以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄の変動表示を開始してから所定の変動時間が経過したときに図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
始動入賞口14の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:例えば「0」〜「9」のうちの「7」の図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。なお、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に異なる図柄を表示させるようにしてもよい。例えば、確変大当りのときには特別図柄表示器8に「7」の図柄を表示させるようにし、通常大当りのときには特別図柄表示器8に「2」の図柄を表示させるようにしてもよい。また、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に同じ図柄を表示させるようにしてもよい。例えば、確変大当りまたは通常大当りのいずれの場合であっても、特別図柄表示器8に「7」の図柄を表示させるようにしてもよい。そのようにすれば、熟練した遊技者であっても、特別図柄表示器8に表示される特別図柄によって確変大当りであるか通常大当りであるかを判断できないので、確変昇格演出に対する興趣をさらに向上させることができる。また、実際には遊技機において遊技状態を報知する所定のランプ(例えば、確変状態を報知するランプや時短状態を報知するランプ)が設けられているが、遊技者が遊技中に視認しにくい箇所に設けられているので、遊技者が遊技中にランプを確認することによって遊技状態を判断することは困難である。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5の真上に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。この操作ボタン120は、後述する大当り図柄の確変昇格演出の実行中に遊技者によって操作される。操作ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図3参照)に出力される。なお、図1に示す例では、操作ボタン120は打球操作ハンドル5の真上に設けられているが、他の箇所(例えば打球供給皿3)に設けられていてもよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態(例えば「222」や「777」など)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
可変表示装置9において左中右の奇数の飾り図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)が揃った状態(例えば「777」)で停止表示されたときは、大当り遊技状態に移行するとともに、大当り遊技状態の終了後に、大当りの判定を行う際に通常遊技状態よりも高い確率(割合)で大当りと判定する確変状態(確率変動状態のことをいい、高確率状態ともいう)に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
このように、「0」〜「9」の飾り図柄のうち、確変状態を生起させる奇数の飾り図柄のことを確変図柄といい、確変状態を生起させない偶数の飾り図柄のことを非確変図柄という。また、可変表示装置9において左中右の奇数の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の確変図柄(特別表示結果)が表示されるというように表現する。
なお、可変表示装置9において大当り図柄として確変図柄が表示されるときも非確変図柄が表示されるときも、特別図柄表示器8には同じ大当り図柄(「7」)が表示される。
なお、この実施の形態では、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変報知演出(詳細は後述する)を実行した場合に、確変に昇格したか否かが報知される。また、確変大当りにすることが事前決定されているときであって、確変昇格演出(詳細は後述する)において遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかった場合には、遊技状態を確変状態に移行するものの確変報知演出において確変に昇格したか否かの報知を行わない。
この実施の形態では、確変大当りにすることが事前決定されているときに、高確率状態に移行するだけで、特別図柄および飾り図柄の変動時間を短縮する時短状態には移行しないように制御する。または、いずれの種類の大当り(通常大当りや確変大当り)にすることが事前決定されているときであっても、所定回数(例えば100回)だけ時短状態に移行するように制御する。その場合、確変フラグとは別に時短フラグをセットし、時短フラグに基づいて変動時間を短縮させればよい。そのようにすることによって、確変に昇格したか否かを報知していない場合には、遊技者に確変状態であるか否かを認識されないようにすることができる。なお、遊技状態を確変状態に移行する場合には、単に特別図柄や飾り図柄が大当り図柄となる確率を高めた高確率状態に移行するだけで、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態を変化させず、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態の変化は、時短状態(時短フラグがセットされた状態)に制御されていることにもとづいて実行するようにすればよい。
例えば、確変大当りであることや確変昇格演出において確変に昇格したことを報知した場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示装置8や可変表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、確変に昇格したか否かの報知を行わなわずに遊技状態を確変状態に移行する場合には、高確率状態に移行するだけで、高ベース状態に移行しないように制御する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。特別図柄時短状態では、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり(高ベース状態に移行し)大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
また、確変に昇格したか否かの報知を行わなわずに遊技状態を確変状態に移行する場合に、高確率状態に移行するとともに、遊技状態を時短状態に移行するようにしてもよい。そのようにしても、遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを判断しにくくすることができ、遊技者に確変状態であるか否かを認識されないようにすることができる。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、I/Oポート部57とを含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されていてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、I/Oポート部も含まれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞装置(開閉板20)を開閉するソレノイド21および可変入賞装置15を開閉するソレノイド16を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄保留記憶表示器18の表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための電源信号は、電源基板(図示せず)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、カードユニット50から接続信号(VL信号)がインタフェース基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号とカードユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、カードユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が操作ノブ5に触れていないことによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときは、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御手段は、操作ボタン120から入力した操作信号にもとづいて、可変表示装置9や各種ランプ、スピーカ27を用いた演出制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポート108を介して操作ボタン120からのオン信号を入力する。後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120からのオン信号に応じて複数種類の演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
なお、この実施の形態では、遊技機が1つの演出制御基板80を備える場合を説明するが、遊技機は、各演出装置を制御するための複数の制御基板を備えてもよい。例えば、遊技機は、可変表示装置9および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータを搭載した図柄/ランプ制御基板と、スピーカ27を制御する音制御用マイクロコンピュータを搭載した音制御基板とを備えてもよい。そして、図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて、可変表示装置9および各ランプ25,28a,28b,28cを制御し、音制御用マイクロコンピュータは、図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送されたコマンドにもとづいてスピーカ27を制御してもよい。また、例えば、遊技機は、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータを搭載した音/ランプ制御基板と、可変表示装置9を制御する図柄制御用マイクロコンピュータを搭載した図柄制御基板とを備えてもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御し、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送されたコマンドにもとづいて可変表示装置9を制御してもよい。そのようにすれば、複数の演出制御手段(図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータおよび音制御用マイクロコンピュータ)を備えることによって、個々の演出制御手段の制御負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技機がドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合、図柄制御にかかる制御負担が大きい。この場合、例えば、遊技機は、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータを搭載した音/ランプ制御基板と、可変表示装置9および回転ドラムを制御する図柄制御用マイクロコンピュータを搭載した図柄制御基板とを備えてもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御し、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送されたコマンドにもとづいて可変表示装置9および回転ドラムを制御してもよい。そのようにすれば、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cの制御を音/ランプ制御手段(音/ランプ制御用マイクロコンピュータ)に分担させることによって、回転ドラムを備える場合の図柄制御手段(図柄制御用マイクロコンピュータ)の制御負担を軽減することができる。
さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて、演出内容(予告演出の実行の有無や、予告演出の態様)や演出期間を決定し、決定した演出内容や演出期間を示すコマンドを図柄制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから受信したコマンドにもとづいて、演出を実行してもよい。そのようにすれば、図柄制御手段の制御負担をさらに軽減することができる。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄の変動時間を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS22)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS23,S24)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8や特別可変入賞装置を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。また、特別図柄プロセス処理では、演出制御基板80に対するコマンドの設定処理も実行する。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態等を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を作成し出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込許可状態に設定し(ステップS33)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS25)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数が上限値に達していないことを条件に(ステップS312)、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS313)。その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
なお、保留記憶カウンタの値を1増やす際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
飾り図柄停止図柄設定処理(ステップS301):大当りフラグがセットされていなければ、可変表示装置9の表示結果がはずれ図柄であることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされていれば、可変表示装置9の表示結果を特別表示結果(確変図柄)にするか否か(通常大当り(非確変大当り)とするか確変大当りとするか)を決定する。通常大当りとすることに決定したときは、可変表示装置9において大当り図柄の確変昇格演出(詳細内容については後述する。)を実行するか否かを決定する。確変昇格演出を実行しないことに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が非確変図柄であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。確変昇格演出を実行することに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が非確変図柄であることを指定するとともに確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。確変大当りとすることに決定したときは、可変表示装置9において大当り図柄の確変昇格演出を実行するか否かを決定する。確変昇格演出を実行しないことに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が確変図柄であることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。確変昇格演出を実行することに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が確変図柄であることを指定するとともに確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。なお、この処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御する処理(特別図柄表示制御処理)も実行される。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、大当りフラグがセットされている場合は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、まだ残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態をステップS305に応じた値に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信した後、内部状態をステップS307に応じた値に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
図7は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図7に示す例において、コマンド8000(H)〜800C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8100(H)は、可変表示装置9の表示結果がはずれ図柄であることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8101(H)は、可変表示装置9の表示結果が通常大当り図柄(すなわち大当り図柄のうちの非確変図柄)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド8102(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄(すなわち大当り図柄のうちの確変図柄)であることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100では、確変大当り指定コマンドにもとづいて大当り遊技の開始前に大当り図柄として確変図柄を導出表示して、確変大当りになることを報知する。
コマンド8104(H)は、可変表示装置9の表示結果が通常大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き通常大当り指定コマンド)である。コマンド8105(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100では、確変昇格付き確変大当り指定コマンドにもとづいて、大当り遊技のラウンド中の確変昇格演出にて所定の操作が行われたことを条件として確変大当りに昇格することを報知する。ただし、確変昇格演出にて確変に昇格することを報知しなかった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変に昇格したか否かを報知する確変報知演出を行う。一方、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格付き通常大当り指定コマンドを受信した場合には、大当り遊技のラウンド中の確変昇格演出にて所定の演出(例えば、遊技者が操作ボタン120の操作に失敗したかのような演出)のみを実行し、確変大当りに昇格することを報知しない。なお、この場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変報知演出を行うが、所定の演出のみを実行し、確変に昇格することは報知しない。すなわち、通常大当りにすることが事前決定されている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出にて所定の操作が行われた場合であっても、あたかも操作に失敗したかのような演出を行うことによって確変大当りにすると報知しないように制御する。
「確変昇格演出」とは、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)が揃った状態で導出表示し、大当り遊技の開始後に確変大当りに昇格するか否かを報知する演出をいう。なお、この実施の形態では、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出が行われる。
また、「確変報知演出」とは、確変大当りとすることが事前に決定されているとともに確変昇格演出を実行することが事前に決定されている場合において、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を全演出回数実行したにもかかわらず、遊技者が操作ボタン120を用いた所定の操作に一度も成功できずに、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知しなかった場合に、確変に昇格したか否かを報知する演出をいう。なお、この実施の形態では、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変報知演出が行われる。
なお、コマンド8100(H)〜8105(H)は、飾り図柄の内容を指定するとともに、確変昇格演出の実行/不実行を指定する演出制御コマンドであるので、コマンド8100(H)〜8105(H)を図柄/演出指定コマンドという。
コマンドA000(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)は、15ラウンドの大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、各ラウンド中の大入賞口への入賞球数(カウントスイッチ23の入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。コマンドB3XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、15ラウンドの大当り遊技の終了後のエンディング演出(大当り終了演出)において通常大当り終了を表示することを指定する演出制御コマンド(エンディング1コマンド)である。コマンドB401(H)は、15ラウンドの大当り遊技の終了後のエンディング演出において確変大当り終了を表示することを指定する演出制御コマンド(エンディング2コマンド)である。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。また、コマンドE401(H)は、遊技状態が通常遊技状態(低確率状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(通常表示指定コマンド)であり、コマンドE402(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(高確率表示指定コマンド)であり、コマンドE403(H)は、遊技状態が時短状態(時間短縮状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(時短表示指定コマンド)である。
なお、時短状態とは、特別図柄表示器8(および可変表示装置9)における特別図柄(および飾り図柄)の可変表示時間(変動時間)を通常遊技状態(あるいは通常遊技状態および確変状態)よりも短縮するように制御された遊技状態をいう。この実施の形態では、確変状態中に通常大当りとなり、その後に通常大当りが終了すると、所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。なお、時短状態のとき、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される。さらに、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が遊技者にとって有利な状態になる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図7に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図7に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、可変表示装置9に始動入賞記憶数を表示する場合は始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様、予告演出をするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出および予告演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する可変表示装置9において実行される。
ここで、「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様(例えば、スーパーリーチ)を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
また、「予告演出」は、大当りとなるまたはその可能性があることを事前(可変表示装置9において飾り図柄の停止図柄が導出表示される前に)に遊技者に報知するための演出をいう。例えば、変動中に異なった態様(速度や回転方向等)の変動を行ったりキャラクタ等を登場させたりすることにより大当りになる可能性があることを遊技者に報知する。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定のタイミングで予告演出を実行するように構成されているが、このような構成に限られず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が予告判定用乱数にもとづいて予告演出を実行するか否か判定し、予告演出を実行すると判定したときに所定のタイミングで予告演出を実行するように構成されていてもよい。
図9は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS56)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、確変状態のときの方が通常遊技状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変図柄で大当りとなって、その大当り遊技を終了する処理(大当り終了処理:ステップS454)においてセットされ、非確変図柄で大当りとなって、その大当り遊技を開始する処理(大入賞口開放前処理:ステップS400)においてリセットされる。なお、確変状態が、確変大当り遊技の終了後に特別図柄の変動が所定回数(例えば100回)行われる間だけ継続するような場合には、当該所定回数の変動が行われたときにもリセットされる。
大当り判定処理で大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
図10および図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値に応じて特別図柄表示器8に表示する特別図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS102)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定するはずれ指定コマンド(8100(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされると、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)においてはずれ指定コマンドが送信される。以下、「演出制御コマンドを送信する」とは、このような処理が行われることを示す。なお、コマンド送信テーブルとは、図7に例示された各演出制御コマンドが設定されているROM54の領域である。また、ポインタは、その領域において、該当コマンドが格納されているアドレスを指定するために使用されるデータであり、RAM55に形成されている。
なお、はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことにもとづいて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)において、はずれ指定コマンドを送信する構成に限られるわけではなく、ステップS103の処理において、はずれ指定コマンドを送信する構成であってもよい。以下のコマンド送信処理においても同様である。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
大当りフラグがセットされている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8に表示する特別図柄を大当り図柄(「7」)と決定するとともに、乱数格納バッファから確変決定用乱数を読み出し、読み出した確変決定用乱数の値に従って、大当りを通常大当り(非確変大当り)にするか確変大当りにするかを決定する(ステップS104)。
通常大当りにすると決定した場合には(ステップS105のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから確変昇格決定用乱数を読み出し、読み出した確変昇格決定用乱数の値に従って、確変昇格演出を実行するか否かを決定する(ステップS106)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出を実行しないと決定した場合は(ステップS107のN)、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定する通常大当り指定コマンド(8101(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS108)。一方、確変昇格演出を実行すると決定した場合には(ステップS107のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定するとともに確変昇格演出が実行されることを指定する確変昇格付き通常大当り指定コマンド(8104(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS111)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS105において、確変大当りにすると決定した場合は(ステップS105のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS114)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから確変昇格決定用乱数を読み出し、読み出した確変昇格決定用乱数の値に従って、確変昇格演出を実行するか否かを決定する(ステップS115)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出を実行しないと決定した場合は(ステップS116のN)、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定する確変大当り指定コマンド(8102(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS117)。一方、確変昇格演出を実行すると決定した場合には(ステップS116のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに確変昇格演出が実行されることを指定する確変昇格付き確変大当り指定コマンド(8105(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS120)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
