JP4375731B2 - シリンダライナの冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用シリンダライナの冷却構造に関するものである。
従来のシリンダライナの冷却構造として、ウォータジャケット内に冷却水が通る複数の小孔を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−364456公報
特許文献1の図6を以下の図8で説明する。なお、符号は振り直した。
図8は従来のシリンダライナの冷却構造を示す断面図であり、ウォータージャケット201内、詳しくはウォータジャケット201を形成する外壁とシリンダライナ202との間に、複数の孔203を開けたスリーブ204をシリンダライナ202と同心状に設けたことを示す。
冷却水は、ウォータジャケット201の下部に設けた入口部206からウォータジャケット201内のスリーブ204の孔203を通過してウォータジャケット201の上部に設けた出口部207へ流れる。
例えば、冷却水の入口部206が一ヶ所しかない場合は、冷却水は、ウォータジャケット201の周方向には流れにくく、冷却水が滞留しやすい部分が生じる。これにより、シリンダライナ202に局部的に温度が高い箇所が発生し、シリンダライナ202の温度分布が不均一となる。
また、入口部206に近い位置にある孔203と、入口部206から遠い位置にある孔203とでは、流れる冷却水に作用する摩擦力、及び入口部206に近い位置にある孔203から流出した分の流量低下により、入口部206に近い位置にある孔203よりも入口部206から遠い位置にある孔203の方がその孔203を通過する冷却水の流速は小さくなる。
各孔203を通過する冷却水の流速が異なれば、各孔203を通過してシリンダライナ202に当たるときに冷却水に発生する乱流の状態が異なってくる。即ち、ウォータジャケット201内の乱流の発生が場所によって不均一になる。これでは、熱伝達効率が場所により異なってくるために、上記したのと同様に、シリンダライナ202の温度分布が不均一になるから、シリンダライナ202を効果的に冷却することはできない。
本発明の課題は、シリンダライナの冷却構造において、シリンダライナの温度分布をより均一にしてシリンダライナをより効果的に冷却し、冷却効率を高めることにある。
請求項1に係る発明は、ウォータポンプから供給された冷却水を、シリンダライナの外周に沿って形成されたウォータジャケット内に循環させてシリンダライナを冷却する冷却構造であって、ウォータジャケットの周囲に、ウォータポンプに接続する複数の給水口と、冷却水を一時的に貯えるために給水口に接続した環状の空間からなる環状冷却プール部とを形成するとともに、この環状冷却プール部とウォータジャケットとを放射状に且つ周方向に等分した位置に配置した複数の放射状冷却通路で連通させ、この放射状冷却通路内を流れる冷却水を、シリンダライナの軸方向から見たときに、ウォータジャケットの壁にほぼ垂直に流入・衝突させることを特徴とする。
一旦、冷却水を環状冷却プール部に貯えることで、環状冷却プール部内の全体に冷却水を行き渡らせて冷却水の流れを周方向でほぼ一様にすることができ、この冷却水を更に複数の放射状冷却通路からウォータジャケット内へ流入させることによって、ウォータジャケットの周方向に冷却水を均等に供給することができ、周方向の冷却水の滞留を防止して温度分布をより均一にすることができる。
更に、放射状冷却通路から冷却水をウォータジャケットの壁にほぼ垂直に衝突させて、各放射状冷却水路から噴出した冷却水にそれぞれ均一な乱流を発生させることができるとともに、ウォータジャケットの周方向の乱流の生成も均一になり、シリンダライナ側から冷却水への熱伝達効率を高めることができる。
請求項2に係る発明は、放射状冷却通路が、細長く形成されていることを特徴とする。
細長い放射状冷却通路とすることにより、環状冷却プール部からウォータジャケットへ供給する冷却水量を多くするとともに、各放射状冷却通路を通過した冷却水をウォータジャケット内へ勢いよく噴射させることができ、冷却水の乱流の生成を促進することができる。
請求項3に係る発明は、給水口が、4つ設けられていることを特徴とする。
4つの給水口から環状冷却プール部に流入した冷却水は、その流れが環状の環状冷却プール部に溜まって安定するため、この環状冷却プール部から各放射状冷却通路へもより均等に冷却水を流すことができる。
