JP6966311B2 - マルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法 - Google Patents

マルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法 Download PDF

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本発明は、マルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法に関する。
近年、光ファイバ通信システムの普及に伴い、光ファイバによって伝送される情報量が飛躍的に増大している。このような背景から、複数のコアの外周が1つのクラッドにより囲まれたマルチコア光ファイバが用いられている。マルチコア光ファイバは複数のコアのそれぞれを伝搬する光により複数の信号を伝送させることができるので、1つの光ファイバ当たりの伝送容量が増大される。
マルチコア光ファイバ同士またはマルチコア光ファイバと他の光学素子との接続部における光の損失を低減する観点から、マルチコア光ファイバの各コアの配置精度を高めることが望まれる。マルチコア光ファイバの製造方法として、例えば、クラッドとなるクラッド母材に貫通孔を開け、当該貫通孔にコアとなるコアロッドを挿入し、クラッド母材とコアロッドとを一体化させることでマルチコア光ファイバ母材を製造する孔開法がある。孔開法によりマルチコア光ファイバが製造される場合、クラッド母材に形成されるコアロッドを挿入するための孔の位置の精度、及び、コアロッドを挿入するための孔の内周面とコアロッドの外周面との間の隙間の大きさ等が各コアの配置精度に影響を与える。
コアロッドを挿入するための孔の内周面とコアロッドの外周面との間の隙間が小さい程、クラッド母材とコアロッドとを一体化させるときにコアロッドが動き難くなる。このため、このようにして製造されたマルチコア光ファイバ母材を用いてマルチコア光ファイバを製造すると、コアの配置精度は高くなる。しかし、コアロッドを挿入するための孔の内周面とコアロッドの外周面との間の隙間が小さすぎると、コアロッドを孔に挿入することが難しくなる。そこで、下記特許文献1には、所定の条件を満たすことでコアロッドを挿入するための孔の内周面とコアロッドの外周面との間の隙間を確保しつつコアの配置精度を高められるマルチコア光ファイバ母材の製造方法が開示されている。具体的には、下記特許文献1に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法では、マルチコア光ファイバ母材の中心軸に位置しない母材コア部の中心位置とマルチコア光ファイバ母材の中心軸との距離をd、当該母材コア部となるコアロッドの半径をr、当該コアロッドが挿入される孔の半径をR、当該孔の中心とマルチコア光ファイバ母材の中心軸との距離をDとし、d<D≦d+R−rを満たすことを条件とする。
ところで、マルチコア光ファイバ同士またはマルチコア光ファイバと他の光学素子とを接続する際に、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアを識別するためにクラッドにマーカが配置されることがある。例えば、下記特許文献2に記載のマルチコア光ファイバは、対称性を有するように配置される複数のコアと、マーカと、これらのコア及びマーカを囲うクラッドと、を備える。当該マーカとの相対的位置によって、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアを識別することができる。
特許第6036386号公報 特開2014−197094号公報
上記特許文献1に開示されている方法によれば、コアロッドを挿入するための孔の内周面とコアロッドの外周面との間の隙間の大きさによる各コアの配置精度の悪化が抑制される。しかし、上記特許文献2に開示されているようなマーカを備えるマルチコア光ファイバを製造する場合、以下に説明するように各コアの配置がずれる場合がある。
マーカを備えるマルチコア光ファイバを孔開法を用いて製造するためのマルチコア光ファイバ母材は、以下のように製造される。すなわち、まず、クラッドとなるクラッド母材に、コアとなるコアロッドを挿入するためのコアロッド挿入孔と、マーカとなるマーカロッドを挿入するためのマーカロッド挿入孔と、を開ける。次に、コアロッド挿入孔にコアロッドを挿入すると共にマーカロッド挿入孔にマーカロッドを挿入し、クラッド母材、コアロッド、及びマーカロッドを一体化する。このとき、コアロッド挿入孔の内周面とコアロッドの外周面との隙間、及び、マーカロッド挿入孔の内周面とマーカロッドの外周面との隙間が埋められるようにクラッド母材が収縮する。
上記のようにクラッド母材が収縮するとき、マーカロッド挿入孔の近傍の部位は、マーカロッド挿入孔からより離れた部位よりもマーカロッド挿入孔側に引き寄せされ易くなる。そのため、マーカロッド挿入孔からの距離に応じてコアロッド挿入孔の位置のずれ量が異なり、コアロッドの位置が想定されている位置からずれ易くなる。このようにコアロッドの位置がずれると、マルチコア光ファイバ母材において、コアロッドからなる母材コア部の位置が所望の位置からずれる傾向がある。その結果、このマルチコア光ファイバ母材を用いてマルチコア光ファイバを製造すると、マルチコア光ファイバのコアの位置が所望の位置からずれる傾向がある。
そこで、本発明は、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアの配置精度の低下が抑制され得るマルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のマルチコア光ファイバ母材の製造方法は、長手方向に垂直な断面の中心を中心とする同一円上に形成される複数のコアロッド挿入孔と、前記中心からそれぞれの前記コアロッド挿入孔の中心を通る方向に延びる半直線のうち互いに隣り合う前記半直線で挟まれる領域の一つに形成されるマーカロッド挿入孔と、隣り合う前記半直線で挟まれる他の全ての領域に形成されるダミー孔と、を有するクラッド母材を準備する準備工程と、前記コアロッド挿入孔にコアとなるコアロッドを挿入し、前記マーカロッド挿入孔にマーカとなるマーカロッドを挿入するロッド挿入工程と、前記クラッド母材、前記コアロッド、及び前記マーカロッドを一体化させる一体化工程と、を備え、前記ロッド挿入工程後であって前記一体化工程前に、前記クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、前記マーカロッド挿入孔に形成される空隙の断面積Sと前記ダミー孔に形成される空隙の断面積Sとが下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする。
0<S (1)
|S−S|<S (2)
一体化工程では、コアロッド挿入孔、マーカロッド挿入孔及びダミー孔が縮径する。このとき、それぞれのコアロッド挿入孔には、マーカロッド挿入孔側またはダミー孔側に引き寄せられる応力が働く。ここで、上記本発明のマルチコア光ファイバ母材の製造方法では、クラッド母材の中心からそれぞれのコアロッド挿入孔の中心を通る方向に延びる半直線で挟まれるそれぞれの領域に、マーカロッド挿入孔またはダミー孔が形成される。すなわち、それぞれのコアロッド挿入孔は、マーカロッド挿入孔とダミー孔との間、又は、ダミー孔同士の間に形成されることになる。よって、一体化工程において上記のようにコアロッド挿入孔に働く応力の少なくとも一部は互いに打ち消し合う。また、断面積Sと断面積Sとが上記式(1)及び式(2)を満たすことによって、ダミー孔が非形成とされる場合に比べて、マーカロッド挿入孔の縮径によってコアロッド挿入孔に働く応力が打ち消され易くなると共に、ダミー孔の縮径によるコアロッド挿入孔の位置ずれが抑制され得る。したがって、それぞれのコアロッド挿入孔の位置ずれが抑制され、コアロッドの位置ずれが抑制され得る。このようにしてマルチコア光ファイバ母材を得る際にコアロッドの位置ずれが抑制されることによって、当該マルチコア光ファイバ母材から得られるマルチコア光ファイバのそれぞれのコアの配置精度の低下が抑制され得る。
なお、ロッド挿入工程後であって一体化工程前のマーカロッド挿入孔に形成される空隙の断面積Sとは、マーカロッド挿入孔にマーカロッドが挿入された後のマーカロッド挿入孔に形成される空隙の断面積である。すなわち、断面積Sは、クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔の内周面とマーカロッドの外周面との隙間の断面積であり、マーカロッド挿入孔の断面積からマーカロッドの断面積を引いた面積である。また、ロッド挿入工程後であって一体化工程前のダミー孔に形成される空隙の断面積Sとは、ダミー孔に何も挿入されない場合、クラッド母材の長手方向に垂直な断面におけるダミー孔の断面積である。一方、後述するようにダミー孔にダミーロッドが挿入される場合、断面積Sは、クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、ダミー孔の内周面とダミーロッドの外周面との隙間の断面積であり、ダミー孔の断面積からダミーロッドの断面積を引いた面積である。
また、前記ロッド挿入工程において、前記ダミー孔に前記マーカロッドに対して識別可能なダミーロッドを挿入し、前記一体化工程において、前記クラッド母材、前記コアロッド、前記マーカロッド、及び前記ダミーロッドを一体化させることが好ましい。
