以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口といった、パチンコ遊技機1の遊技領域に設けられた始動領域を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿(レバー)を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
図3は表示制御部123の構成例を示している。図3に示す表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)130と、画像データメモリ131と、VRAM(Video RAM)132Aと、フレームバッファ132Bと、LCD駆動回路133とを備えている。なお、VDP130は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。画像データメモリ131は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
VDP130は、例えば画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、例えば所定のマトリクス演算(ベクトル演算)といった、各種の画像データ処理を実行する画像プロセッサである。VDP130には、座標変換、透視変換、光源計算、基本図形生成などのジオメトリ処理を行うジオメトリプロセッサと、複数のポリゴンで構成されるオブジェクトなどの描画(レンダリング)処理を行う描画プロセッサとが含まれていればよい。画像データメモリ131は、画像表示装置5における各種表示に用いられる画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。例えば、画像データメモリ131が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。VRAM132Aは、画像データメモリ131から読み出された画像要素データを一時記憶して、VDP130が画像データ処理を実行するためのワークエリアを提供する。フレームバッファ132Bは、VDP130による描画処理などにより作成される演出画像の表示用データが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファ132Bに展開記憶される表示用データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などに基づいてVDP130が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、フレームバッファ132Bには、画像表示装置5の表示領域に表示される各種画像の表示用データを記憶する実表示領域と、画像表示装置5の表示領域には表示されない各種画像の表示用データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファ132Bの仮想表示領域にて画像表示装置5の表示領域と同じ大きさの画面表示を行うための表示用データが作成され、VDP130により読み出された仮想表示領域の表示用データがLCD駆動回路133へと供給されることで、画像表示装置5の側に出力されるようにしてもよい。VRAM132Aとフレームバッファ132Bは、同一の半導体メモリ(SDRAMなど)における別個の記憶領域として確保されたものであってもよいし、別個の半導体メモリを用いて構成されたものであってもよい。
VDP130は、フレームバッファ132Bから表示用データを読み出し、画像表示装置5の表示領域を構成する各画素の階調データ(色信号データ)を作成してLCD駆動回路133に出力する。LCD駆動回路133は、VDP130から供給された階調データ(色信号データ)に応じた色信号を作成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示させる回路である。
VDP130は、フレームバッファ132Bから読み出した表示用データの画素数を変換して、画像表示装置5の表示領域を構成する各画素の階調データを生成するスケーラ回路を有していてもよい。このスケーラ回路には、フレームバッファ132Bから読み出された表示用データが入力され、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、所定の拡大率で拡大(または縮小)することで、ピクセルデータの画素数を変換する。例えば、スケーラ回路は、拡大後の画素値を拡大前における4点の画素値から線形補間により求めるバイリニアフィルタリングを用いて、ピクセルデータの画素数を変換することができる。スケーラ回路における垂直方向と水平方向の拡大率は、例えば演出制御用CPU120からの表示制御指令により、個別に設定することができる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに供給する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。
なお、可変表示の始動条件(第1始動条件または第2始動条件)が成立したものの、例えば先に成立した始動条件に基づく可変表示が実行されている場合や、遊技状態が大当り遊技状態に制御されている場合などといった、可変表示を開始することができない場合には、所定の上限値(例えば第1特図と第2特図のそれぞれに対応して「4」など)に達するまで、可変表示の実行が保留される。
第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して可変表示の始動条件が成立した後、可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が成立したときには、その可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを特定可能に指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。その後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定図柄が停止表示(導出表示)される。
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動することにより、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材の動作などを、飾り図柄の可変表示状態が「リーチ」となる以前とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。なお、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合を「非リーチ」ともいい、予め定められたチャンス目などの特殊な組合せとならない限り、可変表示結果が「大当り」となる可能性はない。
第1特図や第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定特別図柄)が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定飾り図柄)が導出表示される。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される時点と終了する時点がほぼ同じ(全く同じでもよい)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい)であることを、「可変表示の同期」ともいう。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5において大当りを想起させるような飾り図柄の組合せ(大当り組合せ)が停止表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。他の一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特別図柄の可変表示結果として、予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「小当り」(特殊表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。小当り図柄が導出表示されるときには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。
大当り遊技状態では、大入賞口扉用のソレノイド82が駆動され、遊技領域の所定位置に設けられた大入賞口が開放状態(第1状態)となる。開放状態となった大入賞口には、遊技球が容易に進入する。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態(第1状態)とするラウンドが実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口が遊技者にとって不利な閉鎖状態(第2状態)となり、遊技球が進入困難または進入不可能となる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「15」または「2」)に達するまで繰り返し実行される。大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い第1期間(例えば29.5秒間)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。通常開放ラウンドが所定の第1回数(例えば「15」)まで実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態ともいう。通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態とも称される。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い第2期間(例えば0.1秒間)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。短期開放ラウンドが第1回数よりも少ない所定の第2回数(例えば「2」)まで実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態とも称される。
通常開放大当り状態では、例えば大入賞口を開放状態とする上限時間が第1期間(例えば29.5秒間)でラウンドの上限回数が「15」となることから、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(例えば0.1秒間)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われるようにしてもよい。時短制御と有利開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態または高ベース状態ともいう。確変制御が行われる遊技状態は、確変状態または高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、時短状態となる場合を、「非確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり短期開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「突確」の大当り種別と称する。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。
このようなパチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
その後、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理に続いて、コマンド制御処理を実行する。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS91)。一例として、ステップS91では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS91にて始動入賞が発生した場合には(ステップS91;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS92)。一例として、ステップS92の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶することで、入賞時乱数として格納されればよい。
