JP6288579B2 - 免震構造 - Google Patents

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この発明は、免震構造に関するものである。
従来、地震によって構造物、器物等の損壊を防止するために様々な免震構造が提案されている。特許文献1には、支持体又は被支持体の一方に湾曲面をもった軌道を取り付け、他方に転動体を取り付けた構造を有する免震装置がある。このようないわゆる転がり型と呼ばれる免震装置の一例を図16に示す。
この免震装置902は、構造物等の設置面に剛性を持って固定された支持体(固定架台)903に、中間体(免震支承)904、被支持体(免震架台)905が、鉛直方向に積み重なり構成されている。中間体904は二対の転動体910を備えており、この二対の転動体910の内一方が支持体903に備えられた軌道920に沿って、他方が被支持体905に備えられた軌道920に沿って、転動することで支持体に加わった地震による振動を受け流す。支持体903に備えられた軌道920と被支持体905に備えられた軌道920は互いに直交しており、地震等により被支持体905に加わる水平面上の各方向への振動を、この免震装置902の免震効果により抑制し被支持体905に取り付けられた免震対象物を破損から守ることができる。
支持体903に備えられる軌道920の形状は、転動方向の中央部を最低点とした凹状面を形成し、又被支持体905に備えられる軌道920の形状は転動方向の中央部を最高点とした凹面形状を形成している。中央部は転がりが円滑に行なえるように例えば円弧状等のなだらかの曲面とされ、軌道方向終端部に近づくにつれその傾きが大きくなっていく曲線で描かれる。
以上の構成を有することによって、振動のない定常状態においては、転動体910と軌道920は被支持体905が支持体903に対して最も低い位置にあるように維持し、地震発生の際には、転動体910が軌道920上を転動し、被支持体905が中間体904を介して支持体903に対して水平方向に相対移動するとともに、支持体903と被支持体905の鉛直方向距離が徐々に大きくなる。これにより、振動により発生した運動エネルギーを位置エネルギーに変換し、この位置エネルギーを再び反対方向への運動へと変換されることで、ばね等の復元装置を用いることなく、復元力を発生させることができる。従って、建築物、機械、器物等の地震動に対するコンパクトな免震機構としてこのような免震装置が多用されている。
これらの免震構造においては、想定以上の振動入力が加わったり、地震以外の水平方向の外力が免震装置に働いた場合等に、免震装置902の転動体910が軌道920の転動方向の終端を超えて、脱輪することを防ぐために、ストッパー機構を設ける必要がある。
図17に上記の免震構造に採用されるストッパー機構の一例を示す。
ストッパー機構930は図17(b)、図17(c)に示すように、免震装置が備えられる支持体903と被支持体905の間に備えられる。ストッパー機構930は、支持体903と被支持体905にそれぞれ備えられる、係止体(ストッパー受けプレート)935、936と、これらを貫通して設置されるストッパー931からなる。
係止体935、936は鉄鋼材料等からなり、板材に曲げ加工により断面をハット形状に形成し、短手方向の中心に幅Qk、長手方向に長さLの長孔936aが設けられており、支持体903と、被支持体905にそれぞれ係止体固定ボルト937によって固定されている。この時、上記免震装置に備えられる、軌道が延びる方向と、長孔936aの長手方向を平行に、しかも支持体903に備えられる係止体935と被支持体905に備えられる係止体936を互いに直交させて配置する。
係止体935、936の長孔935a、936aを貫通するストッパー931はフランジボルトであるストッパーボルト931aと、フランジナットであるストッパーナット931bと、ストッパーボルト931aの軸に取り付けられた樹脂カラー931cからなり、前記免震装置の支持体と被支持体が相対運動を行う時の想定される鉛直方向の相対移動量よりガタQGを大きく設けて設置されている。
樹脂カラー931cの外径Qaは、係止体935、936の長孔幅Qkより小さく(Qa<Qk)、また、係止体935、936との摺動抵抗の少ない樹脂材質で形成されており、地震が発生し、支持体903と被支持体905が相対運動を行う際、ストッパー931が、係止体935、936に設けられた長孔935a、936aを滑動する。
係止体935、936に設けられた長孔935a、936aの長さQLは、前記免震装置の軌道の転動方向の長さより短く設定されており、これよって、水平方向のストロークを制限する。即ち、前記の免震装置の転動体が軌道の転動方向の終端を超えて、脱輪することを防ぐために、長孔935a、936aの長さQLは適当に設定されており、転動体が軌道の終端に到達する前に、ストッパー931が係止体の長孔935a又は936aの終端に到達することで、免震装置の水平方向のストロークを制限し、脱輪を防ぐことができる。
図18に免震装置902とストッパー機構が備えられた免震構造体901を示す。ストッパー機構930は、支持体(固定架台)903と被支持体(免震架台)905の間において、免震装置902の周辺に複数備えて配置する必要がある。このような構成を取ることによって、支持体903と被支持体905の相対運動を行う時の、ストッパー機構930の樹脂カラー931cと係止体935、936の間にかかる摺動抵抗による、支持体と被支持体間の水平面内のモーメントが打ち消し合うため、支持体903と被支持体905間の安定した相対運動が可能となる。また、ストッパー機構が働く場合においても、支持体903と被支持体905の水平方向の相対運動を安定的に抑制することができる。