請求項4に係る発明は、環状冷却プール部の下方にウォータジャケットの一部を構成する環状貯水部が形成され、この環状貯水部から冷却水をラジエータ側へ排水するための排水口が設けられることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、冷却水が流入・衝突するウォータジャケットの壁が、シリンダライナの上部に位置することを特徴とする。
冷却水が流入・衝突するウォータジャケットの壁がシリンダライナの上部に位置するため、燃焼室から伝わる熱でシリンダライナの最も高温になる上部を冷却水で冷却することができ、シリンダライナの上部と下部との温度差を小さくすることができる。
請求項1に係る発明では、ウォータジャケットの周囲にウォータポンプに接続する複数の給水口と、冷却水を一時的に貯えるために給水口に接続した環状の空間からなる環状冷却プール部とを形成するとともに、この環状冷却プール部とウォータジャケットとを放射状に且つ周方向に等分した位置に配置した複数の放射状冷却通路で連通させ、放射状冷却通路内を流れる冷却水を、シリンダライナの軸方向から見たときに、ウォータジャケットの壁にほぼ垂直に流入・衝突させたので、環状冷却プール部及び放射状冷却通路によって、ウォータジャケット内の周方向の温度分布をより均一にすることができるとともに、放射状冷却通路からウォータジャケットの壁への冷却水の衝突により、冷却水の乱流の生成を促進させることができ、シリンダライナ側から冷却水への熱伝達効率を高めることができる。
従って、シリンダライナをより効果的に冷却することができ、シリンダライナの冷却効率を高めることができる。
請求項2に係る発明では、放射状冷却通路が、細長く形成されているので、環状冷却プール部からウォータジャケットへ供給する冷却水量を多くするとともに、各放射状冷却通路を通過した冷却水をウォータジャケット内へ勢いよく噴射させることができ、冷却水の乱流の生成を促進することができる。
請求項3に係る発明では、給水口が、4つ設けられているので、4つの給水口から環状冷却プール部に流入した冷却水は、その流れが環状の環状冷却プール部に溜まって安定するため、この環状冷却プール部から各放射状冷却通路へもより均等に冷却水を流すことができる。
請求項4に係る発明では、環状冷却プール部の下方にウォータジャケットの一部を構成する環状貯水部が形成され、この環状貯水部から冷却水をラジエータ側へ排水するための排水口が設けられる。
請求項5に係る発明では、冷却水が流入・衝突するウォータジャケットの壁が、シリンダライナの上部に位置するので、シリンダライナの最も高温になる上部を冷却水で冷却することができ、シリンダライナの上部と下部との温度差を小さくすることができて、シリンダライナの熱変形をより小さくすることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るシリンダライナの冷却構造を採用した内燃機関の断面図であり、内燃機関10は、シリンダブロック11と、このシリンダブロック11に備えるシリンダライナ12に移動自在に挿入したピストン13と、このピストン13にピストンピン14を介して連結したコンロッド16と、シリンダブロック11の下部に回転自在に取付けるとともにクランクピン17でコンロッド16をスイング自在に支持するクランクシャフト18とを備える。
シリンダブロック11は、上部に設けたシリンダブロック本体21と、このシリンダブロック本体21の内側に嵌合させた別体のシリンダライナ12と、シリンダブロック本体21の下部に取付けたアッパークランクケース23とからなる。
シリンダブロック本体21は、シリンダライナ12を嵌合することで、このシリンダライナ12との間に、シリンダライナ12を冷却する冷却水を流すウォータジャケット26を形成し、このウォータジャケット26を含むシリンダライナ冷却部27を設けた部分である。
ここで、31はコンロッド16の大端部25とクランクピン17との間に介在させた軸受半体31a,31bからなる滑り軸受、32はクランクシャフト18に設けたカウンタウエイト、33はシリンダブロック11の上部にヘッドガスケット(不図示)を介して取付けたシリンダヘッド、34は吸気バルブ、36は排気バルブ、37は燃焼室、38はアッパークランクケース23とでクランクケースを形成するためにアッパークランクケース23の下部にボルト41・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ。)で取付けたロワークランクケース、42はロワークランクケース38の下部にボルト44・・・で取付けたオイルパンである。
