JP6604810B2 - 回転慣性質量ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、回転慣性質量ダンパに関する。
機器や建屋等の構造物の耐震性能を向上させる一つの方策として、免震構造の適用が挙げられる。免震構造では、対象となる構造物を免震装置上に設置することで、地震時に免震装置が変形してエネルギー吸収し、対象の構造物に入力される地震荷重が低減される。
免震装置は免震化対象の構造物を支持する支持性能、地震時のエネルギーを吸収する減衰性能、地震時によって生じる変位に対して元の位置に戻ろうとする復元性能を有するものである。免震装置として、例えば、積層ゴムや、すべり支承、直動転がり支承、オイルダンパ、鋼材ダンパ、コイルばね、回転慣性質量ダンパ等が挙げられ、これらの組み合わせも含めて様々な形式のものが提案され、実際に使用されている。
回転慣性質量ダンパは、減衰性能を有する免震装置であり、免震部と非免震部の間に設置され、地震作用時の免震部と非免震部の相対変位に比例した慣性抵抗力を発揮し、免震部の地震時の応答を制動する。回転慣性質量ダンパでは、ボールねじ機構によって免震部と非免震部の相対変位を生じる直進運動が回転運動に変換され錘(質量)が回転することで慣性抵抗力が発生する。ボールねじ機構は、ボールねじ軸とスライダそれぞれがらせん状の溝を有しており、ボールねじ軸とスライダの溝が対向する範囲でボールを介して荷重が伝達されることで、スライダの直進運動がボールねじ軸の回転運動に変換される。
回転慣性質量ダンパでは、ボールねじ軸を固定する軸受とボールねじ軸上をボールねじ軸の回転に伴って軸方向に動作するスライダが免震部或いは非免震部への固定部分となっており、軸受とスライダ間に作用する免震部と非免震部の相対変位がボールねじの軸方向変位として入力され、ボールねじで回転運動に変換されて錘に伝達される。ボールねじ機構による直進運動と回転運動には(1)式で示される関係があり、ボールねじ軸における溝の間隔であるリードLdによって相対変位xと錘の回転角の関係が設定される。
Figure 0006604810
ここで、x: 免震部と非免震部の相対変位、 Ld:リード、θ: 錘の回転角である。
また、回転慣性質量ダンパによって得られる慣性抵抗力は、錘の慣性モーメントおよび錘に生じる角運動量の変化から(2)式で求められる。(2)式から、回転慣性質量ダンパにより得られる慣性抵抗力Pが、免震部と非免震部の錘の慣性モーメントIθおよび相対加速度aに比例することが分かる。
Figure 0006604810
ここで、P: 慣性抵抗力、 Ld: リード(ねじ軸のピッチ)、 Iθ: 錘の慣性モーメント、 a: 免震部と非免震部の相対加速度である。
この原理を利用した回転慣性質量ダンパが特許文献1に記載されている。特許文献1では、スライダ部を対向させて直交に配置した2つの回転慣性質量ダンパを用いることで免震部の水平二次元の地震に対応し、ボールねじ軸に沿って外側に配置されるガイドレールによってスライダ部に作用するボールねじ軸に直交方向の荷重を受けることで、ボールねじ機構の正常動作を妨げる要因となるボールねじ軸の曲げ変形を抑制する回転慣性質量ダンパが開示されている。
特開2012-127374号公報
回転慣性質量ダンパへの入力荷重となる地震動は交番性を有しており、特に荷重の方向が逆転する瞬間では入力荷重がボールねじ軸にスラスト荷重として作用するため、ボールねじ軸の座屈が懸念される。ここで、座屈発生荷重はオイラー式である(3)式により求められる。
Figure 0006604810
ここで、Pk:座屈発生荷重、l:荷重作用点間距離、E:ボールねじ軸のヤング率、I:ボールねじ軸の断面二次モーメント(I=πd4/64)、d:ボールねじ軸の谷部径、n:ねじ軸の支持方法によって定まる係数である。
