《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)に用いられる矩形のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述する第2の実施形態以下の各実施形態に係る液晶露光装置も同様である。
液晶露光装置10は、図1に示されるように、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、マスクステージMST及び投影光学系PLなどが搭載されたボディBD、基板Pを保持する基板ステージ装置PST、基板交換装置50(図1では不図示、図2参照)及びこれらの制御系等を備えている。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系IOPは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着により固定されている。マスクステージMSTは、後述するボディBDの一部である鏡筒定盤33の上面に固定された一対のマスクステージガイド35上に、例えば不図示のエアベアリングを介して非接触状態で搭載されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系11(図1では図示せず、図7参照)により、一対のマスクステージガイド35上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向にそれぞれ適宜微少駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レーザ干渉計を含むマスク干渉計システム15(図7参照)により計測される。
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、鏡筒定盤33に支持されている。投影光学系PLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様の構成を有している。すなわち、投影光学系PLは、マスクMのパターン像の投影領域が千鳥状に配置された複数の投影光学系(マルチレンズ投影光学系)を含み、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。本実施形態では、複数の投影光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。また、以下では投影光学系PLの千鳥状に配置された複数の投影領域をまとめて露光領域IA(図2参照)と呼ぶ。
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面とがほぼ一致して配置されるマスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域IA)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTの一部を構成する後述する基板保持枠56との同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターン(マスクパターン)が転写される。すなわち、本実施形態では照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
ボディBDは、前述した鏡筒定盤33と、鏡筒定盤33の+Y側、−Y側の端部それぞれを床面F上で下方から支持する一対の支持壁32とを有している。一対の支持壁32のそれぞれは、例えば空気バネを含む防振台34を介して床面F上に設置されており、ボディBD及び投影光学系PLは、床面Fに対して振動的に分離されている。また、一対の支持壁32相互間には、図2及び図3に示されるように、Y軸に平行に延びるXZ断面矩形状(参照)の部材から成るYビーム36が架設されている。Yビーム36は、後述する定盤12の上方に所定間隔を隔てて配置されており、Yビーム36と定盤12とは、非接触であり、振動的に分離されている。
基板ステージ装置PSTは、図2に示されるように、床面F上に設置された定盤12と、定盤12上における露光領域IAの直下で基板Pを下方から非接触保持する定点ステージ52と、定盤12上に設置された複数のエア浮上装置54と、基板Pを保持する基板保持枠56と、基板保持枠56をX軸方向及びY軸方向に所定のストロークで(XY平面に沿って)駆動する駆動ユニット58と、を備えている。
定盤12は、平面視(+Z側から見て)でX軸方向を長手方向とする矩形板状の部材から成る。
定点ステージ52は、定盤12の中央部よりも幾分−X側に配置されている。定点ステージ52は、図3に示されるように、Yビーム36上に搭載された重量キャンセル装置60、重量キャンセル装置60上に配置されチルト可能(θx及びθy方向に回転可能(揺動可能))に支持されたエアチャック装置62、及びエアチャック装置62をZ軸、θx、θyの3自由度方向に駆動する複数のZボイスコイルモータ64を備えている。
重量キャンセル装置60は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書などに開示される重量キャンセル装置と同様の構成を有している。すなわち、重量キャンセル装置60は、例えば不図示の空気ばねなどを含み、該空気ばねが発生する重力方向上向きの力により、エアチャック装置62の重量(重力方向下向きの力)をキャンセルし、複数のZボイスコイルモータ64の負荷を軽減する。
エアチャック装置62は、基板Pの露光領域IA(図2参照)に対応する部位(被露光部位)を、基板Pの下面側から非接触で吸着保持する。エアチャック装置62の上面(+Z側の面)は、図2に示されるように、平面視でY軸方向を長手方向とする長方形となっており、その面積は、露光領域IAの面積よりも幾分広く設定されている。
エアチャック装置62は、その上面から、加圧気体(例えば空気)を基板Pの下面に向けて噴出するとともに、その上面と基板Pの下面との間の気体を吸引する。エアチャック装置62は、基板Pの下面に噴出する気体の圧力と、基板Pの下面との間の負圧とのバランスにより、その上面と基板Pの下面との間に剛性の高い気体膜を形成し、基板Pをほぼ一定のクリアランス(隙間/ギャップ)を介して非接触で吸着保持する。このため、本実施形態に係る基板ステージ装置PSTでは、仮に基板Pに歪み、あるいは反りがあったとしても、基板Pのうち投影光学系PLの直下に位置する被露光部位の形状を確実にエアチャック装置62の上面に沿って矯正することができる。また、エアチャック装置62は、基板PのXY平面内の位置を拘束しないので、基板Pは、エアチャック装置62により被露光部位が吸着保持された状態であっても、照明光IL(図1参照)に対してX軸方向(スキャン方向)及びY軸方向(ステップ方向/クロススキャン方向)にそれぞれ相対移動することができる。この種のエアチャック装置(バキューム・プリロード・エアベアリング)については、例えば米国特許第7,607,647号明細書などに開示されている。
複数のZボイスコイルモータ64のそれぞれは、図3に示されるように、定盤12上に設置されたベースフレーム66に固定されたZ固定子64aと、エアチャック装置62に固定されたZ可動子64bとを含む。複数のZボイスコイルモータ64は、例えば少なくとも同一直線上にない3箇所に配置されており、エアチャック装置62をθx、θy、及びZ軸の3自由度方向に微少ストロークで駆動できる。ベースフレーム66は、Yビーム36と振動的に分離されており、複数のZボイスコイルモータ64を用いてエアチャック装置62を駆動する際の反力が重量キャンセル装置60に伝わらないようになっている。主制御装置20(図7参照)は、面位置計測系40により基板Pの上面のZ位置情報(面位置情報)を計測しつつ、その基板Pの上面が投影光学系PLの焦点深度内に常に位置するように、複数のZボイスコイルモータ64を用いてエアチャック装置62の位置を制御する。面位置計測系40としては、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される多点焦点位置検出系を用いることができる。
図2に戻り、複数(本実施形態では、例えば40台)のエア浮上装置54は、基板Pが水平面に略平行となるように、基板P(ただし、前述の定点ステージ52に保持される基板Pの被露光部位を除く領域)を下方から非接触支持する。
本実施形態では、Y軸方向に所定間隔で配列された8台のエア浮上装置54から成るエア浮上装置群がX軸方向に所定間隔で5列配置されている。以下、エア浮上装置群を構成する8台のエア浮上装置54について便宜上−Y側から1〜8台目と称して説明する。また、5列のエア浮上装置群を便宜上−X側から順に1〜5列目と称して説明する。なお、5列目のエア浮上装置群は、後述するように基板の搬入及び搬出にのみ用いられることから、1台目及び8台目に相当するエア浮上装置54を有しておらず、計6台のエア浮上装置により構成されている。また、5列目のエア浮上装置群を構成する6台のエア浮上装置は、他のエア浮上装置に比べて小型であるが、その機能は、他のエア浮上装置54と同じであるため、便宜上他のエア浮上装置と同じ符号54を用いて説明する。また、2列目のエア浮上装置群と3列目のエア浮上装置群との間には、Yビーム36が通過しており、そのYビーム36上に搭載された定点ステージ52の+Y側、及び−Y側のそれぞれに1台ずつエア浮上装置54が配置されている。
複数のエア浮上装置54のそれぞれは、その上面から加圧気体(例えば空気)を噴出して基板Pを非接触支持することにより、基板PがXY平面に沿って移動する際に基板Pの下面に傷が付くことを防止する。なお、複数のエア浮上装置54のそれぞれの上面と基板Pの下面との間の距離は、前述の定点ステージ52のエアチャック装置62の上面と基板Pの下面との間の距離よりも長くなるように設定されている(図1参照)。複数のエア浮上装置群のうち、4列目及び5列目のそれぞれのエア浮上装置群の3〜6台目のエア浮上装置54は、平板状の部材から成るベース部材68(図1参照)上に搭載されている。以下、ベース部材68、及びベース部材68上に搭載された計8台のエア浮上装置54をまとめて第1エア浮上ユニット69と称して説明する。第1エア浮上ユニット69を構成する8台のエア浮上装置54を除く他の32台のエア浮上装置54は、図1及び図3に示されるように各2本の柱状の支持部材72を介して定盤12上に固定されている。
第1エア浮上ユニット69は、図1に示されるように、例えばリニアモータ(あるいはエアシリンダ)などを含む複数のZリニアアクチュエータ74により定盤12上で下方から支持されている。第1エア浮上ユニット69は、複数のZリニアアクチュエータ74が同期して駆動(制御)されることにより、例えば8台のエア浮上装置54の上面が水平面に平行とされた状態で鉛直方向に移動可能となっている(図5(A)〜図5(C)参照)。また、第1エア浮上ユニット69は、複数のZリニアアクチュエータ74が適宜駆動(制御)されることにより、図6(A)に示されるように、+X側のZ軸方向に関する位置(以下、Z位置と称する)が−X側のZ位置よりも低くなる状態(上面が水平面に対してθy方向に傾斜した状態)にその姿勢を変えることができる。以下、第1エア浮上ユニット69の姿勢において、例えば8台のエア浮上装置54の上面が水平面に平行とされた状態を水平状態と称し、例えば8台のエア浮上装置54の上面が水平面に対してθy方向に傾斜した状態を傾斜状態と称する。
また、第1エア浮上ユニット69は、図6(A)に示されるように、ストッパ76を有している(ストッパ76は、図6(A)以外の図では不図示)。ストッパ76は、ベース部材68に一体的に取り付けられたエアシリンダなどのアクチュエータ78により、例えば8台のエア浮上装置54の上面に直交する方向に駆動される。なお、図6(A)では紙面奥行き方向に重なっているため不図示となっているが、ストッパ76(及びストッパ76を駆動するアクチュエータ78)は、Y軸方向に所定間隔で複数設けられている。ストッパ76は、第1エア浮上ユニット69が傾斜状態のとき、エア浮上装置54の上面より上方に突き出た位置に駆動され、基板Pが自重により第1エア浮上ユニット69の上面から滑り落ちるのを防止する。これに対し、ストッパ76をエア浮上装置54の上面より下方に位置させた状態では、基板Pは、例えば8台のエア浮上装置54の上面に沿って移動可能となる。
基板保持枠56は、図4(A)に示されるように、平面視U字状の枠状部材から成る本体部80と、基板Pを下方から支持する複数、本実施形態では4つの支持部82とを含む。本体部80は、一対のX枠部材80Xと、1つのY枠部材80Yとを有する。一対のX枠部材80Xは、X軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、Y軸方向に所定間隔(基板PのY軸方向寸法よりも広い間隔)で互いに平行に配置されている。Y枠部材80Yは、Y軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、一対のX枠部材80Xの−X側の端部同士を連結している。−Y側のX枠部材80Xの−Y側の側面には、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡84Yが取り付けられ、Y枠部材80Yの−X側の側面には、X軸に直交する反射面を有するX移動鏡84Xが取り付けられている。
4つの支持部82のうち2つは−Y側のX枠部材80Xに、他の2つは+Y側のX枠部材80Xに、それぞれX軸方向に所定間隔(基板のX軸方向寸法よりも狭い間隔)離間した状態で取り付けられている。支持部82は、YZ断面L字状の部材から成り(図5(A)参照)、XY平面に平行な部分により基板を下方から支持する。各支持部82は、基板Pとの対向面に不図示の吸着パッドを有しており、基板Pを、例えば真空吸着保持する。4つの支持部82は、それぞれYアクチュエータ42(図7参照)を介して+Y側又は−Y側のX枠部材80Xに取り付けられている。4つの支持部82のそれぞれは、図5(B)及び図5(C)に示されるように、それぞれが取り付けられたX枠部材80Xに対し、接近、及び離間する方向に移動可能となっている。Yアクチュエータは、例えばリニアモータ、エアシリンダなどを含む。
駆動ユニット58は、図4(A)に示されるように、X軸方向及びY軸方向に関して離れて配置された4つのY固定子86、4つのY固定子86のそれぞれに対応する4つのY可動子88(Y可動子は図4(A)では不図示、図4(B)参照)、一対のX固定子90、及び一対のX固定子90のそれぞれに対応する一対のX可動子92などを含む。
図2に示されるように、4つのY固定子86のうち2つは1列目のエア浮上装置群と2列目のエア浮上装置群との間に、他の2つは3列目のエア浮上装置群と4列目のエア浮上装置群との間に、それぞれY軸方向に所定間隔離間した状態で配置されている。各Y固定子86は、図4(B)にそのうちの1つを取り出して示されるように、YZ平面に平行でY軸方向に延びる板状部材から成る本体部86aと、定盤12上で本体部86aを下方から支持する一対の脚部86bとを含む。本体部86aの両側面(X軸方向の一側と他側の面)には、それぞれY軸方向に所定間隔で配列された複数の磁石を含む磁石ユニット94が固定されている(図4(B)では、−X側の面に固定された磁石ユニット94は不図示)。また、図4(A)及び図4(B)から分かるように、本体部86aの両側面、及び上面には、それぞれY軸に平行に延びるYリニアガイド部材96が固定されている。
Y可動子88は、XZ断面逆U字状の部材から成り、一対の対向面間にY固定子86の本体部86aが挿入されている。Y可動子88の一対の対向面には、それぞれ一対の磁石ユニット94に対応するコイルユニット98が取り付けられている(−X側のコイルユニット98は不図示)。Y可動子88の一対の対向面、及び天井面には、Yリニアガイド部材96にスライド可能に係合する複数のスライダ51(−X側のスライダ51は不図示)が固定されている。4つのY可動子88のそれぞれは、コイルユニット98と、対応するY固定子86の磁石ユニット94とから成る電磁力(ローレンツ力)駆動方式のYリニアモータ97(図7参照)によりY軸方向に所定のストロークで同期駆動される。
一対のX固定子90は、図2に示されるように、それぞれX軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、Y軸方向に所定間隔(基板保持枠56のY軸方向寸法よりも広い間隔)で平行に配置されている。一対のX固定子90は、それぞれX軸方向に所定間隔で配列された複数の磁石を含む不図示の磁石ユニットを有している。図4(B)に示されるように、一対のX固定子90のうち、−Y側のX固定子90は−Y側の2つのY固定子86にそれぞれ対応する2つのY可動子88の上面にそれぞれ固定された柱状の支持部材53により下方から支持されている(図4(B)では2つのY可動子88のうち、+X側のY可動子88は不図示)。また、不図示であるが、一対のX固定子90のうち、+Y側のX固定子90は+Y側の2つのY可動子88の上面にそれぞれ固定された柱状の支持部材53により下方から支持されている。
X可動子92は、図4(B)に示されるように、底面の中央に開口部92aが形成された断面矩形枠状の部材から成り、その上面がXY平面に平行となるようにX軸方向に延設されている。X可動子92の内部には、X固定子90が挿入されており、開口部92aに、X固定子90をY可動子88上で支持する支持部材53が挿入されている(非接触で係合している)。X可動子92は、コイルを含む不図示のコイルユニットを有している。一対のX可動子92のそれぞれは、コイルユニットと、対応するX固定子90の磁石ユニットとから成る電磁力駆動方式のXリニアモータ93(図7参照)によりX軸方向に所定のストロークで同期駆動される(図4(A)参照)。
図4(B)に示されるように、−Y側のX可動子92の+Y側の側面には、YZ断面U字状の保持部材55が固定されている(+Y側のX可動子92の−Y側の面にも同様の保持部材が固定されている)。保持部材55は、一対の対向面に不図示のエアベアリングを有している。保持部材55の一対の対向面間には、基板保持枠56のX枠部材80Xの上面にベース部材57を介して固定されたXY平面に平行な板状部材59が挿入されている。基板保持枠56は、その一対のX枠部材80Xのそれぞれに固定されたベース部材57、板状部材59、X可動子92に固定された保持部材55、保持部材55に設けられたエアベアリングを介してX可動子92に非接触支持されている。
また、駆動ユニット58は、図4(A)に示されるように、2つのXボイスコイルモータ18x、及び2つのYボイスコイルモータ18yを有する。2つのXボイスコイルモータ18xの一方、及び2つのYボイスコイルモータ18yの一方は、基板保持枠56の−Y側に配置され、2つのXボイスコイルモータ18xの他方、及び2つのYボイスコイルモータ18yの他方は、基板保持枠56の+Y側に配置されている。一方及び他方のXボイスコイルモータ18xは、互いに、基板保持枠56及び基板Pの全体の重心位置CGに関して点対称となる位置に配置され、一方及び他方のYボイスコイルモータ18yは、互いに、上記重心位置CGに関して点対称となる位置に配置されている。図4(B)に示されるように、一方のYボイスコイルモータ18yは、X可動子92に支持部材61aを介して固定された固定子61(例えばコイルを含むコイルユニット)と、基板保持枠56にベース部材57を介して固定された可動子63(例えば磁石を含む磁石ユニット)とを含む。なお、他方のYボイスコイルモータ18y、及び2つのXボイスコイルモータ18xそれぞれの構成は、図4(B)に示される一方のYボイスコイルモータ18yと同様なので説明を省略する。
