JP6292663B2 - ウォータジャケットスペーサの固定構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関におけるシリンダブロックのウォータジャケットに挿入されるウォータジャケットスペーサをウォータジャケット内の所定の位置に固定する構造に関する。
内燃機関、特に、水冷式エンジンには、シリンダブロックにおけるシリンダボア回りにウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットに冷却水(不凍液が混合された冷却水も含む)が流通され、エンジンの作動に伴い昇温するシリンダボア壁の冷却がなされる。このようなウォータジャケット内には、ウォータジャケットスペーサが挿入され、冷却水の流通を調整してシリンダボア壁の冷却の適正化がなされる(特許文献1〜4参照)。通常このようなウォータジャケットスペーサは、樹脂の成型体からなるため、ウォータジャケット内で浮動や振動がし易く、この浮動や振動によって、シリンダボア壁の冷却が適正になされないこともある。例えば、冷却が特に必要な燃焼室側のシリンダボア壁では冷却が充分になされず、クランク室側のシリンダボア壁では過冷却状態となることがある。そのため、前記特許文献1〜4には、ウォータジャケットスペーサをウォータジャケット内の所定の位置に固定するための方策を講じる技術が開示されている。
特許文献1には、固定用部材によってスペーサ(ウォータジャケットスペーサ)をウォータジャケット内に固定する種々の構造が記載されている。この固定構造は、大別して、固定部材とスペーサとが別体である場合と一体の場合とがあるとされている。また、特許文献2には、スペーサ本体を保持する保持部と、ウォータジャケットの底面に当接する下側の支持脚部と、ウォータジャケットの上面に当接する上側の支持脚部とを有する支持体が記載されている。特許文献3には、水によって膨潤する膨潤材を有する調整部を備え、水によって膨潤した調整部がウォータジャケットの内壁間に密着して固定されるウォータジャケットスペーサが記載されている。さらに、特許文献4には、スペーサ(ウォータジャケットスペーサ)のシリンダ列線方向の両端部に固定部材が設けられ、この固定部材がウォータジャケットの内側壁面に圧接されるように構成された内燃機関の冷却構造が記載されている。
特開2002−266695号公報 特許第4149322号公報 特許第4465313号公報 特許第5064470号公報
ところで、特許文献1における図1(図2、図3)、図4(図5)、図10及び図13(図14)に示される例は、スペーサ自体が別体または一体に固定用部材を備え、ウォータジャケットの内側壁部に対する固定用部材の弾性力や膨潤力等によってスペーサを固定するものである。しかし、これらの例では、このような弾性力等が長い使用の間に低下して、所期の固定状態が維持されなくなることが懸念される。また、図6及び図7に示される例は、ボルトのねじ締結によって、スペーサをウォータジャケットの内側壁部に固定するものである。これらの例では固定状態は安定するが、ウォータジャケットの内側壁部にねじ切り加工を施す必要があり、シリンダブロックの製作に工数を必要とされる。特に、図7の例では、ウォータジャケットの外側壁部に設けられるボルト挿通部をシール材によりシールすることも必要とされる。さらに、図8(図9)及び図12に示される例は、スペーサの下端に凸部又は先割れ部からなる固定用部材が形成され、ウォータジャケットの底に穴が形成され、この穴に固定用部材が受け入れられて保持、固定されるように構成されている。この例でも、ウォータジャケットの底に穴加工を施す必要があり、シリンダブロックの製作に工数を必要とされる。
また、特許文献2に記載された前記支持体は、保持部に保持されたスペーサ本体を下側の支持脚部と、上側の支持脚部とによって、ウォータジャケットの底面と上面とにそれぞれ当接させて固定するものである。しかし、オープンデキタイプのウォータジャケットの場合、上側の開口部はシリンダブロックとシリンダヘッドとの間を密封するガスケットによって覆われており、スペーサの振動に伴い上側の支持脚部によって、当該ガスケットが破断等を生じたりすることが懸念される。さらに、特許文献3は、水を膨潤した調整部がウォータジャケットの内壁間に密着することによりウォータジャケットの固定がなされるが、この密着力が経時的に低下する可能性があることは否めなかった。そして、特許文献4の例では、シリンダ列線方向の両端部に設けられた固定部材が、スペーサをシリンダ列線方向に引き延ばすようにウォータジャケットの内側壁面に圧接される。そのため、スペーサに常時シリンダ列線方向に引張応力が作用し、この引張応力によって固定部材の圧接力が経時的に低下して固定状態が不安定になることが予想される。
本発明は、前記に実情に鑑みなされたもので、ウォータジャケットに対するウォータジャケットスペーサの固定が簡易且つ安定的になし得るウォータジャケットスペーサの固定構造を提供することを目的としている。
本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造は、内燃機関のウォータジャケットに挿入されるウォータジャケットスペーサの固定構造であって、前記ウォータジャケットの外側壁部と前記ウォータジャケットスペーサとの間のみに、当該ウォータジャケットスペーサを前記ウォータジャケットスペーサの深さ方向の所定の位置に固定する固定手段が設けられ、前記固定手段は、前記外側壁部に設けられる係止部と、前記ウォータジャケットスペーサに設けられる被係止部とより構成され、前記係止部の構成部として、前記ウォータジャケットの外側壁部に備わる冷却水導入口及び冷却水排出口の凹所が用いられ、前記ウォータジャケットスペーサは、前記係止部と被係止部とが係止し合うことによって前記所定の位置に固定されることを特徴とする。
