JP2012082092A - マルチコアテープファイバ素線の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

マルチコアテープファイバ素線の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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達也 熊谷
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Abstract

【課題】マルチコアテープファイバの捩れを抑制でき、マルチコアテープファイバ素線製造中の捩れによる接触損傷を低減できるマルチコアテープファイバ素線の製造方法およびその製造装置を提供する。
【解決手段】マルチコアテープファイバ用の母材を溶融線引して形成するマルチコアテープファイバ素線の製造方法において、冷却管として矩形管を用い、冷却管に導入される冷却ガスが、冷却管内を通過する矩形状のマルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マルチコアテープファイバ素線の製造方法およびその製造装置に関する。
現在、光通信技術の高速化、高信頼化を目的としたパラレル伝送方式においては、複数のコアを有するテープ形状のマルチコアテープファイバが用いられている。
マルチコアテープファイバはクラッド中に複数のコアを有するテープ形状の多心光ファイバである。その製造方法として、クラッドとなる矩形の石英ガラス棒中に複数のコアロッドを挿入した母材を2000℃で加熱溶融し線引する方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、スリット状の貫通孔を有する石英系ガラス板に光ファイバ素線を挿入した母材を加熱溶融して線引する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
光ファイバの形成においては母材を高温で加熱溶融して線引するため、この母材を線引して形成された光ファイバは効率的に冷却される必要性がある。この点、供給する冷却ガスの流量を増加させ冷却効果を向上させることが考えられるものの、冷却ガスの流量の増加により冷却管内の気流が不安定となり、光ファイバが捩れや線ブレを起こし、冷却管の内壁面や樹脂を被覆する被覆ダイスの孔部の縁などに光ファイバが接触し損傷するため、冷却ガスの流量の増加量は限られている。
円形断面の単心光ファイバを効率的に冷却する方法として、供給する冷却ガスの流量を増加させることなく、冷却ガスの流出を抑制するためのシール用ガスを円筒状の冷却管内に供給する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。具体的には、冷却管内の上部あるいは下部にシール用ガスを供給して冷却ガスの上部あるいは下部からの流出を抑制し冷却ガスを滞留させることにより、冷却ガスによる冷却効果を向上させると記載されている。
また、光ファイバ母材を線引する線引炉は一般的に円筒形であるが、矩形であるマルチコアテープファイバ用の母材を温度ムラが少なく溶融線引することができるように、角型の線引炉が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2005−3899号公報 特開平8−179138号公報 特開平6−298547号公報 特開平8−119662号公報
しかしながら、特許文献3に提案される技術は、供給する冷却ガスの流量を低減することにより光ファイバの線ブレおよび線ブレによる接触損傷を抑制するものの、光ファイバの捩れ及び捩れによる被覆ダイスとの接触損傷を抑制することは困難である。
本発明の目的は、マルチコアテープファイバ用の母材を線引きして形成されたマルチコアテープファイバの捩れを抑制でき、マルチコアテープファイバ素線製造中の捩れによる接触損傷を低減できるマルチコアテープファイバ素線の製造方法およびその製造装置を提
供することにある。
本発明の一実施の態様によれば、矩形状の石英ガラス系棒材内に複数のコアロッドが設けられたマルチコアテープファイバ用の母材を線引炉内に設置し加熱溶融することで、前記母材を線引きし矩形状のマルチコアテープファイバを形成する線引工程と、前記線引炉で線引き形成された矩形状の前記マルチコアテープファイバを冷却管内を通過させ、前記冷却管内に導入された冷却ガスにより矩形状の前記マルチコアテープファイバを冷却する冷却工程と、前記冷却管で冷却された矩形状の前記マルチコアテープファイバの表面に樹脂を被覆する樹脂被覆工程と、を有するマルチコアテープファイバ素線の製造方法において、前記冷却管は矩形管であって、前記冷却管に導入される前記冷却ガスが、前記冷却管内を通過する矩形状の前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付けられるマルチコアテープファイバ素線の製造方法が提供される。
