短状態の終了報知と共通態様により、報知が行われている。これにより、上乗せ報知が行われる場合でも、一旦は時短状態が終了したような印象を遊技者に与えるので、上乗せ報知が行われる場合の意外性や喜悦感を高めることができる。また、上乗せ報知が行われずに結果報知が行われる場合でも、少なくとも一部の報知は上乗せ報知が行われる場合と共通態様で行われるので、上乗せ報知が行われて時短状態が継続することに対する遊技者の期待感を持たせることができる。なお、図17(F)に示すような上乗せ報知が行われる場合でも、図16(F)に示す表示による結果報知を行ってから、図17(F)に示す表示による上乗せ報知が行われるようにしてもよい。この場合にも、上乗せ報知が行われる意外性や喜悦感を高めることができ、また、上乗せ報知が行われないときでも、上乗せ報知が行われて時短状態が継続することに対する遊技者の期待感を持たせることができる。
図18は、時短状態で特定回数の可変表示におけるリーチ演出の実行例を示している。この実行例において、画像表示装置5の表示画面上では、例えば図18(A)に示すように、時短状態における飾り図柄の可変表示が行われ、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数(報知用残回数)が「0」となっている。図18(A)に示す表示画面の右上部には、残り回数が「0」であることに対応して、「ラスト」を示す演出画像が表示されている。その後、図18(B)では、「7」を示す飾り図柄が仮停止表示されてリーチ状態となる。飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後には、例えば図18(C)に示すようなリーチ演出が実行される。このとき、可変表示が実行される期間では、結果報知が行われないので、残り回数が「0」以外のときと共通の変動パターンに対応して、リーチ演出を実行することができる。また、例えば図18(A)〜(C)に示すような飾り図柄の可変表示が実行される期間では、結果報知が行われないので、残り回数が「0」以外のときと共通の予告パターンに対応して、予告演出を実行することができる。
なお、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数が「0」であることに対応して、残り回数が「0」以外のときと共通のパターンに対応してリーチ演出や予告演出を実行可能なものに限定されず、残り回数が「0」以外のときとは異なるパターンに対応してリーチ演出や予告演出を実行可能なものであってもよい。例えば図10に示す可変表示開始設定処理のステップS323では、時短残回数などに基づいて残り回数が「0」であるか否かを判定し、残り回数が「0」である場合には、「0」以外である場合とは異なる演出制御パターンに決定する。これにより、リーチ演出や予告演出における演出態様を、特定回数の可変表示が実行されたか否かに応じて異なる演出態様とすることができるようにしてもよい。
図18(C)に示すリーチ演出が実行された後に、可変表示結果が「大当り」に対応して、図18(D1)に示す大当り組合せの飾り図柄が最終停止図柄として導出表示された場合には、図12に示す可変表示停止時処理のステップS363での制御などにより、図18(D2)に示すような演出画像の表示によるファンファーレ演出が実行される。このように、時短状態において特定回数の可変表示が実行されて可変表示結果が「大当り」となった場合には、可変表示の実行中や可変表示が終了した後の特定期間において結果報知を実行する必要がない。これにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に、時短制御が継続しないと誤認されるおそれのある報知を防止して、適切に演出を実行することができる。
図18(C)に示すリーチ演出が実行された後に、可変表示結果が「ハズレ」に対応して、図18(E1)に示すリーチ組合せの飾り図柄が最終停止図柄として導出表示された場合には、図13に示すハズレ停止時処理のステップS506、S510での制御などにより、図18(E2)に示すような表示による結果報知が実行される。このように、時短状態において特定回数の可変表示に対応してリーチ演出が実行され、可変表示結果が「ハズレ」となった場合には、特定回数の可変表示が終了した後の特定期間において結果報知を実行する。これにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、時短制御が行われる時短状態の終了に対応して、遊技者に付与された価値に関する結果報知や、リーチ演出および予告演出などの示唆演出を、適切に実行して遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、確変制御が行われる確変状態や時短制御が行われる時短状態に制御されるものとして説明した。これに対し、可変表示結果が「小当り」となる確率が高くなるKT(小当りタイム)状態に制御されてもよい。例えば、大当り遊技状態が終了した後に、所定割合(100%を含む)でKT状態に制御されるようにすればよい。なお、KT状態になっていない遊技状態を非KT状態ということがある。また、KT状態に制御される期間をKT期間と称し、KT状態に制御されていない期間を非KT期間と称することがある。
図19は、KT状態に制御される場合を設けた変形例におけるパチンコ遊技機1の正面図である。図19に示すパチンコ遊技機1の遊技領域は、第1領域2Aと第2領域2Bとを含む。第1領域2Aは、画像表示装置5の左側の領域および下側の領域を含み、第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。第2領域2Bは、画像表示装置5の右側の領域および右下側の領域を含み、第2始動入賞口を形成する普通入賞球装置6B、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。第1領域2Aと第2領域2Bとは、障害釘などによって区分けされていればよく(障害釘などによって第1領域2Aと第2領域2Bとを完全に仕切ることも含む)、第1領域2Aに打ち込まれた遊技球は、第2領域2B内に進入し難くなっており(進入できない場合も含む)、第2領域2Bに打ち込まれた遊技球は、第1領域2A内に進入し難くなっている(進入できない場合も含む)。
画像表示装置5の画面上には、メイン画面として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置された領域5Aと、サブ画面として、表示領域の右下に設けられた領域5Bとがある。領域5Bでは、第2特図を用いた可変表示に対応して、第2特図を用いた可変表示が実行中であることを示す画像や、第2特図を用いた可変表示結果を報知する画像などが表示される。領域5Bでは、飾り図柄の可変表示と同様に、第2特図を用いた可変表示に同期して、所定画像の可変表示が行われてもよい。所定画像の可変表示も、可変表示ゲームに含まれてもよい。
図19に示す構成において、遊技球が第1領域2Aに打ち込まれた場合(画像表示装置5の左側に向かって遊技球を打ち込む、いわゆる左打ちが行われた場合)には、その遊技球が第2始動入賞口や大入賞口などよりも第1始動入賞口に進入しやすく(第2始動入賞口や大入賞口などに遊技球が進入できない場合も含む)、遊技球が第2領域2Bに打ち込まれた場合(画像表示装置5の右側に向かって遊技球を打ち込む、いわゆる右打ちが行われた場合)には、その遊技球が第1始動入賞口などよりも第2始動入賞口や大入賞口などに進入しやすくなっている(第1始動入賞口などに遊技球が進入できない場合も含む)。このため、遊技者は、遊技球を第2始動入賞口や大入賞口に入賞させたいか、または、遊技球を第1始動入賞口に入賞させたいかに応じて、遊技球を打ち分けることができる。なお、図19の1点鎖線矢印は、第1領域2Aに遊技球が打ちこまれたとき(左打ちされたとき)の遊技球の軌跡の一例を示している。図1の2点鎖線矢印は、第2領域2Bに遊技球が打ちこまれたとき(右打ちされたとき)の遊技球の軌跡の一例を示している。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、所定遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、大当り遊技状態と同様に、大入賞口が開放される。小当り遊技状態において大入賞口が開放される期間は、第1特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合と、第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合とで、異なる時間が経過するまでの期間としてもよい。一例として、第1特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合には0.1秒間において大入賞口を開放させ、第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合には1.8秒間において大入賞口を開放させればよい。なお、第1特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合と、第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合とで、共通の時間が経過するまで大入賞口が開放されてもよい。