主制御装置20は、駆動ユニット58の一対のXリニアモータ93を介して一対のX可動子92を一対のX固定子90上でX軸方向に所定のストロークで駆動する際、2つのXボイスコイルモータ18xを用いて基板保持枠56を一対のX可動子92に対して同期駆動(一対のX可動子92と同方向、同速度で駆動)する。この際、主制御装置20により、後述する基板干渉計システムの計測値に基づいて、Xボイスコイルモータ18xが駆動され、基板保持枠56は、Xリニアモータ93によるX可動子92の位置決め以上に高精度で高速に位置決め制御される。また、主制御装置20は、駆動ユニット58の複数のYリニアモータ97を介して一対のY可動子88を4つのY固定子86上でY軸方向に所定のストロークで駆動する際、2つのYボイスコイルモータ18yを用いて基板保持枠56を一対のX可動子92に対して同期駆動(一対のY可動子88と同方向、同速度で駆動)する。この際、主制御装置20により、後述する基板干渉計システムの計測値に基づいて、Yボイスコイルモータ18yが駆動され、基板保持枠56は、Y可動子88のYリニアモータ97による位置決め以上に高精度で高速に位置決め制御される。また、主制御装置20は、駆動ユニット58の2つのXボイスコイルモータ18x、及び2つのYボイスコイルモータ18yを用いて、基板保持枠56を、一対のX固定子90に対し、重心位置CGを通過するZ軸に平行な軸線周り(θz方向)に適宜微少駆動する。
基板保持枠56、すなわち基板PのXY平面内(θz方向を含む)の位置情報は、図2に示されるように、X移動鏡84Xに測長ビームを照射するX干渉計65X、及びY移動鏡84Yに測長ビームを照射するY干渉計65Yを含む基板干渉計システム65(図7参照)により求められる。
基板交換装置50は、図2に示されるように、定盤12の+X側に配置されている。基板交換装置50は、図6(A)に示されるように、基板搬入装置50aと、基板搬入装置50aの下方に配置された基板搬出装置50b(図2では基板搬入装置50aの下方に隠れて不図示となっている)とを備えている。
基板搬入装置50aは、上記第1エア浮上ユニット69と同様の構成、及び機能を有する第2エア浮上ユニット70を含む。すなわち、第2エア浮上ユニット70は、ベース部材71上に搭載された複数(例えば8台)のエア浮上装置99(図2参照)を有している。なお、エア浮上装置99は、エア浮上装置54と実質的に同じものである。第2エア浮上ユニット70が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、水平面に平行となっている。なお、実際には、第2エア浮上ユニット70は、+X側の部分に比べて−X側の部分の厚みが薄くなっているが、その機能は、第1エア浮上ユニット69と実質的に同じである。
また、基板搬入装置50aは、図6(B)に示されるように、ベルト73aを含む基板送り装置73(図6(B)以外の他の図では不図示)を有している。ベルト73aを駆動するための一対のプーリ73bは、不図示の支持部材を介して床面(あるいは第2エア浮上ユニット70のベース部材71)に支持されている。上記ベルト73a、及びプーリ73bは、例えば第2エア浮上ユニット70の+Y側、及び−Y側(あるいは複数のエア浮上装置99の間)などに配置されている。ベルト73aの上面には、パッド73cが固定されている。基板搬入装置50aは、第2エア浮上ユニット70上に基板Pが載置された状態でベルト73aが駆動されると、パッド73cにより基板Pを押圧して、例えば8台のエア浮上装置99の上面に沿って移動させる(基板Pを第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に押し出す)。
図6(A)に戻り、基板搬出装置50bは、上記第1エア浮上ユニット69と同様の構成、及び機能を有する第3エア浮上ユニット75を含む。すなわち、第3エア浮上ユニット75は、ベース部材68上に搭載された複数、例えば8台のエア浮上装置99を有している。第3エア浮上ユニット75が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、+X側のZ位置が−X側のZ位置より低くなるように水平面に対して傾斜している。また、基板搬出装置50bは、上記基板搬入装置50aと同様の構成の基板送り装置73を有する。基板搬出装置50bでは、パッド73cと基板Pとが当接した状態でベルト73aの速度が制御されることにより、基板Pが自重により、例えば8台のエア浮上装置99の上面に沿って移動する(滑り降りる)際の速度がコントロールされる。
図7には、液晶露光装置10の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、液晶露光装置10の構成各部を統括制御する。
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、主制御装置20(図7参照)の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMSTへのマスクのロード、及び基板搬入装置50a(図1では不図示、図2参照)によって、基板ステージ装置PSTへの基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置20により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
ここで、図8(A)〜図8(C)に基づいて、上記露光動作時における基板ステージ装置PSTの動作の一例を説明する。なお、図8(A)〜図8(C)では、図面の錯綜を避ける観点から、基板保持枠56を駆動するための駆動ユニット58の図示が省略されている。
本実施形態では、基板Pの−Y側領域、+Y側領域の順で露光が行われる。まず、マスクM(マスクステージMST)に同期して、基板Pを保持した基板保持枠56が露光領域IAに対して−X方向に駆動され(図8(A)の黒矢印参照)、基板Pの−Y側の領域にスキャン動作(露光動作)が行われる。次いで、図8(B)に示されるように、基板保持枠56が−Y方向に駆動されることにより(図8(B)の白矢印参照)、ステップ動作が行われる。この後、図8(C)に示されるように、マスクM(マスクステージMST)に同期して、基板Pを保持した基板保持枠56が+X方向に駆動されることにより、基板Pが露光領域IAに対して+X方向に駆動され(図8(C)の黒矢印参照)、基板Pの+Y側の領域にスキャン動作(露光動作)が行われる。
主制御装置20は、図8(A)〜図8(C)に示されるステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われている最中、基板PのXY平面内の位置情報を基板干渉計システム65を用いて計測するとともに、基板P表面の被露光部位の面位置情報を面位置計測系40を用いて計測する。そして、主制御装置20は、その計測値に基づいてエアチャック装置62の位置(面位置)を制御することにより、基板表面のうち、投影光学系PLの直下に位置する被露光部位の面位置が投影光学系PLの焦点深度内に位置するように位置決めする。これにより、例えば仮に基板Pの表面にうねり、あるいは基板Pに厚みの誤差があったとしても、確実に基板Pの被露光部位の面位置を、投影光学系PLの焦点深度内に位置させることができ、露光精度を向上させることができる。このように、本実施形態に係る液晶露光装置10は、基板表面のうち、露光領域に対応する位置のみの面位置を制御するので、例えばXY二次元ステージ装置上で、基板Pを平面度良く保持するための基板Pと同程度の面積を有するテーブル部材(基板ホルダ)をZ軸方向、及びチルト方向にそれぞれ駆動する(基板と併せてZ/レベリングステージもXY二次元駆動される)従来のステージ装置(例えば、米国特許出願公開第2010/0018950号明細書参照)に比べ、その重量(特に可動部分)を大幅に低減することができる。具体的には、例えば一辺が3mを超えるような大型の基板を用いる場合、従来のステージ装置では、可動部分の総重量が10t近くになるのに対し、本実施形態に係る基板ステージ装置PSTでは、可動部分(基板保持枠56、X固定子90、X可動子92、Y可動子88など)の総重量を数100kg程度とすることができる。従って、例えばX可動子92を駆動するためのXリニアモータ93、Y可動子88を駆動するためのYリニアモータ97は、それぞれ出力の小さなもので良く、ランニングコストを低減することができる。また、電源設備などのインフラ整備も容易である。また、リニアモータの出力が小さくて良いのでイニシャルコストを低減することもできる。
本実施形態に係る液晶露光装置10では、上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の終了後、露光済みの基板Pが基板保持枠56から搬出され、別の基板Pが基板保持枠56に搬入されることにより、基板保持枠56が保持する基板Pの交換が行われる。この基板Pの交換は、主制御装置20の管理の下に行われる。以下、基板Pの交換動作の一例を図9(A)〜図9(D)に基づいて説明する。なお、図面の簡略化のため、図9(A)〜図9(D)では、基板送り装置73(図6(B)参照)などの図示が省略されている。また、基板保持枠56から搬出される搬出対象の基板をPa、次に基板保持枠56に搬入される搬入対象の基板をPbと称して説明する。図9(A)に示されるように、基板Pbは、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70上に載置されている。
露光処理終了後、基板Paは、基板保持枠56が駆動されることにより、図9(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69上に移動する。このとき、図5(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69のエア浮上装置54が基板保持枠56の支持部82の下方に位置しないように(上下方向に重ならないように)基板保持枠56のY軸方向の位置が位置決めされる。この後、基板保持枠56による基板Paの吸着が解除され、図5(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が+Z方向に微少駆動される。これにより、基板Paと支持部82とが離間し、この状態で図5(C)に示されるように、支持部82が基板Paから離間する方向に駆動される。
次いで、主制御装置20は、図9(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が傾斜状態となるように第1エア浮上ユニット69の姿勢を制御する。このとき、主制御装置20は、第1エア浮上ユニット69の上面の水平面に対する傾斜角度が、第3エア浮上ユニット75の上面の水平面に対する傾斜角度と同じとなるように、第1エア浮上ユニット69の上面が、第3エア浮上ユニット75の上面と同一平面上に位置するように、複数のZリニアアクチュエータ74(図1参照)を制御する。また、主制御装置20は、第1エア浮上ユニット69の姿勢を変化させる前にストッパ76(図6(A)参照)をエア浮上装置99の上面よりも上方に突出させ、基板Pが第1エア浮上ユニット69の上面に沿って滑り落ちることを防止する。また、主制御装置20は、第3エア浮上ユニット75の基板送り装置73(図9(B)では不図示、図6(B)参照)が有するパッド73cを基板Paの+X側の端部近傍に位置させる。
また、主制御装置20は、上記第1エア浮上ユニット69の姿勢を変化させるのと並行して、基板搬入装置50aの基板送り装置73(図9(B)では不図示、図6(B)参照)を制御して、搬入対象の基板Pbを微少量−X方向に移動させる。
主制御装置20は、図9(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の上面の水平面に対する傾斜角度が第3エア浮上ユニット75の上面と同じ角度になると第1エア浮上ユニット69の姿勢制御を停止し、この後ストッパ76(図6(A)参照)をエア浮上装置99の上面よりも下方に位置させる。これにより、基板Paの+X側の端部(搬出方向先端部)がパッド73c(図6(B)参照)に当接する。
次いで、主制御装置20は、図9(C)に示されるように、基板搬出装置50bの基板送り装置73(図6(B)参照)を用いて基板Paを第1エア浮上ユニット69上から、第3エア浮上ユニット75上に、第1及び第3エア浮上ユニット69、75の上面により形成される傾斜面に沿って搬送する。第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
また、搬出対象の基板Paが第3エア浮上ユニット75に受け渡されると、主制御装置20は、図9(D)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の姿勢を制御して、その上面が水平となる位置(水平状態)に復帰させる。この後、基板搬入装置50aの基板送り装置73(図6(B)参照)を用いて搬入対象の基板Pbを第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に、第1及び第2エア浮上ユニット69、70の上面により形成される水平面に沿って搬送する。これにより、図10に示されるように、基板Pbが基板保持枠56の一対のX枠部材80X間に挿入される。この後、図5(A)〜図5(C)とは逆の順序(図5(C)〜図5(A)の順序)で基板Pbが基板保持枠56に保持される。本実施形態に係る液晶露光装置10では、上記図9(A)〜図9(D)に示される基板の交換動作が繰り返し行われることにより、複数の基板に対して連続して露光動作などが行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶露光装置10によると、基板の搬出、及び別の基板の搬入をそれぞれ別の経路を用いて行うので、基板保持枠56に保持される基板の交換を迅速に行うことができる。また、基板の搬出動作と別の基板の搬入動作とを一部並行して行うので、基板の搬出後に基板の搬入を行う場合に比べてより迅速に基板の交換を行うことができる。
また、基板搬入装置50a、及び基板搬出装置50bのそれぞれにエア浮上装置99を設け、基板を浮上させた状態で搬送するので、基板を迅速かつ簡単に移動させることができる。また、基板の下面に傷が付くのを防止できる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図11(A)〜図11(E)に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と異なる点について説明し、上記第1の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
上記第1の実施形態において基板搬入装置50aが基板送り装置73により基板Pbを基板保持枠56まで搬送したのに対し、本第2の実施形態に係る液晶露光装置では、基板保持枠56を基板搬入装置50a上まで駆動し、第2エア浮上ユニット70上で基板保持枠56に基板Pbを受け渡す。このため、不図示であるが、基板保持枠56をX軸方向に駆動するためのXリニアモータの固定子は、第1の実施形態に比べて+X側に所定距離長く設定されている。
本第2の実施形態では、基板交換の際、先ず上記第1の実施形態と同様に基板保持枠56による基板Paの吸着及び保持が解除される(図11(A)参照)。そして、第1エア浮上ユニット69の姿勢が傾斜状態にされる(図11(B)参照)。これと並行して基板保持枠56がXリニアモータ93により+X方向に駆動される(図11(B)及び図11(C)参照)。そして、基板Paが第1及び第3エア浮上ユニット69、75のそれぞれの上面により形成される傾斜面(移動面)に沿って搬送される。そして、基板Paが第3エア浮上ユニット75上に移動された後、第1エア浮上ユニット69が傾斜状態から水平状態に移行される。
次いで、基板保持枠56が第2エア浮上ユニット70上に移動される(図11(D)参照)。ここで、不図示であるが第2エア浮上ユニット70が上下方向に微少駆動可能に構成されており、図5(A)〜図5(C)とは逆順序で基板Pbが基板保持枠56に保持される。そして、基板Pbを保持した基板保持枠56が−X側に駆動される(図11(E)参照)。このとき、基板保持枠56により保持された基板Pbは、その一部が、水平状態になる前の第1エア浮上ユニット69上を第2エア浮上ユニット70の上面を含む水平面に沿って移動し、第1エア浮上ユニット69が水平状態になった時点で、第1及び第2エア浮上ユニット69、70のそれぞれの上面により形成される水平面(移動面)に沿って搬送される。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。
本第2の実施形態によると、基板Pbを第2エア浮上ユニット70上で基板保持枠56に保持させた状態で、第1エア浮上ユニット69上に向けて搬送することとしているので、傾斜させた第1エア浮上ユニット69が水平になる前に、基板Pbの一部を第1エア浮上ユニット69上で第2エア浮上ユニット70の上面を含む水平面に沿って移動させることができる。従って、第1の実施形態に比べて基板交換のサイクルタイムを短縮できる。
また、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上への基板Pbの搬送に基板保持枠56を用いることにより、基板搬入装置50aの基板送り装置73(上記第1の実施形態ではベルト駆動式)を用いる場合に比べて迅速(上記第1の実施形態では、基板Pbがベルト73a上に単に載置された状態、すなわちXY方向に拘束されない状態で搬送されるので高速搬送は困難である)に基板Pbを移動させることができる。
また、上記第1の実施形態に対し、基板保持枠56の制御系及び計測系を変更することなくXリニアモータの固定子90を+X方向に延長するだけで(すなわちコストアップを抑制しつつ)、基板保持枠56を第2エア浮上ユニット70上に移動させることができる。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について、図12〜図14(C)に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と異なる点について説明し、上記第1の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
第3の実施形態に係る液晶露光装置では、図12に示されるように、前述の基板保持枠56に代えて、基板保持枠156を有している。基板保持枠156は、基板保持枠56の一対のX枠部材80Xの+X側の端部同士がY枠部材80Yにより連結されて構成される平面視矩形枠状の部材から成る。従って、前述の基板保持枠56よりも剛性が高い。基板保持枠156は、一対のX枠部材80Xと一対のY枠部材80Yとで基板Pの外周を囲んだ状態で4つの支持部82により基板Pを支持する。
また、第3の実施形態に係る液晶露光装置では、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70(図13(A)〜図14(C))が、図示しない複数のZリニアアクチュエータにより、第1エア浮上ユニット69と同様に、Z軸方向に移動可能とされているとともにθy方向に傾斜可能とされている。
第3の実施形態では、基板交換の際、図13(A)に示されるように、当初、第1エア浮上ユニット69は水平状態にあり、第2エア浮上ユニット70は、その+X側の端部が−X側の端部に比べて低くなるように傾斜している。この状態では、第2エア浮上ユニット70の−X側の端部及び基板PbのZ位置は、基板保持枠156よりも低い位置にある。
そして、図13(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が傾斜状態にされるとともに、基板保持枠156が+X方向に駆動される。次いで、図13(C)に示されるように、基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送される。次いで、図14(A)に示されるように、基板保持枠156が第2エア浮上ユニット70上に移動されるとともに、第1エア浮上ユニット69が傾斜状態から水平状態に移行される。次いで、図14(B)に示されるように、第2エア浮上ユニット70が傾斜状態から水平状態にされた後、上記第2の実施形態と同様に基板保持枠156に基板Pbが保持される。第2エア浮上ユニット70は、水平状態にされるとき、その上面のZ位置が第1エア浮上ユニット69と同じになるように制御される。次いで、図14(C)に示されるように、基板Pbを保持した基板保持枠156が、−X方向に駆動され、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に移動する。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。
