JP2005003932A - 偏波保持フォトニッククリスタルファイバ及びそのファイバ端部加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ファイバの横断面において、コア11を挟んで対向する三対の細孔のうち一対の細孔13bだけは、他の細孔13aよりも細孔径が大きく形成されており、これによりコア11の光伝送領域を楕円形とする。円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10は、複屈折性を示さない材質で形成されている円形の高屈折率部分14を有しつつも、クラッド12に異方的に存在する細孔13a,13bの影響により、楕円形のモード分布をもつ光を伝送する。アーク放電などにより端部を加熱すると、細孔13a,13bが封じられ、端面を通過する光のモード分布は円形となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏波保持フォトニッククリスタルファイバ(以下、「偏波保持PCF」という)及びそのファイバの端部加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏波保持PCFは、ファイバ横断面におけるコアの光伝送領域が楕円形であるフォトニッククリスタルファイバである。図7は、そのような偏波保持PCF50のファイバ横断面を示す。この偏波保持PCF50は、ファイバ中心をなす中実のコア51とそのコア51を覆うように設けられたクラッド52とを備えている。クラッド52には、コア51を囲うようにコア51に沿って延びる細孔53a,53bが複数形成されており、それらの細孔53a,53bは、クラッド52に異方的に分布している。具体的には、偏波保持PCF50の横断面において、コア51を挟んで対向する三対の細孔のうち一対の細孔53bだけが他の細孔53aよりも細孔径が大きく形成されている。このようにすると、ファイバ横断面におけるコアの光伝送領域は楕円形となる。光はコア51内を全反射しながら伝送されるため、伝送される光のモード分布は楕円形となる。従って、上記のファイバ内を伝送される光の偏波面は保持される。
【0003】
ところで、同種の光ファイバを接続する場合であっても、モードフィールド径及びコア径の若干のずれなどにより接続損失が発生する。また、異種の光ファイバを接続する場合は、上記の理由以外に、伝送される光のモード分布の相違、コアの軸ずれなどによっても接続損失が生じる。特許文献1には、中空コアに屈折率整合用物質を挿入することにより、通常の光ファイバと中空コアを備えた光ファイバとを接続する場合、発生する接続損失を低減する技術が開示されている。
【0004】
また、均質な石英で形成された偏波保持PCFと光ファイバとを融着接続する場合、放電による熱により、偏波保持PCFの細孔が消失する危険性があり、そのときは、光の導波路が確保できず、大きな接続損失を招く虞がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−236234号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
偏波保持PCFと他の光ファイバとを接続する場合、上記の理由により、大きな接続損失を招く危険性がある。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偏波保持PCFを他の光ファイバに接続した場合でも、接続損失が低く抑えられる偏波保持PCF及びそのファイバ端部加工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ファイバ横断面における光伝送領域が略楕円となるように構成されたコアと、該コアを覆うように設けられ、且つ、該コアに沿って延びる複数の細孔によりファイバ半径方向にフォトニック結晶構造が構成されたクラッドと、を備えた偏波保持フォトニッククリスタルファイバであって、コアは、少なくともファイバ端部において、ファイバ横断面における形状が円形又は楕円形である高屈折率部分を有することを特徴とする。
【0009】
上記の構成によると、本発明の偏波保持PCFは、ファイバ横断面において、コアに形状が円形または楕円形の高屈折率部分を有する。そして、その高屈折率部分は必ずファイバ端部に存在する。(以下、コアに、ファイバ横断面における形状が円形、楕円形の高屈折率部分を有する偏波保持PCFのことを、それぞれ、「円形高屈折率部分付き偏波保持PCF」、「楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF」という)
コアの高屈折率部分では、光はこの高屈折率部分内で全反射しながら伝送される。よって、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF及び楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCFと光ファイバとを接続する場合に、ファイバ端部において、放電による熱により偏波保持PCFの細孔が消失しても、コアに高屈折率部分が残存して、光の導波路が確保されるので、接続損失は低く抑えられる。
【0010】
請求項2の発明は、ファイバ両端部において、ファイバ横断面における形状が円形または楕円形である高屈折率部分を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によると、偏波保持PCFの両ファイバ端部で低接続損失のファイバ接続構造を構成することができる。
【0012】
請求項3の発明は、ファイバ全長において、ファイバ横断面における形状が円形または楕円形である高屈折率部分を有することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によると、偏波保持PCFを製造するためのプリフォームに予め高屈折率部分を形成しておけばよいので、ファイバ端部にのみコアの高屈折率部分を後加工で形成するのに比べて容易にその製造をすることができる。
【0014】
請求項4の発明は、高屈折率部分にゲルマニウムがドープされていることを特徴とする。
【0015】
上記の構成によると、少なくともファイバ端部のコアに高屈折率部分を有し、その高屈折率部分にはゲルマニウムがドープされている。本発明の典型的な実施形態である。
【0016】
請求項5の発明は、ファイバ端部は、ファイバ本体端面に融着された中実コア及び中実クラッドからなる光ファイバ片で構成されていることを特徴とする。
【0017】
上記の構成によると、ファイバ端部に、中実コア及び中実クラッドからなる光ファイバ片を融着接続するので、偏波保持PCFのファイバ端部のクラッドに存在する細孔は、このファイバ片によりふさがれる。そのため、細孔に微小物質や水分が付着する虞がない。よって、ファイバ端面が汚染されることがなく、他の光ファイバと接続する場合、接続損失を低くすることができる。そのうえ、細孔からファイバ内へ異物が進入するおそれがないことから、封止部の端面を研磨したときに生じる微小粉塵がファイバ内へ進入することがなく、封止部の端面を平滑にすることができるため、それによっても他の光ファイバと接続した場合、接続損失をさらに低くすることができる。
【0018】
特に、ファイバ端部に、ファイバ横断面におけるコアの形状が円形である光ファイバ片を融着接続した場合、この光ファイバ片を通過する光のモード分布は円形となる。従って、伝送される光のモード分布が円形である光ファイバと接続する場合、更に接続損失が低く抑えられる。
【0019】
請求項6の発明は、ファイバ横断面における光伝送領域が略楕円形となるように構成されたコアと、該コアを覆うように設けられ、且つ、該コアに沿って延びる複数の細孔によりファイバ半径方向にフォトニック結晶構造が構成されたクラッドと、を備え、該コアが、少なくともファイバ端部において、ファイバ横断面における形状が円形または楕円形である高屈折率部分を有する偏波保持PCFのファイバ端部加工方法において、上記偏波保持PCFにおけるコアに高屈折率部分を有するファイバ端部のクラッドの複数の細孔を消失させることを特徴とする。
【0020】
上記のファイバ端部加工方法によると、クラッドの全ての細孔が消失したファイバ端部(以下、「封止部」という)が形成される。封止部のファイバ横断面は、高屈折率部分とそれを覆うクラッドとで構成され、光は高屈折率部分内で全反射しながら伝送される。そのため、細孔が消失していても光の導波路が確保され、他の光ファイバと接続する場合でも、接続損失が低く抑えられる。