図20は、図19に示すパチンコ遊技機1における第1特図と第2特図の可変表示態様(変動態様)を示している。非KT状態では、第2特図の可変表示時間が非常に長い時間(例えば30分程度)に設定される。これに対し、KT状態では、第2特図の可変表示時間が比較的に短い時間(例えば5秒)に設定される。このため、KT状態では、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞が続けて発生する場合、第2特図を用いた可変表示の実行頻度が非KT状態のときよりも格段に向上することになる。第1特図や第2特図を用いた可変表示に対応して、可変表示結果が「小当り」に決定される割合は、可変表示結果が「大当り」に決定される割合よりも高くなっている。例えば、99/100(99%)の割合で可変表示結果が「小当り」に決定され、1/100(1%)の割合で可変表示結果が「大当り」に決定される。なお、第1特図を用いた可変表示結果が「小当り」になった場合は、大入賞口が開放される期間が短いので、大入賞口を遊技球が通過(進入)することは困難であり、実質的に賞球となる遊技球の払い出しが行われない。KT状態では、第2特図を用いた可変表示の実行頻度が向上しているので、第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」となる頻度も向上して、小当り遊技状態で大入賞口が開放されやすくなる。KT状態では、遊技者が遊技球を第2領域2Bに向けて発射(右打ち)することにより、大入賞口が開放される頻度が非KT状態に比べて向上し、遊技者にとって有利な状態となる。このように、KT状態は、遊技者に所定の価値が付与されやすい所定状態となる。
図20に示す変動態様では、第1特図を用いた可変表示の実行は保留可能であるのに対し、第2特図を用いた可変表示の実行は保留されない。第2特図を用いた可変表示の実行中や大当り遊技状態、小当り遊技状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生した場合には、その第2始動入賞に基づく第2特図を用いた可変表示は実行されないことになる(無効)となる。
図19に示す構成において、第1特図を用いた可変表示を実行しているときには第2特図を用いた可変表示を実行可能であり、第2特図を用いた可変表示を実行しているときには第1特図を用いた可変表示を実行可能である。第2特図を用いた可変表示を実行しているときに、第1特図を用いた可変表示結果が「小当り」または「大当り」となった場合には、実行中となっている第2特図を用いた可変表示を中止する。非KT状態では、第2特図の可変表示時間が非常に長い時間に設定されるので、第2特図を用いた可変表示を中止しない場合には、大当り時に実行されている第2特図を用いた可変表示が終了するまでは、KT状態となっても第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」となる頻度を向上させられなくなるおそれがある。そこで、第1特図の可変表示結果が「小当り」または「大当り」となった場合には、第2特図を用いた可変表示を中止することにより、KT状態において第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」となる頻度を速やかに向上して、遊技者にとって有利な状態となるまでの期間を短縮する。
KT状態は、所定回数の可変表示が実行されたこと、または、次回の大当り遊技状態に制御されたことのうち、いずれか一方のKT終了条件が先に成立するまで、継続して行われる。なお、大当り遊技状態が終了した後には、再びKT状態に制御される場合があってもよい。KT状態では、確変制御が行われることにより、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなるようにしてもよい。あるいは、KT状態では、確変制御が行われず、大当り確率が高くならないようにしてもよい。KT状態は、例えば第1特図の可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、大当り遊技状態が終了した後に、所定割合(100%を含む)で制御されてもよい。あるいは、可変表示結果が「大当り」とならずに所定回(例えば500回)の可変表示が実行されたことに基づいて、KT状態に制御されてもよい。
図21は、KT状態における小当り時表示や結果報知の実行例を示している。KT状態に制御されているKT状態中(KT期間)では、例えば第2特図を用いた可変表示の実行に対応して、画像表示装置5の表示画面における表示により、図21(A1)に示すようなリール演出が行われる。KT状態中のリール演出では、第2特図を用いた可変表示と同期して、絵柄が変動(回転)するリールを模した演出画像が表示される。図21(A1)に示す表示画面の右下部では、第2特図を用いた可変表示と同期して、予め用意された画像が可変表示される。可変表示結果が「小当り」や「大当り」となる場合には、所定の絵柄が揃った様子を示す演出画像が表示される。可変表示結果が「大当り」になる場合と、可変表示結果が「小当り」になる場合とでは、異なる絵柄が揃った様子を示す演出画像が表示されるようにすればよい。例えば第2特図を用いた可変表示結果が「小当り」となる場合には、図21(A2)に示すような「チェリー」の絵柄が揃った様子を示す演出画像が表示される。絵柄が揃った様子を示す演出画像は、第2特図を用いた可変表示の表示結果が停止表示されるときに、画像表示装置5の表示画面にて表示されるようにすればよい。
このようなリール演出における演出画像の表示では、第2特図を用いた可変表示結果が停止表示されたときでも、リール演出の演出態様を可動態様により実行する。例えば、絵柄が揃った様子を示す演出画像は、絵柄が停止表示されずに、微少な揺れ(回動)を生じさせる表示状態となるように表示される。これにより、リール演出は、飾り図柄の可変表示とは異なる演出であることを明確に認識可能とし、飾り図柄の可変表示と誤認しやすい演出の実行を防止して適切に演出を実行することができる。リール演出は飾り図柄の可変表示とは異なる演出であるので、図21(A2)に示すような絵柄が揃った様子を示す演出画像は、第2特図を用いた可変表示の表示結果が停止表示されるときに表示するものに限定されず、例えば可変表示結果が「小当り」となったことに対応して大入賞口が開放されるときに、画像表示装置5の表示画面にて表示されるようにしてもよい。なお、図21(A2)に示す表示画面の右下部では、第2特図を用いた可変表示と同期して、第2特図の可変表示結果に対応する画像が停止表示されるようにすればよい。
KT状態が終了して通常状態に戻るまでの有利状態では、大当り遊技状態に繰り返し制御された回数が、大当り回数(連荘回数)としてカウントされる。また、KT状態が終了して通常状態に戻るまでの期間では、大当り遊技状態や小当り遊技状態において賞球として払い出された遊技球の個数が、獲得出玉数としてカウントされる。KT状態が終了するときには、上記実施の形態において時短状態が終了するときと同様に、停止表示時間として第1停止時間の1秒よりも長い第2停止時間の7秒が設定される。KT状態において特定回数の可変表示が終了した後には、第2停止時間が経過するまでの特定期間において、図21(B)に示すような結果報知が実行されるようにすればよい。このように、KT状態であるときに実行可能な特定回数の可変表示が終了した後の特定期間において、遊技者に付与された価値に関する結果報知を実行する。これにより、可変表示の実行中に報知を行うための特殊な変動パターンは不要であり、リーチ演出や予告演出などの示唆演出を、他の可変表示を実行中の場合と同様に実行することができる。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には結果報知を行う必要がなくなり、遊技者は有利状態としてのKT状態が継続するか否かを明確に認識することができる。さらに、可変表示の実行中に報知を実行する期間を設ける必要がないので、演出の制約が低減され、リーチ演出や予告演出などの示唆演出を適切に実行して演出効果の低下を防止できる。
