JP6294157B2 - 低温低反発性ポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、低温低反発性ポリウレタン樹脂に関する。
従来、衝撃吸収材、保護用マット、緩衝材、振動吸収材、靴用インソール、靴底用クッション、枕用クッション、座布団用クッション、椅子用クッション、寝具用クッション、衣料用パッド、化粧用パフおよび吸収性物品用パッド等に使われる衝撃吸収性がよく柔らかい感触を持つポリウレタン樹脂として、硬さ(タイプC)が30以下のポリウレタン樹脂(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開平08−197651号公報
しかしながら、このような硬さ(タイプC)が30以下のポリウレタン樹脂では、衝撃吸収材やクッション材としての柔らかい感触は得られるが粘着性があり、手に密着して使用しにくいという問題があった。その問題を解決するために特許文献1記載のポリウレタン樹脂では、マイクロバルーンを使用することで柔らかい感触を損なわずに使用時に手に密着せずかつ軽量化を実現できたが、当たりを良くするためポリ塩化ビニリデン含有の柔らかいマイクロバルーンで軽量化しているため、環境負荷を減らすためハロゲンフリー製品を求めるユーザーへは提供できず、更にイソシアネートに芳香族系ポリイソシアネートを使用しているため5℃以下では硬くなり、衝撃吸収材、保護用マット、緩衝材、振動吸収材、靴用インソール、および靴底用クッションとして必要な低反発性が低温では得られなく、また、枕用クッション、座布団用クッション、椅子用クッション、寝具用クッション、衣料用パッド、化粧用パフ、および吸収性物品用パッドでは最初の当たりが硬く感じるという問題があった。また、マイクロバルーンの密度が0.02〜0.03g/cm3のため、ウレタン樹脂の硬化中にマイクロバルーンが浮上するため成形体(成形品)の上下で密度差ができるという問題があった。
すなわち本発明の課題は、(1)手に密着せずに使用し易く、(2)ハロゲンフリーによる環境負荷が少なく、(3)5℃以下の低温でも低反発性が得られ、(4)製品の軽量化、(5)マイクロバルーンの浮上による成形体(成形品)の密度差がない、ことが達成できる低温低反発性ポリウレタン樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、平均官能基数が2〜3である水酸基価が20〜200mgKOH/gのポリオール(A1)と脂肪族ポリイソシアネート(B1)および/または脂環式ポリイソシアネート(B2)とを反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)、平均官能基数が2〜3価である水酸基価が20〜300mgKOH/gのポリオール(A2)、塩素原子を含まない樹脂マイクロバルーン(C)および触媒(D)を含有してなる低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P);該組成物(P)をイソシアネート指数[〔(U)のNCO基/(A2)のOH基の当量比〕×100]が50〜95で反応させてなる低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q);該樹脂(Q)からなる低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体(R)である。
本発明の低温低反発性ポリウレタン樹脂組成物は、手に密着せずに使用し易く、ハロゲンフリーによる環境負荷が少なく、5℃以下の低温でも低反発性が得られ、軽量で、成形体(成形品)の上下で密度差がない低温低反発性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
[ポリオール(A1)]
ポリオール(A1)は、平均官能基数が2〜3である水酸基価が20〜200mgKOH/g(以下において数値のみを示すことがある)のポリオールであり、該水酸基価は好ましくは25〜150、さらに好ましくは30〜120である。該水酸基価が20mgKOH/g未満ではポリウレタン樹脂成形体の形状維持するための硬さが得られず、200mgKOH/gを超える場合ではポリウレタン樹脂成形体が硬くなり、低反発性が得られない。
(A1)としては、後述の官能基数がk価(k=2〜3の整数)の多価フェノール(j)のアルキレンオキシド付加物(a1)、(a1)以外のポリエーテルポリオール(a2)およびこれらの混合物が挙げられる。
官能基数がk価(kは2〜3の整数)の多価フェノール(j)としては、k=2の場合、炭素数6〜20の2価フェノールおよびk=3の場合、炭素数6の多価フェノールが挙げられる。
k=2の場合としては、下記一般式(2)で示されるビスフェノール類(j1)[例えば、ビスフェノールF(Yが−CH2−)、ビスフェノールA(Yが−C(CH32−)、ビスフェノールE(Yが−CH(CH3)−)、ビスフェノールS(Yが−SO2−)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド(Yが−S−)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(Yが−O−)、4,4’−ビフェノール(Yが直接結合)等] 、下記一般式(3)で示される単環2価フェノール類(j2)(例えば、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール等)、および下記一般式(4)または(5)で示される縮合多環2価フェノール類(j3)[ジヒドロキシナフタレン(1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン等)、]が挙げられる。
Figure 0006294157
[式中、−Y−は−CH2−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、−SO2−、−S−、−O−のいずれかの基であるか直接結合を表す。]
Figure 0006294157
Figure 0006294157
Figure 0006294157
k=3の場合としては、単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール等)が挙げられる。