特公平6−74609号公報
図18に示すように、上記のストッパー機構930は免震装置902の周辺に複数個設置する必要があるが、免震架台と固定架台の間には、より安定した免震性能を得るために複数個の免震構造を備えた、減衰機構を備える必要があり、また別途減衰装置を備える場合もあるため、スペースに余裕がなく、場合によっては免震構造が巨大化してしまう。
また、この免震構造は、支持体903と被支持体905が水平面内を相対的に回転してしまう動作も防ぐことできないため、回転を抑制する機構が別途必要となる場合がある。
加えて、地震発生時の免震架台と固定架台の相対運動の際にストッパー機構は、前記ストッパーボルトに備えられた樹脂カラーが摩擦抵抗を伴いながら摺動する構造であるために、埃や錆等によって、摺動抵抗が大きくなり、摺動時に振動が発生し、免震効果を損なう恐れがあった。
本発明は、以上の現状を鑑みなされた物であって、少ないスペースで免震構造を実現し、かつ、スムーズに動作することができるストッパーを備えた免震構造を提供するものである。
本発明の免震構造は、支持体と被支持体のいずれか一方に所定の軸線まわりに転動可能に支持される転動体を備え、前記支持体と前記被支持体の他方に、転動体と接触して転動方向に延在し、転動方向中央部が最低点又は最高点をなす凹状に形成された軌道と、を備え、転動方向中央部を基準位置とし、前記支持体と前記被支持体とが前記軌道に沿って基準位置より相対運動するに従って、前記支持体と前記被支持体とが鉛直方向に離間する免震構造において、前記支持体と前記被支持体のいずれか一方に、前記支持体と前記被支持体の他方側に鉛直に突出したストッパーを備え、前記ストッパーは、ストッパー軸とその先端に水平方向に突出部を形成した係止片とを有し、前記支持体と前記被支持体の他方にスリット上の開口部と該開口部よりうち幅の大きな中空部を有する長孔又は長溝を軌道と平行に形成し、前記ストッパー軸は、長孔又は長溝の開口部を通過させてその先端側の突出部を前記中空部に抜け止め自在に挿入し、前記支持体と前記被支持体のいずれか一方に、ストッパーを少なくとも二つ備え、前記ストッパーは、前記ストッパー軸に沿って係止片より先端側にコロを備えたことを特徴とするストッパー機構を備えている。
転がり型の免震構造において、支持体と被支持体の内いずれか一方に、長孔又は長溝を備え、他方側から突出し、その先端に突出部を有するストッパーをその中空部に収め、前記長孔又は長溝の開口部を狭めた構造を有することにより、転がり型の免震構造の働きによって、支持体と被支持体の水平方向の相対運動と伴に支持体と被支持体は鉛直方向に離間した際、係止部と突出部は鉛直距離に近接し、所定の位置で接触することとなり、前記支持体と前記被支持体の水平方向のストロークの制限を省スペースで実現した免震構造の提供が可能となる。
ストッパー軸の先端にコロを備え、このコロが、前記溝又は長孔内に収まっていることにより、前記支持体と、前記被支持体の軌道方向と垂直かつ水平方向の力が加わった場合においても、前記コロが、前記溝又は長孔の内面に接触することで、軌道方向と垂直かつ水平方向に脱輪することを防ぎ、しかも、前記支持体と前記被支持体のスムーズな相対運動を実現することができる。加えて、ストッパー二つ以上備えられていることで前記支持体と、前記被支持体の、水平面上における相対的な回転運動も、同様の働きによって、抑制し、しかもスムーズな相対運動を実現することができる。
設置面に固定された固定架台と、免震対象物が取り付けられる免震架台と、それらの間に介在する免震支承とを有し、前記固定架台を支持体とし、前記免震支承を被支持体として、請求項1又は2に記載の免震構造を構成し、第一免震構造部とし、前記免震支承を支持体とし、前記免震架台を被支持体として、請求項1又は2に記載の免震構造を構成し、第二免震構造部とし、前記第一免震構造部に備えられる転動体の軸線と、前記第二免震構造部に備えられる転動体の軸線とが交差して配置されることを特徴とする。
前記免震構造を、鉛直方向に積層した構成をとることにより、一方向のみの免震効果だけではなく、水平面上の各方向への振動に対して、免震効果を発揮することができる。
転がり型の免震構造において、支持体と被支持体の内いずれか一方に、長孔又は長溝を備え、他方側から突出し、その先端に突出部を有するストッパーをその中空部に収め、前記長孔又は長溝の開口部を狭めた構造を有することにより、転がり型の免震構造の働きによって、支持体と被支持体の水平方向の相対運動と伴に支持体と被支持体は鉛直方向に離間した際、係止部と突出部は鉛直距離に近接し、所定の位置で接触することとなり、前記支持体と前記被支持体の水平方向のストロークの制限を省スペースで実現した免震構造の提供が可能となる。