KT状態中(KT期間)にて可変表示結果が「大当り」になった場合には、大当り遊技状態に制御された後、再びKT状態となり、新たに特定回数の可変表示が実行されるまで、KT状態を継続させることができる。つまり、KT状態中に可変表示結果が「大当り」になるごとに、KT状態においてカウントされた可変表示の実行回数が「0」に初期化され、大当り遊技状態の終了後に改めて特定回数の可変表示が実行されるまでは、KT状態が継続可能になる。KT状態中(KT期間)にて可変表示結果が「小当り」になった場合には、小当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放される。しかしながら、可変表示結果が「小当り」になった場合には、KT状態においてカウントされた可変表示の実行回数は初期化されない。つまり、小当り遊技状態となる前のKT状態における可変表示の実行回数とあわせて、特定回数の可変表示が実行されたときには、KT状態が終了することになる。このように、KT状態であるときに実行可能な特定回数の可変表示が終了した後の特定期間において、遊技者に付与された価値に関する結果報知を実行する。特定期間は、小当り遊技状態において大入賞口が開放されてから閉鎖された後の期間としてもよい。これにより、例えばKT状態であるときに特定回数の可変表示が実行されて最終回の可変表示結果が「小当り」となった場合に、その可変表示結果に対応する小当り遊技状態で開放された大入賞口を通過(進入)した遊技球に基づいて付与された価値も含めて、遊技者に付与された価値に関する結果報知を行うことができる。こうして、より適切な結果報知を実行可能にして、結果報知に対する信頼性を向上させ、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の内容にかかわらず、飾り図柄を仮停止表示する期間には差異がないものとして説明した。これに対し、飾り図柄を仮停止表示する期間は、変動パターンの種類に応じて異なるものとしてもよい。例えば、複数の変動パターンには、ノーマルリーチ、キャラリーチ、スーパーリーチといった、リーチ演出の演出態様に応じて異なる変動パターンが含まれている。キャラリーチのリーチ演出では、スーパーリーチにおけるリーチ演出の一種として、キャラクタが主体となる演出が実行される。スーパーリーチのリーチ演出が実行された後には、救済演出が実行される変動パターンも含まれている。救済演出が実行されるときには、リーチ演出に続いてハズレ組合せとなる飾り図柄が一旦は仮停止表示される。その後、救済演出が実行されることで仮停止表示させた可変表示を再開して、大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示させる。このように、救済演出は、可変表示結果が「大当り」にならないかのような印象を遊技者に一旦は与えた後に、救済措置が講じられて可変表示結果が「大当り」になることを報知する演出である。
図22は、飾り図柄の仮停止表示が行われる仮停止期間の設定例を示している。この設定例では、可変表示内容に応じて、仮停止時の揺動回数や仮停止期間を異ならせている。可変表示内容には、非リーチ(ハズレ)、ノーマルリーチ(ハズレ)、キャラリーチ(ハズレ)、スーパーリーチ(ハズレ)、スーパーリーチ(ハズレ)→救済演出(大当り)が含まれている。非リーチ(ハズレ)は、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」で可変表示結果が「ハズレ」となることを示している。ノーマルリーチ(ハズレ)は、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」でノーマルリーチのリーチ演出が行われた後に可変表示結果が「ハズレ」となることを示している。キャラリーチ(ハズレ)は、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」でキャラリーチのリーチ演出が行われた後に可変表示結果が「ハズレ」となることを示している。スーパーリーチ(ハズレ)は、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」でスーパーリーチのリーチ演出が行われた後に可変表示結果が「ハズレ」となることを示している。スーパーリーチ(ハズレ)→救済演出(大当り)は、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」でスーパーリーチのリーチ演出が行われた後に救済演出が行われて可変表示結果が「大当り」となることを示している。
図22に示すように、非リーチ(ハズレ)では、揺動回数が0回に対応して仮停止期間が0.1秒となる。ノーマルリーチ(ハズレ)では、揺動回数が1回に対応して仮停止期間が1秒となる。キャラリーチ(ハズレ)では、揺動回数が2回に対応して仮停止期間が2秒となる。スーパーリーチ(ハズレ)では、揺動回数が3回に対応して仮停止期間が3秒となる。スーパーリーチ(ハズレ)→救済演出(大当り)では、揺動回数が4回に対応して仮停止期間が4秒となる。例えば飾り図柄が4回揺動した仮停止表示の後には、救済演出が実行される。これにより、遊技者は救済演出の実行を期待して、飾り図柄の仮停止態様に注目することになる。こうして、飾り図柄を仮停止表示させる期間に期待感を持たせて、遊技興趣を向上させることができる。
飾り図柄を揺動させるときの表示態様は、例えば上下揺動といった、変動パターンの種類にかかわらず共通の表示態様を含むものであればよい。これにより、変動パターンにかかわらず、飾り図柄が仮停止表示されていることを遊技者が認識しやすくして、飾り図柄を仮停止表示させる期間に期待感を持たせることができる。救済演出は、大当り遊技状態に制御されることが確定する演出であればよい。これにより、救済演出の実行に対して期待を持たせることができる。
なお、飾り図柄を揺動させて仮停止表示している期間であっても、特別図柄の可変表示において変動が行われていれば、可変表示は終了していない。例えば、時短状態などの有利状態において特定回数の可変表示が実行されたときに、図22に示すような設定に応じて飾り図柄の仮停止表示が行われたとしても、特別図柄の可変表示において表示結果となる確定特別図柄が停止表示されていなければ、特定回数の可変表示は未だ終了しておらず、特定期間となることはない。
上記実施の形態において、図10に示した可変表示開始設定処理のステップS322で決定される可変表示中演出に含まれるボタン操作予告演出は、可変表示が開始される変動開始時から表示結果が導出表示される結果導出時までにおける複数のタイミングで実行可能としてもよい。例えば、ボタン操作予告演出は、高速変動時やリーチ成立時、当否煽り時などで実行可能としてもよい。
図23および図24は、ボタン操作予告演出として実行可能なボタン演出の決定割合を示している。この例において、ボタン演出は、高速変動時ボタン演出、リーチ成立時ボタン演出、当否煽り時ボタン演出、連打ボタン演出、長押しボタン演出を含んでいる。ボタン演出では、例えば1つのボタン画像を表示する場合、ボタン画像とともに「押せ」や「長押」、「連打」などのメッセージ画像を表示する場合、大、中または小のボタン画像を表示する場合などがあってもよい。高速変動時ボタン演出は、例えば、変動開始時から飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立時までの期間内において飾り図柄が高速変動するときに実行されるボタン演出である。リーチ成立時ボタン演出は、例えば、リーチ成立時に実行されるボタン演出である。当否煽りボタン演出は、例えば、飾り図柄の停止表示の直前に実行され、飾り図柄が大当り組合せとなるか否かの当否煽り演出のときに実行されるボタン演出である。連打ボタン演出は、例えば、特定のスーパーリーチ(スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)を実行中の期間で当否煽り演出よりも前の連打操作期間のときに実行されるボタン演出である。長押しボタン演出は、例えば、連打ボタン演出が実行されるスーパーリーチとは異なるスーパーリーチ(スーパーリーチC)を実行中の期間で当否煽り演出よりも前の長押し操作期間のときに実行されるボタン演出である。
図10に示した可変表示開始設定処理のステップS322では、ROM121に予め記憶されて用意されたボタン演出決定テーブルなどを参照することにより、各ボタン演出の有無や演出態様が決定されるようにすればよい。図11に示した可変表示中演出処理のステップS343では、各ボタン演出に対応する予告演出期間であることに対応して、ボタン演出を実行するための制御が行われることにより、各ボタン演出が実行可能となる。