図2は本発明に係るシリンダライナの冷却構造を示す断面図であり、シリンダライナ12は、ほぼ筒状としたシリンダライナ本体部51と、このシリンダライナ本体部51の一端部に一体に設けた大径部52とからなり、シリンダライナ本体部51の外周面51aに複数の環状のフィン53を形成し、大径部52に環状の溝部54を形成したものである。なお、56はシリンダライナ本体部51の他端部に設けた小径部である。
上記したシリンダライナ12の配置は、シリンダライナ12がウォータジャケット26に直接接する形式であり、ウェットライナ式と呼ばれ、例えば、シリンダライナがシリンダブロック本体と一体で鋳造された一体形のものに比べて、シリンダライナの破損や摩耗の際の交換が容易であり、又、シリンダライナがウォータジャケットに接しないドライライナ式に比べても、冷却性に優れる。
シリンダブロック本体21は、図示せぬウォータポンプに接続する複数の給水口61と、冷却水を一時的に貯えるために各給水口61に接続した環状の空間からなる第1貯水部62と、冷却水を溝部54の内壁54aに衝突させるために細く形成した複数の冷却水通孔63と、シリンダライナ12を挿入するために開けたライナ挿入穴64と、シリンダライナ12の大径部52を嵌合するためにライナ挿入穴64の一端部に形成した大径穴部66と、冷却水を一時的に貯えるためにライナ挿入穴64の他端部側に環状に形成した第2貯水部67と、この第2貯水部67から冷却水を図示せぬラジエータ側へ排水するための排水口68と、Oリング71,72を嵌めるために一端部側(即ち、大径穴部66である。)及び他端部側に設けたOリング溝73,74とを備える。なお、76は大径穴部66の側面であり、この側面76と前述の溝部54とで、冷却水を一時的に貯えるとともに冷却水通孔63から噴射した冷却水で乱流を形成するための第3貯水部77を形成する。
フィン53は、シリンダライナ12の軸方向に直交する面に沿って設けた環状の部分である。
上記したOリング71,72で、シリンダブロック本体21とシリンダライナ12とのそれぞれの両端部をシールしたときに、ライナ挿入穴64、側面76、シリンダライナ12の溝部54、シリンダライナ本体部51の外周面51a及び第2貯水部67は、前述のウォータジャケット26を形成する部分であり、このウォータジャケット26、給水口61、第1貯水部62、冷却水通孔63は、前述のシリンダライナ冷却部27を構成する部分である。
また、給水口61、第1貯水部62、冷却水通孔63は、ウォータジャケット26へ冷却水を供給する冷却水供給部81を構成する部分である。
図3は本発明に係る冷却水供給部を示す斜視図であり、環状の第1貯水部62と環状の第3貯水部77とを複数の冷却水通孔63で連結したことを示す。
このように、環状の第1貯水部62と環状の第3貯水部77とを細長い複数の冷却水通孔63で連結することにより、第1貯水部62から第3貯水部77へ供給する冷却水量を多くするとともに、各冷却水通孔63を通過した冷却水を第3貯水部77内へ勢いよく噴射させることができ、冷却水の乱流の生成を促進することができる。
図4は図2の4−4線断面図であり、複数の冷却水通孔63を放射状に且つ周方向に等分した位置に配置したことを示す。これにより、第1貯水部62から第3貯水部77へ円周方向に均等に冷却水を供給することができ、シリンダライナ12の上部を周方向により均一に冷却することができ、また、第1貯水部62から、ライナ挿入穴64とシリンダライナ本体部51の外周面51aとの間の隙間にも周方向に均等に冷却水を流すことができ、シリンダライナの中間部及び下部をも周方向により均一に冷却することができる。
また、4つの給水口61から第1貯水部62に流入した冷却水は、その流れが環状の第1貯水部62に溜まって安定するため、この第1貯水部62から各冷却水通孔63へもより均等に冷却水を流すことができる。
図5は図2のA部拡大図であり、シリンダライナ12の外周面51aに設けたフィン53の先端53aとシリンダブロック本体21のライナ挿入穴64との間に、径方向に狭めた環状の狭窄空間85を形成したことを示す。なお、86は隣り合うフィン53,53間の環状のフィン間空間である。
フィン53の先端53aとライナ挿入穴64とのクリアランスC、即ち狭窄空間85の厚さは0.8〜1.0mmである。
以上に述べたシリンダライナ冷却部の作用を図6及び図7で説明する。