本発明の免震構造を備えた免震構造体を表す斜視図である。 本発明の第一実施形態である免震構造を備えた免震構造体を表す斜視図である。 図3は本発明の第一実施形態である免震構造を示す斜視図である。 図4(a)は、本発明の第一実施形態である免震構造を示す正面図である。図4(b)は図4(a)の免震構造体のA−A線における断面図である。 図5(a)は図4(b)に示すストッパー機構の断面の拡大図である。図5(b)は、第一実施形態において転動体の転動方向と垂直で水平方向の力が免震構造に加わった際の、ストッパー機構の動作を示す断面拡大図である。 図6(a)は本発明の第一実施形態である免震構造の水平方向のストロークが制限されている状態を示す正面図である。図6(b)は図6(a)で示したストローク制限がされている状態において、A’−A’線における断面図である。 本発明の第二実施形態である免震構造を備えた免震構造体を表す斜視図である。 本発明の第二実施形態である免震構造を示す斜視図である。 図9(a)は、本発明の第二実施形態である免震構造を示す正面図である。図9(b)は本発明の第二実施形態である免震構造を示す側面図である。 図10(a)は、図9(a)の免震構造体のC−C線での断面図である。図10(b)は図10(a)に示すストッパー機構の断面の拡大図である。 図11(a)は図9(b)の免震凹像体のD−D線での断面図である。図11(b)は図11(a)に示すストッパー機構の断面の拡大図である。 図12(a)は本発明の第二実施形態である免震構造の第二免震構造部のストッパー機構が働いた状態における、第一免震構造部のストッパー軸を中心に断面を取った断面図である。図12(b)は、第二免震構造部のストッパー機構が働いた状態における、第二免震構造部のストッパー軸を中心に断面をとった断面図である。 図13(a)は本発明の第二実施形態である免震構造の第一免震構造部のストッパー機構が働いた状態における、第二免震構造部のストッパー軸を中心に断面を取った断面図である。図13(b)は、第一免震構造部のストッパー機構が働いた状態における、第一免震構造部のストッパー軸を中心に断面をとった断面図である。 本発明の第二実施形態である免震構造において抑制可能なモーメントを示した斜視図である。 本発明の免震構造の変化例を示す断面図である。 図16(a)は従来構造の免震装置を示す正面図である。図16(b)は従来構造の免震装置を示す平面図である。 図17(a)は従来構造のストッパー機構を示す平面図である。図17(b)は従来構造のストッパー機構を示す正面図である。図17(c)は従来構造のストッパー機構を示す側面図である。 従来構造の免震装置とストッパー機構を備えた免震構造体を示す平面図である。
以下に本発明の実施形態について説明を行う。
図1は、本実施形態の免震構造1を備えた免震構造体100の全体を表す斜視図であり、これに示すように免震構造体100は、所定の厚さを有する略板状に形成された装置であり、免震対象物7を設置面6に設置する際に、免震対象物7と設置面6との間に配置される。
免震構造体100は、設置面6に載置される固定架台3と、固定架台3の上方に重ねて配置され、免震対象物7が設置される免震架台5と、それらの間に介在する免震構造1が備えられている。本実施形態の免震対象物7は、例えば半導体製造装置等である。
固定架台3は、設置面6に固定架台固定具3aによって剛性を持って固定されており、地震発生時においては、設置面6とともに振動する。図1において、固定架台3は略長方形であり、しかも免震架台5と同形状であるが、必ずしもその必要はなく、設置面6の形状等に合わせて適当な形状となっておればよい。一例として井桁状に組み合わせたH鋼であっても良い。
免震架台5は、平面視で略長方形状に形成された、所定の厚さを有する略板状の部材であり、例えば金属等により形成されている。免震架台5の外形は、免震対象物7に合わせた形状であることが望ましく、その上面は免震対象物7を取り付けることができるように平坦に形成されている。
免震構造1は、固定架台3と免震架台5の間に複数個介在しており、固定架台3又は免震架台5とを相対運動させることにより、免震構造体100に免震効果を与えている。
(第一実施形態)
図2は本発明の第一実施形態である免震構造1を備えた免震構造体100の一例を示す。第一実施形態の免震構造1は本発明の原理を説明するものである。
ここで説明する免震構造1は図2中X方向の免震のみを果たしている。水平面状の各方向への振動に対応させるためには、この免震構造1をその転動方向を交差させて、鉛直方向に積み重ねることで対応することが可能である。免震構造1を鉛直方向に複数個積み重ねた構造については、第二実施形態において説明を行う。
図2に示すように、第一実施形態に係る免震構造1は、固定架台3と免震架台5の間に複数備えられることで、免震構造体100を構成し、固定架台3と免震架台5のお互いの平行を保つ。また、第一実施形態おいて、免震構造体100に備えられるすべての免震構造1の転動体10の軸線10aは平行である。
また、図には示されていないが、この免震構造体100は、流体ダンパ等の減衰装置を備えていてもよい。その場合、減衰装置の働きによって、免震構造体100はより早く振動を停止させることができる。
図3は図2に示した免震構造1のうちの1つを示す図であり、図6は図3に示す免震構造1に、図3中X方向の振動が加わった場合の動作を示す。これらの図を用いて免震構造1の詳細を説明する。
図3に示すように、免震構造1は支持体として固定架台3が、被支持体として免震支承4が備えられており、免震支承4は免震対象物が取り付けられる免震架台5と剛性を持って固定されている。免震支承4は水平方向に延びた軸線10aを中心として自由に回転可能に支持される一対の転動体10を有している。
