JP2015121642A - マルチコアファイバの製造方法 - Google Patents

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格 石田
松尾 昌一郎
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【課題】クロストークを抑制できるマルチコアファイバを容易に製造することができるマルチコアファイバの製造方法を提供する。【解決手段】マルチコアファイバの製造方法は、クラッドロッド32内にそれぞれの貫通孔41,42を穿孔する穿孔工程と、コア被覆ロッド20をそれぞれの貫通孔41,42内に挿入する挿入工程と、コア被覆ロッド20とクラッドロッド32とを一体化する一体化工程と、一体化されたロッドを線引きする線引工程と、を備え、少なくとも1つのコア被覆ロッド20の側面は、少なくとも1つの平面23fを有し、挿入工程では、互いに隣り合うコアロッド21間のそれぞれに少なくとも1つの平面23fが位置するように、コア被覆ロッド20を貫通孔41,42に挿入し、一体化工程では、平面23fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとによる空孔が形成されることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明はクロストークを抑制することができるマルチコアファイバを製造することができるマルチコアファイバの製造方法に関する。
現在、一般に普及している光ファイバ通信システムに用いられる光ファイバは、1本のコアの外周がクラッドにより囲まれた構造をしており、このコア内を光信号が伝搬することで情報が伝送される。そして、近年、光ファイバ通信システムの普及に伴い、伝送される情報量が飛躍的に増大している。
こうした光ファイバ通信システムの伝送容量増大を実現するために、複数のコアの外周が1つのクラッドにより囲まれたマルチコアファイバを用いて、それぞれのコアを伝搬する光により、複数の信号を伝送させる技術が提案されている。
しかしマルチコアファイバではコア間のクロストークが問題となる傾向がある。下記特許文献1には、このようなクロストークが抑制されたマルチコアファイバが記載されている。このマルチコアファイバでは、複数のコアのそれぞれが複数の空孔で囲まれている。これらのコアを囲む複数の空孔が障壁となり、互いに隣り合うコアのクロストークが抑制されるのである。
また、下記特許文献2には、複数のコアが直線状に配置され、それぞれのコアの間に空孔が形成されているマルチコアファイバが記載されている。このマルチコアファイバにおいても、特許文献1に記載のマルチコアファイバと同様にして、コア間の空孔が障壁となりクロストークが抑制される。
特開平10−104443号公報 特開2013−88457号公報
ところで、特許文献1には、空孔が形成されたマルチコアファイバの製造方法が記載されている。この方法は、コアとなるロッドと、空孔となる貫通孔が形成されたキャピラリと、クラッドとなるロッドとをガラス管の孔内に挿入して一体化する、いわゆるロッドインチューブ法とされる。しかし、この場合のロッドインチューブ法は、太さが正確に制御された多数のガラスロッドやキャピラリを準備して、それらを正確に位置決めした状態でガラス管に挿入しなくてはならない。そこで仮に特許文献1に記載のマルチコアファイバをロッドインチューブ法を用いずに製造する場合、クラッドとなるクラッドロッドに空孔となる貫通孔を穿孔する穿孔法を用いることが考えられる。
従って、特許文献2に記載のマルチコアファイバを穿孔法を用いて製造する場合、クラッドとなるクラッドロッドにおいて、それぞれのコアとなるコアロッドが位置する間の位置に穿孔を施さなければならない。
しかし、この場合、コアロッドを挿入する貫通孔の他に空孔となる貫通孔を穿孔する必要があるため工数がかかる。また、貫通孔同士の距離が近い場合には、貫通孔と貫通孔との間のガラスが破損する可能性がある。このためよりコア間に空孔が形成され、クロストークが抑制されたマルチコアファイバを容易に製造したいという要請がある。
そこで、本発明は、クロストークを抑制できるマルチコアファイバを容易に製造することができるマルチコアファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のマルチコアファイバの製造方法は、クラッドロッドの長手方向に沿って形成され前記長手方向に垂直な断面形状が円形の貫通孔が、前記クラッドロッドの中心を通る特定の径方向に複数並んで配置されるように、前記クラッドロッド内にそれぞれの前記貫通孔を穿孔する穿孔工程と、コアとなるコアロッドがクラッドの一部となるガラス層で被覆されるコア被覆ロッドをそれぞれの前記貫通孔内に挿入する挿入工程と、前記コア被覆ロッドと前記クラッドロッドとを一体化する一体化工程と、前記一体化工程により一体化されたロッドを線引きする線引工程と、を備え、少なくとも1つの前記コア被覆ロッドの側面は、一方の端部から他方の端部に延在する少なくとも1つの平面状の部位を有し、前記挿入工程では、互いに隣り合う前記コアロッド間のそれぞれに少なくとも1つの前記平面状の部位が位置するように、前記コア被覆ロッドを前記貫通孔に挿入し、前記一体化工程では、前記平面状の部位と前記貫通孔の内側面とによる空孔が形成されることを特徴とするものである。
このようなマルチコアファイバの製造方法では、挿入工程において、互いに隣り合うコアロッド間には少なくとも1つの平面状の部位が配置されるため、一体化工程において、互いに隣り合うコアロッド間に少なくとも1つの空孔が形成されることになる。この空孔は、コア被覆ロッドの側面の平面状の部位とクラッドの空孔の内側面とから形成される。つまり、空孔形成用の孔をクラッドロッドに形成せずとも、コア被覆ロッドを挿入するための貫通孔を用いて、空孔を容易に形成することができるのである。この空孔はマルチコアファイバにおけるコア間の空孔となりクロストークを抑制する障壁部となる。従って、このような本発明によれば、クロストークを抑制することができるマルチコアファイバを容易に製造することができるのである。
また、複数の前記貫通孔は、最も外側に位置する一対の外側貫通孔と、前記一対の外側貫通孔に挟まれる1以上の内側貫通孔とを有し、前記内側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの側面は、互いに対向する少なくとも一対の前記平面状の部位を有し、前記挿入工程では、前記内側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの互いに対向する一対の前記平面状の部位のそれぞれが互いに隣り合う前記コアロッド間に位置するように、それぞれの前記コア被覆ロッドを前記貫通孔に挿入することが好ましい。
