JP2019025945A - キャブオーバー型車両の車体前部構造 - Google Patents

キャブオーバー型車両の車体前部構造 Download PDF

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Yuya Murakami
雄哉 村上
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隆信 内田
裕幸 市川
Hiroyuki Ichikawa
裕幸 市川
元輝 橋本
Motoki Hashimoto
元輝 橋本
克彦 高階
Katsuhiko Takashina
克彦 高階
孝雄 平山
Takao Hirayama
孝雄 平山
隆治 青木
Takaharu Aoki
隆治 青木
智紀 板垣
Tomonori Itagaki
智紀 板垣
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Abstract

【課題】車両衝突時の衝突エネルギをキャビンからシャシフレームに効率よく伝えることでキャビンの変形を抑制し、一定の乗員収容空間を確保することが可能なキャブオーバー型車両の車体前部構造を提供する。
【解決手段】シャシフレーム3と、キャビンフレーム4と、車両1の衝突時に、キャビンフレームに作用した衝突エネルギを、シャシフレームに伝える衝突エネルギ伝達機構5とを備え、キャビンフレームは、車両の幅方向の両側に一対で設けられ、車両の前後方向に延びるサイドメンバ4a,4cと、車両の幅方向に延び、サイドメンバの相互間に亘って設けられるクロスメンバ4bと、を含んで構成され、衝突エネルギ伝達機構は、クロスメンバに対して車両の後方側から対向させて設けられ、キャビンフレームが後退した際に、クロスメンバに接触可能な位置でシャシフレームに固定されたストッパ17を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転手を含む乗員用の収容空間を区画するキャビンが車両前側にレイアウトされたキャブオーバー型車両において、例えば、前方衝突、側方衝突、斜方衝突に際し、当該衝突エネルギを吸収することで、キャビンの変形を抑制することが可能な車体前部構造に関する。ここで、キャブオーバー型車両とは、フルキャブ車やセミキャブ車の総称である。
キャブオーバー型車両では、キャビンの前側にエンジンルームなどは無く、当該キャビンは、車両の前端寄りの部分において、シャシフレームに支持されている。かかるキャビン支持構造によれば、例えば、車両の衝突時において、車両前側の短いエリア内で衝撃エネルギを吸収する必要がある。そこで、各種の衝撃吸収技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−170942号公報
ところで、上記した従来のキャビン支持構造では、キャビンのフロアパネルが、ボルトによってシャシフレームに結合されている。この場合、車両の衝突時において、キャビンに伝わる衝撃エネルギを吸収することができない。換言すると、当該衝突エネルギが、ダイレクトにキャビンに伝わってしまう。そうすると、衝撃エネルギの大きさの程度によっては、キャビンが変形し、その結果、一定の乗員収容空間を確保することができなくなってしまう虞がある。
本発明の目的は、車両衝突時の衝突エネルギをキャビンからシャシフレームに効率よく伝えることでキャビンの変形を抑制し、一定の乗員収容空間を確保することが可能なキャブオーバー型車両の車体前部構造を提供することにある。
このような目的を達成するために、キャブオーバー型車両の車体前部構造は、シャシフレームと、キャビンフレームと、車両の衝突時に、キャビンフレームに作用した衝突エネルギを、シャシフレームに伝える衝突エネルギ伝達機構とを備え、キャビンフレームは、車両の幅方向の両側に一対で設けられ、車両の前後方向に延びるサイドメンバと、車両の幅方向に延び、サイドメンバの相互間に亘って設けられるクロスメンバと、を含んで構成され、衝突エネルギ伝達機構は、クロスメンバに対して車両の後方側から対向させて設けられ、キャビンフレームが後退した際に、クロスメンバに接触可能な位置でシャシフレームに固定されたストッパを有する。
本発明によれば、車両衝突時のキャビンの変形を抑制し、一定の乗員収容空間を確保することが可能なキャブオーバー型車両の車体前部構造を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る衝撃吸収構造が適用されたキャブオーバー型車両の車両前側の分解斜視図。 図1のキャブオーバー型車両の車両前側の側面図。 クロスメンバとストッパとの位置関係を左斜め上から見た斜視図。 キャビンとシャシフレームとを結合する構造の断面図。 クロスメンバとストッパとの位置関係を左斜め下から見た斜視図。 キャビンとシャシフレームとの位置関係を下から見た平面図。 変形例に係るストッパの斜視図。
「一実施形態」