前記マルチコアテープファイバ素線の製造方法において、前記冷却工程の後に、前記マルチコアテープファイバの外径を測定し、その測定結果に基づいて、前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付ける前記冷却ガスの流量バランスを変化させることが好ましい。
本発明の他の実施の態様によれば、矩形状の石英ガラス系棒材内に複数のコアロッドが設けられたマルチコアテープファイバ用の母材を加熱溶融することで、前記母材を線引し矩形状のマルチコアテープファイバを形成する線引炉と、前記線引炉で線引き形成された矩形状の前記マルチコアテープファイバを冷却ガスにより冷却する冷却管と、前記冷却管で冷却された矩形状の前記マルチコアテープファイバの表面を樹脂で被覆してマルチコアテープファイバ素線を形成する樹脂被覆装置と、を有するマルチコアテープファイバ素線の製造装置において、前記冷却管が矩形管であって、前記冷却管内を通過する矩形状の前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から前記冷却ガスを対向させて吹き付けるように配置された冷却ガス導入管を備えるマルチコアテープファイバ素線の製造装置が提供される。
前記マルチコアテープファイバ素線の製造装置において、冷却された前記マルチコアテープファイバの外径を測定する外径測定装置を備えるとともに、前記外径測定装置の測定結果に基づいて、前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付けられる前記冷却ガスの流量バランスを制御する制御装置を備えることが好ましい。
本発明によれば、マルチコアテープファイバ用の母材を線引きして形成されたマルチコアテープファイバの捩れを抑制でき、マルチコアテープファイバ素線製造中の捩れによる接触損傷を低減できる。
本発明のマルチコアテープファイバ素線の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1のマルチコアテープファイバ素線の製造装置における線引炉の横断面図である。 図1のマルチコアテープファイバ素線の製造装置における冷却管を示すもので、(a)は冷却管の横断面図、(b)は冷却管の縦断面図である。 図1のマルチコアテープファイバ素線の製造装置における外径測定装置の測定する外径を示す図である。 図3の冷却管に供給される冷却ガスの流量を制御する構成を示す概略構成図である。 本発明のマルチコアテープファイバ素線の断面図である。 図1のマルチコアテープファイバ素線の製造装置におけるガイドを示す拡大図である。 本発明のマルチコアテープファイバ用の母材の作製方法を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るマルチコアテープファイバ素線の製造方法およびその製造装置について、図面を参照して説明する。
[マルチコアテープファイバ素線の製造装置]
まず、本実施形態に係るマルチコアテープファイバ素線の製造装置について、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態に係るマルチコアテープファイバ素線1の製造装置100は、上から順番にマルチコアテープファイバ用の母材3を溶融線引きする線引炉6と、母材3を線引きして形成されたマルチコアテープファイバ2を冷却ガスで冷却する冷却管7と、マルチコアテープファイバ2に樹脂を被覆しマルチコアテープファイバ素線1を形成する樹脂被覆装置11と、を備えており、これら装置の中心をマルチコアテープファイバ2または被覆付きのマルチコアテープファイバ素線1が通過するように配置されている。さらに、本実施形態に係る製造装置100では、冷却管7と樹脂被覆装置11との間に外径測定装置9が設けられ、樹脂被覆装置11の下方には溝付きローラ14と、ガイド12と、ターンプーリ19と、ボビン18と、を有している。以下、それぞれについて説明する。
[線引炉]
図1に示すように、製造装置100の上部に設けられる線引炉6の形状は角型の線引炉であることが好ましい。角型の線引炉6は、図2に示すように、母材3の矩形断面とほぼ相似形状の断面を有し、矩形筒体状の炉本体20の内周面にはヒータ16が設けられている。マルチコアテープファイバ用の母材3は、矩形状の石英系のガラス棒50内に複数本のコアロッド40がガラス棒の幅方向(図2中で左右方向)に沿って設けられたものである。角型の線引炉6内の四方に設置されるヒータ16から母材3の各側面までの距離が等しく設定され、加熱される母材3の温度ムラが少なく、母材3を均一に加熱することができる。すなわち、角型の線引炉6を用いることにより、母材3の断面形状と相似の矩形状断面をほぼ維持しながら線引きすることが可能となる。
[冷却管]