それらの中で、k=2の場合が好ましく、ビスフェノールAがさらに好ましい。
アルキレンオキシド(以下AOと記載。)としては炭素数2〜4のAOが挙げられ、具体的には1,2−プロピレンオキシド(以下POと記載。)、1,3−プロピレンオキシド、エチレンオキシド(以下EOと記載。)、1,2−、1,3−および2,3−ブチレンオキシド(以下BOと記載。)、およびそれらの混合物が挙げられる。それらの中で、PO、EOおよびPOとEOの混合物が好ましい。
多価フェノール(j)のAO付加物(a1)としては、k=2の場合、下記一般式(1)で示されるビスフェノール類(j1)のAO付加物(a11)、下記一般式(6)で示される単環2価フェノール類(j2)のAO付加物(a12)、下記一般式(7)または(8)で示される縮合多環2価フェノール類(j3)のAO付加物(a13)が挙げられる。
Figure 0006294157
[式中、−Y−は−CH2−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、−SO2−、−O−のいずれかの基であるか直接結合を表す。Zは炭素数2〜4のアルキレン基;mおよびnは整数でありm+nは2〜100である。]
Figure 0006294157
[Zは炭素数2〜4のアルキレン基;mおよびnは整数でありm+nは2〜100である。]
Figure 0006294157
[Zは炭素数2〜4のアルキレン基;mおよびnは整数でありm+nは2〜100である。]
Figure 0006294157
[Zは炭素数2〜4のアルキレン基;mおよびnは整数でありm+nは2〜100である。]
k=3の場合としては、単環多価フェノール類(ピロガロール、フロログルシノール等)のAO付加物が挙げられる。
それらの中で、k=2の場合が好ましく、ビスフェノールAのAO付加物がさらに好ましい。
ポリエーテルポリオール(a2)としては、下記に記載の分子量60〜400の(1)低分子ポリオール、(2)低分子アミン、にAOを付加させたものが挙げられる。AOとしては、炭素数2〜12、例えばEO、PO、1,3−プロピレンオキシド、BO、テトラヒドロフラン(THF)、置換AO[炭素数5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリンおよびエピブロモヒドリン等]等が挙げられる。好ましいのはEO、POおよびこれらの併用である。尚、AOを併用する場合、その結合形式はブロック付加でもランダム付加でもこれらの併用でもよい。
(1)低分子ポリオール
炭素数2〜20またはそれ以上の2価アルコール、例えば炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1 ,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール、ドデカンジオール等]、炭素数6〜10の脂環含有2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等]、;3〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物およびジペンタエリスリトール、1,2 ,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)]等。
(2)低分子アミン
アンモニア;炭素数2〜20の脂肪族モノまたはポリアミン[炭素数2〜20のアルカノールアミン(モノ−、ジ−およびトリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等)、炭素数1〜20のアルキルアミン(n−ブチルアミン、オクチルアミン等)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)];炭素数6〜20の芳香族モノまたはポリアミン(アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン等)、炭素数4〜20の脂環含有モノまたはポリアミン(シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン等)、炭素数4〜20の複素環含有アミン(ピペラジン、アミノエチルピペラジン等)等。
ポリオール(A1)の重量に基づく(a1)の割合は、ポリウレタン樹脂成形体のマイクロバルーンの浮上による成形体(成形品)の密度差の観点から10〜100重量%、好ましくは30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。
[脂肪族ポリイソシアネート(B1)]
本発明における脂肪族ポリイソシアネート(B1)としては、炭素数2〜18、例えばジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチ ルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート];3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)[1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物)、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]が挙げられる。
[脂環式ポリイソシアネート(B2)]
本発明における脂環式ポリイソシアネート(B2)としては、炭素数4〜15、例えばジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、 メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネート等];3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)[ビシクロヘプタントリイソシアネート等]が挙げられる。
これら(B1)および(B2)のうちで好ましいものは、ポリウレタン樹脂成形体の低温低反発性の観点から、炭素数6〜13の脂肪族ジイソシアネート、炭素数6〜10の脂環式ジイソシアネート、およびその混合物であり、さらに好ましいものは、HDI、IPDI、水添MDIおよびそれらの混合物である。
[イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)]
本発明におけるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)は、ポリオール(A1)の水酸基の数より過剰のNCO基となるように脂肪族ポリイソシアネート(B1)および/または脂環式ポリイソシアネート(B2)を反応させることによって製造される。(U)のNCO含量としては、通常2.0〜10.0重量%、好ましくは3.0〜8.0重量%である。
(U)には、上記(U)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、成形性や成形体のその他の機能を向上させるために、さらにポリイソシアネート変性体を含有さてもよい。ポリイソシアネートの変性体としては、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドンおよび/またはウレトジオン基を有する変性体)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、およびこれらの混合物が挙げられる。
上記ポリイソシアネート変性体の含有量は、(U)の重量に対して、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。
[ポリオール(A2)]
本発明におけるポリオール(A2)としては、平均官能基数2〜3の水酸基価20〜300mgKOH/gのポリオールであり、該水酸基価は好ましくは30〜290、さらに好ましくは35〜285である。該水酸基価が20mgKOH/g未満ではポリウレタン樹脂成形体の形状維持するための硬さが得られず、300mgKOH/gを超える場合ではポリウレタン樹脂成形体にスコーチが発生する。
(A2)としては、前記多価フェノール(j)のアルキレンオキシド付加物(a1)、ポリエーテルポリオール(a2)、および下記のポリエステルポリオール(a3)、ポリカーボネートポリオール(a4)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a3)としては、(a31)前記低分子ポリオール(1)、(a1)および/またはポリエーテルポリオール(a2)とジカルボン酸との縮合重合によるもの;(a32)前記低分子ポリオール(1)、(a1)および/またはポリエーテルポリオール(a2)にラクトンモノマーを開環付加したもの;(a33)前記低分子ポリオール(1)、(a1)および/またはポリエーテルポリオール(a2)と炭酸ジエステル(炭酸ジメチルおよび炭酸エチレン等)との縮合重合によるもの;並びにこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。(a3)に使われる(a2)としては、数平均分子量が400以下のポリエーテルポリオールが好ましい。
上記(a3)におけるジカルボン酸の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸およびフマル酸等)、炭素数8〜15の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸およびイソフタル酸等]およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられ、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルおよび酸ハライド(酸クロライド等)等]をジカルボン酸の代わりに使用することもできる。
上記(a3)におけるラクトンモノマーとしては、炭素数4〜12のラクトン、例えばγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a3)の具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(ジエチレングリコール)イソフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオールおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(a4)としては、低分子量多価アルコールへのアルキレンカーボネートの重付加物であり、アルキレンカーボネートとしては炭素数2〜8のアルキレンカーボネートが使用でき、例えばエチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネート等が挙げられる。これらはそれぞれ2種以上併用してもよい。ポリカーボネートポリオール(a4)の具体例としては、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリオール(A2)の中で低温低反発性の観点から(a1)、(a2)およびそれらの混合物が好ましい。
ポリオール(A2)には、成形性や成形体のその他の機能を向上させるために、さらに上記に記載の(1)の低分子ポリオールおよび/または(2)の低分子アミンを含有させてもよく、これらの含有量は(A2)の重量に対して、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)とポリオール(A2)の割合は種々変えることができるが、イソシアネート指数[〔(U)のNCO基/(A2)のOH基の当量比〕×100]は、樹脂強度と低温低反発性の点から、好ましくは50〜95、さらに好ましくは60〜90、とくに好ましくは65〜85である。イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)とポリオール(A2)の重量比率は、好ましくは20:80〜80:20である。
[塩素原子を含まない樹脂マイクロバルーン(C)]
