JP5281030B2 - 多孔キャピラリ及びマルチコア光ファイバ - Google Patents
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Description
本発明は、光ファイバを1本ずつ挿入する空孔がガラス製部材に複数形成された多孔キャピラリ及び多孔キャピラリと複数の光ファイバが一体化されたマルチコア光ファイバにおいて、歩留まり向上とコスト削減を図る技術に関する。
光増幅デバイスや光発振デバイスの構成部材であるマルチポートカプラ及びマルチポートカプラの構成部材であるマルチコア光ファイバが開発されている。特許文献1では、光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が複数形成された多孔キャピラリに、信号光を導光する1本のファイバ及び励起光を導光する複数のファイバが挿入されたマルチポートカプラが開示されている。ここで、光ファイバと空孔の間の空隙を潰すことにより、多孔キャピラリと光ファイバを一体化させている。しかし、光ファイバが溶融加熱により変形しやすくなるため、以下に示す課題が生じている。
第一に、光ファイバが非円化することにより、励起光の損失が発生する。第二に、光ファイバが曲がることにより、励起光と信号光の損失が発生する。第三に、これらの結果として、マルチポートカプラの歩留まりが低下する。特許文献2と特許文献3では、以上に示した課題を解決する光ファイバ母材とマルチコア光ファイバが開示されている。
特許文献2では、コアと、第1の熱膨張係数と第1の軟化温度を有するクラッドと、第1の熱膨張係数とは異なる第2の熱膨張係数と第1の軟化温度とは異なる第2の軟化温度を有しクラッドに埋設される応力付与部材と、第1の軟化温度と第2の軟化温度の間の径方向軟化温度分布を有し応力付与部材の側面を包囲する管状部材と、から構成された偏波保持用の光ファイバ母材が開示されている。しかし、貫通孔が形成された柱状の部材の軟化温度及び貫通孔に挿入される柱状の部材の軟化温度の差異を緩和するために、柱状の両部材の間に径方向軟化温度分布を有する別個の部材を追加するため、光ファイバ母材のコスト削減を図ることができない。
特許文献3では、光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が複数形成された整列部材に、信号光を導光する1本のファイバ及び励起光を導光する複数のファイバが挿入されたマルチコア光ファイバが開示されている。ここで、整列部材の軟化温度を光ファイバの軟化温度より低くしている。よって、整列部材と光ファイバを一体化させるときに、整列部材が光ファイバより先に軟化するため、光ファイバの変形を防止することができる。
しかし、従来技術では、多孔キャピラリを全体にわたり均一には軟化させることができず、光ファイバの変形を完全には防止することができない。その理由について図1を用いて説明する。図1は、従来技術におけるマルチコア光ファイバ1の径方向フッ素濃度分布と径方向軟化温度分布を示す図である。図1(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面を示す。図1(b)は、マルチコア光ファイバ1の径方向フッ素濃度分布を示す。図1(c)は、マルチコア光ファイバ1の径方向軟化温度分布を示す。
マルチコア光ファイバ1は、多孔キャピラリ11と複数の光ファイバ12から構成されており、多孔キャピラリ11には、複数の空孔13が形成されている。空孔13は、多孔キャピラリ11の中央に1本形成されており、その周囲に正6角形状に6本形成されており、さらにその周囲に正6角形状に12本形成されている。1本の空孔13は、1本の光ファイバ12を挿入されている。多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるときに、光ファイバ12と空孔13の間の空隙が潰される。
図1(b)の実線で示したように、多孔キャピラリ11のフッ素濃度は、径方向位置によらず一定であるため、図1(c)の実線で示したように、多孔キャピラリ11の軟化温度は、径方向位置によらず一定である。多孔キャピラリ11には、ガラス製部材の軟化温度を低下させるフッ素が添加物として添加されているため、図1(c)の実線と一点鎖線で示したように、多孔キャピラリ11の軟化温度は、径方向位置によらず光ファイバ12の軟化温度より低い。
ここで、理想的には、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるときに、多孔キャピラリ11は軟化するが光ファイバ12は軟化しない温度において、光ファイバ12と空孔13の間の空隙がマルチコア光ファイバ1全体にわたり均一に潰されるとともに、光ファイバ12が変形しないことが望ましい。しかし、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるための熱源は、多孔キャピラリ11の径方向外側に配置されており、多孔キャピラリ11の径方向に熱傾斜が生じるため、多孔キャピラリ11の径方向内側の温度は、多孔キャピラリ11の径方向外側の温度より低い。
