JP2023159574A - マルチコアファイバおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易な構成でありかつコア間クロストークが抑制されたマルチコアファイバおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】マルチコアファイバは、長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置された複数のコア部と、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、を備え、前記クラッド部は、前記コア部のうち最隣接するコア部の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチコアファイバおよびその製造方法に関する。
複数のコア部を有するマルチコアファイバにおけるコア部の配置としては、六方最密配置、円環配置、四角配置など、様々な配置が検討されている。マルチコアファイバを用いれば、コア部の空間密度が向上するというメリットがあるが、コア部同士の間隔を小さくし過ぎると、コア間クロストーク(コア間XT)が増大し、光伝送路として用いる場合に信号ペナルティーの発生原因となる。そこで、断面が円形状の空孔をコア部の間に配置してコア間クロストークを抑制する技術が開示されている(非特許文献1、2参照)。しかしながら、円形状の空孔を実現するためには、穿孔法やキャピラリースタック法など、複雑な作製方法を使用しなければならなかった。
一方、特許文献1では、マルチコアファイバのコア母材の作製する際に平面状の部位(平行部)を設けておき、クラッド母材の空孔に挿入することで、別途プロセスを設けることなくコア間に空隙を設ける方法が提案されている。しかしながら、この方法でも、コア母材を作製するときに平行部を作製する必要があり、かつ少なくともクラッド母材のコア母材を挿入する空孔は穿孔で準備しないといけないため、製法の複雑さには課題があった。
特開2015-121642号公報
K. Saitoh et al, "Multi-core hole-assisted fibers for high core density space division multiplexing", OECC 2010, 7C2-1 (2010). B. Yao et al., "Reduction of Crosstalk by Hole-Walled Multi-Core Fiber" OFC 2012, paper OM2D.5. (2012).
上述したように、公知のマルチコアファイバは、コア間クロストークを抑制する構造の製造の容易さの点で改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、製造が容易な構成でありかつコア間クロストークが抑制されたマルチコアファイバおよびその製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置された複数のコア部と、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、を備え、前記クラッド部は、前記コア部のうち最隣接するコア部の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔を有するマルチコアファイバである。
前記クラッド部は、前記コア部のうち2番目に隣接するコア部の間に、周囲のガラスよりも屈折率が低い低屈折率領域を有するものでもよい。
前記クラッド部は、前記コア部のうち2番目に隣接するコア部の間に、第2空孔を有するものでもよい。
前記コア部は、純石英ガラスからなる、または、ゲルマニウム、フッ素、塩素、カリウムおよびナトリウムのうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなるものでもよい。
前記クラッド部は、純石英ガラスからなる、または、フッ素および塩素のうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなるものでもよい。
前記コア部の数が5個以上であるものでもよい。
前記コア部の数が13個以上であるものでもよい。
本発明の一態様は、コア部と、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、を有し、長手方向に垂直な断面において略円形である第1ガラス体と、均一な石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な断面において略円形である第2ガラス体と、を、交互に、かつ長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置してガラス集合体を形成し、該ガラス集合体を含むマルチコアファイバ母材を形成する第1ステップと、前記マルチコアファイバ母材を加熱溶融し、マルチコアファイバを線引きする第2ステップと、を備えるマルチコアファイバの製造方法である。
前記第2ガラス体の屈折率が、前記第1ガラス体の前記クラッド部の屈折率よりも低いものでもよい。
前記第2ガラス体は空孔を有しているものでもよい。
前記第1ステップにおいて、前記ガラス集合体に形成されている空隙にガラスチューブを挿入するものでもよい。