本発明における塩素原子を含まない樹脂マイクロバルーン(C)としては、熱硬化性樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等)のマイクロバルーン、熱可塑性樹脂(フェノール樹脂、尿素樹脂等)からなるマイクロバルーン等がある。熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂からなるマイクロバルーンには、マイクロバルーン表面に無機フィラー(例えば、炭酸カルシウム等)の被覆をしているものも含まれる。このようなマイクロバルーンの市場から入手できる具体例としては、マツモトマイクロスフェアーF−80ED、MFLシリーズ(松本油脂製薬社製)、エクスパンセル920DEシリーズ(日本フィライト社製)、EMCシリーズ(日本フィライト社製)、フェノリックマイクロバルーンBJO−0930(ユニオンカーバイド社製)等が挙げられ、成形時の(C)の浮上による上下の密度差の観点から体積平均粒径は、好ましくは、10〜200μm、さらに好ましくは、20〜100μm、かさ比重は0.01〜0.5、さらに好ましくは0.1〜0.4である。
(C)の合計含有量は(U)と(A2)の合計重量に対して、通常15重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%である。
[触媒(D)]
本発明における触媒(D)としては、金属系触媒[有機ビスマス塩(例えば、酢酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等)、ジブチル錫ジラウレート等]、四級アミン塩[ジアザビシクロアルケン塩〔例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(以下DBUと記載。)または1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(以下DBNと記載。)等と脂肪族カルボン酸(ギ酸、酢酸、オクチル酸等のモノカルボン酸、コハク酸、アジピン酸等のポリカルボン酸)、芳香族カルボン酸(安息香酸等のモノカルボン酸、フタル酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸)、フェノール類(フェノール、カテコール等)、スルホン酸類(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等)、および無機酸(炭酸、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等)との塩等〕]、三級アミン[トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン(DBU、DBN等)等]等が使用できるが、ウレタン化の反応性と人体への毒性の影響から、好ましいのは、有機ビスマス塩、ジアザビシクロアルケン塩、およびこれらの2種以上の混合物である。
(D)の合計含有量は(U)と(A2)の合計重量に対して、通常3重量%以下、好ま
しくは0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.005〜1重量%である。
[低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)]
本発明の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)は、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)、ポリオール(A2)、塩素原子を含まない樹脂マイクロバルーン(C)および触媒(D)を含有してなる。
(P)には、ポリウレタン樹脂成形体の粘着性をさらに抑制させる目的で無機フィラー(E)、および水分による発泡を抑制させる目的で脱水剤(F)を添加してもよく、(E)の合計含有量は(U)と(A2)の合計重量に対して、通常30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、(F)の合計含有量は(U)と(A2)の合計重量に対して、通常10重量%以下、好ましくは、0.1〜8重量%、さらに好ましくは、0.5〜6重量%である。
無機フィラー(E)としては、粉状であり、粒径は特に制限されない。(E)としては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、これらの中で非粘着性の観点から炭酸カルシウムおよびタルクが好ましい。
脱水剤(F)としては、通常用いられる脱水効果を持つ化合物が使用できるが、中性またはアルカリ性であり体積平均粒径が0.1〜50μmである脱水剤が好ましい。
このようなものとしては、例えば、酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、モレキュラーシーブが挙げられる。好ましくは硫酸カルシウム(半水石膏)およびモレキュラーシーブであり、特に好ましくはモレキュラーシーブである。
本発明の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)には、発明の効果を阻害しない範囲で、成形性や成形体のその他の機能を向上させるために、さらに添加剤(H)を含有さてもよい。添加剤(H)の合計含有量は(U)と(A2)の合計重量に対して、通常10重量%以下、好ましくは、0.5〜8重量%である。
このような(H)としては、発泡剤[水、炭酸ガスおよび水素原子含有ハロゲン化炭化水素、から選ばれる1種類以上である。水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としてHCFCタイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFCタイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc等)]、着色剤(金属酸化物、ジスアゾピグメント等)、酸化防止剤(ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、ヒンダードフェノール等)、滑剤(ステアリン酸カルシウム、エチレンジアミンジステアリルアミド等)、光安定剤〔紫外線吸収剤[ベンゾフェノン系(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)等]、クエンチャー[ニッケルキレート系等]、サリチル酸系[フェニルサリチレート等]、ラジカル捕捉剤[ヒンダードアミン系((ビス2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等)]、難燃剤[窒素含有難燃剤(尿素化合物、グアニジン化合物等)、硫黄含有難燃剤(硫酸エステル、スルファミン酸等)、リン含有難燃