JP6292958B2 - 研削装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を所定の厚みに研削する研削装置に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状であるウエーハの表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。なお、ウエーハは、一般に個々のデバイスに分割する前にその裏面を研削装置によって研削して所定の厚みに形成される。
研削装置は、被加工物を保持する保持面を有する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物の上面を研削する研削ホイールを備えた研削手段と、該研削手段を被加工物保持手段の保持面に垂直な方向に移動せしめる研削送り手段と、被加工物保持手段と研削手段および研削送り手段を制御する制御手段を具備している(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−194471号公報
而して、被加工物は円形でない場合には、被加工物を均一な厚みに研削することができないという問題がある。
即ち、被加工物保持手段は被加工物を保持する保持面が僅かな円錐形に形成された保持テーブルと、円錐形の頂点を中心として保持テーブルを回転する駆動手段とから構成されており、研削ホイールを構成する環状に配設された研削砥石は、円錐形に形成された保持面の頂点から裾野に倣うように位置付けられて研削するので、例えば被加工物が正四角形の場合、被加工物に対して研削砥石が接触する接触領域は対角線上で最も大きくなり、対角線から45度の位置で最も小さくなることに起因して、被加工物の厚みは対角線上で厚く対角線から45度の位置で薄くなるという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、円形でない被加工物でも均一な厚みに研削することができる研削装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持する保持面を有する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物の上面を研削する研削ホイールを備えた研削手段と、該研削手段を被加工物保持手段の保持面に垂直な方向に移動せしめる研削送り手段と、被加工物保持手段と研削手段および研削送り手段を制御する制御手段と、を具備する研削装置において、
該被加工物保持手段は、被加工物を保持する保持面が円錐形に形成された保持テーブルと、円錐形の頂点を中心として保持テーブルを回転する回転駆動手段とを備え、
該研削ホイールを構成する環状に配設された研削砥石は、円錐形に形成された保持面の頂点から裾野に倣うように位置付けられて研削するように構成されており、
該制御手段は、該保持テーブルを回転によって該研削砥石が被加工物に接触する接触領域の変化に追随して、該接触領域が小さいときには該保持テーブルの回転速度が速く、該接触領域が大きいときには該保持テーブルの回転速度が遅くなるように該回転駆動手段を制御し、
被加工物の形状が正四角形とし、対角線から45度の位置における該保持テーブルの角速度を(ω)とし、対角線から45度を基準として該接触領域が(θ)の位置にある場合の角速度を(τ)とすると、
該制御手段は、(θ)が0度〜45度、45度〜90度、90度〜135度、135度〜180度、180度〜225度、225度〜270度、270度〜315度、315度〜360度を繰り返す範囲で、τ=ωcosθ、τ=ωcos(90度−θ)、τ=ωcos(θ−90度)、τ=ωcos(180度−θ)、τ=ωcos(θ−180度)、τ=ωcos(270度−θ)、τ=ωcos(θ−270度)、τ=ωcos(360度−θ)となるように該回転駆動手段を制御する、
ことを特徴とする研削装置が提供される。
本発明による研削装置においては、被加工物保持手段は、被加工物を保持する保持面が円錐形に形成された保持テーブルと、円錐形の頂点を中心として保持テーブルを回転する回転駆動手段とを備え、
研削ホイールを構成する環状に配設された研削砥石は、円錐形に形成された保持面の頂点から裾野に倣うように位置付けられて研削するように構成されており、
制御手段は、保持テーブルを回転によって研削砥石が被加工物に接触する接触領域の変化に追随して、接触領域が小さいときには保持テーブルの回転速度が速く、接触領域が大きいときには保持テーブルの回転速度が遅くなるように回転駆動手段を制御し、
被加工物の形状が正四角形とし、対角線から45度の位置における保持テーブルの角速度を(ω)とし、対角線から45度を基準として接触領域が(θ)の位置にある場合の角速度を(τ)とすると、
