JP5033719B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ母材の製造方法に関する。
コアに希土類元素が添加された光ファイバは、光増幅機能を有しており、光ファイバレーザや光増幅器等の用途に使用されている。特に光ファイバレーザは、近年、その重要性が高まってきており、盛んに研究されている。
以下、光ファイバレーザ用の希土類元素添加光ファイバの一例として、イッテルビウム(Yb)添加光ファイバについて説明する。
光ファイバレーザの光増幅用に使用されるYb添加光ファイバとしては、例えば、複数のクラッドを有する光ファイバが挙げられる。これらは通常、マルチクラッドファイバと総称される。マルチクラッドファイバは、コアの外側に複数のクラッドが同心状に配置され、構成されている。そして、クラッドが二層になっているものはダブルクラッドファイバと呼ばれ、クラッドが三層になっているものはトリプルクラッドファイバ(例えば、特許文献1参照)と呼ばれる。図5は、ダブルクラッドファイバの断面と好ましい屈折率プロファイルを例示する図であり、ここに例示するダブルクラッドファイバ5は、コア50の外側に二層のクラッド(第一クラッド51、第二クラッド52)が同心状に配置され、第二クラッド52が保護樹脂層54で被覆されてなるものである。図5中、Δ1はコアと第一クラッドとの比屈折率差を示す。一方、図6は、トリプルクラッドファイバの断面と好ましい屈折率プロファイルを例示する図であり、ここに例示するトリプルクラッドファイバ6は、コア60の外側に三層のクラッド(第一クラッド61、第二クラッド62、第三クラッド63)が同心状に配置され、第三クラッド63が保護樹脂層64で被覆されてなるものである。図6中、Δ1はコアと第二クラッドとの比屈折率差を、Δ2は第一クラッドと第二クラッドとの比屈折率差をそれぞれ示す。
例えば、フォトダークニングと呼ばれるレーザ出力の経時劣化は、トリプルクラッドファイバを使用することで効果的に抑制できる。
フォトダークニングは、コアにアルミニウム(Al)を添加することで抑制でき、Alの添加量が多いほど、抑制効果が高くなることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。一方、Alの添加によりガラスの屈折率は大きくなる。
ところで、ファイバレーザ用光ファイバは、そのビーム品質の観点から、信号光がコアをシングルモード導波するように設計されていることが望ましい。一方、前記光ファイバは、誘導ラマン散乱等の非線形光学効果によるエネルギー変換効率の低下を抑制するために、コアを導波するレーザ光の実効断面積(Aeff)が大きくなるように設計されていることが望ましい。このような理由から、例えば、20〜30μm程度のコア径を有するYb添加マルチクラッドファイバの場合、コアと第一クラッドとの比屈折率差が0.10%程度となるように設計されていることが一般的に望ましい。
これに対し、ダブルクラッドファイバの場合には、第一クラッドは通常、純粋石英で構成されるので、コアと第一クラッドとの比屈折率差を0.10%程度にするためには、コアに添加できるAlの量が制限されてしまい、フォトダークニングの抑制が困難である。例えば、フッ素(F)やホウ素(B)等、ガラスの屈折率を低下させるドーパントをコアに共添加することで、Alの添加量を増やすことも可能だが、添加するドーパントの種類を増やすことは、製造適性の観点から好ましくない。
一方、トリプルクラッドファイバの場合には、好ましい例として、第一クラッドの屈折率は、コアと第二クラッドとの比屈折率差(Δ1)が0.40%程度となるように、また、第一クラッドと第二クラッドとの比屈折率差(Δ2)が0.30%程度となるように設計される。これにより、コアにFやBを共添加することなく、コアと第一クラッドとの比屈折率差を0.10%程度にすることができ、しかもコアへのAlの添加量を増やすことが可能となる。なお、Δ2は必ずしも0.30%程度となるように設計される必要はなく、フォトダークニングを抑制するのに必要な量のAlをコアに添加できるように設計されていれば良い。
このような理由から、トリプルクラッドファイバは、フォトダークニングによるレーザ出力の経時劣化の抑制と、屈折率プロファイルの制御とを両立し易いのである。
コアにYbが添加されたトリプルクラッドファイバの母材は、一般的に、以下のようなMCVD法と液浸法とを併用した方法で製造される。
すなわち、第二クラッドとなる石英管(好ましくは純粋石英管)を使用して、MCVD法により第一クラッドとなるガラス層を堆積させる。この時、該ガラス層には、前記Δ2が0.30%程度となるように、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)等を添加する。次いで、コアのデポジションを行う。コアはシリカスート(多孔質体)の状態で(すなわち、焼結しない温度で)デポジションを行い、液浸法によりYb及びAlを添加する。液浸法では、前記Δ1が0.40%程度となるように調製された液浸溶液を使用して、コアスートにYbの化合物及びAlの化合物を含浸させた後、コアスートを乾燥させ、脱水及び焼結を行い、コラップスして、管を中実化する。コラップスでは、例えば、まずガス下流側で管の一部を酸水素バーナで加熱して潰す。その後、管内の圧力を適性に保ちながらバーナを管の中心軸方向に移動させて、管を順次潰していく。このようにして、コアにYb及びAlが添加された光ファイバ母材が得られる。そして、該光ファイバ母材を紡糸した後、第三クラッドとなるポリマ層で被覆することにより、コアにYb及びAlが添加されたトリプルクラッドファイバが得られる。
特表2006−519495号公報 T.Kitabayashi,et al.,"Population Inversion Factor Dependence of Yb−doped Fibers and its Suppression by Highly Aluminum Doping", OFC2006,Anaheim,USA,paper OThC5,2006.
