JP6291892B2 - マルチコア光ファイバ母材製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチコア光ファイバ母材を製造する方法に関するものである。
軸方向に延在する複数のコアを共通のクラッド内に有するマルチコア光ファイバは、複数のコアそれぞれにより信号光を伝送することができるので、大容量の情報を伝送することができる。大容量の高速変調信号を伝送するために、マルチコア光ファイバは、複数のコアそれぞれが、信号歪みの原因となる偏波モード分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)が小さいことが望まれ、また、複数のコアそれぞれを相互に精度よく接続できるようにするため、複数のコアそれぞれは各コアに対する位置精度が高いことが望まれる。
非特許文献1には、7個のコアを有するマルチコア光ファイバの試作例が記載されており、各コアのPMDが0.13ps/√km程度であったと報告されている。また、非特許文献2には、19個のコアを有するマルチコア光ファイバの試作例が記載されており、各コアのPMDが0.05〜0.08ps/√km程度であったと報告されている。
通常、コアには、不均一な応力によって複屈折が生じている。特許文献1には、各コアの周囲のクラッド中に気泡を有するマルチコア光ファイバの発明が開示されている。前記気泡の存在により、コアに付与される残留応力の不均一性を緩和することができる。これにより、コアに発生する複屈折が減少し、各コアのPMDを0.03〜0.04ps/√kmに低減することができるとされている。なお、特許文献1には、気泡を有しない比較例のマルチコア光ファイバでは外周コアのPMDが0.2ps/√kmであったと記載されている。
特開2013−20207号公報
Tetsuya Hayashi, OFC/NFOEC2011PDPC2 Katsunori Imamura, IEEE Summertopicals2012 TuC4.3
シングルコア光ファイバの場合、PMDを低減するために、光ファイバを線引する際に揺動線引を行うことが知られている。しかし、複数のコアが接近して配置されているマルチコア光ファイバの場合、揺動線引を行っても、各コア間のコア間隔の微小なばらつきそのまま残り、コア間のクロストークが変動することに加えて、中心コアと周辺コアなど断面内に分布したコアに捻じりを均一に付与することが難しく、揺動線引しても、PMDを全てのコアで低減することが難しい。線引き時にコアが非円する場合には、PMDの増大の一因となるが、コア位置が変動する一因になり、また、マルチコア光ファイバ同士を接続する際の接続損失の増加も発生し、問題となる。
特許文献1に開示された発明のマルチコア光ファイバは、各コアの周囲の気泡が応力の不均一性を緩和することで、各コアのPMDを低減するものである。しかし、気泡を有するマルチコア光ファイバは、端面に露出した気泡部にダストが付着しやすく、ファイバ接続をする際に接続端面におけるダストによる接続損失の増加が発生しやすい。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、各コアのPMDを低減することができるとともに各コアの位置精度を高くすることができるマルチコア光ファイバ母材製造方法を提供することを目的とする。
本発明のマルチコア光ファイバ母材製造方法は、マルチコア光ファイバ母材を製造する方法であって、ガラスロッドを穿孔してコア材を挿入するための複数の空孔を設けることによりジャケット材を作製するジャケット材作製工程と、前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれの内部にハロゲンガスを流しながら前記ジャケット材を加熱して前記複数の空孔それぞれの内面を清浄化処理する清浄化処理工程と、前記清浄化処理工程の後に前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれにコア材を挿入するコア材挿入工程と、前記コア材挿入工程の後に、外部熱源をジャケット材の中心軸に対し相対的に平行に移動させながら、前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれの外縁部が軟化しない温度となる範囲で前記ジャケット材を加熱する蓄熱工程と、前記蓄熱工程の後に前記ジャケット材を加熱して前記ジャケット材と前記コア材とを一体化しマルチコア光ファイバ母材を製造する一体化工程と、を有する。前記蓄熱工程において前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれの外縁部の蓄熱温度を1700K未満の範囲とするのが好適である。
