実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、単色のLEDと7セグメントLEDとの組み合わせによって構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件、または第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
また、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、設けられていなくてもよい。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド16によって開状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、可変入賞球装置15が所定時間開状態とされる。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、通常状態であるときと比較して可変入賞球装置15が長い時間開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。なお、この実施の形態では、演出図柄の可変表示とともに演出表示として物語調の演出が実行され、物語が展開される。なお、実行される物語調の演出は、敵と闘い、大当り時には敵を倒したり、レースを行ったりするようなもの等、物語、すなわちストーリーの展開があるものであればよく、演出内容はキャラクタが単に移動するもの等に限定されない。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に(所定条件が成立したときに)、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。なお、普通図柄の可変表示結果が当りとなった場合に限らず、例えば、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて所定条件が成立したと判断して、可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示を行うことなく、直ちに可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示は行うものの、普通図柄の可変表示結果を当りとするか否かを判定することなく、無条件に可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、普通図柄の当りを示す当りフラグを格納する領域が不要となり、RAM容量を削減することができる。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、この実施の形態では、遊技状態が確変状態または時短状態に制御されているときには、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長される。なお、確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態において、特別図柄の可変表示時間が短縮される場合を示すが、普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率を高めることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めるようにしてもよい。また、時短状態において、可変入賞球装置15の開放延長のみを行うようにしてもよい。また、時短状態において、特別図柄の可変表示時間を短縮すること、普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率を高めること、または可変入賞球装置15の開放延長を行うことのいずれか1つまたはいずれか2つを組み合わせて行うようにしてもよく、それら全てを行うようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAM106を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAM106は外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、ルーチンとは、プログラムにおいて、特定の処理を実行するための命令(コード)の集まりのことである。ある処理を行うための一連の命令を手順として記述したプロシージャや、与えられた情報に演算処理を加えて処理の結果を返す機能であるファンクション(関数)などがルーチンに分類される。特に個別のプログラムコードとして独立していなくても、ある分量のコードが特定の処理のために集中して配置されていれば、その部分はルーチンであるとみなすことができる。ルーチンはプログラム内での立場によって大きく2つに分けられ、プログラムを開始する際に最初に呼び出され、プログラム全体の進行を管理するルーチンを「メインルーチン」、プログラムの実行中に他のルーチンから呼び出されて動作するルーチンを「サブルーチン」と呼ぶ。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、合算保留記憶数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する。また、CPU56は、合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドも送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、合算保留記憶数指定コマンドを送信する代わりに、第1保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第1保留記憶数を指定するコマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を送信し、第2保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第2保留記憶数を指定するコマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。また、第2保留記憶数カウンタの値や第2保留記憶数カウンタの値が0のときは、それらのコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期(具体的には、大入賞口開放前処理(ステップS305)、大入賞口開放中処理(ステップS306)、および大当り終了処理(ステップS307)が実行されていない時期)において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:確変昇格演出を実行するか否かを判定する(確変昇格演出判定用)
(3)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り図柄決定用乱数の初期値を決定するためのランダム2初期値用乱数を設けてもよい。そして、ランダム4初期値用乱数に加えてランダム2初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り図柄をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」または「3」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図6に示された乱数(特に、ランダム1,2,4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタを確認し、第1特別図柄と第2特別図柄のうち特別図柄ポインタが示す特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。また、例えば、始動入賞順に特別図柄の可変表示を行う場合には、例えば、後述する保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を確認し、保留特定領域の1つ目の領域にセットされているデータが「第1」であるか「第2」であるかにもとづいて、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかを特定して、特定した特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行してもよい。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図7(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図7(B)参照)とがある。図7(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。なお、大当りとすることに決定した場合には、大当り図柄決定用乱数にもとづいて決定した停止図柄に応じて、確変大当りまたは通常大当りに決定される。したがって、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、確変大当り、通常大当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、例えば15ラウンドである。
図8は、ROM54に記憶されている確変昇格演出判定テーブルを示す説明図である。確変昇格演出判定テーブルは、確変昇格演出を実行するか否か決定するために参照されるテーブルである。確変昇格演出判定テーブルには、ランダム3の値と比較される判定値(確変昇格演出判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム3の値が確変昇格演出判定値のいずれかに一致した場合に、確変昇格演出を実行することに決定する。
図9は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図9に示すように、停止図柄を大当りとすることに決定された場合、または停止図柄をはずれとすることに決定された場合であって変動表示中にリーチ演出を実行しないことが決定された場合には、変動パターン#1〜#2が用いられる。このうち、短縮変動ではない通常の変動が行われるときには変動パターン#1が用いられ、短縮変動が行われるときには変動パターン#2が用いられる。なお、変動パターン#7〜#10は、停止図柄が大当り図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されるときに用いられる変動パターンである。また、停止図柄をはずれとすることに決定された場合であって変動表示中にリーチ演出を実行することが決定された場合には、変動パターン#3〜#6が用いられる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#10のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。例えば、変動パターン#1’〜#10’を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#10のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#1’〜#10’のいずれかを使用する。その場合、例えば、変動パターン#1〜#10を示すデータが設定された変動パターンテーブルと、変動パターン#1’〜#10’を示すデータが設定された変動パターンテーブルとが別個にROM54に格納される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド8000(H)〜8009(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8009(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。なお、コマンド8C03(H)は、通常大当りとする場合に確変昇格演出を実行することを示す演出制御コマンドでもある。また、コマンド8C05(H)は、確変大当りとする場合に確変昇格演出を実行することを示す演出制御コマンドでもある。なお、この実施の形態では、コマンド8C02(H)によって通常大当りとすることに決定されていることが指示された演出制御用マイクロコンピュータ100は、常に確変昇格演出を実行しない。なお、この実施の形態では、コマンド8C04(H)によって確変大当りとすることに決定されていることが指示された演出制御用マイクロコンピュータ100は、常に確変昇格演出を実行しない。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合と、第2特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合とで共通の図柄確定指定コマンドを送信するので、コマンド数を削減することができるが、第1特別図柄に対応する変動表示を停止する場合と第2特別図柄に対応する変動表示を終了する場合とで別々の図柄確定指定コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンドと大当り開始指定2指定コマンドとがある。このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当りにもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。また、大当り開始2指定コマンドA002(H)は、確変大当りにもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