【0021】
また、封止部には、細孔が存在しないため、微小物質や水分が付着する虞がない。よって、ファイバ端面が汚染されることがなく、光ファイバと接続した場合、接続損失を低くすることができる。そのうえ、細孔からファイバ内へ異物が進入するおそれはないことから、封止部の端面を研磨したときに生じる微小粉塵がファイバ内へ進入することがなく、封止部の端面を平滑にすることができるため、それによっても他の光ファイバと接続した場合、接続損失をさらに低くすることができる。
【0022】
特に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCFの場合、ファイバ横断面における高屈折率部分の形状が円形であるため、封止部を通過する光のモード分布は円形となる。従って、円形高屈折率部分付き偏波保持PCFと伝送される光のモード分布が円形である光ファイバとを接続する場合、接続損失を低くすることができる。
【0023】
請求項7の発明は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF及び楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCFのファイバ端部加工方法において、上記クラッドを溶融させて複数の細孔をコラプスすることにより該複数の細孔を消失させることを特徴とする。
【0024】
これは、本発明のファイバ端部加工方法の一つの実施態様である。
【0025】
請求項8の発明は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF及び楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCFのファイバ端部加工方法において、上記クラッドの複数の細孔のそれぞれに該クラッドにおける細孔以外の部分と屈折率が略同一である充填材を充填することにより該複数の細孔を消失させることを特徴とする。
【0026】
これは、本発明のファイバ端部加工方法のまた別の実施態様である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(実施形態1)
本発明の実施形態1として、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10、そのファイバ端部加工方法及び他のファイバとの接続について説明する。
【0029】
まず、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10の構造を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態1に係る円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ横断面を示す。この円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10は、石英ガラス製であり、ファイバ中心をなす中実のコア11と、コア11を覆うように設けられたクラッド12と、を備えている。クラッド12には、コア11を囲うようにコア11に沿って延びる細孔13a,13bが複数形成されている。ファイバの横断面において、コア11を挟んで対向する三対の細孔のうち一対の細孔13bだけは、他の細孔13aよりも細孔径が大きく形成されており、これによりコア11の光伝送領域が楕円形となっている。このコア11には、ファイバ横断面における形状が円形である高屈折率部分14がファイバ全長にわたって設けられている。高屈折率部分14には、石英ガラスの屈折率を高めるゲルマニウムがドープされている。
【0031】
次に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10内を伝送される光の特性について説明する。
【0032】
円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ全長には、コア11に、ファイバ横断面における形状が円形である高屈折率部分14が存在する。一般的に、光ファイバは、コアの屈折率のほうがクラッドの屈折率よりも高くなるよう形成されているため、光ファイバに入力された光は、コアとクラッドとの境界面で全反射しながら伝送される。よって、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10内を伝送される光は、高屈折率部分14内に閉じこめられて伝送される。しかしながら、全ての光が高屈折率部分14とコア11との境界面で全反射されるわけではなく、一部の光は、高屈折率部分14からクラッド12へ漏れ、細孔13a,13bの影響を受ける。細孔13a,13bはクラッド12に異方的に存在するため、高屈折率部分14内を伝送される光は、楕円形のモード分布を示す。以上より、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10は、複屈折性を示さない材質で形成されている円形の高屈折率部分14を有しつつも、クラッド12に異方的に存在する細孔13a,13bの影響により、楕円形のモード分布をもつ光を伝送する。
【0033】
伝送される光のモード分布が楕円形である場合、構造複屈折が発生し、縦偏波と横偏波とで伝搬定数が異なることになる。このとき、光ファイバが曲がるなどの外力が加わることで、ファイバ内部に発生する応力歪が原因で複屈折が発生するが、ファイバ固有の構造複屈折より小さいため、それがきっかけとなって縦偏波と横偏波とでエネルギーが交換されることはなく、例えば、縦偏波を入力した場合は、縦偏波のみが出力され、横偏波は出力されない。従って、伝送される光のモード分布が楕円形である場合、光の偏波面は保持されることとなり、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10は偏波保持機能を有する。
【0034】
なお、偏波面とは、光の伝送方向と電界の発生する方向とで決まる平面のことを意味する。光は電磁波の一種であり、互いに垂直な2方向に電場及び磁場が発生し、それにより、その2方向ともに直交する方向に伝送される。具体的には、例えば、x軸方向に電場が発生し、y軸方向に磁場が発生するとき、光はz軸方向に伝送される。従って、光は互いに独立な2つの偏波状態で伝送されることとなる。縦偏波と横偏波とは、この互いに独立な2つの偏波状態を意味する。
【0035】
また、伝送される光のモード分布が円形である場合は、ファイバ横断面におけるコアの形状は略真円であるため、縦偏波と横偏波とで伝搬定数は略同じである。このとき、光ファイバに曲がる等の外力が加わると、それがきっかけとなり、縦偏波と横偏波との間でエネルギーの交換がおこる。そのため、伝送される光のモード分布が円形である場合は、伝送中に偏波面が変化してしまう。
【0036】
続いて、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10の製造方法を簡単に説明する。
【0037】
第1の製造方法では、まず、ゲルマニウムがドープされた1本の石英ガラスロッドと複数本の石英キャピラリとを準備する。このとき、複数本の石英キャピラリのうち2本については、孔径が他のものよりも大きいものを選定する。また、ロッド横断面において、ゲルマニウムがドープされた部分の形状は円形である。
【0038】
次いで、石英ガラスロッド及び石英キャピラリを最密状に束ねることにより母材を作製する。このとき、石英ガラスロッドを母材の中心位置に配設すると共に、石英ガラスロッドに接触する6本の石英キャピラリを母材の中心付近に配設し、石英ガラスロッドを挟む一対のものには孔径が大きいものを用いる。
【0039】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英ロッドと石英キャピラリとの間及び石英キャピラリ相互間が融着すると共に細径化され、石英コアロッドがコアに及び石英キャピラリがクラッドにそれぞれ対応するように形成された円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10が製造される。
【0040】
第2の製造方法では、まず、ロッド中心にゲルマニウムがドープされた中実の石英ガラスロッドを準備する。そして、ゲルマニウムがドープされた部分は、ロッド横断面において円形である。
【0041】
