JP2019026834A - ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、脱型性、ボイド性(ボイドが発生しない)、充填性(金型の末端まで充填される)などの成形性が良好なポリウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、活性水素成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とカーボン粒子(C)とを含む原料を反応させてなるポリウレタン樹脂組成物であって、活性水素成分(A)中に下記ポリエーテルポリオール(A1)を(A)の重量を基準として20〜90重量%および芳香族ジアミン(A2)を含有するポリウレタン樹脂組成物である。
ポリエーテルポリオール(A1):下記一般式(1)で表される水酸基価が10〜60(mgKOH/g)のポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオール(A1):下記一般式(1)で表される水酸基価が10〜300(mgKOH/g)のポリエーテルポリオール
合、活性水素含有化合物(a)のPOブロックとEOブロックとの間にPOとEOとをランダム付加したもの等}の構造を有するポリエーテルポリオール(A1)を20〜90重量%含有することにより、カーボン粒子を含んでいても、成形性が良好なポリウレタン樹脂組成物を得ることができるものである。
C2〜20の2価の脂肪族アルコールとしては、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)等が挙げられる。
C3〜20の3価の脂肪族アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)等が挙げられる。
C5〜20の4〜5価の脂肪族アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン及びアルキルグルコシド等が挙げられる。
多価アルコール(a1)としては、成形性の観点から、C2〜10の2〜5価の脂肪族アルコールが好ましく、さらに好ましくはC2〜10の2〜4価の脂肪族アルコールであり、特に好ましくはC2〜10の2〜3価の脂肪族アルコールであり、最も好ましくはプロピレングリコール及びグリセリンである。
gが2以上であることで脱型性が良好となり、gが5以下であることで成形性が良好となる。
基を表し、具体的には1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基及び1,4−ブチレン基等が挙げられる。
これらのうち、原料粘度(取り扱い性を意味する。以下において同じ)の観点から、1,2−プロピレン基及び1,3−プロピレン基が好ましく、さらに好ましくは1、2−プロピレン基である。
aとしては、成形性の観点から5〜50であり、10〜40が好ましく、さらに好ましくは20〜30である。
bとしては、成形性の観点から0〜30であり、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5であり、特に好ましくは0である。
cとしては、成形性の観点から0.5〜50であり、0.5〜20が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10、特に好ましくは0.5〜3、最も好ましくは0.5〜2である。
dとしては、成形性の観点から0.5〜50であり、1〜20が好ましく、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜6である。
eとしては、成形性の観点から0〜30であり、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5であり、特に好ましくは0である。
fとしては、成形性の観点から5〜50であり、5〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜10である。
水酸基価の測定方法は、JIS K1557−1に記載の方法が挙げられる。
(A1)としては、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)中のポリエーテルポリオール(A1)の含有量が20重量%以上であることで、カーボン粒子(C)がポリウレタン樹脂組成物中に均一に分散され、90重量%以下であることで、成形性が良好となる。
具体的には、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチルトルエンジアミン及びt−ブチルトルエンジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミン(A2)の含有量は(A)の重量を基準として0.1〜5.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.0重量%である。
ポリエーテルポリオール(A3):下記一般式(2)で表される水酸基価が10〜150(mgKOH/g)のポリエーテルポリオール。
これらのうち、2〜20の2価脂肪族アルコール、C3〜20の3価脂肪族アルコール及びC5〜20の4〜5価脂肪族アルコールについては(A1)の2〜5の多価アルコールで例示した多価アルコールが挙げられる。
6〜8価アルコールとしては糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース及びその誘導体)等が挙げられる。
多価アルコール(b1)としては、脱型性の観点から、C2〜12の4〜8価の脂肪族アルコールが好ましい。
また、(A3)としては、官能基数2又は3の(A3)と8の(A3)とを併用することが好ましい。