高速変動時ボタン演出は、例えば図23(A)に示すような決定割合で、実行するか否かや、実行する場合の演出態様が決定される。図23(A)に示す例では、「演出なし」、「第1演出態様」、「第2演出態様」、「第3演出態様」のいずれかに決定される。「演出なし」に決定された場合には、高速変動時ボタン演出が実行されない。その他の場合には、決定された演出態様で高速変動時ボタン演出が実行される。演出制御用CPU120は、例えば高速変動時ボタン演出決定用の乱数値を抽出し、高速変動時ボタン演出決定テーブルを用いて、高速変動時ボタン演出の有無や演出態様を決定する。高速変動時ボタン演出決定テーブルでは、高速変動時ボタン演出の決定結果に対し、変動パターンに応じて異なる判定値が割り当てられていればよい。その他、演出制御用CPU120は、例えばリーチ成立時ボタン演出決定用の乱数値、当否煽り時ボタン演出決定用の乱数値、連打ボタン演出決定用の乱数値、長押しボタン演出決定用の乱数値をそれぞれ抽出し、リーチ成立時ボタン演出決定テーブル、当否煽り時ボタン演出決定テーブル、連打ボタン演出決定テーブル、長押しボタン演出決定テーブルを用いて、リーチ成立時ボタン演出、当否煽り時ボタン演出、連打ボタン演出、長押しボタン演出のそれぞれにつき、実行の有無や演出態様を決定する。リーチ成立時ボタン演出決定テーブル、当否煽り時ボタン演出決定テーブル、連打ボタン演出決定テーブル、長押しボタン演出決定テーブルでも、各ボタン演出の決定結果(「演出なし」、「第1演出態様」、「第2演出態様」、「第3演出態様」)に対し、変動パターンに応じて異なる判定値が割り当てられていればよい。
図23(A)に示す例では、スーパーリーチを含まない変動パターンの場合に、90%の割合で高速変動時ボタン演出を実行しないように決定され、10%の割合で高速変動時ボタン演出を「第1演出態様」で実行すると決定される。スーパーリーチはずれの場合には、30%の割合で高速変動時ボタン演出を実行しないように決定され、40%の割合で高速変動時ボタン演出を「第1演出態様」で実行すると決定され、25%の割合で高速変動時ボタン演出を「第2演出態様」で実行すると決定され、5%の割合で高速変動時ボタン演出を「第3演出態様」で実行すると決定される。スーパーリーチ大当りの場合には、15%の割合で高速変動時ボタン演出を実行しないように決定され、20%の割合で高速変動時ボタン演出を「第1演出態様」で実行すると決定され、50%の割合で高速変動時ボタン演出を「第2演出態様」で実行すると決定され、15%の割合で高速変動時ボタン演出を「第3演出態様」で実行すると決定される。
図25は、ボタン演出の実行例を示している。高速変動時ボタン演出は、第1〜第3演出態様のいずれかで実行可能である。高速変動時ボタン演出では、いずれの演出態様であっても、プッシュボタン31Bの外観を模した第1操作促進画像(ボタン画像)のうちの小型サイズの小ボタン画像(以下、第1操作促進画像(小)ともいう)が表示される(図25(A)の第1操作促進画像(小)参照)。このような小ボタン画像の表示は、遊技者によるプッシュボタン31Bに対する押下操作という所定動作を促すための促進報知となる。高速変動時ボタン演出での操作有効期間内に操作が検出された場合には、「第1演出態様」では「・・・」の文字を示す第1高速変動時ボタン演出画像(所定演出)が表示され、「第2演出態様」では「?」の文字を示す第2高速変動時ボタン演出画像(所定演出)が表示され、「第3演出態様」では「!」の文字を示す第3高速変動時ボタン演出画像(所定演出)が表示される。
リーチ成立時ボタン演出は、高速変動時ボタン演出の演出態様とは一部または全部が異なる第1〜第3演出態様のいずれかで実行可能である。リーチ成立時ボタン演出では、いずれの演出態様であっても、促進報知として、プッシュボタン31Bの外観を模した第1操作促進画像のうちの中型サイズの中ボタン画像(以下、第1操作促進画像(中)ともいう)が表示される(図25(B)の第1操作促進画像(中)参照)。中ボタン画像は、プッシュボタン31Bの外観を模しているという点で変動開始時ボタン演出における小ボタン画像と共通している。これに対し、中ボタン画像の表示サイズは小ボタン画像の表示サイズよりも大きいという点で、中ボタン画像と小ボタン画像とは相違している。リーチ成立時ボタン演出での操作有効期間内に操作が検出された場合には、「第1演出態様」では「チャンス!」の文字を示す第1リーチ成立時ボタン演出画像(所定演出)が表示され、「第2演出態様」では「好機!」の文字を示す第2リーチ成立時ボタン演出画像(所定演出)が表示され、「第3演出態様」では「激熱!」の文字を示す第3リーチ成立時ボタン演出画像(所定演出)が表示される。
当否煽り時ボタン演出は、高速変動時ボタン演出やリーチ成立時ボタン演出の演出態様とは一部または全部が異なる第1〜第3演出態様のいずれかで実行可能である。当否煽り時ボタン演出の「第1演出態様」では、促進報知として、中ボタン画像(第1操作促進画像(中))が表示され(図25(B)参照)、「第2演出態様」では、促進報知として、プッシュボタン31Bの外観を模した第1操作促進画像のうちの大型サイズの大ボタン画像(以下、第1操作促進画像(大)ともいう)と、所定の文字を示す第2操作促進画像のうちの「押せ」の文字を示す第2操作促進画像(押せ)とが表示され(図25(C)の第1操作促進画像(大),第2操作促進画像(押せ)参照)、「第3演出態様」では、促進報知として、大ボタン画像(第1操作促進画像(大))と、所定の文字を示す第2操作促進画像のうちの「一撃」の文字を示す第2操作促進画像(一撃)とが表示される(図25(D)の第1操作促進画像(大),第2操作促進画像(一撃)参照)。当否煽り時ボタン演出での操作有効期間内に操作が検出された場合には、変動表示の表示結果に応じた文字を示す当否煽り時ボタン演出画像(所定演出)が表示される。
連打ボタン演出は、高速変動時ボタン演出やリーチ成立時ボタン演出、当否煽り時ボタン演出の演出態様とは一部または全部が異なる第1〜第3演出態様のいずれかで実行可能である。連打ボタン演出では、いずれの演出態様であっても、促進報知として、小ボタン画像(第1操作促進画像(小))と、所定の文字を示す第2操作促進画像のうちの「連打」の文字を示す第2操作促進画像(連打)とが表示される(図25(E)の第1操作促進画像(小),第2操作促進画像(連打)参照)。連打ボタン演出での操作有効期間内に連打操作が検出された場合には、「所定演出」として、「第1演出態様」ではセリフA画像(第1連打ボタン演出画像)が表示され、「第2演出態様」ではセリフB画像(第2連打ボタン演出画像)が表示され、「第3演出態様」ではセリフC画像(第3連打ボタン演出画像)が表示される。
長押しボタン演出は、高速変動時ボタン演出やリーチ成立時ボタン演出、当否煽り時ボタン演出の演出態様、連打ボタン演出の演出態様とは一部または全部が異なる第1〜第3演出態様のいずれかで実行可能である。長押しボタン演出では、いずれの演出態様であっても、促進報知として、小ボタン画像(第1操作促進画像(小))と、所定の文字を示す第2操作促進画像のうちの「長押し」の文字を示す第2操作促進画像(長押し)とが表示される(図25(F)の第1操作促進画像(小),第2操作促進画像(長押し)参照)。長押しボタン演出での操作有効期間内に長押し操作が検出された場合には、「所定演出」として、「第1演出態様」ではアイテムA画像(第1長押しボタン演出画像)が表示され、「第2演出態様」ではアイテムB画像(第2長押しボタン演出画像)が表示され、「第3演出態様」ではアイテムC画像(第3長押しボタン演出画像)が表示される。
図23に示すように、変動開始時ボタン演出、リーチ成立時ボタン演出、当否煽り時ボタン演出は、いずれも、スーパーリーチを含まない変動パターンよりもスーパーリーチを含む変動パターンである方が、また、表示結果がはずれよりも大当りである方が、「第1演出態様」、「第2演出態様」または「第3演出態様」の順に実行される割合が高く、「演出なし」となる割合が低くなる。さらに、表示結果がはずれよりも大当りである方が、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」で実行される割合が高くなる。このような特徴を備えていることによって、ボタン演出が実行されないときよりも、ボタン演出が実行されたときの方が、さらに、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」で実行されたときの方が、有利な飾り図柄の可変表示態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」の方が、期待度が高い演出態様となる。したがって、高速変動時ボタン演出、リーチ成立時ボタン演出および当否煽り時ボタン演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができるとともに、いずれの演出態様で実行されるかについて注目させることができる。なお、期待度は、大当り期待度に限定されず、例えばリーチ期待度や確変期待度などであってもよい。