次いで、ドリルを用いて、ロッド横断面に複数の孔を開け、ロッド長手方向に対して貫通させる。このとき、まず、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲に、6個の略円形の孔を開け、対向する三対の孔のうち一対の孔だけは他の孔よりも孔径が大きくなるようにする。そして、その6個の孔の中心は、同心円上に存在し、正六角形を形成する。また、その円及び正六角形の中心はロッド中心である。次に、その6個の孔の中心が形成する正六角形の外側に、12個の孔を開ける。そして、その孔の中心は同心円上に存在し、正六角形を形成する。このとき、その円及び正六角形の中心は、ロッド中心である。更に、その12個の孔の中心が形成する正六角形の外側に18個の孔を開ける。このようにして、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には複数の孔が形成される。
【0042】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英コアロッドがコアに及びドリルを用いて開けられた孔がクラッドにそれぞれ対応するように形成された円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10が製造される。
【0043】
続いて、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部加工方法を説明する。
【0044】
第1のファイバ端部加工方法では、まず、アーク放電などにより、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部を加熱する。すると、そのファイバ端部は熱により軟化するため、クラッド12も軟化し、クラッド12の材質である石英ガラスは、溶融されて液状になり、クラッド12にある細孔13a,13bが封じられる。このようにして、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部に封止部を形成する。
【0045】
図2は、上記のファイバ端部加工を施した円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部を示す。図2に示すように、ファイバ端部を加熱すると、ファイバ横断面は、円形の高屈折率部分14とそれを覆うようにして設けられたクラッド12とで構成される。従って、ファイバ端面は等方性を示し、封止部を通過する光のモード分布は円形となる。
【0046】
第2のファイバ端部加工方法では、まず、屈折率が石英ガラスと略同一である材料、例えば樹脂、を用意し、細孔13a,13bに流し込む。例えば、紫外線硬化樹脂であれば、流し込んだ後にファイバに紫外線を照射して固化させる。また、熱硬化樹脂であれば、流し込んだ後にファイバに熱を加えて固化させる。このようにして流し込まれた材質は充填剤となり、細孔13a,13bを充填する。
【0047】
図3は、上記のファイバ端部加工を施した場合の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部を示す。図3に示すように、細孔13a,13bを充填剤で充填すると、ファイバ横断面は、円形の高屈折率部分14とそれを覆うようにして設けられたクラッド12とで構成され、そのクラッド12には、充填剤で充填された部分15が存在する。ここで、充填剤の屈折率は石英ガラスの屈折率と略同一であるため、クラッド12は石英ガラスのみで構成されているとみなすことができ、この場合も、ファイバ端面は等方性を示す。よって、細孔13a,13bを充填剤で充填することにより、本実施形態1の第1のファイバ端部加工方法を施した場合と同一の効果を得ることができる。すなわち、封止部を通過する光のモード分布は円形である。
【0048】
第3のファイバ端部加工方法では、まず、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と光ファイバ片とを用意する。このとき、光ファイバ片は、石英ガラス製であり、ファイバ中心をなす中実のコアとコアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備えている。そして、その中実のコアは、ファイバ横断面における形状が円形であり、そのコアには、クラッドよりも屈折率を高める効果を表す材質がドープされている。次に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と光ファイバ片とを対向させ、その対向させた部分を加熱する。すると、加熱された部分は、軟化されて液状になる。そして、この2本の光ファイバを突き合わせる。
【0049】
上記の光ファイバ片は中実コアと中実クラッドとで構成されているため、この光ファイバ片を円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部に接続すると、ファイバ端面には細孔が存在しない。また、この光ファイバ片は、ファイバ横断面に円形のコアを備えているため、本実施形態1の第1及び第2のファイバ端部加工方法により形成される封止部と同一の効果を示す。すなわち、この光ファイバ片を通過する光のモード分布は円形である。
【0050】
更に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と他の光ファイバとを融着接続する方法を説明する。
【0051】
まず、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10に本実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法のうちの1つの加工方法を施す。次に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10の封止部と他の光ファイバのファイバ端部とを対向させ、対向させた部分をアーク放電などにより加熱すると、この部分は軟化し液状になる。そして、2本の光ファイバを突き合わせる。
【0052】
従来の偏波保持PCFを他の光ファイバと融着接続する場合、ファイバ端部を加熱溶融するため、偏波保持PCFのファイバ端部の細孔は封じられる。従来の偏波保持PCFでは、クラッドに細孔を設けることで、クラッドの屈折率が低くなり、光はコア内に閉じこめられて伝送される。そのため、細孔が封じられると、光の導波路が確保されず、大きな接続損失を招く。しかしながら、本実施形態1の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10では、ファイバ横断面のコア11に高屈折率部分14が存在するため、細孔13a,13bが消失しても、光の導波路が確保される。従って、従来に比べ接続損失は低く抑えられる。
【0053】
最後に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と他の光ファイバとを融着接続する具体例について説明する。
【0054】
第1の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と他の光ファイバとを融着接続する具体例では、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と偏波保持機能を有しない光ファイバとを接続する。この場合、偏波保持機能を有しない光ファイバ内を伝送される光のモード分布は円形であり、従来の偏波保持PCFからの出力光のモード分布は楕円形であるため、接続する2本の光ファイバからの出力光のモード分布は異なる。よって、大きな接続損失を招く。しかし、偏波保持PCFとして円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10を用い、且つ、そのファイバ端部に上記のファイバ端部加工を施すことにより、接続する2本の光ファイバからの出力光のモード分布は同一となるため、従来よりも接続損失を低く抑えることができる。
【0055】
ここで、偏波保持機能を有しない光ファイバとは、伝送中に光の偏波面が変化してしまう光ファイバのこと意味し、具体的には、中実コアと中実クラッドとを備えており、その中実コア及び中実クラッドは、複屈折性を示さない材質で構成されており、且つ、ファイバ横断面におけるコアの形状が円形である光ファイバのことを意味する。
【0056】