前記第1ステップにおいて、前記ガラス集合体を前記マルチコアファイバ母材とし、前記第2ステップにて線引きしたマルチコアファイバの外周を取り囲むように被覆層を形成する第3ステップを備えるものでもよい。
前記第1ステップにおいて、前記ガラス集合体の外周を取り囲むようにガラス層を形成するものでもよい。
本発明によれは、製造が容易な構成でありかつコア間クロストークが抑制されたマルチコアファイバを実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。 図2は、実施形態1に係るマルチコアファイバの製造方法の一例を示す図である。 図3は、実施形態1に係るマルチコアファイバの製造方法の一例を示す図である。 図4は、実施形態1に係るマルチコアファイバの製造方法の一例を示す図である。 図5は、実施形態1に係るマルチコアファイバの製造方法の一例を示す図である。 図6は、実施形態1に係るマルチコアファイバの製造方法の別の一例を示す図である。 図7は、実施形態2に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。 図8は、実施形態2に係るマルチコアファイバの製造方法の一例を示す図である。 図9は、実施形態3に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。 図10は、実施形態3に係るマルチコアファイバの製造方法の一例を示す図である。 図11は、実施形態3に係るマルチコアファイバの製造方法の別の一例を示す図である。 図12は、実施形態4に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。 図13は、ガラス集合体の別の一例を示す図である。 図14は、比較例に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、本明細書においては、カットオフ波長または実効カットオフ波長とは、国際通信連合(ITU)のITU-T G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長(λcc)をいう。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。マルチコアファイバ10は、複数のコア部である13個のコア部11と、クラッド部12と、を備えている。
コア部11は、長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置されている。本実施形態では、コア部11は、一点鎖線で表される正方格子L1の格子点上に配置されている。コア部11のうち最隣接するコア部11の間の中心間距離(コアピッチとも呼ばれる)は、正方格子L1の格子定数と等しい。
クラッド部12は、コア部11の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部11の外周を取り囲む。
クラッド部12は、コア部11のうち最隣接するコア部11の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔13を有する。たとえば、図1におけるコア部11のうち最隣接するコア部11aとコア部11bとの間には、第1空孔13aが設けられている。なお、コア部11cは、コア部11aに2番目に隣接するコア部である。このコア部11cのような、或るコア部に2番目に隣接するコア部は、以下、第2隣接するコア部と記載する場合がある。コア部11aとコア部11cとの中心間距離は、コア部11aとコア部11bとの中心間距離の√2倍である。
コア部11およびクラッド部12の構成材料について例示する。コア部11およびクラッド部12の構成材料は、上述の屈折率の関係を満たせば特に限定されない。たとえば、コア部11は、純石英ガラスからなる、または、ゲルマニウム、フッ素、塩素、カリウムおよびナトリウムのうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなる。塩素は、マルチコアファイバ10の製造工程(脱水工程など)において含まれるドーパントであり、意図的に添加したものではない場合がある。ゲルマニウムは、石英系ガラスの屈折率を上昇させるドーパントである。カリウムおよびナトリウムは、石英系ガラスの屈折率を上昇させるドーパントである。フッ素は、石英系ガラスの屈折率を低下させるドーパントである。純石英ガラスとは、波長1550nmにおける屈折率が約1.444である、きわめて高純度の石英ガラスである。
また、たとえば、クラッド部12は、純石英ガラスからなる、または、フッ素および塩素のうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなる。
たとえば、コア部11がゲルマニウムを含む石英系ガラスからなり、クラッド部12が塩素以外のドーパントを含まない石英系ガラスからなるものでもよい。またたとえば、コア部11が純石英系ガラス、または、フッ素、塩素、カリウムおよびナトリウムのうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなり、クラッド部12が、フッ素を含む石英系ガラスからなるものでもよい。
