JP6299079B2 - 微細構造形成用光硬化型樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置用バックライトのプリズムシート、立体写真や投影スクリーン等に用いられるレンチキュラーレンズシート、及びプロジェクターのコンデンサーレンズ等に用いられるフレネスレンズシート、カラーフィルタ等に用いられる回折格子等の微細構造を形成するための微細構造形成用光硬化型樹脂組成物と、その硬化物に関する。
近年、液晶表示装置等のディスプレイ技術の急速な発展に伴って、それに用いられる光学シートについても、新しい機能を有するものや、より高品質なものに対する需要が高まっている。このような光学シートとしては、例えば、液晶表示装置等のバックライトに用いられるプリズムシート、立体写真や投影スクリーン等に用いられるレンチキュラーレンズシート、及びオーバーヘッドプロジェクターのコンデンサーレンズ等に用いられるフレネルレンズシート、カラーフィルタ等に用いられる回折格子等を挙げることができる。
上記光学シートは、通常、基材と、当該基材上に、所定の屈折率を備え表面に微細な凹凸形状を有し、該微細凹凸形状は、単位プリズム、単位レンズ等の単位凹凸構造を複数配列させて形成されるのが一般的である。また、上記光学シートは、上記凹凸形状において光を屈折、反射、或は回折等により変調させることで、所望の機能を発現するものであり、その用途に応じて上記微細凹凸形状を構成する樹脂材料、及び単位微細凹凸構造の形状が決定されるものである。
上記光学部材のうち、例えば、液晶表示装置などのバックライトとして使用されるプリズムシート(光学シート)は、当該光学シートのプリズム部(凹凸形状)の上に、更に他の光学シートや、拡散板、或いは拡散フィルムが積層されて用いられる。
このような積層体を製造する際に、衝撃または振動によって、上記光学シートのプリズム部が磨耗することがある。こうした単位プリズムの頂部の変形や欠けの問題は、表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせて表示性能を低下させることとなる。上記問題点を改善するために、従来、プリズム部に用いられる材料としては外的要因によって上記プリズム部の表面に付与された単位プリズムが変形した場合でも、これを元の形状に復元させることができる復元性を付与された光硬化型樹脂組成物を使用することについて種々提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2)。また、外的要因による表面の磨耗、欠けといった傷が付くと、光学機能欠陥の原因になるため、保護フィルムを使用したシート製法が一般的である。
特許第3209554号公報 特開2011−21114号公報
しかし、近年、製造コスト削減による保護フィルムを使用しないシート製法が進んでいることから、特に優れた復元性を付与したシートが要求さされている。また、保護フィルムレスにした場合、露出した従来の光学シート表面は帯電し易く、光学シートへの加工工程、表示装置の組立工程又は表示装置の使用時に塵埃が付着して、表示装置の画像表示機能に悪影響を及ぼす課題がある。
また、液晶表示装置の光源であるLEDランプは、高出力化しておりLEDランプ周辺が高温になることによって、光学シートが黄変、着色、劣化し、表示機能が低下する課題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、表面帯電防止性および耐熱黄変性に優れ、且つ、復元性および高屈折率を有する硬化物を形成するための微細構造形成用光硬化型樹脂組成物と、それを用い硬化させた微細構造形成用樹脂硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の成分を含む微細構造形成用光硬化型樹脂組成物を用いることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、(C)エチレンオキサイド変性及び/又はプロピレンオキサイド変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(D)光重合開始剤、(E)リチウム塩を含有する帯電防止剤、(F)下記化学式(1)で表される構造を含むフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする微細構造形成用光硬化型樹脂組成物及びその硬化物である。
Figure 0006299079
(化学式(1)中、Rはtert-ブチル基又はメチル基である。)
また、本発明の微細構造形成用樹脂硬化物は、それぞれ、硬化後の屈折率が1.56以上(上限に制限はないが、1.6程度)、動的粘弾性測定で測定される硬化物のガラス転移温度(Tg)が10℃以上、40℃以下、硬化物の表面抵抗値が、1×1010〜1×1015Ω/□の範囲、硬化物の初期色差(x、y)と150℃、150時間の促進耐熱試験後の色差(x、y)との差(Δx、Δy)が、Δx≦0.005、Δy≦0.005であると好ましい。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物は、帯電防止性を有し、長期信頼性における耐黄変性、基材密着性に優れた硬化物を形成することができる。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)エチレンオキサイド変性(EO変性)及び/又はプロピレンオキサイド変性(PO変性)されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを含有することにより、硬化物の柔軟性が更に高まり、当該硬化物の復元性を優れたものにすることができる。ここで、EO変性又はPO変性されたモノマー(上記EO変性又はPO変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート)は、もとの分子よりも分子鎖が長くなり、分子自体の動ける自由度が増すため、当該EO変性又はPO変性された樹脂、またはモノマーの柔軟性は増加する。これにより、硬化物の外力を吸収あるいは分散させる能力が向上し、当該硬化物は傷付き難くなると考えられる。
