JP6200743B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
従来から、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、始動入賞口など)に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入したことに基づく始動条件が成立した後に、所定の開始条件が成立したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄など)の可変表示を行い、該識別情報の可変表示の表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機が知られている。
このような遊技機として、始動条件が成立したにも関わらず開始条件が成立していない識別情報の可変表示を特定可能に保留表示し、該保留表示についての可変表示結果を先読みして該保留表示の表示態様を変化させることで、可変表示結果を示唆する遊技機がある(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の遊技機では、保留表示の変化後の表示態様が複数あるとともに、複数の表示態様のうちいずれの表示態様に変化させるかの割合が先読みの結果に応じて異なっている。
特開2012−30080号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、保留表示の表示態様を変化させる場合には必ず先読みの結果が絡んでくるため、例えば、可変表示結果が特定表示結果となる可能性の高い表示態様へと保留表示の表示態様を複数回に分けて変化させていくといったように表示態様の変化の回数を増やすことには限界がある。従って、保留表示の表示態様を変化させづらく、遊技者の期待感を向上させることができなかった。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技者の期待感を向上させることができる遊技機の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
可変表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部など)と、
前記保留記憶手段に記憶された前記保留情報に対応して保留表示を行う保留表示手段(例えば、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに保留表示図柄を表示する画像表示装置5など)と、
可変表示の表示結果が導出されるまでに、前記有利状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(例えば、ステップS239の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103など)と、
前記事前決定手段による決定前に、前記有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段(例えば、ステップS407の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103など)と、
前記事前判定手段の判定結果に応じて、該事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する保留表示の表示態様を通常態様(例えば、表示色が青色で形状が丸といった表示態様など)とは異なる態様(例えば、表示色が黄、緑又は赤で形状が丸、四角又は三角といった表示態様など)とする特定演出(例えば、保留表示予告など)を実行する特定演出実行手段(例えば、ステップS513やステップS553の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記事前判定手段により前記有利状態に制御されると判定されたか否かに応じて異なる割合(例えば、図19、及び、図21又は図22に示す割合など)で前記保留表示の表示態様を第1特定態様(例えば図21又は図22の保留発生時の欄に記載された「赤:○」などの表示態様など)とする第1態様表示手段(例えば、ステップS513の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記事前判定手段により前記有利状態に制御されると判定されたか否かに関わらず所定の割合(例えば、図21又は図22の次変動の欄に記載された表示態様になる割合など)で、前記第1特定態様で行われている前記保留表示の表示態様を第2特定態様(例えば図21又は図22の次変動の欄に記載された「赤:□」などの表示態様など)に変化させる第2態様表示手段(例えば、ステップS705にて次変動の表示態様の変化を決定する処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
を含み、
前記第2態様表示手段は、予め定められたタイミングで前記保留表示の表示態様を前記第2特定態様に変化させ、
前記第1特定態様と前記第2特定態様とで前記有利状態に制御される割合が同じであり、
1回の可変表示において該可変表示の表示結果が導出されるまでに、前記保留表示の表示態様を複数回変化可能である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、判定の対象となった可変表示が開始されるまでに保留表示を多く変化させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する可変表示(例えば、図16(B)の第2始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号3に対応する可変表示など)が開始されるまで、可変表示が行われる毎(例えば、次変動、次次変動などといったように可変表示が実行される毎)に、該保留情報に対応する保留表示を変化させる、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、判定の対象となった保留情報に対応する可変表示が開始されるまで、可変表示が実行される毎に該保留情報に対応する保留表示が変化するため、遊技者の期待感を持続させることができる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、
前記事前判定手段により前記有利状態に制御されると判定されたか否かに応じて異なる割合(例えば、図19、及び、図21又は図22に示す割合など)で前記保留表示を前記第2特定態様(例えば「赤:□」の表示態様など)で行う第2態様表示手段(例えば、ステップS511にて保留表示変化パターンH3−19に決定されたことに基づいてステップS513の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記事前判定手段により前記有利状態に制御されると判定されたか否かに関わらず所定の割合(例えば、図21又は図22の次変動の欄に記載された表示態様になる割合など)で、前記第2特定態様で行われている前記保留表示を前記第1特定態様(例えば「赤:○」の表示態様など)に変化させる第1態様表示手段(例えば、ステップS511にて保留表示変化パターンH3−19に決定された後、ステップS705にて次変動の表示態様の変化を決定する処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
を含む、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、保留表示を変化させる演出を多様化することができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記第2態様表示手段は、前記第1特定態様で行われている前記保留表示の一部(例えば、表示色が赤色で形状が丸といった保留表示図柄の表示態様のうちの形状のみなど)を変更することにより、該保留表示を前記第2特定態様に変化させる、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、保留表示の変化の前後で保留表示のうち変更されない部分があるので、期待度を分かりやすくすることができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する保留表示の変化パターンを、所定の始動条件の成立時に決定する変化パターン決定手段(例えば、ステップS511の処理などを実行する演出制御用CPU120など)を備え、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する可変表示が開始されるまで、前記変化パターン決定手段によって決定された前記変化パターン(例えば、保留表示変化パターンH3−1〜H3−18、H4−1〜H4−18などのうちいずれかの変化パターン)に従って、該保留情報に対応する保留表示を変化させる(例えば、ステップS704にて保留表示図柄の表示態様を変化させる内容のデータであると判定された後(ステップS704;Yes)、ステップS705の処理などを実行する)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、保留表示の変化パターンの設計を容易化することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する保留表示を複数種類の特定態様のうちのいずれに変化させるかを、該判定の対象となった前記保留情報に対応する保留表示以外の保留表示に応じて決定する特定態様決定手段(例えば、特定態様で保留表示図柄が現在表示されている場合などには、当該保留表示図柄の現在の特定態様に応じて、ターゲットの保留表示図柄についての保留表示変化パターンを決定する処理を実行する演出制御用CPU120など)を備え、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する保留表示を、前記特定態様決定手段によって決定された前記特定態様に変化させる(例えば、決定した保留表示変化パターンに従って、ターゲットの保留表示図柄を変化させる)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、保留表示を好適に変化させることができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 乱数値MR1〜MR4を説明するための図である。 特図保留記憶部の構成例を示すブロック図である。 入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。 判定結果に応じた通知内容の設定例を示す説明図である。 始動口入賞指定コマンドなどを示す図である。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 特図表示結果決定テーブル、大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの構成例を示す説明図である。 変動パターンの決定例を示す図である。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞時コマンドバッファの構成例を示す図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。 保留表示変化パターン決定テーブルの決定例を示す図である。 保留表示図柄の変更タイミングなどの一例を示す説明図である。 保留表示変化パターン決定テーブルの構成例を示す図である。 保留表示変化パターン決定テーブルの構成例を示す図である。 予告バッファの構成例を示す図である。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 保留表示予告を実行した場合の演出画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(「保留表示」ともいう)が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(この実施の形態では「第1保留表示領域5Ha」という。)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(この実施の形態では「第2保留表示領域5Hb」という。)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、ボタン予告など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
