JP7375316B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は遊技機に関するものである。
例えばパチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球の払い出し等を行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2004-81853号公報
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、
前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域と、
第1遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過する場合に、前記第1遊技状況において遊技球が前記第1領域を通過する場合よりも遊技者にとって有利であることを可能とする第1手段と、
前記第1遊技状況とは異なる第2遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過する場合に、前記第2遊技状況において遊技球が前記第1領域を通過する場合よりも遊技者にとって不利であることを可能とする第2手段と、
を備え、
前記第1遊技状況において前記第1発射操作が行われ、遊技球が前記第1領域を通過する場合に、第1特典が付与可能となり得るように構成されており、
前記第1遊技状況において前記第2発射操作が行われ、遊技球が前記第2領域を通過する場合に、前記第1特典と、前記第1特典とは異なる第2特典とが付与可能となり得るように構成されており、
前記第1遊技状況において前記第2発射操作が行われ、当該第1遊技状況の終了より後に前記第2遊技状況となった状況にて、遊技球を前記第1領域に通過させることに対応した特定報知が実行されることを可能とする手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を高めることが可能となる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 (a)は遊技盤ユニットを示す正面図、(b)は普電役物の断面図である。 案内通路部の正面図である。 (a)は閉鎖状態である場合の可変入賞装置の断面図、(b)は開放状態である場合の可変入賞装置の断面図である。 (a)は開閉扉を省略した状態での可変入賞装置の正面図、(b)は開放状態である場合の可変入賞装置の斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 大当たり種別テーブルの説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 (a)は変動開始処理を示すフローチャート、(b)は大当たり用の停止結果テーブルの説明図である。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 V入賞用処理を示すフローチャートである。 各ラウンド用の設定処理を示すフローチャートである。 上限数振分テーブルの説明図である。 開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード中の遊技の流れを説明するための説明図である。 開閉実行モード中の遊技の流れを説明するための説明図である。 第2の実施の形態に係る演出制御装置のMPUにて実行される開閉実行モード用演出処理を示すフローチャートである。 待機期間用処理を示すフローチャートである。 ラウンド開始用処理を示すフローチャートである。 ラウンド中用処理を示すフローチャートである。 ラウンド終了用処理を示すフローチャートである。 表示画面の表示例を示す概略図である。 開閉実行モード中の遊技演出の流れを説明するための説明図である。 第3の実施の形態に係る可変入賞装置の通路構造を示す図である。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 転落入賞用処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 各ラウンド用の設定処理を示すフローチャートである。 (a)は上限数振分テーブルの説明図、(b)は開閉パターンテーブルの説明図である。 開放中用処理を示すフローチャートである。 ラウンド更新用又はエンディング開始用処理を示すフローチャートである。 (a)はシャッタ駆動用処理を示すフローチャート、(b)はシャッタの動作態様を説明するための説明図である。 (a)は開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャート、(b)は大当たり種別テーブルの説明図である。 開閉実行モード中の遊技の流れを説明するための説明図である。 開閉実行モード中の遊技の流れを説明するための説明図である。 開閉実行モード中の遊技の流れを説明するための説明図である。 第4の実施の形態に係る可変入賞装置の通路構造を示す図である。 閉鎖状態にある場合の可変入賞装置の正面図である。 (a)は大当たり種別テーブルの説明図、(b)はシャッタ用振分テーブルの説明図、(c)はシャッタの動作態様を説明するための説明図である。 通常処理を示すフローチャートである。 V振分用処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 上限数振分テーブルの説明図である。 V入賞用処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード中の遊技の流れを説明するための説明図である。 開閉実行モード中の表示画面の表示例を示す概略図である。 開閉実行モード中の表示画面の表示例を示す概略図である。 (a)は通路構造の他の例を示す図、(b)は(a)のB-B線断面図である。 通路構造の他の例を示す図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域PEの下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域PEに向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域PEに向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。本パチンコ機10では、発射ハンドル60が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。
遊技領域PEは、内枠13に搭載された遊技盤ユニット24に形成されている。以下、遊技盤ユニット24(特に遊技盤24aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4(a)は遊技盤ユニット24の正面図である。
遊技盤ユニット24は、例えば透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤24aを備えている。遊技盤24aの周縁部には、上記板材の表面から遊技機前方に突出するようにして不透明な遊技領域区画部材(スペーサ)301が取り付けられている。遊技領域区画部材301は、その内側に略楕円形状の開口部を有する枠状をなしており、当該開口部を通じて遊技盤24a(板材)の表面が遊技機前方から視認可能となっている。また、上記板材の表面には、遊技領域区画部材301の開口部に沿うようにして外レール部52が取り付けられ、さらに外レール部52の内側には、遊技盤24aの左側部及び下部にかけて内レール部51が取り付けられている。
これら遊技領域区画部材301、内レール部51及び外レール部52は、前扉枠14又は窓パネル62と対向しており、それらとの隙間が遊技球の直径未満となるように突出量が設定されている。これにより、遊技領域区画部材301、内レール部51及び外レール部52を遊技球が乗り越えて遊技盤24aの外側に飛び出すことが防止されている。すなわち、遊技領域区画部材301、内レール部51及び外レール部52によって遊技領域PEが区画されている。また、内レール部51及び外レール部52により遊技領域PEへの遊技球の誘導レール54が構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構53から発射された遊技球は、上記誘導レール54によって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レール54は、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PEの上部における遊技球の到達位置は、誘導レール54の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール54の出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤24aにおいて遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口(又は第1始動入球部)33、第2作動口(又は第2始動入球部)34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図用表示部43及び普図用表示部44等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合には4個の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には3個の払い出しが実行される。また、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口33に係る賞球個数と第2作動口34に係る賞球個数とが同数となる構成としてもよいし、第2作動口34に係る賞球個数の方が第1作動口33に係る賞球個数よりも多い構成としてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の作動口等に係る賞球個数と同数又は少ない構成としてもよい。
遊技盤24aの最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。アウト口37に遊技球が入球しても賞球の払い出しはなされない。また、遊技盤24aには、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部(センターフレーム302)が遊技盤24aの表面よりも遊技機前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいてセンターフレーム302の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続しセンターフレーム302よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続しセンターフレーム302よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続しセンターフレーム302よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
これら各領域PE1~PE4のうちのどの領域を遊技領域が流下(通過)するかは、発射ハンドル60の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。具体的には、遊技者が所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射ハンドル60の回動操作を行った場合には、発射された遊技球が、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方に打ち出されやすくなる。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技領域PEを流下することとなる。
一方、遊技者が基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で発射ハンドル60の回動操作を行った場合には、発射された遊技球が、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方に打ち出されやすくなる。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、発射ハンドル60の回動操作量を調整することで、遊技球が左側領域PE2を流下する左ルートで遊技するのか、それとも、遊技球が右側領域PE3を流下する右ルートで遊技するのかを、遊技者が選択することが可能となっている。
なお、所定回動量とは、発射された遊技球が誘導レール54を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量であり、基準回動量とは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一又は略同一となる回動操作量である。第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。
第1作動口33は、下側領域PE4に設置されている。第1作動口33は上向きに開放されており、1個の遊技球が入賞可能な大きさとなっている。なお、第1作動口33には当該第1作動口33を開閉するための部材が設けられておらず、常時開放した状態となっている。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では、遊技状態に依存することなく第1作動口33への入賞確率は一定となっている。また、第1作動口33はセンターフレーム302に形成されたステージの真下に配置されており、センターフレーム302に形成された誘導通路を介してステージ上に流入した遊技球であってステージの中央からセンターフレーム302外に排出される遊技球が第1作動口33に入賞し易くなっている。第1作動口33には第1作動口用入賞センサ33aが設けられており、当該入賞センサ33aにより第1作動口33に入賞した遊技球が検知される。
ここで、第1作動口33については、左ルートを流下する遊技球が入賞可能となり(到達可能であり)、右ルートを流下する遊技球は入賞しない(到達しない)ようになっている。すなわち、左側領域PE2、右側領域PE3及び下側領域PE4における遊技部品や釘38の配列が、左側領域PE2を流下した遊技球が第1作動口33に到達することを許容するように構成されている一方、右側領域PE3を流下した遊技球が第1作動口33に到達することを許容しないように構成されている。故に、遊技者が第1作動口33への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
第2作動口34は、右側領域PE3に設置されている。第2作動口34は、前方に開口しており、遊技機前方からの正面視において横長の長方形状をなしている。第2作動口34の大きさは、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。第2作動口34には、当該第2作動口34を開閉するための普電役物303が設けられている。普電役物303は、図4(b)に示すように、第2作動口34を遊技機前方から覆うことが可能な板状の開閉扉303aと、開閉扉303aと接続された普電用の駆動部303bとを備えている。開閉扉303aは、第2作動口34を遊技機前方から覆う閉鎖位置と、当該閉鎖位置から前方に回動し、第2作動口34を開放する開放位置とに切り換わり可能に構成されている。開閉扉303aが閉鎖位置に配置される閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では、遊技球が第2作動口34に入賞できず、開閉扉303aが開放位置に配置される開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで第2作動口34への入賞が可能となる。第2作動口34には、当該第2作動口34に入賞した遊技球が必ず通過する箇所に第2作動口用入賞センサ34aが設けられており、当該入賞センサ34aにより第2作動口34に入賞した遊技球が検知される。
なお、開閉扉303aの閉鎖状態は、第2作動口34への入賞を不可とするものに限定されず、開放状態に比べて第2作動口34への入賞が発生しにくい範囲で入賞可能なものであってもよい。すなわち、開閉扉303aの状態切り換えは、第2作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに切り換わる構成であってもよい。
図4(a)に示すように、右側領域PE3において第2作動口34の上方(上流側)にはスルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34や可変入賞装置32に入賞することが可能となっている。スルーゲート35には検知センサ35aが設けられており、当該検知センサ35aによりスルーゲート35に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物303が閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われ、その内部抽選の結果が開放結果(サポート当選)であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に役物開閉遊技(サポート実行モード)が実行される。役物開閉遊技では、普電役物303が所定の態様で開放状態となる。
右側領域PE3において第2作動口34の下方(下流側)には、可変入賞装置32が配置されている。可変入賞装置32は、遊技盤24aの背面側へと通じる大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉304(図5参照)と、開閉扉304を駆動する可変入賞装置用の駆動部305(図6参照)とを備えている。開閉扉304は、大入賞口32aを遊技機前方から覆う閉鎖位置と、当該閉鎖位置から前方に回動し、大入賞口32aを開放する開放位置とに切り換わり可能に構成されている。開閉扉304が閉鎖位置に配置される閉鎖状態では、遊技球が大入賞口32aに入賞できず、開閉扉304が開放位置に配置される開放状態となることで大入賞口32aへの入賞が可能となる。
なお、開閉扉304の閉鎖状態は、大入賞口32aへの入賞を不可とするものに限定されず、開放状態に比べて大入賞口32aへの入賞が発生しにくい範囲で入賞可能なものであってもよい。すなわち、開閉扉304の状態切り換えは、大入賞口32aへの遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに切り換わる構成であってもよい。
開閉扉304は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞可能又は入賞しやすい開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンドを上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
第2作動口34、スルーゲート35及び可変入賞装置32に対しては、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合には入賞が可能となる。故に、遊技者が第2作動口34、スルーゲート35及び可変入賞装置32への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
右ルートには、右側領域PE3を流下する遊技球をスルーゲート35、第2作動口34及び可変入賞装置32に案内する案内通路部401が設けられている。案内通路部401の詳細については後述する。また、右ルートの上流部において誘導レール54に沿って飛翔した遊技球が衝突する位置には返しゴム306(図5)が配設されている。返しゴム306は緩衝部材であり、当該返しゴム306に衝突した遊技球は、その勢いが弱められた後、右ルートを流下する。
特図用表示部43及び普図用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24aの盤面から遊技機前方に延出している。具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEを遊技機前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
特図用表示部43には、内部抽選にて大当たりに当選することで開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を明示するためのラウンド表示部RSが設けられている。ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際してラウンド遊技の回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
また、特図用表示部43には、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1特図表示部ASと、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2特図表示部BSとが設定されている。
第1特図表示部ASでは、第1作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第1作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2特図表示部BSでは、第2作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第2作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する第1特図表示部AS,第2特図表示部BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を停止表示し当該停止表示が終了するまでが遊技回の1回に相当する。
普図用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、普図用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく絵柄の変動表示においても、当否抽選が行われることに基づいて絵柄の変動表示を開始させ、その後、変動表示させた絵柄を当否抽選の結果に対応した態様で確定表示させることを遊技回の1回とするものである。
スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が普電役物303を開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、役物開閉遊技へと移行する。役物開閉遊技では、普電役物303を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御(切換制御)が少なくとも1回実行される。役物開閉遊技は、当該遊技へと移行した後、開放期間の合計が所定期間(例えば6sec)に達した場合又は第2作動口34に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞した場合に終了するように構成されている。
特図用表示部43及び普図用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
次に、可変表示ユニット36について説明する。可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、特図用表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41においても変動表示が行われる。そして、可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される大当たり遊技状態に移行する場合には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
また、図柄表示装置41には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSに対応した保留表示が行われる。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留される。上記保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により各作動口33,34の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置41に限らず、例えば、遊技盤24a上に設けた表示部や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24a)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92、排出通路盤88及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
排出通路盤88には、制御装置集合ユニット93と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット93によって塞がれている。各種入賞口31,33,34,321,351に入賞した遊技球やアウト口37に入球した遊技球は、遊技盤24aの背面側で上記排出通路に導出される。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット93は、横長形状をなす取付台を有し、この取付台に払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とが搭載されている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<案内通路部401>
ここで、図5を参照して、案内通路部401に係る構成について説明する。図5は案内通路部401の正面図である。
右ルートでは、センターフレーム302の外壁部302aと、外レール部52の内側面部52aと、遊技領域区画部材301の内側面部301aとにより、遊技球が流下可能な通路領域が区画されており、通路領域の途中位置には、可変入賞装置32に向けて延びる通路壁部402が設けられている。通路壁部402は遊技盤24a(板材)の表面から遊技機前方に突出しており、これにより、通路壁部402の右側の外通路部403と、通路壁部402の左側の内通路部404とが形成されている。外通路部403及び内通路部404の通路幅は、遊技球の直径よりも大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなっており、それぞれ1条の球通路となっている。
なお、通路壁部402の突出量は、窓パネル62との隙間が遊技球の直径未満となるように設定されており、遊技球が通路壁部402を跨いで外通路部403と内通路部404との間を移動することが防止されている。また、図示を省略しているが、通路壁部402の側面部、センターフレーム302の右側外壁部302b及び遊技領域区画部材301の内壁部301bには複数の突部が設けられ、外通路部403及び内通路部404を流下する遊技球の速度を減速させる減速手段が設けられている。
上記通路壁部402は、その上流側先端部402cが返しゴム306と略同じ高さ位置となるように設定され、当該高さ位置から可変入賞装置32に向けて下方に延びるように構成されている。ここで、発射ハンドル60の回動操作量により遊技球の発射速度(発射勢)を調節できるところ、センターフレーム302の上部と外レール部52との隙間を通りつつ、当該遊技球が返しゴム306に届かない程度の速度(発射勢)で遊技球が発射された場合には、当該遊技球は上記隙間を通って右ルート(右側領域PE3)に流入した後、センターフレーム302の右側外壁部302b上に載り、当該右側外壁部302bに沿って移動する。その結果、その遊技球は、内通路部404の入口部404aに流入し、内通路部404を流下する。一方、遊技球が返しゴム306に届く程度の速度で遊技球が発射された場合には、当該遊技球は、返しゴム306に衝突して減勢された後、下方に落下して外通路部403の入口部403aに流入し、外通路部403を流下する。つまり、遊技者が遊技球の発射速度を調節することで、内通路部404に遊技球を通すか、外通路部403に遊技球を通すかの打ち分けが可能となっている。
なお、通路壁部402の上流側先端部402cの高さ位置は、必ずしも返しゴム306の高さ位置と略同じである必要はない。すなわち、内通路部404と外通路部403との打ち分けを行うことができれば足りるため、返しゴム306に届く強さで遊技球が打ち出された場合に、その遊技球と通路壁部402(上流側先端部402c)との衝突を回避することができ、且つ、返しゴム306に衝突して落下する遊技球を外通路部403に導くことができるものであれば、任意の高さ位置に設定することができる。
外通路部403の途中位置にはスルーゲート35が配置されており、遊技球が外通路部403を流下するように遊技球を発射させることで、スルーゲート35に遊技球を通過させることが可能となっている。また、スルーゲート35の下方には第2作動口34が配置されている。第2作動口34は内通路部404及び外通路部403に跨るようにして配置されており、それら各通路部403,404のいずれからも第2作動口34に遊技球を入賞させることが可能となっている。
第2作動口34の下方には可変入賞装置32が配置されている。可変入賞装置32(大入賞口32a)は内通路部404及び外通路部403に跨るようにして配置されており、
外通路部403を流下する遊技球は、可変入賞装置32の右側領域に案内され、内通路部404を流下する遊技球は、可変入賞装置32の左側領域に案内される。
なお、普電役物303及び可変入賞装置32の各開閉扉303a,304は、閉鎖位置に配置される場合に遊技盤24aの前面部と平行(より詳しくは略面一)となるように取り付けられており、普電役物303及び可変入賞装置32が閉鎖状態とされている状況では、各開閉扉303a,304の前方を遊技球が通過することが可能となっている。
また、第2作動口34に設けられた普電役物303の開閉扉303aと通路壁部402との干渉を避けるため、開閉扉303aの前方には通路壁部402が設けられていない状態となっている。すなわち、通路壁部402は、上流側先端部402cから第2作動口34の上端近傍まで延びる上側壁部402aと、第2作動口34の下端近傍から可変入賞装置32の上端近傍まで延びる下側壁部402bとによって構成されている。
<可変入賞装置32>
次に、図5~図7を参照して、可変入賞装置32に係る構成について説明する。図6の(a)は閉鎖状態にある場合の可変入賞装置32の断面図、(b)は開放状態にある場合の可変入賞装置32の断面図、図7の(a)は開閉扉304を省略した状態での可変入賞装置32の正面図、(b)は開放状態にある場合の可変入賞装置32の斜視図である。なお、図6(a),(b)は、図7の(a)のA-A線断面に相当する断面図である。
遊技盤24aにおいて可変入賞装置32が配置される箇所には、図5に示すように、遊技盤24aを厚さ方向に貫通する開口部75が形成されている。可変入賞装置32は板状のベース体501を備えており、このベース体を遊技機前方から開口部75に嵌め込むことで、可変入賞装置32が遊技盤24aに取り付けられている。
ベース体501は、遊技盤24aの前面と平行となるように形成され、その前方を遊技球が通過することが可能となっている。ベース体501の中央部には前方に開口する開口部が形成され、当該開口部により大入賞口32aが形成されている。
既に説明したように可変入賞装置32には、大入賞口32aを開閉するための開閉扉304と、開閉扉304を開閉駆動する駆動部305とが設けられている。駆動部305は、駆動源としてのソレノイドと、当該ソレノイドの駆動力を開閉扉304に伝達する駆動力伝達手段としてのリンク機構とを有している。ソレノイドは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81からの駆動信号に基づいて駆動する。ソレノイドが駆動することで、開閉扉304が前方に回動して開放位置に変位し、可変入賞装置32が閉鎖状態から開放状態に切り換わる。主制御装置81からの駆動信号の出力が停止すると、付勢手段(ばね等)の付勢力によって開閉扉304が開放位置から閉鎖位置に復帰し、可変入賞装置32が開放状態から閉鎖状態に切り換わる。
図6及び図7に示すように、ベース体501の背面側には、大入賞口32aに入賞した遊技球を遊技盤24aの後方に案内する通路部502が設けられている。通路部502は、遊技機前方からの正面視において横長状をなしており、通路部502の奥壁部503においてその左右両側には、通路部502内の遊技球を後方へと案内する右側入口部504及び左側入口部505が設けられている。各入口部504,505は、奥壁部503を厚さ方向に貫通しており、いずれも1個の遊技球が通過可能な大きさとなっている。
図6(b)に示すように、右側入口部504の後方には、上下方向に延びる右側縦通路部506が設けられている。右側縦通路部506は、上記通路部502と連通しており、大入賞口32a(通路部502)に流入した遊技球のうち右側入口部504に入った遊技球を下方へと案内する。右側縦通路部506により案内された遊技球は、排出通路盤88(図3参照)に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。右側縦通路部506の途中位置には、右側入口部504に入った遊技球を検知するV入賞センサ507が配置されている。V入賞センサ507は、主制御装置81に電気的に接続されており、V入賞センサ507の検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される。主制御装置81ではこの検知情報に基づき、遊技球がV入賞センサ507を通過したか否かを判定する。
既に説明したように、遊技状態が開閉実行モードに移行すると複数回のラウンド遊技が実行されるが、本実施の形態では、1のラウンド遊技の実行中に遊技球がV入賞センサ507を通過したこと(V入賞の発生)を条件として、その次のラウンド遊技が実行される構成となっている。このため、ラウンド遊技中に遊技球がV入賞センサ507を通過しなかった場合には、最終回のラウンド遊技が終了する前であっても開閉実行モードが終了する。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置32を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
なお、V入賞センサ507は、V入賞の発生を検知する役割のほか、大入賞口32aへの遊技球の入賞有無を検知する役割も果たしている。よって、V入賞センサ507から当該センサ507を遊技球が通過した旨の検知情報が出力された場合、主制御装置81は、遊技球が大入賞口32aに入賞したこと及びV入賞が発生したことをそれぞれ把握する。
また、V入賞センサ507の前方には透光部が設けられており、遊技機前方からV入賞センサ507を視認することが可能となっている。これにより、遊技球がV入賞センサ507を通過したか否かを遊技者が目視することができ、開閉実行モード(ラウンド遊技)においてV入賞の有無が分からない状態となることが抑制されている。
図7(a)に示すように、左側入口部505の後方には、上下方向に延びる左側縦通路部508が設けられている。左側縦通路部508は、上記通路部502と連通しており、大入賞口32a(通路部502)に流入した遊技球のうち左側入口部505に入った遊技球を下方へと案内する。左側縦通路部508により案内された遊技球は、排出通路盤88に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。左側縦通路部508の途中位置には、左側入口部505に入った遊技球を検知する入賞センサ509が配置されている。入賞センサ509は、主制御装置81に電気的に接続されており、入賞センサ509の検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される。主制御装置81ではこの検知情報に基づき、遊技球が入賞センサ509を通過したか否かを判定する。
なお、入賞センサ509は、V入賞センサ507とは異なり、大入賞口32aへの遊技球の入賞有無のみを検知するものとなっている。また、入賞センサ509の前方には透光部が設けられており、遊技機前方から入賞センサ509を視認することが可能となっている。なお、大入賞口32aへの入賞の発生は、入賞センサ509を視認できなくても大入賞口32aを視認できれば把握できるため、入賞センサ509用の透光部は省略してもよい。
右側縦通路部506及び左側縦通路部508の通路幅は、遊技球の直径よりも大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなっており、これら各通路部506,508はいずれも1条の球通路となっている。
図7(a)、(b)に示すように、通路部502の奥壁部503において右側入口部504と左側入口部505との間には仕切り部511が設けられている。仕切り部511は、奥壁部503の前面から遊技機前方に突出しており、通路部502内を右側空間と左側空間とに仕切っている。また、仕切り部511は、可変入賞装置32の上方に設けられた通路壁部402(下側壁部402b)の真下に位置しており、通路壁部402と直線状に並ぶようにして配置されている。このため、可変入賞装置32が開放状態である場合、案内通路部401の外通路部403を流下する遊技球は、右側入口部504に流入してV入賞センサ507を通過し、内通路部404を流下する遊技球は、左側入口部505に流入して入賞センサ509を通過するものとなる。
また、開閉扉304の背面部304a(可変入賞装置32が開放状態である場合の球受け部)には、大入賞口32a内の仕切り部511に対応して突出部512が形成されている。これにより、開閉扉304の背面部304a上に載った遊技球が横移動したとしても逆側の領域まで移動することが抑制されている。これにより、各通路部403,404を流下する遊技球を、各通路部403,404に対応する各入口部504,505に良好に導くことができる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口31、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変入賞装置32への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ31a、第1作動口用入賞センサ33a、第2作動口用入賞センサ34c、スルー用入賞センサ35a、V入賞センサ507、入賞センサ509等が設けられている。MPU112では、これら各種センサ31a,33a,34a,35a,507,509の検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU112では、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、普電役物303用の駆動部303b、可変入賞装置32用の駆動部305が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モード(大当たり遊技状態)への移行が発生すると、可変入賞装置32の開閉扉304が駆動されるように、MPU112において駆動部305の駆動制御が実行される。また、普電役物303の開放状態当選となった場合には、開閉扉303aが開閉されるように、MPU112において駆動部303bの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、MPU112において特図用表示部43における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行されるとともに、大当たり遊技に際しては特図用表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。そして、普電役物303を開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において普図用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU112の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24aの誘導レール54に向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール54に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、開放コマンド、閉鎖コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド等の開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242は、主制御装置81から受信する各種コマンドに基づいて、各種演出を実行するための処理を行う。受信したコマンドは、MPU242のRAM244に設けられたコマンド格納エリアに格納される。そして、その格納されたコマンドを解析等する処理を行い、各種演出を実行する。MPU242のROM243には各種テーブル記憶エリアが設けられており、また、MPU242のRAM244には各種フラグ格納エリアや各種カウンタエリアが設けられており、各種演出を実行する場合、これらのエリアを用いた処理を行うことが可能となっている。
MPU242の出力側には、前扉枠14に設けられた発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM273及びワークRAM274が複合的にチップ化されたMPU272と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM276と、ビデオRAM277とがそれぞれ搭載された表示制御基板271を備えている。
MPU272は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP275の制御(具体的にはVDP275に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM273は、MPU272により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM274は、MPU272による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM274の各エリアに記憶される。
VDP275は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP275はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP275は、MPU272、ビデオRAM277等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM277に記憶させる画像データを、キャラクタROM276から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM276は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM276には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM276を複数設け、各キャラクタROM276に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、上記プログラムROM273に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM276に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM277は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM277の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図9及び図10に基づいて説明する。図9は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図10は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図9(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図10(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図13(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の演出内容の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図11に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物303を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報又は判定用情報に相当する。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア113aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は例えば2個であり、大当たり当選の確率は1/300となる。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は例えば20個であり、大当たり当選の確率は1/30となる。このように、各当否テーブルでは、低確率モード用の当否テーブルよりも高確率モード用の当否テーブルの方が大当たり当選となる確率が高くなるように乱数の値が設定されている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の第2作動口34の普電役物303におけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることで設定されている。
第2作動口34の普電役物303におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、普電役物303(第2作動口34)が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となる、及び/又は開放状態となる期間が相対的に長短となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物303が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放期間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物303の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は、1回の開放期間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間(例えば1分)当たり又は遊技球の単位発射球数(例えば100個)当たりの第2作動口34への入賞頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放期間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア113bに大当たり種別テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、大当たり種別テーブルの内容について図12を参照して説明する。図12に示す大当たり種別テーブルは、第1作動口33への入賞が発生した場合(第1特図表示部AS用)と第2作動口34への入賞が発生した場合(第2特図表示部BS用)とで共通に用いられるものである。