第2の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と他の光ファイバとを融着接続する具体例では、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10同士を接続する。従来の偏波保持PCF同士を接続する場合、光ファイバ内を伝送される光のモード分布は楕円形であるため、両者で光のモード分布の主軸方向をずらす場合は、光のモード分布の重なりが小さくなり、大きな接続損失を招く。上記のファイバ端部加工方法を施した円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10を用いると、封止部を通過する光のモード分布は円形であるため、両者で光のモード分布の主軸方向をずらす場合でも、光のモード分布の重なりが小さくなることはなく、大きな接続損失を招く危険性がない。よって、偏波保持PCF同士を接続する場合にも、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10を用い、且つ、上記のファイバ端部加工を施すと、接続損失を低減することができる。
【0057】
第3の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と他の光ファイバとを接続する具体例では、光のモード分布の主軸方向を45°傾けて、偏波保持PCF同士を接続する。まず、図8及び図9に基づいて、偏波保持PCF50同士を、光のモード分布の主軸方向を45°傾けて接続する場合について説明する。図8は、光のモード分布の主軸方向を45°傾けて接続する場合の偏波保持PCF50を示す。図8の2本の偏波保持PCF50は、全く同一の構造をとり、破線及び2点破線の両頭矢印は、それぞれ、一方の偏波保持PCF50及び他方の偏波保持PCF50内を伝送される光のモード分布の主軸方向を示す。そして、そのモード分布の主軸方向は45°ずれている。図9は、2本の光ファイバからの出力光のモード分布を示す模式図である。図9の破線及び2点破線の楕円は、それぞれ、一方の偏波保持PCF50及び他方の偏波保持PCF50内を伝送される光のモード分布を示しており、破線及び2点破線の両頭矢印は、それぞれ、一方の偏波保持PCF50及び他方の偏波保持PCF50内を伝送される光のモード分布の主軸方向を示し、2本の両頭矢印がつくる角度のうち鋭角の角度は45°である。そして、図9の破線及び2点破線の両頭矢印と図8の破線及び2点破線の両頭矢印とは、それぞれ対応している。また、図9の斜線領域は、一方の偏波保持PCF50内を伝送される光のモード分布と他方の偏波保持PCF50内を伝送される光のモード分布との重なり部分を示す。この領域は、主軸方向をずらさないで接続する場合に比べ狭く、よって、大きな接続損失を招く。
【0058】
次に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10同士を、光のモード分布の主軸方向を45°傾けて接続する場合について説明する。この場合、2本の光ファイバからの出力光のモード分布は円形であるため、図9の破線及び2点破線の楕円は円になる。従って、図9の斜線領域は上記の場合に比べ広くなり、よって、従来に比べ接続損失を低減することができる。
【0059】
また、この場合、他方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10は、入力光に対して1/4波長板結晶のように作用する、という別の効果が表れる。1/4波長板結晶では、その結晶が持つ、互いに直交する2本の光学軸の角の二等分線の方向とその結晶への入力光の偏波面の方向とが一致した場合、入力光が直線偏光のときは円偏光となって出力され、逆に、入力光が円偏光のときは直線偏光となって出力される。上記のように、他方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10内を伝送される光の主軸方向を、入力光の偏波面の方向と45°ずらすと、入力光の偏波面の方向は、他方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10内を伝送される光のモード分布の主軸方向とその主軸方向に直交する方向とがなす角の二等分線の方向と一致する。従って、この場合、一方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10へ入力した光が直線偏光の場合は、他方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10からの出力光は円偏光となる。逆に、円偏光の光を入力した場合は、直線偏光の光が出力される。ここで、光は、一方の偏波保持PCF50から他方の偏波保持PCF50へと、または、一方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10から他方の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10へと伝送される。
【0060】
以上より、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10を用いて、他の光ファイバと融着接続する場合、本実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法を施して、クラッド12内の細孔13a,13bが消失しても、ファイバ全長にわたって、コア11に高屈折率部分14が存在するため、光の導波路が確保される。従って、従来の偏波保持PCFに比べ、接続損失を低く抑えることができる。
【0061】
また、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10に本実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法を施すと、ファイバ端面の細孔が消失するため、ファイバ端面が汚染される危険性は低く、よって、接続損失を低く抑えることができる。
【0062】
また、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10に本実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法を施すと、ファイバ横断面における高屈折率部分14の形状は円形であるため、出力光のモード分布は円形となる。従って、偏波保持機能を有さない光ファイバと偏波保持PCFとを接続する場合及び偏波保持PCF同士を接続する場合は、接続損失を低く抑えることができる。
【0063】
また、偏波保持PCF同士を接続する場合は、伝送される光のモード分布の主軸方向を45°傾けて接続すると、直線偏光を入力した場合は、円偏光が出力され、円偏光を入力した場合は直線偏光が出力される。
【0064】
また、本実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法は、偏波保持PCFの出力光のモード分布の形状を、楕円形から円形へと変えることができるという機能を備えているとも言える。
【0065】
なお、本実施形態1の第1、第2のファイバ端部加工方法では、封止部が形成され、その封止部を伝送される光のモード分布は円形となる。また、本実施形態1の第3のファイバ端部加工方法では、光ファイバ片を通過する光のモード分布は円形である。従って、封止部及び光ファイバ片を通過する光は、偏波保持されないため、偏波クロストークの劣化が生じる。そのため、ファイバ長手方向に対する封止部の長さ及び光ファイバ片のファイバ長は、数cm〜数μmであることが好ましく、より好ましくは、1mm以下である。この長さが短ければ短いほど、偏波クロストークの劣化は生じにくくなる。
【0066】
また、本実施形態1の第3のファイバ端部加工方法では、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と光ファイバ片とを融着接続するため、その接続面では、伝送される光のモード分布は楕円形から円形へと不連続的に変化する。従って、この接続面で接続損失が発生する虞がある。一方、本実施形態1の第1のファイバ端部加工方法、すなわち、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10のファイバ端部の加熱溶融により細孔を消失させる方法では、細孔の直径がファイバ長手方向に対してテーパー状に変化するため、伝送される光のモード分布は楕円形から連続的に円形へと変化する。そのため、これらのファイバ端部加工方法では、封止部が形成されるときに損失が発生する危険性は低い。以上のことより、偏波保持PCFと他の光ファイバとを接続する場合は、本実施形態1の円形高屈折率部分付き偏波保持PCF1に本実施形態1の第3のファイバ端部加工方法を施すよりは、本実施形態1の第1のファイバ端部加工方法を施すほうがより好ましい。