本第3の実施形態によれば、基板保持枠156を第1エア浮上ユニット69上から第2エア浮上ユニット70上に移動させる際、基板Pb及び第2エア浮上ユニット70を予め基板保持枠156よりも低い位置、すなわち基板保持枠156の移動経路から外れた位置に位置させているので、基板保持枠156の+X側のY枠部材80Yが基板Pb及び第2エア浮上ユニット70に衝突又は接触することが防止される。
なお、第3の実施形態では、第2エア浮上ユニット70は、当初傾斜されており、基板交換の際に、水平にされるとともに上昇されているが、当初から傾斜させずに(水平状態のまま)単に上昇させることとしても良い。
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態について、図15(A)及び図15(B)に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と異なる点について説明し、上記第1の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
本第4の実施形態に係る液晶露光装置では、図15(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69がθx方向に傾斜可能とされており、第1エア浮上ユニット69の+Y側に第2及び第3エア浮上ユニット70、75が配置されている。第4の実施形態に係る液晶露光装置が有する基板交換装置150では、基板搬入装置150aが、第2エア浮上ユニット70の+Y側に、第2エア浮上ユニット70に連続する第4エア浮上ユニット100を有している。また、基板搬入装置150aは、図示は省略されているが、第4エア浮上ユニット100から第2エア浮上ユニット70に基板を搬送するための基板送り装置(上記第1〜第3の各実施形態に係る基板送り装置73と同じ構成)を有している。
第4の実施形態に係る液晶露光装置の基板交換時の動作は、基板及び基板保持枠156の移動方向を除いて上記第3の実施形態とほぼ同様である。但し、第4の実施形態では、第1エア浮上ユニット69を第1エア浮上ユニット69の+Y側の端部が−Y側の端部よりも低くなるようにθx方向に傾斜させる。このため、基板保持枠156から基板Paを搬出する際には、4つの支持部82全てを退避させる必要はなく、+Y側の2つの支持部82のみを+Y方向に退避させれば良い。そして、基板Paを搬出する際には、基板Paが−Y側の2つの支持部82から離れるように第1エア浮上ユニット69をθx方向に傾斜させる。
第3及び第4エア浮上ユニット75、100は、それぞれθx方向に傾斜された状態で台車102に個別に搭載され、X軸方向に走行可能とされている。台車102は、架台104に固定されたX軸方向に延びるガイド部材106によりX軸方向に直進案内される。なお、台車102は、X軸方向に限らず、例えばY軸方向に走行可能としても良い。また、図15(B)では、台車102に搭載される際の、第3及び第4エア浮上ユニット75、100が、基板交換の際よりも更に大きく傾斜されているが、この傾斜角の大きさは、特に限定されず、適宜変更可能である。
また、第4の実施形態では、図15(A)に示されるように、第3エア浮上ユニット75の基板搬出方向下流側の端部に、基板の端部を押さえる押さえ部材108が固定されており、図15(B)に示されるように、θx方向に傾斜された第3エア浮上ユニット75から基板Paが滑り落ちることが防止されている。同様に、第4エア浮上ユニット100の基板搬入方向上流側の端部に、押さえ部材108が固定されており、θx方向に傾斜された第4エア浮上ユニット100から基板Pbが滑り落ちることが防止されている。
第4の実施形態では、図15(A)に示されるように、搬出対象の基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送された後、図15(B)に示されるように、基板Paを支持する第3エア浮上ユニット75がその下方に待機する台車102上に搭載される。そして、この台車102が、所定のX位置(第1エア浮上ユニット69と異なるX位置)に移動された後、基板Paが第3エア浮上ユニット75上から搬出される。そして、第3エア浮上ユニット75が搭載された台車102は、第2エア浮上ユニット70の下方(第1エア浮上ユニット69と同じX位置)に移動され、次の基板Paの搬出に備えられる。
一方、搬入対象の基板Pbは、所定のX位置(第1エア浮上ユニット69と異なるX位置)にて、台車102に搭載された第4エア浮上ユニット100上に搬入される。そして、この台車102が第2エア浮上ユニット70の斜め下方(第1エア浮上ユニット69と同じX位置)に移動される。次いで、第4エア浮上ユニット100が、図15(A)に示されるように、台車102上から離脱されて、その上面が第2エア浮上ユニット70の上面と同一平面上に位置するようにその位置が調整された後、基板Pbが第4エア浮上ユニット100上から第2エア浮上ユニット70上に搬送される。その後、基板Pbは、上記第3の実施形態と同様に基板保持枠156により保持されて、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に搬送される。第4エア浮上ユニット100は、その下方に待機する台車102に搭載された後、上記所定のX位置に移動され、次の基板Pbの搬入に備えられる。
本第4の実施形態によれば、搬出対象の基板Paが、第3エア浮上ユニット75に支持された状態で第3エア浮上ユニット75ごと台車102に搭載されるので、基板Paを迅速かつ簡単に所定位置に搬出することができる。また、搬入対象の基板Pbが、所定位置にて、台車102に搭載された第4エア浮上ユニット100に搬入されるので、第4エア浮上ユニット100上から第2エア浮上ユニット70上への基板Pbの搬送準備を迅速に行うことができる。
なお、本第4の実施形態では、第3及び第4エア浮上ユニット75、100がそれぞれ台車102と別体に構成されているが、例えば第3及び第4エア浮上ユニット75、100の少なくとも一方が台車102にθx方向に回転可能に支持されていても良い。
なお、上記第1〜第4の各実施形態の構成は、適宜変更可能である。例えば、基板交換装置は、基板搬入時に基板を水平移動させ、基板搬出時に基板を傾斜面に沿って移動させたが、逆でも良い。この場合、次の基板Pbが第3エア浮上ユニット75上に用意される。そして基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第2エア浮上ユニット70上に水平移動して搬出され(上記第1の実施形態のような送り装置73を用いても良いし、第2の実施形態のように基板保持枠56を用いても良い)、次いで次の基板Pbが第1及び第3エア浮上ユニット69、75の上面により形成される傾斜面(移動面)に沿って搬送(搬入)される。
上記第1〜第4の各実施形態では、第1及び第3エア浮上ユニット69、75のそれぞれを+X側(又は+Y側)のZ位置が−X側(又は−Y側)のZ位置よりも低くなるように傾斜させたが、これに限らず、基板搬出装置を基板搬入装置の上方に配置し、第1及び第3エア浮上ユニット69、75のそれぞれを−X側(又は−Y側)のZ位置が+X側(又は+Y側)のZ位置よりも低くなるように傾斜させてもよい。
上記第1〜第4の各実施形態では、第2エア浮上ユニット70と第3エア浮上ユニット75とが上下方向に重ねて配置されていたが、例えば第2エア浮上ユニット70を第1エア浮上ユニット69の+X側に配置し、第3エア浮上ユニット75を第1エア浮上ユニット69の+Y側(あるいは−Y側)に配置しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69がθx方向に回転して露光済みの基板が基板保持枠から第3エア浮上ユニット75に搬出され、第2エア浮上ユニット70から未露光の基板が基板保持枠内に搬入される。また、第3エア浮上ユニット75を第1エア浮上ユニット69の+X側に配置し、第2エア浮上ユニット70を第1エア浮上ユニット69の+Y側(あるいは−Y側)に配置しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69がθy方向に回転して露光済みの基板が基板保持枠から第3エア浮上ユニット75に搬出され、第2エア浮上ユニット70から未露光の基板が基板保持枠内に搬入される。
上記第1〜第4の各実施形態では、図5(A)〜図5(C)で基板保持枠による基板の保持を解除する際、第1エア浮上ユニット69を上方に駆動したが、基板保持枠において、支持部82を上下動可能に構成し、支持部82を上下動することにより基板を支持部82から第1エア浮上ユニット69に受け渡しても良い。
上記第3及び第4の各実施形態では、第2エア浮上ユニット70の位置を基板保持枠156の移動経路から外れた位置に位置させることとしているが、これに代えて又はこれに加えて、例えば基板保持枠156のZ位置を調整可能とすることにより、基板保持枠156と、基板Pb及び第2エア浮上ユニット70との衝突又は接触を防止することとしても良い。
上記第1〜第4の各実施形態では、第1エア浮上ユニット69を上昇させて基板Paを支持部82から離間させた状態で支持部82を退避させているが、基板Paと支持部82との間の摩擦抵抗が低ければ(すなわち、基板に傷が付かない程度の摩擦抵抗であれば)、第1エア浮上ユニット69を上昇させずに基板Paと支持部82とが当接した状態で支持部82を退避させても良い。
上記第1及び第2の各実施形態では、第1エア浮上ユニット69を傾斜状態から水平状態にした後、第2エア浮上ユニット70上の基板Pbを第1エア浮上ユニット69上の基板保持枠56に搬入するか又は第2エア浮上ユニット70上で基板保持枠56に保持された基板Pbを基板保持枠56ごと第1エア浮上ユニット69上に搬送しているが、これに限らず、例えば、第1エア浮上ユニット69を傾斜状態にしたまま、基板Pbを支持する第2エア浮上ユニット70を第1エア浮上ユニット69上に向けて搬送することにより、基板Pbを基板保持枠56内に搬入しても良い。
《第5の実施形態》
次に、第5の実施形態について、図16〜図22に基づいて説明する。ここで、上記第1の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
図16には、第5の実施形態に係る液晶露光装置110の構成が概略的に示され、図17には、液晶露光装置110が有する基板ステージ装置の平面図が示されている。図16及び図17と、図1及び図2とを比較するとわかるように、液晶露光装置110は、全体的には、液晶露光装置10と同様に構成されている。ただし、液晶露光装置110では、図16及び図17に示されるように、基板保持枠として、前述した第3及び第4の実施形態に係る液晶露光装置が有する基板保持枠と同様の平面視矩形の枠状部材から成る基板保持枠156が設けられ、これに対応して、基板交換装置等の構成等が、前述した第1の実施形態に係る露光装置10と一部異なっている。以下、前述した第1の実施形態と異なる点を中心として説明する。
まず、最初に、基板保持枠156について説明する。
図18に示されるように、基板保持枠156は、平面視矩形の枠状部材から成る本体部180と、基板Pを下方から支持する複数、一例として4つの支持部82とを含む。本体部180は、一対のX枠部材80Xと、一対のY枠部材80Yとを有する。一対のX枠部材80Xのそれぞれは、X軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、Y軸方向に所定間隔(基板PのY軸方向寸法よりも長い間隔)で互いに平行に配置されている。一対のY枠部材80Yのそれぞれは、Y軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、X軸方向に所定間隔(基板PのX軸方向寸法よりも広い間隔)で互いに平行に配置されている。+X側のY枠部材80Yは一対のX枠部材80Xの+X側の端部同士を連結しており、−X側のY枠部材80Yは一対のX枠部材80Xの−X側の端部同士を連結している。−Y側のX枠部材80Xの−Y側の側面には、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡84Yが取り付けられ、−X側のY枠部材80Yの−X側の側面には、X軸に直交する反射面を有するX移動鏡84Xが取り付けられている。
4つの支持部82のうち2つは−Y側のX枠部材80Xに、他の2つは+Y側のX枠部材80Xに、それぞれX軸方向に所定間隔(基板のX軸方向寸法よりも狭い間隔)離間した状態で取り付けられている。各支持部82は、YZ断面L字状の部材から成り(図19(A)参照)、XY平面に平行な部分により基板を下方から支持する。4つの支持部82のそれぞれは、前述の第1の実施形態と同様に構成され、図19(B)及び図19(C)に示されるように、Yアクチュエータ42(図7参照)を介してそれぞれが取り付けられたX枠部材80Xに対し、接近、及び離間する方向に移動可能となっている。
上述のように構成される基板保持枠156は、図18に示されるように、一対のX枠部材80Xと一対のY枠部材80Yとで基板Pの外周を囲んだ状態で4つの支持部82により基板Pの例えば4隅(図18参照)を均等に支持する。このため、基板保持枠156は、基板Pをバランス良く保持することができる。
本第5の実施形態に係る液晶露光装置110では、第1エア浮上ユニット69は、前述の第1の実施形態と同様に構成されており、同様に、複数のZリニアアクチュエータ74が同期して駆動(制御)されることにより、例えば8台のエア浮上装置54の上面が水平面に平行とされた状態で鉛直方向に移動可能となっている(図19(A)〜図19(C)参照)。また、第1エア浮上ユニット69は、複数のZリニアアクチュエータ74が適宜駆動(制御)されることにより、図20(A)に示されるように、+X側のZ位置が−X側のZ位置よりも低くなる状態(上面が水平面に対してθy方向に傾斜した状態)にその姿勢を変えることができる。以下、第1エア浮上ユニット69の姿勢において、例えば8台のエア浮上装置54の上面が水平面に平行とされた状態を水平状態と称し、例えば8台のエア浮上装置54の上面が水平面に対して第1の角度(例えば15°)、及び第1の角度よりも小さい第2の角度(例えば5°)だけθy方向に傾斜した状態を、それぞれ第1傾斜状態、及び第2傾斜状態と称する。
本第5の実施形態に係る基板交換装置50’は、図17に示されるように、定盤12の+X側に配置されている。基板交換装置50’は、図20(A)に示されるように、基板搬入装置50aと、基板搬入装置50aの下方に配置された基板搬出装置50b(図17では基板搬入装置50aの下方に隠れて不図示となっている)とを備えている。
基板搬入装置50aは、第1エア浮上ユニット69と同様の構成、及び機能を有する第2エア浮上ユニット70を含む。第2エア浮上ユニット70は、ベース部材71上に搭載された複数(例えば8台)のエア浮上装置99(図17参照)を有している。第2エア浮上ユニット70が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、+X側のZ位置が−X側のZ位置より低くなるように水平面(XY平面)に対して上記第2の角度(例えば5°)だけθy方向に傾斜している。また、図20(A)に示される状態、すなわち基板保持枠156が第1エア浮上ユニット69上に位置する状態で、第2エア浮上ユニット70は、基板保持枠156の+X側の斜め下方の所定位置にある。この所定位置及び上記第1の角度は、第2エア浮上ユニット70に載置された基板Pが後述するように第2エア浮上ユニット70の上面に沿って基板保持枠156内に搬入される際、基板Pが+X側のY枠部材80Yの下方を通過して一対のX枠部材80X間に挿入されるように設定されている。
また、基板搬入装置50aは、図20(B)に示されるように、前述の第1の実施形態に係る基板搬入装置50aと同様に構成されたベルト73aを含む基板送り装置73(図20(B)以外の他の図では不図示)を有している。基板搬入装置50aは、第2エア浮上ユニット70上に基板Pが載置された状態でベルト73aが駆動されると、パッド73cにより基板Pを押圧して、例えば8台のエア浮上装置99の上面に沿って移動させる(基板Pを第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に押し出す)。
図20(A)に戻り、基板搬出装置50bは、第1エア浮上ユニット69と同様の構成、及び機能を有する第3エア浮上ユニット75を含む。すなわち、第3エア浮上ユニット75は、ベース部材68上に搭載された複数、例えば8台のエア浮上装置99を有している。第3エア浮上ユニット75が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、+X側のZ位置が−X側のZ位置より低くなるように水平面に対して上記第1の角度(例えば15°)だけθy方向に傾斜している。また、基板搬出装置50bは、図20(B)に示されるように、上記基板搬入装置50aと同様の構成の基板送り装置73を有する。基板搬出装置50bでは、パッド73cと基板Pとが当接した状態でベルト73aの速度が制御されることにより、基板Pが自重により、例えば8台のエア浮上装置99の上面に沿って移動する(滑り降りる)際の速度がコントロールされる。
上述のようにして構成された液晶露光装置110(図16参照)では、主制御装置20(図7参照)の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMSTへのマスクのロード、及び基板搬入装置50a(図16では不図示、図17参照)によって、基板ステージ装置PSTへの基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置20により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
上記露光動作時における基板ステージ装置PSTの動作は、前述した第1の実施形態に係る液晶露光装置10と同様なので、その説明は省略する。
本実施形態に係る液晶露光装置110では、上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の終了後、露光済みの基板Pが基板保持枠156から搬出され、別の基板Pが基板保持枠156に搬入されることにより、基板保持枠156が保持する基板Pの交換が行われる。この基板Pの交換は、主制御装置20の管理の下に行われる。以下、基板Pの交換動作の一例を図21(A)〜図21(D)に基づいて説明する。なお、図面の簡略化のため、図21(A)〜図21(D)では、基板送り装置73(図20(B)参照)などの図示が省略されている。また、基板保持枠156から搬出される搬出対象の基板をPa、次に基板保持枠156に搬入される搬入対象の基板をPbと称して説明する。図21(A)に示されるように、基板Pbは、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70上に載置されている。
露光処理終了後、基板Paは、基板保持枠156が駆動されることにより、図21(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69上に位置する。このとき、図19(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69のエア浮上装置54が基板保持枠156の支持部82の下方に位置しないように(上下方向に重ならないように)基板保持枠156のY軸方向の位置が位置決めされる。この後、基板保持枠156による基板Paの吸着保持が解除され、図19(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が+Z方向に微少駆動される。これにより、基板Paと支持部82とが離間し、この状態で図19(C)に示されるように、支持部82が基板Paから離間する方向に駆動される。