なお、(メタ)アクリレートは、それぞれアクリレートまたはメタクリレート及びそれらの混合物を意味する。
本発明に係る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、(B)オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが、硬化後の屈折率を高める点で有効である。
本発明に係る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、当該硬化性樹脂組成物の硬化後の屈折率が1.56以上であることが、輝度向上の点から好ましい。
本発明に係る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、リチウム塩を含ことで、その硬化物は導電性を有し、帯電防止機能を有している。また、高温多湿下に置かれた場合でもリチウム塩が表面にブリードし難いので、その透明性を維持でき、長期の環境信頼性を向上させることができる。
本発明に係る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、(F)特定のフェノール系酸化防止剤を含むことで、その硬化物が熱劣化、黄変、着色を抑制し、長期信頼性を向上させることができる。
以下において本発明を詳しく説明する。本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物は、紫外線又は電子線等の光により硬化する樹脂であり、(A)成分のポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有エチレン性不飽和化合物との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、(B)成分の下記化学式(2)で表わされるオルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、(C)成分の下記化学式(3)で表わされるエチレンオキサイド変性及び/又はプロピレンオキサイド変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(D)成分の光重合開始剤、(E)成分のリチウム塩を含有する帯電防止剤、(F)成分の下記化学式(1)で表される構造を含む酸化防止剤から成る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物及びその硬化物。
Figure 0006299079
(化学式(2)中、Rは水素原子又はメチル基である。)
Figure 0006299079
(化学式(3)中、Rは水素原子又はメチル基である。Xは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドであり、n及びmは、n+m=2〜50となるように選ばれる正の整数である。)
Figure 0006299079
(化学式(1)中、Rはtert-ブチル基又はメチル基である。)
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有エチレン性不飽和化合物との反応物である。ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。これらの中では、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが、硬化物の復元性を高める点で好ましい。
ポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有エチレン性不飽和化合物との反応物であるウレタン(メタ)アクリレートの有機ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。これらの中では、得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの屈折率を高める点から、芳香族環を含んだトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
ポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有エチレン性不飽和化合物との反応物であるウレタン(メタ)アクリレートの水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物において、ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量は、微細構造形成用光硬化型樹脂組成物の全質量に対して、5〜30質量%であることが好ましく、更に5〜25質量%であることが好ましく、特に10〜20質量%であることが好ましい。この割合が5質量%以上であると、光硬化型樹脂組成物の硬化性、硬化物の強度等が得られ、30質量%以下の場合、硬化物の屈折率、復元性等の物性バランスを保つことができる。