本実施形態に係る車両前側の衝撃吸収構造(図1〜図7参照)において、第1方向X、第2方向Y、第3方向Zは、互いに直交する方向を示している。第1方向Xは、車両1の幅(左右)方向を規定している。第2方向Yは、車両1の長手(前後)方向を規定している。第3方向Zは、車両1の高さ(上下)方向を規定している。
「キャブオーバー型車両1の概要」
図1〜図2に示すように、キャブオーバー型車両1では、キャビン2が車両前側にレイアウトされている。当該車両1は、シャシフレーム3と、キャビンフレーム4と、衝突エネルギ伝達機構5と、を有している。
シャシフレーム3は、キャビン2を下から支持可能に構成されている。キャビンフレーム4は、キャビン2のうち、シャシフレーム3に対向する部分(フロアパネル2p)に沿って設けられ、これにより、キャビン2の下部骨格を形成している。衝突エネルギ伝達機構5は、シャシフレーム3に設けられ、車両1の衝突時に、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギを、シャシフレーム3に伝達可能に構成されている。以下、具体的に説明する。
なお、図2では、キャビン2の側部の一部(サイドシル)を切欠いて、キャビンフレーム4が見える状態としている。
「シャシフレーム3」
シャシフレーム3は、はしご(ladder)状の骨格構造を有している。シャシフレーム3は、例えば、キャビン2の他、図示しないエンジン、荷台、サスペンションなどを取り付け可能に構成されている。シャシフレーム3は、鋼板をプレス加工させて成形され、高剛性かつ高強度の構造を有している。
シャシフレーム3は、シャシサイドメンバ3aと、シャシクロスメンバ3bと、シャシバンパビーム3cと、を備えている。
シャシサイドメンバ3aは、幅(左右)方向Xの両側に一対で設けられ、互いに対向させて配置されている。これらのシャシサイドメンバ3aは、長手(前後)方向Yに沿って延びている。
シャシクロスメンバ3bは、幅(左右)方向Xに沿って延設され、一対のシャシサイドメンバ3aの相互間に亘って設けられている。シャシクロスメンバ3bは、長手(前後)方向Yに沿って複数個所に配置されている。
シャシバンパビーム3cは、長手(前後)方向Yで見て、シャシフレーム3(シャシクロスメンバ3b)の最先端に配置され、一対のシャシサイドメンバ3aの相互間に亘って幅(左右)方向Xに沿って延設されている。つまり車両1の前端部において、幅(左右)方向Xに延びるシャシクロスメンバ3bに、シャシサイドメンバ3aの前端部が連結されている。
キャビン2は、長手(前後)方向Yで見た車両1の前端寄りの部分(車両前側)において、シャシフレーム3に支持されている。この場合、キャビン2の下部(フロアパネル2p)が、マウント機構6(図4参照)によって、シャシフレーム3に結合されている。マウント機構6は、シャシフレーム3に4箇所設けられている。本実施形態では、一例として図1に示すように、双方のシャシサイドメンバ3aに、2つずつマウント機構6が設けられている。マウント機構6は、互いに同一の構造を有している。図4には、マウント機構6の具体的な構造が例示されている。
「マウント機構6」
図4に示すように、マウント機構6は、マウント部6aと、ブラケット6bと、弾性ユニット6cと、取付ユニット6dと、を有している。なお、同図のマウント機構6は、あくまで一例であり、これにより本発明が限定されることはない。
マウント部6aは、例えば、鋼板をプレス加工させて成形されている。図面では一例として、マウント部6aは、シャシサイドメンバ3aに一体的に成形されている。マウント部6aは、キャビン2のフロアパネル2pに対向させて構成されている。なお、マウント部6aを別体として成形し、シャシサイドメンバ3aに後付けしてもよい。
ブラケット6bは、キャビン2のフロアパネル2pのうち、マウント部6aに対向する部分に配置されている。ブラケット6bは、当該フロアパネル2pに固定されている。本実施形態において、ブラケット6bは、一例として、後述するキャビンフレーム4のフロントサイドメンバ4cから幅(左右)方向Xの外側に延び、キャビン2の側部のサイドシル2s(図1、図6参照)に亘って設けられている。なお、固定方法としては、例えば、溶接の他、ネジ止め、接着など既存の固定方法を適用することができる。
弾性ユニット6cは、2つの弾性部材(上側弾性部材7、下側弾性部材8)を備えている。これらの弾性部材7,8は、高さ(上下)方向Zに沿って上下に重ねられている。上側弾性部材7は、マウント部6aの表面とブラケット6bとの間に設けられている。下側弾性部材8は、マウント部6aの裏面に設けられている。
取付ユニット6dは、カラー9と、フランジ付きボルト10と、フランジ付きナット11と、保護カバー12と、を備えている。なお、後述する取付孔13の隙間を埋めるように、上部弾性部材7とブラケット6bとの間にブッシュ(図示しない)を介在させてもよい。
カラー9は、例えば、中空円筒状の金属部品であり、2つの弾性部材7,8を貫通させて配置されている。カラー9は、ボルト10を挿通可能に構成されている。ナット11は、ブラケット6bの内部に固定されている。ブラケット6bには、カラー9とナット11が対向した位置に、取付孔13が構成されている。取付孔13は、ブラケット6bを貫通させて構成されている。カバー12は、下側弾性部材8を覆うように構成されている。
