JP6284718B2 - 即席ソバ米の製造方法 - Google Patents

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本発明は、水を加えて短時間の加熱で食べることができる即席ソバ米とその製造方法に関し、とくに、ソースやカレーのルーなどを添加し、あるいは焼きめし、餃子、シュウマイなどに入れ、あるいは米に代わって使用されて短時間の処理で食べる状態にできる即席ソバ米の製造方法に関する。
ソバ米は、米や麦に比較するとGI値が低いことからダイエット食品として注目されている。ソバ米の調理法として、これを野菜などと一緒にだし汁に入れて炊く雑炊が一般的である。この方法ではソバ米を簡単に調理して食べることができず、また、雑炊以外の食品として美味に食べることができない。この欠点を解消するために、熱湯を加えて速やかに食べる状態にできる即席ソバ米の製造方法が開発されている。(特許文献1参照)
以上の即席ソバ米の製造方法は、果皮を除去したソバの実を、5時間以上と相当に長い時間水に浸漬し、その後水を添加して煮沸し、さらに煮沸したそば米をいったん水切りして冷却し、冷却されたソバの実にさらに水を加えて再び加熱し、最後にソバの実を水冷した後水切りして凍結乾燥する。この製造方法は2回の加熱工程の間でソバの実をいったん冷却し、再加熱の後に水冷し、水切りの後凍結乾燥する。
特開2003−33149号公報
以上の即席ソバ米の製造方法は、ソバの実を2回にわたって加熱し、加熱工程の中間でソバの実を冷却し、さらに最後には凍結乾燥するので、加熱と冷却と凍結乾燥に時間がかかり、さらに加熱したソバの実を冷却した後再び加熱するので加熱に要する熱エネルギが大きく、また凍結乾燥においても相当なエネルギーを必要とするので、加工コストが極めて高くなる欠点がある。
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しかも加熱や凍結乾燥に要するエネルギーコストを削減しながら、速やかに食する状態に調理できる即席ソバ米の製造方法を提供することにある。
また本発明の他の大切な目的は、調理時間を短くするように加工しながら、加工工程における破損を少なくして屑の発生量を少なくして高い歩留まりで効率よく加工できる即席ソバ米の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の請求項に記載する即席ソバ米の製造方法は、α化された澱粉で粒状に保形されて果皮の除去されたソバの実を撹拌しながら水を噴霧して湿潤状態として、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設け、かつソバの実の加圧される被プレス面を非平面状として、この非平面状の被プレス面を含む表面全体に前記破砕痕を設けて、ソバの実の表面全体をランダム凹凸面とする加圧工程とで即席ソバ米を製造する。
本発明の請求項に記載する製造方法は、果皮の除去されないソバの実に水分を添加する状態で加熱してソバの実の澱粉をα化し、α化される澱粉でソバの実を果皮の内部で粒状に成形して保形する保形工程と、保形工程でα化された澱粉で粒状に保形してなるソバの実を湿潤状態として、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設け、かつソバの実の加圧される被プレス面を非平面状として、この非平面状の被プレス面を含む表面全体に前記破砕痕を設けて、ソバの実の表面全体をランダム凹凸面とする加圧工程と、加圧工程で表面全体に破砕痕を設けてをランダム凹凸面としてなるソバの実を乾燥して果皮を除去する殻除去工程とで即席ソバ米を製造する。