ダミー孔にダミーロッドを挿入することによって、一体化工程におけるマーカロッド挿入孔の収縮の仕方とダミー孔の収縮の仕方とを互いに似せることができる。そのため、上記のようにコアロッド挿入孔に働く応力が互いに打ち消し合い易くなり、コアロッドの位置ずれがより抑制され得る。また、ダミーロッドがマーカロッドに対して識別可能であることによって、マルチコア光ファイバにおいてマーカとダミーロッドからなる部位とが識別され得る。そのため、マルチコア光ファイバを接続する際にマーカを使用することができる。
また、前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、長手方向に垂直な断面の形状が互いに異なることによって互いに識別可能であることが好ましい。
長手方向に垂直な断面におけるマーカロッドの断面形状とダミーロッドの断面形状とが互いに異なることによって、マルチコア光ファイバにおいてマーカはダミーロッドからなる部位に対して容易に識別され得る。
また、前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、長手方向に垂直な断面の面積が互いに異なることによって互いに識別可能であることが好ましい。
長手方向に垂直な断面におけるマーカロッドの断面積とダミーロッドの断面積とが互いに異なることによっても、マルチコア光ファイバにおいてマーカはダミーロッドからなる部位に対して容易に識別され得る。
また、前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、屈折率が互いに異なることによって互いに識別可能であることが好ましい。
マーカロッドの屈折率とダミーロッドの屈折率とが互いに異なることによっても、マルチコア光ファイバにおいてマーカはダミーロッドからなる部位に対して容易に識別され得る。
また、前記ダミーロッドの屈折率が前記クラッド母材の屈折率以下であることが好ましい。
ダミーロッドの屈折率がクラッドの屈折率以下であることによって、マルチコア光ファイバにおいてダミーロッドからなる部位に光が伝搬することが抑制され得る。
また、前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、屈折率が互いに異なると共に長手方向に垂直な断面の面積が同じであり、前記マーカロッド挿入孔の内径と前記ダミー孔の内径とが同じであることが好ましい。
マーカロッドの屈折率とダミーロッドの屈折率とが互いに異なることによって、上記のようにマルチコア光ファイバにおいてマーカはダミーロッドからなる部位に対して容易に識別され得る。また、マーカロッドとダミーロッドとの長手方向に垂直な断面の面積が同じであると共にマーカロッド挿入孔の内径とダミー孔の内径とが同じであることによって、一体化工程におけるマーカロッド挿入孔の収縮量とダミー孔の収縮量がほぼ同じになり得る。そのため、上記のようにコアロッド挿入孔に働く応力が互いに打ち消し合い易くなり、コアロッドの位置ずれがより抑制され得る。
また、前記ダミー孔に何も挿入されずに前記一体化工程が行われても良い。
ダミー孔に何も挿入されない場合は、上記ダミーロッドを用意する必要がないため、マルチコア光ファイバ母材の製造が簡略化され得る。
また、前記クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、前記マーカロッド挿入孔と前記ダミー孔とは、前記クラッド母材の中心を中心とする同一円上に形成されることが好ましい。
マーカロッド挿入孔とダミー孔とがクラッド母材の中心を中心とする同一円上に形成されることによって、一体化工程においてマーカロッド挿入孔とダミー孔とが縮径する際に、上記のようにコアロッド挿入孔に働く応力が互いに打ち消し合い易くなる。したがって、それぞれのコアロッドの位置ずれがより抑制され得る。
また、前記マーカロッド挿入孔を挟む一対の前記半直線に対する前記マーカロッド挿入孔の相対的位置と、前記ダミー孔を挟む一対の前記半直線に対する前記ダミー孔の相対的位置と、が同じであることが好ましい。
マーカロッド挿入孔とダミー孔とが、それらを挟む一対の半直線に対する相対的位置が同じであることによって、一体化工程においてマーカロッド挿入孔とダミー孔とが縮径する際に、上記のようにコアロッド挿入孔に働く応力が互いに打ち消し合い易くなる。したがって、それぞれのコアロッドの位置ずれがより抑制され得る。
また、前記マーカロッド挿入孔を挟む一対の前記半直線に対する前記マーカロッド挿入孔の相対的位置と、前記ダミー孔を挟む一対の前記半直線に対する前記ダミー孔の相対的位置と、が互いに異なり、前記ロッド挿入工程において、前記ダミー孔にダミーロッドを挿入し、前記一体化工程において、前記クラッド母材、前記コアロッド、前記マーカロッド、及び前記ダミーロッドを一体化させることが好ましい。
ダミー孔にダミーロッドを挿入することによって、上記のようにコアロッドの位置ずれがより抑制され得る。また、マーカロッド挿入孔とダミー孔とが、それらを挟む一対の半直線に対する相対的位置が互いに異なることによって、マルチコア光ファイバにおいてマーカはダミーロッドからなる部位に対して容易に識別され得る。
また、上記課題を解決するための本発明のマルチコア光ファイバの製造方法は、上記本発明のマルチコア光ファイバ母材の製造方法により製造されるマルチコア光ファイバ母材を線引きする線引工程を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明の他のマルチコア光ファイバの製造方法は、長手方向に垂直な断面の中心を中心とする同一円上に形成される複数のコアロッド挿入孔と、前記中心からそれぞれの前記コアロッド挿入孔の中心を通る方向に延びる半直線のうち互いに隣り合う前記半直線で挟まれる領域の一つに形成されるマーカロッド挿入孔と、隣り合う前記半直線で挟まれる他の全ての領域に形成されるダミー孔と、を有するクラッド母材を準備する準備工程と、前記コアロッド挿入孔にコアとなるコアロッドを挿入し、前記マーカロッド挿入孔にマーカとなるマーカロッドを挿入するロッド挿入工程と、前記クラッド母材、前記コアロッド、及び前記マーカロッドを一体化させつつ線引きする線引工程と、を備え、前記ロッド挿入工程後であって前記一体化工程前に、前記クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、前記マーカロッド挿入孔に形成される空隙の断面積Sと前記ダミー孔に形成される空隙の断面積Sとが下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする。
0<S (1)
|S−S|<S (2)
上記本発明のマルチコア光ファイバの製造方法によれば、それぞれのコアロッドの位置ずれが抑制され、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアの配置精度の低下が抑制され得る。
以上のように、本発明によれば、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアの配置精度の低下が抑制され得るマルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法が提供される。
本発明の第1実施形態にかかるマルチコア光ファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。 図1のマルチコア光ファイバの製造に用いられるマルチコア光ファイバ母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 図1のマルチコア光ファイバの製造方法の工程を示すフローチャートである。 第1穿孔工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 第2穿孔工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 第3穿孔工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 ロッド挿入工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 一体化工程の一部の様子を示す図である。 線引工程の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るマルチコア光ファイバ母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る一体化工程の一部の様子を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る線引工程の様子を示す図である。 本発明の第5実施形態に係るロッド挿入工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 本発明の第6実施形態に係るロッド挿入工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る準備工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。 本発明の第8実施形態に係るロッド挿入工程後のクラッド母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。