次いで、主制御装置20は、図21(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が上記第1傾斜状態となるように第1エア浮上ユニット69の姿勢を制御する。このとき、主制御装置20は、第1エア浮上ユニット69の上面が、第3エア浮上ユニット75の上面と同一平面上に位置するように複数のZリニアアクチュエータ74(図16参照)を制御する。また、主制御装置20は、第1エア浮上ユニット69の姿勢を変化させる前にストッパ76(図20(A)参照)をエア浮上装置99の上面よりも上方に突出させ、基板Pが第1エア浮上ユニット69の上面に沿って滑り落ちることを防止する。また、主制御装置20は、第3エア浮上ユニット75の基板送り装置73(図21(B)では不図示、図20(B)参照)が有するパッド73cを基板Paの+X側の端部近傍に位置させる。
また、主制御装置20は、上記第1エア浮上ユニット69の姿勢を変化させるのと並行して、基板搬入装置50aの基板送り装置73(図21(B)では不図示、図20(B)参照)を制御して、搬入対象の基板Pbを微少量−X方向に移動させる。
主制御装置20は、図21(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同一平面上に位置すると第1エア浮上ユニット69の姿勢制御を停止し、この後ストッパ76(図20(A)参照)をエア浮上装置99の上面よりも下方に位置させる。これにより、基板Paの+X側の端部(搬出方向先端部)が第3エア浮上ユニット75のパッド73c(図20(B)参照)に当接する。
次いで、主制御装置20は、図21(C)に示されるように、基板搬出装置50bの基板送り装置73(図20(B)参照)を用いて基板Paを第1エア浮上ユニット69上から、第3エア浮上ユニット75上に、第1及び第3エア浮上ユニット69、75の上面により形成される傾斜面(移動面)に沿って搬送する。すなわち、基板Paは、基板保持枠156内からその+X側の斜め下方に搬出される。第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
また、搬出対象の基板Paが第3エア浮上ユニット75に受け渡されると、主制御装置20は、図21(D)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の姿勢を上記第1傾斜状態から上記第2傾斜状態に移行させる。このとき、主制御装置20は、第1エア浮上ユニット69の上面が、第2エア浮上ユニット70の上面と同一平面上に位置するように複数のZリニアアクチュエータ74(図16参照)を制御する。この後、基板搬入装置50aの基板送り装置73(図20(B)参照)を用いて搬入対象の基板Pbを第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に、第1及び第2エア浮上ユニット69、70の上面により形成される傾斜面(移動面)に沿って搬送する。この搬送の際、図22に示されるように、基板Pbは+Y側のY枠部材80Yの下方を通過して一対のX枠部材80X間に挿入される。すなわち、基板Pbは、基板保持枠156内にその+X側の斜め下方から搬入される。そして、第1エア浮上ユニット69の姿勢が上記第2傾斜状態から上記水平状態に移行された後、図19(A)〜図19(C)とは逆の順序(図19(C)〜図19(A)の順序)で基板Pbが基板保持枠156に保持される。本実施形態に係る液晶露光装置10では、上記図21(A)〜図21(D)に示される基板の交換動作が繰り返し行われることにより、複数の基板に対して連続して露光動作などが行われる。
以上説明したように、本第5の実施形態に係る液晶露光装置110によると、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、本第5の実施形態では、基板の四方(外周)を囲んだ状態で該基板を保持する基板保持枠156が用いられているが、基板Pbを基板保持枠156の斜め下方の上記所定位置から上記第2の角度で基板保持枠156内に向けて搬入することとしているので、基板Pbを基板保持枠156に接触させることなく、基板保持枠156内に搬入できる。また、基板Paを、上記所定位置の下方に向けて、かつ水平面に対し上記第2の角度よりも大きい上記第1の角度で基板保持枠156内から搬出することとしているので、基板Paを基板保持枠156に接触させることなく、基板保持枠156内から搬出できる。
《第6の実施形態》
次に、第6の実施形態について、図23(A)〜図23(C)に基づいて説明する。ここで、前述した第5の実施形態と異なる点について説明し、上記第5の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
上記第5の実施形態において基板Paを基板保持枠156内からその+X側の斜め下方に搬出し、かつ基板Pbを基板保持枠156内にその+X側の斜め下方から搬入したのに対し、本第6の実施形態では、基板Paを基板保持枠156内からその+Y側の斜め下方に搬出し、かつ基板Pbを基板保持枠156内にその+Y側の斜め上方から搬入する。
本第6の実施形態に係る液晶露光装置では、第1エア浮上ユニット69は、複数のZリニアアクチュエータ74(図16参照)により、上下動可能であるとともに、図23(A)〜図23(C)に示されるように、上記水平状態(上記第5の実施形態参照)と、+Y側が−Y側よりも低くなるように水平面に対し所定角度(例えば5°)だけθx方向に傾斜した第3傾斜状態と、+Y側が−Y側よりも高くなるように水平面に対し所定角度(例えば5°)だけθx方向に傾斜した第4傾斜状態とに姿勢変更される。また、第2エア浮上ユニット70は、第1エア浮上ユニット69上に位置する基板保持枠156の+Y側の斜め上方に、+Y側が−Y側よりも高くなるように水平面に対し所定角度(例えば5°)だけθx方向に傾斜した状態で配置されている。また、第3エア浮上ユニット75は、第1エア浮上ユニット69上に位置する基板保持枠156の+Y側の斜め下方に、+Y側が−Y側よりも低くなるように水平面に対し所定角度(例えば5°)だけθx方向に傾斜した状態で配置されている。
また、第2エア浮上ユニット70の−Y側の端部(基板搬入方向下流側の端部)には、第1エア浮上ユニット69のストッパ76と同様のストッパが設けられおり、基板搬入時以外には、基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から滑り落ちることが防止され、基板搬入時には、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に向けての基板Pbの移動が許容されるようになっている。
第6の実施形態では、基板交換の際、第1エア浮上ユニット69上において基板保持枠156による搬出対象の基板Paの吸着保持が解除された後、図23(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が、上記水平状態から上記第3傾斜状態に移行される。このとき、上記第5の実施形態と同様に、第1エア浮上ユニット69の上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同一平面上に位置する。その後、図23(B)に示されるように、基板Paが、上記第5の実施形態と同様に、第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送される。次いで、図23(C)に示されるように、第1エア浮上ユニット69が上記第3傾斜状態から上記第4傾斜状態に移行される。このとき、上記第5の実施形態と同様に、第1エア浮上ユニット69の上面が第2エア浮上ユニット70の上面と同一平面上に位置する。その後、搬入対象の基板Pbが、上記第5の実施形態と同様に、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に搬送される。次いで、第1エア浮上ユニット69が上記第4傾斜状態から上記水平状態に移行された後、図19(A)〜図19(C)とは逆順序で基板Pbが基板保持枠156に保持される。そして、基板Pbを保持した基板保持枠156が−X側に駆動される。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。
以上説明したように、本第6の実施形態に係る液晶露光装置によると、基板Paを基板保持枠156内から斜め下方に搬出し、基板Pbを基板保持枠156内に斜め上方から搬入することとしているので、基板Paの搬出及び基板Pbの搬入の何れに際しても、基板の自重を利用することができ、基板搬入装置50a及び基板搬出装置50b双方の基板送り装置73の駆動負荷を低減できる。
《第7の実施形態》
次に、第7の実施形態について、図24(A)及び図24(B)に基づいて説明する。ここで、前述した第5の実施形態と異なる点について説明する。また、上記第5の実施形態、及び第4の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
本第7の実施形態では、上記第5の実施形態と比べ、基板Paを基板保持枠156内からその+Y側の斜め下方に搬出する点、及び基板Pbを基板保持枠156内にその+Y側の斜め下方から搬入する点が異なる。
本第7の実施形態では、図24(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69は、複数のZリニアアクチュエータ74(図16参照)により、上下動可能であるとともに、上記水平状態(上記第5の実施形態参照)と、上記第3傾斜状態(上記第6の実施形態参照)と、+Y側が−Y側よりも低くなるように水平面に対し所定角度(例えば15°)だけθx方向に傾斜した状態とに姿勢変更される。
また、第7の実施形態では、第2エア浮上ユニット70は、第1エア浮上ユニット69上にある基板保持枠156の+Y側の斜め下方に、+Y側が−Y側よりも低くなるように水平面に対し所定角度(例えば5°)だけθx方向に傾斜された状態で配置されている。第3エア浮上ユニット75は、第2エア浮上ユニット70の下方に、+Y側が−Y側よりも低くなるように水平面に対し所定角度(例えば15°)だけθx方向に傾斜された状態で配置されている。
また、第7の実施形態に係る基板交換装置150は、前述した第4の実施形態に係る基板交換装置と同様に構成されているので、その構成についての詳細説明は省略する。
本第7の実施形態に係る液晶露光装置の基板交換時の動作は、基板の搬送方向を除いて上記第5の実施形態とほぼ同様である。但し、第7の実施形態では、第1エア浮上ユニット69を第1エア浮上ユニット69の+Y側の端部が−Y側の端部よりも低くなるようにθx方向に傾斜させる。このため、基板保持枠156から基板Paを搬出する際には、4つの支持部82全てを退避させる必要はなく、+Y側の2つの支持部82のみを+Y方向に退避させれば良い。そして、基板Paを搬出する際には、基板Paが−Y側の2つの支持部82から離れるように第1エア浮上ユニット69をθx方向に傾斜させる。
本第7の実施形態では、基板交換の際、図24(A)に示されるように、上記第5の実施形態と同様に、搬出対象の基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送された後、図24(B)に示されるように、基板Paを支持する第3エア浮上ユニット75がその下方に待機する台車102上に積載される。そして、この台車102が、所定のX位置(第1エア浮上ユニット69と異なるX位置)に移動された後、基板Paが第3エア浮上ユニット75上から搬出される。次いで、第3エア浮上ユニット75が搭載された台車102は、第2エア浮上ユニット70の下方(第1エア浮上ユニット69と同じX位置)に移動され、次の基板Paの搬出に備えられる。
一方、搬入対象の基板Pbは、所定のX位置(第1エア浮上ユニット69と異なるX位置)にて、台車102に搭載された第4エア浮上ユニット100上に搬入される。そして、この台車102が第2エア浮上ユニット70の斜め下方(第1エア浮上ユニット69と同じX位置)に移動される。次いで、第4エア浮上ユニット100が、図24(A)に示されるように、台車102上から例えば図示しないクレーン装置などにより離脱され、その上面が第2エア浮上ユニット70の上面と同一平面上に位置するようにその位置が調整された後、基板Pbが第4エア浮上ユニット100上から第2エア浮上ユニット70上に、第2エア浮上ユニット70の上面と第4エア浮上ユニット100の上面とで形成される傾斜面に沿って搬送される。その後、基板Pbは、上記第5の実施形態と同様に、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に搬送される。第4エア浮上ユニット100は、その下方に待機する台車102に積載された後、上記所定のX位置に移動され、次の基板Pbの搬入に備えられる。
以上説明したように、本第7の実施形態によれば、搬出対象の基板Paを、第3エア浮上ユニット75に支持された状態で第3エア浮上ユニット75ごと台車102に積載することとしているので、第3エア浮上ユニット75に支持された基板Paを迅速かつ簡単に所定位置に搬出することができる。また、搬入対象の基板Pbを、所定位置にて、台車102に搭載された第4エア浮上ユニット100に支持させることとしているので、第4エア浮上ユニット100上から第2エア浮上ユニット70上への基板Pbの搬送準備を迅速に行うことができる。
なお、本第7の実施形態では、第3及び第4エア浮上ユニット75、100がそれぞれ台車102と別体に構成されているが、例えば第3及び第4エア浮上ユニット75、100の少なくとも一方が台車102にθx方向に回転可能に支持されていても良い。
なお、上記第5〜第7の各実施形態の構成は、適宜変更可能である。例えば、上記第5及び第7の各実施形態では、基板交換装置50’又は150は、基板搬出時と基板搬入時とで、基板を異なる角度で搬送することとしているが、同じ角度で搬送することとしても良い。具体的には、第2エア浮上ユニット70と第3エア浮上ユニット75とを、それぞれの上面が+X側が−X側よりも(又は+Y側が−Y側よりも)低くなるように、かつ互いに平行になるようにθy方向(又はθx方向)に傾斜させて配置する。そして、基板搬出時に第1エア浮上ユニット69の姿勢及び位置を、その上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同一平面に位置するように制御し、基板搬入時に第1エア浮上ユニット69の姿勢及び位置を、その上面が第2エア浮上ユニット70の上面と同一平面上に位置するように制御する。
上記第5及び第7の各実施形態では、基板交換装置50’又は150は、第1エア浮上ユニット69上から斜め下方に基板を搬出するとともに第1エア浮上ユニット69上に斜め下方から基板を搬入することとしているが、これに代えて、例えば、第1エア浮上ユニット69上から斜め上方に基板を搬出するとともに第1エア浮上ユニット69上に斜め上方から基板を搬入することとしても良い。具体的には、第2及び第3エア浮上ユニット70、75を第1エア浮上ユニット69の+X側(又は+Y側)の斜め上方に、+X側が−X側よりも(又は+Y側が−Y側よりも)高くなるように水平面に対しθy方向(又はθx方向)に傾斜させて配置する。このときの、第2及び第3エア浮上ユニット70、75の水平面に対する傾斜角度は、異なっても良いし、同じでも良い。また、第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上への基板の搬送は重力に逆らうため、第3エア浮上ユニット75の代わりに第1エア浮上ユニット69に、例えば基板送り装置73と同様な基板送り装置(不図示)などを設ける。そして、基板搬出時には、第1エア浮上ユニット69の上面を第3エア浮上ユニット75の上面と同一平面上に位置させた後、基板送り装置を用いて基板を第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬出する。基板搬入時には、上記第6の実施形態と同様に、基板Pbを第2エア浮上ユニット69上から第1エア浮上ユニット69上に搬送する。
上記第5及び第7の各実施形態では、基板交換装置50’又は150は、第1エア浮上ユニット69上から基板を水平面に対し大きい傾斜角度(例えば15°)で搬出し、第1エア浮上ユニット69上に基板を水平面に対し小さい傾斜角度(例えば5°)で搬入しているが、逆でも良い。
上記第6の実施形態では、基板交換装置50’は、第1エア浮上ユニット69と、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれとの間で、基板を水平面に対し同じ角度(例えば5°)で搬送しているが、異なる角度で搬送しても良い。
上記第6の実施形態では、基板交換装置50’は、第1エア浮上ユニット69上から斜め下方に基板を搬出し、第1エア浮上ユニット69上に斜め上方から基板を搬入することとしているが、逆でも良い。具体的には、第1エア浮上ユニット69上から第2エア浮上ユニット70上に基板を搬出し、第3エア浮上ユニット75上から第1エア浮上ユニット69上に基板を搬入する。この際、基板を重力に逆らって搬送するため、第1エア浮上ユニット69に基板送り装置73と同様な基板送り装置を設けて、第1エア浮上ユニット69側から第2エア浮上ユニット70側に向けて基板を押圧する必要がある。
上記第5〜第7の各実施形態では、図19(A)〜図19(C)で基板の吸着保持を解除する際、第1エア浮上ユニット69を上方に駆動したが、基板保持枠156において、支持部82を上下動可能に構成し、支持部82を上下動することにより基板を支持部82から第1エア浮上ユニット69に受け渡しても良い。
上記第5〜第7の各実施形態では、第1エア浮上ユニット69を上昇させて基板Paを支持部82から離間させた状態で支持部82を退避させているが、基板Paと支持部82との間の摩擦抵抗が低ければ(すなわち、基板に傷が付かない程度の摩擦抵抗であれば)、第1エア浮上ユニット69を上昇させずに基板Paと支持部82とが当接した状態で支持部82を退避させても良い。
上記第5及び第7の各実施形態では、その上面が第1エア浮上ユニット69の上面より幾分低い位置にある第2エア浮上ユニット70の下方に位置する第3エア浮上ユニット75の上面を、第2エア浮上ユニット70の上面よりも水平面に対し大きく傾斜させている。従って、第1エア浮上ユニット69を単にY軸方向(又はX軸方向)に延びる所定の軸線周りに回動させるだけで、第1エア浮上ユニット69の上面を第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面と同一平面上に位置させることができる。そこで、第1エア浮上ユニット69を上下動させなくても良い場合(例えば、基板と支持部との間の摩擦抵抗が低い場合や、本体部180に対し支持部82を上下動させる構成を採用する場合)には、第1エア浮上ユニット69を単にY軸方向(又はX軸方向)に延びる所定の軸部材を支点として回動させる構成を採用しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69の制御が容易である。