以上の方法で製造される即席ソバ米は、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設けており、さらに加圧された被プレス面を非平面状として、この非平面状の被プレス面を含む表面全体に前記破砕痕を設けて、ソバの実の表面全体をランダム凹凸面とするので、実質的な表面積が大きく、また表面全体をランダム凹凸面とするので、調味料やソースなどを速やかに浸透できる。このため、ソースや煮汁を速やかにソバの実に浸透させて美味に食べることができる。とくに、ソバの実表面の被プレス面を平面状とせずに非平面状として、表面全体に無数の破砕痕を設けてランダム凹凸面とするので、ソースや調味料を無数の隙間に浸透させて美味に食べることができる。また、以上の即席ソバ米は、ソバの実を独特の状態で加圧して、表面全体に破砕痕を設け、さらに表面全体をランダム凹凸面とするので、ソースなどを効率よく浸透させるために特別に難しい加工をする必要がなく、美味に食べることができる即席ソバ米を安価に多量生産できる特徴も実現する。
さらに以上の請求項1と、請求項2に記載する製造方法で加工される即席ソバ米は、簡単かつ容易に、しかも加熱や凍結乾燥に要するエネルギーコストを削減しながら、速やかに調理できる特徴がある。それは、以上の即席ソバ米が、α化された澱粉で粒状に保形しているソバの実を、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設け、さらに加圧された被プレス面を非平面状として、この非平面状の被プレス面を含む表面全体に破砕痕を設けてソバの実の表面全体をランダム凹凸面とするからである。特に以上の即席ソバ米は、ソバの実に含まれる澱粉をα化してα化された澱粉で粒状に保形し、この状態で加圧して、ソバの実の表面全体に破砕痕を設けて全体をランダム凹凸面として以上の特徴を実現するので、ソバの実の一部が破損されて多量の屑が発生するのを効果的に阻止できる特徴も実現する。さらに、請求項と請求項の製造方法においては、果皮を除去しない状態でソバの実に水分を添加し加熱して澱粉をα化するので、保形工程においては、ソバの実に含まれる水溶性の澱粉及びたんぱくが水に溶出するのが防止できる特徴も実現する。保形工程ではソバの実を果皮で被覆しているからである。すなわち、請求項1と2の方法は、ソバの実の形状を保持しながらα化して綺麗な粒状に加工でき、さらに、α化された澱粉で粒状に保形されたソバの実を表面を破砕する圧力で加圧して表面全体に無数の破砕痕を設けてランダム凹凸面とするので、表面に無数の破砕痕を設けながら、ソバの実が破損されて発生する粉末状の屑を少なくできる。とくに本発明の即席ソバ米とその製造方法は、α化された澱粉で粒状に保形してソバの実を、表面を破砕する圧力で加圧して破砕痕を表面全体に設けて、ソバの実の表層部の一部を破砕してランダム凹凸面とするので、ソバの実から分離される粉状屑の発生を少なくできる。このため、ソバの実の歩留まりを高くしなから、全表面に無数の破砕痕を設けてあるランダム凹凸面の即席ソバ米に加工できる特徴がある。ソバの実は、強く薄く加圧して、表面に無数の破砕痕を設けるほど、調理に要する時間を短縮できる。破砕痕によってランダム凹凸面の実質的な表面積が大きくなることに加えて、破砕痕によって中心部までの距離が短くなって、水や熱が中心部まで速やかに浸透するからである。ただ、ソバの実は、強く薄く加圧するほど、破損されて発生する屑量が多くなるので、強く薄く加圧するのは難しいが、本発明の即席ソバ米は、α化された澱粉で粒状に保形されるソバの実を、加圧して、全表面に破砕痕を設けるので、無数の破砕痕を設けてランダム凹凸面によって調理時間を短くしながら、粉状屑の発生を少なくして歩留まりを高くできる特徴を実現する。α化された澱粉の結合力が破砕屑の発生を少なくするからである。
