JP2012092307A - 光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性を付与したフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズシートの製造に適した樹脂組成物及び、離型性、型再現性、密着性に優れ、高屈折率であるその硬化物を提供する。
【解決手段】イオン性液体(A)、分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)、フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)、及び光重合開始剤(D)を含む樹脂生物、その硬化物及び該硬化物を用いる光学レンズシート。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズシート類に特に適する樹脂組成物及び硬化物に関するものである。
紫外線硬化性樹脂組成物を硬化して得られるレンズシート類は導電性の乏しさから表面に塵埃が吸着してしまうという問題があった。この問題を解決するために、硬化前の樹脂組成物に界面活性剤を添加したり、導電性を有する微粒子等の帯電防止剤を添加したりする方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)が、界面活性剤は湿熱条件下でのブリードを引き起こし、帯電防止剤はレンズシート類の透過率の低下を引き起こす、といった問題がある。
さらに、レンズシート類は、近年の画像の高精細化や最終製品の薄型化等に伴い屈折率の高さも望まれる他、より微細で複雑な形状に加工したり、より薄く加工したり、ロール状のシートやフィルムに連続加工をしたりするために、形状転写性や離型性の良いものが求められている。
硬化物の硬さや基材への密着性、高い熱安定性、寸法安定性に優れるものとして、エポキシ樹脂にアクリル酸等を付加反応させたエポキシアクリレート化合物、及びこのエポキシアクリレート化合物に多塩基酸無水物を付加反応させて得られるポリカルボン酸化合物が知られている。
中でも、ビフェノール構造を有するエポキシ樹脂から誘導されるエポキシアクリレート化合物は、高い熱安定性を有し、強靭な硬化物を提供する事が知られている(特許文献3、特許文献4)。しかしながら、これらの文献には高屈折率性に基づく光学用途についての記載は無い。
特許文献3では前記エポキシアクリレート化合物や前記ポリカルボン酸化合物の中でも、ビフェノール構造を有するエポキシ樹脂から誘導されるエポキシアクリレート化合物及びポリカルボン酸化合物を含む光学用組成物が記載されている。特許文献3の光学用組成物は高屈折率で、かつ、硬度の高い硬化物を与える樹脂組成物が開示されているが、導電性や帯電防止性については言及していない。特許文献4にはイオン性液体、フェニルエーテル構造を有する(メタ)アクリレートモノマー及び光重合開始剤を含む帯電防止性能を有する樹脂組成物の記載があるが、屈折率が低い。従ってこれまでに、密着性と離型性のバランスの取れた、高屈折率で微細な構造を持つ光学レンズシートに用いるための樹脂組成物については何れの特許文献にも記載されておらず、全てを満足できるものは得られていなかった。
特開平1−197552号公報 特開平7−310033号公報 国際公開第2008/001722号 特開2010−138393号公報
本発明の課題は、導電性を付与したフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズシートの製造に適した樹脂組成物で、離型性、型再現性、密着性に優れ、高屈折率であるその硬化物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究の結果、特定の組成を有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が前記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(9)に関する。
(1)イオン性液体(A)、分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)、フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)、及び光重合開始剤(D)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(2)イオン性液体(A)が、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドをアニオンとし、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム及びリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンをカチオンとする塩である(1)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(3)分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)が、エポキシ樹脂(a)にエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(a−1)の水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)である(1)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(4)フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートである(1)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(5)フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートである(2)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(6)フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートである(3)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(7)エポキシ樹脂(a)が、下記一般式(1)で表される化合物である(3)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。

Figure 2012092307
(式中、R1はハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていても良い。mは0〜4の整数を、nは平均値で1〜6の正数をそれぞれ表す。)
(8)更に、一般式(1)のmが0である、(7)に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(9)前記(1)乃至(8)の何れか一項に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化して得られる25℃での屈折率が1.56以上1.60以下である硬化物。
(10)前記(9)に記載の硬化物を用いる光学レンズシート。