この実施の形態では、予告演出として、保留表示の先読み予告演出(以下、保留表示予告という。)が実行される。保留表示予告は、予告対象(所謂先読みターゲット)となる可変表示に対応する保留表示図柄を、通常態様とは異なる特定態様の保留表示図柄で表示することによって、表示された保留表示図柄に対応する可変表示(予告対象の可変表示)において「大当り」となることを示唆する演出である。
この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様は、表示色と形状との組み合わせで構成されている。また、保留表示図柄の表示態様として、通常態様と特定態様とが用意されている。通常態様は、保留表示予告が実行されない通常のときの表示態様であり、例えば表示色が青色で形状が丸といった表示態様である。特定態様は、通常態様とは異なる表示態様であり、例えば表示色が黄、緑又は赤で形状が丸、四角又は三角といった表示態様である。また、表示色が青で形状が四角又は三角といった表示態様も特定態様に含まれる。なお、例えば、表示色が青で形状が丸の表示態様のことを「青色の丸印」、表示色が青で形状が四角の表示態様のことを「青色の四角印」、表示色が青で形状が三角の表示態様のことを「青色の三角印」といい、他の表示色の表示態様についても同様にいうこととする。この実施の形態では、一例として、特定態様のうち、黄色は、大当り期待度が低く設定され、緑色は、大当り期待度が中程に設定されており、赤色は、大当り期待度が高く設定されている。しかし、保留表示図柄の表示色が同じであれば、丸、四角、三角のうちいずれの形状の表示態様であっても大当り期待度が同じとなっている。
保留表示予告では、予告対象の可変表示が開始されるまでに、保留表示図柄の表示態様が複数回変化する。この実施の形態では、一例として、予告対象となる可変表示に対応する保留表示図柄が、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける各領域において3つ目又は4つ目に表示された場合、予告対象となる可変表示の前に実行される可変表示毎に当該保留表示図柄(ターゲットの保留表示図柄)の表示態様が変化する。
保留表示予告における保留表示図柄の表示態様の変化となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、可変表示結果が導出される前(「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rの全部にて飾り図柄が停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。このように、保留表示予告は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、保留表示図柄の表示態様を変化できるものであればよい。こうした保留表示予告を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。保留表示予告となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とが含まれていればよい(図5参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が進入しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値MR4を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図6(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図6(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報(「保留情報」ともいう)となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置とは、互いに対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域である第1保留表示領域5Haの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける第1保留表示領域5Haの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報(「保留情報」ともいう)となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置とは、互いに対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域である第2保留表示領域5Hbの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける第2保留表示領域5Hbの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否かを判定する処理である。入賞時乱数値判定処理は、後で詳述する。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図7は、入賞時乱数値判定処理として、図4のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図10)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図12)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、乱数値MR1が特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1の範囲内であるか否かの判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、特図表示結果が「ハズレ」となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示予告を実行するか否かや、保留表示予告を実行する場合における保留表示図柄の表示態様の変化パターンなどを決定することができる。
図7に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンで時短フラグがオフであるときには遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態(低確高ベース状態)であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であること、確変フラグと時短フラグがともにオンであるときには遊技状態が時短状態及び確変状態(高確高ベース状態)であることを、それぞれ特定すればよい。また、ステップS401では、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。特図プロセスフラグの値が、例えば、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には(ステップS402;No)、さらに時短制御中であるか否か(時短フラグがオン状態となっているか否か)を判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短制御中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8001」〜「9900」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8001」〜「8190」が大当り決定範囲として設定される(図11(A)参照)。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
この実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンド(演出制御コマンドの一例)を送信することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する。また、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンド(演出制御コマンドの一例)を送信することにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口に進入した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を進入した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、ステップS404、S407の処理による判定結果に応じて設定される(ステップS416)。図8は、ステップS416の処理による通知内容の設定例を示している。例えばステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、通知内容が「大当り判定あり」に設定される一方、ステップS407の処理にて大当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、通知内容が「ハズレ」に設定される。