以下、本発明に係るマルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るマルチコア光ファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。本実施形態のマルチコア光ファイバ1は、4つのコア10、マーカ15、4つのコア10及びマーカ15の外周面を隙間なく囲むクラッド20、クラッド20の外周面を被覆する内側被覆層31、内側被覆層31の外周面を被覆する外側被覆層32を備える。
本実施形態のマルチコア光ファイバ1では、1つのコア10はマルチコア光ファイバ1の中心軸に沿って配置され、残り3つのコア10はマルチコア光ファイバ1の中心軸に中心が重なる同一円上に配置される。本実施形態のマルチコア光ファイバ1では、マルチコア光ファイバ1の中心軸の周りに配置される3つのコア10は、マルチコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、マルチコア光ファイバ1の中心を中心として概ね3回回転対称となるように配置されている。すなわち、マルチコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、マルチコア光ファイバ1の中心の周りに配置される3つのコア10は、当該中心から互いに概ね等距離に配置される。換言すれば、マルチコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、マルチコア光ファイバ1の中心の周りに配置される3つのコア10は、当該中心を重心とする正三角形の各頂点と概ね重なる位置に配置される。また、マルチコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、マルチコア光ファイバ1の中心から当該中心の周りに配置される3つのコア10の中心を通る3本の半直線を引くと、これらの半直線のうち互いに隣り合う半直線が成す角は、それぞれ概ね120度となる。このようなコア10の直径は、例えば4μm以上10μm以下とされる。
マーカ15は、マルチコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、マルチコア光ファイバ1の中心からそれぞれのコア10を通る方向に延びる半直線のうち互いに隣り合う半直線で挟まれる領域の一つに配置される。
クラッド20は、マルチコア光ファイバ1に備えられる全てのコア10及びマーカ15の外周面を隙間なく囲む。クラッド20の直径は、例えば、125μm以上230μm以下とされる。
それぞれのコア10の屈折率はクラッド20の屈折率よりも高く、それぞれのコア10のクラッド20に対する比屈折率差は、例えば0.2%以上2.0%以下とされる。このようなコア10は、例えば、ゲルマニウム等の屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成り、クラッド20は、例えば、ドーパントが添加されていないシリカガラスから成る。また、コア10が何らドーパントを添加されていないシリカガラスから成り、クラッド20がフッ素等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスから成る構成とされてもよい。マーカ15は、クラッド20とは屈折率が異なるシリカガラスによって構成される。マーカ15の屈折率は、クラッド20の屈折率より高くてもよく低くてもよい。例えば、マーカ15の屈折率はクラッド20の屈折率より低く、マーカ15のクラッド20に対する比屈折率差は−0.7%以上−0.1%以下とされる。
内側被覆層31及び外側被覆層32はそれぞれ紫外線硬化性樹脂等の樹脂から成り、内側被覆層31及び外側被覆層32は互いに異なる樹脂から成る。
図2は、図1に示すマルチコア光ファイバ1の製造に用いられるマルチコア光ファイバ母材の長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。図2に示すマルチコア光ファイバ母材1Pは略円柱状の形状をしている。また、マルチコア光ファイバ母材1Pは、それぞれのコア10となる母材コア部10P、マーカ15となる母材マーカ部15P、及び、クラッド20となる母材クラッド部20Pを備える。母材コア部10Pはコア10と同じ材料から構成され、母材マーカ部15Pはマーカ15と同じ材料から構成され、母材クラッド部20Pはクラッド20と同じ材料から構成される。また、マルチコア光ファイバ母材1Pの長手方向に垂直な断面の形状は、内側被覆層31及び外側被覆層32を除くマルチコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面の形状に対して概ね相似形とされる。このようなマルチコア光ファイバ母材1Pが後述するように線引きされ、線引きされた光ファイバ素線の外周面に内側被覆層31及び外側被覆層32が被覆され、図1に示すマルチコア光ファイバ1が得られる。
次に、図2に示すマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法、及び、該マルチコア光ファイバ母材1Pを用いた図1に示すマルチコア光ファイバ1の製造方法について説明する。
図3は、マルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法、及び、マルチコア光ファイバ1の製造方法の工程を示すフローチャートである。図3に示すように、マルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法は、準備工程P1、ロッド挿入工程P2、及び一体化工程P3を備える。そして、マルチコア光ファイバ1の製造方法は、上記のそれぞれの工程を経て製造されるマルチコア光ファイバ母材1Pを線引きする線引工程P4を更に備える。以下、これらの各工程について詳細に説明する。
<準備工程P1>
本工程は、コア10となるコアロッドを挿入するための複数のコアロッド挿入孔と、マーカ15となるマーカロッドを挿入するためのマーカロッド挿入孔と、後に詳述するダミー孔と、を有するクラッド20となるクラッド母材を準備する工程である。本実施形態の準備工程P1では、第1穿孔工程P11、第2穿孔工程P12、及び第3穿孔工程P13を経てクラッド母材が準備される。
<第1穿孔工程P11>
図4は、第1穿孔工程P11後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。本工程は、クラッド20となるクラッド母材20Rに、コア10となるコアロッドを後述するロッド挿入工程P2において挿入するためのコアロッド挿入孔10Hを複数形成する工程である。本工程では、まずクラッド20となるクラッド母材20Rを準備する。クラッド母材20Rは円柱状のガラスロッドである。本実施形態の第1穿孔工程P11では、クラッド母材20Rの中心軸に沿って1つのコアロッド挿入孔10Hが形成される。また、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面においてクラッド母材20Rの中心を中心とする同一円上に、3つのコアロッド挿入孔10Hが形成される。それぞれのコアロッド挿入孔10Hは、クラッド母材20Rを長手方向に貫通する貫通孔とされ、それぞれコアロッド挿入孔10Hの内径は、そこに挿入されるコアロッドの外径より大きくされる。
クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、クラッド母材20Rの中心周りに形成される3つのコアロッド挿入孔10Hの中心は、クラッド母材20Rの中心を中心として概ね3回回転対称となるように形成される。すなわち、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、クラッド母材20Rの中心の周りに形成される3つのコアロッド挿入孔10Hは、クラッド母材20Rの中心から互いに概ね等距離に形成される。換言すれば、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、クラッド母材20Rの中心の周りに形成される3つのコアロッド挿入孔10Hの中心は、クラッド母材20Rの中心を重心とする正三角形の各頂点と概ね重なる位置に形成される。また、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、クラッド母材20Rの中心から当該中心の周りに形成される3つのコアロッド挿入孔10Hの中心を通る3本の半直線L1,L2,L3を引くと、これらの半直線L1,L2,L3のうち互いに隣り合う半直線が成す角θ12,θ23,θ13,は、それぞれ概ね120度となる。なお、角θ12は半直線L1と半直線L2とが成す角であり、角θ23は半直線L2と半直線L3とが成す角であり、角θ13は半直線L1と半直線L3とが成す角である。それぞれの半直線L1,L2,L3は仮想線であっても良い。
それぞれのコアロッド挿入孔10Hを形成する方法としては、特に限定されないが、例えばドリルを使った機械加工が挙げられる。なお、コアロッド挿入孔10Hの内周面はコアロッドの外周面と接する部分であり、平滑化されていることが好ましい。コアロッド挿入孔10Hの内周面が平滑化されることによって、後述するロッド挿入工程P2において、コアロッドの外周面に傷がつくことや、後述する一体化工程P3においてコアロッドの外周面とコアロッド挿入孔10Hの内周面との間に不要な空間が形成されること等が抑制され得る。上記のようにコアロッド挿入孔10Hの内周面を平滑化する観点からは、例えば、機械加工によってコアロッド挿入孔10Hを穿孔した後にコアロッド挿入孔10Hの内周面をエッチング加工によって平滑化してもよい。
