JP5569370B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダブロックのウォータージャケットにインサート部材が挿入されるエンジンに関する。
一般に、エンジンのシリンダブロックには、ピストンが挿入される複数のシリンダボアを取り囲むように、ウォータジャケットが設けられている。このようなシリンダブロックのウォータジャケットの内部には、スペーサと呼ばれるインサート部材が挿入されている(例えば、特許文献1,2参照)。
前記特許文献1に係る従来例では、シリンダブロックのウォータージャケットにおいてシリンダ壁表面に、微細な空孔からなる凹凸表面構造を設けている。この凹凸表面構造により核沸騰(サブクール沸騰)を助長して、シリンダ壁表面の冷却を促進させるようにしている。そして、シリンダ壁表面において上部の凹凸表面構造の空孔のサイズを、下部の凹凸表面構造の空孔のサイズよりも小さくすることにより、シリンダ壁表面の上部を下部に比べて積極的に冷却させるようにしている。
前記特許文献2に係る従来例では、シリンダブロックのウォータージャケットのシリンダボア壁とスペーサの内側面との対向隙間について、その上側領域および下側領域を中間領域よりも大きくし、かつ上側領域を下側領域よりも大きくしている。これにより、前記対向隙間の上下方向の冷却液の流量分布を制御し、シリンダボア壁の温度を均一にするようにしている。
特開2010−196518号公報 特開2005−273469号公報
上記特許文献1に係る従来例は、ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させているときや当該強制的な流通を停止させているときに関係なく、シリンダ壁表面の上部の冷却作用を促進させるというものであり、本発明のようにウォータージャケット内での冷却液の強制的な流通を停止させているときに冷却液の自然対流を促進させるための構成をインサート部材(スペーサ)に設けるようにはなっていない。
上記特許文献2に係る従来例は、ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させているときにシリンダボア壁の上部の冷却作用を促進させるというものであって、本発明のようにウォータージャケット内での冷却液の強制的な流通を停止させているときに冷却液の自然対流を促進させるための構成をインサート部材(スペーサ)に設けるようにはなっていない。
このような事情に鑑み、本発明は、シリンダブロックのウォータージャケット内にインサート部材が挿入されるエンジンにおいて、前記ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させていないときに、シリンダボア壁における上下方向の温度分布を均一化できるようにして、ピストン打音の発生を抑制または防止することを目的としている。
本発明は、シリンダブロックのウォータージャケットにインサート部材が挿入されかつ前記ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させない状態にすることが可能な構成のエンジンであって、インサート部材は、前記ウォータージャケット内においてシリンダボア寄りの内側と、シリンダブロック外面寄りの外側と、上側と、下側とに、それぞれ環状に連なる空間を作るように位置決めされた状態で配置されており、この環状の空間の一部領域の断面積が他領域に比べて小さく設定されている、ことを特徴としている。
例えばエンジンの冷間運転時などシリンダブロックのウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させていない状態では、エンジンの燃焼室から発生する熱でもって、前記インサート部材を取り囲むように作られる環状の空間内の冷却液の温度が上昇することになって、この冷却液が自然対流により流動するようになる。
そもそも、エンジンの燃焼室から熱が発生するので、シリンダブロックのウォータジャケット内においてインサート部材よりもシリンダボア寄りの内側空間内の冷却液の温度がインサート部材よりもシリンダブロック外面寄りの外側空間内の冷却液の温度よりも高くなるとともに、シリンダブロックのウォータージャケット内の上側空間内の冷却液の温度が下側空間内の冷却液の温度よりも高くなる傾向となる。
そのために、内側空間内では冷却液が上向きに流れるようになり、外側空間内では冷却液が下向きに流れるようになるとともに、内側空間から上側空間に到達した冷却液は方向転換して外側空間を下向きに流れ、外側空間から下側空間に到達した冷却液は方向転換して内側空間を上向きに流れるようになる。
つまり、前記環状の空間内の冷却液は、自然対流でもって、内側空間→上側空間→外側空間→下側空間→内側空間というような経路で循環させられることになる。しかも、前記環状の空間において断面積を小さくしている一部領域のベンチュリ効果でもって、前記環状の空間を循環する冷却液の流速が可及的に速められるようになる。
このような冷却液の自然対流による循環により、シリンダボア壁において比較的昇温しやすい上側領域から熱を効率良く奪えるようになるから、シリンダブロックのウォータージャケット内の冷却液が速やかに昇温されるようになるとともに、シリンダボア壁における上下方向の温度分布が均一化されるようになる。
これにより、前記シリンダボア壁の上側領域が過剰に熱膨張することが抑制または防止されるようになるので、ピストンの打音の発生が抑制または防止されるようになる。