かかる取付ユニット6dにおいて、ボルト10を、カラー9から取付孔13を通してブラケット6b内に挿入する。当該ボルト10の挿入先端をナット11に螺合させて捩じ込む。ボルト10とナット11の双方のフランジによって、マウント部6aとブラケット6bが相互に引き寄せられる。2つの弾性部材7,8が、ブラケット6bとカバー12との間に挟持される。かくして、キャビン2のフロアパネル2pは、シャシフレーム3(シャシサイドメンバ3a)に弾性的に支持される。この状態において、例えば、運転中にシャシフレーム3に伝わった振動や衝撃などは、弾性ユニット6c(上側弾性部材7、下側弾性部材8)が弾性変形することで吸収されて除去される。これにより、キャビン2の乗り心地性(例えば、NVH性能)が一定に維持される。
「キャビンフレーム4」
図1〜図2に示すように、キャビンフレーム4は、キャビン2のうち、シャシフレーム3に対向する部分、即ち、フロアパネル2pの外面(下面)に沿って設けられている。キャビンフレーム4は、キャビン2(フロアパネル2p)と一体的に成形してもよいし、或いは、別体として成形し、キャビン2(フロアパネル2p)に後付けしてもよい。
なお、フロアパネル2pの内面(上面)には、図示しない運転席や助手席に着座した乗員の足が置かれる足置き部14が構成されている。足置き部14は、運転席や助手席の前方側に配置され、幅(左右)方向Xに沿って構成されている。足置き部14は、高さ(上下)方向Zで見て、フロアパネル2pの中で最も下側に窪ませて構成されている。換言すると、フロアパネル2pは、長手(前後)方向Yで見た足置き部14の前後において、上側に立ち上げられて構成されている。
キャビンフレーム4は、リアサイドメンバ4aと、フロアクロスメンバ4bと、フロントサイドメンバ4cと、フロントバンパビーム4dと、を備えている。
リアサイドメンバ4aは、キャビン2の足置き部14よりも後方において、幅(左右)方向Xの両側に一対で設けられ、互いに対向させて配置されている。これらのリアサイドメンバ4aは、上記したフロアパネル2pの外面(下面)に沿って長手(前後)方向Yに延設されている。
リアサイドメンバ4aは、長手(前後)方向Yで見て、その前端部が足置き部14の下方に重なるよう配置され、足置き部14の後側で後方斜め上方に立ち上げられた後、リアサイドメンバ4aの後方側の部分が、車両1の後方へ向かって延びている。この場合、リアサイドメンバ4aの前端部は、足置き部14において、高さ(上下)方向Zで最も下側に位置するよう構成されている。別の捉え方をすると、リアサイドメンバ4aは、足置き部14において前端部が最も低い位置となるよう屈曲形成されている。
フロアクロスメンバ4bは、幅(左右)方向Xに沿って延設され、一対のリアサイドメンバ4aの相互間に亘って設けられている。本実施形態では、一例として、フロアクロスメンバ4bは、キャビン2(フロアパネル2p)の足置き部14の下方で幅(左右)方向Xに沿って設けられ、リアサイドメンバ4aの前端部に結合されている。即ち、フロアクロスメンバ4bは、足置き部14のフロアパネル2pを挟んだ反対側(下面)に配置されて足置き部14を下方から補強している。なお、フロアクロスメンバ4bは、リアサイドメンバ4aよりも幅(左右)方向Xの外側に延びており、キャビン2の側部のサイドシル2s(図6参照)に結合されている。
フロントサイドメンバ4cは、フロアクロスメンバ4bより前方において、幅(左右)方向Xの両側に一対で設けられ、互いに対向させて配置されている。これらのフロントサイドメンバ4cは、フロアパネル2pの外面(下面)に沿って長手(前後)方向Yに延び、長手(前後)方向Yの後端部がフロアクロスメンバ4bに結合されている。本実施形態において、フロントサイドメンバ4cは、リアサイドメンバ4aよりも幅(左右)方向Xの外側でフロアクロスメンバ4bに結合されている。
なお、フロントサイドメンバ4cの幅(左右)方向Xの内側の側壁と、リアサイドメンバ4aの幅(左右)方向Xの外側の側壁とは、フロアクロスメンバ4bを挟んで長手(前後)方向Yで対向した状態に配置されている。
フロントサイドメンバ4cは、長手(前後)方向Yで見て、その後端部が足置き部14の下方に重なるよう配置され、足置き部14の前側で前方斜め上方へ立ち上げられた後、フロントサイドメンバ4cの前方側の部位が、キャビン2(ダッシュパネル)から車両1の前方側に向けて真っ直ぐに突出されている。つまり、フロントサイドメンバ4cは、後端部が最も低い位置となるよう屈曲されていると共に、前端部が車両1の最先端部近傍に位置されるように、キャビン2のダッシュパネルより前方に延設されている。そして、フロントサイドメンバ4cのうち、キャビン2から突出された前端寄りの部分は、車両前方から所定以上の荷重が入力すると座屈して衝撃を吸収する衝撃緩衝部となっている。