本発明の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物は、安定性が良く、その硬化物は離型性、型再現性、基板との密着性に優れ、ブロッキングが無く、高屈折率である。そのため特にレンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の光学レンズシートに適している。
本発明の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物(以下「樹脂組成物」)は、(1)イオン性液体(A)、分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)、フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)、及び光重合開始剤(D)を含む。
本発明の樹脂組成物に含有されるイオン性液体(A)について説明する。本発明においてイオン性液体(A)とは、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドをアニオンとし、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム及びリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンをカチオンとする塩であり、中でもピリジニウム塩、イミダゾリウム塩が優れた帯電防止機能を有し好ましい。
ピリジニウム塩のカチオンは特に限定されないが、ピリジン環に置換基を有するものが通常用いられ、ピリジン環の炭素原子の置換基として(C1〜C4)アルキル基を有し、且つ、ピリジン環の窒素原子の置換基として(C2〜C18)アルキル基を有するものが好ましい。ピリジン環の炭素原子の置換基又は窒素原子の置換基として複数の置換基を有する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。該ピリジニウム塩のカチオンとしては、例えば、N−イソプロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−イソプロピル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−プロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−プロピル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ブチル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−エチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−エチル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−ヘキシル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ヘキシル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−オクチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−オクチル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−ドデシル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ドデシル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−オクタデシル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−オクタデシル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン等が挙げられる。上記カチオンのうち、N−イソプロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−プロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−エチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオンが特に好ましい。
イミダゾリウム塩のカチオンは特に限定されないが、イミダゾール環に置換基を有するものが通常用いられ、イミダゾール環の炭素原子の置換基として(C1〜C4)アルキル基を有し、且つ、窒素原子の置換基として(C1〜C18)アルキル基を有するものが好ましい。イミダゾール環の炭素原子の置換基又は窒素原子の置換基として複数の置換基を有する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。該イミダゾリウム塩のカチオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−オクチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムイオン等が挙げられ、中でも1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンが好ましい。
本発明の樹脂組成物に含有されるイオン性液体(A)は、公知の方法若しくは公知の方法を参考に得ることができ、又、市販品を使用することもできる。
本発明の樹脂組成物に含有される分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)は、特に限定されないが、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、及び3つ以上の官能基を有する多官能(メタ)アクリレートであって分子中にカルボキシル基を有するもの、及び、エポキシ樹脂(a)にエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(a−1)の水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、エポキシ(メタ)アクリレート−カルボン酸付加物、及び、エステル化した化合物等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレート−カルボン酸付加物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ基と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるヒドロキシ基に酸無水物を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート−カルボン酸付加物が挙げられる。また、エステル化した化合物としては、例えば、無水マレイン酸と共重合可能な、エチレン、プロペン、イソブチレン、スチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等のモノマーと前記したエポキシ樹脂との共重合体の無水マレイン酸部にヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシ基を持つアクリレートやグリシジルメタアクリレート等のエポキシ基をもつアクリレートを反応させたもの等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の反応物、さらには必要に応じてモノヒドロキシ化合物、ならびにモノイソシアネート化合物も反応させて得られる反応物が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、(o、m、またはp)−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。