なお、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が確変昇格演出の実行の有無を決定する場合を説明するが、演出制御用マイクロコンピュータ100が決定するようにしてもよい。この場合、特別図柄停止図柄設定処理において、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りとするか否かの決定のみを行い、確変大当り指定コマンドまたは通常大当り指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り指定コマンドを受信すると、可変表示装置9における変動表示の終了時に、飾り図柄の停止図柄として確変図柄を表示するか非確変図柄を表示するかを決定する。非確変図柄を表示すると決定すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出期間(例えば、確変昇格演出の実行回数)を決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した演出期間に従って確変昇格演出を実行する。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS203)。
大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図8に示した大当りのときに選択される変動パターン(「02H」「05H」「08H」「0BH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図8に示したはずれのときに選択される変動パターン(「00H」「01H」「03H」「04H」「06H」「07H」「09H」「0AH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、上記のはずれ用変動パターン決定テーブルは、遊技状態が通常遊技状態のときの変動パターン決定テーブルであって、遊技状態が確変状態のときは、別の変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図8に示したはずれのときに選択される変動パターン(「04H」「07H」「0AH」「0CH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルは、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルが用いられる。ただし、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとを異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS204)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが可変表示装置9にて実行される飾り図柄の変動パターンと決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS205)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS206)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS207)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、特別図柄表示器8における特別図柄の変動中の表示状態を制御する特別図柄表示制御処理を実行する(ステップS353)。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS354)。
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS361)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄変動停止指定コマンド(A000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS362)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS363)。大当りフラグがセットされていなければ(ステップS363のN)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS368)。
大当りフラグがセットされていれば(ステップS363のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS364)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンドの大当りを開始すること(15ラウンドの大当りのファンファーレ演出を実行すること)を指定するファンファーレコマンド(B000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS366)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグがセットされている場合には確変フラグをリセットし(ステップS367)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する(ステップS369)。
図15は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、その値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(B1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404)。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS405)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS405において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS31のソレノイド出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)セットする(ステップS407)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する(ステップS411)。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS431)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS431のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS432)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS432のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS432のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、ラウンド中の大入賞口への入賞球数を指定するカウント数指定コマンド(B2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS434)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS435)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS435のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS431のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS435のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS436)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS437)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15であるか否かを確認する(ステップS438)。ラウンド数カウンタの値が15でないときは(ステップS438のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(B3XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS305(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
ラウンド数カウンタの値が15であるときは(ステップS438のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS442)。確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS442のN)、エンディング演出(大当りの終了を表示する演出)において通常大当りの終了を表示(報知)することを指定するエンディング1コマンド(B400(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS444)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS449)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS450)。
ステップS442において確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、エンディング演出において確変大当りの終了を表示することを指定するエンディング2コマンド(B401(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS447)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上記したのと同様に、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS449)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS450)。
なお、この実施の形態では、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100が確変昇格演出において確変に昇格したことを報知していないと判定したことにもとづいて確変報知演出を実行する場合を説明するが、確変報知演出を実行するか否かを遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め決定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを判定するとともに(ステップS442参照)、確変報知演出決定用乱数にもとづいて確変報知演出を実行するか否かを決定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの終了を指定するとともに確変報知演出の実行の有無を指定するエンディングコマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変報知演出を実行すると決定した場合には、確変報知演出を実行しないと決定した場合よりも長い大当り終了時間を大入賞口制御タイマにセットする。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変報知演出を実行すると決定した場合には大当り終了時間として10秒を設定し、確変報知演出を実行しないと決定した場合には大当り終了時間として5秒を設定する。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において既に確変に昇格したことを報知したときに、確変報知演出の実行を指定するエンディングコマンドを受信した場合には、確変報知演出に代えて特別なエンディング演出を実行するようにすればよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り遊技のラウンド中に確変演出を実行するか否かを決定する場合を説明するが、演出制御用マイクロコンピュータ100が決定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出決定用乱数にもとづいて確変昇格演出を実行するか否かを判定する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から通常大当り指定コマンド(図7に示すコマンド8101(H))または確変大当り指定コマンド(図7に示すコマンド8102(H))を受信すると、確変昇格演出決定用乱数にもとづいて確変昇格演出を実行するか否かを判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行すると判定すると、確変昇格実行フラグをセットし、ラウンド中演出において確変昇格演出を実行する。そのようにすれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が確変昇格演出の実行の有無を決定する必要をなくし、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
図18は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS451)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS452)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS452のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS452のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS453)。確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS453のY)、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグをセットする(ステップS454)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態(高確率遊技状態)のときの表示状態(画面の背景や飾り図柄の色など)を指定する高確率表示指定コマンド(E402(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS455)。
確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS453のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常遊技状態のときの表示状態を指定する通常表示指定コマンド(E401(H))または時短状態のときの表示状態を指定する時短表示指定コマンド(E403(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS456)。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に制御されているときに通常大当りとなると、その大当り遊技の終了後に遊技状態が所定の変動回数分だけ時短状態に制御される。具体的には、特別図柄変動停止処理において、ステップS367の処理を実行する際に、確変大当りであるか否か(確変大当りフラグがセットされているか否か)を確認し、確変大当りでなければ、確変中であるか否か(確変フラグがセットされているか否か)を確認する。確変中であれば、時短フラグをセットして時短状態に移行するとともに、確変フラグをリセットする。このように遊技状態が確変状態から時短状態に移行するときに、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグ(図示せず)がセットされる。ステップS456においては、時短フラグがセットされているときは時短表示指定コマンドを送信する制御を実行し、時短フラグがセットされていないときは通常表示指定コマンドを送信する制御を実行する。なお、時短状態が大当り終了後の所定の変動回数だけ継続するように構成されている場合は、時短フラグがセットされるときに変動回数カウンタに所定の変動回数(例えば100回)がセットされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットする(ステップS457)。そして、確変大当りフラグがセットされている場合は、その確変大当りフラグをリセットする(ステップS458)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値に更新する(ステップS461)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理を行う(ステップS705)。演出態様決定処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出態様を決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。さらに、飾り図柄決定用乱数や停止図柄決定用乱数、大当り表示図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図20〜図23は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド:8100(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄決定用乱数(はずれ図柄決定用乱数)を抽出し(ステップS1614)、抽出した飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1615)。なお、飾り図柄決定用乱数は、左中右の飾り図柄に対応して設けられている。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する(ステップS1616)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当り(非確変大当り)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド:8101(H))であれば(ステップS1617)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS1618)、ステップS1644に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド:8102(H))であれば(ステップS1620)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1621)、ステップS1644に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定するとともに、確変昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き通常大当り指定コマンド:8104(H))であれば(ステップS1628)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットする(ステップS1629)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りのラウンド中に確変昇格演出を実行することを示す確変昇格実行フラグをセットし(ステップS1630)、ステップS1644に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、確変昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り指定コマンド:8105(H))であれば(ステップS1631)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1632)、また、大当りのラウンド中に確変昇格演出を実行することを示す確変昇格実行フラグをセットし(ステップS1633)、ステップS1644に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜800C(H))であれば(ステップS1634)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1635)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1636)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:B000(H))であれば(ステップS1637)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1638)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1639)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:B400(H)〜B403(H))であれば(ステップS1640)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS1641)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS1642)。
ステップS1612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS1643)。
ステップS1644では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数)を抽出する(ステップS1644)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1645)。確変大当り演出フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、さらに確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1646)。確変昇格実行フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして確変時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1647)。一方、ステップS1645で確変大当り実行フラグがセットされていなかった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1648)。また、ステップS1646で確変昇格実行フラグがセットされていた場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1648)。。
この実施の形態では、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブル(確変時大当り図柄決定用テーブル)と、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブル(通常時大当り図柄決定用テーブル)とが予め用意されている。確変時大当り図柄決定用テーブルには各確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また、通常時大当り図柄決定用テーブルには各非確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られている。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した大当り図柄決定用乱数の値と、選択した図柄決定用テーブルとにもとづいて、大当りに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1649)。この場合、確変時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の奇数図柄で揃うように)を決定する。また、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の偶数図柄で揃うように)を決定する。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する(ステップS1650)。
なお、ステップS1646の判定処理が行われることによって、確変大当りに決定されている場合であっても、確変昇格演出が実行されることに決定されている場合には、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄が決定される。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動停止時に確変図柄を導出表示したにもかかわらず、その後の大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行してしまったのでは不自然な演出を行うことになってしまい、遊技者に不信感を与えるおそれがある。そのため、確変昇格演出を実行する場合には、飾り図柄の変動停止時に非確変図柄を仮停止図柄として導出表示させることにより、そのような不自然な演出を行ってしまうことを防止することができる。
図24は、メイン処理における演出態様決定処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出態様決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS540)。確変昇格実行フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのまま処理を終了する。
確変昇格実行フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出決定済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541)。演出決定済フラグとは、確変昇格演出を実行することが決定されている場合に、確変昇格演出の演出態様を既に決定済みであることを示すフラグである。この実施の形態では、後述するように、演出態様決定処理において確変昇格演出の演出態様が決定されると、ステップS548で演出決定済フラグがセットされる。ステップS541で既に演出決定済フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのまま処理を終了する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に実行する確変昇格演出の演出回数を決定するための演出回数決定用乱数を抽出する(ステップS542)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行することに決定されている場合に、1または複数回にわたって確変昇格演出を実行する。すなわち、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出回数を決定することによって、大当り遊技の期間内に実行される確変昇格演出の演出期間を決定する。なお、演出回数を決定することによって演出期間を決定するのでなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出1回あたりの実行時間を決定することによって、確変昇格演出の演出期間を決定してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS543)。確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出回数を決定するための演出回数決定用テーブルとして、確変時演出回数決定用テーブルを選択する(ステップS544)。確変大当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出回数を決定するための演出回数決定用テーブルとして、通常時演出回数決定用テーブルを選択する(ステップS545)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した演出回数決定用乱数の値にもとづいて、選択した演出回数決定用テーブルを用いて確変昇格演出の演出回数を決定する(ステップS546)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出回数決定用テーブルに含まれる演出回数の中から、ラウンド中昇格演出を実行する回数を選択する。
具体的には、演出回数決定用テーブルには、確変昇格演出の演出回数に対応付けて複数の判定値が割り振られている。そして、抽出された演出回数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた演出回数が、確変昇格演出の演出回数として決定される。演出回数決定用テーブルの例を図25に示す。図25に示す例では、確変昇格演出の演出回数と、確変昇格演出を実行する大当り遊技中のラウンドが設定されている。図25(A)は、確変大当り時に確変昇格演出の演出回数を決定するための確変時演出回数決定用テーブルである。また、図25(B)は、通常大当り時に確変昇格演出の演出回数を決定するための通常時演出回数決定用テーブルである。
なお、演出回数を決定するのでなく確変昇格演出1回あたりの実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、図25に示すテーブルにおいて、演出回数に代えて、確変昇格演出の実行時間に対応づけて複数の判定値が割り振られていてもよい。