免震支承4の転動体10の支持構造は、免震支承4に固定されたロッド状の軸に、ベアリング機構で、円柱形状の転動体10を回転自在に支持した構造である。
一対の転動体10は、固定架台3に平行に備えられた一対の軌道20に載置されている。軌道20は前記転動体10の軸線10aと垂直方向に延びており、転動体10は図3中のX方向に転動可能である。それにより免震支承4は固定架台3に対して低抵抗な相対運動が可能となる。
転動体10はその円形外面にその外径を大きくしたフランジ10bを備えており、そのフランジ10b同士の距離は、一対の平行に配置された軌道20同士の水平距離よりわずかに狭く設定されており、これによって、転動方向と垂直な力である、図3中Y方向の力が、免震構造1に加わった際に転動体10の軌道20に対する脱輪を防ぐことができる。
軌道20の案内面20aは、図4(a)に示すように、長さ方向中央が最低点となる凹状の形状を有している。即ち、案内面20aは中央部を最低点として、その両側に向かってそれぞれ上昇するように傾斜した形状を有する。転動体10が軌道20を転動すると徐々に被支持体である免震支承4を上昇させるようになっている。
地震等による振動のない定常状態においては、被支持部材である免震支承4に設けられた転動体10は、最低点に位置している(図4(a))。この状態を基準位置と呼ぶこととする。
図6(a)に示すように、地震発生などにより、設置面から図3〜6中のX方向の振動が入力され、固定架台3がX方向に振動したとき、免震支承4は基準位置から水平方向に移動するとともに、鉛直方向にも移動し、図4(a)と図6(a)を比較してわかるように、軸線10aと固定架台3の上面との鉛直距離Hは大きくなっていき、その重量に従った復元力を発生することになる。免震支承4の基準位置からの水平方向の変位に対する復元力の関係は、転動体10が転動する案内面20aの曲面に依存し、例えば案内面20aが直線的な傾斜を有する平面である場合はその復元力は、水平方向の変位に依存せずに一定であって、2次曲線からなる傾斜を有する場合などは、その復元力は水平方向の変位に比例して大きくなる。
また、図4(a)のA−Aに沿った断面図である図4(b)及び、その部分拡大図である図5(a)に示すように、この免震構造1にはストッパー機構30が備えられている。ストッパー機構30は、固定架台3の長孔3bとその開口部を狭めている係止体35と、免震支承4に備えられるストッパー31からなり、免震構造1に二つ備えられる。
固定架台3には、前記一対で平行に配置された軌道20の中間に、軌道20と平行に係止体35が備えられている。係止体35はプレート状でその短手方向中央に、前記軌道20と平行で幅がKの長孔(開口部)35aが設けられている。また、固定架台3の係止体35が備えられる部分には、前記長孔35aと平行でその幅Lが、係止体35の長孔35aの幅Kより大きく形成された長孔3bが設けられており(K<L)、長孔3bは係止体35に覆われた構成を有しその内部に中空部3dを形成する。これらの構造を有することにより、図4(b)及び、そのストッパー機構30の部分拡大図である図5(a)で示すように、固定架台3の長孔3bの開口部が、係止体35によって狭められ、係止体35の下面に係止部35bが形成されている。
免震支承4に備えられる少なくとも2つのストッパー31に関して、図5(a)を基に説明する。ストッパー31は、ストッパー軸31aの先端に、コロ31c、円板状の係止片31bを組み合わせており、ストッパー軸31aが前記係止体35の長孔(開口部)35aを貫通し、その先端の係止片31bとコロ31cが、前記固定架台3の長孔3bの中空部3dに収まった構成を有する。
コロ31cはベアリングでなっており、その内輪31dをストッパー軸31aに圧入によって固定され、内輪31dの外側を転動可能なボール31eを介して外輪31fが備えられている。即ち、ストッパー軸31aに対して、外輪31fが回転運動可能に構成されている。コロ31cの外径dは、前記固定架台3の長孔3bの幅Lより小さく形成されており(d<L)、コロ31cの外輪31fと長孔3bの孔内面の内、長手方向に延びる2平面のいずれか一方には隙間が生じる。
図5(b)に示すように、コロ31cの外輪31fが長孔3bの孔内面の内、一方に接触し、免震支承4と固定架台3が相対運動する場合は、コロ31cの外輪31fがストッパー軸31aを中心に転動するため、その低抵抗でスムーズな相対運動を実現することができる。
一方ストッパー軸31aの外径aは、係止体35の長孔(開口部)35aの幅Kより小さく、しかも、その隙間K−aは、前記コロ31cの外径dと固定架台3の長孔3bの幅Lとの隙間L−dより大きく形成されており(K−a>L−d)、コロ31cの外輪31fが、長孔3bの孔内面に接触する場合にも、ストッパー軸31aと係止体35とは隙間が確保されており、ストッパー軸31aは係止体35に接触しない。
従って、地震等による振動が入力され、固定架台3と免震支承4が図3〜6中X方向に相対運動を行っていると同時に、免震支承4に図3〜6中+Y方向又は−Y方向の外力が加わり、免震支承4が、免震架台5に対して、図3〜6中+Y方向に変位したとしても、その外力はストッパー31に備えられたコロ31cの外輪31fで受けることとなり、免震支承4に備えられる転動体10の+Y方向又は−Y方向の脱輪を防ぐことができる。更にコロ31cの外輪31fはストッパー軸31aに対して回転可能であるため、コロ31cの外輪31fは固定架台3の長孔3bの内面上を転動し、この場合においても、固定架台3と免震支承4のスムーズな相対運動を実現することができる。