以上のように構成されたマルチコアファイバ10では、最隣接するコア部11の間に第1空孔13が設けられているので、最隣接するコア部11の間のコア間クロストーク(隣接コア間クロストーク)が抑制される。たとえば、本発明者の鋭意検討によれば、マルチコアファイバ10では、コアピッチを35μm以下と非常に小さくした場合でも、1530nm以下のカットオフ波長と、長さ100kmで-20dB以下の隣接コア間クロストークとを実現することができる。
また、マルチコアファイバ10では、第2隣接するコア部の間のコア間クロストークは、中心間距離が隣接コア間の中心間距離の√2倍に大きいことから、好適に抑制される。
さらに、マルチコアファイバ10は、以下に示す製造方法によって容易に製造ができる。
本例に係る製造方法は、第1ステップと第2ステップとを備える。第1ステップでは、第1ガラス体と第2ガラス体とを、交互に、かつ長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置してガラス集合体を形成し、該ガラス集合体を含むマルチコアファイバ母材を形成する。第2ステップでは、前記マルチコアファイバ母材を加熱溶融し、マルチコアファイバを線引きする。
第1ステップについて、図2~図5を参照して説明する。まず、図2に示すように、13個の第1ガラス体110と12個の第2ガラス体120とを、交互に、かつ長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置してガラス集合体100を形成する。
第1ガラス体110は、コア部111と、コア部111の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部111の外周を取り囲むクラッド部112と、を有し、長手方向に垂直な断面において略円形である。コア部111は、マルチコアファイバ10のコア部11となる部分であり、クラッド部112は、クラッド部12の一部となる部分である。第1ガラス体110は、たとえばVAD法(Vapor-phase Axial Deposition)によって作製できる。
第2ガラス体120は、均一な石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な断面において略円形である。第2ガラス体120は、マルチコアファイバ10のクラッド部12の一部となる部分である。第2ガラス体120の構成材料は、第1ガラス体110のクラッド部112の構成材料と同じでもよい。
また、ガラス集合体100においては、2個の第1ガラス体110と2個の第2ガラス体120とで囲まれた略十字形状または略ひし形状の空隙Gが形成されるが、この空隙Gはマルチコアファイバ10の第1空孔13となる部分である。
つづいて、図3に示すように、ガラス集合体100を治具1で結束して第1ガラス体110と第2ガラス体120との位置関係を固定しながら、バーナ2にてガラス集合体100の外周を加熱溶融して第1ガラス体110と第2ガラス体120とを一体化する。
つづいて、図4に示すように、ガラス集合体100を軸回りに回転させながら、火炎堆積法(たとえばOVD(Outside Vapor Deposition)法)を用いてガラス集合体100の外周を取り囲むガラススートを堆積し、その後ガラススートを焼結してガラス層130を形成する。このガラス層130はマルチコアファイバ10のクラッド部12の一部となる。なお、ガラス集合体100の長手方向に垂直な断面形状は略四角形状であるが、ガラス集合体100の回転速度の調整によって、ガラススートおよびガラス層130の断面形状を略円形状とすることができる。
つづいて、図5に示すように、ガラス集合体100とガラス層130の一端に線引開始用のテーパ状のガラス部材140を熱融着し、マルチコアファイバ母材1000を作製する。なお、治具1はその後取り外してもよい。
第2ステップについては、マルチコアファイバ母材1000を公知の線引き装置を用いて加熱溶融し、線引きを行う。これにより、マルチコアファイバ10を製造することができる。なお、線引きの際は、空隙Gが完全に潰れないように圧力を制御することによって、第1空孔13が形成されるようにする。また、第1ガラス体110と第2ガラス体120とが過剰に変形しないように加圧制御することが好ましい。
なお、上記製造例では、火炎堆積法を用いてガラス集合体100の外周にガラス層130を形成したが、図6に示すように、ガラス集合体100を、長手方向に垂直な断面において外周が略円形状であり内側に略四角形状の孔を有するガラスチューブ150に挿入して、マルチコアファイバ10の製造用のマルチコアファイバ母材1000Aを形成してもよい。なお、ガラスチューブ150の内側の孔は、略四角形状であるが、ガラス集合体100の外周形状に沿った形状の凹凸を有するようにすれば、ガラス集合体100とガラスチューブ150との間の隙間が削減される。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。マルチコアファイバ20は、複数のコア部である13個のコア部21と、クラッド部22と、を備えている。
コア部21は、長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置されている。本実施形態では、コア部21は、一点鎖線で表される正方格子L2の格子点上に配置されている。コア部21のうち最隣接するコア部21の間の中心間距離は、正方格子L2の格子定数と等しい。