また、フロントサイドメンバ4cの足置き部14に対応する部分の側面には、マウント機構6のブラケット6bが設けられている。ブラケット6bは、幅(左右)方向Xの外側において足置き部14に沿って配置されている。具体的には、ブラケット6bは、フロントサイドメンバ4cの足置き部14から前方斜め上方へ屈曲される部分と、サイドシル2sとの間を繋ぐように配置されている。つまり、ブラケット6bは、足置き部14の前部に位置するフロントサイドメンバ4cの屈曲部を補強するように設けられている。
フロントバンパビーム4dは、フロントサイドメンバ4cの前端部の相互間に亘って幅(左右)方向Xに沿って延設されている。つまり、フロントバンパビーム4dは、車両の最先端部において、フロントサイドメンバ4cの突出部分(衝撃緩衝部)の前端部に結合されることで、キャビンフレーム4の先端部を構成している。
上記したキャビンフレーム4において、キャビン2のフロアパネル2pの最も低位置にある足置き部14の下部には、フロアクロスメンバ4bが配置され、更に、フロアクロスメンバ4bよりも前方側には、フロントバンパビーム4dとの間で衝撃緩衝部を有するフロントサイドメンバ4cが延び、フロアクロスメンバ4bより後方側には、リアサイドメンバ4aが延びている。
なお、本実施形態では、リアサイドメンバ4aとフロントサイドメンバ4cとが別体で構成されているが、一体で構成されていてもよい。つまり、リアサイドメンバ4aとフロントサイドメンバ4cとで構成された長手(前後)方向Yに延びる一対のフロアサイドメンバの相互間に亘って、幅(左右)方向Xに延びるフロアクロスメンバ4bおよびフロントバンパビーム4dが設けられる構成であればよい。
かかる構成によれば、例えば、車両1の前突時に、フロントバンパビーム4dに衝突エネルギが作用すると、衝突エネルギは、フロントサイドメンバ4cの衝撃緩衝部によって和らげられつつ、キャビンフレーム4の後方側(リアサイドメンバ4a)に作用する。
なお、比較的衝突エネルギが小さい場合は、フロントサイドメンバ4cの衝撃緩衝部で完全に吸収されて除去される場合もある。これに対して、完全に吸収されて除去されなかった衝突エネルギは、フロアクロスメンバ4bから後述する衝突エネルギ伝達機構5を経由して強固なシャシフレーム3に伝わる。
かくして、キャビンフレーム4に入力された衝突エネルギの大部分を、足置き部14下方のフロアクロスメンバ4bからシャシフレーム3に逃がすことができるので、フロアクロスメンバ4bより後方側のリアサイドメンバ4aへ入力される衝突エネルギを減少させることができ、キャビン2の足置き部14より後方部位での変形を抑制することが可能となる。
なお、キャビンフレーム4(特に、リアサイドメンバ4a、フロアクロスメンバ4b、フロントサイドメンバ4c)の形状や大きさについては、互いに同一の形状及び大きさに設定してもよいし、互いに異なる形状及び大きさに設定してもよい。例えば、リアサイドメンバ4a、フロアクロスメンバ4b、フロントサイドメンバ4cを、互いに同一の断面形状及び断面積を有する円筒形或いは矩形に構成してもよい。例えば、リアサイドメンバ4a、フロントサイドメンバ4cを、長手(前後)方向Yで見て、車両1の前方側から後方側に向かうに従って太径化或いは拡大化させてもよい。
また、リアサイドメンバ4aとフロントサイドメンバ4cは、フロアクロスメンバ4bを挟んで互いに前後で対向する位置に結合されていても良いし、リアサイドメンバ4aおよびフロントサイドメンバ4cが一体で形成されて一つのフロアサイドメンバを構成していてもよい。
「衝突エネルギ伝達機構5」
衝突エネルギ伝達機構5は、車両1が衝突した際に、キャビン2(キャビンフレーム4)に作用した荷重(衝突エネルギ)を、シャシフレーム3へ伝達する機構である。図1〜図3に示すように、衝突エネルギ伝達機構5は、シャシフレーム3に設けられたストッパ17を備えている。ストッパ17は、長手(前後)方向Yで見て、キャビンフレーム4のフロアクロスメンバ4bに対して車両1の後方側から対向させて設けられている。更に、ストッパ17は、キャビンフレーム4の一対のリアサイドメンバ4aに対して幅(左右)方向Xでそれぞれ対向させて設けられている。
本実施形態では、これら2つのストッパ17は、それぞれ、フロアクロスメンバ4bと一対のリアサイドメンバ4aとの連結部の近傍において、長手(前後)方向Yで見てフロアクロスメンバ4bの後方、幅(左右)方向Xで見てリアサイドメンバ4aの内側に対向させて配置されている。
なお、ストッパ17は、車両1の衝突によりキャビンフレーム4が後方へ変位した時にフロアクロスメンバ4bと接触可能な位置で、シャシフレーム3に固定されている。更に、ストッパ17は、車両1の衝突によりキャビンフレーム4が幅(左右)方向Xへ変位した時にリアサイドメンバ4aに接触可能な位置で、シャシフレーム3に固定されている。この場合、ストッパ17は、フロアクロスメンバ4bの後面に対向して接触可能な第1接触面17a、及び、リアサイドメンバ4aの側面に対向して接触可能な第2接触面17bを備えている。