冷却管7には矩形管が用いられ、図3(a)の冷却管の横断面図に示すように、冷却管7は線引き形成されたマルチコアテープファイバ2の矩形状断面よりも一回り大きい矩形状断面の矩形状孔部を有する。また、図3(b)の冷却管の縦断面図に示すように、冷却管7の鉛直方向の長さLはマルチコアテープファイバ2を十分に冷却できる長さを有すが、冷却効率の向上によってその長さLは縮小可能である。
そして、冷却管7には、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bにそれぞれ対向する冷却管7の幅広面7a、7bから、冷却ガスGを供給して吹き付けるための冷却ガス導入管8が接続されている。冷却ガス導入管8が接続された冷却管7の冷却ガスGの吹出口(供給口)17はマルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bに近接して配置される。すなわち、図3(a)に示すように、冷却管7の吹出口17は、幅広面7a、7bと同じ径を有する円筒の冷却管200(図3(a)において鎖線で図示)と比較して、距離Dの分だけマルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bに近接して配置されることになる。
冷却管7の材質としては石英が好ましい。これは、冷却管に通常用いられるアルミニウム等の金属と比較して、石英は熱伝導率が低く、冷却管内の冷却効果を維持することができるからである。
冷却ガス導入管8は、冷却管7の対向する幅広面7a、7bのそれぞれに設置されており、冷却管7内を通過するマルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bの中央部に対して冷却ガスGを垂直に吹き付けるように設置されている。さらに、冷却ガス導入管8、8が接続された冷却管7の吹出口17、17からマルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bのそれぞれに吹き付けられる冷却ガスGの流量は等しくするのが好ましい。これは、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bの中央部に等量の冷却ガスGを吹き付けることで、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bそれぞれに加わるガス圧によるファイバ保持力を等しくして、マルチコアテープファイバ2の捩れ及び線ブレを有効に抑制するためである。なお、冷却管7に供給される冷却ガスには、例えばアルゴンまたは窒素等が用いられる。
また、図3(b)に示すように、冷却ガス導入管8は冷却管7の幅広面7a、7bの高さ方向における中央部に設置されることが好ましい。これは、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bに吹き付けられた冷却ガスGが冷却管7内を上下方向に分離して流れ、冷却管7の上部、下部の開口からそれぞれスムーズに排出され、冷却管7内の気流が安定することになるからである。なお、冷却管7に設置される冷却ガス導入管8は冷却管7の上下方向および/または左右方向に複数対設け冷却効率を向上させることもできるが、図3(a)、図3(b)に示すように、冷却ガス導入管8は冷却管7に一対設けられることが好ましい。これは、一対の冷却ガス導入管を設けることにより、冷却管内の気流が安定し、マルチコアテープファイバの捩れおよび線ブレを有効に抑制できるためである。
[外径測定装置]
外径測定装置9は、特に限定されないが、例えば非接触で測定可能なレーザ方式の外径測定装置が用いられる。外径測定装置9は冷却管7の下方に設置され、冷却されたマルチコアテープファイバ2の外径を測定する。測定されるマルチコアテープファイバ2の外径は厚さDおよび/または幅Wである。図4は、外径として厚さDを測定する場合を示す。すなわち、外径測定装置9では、投光器9aからのレーザ光をマルチコアテープファイバ2の幅方向に照射し、受光器9bで測定されるマルチコアテープファイバ2に遮られる部分の長さ、つまり、マルチコアテープファイバ2の投影像の厚さD1が測定される。そして、図4において実線で示すようにマルチコアテープファイバ2が捩れると、マルチコアテープファイバ2の捩れ角度の増加に応じて、測定される厚さD1は増加し実際の厚さDよりも大きくなるため、マルチコアテープファイバ2の捩れが検知される。なお、図4においては、マルチコアテープファイバの厚さを外径として測定しているが、マルチコアテープファイバの厚さ方向にレーザ光を照射して、その幅Wを測定することも可能である。すなわち、捩れとともに、測定される幅が減少し実際の幅よりも小さくなるため、捩れが検知される。したがって、本発明においては、マルチコアテープファイバの厚さDおよび/または幅Wの変化を測定することにより捩れが検知される。