そのため、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるときに、多孔キャピラリ11の径方向内側においては、多孔キャピラリ11は軟化するが光ファイバ12は軟化しない温度まで加熱される一方で、多孔キャピラリ11の径方向外側においては、多孔キャピラリ11が軟化するとともに光ファイバ12が軟化する温度まで加熱されることがあり得る。すなわち、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるときに、多孔キャピラリ11の径方向内側においては、光ファイバ12と空孔13の間の空隙は潰されにくく光ファイバ12は変形しない一方で、多孔キャピラリ11の径方向外側においては、光ファイバ12と空孔13の間の空隙が潰されやすく光ファイバ12が変形することがあり得る。以上に示した理由から、従来技術では、多孔キャピラリを全体にわたり均一には軟化させることができず、光ファイバの変形を完全には防止することができない。
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、全体にわたり均一に軟化させることができる多孔キャピラリ及び光ファイバの変形を防止することができるマルチコア光ファイバを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、多孔キャピラリの軟化温度を、多孔キャピラリの径方向内側ほど低くした。
具体的には、本発明は、光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が、ガラス製部材に複数形成されており、前記ガラス製部材の軟化温度が、前記ガラス製部材の径方向の内側ほど低いことを特徴とする多孔キャピラリである。
この構成によれば、多孔キャピラリと光ファイバを一体化させるための熱源が、多孔キャピラリの径方向外側に配置されているときに、多孔キャピラリの径方向内側の温度が、多孔キャピラリの径方向外側の温度より低いとしても、多孔キャピラリを径方向位置によらず均一に軟化させることができる。ここで、軟化温度は、JIS−R3103−1により定義されている。すなわち、軟化温度は、直径0.55〜0.75mm、長さ235mmの円形断面のガラス繊維を炉の中に吊るして、昇温速度(5±1)K/minで昇温しながらガラス繊維の上部100mmを加熱したときに、ガラス繊維の自重によるガラス繊維の下端の伸び速度が1mm/minとなるときの温度として定義されている。
また、本発明は、光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が、ガラス製部材に複数形成されており、前記ガラス製部材の軟化温度を下降させる添加物の濃度が、前記ガラス製部材の径方向の内側ほど高いことを特徴とする多孔キャピラリである。
この構成によれば、多孔キャピラリの軟化温度を、多孔キャピラリの径方向内側ほど低くすることができる。
また、本発明は、光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が、ガラス製部材に複数形成されており、前記ガラス製部材の軟化温度を上昇させる添加物の濃度が、前記ガラス製部材の径方向の内側ほど低いことを特徴とする多孔キャピラリである。
この構成によれば、多孔キャピラリの軟化温度を、多孔キャピラリの径方向内側ほど低くすることができる。
また、本発明は、多孔キャピラリと、複数の空孔に挿入された複数の光ファイバと、が一体化されており、前記ガラス製部材の軟化温度が、前記光ファイバの軟化温度より低いことを特徴とするマルチコア光ファイバである。
この構成によれば、多孔キャピラリと光ファイバを一体化させるときに、光ファイバが変形しやすくなることを防止することができる。
本発明は、全体にわたり均一に軟化させることができる多孔キャピラリ及び光ファイバの変形を防止することができるマルチコア光ファイバを提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
本実施形態では、多孔キャピラリ11の軟化温度を、径方向内側ほど低くするために、ガラス製部材の軟化温度を低下させるフッ素を、多孔キャピラリ11に添加物として添加している。図2は、本発明におけるマルチコア光ファイバの径方向フッ素濃度分布と径方向軟化温度分布を示す図である。図2(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面を示す。図2(b)は、マルチコア光ファイバ1の径方向フッ素濃度分布を示す。図2(c)は、マルチコア光ファイバ1の径方向軟化温度分布を示す。