とくに、請求項1と2の製造方法は、果皮を除去しない状態でソバの実の澱粉をα化して、α化された澱粉の結合力でもってソバの実を粒状に保形する、すなわち、果皮の内部で澱粉をα化させてソバの実を粒状に成形するので、果皮がソバの実を粒状に成形する容器の作用をする。すなわち、保形工程において、果皮の内部でソバの実は綺麗な粒状に保持され、さらにこの形状のソバの実がα化された澱粉の結合作用でもって型くずれしないように保形される。α化された澱粉の結合力で粒状に保形されるソバの実は、果皮を除去する工程で粒状に保持され、さらに加圧工程では加圧して表面に破砕痕を設けるので、加圧工程においても、ソバの実から分離して粉状の屑となることがない。このため、ソバの実の表面に無数の破砕痕を設けて食べるときの調理時間を短くしながら、粉状屑の発生量を極めて少なくして、より効率よく即席ソバ米として加工される。
本発明の即席ソバ米の製造方法は、加圧工程において、ソバの実を2個のローラの間に通過させて加圧することができる。この方法は、能率よくソバの実を加圧できる特徴がある。
本発明の即席ソバ米の製造方法は、加圧工程において、ソバの実の厚さを0.5mm以上であって2mm以下に押し潰すことができる。
本発明の実施例にかかる即席ソバ米とソバ米の拡大写真である。 ソバ米を正面から見た拡大写真である。 押し麦の拡大写真である。 本発明の実施例にかかる即席ソバ米の製造工程を示す工程図である。 本発明の他の実施例にかかる即席ソバ米の製造工程を示す工程図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための即席ソバ米の製造方法を例示するものであって、本発明は即席ソバ米の製造方法を以下の方法には特定しない。
図1と図2は本発明の実施例にかかる即席ソバ米と、加圧しないソバ米の拡大写真である。図1は上側に本発明の即席ソバ米を、下側に澱粉をα化させて加圧されないソバ米を示し、図2は図1に示す即席ソバ米を正面から見た拡大写真である。図1の上側の拡大写真に示す即席ソバ米は、紙面と平行な面を被プレス面としている。
図1の上側の拡大写真に示す即席ソバ米は、果皮を除去して含有する澱粉をα化させて、α化された澱粉でもって粒状に保形されたソバの実を、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設けている。さらにこの即席ソバ米は、加圧された被プレス面を非平面状として、この非平面状である被プレス面を含む表面全体に破砕痕を設けて、ソバの実の表面全体をランダム凹凸面としている。
参考として、図3に押し麦の拡大写真を示す。押し麦は、対向する両面にある被プレス面を平面状とする小判形であって、外周縁を楕円形とし、あるいは外周縁にわずかに割れ目を設けた形状とする。本発明の即席ソバ米は、図1の上側と図2の拡大写真に示すように、押し麦とは全く異なる形状であって、被プレス面を非平面状として、表面全体に破砕痕を設けてランダム凹凸面としている。
以上の即席ソバ米は、図4と図5に示す工程で製造される。図4の製造方法は、保形工程でソバの実を粒状に保形した後、殻除去工程でソバの実の果皮を除去し、その後加圧工程でソバの実を加圧して表面全体をランダム凹凸面の即席ソバ米とする。図5の製造方法は、保形工程でソバの実を粒状に保形した後、加圧工程でソバの実を加圧した後、殻除去工程で果皮を除去する。
図4と図5において、保形工程と加圧工程と殻除去工程は、以下のようにソバの実を加工する。
[保形工程]