上記エッチング加工としては、気相による方法が挙げられる。気相でエッチング加工する場合、例えばSFを用いることができる。エッチングガスとして知られているSFは、それ自体ではエッチング作用を示さず、熱分解、プラズマ等によってエッチング作用を持つ活性ガス種とされることによって、エッチングに用いられる。すわなち、コアロッド挿入孔10HにSFを流通させて加熱を行う等してSFを活性化させることによって、エッチング加工が施される。このようなエッチング加工により、コアロッド挿入孔10Hの内周面の小さな凹凸を除去したり、コアロッド挿入孔10Hの内周面から水酸基等の不純物を除去したりすることができる。上記エッチング加工に用いるエッチングガスとしては、例えば、SFの他にCF、C、SiFなどのフッ化物ガスなどが挙げられる。
<第2穿孔工程P12>
図5は、第2穿孔工程P12後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。本工程は、マーカ15となるマーカロッドを後述するロッド挿入工程P2において挿入するためのマーカロッド挿入孔15Hを形成する工程である。クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hは、半直線L1,L2,L3のうち互いに隣り合う半直線で挟まれる領域のうち任意の一つの領域に形成される。マーカロッド挿入孔15Hは、クラッド母材20Rを長手方向に貫通する貫通孔とされ、マーカロッド挿入孔15Hの内径は、そこに挿入されるマーカロッドの外径より大きくされる。このようなマーカロッド挿入孔15Hの形成方法は、上記コアロッド挿入孔10Hの形成方法と同様とすることができる。
<第3穿孔工程P13>
図6は、第3穿孔工程P13後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。本工程は、隣り合う半直線L1,L2,L3で挟まれる領域のうちマーカロッド挿入孔15Hが形成されない他の全ての領域にダミー孔18Hを形成する工程である。本実施形態の第3穿孔工程P13は、クラッド20の一部となるダミーロッドを後述するロッド挿入工程P2において挿入するためのダミー孔18Hを形成する工程である。それぞれのダミー孔18Hは、クラッド母材20Rを長手方向に貫通する貫通孔とされ、ダミー孔18Hの内径は、そこに挿入されるダミーロッドの外径より大きくされる。
また、本実施形態のそれぞれのダミー孔18Hは、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hとそれぞれのダミー孔18Hとがクラッド母材20Rの中心を中心とする同一円上に形成されるように形成される。
また、本実施形態のそれぞれのダミー孔18Hは、マーカロッド挿入孔15Hを挟む一対の上記半直線に対するマーカロッド挿入孔15Hの相対的位置と、ダミー孔18Hを挟む一対の上記半直線に対するダミー孔18Hの相対的位置と、が同じになるように形成される。すなわち、それぞれのダミー孔18H及びマーカロッド挿入孔15Hは、これらを挟む一対の半直線に対して以下の関係を有する。クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hを挟む一対の半直線のうち時計廻りの方向にある半直線とマーカロッド挿入孔15Hの中心との距離をD1とする。すると、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、それぞれのダミー孔18Hを挟む一対の半直線のうち時計廻りの方向にある半直線とそれぞれのダミー孔18Hの中心との距離もD1となる。また、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hを挟む一対の半直線のうち反時計廻りの方向にある半直線とマーカロッド挿入孔15Hの中心との距離をD2とする。すると、それぞれのダミー孔18Hを挟む一対の半直線のうち反時計廻りの方向にある半直線とそれぞれのダミー孔18Hの中心との距離もD2となる。このようにそれぞれのダミー孔18H及びマーカロッド挿入孔15Hが形成されることによって、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、それぞれのダミー孔18H及びマーカロッド挿入孔15Hの中心は、クラッド母材20Rの中心を中心として概ね3回回転対称とされる。
このようなダミー孔18Hの形成方法は、上記コアロッド挿入孔10Hの形成方法と同様とすることができる。
なお、第1穿孔工程P11、第2穿孔工程P12、及び第3穿孔工程P13の順序は特に限定されない。すなわち、コアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、ダミー孔18Hを形成する順序は特に限定されない。準備工程P1では、結果としてコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔18Hが上記のように形成されればよい。例えば、第2穿孔工程P12または第3穿孔工程P13が第1穿孔工程P11よりも先に行われる場合、半直線L1,L2,L3を仮想の線として、マーカロッド挿入孔15Hまたはダミー孔18Hが形成されればよい。
<ロッド挿入工程P2>
図7は、ロッド挿入工程P2後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。本工程は、コアロッド挿入孔10Hにコアロッド10Rを挿入し、マーカロッド挿入孔15Hにマーカロッド15Rを挿入し、ダミー孔18Hにダミーロッド18Rを挿入する工程である。コアロッド10R、マーカロッド15R、ダミーロッド18Rは本工程までに準備されていれば良く、例えば準備工程P1より前に準備されていてもよい。
コアロッド10Rは、円柱状のガラス体であり、コア10を構成する材料からなる。ただし、コアロッド10Rの外周面には、クラッド20と同じ材料からなる不図示の被覆層が形成されていることが好ましい。
マーカロッド15Rは、円柱状のガラス体であり、マーカ15を構成する材料からなる。また、マーカロッド15Rの外周面には、クラッド20と同じ材料からなる不図示の被覆層が形成されていても良い。
ダミーロッド18Rは、マーカロッド15Rに対して識別可能な円柱状のガラス体である。本実施形態のダミーロッド18Rは、クラッド20と同じ材料からなり、マーカロッド15Rとは屈折率が異なる材料からなる。このようにマーカロッド15Rとダミーロッド18Rとは、屈折率が互いに異なることによって互いに識別可能である。また、本実施形態のマーカロッド15Rとダミーロッド18Rとは、長手方向に垂直な断面の面積が同じである。
また、マーカロッド挿入孔15H、マーカロッド15R、ダミー孔18H、ダミーロッド18Rの大きさは、以下の条件を満たす。すなわち、ロッド挿入工程P2後であって一体化工程P3前に、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hに形成される空隙の断面積Sとダミー孔18Hに形成される空隙の断面積Sとが下記式(1)及び式(2)を満たす。
0<S (1)
|S−S|<S (2)
本工程後であって一体化工程P3前のマーカロッド挿入孔15Hに形成される空隙の断面積Sは、本実施形態では、マーカロッド挿入孔15Hの内周面とマーカロッド15Rの外周面との隙間の断面積である。すなわち、断面積Sは、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hの断面積からマーカロッド15Rの断面積を引いた面積である。マーカロッド挿入孔15Hの内周面とマーカロッド15Rの外周面との隙間の大きさは、マーカロッド15Rの外径の大きさを調整することによって調整されてもよく、マーカロッド挿入孔15Hの内径の大きさを調整することによって調整されてもよい。ただし、一般的にはマーカロッド15Rの外径の大きさを調整する方がマーカロッド挿入孔15Hの内径の大きさを調整するよりも容易である。マーカロッド15Rの外径の大きさやマーカロッド挿入孔15Hの内径の大きさは、例えば機械加工やエッチング加工によって調整することができる。なお、断面積Sが小さいほど、後述する一体化工程P3においてマーカロッド挿入孔15Hの縮径量が小さくなり、マーカロッド挿入孔15Hの縮径によるコアロッド挿入孔10Hの位置ずれが抑制され得る。
また、本工程後であって一体化工程P3前のダミー孔18Hに形成される空隙の断面積Sは、本実施形態では、ダミー孔18Hの内周面とダミーロッド18Rの外周面との隙間の断面積である。すなわち、断面積Sは、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、ダミー孔18Hの断面積からダミーロッド18Rの断面積を引いた面積である。ダミー孔18Hの内周面とダミーロッド18Rの外周面との隙間の大きさは、ダミーロッド18Rの外径の大きさを調整することによって調整されてもよく、ダミー孔18Hの内径の大きさを調整することによって調整されてもよい。ただし、一般的にはダミーロッド18Rの外径の大きさを調整する方がダミー孔18Hの内径の大きさを調整するよりも容易である。ダミーロッド18Rの外径の大きさやダミー孔18Hの内径の大きさは、例えば機械加工やエッチング加工によって調整することができる。なお、断面積Sが小さいほど、後述する一体化工程P3においてダミー孔18Hの縮径量が小さくなり、ダミー孔18Hの縮径によるコアロッド挿入孔10Hの位置ずれが抑制され得る。