上記第6の実施形態では、第2エア浮上ユニット70は、第1エア浮上ユニット69の+X側であって、上記水平状態にある第1エア浮上ユニット69の上面を含む水平面の上方に、その上面が+Y側が−Y側よりも高くなるようにθx方向に傾斜して配置されている。また、第3エア浮上ユニット75は、第1エア浮上ユニット69の+X側であって、上記水平状態にある第1エア浮上ユニット69の上面を含む水平面の下方に、その上面が+Y側が−Y側よりも低くなるようにθx方向に傾斜して配置されている。そこで、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれの上面を、上記水平状態にある第1エア浮上ユニット69の上面を含む水平面に関し対称な位置関係にすれば、第1エア浮上ユニット69を単にY軸方向(X軸方向)に延びる所定の軸線周りに回動させるだけで、第1エア浮上ユニット69の上面を第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれの上面と同一平面上に位置させることができる。従って、第1エア浮上ユニット69を上下動させなくても良い構成の場合(例えば、基板と支持部との間の摩擦抵抗が低い場合や、本体部180に対し支持部82を上下動させる構成を採用する場合)には、第1エア浮上ユニット69を単にY軸方向(又はX軸方向)に延びる所定の軸部材を支点として回動させる構成を採用しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69と第2エア浮上ユニット70との間、及び第1エア浮上ユニット69と第3エア浮上ユニット75との間での基板の水平面に対する搬送角度を何れも小さくすることができ、基板を搬入及び搬出する際の何れにおいても、基板が自重により移動する際の加速度を小さくすることができ、その速度のコントロールが容易である。
上記第5〜第7の各実施形態では、第2エア浮上ユニット70と第3エア浮上ユニット75とが上下方向に重ねて配置されているが、例えば第2エア浮上ユニット70を第1エア浮上ユニット69の+X側に配置し、第3エア浮上ユニット75を第1エア浮上ユニット69の+Y側(あるいは−Y側)に配置しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69がθx方向に傾斜して露光済みの基板が基板保持枠156から第3エア浮上ユニット75に搬出され、第1エア浮上ユニット69がθy方向に傾斜して第2エア浮上ユニット70から未露光の基板が基板保持枠156内に搬入される。また、第3エア浮上ユニット75を第1エア浮上ユニット69の+X側に配置し、第2エア浮上ユニット70を第1エア浮上ユニット69の+Y側(あるいは−Y側)に配置しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69がθy方向に傾斜して露光済みの基板が基板保持枠156から第3エア浮上ユニット75に搬出され、第1エア浮上ユニット69がθx方向に傾斜して第2エア浮上ユニット70から未露光の基板が基板保持枠156内に搬入される。
上記第5〜第7の各実施形態では、基板保持枠156の形状は、基板の外周に沿って配置される平面視矩形枠状とされているが、これに限らず、例えば平面視菱形枠状、平面視楕円枠状などの基板の外周に沿って配置される形状でも良い。また、基板保持枠156の形状は、例えば平面視U字状などの基板の外周の一部に沿って配置される形状でも良い。
上記第5〜第7の各実施形態に係る基板交換装置では、基板の搬出経路と搬入経路が異なる平面に沿っているが、同一平面に沿っていても良い。以下に具体例を説明する。図25(A)に示されるように、基板交換装置250では、基板搬出装置50bの第3エア浮上ユニット75を基板保持枠156の+Y側の斜め下方に、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70を基板保持枠156の−Y側の斜め上方に、それぞれの上面が+Y側が−Y側よりも低くなるように、かつ互いに同一平面上に位置するように水平面に対しθx方向に傾斜させて配置する。そして、図25(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の上面を第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれの上面と同一平面上に位置させた後、図13(C)に示されるように、基板Paをこの平面に沿って第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬出するとともに、基板Pbをこの平面に沿って第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に搬入する。従って、基板の搬出と搬入を並行して(同期して)行うことができ、第1エア浮上ユニット69上の基板交換を極めて迅速に行うことができる。
なお、上記第1〜第7の各実施形態では、第1エア浮上ユニット69を傾斜させた際の基板の滑り落ちを防止するストッパ76が設けられているが、これに限らず、例えば第1エア浮上ユニット69のエア浮上装置を気体噴出に併せて気体吸引できるように構成し、このエア浮上装置に基板を真空吸着により保持させることとしても良い。
上記第1〜第7の各実施形態では、第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に基板Paを搬送するための基板送り装置73が設けられているが、これに代えて、例えば、基板Paを、その自重のみにより第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上にスライドさせることとしても良い。この場合、第3エア浮上ユニット75の基板搬出方向下流側の端部にストッパを設けて第3エア浮上ユニット75上からの基板の脱落を防止するとともに、基板とストッパとの衝突時の衝撃が大きくなることを抑制するために第3エア浮上ユニット75のXY平面に対する傾斜角度をなるべく小さくすることが望ましい。
《第8の実施形態》
次に、第8の実施形態について、図26〜図30に基づいて説明する。ここで、上記第1の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
図26には、本第8の実施形態に係る液晶露光装置210の構成が概略的に示され、図27には、液晶露光装置210が有する基板ステージ装置の平面図が示されている。
図26及び図27と、図1及び図2とを比較するとわかるように、本第8の実施形態に係る液晶露光装置210は、基板交換装置250を除き、前述した第1の実施形態に係る露光装置10と同様に構成されている。
本第8の実施形態に係る液晶露光装置210では、第1エア浮上ユニット69は、前述の第1の実施形態と同様に構成されており、同様に、複数のZリニアアクチュエータ74が同期して駆動(制御)されることにより、その例えば8台のエア浮上装置54の上面が同一水平面上に位置する状態で、鉛直方向に移動可能となっている(図28(A)〜図28(C)参照)。以下、第1エア浮上ユニット69の例えば8台のエア浮上装置54の上面(第1エア浮上ユニット69の上面)が、定盤12上の他のエア浮上装置54の上面と同一水平面上に位置するときの第1エア浮上ユニット69のZ位置を第1位置と称する。
本第8の実施形態に係る基板交換装置250は、第1エア浮上ユニット69との間で基板の交換を行う装置であり、図29(A)に示されるように、基板搬入装置50aと、基板搬入装置50aの上方に配置された基板搬出装置50bとを備えている。
基板搬入装置50aは、第1エア浮上ユニット69と同様の構成、及び機能を有する第2エア浮上ユニット70を、第1エア浮上ユニット69の+X側に有する。すなわち、第2エア浮上ユニット70は、ベース部材68上に搭載された複数(例えば8台)のエア浮上装置99を有している。第2エア浮上ユニット70が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、図29(A)に示される状態、すなわち第1エア浮上ユニット69が上記第1位置にある状態で、第1エア浮上ユニット69が有する、例えば8台のエア浮上装置54の上面(第1エア浮上ユニット69の上面)と同一水平面上に位置する。
また、基板搬入装置50aは、図29(A)及び図29(B)に示されるように、前述の第1の実施形態に係る基板搬入装置50aと同様に構成されたベルト73aを含む基板送り装置73(図29(A)及び図29(B)以外の他の図では不図示)を有している。基板搬入装置50aは、第2エア浮上ユニット70上に基板Pが載置された状態でベルト73aが駆動されると、パッド73cにより基板Pを押圧して、例えば8台のエア浮上装置99の上面に沿って移動させる(基板Pを第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に押し出す)。
基板搬出装置50bは、上記第1エア浮上ユニット69と同様の構成、及び機能を有する第3エア浮上ユニット75を、第2エア浮上ユニット70の上方(第1エア浮上ユニット69の+X側の斜め上方)に有する。すなわち、第3エア浮上ユニット75は、ベース部材68上に搭載された複数、例えば8台のエア浮上装置99(図27参照)を有している。第3エア浮上ユニット75が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、同一水平面上に位置している。第3エア浮上ユニット75は、その上面の高さが、後述するように基板保持枠56よりも高い所定位置(後述する第2位置)に位置する第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに設定されている(図30(B)参照)。また、基板搬出装置50bは、上記基板搬入装置50aの基板送り装置73と同様の構成の基板送り装置73を、後述する第2位置に位置する第1エア浮上ユニット69(図30(B)参照)の+Y側、及び−Y側(あるいは複数のエア浮上装置54の間)などに有している(図29(B)参照)。
上述のようにして構成された本第8の実施形態に係る液晶露光装置210では、前述の第1の実施形態に係る液晶露光装置10と同様に、主制御装置20(図7参照)の管理の下、マスクステージMSTへのマスクのロード、及び基板搬入装置50aによる、基板ステージ装置PSTへの基板Pのロード、及びアライメント計測などの準備作業が、行われた後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
本第8の実施形態に係る液晶露光装置210では、上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の終了後、露光済みの基板Pが基板保持枠56から搬出され、別の基板Pが基板保持枠56に搬入されることにより、基板保持枠56が保持する基板Pの交換が行われる。この基板Pの交換は、主制御装置20の管理の下に行われる。以下、基板Pの交換動作の一例を図30(A)〜図30(D)に基づいて説明する。なお、図面の簡略化のため、図30(A)〜図30(D)では、基板送り装置73(図29(A)及び図29(B)参照)などの図示が省略されている。また、基板保持枠56から搬出される搬出対象の基板をPa、次に基板保持枠56に搬入される搬入対象の基板をPbと称して説明する。図29(A)に示されるように、基板Pbは、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70上に、その+X側の端部(基板搬入方向上流側の端部)が基板搬入装置50aの基板送り装置73のパッド73cに当接した状態で載置されている。また、この状態では、基板Pbは、Y軸方向に関して、基板保持枠56の一対のX枠部材80Xそれぞれの間に位置するように第2エア浮上ユニット70上での位置調整が行われている。
露光処理終了後、基板Paは、基板保持枠56がXY平面に平行な方向に駆動されることにより、図30(A)に示されるように、第1エア浮上ユニット69上に移動される。このとき、図28(C)に示されるように基板保持枠56の支持部82が第1エア浮上ユニット69の上方に位置しないように(上下方向に重ならないように)基板保持枠56のY軸方向の位置が位置決めされ、図30(A)に示されるように基板保持枠56のY枠部材80Yが第1エア浮上ユニット69の上方に位置しないように(上下方向に重ならないように)基板保持枠56のX軸方向の位置が位置決めされる。この後、基板保持枠56による基板Paの吸着保持が解除され、第1エア浮上ユニット69が+Z方向に駆動される。このとき、基板Paを支持する第1エア浮上ユニット69は、基板保持枠56に接触することなく基板保持枠56内(一対のX枠部材80X間)を通過する(図28(B)参照)。そして、図30(B)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同じ高さになったときに、第1エア浮上ユニット69が停止される。以下、第1エア浮上ユニット69の上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同じ高さになったときの第1エア浮上ユニット69のZ位置を第2位置と称する。
ここで、図29(A)に示されるように、基板搬出装置50bの基板送り装置73では、第1エア浮上ユニット69が上昇される前に、そのパッド73cのX位置が基板Paの−X側の端部よりも幾分−X側になるように位置調整されている。主制御装置20は、基板搬出装置50bの基板送り装置73により、基板Paを、第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に、第1エア浮上ユニット69の上面と第3エア浮上ユニット75の上面とで形成される水平面(移動面)に沿って搬送する。主制御装置20は、図30(C)に示されるように、基板Pa全体が第3エア浮上ユニット75上に位置する前に、第1エア浮上ユニット69を−Z方向に駆動して上記第1位置に位置させて基板搬入装置50aの基板送り装置73により基板Pbを−X方向に送り出す。これにより、図30(D)に示されるように、基板Pbは第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に、第1エア浮上ユニット69の上面と第2エア浮上ユニット70の上面とで形成される水平面(移動面)に沿って搬送される。ここで、この搬送に先立って、図28(A)に示されるように、+Y側の2つの支持部82及び−Y側の2つの支持部82が、それぞれ+Y方向及び−Y方向に退避されており(上記退避位置に位置しており)、基板Pbは、支持部82に接触することなく、第1エア浮上ユニット69上において基板保持枠56内(一対のX枠部材80X間)に搬入される。なお、第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
次に、主制御装置20は、図28(B)に示されるように、基板Pbを支持する第1エア浮上ユニット69を微少量上昇させた後、+Y側の2つの支持部82及び−Y側の2つの支持部82を、それぞれ−Y方向及び+Y方向に駆動して、上記支持位置に位置させる。そして、主制御装置20は、図28(C)に示されるように、基板Pbを支持する第1エア浮上ユニット69を降下させて、基板Pbを第1エア浮上ユニット69に支持させつつ4つの支持部82に支持させた後、基板Pbを4つの支持部82に真空吸着させて基板保持枠56に保持させる。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。
以上のように、本第8の実施形態に係る液晶露光装置210では、上記図30(A)〜図30(D)に示される基板の交換動作が繰り返し行われることにより、複数の基板に対して連続して露光動作などが行われる。
以上説明したように、本第8の実施形態に係る液晶露光装置210によると、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、本実施形態によると、第2及び第3エア浮上ユニット70、75を上下に重ねて配置し、第1エア浮上ユニット69を第2及び第3エア浮上ユニット70、75に対し上下動させるだけの簡易な構成で、第1及び第2エア浮上ユニット69、70間、並びに第1及び第3エア浮上ユニット69、75間での基板の搬送を行うことができる。しかも、第1エア浮上ユニット69を上記第1及び第2位置の2位置間で単に上下動させるだけで良いので、その制御が簡単である。
また、第2エア浮上ユニット70の上面が、上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置しているので、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に基板を搬送(搬入)した後、第1エア浮上ユニット69を上下動させることなく露光処理を開始できる。すなわち、基板搬入動作から露光動作に迅速に移行できる。
また、基板交換の際、基板保持枠56が第1エア浮上ユニット69に対し上下に重ならないように位置するので、第1エア浮上ユニット69を上下動させる際に、基板保持枠56を退避させる必要がない。
《第9の実施形態》
次に、第9の実施形態について、図31(A)〜図31(E)に基づいて説明する。ここで、前述した第8の実施形態と異なる点について説明し、上記第8の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
上記第8の実施形態において基板搬入装置50aが基板送り装置73により基板Pbを基板保持枠56まで搬送したのに対し、本第9の実施形態に係る液晶露光装置では、図31(A)〜図31(C)に示されるように、基板保持枠56を基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70上まで駆動し、第2エア浮上ユニット70上で基板保持枠56に基板Pbを受け渡す。このため、不図示であるが、基板保持枠56をX軸方向に駆動するためのXリニアモータの固定子は、第1の実施形態に比べて+X側に所定長さだけ長く設定されている。また、基板搬入装置50aは基板送り装置73を有していない。
第9の実施形態に係る基板交換装置250では、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70が第1エア浮上ユニット69の+X側に配置され、基板搬出装置50bの第3エア浮上ユニット75が第2エア浮上ユニット70の下方(第1エア浮上ユニット69の+X側の斜め下方)に配置されている。第2エア浮上ユニット70の上面は、上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置している。
第9の実施形態に係る液晶露光装置では、基板交換の際、先ず、上記第8の実施形態と同様に、上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69上において基板保持枠56による基板Paの保持が解除される(図31(A)参照)。次いで、第1エア浮上ユニット69が下降されるとともに、基板保持枠56がXリニアモータ93(図7参照)により+X方向に駆動される(図31(B)参照)。ここで、基板保持枠56が+X方向に駆動される前に、図28(A)に示されるように、4つの支持部82が、上記退避位置に位置しており、基板保持枠56は、基板Pbに接触することなく基板Pbをその一対のX枠部材80X間に挿入しつつ第1エア浮上ユニット69上から第2エア浮上ユニット70上に移動する。一方、第1エア浮上ユニット69の上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同じ高さに位置した後、基板Paが上記第8の実施形態と同様に第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送される(図31(C)参照)。
ここで、不図示であるが第2エア浮上ユニット70が上下方向に微少駆動可能に構成されており、基板Pbは第2エア浮上ユニット70上に移動された(位置した)基板保持枠56に上記第8の実施形態と同様に保持される。そして、基板Paが第3エア浮上ユニット75上に移動された後(より詳細には、基板Paが第1エア浮上ユニット69上から外れた後)、第1エア浮上ユニット69が上昇されて上記第1位置に位置するとともに、基板Pbを保持した基板保持枠56が−X側に駆動され、基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に、第2エア浮上ユニット70の上面と第1エア浮上ユニット69の上面とで形成される水平面(移動面)に沿って搬送される(図31(D)参照)。第1エア浮上ユニット69上に搬送された基板Pbは上記第1の実施形態と同様に基板保持枠56により保持される(図31(E)参照)。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。なお、第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