内側貫通孔に挿入されるコア被覆ロッドをこのような形状とすることで、内側貫通孔が2つ以上の場合、内側貫通孔に挿入されるコアロッド間には、2つの空孔が形成される。この場合、製造されるマルチコアファイバにおいて、内側貫通孔に挿入されるコアロッドから成るコア間のクロストークをより抑制することができる。なお、内側貫通孔に挿入されるコアロッドと外側ロッド導入用孔に挿入されるコアロッドとの間には、少なくとも1つの空孔が形成される。
さらに、前記外側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの側面は、少なくとも1つの前記平面状の部位を有し、前記挿入工程では、前記外側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの前記平面状の部位が互いに隣り合う前記コアロッド間に位置するように、それぞれの前記コア被覆ロッドを前記貫通孔に挿入することが好ましい。
上記のように内側貫通孔に挿入されるコア被覆ロッドの互いに対向する一対の平面状の部位のそれぞれが互いに隣り合うコアロッド間に位置するように、コア被覆ロッドを内側貫通孔に挿入する場合、内側貫通孔に挿入されるコアロッドと外側ロッド導入用孔に挿入されるコアロッドとの間には、少なくとも1つの空孔が形成される。従って、外側貫通孔に挿入されるコア被覆ロッドを上記形状として、上記のように挿入することで、内側貫通孔に挿入されるコアロッドと外側ロッド導入用孔に挿入されるコアロッドとの間には、2つの空孔が形成される。従って、製造されるマルチコアファイバにおいて全てのコア間に2つの空孔が形成されることとなり、クロストークをより抑制することができる。
またさらに、それぞれの前記コア被覆ロッドの側面は、互いに対向する少なくとも一対の前記平面状の部位を有し、前記挿入工程では、それぞれの前記コア被覆ロッドは、一対の前記平面状の部位が前記複数の貫通孔が並べられる方向に沿って前記コアロッドを挟む状態とされることが好ましい。
この場合、製造されるマルチコアファイバにおいて、全てのコアが空孔により挟まれることになる。従って、コアを伝搬する光の断面形状が、コアごとでばらつくことを抑制することができる。
この場合、それぞれの前記コア被覆ロッドの側面の形状は、長手方向に垂直な断面において四角形或いは六角形とされることが好ましい。
コア被覆ロッドが、このような形状とされることで、製造されるマルチコアファイバのそれぞれのコアは、4つあるいは6つの空孔で囲まれることになる。このようにコアが複数の孔により囲まれることで、クロストークをより抑制することができる。
また、前記挿入工程では、複数の前記貫通孔の少なくとも一つにおいて、前記複数の貫通孔が並べられる第1方向における前記コア被覆ロッドの前記平面状の部位と前記貫通孔の内側面との間に位置する空隙のうち、前記クラッドロッドの外側に位置する前記空隙が内側に位置する空隙より大きい状態とされることが好ましい。
一体化工程にてクラッドロッドが加熱される場合、当該クラッドロッドは外周側程高い温度となるため、外周側程クラッドロッドが軟化する傾向がある。従って、同じ貫通孔に形成される空隙であっても、クラッドロッドの中心に近い内側の空隙よりもクラッドロッドの外周側に近い外側の空隙が収縮する傾向がある。そこで、上記のように少なくとも一つの貫通孔においては、外側に形成される空隙の大きさが内側に形成される空隙の大きさよりも大きくなるように、コア被覆ロッドが挿入される。こうすることで、当該貫通孔に基づいて形成される一対の空孔の大きさのバランスをとることができる。
また、前記内側貫通孔における前記クラッドロッドの外側に位置する前記空隙と内側に位置する前記空隙との差は、前記外側貫通孔の前記クラッドロッドの外側に位置する前記空隙と内側に位置する前記空隙との差よりも小さいことが好ましい。
上記のように、一体化工程にてクラッドロッドが加熱される場合、外周側程クラッドロッドが軟化する傾向がある。従って、内側貫通孔に比べると、外側貫通孔の空隙が潰れやすい傾向にあり、外側に形成される空隙と内側に形成される空隙の潰れ易さの違いが生じる傾向は、内側貫通孔によりも外側貫通孔に大きく表れる。そこで、上記のように構成することにより、内側貫通孔及び外側貫通孔のそれぞれにおいて、貫通孔に基づいて形成される一対の空孔の大きさのバランスをとることができる。
また、複数の前記貫通孔は、最も外側に位置する一対の外側貫通孔と、前記一対の外側貫通孔に挟まれる1以上の内側貫通孔とを有し、前記外側貫通孔の直径が前記内側貫通孔の直径よりも大きくされることが好ましい。
上記のように、一体化工程にてクラッドロッドが加熱される場合、外周側程クラッドロッドが軟化する傾向があり、外周側の貫通孔ほど収縮する傾向がある。特に最も外周側に位置する外側貫通孔は、外側貫通孔で挟まれる内側貫通孔よりも大きく収縮する。そこで、上記のように外側貫通孔の直径を内側貫通孔の直径よりも大きくすることで、外側のコアロッドを挟む空孔の大きさと内側コアロッドと挟む空孔の大きさとのバランスをとることができる。
前記一体化工程と前記線引工程とは同時に行われることとしても良い。
以上のように本発明によれば、クロストークを抑制できるマルチコアファイバを容易に製造することができるマルチコアファイバの製造方法が提供される。
第1実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。 マルチコアファイバの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態の穿孔工程後の様子を示す図である。 第1実施形態の挿入工程後の様子を示す図である。 第1実施形態の一体化工程後の様子を示す図である。 第1実施形態の線引工程の様子を示す図である。 第1実施形態の挿入工程の変形例を示す図である。 第1実施形態の挿入工程の他の変形例を示す図である。 第2実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。 第2実施形態の挿入工程後の様子を示す図である。 第2実施形態の一体化工程後の様子を示す図である。 第3実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。 第3実施形態の挿入工程後の様子を示す図である。 第3実施形態の一体化工程後の様子を示す図である。 第4実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。 第4実施形態の挿入工程後の様子を示す図である。 第4実施形態の一体化工程後の様子を示す図である。 変形例における挿入工程後の様子を示す図である。