【0067】
(実施形態2)
本発明の実施形態2として、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20、そのファイバ端部加工方法及び他のファイバとの接続について説明する。
【0068】
まず、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20の構造を説明する。
【0069】
図4は、本発明の実施形態2に係る円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20のファイバ横断面を示す。この円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20は、石英ガラス製であり、ファイバ中心をなす中実のコア21と、コア21を覆うように設けられたクラッド22と、を備えている。クラッド22には、コア21を囲うようにコア21に沿って延びる細孔23が複数形成されている。そして、ファイバ横断面において、ファイバ中心に細孔2つ分の中実部が形成されており、それがコア21を形成している。よって、コア21の光伝送領域は楕円形となっている。このコア21には、ファイバ横断面における形状が円形である高屈折率部分24がファイバ全長にわたって形成されている。高屈折率部分24には、石英ガラスの屈折率を高めるゲルマニウムがドープされている。すなわち、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と、クラッド22における細孔23の配設方法のみを異にする。
【0070】
次に、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20内を伝送される光の特性について説明する。
【0071】
細孔23は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20のクラッド22に異方的に分布するため、ファイバ内を伝送される光のモード分布は楕円形になる。従って、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20内を伝送される光の偏波面も保持される。
【0072】
次に円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20の製造方法を説明する。
【0073】
第1の製造方法では、まず、ゲルマニウムがドープされた1本の石英ガラスロッドと複数本の石英キャピラリとを準備する。このとき、複数本の石英キャピラリの孔径の大きさは略同一である。また、ロッド横断面において、ゲルマニウムがドープされた部分の形状は円形である。
【0074】
次いで、石英ガラスロッド及び石英キャピラリを最密状に束ねることにより母材を作製する。このとき、石英ガラスロッドを母材の中心位置に配設すると共に、石英ガラスロッドに接触する8本の石英キャピラリを、母材の中心付近に等間隔に配設する。具体的には、これらの石英キャピラリは、石英ガラスロッドを挟んで上下に3本ずつ、左右に1本ずつ配設される。そして、この外側には、14本の石英キャピラリを等間隔に配設する。このとき、これらの石英キャピラリは、石英ガラスロッドを挟んで上下に4本ずつ、左右に1本ずつ配設され、残りの4本は、石英ガラスロッドの左右に配設された石英キャピラリと石英ガラスロッドの上下に配設された4本の石英キャピラリのうちの両端の石英キャピラリとの間に配設される。このようにして、石英キャピラリは、石英ガラスロッドの周囲に、対向する二辺がそれ以外の四辺よりも長く、且つ、その差がその四辺の長さと同一である六角形を形成するように配設され、その六角形の中心は母材中心と一致する。
【0075】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英ロッドと石英キャピラリとの間及び石英キャピラリ相互間が融着すると共に細径化され、石英コアロッドがコアに及び石英キャピラリがクラッドにそれぞれ対応するように形成された円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20が製造される。
【0076】
第2の製造方法では、まず、ロッド中心にゲルマニウムがドープされた中実の石英ガラスロッドを準備する。そして、ゲルマニウムがドープされた部分は、ロッド横断面において、円形である。
【0077】
次いで、ドリルを用いて、ロッド横断面に複数の孔を開け、ロッド長手方向に対して貫通させる。このとき、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には、8個の略円形の孔を開ける。具体的には、ゲルマニウムがドープされた部分を挟んで上下に3個ずつ、左右に1個ずつ孔を開け、隣接する孔の中心間距離は略同一である。よって、8個の孔の中心を結ぶと、対向する二辺がそれ以外の四辺よりも長く、且つ、その差がその四辺の長さと同一である六角形が形成され、この六角形の中心はロッド中心と一致する。そして、その六角形の外側には、14個の孔を開ける。このとき、ゲルマニウムがドープされた部分を挟んで上下に4個ずつ、左右に1個ずつ孔を開け、残りの4個の孔は、ゲルマニウムがドープされた部分を挟んで左右に開けられた孔とその部分の上下に開けられた4個の孔のうちの両端の孔との間に開けられ、隣接する孔の中心間距離は略同一である。この場合も、14個の孔の中心を結ぶと、対向する二辺がそれ以外の四辺よりも長く、且つ、その差がその四辺の長さと同一である六角形が形成され、この六角形の中心はロッド中心と一致する。このようにして、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には、複数の孔が形成される。
【0078】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英コアロッドがコアに及びドリルを用いて開けられた孔がクラッドにそれぞれ対応するように形成された円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20が製造される。
【0079】
本実施形態2のファイバ端部加工方法は、上記実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法と同一である。円形高屈折率部分付き偏波保持PCF20に上記実施形態1の第1〜第3のファイバ端部加工方法のうち1つの方法を施すと、上記実施形態1に記載された効果と同一の効果を得ることができる。
【0080】
(実施形態3)
本発明の実施形態3として、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30、このファイバの端部加工方法及び他のファイバとの接続について説明する。
【0081】
まず、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30の構造を説明する。
【0082】
図5は、本発明の実施形態3に係る楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30の横断面を示す。この楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30は、石英ガラス製であり、ファイバ中心をなす中実のコア31と、コア31を覆うように設けられたクラッド32と、を備えている。クラッド32には、コア31を囲うようにコア31に沿って延びる細孔33a,33bが複数形成されている。ファイバ横断面において、コア31を挟んで対向する三対の細孔のうち一対の細孔33bだけは、他の細孔33aよりも細孔径が大きく形成されており、これによりコア31の光伝送領域が楕円形となっている。このコア31には、ファイバ横断面における形状が楕円形である高屈折率部分34がファイバ全長にわたって設けられている。高屈折率部分34には、石英ガラスの屈折率を高めるゲルマニウムがドープされている。すなわち、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30の構造は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10と、ファイバ横断面における高屈折率部分の形状のみを異にする。
