JP2020019680A - マルチコアファイバ用母材の製造方法およびマルチコアファイバの製造方法 - Google Patents

マルチコアファイバ用母材の製造方法およびマルチコアファイバの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチコアファイバ用の母材を製造するにあたって、コア部の変形を抑制できるマルチコアファイバ用母材の製造方法およびマルチコアファイバの製造方法を提供する。【解決手段】コア部11を有するコア入りガラスロッド1を含む複数のガラスロッドを複数の層をなすように集合させたロッド集合体4を石英管3内に配置してロッド/石英管ユニット5を得る配置工程と、ロッド/石英管ユニット5を溶融、一体化させて原母材とする一体化工程と、前記原母材の外周領域を削除する外削工程と、を有する。配置工程においては、ロッド集合体4を構成する最外層のガラスロッドとして、コア入りガラスロッド1を用いる。外削工程においては、少なくとも最外層のコア入りガラスロッド1に由来するコア部を削除する。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチコアファイバ用母材の製造方法およびマルチコアファイバの製造方法に関する。
マルチコアファイバ用母材の製造方法としては、スタックアンドドロー法(非特許文献1を参照)および孔開法が知られている。スタックアンドドロー法は、コア部を有する複数のガラスロッドと、コア部を含まないガラスロッド(スペーサ)とを石英管内に挿入し、これらを一体化することにより母材を得る。なお、スペーサは母材の充実化のために用いられる。孔開法は、ドリル等の穿孔装置を用いてガラス母材に複数の孔を開け、その中に、コア部を有するガラスロッドを挿入し、空隙をつぶすことにより母材を得る。
孔開法では、穿孔装置の仕様によって、作製可能な母材の大きさに制約が生じるため、光ファイバの長尺化の点で課題がある。これに対し、スタックアンドドロー法は、径が大きい母材を作製しやすいため、光ファイバの長尺化に対応できる。スタックアンドドロー法は、光ファイバの低損失化の点でも好ましい。
非結合型マルチコアファイバでは、コア間のクロストークを抑制することは重要である。クロストークの低減には、コアの周囲に低屈折率層を設けることで、コアの電界の重なりを抑制する手法が有効である。低屈折率層は、例えば、屈折率を低くする効果を持つドーパント(フッ素など)が用いられるため、クラッド(シリカ層)と比較して低硬度となりやすい。
低屈折率層を有するマルチコアファイバ用の母材をスタックアンドドロー法によって製造する方法は、低屈折率層を有する複数のガラスロッドをスペーサともに石英管に挿入し、これらを一体化する工程を含む。この工程においては、他のガラスロッド、スペーサ、石英管等により押圧力が働くことによって低屈折率層が変形し、これに伴いコア部も変形する可能性があった。特に、最外層のガラスロッド側においては、押圧力に不均衡が生じ、低屈折率層およびコア部の変形が起こりやすかった。コアの変形は、例えば、偏波モード分散(PMD)などの光学的な特性に悪影響を与える可能性がある。なお、上記ではマルチコアファイバ用の母材が低屈折率層を有する旨を説明したが、低屈折率層を有さないマルチコアファイバ用の母材においても同様の要請が生じ得る。
本発明の一態様は、マルチコアファイバ用の母材を製造するにあたって、コア部の変形を抑制できるマルチコアファイバ用母材の製造方法およびマルチコアファイバの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、コア部を有するコア入りガラスロッドを含む複数のガラスロッドを複数の層をなすように集合させたロッド集合体を石英管内に配置してロッド/石英管ユニットを得る配置工程と、前記ロッド/石英管ユニットを溶融、一体化させて原母材とする一体化工程と、前記原母材の外周領域を削除する外削工程と、を有し、配置工程において、少なくとも前記ロッド集合体を構成する最外層のガラスロッドとして、前記コア入りガラスロッドを用い、前記外削工程において、少なくとも前記最外層のコア入りガラスロッドに由来するコア部を削除する、マルチコアファイバ用母材の製造方法を提供する。
本発明の他の態様は、コア部を有するコア入りガラスロッドを含む複数のガラスロッドを複数の層をなすように集合させたロッド集合体を石英管内に配置してロッド/石英管ユニットを得る配置工程と、前記ロッド/石英管ユニットを溶融、一体化させて原母材とする一体化工程と、を有し、前記ロッド集合体を構成する最外層のガラスロッドとして、前記コア部のないガラスロッドを用いる、マルチコアファイバ用母材の製造方法を提供する。
