JP6295488B2 - 熱収縮性筒状ラベル - Google Patents

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Description

本発明は、飲料容器などに装着して使用される筒状ラベルに関する。
熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮によって飲料容器などに装着可能な包装材の1つである。
熱収縮性筒状ラベルは、容器などの被着体に対する装着方法に従って、次の2つに大別できる。
第1の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを有するラベル基材の第1側端部の表面に第2側端部の裏面を重ね合わせて接着することにより、筒状に形成された筒状体である。この第1の熱収縮性筒状ラベルは、それを被着体に外嵌した後に加熱することにより、熱収縮して被着体に密着する。
第2の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを有するラベル基材の第1側端部の裏面を被着体に接着し、このラベル基材を被着体の周囲に巻き付け、前記第1側端部の表面にラベル基材の第2側端部の裏面を接着することにより、筒状に形成された筒状体である。この第2の熱収縮性筒状ラベルは、それを筒状に形成したと同時に被着体に外嵌された状態となるので、その後に加熱することにより、熱収縮して被着体に密着する。
ところで、熱収縮性筒状ラベルには、通常、デザイン表示が印刷されているが、製造年月日や製造コードなどのトレーサビリティに関する表示も印刷される。デザイン表示は、ラベルの製造段階で統一的に印刷しておくことができるが、トレーサビリティに関する表示は、通常、熱収縮性筒状ラベルを被着体に装着する直前又は装着後に印刷される。
従来、トレーサビリティに関する表示をインクジェット方式で印刷することが知られているが、この場合、印刷面に水分などが付着していると、インキが良好に添着しない又は添着させたインキが滲むなどの問題点がある。
この点、特許文献1には、第1薄膜層と第2薄膜層からなるターゲットフィルムに、波長9.3μm又は9.6μmのCOレーザー光を照射して、第1薄膜層の一部分を除去又は溶融することにより、所望の表示を表すことが開示されている。
レーザーマーキングによれば、印字面に水分などが付着していても、フィルムの表面に所望の表示を表すことができる。
しかしながら、特許文献1のレーザーマーキングにあっては、フィルムの表面(第1薄膜層)を凹凸状にして所望の表示を表すため、流通過程で、フィルムの表面が異物と擦れることによって前記表示が消失する又は薄くなっていくおそれがある。
特開2005−319501号公報
本発明の目的は、フィルムの表面が擦れても所望の表示が消失し難い熱収縮性筒状ラベルを提供することである。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、所望の表示が表され且つ筒状に形成された透明な熱収縮性フィルムを有し、前記表示が、レーザー光に起因して前記熱収縮性フィルムの内部に形成された空洞部の周囲に存在する炭化物によって表されている。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムの内部に形成された炭化物によって所望の表示が表されているので、フィルムの表裏面が擦れても炭化物が脱落しない。このため、本発明によれば、消えにくい表示を有する熱収縮性筒状ラベルを提供できる。
かかる熱収縮性筒状ラベルにおいては、所望の表示を表すようにレーザー光を照射することにより、所望の表示と同様な平面視形状を有する空洞部を容易に形成できる。その空洞部の周囲はレーザー光によって炭化物を有するので、熱収縮性フィルムの表面側からその炭化物(所望の表示)を視認できる。かかる空洞部を有することにより、その空洞部において光の屈折率が大きく変化するので、熱収縮性フィルムの表面側から所望の表示を容易に視認できる。
また、前記空洞部は、熱収縮性フィルムの内部に形成されているので、そのフィルムの表裏面が擦れても空洞部が消失することがない。
本発明の好ましい熱収縮性筒状ラベルは、前記熱収縮性フィルムの裏面に、光反射層が積層されている。
本発明の好ましい熱収縮性筒状ラベルは、前記熱収縮性フィルムの表面に、艶消し層が積層されている。
かかる好ましい熱収縮性筒状ラベルは、裏面に光反射層が積層されているので、熱収縮性フィルムの表面側から見たときに、炭化物とそれ以外の部分との境界が明確になり、所望の表示を明確に視認できるようになる。
さらに、熱収縮性フィルムの裏面に光反射層が積層又は熱収縮性フィルムの表面に艶消し層が積層されている熱収縮性筒状ラベルは、レーザー光の照射により、炭化物を有し且つ比較的大きな空洞部が形成され易くなる。このため、所望の表示をより一層視認し易い熱収縮性筒状ラベルを構成できる。
本発明の好ましい熱収縮性筒状ラベルは、前記熱収縮性フィルムが、表層、中間層及び裏層の少なくとも3層を共押出し成形した積層フィルムであり、前記中間層に、前記炭化物が形成されている。
本発明の好ましい熱収縮性筒状ラベルは、前記炭化物の形成された層が、樹脂成分として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の混合物、又は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体の混合物を含む。