クラッド部22は、コア部21の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部21の外周を取り囲む。
クラッド部22は、コア部21のうち最隣接するコア部21の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔23を有する。たとえば、図7におけるコア部21のうち最隣接するコア部21aとコア部21bとの間には、第1空孔23aが設けられている。
また、クラッド部22は、コア部21のうち第2隣接するコア部21の間に、周囲のガラスよりも屈折率が低い低屈折率領域24を有する。たとえば、図7におけるコア部21のうち第2隣接するコア部21aとコア部21cとの間には、低屈折率領域24aが設けられている。本実施形態では、低屈折率領域24は、長手方向に垂直な断面において略円形状である。
コア部21およびクラッド部22の構成材料については、上述の屈折率の関係を満たせば特に限定されないが、コア部11およびクラッド部12の構成材料と同じでもよい。また、低屈折率領域24は、たとえば、屈折率を低下させるドーパントであるフッ素を適量に含んだ石英系ガラスでもよい。
以上のように構成されたマルチコアファイバ20では、マルチコアファイバ10と同様に、最隣接するコア部21の間に第1空孔23が設けられているので、隣接コア間クロストークが抑制される。さらには、第2隣接するコア部21の間に低屈折率領域24が設けられているので、第2隣接コア間クロストークが抑制される。
たとえば、本発明者の鋭意検討によれば、マルチコアファイバ20では、コアピッチを30μm以下と非常に小さくした場合でも、低屈折率領域24の周囲に対する比屈折率差を-0.1%~-1%とすることで、長さ100kmで-20dB以下の第2隣接コア間クロストークを実現することができる。
マルチコアファイバ20は、図2~図5を参照して例示したマルチコアファイバ10の製造方法と同様の製造方法、または図6を参照して例示した製造方法と同様の製造方法によって容易に製造ができる。マルチコアファイバ20を製造する場合には、ガラス集合体として、図8に示すようなガラス集合体200を使用する。ガラス集合体200は、13個の第1ガラス体210と12個の第2ガラス体220とを、交互に、かつ長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置して形成したものである。
第1ガラス体210は、コア部211と、コア部211の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部211の外周を取り囲むクラッド部212と、を有し、長手方向に垂直な断面において略円形である。コア部211は、マルチコアファイバ20のコア部21となる部分であり、クラッド部212は、クラッド部22の一部となる部分である。この第1ガラス体210は、図2に示す第1ガラス体110と同じものでもよい。
第2ガラス体220は、均一な石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な断面において略円形である。第2ガラス体220は、マルチコアファイバ20の低屈折率領域24となる部分である。第2ガラス体220の構成材料は、第1ガラス体110のクラッド部112の構成材料よりも屈折率が低い、たとえば比屈折率差にして-0.1%~-1%程度だけ低い、構成材料としてもよい。
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。マルチコアファイバ30は、複数のコア部である13個のコア部31と、クラッド部32と、を備えている。
コア部31は、長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置されている。本実施形態では、コア部31は、一点鎖線で表される正方格子L3の格子点上に配置されている。コア部31のうち最隣接するコア部21の間の中心間距離は、正方格子L3の格子定数と等しい。
クラッド部32は、コア部31の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部31の外周を取り囲む。クラッド部32は、長手方向に垂直な断面において略四角形状を有する。
クラッド部32は、コア部31のうち最隣接するコア部31の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔33を有する。たとえば、図9におけるコア部31のうち最隣接するコア部31aとコア部31bとの間には、第1空孔33aが設けられている。
また、クラッド部32は、コア部31のうち第2隣接するコア部31の間に、第2空孔34を有する。たとえば、図9におけるコア部31のうち第2隣接するコア部31aとコア部31cとの間には、第2空孔34aが設けられている。本実施形態では、第2空孔34は、長手方向に垂直な断面において略円形状であるが、特に限定はされない。
コア部31およびクラッド部32の構成材料については、上述の屈折率の関係を満たせば特に限定されないが、コア部11およびクラッド部12の構成材料と同じでもよい。
以上のように構成されたマルチコアファイバ30では、マルチコアファイバ10と同様に、最隣接するコア部31の間に第1空孔33が設けられているので、隣接コア間クロストークが抑制される。さらには、第2隣接するコア部31の間に第2空孔34が設けられているので、第2隣接コア間クロストークが抑制される。