図25(A)に示すように、確変時演出回数決定用テーブルは、演出回数として4回および3回を含む。また、図25(A)に示すように、確変大当り時に確変昇格演出を大当り遊技の期間内に4回実行する場合には、ラウンド9,11,13,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。また、確変大当り時に確変昇格演出を大当り遊技の期間内に3回実行する場合には、ラウンド11,13,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。なお、図25(A)では、演出回数4回の場合と3回の場合との振分率がそれぞれ50パーセントである場合を示しているが、演出回数4回の場合と3回の場合とで振分率を異ならせてもよい。
図25(B)に示すように、通常時演出回数決定用テーブルは、演出回数として3回および2回を含む。また、図25(B)に示すように、通常大当り時に確変昇格演出を大当り遊技の期間内に3回実行する場合には、ラウンド11,13,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。また、通常大当り時に確変昇格演出を大当り遊技の期間内に2回実行する場合には、ラウンド10,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。なお、図25(B)では、演出回数3回の場合と2回の場合との振分率がそれぞれ50パーセントである場合を示しているが、演出回数3回の場合と2回の場合とで振分率を異ならせてもよい。
この実施の形態では、図25に示す演出回数決定用テーブルを用いて確変昇格演出の演出回数が決定されることによって、確変大当りと決定されているときには、通常大当りと決定されているときと比較して、確変昇格演出の演出期間が長くなる(本例では、演出回数が多くなる)。そのため、確変昇格演出が長い演出期間にわたって実行されることによって、遊技者に対して確変への昇格の期待度を高めることができる。
なお、演出回数を決定するのでなく確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、確変時の演出期間を決定するためのテーブル(確変時演出期間決定用テーブル)として、通常時の演出期間を決定するためのテーブル(通常時演出期間決定用テーブル)よりも長い実行時間を含むテーブルを用いればよい。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間決定用テーブルに含まれる実行時間の中から、確変昇格演出を実行する実行時間を選択する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行時間「2分」と「1分」とを含む確変時演出期間決定用テーブルと、実行時間「1分」と「20秒」とを含む通常時演出期間決定用テーブルとを備える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変時演出期間決定用テーブルにもとづいて、確変大当りと事前決定されている場合には確変昇格演出の実行時間を「2分」または「1分」と決定し、通常時演出期間決定用テーブルにもとづいて、通常大当りと事前決定されている場合には確変昇格演出の実行時間を「1分」または「20秒」と決定する。そのようにすることによって、確変時演出期間決定用テーブルを用いて確変昇格演出の実行時間が決定されることによって、確変大当りと決定されているときには、通常大当りと決定されているときと比較して、確変昇格演出の演出期間が長くなる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記に示した実行時間に限らず、例えば、「3分」や「30秒」など他の時間を選択するものであってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2種類の実行時間から選択する場合に限らず、3種類または4種類の実行時間の中から、確変昇格演出の実行時間を選択してもよい。例えば、確変時演出期間決定用テーブルおよび通常時演出期間決定用テーブルは3種類または4種類の実行時間を含み、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変時演出期間決定用テーブルまたは通常時演出期間決定用テーブルに含まれる3種類または4種類の実行時間の中から、確変昇格演出の実行時間を選択してもよい。
また、確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合、大当り遊技中に確変昇格演出を1回だけ実行するようにしてもよく、確変昇格演出を複数回実行するようにしてもよい。確変昇格演出を1回だけ実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS546において、大当り遊技中に1回だけ実行する確変昇格演出の実行時間を決定する。また、確変昇格演出を複数回実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS546において、大当り遊技中に実行する確変昇格演出ごとに実行時間を決定する。
なお、図25(A)に示す確変時演出回数決定用テーブルにおいて、演出回数4回の振分率が演出回数3回の振分率よりも大きくなるようにしてもよい。例えば、演出回数4回の振分率が60パーセントで演出回数3回の振分率が40パーセントになるようにしてもよい。また、図25(B)に示す通常時演出回数決定用テーブルにおいて、演出回数2回の振分率が演出回数3回の振分率よりも大きくなるようにしてもよい。例えば、演出回数2回の振分率が60パーセントで演出回数3回の振分率が40パーセントになるようにしてもよい。そのようにすれば、確変大当りと決定されているときと通常大当りと決定されているときとで、さらに演出期間に差をつけることができ、確変昇格演出が長い演出期間にわたって実行されることによって、遊技者に対して確変への昇格の期待度をより高めることができる。
また、確変時演出回数決定用テーブルと通常時演出回数決定用テーブルとが、ともに演出回数2〜4を全て含むものであってもよい。この場合、確変時演出回数決定用テーブルにおいて演出回数4回の振分率が演出回数2回の振分率よりも大きくなるようにし、通常時演出回数決定用テーブルにおいて演出回数2回の振分率が演出回数4回の振分率よりも大きくなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図25に示すように、確変昇格演出を4回実行する場合には実行ラウンドをラウンド9,11,13,15と決定し、確変昇格演出を3回実行する場合には実行ラウンドをラウンド11,13,15と決定し、確変昇格演出を2回実行する場合には実行ラウンドをラウンド10,15と決定する場合を例に説明するが、実行ラウンドの組合せの決定の仕方は、この実施の形態で示したものに限られず、他の組合せで実行ラウンドを決定してもよい。例えば、確変昇格演出を4回実行する場合には実行ラウンドをラウンド6,9,12,15と決定してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した演出回数を演出回数カウンタにセットするとともに(ステップS547)、決定した演出回数にもとづいて、確変昇格演出を実行するラウンドごとの操作難易度を設定する(ステップS548)。操作難易度とは、確変昇格演出において遊技者が所定の操作を実行することの困難さの度合いを示す値である。具体的には、操作難易度は、例えば、遊技者が操作ボタン120を操作しなければならないタイミングや、操作ボタン120を連打しなければならない回数を示す。また、例えば、上下左右のいずれの部分が押されたかに応じて4種類のオン信号を出力するボタン(いやゆる十字キー)を遊技機が備える場合、操作難易度は、遊技者が十字キーの上下左右の部分を所定の順番で操作しなければならない許容時間を示す。
この実施の形態では、後述するように、確変大当りとすることが事前決定されているときに、確変昇格演出の実行中に遊技者が所定の操作を実行したことを条件として確変に昇格したことを報知する演出を行う。具体的には、遊技者が所定のタイミング(本実施の形態では、可変表示装置9に表示したメータのレベルが最大となるタイミング)で操作ボタン120を押すと、確変に昇格したことが報知される。この場合、例えば、設定した操作難易度が高い場合(すなわち、操作が難しい場合)、可変表示装置9に表示したメータの最大の点で正確に操作ボタン120を押さなければ、確変に昇格したことを報知しないように制御する。また、例えば、設定した操作難易度が低くなる(すなわち、操作が易しくなる)に従って、可変表示装置9に表示したメータの最大の点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が押された場合であっても、確変の昇格したことを報知するように制御する。また、例えば、設定した操作難易度に応じて、可変表示装置9に表示したメータのレベルが増減するスピードを変化させてもよい。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9を用いて確変昇格演出の実行を開始すると、所定の昇格条件が成立したか否かを判定するための昇格条件判定用タイマをスタートさせる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120のオン信号を検出すると、昇格条件判定用タイマの値が所定の範囲内に含まれるか否かを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の範囲内に含まれていれば所定の昇格条件が成立したと判定し、所定の範囲内に含まれていなければ所定の昇格条件が成立しなかったと判定する。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的には、ステップS548において、操作難易度として上記の所定の範囲を設定する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS548において、操作難易度を高く設定する場合には所定の範囲が狭くなるように設定し、操作難易度を低く設定する場合には所定の範囲が広くなるように設定する。
ステップS548で設定される操作難易度の一例を図26に示す。図26に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度を1〜5の5段階に設定する。なお、操作難易度の値が大きくなるに従って、操作が難しいことを示しているものとする。すなわち、図26に示す例において、操作難易度5が最も操作が難しいことを示し、操作難易度1が最も操作が易しいことを示している。
図26に示すように、この実施の形態では、確変昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド9)の操作難易度を5と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を4と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を2と設定し、4ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を1と設定する。また、確変昇格演出の演出回数を3回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を5と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を3と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を1と設定する。また、確変昇格演出の演出回数を2回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド10)の操作難易度を4と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を2と設定する。
このように、この実施の形態では、後に実行される確変昇格演出の操作難易度が、先に実行される確変昇格演出の操作難易度よりも低くなるように設定される。そのため、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変昇格演出の回を重ねるに従って所定のタイミングで操作できる可能性が高まり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、操作に熟練している遊技者であっても、最初に実行される確変昇格演出における操作難易度が高く設定されているので、確変大当りに昇格したと報知されるまでに確変昇格演出を複数回実行する可能性が高まり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図26に示す例では、ラウンドごとに異なる操作難易度を設定する場合を示したが、必ずしもラウンドごとに異なる操作難易度を設定する必要はない。例えば、確変昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目の操作難易度を5と設定し、2ラウンド目の操作難易度を3と設定するとともに、3ラウンド目および4ラウンド目の操作難易度をともに1と設定してもよい。
また、この実施の形態では、演出回数ごとに操作難易度を設定する場合を説明するが、確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行している際の経過時間に応じて難易度が異なるように、操作難易度を設定してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出期間が経過するに従って低くなるように操作難易度を設定する。後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9を用いて確変昇格演出の実行を開始すると、所定の昇格条件が成立したか否かを判定するための昇格条件判定用タイマをスタートさせる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120のオン信号を検出すると、昇格条件判定用タイマの値が所定の範囲内に含まれるか否かを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の範囲内に含まれていれば所定の昇格条件が成立したと判定し、所定の範囲内に含まれていなければ所定の昇格条件が成立しなかったと判定する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS548において、演出態様決定処理において、操作難易度を高く設定する場合には所定の範囲が狭くなるように設定し、操作難易度を低く設定する場合には所定の範囲が広くなるように設定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の演出期間が経過するに従って、所定の範囲が低くなるように操作難易度を設定する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出決定済フラグをセットし(ステップS549)、処理を終了する。
なお、確変昇格演出の演出期間(演出回数または実行時間)として、予め固定の期間を設定していてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、演出態様決定処理において、ステップS541〜S546を決定することなく、予め設定された演出回数を演出回数カウンタにセットし(ステップS547)、操作難易度を決定する(ステップS548)ようにしてもよい。また、確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予め設定された時間を確変昇格演出の実行時間として設定してもよい。
また、演出態様決定処理において、確変昇格演出を実行するラウンドごとに操作難易度を一括して決定するのでなく、例えば、ステップS1979の判定でNoとなったときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド昇格演出を実行するごとに操作難易度を設定してもよい。具体的には、何回目の演出かにより、操作難易度の振分率が異なるテーブルを用いて操作難易度を設定するようにし、、その場合には4回目の操作難易度は易しいものが選択され易く、1回目は難しいものが選択され易いようなテーブルを用意しておけばよい。
図27は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で可変表示装置9における飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンド(8000(H)〜800C(H)のいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS1636参照)。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。また、確変昇格実行フラグがセットされている場合には、演出態様決定処理で決定された演出態様に従って、確変昇格演出を実行する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、確変昇格演出で確変に昇格したことの報知が行われなかった場合には、エンディング演出の中で確変報知演出を実行する。
図28は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図28に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図29は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理において決定した図柄(飾り図柄(はずれ図柄)、大当り表示図柄または仮停止図柄)および変動パターンコマンドで指定された内容(変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS813)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図30は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS821)。そして、選択したプロセスデータ1におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS823)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS824)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS825)。
図31は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS831)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS840)。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS832)、変動時間タイマを1減算する(ステップS833)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS835)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS836)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS837)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS838)。
図32は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS870)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS877に移行する。この実施の形態では、後述するように、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS870で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S873の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS871)。飾り図柄停止指定コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄(飾り図柄(はずれ図柄)、大当り表示図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、ステップS872で大当り表示図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS873のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(例えば飾り図柄停止指定コマンドに応じたフラグがセットされるときは、そのフラグ)をリセットし(ステップS874)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS875)。
ステップS872で大当り図柄を表示する場合には(ステップS873のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS877)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS877のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS878)、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS880)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS881)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS882)。
図33は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図34〜図36は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1902)。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1902のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技のラウンド中の確変昇格演出を実行中であることを示す確変昇格演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903)。なお、確変昇格演出実行中フラグは、後述するラウンド後処理において確変昇格演出の実行を開始する処理が実行されるときにセットされる。確変昇格演出実行中フラグもセットされていないときは(ステップS1903のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1904)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1905)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1906)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1907)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1908)。
ステップS1902において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1902のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1909)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1910)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1911)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1912)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS1913)。
ステップS1901においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS1901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認し、確変昇格実行フラグがセットされていれば(ステップS1914のY)、昇格報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1915)。なお、昇格報知済フラグは、後述するように、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出において確変に昇格した旨の報知を既に行った旨を示すフラグである。昇格報知済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出に対応するエンディング演出を選択し(ステップS1916)、大当り遊技の終了後のエンディング演出において確変報知演出を実行する旨を示す確変報知演出実行フラグをセットする(ステップS1917)。
「確変報知演出」は、確変大当りとすることが事前に決定されているとともに確変昇格演出を実行することが事前に決定されている場合において、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を全演出回数実行したにもかかわらず、遊技者が操作ボタン120を用いた所定の操作に一度も成功できずに(一度の所定の昇格条件が成立せずに)、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知しなかった場合に、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変に昇格したか否かを報知する演出である。この実施の形態では、ステップS1914で確変昇格実行フラグがセットされていると判定されたにもかかわらず、ステップS1915で昇格報知済フラグがセットされていなかった場合には、確変報知演出に対応するエンディング演出が選択され確変報知演出が実行されることになる。
一方、ステップS1914で確変昇格実行フラグがセットされていなかった場合、またはステップS1915で昇格報知済フラグがセットされていた場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常のエンディング演出を選択する(ステップS1918)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングフラグをリセットし(ステップS1919)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1920)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)。また、確変報知演出を実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1921において、確変報知演出の演出期間を計測するための確変報知演出計測タイマをスタートさせる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS1922)。
ステップS1903において確変昇格演出実行中フラグがセットされていたときは(ステップS1903のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマを1減算するとともに(ステップS1923)、プロセスタイマを1減算する(ステップS1924)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1925)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9にメータを表示させるとともに、メータのレベルを所定のスピードで増加させる演出を行う。また、例えば、可変表示装置9において所定のキャラクタなどを表示させ、キャラクタのセリフとしてメータのレベルが最大まで増加したタイミングで操作ボタン120を操作することを促す旨を表示する演出が実行される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1925において、演出態様決定処理で設定した操作難易度を報知する表示を行う。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9に表示させたメータの最大の点からどの程度手前の点までの間で操作ボタン120を操作すればよいかをメータ内に表示する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、操作難易度を示す値を可変表示装置9の画面上に表示することによって、操作難易度を報知してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9の画面上に操作難易度を示すためのメータを表示し、メータのレベルを変化させることによって操作難易度を報知してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120からのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS1926)。操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作されなかった場合)には、ステップS1937に移行する。操作ボタン120のオン信号を検出した場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作された場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技者が操作ボタン120を操作した回数を示す操作回数カウンタを1加算するとともに(ステップS1927)、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1928)。