好ましくは、前記インサート部材は、略筒形のボディに、前記シリンダブロックのウォータージャケットの内壁面に当接される位置決め用の張り出し部を設けた構成とされ、前記張り出し部には、前記環状の空間において断面積の小さい一部領域となる通路が設けられている。
ここでは、インサート部材の構成を特定するとともに、断面積を小さくする一部領域の構成を特定している。これにより、インサート部材をシリンダブロックのウォータージャケット内に挿入するだけで、インサート部材がシリンダブロックのウォータージャケット内で位置決めされることになって前記環状の空間が作られることが明らかになる。しかも、環状の空間を流れる冷却液の流速を速くするためのベンチュリ効果が得られることが明らかになる。
好ましくは、前記張り出し部は、前記ボディの外面の下側領域に設けられている。ここでは、前記張り出し部の設置場所を特定している。
好ましくは、前記通路は、その下側開口端が上側開口端よりもシリンダボア寄りに配置されている。
この構成では、前記シリンダブロックのウォータージャケット内においてインサート部材の外側空間から通路を通って下側空間に流れる冷却液が下側空間で上向きに方向転換しやすくなり、冷却液の循環を促進することが可能になる。
ところで、前記エンジンは、シリンダブロックのウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させるための電動式ウォーターポンプを備えており、この電動式ウォーターポンプは前記エンジンの冷間運転時に非作動とされる。
本発明は、シリンダブロックのウォータージャケット内にインサート部材が挿入されるエンジンにおいて、例えば冷間運転時などのように前記ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させていないときに、シリンダボア壁における上下方向の温度分布を均一化できるようにして、ピストン打音の発生を抑制または防止することが可能になる。
本発明に係るエンジンの一実施形態におけるシリンダブロックとインサート部材とを示す斜視図である。 図1のシリンダブロックおよびシリンダヘッドガスケットを模式的に示す上面図である。 図2の(3)−(3)線断面の矢視図であるが、シリンダヘッドを取り付けた状態で示している。 図3の二点鎖線で囲む領域を拡大して示す図である。 図3のシリンダブロックのウォータージャケットとインサート部材とを分離して示す図である。 図1から図5に示すインサート部材のみの上面図である。 本発明に係るエンジンの他実施形態で、図3に対応する図である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6に、本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、水冷式の直列4気筒型の内燃機関(エンジン)を例に挙げている。図中、1はエンジンのシリンダブロック、2はシリンダヘッド、3はシリンダヘッドガスケット、5は電動式のウォーターポンプ、6はスペーサと呼ばれるインサート部材である。
シリンダブロック1には、その長手方向に複数(この実施形態では4つ)のシリンダボア11・・・が一列に並んで設けられている。このシリンダブロック1は、シリンダライナレスになっている。
複数のシリンダボア11には、図示していないが、それぞれピストンが挿入される。複数のシリンダボア11を作る円筒形のシリンダボア壁は、それぞれ直列に連接されている。このようなシリンダボア壁は、いわゆるサイアミーズタイプのシリンダバレル12と呼ばれている。
そして、シリンダブロック1には、シリンダバレル12を囲むようにウォータージャケット13が設けられている。このシリンダブロック側ウォータージャケット13は、図1から図3に示すように、シリンダブロック1のデッキ面つまりシリンダヘッド(図示省略)が組み付けられる面に向けて開放されている。このようなウォータージャケット13を備えるシリンダブロック1は、いわゆるオープンデッキタイプと呼ばれている。
なお、シリンダバレル12の外壁面が、シリンダブロック側ウォータージャケット13の内壁面においてシリンダボア11寄りの壁面(以下、ボア側壁面という)14となる。このシリンダブロック側ウォータージャケット13の内壁面においてシリンダブロック1の外面寄りの壁面は、ブロック外側壁面15と言うことにする。
ところで、シリンダブロック側ウォータージャケット13の幅つまりシリンダボア11の径方向に沿う幅は、この実施形態において図3から図5に示すように、シリンダボア11の下側から上側へ向けて徐々に大きくされている。
この幅の広がりは、シリンダブロック1を例えばダイカスト成形法などによって鋳造するときに用いる成形型の抜き勾配とされる。この実施形態では、シリンダブロック側ウォータージャケット13の内壁面においてブロック外側壁面15のみが上から下へシリンダボア11に近づくような傾斜面にされており、シリンダブロック側ウォータージャケット13の内壁面においてボア側壁面14はシリンダボア11の中心軸線201と略平行となるように形成されている。なお、図3から図5では、前記傾斜を誇張して示している。
シリンダヘッド2には、シリンダボア11と同数の燃焼室を作るための凹部21・・・が設けられているとともに、吸気ポート22および排気ポート23が設けられている。さらに、このシリンダヘッド2にも、ウォータジャケット24が設けられている。このシリンダヘッド側ウォータジャケット24は、基本的に燃焼室を作るための凹部21と排気ポート23の周辺に設けられており、下側つまりシリンダブロック1側へ向けて開口されている。