以下、本発明を実施するために好適となる実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。図1に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ1は、複数のコア11と、それぞれのコア11を囲むクラッド12と、クラッド12を被覆する第1保護層13と、第1保護層13を被覆する第2保護層14とを主な構成要素として備える。
それぞれのコア11は、クラッド12の長手方向に垂直な断面において、クラッド12の中心を通る特定の径方向に並べられて配置される。本実施形態では、コア11の数が4つとされるが、コア11の数は複数であれば良く4つに限定されない。それぞれのコア11の屈折率はクラッド12の屈折率よりも高くされる。このため、例えば、コア11は屈折率を高くするドーパントが添加された石英から構成され、クラッド12は純粋な石英から構成される。
また、クラッド12には、複数の空孔15が形成されている。本実施形態では、それぞれのコア11は、4つの空孔15で囲まれている。具体的には、4つの空孔15のうち、2つの空孔15は、それぞれのコア11が並ぶ方向においてコア11を挟む位置に形成されている。また、他の2つの空孔15は、それぞれのコア11が並ぶ方向と垂直な方向においてコア11を挟む位置に形成されている。また、それぞれの空孔15の形状は、長手方向に垂直な断面で見る場合に、コア11側が直線状となる略平面状の部位を有し、コア11側と反対側が円弧状となる曲面状の部位を有する。
また、第1保護層13、第2保護層14は互いに異なる種類の樹脂から形成されている。
なお、本実施形態では、互いに隣り合うコア11のカットオフ波長の差は100nm以下とされる。また、互いに隣り合うコアの中心間の距離は24μm以上35μm以下の範囲内とされ、最も外側に位置するコア11の外周面とクラッド12の外周面との最短距離は15μm以上62.5μm以下の範囲内とされる。
このようなマルチコアファイバ1によれば、それぞれのコア11を光が伝搬する場合に、それぞれのコア11間に形成される空孔15が障壁となり、互いに隣り合うコア11におけるクロストークが抑制される。また、それぞれのコア11が4つの空孔15で囲まれることで、コア11を伝搬する光の断面形状が、コア11が並ぶ方向とこの方向に垂直な方向とで異なる形状となることを抑制することができる。
次に、マルチコアファイバ1の製造方法について説明する。
図2は、マルチコアファイバ1の製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、マルチコアファイバ1の製造方法は、穿孔工程P1、挿入工程P2、一体化工程P3、線引工程P4を主な工程として備える。
<穿孔工程P1>
図3は、穿孔工程P1後の様子を示す図である。図3に示すように、クラッドロッド32は円柱状のガラス体から成り、後述のようにクラッドロッド32はマルチコアファイバ1のクラッド12となるため、このガラス体はマルチコアファイバ1のクラッド12と同様の石英とされる。本工程では、クラッドロッド32の長手方向に沿って、長手方向に垂直な断面の形状が円形の複数の貫通孔41,42を穿孔する。本実施形態では、最も外側に位置する外側貫通孔41及び外側貫通孔41で挟まれる内側貫通孔42のそれぞれがクラッドロッド32の中心を通り、クラッドロッド32の特定の径方向に並んで配置されるように形成される。穿孔は、例えばドリル等を用いてクラッドロッド32の長手方向に沿って切削することで行い、その後、必要に応じて内側面の研磨を行う。
<挿入工程P2>
図4は、挿入工程P2後の様子を示す図である。本工程では、図4に示すように、コア被覆ロッド20を複数の貫通孔41,42のそれぞれに挿入する。
コア被覆ロッド20は、貫通孔41,42のいずれかに挿入される部材であり、コアロッド21をガラス層23で被覆した2層構造とされている。後述のようにコアロッド21はマルチコアファイバ1のコア11となるため、コアロッド21はマルチコアファイバ1のコア11と同様の石英から構成される。また、後述のようにガラス層23はマルチコアファイバ1のクラッド12の一部となるため、ガラス層23はマルチコアファイバ1のクラッド12と同様の石英から構成される。従って、ガラス層23の屈折率はクラッドロッド32の屈折率と同程度とされる。
また、それぞれのコア被覆ロッド20は、それぞれ長手方向に垂直な断面の形状が四角形とされ、コア被覆ロッド20の側面は一方の端部から他方の端部に延在する4つの平面状の部位を有している。具体的には、当該断面において略中心に円形のコアロッド21が配置され、コアロッドを被覆するガラス層23の側面が4つの平面23fから構成される。なお、本実施形態では、当該四角形は正方形とされる。従って、互いに隣り合う平面23f同士は互いに垂直をされ、互いに対向する一対の平面23fと他の互いに対向する一対の平面23fとは対向する方向が直交する。このような形状にするには、例えばVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法やMCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法等を用いて、コアロッド21がガラス層で被覆された円柱状のロッドを作製する。その後ガラス層の側面を切削して、側面が4つの平面23fから成るガラス層23とする。
本工程では、図4に示すように、それぞれのコア被覆ロッド20の一対の平面23fが、互いに隣り合うそれぞれのコアロッド21の間に位置するように、それぞれのコア被覆ロッド20をそれぞれの貫通孔41,42に挿入する。このとき、一対の平面23fがそれぞれの貫通孔41,42が配置される方向と直交するようにコア被覆ロッド20をそれぞれの貫通孔41,42に挿入することが好ましい。こうして、それぞれのコアロッド21間には、2つの平面23fが位置することになる。また、他の一対の平面23fは、それぞれの貫通孔41,42が配置される方向と平行な状態とされる。