確変大当り演出フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変への昇格を報知するための所定の昇格条件が成立(例えば、ステップS548で設定した操作難易度に従って、所定のタイミングで遊技者によって操作ボタン120が操作されたこと)したか否かを判断する(ステップS1929)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9に表示するメータのレベルが最大まで増加したタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、遊技者が操作ボタン120の操作に成功したと判断して、所定の昇格条件が成立したと判断する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータのレベルが最大まで増加したとき以外のタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、遊技者が操作ボタン120の操作に失敗したと判断し、所定の昇格条件が成立しなかったと判断する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9を用いて確変昇格演出の実行を開始すると、所定の昇格条件が成立したか否かを判定するための昇格条件判定用タイマをスタートさせる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120のオン信号を検出すると、昇格条件判定用タイマの値が所定の範囲内に含まれるか否かを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の範囲内に含まれていれば所定の昇格条件が成立したと判定し、所定の範囲内に含まれていなければ所定の昇格条件が成立しなかったと判定する。なお、所定の範囲は、具体的には、演出態様決定処理において操作難易度として設定される(ステップS548参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理において、操作難易度を高く設定する場合には所定の範囲が狭くなるように設定し、操作難易度を低く設定する場合には所定の範囲が広くなるように設定する。
また、ステップS1929において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理で設定した操作難易度に従って、所定の昇格条件が成立したか否かを判断する。例えば、設定した操作難易度が高い場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に表示したメータのレベルが正確に最大まで増加したタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、所定の昇格条件が成立したと判断する。また、設定した操作難易度が低い場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータが最大の点から所定マージン分手前の点までの間でレベル表示しているときに操作ボタン120のオン信号を検出すると、所定の昇格条件が成立したと判断する。すなわち、遊技者が操作に成功したと判断されるタイミングの幅が広がり、操作ボタン120による操作が易しくなる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じてメータのレベルが増加するスピードを変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合にメータのレベルが増加するスピードを速くし、設定した操作難易度が低い場合にメータのレベルが増加するスピードを遅くしてもよい。
なお、確変昇格演出の演出態様は、上記に示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄の変動を行い、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の飾り図柄を停止表示させる演出を行ってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技者が操作ボタン120を3回操作したことにもとづいて、左右中の順番に操作ごとにその操作に対応する飾り図柄を停止表示させる。この場合、確変大当りとすることが事前決定されているときに、遊技者が左中右の飾り図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120を操作すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の飾り図柄が同じ確変図柄で揃った状態で最終停止させる。すなわち、所定の昇格条件が成立し、左中右の飾り図柄が同じ確変図柄で揃った状態で停止表示され、確変に昇格したことが報知されることになる。また、この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて飾り図柄が変動するスピードを変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に飾り図柄が変動するスピードを速くし、設定した操作難易度が低い場合に飾り図柄が変動するスピードを遅くしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて、ステップS548で引き込み数を設定するようにし、操作ボタン120のオン信号を検出してから図柄の変動を停止するまでの図柄の最大引き込み数(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で何図柄変動させるか)を変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に、図柄の引き込み数を0(操作ボタン120のオン信号を検出したタイミングで図柄の変動を最終停止させる)とし、設定した操作難易度が低い場合に、図柄の引き込み数を最大で4(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で4図柄変動させてから最終停止させる)にするようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120が操作されたタイミングと、操作難易度として設定した最大引き込み数とにもとづいて、所定の昇格条件が成立したか否かを判定し、判定結果にしたがって図柄を停止させるようにしてもよい。すなわち、図45の(5)に示す中リールの「6」の位置で「7」を止めるときに引き込み数が0のときは「6」の位置で「7」を押さなければならないが、引き込み数が4のときには「7」の図柄が「6」の位置よりも4図柄以内の範囲で上にあるときに操作ボタン120が操作されれば、「6」の位置で「7」が止まるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、遊技機が操作ボタン120を1つ備える場合を説明したが、遊技機は、飾り図柄に対応して3つの操作ボタンを備えてもよい。
また、例えば、遊技機が、液晶表示装置(例えば、可変表示装置9)とは別にドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、左中右の回転ドラムを回転させることによって、確変昇格演出を行ってもよい。そして、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の回転ドラムを停止させる演出を行ってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技者が操作ボタン120を3回操作したことにもとづいて、左右中の順番に操作ごとにその操作に対応する回転ドラムの回転を停止させる。この場合、確変大当りとすることが事前決定されているときに、遊技者が左中右の回転ドラムの停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120を操作すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の回転ドラムが同じ確変図柄で揃った状態で回転を停止させる。すなわち、所定の昇格条件が成立し、左中右の回転ドラムが同じ確変図柄で揃った状態で停止され、確変に昇格したことが報知されることになる。また、この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて回転ドラムが回転するスピードを変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に回転ドラムが回転するスピードを速くし、設定した操作難易度が低い場合に回転ドラムが回転するスピードを遅くしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて、操作ボタン120のオン信号を検出してから回転ドラムの回転を停止するまでの図柄の最大引き込み数(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で何図柄変動させてから最終停止するか)を変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に、図柄の引き込み数を0(操作ボタン120のオン信号を検出したタイミングで図柄の変動を最終停止させる)とし、設定した操作難易度が低い場合に、図柄の引き込み数を最大で4(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で4図柄変動させてから最終停止させる)にするようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120が操作されたタイミングと、操作難易度として設定した最大引き込み数とにもとづいて、所定の昇格条件が成立したか否かを判定し、判定結果にしたがって回転ドラムを停止させるようにしてもよい。すなわち、図45の(5)に示す中リールの「6」の位置で「7」を止めるときに引き込み数が0のときは「6」の位置で「7」を押さなければならないが、引き込み数が4のときには「7」の図柄が「6」の位置よりも4図柄以内の範囲で上にあるときに操作ボタン120が操作されれば、「6」の位置で「7」が止まるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、遊技機が操作ボタン120を1つ備える場合を説明したが、遊技機は、回転ドラムに対応して3つの操作ボタンを備えてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記に示した確変昇格演出の演出態様のいずれかを選択して実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、演出態様決定用乱数の値にもとづいて、可変表示装置9にメータを表示させて行う演出、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄を変動させて行う演出、または左中右の回転ドラムを回転させて行う演出のいずれかを選択し、選択した演出態様に従って確変昇格演出を実行してもよい。
また、この実施の形態では、押下することによって1種類のオン信号を出力する操作ボタン120からのオン信号にもとづいて所定の昇格条件が成立したか否かを判定する場合を説明するが、遊技機は、例えば、上下左右のいずれの部分が押されたかに応じて4種類のオン信号を出力するボタン(いやゆる十字キー)を備えてもよい。この場合、例えば、液晶表示装置(例えば、可変表示装置9)に表示された操作内容に従って、遊技者が十字キーを操作できた場合に、所定の条件が成立したと判定してもよい。例えば、所定時間以内(例えば3秒以内)に十字キーの上下左右の部分が所定の順番で押されたことを検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の昇格条件が成立したと判定してもよい。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理のステップS548において、例えば、十字キーの上下左右の部分を押す順番を操作難易度として設定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度に従って、液晶表示装置に操作内容(十字キーをどの順番に操作するか)を表示し、十字キーからの4種類のオン信号にもとづいて所定の昇格条件が成立したか否かを判断するようにすればよい。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120が所定回数連打されたことにもとづいて所定の昇格条件が成立したと判定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1926で操作ボタン120からのオン信号を検出すると、ステップS1927で操作回数カウンタの値を1加算するとともに、連続して操作ボタン120が操作された回数をカウントするための連続操作回数カウンタの値を1加算する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続操作回数カウンタの値が所定値(例えば10回)に達したか否かを判定する。連続操作回数カウンタの値が所定値に達していなければ、ステップS1837に移行し、演出期間計測タイマがタイムアウトするまで確変昇格演出を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続操作回数カウンタの値が所定値に達すると、所定の昇格条件が成立したと判定し(ステップS1929)、確変に昇格したことを表示する(ステップS1930)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間(例えば5秒)以内に連続操作回数カウンタの値が所定値(例えば10回)に達しなかったときには、連続操作回数カウンタの値をリセットする。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理のステップS548において、例えば、操作ボタン120を連続して操作する回数や、操作ボタン120をどの程度の期間(例えば5秒)以内に連続して操作するかを操作難易度として設定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度に従って、所定期間以内に連続操作回数カウンタの値が所定値に達したか否かを判断することによって、所定の昇格条件が成立したか否かを判断するようにすればよい。
また、この実施の形態では、操作ボタン120を所定のタイミングで操作した場合に所定の昇格条件が成立したと判定する場合を説明したが、操作ボタン120を同じリズムで所定回数(例えば3回)操作できた場合に所定の昇格条件が成立したと判定するようにしてもよい。
所定の昇格条件が成立したと判断すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格した旨を表示するとともに(ステップS1930)、確変に昇格した旨の報知を既に行った旨を示す昇格報知済フラグをセットする(ステップS1931)。なお、この実施の形態において、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知するとは、確変大当りと事前決定されていることを報知する報知演出を実行することに相当する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9に「確変大当り」と表示することによって、確変に昇格したことを報知する。なお、ステップS1929で所定の昇格条件が成立しないと判断した場合、またはステップS1928で確変大当り演出フラグがセットされていないと判断した場合には、ステップS1941に移行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出実行中フラグをリセットするとともに(ステップS1932)、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1933)。大入賞口開放後フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909に移行する。すなわち、この場合、既にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド後のインターバル演出を行うように制御する。
大入賞口開放後フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変に昇格したことを報知したあとに実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1934)。この実施の形態では、通常のラウンド中演出とは別に、確変に昇格したことを報知したあとや、確変に昇格しなかったことを報知したあと、確変への昇格の期待度を報知したあとに実行するラウンド中演出を実行するためのプロセスデータをあらかじめ用意する。そして、通常のラウンド中演出とは異なるキャラクタなどを表示する演出を行うことによって、確変への昇格や非昇格が分かるようにする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1935)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1936)。
ステップS1926で操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1937)。演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1938)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1939)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1940)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出回数カウンタの値を1減算するとともに(ステップS1941)、減算後の演出回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1942)。なお、ステップS1928で確変大当り演出フラグがセットされていなかった場合、およびステップS1929で所定の昇格条件が成立しなかった場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1941に移行し、演出回数カウンタの値を1減算する。
ステップS1942で演出回数カウンタの値が0であるということは、演出態様決定処理で決定した全演出回数の確変昇格演出を実行したにもかかわらず、所定の昇格条件が成立しなかった(遊技者が確変に移行することを報知するための操作に一度も成功できなかった)場合である。演出回数カウンタの値が0である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1943)。
なお、演出態様決定処理において演出回数を決定するのではなく確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定している場合には、後述するラウンド後処理において、演出態様決定処理で決定した実行時間が演出期間計測タイマにセットされる。この場合、例えば、大当り遊技中にラウンド中昇格演出を複数回実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1937において演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認することによって、ラウンド中昇格処理1回あたりの実行時間が経過したか否かを判断する。また、例えば、大当り遊技中にラウンド中昇格演出を1回だけ実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1937において演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認することによって、ラウンド中昇格演出の全演出期間が経過したか否かを判断する。この場合、ステップS1937で演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の全演出期間が終了したと判断して、ステップS1941,S1942の処理を実行することなくステップS1943に移行し、操作回数カウンタの値を確認するようにすればよい。
ステップS1943で操作回数カウンタの値が0であるということは、2回以上実行された確変昇格演出において、遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかったことを意味する。また、ステップS1943で操作回数カウンタの値が0でないということは、確変昇格演出において、遊技者が少なくとも一度は操作ボタン120を操作したことを意味する。
ステップS1943で操作回数カウンタの値が0である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1950に移行する。操作回数カウンタの値が0でない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変への昇格の期待度を予告する旨を表示する(ステップS1944)。なお、この実施の形態において、「確変への昇格の期待度」とは、確変に昇格することの信頼性の度合いをいう。なお、具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変への移行の期待度の演出において、確変大当りとすることが事前決定されているか否かに応じて、確変への移行の信頼度の異なる演出を実行する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9に、キャラクタのセリフとして「確変になったかもね」などと表示することによって、確変への移行の期待度を報知する。なお、この実施の形態において、確変への移行の期待度を報知するとは、確変大当りとすることが事前決定されている可能性を示す期待度を報知する報知演出を実行することに相当する。また、ステップS1944において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認し、確変大当り演出フラグがセットされているときとセットされていないときとで、異なる態様で確変への移行の期待度を報知してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りのときと通常大当りのときとで異なるキャラクタや背景色を表示して可変表示装置9を用いて、確変への移行の期待度を報知してもよい。そのようにすれば、確変大当りにすることが事前に決定されている場合には、遊技者に対して確変への移行の期待度をより高めることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りと事前決定されているか否かによって異なる選択率で期待度の報知演出(例えば、確変に昇格する信頼度に応じた演出(パーセントや表示))を実行するか否かを決定し、報知演出を実行すると決定したときに決定された期待度の報知演出により確変への昇格の期待度を報知してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、期待度の報知演出を決定するための期待度演出決定用乱数にもとづいて、実行する報知演出を選択する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽選結果に従って、「確変への昇格確率80パーセント」、「確変への昇格確率50パーセント」または「確変への昇格確率30パーセント」と表示する演出を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、確変時に期待度の報知演出を決定するための確変時期待度演出決定用テーブルと、通常時に期待度の報知演出を決定するための通常時期待度演出決定用テーブルとを備える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、確変大当りと事前決定されている場合には、確変時期待度演出決定用テーブルにもとづいて、期待度演出決定用乱数の値が1〜5であれば「確変への昇格確率80パーセント」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が6〜8であれば「確変への昇格確率50パーセント」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が9,10であれば「確変への昇格確率30パーセント」と表示する演出を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、通常大当りと事前決定されている場合には、通常時期待度演出決定用テーブルにもとづいて、期待度演出決定用乱数の値が1〜5であれば「確変への昇格確率30パーセント」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が6〜8であれば「確変への昇格確率50パーセント」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が9,10であれば「確変への昇格確率80パーセント」と表示する演出を決定する。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽選結果に従って、確変に昇格する信頼度が高い順に、「確変かもね」、「確変?」または「確変はダメかも」と表示する演出を行ってもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、確変大当りと事前決定されている場合には、確変時期待度演出決定用テーブルにもとづいて、期待度演出決定用乱数の値が1〜5であれば「確変かもね」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が6〜8であれば「確変?」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が9,10であれば「確変はダメかも」と表示する演出を決定してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、通常大当りと事前決定されている場合には、通常時期待度演出決定用テーブルにもとづいて、期待度演出決定用乱数の値が1〜5であれば「確変はダメかも」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が6〜8であれば「確変?」と表示する演出を決定し、期待度演出決定用乱数の値が9,10であれば「確変かもね」と表示する演出を決定してもよい。
なお、全演出回数の確変昇格演出を実行したにもかかわらず所定の昇格条件が成立せず、かつ操作回数カウンタの値が0である場合に、必ず確変昇格の期待度を報知するのでなく、抽選により期待度の報知を実行するか否かを決定し、期待度の報知を実行すると決定した場合に、確変昇格の期待度を報知するようにしてもよい。また、この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認し、確変大当り演出フラグがセットされている場合とセットされていない場合とで、異なる判定用テーブルを用いて抽選を行ってもよい。そして、そのようにすることによって、確変大当りにすることが事前決定されている場合とそうでない場合とで異なる割合で(例えば、確変大当りと事前決定されている場合の方が割合が高くなるように)、確変昇格の期待度の報知を実行すると決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出実行中フラグをリセットするとともに(ステップS1945)、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1946)。大入賞口開放後フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909に移行する。すなわち、この場合、既にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド後のインターバル演出を行うように制御する。
大入賞口開放後フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変への昇格の期待度を報知したあとに実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1947)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1948)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1949)。
ステップS1942で演出回数カウンタの値が0でないということは、演出態様決定処理で決定した演出回数分の確変昇格演出の実行を完了しておらず、まだ実行すべき確変昇格演出が残っている場合である。演出回数カウンタの値が0でない場合には、ステップS1950に移行し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS1950)。また、ステップS1943で操作回数カウンタの値が0であった場合にも、ステップS1950に移行し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS1950)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9にキャラクタのセリフとして「確変に昇格しませんでした」などと表示することによって、確変に昇格しなかったことを報知する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9にキャラクタのセリフとして「次は、確変昇格に成功させてね」などと表示することによって、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させるようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出実行中フラグをリセットするとともに(ステップS1951)、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1952)。大入賞口開放後フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909に移行する。すなわち、この場合、既にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド後のインターバル演出を行うように制御する。
大入賞口開放後フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変に昇格しなかったことを報知したあとに実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1953)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1954)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1955)。
このように、この実施の形態では、操作ボタン120からのオン信号を全く検出しなかった場合(すなわち、遊技者が全く操作ボタン120を操作しなかった場合)には、確変大当りとすることが事前決定されている場合であっても、確変に昇格しなかったことを報知する演出を実行する。そのようにすることによって、確変昇格演出において操作ボタン120の操作を行わなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