本実施形態では一例として、ストッパ17は、双方のシャシサイドメンバ3aの上面に1つずつ固定されている。固定方法としては、例えば、溶接、ネジ止めなど既存の固定方法を適用することができる。ストッパ17は、通常の状態では、フロアクロスメンバ4bおよびリアサイドメンバ4aとは、互いに接触しない位置関係に設定されている。即ち、ストッパ17は、通常時は、キャビンフレーム4に一切接触せず、衝突時にキャビン2が変位したときにのみ、キャビンフレーム4に接触する。
具体的には、ストッパ17の第1接触面17aとフロアクロスメンバ4b(後面)との間、並びに、ストッパ17の第2接触面17bとリアサイドメンバ4a(側面)との間には、予め設定された隙間が確保されている。これにより、例えば、車両1の衝突等でキャビン2に大きな荷重が作用した時を除いて、ストッパ17と、キャビンフレーム4(フロアクロスメンバ4bおよびリアサイドメンバ4aとは、互いに非接触状態に維持されている。なお、当該隙間の大きさは、例えば、キャブオーバー型車両1の種類、車両走行時のキャビン2の揺れ具合などを考慮して設定されるため、ここでは特に限定しない。
かかる構成によれば、例えば、車両1の衝突時に、キャビン2(キャビンフレーム4)が後退するとフロアクロスメンバ4bとストッパ17(第1接触面17a)とが相互に接触する。或いは、車両1の衝突時に、キャビン2(キャビンフレーム4)が幅(左右)方向Xへ変位するとリアサイドメンバ4aとストッパ17(第2接触面17b)とが相互に接触する。
この状態において、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギは、フロアクロスメンバ4b又はリアサイドメンバ4aからストッパ17を経由して、シャシフレーム3(シャシサイドメンバ3a)に伝わる。かくして、キャビン2(キャブフレーム4)に作用した衝突エネルギの大部分が、キャビン2の足置き部14の近傍でシャシフレーム3(シャシサイドメンバ3a)へ分散して伝達される。これにより、フロアクロスメンバ4bより後方側の足置き部14を含むキャビン2(リアサイドメンバ4a)の変形を抑制することができる。
更に、衝突エネルギ伝達機構5は、フロアクロスメンバ4bに組み込み可能な補強壁18を有している。補強壁18は、フロアクロスメンバ4bのうち、例えば、車両1の衝突時にストッパ17が接触する部分に沿って組み込み可能に構成されている。補強壁18の形状や大きさは、例えば、フロアクロスメンバ4bの形状や大きさに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。本実施形態では、一例として、矩形の補強壁18が、矩形のフロアクロスメンバ4bのストッパ17と対向する部位に組み込まれた仕様が示されている。
かかる構成によれば、フロアクロスメンバ4bのストッパ17と対向する部位の強度が向上され、例えば、車両1の衝突時にキャビン2(キャビンフレーム4)が後退すると、フロアクロスメンバ4bとストッパ17とが相互に堅牢に接触される。この結果、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギが、漏れ無くスムーズに、フロアクロスメンバ4bからストッパ17を経由してシャシフレーム3に伝わる。かくして、キャビン2後部へ入力される衝突エネルギが、より効率よく吸収され、キャビン2(キャビンフレーム4)の変形を抑制する上でより有利となる。
「一実施形態の作用」
車両1の衝突タイプとしては、(1)前面衝突、(2)側面衝突、(3)斜め衝突(オフセット衝突)、の3つに大別される。以下、衝突タイプ毎の作用を説明する。
(1)前面衝突
車両1の前面衝突時では、フロントバンパビーム4dに衝突エネルギが作用し、キャビン2(キャビンフレーム4)が後方へ後退(変位)する。このとき、フロアクロスメンバ4bの後面と一対のストッパ17の第1接触面17aとが相互に接触され、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギは、フロアクロスメンバ4bからストッパ17を経由して左右のシャシサイドメンバ3a(シャシフレーム3)に分散されて伝わる。シャシサイドメンバ3aに分散された衝突エネルギは、シャシサイドメンバ3aの長手(前後)方向Y後方へ伝達されつつ吸収されて除去される。これによりキャビン2の長手(前後)方向Yでの変形が抑制される。なお、フロアクロスメンバ4bは、幅(左右)方向Xに延設されているので、キャビン2(キャビンフレーム4)の変位方向が幅(左右)方向Xにずれたとしても、必ずストッパ17と当接されるので確実に衝突エネルギを左右のシャシサイドメンバ3a(シャシフレーム3)に伝達することができる。
(2)側面衝突
キャビン2への側面衝突時では、フロアクロスメンバ4bおよびリアサイドメンバ4aに衝突エネルギが作用し、キャビン2(キャビンフレーム4)が幅(左右)方向X(衝突側と反対側)へ変位する。このとき、幅(左右)方向Xの衝突側のリアサイドメンバ4aとストッパ17の第2接触面17bとが相互に接触することで、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギは、リアサイドメンバ4aからストッパ17を経由して衝突側のシャシサイドメンバ3a(シャシフレーム3)に分散して伝わる。このとき、衝突側のシャシサイドメンバ3aに作用した衝突エネルギは、シャシクロスメンバ3bを伝って反対側のシャシサイドメンバ3aにも伝えられる。かくして、側面衝突時においても衝突エネルギの負荷分散が図られ、シャシフレーム3において、衝突エネルギが、吸収されて除去される。これによりキャビン2の幅(左右)方向Xでの変形が抑制される。
