以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入する開放状態(第1状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態(第2状態)であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、遊技領域には、遊技球が進入可能な開放状態(第1状態)と、遊技球が進入不可能または進入困難な閉鎖状態(第2状態)とに変化する第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態または一部閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2状態としての閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別(例えば「突確」など)を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の可変表示態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の可変表示態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示動作などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
擬似連チャンス図柄を含む擬似連チャンス目を停止表示することのように、「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って実行される画像表示などの所定演出は、再変動演出という。再変動演出として、擬似連チャンス図柄といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するとともに、例えば「もう一回」といったメッセージ画像を表示するように制御されてもよい。また、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出を所定期間巻き戻す巻戻し演出を実行するように制御されてもよい。
また、再変動演出は、画像表示装置5の画面上(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5C)にて画像表示(例えば擬似連チャンス図柄の仮停止表示など)を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、再変動演出(擬似連変動)が1回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回続けて開始されたかのように見せることができる。
なお、「擬似連」の可変表示演出において、再変動演出(擬似連変動)が2回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも3回〜4回続けて開始されたかのように見せるようにしてもよい。そして、再変動演出(擬似連変動)の繰り返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなるように設定すればよい。また、再変動演出の繰り返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば再変動演出が2回行われることにより「リーチ確定」となり、再変動演出が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における再変動演出(擬似連変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や擬似連の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、あるいは演出用役物などの演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
この実施の形態では、予告演出として、予め定められた順番に従って1段階から5段階まで(ステップ1からステップ5まで)演出態様を段階的に変化させるステップアップ予告演出が実行可能に設定されている。ステップアップ予告演出では、演出態様が変化した段階に応じて、異なる大当り信頼度を予告することができればよい。具体的には、ステップアップ予告演出において多い段階まで演出態様が段階的に変化した場合には、少ない段階までしか演出態様が変化しなかった場合よりも大当り遊技状態となる可能性が高くなる。ステップアップ予告演出では、1つのキャラクタの形状や色が変化するようにしてもよく、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、演出用模型等)の状態が段階的に変化したと認識できるものであればよい。例えば、段階的に表示されるキャラクタの数が増える場合の他に、段階的に動くキャラクタの数が増える場合、キャラクタの動く回数や頻度などが段階的に増える場合、キャラクタの大きさが段階的に大きくなる場合などがあってもよい。また、キャラクタを示す演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、演出用模型の動作状態を段階的に変化させるものであってもよい。そして、演出用模型が複数設けられている場合に動く演出用模型の数が段階的に増えることにより、あるいは演出用模型の動く回数や頻度などが段階的に増えることにより、大当り遊技状態となる可能性が段階的に高まっていくことを予告できればよい。
この実施の形態では、擬似連の可変表示演出が実行される飾り図柄の可変表示において、ステップアップ予告演出として、第1ステップアップ予告演出と第2ステップアップ予告演出とが実行可能に設定されている。第1ステップアップ予告演出は、擬似連の可変表示演出における飾り図柄の仮停止表示前(擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示前)に実行され、第2ステップアップ予告演出は、擬似連の可変表示演出における飾り図柄の再変動後(擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示後)に実行される。
第1ステップアップ予告演出は、演出態様が、例えば、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD又はキャラクタEを示す演出画像といったキャラクタ画像で構成された演出である。第1ステップアップ予告演出では、キャラクタAからキャラクタEまでのキャラクタ画像が各段階(各ステップ)に応じて順番に表示される。一例として、ステップ1では、キャラクタAを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。ステップ2では、キャラクタBを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。ステップ3では、キャラクタCを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。ステップ4では、キャラクタDを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。ステップ5では、キャラクタEを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。なお、ステップ2では、キャラクタAとキャラクタBとが同時に表示され、ステップ3では、キャラクタAとキャラクタBとキャラクタCとが同時に表示されるといったように、ステップ数が増える度にキャラクタの数が増えるようにしてもよい。
第2ステップアップ予告演出は、演出態様が、第1ステップアップ予告演出で到達した段階のキャラクタ画像で構成された演出である。例えば、第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ1である場合、第2ステップアップ予告演出は、演出態様がキャラクタAの演出画像で構成されたステップアップ予告演出となる。第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ2である場合、第2ステップアップ予告演出は、演出態様がキャラクタBの演出画像で構成されたステップアップ予告演出となる。また、第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ3、ステップ4又はステップ5である場合、第2ステップアップ予告演出は、演出態様がキャラクタC、キャラクタD又はキャラクタEの演出画像で構成されたステップアップ予告演出となる。第2ステップアップ予告演出では、例えば、各段階に応じてキャラクタの大きさが変化したり姿勢が変化したりすればよい。
この実施の形態では、第2ステップアップ予告演出において、第1ステップアップ予告演出で到達した段階と同じ段階までは、第1ステップアップ予告演出で到達した段階のキャラクタ画像に対応した動画が再生される。例えば、第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ1である場合、第2ステップアップ予告演出において、キャラクタAが所定の動きを行う動画がステップ一つ分の期間再生される。第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ2である場合、第2ステップアップ予告演出において、キャラクタBが所定の動きを行う動画がステップ二つ分の期間再生される。また、第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ3、ステップ4又はステップ5である場合、第2ステップアップ予告演出において、キャラクタC、キャラクタD又はキャラクタEが所定の動きを行う動画がステップ三つ分、ステップ四つ分又はステップ五つ分の期間再生される。従って、各キャラクタの動画が再生されることで、少なくとも各キャラクタに対応した段階までステップアップ予告演出が実行されることとなる。なお、動画再生の終了後、更に演出態様が変化することもある。