図9(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS416の処理によって設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図9(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図9(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「大当り判定あり」を示している。コマンドB102HやコマンドB202Hは、通知内容が「ハズレ」を示している。
ステップS416の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを、その後に実行するコマンド制御処理において送信するための送信設定が行われる(ステップS417)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS416の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータを含む第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの送信設定を行うことにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドがその後のコマンド制御処理で送信される。
ステップS417の処理が行われ、その後にコマンド制御処理が行われることにより、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS417の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS418)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図9(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。第1保留記憶数が「1」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはコマンドC101Hとなり、第1保留記憶数が「2」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはコマンドC102Hとなり、第1保留記憶数が「3」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはC103Hとなり、第1保留記憶数が「4」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはC104Hとなる。同様に、第2保留記憶数が「1」から「4」のいずれかである場合には、第2保留記憶数通知コマンドはコマンドC201HからコマンドC204Hのうちの第2保留記憶数の数字に対応したいずれかとなる。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図7に示すステップS418の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS418の処理が行われ、その後にコマンド制御処理が行われることにより、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図7に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S412の処理を実行せずにステップS416の処理に進み、通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図11(A)に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図11(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。乱数値MR1と特図表示結果決定テーブルの決定値との比較は、逐一比較、または最小値や最大値との比較によって行えばよい(他の乱数値とテーブルの決定値との比較についても同じ。)。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図11(A)に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図11(B)に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図11(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「確変」と「非確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図11(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図12は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図13は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図12に示すステップS262の処理では、例えば予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図12に示すステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。複数のハズレ変動パターン決定テーブルでは、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(例えば「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図14(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2、PA3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。
図14(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2、PA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図14(B)に示す決定例において、スーパーAのリーチ演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2の決定割合は、スーパーBのリーチ演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3の決定割合よりも高くなるように設定されている。これに対して、図14(A)に示す決定例において、大当り種別が「非確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも高くなる一方、大当り種別が「確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図13に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図14(A)および(B)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度や確変期待度(可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる可能性)が高められる。
図12に示すステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図13に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で決定した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S263の処理で決定した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図3のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、ラウンド数計数用カウンタの値が「1」減らされ、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否か(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」であるか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」でない場合)に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したとき(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」になったとき)には、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
図15は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図15のコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータなどを確認することなどにより(以下、演出制御コマンドの受信の有無についての判定において同じ。)、始動入賞が発生したときに主基板11から伝送された、第1始動口入賞指定コマンド及び第1保留記憶数通知コマンドと、第2始動口入賞指定コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドと、のいずれかを受信したか否かを判定する(ステップS681)。
第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には(ステップS681;Yes)、図16(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドとを順番に記憶させる(ステップS682)。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには(ステップS681;Yes)、図16(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる(ステップS682)。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図7に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図16(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。なお、各バッファにおける各設定値については後述する。第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに(この実施の形態では、後述のステップS171の処理が実行されるごとに)、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図16(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、後述のステップS171において保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされる。保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドがある場合には、これら各コマンドも、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