図12に示すように、大当たり種別テーブルでは、遊技結果(大当たり種別)の振分先として、16R大当たり結果Aと、16R大当たり結果Bと、16R大当たり結果Cとが設定されている。このうち16R大当たり結果A及び16R大当たり結果Bは確変大当たり結果であり、16R大当たり結果Cは通常大当たり結果(非確変大当たり結果)である。
16R大当たり結果A~16R大当たり結果Cは、いずれも最大で16回のラウンド遊技が実施されるものである。但し、1のラウンド遊技の実行中にV入賞が発生した場合に限り、次のラウンド遊技を実行するものとなっており、V入賞が未発生のままラウンド遊技が終了した場合には、16回目のラウンド遊技に達していなくても開閉実行モードが終了する。なお、1のラウンド遊技は、可変入賞装置32(大入賞口32a)への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達することと、可変入賞装置32の開放期間が上限開放期間に達することとのいずれか条件が成立した場合に終了する。
16R大当たり結果A及び16R大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モード及び高頻度サポートモードは次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
16R大当たり結果Cは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合に設定される高頻度サポートモードは、当該モードに移行してからの特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば100回)に達するまで継続し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。この場合の特図遊技回の実行回数は、第1特図の遊技回と第2特図の遊技回との合計実行回数とされる。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
ここで、本実施の形態において16R大当たり結果A~16R大当たり結果Cは、上記のように開閉実行モード後の抽選モード及びサポートモードに差異が設けられているほか、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技の上限入賞個数(ラウンド遊技を終了させることとなる可変入賞装置32への遊技球の入賞個数)の設定態様に差異が設けられている。各大当たり結果に対する各ラウンド遊技の上限入賞個数の設定態様については後に詳細に説明する。
大当たり種別テーブルでは、「0~99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0」~「19」が16R大当たり結果Aに対応しており、「20」~「59」が16R大当たり結果Bに対応しており、「60」~「99」が16R大当たり結果Cに対応している。すなわち、大当たりに当選した場合に16R大当たり結果Aなる確率は20/100となっており、16R大当たり結果B、16R大当たり結果Cになる確率はそれぞれ400/100となっている。
なお、本実施の形態では、第1作動口33への入賞が発生した場合と第2作動口34への入賞が発生した場合とで共通の大当たり種別テーブルを用いる構成としているが、第1特図表示部AS用と第2特図表示部BS用とで各別の大当たり種別テーブルを用いる構成としてもよい。また、各遊技結果に対する大当たり種別カウンタC2の割り当ては、図12に示すものに限定されず、任意に設定することが可能である。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM113のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU112では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図10の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1~L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、をMPU112において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって普電役物303を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、普電役物303を開放状態に制御し、C4=191~250であれば、普電役物303を開放状態に制御しない。
MPU112では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113cが用いられる。また、MPU112では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM113の停止結果テーブル記憶エリア113dが用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ31a,33a,34a,35a,507,509の状態を読み込み、これら各種検知センサ31a,33a,34a,35a,507,509の状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ31a,33a,34a,507,509において遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、V入賞センサ507又は入賞センサ509によって可変入賞装置32への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、上記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。
続くステップS105では作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、各作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞に基づいて遊技球を払い出させる賞球コマンドを設定するとともに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行う。
情報取得処理では、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。第1作動口33に入賞している場合には、第1特図表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第1始動保留記憶数RaNとしてセットする。一方、遊技球が第1作動口33に入賞していない場合には、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。第2作動口34に入賞している場合には、第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第2始動保留記憶数RbNとしてセットする。そして、これらセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1増加するように更新する。第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納し、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。
ステップS105の作動口用の入賞処理を実行した後は、ステップS106にて、V入賞の発生を検知するためのV入賞用処理を実行し、その後、本タイマ割込み処理を終了する。V入賞用処理については後に詳述する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS201にて外部信号出力処理を実行する。ステップS201の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、特図用表示部43における変動表示の設定等を行う。
ステップS203の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS204に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード等に移行する。なお、ステップS203の遊技回制御処理及びステップS204の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS205では、第2作動口34に設けられた普電役物303を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて普電役物303を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には普電役物303の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、普図用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM114に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板115において停電の発生が確認され当該停電監視基板115からMPU112のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定期間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。また、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS201~S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに開閉実行モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306~ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
特図用表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSの始動保留記憶数の合計である共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口33及び第2作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて第1特図表示部用保留エリアRa又は第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。続くステップS305では、特図用表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行し、その後、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS305の変動開始処理について、図16(a)のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS401にて、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた各種フラグ格納エリア114eに高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果となった場合、その大当たり結果に対応する開閉実行モードの終了時に格納され、その後に新たな開閉実行モードへの移行が発生し、当該開閉実行モードの開始に際して消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS402にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選値として設定されている2個の値のいずれかと一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS403にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選値として設定されている20個の値のいずれかと一致しているか否かを判定する。
ステップS402又はステップS403の実行後は、ステップS404~ステップS411にて、今回の遊技回の遊技結果(大当たり種別)を設定するための処理や、今回の遊技回において第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定するにあたっては、ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113dに記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)を参照する。
具体的には、先ずステップS404にて、ステップS402又はステップS403における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合にはステップS405に進み、大当たり種別テーブル(図12参照)を参照して大当たり種別の振分判定を行う。具体的には、RAM114の保留球格納エリア114bにおける実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R大当たり結果Aの数値範囲、16R大当たり結果Bの数値範囲、16R大当たり結果Cの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
続くステップS406では、ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113dに記憶された大当たり用の停止結果テーブル(図16(b))を参照し、特図用表示部43(第1特図表示部AS又は第2特図表示部BS)に停止表示させる大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、上記実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が16R大当たり結果Aの数値範囲(「0」~「19」)に含まれている場合には、上記停止結果として停止結果Aを設定し、大当たり種別カウンタC2の値が16R大当たり結果Bの数値範囲(「20」~「59」)に含まれている場合には、上記停止結果として停止結果Bを設定し、大当たり種別カウンタC2の値が16R大当たり結果Bの数値範囲(「60」~「99」)に含まれている場合には、上記停止結果として停止結果Cを設定する。停止結果A~停止結果Cは、特図用表示部43に表示される絵柄の表示態様又は表示内容が相違する停止結果である。
続くステップS407では、上記ステップS405の振分結果に基づいて各種大当たりフラグをRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納する。具体的には、振分結果が16R大当たり結果Aである場合には16RフラグAを格納し、振分結果が16R大当たり結果Bである場合には16RフラグBを格納し、振分結果が16R大当たり結果Cである場合には16RフラグCを格納する。
上記ステップS404にて否定判定した場合には、ステップS408に進み、特図用表示部43(第1特図表示部AS又は第2特図表示部BS)に停止表示させる外れ用の停止結果を設定する。
ステップS407又はステップS408の処理を実行した後は、ステップS409にて、今回の特図遊技回の変動表示時間を設定する。変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM113に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択する。
続くステップS410では、変動表示時間の情報が含まれる変動用コマンドや、遊技結果(大当たり種別等)の情報が含まれる種別コマンドを設定する。設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信することにより、その遊技回の演出を開始するように図柄表示装置41等の表示制御を実行する。
その後、ステップS411にて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した表示部において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図15)の説明に戻り、ステップS302で肯定判定した場合、すなわち、特図用表示部43が変動表示中である場合には、ステップS306~ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM114の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、遊技回の開始に際して変動開始処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図13)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動開始処理の当否抽選の結果に基づいて設定された情報を特定し、その情報に対応した絵柄が特図用表示部43にて停止表示されるように当該特図用表示部43を制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
なお、上記のようにして停止表示(確定表示)された特図用表示部43の絵柄(停止結果)は、所定の停止表示期間に亘って表示され続ける。また、大当たりに対応する大当たり用の停止結果は、特図遊技回の終了後(上記停止表示期間の経過後)も表示され続け、その大当たりに対応する開閉実行モードの実行中において継続的に表示される。そして、当該開閉実行モードが終了し、開閉実行モード後の最初の特図遊技回(特図の変動表示)が開始されることに伴って停止表示状態が解除される。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図14)における、ステップS204の遊技状態移行処理について図17~図22を参照しながら説明する。
図17に示すように、遊技状態移行処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。開閉実行モードへの移行に対応したものではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モードの移行に対応したものである場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードの開始前において可変入賞装置32が閉鎖状態であることをチェックしたりする。また、開閉実行モードの開始処理では、開閉実行モードの開始に際して可変入賞装置32の開放を開始することなく待機するためのオープニング期間の設定処理を実行する。オープニング期間の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機期間情報をセットする。タイマカウンタTの値は、所定周期(例えば2msec周期、タイマ割込み処理が起動される都度)で1ディクリメントされる。
続くステップS505では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたラウンドカウンタRCの値を設定し、今回の開閉実行モードにて実行するラウンド数の設定処理を行う。本実施の形態では、各大当たり結果に対応するラウンド数がいずれも16であるため、ラウンドカウンタRCの値として「16」を設定する。
続くステップS506では、ラウンド表示の開始処理として、ラウンド表示部RSにて今回実行する開閉実行モードのラウンド数(本実施形態ではいずれの大当たり結果でも「16」)が表示されるように制御する。なお、ラウンド数の表示は開閉実行モードが終了するまで継続される。
続くステップS507では、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
そして、ステップS508にて、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、上記ステップS501で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)には、ステップS509に進み、オープニング用の待機期間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機期間が経過している場合には、ステップS510にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
大入賞口開閉処理では先ず、ステップS601にてラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には大入賞口開閉処理を終了する一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS602にて、大入賞口32aが開放されているか否か(可変入賞装置32が開放状態であるか否か)を判定する。本ステップでは、可変入賞装置用の駆動部305の駆動状態に基づき、かかる判定処理を実行する。
大入賞口32aが開放されていない場合には、ステップS603に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合には大入賞口開閉処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」である場合にはステップS604に進む。ステップS604では、開閉実行モードでの各ラウンド遊技における可変入賞装置32の上限開放期間及び可変入賞装置32への上限入賞個数を設定する各ラウンド用の設定処理を実行する。
続くステップS605では、可変入賞装置32を開放状態とすべく駆動部305を駆動状態とする。その後、ステップS606にて開放コマンドを設定し、大入賞口開閉処理を終了する。本ステップで設定された開放コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、各ラウンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
上記ステップS602で肯定判定した場合(大入賞口32aが開放されている場合)には、ステップS607に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。この場合のタイマカウンタTの値は、上記ステップS604で設定された可変入賞装置32の上限開放期間に対応しており、本ステップは、大入賞口32aの開放期間が上限開放期間に達したか否かを判定するものとなっている。
タイマカウンタTの値が「0」でない場合(大入賞口32aの開放期間が上限開放期間に達していない場合)には、ステップS608にて、V入賞センサ507又は入賞センサ509の検知状態(ステップS101の各種センサの読み込み結果)に基づき、可変入賞装置32への入賞が発生したか否かを判定する。可変入賞装置32への入賞が発生していない場合には大入賞口開閉処理を終了する一方、可変入賞装置32への入賞が発生している場合にはステップS609に進み、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCの値を1ディクリメントする。入賞カウンタPCは、可変入賞装置32への遊技球の入賞個数をカウントするためのカウンタであり、上記ステップS604にて上限入賞個数に対応する値がセットされた後、可変入賞装置32への入賞が発生する都度、1ずつディクリメントされるものである。続くステップS610では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。
ここで、タイマ割込み処理(図13)におけるステップS106のV入賞用処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。V入賞用処理では先ずステップS701にて、上記各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS702に進み、可変入賞装置32に設けられたV入賞センサ507の検知状態(ステップS101の各種センサの読み込み結果)に基づき、V入賞が発生したか否か(V入賞センサ507の検知領域を遊技球が通過したか否か)を判定する。
V入賞が発生したと判定した場合には、ステップS703にて、V入賞の有効期間中であるか否かを判定する。当該有効期間は、正常にV入賞が発生し得る期間を見込んで予め定められる所定期間であり、例えば、ラウンド遊技の実行期間が上記有効期間として設定される。有効期間中でないと判定した場合には、ステップS704に進み、異常が発生したとしてエラーコマンドを設定し、その後、V入賞用処理を終了する。設定されたエラーコマンドは、通常処理(図14)の外部出力処理にて演出制御装置82に送信され、演出制御装置82では、所定のエラー報知が実行されるように、表示制御装置212、発光部63及びスピーカ部64を制御する。
一方、有効期間中であると判定した場合には、ステップS705に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する。続くステップS706では、演出制御装置82への送信対象としてV入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞が発生したことを演出制御装置82に通知するためのコマンドであり、設定されたV入賞コマンドは、通常処理(図14)の外部出力処理にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、V入賞コマンドを受信した場合、V入賞の発生を報知したり、V入賞を祝福したりする演出等が図柄表示装置41や発光部63、スピーカ部64にて実行されるように、表示制御装置212等を制御する。
ステップS706の実行後、ステップS701で肯定判定した場合(V入賞フラグが格納されている場合)又はステップS702で否定判定した場合(V入賞が発生していない場合)はV入賞用処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図18)の説明に戻り、ステップS610でV入賞フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS611に進む。ステップS611では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されているV入賞フラグを消去するとともに、上記各種フラグ格納エリア114eに継続フラグをセットする。継続フラグは、次のラウンド遊技を実行すべきであること、換言すれば、実行中のラウンド遊技が終了した後も開閉実行モードを継続すべきであることを示すフラグである。
続くステップS612では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCの値に「0」をセットする。すなわち、本実施の形態では、V入賞が発生した場合、その時点での入賞カウンタPCの値にかかわらず、入賞カウンタPCの値を強制的に「0」に設定する。
ステップS612の実行後又は上記ステップS610で否定判定した場合(V入賞が発生していない場合)は、ステップS613にて入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタPCの値が「0」でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。入賞カウンタPCの値が「0」であると判定した場合又は上記ステップS607で肯定判定した場合(タイマカウンタの値が「0」である場合)には、ステップS614に進み、可変入賞装置32を閉鎖すべく駆動部305を非駆動状態とする。
続くステップS615では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグが格納されているか否かを判定する。継続フラグが格納されている場合には、ステップS616にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントし、開閉実行モードのラウンド数を更新する。続くステップS617では、上記ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS618にてラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)、すなわち、可変入賞装置32を再び開放状態とするまでの閉鎖期間を設定する。具体的には、タイマカウンタTの値を上記待機期間(2sec)に相当する「1000」にセットする。
その後、ステップS619にて閉鎖コマンドを設定し、大入賞口開閉処理を終了する。閉鎖コマンドは、通常処理(図14)のステップS201で演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、ラウンド間の待機期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
上記ステップS617でラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS620にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機期間を設定する。具体的には、タイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機期間情報をセットする。
その後、ステップS621にて、エンディングコマンドを設定し、大入賞口開閉処理を終了する。エンディングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201で演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、上記ステップS615で継続フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS622に進み、開閉実行モードを終了させるべく、ラウンドカウンタRCの値を「0」に設定する。その後、ステップS620に進み、エンディングの開始処理を実行する。
次に、大入賞口開閉処理におけるステップS604の各ラウンド用の設定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
本設定処理では先ず、ステップS801にてラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。すなわち、設定対象のラウンド遊技が開閉実行モードにおける1ラウンド目のラウンド遊技であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「16」でない、すなわち、設定対象のラウンド遊技が2ラウンド目以降のラウンド遊技である場合には、ステップS802にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている継続フラグを消去する。
ステップS802の実行後又はステップS801で肯定判定した場合(ラウンドカウンタRCの値が「16」である場合)は、ステップS803にて、設定対象のラウンド遊技における可変入賞装置32の開放期間を設定する。具体的には、タイマカウンタTの値を1ラウンド分の上限開放期間(30sec)に相当する「15000」にセットする。
続くステップS804では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている大当たり種別フラグに基づき、実行される又は実行中の開閉実行モードに対応する大当たり種別を把握する。例えば、各種フラグ格納エリア114eに16R大当たりAフラグが格納されている場合には、上記開閉実行モードに対応する大当たり種別として16R大当たり結果Aを把握する。また、本ステップでは、ラウンドカウンタRCの値に基づき、設定対象のラウンド遊技(これから開始するラウンド遊技)が何ラウンド目のラウンド遊技であるかを把握する。続くステップS805では、ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている上限数振分テーブルを参照し、設定対象のラウンド遊技における可変入賞装置32への上限入賞個数を設定する。
ここで、図21を参照して上限数振分テーブルについて説明する。上限数振分テーブルでは、大当たり種別ごとに各ラウンド遊技の上限入賞個数が規定されている。16R大当たり結果Aに対応する上限入賞個数は、いずれのラウンド遊技であっても8個とされ、ラウンド間で統一されている。一方、16R大当たり結果B及び16R大当たり結果Cに対応する上限入賞個数は、各ラウンド遊技で上限入賞個数が異なるようにラウンド間で上限入賞個数が多様化されている。すなわち、所定のラウンド遊技では上限入賞個数が第1個数となっており、他のラウンド遊技では上限入賞個数が上記第1個数とは異なる第2個数となっているという具合に、ラウンド遊技によって上限入賞個数にばらつきを生じさせている。また、16R大当たり結果Bと16R大当たり結果Cとでは、例えば2ラウンド目のラウンド遊技の上限入賞個数が前者の場合は4個で、後者の場合は2個であるという具合に、同一順番目のラウンド遊技での上限入賞個数が相違するものとなっている。
上記のような構成であることで、例えば2ラウンド目のラウンド遊技に着目した場合、遊技者からすると、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞したらラウンド遊技が終了する場合もあれば、4個の遊技球が入賞したらラウンド遊技が終了する場合もあり、さらに2個の遊技球が入賞したらラウンド遊技が終了する場合もあるため、ラウンド遊技において何個までの入賞が許容されるかを一義的に定めることができなくなる。よって、遊技者は各ラウンド遊技において上限入賞個数を予測して遊技することになる。
なお、図21に記載された具体的な上限入賞個数は一例に過ぎず、これらの個数に限定されるものではない。また、16R大当たり結果Aの各ラウンド遊技の上限入賞個数を全てのラウンド遊技で同数としたが、16R大当たり結果Bや16R大当たり結果Cのようにラウンド遊技によって異なるものとしてもよい。その際、同一順番目のラウンド遊技の上限入賞個数が16R大当たり結果Bや16R大当たり結果Cのそれと異なるものとする。
各ラウンド用の設定処理の説明(図20)に戻り、ステップS805では、上記ステップS804における大当たり種別及び設定対象のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかの把握結果と、上記上限数振分テーブルとに基づき、対応する上限入賞個数を導出する。続くステップS806では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCの値として、上記導出した上限入賞個数に対応する値を設定する。例えば、大当たり種別が16R大当たり結果Bであり、設定対象のラウンド遊技が7ラウンド目のラウンド遊技であり、導出された上限入賞個数が5個である場合には、入賞カウンタPCの値として「5」を設定する。ステップS806の実行後は、各ラウンド用の設定処理を終了する。
遊技状態移行処理(図17)の説明に戻り、ステップS510の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS511にてラウンドカウンタRCが「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS512にてエンディング用の待機期間が終了したか否かをタイマカウンタTにより判定する。エンディング用の待機期間が終了していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディング用の待機期間が終了している場合には、ステップS513にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理では、開閉実行モード後の抽選モード及びサポートモードの設定を行う。
具体的には、図22のフローチャートに示すように、先ずステップS901にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに16R大当たりフラグA又は16R大当たりフラグBが格納されているか否かを判定する。16R大当たりフラグA又は16R大当たりフラグBが格納されている場合には、ステップS902に進み、各種フラグ格納エリア114eに格納された上記大当たりフラグを消去とするとともに、当該エリア114eに高確率モードフラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
続くステップS903では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。ステップS902及びステップS903でそれぞれセットされた高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグは、次回の大当たり当選時におけるステップS504(図17)にて消去される。
上記ステップS901で否定判定した場合(16R大当たりフラグA又は16R大当たりフラグBが格納されていない場合)には、ステップS904に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。続くステップS905では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた遊技回数カウンタGCに「100」をセットする。この遊技回数カウンタGCは、サポートモードが高頻度サポートモードに移行している間、特図遊技回が実行される都度、1ずつ減算される。そして、遊技回数カウンタGCが「0」になることで、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにセットされた高頻度サポートモードフラグが消去される。すなわち、高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
ステップS903又はステップS905の処理を実行した後は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図17)の説明に戻り、ステップS513の処理を実行した後は、ステップS514にてラウンド表示部RSの表示を終了するための処理を実行する。次いでステップS515にて開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モードへの移行や開閉実行モード中に使用した各種カウンタやフラグの消去を行う。
<開閉実行モード中の遊技の流れについて>
次に、開閉実行モード中の遊技の流れについて図5、図23及び図24を参照しながら説明する。
既に説明したように、本実施の形態では、実行中のラウンド遊技でV入賞を発生させないと次のラウンド遊技が実行されず、V入賞が未発生のままラウンド遊技が終了した場合、その時点で開閉実行モードが終了するように構成されている(図18参照)。また、ラウンド遊技中にV入賞が発生した場合、可変入賞装置32への入賞個数が上限入賞個数に達していなかったとしても、V入賞の発生時点でラウンド遊技が終了するように構成されている(図18参照)。このため、上限入賞個数をn個とした場合、n-1個目の入賞までV入賞を発生させず、n個目の入賞でV入賞を発生させるようにすれば、1のラウンド遊技で獲得できる総賞球数を最大化させつつ、次のラウンド遊技の実行権利を獲得することができる。
また、図5及び図23に示すように、可変入賞装置32の大入賞口32a内には、V入賞の発生を伴わない左側入口部505と、V入賞の発生を伴う右側入口部504とが設けられている。さらに、可変入賞装置32の上流側には、所定量未満の強さで発射された遊技球を左側入口部505に案内し、所定量以上の強さで発射された遊技球を右側入口部504に案内する案内通路部401が設けられている。
かかる構成において、遊技者が発射ハンドル60の回動操作量を調節し、内通路部404を通る強さで遊技球を発射させた場合には、可変入賞装置32が開放状態にある状況で左側入口部505に遊技球が入賞する。この場合、可変入賞装置32への入賞個数がカウントアップされて所定数(15個)の賞球が払い出される一方で、V入賞は発生しない。一方、外通路部403を通る強さで遊技球を発射させた場合には、可変入賞装置32が開放状態にある状況で右側入口部504に遊技球が入賞する。この場合、可変入賞装置32への入賞個数がカウントアップされて所定数の賞球が払い出されるとともに、V入賞が発生する。このため、遊技者は、可変入賞装置32に遊技球を入賞させて賞球を獲得しながら、どのタイミングでV入賞を発生させるかを選択することができる。そうすると、遊技者としては、n-1個目の入賞までは左側入口部505に入る強さで遊技球を発射し、n個目の入賞で右側入口部504に入る強さで遊技球を発射するように切り換え操作を行うことが理想的な操作態様となる。
そのような構成の下、本実施の形態では、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技の上限入賞個数を遊技者が判別不可又は判別困難な構成となっている。具体的には、各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されており、これにより、各ラウンド遊技の上限入賞個数を遊技者が一義的に定められないようにしている。しかも、上限入賞個数の多様化が1の開閉実行モードの中だけでなく、大当たり種別間でも図られているため、遊技者からすると各ラウンド遊技の上限入賞個数が益々分かりにくくなっている。
また、本実施の形態では、各ラウンド遊技の上限入賞個数を遊技者が認識可能な報知(表示や音声出力)を実行せず、上限入賞個数を明示しない構成としている。このため、遊技者は、報知により上限入賞個数の情報を得ることができず、各ラウンド遊技の上限入賞個数を判別することが一層難しくなっている。
さらに、本実施の形態では、上限入賞個数にかかわらず、各ラウンド遊技での可変入賞装置32の開放態様(開放回数及び上限開放期間)を共通化している。このため、可変入賞装置32の挙動から遊技者が上限入賞個数を判別することが不可又は困難となっており、各ラウンド遊技の上限入賞個数を把握することがより一層難しくなっている。
これらのことから遊技者としては、各ラウンド遊技での遊技において、そのラウンド遊技の上限入賞個数を予測するしかなく、その予測結果に基づいて左側入口部505と右側入口部504とを狙い分けて遊技することになる。
ここで、図24を参照して、遊技者の発射操作態様と遊技結果との関係について説明する。ここでは、図24(a)に示すように、V入賞が発生しない左側入口部505に遊技球が入賞する強さで遊技球を発射させる操作を第1操作といい、V入賞が発生する右側入口部504に遊技球が入賞する強さで遊技球を発射させる操作を第2操作といい、n-1個目の入賞まで第1操作を行い、n個目の入賞で第2操作を行う操作を特定操作という。
16R大当たり結果Aに対応した開閉実行モードが実行される場合、当該モードでは、全てのラウンド遊技において上限入賞個数が8個に設定される(図21参照)。この場合において、図24(b)に示すように、全てのラウンド遊技で特定操作を行った場合には、1ラウンド目~16ラウンド目のラウンド遊技が全て実施されるとともに、各ラウンド遊技で最大の賞球払い出し数(15個賞球×8個入賞=90個)が得られる。よって、開閉実行モードにおいて90個×16ラウンド=1920個の総賞球数を得ることができる。
既に述べたように、遊技者から見て各ラウンド遊技の上限入賞個数は判別不可又は判別困難であるため、上記のような操作を行うことは容易ではない。このため、1ラウンド当たりの払い出し賞球数よりもラウンド継続させる(最終ラウンドまで開閉実行モードを実行させる)ことを優先する遊技者がいることも想定される。この場合、各ラウンド遊技の1個目の入賞から右側入口部504への入賞を狙う、すなわち、全てのラウンド遊技で第2操作を行うものとなるが、この場合における開閉実行モードでの総賞球数は15個×16ラウンド=240個となる。このため、全てのラウンド遊技で特定操作を行った場合に比べ、開閉実行モードで得られる総賞球数が大幅に少なくなる。
16R大当たり結果Bに対応した開閉実行モードが実行される場合、当該モードでは、各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されており、図21に示す各個数に設定されている。この場合において全てのラウンド遊技で特定操作を行った場合には、図24(c)に示すように、15個賞球×92個入賞=1380個の総賞球数を得ることができる。また、全てのラウンド遊技において第2操作を行った場合には、図24(b)の場合と同様、240個となる。
ここで、各ラウンド遊技で最大の賞球払い出し数を獲得し且つラウンド遊技を最終ラウンドまで継続させることを考えている遊技者が、16R大当たり結果Bに対応した開閉実行モードが実行されている状況において、例えば、2ラウンド目の上限入賞個数を8個と予測していた場合、この遊技者は、実際の上限入賞個数である4個目の入賞まで第1操作を行い続けることになる。この場合は、2ラウンド目のラウンド遊技においてV入賞が発生しないことから、3ラウンド目のラウンド遊技が実行されず、2ラウンド目のラウンド遊技が終了した時点で開閉実行モードが終了する(いわゆるパンクとなる)。この場合における開閉実行モードでの総賞球数は15個賞球×12個入賞=180個に留まり、全てのラウンド遊技において第2操作を行った場合よりも賞球数が少なくなる。
但し、仮にこの場合において実行されている開閉実行モードが16R大当たり結果Aに対応するものであった場合には、2ラウンド目で開閉実行モードが終了することはなく、上記したように1920個の総賞球数を得られる可能性が高くなる。つまり、最大の総賞球数の獲得を目指し、勇気を以って遊技に臨んだ遊技者にあっては、その予測が的中すれば大きな利益を得ることができ、逆に予測が外れていれば小さい利益に留まるものとなっている。
また、16R大当たり結果Cに対応した開閉実行モードが実行される場合、当該モードでも、各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されており、図21に示す各個数に設定されている。この場合において全てのラウンド遊技で特定操作を行った場合には、図24(d)に示すように、15個賞球×95個入賞=1425個の総賞球数を得ることができる。また、全てのラウンド遊技において第2操作を行った場合には、図24(b)、(c)の場合と同様、240個となる。
また、各ラウンド遊技で最大の賞球払い出し数を獲得し且つラウンド遊技を最終ラウンドまで継続させることを考えている遊技者が、例えば、2ラウンド目の上限入賞個数を8個と予測し、実際の上限入賞個数である2個目の入賞まで第1操作を行った場合には、2ラウンド目のラウンド遊技が終了した時点で開閉実行モードが終了する。この場合における開閉実行モードでの総賞球数は15個賞球×10個入賞=150個に留まり、全てのラウンド遊技において第2操作を行った場合や、16R大当たり結果Bに対応した開閉実行モードが実行されている状況において2ラウンド目で開閉実行モードが終了する場合よりも賞球数が少なくなる。
なお、詳しい説明は省略するが、上記の各操作態様以外にも、例えば、各ラウンド遊技で2個目の入賞を第2操作を行ったり、あるラウンド遊技では3個目まで第1操作を行い、他のラウンド遊技では4個目まで第2操作を行ったりするなど、様々な操作態様を行うことが可能である。これらの場合でも都度の上限入賞個数との関係でどのラウンドまで開閉実行モードが続くかや、各ラウンド遊技で払い出される賞球数にばらつきが生じ、開閉実行モードにより得られる総賞球数が相違するものとなる。