制御手段は、(θ)が0度〜45度、45度〜90度、90度〜135度、135度〜180度、180度〜225度、225度〜270度、270度〜315度、315度〜360度を繰り返す範囲で、τ=ωcosθ、τ=ωcos(90度−θ)、τ=ωcos(θ−90度)、τ=ωcos(180度−θ)、τ=ωcos(θ−180度)、τ=ωcos(270度−θ)、τ=ωcos(θ−270度)、τ=ωcos(360度−θ)となるように回転駆動手段を制御するので、被加工物が円形でない場合であっても均一な厚みに研削することができる。
本発明に従って構成された研削装置の斜視図。 図1に示す研削装置に装備される被加工物保持手段の斜視図。 図2に示す被加工物保持手段を構成する保持テーブルの断面図。 図1に示す研削装置に装備される制御手段のブロック構成図。 被加工物としての正四角形状のウエーハが円形の保護テープに貼着された状態を示す斜視図。 図1に示す研削装置によって実施される研削工程を示す説明図。
以下、本発明に従って構成された研削装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成された研削装置の斜視図が示されている。図1に示す研削装置1は、全体を番号2で示す装置ハウジングを具備している。この装置ハウジング2は、細長く延在する直方体形状の主部21と、該主部21の後端部(図1において右上端)に設けられ上方に延びる直立壁22とを有している。直立壁22の前面には、上下方向に延びる一対の案内レール221、221が設けられている。この一対の案内レール221、221に移動基台3が摺動可能に装着されている。移動基台3は、後面両側に上下方向に延びる一対の脚部31、31が設けられており、この一対の脚部31、31に上記一対の案内レール221、221と摺動可能に係合する被案内溝311、311が形成されている。このように直立壁22に設けられた一対の案内レール221、221に摺動可能に装着された移動基台3の前面には前方に突出した支持部32が設けられている。この支持部32に研削手段としてのスピンドルユニット4が取り付けられる。
スピンドルユニット4は、支持部32に装着された円筒状のスピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41に回転自在に配設された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42を回転駆動するための駆動源としてのサーボモータ43とを具備している。スピンドルハウジング41に回転可能に支持された回転スピンドル42は、一端部(図1において下端部)がスピンドルハウジング41の下端から突出して配設されており、その一端(図1において下端)にホイールマウント44が設けられている。そして、このホイールマウント44の下面に研削ホイール5が取り付けられる。研削ホイール5は、環状のホイール基台51と該ホイール基台51の下面における外周部の砥石装着部に環状に装着された複数の研削砥石52とからなっており、環状のホイール基台51が締結ボルト53によってホイールマウント44に装着される。なお、スピンドルユニット4は、研削ホイール5を構成する研削砥石52の下面である研削面が後述する被加工物保持手段の保持テーブルを構成する吸着保持チャックの保持面である円錐面と平行になるように、即ち頂点から裾野に倣うように位置付けられている。
図示の実施形態における研削装置1は、上記スピンドルユニット4を上記一対の案内レール221、221に沿って上下方向に移動せしめる研削送り手段6を備えている。この研削送り手段6は、直立壁22の前側に配設され上下方向に延びる雄ねじロッド61を具備している。この雄ねじロッド61は、その上端部および下端部が直立壁22に取り付けられた軸受部材62および63によって回転自在に支持されている。上側の軸受部材62には雄ねじロッド61を回転駆動するための駆動源としてのパルスモータ64が配設されており、このパルスモータ64の出力軸が雄ねじロッド61に伝動連結されている。上記移動基台3の後面にはその幅方向中央部から後方に突出する連結部(図示していない)が形成されており、この連結部には貫通雌ねじ穴(図示していない)が形成されており、この雌ねじ穴に上記雄ねじロッド61が螺合せしめられている。従って、パルスモータ64が正転すると移動基台3およびスピンドルユニット4が下降即ち前進せしめられ、パルスモータ64が逆転すると移動基台3およびスピンドルユニット4が上昇即ち後退せしめられる。
図1を参照して説明を続けると、ハウジング2の主部21には被加工物保持機構7が配設されている。被加工物保持機構7は、被加工物保持手段70と、該被加工物保持手段70の周囲を覆うカバー部材81と、該カバー部材81の前後に配設された蛇腹手段82および83を具備している。被加工物保持手段70は、図示しない移動手段によって図1に示す被加工物着脱域24と上記研削ユニット4を構成する研削ホイール5と対向する研削域25との間で移動せしめられる。蛇腹手段82および83はキャンパス布の如き適宜の材料から形成することができる。蛇腹手段82の前端は主部21の前面壁に固定され、後端はカバー部材81の前端面に固定されている。また、蛇腹手段83の前端はカバー部材81の後端面に固定され、後端は装置ハウジング2の直立壁22の前面に固定されている。被加工物保持手段70が矢印23aで示す方向に移動せしめられる際には蛇腹手段82が伸張されて蛇腹手段83が収縮され、被加工物保持手段70が矢印23bで示す方向に移動せしめられる際には蛇腹手段82が収縮されて蛇腹手段83が伸張せしめられる。