しかし、上記方法で製造されたトリプルクラッドファイバは、コア中心に好ましくない高屈折率部分が存在するという問題点があった。このようなトリプルクラッドファイバの屈折率プロファイルを、ファイバの断面図と共に図4に例示する。ここに例示するトリプルクラッドファイバ4は、コア40の外側に三層のクラッド(第一クラッド41、第二クラッド42、第三クラッド43)が同心状に配置され、第三クラッド43が保護樹脂層44で被覆されてなるものである。ここで、コア40の屈折率は均一ではなく、中心の屈折率が高くなっている。このようなコア中心に高屈折率部分が存在する光ファイバにおいては、コア中心に電界が集中し、コアを導波するレーザ光の実効断面積(Aeff)を大きくすることと、シングルモード動作させることとを両立できない。また、高屈折率部分の屈折率は、焼結工程、コラップス工程等における加熱の仕方によって大きく変化し易く、屈折率プロファイルの制御が困難であるという問題点があった。
そこで本発明者らは、トリプルクラッドファイバのコア中心に高屈折率部分が生じる原因について考察した。具体的には、コア中心に高屈折率部分が生じた下記二種のトリプルクラッドファイバの母材((a)及び(b))について、その断面をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)で分析した。
(a)コアスートにGe、Al及びYbを添加し、第一ガラス層にGe及びPを添加して作製した母材
(b)コアスートにAl及びYbを添加し、第一ガラス層にGe及びPを添加して作製した母材
その結果、(a)及び(b)のいずれにおいても、母材のコア中心に高濃度のGeが検出された。したがって、コア中心の高屈折率部分は、Geの存在によって生じることが判明した。また、(b)の作製に際してコアスートにGeを添加していないことから、第一ガラス層に添加したGeが、その後の母材作製工程において拡散し、その結果、コア中心にGeが高濃度に残留することが判明した。
そこで本発明者らは、上記問題点を解決すべく、コアスート及び第一ガラス層のいずれにもGeを添加せずに、下記三種の母材((c)、(d)及び(e))の作製を試みた。
(c)コアスートにAl及びYbを添加し、第一ガラス層にPを添加した母材
(d)コアスートにAl及びYbを添加し、第一ガラス層にAlを添加した母材
(e)コアスートにAl及びYbを添加し、第一ガラス層にAl及びPを添加した母材
しかし、(c)の作製においては、第一クラッドとなる第一ガラス層及び第二クラッドとなる石英管の線膨張係数が大きく異なり、冷却工程においてガラスにひずみが発生し、管が割れるという問題点が生じた。
(d)の作製においては、AlとClとを反応させてAlClガスを発生させ、これをキャリアガスで搬送することによりAlを添加したが、AlClガスの蒸気圧が低いため、ガスの搬送に使用する配管を200℃程度に加熱する必要性が生じるだけでなく、Alの添加量を制御することが困難であるという問題点が生じた。さらに、配管を高温に保持する必要性から、コスト上昇が避けられないという問題点も生じた。
(e)の作製においても、上記(c)及び(d)と同じ問題点が生じ、これはAl及びPの割合を変化させても解決できなかった。
以上より、第一ガラス層にGeを添加せずにトリプルクラッドファイバの母材を製造することは、非常に困難であることが確認された。
そこで、第一ガラス層にGeを添加して母材を作製する際、コラップス工程で管を潰しきる直前に、コア中心の高屈折率部分をエッチングして除去することを試みた。しかし、MCVD法と液浸法を併用する製造方法においては、コアの断面積を大きくすることが製法上難しい。そして、エッチングによりコアをさらに小さくすることによりコスト上昇が避けられないという問題点があった。また、エッチング条件のばらつきが大きく、歩留まりが著しく低下する問題点も生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コア中心に高屈折率部分が存在せず、屈折率プロファイルの制御が容易なマルチクラッドファイバ、該マルチクラッドファイバの製造に好適な光ファイバ母材、該光ファイバ母材を安定製造できる製造方法、並びに前記マルチクラッドファイバを備える光ファイバレーザ及び光増幅器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、石英管の内表面に沿って、ゲルマニウムを含有する第一ガラス層を形成させる第一工程と、前記第一ガラス層の内表面に沿って、ゲルマニウムを含有しない第二ガラス層を形成させる第二工程と、前記第二ガラス層の内側に、シリカスートを形成させる第三工程と、前記シリカスートにドーパントを添加して焼結する第四工程と、前記第四工程で得られた管をコラップスする第五工程と、を含む光ファイバ母材の製造方法であって、前記第二工程終了時における第二ガラス層の厚さが10〜500μmであり、前記第二ガラス層がアルミニウム及び/又はリンを含有することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法である。