当否煽り時ボタン演出の促進報知は、「第1演出態様」の場合に中ボタン画像のみが第1操作促進画像として表示されるのに対し、「第2演出態様」の場合には大ボタン画像が第1操作促進画像として表示されることに加えて「押せ」の文字を示す画像が第2操作促進画像として表示され、「第3演出態様」の場合には大ボタン画像が第1操作促進画像として表示されることに加えて「一撃」の文字を示す画像が第2操作促進画像として表示される。このように、促進報知として第1操作促進画像を表示するパターン(第1パターン)と第1操作促進画像に第2操作促進画像を加えて表示するパターン場合(第2パターン)とがあり、促進報知として第1パターンよりも第2パターンで行われる方が、期待度が高くなることになる。こうして、第1パターンと第2パターンとのいずれにより促進報知が行われるかについて注目させることができる。また、第1パターンによる促進報知では、第1操作促進画像のみが表示され、第2パターンによる促進報知では、第1操作促進画像および第2操作促進画像が表示されるため、表示される画像が多くなると期待度が高くなることになり、遊技者に分かりやすく期待度を示すことができる。なお、第2パターンにより促進報知が行われるよりも第1パターンにより促進報知が行われる方が、期待度が高くなるように構成してもよい。
図24に示すように、連打ボタン演出、長押しボタン演出は、いずれも、表示結果がはずれよりも大当りである方が、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」で実行される割合が高くなる。このような特徴を備えていることによって、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」で実行されたときの方が、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」の方が、期待度が高い演出態様となる。したがって、連打ボタン演出および長押しボタン演出が、いずれの演出態様で実行されるかについて注目させることができる。
促進報知は、ボタン画像と、所定の文字(図25では「押せ」、「一撃」、「連打」、「長押し」)などを示す画像とを表示するものに限定されない。例えば、スティックコントローラ31Aに対する操作といった遊技者による動作を検出したことに応じた演出を実行する場合には、促進報知として、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿を模したコントローラ画像と、所定の文字(例えば「押せ」、「引け」、「前後」)などを示す画像とを表示してもよい。第1操作促進画像(ボタン画像、コントローラ画像など)に、第2操作促進画像としてボタン画像やコントローラ画像などを加えた態様としてもよい。即ち、第2操作促進画像は、図25に示す所定の文字を示す画像に限定されず、例えば遊技者の動作を促す画像(ボタン画像、コントローラ画像など)であってもよい。また、第1操作促進画像は、遊技者の動作を促す画像(ボタン画像、コントローラ画像など)に限定されず、例えば所定の文字を示す画像であってもよい。
ボタン演出などの操作演出が実行される特定タイミングとなる前には、その操作演出における操作態様を報知する操作態様報知演出を実行可能としてもよい。操作演出には、ボタン演出となる操作演出Aの他に、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作を検出して演出態様が変化するレバー演出となる操作演出Bが含まれていればよい。図10に示した可変表示開始設定処理のステップS322では、操作演出を決定した後に、操作態様報知演出の有無や演出態様が決定されるようにすればよい。操作態様報知演出の有無や演出態様は、ROM121に予め記憶されて用意された操作態様報知演出決定テーブルなどを参照することにより決定できればよい。図11に示した可変表示中演出処理のステップS343では、操作態様報知演出に対応する予告演出期間であることに対応して、操作態様報知演出を実行するための制御が行われることにより、操作態様報知演出が実行可能となる。
図26は、操作態様報知演出の決定割合を示している。この例において、操作態様報知演出は、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるか、操作演出における操作態様がレバー(スティックコントローラ31Aの操作桿)であるかボタン(プッシュボタン31B)であるかに応じて、操作態様報知演出を実行するか否か、操作態様報知演出を実行する場合に実行開始タイミングとして変動開始直後とリーチ直後(リーチ状態となった直後)とのいずれとするか、予告操作態様としてレバーとボタンとのいずれとするかの決定割合が異なっている。予告操作態様としてレバーに決定されたときには、操作態様報知演出においてレバー報知画像が表示されることにより操作演出における操作態様がレバー(スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作)であることが予告される。また、予告操作態様としてボタンに決定されたときには、操作態様報知演出においてボタン報知画像が表示されることにより操作演出における操作態様がボタン(プッシュボタン31Bに対する押下操作)であることが予告される。
スーパーリーチを含む変動パターンに決定された場合のうち、図10に示した可変表示開始設定処理のステップS322にて操作演出Bを実行することが決定された場合には、可変表示結果が「大当り」であれば、15%の割合で、変動開始直後に予告操作態様がレバーである操作態様報知演出(真の報知、図27(B)を参照)を実行することに決定され、5%の割合で、変動開始直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(ガセ報知、図27(A)を参照)を実行することに決定され、20%の割合で、リーチ直後に予告操作態様がレバーである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、10%の割合で、リーチ直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(ガセ報知)を実行することに決定され、50%の割合で、操作態様報知演出を実行しないことに決定される。これに対し、可変表示結果が「ハズレ」であれば、5%の割合で、変動開始直後に予告操作態様がレバーである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、5%の割合で、変動開始直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(ガセ報知)を実行することに決定され、5%の割合で、リーチ直後に予告操作態様がレバーである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、5%の割合で、リーチ直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(ガセ報知)を実行することに決定され、80%の割合で、操作態様報知演出を実行しないことにと決定される。
スーパーリーチを含む変動パターンに決定された場合のうち、図10に示した可変表示開始設定処理のステップS322にて操作演出Aを実行することが決定された場合には、可変表示結果が「大当り」であれば、10%の割合で、変動開始直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、20%の割合で、リーチ直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、70%の割合で、操作態様報知演出を実行しないことに決定される。これに対し、可変表示結果が「ハズレ」であれば、10%の割合で、変動開始直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、10%の割合で、リーチ直後に予告操作態様がボタンである操作態様報知演出(真の報知)を実行することに決定され、80%の割合で、操作態様報知演出を実行しないことに決定される。
操作態様報知演出において、変動開始直後のタイミングで操作態様が報知されたときには、リーチ直後のタイミングで操作態様が報知されたときに比べて、大当り期待度が高くなっている。このように操作態様が報知されるタイミングに応じて大当り期待度が異なっている。なお、リーチ直後のタイミングにおいて操作態様が報知されたときに、変動開始直後のタイミングにおいて操作態様が報知されたときと比べて、大当り期待度が高くなっていてもよい。また、操作態様が報知されるタイミングに応じて異なる期待度は、大当り期待度に限定されず、例えばリーチ期待度や確変期待度などであってもよい。なお、操作態様が報知されるタイミングは、変動開始直後のタイミングやリーチ直後のタイミングに限定されず、操作演出が実行される特定タイミングとなる前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよい。操作態様が報知されるタイミングは、例えば、変動が開始してから所定時間経過したタイミングや、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにおいて確定飾り図柄が停止表示されるタイミング、特定の演出が実行されるタイミング、リーチ演出の開始タイミングなどであってもよい。このように、操作演出における操作態様といった、遊技者の動作態様が報知されるタイミングに応じて期待度が異なるので、操作演出が実行される特定タイミングとなる前から期待感を持たせて、遊技興趣を向上させることができる。