次に、上記被加工物保持手段70について、図2および図3を参照して説明する。
被加工物保持手段70は、図3に示すように被加工物を保持する保持テーブル71と、該保持テーブル71を回転する回転駆動手段としてのサーボモータ72とからなっており、該サーボモータ72の回転軸721が保持テーブル71に連結されている。なお、サーボモータ72には、保持テーブル71の回転角度を検出するためのロータリーエンコーダ722が配設されている。このロータリーエンコーダ722は、検出信号を後述する制御手段に送る。上記保持テーブル71は、円形状のテーブル本体711と、該テーブル本体711の上面に配設された円形状の吸着保持チャック712とからなっている。テーブル本体711は、ステンレス鋼等の金属材によって形成されており、上面に円形の嵌合凹部711aが形成されており、この嵌合凹部711aの底面外周部に環状の載置棚711bが設けられている。そして、嵌合凹部711aに無数の吸引孔を備えたポーラスなセラミックス等からなる多孔性部材によって形成された吸着保持チャック712が嵌合される。このようにテーブル本体711の嵌合凹部711aに嵌合された吸着保持チャック712は、上面である保持面712aが図3において誇張して示すように回転中心P1を頂点として円錐形に形成されている。この円錐形に形成された保持面712aは、その半径をRとし、頂点の高さをHとすると、勾配(H/R)が0.00001〜0.001に設定されている。また、テーブル本体711には、嵌合凹部711aに連通する連通路711cが形成されており、この連通路711cが図示しない吸引手段に連通されている。従って、吸着保持チャック712の上面である保持面712a上に被加工物を載置し、図示しない吸引手段を作動することにより被加工物は保持面712a上に吸引保持される。
図示の実施形態における研削装置1は、図4に示す制御手段9を具備している。制御手段9はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)91と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)92と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)93と、入力インターフェース94および出力インターフェース95とを備えている。制御手段9の入力インターフェース94には、上記ロータリーエンコーダ722等からの検出信号が入力される。そして、制御手段9の出力インターフェース95からは、上記スピンドルユニット4のサーボモータ43、研削送り手段6のパルスモータ64、被加工物保持手段70のサーボモータ72等に制御信号を出力する。
図1乃至図4に示す研削装置1は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
図5には、本発明による加工方法によって加工される被加工物としての正四角形状のウエーハが示されている。図5に示すウエーハ10は、一辺が150mm、厚みが300μmに形成されている。このように形成されたウエーハ10は、円形の保護テープTに貼着される。
上述したウエーハ10を所定の厚みに研削するには、保護テープTに貼着されたウエーハ10を図1に示す研削装置1における被加工物着脱域24に位置付けられている被加工物保持手段70の保持テーブル71を構成する吸着保持チャック712の保持面712aに保護テープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより吸着保持チャック712上に保護テープTを介してウエーハ10を吸引保持する。このようにして、吸着保持チャック712上に保護テープTを介してウエーハ10を吸引保持したならば、図示しない移動手段を作動して被加工物保持手段70を構成する保持テーブル71を矢印23aで示す方向に移動し研削域25に位置付ける。
このようにして保持テーブル71が研削域25に位置付けられると、図6の(a)に示すように研削ホイール5を構成する研削砥石52の下面である研削面が保持テーブル71を構成する吸着保持チャック712の保持面712aである円錐面と平行になるように、即ち頂点から裾野に倣うように位置付けられる。従って、吸着保持チャック712の保持面712aに保護テープTを介して吸引保持されたウエーハ10の上面も保持面712aである円錐面に倣って円錐面となっているため、研削ホイール5を構成する研削砥石52の下面である研削面はウエーハ10の上面(円錐面)と平行になるように、即ち頂点から裾野に倣うように位置付けられることになる。