本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造によれば、ウォータジャケットの外側壁部とウォータジャケットスペーサとに設けられた固定手段によって、ウォータジャケットスペーサをウォータジャケットの深さ方向の所定の位置に固定することができる。そして、固定手段がウォータジャケットの外側壁部とウォータジャケットスペーサとの間のみに設けられるから、ウォータジャケットの内側壁部の加工を不要とし、シリンダブロック等の内燃機関の構成部の作製工数の増大を抑制することができる。
また、外側壁部に設けられる係止部と、前記ウォータジャケットスペーサに設けられる被係止部との係止関係によって、ウォータジャケットスペーサをウォータジャケット内に簡易に固定することができる。
さらに、一般に自動車用エンジンのウォータジャケットには、冷却水の導入口、冷却水の排出口、サーモスタットの取付部、ドレーンプラグの取付部、或いはコアプラグの取付部等の凹所が備わっている。従って、このような既存の凹所を係止部の構成部として用いることにより、ウォータジャケットの外側壁部に新たな加工を施す必要がない。
前記凹所に係止部材を取付け、当該係止部材が前記被係止部を係止して前記係止部の機能を奏するように構成しても良い。このように、凹所に係止部材を取付けることによって、係止部が簡易に構成され、ウォータジャケットの外側壁部に新たな加工を施す必要がない。
また、前記凹所自体が、前記被係止部を係止して前記係止部の機能を奏するように構成しても良い。これによると、係止のための新たな部品を組付ける必要がなく、一層簡易に係止部を構成することができる。

本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造において、前記係止部及び被係止部のいずれか一方がばね性部材を有し、当該係止部及び被係止部が前記ばね性部材を介して弾性的に係止し合うよう構成されているものとしても良い。
これによれば、係止部及び被係止部が前記ばね性部材を介して弾性的に係止し合うように構成されるから、係止がより安定的になされる。
本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造において、前記ウォータジャケットスペーサの深さ方向の端部は弾性体からなり、当該ウォータジャケットスペーサが前記ウォータジャケット内の深さ方向の所定の位置に挿入された状態では、前記弾性体が前記ウォータジャケットの底部に弾性的に当接するよう構成されているものとしても良い。
これによれば、ウォータジャケットスペーサの深さ方向の端部がウォータジャケットの底部に弾性的に当接する状態で固定されるから、より安定した固定状態が得られると共に、底部からシリンダボア側への冷却水の回り込みを抑え、当該シリンダボア壁の過冷却を抑制することができる。
本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造において、前記ウォータジャケットスペーサが、前記ウォータジャケット内の前記所定の位置に挿入された時に、前記固定手段による前記固定が確立されるよう構成されているものとしても良い。
これによれば、ウォータジャケットスペーサが、前記ウォータジャケット内の前記所定の位置に挿入された時に、前記固定手段による前記固定が確立されるから、挿入操作のみで前記固定がなされると共に、ウォータジャケットスペーサの所定の位置での固定が的確になされる。
本発明のウォータジャケットスペーサの固定構造によれば、ウォータジャケットに対するウォータジャケットスペーサの固定が簡易且つ安定的になし得る。
本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造が適用される自動車用エンジンにおけるシリンダブロックの一例を概略的に示す平面図である。 本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造の第一の実施形態であって、図1におけるX−X線矢視部の拡大断面図である。 同実施形態の第1の変形例を示す要部の断面図である。 同実施形態の第2の変形例を示す図3と同様図である。 同実施形態の第3の変形例を示す図3と同様図である。 本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造の第二の実施形態を示す図2と同様図である。 (a)は図6におけるY−Y線矢視断面図であり、(b)(c)(d)はその第1〜第3の変形を示す(a)と同様図である。 同実施形態の第4の変形例を示す要部の断面図である。 同実施形態の第5の変形例を示す図8と同様図である。 同実施形態の第6の変形例を示す図8と同様図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造が適用される自動車用エンジンのシリンダブロックの一例を概略的に示している。また、図2は、本発明に係る内燃機関の冷却構造の第一の実施形態であって、図1におけるX−X線矢視部の拡大断面図である。図1及び図2に示すシリンダブロック1は、3気筒の自動車用エンジン(内燃機関)100を構成するものであり、3個のシリンダボア2…が直列的に配列されている。1a…はシリンダヘッド(不図示)をシリンダブロック1に合体締結させるためのボルト(不図示)用挿通孔である。シリンダボア2の内面にはシリンダライナー3が嵌合一体とされ、このシリンダライナー3内に軸方向(矢印a方向)に沿って往復摺動可能にピストン4が収納されている。ピストン4の周体にはシリンダライナー3の内面に接する複数のピストンリング41…が嵌装され、エンジンオイル(不図示)を介してピストン4がピストンリング41と共にシリンダライナー3の内面を円滑に摺動するようになされている。3個のシリンダボア2…の回りには、オープンデッキタイプのウォータジャケット5が一連に形成され、シリンダブロック1には、このウォータジャケット5に通じる冷却水(不凍液も含む)導入口6と冷却水排出口7とが設けられている。冷却水排出口7は不図示のラジエータに配管接続され、ラジエータのアウトレット側は、ウォータポンプ(不図示)を介して冷却水導入口6に配管接続される。これによって、ウォータジャケット5とラジエータとの間で冷却水が循環するように構成される。冷却水導入口6には、前記循環用の配管8を接続するためのソケット9がフランジ部9aを介し、不図示のボルトによって装着される。冷却水排出口7にも同様のソケットが装着されるが、図示を省略する。