【0083】
次に、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30内を伝送される光の特性について説明する。
【0084】
楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30のファイバ横断面には、形状が楕円形である高屈折率部分34が存在するため、ファイバ内を伝送される光のモード分布は楕円形である。従って、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30内を伝送される光の偏波面も保持される。
【0085】
次に楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30の製造方法を説明する。
【0086】
第1の製造方法では、まず、ゲルマニウムがドープされた1本の石英ガラスロッドと複数本の石英キャピラリとを準備する。このとき、複数本の石英キャピラリのうち2本については、孔径が他のものよりも大きいものを選定する。また、ロッド横断面において、ゲルマニウムがドープされた部分の形状は楕円形である。
【0087】
次いで、石英ガラスロッド及び石英キャピラリを最密状に束ねることにより母材を作製する。このとき、石英ガラスロッドを母材の中心位置に配設すると共に、石英ガラスロッドに接触する6本の石英キャピラリを母材の中心付近に配設すると共に、石英ガラスロッドを挟む一対のものには孔径が大きいものを用いる。
【0088】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英ロッドと石英キャピラリとの間及び石英キャピラリ相互間が融着すると共に細径化され、石英コアロッドがコアに及び石英キャピラリがクラッドにそれぞれ対応するように形成された楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30が製造される。
【0089】
第2の製造方法では、まず、ロッド中心にゲルマニウムがドープされた中実の石英ガラスロッドを準備する。そして、ゲルマニウムがドープされた部分は、ロッド横断面において楕円形である。
【0090】
次いで、ドリルを用いて、ロッド横断面に複数の孔を開け、ロッド長手方向に対して貫通させる。このとき、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には、6個の略円形の孔を開け、対向する三対の孔のうち一対の孔だけは、他の孔よりも孔径が大きくなるようにする。そして、その6個の孔の中心は、同心円上に存在し、正六角形を形成する。また、その円及び正六角形の中心は、ロッド中心である。次に、その6個の孔の中心が形成する正六角形の外側に、12個の孔を開け、その孔の中心は同心円上に存在し、正六角形を形成する。このとき、その円及び正六角形は、ロッド中心である。更に、その12個の孔の中心が形成する正六角形の外側に、18個の孔を開ける。このようにして、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には複数の孔が形成される。
【0091】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英コアロッドがコアに及びドリルを用いて開けられた穴がクラッドにそれぞれ対応するように形成された楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30が製造される。
【0092】
続いて、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30のファイバ端部加工方法を説明する。
【0093】
第1のファイバ端部加工方法では、まず、アーク放電などにより、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30のファイバ端部を加熱する。すると、そのファイバ端部は熱により軟化するため、クラッド32も軟化し、クラッド32の材質である石英ガラスは、溶融されて液状になり、クラッド12にある細孔33a,33bが封じられる。このようにして、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30のファイバ端部に封止部を形成する。
【0094】
楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30のファイバ端部を加熱すると、ファイバ横断面は、楕円形の高屈折率部分34とそれを覆うようにして設けられたクラッド32とで構成される。従って、封止部を通過する光のモード分布は楕円形となる。
【0095】
第2のファイバ端部加工方法では、まず、屈折率が石英ガラスと略同一である材料、例えば樹脂、を用意し、細孔33a,33bに流し込む。例えば、紫外線硬化樹脂であれば、流し込んだ後にファイバに紫外線を照射して固化させる。また、熱硬化樹脂であれば、流し込んだ後にファイバに熱を加えて固化させる。このようにして流し込まれた材質は充填剤となり、細孔33a,33bを充填する。
【0096】
細孔33a,33bを充填剤で充填すると、ファイバ横断面は、楕円形の高屈折率部分34とそれを覆うようにして設けられたクラッド32とで構成され、そのクラッド32には、充填剤で充填された部分35が存在する。ここで、充填剤の屈折率は石英ガラスの屈折率と略同一であるため、クラッド32は石英ガラスのみで構成されているとみなすことができ、よって、細孔33a,33bを充填剤で充填することにより、本実施形態3の第1のファイバ端部加工方法を施した場合と同一の効果を得ることができる。すなわち、封止部を通過する光のモード分布は楕円形である。
【0097】
第3のファイバ端部加工方法では、まず、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30と光ファイバ片とを用意する。このとき、光ファイバ片は、石英ガラス製であり、ファイバ中心をなす中実のコアとコアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備えている。そして、その中実のコアは、ファイバ横断面における形状が楕円形であり、そのコアには、クラッドよりも屈折率を高める効果を表す材質がドープされている。次に、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30と光ファイバ片とを対向させ、その対向させた部分を加熱する。すると、加熱された部分は、軟化されて液状になる。そして、この2本の光ファイバを突き合わせる。
【0098】
上記の光ファイバ片は中実コア及び中実クラッドで構成されているため、この光ファイバ片を楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30のファイバ端部に接続すると、ファイバ横断面には細孔が存在しない。従って、この光ファイバ片が、本実施形態3の第1及び第2のファイバ端部加工方法の封止部と同一の効果を示す。
【0099】
最後に、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30と他の光ファイバとを融着接続する方法を説明する。
【0100】
まず、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30に本実施形態3の第1〜第3ファイバ端部加工方法のうちの1つの方法を施す。次に、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30の封止部と他の光ファイバの端部とを対向させ、対向させた部分をアーク放電などにより加熱する。すると、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30の封止部及び他の光ファイバのファイバ端部のうち加熱された側は、軟化し液状になる。そして、この2本の光ファイバを突き合わせる。
【0101】