本発明の好ましい熱収縮性筒状ラベルは、前記空洞部の厚みが、1μm〜30μmである。
本発明の熱収縮性筒状ラベルの所望の表示は、熱収縮性フィルムの内部に形成された空洞部の周囲に存在する炭化物によって表されているので、熱収縮性筒状ラベルの表面や裏面が擦れても、その表示が消失し難いという効果を有する。
本発明の熱収縮性筒状ラベルを構成する1つのラベル基材の平面図。 図1のII−II線拡大断面図。ただし、途中の図示を省略している(図3乃至図6も同様)。 他のラベル基材の拡大断面図(図2と同様に、ラベル基材を厚み方向に切断した拡大断面図。以下、他の拡大断面図も同様)。 更なる他のラベル基材の拡大断面図。 更なる他のラベル基材の拡大断面図。 更なる他のラベル基材の拡大断面図。 第1の熱収縮性筒状ラベルの斜視図。 第2の熱収縮性筒状ラベルの形成過程を示す正面図。 第2の熱収縮性筒状ラベルの正面図。 実施例1で作製したラベル基材の電子顕微鏡の写真図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、ある部材の「表面」は、筒状に形成された際に(つまり、熱収縮性筒状ラベルが形成された際に)、その筒体の外側の面を指し、「裏面」は、その筒体の内側の面を指す。「平面視形状」は、熱収縮性フィルムの表面に対して鉛直方向から見た形状をいう。また、用語の前に、「第1」、「第2」などを付す場合があるが、この語は、用語を区別するために付加されたものであり、その優劣や順序などを意味しない。さらに、「PPP〜QQQ]という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
なお、各図において、厚みや寸法などは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
図1及び図2は、本発明の熱収縮性筒状ラベルを構成する基本部材である、ラベル基材1を示している。
ラベル基材1は、透明な熱収縮性フィルム2と、意匠印刷層(図示せず)と、光反射層3と、を有する。ラベル基材1は、これらの層以外の機能層を有していてもよい。熱収縮性フィルム2の表面及び裏面は、平滑であり、熱収縮性フィルム2の内部には、所望の表示を表す炭化物が形成されている。この炭化物は、熱収縮性フィルム2の表面側又は裏面側から照射したレーザー光により形成された、閉鎖空間である空洞部5の周囲に存在している。
具体的には、意匠印刷層は、所望のデザインを表すために、必要に応じて設けられる。意匠印刷層は、公知の印刷インキを、熱収縮性フィルム2の表面及び/又は裏面に印刷することにより形成できる。傷付き難くなることから、熱収縮性フィルム2の裏面に意匠印刷層を設けることが好ましい。
意匠印刷層を熱収縮性フィルム2の裏面に設ける場合には、意匠印刷層のデザイン表示が光反射層3によって隠蔽されないようにするために、熱収縮性フィルム2の裏面と光反射層3の間に意匠印刷層が設けられる。
熱収縮性フィルム2は、少なくとも一方向(一方向は、筒状に形成された際に周方向となる)に熱収縮性を有するフィルムである。
熱収縮性は、所定の温度(例えば、70℃〜100℃)に加熱されると収縮する性質をいう。
熱収縮性フィルム2は、他方向(他方向は、フィルム面内で前記一方向に直交する方向)にも若干熱収縮又は熱伸張するものを用いてもよい。
熱収縮性フィルム2の熱収縮率は、特に限定されない。熱収縮性フィルム2の、80℃に加熱した際の一方向における熱収縮率は、例えば、30%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。
なお、熱収縮性フィルム2が他方向にも若干熱収縮又は熱伸張する場合、その80℃に加熱した際の他方向における熱収縮率は、例えば、−3%〜15%である。前記他方向の熱収縮率のマイナスは、熱伸張を意味する。
前記80℃に加熱した際の熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、フィルムを80℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
式:熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性フィルム2は、熱収縮性フィルム2の内部の炭化物及び空洞部5の平面視形状を視認できるようにするため、透明なフィルムが用いられる。
透明は、有色透明又は無色透明を含むが、好ましくは無色透明である。
熱収縮性フィルム2の透明性の度合いは、前記空洞部5の平面視形状(所望の表示)を熱収縮性フィルム2の表面側から視認できる程度であれば特に限定されない。熱収縮性フィルム2の全光線透過率は、例えば、70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
前記全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
熱収縮性フィルム2の厚みは、特に限定されないが、一般に、20μm〜100μmであり、好ましくは30μm〜70μmである。
熱収縮性フィルム2は、単層のフィルムでもよいが、複数の層が積層一体化された積層フィルムが好ましい。
熱収縮性フィルム2が複数層の積層フィルムである場合、熱収縮性フィルム全体として、前記熱収縮性を有していることを条件として、その複数層の中に熱収縮性を有さない層が含まれていてもよい。
図示例の熱収縮性フィルム2は、3層構造であり、表層21と、表層21の裏面に積層された中間層22と、中間層22の裏面に積層された裏層23と、からなる。