本発明のマルチコア光ファイバは、上記のマルチコア光ファイバ母材製造方法により製造されたマルチコア光ファイバ母材を線引して製造されたものであるが、一体化工程と線引き工程とを同時に行うロッドイン線引き法によるものであってもよい。その場合には、蓄熱の実施のため、線引前に母材を予め加熱・保温する工程を設ける、または、線引き中に、母材上部において、母材を保温するための断熱材(図示せず)もしくは補助的に加熱するためのヒータ(図示せず)を設けて蓄熱することが好適である。本発明のマルチコア光ファイバは、全てのコアの非円率が0.25%以下であるのが好適である。全てのコアのPMDが0.1ps/√km以下であるのが好適である。また、極座標表示で、全てのコアの中心位置のr偏心が1μm以下であり、全てのコアの中心位置のθ偏心が0.5°以下であるのが好適である。
本発明によれば、マルチコア光ファイバの各コアのPMDを低減することができるとともに各コアの位置精度を高くすることができる。
シングルコア光ファイバ母材をロッドインコラプス法により製造するプロセスを説明する図である。 マルチコア光ファイバ母材をロッドインコラプス法により製造するプロセスを説明する図である。 本実施形態のマルチコア光ファイバ母材製造方法の蓄熱工程を説明する図である。 シミュレーションの条件を説明する図である。 シミュレーションで用いた材料の諸特性を纏めた表である。 SiO2の熱伝導率の温度依存性を示すグラフである。 ArガスおよびO2ガスそれぞれの熱伝導率の温度依存性を示すグラフである。 第1加熱パターンによるシミュレーションの結果を示す図である。 第2加熱パターンによるシミュレーションの結果を示す図である。 実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の断面図である。 実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアの非円率を纏めた表である。 実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアの非円率を示すグラフである。 実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアのPMDを纏めた表である。 実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアの位置精度を纏めた表である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
光ファイバ母材製造方法の一つであるロッドインコラプス法は、略円柱形状のガラスロッドを軸方向に穿孔して空孔を設けることによりジャケット材を作製するジャケット材作製工程と、このジャケット材の空孔にコア材を挿入するコア材挿入工程と、これらジャケット材とコア材とを加熱し一体化して光ファイバ母材を製造する一体化工程と、を有する。また、このロッドインコラプス法は、コア材挿入工程前に、ジャケット材の空孔の内面に付着した異物(例えば、損失増加の原因となる微量の金属、気泡発生の原因となる有機物、OHロス増加の原因となる水分)を除去する為に、ジャケット材の空孔内にハロゲンガスを供給するとともにジャケット材を高温(通常1500℃以上)に加熱して、異物とハロゲンと反応させて気相処理を行い異物を除去する清浄化工程をも有する。また、清浄化工程では、併せてジャケット材の空孔内にフッ素系のガス(例えば、HF、NF3、SF6)を供給して、シリカガラスを気相でエッチング処理しジャケット材の空孔の内面を清浄化する。
クラッド断面の中心に一つのコアが配置されたシングルコア光ファイバ母材をロッドインコラプス法など、ジャケット材に空孔を付与しコアを挿入する方法により、マルチコア光ファイバ母材またはマルチコア光ファイバを製造する場合、ジャケット材の中心にある空孔は、加熱の際の変形が小さく、円形からの歪みが小さい。これは以下の理由に因る。図1(a)中の矢印で示されるように、中心に一つの空孔27を有するジャケット材20では、ジャケット材作製工程後では空孔27の周りのガラスの厚みが等方的である。同図(b)に示されるように、母材外周から均一に加熱することにより、ガラスが軟化し表面張力が増加しても、周囲のガラスが等方的に軟化するため、空孔27は変形しにくい。それ故、同図(c)に示されるように、一体化工程後の光ファイバ母材において、コア17の非円が小さく、コア17の偏心も小さい。このような光ファイバを線引して製造されるシングルコア光ファイバは、コア非円に起因するコア複屈折が原因で生じるPMDが小さい。