(3)斜面衝突
キャビン2の斜め衝突時には、キャビン2(キャビンフレーム4)は、長手(前後)方向Y後方へ変位するとともに、幅(左右)方向X(衝突側と反対側)へ変位する。このとき、フロアクロスメンバ4bとストッパ17の第1接触面17aとが相対的にズレ合うように接触するとともに、リアサイドメンバ4aとストッパ17の第2接触面17bとが相互に接触する。すなわち、フロアクロスメンバ4bと衝突側のリアサイドメンバ4aとの交差部分にストッパ17が当接され、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギは、フロアクロスメンバ4bおよびリアサイドメンバ4aからストッパ17を経由して衝突側のシャシサイドメンバ3a(シャシフレーム3)に分散して伝わる。そして、長手(前後)方向Yへ作用する衝突エネルギは、シャシサイドメンバ3aの長手(前後)方向Y後方へ伝達され、幅(左右)方向Xへの衝突エネルギは、シャシクロスメンバ3bを伝って、衝突側と反対側のシャシサイドメンバ3aへ伝達される。これにより、斜め衝突時においても衝突エネルギの負荷分散が図られ、シャシフレーム3において、衝突エネルギが、吸収されて除去される。かくして、キャビン2の長手(前後)方向Yおよび幅(左右)方向Xでの変形が抑制される。
「一実施形態の効果」
本実施形態によれば、フロアクロスメンバ4bに対して車両の後方側から対向させたストッパ17(衝突エネルギ伝達機構5)を設けているので、車両1の衝突等によってキャビン2(キャビンフレーム4)が後退した時に、フロアクロスメンバ4bとストッパ17とが必ず相互に接触される。つまり、幅(左右)方向Xに延びるフロアクロスメンバ4bに対してストッパ17が接触する構成とされているので、例えばキャビン2の変位方向が幅(左右)方向Xへずれたとしてもストッパ17は必ずフロアクロスメンバ4bを受け止めることができる。このため、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギを、フロアクロスメンバ4bからストッパ17を経由してシャシフレーム3に確実に分散して伝えることができる。これにより、より強固なシャシフレーム3において、衝突エネルギを確実に受けることができるので、効率よく吸収させて除去させることができる。そうすると、従来のように、衝突エネルギがダイレクトにキャビン2に伝わるのを未然に防止することができる。かくして、車両1の衝突時に、キャビン2の変形を効率よく確実に抑制することができる。この結果、常に一定の乗員収容空間を確保することができる。換言すると、車両1の衝突時の乗員保護性能を向上させることができる。
本実施形態によれば、さらに各リアサイドメンバ4aに対して幅(左右)方向Xに対向させてストッパ17(衝突エネルギ伝達機構5)を設けているので、例えば、車両1の側面衝突時のようにキャビン2が幅(左右)方向X(衝突側と反対側)に変位すると、リアサイドメンバ4aとストッパ17とが相互に接触される。このとき、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギを、リアサイドメンバ4aからストッパ17を経由してシャシフレーム3に伝えることができる。これにより、シャシフレーム3において、衝突エネルギを、吸収させて除去させることができる。そうすると、側面衝突時においても、衝突エネルギがダイレクトにキャビン2に伝わってしまうのを未然に防止することができる。かくして、車両1の側面衝突時に、キャビン2の変形を抑制することができる。この結果、常に一定の乗員収容空間を確保することができる。換言すると、車両1の衝突時の乗員保護性能を向上させることができる。
本実施形態によれば、フロアクロスメンバ4bに組み込み可能な補強壁18(衝突エネルギ伝達機構5)を設けている。この場合、車両1の衝突時に、フロアクロスメンバ4bとストッパ17とが堅牢に接触される。このとき、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギを、漏れ無くスムーズに、フロアクロスメンバ4bからストッパ17を経由してシャシフレーム3に伝えることができる。かくして、衝突エネルギを、より効率よくシャシフレーム3に吸収させて除去することができる。
本実施形態によれば、ストッパ17を、フロアクロスメンバ4bと一対のリアサイドメンバ4aとの連結部の近傍において、長手(前後)方向Yで見てフロアクロスメンバ4bの後方、幅(左右)方向Xで見てリアサイドメンバ4aの内側に対向するよう配置している。この場合、車両1の前面衝突時に、キャビン2が幅(左右)方向Xに変位したとしても、一対のリアサイドメンバ4aの何れか一方がストッパ17に接触して、幅(左右)方向Xへの変位を規制するので、衝突エネルギを確実にシャシフレーム3へ伝達することができる。また車両1の側面衝突時には、幅(左右)方向Xの衝突側のリアサイドメンバ4aをストッパ17で受けてシャシフレーム3へ伝達することができるので、キャビン2の非衝突側への衝突エネルギの入力を抑制することができ、キャビン2の変形をより確実に抑制することができる。
