JP5068464B2 - マルチポートカプラ及び光ポンピングデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバアンプ、光ファイバレーザ等の光ポンピングデバイスと、それに効率よく励起光を入力可能なマルチポートカプラに関する。特に、本発明は、マルチポートカプラの振動や衝撃などへの耐性を向上させ、信頼性を高めることを可能にするマルチポートカプラの構造に関するものである。
従来、コアに希土類元素が添加された増幅用ファイバにレーザダイオード等の複数の励起光源から発する励起光を効率よく結合可能にするためのマルチポートカプラとして、例えば、特許文献1,2に開示されたものが知られていた。
特許文献1には、図5に示すように、励起光結合用のマルチモードファイバ2を複数本束ね、コアに希土類元素がドープされ且つダブルクラッド構造を有する増幅用ファイバ3の断面領域まで断面積を減少、傾斜させた断面積減少部4を有し、この断面積減少部4の先端を増幅用ファイバ3の一端に融着接続して結合部5とした光ファイバデバイス1が開示されている。
また特許文献2には、図6に示すように、多数本の光ファイバを束ねたバンドルファイバ6と増幅用ファイバ7との間に屈折率分布型レンズ8を挟んで結合させた増幅装置9が開示されている。
一般に、複数本の励起光伝搬用のファイバを束ね、増幅用ファイバの一端に結合するために用いられるマルチポートカプラの中心には、信号光を伝搬するシングルモードファイバ(以下、SMFと記す。)が用いられ、それを取り囲むように配置される光ファイバには、励起光を伝搬するマルチモードファイバ(以下、MMFと記す。)が用いられている。増幅用ファイバは、コアにイッテルビウム(Yb)やエルビウム(Er)、ツリウム(Tm)等の希土類元素を添加することで、その希土類イオンの誘導放出現象を利用して、吸収した励起光のエネルギーを使い、信号光を増幅する作用を持たせることができるようになっている。前記マルチポートカプラは、そのような増幅用ファイバへの信号光及び励起光の結合手段として使われる。
このような光ファイバアンプ、光ファイバレーザ等の光ポンピングデバイスにおいては、増幅用ファイバのコアに、マルチポートカプラの中心に位置するSMFのコアが結合され、増幅用ファイバの内側クラッドに、マルチポートカプラのMMFが結合される構造とすることで、それぞれの光源からの信号光及び励起光を増幅用ファイバへ効率よく結合することができる。
また、光ファイバの整列手段として、複数の孔が設けられたキャピラリを使用したマルチポートカプラも提案されている。この種のマルチポートカプラにあっては、キャピラリの中心の孔にSMF、周囲の孔にMMFをそれぞれ挿入し、酸水素炎で加熱し、空隙部分を収縮させて一体化する。一体化されたキャピラリを、直接増幅用ファイバに接続する方法も考えられるが、キャピラリの孔と孔の間にある程度の強度が必要になるため、キャピラリ自体の太さが太くなってしまうことから、一体化したキャピラリをダブルクラッド構造の光ファイバに接続し、そのダブルクラッド構造の光ファイバを延伸し縮径させて、それを希土類添加ファイバに接続する方法が採られる場合もある。
特許第3415449号公報 特許第3353755号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示された従来技術には、次のような問題がある。
特許文献1に開示された従来技術では、複数本のMMFを束ね、断面積減少部を形成する工程において、各光ファイバ間に存在する空隙を埋めようとする力が働き、最外周に配置されたMMFの断面形状が変形し易く、この変形が増幅用ファイバ(クラッドポンピングファイバ)との結合において、結合効率の低下に繋がる問題がある。また、この問題に関連し、励起ポート数を増加させるにつれて、断面形状の変形量が大きくなり、結合効率が低下するため、拡張性に乏しく、よりハイパワーのポンピング要求に対応することが難しいという懸念がある。
また特許文献2に開示された従来技術では、レンズ系と光ファイバとの結合部分において空間伝播を含むため、結合部分の光ファイバ端とレンズ両端、さらに増幅用ファイバ端に研磨と反射防止膜が必要となる。これによって製造コストが増加し、加えて各端面に僅かな汚れや塵が存在すると、ハイパワーの光が入射した場合に光が吸収され、発熱して故障してしまうおそれがある。さらに、バンドルファイバと増幅用ファイバとが直接接続されていないことから、長期の機械的信頼性に乏しく、故障し易いことが懸念される。この部分での機械的故障は、システムの特性に多大な影響を与えるだけではなく、安全面からも絶対に避けなければならないため、更に信頼性の高い結合構造が必須であると言える。