これに対して、クラッド断面に複数のコアが配置されたマルチコア光ファイバ母材をロッドインコラプス法により製造する場合、ジャケット材の中心以外の位置に存在する空孔は、加熱の際の変形が発生し、コア非円化にともなう歪みが大きくなる。これは以下の理由に因る。図2(a)中の矢印で示されるように、複数の空孔21〜27を有するジャケット材20では、ジャケット材作製工程後では中心以外の位置に存在する空孔21〜26それぞれの周りのガラスの厚みが等方的でない。このことから、同図(b)に示されるように、空孔21〜26それぞれは、線引き時の加熱により周方向より径方向の圧縮が大きく、また、空孔中心位置も加熱位置の前後で変化する。それ故、同図(c)に示されるように、一体化工程後の光ファイバ母材において、中心以外の位置にあるコア11〜16の非円化が大きくなり、コア11〜16の偏心も大きくなる。このような光ファイバを線引して製造されるマルチコア光ファイバは、コア非円に起因するコア複屈折率が原因で生じるPMDが大きくなり、コア位置精度が低下する。このようなマルチコア光ファイバ同士を相互に端面接続すると、コア位置ずれにより接続損失が大きくなる。また、特許文献1には、気泡を有しない比較例のマルチコア光ファイバにおいて、中心にあるコアより、中心以外の位置にあるコアの方が、PMDが大きくなることが記載されている。
本実施形態のマルチコア光ファイバ母材製造方法は、ジャケット材を加熱する際の加熱方法を改善することで、以上のような問題点の解消を図るものである。本実施形態のマルチコア光ファイバ母材製造方法は、ジャケット材作製工程、清浄化処理工程、コア材挿入工程、蓄熱工程および一体化工程を順に行って、マルチコア光ファイバ母材を製造する。
ジャケット材作製工程では、ガラスロッドを穿孔して、コア材を挿入するための複数の空孔を設けることによりジャケット材を作製する。清浄化処理工程では、ジャケット材の複数の空孔それぞれの内部にハロゲンガスを流しながらジャケット材を加熱して、複数の空孔それぞれの内面を清浄化処理する。コア材挿入工程では、ジャケット材の複数の空孔それぞれにコア材を挿入する。
蓄熱工程では、図3に示されるように、ジャケット材20を水平に配置し且つ中心軸を中心にしてジャケット材20を回転させ、外部熱源30を中心軸に平行に移動させながら、ジャケット材20の複数の空孔それぞれの外縁部が軟化しない温度となる範囲でジャケット材20を加熱する。この蓄熱工程において、ジャケット材の複数の空孔それぞれの外縁部の蓄熱温度を1700K未満の範囲とするのが好ましい。外部熱源として例えばヒータや火炎バーナ等を用いることができる。一体化工程では、ジャケット材を加熱してジャケット材とコア材とを一体化し、マルチコア光ファイバ母材を製造する。
蓄熱工程では、中心以外の位置にある空孔の近傍のガラスが加熱され変形し始める温度に到達しないように、ジャケット材を予備的に加熱する。純粋石英ガラスの軟化点は1900K程度であるので、蓄熱工程では、1900K以下で外部熱源をジャケット材の軸方向に複数回移動させながらジャケット材を加熱する。また、ハロゲンガスなどは1300K以上で反応するので、蓄熱工程では、1300K〜1900Kの範囲でジャケット材を加熱することが好ましい。ジャケット材20の温度は、外部熱源の温度または外部熱源の移動速度により調整することができる。
次に、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材製造方法について行ったシミュレーションの結果について説明する。図4は、シミュレーションの条件を説明する図である。同図は、ジャケット材20の断面のうち1/12の扇形状部分を示している。本シミュレーションでは、光ファイバのコア数を7とし、ファイバ外径を150μmとし、コア径を10μmとし、コア間隔を45μmとした。ジャケット材20の空孔数を7とし、ジャケット材20の外径を75mmとし、空孔径を15mmとし、空孔中心間隔を22.5mmとした。ジャケット材20の材料をSiO2とした。空孔内のガスをO2ガスとした。このジャケット材20を円筒形状の炉心管40の中央に配置し、炉心管40内の空間50をArガスで充填した状態を仮定している。
図5は、シミュレーションで用いた材料(SiO2,Arガス,O2ガス)の諸特性を纏めた表である。吸収係数は、核物質に赤外線が入射した際の吸収率を表す。SiO2の密度・比熱として温度800Kの値を用いた。ArガスおよびO2ガスそれぞれの密度・比熱として温度1600Kの値を用いた。図6は、SiO2の熱伝導率の温度依存性を示すグラフである。図7は、ArガスおよびO2ガスそれぞれの熱伝導率の温度依存性を示すグラフである。