また、図5に示すように、冷却ガスGの流量を制御するために、冷却ガス導入管8に設けられ、冷却ガス導入管8を流れる冷却ガスGの流量を調節するマスフローコントローラ15と、マスフローコントローラ15を制御する制御装置10が設けられている。外径測定装置9は制御装置10に接続されている。ここで、マスフローコントローラ15は、一対の冷却ガス導入管8の少なくとも一方に接続されれば良い。これは、一方の冷却ガス導入管8の流量を調節することで、対向配置の一対の冷却ガス導入管8、8の冷却ガスGの流量バランスを調整することができるからである。
[樹脂被覆装置]
樹脂被覆装置11は、図1に示すように、冷却管7の下部に設置され、冷却された裸素線であるマルチコアテープファイバ2の表面に樹脂を被覆する被覆ダイス(図示せず)を備えている。被覆ダイスは角錐筒体状であり、樹脂被覆されたマルチコアテープファイバ素線1を排出する被覆ダイスの孔は、マルチコアテープファイバ2と相似形状の矩形状となっている。そして、図6に示すように、被覆ダイスにおいて裸素線であるマルチコアテープファイバ2は、その表面に樹脂層23が被覆され、被覆付きのマルチコアテープファイバ素線1が得られる。なお、被覆する樹脂には紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂が用いられ、樹脂被覆装置11の直下には、図示省略するが、紫外線照射炉あるいは加熱炉が設けられる。
[ガイド]
ガイド12は樹脂被覆装置11の下部に設置され、樹脂で被覆されたマルチコアテープファイバ素線1の捩れをさらに抑制する。ガイド12は、図7に示すように、マルチコアテープファイバ素線1の幅狭面側の端面部形状に合わせた凹型の溝21を有する2つのコ字型部材13、13を有し、2つのコ字型部材13、13はマルチコアテープファイバ素線1の幅狭面の両側からマルチコアテープファイバ素線1を包囲するように対向して配置される。ガイド12の2つのコ字型部材13、13により、マルチコアテープファイバ素線1の捩れ及び線ブレを防止することができる。なお、コ字型部材13はマルチコアテープファイバ素線1に直接接触しても、マルチコアテープファイバ素線1が樹脂で被覆されているためマルチコアテープファイバ素線1を傷つけることはない。
ターンプーリ19はガイド12の下部に設置され、鉛直方向に線引きされ樹脂で被覆されたマルチコアテープファイバ素線1を方向転換させ、ボビン18へ導く。ボビン18は製造装置100の末端に設置され、所定の紡糸線速でマルチコアテープファイバ素線1を巻き取る。このボビン18の紡糸線速を変化させることで、マルチコアテープファイバ2の厚さや幅を適宜調節することができる。
[マルチコアテープファイバ素線の製造方法]
次に、上記マルチコアテープファイバ素線の製造装置100を用いて、マルチコアテープファイバ素線を製造する製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態の製造方法は、マルチコアテープファイバ用の母材を形成する母材形成工程、母材を線引炉で加熱溶融することで、母材を線引きしてマルチコアテープファイバを形成する線引工程、線引き形成されたマルチコアテープファイバを冷却する冷却工程、冷却されたマルチコアテープファイバの表面に樹脂をコーティングしてマルチコアテープファイバ素線を形成する樹脂被覆工程を有している。
[母材形成工程]
まず、マルチコアテープファイバ用の母材を形成する工程について説明する。図8に示すように、屈折率がコア部よりも低いクラッド部となる矩形のガラス棒50を用意し、ガラス棒50に複数の孔22(図示例では4つの孔)を所定の間隔でガラス棒50の長さ方向に孔開け加工で形成する。そして、形成した各孔22に、屈折率分布がグレーデッド型であるコアロッド40を挿入し、母材3を形成する。なお、孔22の数は所望のコア数により設定され、また、線引後のマルチコアテープファイバ2の形状は母材3とほぼ相似形状となるため、矩形ガラス棒50の寸法、孔22の間隔、コアロッド40の径は、線引後に作製されるマルチコアテープファイバ2のコア4やクラッド5の寸法、コア4間の間隔などに基づいて設計される。本実施形態においては、マルチコアテープファイバ2の厚さが125μmであり、コア径が50μmとなるように母材3を形成する。
[線引工程]
続いて、図1、図2に示すように、母材3を角型の線引炉6の中心に配置し、ヒータ16により母材3の下端部を約2000℃で加熱溶融する。そして、加熱溶融された母材3を線引きしてマルチコアテープファイバ2を形成する。線引きされたマルチコアテープファイバ2の断面形状は、図3に示すように、矩形状の母材3とほぼ相似の矩形状となる。なお、母材3のコアロッド40とガラス棒50は線引工程の加熱で溶融一体化しても、或いは、あらかじめ母材形成工程で加熱を行ってガラス棒50とコアロッド40とを溶融一体化しておいても良い。
[冷却工程]