請求項2にかかる発明は、前記ドーパントに希土類元素が含まれることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法である。
請求項3にかかる発明は、前記希土類元素がイッテルビウムであることを特徴とする請求項に記載の光ファイバ母材の製造方法である。
請求項4にかかる発明は、前記希土類元素を液浸法により添加することを特徴とする請求項2又は3に記載の光ファイバ母材の製造方法である。
請求項5にかかる発明は、前記第一ガラス層及び第二ガラス層の屈折率が略同等であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法である
本発明によれば、コア中心に高屈折率部分が存在せず、屈折率プロファイルの制御が容易なマルチクラッドファイバが得られ、該ファイバを使用することで、光学特性が良好な光ファイバレーザ及び光増幅器が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
<光ファイバ母材及びその製造方法>
本発明の光ファイバ母材の製造方法は、
(1)石英管の内表面に沿って、ゲルマニウムを含有する第一ガラス層を形成させる第一工程と、
(2)前記第一ガラス層の内表面に沿って、ゲルマニウムを含有しない第二ガラス層を形成させる第二工程と、
(3)前記第二ガラス層の内側に、シリカスートを形成させる第三工程と、
(4)前記シリカスートにドーパントを添加して焼結する第四工程と、
(5)前記第四工程で得られた管をコラップスする第五工程と、
を含むことを特徴とする。
かかる製造方法で得られる光ファイバ母材は、マルチクラッド構造を有する。そして、前記石英管は第二クラッド、前記第一ガラス層は第一クラッド、前記シリカスートはコアをそれぞれ形成するものである。
本発明の光ファイバ母材の製造方法は、従来の製造方法とは、前記第二ガラス層を形成する点が異なる。第二ガラス層は、光ファイバ母材の製造過程において、前記第一ガラス層から前記シリカスートへのGeの拡散を抑制するバリア層として機能するものである。これにより、第一ガラス層にGeを添加しても、コアにGeが存在しない光ファイバ母材が得られる。
(1)第一工程
第一工程は、公知のMCVD法により行うことができる。ただし、第一ガラス層は、ゲルマニウム(Ge)を含有するものとする。Geは、ガラス層の屈折率を上昇させるドーパントであり、液状の四塩化ゲルマニウム(GeCl)をバブリングにより気化させて、添加すれば良い。
第一工程は、例えば、以下のように行うことが好ましい。すなわち、石英管を回転させながら、その一方の開口端から中空部へ、四塩化ケイ素(SiCl)ガス、GeClガス、Oガス等を流通させる。この時、石英管の外側に酸水素バーナ等の熱源を配置し、該熱源を石英管の中心軸方向に移動させながら石英管を加熱する。これにより、石英管の中空部では温度が上昇し、SiCl及びGeClが酸化されて微粒子状のスートが生成され、石英管の内表面上に堆積され、焼結されて、ガラス微粒子層が形成される。この時の加熱温度は、堆積したガラス微粒子層が焼結されるように設定されていれば良い。
以上により、石英管の内表面に沿って、石英管と略同心状に管状の第一ガラス層が形成される。
第一ガラス層は、さらにリン(P)を含有するものが好ましい。Pもガラス層の屈折率を上昇させるが、さらにガラス層の焼結温度も低下させる。第一ガラス層の焼結温度が高過ぎると、第一クラッドのデポジションを複数回行う際に、石英管の径が徐々に小さくなり、デポジションの継続が困難になることがある。そこで、第一ガラス層に適量のPを含有させることが好ましい。
第一ガラス層のGe、Pの含有量は、第一クラッドと第二クラッドとの比屈折率差(Δ2)が所望の値となるように調整すれば良く、第一ガラス層の屈折率が石英管の屈折率よりも大きくなるように調整することが好ましい。
ただし、Pの含有量が多すぎると、第一ガラス層及び第二ガラス層の線膨張係数が大きく異なり、ガラス管が割れ易くなる。そこで、Pの含有量は、第二ガラス層の線膨張係数を考慮しつつ、デポジションの継続が容易となるように調整すると良い。