なお、シリンダヘッドにもウォータジャケットが設けられる場合は、シリンダブロック1のウォータジャケット5と、シリンダヘッドのウォータジャケットとが連通するよう構成される。この場合は、シリンダブロック1には前記冷却水排出口7がなくても良く、シリンダヘッドに冷却水排出口が設けられ、これにラジエータに通じる配管が接続される。また、以下において、上及び下なる用語は、図1の紙面手前側、即ち、ウォータジャケット5の開口部側を上とし、図1の紙面奥側、即ち、ウォータジャケット5の開口部とは反対側(底部側)を下として用いている。図2おいては、矢印aに沿った紙面上側を上、矢印aに沿った紙面下側を下とする。
ウォータジャケット5は、オープンデッキタイプに構成され、その上端開口部5aは、シリンダブロック1と不図示のシリンダヘッドとの間に介在されるシリンダヘッドガスケット10によって封止される。ウォータジャケット5には、その上端開口部5aよりウォータジャケットスペーサ11が挿入され、後記する固定手段によって深さ方向(矢印a方向)の所定の位置に固定保持される。ウォータジャケットスペーサ11は、ウォータジャケット5の形状に沿った環状の樹脂成型体からなるスペーサ本体12と、該スペーサ本体12の下端(深さ方向の下端部)に一体に設けられたゴム等の弾性体13とを備えている。ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5内に挿入される際に深さ方向aの所定の位置は、この弾性体13が、ウォータジャケット5の底部5bに弾性的に当接する位置である。この所定の位置におけるウォータジャケット5の前記冷却水導入口6に対向する位置には、後記するように、ウォータジャケット5の外側壁部5cに設けられる係止部14と係止し合う被係止部15が形成されている。この係止部14と被係止部15とにより、ウォータジャケットスペーサ11をウォータジャケット5の深さ方向aの所定の位置に固定する固定手段16が構成される。
前記固定手段16について、さらに詳述する。図2において、冷却水導入口6に装着されるソケット9には、シリンダボア壁(ウォータジャケット5の内側壁部)5dに向け延出される棒状延出部90が形成されている。この棒状延出部90が前記係止部14としての係止部材とされる。この棒状延出部(係止部材)90の先端面は半円形曲面90aとされている。また、被係止部15は、前記スペーサ本体12におけるウォータジャケット5の外側壁部5c側に向く外側面12aに突状に形成された突状体120からなる。この突状体120の上面は凹曲面120aとされ、また、下面は横向きの平坦面120bとされ、凹曲面120aと平坦面120bとの交点が突端部120cとされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11は、弾性体13を下向きにして、ウォータジャケット5の上端開口部5aから、ウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、被係止部15としての突状体120の突端部120cが係止部14としての棒状延出部90の半円形曲面90aに当接した後、環状のスペーサ本体12を内径側に撓ませるようにして、突状体120の突端部120cを半円形曲面90aに摺接させながら挿入操作を続ける。これによって、ウォータジャケットスペーサ11がシリンダボア壁5d側に変位しながら下降する。そして、突端部120cが半円形曲面90aの頂部を過ぎると、スペーサ本体12に対する前記撓ませ操作をやめて、挿入操作を続ける。これに伴い、突状体120の凹曲面120aが棒状延出部90の半円形曲面90aの下半部に潜り込むように摺接しながら、突状体120と共にウォータジャケットスペーサ11が冷却水導入口6側に変位する。
ウォータジャケットスペーサ11の前記冷却水導入口6側への変位によって、棒状延出部90と突状体120とが係止し合い、即ち、被係止部15と係止部14とが係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向aの所定の位置に固定される。このように、ウォータジャケットスペーサ11をウォータジャケット5の深さ方向aの所定の位置に挿入したとき、固定手段16によるウォータジャケットスペーサ11のウォータジャケット5内での固定が確立される。従って、挿入操作のみによってウォータジャケットスペーサ11のウォータジャケット5内での固定がなされ、他の固定用の治具等を必要としないので、ウォータジャケットスペーサ11の固定が極めて簡易になされる。本実施形態では、前記挿入操作は、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに弾性的に当接するまでなされ、この当接した状態による弾性反力によって、被係止部15と係止部14とが弾性的に係止し合う。