前記ロッド集合体を構成するガラスロッドは、六方最密構造をとることが好ましい。
配置工程において、前記ロッド集合体と前記石英管との間にスペーサロッドを配置することができる。
配置工程において、前記ロッド集合体を構成するガラスロッドの隙間に、スペーサロッドを配置することができる。
本発明のさらに他の態様は、前記マルチコアファイバ用母材の製造方法によって得られたマルチコアファイバ用母材を線引きすることによってマルチコアファイバを得る、マルチコアファイバの製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、マルチコアファイバ用の母材を製造するにあたって、コア部の変形を抑制できる。
第1実施形態の製造方法において、複数のガラスロッドを石英管に挿入したユニットの断面図である。 図1に示すユニットで用いられるコア入りガラスロッドの屈折率分布を示す図である。 図1に示すユニットを一体化して得た原母材の断面図である。 図3の原母材の外周領域を削除して得た外削体の断面図である。 図4の外削体の外周面に外付けを行って得た光ファイバ母材の断面図である。 マルチコアファイバの一例の断面図である。 第2実施形態の製造方法において、複数のガラスロッドを石英管に挿入したユニットの断面図である。 図7に示すユニットを一体化して得た原母材の断面図である。 図8の原母材の外周領域を削除して得た光ファイバ母材の断面図である。 第3実施形態の製造方法において、複数のガラスロッドを石英管に挿入したユニットの断面図である。 比較形態の製造方法において、複数のガラスロッドを石英管に挿入したユニットの断面図である。 図11に示すユニットを一体化して得た光ファイバ母材の断面図である。
[マルチコアファイバ用母材の製造方法](第1実施形態)
第1実施形態に係るマルチコアファイバ用母材の製造方法を、図1〜図6を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため縮尺を変更している場合がある。
製造方法の説明に先だって、この製造方法によって得られる光ファイバ母材から作製されるマルチコアファイバについて説明する。図6は、第1実施形態の製造方法によって得られる光ファイバ母材から作製されるマルチコアファイバの一例の断面図である。
図6に示すマルチコアファイバ100は、複数のコア101と、クラッド102とを備えている。複数のコア101は、複数の層(図6では3層)を構成して配置されている。すなわち、複数のコア101は、中心コア101A(第1層コア)と、複数の第2層コア101Bと、複数の第3層コア101Cとを含む。中心コア101Aは、クラッド102の中央に配置されている。複数(図6では6つ)の第2層コア101Bは、中心コア101Aを囲むように並んで配置されている。複数(図6では12)の第3層コア101Cは、第2層コア101Bを囲むように並んで配置されている。
コア101は、それぞれコア要素105を構成している。コア要素105は、コア101と、コア101の外周側に形成された内側クラッド103と、内側クラッド103の外周側に形成された低屈折率層104とを備える。低屈折率層104は、クラッド102に包囲されている。内側クラッド103の屈折率はコア101の屈折率より低い。低屈折率層104の屈折率は内側クラッド103およびクラッド102の屈折率より低い。
クラッド102の外周面には、樹脂からなる一次被覆層106と、樹脂からなる二次被覆層107とが形成されている。
次に、第1実施形態に係るマルチコアファイバ用母材の製造方法を説明する。
図1は、第1実施形態の製造方法において、複数のコア入りガラスロッド1を外スペーサロッド2とともに石英管3に挿入したユニットの断面図である。図2は、コア入りガラスロッド1の屈折率分布を示す図である。
第1実施形態の製造方法は、(1)配置工程、(2)一体化工程、(3)外削工程、(4)外付け工程を含む。
(配置工程)
図1に示すように、複数のコア入りガラスロッド1を集合させた状態で石英管3内に配置する。集合させた状態の複数のコア入りガラスロッド1をロッド集合体4という。