表層21の表面及び裏層23の裏面は、平滑である。表層21の表面側(熱収縮性フィルム2の表面側)又は裏層23の裏面側(熱収縮性フィルム2の裏面側)からレーザー光を照射することにより、中間層22の内部に、炭化された炭化物を周囲に有する空洞部5を形成できる。
なお、本明細書において、表面及び裏面が平滑とは、空洞部5が表層21の表面及び裏層23の裏面(熱収縮性フィルム2の表面及び裏面)に出ていない状態である。前記表面及び裏面が平滑であることは、(1)レーザー照射後の表層21(熱収縮性フィルム2)の表面及び裏層23(熱収縮性フィルム2)の裏面が、レーザー照射直前の表面及び裏面と同じような状態、或いは、(2)内部に生じた空洞部5に対応して表層21の表面及び裏層23の裏面になだらかな凹み又は膨らみが生じている状態、(3)レーザーが当たることによって表面に微細な形状変化が生じた状態、を含む意味である。内部に空洞部が形成された後には、外からの荷重などによって空洞部が少し潰れる又は空洞部内の空気膨張により、空洞部に対応する表面部分又は裏面部分が、わずかに湾曲状に凹む又は膨らむことがあるからである。
中間層22の内部に空洞部5を良好に形成するためには、例えば、表層21及び裏層23の形成材料として中間層22よりもレーザー光の吸収率の低い材料を用い、中間層22の形成材料としてレーザー光の吸収率の高い材料を用いることが好ましい。また、これらの形成材料の熱的特性等を考慮して、積層フィルムの各層を適宜形成することができる。
表層21及び裏層23の形成材料は、レーザー光を実質的に吸収せずにレーザー光によって溶融又は焼けないことを条件として、特に限定されない。表層21及び裏層23の形成材料は、例えば、それぞれ独立して、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などを主成分として含む。表層21及び裏層23の形成材料は、ポリスチレン系樹脂又はポリエステル系樹脂が好ましい。表層21及び裏層23は、同種の樹脂又は互いに異なる樹脂から形成されていてもよい。
表層21及び裏層23の厚みは、特に限定されないが、例えば、3μm〜50μmである。
中間層22(中間層22は、内部に空洞部5が形成されるフィルム層である)の形成材料は、レーザー光を吸収でき、炭化物を有する空洞部5を生じるものであることを条件として、特に限定されず、上記のような樹脂を用いることができるが、中でもポリスチレン系樹脂を用いることが好ましい。中間層22を形成するポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は、例えば、1万〜10万であり、好まし
くは1.5万〜8万であり、より好ましくは2万〜6万である。表層21及び裏層23の形成材料がポリスチレン系樹脂である場合、その樹脂は、中間層22を形成するポリスチレン系樹脂よりも重量平均分子量が大きいことが好ましい。
例えば、熱収縮性フィルム2としては、2種3層のフィルムが挙げられる。このような2種3層フィルムとしては、表層21及び裏層23が何れもポリエステル系樹脂から形成され且つ中間層22がポリスチレン系樹脂から形成されたフィルム、又は、表層21、中間層22及び裏層23が何れもポリスチレン系樹脂から形成されたフィルムなどが挙げられる。
中間層22の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜90μmであり、好ましくは、20μm〜60μmである。中間層22の厚みが余りに薄いと、レーザー光の照射時に、内部に空洞部5が生じないおそれがある。
レーザー光線としてYAGレーザー光線又はYVOレーザー光線を用いる場合には、熱収縮性フィルム2の表層21、中間層22及び裏層23の形成材料は、それぞれポリスチレン系樹脂であることが好ましい。この場合も、表層21及び裏層23は、中間層22よりもレーザー光の吸収率が低い材料から形成されることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂から形成された表層21、中間層22及び裏層23は、各層の総重量に対して、ポリスチレン系樹脂を70重量%以上(例えば、70〜100重量%)含有し、好ましくは90重量%〜100重量%含有する。
このポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体である一般ポリスチレン(GPPS)などのスチレン系単量体の単独重合体又は共重合体;合成ゴムにスチレンをグラフト重合させた高衝撃性ポリスチレン(HIPS);スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)に代表される、スチレン系単量体とブタジエンやイソプレン等のジエン系単量体(共役ジエン)からなる共重合体(特に、ブロック共重合体)であるスチレン−共役ジエン共重合体;スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体などの共重合体であるスチレン−重合性不飽和カルボン酸エステル共重合体;スチレン−共役ジエン−重合性不飽和カルボン酸エステル共重合体;スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重合体をグラフト重合させた透明・高衝撃性ポリスチレン(グラフトTIPS)、及びこれらの混合物等が挙げられる。特に、中間層22の形成に用いられるポリスチレン系樹脂は、2種以上の混合物であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種単独で、又は、2種以上併用できる。前記(メタ)アクリルは、メタクリル又はアクリルを意味する。