本実施形態では、多孔キャピラリ11の軟化温度を、径方向内側ほど低くするために、ガラス製部材の軟化温度を低下させるフッ素を、多孔キャピラリ11に添加物として添加している。図2は、本発明におけるマルチコア光ファイバの径方向フッ素濃度分布と径方向軟化温度分布を示す図である。図2(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面を示す。図2(b)は、マルチコア光ファイバ1の径方向フッ素濃度分布を示す。図2(c)は、マルチコア光ファイバ1の径方向軟化温度分布を示す。
図2(b)の実線で示したように、多孔キャピラリ11のフッ素濃度は、多孔キャピラリ11の径方向内側ほど高いため、図2(c)の実線で示したように、多孔キャピラリ11の軟化温度は、多孔キャピラリ11の径方向内側ほど低い。図2(c)の実線と一点鎖線で示したように、多孔キャピラリ11の軟化温度は、径方向位置によらず光ファイバ12の軟化温度より低い。
多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるための熱源は、多孔キャピラリ11の径方向外側に配置されており、多孔キャピラリ11の径方向に熱傾斜が生じるため、多孔キャピラリ11の径方向内側の温度は、多孔キャピラリ11の径方向外側の温度より低い。ここで、多孔キャピラリ11の径方向軟化温度分布が、多孔キャピラリ11の径方向温度分布とほぼ一致するように、多孔キャピラリ11の径方向フッ素濃度分布が設定されている。そして、多孔キャピラリ11の温度は、光ファイバ12の軟化温度より低いように設定されている。
そのため、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるときに、多孔キャピラリ11の径方向位置によらず、多孔キャピラリ11が均一に軟化し、光ファイバ12と空孔13の間の空隙が均一に潰され、その一方で光ファイバ12は軟化しない。すなわち、光ファイバ12と空孔13の間の空隙をマルチコア光ファイバ1全体にわたり均一に潰すことができ、光ファイバ12の変形を防止することができる。さらに、多孔キャピラリ11に添加物を添加するのみであり、別個の部材を準備する必要がないため、多孔キャピラリ11のコスト削減を図ることができる。
本実施形態では、ガラス製部材の軟化温度を低下させる添加物として、フッ素を使用している。しかし、本実施形態の変形例では、ガラス製部材の軟化温度を低下させる添加物として、リン、ホウ素、ゲルマニウム、塩素などを使用してもよい。
本実施形態では、多孔キャピラリ11のフッ素濃度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて単調に増加させることにより、多孔キャピラリ11の軟化温度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて単調に低下させている。しかし、本実施形態の変形例では、多孔キャピラリ11のフッ素濃度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて階段状などに増加させることにより、多孔キャピラリ11の軟化温度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて階段状などに低下させてもよい。
(実施形態2)
本実施形態では、多孔キャピラリ11の軟化温度を、径方向内側ほど低くするために、ガラス製部材の軟化温度を上昇させるアルミニウムを、多孔キャピラリ11に添加物として添加している。図3は、本発明におけるマルチコア光ファイバの径方向アルミニウム濃度分布と径方向軟化温度分布を示す図である。図3(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面を示す。図3(b)は、マルチコア光ファイバ1の径方向アルミニウム濃度分布を示す。図3(c)は、マルチコア光ファイバ1の径方向軟化温度分布を示す。
本実施形態では、多孔キャピラリ11の軟化温度を、径方向内側ほど低くするために、ガラス製部材の軟化温度を上昇させるアルミニウムを、多孔キャピラリ11に添加物として添加している。図3は、本発明におけるマルチコア光ファイバの径方向アルミニウム濃度分布と径方向軟化温度分布を示す図である。図3(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面を示す。図3(b)は、マルチコア光ファイバ1の径方向アルミニウム濃度分布を示す。図3(c)は、マルチコア光ファイバ1の径方向軟化温度分布を示す。
図3(b)の実線で示したように、多孔キャピラリ11のアルミニウム濃度は、多孔キャピラリ11の径方向内側ほど低いため、図3(c)の実線で示したように、多孔キャピラリ11の軟化温度は、多孔キャピラリ11の径方向内側ほど低い。図3(c)の実線と一点鎖線で示したように、多孔キャピラリ11の軟化温度は、径方向位置によらず光ファイバ12の軟化温度より低い。