コア入りガラスロッド1は、コア部11と、コア部11を覆うクラッド部12と、を有している。コア部11は、マルチコアファイバのコア(例えば、図6に示すコア101)となり得る。クラッド部12は、コア部11の外周側に形成された内側クラッド部13と、内側クラッド部13の外周側に形成された低屈折率層14と、低屈折率層14の外周側に形成された外側クラッド部15と、を備えている。内側クラッド部13は、マルチコアファイバの内側クラッド(例えば、図6に示す内側クラッド103)となり得る。低屈折率層14は、マルチコアファイバの低屈折率層(例えば、図6に示す低屈折率層104)となり得る。外側クラッド部15は、マルチコアファイバのクラッド(例えば、図6に示すクラッド102)となり得る。
コア入りガラスロッド1は、長さ方向に直交する断面が円形状である。複数のコア入りガラスロッド1の外径は互いに等しい。
コア部11、クラッド部12(内側クラッド部13、低屈折率層14、および外側クラッド部15)には、必要に応じて、ガラスに、屈折率等を調整するためのドーパントが添加されている。コア部11には、例えば、ゲルマニウム(Ge)などの屈折率を上昇させるドーパントが添加される。クラッド部12(内側クラッド部13、低屈折率層14、および外側クラッド部15)には、例えば、フッ素(F)などの屈折率を低下させるドーパント、塩素(Cl)などの屈折率を上昇させるドーパントなどが添加される。屈折率は、ドーパントの種類および添加量によって調整できる。低屈折率層14は、ドーパントの影響により、他の部位に比べて硬度が低くなる可能性がある。
図2に示すように、内側クラッド部13の屈折率はコア部11の屈折率より低い。低屈折率層14の屈折率は内側クラッド部13および外側クラッド部15の屈折率より低い。
図1に示すように、複数のコア入りガラスロッド1は、複数の層を構成して配置されている。すなわち、複数のコア入りガラスロッド1は、中心ロッド1A(第1層ロッド)と、複数の第2層ロッド1Bと、複数の第3層ロッド1Cと、複数の第4層ロッド1Dとを含む。中心ロッド1Aは、石英管3の中央に配置されている。複数(図6では6本)の第2層ロッド1Bは、中心ロッド1Aを囲むように並んで配置されている。複数の第2層ロッド1Bは中心ロッド1Aに接している。複数(図6では12本)の第3層ロッド1Cは、第2層ロッド1Bを囲むように並んで配置されている。複数の第3層ロッド1Cは第2層ロッド1Bに接している。複数(図6では18本)の第4層ロッド1Dは、第3層ロッド1Cを囲むように並んで配置されている。複数の第4層ロッド1Dは第3層ロッド1Cに接している。第4層ロッド1Dは、最外層である第4層を構成する。
複数のコア入りガラスロッド1は、六方最密構造をとるように(すなわち、三角格子状に)配置されている。複数のコア入りガラスロッド1は、長さ方向に直交する断面(図1参照)において、隣り合って接する3つのコア入りガラスロッド1の中心を結ぶ線が正三角形となるように配置されている。複数のコア入りガラスロッド1は、六方最密構造をとることによって、コア部11を規則正しく、かつ一層密に配列することができる。そのため、複数のコア部(図5参照)が規則正しく、かつ一層密に配列されたマルチコアファイバ用母材を製造できる。
外スペーサロッド2を、ロッド集合体4の外周面と石英管3の内周面との間に配置する。コア入りガラスロッド1および外スペーサロッド2を石英管3内に配置したユニットを「ロッド/石英管ユニット5」という。
外スペーサロッド2は、例えば、石英系のガラスで構成されている。外スペーサロッド2は、外径が互いに等しくてもよいが、外径が異なる複数種類を用いてもよい。図1に示すロッド/石英管ユニット5では、4種類の外スペーサロッド2が用いられている。すなわち、複数の外スペーサロッド2は、第1外スペーサロッド2Aと、第2外スペーサロッド2Bと、第3外スペーサロッド2Cと、第4外スペーサロッド2Dとを含む。第1外スペーサロッド2Aは最も外径が大きい外スペーサロッド2である。第2外スペーサロッド2Bは第1外スペーサロッド2Aに比べて外径が小さい。第3外スペーサロッド2Cは第2外スペーサロッド2Bに比べて外径が小さい。第4外スペーサロッド2Dは第3外スペーサロッド2Cに比べて外径が小さい。ロッド/石英管ユニット5では、ロッド集合体4と石英管3との隙間に、当該隙間に応じて選ばれた、4種類の外スペーサロッド2A〜2Dのうちいずれかが配置されている。外スペーサロッド2は、例えば、第4層ロッド1Dおよび石英管3に接している。
石英管3は、円筒状、すなわち、長さ方向に直交する断面が円形状である管体である。石英管3は、例えば石英系のガラスで構成されている。
(一体化工程)