シリンダヘッドガスケット3は、シリンダブロック1とシリンダヘッド2との間に介装されている。このシリンダヘッドガスケット3は、その外縁形状がシリンダブロック1の上面の外縁形状に近似するように形成されている。
このシリンダヘッドガスケット3には、4つのシリンダボア11・・・に対応する貫通孔31・・・と、シリンダブロック側ウォータジャケット13とシリンダヘッド側ウォータジャケット24との間で冷却液の流通を可能とするための通孔32・・・と、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とを連結するためのボルト(図示省略)が挿通されるボルト孔33・・・が設けられている。なお、通孔32は、吸気ポート22側よりも排気ポート23側に多く設けられている。冷却液は、例えばロングライフクーラント(LLC)と呼ばれる不凍液などとされる。
このようなことから、図3に示すように、シリンダブロック側ウォータージャケット13の上側開口は、シリンダヘッドガスケット3に設けられる通孔32を経てシリンダヘッド側ウォータージャケット24に連通されているが、このシリンダヘッドガスケット3において通孔32の存在しない領域でもって閉塞されるようになっている。
このようなシリンダブロック1には、例えば電動式のウォータポンプ5が取り付けられている。エンジンを冷間で運転するとき、つまりシリンダブロック側ウォータージャケット13やシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液が所定の閾値未満の場合、つまり冷間時にはウォーターポンプ5を非作動とすることにより、エンジンから発する熱でシリンダブロック側ウォータージャケット13やシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液を速やかに昇温させるようにする。
そして、シリンダブロック側ウォータージャケット13やシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液の温度が前記閾値以上になると、ウォータポンプ5を作動させることにより、シリンダブロック側ウォータージャケット13やシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液を一旦外に取り出して、図示していないラジエータなどにより冷却した後、再度、シリンダブロック側ウォータージャケット13内に戻すようにする。このシリンダブロック側ウォータジャケット13に戻された冷却液は、シリンダヘッドガスケット3の通孔32を通じてシリンダヘッド側ウォータージャケット24に流れるようになる。この冷却液の循環によりシリンダブロック1のシリンダボア11における燃焼室寄り領域が冷却されるとともに、シリンダヘッド2において凹部21の周囲や排気ポート23の周囲が冷却されるようになる。
ところで、インサート部材6は、シリンダブロック側ウォータージャケット13内に挿入されるものであって、図1および図3に示すように、シリンダバレル12と近似した形状に形成されている。
詳しくは、インサート部材6は、上から見て略楕円筒形とされたボディ61の外面における下側領域に、外向きに張り出す張り出し部62を設けた構成とされている。
このようなインサート部材6をシリンダブロック側ウォータージャケット13内に挿入すると、インサート部材6の張り出し部62における外面が、シリンダブロック側ウォータージャケット13の内壁面におけるブロック外側壁面15に楔作用により密に当接するようになって、その位置でインサート部材6が位置決めされて停止することになる。この状態で、インサート部材6が、ウォータージャケット13内において、シリンダボア11寄りの内側と、シリンダブロック1外面寄りの外側と、上側と、下側とに、それぞれ空間101,102,103,104を作るようになっている。これらの空間101,102,103,104のうち、隣り合うもの同士が連通されているので、各空間101,102,103,104が環状に連なる空間になる。
このようなインサート部材6の位置決めを実現可能にするために、インサート部材6の張り出し部62の外形を、シリンダブロック側ウォータージャケット13の内壁面におけるブロック外側壁面15に合致させるようにしている。
但し、張り出し部62を前記したような外形にすると、インサート部材6をシリンダブロック側ウォータージャケット13内に挿入したときに、張り出し部62が外側空間102と下側空間104とを非連通状態にしてしまう。
そこで、張り出し部62には、外側空間102と下側空間104とを連通するための通路63を多数設けるようにしている。この通路63は、張り出し部62の上側平坦面とボディ61の底面とに向けてそれぞれ開口するような真っ直ぐの貫通孔とされている。また、この通路63は、図6に示すように、ボディ61の周方向所定間隔おきに並べて設けられている。
この実施形態では、通路63を外側空間102内において下側領域に設置している関係より、当該通路63が外側空間102の一部の断面積を小さくしていることになる。ここで、前記断面積とは、ボディ61の厚み方向に沿う断面積のことである。