この係止によって、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向aの所定の位置に、より安定的に固定される。また、弾性体13の底部5bに対する弾性的な当接によって、冷却水導入口6から導入された冷却水の、底部5bからシリンダボア壁5dへの回り込みが抑えられ、シリンダボア壁5dにおけるクランク室側部分の過冷却抑制が効果的になされる。特に、冷却水導入口6に対向する部分のシリンダボア壁5dではこの過冷却抑制機能がより効果的に発揮される。ウォータジャケットスペーサ11をウォータジャケット5から取り出す際は、ウォータジャケットスペーサ11を上方に引き出すように操作すれば、突状体120(被係止部15)の凹曲面120aの棒状延出部90(係止部14)の半円形曲面90aに対する摺接の後、突端部120cが半円形曲面90aの頂部を過ぎると、係止部14と被係止部15との係止が解除される。これによって、ウォータジャケットスペーサ11の取出しが簡易になされる。
本実施形態においては、固定手段16を構成する係止部14としての棒状延出部(係止部材)90は、ソケット9と一体に形成されたものである。即ち、係止部14の構成部として、実質的に前記外側壁部5cに備わる既存の凹所(冷却水導入口6)が用いられることになる。また、固定手段16を構成する被係止部15は、ウォータジャケットスペーサ11のスペーサ本体12に形成されているから、ウォータジャケット5の外側壁部5cに新たな加工を施すことなく、固定手段16が構成される。このような凹所としては、冷却水導入口6以外に、冷却水排出口7や、図示を省略するサーモスタットの取付部、ドレーンプラグの取付部、或いはコアプラグの取付部等の凹所が挙げられ、これらを同様に用いることが可能である。これら凹所は、少なくともウォータジャケット5側(外側壁部5c)に開口している。また、これらの凹所を適宜組み合わせて用いることによって、ウォータジャケットスペーサ11のより安定した固定が可能となる。さらに、固定手段16の構成部が、ウォータジャケット5のシリンダボア壁5dに関与しないので、シリンダボア壁5dに何ら加工を施す必要がない上に、シリンダボア壁5dの温度制御がし易くなる。因みに、前記特許文献1の図7に示す例では、ウォータジャケットの外側壁部から内側壁部(シリンダボア壁)にボルトをねじ締結することによってスペーサを固定するようにしているが、通常用いられる金属製のボルトの場合、ボルトを通じて熱伝導が起こり、シリンダボア壁の熱がウォータジャケットの外側壁部に逃げてしまうことが考えられる。然るに、本実施形態では、シリンダボア壁5dがウォータジャケットスペーサ11の固定に関与しないので、固定手段16を介したシリンダボア壁5dの熱の伝導・放逸等が生じることがない。従って、ウォータジャケットスペーサ11を介在させて、冷却水導入口6に対向するシリンダボア壁5dに冷却水を直接当てないようにすることによる当該シリンダボア壁5dの温度制御が的確になされる。このような作用・効果は以下の実施形態においても同様に発揮される。
図3は、前記第一の実施形態の第1の変形例を示す。以下において、図2に示す例と共通する部分には同一の符合を付し、一部についてはその説明を省略する。図3に示す例では、固定手段16を構成する係止部14は、前記と同様にソケット9から延出された棒状延出部(係止部材)90からなり、この棒状延出部90の先端部には、冷却水導入口6側に向け下向きに傾斜する傾斜面90bが形成されている。また、固定手段16を構成する被係止部15は、前記スペーサ本体12の外側面12aに突状に形成された深さ方向aに沿った断面形状が半円形の突状体120からなり、その表面は半円形の凸曲面120dとされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、突状体120の凸曲面120dが棒状延出部90の突端部90cに当接した後、突端部90cが凸曲面120dを相対摺接し、ウォータジャケットスペーサ11がシリンダボア壁5d側に変位しながら下降する。そして、凸曲面120dの頂部が突端部90cを過ぎると、突状体120の凸曲面120dが棒状延出部90の傾斜面90bの下部に潜り込むように摺接しながら、突状体120が冷却水導入口6側に変位する。前記冷却水導入口6側への変位によって、棒状延出部90と突状体120とが係止し合い、即ち、被係止部15と係止部14とが係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向の所定の位置に固定される。また、前記と同様に、弾性体13のウォータジャケット5の底部5bに対する弾性的な当接によって、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向a(図2参照)の所定の位置に、より安定的に固定される。ウォータジャケットスペーサ11の取外しも前記と同様に簡易になされる。その他の構成による作用・効果は図2に示す例と同様である。
