JP6295124B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に関する。
従来においては、例えば特許文献1に記載された発明のように、後方からの衝突荷重の入力時に、適宜の部材とリヤサイドメンバに形成される屈曲誘起部とによって、リヤサイドメンバを屈曲させて衝撃を吸収する車両があった。
貨物等を牽引可能な車両において衝撃を吸収する構造としては、フレーム状部材であるリヤサイドメンバを屈曲させる態様だけでなく、例えばフレーム状部材に対して軸方向に衝突荷重を入力することによって、フレーム状部材に軸方向に沿って衝撃を吸収させる態様もある。
特開2009−262660号公報
後方からの衝突時に上述したフレーム状部材を積極的に折曲、湾曲又は屈曲させる態様よりも、更に衝撃を吸収し易い構造が求められていた。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、前後方向に延在するフレーム状部材を積極的に屈曲させること無く、後方からの衝突荷重を効率的に吸収することのできる車両を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、車両は、前後方向に延在するフレームを有する車体と、車体内側の後端部に設けられ、車体の幅方向に延在する横断部材と、横断部材に接続され、車体後端の下縁から後方に突出し、牽引物に接続可能な接続部材と、を備え、接続部材は、後方からの衝突荷重を受けて接続部材が変形又は移動すると車体に接触する衝突部を有し、横断部材は、車体の上下方向において、フレームからずらして設けられ、衝突部が車体に接触する位置と同位置又は略同位置の車体内側に配置される。
車両は、車体車体後方から接続部材を介して衝突荷重が伝達される入力部を有し、車体の上下方向において入力部と横断部材とは同位置であることが好ましい。
車両は、接続部材と横断部材との間において、接続部材は、衝突荷重を横断部材に伝達する外側入力伝達部材を有し、外側入力伝達部材が衝突部を有することが好ましい。
車両は、接続部材と横断部材との間において、横断部材は、衝突荷重が接続部材から伝達される内側入力伝達部材を有し、内側入力伝達部材は、衝突部が車体に接触する位置と同位置又は略同位置に配置されることが好ましい。
車両は、接続部材と横断部材との間において、車体は、衝突荷重を接続部材から横断部材に伝達する車体側入力伝達部材を有し、車体側入力伝達部材は、衝突部が車体に接触する位置と同位置又は略同位置に配置されることが好ましい。
車両は、横断部材は、衝突荷重を受けると変形可能であることが好ましい。
車両は、接続部材は、車両の幅方向に平行又は略平行な軸線を中心に回転可能な回転軸を有し、接続部材が後方からの衝突荷重を受けると、回転軸を中心として接続部材が回転して車体に当接することが好ましい。
本発明によると、車体から後方に突出する接続部材が後方からの衝突荷重の入力を受け易く、接続部材が衝突荷重を受けると車体に当接する。接続部材が車体に当接すると、車体の上下方向においてフレームとは異なる位置に配置される横断部材が衝突荷重を受け、フレームを積極的に折曲、湾曲又は屈曲させること無く、横断部材が衝突荷重を吸収することができる。
これにより、フレームを積極的に折曲、湾曲又は屈曲させること無く、後方からの衝突荷重を効率的に吸収可能な車両を提供することができる。
図1は、本発明に係る車両の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示した車両の側面図である。 図3(A)は、図1に示した車両に対する衝突荷重の入力時の一部拡大側面図である。図3(B)は図3(A)に示す車両の平面概略図である。 図4(A)は、本発明に係る車両の別の実施形態を示す一部拡大側面図である。図4(B)は、図4(A)に示した車両に対する衝突荷重入力時の一部拡大側面図である。 図5(A)は、本発明に係る車両の他の実施形態を示す一部拡大側面図である。図5(B)は、図5(A)に示した車両に対する衝突荷重入力時の一部拡大側面図である。
本発明に係る車両は、車体とトレーラーヒッチとを備えて成る。本発明に係る車両は、貨物等を牽引する車両に適用することができる。なお、本発明に係る車両に対して入力される衝突荷重としては、例えば貨物等を牽引している状態で後方からの衝突が生じて貨物等を介して入力される衝突荷重、及び、貨物等を牽引していない状態で後方からの衝突物から直接入力される衝突荷重等を挙げることができる。本発明に係る車両の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。
以下に示す図面において、衝突荷重の入力時の説明図では、車両外部からの衝突荷重を白色の矢印で示すと共に、車体内部で伝達される衝突荷重を黒色の矢印で示す。
図1は、本発明に係る車両の一実施形態である車両1の一部を示す斜視図である。また、図2は、車両1の側面図である。なお、図1は、装置全体を示すために、図2に破線で示したバンパフェース10を省略している。
以下において、車両1の前進方向を前方向、後進方向を後方向とし、前方向を基準として左右方向及び上下方向を定めることとする。
図1に示すように、車両1は、車体2と、トレーラーヒッチ3とを備える。
車体2は、一対のサイドフレーム4、バンパステー5、バンパビーム6、及びリヤサスペンション7を有している。
なお、車体2は、本発明に係る車両における車体の一例である。
サイドフレーム4は、前後方向に延在する高剛性の筒状部材であり、車体2の左右両側に各長軸が略平行となるように配置される。一対のサイドフレーム4の上部には、車体2の一部となるフロアパネル(図示せず)が接合される。
なお、サイドフレーム4は、本発明に係る車両におけるフレームの一例である。