ところで、上記のように、それぞれの貫通孔41,42の長手方向に垂直な断面の形状は円形である。従って、コア被覆ロッド20が挿入された状態で、それぞれのコア被覆ロッド20の平面23fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとの間には、空隙45が生じる。
<一体化工程P3>
図5は、マルチコアファイバ1の製造方法における一体化工程P3後の様子を示す図である。図5に示すように、本工程では、クラッドロッド32及びコア被覆ロッド20を加熱してクラッドロッド32とコア被覆ロッド20とを一体化する。
具体的には、クラッドロッド32と、当該クラッドロッド32の貫通孔41,42に挿入されたコア被覆ロッド20とが溶融炉に配置され、それぞれの貫通孔41,42内に所定の圧力が加えられる。そして、クラッドロッド32の側面側から加熱がなされる。この加熱によりクラッドロッド32が収縮しそれぞれの貫通孔41,42の直径が小さくなる。しかし、上記のように貫通孔41,42内に所定の圧力が加えられるため、空隙45は埋まらずに、ガラス層23の互いに隣り合う平面23fの間の角部と貫通孔41,42の内側面41i,42iとが融着する。こうして、図5に示すように、クラッドロッド32とガラス層23とが一体とされて母材クラッド部32pとされ、コアロッド21は母材コア部21pとされる。ただし、コアロッド21は然程変形することないため、母材コア部21pとコアロッド21とは同意である。また、本工程により空隙45は空孔45pとされる。従って、空孔45pは、平面23fと貫通孔41の内側面41i、或いは、平面23fと貫通孔42の内側面42iとにより形成される。
こうして、図5に示すマルチコアファイバ用母材1pを得る。
<線引工程P4>
図6は、線引工程P4の様子を示す図である。まず、線引工程P4を行う準備段階として、上記工程によりマルチコアファイバ用母材1pを紡糸炉110に設置する。
次に、それぞれの空孔45p内に所定の圧力を加えながら、紡糸炉110の加熱部111を発熱させて、マルチコアファイバ用母材1pを加熱する。このときマルチコアファイバ用母材1pの下端は、例えば2000℃に加熱され溶融状態となる。そして、マルチコアファイバ用母材1pからガラスが溶融して、ガラスが線引きされる。そして、線引きされた溶融状態のガラスは、紡糸炉110から出ると、すぐに固化して、母材コア部21pがコア11となり、母材クラッド部32pがクラッド12となることで、複数のコア11とクラッド12とから構成されるマルチコアファイバ素線となる。このとき空孔45pに所定の圧力が加えられることで、マルチコアファイバ素線の空孔45pは潰れずに空孔15とされる。その後、このマルチコアファイバ素線は、冷却装置120を通過して、適切な温度まで冷却される。冷却装置120に入る際、マルチコアファイバ素線の温度は、例えば1800℃程度であるが、冷却装置120を出る際には、マルチコアファイバ素線の温度は、例えば40℃〜50℃となる。
冷却装置120から出たマルチコアファイバ素線は、第1保護層13となる紫外線硬化性樹脂が入ったコーティング装置131を通過し、この紫外線硬化性樹脂で被覆される。更に紫外線照射装置132を通過し、紫外線が照射されることで、紫外線硬化性樹脂が硬化して第1保護層13が形成される。次にマルチコアファイバは、第2保護層14となる紫外線硬化性樹脂が入ったコーティング装置133を通過し、この紫外線硬化性樹脂で被覆される。更に紫外線照射装置134を通過し、紫外線が照射されることで、紫外線硬化性樹脂が硬化して第2保護層14が形成され、図1に示すマルチコアファイバ1となる。
そして、マルチコアファイバ1は、ターンプーリー141により方向が変換され、リール142により巻取られる。
こうして図1に示すマルチコアファイバ1が製造される。
以上説明したように、本実施形態のマルチコアファイバ1の製造方法によれば、挿入工程P2において、互いに隣り合うコアロッド21間にコア被覆ロッド20の平面23fが配置されることで、互いに隣り合うコアロッド21間に空隙45が形成される。このため一体化工程P3において、互いに隣り合うコアロッド間に空孔45pが形成されることになる。従って、空孔形成用の孔をクラッドロッド32に形成せずとも、コア被覆ロッド20を挿入するための貫通孔41,42を用いて、空孔45pを容易に形成することができるのである。この空孔45pはマルチコアファイバ1におけるコア間の空孔15となりクロストークを抑制する障壁部となる。従って、本実施形態のマルチコアファイバ1の製造方法によれば、クロストークを抑制することができるマルチコアファイバ1を容易に製造することができる。
また、本実施形態では、それぞれのコア被覆ロッド20の側面の形状が長手方向に垂直な断面において四角形とされた。このため、それぞれの母材コア部21p(コアロッド21)の間に2つの空孔が形成される。従って、製造されるマルチコアファイバ1のそれぞれのコア11間に2つの空孔が形成される。このため、マルチコアファイバ1は、それぞれのコア11間に1つの空孔が形成される場合よりも、クロストークをより抑制することができる。
ところで、一体化工程P3では、クラッドロッド32内において、クラッドロッド外周ほど、温度が高い傾向にあるため、クラッドロッド32の粘度は外周側ほど低い。そのため、内側貫通孔42に比べると、外側貫通孔41の空隙45が潰れやすい傾向にある。そこで、図7に示すように、内側貫通孔42よりも外側貫通孔41の径を大きくすることが好ましい。このようにそれぞれの貫通孔41,42を形成することによって、一体化工程P3後における空孔45pの大きさがばらつくとことを抑制することができる。
また、同じ貫通孔内においても、外側に形成される空隙45よりも内側に形成される空隙45の方が潰れやすい傾向がある。そこで、図8に示すように、それぞれの貫通孔41,42が並べられる方向に沿ってコアロッド21を挟むコア被覆ロッド20の平面23fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとの間に位置する空隙45のうち、クラッドロッド32の外側に位置する空隙45が内側に位置する空隙45より大きい状態とされることが好ましい。このように構成とされることで、それぞれの貫通孔41,42において、クラッドロッドの外側に形成される空隙45と内側に形成される空隙45の潰れ易さの違いにより、コアロッド21を挟む外側に形成される空孔と内側に形成さる空孔との大きさが異なることを回避することができる。このようにするには、各貫通孔41,42に挿入されるコア被覆ロッド20の断面の形状が台形とされ、台形の短辺側をクラッドロッドの中心側に配置して、コア被覆ロッド20をそれぞれの貫通孔41,42に挿入すれば良い。
