JP6295124B2 - 車両 - Google Patents
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Description
貨物等を牽引可能な車両において衝撃を吸収する構造としては、フレーム状部材であるリヤサイドメンバを屈曲させる態様だけでなく、例えばフレーム状部材に対して軸方向に衝突荷重を入力することによって、フレーム状部材に軸方向に沿って衝撃を吸収させる態様もある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、前後方向に延在するフレーム状部材を積極的に屈曲させること無く、後方からの衝突荷重を効率的に吸収することのできる車両を提供することである。
これにより、フレームを積極的に折曲、湾曲又は屈曲させること無く、後方からの衝突荷重を効率的に吸収可能な車両を提供することができる。
以下に示す図面において、衝突荷重の入力時の説明図では、車両外部からの衝突荷重を白色の矢印で示すと共に、車体内部で伝達される衝突荷重を黒色の矢印で示す。
以下において、車両1の前進方向を前方向、後進方向を後方向とし、前方向を基準として左右方向及び上下方向を定めることとする。
なお、車体2は、本発明に係る車両における車体の一例である。
なお、サイドフレーム4は、本発明に係る車両におけるフレームの一例である。
バンパステー5は、サイドフレーム4の後端部から後方に延在する部材であり、バンパビーム6の取付用部材である。
なお、車体2の一部であるバンパフェース10は、入力部Cを有している。入力部Cは、後述の折曲部151が当接する部位である。入力部Cに対して、折曲部151が当接し、更に押し込まれた場合の作用等については後述する。
貨物等を牽引する車両の後方においては、通常バンパフェース10がバンパビーム6の後方に配置され、車体2の外観の意匠性等を考慮して、図2に示すようにバンパビーム6よりも下方まで延在していることが多い。また、トレーラーヒッチ3の形状については、車体2の外観の意匠性を考慮して、バンパフェース10を貫通してトレーラーヒッチ3を後方に突出させない場合がある。よって、トレーラーヒッチ3は、バンパフェース10の下方をくぐるようにして車体2後端の下縁から後方に突出する。
なお、クロスチューブ12は、本発明に係る車両の横断部材の一例である。
なお、接続用アーム15及びヒッチボール16は、本発明に係る車両の接続部材の一例である。また、折曲部151は、本発明に係る車両の接続部材の衝突部の一例である。
従来では、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4及びバンパステー5等と同位置に、クロスチューブ12様の横断部材が配置されていることが多かった。上述したように、車体2の上下方向において、サイドフレーム4の位置、及び、ヒッチボール16の位置は、それぞれ略一定であり、かつ相互に同位置ではなかった。換言すると、車体2の上下方向においてサイドフレーム4の位置とヒッチボール16の位置とがずれていた。通常、車体2の上下方向において、サイドフレーム4の位置は相対的に高く、ヒッチボール16の位置は相対的に低いことが多かった。
トレーラーヒッチ3全体がクロスチューブ12の軸線を中心にして回転すると、サイドフレーム4におけるクロスチューブ12との接続部位より前方において、上下方向に衝突荷重が作用することになる。これにより、サイドフレーム4は左右方向に折曲線が形成されて、上下方向に折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる可能性があった。
またブラケット11を介した一対のサイドフレーム4の各種変形形態は、直接の原因が接続部材の押し込みではなく、クロスチューブ12で減衰された衝突荷重がブラケット11を介して伝達されることに因る。つまり、従来とはサイドフレーム4の変形の原因が異なり、これによって衝突荷重の吸収効率の差異が生じることになる。
また、クロスチューブ12は、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4とは異なる位置に設けられているので、衝突物からサイドフレーム4に対する衝突荷重の入力を妨げない。更に、クロスチューブ12は、クロスチューブ12が前方へ押し込まれて変形したとしても一対のサイドフレーム4に干渉し難い位置に設けられているので、衝突物によるサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。
これに対して、車両1はクロスチューブ12と一対のサイドフレーム4とにおいて衝突荷重の吸収を分けているので、クロスチューブ12に入力される衝突荷重によってサイドフレーム4の意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形が生じるのを防止することができる。接続部材から車体2に入力された衝突荷重の一部を、車体2の内部においてクロスチューブ12で確実に吸収する。よって、サイドフレーム4の意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる方向、例えば上下方向には衝突荷重を作用せず又は作用し難く、更に衝突物からのサイドフレーム4への衝突荷重の入力には影響しないので、車両1は衝突荷重の吸収効率が良好である。