図6は本発明に係るシリンダライナ冷却部の作用を示す第1作用図である。
冷却水が給水口61から第1貯水部62に流入すると、冷却水は、環状の第1貯水部62内の周方向の隅々にほぼ均等に行き渡り、各冷却水通孔63へほぼ均等に流れ込み、各冷却水通孔63から環状の第3貯水部77の周方向にほぼ均等に流れ込む。
冷却水通孔63は細長い孔であるから、冷却水は第3貯水部77へ勢いよく噴射し、第3貯水部77の内壁54aに大きな流速で衝突するため、矢印で示したように、第3貯水部77内の広い範囲に乱流が発生する。
そして、冷却水は、第3貯水部77から、シリンダライナ12とライナ挿入穴64との間を通って矢印のようにフィン53に直交するように、あるいはフィン間空間86を周方向に流れる。
冷却水が狭窄空間85を通過するときには、狭窄空間85の厚さが小さいために冷却水の流速が大きくなるので、狭窄空間85(第3貯水部77の下流側に隣接する空間も狭窄空間85である。)を通過した直後には乱流が発生しやすくなり、冷却水が狭窄空間85から容積の大きなフィン間空間86に流入すると、冷却水の流速は急激に小さくなり、フィン間空間86の広い範囲で乱流が発生する。
この結果、フィン53による表面積の拡大に加えて、広い範囲の乱流発生によるシリンダライナ12から冷却水への熱伝達効率の向上により、シリンダライナ12の効果的な冷却が可能になる。
例えば、フィン53の先端53aとライナ挿入穴64との間の隙間が広く、狭窄空間85が無い場合(狭窄空間85の厚さが、1.0mmを越える場合)は、フィン53の先端53aとライナ挿入穴64との間の冷却水の流量が多くなるとともに冷却水の流速はそれほど大きくならず、冷却水はほぼ層流となって流れ、乱流は発生しにくい。
また、例えば、フィン53の先端53aとライナ挿入穴64との間の隙間が非常に狭く、狭窄空間85が存在する場合(狭窄空間85の厚さが、0.8mm未満の場合)は、フィン53の先端53aとライナ挿入穴64との間の冷却水の流量は非常に少なくなり、乱流はフィン間空間の一部でしか発生しなくなる。
本発明では、狭窄空間85の厚さを0.8〜1.0mmに設定することで、フィン間空間86の広い範囲で速い乱流が発生するようにした。
また、シリンダライナ12は、シリンダブロック本体21とは別体であるため、シリンダライナ12をシリンダブロック本体21に組付ける前に、フィン53の高さ、即ちフィン53の外径を精度良く形成することができ、シリンダブロック本体21のライナ挿入穴64の内径を精度良く形成(シリンダブロック本体21に嵌合する大径部52及び小径部56をも精度良く形成しておく必要がある。)しておけば、狭窄空間85の厚さの精度を高めることができる。従って、各フィン間空間86での乱流発生を均一にすることができて、シリンダライナ12から冷却水への熱伝達効率をシリンダライナ12の軸方向でより均一にすることができる。
また更に、第1貯水部62から斜め上方に各冷却水通孔63を延ばし、第3貯水部77から下方へウォータジャケット26を延ばしたことで、冷却水が第3貯水部77にて断面で鋭角的に急激に方向を変えるから、第3貯水部77における乱流生成を促進させることができる。
図7は本発明に係るシリンダライナ冷却部の作用を示す第2作用図である。
各冷却水通孔63から第3貯水部77に噴出した冷却水は、第3貯水部77の内壁54aにほぼ垂直に又は垂直に衝突することで、乱流が第3貯水部77内の広い範囲で生成される。
これにより、シリンダライナから第3貯水部77内の冷却水への熱伝達効率が向上し、シリンダライナの特に高温となる上部を周方向にほぼ均一に冷却して、効果的に温度を下げることができる。
また、周方向にほぼ均一に冷却されて周方向に温度がほぼ均一となった冷却水は、そのままウォータジャケット26の下方に流れるため、シリンダライナの中間部及び下部においても、周方向に温度がほぼ均一になり、また、上部、即ち、高温部である燃焼室近辺を冷却し、温度の上昇した冷却水が中間部及び下部に流れるため、シリンダライナの軸方向温度も均一化されることで、シリンダライナの温度差による熱変形を抑えることができる。熱変形が小さい分、ピストンの加工が容易になり(熱変形が大だと楕円加工など手間が掛かる。)、更にピストン形状の簡略化が期待できる。