なお、上記のように内側貫通孔42に比べると、外側貫通孔41の空隙45が潰れやすい傾向にあるため、外側に形成される空隙と内側に形成される空隙の潰れ易さの違いが生じる傾向は、内側貫通孔42によりも外側貫通孔41に大きく表れる。そこで、内側貫通孔42に形成されるクラッドロッド32の外側に位置する空隙45と内側に位置する空隙45との差は、外側貫通孔41に形成されるクラッドロッド32の外側に位置する空隙45と内側に位置する空隙45との差よりも小さいことが好ましい。このようにするには、図8に示すように、それぞれのコア被覆ロッド20の断面の形状を台形にしつつも、内側貫通孔42に挿入するコア被覆ロッド20の断面形状における長辺と短辺との差が、外側貫通孔41に挿入するコア被覆ロッド20の断面形状における長辺と短辺との差よりも小さくされれば良い。或いは、内側貫通孔42においては、コア被覆ロッド20が挿入された状態で、上記実施形態と同様にして、クラッドロッド32の外周側の空隙45と内周側の空隙45とが同じ大きさとされても良い。
また、上記のようにクラッドロッド32の外側に位置する空隙45が内側に位置する空隙45より大きい状態とされるには、上記のように断面の形状が台形にされたコア被覆ロッドを、上記とは異なり長辺側がクラッドロッドの中心側となるようにして、それぞれの貫通孔41,42に挿入しても良い。ただし、この場合は、短辺側の空隙45が長辺側の空隙よりも大きくなるようにコア被覆ロッド20をそれぞれの貫通孔41,42に対して偏在させる。或いは、それぞれの貫通孔41,42におけるクラッドロッドの外側に位置する空隙45が内側に位置する空隙よりも大きくするためには、それぞれのコア被覆ロッド20の断面の形状が長方形となるようしても良い。この場合、長方形の長辺がそれぞれの貫通孔41,42が並べられる方向に沿ってコアロッド21を挟むようにすると共に、それぞれの貫通孔41,42におけるクラッドロッドの外側に位置する空隙45が内側に位置する空隙よりも大きくなるように、コア被覆ロッド20をそれぞれの貫通孔に対して偏在させればよい。これらの場合においても、外側に形成される空隙と内側に形成される空隙の潰れ易さの違いが生じる傾向は、内側貫通孔42によりも外側貫通孔41に大きく表れる。従って、これらの場合においても、内側貫通孔42に形成されるクラッドロッド32の外側に位置する空隙45と内側に位置する空隙45との差は、外側貫通孔41に形成されるクラッドロッド32の外側に位置する空隙45と内側に位置する空隙45との差よりも小さくされることが好ましい。
なお、貫通孔がコアロッド32の中心に形成される場合は、互いに対向する平面と当該貫通孔の内側面とで形成されるそれぞれの空隙は、互いにクラッドロッド32の中心から同じ距離に形成されるため、中心に形成される貫通孔については、互いに対向する平面と当該貫通孔の内側面とで形成されるそれぞれの空隙の大きさは同じとされる。また、上記説明では、それぞれの貫通孔41,42において、クラッドロッド32の外側に位置する空隙45が内側に位置する空隙45より大きい状態とされることが好ましいとしたが、少なくとも一つの貫通孔において、このような状態とされても良い。
このように、コアロッド21を囲む空孔45pの大きさのばらつきが抑制されることで、製造されるマルチコアファイバ1の空孔15の大きさがばらつくことを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9〜図11を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図9は、第2実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。図9に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ2は、それぞれのコア11が、それぞれのコア11が並ぶ方向において空孔15で挟まれる点において第1実施形態のマルチコアファイバ1と同じ構成とされるものの、それぞれのコア11が並ぶ方向と垂直な方向において空孔で挟まれない点において第1実施形態のマルチコアファイバ1と異なる。
このようなマルチコアファイバ2を製造するフローチャートは、図2に示すフローチャートと同様とされる。従って、まず、穿孔工程P1が行われる。この穿孔工程P1は、第1実施形態のマルチコアファイバ1の製造方法における穿孔工程P1と同様とされる。
<挿入工程P2>
図10は、本実施形態の挿入工程P2後の様子を示す図である。本工程では、コア被覆ロッド20aを複数の貫通孔41,42のそれぞれに挿入する。
コア被覆ロッド20aは、コアロッド21をガラス層24で被覆する点において、第1実施形態のコア被覆ロッド20と異なる。ガラス層24は、それぞれのコア被覆ロッド20aの側面が、互いに対向する平面24fと、それぞれの貫通孔41,42の内側面41i,42iに沿うと共にそれぞれの平面24fと接する曲面24cとから構成される点において、第1実施形態のガラス層23と異なる。互いに対向する一対の平面24fは、第1実施形態のコア被覆ロッド20における互いに対向する一対の平面23fと同様とされる。曲面24cは、断面における形状が円弧状とされ、内側面41i,42iと一定の間隔をあける形状とされる。コア被覆ロッド20aをこのような形状にするには、第1実施形態のコア被覆ロッド20を作製する工程と同様にしてコアロッド21がガラス層で被覆された円柱状のロッドを作製する。その後互いに対向する側面の部位を平面状に切削して、側面が互いに対向する2つの平面24fを有するガラス層24とする。
本工程では、図10に示すように、それぞれのコア被覆ロッド20aの一対の平面24fが、互いに隣り合うそれぞれのコアロッド21の間に位置するように、それぞれのコア被覆ロッド20aをそれぞれの貫通孔41,42に挿入する。このとき第1実施形態の挿入工程P2と同様に、一対の平面24fがそれぞれの貫通孔41,42が配置される方向と直交するようにコア被覆ロッド20aをそれぞれの貫通孔41,42に挿入することが好ましい。こうして、それぞれのコアロッド21間には、2つの平面24fが位置することになる。また、コア被覆ロッド20aが挿入された状態で、それぞれのコア被覆ロッド20aの平面24fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとの間には、空隙45が生じる。