(3)式からボールねじ軸の強度に関する係数であるヤング率Eが大きい程、或いはボールねじ軸の断面積が大きい程、座屈発生荷重は大きくなる。一方、荷重作用点間距離lが大きいほど座屈発生荷重が小さくなる、つまり座屈が生じやすくなる。したがって、免震部と非免震部の相対変位が大きい免震構造へ対応するためボールねじ軸長を長くする場合には荷重作用点間距離lが大きくなることで、また、設計検討レベルの地震動を超える過大な地震動が作用した場合には荷重が座屈発生荷重を上回ることで、ボールねじ軸の座屈が発生するという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ボールねじ軸の座屈を防止することができる回転慣性質量ダンパを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ねじ軸と、前記ねじ軸に固定される錘と、前記ねじ軸を支持する第1軸受と、前記ねじ軸を支持する第2軸受と、前記第1軸受と第2軸受の間に配置され、前記ねじ軸を貫通するねじ孔を有するスライダと、前記ねじ孔の内周面と前記ねじ軸の間に配置される第1ボールと、前記第1軸受と前記スライダの間に配置され、前記ねじ軸を貫通する孔を有する少なくとも1つの第1スタビライザと、前記第2軸受と前記スライダの間に配置され、前記ねじ軸を貫通する孔を有する少なくとも1つの第2スタビライザと、前記第1スタビライザ、前記スライダ、及び前記第2スタビライザを前記ねじ軸の軸方向にガイドし、前記第1スタビライザ、前記スライダ、及び前記第2スタビライザの前記ねじ軸に直交する方向の変位を拘束するガイドレールと、前記第1軸受、前記第1スタビライザ、前記スライダ、前記第2スタビライザ、及び前記第2軸受を直列に接続する複数のばねと、を備える。
本発明によれば、ボールねじ軸の座屈を防止することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態による回転慣性質量ダンパの免震構造を示す立断面図である。 図1に示す回転慣性質量ダンパの別の立断面図である(荷重印加後)。 図1に示す回転慣性質量ダンパの免震構造を示す平面図である。 図1に示す回転慣性質量ダンパの別の平面図である(荷重印加後)。 図1に示す回転慣性質量ダンパの詳細な構成を示す平面図である。 図1に示す回転慣性質量ダンパの詳細な構成を示す別の平面図である(荷重印加後)。 回転慣性質量ダンパを図5に示すI‐I’矢視から見た立断面面図である。 回転慣性質量ダンパを図5に示すII‐II’矢視から見た立断面図である。 回転慣性質量ダンパを図5に示すIII‐III’矢視から見た立断面図である。 回転慣性質量ダンパを図7に示すI‐I’矢視から見た立断面図である。 回転慣性質量ダンパを図7に示すII‐II’矢視から見た立断面図である。 回転慣性質量ダンパを図7に示すIII‐III’矢視から見た平面断面図である。 回転慣性質量ダンパを図7に示すIV‐IV’矢視から見た平面断面図である。 本発明の第2実施形態による回転慣性質量ダンパの免震構造を示す平面図である。 図14に示す回転慣性質量ダンパの免震構造を示す別の平面図である(荷重印加後)。 回転慣性質量ダンパを図14に示すI‐I’矢視から見た立断面図である。 回転慣性質量ダンパを図14に示すII‐II’矢視から見た立断面図である。 本発明の第3実施形態による回転慣性質量ダンパの免震構造を示す平面図である。
以下、図面を用いて、本発明の第1〜第3実施形態による回転慣性質量ダンパの構成及び動作を説明する。回転慣性質量ダンパは、例えば、免震部材として免震構造物に用いられる。
[第1実施形態]
本発明の回転慣性質量ダンパの第1実施形態を採用した免震構造の構成を図1〜図4を用いて説明する。図1、2は本発明の回転慣性質量ダンパの第1実施形態を採用した免震構造を示す立断面図、図3、4は図1、2に示す回転慣性質量ダンパの第1実施形態を採用した免震構造を示す平面図である。
図1に示すように、第1実施形態を採用した免震構造では、免震部2が積層ゴム等の地震時に免震部2の応答を低減させる免震装置(図示しない)を介して非免震部3に支持されている。第1の回転慣性質量ダンパ1Aおよび第2の回転慣性質量ダンパ1Bはそれぞれ、免震部2に固定されるペデスタル4Aおよび非免震部3に固定されるペデスタル4Bに固定され、第1の回転慣性質量ダンパ1Aの構成要素であるスライダ8と第2の回転慣性質量ダンパ1Bの構成要素であるスライダ8とが接続される。第1の回転慣性質量ダンパ1Aと第2の回転慣性質量ダンパ1Bは、図2に示す平面配置のように、直交して配置される。