ステップS92の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS93)。一例として、ステップS93の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドや、始動入賞の発生により増加した特図保留記憶数を通知する保留数通知コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS91にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS91;No)、ステップS93の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、特図プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、特別図柄プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶させた特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かや、可変表示結果を「小当り」とするか否かを、所定割合で決定すればよい。
図5(A)は、特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、特図表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに大当り種別決定用の乱数値と大当り種別決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。このとき、大当り種別が「確変」や「突確」に決定されたことに対応して、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われて確変状態とすることが決定される。一方、大当り種別が「非確変」に決定されたことに対応して、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われて時短状態とすることが決定される。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
図5(B)は、大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、RAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特図プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。ステップS111の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用乱数MR4などに基づいて、変動パターンを複数パターンのいずれかに所定割合で決定すればよい。
図6は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。図6に示す設定例では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」以外(「非確変」または「確変」)である場合と大当り種別が「突確」あるいは可変表示結果が「小当り」である場合のそれぞれに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
ステップS111の処理では、変動パターン種別を複数種別のいずれかに所定割合で決定してから、変動パターンを決定してもよい。変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されている。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーAまたはスーパーB)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。このように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン種別決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン種別決定用乱数MR3などに基づいて、変動パターン種別を複数種別のいずれかに所定割合で決定すればよい。
ステップS111の処理により決定された変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が設定される。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。また、変動パターンの決定に対応して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定が行われればよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。例えば、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドや、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンド、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特図プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合には(ステップS125;Yes)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、特別図柄プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことや、小当り遊技状態において大入賞口の開放回数が所定の上限回数に達したことなどであればよい。大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時や小当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後または小当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。小当り遊技状態を終了するときには、その小当り遊技状態となる以前の遊技状態に継続して制御すればよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、特別図柄プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時処理を実行する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、演出用可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図7は、演出制御用CPU120によって実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。このような可変表示開始設定処理において確定飾り図柄を決定することで、飾り図柄の可変表示結果を、その可変表示結果が導出表示されるより前に決定できる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図8は、図7のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「小当り」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」、「突確(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。なお、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」となる場合には、ノーマルのリーチ演出が実行される場合に対応した「ノーマル(ハズレ)」の可変表示内容と、スーパーのリーチ演出が実行される場合に対応した「スーパー(ハズレ)」の可変表示内容とがあってもよい。可変表示内容が「小当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「小当り」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる。可変表示内容が「突確(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「小当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せとなる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される短期開放チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された短期開放チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の短期開放チャンス目のうちで、最終停止図柄となる飾り図柄の組合せを決定する。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
可変表示内容が「突確(大当り)」である場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄、または、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定する。例えば図6に示す変動パターンのうち、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に対応して変動パターンPC1−1が指定された場合には、可変表示内容が「小当り」である場合と同様にして、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。一方、変動パターンPC2−1が指定された場合には、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合と同様にして、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。
ステップS401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS501の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS402)。例えば、ステップS402の処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様に対応する予告演出種別を決定する。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出種別決定用データを選択して、予告演出の有無や予告演出種別などを決定すればよい。予告演出種別決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や予告演出種別に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出種別決定用データを参照することにより、予告演出の有無や予告演出種別を決定すればよい。
図9(A)は、予告演出種別(予告演出の有無を含む)の決定例を示している。予告演出種別は、予告演出における演出態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の予告パターンを含むように構成されている。この実施の形態では、複数の予告演出種別として、ウィンドウ表示A、ウィンドウ表示B、レバー操作が予め用意されている。ウィンドウ表示Aやウィンドウ表示Bの予告演出種別は、例えば予め用意された複数種類のキャラクタなどを示す演出画像のうち、いずれかの演出画像を画像表示装置5の表示画面にてウィンドウ内に出現させるように表示して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。レバー操作の予告演出種別は、スティックコントローラ31Aの操作桿(レバー)に対する遊技者による所定操作(傾倒操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。
図9(B)は、予告演出種別ごとに分類される予告パターンの設定例を示している。各予告演出種別は、共通する演出態様を含む予告パターンのグループごとに区分けされていればよい。例えばウィンドウ表示Aの予告演出種別は、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4が属するグループである。ウィンドウ表示Bの予告演出種別は、予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4が属するグループである。レバー操作の予告演出種別は、予告パターンYKP3−1〜予告パターンYKP3−4が属するグループである。