<一体化工程P3>
図11は、本実施形態の一体化工程P3後の様子を示す図である。本工程では、クラッドロッド32及びコア被覆ロッド20aを一体化する。本実施形態においても第1実施形態の一体化工程P3と同様に、クラッドロッド32と、当該クラッドロッド32の貫通孔41,42に挿入されたコア被覆ロッド20aとが溶融炉に配置され、それぞれの貫通孔41,42内に所定の圧力が加えられ、クラッドロッド32の側面側から加熱がなされる。
この加熱によりそれぞれの貫通孔41,42の内側面41i或いは内側面42iと、貫通孔41,42に挿入されているコア被覆ロッド20aの側面の曲面24cとが融着し、クラッドロッド32とコア被覆ロッド20aとが一体とされる。こうしてクラッドロッド32とガラス層24とが一体とされて母材クラッド部32pとされる。また、空隙45は埋まらずに、空隙45が空孔45pとなる。従って、本実施形態では、空孔45pは、平面24fと外側貫通孔41の内側面41i、或いは、平面24fと内側貫通孔42の内側面42iとにより形成される。
こうして、図11に示すマルチコアファイバ用母材2pを得る。
次に第1実施形態の線引工程P4と同様に線引工程P4を行い、図9に示すマルチコアファイバ2を得る。
本実施形態のマルチコアファイバの製造方法によれば、コア被覆ロッド20aの作成が、第1実施形態のコア被覆ロッド20に比べて容易となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図12〜図14を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図12は、第3実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。図12に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ3は、それぞれのコア11が並ぶ方向において、それぞれのコア11間に1つの空孔15が配置される点において第2実施形態のマルチコアファイバ2と異なる。
このようなマルチコアファイバ3を製造するフローチャートは、図2に示すフローチャートと同様とされる。従って、まず、穿孔工程P1が行われる。この穿孔工程P1は、第1実施形態のマルチコアファイバ1の製造方法における穿孔工程P1と同様とされる。
<挿入工程P2>
図13は、本実施形態の挿入工程P2後の様子を示す図である。本工程では、コア被覆ロッド20bを複数の貫通孔41,42のそれぞれに挿入する。
コア被覆ロッド20bは、コアロッド21をガラス層25で被覆する点において、第2実施形態のコア被覆ロッド20aと異なる。ガラス層25は、それぞれのコア被覆ロッド20bの側面が、1つの平面25fと、それぞれの貫通孔41,42の内側面41i,42iに沿うと共にそれぞれの平面25fと接する曲面25cと、から構成される点において、第2実施形態のガラス層24と異なる。平面25fは、第2実施形態のコア被覆ロッド20における平面24fの一方と同様とされる。曲面25cは、断面における形状が円弧状とされ、内側面41i,42iと一定の間隔をあける形状とされる。コア被覆ロッド20bをこのような形状にするには、第1実施形態のコア被覆ロッド20を作製する工程と同様にしてコアロッド21がガラス層で被覆された円柱状のロッドを作製する。その後1つの側面の部位を平面状に切削して、1つの平面25fを有するガラス層25とする。
本工程では、図13に示すように、互いに隣り合うそれぞれのコアロッド21の間に1つの平面24fが位置するように、それぞれのコア被覆ロッド20bを同じ向きにして、それぞれの貫通孔41,42に挿入する。このとき平面24fがそれぞれの貫通孔41,42が配置される方向と直交するようにコア被覆ロッド20aをそれぞれの貫通孔41,42に挿入することが好ましい。このようにコア被覆ロッド20bが挿入された状態で、それぞれのコア被覆ロッド20bの平面24fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとの間には、空隙45が生じる。
<一体化工程P3>
図14は、本実施形態の一体化工程P3後の様子を示す図である。本工程では、クラッドロッド32及びコア被覆ロッド20bを一体化する。本実施形態においても第2実施形態と同様に、クラッドロッド32と、当該クラッドロッド32の貫通孔41,42に挿入されたコア被覆ロッド20bとが溶融炉に配置され、それぞれの貫通孔41,42内に所定の圧力が加えられ、クラッドロッド32の側面側から加熱がなされる。
この加熱によりそれぞれの貫通孔41,42の内側面41i或いは内側面42iと、貫通孔41,42に挿入されているコア被覆ロッド20bの側面の曲面25cとが融着し、クラッドロッド32とコア被覆ロッド20bとが一体とされる。クラッドロッド32とガラス層25とが一体とされて母材クラッド部32pとされる。また、空隙45は埋まらずに、空隙45が空孔45pとなる。従って、本実施形態では、空孔45pは、平面25fと貫通孔41の内側面41i、或いは、平面25fと貫通孔42の内側面42iとにより形成される。
こうして、図11に示すマルチコアファイバ用母材3pを得る。
次に第1実施形態の線引工程P4と同様に線引工程P4を行い、図12に示すマルチコアファイバ3を得る。
本実施形態のマルチコアファイバの製造方法によれば、コア被覆ロッド20bの作成が、第2実施形態のコア被覆ロッド20aに比べて更に容易となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図15〜図17を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図15は、第4実施形態におけるマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。図15に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ4は、それぞれのコア11が、6つの空孔15で囲まれる点において第1実施形態のマルチコアファイバ1と異なる。具体的には、それぞれのコア11が並ぶ方向において、それぞれのコア11が互いに対向する一対の空孔15で挟まれる。