次に、本発明の回転慣性質量ダンパの第1実施形態の詳細な構成を図5〜図13を用いて説明する。図5、6は本発明の回転慣性質量ダンパの第1実施形態を示す平面図である。図7、8、9は回転慣性質量ダンパを図5に示すI‐I’矢視〜III‐III’矢視から見た立断面図である。図10、11は回転慣性質量ダンパを図7に示すI‐I’矢視、II‐II’矢視から見た立断面図である。図12、13は回転慣性質量ダンパを図7に示すIII‐III’矢視、IV‐IV’矢視から見た平面断面図である。
図5に示すように、回転慣性質量ダンパ1は、ボールねじ軸5(ねじ軸)と、ボールねじ軸5の少なくとも一方の端部に固定された錘9と、ボールねじ軸5を支持する軸受6A、6Bと、地震荷重の作用点であり、ボールねじ軸5の軸方向に移動可能なスライダ8と、U字型の断面で軸受6Aと軸受6B間をボールねじ軸5と平行にスライダ8の側面に沿って配置され、下面が免震部2あるいは非免震部3に固定されるガイドレール10と、ボールねじ軸5の軸方向に移動可能で、側面をガイドレール10に支持されスライダ8と軸受6Aとの間に設置されるスタビライザ12Aおよびスライダ8と軸受6Bとの間に配置されるスタビライザ12Bと、ボールねじ軸5と平行に配置されスタビライザ12Aとスタビライザ12Bとを接続するロッド13とを備えている。
さらに、図7、図8、図10、図12に示すとおり、スライダ8は、軸方向にボールねじ軸5が貫通する孔(ねじ孔SH)と、ロッド13が貫通する孔H13を有しており、また、図13に示すとおり、ボールねじ軸5とスライダ8との間に介在するボール7、スライダ8とガイドレール10との間に介在するガイド用ボール11とを備える。スライダ8内部にはボール7、ガイド用ボール11がスライダ8の動作に伴い供給され続けるよう格納される戻りループ孔をそれぞれに備えている。
換言すれば、スライダ8は、図5に示すように、軸受6A(第1軸受)と軸受6B(第2軸受)の間に配置され、図7に示すように、ボールねじ軸5(ねじ軸)を貫通するねじ孔SHを有する。ボール7(第1ボール)は、ねじ孔SHの内周面とボールねじ軸5の間に配置される。
ガイドレール10は、スタビライザ12A(第1スタビライザ)、スライダ8、及びスタビライザ12B(第2スタビライザ)をボールねじ軸5(ねじ軸)の軸方向にガイドし、ボールねじ軸5に直交する方向のスライダ8の変位を拘束する。
ここで、ガイド用ボール11に接するガイドレール10の鉛直面には、ボールねじ軸5に平行かつガイド用ボール11が転がる溝が形成されることが望ましい。これにより、スタビライザ12A(第1スタビライザ)、スライダ8、及びスタビライザ12B(第2スタビライザ)の鉛直方向の位置(高さ)を決めることができるとともに、回転を拘束することができる。なお、この溝は、ガイドレール10の鉛直面の鉛直下側に形成するとよい。これにより、ガイドレール10の鉛直面の曲げ変形を抑制することができる。
ガイド用ボール11(第2ボール)は、図7に示すように、スライダ8とガイドレール10の間に配置される。詳細には、ガイド用ボール11(第2ボール)は、水平方向に対向するスライダ8の面とガイドレール10の面の間に配置される。なお、ガイド用ボール11は、例えば、スライダ8を分割して戻りループ孔に装填することにより保持されるが、ボールリテーナを用いて保持されてもよい。
図9に示すとおり、スタビライザ12Bは、軸方向にボールねじ軸5が貫通する孔H5を有し、スタビライザ12Bとガイドレール10との間に介在するガイド用ボール11とを備えている。また、スタビライザ12Bは、ガイド用ボール11がスタビライザ12Bの動作に伴い供給され続けるよう格納される戻りループ孔を備えている。
換言すれば、スタビライザ12B(第2スタビライザ)は、図5に示すように、軸受6B(第2軸受)とスライダ8の間に配置され、図9に示すように、ボールねじ軸5(ねじ軸)を貫通する孔H5を有する。ガイド用ボール11(第4ボール)は、スタビライザ12B(第2スタビライザ)とガイドレール10の間に配置される。これにより、ボールねじ軸5に直交する方向のスタビライザ12Bの変位を拘束することができ、スタビライザ12B及びガイドレール10の表面の損傷を抑制することができる。
なお、スタビライザ12A(第1スタビライザ)の構成は、スタビライザ12Bと同様である。ガイド用ボール11(第3ボール)は、スタビライザ12A(第1スタビライザ)とガイドレール10の間に配置される。