また、本工程後であって一体化工程P3前のコアロッド挿入孔10Hに形成される空隙の断面積Sは、コアロッド挿入孔10Hの内周面とコアロッド10Rの外周面との隙間の断面積である。すなわち、断面積Sは、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、コアロッド挿入孔10Hの断面積からコアロッド10Rの断面積を引いた面積である。なお、断面積Sが小さいほど、後述する一体化工程P3においてコアロッド挿入孔10H内におけるコアロッド10Rの位置ずれが抑制され得る。
コアロッド挿入孔10Hの内周面とコアロッド10Rの外周面との隙間の大きさは、コアロッド10Rの外径の大きさを調整することによって調整されてもよく、コアロッド挿入孔10Hの内径の大きさを調整することによって調整されてもよい。ただし、一般的にはコアロッド10Rの外径の大きさを調整する方がコアロッド挿入孔10Hの内径の大きさを調整するよりも容易である。コアロッド10Rの外径の大きさやコアロッド挿入孔10Hの内径の大きさは、例えば機械加工やエッチング加工によって調整することができる。
<一体化工程P3>
本実施形態の一体化工程P3は、クラッド母材20R、コアロッド10R、マーカロッド15R及びダミーロッド18Rを一体化させる工程である。
本工程では、まず、コアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hのそれぞれの一方の開口部を封止する。封止する方法としては、例えば、クラッド母材20Rのうち一方の底面に板状の封止材を溶着し、当該封止材によって全てのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hの一方の開口部を覆う方法が挙げられる。この封止材には、例えば、ガラス板を用いることができる。
次に、それぞれのコアロッド挿入孔10Hの内周面とそれぞれのコアロッド挿入孔10Hに挿入されたコアロッド10Rの外周面との一体化、マーカロッド挿入孔15Hの内周面とマーカロッド挿入孔15Hに挿入されたマーカロッド15Rの外周面との一体化、及び、それぞれのダミー孔18Hの内周面とそれぞれのダミー孔18Hに挿入されたダミーロッド18Rの外周面との一体化を行う。例えば、コアロッド10R、マーカロッド15R、及びダミーロッド18Rが挿入されたクラッド母材20Rを横型旋盤に設置し、クラッド母材20Rを回転させながら加熱することによって、クラッド母材20R、コアロッド10R、マーカロッド15R及びダミーロッド18Rを一体化させる。
図8は、一体化工程P3の一部の様子を示す図であり、コアロッド10R、マーカロッド15R及びダミーロッド18Rが挿入されたクラッド母材20Rがセットされた状態の横型旋盤を示す図である。図8に示すように、横型旋盤50は、クラッド母材20Rの両端部をチャッキング可能な一対のチャッキング部55a、55bと、コアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18H内を真空引き可能な真空ポンプ51と、クラッド母材20Rの長手方向に移動可能とされてクラッド母材20Rの外周面を加熱可能なバーナ58と、を主な構成として備える。
本実施形態において、チャッキング部55aは、クラッド母材20Rの一方の端部をチャッキングし、チャッキング部55bは、クラッド母材20Rの他方の端部をチャッキングし、チャッキング部55a,55bにより、クラッド母材20Rが支持される。バーナ58は、例えば、酸水素バーナとされ、上述のようにクラッド母材20Rの長手方向に沿って移動可能に構成される。
本工程において、バーナ58またはクラッド母材20Rをクラッド母材20Rの長手方向に沿って往復移動させることにより、クラッド母材20Rを加熱する。この加熱により、クラッド母材20Rに形成されたコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hが縮径される。このようにしてそれぞれのコアロッド10R、マーカロッド15R及びそれぞれのダミーロッド18Rがクラッド母材20Rと一体化されることによって、それぞれのコアロッド10Rの外周面とコアロッド挿入孔10Hの内周面との間、マーカロッド15Rの外周面とマーカロッド挿入孔15Hの内周面との間、及び、それぞれのダミーロッド18Rの外周面とダミー孔18Hの内周面との間に不要な空間が形成されることが抑制され得る。そして、ダミーロッド18Rは母材クラッド部20Pの一部とされる。また、コアロッド10R及びマーカロッド15Rが上記被覆層を有する場合は、これらの被覆層も母材クラッド部20Pの一部とされる。こうして、図2に示すマルチコア光ファイバ母材1Pが得られる。
また、本工程では上記加熱と同時に真空ポンプ51によってコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18H内を真空引きすることが好ましい。真空ポンプ51はコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18H内を真空引き可能なポンプであれば特に限定されない。真空ポンプ51による真空引きに先立って、クラッド母材20Rのうち上記封止材が溶着された側とは反対側の端部において、コアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hの開口部にガラス管54が取り付けられる。このガラス管54を介して真空ポンプ51によって、それぞれのコアロッド10Rの外周面とコアロッド挿入孔10Hの内周面との間、マーカロッド15Rの外周面とマーカロッド挿入孔15Hの内周面との間、及びそれぞれのダミーロッド18Rの外周面とダミー孔18Hの内周面との間の空間を真空引きする。このように真空引きすることによって、それぞれのコアロッド10Rの外周面とコアロッド挿入孔10Hの内周面との間、マーカロッド15Rの外周面とマーカロッド挿入孔15Hの内周面との間、及び、それぞれのダミーロッド18Rの外周面とダミー孔18Hの内周面との間に空気が残留することが抑制され得る。なお、図8では簡略化して示しているが、ガラス管54は全てのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hの開口部に取り付けられ、全てのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hがガラス管54を介して真空ポンプ51によって真空引きされる。
<線引工程P4>
図9は、線引工程P4の様子を示す図である。本工程では、まず、マルチコア光ファイバ母材1Pを紡糸炉110に設置する。そして、紡糸炉110の加熱部111を発熱させて、マルチコア光ファイバ母材1Pを加熱する。このときマルチコア光ファイバ母材1Pの下端は、例えば2000℃に加熱され溶融状態となる。そして、マルチコア光ファイバ母材1Pからガラスが溶融して、ガラスが線引きされる。そして、線引きされた溶融状態のガラスは、紡糸炉110から出ると、すぐに固化して、それぞれの母材コア部10Pがそれぞれのコア10となり、母材マーカ部15Pがマーカ15となり、母材クラッド部20Pがクラッド20となる。このようにして、複数のコア10、マーカ15、及びクラッド20によって構成されるマルチコア光ファイバの素線が得られる。その後、このマルチコア光ファイバの素線は、冷却装置120を通過して、適切な温度まで冷却される。冷却装置120に入る際、マルチコア光ファイバの素線の温度は、例えば1300℃程度であるが、冷却装置120を出る際には、例えば40℃〜50℃となる。
次に、上記マルチコア光ファイバの素線は、内側被覆層31となる紫外線硬化性樹脂が入ったコーティング装置131を通過し、当該マルチコア光ファイバの素線の外周面が紫外線硬化性樹脂で被覆される。更に紫外線照射装置132において当該紫外線硬化性樹脂に紫外線が照射されることで当該紫外線硬化性樹脂が硬化し、内側被覆層31が形成される。次に、内側被覆層31で被覆されたマルチコア光ファイバの素線が外側被覆層32となる紫外線硬化性樹脂が入ったコーティング装置133を通過し、内側被覆層31の外周面が紫外線硬化性樹脂で被覆される。更に紫外線照射装置134において当該紫外線硬化性樹脂に紫外線が照射されることで当該紫外線硬化性樹脂が硬化し、外側被覆層32が形成される。このようにして、図1に示すマルチコア光ファイバ1が製造される。
そして、マルチコア光ファイバ1は、ターンプーリー141により方向が変換され、リール142により巻取られる。
以上説明したように、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材の製造方法は、準備工程P1、ロッド挿入工程P2、及び一体化工程P3を備える。また、ロッド挿入工程P2後であって一体化工程P3前に、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hに形成される空隙の断面積Sとダミー孔18Hに形成される空隙の断面積Sとが下記式(1)及び式(2)を満たす。
0<S (1)
|S−S|<S (2)
本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、一体化工程P3において、コアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H及びダミー孔18Hが縮径する。このとき、それぞれのコアロッド挿入孔10Hには、マーカロッド挿入孔15H側またはダミー孔18H側に引き寄せられる応力が働く。ここで、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、クラッド母材20Rの中心からそれぞれのコアロッド挿入孔10Hの中心を通る方向に延びる半直線で挟まれるそれぞれの領域に、マーカロッド挿入孔15Hまたはダミー孔18Hが形成される。すなわち、それぞれのコアロッド挿入孔10Hは、マーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとの間、又は、ダミー孔18H同士の間に形成されることになる。よって、一体化工程P3において上記のようにコアロッド挿入孔10Hに働く応力の少なくとも一部は互いに打ち消し合う。