各サイドフレーム4の下方にはリヤサスペンション7がそれぞれ取付けられている。各リヤサスペンション7の下方には、後輪(図示せず)が取付けられる。一対のサイドフレーム4には、車体2の幅方向に延在するクロスメンバ8が掛け渡されており、一対のリヤサスペンション7の間にはリヤサスペンション支持部材9が掛け渡されている。クロスメンバ8の前方に燃料タンク(図示せず)等が配置されることになる。クロスメンバ8及びリヤサスペンション支持部材9は、サイドフレーム4及びリヤサスペンション7を支持する部材であり、これらの部材によって車体2の幅方向に作用する衝撃及び振動等の種々の衝突荷重に対して車体2を補強することができる。
各サイドフレーム4の後端部には、それぞれトレーラーヒッチ3の一部とバンパステー5とが取付けられている。トレーラーヒッチ3については、図2を参照しつつ後述する。
バンパステー5は、サイドフレーム4の後端部から後方に延在する部材であり、バンパビーム6の取付用部材である。
バンパビーム6は、バンパステー5の後方に取付けられ、車体2の幅方向に延在する部材である。バンパビーム6は、後述のバンパフェースの内側に近接又は当接して配置される部材である。バンパビーム6は、車体2の後端部に配置される部材であり、衝突時等に後方からの衝突荷重の入力があった場合に、バンパステー5を介して前方の一対のサイドフレーム4に衝突荷重を伝達することができる。
続いて示す図2には、車体2の一部としてバンパフェース10の一部を破線で図示している。バンパフェース10は、車体2における一対のサイドフレーム4、バンパステー5、バンパビーム6及びリヤサスペンション7等の一部又は全部を覆う外側面の構成部材であり、適宜の合成樹脂を含有する強化プラスチック等を用いて形成される板状部材である。なお、バンパフェース10の内側、つまり図2においてバンパフェース10より前方側は、車体2の内部である。
なお、車体2の一部であるバンパフェース10は、入力部Cを有している。入力部Cは、後述の折曲部151が当接する部位である。入力部Cに対して、折曲部151が当接し、更に押し込まれた場合の作用等については後述する。
貨物等を牽引する車両の後方においては、通常バンパフェース10がバンパビーム6の後方に配置され、車体2の外観の意匠性等を考慮して、図2に示すようにバンパビーム6よりも下方まで延在していることが多い。また、トレーラーヒッチ3の形状については、車体2の外観の意匠性を考慮して、バンパフェース10を貫通してトレーラーヒッチ3を後方に突出させない場合がある。よって、トレーラーヒッチ3は、バンパフェース10の下方をくぐるようにして車体2後端の下縁から後方に突出する。
トレーラーヒッチ3は、ブラケット11、クロスチューブ12、取付基部13、係止ピン14、接続用アーム15及びヒッチボール16を有している。
車体2における一対のサイドフレーム4の路面からの高さは、車種によって若干の差異はあるが、基本的に略一定である。また、車両1が牽引する貨物等におけるトレーラーヒッチ3との接続部分の路面からの高さについても、略一定である。つまり、トレーラーヒッチ3における貨物等との接続部材であるヒッチボール16の路面からの高さは、略一定である。よって、一対のサイドフレーム4とヒッチボール16とは、路面からの高さ、換言すると車体の上下方向の位置が異なることが多い。
ブラケット11は、一対のサイドフレーム4に対するクロスチューブ12の取付用部材である。ブラケット11は、その一部がサイドフレーム4とバンパステー5との間に挟持され、バンパステー5の下方において、バンパステー5の延在方向と略平行に延在する。ブラケット11の後端部は、バンパビーム6の後端部と略同位置にまで延在する。ブラケット11の後端部の下方には、クロスチューブ12が取付けられている。
クロスチューブ12は、車体2の幅方向に延在し、一対のサイドフレーム4にそれぞれ取付けられて成るブラケット11の間に掛け渡される。クロスチューブ12は、筒状部材であり、前後方向においてバンパビーム6と略同位置に配置されている。クロスチューブ12は、後方からの衝突荷重を受けると、折曲、湾曲又は屈曲等の変形が可能である。
なお、クロスチューブ12は、本発明に係る車両の横断部材の一例である。
クロスチューブ12の下方において、クロスチューブ12の延在方向の略中央部には取付基部13が設けられている。取付基部13は、後方に向かって突出しかつ開口する筒状部を有する。取付基部13は、後述の接続用アーム15の取付用部材である。
接続用アーム15は、取付基部13の筒状部に挿入可能な棒状又は筒状の挿入部を前方に有し、該挿入部から上方かつ後方に延在して、上下方向がクロスチューブ12と略同位置で前後方向に延在するように折曲されて成る板状部を後方に有する。なお、接続用アーム15の折曲されて成る折曲部151は、後述するようにトレーラーヒッチ3に対して衝突荷重が入力された場合に、バンパフェース10を介してクロスチューブ12を押圧可能な位置に形成される。接続用アーム15の後端部にはヒッチボール16が固定的に取付けられている。接続用アーム15の挿入部が取付基部13の筒状部内に適宜の位置まで挿入され、係止ピン14により脱落しないように固定される。
なお、接続用アーム15及びヒッチボール16は、本発明に係る車両の接続部材の一例である。また、折曲部151は、本発明に係る車両の接続部材の衝突部の一例である。
ヒッチボール16は略球状部が上方に突出して成る。該球状部に貨物等の牽引物の一部が係合することによって、車両1と牽引物とが接続状態となる。なお、本発明において、接続部材の形状としては、例えば牽引物に引っ掛けることのできるフック形状、又は、牽引物にフック状の係合部材が設けられている場合は該係合部材を引っ掛けることのできる開口等のように様々に変形可能である。