この工程は、ソバの実の果皮を除去することなく、これに水分を添加して加熱して澱粉をα化する。澱粉は、水分を含む状態で加熱されてα化される。α化された澱粉は、その結合力でソバの実を果皮の内部で粒状に成形して型くずれしないように保形する。保形工程は、ソバの実は果皮を除去しない状態で澱粉をα化するので、α化される工程で、果皮はソバの実を粒状に保持し、α化された澱粉がソバの実を粒状に保形する。保形工程は、ソバの実に水を加えて炊飯器で炊いて澱粉をα化する。この方法は、容積比でソバの実の1.5倍の水を添加して炊飯器で炊いて澱粉をα化する。ソバの実に添加する水の量は、炊かれた状態におけるソバの実の硬さを特定する。添加する水量を少なくして炊いたソバの実は硬くなり、反対に多量の水を添加して炊いたソバの実は柔らかくなる。したがって、ソバの実に添加する水量は、たとえば、容積比でソバの実の1倍ないし3倍の範囲で、最適な硬さになる量に調整される。さらに、保形工程は、果皮の除去されないソバの実を水に浸漬した後、水切りし、これを多孔板や網材の上に載せ、水蒸気で蒸して澱粉をα化することもできる。この方法は、ソバの実を1時間以上水に浸漬した後、これを水蒸気で蒸して澱粉をα化する。
[殻除去工程]
この工程は、α化された澱粉で粒状に保形されるソバの実から果皮を除去する。この工程は、たとえば、2個のローラの間にソバの実を通過させて果皮とソバの実とを分離する。ソバの実から分離された果皮は、空気で吹き飛ばしてソバの実から分離される。ソバの実から分離された果皮は薄くて風で飛びやすく、α化された澱粉で保形されるソバの実は粒状で風で飛び難い。したがって、果皮と粒状のソバの実が混在して落下する部分に、水平方向に送風すると、軽い果皮は風で水平方向に吹き飛ばされ、ソバの実はほぼ真下に落下して果皮から分離される。
[加圧工程]
この工程は、果皮の除去されたソバの実に水を添加して湿潤状態として、2個のローラの間に通過させて加圧する。ソバの実は、湿潤状態で加圧することで、全体が破戒されて粉状の屑に粉砕されるのを防止できる。湿潤状態で加圧されるソバの実は、表面を破砕して無数の破砕痕を表面全体に発生させる。また、ソバの実を湿潤状態で加圧して加圧した後に乾燥することで、加圧された被プレス面は非平面状となり、また非平面状の被プレス面を含む表面全体には破砕痕が設けられて、表面全体をランダム凹凸面とすることができる。
加圧工程において、ソバの実は非加熱状態で押し潰される。すなわち、加熱されないローラで加圧され、また湿潤状態とするソバの実を加熱することなく加圧する。ただ、湿潤状態のソバの実を30℃〜80℃に加温して加圧することもでき、また、湿潤状態のソバの実を加熱されたローラで加圧することもできる。
ソバの実を湿潤状態とするには、果皮の除去されたソバの実を水に浸漬した後水切りし、あるいはソバの実を撹拌しながら、水を霧状に吹き付ける。水に浸漬する方法は、10分〜30分ソバの実を水に浸漬した後、網材の上に10分〜20分載せて水切りする。この方法は、ソバの実を浸漬する水を30℃〜50℃に加温することで、浸漬時間を短くできる。たとえば50℃に加温された水にソバの実を浸漬する方法は、浸漬時間を5分〜15分と短くし、その後水切りして湿潤状態にできる。
保形工程で澱粉をα化した後、果皮を除去することなくソバの実を加圧し、加圧した後果皮を除去する方法は、保形工程を完了した状態で、ソバの実は湿潤状態となる。したがって、この方法は、保形工程の後、ソバの実を乾燥することなく未乾燥状態として、ソバの実を湿潤状態にできる。このため、この方法は、保形工程の後、ソバの実を乾燥することなく加圧工程で加圧することができる。この方法は、加圧工程で加圧されたソバの実を乾燥した後、殻除去工程で果皮を除去する。果皮を除去することなく加圧工程で加圧されたソバの実は、次の殻除去工程で簡単に果皮を除去できる。加圧工程で果皮が破損されて、ソバの実から分離されやすくなるからである。