剤(リン酸、ホスフェート等)等]、抗菌剤[抗菌性ゼオライト化合物、4級アンモニウム塩(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等)、有機ヨード系抗菌剤(4−クロルフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメート等)、有機窒素硫黄系抗菌剤(ベンゾチアゾール、2,4−チアゾリルベンズイミダゾール等)等]、帯電防止剤〔アニオン界面活性剤[リン酸エステル塩(例えば、ポリオキシアルキレン化合物のモノリン酸エステル塩、ジリン酸エステル塩等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩等]、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等〕、可塑剤(フタル酸ジブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル等)、難燃剤(メラミン、シアヌール酸またはイソシアヌル酸との塩等)が挙げられ、これらから選ばれる1種以上のものを添加してもよい。
[低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q)]
本発明の低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q)は低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)をイソシアネート指数[〔(U)のNCO基/(A2)のOH基の当量比〕×100]が50〜95、好ましくは55〜90、さらに好ましくは60〜85で反応させて得られる。
上記ポリウレタン樹脂(Q)の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば、ポリオール(A2)を含有してなる主剤成分と、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)を含有してなる硬化剤成分とを混合して混合液を得て、必要により加熱(例えば100℃)することにより、反応、硬化させて(Q)を得る方法が挙げられる。該製造方法においては、マイクロバルーン(C)および脱水剤(F)は、主剤成分、硬化剤成分、それぞれに含有させること、または主剤成分にのみに含有させることが好ましく、また触媒(D)は主剤成分に含有させることが好ましい。
該樹脂(Q)の形態は、発泡体(発泡樹脂)、非発泡体(非発泡樹脂)のいずれでもよいが、低反発性の観点から、発泡樹脂あることが好ましい。発泡樹脂である(Q)の製造方法としては、例えばメカニカルフロス発泡法が挙げられる。
メカニカルフロス発泡法とは 特許第3083751号公報選択図3に示されている、内面に多数の歯の付いた円筒状のステーターと、ステーター内部に同じく多数の歯の付いたローターからなるメカニカルフロス発泡機のローターが回転中に、発泡させたい材料と不活性ガスを同時に連続的に当該発泡機に注入することにより、当該発泡機の出口から発泡した材料を連続的に取り出す方法である。
材料や不活性ガスの注入口を任意の数だけ設けられるため、2種類以上の材料と不活性ガスの混合が可能である。また材料は硬化性があっても発泡機から出た後に硬化するのであればかまわない。
出口から吐出する材料と不活性ガスの混合物は25〜120℃に予め温度調整された型(開放型や密閉型)、あるいはこぼれないように両側を仕切られたベルトコンベア上に注型される。
注型された混合物は、硬化炉にて、好ましくは70〜130℃、さらに好ましくは80〜120℃で、0.05〜10時間硬化させることによりポリウレタン樹脂が得られる。
型やベルトコンベアの材質は金属(アルミニウム、ステンレス等)やプラスチック(ポリプロピレンやポリカーボネート等)が通常使用される。
発泡後の気泡径が細かく微小、得られる硬化物内の密度分布が均一であるという点でメカニカルフロス発泡法は衝撃吸収材、保護用マット、緩衝材、振動吸収材、靴用インソール、靴底用クッション、衣料用パッド、吸収性物品用パッド、枕用クッション、座布団用クッション、寝具用クッションおよび化粧用パフ等のに使われる衝撃吸収性がよく柔らかい感触を持つポリウレタン樹脂を作製する方法としては発泡剤発泡法より好ましい。
メカニカルフロス発泡法による平均微小気泡径は好ましくは0.5〜300μmであり、さらに好ましくは1〜200μmである。
メカニカルフロス発泡法による微小気泡の量(体積%)は、成形体の体積に対する、マイクロバルーンの体積+不活性ガスの体積%であり、好ましくは1〜90、より好ましくは5〜85さらに好ましくは10〜80である。この範囲であれば微細で均一に分散した気泡が得られる。
メカニカルフロス発泡法では、発泡ポリウレタン樹脂の気泡径を安定させる目的で整泡剤(G)を添加してもよく、(G)の合計含有量は(U)と(A2)の合計重量に対して、通常10重量%以下、好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。
整泡剤(G)としては、シリコン系整泡剤(例えば、ジメチルポリシロキサンや主鎖および/又は側鎖および/又は末端をポリオキシアルキレン、フェニル、アルキル、アラルキル等で変性した非反応性ジメチルシロキサン等)が挙げられる。
[低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体(R)]
本発明の低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体(R)は前記低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q)からなる。すなわち、該樹脂(Q)を、必要により切削、切断、裁断、スライス、抜き打ち、熱プレス等の加工を行うことにより、該成形体(R)が得られる。また、前記低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)を金型等に注型し、反応硬化させて樹脂(Q)を得て、これを成形体(R)としてもよい。