次に、以上のように構成された回転慣性質量ダンパの動作について説明する。回転慣性質量ダンパ1は、図6に示すとおり、地震時にはスライダ8に地震荷重が入力されることでボールねじ軸5の軸方向に動作(変位)する。その際、図10に示すとおり、ボールねじ軸5に切られた溝と、それに対向するスライダ8側で切られた溝との間に介在するボール7により荷重が伝達され、スライダ8の移動に伴ってボールねじ軸5が回転する。そのボールねじ軸5の回転に伴って、錘9が回転することで、式(2)に示した慣性抵抗力を生じる。
ここで、免震部2と非免震部3の相対変位が大きい免震構造へ対応するためボールねじ軸5を長くする場合には(3)式に示す荷重作用点間距離lが大きくなることでボールねじ軸5の座屈発生荷重が低下し、座屈しやすい状態となる。また、設計検討レベルの地震動を超える過大な地震動が作用した場合には(3)式に示す座屈発生荷重Pkを上回る地震荷重が入力されることで、ボールねじ軸5が座屈する懸念がある。
また、図13に示すとおり、スライダ8の軸直交方向はガイド用ボール11を介して、ガイドレール10に拘束されているので、ボールねじ軸5の軸方向と直交する方向の地震荷重によるボールねじ軸5の曲げ変形を防ぐことができる。
さらに、第1実施形態に示す回転慣性質量ダンパでは、図6に示すように、スライダ8が、例えば、紙面右側に大きく移動した場合には、スタビライザ12Bがスライダ8に押されてスライダ8と同じ方向に移動し、スタビライザ12Bとロッド13により連結されているスタビライザ12Aが連動して同じ方向へ移動する。
そのため、スタビライザ12Aを有さない場合には(3)式に示した荷重作用点距離lが軸受6A-スライダ8間の距離D0となるのに対して、スタビライザ12Aを有することで、荷重作用点距離lが軸受6A−スタビライザ12A間の距離D1とスタビライザ12A−スライダ8間の距離D2とに分割され短縮されることで、座屈しにくくなる。
さらに、スタビライザ12Aがスタビライザ12Bと連結されていることで、スライダ8とスタビライザ12Bが接触するレベルの変位が生じた場合にスライダ8の移動に順じて(続いて)スタビライザ12Aが移動し、スライダ8の移動による荷重作用点距離lの増分が、軸受6A−スタビライザ12A間とスタビライザ12A−スライダ8間に分配されており、スタビライザ12Aを、座屈を防ぐための効果的位置へ配置できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ボールねじ軸の座屈を防止することができる。詳細には、本実施形態の回転慣性質量ダンパは、以下の作用効果を奏する。
ボールねじ軸5に作用するスラスト荷重の作用点となるスライダ8と軸受(6A、6B)との間に、ボールねじ軸5の軸方向以外を拘束するスタビライザ(12A、12B)を設けることで、スラスト荷重作用によるボールねじ軸5の座屈による軸方向外(軸方向に垂直な方向)への変形が防止される。
スライダ8とスタビライザ(12A、12B)との間或いは、スタビライザ(12A、12B)と軸受(6A、6B)との間が荷重作用点間距離となり距離が短くなるため、ボールねじ軸5の座屈を防止することができる。また、ボールねじ軸5の座屈耐力が向上するため、ボールねじ軸5を大口径化することなく大変位への対応が可能で高い減衰力を得ることができる。
さらに、スライダ8と軸受6Aとの間に配置されるスタビライザ12Aと、スライダ8と軸受6Bとの間に配置されるスタビライザ12Bとが接続されていることによって、スタビライザ(12A、12B)がスライダ8の動作に追従して移動することで、座屈発生荷重を低下させる効果的な位置へのスタビライザ(12A、12B)の配置が可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の回転慣性質量ダンパの第2実施形態の構成を図14〜図17を用いて説明する。図14、15は本発明の回転慣性質量ダンパの第2実施形態を示す平面図である。図16、17は回転慣性質量ダンパを図14に示すI‐I’矢視〜II‐II’矢視から見た立断面図である。なお、図14〜図17において、図1〜図13と同一符号は同一部品を示すので、再度の説明は省略する。