なお、特別図柄の変動開始時に主基板11から送信される変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようする。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。
図16における第1始動口入賞指定コマンドの「B102(H)」は、始動入賞時の「ハズレ」を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C101(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において1つであることを示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C102(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において2つであることを示す。第2始動口入賞指定コマンドの「B202(H)」は、始動入賞時の「ハズレ」を示す。第2始動口入賞指定コマンドの「B201(H)」は、始動入賞時の「大当り判定あり」を示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C201(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において1つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において2つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C203(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において3つであることを示す。
第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示図柄の表示位置とが対応しており、これによって、始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。保留表示番号は、第1及び第2特図保留記憶部の保留番号とも基本的に対応する。
例えば、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第1保留表示領域5Haの左から1番目の第1の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第1保留表示領域5Haの左から2番目の第2の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第1保留表示領域5Haの左から3番目の第3の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第1保留表示領域5Haの左から4番目の第4の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第2保留表示領域5Hbの左から1番目の第1の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第2保留表示領域5Hbの左から2番目の第2の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第2保留表示領域5Hbの左から3番目の第3の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の第4の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の第4の表示位置に保留表示図柄が表示される。このとき、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されているはずなので、第2保留表示領域5Hbの左から1番目〜3番目(第1〜第3)の表示位置にも保留表示図柄が表示される。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファには、ターゲットフラグが各保留表示番号に対応して設けられている。詳しくは後述するが、ターゲットフラグは、保留表示番号とともに当該フラグに対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄がターゲットとして特定態様で表示されるときにオン状態になる。
図16の例では、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」に対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄がターゲットになっており、このターゲットの保留表示図柄の表示態様が現在又は将来的に特定態様になる。
ステップS682の処理のあと、又は、ステップS681で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、その他のコマンド解析処理を実行してから(ステップS689)、コマンド解析処理を終了する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理では、まず、保留表示設定処理(ステップS161)が実行される。
図18は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す保留表示設定処理において、演出制御用CPU120は、例えば第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS501)。そして、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)のうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファまたは第2始動入賞時コマンドバッファに、始動口入賞指定コマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、少なくともいずれか1つが新たに格納されているか否かを確認することにより、新たな受信コマンドの有無を判定できる。
ステップS502にて新たな受信コマンドがあると判定された場合(ステップS502;Yes)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS503)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504の処理では、例えば始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第1特図保留記憶数が「1」であることを通知する第1保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数と、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS502にて新たな受信コマンドがないと判定された場合や(ステップS502;No)、ステップS504にて正常受信でないと判定された場合(ステップS504;No)、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
また、ステップS504にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS504;Yes)、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドに含まれる始動口入賞指定コマンドが「入賞時判定制限中」を示すものであるか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505では、演出制御用CPU120は、始動口入賞指定コマンドが「B100H」又は「B200H」である場合に、「入賞時判定制限中」を示すものであると判定する。
ステップS505にて始動口入賞指定コマンドが「入賞時判定制限中」を示すものでないと判定された場合(ステップS505;No)、演出制御用CPU120は、特定態様で保留表示図柄が現在表示されているか、又は、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されているか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506では、演出制御用CPU120は、例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに設けられたターゲットフラグの状態をチェックして、オン状態になっているターゲットフラグがある場合に、特定態様で保留表示図柄が現在表示されている、又は、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていると判定すればよい。なお、ターゲットフラグは、保留表示図柄の表示態様を現在又は将来的に特定態様にする場合にオン状態になるものである。
ステップS506にて特定態様で保留表示図柄が現在表示されていない、かつ、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていないと判定された場合(ステップS506;No)、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファのうちの新たな受信コマンドが格納されている始動入賞時コマンドバッファに、受信コマンドが3つ以上格納されているか否か(保留記憶数が3つ以上であるか否か)を判定する(ステップS507)。
ステップS507にて受信コマンドが3つ以上格納されていると判定された場合(ステップS507;Yes)、演出制御用CPU120は、保留表示予告の実行の有無を決定する(ステップS508)。ステップS508の処理では、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告実行決定用の乱数値SR1(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示予告実行決定テーブルを参照することなどにより、保留表示予告の実行の有無を決定すればよい。保留表示予告実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、保留表示予告の実行の有無の決定結果に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR1と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、保留表示予告実行決定テーブルを参照することにより、前記の通知内容に応じて乱数値SR1に該当する決定値に割り当てられた「実行有り」又は「実行無し」のいずれかを決定結果とすればよい。