たとえば、本発明者の鋭意検討によれば、マルチコアファイバ30では、コアピッチを25μm以下と非常に小さくした場合でも、第2空孔34の直径を、コア部31のコア径の1.0倍~1.5倍とすることで、長さ100kmで-20dB以下の第2隣接コア間クロストークを実現することができる。
また、マルチコアファイバ30はクラッド部の外周が略多角形であるマルチコアファイバの一例である。このように略多角形にすることで、たとえば、マルチコアファイバ30を機器などのフラットな面に配設した場合に、そのフラットな面とコア部11とが略平行または直交するように自動的に並ぶ。これにより、マルチコアファイバ30と、他の同種のマルチコアファイバや光導波路アレイや光ファイバリボンなどとを接続する場合に、煩雑な角度調整が不要になるまたは軽減される場合がある。
マルチコアファイバ30は、図2~図5を参照して例示したマルチコアファイバ10の製造方法と同様の製造方法、または図6を参照して例示した製造方法と同様の製造方法によって容易に製造ができる。マルチコアファイバ30を製造する場合には、ガラス集合体として、図10に示すようなガラス集合体300を使用する。ガラス集合体300は、13個の第1ガラス体310と12個の第2ガラス体320とを、交互に、かつ長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置して形成したものである。
第1ガラス体310は、コア部311と、コア部311の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部311の外周を取り囲むクラッド部312と、を有し、長手方向に垂直な断面において略円形である。コア部311は、マルチコアファイバ30のコア部31となる部分であり、クラッド部312は、クラッド部32の一部となる部分である。この第1ガラス体310は、図2に示す第1ガラス体110と同じものでもよい。
第2ガラス体320は、均一な石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な断面において略円形であり、中心に空孔321が形成されている。第2ガラス体320は、マルチコアファイバ30のクラッド部32の一部となる部分であり、空孔321はマルチコアファイバ30の第2空孔34となる。空孔321の直径は、たとえばコア部311のコア径の1.0倍~1.5倍である。
マルチコアファイバ30を、図6を参照して例示した製造方法と同様の製造方法で製造する場合は、図11に示すように、ガラス集合体300を、長手方向に垂直な断面において外周が略四角形状であり内側に略四角形状の孔を有するガラスチューブ350に挿入して、マルチコアファイバ30の製造用のマルチコアファイバ母材3000を形成してもよい。
(実施形態4)
図12は、実施形態4に係るマルチコアファイバの長手方向に垂直な面における模式的な断面図である。マルチコアファイバ40は、複数のコア部である13個のコア部41と、クラッド部42と、クラッド部42の外周を取り囲む被覆層45を備えている。
コア部41は、図1のマルチコアファイバ10のコア部11と同様に、長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置されている。
クラッド部42は、コア部31の最大屈折率よりも屈折率が低く、コア部41の外周を取り囲む。クラッド部42は、長手方向に垂直な断面において略四角形状を有する。また、クラッド部42は、コア部41のうち最隣接するコア部41の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔43を有する。
被覆層45は、クラッド部42の外周を取り囲み、長手方向に垂直な断面において略円形状を有する。
コア部41およびクラッド部42の構成材料については、上述の屈折率の関係を満たせば特に限定されないが、コア部11およびクラッド部12の構成材料と同じでもよい。被覆層45は、樹脂からなる。この樹脂は、たとえば、紫外線硬化樹脂であるが、光ファイバの被覆として使用される樹脂であれは特に限定されない。
マルチコアファイバ40は、たとえば、図2に示すガラス集合体100を結束または一体化してマルチコアファイバ母材として加熱溶融して線引きし、線引きしたマルチコアファイバの外周を取り囲むように被覆層45を形成することによって製造することができる。被覆層45を形成するステップは、第3ステップの一例である。
以上のように構成されたマルチコアファイバ40では、マルチコアファイバ10と同様に、最隣接するコア部41の間に第1空孔43が設けられているので、隣接コア間クロストークが抑制される。
(ガラス集合体の別の一例)
図13は、ガラス集合体の別の一例を示す図である。図13に示すガラス集合体100Aは、図2に示すガラス集合体100の第1ガラス体110と第2ガラス体120との間に形成されている空隙に、ガラスチューブ160を挿入した構成を有する。
このようにガラスチューブ160を挿入したガラス集合体100Aであれば、線引きなどの加熱する工程において、ガラスチューブ160が変形しないように工程を最適化することによって第1ガラス体110や第2ガラス体120の変形を抑制することができる。または、ガラスチューブ160を変形しやすい材質で構成して、第1ガラス体110や第2ガラス体120が変形する代わりにガラスチューブ160を変形させることで、結果として第1ガラス体110や第2ガラス体120の変形を抑制することができる。