第一ガラス層にPを含有させる方法としては、例えば、第一ガラス層形成時に、液状のオキシ塩化リン(POCl)をバブリングにより気化させて、POClガスを、上記のSiClガス、GeClガス、Oガス等と共に、石英管内に流通させれば良い。
石英管は、その屈折率が第一ガラス層の屈折率よりも小さい材質からなるものが好ましく、純粋石英ガラスからなるものが特に好ましい。
また、石英管の外径は特に限定されず、目的に応じて適宜調整すれば良いが、得られた光ファイバ母材を光ファイバレーザ又は光増幅器等の用途に使用する場合には、通常、10〜50mmであることが好ましく、15〜35mmであることがより好ましい。同様の目的で、石英管の厚さは、1.0〜5.0mmであることが好ましく、1.5〜3.0mmであることがより好ましい。
第一ガラス層の厚さも、目的に応じて適宜調整すれば良い。例えば、石英管の外径や厚さが上記の好ましい範囲内である場合には、第一ガラス層の厚さは、通常、0.5〜2.0mmであることが好ましく、0.8〜1.2mmであることがより好ましい。
第一ガラス層の厚さは、原料ガスの流量や加熱温度等を調整することで調整できる。
(2)第二工程
第二工程もMCVD法で行うことができる。例えば、第一工程で得られたガラス管内の中空部(すなわち、第一ガラス層の径方向内側)に、GeCl等のGe源ガスを流通させずにSiClガス及びOガスを流通させ、加熱することにより、Geを含有しない第二ガラス層を形成させる。この時の加熱温度は、第一ガラス層の内表面上に堆積したガラス微粒子層が焼結されるように設定されていれば良い。
以上により、第一ガラス層の内表面に沿って、石英管及び第一ガラス層と略同心状に管状の第二ガラス層が形成される。
第二ガラス層は、純粋石英ガラスからなるものでも良いが、第一ガラス層の屈折率と略同等の屈折率を有することが好ましい。第二ガラス層が純粋石英ガラスからなる場合には、第二ガラス層の屈折率は第一ガラス層の屈折率よりも小さくなる。第二ガラス層の厚さは、後記するように通常は極めて薄く、第二ガラス層の屈折率が最終的に光ファイバの屈折率プロファイルに与える影響は無視できるか又は軽微であり、実用上大きな問題はない。ただし、影響が軽微であっても、このような光ファイバ母材から製造された光ファイバでは、コアと第一クラッドとの境界付近に低屈折率部分が生じ、コア中を導波する光の実効断面積(Aeff)が小さくなる傾向にある。これに対し、第二ガラス層の屈折率を第一ガラス層の屈折率と略同等としておけば、低屈折率部分の発生を抑制でき、Aeffを一層大きくできる光ファイバが得られる。
上記のように第二ガラス層の屈折率を調整するためには、例えば、第二ガラス層にP及び/又はアルミニウム(Al)を適量含有させることが好ましい。
なお、第二ガラス層の厚さは通常、極めて薄い。したがって、Pを含有することにより第二ガラス層が第一ガラス層と線膨張係数が異なっても、ガラスに大きなひずみは発生しにくいので、光ファイバ母材を安定して製造できる。
第二ガラス層にPを含有させる方法は、前記第一ガラス層の場合と同様で良く、第二ガラス層形成時に、ガラス管内にPOClガスを流通させる方法で良い。
第二ガラス層にAlを含有させる方法としては、第二ガラス層形成時に、AlとClとを反応させて三塩化アルミニウム(AlCl)ガスを発生させ、これをSiClガスやOガス等と共にガラス管内に流通させる方法が例示できる。
この時、AlClガスは蒸気圧が低いので、第二ガラス層のAl含有量がばらつき易い。しかし、上記のように、第二ガラス層の屈折率が最終的に光ファイバの屈折率プロファイルに与える影響は無視できるか又は軽微なので、Al含有量がばらついても、実用上問題はない。
第二ガラス層のP、Al等のドーパントの総含有量は、第二ガラス層の屈折率が所望の値となるように調整すれば良いが、通常、Pだけを添加する場合は3.5〜4.5wt%であることが好ましく、Alだけを添加する場合は2.0〜3.0wt%であることが好ましい。PとAlを共添加する場合には、添加濃度を適宜調整し、第二ガラス層の屈折率が所望の値となるようにすれば良い。
第二ガラス層におけるGeの拡散を抑制するバリア機能の大小は、第二ガラス層の厚さに依存する。さらに、第二ガラス層に求められるバリア機能の程度は、第一工程終了後のガラス管の外径や内径(すなわち、第一ガラス層の内径)により異なる。これは、Geの拡散の程度が、第五工程におけるコラップス時の加熱条件と所要時間に依存し、この加熱時間と所要時間はコラップス前のガラス管のサイズに依存するからである。