また、断面積Sと断面積Sとが上記式(1)及び式(2)を満たすことによって、ダミー孔18Hが非形成とされる場合に比べて、マーカロッド挿入孔15Hの縮径によってコアロッド挿入孔10Hに働く応力が打ち消され易くなると共に、ダミー孔18Hの縮径によるコアロッド挿入孔10Hの位置ずれが抑制され得る。したがって、それぞれのコアロッド挿入孔10Hの位置ずれが抑制され、コアロッド10Rの位置ずれが抑制され得る。このようにしてマルチコア光ファイバ母材1Pを得る際にコアロッド10Rの位置ずれが抑制されることによって、マルチコア光ファイバ母材1Pから得られるマルチコア光ファイバ1のそれぞれのコア10の配置精度の低下が抑制され得る。
また、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、ダミー孔18Hにダミーロッド18Rを挿入することによって、一体化工程P3におけるマーカロッド挿入孔15Hの収縮の仕方とダミー孔18Hの収縮の仕方とを互いに似せることができる。そのため、上記のようにコアロッド挿入孔10Hに働く応力が互いに打ち消し合い易くなり、コアロッド10Rの位置ずれがより抑制され得る。
また、ダミーロッド18Rがマーカロッド15Rに対して識別可能であることによって、マルチコア光ファイバ1においてマーカ15とダミーロッド18Rからなる部位とが識別され得る。そのため、マルチコア光ファイバ1を接続する際にマーカ15を使用することができる。本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、マーカロッド15Rの屈折率とダミーロッド18Rの屈折率とが互いに異なることによって、マルチコア光ファイバ1においてマーカ15はダミーロッド18Rからなる部位に対して容易に識別され得る。なお、本実施形態のダミーロッド18Rは、上記のように母材クラッド部20Pの一部とされるため、マルチコア光ファイバ1においてクラッド20の一部とされる。
また、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、マーカロッド15Rとダミーロッド18Rとは、長手方向に垂直な断面の面積が同じである。したがって、マーカロッド挿入孔15Hの内径とダミー孔18Hの内径とが同じとされることによって、一体化工程P3におけるマーカロッド挿入孔15Hの収縮量とダミー孔18Hの収縮量がほぼ同じになり得る。そのため、上記のようにコアロッド挿入孔10Hに働く応力が互いに打ち消し合い易くなり、コアロッド10Rの位置ずれがより抑制され得る。なお、本実施形態では、マーカロッド15Rとダミーロッド18Rとは、長手方向に垂直な断面の形状も同じである。ただし、上記のようにマーカロッド挿入孔15Hの収縮量とダミー孔18Hの収縮量をほぼ同じにするという観点からは、マーカロッド15Rとダミーロッド18Rとの断面積が同じであればよく、断面形状は互いに異なっていてもよい。
また、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとは、クラッド母材20Rの中心を中心とする同一円上に形成される。そのため、一体化工程P3においてマーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとが縮径する際に、上記のようにコアロッド挿入孔10Hに働く応力が互いに打ち消し合い易くなる。したがって、それぞれのコアロッド10Rの位置ずれがより抑制され得る。
また、本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pの製造方法では、マーカロッド挿入孔15Hを挟む一対の上記半直線に対するマーカロッド挿入孔15Hの相対的位置と、ダミー孔18Hを挟む一対の上記半直線に対するダミー孔18Hの相対的位置と、が同じである。マーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとが、それらを挟む一対の半直線に対する相対的位置が同じであることによって、一体化工程P3においてマーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとが縮径する際に、上記のようにコアロッド挿入孔10Hに働く応力が互いに打ち消し合い易くなる。したがって、それぞれのコアロッド10Rの位置ずれがより抑制され得る。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図10は、本発明の第2実施形態に係るマルチコア光ファイバ母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。
本実施形態のマルチコア光ファイバ母材1Pは、ダミーロッド18Rからなる部位である母材ダミー部18Pがクラッド20に対して識別可能とされる点において、上記第1実施形態と異なる。本実施形態では、ロッド挿入工程P2で用いられるダミーロッド18Rがクラッド20とは異なる材料を含む。ただし、ダミーロッド18Rの屈折率はクラッド20の屈折率以下であることが好ましい。ダミーロッド18Rの屈折率がクラッド20の屈折率以下であることによって、マルチコア光ファイバ1においてダミーロッド18Rからなる部位、すなわち母材ダミー部18Pからなる部位に光が伝搬することが抑制され得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る一体化工程P3の一部の様子を示す断面図である。図11では、理解を容易にするため、コアロッド10R、マーカロッド15R、ダミーロッド18R及びクラッド母材20Rは、長手方向に平行な断面で示されている。
本実施形態の一体化工程P3では、まず、クラッド母材20Rのうち一方の底面に板状の封止材60を溶着する。封止材60は、全てのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔18Hの一方の開口部を覆うようにクラッド母材20Rに溶着される。そのため、全てのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔18Hの一方の開口部が封止材60に封止される。この封止材60には、例えば、ガラス板を用いることができる。次に、封止材60のクラッド母材20R側とは反対側の面に棒状のガラスからなる下部ダミーロッド61を溶着する。
また、クラッド母材20Rの上記封止材60が溶着される側と反対側の底面に上部ダミー管62を溶着する。上部ダミー管62は、上部ダミー管62の内周面が全てのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔18Hを囲い、上部ダミー管62の貫通孔とクラッド母材20Rのコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔18Hとが連通するように溶着される。更に、上部ダミー管62の上部に蓋体66を溶着する。蓋体66には、孔が形成されている。
次に、一方のチャッキング部63によって下部ダミーロッド61をチャッキングし、他方のチャッキング部64によって上部ダミー管62をチャッキングすることにより、クラッド母材20Rを支持する。このとき、蓋体66に形成された孔に管67を接続して、管67から真空ポンプ51により空気を抜くようにされる。
このように支持されたクラッド母材20Rを長手方向が鉛直方向となるようにして加熱炉65に通す。本工程では、クラッド母材20Rを下端側から加熱炉65に通してクラッド母材20Rを下方に移動させることにより、加熱炉65によってクラッド母材20Rの全体を加熱する。このとき、真空ポンプ51によってコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔内を真空引きする。この加熱及び真空引きにより、クラッド母材20Rに形成されたコアロッド挿入孔10H、マーカロッド挿入孔15H、及びダミー孔18Hが縮径され、それぞれのコアロッド挿入孔10Hの内周面とそれぞれのコアロッド10Rの外周面とが一体化され、マーカロッド挿入孔15Hの内周面とマーカロッド15Rの外周面とが一体化され、それぞれのダミー孔18Hの内周面とそれぞれのダミーロッド18Rの外周面とが一体化される。また、このときそれぞれのチャッキング部63,64の相対的な距離を大きくすることで、クラッド母材20R、コアロッド10R、マーカロッド15R及びダミーロッド18Rは長手方向に引き延ばされながら一体化される。このようにコアロッド10R、マーカロッド15R、及びダミーロッド18Rがクラッド母材20Rと一体化されることによって、コアロッド10Rの外周面とコアロッド挿入孔10Hの内周面との間、マーカロッド15Rの外周面とマーカロッド挿入孔15Hの内周面との間、及びにダミーロッド18Rの外周面とダミー孔18Hの内周面との間に不要な空間が形成されることが抑制され得る。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態及び第3実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図12は、本発明の第4実施形態に係る線引工程P4の様子を示す図である。図12では、理解を容易にするため、図11と同様に、コアロッド10R、マーカロッド15R、ダミーロッド18R及びクラッド母材20Rは、長手方向に平行な断面で示されている。