図4は、前記第一の実施形態の第2の変形例を示す。図4に示す例では、固定手段16を構成する係止部14は、前記と同様にソケット9から延出された棒状延出部(係止部材)90からなり、この棒状延出部90の先端面は図2の例と同様に半円形曲面90aとされている。また、固定手段16を構成する被係止部15は、前記スペーサ本体12の表裏に貫通する貫通孔121からなり、この貫通孔121の下側孔壁121aが、冷却水導入口6に向け下向きに傾斜する傾斜面とされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、スペーサ本体12における前記貫通孔121より下側の外側面12aが棒状延出部90の半円形曲面90aの頂部を摺接し、貫通孔121が棒状延出部90の位置に達すると、棒状延出部90が貫通孔121に嵌り込むようスペーサ本体12が冷却水導入口6側に変位する。前記冷却水導入口6側への変位に伴い、棒状延出部90の半円形曲面90aが前記下側孔壁121aに相対摺接し、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接したとき、挿入操作が終了する、この状態で、前記半円形曲面90aと下側孔壁121aとが係止し合い、即ち、被係止部15と係止部14とが係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向a(図2参照)の所定の位置に固定される。ウォータジャケットスペーサ11の取外しは、ウォータジャケットスペーサ11を上方に引き出すように操作すれば、被係止部15と係止部14との係止が解除され、そのまま上方に引き出すことによって簡易になされる。その他の構成による作用・効果は前記各例と同様である。
なお、被係止部15が貫通孔121からなるものとしたが、この貫通孔121のシリンダボア壁5d側が閉塞された有底の穴からなるものであっても良い。
図5は、前記第一の実施形態の第3の変形例を示す。図5に示す例では、ソケット9が前記のような棒状延出部(係止部材)90を有さず、冷却水導入口6自体が固定手段16を構成する係止部14の機能を奏するものとされている。また、固定手段16を構成する被係止部15は、前記スペーサ本体12の外側面12aに冷却水導入口6に及ぶよう突設された棒状突起122からなり、この棒状突起122の先端面は半円形の凸曲面122aとされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、前記棒状突起122の凸曲面122aの頂部が、ウォータジャケット5の外側壁部5cを摺接し、冷却水導入口6のウォータジャケット5側上縁部6aに達すると、上縁部6aを摺接し、ウォータジャケットスペーサ11が外側壁部5c側に変位する。この変位に伴い、棒状突起122の凸曲面122aが冷却水導入口6の上側口壁部6bに沿って冷却水導入口6内に入り込み、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接したとき、挿入操作が終了する。この状態で、棒状突起122の凸曲面122aと、冷却水導入口6の上側口壁部6bとが係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向a(図2参照)の所定の位置に固定される。本実施形態では、冷却水導入口6の上側口壁部6bが、実質的に係止部14としての機能を奏する。ウォータジャケットスペーサ11の取外しは、ウォータジャケットスペーサ11を上方に引き出すように操作すれば、凸曲面122aと上側口壁部6bとの係止が解除され、そのまま上方に引き出すことによって簡易になされる。その他の構成による作用・効果は前記各例と同様である。
図6〜図10は、本発明に係るウォータジャケットスペーサの固定構造の第二の実施形態を示す。これらの例では、固定手段16を構成する係止部14及び被係止部15のいずれか一方が、ばね性部材を有し、当該係止部14及び被係止部15がこのばね性部材を介して弾性的に係止し合うように構成されている。
図6及び図7(a)に示す例では、固定手段16を構成する係止部14が、前記と同様に冷却水導入口6に装着されたソケット9からシリンダボア壁5dに向け延出された断面円形の棒状延出部(係止部材)90からなる。また、固定手段16を構成する被係止部15は、スペーサ本体12の外側面12aに形成された突状の取付ベース部150と、該取付ベース部150に下向きに固着された板ばね(ばね性部材)151とからなる。板ばね151は、ばね鋼等の金属板からなり、逆U字形の形状とされ、取付ベース部150の下面に固着されるばね基部151aと、該ばね基部151aの両端から下向きに延びる一対のばね片151b,151bとからなる。対向するばね片151b,151bの途中は、互いに接近するよう屈折され、この屈折部151ba,151baの間隔が前記棒状延出部90の径より小とされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、板ばね151のばね片151b,151bのテーパ状に対向する下片部151bb,151bbが棒状延出部90の周面に当接する。この当接した状態で、さらにウォータジャケットスペーサ11を押し込むように操作すると、屈折部151ba,151baが棒状延出部90によって弾性的に押し広げられ、棒状延出部90が弾性復元した板ばね151の屈折部151ba,151baより上部の空所に収まる。この状態で、棒状延出部90と板ばね151とが弾性的に係止し合い、即ち、係止部14と被係止部15とが係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向aの所定の位置に固定される。このとき、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接する。ウォータジャケットスペーサ11の取外しは、ウォータジャケットスペーサ11を上方に引き出すように操作すれば、棒状延出部90が板ばね151の弾力に抗して屈折部151ba,151baを押し広げ、両者の間を通過し、棒状延出部90と板ばね151との係止が解除される。この実施形態では、係止部14と被係止部15との係止に板ばね151が関与するから、ウォータジャケットスペーサ11の前記所定の位置での固定がより安定的になされる。その他の構成による作用・効果は第一の実施形態と同様である。