したがって、第二ガラス層の厚さは、第一工程終了後のガラス管の外径や内径に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、第一工程終了後の石英管の外径及び厚さ並びに第一ガラス層の厚さが、上記の好ましい範囲内である場合には、第二ガラス層の厚さは、通常、10〜500μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。第二ガラス層の厚さが上記範囲の下限よりも薄くなると、第一ガラス層からシリカスートへのGe拡散の抑制効果が低くなることがある。一方、第二ガラス層の厚さが上記範囲の上限よりも厚くなると、第二ガラス層の屈折率が最終的に光ファイバの屈折率プロファイルに与える影響が大きくなる。例えば、第二ガラス層が第一ガラス層よりも小さい屈折率を有する場合、製造された光ファイバにおいて、コアと第一クラッドとの境界付近に幅広い低屈折率部分が生じることがある。さらに、第一ガラス層及び第二ガラス層の線膨張係数が大きく異なる場合には、ガラスに大きなひずみが発生するので、光ファイバ母材の製造工程において、管が割れ易くなる。
石英管の外径及び厚さ並びに第一ガラス層の厚さが、上記の好ましい範囲外である場合には、第二ガラス層の厚さは、上記の好ましい範囲を考慮して、適宜調整すれば良い。
第二ガラス層の厚さは、原料ガスの流量や加熱温度等を調整することで調整できる。
このように、光ファイバの製造過程において、第二ガラス層を形成させることにより、第一ガラス層からシリカスートへのGeの拡散が抑制される。これにより、コア中心に高屈折率部分が存在せず、コアの屈折率が均一なマルチクラッドファイバが得られる。
(3)第三工程
第三工程もMCVD法で行うことができる。例えば、第二工程で得られたガラス管内の中空部(すなわち、第二ガラス層の径方向内側)に、SiClガス及びOガスを流通させ、加熱することにより、シリカスート(コアスート)を形成させる。この時の加熱温度は、シリカスートが多孔質の状態を維持し、焼結されないように設定する。本工程では、シリカスート形成時に、ドーパントの原料ガスは流通させない。
以上により、第二ガラス層の内側に、シリカスートが形成される。この時のガラス管1の断面を図1に例示する。図1中、符号10はシリカスート、符号15は第二ガラス層、符号11は第一ガラス層、符号12は石英管をそれぞれ示す。
(4)第四工程
第四工程では、まず、第三工程で形成したシリカスートにドーパントを添加する。得られた光ファイバ母材を光ファイバレーザ又は光増幅器等の用途に使用する場合には、添加するドーパントは、少なくとも希土類元素を含むものとする。ここで、希土類元素としては、イッテルビウム(Yb)が好ましい。
ドーパントの添加は、公知の方法で行えば良い。例えば、希土類元素を添加する場合には、液浸法で行うのが好ましい。その理由は、添加時に使用する希土類元素を含む化合物(以下、希土類化合物という)は、通常、蒸気圧が低いからである。そのため、希土類化合物を気化させる場合には、数百℃という高温で加熱する必要があり、生成したガスをシリカスートに搬送する過程でも配管を高温に保持する必要がある。このような方法では、シリカスート中の希土類元素の含有量を安定させるのが困難であり、製造コストも上昇する。
液浸法は、例えば、以下のように行うことができる。まず、希土類化合物、好ましくは希土類塩化物等を水又はエタノール等に溶解させ、液浸溶液を調製する。次いで、得られた液浸溶液を、第三工程で得られたガラス管の内部に、開口端から導入することで、シリカスートを液浸溶液に浸漬させる。次いで、液浸溶液を管から抜き出し、管を乾燥させ、さらに脱水した後、シリカスートを焼結して透明化させる。
シリカスートには、ドーパントとして、前記希土類元素以外にさらにAlを添加することが好ましい。Alを共添加することで、フォトダークニングが抑制できるなど、光ファイバ母材の光学特性が向上する。Alの添加は、液浸溶液にAlを含む化合物、好ましくは塩化アルミニウム(AlCl)を前記希土類化合物と共に溶解させ、この液浸溶液を使用することで行えば良い。
シリカスートのドーパント含有量は、液浸溶液中のドーパント濃度を調整することで、調整できる。そして、シリカスートのドーパント含有量は、コアと第二クラッドとの比屈折率差(Δ1)が所望の値となるように調整すれば良く、コアの焼結後の屈折率が、第一ガラス層の屈折率よりも大きくなるように調整することが好ましい。
(5)第五工程