図37は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1971のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1972)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1973)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1974)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1975)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1976)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1971のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。確変昇格実行フラグがセットされていなければ、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することが決定されていない場合である。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1985に移行する。
確変昇格実行フラグがセットされている場合(すなわち、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出が実行されることが決定されている場合)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在のラウンドが演出態様決定処理で決定した確変昇格演出の実行ラウンドであるか否かを確認する(ステップS1978)。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した大入賞口開放中表示コマンド(図7に示すコマンドB1XX(H))の内容にもとづいて、現在が何ラウンドであるかを特定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定した現在のラウンドが演出態様決定処理で決定した実行ラウンドと合致するか否かを判断することによって、確変昇格演出の実行ラウンドであるか否かを確認する。確変昇格演出の実行ラウンドでなければ、ステップS1985に移行する。
確変昇格演出の実行ラウンドである場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1979)。昇格報知済フラグがセットされているということは、既に実行された確変昇格演出において確変に昇格したことを報知した後であることを意味する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1980以降の確変昇格演出の開始処理に移行することなく、ステップS1985に移行する。そのようにすることによって、既に実行された確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されたにもかかわらず、確変昇格演出が実行されてしまうという不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。
昇格報知済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出に応じたプロセスデータを選択するとともに(ステップS1980)、確変昇格演出を実行中であることを示す確変昇格演出実行中フラグをセットする(ステップS1981)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1982)、演出期間計測タイマをスタートさせる(ステップS1983)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1984)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1989)。なお、演出態様決定処理において確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定している場合には、ステップS1983において、演出態様決定処理で決定した実行時間を演出期間計測タイマにセットしてもよい。
この実施の形態では、確変昇格演出は、遊技者によって操作ボタン120が操作された場合には、所定の昇格条件が成立したか否かに応じて確変の昇格や非昇格を報知して終了する。なお、遊技者によって操作ボタン120が操作されなかった場合に、確変昇格演出は、ステップS1983でセットした演出期間計測タイマがタイムアウトしたときに終了するようにしてもよい。そのようにすれば、セットした演出期間に従って確変昇格演出を実行するので、確変昇格演出の実行中にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個(例えば10個)に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であっても、確変昇格演出を継続することができ、確変昇格演出の途中で不自然に演出を終了してしまう事態を防止できる。また、ラウンドが短期間に終了してしまった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、複数のラウンドにまたがって確変昇格演出を実行してもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、ラウンドが切り替わるときにラウンド数の表示のみを更新し、確変昇格演出を継続してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1902で大入賞口開放後フラグがセットされていれば、確変昇格演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する。確変昇格演出実行中フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909以降のインターバル演出に移行することなく、ステップS1923以降の確変昇格演出を実行する。その後、次のラウンドが開始し大入賞口開放後フラグがリセットされると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1902で大入賞口開放後フラグがセットされていないと判断するとともに、ステップS1903で確変昇格演出実行中フラグがセットされていれば、ステップS1923以降の確変昇格演出を実行する。そして、確変昇格演出において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、大入賞口開放中表示コマンド「B1XX」を受信したか否かを確認し、受信していれば、大入賞口開放中表示コマンドで特定されるラウンド数にもとづいて、可変表示装置9に表示するラウンド数を更新する。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1983において短い演出期間(例えば5秒)をセットして演出期間計測タイマをスタートさせてもよい。すなわち、このような短時間(例えば5秒)の間に大入賞口への入賞数が所定個(例えば10個)に達しラウンドが終了してしまうことは少ないので、確変昇格演出の実行中にラウンドが終了して、確変昇格演出が途中で不自然に終了してしまう事態を極力防止できる。
ステップS1985では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS1985)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1986)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1987)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1988)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1989)。
なお、通常のラウンド中演出に用いるプロセスデータとは異なるプロセスデータをあらかじめ用意しておき、ステップS1979で昇格報知済フラグがセットされていた場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1987において通常のラウンド中演出とは異なるプロセスデータを選択してもよい。そのようにすることによって、大当り遊技のラウンド中に既に確変に昇格したことを報知している場合には、確変昇格演出とは別の演出データにもとづいて、確変昇格演出が実行される予定だった期間に確変昇格演出とは別の演出を実行してもよい。
図38および図39は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算するとともに(ステップS970)、確変報知演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS971)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出実行フラグがセットされているか否かを確認することによって、エンディング演出における確変報知演出の実行が指定されているか否かを確認する。確変報知演出の実行が指定されていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りが終了することを表示する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS972のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグや確変大当り演出フラグ等の所定のフラグをリセットし(ステップS978)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS979)。
ステップS971で確変報知演出実行フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算する(ステップS980)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS981)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9においてルーレットを表示させ、ルーレットの中を球が回転するなどの演出を行う。
なお、確変報知演出の演出態様は、上記に示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出と同様に、可変表示装置9においてメータを表示させるとともに、メータのレベルを所定のスピードで増加させ、メータのレベルを最大となる点まで増加させると、「確変大当り」などの文を表示させる演出を行ってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、確変報知演出において、可変表示装置9を用いて左中右の図柄の再変動を行い、左中右の飾り図柄が同じ図柄で揃った状態で停止表示させることによって、確変に昇格したことを報知してもよい。また、例えば、液晶表示装置(例えば、可変表示装置9)とは別に、遊技機が、ドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出において、左中右の回転ドラムを回転させ、左中右の回転ドラムに示される図柄が同じ図柄で揃った状態で停止表示させることによって、確変に昇格したことを報知してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS982)。確変報知演出計測タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS983)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS984)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS985)。
ステップS982で確変報知演出計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS986)。ステップS986で操作回数カウンタの値が0であるということは、1回または複数回実行された確変昇格演出において、遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかったことを意味する。また、ステップS986で操作回数カウンタの値が0でないということは、確変昇格演出において、遊技者が少なくとも一度は操作ボタン120を操作したことを意味する。
ステップS986で操作回数カウンタの値が0である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS992に移行する。
ステップS986で操作回数カウンタの値が0でない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS987)。確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格した旨を表示する(ステップS988)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9に「確変大当り」と表示することによって、確変に昇格したことを報知する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出実行フラグをリセットし(ステップS989)、確変に昇格したことを報知したあとのエンディング演出の残り時間に実行する演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS990)。この実施の形態では、通常のエンディング演出とは別に、確変に昇格したことを報知したあとや、確変に昇格しなかったことを報知したあとのエンディング演出の残り時間に実行する演出を実行するためのプロセスデータをあらかじめ用意する。そして、通常のエンディング演出とは異なるキャラクタなどを表示する演出を行うことによって、確変への昇格や非昇格が分かるようにする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS991)。
ステップS986で操作回数カウンタの値が0でなかった場合、またはステップS987で確変大当り演出フラグがセットされていなかった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS992)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9に「確変に昇格しませんでした」などと表示することによって、確変に昇格しなかったことを報知する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出実行フラグをリセットし(ステップS993)、確変に昇格しなかったことを報知したあとのエンディング演出の残り時間に実行する演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS994)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS995)。
なお、全演出回数の確変昇格演出を通して一度も操作ボタン120が操作されなかった場合に、確変に昇格したなかった旨を報知するのではなく、複数の演出回数の確変昇格演出のうち一度でも操作ボタン120が操作されなかった場合に、確変に昇格したなかった旨を報知するようにしてもよい。例えば、演出態様決定処理において演出回数を3回と決定した場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS986において、操作回数カウンタの値が2以下である場合には、3回実行された確変昇格演出のいずれかにおいて操作ボタン120による操作が行われなかったと判断して、確変に昇格したなかった旨を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、操作回数カウンタの値が0であるか否かを確認し、0であれば確変への非昇格を報知する場合を説明したが、確変への非昇格を報知するのでなく、操作回数カウンタの値が0であっても、確変への昇格の期待度を報知するようにしてもよい。
また、操作回数カウンタの値が0であるか否かの判断を行わずに、確変大当り演出フラグがセットされているか否かのみを判断して、確変への昇格または非昇格を報知するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS982で確変報知演出計測タイマがタイムアウトしていれば、ステップS986を実行することなく、そのままステップS987に移行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において操作ボタン120が少なくとも一度操作されているか否かにかかわらず、確変大当りにすると事前決定されている場合には、ステップS988に移行し、確変に昇格したことを報知する。また、通常大当りにすると事前決定されている場合には、ステップS992に移行し、確変に昇格しなかったことを報知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りと事前決定されているか否かによって異なる選択率で確変報知演出(確変に昇格する信頼度(確変に昇格することの確からしさ)に応じた演出)を実行するか否かを決定し、確変報知演出を実行すると決定したときに決定された確変報知演出を実行してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出を決定するための確変報知演出決定用乱数にもとづいて、実行する確変報知演出を選択する。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽選結果に従って、「ルーレット(可変表示装置9においてルーレットを表示させ、ルーレットの中を球が回転するなどの演出)」、「カーレース(可変表示装置9においてカーレースのシーンを表示させる演出)」または「飾り図柄を変動させる再抽選」のいずれかの演出を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、確変時に確変報知演出を決定するための確変時確変報知演出決定用テーブルと、通常時に確変報知演出を決定するための通常時確変報知演出決定用テーブルとを備える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、確変大当りと事前決定されている場合には、確変時確変報知演出決定用テーブルにもとづいて、確変報知演出決定用乱数の値が1〜5であれば「ルーレット」を表示する演出を決定し、確変報知演出決定用乱数の値が6〜8であれば「カーレース」を表示する演出を決定し、確変報知演出決定用乱数の値が9,10であれば「飾り図柄を変動させる再抽選」の演出を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、通常大当りと事前決定されている場合には、通常時確変報知演出決定用テーブルにもとづいて、確変報知演出決定用乱数の値が1,2であれば「ルーレット」を表示する演出を決定し、確変報知演出決定用乱数の値が3〜5であれば「カーレース」を表示する演出を決定し、確変報知演出決定用乱数の値が6〜10であれば「飾り図柄を変動させる再抽選」の演出を決定する。なお、ステップS986で操作回数カウンタの値が0であった場合(遊技者が確変昇格演出において全く操作ボタン120を操作しなかった場合)には、確変大当りと事前決定されている場合であっても、通常時確変報知演出決定用テーブルにもとづいて、実行する確変報知演出を決定するようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「ルーレット」を用いた確変報知演出を行う場合に、抽選結果に従って、確変に昇格したことを示すルーレット内の数字の割合を異ならせるようにしてもよい。
また、大当り終了演出処理で確変大当り演出フラグがセットされているか否かを判断して確変への昇格を報知するか非昇格を報知するかを決定するのではなく、ラウンド中演出において決定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1915で昇格報知済フラグがセットされていないと判定すると、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する。そして、確変大当り演出フラグがセットされていれば、確変への昇格を報知する演出に対応するエンディング演出を選択する。また、確変大当り演出フラグがセットされていなければ、確変への非昇格を報知する演出に対応するエンディング演出を選択する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100による確変昇格演出の実行タイミングについて説明する。
図40は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングと、確変昇格演出および確変報知演出の実行タイミングとを示すタイミング図である。なお、図40は、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出が3回実行されるとともに、3回の確変昇格演出において一度も確変に昇格したことが報知されずに、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変報知演出が実行される場合を示す。
図40に示すように、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)において、大当り判定の判定結果(ステップS56)、通常大当りか確変大当りか(確変大当りになるかどうか)の決定結果(ステップS104)、および確変昇格演出の実行の有無の決定結果(ステップS106,S115)に応じた図柄/演出指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
具体的には、大当り判定の判定結果が「はずれ」のときは、はずれ指定コマンドが送信される(ステップS103)。大当り判定の判定結果が「大当り」である場合には、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であり、かつ、確変昇格演出の実行の有無の決定結果が「確変昇格演出の不実行」であるときは、通常大当り指定コマンドが送信される(ステップS108)。また、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であり、かつ、確変昇格演出の実行の有無の決定結果が「確変昇格演出の実行」であるときは、確変昇格付き通常大当り指定コマンドが送信される(ステップS111)。
通常大当りか確変大当りかの決定結果が「確変大当り」である場合には、確変昇格演出の実行の有無の決定結果が「確変昇格演出の不実行」であるときは、確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS117)。また、確変昇格演出の実行の有無の決定結果が「確変昇格演出の実行」であるときは、確変昇格演出付き確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS120)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄/演出指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。
そして、変動パターン設定処理(ステップS302)において、所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され(ステップS204)、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS205)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。上述したように、可変表示装置9における飾り図柄の変動は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動と同期している。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の制御を行う(ステップS301〜S303)。飾り図柄の変動時間が経過すると、特別図柄変動停止処理(ステップS304)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動が停止されるとともに(ステップS361)、飾り図柄停止指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS362)。また、大当り判定における判定結果が大当りであるときは、ファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS366)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて15ラウンドの大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放前処理(ステップS305)において、大当り表示時間(大当り図柄を停止表示してから大当りの第1ラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する(ステップS401,S402)。大当り表示時間が経過すると、15ラウンドの大当りを開始するときは、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS404)。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における可変表示装置9の表示状態が指定される。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される(ステップS405)。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他のキャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放中処理(ステップS306)において、15ラウンド用のラウンド時間の計測を開始する(ステップS421,S431)。また、カウントスイッチ23のオンを検出する毎に入賞個数カウンタの値を+1することにより大入賞口への入賞球数をカウントする(ステップS432,S433)。また、カウント数を指定するカウント数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS434)。
ラウンド時間が経過したとき、または入賞個数が所定数になったときは、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が閉鎖される(ステップS436)。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが終了する。このとき、ラウンド数が15ではないので(ステップS438のN)、大入賞口開放後表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS439)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放前処理(ステップS305)において、インターバル時間(ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する(ステップS401,S402)。インターバル時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS404)。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される(ステップS405)。
以上のような大入賞口開放前処理と大入賞口開放中処理は、15ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄/演出指定コマンドとして確変昇格付き通常大当り指定コマンドまたは確変昇格付き確変大当り指定コマンドを受信した場合には、演出態様決定処理(ステップS705)で決定した実行ラウンドに確変昇格演出を実行する。図40では、演出態様決定処理で確変昇格演出の演出回数が3回と決定され、実行ラウンドがラウンド11,13,15と決定された場合の例が示されている。確変昇格演出においては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされ(ステップS1928)、所定の昇格条件が成立する(ステップS1929)ことを条件として、確変に昇格したことを報知する演出を行う。すなわち、確変大当りとすることが事前に決定されており、遊技者によって所定の操作が行われたことを条件として、確変に昇格したことが報知される。
なお、図40において、ラウンド11で実行する確変昇格演出において既に確変に昇格することを報知した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド13およびラウンド15において確変昇格演出を行わないように制御する(ステップS1979)。また、ラウンド13で実行する確変昇格演出において既に確変に昇格することを報知した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド15において確変昇格演出を行わないように制御する(ステップS1979)。なお、図40では、確変大当りとすることが事前に決定されおらず、または遊技者によって所定の操作が行われずに、3回の確変昇格演出において一度も確変に昇格したことが報知されなかったものとする。
大入賞口開放中処理において、ラウンド数カウンタの値が15になったときは(ステップS438のY)、確変大当りフラグがセットされているか否か(ステップS442)に応じたエンディングコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS444,S447)。