上記化学式(2)で表わされる(B)成分のオルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートは、樹脂の屈折率を高めるために微細構造形成用光硬化型樹脂組成物中に含有される。その含有量は、光硬化型樹脂組成物の全質量に対して、50〜70質量%であることが好ましく、更に55〜65質量%であることが好ましく、特に57〜62質量%であることが好ましい。
50質量%以上の場合、光硬化型樹脂組成物の硬化物が所定の屈折率を得ることができ、70質量%以下の場合、硬化物の復元性など所定の物性バランスを保つことが可能になる。
上記化学式(3)で表わされる(C)成分のEO変性及び/又はPO変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートは、上記2成分と共に光硬化型樹脂組成物中に含有されることで、当該光硬化型樹脂組成物の硬化物の柔軟性が更に高まり、当該硬化物の復元性を優れたものにすることができる。
上記化学式(3)において、n及びmは、n+m=2〜50となるように選ばれる正の整数である。
硬化物の柔軟性を高める観点から、n及びmは、好ましくはn+m=20〜40、更に好ましくはn+m=25〜35となるように選ばれる。
EO変性及び/又はPO変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの含有量は、微細構造形成用光硬化型樹脂組成物の全質量に対して、15〜40質量%であることが好ましく、更に20〜37質量%であることが好ましく、特に20〜35質量%であることが好ましい。
15質量%以上の場合、光硬化型樹脂組成物の硬化物の復元性が発現し、40質量%以下の場合、屈折率、復元性等の物性バランスを保つことができる。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物は、該組成物を紫外線或は可視光線で硬化せしめるため(D)成分の光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。該光重合開始剤の添加量は、成分(A)+(B)+(C)を100質量%とした時、0.1〜5質量%程度である。
(E)成分のリチウム塩を含有する帯電防止剤としては、例えば(メタ)アクリレートにリチウム塩を溶解、イオン化したイオン導電性付与剤、ポリアルキレングリコールにリチウム塩を溶解、イオン化したイオン導電性付与剤、トリフルオロアルキルスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエチルスルホン酸リチウム、リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、リチウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、過塩素酸リチウム等が好ましく挙げられる。
これらのリチウム塩を含有する帯電防止剤を光硬化型樹脂組成物に含有させることにより、得られる硬化物の帯電防止性を向上させると共に、相溶性、及び長期環境信頼性を付与できる。
リチウム塩を含有する帯電防止剤の含有量は、成分(A)+(B)+(C)を100質量%とした時、0.1〜5質量%であることが好ましく、更に0.1〜3質量%であることが好ましく、特に0.3〜2質量%であることが好ましい。
(F)成分の上記化学式(1)で表される構造を含むフェノール系酸化防止剤は、熱酸化劣化を抑制し硬化物の耐熱黄変性、および高分子に長寿命を付与するために使用される。例えば、テトラキス−(メチレン−3−(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチル・フェニル)プロピオネート、N,N´−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ジエチル{[3,5―ビス(1,1−ジメチルエチル)−4-ヒドロキシルフェニル]メチル}ホスホネート等が好ましく挙げられる。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、成分(A)+(B)+(C)を100質量%とした時、0.1〜5質量%であることが好ましく、更に0.1〜3質量%であることが好ましく、特に0.3〜2質量%であることが好ましい。
上記に記載のリチウム塩を含有する帯電防止剤(E)とフェノール系酸化防止剤(F)の組合せ、及び配合量を選定することで、耐熱黄変性、湿熱後の基材密着性の良好な硬化物が得られる。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物には、前記の成分以外に必要に応じて、シリコーン、増粘剤、離型剤、レベリング剤、紫外線安定剤、消泡剤等の添加剤を添加してもよく、また、溶剤を加えてもよい。
本発明における光硬化には、紫外線、電子線、可視光線が含まれる。硬化性の観点から紫外線が好ましい。微細構造形成用光硬化型樹脂組成物を紫外線照射によって硬化する場合、紫外線照射装置、光源であるランプには、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプを使用することができる。