以上のような構成であることにより、各ラウンド遊技の上限入賞個数を予測し、どのタイミングで第2操作を行うかを選択して楽しむ、いわゆるチキンレースのような遊技性を実現することができる。よって、開閉実行モード中の遊技が単調化することが好適に抑制され、当該モード中の遊技を大きく盛り上げることが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
1の開閉実行モードにおいて、可変入賞装置32への上限入賞個数が第1個数(例えば8個)とされる第1ラウンド遊技(例えば16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでの1ラウンド目のラウンド遊技)と、可変入賞装置32への上限入賞個数が上記第1個数とは異なる第2個数(例えば4個)とされる第2ラウンド遊技(例えば16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでの2ラウンド目のラウンド遊技)とが含まれる構成とした。
上記構成によれば、各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されるため、遊技者から見て各ラウンド遊技の上限入賞個数が分かりにくくなり、各ラウンド遊技の上限入賞個数を予測して楽しむ遊技を提供することができる。これにより、開閉実行モード中の遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
ラウンド遊技の実行中に所定条件(V入賞の発生)を成立させた場合、特典(ラウンド継続)が付与される反面、可変入賞装置32への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達していない状況であっても、ラウンド遊技が終了する構成とした。
この場合、ラウンド遊技の早期に所定条件が成立すると、ラウンド遊技が早く終了してしまうため、可変入賞装置32への上限入賞個数目の入賞が発生したタイミング又はそれに近いタイミングで所定条件が成立する場合が、ラウンド遊技を長く継続させつつ、特典を獲得できるものとなり、遊技者にとって理想的となる。この場合において各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されているため、何個目の入賞が上限入賞個数目に相当するかが画一的にならず、理想的な所定条件の成立タイミングが変動するものとなる。このため、上限入賞個数を予測するだけに留まらず、理想的なタイミングで所定条件が成立することを期待して遊技することができる。よって、ラウンド遊技を淡々と消化するだけの場合に比べ、各ラウンド遊技を格段に面白くすることができ、開閉実行モード中の遊技を大いに盛り上げることが可能になる。
上記所定条件が遊技者の操作に基づいて成立し得るものとした。この場合、所定条件の成立タイミングに遊技者が関与することができる。これにより、所定条件が成立するか否かを見ているだけの場合に比べ、各ラウンド遊技の興趣性を高めることができるほか、遊技への積極参加を促進することが可能になる。
特定領域(V入賞センサ507の検知領域)を遊技球が通過すると上記所定条件が成立するとともに、可変入賞装置32に到達可能な強さで発射された遊技球が到達可能な位置に上記特定領域を配置する構成とした。この場合、可変入賞装置32に遊技球を入賞させながら所定条件を成立させることができ、開閉実行モードの遊技と所定条件を成立させる遊技とを好適に両立させることが可能になる。これにより、例えば、所定条件を成立させようとすると可変入賞装置32への入賞確率が低下するなど、開閉実行モードの遊技が損なわれることを抑制しつつ、各ラウンド遊技の実行中に所定条件を成立させる遊技を付加することが可能になる。
加えて、上記特定領域を可変入賞装置32内に配置する構成とした。この場合、遊技者の注目箇所が集約され、遊技球が可変入賞装置32に入賞したか否かと、所定条件が成立したか否か(特定領域を遊技球が通過したか否か)との両方を、視線移動を伴うことなく視認することが可能になる。その結果、可変入賞装置32への入賞や特定領域を遊技球が通過したか否かの見逃しが抑制され、遊技者にとって遊技しやすい構成とすることができる。
可変入賞装置32の大入賞口32a内に、遊技球が特定領域を通過する右側入口部504と、遊技球が特定領域を通過しない左側入口部505とを設けるとともに、第1発射操作(所定量以上の強さで遊技球を発射する操作)で発射された遊技球が右側入口部504に入球可能となり、第2発射操作(所定量未満の強さで遊技球を発射する操作)で発射された遊技球が左側入口部505に入球可能となるように遊技球を案内する案内通路部401を設けた。
この構成によれば、特定領域に遊技球を通過させるか否かの打ち分けができるため、所定条件を成立させるタイミングを遊技者が決定することが可能になる。よって、遊技者が上限入賞個数を予測し、その予測結果に対応したタイミングで自ら所定条件を成立させるという遊技を提供することができる。かかる遊技にあっては、遊技者が所定条件を成立させるタイミングが実際の上限入賞個数から見て早い場合は、特典が得られるものの、ラウンド遊技が早く終了してしまう。逆に所定条件の成立タイミングが実際の上限入賞個数から見て遅い場合は、特典が得られることなくラウンド遊技が終了してしまう。このように、遊技者の予測結果によりラウンド遊技で得られる利益が変化するため、各ラウンド遊技の上限入賞個数を予測して遊技することの面白みが好適に高められ、開閉実行モードの興趣性を大きく向上させることが可能になる。
なお、本実施の形態において、第1発射操作で発射された遊技球が右側入口部504に入球しやすく、第2発射操作で発射された遊技球が左側入口部505に入球しやすい(右側入口部504に入球不可ではないものの、第1発射操作の場合に比べて右側入口部504に入球しにくい)構成としてもよい。
上記特典の付与として、所定条件が成立したラウンド遊技の次のラウンド遊技が実行されるものとした。特定領域に遊技球を通過させるか否かの打ち分けにより、所定条件の成立タイミングを遊技者が決定できるところ、ラウンド継続を優先させて早めのタイミングで所定条件を成立させてばかりいると、開閉実行モードを完走させることができたとしても、得られる総賞球数が少なく抑えられる。一方、1ラウンド分のラウンド遊技での賞球数を多くすべく、ギリギリまで所定条件の成立タイミングを引き延ばしていると、開閉実行モードが途中で終了する結果を招くことになる。つまり、各ラウンド遊技の上限入賞個数を予測した上で勇気が試される、いわゆるチキンレースのような遊技性を実現することができ、興趣性の高い開閉実行モードを提供することが可能になる。
各ラウンド遊技の上限入賞個数を報知しない構成とした。この場合、各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されていることと相俟って、各ラウンド遊技の上限入賞個数を遊技者が判別不可又は判別困難とすることができ、上限入賞個数を予測する遊技を引き立てることが可能になる。
本実施の形態では、開閉実行モードで実行される全てのラウンド遊技について上限入賞個数を報知しない構成としたが、一部のラウンド遊技についてのみ上限入賞個数を報知しない構成としてもよい。この場合でも、上限入賞個数が報知されないラウンド遊技において上限入賞個数を予測する遊技が担保されるためである。
ちなみに本実施の形態では、特図用表示部43における特図の停止結果(停止結果A~停止結果C)と各ラウンド遊技の上限入賞個数とを対応させているため、特図用表示部43に停止表示された停止結果を参考にして各ラウンド遊技の上限入賞個数を判別することも可能である。そのような意味では、各ラウンド遊技の上限入賞個数を遊技者が認識可能となる特定報知が行われているといえる。
但し、上記停止結果による特定報知は、上限入賞個数を直接的に報知するものではなく、間接的な報知に留まる。このため、誰でも簡単に上限入賞個数が判明するものにはならず、各ラウンド遊技の上限入賞個数を予測して楽しむ遊技が過度に阻害されることはない。特に、停止結果からの上限入賞個数の判別が可能となるのは、停止結果の種類と各ラウンド遊技の上限入賞個数との対応関係を遊技者が全て把握している場合に限られるため、遊技者が本パチンコ機10に対する興味や知識を深める契機となり、延いては遊技意欲の喚起に繋げることができる。
また、かかる構成は、不正対策としても有効に機能させることができる。例えば、正規に設定される上限入賞個数とは異なる上限入賞個数でパチンコ機10が動作するような不正行為が行われた場合に、遊技ホールの従業員が特図用表示部43の停止結果を視認することで、上限入賞個数の不一致を判別することが可能となる。よって、不正行為の早期発見に寄与することができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、各ラウンド遊技の上限入賞個数を遊技者が認識可能な報知を実行する点で上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態について図25~図31を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
<開閉実行モード用演出処理>
先ず、演出制御装置82のMPU242にて実行される開閉実行モード用演出処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。この処理は、開閉実行モード中の遊技演出を実行するためのものであり、MPU242にて所定の周期(例えば2msec)ごとに起動される定期処理の一環として実行される。
開閉実行モード用演出処理では先ず、ステップS1101にて、主制御装置81からの送信コマンドとしてオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したように、主制御装置81から受信したコマンドは、RAM244のコマンド格納エリアに記憶されており、本ステップでは、当該コマンド格納エリアにオープニングコマンドに対応する情報が記憶されているか否かを確認することで上記判定を行う。
オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS1102に進み、オープニング演出の設定処理を実行する。本ステップでは、オープニング演出が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1102の実行後は開閉実行モード用演出処理を終了する。
オープニングコマンドを受信していない場合には、ステップS1103にて、ラウンド遊技の開始タイミングであるか否かを判定する。ラウンド遊技の開始タイミングであるか否かの判定方法は特に限定されるものではないが、例えば、各ラウンド用の設定処理(図20)等の主制御装置81のMPU112にてラウンド遊技の開始タイミングで実行される処理において、ラウンド遊技の開始を示すラウンド開始コマンドを設定する処理を設け、本ステップでは、そのラウンド開始コマンドの受信タイミングであるか否かを確認することで上記判定を行うことができる。なお、本実施の形態では、1のラウンド遊技における可変入賞装置32の開放回数が1回であるため、図18のステップS606で設定される開放コマンドを上記ラウンド開始コマンドの代用としてもよい。
ラウンド遊技の開始タイミングである場合には、ステップS1104に進み、ラウンド遊技の開始タイミングに合わせて実行するラウンド開始用処理を実行する。ステップS1104の実行後は開閉実行モード用演出処理を終了する。なお、ラウンド開始用処理の詳細については後述する。
ラウンド遊技の開始タイミングでない場合には、ステップS1105にて、ラウンド遊技中であるか否かを判定する。ラウンド遊技中であるか否かの判定は、上記ラウンド開始コマンド又は開放コマンドを受信した後であって、後述するラウンド終了コマンド又は閉鎖コマンドを受信する前の状態である否かを判定することで、行うことができる。ラウンド遊技中である場合には、ステップS1106にてラウンド中用処理を実行し、その後、開閉実行モード用演出処理を終了する。なお、ラウンド中用処理の詳細については後述する。
ラウンド遊技中でない場合には、ステップS1107にて、ラウンド終了タイミングである否かを判定する。例えば、図18のステップS619の直後にラウンド遊技の終了を示すラウンド終了コマンドを設定する処理を設け、本ステップにおいて、そのラウンド終了コマンドの受信タイミングであるか否かを確認することで、ラウンド終了タイミングである否かを判定することができる。なお、閉鎖コマンドを上記ラウンド終了コマンドの代用としてもよい。ラウンド終了タイミングである場合には、ステップS1108にてラウンド終了用処理を実行し、その後、開閉実行モード用演出処理を終了する。なお、ラウンド終了用処理の詳細については後述する。
ラウンド終了タイミングでない場合は、ステップS1109にて、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル)中であるか否かを判定する。待機期間中である場合には、ステップS1110にて待機期間用処理を実行し、その後、開閉実行モード用演出処理を終了する。なお、待機期間用処理の詳細について後述する。
待機期間中でない場合には、ステップS1111にて主制御装置81からの送信コマンドとしてエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS1112に進み、エンディング演出が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1112の実行後又はステップS1111で否定判定した場合は開閉実行モード用演出処理を終了する。
次に、ステップS1110の待機期間用処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
待機期間用処理では先ず、ステップS1201にて、1ラウンド目~14ラウンド目の待機期間であるか否かを判定する。なお、1ラウンド目の待機期間とは、1ラウンド目のラウンド遊技の直後に設けられる待機期間であり、換言すれば、1ラウンド目のラウンド遊技と2ラウンド目のラウンド遊技との間の待機期間である。何ラウンド目の待機期間であるかの判別は、上記ラウンド開始コマンド又は開放コマンドを受信することに基づいて演出制御装置82側で独自にラウンド数をカウントし、その結果に基づいて判別することができる。また、上記ラウンド開始コマンド等に何ラウンド目のラウンド遊技であるかの情報を含ませ、当該コマンドを解析することで判別する構成としてもよい。
1ラウンド目~14ラウンド目の待機期間であると判定した場合には、ステップS1202にて、第1演出DR1の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、第1演出DR1について図30(a)を参照して説明する。第1演出DR1は、次のラウンド遊技で遊技者が達成すべき課題(目標)を報知する演出である。本実施の形態では、開閉実行モードでの各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されていることを踏まえ、次のラウンド遊技にて可変入賞装置32への上限入賞個数目の入賞でV入賞を発生させることを上記課題としている。第1演出DR1では、例えば、神様を模したキャラクタ画像601と併せて、例えば「上限数でV入賞させてみよ」等の文字が表示されたメッセージ画像602が図柄表示装置41の表示画面Gに表示される。
なお、本実施の形態では、1ラウンド目~14ラウンド目の待機期間であるか否かの判定と、第1演出DR1の開始タイミングであるか否かの判定とを各別に行っているが、待機期間の開始タイミングで第1演出DR1を開始する場合はステップS1202の処理を省略してもよい。
ステップS1202で第1演出DR1の開始タイミングであると判定した場合には、ステップS1203に進み、RAM244に設けられた各種フラグ格納エリアに成功フラグが格納されているか否かを判定する。成功フラグは、第1演出DR1により報知される上記課題が達成されたことを示すフラグである。
成功フラグが格納されていない場合には、ステップS1204にて、第1演出DR1を実行するための設定処理を実行する。本ステップでは、第1演出DR1の表示内容を示す情報又は第1演出DR1を指定する情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、第1演出DR1用の画像データをキャラクタROM276から読み出し、その画像データに対応する画像が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1204では、ROM243に記憶されている第1演出DR1用の音声データや電飾用データを読み出し、例えば、上記メッセージ画像602の表示内容に対応した音声が出力されたり、第1演出DR1用の発光演出が行われたりするように、スピーカ部64や発光部63を駆動制御する。
上記ステップS1201で1ラウンド目~14ラウンド目の待機期間でないと判定した場合、すなわち、15ラウンド目の待機期間である場合には、ステップS1205に進み、第1演出DR1とは異なる通常の待機期間用演出が実行されるように、表示制御装置212にコマンドを出力したり、スピーカ部64や発光部63を駆動制御する。また、ステップS1203で成功フラグが格納されていると判定した場合にも、ステップS1205に進み、通常の待機期間用演出を設定する処理を実行する。なお、通常の待機期間用演出では、第1演出DR1のように上記課題が報知されることはない。
ステップS1204又はステップS1205の実行後又はステップS1202で第1演出DR1の開始タイミングでないと判定した場合には、待機期間用処理を終了する。
次に、ステップS1104のラウンド開始用処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
ラウンド開始用処理では先ず、ステップS1301にて、開始されるラウンド遊技が開閉実行モードでの初回のラウンド遊技又は最終回のラウンド遊技であるか否かを判定する。初回のラウンド遊技又は最終回のラウンド遊技であると判定した場合には、ステップS1302にて通常のラウンド用演出の設定処理を実行する。ステップS1302では、通常のラウンド用演出が実行されるように、表示制御装置212にコマンドを出力したり、スピーカ部64や発光部63を駆動制御する。
上記ステップS1301で初回のラウンド遊技又は最終回のラウンド遊技でないと判定した場合には、ステップS1303にて、開始されるラウンド遊技の上限入賞個数を把握する処理を実行する。上限入賞個数の把握方法は特に限定されるものではないが、例えば、図21の上限数振分テーブルと同様のテーブル情報をROM243に記憶しておき、当該テーブル情報と、主制御装置81から送信される種別コマンド(振り分けられた大当たり種別を示すコマンド)と、何ラウンド目のラウンド遊技であるかの把握結果とに基づいて、上限入賞個数を把握する構成とすることができる。また、上記ラウンド開始コマンドを送信する場合は、当該コマンドに上限入賞個数を示す情報を含ませてもよいし、ラウンド遊技又は開閉実行モードの開始時に上限入賞個数を示す専用コマンドを主制御装置81が送信する構成としてもよい。本ステップでは、把握した上限入賞個数の情報をRAM244の所定の記憶領域に記憶する。
続くステップS1304では、RAM244の各種フラグ格納エリアに成功フラグが格納されているか否かを判定する。成功フラグが格納されていない場合には、ステップS1305に進み、第1演出DR1が継続実行されるように設定する。すなわち、直前の待機期間にて実行されている第1演出DR1がラウンド遊技の開始後も引き続き実行されるように各種機器を制御する。
なお、ラウンド遊技中の第1演出DR1では、図30(a)に示すように、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかを報知するラウンド表示600が行われる。また、このラウンド表示600は、上記通常のラウンド用演出でも行われる。
ステップS1304で成功フラグが格納されている場合には、ステップS1306の処理を実行するが、この処理の説明に先立ち、ステップS1106のラウンド中用処理について図28のフローチャートを参照して説明する。
ラウンド中用処理では先ず、ステップS1401にて、主制御装置81から入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。入賞コマンドを受信している場合にはステップS1402に進み、入賞カウンタSPCの値を1加算して更新する。入賞カウンタSPCは、可変入賞装置32への遊技球の入賞個数を演出制御装置82が把握するためのものであり、その値を記憶するための記憶領域がRAM244の各種カウンタエリアに設けられる。
続くステップS1403では、RAM244の各種フラグ格納エリアに成功フラグが格納されているか否かを判定する。成功フラグが格納されていない場合にはステップS1404に進み、主制御装置81からV入賞コマンドを受信しているか否か、すなわち、V入賞が発生したか否かを判定する。V入賞コマンドを受信している場合には、ステップS1405にて、その時点での入賞カウンタSPCの値と、上記ステップS1303で把握した上限入賞個数とが一致するか否かを判定する。
両者の値が一致する場合には、ステップS1406にてRAM244の各種フラグ格納エリアに成功フラグを格納し、その後、ステップS1407にて、第2演出DR2を実行するための設定処理を実行する。ここで、第2演出DR2について図30(b)を参照して説明する。第2演出DR2は、第1演出DR1で提示された課題が達成されたことを報知する演出である。第2演出DR2では、神様を模したキャラクタ画像601と併せて、例えば「見事!!褒美を授けよう」等の文字が表示されたメッセージ画像603が図柄表示装置41の表示画面Gに表示される。
ステップS1407では、第2演出DR2の表示内容を示す情報又は第2演出DR2を指定する情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、第2演出DR2用の画像データをキャラクタROM276から読み出し、その画像データに対応する画像が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1407では、ROM243に記憶されている第2演出DR2用の音声データや電飾用データを読み出し、例えば、上記メッセージ画像603の表示内容に対応した音声が出力されたり、第2演出DR2用の発光演出が行われたりするように、スピーカ部64や発光部63を駆動制御する。
ステップS1407の実行後、ステップS1401で否定判定した場合(入賞コマンドを受信していない場合)、ステップS1403で肯定判定した場合(成功フラグが格納されている場合)、ステップS1404で否定判定した場合(V入賞コマンドを受信していない場合)又はステップS1405で否定判定した場合(入賞カウンタSPCの値と上限入賞個数とが一致しない場合)には、ラウンド中用処理を終了する。
ラウンド開始用処理(図27)の説明に戻り、ステップS1304で成功フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS1306にて、開始されるラウンド遊技でのラウンド中演出として成功ラウンド用演出DR4を設定する。成功ラウンド用演出DR4は、第1演出DR1で提示された課題が達成された場合に、その次のラウンド遊技で実施されるものである。成功ラウンド用演出DR4では、図30(d)に示すように、そのラウンド遊技の上限入賞個数を報知する特定画像604が表示される。特定画像604では、上限入賞個数を示す上限数画像604aのほか、その時点での可変入賞装置32への入賞個数を示す入賞数画像604bが表示される。
ステップS1306では、成功ラウンド用演出DR4の表示内容を示す情報又は第2演出DR2を指定する情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、上記演出DR4用の画像データをキャラクタROM276から読み出し、その画像データに対応する画像が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1306では、ROM243に記憶されている上記演出DR4用の音声データや電飾用データを読み出し、上記演出DR4用の音声演出や発光演出が行われるように、スピーカ部64や発光部63を駆動制御する。
ステップS1306、ステップS1302又はステップS1305の実行後は、ラウンド開始用処理を終了する。
次に、ステップS1108のラウンド終了用処理について図29のフローチャートを参照して説明する。
ラウンド終了用処理では先ず、ステップS1501にて、RAM244の各種フラグ格納エリアに成功フラグが格納されているか否かを判定する。ラウンド終了用処理はラウンド遊技の終了時に実行されるものであるため、本ステップは、課題が達成されないままラウンド遊技の終了に至ったか否かを判定するものとなっている。なお、課題が達成されなかった場合としては、上限入賞個数目とは異なる入賞でV入賞が発生した場合や、ラウンド遊技中にV入賞が発生しなかった場合が該当する。
成功フラグが格納されていない場合(課題が達成されなかった場合)には、ステップS1502に進み、第3演出DR3を実行するための設定処理を実行する。ここで、第3演出DR3について図30(c)を参照して説明する。第3演出DR3は、第1演出DR1で提示された課題へのチャレンジに失敗したことを報知する演出である。第3演出DR3では、怒った表情のキャラクタ画像605と併せて、例えば「出直しこい!」等の文字が表示されたメッセージ画像606が図柄表示装置41の表示画面Gに表示される。
ステップS1502では、第3演出DR3の表示内容を示す情報又は第3演出DR3を指定する情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、第3演出DR3用の画像データをキャラクタROM276から読み出し、その画像データに対応する画像が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1502では、ROM243に記憶されている第3演出DR3用の音声データや電飾用データを読み出し、例えば、上記メッセージ画像606の表示内容に対応した音声が出力されたり、第3演出DR3用の発光演出が行われたりするように、スピーカ部64や発光部63を駆動制御する。
ステップS1502の実行後は、ステップS1503に進み、RAM244の各種カウンタエリアに設けられた入賞カウンタSPCの値に「0」をセットする。続くステップS1504では、ラウンド開始用処理(図27)のステップS1303でRAM244に記憶された上限入賞個数の情報を消去し、その後、ラウンド終了用処理を終了する。
また、上記ステップS1501で肯定判定した場合(成功フラグが格納されている場合)は、終了するラウンド遊技が最終回のラウンド遊技であるか否かを判定する。最終回のラウンド遊技である場合には、ステップS1506に進み、RAM244の各種フラグ格納エリアに格納されている成功フラグを消去する。すなわち、最終回のラウンド遊技まで成功フラグが格納され続けるため、開閉実行モード中のいずれかのラウンド遊技にて課題が達成された場合には、その次のラウンド遊技だけでなく、その後のラウンド遊技についても継続して上限入賞個数が報知される。なお、図示を省略しているが、上限入賞個数の報知が行われている状態でラウンド継続とならず、開閉実行モードが途中で終了する場合にも、最後となったラウンド遊技の終了タイミングで成功フラグを消去する。
ステップS1506の実行後又はステップS1505で否定判定した場合(最終回のラウンド遊技でない場合)には、ステップS1503に進み、入賞カウンタSPCの値に「0」をセットする処理を実行する。
<開閉実行モード中の遊技演出の流れについて>
次に、開閉実行モード中の遊技演出の流れについて図31を参照して説明する。ここでは、第1演出DR1をラウンド間の待機期間の開始時に開始するものとする。
タイミングt1において1ラウンド目の待機期間が開始されると、第1演出DR1が実行される。第1演出DR1では、例えば「上限数でV入賞させてみよ」等の文字が表示されたメッセージ画像602が表示され、遊技者に対し、2ラウンド目のラウンド遊技にて上限入賞個数目の入賞でV入賞を発生させるべき旨が報知される。
上記第1の実施の形態で述べたように、遊技者からは2ラウンド目のラウンド遊技の上限入賞個数が判別不可又は判別困難となっているため、遊技者は、2ラウンド目のラウンド遊技の上限入賞個数を予測して遊技することになる。
例えば、2ラウンド目のラウンド遊技において、遊技者が予測した上限入賞個数が実際の上限入賞個数よりも少なく、上限入賞個数目よりも少ない入賞でV入賞が発生した場合には、当該ラウンド遊技の終了タイミング(換言すれば、V入賞の発生タイミング)であるタイミングt2において第3演出DR3が実行される。第3演出DR3では、例えば「出直してこい!」等の文字が表示されたメッセージ画像606が表示され、チャレンジの失敗が報知される。第3演出DR3が所定期間行われた後、再び第1演出DR1が実行され、3ラウンド目のラウンド遊技にて上限入賞個数目の入賞でV入賞を発生させるべき旨が報知される。
例えば、3ラウンド目のラウンド遊技において、遊技者が予測した上限入賞個数と実際の上限入賞個数とが一致し、上限入賞個数目の入賞でV入賞が発生した場合には、当該ラウンド遊技の終了タイミング(タイミングt3)において第2演出DR2が実行される。第2演出DR2では、例えば「見事!!褒美を授けよう」等の文字が表示されたメッセージ画像603が表示され、チャンレンジの成功が報知される。
その後、4ラウンド目のラウンド遊技の開始タイミング(タイミングt4)において成功ラウンド用演出DR4が実行される。成功ラウンド用演出DR4では、そのラウンド遊技の上限入賞個数を報知する特定画像604が表示される。この特定画像604は、当該ラウンド遊技が終了するまで継続表示される。また、その次のラウンド遊技でも成功ラウンド用演出DR4が実行され、そのラウンド遊技の上限入賞個数を報知する特定画像604が表示される。すなわち、一度チャレンジに成功すれば、以後のラウンド遊技において各ラウンド遊技の上限入賞個数が報知される。よって、遊技者は、特定画像604を見ることで各ラウンド遊技の上限入賞個数を知ることができ、チャレンジに失敗して特定画像604が表示されない場合に比べ、遊技を有利に進めることが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されている構成の下、所定条件(課題の達成)を成立させることで、上限入賞個数が報知される構成とした。このような報知が行われた場合、遊技者は、上限入賞個数を予測して遊技せざる得ない場合に比べて有利に遊技を進めることができる。よって、所定条件の成立を目指して遊技する面白みを付与することができ、開閉実行モードの遊技の単調化を好適に抑制することが可能になる。
上記所定条件が開閉実行モード中に成立し得る構成とした。この構成によれば、開閉実行モードにおいて可変入賞装置32に遊技球を入賞させて賞球を得る遊技だけでなく、開閉実行モードの中で所定条件を成立させて報知を実行させる遊技を付与することができる。これにより、開閉実行モード中の遊技をより好適に盛り上げることが可能になる。
可変入賞装置32内に設けた特定領域(V入賞センサ507の検知領域)を遊技球が通過することに基づいて上記所定条件が成立する構成とした。この場合、可変入賞装置32に遊技球を入賞させながら所定条件を成立させることができ、開閉実行モードの遊技と所定条件を成立させる遊技とを好適に両立させることが可能になる。これにより、例えば、所定条件を成立させようとすると可変入賞装置32への入賞確率が低下するなど、開閉実行モードの遊技が損なわれることを抑制しつつ、各ラウンド遊技の実行中に所定条件を成立させる遊技を付加することが可能になる。
上限入賞個数目の入賞球が上記特定領域を通過することで上記所定条件が成立する構成とした。各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されているため、上限入賞個数目の入賞で遊技球を特定領域に通過させることは容易でなく、所定条件の成立難易度を高めることができる。例えば、所定条件の成立難易度が低く、報知の実施が簡単であると、上限入賞個数を多様化して遊技者に予測させるようにした意義が失われるおそれがある。この点、本実施の形態では、難易度が高められることから、報知の実施が達成されない状況がある程度の頻度で発生するものとなり、上限入賞個数を多様化した構成と上限入賞個数を報知する構成とを好適に調和させることが可能になる。
開閉実行モード中に上限入賞個数が報知される構成とした。各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されている中で、リアルタイムで各ラウンド遊技の上限入賞個数が報知されるため、遊技者にとって有益な報知を行うことができ、当該報知への関心度を高めることが可能になる。
その場合において、上限入賞個数の報知をラウンド間の待機期間を利用して行う構成とした。上記待機期間では、可変入賞装置32が閉鎖状態とされているため、可変入賞装置32に遊技球が入賞するか否かに注意を奪われることなく報知を見ることができる。よって、上限入賞個数の報知の見逃しが好適に抑制され、遊技者が当該報知を通じて各ラウンド遊技の上限入賞個数を把握しやすい構成とすることができる。
開閉実行モード中のいずれかのラウンド遊技で所定条件が成立した場合、そのラウンド遊技よりも後に実行される複数ラウンド分のラウンド遊技について上限入賞個数の報知が行われる構成とした。この場合、開閉実行モードにおいて早期に所定条件を成立させるほど、より多くのラウンド遊技について上限入賞個数を知ることが可能になる。これにより、少しでも早く所定条件を成立させることを目指して遊技する楽しみを付与することができ、開閉実行モード中の遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。
本実施の形態では、所定条件が成立したラウンド遊技の次のラウンド遊技から上限入賞個数を報知する構成としたが、所定条件を成立させたラウンド遊技の上限入賞個数が幾つかであったのかを知らせるべく、所定条件が成立したラウンド以後のラウンド遊技について上限入賞個数を報知する構成としてもよい。
なお、上記第1の実施の形態でも述べたが、特図用表示部43における特図の停止結果(停止結果A~停止結果C)の表示が上限入賞個数を遊技者が認識可能となる特定報知としても機能している。そのような意味では、本実施の形態は、特図用表示部43に停止表示される停止結果による第1特定報知と、表示画面Gに表示される成功ラウンド用演出DR4(特定画像604)による第2特定報知(第1特定報知よりも遊技者が上限入賞個数を認識しやすい報知)との両方が行われる構成といえる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、可変入賞装置32の構成が上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態について図32~図45を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図32は、本実施の形態に係る可変入賞装置32の通路構造を示す図である。本実施の形態では、右側入口部504の後方に設けられる通路部の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。なお、可変入賞装置32に係る他の構成は上記第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図32に示すように、右側入口部504の後方には、上下方向に延びる右側縦通路部701が設けられている。右側縦通路部701は、通路部502(図7(a))と連通しており、大入賞口32a(図6(b))に流入した遊技球のうち右側入口部504に入った遊技球を下方へと案内する。右側縦通路部701の途中位置には、右側入口部504に入った遊技球を検知する入賞センサ702が配置されている。入賞センサ702は、上記第1の実施の形態に係る入賞センサ509と同様に、大入賞口32aへの遊技球の入賞有無のみを検知するものとなっている。
右側縦通路部701において入賞センサ702の下流側には、転落入賞センサ703が配置されている。詳細は後述するが、本実施の形態では、大入賞口32aに入賞した遊技球が転落入賞センサ703を通過することに基づいて、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する構成となっている。すなわち、転落入賞センサ703又はその配置領域は、高確率モードから低確率モードへの転落契機となる特定領域となっている。
右側縦通路部701において入賞センサ702と転落入賞センサ703との中間部には、右側縦通路部701から分岐する分岐通路部704が設けられている。分岐通路部704の途中位置にはV入賞センサ705が配置されている。本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、1のラウンド遊技の実行中に遊技球がV入賞センサ705を通過したこと(V入賞の発生)を条件として、その次のラウンド遊技が実行される構成となっている。なお、V入賞センサ705は、上記第1の実施の形態に係るV入賞センサ705とは異なり、大入賞口32aへの遊技球の入賞有無を検知する役割を果たしておらず、V入賞の発生のみを検知するものとなっている。
上記入賞センサ702、転落入賞センサ703及びV入賞センサ705は、主制御装置81に電気的に接続されており、各入賞センサ702,703,705の検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される。主制御装置81ではこの検知情報に基づき、遊技球が各入賞センサ702,703,705を通過したか否かを判定する。なお、入賞センサ702への遊技球の通過が主制御装置81により把握された場合、賞球の払い出しが行われるが、転落入賞センサ703又はV入賞センサ705への遊技球の通過が把握されても賞球の払い出しは行われない。また、以下においては、転落入賞センサ703の配置領域又はその検知領域を転落領域703aということがある。
右側縦通路部701及び分岐通路部704の各通路幅は、遊技球の直径よりも大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなっており、これら各通路部701,704はいずれも1条の球通路となっている。また、これら各通路部701,704を流下し、各入賞センサ702,703,705を通過した遊技球は、排出通路盤88(図3)へと導かれ、パチンコ機10の外部に排出される。
転落入賞センサ703の上方には、転落入賞センサ703を上方から覆うようにしてシャッタ706が配置されている。シャッタ706は、右側縦通路部701の通路幅方向(詳しくは前後方向)へのスライド移動が可能な状態で保持されている。つまり、シャッタ706は、右側縦通路部701内に突出する突出位置(前進位置)と、突出位置から後方に退避し、右側縦通路部701内への突出量が抑えられた退避位置(後退位置)とに変位可能となっている。
図32(a)に示すように、シャッタ706が突出位置に配置される場合には、シャッタ706により転落領域703aへの流路が遮断される。これにより、転落領域703aが閉鎖状態となり、右側入口部504に入った遊技球が転落入賞センサ703を通過できなくなる。シャッタ706により転落領域703aへの流入が規制された遊技球は、シャッタ706の上面部706aに当接することで、分岐通路部704へと導かれ、V入賞センサ705を通過する。
シャッタ706の上面部706aは、分岐通路部704側に下る傾斜面となっており、これにより、分岐通路部704への遊技球の案内が良好に行われるようになっている。シャッタ706の高さ位置は、当該シャッタ706が突出位置に配置されている状態で分岐通路部704への遊技球の流れを阻害しない高さ位置、詳しくは、遊技球が引っかかる程度の段差が上面部706aと分岐通路部704との間に形成されない高さ位置に設定されている。本実施の形態では、上面部706aを分岐通路部704と略同一の傾斜角度で傾斜させ、上面部706a及び分岐通路部704により略直線状の球通路が形成される高さ位置に設定されている。
図32(b)に示すように、シャッタ706が退避位置に配置される場合には、転落領域703aの上方からシャッタ706が退避し、当該領域703aが上方に開放される。これにより、転落領域703aが開放状態となり、右側入口部504に入った遊技球が転落入賞センサ703を通過可能となる。
なお、本実施の形態では、転落領域703aが閉鎖状態である場合に転落入賞センサ703への遊技球の通過を不可としているが、開放状態に比べて通過しにくい範囲で通過可能としてもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで転落入賞センサ703の通過しやすさが相違すればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
上記通路構造の前方領域は光透過領域となっており、パチンコ機10の前方から当該通路構造を流れる遊技球を視認可能となっている。なお、必ずしも通路構造の全体が視認可能である必要はなく、少なくともシャッタ706(遊技球の振分状況)とV入賞センサ705(遊技球がV入賞センサ705の検知領域を通過したか否か)とが視認可能であればよい。
可変入賞装置32には、シャッタ706を駆動するシャッタ用の駆動部707が設けられている。駆動部707は、駆動源としてのソレノイドと、当該ソレノイドの駆動力をシャッタ706に伝達する駆動力伝達手段としてのリンク機構とを有している。ソレノイドは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81からの駆動信号に基づいて駆動する。ソレノイドが駆動することで、シャッタ706が突出位置から退避位置に後退し、転落領域703aが閉鎖状態から開放状態に切り換わる。主制御装置81からの駆動信号の出力が停止すると、付勢手段(ばね等)の付勢力によってシャッタ706が退避位置から突出位置に前進し、転落領域703aが開放状態から閉鎖状態に切り換わる。
<タイマ割込み処理>
次に、主制御装置81のMPU112によって実行されるタイマ割込み処理について図33を参照して説明する。この処理は、図13のタイマ割込み処理に代えて実行されるものである。なお、図33において図13の各種処理と同様のものについては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS106のV入賞用処理を実行した後は、ステップS1601にて転落入賞用処理を実行する。転落入賞用処理の実行後はタイマ割込み処理を終了する。
ここで、転落入賞用処理について図34のフローチャートを参照して説明する。転落入賞用処理では先ずステップS1701にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに転落フラグが格納されているか否かを判定する。転落フラグが格納されていない場合には、ステップS1702に進み、可変入賞装置32に設けられた転落入賞センサ703の検知状態(ステップS101の各種センサの読み込み結果)に基づき、転落入賞が発生したか否か(転落入賞センサ703の検知領域を遊技球が通過したか否か)を判定する。
転落入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1703にて、転落入賞の有効期間中であるか否かを判定する。当該有効期間は、正常に転落入賞が発生し得る期間を見込んで予め定められる所定期間であり、例えばシャッタ706の開放期間が上記有効期間として設定される。有効期間中でない判定した場合には、ステップS1704に進み、異常が発生したとしてエラーコマンドを設定し、その後、転落入賞用処理を終了する。設定されたエラーコマンドは、通常処理(図14)の外部出力処理にて演出制御装置82に送信され、演出制御装置82では、所定のエラー報知が実行されるように、表示制御装置212、発光部63及びスピーカ部64を制御する。
一方、有効期間中であると判定した場合には、ステップS1705に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに転落フラグを格納する。続くステップS1706では、演出制御装置82への送信対象として転落入賞コマンドを設定する。転落入賞コマンドは、転落入賞が発生したことを演出制御装置82に通知するためのコマンドであり、設定された転落入賞コマンドは、通常処理(図14)の外部出力処理にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、転落入賞コマンドを受信することで、転落入賞が発生したことを把握する。ステップS1706の実行後、ステップS1701で肯定判定した場合(転落フラグが格納されている場合)又はステップS1702で否定判定した場合(転落入賞が発生していない場合)には、転落入賞用処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について図35のフローチャートを参照して説明する。この処理は、図14の通常処理に代えて実行されるものである。図35において図14の各種処理と同様のものについては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS205にて電役サポート用処理を実行した後は、ステップS1801にて、シャッタ706を駆動制御するためのシャッタ駆動用処理を実行する。なお、シャッタ駆動用処理の詳細については後述する。ステップS1801の実行後は、ステップS206に進み、遊技球の発射を制御する遊技球発射制御処理を実行する。
<大入賞口開閉処理>
次に、ステップS510(図17)の大入賞口開閉処理について図36のフローチャートを参照して説明する。この処理は、図18の大入賞口開閉処理に代えて実行されるものである。
大入賞口開閉処理では先ず、ステップS1901にてラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS1902にて、ラウンド遊技の実行中であるか否かを判定する。ラウンド遊技の実行中であるか否かの判定は、後述するラウンドフラグがRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている否かを判定することで行う。
ラウンド遊技の実行中でない場合には、ステップS1903に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」である場合にはステップS1904に進む。ステップS1904では、開閉実行モードでの各ラウンド遊技における可変入賞装置32への上限入賞個数及び可変入賞装置32の開放回数を設定する各ラウンド用の設定処理を実行する。
ここで、各ラウンド用の設定処理について図37のフローチャートを参照して説明する。本設定処理では先ず、ステップS2101にてラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。すなわち、設定対象のラウンド遊技が開閉実行モードにおける1ラウンド目のラウンド遊技であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「16」でない、すなわち、設定対象のラウンド遊技が2ラウンド目以降のラウンド遊技である場合には、ステップS2102にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている継続フラグを消去する。なお、継続フラグは、上記第1の実施の形態に係る継続フラグと同様のものである。