複数本の光ファイバを整列させるためにキャピラリを使用したマルチポートカプラにおいては、キャピラリの形状について、詳しく言及されている提案は知られていない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、振動や衝撃などへの耐性を向上させ、信頼性を高めることを可能にするマルチポートカプラとそれを用いた光ポンピングデバイスの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、複数の光ファイバ挿入用の孔有する石英ガラスからなるキャピラリに、励起光を導光する複数マルチモードファイバ又は信号光を導光する1本のシングルモードファイバと励起光を導光する複数マルチモードファイバとが挿入されてなり、該キャピラリの先端が1本の増幅用ファイバに接続されたマルチポートカプラにおいて、前記キャピラリの全長にわたって、前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバと前記孔との間に空隙が存在しないようにされた構造を有し、前記キャピラリと、前記キャピラリに挿入した前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの裸線部分と、前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの被覆の端部を収容し、前記キャピラリと、前記前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの被覆を固定可能な溝が設けられた補強用の石英ガラス管を有することを特徴とするマルチポートカプラを提供する。
本発明のマルチポートカプラにおいて、前記キャピラリと、増幅用ファイバとの間に、テーパ形状を有するブリッジファイバを設けた構成とすることが好ましい。
本発明のマルチポートカプラにおいて、前記キャピラリからの前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバ出口部分を弾性接着剤で固定し、キャピラリと石英ガラス管並びに前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバと石英ガラス管との固定部を、前記弾性接着剤よりも固い接着剤で固定したことが好ましい。
本発明のマルチポートカプラにおいて、前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバが繋がっている側の前記キャピラリ端から、挿入した前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの被覆部までの長さが5mm〜100mmの範囲内であることが好ましい。
また本発明複数の励起光源から発する励起光を導光する光ファイバと、増幅用ファイバとを、前述した本発明のマルチポートカプラで結合した構造を有することを特徴とする光ポンピングデバイスを提供する
本発明のマルチポートカプラは、複数の光ファイバが挿入される孔を有するキャピラリに光ファイバが挿入され、このキャピラリのほぼ全長にわたって、光ファイバと孔との空隙を潰した構造を有するものなので、光ファイバが共振した際にキャピラリ孔の角部と光ファイバとの衝突を防ぎ、それに起因する破断を抑制できるため、機械的信頼性を向上させることができる。
また、キャピラリを溝付きの石英ガラス管で固定することで、マルチポートカプラの周囲に温度変化が生じた場合に光ファイバが受ける応力が低減でき、光学特性の安定化と長期的な信頼性を向上させることができる。
また、キャピラリからの光ファイバ出口部分を弾性接着剤で固めることで、光ファイバが共振した時に、キャピラリ出口部分に作用する応力が緩和され、機械的信頼をより向上させることができる。
また、石英管とキャピラリ及び光ファイバとの接着に前記弾性接着剤より固めの接着剤を選定して用いることにより、挿入した光ファイバ及びキャピラリに引っ張り応力が作用した場合にも、光ファイバ裸線部分に作用する応力が低減でき、信頼性をさらに高めることができる。
また、キャピラリ部を溝付きの石英ガラス管で固定することで、取り扱いし易くなり、製造作業性を向上できる。
本発明の光ポンピングデバイスは、複数の励起光源から発する励起光を導光する光ファイバと、増幅用ファイバとを、前述した本発明のマルチポートカプラで結合した構造を有するものなので、振動や衝撃などへの耐性が高く、機械的信頼性の高いものとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明のマルチポートカプラとそれを用いた光ポンピングデバイスの一実施形態を示す側面図である。図1中、符号10はマルチポートカプラ、11はキャピラリ、12は増幅用ファイバ、13はブリッジファイバ、14は延伸部、15は被覆部、16及び17は接続部、20は光ポンピングデバイスである。
