JP4195068B2 - スナック菓子、食品 - Google Patents
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Description
一方、将来的には世界規模で高齢化社会となることを考えると、健康志向は今後一層高まるため、スナック菓子としても健康を意識した商品が求められることになる。ポテトチップスは油分が多いため、「健康に良い」というイメージはあまりない。これに対してパンは、世界各国で食習慣があり、世界規模で人々に定着している食品であって、ライ麦や全粒粉を使用したり野菜を練り込んだりすることで、「健康に良い」というイメージを持たせることができる。
なお、本発明の方法に最も近い従来技術としては、下記の特許文献1に記載された方法が挙げられる。この公報に記載の方法は、小麦粉、コーンフラワー、馬鈴薯澱粉から選択された1種または2種以上の原料と水を混合し、これをアルファ化した後に圧延してシート状物とし、このシート状物を型抜きして小片を作製し、この小片を乾燥した後、相互に嵌合する凹凸の金型で挟んで成型小片を作製し、この成型小片を乾燥した後、加熱して膨化する方法である。この方法により、従来は困難とされていた立体形状のチップ状スナック菓子が得られると、下記の特許文献1に記載されている。
本発明の目的の一つは、パンを素材とした菓子としてラスクおよびラスクの応用品以外の菓子を提供することにある。
この方法によれば、前記加圧加熱工程により、前記加圧面に対応する面形状の板状体からなり、水分含有率が素材よりも少ない加工品(味付け前のスナック菓子)が得られる。そして、前記加圧加熱工程で、例えば、水分含有率が20〜40質量%である素材を、例えば、素材の厚さの15%以上70%以下であって1.0mm以上5.0mm以下の厚さとなるまで加圧することにより、水分含有率が例えば1.0質量%以上5.9質量%以下の加工品が得られる。この加工品の食感はポテトチップスに近いものとなる。
前記第1および第2の方法における加圧面による加圧には、対をなすローラによる圧延は含まれない。すなわち、前記第1および第2の方法における加圧加熱工程は、両加圧面が一度に素材の全面と接触するいわゆるプレス成形工程に相当する。
前記加圧面として平面を用い、前記第1の方法で製造された加工品は、少なくとも外縁部がカールした形状となる。
前記加圧面として平面を用い、前記第2の方法で製造された加工品は、ほぼ平板状に形成される。
前記加圧面として曲面を用い、前記第1の方法で製造された加工品は、曲面に応じた形状であって外縁部がカールした形状となる。特に、前記加圧面として湾曲面(弓状曲面)を用いた場合には、弓形をなす円弧の開口端同士が近づくようにカールした形状となり、このカールが極端な場合には、スティック状の加工品が得られることもある。
前記加圧面として曲面を用い、前記第2の方法で製造された加工品は、ほぼ前記曲面に沿った形状となる。
前記第3の方法によれば、例えば厚さが5mm以上のパンを、ローラ間隔を例えば2.0mm以下(より好ましくは1.0mm以下)として圧延することで、パンは少なくとも外縁部がカールした形状となり、その後の加熱により水分含有率が素材よりも少ない所定値とされる。
なお、前記第3の方法においては、水分含有率が20.0質量%以上の食パンを5mm以上の厚さに切り出したものを、ロール間隔を1mm以下として圧延した後に、水分含有率が5.0質量%以下となるまで加熱することにより、食感がポテトチップスに近い加工品が得られる。
前記第1乃至第3の方法によれば、前記素材としてパンを使用することにより、「パンを素材として用いながら、食感がポテトチップスに近いスナック菓子」を得ることができる。このスナック菓子は、ポテトチップスと違って油で揚げなくてもよいため、健康志向の現代に好適である。
また、前記方法で素材として使用するパンには、食パン、フランスパン、ロールパン、ナン、菓子パン、その他の「パン」に分類される全てのパンが含まれる。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮が除去されて1mm以上の厚さに切り出された食パンを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図1および図2を用いて説明する。
次に、図1(a)に示すように、このパン1をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aにパン1を置く。
次に、図1(e)に示すように、このパン1を取り出して、熱風乾燥機3に入れ、所定温度で所定時間保持することにより、パン1の水分含有率が例えば5.9質量%以下となるまで熱風乾燥する。これにより、例えば図2に示すような、外縁部がカールした形状の加工品が得られる。そして、この加工品に味付け等を行うことにより、スナック菓子を完成させる。
また、加圧加熱直後のパンの水分含有率は29.1質量%であり、加圧加熱直後のパンの厚さは1.7mmであり、乾燥後のパン(加工品)の水分含有率は4.5質量%であり、乾燥後のパン(加工品)の厚さは1.7mmであった。そして、この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
本発明の第2実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮が除去されて1mm以上の厚さに切り出された食パンを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図3および図4を用いて説明する。
次に、図3(a)に示すように、このパン1をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aにパン1を置く。