本実施形態によれば、フロントサイドメンバ4cをキャビン2(ダッシュパネル)から車両1の前方側に向けて突出させた衝撃緩衝部とするとともに、フロントサイドメンバ4cの突出端にフロントバンパビーム4dを設けている。この場合、車両1の衝突時に、フロントバンパビーム4dに前方から衝突エネルギが作用すると、衝突エネルギは、フロントサイドメンバ4cの衝撃緩衝部によって和らげられつつ、キャビンフレーム4(リアサイドメンバ4a)に作用する。これにより、減衰した衝突エネルギを、フロアクロスメンバ4bからストッパ17を経由してシャシフレーム3(シャシサイドメンバ3a)に伝えることができる。かくして、衝突エネルギを、より効果的かつ確実に吸収させて除去することができる。また、車両1の衝突時の衝突エネルギを、フロントバンパビーム4dからフロントサイドメンバ4cを介してキャビン2に設けたエアバッグセンサ(図示しない)に感度良く迅速に伝えることができる。これにより、エアバッグを展開させるタイミングを早めることができる。この結果、展開したエアバッグによって、逸早く乗員を拘束することができる。かくして、車両1の衝突時の乗員保護性能を飛躍的に向上させることができる。
本実施形態によれば、フロアパネル2pの足置き部14に沿ってリアサイドメンバ4a及びフロアクロスメンバ4bを配置させている。これにより、足置き部14の構造を強化することができる。更に、車両1の衝突時にキャビンフレーム4に作用する衝突エネルギを、足置き部14下方の部分(フロアクロスメンバ4b)でシャシフレーム3側へ分散しているので、足置き部14より後方において屈曲されたリアサイドメンバ4aへの衝突エネルギの入力を抑制することができる。この結果、車両1の衝突時に、足置き部14におけるフロアパネル2pが変形するのを抑制することができるとともに、足置き部14より後方側でのキャビン2(リアサイドメンバ4a)の変形を抑制できるため、乗員の居住スペースを確実に確保することができる。かくして、車両1の衝突時の乗員(足元)保護性能をより一層向上させることができる。
本実施形態によれば、足置き部14の前側の下方に位置するフロントサイドメンバ4cの屈曲部分に対応した位置に、マウント機構6のブラケット6bが設けられ、当該ブラケット6bは、サイドシル2sに連結されているので、フロントサイドメンバ4cの足置き部14の前側(屈曲部分)での変形を抑制することができる。この結果、足置き部14におけるフロアパネル2pの変形をより確実に抑制することができ、車両1の衝突時の乗員(足元)保護性能をより一層向上させることができる。
本実施形態によれば、例えば、車両1が衝突した時を除いて、ストッパ17とフロアクロスメンバ4b(リアサイドメンバ4a)とが互いに非接触状態に維持される位置関係に設定されている。換言すると、ストッパ17の第1接触面17aとフロアクロスメンバ4bとの間、及び、ストッパ17の第2接触面17bとリアサイドメンバ4aとの間に、予め設定された隙間を確保した設定とされている。この場合、キャビン2のフロアパネル2pが、シャシフレーム3(シャシサイドメンバ3a)に弾性的に支持される。これにより、運転中にシャシフレーム3に伝わった振動や衝撃などは、弾性ユニット6c(上側弾性部材7、下側弾性部材8)が弾性変形することで吸収されて除去される。この結果、キャビン2の乗り心地性(例えば、NVH性能)を一定に維持することができる。
「変形例」
本発明は、上記した実施形態に限定されることはない。後述する第1〜第3変形例に係る技術も、本発明の技術的範囲に含まれ、上記した実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
「第1変形例」
図7に示すように、ストッパ17は、突出機構17eと、フック機構17fと、を備えている。突出機構17eは、フロアクロスメンバ4bから車両1の後方側に向けて突出させて構成されている。フック機構17fは、フロアクロスメンバ4bに対して車両1の後方側から対向させて設けられ、車両1の衝突時に、突出機構17eを引っ掛けることが可能に構成されている。
突出機構17eは、ピン19を備えている。ピン19は、フロアクロスメンバ4bから車両1の後方側に向けて真っ直ぐに突出している。ピン19は、フロアクロスメンバ4bに取り付け可能に構成されている。図面では一例として、ピン19は、高さ(上下)方向Zで見て、フロアクロスメンバ4bの最も下側に配置されている。
フック機構17fは、1本の金属製パイプを略U字状に湾曲させて形成したフック20を備えている。フック20は、中空でもよいし、中実でもよい。フック20は、その中央部分から両側に亘って、アーチ状に湾曲されてピン19が引っ掛けられる引っ掛け部20fと、シャシサイドメンバ3aに取付けられる両端の取付部20pとで構成される