(比較例、実施例1~3)
比較例として、VAD法と穿孔法とを用いて、図14に示す構造のマルチコアファイバを製造した。このマルチコアファイバ50は、4つのコア部51と、4つのコア部51を取り囲むクラッド部52とを備える。具体的には、コア部51とクラッド部52の一部との母材となるコアロッドをVAD法によって作製した。そして、クラッド部52の残部の母材となるガラスロッドを準備し、これに4本の孔を穿設してそれぞれにコアロッドを挿入し、マルチコアファイバ母材を作製した。そして、このマルチコアファイバ母材を線引き装置を用いて加熱溶融し、線引きを行うことで、比較例のマルチコアファイバを製造した。
隣接するコア部51の中心同士の距離であるコアピッチP1は40μmとした、また、各コア部51の中心からクラッド部52の外縁までの最短距離である最小クラッド厚T1は34μmとし、クラッド部52のクラッド径は125μmとした。
また、クラッド部52の屈折率に対するコア部51の比屈折率差Δ1を0.37%とし、コア径を9μmとした。これにより、比較例のマルチコアファイバを、ゼロ分散波長λ0が1305nm、λ0での分散Slopeが0.0900ps/nm/km、波長1310nmにおけるモードフィールド径(MFD)が9.16μm、カットオフ波長(λcc)が1223nm、波長1550nmにおける伝送損失が0.187dB/kmになるように設計した。
一方、実施例1として、図1に示す構造のマルチコアファイバを作製した。また、実施例2として、図7に示す構造のマルチコアファイバを作製した。また、実施例3として、図9に示す構造のマルチコアファイバを作製した。
実施例1においては、コア部は、塩素とカリウムとが添加された石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率を0.1%とした。また、クラッド部は、フッ素が添加された石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率差を-0.27%とした。したがって、クラッド部の屈折率に対するコア部の比屈折率差Δ1は比較例と同じ0.37%である。また、コア径は比較例と同じ9μmとした。
実施例2においては、コア部は、ゲルマニウムが添加された石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率を0.39%とした。また、低屈折率領域以外のクラッド部は、塩素以外のドーパントを含んでいない石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率差を0.02%とした。したがって、クラッド部の屈折率に対するコア部の比屈折率差Δ1は比較例と同じ0.37%である。また、低屈折率領域は、フッ素が添加された石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率差を-0.5%とした。また、コア径は比較例と同じ9μmとした。
実施例3においては、コア部は、ゲルマニウムが添加された石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率を0.39%とした。また、クラッド部は、塩素以外のドーパントを含んでいない石英ガラスで構成し、純石英ガラスに対する比屈折率差を0.02%とした。したがって、クラッド部の屈折率に対するコア部の比屈折率差Δ1は比較例と同じ0.37%である。また、コア径は比較例と同じ9μmとした。また、第2空孔の直径は、コア径の1.1倍とした。
表1に、比較例および実施例1~3のマルチコアファイバのコアピッチとクラッド径と光学特性とを示す。表1において、「隣接コア間XT」とは、最隣接する2つのコア部の間のコア間クロストークを意味し、「第2隣接コア間XT」とは、第2隣接するコア部の間のコア間クロストークの合計を意味する。
表1に示されるように、実施例1~3のマルチコアファイバは、コアピッチが比較例のマルチコアファイバよりもさらに小さいにも関わらず、λ0、分散Slope、MFD、λcc、伝送損失などの光学特性が比較例のマルチコアファイバと殆ど変わらず、かつ隣接コア間XTが長さ-20dB以下であった。また、実施例2では、コアピッチが25.0μmと小さいにも関わらず、低屈折率領域の効果によって、第2隣接コア間XTが-27.9dBと非常に小さかった。さらに、実施例3では、コアピッチが21.0μmとさらに小さいにも関わらず、低屈折率領域の効果によって、第2隣接コア間XTが-27.5dBと非常に小さかった。
Figure 2023159574000002
以上の結果から、実施例1~3のマルチコアファイバは、伝送距離の長距離化やコア部の高密度化の観点から好適である。
なお、上記実施形態または実施例では、マルチコアファイバはコア部を13個有するが、コア部の数は特に限定されない。たとえは、マルチコアファイバはコア部を5個以上、または13個以上の任意の数だけ有していてもよい。
たとえば、マルチコアファイバがコア部を5個有する場合は、たとえば5個の第1ガラス体と4個の第2ガラス体とでガラス集合体を構成し、マルチコアを製造することができる。