図7(b)は、第二の実施形態の第1の変形例を示し、この例では、ばね性部材が係止部14側に設けられており、ばね性部材を介した弾性的な係止が図7(a)に示す例と逆の関係となる。即ち、固定手段16を構成する係止部14は、ソケット9からシリンダボア壁5dに向け延出された棒状の取付ベース部140と、該取付ベース部140に上向きに固着された板ばね(ばね性部材)141とからなる。係止部材としての板ばね141は、図7(a)の板ばね151と同様にU字形の形状とされ、取付ベース部140の上面に固着されるばね基部141aと、該ばね基部141aの両端から上向きに延びる一対のばね片141b,141bとからなる。対向するばね片141b,141bの途中は、互いに接近するよう屈折されている。また、固定手段16を構成する被係止部15は、スペーサ本体12の外側面12aに形成された断面円形の棒状突起123からなる。ばね片141b,141bの屈折部141ba,141baの間隔が前記棒状突起123の径より小とされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入操作によって確立されるウォータジャケットスペーサ11のウォータジャケット5における深さ方向aの所定位置での固定においては、係止部14と被係止部15との係止におけるばね性部材が、図7(a)における例と同様に関与する。従って、その作用・効果も図7(a)の例と同様である。また、その他の構成による作用・効果は第一の実施形態と同様である。
図7(c)は、第二の実施形態の第2の変形例を示し、この例では、固定手段16を構成する係止部14が、前記と同様に冷却水導入口6に装着されたソケット9からシリンダボア壁5dに向け延出された断面円形の2本の平行な棒状延出部(係止部材)91,91からなる。また、固定手段16を構成する被係止部15は、スペーサ本体12の外側面12aに形成された突状の取付ベース部150と、該取付ベース部150に下向きに固着された板ばね(ばね性部材)151とからなる。この例の板ばね151は、取付ベース部150に下向きに延びるように固着されたばね基体151cと、該ばね基体151cの先端151caから、二股に分かれて折り返された一対のばね片151d,151dとからなる。ばね片151d,151dは、先端が自由端とされると共に途中が屈折され、正面視して略菱形形状をなすように構成されている。ばね片151d,151dの屈折部151da,151daの山折れ部間の距離は、前記一対の棒状延出部91,91の間隔より大とされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、板ばね151は、ばね基体151cの先端151caが一対の棒状延出部91,91間に挿入され、この挿入と共に、ばね片151d,151dの下半部が棒状延出部91,91に当接する。さらに挿入操作を行うと、ばね片151d,151dが棒状延出部91,91に圧接され、棒状延出部91,91によって、ばね片151d,151dが互いに接近するように弾性変形する。そして、屈折部151da,151daが棒状延出部91,91間を通過すると、ばね片151d,151dが弾性復元して、棒状延出部91,91とばね片151d,151dとが係止し合い、即ち、係止部14と被係止部15とが弾性的に係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向の所定の位置に固定される。このとき、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接する(図6参照)。ウォータジャケットスペーサ11の取外しは、ウォータジャケットスペーサ11を上方に引き出すように操作すれば、棒状延出部91,91が板ばね151の弾力に抗して屈折部151da,151daを圧縮し、板ばね151が棒状延出部91,91の間を通過し、係止部14と被係止部15との係止が解除される。この実施形態でも、係止部14と被係止部15との係止に板ばね151が関与するから、ウォータジャケットスペーサ11の前記所定の位置での固定がより安定的になされる。その他の構成による作用・効果は第一の実施形態と同様である。
図7(d)は、第二の実施形態の第3の変形例を示し、この例では、ばね性部材が係止部14側に設けられており、ばね性部材を介した弾性的な係止が図7(c)に示す例と逆の関係となる。即ち、固定手段16を構成する係止部14は、ソケット9からシリンダボア壁5dに向け延出された棒状の取付ベース部140と、該取付ベース部140に上向きに固着された板ばね(ばね性部材)141とからなる。この例の板ばね141は、取付ベース部140に上向きに延びるように固着されたばね基体141cと、該ばね基部141cの先端141caから、二股に分かれて折り返された一対のばね片141d,141dとからなる。ばね片141d,141dは、先端が自由端とされると共に途中が屈折され、正面視して略菱形形状をなすように構成されている。固定手段16を構成する被係止部15は、スペーサ本体12の外側面12aに形成された断面円形の2本の平行な棒状突起124、124からなる。ばね片141d,141dの屈折部141da,141da間の最大距離は、前記一対の棒状突起124、124の間隔より大とされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、一対の棒状突起124、124が、ばね片141d,141dの上半部に当接し、さらに挿入操作を行うと、被係止部棒状突起124、124が、ばね片141d,141dに圧接され、棒状突起124、124によって、ばね片141d,141dが互いに接近するように弾性変形する。そして、屈折部141da,141daが棒状突起124、124間を通過すると、ばね片141d,141dが弾性復元して、棒状突起124、124とばね片141d,141dとが係止し合い、即ち、係止部14と被係止部15とが弾性的に係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向の所定の位置に固定される。このとき、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接する(図6参照)。この挿入操作によって確立されるウォータジャケットスペーサ11のウォータジャケット5における深さ方向の所定位置での固定においては、係止部14と被係止部15との係止におけるばね性部材が、図7(c)における例と同様に関与する。従って、その作用・効果も図7(c)の例と同様である。また、その他の構成による作用・効果は第一の実施形態と同様である。