低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体(R)の好ましい密度は、マイクロバルーンの微小気泡のみで軽量化されたシンタクチックフォームでは、混合液が金型等に注型できる範囲の密度0.5〜1.0g/cm3、マイクロバルーンの微小気泡とメカニカルフロス法によって形成された不活性気体の微小気泡を同時に含む発泡体では、成形体にボイド(数mm以上の気泡)が入らない範囲の密度0.1〜0.8g/cm3である。
低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体(R)および低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q)は、低反発性の観点から硬さ(タイプC)は30以下、好ましくは0〜28、反発弾性率は25%以下、好ましくは0〜20%である。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
表1に記載の製造例および比較製造例、および、表2〜5に記載の実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
[ポリオール(A1)、ポリオール(A2)]
アルキレンオキシド付加物(a1−1):
ビスフェノールAのPO付加物〔官能基数2、水酸基価56mgKOH/g、
Mn2,000〕
アルキレンオキシド付加物(a1−2):
ビスフェノールAのPO付加物(官能基数2、水酸基価37mgKOH/g、
Mn3,000〕
アルキレンオキシド付加物(a1−3):
ビスフェノールAのEO付加物(官能基数2、水酸基価112mgKOH/g、
Mn1,000〕
アルキレンオキシド付加物(a1−4):
ビスフェノールAのPO付加物(官能基数2、水酸基価280mgKOH/g、
Mn400〕
ポリエーテルポリオール(a2−1):
グリセリンのPO付加物(官能基数3、水酸基価56mgKOH/g、
Mn3,000〕
ポリエーテルポリオール(a2−2):
プロピレングリコールのPO付加物(官能基数2、水酸基価56mgKOH/g、
Mn2,000〕
ポリエーテルポリオール(a2−3):
ポリプロピレングリコールの末端にEOを付加した共重合体(官能基数2、
水酸基価56mgKOH/g、Mn2,000〕、(EO含有量=12%)
ポリエーテルポリオール(a2−4):
グリセリンのPO付加物(官能基数3、水酸基価281mgKOH/g、Mn600〕
ポリエーテルポリオール(a2−5):
グリセリンのPO付加物の末端にEOを付加した共重合体(官能基数3、
水酸基価23mgKOH/g、Mn7,600〕、(EO含有量=16%)
ポリエーテルポリオール(a2−6):
商品名「PTMG2000」、三菱化学(株)製、(官能基数2、
水酸基価56mgKOH/g、Mn2,000)、ポリテトラメチレングリコール
[ポリオール(A2)]
ポリエステルポリオール(a3−1):
商品名「サンエスターAH−401」、三洋化成工業(株)製、(官能基数2、
水酸基価75mgKOH/g、Mn1,500)、
ポリエチレンブチレンアジペートジオール
ポリカーボネートポリオール(a4−1):
商品名「デュラノールG4672」、旭化成ケミカルズ(株)製、(官能基数2、
水酸基価56mgKOH/g、Mn2,000)、
ポリテトラメチレンヘキサメチレンカーボネートジオール
[脂肪族ポリイソシアネート(B1)、脂環式ポリイソシアネート(B2)]
脂肪族ポリイソシアネート(b1−1):
商品名「デュラネート50M」、旭化成ケミカルズ(株)製、HDI
脂環式ポリイソシアネート(b2−1):
商品名「デスモジュールW」、住化バイエルウレタン(株)製、水添MDI
脂環式ポリイソシアネート(b2−2):
商品名「VESTANAT IPDI」、エボニックデグサジャパン(株)製、
IPDI
[マイクロバルーン(C)]
マイクロバルーン(C−1):
商品名「マツモトマイクロスフェアMFL−80GCA」、松本油脂製薬(株)製、
平均粒径20μm、密度0.24g/cm3のアクリルマイクロバルーン
マイクロバルーン(C−2):商品名「EMC−80(B)」、
日本フィライト(株)製、平均粒径70μm、
密度0.13g/cm3のアクリルマイクロバルーン
マイクロバルーン(C−3):商品名「エクスパンセル920DE40d30」、
日本フィライト(株)製、平均粒径45μm、
密度0.03g/cm3のアクリルマイクロバルーン
[触媒(D)]
触媒(D−1):
商品名「ネオスタン U−600」、日東化成(株)製、
トリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス(含有量:55〜58重量%)の
2−エチルヘキサン酸溶液
触媒(D−2):商品名「U−CAT SA−102」、サンアプロ(株)製、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのオクチル酸塩
[無機フィラー(E)]
無機フィラー(E−1):
商品名「ソープストーンC」、日本ミストロン(株)製、タルク
[脱水剤(F)]
脱水剤(F−1):商品名「モレキュラーシーブ3A−Bパウダー」、
ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ
[整泡剤(G)]
整泡剤(G−1):
商品名「L−626」、
モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製、シリコーン整泡剤
[イソシアネート基末端プレポリマーの製造]
製造例1
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってアルキレンオキシド付加物(a1−1)840部、脂肪族ポリイソシアネート(b1−1)160部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で8時間反応させ、NCO含量が4.3%のウレタンプレポリマー(U−1)を得た。
製造例2
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってアルキレンオキシド付加物(a1−2)880部、脂肪族ポリイソシアネート(b1−1)120部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で8時間反応させ、NCO含量が3.3%のウレタンプレポリマー(U−2)を得た。
製造例3