図27は、操作態様報知演出の実行例を示している。画像表示装置5の表示画面では、例えば左上部における演出画像の表示などにより、操作態様報知演出が実行される。この実行例では、リーチ直後に操作態様報知演出が実行されている。操作態様報知演出では、レバー報知画像とボタン報知画像とのうちいずれかが表示されることにより、操作演出における操作態様が報知(予告)される。操作態様の報知には、真の報知である場合とガセ報知である場合とがある。操作演出における操作態様がレバー(操作演出B)の場合に、操作態様報知演出による報知がガセ報知であるときには、図27(A)に示すようなプッシュボタン31Bの外観を模したボタン報知画像が、画像表示装置5の表示画面における左上部に表示される。操作演出における操作態様がレバー(操作演出B)の場合に、操作態様報知演出による報知が真の報知であるときには、図27(B)に示すようなスティックコントローラ31Aの操作桿の外観を模したレバー報知画像が、画像表示装置5の表示画面における左上部に表示される。操作演出における操作態様がボタン(操作演出A)の場合には、操作態様報知演出による報知が真の報知だけであり、図27(A)に示すようなプッシュボタン31Bの外観を模したボタン報知画像が、画像表示装置5の表示画面における左上部に表示される。
操作態様報知演出では、操作演出が実行される特定タイミング(例えば、スーパーリーチのリーチ演出が開始されてリーチの終盤)となる前に、操作演出における操作態様が報知される。その結果、操作演出が実行される特定タイミングとなる前から遊技者に期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、操作態様が報知されるタイミングに応じて大当り期待度が異なっているので、操作演出における操作態様を報知するタイミングに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、操作態様報知演出では、プッシュボタン31Bの外観を模したボタン報知画像と、スティックコントローラ31Aの外観を模したレバー報知画像とに限定されず、例えば、プッシュボタン31Bの外観を模したボタン報知画像およびスティックコントローラ31Aの外観を模したレバー報知画像を組み合わたボタンレバー報知画像を表示可能に設定してもよい。
遊技者による動作を検出するための構成は、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどに限定されず、例えば回動操作が可能なジョグダイアルであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。さらに、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による指示入力行為に限定されない任意の動作を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手といった被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の動作を所定操作として検出できるようにしてもよい。すなわち、遊技者による動作を検出するための構成は、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態や小当り遊技状態において開放された大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、賞球となる遊技球の払い出しといった、遊技者に価値が付与可能となる。遊技者に価値として付与される遊技球の払出数などは、ポイントカウンタの格納値を更新することによってカウント可能としてもよい。ポイントカウンタは、通常状態であるときに可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態に制御されてから、時短制御が終了して通常状態に戻る前に可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態に制御される連荘中において、獲得出玉数をポイントとしてカウントする。主基板11から演出制御基板12に対して賞球コマンドが伝送され、演出制御用CPU120は、賞球コマンドを受信するごとに加算されたポイントカウンタの格納値が所定の規定値を超えた場合に、獲得出玉数の報知演出(獲得出玉数報知)を実行可能としてもよい。
こうした獲得出玉数報知のように、遊技者に付与された価値の大きさを報知する報知演出は、所定条件が成立したときに実行可能となってもよい。例えば、獲得出玉数が所定数に達したことに応じて、報知演出を実行するための所定条件が成立してもよい。大当り遊技状態では、その大当り遊技状態が終了した後に確変状態となるか否かを報知する大当り中昇格演出が実行される場合がある。大当り中昇格演出には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる旨(特典が付与されること)を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態とならない旨(特典が付与されないこと)を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。大当り中昇格演出として、例えば、画像表示装置5の表示画面にてキャラクタ同士が戦うバトル演出に対応する表示が行われればよい。具体的に、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となる旨を報知する(特典が付与されることを報知する)大当り中昇格成功演出を実行する場合には、メインキャラクタが勝利する演出の実行設定を、確変状態とならない旨を報知する(特典が付与されないことを報知する)大当り中昇格失敗演出を実行する場合には、メインキャラクタが敗北する演出の実行設定を、それぞれ行えばよい。なお、大当り中昇格成功演出となる確率に応じて、表示するメインキャラクタやバトルの内容を複数態様用意しておき、その中からいずれかの態様を選択するようにしてもよい。
大当り中昇格演出は、大当り遊技状態における所定のラウンドの実行中に行われる(例えば第5ラウンドの遊技中など)。なお、大当り中昇格演出を実行するラウンドを複数ラウンドのうちから選択するようにして大当り中昇格演出実行期間を複数期間のうちから決定するようにしてもよい。この場合には、ポイントカウント値が規定値を超えた場合の報知演出を実行可能な期間も大当り中昇格演出実行期間以後に設定されればよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中ではなく、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて行われてもよく、これらの期間のうちからいずれかを選択するようにしてもよい。また、例えば、これらの期間のうち2つの期間などといった複数期間を選択可能としておき、それぞれの期間で大当り中昇格演出を実行するようにしてもよい。このように、大当り中昇格演出が複数回実行されてもよい。2つの期間が選択された場合には、最初の期間における大当たり中昇格演出では大当り中昇格失敗演出を行い、次の期間にて大当り中昇格成功演出を行うようにすればよい。そして、大当り中昇格成功演出が行われた以後の期間を、報知演出(ポイントカウント値が規定値を超えたことの報知)を実行可能な期間として設定すればよい。これとは別に、最初の期間にて実行された大当り中昇格失敗演出以後の期間であって大当り中昇格成功演出が実行される前の期間を、報知演出を実行可能な期間として設定してもよい。これによれば、報知演出が行われた場合であっても、その後に大当り中昇格成功演出が実行されることから、遊技興趣の低下を防止することができるとともに、遊技者に意外性を与えることができる。
賞球として獲得された遊技球の払出数(付与された価値の大きさ)が予め定められた規定値を超えた場合には、その旨を報知することが可能な期間(獲得出玉数報知可能期間)として、報知演出を実行可能な期間を設定する。報知演出が行われるのは大当り中昇格成功演出が行われた場合であり、大当り中昇格失敗演出が行われたば場合には報知演出は実行されない。ただし、大当り中昇格成功演出を行うか大当り中昇格失敗演出を行うかに関わらず獲得出玉数報知可能期間が設定される。これに対し、大当り中昇格成功演出を行う設定がなされた場合にのみ、獲得出玉数報知可能期間が設定されるようにしてもよい。