ステップS508の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS508の決定結果に基づいて、保留表示予告の実行があるか否かを判定する(ステップS509)。ステップS509にて保留表示予告の実行があると判定された場合(ステップS509;Yes)、演出制御用CPU120は、保留表示変化パターン決定テーブルを決定する(ステップS510)。
ステップS510の処理では、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示変化パターン決定テーブル決定用の乱数値SR2(例えば、「1」〜「200」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたテーブル(保留表示変化パターン決定テーブルを決定するためのテーブル)を参照することなどにより、保留表示変化パターン決定テーブルを決定すればよい。
図19は、保留表示変化パターン決定テーブルの決定例を示している。この決定例に示すように、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに応じて、保留記憶数が3である場合には保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1〜TBL3−3のいずれとするか、保留記憶数が4である場合には保留表示変化パターン決定テーブルTBL4−1〜TBL4−3のいずれとするかが、所定割合で決定されればよい。
一例として、図19に示すように、通知内容が「大当り判定あり」である場合、保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1〜TBL3−3(保留表示変化パターン決定テーブルTBL4−1〜TBL4−3)の決定割合は、TBL3−1(TBL4−1)が最も高く、TBL3−2(TBL4−2)が2番目に高く、TBL3−3(TBL4−3)が最も低くなるように設定されている。また、通知内容が「ハズレ」である場合、保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1〜TBL3−3(保留表示変化パターン決定テーブルTBL4−1〜TBL4−3)の決定割合は、TBL3−1(TBL4−1)が最も低く、TBL3−2(TBL4−2)が2番目に低く、TBL3−3(TBL4−3)が最も高くなるように設定されている。
ステップS510の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS510にて決定された保留表示変化パターン決定テーブルを用いて、保留表示変化パターンを決定する(ステップS511)。
前述したように保留表示予告では、予告対象の可変表示が開始されるまでに、保留表示図柄の表示態様を複数回変化させる。具体的には、図20(A)に示すように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ目の演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド)が格納されたとき、つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもよい。)の次の可変表示(次変動)及び次の次の可変表示(次次変動)において、前記3つ目の演出制御コマンドに対応する保留表示図柄(ターゲットであり、可変表示の実行ごとに表示位置が左にずれていく。)の表示態様を変化させる。
また、図20(B)のように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に4つ目の演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド)が格納されたとき(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもよい。)の次の可変表示(次変動)、次の次の可変表示(次次変動)、及び、次の次の次の可変表示(次次次変動)において、前記4つ目の演出制御コマンドに対応する保留表示図柄(ターゲットであり、可変表示の実行ごとに表示位置が左にずれていく。)の表示態様を変化させる。
保留記憶数が3である場合、ステップS511では、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動におけるターゲットの保留表示図柄の表示態様のパターン(保留表示変化パターン)を決定する。また、保留記憶数が4である場合、ステップS511では、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動、次次次変動におけるターゲットの保留表示図柄の表示態様のパターン(保留表示変化パターン)を決定する。
各保留表示変化パターン決定テーブルは、ROM121に予め記憶されて用意される。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示変化パターン決定用の乱数値SR3(例えば、「1」〜「300」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出する。保留表示変化パターン決定テーブルには、決定結果となる各保留表示変化パターンに、乱数値SR3と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU120は、図21〜図22の保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1〜TBL3−3、TBL4−1〜TBL4−3のいずれかを参照し、保留表示変化パターン決定用の乱数値SR3に合致する決定値に割り当てられている保留表示変化パターンH3−1〜H3−18、H4−1〜H4−18のいずれかを今回の保留表示変化パターンとして決定(選択)する。なお、各図では、各保留表示変化パターンに割り当てられる決定値の代わりに各保留表示変化パターンの決定割合が記載されている。また、TBL3−2、TBL3−3、TBL4−2、TBL4−3がかっこ書きa、bで記載されている。
図21〜図22において、「赤:○」は、赤色の丸印で表された保留表示図柄の表示態様を示す。「赤:□」は、赤色の四角印で表された保留表示図柄の表示態様を示す。「赤:△」は、赤色の三角印で表された保留表示図柄の表示態様を示す。また、「緑:○」、「緑:□」、「緑:△」、「黄:○」、「黄:□」、「黄:△」、「青:○」、「青:□」、「青:△」についても、上記と同様の表示態様を示す。図21〜図22における保留発生時の欄に記載された表示態様は、当該ターゲットの保留表示図柄の表示開始時(当該ターゲットの保留発生時)における保留表示図柄の表示態様である。次変動の欄に記載された表示態様は、次変動における保留表示図柄の表示態様である。次次変動の欄に記載された表示態様は、次次変動における保留表示図柄の表示態様である。次次次変動の欄に記載された表示態様は、次次次変動における保留表示図柄の表示態様である。
各保留表示変化パターン決定テーブルにおける決定割合は任意に設定可能である。但し、ターゲットの保留表示図柄の表示開始時(ターゲットの保留発生時)における保留表示図柄の色が、黄色である場合に大当り期待度が最も低く、緑色である場合に大当り期待度が次に低く、赤色である場合に大当り期待度が最も高くなるように、前記決定割合が設定される。
図21に示すように、保留表示変化パターンH3−1は、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動及び次次変動において表示態様が変化しないで「赤:○」の保留表示図柄が表示されるパターンとなっている。保留表示変化パターンH3−2は、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において表示態様が変化しないで「赤:□」の保留表示図柄が表示されるパターンとなっている。保留表示変化パターンH3−3は、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において「赤:△」の保留表示図柄に変化するパターンとなっている。保留表示変化パターンH3−4は、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において再び「赤:○」の保留表示図柄に変化するパターンとなっている。保留表示変化パターンH3−5は、保留発生時に「緑:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:○」の保留表示図柄に変化して、次次変動において「赤:△」の保留表示図柄に変化するパターンとなっている。保留表示変化パターンH3−6は、保留発生時に「緑:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「緑:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において「赤:○」の保留表示図柄に変化するパターンとなっている。なお、保留表示変化パターンH3−7〜H3−18についても、上記同様に図21に示すパターンとなっている。また、保留表示変化パターンH4−1〜H4−18についても、上記同様に図22に示すパターンとなっている。
上記したようにこの実施の形態では、ステップS510にて、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに応じて、保留表示変化パターン決定テーブルが決定される。ここで、例えば保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1に決定された場合、保留発生時に「赤:○」または「緑:○」といった特定態様の保留表示図柄が表示される。即ち、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに応じて、保留発生時に「赤:○」または「緑:○」といった特定態様の保留表示図柄が表示される。そして、次変動及び次次変動(保留記憶数が4である場合には、さらに次次次変動)では、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに関わらず、ターゲットの保留表示図柄が、「赤:□」や「赤:△」などといった特定態様、即ち保留発生時に表示された保留表示図柄の特定態様とは異なる特定態様の保留表示図柄に変化する。なお、保留表示変化パターンH3−4で示すように、次次変動において再び「赤:○」の保留表示図柄に変化する場合もある。