また、この実施の形態では、擬似連の可変表示演出が実行される飾り図柄の可変表示以外の可変表示において、ステップアップ予告演出として、第3ステップアップ予告演出が実行可能に設定されている。第3ステップアップ予告演出は、第1ステップアップ予告演出と同様に演出態様が、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD及びキャラクタEを示す演出画像といったキャラクタ画像で構成された演出である。第3ステップアップ予告演出では、キャラクタAからキャラクタEまでのキャラクタ画像が各段階(各ステップ)に応じて順番に表示される。なお、第3ステップアップ予告演出を、第2ステップアップ予告演出と同様に演出態様が、所定のキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD又はキャラクタE)の演出画像で構成された演出としてもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある(非リーチ)。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある(リーチハズレ)。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データ(保留情報)として記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。なお、大当り種別に「突確」を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定される。なお、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を異ならせてもよいし、大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合には所定割合で大当り種別が「突確」に決定可能とする一方、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。より具体的には、大当り種別が「非確変」の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。大当り種別が「確変」の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245の処理にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図6(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図6(A)に示すステップS262の処理では、例えば予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図6(A)に示すステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。複数のハズレ変動パターン決定テーブルでは、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(例えば「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA3−1、PB3−1といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2、PA3−3、PB3−2、PB3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。また、図7(A)に示す決定例では、変動パターンPA3−1、PA3−2、PA3−3といった、リーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPB3−1、PB3−2、PB3−3といった、擬似連の可変表示演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。
図7(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA2−1、PB3−1といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2、PA2−3、PB2−2、PB2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。図7(B)に示す決定例では、変動パターンPA2−1、PA2−2、PA2−3といった、リーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPB2−1、PB2−2、PB2−3といった、擬似連の可変表示演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、ハズレ時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、大当り時よりも低くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図7(B)に示す決定例において、スーパーAのリーチ演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2、PB2−2の決定割合は、スーパーBのリーチ演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3、PB2−3の決定割合よりも高くなるように設定されている。これに対して、図7(A)に示す決定例において、変動パターンPA3−2、PB3−2の決定割合が変動パターンPA3−3、PB3−3の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図6(B)に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3及びPB2−1〜PB2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3及びPB3−1〜PB3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図7(A)および(B)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、擬似連の可変表示演出が実行されたときには、擬似連の可変表示演出が実行されないときよりも大当り期待度が高められる。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図6(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図8は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図9(A)は、図8のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図9(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。このとき、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
図9(B)は、ステップS401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
変動開始時決定内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、再変動演出実行設定を行う(ステップS401A)。ステップS401Aでは、擬似連の可変表示演出を実行する場合に、再変動演出を実行するための設定を行う。
ステップS401Aの処理を実行した後には、ステップアップ予告演出決定処理を実行する(ステップS402)。ステップS402の処理に続き、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン、及び、ステップS402の処理で決定した各種演出などに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS403の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS403にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図10は、ステップアップ予告演出決定処理として、図9(A)のステップS402にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すステップアップ予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、ステップアップ予告演出を決定する(ステップS501)。一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるステップアップ予告演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意されたステップアップ予告演出決定テーブルを参照することなどにより、ステップアップ予告演出の実行の有無やステップアップ予告演出を実行する場合にステップ1〜ステップ5のうちどのステップまで演出態様を変化させるかを決定する。なお、ステップアップ予告演出の実行の有無を決定する処理を実行した後、ステップアップ予告演出の実行の有無を判定し、ステップアップ予告演出の実行ありと判定された場合に、ステップ1〜ステップ5のうちどのステップまで演出態様を変化させるかを決定する処理を実行してもよい。