第1実施形態では、スタビライザ12Aとスタビライザ12Bとの連結にロッド13を用い、スライダ8にロッド13を通すための貫通孔を設けていたが、第2実施形態では、図16に示すとおり、ロッド13を通すための貫通孔を省略している。また、図14に示すとおり、スタビライザ12A、12Bと軸受6A、6Bとをばね14A、14Bとで接続し、スタビライザ12A、12Bとスライダ8とをばね14B、14Cとで接続している。この点が第1実施形態と比較した場合の変更点である。
本発明による回転慣性質量ダンパの第2実施形態の動作時には、図15に示すとおり、スライダ8に地震荷重が作用してスライダ8がボールねじ軸5を移動し、スライダ8と軸受6A、6Bとの間に接続されているばね14A〜14Dが伸縮するとともに、ばね14A〜14Dの伸縮に伴い、スタビライザ12A、12Bが軸受6A、6Bとスライダ8との間で、スタビライザ12A、12Bに接続するばね14A、14Bあるいは、ばね14C,14Dによる張力(弾性力)によって移動する。
特に、ばね14A〜14Dの剛性を等しくした場合には、スタビライザ12A、12Bが、スライダ8の動作に順じて、軸受6A、6Bとスライダ8との中間位置に移動する。そのため、(3)式における荷重作用点距離lを小さくすることができ、スタビライザ12A、12Bを座屈防止のため効果的に配置することが可能となる。
なお、第1の実施形態では、図5に示す状態において地震荷重が入力されると、スライダ8がスタビライザ12に衝突するまで、スタビライザ12は移動しない。これに対し、第2の実施形態では、図14に示す状態において地震荷重が入力されると、スライダ8の移動に追従してスタビライザ12が即時に移動する。
[第3実施形態]
次に、本発明の回転慣性質量ダンパの第3実施形態の構成を、図18を用いて説明する。図18は本発明の回転慣性質量ダンパの第3実施形態を示す平面図である。
第2実施形態では、軸受6A、6Bとスライダ8との間にはスタビライザ12A、12Bがそれぞれ1つずつ配置されていたが、第3実施形態では、軸受6A、6Bとスライダ8との間に複数個のスタビライザが配置される。図18においては軸受6A、6Bとスライダ8との間に2つのスタビライザ12A、12Bないしスタビライザ12C、12Dを配置している。ボールねじ軸5上の軸受6A、6Bとスタビライザ12A〜12Dとスライダ8がばね14A〜14Fを介して接続されている。
換言すれば、回転慣性質量ダンパ1は、軸受6A(第1軸受)、スタビライザ12A、12B(少なくとも1つの第1スタビライザ)、スライダ8、スタビライザ12C、12D(少なくとも1つの第2スタビライザ)、及び軸受6B(第2軸受)を直列に接続する複数のばね(14A〜14F)を備える。
本発明による回転慣性質量ダンパの第3実施形態の動作時には、図18に示すとおり、スライダ8に地震荷重が作用してスライダ8がボールねじ軸5を移動し、軸受6A、6Bとスライダ8との間に接続されているばね14A〜14Fがスタビライザ12A〜12Dの移動に伴って伸縮する。
本発明による回転慣性質量ダンパの第3実施形態によれば、軸受6A、6Bとスライダ8との間に複数個のスタビライザ12A〜12Dが配置され、ばね14A〜14Fの張力によりスライダ8の動作に順じて移動することで、軸受6A、6Bとスライダ8との間の距離をスタビライザの数量に応じて分割することで(3)式に示す荷重作用点距離lを小さくできるため、相対変位が大きい免震構造でのボールねじ軸5の座屈防止に有効である。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
上記第1〜第3実施形態では、ロッド(剛体)又はばね(弾性体)を用いているが、他の接続部材を用いてもよい。
上記第3実施形態では、図18に示すように、スタビライザ(12A〜12D)の数は4個であるが、4個以上であってもよい。
本発明の実施形態は、以下の態様であってもよい。
(1)免震構造を採用した構造体において免震装置を介して上下に配置された免震部と非免震部との間に設置されて、地震時に前記免震部と前記非免震部間で発生する相対振動を低減するための回転慣性質量ダンパであって、
ボールねじ軸と、
前記ボールねじ軸に固定された錘と、
前記ボールねじ軸を支持する軸受と、
前記ボールねじ軸が貫通する孔を有し、前記軸受間を前記ボールねじ軸の軸方向に移動可能で、移動に伴って前記ボールねじ軸を回転させるスライダと、
前記ボールねじ軸と前記スライダとの間に配置され、前記ボールねじ軸および前記スライダに接触状態で配置されるボールと、