図9(A)に示すような決定割合により、いずれかの予告演出種別に決定された場合には、予告パターンを決定する。例えば演出制御用CPU120は、予告演出種別に応じて予め用意された予告パターン決定用データを選択する。予告パターン決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告パターン決定用データを参照することにより、予告パターンを決定すればよい。
図10(A)は、ウィンドウ表示Aの予告演出種別における予告パターン決定例を示している。図10(B)は、ウィンドウ表示Bの予告演出種別における予告パターン決定例を示している。図10(A)および図10(B)に示す決定例では、可変表示内容に応じた所定割合で、ウィンドウ表示Aの予告演出種別やウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンが決定される。例えば、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」、「ノーマル(ハズレ)」、「スーパー(ハズレ)」、「小当り」または「突確(大当り)」のいずれかであるときと、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」であるときとでは、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4や予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4の一部または全部について決定割合が異なればよい。図10(A)に示す決定例では、予告パターンYKP1−4に決定された場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、予告パターンYKP1−3、予告パターンYKP1−2、予告パターンYKP1−1の順に大当り信頼度が低下する。図10(B)に示す決定例では、予告パターンYKP2−4に決定された場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、予告パターンYKP2−3、予告パターンYKP2−2、予告パターンYKP2−1の順に大当り信頼度が低下する。
図10(A)および図10(B)に示すような決定割合で予告パターンが決定されることで、予告パターンYKP1−4および予告パターンYKP2−4は大当り信頼度が最も高い範囲に含まれ、予告パターンYKP1−3および予告パターンYKP2−3は大当り信頼度が2番目に高い範囲(3番目に低い範囲)に含まれ、予告パターンYKP1−2および予告パターンYKP2−2は大当り信頼度が3番目に高い範囲(2番目に低い範囲)に含まれ、予告パターンYKP1−1および予告パターンYKP2−1は大当り信頼度が最も低い範囲に含まれる。また、図9(A)に示すように、ウィンドウ表示Aの予告演出種別とウィンドウ表示Bの予告演出種別は、可変表示内容ごとに同一の割合で決定される。そして、図10(A)および図10(B)に示すように、予告パターンYKP1−1と予告パターンYKP2−1、あるいは予告パターンYKP1−2と予告パターンYKP2−2、あるいは予告パターンYKP1−3と予告パターンYKP2−3、あるいは予告パターンYKP1−4と予告パターンYKP2−4は、それぞれ可変表示内容ごとに同一または近傍(類似)の割合で決定される。したがって、予告パターンYKP1−1と予告パターンYKP2−1、あるいは予告パターンYKP1−2と予告パターンYKP2−2、あるいは予告パターンYKP1−3と予告パターンYKP2−3、あるいは予告パターンYKP1−4と予告パターンYKP2−4は、それぞれ可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が共通の範囲となる。このように、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4と、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4には、互いに異なる予告演出種別に分類されながら遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が共通の範囲となる予告パターンが含まれている。遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲は、例えば大当り信頼度の相違が10%といった、予め定められた同一または近傍(類似)の可能性となる場合に、共通の範囲となるように設定されていればよい。可変表示内容ごとに同一または近傍(類似)の割合で決定される複数の予告パターンを、予めグループ化してもよい。
予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4は、いずれもウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類されることに対応して、互いに共通の表示態様で予告画像における特定の一部を表示する一方、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4に応じて互いに異なる表示態様で予告画像における他の一部を表示する。一例として、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4による予告演出では、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に対応して互いに同一形状の図形を表現する予告画像が表示される一方、各予告パターンに応じて図形の模様や色彩の一部または全部を異ならせた予告画像が表示される。予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4は、いずれもウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類されることに対応して、互いに共通の表示態様で予告画像における特定の一部を表示する一方、予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4に応じて互いに異なる表示態様で予告画像における他の一部を表示する。一例として、予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4による予告演出では、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に対応して互いに同一形状の図形を表現する予告画像が表示される一方、各予告パターンに応じて図形の模様や色彩の一部または全部を異ならせた予告画像が表示される。なお、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に対応して表示される予告画像は、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に対応して表示される予告画像と比べて、例えば図形の形状が異なるといった、互いに異なる表示態様で予告画像における特定の一部を表示するものであればよい。
予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4および予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のうち、可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が共通の範囲となる予告パターンは、異なる予告演出種別に分類されることに対応して、互いに異なる表示態様で予告画像における特定の一部を表示する一方、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が共通の範囲となることに対応して、互いに共通の表示態様で予告画像における他の一部を表示することがある。一例として、予告パターンYKP1−3による予告演出と、予告パターンYKP2−3による予告演出とでは、予告演出種別がウィンドウ表示Aとウィンドウ表示Bに対応して互いに異なる形状の図形を表現する予告画像が表示される一方、可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が共通の範囲であることに対応して、図形の模様や色彩の一部または全部が共通する予告画像が表示される。予告パターンYKP1−4による予告演出と、予告パターンYKP2−4による予告演出とにおいても、図形の形状は異なる一方で図形の模様や色彩の一部または全部が共通する予告画像が表示されればよい。
予告パターンYKP1−4および予告パターンYKP2−4は大当り信頼度が最も高い範囲に含まれ、予告パターンYKP1−3および予告パターンYKP2−3は大当り信頼度が2番目に高い範囲(3番目に低い範囲)に含まれる。このように、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が通常範囲よりも高い特定範囲となる場合には、予告パターンが分類された予告演出種別にかかわらず、特定範囲となることに応じた共通の表示態様で、予告画像の一部が表示されてもよい。なお、特定範囲となる場合に限定されず、特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合でも、予告パターンが分類された予告演出種別にかかわらず、その範囲に応じた共通の表示態様で、予告画像の一部が表示されてもよい。こうして、遊技の結果が特定結果となる割合が同一または近傍の割合となる複数の予告パターンによる予告演出では、予告画像における少なくとも一部が、互いに共通の表示態様で表示されてもよい。
一方、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4および予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のうち、可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合には、予告パターンごとに異なる表示態様で予告画像の全部が表示されてもよい。一例として、予告パターンYKP1−1による予告演出と、予告パターンYKP2−1による予告演出とでは、予告演出種別がウィンドウ表示Aとウィンドウ表示Bに対応して互いに異なる形状の図形を表現する予告画像が表示され、さらに各予告パターンに応じて図形の模様や色彩の一部または全部を異ならせた予告画像が表示される。このように、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合には、予告パターンに応じて異なる表示態様で、予告画像の全部が表示されてもよい。すなわち、遊技の結果が特定結果となる割合が特定割合よりも低い非特定割合となる複数の予告パターンによる予告演出では、予告画像の全部が互いに異なる表示態様で表示されてもよい。
ステップS402の処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
図11(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図11(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿(レバー)に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図11(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光体など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えばVDP130がその指令に示される画像データ(画像要素データ)を画像データメモリ131から読み出してVRAM132Aに一時記憶させる。また、VDP130は、VRAM132Aに記憶されている画像データから、画像表示装置5の表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データをピクセルデータに変換するなどしてフレームバッファ132Bの所定位置(画像表示装置5の表示画面における表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置することによって、フレームバッファ132Bに1画面分の表示用データを作成する。演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図8に示すステップS403の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP130に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図12は、図7のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、各種演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS452)。各種演出の実行期間は、例えば図8に示すステップS403の処理にて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。各種演出の実行期間ではないときには(ステップS452;No)、可変表示中演出処理を終了する。各種演出の実行期間であるときには(ステップS452;Yes)、演出制御処理を実行してから(ステップS453)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS454)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS454;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS454にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS454;Yes)、例えば表示制御部123のVDP130に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS455)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS456)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS457)、可変表示中演出処理を終了する。