図11は、ステップアップ予告演出決定テーブルの構成例を示している。図11に示すステップアップ予告演出決定テーブルでは、例えば、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて、ステップアップ予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、ステップアップ予告演出を実行しない「実行なし」、ステップ1まで演出態様を変化させる「ステップ1」、ステップ2まで演出態様を変化させる「ステップ2」、ステップ3まで演出態様を変化させる「ステップ3」、ステップ4まで演出態様を変化させる「ステップ4」、ステップ5まで演出態様を変化させる「ステップ5」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図11では、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。
ステップアップ予告演出決定テーブルでは、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合に、ステップアップ予告演出を実行する「ステップ1」〜「ステップ5」のいずれかに決定される割合は、ステップアップ予告演出を実行しない「実行なし」に決定される割合よりも十分に高くなるように設定されている。一方、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合に、ステップアップ予告演出を実行しない「実行なし」に決定される割合は、ステップアップ予告演出を実行する「ステップ1」〜「ステップ5」のいずれかに決定される割合よりも十分に高くなるように設定されている。また、「ステップ1」〜「ステップ5」のいずれかに決定される割合は、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合に「ハズレ」となる場合よりも十分に高くなる一方、「実行なし」に決定される割合は、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合に「ハズレ」となる場合よりも十分に低くなるように設定されている。こうした設定により、ステップアップ予告演出が実行されたときには、ステップアップ予告演出が実行されないときよりも大当り期待度が大幅(飛躍的)に高められる。
また、ステップアップ予告演出決定テーブルでは、決定結果をステップ1〜ステップ5のうちいずれとするかは、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる割合で決定される。より具体的には、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合には、ステップ5やステップ4といったステップ数が大きいステップに決定されやすい。一方、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合には、ステップ1やステップ2といったステップ数が小さいステップに決定されやすい。こうした設定により、ステップアップ予告演出においてステップ数が大きいステップまで実行されたときには、ステップ数が小さいステップまでしか実行されないときよりも大当り期待度が高くなる。なお、例えば、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合には、「実行なし」や「ステップ1」に決定されないようにしてもよく、また、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合には、「ステップ5」に決定されないようにしてもよい。
ステップS501の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出がありか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502にてステップアップ予告演出ありと判定された場合(ステップS502;Yes)、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定する(ステップS503)。続いて、演出制御用CPU120は、特定した変動パターンに対応して、擬似連の可変表示演出が実行されるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504にて擬似連の可変表示演出が実行される擬似連ありと判定された場合(ステップS504;Yes)、演出制御用CPU120は、第1ステップアップ予告演出を決定する(ステップS506)。
ステップS506では、一例として、演出制御用CPU120は、第1ステップアップ予告演出を決定するための使用テーブルとして、予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された第1ステップアップ予告演出決定テーブルを選択してセットする。第1ステップアップ予告演出決定テーブルでは、例えば、ステップS506の決定結果が「ステップ1」〜「ステップ5」のいずれであるかに応じて、第1ステップアップ予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、演出態様の変化のパターンである第1ステップアップパターンに、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタなどから抽出した第1ステップアップ予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、第1ステップアップ予告演出決定テーブルを参照することにより、第1ステップアップパターンをいずれにするか決定すればよい。
図12は、第1ステップアップ予告演出決定テーブルの構成例を示している。この第1ステップアップ予告演出決定テーブルでは、ステップS501での決定結果がステップ1の場合、第1ステップアップパターンSA1−1が設定されている。ステップS501での決定結果がステップ2の場合、第1ステップアップパターンSA2−1、SA2−2が設定されている。ステップS501での決定結果がステップ3の場合、第1ステップアップパターンSA3−1〜SA3−3が設定されている。ステップS501での決定結果がステップ4の場合、第1ステップアップパターンSA4−1〜SA4−4が設定されている。また、ステップS501での決定結果がステップ5の場合、第1ステップアップパターンSA5−1〜SA5−5が設定されている。
なお、図12では、各決定結果に割り当てられる決定値の記載を省略している。ステップS506では、ステップS501の決定結果に対して複数の第1ステップアップパターンがある場合、複数の第1ステップアップパターンのうちいずれにするかを、例えば均等の割合で決定してもよく、可変表示結果が「大当り」となるか否かに基づいて異なる割合で決定してもよく、また、可変表示結果が「大当り」の場合にさらに大当り種別が「確変」であるか否かに基づいて異なる割合で決定してもよい。複数の第1ステップアップパターンのうちいずれにするかを異なる割合で決定する場合、例えば、第1ステップアップパターンSA5−1やSA5−2といった演出態様が変化する回数が少ないステップアップパターンに決定され易く、第1ステップアップパターンSA5−4やSA5−5といった演出態様が変化する回数が多いステップアップパターンに決定され難くしてもよい。このようにすれば第2ステップアップ予告演出への期待感が維持できる。なお、第1ステップアップパターンSA5−1やSA5−2といった演出態様が変化する回数が少ないステップアップパターンに決定され難く、第1ステップアップパターンSA5−4やSA5−5といった演出態様が変化する回数が多いステップアップパターンに決定され易くしてもよい。
図12において、第1ステップアップの演出態様に対応する欄に記載された「A1」は、例えば、図17(C)に示すように、枠a内にキャラクタAを示す演出画像が表示される演出態様を示している。「B2」は、例えば、枠b内にキャラクタBを示す演出画像が表示される演出態様を示している。「C3」は、例えば、枠c内にキャラクタCを示す演出画像が表示される演出態様を示している。「D4」は、例えば、枠d内にキャラクタDを示す演出画像が表示される演出態様を示している。「E5」は、例えば、枠e内にキャラクタEを示す演出画像が表示される演出態様を示している。この実施の形態では、一例として、第1ステップアップ予告演出における各ステップで表示される演出画像は、静止画となっている。また、この実施の形態では、一例として、図17(C)に示すように枠aから枠eに向かって順に表示サイズ(キャラクタ画像が表示される表示領域)が大きくなるように設定されている。このようにすれば、画像表示装置5に表示される枠の大きさで、可変表示結果が大当りとなる可能性を示唆することができる。
第1ステップアップパターンSA5−5は、ステップ1の演出態様が「A1」、ステップ2の演出態様が「B2」、ステップ3の演出態様が「C3」、ステップ4の演出態様が「D4」、ステップ5の演出態様が「E5」となるパターンである。ステップS506にて第1ステップアップパターンSA5−5に決定された場合、第1ステップアップ予告演出においてキャラクタAからキャラクタEまでのキャラクタ画像が各ステップに応じて順番に表示されることになる。また、その他の第1ステップアップパターン(SA1−1〜SA5−4)についても同様となっている。なお、第1ステップアップ予告演出決定テーブルには、例えばステップS501での決定結果がステップ5であるが、第1ステップアップパターンSA5−1〜SA5−4のように、ステップ5まで演出態様が変化しないパターンも含まれている。