ステップS2102の実行後又は上記ステップS2101で肯定判定した場合(ラウンドカウンタRCの値が「16」である場合)は、ステップS2103にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された大当たり種別フラグに基づき、実行される又は実行中の開閉実行モードに対応する大当たり種別を把握する。例えば、各種フラグ格納エリア114eに16R大当たりAフラグが格納されている場合には、上記開閉実行モードに対応する大当たり種別として16R大当たり結果Aを把握する。また、本ステップでは、ラウンドカウンタRCの値に基づき、設定対象のラウンド遊技(これから開始するラウンド遊技)が何ラウンド目のラウンド遊技であるかを把握する。
続くステップS2104では、ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている上限数振分テーブルを参照し、設定対象のラウンド遊技における可変入賞装置32への上限入賞個数を設定する。
ここで、図38(a)を参照して上限数振分テーブルについて説明する。上限数振分テーブルでは、大当たり種別ごとに各ラウンド遊技の上限入賞個数が規定されている。16R大当たり結果Aに対応する各ラウンド遊技の上限入賞個数は、いずれのラウンド遊技についても8個とされ、ラウンド間で統一されている。16R大当たり結果Bに対応する各ラウンド遊技の上限入賞個数は、10ラウンド目までは16R大当たり結果Aの場合と同じく、いずれのラウンド遊技も8個とされているが、11ラウンド目以降はいずれのラウンド遊技も1個とされている。16R大当たり結果Cに対応する各ラウンド遊技の上限入賞個数は、5ラウンド目まではいずれのラウンド遊技も8個とされているが、6ラウンド目以降はいずれのラウンド遊技も1個とされている。
なお、図38に記載された具体的な上限入賞個数は一例に過ぎず、これらの個数に限定されるものではない。例えば、上限入賞個数が8個であるラウンド遊技について、上限入賞個数を10個としてもよいし、また、上限入賞個数が1個であるラウンド遊技について、上限入賞個数を2個としてもよい。
各ラウンド用の設定処理(図37)の説明に戻り、ステップS2104では、上記ステップS2103における大当たり種別及び設定対象のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかの把握結果と、上記上限数振分テーブルとに基づき、対応する上限入賞個数を導出する。続くステップS2105では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCの値として、上記導出した上限入賞個数に対応する値を設定する。例えば、大当たり種別が16R大当たり結果Cであり、設定対象のラウンド遊技が6ラウンド目のラウンド遊技であり、導出された上限入賞個数が1個である場合には、入賞カウンタPCの値として「1」を設定する。
続くステップS2106では、ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている開閉パターンテーブルを参照し、設定対象のラウンド遊技における可変入賞装置32の開放回数を設定する。
ここで、図38(b)を参照して開閉パターンテーブルについて説明する。開閉パターンテーブルでは、大当たり種別ごとに各ラウンド遊技での可変入賞装置32の開放回数が規定されている。16R大当たり結果Aに対応する各ラウンド遊技の開放回数は、いずれのラウンド遊技についても8回とされ、ラウンド間で統一されている。16R大当たり結果Bに対応する各ラウンド遊技の開放回数は、10ラウンド目までは16R大当たり結果Aの場合と同じく、いずれのラウンド遊技も8回とされているが、11ラウンド目以降はいずれのラウンド遊技も1回とされている。16R大当たり結果Cに対応する各ラウンド遊技の開放回数は、5ラウンド目まではいずれのラウンド遊技も8回とされているが、6ラウンド目以降はいずれのラウンド遊技も1回とされている。
各開放の開放期間を設定する処理については後述するが、本実施の形態では、いずれの開放においても開放期間を1secに設定するものとしている。すなわち、1つのラウンド遊技で可変入賞装置32が8回開放する場合と、1つのラウンド遊技で可変入賞装置32が1回開放する場合とで、各開放の開放期間(開放態様)を同じにしている。このため、可変入賞装置32が8回開放した場合、8ラウンド分のラウンド遊技が行われたことによるものなのか、1ラウンド分のラウンド遊技が行われたことによるものなのかが、遊技者から見て判別不可又は判別困難となっている。よって、遊技者は、開閉実行モードの実行中において現在のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを予測して遊技することとなる。
本実施の形態では、上記のような特性をより有効に機能させるため、開閉実行モード中において、実行中又は開始されるラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを報知しない構成としている。
図38(b)の開閉パターンテーブルと図38(a)の上限数振分テーブルとを比較した場合、各ラウンド遊技の開放回数と各ラウンド遊技の上限入賞個数とが同じ数となっているが、これは、1sec間の開放で可変入賞装置32に1個の遊技球が入賞するという想定の下で、上限入賞個数に合わせて開放回数を設定したものである。なお、各ラウンド遊技の開放回数は、図38(b)に記載された数に限定されるものではなく、上限数振分テーブルと同様に任意に設定することができる。
各ラウンド用の設定処理(図37)の説明に戻り、ステップS2106では、上記ステップS2103における大当たり種別及び設定対象のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかの把握結果と、上記開閉パターンテーブルとに基づき、対応する開放回数を導出する。続くステップS2107では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放カウンタOCの値として、上記導出した開放回数に対応する値を設定する。例えば、大当たり種別が16R大当たり結果Cであり、設定対象のラウンド遊技が6ラウンド目のラウンド遊技であり、導出された開放回数が1回である場合には、開放カウンタOCの値として「1」を設定する。
続くステップS2108では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにラウンドフラグを格納し、その後、各ラウンド用の設定処理を終了する。ラウンドフラグは、ラウンド遊技の実行中であることを示すフラグである。
大入賞口開閉処理(図36)の説明に戻り、ステップS1904の各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS1905に進み、可変入賞装置32の開放期間を設定する。具体的には、タイマカウンタTの値を1開放分の開放期間(1sec)に相当する「500」にセットする。
続くステップS1906では、可変入賞装置32を閉鎖状態から開放状態に切り換える大入賞口開放処理を実行し、その後、ステップS1907にて、演出制御装置82への送信コマンドとして開放コマンドを設定する。ステップS1907の実行後、ステップS1901で肯定判定した場合(ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合)又はステップS1903で否定判定した場合(タイマカウンタTの値が「0」でない場合)には、大入賞口開閉処理を終了する。
上記ステップS1902で肯定判定した場合(ラウンド遊技の実行中である場合)には、ステップS1908に進み、大入賞口32aの開放中(可変入賞装置32が開放状態)であるか否かを判定する。大入賞口32aの開放中である場合には、ステップS1909にて開放中用処理を実行し、その後、大入賞口開閉処理を終了する。開放中用処理は、可変入賞装置32への入賞の有無を判定したり、可変入賞装置32の閉鎖状態への切り換えタイミングを制御したりする処理である。
ここで、開放中用処理について図39のフローチャートを参照して説明する。開放中用処理では先ず、ステップS2201にてタイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップS1905(図36)で設定した開放期間が経過したか否かを判定するものである。タイマカウンタTの値が「0」である場合(開放期間が経過した場合)には、ステップS2202に進み、開放カウンタOCの値を1ディクリメントして更新する。
一方、タイマカウンタTの値が「0」でない場合(開放期間が経過していない場合)には、ステップS2203にて、入賞センサ509,702の検知状態(ステップS101の各種センサの読み込み結果)に基づき、可変入賞装置32への入賞が発生したか否かを判定する。可変入賞装置32への入賞が発生した場合にはステップS2204に進み、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCの値を1ディクリメントする。
ステップS2204の実行後又はステップS2203で否定判定した場合(可変入賞装置32への入賞が発生していない場合)には、ステップS2205にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグは、V入賞センサ705の検知領域を遊技球が通過したこと、すなわち、V入賞が発生したことを示すフラグである。
V入賞フラグが格納されている場合にはステップS2206に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されているV入賞フラグを消去するとともに、上記各種フラグ格納エリア114eに継続フラグをセットする。継続フラグは、次のラウンド遊技を実行すべきであること、換言すれば、実行中のラウンド遊技が終了した後も開閉実行モードを継続すべきであることを示すフラグである。
ステップS2206の実行後又はステップS2205で否定判定した場合(V入賞フラグが格納されていない場合)には、ステップS2207にて入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタPCの値が「0」でないと判定した場合、すなわち、可変入賞装置32への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合には、開放中用処理を終了する。
なお、上記第1の実施の形態では、V入賞フラグが格納されていると判定した場合、入賞カウンタPCの値を「0」にセットしたが(図18のステップS612)、本実施の形態では、これを行わないものとしている。すなわち、本実施の形態では、ラウンド遊技中にV入賞が発生したか否かにかかわらず、可変入賞装置32への入賞個数が上限入賞個数が達するまで又は可変入賞装置32の開放期間が上限開放期間(開放回数と各開放の開放期間との積)に達するまでラウンド遊技を継続する。
上記ステップS2207で肯定判定した場合(入賞カウンタPCの値が「0」である場合)には、ステップS2208にて開放カウンタOCの値を「0」にセットする。ステップS2208又は上記ステップS2202(開放カウンタOCの更新処理)の実行後は、ステップS2209にて、可変入賞装置32を開放状態から閉鎖状態に切り換える大入賞口閉鎖処理を実行する。続くステップS2210では、開放カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。開放カウンタOCの値が「0」でない場合には、ステップS2211にてタイマカウンタTの値を「1000」(1sec)にセットする。この処理は、ラウンド遊技中における各開放間の待機期間(可変入賞装置32を閉鎖状態として次の開放を待機する期間)を設定するものである。
ステップS2211の実行後又はステップS2210で肯定判定した場合(開放カウンタOCの値が「0」である場合)には、演出制御装置82への送信コマンドとして閉鎖コマンドを設定し、その後、開放中用処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図36)の説明に戻り、ステップS1908で否定判定した場合(大入賞口32aの開放中でない場合)には、ステップS1910に進み、開放カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。開放カウンタOCの値が「0」である場合には、ステップS1911にてラウンド更新用又はエンディング開始用処理を実行する。
ここで、ラウンド更新用又はエンディング開始用処理について図40のフローチャートを参照して説明する。本処理では先ず、ステップS2401にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグが格納されているか否かを判定する。継続フラグが格納されている場合には、ステップS2402にてラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントし、開閉実行モードのラウンド数を更新する。
続くステップS2403では、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合には、ステップS2404に進み、タイマカウンタTの値をラウンド間の待機期間(2sec)に相当する「1000」にセットする。
ここで、本実施の形態では、ラウンド遊技間の待機期間をラウンド遊技中の各開放間の待機期間と同じ長さとしている。このため、開閉実行モード中において可変入賞装置32が閉鎖状態とされている場合に、それがラウンド間の待機期間によるものなのか、ラウンド遊技中の各開放間の待機期間によるものなのかが、遊技者から見て判別不可又は判別困難となる。その結果、ラウンド間の境界が分からない又は分かりにくくなるため、開閉実行モードの実行中において現在のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを予測して遊技する特性をより好適に発揮させることができる。
この場合において、ラウンド間の待機期間と各開放間の待機期間とで同じ遊技演出を行うなど(具体的には表示画面Gに表示される背景画像等の表示画像を同一画像としたり、発光部63の発光態様やスピーカ部64からの出力音声を同一態様としたりするなど)するとよい。これにより、ラウンド間の待機期間であるのか、ラウンド遊技中の各開放間の待機期間であるのかの判別を一層困難とすることができる。
続くステップS2405では、演出制御装置82への送信コマンドとしてラウンド更新コマンドを設定する。演出制御装置82は、ラウンド更新コマンドを受信することで、次のラウンド遊技が開始されることを把握する。次いでステップS2406にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されているラウンドフラグを消去し、その後、ラウンド更新用又はエンディング開始用処理を終了する。
上記ステップS2403で肯定判定した場合(ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合)には、ステップS2407に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機期間を設定する。具体的には、タイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機期間情報をセットする。その後、ステップS2408にて、エンディングコマンドを設定し、ラウンド更新用又はエンディング開始用処理を終了する。
また、上記ステップS2401で否定判定した場合(継続フラグが格納されていない場合)には、ステップS2409に進み、開閉実行モードを終了させるべくラウンドカウンタRCの値に「0」をセットする。その後、ステップS2407に進み、エンディングの開始処理及びエンディングコマンドの設定処理(ステップS2408)を実行し、ラウンド更新用又はエンディング開始用処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図36)の説明に戻り、ステップS1910で否定判定した場合(開放カウンタOCの値が「0」でない場合)は、ラウンド遊技において残りの開放が存在することを意味する。この場合はステップS1912に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップS2211(図39)で設定した各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマカウンタTの値が「0」である場合(各開放間の待機期間が経過した場合)には、ステップS1905に進んで次の開放の開放期間を設定する。一方、タイマカウンタTの値が「0」でない場合(各開放間の待機期間が経過していない場合)には、そのままラウンド更新用又はエンディング開始用処理を終了する。
<シャッタ駆動用処理>
次に、ステップS1801(図35)のシャッタ駆動用処理について図41(a)のフローチャートを参照して説明する。
シャッタ駆動用処理では先ず、ステップS2501にてシャッタ706(図32)の開放中であるか否か、すなわち、シャッタ706が退避位置に配置されているか否かを判定する。シャッタ706が開放されておらず、転落領域703a(図32)が閉鎖状態とされている場合には、ステップS2502に進み、最終回(16ラウンド目)のラウンド遊技にて可変入賞装置32への上限入賞個数目の入賞が発生したか否かを判定する。本実施の形態では、最終回のラウンド遊技にて上限入賞個数目となる遊技球が入賞センサ509又は入賞センサ702のいずれかを通過したタイミングでシャッタ706(転落領域703a)を開放する構成としており、本ステップは、シャッタ706の開放タイミングであるか否かを判定するものとなっている。
最終回のラウンド遊技での上限入賞個数目の入賞が発生した場合には、ステップS2503にてシャッタ706の開放期間を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタT2の値を「1000」(1sec)にセットする。図41(b)に示すように、シャッタ706の開放期間(タイミングt1~タイミングt2の期間)は、エンディング期間(タイミングt1~タイミングt3の期間)よりも短くなるようにして設定する。
続くステップS2504では、シャッタ706を開放すべく(シャッタ706を突出位置から退避位置に変位させるべく)、駆動部707を駆動状態とする。その後、シャッタ駆動用処理を終了する。
上記ステップS2501で肯定判定した場合(シャッタ706の開放中である場合)には、ステップS2505に進み、タイマカウンタT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップS2503で設定したシャッタ706の開放期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマカウンタT2の値が「0」である場合(シャッタ706の開放期間が経過した場合)には、ステップS2506にて、シャッタ706を閉鎖すべく(シャッタ706を退避位置から突出位置に変位させるべく)、駆動部707を非駆動状態とする。ステップS2506の実行後又はステップS2505で否定判定した場合(タイマカウンタT2の値が「0」でない場合)にはシャッタ駆動用処理を終了する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。図42の(a)は開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートであり、(b)はROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている大当たり種別テーブルの概略図である。
図42(a)に示す開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理(図17)のステップS513で実行されるものであり、図22の開閉実行モード終了時の移行処理に代えて実行されるものである。なお、図42(a)において図22の各種処理と同様のものについては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本移行処理では先ず、ステップS2601にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに16R大当たりフラグA、16R大当たりフラグB又は16R大当たりフラグCのいずれかが格納されているか否かを判定する。これらの各種大当たりフラグは、変動開始処理(図16)のステップS410で格納されるものである。
ここで、本実施の形態では、図42(b)に示すように、大当たり種別として16R大当たり結果A、16R大当たり結果B、16R大当たり結果C及び5R大当たり結果Dの4種類が設定されている。そのうち、16R大当たり結果A~16R大当たり結果Cは確変大当たり結果に対応し、5R大当たり結果Dは通常大当たり結果(非確変大当たり結果)に対応するものである。5R大当たり結果Dは、5ラウンドのラウンド遊技が実行されるものであるが、各ラウンド遊技における可変入賞装置32の開閉パターンは特に限定されるものではない。例えば、ラウンド遊技での可変入賞装置32の開放回数を1回とし、その上限開放期間を30secとするものでもよいし、16R大当たり結果A~16R大当たり結果Cと同様に、1つのラウンド遊技において、開放期間が1secの開放(短期間開放態様)を複数回繰り返すものであってもよい。
上記ステップS2601で16R大当たりフラグA~16R大当たりフラグCのいずれかが格納されていると判定した場合、すなわち、実行された開閉実行モードが確変大当たり結果に対応する開閉実行モードであった場合には、ステップS2602に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに転落フラグが格納されているか否かを判定する。転落フラグは、遊技球が転落領域703a(図32(b))を通過したことを示すものであり、転落入賞用処理(図34)のステップS1705で格納されるものである。
転落フラグが格納されていない場合(遊技球が転落領域703aを通過していない場合)には、ステップS902に進み、上記各種フラグ格納エリア114eに高確率モードフラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。続くステップS903では、上記各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。
上記ステップS2602で転落フラグが格納されていると判定した場合(遊技球が転落領域703aを通過した場合)には、ステップS904に進み、上記各種フラグ格納エリア114eに格納されている転落フラグを消去するとともに、上記各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。次いでステップS905にて遊技回数カウンタGCに「100」をセットし、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。すなわち、転落フラグが格納されている場合(開閉実行モード中に遊技球が転落領域703aを通過した場合)には、確変大当たりに当選したとしても抽選モードが高確率モードに移行しない。
また、上記ステップS2601で否定判定した場合(16R大当たりフラグA~16R大当たりフラグCのいずれも格納されていない場合)も、上記ステップS904及びステップS905の処理を実行し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<開閉実行モード中の遊技の流れについて>
次に、開閉実行モード中の遊技の流れについて図32、図43~図45を参照して説明する。
既に説明したように、本実施の形態では、実行中のラウンド遊技でV入賞を発生させないと次のラウンド遊技が実行されず、V入賞が未発生のままラウンド遊技が終了した場合、その時点で開閉実行モードが終了するように構成されている(図38、図39参照)。なお、ラウンド遊技中にV入賞が発生した場合、上記第1の実施の形態のようにラウンド遊技が途中で終了することはなく、可変入賞装置32への入賞個数が上限入賞個数に達する、又は可変入賞装置32の開放期間が上限開放期間に達する、のいずれかの終了条件が成立するまでラウンド遊技が行われるように構成されている。
また、図32に示すように、可変入賞装置32内には転落入賞センサ703が設けられている。開閉実行モード中に転落入賞センサ703を遊技球が通過した場合(転落入賞が発生した場合)には、その開閉実行モードが確変大当たり結果に対応するものであったとしても、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに移行することはなく、低確率モードとなるように構成されている。
さらに、可変入賞装置32の大入賞口32a内には、V入賞又は転落入賞のいずれかが発生する右側入口部504と、転落入賞が発生しない代わりにV入賞も発生しない左側入口部505とが設けられている。そして、右側入口部504において転落入賞センサ703の上流側には、右側入口部504に入賞した遊技球をV入賞センサ705側と転落入賞センサ703側とに振り分けるシャッタ706が設けられている。このシャッタ706は、最終回のラウンド遊技における上限入賞個数目の入賞タイミングで転落入賞センサ703への振分側に変位するように、主制御装置81によって駆動制御される。
ここで、本実施の形態では、図45に示すように、シャッタ706が開放された場合に、その開放契機となった入賞センサ702(第1領域)の通過球Aが転落領域703a(第2領域)を通過するように構成されている。すなわち、通過球Aが第1領域を通過してからシャッタ706又は第2領域に到達するまでの所要期間が、通過球Aが第1領域を通過してからシャッタ706が退避位置に切り換わるまでの期間よりも長くなるように、第1領域及びシャッタ706間の通路長(距離)Lが設定されている。
以上の構成であることにより、開閉実行モードの開始から最終回のラウンド遊技における上限入賞個数目より1つ前の入賞までは、右側入口部504に遊技球を入賞させ続けて各ラウンド遊技でV入賞を発生させることで、ラウンド遊技を継続させる一方、最終回のラウンド遊技における上限入賞個数目の入賞では、左側入口部505に遊技球を入賞させて転落入賞の発生を回避するようにすれば、開閉実行モードで獲得できる総賞球数を最大化させつつ、開閉実行モードの終了後に高確率モードに移行させることができるものとなっている。
また、可変入賞装置32の上流側には、所定量未満の強さで発射された遊技球を左側入口部505に案内し、所定量以上の強さで発射された遊技球を右側入口部504に案内する案内通路部401が設けられている(図5参照)。つまり、遊技者の意思によって、右側入口部504と左側入口部505とのいずれに遊技球を入賞させるのかを選択することが可能となっている。よって、遊技者としては、上述した各入口部504,505の入賞切り換えが実現されるように遊技球の発射操作を行うことが理想的な操作態様となる。
そのような構成の下、本実施の形態では、開閉実行モードにおいて実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを遊技者が判別不可又は判別困難な構成となっている。具体的には、可変入賞装置32が複数回開放されるラウンド遊技と、可変入賞装置32が1回開放されるラウンド遊技とが設けられ(図38参照)、各ラウンド遊技での可変入賞装置32の開放回数が多様化されている。これにより、遊技者が可変入賞装置32の開放回数を数えていたとしても、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのかが把握できない又は把握しにくくなっている。
また、本実施の形態では、何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを遊技者が認識可能な報知(表示や音声出力)を実行せず、何ラウンド目であるのかを明示しない構成としている。このため、遊技者は、報知により何ラウンド目であるのかの情報を得ることができず、何ラウンド目であるのかを判別することが一層難しくなっている。
さらに、本実施の形態では、開閉実行モード中において1sec間の可変入賞装置32の開放が繰り返されるものとしており、可変入賞装置32の開放態様を各開放間で共通化している。このため、可変入賞装置32の挙動から遊技者が何ラウンド目であるのかを判別することが不可又は困難となっており、何ラウンド目であるのかを把握することがより一層難しくなっている。
これらのことから遊技者としては、開閉実行モードにおいて実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのか、換言すれば、シャッタ706がどのタイミングで開放されるのかを予測するしかなく、その予測結果に基づいて右側入口部504と左側入口部505とを狙い分けて遊技することになる。
次に、図43~図45を参照して、遊技者の発射操作態様と遊技結果との関係について説明する。ここでは、図43(a)に示すように、左側入口部505に遊技球が入賞する強さで遊技球を発射させる操作を第1操作といい、右側入口部504に遊技球が入賞する強さで遊技球を発射させる操作を第2操作という。また、図44の角括弧内に数字は、開閉実行モード開始からの可変入賞装置32への入賞個数(開閉実行モードの開始から数えて可変入賞装置32への何個目の入賞であるか)を示すものである。
16R大当たり結果Aに対応した開閉実行モードが実行される場合、当該モードでは、全てのラウンド遊技において可変入賞装置32の上限入賞個数が8個に設定される(図38(a)参照)。上述のとおり、転落入賞センサ703(転落領域703a)を開閉するシャッタ706は、最終回のラウンド遊技における上限入賞個数目の入賞で開放するため、開閉実行モードの開始から数えて128個目(8個×16ラウンド)の入賞が発生したタイミングで開放する。この場合は、図43(b)に示すように、127個目の入賞まで第2操作を行い、128個目の入賞で第1操作を行うことで、開閉実行モードを完走させて1920個(128個×15個賞球)の総賞球数を獲得しつつ、開閉実行モード後に高確率モードに移行させることができる。
一方、16R大当たり結果Cに対応した開閉実行モードが実行される場合、当該モードでは、1ラウンド目から5ラウンド目のラウンド遊技において上限入賞個数が8個に設定され、残りのラウンド遊技において上限入賞個数が1個に設定される。この場合、シャッタ706は、開閉実行モードの開始から数えて51個目(8個×5ラウンド+1個×11ラウンド)の入賞が発生したタイミングで開放する。この場合は、50個目の入賞まで第2操作を行い、51個目の入賞で第1操作を行うことで、開閉実行モードを完走させて765個(51個×15個賞球)の総賞球数を獲得しつつ、開閉実行モード後に高確率モードに移行させることができる。
ここで、16R大当たり結果Cに対応した開閉実行モードが実行される場合のシャッタ706の開放タイミングは、開閉実行モードの開始から見て、16R大当たり結果Aに対応した開閉実行モードが実行される場合よりも早く到来する。可変入賞装置32の各開放につき1個の遊技球が可変入賞装置32に入賞すると仮定すると、図44に示すように、16R大当たり結果Cに対応した開閉実行モードでのシャッタ706の開放タイミング(タイミングt1)は、16R大当たり結果Aに対応した開閉実行モードに換算すると、7ラウンド目のラウンド遊技における3個目入賞の発生タイミングに相当する。
例えば、実際には16R大当たり結果Cに対応した開閉実行モードが実行されている状況において、遊技者としては、16R大当たり結果Aであると想定して上記タイミングt1を7ラウンド目あたりかと予測していたとする。この場合において、遊技者が開閉実行モードの開始からタイミングt1まで第2操作を継続していると、当該タイミングでシャッタ706が開放するため、右側入口部504に入った遊技球が転落領域703aを通過することになる。その結果、図43(c)に示すように、開閉実行モードを完走させて765個の総賞球数を獲得できるものの、開閉実行モード後に抽選モードが高確率モードに移行せず、低確率モードの下で遊技することになる。
また、実際には16R大当たり結果Cの開閉実行モードが実行されている状況で遊技者が16R大当たり結果Bの開閉実行モードを想定している場合や、実際には16R大当たり結果Bの開閉実行モードが実行されている状況で遊技者が16R大当たり結果Aの開閉実行モードを想定している場合にも、実際のラウンド(実際のシャッタ開放タイミング)と遊技者の予測ラウンド(予測のシャッタ開放タイミング)とが乖離し、右側入口部504に入った遊技球が転落領域703aを通過する。詳細な説明は省略するが、遊技者の予測結果によって開閉実行モードが途中でパンクし、開閉実行モードで得られる総賞球数が少なくなる場合もある。
このように、開閉実行モード中での遊技球の発射操作の違いにより、開閉実行モード後に高確率モードに移行するか否かを変化させたり、開閉実行モードでの総賞球数を変化させたりすることができるため、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを遊技者が予測し、いつまで第2操作を継続するかを選択して楽しむ、いわゆるチキンレースのような遊技性を実現することができる。これにより、開閉実行モード中の遊技が単調化することが好適に抑制され、当該モード中の遊技を大きく盛り上げることが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
転落領域703aを備え、当該領域703aを遊技球が通過することで抽選モードが低確率モードとなる構成とした。この場合、転落領域703aを遊技球が通過すると遊技者にとって不利となるため、遊技者は、遊技球を転落領域703aに通過させないようにして楽しむことができる。しかも、遊技球の挙動によって転落状態に移行したり、それが回避されたりする遊技が実現されることから、例えば転落抽選のような内部的な処理による構成に比べ、遊技者にとって分かりやすい構成とすることができるばかりか、遊技球の挙動を見て楽しむ遊技機本来の魅力を向上させることもできる。よって、遊技の興趣を向上させ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
遊技球が転落領域703aを通過することを許容する開放状態と、遊技球が転落領域703aを通過することを許容しない閉鎖状態とに切り換わり可能なシャッタ706を備え、当該シャッタ706を閉鎖状態から開放状態に切り換える切換制御を開閉実行モード中に実行する構成とした。
例えば、常に遊技球が転落領域703aを通過可能であると、遊技者が可変入賞装置32に遊技球を入賞させることを躊躇するおそれがあり、これでは、可変入賞装置32への入賞を発生させて賞球を得る開閉実行モード本来の遊技が損なわれてしまう。この点、本実施の形態では、転落領域703aを開閉するシャッタ706が設けられるため、可変入賞装置32に遊技球を入賞させても転落領域703aを通過しない期間が確保される。これにより、開放状態とされる期間又はそのタイミングとの兼ね合いで遊技球を転落領域703aに通過させないようにしつつ、可変入賞装置32への入賞を発生させることが可能になる。すなわち、開閉実行モード本来の遊技が損なわれることを抑制しながら、遊技球が転落領域703aを通過しないことを目指す遊技を付与することが可能になる。
シャッタ706(転落領域703a)の開放タイミングが第1タイミングとなる第1遊技と、上記開放タイミングが第1タイミングとは異なる第2タイミングとなる第2遊技とを備える構成とした。
例えば、シャッタ706の開放タイミングが固定化されていると、遊技者が当該タイミングを予測可能となる結果、そのタイミングでさえ注意を払っていればよいものとなり、転落領域703aを設けた面白みが薄れてしまうおそれがある。この点、本実施の形態では、シャッタ706の開放タイミングが異なる遊技が設けられ、当該開放タイミングが多様化されている。このため、遊技者がシャッタ706の開放タイミングを定めにくくなり、どのタイミングで転落領域703aが開放状態となるかのドキドキ感を好適に喚起することができる。これにより、転落領域703aの効果を好適に発揮させることができ、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
その場合において本実施の形態では、上記第1遊技及び第2遊技を開閉実行モードにより構成するものとした。既に述べたように開閉実行モード中に転落領域703aを遊技球が通過すると転落するという要素があることで、ただでさえ一般の開閉実行モードにはない緊張感が付与されたものとなっている。それにもかかわらず、さらにシャッタ706(転落領域703a)の開放タイミングが分からない又は分かりにくい構成となっているため、開閉実行モードの遊技に強烈なドキドキ感を盛り込むことができる。これにより、開閉実行モードを淡々と消化するだけの遊技に比べ、開閉実行モード中の遊技を格段に面白くすることができ、遊技の興趣を好適に高めることが可能になる。
右側入口部504の下流側に転落領域703aと特典領域(V入賞センサ705の検知領域)とを配置し、右側入口部504に入球した遊技球を上記各領域にシャッタ706によって振り分ける構成とした。この構成によれば、特典を獲得するには右側入口部504に遊技球を入球させることが不可欠となるため、遊技者が右側入口部504を避け続けて遊技球を発射することが抑制される。よって、転落領域703aの意義を好適に発揮させることが可能になる。
その場合において上記特典をラウンド継続とし、特典領域に遊技球を通過させなければ次のラウンド遊技が実行されず、開閉実行モードの遊技が満足に実行されない構成とした。このため、右側入口部504への遊技の入球が好適に促され、遊技球が転落領域703aを通過するか否かにドキドキして楽しむ機会を好適に提供することが可能になる。また、永久連荘(左側入口部505に遊技球を入球させ続けることで、遊技球がいつまでも転落領域703aを通過せず、高確率モードが永続する状態)の発生を抑制することもできる。
開閉実行モード中の各ラウンド遊技でシャッタ706(転落領域703a)を開放状態に切り換えるのではなく、予め定められた所定ラウンド(16ラウンド目)で開放状態への切り換えを行う構成とした。この場合、開放状態への切り換えラウンドを遊技者に予測させ、遊技球を転落領域703aに通過させないことを目指して楽しむ遊技を提供することができる。
その場合において、1ラウンド当たりでの可変入賞装置32の開放回数を多様化させ、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかが可変入賞装置32の挙動から判別不可又は判別困難となるようにした。この場合、開放状態への切り換えラウンドがどのタイミングで到来するのか予測できない又は予測しにくくなるため、遊技球が転落領域703aを通過するか否かのドキドキ感を好適に喚起することが可能になる。
シャッタ706が開放された場合に、その開放契機となった入賞センサ702(第1領域)の通過球Aが転落領域703a(第2領域)を通過可能となる構成とした。
転落領域703aは遊技者にとって不利な領域であるため、遊技球が入賞センサ702を通過したことを見てから転落領域703aを通過しないように遊技球の発射態様を調節するなどの行為が想定される。そのような攻略行為が横行すると、遊技者間での遊技の公平性が害されるおそれがある。この点、本実施の形態では、開放状態への切換契機となった通過球A自体が転落領域703aを通過するため、入賞センサ702を遊技球が通過したことを見てから対処しようとしても間に合わず、上記のような攻略行為を好適に抑制することができる。これにより、遊技の公平性が担保される結果、遊技意欲が喚起され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
その場合において、遊技球が入賞センサ702を通過することなく転落領域703aを通過することを規制する構成とした。この場合、想定外の遊技球が転落領域703aに流れ込むことを抑制できる。これにより、外乱の発生が抑制され、遊技の公平性を好適に担保できる。加えて、遊技機の設計時において考慮すべき遊技球の流れを限定できるため、設計時の負担増を抑制することも可能になる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、可変入賞装置32の構成が各上記実施の形態と異なっている。本実施の形態について図46~図57を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図46は、本実施の形態に係る可変入賞装置32の通路構造を示す図であり、図47は、閉鎖状態にある場合の可変入賞装置32の正面図である。
図46に示すように、右側入口部504の後方には、上下方向に延びる第1通路部801が設けられている。第1通路部801は、通路部502(図7(a))と連通しており、大入賞口32a(図6(b))に流入した遊技球のうち右側入口部504に入った遊技球を下方へと案内する。第1通路部801の途中位置には、右側入口部504に入った遊技球を検知する入賞センサ802が配置されている。入賞センサ802は、上記第1の実施の形態に係る入賞センサ509と同様に、大入賞口32aへの遊技球の入賞有無のみを検知するものとなっている。
第1通路部801において入賞センサ802の下流側には、高確V入賞センサ803が配置されている。詳細は後述するが、本実施の形態では、大入賞口32aに入賞した遊技球が高確V入賞センサ803を通過することに基づいて、抽選モードが高確率モードに移行する構成となっている。すなわち、高確V入賞センサ803又はその配置領域は、高確率モードへの移行契機となる特定領域となっている。なお、以下においては、高確V入賞センサ803の配置領域又はその検知領域を高確V領域803aということがある。
第1通路部801において入賞センサ802と高確V入賞センサ803との中間部には、第1通路部801から分岐する第2通路部804が設けられている。第2通路部804の途中位置には排出センサ805が配置されている。排出センサ805は、右側入口部504に入った遊技球が可変入賞装置32の外部に排出されたことを検知するためのものである。
第1通路部801において高確V入賞センサ803の下流側には、当該第1通路部801を左側縦通路部508に合流させる第3通路部806が設けられている。第3通路部806は、左側縦通路部508に向けて下る傾斜状をなしており、高確V入賞センサ803を通過した遊技球を左側縦通路部508に案内する。
左側縦通路部508において第3通路部806との合流部よりも下流側には、継続V入賞センサ807が配置されている。継続V入賞センサ807は、上記第3の実施の形態に係るV入賞センサ705と同じ役割を担っている。すなわち、本実施の形態においても、1のラウンド遊技の実行中に遊技球が継続V入賞センサ807を通過したことを条件として、その次のラウンド遊技が実行される構成となっている。以下では、高確V入賞センサ803への遊技球の通過と、継続V入賞センサ807への遊技球の通過とを区別するため、前者を高確V入賞、後者を継続V入賞ということがある。継続V入賞センサ807は、大入賞口32aへの遊技球の入賞有無を検知する役割を果たしておらず、継続V入賞の発生のみを検知するものとなっている。また、継続V入賞センサ807は、排出センサ805と同様に、左側入口部505又は右側入口部504に入った遊技球が可変入賞装置32の外部に排出されたことを検知する役割も果たしている。
上記入賞センサ802、高確V入賞センサ803、排出センサ805及び継続V入賞センサ807は、主制御装置81に電気的に接続されており、各センサ802,803,805,807の検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される。主制御装置81ではこの検知情報に基づき、遊技球が各センサ802,803,805,807を通過したか否かを判定する。なお、入賞センサ802への遊技球の通過が主制御装置81により把握された場合、賞球の払い出しが行われるが、高確V入賞センサ803、排出センサ805及び継続V入賞センサ807への遊技球の通過が把握されても賞球の払い出しは行われない。
第1通路部801、第2通路部804及び第3通路部806の各通路幅は、遊技球の直径よりも大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなっており、これら各通路部801,804,806はいずれも1条の球通路となっている。また、排出センサ805又は継続V入賞センサ807を通過した遊技球は、排出通路盤88(図3)へと導かれ、パチンコ機10の外部に排出される。
高確V入賞センサ803の上方には、高確V入賞センサ803を上方から覆うようにしてシャッタ808が配置されている。シャッタ808は、第1通路部801の通路幅方向(詳しくは前後方向)へのスライド移動が可能な状態で保持されている。つまり、シャッタ808は、第1通路部801内に突出する突出位置(前進位置)と、突出位置から後方に退避し、第1通路部801内への突出量が抑えられた退避位置(後退位置)とに変位可能となっている。
図46(a)に示すように、シャッタ808が突出位置に配置される場合には、シャッタ808により高確V領域803aへの流路が遮断される。これにより、高確V領域803aが閉鎖状態となり、右側入口部504に入った遊技球が高確V入賞センサ803を通過できなくなる。シャッタ808により高確V領域803aへの流入が規制された遊技球は、シャッタ808の上面部808aに当接することで、第2通路部804へと導かれ、排出センサ805を通過する。
シャッタ808の上面部808aは、第2通路部804側に下る傾斜面となっており、これにより、第2通路部804への遊技球の案内が良好に行われるようになっている。シャッタ808の高さ位置は、当該シャッタ808が突出位置に配置されている状態で第2通路部804への遊技球の流れを阻害しない高さ位置、詳しくは、遊技球が引っかかる程度の段差が上面部808aと第2通路部804との間に形成されない高さ位置に設定されている。本実施の形態では、上面部808aを第2通路部804と略同一の傾斜角度で傾斜させ、上面部706a及び分岐通路部704により略直線状の球通路が形成される高さ位置に設定されている。
図46(b)に示すように、シャッタ808が退避位置に配置される場合には、高確V領域803aの上方からシャッタ808が退避し、当該領域803aが上方に開放される。これにより、高確V領域803aが開放状態となり、右側入口部504に入った遊技球が高確V入賞センサ803を通過可能となる。また、高確V入賞センサ803を通過した遊技球は、第3通路部806を流下して左側縦通路部508に至り、継続V入賞センサ807も通過することになる。
なお、本実施の形態では、高確V領域803aが閉鎖状態である場合に高確V入賞センサ803への遊技球の通過を不可としているが、開放状態に比べて通過しにくい範囲で通過可能としてもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで高確V入賞センサ803の通過しやすさが相違すればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
上記通路構造の前方領域は光透過領域となっており、パチンコ機10の前方から当該通路構造を流れる遊技球を視認可能となっている。なお、必ずしも通路構造の全体が視認可能である必要はなく、少なくともシャッタ808(遊技球の振分状況)と、高確V入賞センサ803(遊技球が高確V入賞センサ803の検知領域を通過したか否か)と、継続V入賞センサ807(遊技球が継続V入賞センサ807の検知領域を通過したか否か)とが視認可能であればよい。
可変入賞装置32には、シャッタ808を駆動するシャッタ用の駆動部809が設けられている。駆動部809は、駆動源としてのソレノイドと、当該ソレノイドの駆動力をシャッタ808に伝達する駆動力伝達手段としてのリンク機構とを有している。ソレノイドは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81からの駆動信号に基づいて駆動する。ソレノイドが駆動することで、シャッタ808が突出位置から退避位置に後退し、高確V領域803aが閉鎖状態から開放状態に切り換わる。主制御装置81からの駆動信号の出力が停止すると、付勢手段(ばね等)の付勢力によってシャッタ808が退避位置から突出位置に前進し、高確V領域803aが開放状態から閉鎖状態に切り換わる。