このようなマルチコアファイバ2を製造するフローチャートは、図2に示すフローチャートと同様とされる。従って、まず、穿孔工程P1が行われる。この穿孔工程P1は、第1実施形態のマルチコアファイバ1の製造方法における穿孔工程P1と同様とされる。
<挿入工程P2>
図16は、本実施形態の挿入工程P2後の様子を示す図である。本工程では、コア被覆ロッド20cを複数の貫通孔41,42のそれぞれに挿入する。
コア被覆ロッド20cは、コアロッド21をガラス層26で被覆する点において、第1実施形態のコア被覆ロッド20と異なる。ガラス層26は、長手方向における断面の形状が六角形とされ、互いに対向する一対の平面26fが3組形成されている点において、第1実施形態のコア被覆ロッド20のガラス層23と異なる。コア被覆ロッド20cをこのような形状にするには、第1実施形態のコア被覆ロッド20を作製する工程と同様にしてコアロッド21がガラス層で被覆された円柱状のロッドを作製する。その後側面を6つの平面に切削して、側面が互いに対向する一対の平面26fを3組有するガラス層24とする。
本工程では、図16に示すように、それぞれのコア被覆ロッド20cの一対の平面26fが、互いに隣り合うそれぞれのコアロッド21の間に位置するように、それぞれのコア被覆ロッド20cをそれぞれの貫通孔41,42に挿入する。このとき第1実施形態の挿入工程P2と同様に、一対の平面26fがそれぞれの貫通孔41,42が配置される方向と直交するようにコア被覆ロッド20aをそれぞれの貫通孔41,42に挿入することが好ましい。こうして、それぞれのコアロッド21間には、2つの平面26fが位置することになる。また、コア被覆ロッド20cが挿入された状態で、それぞれのコア被覆ロッド20cの平面26fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとの間には、空隙45が生じる。
<一体化工程P3>
図17は、本実施形態の一体化工程P3後の様子を示す図である。本工程では、クラッドロッド32及びコア被覆ロッド20cを一体化する。本実施形態においても第1実施形態と同様に、クラッドロッド32と、当該クラッドロッド32の貫通孔41,42に挿入されたコア被覆ロッド20cとが溶融炉に配置され、それぞれの貫通孔41,42内に所定の圧力が加えられ、クラッドロッド32の側面側から加熱がなされる。
この加熱によりそれぞれの貫通孔41,42の内側面41i或いは内側面42iと、貫通孔41,42に挿入されているコア被覆ロッド20cにおける互いに隣り合う平面26fで挟まれる角部とが融着し、クラッドロッド32とコア被覆ロッド20cとが一体とされる。こうしてクラッドロッド32とガラス層26とが一体とされて母材クラッド部32pとされる。また、空隙45は埋まらずに、空隙45が空孔45pとなる。従って、本実施形態では、空孔45pは、平面26fと外側貫通孔41の内側面41i、或いは、平面26fと内側貫通孔42の内側面42iとにより形成される。
こうして、図15に示すそれぞれの母材コア部21pが6つの空孔45pで囲まれたマルチコアファイバ用母材4pを得る。
次に第1実施形態の線引工程P4と同様に線引工程P4を行い、図15に示すマルチコアファイバ4を得る。
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限らない。
例えば、上記実施形態では、それぞれの貫通孔41,42に挿入されるコア被覆ロッドが同じ形状とされたが、本発明は、これに限らない。例えば、外側貫通孔41に挿入するコア被覆ロッドと内側貫通孔に挿入するコア被覆ロッドとを異なる形状としても良い。図18は、このような変形例を示す図である。本例では、外側貫通孔41に挿入するコア被覆ロッドを第3実施形態におけるコア被覆ロッド20bとし、内側貫通孔に挿入するコア被覆ロッドを第2実施形態におけるコア被覆ロッド20aとしている。
本変形例の場合、内側貫通孔42へのコア被覆ロッド20aの挿入は、第2実施形態におけるコア被覆ロッド20aの挿入と同様に行えばよい。一方、外側貫通孔41へのコア被覆ロッド20bの挿入は、図18に示すように、それぞれの平面24fが内側貫通孔42側を向くようにして、コア被覆ロッド20bを挿入することが好ましい。このようにそれぞれのコア被覆ロッド20a,20b間に空隙45が2つ形成されることになり、上記実施形態と同様にして、一体化工程P3、線引工程P4を経て、それぞれのコア間に2つの空孔が形成されるものの、コアの並びの外側には空孔が形成されないマルチコアファイバを得ることができる。
さらに、本例では、外側貫通孔41に挿入されるコア被覆ロッドが平面を有さないコア被覆ロッドとされても良い。この場合、内側貫通孔42に挿入されるコア被覆ロッド20aが互いに対向する一対の平面24fを有するため、製造されるマルチコアファイバにおいて、それぞれのコア間に少なくとも1つの空孔が形成されることとなる。
つまり、本発明は、互いに隣り合うコアロッド21間のそれぞれに少なくとも1つのコア被覆ロッドの平面状の部位が位置するように、コア被覆ロッドをそれぞれの貫通孔に挿入すれば良いのである。例えば、上記実施形態や変形例では、コアロッド21間に配置されるコア被覆ロッドの平面が、それぞれの貫通孔41,42が配置される方向と直交するようにコア被覆ロッドをそれぞれの貫通孔41,42に挿入することが好ましいとした。しかし、本発明は、このようにコア被覆ロッドを挿入する必要はなく、コアロッド21間に配置されるコア被覆ロッドの平面と、それぞれの貫通孔41,42が配置される方向とが直交しなくても良い。
また、上記実施形態では、一体化工程P3において、コア被覆ロッドとクラッドロッド32とが一体化され、その後、線引工程P4で一体化されたロッドが線引きされた。しかし、本発明は、一体化工程P3と線引工程P4とが同時に行われても良い。この場合、コア被覆ロッドが貫通孔41,42に挿入された状態のクラッドロッド32を紡糸炉110に配置する。そして、セットされたロッドを各貫通孔41,42に所定の圧力を加えながら線引きする。こうすることで、一体化と線引とを同時に行うことができる。
また、図7を用いて説明した、外側貫通孔の直径が内側貫通孔の直径よりも大きくされる例は、第1実施形態以外の製造方法においても適用することができる。
さらに、図8を用いて説明した、複数の貫通孔41,42が並べられる方向に沿ってコアロッド21を挟むコア被覆ロッド20の平面23fと貫通孔41,42の内側面41i,42iとの間に位置する空隙45のうち、クラッドロッド20の外側に位置する空隙45が内側に位置する空隙45より大きい状態とされる例は、第3実施形態を除き第1実施形態以外の製造方法においても適用することができる。例えば、中心以外に形成される複数の貫通孔41,42の少なくとも一つにおいて上記状態とされても良い。