ステップS506の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第2ステップアップ予告演出を決定する(ステップS507)。ステップS507では、一例として、演出制御用CPU120は、第2ステップアップ予告演出を決定するための使用テーブルとして、予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された第2ステップアップ予告演出決定テーブルを選択してセットする。第2ステップアップ予告演出決定テーブルでは、ステップS506にて決定された決定結果に、演出態様の変化のパターンである第2ステップアップパターンが対応付けられていればよい。演出制御用CPU120は、例えばステップS506の決定結果に基づいて、第2ステップアップ予告演出決定テーブルを参照することにより、第2ステップアップパターンを決定すればよい。
図13は、第2ステップアップ予告演出決定テーブルの構成例を示している。この第2ステップアップ予告演出決定テーブルでは、ステップS506での決定結果が第1ステップアップパターンSA1−1の場合、第2ステップアップパターンSB1−1が対応付けられている。第1ステップアップパターンSA2−1の場合、第2ステップアップパターンSB2−1が対応付けられている。第1ステップアップパターンSA2−2の場合、第2ステップアップパターンSB2−2が対応付けられている。また、第1ステップアップパターンSA3−1〜SA5−5の場合も同様に、第2ステップアップパターンSB3−1〜SB5−5が対応付けられている。
図13において、第2ステップアップの演出態様に対応する欄に記載された「A1」〜「A5」、「B2」〜「B5」、「C3」〜「C5」、「D4」〜「D5」及び「E5」は、図12に示す「A1」、「B2」、「C3」、「D4」及び「E5」と同様の演出態様を示している。例えば、「A2」は、枠b内にキャラクタAを示す演出画像が表示される演出態様を示している。
また、図13では、「A1」、「B2」、「C3」、「D4」及び「E5」は、それぞれ四角で囲われている。四角で囲われた演出態様では、表示される各キャラクタ画像に対応した動画再生が実行されることを示している。例えば、四角で囲われた「A1」では、キャラクタAが所定の動きを行う動画がステップ一つ分の期間再生されることを示している。四角で囲われた「B2」では、キャラクタBが所定の動きを行う動画がステップ二つ分の期間再生されることを示している。また、四角で囲われた「C3」、「D4」又は「E5」でも同様に、各キャラクタが所定の動きを行う動画がステップ三つ分、ステップ四つ分又はステップ五つ分の期間再生されることを示している。
この実施の形態では、一例として、四角で囲われた「A1」に対応して再生される動画は、第1ステップアップ予告演出において表示されたキャラクタAの静止画から開始する動画となっている。四角で囲われた「B2」に対応して再生される動画は、第1ステップアップ予告演出において表示されたキャラクタBの静止画から開始する動画となっている。四角で囲われた「C3」に対応して再生される動画は、第1ステップアップ予告演出において表示されたキャラクタCの静止画から開始する動画となっている。四角で囲われた「D4」に対応して再生される動画は、第1ステップアップ予告演出において表示されたキャラクタDの静止画から開始する動画となっている。また、四角で囲われた「E5」に対応して再生される動画は、第1ステップアップ予告演出において表示されたキャラクタEの静止画から開始する動画となっている。
また、四角で囲われていない演出態様である「A2」〜「A5」、「B3」〜「B5」、「C4」〜「C5」及び「D5」では、静止画のキャラクタ画像が表示されることを示している。なお、「A2」〜「A5」は、例えばキャラクタAの大きさや姿勢などがそれぞれ異なる演出画像で構成されているが、キャラクタAの演出画像で構成されている点で共通している。「B3」〜「B5」は、例えばキャラクタBの大きさや姿勢などがそれぞれ異なる演出画像で構成されているが、キャラクタBの演出画像で構成されている点で共通している。「C4」〜「C5」は、例えばキャラクタCの大きさや姿勢などがそれぞれ異なる演出画像で構成されているが、キャラクタCの演出画像で構成されている点で共通している。また、「D5」は、キャラクタDの演出画像で構成されている。なお、「A2」〜「A5」、「B3」〜「B5」、「C4」〜「C5」及び「D5」でも、各キャラクタが所定の動きを行う動画が再生されるようにしてもよい。
なお、図12に示す第1ステップアップ予告演出決定テーブルと図13に示す第2ステップアップ予告演出決定テーブルとを1つにまとめたステップアップ予告演出決定テーブルを用意してもよい。そして、この1つにまとめたステップアップ予告演出決定テーブルを用いて、ステップS506及びS507の処理の代わりに第1ステップアップ予告演出と第2ステップアップ予告演出の両方を一度に決定する処理を行ってもよい。
また、ステップS504にて擬似連の可変表示演出が実行されない擬似連なしと判定された場合(ステップS504;No)、演出制御用CPU120は、第3ステップアップ予告演出を決定する(ステップS508)。ステップS508では、一例として、演出制御用CPU120は、第3ステップアップ予告演出を決定するための使用テーブルとして、予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された第3ステップアップ予告演出決定テーブルを選択してセットする。第3ステップアップ予告演出決定テーブルでは、ステップS501にて決定された決定結果に、演出態様の変化のパターンである第3ステップアップパターンが対応付けられていればよい。演出制御用CPU120は、例えばステップS501の決定結果に基づいて、第3ステップアップ予告演出決定テーブルを参照することにより、第3ステップアップパターンを決定すればよい。
図14は、第3ステップアップ予告演出決定テーブルの構成例を示している。この第3ステップアップ予告演出決定テーブルでは、ステップS501での決定結果がステップ1の場合、第3ステップアップパターンとしてSA1−1が対応付けられている。決定結果がステップ2の場合、第3ステップアップパターンとしてSA2−2が対応付けられている。また、決定結果がステップ3、ステップ4、ステップ5の場合、第3ステップアップパターンとしてSA3−3、SA4−4、SA5−5が対応付けられている。なお、第3ステップアップ予告演出決定テーブルにおける第3ステップアップパターンSA1−1、SA2−2、SA3−3、SA4−4及びSA5−5は、第1ステップアップ予告演出決定テーブルにおける第1ステップアップパターンSA1−1、SA2−2、SA3−3、SA4−4及びSA5−5と同じである。
ステップS502にてステップアップ予告演出なしと判定された場合や(ステップS502;No)、ステップS507、S508の処理のいずれかを実行した後、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出決定処理を終了する。
図15は、図8のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップ451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、ステップアップ予告演出ありか否かを判定する(ステップS452)。一例として、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出の演出制御パターンが使用パターンにセットされているか否かに応じて、ステップアップ予告演出の有無を判定すればよい。ステップS452にてステップアップ予告演出ありと判定された場合(ステップS452;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出を実行するためのステップアップ予告演出動作制御処理を実行する(ステップS453)。
図16は、図15のステップS453にて実行されるステップアップ予告演出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すステップアップ予告演出動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1ステップアップ予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS601)。第1ステップアップ予告演出期間は、例えば第1ステップアップパターンに応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS601にて第1ステップアップ予告演出期間であると判定された場合(ステップS601:Yes)、演出制御用CPU120は、第1ステップアップ予告演出を実行する(ステップS602)。ステップS602では、ステップS506にて決定された第1ステップアップパターンに従って、演出態様を変化させる。
ステップS601にて第1ステップアップ予告演出期間でないと判定された場合や(ステップS601:No)、ステップS602の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第2ステップアップ予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS603)。第2ステップアップ予告演出期間は、例えば第2ステップアップパターンに応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS603にて第2ステップアップ予告演出期間であると判定された場合(ステップS602:Yes)、演出制御用CPU120は、第2ステップアップ予告演出を実行する(ステップS604)。ステップS604では、ステップS507にて決定された第2ステップアップパターンに従って、動画を再生したり演出態様を変化させたりする。