本第9の実施形態に係る液晶露光装置によると、基板Pbを第2エア浮上ユニット70上で基板保持枠56に保持させた状態で、第1エア浮上ユニット69上に向けて搬送することとしているので、上記第8の実施形態のようにベルト駆動式を用いる場合に比べて迅速(上記第8の実施形態では、XY方向に拘束されない状態で搬送されるので高速搬送は困難である)に基板Pbを移動させることができる。従って、上記第8の実施形態と比べて基板交換のサイクルタイムを短縮できる。
また、上記第8の実施形態に対し、基板保持枠56の制御系及び計測系を変更することなくXリニアモータの固定子90を+X方向に延長するだけで(すなわちコストアップを抑制しつつ)、基板保持枠56を第2エア浮上ユニット70上に移動させることができる。また、基板搬入装置50aに基板送り装置73を設ける必要がない。
《第10の実施形態》
次に、第10の実施形態について、図32(A)〜図32(C)に基づいて説明する。ここで、前述した第8の実施形態と異なる点について説明し、上記第8の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
本第10の実施形態に係る液晶露光装置では、図32(A)に示されるように、基板保持枠として、前述の基板保持枠156を有する。基板保持枠156は、基板保持枠56よりも剛性が高い。基板保持枠156は、その一対のX枠部材80Xとその一対のY枠部材80Yとで基板Pの四方(外周)を囲んだ状態で4つの支持部82により基板Pを支持する。
また、第10の実施形態では、図32(B)に示されるように、第2エア浮上ユニット70は、その上面が基板保持枠156よりも高くなる位置に配置されている。
第10の実施形態に係る液晶露光装置では、基板交換の際、図32(B)に示されるように、上記第8の実施形態と同様に、第1エア浮上ユニット69上で基板保持枠156による基板Paの保持が解除された後、基板Paを支持する第1エア浮上ユニット69が上昇されて上記第2位置に位置する。そして、基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送された後、第1エア浮上ユニット69が下降される。そして、図32(C)に示されるように、第1エア浮上ユニット69の上面が第2エア浮上ユニット70の上面と同じ高さになったときに(このときの第1エア浮上ユニット69のZ位置を第3位置と称する)、第1エア浮上ユニット69が停止され、上記第8の実施形態と同様に、基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に搬送される。次いで、基板Pbを支持する第1エア浮上ユニット69が下降されて上記第1位置に位置し、基板Pbは上記第8の実施形態と同様に基板保持枠156に保持される。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。なお、第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
以上説明したように、本第10の実施形態では、上記第8及び第9の各実施形態と異なり、基板保持枠156が基板の四方(外周)を囲んだ状態で基板を保持するので、基板保持枠156と基板とを水平方向に相対移動させることにより基板保持枠156内に直接的に基板を搬入することができない。そこで、第10の実施形態では、上述のように第1及び第2エア浮上ユニット69、70間の基板の搬送経路を基板保持枠156のZ位置から外れた位置に設定し、第1エア浮上ユニット69を基板保持枠156に対し上下動させることにより、基板保持枠156内への基板の搬入が可能とされている。
《第11の実施形態》
次に、第11の実施形態について、図33(A)及び図33(B)に基づいて説明する。上記第8〜第10の各実施形態において基板の搬入経路と搬出経路の高さが異なるのに対し、第11の実施形態では、図33(A)に示されるように、基板の搬入経路と搬出経路の高さが同じ高さに設定されている。
第11の実施形態に係る基板交換装置250では、図33(A)に示されるように、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70、及び基板搬出装置50bの第3エア浮上ユニット75が、それぞれ基板保持枠56の+Y側及び−Y側の斜め上方に、かつそれぞれの上面が同一水平面上に位置するように配置されている。
本第11の実施形態に係る液晶露光装置では、基板交換の際、上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69上において基板Paの基板保持枠56による保持が解除された後、基板Paを支持する第1エア浮上ユニット69(図33(A)参照)を上昇させて、第1エア浮上ユニット69を、第2及び第3エア浮上ユニット70、75間に、その上面が第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面と同じ高さになるように(同一水平面上に位置するように)位置させる(図33(B)参照)。そして、基板Paが上記第8の実施形態と同様に第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に向けて搬送開始されると同時に、基板Pbが上記第8の実施形態と同様に第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に向けて搬送開始される。ここで、基板Pa及び基板Pbの搬送速度は、同じに設定されており、基板Pa及び基板Pbは、一定間隔を保ったまま(基板Pbが基板Paに追従して)同一方向(図33(A)では−Y方向)に搬送される。次いで、基板Pbを支持する第1エア浮上ユニット69が下降されて上記第1位置に位置し、基板Pbが上記第8の実施形態と同様に基板保持枠56に保持される。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。なお、第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
第11の実施形態に係る液晶露光装置によると、基板交換の際、第1エア浮上ユニット69が第2及び第3エア浮上ユニット70、75双方に隣接する位置に位置するので、第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75への基板の搬出、及び第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上への基板の搬入を並行して(同期して)行うことができる。従って、第1エア浮上ユニット69と基板交換装置50との間での基板交換を極めて迅速に行うことができる。
なお、上記第8〜第11の各実施形態の構成は、適宜変更可能である。例えば、上記第8〜第10の各実施形態では、基板交換装置50は、第1エア浮上ユニット69が上記第1位置(又は上記第3位置)に位置するときに基板を搬入し、上記第2位置に位置するときに基板を搬出することとしているが、逆でも良い。この場合、次の基板Pbが第3エア浮上ユニット75上に用意される。そして基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第2エア浮上ユニット70上に水平移動して搬出され(上記第8及び第10の実施形態のような送り装置73を用いても良いし、上記第9の実施形態のように基板保持枠56を用いても良い)、次いで基板Pbが第1及び第3エア浮上ユニット69、75のそれぞれの上面により形成される水平面(移動面)に沿って搬送(搬入)される。なお、上記第8及び第9の各実施形態では、基板Paと支持部82との間の摩擦抵抗が高い場合に、例えば図28(C)〜図28(A)の順で支持部82を退避させた後に、基板Paを第1エア浮上ユニット69上から第2エア浮上ユニット70上へ搬送しても良い。これにより、基板Paに傷が付くことが防止される。
上記第8及び第10の各実施形態では、第3エア浮上ユニット75が第2エア浮上ユニット70の上方に配置されているが、下方に配置されても良い。この場合、上記第8の実施形態では、第1エア浮上ユニット69の上面を基板保持枠よりも高い位置に位置させる必要がないので、基板保持枠と第1エア浮上ユニット69とが上下に重なっても構わない。従って、基板保持枠の設計、及び基板保持枠の第1エア浮上ユニット69に対する配置の自由度が向上する。但し、この場合、基板を支持する第1エア浮上ユニット69を基板保持枠56に対し上下動させる際には、支持部82を退避させておく必要がある。
上記第9の実施形態では、第3エア浮上ユニット75が第2エア浮上ユニット70の下方に配置されているが、上方に配置されても良い。この場合、例えば、先ず、上記第1位置にて基板Paを支持する第1エア浮上ユニット69が上昇されて上記第2位置に位置するとともに、基板保持枠56が+X方向に駆動されて第2エア浮上ユニット70上に位置する。この場合、第1エア浮上ユニット69の上下動機構部は、基板保持枠56と干渉しないように上から吊り下げるように構成しても良い。次いで、基板Paが第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬出されるとともに、第2エア浮上ユニット70上にて基板Pbが基板保持枠56に保持される。その後、第1エア浮上ユニット69が下降されて上記第1位置に位置するとともに、基板Pbを保持する基板保持枠56が−X方向に駆動されて基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット69上に搬入される。
上記第10の実施形態では、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面が基板保持枠156よりも高い位置に位置しているが、第1エア浮上ユニット69の上面よりも低い位置(より詳細には、第2及び第3エア浮上ユニット70、75の上面に基板が載置されたときに、その基板のZ位置が基板保持枠156よりも低くなる位置)に位置しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69の上面を基板保持枠よりも高い位置に位置させる必要がないので、基板保持枠と第1エア浮上ユニット69とが上下に重なっても構わない。従って、基板保持枠の設計、及び基板保持枠の第1エア浮上ユニット69に対する配置の自由度が向上する。但し、基板を支持する第1エア浮上ユニット69を基板保持枠56に対し上下動させる際には、支持部82を退避させておく必要がある。
上記第8〜第10の各実施形態では、第2エア浮上ユニット70と第3エア浮上ユニット75とが上下方向に重ねて配置されている(基板Pa及び基板Pbは、Z軸方向に離間する互いに平行な一対の水平軸方向のそれぞれ一側及び他側に搬送される)が、例えば、第2エア浮上ユニット70が第1エア浮上ユニット69の+X側に、第3エア浮上ユニット75が第1エア浮上ユニット69の+Y側(又は−Y側)に、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面の高さが異なるように配置されても良い。この場合、搬入対象の基板Pbは−X方向に搬送され、搬出対象の基板Paは基板Paと異なるZ位置にて+Y方向(又は−Y方向)に搬送される。すなわち、基板Pa及び基板Pbは、平面視で互いに直交する方向に搬送される。また、第3エア浮上ユニット75が第1エア浮上ユニット69の+X側に、第2エア浮上ユニット70が第1エア浮上ユニット69の+Y側(又は−Y側)に、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面の高さが異なるように配置されても良い。この場合、基板Pbは−Y方向(又は+Y方向)に搬送され、基板Paは+X方向に搬送される。すなわち、基板Pa及び基板Pbは、平面視で互いに直交する方向に搬送される。なお、上記の場合において、基板をY軸方向に搬送する際には、基板保持枠(X枠部材80X)のZ位置から外れた高さで基板を搬送できるように第2又は第3エア浮上ユニット70、75のZ位置を設定する必要がある。
上記第11の実施形態では、基板の搬入及び搬出方向が−Y方向とされているが、例えば+Y方向、+X方向又は−X方向としても良い。基板の搬入及び搬出方向を+X方向又は−X方向とする場合には、例えば、第2及び第3エア浮上ユニット70、75の一方を第1エア浮上ユニット69の+X側の斜め上方に位置させ、他方を第1エア浮上ユニット69の−X側の斜め上方に位置させるとともに、基板保持枠56のY枠部材80Yを例えば一対のX枠部材80Xそれぞれの上面に固定するなどして、基板を基板保持枠56に対しX軸方向の両側から搬入及び搬出可能にする。
上記第11の実施形態では、第2及び第3のエア浮上ユニット70、75のそれぞれが、上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69の斜め上方に配置されているが、例えば上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69の斜め下方に配置されても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69の上面を基板保持枠56の上方に位置させる必要がないので、基板保持枠の設計、及び第1エア浮上ユニット69に対する配置の自由度が向上する。
上記第11の実施形態では、第2及び第3のエア浮上ユニット70、75が、第1エア浮上ユニット69の+Y側及び−Y側に、すなわちY軸方向に離間させて配置されているが(基板Pa及び基板Pbは、同一方向(例えば−Y方向)に移動する)、例えば、第2エア浮上ユニット70が第1エア浮上ユニット69の+X側に、第3エア浮上ユニット75が第1エア浮上ユニット69の+Y側(又は−Y側)に、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面が同じ高さになるように配置されても良い。この場合、基板Paは+Y方向(又は−Y方向)に搬送され、基板Pbは基板Paと同じZ位置にて−X方向に搬送される。すなわち、基板Pa及び基板Pbは、互いに直交する方向に搬送される。また、第3エア浮上ユニット75が第1エア浮上ユニット69の+X側に、第2エア浮上ユニット75が第1エア浮上ユニット69の+Y側(又は−Y側)に、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面が同じ高さになるように配置されても良い。この場合、基板Paは+X方向に搬送され、基板Pbは基板Paと同じZ位置にて−Y方向又は+Y方向に搬送される。すなわち、基板Pa及び基板Pbは、互いに直交する方向に搬送される。
上記第8〜第11の各実施形態では、基板保持枠により基板を保持する際、第1エア浮上ユニット69を上下動させるか(図28(A)〜図28(C)参照)又は第2エア浮上ユニット70を上下動させたが基板保持枠において、支持部82を上下動可能に構成し、支持部82を上下動することにより基板を基板保持枠に保持させても良い。
上記第8〜第11の各実施形態では、基板保持枠により基板を保持する際、第1エア浮上ユニット69又は第2エア浮上ユニット70を上下動させたが、これに代えて、例えば第1エア浮上ユニット69又は第2エア浮上ユニット70による基板の浮上量を増減させても良い。
上記第10の実施形態では、第2エア浮上ユニット70を、その上面に支持された基板PbのZ位置が基板保持枠156のZ位置から外れる高さに配置しているが、これに代えて、例えば基板保持枠156を上下動可能とし、かつ上記第8及び第9の各実施形態と同様に第2エア浮上ユニット70の上面を上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置させても良い。これにより、基板保持枠156を第2エア浮上ユニット70上の基板PbのZ位置から外れる高さに位置させて、基板Pbを第2エア浮上ユニット70上から上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69上へ移動させることができる。
上記第8の実施形態では、第3エア浮上ユニット75の上面が、基板保持枠56よりも高い位置にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置しているが、これに代えて、第3エア浮上ユニット75の上面が、基板保持枠56内(一対のX枠部材80X間)に挿通状態にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置しても良い。この場合、第1エア浮上ユニット69が基板保持枠56に挿通された状態で、第1エア浮上ユニット69の上面が第3エア浮上ユニット75の上面と同じ高さに位置した後、基板が第1エア浮上ユニット69上から第3エア浮上ユニット75上に搬送される。従って、第1エア浮上ユニット69のZ軸方向の移動ストロークを短くできるので、第1エア浮上ユニット69と基板交換装置250との間での基板交換を迅速にできる。
上記第11の実施形態では、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれの上面が、基板保持枠56よりも高い位置にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置しているが、これに代えて、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面が、基板保持枠56に挿通状態にある第1エア浮上ユニット69の上面と同じ高さに位置しても良い。これにより、第1エア浮上ユニット69のZ軸方向の移動ストロークを短くできるので、第1エア浮上ユニット69と基板交換装置250との間での基板交換を迅速にできる。
上記第9の実施形態では、基板Pbが基板保持枠56に保持された状態で第1エア浮上ユニット69上に搬入されているが、これに代えて、基板Paが基板保持枠56により保持された状態で第1エア浮上ユニット69上から搬出されても良い。この場合、例えば、第3エア浮上ユニット75上に基板Pbが用意され、上記第1位置にある第1エア浮上ユニット69上で基板Paを保持する基板保持枠56が第2エア浮上ユニット70上に搬送された後、第1エア浮上ユニット69が下降されて上記第2位置に位置する。次いで、第2エア浮上ユニット70上で基板Paの保持が解除されるとともに、基板Pbが第3エア浮上ユニット75上から第1エア浮上ユニット69上に搬入される。そして、基板保持枠56が第1エア浮上ユニット69上に搬送された後、基板Pbを支持する第1エア浮上ユニット69が上昇されて上記第1位置に位置して基板Pbが基板保持枠56内に位置する。
上記第8及び第9の各実施形態では、基板Pbのみを基板保持枠に向けて水平移動又は基板保持枠を基板Pbに向けて水平移動させることにより、基板Pbを基板保持枠内に位置させることとしているが、これに代えて、例えば、第1エア浮上ユニット69を上昇又は下降させて基板Pb及び第2エア浮上ユニット70のZ位置から外れた位置に位置させた後、基板Pbを支持する第2エア浮上ユニット70を基板保持枠に向けて水平移動させて基板Pbを基板保持枠内に位置させることとしても良い。
上記第8〜第11の各実施形態では、第1エア浮上ユニット69はその上面が水平に維持されつつ上下方向(鉛直方向)に駆動されているが、これに限らず、例えば、第1エア浮上ユニット69を、その上面を水平に維持しつつ水平面に対する傾斜方向(水平面に交差する方向)に駆動しても良い。
上記第11の実施形態では、搬出対象の基板Paと搬入対象の基板Pbの搬送開始時点を同じにしているが、ずらしても良い。例えば基板Paの搬送開始時点を基板Pbよりも早くする場合には、基板Pbの搬送速度を基板Paよりも速く(基板Paに追いつかない程度に)することが好ましい。一方、例えば基板Paの搬送開始時点を基板Pbよりも遅くする場合には、基板Paの搬送速度を基板Pbの搬送速度以上に(基板Pbに追いつかれない程度に)する必要がある。