図12に示すステップS453の演出制御処理では、図8に示すステップS403の処理で決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値に基づいて読み出されたプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。例えば、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図11(A)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データに基づいて画像表示装置5の表示制御を行う。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データに基づいてスピーカ8L、8Rの音声出力制御を行う。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されているランプ制御データに基づいて遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯制御を行う。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データに基づいてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる指示操作の検出制御を行う。
演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示制御を行うために、表示制御部123のVDP130に対して各種の表示制御指令を送信する。演出制御用CPU120がVDP130に対して送信する表示制御指令には、例えば転送指令、展開指令、出力指令、オブジェクト描画指令が含まれていればよい。
転送指令は、画像データメモリ131に記憶されている複数種類の画像データ(画像要素データ)から、画像表示装置5での画面表示に用いられる画像データを読み出してVRAM132Aに一時記憶させることを示す。例えば、転送指令は、画像データメモリ131における画像データの読出位置や、画像データを展開記憶させた場合の画像サイズなどを、VDP130に通知するためのデータを含んでいればよい。ここで、画像データメモリ131における画像データの読出位置は、画像データメモリ131における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報(例えば画像要素データに対応するキャラクタ画像のキャラクタ番号)などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
展開指令は、VRAM132Aに一時記憶されている画像データから、画像表示装置5の表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データに基づき表示用データをフレームバッファ132Bの仮想表示領域に作成することを示す。例えば、展開指令は、VRAM132Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータや、フレームバッファ132Bにおける画像要素の配置(設定位置)を指定するためのデータを含んでいればよい。ここで、VRAM132Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータは、VRAM132Aにおける読出アドレスを指定するデータであってもよいし、選択対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報などといった任意の情報を示すデータであってもよい。
出力指令は、フレームバッファ132Bの仮想表示領域に作成された表示用データをLCD駆動回路133に供給して画像表示装置5の側に出力することを示す。VDP130は、出力指令を受信するごとに、フレームバッファ132Bから読み出した1画面分の表示用データを画像表示装置5の側に出力するとともに、垂直同期信号を供給して、垂直同期信号と同じ周期でVブランク割込みを発生させてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、VDP130からのVブランク割込みの発生に同期して、描画に関わる処理を実行すればよい。
オブジェクト描画指令は、仮想3次元空間に配置された3次元形状モデルとしてのオブジェクトモデルの画像を描画することを示す。オブジェクト描画指令には、表示対象となる3次元形状のオブジェクトを指定するオブジェクト指定情報などが含まれている。また、オブジェクト描画指令には、オブジェクトを構成する各ポリゴンの描画に用いられるテクスチャを指定するテクスチャ指定情報が含まれてもよい。VDP130は、オブジェクト描画指令を受信すると、複数のポリゴンで構成するオブジェクトの基本形状モデルデータを読み出し、各ポリゴンを透視変換した画像を描画する。これにより、仮想3次元空間における所定の視点を基準としたスクリーンに投影されるオブジェクトの画像を表示できる。この実施の形態では、図8に示すステップS402の処理にて、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4あるいはウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のいずれかに決定されたときに、仮想3次元空間に配置したオブジェクト(3次元形状モデル)の画像を描画することによる表示演出が実行される。
表示制御部123の画像データメモリ130には、例えば予告演出で画像表示装置5の画面上に表示される予告画像といった、各種の演出画像を構成する複数の平面画像や複数の3次元形状モデル(オブジェクト)ごとに、基準画像データと、基準テクスチャデータとが予め記憶されている。基準画像データは、例えば予告演出で表示される平面画像の基準となる形状や模様、色彩の一部または全部といった平面画像の基準形態などのように、各種の演出表示に用いられる演出画像の基準表示態様を示す画像データである。基準画像データは、演出画像の一部または全部における陰影の有無や濃度を決定可能にするシャドウマップを示すデータを含んでいてもよい。一例として、基準画像データは、演出画像を所定の基準色(例えば白色)で表示するためのRGB値を示している。そして、演出画像のうちで陰影を付与する部分には、基準色よりも小さいRGB値が設定されるようにすればよい。このように、基準画像データは、予告画像などの演出画像に陰影を付与するために用いられるデータであればよい。
基準テクスチャデータは、例えば仮想3次元空間に配置される表示対象の3次元形状モデルを構成する複数のポリゴンにマッピング可能な基本テクスチャを示す。基本テクスチャは、各ポリゴンの基準となる形状や模様、色彩の一部または全部といったポリゴンの基準形態などのように、各種の演出表示に用いられるオブジェクトを構成する各ポリゴンの基準表示態様となる。また、基準テクスチャデータは、オブジェクトの基本形態に応じたマップデータとして、ハイトマップ、法線マップ、ホライズンマップの一部または全部を示すデータを含んでいてもよい。ハイトマップは、例えばオブジェクトの基準面に対する高さ情報を設定し、視点の移動(視差)による座標のずれを特定するための表面形状を示す。法線マップは、例えば各ポリゴンにおける各頂点の法線ベクトルを設定し、光の当たり具合に応じてオブジェクトの表面に凹凸を表現可能にする。ホライズンマップは、光源の角度によって生じる陰影の情報を設定し、光源や視点の移動に応じた陰影の有無や濃度を決定可能にする。一例として、基準テクスチャデータは、オブジェクトを構成する各ポリゴンを所定の基準色(例えば白色)で表示するためのRGB値を示している。そして、各ポリゴンのうちで陰影を付与する部分には、基準色よりも小さいRGB値が設定されるようにすればよい。このように、基準テクスチャデータは、予告画像などの演出画像に陰影を付与するために用いられるデータであればよい。
また、画像データメモリ130には、複数の合成用画像データが予め記憶されている。合成用画像データは、基準画像データや基準テクスチャデータと合成されて、例えば予告演出で表示される平面画像やテクスチャの模様や色彩の一方または双方を変更可能にする画像データである。一例として、合成用画像データは、平面画像である演出画像やオブジェクトを構成する各ポリゴンを所定の基準色(例えば白色)とは異なる特定色(例えば赤色)で表示するためのRGB値を示している。そして、基準画像データや基準テクスチャデータにおける白色のRGB値をそれぞれ「1」として、合成用画像データを、基準画像データや基準テクスチャデータと乗算合成することにより、ピクセル単位で陰影を付与した画像を描画可能にすればよい。基準テクスチャデータと合成される合成用画像データは、「合成用テクスチャデータ」ともいう。
図13は、表示制御部123のVDP130によって実行される画像データ処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す画像データ処理において、VDP130は、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が転送指令であるか否かを判定する(ステップS701)。そして、転送指令である場合には(ステップS701;Yes)、画像データメモリ131から読み出した画像データをVRAM132Aに書き込んで一時記憶させる(ステップS702)。
ステップS701にて転送指令ではない場合や(ステップS701;No)、ステップS702の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が展開指令であるか否かを判定する(ステップS703)。そして、展開指令である場合には(ステップS703;Yes)、VRAM132Aにおける指定された記憶領域の画像データを選択してフレームバッファ132Bの仮想表示領域に書き込む(ステップS704)。こうしてフレームバッファ132Bの仮想表示領域に選択された画像データが書き込まれることなどにより、画像表示装置5の表示画面における表示用データが作成される。VRAM132Aに一時記憶されている画像データを選択するときには、1の画像要素に対応する画像データ(画像要素データ)のうち、一部の画像データだけを抽出(クリッピング)してフレームバッファ132Bに書き込むようにしてもよい。
ステップS703にて展開指令ではない場合や(ステップS703;No)、ステップS704の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が出力指令であるか否かを判定する(ステップS705)。このとき、出力指令である場合には(ステップS705;Yes)、フレームバッファ132Bから表示用データを読み出してLCD駆動回路133に供給し、画像表示装置5の側に出力する(ステップS706)。
ステップS705にて出力指令ではない場合や(ステップS705;No)、ステップS706の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令がオブジェクト描画指令であるか否かを判定する(ステップS707)。このとき、オブジェクト描画指令ではない場合には、画像データ処理を終了する。一方、オブジェクト描画指令である場合には(ステップS707;Yes)、オブジェクト描画処理を実行する(ステップS708)。