所定時間経過後、図3(c)に示すように、上側部材22を上昇させて加圧を止める。この状態でパン1は、押しつぶされていて、ほぼ平板状の形状となっている。これにより、例えば図4に示すような、ほぼ平板状の加工品が得られる。そして、この加工品に味付け等を行うことにより、スナック菓子を完成させる。
また、この加工品の水分含有率は4.8質量%であり、厚さは1.3mmであった。そして、この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
本発明の第3実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮が除去されて1mm以上の厚さに切り出された食パンを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図5および図6を用いて説明する。
次に、図5(a)に示すように、このパン1をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面に、弓状の凹面21bが所定間隔で形成され、鉄鋼製の上側部材22の下面に、前記凹面21bに対応する凸面22bが形成されている。これらの凹面21bおよび凸面22bが、対をなす湾曲した加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の凹面21bにパン1を置く。
図6に示すようなスティック状の加工品は、容器内に立てて入れることが可能となるため、容器内に密に詰めることができるとともに、食べるときに取り出し易いという利点がある。
本発明の第4実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮が除去されて1mm以上の厚さに切り出された食パンを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図7および図8を用いて説明する。
先ず、市販の食パン(例えば水分含有率が35質量%程度のもの)から、茶色に焼かれた外皮を全てスライサーで除去する。次に、スライサーでこの食パンを切断することにより、例えば50mm×30mm×10mm(厚さ)の白い(耳の無い)パンを得る。
なお、図8に示す加工品は、水分含有率が36.3質量%であり、油分含有率が2.5質量%である、食パン(フジパン(株)製の「本仕込み(商品名)」)から耳を全て除去し、スライサーで50mm×30mm×10mm(厚さ)の形状に切り出したものを素材として用い、前記間隔tを2mmとし、加圧加熱条件を温度130℃、圧力4.9×10-1MPa、保持時間120秒間として得られたものである。
図8に示すような形状の加工品は、容器内に重ね合わせて入れることが可能となるため、容器内に密に詰めることができるとともに、食べるときに取り出し易いという利点がある。
本発明の第5実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮を有するパンを1mm以上の厚さに切り出したものを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図1および図9を用いて説明する。
次に、図1(a)に示すように、このパン1をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aにパン1を置く。
所定時間経過後、図1(c)に示すように、上側部材22を上昇させて加圧を止める。この状態でパン1は押しつぶされて平板状であるが、水分含有率がまだ高いため、或る時間が経過すると、図1(d)に示すように、平板状ではなく、少し曲がった部分を有する形状となる。
この方法で得られる加工品は、耳付きパンを素材として使用しているため、耳を除去したパンを素材としたものよりも、香ばしさの点で優れている。また、加工品の外縁部に耳があることで、加工品の製造時や商品の輸送時に割れる量を少なくできるという利点もある。
本発明の第6実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮を有するパンを1mm以上の厚さに切り出したものを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図3および図10を用いて説明する。
次に、図3(a)に示すように、このパン1をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aにパン1を置く。
なお、図10に示す加工品は、外皮の水分含有率が21.0質量%であり、外皮以外の部分の水分含有率が26.0質量%であり、油分含有率が0.9質量%である、フランスパン(山崎製パン(株)製の「パリジャン(商品名)」)をスライサーで厚さ7.0mmに切り出したものを素材として用い、前記間隔tを2mmとし、加圧加熱条件を温度140℃、圧力4.9×10-1MPa、保持時間120秒間として得られたものである。
この方法で得られる加工品は、耳付きパンを素材として使用しているため、耳を除去したパンを素材としたものよりも、香ばしさの点で優れている。また、加工品の外縁部に耳があることで、加工品の製造時や商品の輸送時に割れる量を少なくできるという利点もある。
本発明の第7実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮を有するパンを1mm以上の厚さに切り出したものを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図5および図11を用いて説明する。