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってアルキレンオキシド付加物(a1−3)750部、脂肪族ポリイソシアネート(b1−1)250部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で8時間反応させ、NCO含量が6.0%のウレタンプレポリマー(U−3)を得た。
製造例4
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってアルキレンオキシド付加物(a1−2)400部、ポリエーテルポリオール(a2−1)400部、脂肪族ポリイソシアネート(b1−1)150部、脂環式ポリイソシアネート(b2−1)50部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で8時間反応させ、NCO含量が6.4%のウレタンプレポリマー(U−4)を得た。
製造例5
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってアルキレンオキシド付加物(a1−4)220部、ポリエーテルポリオール(a2−2)530部、脂肪族ポリイソシアネート(b1−1)250部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で8時間反応させ、NCO含量が8.2%のウレタンプレポリマー(U−5)を得た。
製造例6
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってアルキレンオキシド付加物(a1−1)780部、脂環式ポリイソシアネート(b2−2)220部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で8時間反応させ、NCO含量が4.9%のウレタンプレポリマー(U−6)を得た。
比較製造例1
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってポリエーテルポリオール(a2−2)750部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン工業(株)製)250部を仕込み、窒素雰囲気下80℃で5時間反応させ、NCO含量が5.1%のウレタンプレポリマー(U’−1)を得た。
比較製造例2
攪拌装置を備えた反応容器に、表1の配合に従ってポリエーテルポリオール(a2−2)820部、トリレンジイソシアネート(商品名「コロネートT−80」、日本ポリウレタン工業(株)製)180部を仕込み、窒素雰囲気下80℃で5時間反応させ、NCO含量が5.1%のウレタンプレポリマー(U’−2)を得た。
上記で得られたイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(U−1)〜(U−6)、(U’−1)〜(U’−2)の結果を表1に示す。
Figure 0006294157
実施例1〜15 <ポリウレタン樹脂成形体>(非発泡樹脂)
表2および表3に記載の処方で、ポリオール(A2)を含有してなる主剤成分をプラネタリーミキサーに投入し、130rpmで10分間撹拌後、5分間4kPa以下で撹拌脱泡して主剤成分混合液を得た。ウレタンプレポリマー(U)を含有してなる硬化剤成分も同様にして撹拌脱泡し、硬化剤成分混合液を得た。各成分とも60±1℃となるよう温度調整した。調整した主剤成分混合液と硬化剤成分混合液をプラネタリーミキサーに投入し、130rpmで1分間4kPa以下で撹拌脱泡してポリウレタン樹脂形成性組成物(P−1)〜(P−15)を得て、予め100℃に加熱した100×100×50mm金型に注型し、100℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂成形体を得た。
比較例1〜3
表3に記載の処方で、実施例1〜15と同様に行い、ポリウレタン樹脂形成性組成物(比P−1)〜(比P−3)を得て、さらに実施例1〜15と同様にして比較のポリウレタン樹脂成形体を得た。
上記で得られた実施例1〜15および比較例1〜3のポリウレタン樹脂成形体について、下記の測定方法で密度、硬さ(タイプC)、反発弾性率および粘着性を評価し、その結果を表2、3に示した。
Figure 0006294157
Figure 0006294157
実施例16〜20<ポリウレタン樹脂成形体>(発泡樹脂)
表4に記載の処方で、ポリオール(A2)を含有してなる主剤成分をプラネタリーミキサーに投入し、130rpmで10分間撹拌後、5分間4kPa以下で撹拌脱泡して主剤成分混合液を得た。ウレタンプレポリマー(U)を含有してなる硬化剤成分も同様にして撹拌脱泡し、硬化剤成分混合液を得た。各成分とも50±1℃となるよう温度調整した。次に、メカニカルフロス機(東邦機械工業製「MF−350型メカニカルフロス発泡装置)のローターを300rpmで回転させ、窒素ガスを吹き込みながら主剤成分混合液および硬化剤成分混合液であるポリウレタン樹脂形成性組成物(P−16)〜(P−20)を合計で3L/分になるような流量でミキシングヘッド入り口部に連続供給した。混合、吐出された液ミキシングヘッド出口から1mのビニールホースを通し、予め100℃に加熱した100×100×50mm金型に注型し、100℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂成形体を得た。
比較例4〜6
表4に記載の処方で、実施例16〜20と同様に行い、ポリウレタン樹脂形成性組成物(比P−4)〜(比P−6)を得て、さらに実施例16〜20と同様にして、比較のポリウレタン樹脂成形体を得た。
上記で得られた実施例16〜20および比較例4〜6のポリウレタン樹脂成形体について、下記の測定方法で密度、硬さ(タイプC)、反発弾性率および粘着性を評価し、その結果を表4に示した。
Figure 0006294157
<試験方法>
各項目の測定方法は下記の通りである。
密度:
JIS K7222に準拠、単位はg/cm3
硬さ(タイプC)(23℃):
JIS K7312に準拠。
硬さ(タイプC)(5℃):
5℃のインキュベーター内で試験片を24時間保管後、JIS K7312に準拠して測定した。
硬さ(タイプC)(−10℃):
−10℃のインキュベーター内で試験片を24時間保管後、JIS K7312に準拠して測定した。