さらに、図4に示すように、前記真っ直ぐな貫通孔からなる通路63の中心軸線202は、当該通路63の下側開口端が上側開口端よりもシリンダボア11寄りに位置するように、シリンダボア11の中心軸線201に対して所定角度θ傾斜されている。このように傾斜している理由は、後で詳細に説明しているが、例えば外側空間102から下側空間104へ冷却液が自然対流により通過した後で、この下側空間104内で冷却液を内側空間101へ向けて方向転換させやすくするためである。
次に、上記したようなインサート部材6をシリンダブロック側ウォータージャケット13内に挿入した場合における冷却液の動作について説明する。
まず、エンジンの冷間運転時や低負荷運転時など、シリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液の温度が所定の閾値未満であるときには、当該冷却液の温度を速やかに上昇させるために、ウォーターポンプ5を非作動にする。これにより、シリンダブロック側ウォータージャケット13内に外部から冷却液が流入されなくなるので、図示していないエンジンの燃焼室から発生する熱がシリンダバレル12を介してシリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内に残留する冷却液に伝達されることになるので、この冷却液が速やかに温度上昇するようになる。
そして、シリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液の温度が前記閾値以上になると、ウォーターポンプ5を作動することによって、シリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液を図示していない外部配管を経て図示していないラジエータに導入させるとともに、ラジエータを通過して冷却された冷却液をシリンダブロック側ウォータージャケット13内に戻すように強制的に循環させる。このような冷却液の強制循環によってシリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液の温度が略一定値に保たれるようになる。
ところで、前記のように、シリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液の温度が前記閾値未満であるときは、シリンダブロック側ウォータージャケット13およびシリンダヘッド側ウォータージャケット24内の冷却液が強制的に流通しない状態になっているが、エンジンの運転に伴い燃焼室から発生する熱でもってシリンダブロック側ウォータージャケット13内の冷却液が自然対流するようになる。
詳しくは、そもそも、エンジンの燃焼室から熱が発生するので、シリンダブロック側ウォータージャケット13内において内側空間101内の冷却液の温度が外側空間102内の冷却液の温度よりも高くなるとともに、シリンダブロック側ウォータージャケット13内において上側空間103内の冷却液の温度が下側空間104内の冷却液の温度よりも高くなる傾向となる。
そのために、図3の矢印で示すように、内側空間101内では冷却液が上向きに流れるようになり、外側空間102内では冷却液が下向きに流れるようになるとともに、内側空間101から上側空間103に到達した冷却液はシリンダヘッドガスケット3により方向転換させられて外側空間102を下向きに流れ、外側空間102から下側空間104に到達した冷却液はシリンダブロック側ウォータージャケット13の底部で方向転換させられて内側空間101を上向きに流れるようになる。
つまり、前記環状の空間101〜104内の冷却液は、その温度上昇に伴う自然対流でもって、内側空間101→上側空間103→外側空間102→下側空間104→内側空間101というような経路で循環させられることになる。しかも、外側空間102と下側空間104とを連通する通路63の断面積が外側空間102の断面積よりも小さくなっているので、この通路63を冷却液が通過するときにベンチュリ効果でもって当該冷却液の流速が可及的に増速されることになる。その結果として、前記環状の空間101〜104を循環する冷却液の流速が可及的に増速されるようになる。
これにより、内側空間101を自然対流によって上向きに流れる冷却液が、シリンダバレル12の外壁面つまりシリンダブロック側ウォータージャケット13のボア側壁面14において比較的昇温しやすい上側領域から熱を効率良く奪えるようになるから、シリンダブロック側ウォータージャケット13内の冷却液が速やかに昇温されるようになるとともに、ウォータージャケット13のボア側壁面14(シリンダバレル12の外壁面)における上側領域が過度に温度上昇することが抑制または防止されることになる。
その結果、電動式ウォーターポンプ5を非作動とすることによってシリンダブロック側ウォータージャケット13内で冷却液を強制的に流通させていないときでも、シリンダブロック側ウォータージャケット13のボア側壁面14(シリンダバレル12の外壁面)における上下方向の温度分布が均一化されるようになる。
なお、前記しているが、図3に示すように、シリンダブロック側ウォータージャケット13の上側開口は、シリンダヘッドガスケット3に設けられる通孔32を経てシリンダヘッド側ウォータージャケット24に連通されるものの、このシリンダヘッドガスケット3において前記通孔32の存在しない領域がシリンダブロック側ウォータージャケット13の上側開口を閉塞するようになっている。その関係より、前記のようなシリンダブロック側ウォータージャケット13内における冷却液の自然対流による循環が可能になるのである。