クロスチューブ12と接続用アーム15及びヒッチボール16とは、取付基部13及び係止ピン14を介して接続されている。トレーラーヒッチ3は車体2の後端であるバンパフェース10の下縁から突出し、更に上方及び後方に延在している。よって、クロスチューブ12に取付けられる取付基部13からヒッチボール16までの全体形状、つまり図1及び図2に示した横断部材に接続される接続部材の全体形状は、バンパフェース10の下方をくぐるようにして延在する略湾曲形状を成す。
接続部材の一部である接続用アーム15の後端部及びヒッチボール16が車両1の最後端部に位置している。よって、車両1が貨物等の牽引物を牽引している状態において、牽引物に対して後方から衝突荷重の入力があると、牽引物に直接接続されるヒッチボール16に対して、先ず衝突荷重が入力されることになる。更に、車両1が貨物等の牽引物を牽引していない状態において、車両1に対して後方から衝突等に係る衝突荷重の入力があった場合、該衝突荷重は、車両1の後方の最後端部である接続用アーム15の後端部及びヒッチボール16に対して、先ず入力されることになる。
ここで、従来における車両が後方からの衝突荷重を受ける場合について詳述する。
従来では、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4及びバンパステー5等と同位置に、クロスチューブ12様の横断部材が配置されていることが多かった。上述したように、車体2の上下方向において、サイドフレーム4の位置、及び、ヒッチボール16の位置は、それぞれ略一定であり、かつ相互に同位置ではなかった。換言すると、車体2の上下方向においてサイドフレーム4の位置とヒッチボール16の位置とがずれていた。通常、車体2の上下方向において、サイドフレーム4の位置は相対的に高く、ヒッチボール16の位置は相対的に低いことが多かった。
したがって、従来においては、トレーラーヒッチ3における接続用アーム15の後端部及びヒッチボール16等の接続部材に対して衝突荷重の入力があった場合、接続部材が例えば取付基部13のような取付用部材近傍で破断して、接続部材がサイドフレーム4の下方に潜り込むように、前方に向かって押し込まれることがある。
これに対して、本発明の一実施形態である車両1は、車体2の上下方向において、クロスチューブ12の位置と、後方からの衝突荷重の入力があった場合に接続用アーム15が前方に向かって当接し、更に押し込まれる位置とが、同位置である。また、クロスチューブ12は、後方からの衝突荷重の入力によって変形可能である。
ここで、車両1に対して後方からの衝突荷重が入力された場合について、図3を参照しつつ説明する。図3(A)は、車両1に対して後方から衝突荷重が入力された場合の一部拡大側面図である。図3(B)は、衝突荷重入力時の車両1の一部を俯瞰した平面概略図である。
先ず、図3(A)に示すように、車両1に対して、白抜きの矢印で示す方向に衝突荷重が作用する。具体的には、貨物等の牽引物、又は、後続車等の衝突物は、接続用アーム15の後端部及びヒッチボール16に当接し、更に前方に向かって押圧することにより、車両1が衝突荷重を受ける。
車両1における接続部材の一部が衝突荷重を受けると、一点鎖線で示す衝突荷重入力前の接続用アーム15及びヒッチボール16が前方に向かって変位する。接続用アーム15及びヒッチボール16が衝突荷重を受けると、取付基部13の係止ピン14の近傍部位が破断して、接続用アーム15の固定状態が解除される。これにより、車体2の幅方向に平行又は略平行な係止ピン14の軸線が中心となって、接続部材である接続用アーム15及びヒッチボール16が回転する。すなわち、係止ピン14が回転軸として機能することができる。
接続用アーム15及びヒッチボール16が回転すると、回転方向の前側に位置する接続用アーム15の折曲部151がバンパフェース10に当接する。これにより、接続用アーム15及びヒッチボール16を有する接続部材が、後方から受けた衝突荷重を車体2に対して伝えることとなる。なお通常、バンパフェース10は高剛性部材ではないので、接続用アーム15の折曲部151がバンパフェース10に当接しても、接続部材の回転は停止しない。よって、接続部材は、バンパフェース10を変形又は破断させつつ、更に前方に変位して車体2に対して押し込まれる。
衝突部である折曲部151は、後方からの衝突荷重を受けて接続部材が回転移動すると車体2に当接する部材である。なお、本発明に係る車両において衝突部は、後方からの衝突荷重によって接続部材が回転移動ではなく、前方に折曲、屈曲又は湾曲等の変形により車体に当接しても良い。
係止ピン14を回転軸として接続部材が前方に回転すると、接続用アーム15の折曲部151がバンパフェース10を介してクロスチューブ12を前方に押圧する。これにより、接続部材が後方から受けた衝突荷重を、車体2を介してクロスチューブ12に対して伝えることになる。換言すると、後方から車両1に対して入力された衝突荷重は、トレーラーヒッチ3における接続用アーム15及びヒッチボール16等の接続部材と、車体2におけるバンパフェース10と、トレーラーヒッチ3におけるクロスチューブ12とに対して、順次伝わる。
本発明の車体においては、後方からの衝突荷重が伝達される部位が入力部であり、車体2においては、図3(A)に示すように接続用アーム15の折曲部151が押し込まれることによって、衝突荷重が伝わる部位が入力部Cである。図2及び図3に示す車体2の入力部Cは、車体2の上下方向において該入力部Cとクロスチューブ12とは略同位置である。図3(A)に示すように、車体2の内側において、入力部Cに近接してクロスチューブ12が設けられていることにより、衝突荷重が接続部材から入力部Cに入力されると、クロスチューブ12に衝突荷重が伝達され易くなっている。
クロスチューブ12に対して衝突荷重が伝わると、図3(B)に一点鎖線で示すように、クロスチューブ12が衝突荷重によって前方に折曲、湾曲又は屈曲するように変形する。クロスチューブ12が変形することによって、衝突荷重をクロスチューブ12がある程度吸収することができる。