図11は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図11(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図11(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図12に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
図13は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、入力ポート0(図12参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS311)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS312)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。より具体的には、演算結果が1になった状態に変化した場合(直前の2ms前の判定では0であり、今回の判定で1になった場合)に、始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、入力ポート0の第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。また、この実施の形態では、入力ポート0の内容を直接ロードしているが、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をRAM55の所定の領域に設定している場合には、その領域の内容をロードするようにしてもよい。また、ステップS312の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。また、スイッチ処理(ステップS21)で、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aが遊技球が入賞したことを検出して4msオンしたら、各スイッチに応じたフラグをセットしてもよい。そして、いずれかのフラグがセットされていたら、始動口スイッチ通過処理(ステップS313)を実行する。なお、両方のフラグがセットされている状態(つまり、入力ポート0のビット6およびビット7がいずれも1である状態)では、ビット0〜5がマスク(0にすること)された値とのビット毎の論理積をとる演算を行い、その演算結果が0でなければ、始動口スイッチ通過処理(ステップS313)が実行される。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14および図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS311に示されたように入力ポート0からロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット6が1であるか否か確認する(ステップS211)。図12に示すように、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット6に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット6が1であるということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを意味する。
また、ロードされたデータのビット6が1でないということは、入力ポート0のビット7の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
CPU56は、入力ポート0のビット6が1である場合には、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS212)。また、入力ポート0のビット6が1でない場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS213)。
この実施の形態では、第1保留記憶数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ)と、第2保留記憶数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)とが設けられている。そして、始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS214A)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS239に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS215)。なお、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4である場合に(ステップS214AのY)、第1始動口スイッチがオンしているか否かを確認してもよい。そのように構成されている場合には、第1始動口スイッチおよび第2始動口スイッチのいずれもがオンしている場合であって、第2保留記憶数が上限値(この実施の形態では4)であるときであっても、第1保留記憶数が上限値(この実施の形態では4)でなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすことができる。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS216)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には(「第1」を示すデータも「第2」を示すデータもセットされていない場合には)、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(アドレスデータ)に対応するデータをセットするようにしてもよい。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータに対応するデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータに対応するデータとして02(H)をセットする。
図16(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図16(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、第2特別図柄の変動表示を常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行するようにする場合には、第2保留記憶が1つでもあれば第1保留記憶の有無にかかわらず常に第2特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶がなく第1保留記憶のみがあるときに限って第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。そのため、第2特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。
図16(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS217)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、第1保留記憶数バッファにおいて、第1保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされ、また、第2保留記憶数バッファにおいても、第2保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされている。この場合、CPU56は、始動口ポインタが示すデータによって保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)の先頭アドレスを認識する。そして、1つの保留記憶あたりのデータ数(各乱数の数)に保留記憶数(保留記憶数カウンタが示す値)を乗算した値をオフセット値として保存領域にソフトウェア乱数およびランダムRを格納する。
なお、ステップS217では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜6(図6参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、図16(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS217の処理では、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、そのカウント値(合算保留記憶数)に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する(始動口ポインタのデータに対応する)保存領域に乱数値を保存する。または、合算保留記憶数カウンタを設けずに、ステップS217の処理の実行ごとに、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせ、その合計値に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。合算保留記憶数カウンタを設ける構成では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせる処理(演算処理)が不要となり、処理数を削減することができ、合算保留記憶数カウンタを設けない構成では、RAM55の容量を削減することができる。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS218)。そして、始動口ポインタをクリアする(ステップS219)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、第1始動入賞指定コマンドのEXTデータには第1保留記憶数カウンタの値が設定される。第2始動入賞指定コマンドのEXTデータには第2保留記憶数カウンタの値が設定される。合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータには合算保留記憶数カウンタの値が設定される。
なお、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理をステップS212の処理の前または後や、ステップS213の処理の前または後に実行するようにしてもよい。
なお、ステップS219では、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されているが、このような構成に限られず、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、始動口ポインタが「第2」を示している場合には(ステップS221)、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS222)。ロードされたデータのビット7が1である場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし(ステップS223)、ステップS214Aに移行する。ステップS221〜S223の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS214A〜S219の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS214A〜S219の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。よって、例えば、遊技球を検出したスイッチが検出信号をオン状態にする期間が極めて短くなったような状況が生じても、確実にスイッチがオン状態になったことにもとづく処理を完了できる。また、2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS214A〜S219の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合、または始動口ポインタが「第2」を示しているがロードされたデータのビット7が1でない場合には、ステップS231に移行する。
ステップS231では、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1であるか否か確認する。ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合には、始動口ポインタをクリアして(ステップS239)、処理を終了する。つまり、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になっていた場合にはステップS232以降の処理を実行しない。すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態であるということは、特定処理(いずれの始動入賞口13,14への入賞が生じたのかを特定する処理)において誤判定されたという事態は生じないのであるから、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合しているか否かの確認処理(ステップS232〜S238)を行うことなく、始動口ポインタをクリアして処理を終了する。
ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1でない場合(ビット6とビット7とのうちの一方のみが1である場合)には、CPU56は、始動口ポインタが「第2」を示しているか否か確認する(ステップS232)。始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット6が1であるか否か確認する(ステップS233)。ステップS211,S212の処理で、入力ポート0のビット6が1であるときに始動口ポインタに「第2」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、入力ポート0のビット6が1であるはずである。入力ポート0のビット6が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット6が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すために、始動口ポインタをクリアし(ステップS237)、入力ポート0(図12参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードした後(ステップS238)、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第2保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第2保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS234)。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合すなわち「第1」を示している場合には、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット7が1であるか否か確認する(ステップS235)。ステップS211,S213の処理で、入力ポート0のビット7が1であるときに始動口ポインタに「第1」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、入力ポート0のビット7が1であるはずである。入力ポート0のビット7が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット7が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すためにステップS237,S238の処理を実行し、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第1保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第1保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS236)。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、入力ポート0に入力された検出信号にもとづいて特定処理(いずれの始動口への入賞が生じたのかを特定する処理)を実行した後、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合していないときには、再度特定処理を実行するので、第1始動入賞口13への入賞が生じたのか第2始動入賞口14への入賞が生じたのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値である4であるときに第1始動入賞口13への入賞が生じた場合には、その入賞は有効な始動入賞とは見なされないが、その第1始動入賞口13への入賞が誤って第2始動入賞口14への入賞であると判定された場合には、第2保留記憶数の値が増やされる(第2保留記憶数が上限値である4でない場合)。つまり、有効な始動入賞とされるべきではないのに、有効な始動入賞とされてしまう。この実施の形態では、そのような状況が生ずる可能性が低減する。
ただし、再度特定処理を実行するように構成しなくてもよい。そのように構成する場合に、ステップS231〜S238の処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、プログラム容量が、再度特定処理を実行する場合に比べて削減される。なお、再度特定処理を実行しないように構成する場合には、図15におけるステップS231に移行する処理に代えてステップS239に移行するようにプログラムを構成する。
また、特定処理を際限なく繰り返し実行してしまう事態を防止するため、特定処理を所定回数(例えば2回)繰り返し実行した後には、ステップS231〜S238の処理を実行せずに、保留記憶特定情報記憶領域に記憶したデータや、保留記憶数バッファに格納した乱数値をクリアして、始動口スイッチ通過処理を終了するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズなどの影響によって特定処理を際限なく繰り返し実行してしまい、遊技機が動作しなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、ステップS231〜S238の処理を実行した後に、再度特定処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、ステップS238の処理を実行したら始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容は、以後にステップS214B,S216の処理が実行されるときに新たに抽出された乱数値で上書きされるが、ステップS238の処理を実行して始動口スイッチ通過処理を終了する場合に(この実施の形態のようにステップS238の処理を実行してステップS211に移行する場合も同様)、念のため、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容をクリアするようにしてもよい。
なお、再度ステップS211以降の処理が実行される場合に、再びステップS218,S219の処理が実行されると、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが二重に送信されることになる。そのような状況になることを避けるには、第1始動入賞口13への入賞が生じたのか第2始動入賞口14への入賞が生じたのかが確実に判定された時点で、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、ステップS311,S312の処理の実行後にステップS313のサブルーチンを実行するように構成したが、ステップS313のサブルーチンを実行するのではなく、ステップS311,S312の処理に続けて、ステップS312でN(すなわち、始動入賞あり)と判定したときにステップS211〜S239の処理を実行するように構成してもよい。
始動口スイッチ通過処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが始動口ポインタに設定される。そして、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。例えば、ステップS214Bの処理を例にすると、具体的には、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、ステップS214Bの処理の最初で第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS214Bの処理を例にしたが、ステップS216およびステップS218の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS216の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定(ステップS218の場合)を行うことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図17は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図17に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS214Bで始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS215で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS216の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポイン
タを更新する。例えば、図17に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図17に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図17に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図17に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS217の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図16(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。このような処理によって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞が発生した順序で、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行するように制御されることになる。
なお、CPU56は、保留特定領域(図16(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する処理を行う代わりに、第2保留記憶数の値(第2保留記憶数カウンタのカウント値)を確認し、第2保留記憶数が0であれば、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定し、第2保留記憶数が0でなければ(すなわち、第2保留記憶数カウンタの値が1〜4であれば)、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。このような処理によって、第2保留記憶数が0でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を、第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御することができる。なお、遊技状態が時短状態や確変状態のときにのみ(時短状態のときのみ、確変状態のときのみ、または時短状態または確変状態のときのみ)、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御してもよい。すなわち、遊技状態を確認し、遊技状態が通常遊技状態のときは、始動入賞が発生した順序で第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行し(上記のステップS52〜S54の処理を実行し)、遊技状態が時短状態や確変状態のときは、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御する。この場合、時短状態や確変状態のときは、可変入賞球装置15が高い頻度で開放し、第2始動入賞口14に数多くの遊技球が入賞する可能性が高いため、第2始動入賞口14への無効始動入賞(第2保留記憶数が4に達した後に発生する第2始動入賞の発生)の発生確率が高くなるが、時短状態や確変状態のときに第2特別図柄の変動表示を優先して実行することにより、第2始動入賞口14への無効始動入賞の発生を低減させることができる。
なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が多いかを判断し、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を優先して実行するようにしてもよい。例えば、ステップS52で第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認し、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多ければ、ステップS53に移行して第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにし、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くなければ、ステップS54に移行して第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。なお、この場合、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であった場合には、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよいし、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうち多い方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行することができる。また、保留記憶数が多い方の始動入賞口への入賞にもとづく変動を優先的に開始できるので、始動入賞口への無効始動入賞の発生を低減することができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(つまり、第1保留記憶数=1に対応する保存領域のアドレスを指定して各乱数値を読み出し、読み出した各乱数値を乱数格納バッファに格納する)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(つまり、第2保留記憶数=1に対応する保存領域のアドレスを指定して各乱数値を読み出し、読み出した各乱数値を乱数格納バッファに格納する)。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(つまり、各保存領域の内容をシフトし、指定されているアドレスを初期値に戻して第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する)。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(つまり、各保存領域の内容をシフトし、指定されているアドレスを初期値に戻して第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する)。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
なお、図17に示すような共通保留記憶数バッファを用いる場合、ステップS52において、CPU52は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよいし、共通保留記憶数バッファの各保留記憶特定情報保存領域に「第2」を示すデータがセットされているか否かを確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよい。そして、第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS53参照)。また、第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54参照)。
次いで、例えば、特別図柄ポインタが「第1」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第1」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。また、例えば、特別図柄ポインタが「第2」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第2」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。そして、ステップS56において、特定した保留記憶特定情報保存領域およびその次のアドレスに対応する乱数値保存領域以降の保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の内容をシフトするようにしてもよい。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理も、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)またははずれとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図7(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図7(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしない場合には(はずれとすることに決定された場合には)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS79)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。そして、ステップS80に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄を決定する(ステップS73)。この実施の形態では、確変大当りとすることに決定された場合には、停止図柄が確変図柄に決定されることになり、通常大当りとすることに決定された場合には、停止図柄が通常大当り図柄に決定されることになる。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS74,S75)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS80)。なお、確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、ステップS55〜S79に示すように、第1特別図柄の変動表示を行なう場合と第2特別図柄の変動表示を行なう場合とで、各乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理(ステップS55〜S57参照)、大当りの判定処理(ステップS61〜S79参照)を共通化する場合を示したが、別々の処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S79の処理を実行する。また、CPU56は、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S79と同様の処理を実行する。なお、乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理、大当りの判定処理を別処理として構成する場合に、一部の処理のみを共通のサブルーチンとして構成するようにしてもよい。例えば、ステップS61〜S79の大当りの判定処理のみを共通のサブルーチンとして構成し、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S79の処理を実行した後に、大当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。また、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S79と同様の処理を実行した後に、大当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するように構成されているが、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されていてもよい。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。そして、ステップS213以降の処理を実行する。
大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212)。そして、ステップS213以降の処理を実行する。
大当り用変動パターン決定テーブルには、図9に示す大当りのときに選択される変動パターン(「00H」,「01H」,「06H」,「07H」,「08H」,「09H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、図9に示すはずれのときに選択される変動パターン(「00H」,「01H」,「02H」,「03H」,「04H」,「05H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルは、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルが用いられる。ただし、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとを異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
ステップS213では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが演出表示装置9において実行される飾り図柄の変動パターンと決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS214)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS215)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS216)。
図21は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、はずれまたは決定されている大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。そして、ステップS119に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に(ステップS111のY)、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定されているか否かを確認する(ステップS115)。なお、特別図柄ポインタは、特別図柄通常処理(ステップS300)のステップS53またはステップS54で設定される。
CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定されている場合に(つまり、第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っている場合に)、確変昇格演出を実行しないことに決定し(ステップS115のY,S117A)、ステップS118に移行する。
CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定されていない場合に(つまり、第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っている場合に)、ランダム3を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム6を抽出する(ステップS115のN,S116)。そして、CPU56は、ランダム3の値にもとづいて確変昇格演出を実行するか否か決定する(ステップS117)。すなわち、ROM54における図8に示すような昇格判定値(確変昇格演出を実行することに対応する判定値)が設定されているテーブルに、ランダム3の値と一致する昇格判定値があった場合には、確変昇格演出を実行することに決定する。
その後、CPU56は、表示結果2指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。いずれの演出制御コマンドを送信するのかは、大当り種別を示すデータと確変昇格演出を実行するか否かとにもとづいて判定される。具体的には、例えば、通常大当りであって確変昇格演出を実行しないことに決定された場合に表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う。また、例えば、通常大当りであって確変昇格演出を実行することに決定された場合に表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う。また、例えば、確変大当りであって確変昇格演出を実行しないことに決定された場合に表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う。また、例えば、確変大当りであって確変昇格演出を実行することに決定された場合に表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う。
ステップS119では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する。
本実施の形態では、上述したステップS115の処理によって、第1特別図柄についての大当りでは確変昇格演出が実行されることはなく、第2特別図柄についての大当りについてのみ確変昇格演出が実行される場合があるように構成されているので、大当りが第2特別図柄についての大当りであるのか否かによって実行される演出を異ならせて、遊技興趣を向上させることができる。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS143に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134,S135)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。具体的には、確変大当りとすることに決定されている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、確変大当りとすることに決定されているか否かは、大当り種別を示すデータにもとづいて判定される。