図1に示すロッド/石英管ユニット5を、加熱炉を用いて加熱する。これにより、コア入りガラスロッド1、外スペーサロッド2および石英管3は溶融して一体化する。図3に示すように、この一体化物を「原母材6」という。原母材6は、複数のコア部11と、クラッド部22とを備えている。複数のコア部11は、複数の層(図3では4層)を構成して配置されている。すなわち、複数のコア部11は、中心コア部11A(第1層コア部)と、複数の第2層コア部11Bと、複数の第3層コア部11Cと、第4層コア部11Dとを含む。
中心コア部11Aは、クラッド部22の中央に配置されている。中心コア部11Aは、中心ロッド1Aのコア部11(図1参照)に由来するコア部である。複数(図3では6つ)の第2層コア部11Bは、中心コア部11Aを囲むように並んで配置されている。第2層コア部11Bは、第2層ロッド1Bのコア部11(図1参照)に由来するコア部である。複数(図3では12)の第3層コア部11Cは、第2層コア部11Bを囲むように並んで配置されている。第3層コア部11Cは、第3層ロッド1Cのコア部11(図1参照)に由来するコア部である。複数(図3では18)の第4層コア部11Dは、第3層コア部11Cを囲むように並んで配置されている。複数の第4層コア部11Dは、最外層を構成する。第4層コア部11Dは、第4層ロッド1Dのコア部11(図1参照)に由来するコア部である。
コア部11は、それぞれコア要素25を構成している。コア要素25は、コア部11と、コア部11の外周側に形成された内側クラッド部23と、内側クラッド部23の外周側に形成された低屈折率層24とを備える。低屈折率層24は、クラッド部22に包囲されている。内側クラッド部23の屈折率はコア部11の屈折率より低い。低屈折率層24の屈折率は内側クラッド部23およびクラッド部22の屈折率より低い。
(外削工程)
図4に示すように、原母材6の外周領域(外周面から所定深さの領域)を全周にわたって削除する外削加工を行うことによって、外削体7を得る。外削加工には、機械的加工(例えば研削加工、切削加工など)、化学的加工(例えばエッチングなど)を採用できる。この加工において削除される外周領域の深さ範囲は、第4層コア部11D(図3参照)が削除されるように定められる。外削体7の外径は原母材6の外径より小さくなる。
外削体7は、複数のコア部11と、クラッド部32とを備えている。クラッド部32は、クラッド部22(図3参照)の一部である。原母材6の第4層コア部11D(図3参照)が削除されるため、複数のコア部11は、原母材6における層の数より1つ少ない層(図4では3層)を構成する。すなわち、複数のコア部11は、中心コア部11A(第1層コア部)と、複数の第2層コア部11Bと、複数の第3層コア部11Cとを含む。
(外付け工程)
図5に示すように、外削体7の外周面に外付け層8を全周にわたって形成することによって、光ファイバ母材9(マルチコアファイバ用母材)を得る。
外付け層8の形成方法としては、スート法、ジャケット法などを採用できる。スート法を用いる場合は、外削体7の外周面にスートを堆積させた後、これを焼結させることによって外付け層8を形成する。ジャケット法を用いる場合には、外削体7に石英管(図示略)を被せ、これらを融着させることによって外付け層8を形成する。外付け層8は、クラッド部32(図4参照)と一体化されて、クラッド部42となる。
光ファイバ母材9は、複数のコア部11と、クラッド部42とを備えている。複数のコア部11は、中心コア部11A(第1層コア部)と、複数の第2層コア部11Bと、複数の第3層コア部11Cとを含む。
[マルチコアファイバの製造方法](第1実施形態)
光ファイバ母材9を線引きすることでマルチコアファイバ(例えば、図6に示すマルチコアファイバ100)を作製することができる。詳しくは、光ファイバ母材9を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する(紡糸工程)。次いで、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層(例えば、図6に示す一次被覆層106および二次被覆層107)を設ける(コーティング工程)。次いで、前記被覆層を硬化させる(硬化工程)。このようにして、マルチコアファイバを作製することができる。
本実施形態の製造方法によれば、最外層である第4層コア部11Dに変形が生じたとしても、外削工程において第4層コア部11D(図3参照)は削除される。第1〜第3コア部11A〜11Cは石英管3から離れているため、一体化工程において変形は生じにくい。このため、変形の度合いが大きいコア部がない光ファイバ母材9を製造できる。したがって、変形の度合いが大きいコアを含まないマルチコアファイバが得られる。この変形の度合いが大きいコアがない分だけ、光学的な悪影響(例えば、偏波モード分散(PMD)に与える悪影響)を抑制できる。