本実施形態のマルチポートカプラ10は、複数の光ファイバ挿入用の複数の孔を持つキャピラリ11に、信号光を導光する光ファイバと励起光を導光する複数の光ファイバとの裸線部分が挿入され、このキャピラリ11の先端と増幅用ファイバ12の一端とがブリッジファイバ13を介して接続され、増幅用ファイバ12に励起光又は信号光と励起光とを入射可能に結合される構造を有しており、さらに、キャピラリ11のほぼ全長にわたって、光ファイバと孔との空隙を潰した構造を有することを特徴としている。
本実施形態において、キャピラリ11の孔に挿入される光ファイバとしては、キャピラリ11の中心に配置される信号光を導光するためのSMFと、これを囲んで配置される励起光を導光するための複数本のMMFとを用いている。前記SMFは、図示していない信号光源に結合され、また前記MMFは、図示していないLDなどの励起光源に結合されている。なお、マルチポートカプラ10に用いる光ファイバの構成は、本実施形態に限定されず、光ポンピングデバイス(光ファイバアンプ、光ファイバレーザなど)の種類に応じて変更でき、全てが励起光を導光する光ファイバ(MMF)としてもよい。
前記キャピラリ11のほぼ全長にわたって、光ファイバと孔との空隙を潰した構造としては、孔に光ファイバ裸線を挿入後、キャピラリ11を酸水素炎で加熱して空隙を潰した構造とすることが好ましい。
前記増幅用ファイバ12としては、コアにイッテルビウム(Yb)やエルビウム(Er)、ツリウム(Tm)等の希土類元素を添加し、このコアの外周を囲む内外2層のクラッドを有する希土類添加ダブルクラッドファイバなどが用いられる。
前記キャピラリ11の先端と増幅用ファイバ12の一端とを繋ぐブリッジファイバ13としては、キャピラリ11の先端の外径とほぼ等しい外径を有するファイバ、好ましくはダブルクラッドファイバが用いられ、その一端側にはファイバ外径を漸次縮径させた延伸部14が形成されている。この延伸部14側の端は、増幅用ファイバ12の外径とほぼ等しくなっている。このブリッジファイバ13の太径側の端は、キャピラリ11の先端と融着接続され、また細径側の端は、増幅用ファイバ12の一端と融着接続されている。
このように構成されたマルチポートカプラ10は、キャピラリ11に接続された信号光導光用のSMFを通して入射された信号光を増幅用ファイバ12のコアに効率よく入射できるとともに、キャピラリ11に接続された励起光導光用の複数本のMMFを通して入射された励起光を増幅用ファイバ12の内側クラッドに効率よく入射できる。
増幅用ファイバ12では、内側クラッドに入射された励起光により、コアにドープされている希土類イオンが励起され、その希土類イオンの誘導放出現象を利用して、吸収した励起光のエネルギーを使って信号光が増幅される。増幅された信号光は、増幅用光ファイバの出力端から出力され、光ポンピングデバイス20としての機能を発揮する。
本発明では、キャピラリを使用したマルチポートカプラの構造に関して、キャピラリ11からの光ファイバ出口部分の構造を変えることで、マルチポートカプラ10自体の高強度化、機械的信頼性の向上を可能にした。
本発明の構造の特徴は、キャピラリ11のほぼ全長に渡って径を収縮させたところにある。これにより、キャピラリ11端において光ファイバとキャピラリ11に設けられた孔の壁との間に空隙が存在しなくなる。空隙をなくすことで、衝撃や振動による破断がなくなり、機械的信頼性の高いマルチポートカプラ10が作製可能となる。
図7は、キャピラリ30の孔31に複数の光ファイバ裸線34を挿入し、先端側に径縮径部32を形成したマルチポートカプラにおいて、キャピラリ30の孔31と、光ファイバ裸線34との間に空隙36が存在している場合の光ファイバの挙動を説明する図である。光ファイバは、先端部の被覆部33を除去し、露出した光ファイバ裸線34をキャピラリ30の孔31内に挿入する。キャピラリ30の孔31の内径(孔径)は、光ファイバ裸線34の外径よりも大きく形成されている。
図7に示すように、キャピラリ30の孔31と、光ファイバ裸線34との間に空隙36が存在すると、マルチポートカプラに振動や衝撃が加わった時に、固定されていない部分の光ファイバ長に依存した共振周波数の振動が発生した場合、光ファイバが撓んで孔31の開口周縁のキャピラリ角部35へと衝突してしまうおそれがある。光ファイバ裸線34部分がキャピラリ角部35に衝突してしまうと、衝突した部分に微細な傷が生じ、そこから傷が進展することにより、結果的に光ファイバの破断が起こってしまう。