これらのジイソシアネートは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール化合物としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオール等のジオールと炭酸エステルまたはホスゲンとを反応させることにより得られる化合物等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ−1,2−ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ−3−メチルテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ブラシル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−2,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジオールとの脱水縮合またはエステル交換反応により得られる化合物等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ジオールとラクトン化合物との開環重合、またはジオールと3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、5−ヒドロキシヘキサン酸(ε−カプロラクトン)等のヒドロキシアルカン酸との縮合反応により得られる化合物等が挙げられる。ポリブタジエンポリオールとしては、例えば、1,4−繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(例えば出光興産株式会社製Poly bd R−45HTなど)、水酸基化水素化ポリブタジエン、1,2−繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(日本曹達株式会社製GI−1000、GI−2000、GI−3000など)、水酸基化水素化ポリブタジエン、水酸基化ポリイソプレン、水酸基化水素化ポリイソプレン等のブタジエンやイソプレンをアニオン重合により重合し、末端処理により両末端に水酸基を導入して得られるジオール、及びそれらの二重結合を水素還元して得られる化合物等が挙げられる。これらのポリオールは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等が挙げられる。
モノヒドロキシ化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノール等が挙げられる。また、カルボン酸を有する化合物であれば、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等が挙げられる。
モノイソシアネート化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、または、ジイソシアネート化合物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとの反応物やグリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノールのモノ付加体等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、アルコキシ変性コハク酸(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等のカルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応物等が挙げられる。
3つ以上の官能基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルコハク酸、2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸等が挙げられる。
本発明において用いられるエポキシ樹脂(a)にエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(a−1)の水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)は特に限定されないが、本発明においてはエポキシ樹脂(a)が一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012092307
一般式(1)においてR1としては、使用される用途に応じて適宜選択でき、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基等の炭素数が1〜4の直鎖若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。R1が塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子である場合には、より高い屈折率が得られる。
mは0〜4の整数が好ましく、0〜2がより好ましい。これらのうち、mが0、即ち、置換基を有しない化合物が材料の入手等の観点から最も好ましい。nは平均値で1〜6の正数が好ましく、1〜3がより好ましい。
一般式(1)で表されるフェノールビフェニルメチル型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂(a)において、グリシジルエーテル基に対してビフェニルメチル基がオルト位あるいはパラ位に結合している樹脂が好ましい。
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)は、例えば特開平11−140144号公報にその製造方法が記載されており、その方法に準じて製造する事が可能であり、また、市販品(商品名:NC−3000、NC−3000P、NC−3000S、NC−3000H、NC−3100等の一般式(1)のmが0である樹脂、日本化薬(株)製)として入手することも可能である。
本発明の樹脂組成物におけるエポキシカルボキシレート化合物(a−1)は、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)にエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られる(エポキシカルボキシレート化工程)。
本発明の樹脂組成物における(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)は、前記エポキシカルボキシレート化合物(a−1)の水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる(酸付加工程)。
(i)エポキシカルボキシレート化工程
エポキシカルボキシレート化工程はエポキシ基とカルボキシル基を反応させ、エポキシ樹脂の骨格に活性エネルギー線の反応性基であるエチレン性不飽和基を導入する事を目的とするものである。
該エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸類、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いはエチレン性不飽和基と水酸基を併せ持つ化合物に飽和若しくは不飽和二塩基酸を反応させた化合物等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物等が挙げられる。
エチレン性不飽和基と水酸基を併せ持つ化合物に飽和若しくは不飽和二塩基酸を反応させた化合物としては、例えば、1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と飽和若しくは不飽和二塩基酸無水物を等モル反応させて得られる半エステル類が挙げられる。具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水フタル酸の部分若しくは全水添化合物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の飽和若しくは不飽和二塩基酸を反応させた化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)としては、樹脂組成物の活性エネルギー線に対する感度の点から(メタ)アクリル酸又は桂皮酸がより好ましい。
この反応におけるエポキシ樹脂(a)と、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)の仕込み割合としては、エポキシ基1当量に対し、化合物(b)のカルボキシル基0.9〜1.2当量が好ましい。この仕込み割合では未反応のエポキシ基が残存しないために、エポキシカルボキシレート化合物(a−1)としての保存安定性は高い。なお、この場合、硬化反応には導入した二重結合による反応性のみを利用する事になる。この仕込み割合の範囲を下回る場合、エポキシ基が残存するため、次の酸付加工程においてゲル化したり、得られる樹脂の保存安定性が悪くなったりすることがある。逆に化合物(b)の仕込み量がこの範囲より多い場合には、過剰の化合物(b)が残存し好ましくない。
エポキシカルボキシレート化工程は無溶剤で若しくは溶剤で希釈して行なうことができる。溶剤は反応に影響が無ければ特に限定されない。
前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、又はそれらの組成物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
また、エステル系溶剤として、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等のモノ若しくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル(例えば、グルタル酸ジメチル等)、コハク酸ジアルキル(例えば、コハク酸ジメチル等)、アジピン酸ジアルキル(例えば、アジピン酸ジメチル等)等のポリカルボン酸ポリアルキルエステル類等が挙げられる。
また、エーテル系溶剤として、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が挙げられる。
また、ケトン系溶剤として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
この他にも、後記の(メタ)アクリレート化合物等を溶剤として使用することもでき、これらを単独又は混合して使用することができる。(メタ)アクリレート化合物等を溶剤として使用する場合、エポキシカルボキシレート化工程の生成物は本発明の樹脂組成物としてそのまま利用する事が出来るので好ましい。
エポキシカルボキシレート化工程には、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましい。該触媒の使用量は、反応物の総量に対して0.1〜10質量%程度添加するのが好ましい。該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類、塩化トリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩類、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等の有機金属塩類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等の塩基性触媒等が挙げられる。
反応温度は60〜150℃であり、また、反応時間は好ましくは5〜60時間である。
また、熱重合禁止剤として、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル(メトキノン)、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等の重合禁止剤の使用が好ましい。
エポキシカルボキシレート化工程は、適宜サンプリングしながら、サンプルの酸価(JIS K5601−2−1:1999に準拠して測定)が1mg・KOH/g以下、好ましくは0.5mg・KOH/g以下となった時点を終点とする。
(ii)酸付加工程
酸付加工程は、エポキシカルボキシレート化工程によって生じた水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させ、エステル結合を介してカルボキシル基の導入を目的とする。
多塩基酸無水物(c)とは、分子中に酸無水物構造を有する化合物であれば特に限定されないが、例えばアルカリ水溶液現像性、耐熱性、加水分解耐性等に優れた生成物を与える事から、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸又は無水マレイン酸が好ましい。
酸付加工程は、前記エポキシカルボキシレート化工程の反応液に多塩基酸無水物(c)を加える事により行なう事もできる。多塩基酸無水物(c)の添加量は用途に応じて適宜変更されるべきものである。
酸付加工程には反応を促進させるために触媒を使用することが好ましい。該触媒の使用量は、反応物の総量に対して0.1〜10質量%程度添加するのが好ましい。該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類、塩化トリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩類、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等の有機金属塩類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等の塩基性触媒等が挙げられる。
反応温度は60〜150℃であり、また、反応時間は好ましくは5〜60時間である。
酸付加工程は無溶剤で若しくは溶剤で希釈して反応させる。溶剤を使用する場合、該溶剤としては反応に影響が無ければ特に限定されない。また、前工程であるエポキシカルボキシレート化工程で溶剤を用いて製造した場合には、酸付加工程に影響が無い溶剤であれば溶剤を除くことなく酸付加工程に供してもよい。
該溶剤としては前記エポキシカルボキシレート化工程の説明に記載した溶剤と同じ溶剤が挙げられる。
また、熱重合禁止剤としては、前記エポキシカルボキシレート化工程における熱重合禁止剤と同じ化合物を使用することができる。
酸付加工程は、適宜サンプリングしながら、反応物の酸価が目的とする用途に応じて設定した酸価の±10%の範囲になった点をもって終点とする。なお、酸価はJIS K 0070:1992に準じた方法で測定するものとする。