図47に示すように、遊技盤24aの前面部において可変入賞装置32の近傍には、「A」の文字が表示された第1表示部811と、「B」の文字が表示された第2表示部812とが設けられている。第1表示部811は左側入口部505の上方に、第2表示部812は右側入口部504の上方にそれぞれ配置され、遊技者に対し、遊技球が左側入口部505に入る流路をAルート、遊技球が右側入口部504に入る流路をBルートとして示すべく設けられている。
次に、図48を参照して、シャッタ808の動作態様(高確V領域803aの開閉態様)について説明する。図48(a)は本実施の形態に係る大当たり種別テーブルの説明図、(b)はシャッタ用振分テーブルの説明図、(c)は高確V領域803aの開閉態様の説明図である。
本実施の形態では、図48(a)に示すように、16R大当たり結果A~16R大当たり結果Dの4種類の大当たり種別が設けられており、これらの各大当たり種別に対応するようにしてシャッタ808の動作態様が設定されている。各大当たり種別に対応するシャッタ808の動作態様は、ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されたシャッタ用振分テーブルに規定されている。
図48(b)に示すように、シャッタ用振分テーブルでは、各大当たり種別に対応して5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目のラウンド遊技でのシャッタ808の動作態様が定められている。シャッタ808の動作態様としては、右側入口部504に入った遊技球が高確V入賞センサ803側に振分不可、又は高確V入賞センサ803側よりも第2通路部804側に振り分けやすい低振分態様と、右側入口部504に入った遊技球が高確V入賞センサ803側に振分可能、又は第2通路部804側よりも高確V入賞センサ803側に振り分けやすい高振分態様との2種類が設けられている。
シャッタ用振分テーブルでは、上記各ラウンドについてシャッタ808をそれら態様のいずれで動作させるのかが大当たり種別ごとに定められている。具体的には、16R大当たり結果Aでは、10ラウンド目にて高振分態様、5ラウンド目及び16ラウンド目にて低振分態様で動作させ、16R大当たり結果Bでは、5ラウンド目にて高振分態様、10ラウンド目及び16ラウンド目にて低振分態様で動作させ、16R大当たり結果Cでは、16ラウンド目にて高振分態様、5ラウンド目及び10ラウンド目にて低振分態様で動作させるように設定されている。また、16R大当たり結果Dでは、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目のいずれも低振分態様で動作させるように設定されている。なお、16R大当たり結果A~16R大当たり結果Dのいずれについても上記以外のラウンド遊技では、シャッタ808が作動せず、高確V領域803aが閉鎖状態とされる。
ここで、図48(c)を参照して低振分態様及び高振分態様について説明する。先ずは低振分態様について説明する。低振分態様では、ラウンド遊技においてシャッタ808の開動作(突出位置から退避位置への変位)が1回だけ実行される。具体的には次のとおりである。
図48(c-1)に示すように、ラウンド遊技の開始タイミング(タイミングt1)では、シャッタ808は突出位置(高確V領域803aを閉鎖状態とする位置)に位置している。そして、可変入賞装置32への1個目の入賞が発生したタイミングt2において退避位置(高確V領域803aを開放状態とする位置)に変位し、所定の短期間(例えば0.01sec)が経過した後、突出位置に復帰する。この場合、シャッタ808の開放期間は短期間であるため、右側入口部504に入った遊技球はシャッタ808により第2通路部804側に振り分けられ、排出センサ805を通過する。
次に高振分態様について説明する。高振分態様では、ラウンド遊技においてシャッタ808の開動作が2回実行される。このうち初回目の開動作については低振分態様での開動作と同様であるため、説明を省略する。図48(c-2)に示すように、タイミングt3において可変入賞装置32への2個目の入賞が発生すると、2回目の開動作としてシャッタ808が退避位置に変位する。その後、所定期間(例えば1sec)が経過したタイミングt4においてシャッタ808が突出位置に復帰する。この場合、シャッタ808の開放期間は低振分態様の場合よりも長くなっているため、右側入口部504に入った遊技球は高確V入賞センサ803側に振り分けられ、高確V入賞センサ803を通過する。
本実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様に、遊技球が入賞センサ802の検知領域を通過してからシャッタ808の配置領域に到達するまでの所要期間が、遊技球が上記検知領域を通過してからシャッタ808が退避位置に変位するまでの所要期間よりも長くなるように、入賞センサ802とシャッタ808との距離が設定されている。また、2回目の開動作におけるシャッタ808の開放期間は、入賞センサ802を通過した遊技球が高確V入賞センサ803に到達するまでの所要期間よりも長く設定されている。よって、2回目の開動作が行われる場合には、シャッタ808の開放契機となった入賞球が高確V入賞センサ803を通過するものとなる。
<通常処理>
次に、主制御装置81のMPU112によって実行される通常処理について図49を参照して説明する。この処理は、図14の通常処理に代えて実行されるものである。なお、図49において図14の各種処理と同様のものについては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS205にて電役サポート用処理を実行した後は、ステップS3001にて、シャッタ808を駆動制御するためのV振分用処理を実行する。ここで、V振分用処理について図50のフローチャートを参照して説明する。
V振分用処理では先ず、ステップS3101にてシャッタ808の開放中であるか否か、すなわち、シャッタ808が退避位置に配置されているか否かを判定する。シャッタ808が開放されておらず、高確V領域803aが閉鎖状態とされている場合は、ステップS3102に進み、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたシャッタ用の開放カウンタSCの値が「1」であるか否かを判定する。開放カウンタSCはシャッタ808の開放回数をカウントするためのものである。
開放カウンタSCの値が「1」でない場合には、ステップS3103に進み、シャッタ808の1回目の開放タイミングであるか否かを判定する。この1回目の開放タイミングには、既に説明したように、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目のラウンド遊技において可変入賞装置32への1個目の入賞が発生したタイミングが相当する。
1回目の開放タイミングである場合には、ステップS3104に進み、ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されたシャッタ用振分テーブル(図48(b))を参照し、今回のラウンド遊技におけるシャッタ808の動作態様が高振分態様であるか否かを判定する。高振分態様である場合には、ステップS3106にて上記開放カウンタSCの値に「2」をセットし、高振分態様でない場合、すなわち、低振分態様である場合には、ステップS3107にて上記開放カウンタSCの値に「1」をセットする。
ステップS3106又はステップS3107の実行後はステップS3108にて、1回目開放におけるシャッタ808の開放期間を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタT2の値を「50」(0.1sec)にセットする。続くステップS3109では、シャッタ808を開放すべく駆動部809を駆動状態とする。
上記ステップS3102で肯定判定した場合(開放カウンタSCの値が「1」である場合)には、ステップS3110に進み、シャッタ808の2回目の開放タイミングであるか否かを判定する。この2回目の開放タイミングには、既に説明したように、高振分態様に設定されたラウンドのラウンド遊技において可変入賞装置32への2個目の入賞が発生したタイミングが相当する。
2回目の開放タイミングである場合には、ステップS3111に進み、2回目開放の開放期間を設定すべく、上記タイマカウンタT2の値を「500」(1sec)にセットする。その後、ステップS3109に進み、シャッタ808の開放処理を実行する。ステップS3109の実行後、ステップS3103で否定判定した場合(1回目の開放タイミングでない場合)又はステップS3110で否定判定した場合(2回目の開放タイミングでない場合)はV振分用処理を終了する。
上記ステップS3101で肯定判定した場合(シャッタ808が開放中である場合)には、ステップS3112に進み、タイマカウンタT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップS3108又はステップS3111で設定したシャッタ808の開放期間が経過したか否かを判定するものである。
タイマカウンタT2の値が「0」である場合(シャッタ808の開放期間が経過した場合)には、ステップS3113にて、シャッタ808を閉鎖すべく駆動部809を非駆動状態とする。続くステップS3114では、上記開放カウンタSCの値を1ディクリメントし、シャッタ808の開放回数を更新する。ステップS3114の実行後又はステップS3112で否定判定した場合(タイマカウンタT2の値が「0」でない場合)はV振分用処理を終了する。
通常処理(図49)の説明に戻り、ステップS3001のV振分用処理を実行した後は、ステップS206に進み、遊技球の発射を制御する遊技球発射制御処理を実行する。
<大入賞口開閉処理>
次に、ステップS510(図17)の大入賞口処理について図51のフローチャートを参照して説明する。この処理は、図18の大入賞口開閉処理に代えて実行されるものである。なお、図51において図18の各種処理と同様のものについては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS603でタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS3201にて各ラウンド用の設定処理を実行する。この処理は、上記第1の実施の形態に係る図20の処理と同様であるため、図20を援用して説明する。
各ラウンド用の設定処理では先ず、ステップS801にてラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「16」でない場合には、ステップS802にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている継続フラグを消去する。
ステップS802の実行後又はステップS801で肯定判定した場合(ラウンドカウンタRCの値が「16」である場合)は、ステップS803にて、設定対象のラウンド遊技における可変入賞装置32の開放期間を設定する。具体的には、タイマカウンタTの値を1ラウンド分の上限開放期間(30sec)に相当する「15000」にセットする。
続くステップS804では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された大当たり種別フラグに基づき、実行される又は実行中の開閉実行モードに対応する大当たり種別を把握する。また、本ステップでは、ラウンドカウンタRCの値に基づき、設定対象のラウンド遊技(これから開始するラウンド遊技)が何ラウンド目のラウンド遊技であるかを把握する。続くステップS805では、ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている上限数振分テーブルを参照し、設定対象のラウンド遊技における可変入賞装置32への上限入賞個数を設定する。
ここで、図52を参照して本実施の形態に係る上限数振分テーブルについて説明する。本実施の形態では、16大当たり結果A~16R大当たり結果Cにおいて各ラウンド遊技の上限入賞個数が共通化されている。具体的には、16大当たり結果A~16R大当たり結果Cのいずれにおいても、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目での上限入賞個数が2個となっており、他のラウンドでは8個となっている。なお、16R大当たり結果Dに対応する開閉実行モードでは、全てのラウンド遊技で上限入賞個数が共通化され、いずれのラウンドでも5個となっている。なお、図52に記載された具体的な上限入賞個数は一例に過ぎず、これらの個数に限定されるものではない。
各ラウンド用の設定処理(図20)に戻り、ステップS805では、上記ステップS804における大当たり種別及び設定対象のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかの把握結果と、上記上限数振分テーブルとに基づき、対応する上限入賞個数を導出する。続くステップS806では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCの値として、上記導出した上限入賞個数に対応する値を設定する。ステップS806の実行後は、各ラウンド用の設定処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図51)の説明に戻り、ステップS3201の各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS605にて大入賞口開放処理を実行する。
大入賞口開閉処理においてステップS602で肯定判定した場合(タイマカウンタTの値が「0」である場合)には、ステップS3202にて、入賞センサ509又は入賞センサ802の検知状態(図13のステップS101の各種センサの読み込み結果)に基づき、可変入賞装置32への入賞が発生したか否かを判定する。可変入賞装置32への入賞が発生した場合にはステップS3203に進み、入賞カウンタPCの値を1ディクリメントする。ステップS3203の実行後又はステップS3202で否定判定した場合(可変入賞装置32への入賞が発生していない場合)には、ステップS3204に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続V入賞フラグが格納されているか否かを判定する。
ここで、タイマ割込み処理(図13)におけるステップS106のV入賞用処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、図19のV入賞用処理に代えて実行されるものである。
ステップS3301~ステップS3306の処理は、遊技球が継続V入賞センサ807を通過したこと(継続V入賞の発生)を把握するためのものであり、「V入賞」が「継続V入賞」とされている点を除き、図19のステップS701~ステップS706と同様のものである。なお、ステップS3305の継続V入賞フラグは、継続V入賞が発生したことを示すフラグであり、ステップS3306の継続V入賞コマンドは、継続V入賞が発生したことを演出制御装置82に通知するためのコマンドである。
ステップS3304又はステップS3306の実行後は、ステップS3307にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確V入賞フラグが格納されているか否かを判定する。高確V入賞フラグは、遊技球が高確V入賞センサ803を通過したこと(高確V入賞の発生)を示すフラグである。高確V入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS3308に進み、高確V入賞センサ803の検知状態(ステップS101の各種センサの読み込み結果)に基づき、高確V入賞が発生したか否か(高確V入賞センサ803の検知領域を遊技球が通過したか否か)を判定する。
高確V入賞が発生したと判定した場合には、ステップS3309にて、高確V入賞の有効期間中であるか否かを判定する。当該有効期間は、正常に高確V入賞が発生し得る期間を見込んで予め定められる所定期間であり、例えば、シャッタ808が開放状態とされる期間が上記有効期間として設定される。有効期間中でないと判定した場合には、ステップS3310に進み、異常が発生したとしてエラーコマンドを設定し、その後、V入賞用処理を終了する。
一方、有効期間中であると判定した場合には、ステップS3311に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確V入賞フラグを格納する。続くステップS3312では、演出制御装置82への送信対象として高確V入賞コマンドを設定する。高確V入賞コマンドは、高確V入賞が発生したことを演出制御装置82に通知するためのコマンドである。ステップS3312の実行後、ステップS3307で肯定判定した場合(高確V入賞フラグが格納されている場合)又はステップS3308で否定判定した場合(高確V入賞が発生していない場合)はV入賞用処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図51)の説明に戻り、ステップS3204で継続V入賞フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS3205に進む。ステップS3205では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている継続V入賞フラグを消去するとともに、上記各種フラグ格納エリア114eに継続フラグをセットする。継続フラグは、次のラウンド遊技を実行すべきであること、換言すれば、実行中のラウンド遊技が終了した後も開閉実行モードを継続すべきであることを示すフラグである。
ステップS3205の実行後又はステップS3204で否定判定した場合(継続V入賞フラグが格納されていない場合)には、ステップS613にて入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かを判定する。なお、本実施の形態においても、ステップS3205で継続フラグを格納した後、入賞カウンタPCの値を「0」に設定する処理(図18のステップS612の処理)を実行することなく、ステップS613の処理を実行する。すなわち、上記第3の実施の形態と同様に、ラウンド遊技中にV入賞が発生した場合において、その時点での可変入賞装置32への入賞個数が上限入賞個数未満であればラウンド遊技を終了せず、入賞個数が上限入賞個数に達するまで又は可変入賞装置32の開放期間が上限開放期間に達するまでラウンド遊技を継続する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について図54のフローチャートを参照して説明する。この処理は、図22の開閉実行モード終了時の移行処理に代えて実行されるものである。なお、図54において図22の各種処理と同様のものについては同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本移行処理では先ず、ステップS3401にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確V入賞フラグが格納されているか否かを判定する。高確V入賞フラグが格納されている場合には、ステップS902に進み、上記各種フラグ格納エリア114eに格納されている高確V入賞フラグを消去するとともに、当該エリア114eに高確率モードフラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。続くステップS903では、上記各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。
上記ステップS3401で高確V入賞フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS904にて上記各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットするとともに、ステップS905にて遊技回数カウンタGCに「100」をセットする。ステップS903又はステップS905の実行後は開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<開閉実行モード中の遊技の流れについて>
次に、開閉実行モード中の遊技の流れについて図46、図55~図57を参照して説明する。
既に説明したように、本実施の形態では、実行中のラウンド遊技で継続V入賞を発生させないと次のラウンド遊技が実行されず、継続V入賞が未発生のままラウンド遊技が終了した場合、その時点で開閉実行モードが終了するように構成されている(図51参照)。また、図46に示すように、可変入賞装置32内には高確V入賞センサ803が設けられている。開閉実行モード中に高確V入賞センサ803を遊技球が通過した場合(高確V入賞が発生した場合)には、開閉実行モード後の抽選モードが高確率モードとなり、高確V入賞センサ803を遊技球が通過しなかった場合には、開閉実行モード後の抽選モードが低確率モードとなる。
さらに、可変入賞装置32の大入賞口32a内には、継続V入賞センサ807に繋がる左側入口部505と、高確V入賞センサ803に繋がる右側入口部504とが設けられている。右側入口部504において高確V入賞センサ803の上流側にはシャッタ808が配置されており、シャッタ808の動作態様には、右側入口部504に入った遊技球を高確V入賞センサ803側に振り分ける又は振り分けやすい高振分態様と、右側入口部504に入った遊技球を高確V入賞センサ803側に振り分けない又は振り分けにくい低振分態様とが設定されている。遊技球が高確V入賞センサ803側に振り分けられた場合には、当該遊技球は高確V入賞センサ803を通過した後、継続V入賞センサ807も通過する(図46(b))。つまり、高確V入賞と継続V入賞との両方が発生することになる。一方、遊技球が高確V入賞センサ803側に振り分けられなかった場合には、当該遊技球は排出センサ805を通過してパチンコ機10の外部に排出される(図46(a))。つまり、高確V入賞と継続V入賞とのいずれも発生しないことになる。
また、可変入賞装置32の上流側には、所定量未満の強さで発射された遊技球を左側入口部505に案内し、所定量以上の強さで発射された遊技球を右側入口部504に案内する案内通路部401が設けられている(図5参照)。つまり、遊技者の意思によって、右側入口部504と左側入口部505とのいずれに遊技球を入賞させるのかを選択することが可能となっている。
既に説明したように、16R大当たり結果A~16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モードのいずれにおいても1ラウンド目から4ラウンド目のラウンド遊技では、シャッタ808が作動せず、高確V領域803aが閉鎖状態のままとされているため、遊技者は、遊技球が左側入口部505に入賞するように発射操作を行うことになる。これにより、各ラウンドのラウンド遊技において継続V入賞が発生し、5ラウンド目のラウンド遊技に進むことになる。
5ラウンド目のラウンド遊技の開始前である所定タイミング(例えば、4ラウンド目のラウンド間の待機期間の開始タイミング)になると、パチンコ機10において第1演出DR1が実行される。この第1演出DR1は、左側入口部505に遊技球を入賞させるか、右側入口部504に遊技球を入賞させるかの選択を遊技者に促すためのものである。図56(a)に示すように、第1演出DR1では、例えば、図柄表示装置41の表示画面Gにて、神様を模したキャラクタ画像601とともに、「AルートとBルートのどちらかを選ぶのじゃ」などの文字が表示されたメッセージ画像821が表示される。第1演出DR1は、5ラウンド目のラウンド遊技球が終了するまで継続される。
例えば、開放実行モードが16R大当たり結果Aに対応しており、5ラウンド目のラウンド遊技においてシャッタ808が低振分態様で駆動されるものとする(図48(b))。この場合において遊技者がBルートを選択し、遊技球を右側入口部504に入賞させた場合には、シャッタ808が低振分態様で駆動されていることから、遊技球は排出センサ805側に振り分けられ、高確V入賞及び継続V入賞のいずれも発生しないものとなる。その結果、図55(a)の中段に示すように、5ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って開閉実行モードが終了し、いわゆるパンクとなる。また、この場合は、高確V入賞が未発生の状態で開閉実行モードが終了するため、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードとなる。
そして、エンディングの開始タイミングになると、高確モードへのチャレンジゲームに失敗しことを示唆又は教示する第2演出DR2が実行される。図56(b)に示すように、第2演出DR2では、例えば、図柄表示装置41の表示画面Gにて、キャラクタ画像601とともに、「残念。次は期待しておるぞ」などの文字が表示されたメッセージ画像822が表示される。第2演出DR2は、エンディング期間の少なくとも一部において実行される。
一方、遊技者がAルートを選択し、遊技球を左側入口部505に入賞させた場合には、遊技球が継続V入賞センサ807を通過し、継続V入賞が発生するため、6ラウンド目のラウンド遊技が実行される。この場合は、5ラウンド目の待機期間又は6ラウンド目のラウンド遊技において第3演出DR3が実行される。図56(c)に示すように、第3演出DR3では、例えば、キャラクタ画像601とともに、「見事!」などの文字が表示されたメッセージ画像823が表示される。
その後、10ラウンド目のラウンド遊技の開始前である所定タイミングになると、再び第1演出DR1が実行され、左側入口部505に遊技球を入賞させるか、右側入口部504に遊技球を入賞させるかの選択が促される。開放実行モードが16R大当たり結果Aに対応するものである場合、10ラウンド目のラウンド遊技ではシャッタ808が高振分態様で駆動される(図48(b))。
この場合において、今度は遊技者がBルートを選択し、遊技球を右側入口部504側に入賞させた場合には、遊技球が高確V入賞センサ803を通過し、高確V入賞が発生する。また、遊技球が継続V入賞センサ807を通過し、継続V入賞が発生するため、11ラウンド目のラウンド遊技が実行される。この場合は、10ラウンド目の待機期間又は11ラウンド目のラウンド遊技において、高確モードへのチャレンジゲームに成功しことを示唆又は教示する演出DR4が実行される。図57(a)に示すように、第4演出DR4では、例えば、図柄表示装置41の表示画面Gにて、キャラクタ画像601とともに、「よくぞ見切った!!褒美を授けよう」等の文字が表示されたメッセージ画像824が表示される。そして、第4演出DR4が一定期間に亘って表示された後、上記表示画面Gには、高確V入賞の発生を祝福する確変用のラウンド演出画像が表示される。
その後、16ラウンド目のラウンド遊技になると、シャッタ808が低振分態様で駆動されるが、開閉実行モードの最終ラウンドであるため、遊技球を左側入口部505側に入賞させるか、右側入口部504側に入賞させるかを問わず、開閉実行モードが最後まで実施される。開閉実行モードの終了後は、開閉実行モードの実行中に高確V入賞が発生したことに基づき、抽選モードが高確率モードに移行する。すなわち、図55(a)の上段に示すように、開閉実行モードが完走するとともに、開閉実行モード後の抽選モードが高確率モードとなる。なお、15ラウンド目の待機期間では、第1演出DR1が実行されず、上記確変用のラウンド演出画像又は確変用の待機期間演出画像が表示される。
一方、10ラウンド目のラウンド遊技にて遊技者がAルートを選択し、遊技球を左側入口部505側に入賞させた場合には、継続V入賞が発生して11ラウンド目のラウンド遊技が実行される。但し、その後にシャッタ808が高振分態様で駆動されることはないため、高確V入賞が発生しないものとなり、高確モードへのチャレンジゲームに失敗したことになる。すなわち、図55(a)の下段に示すように、開閉実行モードが完走するものの、高確率モードへの移行が生じないものとなる。この場合は、10ラウンド目の待機期間又は11ラウンド目のラウンド遊技において上記第2演出DR2が実行され、その後、上記確変用のラウンド演出画像とは異なる通常用(非確変用)のラウンド演出画像が表示される。
また、図55(b)、(c)に示すように、開閉実行モードが16R大当たり結果Bや16R大当たり結果Cに対応するものである場合にも、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目の各ラウンド遊技において、遊技者が左側入口部505と右側入口部504のいずれを狙って遊技球を発射するかにより、開閉実行モードにて実施されるラウンド遊技の数(延いては総賞球数)や、開閉実行モード後の抽選モード(開閉実行モード後の遊技における有利度合)に差異が生じる。なお、開閉実行モードが16R大当たり結果Bに対応しており、5ラウンド目のラウンド遊技でシャッタ808が高振分態様で駆動される場合において、当該ラウンド遊技で遊技者が右側入口部504側を狙い、高確V入賞を発生させた場合には、9ラウンド目の待機期間又は10ラウンド目のラウンド遊技にて、左側入口部505に遊技球を入賞させることを促す第5演出DR5が実行される。図57(b)に示すように、第5演出DR5では、例えば、「Aルートを狙うのじゃ」等の文字が表示されたメッセージ画像825が表示される。これにより、高確V入賞を発生させているにもかかわらず、開閉実行モードが途中でパンクすることで遊技者の気分が害されることを抑制する。
以上のように、開閉実行モード中での遊技球の発射操作の違いにより、開閉実行モード後に高確率モードに移行するか否かを変化させたり、開閉実行モードでの総賞球数を変化させたりすることができるため、シャッタ808が高振分態様で駆動されるラウンドを遊技者が予測し、どのラウンドで右側入口部504を狙うかを選択して楽しむ遊技性を実現することができる。これにより、開閉実行モード中の遊技が単調化することが好適に抑制され、当該モード中の遊技を大きく盛り上げることが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
遊技者による遊技球の打ち分けが可能な左側入口部505(第1領域)と右側入口部504(第2領域)とを設け、左側入口部505については、第1遊技状況(シャッタ865が高振分態様で駆動される状況)であるか第2遊技状況(シャッタ865が低振分態様で駆動される状況)であるかを問わず、第1特典(ラウンド継続)を得ることができ、右側入口部504については、第1遊技状況の下では第1特典よりも有利な第2特典(高確率モードへの移行)を得ることができるものの、第2遊技状態の下では第1特典及び第2特典のいずれも得ることができない構成とした。
上記構成によれば、左側入口部505に遊技球を入球させて第1特典を狙いにいくか、右側入口部504に遊技球を入球させ、第1特典及び第2特典のどちらも獲得できないリスクを負って第2特典の獲得を狙いにいくかを遊技者自らが選択することができる。この場合、遊技者の判断が遊技の結果に影響を及ぼすため、遊技への積極参加が果たされ、遊技への注目度を向上させることが可能になる。また、上記構成では、第1特典及び第2特典のどちらも獲得できないスリルを楽しみつつ、大きな第2特典の獲得を狙いたい遊技者は、積極的に遊技球を右側入口部504に入球させる遊技を行い、そのようなスリルを好まない遊技者は、遊技球を左側入口部505に入球させる遊技を行うことができる。すなわち、各遊技者の嗜好や都度の気分に合わせて遊技の仕方を変えることができ、1台の遊技機で多様な楽しみ方を提供することが可能になる。
開閉実行モードでの1のラウンド遊技が上記第1遊技状況となり、他の1のラウンド遊技が上記第2遊技状況となる構成とした。この場合、遊技者は、開閉実行モードを遊技する中で左側入口部505と右側入口部504のいずれを狙うべきかの選択を迫られることになり、一定の緊張感の中で開閉実行モードを遊技することができる。これにより、開閉実行モードを淡々と消化するだけの場合に比べ、当該モード中の遊技を大いに盛り上げることができ、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。
10ラウンド目のラウンド遊技について、16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モードでは第1遊技状況となり、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでは第2遊技状況となるように構成した。すなわち、同一ラウンド目のラウンド遊技であっても、開閉実行モードの種別により第1遊技状況となるか、第2遊技状況となるかが異なり、右側入口部504を狙うべきラウンド(タイミング)が多様化されている。この場合、遊技者から見て右側入口部504を狙うべきラウンドが一義的に定まらないため、当該ラウンドを予測しながら左側入口部505と右側入口部504とを狙い分ける面白みを強化することができる。
第1特典がラウンド継続となり、第2特典が高確率モードへの移行となるように構成した。この場合、次のラウンド遊技が実施されず開閉実行モードが終了するリスクを負って高確率モードへの移行を狙いにいく遊技を実現することができ、開閉実行モード中の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、いわゆる1種タイプのパチンコ機を例示したが、本発明は、1種2種混合タイプのパチンコ機や、第2特別図柄の当否抽選結果において完全外れ結果よりも特別外れ結果又は特別当たり結果(いわゆる小当たり)を多く含ませ、小当たり遊技が頻発することで獲得出玉を増やすいわゆる小当たりラッシュ機能を備えたパチンコ機などの他のタイプのパチンコ機に対しても適用することが可能である。
1種2種混合タイプのパチンコ機としては、例えば、次のものがある。一方の作動口33への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合に、可変入賞装置32を開閉させる開閉実行モード(大当たり遊技状態)に移行する。作動口33への入賞に基づいて大当たり結果となった場合の大当たり種別として、開閉実行モードの終了後に時短遊技状態に移行する時短付き大当たり結果と、通常遊技状態に移行する(時短遊技状態に移行しない)時短無し大当たり結果とが設定されており、時短付き大当たり結果に振り分けられた場合には、開閉実行モード終了後に時短遊技状態(いわゆるラッシュ状態)に移行する。
時短遊技状態では、他方の作動口34への入賞頻度が高くなるが、作動口34への入賞に基づく当否抽選には小当たり結果が含まれており、当該小当たり結果となった場合には、可変入賞装置32又はそれとは異なる第2可変入賞装置を開閉させる開閉実行モード(小当たり遊技状態)に移行する。そして、可変入賞装置32又は第2可変入賞装置内に入賞した遊技球が、当該入賞装置内に設けられたV入賞口を通過することで、小当たり結果の場合よりも遊技者にとって有利な態様で可変入賞装置32又は第2可変入賞装置を開閉させる開閉実行モード(大当たり遊技状態)に移行する。
上記小当たり結果の種別には、遊技球がV入賞口を通過して大当たり遊技状態に移行した場合に、その後、時短遊技状態に移行する時短付き小当たり結果と、遊技球がV入賞口を通過して大当たり遊技状態に移行した場合に、その後、通常遊技状態に移行する(時短遊技状態に移行しない)時短無し小当たり結果とが設定されている。すなわち、時短付き小当たり結果に対応する小当たり遊技が行われた場合に遊技球がV入賞口を通過することで、大当たり遊技終了後に再び時短遊技状態へと移行する構成となっている。各小当たり結果に対しては小当たり対応の複数の停止結果が設定されており、それらのうちから選択された停止結果が小当たり当選の遊技回において特図用表示部43に停止表示される。小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される場合は、上記停止結果が小当たり遊技の終了後も継続して表示され、上記大当たり遊技の終了時まで継続的に表示される。
例えば、上記構成に対して上記第3の実施の形態を適用した場合には、時短付き大当たり結果に当選した場合、又は時短付き小当たり結果に対応した小当たり遊技を経て大当たりとなった場合の開閉実行モードにて、遊技球が転落領域703aを通過した場合は、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行せず(通常遊技状態に移行し)、遊技球が転落領域703aを通過した場合は、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行する構成とすることができる。
また、上記構成に対して特図用表示部43の停止結果により特定報知(遊技者が上限入賞個数を認識可能となる報知)を行う構成を適用する場合には、小当たり遊技を経て大当たりとなる場合の大当たり遊技における各ラウンド遊技の上限入賞個数を小当たり用の各停止結果に対応させ、小当たり用の停止結果により上記特定報知を行う構成とすることができる。
また、小当たりRUSH機能を備えたパチンコ機としては、第2特図の1遊技回に係る遊技時間の長さによって遊技状態の有利度合に差を設けたものがある。具体的には、遊技状態を不利状態とする場合は第2特図の変動表示時間を極度に長くする。これにより、可変入賞装置32の開放タイミングが作動口への入賞時から大幅に遅れる構成とし、単位時間当たりの可変入賞装置32の開放頻度を大きく低下させる。逆に、遊技状態を有利状態とする場合は、第2特図の変動表示時間を短くすることで、単位時間当たりの可変入賞装置32の開放頻度を高める。このような構成とすることで、不利状態の下で第2特図に対応する作動口(以下、「第2作動口」という)に遊技球を入賞させても遊技者が利益を受けにくく、有利状態の下で第2作動口に入賞させて初めて利益を受け易くなる仕様とされている。なお、不利状態における第1特図の変動表示時間は、一般的なパチンコ機と同様の時間長(不利状態における第2特図の変動表示間よりも短い時間)に設定されており、不利状態である場合は、第1特図に対応する作動口(以下、「第1作動口」という)に遊技球を入賞させて遊技することが可能となっている。また、かかる構成のパチンコ機では、不利状態の下で第2特図の遊技回が実行されると、長期間に亘って次の遊技回が開始されなくなる事態を招くおそれがあるため、第1特図の遊技回と第2特図の遊技回とを重複して実行可能な構成とされている。
例えば、上記構成に対して上記第3の実施の形態を適用した場合には、開閉実行モード後に有利状態(ラッシュ状態)に移行することに対応した大当たり結果に当選した場合において、当該大当たり結果に対応する開閉実行モードの実行中に遊技球が転落領域703aを通過した場合は、開閉実行モードの終了後に有利状態に移行しない(第2特図の変動表示時間が極端に長くされた不利状態、又は、小当たり遊技自体は頻繁に実行されるものの、小当たり用の可変入賞装置への入賞が発生せず若しくは有利状態に比べて発生しにくい中間状態に移行する)構成とすることができる。
(2)上記各実施の形態では、可変入賞装置32への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達したことと、可変入賞装置32の開放期間が上限開放期間に達したこととのいずれかが成立した場合にラウンド遊技が終了する構成としたが、後者の条件を備えず、前者が成立することでラウンド遊技が終了する構成であってもよい。
(3)上記各実施の形態では、開閉手段が設けられた入球領域(可変入賞装置32)内に特定領域(V入賞センサ507の検知領域、転落領域703a、高確V領域803a)を備えるが、開閉手段が設けられない入球領域内に備える構成としてもよい。すなわち、上記各実施の形態に係る可変入賞装置32は、「遊技領域PEにおいて、その内側に空間部を有するように入球領域が区画形成されており、入球領域には少なくとも1つの入球口(入球部)が設けられており、当該入球口を介して上記空間部(入球領域内)に遊技球が進入可能な構成であり(換言すれば、入球口を介することなく空間部に遊技球が進入することが不可とされた構成であり)、入球口を開閉する開閉手段が設けられており、空間部内又は空間部の下流側に特定領域が設けられており、空間部に進入した遊技球が特定領域を通過可能となる構成」といえるところ、上記開閉手段を省略した構成であってもよい。
(4)上記各実施の形態では、案内通路部401により、遊技球の左側入口部505への案内と、遊技球の右側入口部504への案内との両方が行われる構成としたが、右側入口部504への案内のみが行われる構成としてもよい。また、上記各実施の形態では、案内通路部401が樹脂部材(連続する壁部)により構成されるが、その少なくとも一部が遊技釘により構成されるものであってもよい。
(5)上記各実施の形態では、特定領域(V入賞センサ507の検知領域、転落領域703a、高確V領域803a)を通過した遊技球が図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部へ排出される構成としたが、遊技領域PEに排出される構成であってもよい。このことは、入賞センサ509、V入賞センサ705、排出センサ805、継続V入賞センサ807の各検知領域を通過した遊技球についても同様である。
(6)上記各実施の形態では、遊技球が右ルートを流下する場合に可変入賞装置32に入賞可能となる構成としたが、遊技球が左ルートを流下する場合に可変入賞装置32に入賞可能となる構成としてもよいし、右ルート及び左ルートのいずれを遊技球が流下しても可変入賞装置32に入賞可能となる構成としてもよい。後者の構成にあっては、左ルート又は右ルートの一方を遊技球が流下した場合に遊技球が左側入口部505に入球し、左ルート又は右ルートの他方を遊技球が流下した場合に遊技球が右側入口部504に入球する構成とするとよい。すなわち、左側入口部505と右側入口部504との打ち分けを行うことができればよく、その具体的構成は特に限定されるものではない。
(7)上記各実施の形態において、遊技球が左側入口部505に入球した場合と右側入口部504に入球した場合とのそれぞれで報知を行うとともに、前者の場合の報知態様と後者の場合の報知態様とを異ならせる構成としてもよい。また、左側入口部505又は右側入口部504のいずれかへの入球があった場合にのみ報知を行う構成としてもよく、詳しくは、右側入口部504への入球があった場合にのみ報知を行う構成としてもよい。これらの構成により、いずれの入口部に遊技球が入ったのかを遊技者が把握しやすくなる。この場合の報知は、報知が紛らわしくなることを抑制するため、可変入賞装置32への入賞が発生したことの報知を兼ねて行うとよい。
(8)上記各実施の形態では、各作動口33,34への入賞に基づいて保留情報が取得され、所定数(それぞれ4つ)を上限としてそれらの保留情報が記憶される構成としたが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。また、各作動口33,34への入賞に基づく保留情報の保留個数は、3個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。これらのことは、スルーゲート35への入賞に基づく保留情報の取得(普図の保留情報)についても同様である。また、各作動口33,34への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(9)上記各実施の形態では、第1作動口33と第2作動口34への入賞が発生した順番で遊技回が実行される構成としたが、第2作動口34への入賞に基づく第2特図の遊技回が第1作動口33への入賞に基づく第1特図の遊技回よりも優先して実行される構成としてもよい。この場合、第1作動口33への入賞に基づく抽選よりも第2作動口34への入賞に基づく抽選の方が優遇される構成とするとよい。具体的には、第1特図表示部AS用と第2特図表示部BS用とで各別の大当たり種別テーブルを設け、後者の方がラウンド数が多い大当たり種別や、高頻度サポートモードに移行する大当たり種別又は高頻度サポートモードの継続期間が長い大当たり種別の割合が高いなど、前者よりも遊技者に有利な振分とされている構成とするとよい。また、第1特図の遊技回が第2特図の遊技回よりも優先して実行される構成としてもよく、この場合は、第2作動口34への入賞に基づく抽選よりも第1作動口33への入賞に基づく抽選の方が優遇される構成とするとよい。
(10)上記各実施の形態では、サポートモードが高頻度サポートモードに移行した場合に、第1特図の遊技回と第2特図の遊技回との合計回数が終了基準回数に達することで、高頻度サポートモードが終了する構成としたが、第1特図又は第2特図のいずれの遊技回の実行回数が終了基準回数に達することで、高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、特図用表示部43の停止結果により特定報知を行う構成としたが、図柄表示装置41の表示画面Gに停止表示される停止結果(図柄列Z1~Z3における大当たり用の停止組み合わせ)により特定報知を行う構成としてもよい。この場合、特図用表示部43の停止結果と表示画面Gの停止結果との両方で特定報知を行う構成としてもよいし、特図用表示部43を省略する又は特図用表示部43では特定報知を行わないようにした上で、表示画面Gの停止結果のみにより特定報知を行う構成としてもよい。
(12)上記第1及び第2の実施の形態では、停止結果の種類数を3種類としたが、4種類以上としてもよいし、2種類以下としてもよい。また、停止結果の種類(大当たり種別)と開閉実行モードの態様(各ラウンド遊技の上限入賞個数の設定パターン)とを1対1で対応させたが、開閉実行モードの1つの態様(上限入賞個数の1つの設定パターン)に複数種類の停止結果を対応させてもよい。例えば、上記第1の実施の形態では、図21に示す16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モード(所定ラウンド目(2ラウンド目)のラウンド遊技の上限入賞個数が8個となる場合)に対して停止結果Aが対応するが、これを表示態様が異なる複数種類の停止結果が対応する構成としてもよい。このような構成とすれば、停止結果からの上限入賞個数の判別が容易となることが抑制され、上限入賞個数を予測して楽しむ遊技を好適に担保することが可能になる。この場合、16R大当たり結果Bの開閉実行モードに対応する各種停止結果が、他の開閉実行モード(16R大当たり結果A、16R大当たり結果Cに対応する各開閉実行モード)に対応する停止結果(停止結果A、停止結果C)と重複しない(同じ表示態様にならない)構成とするとよい。これにより、遊技ホールの従業員が停止結果から上限入賞個数を全く判別できなくなってしまうことが抑制され、停止結果の多様化が不正発見の妨げとなることを抑制できる。
また、上記の場合において、図21に示す16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モード(所定ラウンド目(2ラウンド目)のラウンド遊技の上限入賞個数が4個となる場合)については、上記第1及び第2の実施の形態のように停止結果Cのみが対応する構成としてもよいし、表示態様が異なる複数種類の停止結果が対応する構成としてもよい。すなわち、開閉実行モード(各ラウンド遊技の上限入賞個数の設定パターン)が複数設けられる構成において、それら各開閉実行モードの少なくとも1つで開閉実行モードの態様と停止結果とが1対複数の開系で対応する構成であればよい。なお、16R大当たり結果Cの開閉実行モードに対して複数種類の停止結果が対応する構成にあっては、それら各種停止結果のそれぞれが他の開閉実行モード(例えば16R大当たり結果Bの開閉実行モード)に対応する各種停止結果と重複しない構成とするとよい。
本変形例は上記第3又は第4の実施形態にも適用することができ、それらの実施の形態において、停止結果の種類数を5種類以上としてもよいし、3種類以下としてもよく、閉実行モードの1つの態様に複数種類の停止結果を対応させてもよい。