具体的には、確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS442のN)、通常大当り終了を表示するエンディング演出を実行することを指定するエンディング1コマンドが送信される。確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS442のY)、確変大当り終了を表示するエンディング演出を実行することを指定するエンディング2コマンドが送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!!」)などを表示したり、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドを受信したときに、確変昇格実行フラグがセットされているとともに(ステップS1914)、確変報知済フラグがセットされていない場合には(ステップS1915)、エンディング演出において確変報知演出を所定時間実行する。すなわち、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行したにもかかわらず、確変に昇格したことが報知されていない場合には、エンディング演出において確変報知演出を実行する。例えば、可変表示装置9にルーレットを表示させ、ルーレットの中を球が回転するなどの表示をしたり、スピーカ27から確変報知演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28cなどの確変報知演出用の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)の計測を開始する(ステップS451,S452)。大当り終了時間が経過すると、所定のフラグ(大当りフラグ、確変大当りフラグ、確変昇格実行フラグ)のセット/リセットの処理が行われるとともに(ステップS457等)、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた表示指定の演出制御コマンドが送信される(ステップS455,S456)。この場合、エンディング演出において確変報知演出を実行した場合には、確変大当りとすることが事前決定されているか否かにもとづいて(ステップS987)、確変に昇格した旨または確変に昇格しなかった旨が報知される(ステップS988,989)。そして、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の確変昇格演出の演出態様について説明する。図41〜図43は、可変表示装置において実行される大当り図柄の確変昇格演出の表示例を示す説明図である。図41〜図43において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図41〜図43に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。また、図41〜図43では、大当り遊技のラウンド中に演出回数を3回と決定して確変昇格演出を実行する場合を例に説明する。なお、大当り遊技のラウンド中に演出回数を4回または2回に決定して確変昇格演出を実行する場合も同様である。
前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定(ステップS56)において大当りとする旨の判定を行い、また確変大当りとする旨の決定をしたものとする(ステップ104,S105のY)。さらに、大当り遊技のラウンド中における確変昇格演出を実行すると決定したものとする(ステップ116のY)。これに応じて確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS120)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターンを決定した(ステップS204)ことに応じて、変動パターンの演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS205)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格付き確変大当り指定コマンドを受信することにより、確変大当り演出フラグをセットする(ステップS1631)とともに、確変昇格実行フラグをセットする(ステップS1633)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンをセーブし、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1634〜S1636)。さらに、ラウンド中の確変昇格演出の実行が指定されている場合であるので、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)として非確変図柄を決定する(ステップS1644〜S1650)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理(ステップS705)を実行し、確変昇格演出の演出回数を決定するとともに(ステップS546)、各実行ラウンドにおける操作難易度を決定する(ステップS548)。図41〜図43に示す例では、演出回数が3回と決定され、演出実行ラウンドがそれぞれラウンド11,13,15と決定される。また、ラウンド11における操作難易度が5と決定され、ラウンド13における操作難易度が3と決定され、ラウンド15における操作難易度が1と決定される。
図41(1)に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)が開始されてから変動パターンに示される変動時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS1649で決定された非確変図柄の大当り図柄(停止図柄)が導出表示される。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が導出表示されている。その後、大当り遊技状態に移行し、ラウンド1からラウンド15までの大当り遊技が実行される。大当り遊技のラウンド11になると、1回目の確変昇格演出が開始される(ステップS1977〜S1984)。
1回目の確変昇格演出が開始されると、(2)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければMAXでボタンを押せ!」という文が表示される(ステップS1925)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。
(3)に示すように、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。(4)に示すように、メータのレベルが最大まで上昇する間に遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されないと、(5)に示すように、メータのレベルが最小の点に戻り、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が繰り返し行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。
(6)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が操作されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。(6)に示す例では、メータのレベルが最大となる前に操作ボタン120が操作された場合であるので、所定の昇格条件が成立しなかったと判断される(ステップS1929のN)。そして、(7)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「残念!確変昇格失敗、次はがんばってね」という文が表示される(ステップS1950)。このような表示が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。なお、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、所定の演出期間が経過すると(ステップS1937のY)、(7)に示すように確変に昇格しなかった旨が表示され(ステップS1950)、確変昇格演出が終了される。
次に、大当り遊技のラウンド13になると、2回目の確変昇格演出が開始される(ステップS1977〜S1984)。なお、もし1回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合には、2回目の確変昇格演出は実行されない。
2回目の確変昇格演出が開始されると、(8)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければこの範囲でボタンを押せ!」という文が表示される(ステップS1925)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。この実施の形態では、1回目の確変昇格演出よりも2回目の確変昇格演出の方が操作難易度が低く設定されているので、(8)に示すように、2回目の確変昇格演出では、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前までの間で操作ボタン120が操作されても確変への昇格に成功したと判断される。すなわち、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、操作ボタン120の操作が易しくなる。なお、例えば、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、メータのレベルが上昇するスピードを遅くするなどによって、操作ボタン120の操作が易しくなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、(2)(8)および後述する(11)に示すように、可変表示装置9のメータの最大点で操作ボタン120を操作することの表示や、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前までの間で操作ボタン120を操作することの表示が、演出態様決定処理で設定した操作難易度を報知する表示に該当する。なお、例えば、操作難易度を示す値を可変表示装置9の画面上に表示することによって操作難易度を報知してもよく、可変表示装置9の画面上に操作難易度を示すためのメータを表示し、メータのレベルを変化させることによって操作難易度を報知してもよい。
(9)に示すように、1回目の確変昇格演出と同様に、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。(9)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が操作されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。(9)に示す例では、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点よりも前に操作ボタン120が操作された場合であるので、所定の昇格条件が成立しなかったと判断される(ステップS1929のN)。そして、(10)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「残念!確変昇格失敗、次はがんばってね」という文が表示される(ステップS1950)。このような表示が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。なお、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、所定の演出期間が経過すると(ステップS1937のN)、(7)に示すように確変に昇格しなかった旨が表示され(ステップS1950)、確変昇格演出が終了される。
次に、大当り遊技のラウンド15になると、3回目の確変昇格演出が開始される(ステップS1977〜S1984)。なお、もし1回目または2回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合には、3回目の確変昇格演出は実行されない。
3回目の確変昇格演出が開始されると、(11)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければこの範囲でボタンを押せ!」という文が表示される(ステップS1925)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。この実施の形態では、1回目および2回目の確変昇格演出よりも3回目の確変昇格演出の方が操作難易度が低く設定されているので、(11)に示すように、3回目の確変昇格演出では、2回目の確変昇格演出よりも、メータのレベルが最大となる点からさらに所定マージン分手前までの間で操作ボタン120が操作されても確変への昇格に成功したと判断される。すなわち、1回目および2回目の確変昇格演出の場合と比較して、操作ボタン120の操作が易しくなる。なお、例えば、1回目および2回目の確変昇格演出の場合と比較して、メータのレベルが上昇するスピードを遅くするなどによって、操作ボタン120の操作が易しくなるようにしてもよい。
(12)に示すように、1回目および2回目の確変昇格演出と同様に、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。(12)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が操作されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。(12)に示す例では、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が操作された場合であるので、所定の昇格条件が成立したと判断される(ステップS1929のY)。そして、(13)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「お見事、成功!」という文が表示され、(14)に示すように、「確変大当り」の文が表示される(ステップS1930)。このような表示が確変に昇格した旨の表示に該当する。
なお、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が操作された場合であっても、確変大当りとしないことに決定されている場合(すなわち、通常大当りと事前決定されている場合)には(ステップS1928のN)、確変に昇格した旨の表示を行わない。この場合、例えば、実際には、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が操作されたとしても、可変表示装置9上でメータが最大となる点を通り過ぎて最小の点に戻ったかのような表示を行い、「残念!確変昇格失敗」などの表示を行うようにすればよい。
また、所定の昇格条件が成立した場合、例えば、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で全図柄の再変動を行うようにしてもよい。このとき、確変図柄と非確変図柄とが遊技者から明確に分かるように、確変図柄と非確変図柄とが区別されて表示されてもよい。例えば、確変図柄と非確変図柄とが異なる形で表示されたり、確変図柄と非確変図柄とが異なる色(例えば、確変図柄は赤で、非確変図柄は青)で表示されてもよい。
その後、可変表示装置9において左中右の図柄として確変図柄が揃った状態で表示された後に、(14)に示すように、確変に昇格した旨を表示するようにしてもよい。そして、大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に制御されることを遊技者が認識できるようになる。
また、3回目の確変昇格演出においても操作ボタン120の操作に成功しなかった場合には(ステップS1929のN、S1942のY)、(15)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変になったかもね」という文が表示される(ステップS1944)。このような表示が確変への昇格の期待度を予告する旨の表示に該当する。なお、3回の確変昇格演出を通して、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、確変への昇格の期待度を報知する表示は行わない。そのようにすることにより、確変昇格演出中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
また、3回の確変昇格演出を通して遊技者が一度も操作ボタン120による操作に成功せず、確変に昇格したことが報知されなかった場合には、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変報知演出が行われる。図44および図45は、可変表示装置において実行される確変報知演出の表示例を示す説明図である。図44および図45において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。図44は、確変大当りとすることが事前決定されている場合に、確変報知演出において確変に昇格したことを報知する場合を示す。また、図45は、通常大当りとすることが事前決定されている場合に、確変報知演出において確変に昇格しなかったことを報知する場合を示す。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドを受信したときに、確変昇格実行フラグがセットされ(ステップS1914)、昇格報知済みフラグがセットされていなければ(ステップS1915)、確変報知演出に対応するエンディング演出を選択する(ステップS1916)。確変報知演出を行う場合、図44(1)および図45(2)に示すように、例えば、可変表示装置9においてルーレットが表示される(ステップS981)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1921)。そして、(1)(2)に示すように、可変表示装置9において、ルーレットの中を球が回転する表示が行われる。
図44および図45に示すように、可変表示装置9に表示されるルーレットの円盤内には、飾り図柄を想起させる数字が示された複数の領域が含まれる。確変大当りとすることに事前決定されている場合には、図44(3)に示すように、ルーレットの円盤内の各領域のうち、確変図柄を想起させる数字(例えば7)が示された領域で球が最終停止する表示が行われる。そして、図44(4)に示すように、可変表示装置9の画面上に「確変大当り」という文が表示される(ステップS988)。このような表示が確変に昇格した旨の表示に該当する。
また、通常大当りとすることに事前決定されている場合には、図45(3)に示すように、ルーレットの円盤内の各領域のうち、非確変図柄を想起させる数字(例えば2)が示された領域で球が最終停止する表示が行われる。そして、図45(4)に示すように、可変表示装置9の画面上に「確変に昇格しませんでした」という文が表示される(ステップS989)。このような表示が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。
なお、確変昇格演出において、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄の再変動を行い、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の飾り図柄を停止表示させる演出を実行することにより確変昇格演出を行ってもよい。また、例えば、遊技機が、ドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、左中右の回転ドラムを回転させることによって、確変昇格演出を行ってもよい。
図46および図47は、遊技機が左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合に、左中右の回転ドラムを回転させることによって行う確変昇格演出の表示例を示す説明図である。なお、図46および図47では、回転ドラムを用いて確変昇格演出を行う場合を説明するが、可変表示装置9を用いて左中右の図柄の変動を行うことによって確変昇格演出を行う場合も同様である。また、回転ドラムを用いて確変昇格演出を行う場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を可変表示装置9を用いて実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行する場合のみ、回転ドラムを回転させることによって所定の演出を実行する。
図46および図47において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図46および図47に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。また、図46および図47では、大当り遊技のラウンド中に演出回数を3回と決定して確変昇格演出を実行する場合を例に説明する。なお、大当り遊技のラウンド中に演出回数を4回または2回に決定して確変昇格演出を実行する場合も同様である。
前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定(ステップS56)において大当りとする旨の判定を行い、また確変大当りとする旨の決定をしたものとする(ステップ104,S105のY)。さらに、大当り遊技のラウンド中における確変昇格演出を実行すると決定したものとする(ステップ116のY)。これに応じて確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS120)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターンを決定した(ステップS204)ことに応じて、変動パターンの演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS205)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格付き確変大当り指定コマンドを受信することにより、確変大当り演出フラグをセットする(ステップS1631)とともに、確変昇格実行フラグをセットする(ステップS1633)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンをセーブし、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1634〜S1636)。さらに、ラウンド中の確変昇格演出の実行が指定されている場合であるので、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)として非確変図柄を決定する(ステップS1644〜S1650)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理(ステップS705)を実行し、確変昇格演出の演出回数を決定するとともに(ステップS546)、各実行ラウンドにおける操作難易度を決定する(ステップS548)。図46および図47に示す例では、演出回数が3回と決定され、演出実行ラウンドがそれぞれラウンド11,13,15と決定される。また、ラウンド11における操作難易度が5と決定され、ラウンド13における操作難易度が3と決定され、ラウンド15における操作難易度が1と決定される。
図46(1)に示すように、左中右の回転ドラムの回転(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS1649で決定された非確変図柄の大当り図柄(停止図柄)が停止表示される。(1)に示す例では、回転ドラムにおいて非確変図柄「222」が導出表示されている。その後、大当り遊技状態に移行し、ラウンド1からラウンド15までの大当り遊技が実行される。大当り遊技のラウンド11になると、1回目の確変昇格演出が開始される。1回目の確変昇格演出が開始されると、(2)に示すように、左中右の回転ドラムが変動される。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。
(3)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が1回押されると、左の回転ドラムの回転が停止される。また、(4)に示すように、もう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、右の回転ドラムの回転が停止される。そして、(5)に示すように、さらにもう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、中の回転ドラムの回転が停止される。
(5)に示すように、左中右の回転ドラムが全て停止されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。この場合、例えば、所定のタイミングで操作ボタン120が押されると、所定の昇格条件が成立したと判断され、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が横方向または斜め方向に同じ図柄で揃った状態で停止される。(5)に示す例では、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃った状態で停止せず、所定の昇格条件が成立しなったと判断される(ステップS1929のN)。このような左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃わずに停止した状態が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。なお、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、所定の演出期間が経過すると(ステップS1937のY)、例えば、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃っていない状態で停止され(ステップS1950)、確変昇格演出が終了される。
次に、大当り遊技のラウンド13になると、2回目の確変昇格演出が開始される。なお、もし1回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合には、2回目の確変昇格演出は実行されない。
2回目の確変昇格演出が開始されると、(6)に示すように、左中右の回転ドラムが再変動される。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。この実施の形態では、1回目の確変昇格演出よりも2回目の確変昇格演出の方が操作難易度が低く設定されているので、2回目の確変昇格演出では、例えば、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、左中右の回転ドラムの回転速度が遅くなるように制御される。すなわち、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、操作ボタン120の操作が易しくなる。なお、例えば、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、遊技者が操作ボタン120を操作してから回転ドラムが最終停止するまでに許容されるコマ数(図柄数)の範囲を変化させるなどによって、操作ボタン120の操作が易しくなるようにしてもよい。この場合、例えば、左中右の回転ドラムの停止図柄が同じ図柄で揃った状態で停止するタイミングで操作ボタン120が操作されなかった場合であっても、許容されるコマ数の範囲内で操作された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の停止図柄が同じ図柄で揃った状態で回転ドラムを停止させ、あたかも所定のタイミングで操作ボタン120を操作することに成功したかのような演出を行う。
(7)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が1回押されると、左の回転ドラムの回転が停止される。また、(8)に示すように、もう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、右の回転ドラムの回転が停止される。そして、(9)に示すように、さらにもう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、中の回転ドラムの回転が停止される。
(9)に示すように、左中右の回転ドラムが全て停止されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。この場合、例えば、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が横方向または斜め方向に同じ図柄で揃った状態で停止した場合には、所定の昇格条件が成立したと判断される。(9)に示す例では、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で斜めに揃った状態で停止しているので、所定の昇格条件が成立したと判断される(ステップS1929のY)。このような左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃って停止した状態が確変に昇格した旨の表示に該当する。
図46および図47に示す例では、2回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合であるので、大当り遊技のラウンド15になっても、3回目の確変昇格演出は実行されない。なお、もし1回目および2回目の確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていない場合には、大当り遊技のラウンド15になると、3回目の確変昇格演出が実行される。
なお、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120が操作された場合であっても、確変大当りとしないことに決定されている場合(すなわち、通常大当りと事前決定されている場合)には(ステップS1928のN)、確変に昇格した旨の表示を行わない。この場合、例えば、実際には、停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120が操作されたとしても、中の回転ドラムが数コマ分(例えば1コマ分)行き過ぎて停止するように制御し、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃った状態で停止しないようにすればよい。
また、3回目の確変昇格演出においても操作ボタン120の操作に成功しなかった場合には(ステップS1929のN、S1942のY)、確変への昇格の期待度を予告する所定の停止図柄の組合せとなるように左中右の回転ドラムを停止させる。例えば、左中の回転ドラムに示される停止図柄がともに「7」で停止し、右の回転ドラムがチェリーの図柄で停止した場合の停止図柄の組合せを、あらかじめ確変への昇格の期待度を予告する停止図柄の組合せ(いわゆるチャンス目)であると定めておく。そして、確変大当りにすることが事前決定されているにもかかわらず、3回目の確変昇格演出においても操作ボタン120の操作に成功しなかった場合には、(10)に左中右の回転ドラムに示される停止図柄の組合せが「7」「7」およびチェリーの図柄で停止するように制御する。このような表示が確変への昇格の期待度を予告する旨の表示に該当する。なお、3回の確変昇格演出を通して、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、確変への昇格の期待度を報知する表示は行わない。そのようにすることにより、確変昇格演出中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