また、実施形態1~3に係るマルチコアファイバのクラッド部の外周に被覆部を設けてもよい。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。たとえば、実施形態1のマルチコアファイバ10に第2空孔を設けてもよいし、実施形態3のマルチコアファイバ30に第2空孔34の代わりに低屈折率領域を設けてもよい。
また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 :治具
2 :バーナ
10、20、30、40:マルチコアファイバ
11、11a、11b、11c、21、21a、21b、21c、31a、31b、31c、41、111、211、311:コア部
12、22、32、42、112、212、312:クラッド部
13、13a、23、23a、33、33a、43:第1空孔
24、24a:低屈折率領域
34、34a:第2空孔
45 :被覆層
100、100A、200、300:ガラス集合体
110、210、310:第1ガラス体
120、220、320:第2ガラス体
130 :ガラス層
140 :ガラス部材
150、160、350:ガラスチューブ
321 :空孔
1000、1000A、3000:マルチコアファイバ母材
G :空隙
L1、L2、L3:正方格子
P1 :コアピッチ
T1 :最小クラッド厚

Claims (13)

  1. 長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置された複数のコア部と、
    前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、
    を備え、
    前記クラッド部は、前記コア部のうち最隣接するコア部の間に、略十字形状または略ひし形状の第1空孔を有する
    マルチコアファイバ。
  2. 前記クラッド部は、前記コア部のうち2番目に隣接するコア部の間に、周囲のガラスよりも屈折率が低い低屈折率領域を有する
    請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  3. 前記クラッド部は、前記コア部のうち2番目に隣接するコア部の間に、第2空孔を有する
    請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  4. 前記コア部は、純石英ガラスからなる、または、ゲルマニウム、フッ素、塩素、カリウムおよびナトリウムのうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなる
    請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  5. 前記クラッド部は、純石英ガラスからなる、または、フッ素および塩素のうち少なくとも一つを含む石英系ガラスからなる
    請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  6. 前記コア部の数が5個以上である
    請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  7. 前記コア部の数が13個以上である
    請求項6に記載のマルチコアファイバ。
  8. コア部と、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低く、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、を有し、長手方向に垂直な断面において略円形である第1ガラス体と、均一な石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な断面において略円形である第2ガラス体と、を、交互に、かつ長手方向に垂直な断面において略四角形状に配置してガラス集合体を形成し、該ガラス集合体を含むマルチコアファイバ母材を形成する第1ステップと、
    前記マルチコアファイバ母材を加熱溶融し、マルチコアファイバを線引きする第2ステップと、
    を備えるマルチコアファイバの製造方法。
  9. 前記第2ガラス体の屈折率が、前記第1ガラス体の前記クラッド部の屈折率よりも低い
    請求項8に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  10. 前記第2ガラス体は空孔を有している
    請求項8に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  11. 前記第1ステップにおいて、前記ガラス集合体に形成されている空隙にガラスチューブを挿入する
    請求項8に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  12. 前記第1ステップにおいて、前記ガラス集合体を前記マルチコアファイバ母材とし、
    前記第2ステップにて線引きしたマルチコアファイバの外周を取り囲むように被覆層を形成する第3ステップを備える
    請求項8に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  13. 前記第1ステップにおいて、前記ガラス集合体の外周を取り囲むようにガラス層を形成する
    請求項8に記載のマルチコアファイバの製造方法。
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