図8は、第二の実施形態の第4の変形例を示す。この例では、固定手段16を構成する係止部14が、前記と同様に冷却水導入口6に装着されたソケット9からシリンダボア壁5dに向け延出された棒状延出部(係止部材)90からなり、その先端面が半円形曲面90aとされている。また、固定手段16を構成する被係止部15は、スペーサ本体12の外側面12aに固着された板ばね(ばね性部材)151からなる。板ばね151は、スペーサ本体12に固着される固着基部151eと、該固着基部151eから上向きに延出されたばね片151fとからなる。ばね片151fは、その先端が自由端とされ、途中がスペーサ本体12の外側面12aに向け屈折されて略L形の形状をなす。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、ばね片151fの屈折部151faが棒状延出部90の半円形曲面90aに当接し、さらに挿入操作を行うと、棒状延出部90の半円形曲面90aの作用を受けてばね片151fがスペーサ本体12の外側面12a側に弾性変形する。これに伴い、屈折部151faが半円形曲面90aの頂部を通過し、ばね片151fの上半部が弾性復元して半円形曲面90aに弾性的に当接する。これによって、棒状延出部90とばね片151fとが係止し合い、即ち、係止部14と被係止部15とが弾性的に係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向a(図6参照)の所定の位置に固定される。このとき、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接する。この挿入操作によって確立されるウォータジャケットスペーサ11のウォータジャケット5における深さ方向の所定位置での固定においては、係止部14と被係止部15との係止におけるばね性部材が、図7(a)〜(d)における例と同様に関与する。従って、その作用・効果も図7(a)〜(d)の例と同様である。また、その他の構成による作用・効果は第一の実施形態と同様である。
図9は、第二の実施形態の第5の変形例を示す。この例では、固定手段16を構成する係止部14が、ソケット9からシリンダボア壁5dに向け延出された棒状の取付ベース部140と、該取付ベース部140に固着された板ばね(ばね性部材)141とからなる。係止部材としての板ばね141は、取付ベース部140に固着される固着基部141eと、該固着基部141eから下向きに延出されたばね片141fとからなる。ばね片141fは、その先端が自由端とされ、途中がウォータジャケット5の外側壁部5cに向け屈折されて略L形の形状をなす。また、固定手段16を構成する被係止部15は、ウォータジャケット5の外側壁部5cに向くよう突設された突起125からなり、この突起125の先端面は半円形の凸曲面125aとされている。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、突起125の凸曲面125aが、板ばね141の上半部に当接し、さらに挿入操作を行うと、突起125の凸曲面125aの作用を受けてばね片141fがウォータジャケット5の外側壁部5c側に弾性変形する。これに伴い、突起125の凸曲面125aが屈折部141faを通過し、ばね片141fの下半部が弾性復元して凸曲面125aに弾性的に当接する。これによって、凸曲面125aとばね片141fとが係止し合い、即ち、係止部14と被係止部15とが弾性的に係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向a(図6参照)の所定の位置に固定される。このとき、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接する。この挿入操作によって確立されるウォータジャケットスペーサ11のウォータジャケット5における深さ方向の所定位置での固定においては、係止部14と被係止部15との係止におけるばね性部材が、図7(a)〜(d)における例と同様に関与する。従って、その作用・効果も図7(a)〜(d)の例と同様である。また、その他の構成による作用・効果は第一の実施形態と同様である。
図10は、第二の実施形態の第6の変形例を示す。この例では、ソケット9が前記のような棒状延出部等を有さず、冷却水導入口6自体が固定手段16を構成する係止部14の機能を奏するものとされている。一方、固定手段16を構成する被係止部15は、冷却水導入口6と弾性的に係止し合う板ばね(ばね性部材)151からなる。板ばね151は、スペーサ本体12の外側面12aに固着される固着基部151gと、該固着基部151gから、上向きに延出されたばね片151hからなる。ばね片151hは、その先端が自由端とされ、途中がスペーサ本体12の外側面12aに向け屈折されて略L形の形状をなす。このような構成のウォータジャケットスペーサ11も、前記と同じ要領でウォータジャケット5に挿入される。この挿入過程で、前記ばね片151hは、前記外側面12a側に弾性変形された状態で屈折部151haが、ウォータジャケット5の外側壁部5cに弾性的に摺接し、屈折部151haが冷却水導入口6のウォータジャケット5側の上縁部6aに達する。