なお、従来では、クロスチューブ12は高剛性部材であることが多かった。従来のように、一対のサイドフレーム4とクロスチューブ12とが上下方向において略同位置に配置され、更にクロスチューブ12が高剛性であると、接続部材に対して後方からの衝突荷重の入力があった場合に、接続部材から取付基部13等の取付用部材を介してクロスチューブ12に衝突荷重が伝達されても、クロスチューブ12は変形し難い。クロスチューブ12が変形し難いと、例えばサイドフレーム4及びクロスチューブ12の下方で、クロスチューブ12の軸線を中心として接続部材が前方に向かって回転軌道を描きつつ車体2内部に押し込まれ、トレーラーヒッチ3全体が回転してしまう可能性がある。
トレーラーヒッチ3全体がクロスチューブ12の軸線を中心にして回転すると、サイドフレーム4におけるクロスチューブ12との接続部位より前方において、上下方向に衝突荷重が作用することになる。これにより、サイドフレーム4は左右方向に折曲線が形成されて、上下方向に折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる可能性があった。
車両1は、図3(B)に示すように、クロスチューブ12は変形可能であるので、後方から左右前方に向かって衝突荷重が入力されたとしても、サイドフレーム4が上下方向に大きく折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形し得る衝突荷重をクロスチューブ12からサイドフレーム4に対して伝え難い。よって、従来においてクロスチューブ12から伝わる衝突荷重により一対のサイドフレーム4が特に上下方向に折曲変形する可能性があったのに対して、車両1においてクロスチューブ12の前方への折曲変形と、衝突物からのサイドフレーム4への衝突荷重の伝達とはそれぞれ独立して生じ得る。すなわち、クロスチューブ12に入力される衝突荷重の大部分は、クロスチューブ12の変形で吸収され、サイドフレーム4に対しては特に上下方向の折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じ得るような影響を積極的には及ぼさない、又は及ぼし難い。
なお、クロスチューブ12に伝達される衝突荷重の一部は、ブラケット11を介して一対のサイドフレーム4に伝達されるが、この伝達経路で伝達される衝突荷重によって一対のサイドフレーム4が車体2の幅方向内側に折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形する可能性がある。しかしながら、従来のように一対のサイドフレーム4を積極的に上下方向に折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形させていた形態に比べると、クロスチューブ12によって確実に衝突荷重を吸収することによって減衰した衝突荷重が一対のサイドフレーム4に伝達されるので、車両1の衝突荷重の吸収効率は良好である。
またブラケット11を介した一対のサイドフレーム4の各種変形形態は、直接の原因が接続部材の押し込みではなく、クロスチューブ12で減衰された衝突荷重がブラケット11を介して伝達されることに因る。つまり、従来とはサイドフレーム4の変形の原因が異なり、これによって衝突荷重の吸収効率の差異が生じることになる。
以上に説明したように、車両1に対して後方から衝突荷重の入力があった場合、衝突荷重によって前方に回転しつつ変位する接続部材が、一対のサイドフレーム4に対してではなく、クロスチューブ12に対して衝突荷重を伝達する。これにより、トレーラーヒッチ3の前方への変位が、一対のサイドフレーム4を積極的に折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形させることは無い。
また、クロスチューブ12は、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4とは異なる位置に設けられているので、衝突物からサイドフレーム4に対する衝突荷重の入力を妨げない。更に、クロスチューブ12は、クロスチューブ12が前方へ押し込まれて変形したとしても一対のサイドフレーム4に干渉し難い位置に設けられているので、衝突物によるサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。
従来は、積極的に一対のサイドフレーム4を特に上下方向へ折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形させる形態、又は結果的に一対のサイドフレーム4が特に上下方向へ折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形し易い形態である。
これに対して、車両1はクロスチューブ12と一対のサイドフレーム4とにおいて衝突荷重の吸収を分けているので、クロスチューブ12に入力される衝突荷重によってサイドフレーム4の意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形が生じるのを防止することができる。接続部材から車体2に入力された衝突荷重の一部を、車体2の内部においてクロスチューブ12で確実に吸収する。よって、サイドフレーム4の意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる方向、例えば上下方向には衝突荷重を作用せず又は作用し難く、更に衝突物からのサイドフレーム4への衝突荷重の入力には影響しないので、車両1は衝突荷重の吸収効率が良好である。
本発明において、係止ピン14の近傍部位のように、トレーラーヒッチ3における接続部材に対して後方から衝突荷重が入力された時に、該衝突荷重によって破断し易い脆弱部を設けていることによって、接続部材の回転軸として機能し易く、接続部材が回転し易くなり、結果として衝突荷重が横断部材に対して入力され易くなるので好ましい。