次に、本発明の光学レンズシート用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有されるフェニルエーテル基を有するアクリレートモノマー(C)について説明する。
該フェニルエーテル基を有するアクリレートモノマー(C)としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルチオエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート(フェニルフェノールグリシジルエーテルのエポキシ(メタ)アクリレート)等を挙げることができ、フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート又はフェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートが好ましく、中でもo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
該フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレートとしては、エトキシ構造部分の繰り返し数が平均で1〜3の正数である化合物が好ましく、原料であるフェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応物と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得ることができる。フェニルフェノールはオルト体であるo−フェニルフェノール、パラ体であるp−フェニルフェノールが市販品(商品名:O−PP、P−PP;三光(株)製)を使用することができる。フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応物は公知の方法により得ることができ、又、市販品も使用できる。フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応物を、p−トルエンスルホン酸又は硫酸等のエステル化触媒、ハイドロキノンやフェノチアジン等の重合禁止剤の存在下に、好ましくは溶剤類(例えば、トルエン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等)の存在下、好ましくは70〜150℃で(メタ)アクリル酸と反応させることによりフェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートが得られる。(メタ)アクリル酸の使用割合は、フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応物1モルに対して1〜5モル、好ましくは1.05〜2モルである。エステル化触媒は使用する(メタ)アクリル酸に対して0.1〜15モル%、好ましくは1〜6モル%である。
本発明の硬化型樹脂組成物に含有される光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。好ましくは、アセトフェノン類であり、さらに好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを挙げることができる。
なお、本発明の樹脂組成物においては、光重合開始剤(D)は単独で用いてもよいし複数種を混合して用いてもよいが、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類を、少なくとも1種は用いるのが好ましい。
更に、本発明の光学レンズシート用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度、密着性や、ガラス転移温度(Tg)、硬化物の硬度等を考慮して、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)以外の(メタ)アクリレート化合物(E)を単独あるいは二種類以上を混合して使用してもよい。該(メタ)アクリレート化合物(E)としては、(メタ)アクリレートモノマーや(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620等)等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジオール化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール等)又はこれらジオール化合物と二塩基酸若しくはその無水物(例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸若しくはこれらの無水物)との反応物であるポリエステルジオールと、有機ポリイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート)とを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを付加した反応物が挙げられる。また、前記有機ジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させた化合物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と、(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、前記のジオール化合物と前記の二塩基酸又はその無水物との反応物である前記ポリエステルジオールと、(メタ)アクリル酸の反応物等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の各成分の含有割合は、所望の屈折率やガラス転移温度や粘度や密着性等を考慮して決められるが、成分(B)+成分(C)+成分(E)を100質量部とした場合、成分(B)の含有率は樹脂組成物中に通常1〜90質量部、好ましくは5〜50質量部である。成分(C)の含有率は樹脂組成物中に通常10〜99質量部であり、好ましくは20〜70質量部である。成分(E)の含有率は樹脂組成物中に通常0〜80質量部であり、成分(E)が用いられる場合は10〜70質量部である。成分(A)は成分(B)+成分(C)+成分(E)の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。成分(D)は成分(B)+成分(C)+成分(E)の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の樹脂組成物には、前記成分以外に取り扱い時の利便性等を改善するために、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、色素等を状況に応じて併用して含有することができる。更に、必要に応じて、アクリルポリマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンポリマー及びニトリルゴム等のポリマー類、無機あるいは有機の光拡散フィラー等も添加することができる。溶剤を加えることもできるが、溶剤を添加しないものが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、各成分を常法に従い混合溶解することにより調製することができる。例えば、撹拌装置、温度計のついた丸底フラスコに各成分を仕込み、40〜80℃にて0.5〜6時間撹拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物の粘度は、光学レンズシート類を製造するに適した粘度として、E型粘度計(TV−200:東機産業社製)を用いて測定した粘度が25℃で200mPa・s以上、4000mPa・s以下である組成物が好ましい。