次に、図5(a)に示すように、このパン1をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面に、弓状の凹面21bが所定間隔で形成され、鉄鋼製の上側部材22の下面に、前記凹面21bに対応する凸面22bが形成されている。これらの凹面21bおよび凸面22bが、対をなす湾曲した加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の凹面21bにパン1を置く。
この方法で得られる加工品は、耳付きパンを素材として使用しているため、耳を除去したパンを素材としたものよりも、香ばしさの点で優れている。また、加工品の外縁部に耳があることで、加工品の製造時や商品の輸送時に割れる量を少なくできるという利点もある。
本発明の第8実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮を有するパンを1mm以上の厚さに切り出したものを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図7および図12を用いて説明する。
先ず、市販のフランスパン(例えば、水分含有率が26質量%程度のもの)をスライサーで切断することにより、例えば、断面が長径80mm短径40mmの略楕円であって、厚さが7mm程度の耳付きパンを得る。
なお、図12に示す加工品は、外皮の水分含有率が21.0質量%であり、外皮以外の部分の水分含有率が26.0質量%であり、油分含有率が0.9質量%である、フランスパン(山崎製パン(株)製の「パリジャン(商品名)」)をスライサーで厚さ7.0mmに切り出したものを素材として用い、前記間隔tを2mmとし、加圧加熱条件を温度130℃、圧力4.9×10-1MPa、保持時間120秒間として得られたものである。
この方法で得られる加工品は、耳付きパンを素材として使用しているため、耳を除去したパンを素材としたものよりも、香ばしさの点で優れている。また、加工品の外縁部に耳があることで、加工品の製造時や商品の輸送時に割れる量を少なくできるという利点もある。
さらに、図12に示すような形状の加工品は、容器内に重ね合わせて入れることが可能となるため、容器内に密に詰めることができるとともに、食べるときに取り出し易いという利点がある。
本発明の第9実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図13および図14を用いて説明する。
次に、図13(a)に示すように、上述の粒状体からなる素材10をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aに、上述の粒状体からなる素材10を所定量載せる。
この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
本発明の第10実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす平面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図15および図16を用いて説明する。
次に、図15(a)に示すように、上述の粒状体からなる素材10をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面21aおよび鉄鋼製の上側部材22の下面22aが、対をなす平坦な加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の上面21aに、上述の粒状体からなる素材10を所定量載せる。
所定時間経過後、図15(c)に示すように、上側部材22を上昇させて加圧を止める。この状態で素材は、多数の粒状体が結合されて略楕円の板状体10Aとなっている。これにより、例えば図16に示すような、略楕円で平板状の加工品が得られる。そして、この加工品に味付け等を行うことにより、スナック菓子を完成させる。
また、この加工品の水分含有率は5.5質量%であり、厚さは1.3mmであった。そして、この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
本発明の第11実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば6.0質量%以上であって、素材の水分含有率未満となる値)となるまで、加圧しながら加熱した後、加圧しないで乾燥させる工程を有する(さらに、前記乾燥工程を行うことによって、外縁部がカールした加工品を得る)ことを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図17および図18を用いて説明する。
次に、図17(a)に示すように、上述の粒状体からなる素材10をプレス装置2で加圧加熱加工する。このプレス装置2では、鉄鋼製の下側部材21の上面に、弓状の凹面21bが所定間隔で形成され、鉄鋼製の上側部材22の下面に、前記凹面21bに対応する凸面22bが形成されている。これらの凹面21bおよび凸面22bが、対をなす湾曲した加圧面を構成している。このプレス装置2の下側部材21の凹面21bに、上述の粒状体からなる素材10を所定量載せる。
また、この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
本発明の第12実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、パンの茶色に焼かれた外皮(パンの耳)を粉砕したものを素材とし、この素材を、対をなす湾曲面の加圧面間に入れて、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで、加圧しながら加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図19および図20を用いて説明する。