2個のローラの間に湿潤状態のソバの実を通過させて加圧する加圧工程は、ローラの間隔で加圧する圧力と厚さとを調整できる。ローラの間隔を狭くして、ソバの実を薄く加圧し、ローラの間隔を広くして加圧されるソバの実を厚くできる。ローラの間隔は、約1.5mmに設定される。ただ、ローラの間隔は、0.5mm以上であって2mm以下、好ましくは1mm以上であって2mm以下とすることもできる。ローラの間隔を狭くして、製造される即席ソバ米の調理時間を短くできる。即席ソバ米の中心部まで速やかに水分と熱を浸透できるからである。ただ、即席ソバ米は、厚さで食感が変化するので、薄すぎる即席ソバ米は、全ての用途において必ずしも最適な食感にならない。したがつて、ソバの実を加圧する厚さは、即席ソバ米の用途を考慮して0.5mm以上であって2mm以下の範囲で最適な厚さに設定される。
加圧されるソバの実は、湿潤状態における水分率と、2個のローラの間隔、すなわちソバの実を加圧する圧力とを調整して、ソバの実の表面全体に無数の破砕痕を設けて、ランダム凹凸面とする。たとえば、ソバの実の水分率を50%とし、ローラの間隔を1.5mm以下として、ソバの実の表面全体に破砕痕を設けて、ランダム凹凸面とすることができる。ソバの実は、水分率をさらに低くし、また、よりローラ間隔を狭くすして、破砕痕を多くできる。
2個のローラでソバの実を加圧する加圧工程は、表面に無数の凹凸のあるローラを使用し、あるいは表面が弾性変形するローラを使用して加圧することができる。表面に無数の凹凸のあるローラは、ソバの実を滑らず隙間に案内して、効率よく加圧できる。また、ローラ表面の凹凸が、ソバの実の被プレス面を凹凸状とするので、破砕痕でランダム凹凸面となるソバの実の被プレス面は、さらに凹凸が大きくなって実質的な表面積をより大きくできる。ただ、ローラは表面を平滑面としてソバの実を加圧することもできる。平滑なローラで加圧されるソバの実は、表面全体にできる破砕痕によってランダム凹凸面となる。
弾性変形するローラで加圧されるソバの実は、厚さがより不均一となる。すなわち、このローラは、ローラ間隔のみで即席ソバ米の厚さが特定されない。加圧された即席ソバ米の厚さが、ローラの間隔と弾性率の両方で特定されるからである。弾性変形するローラは、表面を硬くしてローラ間隔を狭くすると、加圧されるソバの実は薄くなり、ローラ表面を柔らかくして変形しやすくし、ローラ間隔を広くすると加圧されるソバの実は厚くなる。したがって、この方法は、ローラ表面の弾性係数と間隔を調整して、ソバの実の厚さを調整する。この方法は、全てのソバの実を、一定の厚さには加圧することなく、所定の範囲で種々の厚さの即席ソバ米を製造できる。したがって、この方法は、厚さを均一とする即席ソバ米と異なる食感となるので、たとえば、餃子の具に使用する等の用途によっては、優れた食感にできる特徴がある。
2個のローラの間にソバの実を通過させて押し潰す加圧工程は、ソバの実を連続的に所定の厚さに押し潰すことができるので、能率よく加工できる特徴がある。ただ、本発明の製造方法は、加圧工程においては、必ずしも2個のローラの間にソバの実を通過させて加圧する方法には特定しない。たとえば、一対のプレート間にソバの実を供給して、一対のプレートでソバの実を加圧することもでき、また、ベルトコンベアの上方にローラを配置して、ベルトコンベアとローラとでソバの実を加圧することもできる。この方法は、ローラの下方を通過するベルトの下面にはプレートを配置して、ローラで加圧されるソバの実によってベルトが押し下げられないようにする。この方法は、ベルトとローラとの間隔で加圧されるソバの実の厚さをコントロールできる。
[実施例1]
以下の工程でソバの実から即席ソバ米を製造する。
[保形工程]
果皮を除去しないソバの実1リットルに対して水1.5リットルを添加し、これを炊飯器で炊飯して、ソバの実の澱粉をα化して、α化される澱粉でソバの実を果皮の内部で粒状に保形する。
[殻除去工程]