ステップS511の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS511にて決定した保留表示変化パターンに応じた設定をターゲットフラグ、予告バッファに対して行う(ステップS512)。具体的には、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)に対応するターゲットフラグをオン状態とするとともに(これによって、対応する保留表示図柄の表示態様が特定態様になりうる。)、決定した保留表示変化パターンの内容を、RAM122の所定領域に設けられた予告バッファに格納する。予告バッファは、図23のように、保留表示変化パターンの内容を変動毎に格納する。格納される保留表示変化パターンの内容は、表示態様や、変化前及び変化後の表示態様などであればよい。なお、ある変動において表示態様を変化させないときには、当該変動に対応する格納領域をブランク(空)としてもよい。予告バッファを見れば、保留表示変化パターンの内容が分かるように予告バッファの設定を行えばよい。
図23では、一例として、予告バッファの次変動に対応する保留表示変化パターンの内容は、「赤:○」から「赤:□」へ変化する内容となっており、次次変動に対応する保留表示変化パターンの内容は、「赤:□」から「赤:○」へ変化する内容となっている。従って、図23の予告バッファは、保留表示変化パターンH3−4に応じた設定がされた状態を示している。
ステップS512の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、決定した保留表示変化パターンのうちの保留発生時の欄の表示態様(例えば、「赤:○」など)で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS513)。ステップS513では、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
また、ステップS505にて始動口入賞指定コマンドが「入賞時判定制限中」を示すものであると判定された場合や(ステップS505;Yes)、ステップS506にて特定態様で保留表示図柄が現在表示されている、または、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていると判定された場合(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが3つ以上格納されていないと判定された場合(ステップS507;No)、ステップS509にて保留表示予告の実行がないと判定された場合(ステップS509;Yes)、演出制御用CPU120は、通常態様の表示態様(「青:○」)で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS514)。ステップS514では、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に通常態様の保留表示図柄を表示することを開始する。
ステップS513の処理を実行した後や、ステップS514の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
図17に示すステップS161の処理を実行したあと、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する(図17参照)。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の大入賞口開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口開放時処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。大入賞口開放時処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに大入賞口開放時処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
図24は、可変表示開始設定処理として、図17のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。
図25は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファから始動入賞時コマンドを読み出す(ステップS701)。演出制御用CPU120は、第1図柄変動開始指定コマンドが伝送されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファのうちの保留表示番号のうち最上位の「1」に対応する始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態を読み出す。演出制御用CPU120は、第2図柄変動開始指定コマンドが伝送されている場合には、第2始動入賞時コマンドバッファのうちの保留表示番号のうち最上位の「1」に対応する始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態を読み出す。
次に、予告バッファから、次変動に対応して格納された保留表示パターンの内容のデータを読み出す(ブランクの場合、予告バッファに内容が記憶されていない場合には何も読み出さない)(ステップS702)。
次に、ステップS702に続いて、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを読み出した方の始動入賞時コマンドバッファの記憶内容を1つずつ上位にシフトさせる(ステップS703)。ステップS703では、具体的には、演出制御用CPU120は、保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶された始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態をそれぞれ、保留表示番号「1」〜「3」にシフトさせる。また、ステップS703では、演出制御用CPU120は、予告バッファの次次変動、次次次変動に対応する内容のデータを、次変動、次次変動にそれぞれ対応させて格納させる。なお、予告バッファに保留表示パターンの内容のデータが格納されていない場合には、当該シフトを行わなくてもよい。
ステップS703の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS702で予告バッファから読み出した内容のデータが保留表示図柄の表示態様を変化させる内容(変化前と変化後の表示態様)のデータであるかを判定する(ステップS704)。ステップS704にて保留表示図柄の表示態様を変化させる内容のデータであると判定された場合(ステップS704;Yes)、演出制御用CPU120は、保留表示図柄の表示態様を変化させることを決定する(ステップS705)。
ステップS705の処理を実行した後や、ステップS704にて保留表示図柄の表示態様を変化させる内容のデータでないと判定された場合(ステップS704;No)、演出制御用CPU120は、上記で決定した決定内容に応じた演出制御パターンを今回使用する使用パターンとして設定する(ステップS706)。ここでは、たとえば、保留表示図柄の表示態様の変化、可変表示中演出(リーチ演出や可変表示演出や予告演出)ごとに演出制御パターンが用意され、これら演出制御パターンがステップS706で適宜組み合わされて1つの演出制御パターンとして設定されてもよい。
ステップS706では、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS705にて保留表示図柄の表示態様を変化させることを決定した場合、ステップS702で予告バッファから読み出した内容で保留表示図柄の表示態様を変化させる演出制御パターンを設定する。
設定される演出制御パターンは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンで飾り図柄の可変表示を実行する演出制御パターンである。また、設定される演出制御パターンは、第1保留表示領域5Ha(第1変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第1変動開始指定コマンドを受信している場合)又は第2保留表示領域5Hb(第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第2変動開始指定コマンドを受信している場合)に表示させている保留表示図柄のうち最も左側の表示位置に表示していた保留表示図柄を消去させ、かつ、同じ保留表示領域のその他の表示位置に保留表示図柄が表示されている場合には当該保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動表示させるものでもある。この移動表示は、飾り図柄の可変表示の開示時に行われる。なお、保留表示図柄の移動表示の際には、その表示態様が維持されるが、ステップS702で予告バッファから読み出した内容が保留表示図柄の表示態様を変化させるものである場合には、その内容に従って、移動表示させる際に保留表示図柄の表示態様を、その内容が示す変化後の表示態様に変化させるようにする。
ステップS711の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を終了する。
図24に示すステップS530にて演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
図26は、可変表示中演出処理として、図17のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、保留表示図柄の表示態様変化期間であるか否かを判定する(ステップS552)。保留表示図柄の表示態様変化期間は、例えば図25に示すステップS705の処理により決定された保留表示図柄の表示態様の変化の演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて保留表示図柄の表示態様変化期間であると判定されたときには(ステップS552;Yes)、保留表示図柄の表示態様の変化を実行するための保留表示図柄の表示態様変化動作制御を行う(ステップS553)。
ステップS552にて保留表示図柄の表示態様変化期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。