また、本実施形態の製造方法では、ロッド集合体4(図1参照)を構成するガラスロッドは1種類(すなわち、コア入りガラスロッド1のみ)である。そのため、多種類のロッドを用いる場合に比べて、すべてのガラスロッドを精度よく同径にできる。したがって、寸法精度の高い光ファイバ母材9を作製できる。また、多種類のロッドを用いる場合と異なり、異種ロッドの順序、配列等に配慮する必要がなく、ロッド集合体4の作製が容易である。
また、本実施形態の製造方法では、余剰のコア入りガラスロッド1が生じた場合に、このコア入りガラスロッド1を第4層ロッド1Dとして有効に利用できるため、製造コスト抑制が可能である。
また、本実施形態の製造方法では、ロッド集合体4と石英管3との間に外スペーサロッド2を配置するため、ロッド集合体4と石英管3との間の空隙を小さくできる。そのため、寸法精度の高い光ファイバ母材9を作製できる。
[マルチコアファイバ用母材の製造方法](第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るマルチコアファイバ用母材の製造方法を説明する。なお、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図7は、第2実施形態の製造方法において、複数のコア入りガラスロッド1およびガラスロッド50を外スペーサロッド2とともに石英管3に挿入したユニットの断面図である。第2実施形態の製造方法は、(1)配置工程、(2)一体化工程、(3)外削工程を含む。
(配置工程)
図7に示すように、複数のコア入りガラスロッド1およびガラスロッド50を集合させた状態で石英管3内に配置する。集合させた状態の複数のコア入りガラスロッド1およびガラスロッド50をロッド集合体54という。
第2実施形態における配置工程は、最外層である第4層ロッドとして、コア入りガラスロッド1に代えて、ガラスロッド50が用いられる点で第1実施形態における配置工程と異なる。ガラスロッド50は、コア部がなく、全体が均質なガラスロッドである。ガラスロッド50は、マルチコアファイバのクラッド(例えば、図6に示すクラッド102)となり得る。ガラスロッド50には、必要に応じて、屈折率等を調整するためのドーパントが添加される。
外スペーサロッド2を、ロッド集合体54の外周面と石英管3の内周面との間に配置する。コア入りガラスロッド1、ガラスロッド50および外スペーサロッド2を石英管3内に配置したユニットを「ロッド/石英管ユニット55」という。
(一体化工程)
図7に示すロッド/石英管ユニット55を加熱することにより、図8に示すように、コア入りガラスロッド1、ガラスロッド50、外スペーサロッド2および石英管3は溶融して一体化する。この一体化物を「原母材56」という。原母材56は、複数のコア部11と、クラッド部62とを備えている。原母材56では、ガラスロッド50はクラッド部62の一部となっている。
複数のコア部11は、複数の層(図8では3層)を構成して配置されている。すなわち、複数のコア部11は、中心コア部11A(第1層コア部)と、複数の第2層コア部11Bと、複数の第3層コア部11Cとを含む。
(外削工程)
図9に示すように、原母材6の外周領域(外周面から所定深さの領域)を全周にわたって削除する外削加工を行うことによって、光ファイバ母材59(マルチコアファイバ用母材)を得る。
光ファイバ母材59は、複数のコア部11と、クラッド部72とを備えている。複数のコア部11は、中心コア部11A(第1層コア部)と、複数の第2層コア部11Bと、複数の第3層コア部11Cとを含む。
なお、一体化工程で得られる原母材56のクラッド部62が十分に薄く形成されていれば、外削工程を経ることなく、原母材56をそのまま光ファイバ母材とすることができる。この場合には、外削工程および外付け工程(第1実施形態を参照)は不要となる。
[マルチコアファイバの製造方法](第2実施形態)
光ファイバ母材59を線引きすることでマルチコアファイバ(例えば図6に示すマルチコアファイバ100)を作製することができる。詳しくは、光ファイバ母材59を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する(紡糸工程)。次いで、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層(例えば、図6に示す被覆層106,107)を設ける(コーティング工程)。次いで、前記被覆層を硬化させる(硬化工程)。このようにして、マルチコアファイバを作製することができる。