本発明に係る微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、硬化後の屈折率が1.56以上であることが、輝度向上の点から好ましい。屈折率の上限は、制限はないが、プラスチックで達成できる1.6程度である。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、動的粘弾性測定で測定される硬化物のガラス転移温度(Tg)が10℃以上、40℃以下にすることが好ましい。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、硬化物の表面抵抗値が、1×1010〜1×1015Ω/□の範囲にすること好ましい。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物においては、硬化物の初期色差(x、y)と150℃、150時間の促進耐熱試験後の色差(x、y)との差(Δx、Δy)が、Δx≦0.005、Δy≦0.005にすることが好ましい。
本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物の硬化物は、液晶表示装置用バックライトのプリズムシート、立体写真や投影スクリーン等に用いられるレンチキュラーレンズシート、及びプロジェクターのコンデンサーレンズ等に用いられるフレネスレンズシート、カラーフィルタ等に用いられる回折格子等に好適に用いることができる。
以下、合成例、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これらの記載により本発明を制限するものではない。
(合成例1)
ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、品名:PEG−300)136.2部、2−ヒドロキシエチルアクリレート35.7部、メトキノン0.28部、ジブチルスズラウレート0.06部、オルトフェニルフェノキシエチルアクリレート(日立化成株式会社製、品名:FA−301A)120.2部を仕込み、65℃まで昇温しトリレンジイソシアネート107.9部を5時間滴下反応させ、滴下終了後75℃まで昇温、保温を行い(A)成分のウレタンアクリレートを得た。
(実施例1)
厚みが125μmのPETフィルム(A4100:商品名、東洋紡株式会社製)上に、塗膜の厚みが、30μmになるように、下記の表1に示す組成の光硬化型樹脂組成物を均一塗布し、離型フィルムで塗布面を覆い、メタルハライドランプを用いてPETフィルム側から460mJ/cmで樹脂組成物に紫外線を照射し、該塗膜を硬化せしめた。
その後、上記離型フィルムを当該樹脂組成物の硬化物から剥離し、評価用サンプルを得た。
(実施例2〜5、及び比較例1〜3)
下記の表1に示す組成の樹脂組成物2〜9を用い、前記実施例1と同様にして、各実施例及び比較例の評価用サンプルを作製した。
Figure 0006299079
*1)オルトフェニルフェノキシエチルアクリレート(商品名:FA−301A、日立化成株式会社製)
*2)ビスフェノールA(EO30モル変性)ジアクリレート(商品名:FA−323A、日立化成株式会社製)
*3)TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、東洋ケミカルズ株式会社(MIWON社)製)
*4)BYK―331:(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
*5)IRGANOX1010(テトラキス−(メチレン−3−(3´,5´ジ−tert−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、BASF社製)
*6)アデカスタブAO−80(3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、株式会社ADEKA製)
*7)IRGANOX1076(n−オクタデシル−3−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチル・フェニル)プロピオネート、BASF社製)
*8)IRGAMOD295(ジエチル{[3,5―ビス(1,1−ジメチルエチル)−4-ヒドロキシルフェニル]メチル}ホスホネート、BASF社製)
*9)IRGANOX565(2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASF社製)
*10)サンコノールA600−50R(リチウム塩+アクリレートモノマー、三光化学工業株式会社製)
*11)プライサーフA208F(ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、第一工業製薬株式会社製)
*12)アクアロンKH−10(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬株式会社製)
(評価)
(1)動的粘弾性評価
上記で得られた実施例1、3及び比較例2の硬化物を長さ20mm、幅9.5mmに切断したものを試験片とした。評価は動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:DMS6100)を用い、引っ張り正弦波、周波数1Hz、歪み振幅0.05%、昇温速度3℃/minの条件下でガラス転移温度(Tg)を測定した。測定結果を表2に示した。
Figure 0006299079
(2)復元性評価
上記で得られた硬化物を長さ100mm、幅100mmに切断したものを試験片とした。精密天秤上に黒板を置き、その上部に当該試験片を固定した。室温(25℃)環境下にて、金属キャップ付き鉛筆を用いて当該試験片に500gの荷重をかけ、線を5本掃引した後、当該試験片の傷の有無を目視で確認し、下記により評価した。
「○」・・線状痕が全くない
「△」・・復元速度が鈍い、または線状痕がわずかに残っている
「×」・・線状痕が残っている、または表面が削れている
(2)屈折率