一方、本発明のマルチポートカプラ10は、複数の光ファイバが挿入される孔18を有するキャピラリ11に光ファイバが挿入され、このキャピラリ11のほぼ全長にわたって、光ファイバと孔18との空隙を潰した構造を有するものなので、光ファイバが共振した際にキャピラリ孔の角部と光ファイバとの衝突を防ぎ、それに起因する破断を抑制できるため、機械的信頼性を向上させることができる。
[製造例]
次に、本発明のマルチポートカプラの製造例を説明する。本製造例は単なる例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
図2は、マルチポートカプラの製造に用いるキャピラリ11の一例を示す断面図である。本製造例で使用したキャピラリは、材質が石英ガラスからなり、外径が800μm程度、長さが1.8mm程度の円柱形状をなしており、キャピラリ断面の中心に一つ、その周りに9個の合計10個の孔18が開いたものを使用した。キャピラリ11の材質を、挿入する光ファイバと同じ石英ガラスとすることで、線膨張係数が等しくなるため、空隙を潰す工程で生じる応力を和らげることができ、長期的な信頼性を向上させることができる。キャピラリの孔径は、例えば、直径125μmの光ファイバ裸線を挿入する場合、全ての孔18を150μm程度とすることが望ましい。
次に、図2に示す断面形状を持ったキャピラリ11のそれぞれの孔18に、図3に示すように、外径が125μmの光ファイバ裸線部分22を通した。この時、キャピラリ11端面から挿入した光ファイバの被覆部21までの距離Lを10mm離した状態とした。これは、被覆部21がキャピラリ11の端面近くに位置すると、挿入した光ファイバの被覆同士がぶつかり合い、その応力によって光ファイバ裸線部分22がキャピラリ角部に衝突し、機械的信頼性が損なわれてしまうため、できるだけ離れていることが望ましいためである。しかしながら、この長さが長くなると、周囲からの保護構造(ファイバ被覆)の無い部分が長くなるため、光ファイバに傷を付ける確率が高くなることから、機械的信頼性が低くなってしまうとともに、マルチポートカプラ自体の大きさも大きくなってしまい、結果的にこの部品を使用した光増幅モジュールの筐体も大きくなり、取り扱い性が損なわれてしまう問題があるので、100mm以内とすることが妥当と考えられる。また、本発明では、キャピラリ全長にわたって径を収縮させる(空隙を潰す)形状を採るため、キャピラリ11全体を加熱する必要があるので、その際に被覆部21を焦がさない目的もあり、実験によると、この長さが5mmより短くなった場合に、挿入した光ファイバの被覆部が焦げてしまう問題が発生したため、長さは5mm以上が必要である。
その状態で、キャピラリ11の反対方向に突き出た光ファイバ裸線部分22を接着固定(接着固定部23)し、作業中にキャピラリと光ファイバとの位置関係が変わらないようにした。
次に、図3の状態としたキャピラリ11の全長を酸水素炎で炙り、キャピラリ全長にわたって孔18と光ファイバ裸線部分22との空隙を潰した。その後、キャピラリ11を切断して融着時の端面出しを行い、図4に示すように溝を切った石英ガラス管24で補強を行った。
この補強部材(石英ガラス管24)の材質を石英ガラスとすることで、光ファイバ裸線部分22の線膨張係数と補強部材の線膨張係数が等しくなるので、周囲に温度変化が生じた場合に、光ファイバが受ける応力を低減させ、光学特性を安定させることができ、かつ長期的な信頼性も向上させることが可能になる。
また、キャピラリ11からの光ファイバ出口部分26を弾性接着剤で固めることで、光ファイバが共振した時に出口部分に作用する応力を緩和できるようにした。
さらに、石英ガラス管24とキャピラリ11及び光ファイバ裸線部分22との各固定部25,27の接着には、前記弾性接着剤よりも固めの接着剤、例えば紫外線硬化型接着剤などを選定して用いることにより、挿入した光ファイバ及びキャピラリ11に引っ張り応力が作用した場合にも、光ファイバ裸線部分22に作用する応力を低減させ、信頼性を高めることが可能になる。また、融着作業を行う際には、石英ガラス管24部分を把持し、調心や固定が行えるため、取り扱いし易くなり、作業性も向上する。
次に、図4の状態にしたキャピラリ11を、ダブルクラッド構造を持つブリッジファイバ13に信号光での損失をモニタしながら接続した。ブリッジファイバ13は、キャピラリ接続側の逆の端部が延伸され縮径されており、そこにコアに希土類元素が添加された増幅用ファイバ12が接続されている。この構造とすることにより、キャピラリ中心孔に挿入されたSMFが伝播する信号光が増幅用ファイバ12のコアにブリッジファイバ13のコアを通して結合され、キャピラリ11の他の孔に挿入されたMMFを伝播する励起光がブリッジファイバ13の内側クラッドを通して、増幅用ファイバ12の内側クラッドへと結合する。