ステップS603にて第2ステップアップ予告演出期間でないと判定された場合や(ステップS603:No)、ステップS604の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第3ステップアップ予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS605)。第3ステップアップ予告演出期間は、例えば第3ステップアップパターンに応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS605にて第3ステップアップ予告演出期間であると判定された場合(ステップS605:Yes)、演出制御用CPU120は、第3ステップアップ予告演出を実行する(ステップS606)。ステップS606では、ステップS508にて決定された第3ステップアップパターンに従って、演出態様を変化させる。
ステップS605にて第3ステップアップ予告演出期間でないと判定された場合や(ステップS605:No)、ステップS606の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出動作制御処理を終了する。
ステップS452にてステップアップ予告演出の実行がないと判定された場合や(ステップS452;No)、ステップS453の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、再変動演出(擬似連変動)を実行するための再変動演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS454)。再変動演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS454にて再変動演出実行期間であると判定された場合(ステップS454;Yes)、演出制御用CPU120は、再変動演出を実行するための再変動演出動作制御処理を行う(ステップS455)。
ステップS454にて再変動演出実行期間でないと判定された場合や(ステップS454;No)、ステップS455の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS456)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて使用パターンに決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)において、予め定められていればよい。ステップS456にてリーチ演出実行期間であると判定された場合(ステップS456;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS457)。例えば、ステップS457の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データまたはランプ制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、演出用模型を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてリーチ演出を実行できればよい。
ステップS456にてリーチ演出実行期間でないと判定された場合や(ステップS456;No)、ステップS457の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS458)、可変表示中演出処理を終了する。
また、ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS461)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS461;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS461にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS461;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS462)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS463)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS464)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、ステップアップ予告演出の実行タイミングや演出態様の変化などについて図17を参照して説明する。
図17は、擬似連変動からスーパーリーチBへと発展する変動パターンPB2−3又はPB3−3に決定された場合における第1ステップアップ予告演出及び第2ステップアップ予告演出の演出態様の変化を示すタイミングチャートである。
図17(A)は、第1ステップアップパターンSA5−1及び第2ステップアップパターンSB5−1が選択されたときのステップアップ予告演出の演出態様の変化の例を示す。図17(A)に示す例では、初回変動開始後のタイミングT1で、第1ステップアップ予告演出のステップ1として、枠a内にキャラクタAを示す演出画像が表示され、その後、タイミングT2〜T5で切り替えられることなく表示され続ける。タイミングTkでは、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されて再変動が開始される。再変動開始後のタイミングT6では、第2ステップアップ予告演出のステップ1として、枠a内でキャラクタAが動く動画の再生が開始される。タイミングT7では、キャラクタAを囲う枠が枠aから枠bに切り替わり、第2ステップアップ予告演出のステップ2として、枠b内にキャラクタAを示す演出画像が表示される。タイミングT8では、キャラクタAを囲う枠が枠bから枠cに切り替わり、第2ステップアップ予告演出のステップ3として、枠c内にキャラクタAを示す演出画像が表示される。タイミングT9では、キャラクタAを囲う枠が枠cから枠dに切り替わり、第2ステップアップ予告演出のステップ4として、枠d内にキャラクタAを示す演出画像が表示される。タイミングT10では、キャラクタAを囲う枠が枠dから枠eに切り替わり、第2ステップアップ予告演出のステップ5として、枠e内にキャラクタAを示す演出画像が表示される。前述したようにこの実施の形態では、枠aから枠eに向かって順に表示サイズが大きくなるように設定されている。従って、枠aから枠b、枠bから枠c、枠cから枠d、枠dから枠eに切り替わる度に、キャラクタ画像が表示される表示領域が大きくなっていく。その後、タイミングTsになると、スーパーリーチBのリーチ演出が開始される。
図17(B)は、第1ステップアップパターンSA5−3及び第2ステップアップパターンSB5−3が選択されたときのステップアップ予告演出の演出態様の変化の例を示す。図17(B)に示す例では、初回変動開始後のタイミングT1で、第1ステップアップ予告演出のステップ1として、枠a内にキャラクタAを示す演出画像が表示される。タイミングT2では、第1ステップアップ予告演出のステップ2として、枠a内にキャラクタAを示す演出画像に代えて、枠b内にキャラクタBを示す演出画像が表示される。タイミングT3では、第1ステップアップ予告演出のステップ3として、枠b内にキャラクタBを示す演出画像に代えて、枠c内にキャラクタCを示す演出画像が表示され、タイミングT4及びT5で切り替えられることなく表示され続ける。なお、枠aから枠b、枠bから枠cに切り替わる度に、キャラクタ画像が表示される表示領域が大きくなっていく。タイミングTkでは、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されて再変動が開始される。再変動開始後のタイミングT6では、第2ステップアップ予告演出のステップ3として、枠c内でキャラクタCが動く動画の再生が開始され、タイミングT9になるまで、ステップ三つ分の期間再生される。タイミングT9では、キャラクタCを囲う枠が枠cから枠dに切り替わり、第2ステップアップ予告演出のステップ4として、枠d内にキャラクタCを示す演出画像が表示される。タイミングT10では、キャラクタCを囲う枠が枠dから枠eに切り替わり、第2ステップアップ予告演出のステップ5として、枠e内にキャラクタCを示す演出画像が表示される。なお、枠cから枠d、枠dから枠eに切り替わる度に、キャラクタ画像が表示される表示領域が大きくなっていく。その後、タイミングTsになると、スーパーリーチBのリーチ演出が開始される。
図17(C)は、第1ステップアップパターンSA5−5及び第2ステップアップパターンSB5−5が選択されたときのステップアップ予告演出の演出態様の変化の例を示す。図17(C)に示す例では、初回変動開始後のタイミングT1で、第1ステップアップ予告演出のステップ1として、枠a内にキャラクタAを示す演出画像が表示される。タイミングT2では、第1ステップアップ予告演出のステップ2として、枠a内にキャラクタAを示す演出画像に代えて、枠b内にキャラクタBを示す演出画像が表示される。タイミングT3では、第1ステップアップ予告演出のステップ3として、枠b内にキャラクタBを示す演出画像に代えて、枠c内にキャラクタCを示す演出画像が表示される。タイミングT4では、第1ステップアップ予告演出のステップ4として、枠c内にキャラクタCを示す演出画像に代えて、枠d内にキャラクタDを示す演出画像が表示される。時刻T5では、第1ステップアップ予告演出のステップ5として、枠d内にキャラクタDを示す演出画像に代えて、枠e内にキャラクタEを示す演出画像が表示される。なお、枠aから枠b、枠bから枠c、枠cから枠d、枠dから枠eに切り替わる度に、キャラクタ画像が表示される表示領域が大きくなっていく。タイミングTkでは、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されて再変動が開始される。再変動開始後のタイミングT6では、第2ステップアップ予告演出のステップ5として、枠e内でキャラクタEが動く動画の再生が開始され、タイミングTsになるまで、ステップ五つ分の期間再生される。その後、タイミングTsになると、スーパーリーチBのリーチ演出が開始される。