前記スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。中でも、強度、成形性などの物性の観点から、スチレンが特に好ましい。なお、これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレンなどが挙げられる。中でも、脆性改良、柔軟性付与の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。なお、これら共役ジエンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン−共役ジエン共重合体の共重合の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体など特に限定されないが、ブロック共重合体が好ましく、スチレン(S)−共役ジエンブロック(D)型、S−D−S型、D−S−D型、S−D−S−D型等が挙げられる。
前記スチレン−共役ジエン共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体(SBIS)、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体(SEPS)などが例示される。中でも、最も好ましくは、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体(SBIS)である。
前記ポリスチレン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製「アサフレックス」、電気化学工業(株)製「クリアレン」などが挙げられる。
具体的には、前記表層21及び裏層23の形成に用いられるポリスチレン系樹脂は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)の単独又はスチレン−ブタジエンブロック共重合体及び高衝撃性ポリスチレン(HIPS)の混合物が好ましい。表層21及び裏層23において、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(及び高衝撃性ポリスチレン)の量は、適宜設計できるが、良好な熱収縮性と機械的強度を有する層を形成できることから、スチレン−ブタジエンブロック共重合体は、層全体に対して80質量%以上含まれていることが好ましく、さらに、高衝撃性ポリスチレンが含まれている場合には、その高衝撃性ポリスチレンは5質量%〜20質量%であることが好ましい。
前記中間層22の形成に用いられる各ポリスチレン系樹脂は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の混合物、又は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体の混合物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記に記載したものを用いることができる。この混合物において、スチレン−ブタジエンブロック共重合体とスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(又はスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体)の配合量は、適宜設計できるが、熱収縮性を損なわず且つ比較的大きな空洞部を形成できることから、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が、中間層全体に対して30質量%〜70質量%含まれ、且つ、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(又はスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体が、中間層全体に対して30質量%〜70質量%含まれていることが好ましい。なお、前記スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体は、それぞれランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合の何れでもよいが、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体については、ブタジエン成分にスチレン及び(メタ)アクリル酸エステルがグラフト共重合したものが好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ乳酸などが挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート系樹脂が用いられる。前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステルなどのジオール変性PET;ジカルボン酸成分において、テレフタル酸を主成分にイソフタル酸及び/又はアジピン酸で変性したジカルボン酸変性PET;ジカルボン酸成分及びジオール成分の両方を変性したジカルボン酸及びジオール変性PET;などが挙げられる。