続いて、図3に示すように、線引工程で得られたマルチコアテープファイバ2を冷却管7の中心を通過させる。矩形の冷却管7の幅広面7a、7bの中心に配置された1対の吹出口17、17から、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bに対して冷却ガスGを吹き付け、マルチコアテープファイバ2を冷却する。この際、冷却ガスGがマルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bを両側から挟み込むように対向して吹き付けられるため、マルチコアテープファイバ2はガス圧により非接触で保持される。冷却ガス導入管8、8から供給される冷却ガスGの流量を等しくすることにより、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bのガス圧を均等にでき、マルチコアテープファイバ2の捩れ及び線ブレを良好に抑制できる。また、マルチコアテープファイバ2がガス圧により保持されるため、溶融したマルチコアテープファイバのコア等の形状がガス圧により変形されない範囲で、冷却ガスGの流量を適宜増加することが可能である。
マルチコアテープファイバ2が捩れた場合、図4に示すように外径測定装置9により測定されるマルチコアテープファイバ2の厚さDが増加するため、すぐに捩れが検知される。同様に、マルチコアテープファイバ2の幅Wが測定されるとその幅が減少するため、捩れが検知される。そして、外径測定装置9から入力される測定結果に基づいて、制御装置10はマスフローコントローラ15を制御して、一方の冷却ガス導入管8から冷却管7内に供給される冷却ガスGの流量を加減する。これにより、マルチコアテープファイバ2の幅広面2a、2bに加わる冷却ガスGのガス圧を調整するフィードバック制御がなされ、マルチコアテープファイバ2の捩れが元に戻される。
[樹脂被覆工程]
続いて、冷却されたマルチコアテープファイバ2を樹脂被覆装置11に送り、その表面に樹脂層23を形成して、図6に示すような被覆付きのマルチコアテープファイバ素線1を得る。樹脂被覆装置11に送られるマルチコアテープファイバ2は、冷却管7における冷却ガスGのガス圧によって保持されて捩れ及び線ブレが抑制されているので、樹脂被覆装置11の被覆ダイスの排出孔との接触が低減され、マルチコアテープファイバ2の接触による損傷が抑えられる。
樹脂被覆工程で、樹脂が被覆されたマルチコアテープファイバ素線1は、溝付きローラ14で引き取られ、ガイド12へと送られる。ガイド12では、ガイド12のコ字型部材13、13により、マルチコアテープファイバ素線1の捩れ及び線ブレが抑制される。ガイド12を通過したマルチコアテープファイバ素線1は、ターンプーリ19で方向転換された後に、ボビン18に巻き取られる。
上記本発明の一実施形態に係るマルチコアテープファイバ素線の製造方法によれば、冷却管内を通過する矩形状のマルチコアテープファイバの幅広面の両側から冷却ガスを対向して吹き付けている。この構成により、冷却ガスの圧力により非接触でマルチコアテープファイバを保持することが可能となる。その結果、捩れおよび線ブレを抑制しテープファイバ素線製造中のマルチコアテープファイバの接触を低減できるので、マルチコアテープファイバの接触損傷および捩れ変形の少ないマルチコアテープファイバ素線を提供するこ
とが可能となる。しかも、マルチコアテープファイバを非接触で良好に保持できるので、供給する冷却ガスの流量を増加させ冷却効果を向上することも可能となる。また、冷却管として矩形管を用いることにより、冷却ガス導入管の吹出口をマルチコアテープファイバの幅広面に近接して設置できるので、冷却ガスの流量に対してマルチコアテープファイバの保持力および冷却効果をさらに向上することができる。
また、マルチコアテープファイバの外径を測定し、その測定結果に基づいて、マルチコアテープファイバの両側から吹き付ける冷却ガスの流量バランスを変化させる構成とすることにより、内部のマルチコアテープファイバの接触損傷および捩れ変形がより少ないマルチコアテープファイバ素線が得られる。
本発明の一実施形態に係るマルチコアテープファイバ素線の製造装置によれば、接触損傷および捩れ変形の少ないマルチコアテープファイバ素線を提供することが可能となる。さらに、供給する冷却ガスの流量を増加することができるので、冷却効果を向上することができる。その結果、線引速度を増加でき生産速度を向上できるだけでなく、冷却管の長さを縮小して製造装置の小型化が可能となる。
また、マルチコアテープファイバの外径測定装置および冷却ガスの流量バランスを制御する制御装置を設けることによって、冷却ガス圧によるマルチコアテープファイバの捩れ抑制をより確実かつ適切に行うことができる。