なお、図17(a)に示す例では、演出画像がタイミングT2〜T5で切り替えられることなく表示され続けることとしたが、例えばタイミングT2〜T5のいずれかで演出画像が消去され、その後、演出画像が非表示のままになることとしてもよい。図17(b)に示す例でも同様に、タイミングT4又はT5で演出画像が消去され、その後、演出画像が非表示のままになることとしてもよい。また、タイミングTkで演出画像が消去されてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示前に、ステップ1がキャラクタA、ステップ2がキャラクタB、ステップ3がキャラクタC、ステップ4がキャラクタD、ステップ5がキャラクタEの演出画像で構成された第1ステップアップ予告演出を実行し、擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示後に、第1ステップアップ予告演出で到達した段階のキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD又はキャラクタE)画像で構成された第2ステップアップ予告演出を実行する。例えば、第1ステップアップ予告演出においてステップ3まで到達してキャラクタCの演出画像が表示された場合、キャラクタCの演出画像で構成された第2ステップアップ予告演出が実行される。このように、第1ステップアップ予告演出で最終的に表示されたキャラクタ画像と、第2ステップアップ予告演出で表示されるキャラクタ画像が一致するため、演出がわかりづらくなって遊技の興趣が低下することを抑制できる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図12、図13、図17に示すように第1ステップアップ予告演出においてステップ3(「C3」)まで到達した場合、第2ステップアップ予告演出においてはステップ3以上(「C3」、「C4」又は「C5」)まで演出態様が変化する。また、第1ステップアップ予告演出においてステップ5(「E5」)まで到達した場合、第2ステップアップ予告演出においてはステップ5(「E5」)まで演出態様が変化する。このように擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示後には、擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示前に到達したステップ以上となるステップアップ予告演出が実行されるので、擬似連チャンス目となる飾り図柄の停止表示後に期待感が下がってしまうのを防止できる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図13、図17に示すように第1ステップアップ予告演出においてステップ3(「C3」)まで到達した場合、第2ステップアップ予告演出において、キャラクタCの動画がステップ三つ分の期間再生される。また、第1ステップアップ予告演出においてステップ5(「C5」)まで到達した場合、第2ステップアップ予告演出において、キャラクタEの動画がステップ五つ分の期間再生される。このように第1ステップアップ予告演出で最終的に表示されたキャラクタ画像に対応して、第2ステップアップ予告演出において動画が再生されるので、演出がわかりづらくなって遊技の興趣が低下することを抑制できる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態においては、例えば図1に示すように、遊技盤2に1つの遊技領域を形成した。しかし、遊技盤2に形成される遊技領域は1つに限定されず、例えば遊技盤2に複数の遊技領域を形成してもよい。
図18は、変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。図18に示す遊技盤2の盤面上に形成された遊技領域には、画像表示装置5の天辺からみて左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域内における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右下方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方(画像表示装置5の右側方)に設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
この変形例では、通常状態(通常遊技状態)であるときには、右遊技領域2Bよりも左遊技領域2Aに向けて遊技球を発射した方が遊技者にとって有利であり、確変状態や、時短状態、大当り遊技状態(有利遊技状態)であるときには、左遊技領域2Aよりも右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射した方が遊技者にとって有利である。言い換えると、通常状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって不利となる。確変状態や、時短状態、大当り遊技状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となる。
つまり、通常状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域Aに向けて発射するよりも遊技者にとって不利となるのは、例えば普通入賞球装置6Aよりも普通可変入賞球装置6Bへの遊技球の進入確率が低くなることで、入賞の発生による賞球数が減少したとともに、可変表示の開始条件が成立しにくくなるためである。
また、確変状態や時短状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となるのは、例えば普通入賞球装置6Aへ遊技球が進入する場合よりも普通可変入賞球装置6Bへ遊技球が進入する場合の方がより有利な大当り遊技状態に制御される可能性が高いからである。大当り遊技状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となるのは、特別可変入賞球装置7の開放制御が行われるからである。
そこで、この変形例では、遊技状態に応じて、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する左打ち指示報知または右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知する右打ち指示報知のいずれかを行う。また、特に遊技状態の移行に伴って遊技球を発射すべき領域が変わる場合、遊技者がこれに気付かずにそのまま遊技球を打ち続けていると損をする虞があるため、遊技者に対し発射すべき領域を指示する報知を行う。
左打ち指示報知は、例えば「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや、左向き矢印を示す演出画像などを表示することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。この変形例では、確変状態や時短状態が終了した後、例えば、1回目〜3回目の飾り図柄の可変表示において、画像表示装置5における演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力により、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する左打ち指示報知が行われる。なお、確変状態や時短状態が終了した後、1回目、1回目〜2回目又は1回目〜4回目以上の飾り図柄の可変表示において、左打ち指示報知が行われるようにしてもよい。
この変形例では、例えば、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理において、時短状態を終了させる場合に、左打ち指示報知の実行を指示する左打ち指示報知コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行えばよい。演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が、図8に示すステップS171の可変表示開始設定処理において、左打ち指示報知コマンドを受信したか否かを判定し、左打ち指示報知コマンドを受信したと判定されたときに、1回目〜3回目の飾り図柄の可変表示において左打ち指示報知を実行するための設定を行えばよい。左打ち指示報知では、画像表示装置5における演出画像の表示などにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されればよい。
右打ち指示報知は、例えば「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージや、右向き矢印を示す演出画像などを表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知が行われるようにしてもよい。
この変形例では、例えば、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理において、大当りフラグがオンである場合に、右打ち指示報知の実行を指示する右打ち指示報知コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行えばよい。また、例えば、図3に示すステップS117の大当り終了処理において、時短状態に制御するための設定を行った場合に、右打ち指示報知コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行えばよい。演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が、図8に示すステップS171の可変表示開始設定処理において、右打ち指示報知コマンドを受信したか否かを判定し、右打ち指示報知コマンドを受信したと判定されたときに、右打ち指示報知を実行するための設定を行えばよい。右打ち指示報知では、画像表示装置5における演出画像の表示などにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に報知されればよい。