澱粉のα化されたソバの実を乾燥し、2個のローラの間にソバの実を通過させて果皮をソバの実から分離する。2個のローラには表面に無数の凹凸がある金属ローラを使用する。2個のローラは互いに反対方向に回転されて、ローラ間に供給されるソバの実から果皮を剥離する。ソバの実から剥離された果皮と、果皮の除去されたソバの実は一緒に混合さされる状態でローラ間から落下する。ソバの実と果皮が混合されて落下部分に、水平方向に空気を送風して、軽い果皮を吹き飛ばして果皮の除去されたソバの実を分離する。
[加圧工程]
果皮の除去されたソバの実を撹拌しながら水を噴霧してソバの実を水分率を50%とする湿潤状態とする。湿潤状態のソバの実を2個のローラの間に通過させて加圧する。ローラには直径を20cm、表面を平滑面とする金属ローラを使用し、ローラの間隔を約1.5mmとする。一対のローラは、対向する隙間に供給されるソバの実を下方に移送する方向にモータで回転する。ローラの回転速度は、60rpmのとする。その後、ソバの実を乾燥して即席ソバ米とする。
以上の工程で加工された即席ソバ米の拡大写真を図1の上側と図2に示している。この即席ソバ米は、加圧されて表面が破砕され、無数の破砕痕を表面全体に発生させる。さらに加圧された被プレス面は非平面状となり、非平面状の被プレス面を含む表面全体に破砕痕が設けられて、表面全体をランダム凹凸面としている。以上の即席ソバ米は、熱湯にわずか1分間浸漬することで、柔軟な状態となって、美味な食感で食べることができる。
[実施例2]
[保形工程]
果皮を除去しないソバの実を、ソバの実の5倍の水と一緒に釜に入れて炊いて澱粉をα化した後、水切りして、α化する澱粉でソバの実を果皮の内部で粒状に保形する。
[加圧工程]
澱粉をα化したソバの実を乾燥させることなく未乾燥状態で水分率を50%とする湿潤状態とし、このソバの実を実施例1と同様の方法で押し潰す。
[殻除去工程]
加圧工程で押し潰されたソバの実を乾燥させた後、実施例1と同じ方法で果皮を除去する。
以上の方法で製造された即席ソバ米は、実施例1との即席ソバ米と同じように、熱湯にわずか1分間浸漬して柔軟な状態となり、美味な食感で食べることができる。
本発明の即席ソバ米は、短時間の処理で美味に食べることができ、しかもソースやカレーのルーなどを添加し、あるいは焼きめし、餃子、シュウマイなどに入れ、あるいは米に代わって美味に食べることができる。

Claims (3)

  1. α化された澱粉で粒状に保形されて果皮の除去されたソバの実を撹拌しながら水を噴霧して湿潤状態として、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設け、かつソバの実の加圧される被プレス面を非平面状として、この非平面状の被プレス面を含む表面全体に前記破砕痕を設けて、ソバの実の表面全体をランダム凹凸面とする加圧工程で処理することを特徴とする即席ソバ米の製造方法。
  2. 果皮の除去されないソバの実に水分を添加する状態で加熱してソバの実の澱粉をα化し、α化される澱粉でソバの実を果皮の内部で粒状に成形して保形する保形工程と、
    前記保形工程でα化された澱粉で粒状に保形してなるソバの実を湿潤状態とし、表面を破砕する圧力で加圧して無数の破砕痕を表面全体に設け、かつソバの実の加圧される被プレス面を非平面状として、この非平面状の被プレス面を含む表面全体に前記破砕痕を設けて、ソバの実の表面全体をランダム凹凸面とする加圧工程と、
    前記加圧工程で表面全体をランダム凹凸面としたソバの実の果皮を除去する殻除去工程とからなる即席ソバ米の製造方法。
  3. 前記加圧工程において、前記ソバの実を2個のローラの間に通過させて加圧する請求項1又は2に記載される即席ソバ米の製造方法。
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