表層21、中間層22及び裏層23の厚みの比は、適宜設定できる。例えば、熱収縮性フィルム2が3層構造の場合には、表層21の厚みを1とした場合、中間層22の厚みは、2〜8であり、一方、裏層23の厚みは、0.5〜1.5であり、好ましくは1である。
表層21、中間層22及び裏層23の形成材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記主成分となる樹脂以外の熱可塑性樹脂及び各種添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤などが挙げられる。
このような他の熱可塑性樹脂及び添加剤を配合する場合、その量は、形成材料中、0を超え50重量%以下であることが好ましい。
なお、熱収縮性フィルムには、リターン材が配合されていてもよい。特に、内部に空洞部5が形成されるフィルム層である、中間層22の形成材料に、リターン材を配合することにより、レーザー光の照射時に空洞部5が生じ易くなる。
前記リターン材は、熱収縮性フィルムの製造時に生じるフィルム端切れを再利用するリサイクル材である。前記リターン材は、フィルム端切れを回収し、その端切れを所要温度(例えば、200℃〜250℃)で溶融し、再ペレット化することにより得られる。
リターン材の配合量は、特に限定されないが、目的とする層(例えば、中間層22など)の形成材料全体を100質量部とした場合、リターン材が20質量部〜60質量部配合されていることが好ましい。
なお、上記では、3層構造の熱収縮性フィルム2を例示したが、例えば、図3に示すように、熱収縮性フィルム2は、4層構造でもよいし、図4に示すように、5層構造でもよい。その他、図示しないが、熱収縮性フィルムは、6層以上の複層構造でもよい。
図3のラベル基材1は、表層21と、第1層221及び第2層222からなる中間層22と、裏層23と、からなる熱収縮性フィルム2と、必要に応じて裏層23の裏面に設けられる光反射層3と、必要に応じて設けられる意匠印刷層及びその他の機能層と、を有する。
図4のラベル基材1は、表層21と、第1層221、第2層222及び第3層223からなる中間層22と、裏層23と、からなる熱収縮性フィルム2と、必要に応じて裏層23の裏面に設けられる光反射層3と、必要に応じて設けられる意匠印刷層及びその他の機能層と、を有する。
4層構造の熱収縮性フィルム2及び5層構造の熱収縮性フィルム2のいずれも、中間層22に炭化物を周囲に有する空洞部5が形成されるが、その空洞部5は、第1層221、第2層222及び第3層223から選ばれる少なくとも1つの層に形成されていればよい。
従って、例えば、図3に示すように、空洞部5が第1層221と第2層222の双方に形成されていてもよいし、例えば、図4に示すように、空洞部5が、隣接する2つの層(例えば第2層222と第3層223)の積層界面に跨がって形成されていてもよい。
また、図5に示すように、熱収縮性フィルム2は単一のフィルム層24から構成されていてもよい。この場合、そのフィルム層24の内部に炭化物を有する空洞部5が形成される。
表層21、中間層22及び裏層23からなる熱収縮性フィルム2のように、複数の層からなる熱収縮性フィルムは、各層の形成材料を対応する押出機(3層の場合には、3台の押出機)からそれぞれ共押出し、ロールに引き取ることにより製膜し、さらに、少なくとも一方向(主たる熱収縮方向)に延伸することにより得ることができる。必要に応じて、形成材料を成膜し、一方向及び他方向に延伸してもよい。
延伸は、テンター法、チューブラー法などの公知の方法で行うことができる。延伸処理は、通常、70℃〜110℃の温度で、一方向に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸すればよい。さらに、必要に応じて、他方向にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られたフィルムは、一方向に熱収縮しうる一軸延伸フィルム又は他方向にも若干熱収縮しうる二軸延伸フィルムとなる。
光反射層3は、炭化物を有する空洞部5を熱収縮性フィルム2の表面側から見えやすくするために、必要に応じて熱収縮性フィルム2の裏面に積層される。また、前記光反射層3を設けることにより、熱収縮性フィルム2の表面側からレーザー光を照射した際に、炭化物を有する空洞部5が生じ易くなる。空洞部5を設けることによって空洞部5が生じ易くなる作用は、明らかではないが、白色印刷層などからなる光反射層3を設けることにより、熱収縮性フィルム2の厚み方向において光反射層3に近い側に比較的多くの空洞部5が生じるようになる。
光反射層3としては、所定色のインキを熱収縮性フィルム2の裏面にベタ状に塗工することにより熱収縮性フィルム2の裏面に設けられた背景印刷層、熱収縮性フィルム2の裏面に蒸着されたアルミニウム膜などの金属蒸着膜、熱収縮性フィルム2の裏面に積層されたアルミニウム箔などの金属箔などが挙げられる。
前記背景印刷層の色彩は、光を反射することを条件として特に限定されず、通常、白色、淡黄色などの淡色又は銀色であり、好ましくは白色である。前記白色又は淡黄色の色彩を呈する背景印刷層は、酸化チタンを含んでいるものが好ましく、さらに、40質量%〜80質量%の酸化チタンを含むものがより好ましい。酸化チタンは、レーザーを吸収し難いので、酸化チタンを含む光反射層3はレーザー照射によって消失しにくくなる。前記バインダー樹脂としては、従来公知の印刷インキに用いられている樹脂成分を用いることができ、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。