反発弾性率(23℃):
JIS K6400−3に準拠して測定した。単位は%。
反発弾性率(5℃):
5℃のインキュベーター内で試験片を24時間保管後、JIS K6400−3に準拠して測定した。単位は%。
反発弾性率(−10℃):
−10℃のインキュベーター内で試験片を24時間保管後、JIS K6400−3に準拠して測定した。単位は%。
粘着性:
23℃のインキュベーター内で試験片を24時間保管後、手で持ち上げて、
粘着性の試験を実施した。評価は、粘着せずに手から離れるものを○、
粘着して手から離れにくいものを×とした。
表2、3において、実施例1〜15の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)から得られた樹脂成形体は、粘着性がなく、上下の密度差が小さく、5℃および−10℃における硬さ(タイプC)は30以下と低く、反発弾性率も20%以下と低い。これに比べて、表3において、比較例1では粘着性があり、比較例3では上下の密度差が大きく、比較例3では5℃および−10℃における硬さ(タイプC)は31以上と高く、同様に反発弾性率も21%以上と高く、実施例のように粘着性がなく、上下の密度差が小さく、硬さ(タイプC)が30以下で、反発弾性率も20%以下をすべて満足できるものではなかった。
また、表4においても、実施例16〜20の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)から得られた発泡樹脂成形体は、粘着性がなく、上下の密度差が小さく、5℃および−10℃における硬さ(タイプC)は30以下と低く、反発弾性率も20%以下と低い。これに比べて、比較例4では粘着性があり、比較例6では上下の密度差が大きく、比較例6では−10℃における硬さ(タイプC)は31以上と高く、比較例5、6では5℃および−10℃における反発弾性率も21%以上と高く、実施例のように粘着性がなく、上下の密度差が小さく、硬さ(タイプC)が30以下で、反発弾性率も20%以下をすべて満足できるものではなかった。
本発明の低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体は、衝撃吸収材、保護用マット、緩衝材、振動吸収材、靴用インソール、靴底用クッション、枕用クッション、座布団用クッション、椅子用クッション、寝具用クッション、衣料用パッド、化粧用パフおよび吸収性物品用パッド等として幅広く用いることができ極めて有用である。

Claims (12)

  1. 平均官能基数が2〜3である水酸基価が20〜200mgKOH/gのポリオール(A1)と脂肪族ポリイソシアネート(B1)および/または脂環式ポリイソシアネート(B2)とを反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(U)、平均官能基数が2〜3価である水酸基価が20〜300mgKOH/gのポリオール(A2)、塩素原子を含まない樹脂マイクロバルーン(C)および触媒(D)を含有してなる低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)。
  2. ポリオール(A1)が、官能基数がk価(k=2〜3の整数)の多価フェノール(j)のアルキレンオキシド付加物(a1)が10〜100重量%と(a1)以外のポリエーテルポリオール(a2)が0〜90重量%からなる請求項1に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  3. アルキレンオキシド付加物(a1)が下記一般式(1)で示される請求項2に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物。
    Figure 0006294157
    [式中、−Y−は−CH2−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、−SO2−、−S
    −、−O−のいずれかの基であるか直接結合を表す;Zは炭素数2〜4のアルキレン基;mおよびnは整数でありm+nは2〜100である。]
  4. アルキレンオキシド付加物(a1)がビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物である請求項2または3に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  5. 触媒(D)が有機ビスマス塩および/またはジアザビシクロアルケン塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  6. さらに、無機フィラー(E)および/または脱水剤(F)を含有してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物をイソシアネート指数[〔(U)のNCO基/(A2)のOH基の当量比〕×100]が50〜95で反応させてなる低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q)。
  8. 発泡体である請求項7に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂。
  9. 請求項7または8に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂からなる低温低反発性ポリウレタン樹脂成形体(R)。
  10. 低温低反発ポリウレタン樹脂成形体が、衝撃吸収材、保護用マット、緩衝材、振動吸収材、靴用インソール、靴底用クッション、枕用クッション、座布団用クッション、椅子用クッション、寝具用クッション、衣料用パッド、化粧用パフまたは吸収性物品用パッドである請求項9に記載の成形体。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物をメカニカルフロス法で反応させて低温低反発性ポリウレタン樹脂(Q)を得る低温低反発性ポリウレタン樹脂の製造方法。
  12. 低温低反発性ポリウレタン樹脂形成性組成物(P)が、さらに整泡剤(G)を含有する請求項11に記載の製造方法。
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