上記第1実施形態では、一体化工程P3を経てマルチコア光ファイバ母材1Pを作製した後に線引工程P4が行われる例を挙げて説明したが、本実施形態では、上記第1実施形態と同様に準備工程P1及びロッド挿入工程P2を行った後、線引工程P4において、クラッド母材20R、コアロッド10R、マーカロッド15R、及びダミーロッド18Rを一体化させつつ線引きする。すなわち、本実施形態の線引工程P4は、上記第1実施形態の一体化工程P3を兼ねている。なお、本実施形態では、線引工程P4に先立って、クラッド母材20Rの上部に上部ダミー管62を溶着し、上部ダミー管62のうちクラッド母材20Rとは反対側の端部には孔が形成された蓋体66を溶着する。本実施形態の線引工程P4では、蓋体66の孔に接続された管67を介して真空ポンプ51により空気を抜きながら、以下のように線引工程P4を行う。本実施形態の線引工程P4では、図12に示すように、クラッド母材20Rと、クラッド母材20Rに挿入されたコアロッド10R、マーカロッド15R、及びダミーロッド18Rとを長手方向が垂直となるように立てて紡糸炉110内に設置する。次に、クラッド母材20R、コアロッド10R、マーカロッド15R、ダミーロッド18Rの下端部を加熱部111で加熱して一体化させながら線引きする。この一体化が行われる際に、それぞれのコアロッド10Rの外周面とコアロッド挿入孔10Hの内周面との間、マーカロッド15Rの外周面とマーカロッド挿入孔15Hの内周面との間、及びダミーロッド18Rの外周面とダミー孔18Hの内周面との間の空間が潰される。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図13は、本発明の第5実施形態に係るロッド挿入工程P2後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。
本実施形態のマーカロッド15Rとダミーロッド18Rとは、長手方向に垂直な断面の形状が互いに異なる点において、上記第1実施形態と異なる。マーカロッド15Rの断面形状とダミーロッド18Rの断面形状とが互いに異なることによって、マルチコア光ファイバ1においてマーカ15はダミーロッド18Rからなる部位に対して容易に識別され得る。なお、図13には、マーカロッド15Rの長手方向に垂直な断面が円形であると共にダミーロッド18Rの長手方向に垂直な断面が四角形である例が示されているが、マーカロッド15R及びダミーロッド18Rの形状はこれらに限定されない。本実施形態では、マーカロッド15Rの断面形状とダミーロッド18Rの断面形状とが互いに異なっていればよく、マーカロッド15Rの断面形状が多角形であると共にダミーロッド18Rの断面形状が他の多角形や円形であってもよい。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図14は、本発明の第6実施形態に係るロッド挿入工程P2後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。
本実施形態のマーカロッド15Rとダミーロッド18Rとは、長手方向に垂直な断面の面積が互いに異なる点において、上記第1実施形態と異なる。このようにマーカロッド15Rの断面積とダミーロッド18Rの断面積とが互いに異なることによって、マルチコア光ファイバ1においてマーカ15はダミーロッド18Rからなる部位に対して容易に識別され得る。なお、図14には、マーカロッド15Rの断面積がダミーロッド18Rの断面積より大きい例が示されているが、マーカロッド15Rの断面積がダミーロッド18Rの断面積より小さくてもよい。また、上記式(1)及び式(2)を満たすように、マーカロッド挿入孔15Hの内径はマーカロッド15Rの外径に合わせて適宜調整され、ダミー孔18Hの内径はダミーロッド18Rの外径に合わせて適宜調整される。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図15は、本発明の第7実施形態に係る準備工程P1後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。
本実施形態のマーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとは、半直線L1,L2,L3のうちマーカロッド挿入孔15Hまたはダミー孔18Hを挟む一対の半直線に対する相対的位置が異なる。すなわち、半直線L1,L2,L3のうちマーカロッド挿入孔15Hを挟む一対の半直線に対するマーカロッド挿入孔15Hの相対的位置と、半直線L1,L2,L3のうちダミー孔18Hを挟む一対の半直線に対するダミー孔18Hの相対的位置と、が互いに異なる。図15に示す例では、マーカロッド挿入孔15Hが半直線L1と半直線L2の間のほぼ中央に形成されている。また、1つのダミー孔18Hは、半直線L3よりも半直線L1側に寄った位置に形成され、他の1つのダミー孔18Hが半直線L3よりも半直線L2側に寄った位置に形成されている。そして、コアロッド挿入孔10Hにコアロッド10Rが挿入され、マーカロッド挿入孔15Hにマーカロッド15Rが挿入され、ダミー孔18Hにダミーロッド18Rが挿入される。その後、コアロッド10R、マーカロッド15R、ダミーロッド18R、及びクラッド母材20Rが一体化させることにより、マルチコア光ファイバ母材1Pが製造される。本実施形態のように、マーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとが、それらを挟む一対の半直線に対する相対的位置が互いに異なるように形成されることによって、マルチコア光ファイバ1においてマーカ15はダミーロッド18Rからなる部位に対して容易に識別され得る。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図16は、本発明の第8実施形態に係るロッド挿入工程P2後のクラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面を示す図である。
本実施形態のロッド挿入工程P2は、ダミー孔18Hにダミーロッド18Rが挿入されない点において、上記第1実施形態と異なる。ダミー孔18Hの内径は、上記式(1)及び式(2)を満たすように適宜調整される。このようにダミー孔18Hに何も挿入されない場合は、ダミーロッド18Rを用意する必要がないため、マルチコア光ファイバ母材1Pの製造が簡略化され得る。なお、この場合、ロッド挿入工程P2後であって一体化工程P3前のダミー孔に形成される空隙の断面積Sとは、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面におけるダミー孔18Hの断面積である。
以上、本発明について、上記第1から第8実施形態を例に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、クラッド20の中心軸に沿って配置されるコア10は必須ではない。また、上記実施形態では、クラッド20の中心軸の周りに3つのコア10が配置される形態を例示して説明したが、クラッド20の中心軸の周りに配置されるコア10の数は複数であれば特に限定されない。例えば、クラッド20の中心軸の周りに配置されるコア10の数は2つでもよく、4つ以上でもよい。ただし、クラッド20の長手方向に垂直な断面において、クラッド20の中心軸の周りに配置されるコア10は、クラッド20の中心を中心としてn回回転対称となるように配置されることが好ましい。ここで、nは、クラッド20の中心軸の周りに配置されるコア10の数である。よって、クラッド20の中心軸の周りに配置されるコア10の数が2つとされる場合、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、クラッド母材20Rの中心を通る直線上に2つのコアロッド挿入孔10Hが形成されることが好ましい。この場合、クラッド母材20Rの中心からそれぞれのコアロッド挿入孔10Hの中心を通る方向に延びる2つの半直線は、直線上に形成される。この場合、互いに隣り合う半直線で挟まれる領域は、当該直線を境にした一方側の領域と他方側の領域を意味する。
また、上記第1実施形態では、クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15Hとダミー孔18Hとは、クラッド母材20Rの中心を中心とする同一円上に形成される例を挙げて説明したが、本発明は当該形態に限定されない。クラッド母材20Rの長手方向に垂直な断面において、マーカロッド挿入孔15H及びそれぞれのダミー孔18Hの少なくとも一つは、クラッド母材20Rの中心を中心とする互いに異なる円上に形成されてもよい。
また、上記第1から第8実施形態のうち複数の実施形態が組み合わせられてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1〜5)
偏心量が10μm以下であるコアロッド10Rを4本準備した。その後、クラッド母材20Rに孔開機を用いてコアロッド挿入孔10Hを4つ形成した。1つのコアロッド挿入孔10Hはクラッド母材20Rの中心軸に沿うように形成し、他の3つのコアロッド挿入孔10Hはクラッド母材20Rの中心軸から一定の距離離れた位置において3回回転対称となる位置に形成されることを狙って形成した。その後、それぞれのコアロッド挿入孔10Hの位置を3次元測定器によって測定した。その測定結果を「母材での測定結果」として下記表1に示す。表1に示す角θ12,θ23,θ13は、上記第1実施形態において説明した通りである。