係止ピン14近傍部位の衝突荷重入力時に破断可能な脆弱部は、例えば車両の走行時等に生じる振動及び衝撃、車両の加減速によって生じる前後方向に沿った慣性力、車両の右左折時に生じる左右方向への慣性力等では破断せず、衝突物によって入力される衝突荷重で破断する程度の強度を有しているのが良い。
なお、本発明において接続部材の車体に当接する部位としては、例えば車両後方からの衝突荷重を受けると、車体後端において横断部材と上下方向で同位置に当接するのであれば特に制限されない。具体的には、図3(A)に示すように接続用アーム15の折曲部151以外の部位、例えばヒッチボール16等が車体2に当接してクロスチューブ12に対して衝突荷重を伝える形態であっても良い。また、クロスチューブ12等の横断部材の合成を高くすると、接続部材が車体の内側まで大きく押し込まれることはなく、横断部材に対して当接するに留まる可能性があるが、本発明においては接続部材から横断部材に対して衝突荷重が伝達されれば良い。
図1〜図3に示した実施形態においては、接続用アーム15がバンパフェース10後端の下縁から後方に突出し、上方かつ後方に延在している。本発明において、接続部材の形状として上方かつ後方に延在する形状以外に、例えば車体後端の下縁から後方に突出し、更に上記バンパフェース10等の車体の外面に沿って上方向に延在する形状を採用することができる。接続部材がこの形状であると、上下方向において横断部材と接続部材が同位置に配置されるだけでなく、上記バンパフェース10等の車体の後面を介して相互に近接して配置される。これにより、接続部材に対して後方からの衝突荷重が入力されると、上記係止ピン14等の回転軸を設けて接続部材を回転させつつ前方に変位させなくとも、接続部材が単に前方にスライドしつつ押し込まれるだけで車体を介して横断部材に衝突荷重が伝達可能である。
続いて、図4にはトレーラーヒッチの変形例を示した。図1に示したトレーラーヒッチ3と、図4に示すトレーラーヒッチ31との相違点は、上記取付基部13に代えて取付基部171を設けた点、上記ブラケット11の形状を変更した点、及び、クロスチューブ12の位置である。トレーラーヒッチ31において該相違点以外は、トレーラーヒッチ3と同一部材を用いているので、同一の参照符号を付し、同一部材についての詳細な説明は省略する。図4(A)は、図2に示したトレーラーヒッチ3に代えてトレーラーヒッチ31を備える車両101の一部拡大側面図である。図4(B)は、車両101に対して後方から衝突荷重が入力された場合の一部拡大側面図である。
図4(A)に示す車両101におけるブラケット111は、上記ブラケット11に比べて後方への延在距離が小さい。よって、車体2の左右に設けられる一対のブラケット111の間に架け渡されるクロスチューブ12は、上記車体2に配置されて成るクロスチューブ12より前方に位置している。
図4(A)に示すように、取付基部171は、上記取付基部13と同様に、クロスチューブ12の下方に固定的に取付けられ、後方に開口する筒状部を有し、接続用アーム15における前方に延在する挿入部が挿入され、係止ピン14で固定可能である。取付基部171は、クロスチューブ12がバンパフェース10から離れて前方に配置されることによって生じるクロスチューブ12とバンパフェース10との間に、クロスチューブ12の下方から挿入される内側入力伝達部18を有する。内側入力伝達部18は、クロスチューブ12から下方に延在する取付基部171の後方上部から上方に突出する部位として形成されている。図4(A)に示す実施形態においては、取付基部171と内側入力伝達部18とが一体的に形成されているが、本発明においては別体の部材として設けられていても良い。取付基部171における内側入力伝達部18には、前方に当接部19が形成され、後方に平板部20が形成されている。当接部19は、クロスチューブ12の後面に当接する部位である。また、平板部20は、内側入力伝達部18に固定されて成る車体2の幅方向に幅を有する板体であり、後面が上下方向及び左右方向に平行又は略平行に配置され、バンパフェース10に対して近接又は当接する部位である。
なお、内側入力伝達部18は、本発明に係る車両における内側入力伝達部材の一例であり、接続部材である接続用アーム15及びヒッチボール16から、衝突荷重が伝達される部材である。内側入力伝達部18は、図4(A)に示すように、接続部材と横断部材との間において、車体2内側の横断部材に付設されている。特に内側入力伝達部18における平板部20は、衝突部である接続用アーム15の折曲部151が車体2に接触する位置と同位置又は略同位置に配置されている。
先ず、図4(B)に示すように、白抜きの矢印で示す方向に衝突物から車両101における接続部材の後端部に対して衝突荷重が入力される。衝突物が接続用アーム15の後端部及びヒッチボール16に当接して前方に接続部材を押圧すると、車両1と同様に、係止ピン14近傍の部位が破断して、接続用アーム15及びヒッチボール16が係止ピン14を回転軸として前方に回転する。
接続用アーム15及びヒッチボール16が回転すると、接続用アーム15の折曲部151等がバンパフェース10に当接することによって接続部材が車体2のバンパフェース10に対して衝突荷重を伝える。接続部材がバンパフェース10を更に変形又は破断させつつ前方に回転すると、衝突部である折曲部151は、バンパフェース10を介して、バンパフェース10の内面に近接又は当接する平板部20を押圧する。接続部材に入力された衝突荷重が大きい場合は接続用アーム15が平板部20を押圧して内側入力伝達部18を前方に変位させる。内側入力伝達部18が前方に変位すると、当接部19がクロスチューブ12を押圧して、衝突荷重を伝えることになる。よって、後方から車両1に対して入力された衝突荷重は、接続用アーム15及びヒッチボール16等の接続部材と、車体2におけるバンパフェース10と、内側入力伝達部18と、クロスチューブ12とに対して、順次伝わる。なお、平板部20が押圧されて内側入力伝達部18が前方に変位する際に、取付基部171も同様に前方に変位しても良い。