また、大入賞口制御タイマ大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS141では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS143)。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS144,S145)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。例えば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図25および図26は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば5秒である。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS442,S447)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS450)。
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでない場合に、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS445)。そして、ステップS449に移行する。
図27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS451)。大入賞口制御タイマの値が0でない場合には(ステップS452)、処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になった場合には、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS453,S454)。また、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでない場合には(ステップS455)、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットし(ステップS455)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS456)。
また、大当りフラグをリセットし(ステップS457)、RAM55における大当り種別を示すデータをクリア(0にする)する(ステップS458)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS459)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。次いで、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、共通の飾り図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した図柄変動指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄いずれの変動であるかを特定し、特定した飾り図柄に対応する飾り図柄表示器9a,9bに表示信号を出力するように制御する。
図29は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10参照)であるのか解析する。
図30〜図32は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、格納した表示結果特定コマンドにもとづいて、飾り図柄および演出図柄の停止図柄を決定する(ステップS619)。具体的には、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドを受信して格納した場合に、演出図柄の停止図柄を通常大当り図柄(左中右停止図柄が偶数の揃い図柄(例えば、「222」))に決定する。また、表示結果4指定コマンドを受信して格納した場合に、演出図柄の停止図柄を確変大当り図柄(左中右停止図柄が奇数の揃い図柄(例えば、「777」))に決定する。また、表示結果1指定コマンドを受信して格納した場合に、演出図柄をはずれ図柄(左中右停止図柄が左右で不一致な図柄(例えば(「112」)や、左右のみ一致する図柄(例えば「121」))に決定する。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。なお、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信することなく、同じ合算保留記憶数指定コマンドを2回受信した場合には、1回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドを破棄し(例えば、合算保留記憶数保存領域を一旦クリアし)、2回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータを合算保留記憶数保存領域に格納するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
なお、図14のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するように構成されている場合は、ステップS651において、その保留記憶数指定コマンドを所定の保存領域(保留記憶数保存領域)に格納する処理が行われる。
図33は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図33に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図33(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図33(B)参照)。
図34は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図34(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様で(例えば、同じ形および同じ色で)表示するようにしてもよい。
図34(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図34(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図34(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図34(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図34(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図34(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
なお、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状(例えば、星印)を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のうち、あらかじめ定めたいずれか一方の色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、合算保留記憶表示部18cに常に赤色の丸印を表示してもよいし、常に緑色の丸印を表示してもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかをランダムに決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、乱数を用いた抽選処理により赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定して、合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、第1保留記憶数が上限値(4)である場合には、第2始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。逆に、例えば、第2保留記憶数が上限値(4)である場合には、第1始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。また、第1保留記憶数や第2保留記憶数が上限値でなくても、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、少ない方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数(例えば2)が第2保留記憶数(例えば3)より少なければ、赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。また、逆に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、多い方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、合算保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、合算保留記憶数が多いということは、可変入賞球装置15が開状態となり第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、合算保留記憶数が所定値(例えば4)以上であるか否かを判断し、所定値以上であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、所定値未満であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、遊技状態にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、遊技状態が高ベース状態になっているということは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められ第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、高ベース状態であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、低ベース状態であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
図70は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。また、昇格演出中フラグがセットされている場合には、昇格演出決定処理で決定された演出態様に従って、確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図36は、図35に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS823)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS824)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS825)。
図38は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図38に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図40は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS877に移行する。この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S873の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS872の処理で大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872の処理で大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS877)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS879)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、ステップS879の処理では、演出制御用CPU101は、通常大当りまたは確変大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド、表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドを受信しているとき:図10参照)には、「15回開放遊技開始報知」に対応するプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS882)。
図41は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS902)。そして、プロセスタイマの値が0になった(プロセスタイマがタイムアウトした)か否か確認する(ステップS903)。プロセスタイマがタイムアウトした場合には、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS904)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS905)。