ステップS554にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS556)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS571)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS571にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS572)。ステップS572の処理の後、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。その後、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS574)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、保留表示予告を実行した場合の演出画面について図27を参照して説明する。例えば、図27(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、第1保留表示領域5Haには、第1特図ゲームについて保留されている可変表示などに対応する保留表示図柄が3つ表示されている。第1保留表示領域5Haに表示されている3つの保留表示図柄S1の表示態様は、全て青色の丸印(通常態様)となっている。また、第2保留表示領域5Hbには、第2特図ゲームについて保留されている可変表示などに対応する保留表示図柄が3つ表示されている。第2保留表示領域5Hbの一番左側の第1の表示位置及び第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に表示された保留表示図柄S1の表示態様は、青色の丸印(通常態様)となっている。第2保留表示領域5Hbの第2の表示位置の右側に位置する第3の表示位置に表示された保留表示図柄A1の表示態様は、赤色の丸印(特定態様)となっている。なお、第2保留表示領域5Hbの第3の表示位置に表示された保留表示図柄A1は、図18のステップS511の処理において保留表示変化パターンH3−1〜H3−4のいずれかに決定されたことにより、保留発生時の表示態様である赤色の丸印で表示されたものである。
図27(B)に示すように、確定飾り図柄が停止表示された後、図27(C)に示すように、次回の飾り図柄の可変表示が実行されると、第2保留表示領域5Hbの一番左の表示位置である第1の表示位置に表示された保留表示図柄S1が消えるとともに、第2保留表示領域5Hbの第2の表示位置に表示されている保留表示図柄S1及び第3の表示位置に表示されている保留表示図柄A1が1つ左の表示位置(第1の表示位置及び第2の表示位置)に移動する。また、第3の表示位置に表示されている保留表示図柄A1が第2の表示位置に移動するとともに、赤色の丸印の保留表示図柄A1が、赤色の四角印の保留表示図柄A2に変化する。
図27(D)に示すように、確定飾り図柄が停止表示された後、図27(E)に示すように、次次回の飾り図柄の可変表示が実行されると、第2保留表示領域5Hbの一番左の表示位置である第1の表示位置に表示された保留表示図柄S1が消えるとともに、第2保留表示領域5Hbの第2の表示位置に表示されている保留表示図柄A2が1つ左の表示位置(第1の表示位置)に移動する。また、第2の表示位置に表示されている保留表示図柄A2が第1の表示位置に移動するとともに、赤色の四角印の保留表示図柄A2が、赤色の三角印の保留表示図柄A3に変化する。
そして、図27(F)に示すように、確定飾り図柄が停止表示された後、図27(D)に示すように、次次次回の飾り図柄の可変表示が実行されると、第2保留表示領域5Hbの一番左の表示位置である第1の表示位置に表示された保留表示図柄A3が消える。そして、次に確定飾り図柄が停止表示された後、飾り図柄の可変表示が実行される場合には、第1保留表示領域5Haの一番左の表示位置である第1の表示位置に表示された保留表示図柄S1が消えるとともに、第1保留表示領域5Haの第2の表示位置に表示されている保留表示図柄S1及び第3の表示位置に表示されている保留表示図柄S1が1つ左の表示位置(第1の表示位置及び第2の表示位置)に移動することとなる。
なお、図27では、第2保留表示領域5Hbの第3の表示位置に赤色の丸印の保留表示図柄A1が表示され、次回の飾り図柄の可変表示において赤色の丸印の保留表示図柄A1が赤色の四角印の保留表示図柄A2に変化し、次次回の飾り図柄の可変表示において赤色の四角印の保留表示図柄A2が赤色の三角印の保留表示図柄A3に変化したので、保留表示変化パターンH3−3の保留表示予告が実行されたことになる。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えばステップS510にて、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに応じて、保留表示変化パターン決定テーブルが決定される。例えば保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1に決定された場合、保留発生時に「赤:○」といった特定態様の保留表示図柄が表示される。即ち、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに応じて、保留発生時に「赤:○」といった特定態様の保留表示図柄が表示される。そして、次変動及び次次変動(保留記憶数が4である場合には、さらに次次次変動)では、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」であるか、通知内容が「ハズレ」であるかに関わらず、ターゲットの保留表示図柄が、「赤:□」や「赤:△」などといった特定態様、即ち保留発生時に表示された保留表示図柄の特定態様とは異なる特定態様の保留表示図柄に変化する。従って、判定の対象となった可変表示が開始されるまでに保留表示図柄の表示態様を多く変化させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図20(A)に示すように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ目の演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド)が格納されたとき、つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示の次の可変表示(次変動)及び次の次の可変表示(次次変動)において、前記3つ目の演出制御コマンドに対応する保留表示図柄の表示態様を変化させる。このように判定の対象となった可変表示が開始されるまで、可変表示毎に保留表示図柄の表示態様が変化するため、遊技者の期待感を持続させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図21に示すように保留表示変化パターンH3−4は、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において再び「赤:○」の保留表示図柄に変化するパターンとなっている。そして、ステップS511にて保留表示変化パターンH3−4に決定された場合、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において再び「赤:○」の保留表示図柄に変化する。このように再び「赤:○」の保留表示図柄に変化させるので、保留表示図柄の表示態様を変化させる演出を多様化することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば保留表示図柄の表示態様を変化させるときには、「赤:○」の表示態様を「赤:□」や「赤:△」の表示態様に変化させるといったように、表示色と形状との組み合わせで構成される表示態様のうちの形状のみを変更する。従って、保留表示図柄の表示態様の変化の前後で表示態様のうち変更されない部分(上記の例でいうと表示色である赤)があるので、期待度を分かりやすくすることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、図21や図22に示すような保留表示変化パターン決定テーブルが予め用意されており、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、ステップS511にて保留表示変化パターンH3−1〜H3−18、H4−1〜H4−18などのうちいずれかの変化パターンを決定する。そして、決定された保留表示変化パターンに従って、保留表示図柄の表示態様を変化させる。このように保留表示変化パターン決定テーブルを予め用意しておくことができるため、保留表示図柄の表示態様の変化パターンの設計を容易化することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態においては、例えばステップS506にて特定態様で保留表示図柄が現在表示されている、または、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていると判定された場合(ステップS506;Yes)、一律に通常態様の表示態様(「青:○」)で、保留表示図柄の表示を開始した(ステップS514)。しかし、例えば、特定態様で保留表示図柄が現在表示されている場合には、当該保留表示図柄の現在の特定態様に応じて、ターゲットの保留表示図柄についての保留表示変化パターンを決定し、決定した保留表示変化パターンに従って、ターゲットの保留表示図柄の表示態様を変化させてもよい。また、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されている場合には、当該保留表示図柄の変化した後の特定態様に応じて、ターゲットの保留表示図柄についての保留表示変化パターンを決定し、決定した保留表示変化パターンに従って、ターゲットの保留表示図柄の表示態様を変化させてもよい。この場合には、ステップS506にて特定態様で保留表示図柄が現在表示されている、または、特定態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていると判定されたときに使用するテーブル(保留表示変化パターン決定テーブルを決定するためのテーブル)を別途用意しておけばよい。このようにすればターゲットの保留表示図柄の表示態様の変化を、ターゲットの保留表示図柄以外の保留表示図柄の表示態様に応じて決定するので、保留表示図柄の表示態様を好適に変化させることができる。
上記実施の形態では、図21又は図22の保留表示変化パターン決定テーブルに示すように、保留発生時に表示される保留表示図柄の表示態様を、「赤:○」などといったように形状が全て丸の表示態様で構成した。しかし、例えば、図21又は図22の保留表示変化パターン決定テーブルにおける保留発生時に表示される保留表示図柄の表示態様のうち一部又は全部の表示態様を、「赤:□」や「赤:△」などといったように形状が四角や三角の表示態様に変更してもよい。また、図21又は図22の保留表示変化パターン決定テーブルに、さらに、保留発生時に表示される保留表示図柄の表示態様が「赤:□」や「赤:△」などといったように形状が四角や三角の表示態様となる保留表示変化パターンを用意してもよい。