図19は、変形例における可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示中演出処理において、ステップS451〜ステップS453、ステップS454〜ステップS458、及びステップS461〜ステップS464は、上記実施の形態における図15に示す可変表示中演出処理の各ステップと同じ処理である。従って、以下では、上記実施の形態と同じ処理についての説明を省略し、異なる処理について説明する。
図19に示すステップS452にてステップアップ予告演出の実行がないと判定された場合や(ステップS452;No)、ステップS453の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、左打ち指示報知実行期間であるか否かを判定する(ステップS453a)。左打ち指示報知実行期間は、例えば左打ち指示報知に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS453aにて左打ち指示報知実行期間であると判定された場合(ステップS453a;Yes)、演出制御用CPU120は、左打ち指示報知を実行するための左打ち指示報知動作制御処理を実行する(ステップS453b)。
一例として、ステップS453bの処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データや、音声制御データ、ランプ制御データなど)に応じて、左打ち指示報知を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13などに対して伝送させればよい。より具体的には、左打ち指示報知を実行するときに、「左打ちに戻して!」といった演出画像を表示させるための表示制御指令を作成して表示制御部123へと伝送させたり、「左打ちに戻して!」といった音声を出力させるための効果音信号などを作成して音声制御基板13へと伝送させたりする。
ステップS453bの処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120などから伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給したり、所定の音声制御指令に応じて、音声制御基板13が所定の効果音信号を生成してスピーカ8L,8Rに供給したりすることにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する左打ち指示報知が行われる。
この変形例では、左打ち指示報知実行期間として、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示される時間である変動時間Tk(図17参照)よりも短い時間が設定されている。即ち、図17に示す変動時間T0から左打ち指示報知が開始され、変動時間Tkよりも前の時間に左打ち指示報知が終了するように設定されている。これにより、擬似連の可変表示演出が実行される飾り図柄の可変表示において左打ち指示報知が実行される場合、左打ち指示報知は、再変動演出が実行される以前に完了することとなる。
なお、左打ち指示報知実行期間として、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示される時間である変動時間Tkよりも長い時間が設定されていてもよい。この場合には、擬似連の可変表示演出が実行される飾り図柄の可変表示において、例えば、変動時間T0に開始された左打ち指示報知を、変動時間Tkで強制的に終了させてもよい。このようにすれば、左打ち指示報知は、再変動演出が実行されると同時に完了することとなる。
ステップS453aにて左打ち指示報知実行期間でないと判定された場合や(ステップS453a;No)、ステップS453bの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、右打ち指示報知実行期間であるか否かを判定する(ステップS453c)。右打ち指示報知実行期間は、例えば右打ち指示報知に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS453cにて右打ち指示報知実行期間であると判定された場合(ステップS453c;Yes)、演出制御用CPU120は、右打ち指示報知を実行するための右打ち指示報知動作制御処理を実行する(ステップS453d)。
一例として、ステップS453dの処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データや、音声制御データ、ランプ制御データなど)に応じて、右打ち指示報知を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させればよい。より具体的には、右打ち指示報知を実行するときに、「右打ちしてね!」といった演出画像を表示させるための表示制御指令を作成して表示制御部123へと伝送させるなどする。
ステップS453dの処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120などから伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給することなどにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知する右打ち指示報知が行われる。
ステップS453cにて右打ち指示報知実行期間でないと判定された場合や(ステップS453c;No)、ステップS453dの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、再変動演出(擬似連変動)を実行するための再変動演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS454)。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば確変状態や時短状態の終了後、1回目〜3回目の飾り図柄の可変表示において、再変動演出が実行される場合には、左打ち指示報知を、最初に再変動演出が行われる以前に完了する。このようにすれば、左打ち指示報知が行われているときに、再変動演出が行われて、左打ち指示報知への注目が損なわれることを防止することができる。
上記変形例では、普通可変入賞球装置6Bが右遊技領域2Bに設けられているものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、普通可変入賞球装置6Bは、図22に示すように、左遊技領域2Aに設けられていてもよい。この場合、大当り遊技状態が終了した後の飾り図柄の可変表示において、左打ち指示報知を行うようにすればよい。
上記変形例では、主基板11の側でCPU103が時短制御を終了するか否かの判定を行い、時短制御を終了すると判定された場合、左打ち指示報知コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信する。そして、演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が、左打ち指示報知コマンドを受信したことに応答して、左打ち指示報知を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が、時短制御を終了するか否かの判定を行い、時短制御を終了すると判定された場合に、左打ち指示報知を行うようにしてもよい。具体的には、演出制御用CPU120が、例えばRAM122などに設けられたサブ側時短回数カウンタにおける格納値(サブ側時短回数カウント値)を飾り図柄の可変表示が実行される毎に更新していき、更新後のサブ側時短回数カウント値が「0」となれば、時短制御を終了すると判定すればよい。あるいは、特図ゲームの開始時に主基板11から演出制御基板12に対して送信される背景指定コマンドに基づいて、時短制御が終了したか否かを判定してもよい。
上記変形例では、「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージなどの演出画像を表示することにより、左打ち指示報知や右打ち指示報知を行った。しかし、左打ち指示報知や右打ち指示報知は、演出画像を表示することに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでもよい。例えば、画像表示装置5の近傍に左打ち促進用LEDと右打ち促進用LEDとを設け、遊技状態に応じて、左打ち促進用LEDと右打ち促進用LEDとのうちいずれかを点灯することにより、左打ち指示報知や右打ち指示報知を行ってもよい。
上記実施の形態においては、例えば第1ステップアップ予告演出で到達した段階がステップ3である場合、第2ステップアップ予告演出において、キャラクタCが所定の動きを行う動画がステップ三つ分の期間再生されるように設定した。即ち、第2ステップアップ予告演出における動画の再生期間を、第1ステップアップ予告演出におけるステップ分の期間と同じ期間とした。しかし、動画の再生期間は、上記再生期間に限定されない。例えば、動画の再生期間を、第1ステップアップ予告演出におけるステップ分の期間よりも短い期間としてもよく、また長い期間としてもよい。また、動画を再生する代わりに、キャラクタ画像を表示してもよい。例えば、図13に示す第2ステップアップパターンSB3−3の「C3」の動画が再生されるパターンの代わりに、「C1」→「C2」→「C3」といった演出態様のパターンとしてもよい。