大入賞口開放中フラグがセットされている場合には、大入賞口開放中指定コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS909)。なお、ステップS909では、第1ラウンドに応じたラウンド中演出が選択される。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS910A)、演出許可タイマに演出許可時間に応じた値をセットし(ステップS910B)、ラウンド中演出に応じたプロセステーブル(「15回開放内第1回開放中演出」に応じたプロセステーブル)を選択する(ステップS911)。なお、演出許可時間は、例えば、確変昇格演出が実行される時間よりも長い時間である。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS912)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS913)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS914)。
図42および図43は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1902)。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1902のN)、演出制御用CPU101は、確変昇格演出の実行ラウンドであることを示す昇格演出開始待ちフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903)。なお、昇格演出開始待ちフラグは、ラウンド中処理において、確変昇格演出中に大入賞口開放後フラグがセットされた場合(つまり、確変昇格演出中にラウンドが終了して、当該確変昇格演出が中断した場合(ステップS1902のY,S1911のY))にセットされる(ステップS1913参照)。昇格演出開始待ちフラグがセットされている場合には、昇格演出開始待ちフラグをリセットし(ステップS1904)、ステップS1939に移行する。昇格演出の態様を決定する昇格演出決定処理(ステップS1950)の後の処理であるステップS1939に移行するのは、中断した確変昇格演出と同様な確変昇格演出を再度実行するためである。なお、ステップS1939に移行する代わりに、昇格演出決定処理(ステップS1950)に移行してもよい。そのように構成された場合には、中断した確変昇格演出と異なる確変昇格演出を実行することが可能になる。
昇格演出開始待ちフラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグまたは第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1905)。第1始動入賞フラグまたは第2始動入賞フラグがセットされている場合に(ステップS1905のY)、演出制御用CPU101は、ラウンド中に始動入賞が発生したとしてステップS1930に移行する。第1始動入賞フラグおよび第2始動入賞フラグがセットされていない場合に(ステップS1905のN)、演出制御用CPU101は、演出許可タイマの値を1減算し(ステップS1906)、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1907)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1908)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS1909)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1910)。
演出制御用CPU101は、ステップS1930の処理で、確変昇格演出が実行中であることを示す昇格演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1930)。昇格演出中フラグがセットされている場合に(ステップS1930のY)、演出制御用CPU101は、昇格演出期間タイマの値を1減算する(ステップS1931)。なお、昇格演出期間タイマには、確変昇格演出の実行開始時に、確変昇格演出の実行期間に応じた値が設定される(ステップS1940参照)。
そして、演出制御用CPU101は、昇格演出期間タイマがタイムアウトしていない場合に(ステップS1932のN)、ステップS1907に移行し、昇格演出期間タイマがタイムアウトした場合に(ステップS1932のY)、昇格演出中フラグをリセットし(ステップS1933)、確変昇格演出を実行済みであることを示す昇格演出済みフラグをセットして(ステップS1934)、ステップS1907に移行する。
演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグがセットされていない場合に(ステップS1930のN)、昇格演出済みフラグがセットされているか否か確認する(ステップS3935)。昇格演出済みフラグがセットされている場合に(ステップS1935のY)、ステップS1907に移行する。従って、一の大当り遊技で既に確変昇格演出が実行された場合に、再度の確変昇格演出の実行を防ぐことができる。演出制御用CPU101は、昇格演出済みフラグがセットされていない場合に(ステップS1935のN)、表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているか否か確認する(ステップS1936)。表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドは、コマンド解析処理(ステップS704)のステップS618で、表示結果特定コマンド格納領域に格納される(図30参照。)。なお、表示結果3指定コマンドおよび表示結果5指定コマンドは、いずれも確変昇格演出の実行を指定する表示結果指定コマンドである(図10参照。)。
演出制御用CPU101は、表示結果3指定コマンドおよび表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されていない場合に(ステップS1936のN)、ステップS1907に移行する。表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されている場合に(ステップS1936のY)、演出制御用CPU101は、演出許可タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS1937)。演出制御用CPU101は、演出許可タイマがタイムアウトしている場合に(ステップS1937のY)、ステップS1907に移行する。演出許可タイマがタイムアウトしていない場合に(ステップS1937のN)、確変昇格演出の内容を決定する昇格演出決定処理を実行する(ステップS1950)。本実施の形態では、演出許可タイマがタイムアウトしている場合にステップS1907に移行するように構成されているので、ステップS910Bで、演出許可タイマに、演出許可時間に応じた値として確変昇格演出が実行される時間よりも長い時間に応じた値をセットすることにより、確変昇格演出の実行中にラウンド遊技が終了して確変昇格演出が途中で終了してしまうことを防ぐことができる。なお、昇格演出決定処理(ステップS1950)については後述する。
演出制御用CPU101は、昇格演出決定処理(ステップS1950)での決定結果に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS1939)、昇格演出期間タイマに当該決定結果に応じた演出期間に相当する値を設定する(ステップS1940)。そして、演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグをセットし(ステップS1941)、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1942)、ステップS1910に移行する。
演出制御用CPU101は、ステップS1902の処理で、大入賞口開放後フラグがセットされていることを確認した場合に(ステップS1902のY)、昇格演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1911)。演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグがセットされていない場合に(ステップS1911のN)、ステップS1914に移行し、昇格演出中フラグがセットされている場合に(ステップS1911のY)、昇格演出中フラグをリセットし(ステップS1912)、昇格演出開始待ちフラグをセットして(ステップS1913)、ステップS1914に移行する。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1914)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS1915)。
演出制御用CPU101は、ステップS1901の処理で大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされていることを確認した場合には(ステップS1901のY)、大当り遊技のエンディング演出を選択するエンディング演出選択処理(ステップS1916)を実行する。
図44は、エンディング演出選択処理(ステップS1916)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、エンディング演出選択処理で、昇格演出中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1981)。昇格演出中フラグがセットされている場合に(ステップS1981のY)、演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグをリセットして(ステップS1982)、通常のエンディング演出を選択する(ステップS1984)。
演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグがセットされていない場合に(ステップS1981のN)、昇格演出済みフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1985)。昇格演出済みフラグがセットされている場合に(ステップS1985のY)、ステップS1984に移行する。演出制御用CPU101は、昇格演出済みフラグがセットされていない場合に(ステップS1985のN)、表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているか否か確認する(ステップS1986)。
演出制御用CPU101は、表示結果3指定コマンドおよび表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されていない場合に(ステップS1986のN)、ステップS1984に移行する。表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されている場合に(ステップS1936のY)、演出制御用CPU101は、確変昇格演出の内容を決定する昇格演出決定処理を実行する(ステップS1950)。昇格演出決定処理(ステップS1950)については後述する。なお、確変昇格演出を実行するか否かを昇格演出決定処理(ステップS1950)で決定することなく、確変昇格演出を実行することに決定してもよい。そのように構成された場合には、確変昇格演出が必ず実行され、遊技興趣を向上させることができる。そして、演出制御用CPU101は、昇格演出決定処理(ステップS1950)での決定結果に応じたエンディング演出を選択する(ステップS1988)。本実施の形態では、大当り遊技中に始動入賞フラグがセットされなかった場合(つまり、ステップS1905のY以降の処理が実行されなかった場合)、確変昇格演出は実行されず、昇格演出中フラグおよび昇格演出済みフラグはセットされない。本実施の形態では、そのような場合であっても(つまり、確変昇格演出の実行条件である大当り遊技中の始動入賞口への入賞が発生しない場合であっても)、エンディング演出で確変昇格演出を実行することができる。
演出制御用CPU101は、エンディング演出選択処理(ステップS1916)の終了後に、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1919)、エンディング演出選択処理(ステップS1916)で選択したエンディング演出に対応するプロセステーブルを選択する(ステップS1920)。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS1921)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1922)。また、演出制御用CPU101は、エンディング演出の期間を決めるための大当り終了演出期間タイマにエンディング演出の期間に相当する値を設定する(ステップS1923)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS1924)。
図45は、昇格演出決定処理(ステップS1950)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、昇格演出決定処理(ステップS1950)で、演出決定用乱数を抽出する(ステップS1951)。本例では、演出決定用乱数値は0〜9の値のうちいずれかであるとし、乱数更新処理(ステップS709)で更新される。
演出制御用CPU101は、抽出した乱数値と判断基準選択用テーブルとにもとづいて、第1判断基準または第2判断基準を選択する。図46は、判断基準選択用テーブルを示す説明図である。図46に示す例では、演出制御用CPU101は、抽出した乱数値が0〜4である場合に第1判断基準を選択し、抽出した乱数値が5〜9である場合に第2判断基準を選択する。つまり、本実施の形態では、確変昇格演出を実行するか否かの基準が複数選択的になっており、遊技演出パターンが多様化されている。