前記製造方法により、キャピラリ11を用いたマルチポートカプラ10の拡張性と励起光の低損失化を実現した上で、機械的信頼性を更に向上させることができる。
また、キャピラリ11を溝付きの石英ガラス管24で固定することで、マルチポートカプラ10の周囲に温度変化が生じた場合に光ファイバが受ける応力が低減でき、光学特性の安定化と長期的な信頼性を向上させることができる。
また、キャピラリ11からの光ファイバ出口部分26を弾性接着剤で固めることで、光ファイバが共振した時に、キャピラリ出口部分に作用する応力が緩和され、機械的信頼性をより向上させることができる。
また、石英ガラス管24とキャピラリ11及び光ファイバとの接着に前記弾性接着剤より固めの接着剤を選定することにより、挿入した光ファイバ及びキャピラリ11に引っ張り応力が作用した場合にも、光ファイバ裸線部分22に作用する応力が低減でき、信頼性をさらに高めることができる。
また、キャピラリ11を溝付きの石英ガラス管24で固定することで、取り扱いし易くなり、製造作業性を向上できる。
本発明のマルチポートカプラと光ポンピングデバイスの一実施形態を示す要部概略側面図である。 本発明のマルチポートカプラに用いられるキャピラリを例示する断面図である。 本発明のマルチポートカプラの製造例においてキャピラリに光ファイバを挿入し固定した状態を示す要部概略側面図である。 図3に示す部材を補強した状態を示す要部概略側面図である。 従来の結合構造の一例を示す側面図である。 従来の結合構造の他の例を示す側面図である。 キャピラリの孔と光ファイバ裸線との間に空隙が存在している場合の光ファイバの挙動を説明する要部概略側面図である。
符号の説明
10…マルチポートカプラ、11…キャピラリ、12…増幅用ファイバ、13…ブリッジファイバ、14…延伸部、15…被覆部、16,17…接続部、18…孔、20…光ポンピングデバイス、21…被腹部、22…光ファイバ裸線部分、23…接着固定部、24…石英ガラス管、25、27…固定部、26…出口部分。

Claims (5)

  1. 複数の光ファイバ挿入用の孔有する石英ガラスからなるキャピラリに、励起光を導光する複数マルチモードファイバ又は信号光を導光する1本のシングルモードファイバと励起光を導光する複数マルチモードファイバとが挿入されてなり、該キャピラリの先端が1本の増幅用ファイバに接続されたマルチポートカプラにおいて、
    前記キャピラリの全長にわたって、前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバと前記孔との間に空隙が存在しないようにされた構造を有し、
    前記キャピラリと、前記キャピラリに挿入した前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの裸線部分と、前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの被覆の端部を収容し、前記キャピラリと、前記前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの被覆を固定可能な溝が設けられた補強用の石英ガラス管を有することを特徴とするマルチポートカプラ。
  2. 前記キャピラリと、増幅用ファイバとの間に、テーパ形状を有するブリッジファイバを設けたことを特徴とする請求項1に記載のマルチポートカプラ。
  3. 前記キャピラリからの前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバ出口部分を弾性接着剤で固定し、キャピラリと石英ガラス管並びに前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバと石英ガラス管との固定部を、前記弾性接着剤よりも固い接着剤で固定したことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチポートカプラ。
  4. 前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバが繋がっている側の前記キャピラリ端から、挿入した前記マルチモードファイバおよび前記シングルモードファイバの被覆部までの長さが5mm〜100mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のマルチポートカプラ。
  5. 複数の励起光源から発する励起光を導光するマルチモードファイバと、増幅用ファイバとを、請求項1〜のいずれかに記載のマルチポートカプラで結合した構造を有することを特徴とする光ポンピングデバイス。
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