熱源である炉心管40によるジャケット材20の加熱のパターンとして第1加熱パターンおよび第2加熱パターンを設定し、図4中に示されるP1〜P4の4点それぞれでの温度変化を求めた。P1点は、空孔27中心位置と空孔26中心位置とを結ぶ線上であって空孔27内面位置である。P2点は、空孔27中心位置と空孔26中心位置とを結ぶ線上であって空孔26内面位置(空孔27中心位置の側)である。P4点は、空孔27中心位置と空孔26中心位置とを結ぶ線上であって空孔26内面位置(空孔27中心位置に対し反対の側)である。また、P3点は、空孔26内面位置(P2点とP4点との中間)である。
図8は、第1加熱パターンによるシミュレーションの結果を示す図である。図中の300Kは、室温を想定している。第1加熱パターンでは、1.5分間に亘り1900K加熱を行い、2.5分間に亘り300K冷却を行い、2.5分間に亘り1900K加熱を行った。図9は、第2加熱パターンによるシミュレーションの結果を示す図である。第2加熱パターンでは、1.5分間に亘り2100K加熱を行い、2.5分間に亘り300Kへの冷却を行い、2.5分間に亘り2100K加熱を行った。なお、2100K加熱では、ガラスの一部分は、軟化点を超える温度となり、変形する。
図8および図9に示されるように、加熱時には各点の温度差は大きいが、冷却時にはガラスの冷却が遅いことから各点の温度差を100K以下に縮めることができる。全ての空孔位置の間の温度差を小さくするためには蓄熱工程を行うことが有効であることが確認され、また、上記の解析では中心空孔壁面と外周空孔壁面と間の温度差が100K以下に低減されることが確認された。
また、両図に示されるように、加熱の際には、P4点,P3点,P2点およびP1点の順(すなわち、中心位置から遠い順)に温度が高くなり、この順に軟化が始まる。したがって、P4点,P3点,P2点およびP1点で略同時に軟化が始まるように加熱温度を調整することが必要である。そのためには、蓄熱工程の際に、複数の加熱期間を設け、加熱と冷却とを交互に行って断続的にジャケット材を加熱し、ジャケット材内の温度分布を均一化するのが好ましい。総加熱時間および加熱期間の数は、マルチコア光ファイバ母材の設計構造に応じて適切に設定される。また、その際に、各加熱期間の時間および各冷却期間の時間が適切に設定されるのが好適である。
また、中心以外の位置にある空孔の内部に冷却媒体(例えばArガス)を流して、P4点での過熱を抑制するのも好ましい。冷却媒体の流量は、P4点での適切な蓄熱効果を得ることができるように適切に設定されることが必要である。また、冷却媒体の流量は、P1点での適切な蓄熱効果を得ることができるように適切に設定されることが好ましい。
次に、実施例および比較例それぞれの製造方法により製造されたマルチコア光ファイバ母材の諸特性について説明する。実施例では、ジャケット材に対して蓄熱工程を行うとともに、一体化工程の際にも加熱と冷却とを交互に行ってジャケット材とコア材とを一体化しマルチコア光ファイバ母材を製造した。比較例では、ジャケット材に対して蓄熱工程を行うことなく、一体化工程の際には1回の加熱を行ってジャケット材とコア材とを一体化しマルチコア光ファイバ母材を製造した。ここで使用したジャケット材は、シミュレーションで用いたものと同じ条件のものを使用した。
図10は、実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の断面図である。マルチコア光ファイバ母材は、ジャケット材20中に7個のコア11〜17を有していた。そのうちコア17が断面中心に存在し、これを中心とする円の周上に6個のコア11〜16が存在した。ジャケットに対するコアの比屈折率差は0.45%であり、ファイバ換算のコア径は9μmであった。尚、蓄熱工程前のジャケット材の空孔の非円率は0.05%であった。また、挿入するコアの非円率は0.06%であった。
図11は、実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアの非円率を纏めた表である。図12は、実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアの非円率を示すグラフである。実施例および比較例それぞれでサンプル数は10であった。