例えば、保留発生時に「赤:□」の保留表示図柄を表示したあと、次変動において「赤:○」の保留表示図柄に変化して、次次変動において「赤:△」の保留表示図柄に変化する保留表示変化パターンH3−19を用意してもよい。この保留表示変化パターンH3−19を、例えば、図21に示す保留表示変化パターンH3−1などと置き換えてもよく、保留表示変化パターンH3−19を保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1に新たに追加してもよい。そして、ステップS511にて保留表示変化パターンH3−19に決定されることにより、保留発生時に「赤:□」の保留表示図柄が表示される。次変動で、ターゲットの保留表示図柄(「赤:□」の保留表示図柄)が、「赤:○」の保留表示図柄に変化する。そして、次次変動で、ターゲットの保留表示図柄(「赤:○」の保留表示図柄)が、「赤:△」の保留表示図柄に変化する。なお、例えば、保留発生時に「赤:□」の保留表示図柄を表示したあと、次変動において「赤:○」の保留表示図柄に変化して、次次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化する保留表示変化パターンや、保留発生時に「赤:□」の保留表示図柄を表示したあと、次変動において表示態様が変化しないで「赤:□」の保留表示図柄を表示し、次次変動において「赤:○」の保留表示図柄に変化する保留表示変化パターンなどを用意してもよい。
このようなパチンコ遊技機1によれば、例えば保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:○」の保留表示図柄が「赤:□」の保留表示図柄に変化するパターンの他に、保留発生時に「赤:□」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄が「赤:○」の保留表示図柄に変化するパターンがあるので、保留表示図柄の表示態様を変化させる演出を多様化することができる。
上記実施の形態においては、予告対象となる可変表示に対応する保留表示図柄が、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける各領域において3つ目又は4つ目に表示された場合、予告対象となる可変表示の前に実行される可変表示毎に当該保留表示図柄(ターゲットの保留表示図柄)の表示態様を変化させた。しかし、表示態様を変化させるターゲットの保留表示図柄は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける各領域において3つ目又は4つ目に表示されたものに限られない。例えば、保留表示図柄が始動入賞記憶表示エリア5Hにおける各領域において2つ目に表示された場合に、予告対象となる可変表示の1つ前に実行される可変表示にて当該保留表示図柄(ターゲットの保留表示図柄)の表示態様を変化させてもよい。
上記実施の形態においては、1回の可変表示でターゲットの保留表示図柄の表示態様を1回変化させたが、ターゲットの保留表示図柄の表示態様の変化回数を変更してもよい。例えば、1回の可変表示でターゲットの保留表示図柄の表示態様を複数回変化させてもよく、複数回の可変表示でターゲットの保留表示図柄の表示態様を1回変化させてもよい。
また、上記実施の形態においては、予告対象となる可変表示の前に実行される可変表示毎にターゲットの保留表示図柄の表示態様を変化させたが、例えば、予告対象となる可変表示の前に実行される可変表示において画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄が停止する毎に、ターゲットの保留表示図柄の表示態様を変化させてもよい。
上記実施の形態においては、例えば保留表示変化パターンH3−4のように、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示されたあと、次変動において「赤:□」の保留表示図柄に変化して、次次変動において再び「赤:○」の保留表示図柄に変化するパターンを用意した。しかし、保留発生時に表示される保留表示図柄に戻るパターンを用意しないで、例えば、保留表示変化パターンH3−1〜H3−3、H3−5〜H3−6、H4−1〜4−3、H4−5〜H4−6だけを用意しておいてもよい。
また、例えば保留表示変化パターン決定テーブルTBL3−1では、保留発生時に「赤:○」または「緑:○」といった特定態様の保留表示図柄が表示される保留表示変化パターンを用意したが、例えば、保留発生時に「赤:○」の保留表示図柄が表示される保留表示変化パターンだけを用意してもよい。
上記実施の形態においては、表示態様の構成の1つである表示色を、青、黄、緑又は赤としたが、表示態様の表示色は上記の色に限られない。例えば、表示態様の表示色を、白や灰、虹などとしてもよい。また、表示態様の構成の1つである形状を、丸、四角又は三角としたが、表示態様の形状は上記の形状に限られない。例えば、表示態様の形状を三日月や半月、星などとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、保留表示図柄の表示態様を、表示色と形状との組み合わせで構成したが、保留表示図柄の表示態様の構成は、上記組み合わせに限られない。例えば、保留表示図柄の表示態様を、表示色とキャラクター画像との組み合わせで構成してもよい。具体的には、表示態様の構成を、赤色の丸印の中にキャラクターA、キャラクターB又はキャラクターCの画像が描かれた構成とすればよい。この場合には、例えば赤色の丸印の中に描かれたキャラクターを変更することにより、表示態様を変化させればよい。
上記実施の形態においては、例えば図21の保留表示変化パターンH3−3、H3−9及びH3−15のように、表示色を、保留表示変化パターンH3−3が赤、保留表示変化パターンH3−9が緑、保留表示変化パターンH3−15が黄といったように変化パターンによってそれぞれ異なるように設定した。また、形状を、保留発生時が丸、次変動が四角、次次変動が三角といったようにいずれの変化パターンにおいても同じとなるように設定した。しかし、例えば表示色が赤のときには、形状が丸、四角、三角へと変化し、表示色が緑のときには、形状が三日月、半月、星へと変化するなどといったように、表示色によって形状を異なるように設定してもよい。
上記実施の形態においては、例えばステップS211の入賞時乱数値判定処理において予告対象の可変表示における可変表示結果が「大当り」となるか否かを判定し、その判定結果に応じて、通常態様又は特定態様の表示態様で保留表示図柄を表示した。しかし、例えばステップS211の入賞時乱数値判定処理において予告対象の可変表示における飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となるか否かを判定したり、可変表示結果が「大当り」となる場合において大当り種別が「確変」となるか否かを判定したりして、その判定結果に応じて、通常態様又は特定態様の表示態様で保留表示図柄を表示してもよい。
上記実施の形態においては、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したとき、即ち始動条件が成立したときに、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動(保留記憶数が4である場合には、さらに次次次変動)におけるターゲットの保留表示図柄の表示態様のパターン(保留表示変化パターン)を決定した。しかし、保留表示図柄の変化後の表示態様を決定するタイミングは、始動条件が成立したときに限られない。例えば、次変動の開始時や次次変動の開始時などといったタイミングで保留表示図柄の変化後の表示態様を決定する。また、例えば、複数回の変動(可変表示)に保留表示図柄の表示態様を1回変化させるような場合には、保留表示図柄の表示態様を変化させる変動の開始時といったタイミングで保留表示図柄の変化後の表示態様を決定する。このように保留表示図柄の変化タイミング毎に保留表示図柄の変化後の表示態様を決定してもよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態や変形例で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
5H … 始動入賞記憶表示エリア
5Ha、5Hb … 保留表示領域
5L、5C、5R … 飾り図柄表示エリア
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
25A、25B、25C … 保留表示器
41 … 通過ゲート
81、82 … ソレノイド
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
110 … スイッチ回路
111 … ソレノイド回路
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
S1 … 保留表示図柄(青色の丸印)
A1 … 保留表示図柄(赤色の丸印)
A2 … 保留表示図柄(赤色の四角印)
A3 … 保留表示図柄(赤色の三角印)

Claims (1)

  1. 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    可変表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶手段と、
    前記保留記憶手段に記憶された前記保留情報に対応して保留表示を行う保留表示手段と、
    可変表示の表示結果が導出されるまでに、前記有利状態に制御するか否かを決定する事前決定手段と、
    前記事前決定手段による決定前に、前記有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段と、
    前記事前判定手段の判定結果に応じて、該事前判定手段による判定の対象となった前記保留情報に対応する保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様とする特定演出を実行する特定演出実行手段と、
    を備え、
    前記特定演出実行手段は、
    前記事前判定手段により前記有利状態に制御されると判定されたか否かに応じて異なる割合で前記保留表示の表示態様を第1特定態様とする第1態様表示手段と、
    前記事前判定手段により前記有利状態に制御されると判定されたか否かに関わらず所定の割合で、前記第1特定態様で行われている前記保留表示の表示態様を第2特定態様に変化させる第2態様表示手段と、
    を含み、
    前記第2態様表示手段は、予め定められたタイミングで前記保留表示の表示態様を前記第2特定態様に変化させ、
    前記第1特定態様と前記第2特定態様とで前記有利状態に制御される割合が同じであり、
    1回の可変表示において該可変表示の表示結果が導出されるまでに、前記保留表示の表示態様を複数回変化可能である、
    ことを特徴とする遊技機。
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