図14は、図13のステップS708にて実行されるオブジェクト描画処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すオブジェクト描画処理では、まず、表示対象となるオブジェクトを決定する(ステップS801)。例えばVDP130は、演出制御用CPU120から伝送されたオブジェクト描画指令に含まれるオブジェクト指定情報により、表示対象となるオブジェクトを決定すればよい。仮想3次元空間のうちで透視変換による画像の描画範囲となる視野に応じて、オブジェクト指定情報で指定された複数のオブジェクトのうちから、表示対象となる一部のオブジェクトが選択されてもよい。
ステップS801の処理に続いて、仮想3次元空間における視点などを決定する(ステップS802)。VDP130は、今回のフレームで表示対象となるオブジェクトを描画するための視点の位置や視線ベクトルを決定する。ステップS802の処理では、仮想3次元空間における光源位置が決定されてもよい。
その後、表示対象として決定されたオブジェクトのうちから、いずれかのオブジェクトを選択する(ステップS803)。VDP130は、表示対象として決定されたオブジェクトを順次処理対象として選択する。ステップS803の処理では、未だ処理対象としていないオブジェクトを選択する。次に、ステップS803の処理にて選択されたオブジェクトの基本形状モデルデータを読み出す(ステップS804)。基本形状モデルデータは、表示対象とされるオブジェクトごとに、そのオブジェクトを構成する複数のポリゴン(基本ポリゴン)の頂点データ(各頂点座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル、α値の基本設定など)や、面を構成する座標のIDを示すデータを含んで構成され、予め画像データメモリ131に記憶されていればよい。
この実施の形態では、図8に示すステップS402の処理にてウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4のいずれかに決定されたときに、表示対象となる3次元形状モデルの基本形状モデルデータとして、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4のいずれであるかにかかわらず共通の基本形状モデルデータ(第1モデルデータ)が読み出される。一方、図8に示すステップS402の処理にてウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のいずれかに決定されたときに、表示対象となる3次元形状モデルの基本形状モデルデータとして、予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のいずれであるかにかかわらず共通の基本形状モデルデータ(第2モデルデータ)が読み出される。VDP130は、例えばVDP画像データメモリ131から基本形状モデルデータを、VRAM132Aの所定領域に一時記憶させる。
そして、仮想3次元空間におけるオブジェクトの配置を決定する(ステップS805)。例えば演出制御用CPU120から伝送されたオブジェクト描画指令にはオブジェクトの位置情報が含まれ、その位置情報に基づいてVDP130がオブジェクトの配置を決定すればよい。こうして、仮想3次元空間における3次元形状モデルの配置が決定される。続いて、頂点シェーディングが行われる(ステップS806)。例えばステップS806の処理では、ステップS804の処理で読み出された基本形状モデルデータに含まれる頂点データに基づいて、所定の頂点処理を実行する。このときには、オブジェクトを構成する各ポリゴンを分割(細分割)してもよい。ポリゴンを分割(細分割)する処理は、テッセレーション、頂点生成処理、ポリゴン分割処理とも称される。VDP130は、例えばCatmull-Clark法やPNトライアングル法(N-Patch法ともいう)といった、所定の細分割手法により、3次元形状モデルのポリゴン細分割を実行すればよい。
続いて、オブジェクトを構成する各ポリゴンに対応する基準テクスチャを取得する(ステップS807)。例えばVDP130は、ステップS804の処理にて読み出した基本形状モデルデータに基づいて、画像データメモリ131から基準テクスチャデータを読み出してVRAM132Aに一時記憶(展開)する。基本形状モデルデータには、オブジェクトを構成する各ポリゴンと対応づけられた基準テクスチャデータを示す基準テクスチャ指定情報が含まれていればよい。この場合、ステップS807の処理にて取得される基準テクスチャは、ステップS804の処理にて読み出した基本形状モデルデータに応じて異なるものになる。例えば予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4のいずれかに対応して基本形状モデルデータ(第1モデルデータ)を読み出した場合には、予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のいずれかに対応して基本形状モデルデータ(第2モデルデータ)を読み出した場合とは異なる基準テクスチャを取得する。一方、ステップS807の処理にて取得される基準テクスチャは、ステップS804の処理にて読み出した基本形状モデルデータが同一であれば、共通のものになる。例えば予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4のいずれかに対応して基本形状モデルデータ(第1モデルデータ)を読み出した場合には、予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4のいずれであるかにかかわらず共通の基準テクスチャを取得する。予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−1のいずれかに対応して基本形状モデルデータ(第2モデルデータ)を読み出した場合には、予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のいずれであるかにかかわらず共通の基準テクスチャを取得する。このように、ウィンドウAの予告演出種別やウィンドウBの予告演出種別といった演出種別ごとに、予告パターンのような演出パターンに共通の基準テクスチャを取得する。
次に、基準テクスチャとの合成に用いられる合成用テクスチャを取得する(ステップS808)。例えばVDP130は、オブジェクト描画指令に含まれるテクスチャ指定情報に基づいて、画像データメモリ131から合成用テクスチャデータを読み出してVRAM132Aに一時記憶(展開)する。オブジェクト描画指令のテクスチャ指定情報には、オブジェクトを構成する複数のポリゴンごとに、基準テクスチャデータとの合成に用いられる合成用テクスチャデータを示す合成用テクスチャ指定情報が含まれていればよい。この場合、ステップS808の処理にて取得される合成用テクスチャは、例えば予告パターンの大当り信頼度といった、遊技の結果が特定結果となる割合(可能性の範囲)に応じて異なるものになればよい。これにより、ステップS804の処理にて同一の基本形状モデルデータが読み出された場合でも、遊技の結果が特定結果となる割合(可能性の範囲)に応じて、オブジェクトを構成する各ポリゴンにマッピングされるテクスチャの一部または全部を異ならせることができる。
図15は、ステップS807、S808における基準テクスチャと合成用テクスチャの読出設定例を示している。ステップS807の処理では、例えばウィンドウ表示Aやウィンドウ表示Bの予告演出種別といった演出種別ごとに、各予告演出種別に分類された複数の予告パターンといった演出パターンに共通の基準テクスチャデータが読み出される。より具体的に、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−1〜予告パターンYKP1−4のいずれかによる予告演出が実行される場合には、基準テクスチャTSAを設定する基準テクスチャデータが読み出される。これに対し、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−1〜予告パターンYKP2−4のいずれかによる予告演出が実行される場合には、基準テクスチャTSBを設定する基準テクスチャデータが読み出される。基準テクスチャTSAを設定する基準テクスチャデータは、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に対応して表示される第1予告画像の基準表示態様を示している。基準テクスチャTSBを設定する基準テクスチャデータは、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に対応して表示される第2予告画像の基準表示態様を示している。
また、ステップS808の処理では、例えばウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−3による予告演出が実行される場合と、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−3による予告演出が実行される場合には、いずれも合成用テクスチャTGAを設定する合成用テクスチャデータが読み出される。ウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−4による予告演出が実行される場合と、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−4による予告演出が実行される場合には、いずれも合成用テクスチャTGBを設定する合成用テクスチャデータが読み出される。これらの予告パターンによる予告演出が実行される場合には、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が比較的に高い特定範囲となり、この特定範囲となることに応じた共通の合成用テクスチャを取得する。こうして、ステップS808の処理では、例えば予告パターンに応じた大当り信頼度といった、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲ごとに、予告演出種別などの演出種別にかかわらず共通の合成用テクスチャデータが読み出されることがある。すなわち、複数の合成用テクスチャデータに含まれる特定の合成用テクスチャデータを用いる場合には、遊技の結果が特定結果となる割合が同一または近傍の割合となるように、複数の合成用テクスチャデータのうちいずれかが選択されて読み出されてもよい。
ステップS808の処理では、例えばウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−1による予告演出が実行される場合には合成用テクスチャTG1−1を設定する合成用画像データが読み出される一方、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−1による予告演出が実行される場合には合成用テクスチャTG2−1を設定する合成用画像データが読み出される。ウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンYKP1−2による予告演出が実行される場合には合成用テクスチャTG1−2を設定する合成用画像データが読み出される一方、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンYKP2−2による予告演出が実行される場合には合成用テクスチャTG2−2を設定する合成用画像データが読み出される。これらの予告パターンによる予告演出が実行される場合には、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる。例えば図5(A)に示すように、パチンコ遊技機1では可変表示結果が「ハズレ」に決定される割合が高いことから、大当り信頼度が低い予告パターンによる予告演出が頻繁に実行されやすい。このように頻繁に実行される予告演出については、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が共通であっても、予告パターンに応じて異なる合成用テクスチャを取得する。こうして、ステップS808の処理では、例えば予告パターンに応じた大当り信頼度といった、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合に、予告演出種別や予告パターンに応じて異なる合成用テクスチャデータが読み出されることがあってもよい。すなわち、遊技の結果が特定結果となる割合が特定割合よりも低い非特定割合となる場合には、予告パターンに応じて異なる合成用テクスチャデータが選択されて読み出されてもよい。