以上のように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120から所定の操作が実行されたと判定したことにもとづいて、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知する。そのため、確変昇格演出に対する遊技者の興趣を向上させることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の実行が終了した後に、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていないと判定したときに、確変大当りとすることが事前決定されていることを条件として、確変に昇格したことを大当り遊技終了のエンディング演出において報知する確変報知演出を実行する。そのため、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていないときであっても、確変に昇格したことを大当り遊技の終了後に報知することができる。そのため、遊技者が操作ボタン120の操作技術に熟練しているか否かによって、有利または不利となる事態が生じないようにすることができる。さらに、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変昇格演出の演出期間が長ければ操作ボタン120を用いた操作の成功率が向上するので、遊技者の遊技に対する興趣が必要以上に減退することを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りとすることが事前決定されているときに、確変昇格演出において操作ボタン120からオン信号が出力されていないと判定すると、確変に昇格しなかったことを報知する。そのため、確変昇格演出の実行中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されたと判定されたときに、大当り遊技終了後に確変報知演出を実行することを禁止するように制御する。そのため、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知したにもかかわらず、大当り遊技の終了後に確変報知演出が実行されてしまうという不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技終了後のエンディング演出期間において確変報知演出を実行する。そのため、確変報知演出の演出期間を確保することができ、確変報知演出が演出の途中で不自然に途切れてしまう事態を防止することができる。例えば、一般に、遊技機においては、あらかじめ大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出を実行するための所定期間が確保されているので、エンディング演出を実行する所定期間に確変報知演出を行えば、確変報知演出が途中で途切れてしまうことを防止できる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理において、操作ボタン120の操作難易度を設定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した演出期間のうち少なくとも所定の期間を演出期間における他の期間とは異なるように操作難易度を設定する。そのため、遊技者が同じ操作を行ったとしても、設定された操作難易度に応じて確変昇格演出の演出結果に差を設けることができる。例えば、同じ操作を行ったとしても、操作難易度が高いときには確変に昇格したことの報知が実行されにくく、操作難易度が低いときには確変に昇格したことの報知が実行されやすくすることができ、確変への昇格に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、操作ボタン120から所定の操作が実行されたと判定されたことにもとづいて、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知するので、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理において、確変昇格演出の演出回数を決定することによって、確変昇格演出の演出期間を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りにすることが事前決定されているときに、通常大当りにすると事前決定されているときと比較して、確変昇格演出の演出期間として長い期間を(すなわち、確変昇格演出の演出回数が多くるように)決定する。よって、遊技者が確変昇格演出に参加できるようにするだけでなく、確変状態に昇格する場合と昇格しない場合とで演出期間に差を設けることができる。そのため、確変昇格演出がどの程度の期間実行されるかについて遊技者に関心を起こさせることができ、確変昇格演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、確変昇格演出演出がどの程度の期間実行されるかによって確変への昇格の期待度を予測することができ、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変昇格演出の演出期間が長ければ操作ボタン120を用いた操作の成功率が向上するので、遊技者の遊技に対する興趣が必要以上に減退することを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、確変昇格演出を実行する際に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理で設定した操作難易度を報知する。そのため、確変昇格演出における操作難易度を遊技者が認識することができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。例えば、操作ボタン120の操作技術に熟練している遊技者である場合、操作難易度が高く設定されているときに確変に昇格したことが報知されれば、操作難易度が高いときに確変に昇格させる操作に成功したと感じることができ、遊技者に対して高い満足感を与えることができる。また、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、操作難易度が高く設定されているときに確変に昇格したことが報知されれば、操作難易度が高い操作を行えたという満足感を与えることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後に実行される演出期間における操作難易度を先に実行される演出期間における操作難易度よりも低く設定する。そのため、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変昇格演出の回を重ねるに従って所定のタイミングで操作ボタン120を操作できる可能性が高まり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、操作ボタン120の操作に熟練している遊技者であっても、最初に実行される確変昇格演出における操作難易度が高く設定されているので、確変に昇格したことが報知されるまでに確変昇格演出を複数回実行する可能性が高まり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行すると指定されているときに、変動パターンコマンドで特定される変動時間が経過したときに導出表示する飾り図柄として非確変図柄を選択する。よって、事前に確変大当りとすることが決定されている場合であっても、確変昇格演出を実行する場合には可変表示の終了時に確変図柄を表示しないようにすることができる。そのため、飾り図柄の可変表示を停止したときに確変図柄を表示したにもかかわらず、確変昇格演出を実行してしまうという不自然な演出が実行されることを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、確変に昇格したことを報知した後は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、全ての演出回数の確変昇格演出の実行が終了していないときであっても確変昇格演出の実行を禁止するように制御する。そのため、既に実行した確変昇格演出において確変に昇格したことを報知したにもかかわらず、確変昇格演出が実行されてしまうという不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。また、既に確変に昇格することを報知してしまったにもかかわらず、無意味に確変昇格演出を長期間繰り返し実行してしまう事態を防止できる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、事前に確変大当りとすると判定されているときに、全ての確変昇格演出を実行し、遊技者が操作ボタン120の操作を行ったにもかかわらず、遊技者が操作ボタン120の操作に成功しなったと判定されことを条件に、確変への昇格の期待度を予告する演出を実行する。そのため、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者が所定のタイミングで操作ボタン120を操作できなかった場合であっても、確変に昇格することの期待度を認識することができる。そのため、操作ボタン120の操作技術に熟練していないことによって過度に不利になる事態を防止できる。また、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変報知演出への参加意欲を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の全演出期間において操作ボタン120から一度もオン信号が出力されなかったときに、事前に確変大当りにすると決定されているときであっても、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知することを禁止するように成業する。そのため、確変昇格演出の実行中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。また、遊技者に積極参加させることによって、確変昇格演出が必要以上にな長期間にわたって実行される事態を防止することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560がエンディングコマンドを大当り遊技(全てのラウンド)が終了した後に送信するので、大当りの終了後においても次の飾り図柄の変動が開始されるまで確変昇格演出が実行される可能性があるため、確変状態への移行に対する期待感を一層長期間にわたって持続させることができる。
また、確変昇格演出が実行されるエンディング演出よりも確変昇格演出が実行されないエンディング演出の方が実行時間を短くすることにより、エンディング演出において確変昇格演出が実行されず確変状態への移行の可能性がないときに、無駄に演出が長く実行されるのを回避することができる。なお、例えば、確変昇格演出を実行するときのエンディング演出の実行時間は15秒とされ、確変昇格演出を実行しないときのエンディング演出の実行時間は6秒とされる。
なお、この実施の形態では、演出態様決定処理において、後に実行される確変昇格演出の操作難易度が、先に実行される確変昇格演出の操作難易度よりも低くなるように設定する場合を説明したが、操作難易度の設定の仕方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後に実行される確変昇格演出の操作難易度が、先に実行される確変昇格演出の操作難易度よりも高くなるように設定してもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が一旦高くなるように設定し、その後確変昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が低くなるように設定してもよい。
図48は、ステップS547で設定される操作難易度の他の例を示す説明図である。図48に示す例では、確変昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド9)の操作難易度を1と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を2と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を4と設定し、4ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を5と設定する。また、確変昇格演出の演出回数を3回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を1と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を3と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を5と設定する。また、確変昇格演出の演出回数を2回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド10)の操作難易度を2と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を4と設定する。このように、後に実行される確変昇格演出の操作難易度が、先に実行される確変昇格演出の操作難易度よりも高くなるように設定されてもよい。
図49は、ステップS547で設定される操作難易度のさらに他の例を示す説明図である。図49に示す例では、確変昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド9)の操作難易度を3と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を5と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を4と設定し、4ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を2と設定する。また、確変昇格演出の演出回数を3回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を3と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を5と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を3と設定する。このように、確変昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が一旦高くなるように設定し、その後確変昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が低くなるように設定してもよい。
また、この実施の形態では、確変報知演出を実行した場合であっても、1回または複数回実行された確変昇格演出において、遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかった場合には、確変に昇格した旨や確変に昇格しなかった旨を報知しないようする場合を説明したが、確変昇格演出において遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかった場合に、確変報知演出そのものを実行しないようにしてもよい。
図50は、確変昇格演出において遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかったときに、確変報知演出そのものを実行しないように制御する場合のラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。図50に示すように、ステップS1901においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS1901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認し、確変昇格実行フラグがセットされていれば(ステップS1914のY)、昇格報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1915)。昇格報知済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1915A)。
ステップS1915Aで操作回数カウンタの値が0であるということは、1回または複数回実行された確変昇格演出において、遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかったことを意味する。また、ステップS1915Aで操作回数カウンタの値が0でないということは、確変昇格演出において、遊技者が少なくとも一度は操作ボタン120を操作したことを意味する。
ステップS1915Aで操作回数カウンタの値が0である場合(すなわち、遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかった場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1918に移行し、通常のエンディング演出を選択する(ステップS1918)。ステップS1915Aで操作回数カウンタの値が0でない場合(すなわち、遊技者が少なくとも一度は操作ボタン120を操作した場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変報知演出に対応するエンディング演出を選択し(ステップS1916)、大当り遊技の終了後のエンディング演出において確変報知演出を実行する旨を示す確変報知演出実行フラグをセットする(ステップS1917)。
なお、図50に示すラウンド中処理において、ステップS1914〜S1918以外の処理は、図34〜図36に示したラウンド中処理におけるそれらの処理と同様である。
また、図51は、確変昇格演出において遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかったときに、確変報知演出そのものを実行しないように制御する場合の大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。図39で示した大当り終了演出処理では、ステップS982で演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作回数カウンタの値が0であるか否かの確認を行った(ステップS986参照)。図51に示す大当り終了演出処理では、ステップS982で演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのまま確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS987)。確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格した旨を表示する(ステップS988)。また、確変大当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS989)。なお、ステップS982〜S989以外の処理は、図38および図39に示した大当り終了演出処理におけるそれらの処理と同様である。
上記のように構成することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りとすることが事前決定されているときに、操作ボタン120からオン信号が出力されていないと判定したことを条件に、確変報知演出の実行を禁止するように制御する。そのため、確変昇格演出の実行中に操作ボタン120を操作しなければ確変報知演出自体が実行されず、確変に昇格されたか否かを分からなくすることができる。従って、確変昇格演出の実行中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
実施の形態2.
図52は、実施の形態2における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7に示した演出制御コマンドでは、変動パターンコマンド(8000(H)〜800C(H))は、変動時間のみ指定する演出制御コマンドであったが、図49に示す演出制御コマンドでは、変動パターンコマンド(8000(H)〜8014(H))は、変動時間を指定するだけでなく、確変昇格演出の実行の有無も指定する。すなわち、図8に示した変動パターンのうち大当り時の変動パターン(02H,05H,08H,0BH)については、確変昇格演出の実行ありの変動パターンコマンドと確変昇格演出の実行なしの変動パターンコマンドとに分けている。
また、図7に示した演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(8100(H))、通常大当り指定コマンド(8101(H))、確変大当り指定コマンド(8102(H))、確変昇格付き通常大当り指定コマンド(8104(H))、および確変昇格付き確変大当り指定コマンド(8105(H))の5つが設けられていたが、図52に示す演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(8100(H))、通常大当り指定コマンド(8101(H))、および確変大当り指定コマンド(8102(H))の3つしか設けられていない。
実施の形態1では、図柄/演出指定コマンドで確変昇格演出の実行の有無を指定していたが、この実施の形態2では、変動パターンコマンドで確変昇格演出の実行の有無を指定していることになる。
上記のようなコマンドを送信する処理について説明する。図53および図54は、実施の形態2における飾り図柄停止図柄設定処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値に応じて特別図柄表示器8に表示する特別図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS102)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定するはずれ指定コマンド(8100(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
大当りフラグがセットされている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8に表示する特別図柄を大当り図柄(「7」)と決定するとともに、乱数格納バッファから確変決定用乱数を読み出し、読み出した確変決定用乱数の値に従って、大当りを通常大当り(非確変大当り)にするか確変大当りにするかを決定する(ステップS104)。
通常大当りにすると決定した場合には(ステップS105のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常大当り指定コマンド(8101(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS131)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから確変昇格決定用乱数を読み出し、読み出した確変昇格決定用乱数の値に従って、確変昇格演出を実行するか否かを決定する(ステップS106)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出を実行すると決定したときは(ステップS107のY)、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを示す確変昇格演出フラグをセットする(ステップS111A)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS105において、確変大当りにすると決定した場合は(ステップS105のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS114)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当り指定コマンド(8102(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから確変昇格決定用乱数を読み出し、読み出した確変昇格決定用乱数の値に従って、確変昇格演出を実行するか否かを決定する(ステップS116)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出を実行すると決定したときは(ステップS117のY)、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを示す確変昇格演出フラグをセットする(ステップS120A)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
なお、確変昇格演出を実行するか否かを決定する処理を(具体的には、ステップS106〜S111A、およびステップS116〜S120Aの処理)、特別図柄停止図柄設定処理で実行するのでなく、変動パターン設定処理で実行するようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、確変昇格演出の実行の有無の決定結果にもとづいて、変動パターンを決定するようにしてもよい。
図55は、実施の形態2における特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、確変昇格フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS211)。確変昇格フラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格実行時の大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212)。確変昇格フラグがセットされていなければ、確変昇格不実行時の大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS213)。
ステップS201において大当りフラグがセットされていないときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS214)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、選択した所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS204)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS205)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS206)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS207)。
次に、図52に示したコマンドの解析処理について説明する。図56および図57は、実施の形態2におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、図56および図57は、実施の形態1における図20および図21に対応する図である。図22(ステップS1637〜S1643)および図23(ステップS1644〜S1650)については、実施の形態2でも同様であるので図面を省略している。
コマンド解析処理において、ステップS1611からステップS1621までの処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様であるが、第1の実施の形態で示したステップS1622〜S1633までの処理は行わない。ステップS1620で確変大当り指定コマンドでないと判断すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8014(H))であるか否かを確認する(ステップS1634)。変動パターン指定のコマンドであれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1635)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1636)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで確変昇格演出の実行が指定されているか否かを判定する(ステップS1660)。確変昇格演出の実行が指定されているときは、確変昇格実行フラグをセットする(ステップS1661)。
以上に示した図以外の構成については、実施の形態1に示したもの同様の構成である。
このような構成においても、実施の形態1の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120から所定の操作が実行されたと判定したことにもとづいて、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知する。そのため、確変昇格演出に対する遊技者の興趣を向上させることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の実行が終了した後に、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていないと判定したときに、確変大当りとすることが事前決定されていることを条件として、確変に昇格したことを大当り遊技終了のエンディング演出において報知する確変報知演出を実行する。そのため、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていないときであっても、確変に昇格したことを大当り遊技の終了後に報知することができる。そのため、遊技者が操作ボタン120の操作技術に熟練しているか否かによって、有利または不利となる事態が生じないようにすることができる。さらに、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変昇格演出の演出期間が長ければ操作ボタン120を用いた操作の成功率が向上するので、遊技者の遊技に対する興趣が必要以上に減退することを防止することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理において、操作ボタン120の操作難易度を設定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した演出期間のうち少なくとも所定の期間を演出期間における他の期間とは異なるように操作難易度を設定する。そのため、遊技者が同じ操作を行ったとしても、設定された操作難易度に応じて確変昇格演出の演出結果に差を設けることができる。例えば、同じ操作を行ったとしても、操作難易度が高いときには確変に昇格したことの報知が実行されにくく、操作難易度が低いときには確変に昇格したことの報知が実行されやすくすることができ、確変への昇格に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、操作ボタン120から所定の操作が実行されたと判定されたことにもとづいて、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知するので、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
また、大当り図柄が表示された以後において遊技者にとって確変昇格演出がいつ実行されるかわからず、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。また、大当り遊技の開始前の確変昇格演出において確変大当りが発生したにもかかわらず大当り遊技の終了後の確変昇格演出が実行されるといった不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。また、大当り遊技中において誤った大当り図柄の表示を行うおそれがなくなる。さらに、変動パターンコマンドを変動時間のみならず大当り遊技終了後の確変昇格演出を実行するか否かを特定可能なコマンドとしたので、遊技制御用マイクロコンピュータと演出制御用マイクロコンピュータ100におけるコマンド送受信に関わる制御負担を軽減することができる。
実施の形態3.