常法に従い、本発明の樹脂組成物に紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化して得られる硬化物も本発明に含まれる。該硬化物は本発明の樹脂組成物を、例えば、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等の形状を有するスタンパー上に塗布して該樹脂組成物の層を設け、その層の上に硬質透明基板であるバックシート(例えば、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらポリマーのブレンド品等からなる基板あるいはフィルム)を接着させ、次いで該硬質透明基板側から高圧水銀灯等により紫外線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから硬化物を剥離して得ることができる。又、これらの応用として連続式での加工により行うこともできる。
この様にして離型性、型再現性、密着性に優れたフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の光学レンズ部分を形成した光学レンズシートを得ることができ、これら光学レンズシートも本発明に含まれる。なお、本発明の硬化物の屈折率はアッベ屈折率計(DR−M2:(株)アタゴ製)等で測定することができ、本発明の光学レンズシート用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物としては1.58〜1.61程度が好ましい。
前記硬化物は光学レンズシートとして有用であるが、それ以外の用途としては、各種コーティング剤、接着剤等が挙げられる。また、分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)のカルボキシル基によって基材への密着性が高まるため、プラスチック基材若しくは金属基材オーバーコート剤として用いる事もできる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。また、実施例中に特に断りが無い限り、部は質量部を示す。
合成例中の物性値は以下の方法で測定した。
エポキシ当量:JIS K7236:2001に記載の方法で測定した。
合成例1:エポキシカルボキシレート化合物(a−1)の合成
エポキシ樹脂(a)としてフェノールビフェニルメチル型エポキシ樹脂である日本化薬製NC−3000H(エポキシ価288g/eq、n=2.1)144g、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)としてアクリル酸(略称AA、分子量72)を36g、触媒としてトリフェニルホスフィン1.5g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート100gを加え、100℃で24時間反応させ、エポキシカルボキシレート化合物(a−1)を得た。
合成例2:(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)の合成
合成例1において得られたエポキシカルボキシレート化合物(a−1)に多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸を4g(設定酸価7)加え、(a−1)成分と(c)との総和が70質量%となるように溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを添加し、100℃にて10時間加熱して付加反応させ、(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)を得た(実測固形分酸価11)。
実施例及び比較例の樹脂組成物及び硬化膜についての評価方法及び評価基準は以下の通り行った。
(1)粘度:E型粘度計(TV−200:東機産業(株)製)を用い、25℃にて測定した。
(2)離型性:硬化した樹脂を金型より離型させるときの難易度を表す。
○・・・・金型からの離型が良好である。
△・・・・離型がやや困難あるいは離型時に剥離音がある。
×・・・・離型が困難あるいは型残りがある。
(3)型再現性:硬化した紫外線硬化性樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性が良好である。
×・・・・再現性が不良である。
(4)密着性:型再現性評価で用いたサンプルにて、JIS K5600−5−6に準じて密着性評価を行った。
○・・・・0〜2
×・・・・3〜5
(5)屈折率(25℃):硬化した紫外線硬化性樹脂層の屈折率(25℃)をアッベ屈折率計(DR−M2:(株)アタゴ製)で測定した。
(6)ガラス転移温度(Tg):硬化した紫外線硬化性樹脂層のTg点を粘弾性測定システム(DMS−6000:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)において、引張りモード、周波数1Hzにて測定した。
実施例1〜9
表1に記載の成分(A)、成分(B)成分(C)、成分(D)、及び、成分(E)を60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。得られた本発明の樹脂組成物を高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)にて600mJ/cm2の照射を行って硬化し、本発明の硬化物(得膜厚200μmの紫外線硬化型樹脂層)を得た。表3に本発明の樹脂組成物の粘度、屈折率(25℃)、及び、ガラス転移温度(Tg)を記載する。
次に、本発明の樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着PETフィルム(東洋紡コスモシャインA4300、100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、本発明のプリズムレンズシートを得た。その際、本発明のプリズムレンズシートの離型性、型再現性、及び、密着性を評価した。
さらに、基材上に樹脂組成物を膜厚約50μm程度に塗布し、次いで高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で1000mJ/cm2の照射を行い硬化させ、試験片を得た。この試験片の表面抵抗計((株)ダイアインスツルメンツ製:MCP−260)で表面抵抗率を測定した。表3に本発明のプリズムレンズシートの表面抵抗率、離型性、型再現性、及び、密着性を記載する。
比較例1
特許文献4(特開2010−138393号公報)の実施例3に従い、表2に記載の成分を60℃に加温し、混合して比較例1の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度を表3に記載する。又、実施例1と同様にして硬化物(樹脂層)を得、その屈折率(25℃)、及び、ガラス転移温度(Tg)を実施例と同様に測定した。結果は表2に記載する。
得られた樹脂組成物を実施例と同様にしてプリズムレンズシートを得た。その際、比較例のプリズムレンズシートの離型性、型再現性、及び、密着性を評価した。また、実施例と同様にして試験片を作製し、表面抵抗率を測定した。結果を表3に記載する。
比較例2