その後、ステップS808にて取得した合成用テクスチャを、ステップS807にて取得した基準テクスチャと合成して、予告演出などに用いられる演出画像を描画する(ステップS809)。VDP130は、ステップS808の処理によりVRAM132Aに一時記憶(転送)した合成用テクスチャデータを、ステップS807の処理によりVRAM132Aに一時記憶(転送)した基準テクスチャデータと乗算合成する。また、例えばピクセルとテクセルとを対応付ける処理やバイリニア補間などを行い、テクスチャをオブジェクトの表面にマッピングする。
ステップS809の処理に続いて、表示対象となる全オブジェクトの描画が完了したか否かを判定する(ステップS810)。このとき、描画が完了していないオブジェクトがあれば(ステップS810;No)、ステップS803の処理に戻る。一方、全オブジェクトの描画が完了した場合には(ステップS810;Yes)、オブジェクト描画処理を終了する。
このように、オブジェクト描画処理では、ステップS804にて読み出した基本形状モデルデータに含まれる基準テクスチャ指定情報で指定された基準テクスチャを、ステップS807にて取得する。また、オブジェクト描画指令に含まれる合成用テクスチャ指定情報で指定された合成用テクスチャを、ステップS808にて取得する。こうして取得した合成用テクスチャを基準テクスチャと合成して描画することにより、例えば予告パターンに対応する予告画像といった、各種の演出画像を表示させることができる。
図16は、この実施の形態におけるオブジェクトの具体的な表示例を示している。図16(A)は、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に分類される予告パターンによる予告演出が実行される場合を示している。図16(B)は、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンによる予告演出が実行される場合を示している。ウィンドウ表示Aの予告演出種別に決定された場合には、画像表示装置5の表示領域にウィンドウWD1を表示し、ウィンドウWD1の内部には立方体を投影したオブジェクトOB1を表示する。ウィンドウ表示Bの予告演出種別に決定された場合には、画像表示装置5の表示領域にウィンドウWD2を表示し、ウィンドウWD2の内部にはピラミッド型立体を投影したオブジェクトOB2を表示する。図16(A)に示すオブジェクトOB1の表示画像は、ウィンドウ表示Aの予告演出種別に対応して、第1形状モデルとなるオブジェクトOB1を投影した第1予告画像となる。図16(B)に示すオブジェクトOB2の表示画像は、ウィンドウ表示Bの予告演出種別に対応して、第2形状モデルとなるオブジェクトOB2を投影した第2予告画像となる。
図17は、仮想3次元空間VSにて3次元形状モデルとなるオブジェクトOB1を配置した具体例を示している。透視変換により画像を描画する場合には、その画像の描画範囲を設定するため、視点VCから一定の近距離(例えばZ座標がZ0)に仮想スクリーンVRが設定され、視点VCから一定の遠距離(例えばZ座標がZ1>Z0)に限界面が設定される。オブジェクトOB1は、仮想3次元空間VSにおいてZ座標がZ0以上でZ1以下となる距離範囲に配置され、視点VCを基準とした仮想スクリーンVRへの投影画像が、予告画像としてウィンドウWD1の内部に表示される。
図18〜図21は、予告パターンの決定結果に応じたテクスチャを合成して描画する実行例を示している。図8に示すステップS402の処理では、例えば図9(A)に示すような割合で予告演出種別を決定し、図10(A)および図10(B)に示すような割合で予告パターンを決定する。図14に示すステップS807の処理では、予告演出種別ごとに異なるが同一の予告演出種別であれば予告パターンにかかわらず共通の基準テクスチャを設定する基準テクスチャデータが読み出される。また、ステップS808の処理では、予告演出種別が異なっていても予告パターンに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が特定範囲であれば共通の合成用テクスチャを設定する合成用テクスチャデータが読み出される。
図18は、予告パターンYKP1−3に決定された場合の実行例を示している。この場合、図14に示すステップS807の処理では基準テクスチャTSAが取得され、ステップS808の処理では合成用テクスチャTGAが取得される。ステップS809の処理では、図18(A)に示すように、合成用テクスチャTGAを基準テクスチャTSAと合成することで、マッピング用テクスチャTX1−3が生成される。そして、図18(B)に示すように、マッピング用テクスチャTX1−3をウィンドウ表示Aの予告演出種別に対応するオブジェクトOB1の各ポリゴンにマッピングして、予告画像を表示可能に描画する。
図19は、予告パターンYKP1−4に決定された場合の実行例を示している。この場合、図14に示すステップS807の処理では基準テクスチャTSAが取得され、ステップS808の処理では合成用テクスチャTGBが取得される。ステップS809の処理では、図19(A)に示すように、合成用テクスチャTGBを基準テクスチャTSAと合成することで、マッピング用テクスチャTX1−4が生成される。そして、図19(B)に示すように、マッピング用テクスチャTX1−4をウィンドウ表示Aの予告演出種別に対応するオブジェクトOB1の各ポリゴンにマッピングして、予告画像を表示可能に描画する。
図20は、予告パターンYKP2−3に決定された場合の実行例を示している。この場合、図14に示すステップS807の処理では基準テクスチャTSBが取得され、ステップS808の処理では合成用テクスチャTGAが取得される。ステップS809の処理では、図20(A)に示すように、合成用テクスチャTGAを基準テクスチャTSBと合成することで、マッピング用テクスチャTX2−3が生成される。そして、図20(B)に示すように、マッピング用テクスチャTX2−3をウィンドウ表示Bの予告演出種別に対応するオブジェクトOB2の各ポリゴンにマッピングして、予告画像を表示可能に描画する。
図21は、予告パターンYKP2−4に決定された場合の実行例を示している。この場合、図14に示すステップS807の処理では基準テクスチャTSBが取得され、ステップS808の処理では合成用テクスチャTGBが取得される。ステップS809の処理では、図21(A)に示すように、合成用テクスチャTGBを基準テクスチャTSBと合成することで、マッピング用テクスチャTX2−4が生成される。そして、図21(B)に示すように、マッピング用テクスチャTX2−4をウィンドウ表示Bの予告演出種別に対応するオブジェクトOB2の各ポリゴンにマッピングして、予告画像を表示可能に描画する。
予告画像を表示することにより遊技の結果を示唆する1の示唆演出では、例えば特定の合成用テクスチャを含めた特定の合成用画像を合成することによる特定表示態様の出現数が、所定数未満になるように制限を設けてもよい。具体的な一例として、図19(A)や図21(A)に示す合成用テクスチャTGBを用いて、図16(A)に示すオブジェクトOB1や図16(B)に示すオブジェクトOB2のように、複数のポリゴンから構成される3次元形状モデルを用いて予告画像を表示する場合に、合成用テクスチャTGBが貼り付けられるポリゴンの数(面数)を、「3」未満になるように制限してもよい。
合成用テクスチャを基準テクスチャと合成して描画することによる演出表示は、ウィンドウ表示Aやウィンドウ表示Bの予告演出種別に分類される予告パターンによる予告演出に限定されない。すなわち、表示対象となるオブジェクトの3次元形状モデルを配置した仮想3次元空間における所定の視点を基準としたスクリーンに投影される任意の画像を表示して遊技の結果を示唆する演出において、遊技の結果が特定結果となるか否かに基づいて異なる合成用テクスチャを、基準テクスチャと合成して描画するものであればよい。
また、仮想3次元空間にオブジェクトを配置することにより描画される立体画像に限定されず、平面画像を表示して遊技の結果を示唆する演出において、遊技の結果が特定結果となるか否かに基づいて異なる合成用画像を、基準画像と合成して描画するものであってもよい。
図22は、このような合成と描画を適用した演出表示による各種演出の実行例を示している。図22に示す実行例では、飾り図柄の可変表示中に、飛行機のオブジェクトOBAに対応する演出画像が表示される。このオブジェクトOBAを描画する際に、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに応じて異なる合成用テクスチャを取得し、オブジェクトOBAに対応する基準テクスチャと合成して描画すればよい。これにより、変動パターンごとに規定される遊技の結果が特定結果となる割合に応じて、異なる合成用テクスチャを基準テクスチャと合成して、演出画像を表示させることができる。
また、図22に示す実行例では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様を通常時とは異なる特定態様に変化させることにより、その保留表示に対応する特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」になる可能性といった、遊技の結果が特定結果となる可能性が高いことを予告する。この保留表示用の画像を描画する際に、例えば主基板11から伝送された入賞時判定結果指定コマンドで示された入賞時判定結果などに応じて異なる合成用画像を取得し、保留表示用の基準画像と合成して描画すればよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、例えば図4に示すステップS92の処理で抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や変動パターン種別決定用の乱数値MR3などを示す数値データを用いて、可変表示結果が「大当り」となるか否かや特定の変動パターンとなるか否かを、可変表示の開始条件が成立するより前に判定する。入賞時判定結果指定コマンドは、これらの判定結果を示す入賞時判定情報を含んでいればよい。これにより、遊技の結果が特定結果となる可能性に応じて異なる合成用画像を、基準画像と合成して演出画像を表示させることができる。
演出制御用CPU120は、例えば演出制御用のタイマ割込みが発生したことに基づいて、図7に示す演出制御プロセス処理を実行するごとに、保留表示設定処理を実行する。保留表示設定処理では、始動入賞指定コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定された場合には、始動入賞時における保留表示の更新設定を行う。この更新設定では、入賞時判定結果指定コマンドで示された入賞時判定結果に応じて異なる割合で、保留表示の表示態様に対応する保留表示種別を決定する。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された保留表示種別決定用データを選択して、保留表示種別などを決定すればよい。保留表示種別決定用データでは、例えば入賞時判定結果などに応じて、保留表示種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、保留表示種別に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、保留表示種別決定用データを参照することにより、保留表示種別を決定すればよい。
保留表示種別は、保留表示の表示態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の保留表示パターンを含むように構成されている。具体的な一例として、複数の保留表示種別には、保留表示A、保留表示Bが含まれている。各保留表示種別は、共通する演出態様を含む保留表示パターンのグループごとに区分けされていればよい。例えば保留表示Aの保留表示種別は、保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4が属するグループである。保留表示Bの保留表示種別は、保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4が属するグループである。演出制御用CPU120は、保留表示種別の決定結果に応じて予め用意された保留表示パターン決定用データを選択する。保留表示パターン決定用データでは、例えば入賞時判定結果などに応じて、保留表示パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、保留表示パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、保留表示パターン決定用データを参照することにより、保留表示パターンを決定すればよい。