これらのうち、原料粘度の観点から、1,2−プロピレン基及び1,3−プロピレン基が好ましく、さらに好ましくは1,2−プロピレン基である。
hとしては、成形性の観点から、5〜80が好ましく、さらに好ましくは10〜50、特に好ましくは15〜40、最も好ましくは20〜30である。
iとしては、脱型性の観点から、2〜80が好ましく、さらに好ましくは3〜50、特に好ましくは5〜30、最も好ましくは7〜15である。
その他の活性水素化合物(A4)としては、上記の活性水素化合物(b)、及び(A1)、(A3)以外のポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等が挙げられる。(A4)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、原料粘度の観点から、多価アルコール(b1)、アミノ基含有化合物(b3)並びに(A1)及び(A3)以外のポリアルキレングリコールが好ましく、さらに好ましくは多価アルコール(b1)及びアミノ基含有化合物(b3)である。
多価アルコール(b1)のうち、原料粘度の観点から、C2〜10の2〜3価脂肪族アルコールが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンである。
活性水素成分(A)中のその他のポリオール(A4)の含有量は、原料粘度の観点から、0〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは8〜18重量%である。
このようなポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート(B1)、直鎖又は分岐脂肪族ポリイソシアネート(B2)、脂環式ポリイソシアネート(B3)及び芳香脂肪族ポリイソシアネート(B4)並びにこれらの変性物(B5)が挙げられる。
(B)としては、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(以下においてTDIと略記することがある。)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下においてMDIと略記することがある。)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート並びにトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
このようなカーボン粒子としては、カーボンブラック(富士色素(株)製、フジVLブラック等)等が挙げられる。
これらカーボン粒子(C)の使用量は、活性水素成分(A)への分散性の観点から、(A)100重量部当たり、0.1〜15重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量%であり、特に好ましくは0.2〜1重量%である。
また、ポリウレタン樹脂組成物の形状がフォーム状(発泡体)である場合、整泡剤(E)及び発泡剤(F)を含有してもよい。
触媒(D)としては、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第三級アミン(D2)としては、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7及びビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(カルボン酸塩)等並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(D2)としては、脱型性及び成形性の観点から、トリエチレンジアミンが好ましい。
(D2)の使用量は、脱型性及び成形性の観点から、活性水素成分(A)100重量部に対して、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜5重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%、最も好ましくは1〜2重量%である。
(D1)と(D2)との重量比{(D1)/(D2)}は、脱型性及び成形性の観点から、0.01/99.99〜99/1、さらに好ましくは0.05/99.95〜50/50、特に好ましくは0.1/99.9〜20/80、最も好ましくは1/99〜3/97である。
また触媒(D)として、(D1)及び(D2)以外に、チタン触媒、ビスマス金属触媒等の触媒を、(D)の重量を基準として、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下併用することもできる。
低沸点化合物には、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が含まれる。 水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
可塑剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5重量%以下である。
有機充填剤は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは30重量%以下である。
難燃剤は、30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量%である。
老化防止剤は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
酸化防止剤は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