第五工程では、第四工程で得られた管をコラップスして中実化する。これにより、コアにドーパントが添加された光ファイバ母材が得られる。コラップスは、公知の方法で行えば良い。
本発明によれば、第一ガラス層がGeを含有する場合でも、第二ガラス層のバリア機能により、コアにGeが拡散せず、コアにGeが存在しない光ファイバ母材が得られる。したがって、コア中心に高屈折率部分が存在せず、コアの屈折率が径方向において均一となる。
ここまでは、光ファイバ母材をMCVD法と液浸法とを併用する方法で製造する場合について説明したが、本発明においてはこれに限定されず、VAD法、OVD法又はPCVD法等、その他の公知の方法を適用して製造しても良い。
<マルチクラッドファイバ>
本発明におけるマルチクラッドファイバは、上記本発明の光ファイバ母材を紡糸した後、その外表面をポリマ層で被覆して得られる。
例えば、かかるマルチクラッドファイバは、光ファイバ母材として本発明のものを使用すること以外は、公知の方法を適用することで得られる。
具体的には例えば、第五工程終了後、OVD法などにより必要なだけ外側にクラッドを作製し、得られた光ファイバ母材を紡糸し、得られた光ファイバの外表面をポリマ層で被覆すれば良い。この時、ポリマとして保護樹脂を使用することにより、ダブルクラッドファイバが得られ、ポリマとして第三クラッドを形成するもの、次いで保護樹脂を使用することにより、トリプルクラッドファイバが得られる。ポリマとしては、例えば、熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂が使用でき、これらをポリマ層が所望の厚さとなるように適当量被覆して硬化させれば良い。
トリプルクラッドファイバを製造する場合には、ポリマ層の屈折率は、第二クラッドの屈折率よりも小さくすることが好ましい。
また、マルチクラッドファイバにおいて、保護樹脂層は、コア及びクラッドよりも高い屈折率を有することが好ましい。さらに、第二クラッドの屈折率は第一クラッドの屈折率よりも小さいことが好ましく、第一クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも小さいことが好ましい。そして、トリプルクラッドファイバにおいては、Δ1−Δ2は0.1程度となるように設定することが好ましい。例えば、Δ2が0.3程度である場合には、Δ1が0.4程度となるように調整すると良い。
<光ファイバレーザ、光増幅器>
本発明における光ファイバレーザ又は光増幅器は、上記マルチクラッドファイバを備えるものである。そして、かかる光ファイバレーザ又は光増幅器は、上記マルチクラッドファイバを使用すること以外は、公知の方法を適用することで得られ、光学特性が良好なものである。
本発明によれば、第一ガラス層がGeを含有する場合でも、第二ガラス層のバリア機能により、コアにGeが存在しない光ファイバ母材が得られる。また、かかる光ファイバ母材においては、コアへのドーパント添加量も適宜調整できる。したがって、コア中心に高屈折率部分が存在せず、コアの屈折率が径方向において均一で、しかも屈折率プロファイルの制御が容易なマルチクラッドファイバが得られる。このようなマルチクラッドファイバによれば、フォトダークニングの抑制も容易なので、レーザ出力の経時劣化が抑制される等、光学特性が良好な光ファイバレーザ及び光増幅器が得られる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
内径27.0mm、外径32.0mmの純粋石英ガラス管を使用して、MCVD法により第一ガラス層を形成させた(第一工程)。この時、石英管の中空部にSiClガス、GeClガス、POClガス、Oガスを流通させ、石英管の外側に設置した酸水素バーナで加熱した。第一工程が終わった時の石英管の外径は29.0mmとなっていた。第一ガラス層の厚さは0.9mmであり、Geの含有量は3.0wt%、Pの含有量は1.0wt%であった。
次いで、第一ガラス層が形成されたガラス管の中空部に、SiClガス、Oガスを流通させて加熱するMCVD法により、第一ガラス層の内表面に沿って第二ガラス層を形成させた(第二工程)。第二ガラス層の厚さは0.1mmであった。
次いで、第一及び第二ガラス層が形成されたガラス管の中空部に、SiClガス、Oガスを流通させて加熱するMCVD法により、第二ガラス層の内側にシリカスートを形成させた(第三工程)。
次いで、第三工程で形成したシリカスートに、液浸法によりYb及びAlを添加した。液浸溶液としては、三塩化イッテルビウム(YbCl)、AlClを含有する溶液を使用した。そして、液浸溶液を管から抜き出し、管を乾燥させ、さらに脱水した後、シリカスートを焼結して透明化させた(第四工程)。焼結後のコアにおけるYbの含有量は1.0wt%、Alの含有量は4.0wt%であった。