同様に、地震等による振動が入力され、固定架台3と免震支承4が図3〜6中X方向に相対運動を行っていると同時に、免震支承4にZ軸周りのモーメントが働いた場合であっても、免震支承4には少なくとも2つのストッパー31が備えられているために、それぞれのストッパー31に備えられたコロ31cが、固定架台3の長孔3bの長手方向に延びた内面のうち、別々の面に接することで、免震支承4の、固定架台3に対する回転を抑制しつつ、固定架台3と免震支承4のスムーズな相対運動を実現することができる。
ストッパー31に備えられた係止片31bは、略円形の外形を有し、その中心にストッパー軸31aの外径aと略同形状の孔を有するドーナツ板状のプレートである。その外径bは前記係止体35の長孔(開口部)35aの幅Kよりも大きく、前記コロ31cの外径dよりも小さく形成されている(K<b<d)。また係止片31bはストッパー軸31aに圧入等による固定がなされており、組み付け時には、前記コロ31cの圧入後に係止片31bを圧入する。
係止片31bには水平方向に突出部31baが形成され、前記基準位置(免震支承4に備わる転動体10が、固定架台3に備わる軌道20の最低点に配置されている定常状態)において、この係止片31bの突出部31baの上面と、係止体35の下面に形成された係止部35bと間に鉛直距離Jは、図4(a)に示す前記軌道20の案内面20aの形状における最低点と最高点の鉛直距離Iより小さく設定されている(J<I)。
即ち、固定架台3と免震支承4との図3〜6中X方向の相対運動によって、転動体10が軌道20の長さ方向端部を超えて、脱輪しようとするとき、ストッパー機構30において、係止体35の係止部35bと係止片31bの突出部31baの上面が近接し、鉛直距離Jが小さくなりやがて接触することで固定架台3と免震支承4の鉛直方向の相対運動が阻害され、これに伴い水平方向の相対運動も抑制され、転動体10が軌道20を超えて脱輪することを抑止することができる。
ストッパー軸31aは、免震支承4の下面で、その軸線方向の中央に、軌道20の長さ方向と平行に並べて配置された、ストッパー取り付け穴4aに固定されている。その固定方法は、ストッパー取り付け穴4aにストッパー軸31aを圧入する方法、ストッパー軸31aにおねじ加工を施し、ストッパー取り付け穴4aにめねじ加工を施し、ねじ止めする方法などあるが、いずれの方法においても、前記の係止片31bの突出部31baの上面と係止体35の係止部35bとの鉛直距離Jを適当に設定するために、ストッパー軸31aの突出長さが適切となるように固定される必要があり、図には示されていないが例えば、ストッパー軸31aの軸部に段差を設けて当たり面とするなどの工夫が必要である。
また、ストッパー軸31aは、その一端にコロ31cと係止片31bを圧入するため、コロ31cと係止片31bを取り付ける端部は、圧入時の当たり面となる、鍔部31gが形成されている。
第一実施形態における免震構造1に地震などによってX方向の振動が入力された場合の、免震構造1の挙動に関して、図6を基に具体的に説明を行う。
図6(a)に示すように、X方向の振動を受け流すために免震支承4及び免震支承4に固定された免震架台5は固定架台3に対して相対運動を行う。即ち、固定架台3に備えられた軌道20上を免震支承4に備えられた転動体10が転動し、免震支承4が図6において固定架台3に対して−X方向に相対運動する。
軌道20の案内面20aは、基準位置を最低点として、傾斜を有しており、転動体10が軌道20を転動するに従って、免震支承4は徐々に鉛直方向に持ち上げられる。これによって、軸線10aと固定架台3の鉛直距離Hは徐々に大きくなり、それに従って、係止片31bの突出部31baの上面と係止体35の係止部35bの鉛直距離Jは徐々に小さくなってやがて接触する。図6(b)は図6(a)に示すストッパー31の軸線上でY−Z平面と平行なA’−A’平面で断面をとった断面図である。図6(b)に示すように、係止片31bが係止体35に接触することで、免震支承4の鉛直方向の動作は制限され、また、免震支承4は、転動体10が軌道20を転動することで動作するため、軌道20が鉛直方向に傾斜面を有する以上、鉛直方向の動作を制限されると同時に、水平方向の動作も制限され、これによって、転動体10が軌道20の長さ方向の端部に達することがなく、即ち脱線を防ぐことができる。
(第二実施形態)
第一実施形態では、本発明の作用効果を明瞭に説明する目的で一方向の免震効果のみを実現した構造に関して説明を行った。しかし、地震の振動方向をあらかじめ予測することは困難であるため、一般的に水平面であるXY平面上において、全方向の振動に対応する免震構造が求められている。
ここでは第二実施形態として、第一実施形態で示した免震構造と、原理を同じくし、水平面であるXY平面上のいかなる方向の振動に対しても、免震効果を発揮することができる構造を提案する。
図7に示すように、第二実施形態の免震構造1Aは、第一実施形態の免震構造1と同様に、固定架台3と免震架台5の間に複数備えられることで、免震効果を発揮することができる。免震構造体100に免震構造1を複数備えることで、固定架台3と免震架台5のお互いの平行を保つ。
図8は図7に示した免震構造1Aのうちの1つを示す図であり、これを基に免震構造1Aの詳細を説明する。