具体的には、活性水素成分(A)及びカーボン粒子(C)と、必要により触媒(D)、整泡剤(E)、発泡剤(F)及びその他の添加剤(G)からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合してプレミックスとし、該プレミックスとポリイソシアネート成分(B)とを混合し、反応させることにより製造することができる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、上記活性水素成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とカーボン粒子(C)と触媒(D)と整泡剤(E)と発泡剤(F)とを含む原料を反応させることによりフォーム状のポリウレタン樹脂組成物(ポリウレタンフォーム)としてもよい。
具体的には、活性水素成分(A)、カーボン粒子(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、発泡剤(F)及び必要によりその他の添加剤(G)を混合してプレミックスとし、該プレミックスとポリイソシアネート成分(B)とを混合し、反応させることによりポリウレタンフォームを製造することができる。
特に、本発明のポリウレタン樹脂組成物(特にポリウレタンフォーム)をモールド成形等により成形品とする場合は、活性水素成分(A)とポリイソシアネート(B)とを反応(これらを含む原料の混合開始)させてポリウレタン樹脂組成物とする際、他の材料(例えば金属やガラス、他の無機物や有機物等)と一体成形することができる。
したがって、自動車内装材用及び/又は自動車外装材用のポリウレタン樹脂組成物として好適に用いることができ、特に一体成形窓用シールド材料用等に幅広く利用できる。
高圧発泡機(ポリマーエンジニアリング(株)製、mini−RIM機)を用いて表1に示す活性水素成分(A)、カーボン粒子(C)、触媒(D)、整泡剤(E)及び発泡剤(F)を含むプレミックスと、ポリイソシアネート成分(B)とを混合し、200mm×200mm×3mmの密閉モールド及びガラス一体成形の密閉テストモールドに注入成形し、フォーム状のポリウレタン樹脂組成物を得た。
<発泡条件>
・成形機:ポリマーエンジニアリング(株)製MINI−RIM L型ヘッド
・吐出圧:17〜19MPa
・吐出量:150g/秒
・液温:40〜50℃
・型温:105〜125℃
・脱型時間:300秒
活性水素成分(A)
ポリエーテルポリオール(A1−1):グリセリン1モルにPO71.7モルを付加したものに、PO2.4モル及びEO16.5モルをランダム付加させ、さらにEO20.5モルを付加したもの(水酸基価=28mgKOH/g、EO単位の含有量=27重量%,末端EO単位の含有量=15重量%、一般式(1)において、X−〔(PO)23.9−{(PO)0.8/(EO)5.5}−(EO)6.8−H〕3の構造を有するポリエーテルポリオール)
芳香族ポリアミン(A2−1):トルエンジアミン
脂肪族ポリアミン(A2‘−1):エチレンジアミン
(A4−1):エチレングリコール
(B−1):ポリメリックMDI(NCO含量=31%)
(C−1):フジVLブラック2000(富士色素(株)製)
(D−1):ネオスタンU−100 有機錫(日東化成(株)製)
(D−2):トリエチレンジアミン/エチレングリコール=33/67重量%
(E−1):SF−8410 整泡剤(東レ・ダウコーニング(株)製)
(F−1):水
全密度(kg/m3):JIS K6400に準拠して測定。
<脱型性>
密閉モールドから成形品と取り出す際に変形するか否かを確認した。
○:変形しない
×:変形する
<ボイド性>
成形品を手で押すもしくはあかりに透かすことで内部又は表面のボイド(空孔)の有無を目視で観察した。
○:ボイドが認められない
×:ボイドがある
<充填性>
200mm×600mm×3mmの密閉モールド内に原料を注入し、脱型した成形品の欠肉(金型の末端まで充填ができていないトラブル)の有無を目視で観察した。
○:欠肉が認められない
×:欠肉がある
一方、芳香族ポリアミン(B)を用いない比較例1、(B)の変わりに脂肪族ジアミンを用いた比較例7、及び一般式(1)でd及びeが0の比較例4は脱型性で変形した。
本発明に必須のポリエーテルポリオール(A1)を含まない比較例2、一般式(1)でランダム不可部分を含まない(cとdが共に0)の比較例5、及び(A1)/(A)が20重量%未満である比較例6はボイドが発生した。さらに、一般式(1)でCが0の比較例3はボイドが発生し、モ−ルド中で製品が末端まで充填ができずに欠肉も発生した。
Claims (4)
- 活性水素成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とカーボン粒子(C)とを含む原料を反応させてなるポリウレタン樹脂組成物であって、活性水素成分(A)中に下記ポリエーテルポリオール(A1)を(A)の重量を基準として20〜90重量%および芳香族ジアミン(A2)を含有するポリウレタン樹脂組成物。
ポリエーテルポリオール(A1):下記一般式(1)で表される水酸基価が10〜60(mgKOH/g)のポリエーテルポリオール
- ポリイソシアネート成分(B)がジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート及びこれらの変性物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、(B)のNCO含有量が10〜35重量%である請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物。
- 原料中にさらに触媒(D)を含有し、触媒(D)が錫化合物(D1)及び/又は第三級アミン(D2)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
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