演出制御用CPU101は、第1判断基準を選択した場合に(ステップS1953のY)、現在の大当り遊技のラウンド数が奇数ラウンドであるか否かを確認する(ステップS1954)。現在のラウンド数は、例えば、ラウンド数を計数するためのカウンタをRAMに設け、1ラウンドが経過する毎にカウンタを+1し、カウンタのカウント値にもとづいて確認したり、大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目で指定されるラウンド数と演出開始時期(ラウンド)を示すデータとを比較することによって確認することができる。
演出制御用CPU101は、現在の大当り遊技のラウンド数が奇数ラウンドである場合に(ステップS1954のY)、ステップS1956に移行し、現在の大当り遊技のラウンド数が奇数ラウンドでない場合に(ステップS1954のN)、ステップS1958に移行する。
また、演出制御用CPU101は、第2判断基準を選択した場合に(ステップS1953のN)、現在の大当り遊技のラウンド数が7〜9ラウンドのいずれかであるか否かを確認する(ステップS1955)。そして、現在の大当り遊技のラウンド数が7〜9ラウンドのいずれかである場合に(ステップS1955のY)、ステップS1956に移行し、現在の大当り遊技のラウンド数が7〜9ラウンドのいずれかでない場合に(ステップS1955のN)、ステップS1958に移行する。従って、本実施の形態では、複数回のラウンド遊技のうち、終盤のラウンドである7〜9ラウンドのいずれかである場合に、ステップS1956に移行される。よって、複数回のラウンド遊技のうち、終盤のラウンドまで遊技者の高い遊技興趣を維持することができる。なお、ステップS1956に移行するのか、またはステップS1958に移行に移行するのかを所定の乱数値にもとづいて決定してもよい。そのように構成された場合には、確変昇格演出を実行するか否かがランダムに決定され、遊技興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU101は、ステップS1956で、表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているか否か確認する(ステップS1956)。そして、表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されている場合に(ステップS1956のY)、ステップS1957に移行し、表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されていない場合に(ステップS1956のN)、ステップS1958に移行する。
演出制御用CPU101は、ステップS1957で、実行する確変昇格演出を、確変昇格することを示す演出に決定する(ステップS1957)。また、演出制御用CPU101は、ステップS1958で、実行する確変昇格演出を、確変昇格することを示さない演出に決定する(ステップS1958)。ここで、確変昇格の報知条件(本実施の形態では、大当り遊技中の始動入賞)が成立したときには常に確変昇格するか否かを報知するように構成されている場合には、大当り遊技の序盤に確変昇格演出によって確変昇格することが示されないと遊技者による確変昇格への期待感がなくなり遊技興趣が低下する。本実施の形態では、確変昇格演出によって確変昇格するか否かを報知する場合(ステップS1956の処理の後にステップS1957またはステップS1958の処理を実行する場合)と、確変昇格するか否かに関わらず確変昇格することを示さない演出を実行する場合(ステップS1954のNまたはステップS1955のNの後に、ステップS1958の処理を実行する場合)とがあるので、大当り遊技の終盤でも遊技者に確変昇格に対する期待感を維持させることができる。
図47は、ラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理(ステップS806)において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1871)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には(ステップS1871のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1872)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1873)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS1874)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1875)。
大入賞口開放中フラグがセットされている場合には(ステップS1871のY)、演出制御用CPU101は、昇格演出開始待ちフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1877)。昇格演出開始待ちフラグがセットされているということは、確変昇格演出が最後まで実行されなかったことを意味する。具体的には、例えば、確変昇格演出が途中で終了してしまったことを意味する。その場合には(ステップS1877のY)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS1888)。つまり、本実施の形態では、例えば、確変昇格演出が途中で終了してしまった場合には、ラウンド中処理に移行して次のラウンドの処理が開始され、当該ラウンドのラウンド中処理(具体的には、ステップS1903のY以降の処理)で確変昇格演出が実行される。従って、確変昇格演出が途中で終了してしまった場合であっても、確実に確変昇格演出を実行することができる。
昇格演出開始待ちフラグがセットされていない場合には(ステップS1877のN)、大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目で指定されるラウンド数および確変昇格演出の実行の有無に応じてラウンド中演出を選択する(ステップS1881)。ステップS1881の処理では、演出制御用CPU101は、確変昇格演出を実行しない場合には、「15回開放内第n回開放中演出(確変昇格演出なし)」(n:1〜15)を選択する。確変昇格演出を実行する場合には、「15回開放内第n回開放中演出(確変昇格演出なし)」(n:1〜15)を選択する。
そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1882)、選択したラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1883)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1884)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1885)。そして、演出許可タイマに、演出許可時間に相当する値をセットする(ステップS1887)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS1888)。
以上のような制御によって、大当り遊技状態における所定のラウンドが開始されたときから所定時間(例えば、5秒、8秒または12秒)が経過する前にラウンド終了条件が成立したときには、所定のラウンドの次のラウンド以降の期間において、確変状態への移行条件が成立したことを報知するための報知演出が実行される。なお、所定のラウンドが開始されたときから所定時間が経過する前にラウンド終了条件が成立したときとは、例えば、所定時間が経過する前に大入賞口への入賞個数が所定数に達したとき(図42におけるステップS1902参照)であるが、ラウンド終了条件として、大入賞口への入賞個数が所定数に達したこと以外の他の条件を用いてもよい。他の条件として、例えば、大入賞口以外の特定の入賞口等の所定の役物に遊技球が入賞したり、ゲート等の所定の役物を遊技球が通過したりすることがある。
図48は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出期間タイマの値を1減算する(ステップS970)。大当り終了演出期間タイマの値が0になった場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS977)。また、演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグおよび昇格演出済みフラグがセットされていればリセットする。
大当り終了演出期間タイマの値が0になっていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS973)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS975)。
次に、図49を参照して確変昇格演出の具体例を説明する。図49は、大当り遊技中に実行される確変昇格演出の具体例を示す説明図ある。ここでは、第7ラウンドおよびインターバル期間(第7ラウンドと次ラウンドとの間)において確変昇格演出が実行される場合を例にする。図49には、演出表示装置9において、飾り図柄の可変表示が実行され((a),(b)参照)、左右図柄が揃って停止してリーチになり((c)参照)、その後、大当り図柄が導出表示された((d)参照)が示されている。そして、大当りになったことの報知がなされた後((e)参照)、大当り遊技に関する演出が実行される((f),(g),(m)参照)。第7ラウンドでは、確変昇格演出が実行されることを示す報知画面が表示され((h),(i)参照)、福引き抽選機が回転して玉を排出したかのような昇格演出が実行される((j)〜(l)参照)。遊技制御用マイクロコンピュータ560が確変大当りにすることに決定している場合には、確変を報知する玉が排出される画面((k)参照)が演出結果として表示され、確変大当りにしないことに決定している場合には、確変でないことを報知する玉が排出される画面((l)参照)が演出結果として表示される。
図50および図51は、演出表示装置9において実行されるエンディング演出における確変昇格演出の表示例を示す説明図である。図50および図51において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。図50には、確変大当りとすることが事前決定されている場合に、確変報知演出において確変に昇格したことを報知する場合が示されている。また、図51には、通常大当りとすることが事前決定されている場合であって、確変報知演出において確変に昇格しなかったことを報知する場合が示されている。
演出制御用CPU101は、昇格演出決定処理(ステップS1950)におけるステップS1957で、実行する確変昇格演出を、確変昇格することを示す演出に決定した場合に、大当り終了指定コマンドを受信したときに、確変昇格することを示す確変報知演出を含むエンディング演出を選択する。確変報知演出を行う場合、図50(1)および図50(2)に示すように、例えば、演出表示装置9においてルーレットが表示される。図50(1)および図50(2)に示すように、演出表示装置9において、ルーレットの中を球が回転する表示が行われる。
図50および図51に示すように、演出表示装置9に表示されるルーレットの円盤内には、飾り図柄を想起させる数字が示された複数の領域が含まれる。実行する確変昇格演出を、確変昇格することを示す演出に決定した場合には、図50(3)に示すように、ルーレットの円盤内の各領域のうち、確変大当りを想起させる数字(例えば7)が示された領域で球が最終停止する表示が行われる。そして、図50(4)に示すように、演出表示装置9の画面上に「確変大当り」という文が表示される。このような表示が確変に昇格した旨の表示に該当する。
演出制御用CPU101は、昇格演出決定処理(ステップS1950)におけるステップS1958で、実行する確変昇格演出を、確変昇格することを示さない演出に決定した場合に、大当り終了指定コマンドを受信したときに、確変昇格することを示さない確変報知演出を含むエンディング演出を選択する。確変報知演出を行う場合、図51(1)および図51(2)に示すように、例えば、演出表示装置9においてルーレットが表示される。図51(1)および図51(2)に示すように、演出表示装置9において、ルーレットの中を球が回転する表示が行われる。
実行する確変昇格演出を、確変昇格することを示さない演出に決定した場合には、図51(3)に示すように、ルーレットの円盤内の各領域のうち、通常大当りを想起させる数字(例えば2)が示された領域で球が最終停止する表示が行われる。そして、図51(4)に示すように、演出表示装置9の画面上に「確変に昇格しませんでした」という文が表示される。このような表示が確変に昇格したことを示さない表示に該当する。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、遊技球が大当り遊技中に所定領域(始動入賞口(第1始動入賞口13および第2始動入賞口14))を通過しなかった場合であっても、エンディング演出で確変昇格演出を実行するので、確変昇格することの報知演出を違和感なく実行することができるという効果を奏する。このことは、始動入賞口(第1始動入賞口13および第2始動入賞口14)が大入賞口の近傍に設置されておらず、遊技球が大当り遊技中に所定領域(始動入賞口)を通過しづらい遊技機に、特に有効である。
実施の形態2.