図58は、実施の形態3における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7に示した演出制御コマンドでは、変動パターンコマンド(8000(H)〜800C(H))は、変動時間のみ指定する演出制御コマンドであったが、図58に示す演出制御コマンドでは、変動パターンコマンド(8000(H)〜8010(H))は、変動時間を指定するだけでなく、通常大当りか確変大当りかについても指定する。すなわち、図8に示した変動パターンのうち大当り時の変動パターン(02H,05H,08H,0BH)については、通常大当りの変動パターンコマンドと確変大当りの変動パターンコマンドとに分けている。
また、図7に示した演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(8100(H))、通常大当り指定コマンド(8101(H))、確変大当り指定コマンド(8102(H))、確変昇格付き通常大当り指定コマンド(8104(H))、および確変昇格付き確変大当り指定コマンド(8105(H))の5つが設けられていたが、図58に示す演出制御コマンドでは、図柄/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンド(8100(H))、確変昇格なし指定コマンド(8101(H);確変昇格演出の不実行の指定)、および確変昇格あり指定コマンド(8102(H);大当り遊技のラウンド中の確変昇格演出の実行の指定)の3つしか設けられていない。
実施の形態1では、図柄/演出指定コマンドで確変昇格演出の実行の有無と通常大当りか確変大当りかを指定していたが、この実施の形態3では、変動パターンコマンドで通常大当りか確変大当りかを指定していることになる。
次に、上記のようなコマンドを送信する処理について説明する。図59は、実施の形態3における飾り図柄停止図柄設定処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値に応じて特別図柄表示器8に表示する特別図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS102)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定するはずれ指定コマンド(8100(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
大当りフラグがセットされている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8に表示する特別図柄を大当り図柄(「7」)と決定するとともに、乱数格納バッファから確変決定用乱数を読み出し、読み出した確変決定用乱数の値に従って、大当りを通常大当り(非確変大当り)にするか確変大当りにするかを決定する(ステップS104)。
通常大当りにすると決定した場合には(ステップS105のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから確変昇格決定用乱数を読み出し、読み出した確変昇格決定用乱数の値に従って、確変昇格演出を実行するか否かを決定する(ステップS115)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出を実行しないと決定したときは(ステップS116のN)、確変昇格なし指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS140)。一方、確変昇格演出を実行すると決定したときは(ステップS116のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出が実行されることを指定する確変昇格付き指定コマンド(8102(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS141)。そして、確変昇格フラグをセットする(ステップS120)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS123)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS105において、確変大当りにすると決定した場合は(ステップS105のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS114)。
図60は、実施の形態3における特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変大当りフラグがセットされているときは、確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS222)。確変大当りフラグがセットされていなければ、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS223)。ステップS202において大当りフラグがセットされていないときは、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS224)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、選択した所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS204)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS205)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS206)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS207)。
次に、図58に示したコマンドの解析処理について説明する。図61および図62は、実施の形態3におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、図61および図62は、実施の形態1における図20および図21に対応する図である。図22(ステップS1637〜S1643)および図23(ステップS1644〜S1650)については、実施の形態3でも同様であるので図面を省略している。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド:8100(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1614)、抽出した飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1615)。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する(ステップS1616)。
また、受信した演出制御コマンドが、確変昇格あり指定の演出制御コマンド(確変昇格あり指定コマンド)であれば(ステップS1670)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格実行フラグをセットする(ステップS671)。
また、受信した演出制御コマンドが、確変昇格なし指定の演出制御コマンド(確変昇格なし指定コマンド)でなければ(ステップS1672)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)であるか否かを確認する(ステップS1634)
また、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)であれば(ステップS1634のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1635)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1636)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで確変大当りが指定されているか否かを判定する(ステップS1674)。確変大当りが指定されていれば、確変大当り演出フラグをセットする(ステップS1675)。一方、確変大当りが指定されておらず通常大当りが指定されていれば、通常大当り演出フラグをセットする(ステップS1676)。
以上に示した図以外の構成については、実施の形態1に示したもの同様の構成である。
このような構成においても、実施の形態1の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120から所定の操作が実行されたと判定したことにもとづいて、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知する。そのため、確変昇格演出に対する遊技者の興趣を向上させることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出の実行が終了した後に、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていないと判定したときに、確変大当りとすることが事前決定されていることを条件として、確変に昇格したことを大当り遊技終了のエンディング演出において報知する確変報知演出を実行する。そのため、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていないときであっても、確変に昇格したことを大当り遊技の終了後に報知することができる。そのため、遊技者が操作ボタン120の操作技術に熟練しているか否かによって、有利または不利となる事態が生じないようにすることができる。さらに、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、確変昇格演出の演出期間が長ければ操作ボタン120を用いた操作の成功率が向上するので、遊技者の遊技に対する興趣が必要以上に減退することを防止することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理において、操作ボタン120の操作難易度を設定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した演出期間のうち少なくとも所定の期間を演出期間における他の期間とは異なるように操作難易度を設定する。そのため、遊技者が同じ操作を行ったとしても、設定された操作難易度に応じて確変昇格演出の演出結果に差を設けることができる。例えば、同じ操作を行ったとしても、操作難易度が高いときには確変に昇格したことの報知が実行されにくく、操作難易度が低いときには確変に昇格したことの報知が実行されやすくすることができ、確変への昇格に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、操作ボタン120から所定の操作が実行されたと判定されたことにもとづいて、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知するので、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
また、大当り図柄が表示された以後において遊技者にとって確変昇格演出がいつ実行されるかわからず、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。また、大当り遊技の開始前の確変昇格演出において確変大当りが発生したにもかかわらず大当り遊技の終了後の確変昇格演出が実行されるといった不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。また、大当り遊技中において誤った大当り図柄の表示を行うおそれがなくなる。さらに、変動パターンコマンドを変動時間のみならず確変大当りか通常大当りかを特定可能なコマンドとしたので、遊技制御用マイクロコンピュータと演出制御用マイクロコンピュータ100におけるコマンド送受信に関わる制御負担を軽減することができる。
なお、上記の各実施の形態では、特別図柄表示器8に表示される大当り図柄は、通常大当りのときも確変大当りのときも同じ図柄「7」としているので、特別図柄表示器8に表示される図柄によって通常大当りか確変大当りかを遊技者に悟られることがない。従って、確変昇格演出における確変状態への移行に対する期待感を損なうことがない。
なお、「所定の移行条件」とは、可変表示装置9に確変図柄が導出表示された場合に限らず、可変表示装置9に導出表示される図柄の種類とは関係なく、確変大当りにするかどうかの内部抽選の結果が確変大当りとする旨である場合などであってもよい。
なお、上記の各実施の形態では、特別図柄停止図柄設定処理において、確変決定用乱数の値によって確変大当りか通常大当りかを決定し、確変昇格決定用乱数の値によって確変昇格演出を実行するか否かを決定するように構成されていた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、1つの乱数(図柄/演出決定用乱数)の値によって、確変大当りか通常大当りか、確変昇格演出を実行するか否か、大当りのラウンド数を決定するように構成されていてもよい。例えば、抽出した乱数の値が1〜10のときは通常大当りとし、乱数の値が11〜20のときは確変昇格を実行しない確変大当りとし、乱数の値が21〜30のときは確変昇格を実行する確変大当りとするように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態3と異なる変形例(通常大当りになると決定されたときには、常に大当り遊技後の確変昇格演出を実行しない(あるいは実行する)とする場合の実施例)も考えられる。
具体的には、変動パターンコマンドは、図58に示したものと同様に、変動時間を指定するだけでなく、はずれか通常大当りか確変大当りかについても指定する。また、図柄/演出指定コマンドは、はずれ指定コマンド、確変昇格なし確変大当り指定コマンド(確変昇格演出を実行しない確変大当りを指定)、および共通コマンド(通常大当りまたは確変昇格演出を実行する確変大当りを指定)の3つを設けておく。
特別図柄停止図柄設定処理では、上記の図柄/演出指定コマンドを次のように演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。はずれのときは、はずれ指定コマンドを送信する。大当りのときは、その大当りが15ラウンドの確変大当りであって確変昇格演出を実行しないと決定されたときは、確変昇格なし確変大当り指定コマンドを送信する。通常大当りのとき、および15ラウンドの確変大当りであって確変昇格演出を実行すると決定されたときは、共通コマンドを送信する。変動パターン設定処理では、上記の変動パターンコマンドを図61に示した処理と同様の処理で送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された図柄/演出指定コマンドおよび変動パターンコマンドを受信すると、コマンド解析処理においてRAMの所定領域に記憶する。そして、図柄/演出指定コマンドがはずれ指定であり、変動パターンコマンドがはずれのときの変動パターンであれば、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄を導出表示すると決定する。図柄/演出指定コマンドが確変昇格なし確変大当り指定であり、変動パターンコマンドが確変大当りのときの変動パターンであれば、大当り遊技の開始前に確変図柄を導出表示すると決定する。図柄/演出指定コマンドが共通コマンドであり、変動パターンコマンドが確変大当りのときの変動パターンであれば、変動停止時に非確変図柄を導出表示すると決定するとともに、確変昇格演出において確変図柄を導出表示すると決定する。図柄/演出指定コマンドが共通コマンドであり、変動パターンコマンドが通常大当りのときの変動パターンであって、通常大当りになると決定されたときに常に確変昇格演出を実行すると決められている場合は、変動停止時に非確変図柄を導出表示すると決定するとともに、確変昇格演出において確変図柄に昇格させずに非確変図柄を導出表示すると決定する。または、通常大当りになると決定されたときに常に確変昇格演出を実行しないと決められている場合は、変動停止時に非確変図柄を導出表示すると決定するとともに、確変昇格演出を実行せずに通常大当りの終了を表示すると決定する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンコマンドを送信する前に図柄/演出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていたが、図柄/演出指定コマンドを送信する前に変動パターンを決定して変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていてもよい。
なお、上記に示した各実施の形態では、確変昇格演出を大当り遊技開始後のラウンド中に実行する場合を説明したが、大当り遊技開始前の飾り図柄の変動時間内に実行するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄の変動時間内に確変昇格演出を実行することを決定した場合には、確変昇格演出の実行を指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにおいて確変昇格演出の実行が指定されていれば、飾り図柄の変動時間内において確変昇格演出を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにおいて確変昇格演出の実行が指定されているとともに、図柄/演出指定コマンドにおいて確変昇格演出の実行が指定されている場合には、確変大当りとすることが事前決定されている場合であっても、飾り図柄の変動表示終了後に非確変図柄を導出表示するように制御する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変図柄を導出した後、演出態様決定処理で決定した演出期間および操作難易度に従って、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行する。
また、上記に示した各実施の形態では、確変報知演出を大当り遊技終了後のエンディング演出において実行する場合を説明したが、確変昇格演出を実行した後であれば、エンディング演出の実行時以外に確変報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行した後であれば、大当り遊技の最終ラウンドにおいて確変報知演出を実行してもよい。
また、全ての大当り後に時短を100回つけるように構成されている場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動中の演出パターンを決定するための演出パターンテーブルとして、確変時演出パターンテーブル、時短時演出パターンテーブルおよび通常時演出パターンテーブルをそれぞれ備えていてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から高確率表示指定コマンド(図7に示すB402(H))を受信している場合には、確変時演出パターンテーブルを選択して飾り図柄の演出パターンを決定し、時短表示指定コマンド(図7に示すB403(H))を受信している場合には、時短時演出パターンテーブルを選択して飾り図柄の演出パターンを決定してもよい。この場合に、確変大当りにすることが事前決定されているときに確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されなかった場合には、高確率表示指定コマンドを受信したときであっても、時短時演出パターンテーブルを選択して飾り図柄の演出パターンを決定するようにし、100回の時短終了後には、通常時演出パターンテーブルを選択して飾り図柄の演出パターンを決定するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短時変動パターンテーブルに代えて、例えば、チャンスタイム用の演出パターンテーブルを備えていてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態に移行しているときには、チャンスタイム用の演出パターンテーブルを選択して飾り図柄の演出パターンを決定してもよい。また、確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されなかった場合には、大当り終了後に、チャンスタイム用の演出パターンテーブルを選択して飾り図柄の演出パターンを決定してもよい。
また、上記に示した各実施の形態では、大当り遊技のラウンド中または終了時に確変昇格演出を実行する場合を説明したが、大当り遊技のラウンド中または終了時に、時短に昇格するか否かを報知する時短昇格演出を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
なお、上述した実施の形態では、以下の(1),(2)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技機は、移行後報知演出実行手段によって移行後報知演出が実行されているときに、操作手段から操作信号が出力されたか否かを判定する操作信号判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS986を実行する部分)と、移行後報知演出が実行された後に、所定の移行条件が成立していないことを報知する不成立報知(例えば、確変に昇格しなかったことの報知)を実行する不成立報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS992を実行する部分)と、報知後演出と不成立報知とのいずれを実行するかを判定する判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS986,S987を実行する部分)とを備え、判定手段は、操作信号判定手段によって操作手段から操作信号が出力されていないと判定されたときには、不成立報知を実行すると判定する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS986でYと判定したときにステップS992に移行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、移行後報知演出の実行中に操作手段を操作しなければ特別遊技状態に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して移行後報知演出への参加意欲を向上させることができる。
(2)遊技機は、移行後報知演出実行手段によって移行後報知演出が実行されているときに、操作手段から操作信号が出力されたか否かを判定する操作信号判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1915Aを実行する部分)と、移行後報知演出が実行された後に、所定の移行条件が成立していないことを報知する不成立報知を実行する不成立報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS992を実行する部分)と、事前決定手段によって所定の移行条件を成立させると決定されているときに、操作信号判定手段によって操作手段から操作信号が出力されていないと判定されたことを条件に、報知演出後報知手段による報知後演出および不成立報知手段による不成立報知の実行を禁止する報知演出後報知実行禁止手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1915AでYと判定したときにステップS1918を実行する部分)とを備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、移行後報知演出の実行中に操作手段を操作しなければ報知演出後報知手段による報知後演出および不成立報知自体が実行されず、所定の移行条件が成立したか否かを分からなくすることができる。従って、移行後報知演出の実行中に操作手段を操作しなければ所定の移行条件が成立したか否かを報知後演出および不成立報知により認識することができないので、遊技者に対して移行後報知演出への参加意欲を向上させることができる。