以上の図2で説明したように、本発明は第1に、ウォータポンプから供給された冷却水を、シリンダライナ12の外周に沿って形成されたウォータジャケット26内に循環させてシリンダライナ12を冷却する冷却構造であって、ウォータジャケット26の周囲に、冷却水を一時的に貯える環状冷却プール部としての第1貯水部62を形成するとともに、この第1貯水部62とウォータジャケット26とを複数の放射状冷却通路としての冷却水通孔63で連通させ、この冷却水通孔63内を流れる冷却水をウォータジャケット26の内壁54aにほぼ垂直又は垂直に流入・衝突させることを特徴とする。
ウォータジャケット26の周囲に第1貯水部62を形成するとともに、この第1貯水部62とウォータジャケット26とを複数の冷却水通孔63で連通させ、冷却水通孔63内を流れる冷却水をウォータジャケット26の内壁54aにほぼ垂直に又は垂直に流入・衝突させたので、第1貯水部62及び冷却水通孔63によって、ウォータジャケット26内の周方向の温度分布をより均一にすることができるとともに、冷却水通孔63からウォータジャケット26の内壁54aへの冷却水の衝突により、冷却水の乱流の生成を促進させることができ、シリンダライナ12側から冷却水への熱伝達効率を高めることができる。
従って、シリンダライナ12をより効果的に冷却することができ、シリンダライナ12の冷却効率を高めることができる。
本発明は第2に、冷却水が流入・衝突するウォータジャケット26の内壁54aが、シリンダライナ12の上部に位置することを特徴とする。
冷却水が流入・衝突するウォータジャケット26の内壁54aが、シリンダライナ12の上部に位置するので、シリンダライナ12の最も高温になる上部を冷却水で冷却することができ、シリンダライナ12の上部と下部との温度差を小さくすることができて、シリンダライナ12の熱変形をより小さくすることができる。
尚、本発明の実施形態では、図2に示したように、シリンダライナ12の外周面51aにフィン53を形成したが、これに限らず、シリンダブロック本体21のライナ挿入穴64に複数のフィンをシリンダライナ12の軸方向に直交する平面に沿って形成してもよい。
本発明のシリンダライナの冷却構造は、ウェットライナ式内燃機関に好適である。
本発明に係るシリンダライナの冷却構造を採用した内燃機関の断面図である。 本発明に係るシリンダライナの冷却構造を示す断面図である。 本発明に係る冷却水供給部を示す斜視図である。 図2の4−4線断面図である。 図2のA部拡大図である。 本発明に係るシリンダライナ冷却部の作用を示す第1作用図である。 本発明に係るシリンダライナ冷却部の作用を示す第2作用図である。 従来のシリンダライナの冷却構造を示す断面図である。
符号の説明
10…内燃機関、12…シリンダライナ、26…ウォータジャケット、54a…ウォータジャケットの壁(内壁)、61…給水口、62…環状冷却プール部(第1貯水部)、63…放射状冷却通路(冷却水通孔)、67…環状貯水部(第2貯水部)、68…排水口

Claims (5)

  1. ウォータポンプから供給された冷却水を、シリンダライナの外周に沿って形成されたウォータジャケット内に循環させてシリンダライナを冷却する冷却構造であって、
    前記ウォータジャケットの周囲に、前記ウォータポンプに接続する複数の給水口と、冷却水を一時的に貯えるために前記給水口に接続した環状の空間からなる環状冷却プール部とを形成するとともに、この環状冷却プール部と前記ウォータジャケットとを放射状に且つ周方向に等分した位置に配置した複数の放射状冷却通路で連通させ、この放射状冷却通路内を流れる冷却水を、前記シリンダライナの軸方向から見たときに、ウォータジャケットの壁にほぼ垂直に流入・衝突させることを特徴とするシリンダライナの冷却構造。
  2. 前記放射状冷却通路は、細長く形成されていることを特徴とする請求項1記載のシリンダライナの冷却構造。
  3. 前記給水口は、4つ設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシリンダライナの冷却構造。
  4. 前記環状冷却プール部の下方に前記ウォータジャケットの一部を構成する環状貯水部が形成され、この環状貯水部から冷却水をラジエータ側へ排水するための排水口が設けられることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のシリンダライナの冷却構造。
  5. 前記冷却水が流入・衝突する前記ウォータジャケットの壁は、前記シリンダライナの上部に位置することを特徴とする請求項1記載のシリンダライナの冷却構造。
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