従来の偏波保持PCFを他の光ファイバと融着接続する場合、ファイバ端部を加熱溶融するため、偏波保持PCFのファイバ端部の細孔は封じられる。従来の偏波保持PCFでは、クラッドに細孔を設けることで、クラッドの屈折率が低くなり、光をコア内に閉じこめて伝送する。そのため、細孔が封じられると、光の導波路が確保されず、大きな接続損失を招く。しかしながら、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30では、ファイバ横断面のコア31に高屈折率部分34が存在するため、細孔33a,33bが消失しても、光の導波路が確保される。従って、従来に比べ接続損失は低く抑えられる。
【0102】
以上より、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30を用いて、他の光ファイバと融着接続する場合、本実施形態3の第1〜第3のファイバ端部加工方法を施すと、クラッド32内の細孔33a,33bが消失しても、ファイバ全長にわたって、コア31に高屈折率部分34が存在するため、光の導波路は確保される。よって、従来の偏波保持PCFに比べ、接続損失を低く抑えることができる。
【0103】
また、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30に本実施形態3の第1〜第3のファイバ端部加工方法を施すと、ファイバ端面の細孔が消失するため、ファイバ端面が汚染される危険性は低く、よって、接続損失を低く抑えることができる。
【0104】
なお、本実施形態3では、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30に対して、本実施形態3の第1〜第3のファイバ端部加工方法を施しても、ファイバ横断面における高屈折率部分34の形状は楕円形であるため、偏波クロストークの劣化は生じない。
【0105】
(実施形態4)
本発明の実施形態4として、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40、そのファイバ端部加工方法及び他の光ファイバとの接続について説明する。
【0106】
まず、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40の構造を説明する。
【0107】
図6は、本発明の実施形態4に係る楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40のファイバ横断面を示す。この楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40は、石英ガラス製であり、ファイバ中心をなす中実のコア41と、コア41を覆うように設けられたクラッド42と、を備えている。クラッド42には、コア41を囲うようにコア41に沿って延びる細孔43が複数形成されている。そして、ファイバ横断面において、ファイバ中心に細孔2つ分の中実部が形成されており、それがコア41を形成している。よって、コア41の光伝送領域は楕円形となっている。このコア41には、ファイバ横断面における形状が円形である高屈折率部分44は、ファイバ全長にわたって存在する。高屈折率部分44には、石英ガラスの屈折率よりも高い屈折率を有するゲルマニウムがドープされている。すなわち、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40は、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30と、クラッド42における細孔43の配設方法のみを異にする。
【0108】
次に、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40内を伝送される光の特性について説明する。
【0109】
楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40のファイバ横断面には、形状が楕円形である高屈折率部分44が存在するため、ファイバ内を伝送される光のモード分布は楕円形である。従って、楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40内を伝送される光の偏波面も保持される。
【0110】
次に楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40の製造方法を説明する。
【0111】
第1の製造方法では、まず、ゲルマニウムがドープされた1本の石英ガラスロッドと複数本の石英キャピラリとを準備する。このとき、複数本の石英キャピラリの孔径の大きさは略同一である。ロッド横断面において、ゲルマニウムがドープされた部分の形状は楕円形である。
【0112】
次いで、石英ガラスロッド及び石英キャピラリを最密状に束ねることにより母材を作製する。このとき、石英ガラスロッドを母材の中心位置に配設すると共に、石英ガラスロッドに接触する8本の石英キャピラリを、母材の中心付近に等間隔に配設する。具体的には、これらの石英キャピラリは、石英ガラスロッドを挟んで上下に3本ずつ、左右に1本ずつ配設される。そして、この外側には、14本の石英キャピラリを等間隔に配設する。このとき、これらの石英キャピラリは、石英ガラスロッドを挟んで上下に4本ずつ、左右に1本ずつ配設され、残りの4本は、石英ガラスロッドの左右に配設された石英キャピラリと石英ガラスロッドの上下に配設された4本の石英キャピラリのうちの両端の石英キャピラリとの間に配設される。このようにして、石英キャピラリは、石英ガラスロッドの周囲に、対向する二辺がそれ以外の四辺よりも長く、且つ、その差がその四辺の長さと同一である六角形を形成するように配設され、その六角形の中心は母材中心と一致する。
【0113】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英ロッドと石英キャピラリとの間及び石英キャピラリ相互間が融着すると共に細径化され、石英コアロッドがコアに及び石英キャピラリがクラッドにそれぞれ対応するように形成された楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40が製造される。
【0114】
第2の製造方法では、まず、ロッドの中心にゲルマニウムがドープされた中実の石英ガラスロッドを準備する。そして、ゲルマニウムがドープされた部分は、ロッド横断面において楕円形である。
【0115】
次いで、ドリルを用いて、ロッド横断面に複数の孔を開け、ロッド長手方向に対して貫通させる。このとき、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には、8個の略円形の孔を開ける。具体的には、ゲルマニウムがドープされた部分を挟んで上下に3個ずつ、左右に1個ずつ孔を開け、隣接する孔の中心間距離は略同一である。よって、8個の孔の中心を結ぶと、対向する二辺がそれ以外の四辺よりも長く、且つ、その差がその四辺の長さと同一である六角形が形成され、この六角形の中心はロッド中心と一致する。そして、その六角形の外側には、14個の孔を開ける。このとき、ゲルマニウムがドープされた部分を挟んで上下に4個ずつ、左右に1個ずつ孔を開け、残りの4個の孔は、ゲルマニウムがドープされた部分を挟んで左右に開けられた孔とその部分の上下に開けられた4個の孔のうちの両端の孔との間に開けられ、隣接する孔の中心間距離は略同一である。この場合も、14個の孔の中心を結ぶと、対向する二辺がそれ以外の四辺よりも長く、且つ、その差がその四辺の長さと同一である六角形が形成され、この六角形の中心はロッド中心と一致する。このようにして、ゲルマニウムがドープされた部分の周囲には、複数の孔が形成される。
【0116】
続いて、母材を加熱延伸することにより線引きする。このとき、石英コアロッドがコアに及びドリルを用いて開けられた孔がクラッドにそれぞれ対応するように形成された楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40が製造される。
【0117】
本実施形態4のファイバ端部加工方法は、上記実施形態3の第1〜第3のファイバ端部加工方法と同一である。
【0118】
楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF40に対して、上記実施形態3の第1〜第3のファイバ端部位加工方法のうち1つの加工方法を施すと、上記実施形態3に記載された効果と同一の効果を得ることができる。
【0119】
(その他の実施形態)