また、ステップアップ予告演出の実行中に、各ステップに対応して各ステップ数を示す画像を表示してもよい。このようにすれば、ステップアップ予告演出のどのステップが実行されているかを遊技者が認識し易くすることができる。特に、第2ステップアップ予告演出における動画の再生中に各ステップ数を示す画像を表示することで、動画が再生されている最中でも第2ステップアップ予告演出のどのステップであるかを遊技者が認識することができる。
上記実施の形態においては、例えばステップアップ予告演出の演出態様を、キャラクタ画像といった演出要素で構成した。しかし、演出要素はキャラクタ画像に限られない。例えば、演出要素を、数字の画像や、丸や三角といった図形の画像としてもよい。
上記実施の形態においては、ステップアップ予告演出で演出態様を1段階から5段階まで段階的に変化させた。しかし、ステップアップ予告演出における演出態様の最終変化段階は5段階に限定されない。例えば、ステップアップ予告演出における演出態様の最終変化段階を4段階以下にしてもよく、6段階以上にしてもよい。
上記実施の形態においては、例えば図11に示すように可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」とのいずれであるかに応じて、ステップアップ予告演出の実行の有無やステップアップ予告演出を実行する場合にステップ1〜ステップ5のうちどのステップまで演出態様を変化させるかの決定割合を異ならせた。しかし、例えば、可変表示結果が「大当り」の場合にさらに「大当り種別」に応じて、上記決定割合を異ならせても良い。また、現在の遊技状態が「時短状態」や「確変状態」などに応じて、上記決定割合を異ならせても良い。なお、例えば「可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」とのいずれであるかに応じて、ステップアップ予告演出の実行の有無の決定割合を異ならせる」には、可変表示結果が「大当り」のときにステップアップ予告演出を実行する割合と、可変表示結果が「ハズレ」のときにステップアップ予告演出を実行する割合とを、7割と3割とにする場合や8割と2割とにする場合の他、10割と0割とにする場合などを含む。これらは、テーブルの決定割合などで実現すればよい。
上記実施の形態においては、例えばステップS402のステップアップ予告演出決定処理において、第1及び第2ステップアップ予告演出を決定する場合や第3ステップアップ予告演出を決定する場合、図11に示すステップアップ予告演出決定テーブルを共通に用いて、ステップアップ予告演出の実行の有無などを決定した。しかし、第1及び第2ステップアップ予告演出を決定する場合や第3ステップアップ予告演出を決定する場合、異なるステップアップ予告演出決定テーブルを用いて、ステップアップ予告演出の実行の有無などを決定してもよい。例えば、図11に示すステップアップ予告演出決定テーブルとは異なるステップアップ予告演出決定テーブルを別途用意し、この別途用意したステップアップ予告演出決定テーブルを用いて、第3ステップアップ予告演出の実行の有無などを決定してもよい。
上記実施の形態においては、「擬似連」の可変表示演出において、再変動演出(擬似連変動)が1回行われることとしたが、再変動演出(擬似連変動)が2回〜3回行われることとしてもよい。この場合には、1回目の再変動演出が行われた後に実行されるステップアップ予告演出、即ち第2ステップアップ予告演出の演出態様を変更(例えば、枠の色の変更や背景の色の変更など)した演出態様で、2回目又は3回目の再変動演出が行われた後のステップアップ予告演出を実行すればよい。また、第2ステップアップ予告演出で再生する動画を複数種類(例えば3種類)用意し、1回目の再変動演出、2回目の再変動演出、3回目の再変動演出が行われた後に、それぞれ実行されるステップアップ予告演出において、再生される動画を異ならせてもよい。
上記実施の形態においては、第1ステップアップ予告演出と第2ステップアップ予告演出とを、擬似連の可変表示演出が実行される飾り図柄の可変表示において予告演出として実行した。しかし、第1ステップアップ予告演出と第2ステップアップ予告演出とを、先読み予告演出としてターゲットとなる可変表示が開始される前に実行してもよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告されるターゲットとなる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留データなどに基づいて実行可能となる予告演出である。例えば、ターゲットとなる可変表示が行われる前に実行される複数の可変表示に亘って第1ステップアップ予告演出と第2ステップアップ予告演出とを実行し、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示された保留記憶表示の表示態様を段階的に変化させてもよい。
上記実施の形態においては、ステップアップ予告演出を、大当り遊技状態となる可能性を予告する予告演出とした。しかし、ステップアップ予告演出は、大当り遊技状態となる可能性を予告する予告演出に限られない。例えば、ステップアップ予告演出を、可変表示結果が「大当り」となったあとに確変状態などの遊技状態になる可能性(例えば、大当り種別が「確変」になる可能性)を予告する予告演出としてもよい。この場合には、例えば、確変判定装置を設けてもよい。確変判定装置は、例えば、遊技球が進入しやすい進入容易状態(例えば、開放状態など)と遊技球が進入し難い進入困難状態(例えば、閉鎖状態や一部開放状態など)とに変化する領域(例えば、入賞口(アタッカーなど))を備える。確変判定装置の当該領域は、例えば、大当り遊技状態のラウンド遊技において、進入容易状態に変化するものであればよい。当該領域を通過した遊技球は確変判定装置内部に進入する。また、確変判定装置は、内部に、前記領域を通過した遊技球が進入可能な特定領域が設けられている(特定領域とともに非特定領域を設けてもよい。また、特定領域の方が非特定領域よりも遊技球が進入しやすい構造になっているとよい)。なお、賞球の払出は、入賞口、特定領域、非特定領域の少なくともいずれかに遊技球が進入したことに基づいて行われればよい。このようなパチンコ遊技機では、例えば、入賞口を通過した遊技球が特定領域に進入した場合には、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後に確変状態になる。そして、可変表示開始時には(大当り開始時などであってもよい。)、大当り種別の代わりに、前記領域を進入容易状態に変化させる態様を複数種類の態様(進入容易状態にする時間が異なる複数種類の態様)のうちから決定する(大当り種別と同様に、乱数値やテーブルを用いて決定すればよい)。決定した態様に応じて進入容易状態にする時間が異なることになるので、結果的に、決定された態様に応じて、その後に確変状態になるか否かの可能性が変化することになる。
上記実施の形態においては、ステップS501にてステップ1〜ステップ5のうちどのステップまで演出態様を変化させるかを決定し、この決定結果に基づいて、第1ステップアップ予告演出及び第2ステップアップ予告演出の演出態様を決定した。従って、第1ステップアップ予告演出及び第2ステップアップ予告演出の両方の演出を通して最終的にどのステップまで到達したかによって、可変表示結果が大当りとなる可能性が異なるように設定した。しかし、例えば、第1ステップアップ予告演出及び第2ステップアップ予告演出の両方の演出を通して最終的に到達したステップが同じであっても、演出態様の変化ルートによって可変表示結果が大当りとなる可能性が異なるように設定してもよい。例えば、第1ステップアップ予告演出においてステップ3まで到達し、第2ステップアップ予告演出においてステップ5まで到達するよりも、第1ステップアップ予告演出においてステップ5まで到達し、第2ステップアップ予告演出においてステップ5まで到達する方が、可変表示結果が大当りとなる可能性が高いように設定してもよい。即ち、第1ステップアップ予告演出において演出態様ができるだけ多く変化した方が、可変表示結果が大当りとなる可能性が高いように設定してもよい。その反対に、第1ステップアップ予告演出においてステップ5まで到達し、第2ステップアップ予告演出においてステップ5まで到達するよりも、第1ステップアップ予告演出においてステップ3まで到達し、第2ステップアップ予告演出においてステップ5まで到達する方が、可変表示結果が大当りとなる可能性が高いように設定してもよい。即ち、第2ステップアップ予告演出において演出態様ができるだけ多く変化した方が、可変表示結果が大当りとなる可能性が高いように設定してもよい。
上記実施の形態においては、擬似連変動は可変表示態様がリーチ態様となる以前に行われるものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、擬似連変動は可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものであってもよい。例えば、可変表示態様がリーチ態様なった後、操作ボタンの操作を促す演出画像を画像表示装置5に表示し、操作ボタンが操作されると、中図柄として擬似連専用図柄を停止表示させ、擬似連変動を行うものであればよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態や変形例で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
こうしたスロットマシンにおいて実行可能な予告演出として、上記実施の形態における第1ステップアップ予告演出や第2ステップアップ予告演出などが含まれていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、「背景予告」となる予告演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。