背景印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.2μm〜15μmである。
前記ラベル基材1(熱収縮性フィルム2)の表面側又は裏面側からレーザー光を照射することにより、中間層22の一部分が溶融して又は焼けて、中間層22の内部に空洞部5が生じる。図示していないが、熱収縮性フィルムに光反射層が設けられていないラベル基材を用いる場合には、そのラベル基材の表面側及び裏面側の何れか一方からレーザー光を照射するが、熱収縮性フィルム2の裏面に光反射層3が設けられているラベル基材1を用いる場合には、そのラベル基材1の表面側からレーザー光を照射する。
前記空洞部5を形作る、空洞周囲の壁面5aには、炭化物が存在する。なお、空洞部5の周囲の炭化物は、周囲の壁面5aの全体に存在している場合(壁面5aの全体が炭化されている場合)だけでなく、壁面5aの一部に炭化物が存在しない場合も含む。
前記空洞部5の周囲の炭化物は、空洞部5の壁面5a自体が炭化することによって生じるか、又は、レーザー光の照射前に空洞部形成箇所に存在していたフィルム成分自体がレーザー光の照射によって炭化して炭化物を生じ、その炭化物が同時に生じた空洞部5の壁面5aに付着したものであると推定される。
空洞部5の周囲に炭化物が形成されていることにより、熱収縮性フィルム2の表面側から空洞部5の平面視形状を良好に視認できる。
特に、熱収縮性フィルム2の裏面には光反射層3が設けられているので、空洞部5において光の屈折率が大きく変化し、熱収縮性フィルム2の表面側から見たときに、空洞部5とそれ以外の部分との境界(つまり、空洞部5の周囲の壁面5a)が明確になり、空洞部5の平面視形状で表された所望の表示を明確に視認できる。
なお、図1において、便宜上、空洞部5の平面視形状を楕円リング状(数字の零)で表しているが、空洞部5の形状は、これに限定されるわけではない。
さらに、図6に示すように、必要に応じて、熱収縮性フィルム2の表面に、艶消し層7が積層されていてもよい。艶消し層7を設けることにより、艶消し層7が積層された側からレーザー光を照射した際に、炭化物を有し且つ比較的大きな空洞部5が生じ易くなる。比較的大きな空洞部5が生じることによって、所望の表示を一層視認し易い熱収縮性筒状ラベルを構成できる。
艶消し層7を設ける場合、熱収縮性フィルム2の裏面に、光反射層が設けられていなくてもよいが、好ましくは、図6に示すように、前記白色印刷層などの光反射層3が設けられる。熱収縮性フィルム2と、その裏面に設けられた光反射層3と、その表面に設けられた艶消し層7と、を有するラベル基材1を用いることにより、熱収縮性フィルム2の内部に炭化物を有し且つより大きな空洞部5を形成し易い。前記熱収縮性フィルム2、光反射層3及び艶消し層7を有するラベル基材1からなる熱収縮性筒状ラベルは、より大きな空洞部5を形成できるので、所望の表示が明確に視認できる熱収縮性筒状ラベルを構成できる。
なお、図6では、3層構造の熱収縮性フィルム2を例示しているが、艶消し層7を設ける場合の熱収縮性フィルム2についても、3層構造に限られず、2層若しくは4層以上の複層構造又は単層でもよい。
前記艶消し層7としては、例えば、艶消し剤と透明なバインダー樹脂を含むマットインキを熱収縮性フィルム2の表面に印刷することによって形成できる。前記艶消し剤としては、体質顔料を用いることができる。体質顔料としては、シリカ、硫酸バリウム、タルクなどの無機微粒子、アクリルビーズ、スチレンビーズなどの樹脂微粒子などが挙げられる。前記バインダー樹脂としては、上記で例示したものを適宜用いることができる。艶消し層中の体質顔料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは10質量%〜40質量%である。艶消し層7の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1μm〜3μmである。なお、艶消し層7は、透光性を損なわない程度で設けられる。具体的には、艶消し層7を設けた熱収縮性フィルム2の全光線透過率(JIS K7105)が例えば70%以上となるように、マットインキや厚みを設定する。
レーザー光線としては、YAGレーザー光線(イットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザー光線。波長=1,064nm)や、YVOレーザー光線(イットリウム・バナデートレーザー光線。波長=1,064nm)などを使用できる。鮮明な表示を形成できることから、YAGレーザー光線又はYVOレーザー光線を用いることが好ましい。これらのレーザー光線は、表層21又は裏層23を透過し、中間層22に吸収されてそれを溶融又は焼くことができる。
レーザー光線の照射条件は、適宜設定される。
レーザー光の周波数は、例えば、20kHz〜100kHz、好ましくは20kHz〜40kHzである。周波数(エネルギー)が小さすぎると熱収縮性フィルム2の内部(中間層22)が十分に溶融せず、他方、周波数が大きすぎると熱収縮性フィルム2が焼けて部分的に破断するおそれがある。
レーザー光の照射により、熱収縮性フィルム2の内部に、周囲に炭化物を有する所望の平面視形状の空洞部5を形成できる。この空洞部5は、熱収縮性フィルム2の表裏面に至らない、熱収縮性フィルム2の内部に生じる閉鎖空間である。空洞部5は、熱収縮性フィルム2の表裏面に至っていなければ、例えば、空洞部5が表層21と中間層22の積層界面に跨がって形成されていてもよい。