保留表示Aの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4のうち、保留表示パターンHKP1−4に決定された場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、保留表示パターンHKP1−3、保留表示パターンHKP1−2、保留表示パターンHKP1−1の順に大当り信頼度が低下する。保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4のうち、保留表示パターンHKP2−4に決定された場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、保留表示パターンHKP2−3、保留表示パターンHKP2−2、保留表示パターンHKP2−1の順に大当り信頼度が低下する。そして、保留表示種別決定用データや保留表示パターン決定用データの設定により、保留表示パターンHKP1−4および保留表示パターンHKP2−4は大当り信頼度が最も高い範囲に含まれ、保留表示パターンHKP1−3および保留表示パターンHKP2−3は大当り信頼度が2番目に高い範囲(3番目に低い範囲)に含まれ、保留表示パターンHKP1−2および保留表示パターンHKP2−2は大当り信頼度が3番目に高い範囲(2番目に低い範囲)に含まれ、保留表示パターンHKP1−1および保留表示パターンHKP2−1は大当り信頼度が最も低い範囲に含まれる。すなわち、保留表示パターンHKP1−1と保留表示パターンHKP2−1、あるいは保留表示パターンHKP1−2と保留表示パターンHKP2−2、あるいは保留表示パターンHKP1−3と保留表示パターンHKP2−3、あるいは保留表示パターンHKP1−4と保留表示パターンHKP2−4は、それぞれ可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が共通の範囲となる。
保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4は、いずれも保留表示Aの保留表示種別に分類されることに対応して、互いに共通の表示態様で保留表示画像(予告画像)における特定の一部を表示する一方、保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4に応じて互いに異なる表示態様で保留表示画像(予告画像)における他の一部を表示する。一例として、保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4による保留表示では、保留表示Aの保留表示種別に対応して互いに同一形状の図形を表現する保留表示画像が表示される一方、各保留表示パターンに応じて図形の模様や色彩の一部または全部を異ならせた保留表示画像が表示される。保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4は、いずれも保留表示Bの保留表示種別に分類されることに対応して、互いに共通の表示態様で保留表示画像(予告画像)における特定の一部を表示する一方、保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4に応じて互いに異なる表示態様で保留表示画像(予告画像)における他の一部を表示する。一例として、保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4による保留表示では、保留表示Bの保留表示種別に対応して互いに同一形状の図形を表現する保留表示画像が表示される一方、各保留表示パターンに応じて図形の模様や色彩の一部または全部を異ならせた保留表示画像が表示される。なお、保留表示Aの保留表示種別に対応して表示される保留表示画像は、保留表示Bの保留表示種別に対応して表示される保留表示画像と比べて、例えば図形の形状が異なるといった、互いに異なる表示態様で保留表示画像における特定の一部を表示するものであればよい。
保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4および保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4のうち、可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が共通の範囲となる保留表示パターンは、異なる保留表示種別に分類されることに対応して、互いに異なる表示態様で保留表示画像における特定の一部を表示する一方、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が共通の範囲となることに対応して、互いに共通の表示態様で保留表示画像における他の一部を表示することがある。一例として、保留表示パターンHKP1−3による保留表示と、保留表示パターンYKP2−3による保留表示とでは、保留表示種別が保留表示Aと保留表示Bに対応して互いに異なる形状の図形を表現する保留表示画像が表示される一方、可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が共通の範囲であることに対応して、図形の模様や色彩の一部または全部が共通する保留表示画像が表示される。保留表示パターンHKP1−4による保留表示と、保留表示パターンHKP2−4による保留表示とにおいても、図形の形状は異なる一方で図形の模様や色彩の一部または全部が共通する保留表示画像が表示されればよい。
保留表示パターンHKP1−4および保留表示パターンHKP2−4は大当り信頼度が最も高い範囲に含まれ、保留表示パターンHKP1−3および保留表示パターンHKP2−3は大当り信頼度が2番目に高い範囲(3番目に低い範囲)に含まれる。このように、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が通常範囲よりも高い特定範囲となる場合には、保留表示パターンが分類された保留表示種別にかかわらず、特定範囲となることに応じた共通の表示態様で、保留表示画像の一部が表示されてもよい。なお、特定範囲となる場合に限定されず、特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合でも、保留表示パターンが分類された保留表示種別にかかわらず、その範囲に応じた共通の表示態様で、保留表示画像の一部が表示されてもよい。こうして、遊技の結果が特定結果となる割合が同一または近傍の割合となる複数の保留表示パターンによる保留表示では、保留表示画像における少なくとも一部が、互いに共通の表示態様で表示されてもよい。
一方、保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4および保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4のうち、可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合には、保留表示パターンごとに異なる表示態様で保留表示画像の全部が表示されてもよい。一例として、保留表示パターンHKP1−1による保留表示と、保留表示パターンHKP2−1による保留表示とでは、保留表示種別が保留表示Aと保留表示Bに対応して互いに異なる形状の図形を表現する保留表示画像が表示され、さらに各保留表示パターンに応じて図形の模様や色彩の一部または全部を異ならせた保留表示画像が表示される。このように、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合には、保留表示パターンに応じて異なる表示態様で、保留表示画像の全部が表示されてもよい。すなわち、遊技の結果が特定結果となる割合が特定割合よりも低い非特定割合となる複数の保留表示パターンによる保留表示では、保留表示画像の全部が互いに異なる表示態様で表示されてもよい。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123のVDP130は、例えば図13に示すステップS701における転送指令の判定やステップS703における展開指令の判定に基づいて、保留表示用の画像データを画像データメモリ131から読み出し、保留表示画像を表示するための描画処理などを行う。保留表示用の画像データには、保留表示に用いられる平面画像である保留表示用画像の基準表示態様を示す基準画像データと、保留表示用画像の模様や色彩の一方または双方を変更可能にする合成用画像データとが含まれている。
図23は、保留表示用画像の読出設定例を示している。VDP130は、例えば保留表示Aや保留表示Bの保留表示種別といった演出種別ごとに、各保留表示種別に分類された複数の保留表示パターンといった演出パターンに共通の基準画像データを読み出す。より具体的に、保留表示Aの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP1−1〜保留表示パターンHKP1−4のいずれかによる保留表示が行われる場合には、基準画像HSAを設定する基準画像データが読み出される。これに対し、保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP2−1〜保留表示パターンHKP2−4のいずれかによる保留表示が行われる場合には、基準画像HSBを設定する基準画像データが読み出される。基準画像HSAを設定する基準画像データは、保留表示Aの保留表示種別に対応して表示される第1予告画像の基準表示態様を示している。基準画像HSBを設定する基準画像データは、保留表示Bの保留表示種別に対応して表示される第2予告画像の基準表示態様を示している。
また、例えば保留表示Aの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP1−3による保留表示が行われる場合と、保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP2−3による保留表示が行われる場合には、いずれも合成用画像HGAを設定する合成用画像データが読み出される。保留表示Aの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP1−4による保留表示が行われる場合と、保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP2−4による保留表示が行われる場合には、いずれも合成用画像HGBを設定する合成用画像データが読み出される。これらの保留表示パターンによる保留表示が行われる場合には、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が比較的に高い特定範囲となり、この特定範囲となることに応じた共通の合成用画像を取得する。こうして、例えば保留表示パターンに応じた大当り信頼度といった、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲ごとに、保留表示種別などの演出種別にかかわらず共通の合成用画像データが読み出されることがある。すなわち、複数の合成用画像データに含まれる特定の合成用画像データを用いる場合には、遊技の結果が特定結果となる割合が同一または近傍の割合となるように、複数の合成用画像データのうちいずれかが選択されて読み出されてもよい。
一方、例えば保留表示Aの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP1−1による保留表示が行われる場合には合成用画像HG1−1を設定する合成用画像データが読み出され、保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP2−1による保留表示が行われる場合には合成用画像HG2−1を設定する合成用画像データが読み出される。保留表示Aの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP1−2による保留表示が行われる場合には合成用画像HG1−2を設定する合成用画像データが読み出され、保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンHKP2−2による保留表示が行われる場合には合成用画像HG2−2を設定する合成用画像データが読み出される。これらの保留表示パターンによる保留表示が行われる場合には、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる。こうして、頻繁に実行される保留表示については、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が共通であっても、保留表示パターンに応じて異なる合成用画像を取得する。このように、例えば保留表示パターンに応じた大当り信頼度といった、遊技の結果が特定結果となる可能性の範囲が特定範囲よりも低い非特定範囲となる場合に、保留表示種別や保留表示パターンに応じて異なる合成用画像データが読み出されることがあってもよい。すなわち、遊技の結果が特定結果となる割合が特定割合よりも低い非特定割合となる場合には、保留表示パターンに応じて異なる合成用画像データが選択されて読み出されてもよい。