次に、上記第1実施形態と同様にして1つのマーカロッド挿入孔15H及び2つのダミー孔18Hを形成した。さらに、上記のように形成されたコアロッド挿入孔10Hにコアロッド10Rを挿入し、マーカロッド挿入孔15Hにマーカロッド15Rを挿入し、ダミー孔18Hにダミーロッド18Rを挿入した。そして、断面積S、断面積S及び|S−S|の大きさを求めた。その結果を表1に示す。その後、クラッド母材20R、コアロッド10R、マーカロッド15R、及びダミーロッド18Rを一体化してマルチコア光ファイバ母材1Pを得た。さらに、このマルチコア光ファイバ母材1Pを線引きしてマルチコア光ファイバ1を得た。その後、それぞれのコア10の位置を測定顕微鏡によって測定し、その測定結果を「光ファイバでの測定結果」として下記表1に示す。「光ファイバでの測定結果」におけるθ12,θ23,θ13は、それぞれ「母材での測定結果」におけるθ12,θ23,θ13に対応する位置の角である。なお、実施例1〜5では、表1に示すように、|S−S|<Sとなる範囲内で断面積Sの大きさが変わるようにダミー孔18Hの大きさを変更した。
(比較例1〜4)
クラッド母材20Rに形成するダミー孔18Hの大きさを変更したこと以外は実施例1〜5と同様にしてマルチコア光ファイバを製造した。比較例1では、ダミー孔18Hを形成せず、比較例2〜4では|S−S|>Sとなるようにダミー孔18Hを形成した。そして、比較例1〜4に係るクラッド母材及びマルチコア光ファイバについて、実施例1〜5と同様に評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006966311
表1に示すように、比較例1〜4に係るマルチコア光ファイバでは、母材での測定結果におけるθ12,θ23,θ13と光ファイバでの測定結果におけるθ12,θ23,θ13と値が異なっていた。比較例1では、一体化工程においてマーカロッド挿入孔が縮径することによって、コアロッド挿入孔の位置がずれ、コアロッドの位置がずれたと考えられる。また、比較例2〜4では、一体化工程におけるダミー孔の縮径が大きく、コアロッド挿入孔の位置がずれ、コアロッドの位置がずれたと考えられる。一方、実施例1〜5に係るマルチコア光ファイバでは、θ12,θ23,θ13は母材での測定結果と光ファイバでの測定結果とで変化が抑制されていた。一体化工程においてマーカロッド挿入孔が縮径すると共にダミー孔も縮径することによって、コアロッド挿入孔の位置ずれが抑制され、コアロッドの位置ずれが抑制されたと考えられる。このように、本発明によれば、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアの配置精度の低下が抑制され得ることが示された。
以上説明したように、本発明によれば、マルチコア光ファイバのそれぞれのコアの配置精度の低下が抑制され得るマルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法が提供され、光ファイバ通信の分野や、その他光ファイバを利用したデバイスに利用することができる。
1・・・マルチコア光ファイバ
1P・・・マルチコア光ファイバ母材
10・・・コア
10P・・・母材コア部
10R・・・コアロッド
10H・・・コアロッド挿入孔
15・・・マーカ
15P・・・母材マーカ部
15R・・・マーカロッド
15H・・・マーカロッド挿入孔
18P・・・母材ダミー部
18R・・・ダミーロッド
18H・・・ダミー孔
20・・・クラッド
20P・・・母材クラッド部
20R・・・クラッド母材
31・・・内側被覆層
32・・・外側被覆層
P1・・・準備工程
P11・・・第1穿孔工程
P12・・・第2穿孔工程
P13・・・第3穿孔工程
P2・・・ロッド挿入工程
P3・・・一体化工程
P4・・・線引工程

Claims (13)

  1. 長手方向に垂直な断面の中心を中心とする同一円上に形成される複数のコアロッド挿入孔と、前記中心からそれぞれの前記コアロッド挿入孔の中心を通る方向に延びる半直線のうち互いに隣り合う前記半直線で挟まれる領域の一つに形成されるマーカロッド挿入孔と、隣り合う前記半直線で挟まれる他の全ての領域に形成されるダミー孔と、を有するクラッド母材を準備する準備工程と、
    前記コアロッド挿入孔にコアとなるコアロッドを挿入し、前記マーカロッド挿入孔にマーカとなるマーカロッドを挿入するロッド挿入工程と、
    前記クラッド母材、前記コアロッド、及び前記マーカロッドを一体化させる一体化工程と、
    を備え、
    前記ロッド挿入工程後であって前記一体化工程前に、前記クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、前記マーカロッド挿入孔に形成される空隙の断面積Sと前記ダミー孔に形成される空隙の断面積Sとが下記式(1)及び式(2)を満たす
    ことを特徴とするマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
    0<S (1)
    |S−S|<S (2)
  2. 前記ロッド挿入工程において、前記ダミー孔に前記マーカロッドに対して識別可能なダミーロッドを挿入し、
    前記一体化工程において、前記クラッド母材、前記コアロッド、前記マーカロッド、及び前記ダミーロッドを一体化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、長手方向に垂直な断面の形状が互いに異なる
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、長手方向に垂直な断面の面積が互いに異なる
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、屈折率が互いに異なる
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  6. 前記ダミーロッドの屈折率が前記クラッド母材の屈折率以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  7. 前記マーカロッドと前記ダミーロッドとは、屈折率が互いに異なると共に長手方向に垂直な断面の面積が同じであり、
    前記マーカロッド挿入孔の内径と前記ダミー孔の内径とが同じである
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  8. 前記ダミー孔に何も挿入されずに前記一体化工程が行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  9. 前記クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、前記マーカロッド挿入孔と前記ダミー孔とは、前記クラッド母材の中心を中心とする同一円上に形成される
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  10. 前記マーカロッド挿入孔を挟む一対の前記半直線に対する前記マーカロッド挿入孔の相対的位置と、前記ダミー孔を挟む一対の前記半直線に対する前記ダミー孔の相対的位置と、が同じである
    ことを特徴とする請求項9に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  11. 前記マーカロッド挿入孔を挟む一対の前記半直線に対する前記マーカロッド挿入孔の相対的位置と、前記ダミー孔を挟む一対の前記半直線に対する前記ダミー孔の相対的位置と、が互いに異なり、
    前記ロッド挿入工程において、前記ダミー孔にダミーロッドを挿入し、
    前記一体化工程において、前記クラッド母材、前記コアロッド、前記マーカロッド、及び前記ダミーロッドを一体化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のマルチコア光ファイバ母材の製造方法により製造されるマルチコア光ファイバ母材を線引きする線引工程を備える
    ことを特徴とするマルチコア光ファイバの製造方法。
  13. 長手方向に垂直な断面の中心を中心とする同一円上に形成される複数のコアロッド挿入孔と、前記中心からそれぞれの前記コアロッド挿入孔の中心を通る方向に延びる半直線のうち互いに隣り合う前記半直線で挟まれる領域の一つに形成されるマーカロッド挿入孔と、隣り合う前記半直線で挟まれる他の全ての領域に形成されるダミー孔と、を有するクラッド母材を準備する準備工程と、
    前記コアロッド挿入孔にコアとなるコアロッドを挿入し、前記マーカロッド挿入孔にマーカとなるマーカロッドを挿入するロッド挿入工程と、
    前記クラッド母材、前記コアロッド、及び前記マーカロッドを一体化させつつ線引きする線引工程と、
    を備え、
    前記ロッド挿入工程後であって前記一体化の前に、前記クラッド母材の長手方向に垂直な断面において、前記マーカロッド挿入孔に形成される空隙の断面積Sと前記ダミー孔に形成される空隙の断面積Sとが下記式(1)及び式(2)を満たす
    ことを特徴とするマルチコア光ファイバの製造方法。
    0<S (1)
    |S−S|<S (2)
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