次に、図6の(a)に示す状態から保持テーブル71を矢印71aで示す方向に後述するように回転するとともに、研削ホイール5を図6の(a)に示すように矢印5aで示す方向に例えば6000rpmの回転速度で回転しつつ矢印Fで示す方向に研削送りする。この結果、研削ホイール5を構成する研削砥石52とウエーハ10は図6の(b)に示す切削領域で接触することになる。ここで、保持テーブル71を回転するサーボモータ72の回転速度について説明する。
図5および図6の(b)に示すように被加工物としてのウエーハ10が正四角形の場合、上述したようにウエーハ10に対して研削ホイール5の研削砥石52が接触する接触領域Sは対角線上で最も大きくなり、対角線から45度の位置で最も小さくなることに起因して、ウエーハ10の厚みは対角線上で厚く対角線から45度の位置で薄くなるという問題がある。このような問題を解消するために、本発明においては、保持テーブル71を回転によって研削砥石52がウエーハ10に接触する接触領域の変化に追随して、該接触領域が小さいときには保持テーブル71の回転速度が速く、接触領域が大きいときには保持テーブル71の回転速度が遅くなるように回転駆動手段としてのサーボモータ72を制御する。
以下、ウエーハ10の形状が正四角形の場合における回転駆動手段としてのサーボモータ72の制御について説明する。
ウエーハ10と研削砥石52との接触面積に反比例するように保持テーブル71の角速度を制御する。即ち、図6の(b)に示すように対角線から45度の位置における保持テーブル71の角速度を(ω)とし、対角線から45度を基準として接触領域Sが(θ)の位置にある場合の角速度を(τ)とすると、(θ)が0度〜45度、45度〜90度、90度〜135度、135度〜180度、180度〜225度、225度〜270度、270度〜315度、315度〜360度を繰り返す範囲で、τ=ωcosθ、τ=ωcos(90度−θ)、τ=ωcos(θ−90度)、τ=ωcos(180度−θ)、τ=ωcos(θ−180度)、τ=ωcos(270度−θ)、τ=ωcos(θ−270度)、τ=ωcos(360度−θ)となるようにサーボモータ72を制御する。この結果、正四角形のウエーハ10における研削ホイール5の研削砥石52が接触する接触領域が大きい対角線領域の回転速度は遅く、対角線から45度の領域の回転速度は対角線領域の回転速度より速くなる。従って、正四角形のウエーハ10は均一な厚みに研削される。
2:装置ハウジング
4:スピンドルユニット
41:スピンドルハウジング
42:回転スピンドル
44:ホイールマウント
5:研削ホイール
51:ホイール基台
52:研削砥石
6:研削送り手段
7:被加工物保持機構
70:被加工物保持手段
71:保持テーブル
72:サーボモータ
722:ロータリーエンコーダ
9:制御手段
10:ウエーハ

Claims (1)

  1. 被加工物を保持する保持面を有する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物の上面を研削する研削ホイールを備えた研削手段と、該研削手段を被加工物保持手段の保持面に垂直な方向に移動せしめる研削送り手段と、被加工物保持手段と研削手段および研削送り手段を制御する制御手段と、を具備する研削装置において、
    該被加工物保持手段は、被加工物を保持する保持面が円錐形に形成された保持テーブルと、円錐形の頂点を中心として保持テーブルを回転する回転駆動手段とを備え、
    該研削ホイールを構成する環状に配設された研削砥石は、円錐形に形成された保持面の頂点から裾野に倣うように位置付けられて研削するように構成されており、
    該制御手段は、該保持テーブルを回転によって該研削砥石が被加工物に接触する接触領域の変化に追随して、該接触領域が小さいときには該保持テーブルの回転速度が速く、該接触領域が大きいときには該保持テーブルの回転速度が遅くなるように該回転駆動手段を制御し、
    被加工物の形状が正四角形とし、対角線から45度の位置における該保持テーブルの角速度を(ω)とし、対角線から45度を基準として該接触領域が(θ)の位置にある場合の角速度を(τ)とすると、
    該制御手段は、(θ)が0度〜45度、45度〜90度、90度〜135度、135度〜180度、180度〜225度、225度〜270度、270度〜315度、315度〜360度を繰り返す範囲で、τ=ωcosθ、τ=ωcos(90度−θ)、τ=ωcos(θ−90度)、τ=ωcos(180度−θ)、τ=ωcos(θ−180度)、τ=ωcos(270度−θ)、τ=ωcos(θ−270度)、τ=ωcos(360度−θ)となるように該回転駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする研削装置。
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