図8に示すように、免震構造1Aは、第一実施形態で示した免震構造を、鉛直方向に積層した構造を有している。第一免震構造部として、固定架台3を支持体として免震支承4を被支持体として構成され図8中X方向の免震を行い、第二免震構造部として、免震支承4を支持体として固定架台3を被支持体として構成され図8中Y方向の免震を行う。
免震支承4には、二対の転動体10、11が備えられており、転動体10は軸線10aを中心に、転動体11は軸線11aを中心に回転可能に保持されている。尚、軸線10aと軸線11aはそれぞれ直交している。転動体10、11の保持構造は、免震支承4に固定されたロッド状の軸に、ベアリング機構で、円柱形状の転動体10、11を回転自在に支持した構造である。
図9(a)に示すように、図8〜13中X方向の免震を果たす第一免震構造部は第一実施形態に示した構造と同様であり、免震架台5に固定され、X方向に延びる一対の軌道20上を、免震支承4に備えられた一対の転動体10が転動し、固定架台3と免震支承4がX方向に相対運動を行うことで免震効果を得ることができる。転動体10は、Y方向に延びた軸線10aを中心に、免震支承4に回転可能に保持されている。また、軌道20の案内面20aは長さ方向の中央が最低点となる凹状の曲面形状を有している。即ち、中央部を最低点として、その両側に向かって上昇するように傾斜した形状を有し、転動体10が軌道20を転動すると徐々に免震支承4を上昇させる。
地震等による振動がない定常状態においては、転動体10は最低点に位置しており、この状態を第一免震構造部の基準位置と呼ぶこととする。地震などにより振動が、固定架台3に加わると、転動体10は第一免震構造部の基準位置より、軌道20上を転動し、固定架台3と免震支承4は、図8〜13中X方向の相対運動をすると同時に、免震支承4は鉛直方向(図8〜13中Z方向)にも移動し、転動体10の軸線10aと固定架台3の鉛直距離H1が大きくなっていき、重量に従った復元力を発生する。このようにして、免震構造1Aは図8〜13中のX方向の免震効果を得ている。
また、図9(a)のC−C線に沿った断面を取った、図10(a)及びその部分拡大図である図10(b)に示すように、第一免震構造部は、X方向のストロークを制限するストッパー機構30の構造においても第一実施形態に示した構造と同様である。ストッパー機構30は、固定架台3の長孔3bとその開口部を狭めている係止体35と、免震支承4に備えられるストッパー31からなり、長孔3bの中空部3dにストッパー31の係止片31bとコロ31cを抜け止め自在に挿入した構造を有し、免震構造1Aの第一免震構造部に二つ備えられる。
転動体10の軸線10aと固定架台3の鉛直距離H1が大きくなるに従い、係止体35の係止部35bと、ストッパー31に備えられる係止片31bの突出部31baの鉛直距離J1が小さくなり、やがて接触することで、固定架台3と免震支承4の鉛直方向のストロークを制限し、それによって図8〜13中X方向のストロークも制限することができる。
図9(b)に示すように、図8〜13中Y方向の免震を果たす第二免震構造部は第一実施形態に示した構造を、上下反転させたものであり、固定架台3に固定され、Y方向に延びる一対の軌道21上を、免震支承4に備えられた一対の転動体11が転動し、免震架台5と免震支承4がY方向に相対運動を行うことで免震効果を得ることができる。転動体11は、X方向に延びた軸線11aを中心に、免震支承4に回転可能に保持されており、前記の軸線11aと直角に交差している。また、軌道20は前記軌道21を上下に逆転して免震架台5に備えられており、その案内面21aは長さ方向の中央が頂点となる凹状の曲面形状を有している。即ち、中央部を最高点として、その両側に向かって下降するように傾斜した形状を有し、転動体10が軌道20を転動すると徐々に免震架台5を上昇させる。
地震等による振動がない定常状態においては、転動体11は軌道21の中央部、即ち凹形状の頂点(凹形状の最高点)に位置しており、即ち、転動体11の軸線11aと免震架台5の鉛直距離H2は、最も小さくなっている。この状態を第二免震構造部の基準位置と呼ぶこととする。地震などにより振動が、固定架台3に加わると、転動体11は第二免震構造部の基準位置より、軌道21上を転動し、免震支承4と免震架台5は、図8〜13中Y方向の相対運動をすると同時に、免震支承4は鉛直方向(図8〜13中Z方向)にも移動し、軸線11aと免震架台5の鉛直距離H2が大きくなっていき、重量に従った復元力を発生する。このようにして、免震構造1Aは図8〜13中のY方向の免震効果を得ている。
また、図9(b)のD−D線に沿った断面を取った、図11(a)及びその部分拡大図である図11(b)に示すように、第二免震構造部は、Y方向のストロークを制限するストッパー機構30の構造においても第一実施形態に示した構造を上下反転したものである。ストッパー機構30は、免震架台5の長孔5bとその開口部を狭めている係止体36と、免震支承4に備えられるストッパー32からなり、長孔5bの中空部5dにストッパー32の係止片32bとコロ32cを抜け止め自在に挿入した構造を有し、免震構造1Aの第二免震構造部に二つ備えられている。
転動体11の軸線11aと固定架台3の鉛直距離H2が大きくなるに従い、係止体36の係止部36bと、ストッパー32に備えられる係止片32bの突出部32baの鉛直距離J2が小さくなり、やがて接触することで、免震架台5と免震支承4の鉛直方向のストロークを制限し、それによって図8〜13中Y方向のストロークも制限することができる。
