JP4195069B2 - スナック菓子および食品の製造方法、スナック菓子、食品 - Google Patents
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Description
一方、将来的には世界規模で高齢化社会となることを考えると、健康志向は今後一層高まるため、スナック菓子としても健康を意識した商品が求められることになる。ポテトチップスは油分が多いため、「健康に良い」というイメージはあまりない。これに対してパンは、世界各国で食習慣があり、世界規模で人々に定着している食品であって、ライ麦や全粒粉を使用したり野菜を練り込んだりすることで、「健康に良い」というイメージを持たせることができる。
なお、本発明の方法に最も近い従来技術としては、下記の特許文献1に記載された方法が挙げられる。この公報に記載の方法は、小麦粉、コーンフラワー、馬鈴薯澱粉から選択された1種または2種以上の原料と水を混合し、これをアルファ化した後に圧延してシート状物とし、このシート状物を型抜きして小片を作製し、この小片を乾燥した後、相互に嵌合する凹凸の金型で挟んで成型小片を作製し、この成型小片を乾燥した後、加熱して膨化する方法である。この方法により、従来は困難とされていた立体形状のチップ状スナック菓子が得られると、下記の特許文献1に記載されている。
本発明の目的の一つは、パンを素材とした菓子としてラスクおよびラスクの応用品以外の菓子を提供することにある。
本発明はまた、本発明の方法で製造されたスナック菓子および食品を提供する。なお、「スナック菓子風食品」は、菓子(常食の他に食する嗜好品)に分類されない食品であって、本発明の方法でスナック菓子に適した食感および形状に製造された食品を指す。
前記第1および第2の方法において、前記加圧面としては、平面であるものまたは曲面であるものが使用できる。
前記加圧面として平面を用い、前記第2の方法で製造された加工品は、ほぼ平板状に形成される。
前記加圧面として曲面を用い、前記第1の方法で製造された加工品は、曲面に応じた形状であって外縁部がカールした形状となる。特に、前記加圧面として湾曲面(弓状曲面)を用いた場合には、弓形をなす円弧の開口端同士が近づくようにカールした形状となり、このカールが極端な場合には、スティック状の加工品が得られることもある。
前記加圧面として曲面を用い、前記第2の方法で製造された加工品は、ほぼ前記曲面に沿った形状となる。
前記方法で使用する素材は、パンを粉砕したものであり、より具体的な形態としては、パンの茶色に焼かれた外皮(いわゆる「耳」)を粉砕したものが挙げられる。
また、前記方法で使用するパンには、食パン、フランスパン、ロールパン、ナン、菓子パン、その他の「パン」に分類される全てのパンが含まれる。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態として、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図1および図2を用いて説明する。
次に、図1(a)に示すように、上述の粒状体からなる素材10をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aに、上述の粒状体からなる素材10を所定量載せる。
次に、図1(e)に示すように、この板状体10Aを取り出して、熱風乾燥機3に入れ、所定温度で所定時間保持することにより、板状体10Aの水分含有率が例えば5.9質量%以下となるまで熱風乾燥する。これにより、例えば図2に示すような、楕円板の外縁部がカールした形状の加工品が得られる。そして、この加工品に味付け等を行うことにより、スナック菓子を完成させる。
この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
本発明の第2実施形態として、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図3および図4を用いて説明する。
先ず、市販の食パンの耳を、粒径が例えば2〜5mm程度となるように粉砕機で粉砕して、多数の粒状体を得る。この粒状体の水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したものを素材として使用する。この粒状体の水分含有率が10質量%以上であれば、そのまま素材として使用する。
所定時間経過後、図3(c)に示すように、上側部材22を上昇させて加圧を止める。この状態で素材は、多数の粒状体が結合されて略楕円の板状体10Aとなっている。これにより、例えば図4に示すような、略楕円で平板状の加工品が得られる。そして、この加工品に味付け等を行うことにより、スナック菓子を完成させる。
また、この加工品の水分含有率は5.5質量%であり、厚さは1.3mmであった。そして、この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
本発明の第3実施形態として、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図5および図6を用いて説明する。