多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるための熱源は、多孔キャピラリ11の径方向外側に配置されており、多孔キャピラリ11の径方向に熱傾斜が生じるため、多孔キャピラリ11の径方向内側の温度は、多孔キャピラリ11の径方向外側の温度より低い。ここで、多孔キャピラリ11の径方向軟化温度分布が、多孔キャピラリ11の径方向温度分布とほぼ一致するように、多孔キャピラリ11の径方向アルミニウム濃度分布が設定されている。そして、多孔キャピラリ11の温度は、光ファイバ12の軟化温度より低いように設定されている。
そのため、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるときに、多孔キャピラリ11の径方向位置によらず、多孔キャピラリ11が均一に軟化し、光ファイバ12と空孔13の間の空隙が均一に潰され、その一方で光ファイバ12は軟化しない。すなわち、光ファイバ12と空孔13の間の空隙をマルチコア光ファイバ1全体にわたり均一に潰すことができ、光ファイバ12の変形を防止することができる。さらに、多孔キャピラリ11に添加物を添加するのみであり、別個の部材を準備する必要がないため、多孔キャピラリ11のコスト削減を図ることができる。
本実施形態では、ガラス製部材の軟化温度を上昇させる添加物として、アルミニウムを使用している。しかし、本実施形態の変形例では、ガラス製部材の軟化温度を上昇させる添加物として、チタンなどを使用してもよい。
本実施形態では、多孔キャピラリ11のアルミニウム濃度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて単調に減少させることにより、多孔キャピラリ11の軟化温度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて単調に低下させている。しかし、本実施形態の変形例では、多孔キャピラリ11のアルミニウム濃度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて階段状などに減少させることにより、多孔キャピラリ11の軟化温度を、多孔キャピラリ11の径方向外側から径方向内側に向けて階段状などに低下させてもよい。
(実施形態3)
本実施形態では、まずマルチコア光ファイバ1を設計する方法について説明し、次にマルチコア光ファイバ1を製造する方法について説明する。
本実施形態では、まずマルチコア光ファイバ1を設計する方法について説明し、次にマルチコア光ファイバ1を製造する方法について説明する。
マルチコア光ファイバ1を設計する段階では、図2(c)または図3(c)で示した多孔キャピラリ11の径方向軟化温度分布を実現するために、図2(b)または図3(b)で示した多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を設計する。
まず、多孔キャピラリ11と光ファイバ12を一体化させるための熱源の発熱量及びマルチコア光ファイバ1の熱伝導度を考慮することにより、多孔キャピラリ11の径方向温度分布を計算する。次に、多孔キャピラリ11の径方向軟化温度分布が、多孔キャピラリ11の径方向温度分布とほぼ一致するように、多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を計算する。ここで、ガラス製部材に添加された添加物の重量%及び添加物の添加前後におけるガラス製部材の軟化温度の変化量の間の関係を、マルチコア光ファイバ1を設計するにあたり、あらかじめ実験的に求めておくことが望ましい。
マルチコア光ファイバ1を製造する段階では、図2(b)で示した多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を実現するために、CVD法(Chemical Vapor Deposition Method)、VAD法(Vapor Phase Axial Deposition Method)などのうちいずれかを利用し、図3(b)で示した多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を実現するために、CVD法、VAD法、イオン注入法などのうちいずれかを利用し、最終製品を製造する。
まず、CVD法について説明する。添加物を含むガスを酸素ガスにより気化した塩化シリコンに混合して、混合ガスを石英ガラス管内に導入する。石英ガラス管を軸回りに回転させながら水素・酸素バーナーにより加熱して、混合ガスをスートとして石英ガラス管内に堆積させて、スートを透明ガラスに変化させる。透明ガラスの堆積操作を石英ガラス管がほぼ充填されるまで繰り返す。透明ガラスの堆積操作毎に添加物を含むガスを導入する量を調整することにより、図2(b)または図3(b)で示した多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を実現することができる。