前記空洞部5の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、1μm〜30μmであり、より好ましくは、1μm〜20μmである。空洞部5の厚みが余りに小さいと、空洞部5の視認性が低下し、一方、空洞部5が余りに大きいと、空洞部5が熱収縮性フィルム2の表面又は裏面を突き破り、熱収縮性フィルム2の表面又は裏面にクレーターのような陥没部を生じるおそれがある。
なお、空洞部5の厚みは、熱収縮性フィルムの厚み方向における空洞部5の長さであり、その長さが熱収縮性フィルムの面方向で一様でない場合には、その長さのうちで最大の長さをいう。
周囲に炭化物を有する空洞部5の平面視形状は、所望の表示を構成する。
空洞部5の平面視形状(所望の表示)は、特に限定されず、適宜設定できる。
空洞部5の平面視形状は、商品名や絵柄などの予め決まったデザイン表示を表すものでもよいし、又は、オンデマンド的な表示を表すものでもよい。
オンデマンド的な表示には、例えば、製造年月日、賞味期限、製造コードなどのトレーサビリティに関する表示、懸賞キャンペーンを行っている場合の懸賞応募ID、アタリ又はハズレのような籤表示などが含まれる。通常、このようなオンデマンド的な表示は、数字、文字、記号などで表される。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、被着体に外嵌する前から筒状に形成されているもの(第1の熱収縮性筒状ラベル)でもよいし、或いは、被着体に外嵌すると同時に筒状に形成されるもの(第2の熱収縮性筒状ラベル)でもよい。
例えば、図7に示すように、本発明の第1の熱収縮性筒状ラベルA1は、前記熱収縮性フィルム2を有するラベル基材1の裏面側を内側にして丸め、一方向(主たる熱収縮方向)が周方向となるように、ラベル基材1の第1側端部1aの表面に第2側端部1bの裏面を重ね合わせて接着することにより、筒状に形成されている。
また、図9に示すように、本発明の第2の熱収縮性筒状ラベルA2は、前記熱収縮性フィルム2を有するラベル基材1の第1側端部1aの裏面を被着体6に接着し、且つ熱収縮性フィルム2の一方向(主たる熱収縮方向)が周方向となるように、ラベル基材1を被着体6の周囲に巻き付けた後、前記第1側端部1aの表面に第2側端部1bの裏面を重ね合わせて接着することにより、筒状に形成されている。
図8は、第2の熱収縮性筒状ラベルA2の形成過程を示し、ラベル基材1の第1側端部1aの裏面を被着体6に接着し、ラベル基材1を被着体6に巻き付ける前の状態を示している。
なお、前記第1側端部1aは、ラベル基材1の一方向両側において他方向に延びる両側部のうちの一方であり、第2側端部1bは、その両側部のうちの他方である。
第1及び第2の熱収縮性筒状ラベルA1,A2は、ラベル基材1を筒状に形成する前に、レーザー光を照射して炭化物及び空洞部5を形成してもよいし、ラベル基材1を筒状に形成した後に、その表面側からレーザー光を照射して炭化物及び空洞部5を形成してもよい。
第1の熱収縮性筒状ラベルA1は、通常、ラベル基材1を筒状に形成して筒状体とした後、レーザー光を照射して熱収縮性フィルム2の内部に炭化物及び空洞部5が形成される。
第2の熱収縮性筒状ラベルA2は、熱収縮性フィルム2の内部に炭化物及び空洞部5が形成されたラベル基材1を用いて、被着体6を利用して筒状に形成される。
第1の熱収縮性筒状ラベルA1は、被着体に外嵌した後、所定の温度に加熱することにより、周方向に収縮して被着体に密着する。
第2の熱収縮性筒状ラベルA2は、既に被着体に外嵌されているので、所定の温度に加熱することにより、周方向に収縮して被着体に密着する。
被着体は、特に限定されず、代表的には、飲料容器、調味料容器、化粧品容器、医薬品容器などの各種容器が挙げられる。
本発明の熱収縮性筒状ラベルによれば、熱収縮性フィルムの表面及び裏面の平滑性を保ったまま、レーザー光により所望の表示を表すことができる。この所望の表示は、熱収縮性フィルムの内部に形成された炭化物によって表されるので、熱収縮性筒状ラベルを装着した被着体の流通過程で、その表示が消失又は薄くなっていくおそれがない。
特に、炭化物が空洞部の周囲に形成されている場合、光が空洞部で大きく屈折するので、所望の表示(炭化物の形状)を容易に視認できるようになる。
さらに、レーザー光を使用するので、ラベルが濡れていても所望の表示を表すことができる。
以下、実施例を示して、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
熱収縮性フィルムとして、厚み10μmの表層、厚み30μmの中間層及び厚み10μmの裏層からなる3層構造の厚み50μmの一軸延伸ポリスチレン系フィルムを用いた。前記表層及び裏層は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ブタジエン量25質量%)からなり、前記中間層は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ブタジエン量25質量%)とスチレン−アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体(ブタジエン成分にスチレン及びアクリル酸エステルがグラフト共重合したもの)の等量混合物からなる。
この熱収縮性フィルム(熱収縮性フィルムそのものをラベル基材として使用)に、所定の表示(1234567890という数字)を描くように、その表層側から下記の照射条件でレーザー光を照射した。
(レーザー照射条件)