次いで、得られた管をコラップスして中実化することで、コアにYb及びAlが添加された光ファイバ母材を得た(第五工程)。
次いで、OVD法によりクラッドを堆積させ、適切なクラッド径とした。
さらに、光ファイバ母材を紡糸し、得られた光ファイバの外表面上をポリマ層で被覆し、さらに保護樹脂で被覆することにより、図2に示すような断面を有するトリプルクラッドファイバが得られた。トリプルクラッドファイバ2は、コア20の直径が20μm、第一クラッド21の厚さが80μm、第二クラッド22の厚さが300μm、第三クラッド23の厚さが50μm、保護樹脂層24の厚さが100μmであった。
さらに得られたトリプルクラッドファイバ2の屈折率プロファイルを図2にあわせて示す。図2に示すように、ファイバのコア中心には高屈折率部分が存在しなかった。一方、コアと第一クラッドとの境界付近には低屈折率部分が存在したが、本光ファイバのAeffは225μmであり、十分大きく、良好な光学特性を有することが確認できた。
(実施例2)
第二工程で、SiClガス及びOガスと共にPOClガスを流通させて、第二ガラス層にさらにPを含有させたこと以外は、実施例1と同様にトリプルクラッドファイバを作製した。第二ガラス層のPの含有量は4.0wt%であった。得られたトリプルクラッドファイバの断面図及び屈折率プロファイルを図3に示す。光ファイバ母材の作製時には、第二ガラス層の厚さが薄いため、管が割れることはなかった。
得られたトリプルクラッドファイバ3は、コア30、第一クラッド31、第二クラッド32、第三クラッド33、保護樹脂層34のサイズが、いずれも実施例1の場合と同様であった。また、図3に示すように、トリプルクラッドファイバ3は、実施例1のファイバとは異なり、コアと第一クラッドとの境界付近には低屈折率部分が存在せず、Aeffは250μmであり、一層良好な光学特性を有することが確認できた。
(実施例3)
第二工程で、SiClガス及びOガスと共にAlClガスを流通させて、第二ガラス層にさらにAlを含有させたこと以外は、実施例1と同様にトリプルクラッドファイバを作製した。第二ガラス層のAlの含有量は2.5wt%であった。光ファイバ母材の作製時には、第二ガラス層の厚さが薄いため、管が割れることはなかった。
得られたトリプルクラッドファイバは、コア、第一クラッド、第二クラッド、第三クラッド、保護樹脂層のサイズが、いずれも実施例1の場合と同様であった。そして、実施例2のファイバと同様に、コアと第一クラッドとの境界付近には低屈折率部分が存在せず、Aeffは250μmであり、実施例2と同様に、一層良好な光学特性を有することが確認できた。
(比較例1)
第二工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にトリプルクラッドファイバを作製した。すなわち、第一ガラス層を形成させ、次いで、第一ガラス層の内側にシリカスートを形成させて、ドーパントの添加、焼結及び管のコラップスを行った。得られたトリプルクラッドファイバの断面図及び屈折率プロファイルを図4に示す。
得られたトリプルクラッドファイバ4は、コア40、第一クラッド41、第二クラッド42、第三クラッド43、保護樹脂層44のサイズが、いずれも実施例1の場合と同様であった。ただし、図4に示すように、トリプルクラッドファイバ4のコア40中心には高屈折率部分が存在した。このファイバ4は、コア40中心に電界が集中し、Aeffが120μmと小さく、良好な光学特性を有していなかった。
(比較例2)
第一工程でGeClガスを流通させない点以外は、実施例1と同様にトリプルクラッドファイバの作製を試みた。すなわち、ドーパント第一ガラス層にGeを含有させず、Pのみを含有させて光ファイバ母材の作製を試みた。この時Δ2は、Pの含有量を調整することで0.3に調整した。
その結果、第四工程でシリカスートにドーパントを添加した後、焼結する際に管が割れ、光ファイバ母材を作製できなかった。これは、Pの含有量のみでΔ2を調整するために、Pの含有量が4.0wt%と多くなり、第一ガラス層の線膨張係数が大きくなり過ぎ、石英管との間で大きなひずみが生じたことが原因であると考えられた。
(比較例3)