次に、VAD法について説明する。添加物を含むガスを酸素ガスにより気化した塩化シリコンに混合して、混合ガスを水素・酸素バーナーにより加熱する。混合ガスをスートとして種となるガラス製部材の先端に堆積させる。種となるガラス製部材を軸方向に移動させて、軸方向の移動途中にかつガラスロッドの周囲に配置されたリングヒータにより、スートを透明ガラスに変化させる。透明ガラスの堆積操作を十分な長さのガラスロッドが製造されるまで繰り返す。ガラスロッドの径方向位置に依存して添加物を含むガスを導入する量を調整することにより、図2(b)または図3(b)で示した多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を実現することができる。
次に、イオン注入法について説明する。添加物を含む電解液を準備し、電解液側の電極とガラスロッド側の電極の間の電位差を利用し、添加物をガラスロッドに注入する。ガラスロッドの中心ほど添加物の注入量は減少するため、図3(b)で示した多孔キャピラリ11の径方向添加物濃度分布を実現することができる。
次に、最終製品を製造する方法について説明する。CVD法、VAD法、イオン注入法などのうちいずれかにより、後に多孔キャピラリ11となる部材を製造する。空孔13の形成により、多孔キャピラリ11を製造する。1本の光ファイバ12を1本の空孔13に挿入する。この段階では、光ファイバ12と空孔13の間に空隙が存在する。マルチコア光ファイバ1を設計する段階で考慮した熱源により、マルチコア光ファイバ1を製造する。この段階では、光ファイバ12と空孔13の間に空隙が存在しない。
(実施例)
ここでは、フッ素を添加物として多孔キャピラリ11に添加した実施例について説明する。図2(a)において、光ファイバ12の直径は125μmであり、空孔13の直径は130〜150μmであり、多孔キャピラリ11の直径は1000μmであった。図2(b)において、多孔キャピラリ11は石英を主成分とするガラス製部材にフッ素が添加されているものであって、多孔キャピラリ11の表面のフッ素濃度は1重量%であり、多孔キャピラリ11の中心のフッ素濃度は4重量%であった。光ファイバ12と空孔13の間の空隙をマルチコア光ファイバ1全体にわたり均一に潰すことができ、光ファイバ12の変形を防止することができた。フッ素を添加物として多孔キャピラリ11に添加したため、多孔キャピラリ11の屈折率は光ファイバ12の屈折率より低くなり、光ファイバ12により光を導波することができた。
ここでは、フッ素を添加物として多孔キャピラリ11に添加した実施例について説明する。図2(a)において、光ファイバ12の直径は125μmであり、空孔13の直径は130〜150μmであり、多孔キャピラリ11の直径は1000μmであった。図2(b)において、多孔キャピラリ11は石英を主成分とするガラス製部材にフッ素が添加されているものであって、多孔キャピラリ11の表面のフッ素濃度は1重量%であり、多孔キャピラリ11の中心のフッ素濃度は4重量%であった。光ファイバ12と空孔13の間の空隙をマルチコア光ファイバ1全体にわたり均一に潰すことができ、光ファイバ12の変形を防止することができた。フッ素を添加物として多孔キャピラリ11に添加したため、多孔キャピラリ11の屈折率は光ファイバ12の屈折率より低くなり、光ファイバ12により光を導波することができた。
光増幅技術や光発振技術において、励起光と信号光の結合デバイスである光ポンピングデバイスや、光ポンピングデバイスを用いたファイバレーザやファイバ増幅器に、本発明に係る多孔キャピラリやマルチコア光ファイバを適用することができる。
1:マルチコア光ファイバ
11:多孔キャピラリ
12:光ファイバ
13:空孔
11:多孔キャピラリ
12:光ファイバ
13:空孔
Claims (4)
- 光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が、ガラス製部材に複数形成されており、
前記ガラス製部材の軟化温度が、前記ガラス製部材の径方向の内側ほど低いことを特徴とする多孔キャピラリ。 - 光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が、ガラス製部材に複数形成されており、
前記ガラス製部材の軟化温度を下降させる添加物の濃度が、前記ガラス製部材の径方向の内側ほど高いことを特徴とする多孔キャピラリ。 - 光ファイバを1本ずつ挿入する空孔が、ガラス製部材に複数形成されており、
前記ガラス製部材の軟化温度を上昇させる添加物の濃度が、前記ガラス製部材の径方向の内側ほど低いことを特徴とする多孔キャピラリ。 - 請求項1から請求項3に記載のいずれかの多孔キャピラリと、複数の空孔に挿入された複数の光ファイバと、が一体化されており、
前記ガラス製部材の軟化温度が、前記光ファイバの軟化温度より低いことを特徴とするマルチコア光ファイバ。
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