図11および図12に示されるように、比較例では、外周コアの非円率の最大値が0.45%であった。また、比較例では、全コアの間で、非円率が0.08%〜0.45%とばらつきが大きく、非円率の平均値も0.266%と大きかった。これに対して、実施例では、外周コアの非円率の最大値が0.21%であった。また、実施例では、全コアの間で、非円率が0.05%〜0.21%とばらつきが大きく、非円率の平均値も0.11%と大きかった。
図13は、実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアのPMD(PMD)を纏めた表である。同図に示されるように、比較例では、PMDの最大値が0.22ps/√kmであり、PMDの平均値が0.124ps/√kmであった。これに対して、実施例では、PMDの最大値が0.04ps/√kmであり、PMDの平均値が0.024ps/√kmであった。このように、比較例と比べて実施例では、コアの非円率が小さく、それ故、PMDも小さかった。
図14は、実施例および比較例それぞれで製造したマルチコア光ファイバ母材の各コアのファイバ換算の位置精度を纏めた表である。同図は、ファイバ中心を原点とする極座標系における各コアの位置(r,θ)の設計値および実測値を示している。rは、ファイバ中心から周辺コアの中心位置までの距離を示す。θは、ファイバ中心を通る基準線からの周辺コアの中心位置の角度位置を示す。同図に示されるように、比較例では、各コアのr平均値は46.6μmであり、コア12を基準とする外周コアのθ平均値は179.06°であった。これに対して、実施例では、各コアのr平均値は44.95μmであり、コア12を基準とする外周コアのθ平均値は180.2°であった。このように、比較例と比べて実施例では、r値およびθ値の何れも設計値に近い実測値が得られ、位置精度が高かった。
比較例では、ジャケット材の非円率が大きい空孔にコア材を挿入することから、ジャケット材におけるコアの固定位置がランダムに移動する。これに対して、本実施形態では、マルチコア光ファイバ母材のジャケット材の空孔周囲のガラス温度が偏差100K以下に均一化され得るので、コア材とジャケット材とが一体化する際のジャケット材側からの表面張力も均一化され、所望位置からの実際のコア位置のずれが小さくなる。
本実施形態のマルチコア光ファイバ母材製造方法により製造されたマルチコア光ファイバ母材を線引して製造されたマルチコア光ファイバは、全てのコアの非円率を0.25%以下とすることができ、全てのコアのPMDを0.1ps/√km以下とすることができる。また、このマルチコア光ファイバは、極座標表示で、全てのコアの中心位置のr偏心を1μm以下とすることができ、全てのコアの中心位置のθ偏心を0.5°以下とすることができる。
11〜17…コア、20…ジャケット(ジャケット材)、21〜27…空孔、30…外部熱源、40…炉心管。

Claims (4)

  1. マルチコア光ファイバ母材を製造する方法であって、
    ガラスロッドを穿孔してコア材を挿入するための複数の空孔を設けることによりジャケット材を作製するジャケット材作製工程と、
    前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれの内部にハロゲンガスを流しながら前記ジャケット材を加熱して前記複数の空孔それぞれの内面を清浄化処理する清浄化処理工程と、
    前記清浄化処理工程の後に前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれにコア材を挿入するコア材挿入工程と、
    前記コア材挿入工程の後に、外部熱源を前記ジャケット材の中心軸に対し相対的に平行に移動させながら、前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれの外縁部が軟化しない温度となる範囲で前記ジャケット材を加熱する蓄熱工程と、
    前記蓄熱工程の後に前記ジャケット材を加熱して前記ジャケット材と前記コア材とを一体化しマルチコア光ファイバ母材を製造する一体化工程と、
    を有するマルチコア光ファイバ母材製造方法。
  2. 前記蓄熱工程において前記ジャケット材の前記複数の空孔それぞれの外縁部の蓄熱温度を1700K未満の範囲とする請求項1に記載のマルチコア光ファイバ母材製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のマルチコア光ファイバ母材製造方法により製造されたマルチコア光ファイバ母材を線引してマルチコア光ファイバを製造するマルチコア光ファイバ製造方法。
  4. 全てのコアの非円率が0.25%以下である請求項3に記載のマルチコア光ファイバ製造方法。
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