以上説明したように本発明を適用した実施形態では、電動式ウォーターポンプ5を非作動とすることによってシリンダブロック側ウォータージャケット13内で冷却液を強制的に流通させていないときに、シリンダブロック側ウォータージャケット13内の冷却液が、その温度上昇に伴う自然対流でもってインサート部材6を取り囲む環状の空間101〜104を循環するようになる。
これにより、シリンダブロック側ウォータージャケット13内の冷却液が速やかに昇温されるようになるとともに、シリンダブロック側ウォータージャケット13のボア側壁面14(シリンダバレル12の外壁面)における上下方向の温度分布が均一化されるようになるから、シリンダブロック側ウォータージャケット13のボア側壁面14において最も昇温しやすい上側領域が過剰に熱膨張することを抑制または防止できるようになる。
その結果、シリンダボア11の上下領域とピストンとの間のクリアランスのばらつきを低減することが可能になるので、シリンダボア11を構成するシリンダバレル12の内壁面に対するピストンの打音の発生を抑制または防止することが可能になる。それに伴い、シリンダボア11を構成するシリンダバレル12の内壁面やピストン(図示省略)の偏摩耗を抑制または防止することが可能になるので、フリクションロスを軽減することが可能になるなど、エンジンの耐久性ならびに燃費を向上するうえで有利になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)上記実施形態では、本発明に係るエンジンとして直列4気筒型エンジンを例に挙げているが、本発明の適用対象となるエンジンの型式や気筒数は特に限定されるものではない。
(2)上記実施形態では、インサート部材6の張り出し部62をボディ61の外側で上下方向の下側領域に設置した場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図7に示すように、インサート部材6の張り出し部62をボディ61の外側で上下方向の中間領域に設置することも可能であり、また、図示していないが、インサート部材6の張り出し部62をボディ61の外側で上下方向の上側領域に設置することも可能である。このような形態でも上記実施形態とほぼ同様の作用、効果が得られる。
(3)上記実施形態では、インサート部材6の張り出し部62をボディ61の外側に設置した場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図示していないが、インサート部材6の張り出し部62をボディ61の内側で上下方向の下側領域、中間領域あるいは上側領域に設置することが可能である。この場合には、ウォータージャケット13の内壁面においてボア側壁面14を、上から下へシリンダボア11に近づけるような傾斜面にし、前記張り出し部の内面を、前記傾斜面に楔作用で当接するような傾斜面にすることができる。このような形態でも上記実施形態とほぼ同様の作用、効果が得られる。
本発明は、シリンダブロックのウォータージャケットにインサート部材が挿入されたエンジンに好適に利用することが可能である。
1 シリンダブロック
11 シリンダボア
12 シリンダバレル
13 シリンダブロック側ウォータージャケット
14 シリンダブロック側ウォータージャケットのボア側壁面
15 シリンダブロック側ウォータージャケットのブロック外側壁面
5 電動式ウォーターポンプ
6 インサート部材
61 インサート部材のボディ
62 インサート部材の張り出し部
63 張り出し部の通路

Claims (5)

  1. シリンダブロックのウォータージャケットにインサート部材が挿入されかつ前記ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させない状態にすることが可能な構成のエンジンであって、
    前記インサート部材は、前記ウォータージャケット内においてシリンダボア寄りの内側と、シリンダブロック外面寄りの外側と、上側と、下側とに、それぞれ環状に連なる空間を作るように位置決めされた状態で配置されており、この環状の空間の一部領域の断面積が他領域に比べて小さく設定されている、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記インサート部材は、略筒形のボディに、前記ウォータージャケットの内壁面に当接される位置決め用の張り出し部を設けた構成とされ、
    前記張り出し部には、前記環状の空間において断面積の小さい一部領域となる通路が設けられている、ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項2に記載のエンジンにおいて、
    前記張り出し部は、前記ボディの外面の下側領域に設けられている、ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項3に記載のエンジンにおいて、
    前記通路は、その下側開口端が上側開口端よりもシリンダボア寄りに配置されている、ことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンは、
    前記ウォータージャケット内で冷却液を強制的に流通させるための電動式ウォーターポンプを備えており、この電動式ウォーターポンプは前記エンジンの冷間運転時に非作動とされる、ことを特徴とするエンジン。
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