上記第11の実施形態では、基板Paと基板Pbの搬送速度を同じにしているが、異ならせても良い。但し、基板Paと基板Pbの搬送速度は、基板Pa及び基板Pbの搬送開始時点、基板Paと基板Pbとの当初の間隔に基づき基板Pbが基板Paに追いつくことがないように設定される。
《第12の実施形態》
次に、第12の実施形態について、図34〜図40(C)に基づいて説明する。ここで、上記第1の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
図34には、本第12の実施形態に係る液晶露光装置310の構成が概略的に示されている。
液晶露光装置310では、前述した基板交換装置50に代えて、基板交換装置350(図35参照)が、設けられている点、これに対応して、前述した複数のZリニアアクチュエータ74によって上下動される第1エア浮上ユニット69に代えて、後述する第1エア浮上ユニット169が設けらている点、及び基板保持枠56に代えて基板保持枠256が設けられている点、並びにエア浮上装置54の配置及び数などが、前述した第1の実施形態に係る液晶露光装置10と相違するが、その他の部分の構成は、液晶露光装置10と同様になっている。以下、相違点を中心として説明する。
図35に示されるように、複数(例えば34台)のエア浮上装置54が、基板Pが水平面に略平行となるように、基板P(ただし、定点ステージ52(図36参照)に保持される基板Pの被露光部位を除く領域)を下方から非接触支持する。
本第12の実施形態では、Y軸方向に所定間隔で配列された8台のエア浮上装置54から成るエア浮上装置群がX軸方向に所定間隔で4列配置されている。以下、エア浮上装置群を構成する8台のエア浮上装置54について便宜上−Y側から1〜8台目と称して説明する。また、4列のエア浮上装置群を便宜上−X側から順に1〜4列目と称して説明する。また、2列目のエア浮上装置群と3列目のエア浮上装置群との間には、Yビーム36が通過しており、そのYビーム36上に搭載された定点ステージ52の+Y側、及び−Y側それぞれに1台ずつエア浮上装置54が配置されている。
複数のエア浮上装置54のそれぞれは、その上面から加圧気体(例えば空気)を噴出して基板Pを非接触支持することにより、基板PがXY平面に沿って移動する際に基板Pの下面に傷が付くことを防止する。なお、複数のエア浮上装置54それぞれの上面と基板Pの下面との間の距離は、定点ステージ52のエアチャック装置62の上面と基板Pの下面との間の距離よりも長くなるように設定されている(図34参照)。複数のエア浮上装置群のうち、3列目及び4列目のそれぞれのエア浮上装置群の3〜6台目のエア浮上装置54(合計8台のエア浮上装置54)をまとめて第1エア浮上装置群81と称し、1列目及び2列目のそれぞれのエア浮上装置群の3〜6台目のエア浮上装置54(合計8台のエア浮上装置54)をまとめて第2エア浮上装置群83と称する。また、第1及び第2エア浮上装置群81、83を併せて第1エア浮上ユニット169と称する。複数(例えば34台)のエア浮上装置54のそれぞれは、図34及び図36に示されるように、その上面が互いに同一水平面上に位置するように各2本の柱状の支持部材72を介して定盤12上に固定されている。すなわち、第1エア浮上ユニット169は、上下動しない。
基板保持枠256は、図37(A)に示されるように、平面視矩形の枠状部材から成る本体部280と、基板Pを下方から支持する複数、一例として4つの支持部82とを含む。本体部280は、一対のX枠部材80Xと、一対のY枠部材80Yとを有する。一対のX枠部材80Xのそれぞれは、X軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、Y軸方向に所定間隔(基板PのY軸方向寸法よりも広い間隔)で互いに平行に配置されている。一対のY枠部材80Yのそれぞれは、Y軸方向を長手方向とするXY平面に平行な板状部材から成り、X軸方向に所定間隔(基板PのX軸方向寸法よりも広い間隔)で互いに平行に配置されている。図36及び図37(A)に示されるように、+X側のY枠部材80Yは一対のX枠部材80Xそれぞれの+X側の端部の上面に固定されており、−X側のY枠部材80Yは一対のX枠部材80Xそれぞれの−X側の端部の上面に固定されている。このように、基板保持枠256では、一対のX枠部材80Xが一対のY枠部材80Yにより連結されている。図37(A)に示されるように、−Y側のX枠部材80Xの−Y側の側面には、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡84Yが取り付けられ、−X側のY枠部材80Yの−X側の側面には、X軸に直交する反射面を有するX移動鏡84Xが取り付けられている。
4つの支持部82のうち2つは−Y側のX枠部材80Xに、他の2つは+Y側のX枠部材80Xに、それぞれX軸方向に所定間隔(基板のX軸方向寸法よりも狭い間隔)離間した状態で取り付けられている。支持部82は、YZ断面L字状の部材から成り(図38(A)参照)、XY平面に平行な部分により基板を下方から支持する。支持部82は、基板Pとの対向面に不図示の吸着パッドを有しており、基板Pを、例えば真空吸着保持する。4つの支持部82は、それぞれ不図示のZアクチュエータ(Z軸方向を駆動方向とするアクチュエータ)を介して+Y側又は−Y側のX枠部材80Xに取り付けられている。これにより、4つの支持部82は、それぞれが取り付けられたX枠部材80Xに対し、図38(A)及び図38(B)に示されるように、上下方向に移動可能になっている。Zアクチュエータは、例えばリニアモータ、エアシリンダなどを含む。
以上のように構成される基板保持枠256は、図37(A)に示されるように、平面視でその一対のX枠部材80X及び一対のY枠部材80Yにより基板Pの四方(外周)を囲んだ状態で4つの支持部82により基板Pの例えば4隅を均等に支持する。このため、基板保持枠256は、基板Pをバランス良く保持することができる。
基板保持枠256、すなわち基板PのXY平面内(θz方向を含む)の位置情報は、図35に示されるように、X移動鏡84Xに測長ビームを照射するX干渉計65X、及びY移動鏡84Yに測長ビームを照射するY干渉計65Yを含む基板干渉計システムにより求められる。
図37(A)及び図37(B)と、図4(A)及び図4(B)とを比較すると分かるように、基板保持枠256をX軸方向及びY軸方向に所定のストロークで(XY平面に沿って)駆動(及びθz方向に微小駆動)する駆動ユニット58の構成は、前述した第1の実施形態と同様である。従って、本第12の実施形態に係る駆動ユニット58の詳細説明は省略する。
基板交換装置350は、図35に示されるように、第1エア浮上ユニット169との間で基板の交換をする装置であり、基板搬入装置50a及び基板搬出装置50bを含む。
基板搬入装置50aは、第1及び第2エア浮上装置群81、83のそれぞれと同様の構成のエア浮上装置群を含む第2エア浮上ユニット70を、第2エア浮上装置群83の−X側に有している。基板搬出装置50bは、第1及び第2エア浮上装置群81、83のそれぞれと同様の構成のエア浮上装置群を含む第3エア浮上ユニット75を、第1エア浮上装置群81の+X側に有している。すなわち、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれは、XY平面に平行な平板状の部材から成るベース部材68上に搭載された複数、例えば8台のエア浮上装置99(図35参照)を有している。なお、エア浮上装置99は、エア浮上装置54と実質的に同じものである。第3エア浮上ユニット75が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、図39(A)及び図39(B)に示されるように、第1エア浮上装置群81を構成する、例えば8台のエア浮上装置54の上面(第1エア浮上装置群81の上面)と同一水平面上に位置している。同様に、第2エア浮上ユニット70が有する、例えば8台のエア浮上装置99の上面は、第2エア浮上装置群83を構成する、例えば8台のエア浮上装置54の上面(第2エア浮上装置群83の上面)と同一水平面上に位置している。
また、図39(A)及び図39(B)に示されるように、基板搬出装置50bは、ベルト73aを含む基板送り装置73(図39(A)及び図39(B)以外の他の図では不図示)を有している。ベルト73aは、一対のプーリ73bに巻き掛けられており、一対のプーリ73bが回転駆動されることにより駆動される。ベルト73aの上面には、パッド73cが固定されている。
基板送り装置73は、図示しない昇降装置により第1エア浮上装置群81に対して上下動可能に設けられている。詳述すると、基板送り装置73は、ベルト73aの上面に固定されたパッド73cが第1エア浮上装置群81の上面よりも上方に突出する上方移動限界位置(図39(B)参照)と、パッド73cが第1エア浮上装置群81の上面よりも下方に位置する下方移動限界位置(図39(A)参照)との間を上下動可能になっている。なお、上記ベルト73a、及びプーリ73bは、例えば第1エア浮上装置群81の+Y側、及び−Y側(あるいは複数のエア浮上装置54の間)などに配置されており、基板送り装置73は、第1エア浮上装置群81に接触せずに上下動する。
基板搬出装置50bは、第1エア浮上装置群81上に基板Pが載置された状態で上記上方移動限界位置に位置する基板送り装置73(図39(B)参照)のベルト73aが駆動されると、パッド73cにより基板Pを押圧して、第1エア浮上装置群81の上面に沿って移動させる(基板Pを第1エア浮上装置群81上から第3エア浮上ユニット75上に押し出す)。なお、図示は省略されているが、基板搬入装置50aも、基板搬出装置50bの基板送り装置73と同様の構成の基板送り装置(不図示)を有する。
上述のようにして構成された液晶露光装置310(図34参照)では、主制御装置20(図7参照)の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMSTへのマスクのロード、及び基板搬入装置50a(図34では不図示、図35参照)によって、基板ステージ装置PSTへの基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置20により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
上記露光動作時における基板ステージ装置PSTの動作は、前述した第1の実施形態に係る液晶露光装置10と同様なので、その説明は省略する。
本実施形態に係る液晶露光装置310では、上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の終了後、露光済みの基板Pが基板保持枠256から搬出され、別の基板Pが基板保持枠256に搬入されることにより、基板保持枠256が保持する基板Pの交換が行われる。この基板Pの交換は、主制御装置20の管理の下に行われる。以下、基板Pの交換動作の一例を図40(A)〜図40(C)に基づいて説明する。なお、図面の簡略化のため、図40(A)〜図40(C)では、基板送り装置73(図39(A)及び図39(B)参照)などの図示が省略されている。また、基板保持枠256から搬出される搬出対象の基板をPa、次に基板保持枠256に搬入される搬入対象の基板をPbと称して説明する。基板Pbは、基板搬入装置50aの第2エア浮上ユニット70上に、その−X側の端部(基板搬入方向上流側の端部)が基板搬入装置50aの基板送り装置のパッド(不図示)に当接した状態で載置されている。また、この状態では、基板Pbは、Y軸方向に関して、基板保持枠256の+Y側の支持部82及び−Y側の支持部82のそれぞれのXY平面に直交する部分の間に位置するように第2エア浮上ユニット70上での位置が調整されている。また、基板搬入装置50a及び基板搬出装置50bそれぞれの基板送り装置は、いずれも上記下方移動限界位置に位置している(図39(A)参照)。この状態で、基板搬出装置50bでは、図39(A)に示されるように、そのパッド73cは、そのX位置が基板Paの−X側の端部よりも幾分−X側になるように位置調整されている。
露光処理終了後、基板Paは、基板保持枠256がXY平面に平行な方向に駆動されることにより、図40(A)に示されるように、第1エア浮上装置群81上に移動される。このとき、図40(A)及び図38(A)に示されるように、基板保持枠256は、その4つの支持部82が第1エア浮上装置群81の上方に位置しないように(上下方向に重ならないように)、Y軸方向の位置が位置決めされる。次いで、基板保持枠256の4つの支持部82による基板Paの吸着保持が解除されるとともに、基板搬入装置50a及び基板搬出装置50bのそれぞれの基板送り装置が上記下方移動限界位置から上記上方移動限界位置に上昇される。この後、図38(B)に示されるように、基板保持枠256において4つの支持部82が本体部280に対し下方に駆動されて基板Paから離間する。この後、図40(B)に示されるように、基板Paが、基板搬出装置50bの基板送り装置73(図39(B)参照)により+X方向に駆動されて、第1エア浮上装置群81上から第3エア浮上ユニット75上へ、第1エア浮上装置群81の上面と第3エア浮上ユニット75の上面とで形成される水平面(移動面)に沿って搬送されるとともに、基板保持枠256が駆動ユニット58により−X方向に駆動される。また、これと同時に、基板Pbが、基板搬入装置50aの基板送り装置により+X方向に駆動されて、第2エア浮上ユニット70上から第2エア浮上装置群83上へ、第2エア浮上ユニット70の上面と第2エア浮上装置群83の上面とで形成される水平面(移動面)に沿って搬送される。基板保持枠256は、第2エア浮上装置群83上に位置したときに停止される。
なお、基板保持枠256では、上述のように一対のY枠部材80Yが一対のX枠部材80X上に配置されているため(図38(A)参照)、基板保持枠256に対しX軸方向に関する基板の通過が許容されている。従って、上記のように基板Paと基板保持枠256とがX軸方向に(互いに離れる方向に)相対移動する際、基板Paは、基板保持枠256の+X側のY枠部材80Yの下方を通過して一対のX枠部材80X間から抜け出す。また、上記のように基板Pbと基板保持枠256とがX軸方向に(互いに近づく向きに)相対移動する際、基板Pbは、基板保持枠256の−X側のY枠部材80Yの下方を通過して一対のX枠部材80X間に挿入される。
基板Pb及び基板保持枠256が第2エア浮上装置群83上に位置した状態で(図40(C)参照)、基板Pbは、図38(B)に示されるように、基板保持枠256の+Y側及び−Y側の支持部82のそれぞれのXY平面に直交する部分間に位置している。ここで、4つの支持部82が本体部280に対し上方に駆動されて、基板Pbが4つの支持部82により支持及び真空吸着されることにより基板保持枠256に保持される(図38(A)参照)。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。また、第1エア浮上装置群81に基板Pbを受け渡した第2エア浮上ユニット70上には、次の基板Pbが載置される。なお、この露光処理に先立って基板搬入装置50a及び基板搬出装置50bの基板送り装置が上記上方移動限界位置から上記下方移動限界位置に下降されるため、基板送り装置により露光処理時の基板ステージ装置PSTの動作が妨げられることはない。また、第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
以上のように、本第12の実施形態に係る液晶露光装置310では、上記図40(A)〜図40(C)に示される基板の交換動作が繰り返し行われることにより、複数の基板に対して連続して露光動作などが行われる。
以上説明したように、本第12の実施形態に係る液晶露光装置310によると、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、液晶露光装置310によると、第2及び第3エア浮上ユニット70、75の上面を、第2及び第3エア浮上ユニット70、75に隣接する第1エア浮上ユニット169の上面と同じ高さに位置させているので、第1エア浮上ユニット169上に位置した基板Paを第3エア浮上ユニット75上へ単に水平移動させるだけで第1エア浮上ユニット169上から搬出でき、第2エア浮上ユニット70上に位置した基板Pbを第1エア浮上ユニット169上へ単に水平移動させるだけで第1エア浮上ユニット169上に搬入できる。
すなわち、基板Paが、露光処理時に基板を支持する第1エア浮上ユニット169上から第3エア浮上ユニット75上に水平移動して直接的に搬出され、基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット169上に水平移動して直接的に搬入されるので、露光処理動作と基板交換動作との間の移行を短時間に行うことができる。
基板搬出の際、基板Paを支持する第1エア浮上装置群81上で支持部82を基板Paから離間させた後に、基板Paを第3エア浮上ユニット75上に搬送するので、基板Paに傷が付くことが防止される。
《第13の実施形態》
次に、第13の実施形態について、図41(A)〜図41(D)に基づいて説明する。ここで、前述した第12の実施形態と異なる点について説明し、上記第12の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
上記第12の実施形態において基板の搬入経路と搬出経路が同じ高さに設定されているのに対し、本第13の実施形態では、基板の搬入経路と搬出経路が異なる高さに設定されている。
第13の実施形態に係る基板交換装置250’では、図41(A)〜図41(D)に示されるように、第2及び第3エア浮上ユニット70、75が第1エア浮上装置群81の+X側に上下に所定距離離間した状態で配置され、かつ不図示の昇降装置により一体的に上下動可能となっている。以下、第2及び第3エア浮上ユニット70、75を併せてエア浮上ユニット対85と称して説明する。エア浮上ユニット対85では、第3エア浮上ユニット75が第2エア浮上ユニット70の上方に位置し、第2及び第3エア浮上ユニット70、75の上面は、いずれも水平となっている。
図41(A)に示される状態では、エア浮上ユニット対85において第3エア浮上ユニット75の上面が第1エア浮上装置群81の上面と同じ高さに位置している(このときのエア浮上ユニット対85のZ位置を第1位置と称する)。
本第13の実施形態に係る液晶露光装置では、基板交換の際、先ず、第1エア浮上装置群81上において上記第12の実施形態と同様に基板保持枠256による基板Paの保持が解除される(図41(A)参照)。次いで、基板Paが第1エア浮上装置群81上から第3エア浮上ユニット75上へ上記第12の実施形態と同様に搬送される(図41(B)参照)。そして、基板Paが第3エア浮上ユニット75上に位置した後(より詳細には、基板Pa全体が基板保持枠256の+X側のY枠部材80Yの下方を通過した後)、エア浮上ユニット対85が上昇されて第2エア浮上ユニット70の上面が第1エア浮上装置群81の上面と同じ高さになったときに停止される(図41(C)参照、このときのエア浮上ユニット対85のZ位置を第2位置と称する)。その後、基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上装置群81上へ、第2エア浮上ユニット70の上面と第1エア浮上装置群81の上面とで形成される水平面(移動面)に沿って搬送される(図41(D)参照)。このとき、基板Pbは、基板保持枠256の+Y側及び−Y側の支持部82のXY平面に直交する部分間に挿入されつつ搬送される。第1エア浮上装置群81上に位置した基板Pbは、上記第12の実施形態と同様に基板保持枠256に保持される。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。第1エア浮上装置群81に基板Pbを受け渡した第2エア浮上ユニット70上には、次の基板Pbが載置される。また、第3エア浮上ユニット75上に位置した基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。その後、エア浮上ユニット対85が下降されて上記第1位置に位置し、次の基板Paの搬出に備えられる。