本実施形態の製造方法によれば、ロッド集合体54における最外層として、コア部のないガラスロッド50を用いるため、第1〜第3コア部11A〜11Cを石英管3から離れて配置することができる。そのため、一体化工程において第1〜第3コア部11A〜11Cに変形は生じにくい。したがって、従来の製造方法で生じ得る変形の度合いが比較的大きいコア部を含まない光ファイバ母材59を製造できる。よって、従来の製造方法で生じ得る変形の度合いが比較的大きいコアを含まないマルチコアファイバが得られる。この変形の度合いが比較的大きいコアを含まない分だけ、光学的な悪影響(例えば、偏波モード分散(PMD)に与える悪影響)を抑制できる。
また、本実施形態の製造方法によれば、一体化工程で得られる原母材56のクラッド部62が十分に薄く形成されていれば、必ずしも外削工程(第1実施形態の外削工程を参照)を行わずに配置工程および一体化工程だけで光ファイバ母材59の外径を調整することができる。そのため、この場合は、必ずしも外付け工程(第1実施形態を参照)を行う必要はなくなり、工程数を少なくできる。よって、容易に光ファイバ母材59を製造できる。
また、本実施形態の製造方法では、ガラスロッド50がコア入りガラスロッド1に比べて安価であるため、製造コストを抑制できる。
また、本実施形態の製造方法では、ロッド集合体4と石英管3との間に外スペーサロッド2を配置するため、ロッド集合体4と石英管3との間の空隙を小さくできる。そのため、寸法精度の高い光ファイバ母材9を作製できる。
[マルチコアファイバ用母材の製造方法](第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るマルチコアファイバ用母材の製造方法を説明する。なお、第1実施形態または第2実施形態と共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図10は、第3実施形態の製造方法において、複数のコア入りガラスロッド1を、スペーサロッド2,82とともに石英管3に挿入したユニットの断面図である。第3実施形態の製造方法は、第1実施形態と同様に、(1)配置工程、(2)一体化工程、(3)外削工程、(4)外付け工程を含む。
(配置工程)
図10に示すように、複数のコア入りガラスロッド1を集合させた状態で石英管3内に配置する。第3実施形態における配置工程は、コア入りガラスロッド1どうしの隙間に、内スペーサロッド82を配置する点で、第1実施形態における配置工程と異なる。内スペーサロッド82は、均質なガラスロッドである。
内スペーサロッド82は、隣り合う3つのコア入りガラスロッド1に接するようにその外径を定めることができる。
内スペーサロッド82は、マルチコアファイバのクラッド(例えば、図6に示すクラッド102)となり得る。内スペーサロッド82には、必要に応じて、屈折率等を調整するためのドーパントが添加されている。次いで、外スペーサロッド2を、ロッド集合体4の外周面と石英管3の内周面との間に配置することによって、ロッド/石英管ユニット85を得る。なお、配置工程以外の工程は、第1実施形態と同様としてよい。
本実施形態の製造方法によれば、内スペーサロッド82を用いるため、コア入りガラスロッド1どうしの空隙を小さくできる。そのため、コア部等の寸法精度の高い光ファイバ母材を作製できる。
[マルチコアファイバ用母材の製造方法](比較形態)
比較のため、(3)外削工程、(4)外付け工程を行わないでマルチコアファイバ用母材を製造する方法について説明する。比較形態の製造方法は、外削工程および外付け工程を含まない点で第1実施形態の製造方法と異なる。
(配置工程)
図11に示すように、複数のガラスロッド1を外スペーサロッド2とともに石英管3に挿入し、ロッド/石英管ユニット95を得る。
(一体化工程)
ロッド/石英管ユニット95を加熱することにより、コア入りガラスロッド1、外スペーサロッド2および石英管3を溶融、一体化させて、図12に示す光ファイバ母材99を得る。光ファイバ母材99は、複数のコア部111と、クラッド部112とを備えている。複数のコア部111は、中心コア部111A(第1層コア部)と、複数の第2層コア部111Bと、複数の第3層コア部111Cとを含む。
比較形態の製造方法では、最外層である第3層コア部111Cに変形が生じる可能性がある。