以上の構成を有する第二実施形態の免震構造について、地震発生時の動作を図12及び図13を基に説明する。
図12(a)は図8に示した免震構造1Aに地震等による振動入力が加わり、免震架台5に備えられた軌道21が延びる方向(図8〜13中のY方向)への免震効果を発揮し、免震架台5が固定架台3に対して、+Y方向に相対的に変位した時の、図10(a)と同じ断面をとった断面図である。また、図12(b)は、この時の、図11(a)と同じ断面を取った断面図である。
図12(a)に示すように、免震構造1Aの免震架台5は、免震支承4に備えられた転動体11が軌道21上を転動し、Y方向の振動を受け流している。この時、免震架台5に備えられた軌道21は、長さ方向の中央部が頂点となるような、凹状の形状を有しているため、転動体11が軌道21を転動するに従って、免震架台5は鉛直方向(図8〜13中Z方向)に移動する。
図12(b)に示すように、免震支承4の上方に備えられたストッパー32の係止片32bの突出部32baと免震架台5に備えられた係止体36の係止部36bが免震支承4と免震架台5の鉛直方向の相対運動を抑止すように接触する。これによって、免震支承4と免震架台5の水平方向(図12中Y方向)の動作も抑止され、Y方向のストロークが制限されることによって、転動体11が軌道21の終端を超えて脱輪することを防ぐことができる。
更にこの時、免震支承4は、免震構造1Aに加えられたY方向の振動によって、図12中Y方向に、転動体10が軌道20上を、その転動方向とは垂直方向にずれるように移動する(図12(a))。この時、免震支承4の下方に備えられたストッパー31は、固定架台3に設けられた長孔3bの内側面の内、図8〜13中X−Z平面と平行で+Y方向に位置する面に、そのコロ31cを接触させて、免震支承4に備えられる転動体10が固定架台3に備えられる軌道20から、水平面上で転動方向と垂直方向に脱輪することを防いでいる。
加えて、転動体10はその円形外面にその外径を大きくしたフランジ10bを備えており、そのフランジ10b同士の距離は、一対の平行に配置された軌道20同士の水平距離よりわずかに狭く設定されており、これらによって、軌道20の転動方向と垂直な力である、図8〜13中Y方向の力が、免震構造1に加わった際に転動体10の軌道20に対する転動方向と垂直方向の脱輪を予備的に防いでいる。
図13(a)は図8に示した免震構造1Aに地震等による振動入力が加わり、免震架台5に備えられた軌道20が延びる方向(図8〜13中のX方向)への免震効果を発揮し、免震支承4が固定架台3に対して、−X方向に相対的に変位した時の、図11(a)と同じ断面をとった断面図である。また、図12(b)は、この時の、図10(a)と同じ断面を取った断面図である。
図13(a)に示すように、免震構造1Aの免震架台5は、免震支承4に備えられた転動体10が軌道20上を転動し、X方向の振動を受け流している。この時、免震架台5に備えられた軌道21は、長さ方向の中央部が最低点となるような、凹状の形状を有しているため、転動体10が軌道20を転動するに従って、免震架台5は鉛直方向(図8〜13中Z方向)に移動する。
図13(b)に示すように、免震支承4の下方に備えられたストッパー31の係止片31bの突出部31baと固定架台3に備えられた係止体35の係止部35bが免震支承4と固定架台3の鉛直方向の相対運動を抑止すように接触する。これによって、免震支承4と固定架台3の水平方向(図12中X方向)の動作も抑止され、X方向のストロークが制限されることによって、転動体10が軌道20の終端を超えて脱輪することを防ぐことができる。
更にこの時、免震支承4は、免震構造1Aに加えられたX方向の振動によって、図12中X方向に、転動体11が軌道21上を、その転動方向とは垂直方向にずれるように移動する(図13(a))。この時、免震支承4の上方に備えられたストッパー32は、免震架台5に設けられた長孔5bの内側面の内、図12中Y−Z平面と平行で+X方向に位置する面に、そのコロ32cを接触させて、免震支承4に備えられる転動体11が免震架台5に備えられる軌道21から、水平面上で転動方向と垂直方向に脱輪することを防いでいる。
加えて、転動体10はその円形外面にその外径を大きくしたフランジ11bを備えており、そのフランジ11b同士の距離は、一対の平行に配置された軌道21同士の水平距離よりわずかに狭く設定されており、これらによって、転動方向と垂直な力である、図8〜13中X方向の力が、免震構造1に加わった際に転動体11の軌道21に対する転動方向と垂直方向の脱輪を予備的に防いでいる。
ところで、免震構造1Aに加わる地震等による水平方向の振動は、水平面をX−Y平面とするとき、X方向の成分と、Y方向の成分に分解することが可能である。免震構造1Aは、X方向及びY方向の振動を、それぞれ免震可能であるため、水平方向のいかなる方向の振動に対しても免震効果を得ることができる。
更に、免震構造1Aに何らかの外力が加わり、図14に示すようなZ軸周りのモーメントTが加わった場合、免震支承4の下方には少なくとも2つのストッパー31が備えられているために、それぞれのストッパー31に備えられたコロ31cが、固定架台3の長孔3bの長手方向に延びた内面のうち、別々の面に接することで、免震支承4の、固定架台3に対する回転を抑制しつつ、固定架台3と免震支承4のスムーズな相対運動を実現することができる。