(13)上記第1及び第2の実施の形態において、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードが実行される場合(所定ラウンド目(2ラウンド目)のラウンド遊技の上限入賞個数が8個となる場合)と、16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モードが実行される場合(所定ラウンド目(2ラウンド目)のラウンド遊技の上限入賞個数が4個となる場合)との両方で、例えば「5」の主図柄が有効ライン上に並ぶ停止結果を表示可能であるなど、図柄表示装置41の表示画面Gに同じ絵柄組み合わせの大当たり停止結果を表示し得る構成としてもよい。図柄表示装置41は特図用表示部43よりも表示領域が大きいため、一般の遊技者は特図表示部43よりも図柄表示装置41に注目しがちと想定される。そのような構成の下、上記構成とすることで、遊技ホールの従業員や熟練遊技者については特図表示部43の停止結果から上限入賞個数を判別可能となる一方で、専ら図柄表示装置41に注目して遊技している一般の遊技者については停止結果から上限入賞個数を判別しにくくすることができる。これにより、不正対策と上限入賞個数を予測して楽しむ遊技とを好適に調和させることが可能になる。
上記の場合において、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードが実行される場合と、16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モードが実行される場合とで、例えば、前者の場合は奇数図柄のゾロ目が停止表示され又は偶数図柄のゾロ目よりも奇数図柄のゾロ目が停止表示されやすく、後者の場合は偶数図柄のゾロ目が停止表示され又は奇数図柄のゾロ目よりも偶数図柄のゾロ目が停止表示されやすいなど、表示画面G上の停止結果により、いずれの開閉実行モード(いずれの上限入賞個数)であるかの期待値を示唆する構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技者が上限入賞個数を予測する上で表示画面G上の停止結果を参考にすることができ、上限入賞個数を予測して楽しむ遊技を好適に引き立てることができる。
なお、16R大当たり結果Bと16R大当たり結果Cの場合に限らず、全ての開閉実行モードを対象として同じ絵柄組み合わせの大当たり停止結果を表示可能な構成としてもよいし、一部の開閉実行モードを対象として同じ絵柄組み合わせの大当たり停止結果を表示可能な構成としてもよい。また、全ての開閉実行モードにおいて表示画面G上の停止結果と開閉実行モードの種類(上限入賞個数)とが1対1の関係で対応する構成としてもよい。本変形例は上記第3又は第4の実施形態にも適用することが可能である。
(14)上記各実施の形態では、1の開閉実行モードにおいて各ラウンド遊技の上限入賞個数が多様化されるが、全ラウンド遊技の上限入賞個数が統一化された開閉実行モードが複数種類設けられ、それら開閉実行モード間で上限入賞個数が相違する構成としてもよい。例えば、全ラウンド遊技の上限入賞個数が8個の開閉実行モードAと、全ラウンド遊技の上限入賞個数が5個の開閉実行モードBとを備える構成としてもよい。この場合、上記開閉実行モードA、Bにおいて、開閉実行モードの態様と停止結果とが1対1の関係で対応する構成としてもよいし、上記(12)のように、開閉実行モードA、Bの少なくとも1つにおいて開閉実行モードの態様と停止結果とが1対複数の関係で対応する構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、特図用表示部43又は表示画面Gに大当たり用の停止結果が停止表示された後に各ラウンド遊技の上限入賞個数を設定する構成としたが、上記停止結果が停止表示される前に各ラウンド遊技の上限入賞個数を設定する構成としてもよい。このような構成としては、例えば、大当たり当選の特図遊技回の開始から終了までのいずれかのタイミングで上限入賞個数を設定する構成が考えられる。
(16)上記各実施の形態では、決定した大当たり種別(実質的に特図用表示部43の停止結果)の情報を参照して各ラウンド遊技の上限入賞個数を設定する構成としたが、例えば、大当たり種別カウンタC2などの上記停止結果を決定するのに用いた所定情報を参照して各ラウンド遊技の上限入賞個数を設定する構成としてもよい。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値が「20」~「59」のうちのいずれかであることを条件として、所定ラウンド目(2ラウンド目)の上限入賞個数を8個に設定し、「60」~「69」のうちのいずれかであることを条件として、所定ラウンド目の上限入賞個数を4個に設定する構成としてもよい。
(17)上記第1及び第2の実施の形態において、全てのラウンドで上限入賞個数が同1の開閉実行モード(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モード)が実行される場合と、上限入賞個数が多様化されている開閉実行モード(16R大当たり結果B又は16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モード)が実行される場合とで、図柄表示装置41の表示画面Gに停止表示される大当たり報知の図柄組み合わせを相違させ、当該図柄組み合わせにより上限入賞個数を示唆するものとしてもよい。このことは上記第3及び第4の実施の形態においても同様である。
例えば、全てのラウンドで上限入賞個数が同一の開閉実行モードが実行される場合には、有効ライン上に「7」の主図柄が並ぶ図柄組み合わせを停止表示し、上限入賞個数が多様化されている開閉実行モードが実行される場合には、有効ライン上に「7」以外の主図柄がゾロ目の組み合わせで停止表示される図柄組み合わせを表示することができる。この際、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードが実行される場合と、16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モードが実行される場合とで、例えば、前者の場合は「7」以外の奇数図柄のゾロ目が停止表示され又は偶数図柄のゾロ目よりも奇数図柄のゾロ目が停止表示されやすく、後者の場合は偶数図柄のゾロ目が停止表示され又は奇数図柄のゾロ目よりも偶数図柄のゾロ目が停止表示されやすいなど、異なる組み合わせの主図柄が停止表示される又は停止表示されやすいものとしてもよい。また、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードが実行される場合と、16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モードが実行される場合との両方で、同じ組み合わせの主図柄が停止表示され得るものとしてもよい。この場合、表示画面Gにより停止表示される図柄からの上限入賞個数の判別を不可又は困難なものとできる。
(18)上記第1及び第2の実施の形態では、上限入賞個数が異なるラウンド遊技(例えば、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでの各ラウンド遊技)において可変入賞装置32の開放態様(開放回数及び上限開放期間)を共通化したが、上限入賞個数が第1個数のラウンド遊技では可変入賞装置32を第1開放態様で開放し、上限入賞個数が上記第1個数とは異なる第2個数のラウンド遊技では可変入賞装置32を上記第1開放態様とは異なる第2開放態様で開放する構成としてもよい。これにより、可変入賞装置32の開放態様を上限入賞個数の示唆演出として活用することが可能になる。
(19)上記第1及び第2の実施の形態では、大当たり種別間で最大ラウンド数を共通化させたが、相違させてもよい。この場合、上限入賞個数が多様化された開閉実行モードよりも全てのラウンドで同じ上限入賞個数とされた開閉実行モードの方が最大ラウンド数が大きい構成とすることが好ましい。上限入賞個数が同数とされている方が各ラウンド遊技を長く継続させつつ、開閉実行モードを完走させることが容易になるところ、そのような開閉実行モードにおいてラウンド数を多くしておけば、遊技者が大きな出玉を獲得できる機会が好適に担保され、遊技意欲を喚起しやすくなるためである。
(20)上記第1及び第2の実施の形態では、全てのラウンド遊技について上限入賞個数を判別不可又は判別困難としたが、一部のラウンド遊技について上限入賞個数を判別不可又は判別困難としてもよい。例えば、1ラウンド目から5ラウンド目までの各ラウンド遊技では、演出等により上限入賞個数を報知する一方、6ラウンド目以降のラウンド遊技ではそのような報知を行わない構成とすることが考えられる。
(21)上記第1及び第2の実施の形態では、V入賞センサ507の検知領域を遊技球が通過することで特典として次のラウンド遊技の実施(ラウンド継続)が付与される構成としたが、上記特典は、高確率モードや高頻度サポートモードへの移行が発生したり、特定の演出が実行されたりするものなどであってもよい。この場合、特典を獲得するか、実行中のラウンド遊技を長く継続させるかを天秤にかける遊技を確立するため、特典の付与と引き換えにラウンド遊技が終了して次のラウンド遊技に移行する構成とするとよい。また、特典付与の条件が成立することなくラウンド遊技が終了した場合(可変入賞装置32への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達した場合)、開閉実行モードが終了する構成とするとよい。
(22)上記第1及び第2の実施の形態では、V入賞センサ507の検知領域を遊技球が通過すると所定条件が成立し、特典が付与される構成としたが、上記所定条件は、V入賞センサ507を遊技球が通過することに限定されるものではない。例えば、開閉実行モードの開始又はラウンド遊技の開始に基づいて所定の抽選処理が実行され、その抽選に当選すると所定条件が成立し、特典が付与される構成としてもよい。但し、遊技への積極参加を促す観点では、内部的な処理だけで所定条件が成立するよりも、遊技者の操作に基づいて所定条件が成立する構成とする方が好ましい。この場合、所定条件の成立タイミングに遊技者が関与することができるため、自らの技量で特典を勝ち取った感覚を抱かせることができ、チャレンジ意欲を好適に高めることが可能になる。
(23)上記第1及び第2の実施の形態では、V入賞センサ507(所定条件の成立契機となる特定領域)を可変入賞装置32内に配置するが、可変入賞装置32外の遊技領域PEに配置する構成としてもよい。この場合、可変入賞装置32に到達可能な強さで発射された遊技球が到達可能なように特定領域が設けられるとよい。具体的には、可変入賞装置32の上流側又は下流側に特定領域が配置され、可変入賞装置32に向かう遊技球又は可変入賞装置32に入賞せずに当該装置32を通過した遊技球が特定領域に到達可能なように、特定領域の位置が設定されたり、遊技釘や案内構造等の遊技球の流れを規定する部材が設けられたりする構成とするとよい。かかる構成によれば、可変入賞装置32に遊技球を入賞させながら所定条件を成立させることができるため、開閉実行モードでの遊技と所定条件を成立させる遊技とを好適に両立させることが可能になる。
(24)上記第1の実施の形態では、遊技者が上限入賞個数を認識可能となる特定報知を表示により行う構成としたが、例えば、音声を用いた報知のように聴覚的に報知を行うなど、表示以外の方法で報知を行う構成としてもよい。また、上記第2の実施の形態についても、第1特定報知と、それよりも遊技者が上限入賞個数を認識しやすい第2特定報知との両方について表示により行う構成としたが、それらの少なくとも一方について、例えば音声を用いた報知を行うなど、表示以外の方法で報知を行う構成としてもよい。
(25)上記第2の実施の形態では、特図用表示部43に停止表示される停止結果による第1特定報知と、表示画面Gに表示される成功ラウンド用演出DR4(特定画像604)による第2特定報知(第1特定報知よりも遊技者が上限入賞個数を認識しやすい報知)との両方が行われる構成としたが、上記第1特定報知が行われない構成としてもよい。すなわち、遊技者が上限入賞個数を認識可能となる特定報知として成功ラウンド用演出DR4(特定画像604)の表示が行われる構成としてもよい。
(26)上記第2の実施の形態では、上限入賞個数を報知させるための所定条件(上限入賞個数目の入賞で遊技球がV入賞センサ507の検知領域を通過すること)が開閉実行モード中に成立する構成としたが、遊技回にて成立する構成としてもよい。例えば、特図用表示部43の大当たり用停止結果又は図柄表示装置41の表示画面Gに停止表示される主図柄の大当たり用停止結果として第1停止結果が停止表示される場合又は停止表示された場合、上限入賞個数の報知を実行し、上記大当たり用停止結果として上記第1停止結果とは異なる第2停止結果が停止表示される場合又は停止表示された場合、上限入賞個数の報知を実行しない構成とすることができる。この場合における上限入賞個数の報知は、開閉実行モードの実行中(オープニング期間を含む)や各ラウンド遊技の実行中に行われてもよいし、遊技回の実行中(大当たり用停止結果の停止表示前)に行われてもよい。
(27)上記第2の実施の形態では、所定ラウンドのラウンド遊技中に報知開始条件が成立した場合、その次のラウンドのラウンド遊技の開始時に上限入賞個数を報知する構成としたが、所定ラウンドと次ラウンドとの間の待機時間(ラウンドインターバル)から上限入賞個数の報知を開始する(その後に設定される上限入賞個数を報知する)構成としてもよい。
(28)上記第2の実施の形態では、所定条件を成立させた後、残りの全ラウンド遊技について上限入賞個数を報知する構成としたが、一部のラウンド遊技についてのみ上限入賞個数を報知する構成としてもよい。
(29)上記第2の実施の形態では、上限入賞個数目の入賞で遊技球がV入賞センサ507の検知領域を通過することで、上限入賞個数を報知するための所定条件が成立する構成としたが、他の要件により所定条件が成立するものとしてもよい。例えば、報知を実行するか否かの抽選処理を行い、その抽選により当選すると所定条件が成立する構成としたり、可変入賞装置32の上限入賞個数以上の入賞(オーバーフロー入賞)が発生すると所定条件が成立したり、遊技者が操作可能な演出ボタンにて所定操作を行うことを促す報知を行った上で所定操作が行われると所定条件が成立したりする構成等が考えられる。
(30)上記第2の実施の形態では、1ラウンドずつ上限入賞個数を報知する構成としたが、複数ラウンド分をまとめて報知する構成としてもよい。但し、遊技者の遊技しやすさを考慮すると、上記実施の形態の態様とする方が好ましい。
(31)上記第2の実施の形態では、所定条件の成立を契機として上限入賞個数を報知する構成としたが、所定条件が成立するか否かにかかわらず、常時、上限入賞個数を報知する構成としてもよい。
(32)上記第3の実施の形態では、開閉実行モード中に遊技球が転落領域703aを通過した場合に、開閉実行モードの終了後、低確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態(いわゆる時短遊技状態)に移行する構成としたが、低確率モード且つ低頻度サポートモード(いわゆる通常遊技状態)に移行する構成としてもよい。この場合、パチンコ機10として低確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態を備えない構成であってもよいし、当該遊技状態を備える構成であってもよい。また、パチンコ機10として低確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態を備える構成にあっては、開閉実行モード中に遊技球が転落領域703aを通過した場合に、時短遊技状態に移行する場合と、通常遊技状態に移行する場合とが生じる構成であってもよい。
上記第3の実施の形態では、開閉実行モード中に遊技球が転落領域703aを通過しないと高確率モードに移行し、遊技球が転落領域703aを通過すると高確率モードに移行しない構成としたが、通過の有無にかかわらず高確率モードに移行しながらも、通過する場合と通過しない場合とで有利不利が生じる構成としてもよい。例えば、開閉実行モード中に遊技球が転落領域703aを通過しないと、開閉実行モードの終了後、高確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態に移行し、開閉実行モード中に遊技球が転落領域703aを通過すると、開閉実行モードの終了後、高確率モード且つ低頻度サポートモードの遊技状態に移行する構成としてもよい。
(33)上記第3の実施の形態において、大当たり種別によりシャッタ706が開放するラウンドが相違する構成としてもよい。例えば、16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モードでは16ラウンド目のラウンド遊技でシャッタ706が開放し、16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでは8ラウンド目のラウンド遊技でシャッタ706が開放する構成としてもよい。このような構成でも、上記第3の実施の形態と同様に、大当たり種別によってシャッタ706の開放タイミングが相違する構成を実現することができる。
(34)上記第3の実施の形態では、シャッタ706により転落領域703a側とは異なる側に振り分けられた遊技球がV入賞センサ705を通過可能となり、特典としてラウンド継続が付与される構成としたが、上記特典は、高確率モードや高頻度サポートモードへの移行が発生したり、特定の演出が実行されたりするなど、ラウンド継続以外のものであってもよい。
(35)上記第3の実施の形態では、転落領域703aを可変入賞装置32内に配置したが、転落領域703aを可変入賞装置32以外の入賞装置(入賞の発生により賞球が払い出される入球部)内に配置してもよい。この場合、当該入賞装置に対して開閉手段を設ける構成としてもよいし、設けない構成としてもよい。
(36)上記第3の実施の形態では、転落領域703aを可変入賞装置32内に配置したが、可変入賞装置32外の遊技領域PEに配置してもよい。この場合、上記第3の実施の形態のように、確変大当たりに対応する開閉実行モード中に転落領域703aを遊技球が通過しなければ、開閉実行モードの終了後の抽選モードが高確率モードとなり、遊技球が通過すれば、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードとなる構成としてもよい。この場合、転落領域703aを可変入賞装置32の上流側又は下流側に設け、可変入賞装置32に到達可能な強さで発射された遊技球が転落領域703aに到達可能な構成とするとよい。これにより、可変入賞装置32に遊技球を入賞させながら転落領域703aに遊技球を通過させないことを目指す遊技を行うことができ、可変入賞装置32への入賞により賞球を獲得する開閉実行モードの遊技と、転落領域703aへの通過を回避して高確率モードへの移行を獲得する遊技とを好適に両立させることができる。
なお、転落領域703aを可変入賞装置32の上流側に設けた場合は、可変入賞装置32に遊技球が入賞するか否かを見る過程で、転落領域703aを遊技球が通過するか否かを視認することができ、遊技者が可変入賞装置32への入賞の有無と転落領域703aへの通過の有無との両方を把握しやすくなるというメリットがある。逆に、転落領域703aを可変入賞装置32の下流側に設けた場合は、遊技者が可変入賞装置32の開放タイミング又は開放期間を予測し、可変入賞装置32に入賞せずに当該装置32を通過する遊技球(こぼし球)が生じないように、遊技球の発射タイミングを調節して楽しむ遊技を付与することができる。
また、転落領域703aを遊技領域PEに配置した場合において、抽選モードが高確率モードである状況(開閉実行モードの実行中でない状況)で遊技球が転落領域703aを通過すると、抽選モードが低確率モードに移行(転落)する構成としてもよい。高頻度サポートモードを備える場合は、高確率モード且つ高頻度サポートモードである状況で遊技球が転落領域703aを通過した場合、遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモード(いわゆる時短遊技状態)に移行する構成としてもよいし、低確率モード且つ低頻度サポートモード(いわゆる通常遊技状態)に移行する構成してもよい。この場合、その時点での遊技回数に基づいて時短遊技状態への移行と通常遊技状態への移行とを切り換える構成としてもよい。具体的には、高確率モード且つ高頻度サポートモードに移行してからの遊技回数が高頻度サポートモードの終了基準回数を越えていない場合は時短遊技状態に移行し、超えている場合は通常遊技状態に移行する構成とする。また、高頻度サポートモードを備える構成において、高確率モード且つ高頻度サポートモードである状況で遊技球が転落領域703aを通過すると、高確率モード且つ低頻度サポートモードの遊技状態に移行する構成としてもよい。また、高頻度サポートモードを備えない場合は、高確率モード且つ低頻度サポートモードである状況で遊技球が転落領域703aを通過した場合、通常遊技状態に移行する構成とするとよい。
上記構成においては、転落領域703aを始動入賞口(第1作動口33又は第2作動口34)の上流側又は下流側に設け、始動入賞口に到達可能な強さで発射された遊技球が転落領域703aに到達可能な構成とするとよい。高確率モードである状況で次の大当たりを引き当てるには始動入賞口を狙って遊技球を発射せざるを得ないため、転落領域703aを意図的に避けて遊技することができず、転落領域703aの意義を高めることができる。
(37)転落領域703aを可変入賞装置32外の遊技領域PEに配置した場合において、転落領域703aを開閉する開閉手段を設けず、転落領域703aが常時開放する構成としてもよい。
また、転落領域703aを可変入賞装置32外の遊技領域PEに配置した場合において、転落領域703aを開閉する開閉手段を遊技領域PEに設ける構成としてもよい。この場合、転落領域703aを遊技球が通過しにくい印象を与えるべく、転落領域703aに対応して設けられる開閉手段の開口幅(入球口の横幅寸法)は、可変入賞装置32の開口幅(大入賞口32aの横幅寸法)よりも小さくするとよい。
転落領域703a及びその開閉手段は、可変入賞装置32の上流側又は下流側のいずれに配置してもよいが、上流側に配置した場合は、転落領域703aを通過しなかった遊技球(開閉手段により通過が規制された遊技球)が可変入賞装置32に到達可能となる一方、転落領域703aを通過した遊技球が可変入賞装置32に到達不可となる構成とするとよく、下流側に配置した場合は、可変入賞装置32に入賞せず当該装置32を通過した遊技球が転落領域703a又はその開閉手段の配置領域に到達可能となる一方、可変入賞装置32に入賞した遊技球が転落領域703a又はその開閉手段の配置領域に到達不可となる構成とするとよい。
(38)上記第3の実施の形態では、シャッタ706(転落領域703a)が最終ラウンドで開放状態に切り換えられる構成としたが、最終ラウンド以外のラウンドで開放状態への切り換えを行う構成であってもよい。また、上記第3の実施の形態では、開閉実行モード中の1つのラウンドでシャッタ706が開放状態に切り換えられる構成としたが、2以上のラウンドで開放状態への切り換えが行われる構成としてもよい。これらのことは上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
(39)上記第3の実施の形態では、可変入賞装置32に上限入賞個数目の入賞が発生したタイミングでシャッタ706(転落領域703a)が開放状態に切り換わる構成としたが、シャッタ706の開放タイミングはこれに限定されるものではない。例えば、ラウンド遊技の途中(例えば、上限入賞個数未満の所定個数目の入賞が発生したタイミング)で、シャッタ706が開放する構成としてもよい。この場合、可変入賞装置32が開放状態とされている期間の中でシャッタ706が開放するものとなり、ラウンド遊技中に遊技球が転落領域703aを通過するか否かを煽る遊技を付与することが可能になる。また、可変入賞装置32の開放中にシャッタ706が開放される構成としては、ラウンド開始又は開閉実行モードの開始からの経過期間が所定期間に達することや、ラウンド開始又は開閉実行モードの開始からの可変入賞装置32の開放回数が所定回数に達することなどに基づいてシャッタ706が開放状態に切り換えられる構成であってもよい。
それらの際、シャッタ706の開放期間は、一のラウンドにおいて可変入賞装置32を開放可能な開放期間又は1回の開放において可変入賞装置32を開放可能な開放期間よりも短くするとよい。シャッタ706(転落領域703a)が可変入賞装置32の開放期間の全般又は大半で開放されていると、遊技者が安心して可変入賞装置32を狙える期間が確保されず、可変入賞装置32に遊技球を入賞させて賞球を獲得する遊技との両立が困難となるためである。なお、1ラウンドで可変入賞装置32が複数回開放する場合において各開放の開放時間が等しくない場合(少なくとも1つの開放が他1つの開放と開放時間が異なる場合)は、必ずしも、いずれの開放の開放時間に対してもシャッタ706の開放時間が短くなる構成である必要はなく、少なくとも最長の開放時間よりもシャッタ706の開放時間が短い構成であればよい。
本変形例は、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても適用することが可能である。
(40)上記第3の実施の形態では、可変入賞装置32内に設けられた通過部(入賞センサ702)を遊技球が通過することを契機としてシャッタ706が開放状態に切り換えられる構成としたが、可変入賞装置32外の遊技領域PEに設けられた通過部を遊技球が通過することを契機としてシャッタ706が開放状態に切り換えられる構成としてもよい。このことは、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
上記の場合、通過部を通過した遊技球が遊技盤24aの後方に案内されず、通過後も遊技領域PEを流下する構成とするとよい。また、可変入賞装置32外の通過部を可変入賞装置32の上流側又は下流側に配置し、可変入賞装置32に到達可能な強さで発射された遊技球が上記通過部に到達可能な構成とするとよい。また、可変入賞装置32に代えて、入賞の発生により賞球が払い出される他の入賞部(例えば一般入賞口31)の上流側又は下流側に配置し、当該他の入賞部に到達可能な強さで発射された遊技球が上記通過部に到達可能な構成としてもよい。なお、通過部への通過により開閉手段が開放するという遊技の流れを踏まえると、上記通過部は転落領域703a又はその開閉手段の上流側に配置することが好ましい。
(41)上記第3の実施の形態では、遊技球が通過部(入賞センサ702の検知領域)を通過することを契機としてシャッタ706が開放状態に切り換わる構成としたが、所定の抽選処理により当選することに基づいてシャッタ706が開放状態に切り換わる構成としてもよい。このことは、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
上記の場合、遊技者の混乱を避けるため、シャッタ706を開閉するための抽選処理は、可変入賞装置32を開閉するための抽選処理(移行判定)とは別に実行する構成とするとよい。この場合、シャッタ706を開閉するための抽選処理の結果を遊技者に知らしめるべく報知する構成とするとよい。この場合の報知は、移行判定の結果を報知する表示部(特図表示部又は図柄表示装置41の表示画面G)で行ってもよいし、それとは別の表示部により行ってもよい。なお、移行判定報知との区別を図る上では後者の構成とすることが好ましい。
(42)上記第3の実施の形態において、遊技球が転落領域703aを通過することを契機として、遊技状態を時短遊技状態又は通常遊技状態に移行させるか否かの抽選処理(転落抽選)が実行され、当該抽選の結果が当選結果である場合に時短遊技状態又は通常遊技状態に移行させる構成としてもよい。例えば、上記第3の実施の形態のように、遊技球が転落領域703aを通過すると直ちに転落する構成では、あまりにも頻繁に転落が発生すると遊技意欲を削いでしまうおそれがあるため、転落領域703aの通過頻度をある程度抑えざるを得ず、その分、転落領域703aの存在感が薄らいでしまうという側面がある。この点、本構成では、遊技球が転落領域703aを通過しても直ちに転落とはならないため、遊技球が転落領域703aを通過する頻度を高めることができる。これにより、遊技者が転落領域703aに注目する機会が拡充され、転落領域703aの存在を好適にアピールすることが可能になる。
また、ラウンド遊技の開始又は開閉実行モードの開始からの転落領域703aの遊技球の通過個数(通過回数)が予め定められた所定回数に達することを契機として、遊技状態を時短遊技状態又は通常遊技状態に移行させたり、上記抽選処理を行ったりする構成としてもよい。
なお、転落領域703aは、上記第3の実施の形態のように転落の直接契機として機能する場合だけでなく、本変形例のように転落抽選の契機として機能する場合も想定されるため、転落用領域ということもできる。また、本変形例は、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても適用することが可能である。
(43)上記第3の実施の形態において、遊技球が通過部(入賞センサ702の検知領域)を通過することを契機としてシャッタ706を開放する否かの抽選処理が実行され、当該抽選の結果が当選結果である場合にシャッタ706が開放される構成としてもよい。また、ラウンド遊技の開始又は開閉実行モードの開始からの通過部への遊技球の通過個数(通過回数)が予め定められた所定回数に達することに基づいて、シャッタ706が開放される構成としてもよい。これらのことは、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
(44)上記第3の実施の形態において、遊技球が転落領域703aを通過することに基づいて賞球の払い出しが行われる構成としてもよい。このことは、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
(45)上記第3の実施の形態では、1の契機に基づいてシャッタ706が1回だけ開放する構成としたが、1の契機に基づいてシャッタ706が複数回開放する構成としてもよい。このことは、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
上記の場合、相対的に開放期間が短い短期間開放を少なくとも1回実行した後、相対的に開放期間が長い長期間開放を少なくとも1回実行する構成とするとよい。先の短期間開放を遊技球が転落領域703aを通過しやすくなることの示唆又は目安として活用することで、転落領域703aへの遊技者の注目を集めることができるためである。この場合、短期間開放における1回分の開放期間は、当該開放の実行中に遊技球が転落領域703aを通過することを抑制するため、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短くするとよい。また、短期間開放及び長期間開放のいずれにおいても上記(39)のように1ラウンド分又は1回分の可変入賞装置32の開放期間よりも短くするとよい。
(46)上記第3の実施の形態において、特定の大当たりの場合には、遊技球が転落領域703aを通過しても転落状態とならず、抽選モードが高確率モードに移行し、他の特定の大当たりの場合には、遊技球が転落領域703aを通過すると、抽選モードが低確率モードに転落する構成してもよい。例えば、上記特定の大当たりを初当たり(通常遊技状態の下で当選した大当たり)とし、上記他の特定の大当たりを連荘中の大当たり(高確率モード又は高頻度サポートモードの下で当選した大当たり)とする構成が考えられる。このような構成とすることで、初当たりにおいてせっかく確変大当たりを引き当てたにもかかわらず、高確率モードで遊技する機会が得られないまま、抽選モードが低確率モードとなってしまう不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
この場合において、第1特図用(左打ちで入賞する始動入賞口用)の大当たり種別テーブルと第2特図用(右打ちで入賞する始動口用)の大当たり種別テーブルとを各別に設け、前者の大当たり種別テーブルには、確変大当たり結果と通常大当たり結果(非確変大当たり結果)とが規定される一方、後者の大当たり種別テーブルには、確変大当たり結果のみが規定される(換言すれば、大当たり結果に確変、非確変の区別がない)構成としてもよい。このような構成によれば、初当たり(左打ち遊技状態の下での大当たり)で確変大当たりに当選することで、高確率モードに移行し、高確率モード中(右打ち遊技状態)においては、遊技球が転落領域703aを通過しない限り、高確率モードが継続する遊技性を実現することができる。なお、これらのことは、上記(36)、(37)において転落領域703a又はその開閉手段を遊技領域PEに設けた場合についても同様である。
(47)上記第3の実施の形態において、転落領域703aを備えない第1可変入賞装置と、転落領域703aを備える第2可変入賞装置とを備えてもよい。この場合、開閉実行モードの態様として、第1可変入賞装置が開閉制御される第1態様と、第2可変入賞装置が開閉制御される第2態様とを含む複数種類の態様を備え、大当たり種別の振り分けによりそれら態様のいずれかの開閉実行モードが実行される構成としてもよい。また、初当たりの場合(第1特図の大当たりの場合)に上記第1態様のみの開閉実行モード(第2可変入賞装置が開閉制御されるラウンドを含まない開閉実行モード)を実行し、連荘中の大当たりの場合(第2特図の大当たりの場合)に上記第2態様のみの開閉実行モード又は上記第2態様を含む開閉実行モード(第2可変入賞装置が開閉制御されるラウンドを含む開閉実行モード)を実行する構成としてもよい。
(48)上記第3の実施の形態では、入賞センサ702の検知領域(第1領域)を通過した遊技球を転落領域703a(第2領域)に導く通路部を上下方向に延びる連続壁により形成したが、当該通路部の少なくとも一部を遊技釘により形成する構成としてもよい。但し、この場合、遊技球の移動速度等にばらつきが生じ、シャッタ706が開放状態とされる期間との関係において、シャッタ706の開放契機となった第1領域の通過球が第2領域を通過したり、しなかったりする場合が生じ、挙動が不安定になることが想定される。この点を踏まえると、上記第3の実施の形態のように上記通路部の全体を連続壁で構成することが好ましい。この場合、遊技球の移動速度等のばらつきが抑えられる結果、第1領域を通過した遊技球が第2領域に到達するまでの所要期間を安定させることができ、シャッタ706の開放契機となった第1領域の通過球が安定して第2領域を通過する構成を構築することが可能になる。
(49)上記第3の実施の形態において、入賞センサ702の検知領域(第1領域)を通過した遊技球が通る通路部(右側縦通路部850)に、当該通路部を移動する遊技球の移動速度を減速させる又は当該通路部内で遊技球を停留させることが可能な手段を備える構成としてもよい。例えば、図58に示すように、右側縦通路部850の内壁面部において、右側縦通路部850の内側に突出する複数の突出部851を形成する。これら突出部851は、遊技球の移動方向に沿って配列されており、各突出部851は右側縦通路部850の通路幅方向に延びるように形成されている。各突出部851は、右側縦通路部850の内壁面部において前後又は左右に分散して設けられ、それぞれが互い違いに位置するように配置されている。
右側入口部504に入球した遊技球が第1領域を通過すると、当該遊技球が各突出部851に接触し、これによって、遊技球の移動速度が減速される。また、図58(b)に示すように、各突出部851により蛇行ルート852が形成されるため、第1領域を通過した遊技球が転落領域703a(第2領域)に到達するまでの移動距離が第1領域と第2領域との直線距離Lよりも長くなる。これらの結果、第1領域を通過した遊技球が第2領域に到達するまでの所要期間が長くなり、シャッタ706の開放契機となった第1領域の通過球を安定して第2領域に通過させることができる。この場合、上記直線距離Lを短くできることから、可変入賞装置32における裏側の通路構造をコンパクトにまとめやすくなり、遊技部品の設置領域が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
なお、各突出部851との接触によりある程度の減速化が見込まれることから、蛇行ルート852が形成されない態様で各突出部851を設ける構成としてもよい。
(50)上記第3の実施の形態に係る可変入賞装置32において、図59に示す通路構造860を備える構成としてもよい。通路構造860は、通路部502(図7(a))と連通するようにしてその後方に配置されており、右側入口部504に入球した遊技球が流入するものである。通路構造860には、入賞センサ702が配置される第1通路部861と、入賞センサ702の検知領域(第1領域)を通過した遊技球が導かれる第2通路部862と、第2通路部862の下流側に設けられ、V入賞センサ705が配置される第3通路部863とが設けられている。第2通路部862は、横方向(遊技機左右方向)に延びており、その底部862aには、下方に開口する開口部864が形成されている。開口部864の下方には、転落入賞センサ703が配置され、転落領域703a(第2領域)が形成されている。
転落入賞センサ703の上方には、上記開口部864を閉鎖可能なようにしてシャッタ865が配置されている。シャッタ865は、パチンコ機10の前後方向へのスライド移動が可能な状態で保持されている。つまり、シャッタ865は、前方に突出して開口部864を閉鎖する突出位置(閉鎖位置)と、突出位置から後退して開口部864を開放する後退位置(開放位置)とに変位可能となっている。
図59(a)に示すように、シャッタ865が突出位置に配置される場合には、開口部864が閉鎖されるとともに、開口部864においてシャッタ865により第2通路部862の底部862aが構成され、第1通路部861からの遊技球がシャッタ865上を移動する。これにより、第1通路部861からの遊技球が第3通路部863に導かれ、V入賞センサ705の検知領域を通過可能となる。一方、図59(b)に示すように、シャッタ865が後退位置に配置される場合には、開口部864が開放され、第1通路部861からの遊技球が第2通路部862を通る過程で下方に落下する。これにより、第1通路部861からの遊技球が転落入賞センサ703側に導かれ、転落領域703aを通過可能となる。
また、シャッタ865は、上記第3の実施の形態に係るシャッタ706と同様に駆動部707に接続されており、普段は突出位置(閉鎖位置)に配置され、所定の切換タイミング(例えば、開閉実行モードにおける最終ラウンドにて上限入賞個数目の入賞が発生したタイミング)になると、後退位置(開放位置)へと変位するように駆動制御される。
上記構成では、第1領域を通過した遊技球を、横方向に延びる第2通路部862に導くため、上下方向に延びる右側縦通路部701内を遊技球が落下する場合に比べ、遊技球の移動速度を緩やかなものとできる。その上で、上記第2通路部862の底部862aをシャッタ865により開閉し、遊技球を下方に落下させて第2領域に導く構成としている。この場合、第1通路部861からの遊技球がシャッタ865の下流側端部865bに到達するまでにシャッタ865が開放位置に変位すれば、遊技球を第2領域に導くことができるため、シャッタ865の開放契機となった第1領域の通過球Aを余裕をもって第2領域に通過させることができる。これにより、より安定して通過球Aを第2領域に導くことができ、開放契機となる遊技球が第1領域を通過したことを見てから遊技球が第2領域を通過することを回避しようとする行為を一層好適に抑制することが可能になる。
また、上記構成においてシャッタ865の上面部865a上を移動する遊技球の移動速度を減速させる又は上面部865a上で遊技球を停留させることが可能な手段を設ける構成としてもよい。このような構成としては、上面部865a上又は第2通路部862の内壁面部に複数の突出部を設ける構成が考えられる。かかる構成では、減速又は停留の程度によっては、開放契機となった通過球Aだけでなく、通過球Aより前の通過球も第2領域に導くことが可能になる。これにより、開放契機となる遊技球が第1領域を通過したことを見てから遊技者が第2領域への通過を回避しようとしても間に合わないものとなり、そのような回避行為をより確実に抑制することが可能になる。
上記構成では、第2通路部862がパチンコ機10の左右方向に延びる構成としたが、前後方向に延びる構成としてもよい。また、シャッタ865は、開口部864を開放状態とすることができるとともに、閉鎖状態で底部862aを構成できるものであれば、スライド移動するものに限定されず、例えば、回動することで開口部864を開閉するものであってもよい。また、第2通路部862は、必ずしも水平状である必要はなく、第3通路部863(V入賞センサ705)に向けて下る傾斜状としてもよい。
(51)上記第3の実施の形態では、シャッタ706の開放期間(1sec)が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長いため、シャッタ706の開放契機となった通過球よりも後に第1領域(入賞センサ702の検知領域)を通過した通過球が第2領域(転落領域703a)を通過可能となるが、第1領域の通過球のうち開放契機となった通過球よりも後に第1領域を通過した通過球が第2領域を通過することを制限する(通過不可とする又は通過しにくくする)構成としてもよい。このような構成としては、シャッタ706の開放期間を遊技球の発射周期よりも短くしたり、遊技球が第2領域を通過したことを条件としてシャッタ706を閉鎖状態に切り換えたりするものが考えられる。かかる構成によれば、攻略行為をより好適に抑制することが可能になる。
なお、上記(48)~(51)の各構成は、上記第4の実施の形態において入賞センサ702の検知領域(第1領域)を通過した遊技球を高確V入賞センサ803の検知領域(第2領域)に導く構成にも適用することが可能である。この場合、開放契機となる遊技球が第1領域を通過したことを見てから遊技球を第2領域に通過させるように遊技球の発射態様を調節する行為を好適に抑制することが可能になる。
(52)上記第4の実施の形態では、第1特典としてラウンド継続を付与し、第2特典として高確率モードへの移行を付与する構成としたが、第1特典及び第2特典はこれらに限定されるものではない。例えば、第1特典又は第2特典としてサポートモードが高頻度サポートモードに移行したり、特定の演出が実行されたり、所定数の賞球が払い出されたりする構成としてもよい。この場合、第1特典としてラウンド継続を付与し、第2特典として高確率モードへの移行以外の特典を付与してもよいし、第1特典としてラウンド継続以外の特典を付与し、第2特典として高確率モードへの移行を付与する構成としてもよい。
(53)上記第4の実施の形態では、5ラウンド目のラウンド遊技で遊技球が高確V領域803aを通過した場合、10ラウンド目のラウンド遊技で第5演出DR5を実行する構成としたが、再度、第1演出DR1を実行する構成としてもよい。すなわち、いずれのルートを狙うべきであるかを報知せず、いずれのルートに遊技球を打ち出すかを遊技者が選択する構成としてもよい。
(54)上記第4の実施の形態では、シャッタ865が高振分態様で駆動されるラウンドで遊技球が右側入口部504を通過した場合、ラウンド継続(第1特典)と高確率モードへの移行(第2特典)との両方が付与される構成としたが、後者のみが付与される構成としてもよい。
(55)上記第4の実施の形態において、高確V入賞センサ803、第2通路部804、排出センサ805、第3通路部806及び継続V入賞センサ807を省略し、左側入口部505(第1領域)を遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与する第1内部処理(制御処理)と、第1遊技状況(例えば5ラウンド目のラウンド遊技の実行中)の下では、右側入口部504(第1領域)を遊技球が通過したことに基づいて第2特典を付与し、第2遊技状況(例えば10ラウンド目のラウンド遊技の実行中)の下では、右側入口部504を遊技球が通過しても第1特典及び第2特典を付与しないようにする第2内部処理(制御処理)とを備える構成としてもよい。すなわち、遊技球が第2領域を通過した場合の特典の付与態様が通過時の遊技状況によって変化するという構成は、必ずしも遊技球の動きによって実現されるものに限定されず、遊技機内部の制御処理によって実現されるものであってもよい。
(56)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、
前記ラウンド遊技の実行中に特定個数(上限入賞個数)の遊技球が前記可変入球手段に入球した場合、当該実行中の前記ラウンド遊技を終了させるラウンド遊技終了手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技状態の態様には、前記特定個数が第1個数(8個)とされる第1ラウンド遊技(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでの1ラウンド目のラウンド遊技)と、前記特定個数が前記第1個数とは異なる第2個数(4個)とされる第2ラウンド遊技(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでの2ラウンド目のラウンド遊技)とを1の前記特別遊技状態にて含む態様が含まれることを特徴とする遊技機。
上記構成では、移行判定の結果が移行対応結果となることで、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行し、特別遊技状態では、可変入球手段が第1状態とされる切換制御が行われるラウンド遊技が複数回に亘って実行される。また、各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の終了基準個数である特定個数が定められ、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数となることで、各ラウンド遊技が終了するものとなっている。そのような構成の下、1の特別遊技状態の中に、ラウンド遊技の終了条件となる上記特定個数が第1個数とされる第1ラウンド遊技と、特定個数が第2個数とされる第2ラウンド遊技とが設けられており、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されている。このため、遊技者から見て各ラウンド遊技の特定個数が分かりにくくなり、各ラウンド遊技の特定個数を予測して楽しむ遊技を提供することができる。これにより、特別遊技状態中の遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴A2.前記ラウンド遊技の実行中に予め定められた所定条件(V入賞の発生)が成立した場合、遊技者に特典(ラウンド継続又はその権利)を付与可能な特典付与手段(主制御装置81によるステップS615の処理を実行する機能)を備え、
前記ラウンド遊技終了手段は、前記ラウンド遊技の実行中に前記所定条件が成立した場合又は前記特典付与手段により特典が付与された場合、前記可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数に達しているか否かにかかわらず、当該実行中の前記ラウンド遊技を終了させる手段(主制御装置81によるステップS610~ステップS612の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成では、ラウンド遊技の実行中に所定条件が成立した場合、特典が得られる反面、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数に達していない状況であっても、ラウンド遊技が終了する。つまり、ラウンド遊技の早期に所定条件が成立すると、ラウンド遊技が早く終了してしまうものとなる。よって、可変入球手段への特定個数目の遊技球が入球したタイミング又はそれに近いタイミングで所定条件が成立する場合が、ラウンド遊技を長く継続させつつ、特典を獲得できるものとなり、遊技者にとって理想的となる。この場合において各ラウンド遊技の特定個数が多様化されているため、何個目の入球が特定個数目に相当するかが画一的にならず、理想的な所定条件の成立タイミングが変動するものとなる。このため、特定個数を予測するだけに留まらず、理想的なタイミングで所定条件が成立することを期待して遊技することができる。よって、ラウンド遊技を淡々と消化するだけの場合に比べ、各ラウンド遊技を格段に面白くすることができ、特別遊技状態中の遊技を大いに盛り上げることが可能になる。