上記実施形態1〜4の偏波保持PCFでは、光伝送領域はファイバ横断面において、ファイバ中心に設けられているとしたが、これに限定されることはなく、ファイバ横断面のいずれかに設けられていればよい。
【0120】
また、上記実施形態1〜4の偏波保持PCFでは、フォトニッククリスタル構造は、クラッドに、コアを囲うようにコアに沿って延びる細孔が複数形成されており、ファイバの横断面において、コアを挟んで対向する三対の細孔のうち一対の細孔だけは、他の細孔よりも細孔径が大きく形成されている、または、クラッドに、コアを囲うようにコアに沿って延びる細孔が複数形成されており、ファイバの横断面において、ファイバ中心に細孔2つ分の中実部が形成されている、としたが、これらに限定されることはなく、例えば、細孔は、ファイバの横断面においてクラッド全域に存在する必要はなく、高屈折率部分の周囲にのみ存在していればよいし、また、ファイバ横断面において、クラッドを4つに分割したとき、細孔が存在する部分と存在しない部分とが交互に存在してもよい。ファイバ横断面が複屈折性を示すように細孔が存在し、コアの形状が楕円形になればよい。
【0121】
また、上記実施形態1〜4の偏波保持PCFでは、高屈折率部分はファイバ全長にわたって存在するとしたが、特にこれに限定されるものではなく、少なくともファイバ端部に存在すればよい。高屈折率部分は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10、20または楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30、40を製造する場合は、ファイバ全長に存在することが望ましいが、接続損失を低く抑えるという課題を解決するためには、ファイバ全長に存在する必要はない。上記実施形態1〜4の第1、第2のファイバ端部加工方法を施すと、クラッドの細孔が消失し、コアとクラッドとで屈折率は同一となる。すなわち、ファイバ端部では、光の導波路が確保できなくなるため、細孔が消失する領域には、高屈折率部分を設ける必要がある。また、上記実施形態1〜4の偏波保持PCFに第3のファイバ端部加工方法を施す場合は、光ファイバ片と偏波保持PCFとを融着接続するため、加熱された部分では、偏波保持PCFのクラッド内の細孔が消失する。細孔が消失すると、光の導波路が確保できないため、この領域に、高屈折率部分が必要である。
【0122】
また、上記実施形態1〜4の偏波保持PCFは、材質を石英ガラスとしたが、特にこれに限定されることはなく、ポリマーであっても構わない。
【0123】
また、上記実施形態1〜4の偏波保持PCFと他の光ファイバとの接続方法は融着接続であるが、これに限定されることはなく、コネクタ接続であっても、メカニカルスプライスであっても、それ以外の接続方法であっても構わない。
【0124】
また、上記実施形態1〜4の第3のファイバ端部処理方法では、光ファイバ片は、円形高屈折率部分付き偏波保持PCF10、20及び楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF30、40の2つのファイバ端部のうち、片方のファイバ端部に接続されているとしたが、特にこれに限定されることはなく、両方のファイバ端部に接続されていてもよい。
【0125】
【発明の効果】
偏波保持フォトニッククリスタルファイバに対して、上記のファイバ端部加工方法を施すと、偏波保持フォトニッククリスタルファイバと他の光ファイバとを接続する場合、接続損失を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における偏波保持PCFのファイバ横断面図である。
【図2】本発明の実施形態1における第1の偏波保持PCFのファイバ端部加工を施した場合のファイバ端面図である。
【図3】本発明の実施形態1における第2の偏波保持PCFのファイバ端部加工を施した場合のファイバ端面図である。
【図4】本発明の実施形態2における偏波保持PCFのファイバ横断面図である。
【図5】本発明の実施形態3における偏波保持PCFのファイバ横断面図である。
【図6】本発明の実施形態4における偏波保持PCFのファイバ横断面図である。
【図7】従来例における偏波保持PCFのファイバ横断面である。
【図8】従来例における偏波保持PCFの正面図である。
【図9】従来例における偏波保持PCF内を伝送される光のモード分布を表す模式図である。
【符号の説明】
10、20 円形高屈折率部分付き偏波保持PCF
30、40 楕円形高屈折率部分付き偏波保持PCF
50 偏波保持PCF
11、21、31、41、51 コア
12、22、32、42、52 クラッド
13a、33a 53a 大径の細孔
13b、33b 53b 小径の細孔
23、43 細孔
14、24、34、44 高屈折率部分
15 充填剤で充填された部分
Claims (8)
- ファイバ横断面における光伝送領域が略楕円形となるように構成されたコアと、該コアを覆うように設けられ、且つ、該コアに沿って延びる複数の細孔によりファイバ半径方向にフォトニック結晶構造が構成されたクラッドと、を備えた偏波保持フォトニッククリスタルファイバであって、
上記コアは、少なくともファイバ端部において、ファイバ横断面における形状が円形又は楕円形である高屈折率部分を有することを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバ。 - 請求項1に記載された偏波保持フォトニッククリスタルファイバにおいて、
上記コアの高屈折率部分が両ファイバ端部に形成されていることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバ。 - 請求項1に記載された偏波保持フォトニッククリスタルファイバにおいて、
上記コアの高屈折率部分がファイバ全長にわたって形成されていることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバ。 - 請求項1に記載された偏波保持フォトニッククリスタルファイバにおいて、
上記コアは、高屈折率部分にゲルマニウムがドープされていることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバ。 - 請求項1に記載された偏波保持フォトニッククリスタルファイバにおいて、
上記コアに高屈折率部分を有するファイバ端部は、ファイバ本体端面に融着された中実コア及び中実クラッドからなる光ファイバ片で構成されていることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバ。 - ファイバ横断面における光伝送領域が略楕円形となるように構成されたコアと、該コアを覆うように設けられ、且つ、該コアに沿って延びる複数の細孔によりファイバ半径方向にフォトニック結晶構造が構成されたクラッドと、を備え、該コアが、少なくともファイバ端部において、ファイバ横断面における形状が円形または楕円形である高屈折率部分を有する偏波保持フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部加工方法であって、
偏波保持フォトニッククリスタルファイバのコアに高屈折率部分を有するファイバ端部において、クラッドの複数の細孔を消失させることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部加工方法。 - 請求項6に記載された偏波保持フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部加工方法において、
上記クラッドを溶融させて複数の細孔をコラプスすることにより該複数の細孔を消失させることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部加工方法。 - 請求項6に記載された偏波保持フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部加工方法において、
上記クラッドの複数の細孔のそれぞれに該クラッドにおける細孔以外の部分と屈折率が略同一である充填材を充填することにより該複数の細孔を消失させることを特徴とする偏波保持フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部加工方法。
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