次に、図5(a)に示すように、上述の粒状体からなる素材10をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面に、弓状の凹面21bが所定間隔で形成され、鉄鋼製の上側部材22の下面に、前記凹面21bに対応する凸面22bが形成されている。これらの凹面21bおよび凸面22bが、対をなす湾曲した加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の凹面21bに、上述の粒状体からなる素材10を所定量載せる。
また、この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
本発明の第4実施形態として、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図7および図8を用いて説明する。
先ず、市販の食パンの耳を、粒径が例えば2〜5mm程度となるように粉砕機で粉砕して、多数の粒状体を得る。この粒状体の水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したものを素材として使用する。この粒状体の水分含有率が10質量%以上であれば、そのまま素材として使用する。
この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
また、図8に示すような形状の加工品は、容器内に重ね合わせて入れることが可能となるため、容器内に密に詰めることができるとともに、食べるときに取り出し易いという利点がある。
上記各実施形態の方法で作製された各加工品に味付けを行って得られたスナック菓子(試作品)と、市販のラスクを食べ比べてもらって、食感等についてのアンケートを行ったところ、以下の結果が得られた。
どちらの食感が良いか→ラスク:0人、試作品:16人
どちらの商品を買いたいか→ラスク:5人、試作品:11人
どちらを更に食べたいか→ラスク:3人、試作品:13人
どちらの方がスナック菓子らしいか→ラスク:0人、試作品:16人
上記結果から、ラスクと試作品を比べる、試作品の方が評価が高く、試作品はスナック菓子として認めてもらえることが分かった。
10A 板状体
11 板状体の凹面
12 板状体の凸面
2 プレス装置
21 下側部材
21a 下側部材の上面
21b 凹面
22 上側部材
22a 上側部材の下面
22b 凸面
3 熱風乾燥機
Claims (10)
- パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したもの、パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%以上であれば、パンを粉砕したものそのままからなる素材を、対をなす加圧面間に入れて加圧しながら加熱する加圧加熱工程を、水分含有率が6.0質量%以上で素材よりも少ない値となるまで行った後、加圧しないで乾燥させる工程を行って、外縁部がカールした形状のポテトチップスの食感を有する加工品を得ることを特徴とするスナック菓子の製造方法。
- パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したもの、パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%以上であれば、パンを粉砕したものそのままからなる素材を、対をなす加圧面間に入れて加圧しながら加熱することにより、厚さが1.0mm以上5.0mm以下で、水分含有率が1.0質量%以上5.9質量%以下の加工品を得る工程を有することを特徴とするスナック菓子の製造方法。
- 前記加圧面は平面である請求項1または2に記載のスナック菓子の製造方法。
- 前記加圧面は曲面である請求項1または2に記載の記載のスナック菓子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造されたスナック菓子。
- パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したもの、パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%以上であれば、パンを粉砕したものそのままからなる素材を、対をなす加圧面間に入れて加圧しながら加熱する加圧加熱工程を、水分含有率が6.0質量%以上で素材よりも少ない値となるまで行った後、加圧しないで乾燥させる工程を行って、外縁部がカールした形状のポテトチップスの食感を有する加工品を得ることを特徴とする食品の製造方法。
- パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したもの、パンを粉砕したものの水分含有率が10質量%以上であれば、パンを粉砕したものそのままからなる素材を、対をなす加圧面間に入れて加圧しながら加熱することにより、厚さが1.0mm以上5.0mm以下で、水分含有率が1.0質量%以上5.9質量%以下の加工品を得る工程を有することを特徴とする食品の製造方法。
- 前記加圧面は平面である請求項6または7に記載の食品の製造方法。
- 前記加圧面は曲面である請求項6または7に記載の記載の食品の製造方法。
- 請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法で製造された食品。
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