第一工程でGeClガス及びPOClガスを流通させずに、AlClガスを流通させたこと以外は、実施例1と同様にトリプルクラッドファイバを作製した。すなわち、ドーパントとして第一ガラス層にGeを含有させず、Alのみを含有させて光ファイバ母材を作製した。この時Δ2は、Alの含有量を調整することで0.3に調整した。AlClガスは、AlとClとを反応させることで発生させたものを使用したが、AlClガスの蒸気圧が低く、ガスの搬送に使用する配管を200℃程度に加熱してガスを流通させた。しかし、第一ガラス層のAl含有量を所望の値に調整することが困難であった。その結果、同様の方法で繰り返し光ファイバ母材を作製したが、第一クラッドの屈折率を制御することが困難であり、製造再現性が悪く、歩留まりが著しく低下した。また、高温加熱が必要なので製造コストが上昇することが確認された。
(比較例4)
第一工程でGeClガスを流通させずに、AlClガスを流通させたこと以外は、実施例1と同様にトリプルクラッドファイバの作製を試みた。すなわち、ドーパントとして第一ガラス層にGeを含有させず、P及びAlを含有させたファイバの作製を試みた。この時Δ2は、P及びAlの含有量を調整することで0.3に調整した。
その結果、比較例2の場合と同様に管が割れて、光ファイバ母材を作製できなかった。さらに、比較例3と同様に、第一ガラス層のAl含有量を調整することも困難であった。
(実施例4)
実施例1〜3の方法でトリプルクラッドファイバを作製した。ただし、スキュー光(コアを横切らない励起光)を抑制するため、第二クラッドを、その径方向断面の形状が略正七角形となるように加工した。作製したトリプルクラッドファイバは、コアの直径が20μm、第一クラッドの厚さが80μm、第二クラッドの厚さが300μm、第三クラッドの厚さが50μm、保護樹脂層の厚さが100μmであった。そして、これらトリプルクラッドファイバを使用して、ファイバレーザを作製した。
その結果、Aeffが十分大きくシングルモード動作するファイバレーザが得られた。そして、比較例1の方法で作製したファイバを使用した場合よりも、非線形光学効果によるエネルギー変換効率の低下を抑制できた。
本発明は、光通信の分野で、光ファイバレーザや光増幅器等に利用可能である。
本発明の第三工程終了時におけるガラス管の断面を例示する図である。 実施例1のトリプルクラッドファイバの断面と屈折率プロファイルを示す図である。 実施例2のトリプルクラッドファイバの断面と屈折率プロファイルを示す図である。 比較例1のトリプルクラッドファイバの断面と屈折率プロファイルを示す図である。 ダブルクラッドファイバの断面と好ましい屈折率プロファイルを例示する図である。 トリプルクラッドファイバの断面と好ましい屈折率プロファイルを例示する図である。
符号の説明
1・・・ガラス管、10・・・シリカスート、11・・・第一ガラス層、12・・・石英管、15・・・第二ガラス層、2,3,6・・・トリプルクラッドファイバ、20,30,60・・・コア、21,31,61・・・第一クラッド、22,32,62・・・第二クラッド、23,33,63・・・第三クラッド、24,34,64・・・保護樹脂層

Claims (5)

  1. 石英管の内表面に沿って、ゲルマニウムを含有する第一ガラス層を形成させる第一工程と、
    前記第一ガラス層の内表面に沿って、ゲルマニウムを含有しない第二ガラス層を形成させる第二工程と、
    前記第二ガラス層の内側に、シリカスートを形成させる第三工程と、
    前記シリカスートにドーパントを添加して焼結する第四工程と、
    前記第四工程で得られた管をコラップスする第五工程と、
    を含む光ファイバ母材の製造方法であって、
    前記第二工程終了時における第二ガラス層の厚さが10〜500μmであり、
    前記第二ガラス層がアルミニウム及び/又はリンを含有することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記ドーパントに希土類元素が含まれることを特徴とする請求項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記希土類元素がイッテルビウムであることを特徴とする請求項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記希土類元素を液浸法により添加することを特徴とする請求項又はに記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記第一ガラス層及び第二ガラス層の屈折率が略同等であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
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