ここで、取付部20pをシャシサイドメンバ3aに取り付けた状態において、引っ掛け部20fは、高さ(上下)方向Zで見て、取付部20pよりも上側に立ち上げられた姿勢を有している。この状態において、引っ掛け部20fは、ピン19(突出機構17e)に対向した位置に位置付けられている。
かかる構成によれば、車両1の衝突時に、キャビン2(キャビンフレーム4)が後退すると、ピン19(突出機構17e)が、フック20の引っ掛け部20f(フック機構17f)内に挿通されて引っ掛かる。これにより、キャビンフレーム4に作用した衝突エネルギは、フロアクロスメンバ4bからストッパ17(突出機構17e、フック機構17f)を経由してシャシフレーム3に伝わる。かくして、キャビンフレーム4とシャシフレーム3との位置関係が一定に維持されつつ、衝突エネルギが吸収されて除去される。
「第2変形例」
キャビンフレーム4において、リアサイドメンバ4aは、足置き部14で窪ませているが(図2参照)、これに代えて、足置き部14から車両1の前方側に向けて真っ直ぐに突出させてもよい。かかるストレート構造によれば、鋼板のプレス加工が容易になり、製造コストを低減させることができる。
「第3変形例」
キャビンフレーム4において、フロントバンパビーム4dは、車両1の高さ(上下)方向Zに沿って湾曲させてもよいし、或いは、湾曲させること無く、車両1の幅(左右)方向Xに沿って真っ直ぐに構成してもよい。更に、いずれの構成においても、幅(左右)方向Xに沿って、フロントバンパビーム4dの両端を、車幅いっぱいに拡張させることができる。
1…車両、2…キャビン、2p…フロアパネル、2s…サイドシル、3…シャシフレーム、4…キャビンフレーム、4a…リアサイドメンバ、4b…フロアクロスメンバ、4c…フロントサイドメンバ、4d…フロントバンパビーム、6…マウント機構、17…ストッパ、18…補強壁。

Claims (6)

  1. キャビンが車両前側にレイアウトされたキャブオーバー型車両の車体前部構造であって、
    前記キャビンを下から支持するシャシフレームと、
    前記キャビンのフロアに沿って設けられたキャビンフレームと、
    車両の衝突時に、前記キャビンフレームに作用した衝突エネルギを、前記シャシフレームに伝える衝突エネルギ伝達機構と、を備え、
    前記キャビンフレームは、
    車両の幅方向の両側に一対で設けられ、車両の前後方向に延びるサイドメンバと、
    車両の幅方向に延び、前記サイドメンバの相互間に亘って設けられるクロスメンバと、を含んで構成され、
    前記衝突エネルギ伝達機構は、
    前記クロスメンバに対して車両の後方側から対向させて設けられ、前記キャビンフレームが後退した際に、前記クロスメンバに接触可能な位置で前記シャシフレームに固定されたストッパを有するキャブオーバー型車両の車体前部構造。
  2. 前記ストッパは、一対の前記サイドメンバに対して車両の幅方向の外側または内側から対向するよう一対で設けられ、前記キャビンフレームが車両の幅方向への変位した際に前記サイドメンバに接触可能な位置で前記シャシフレームに固定されている請求項1に記載のキャブオーバー型車両の車体前部構造。
  3. 前記ストッパは、前記クロスメンバと一対の前記サイドメンバとの結合部の近傍で、前記クロスメンバの後方かつ前記サイドメンバの車両の幅方向内側に位置される請求項2に記載のキャブオーバー型車両の車体前部構造。
  4. 前記キャビンの前記フロアには、座席の前方に位置して乗員の足が置かれる足置き部が設けられ、
    前記クロスメンバは、前記足置き部の下方の位置で車両の幅方向に延設されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャブオーバー型車両の車体前部構造。
  5. 前記キャビンフレームにおいて、前記サイドメンバは、前記キャビンから前方へ突出されるとともに、端部が車両の幅方向に延びるフロントバンパビームで連結され、
    前記サイドメンバの前記突出された部分には、車両の衝突時に前記サイドメンバに作用した衝突エネルギを吸収する衝撃緩衝部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャブオーバー型車両の車体前部構造。
  6. 前記衝突エネルギ伝達機構において、前記ストッパは、
    前記クロスメンバから車両の後方側に向けて突出させた突出機構と、
    車両の衝突時に、前記突出機構を引っ掛けることが可能なフック機構と、を備え、
    車両の衝突時に、前記突出機構が前記フック機構に引っ掛かった状態において、前記キャビンフレームに作用した衝突エネルギは、前記クロスメンバから前記突出機構及び前記フック機構を経由して前記シャシフレームに伝わると共に、前記キャビンフレームと前記シャシフレームとの位置関係が一定に維持される請求項1に記載のキャブオーバー型車両の車体前部構造。
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