実施例3において、表2のとおり、成分(B)の代わりに合成例1に示したエポキシカルボキシレート化合物(a−1)を用いる以外は実施例3と同様にして比較例2の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度、樹脂層の屈折率(25℃)、ガラス転移温度(Tg)を表3に記載する。
得られた樹脂組成物を実施例1と同様にしてプリズムレンズシートを得た。また、実施例1と同様にして試験片を作製し表面抵抗率を測定した。結果を表3に記載する。
Figure 2012092307
Figure 2012092307
注)
ピリジニウム塩カチオン:N−n−ブチル−3−メチルピリミジウムイオン(N−n−ブチル−3−メチルピリミジウム・ビス(トリフルオロスルホニウム)イミドとして)
リチウム塩カチオン:リチウムイオン(リチウム・ビス(トリフルオロスルホニウム)イミドとして)
アロニックスM−5300:東亞合成(株)製:ω−カルボキシ−ジカプロラクトンモノアクリレート
アロニックスM−5400:東亞合成(株)製:フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート
ライトアクリレートHOA−HH:共栄社化学(株)製:2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート
NKエステルCBX−0:新中村化学工業(株)製:2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルコハク酸
NKエステルCBX−1N:新中村化学工業(株)製:2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸
KAYARAD OPP−1:日本化薬(株)製:o−フェニルフェノールポリエトキシアクリレート(エトキシ平均重合数=1)
KAYARAD OPP−1.5:日本化薬(株)製:o−フェニルフェノールポリエトキシアクリレート(エトキシ平均重合数=1.5)
ニューフロンティアPHE:第一工業製薬(株)製:フェノキシエチルアクリレート
IRGACURE 184:チバスペシャリティケミカル製:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
ニューフロンティアBPE−10:第一工業製薬(株)製:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート
KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
ビスコート#150:大阪有機化学工業(株)製:テトラヒドロフルフリルアクリレート
ACMO:(株)興人製:アクリロイルモルホリン
KAYARAD R−115:ビスフェノールAエポキシジアクリレート
ファンクリルFA−512AS:日立化成工業(株)製:ジシクロペンタニロキシアクリレート
KAYARAD TMPTA:日本化薬(株)製:トリメチロールプロパントリアクリレート
KAYARAD PET−30:日本化薬(株)製:ペンタエリスリトールトリアクリレート
Figure 2012092307
実施例1〜9、比較例1及び2の評価結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物は低粘度で、本発明の硬化物は離型性、型再現性、基材への密着性に優れ、高屈折率であり、かつ、導電性が良好であった。成分(A)は量が多くなると硬化物の基材への密着性が低下するが、同じ量の成分(A)を含む実施例と比較例1との比較から、本発明では密着性に優れることが示された。また、実施例の成分(A)と成分(B)の組合せによる高屈折率と優れた伝導性の両立は、比較例2と比較して、予想外に顕著なものである。そのため微細構造を有する光学レンズシート、例えば、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等に適している。特に微細な加工が必要な工程や連続加工が必要な工程を含む製造に適している。
本発明の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物は、主に、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の光学レンズシート用に特に適するものである。

Claims (10)

  1. イオン性液体(A)、分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)、フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)、及び光重合開始剤(D)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. イオン性液体(A)が、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドをアニオンとし、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム及びリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンをカチオンとする塩である請求項1に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 分子中にカルボキシル基を有する化合物(B)が、エポキシ樹脂(a)にエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(a−1)の水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる(ポリ)カルボン酸化合物(a−2)である請求項1に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートである請求項1に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートである請求項2に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. フェニルエーテル構造を有するアクリレートモノマー(C)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートである請求項3に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. エポキシ樹脂(a)が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項3に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
    Figure 2012092307
    (式中、R1はハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なっていても良い。mは0〜4の整数を、nは平均値で1〜6の正数をそれぞれ表す。)
  8. 一般式(1)のmが0である、請求項7に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化して得られる25℃での屈折率が1.56以上1.60以下である硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物を用いる光学レンズシート。
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