本第13の実施形態に係る液晶露光装置によると、第2及び第3エア浮上ユニット70、75が第1エア浮上装置群81(定盤12)の+X側に上下に並べて配置されているので、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれが定盤12の+X側及び−X側に配置される上記第12の実施形態と比べて、液晶露光装置全体のX軸方向の寸法を短くすることができる。
また、第2及び第3エア浮上ユニット70、75から成るエア浮上ユニット対85を、第1エア浮上装置群81に対し上下動させるだけの簡易な構成で、第1エア浮上装置群81と第2エア浮上ユニット70との間、及び第1エア浮上装置群81と第3エア浮上ユニット75との間での基板の搬送を行うことができる。しかも、エア浮上ユニット対85をZ軸方向に関する2位置間で単に上下動させるだけで良いので、その制御が簡単である。
また、基板Paが第1エア浮上装置群81上に位置したときに、第3エア浮上ユニット75の上面が第1エア浮上装置群81の上面と同じ高さに位置しているので、基板Paを第1エア浮上装置群81上から第3エア浮上ユニット75上に水平移動して直接的に搬送できる。すなわち、露光動作から基板搬出動作に即座に移行できる。
なお、本第13の実施形態では、基板保持枠256が+X側のY枠部材80Yを有するため、基板P全体が+X側のY枠部材80Yの下方を通過するまでエア浮上ユニット対85を上昇させることができない。そこで、例えば、基板保持枠を、基板保持枠256から+X側のY枠部材80Yを取り去った構成(平面視U字状の構成)としても良い。かかる場合には、基板Paの搬送中にエア浮上ユニット対85を上昇させることができる。そして、エア浮上ユニット対85の上昇に併せて基板Pbの搬入動作を開始しても良い。これにより、基板保持枠256に対する基板の搬出動作と搬入動作を一部並行して行うことができ、基板交換のサイクルタイムを短縮できる。
《第14の実施形態》
次に、第14の実施形態について、図42(A)及び図42(B)に基づいて説明する。ここで、前述した第12の実施形態と異なる点について説明し、上記第12の実施形態と同一若しくは同等の部材には同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
上記第12の実施形態において基板保持枠256をX軸方向(スキャン方向)に移動させて基板保持枠256に対する基板の搬入を行っているのに対し、第14の実施形態では、基板保持枠256をY軸方向(ステップ方向)に移動させて基板保持枠256に対する基板の搬入を行う。以下、3列目及び4列目のエア浮上装置群のそれぞれの5台目〜8台目のエア浮上装置54(合計8台のエア浮上装置54)を併せて第3エア浮上装置群87と称し、3列目及び4列目のエア浮上装置群のそれぞれの1台目〜4台目のエア浮上装置54(合計8台のエア浮上装置54)を併せて第4エア浮上装置群89と称し、第3及び第4エア浮上装置群87、89を併せて第1エア浮上ユニット269と称して説明する。
本第14の実施形態に係る基板交換装置450では、第2及び第3エア浮上ユニット70、75が、図42(A)に示されるように、定盤12(第1エア浮上ユニット269)の+X側にY軸方向に並べて配置されている。詳述すると、第2及び第3エア浮上ユニット70、75は、それぞれ第4及び第3エア浮上装置群89、87に隣接して配置されている。すなわち、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のそれぞれは、そのY位置が基板保持枠256のY軸方向に関する移動ストロークの範囲内にある。また、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれの上面は、第1エア浮上ユニット269の複数のエア浮上装置54の上面と同一水平面上に位置している。
本第14の実施形態に係る液晶露光装置では、基板交換の際、基板保持枠256に保持された基板Paが第3エア浮上装置群87上に位置する。次いで、第3エア浮上装置群87上で基板保持枠256による基板Paの保持が解除された後、基板Paが第3エア浮上装置群87上から第3エア浮上ユニット75上へ搬送される(図42(A)参照)。基板Paが第3エア浮上ユニット75上に位置した後(より詳細には、基板Pa全体が+X側の支持部82よりも+X側に位置した後)、基板保持枠256が−Y方向に駆動されて第4エア浮上装置群89上に位置する。そして、基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第4エア浮上装置群89上へ搬送され(図42(B)参照)、第4エア浮上装置群89上で基板保持枠256に保持される。以降、アライメント計測、ステップ・アンド・スキャン方式の露光処理が行われる。なお、第3エア浮上ユニット75上に搬送された基板Paは、不図示の基板搬送装置により、例えばコータ・ディベロッパ装置などの外部装置に搬送される。
本第14の実施形態に係る液晶露光装置によると、基板交換の際、基板保持枠256をY軸方向、すなわちステップ方向(スキャン方向であるX軸方向に比べて移動ストロークが短い)に駆動することとしているので、上記第12の実施形態と比べ、基板保持枠256の移動ストロークを短くすることができる。従って、基板保持枠256からの基板Paの搬出終了時から基板保持枠256への基板Pbの搬入開始時までの時間を短縮でき、これにより、基板保持枠256に対する基板交換の迅速化を図れる。
また、本第14の実施形態によると、第2及び第3エア浮上ユニット70、75が+X側に配置されているので、第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれが定盤12の+X側及び−X側に配置されている上記第12の実施形態と比べ、液晶露光装置全体のX軸方向の寸法を短くすることができる。
なお、上記第12〜第14の各実施形態の構成は、適宜変更可能である。例えば、上記第12〜第14の各実施形態では、基板交換装置は、第1エア浮上ユニット上から第3エア浮上ユニット75上へ基板を搬出し、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット上へ基板を搬入することとしているが、逆でも良い。この場合、搬入対象の基板Pbが第3エア浮上ユニット75上に用意される。そして基板Paが第1エア浮上ユニット上から第2エア浮上ユニット70上に水平移動して搬出され、次いで基板Pbが第3エア浮上ユニット75上から第1エア浮上ユニット上に水平移動して搬入される。
上記第13の実施形態では、第2エア浮上ユニット70が第3エア浮上ユニット75の下方に配置されているが、上方に配置されても良い。この場合、基板Paが第1エア浮上装置群81上から第3エア浮上ユニット75上に水平移動して搬出された後、エア浮上ユニット対85が下降されて基板Pbが第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上装置群81上に水平移動して搬入される。
上記第12及び第14の各実施形態では、基板の搬出方向及び搬入方向の双方をX軸方向としているが、例えば基板の搬出方向及び搬入方向の双方をY軸方向としても良い。具体的には、例えば第2及び第3エア浮上ユニット70、75を、第1エア浮上ユニットをY軸方向に関して挟む位置に配置し、基板の搬出方向及び搬入方向を同一方向(双方を+Y方向又は−Y方向)とする。また、例えば第2及び第3エア浮上ユニット70、75を第1エア浮上ユニットの+Y側(又は−Y側)にX軸方向に並べて配置し、基板の搬出方向及び搬入方向を逆方向(一方を+Y方向、他方を−Y方向)とする。但し、基板をY軸方向に搬送するためには、例えば、基板保持枠256をその中心を通りZ軸に平行な軸線周りに90°回転した構成にして(但し、X枠部材80XとY枠部材80Yの寸法を入れ替える必要あり)、基板保持枠に対し基板をY軸方向に出し入れ可能にする必要がある。
上記第13の実施形態では、基板の搬出方向及び搬入方向の双方をX軸方向としているが、例えば基板の搬出方向及び搬入方向の双方をY軸方向としても良い。具体的には、例えばエア浮上ユニット対85を第1エア浮上ユニットの+Y側(又は−Y側)に上下動可能に設けて、基板の搬出方向及び搬入方向を逆方向(一方を+Y方向、他方を−Y方向)としても良い。但し、基板をY軸方向に搬送するためには、基板保持枠に対し基板をY軸方向に出し入れ可能にする必要がある。
上記第12及び第14の各実施形態では、基板の搬出方向及び搬入方向の双方をX軸方向としているが、例えば基板の搬出方向及び搬入方向の一方をX軸方向、他方をY軸方向としても良い。具体的には、第2及び第3エア浮上ユニット70、75の一方を第1エア浮上ユニットの+X側(又は−X側)に配置し、他方を第3エア浮上ユニットの+Y側(又は−Y側)に配置する。但し、基板をX軸方向及びY軸方向に搬送するためには、基板保持枠に対し基板をX軸方向及びY軸方向に出し入れ可能にする必要がある。
上記第12〜第14の各実施形態では、基板保持枠から基板を搬出する際、及び基板保持枠に基板を保持させる際、支持部82を上下動させたが(図38(A)及び図38(B)参照)、第1エア浮上ユニットのエア浮上装置群を上下動可能に構成し、このエア浮上装置群を上下動させても良い。
上記第12〜第14の各実施形態では、基板保持枠から基板を搬出する際、及び基板保持枠に基板を保持させる際、支持部82を上下動させたが(図38(A)及び図38(B)参照)、図38(B)及び図38(C)に示されるように、支持部82を水平方向に移動させるようにしても良い。
上記第12〜第14の各実施形態では、基板保持枠から基板を搬出する際、及び基板保持枠に基板を保持させる際、支持部82を上下動させたが、第1エア浮上ユニットのエア浮上装置群による基板の浮上量を増減させても良い。
上記第13の実施形態では、エア浮上ユニット対85は上下方向(鉛直方向)に駆動されるが、水平面に対する傾斜方向(水平面に交差する方向)に駆動されても良い。この場合、エア浮上ユニット対85を構成する第2及び第3エア浮上ユニット70、75それぞれを第1エア浮上装置群81に隣接する位置に個別に移動可能とするために、第2及び第3エア浮上ユニット70、75のXY平面(水平面)に平行な方向に関する位置を適宜ずらす必要がある。
上記第13の実施形態では、第2及び第3エア浮上ユニット70、75は一体的に上下動されるが、個別に上下方向又は水平面に対する交差方向に駆動されても良い。
上記第12の実施形態では、第1及び第2エア浮上ユニット169、70間、及び第1及び第3エア浮上ユニット169、75間の双方で基板送り装置73を用いて基板を搬送しているが、これらの少なくとも一方で基板保持枠256を用いて基板を搬送(基板を基板保持枠256に保持させた状態で搬送)しても良い。これにより、上記第12の実施形態に係る基板送り装置73のようにベルト駆動式を用いる場合に比べて迅速(上記第12の実施形態では、XY方向に拘束されない状態で搬送されるので高速搬送は困難である)に基板を移動させることができる。従って、上記第12の実施形態と比べて基板交換のサイクルタイムを短縮できる。また、基板搬入装置50a及び基板搬出装置50bの少なくとも一方に基板送り装置73を設ける必要がなくなる。具体的には、図43(A)及び図43(B)に示されるように、基板保持枠256をX軸方向に駆動するためのXリニアモータの固定子90を、上記第12の実施形態に比べて+X側及び−X側の少なくとも一方に長くすることにより、基板保持枠256を第2及び第3のエア浮上ユニット70、75上の少なくとも一方に移動可能にする(図43(A)及び図43(B)では、X固定子90が+X側及び−X側の双方に長くされている)。この際、上記第12の実施形態に対し、基板保持枠256の制御系及び計測系を変更する必要がないのでコストアップを抑制できる。基板搬出時に基板保持枠256を用いる場合には、図43(A)に示されるように、搬出対象の基板Paを保持する基板保持枠256を第1エア浮上ユニット169上から第3エア浮上ユニット75上に移動させ、第3エア浮上ユニット75上にて基板保持枠256による基板Paの保持を解除する。そして、基板保持枠256のみを第3エア浮上ユニット75上から第1エア浮上ユニット169上に移動させる。基板搬入時に基板保持枠256を用いる場合には、図43(B)に示されるように、基板保持枠256を第1エア浮上ユニット169上から搬入対象の基板Pbを支持する第2エア浮上ユニット70上に移動させ、第2エア浮上ユニット70上で基板保持枠256に基板Pbを保持させる。そして、基板Pbを保持した基板保持枠256を第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット169に移動させる。なお、基板搬出時及び基板搬入時の双方で基板保持枠256を用いる場合には、例えば、基板保持枠256は、基板Paを保持した状態で第1エア浮上ユニット169上から第3エア浮上ユニット75に移動され、第3エア浮上ユニット75上にて基板Paの保持を解除した後、第3エア浮上ユニット75上から第1エア浮上ユニット169上を経由して第2エア浮上ユニット70上に移動され、第2エア浮上ユニット70上にて基板Pbを保持した後、第2エア浮上ユニット70上から第1エア浮上ユニット169上に移動される。
上記第14の実施形態では、第1及び第2エア浮上ユニット269、70間、並びに第1及び第3エア浮上ユニット269、75間の双方で基板送り装置73を用いて基板を搬送しているが、これらの少なくとも一方で基板保持枠256を用いて基板を搬送(基板を基板保持枠256に保持させた状態で搬送)しても良い。具体的には、基板保持枠256をX軸方向に駆動するためのXリニアモータの固定子を、上記第12の実施形態に比べて+X側に長くして、基板保持枠256を第2及び第3のエア浮上ユニット70、75上の少なくとも一方に移動させる。
上記第13の実施形態では、第1及び第2エア浮上ユニット169、70間、及び第1及び第3エア浮上ユニット169、75間の双方で基板送り装置73を用いて基板を搬送しているが、これらの少なくとも一方で基板保持枠256を用いて基板を搬送(基板を基板保持枠256に保持させた状態で搬送)しても良い。
上記第12〜第14の各実施形態では、基板保持枠として平面視矩形枠状のものを用いているが、これに限らず、例えば、平面視で、U字状、楕円枠状、菱型枠状のものなどを用いても良い。但し、いずれにしても、基板保持枠に、X軸方向に基板の通過を許容する開口を形成する必要がある(上記第12の実施形態の場合には、基板保持枠の+X端及び−X端に上記開口を形成する必要があり、上記第13及び第14の各実施形態の場合には、基板保持枠の+X端に上記開口を形成する必要がある。
上記第14の実施形態では、基板保持枠256に対する基板の出し入れを行う際、基板保持枠256を第2及び第3エア浮上ユニット70、75に対しY軸方向に移動させているが、これに代えて又はこれに加えて、第2及び第3エア浮上ユニット70、75を基板保持枠256に対しY軸方向に移動させても良い。
なお、上記第1〜第14の各実施形態(以下、上記各実施形態と表記する)に係る基板搬入装置50a及び基板搬出装置50bのそれぞれ(但し、第9の実施形態に係る基板搬入装置を除く)は、ベルトを73aを含む基板送り装置73により基板を搬送したが、エア浮上ユニット上で基板を一軸方向に駆動できれば、駆動装置の構成はこれに限らず、例えばエアシリンダなどの他の一軸アクチュエータを用いて基板を駆動しても良い。また、チャック装置などを用いて基板を把持した状態で搬送しても良い。
また、上記各実施形態では、複数のエア浮上装置を用いて基板を非接触支持したが、基板を水平面に沿って移動させる際に基板の下面に傷が付くことを防止できれば、ボールベアリングなどの転動体上で基板を移動させても良い。
また、上記各実施形態に係る移動体装置(基板ステージ装置PST)は、露光装置以外にも適用可能である。例えば基板検査装置などに用いても良い。また、定点ステージ52は、必ずしも設けなくても良い。基板保持枠はθz方向に回転できなくても良い(X可動子に保持枠が固定されていても良い)。
また、上記各実施形態では、基板保持枠のXY平面内の位置情報は、基板保持枠に設けられた移動鏡に測長ビームを照射するレーザ干渉計を含むレーザ干渉計システムにより求められたが、基板保持枠の位置計測装置としては、これに限らず、例えば二次元エンコーダシステムを用いても良い。この場合、例えば基板保持枠にスケールを設け、ボディ等に固定されたヘッドにより基板保持枠の位置情報を求めても良いし、あるいは基板保持枠にヘッドを設け、例えばボディ等に固定されたスケールを用いて基板保持枠の位置情報を求めても良い。
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、上記各実施形態では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。
また、上記各実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は拡大系及び縮小系のいずれでも良い。
また、上記各実施形態では、露光装置が、スキャニング・ステッパである場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に上記各実施形態を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の投影露光装置にも上記各実施形態は適用することができる。また、上記各実施形態は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができる。
また、上記各実施形態においては、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記各実施形態を適用できる。
なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。
なお、上記各実施形態に係る露光装置は、一辺の長さが500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。
《デバイス製造方法》
次に、上記各実施形態に係る液晶露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。上記各実施形態に係る液晶露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることができる。
〈パターン形成工程〉
まず、上述した上記各実施形態に係る液晶露光装置を用いて、パターン像を感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に形成する、いわゆる光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成される。
〈カラーフィルタ形成工程〉
次に、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列された、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。
〈セル組み立て工程〉
次に、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。例えば、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
〈モジュール組立工程〉
その後、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。
この場合、パターン形成工程において、上記各実施形態に係る液晶露光装置を用いて高スループットかつ高精度でプレートの露光が行われるので、結果的に、液晶表示素子の生産性を向上させることができる。