図9に示す演出制御プロセス処理において、ステップS175の大当り中演出処理では、大当り中昇格演出期間であると判定された場合に、大当り中昇格演出を実行する制御が行われる。また、大当り中演出処理では、獲得出玉数報知可能期間であるか否かを判定する。獲得出玉数報知可能期間であると判定された場合には、大当り中昇格成功演出を実行済みであるか否かを判定する。これにより、昇格成功か否か、すなわち、特典の付与として確変制御が行われるか否かを判定する。大当り中昇格演出を実行済みである場合には、ポイントカウント値が規定値を上回っているか否かの判定を行い、上回っている場合には、その規定値に対応する報知演出を実行する制御が行われる。規定値を上回っているか否かを判定するために、複数の規定値が設定されている規定値選択テーブルが用いられてもよい。規定値選択テーブルでは、複数の規定値ごとに報知済フラグが設けられ、ポイントカウント値がいずれかの規定値を上回った場合に、その規定値に対応する報知済フラグをオン状態にセットする。報知済フラグがオフ状態である規定値のうちで、最も値が小さい規定値とポイントカウント値とを比較することにより、ポイントカウント値が規定値を上回っているか否かを判定すればよい。例えばポイントカウント値が上回っていると判定された規定値が「10000」である場合には、「10000ポイントGET!!」といったメッセージ表示や報知音を出力する報知演出が実行される。報知演出は、複数の演出態様のうちで、ポイントカウント値が上回ったと判定された規定値に対応する演出態様で実行されるようにすればよい。
図28は、獲得出玉数報知となる報知演出の制御例を示している。この例では、規定値として「10000」が選択されている。図28(A)では、獲得出玉数報知可能期間内にポイントカウント値が規定値を上回っている。図28(B)、(C)では、大当り中昇格演出の実行中にポイントカウント値が規定値を上回っている。図28(A)、(B)では、大当り中昇格演出として大当り中昇格成功演出が実行される。図28(C)では、大当り中昇格演出として、大当り中昇格失敗演出が実行される。
大当り中昇格成功演出により確変状態となることが報知される昇格成功報知の後には、図28(A)に示すような獲得出玉数報知可能期間内にポイントカウント値が規定値を上回ると、そのタイミングでリアルタイムに報知演出を行うことができる。大当り中昇格演出による昇格成功報知より前に、図28(B)に示すような大当り中昇格演出期間内にポイントカウント値が規定値を上回った場合には、獲得出玉数報知可能期間となるまで報知演出の実行が制限される。その後に獲得出玉数報知可能期間となったタイミングで報知演出が実行される(遅れ報知)。なお、図28(A)に示すようにリアルタイムでの報知演出が実行可能な場合には、例えば「10000ポイントGET!!」とする一方で、図28(B)に示すようにリアルタイムではなくポイントカウント値が規定値を超えたタイミングよりも遅いタイミングで報知演出を行う場合には、例えば「10000ポイントOVER!!」など、報知演出がリアルタイムで行われるか否かにより報知演出の態様を異ならせてもよい。報知演出の実行を制限する場合には、報知演出の実行を禁止するものに限定されず、例えば獲得出玉数報知可能期間に行われる報知演出よりも小さく表示したり、背景色と同色の表示とするなど、遊技者にとって認識し難い態様により報知演出を行うようにしてもよい。また、例えば大当り中昇格演出期間内といった、獲得出玉数報知可能期間以外の期間内にポイントカウント値が規定値を上回った場合には、そのタイミングでは獲得出玉数報知可能期間に行われる報知演出よりも小さく表示したり、背景色と同色の表示とするなど、遊技者にとって認識し難い態様とすることで報知演出に制限を設けてもよい。
大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、図28(C)に示すようにポイントカウント値が規定値を超えたとしても報知演出が制限される。図28(C)では、報知演出を禁止して不実行とすることにより制限されている。これに対し、獲得出玉数報知可能期間となったときに、通常の報知演出よりも小さく表示したり、背景色と同色の表示とするなど、遊技者にとって認識し難い態様により報知演出を行うことで、報知演出の禁止とは異なる制限を設けてもよい。大当り中昇格演出の実行中は報知演出を禁止する一方で、大当り中昇格失敗演出が行われた以後は、報知演出を通常時よりも小さく実行するなど、状況やタイミングに応じて報知演出の制限態様を変化させてもよい。大当り中昇格演出の実行中であっても報知演出は禁止せず、ポイントカウント値が規定値を上回ったタイミングで、通常の報知演出よりも小さく表示したり、背景色と同色の表示とするなど、遊技者にとって認識し難い態様とすることで報知演出に制限を設けてもよい。また、この実施の形態では、大当り中昇格演出期間以後の期間を獲得出玉数報知可能期間としたが(すなわち大当り中昇格演出期間前の期間は獲得出玉数報知可能期間ではないとしたが)、例えば、大当り中昇格演出期間前の期間については獲得出玉数報知可能期間としてもよい(大当り中昇格演出期間前の期間については報知演出を実行可能としてもよい)。
大当り中昇格演出期間内にポイントカウント値が規定値を上回った場合であっても、大当り中失敗演出が実行された場合(すなわち、バトル演出の結末にてメインキャラクタが敗北し、昇格に失敗したことが報知された場合)、特典の付与として確変制御が行われないため、図28(C)に示すように、獲得出玉数報知可能期間となっても、報知演出の実行は制限される。獲得出玉数報知可能期間内にポイントカウント値が規定値を上回った場合であっても、大当り中失敗演出が実行された場合には、同様に、報知演出の実行は制限される。
このように、獲得出玉数報知可能期間として報知演出(賞球として獲得した獲得出玉数(付与された価値の大きさ)が予め定められた規定値を超えた場合、その旨を報知する演出)を実行可能な期間を、大当り中昇格演出期間以後に設定する。これにより、特典の付与として確変制御が行われるか否かの結果が報知される以前に報知演出が実行されることを制限する(すなわち、特典として確変が付与されるか否か遊技者が認識不可能な状況下における報知演出の実行を制限する)。したがって、報知演出が行われた後に特典の付与として確変制御が行われないことによる遊技興趣の低下を防止することができる。また、報知演出が行われたことでチャンスアップした(有利となった)ものと遊技者が誤認してしまうことを回避できる。さらに、ポイントカウント値との比較対象となる規定値を選択し、複数態様ある報知演出のうちから、当該規定値に対応した態様の報知演出を実行する。また、獲得出玉数報知可能期間前に獲得出玉数が規定値を超えた場合であっても、獲得出玉数報知可能期間となるまで報知演出の実行を制限し、獲得出玉数報知可能期間となることで、当該制限が解除され報知演出を実行する。これによれば、報知演出を好適に実行することができる。また、獲得出玉数報知可能期間前(報知演出実行可能期間前)に獲得出玉数が規定値を超えた場合であっても、大当り中昇格演出として大当り中昇格失敗演出が実行されたときには、報知演出の実行を制限する。これによれば、遊技興趣の低下を防止することができる。
時短制御とともに確変制御が行われる確変状態と、時短制御は行われるが確変制御は行われない時短状態とにおいて、大当り中昇格演出と同様に、特典の付与として確変制御が行われているか否かを報知する大当り後昇格演出が実行されてもよい。このような大当り後昇格演出が実行可能なものにおいて、獲得出玉数報知といった報知演出を実行可能な期間を、大当り後昇格演出が実行される大当り後昇格演出期間以後に設定してもよい。これにより、報知演出が行われた後に特典の付与として確変制御が行われないことによる遊技興趣の低下を防止することができる。また、大当り後昇格演出として確変制御が行われていないことを報知する大当り後昇格失敗演出が実行されたときには、報知演出の実行を制限する。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
大当り後昇格演出が実行されない場合に、確変状態であるか時短状態であるかに応じて、獲得出玉数報知といった報知演出を実行するか否かの設定を異ならせてもよい。例えば確変状態であることを特定可能に報知している確変報知中である場合には、ポイントカウント値が規定値を上回ったときに獲得出玉数報知を実行可能とする。これに対し、時短状態であることを特定可能に報知している時短報知中である場合には、ポイントカウント値が規定値を上回っても獲得出玉数報知の実行を制限してもよい。
その他にも、この発明は上記の実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。より具体的に、時短状態などの有利状態において特定回数の可変表示が終了した後の特定期間は、可変表示の表示結果となる最終停止図柄が停止表示される期間に限定されず、例えば、可変表示結果が「小当り」となった場合に対応するファンファーレ演出が実行される期間、小当り遊技状態における大入賞口が開放される期間、小当り遊技状態のエンディング演出が実行される期間のうち、いずれか1の期間であってもよいし、複数の期間にわたっていてもよい。