レーザー:YAGレーザー
走査速度:500mm/秒
Q−スイッチ周波数:40kHz
レーザーパワー:80%
(実施例2)
実施例1の熱収縮性フィルムの裏層の裏面に、白色顔料として酸化チタンを含むアクリル系インキ(酸化チタンは、全固形分に対して60質量%配合)をベタ状に印刷して厚み10μmの白色背景印刷層を設けたラベル基材を作製した。このラベル基材に、実施例1と同様にして、レーザー光を照射した。
(実施例3)
実施例1の熱収縮性フィルムの裏層の裏面に、白色顔料として酸化チタンを含むアクリル系インキ(酸化チタンは、全固形分に対して60質量%配合)をベタ状に印刷して厚み3μmの白色背景印刷層を設け、且つ、そのフィルムの表層の表面に、シリカを含むマットインキ(シリカは、全固形分に対して20質量%配合)をベタ状に印刷して厚み1μmの艶消し層を設けたラベル基材を作製した。このラベル基材に、実施例1と同様にして、レーザー光を照射した。
(実施例4)
熱収縮性フィルムとして、厚み10μmの表層、厚み30μmの中間層及び厚み10μmの裏層からなる3層構造の厚み50μmの一軸延伸ポリスチレン系フィルムを用いた。前記表層及び裏層は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ブタジエン量25質量%)からなり、前記中間層は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ブタジエン量25質量%)とスチレン−アクリル酸エステル共重合体の混合物(スチレン−ブタジエンブロック共重合体:スチレン−アクリル酸エステル共重合体(質量比)=70:30)からなる。この熱収縮性フィルムの裏面に、実施例3と同様にして、厚み3μmの白色背景印刷層を設け、且つ、熱収縮性フィルムの表面に、厚み1μmの艶消し層を設けることにより、白色背景印刷層及び艶消し層を有するラベル基材を作製した。このラベル基材に、実施例1と同様にして、レーザー光を照射した。
(実施例5)
実施例1の中間層を構成するスチレン−ブタジエンブロック共重合体とスチレン−アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体の混合物のうち30質量%相当分をリターン材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱収縮性フィルムを作製した。この熱収縮性フィルムは、中間層の30%にリターン材が使用されている点で実施例1のフィルムと異なるが、実施例5及び実施例1のフィルムの組成は、実質的に同じである。この熱収縮性フィルムに、実施例1と同様にして、レーザー光を照射した。
(評価)
実施例1乃至5のラベル基材の表面及び裏面を目視で観察したところ、いずれの面にもクレーターのような陥没した箇所がなく、平滑状であった。
また、各ラベル基材の表面側から目視で観察したところ、1234567890の数字を明瞭に確認できた。
実施例1乃至実施例5を対比すると、実施例1よりも実施例2の方が前記数字を視認し易く、実施例2よりも実施例3及び4の方が前記数字を視認し易かった。さらに、実施例1よりも実施例5の方が前記数字を視認し易かった。
各ラベル基材を、前記数字の一部を横断するように裁断し、それぞれ市販の走査型電子顕微鏡で観察したところ、いずれも、熱収縮性フィルムの内部に、周囲に炭化物を有する空洞部が存在していた。
実施例1のラベル基材の空洞部は、その厚みが1μmであり、実施例2のラベル基材の空洞部は、その厚みが2μmであった。
なお、図10は、前記切断した実施例1のラベル基材の電子顕微鏡の写真図である。
1…ラベル基材、1a…ラベル基材の第1側端部、1b…ラベル基材の第2側端部、2…熱収縮性フィルム、21…表層、22…中間層、23…裏層、3…光反射層、5…空洞部、5a…空洞部の周囲の壁面、7…艶消し層、A1,A2…熱収縮性筒状ラベル

Claims (6)

  1. 所望の表示が表され且つ筒状に形成された透明な熱収縮性フィルムを有し、
    前記表示が、レーザー光に起因して前記熱収縮性フィルムの内部に形成された空洞部の周囲に存在する炭化物によって表されている、熱収縮性筒状ラベル。
  2. 前記熱収縮性フィルムが、表層、中間層及び裏層の少なくとも3層を共押出し成形した積層フィルムであり、前記中間層に、前記炭化物が形成されている、請求項1に記載の熱収縮性筒状ラベル。
  3. 前記熱収縮性フィルムの裏面に、光反射層が積層されている、請求項1または2に記載の熱収縮性筒状ラベル。
  4. 前記熱収縮性フィルムの表面に、艶消し層が積層されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱収縮性筒状ラベル。
  5. 前記炭化物の形成された層が、樹脂成分として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の混合物、又は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体の混合物を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱収縮性筒状ラベル。
  6. 前記空洞部の厚みが、1μm〜30μmである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱収縮性筒状ラベル。
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