VDP130は、保留表示パターンなどに対応して取得した合成用画像を、保留表示種別などに対応して取得した基準画像と合成して、保留表示に用いられる演出画像を描画する。例えばVDP130は、VRAM132Aに展開した合成用画像データを、VRAM132Aに展開した基準画像データと乗算合成する。これにより、合成用画像データで示される模様や色彩に、基準画像データで示される陰影を付与した予告画像といった、各種の演出画像を表示させることができる。
図24は、保留表示パターンの決定結果に応じた画像を合成して描画する実行例を示している。VDP130は、保留表示種別ごとに異なるが同一の保留表示種別であれば保留表示パターンにかかわらず共通の基準画像を設定する基準画像データを、画像データメモリ131から読み出してVRAM132Aに一時記憶(転送)させる。また、保留表示種別が異なっていても保留表示パターンに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性の範囲が特定範囲であれば共通の合成用画像を設定する合成用画像データを、画像データメモリ131から読み出してVRAM132Aに一時記憶(転送)させる。
図24(A)は、保留表示パターンHKP1−3に決定された場合の実行例を示している。この場合には、基準画像HSAおよび合成用画像HGAが取得される。そして、合成用画像HGAを基準画像HSAと合成することで、保留表示用画像HPAが生成される。この保留表示用画像HPAを示す表示用データ(RGBデータ)をフレームバッファ132Bに一時記憶(展開)させて、保留表示用画像を表示可能に描画する。
図24(B)は、保留表示パターンHKP1−4に決定された場合の実行例を示している。この場合には、基準画像HSAおよび合成用画像HGBが取得される。そして、合成用画像HGBを基準画像HSAと合成することで、保留表示用画像HPBが生成される。この保留表示用画像HPBを示す表示用データ(RGBデータ)をフレームバッファ132Bに一時記憶(展開)させて、保留表示用画像を表示可能に描画する。
保留表示画像などの演出画像を表示することにより遊技の結果を示唆する1の示唆演出では、例えば特定の合成用画像を合成することによる特定表示態様の出現数が、所定数未満となるように制限を設けてもよい。具体的な一例として、図24(A)に示す合成用画像HGAや図24(B)に示す合成用画像HGBを用いて、図22に示す保留表示PLAのように、複数の表示部位にて保留表示画像を表示する場合に、同一の合成用画像が描画される表示部位の数を、「3」未満になるように制限してもよい。
合成用画像を基準画像と合成して描画することによる演出表示は、保留表示Aや保留表示Bの保留表示種別に分類される保留表示パターンによる保留表示に限定されない。すなわち、任意の予告画像を表示して遊技の結果を示唆する演出において、遊技の結果が特定結果となるか否かに基づいて異なる合成用画像を、基準画像と合成して描画するものであってもよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、合成用テクスチャを基準テクスチャと合成して3次元形状モデルを投影した予告画像を表示する場合と、合成用画像を基準画像と合成して平面画像となる予告画像を表示する場合とがあるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、3次元形状モデルを投影した予告画像を表示する演出と、平面画像となる予告画像を表示する演出のうち、いずれか一方のみが実行されるものであってもよい。
上記実施の形態では、可変表示内容に応じて異なる割合で予告パターンを決定し、あるいは入賞時判定結果に応じて異なる割合で保留表示パターンを決定し、予告パターンや保留表示パターンに応じた基準テクスチャデータまたは基準画像データや合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを読み出すことで、遊技の結果が特定結果となるか否かに基づいて異なる合成用テクスチャデータまたは合成用画像データと、基準テクスチャデータまたは基準画像データとを合成するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば予告パターンや保留表示パターンなどの決定結果にかかわらず、遊技の結果や遊技状態に応じて異なる合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを読み出すようにしてもよい。一例として、可変表示結果が「ハズレ」になる場合と、可変表示結果が「大当り」になる場合とで、異なる合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを読み出して、基準テクスチャデータまたは基準画像データと合成してもよい。あるいは、遊技状態が確変状態である場合と、遊技状態が通常状態や時短状態である場合とでは、異なる合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを読み出したり、異なる割合で合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを読み出したりして、基準テクスチャデータまたは基準画像データと合成してもよい。
上記実施の形態においては、特図変動時間に対応する飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに実行されるステップS112の処理(図4を参照)などにより、1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。可変入賞装置の内部に進入した遊技球が検出されたときに、例えば大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数といった、遊技の結果や遊技状態に基づいて異なる合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを、基準テクスチャデータまたは基準画像データと合成して予告画像が表示されるようにしてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、図柄の可変表示が開始された後に、内部抽選で所定の入賞役に当選しているか否かといった、遊技の結果や遊技状態に応じて異なる合成用テクスチャデータまたは合成用画像データを、基準テクスチャデータまたは基準画像データと合成して予告画像が表示されるようにしてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えば図14に示すステップS808の処理にて取得した合成用テクスチャを、ステップS807の処理にて取得した基準テクスチャと合成して描画することにより、例えば予告パターンに対応する予告画像といった、各種の演出画像を表示させる。ステップS808の処理では、例えば図15に示すような予告パターンに応じて異なる合成用テクスチャを取得することで、可変表示結果が「大当り」となるか否かといった、遊技の結果が特定結果となるか否かに基づいて異なる合成用テクスチャを基準テクスチャと合成する。これにより、多様な画像表示が可能になる。また、合成用テクスチャを変更するだけで遊技の結果が特定結果となる可能性が異なる予告画像を表示可能になり、画像データの容量増大を抑制したり、演出の制御負担を軽減したりすることができる。
図14に示すステップS807の処理では、例えば図15に示すような予告演出種別に応じて異なる基準テクスチャを取得する。ステップS808の処理では、異なる予告演出種別に分類される予告パターンであっても、共通の合成用テクスチャを取得して基準テクスチャと合成することで、第1予告画像および第2予告画像を表示可能にする。これにより、画像データの容量増大を抑制しつつ、多様な画像表示が可能になる。
例えば予告パターンYKP1−3および予告パターンYKP2−3、あるいは予告パターンYKP1−4および予告パターンYKP2−4のように、大当り信頼度といった遊技の結果が特定結果となる割合(可能性の範囲)が同一または近傍の割合(共通の範囲)になる場合には、共通の合成用テクスチャを取得して基準テクスチャと合成することで、第1予告画像や第2予告画像を表示可能にする。これにより、共通の合成用テクスチャを用いた予告画像が表示された場合には、基準テクスチャごとに表示態様の一部が異なっていても、特定結果となる割合(可能性の範囲)が同一または近傍の割合(共通の範囲)であることを示唆できる。したがって、特定結果となる可能性を認識しやすい予告画像を好適に表示できる。
例えば予告パターンYKP1−1および予告パターンYKP2−1、あるいは予告パターンYKP1−2および予告パターンYKP2−2のように、大当り信頼度といった遊技の結果が特定結果となる割合(可能性の範囲)が特定割合(特定範囲)よりも低い非特定割合(非特定範囲)になる場合には、予告パターンに応じて異なる合成用テクスチャを取得して基準テクスチャと合成することで、第1予告画像や第2予告画像を表示可能にする。このように、特定結果となる可能性が低く出現率が高い予告画像を表示する場合には、第1予告画像を表示するか第2予告画像を表示するかに応じてことなる合成用テクスチャを選択して、基準表示態様に応じた多様な画像を好適に表示することができる。
例えば図14のステップS807の処理にて取得する基準テクスチャは、予告画像に陰影を付与するために用いられる。VDP130は、ステップS809の処理にて合成用テクスチャデータを基準テクスチャデータと乗算合成する。これにより、多様な予告画像に陰影を付与して好適に表示できる。
予告画像を表示する1の示唆演出では、特定の合成用テクスチャデータを合成することによる特定表示態様の出現数を、例えば「3」未満といった所定数未満に制限する。このように、同じ表示態様が多数出現しないように制限を設け、遊技の結果が特定結果となる可能性が過剰に高められてしまうことや、特定表示態様の印象が低下してしまうことなどを防止し、多様な画像を好適に表示できる。
また、VDP130は、例えば図23に示すような保留表示パターンに応じて異なる合成用画像を取得し、基準画像と合成して描画することにより、例えば保留表示パターンに対応する保留表示用画像といった、各種の演出画像を表示させる。このように、可変表示結果が「大当り」となるか否かといった、遊技の結果が特定結果となるか否かに基づいて異なる合成用画像を基準画像と合成する。これにより、多様な画像表示が可能になる。また、合成用画像を変更するだけで遊技の結果が特定結果となる可能性が異なる予告画像を表示可能になり、画像データの容量増大を抑制したり、演出の制御負担を軽減したりすることができる。
例えば図23に示すような保留表示種別に応じて異なる基準画像を取得する一方、異なる保留表示種別に分類される保留表示パターンであっても、共通の合成用画像を取得して基準画像と合成することで、第1予告画像や第2予告画像を表示可能にする。これにより、画像データの容量増大を抑制しつつ、多様な画像表示が可能になる。
例えば保留表示パターンHKP1−3および保留表示パターンHKP2−3、あるいは保留表示パターンHKP1−4および保留表示パターンHKP2−4のように、大当り信頼度といった遊技の結果が特定結果となる割合(可能性の範囲)が同一または近傍の割合(共通の範囲)になる場合には、共通の合成用画像を取得して基準画像と合成することで、第1予告画像や第2予告画像を表示可能にする。これにより、共通の合成用画像を用いた予告画像が表示された場合には、基準画像ごとに基準表示態様の一部が異なっていても、特定結果となる割合(可能性の範囲)が同一または近傍の割合(共通の範囲)であることを示唆できる。したがって、特定結果となる可能性を認識しやすい予告画像を好適に表示できる。
例えば保留表示パターンHKP1−1および保留表示パターンHKP2−1、あるいは保留表示パターンHKP1−2および保留表示パターンHKP2−2のように、大当り信頼度といった遊技の結果が特定結果となる割合(可能性の範囲)が特定割合(特定範囲)よりも低い非特定割合(非特定範囲)になる場合には、保留表示パターンに応じて異なる合成用画像を取得して基準画像と合成することで、第1予告画像や第2予告画像を表示可能にする。このように、特定結果となる可能性が低く出現率が高い予告画像を表示する場合には、第1予告画像を表示するか第2予告画像を表示するかに応じて異なる合成用画像を選択して、基準表示態様に応じた多様な画像を好適に表示することができる。
例えば基準画像は、基準テクスチャと同様に、予告画像に陰影を付与するために用いられる。VDP130は、合成用画像データを基準画像データと乗算合成する。これにより、多様な予告画像に陰影を付与して好適に表示できる。
予告画像を表示する1の示唆演出では、特定の合成用画像を合成することによる特定表示態様の出現数を、例えば「3」未満といった所定数未満に制限する。このように、同じ表示態様が多数出現しないように制限を設け、遊技の結果が特定結果となる可能性が過剰に高められてしまうことや、特定表示態様の印象が低下してしまうことなどを防止し、多様な画像を好適に表示できる。