前記ボールねじ軸と平行して配置され、下面が前記免震部あるいは前記非免震部に固定され、側面で前記スライダの側面の軸直交方向への変位を拘束し、端部が前記軸受に固定されるガイドレールと、
前記スライダと前記軸受間に配置され、前記ボールねじ軸の軸方向に移動可能で、前記ボールねじ軸が貫通する孔を有しており、側面をガイドレールに支持されることで軸直交方向への変位が拘束されるスタビライザとを
備えることを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
(2)(1)に記載の回転慣性質量ダンパにおいて、
前記スライダと前記軸受との間に配置される第一の前記スタビライザともう一方の軸受と前記スライダとの間に配置される第二の前記スタビライザとを接続するロッドと、
前記ロッドの貫通する孔を有する前記スライダとを
備えることを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
(3)(1)に記載の回転慣性質量ダンパにおいて、
前記スライダと前記スタビライザとの間、前記軸受と前記スタビライザとの間を接続するばねを
備えることを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
(4)(1)ないし(2)に記載の回転慣性質量ダンパにおいて、
前記スライダと前記軸受との間に配置される二つ以上の前記スタビライザと、
前記スライダと前記スタビライザとの間、二つのスタビライザとの間、前記軸受と前記スタビライザとの間を接続するばねとを
備えることを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
1A、1B…回転慣性質量ダンパ
2…免震部
3…非免震部
4A、4B…ペデスタル
5…ボールねじ軸
6A、6B…軸受
7…ボール
8…スライダ
9…錘
10…ガイドレール
11…ガイド用ボール
12A〜12D…スタビライザ
13…ロッド
14、14A〜14F…ばね

Claims (4)

  1. ねじ軸と、
    前記ねじ軸に固定される錘と、
    前記ねじ軸を支持する第1軸受と、
    前記ねじ軸を支持する第2軸受と、
    前記第1軸受と第2軸受の間に配置され、前記ねじ軸を貫通するねじ孔を有するスライダと、
    前記ねじ孔の内周面と前記ねじ軸の間に配置される第1ボールと、
    前記第1軸受と前記スライダの間に配置され、前記ねじ軸を貫通する孔を有する少なくとも1つの第1スタビライザと、
    前記第2軸受と前記スライダの間に配置され、前記ねじ軸を貫通する孔を有する少なくとも1つの第2スタビライザと、
    前記第1スタビライザ、前記スライダ、及び前記第2スタビライザを前記ねじ軸の軸方向にガイドし、前記第1スタビライザ、前記スライダ、及び前記第2スタビライザの前記ねじ軸に直交する方向の変位を拘束するガイドレールと、
    前記第1軸受、前記第1スタビライザ、前記スライダ、前記第2スタビライザ、及び前記第2軸受を直列に接続する複数のばねと、
    を備えることを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
  2. 請求項に記載の回転慣性質量ダンパであって、
    前記スライダと前記ガイドレールの間に配置される第2ボールをさらに備える
    ことを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
  3. 請求項に記載の回転慣性質量ダンパであって、
    前記第2ボールは、
    水平方向に対向する前記スライダの面と前記ガイドレールの面の間に配置される
    ことを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
  4. 請求項に記載の回転慣性質量ダンパであって、
    前記第1スタビライザと前記ガイドレールの間に配置される第3ボールと、
    前記第2スタビライザと前記ガイドレールの間に配置される第4ボールと、をさらに備える
    ことを特徴とする回転慣性質量ダンパ。
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