先ず、市販の食パンの耳を、粒径が例えば2〜5mm程度となるように粉砕機で粉砕して、多数の粒状体を得る。この粒状体の水分含有率が10質量%未満の場合には、水を加えてその水分含有率を10質量%以上に調製したものを素材として使用する。この粒状体の水分含有率が10質量%以上であれば、そのまま素材として使用する。
この方法で得られる加工品は、パンの耳を粉砕したものを素材として使用しているため、捨てられることの多いパンの耳が有効利用できるという利点がある。
また、図20に示すような形状の加工品は、容器内に重ね合わせて入れることが可能となるため、容器内に密に詰めることができるとともに、食べるときに取り出し易いという利点がある。
本発明の第13実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮を有するパンを5mm以上の厚さに切り出したものを素材とし、この素材を(例えばローラ間隔2mm以下で)圧延した後、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について、図21および図22を用いて説明する。
先ず、市販の食パン(例えば水分含有率が35質量%程度のもの)を、スライサーで切断することにより、例えば断面が50mm×30mmの長方形であって、厚さが5mm、10mm、または20mmの耳付きパンを得る。
この麺帯機は、一対のローラ4a,4bと、ローラ間へ圧延する物を導く傾斜板5と、両ローラ4a,4bの下方に配置された受け台6と、を備えている。両ローラ4a,4bは、所定の間隔t(2mm以下)を開けて、水平方向に並んで配置されている。傾斜板5は、圧延する物が一方のローラ4aの側方からこのローラ4aの上部に導かれるように、配置されている。受け台6は、ローラ間を通って落下した圧延物(圧延された物)を受ける台である。
なお、上記と同じ食パンをスライサーで厚さ10mmに切り出したものを素材として用い、上記と同じ条件で圧延および加熱を行ったところ、外縁部がカールした形状の加工品が得られた。この場合、圧延直後のパンの厚さは1.6mmであり、加工品の水分含有率は4.5質量%であり、加工品の厚さは1.9mmであった。そして、この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
厚さが20mmの素材は、ローラ間隔が8mm、5mm、3mmの場合、圧延後に周縁部がカールした形状にならなかった。ローラ間隔が2mmの場合には、圧延直後のパンの厚さは3.4mmであり、上記と同じ条件で加熱して得られた加工品の水分含有率は4.7質量%であり、加工品の厚さは3.7mmであった。この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
本発明の第14実施形態のスナック菓子および、これが得られる方法に相当する、茶色に焼かれた外皮を有するパンを5mm以上の厚さに切り出したものを素材とし、この素材を(例えばローラ間隔2mm以下で)圧延した後、水分含有率が素材よりも少ない所定値(例えば5.9質量%以下)となるまで加熱することを特徴とするスナック菓子の製造方法について説明する。
先ず、市販のロールパン(例えば水分含有率が30質量%程度のもの)を、スライサーで切断することにより、例えば断面が長径55mm短径40mmの略楕円であって、厚さが5mm、10mm、または20mmの耳付きパンを得る。
なお、上記と同じロールパンをスライサーで厚さ10mmに切り出したものを素材として用い、上記と同じ条件で圧延および加熱を行ったところ、外縁部がカールした形状の加工品が得られた。この場合、圧延直後のパンの厚さは1.4mmであり、加工品の水分含有率は4.4質量%であり、加工品の厚さは3.4mmであった。そして、この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
厚さが20mmの素材は、ローラ間隔が3mmの場合、圧延後に周縁部がカールした形状にならなかった。ローラ間隔が2mmの場合には、圧延直後のパンの厚さは2.4mmであり、上記と同じ条件で加熱して得られた加工品の水分含有率は4.5質量%であり、加工品の厚さは3.8mmであった。この加工品の食感はポテトチップスの食感と似ていた。
上記各実施形態の方法で作製された各加工品に味付けを行って得られたスナック菓子(試作品)と、市販のラスクを食べ比べてもらって、食感等についてのアンケートを行ったところ、以下の結果が得られた。
どちらの食感が良いか→ラスク:0人、試作品:16人
どちらの商品を買いたいか→ラスク:5人、試作品:11人
どちらを更に食べたいか→ラスク:3人、試作品:13人
どちらの方がスナック菓子らしいか→ラスク:0人、試作品:16人
上記結果から、ラスクと試作品を比べる、試作品の方が評価が高く、試作品はスナック菓子として認めてもらえることが分かった。
10 粒状体からなる素材
10A 板状体
11 パンの凹面
12 パンの凸面
2 プレス装置
21 下側部材
21a 下側部材の上面
21b 凹面
22 上側部材
22a 上側部材の下面
22b 凸面
3 熱風乾燥機
4a ローラ
4b ローラ
5 傾斜板
6 受け台
Claims (2)
- パンからなり、厚さが1.0mm以上5.0mm以下で、水分含有率が1.0質量%以上5.9質量%以下であり、外縁部がカールした形状のスナック菓子。
- パンからなり、厚さが1.0mm以上5.0mm以下で、水分含有率が1.0質量%以上5.9質量%以下であり、外縁部がカールした形状の食品。
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