図4に示す車体2の入力部Cは、衝突部である接続用アーム15が押し込まれることによって衝突荷重が伝わる車体の一部位であり、車体2の上下方向において該入力部Cと内側入力伝達部18とクロスチューブ12とは略同位置である。図4(B)に示すように、車体2の内側において、入力部Cに近接して内側入力伝達部18が設けられていることにより、衝突荷重が接続部材から入力部Cに入力されると、内側入力伝達部18を介してクロスチューブ12に衝突荷重が伝達され易くなっている。
つまり、車両101は、接続部材から横断部材に対して、内側入力伝達部18及びバンパフェース10等の部材を介して衝突荷重が伝達されることになる。なお、本発明において、内側入力伝達部材を介して衝突荷重が接続部材から横断部材に伝達される経路は、衝突荷重が伝達される限り特に限定されず、上記バンパフェース10等が下方にまで延在せずにバンパフェース10等を介さない直接的な経路であっても良く、図4に示すようにバンパフェース10等を介した間接的な経路であっても良い。
クロスチューブ12に対して衝突荷重が伝わった場合のクロスチューブ12の変形態様等については、図3(B)に一点鎖線で示した変形態様と同様であり、具体的にはクロスチューブ12が前方へ折曲、湾曲又は屈曲して変形する。クロスチューブ12が変形することによって、車両101は衝突荷重をある程度吸収することができる。
車両101は、上記車両1と同様に、先ずクロスチューブ12で衝突荷重を吸収し、次いでクロスチューブ12が吸収し切れなかった衝突荷重が衝突物からサイドフレーム4に対して入力されることになる。
また、車両101は、車両1と同様に、クロスチューブ12の前方への折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形と、衝突物からのサイドフレーム4への衝突荷重の入力とはそれぞれ独立して生じ得る。すなわち、クロスチューブ12に入力される衝突荷重は、クロスチューブ12の変形で吸収され、サイドフレーム4に対しては特に上下方向への折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じ得るような影響を及ぼし難い。
以上に説明したように、車両101に対して後方から衝突荷重の入力があった場合、一対のサイドフレーム4ではなく、衝突荷重によって前方に回転しつつ変位する接続部材が内側入力伝達部18を介してクロスチューブ12に衝突荷重を伝達する。これにより、トレーラーヒッチ31が前方へ押し込まれることによって、従来のようなクロスチューブ12等を介した一対のサイドフレーム4の積極的な折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形につながることは無い。
また、車両101におけるクロスチューブ12は、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4とは異なる位置に設けられているので、衝突物からサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。更に、車両101におけるクロスチューブ12は、クロスチューブ12が前方へ押し込まれて変形したとしても一対のサイドフレーム4に干渉し難い位置に設けられているので、衝突物によるサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。
また、ブラケット111を介して衝突荷重が一対のサイドフレーム4に対して伝達されて車体2の幅方向内側に変形したとしても、該変形の直接の原因は、接続部材の押し込みではなく、クロスチューブ12で減衰された衝突荷重がブラケット111を介して伝達されることである。つまり、従来とはサイドフレーム4の変形の原因が異なり、これによって衝突荷重の吸収効率の差異が生じることになる。
接続部材から車体2に一端入力された衝突荷重の一部を、車体2の内部においてクロスチューブ12で確実に吸収する。よって、サイドフレーム4の意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる方向、例えば上下方向に衝突荷重が作用せず又は作用し難く、更に衝突物からのサイドフレーム4への衝突荷重の入力には影響しないので、車両101は衝突荷重の吸収効率が良好である。
なお、内側入力伝達部18が接続部材からクロスチューブ12に衝突荷重を伝達可能である限り、当接部19とクロスチューブ12との間に空隙が設けられていても良い。
また、平板部20の大きさ及び形状等は、接続部材が車体を介して内側入力伝達部18に伝達可能な限り、特に制限されない。特に平板部20の大きさとしては、例えば接続部材に対して左右方向の衝突荷重も含む入力があると左前方又は右前方に向かって押し込まれるので、この場合であってもバンパフェース10を介して確実に接続用アーム15によって押圧可能な程度の大きさであると良い。
図5にはトレーラーヒッチの別の変形例を示した。図4に示したトレーラーヒッチ31と、図5に示すトレーラーヒッチ32との相違点は、外側入力伝達部材172を設けた点である。トレーラーヒッチ32において該相違点以外は、トレーラーヒッチ31と同一部材を用いているので、同一の参照符号を付し、同一部材についての詳細な説明は省略する。図5(A)は、図4に示したトレーラーヒッチ31に代えて、トレーラーヒッチ32を備える車両102の一部拡大側面図である。図5(B)は、車両102に対して後方から衝突荷重が入力された場合の一部拡大側面図である。