屈折部151haが上縁部6aを通過すると、ばね片151hが弾性復元しながら、ばね片151hの屈折部151haより上側部分が上縁部6aを弾性的に摺接する。これに伴い、屈折部151haが冷却水導入口6内に侵入し、この侵入に伴い、ウォータジャケットスペーサ11が外側壁部5c側に変位する。そして、弾性体13がウォータジャケット5の底部5bに対して弾性的に当接したとき、挿入操作が終了する。この状態で、被係止部15としての板ばね151と、冷却水導入口6の上縁部6aとが係止し合い、ウォータジャケットスペーサ11がウォータジャケット5の深さ方向の所定の位置に固定される。本実施形態では、冷却水導入口6の上縁部6aが、実質的に係止部14としての機能を奏する。ウォータジャケットスペーサ11の取外しは、ウォータジャケットスペーサ11を上方に引き出すように操作すれば、板ばね151が外側面12a側に弾性変形して、板ばね151と上縁部6aとの係止が解除され、そのまま上方に引き出すことによって簡易になされる。その他の構成による作用・効果は前記各例と同様である。
なお、係止部(係止部材)、被係止部及びばね性部材等の形状は、図例のものに限定されず、他の形状のものも採用可能である。また、本発明のウォータジャケットスペーサの固定構造が適用される内燃機関として3気筒の自動車用のエンジン100を例に採ったが、他の気筒数の自動車用のエンジン、或いは、自動車用以外の内燃機関にも適用されることは言うまでもない。さらに、シリンダブロック1における冷却水導入口6の設置位置は、図1の例に限定されず、ウォータジャケット5の周方向のいずれの位置であっても良い。その高さ位置(深さ位置)も、ウォータジャケット5の開口部側、深さ方向aの中央部、或いは底部側のいずれでも良く、内燃機関の仕様によって適宜定められる。また、前記各実施形態では、いずれも、ウォータジャケットスペーサ11の深さ方向の端部はゴム等の弾性体13からなる例を示したが、ゴム以外の弾性体でも良い。或は、このような弾性体13に代えて、固定手段16の構成部分で生じる弾性反力やばね反力によって、ウォータジャケットスペーサ11の深さ方向の端部がウォータジャケット5の底部5bに弾性的に当接するようにしても良い。
100 自動車用エンジン(内燃機関)
5 ウォータジャケット
5c 外側壁部
5b 底部
6 冷却水導入口(係止部、凹所)
11 ウォータジャケットスペーサ
13 弾性体
14 係止部
141 板ばね(ばね性部材、係止部材)
15 被係止部
151 板ばね(ばね性部材)
16 固定手段
90 棒状延出部(係止部材)
91 棒状延出部(係止部材)
120 突状体(被係止部)
121 貫通孔(被係止部)
122 棒状突起(被係止部)
123 棒状突起(被係止部)
124 棒状突起(被係止部)
125 突起(被係止部)
a 深さ方向

Claims (6)

  1. 内燃機関のウォータジャケットに挿入されるウォータジャケットスペーサの固定構造であって、
    前記ウォータジャケットの外側壁部と前記ウォータジャケットスペーサとの間のみに、当該ウォータジャケットスペーサを前記ウォータジャケットの深さ方向の所定の位置に固定する固定手段が設けられ、
    前記固定手段は、前記外側壁部に設けられる係止部と、前記ウォータジャケットスペーサに設けられる被係止部とより構成され、前記係止部の構成部として、前記ウォータジャケットの外側壁部に備わる冷却水導入口及び冷却水排出口の凹所が用いられ、前記ウォータジャケットスペーサは、前記係止部と被係止部とが係止し合うことによって前記所定の位置に固定されることを特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造。
  2. 請求項1に記載のウォータジャケットスペーサの固定構造において、
    前記凹所に係止部材を取付け、当該係止部材が前記被係止部を係止して前記係止部の機能を奏するように構成されていることを特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造。
  3. 請求項1に記載の特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造において、
    前記凹所自体が、前記被係止部を係止して前記係止部の機能を奏するように構成されていることを特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のウォータジャケットスペーサの固定構造において、
    前記係止部及び被係止部のいずれか一方がばね性部材を有し、当該係止部及び被係止部が前記ばね性部材を介して弾性的に係止し合うよう構成されていることを特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のウォータジャケットスペーサの固定構造において、
    前記ウォータジャケットスペーサの深さ方向の端部は弾性体からなり、当該ウォータジャケットスペーサが前記ウォータジャケット内の深さ方向の所定の位置に挿入された状態では、前記弾性体が前記ウォータジャケットの底部に弾性的に当接するよう構成されていることを特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のウォータジャケットスペーサの固定構造において、
    前記ウォータジャケットスペーサが、前記ウォータジャケット内の前記所定の位置に挿入された時に、前記固定手段による前記固定が確立されるよう構成されていることを特徴とするウォータジャケットスペーサの固定構造。
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