なお、本発明の比較例として、上記実施形態のマルチコアテープファイバ素線の製造装置において、冷却管として、図3(a)に示すような円筒形状の冷却管200を用い、かつ円筒形状の冷却管200に形成された1つの吹出口201から冷却ガスを吹き付ける構成とした。この比較例の製造装置を用いてマルチコアテープファイバの製造を行ったところ、捻れた状態のマルチコアテープファイバ(裸素線)が被覆ダイスに送られ、マルチコアテープファイバの表面が被覆ダイスの孔に接触して傷付くことが多く、表面が傷付いた裸素線に樹脂が被覆されたマルチコアテープファイバ素線が作製された。このマルチコアテープファイバ素線は、その裸素線表面に傷があるため、屈曲させると傷部から破断してしまった。比較例の製造装置の冷却管200においては、本発明のように冷却ガスの吹き付けが最適化されず、マルチコアテープファイバの一面のみを冷却しているため、冷却管内の気流が乱れるなどによって、マルチコアテープファイバが捩れを起こったものと考える。
1 マルチコアテープファイバ素線
2 マルチコアテープファイバ
2a、2b マルチコアテープファイバの幅広面
3 母材
4 コア
5 クラッド
6 線引炉
7 冷却管
7a、7b 冷却管の幅広面
8 冷却ガス導入管
9 外径測定装置
9a 投光器
9b 受光器
10 制御装置
11 樹脂被覆装置
12 ガイド
13 コ字型部材
14 溝付きローラ
15 マスフローコントローラ
16 ヒータ
17 吹出口
18 ボビン
19 ターンプーリ
20 炉本体
21 溝
22 孔
40 コアロッド
50 ガラス棒
100 製造装置

Claims (4)

  1. 矩形状の石英ガラス系棒材内に複数のコアロッドが設けられたマルチコアテープファイバ用の母材を線引炉内に設置し加熱溶融することで,前記母材を線引きし矩形状のマルチコアテープファイバを形成する線引工程と、
    前記線引炉で線引き形成された矩形状の前記マルチコアテープファイバを冷却管内を通過させ、前記冷却管内に導入された冷却ガスにより矩形状の前記マルチコアテープファイバを冷却する冷却工程と、
    前記冷却管で冷却された矩形状の前記マルチコアテープファイバの表面に樹脂を被覆する樹脂被覆工程と、
    を有するマルチコアテープファイバ素線の製造方法において、
    前記冷却管は矩形管であって、前記冷却管に導入される前記冷却ガスが、前記冷却管内を通過する矩形状の前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付けられることを特徴とするマルチコアテープファイバ素線の製造方法。
  2. 請求項1に記載のマルチコアテープファイバ素線の製造方法において、前記冷却工程の後に、前記マルチコアテープファイバの外径を測定し、その測定結果に基づいて、前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付ける前記冷却ガスの流量バランスを変化させることを特徴とするマルチコアテープファイバ素線の製造方法。
  3. 矩形状の石英ガラス系棒材内に複数のコアロッドが設けられたマルチコアテープファイバ用の母材を加熱溶融することで、前記母材を線引し矩形状のマルチコアテープファイバを形成する線引炉と、
    前記線引炉で線引き形成された矩形状の前記マルチコアテープファイバを冷却ガスにより冷却する冷却管と、
    前記冷却管で冷却された矩形状の前記マルチコアテープファイバの表面を樹脂で被覆してマルチコアテープファイバ素線を形成する樹脂被覆装置と、
    を有するマルチコアテープファイバ素線の製造装置において、
    前記冷却管が矩形管であって、前記冷却管内を通過する矩形状の前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から前記冷却ガスを対向させて吹き付けるように配置された冷却ガス導入管を備えることを特徴とするマルチコアテープファイバ素線の製造装置。
  4. 請求項3に記載のマルチコアテープファイバ素線の製造装置において、冷却された前記マルチコアテープファイバの外径を測定する外径測定装置を備えるとともに、前記外径測定装置の測定結果に基づいて、前記マルチコアテープファイバの幅広面の両側から対向させて吹き付けられる前記冷却ガスの流量バランスを制御する制御装置を備えることを特徴とするマルチコアテープファイバ素線の製造装置。
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JP (1) JP2012082092A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025698A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 昭和電線ケーブルシステム株式会社 光ファイバケーブルの捻回検査方法、製造方法、および捻回検査装置
JP2015151279A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバ製造方法
JP2015151328A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバ母材製造方法

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