上記で得られた硬化物を長さ20mm、幅10mmに切断したものを試験片とした。当該試験片の屈折率を屈折率計(株式会社アタゴ製、品名:アッベ屈折率計NAR−2T)を用い、温度25℃、LEDランプ(ナトリウム原子スペクトルのD線波長589nm近似)にて測定した。
復元性と屈折率の評価、測定結果を表3に示した。
Figure 0006299079
(3)促進耐熱黄変性の評価
上記で得られた硬化物を長さ50mm、幅50mmに切断したものを試験片とし、同時測光方式分光式色差計(日本電色工業株式会社製、装置名:SQ−2000)を用いて初期色差(x、y)を側定した。試験片を150℃に設定したオーブン(旭科学株式会社製、装置名:コンベクションオーブン)を用いて、150時間促進耐熱試験を行い、促進耐熱試験後の(x、y)を測定した。促進耐熱試験後に得た色差(x、y)と初期に測定した色差(x、y)との差からΔx、Δyを算出した。評価結果を表2に示した。
Figure 0006299079
(4)促進耐湿熱密着性の評価
上記で得られた硬化物を長さ50mm、幅50mmに切断したものを試験片とし、85℃、相対湿度85%に設定したオーブン(エスペック株式会社製、装置名:小型環境試験器SH−661)を用いて、24時間促進湿熱試験を行った後、試験片に付着した水分を乾燥除去し、碁盤目密着試験を行った。
(5)帯電防止性評価
上記で得られた硬化物を長さ100mm、幅100mmに切断したものを試験片とし、表面抵抗値を測定して帯電防止性を評価した。表面抵抗値は、(株式会社アドバンテスト製、装置名:デジタル超高抵抗/微少電流計R8340A)を用いて、印加電圧500V、チャージ時間1分、測定時間30秒で測定した。
促進耐湿熱密着性及び帯電防止性の評価結果を表5に示した。
Figure 0006299079
以上より、本発明の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物の硬化物は、表面帯電防止性および耐熱黄変性に優れ、且つ、復元性および高屈折率を有する硬化物であることが分かる。

Claims (8)

  1. (A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、(C)エチレンオキサイド変性及び/又はプロピレンオキサイド変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(D)光重合開始剤、(E)リチウム塩を含有する帯電防止剤、(F)下記化学式(1)で表される構造を含むフェノール系酸化防止剤を含有し、
    (A)ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有エチレン性不飽和化合物との反応物であり、前記ポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記有機ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びジフェニルメタンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記水酸基含有エチレン性不飽和化合物は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、
    微細構造形成用光硬化型樹脂組成物。
    Figure 0006299079
    (化学式(1)中、Rはtert-ブチル基又はメチル基である。)
  2. (A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、及び(C)エチレンオキサイド変性及び/又はプロピレンオキサイド変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの合計量を100質量%としたとき、(E)リチウム塩を含有する帯電防止剤の含有量が0.1〜5質量%であり、(F)化学式(1)で表される構造を含むフェノール系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%である、請求項1に記載の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物。
  3. (E)リチウム塩を含有する帯電防止剤が、(メタ)アクリレートにリチウム塩を溶解、イオン化したイオン導電性付与剤を含む、請求項1または2に記載の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細構造形成用光硬化型樹脂組成物を硬化させてなる微細構造形成用樹脂硬化物。
  5. 硬化後の屈折率が1.56以上である請求項4に記載の微細構造形成用樹脂硬化物。
  6. 動的粘弾性測定で測定される硬化物のガラス転移温度(Tg)が10℃以上、40℃以下である請求項4または請求項5に記載の微細構造形成用樹脂硬化物。
  7. 硬化物の表面抵抗値が、1×1010〜1×1015Ω/□の範囲である請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の微細構造形成用樹脂硬化物。
  8. 硬化物の初期色差(x、y)と150℃、150時間の促進耐熱試験後の色差(x、y)との差(Δx、Δy)が、Δx≦0.005、Δy≦0.005である請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の微細構造形成用樹脂硬化物。
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