同時に免震支承4の上方に備えられた少なくとも2つのストッパー32のそれぞれのコロ31cが、免震架台5の長孔5bの長手方向に延びた内面の内、別々の面に接することで、免震架台5の、免震支承4に対する回転を抑制しつつ、免震架台5と免震支承4のスムーズな相対運動を実現することができる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、係止体35、36は固定架台3又は免震架台5と別部材として構成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られたものではなく、固定架台3又は免震架台5の長孔3b、5bの開口部を狭める構成を有していればよく、例えば固定架台3又は免震架台5の長孔3b、5bの開口部を加工によって狭めた構造であっても良い。
また、上述の実施形態では、固定架台3及び免震架台5に設けられた長孔3b、5bは固定架台3又は貫通した孔であったが、底部を有する溝であっても良い。具体的に以下に説明する。
(変形例)
図15は、第一実施形態及び第二実施形態の変形例における、ストッパー機構の断面図であって、第一実施形態のストッパー機構を示す図5(a)及び第二実施形態のストッパー機構を示す図10(b)、図11(b)の構造に対応している。尚、上述の実施形態と同一態様については、同一符号を付して説明する。
第一実施形態及び第二実施形態において、図5(a)及び図10(b)の固定架台3に備えられる長孔3bは、図15に示すように底部3gを有する長溝3cであっても良い。同様に図11(b)の免震架台5に備えられる長孔5bにおいても、底部を有する長溝であっても良い。
1、1A・・・免震構造(支持体)
3・・・固定架台
3a・・・固定架台固定具
3b、5b・・・長孔(中空部)
3c・・・長溝
3d、5d・・・中空部
3g・・・長溝底部
4・・・免震支承(被支持体)
4a・・・ストッパー取り付け穴
5・・・免震架台
6・・・設置面
7・・・免震対象物
10、11、910・・・転動体
10a、11a・・・軸線
10b、11b・・・フランジ
20、21、920・・・軌道
20a、21a・・・案内面
30、930・・・ストッパー機構
31、32、931・・・ストッパー
31a、32a・・・ストッパー軸
31b、32b・・・係止片
31ba、32ba・・・突出部
31c、32c・・・コロ
31d、32d・・・内輪
31e、32e・・・ボール
31f、32f・・・外輪
31g・・・ストッパー軸鍔部
35、36、935、936・・・係止体(浮き上がり防止プレート)
35a、36a、935a、936a・・・係止体長孔(開口部)
35b、36b・・・係止部
100、901・・・免震構造体
902・・・免震装置
903・・・支持体(従来構造、固定架台)
904・・・中間体(従来構造、免震支承)
905・・・被支持体(従来構造、免震架台)
931a・・・ストッパーボルト
931b・・・ストッパーナット
931c・・・樹脂カラー
937・・・係止体固定ボルト
H、H1、H2・・・支持体被支持体間鉛直距離
I・・・軌道最低点最高点間距離
J、J1、J2・・・係止体係止片間鉛直距離
K・・・係止体長孔幅
L・・・固定架台孔幅、免震架台溝幅
QG・・・ガタ
QH・・・水平面間距離
QL・・・係止体長孔長さ
Qa・・・樹脂カラー外径
Qk・・・係止体長孔幅
a・・・ストッパー軸径
b・・・係止片外径
d・・・コロ外径

Claims (2)

  1. 支持体と被支持体のいずれか一方に所定の軸線まわりに転動可能に支持される転動体を備え、
    前記支持体と前記被支持体の他方に、転動体と接触して転動方向に延在し、転動方向中央部が最低点又は最高点をなす凹状に形成された軌道と、を備え、
    転動方向中央部を基準位置とし、前記支持体と前記被支持体とが前記軌道に沿って基準位置より相対運動するに従って、前記支持体と前記被支持体とが鉛直方向に離間する免震構造において、
    前記支持体と前記被支持体のいずれか一方に、前記支持体と前記被支持体の他方側に鉛直に突出したストッパーを備え、
    前記ストッパーは、ストッパー軸とその先端に水平方向に突出部を形成した係止片とを有し、
    前記支持体と前記被支持体の他方にスリット上の開口部と該開口部よりうち幅の大きな中空部を有する長孔又は長溝を軌道と平行に形成し、
    前記ストッパー軸は、長孔又は長溝の開口部を通過させてその先端側の突出部を前記中空部に抜け止め自在に挿入し
    前記支持体と前記被支持体のいずれか一方に、ストッパーを少なくとも二つ備え、前記ストッパーは、前記ストッパー軸に沿って係止片より先端側にコロを備えたことを特徴とするストッパー機構を備えた免震構造。
  2. 設置面に固定された固定架台と、免震対象物が取り付けられる免震架台と、それらの間に介在する免震支承とを有し、
    前記固定架台を支持体とし、前記免震支承を被支持体として、請求項1に記載の免震構造を構成し、第一免震構造部とし、
    前記免震支承を支持体とし、前記免震架台を被支持体として、請求項1に記載の免震構造を構成し、第二免震構造部とし、
    前記第一免震構造部に備えられる転動体の軸線と、
    前記第二免震構造部に備えられる転動体の軸線とが交差して配置されることを特徴とする免震構造。
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