これに対し、第1および第3実施形態では、変形しやすい第4層コア部は外削工程で削除される。第2実施形態では、最外層である第3層コア部は石英管から離れているため変形しにくい。そのため、変形の度合が大きいコア部を含まない光ファイバ母材が得られる。
本発明は前記の例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、光ファイバ母材(マルチコアファイバ用母材)のコア部が構成する層の数は3に限らず、2以上の任意の数であってよい。
図1に示すように、第1実施形態で用いるコア入りガラスロッド1のクラッド部12は、内側クラッド部13、低屈折率層14および外側クラッド部15を含むが、コア入りガラスロッドのクラッド部は低屈折率層を含まなくてもよい。例えば、コア入りガラスロッドは、コア部と、均質なクラッド部とを有する構成であってよい。
第1実施形態では、コア入りガラスロッド1および外スペーサロッド2が挿入される管体として石英管3が用いられているが、管体の材料は特に限定されない。管体は、光ファイバ母材(マルチコアファイバ用母材)のクラッド部を構成し得る材料で構成されていればよい。
なお、光ファイバ母材(図5参照)におけるコア部の層の数を「n」(nは2以上の整数)とすると、コア入りガラスロッド(図1参照)および原母材(図3参照)における「第1〜第4層」はそれぞれ第(n−2)層、第(n−1)層、第n層、第(n+1)層に相当する。
1…コア入りガラスロッド、2…外スペーサロッド(スペーサロッド)、3…石英管、4,54…ロッド集合体、5,55,85…ロッド/石英管ユニット、6,56…原母材、7…外削体、8…外付け層、9,59…光ファイバ母材(マルチコアファイバ用母材)、11…コア部、12…クラッド部、14…低屈折率層、50…ガラスロッド、82…内スペーサロッド(スペーサロッド)、100…マルチコアファイバ。

Claims (6)

  1. コア部を有するコア入りガラスロッドを含む複数のガラスロッドを複数の層をなすように集合させたロッド集合体を石英管内に配置してロッド/石英管ユニットを得る配置工程と、
    前記ロッド/石英管ユニットを溶融、一体化させて原母材とする一体化工程と、
    前記原母材の外周領域を削除する外削工程と、を有し、
    前記配置工程において、少なくとも前記ロッド集合体を構成する最外層のガラスロッドとして、前記コア入りガラスロッドを用い、
    前記外削工程において、少なくとも前記最外層のコア入りガラスロッドに由来するコア部を削除する、マルチコアファイバ用母材の製造方法。
  2. コア部を有するコア入りガラスロッドを含む複数のガラスロッドを複数の層をなすように集合させたロッド集合体を石英管内に配置してロッド/石英管ユニットを得る配置工程と、
    前記ロッド/石英管ユニットを溶融、一体化させて原母材とする一体化工程と、を有し、
    前記ロッド集合体を構成する最外層のガラスロッドとして、前記コア部のないガラスロッドを用いる、マルチコアファイバ用母材の製造方法。
  3. 前記ロッド集合体を構成するガラスロッドは、六方最密構造をとる、請求項1または2に記載のマルチコアファイバ用母材の製造方法。
  4. 配置工程において、前記ロッド集合体と前記石英管との間にスペーサロッドを配置する、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のマルチコアファイバ用母材の製造方法。
  5. 配置工程において、前記ロッド集合体を構成するガラスロッドの隙間に、スペーサロッドを配置する、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のマルチコアファイバ用母材の製造方法。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のマルチコアファイバ用母材の製造方法によって得られたマルチコアファイバ用母材を線引きすることによってマルチコアファイバを得る、マルチコアファイバの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023135944A1 (ja) * 2022-01-11 2023-07-20 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバの製造方法及びマルチコア光ファイバ

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