上記実施の形態では、結果報知により連荘回数や獲得出玉数が報知されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、時短状態などの有利状態が終了するまでの遊技や演出の進行に関する報知内容を含んでいてもよい。例えば、連荘回数や獲得出玉数の一方または双方に応じて、あるいは、有利状態の継続時間といった、連荘回数や獲得出玉数とは異なる遊技や演出の進行状況に応じて、遊技者やキャラクタのステージ(遊技レベル)を更新可能とし、時短状態などの有利状態が終了したときの特定期間において、そのステージ(遊技レベル)を報知可能としてもよい。有利状態における連荘回数や獲得出玉数にかかわらず、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを用いた演出によるゲームを実行可能とし、そのゲームにおける得点に関する結果報知を実行可能としてもよい。
上記実施の形態では、時短制御が行われる時短状態、小当り遊技状態で大入賞口が開放されやすくなるKT状態などが、遊技者にとって有利な有利状態となり得るものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、時短制御とともに確変制御が行われる確変状態を有利状態としてもよい。例えば、確変状態において実行可能な可変表示の上限回数が定められている場合に、上限回数の可変表示が実行された後の特定期間において、結果報知を実行するようにしてもよい。その他、遊技や演出の進行に関して通常とは異なる任意の状態を有利状態としてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における演出状態として、通常の演出モードとは異なる演出モードとなる状態を有利状態とし、その有利状態が終了するまでに付与された価値に関する結果報知を、有利状態が終了した後の特定期間において実行可能としてもよい。このように、結果報知は、第1状態とは異なる第2状態であるときに更新可能な情報に関して、第2状態が終了した後の特定期間にて実行可能となるものであればよい。
上記実施の形態では、図6に示す特別図柄停止処理のステップS215による設定に対応して、時短状態における時短制御が終了する。したがって、図14や図15に示すように、結果報知が行われる期間では、時短状態における時短制御が継続して行われている。これに対して、結果報知が行われる期間では、時短状態における時短制御が終了していてもよい。つまり、結果報知が行われる特定期間は、有利状態において特定回数の可変表示が終了した後に有利状態が継続している期間であってもよいし、特定回数の可変表示が終了して有利状態が終了した後の期間であってもよい。
上記実施の形態では、図5に示すような大当り図柄の設定とし、大当り図柄に応じたラウンド設定、確変制御有無、時短制御設定などが行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、ラウンド設定、確変制御有無、時短制御設定などに応じた複数の大当り種別を用意してもよい。この場合、1の大当り種別には、複数の大当り図柄が対応してもよいし、1の大当り図柄のみが対応してもよい。大当り種別を決定した後に、対応する大当り図柄のうちから停止図柄(確定図柄)となるものが決定されてもよい。
上記実施の形態では、図3に示す特別図柄プロセス処理のステップS102にて、図5に示すような大当り図柄に対応する確変制御有無が設定されることで、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御可能になるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。その他にも、本願発明は、任意の可変表示を行う遊技機にも適用することができる。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態では、例えば図3に示すステップS92により抽出された乱数値に基づいて、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が乱数値を用いて可変表示内容の判定を行い、その判定結果を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果コマンド)が演出制御基板12の側に送信されて、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120などにより先読み予告演出を実行可能にしてもよい。これに対し、例えば主基板11の側では、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が乱数値を示す演出制御コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行うようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、主基板11からの演出制御コマンドに示された乱数値を用いて大当り判定などを行い、その判定結果に基づいて先読み予告演出が実行できるようにすればよい。このように、始動入賞が発生した始動入賞時などのように、大当り遊技状態などの有利状態に制御するか否かを決定するより前に有利状態に制御されるか否かを判定する処理は、主基板11の側で実行されるものに限定されず、演出制御基板12の側で実行されるようにしてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1などの遊技機では、可変表示の実行回数が特定回数となるまで、時短状態などの有利状態に制御可能であり、特定回数の可変表示が終了した後の特定期間では、例えば連荘回数や獲得出玉数といった、遊技者に付与された価値に関する結果報知を実行する。これにより、適切な結果報知を実行可能とし、演出効果の低下を防止して、遊技興趣を向上させることができる。
また、特定回数の可変表示が終了した後の特定期間は、第1停止時間の1秒とは異なる第2停止時間の7秒が経過するまでの停止表示期間といったように、有利状態において特定回数未満の可変表示が終了した後の期間とは長さが異なる。これにより、結果報知の実行にあわせた報知期間を確保でき、適切な結果報知を実行することができる。
時短残回数が「0」となった場合のように、特定回数の可変表示が実行中であるときには、リーチ演出や予告演出などといった、遊技者に価値が付与されるか否かを示唆する示唆演出を実行可能とする。これにより、適切に演出を実行して可変表示の実行中などにおける演出効果の低下を防止できる。
図6に示す特別図柄停止処理のステップS203では、図7(A)に示すような上乗せ条件や時短終了条件の成立に応じて、その他の場合における第1停止時間の1秒とは異なる第2停止時間の7秒が停止表示時間として設定される。これにより、結果報知などの報知にあわせた報知期間を確保でき、適切な結果報知などを実行することができる。
図16に示すような結果報知の実行例では、図16(F)のような結果報知が行われているときに最終停止図柄となる確定飾り図柄を停止表示する。これにより、飾り図柄の可変表示が実行されていないことなど、遊技の状況を遊技者が認識しやすくなる。
遊技者にとって有利な有利状態として、小当り遊技状態で大入賞口が開放されやすいKT状態といった、遊技者に所定の価値が付与されやすい所定状態に制御可能であってもよい。このような有利状態に対応して結果報知を実行可能とすることにより、遊技興趣を向上させることができる。
KT状態では、図21(A1)に示すような可変表示の実行に対応したリール演出を実行可能であり、このリール演出では、図21(A2)に示すような小当り時表示を可動態様で実行してもよい。これにより、可変表示の表示結果と誤認しやすい演出の実行を防止して適切に演出を実行することができる。
図22に示すように、飾り図柄を仮停止表示する期間は、変動パターンの種類によって異なるようにしてもよい。これにより、仮停止表示が行われて仮停止態様とする期間に期待感を持たせることができる。
図24(C)に示す当否煽り時ボタン演出のように、ボタン画像といった第1操作促進画像を表示する第1パターンの場合と、第1操作促進画像に加えて文字を示す画像といった第2操作促進画像を表示する第2パターンの場合とでは期待度が異なるようにしてもよい。これにより、期待度を認識しやすくして、遊技興趣を向上させることができる。
図26に示す操作態様報知演出のように、操作演出が実行される特定タイミングとなる前に操作態様などの遊技者による動作態様を報知可能な場合に、報知のタイミングに応じて期待度が異なるようにしてもよい。これにより、特定タイミングとなる前から期待感を持たせて、遊技興趣を向上させることができる。
図28に示す獲得出玉数報知のように、付与された価値の大きさを報知可能な場合に、特典が付与されることが報知される前の状態では報知の実行を制限してもよい。これにより、特典が付与されないのに報知が行われてしまう場合における遊技興趣の低下を防止することができる。