本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。図52は、第2の実施の形態のエンディング演出選択処理を示すフローチャートである。図52に示すように、第2の実施の形態の演出制御用CPU101は、エンディング演出選択処理で、昇格演出中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1981)。昇格演出中フラグがセットされている場合に(ステップS1981のY)、演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグをリセットする(ステップS1982)。また、昇格演出待ちフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1983A)。昇格演出待ちフラグがセットされている場合に(ステップS1983AのY)、演出制御用CPU101は、昇格演出待ちフラグをリセットする(ステップS1983B)。演出制御用CPU101は、通常のエンディング演出を選択し(ステップS1984)、処理を終了する。従って、本実施の形態のエンディング演出選択処理では、図44に示す第1の実施の形態のエンディング演出選択処理と異なり、確変昇格を示すエンディング演出が選択されることはないので、ラウンド後処理および大当り終了演出処理で確変昇格を示すエンディング演出が実行されることはない。なお、本実施の形態では、ステップS1983Bの処理で昇格演出待ちフラグをリセットするように構成されているが、ステップS1983Bの処理で昇格演出待ちフラグをリセットせず、時短状態で確変昇格演出を実行するように構成されていてもよい。そして、時短状態における背景画像には、通常状態と同様な背景画像を用いてもよいし、通常状態と異なる背景画像を用いてもよい。
図53は、第2の実施の形態の大当り終了演出処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態の大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出期間タイマの値を1減算する(ステップS970)。大当り終了演出期間タイマの値が0になった場合には、表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているか否か確認する(ステップS976A)。表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されていれば(ステップS976AのY)、演出制御用CPU101は、昇格演出済みフラグがセットされているか否か確認し(ステップS976B)、昇格演出済みフラグがセットされていれば(ステップS976BのY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されている背景画像を確変状態に応じた背景画像に変更し、ステップS977に移行する。
表示結果4指定コマンドおよび表示結果5指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されていない場合(ステップS976AのN)、および昇格演出済みフラグがセットされていない場合(ステップS976BのN)、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されている背景画像を通常状態に応じた背景画像に変更し、ステップS977に移行する。そして、演出制御用CPU101は、ステップS977で、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS977)。
大当り終了演出期間タイマの値が0になっていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS973)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS975)。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、大当り遊技中に確変昇格演出の実行条件が成立しない場合には、確変昇格演出は実行されないので、遊技者に違和感を与える演出を実行することを防ぐことができる。なお、大当り終了演出処理におけるステップ976Cの処理およびステップS976Dの処理で、確変状態であるのか、または通常状態であるのかに応じて背景画像が変更されるので、大当り遊技の終了後には、遊技状態に応じた演出が実行される。
実施の形態3.
本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。図54は、第3の実施の形態のラウンド中処理を示すフローチャートである。図54に示すように、第3の実施の形態のラウンド中処理では、図42に示す第1の実施の形態のラウンド中処理と異なり、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグも、大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1901のN,S1902のN)、確変昇格演出の実行ラウンドであることを示す昇格演出開始待ちフラグがセットされているか否かに関わらず、ステップS1939に移行せずに(つまり、図42に示す第1の実施の形態のステップS1903の処理を実行することなく)、ステップS1905に移行する。従って、前ラウンドで、確変昇格演出が途中で終了したこと等によって昇格演出待ちフラグがセットされていても、次ラウンドにおいて確変昇格演出が実行されることはない。
図55は、第3の実施の形態のラウンド後処理を示すフローチャートである。図55に示すように、第3の実施の形態のラウンド後処理では、図47に示す第1の実施の形態のラウンド後処理と異なり、大入賞口開放中フラグがセットされている場合には(ステップS1871のY)、演出制御用CPU101は、昇格演出開始待ちフラグがセットされているか否かに関わらず、ステップS1881に移行する。従って、前ラウンドで、確変昇格演出が途中で終了したこと等によって昇格演出待ちフラグがセットされていても、次ラウンドにおいて確変昇格演出が実行されることはない。
図56は、第3の実施の形態のエンディング演出選択処理を示すフローチャートである。図56に示すように、第3の実施の形態のエンディング演出選択処理では、演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS1981)、昇格演出中フラグがセットされている場合に(ステップS1981のY)、昇格演出中フラグをリセットして(ステップS1982)、昇格演出決定処理(ステップS1950)での決定結果に応じたエンディング演出を選択する(ステップS1988)。
また、演出制御用CPU101は、昇格演出中フラグがセットされていない場合に(ステップS1981のN)、昇格演出開始待ちフラグがセットされているときには(ステップS1985AのY)、昇格演出決定処理(ステップS1950)での決定結果に応じたエンディング演出を選択し(ステップS1988)、昇格演出開始待ちフラグがセットされていないときには(ステップS1985AのN)、通常のエンディング演出を選択する(ステップS1984)。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、大当り遊技中のラウンドで、確変昇格演出が途中で終了したこと等によって昇格演出待ちフラグがセットされた場合に、次ラウンドにおいて確変昇格演出が実行することはないが、エンディング演出として確実に確変昇格演出を実行することができる。
なお、以上に述べた各実施の形態では、大当り遊技中の始動入賞(第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の入賞)を確変昇格演出の実行条件として例示したが、確変昇格演出の実行条件は他の条件であってもよい。
具体的には、例えば、大当り遊技中に所定の個数以上の始動入賞があったことや、大当り遊技中における一のラウンド中に所定の個数以上の始動入賞があったことを実行条件にしたりしてもよい。また、大当り遊技中に遊技球がゲート32を通過すること(具体的には、ゲートスイッチ32aがオン状態になること)を実行条件にしたりしてもよい。また、大当り遊技中に遊技球が入賞口29,30,33,39に入賞すること(具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオン状態になること)を実行条件にしたりしてもよい。また、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に10個入賞すること(具体的には、カウントスイッチ23が10回オン状態になること)を実行条件にしたりしてもよい。また、大当り遊技中に遊技球が大入賞口内の所定の領域を通過すること(具体的には、大入賞口内に設けられたVスイッチがオン状態になること)を実行条件にしたりしてもよい。また、大当り遊技中における所定のタイミングで遊技機に設置されたボタンが押下されること(具体的には、当該ボタンが押下されたか否かを検出するスイッチがオン状態になること)を実行条件にしたりしてもよい。また、大当り遊技中に遊技球が遊技領域に所定の回数以上発射されることを実行条件にしたりしてもよい。また、第1保留記憶数、第2保留記憶数、合算保留記憶数、または普通図柄保留記憶が所定の数以上であることを実行条件にしたりしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述した各実行条件が成立した場合に(各スイッチがオン状態になった場合に)、それらのスイッチがオン状態になったことを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、当該演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したコマンドに応じて確変昇格演出を実行するように構成されていてもよい。
さらに、上述した実行条件のうち、所定の数以上の実行条件が成立した場合に、確変昇格演出が実行されるとしてもよい。また、複数の実行条件を組み合わせて、成立した実行条件の組み合わせに応じて、確変昇格演出が実行されるとしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定モジュールを実行してはずれとすることに決定した場合に、所定のリーチ演出を実行するか否かを決定してもよい。そして、大当り判定モジュールの実行結果と、所定のリーチ演出を実行するか否かとにもとづいて、変動パターンの種別を決定し、決定した種別に含まれる変動パターンの中から変動パターンを決定してもよい。そのように構成された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定のリーチ演出を実行する旨の決定がなされたか否かに応じて異なる決定を行うことになり、制御負担を増大させることなく、変動パターンの種類を増やすことができる。