図5(A)に示すように、外側入力伝達部材172は、接続用アーム15に固定的に取付けられて成る部材であり、接続用アーム15の前方から車体2のバンパフェース10に向かって突出している。内側入力伝達部18における平板部20と、外側入力伝達部材172における突出部位とは、バンパフェース10を介して相互に近接し、かつ対向している。
なお、外側入力伝達部材172は、本発明に係る車両における外側入力伝達部材の一例であり、接続部材の後端部から入力された衝突荷重を、横断部材であるクロスチューブ12に対して伝達する部材である。外側入力伝達部材172は、図5(A)に示すように、接続部材と横断部材との間において、接続用アーム15の前方に設けられている。特に外側入力伝達部材172における前端部が、接続部材の衝突部として機能する。
図5(B)に示すように、白抜きの矢印で示す方向に衝突物から車両102における接続部材の後端部に対して衝突荷重が入力されると、係止ピン14の近傍部位が破断して、接続用アーム15及びヒッチボール16が係止ピン14を回転軸として前方に回転する。
接続用アーム15及びヒッチボール16が回転すると、外側入力伝達部材172がバンパフェース10に当接することによって、接続部材が車体2のバンパフェース10に対して衝突荷重を伝える。接続部材がバンパフェース10を更に変形又は破断させつつ前方に回転すると、接続用アーム15の折曲部151は、バンパフェース10を介して、バンパフェース10の内面に近接又は当接する平板部20を押圧する。接続部材に入力された衝突荷重が大きい場合は外側入力伝達部材172が平板部20を押圧して内側入力伝達部18を前方に変位させる。内側入力伝達部18が前方に変位すると、当接部19がクロスチューブ12を押圧して、衝突荷重を伝えることになる。よって、後方から車両1に対して入力された衝突荷重は、接続用アーム15及びヒッチボール16等の接続部材と、外側入力伝達部材172と、車体2におけるバンパフェース10と、内側入力伝達部18と、クロスチューブ12とに対して、順次伝わる。
なお、図5に示す車体2の入力部Cは、外側入力伝達部材172が押し込まれることによって衝突荷重が伝わる部位であり、車体2の上下方向において該入力部Cとクロスチューブ12とは同位置である。図5(B)に示すように、車体2の内側において、入力部Cに近接して内側入力伝達部18が設けられていることにより、衝突荷重が外側入力伝達部材172から入力部Cに入力されると、内側入力伝達部18を介してクロスチューブ12に衝突荷重が伝達され易くなっている。
つまり、車両102は、接続部材から横断部材に対して、外側入力伝達部材172、内側入力伝達部18及びバンパフェース10等の部材を介して衝突荷重が伝達されることになる。なお、本発明においては、外側入力伝達部材が衝突荷重を横断部材に対して伝達する経路は、衝突荷重が伝達される限り特に限定されず、上記内側入力伝達部18及びバンパフェース10等を介さない直接的な経路であっても良く、内側入力伝達部18及びバンパフェース10等の少なくともいずれか一方を介した間接的な経路であっても良い。
車両102において、内側入力伝達部18と外側入力伝達部材172とは近接して配置されているので、接続部材に対する後方からの衝突荷重入力時に、接続部材が前方に若干変位するだけで、接続部材が車体2を介してクロスチューブ12に衝突荷重を伝達可能である。つまり、内側入力伝達部18及び外側入力伝達部材172等の衝突荷重の伝達を補助する部材が設けられていることによって、係止ピン14等の回転軸、及び係止ピン14の近傍部位の脆弱部を設ける必要がないので、装置の簡素化を図ることができて好ましい。
もっとも、内側入力伝達部18及び外側入力伝達部材172を設けると共に、係止ピン14及び脆弱部等の接続部材を回転させる構造を採用することによって、様々な角度及び大きさを以って入力される衝突荷重であっても、接続部材が前方に回転変位し易いので、より確実に接続部材からクロスチューブ12に対して衝突荷重を伝えることができるようになる。
クロスチューブ12に対して衝突荷重が伝わった場合のクロスチューブ12の変形態様等については、図3(B)に一点鎖線で示した変形態様と同様であり、具体的にはクロスチューブ12が前方へ折曲、湾曲又は屈曲して変形する。クロスチューブ12が変形することによって、車両102は衝突荷重をある程度吸収することができる。
以上に説明したように、車両102に対して後方から衝突荷重の入力があった場合、一対のサイドフレーム4ではなく、接続部材が内側入力伝達部18及び外側入力伝達部材172を介してクロスチューブ12に衝突荷重を伝達する。これにより、トレーラーヒッチ32が前方へ押し込まれることによって、従来のようなクロスチューブ12等を介した一対のサイドフレーム4の積極的な折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形につながることは無い。
また、車両102におけるクロスチューブ12は、車体2の上下方向において一対のサイドフレーム4とは異なる位置に、ずらして設けられているので、衝突物からサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。更に、車両102におけるクロスチューブ12は、クロスチューブ12が前方へ押し込まれて変形したとしても一対のサイドフレーム4に干渉し難い位置に設けられているので、衝突物によるサイドフレーム4への衝突荷重の入力を妨げない。
また、ブラケット111を介して衝突荷重が一対のサイドフレーム4に対して伝達されて車体2の幅方向内側に変形したとしても、直接の原因が接続部材の押し込みではなく、クロスチューブ12で減衰された衝突荷重がブラケット111を介して伝達されることである。つまり、従来とはサイドフレーム4の変形の原因が異なり、これによって衝突荷重の吸収効率の差異が生じることになる。