特徴A3.前記所定条件が成立することなく前記可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数に達した場合、前記特別遊技状態が終了するように構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成では、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されている中で、可変入球手段への特定個数目の遊技球が入球したタイミング又はそれに近いタイミングで所定条件が成立すると、ラウンド遊技を長く継続させつつ、特別遊技状態を継続(次のラウンド遊技を実行)させることができる一方、特定個数目の入球が発生するまでに所定条件が成立しないと、特別遊技状態が終了してしまう遊技を付与することができる。これにより、特定個数を予測し、その予測結果に対応した入球のタイミング又はそれに近いタイミングで所定条件が成立することを目指す遊技の面白みを高めることができ、特別遊技状態中の遊技を大いに盛り上げることが可能になる。
特徴A4.遊技者が操作可能な操作手段(発射ハンドル60)を備え、
前記所定条件は、前記操作手段の操作に基づいて成立可能なものであることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作に基づいて所定条件が成立するため、所定条件の成立タイミングに遊技者が関与することができる。これにより、所定条件が成立するか否かを見ているだけの場合に比べ、各ラウンド遊技の興趣性を高めることができるほか、遊技への積極参加を促進することが可能になる。
特徴A5.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)を備え、
前記可変入球手段に到達可能な態様で発射された遊技球が到達可能なように特定領域(V入賞センサ507の検知領域)が設けられており、
遊技球が前記特定領域を通過した場合又は前記特定領域に到達した場合、前記所定条件が成立するように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態の下では、遊技者が可変入球手段を狙って遊技球を発射させているところ、本特徴では、特定領域への遊技球の通過に応じて所定条件が成立するとともに、当該特定領域が可変入球手段に到達可能な態様で発射された遊技球が到達可能なように構成されているため、所定条件が成立して特典を得た上でラウンド遊技が終了する場合と、所定条件が成立することなくラウンド遊技が終了する場合とが生じ、特定個数までの残り個数に対応する賞球と特典との関係で所定条件が成立した方がよいかへ関心を寄せることができる。これにより、淡々と特別遊技状態を消化する場合のだけに比べ、特別遊技状態中の遊技を盛り上げることが可能になる。
特徴A6.前記特定領域は前記可変入球手段内に設けられており、
前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に到達可能に構成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の注目箇所が集約され、遊技球が可変入球手段に入球したか否かと、所定条件が成立したか否か(特定領域を遊技球が通過したか否か)との両方を、視線移動を伴うことなく視認することが可能になる。その結果、可変入球手段への入球や特定領域を遊技球が通過したか否かの見逃しが抑制され、遊技者にとって遊技しやすい構成とすることができる。
特徴A7.前記所定条件は、前記可変入球手段への所定の入球により成立可能なものであることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態の下では、通常、遊技者は、可変入球手段を狙って遊技球を発射させているため、所定条件が成立して特典を得た上でラウンド遊技が終了する場合と、所定条件が成立することなくラウンド遊技が終了する場合とがあり、特定個数までの残り個数に対応する賞球と特典との関係で所定条件が成立した方がよいかへ関心を寄せることができる。これにより、淡々と特別遊技状態を消化する場合のだけに比べ、特別遊技状態中の遊技を盛り上げることが可能になる。
特徴A8.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)を備え、
前記発射手段により発射された遊技球が特定領域(V入賞センサ507の検知領域)を通過した場合又は前記特定領域に到達した場合、前記所定条件が成立するように構成されており、
第1発射操作(右側入口部504に入る強さで遊技球を発射する操作)により遊技球が発射された場合、前記特定領域に遊技球が到達可能又は到達しやすくなり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作(左側入口部505に入る強さで遊技球を発射する操作)により遊技球が発射された場合、前記特定領域に遊技球が到達不可又は前記第1発射操作の場合よりも到達しにくくなるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域に遊技球を通過させるか否かの打ち分けができるため、所定条件の成立タイミングを遊技者が決めることが可能となる。よって、遊技者が特定個数を予測し、その予測結果に対応したタイミングで自らが所定条件を発生させるという遊技を実現することができる。この場合において、ラウンド継続を優先させて早めのタイミングで所定条件を成立させてばかりいると、特別遊技状態を完走させることができたとしても、得られる総賞球数が少なく抑えられる。一方、1ラウンド分のラウンド遊技での賞球数を多くすべく、ギリギリまで所定条件の成立タイミングを引き延ばしていると、特別遊技状態が途中で終了する結果を招くことになる。つまり、各ラウンド遊技の特定個数を予測した上で勇気が試される、いわゆるチキンレースのような遊技性を提供することができる。これにより、各ラウンド遊技の特定個数を予測して遊技することの面白みが好適に高められ、特別遊技状態の興趣性を大きく向上させることが可能になる。
特徴A9.前記第1発射操作により発射された遊技球を前記特定領域に案内する案内手段(案内通路部401)を備えていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
上記構成によれば、発射された遊技球を特定領域に安定して導くことができるため、遊技者が特定個数を予測して所定条件の成立タイミングを調整する遊技を行う上で、遊技者の狙ったタイミングで所定条件を成立させやすくすることが可能になる。
特徴A10.前記第1発射操作により遊技球が発射された場合と、前記第2発射操作により遊技球が発射された場合とのいずれにおいても、前記可変入球手段に遊技球が到達可能なように構成されていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に遊技球を入球させながら、特定領域に遊技球を通過させたり、通過させなかったりの切り換えを行うことができる。つまり、所定条件の成立タイミングを調整する上で、可変入球手段への入球率が低下するなど、特別遊技状態本来の遊技が損なわれることを好適に抑制できる。よって、特別遊技状態の遊技と、特定個数を予測して所定条件の成立タイミングを調整する遊技とを好適に両立させることができ、特別遊技状態中の遊技を盛り上げる上で好適な構成とすることができる。
特徴A11.前記可変入球手段内には、前記特定領域としての第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域(入賞センサ509の検知領域)とが設けられており、
前記第1発射操作により発射された遊技球が前記可変入球手段に入球し、前記第1領域を通過可能又は前記第1領域に到達可能であり、前記第2発射操作により発射された遊技球が前記可変入球手段に入球し、前記第2領域を通過可能又は前記第2領域に到達可能であり、
前記第2領域を通過又は前記第2領域に到達した遊技球が前記第1領域を通過不可又は前記第1領域に到達不可となるように構成されていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に遊技球を入球させながら、所定条件の成立タイミングを調整する上で好ましい態様とすることができる。しかも、注目箇所が集約されることにより、可変入球手段への入球や第1領域(特定領域)を遊技球が通過したかの見逃しが抑制され、遊技者にとって遊技しやすい構成とすることができる。
特徴A12.前記可変入球手段は、当該可変入球手段が少なくとも前記第1状態である場合に遊技球が入球可能な入球部(大入賞口32a)を備え、
前記入球部は横長状を有しており、
前記入球部内における遊技機左右方向の一方の側には前記第1領域に連通する第1入口部(右側入口部504)が設けられ、他方の側には前記第2領域に連通する第2入口部(左側入口部505)とが設けられており、
前記第1入口部と前記第2入口部との間には仕切り部(仕切り部511)が設けられていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段の入球部が横長状とされ、その左右両側に第1入口部と第2入口部とが設けられるため、第1領域と第2領域との打ち分けが行いやすくなる。さらに、第1入口部と第2入口部との間に仕切り部が設けられるため、入球部の中で遊技球が逆側の入口部に移動することが抑制される。これにより、第1領域を狙って第1発射操作を行ったにもかかわらず、遊技球が第2領域を通過するという不都合の発生が抑制され、遊技者の発射操作により所定条件の成立タイミングを調整可能とする上で好ましい態様とすることができる。
特徴A13.前記特別遊技状態にて実行可能な前記ラウンド遊技のうち少なくとも1つの前記ラウンド遊技について前記特定個数が報知されないようにすることが可能な構成であることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されていることと相俟って、各ラウンド遊技の特定個数を遊技者が認識不可又は認識困難な構成とすることができ、特定個数を予測する遊技を引き立てることが可能になる。
特徴A14.前記特別遊技状態の態様として、前記第1ラウンド遊技及び前記第2ラウンド遊技を含む第1態様(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モード)と、前記第1態様とは異なるものであって前記第1ラウンド遊技及び前記第2ラウンド遊技を含む第2態様(16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モード)と含む複数種類の態様が設けられており、
前記特別遊技状態移行手段は、前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、複数種類の態様の前記特別遊技状態のうちのいずれかの態様の前記特別遊技状態に移行させる手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1態様の前記特別遊技状態と前記第2態様の前記特別遊技状態とでは、所定ラウンド目(2ラウンド目)の前記ラウンド遊技における前記特定個数が異なることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、同一ラウンドのラウンド遊技であっても特別遊技状態の態様によって特定個数が異なるため、遊技者から見て各ラウンド遊技の特定個数が益々分かりにくくなり、各ラウンド遊技の特定個数を予測する面白みを強化することが可能になる。
特徴A15.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、
前記ラウンド遊技の実行中に特定個数(上限入賞個数)の遊技球が前記可変入球手段に入球した場合、当該実行中の前記ラウンド遊技を終了させるラウンド遊技終了手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技状態の態様として、第1態様(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モード)と、前記第1態様とは異なる第2態様(16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モード)とを含む複数種類の態様が設けられており、
前記特別遊技状態移行手段は、前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、複数種類の態様の前記特別遊技状態のうちのいずれかの態様の前記特別遊技状態に移行させる手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1態様の前記特別遊技状態と前記第2態様の前記特別遊技状態とでは、所定ラウンド目(2ラウンド目)の前記ラウンド遊技における前記特定個数が異なるものであることを特徴とする遊技機。
上記構成では、移行判定の結果が移行対応結果となることで、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行し、特別遊技状態では、可変入球手段が第1状態とされる切換制御が行われるラウンド遊技が複数回に亘って実行される。また、各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の終了基準個数である特定個数が定められ、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数となることで、各ラウンド遊技が終了するものとなっている。そのような構成の下、特別遊技状態の態様として複数種類の態様が設けられており、同一ラウンドのラウンド遊技であっても特別遊技状態の態様によって特定個数が異なるものとなっている。このため、遊技者から見て各ラウンド遊技の特定個数が分かりにくくなり、各ラウンド遊技の特定個数を予測して楽しむ遊技を提供することができる。これにより、特別遊技状態中の遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
なお、本特徴に対して上記特徴A1乃至A14のいずれかに記載された各構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴A16.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、
前記ラウンド遊技の実行中に特定個数(上限入賞個数)の遊技球が前記可変入球手段に入球した場合、当該実行中の前記ラウンド遊技を終了させるラウンド遊技終了手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特定個数を設定する特定個数設定手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記ラウンド遊技終了手段は、前記可変入球手段に入球した遊技球の個数が前記特定個数設定手段により設定された前記特定個数となった場合、前記実行中のラウンド遊技を終了させるものであり、
前記特定個数設定手段は、
前記特定個数として第1個数(8個)を設定する第1手段と、
前記特定個数として前記第1個数とは異なる第2個数(4個)を設定する第2手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、移行判定の結果が移行対応結果となることで、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行し、特別遊技状態では、可変入球手段が第1状態とされる切換制御が行われるラウンド遊技が複数回に亘って実行される。また、各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の終了基準個数である特定個数が定められ、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数となることで、各ラウンド遊技が終了するものとなっている。そのような構成の下、各ラウンド遊技の特定個数が第1個数に設定される場合と、第1個数とは異なる第2個数に設定される場合とがあり、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されている。このため、遊技者から見て各ラウンド遊技の特定個数が分かりにくくなり、各ラウンド遊技の特定個数を予測して楽しむ遊技を提供することができる。これにより、特別遊技状態中の遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
なお、本特徴に対して上記特徴A1乃至A14のいずれかに記載された各構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴A1乃至A16に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴A1乃至A16の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B17、特徴C1乃至C20、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能に構成されており、
前記ラウンド遊技の実行中に特定個数(上限入賞個数)の遊技球が前記可変入球手段に入球した場合、当該実行中の前記ラウンド遊技を終了させるラウンド遊技終了手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特定個数を設定する特定個数設定手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定個数設定手段は、
前記特定個数として第1個数(8個)を設定する第1手段と、
前記特定個数として前記第1個数とは異なる第2個数(4個)を設定する第2手段と、
を備え、
前記特定個数設定手段により設定される又は設定された前記特定個数を遊技者が認識可能となる特定報知(当たり図柄、成功ラウンド用演出DR4)を実行することが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
本構成では、移行判定の結果が移行対応結果となることで、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行し、特別遊技状態では、可変入球手段が第1状態とされる切換制御が行われるラウンド遊技が複数回に亘って実行される。また、各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の終了基準個数である特定個数が定められ、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数となることで、各ラウンド遊技が終了するものとなっている。そのような構成の下、各ラウンド遊技の特定個数が第1個数に設定される場合と、第1個数とは異なる第2個数に設定される場合とがあり、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されている。これにより、特別遊技状態中の遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。また、遊技者が認識可能となる特定報知が行われるため、特定個数が画一的でないことによる遊技者の混乱を好適に抑制することもできる。
特徴B2.前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに基づいて絵柄の可変表示を開始させ、前記移行判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、所定の表示手段(特図用表示部43、図柄表示装置41)にて前記遊技回が実行されるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記移行対応結果に対応する前記停止結果として複数種類の移行対応停止結果(当たり図柄)を有しており、
前記特定個数設定手段は、前記所定の表示手段に停止表示される又は停止表示された前記移行対応停止結果の種類、又は前記所定の表示手段に停止表示される又は停止表示された前記移行対応停止結果の種類を決定するのに用いられた所定情報(大当たり種別カウンタC2)に対応させて前記特定個数を設定するものであり、
前記移行対応停止結果の停止表示により前記特定報知を実行するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成では、特定個数を直接的に報知するのではなく、移行対応停止結果を利用した間接的な報知に留める構成としている。このため、誰でも簡単に特定個数が判明するものにはならず、各ラウンド遊技の特定個数を予測して楽しむ遊技が過度に阻害されることを好適に抑制できる。特に、停止結果からの特定個数の判別が可能となるのは、停止結果の種類と各ラウンド遊技の特定個数との対応関係を遊技者が全て把握している場合に限られるため、遊技者が本遊技機に対する興味や知識を深める契機となり、延いては遊技意欲の喚起に繋げることができる。
また、かかる構成は、不正対策としても有効に機能させることができる。例えば、正規に設定される特定個数とは異なる特定個数で遊技機が動作するような不正行為が行われた場合に、遊技ホールの従業員が所定の表示手段における停止結果を視認することで、特定個数の不一致を判別することが可能となる。よって、不正行為の早期発見に寄与することができる。
特徴B3.前記特定個数設定手段は、前記停止表示される又は停止表示された前記移行対応停止結果が第1移行対応停止結果(停止結果B)である場合、又は前記所定情報が前記第1移行対応停止結果に対応する第1所定情報(「20」~「59」のうちのいずれかの値である大当たり種別カウンタC2)である場合、所定ラウンド目(2ラウンド目)の前記ラウンド遊技における前記特定個数が前記第1個数となり、前記停止表示される又は停止表示された前記移行対応停止結果が前記第1移行対応停止結果とは異なる第2移行対応停止結果(停止結果C)である場合、又は前記所定情報が前記第2移行対応停止結果に対応する第2所定情報(「60」~「69」のうちのいずれかの値である大当たり種別カウンタ)である場合、前記所定ラウンド目の前記ラウンド遊技における前記特定個数が前記第2個数となるようにするものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の表示手段に停止表示された移行対応停止結果と各ラウンド遊技の上限入賞個数とを対応させることができ、上記移行対応停止結果の停止表示を特定報知として適切に機能させることが可能になる。
特徴B4.少なくとも前記第1移行対応停止結果として、表示態様が異なる複数種類の停止結果を有していることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定個数としての第1個数と第1移行対応停止結果とが1対複数の関係で対応するため、第1移行対応停止結果からの特定個数(第1個数)の判別難易度を高めることができる。これにより、停止結果の特定個数の判別が容易となることが抑制され、各ラウンド遊技の特定個数を予測して楽しむ遊技を好適に担保することが可能になる。
なお、本特徴を「前記第1移行対応停止結果として、表示態様が異なる複数種類の第1停止結果を有し、前記第2移行対応停止結果として、それぞれが前記複数種類の第1停止結果と重複しないものであって、表示態様が異なる複数種類の第2停止結果を有していることを特徴とする」としてもよい。この構成では、第2移行対応停止結果においても、特定個数と移行対応停止結果とが1対複数の関係で対応するため、移行対応停止結果からの特定個数の判別難易度を一層高めることができる。また、第2移行対応停止結果となる各種停止結果と第1移行対応停止結果となる各種停止結果とが重複しないため、遊技ホールの従業員が停止結果から特定個数を全く判別できなくなってしまうことが抑制され、停止結果の多様化が不正発見の妨げとなることを抑制できる。
特徴B5.前記所定の表示手段(特図用表示部43)とは別個に設けられ、前記所定の表示手段よりも表示領域が大きい第2表示手段(図柄表示装置41)と、
前記第2表示手段にて前記絵柄とは異なる第2絵柄を可変表示させ、前記移行判定の結果に対応した停止結果を停止表示させるように前記第2表示手段を制御する表示制御手段(演出制御装置82及び表示制御装置212による図柄列Z1~Z3の変動表示を制御する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記所定ラウンド目(2ラウンド目)の前記ラウンド遊技における前記特定個数が前記第1個数になる場合と、前記所定ラウンド目(2ラウンド目)の前記ラウンド遊技における前記特定個数が前記第2個数になる場合とで、前記第2絵柄の停止結果として同一の停止結果を表示することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴B3又はB4に記載の遊技機。
第2表示手段は所定の表示手段よりも表示領域が大きいことから目立つため、一般の遊技者は所定の表示手段よりも第2表示手段に注目しがちになると想定される。そのような構成の下、所定の表示手段においては停止結果と特定個数とを対応させつつ、第2表示手段においては特定個数と対応しない停止結果が表示され得る構成とすることで、遊技ホールの従業員や熟練遊技者については所定の表示手段の停止結果から特定個数を判別可能となる一方で、専ら第2表示手段に注目して遊技している一般の遊技者については停止結果から特定個数を判別しにくくすることができる。これにより、不正対策と特定個数を予測して楽しむ遊技とを好適に調和させることが可能になる。
特徴B6.予め定められた所定条件が成立した場合、前記特定報知(成功ラウンド用演出DR4)を実行する報知実行手段(演出制御装置82によるラウンド開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定条件が成立することで特定報知が実行されるため、各ラウンド遊技の特定個数が報知される場合と、報知されない場合とが生じるものとなる。これにより、特定個数の多様化による遊技者の混乱を抑制しつつ、各ラウンド遊技の特定個数を予測して楽しむ遊技を提供することが可能になる。
なお、本特徴を上記特徴B2乃至B5のいずれかに適用する場合には、「前記特定報知として、第1特定報知(当たり図柄)と、前記第1特定報知よりも遊技者が前記特定個数を認識しやすい第2特定報知(成功ラウンド用演出DR4)とを実行可能であり、少なくとも前記移行対応停止結果の停止表示が前記第1特定報知となり得るように構成されており」とした上で、「前記報知実行手段は、予め定められた所定条件が成立した場合、前記第2特定報知を実行するものである」と表現することもできる。このことは、下記の特徴B7~B15においても同様である。
特徴B7.前記所定条件は、前記特別遊技状態において成立可能なものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態において可変入球手段に遊技球を入球させて賞球を得る遊技だけでなく、特別遊技状態の中で所定条件を成立させて特定報知を実行させる遊技を付与することができる。これにより、可変入球手段に遊技球を入球させるだけに留まらない遊技を提供することができ、特別遊技状態中の遊技の単調化を抑制することが可能となる。
特徴B8.前記所定条件は、前記可変入球手段への遊技球の入球(V入賞)に基づいて又は前記可変入球手段への遊技球の入球に基づく特定事象(入球により実行される抽選処理の結果が当選結果となることなど)の発生に基づいて成立可能なものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態を遊技する中で、可変入球手段に遊技球を入球させながら所定条件を成立させることができる。よって、可変入球手段に遊技球を入球させる遊技と、所定条件を成立させて特定報知を実行させる遊技とを好適に両立させることができ、上記特徴B7の構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
特徴B9.前記可変入球手段内には、当該可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域(V入賞センサ507の検知領域)が設けられており、
前記所定条件は、前記ラウンド遊技において前記可変入球手段に入球した遊技球のうち前記特定個数目の遊技球が前記特定領域を通過することである、又は前記特定個数目の遊技球が前記特定領域を通過したことに基づいて成立するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
各ラウンド遊技の特定個数が多様化されているため、特定個数目の遊技球を特定領域に通過させることは容易でなく、所定条件の成立難易度を高めることができる。例えば、所定条件の成立難易度が低く、報知の実施が簡単であると、特定個数を多様化して遊技者に予測させるようにした意義が失われるおそれがある。この点、本構成では、難易度が高められることから、報知の実施が達成されない状況がある程度の頻度で発生するものとなり、特定個数を多様化した構成と特定個数を報知する構成とを好適に調和させることが可能になる。
特徴B10.前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに基づいて絵柄の可変表示を開始させ、前記移行判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、所定の表示手段(特図用表示部43、図柄表示装置41)にて前記遊技回が実行されるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記停止結果として前記移行対応結果に対応する移行対応停止結果(当たり図柄)には、第1移行対応停止結果(第1停止結果)と、前記第1移行対応停止結果とは異なる第2移行対応停止結果(第2停止結果)とを含む複数種類が設定されており、
前記報知実行手段は、前記停止結果として前記第1移行対応停止結果が停止表示される場合又は停止表示された場合、前記特定報知を実行し、前記停止結果として前記第2移行対応停止結果が停止表示される場合又は停止表示された場合、前記特定報知を実行しないようにする手段を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定の結果が移行対応結果となった場合の停止結果によって、特定報知が実行されて遊技者が各ラウンド遊技の特定個数を知ることができる場合と、特定報知が実行されずに遊技者が各ラウンド遊技の特定個数を予測するしかない場合とが生じるものとなる。よって、特別遊技状態に移行する前の遊技において、第1移行対応停止結果が停止表示されることを目指して遊技することができ、特別遊技状態だけでなく、特別遊技状態への移行前の遊技についても興趣性を高めることが可能になる。
特徴B11.前記報知実行手段は、前記特別遊技状態において前記特定報知を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されている中で、リアルタイムで各ラウンド遊技の特定個数が報知されるため、遊技者にとって有益な報知を行うことができ、特定報知への関心度を高めることが可能になる。
特徴B12.前記特別遊技状態には、1の前記ラウンド遊技が終了した後、前記可変入球手段を前記第2状態として次の前記ラウンド遊技の開始を待機する待機期間が設けられており、
前記報知実行手段は、少なくとも前記待機期間において前記特定報知を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
待機期間では可変入球手段が第2状態とされているため、当該期間にて特定報知を行うことで、可変入球手段に遊技球が入球するか否かに注意を奪われることなく、報知を見たり、聞いたりすることができる。よって、特定報知の見逃し等が好適に抑制され、遊技者が特定報知を通じて各ラウンド遊技の特定個数を把握しやすい構成とすることができる。
特徴B13.前記特定報知は、次の前記ラウンド遊技の前記特定個数を遊技者が認識可能な報知を含むことを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が、ラウンド遊技の開始前にそのラウンド遊技の特定個数を把握することができ、遊技者にとって利便性の高い報知を行うことができる。
特徴B14.前記報知実行手段は、予め定められた所定条件が前記特別遊技状態中に成立した場合、当該所定条件が成立した前記特別遊技状態において前記特定報知を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
上記構成では、各ラウンド遊技の特定個数が多様化されている構成の下、特別遊技状態の中で所定条件を成立させることで報知を実施させ、特別遊技状態での各ラウンド遊技の特定個数を把握する遊技を提供することができる。これにより、可変入球手段に遊技球を入球させるだけに留まらない遊技を提供することができ、特別遊技状態中の遊技の単調化を好適に抑制可能となる。
特徴B15.前記報知実行手段は、前記所定条件が成立したラウンド以後又は前記所定条件が成立したラウンドより後に実行される前記ラウンド遊技について前記特定個数を遊技者が認識可能なように前記特定報知を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
上記構成では、所定条件が成立したラウンド以後又は当該ラウンドより後のラウンド遊技についての特定個数が報知されるため、特別遊技状態において早期に所定条件を成立させるほど、より多くのラウンド遊技について特定個数を知ることが可能になる。これにより、少しでも早く所定条件を成立させることを目指して遊技する楽しみを付与することができ、特別遊技状態中の遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。
特徴B16.前記可変入球手段には、当該可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域(V入賞センサ507の検知領域)が設けられており、
前記特別遊技状態は、前記ラウンド遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過した場合、次の前記ラウンド遊技が実行される一方、前記ラウンド遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過しなかった場合、次の前記ラウンド遊技が実行されないように構成されており、
前記ラウンド遊技終了手段は、前記ラウンド遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過した場合、前記可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数に達しているか否かにかかわらず、当該実行中の前記ラウンド遊技を終了させる手段(主制御装置81によるステップS610~ステップS612の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、ラウンド遊技の実行中に特定領域を通過した場合、次のラウンド遊技が実行される反面、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数に達していない状況であっても、ラウンド遊技が終了する。つまり、ラウンド遊技の早期に遊技者が特定領域を通過すると、ラウンド遊技が早く終了してしまうものとなる。よって、可変入球手段への特定個数目の遊技球が入球したタイミング又はそれに近いタイミングで遊技球が特定領域を通過する場合が、ラウンド遊技を長く継続させつつ、次のラウンド遊技を実行させることができるものとなり、遊技者にとって理想的となる。この場合において各ラウンド遊技の特定個数が多様化されているため、何個目の入球が特定個数目に相当するかが画一的にならず、理想的な特定領域の通過タイミングが変動するものとなる。このような構成の下、各ラウンド遊技の特定個数を報知する特定報知が行われることで、何個目の入球が特定個数目に相当するかを遊技者が把握可能となり、有利に遊技を進めることが可能になる。
特徴B17.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)を備え、
第1発射操作(右側入口部504に入る強さで遊技球を発射する操作)により遊技球が発射された場合、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に到達可能又は到達しやすくなり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作(左側入口部505に入る強さで遊技球を発射する操作)により遊技球が発射された場合、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に到達不可又は前記第1発射操作の場合よりも到達しにくくなるように構成されていることを特徴とする特徴B16に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域に遊技球を通過させるか否かの打ち分けができるため、遊技球を特定領域に通過させるタイミングを遊技者が決定することが可能になる。この場合、遊技者が各ラウンド遊技の特定個数を知ることができれば、遊技者の技量により理想的なタイミングで特定領域に遊技球を通過させることができる。このため、遊技者にとっての特定報知の価値が高まり、特定報知を実施させることへの意欲を好適に高めることが可能になる。
なお、上記特徴B1乃至B17に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴B1乃至B17の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B17、特徴C1乃至C20、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の終了後、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利なものであって前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機であって、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な特定領域(転落領域703a)が設けられており、
遊技球が前記特定領域を通過したことを特定可能な特定手段(転落入賞センサ703)を備え、
前記特定手段により遊技球が前記特定領域を通過したことの特定が行われた場合又は前記特定手段により前記特定が行われたことに基づく特定事象(転落領域703aへの遊技球の通過の検知に基づく抽選に当選したこと、転落領域703aへの遊技球の通過の検知回数が所定回数に達したことなど)が発生した場合、前記特別遊技状態の終了後又は前記特定遊技状態から、前記特定遊技状態よりも遊技者に不利なものであって前記通常遊技状態とは異なる所定遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)又は前記通常遊技状態に移行させることが可能な第3移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定領域を遊技球が通過すると、遊技状態が特定遊技状態に移行せず、遊技者にとって不利となるため、遊技者は、遊技球を特定領域に通過させないようにして楽しむことができる。しかも、遊技球の挙動によって転落状態に移行したり、それが回避されたりする遊技が実現されることから、例えば転落抽選のような内部的な処理による構成に比べ、遊技者にとって分かりやすい構成とすることができるばかりか、遊技球の挙動を見て楽しむ遊技機本来の魅力を向上させることもできる。よって、遊技の興趣を向上させ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
なお、本特徴において「前記特定遊技状態よりも遊技者に不利なものであって前記通常遊技状態とは異なる所定遊技状態又は前記通常遊技状態に移行させる」という記載は、遊技状態の1つとして所定遊技状態を備えることが必須であることを意味するものではなく、本特徴に係る遊技機は所定遊技状態を備えないものであってもよい。すなわち、上記記載は、「前記通常遊技状態に移行させ、又は前記特定遊技状態よりも遊技者に不利なものであって前記通常遊技状態とは異なる所定遊技状態を有する場合は、前記所定遊技状態若しくは前記通常遊技状態に移行させる」と解することができる。
特徴C2.前記第3移行手段は、前記特定手段により前記特定が行われた場合又は前記特定事象が発生した場合、前記特別遊技状態の終了後又は前記特定遊技状態から前記所定遊技状態又は前記通常遊技状態に移行させる一方、前記特定手段により前記特定が行われない場合又は前記特定事象が発生しない場合、前記特別遊技状態の終了後、前記特定遊技状態に移行させる、又は前記特定遊技状態を継続させるように構成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成では、特定領域を遊技球が通過すると遊技者にとって不利になり、特定領域を遊技球が通過しないと遊技者にとって有利になるため、遊技者が遊技球を特定領域に通過させないことを目指して遊技することができ、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
特徴C3.前記特定領域に対応して設けられ、遊技球が前記特定領域を通過することを許容する又は許容しやすい第1態様と、遊技球が前記特定領域を通過することを許容しない又は前記第1態様よりも許容しにくい第2態様とに切り換わり可能な切換手段(シャッタ706)と、
予め定められた特定契機(最終ラウンドで上限入賞個目の入賞が発生したこと)に基づいて、前記切換手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御を少なくとも1回実行する切換制御手段(主制御装置81によるシャッタ駆動用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成では、切換手段により、遊技球の特定領域への通過の可否又は通過しやすさが変化し、切換手段が第1態様である状況で特定領域又はその近くに遊技球が流下しないことを期待して遊技することができる。また、第2態様があることで、遊技者が安心して遊技球を発射できる期間を確保することもでき、総じて興趣性を向上させることが可能になる。
特徴C4.遊技球が通過可能な通過部(入賞センサ702)を備え、
前記特定契機は、前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて成立するものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成では、遊技球が通過部を通過することを契機として、特定領域に遊技球が通過不可又は通過しくい状態から通過可能又は通過しやすい状態に変化する。よって、先ずは遊技球を通過部に通過させないようにして遊技を楽しむことができ、上記特徴C2の構成と相まって興趣性を高めることが可能になる。
特徴C5.前記発射手段により発射された遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(大入賞口32a)と、
前記入球部に遊技球が入球した場合、所定数の遊技球を払い出すことが可能な払出手段(払出装置96)と、
を備え、
前記遊技領域において前記入球部の上流側又は下流側に前記通過部が設けられ、前記入球部に到達可能な態様で発射された遊技球が前記通過部に到達可能なように構成されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
例えば、遊技球が通過部に到達しない強さで遊技球を発射すれば、通過部への遊技球の通過を回避することができてしまい、遊技者がそのような発射操作に終始できてしまう構成であると、通過部及びその通過を契機として特定領域に遊技球が通過可能又は通過しやすい状態に切り換える切換手段を設けた意義が薄れてしまう。この点、本構成では、遊技球の入球に基づいて遊技球(賞球)が払い出される入球部を設けるとともに、当該入球部に到達可能な強さで遊技球を発射すると、遊技球が通過部にも到達可能となる構成としたため、賞球を得るためには通過部を避けて遊技することができず、通過部を遊技球が通過するか否かに注目して楽しむ遊技を好適に引き立てることが可能になる。
特徴C6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態において、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を少なくとも1回実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球手段に到達可能な態様で発射された遊技球が前記特定領域に到達可能なように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段に到達可能な強さで遊技球を発射すると、遊技球が特定領域にも到達可能な構成であるため、特別遊技状態において可変入球手段に遊技球を入球させる中で遊技球を特定領域に通過させないことを目指す遊技を付与することができる。これにより、特別遊技状態において遊技球が特定領域を通過することを回避できた場合には、特別遊技状態の終了後、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行し、特定領域に遊技球を通過させてしまった場合には、特定遊技状態よりも不利な所定遊技状態又は通常遊技状態に移行する遊技を提供することができる。つまり、特別遊技状態中の遊技は遊技者にとって多くの出玉獲得を期待できる嬉しいものであるが、特定領域を遊技球が通過すると転落してしまうという緊張感を織り交ぜることで、ワクワクとドキドキの両方を創出することができ、遊技者にとって作業化してしまうことがない興趣性の高い特別遊技状態を実現することが可能になる。
特徴C7.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態において、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を少なくとも1回実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特定領域に対応して設けられ、遊技球が前記特定領域を通過することを許容する又は許容しやすい第1態様と、遊技球が前記特定領域を通過することを許容しない又は前記第1態様よりも許容しにくい第2態様とに切り換わり可能な切換手段(シャッタ706)と、
予め定められた特定契機(最終ラウンドで上限入賞個目の入賞が発生したこと)に基づいて、前記切換手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御を少なくとも1回実行する切換制御手段(主制御装置81によるシャッタ駆動用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球制御手段による前記可変入球制御の実行中に前記切換制御手段による前記切換制御を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、常に遊技球が特定領域を通過可能であると、遊技者が特定領域への遊技球の通過を恐れる結果、遊技球を発射することを躊躇するおそれがある。この点、本特徴では、遊技球が特定領域を通過可能又は通過しやすい第1態様と、通過不可又は通過しにくい第2態様とに切り換える切換手段が設けられるため、遊技球を発射させても特定領域を通過しない期間が確保される。その上で、上記第1態様への切り換えを行う切換制御を可変入球手段が第1状態に切り換えられる可変入球制御の実行中に行う構成としたため、特別遊技状態の中で遊技球が特定領域を通過するか否かを煽る遊技を付与することができ、特別遊技状態の遊技の単調化を抑制することが可能になる。