図4に示す車体2の入力部Cは、衝突部である接続用アーム15が押し込まれることによって衝突荷重が伝わる車体の一部位であり、車体2の上下方向において該入力部Cと内側入力伝達部18とクロスチューブ12とは略同位置である。図4(B)に示すように、車体2の内側において、入力部Cに近接して内側入力伝達部18が設けられていることにより、衝突荷重が接続部材から入力部Cに入力されると、内側入力伝達部18を介してクロスチューブ12に衝突荷重が伝達され易くなっている。
また、車両101におけるクロスチューブ12は、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4とは異なる位置に設けられているので、衝突物からサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。更に、車両101におけるクロスチューブ12は、クロスチューブ12が前方へ押し込まれて変形したとしても一対のサイドフレーム4に干渉し難い位置に設けられているので、衝突物によるサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。
また、平板部20の大きさ及び形状等は、接続部材が車体を介して内側入力伝達部18に伝達可能な限り、特に制限されない。特に平板部20の大きさとしては、例えば接続部材に対して左右方向の衝突荷重も含む入力があると左前方又は右前方に向かって押し込まれるので、この場合であってもバンパフェース10を介して確実に接続用アーム15によって押圧可能な程度の大きさであると良い。
もっとも、内側入力伝達部18及び外側入力伝達部材172を設けると共に、係止ピン14及び脆弱部等の接続部材を回転させる構造を採用することによって、様々な角度及び大きさを以って入力される衝突荷重であっても、接続部材が前方に回転変位し易いので、より確実に接続部材からクロスチューブ12に対して衝突荷重を伝えることができるようになる。
なお、外側入力伝達部材172を有する車両102は、接続用アーム15等の接続部材が前方に若干変位するだけでクロスチューブ12に衝突荷重を伝達可能である。更に言うと、車両102は、接続部材が前方の車体内部に向かって押し込まれる方向及び距離を一定にして上記車両1及び車両101に比べると、クロスチューブ12を前方に押圧し、変形させる距離が大きい。つまり、車両102は、衝突直後からクロスチューブ12を変形させ始めることができるので、衝突荷重の吸収効率がより一層良好である。
車体側入力伝達部材として具体的には、例えば図2に示した実施形態のバンパフェース10の下端から挿入され、バンパフェース10を内側と外側とから挟持して固定されるクリップ状部材、及び、バンパフェース10の内側であってバンパビーム6からクロスチューブ12の後方まで垂下される垂下部材等を挙げることができる。該クリップ状部材及び垂下部材は、車体2の幅方向において接続用アーム15及びヒッチボール16等と同位置又は略同位置で、車体2の上下方向において入力部Cと同位置又は略同位置に配置されるのが良い。また、入力部C近傍においては前後方向の少なくともいずれか一方に突出して接続部材、横断部材、内側入力伝達部材及び外側入力伝達部材等の少なくともいずれか一つに対して当接し易くなっているのが好ましい。
Claims (7)
- 前後方向に延在するフレームを有する車体と、
車体内側の後端部に設けられ、車体の幅方向に延在する横断部材と、
横断部材に接続され、車体後端の下縁から後方に突出し、牽引物に接続可能な接続部材と、を備え、
接続部材は、後方からの衝突荷重を受けて接続部材が変形又は移動すると車体に当接する衝突部を有し、
横断部材は、車体の上下方向において、フレームからずらして設けられ、衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置の車体内側に配置される、
車両。 - 車体は、車体後方から接続部材を介して衝突荷重が伝達される入力部を有し、
車体の上下方向において入力部と横断部材とは同位置である、
請求項1に記載の車両。 - 接続部材と横断部材との間において、接続部材は、衝突荷重を横断部材に伝達する外側入力伝達部材を有し、
外側入力伝達部材が衝突部を有する、
請求項1又は2に記載の車両。 - 接続部材と横断部材との間において、横断部材は、衝突荷重が接続部材から伝達される内側入力伝達部材を有し、
内側入力伝達部材は、衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置に配置される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両。 - 接続部材と横断部材との間において、車体は、衝突荷重を接続部材から横断部材に伝達する車体側入力伝達部材を有し、
車体側入力伝達部材は、衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置に配置される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。 - 横断部材は、衝突荷重を受けると変形可能である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両。 - 接続部材は、車両の幅方向に平行又は略平行な軸線を中心に回転可能な回転軸を有し、
接続部材が後方からの衝突荷重を受けると、回転軸を中心として接続部材が回転して車体に当接する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両。
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