接続部材から車体2に入力された衝突荷重の一部を、車体2の内部においてクロスチューブ12で確実に吸収する。よって、サイドフレーム4の意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる方向、例えば上下方向に衝突荷重が作用せず又は作用し難く、更に衝突物からのサイドフレーム4への衝突荷重の入力には影響しないので、車両102は衝突荷重の吸収効率が良好である。
なお、外側入力伝達部材172を有する車両102は、接続用アーム15等の接続部材が前方に若干変位するだけでクロスチューブ12に衝突荷重を伝達可能である。更に言うと、車両102は、接続部材が前方の車体内部に向かって押し込まれる方向及び距離を一定にして上記車両1及び車両101に比べると、クロスチューブ12を前方に押圧し、変形させる距離が大きい。つまり、車両102は、衝突直後からクロスチューブ12を変形させ始めることができるので、衝突荷重の吸収効率がより一層良好である。
本発明に係る車両において、上記内側入力伝達部18及び外側入力伝達部材172以外に、接続部材と横断部材との間に設けられ得る部材として、例えば車体側入力伝達部材を挙げることができる。車体側入力伝達部材は、車体を構成する各部材の少なくともいずれか一つに付設される部材であり、衝突荷重を接続部材から横断部材に伝達する。車体側入力伝達部材は、接続部材における衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置に配置される。
車体側入力伝達部材として具体的には、例えば図2に示した実施形態のバンパフェース10の下端から挿入され、バンパフェース10を内側と外側とから挟持して固定されるクリップ状部材、及び、バンパフェース10の内側であってバンパビーム6からクロスチューブ12の後方まで垂下される垂下部材等を挙げることができる。該クリップ状部材及び垂下部材は、車体2の幅方向において接続用アーム15及びヒッチボール16等と同位置又は略同位置で、車体2の上下方向において入力部Cと同位置又は略同位置に配置されるのが良い。また、入力部C近傍においては前後方向の少なくともいずれか一方に突出して接続部材、横断部材、内側入力伝達部材及び外側入力伝達部材等の少なくともいずれか一つに対して当接し易くなっているのが好ましい。
車体側入力伝達部材を設けた場合は、図1〜図5に示した実施形態と同様に、接続部材から車体に入力された衝突荷重の一部を、車体の内部において横断部材で確実に吸収する。よって、サイドフレームの意図しない折曲変形、湾曲変形又は屈曲変形を生じる方向、例えば上下方向に衝突荷重が作用せず又は作用し難く、更に衝突物からのサイドフレームへの衝突荷重の入力には影響しない。よって、車体側入力伝達部材を有する車両の衝突荷重の吸収効率が良好である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1、101、102:車両、2:車体、3、31、32:トレーラーヒッチ、4:サイドフレーム、5:バンパステー、6:バンパビーム、7:リヤサスペンション、8:クロスメンバ、9:リヤサスペンション支持部材、10:バンパフェース、11、111:ブラケット、12:クロスチューブ、13、171:取付基部、14:係止ピン、15:接続用アーム、151:折曲部、16:ヒッチボール、172:外側入力伝達部材、18:内側入力伝達部、19:当接部、20:平板部、C:入力部

Claims (7)

  1. 前後方向に延在するフレームを有する車体と、
    車体内側の後端部に設けられ、車体の幅方向に延在する横断部材と、
    横断部材に接続され、車体後端の下縁から後方に突出し、牽引物に接続可能な接続部材と、を備え、
    接続部材は、後方からの衝突荷重を受けて接続部材が変形又は移動すると車体に当接する衝突部を有し、
    横断部材は、車体の上下方向において、フレームからずらして設けられ、衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置の車体内側に配置される、
    車両。
  2. 車体は、車体後方から接続部材を介して衝突荷重が伝達される入力部を有し、
    車体の上下方向において入力部と横断部材とは同位置である、
    請求項1に記載の車両。
  3. 接続部材と横断部材との間において、接続部材は、衝突荷重を横断部材に伝達する外側入力伝達部材を有し、
    外側入力伝達部材が衝突部を有する、
    請求項1又は2に記載の車両。
  4. 接続部材と横断部材との間において、横断部材は、衝突荷重が接続部材から伝達される内側入力伝達部材を有し、
    内側入力伝達部材は、衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置に配置される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両。
  5. 接続部材と横断部材との間において、車体は、衝突荷重を接続部材から横断部材に伝達する車体側入力伝達部材を有し、
    車体側入力伝達部材は、衝突部が車体に当接する位置と同位置又は略同位置に配置される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。
  6. 横断部材は、衝突荷重を受けると変形可能である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両。
  7. 接続部材は、車両の幅方向に平行又は略平行な軸線を中心に回転可能な回転軸を有し、
    接続部材が後方からの衝突荷重を受けると、回転軸を中心として接続部材が回転して車体に当接する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両。
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