特徴C8.前記可変入球制御手段は、1回の前記可変入球制御において前記可変入球手段を前記第1状態とする第1期間(可変入賞装置32の開放期間)を設定する第1期間設定手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備え、
前記切換制御手段は、1回の前記切換制御において前記切換手段を前記第1態様とする第2期間(シャッタ706の開放期間)を設定する第2期間設定手段(主制御装置81によるシャッタ駆動用処理を実行する機能)を備え、
前記第2期間設定手段は、前記第2期間として前記第1期間よりも短い期間を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成では、可変入球制御の実行中に切換制御(特定領域を遊技球が通過可能又は通過しやすい状態への切り換え)が行われる構成の下、可変入球手段が第1状態とされる期間よりも短い範囲で切換手段が第1態様とされるため、特別遊技状態において遊技球が特定領域を過度に通過しやすくなることが抑制される。これにより、遊技者が安心して特別遊技状態を遊技することが可能になり、特定領域及び第3移行手段を設けたことにより、特別遊技状態の面白みが損なわれることを抑制することが可能になる。
特徴C9.前記特定領域に対応して設けられ、遊技球が前記特定領域を通過することを許容する又は許容しやすい第1態様と、遊技球が前記特定領域を通過することを許容しない又は前記第1態様よりも許容しにくい第2態様とに切り換わり可能な切換手段(シャッタ706)を備え、
所定の遊技開始タイミング(開閉実行モードの開始タイミング)後、前記切換手段が前記第2態様から前記第1態様に切り換えられる切換タイミングが第1タイミングとなるようにする第1遊技(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モード)と、
前記所定の遊技開始タイミング後、前記切換タイミングが前記第1タイミングとは異なる第2タイミングとなるようにする第2遊技(16R大当たり結果Cに対応する開閉実行モード)と、
が設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技球が特定領域を通過可能又は通過しやすい第1態様と、通過不可又は通過しにくい第2態様とに切り換える切換手段が設けられている。この場合において、例えば、第1態様への切換タイミングが固定化されていると、遊技者が当該切換タイミングを予測可能となる結果、そのタイミングでさえ注意を払っていればよいものとなり、特定領域及び第3移行手段を設けた面白みが薄れてしまうおそれがある。この点、本特徴では、第1タイミングで第1態様に切り換わる第1遊技と、第1タイミングとは異なる第2タイミングで第1態様に切り換わる第2遊技とが設けられ、第1態様への切換タイミングが多様化されている。このため、遊技者が上記切換タイミングを定めにくくなり、どのタイミングで第1態様となるかのドキドキ感を好適に喚起することができる。これにより、特定領域及び第3移行手段の効果を好適に発揮させることができ、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
特徴C10.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態において、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を少なくとも1回実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1遊技及び前記第2遊技が前記特別遊技状態の遊技であることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態中に特定領域を遊技球が通過することで、遊技状態が所定遊技状態又は通常遊技状態に移行(転落)する構成において、第1態様への切り換えタイミング(通過可能状態への切り換わりタイミング)が多様化されたものとなっている。特別遊技状態中に特定領域を遊技球が通過すると転落するという要素があることで、ただでさえ一般の特別遊技状態にはない緊張感が付与されているにもかかわらず、さらに上記切り換わりタイミングが分からない又は分かりにくい構成となっている。このため、特別遊技状態の遊技に強烈なドキドキ感を盛り込むことができ、特別遊技状態中の遊技が単調化することを好適に抑制可能となる。
特徴C11.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態において、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を少なくとも1回実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定領域は前記可変入球手段内に設けられており、
前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に到達可能なように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定領域が可変入球手段内に設けられており、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過可能となっている。これにより、特別遊技状態中に特定領域を遊技球が通過することで、遊技状態が所定遊技状態又は通常遊技状態に移行(転落)する遊技を付与することができ、特別遊技状態中の遊技の単調化を好適に抑制することが可能になる。
特徴C12.前記可変入球手段内に設けられ、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過することを許容する又は許容しやすい第1態様と、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過することを許容しない又は前記第1態様よりも許容しにくい第2態様とに切り換わり可能な切換手段(シャッタ706)と、
予め定められた特定契機(最終ラウンドで上限入賞個目の入賞が発生したこと)に基づいて、前記切換手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御を少なくとも1回実行する切換制御手段(主制御装置81によるシャッタ駆動用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
例えば、常に遊技球が特定領域を通過可能であると、遊技者が可変入球手段に遊技球を入球させることを躊躇するおそれがあり、これでは、可変入球手段への入球を発生させて賞球を得る特別遊技状態本来の遊技が損なわれてしまう。この点、本構成では、遊技球が特定領域を通過可能又は通過しやすい第1態様と、通過不可又は通過しにくい第2態様とに切り換える切換手段が設けられるため、可変入球手段に遊技球を入球させても特定領域を通過しない期間が確保される。これにより、第1態様とされる期間又はそのタイミングとの兼ね合いで遊技球を特定領域に通過させないようにしつつ、可変入球手段への入球を発生させることが可能になる。すなわち、特別遊技状態本来の遊技が損なわれることを抑制しながら、遊技球が特定領域を通過しないことを目指す遊技を付与することが可能になる。
特徴C13.前記特定領域としての第1領域と、
前記可変入球手段内に設けられ、前記切換手段により前記第1領域の通過が規制された遊技球が通過可能な第2領域(V入賞センサ705の検知領域)と、
遊技球が前記第2領域を通過したことに基づいて遊技者に特典(ラウンド継続)を付与可能な特典付与手段(主制御装置81によるラウンド更新用又はエンディング開始用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
上記構成では、特典を獲得するには可変入球手段に遊技球を入球させることが不可欠となるため、遊技者が可変入球手段を避け続けて遊技球を発射することが抑制され、特定領域(第1領域)の意義を好適に発揮させることが可能になる。
特徴C14.前記特別遊技状態は、
少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、
前記ラウンド遊技の実行中に遊技球が前記第2領域を通過した場合、次の前記ラウンド遊技が実行される一方、前記ラウンド遊技の実行中に遊技球が前記第2領域を通過しなかった場合、次の前記ラウンド遊技が実行されないように構成されており、
前記特典は、次の前記ラウンド遊技が実行されることであることを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2領域に遊技球を通過させなければ次のラウンド遊技が実行されず、特別遊技状態の遊技が満足に実行されないため、可変入球手段への遊技球の入球が好適に促され、遊技球が第1領域を通過するか否かにドキドキして楽しむ機会を提供することが可能になる。
特徴C15.前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記可変入球制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、
前記切換制御手段は、実行中又は実行される前記ラウンド遊技が予め定められた所定ラウンド(16ラウンド目のラウンド遊技)の前記ラウンド遊技であることに基づいて前記切換制御を行う手段(主制御装置81によるシャッタ駆動用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C12乃至C14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が特定領域に通過可能となるラウンドを遊技者に予測させ、遊技球を特定領域に通過させないことを目指して楽しむ遊技を提供することが可能になる。
特徴C16.前記可変入球制御手段は、1回の前記ラウンド遊技における前記可変入球制御の回数又は前記可変入球手段を前記第1状態とする回数としての特定回数(可変入賞装置32の開放回数)を設定する回数設定手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理を実行する機能)を備え、
前記回数設定手段は、
前記特定回数として第1回数(8回)を設定する第1手段(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードにおいて1ラウンド目~10ラウンド目での可変入賞装置32の開放回数を設定する機能)と、
前記特定回数として前記第1回数とは異なる第2回数(1回)を設定する第2手段(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モードにおいて11ラウンド目~16ラウンド目での可変入賞装置32の開放回数を設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
上記構成では、1ラウンド当たりでの可変入球手段の可変入球制御の回数が多様化されるため、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかが可変入球手段の挙動から判別不可又は判別困難となる。このため、第1状態への切り換えラウンド(遊技球が第1領域を通過可能となるラウンド)がどのタイミングで到来するのか予測できない又は予測しにくくなり、上記特徴C15の構成を好適に引き立てることが可能になる。
特徴C17.前記第3移行手段は、前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて又は前記特定事象の発生に基づいて、前記特別遊技状態の終了後、遊技状態を前記所定遊技状態又は前記通常遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴C9乃至C16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態の中で特定領域を遊技球が通過すると、特別遊技状態の終了後、所定遊技状態又は通常遊技状態に移行(転落)する遊技を提供することができ、特徴C9乃至C16のいずれかの構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
特徴C18.前記発射手段により発射された遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球した場合、所定数の遊技球を払い出すことが可能な払出手段と、
を備え、
前記遊技領域において前記入球部の上流側又は下流側に前記特定領域が設けられ、前記入球部に到達可能な態様で発射された遊技球が前記特定領域に到達可能なように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定入球部に遊技球を入球させて賞球を獲得する中で、特定領域に遊技球を通過させないことを目指す遊技を提供することができる。
特徴C19.前記移行判定手段は、前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記所定の移行判定を実行するものであることを特徴とする特徴C18に記載の遊技機。
上記構成では、入球部がいわゆる始動口になっているため、当該入球部への入球を避けて遊技するわけにはいかず、特定領域に遊技球が到達可能な状態で遊技球を発射せざるを得なくなる。これにより、遊技球が特定領域を通過してしまうのではないかとのドキドキ感を好適に喚起することができ、遊技の興趣を好適に高めることが可能になる。
特徴C20.前記第3移行手段は、遊技状態が前記特定遊技状態である状況において前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて又は前記特定事象の発生に基づいて、遊技状態を前記特定遊技状態から前記所定遊技状態又は前記通常遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴C18又は特徴C19に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態において遊技球を入球部に入球させる中で特定領域を遊技球が通過すると、特定遊技状態から所定遊技状態又は通常遊技状態に転落してしまうものとなり、上記特徴C18又は特徴C19の効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴C1乃至C20に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるものが知られている(例えば特開2004-81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴C1乃至C20の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B17、特徴C1乃至C20、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1領域(入賞センサ702,802の検知領域)と、
前記第1領域よりも下流側に設けられ、遊技球が通過可能な第2領域(転落入賞センサ703の検知領域、高確V入賞センサ803の検知領域)と、
前記第2領域を遊技球が通過したこと又は前記第2領域を遊技球が通過したことに基づく第1特定事象(転落領域703aへの遊技球の通過に基づく抽選に当選したこと、転落領域703aへの遊技球の通過回数が所定回数に達したことなど)の発生に基づいて特定処理(低確率モードへの転落、高確率モードへの移行)を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記第2領域に対応して設けられ、遊技球が前記第2領域を通過することを許容する又は許容しやすい第1態様(開放状態)と、遊技球が前記第2領域を通過することを許容しない又は前記第1態様よりも許容しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り換わり可能な切換手段(シャッタ706,808)と、
前記第1領域を遊技球が通過したこと又は前記第1領域を遊技球が通過したことに基づく第2特定事象(入賞センサ702,802の検知領域への遊技球の通過回数が所定回数に達したこと、入賞センサ702,802の検知領域への遊技球の通過に基づく抽選に当選したことなど)の発生に基づいて前記切換手段を前記第2態様から前記第1態様に切り換える切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81によるシャッタ駆動用処理又はV振分用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切換制御手段により前記切換手段が前記第1態様に切り換えられた場合、前記切換制御の実行契機となった前記第1領域の通過球が前記第2領域を通過可能なように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技球が通過すると特定処理が実行される第2領域と、切換制御により第2領域を遊技球が通過可能又は通過しやすい状態に切り換える切換手段とが設けられている。また、切換手段の切換制御は、第2領域とは別に設けられた第1領域を遊技球が通過したこと又は当該通過に基づく第2特定事象の発生に基づいて行われる。この場合において、例えば、上記特定処理が遊技者にとって望ましくないものである場合、遊技球が第1領域を通過したことを見てから第2領域を通過しないように遊技球の発射態様を調節するなどの行為が想定される。そのような攻略行為が横行すると、遊技者間での遊技の公平性が害されるおそれがある。この点、本特徴では、切換制御の実行契機となった通過球自体が第2領域を通過するため、第1領域を遊技球が通過したことを見てから対処しようとしても間に合わず、上記のような攻略行為を好適に抑制することができる。これにより、遊技の公平性が担保される結果、遊技意欲が喚起され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴D2.遊技球が前記第1領域を通過することなく前記第2領域を通過することを規制する規制手段(右側縦通路部701、第1通路部801)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、想定外の遊技球が第2領域に流れ込むことを抑制できる。これにより、外乱の発生が抑制され、遊技の公平性を好適に担保できる。加えて、遊技機の設計時において考慮すべき遊技球の流れを限定できるため、設計時の負担増を抑制することも可能になる。
特徴D3.前記第1領域を通過した遊技球を前記第2領域に導くことが可能な通路部(右側縦通路部701、第1通路部801)を備え、
前記通路部は、前記通路部内を移動する遊技球の移動方向に沿って延びる壁部により区画形成されており、
前記壁部により前記規制手段が構成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
例えば、第1領域と第2領域との間に設けた遊技釘により、第1領域を通過した遊技球を第2領域に導く構成が考えられる。しかしながら、遊技釘間の凹凸により遊技球の移動速度等にばらつきが生じ、切換手段が第1態様とされる期間との関係において、切換制御の実行契機となった第1領域の通過球が第2領域を通過したり、しなかったりする場合が生じ、挙動が不安定になることが想定される。この点、本特徴では、遊技球の移動方向に沿って延びる壁部により区画形成された通路部を用いて第1領域を通過した遊技球を第2領域に導くため、遊技球の移動速度等にばらつきが生じることを抑制できる。これにより、第1領域を通過した遊技球が第2領域に到達するまでの所要期間を均一化することができ、切換制御の実行契機となった第1領域の通過球を安定して第2領域に通過させることが可能になる。
特徴D4.前記切換制御により前記切換手段が前記第2態様から前記第1態様とされた後、当該切換制御の実行契機となった前記第1領域の通過球が前記第2領域に到達するように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、切換制御の実行契機となった第1領域の通過球が第2領域を通過する構成を好適に実現することができる。
特徴D5.前記第1領域を通過した遊技球が前記切換手段又は前記第2領域に到達するまでの所要期間が、前記切換制御の実行契機となる遊技球が前記第1領域を通過してから当該切換制御により前記切換手段が前記第1態様とされるまでの期間よりも長くなるように、前記第1領域と前記第2領域との通路長が設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、切換制御の実行契機となった第1領域の通過球が第2領域を通過する構成を好適に実現することができる。
特徴D6.前記第1領域を通過した遊技球を前記第2領域に導く通路部(右側縦通路部850)と、
前記通路部内を移動する遊技球の移動速度を減速させる又は前記通路部内で遊技球を停留させることが可能な手段(突出部851)と、
を備えていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成では、通路部内で遊技球を減速又は停留させるため、第1領域を通過した遊技球が第2領域に到達するまでの所要期間を長くすることができる。その結果、通路部の通路長を短く抑えながら、切換制御の実行契機となった第1領域の通過球を安定して第2領域に通過させることができる。これにより、第1領域、第2領域及び通路部を含めた全体構成をコンパクトに形成することができ、遊技部品の設置領域が限られている遊技機において最適な構成とすることができる。
特徴D7.前記切換手段は、前記第1態様に対応する第1位置(開放位置)と、前記第2態様に対応する第2位置(閉鎖位置)とに変位可能な可動体(シャッタ865)を有しており、
遊技機前後方向又は遊技機左右方向に延び、前記第1領域を通過した遊技球が導かれる通路部(第2通路部862)を備え、
前記通路部の底部(底部862a)の少なくとも一部には下方に開口する開口部(開口部864)が設けられ、前記開口部の下方には前記第2領域が設けられており、
前記可動体が前記第1位置に配置される場合、遊技球が通過可能なように前記開口部が開口され、前記可動体が前記第2位置に配置される場合、前記開口部において前記可動体により前記底部の少なくとも一部が構成されることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成では、第1領域を通過した遊技球を遊技機前後方向又は遊技機左右方向に延びる通路部に導くため、例えば、上下方向に延びる通路部内を遊技球を落下させる場合に比べ、遊技球の移動速度を緩やかなものとすることができる。その上で、可動体を第1位置と第2位置とに変位させ、第2通路部を遊技球が通る過程で下方に落下させて第2領域に導くため、切換制御の実行契機となった第1領域の通過球を余裕をもって第2領域に導くことができる。よって、第1領域を遊技球が通過したことを見てからの調節行為をより好適に抑制することが可能になる。
特徴D8.前記可動体が前記第2位置に配置され、当該可動体により前記底部の少なくとも一部が構成される状況において、前記可動体上を移動する遊技球の移動速度を減速させる又は前記可動体上で遊技球を停留させることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成では、より確実に切換制御の実行契機となった第1領域の通過球を第2領域に導くことが可能になる。また、減速や停留の程度によっては、切換制御の実行契機となった通過球だけでなく、当該通過球の前に第1領域を通過した遊技球も第2領域に導くことができる。これにより、第1領域を遊技球が通過したことを見てからの調節行為を一層好適に抑制することが可能になる。
特徴D9.前記特定処理が実行される場合よりも前記特定処理が実行されない場合の方が遊技者にとって有利となる構成であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定処理が実行される場合の方が遊技者にとって不利となるため、遊技球が第1領域を通過したことを見てから第2領域を通過しないように遊技球の発射態様を調節する行為が行われるおそれがある。そのような構成の下、上記特徴D1乃至D8のいずれかに記載の構成を備えていることで、第2領域への遊技球の通過を回避する攻略行為を好適に抑制することが可能になる。
特徴D10.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の終了後、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利なものであって前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の終了後又は前記特定遊技状態から、前記特定遊技状態よりも遊技者に不利なものであって前記通常遊技状態とは異なる所定遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)又は前記通常遊技状態に移行させることが可能な第3移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は前記第3移行手段であり、
前記第3移行手段は、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて前記所定遊技状態又は前記通常遊技状態に移行させる手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2領域を遊技球が通過することで、遊技状態が所定遊技状態又は通常遊技状態に移行(転落)するため、遊技球が第1領域を通過したことを見てから第2領域を通過しないように発射態様を調節する行為が行われるおそれがある。そのような構成の下、上記特徴D1乃至D8のいずれかに記載の構成を備えていることで、第2領域への遊技球の通過を回避する攻略行為を好適に抑制することが可能になる。
特徴D11.前記特定処理は、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて遊技者に特典(高確率モードへの移行)を付与するものであることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2領域を遊技球が通過することで特典が付与されるため、遊技球が第1領域を通過したことを見てから第2領域を通過するように遊技球の発射態様を調節する行為が行われるおそれがある。そのような構成の下、上記特徴D1乃至D8のいずれかに記載の構成を備えていることで、遊技球を意図的に第2領域に通過させる攻略行為を好適に抑制することが可能になる。
特徴D12.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の終了後、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利なものであって前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は前記第2移行手段であり、
前記第2移行手段は、前記第2領域を遊技球が通過したことに基づいて前記特定遊技状態に移行させる手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2領域を遊技球が通過することで遊技者に有利な特定遊技状態に移行するため、遊技球が第1領域を通過したことを見てから第2領域を通過するように遊技球の発射態様を調節する行為が行われるおそれがある。そのような構成の下、上記特徴D1乃至D8のいずれかに記載の構成を備えていることで、遊技球を意図的に第2領域に通過させる攻略行為を好適に抑制することが可能になる。
特徴D13.前記第1領域を通過した遊技球のうち前記実行契機ではない通過球であって前記実行契機となった通過球よりも後に前記第1領域を通過した通過球が前記第2領域を通過することを制限することが可能な制限手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1領域を遊技球が通過したことを見てからの調節行為をより好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴D1乃至D13に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球の払い出し等を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴D1乃至D13の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B17、特徴C1乃至C20、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
第1発射操作(左側入口部505に入る強さで遊技球を発射する操作)により発射された遊技球が通過可能な第1領域(左側入口部505又は入賞センサ509)と、
前記第1発射操作とは異なる第2発射操作(右側入口部504に入る強さで遊技球を発射する操作)により発射された遊技球が通過可能な第2領域(右側入口部504又は入賞センサ802)と、
第1遊技状況(シャッタ808が高振分態様で作動するラウンド遊技が実行中の状況)において遊技球が前記第1領域を通過した場合、予め定められた所定の特典(ラウンド継続)が付与され、前記第1遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過した場合、前記所定の特典が付与される場合よりも遊技者にとって有利となる(高確率モードへの移行)ようにする第1手段(主制御装置81によるV振分用処理、大入賞口開閉処理、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状況とは異なる第2遊技状況(シャッタ808が低振分態様で作動するラウンド遊技が実行中の状況)において遊技球が前記第1領域を通過した場合、前記所定の特典が付与され、前記第2遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過した場合、前記所定の特典が付与される場合よりも遊技者にとって不利となる(ラウンド継続もしないし、高確率モードへも移行しない)ようにする第2手段(主制御装置81によるV振分用処理、大入賞口開閉処理、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技者による遊技球の打ち分けが可能な第1領域と第2領域を設け、第1領域については、遊技状況を問わず所定の特典を得ることができ、第2領域については、第1遊技状況の下では所定の特典が付与される場合よりも遊技者にとって有利となり、第2遊技状況の下では所定の特典が付与される場合よりも遊技者にとって不利となるように構成されている。これにより、遊技球を第1領域に流下させて所定の特典を狙いにいくか、遊技球を第2領域に流下させ、所定の特典よりも不利な状況に陥るリスクを負って所定の特典よりも有利な状況への移行を狙いにいくかを遊技者自らが選択することができる。この場合、遊技者の判断が遊技の結果に影響を及ぼすため、遊技への積極参加が果たされ、遊技への注目度を向上させることが可能になる。また、上記構成では、スリルを楽しみつつ大きな特典の獲得を狙いたい遊技者は、積極的に遊技球を第2領域に流下させる遊技を行い、スリルを好まない遊技者は、遊技球を第1領域に流下させる遊技を行うことができる。すなわち、各遊技者の嗜好や都度の気分に合わせて遊技の仕方を変えることができ、1台の遊技機で多様な楽しみ方を提供することが可能になる。
特徴E2.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態中の第1期間(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モードでの10ラウンド目のラウンド遊技の実行期間)において前記第1遊技状況となり、当該特別遊技状態中の前記第1期間とは異なる第2期間(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モードでの5ラウンド目のラウンド遊技の実行期間)において前記第2遊技状況となるようにする手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態の中で第1遊技状況と第2遊技状況とが切り換わる構成としたため、遊技者は、特別遊技状態を遊技する中で第1領域と第2領域のいずれを狙うべきかの選択を迫られることになり、一定の緊張感の中で特別遊技状態を遊技することができる。これにより、特別遊技状態を淡々と消化するだけの場合に比べ、特別遊技状態の遊技を大いに盛り上げることができ、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。
特徴E3.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、
前記第1遊技状況は前記特別遊技状態において第1ラウンド遊技(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モードでの10ラウンド目のラウンド遊技)が実行中の状況であり、前記第2遊技状況は前記特別遊技状態において前記第1ラウンド遊技とは異なる第2ラウンド遊技(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モードでの5ラウンド目のラウンド遊技)が実行中の状況であることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態での1のラウンド遊技が第1遊技状況となり、他の1のラウンド遊技が第2遊技状況となる構成としたため、遊技者は、ラウンド遊技において第1領域と第2領域のいずれを狙うべきかの選択を迫られることになり、一定の緊張感の中で特別遊技状態を遊技することができる。
特徴E4.前記特別遊技状態には複数種類の態様(16R大当たり結果A~16R大当たり結果Cに対応する各開閉実行モード)が設けられており、
第1態様の前記特別遊技状態(16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モード)では所定ラウンド目の前記ラウンド遊技(10ラウンド目のラウンド遊技)が前記第1ラウンド遊技となり、前記第1態様とは異なる第2態様の前記特別遊技状態(16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モード)では前記所定ラウンド目の前記ラウンド遊技が前記第2ラウンド遊技となるように構成されていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ所定ラウンド目のラウンド遊技であっても、特別遊技状態の種別により第1ラウンド遊技となるか、第2ラウンド遊技となるかが異なり、第2領域を狙うべきラウンド(タイミング)が多様化されている。すなわち、遊技者から見て第2領域を狙うべきラウンドが一義的に定まらないため、当該ラウンドを予測しながら第1領域と第2領域とを狙い分ける面白みを強化することができる。
特徴E5.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御を実行する切換制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切換制御が実行されるラウンド遊技を複数回実行することが可能な構成となっており、前記ラウンド遊技の実行中に所定条件(遊技球が継続V入賞センサ807の検知領域を通過すること)が成立した場合、次の前記ラウンド遊技が実行される一方、前記ラウンド遊技の実行中に前記所定条件が成立しなかった場合、次の前記ラウンド遊技が実行されないように構成されており、
前記所定条件は、遊技球が前記第1領域を通過した場合に成立するものであり、
前記所定の特典は、前記次のラウンド遊技が実行されることであることを特徴とする特徴E2乃至E4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、次のラウンド遊技が実施されず特別遊技状態が終了するリスクを負って有利な状況(ラウンド継続よりも有利なもの)への移行を狙いにいく遊技を実現することができ、特別遊技状態中の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
特徴E6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)を備え、
前記特別遊技状態では、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切換制御が実行されるように構成されており、
前記第1領域及び前記第2領域が前記可変入球手段内に設けられており、
前記第1発射操作で発射された遊技球と、前記第2発射操作で発射された遊技球とのいずれもが前記可変入球手段に入球可能な構成であることを特徴とする特徴E2乃至E5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に遊技球を入球させながら、第1領域に遊技球を通過させるか、第2領域に遊技球を通過させるかの選択を行うことができる。つまり、いずれかの領域を選んで遊技球を通過させる上で、可変入球手段への入球率が低下するなど、特別遊技状態本来の遊技が損なわれることを好適に抑制できる。よって、それら各領域のいずれを狙うかの遊技と、可変入球手段に遊技球を入球させる遊技とを好適に両立させることができ、特別遊技状態中の遊技を盛り上げる上で好適な構成とすることができる。
特徴E7.予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定を実行する機能)と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果となった場合、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件(遊技球が高確V入賞センサ803の検知領域を通過すること)が成立した場合、前記特別遊技状態の終了後、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利なものであって前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定条件は、前記第1遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過した場合に成立するものであることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、勇気を出して第2領域を狙った遊技者だけが特定遊技状態への移行を獲得できる遊技を実現することができ、遊技者自身の意思でリスクを取るか否かを選択できる遊技を好適に盛り上げることが可能になる。なお、本特徴を上記特徴E5に適用した場合は「次のラウンド遊技が実施されず特別遊技状態が終了するリスクを負って特定遊技状態への移行を狙いにいく遊技を実現することができ、特別遊技状態中の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。」という効果が得られる。
特徴E8.前記第1手段は、前記第1遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過した場合、前記所定の特典と、当該所定の特典とは異なる他の特典(高確率モードへの移行)とが付与されるようにすることで、前記所定の特典が付与される場合よりも遊技者によって有利となるようにする手段(第3通路部806)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状況において遊技球が第2領域を通過した場合、所定の特典と他の特典との両方が得られる。このため、所定の特典か他の特典かの択一的な選択ではなく、所定の特典の獲得が保障された上で、さらなる上乗せを狙いにいくか否かの選択とすることができる。これにより、遊技球を第2領域に通過させる魅力を向上させることができ、遊技者が第1領域と第2領域のいずれに遊技球を通過させるかを選択する遊技を好適に引き立てることが可能になる。
特徴E9.前記第2領域の下流側に設けられた特定領域(高確V入賞センサ803の検知領域)と、
前記第2領域と前記特定領域との間に設けられ、前記第2領域を通過した遊技球を前記特定領域側と、前記特定領域側とは異なる側(排出センサ805側)とに振り分け可能な振分手段(シャッタ808)と、
前記第1遊技状況である場合に、前記振分手段を、前記第2領域を通過した遊技球を前記特定領域側に振分可能又は振り分けやすい第1態様(高振分態様)とし、前記第2遊技状況である場合に、前記振分手段を、前記第2領域を通過した遊技球を前記特定領域側に振分不可又は前記第1態様に比べて前記特定領域側に振り分けにくい第2態様(低振分態様)とする振分制御手段(主制御装置81によるV振分用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定領域を遊技球が通過した場合、前記所定の特典が付与される場合よりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2領域を遊技球が通過したことを以って直ちに内部処理により有利となるか不利となるかの振分が行われるのではなく、第2領域の下流に特定領域を設けるとともに、第2領域と特定領域の間に振分手段を設け、第2領域を通過した遊技球が特定領域を通過するか否かの遊技球の動きにより有利となるか不利となるかの振分が行われる。これにより、遊技球の挙動を見て楽しむという遊技機本来の魅力を引き立てることができ、特徴E1乃至E7のいずれかの構成を実現する上で好適な構成とすることができる。
特徴E10.前記特定領域としての第2特定領域と、
前記第1領域を通過した遊技球が通過可能な第1特定領域(継続V入賞センサ807の検知領域)と、を備え、
前記第1特定領域を遊技球が通過した場合、前記所定の特典が付与されるように構成されており、
前記第2特定領域を通過した遊技球を前記第1特定領域又はその上流側に導出する導出手段(第3通路部806)を備えていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定領域を通過した遊技球が第1特定領域も通過することが可能になる。これにより、第1遊技状況において遊技球を第2領域に通過させた場合に所定の特典も付与されるものとなり、遊技球を第2領域に通過させる魅力を向上させることが可能になる。
特徴E11.前記第1発射操作により発射された遊技球を前記第1領域に案内可能な第1案内手段(内通路部404)と、
前記第2発射操作により発射された遊技球を前記第2領域に案内可能な第2案内手段(外通路部403)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、発射された遊技球を各領域に安定して導くことができるため、遊技者の狙ったタイミングで第2領域に遊技球を通過させることができ、上記特徴E1乃至E10のいずれかの構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
特徴E12.前記第1手段は、前記第1遊技状況において遊技球が前記第1領域を通過した場合、前記所定の特典としての第1特典が付与され、前記第1遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過した場合、前記第1特典よりも遊技者に有利な第2特典(高確率モードへの移行)が付与されるようにするものであり、
前記第2手段は、前記第2遊技状況において遊技球が前記第1領域を通過した場合、前記第1特典が付与され、前記第2遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過した場合、前記第1特典及び前記第2特典のいずれも付与されないようにするものであることを特徴とする特徴E1乃至E11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者による遊技者の打ち分けが可能な第1領域と第2領域を設け、第1領域については、遊技状況を問わず第1特典を得ることができ、第2領域については、第1遊技状況の下では第1特典よりも有利な第2特典を得ることができるものの、第2遊技状況の下では第1特典及び第2特典のいずれも得ることができない構成となっている。これにより、遊技球を第1領域に流下させて第1特典を狙いにいくか、遊技球を第2領域に流下させ、第1特典及び第2特典のどちらも獲得できないリスクを負って第2特典の獲得を狙いにいくかを遊技者自らが選択する遊技を実現することができる。
なお、上記特徴E1乃至E12に記載された発明は、「例えばパチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球の払い出し等を行うものが知られている(例えば特開2004-81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴E1乃至E12の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B17、特徴C1乃至C20、特徴D1乃至D13、特徴E1乃至E12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、60…発射ハンドル、401…案内通路部、504…右側入口部、505…左側入口部、507…V入賞センサ、509…入賞センサ、702…入賞センサ、703…転落入賞センサ、706…シャッタ、802…入賞センサ、803…高確V入賞センサ、808…シャッタ、850…右側縦通路部、851…突出部、862…第2通路部、864…開口部、865…シャッタ。

Claims (1)

  1. 所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
    第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、
    前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域と、
    第1遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過する場合に、前記第1遊技状況において遊技球が前記第1領域を通過する場合よりも遊技者にとって有利であることを可能とする第1手段と、
    前記第1遊技状況とは異なる第2遊技状況において遊技球が前記第2領域を通過する場合に、前記第2遊技状況において遊技球が前記第1領域を通過する場合よりも遊技者にとって不利であることを可能とする第2手段と、
    を備え、
    前記第1遊技状況において前記第1発射操作が行われ、遊技球が前記第1領域を通過する場合に、第1特典が付与可能となり得るように構成されており、
    前記第1遊技状況において前記第2発射操作が行われ、遊技球が前記第2領域を通過する場合に、前記第1特典と、前記第1特典とは異なる第2特典とが付与可能となり得るように構成されており、
    前記第1遊技状況において前記第2発射操作が行われ、当該第1遊技状況の終了より後に前記第2遊技状況となった状況にて、遊技球を前記第1領域に通過させることに対応した特定報知が実行されることを可能とする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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