以上説明したように、本発明によれば、クロストークを抑制できるマルチコアファイバを容易に製造することができるマルチコアファイバの製造方法が提供され、マルチコアファイバを用いる光通信用ケーブル等の製造に良好に利用することができる。
1,2,3,4・・・マルチコアファイバ
1p,2p,3p,4p・・・マルチコアファイバ用母材
11・・・コア
12・・・クラッド
15・・・空孔
20,20a,20b,20c・・・コア被覆ロッド
21・・・コアロッド
21p・・・母材コア部
23,24,25,26・・・ガラス層
23f,24f,25f,26f・・・平面
24c,25c・・・曲面
32・・・クラッドロッド
32p・・・母材クラッド部
32p・・・母材クラッド部
41・・・外側貫通孔
42・・・内側貫通孔
41i,42i・・・内側面
45・・・空隙
45p・・・空孔
P1・・・穿孔工程
P2・・・挿入工程
P3・・・一体化工程
P4・・・線引工程

Claims (10)

  1. クラッドロッドの長手方向に沿って形成され前記長手方向に垂直な断面形状が円形の貫通孔が、前記クラッドロッドの中心を通る特定の径方向に複数並んで配置されるように、前記クラッドロッド内にそれぞれの前記貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    コアとなるコアロッドがクラッドの一部となるガラス層で被覆されるコア被覆ロッドをそれぞれの前記貫通孔内に挿入する挿入工程と、
    前記コア被覆ロッドと前記クラッドロッドとを加熱して一体化する一体化工程と、
    前記一体化工程により一体化されたロッドを線引きする線引工程と、
    を備え、
    少なくとも1つの前記コア被覆ロッドの側面は、一方の端部から他方の端部に延在する少なくとも1つの平面状の部位を有し、
    前記挿入工程では、互いに隣り合う前記コアロッド間のそれぞれに少なくとも1つの前記平面状の部位が位置するように、前記コア被覆ロッドを前記貫通孔に挿入し、
    前記一体化工程では、前記平面状の部位と前記貫通孔の内側面とによる空孔が形成される
    ことを特徴とするマルチコアファイバの製造方法。
  2. 複数の前記貫通孔は、最も外側に位置する一対の外側貫通孔と、前記一対の外側貫通孔に挟まれる1以上の内側貫通孔とを有し、
    前記内側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの側面は、互いに対向する少なくとも一対の前記平面状の部位を有し、
    前記挿入工程では、前記内側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの互いに対向する一対の前記平面状の部位のそれぞれが互いに隣り合う前記コアロッド間に位置するように、それぞれの前記コア被覆ロッドを前記貫通孔に挿入する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  3. 前記外側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの側面は、少なくとも1つの前記平面状の部位を有し、
    前記挿入工程では、前記外側貫通孔に挿入される前記コア被覆ロッドの前記平面状の部位が互いに隣り合う前記コアロッド間に位置するように、それぞれの前記コア被覆ロッドを前記貫通孔に挿入する
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチコアファイバの製造方法。
    それぞれの前記コア被覆ロッドの側面の形状は、
  4. それぞれの前記コア被覆ロッドの側面は、互いに対向する少なくとも一対の前記平面状の部位を有し、
    前記挿入工程では、それぞれの前記コア被覆ロッドは、一対の前記平面状の部位が前記複数の貫通孔が並べられる方向に沿って前記コアロッドを挟む状態とされることを特徴とする請求項3に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  5. それぞれの前記コア被覆ロッドの側面の形状は、長手方向に垂直な断面において四角形とされる
    ことを特徴とする請求項4に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  6. 前記挿入工程では、複数の前記貫通孔の少なくとも一つにおいて、前記複数の貫通孔が並べられる方向に沿って前記コアロッドを挟む前記コア被覆ロッドの前記平面状の部位と前記貫通孔の内側面との間に位置する空隙のうち、前記クラッドロッドの外側に位置する前記空隙が内側に位置する空隙より大きい状態とされる
    ことを特徴とする請求項4に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  7. 前記内側貫通孔における前記クラッドロッドの外側に位置する前記空隙と内側に位置する前記空隙との差は、前記外側貫通孔の前記クラッドロッドの外側に位置する前記空隙と内側に位置する前記空隙との差よりも小さい
    ことを特徴とする請求項6に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  8. それぞれの前記コア被覆ロッドの側面の形状は、長手方向に垂直な断面において六角形とされる
    ことを特徴とする請求項4に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  9. 複数の前記貫通孔は、最も外側に位置する一対の外側貫通孔と、前記一対の外側貫通孔に挟まれる1以上の内側貫通孔とを有し、
    前記外側貫通孔の直径が前記内側貫通孔の直径よりも大きくされる
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバの製造方法。
  10. 前記一体化工程と前記線引工程とは同時に行われる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9いずれか1項に記載のマルチコアファイバの製造方法。
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